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#1
第061回国会 運輸委員会 第9号
昭和四十四年三月二十五日(火曜日)
   午後二時三十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岡本  悟君
    理 事
                金丸 冨夫君
                菅野 儀作君
                谷口 慶吉君
                瀬谷 英行君
    委 員
                佐田 一郎君
                平島 敏夫君
                前田佳都男君
                渡辺一太郎君
                田代富士男君
                三木 忠雄君
                中村 正雄君
                市川 房枝君
   政府委員
       運輸政務次官   村山 達雄君
       運輸省海運局長  澤  雄次君
       運輸省船員局長  高林 康一君
       運輸省航空局長  手塚 良成君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○船舶整備公団法の一部を改正する法律案(内閣
 提出)
○運輸事情等に関する調査
 (宮古島における民間航空訓練飛行場設置に関
 する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岡本悟君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 船舶整備公団法の一部を改正する法律案を議題にいたします。質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○瀬谷英行君 一応、大臣の出席を求めて質問をするという原則、方針にのっとってやりたいと思っておりましたけれども、いろいろ衆議院の状況、あるいは参議院の予算委員会等事情があると思いますので、詳しくは次の二十七日の委員会でまたあらためて質問をすることといたしまして、いままで野党側から質問がなかったようでありますので、若干私のほうから質問をしてみたいと思います。
 内航海運の対策の基本方針として、内航海運対策要綱に基づいて、近代的経済船の整備、過剰船腹の処理、それから内航海運企業の適正規模、こういったような措置を進めてきたということになっておりますが、一体、その実績はどうなっているのか、それから過剰船腹等の実態は一体どうなっておるのか、それらの点についてお伺いをしたいと思います。
#4
○政府委員(澤雄次君) ただいま先生のおっしゃいましたように、昭和四十一年の五月に、閣議決定で、内航海運対策を三カ年計画で推進するということを決定いたしまして、この閣議決定に基づきまして、この三カ年の間に、二十七万三千総トンの船を一挙に解撤しまたは輸出いたしまして、そしてそのかわりに十九万四千トンという新造の合理化された船を船舶整備公団によりまして建造いたしたわけでございます。さらに係船につきましては、三万トン――これは重量トンでございますが、三万重量トンの船を係船いたしまして、これらの措置によりまして、内航船の船腹は、この対策実施当初は非常に過剰船腹で困っておりましたものが、船腹が締まってまいりましたのと同時に、この政策を実施した後、わが国経済が非常に好調に上昇してまいりましたので、内航海運の合理化、近代化というものが著しく促進されまして、また、その船腹の需給関係も非常に改善をしてまいったわけでございます。
#5
○瀬谷英行君 過剰船腹という問題ですね、そのときどきによっていろいろ傾向が出てくると思うのですが、過剰になったり、足りなくなったり、それはそのときの経済情勢と関係があると思う。だから、どういう経済情勢でもって船腹が過剰になり、まあたとえばグラフにしてみれば波があると思うのですがね、その波の動きと経済状態とは非常に関係があると思うのですが、最近の船腹の状況ですね、過剰な状態であるのか不足な状態にあるのか、それから、それと関連する経済の状態はどうなっているのか、これからの見通しは一体どうなのか、その点についてお伺いいたしたいと思います。
#6
○政府委員(澤雄次君) これは国会で御制定いただきました内航海運業法によりまして、運輸大臣は五カ年間の適正船腹量を海運造船合理化審議会に諮問して告示する、そして業界の船腹の調整のための一つの指針にする、こういうことに相なっております。それで、五カ年間の船腹を、これは毎年度毎年度これだけの主要船腹が要るという適正船腹量を告示することに相なっているわけでございますが、この五年間の経済見通しということは、非常に先生のおっしゃるように困難なことでございます。しかし、これは経済企画庁、通産省、農林省等、関係各省とお打ち合わせをいたしまして、そうして五年間の経済見通しをでき得る限り現在のデータでとれる限りの経済見通しを立てまして、そうして五年間の適正船腹量というものを想定して告示をいたしているわけでございます。もちろん、これはそのときどきの経済の波によって異なってまいりますので、この五年間の見通しというものは毎年これを改定をいたして告示をいたしております。タンカーなどにつきましては、これは経済の波だけじゃなしに、もちろん、季節により、冬場は非常に船腹が締まる、船腹の需要が大きくなるし、夏場は船腹が要らなくなるというようなものもございますが、これら年間を通じての平均船腹について適正船腹量というものを告示をいたしております。
#7
○瀬谷英行君 内航海運の船腹需給の状況なんでありますが、最高限度量の設定による船腹の規制の方法というのは今後も続けていくのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#8
○政府委員(澤雄次君) 先ほど御説明、御答弁申し上げましたように、内航海運の船腹量は、その内航海運対策を実施いたしますころに比べましては、だいぶ船腹のバランスがとれてきつつございます。しかし、やはり貨物船、それからタンカー、油を運ぶタンカー、これらのものにつきましてはやはり若干過剰ぎみでございます上に、潜伏的な、潜在的な船舶を建造しようという意欲が船会社に非常に強いものでございますので、ちょっとゆるめますとすぐ多数の船が一挙に建造されるという危険が非常に多いわけでございます。 それからいま一つ、内航の許可制を実施して、許可制を通じて内航海運業の集約をいま実施している最中でございます。したがいまして、いましばらくこの最高限度量の規定ということを実施する必要があると思います。しかし、内航海運の秩序が回復しましたら、なるべくすみやかにこの最高限度というものは、そういう制度は、これはやめたい、このように考えております。
#9
○瀬谷英行君 その許可制を実施するということなんですが、登録制から許可制に切りかえるその進捗状況、それから、許可の基準というようなものは、どのように考えているのか。それから、それを実施した場合どういうふうになっていくのかということもあわせてお伺いしたいと思います。
#10
○政府委員(澤雄次君) 内航海運業法に基づきます許可制は、この三月の末に締め切りまして、本年の九月の末までに実施をいたすことに法律上相なっております。それで、この許可制を実施いたしますと、現在、約一万一千の業者がございまして、そのうち運航業者、これはわれわれはオペレーターと申しておりますが、自分で船を動かして荷物を取るオペレーターの数が約八千ございますが、許可制を通じてこれが九月末までには千五百に減る、それだけに集約される、そのように考えております。
 それで、許可の基準でございますが、これは内航としてはやや大型の五百トン以上の鋼船を使用するものは、全体で五千総トンの船腹を運航する必要がある、それから、三百トンから五百トン未満の船を使用するものは、二千総トンの船腹を支配する必要がある、それから、総トン数三百トン未満のものは、一千総トンの船腹を支配する必要がある、それから、木船及びはしけのみを使用するのは、二百総トンの船腹を支配すればいい、こういう基準で行政指導をいたしておりまして、本年九月までには大体、円滑にこの集約が実施される予定でございます。
#11
○瀬谷英行君 公団発足以来の、船舶整備公団の業務と実績等について明らかにしてもらいたいと思うのですが、業務別にはどういう事業を行なってきて、その実績はどういうふうになっているのか、そういう資料をまとめたものがあったら見せてもらいたいと思うのでありますが、あさっての委員会に何か示してもらえるかどうか、その点お伺いしたいと思います。
#12
○政府委員(澤雄次君) 資料を御提出申し上げますが、簡単でございますが、ただいま御説明申し上げて資料提出にかえさせていただきたいと思います。
 公団が始まりましてから、これは昭和四十四年一月三十一日現在で、旅客船二百五十三ばい四万二千九百九十四総トン、それから、貨物船三百五十三ばい、四十四万二千九百三十九総トン、それから港運船あるいははしけあるいは荷役機械等でございますが、これは公団で十八億八千七百万円、合計で四百十六億九千万円の実質的な貸し出しをいたしております。
#13
○瀬谷英行君 公団の貸し付け条件ですけれども、中小企業対策振興が含まれている、こういう見方ができるように思えるのだが、はたして現在の公団の金利が妥当なものかどうか、引き下げが可能かどうか、そういう点についてもお伺いしたいと思いますが。
#14
○政府委員(澤雄次君) 公団の貸し付け条件でございますが、これはもちろん大手の集約、いわゆる外航の集約当時参加していない、主として中小の内航業者あるいは内航の旅客船業者を対象にいたしております。したがいまして、これらの業者には担保を提供する力がないものでございますから、共有という形で、実質的には貸し付けでございます。共有という形で実質的な貸し付けをいたしております。その条件は、原則といたしまして、七割を公団が保有いたしまして、三割を業者が自分で支払っていく、こういうことでございます。それで、それぞれ一年ないし三年の据え置きの期間を置きまして船舶の耐用年数に見合う年限で償還を要求いたしております。それから、金利は、旅客船は七分でございます。貨物船は八分二厘でございます。それでその八分二厘は非常に高いものでございますから、公団の持ち分の保険の半額を公団自身で負担するという形をとりまして、実質的に貨物船は七分五厘の金利にいたしております。
#15
○瀬谷英行君 旅客船と貨物船の金利に差をつけているその理由は一体どういうところにあるのですか。
#16
○政府委員(澤雄次君) この理由は、金に糸目はないわけでございますが、いわゆる原資的に資金運用部から公団が借り受けました金のコストは一応六分五厘に相なっております。これから旅客船に貸し出しておる。それから貨物船につきましては公団債を発行いたしております。この公団債の金利が、発行者利回りが七分三厘九毛一糸に相なっております。それで、これを七分五厘で貸しつけている、こういう実情でございます。それから、旅客船のほうをこういう低金利にいたしましたのは、旅客船は運賃を、やはり離島その他非常に公共性が高いということで政府で認可運賃制度をとっておりますので、その運賃が上がらないようにということで低金利のものを旅客船のほうに回しているというわけでございます。
#17
○瀬谷英行君 貨物船の改造融資業務を追加をするという今回の改正の理由なんですけれども、貨物船の改造ということで、どういう改造の要請が強いのか、あるいはそれによってどういう効果を考えられるのか、具体的な改造の内容、それから船腹の更生ですね。不経済船といいますか、老朽不経済船等の船腹の更生、その点はどういうふうになっているのか、お伺いしたい。
#18
○政府委員(澤雄次君) 造船の技術、特に自動化の技術がここ四、五年非常に発達をいたしてまいりましたものですから、四、五年前までにできました船は現在ではもはや不経済船になってきつつある。しかし、まだ船齢としては新しいものでございますから、これを解撤したり、あるいは売却するということはまだもったいないわけでございますし、まだ償却も済んでいないわけでございます。それで、これを改造いたしまして、船のエンジンを自動化する、あるいはハッチカバーと申しておりますが、船のハッチの上に乗っける板でございます、ハッチカバーなどを鉄にかえるという、あるいは船体を引き伸ばすと、こういう希望が内航の中小の業者から非常に多いわけでございます。これは私どもで希望をとりましたところ、件数として千三百五十一件、費用総額約五十五億の改造の希望があったわけでございます。この改造を実施いたしますと、千六百総トン程度の船をとりましても、五年前につくった船には二十五名の船員を乗せる必要があったのが、改造を実施いたしますと、約二十名で済むということでございまして、費用も大いに節減されますし、それから最近の内航におきます船員の需給が非常に逼迫いたしておりますので、船員対策の面からも非常に助かるということで、経済的効果が非常に大きいわけでございます。
#19
○瀬谷英行君 貨物船の改造といったようなことになるとかなり技術的な問題だし、なかなかしろうとが口頭で聞いただけではわかりにくいので、一度、できれば具体的に貨物船の改造の状況というものを見せてもらいたいと、こう思うのでありますけれども、これはあらためてお願いをすることにいたしまして、それだけ多くの、千三百五十一件五十五億の改造希望があったということですが、たとえば、本年度の公団の改造資金というのが三億円だということだけれども、一体、要請に対してこれでこたえられるのかどうか。こたえられない場合にはどういうふうにやっていくのか、その点お伺いしたい。
#20
○政府委員(澤雄次君) この三億円の資金は、実は公団からの貸し出し資金でございまして、所要資金の五割を融資するということを考えております。そうしますと、工事量として約六億の工事ができることに相なっております。それで、これは今年度、昭和四十四年度から初めて実施させていただく制度でございますので、本年度は六億の工事量で発足いたしますが、明年以降さらにこのワクをふやしていっていただいて、そして改造の希望者にはすべて改造融資ができるように実施してまいりたい、このように考えております。
#21
○瀬谷英行君 内航海運の現状とか、企業の経営状況とか、あるいは船員の需給対策とか、こういう問題等についても質問をしたいと思っておりましたが、時間の関係もございますので、次回に譲りまして、一応この船舶の問題についての質疑は、きょうはここで打ち切らしていただいて、ほかの問題に移りたいと思います。
#22
○委員長(岡本悟君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#23
○委員長(岡本悟君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 航空行政に対する件について質疑を行ないます、質疑のある方は順次御発言を願います。
#24
○瀬谷英行君 昨年の十二月と本年の二月、運輸省航空局から宮古島の調査を行なった、こういう事実があるのかどうか。現地では、これがSSTの訓練飛行場にすると説明されておるという話もあるのですが、一体、目的は何なのか。その点をお伺いしたいと思うのです。
#25
○政府委員(手塚良成君) わが国におきます訓練飛行場の設置につきましては、かねてから重要な課題ということになっておりまして、すでに数カ所の候補地について調査検討を行なったわけでございます。で、先般実は沖繩空港――現在、国際線として沖繩に行っております飛行機が離発着いたします沖繩空港におきまして、米軍との協力のもとに民航エリアを拡張するという話がございます。これは地元ではバーソロミュー計画と言っておりますが、この拡張計画につきまして、日本政府としても金を出すというたてまえでございますので、この計画内容をわがほうの希望にできるだけ合うような計画に話し合いをしようということで、実は昨年十月と十二月の二回にわたりまして現地に参って、その問題を主体に地元の米軍と協議をいたしました。その際に、たまたま冒頭申し上げました訓練飛行場という問題が、地元におきます政府当局並びに地元に参っておりますわがほうの外交の大使等の間で話が出まして、日本の中でいろいろ検討しておるようだけれども、沖繩の島々のどこかをそういうものに使ったらどうであろうかという話が出て、まあ実は前々からの宿題でございますけれども、いろいろあちらこちら調査いたしましたけれども、現在までのところ内地の近辺、小笠原を含めまして内地の近辺におきましては、帯に短したすきに長しで、なかなかこれというところに決定に至らない。そういったやさきにまあそういうお話が沖繩で起こったと。そこでまあひとつ行ったついでということで、そういうところを物色してみてはどうであろうかということで、当局の関係官がいま申し上げました十月、十二月の二回、これは別の班でございますけれども二回、まあ一応その現地の下調べといいますか、まあそういった意味でみなが言われておる島を回ってみた。宮古、伊良部、石垣というような島でございますが、回ってみたというのが実情でございまして、まあこれはそういったついでの一つの過程でそういった程度のまあ下調べということでございます。
#26
○瀬谷英行君 まあついでの過程という話だけれども、この琉球新報というのを見るとかなり大きく出ているのですね。宮古伊良部村下地島に飛行士の養成所を運輸省が設置するように計画をしている、それに対して日本航空の松尾社長が地形的にも最適であると、こういう談話を発表しているわけです。この島は起伏が少なくて三千五百メートルから四千メートルの滑走路二本が十分取れる。住家もわずか三戸しかない。したがって、運輸省では一次調査も終えているが、他の二、三の候補地からも積極的な誘致運動が行なわれている。もし地元の誘致があれば少なくとも三年以内には着工したいと、こういうことが出ておるわけですね。なかなか具体的なんですね。そうすると、ついでにちょっと見てくるというのと現地の新聞とを比べるとですね、かなり開きがあるわけです。この現地の新聞では、必ずしもついでの話のようになっていないですね。パイロット訓練所誘致ということで、それぞれの島がかなり一生懸命になっているんですな、これを見ると。運輸省自身が飛行士の養成所というものを宮古島のいろんな島につくろうという構想を持っていて、地形その他の諸条件によってはやる気があるんだということを現地へ行って話をしたから、こういうかっこうになったのじゃないかと思うのでありますが、この点どうなんでしょう。政務次官のほうから、政府としてそういう腹があってのことなのかどうか、この点お伺いしたいと思うのですが。
#27
○政府委員(村山達雄君) 私の聞いている範囲では、まだ正規に取り上げているわけではなくて、この前、担当官が出張した際に、たまたま一ぺんそういうところを見てくれぬかという話があって見てきた。地形としてはなかなかいいところだと。しかし、管制の関係とか、その他いろんな、現在米軍の施政権下にありますものですから、そういう関係までを全部トレースしたというわけじゃなくて、ただ単にいまの三千メーターとか四千メーターという滑走路の点からいうとどの程度のものだろうかということを見てきたというふうに報告をしているわけでございます。
#28
○瀬谷英行君 琉球政府と相談なく連絡され、やられていることなのかどうか、その点もお伺いしたい。
#29
○政府委員(手塚良成君) 琉球政府自体で、先ほど言われました新聞等に見られますとおり、実は相当に向こうで熱心になっておられることは事実でございます。そういった関係から、向こうから、琉球政府自体からわがほうへの連絡が特連を通じていろいろあることも事実でございます。ただ、私どもといたしましては、訓練飛行場をさがしておることは先ほど申し上げたとおりでございますが、やはりこの琉球という島の現状、特に飛行場一般を設営してきております経験からいたしまして、地元の御協力というか、むしろ沖繩のこういった場合には地元からの完全な誘致という状態がなければ、われわれがむしろ積極的に進めようといたしてもつくれるものではない、こういうふうに考えておるわけでございます。そういった意味から、地元では、むしろわれわれが驚くほど現在では非常に熱心に誘致をしようというような運動が、新聞等で見られるようなのが現状でございます。
#30
○瀬谷英行君 この琉球政府と連絡をとってやったことではなくて、一応運輸省が独自でもって調査をしたことである、こういうことなんですか。
#31
○政府委員(手塚良成君) こちらから、先ほど申し上げた班が本来の目的で行きましたときに、やはりその問題自体といたしましても琉球政府との話し合いがいろいろ行なわれるわけでございまして、そういった席でこういう話が出ましたので、そういう意味合いの限りにおいては、琉球政府と打ち合わせをしてまあ調査をしたという形式になるかとは思います。現状、現在のところは、やはり特連局を通じて、琉球政府からの意向としていろいろな問い合わせが来ておるというのが実情でございまして、そういう意味では琉球政府との連絡があると申し上げてもよろしいかと思います。
#32
○瀬谷英行君 どうもその辺の答弁はちょっとわかりにくいんですがね。琉球政府と関係なしに運輸省で調査をしたんだが、話を聞いて琉球政府のほうが乗り気になってきたかのように聞き取れるわけですよ、いまの答弁ではね。そういうことなんですか。
#33
○政府委員(村山達雄君) 運輸省で参りましたのは、われわれ報告を受けたところによりますと、那覇の空港の整備の関係が主目的で一ぺん行ってくれぬかということで行ったそうでございますが、その際、たまたまその話が出て、それじゃこちらも訓練飛行場についてかねてさがしておるんだから、一ぺん見せてもらおうかということで見てきた、事実はさようでございます。そんなふうなことでございます。
#34
○瀬谷英行君 那覇の空港整備の目的で行ったのが本来の目的だった、こういうわけなんですね。
#35
○政府委員(村山達雄君) はい。
#36
○瀬谷英行君 那覇の空港整備の目的というのは、一体どういうことなんですか。
#37
○政府委員(手塚良成君) 那覇空港は元来やはり軍用に主として使われている空港でございますが、そこに民間の航空機の離発着を向こうの米軍から許可を受けてやっておるという状態です。ところが最近この便数がふえ、離発着する飛行機がふえまして、これらの飛行機の駐機場が非常に狭くなり、かつ、ターミナルビルがまことにお粗末であり、これがまた非常に狭隘である。こういったことから、この民航エリアを広げようという計画が、米軍自体の中から持ち上がったわけでございます。これには、拡張する目的が、ただいま申し上げましたような民航プロパーの問題から起こったものでございますので、日本政府自体も、沖繩援助というたてまえを含めまして資金的に日米合作でやる、こういう話になりました。そういうことでやろうという拡張計画でございます。行きましたときは、その場所が実はちょっと図面がないのでわかりにくいかと思いますが、沖繩港の、港に近いほうの山を回って入るような場所に拡張しようという話でございました。実際の使い手からいきますと、非常に不便であるということから、もう少し適当な場所を拡張の場所に当ててもらえないかという交渉をまずしてくるということで行きまして、第一回はそういう希望を向こうに投げかけて帰ったわけですが、さらにそれに対して、その場所が不適当であるということをまた向こうから折り返して回答がくるというようなことで、その回答に対して、さらにまた交渉をするというような意味で二回行ったわけでございます。長々申し上げましたが、結論としては、民航エリアを埋め立て拡張するという那覇空港の整備計画、通称われわれはバーソロミュー計画ということで聞かされております。
#38
○瀬谷英行君 不適当だという返事があったというのは、琉球政府から不適当ですと言ってきたのか、米軍から言ってきたのか、どちらなんですか。
#39
○政府委員(手塚良成君) 米軍でございます。
#40
○瀬谷英行君 そうすると、アメリカ軍と合作でもって民間空港を整備するというのが当初のねらいであった、こういうことになるわけですね。
#41
○政府委員(手塚良成君) 当初のときは、実はこれはいままでは米軍自体が計画をつくっておって、着工の直前といいますか、その計画で建設を始めようかというような状態になっておったのです。しかし、これが特連局あたりの御意見がわがほうに入りまして、伺いますと、日本政府からも資金が出るのだということから、日本政府自体として、やはりこれに強力な参加をすべきであるという話になりまして、それからわがほうが出かけて行って、向こうの担当官といろいろ計画について折衝をする、こういう段階になってきて、その一回、二回をやったと、こういうことでございます。
#42
○瀬谷英行君 これは話はちょっと大きくなるのだけれども、沖繩を返還をする、こういう前提に立たないと、宮古島であろうとまあ何島であろうと、いろいろ候補に上がっているところがあるのですが、地元ではかなり熱心に運輸省が計画をするのなら、その飛行場を自分のところへ持ってこさせようというので、誘致運動をやっておるということは、この琉球新報からうかがえるわけでございます。これは米軍との関係はどうなるのかという問題が残ってくるし、安保条約との関係も出てくるのじゃないかと思うのですが、安保条約との関係はどうなっておるのか。本土返還ということを前提にした上で、ある程度本土返還ということの見通しを立てて計画をしているというように考えてよろしいものかどうか。その点は米軍も中に介在していることだし、なかなか重要な問題だと思うのですが、どういうことになるのでしょう。
#43
○政府委員(手塚良成君) 私どもが今日まで先ほど来申し上げておるようなことをやりました前提として、返ってくるというときの場合を想定した考え方は持っておりません。現状のままでいった場合に、そういうものがどういうふうにつくれるかというようなたてまえでいろいろ検討をしたといいますか、ほんとうの技術的な立場において下見をしたという程度でございまして、問題とされますような安保条約との関連の問題なり、あるいは米軍との問題なり、将来のそういった返った場合の問題なりというようなことにつきましては、今後の問題ということで、私どもとしては現状のところまだそう立ち入って検討しているわけではございません。
#44
○瀬谷英行君 空港ということになると、これは安保条約とは無関係というわけにいかないでしょう、実際問題として。技術的にというのはいいですよ、技術的というのはいいけれども、実際問題として空港をこしらえるということになると、米軍との関係はどうなるのだということは、常識的にすぐに考えつくことですよ。だから、運輸省が行って現地を視察する場合には、米軍の了解なしにいまじゃできない状態じゃないかと思うのですが、その点はどうなっているのですか。
#45
○政府委員(村山達雄君) 航空局長が言ったのは、おそらく、現地で見る場合に技術的観点から見たということでございましょう。で、御案内のように、サンフランシスコ条約で潜在主権は日本にあることが明記されておりますし、また、現在沖繩返還の問題が起きておりますし、また、現にいずれ日本に返るということを前提にし、また、同一の民族であればこそ、今日一般会計から沖繩に対して多額の援助をしているわけでございますから、おそらく、空港につきましてもまた最終的にはこちらに戻るということは当然のことだろうと思うのでございます。そういう意味で、沖繩援助の一つの形といたしまして、民間航空のエリアを広げるということを見てきた。しかし、見てくる目は、いま使っておって、民間がやっぱり共用するという、そういう目でものを見てくださるということだろうと思うのでございます。ですから、法律的に返還問題はどうのこうのということと、見てくる目はそこまではいっていない。しかし、もとより日本が参りますのは、最終的にはいずれ日本に返るということは、われわれとしては前提になっておると思うのでございます。
#46
○瀬谷英行君 局長の答弁の中で、沖繩が返ってくる場合を想定してないというふうに言われたけれども、沖繩が返ってくるという場合を想定しなくてはまずいのじゃないかと私は思う。それは、現在は米軍が沖繩におって、そうしてその施政権を放さないというわけですね、こういうのが現実の姿です。現実の姿だけれども、日本の政府が民間航空のために、純然たる民間航空のためにここへ訓練所をつくろう、沖繩島に訓練所をつくろうということは、現地の島民がそれを希望するなら別に悪いことじゃないと私は思う。ただ問題は、それが軍用飛行場に利用されるんじゃないかということになるってくると、核つき返還とかなんとかという話がありますけれどもね、それじゃ現地の島民としては願い下げだということになっちゃう。だから、アメリカ軍の基地にいまたいへん悩まされているというのが沖繩の現状だろうと思う。だから、そこへもってきて、さらにまたまた新しい飛行場ができる。これが米軍が使うんだか、自衛隊が使うんだかわからぬということになれば、現地住民は納得すまいと思うのです。したがって、いま運輸省が調べているのは全くこの米軍の基地とは無関係である、あるいは日本の自衛隊の基地とも無関係である、純然たる民間航空のパイロットの訓練所として目星をつけたんだということが言えるのかどうか。その辺は非常に重大な問題だろうと思うのですが、明確にしていただきたいと思うのです。
#47
○政府委員(村山達雄君) それはいま先生のおっしゃるとおりでございまして、純粋な訓練飛行場のみといいますか、民間で使う訓練飛行場ということで調べたということでございまして、それ以上の何ものもないわけで、先ほど私の申し上げました返ってから云々というような問題等も、いささかことばが足りなかったと思いますけれども、つまり、そういうものもまずあと回しにいたしまして、純技術的にどうである、民間飛行場として、訓練飛行場としてどうである、そういう立場で見ておるということでございます。実は、御承知かとも思いますが、日本航空は、現在訓練飛行場といたしましては、昨年の十一月からアメリカのモーゼスレークという飛行場で三年間の予定でジェットの訓練所を開設いたしております。ところが、ここは非常に立地条件その他がよろしいせいか、いろいろほかの飛行機が相当入ってくるという状態でございますので、まあこの三年間の完了する前に、これにかわるべきものを何か見つけたいという気持ちが非常に強うございますし、私どもも、実は、これは前々からの話でございますので、たまたまこのモーゼスレークが見つかったこと自体を非常に喜んでおりましたのですが、これもやはり三年間という時間があるとすれば、どこかにひとつ考えなければならぬと、こういう気持ちでおります。それが先ほど来申し上げておるような関係で、立地条件、気象、気候の関係、あるいは騒音の問題その他からいたしまして、この沖繩というようなところが話題になってまいりました。それは、訓練飛行場の要件というものは概括適当なところではないかなというような話が出て、それにのるようなことになり、それでそういった下調べをしておる、こういうのが実情でございます。
#48
○瀬谷英行君 SSTの訓練飛行場ということとは関係がないんですか。
#49
○政府委員(手塚良成君) まだそこまで具体的な考え方を固めはおりませんが、ジェットの訓練飛行場として考えておりますので、しかも、またSSTにいたしましても、特にコンコルドなどは間もなく出てまいるわけでございますので、いまからつくる訓練飛行場であれば、当然そういうものも訓練できるということにすべきではないかと、いま考えております。
#50
○瀬谷英行君 この「琉球新報」等を見ますと、すでに沖繩では、運輸省のパイロット養成所ができるものという前提に立って、そうしてその誘致運動をそれぞれの個所で展開をしているように見受けるわけですよ。だから、この内容というものを明らかにしなければならないし、と同時に、これは最初のお話のように、ついでに見てきたということであれば現地の島民をだますことにもなるし、やはり、やるならばやるような腹を明らかにする必要がある。それから、もし、運輸省として、本気になってやるならば、これは全く純然たる民間用のものであるということを、これは断言をしておく必要があるし、その場合に、もしそうだとすると、今度、私どもがどうしても考えなければならぬのは、米軍との関係、安保条約との関係です。日本の国内の飛行場でも、事、飛行場となると、必ずしも日本人の思うようにいかないというのが現状じゃないかと思う。いわんやそれが沖繩に行って、でき上がったものは全く米軍と無関係であって、彼らの介入を許さない、こういうことがほんとうに可能であるのかどうか。そういう政治的な配慮というものも、当然、これは、この飛行場には考えられることじゃないかと思うのでありますけれども、むしろ、これは逆に、安保条約の面から、こういう問題を考えるのじゃなくて、飛行場をつくるという点から安保条約の問題を考える、米軍との関係を考えるという必要が出てくると思うのですよ。それはやはり政府としても相当自信を持ってこの建設に立ち向かわなければならぬ問題だと、中途はんぱなところで米軍の意向によって左右されるということがあったのでは、これまたまずいのじゃないかと思うのですが、その点はどうなんでしょう。
#51
○政府委員(手塚良成君) ただいまの現状からいけば、これはもう米軍と密接な連絡をとりませんと、われわれで自主的にやるということはおそらく困難であろうと思います。なおまた、現地の皆さん方の御協力、強い御協力がなければこれまた非常にむずかしいと思います。したがいまして、そういったことが十分得られなければ、いま直ちにこれにかかるということも、おそらくむずかしゅうございますししますので、私のほうとしてそういうつもりはないわけです。まあこれをいまの状態のままで米軍と話をつけていくかどうかというようなことにつきましては、さらにこれは十分、先ほど言われましたように、訓練所の内容そのものから固め、その他の諸条件を十分検討した上で、そういったところに立ちいくかどうかというふうなことを考えていかなければなりません。現状ではそこまでまだ私どもとしては十分なる検討を済ませていくという状態にはなっておりません。ただ地元では、おっしゃるように非常にまあ熱を上げておられます。これは先般また松尾社長などが現地に行ってだいぶいろいろお話をされたようなことがそういうきっかけになっておるかと思いますが、私どもは、実は予想外に現地が非常に熱心におやりになっておるというようなふうに考えております。いずれにいたしましても、いまの現状ではいろいろ関係方面との了解なり御協力を得るということが大前提になってきますので、その辺の見通しを十分検討し立てた上で、今後の進め方を考えたいという気持ちでございます。
#52
○瀬谷英行君 予算措置はどういうことになっておりますか。
#53
○政府委員(手塚良成君) これは私どものほうの予算には全くこういう予算はございません。将来これは予算が取れましても、私どもとしては、実は特連局の予算の範囲になるのではなかろうか。これが施政権の返還後におきましても、またその辺がどういうふうに変わってくるのか、目下のところはつまびらかにいたしませんが、少なくとも現状かりに調査費を計上するというようなことになりました場合でも、私どものほうの予算にはこれはつかないということでございます。
#54
○瀬谷英行君 調査費がつかないといっても、現地を見てきたのは、運輸省で現地を見てきたわけでしょう。
#55
○政府委員(手塚良成君) このバーソロミュー計画について現地に参りました調査は、これは特連局の予算によって向こうの依頼を受けて見ておるということです。
#56
○瀬谷英行君 特連局の予算で向こうの依頼というと、これは琉球政府の依頼ですか。米軍の依頼ですか。
#57
○政府委員(手塚良成君) それは特連局の依頼、特連局には琉球政府からの依頼の話があったということで、向こうの政府並びに特連局の依頼ということです。
#58
○瀬谷英行君 じゃ琉球政府が依頼をして、特連局のほうから運輸省のほうに話がきて、運輸省で出かけていって視察をしたと、こういうことになっているのですか。
#59
○政府委員(手塚良成君) そうです。そのとおりです。
#60
○瀬谷英行君 で、この当初の目的は那覇空港整備というのが目的だったと先ほどのお話なんだけれども、那覇空港の整備の当初の目的のほうは結局どういうことになったのですか。
#61
○政府委員(手塚良成君) まず、位置の点につきましては、当初に計画された、要するに那覇の港に近いほうで山を回って入る北側のほうの位置になる、私どもが第一回目に提案をいたしました場所は不向きであるということで、北側の場所で埋め立てをして広げる、そういう計画、その点は固まったわけでございます。
#62
○瀬谷英行君 それじゃ那覇空港の整備計画といったようなものを、ちょっと話を聞いただけじゃわかりにくいので、次回の委員会でもって、まあ地図のようなものを見せてもらいたいと思うのですよ。
 で、那覇空港の目的というのは、これは純然たる民間のための空港というふうに理解をしておりますけれども、それでいいんでしょうね。そして那覇空港そのものの目的は純然たる民間空港のための整備という理解をしてよろしいのかどうか。
#63
○政府委員(手塚良成君) ちょっと私その辺つまびらかにいたしませんが、米軍も実は金を共同で出しますので、完全に民間というわけではなかろうかと考えます。しかし、少なくとも事の起こりは民間用のスポットが足りない、ターミナルビルが非常に狭隘である、そういうことからむしろ米軍のスポット等に影響を来たして、向こうも狭くて困るということから、民間用ということで一応広げれば自分たちのスポットも広がる、こういうような関係で拡張計画が立てられたと考えます。
#64
○瀬谷英行君 那覇空港の整備計画、それからその米軍との関係、安保条約との関係、沖繩返還という一つの大きな問題、こういう問題が全部からんでくると思うし、それと同時に、宮古島のパイロット養成所の計画についても、もう少しまあ私のほうでも突っ込んでお聞きしたいところがありますけれども、きょうは大体約一時間というふうに予定された時間になりましたから、次回に那覇空港の整備計画というものをできたらお示しいただきたい。それと関連をして若干また質問をしたいと思っております。きょうはこれで終わりたいと思います。
#65
○委員長(岡本悟君) 他に御発言もなければ、本件に関する質疑は、本日は、この程度にとどめます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時三十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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