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#1
第061回国会 運輸委員会 第11号
昭和四十四年四月八日(火曜日)
   午前十一時三十七分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岡本  悟君
    理 事
                金丸 冨夫君
                菅野 儀作君
                谷口 慶吉君
                瀬谷 英行君
    委 員
                江藤  智君
                河野 謙三君
                佐田 一郎君
                平島 敏夫君
                前田佳都男君
                山崎 五郎君
                渡辺一太郎君
                加瀬  完君
                木村美智男君
                森中 守義君
                田代富士男君
                三木 忠雄君
                中村 正雄君
                市川 房枝君
   衆議院議員
       発  議  者  久保 三郎君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  原田  憲君
   政府委員
       運輸大臣官房長  鈴木 珊吉君
       運輸省鉄道監督
       局長       町田  直君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  山口 真弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       日本国有鉄道総
       裁        石田 禮助君
       日本国有鉄道副
       総裁       磯崎  叡君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○日本国有鉄道の鉄道施設の整備に関する特別措
 置法案(衆議院送付、予備審査)
○公聴会開会承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岡本悟君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案(閣法第一〇号)、日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案(閣法第二号)及び日本国有鉄道の鉄道施設の整備に関する特別措置法案(衆第五号)を一括して議題といたします。
 まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。原田運輸大臣。
#3
○国務大臣(原田憲君) ただいま議題となりました国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 日本国有鉄道は、近年におけるわが国経済の急速な発展に伴って増大する輸送需要に対処するため、第一次及び第二次五カ年計画に引き続き、昭和四十年度を初年度とする第三次長期計画を策定し、大都市通勤輸送の改善、幹線輸送力の増強、保安対策の強化等のために必要な工事を進めてまいりました。その結果、前期工事が一応の進捗をみた昭和四十三年十月を期し、画期的な輸送改善を実施いたしましたが、今後もさらにこれを推進し、国民経済及び国民生活における要請にこたえることとしております。
 一方、国鉄財政の現状は、昭和三十九年度以来大幅な欠損を続け、昭和四十三年度におきましては、同年四月一日から定期旅客運賃の改定を行なったにもかかわらず、なお一千四百億円に及ぶ膨大な欠損が見込まれ、このまま推移すれば、一両年度中には償却前赤字を生じ、自後、赤字は加速度的に増加し、遠からず破局的な状態に立ち至るものと憂慮されるのであります。
 このような現状にかんがみ、政府といたしましては、各界の学識経験者からなる国鉄財政再建推進会議を開催し、抜本的な国鉄財政再建の諸施策について鋭意検討を進めてまいりましたが、昭和四十三年十一月一日、同会議から「国鉄みずからの徹底的な経営の能率化、合理化、国及び地方公共団体の財政援助と並んで運賃改定を行なう必要がある。」とする意見書が提出されたのであります。
 政府といたしましては、同意見書の趣旨にのっとり、国鉄の能率化及び国の財政措置に関し、日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案を本法律案とあわせて提案いたしており、また、昭和四十四年度予算案におきましてもこの点につき十分の配慮を行なっております。
 これらの諸点にかんがみ、国鉄財政の再建をはかるためには、この際国民各位の十分なる御理解と御協力を得て、必要最小限度の運賃改定を行なうこともまことにやむを得ないものと決意した次第であります。
 この法律案の提案にあたりましては、運輸審議会の答申を尊重したのはもとよりでありますが、運賃改定の国民生活に与える影響も十分考慮いたしました。
 次に運賃改定の具体的内容について申し上げます。
 まず、鉄道の普通旅客運賃の賃率につきましては、現行では、営業キロ一キロメートルごとに、四百キロメートルまでの部分については三円六十五銭、四百キロメートルをこえる部分については一円八十銭となっておりますが、これをおおむね一五%引き上げるとともに、遠距離逓減制を一部是正いたしまして、五百キロメートルまでの部分については四円二十銭、五百キロメートルをこえる部分については二円五銭に改定することといたしました。なお、鉄道の普通旅客運賃は、この賃率によって営業キロの区間別に定めることとし、この営業キロの区間を定める場合には運輸大臣の認可を要することといたしました。
 第二に、航路の普通旅客運賃につきましては、近傍または類似の民営航路の運賃等を勘案して、改定することといたしました。
 第三に、旅客運賃の等級につきましては、現在二等級制となっておりますが、最近における一等車と二等車との設備格差の縮小、旅客の利用の実態等を勘案し、ひいては業務の能率化に資することともなりますので、この際等級を廃止することといたしました。これに伴いまして従来の一等車を利用する場合には、特別車両料金を要することとし、この料金につきましては運輸大臣の認可を要することといたしました。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 なお、この法律は昭和四十四年四月一日から施行することといたしておりましたが、衆議院において「公布の日の翌日」と修正されております。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。次に、日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 日本国有鉄道は、近年におけるわが国経済の急速な発展に伴って増大する輸送需要に対処するため、第一次及び第二次五カ年計画に引き続き、昭和四十年度を初年度とする第三次長期計画を策定し、大都市通勤輸送の改善、幹線輸送力の増強、保安対策の強化等のために必要な工事を進めてまいりました。その結果、前期工事が一応の進捗をみた昭和四十三年十月を期し、画期的な輸送改善を実施いたしましたが、今後もさらにこれを推進し、国民経済及び国民生活における要請にこたえることとしております。
 一方、国鉄財政の現状は、昭和三十九年度以来大幅な欠損を続け、昭和四十三年度におきましては、同年四月一日から定期旅客運賃の改定を行なったにもかかわらず、なお、一千四百億円に及ぶ膨大な欠損が見込まれ、このまま推移すれば、一両年度中には償却前赤字を生じ、自後、赤字は加速度的に増加し、遠からず破局的な状態に立ち至るものと憂慮されるのであります。
 このような現状にかんがみ、政府といたしましては、各界の学識経験者からなる国鉄財政再建推進会議を開催し、抜本的な国鉄財政再建の諸施策について鋭意検討を進めてまいりましたが、昭和四十三年十一月一日、同会議から「国鉄みずからの徹底的な経営の能率化、合理化、国及び地方公共団体の財政援助並びに運賃改定を行なう必要がある。」とする意見書が提出されたのであります。
 政府といたしましては、この意見書の趣旨にのっとり、本法案により、政府が決定する国鉄財政再建の基本方針及び国鉄の定める再建計画の実行を通じて日本国有鉄道の近代化、能率化の推進を確保するとともに国の財政措置を規定し、別に本国会に提案いたしております国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案とあわせ、国鉄、国及び国民の三位一体となった抜本的財政再建施策の推進をはかることといたした次第であります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一は、財政再建の趣旨及び目標でありますが、本法による財政再建は、国鉄に将来とも国民経済及び国民生活におけるその使命を遂行させることを趣旨とするものであり、また、その財政再建の目標は、将来にわたるわが国の交通体系において国鉄が果たすべき役割りに応じ得る近代的経営体制を確立しつつ、少なくとも今後十年間の財政再建期間の最終年度には黒字が生ずるよう財政の健全性を回復することにあることを明らかにいたしております。
 第二は、財政再建策の樹立とその実施でありますが、財政再建期間中における国鉄の財政再建に関する基本方針及びこの基本方針に基づき国鉄が運輸大臣の承認を得て定める財政再建に関する経営の基本計画にのっとって諸般の施策を推進することといたしており、また、その実行の担保についても遺憾なきを期しております。
 第三は、国の財政措置についてでありますが、昭和四十三年度末現在で資金運用部、簡易生命保険及郵便年金特別会計及び国債整理基金特別会計が日本国有鉄道に対して有する債権にかかわる利子に相当する金額の範囲内で、再建期間中の毎年度、政府が政令で定める特別の融資条件により長期資金を日本国有鉄道に貸し付けるよう特別に配慮すること及び再建期間中この長期資金にかかわる利子を政府が利子補給すること並びに昭和四十三年度予算から実施されました国鉄財政再建補助金を昭和五十年度工事までを対象として交付することといたしております。
 以上がこの法律案を提案する理由であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
#4
○委員長(岡本悟君) 次に、発議者衆議院議員久保三郎君から提案理由の説明を聴取いたします。久保君。
#5
○衆議院議員(久保三郎君) 日本国有鉄道の鉄道施設の整備に関する特別措置法案について、提案者を代表し、その理由を御説明いたします。
 戦後、国鉄は他産業に著しく立ちおくれ、安全性さえ疑われるに至り、その整備をはかるため、昭和三十二年より二次にわたる五カ年計画が策定されました。しかし、いずれも中途で修正を余儀なくされ、ただいまは、昭和四十年度より始まった第三次長期計画の四年目を終わろうとしております。しかしこの計画も、その半ばにおいて、三たび、修正せねばならない羽目におちいっております。
 いま、その経緯を振り返ってみまするに、国鉄は戦後、しばらくの間、民生安定、経済復興の名のもとに、荒廃した施設を酷使してまいりましたが、昭和二十四年マッカーサー指令によって、労働問題処理のため、従来の国営事業に独立採算制のワクをはめ、公共企業体となりました。
 しかし公共企業体に移行はしたものの、経営に何らの改善を加えられないまま、引き続くインフレの中で、老朽施設を食いつぶし、ついに桜木町、あるいは洞爺丸等の事故を引き起こすに至りました。ここにおいて、もはや老朽施設も限界に達し、昭和三十二年度を初年度とする第一次五カ年計画が、老朽施設の取りかえを中心として実施に移されたのであります。
 しかし、この第一次五カ年計画は、資金計画に行き詰まりを来たし、かつ計画が経済の伸展に即応しない小規模のものとなり、四年目で打ち切り、昭和三十六年度から、第二次五カ年計画として出直したのであります。この計画は、東海道新幹線を完成させ、鉄道経営に新しい分野を切り開いたものの、全体の計画はこれによって制約を受け、一方都市における過密化は急速に進み、既設線区の輸送力は質・量ともに立ちおくれ、輸送需要を満たすことが困難となり、昭和四十年度から第三次長期計画に移行し、今日に至っております。
 昭和三十二年度第一次五カ年計画発足以来、ここに満十二年施設整備が意のごとくならぬまま、いまや国鉄は経営の危機に直面し、抜本的な対策を必要としております。三次にわたる長期計画が、いずれも成功せず、中途挫折した原因はすでに申し述べたとおり、計画が経済の進展に即応しない小規模なものであったこともさりながら、計画の実行を裏づける資金が、硬直した運賃の値上げと、資金コストの高い一般からの借り入れ金によってまかなわれ、財政の悪化を一そう深刻ならしめたからであります。また施設の不備と相まって国鉄の陸上交通における独占性は失われ、輸送分野は伸び悩み、自己資金の調達は困難となり、政府は政策実行のための、いわゆる公共負担を国鉄に背負わせながら、積極的な財政援助を与えぬまま、今日に至ったからであります。
 特にこの際指摘しておきたいことは、国鉄が去る昭和三十九年度予算要求にあたり、政府に強く財政援助を要求しましたが、いれられず、政府は国鉄基本問題懇談会を設置し「責任をもって国鉄経営の抜本的再建のための計画と資金確保について検討する」との約束とすりかえたのであります。しかし昭和三十九年一ぱいかかっての検討の結果、数多くの対策案が打ち出されはしたものの、結局昭和四十年度から七カ年間に約三兆円の資金投入が必要であること、その資金調達は、相変わらず、運賃値上げと借り入れ金によることが実行されたにすぎません。まさに国鉄をして今日の事態に立ち至らしめた責任の一半は、政府にありと言っても過言ではありません。
 いま国鉄をしてその本来の任務を遂行させることが、国民経済上いままで以上に必要であるとするならば、経営の安定と将来の発展が期待できる内外の条件を整備するための基本約な施策が、実行に移される必要かあります。
 それはまず第一に、国鉄をして陸上交通に確固たる地位を占めさせることであり、それに即応した施設の増強と近代化を行なわせ、経営安定の基盤をつくることであります。
 すなわち、国鉄が担当すべき輸送分野はその特性からして、主として、中長距離貨物、都市間旅客及び通勤輸送でありますが、それぞれについて、国鉄はその能力を欠いておりますから、これが増強をはかることであり、また総合交通政策によって、他の交通機関との調整をはかる必要があります。
 その第二は、現に、経営の重圧となっている財政的、制度的諸要因を取り除き、再建を容易ならしめることであります。
 この二つの基本的な方針は、いわゆる企業性のみを強調し、その公共性を失わせるものであってはならず、また国鉄の全国一体的運営による、国民経済上の利益をそこなうものであってはなりません。
 以上申し述べたところに従って、制度を確立し、国鉄の施設を整備するとともに、その財政の健全化をはかり、国鉄経営の再建をはかるため、本法案を提案した次第であります。
 次に、法案の内容について御説明いたします。
 まず第一に、鉄道施設の整備についてであります。国鉄が受け持つべき輸送分野はすでに申し述べたとおり、主として、都市間旅客輸送、中長距離大量貨物輸送及び通勤輸送でありますが、国鉄の現状は、その責任を果たすことが困難でありますので、それぞれの施設を計画的に整備しようとするものであります。
 そのためには、非能率な幹線及び亜幹線の輸送力増強をはかることであります。これらの線区は、いまだに単線部分を多く持ち、軌道強化も行なわれず、近代的輸送機関としての能力を欠き、そのすべてが、いわゆる赤字線であって、経営の重圧となっておりますので、これらのそれぞれに対し、線区別の増強計画を立て、改良を加え、本来の任務を遂行させるとともに、経営の改善をはかろうとするものであります。
 また、国鉄の貨物輸送は、経済の発展に即応する輸送力増強、近代化がおくれ、国鉄が果たすべき役割りを果たし得ないものがあります。よって、これを増強し、近代化することとしたのであります。これは国鉄の経営を好転させるばかりでなく、その使命達成上必要なことであり、特に最近における陸・海・空を通じて進みつつある輸送革命の中で、とらねばならない当然の措置であります。
 次は、通勤輸送の増強であります。都市における路面交通の渋滞を緩和し、通勤地獄を解消するため、都市高速鉄道の建設促進を含む鉄道輸送力の増強は、都市交通全体の立場から進める必要がありますが、特に国鉄が果たすべき役割りは大きなものがあります。この輸送力増強は、経営の再建という観点よりは、むしろその特性による固有の任務として取り上げる必要があります。
 よって、国鉄以外の私鉄、公営交通の改良資金については、道路並みに政府が助成すべきものとして、すでに都市鉄道整備促進法案を提案しておりますが、国鉄の改良資金については、全体の中で考慮することとし、後に述べるところによりました。
 次は、安全対策の事業でありますが、これら施設は従来以上に計画的に整備する必要があります。特に、最近における事故の傾向にもかんがみ、人間工学的、医学的な安全対策をも推進しようとするものであります。
 以上の鉄道施設整備事業は、昭和四十四年度以降七ヵ年間に実施しようとするものでありまして、総額約二兆八千億円の経費を見込み、その三分の一に相当する額約九千三百三十億円を政府が助成するものといたしました。
 もっとも、この計画とその経費の中には、山陽新幹線の関係は含まれておりません。新幹線及び通勤高速鉄道の整備は、別途策定さるべき総合国土計画の中で措置しようとするものであり、現在進行中の山陽新幹線については、この七カ年計画とは別ワクとし、新幹線建設からくる既設線区へのしわ寄せを遮断しようとするものであります。
 また、この七カ年計画は、その事業が適確に遂行されるよう、道路や港湾と同様、政府において承認され、責任を持つものにしようとするものであります。
 次は、国鉄の長期負債に対する利子負担の軽減措置であります。国鉄は、昭和四十三年度末において、政府関係の長期債務の残高は約六千三百四十億円、その他のものの残高は、約一兆三千七百二十億円に達し、これに対する利子負担も昭和四十四年度支払い見込みは約千五百億円となり、経営悪化の大きな因子となっておりますので、施設整備を進め、国鉄本来の任務を果たし得る形態になるまでの七カ年間、既往の債務について、政府関係のものに対しては利子相当額、その他一般のものについては年利五分をこえる相当額を、政府がそれぞれ助成することとし、この面からも再建を促進しようとするものであります。
 以上が法案の概要でありますが、最後に運賃問題について付言させていただきます。
 本法案による国鉄の施設整備と財政再建は、運賃値上げ等を含む運賃制度の改正を考えておりません。なぜなら、今日国鉄経営の悪化の原因の大きなものは、すでに述べましたとおり、戦後経済復興のため資産を食いつぶしてきたことと、独立採算制のワク内での公共負担でありますから、これを利用者である旅客荷主に運賃値上げという形で負担さすことは、公正妥当なものではありません。また物価安定が至上命令であるにもかかわらず、一向にこれを鎮静できない政府が、みずからの手によってさらに物価上昇の主導権をとることは許されないことであり、かつ便乗値上げを暗に認めようとする態度は絶対に容認できません。いま、政府が国有鉄道運賃法改正によって企図しております運賃値上げは、運輸収入実収一〇%の増収をはかろうとしましたが、貨物運賃の値上げは、他の輸送機関に荷物が逃げ、かえって収入減を来たすとして、旅客運賃に上積みをいたし、平均一五%の値上げを実施しようとしておるわけであり、かくては、将来にわたって国鉄の正常な発展を期待することができないおそれもありますので、われわれのあえてとらざるところであります。
 また、政府提案の日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案は、国鉄の経営権に大幅な制約を加えようとするものであって、問題の解決にはなりません。本法案は、政府が提案する以上二つの法案に対し、われわれの主張を明らかにしたものであります。何とぞ慎重御審議をお願いし、説明を終わります。
#6
○委員長(岡本悟君) 以上で提案理由の説明を終わります。
 暫時休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時四十八分開会
#7
○委員長(岡本悟君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案を便宜一括して議題といたします。
 質疑のある方は、順次御発言願います。
#8
○森中守義君 きょうから参議院における社会で非常に注目されている運賃問題の審議に入るわけですが、私は衆議院の経緯が経緯であっただけに、少なくとも二院制がいかに必要かということを、参議院という立場から強調する必要がある、しかも、そのことは名実ともにその価値あるという、こういうところに審議の基礎を置かねばならぬ、こういうように考えているわけであります。そこで、いままで委員長あるいは理事打ち合わせ会でたいへん御苦労なさった経緯をいろいろ聞いているのですけれども、率直に申し上げて、委員がおのおのの立場において委員会で審議に入る完全な土俵がつくられているかどうか。少なくとも私も特別委員長あるいは常任委員長の経験を持っております。そこで、少なくとも委員が当局に対し適切な質疑を展開するにあたっては、それなりの素地というものが必要だと心得てまいりながら委員会を運営した経験があるのですけれども、残念ながら、数回にわたる委員長理事打ち合わせ会の意見が完全に一致していない。そういう状態の中で、さあこれより運輸大臣あるいは後日、総理という、こういう質問をさあここで始めてくれと言われても、いささかこれでは参議院における審議の趣旨からいっても穏当ではない、こういうように理解をせざるを得ない。でありまするから、二、三少し委員長にお尋ねをしたいんですけれども、大体、委員会の運営について、主として委員長理事打ち合わせ会の問題点は何であったか、その辺からひとつ委員長に、委員長理事打ち合わせ会を総括をされているわけですから、最初にお尋ねしておきたい。
#9
○委員長(岡本悟君) お答え申し上げますが、私、委員長理事打ち合わせ会で理事の皆さん方に希望を申し上げましたのは、根本的な前提としまして慎重審議を尽くすという先月二十八日の各会派の申し合わせがございますですね、慎重審議を尽くして結論を得ると、こういう申し合わせの趣旨を生かして、特に参議院の自主性と申しますか、あるいはかねてから良識の府といわれておりますから、そういう参議院の性格から申しましても慎重審議を尽くしましょうと、その前提に立って前回あるいは前々回の本院におきます運賃法の審議の経過も見まして、連日連続審議やっておるわけでございまするので、そういうことも参考にいたしまして、法案の審議も御承知のような経緯で相当おくれておりますので、本院の運輸委員会では、前回あるいは前々回の実績を参考としながら、すみやかに審議を、しかも、慎重を期してやると、審議を尽くすということで連日連続審議をお願いしたい、こういうことを申し上げておるのでございます。この点は、野党側の瀬谷理事のお話では、やはり定例日というものがあるんだから、それ以外にはまあ野党側としてはやるべきでないと、ただし、連合審査とかあるいは公聴会とか、そういったものは場合によっては定例日外でもよろしいと、そういうことは話し合っていこう、こういうことであったのでございます。で、ただいまのところでは、公聴会をいつ開くか、それから連合審査をどういうかっこうでやるか、これらについてなかなか話が煮詰まらないんです。そうかと申しまして、きょうも十時から開くということになっておりましたが、理事会で午前中相当時間をとりましたし、午後また理事会を再開いたしましてやりましたが、なかなか煮詰まらぬもんですから、とりあえずは審議を再開して、審議の途中打ち合わせもできぬことはございませんから再開しようではないか、こういうことに同意をいただいたわけでございます。
#10
○森中守義君 まあこれは、質問者にはそれぞれのサイドというものがありますからね、だから、委員長理事打ち合わせ会で話がまとまらないからやってくれというのは、私は親切なやり方だとは思わない。それもたいへん、委員長のせっかくのお骨折りにことばを返すようですけれども、元来、いま確かにこの関係の法案はもちろん全体的に停滞状態であります。しかしながらこのことは、たとえば運賃二法をかかえておる運輸委員会の責任だという、こういう受けとめ方は私は適当ではない。言うまでもなく、つい先日まで長期にわたる予算をやっていたわけですからね。しかも、衆議院におけるいろいろな流動性とか――ですから、いま私は会期の設定のしかた、あるいは法案の扱い、予算案との関係あるいは二院の関係、こういう多面的かつ多角的に問題は受けとむべきであって、法案が非常におくれているから、だから運輸委員会としては一体その責めをどうするかという、そこまで思い詰める必要はないと思う。むろん、石田総裁あるいは国鉄の磯崎さんですか、まあこういう国鉄首脳部のお気持ちもわからないではないけれども、まあ私はもっとこう慎重に審議をするということは、一定のカテゴリーにはめて、そこで何日までに公聴会を終わらなければならぬ、あるいは連合審査を済まさねばならぬ、何日までに議了するという、この行き方は逆だと思う。まあ今日の日本の国会の運営それ自体が政党政治の現状であるだけに、ややそういう変則的なものをおかしがちなんですけれどもね、そういうやり方はあまり適当でありませんよ。少なくとも国民は何を聞こうとしておるか、何を求めようとしておるか、むろん、よく聞きます。一日おくれれば三億五千万国鉄は収入が減少する。逆な立場から言えば、受益者というのか利用者というのか、三億五千万取られるわけだから、あながち国鉄の言い分だけ、一日に三億五千万の収入減になるのだというこのサイドからのみやっぱり問題を詰めるというわけにはまいらぬ。だから、自然な状態で非常に慎重審議を加えるということは、カテゴリーはつくらない、自由な立場でいろいろな意見を述べる、十二分に検討を加える、こういうことが一番望ましいじゃないかと思うのですね。むろん、それはさっき申し上げたように、政党政治のもとにおける国会の運営ということが物理的な面を伴っていますから、必ずしも私はそのことが妥当だとは言えない。しかし、参議院における任務というのは、そういう意味で私は衆議院よりもっと変わった性格を持ってもいいんじゃないか、こういうように思うのです。ですから、いろいろ瀬谷理事から報告を受けております。で、そこで私は少なくとも大綱的な委員会運営の方向づけ、そういうものはきちんと合意をさしてもらわなければ困ると思うのですね。何でもいいから質問やりなさい、裏返して言うならば、社会党何名、公明党何名、自民党何名、しかも、本会議で木村質問があったじゃないか、相当日数を費やした、質問の内容といってもこれこれ終わったんだから、まあこの辺で質疑打ち切り、中間報告という、したがって、衆議院の二の舞を私は踏むべきでない。しかも、内容に入ればいろいろ問題ありますよ。すでに意見書の末尾に付されている内容等、百億近い減少じゃないですか。一〇%ずつ二年二回にわたって上げると、こういうのだけれども、すでに初年度において百億の減少ということになれば、これより五十三年に至る間に一〇%二回で終わりますか。きのう運輸大臣は、それは将来のことで、正確に上げるという約束はないのだと、こうおっしゃっているけれども、意見書に従って二法が出たんです。そのことを考えれば、一〇%は来年度において二百億、再来年度においてはもっと開いてくる。しかも、三兆数千億を受益者から取っておる。政府はわずかにその三分の一しか出さない。そんなこと考えていきますと、私はやっぱり五十三年に至る間どうなるかということを考えると、そう簡単にいかない、まあこういうことがあるだけにですね、やはり慎重にやってもらわなければ困ると思うのです。ですから、ここでまあ希望であり、ぜひひとつもう一回委員長理事打ち合わせ会を再開をしてほしいと思う。どういう意味かといえば、実はきのう木村質問によって久保提案に対する三点の質問が用意されてあった。まあこれが国対あるいは議運レベルの話であったかどうか知りませんけれども、本会議でこのことが遮断された。しかるに、今朝における本委員会での久保提案というのは、再建の方式は運賃の改定によらなくてもできるのだ、こういう提案の趣旨ですよ。そこで政府提案と久保提案、まさに二者択一、いずれをとるかというならば、運賃値上げをしなくとも再建の方式があれば当然その道を選ぶべきだと私は思う。これは政府与党もそういう観点に限らないで、(「予算がない」と呼ぶ者あり)国民はやっぱりそれを聞きたい。むしろ、いま予算がないという話のようだけれども、聞いてみなければわからない、聞いてみなければ。私はだから、そういう意味では野党が質問するよりも、運賃の改定をしなくても再建の方式があるというなら当然それも一ぺんゆっくり聞いてみよう、むしろそれは与党から聞くべきじゃないですか。予算がないという話なんだが、予算はどうすれば操作がきくのか、これはやっぱり提案者に聞いてみなければわからない。そういう意味で、私は率直に申し上げて、当然そのことが――正午の理事会等では十二分に尽くされていない。久保さんの御出席を願いながら一ぺん聞いてみよう、それで、結論としては予算がない、何ともしかたがないというならこれはまた話は別なんです。聞きもしないで予算がないというのは、私ははなはだ了解できない。ですから、まず久保提案に対する質問をひとつやるかやらないか、もう一回真剣に議論をしていただきたい。
 それと、公聴会あるいは連合審査会あるいは現地調査、これらのことも各会派の意見というものがもっと詳細に詰められなければこれはだめですよ。むしろ、参議院の運営は単独の運輸委員会のみですべてが処理できない面もあります。議運もありましょう、国対もあります。そういうところで、私のほうでももう密接にそれらの関係の諸君との連携もとれておりますから、どうしても運輸委員会で荷が重過ぎるということであるならば、当然そういう関係と一ぺんこれは相談してしかるべきじゃないですか。そういう二点のことを私はこの際提案ということで、何時でも待ちます。もう一回ひとつ別室なり何なりで委員長理事打ち合わせ会を開催をしていただきたい。その御報告をいただきながら、私の質問に入らせていただきたい。どうぞひとつ直ちに開催をしてもらいましょう。
#11
○委員長(岡本悟君) 森中委員に申し上げますが、先ほど理事会を一時から二時――一時間半ですかね、やりまして、とにかく委員会を再開しようということになったわけでございます。十分そのお互いの意は尽くしまして、緊密な連携をとってやっておりますから、この点はひとつおまかせをいただきまして、質問を続けていっていただきたいと思います。
#12
○森中守義君 せっかくの委員長のおとりなしですがね、あまりくどくど申し上げませんけれども、慎重に協議をしたが合意は得られていないということならば、これは話が詰まっていないということですよ。だから、そういう状態でずるずるいったらどうなりますか。私の言うことに無理がありますか。二者択一、運賃を値上げしなくてもいい方式があるならそれを選ぼうじゃないか、それが可能なのか不可能なのか、まずそれを聞こう、こう言うのですから。まあこれはひとつやってみたが話がまとまらなかったからやってくれというのじゃ、まあ個々の議員に個々の権能が保証されておるわけだから、そういう意味で、私は何も委員長理事打ち合わせ会の決定にあえて服しないというそういう不見識なことは言いませんけれども、再度、いま詰めてもらいたいと、こう言うのですから、やってみたらどうですか。長い時間かかるのかどうか知りませんが、もう一回協議してくださいよ。そう質問をやれ、質問をやれと言わないで。
#13
○委員長(岡本悟君) 速記をとめて。
  〔午後三時五分速記中止〕
  〔午後三時三十分速記開始〕
#14
○委員長(岡本悟君) ちょっと速記をつけて。
 暫時休憩いたします。
   午後三時三十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時五十二分開会
#15
○委員長(岡本悟君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 この際、公聴会の開会承認要求に関する件についておはかりいたします。国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案並びに日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案は、一般的関心及び目的を有する重要な法案であります。よって、本案につきましては、公聴会を開き、利害関係者及び学識経験者の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(岡本悟君) 御異議ないと認めます。
 公聴会の日時、問題並びに公述人の数及び選定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○委員長(岡本悟君) 御異議ないと認め、本案について公聴会開会承認要求書を議長に提出することといたします。
    ―――――――――――――
#18
○委員長(岡本悟君) 引き続き、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。速記とめて。
  〔速記中止〕
#19
○委員長(岡本悟君) 速記つけて。
#20
○森中守義君 本論に入る前に、運輸大臣に一つ申し上げておきたいと思います。
 ちょうど予算の最中ですね、二十五日であったか、八日であったか、その辺ちょっと記録を持っておりませんが、衆議院のほうに出向かれたことがありますね、そのいきさつが、委員長あるいは理事の了承をとって行かれたのかどうか、その辺があまり明確でない。しかし、質疑者は運輸大臣を呼んでおったのです。しかるに運輸大臣の出席がない。他のいかなる法案にも先んずる予算、しかも、日限を切られた予算に対して、いかなる理由で退席するにせよ、私は穏当であったとは思わない。できれば、その辺の事情を釈明を求めたいと同時に、この重要な二法案をかかえている運輸委員会に対して、しばしばそういうことが行なわれるならば、まさにこれは運輸大臣の責任において法案の審議促進はできない、そういうことを考えるわけですが、質問の当初にあたって、その辺の事情を釈明してもらいたい。
#21
○国務大臣(原田憲君) 当日は、森中さんも予算委員でありますから御承知でありますが、私は、午前中に公明党から質問があるからということで出席を要求され、午後には社会党の村田さんだったと思いますが、質問があるからと出席を要求されました。衆議院のほうでも、午前から運輸委員会があるので出席を要求をされておりました。この件につきまして、私は自由民主党の国会対策という面からも指示を受けるわけでございます。私は、当然自分の責任として参議院の予算委員会へ出席をいたしておりました。衆議院のほうから参議院の予算委員会に対して、私を衆議院の運輸委員会に出席するように交渉があったようでございます。これは私のあずかり知らないところでございます。私は午前中に終わってきましたところが、衆議院のほうからは、ぜひ出なければだめじゃないかということもございましたので、午後になりまして衆議院の本会議に出ましたところ、衆議院の委員会に出ろということで、衆議院の委員会へ出ました。参議院のほうから衆議院の運輸委員会のほうに、大臣をこちらへ出すようにという交渉があったようでございますが、それは衆議院の運輸委員会のほうでは、私のその場からの出席に対して御承知にならなかったようでございまして、私はからだが一つでございますので、どちらへもひとつ出席をぜひして、つとめを果たしたいという気持ちはありましたけれども、事実問題として衆議院の委員会に入ってしまいまして、委員会から出席の要求がありましても、向こう側で許しを得られないために、いまお話しのように、事実参議院の予算委員会に出席できないという状態に立ち至ったわけでございます。このことにつきましては、参議院議長から衆議院に対して申し入れがあったという話も聞きましたが、内容につきましては私は存じあげておりませんが、予算委員会におきまして、この予算委員会の運営の問題について、おまえがおらなかったためにこういうことになったじゃないかということで、私は丁寧に陳謝をいたしまして御了解を賜わった、こういういきさつになっていることは御承知のとおりでございます。
 今後は、私は行政府から出てきておりますので、院の運営については、木村さんからも予算委員会で私に対して御質問がございました。私は、立法府の運営については、提案者でございますから、慎重審議をしていただくことをお願いしているので、そのお指図は、皆さん方のおっしゃるとおりにいたしますということを御答弁を申し上げているのでございまして、今後におきましてもできるだけ間違いのないように行動いたしていきたい、このように考えている次第でございます。
#22
○森中守義君 これも少しあまり聞こえのいい質問じゃありませんがね、二十三年の七月一五五%、二十四年の五月六〇%、二十六年の十一月が二六%、二十八年の一月一〇%、三十二年の四月十三%、三十六年の四月十二%、四十一年の三月三二%、要するに戦後相当の回数にのぼる国鉄の運賃もしくは料金の改定が行なわれた。そこで少なくとも私の記憶によれば、きわめて平穏な状態でしかもスムーズに参議院並びに衆議院がこれら提案をされた案件を可決成立したというためしがない。絶えず混乱が起きておる。そこでこれは明後日もう少し詳しくお尋ねするつもりですが、「トランス・エコノミー」、これの中で、この前、国鉄の磯崎副総裁がどなたかと対談をされた。その内容によれば、たとえば、値上げに反対する者は事情はわからない、それのみではない、むしろ間違っている、まあこういったようにかなり反対に対するきびしい非難を加えられている。しかも、それは政党として私は野党をさしておると思われる。そのことはいまここに私がお尋ねをする主題ではないが、明後日に譲りますが、要するに政府は、提案をされた運賃あるいは料金改定において一度も全会一致であることはもちろんないし、絶えず国会は混乱を繰り返す、この状況をどう思いますか。ある意味においては混乱の素材を提供するようなものだ、しかも、それは非常な辛らつな見方をするならば、政党間の対立を激化する、少なくともそういう表現を用いても私は過言ではないように思うのですね。したがって、昨日でしたか、木村委員に対する本会議での原田運輸大臣のお答えでは、だれかがしなくちゃならない、乃公出ずんばということで私がこれを引き受けたという実は大みえを切られたわけだ。しかも、まだ一カ月もたっていない衆議院のあの混乱状態、まさにこれは議会民主政治の破壊ですよ。それでも物理的に多数さえ持っておれば何でもできるという、その辺に私は一つの大きな問題があるように思う。したがって、個々的に、具体的に入る前に、そのように国会に混乱を巻き起こしてでもあえてこういう事態を収拾しなければならないという、私は能力に問題があると思う。大臣どう思いますか。この混乱をあなたも経験されておるわけだが、ひとつ明快にこの際明らかにしておいてもらいたい。
#23
○国務大臣(原田憲君) 最初に、きのう、木村さんのときの答弁ではないので、あれは中沢伊登子さんが、実は中曽根大臣は値上げをしない腹だったということだが、あなたはどうかということをお問いになりましたので、私は、この問題は中曾根大臣が就任されて、予算案が通って、新年度になりました直後に再建推進会議というものが持たれて、その責任において今日まで国鉄再建の抜本的なことを考えられてきておる。おそらく中曾根さんが大臣をされておりましたら、自分が諮問されたことでありますから責任を持っておやりになったと私は想像いたしますが、中曾根さんがおやりにならないことをあなたはどうかというお尋ねがございましたから、私は、これだけの抜本策をだれかがやらなければならない立場にあるから私は一生懸命やらなければなりませんので、ひとつよろしく御協力をということを答えたのでございますが、それはもちろん世の中で、混乱がなく、全会一致でいくことが一番望ましい形であることは、もう言を待たないことであります。しかし、人間の集まりでありますから、ものの考え方というものはおのずから変わった考え方をするものであります。
 先ほどから話に出ておりました社会党提案の法律案にいたしましても、願っておるところは同じところを願っておる、すなわち国鉄の再建をして国鉄の経営というものをこういうふうなところへ向けてやっていこう、その方法について、運賃を値上げしなくてもやり方があるのじゃないかということを言っておられる。私どもは、そうできたらよいけれども、いまの国家財政から見たら非常にそれは困難であるから、全部国家財政でというわけにもいかぬ。まことに申しわけないことであるけれども、最小限度の運賃値上げに御協力賜わりたい。いままでは国鉄財政再建のために、国は、あまり、私をして率直に言わしめますならば、もっとやっておけばよかったということがあるが、やっておらなかった。今度は私も大臣に就任いたしまして、この再建推進会議の意見書を検討いたしまして、これは適切な意見である。そこでこれに対する国側の責任だけは果たしてもらいたいということで、努力をいたしまして、国からもそれ相当な財政支出をやり、地方団体も協力をしてくれる、国鉄みずからも合理化に、近代化につとめる、この三位一体方式でやることが、これが妥当な方策であろうと考えておりますので、ものの考え方の違いということはやむを得ませんけれども、お互いに審議を尽くして、そしてそれに対する賛否というものを明らかにすれば、国民に結局それをどうだったかという判断を願うのでありますから、私どもの提案をいたしておりますことにつきましても、もちろん反対意見がないということは考えられないのでございますけれども、反対意見がありましても、私どもの出しておる点にどこが反対であるかということで十分御審議を賜わって、最後は、やはり議会人というものはきめられた時間の中でやっておるのでございますから、その中で良識を戦わして結論を出していただく、このようにお願いできたらこれほどけっこうなことはない、このように考えておる次第でございます。
#24
○森中守義君 そこで一、二問、少し内容に入ってみたいと思うのですが、今回出された関係二法というものは、いま大臣が指摘されたように、推進会議の意見書が中心になったものですね。そこで、だいぶたんねんに設置法を読んでいくと、該当する条項が一、二あるにはあるのですが、この推進会議というものの法的根拠というのは、むずかしい表現を用いれば、これは一体、何を根拠にして推進会議というのはできたのでしょうか。それといま一つ、大体、慣例慣行的な政府の諮問ということであれば、やや詳細に問題点を摘出をして、行政府としてはかくかくのことを考えるのだが一体どうすればいいのか、ついては答申をもらいたいというのがやや一般化された常識だと思います。したがって、この場合にはそういう措置がとられたのかどうなのか。もっと端的な言い方をすれば、この意見書というものが関係二法という形であらわれる限り、また、五十三年を一つのめどとして国鉄の再建の方策を探求する限り、かなり法的な根拠、拘束力を持っておる、こういう見方をせざるを得ない。残念ながら、私は推進会議とは一体何だろうか。閣議了解という話は聞いておる。したがって、単なる閣議了解であるということになれば、行政裁量にすぎませんよ。そういう行政裁量にすぎないようなことが、立法措置を講じられ、あるいは財政の方策をこれによって固めていくということになると、私どももやっぱり性格について当初に明らかにしてお尋ねを進めないと割り切れない気持ちがございますので、その点ひとつお答えを願っておきたいと思います。
#25
○国務大臣(原田憲君) この会議がいまお話しのように法的に何を根拠にするかということになりますと、行政府の内閣の閣議了解をもってこれを構成すると、こういうことでございます。これは要するに行政府が、内閣が責任を持っておるということを閣議了解したということで表明をしておるわけでございます。したがいまして、いわゆる審議会とか、そういう形をとっておらないんでありまして、推進会議ということを名づけておるのもここにあるわけでございます。したがって、これはやはり政府が、行政府が責任を持って行なうところのことについて各界の意見をまとめるために持ったものでありますから、これは絶対というものではございませんが、十分これを尊重するということを前提にして各界の意見を政府が求めたと、こういう会議でございます。
#26
○森中守義君 私は、この意見書が内容としてはきわめて重要であり、貴重だと思う。ですから、内容自体についてとかくの論評を用いようとは思わない。しかし少なくとも国家行政組織法のもとに一切の行政が執行されておる。しかも、運輸省では設置法によって行政が行なわれている。こういうことであれば、当然よるべき一つの根拠を求めて、それからものごとを割り出していかなきゃ、ただ政策的に閣議了解ということで意思がきまったんだから何をやってもよろしいということであれば、いささかこれは国家行政組織法を逸脱する行為じゃないか、こういうように思うんです。しかし、それ以上のことを言っても、いや閣議了解なんだと、政策上の問題だということであれば何をか言うところはありませんけれども、やはりものにはけじめ、ものには根拠というものが必要だと思いますから、より充実した内容のものを求めようとするならば、広く国民の前に、どうすれば国鉄が再建できるのか、行政府としてはかくかくのことを審議会なり何なりの会議に意見を聞きたいと、むろんそのことが国会に私は報告されていいんじゃないか、このように思うんです。そういう手続をとらないで、単に政策上の問題としてこの推進会議が構成をされる、意見書を求められるということは、あまり行政府のやり方としては適切であるとは思いません。これは自後の問題として大いに御注意をいただきたい、こういうように思うんです。
 そこで、次の問題は、四十二年度の国鉄の監査委員会がまとめ上げた報告書です。ごらんになっているでしょうね。この報告書の中で、四十六年に至る第三次長期計画というものは修正をしなければならない、手直しをしなければならぬ、こう言っておるわけです。いわんや、推進会議の意見書の中にもそのことが言及されておる。しかるに国鉄は、すでに早くその指摘を受けながら一体何をしてきたのか。たいへん御苦労されておることはよく知っております。二、三日前板付の空港で「苦闘する国鉄」という、こういう刷りものを私は読んだんで、まあ内容は非常におもしろいとらえ方をしておりますけれども、そういう苦闘というのか、苦悶というのか、煩悶というのか、そういう状態の中に置かれながら、国鉄みずからは何をやったか、この辺のことが私としてはやはり釈然としない。ただ運輸省がやることだ、ただ政府がやることだ――むろん、石田総裁が、在来、地方納付税の問題であるとか、あるいは政府の資金援助の問題であるとか、そういうものが十分でない、公共性の強い事業に対して納付税を取るとは何だ、こういうようなかなりきつい表現等はこの委員会で一、二回私は拝聴したことはあります。しかし、そのことはいかにも他力本願であって、国鉄みずからが第三次長期計画に対して何ぶんの手直しをするとか、あるいはもっと次元の高いビジョンを持つとか、そういうものは寡聞にして聞いたことがないんです。したがって、このことはひとつ国鉄より承っておきたいと思います。
#27
○説明員(石田禮助君) 御承知のとおり、国鉄は過去における投資不足、それによって生じた輸送力の不足、通勤輸送の交通地獄というものを是正すべく、四十年から思い切った第三次計画というものを立ててやったのでありまするが、その過程において起こったことは、収人と支出の状態が予想に比べて非常に違っていた。収入というものは競争の関係でもって一向にふえない。しかも、支出のほうというものは人件費を主として非常にふえて、とてもこれではもう第三次計画というものはできぬ。それで、とにかく四十三年までやって、あとのことについては何とかせにゃいかぬ、こういうことをわれわれはそれとなく運輸省のほうに話しておったのでありますが、それによって、結局、内閣がああいう委員会をつくってこの手直しをやろう、こういうことになった次第であります。
#28
○森中守義君 せっかくのおことばですけれどもね、第三次長期計画のいわれておる三本の柱というのは、一つには通勤輸送の改善、それから第二点は幹線輸送力の増強、それから第三は新幹線網計画の策定、大体この三つに制約を加えられておる。これは私は、常日ごろから国会で指摘をされ、国鉄みずからがお考えになり、運輸省みずからが今日の国鉄に対する診断の結果としては必ずしも適当でない、あまりにもこれはマンネリ化しております。そういう意味でここで論議が波及すると、だいぶ皆さんもお待ちいただいて、この時間になっておりますから、オーバーワークになるので、これはひとつ明後日に譲ることにして、きょうはこの程度で終わらしていただきます。
#29
○委員長(岡本悟君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#30
○委員長(岡本悟君) 速記をつけて。
#31
○三木忠雄君 私、資料要求をひとつお願いしたいんですけれども、今後いろいろ調査をしていくうちにいろんな問題、資料がほしくなる問題が数多くあるわけです。この問題についてはひとつぜひともお願いしたいんです。この間も私は、国鉄のほうに、名古屋の問題で、実は近鉄あるいは名鉄が乗り入れている土地使用問題について、その辺に日通があるわけですね、その土地の使用状況はどうなっているか、こういう問題について一カ月くらい前だったと思うんですが、要求したんですが、まだ出てこないんですよ。これじゃなかなか審議はできないだろうし、こういう問題、今後この委員会で私は数多く取り上げたい問題があると思う。それが実際に出せないようじゃ信頼できないと思う。この問題についてはぜひとも協力をお願いしたいと思う。これは国鉄さんにぜひともお願いしたいと思う。具体的には、いま私は、新宿駅と渋谷駅と池袋駅、この三駅の土地の使用状況等について資料をお願いしたいと思います。
#32
○説明員(磯崎叡君) 土地の使用状況でございますか、いまおっしゃったことは。かしこまりました。
#33
○中村正雄君 資料要求。国鉄の四十四年度以降の年度別の財政再建計画の表を出してもらいたいと思います。国鉄財政の再建計画の見通しでも計画でもいいですが、それを出していただきたい。
#34
○説明員(磯崎叡君) 四十四年度以降の財政再建計画と申しますのは、この法律で現在お願いいたしております今後十年間の再建計画ということでございますか。
#35
○中村正雄君 そうです。近代的な国鉄の財政の立て直し……。いつの場合でも、運賃の値上げのときには、こういう計画でやるからということでいつも財政の見通しの表が出るはずですが、今回出ておりませんので、それを出してもらいたい。
#36
○政府委員(町田直君) それは法律によりまして、四十四年度、これからつくるものでございますので、現在の段階ではそういう数字的なものは作成いたしておらない、そういうことでございます。
#37
○中村正雄君 本年度のはできているんですか。
#38
○政府委員(町田直君) 本年度のは予算として一応やっておるわけでございます。
#39
○中村正雄君 そうすると、来年度以降は全然、国鉄の財政の見通しについては描いていないということですか。
#40
○政府委員(町田直君) 要するに、この法律を通していただきまして、これに基づきまして政府が基本方針を定め、それに基づいて国鉄がやる、こういうことにいたしております、今後の問題ということで。
#41
○中村正雄君 そうするとこれは内部的にもきまっていないわけですか。この法律が通れば大体見当はつくわけでしょう。
#42
○政府委員(町田直君) さようでございます。
#43
○中村正雄君 そうすると、一応運輸省なり国鉄とすれば、この法律が通るものとして計画を樹立しなければこの法案の審議はできないわけなんですね。裏づけのない審議をやれというのはおかしいじゃないですか。おそらくあるはずですよ。
#44
○委員長(岡本悟君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#45
○委員長(岡本悟君) では速記をつけて。
#46
○金丸冨夫君 与党の質問として、めったに機会がございませんので、この機会に若干時間をちょうだいしてお尋ねいたします。
 まず、国有鉄道財政再建推進会議の意見書そのものについてお尋ねをいたしたいと存じます。
 政府は、近時、国鉄の財政が極度に悪化している現状にかんがみまして、四十三年三月の物価安定推進会議の提案の趣旨にのっとりまして、四月九日の閣議了解を経て、国鉄財政再建のための抜本的な施策、次には経済社会の進展に即応した長期的な国鉄の能率的合理的経営の方策を考究するために、臨時的に国鉄財政再建推進会議を開催することとなったのであると承知をいたしております。私は、国鉄財政再建推進会議のメンバーが、わが国の産業界、学界、言論界などの学識並びに経験者を網羅して選定されておるので、この会議における集約せられた結論については大なる興味と期待を持ってまいった一人でございます。しこうして、再建推進会議が約五カ月の日時を要してまとめました意見書を通覧いたしますと、短時日にもかかわらず、よく国鉄の現状に立脚し、問題点をとらえて判断を下し、国民的視野に立っておおむね公正な意見が出されていると受け取り得るものでございます。しかし、この意見書がいかにりっぱなものであるといたしましても、その実行が伴わないということでありますならば、従来のたび重なる事例と同様に、何らこの点と変わるところがないということになるのでありましょう。本意見書に盛られました数多くの問題点について言いますと、国鉄再建のためにはまことに当然であり、もっともな意見であるけれども、さてその実行となるとよほどの英断と勇気を必要とする問題が数多く盛られておるようでございます。政府はもちろん、国鉄自身、さらにまた与党、野党の観点から、あるいはまた労働組合の観点から考えましても、大いに考えを新たにしなければならない問題があると思うのでございます。
 そこで、運輸大臣、あなたにお尋ねいたしたいのであります。あなたは、当推進会議の開催者であり、政府における所管大臣でありまするから、向こう十カ年間の再建期間中は、国鉄財政再建に関連するもろもろの施策については、本会議の答申書とも言うべき本意見書の趣旨を尊重せられてその実現に極力努力せられるものと思いますが、決意のほどをお伺いいたしたいのでございます。国民の中には、こういう意見もあります。なるほど、意見書に取り上げられた方針はりっぱなものであるが、しょせんはから念仏に終わるのではないか、あるいはまた、運賃値上げの言いわけに使われるのではないか、あるいはまた、政府の援助も事業の合理化も中途はんぱに終わって、結局そのしわ寄せが、運賃改正にはね返ることになり、意見書の中のつまみ食いに終わるのではないかというような疑惑の念をもって見る向きもあるようでございます。でありまするから、この際、政府、特に責任者であられまする運輸大臣の確固たる決意の表明が必要であると思いますので、お伺いする次第でございます。
#47
○国務大臣(原田憲君) いまお話がございましたように、この国鉄財政再建推進会議は、昨年の四月九日付閣議了解に基づきまして、国鉄を再建するための抜本策を求めるために開催した会議でございます。これが三十数回に及ぶ会議を重ねられて、十一月に答申を得たのでございます。もとより私は当時の大臣ではございませんが、十一月三十日私は就任いたしたわけでございます。この国鉄問題につきましては、以前から私は、この日本の経済を背負っておる動脈、この国鉄問題について自分ながらに関心を持っておりました。特に長期計画というものを国鉄が四十年を頂点にして立てた。そして、この計画の推進につとめておる際に、すでにその半ばで、昨年の十月に、ちょうど半ば的に計画にのっとった大きなダイヤ組みかえということをいたしておりますが、その半ばに至って赤字が非常に累増する。そして、国鉄財政というものは危機に瀕して、これはこのままいったらここでストップしてしまう、破局に瀕する。こういう状態に立ち至るということを私なりに憂えておったものでございますが、国鉄財政再建推進会議の意見書を大臣としてちょうだいいたして、これは適切なる御意見である、これを実現することによって、国鉄の再建の抜本的方策はでき得るという信念のもとに、四十四年度の予算と取り組んだわけでございます。
 御承知のように、この新しい長期計画を組む際にも、政府に対する出資方の要望がございましたけれども、当時政府は、国鉄の運営、独立採算制というたてまえから、特別債というものをもってこの事業の推進ということのもととして、一方では国鉄運賃の改正というものをもってやったわけでございますが、これは逆に、いわゆる赤字累増の一つのもとになったと批判されておるところでございます。私はこの際、これらのことにつきまして、ぜひ推進会議の言っているところを今度は実現しなければならない。これまでもいろいろな意見が出ておりましたが、それが十分に取り入れられておらないといううらみがあった。今度はこの問題について必ず実現をしなければならない。こういうことでもう簡単に申し上げますと、意見書の要旨は、四十四年から五十三年までの十年間を再建期間としておるわけでございます。そして、その間には、国鉄が合理化、近代化につとめる。そして国及び地方公共団体がこの財政措置をする。その一番には、いままで借りておるところの借金の利子の事実上の猶予をしなさい。それから財政再建補助金、昨年から出ておりますが、この財政再建の補助金の拡充につとめなさい。市町村納付金の大幅軽減につとめなさい。長期低利資金の確保につとめなさい。それから運賃の適切な是正をやってもらいなさい。投資規模は三兆七千億ということにしなさい。それから施策を確保するために法律を別に制定することがよかろう。これが推進会議の言っておられる要旨でございます。
 このことにつきまして、今度の四十四年度予算に関しましても、先ほど申しました政府管掌機関による利子の事実上の猶予、財政補助金の拡充、市町村納付金の軽減、長期低利資金の確保、それから運賃の改定、こういうことについてお願いをいたしておるわけでございまして、再建推進会議の意見は大体私は予算というものに取り組んで実現をして、この再建抜本策の道を開いたつもりでございます。なお今後より一そう、私はまだ問題は残っていると考えております。今年はこれでやりましたけれども、なお国に対して財政補助金の拡充ということにつきましては、また来年度要求をすることもあろうと思いますが、いずれにいたしましても、過去におけるところのいろいろな御意見を賜わったけれども十分にできなかった、今度はその道を開き得て、十分とは言いませんけれども、道を開いたということは言えるのではないかと考えまして、現在の国家財政上この方法をもってやることが最も適切であると考えまして、御協力をお願いいたしておるような次第でございます。
#48
○金丸冨夫君 たただいま例として御指摘になりましたものを一つ一つをとりましても、実際、今後の国鉄輸送、あるいはまた財政の面において非常に大事な問題が多いのでございます。私どもは、でありまするから、この十カ年の再建期間中のこの計画は、ほんとうにこの意見書に述べられたように、その線に沿って実現するよう、運輸大臣といたしましては所管大臣、また政府を含めまして、ぜひともひとつ勇断をもってこの実行に当たられるよう切望いたす次第でございます。
 次に、先ほどの資料要求の点にも関連いたして私もお伺いしようと、ここに原稿をこしらえておりましたのでありまするが、基本方針並びに基本計画についてお尋ねをいたしたいと思うのであります。再建計画を成功させるには、何といいましても、これは一般国民の理解と協力が必要であると思うのでございます。国鉄財政が四十三年度で一兆四千億円の赤字をかかえて破産の一歩手前にきているというようなことは、国民はなかなか簡単には理解し得ないのでございます。向こう十カ年間、三兆七千億円にのぼる新投資をさらに行なって、政府もまた画期的な財政措置をとり、国鉄自身もかくかくの合理化を行なうから、ここに国民といたしましても、利用者負担の意味において運賃値上げに協力してほしいと、施策を高揚して、ほんとうに国民に対する呼びかけを行なうのでなければなかなか容易でないと思うのでございます。意見書に言う、かような方法でいくならば、三位一体、あるいはまた三方一両損というような真意も理解できるのであろうと思うのであります。それゆえに、再建に関する基本構想というものは、この際早急に、一日も早く決定の運びに持っていき、すみやかに国民の前に提示すべきであると思うのでございます。国鉄財政再建促進特別措置法のこの法案によりますというと、その第三条において、運輸大臣は基本方針の案を作成して、閣議の決定を求めることを要する。また、第四条におきましては、国有鉄道は、基本方針に基づき再建計画を定め、運輸大臣の承認を受けなければならぬと規定いたしております。したがって、実はこの再建に対するところの、財政再建に対するその基本をなす基本方針と基本計画ということについては、いまはっきりしたものを、これでございますというものをお出しにはなれないかと私は考えておりまするが、少なくともそれは本再建法案の成立後可及的すみやかにこれを国民の前に公示する必要があると思うのでございます。先ほど政府側のお答えもありましたが、まだそういうものはこしらえていないというようなことでございまするが、私は十カ年計画というものができました場合に、本法案が通りますると、これを運輸大臣が再建計画を承認する。また、基本方針の閣議決定を行なうという時期は、一体どのくらいに運輸大臣としてはお考えになっておりましょうか。その点が第一点。
 それから第二点は、これは、内容はおおむね推進会議の意見書の線に沿うて行なわれるものと理解してよろしゅうございましょうか。この点が第二点。
 第三点は、政府の財政措置については、四十四年度においてあらかじめ予算措置が考慮されておると思うのでありますが、この点はいかがでしょうか。その内容はどういうことでございましょうか。それをお伺いしたい。
 それから第四点は、十カ年の計画でございますから、おそらくわれわれが考えますときに、いわゆる長期計画とそれから年度計画という二つのたてまえで進むのではないかと想像されるのであります。従来の例を見ましても、年度計画さらに長期計画というものを行なって、そうしてこれを完成していくというのが例でございます。なかなかこの長期計画というものの策定は、私は非常に困難があろうと思うし、また、現にこの試算表を拝見いたしましても、あらゆる点において物価の点から、人件費の問題その他、あらゆる経済情勢あるいは社会情勢というものが変わってくる十年間でございます。したがって、もちろん十カ年計画がびた一文も違わないという計画はなかなか立てにくいと思いまするけれども、大体の線がきめられて、そうして、その年度の予算とそれから借り入れ金その他の投資財源の処理とか、あるいはまた合理化における利益あるいはまた営業成績と、こういうすべてのものを考えて立てられる年度計画、すなわち国鉄のつくられる計画というものは、これはよほど慎重に行ないませんというと、とかく十カ年計画なんというものは、三年たてばまた変えてしまわなければというようなことに相なろうかと思います。私は、あえて再建期間が十カ年となっておるので、おそらくその年度計画というようなことで、この基本計画とは別に行なわれるものと、かように考えます。そうすれば、たとえば、先ほど中村委員のお話しのような、運賃値上げを一回やる、そうすれば、この次の予測されておる四年目までぐらいは少なくともどういうことになるということは、これはあなたのほうでお立てになって、この審議の場にお出しにならなければ、ただこの試算表だけでこういうことに相なっておりますでは、私はいかぬと思う。これは国民によく知らせると同時に、われわれ委員会の審議についてもこれはやはり出していただかなければ、審議がなかなかできないのじゃないかと、こういう考えでございます。運輸大臣並びに国鉄の御意見を承っておきたいと存じます。
#49
○国務大臣(原田憲君) 基本方針の具体的な内容はどうだと、こういうことでございますが、これは、わが国の交通体系上の国鉄の役割り、国鉄の近代的経営体制確立について、基本的な今後のビジョン等を明らかにするとともに、それを実現するということに必要なる国の施策及び国鉄の措置に関する基本的事項が定められるわけでございます。
 その内容はどうだ、この間からお話を申し上げておりますように、この国鉄が今後果たし得るためには、都市間の旅客輸送であるとか、中長距離の大量貨物輸送であるとか、あるいは大都市の通勤通学輸送であるとか、そういう安全をより一そう対策をしていくとか、こういうことが基本の問題であって、これらにつきましては、推進会議でも提案がありますが、これはもちろん重要な意見として参考にいたしたいと思いますが、私といたしましては、運輸省としてはこれらの問題について可及的すみやかに基本計画というものを立てて、そうしてこれに従った国鉄の再建計画というものを立ててもらうように、こういうふうに持っていきたいと思っております。
 なお、もう少し補足して政府委員からも答弁をさせます。
#50
○政府委員(町田直君) ただいま御質疑のございました第一点の基本方針と国鉄の計画はいつごろできるかということでございますが、基本方針につきましては、この法律をお通しいただきました場合には、すみやかに、できるだけ早く閣議決定をいたしたい、こう考えております。それからなお、基本計画につきましては、ここにいろいろ項目に書いてございますけれども、需要の想定その他作業が要りますので、数カ月中には国鉄から基本計画を出していただきまして、運輸省として大蔵大臣と協議の上承認したい、こういうふうに考えます。
 それから第二点の、推進会議の答申にのっとるのかということでございますが、私どもといたしましては、原則的に推進会議の考え方をできるだけ取り入れてやりたい、こういうように考えておる次第であります。
 それから長期計画の期間の問題でございますけれども、法律上再建計画は十年間の計画としてつくると、こういうふうに定めておりますので、十年間の基本計画をつくる予定でございます。ただ、御指摘のように十年間という期間は相当長うございますので、まあ、十年間の中に二つぐらいに分けて、比較的詳細にできる分と、それから予測が非常につきがたいので、少し荒っぽくなるような分というような分け方になるかもしれませんけれども、いずれにいたしましても、計画としては十年間の計画を立てたい、こういうふうに考えております。
 それから年度の分につきましては、毎年の予算の際に事業計画等つくることにいたしておりますので、この十年間の計画に従いました年度計画というものは、予算の際の事業計画として毎年つくると、こういうふうに御理解いただいていいのじゃないかと思います。
#51
○説明員(石田禮助君) さっきの中村さんのお話ですが、大体今度のこの運賃値上げをする、そうしてさらに財政措置を講じてもらう、それからまた、納付金のほうでも少し手心を加えてもらう、いろいろのつまり仮定のもとに、今後そういうことでいったら十年間にどうなるのか、こういうことは、これは推進会議で実はつくったのでございます。それに基づいてわれわれはこの計画を立てたのでございます。どうせ、しかし、これは国鉄の収入にいたしましてもあるいは経費にいたしましても、非常に動くものでございます。はたしてそのとおりいくかどうかわからない。計画であり、要するに試算なんです。ということで、これはひとつ御了承願いたいと思う。
 さらに、今度の推進会議によって、国鉄は一体非常に得るところがあった、国鉄のために非常によかったということは、さっき久保さんも申し上げましたが、要するにこれまで国鉄というものは、独立採算でやっているにもかかわらず、非常に大きな荷物を政府からしょわされておった。いわゆる公共負担、これは実に大きなものだ。通勤通学の問題なんかにしたって、あの五割というものを入れると二千二、三百億になるんです、一年に。こういうものはみんな外国では政府が補償している。ところが、しないのは日本のみということで、そういうことを私は、実は国鉄総裁になってから、もうしょっちゅう憎まれ役になってやっていたんですが、ようやく今度実がなった、こういうわけです。これについては、推進会議というものはさらにバックしてくれたのでそういうことになったということで、私は推進会議というものに対してはほんとうに感謝している。国鉄の生きる道がようやくここにおいて開かれたのではないかと、こう考えております。
 それからさらに、国鉄の現在の状態でありまするが、これはひとつ説明を要するんですが、四十年、計画を立てるときに、われわれは通勤輸送の改善などに対して五千億以上の投資をしなければならぬ、こんなものはとても引き合ったものじゃない、だからして自己資金というものを大いにつくらなければならぬ、こういうことで、四十年から運賃の値上げというものをしよう、こういうことで大体の了解を得ておって、それから四十年の四月から実行するというやつが、まぎわになってからこれはいかぬ、延ばせ、こういうことで十一カ月延ばした。それによってミスするのが千二百三十億ということで、四十年には千二百三十億の損になったのはそれからきておる。問題は、その後われわれとしては、その後の情勢によってだいぶわれわれの初めの見込みが違ってきたということで、どうしてもこれは政府の援助を受けなければならぬということで出資を要求したが、なかなか政府が言うことを聞かぬ。去年もやったんです、だめだ、結局ことしになって政府というものは財政措置を講じてくれた。講じてくれたことについては私は感謝するが、実にいままでみみっちかった大蔵省がなかなか思い切ったことをやったと、こういうことなんで、ここに国鉄というものは希望を持って再建計画にスタートすることができた。大いに勇気を持って合理化を推進することができる、こういう次第でありまして、さっき中村さんの、全然数字なしにやったのではなくて、たぶんこれならばだいじょうぶだろう、こういうことでやったのでございまして、全くの夢じゃないので、その点はどうぞ御了承願いたいと思います。これは運輸大臣は、ちょっと試算ということで非常にかたく考えた結果答弁なさったようですが、実際は、夢のようではありますが書いたものはあるんです。それは例の推進会議の報告書にちゃんと載っています。
#52
○金丸冨夫君 もう一つ、これで終わります、この際やはり、いろいろの重要問題たくさんありますが、ひとつお伺いいたしておきたいことは、国鉄の鉄道網の新体制についてお尋ねいたしたいのであります。措置法案第三条において、わが国交通体系において国鉄が果たすべき役割りというようなことに言及し、また、国鉄の近代的経営体制の確立に関する構想の策定を指示するというようなことを書いておられます。現在の国鉄では、御案内のように、現在の国鉄の鉄道網は、在来線の形態におきまして全国的に普及せられてきておりますが、何といっても国民の目は最近のいわゆる新幹線というものの普及に向かっておると思うのでございます。
 国鉄新幹線は、御案内のように、世界の国々に先がけてわが国が開発したものであり、企業としてもいまや完全に採算がとれておると承っております。新しい時代におけるこのわが国の鉄道網ということは、この新幹線の開発によって新たに新幹線方式を、新幹線を主軸として全国網が編成されるべきではないか、かように私は考えますが、国鉄御当局の御意見はいかがでございましょうか、この辺をお伺いしたいと思う。
#53
○国務大臣(原田憲君) 今後の国土開発計画を進めていく上におきまして、交通輸送の新しいネットワークの整備はきわめて重要でございます。特に七大中核都市を結ぶルートを主軸といたしまして、日本列島の新骨格を形成することが必要でございます。
 鉄道につきましては、今後の都市間旅客輸送の増大に対処しまして、かつまた、都市間の時間距離を短縮するために、最高速度時速二百五十キロメートルの新幹線鉄道を順次整備することによって、効率的かつ斬新な交通体系が実現することになりますので、そのようにいたしていきたいと思いますが、その具体的な路線延長等につきましては、目下慎重に検討中でございます。
#54
○金丸冨夫君 新幹線の三十九年以後の在来線との成績を拝見しますと、非常に三十九年あたりは足りないのでありますが、四十年においては百二十七、八億、四十一年は百六十三億、四十二年では三百四十六億、四十三年の見通しは約五百億と承っております。在来線はこれに従って、三十八年は六百十六億ですが、三十九年には四百六十億、さらに四十年には、これは特別の不況の影響もあったと思いまするが二百九億、四十一年は三百十八億、四十二年は二百三十八億と、こういうぐあいになっております。この数字を見ますと、いわゆる新幹線はおおむね成功しておる、採算的にも成功しておるということに受け取れるわけでございます。しかりとすれば、今後の鉄道網を考える場合において、いわゆる近代的な鉄道網編成計画ということが私の考えておるようにいくとしたならば、新幹線をどういうぐあいに配置するかというのが、これは一番根幹をなすんじゃないか。もちろん、この輸送につきましては、在来線との共用ということに相なるでありましょうし、また、国鉄としてはこれを別会社でやるとか何とかということになったらこれはたいへんなことになるわけで、どうしてもこれは同一経営ということに相なるでありましょう。これはむしろ運輸省というより国鉄としては、今後の輸送体系としてかくあるべきというものがちゃんとなければならぬと思うのであります。あるいは東海道新幹線だけを考えて、いわゆる太刀に対するわきざしみたいな程度に考えておるのかどうか。この点も実はわれわれは、はっきり運輸省の御意見は聞いておりませんけれども、少なくともかような営業成績というようなものになった場合には、これを徹底させるということによって進めなければならぬのじゃないかと、かように考えるわけです。この点についてはいかがでございますか。
 それからあわせて――どうせ副総裁からお答えをいただけると思いまするが、在来線というものと新幹線というものとの利用というものをどういうぐあいにお考えになっておるか。これがまた一つには、新幹線を非常に延ばすか延ばさぬかといういまの関連にも相なると思うのであります。この二点、さしあたりお答えをいただきます。
#55
○説明員(磯崎叡君) 先ほど大臣がおっしゃいましたとおり、いま政府で考えておられます新国土総合開発計画にのっとりまして、いわゆる全国の新幹線の一つの網をつくるということは、私ども勉強はいたしておりますが、まだ正式なものは決定したものはございません。しかしながら、将来二十一世紀にわたりて、国民の足としてほんとうに利用してもらえる鉄道というのは、やはりこれからのことを考えますれば、相当スピードを持った、しかも大量輸送のできる交通機関、たとえば、いまの新幹線のようなものというふうに考えられますので、今後私どもといたしましては、そういうものの完成に全力をあげてまいりたいと思いますが、ただ現在の財政状態では、とても私どもはそこまで負担するわけにいきませんので、ただいま御審議願っております計画では、一応山陽新幹線を博多まで延ばすということ以外ににつきましては、別途の財源、その他によって建設をしていただく、こういう考え方でございます。また、その後、できました新幹線と在来線の使い方でございますが、東海道をごらんくださいますとわかりますように、もし東海道新幹線ができておりませんでしたならば、たぶん湘南から東京付近への通勤がほとんどできなかったと思っております。あるいは、もしその通勤輸送をやるとすれば、東京−大阪間の長距離輸送はできなかったと、こういうことになっておると思います。すなわち、新幹線ができましたために、早い列車を全部在来線から新幹線に移しまして、そして在来線のあいたところを貨物列車と通勤列車を入れたということで、現在、たとえば東京駅が七時半から九時半の間に一本も急行列車は入っておりません。全部通勤列車でございます。そういうことは、やっぱり新幹線ができたからこういう思い切った勤通並びに貨物輸送中心のダイヤが組めた、こういうふうに思っておりますが、将来山陽あるいは東北、上越等に延びました場合には、そのときどきの輸送の要請に伴いまして、やはり、考え方といたしましては、いまの東海道の新幹線と在来線との使い分けと同じような考えでいくべきではないかと、こういうふうに思っております。
#56
○金丸冨夫君 それで、その点について、いわゆる使用関係について、まだちょっと私、東海道を考えた場合に、貨物輸送と旅客輸送というものについて、ただいまは旅客は補助的で在来路線、おおむね新幹線というような動きになっておるとも言い得ると思うんでありまするが、貨物は何もあの線に、ああいう新幹線に乗せて、一刻一時間を争って走ることになっても、また国民生活あるいはまた経済取引の関係から考えて、それほどでもないというところもあるかと思いまするが、初めの計画においては新幹線も貨物を扱うというお話を承っておったわけなんです。これが一向進んでおらぬように思うんですが、これはどういうわけなんでしょう。
#57
○説明員(磯崎叡君) 当初、新幹線におきまして貨物輸送をやる計画を持っておりましたが、いまなおそれをやめてしまったわけではございませんが、ただ御承知のように、貨物輸送には非常に大きな先行投資が伴うわけでございます。たとえば現在、大井埠頭等に貨物用の土地を東京都と折衝いたしておりますが、用地の面積だけでも相当大きなものになりますし、また、東京だけでなしに、大阪、名古屋等、各所に貨物を扱う大きな場所が要るわけでございます。それから、いま先生のおっしゃったとおり、現時点におきまして、東京――大阪間を夜行の貨物列車で四時間で走るのが、ちょっと荷主の関係上、時間がかえって不経済である、むしろ六時間ないし七時間ぐらいかかって走ったほうが発荷主と受け荷主の荷受けの関係からいっていいというふうなこともございますが、将来、これが博多まで延びるという時点におきましては、やはり貨物輸送を本格的に考える時期が必ずくるというふうに考えております。現在は、いま新幹線に移しました在来線の輸送余力でもって貨物輸送をやってまいるということで、先ほど申しましたとおり、新しい設備投資は非常に金がかかりますので、極力現在の貨物設備を改善することによって貨物輸送を充実させてまいりたいということで、今度の計画の中におきましても、相当貨物輸送に重点を置いて約五千億近い投資をして貨物輸送の近代化をはかってまいりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#58
○金丸冨夫君 しかしながら、いまの新幹線においても若干の貨物輸送はかえって要請されていると思うのですよ。また、そういうものがあると思うのですよ。これはまあいずれ、いま旅客で一ぱいでありますから、金のかかることをいろいろやってみたところがたいしたことがないというのであるならば、これはまたそういう見解もできるわけでありますが、いまのメリット、特に貨物の速度のメリットというのは、必ずしも早いがいいということではないわけです。だから、旅客と違いますから、それは私もそういうぐあいに御利用になることが、また御計画になることが妥当ではないかと考えております。
 次に、関係いたしまして、いまお話がありました新幹線網の関係でございまするが、今度の意見書には山陽新幹線を含めて五十年までに福岡ということが計画され、おおむねこの資金計画等にもこれは入っておるようでございます。ただ、そこでこのほかに、実際、地方で要望せられるもの、また国鉄採算上これを急ぐことが全体の経営の面においてもいいんだと思われるようなところも、私は、よく調査をいたしますればできてくるんではないか。たとえば東京――仙台間であるとか、あるいはまた東海道第二新幹線であるとか、あるいはまた東京――大阪間の北陸回り新幹線であるとかいうようなものが話題にのぼっておりまするが、まあ技術的にはいずれも数年ならずして採算がとれるということを私は耳にもいたしております。そうするというと、こういうものはただいまでは運輸省としては、またこの意見書にも取り上げておられないんだから、そのままに、後の問題にするというのか、あるいはそのあとに資本投資の措置については別途考えるということがございますね、先ほど大臣のお話にあったと思うわけでありまするが、あるいはまた、こういう新たな問題については、私はただ単に今度の財政経済措置、すなわち金利のたな上げと孫利子の支払い、それから利子の若干の補給というような程度では……、もう少しこれは出していただいて、少なくともこの形でもよろしいし、そうでなくて望むらくは、各国における例を見ましても、出資という例もたくさんあるんですから、金のかからない方法でやっていただくならば、これは必ずペイすると思うのです。そういう意味で、この新幹線には私どもも興味を持って、この計画はどうなるかという前途を見守っておるわけでありまするが、運輸大臣、これに対する最後のお答えをちょうだいいたしたいと思います。
#59
○国務大臣(原田憲君) 新幹線計画につきましては、先ほど基本的な考え方を申し上げました。昭和五十年までに、国鉄側がいま言いましたように、博多まではぜひこれを具体化したいという考え方で、それ以外に、いまの先生のお話の、全国的なネットワークを新幹線でどう結ぶかということについては当然別途財政的には考えなければならぬ問題であろうと思います。なお、いま、いわゆるビジョン、日本の新しい国土開発計画ということから見ますと、われわれが考えにも及ばなかったようなところへ新幹線を敷かなきゃならぬという、従来の東京――大阪間は需要が強いから、これを新幹線で結んだために非常に効果があったということから離れて、いまこれから公害問題とか、いろんな問題が起きてきますから、それらと勘案して新しい新幹線というものの必要性というようなものがあらわれてくるというようなことまで考えながら今後に対処していきたい、このように考える次第でございます。
#60
○委員長(岡本悟君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後六時二十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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