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#1
第061回国会 運輸委員会 第12号
昭和四十四年四月十日(木曜日)
   午前十時五十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月八日
    辞任         補欠選任
     渡辺一太郎君     小枝 一雄君
 四月九日
    辞任         補欠選任
     小枝 一雄君     渡辺一太郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岡本  悟君
    理 事
                江藤  智君
                金丸 冨夫君
                谷口 慶吉君
                瀬谷 英行君
    委 員
                河野 謙三君
                佐田 一郎君
                菅野 儀作君
                平島 敏夫君
                前田佳都男君
                山崎 五郎君
                渡辺一太郎君
                加瀬  完君
                木村美智男君
                森中 守義君
                田代富士男君
                三木 忠雄君
                中村 正雄君
                市川 房枝君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  原田  憲君
       大蔵大臣臨時代
       理        菅野和太郎君
   政府委員
       経済企画庁国民
       生活局長     八塚 陽介君
       経済企画庁総合
       開発局長     宮崎  仁君
       大蔵大臣官房審
       議官       細見  卓君
       大蔵省主計局次
       長        海堀 洋平君
       大蔵省主税局長  吉國 二郎君
       運輸大臣官房長  鈴木 珊吉君
       運輸省鉄道監督
       局長       町田  直君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  山口 真弘君
       建設省道路局長  蓑輪健二郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   法制局側
       法 制 局 長  今枝 常男君
   説明員
       日本国有鉄道総
       裁        石田 禮助君
       日本国有鉄道副
       総裁       磯崎  叡君
       日本国有鉄道常
       務理事      小林 正知君
   参考人
       日本鉄道建設公
       団総裁      綾部健太郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岡本悟君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 理事の辞任許可及び補欠選任についておはかりいたします。
 昨九日、菅野儀作君から文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(岡本悟君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岡本悟君) 御異議ないと認めます。それでは理事に江藤智君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(岡本悟君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案審査のため、必要あるときは、日本鉄道建設公団の役職員を当委員会に参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(岡本悟君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(岡本悟君) 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案を便宜一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言ください。
#8
○木村美智男君 ちょっと委員長、速記をとめてください。
#9
○委員長(岡本悟君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#10
○委員長(岡本悟君) 速記をつけて。
#11
○森中守義君 最初、鉄建公団の参考人にお願いいたします。たいへんお忙しい中おいでくださってありがとうございました。
 国鉄の磯崎副総裁、おいでですね。きのうの読売の夕刊に、「遅れた”値上げ号発車”」、こういうことで、あなたとのインタビューが出ている。この記事に間違いありませんか。
#12
○説明員(磯崎叡君) 私はよく読んでおりませんが、朝、読売新聞の記者に会ったことは事実でございます。内容は実は私よく読み取っておりませんので……。
#13
○森中守義君 まあ、これは読売の創作でも何でもないでしょうからね。私はこの記事は間違いないと思う。お読みになっていないようだから、ちょっと御参考までに読んでみます。「遅れた”値上げ号発車”」、「ニッコリ連休の足」、「”忍の一字”と磯崎副総裁」、こういうタイトルです。「二十七日から始まるゴールデン・ウイークは、国鉄にとって、どうやら”大シケ”か――。国会のモタモタ審議で、頼みの運賃値上げがノビノビになってしまったせいだが、一方、この足踏み状態で喜ぶのは一般の利用者。現行料金で連休のレジャーを楽しめる最後のチォンス。このため、当初は五月三、四、五の十一年ぶりの三連休にピークがあるはずのゴールデン・ウイークも、連休初日の今月二十七日から利用者がどっと詰めかけることも予想され、国鉄にとっては”大損”となることがハッキリした。
 運賃改正法案がもたつき、さらにこれと歩調を合わせるはずだった一、二等廃止に伴う通行税法改正が、大幅に遅れてしまったため、値上げ実施が連休に食い込むことになって九日朝、国鉄の磯崎副総裁の表情は暗かった。九時半、登庁するなり、診療所の看護婦さんから疲労回復の注射を一本。その間に報告やら決裁がつぎつぎに回ってくる。」これからですよ、問題は。「――いまの情勢だといつごろ値上げ実施が行なわれるか。」、これは読売の問いです。これに対してあなたは、「とにかくわかりません。全力を尽くして値上げが一日も早く行なわれるようにつとめるだけです。」、「――これまでどんな値上げ工作を国会に対して行なってきたか。」、この問いに対して、「政府や自民党をはじめとして、いわゆる審議促進の”陳情”と、根回しを連日続けた。しかし、なんといっても国鉄には改正案を出してからは、」――「改正案を出してからは、すべて他力本願の方法しか残されていないのです。」、「――国会の審議空転が頼みの値上げを遅らせているのですか。」、この問いに対して、「やっぱり、そうですね。参議院の運輸委員会も先週は一回も開かれず、きのうも朝十時から待って夕方の五時すぎからやっと開かれたが、一時間ばかりで終わってしまった。いまは忍の一字。私も気が長いほうではないので、実のところ大変まいってしまった。
 運賃が値上げ案通りの新料金になった場合、国鉄の収入は一日あたり二億七千万円ふえる。今月一日から予定通りに値上げが行なわれていれば、きょうまでに約二十五億円の増収があったはず。だから、これがはいってこないのだから、逆にきょうまでは二十五億円の損失ともいえるわけだ。ところがさらに値上げが遅れて、連休にはいった場合、一日の売り上げは二億七千万円どころか、その二倍から三倍ぐらいにはね上がる。どうしても連休前までに新運賃を実施したいというのが国鉄の腹だった。
 このためすでに一億五千万円の費用をかけて値上げPRを大々的に行なってきたし、駅頭に掲げる新運賃の表示板も出来上がっている。東京や大阪などの大都市にある自動切符販売機二千五百台も、施行日のその朝から新料金になるように、職員や業者を動員して徹夜で直す作業も立てていた。ところが……。
 国会のほうでは、運賃改正法案が参議院に回されているが、」以下云々。こういうあなたとの問答が中心になって出ている。これは現物をごらんになっていないようだから、いま、一応、中心どころは読みましたが、御参考までにちょっとごらんになってください。
#14
○委員長(岡本悟君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#15
○委員長(岡本悟君) 速記つけて。
#16
○説明員(磯崎叡君) 一応は拝読いたしました。
#17
○森中守義君 いま自席より、見たということですが、間違いありませんか。
#18
○説明員(磯崎叡君) いまの記事の中の私が話したこと、これはまあ対談でございますので、別に速記をとったわけでございませんので、ことばその他については若干私は異議がございます。それから、後半の数字その他につきましては、ほかの場所で取材したというふうに考えております。私の会いましたのは、まん中の問答の部分でございます。しかし、その部分も、話し合いでございますので、別に速記その他によった正確なものではない。二、三点、私としては異議のある点もございます。
#19
○森中守義君 それじゃ逆に私のほうからお尋ねいたしますが、これはむろんしばしばいろいろな立場の人にありがちなことだから、それ自体とやかく私は問題にしようという気持ちはありませんが、この中で、たとえば、国鉄が法案を出したあとは他力本願だということ。これは一つやっぱり問題ですよ。出してからということは、国鉄みずからが提案者のおつもりのようだが、提案者は、これは政府であり運輸省ですからね。国鉄に提案権はないはずだ。それと、その参議院の運営の模様、私は一昨日も、なるほど私的には非常に申しわけないと思う。早くからお待ちいただいて、しかも夕刻になって開始、しかも非常に短時間であった。しかし、これは先般申し上げたように、立法府あるいは行政府ないしは政府機関、こういうふうに考えていきますと、自来私は、立法府という立場からは政党政派、諸会派を越えておのずから限界がある。つまり、予算あるいは法案の審査もしくは全般にわたる行政調査、ことに法案の審査等の場合には、国会が行政府なりその余の政府機関にぜひお越しいただきたい、ぜひひとつものを聞かせてほしい、審議をさしてほしいという、そういう態度を私は立法府としてはとるべきではないと思うし、その信念は私は過去十数年貫いてきている。だから、そういう意味では、先ほど総理の問題も出ましたけれども、総理といえどもそのワク外ではない。そのように私は考えているのですよ。したがって、この中で言われている、朝早くから来たのだが、夕刻まで待たせられて、一時間で終わった、先週は一回もなかった、これは言い返して言うならば、ある種の不満の表現でもあろう。そのことをもっとふえんして申し上げるならば、一体、国鉄は国会に対してどういう認識をお待ちなのか。しかも、忍の一字だと、みずからの身が聖者であって、国会など何をやっているかわからぬ、運賃値上げがなぜ悪いのだ、まあいわばこういったふうにも受け取れる。ことばを詰めて申し上げるならば、立法府に対するある種の誣告ですよ、これは。承服できない、こういうことは。したがって、まだまだこのことの議論はもう少し続けたいと思うのですが、要するに確認をされた、しかし内部については二、三異論がある、こういうことのようだから、異論がおありならばひとつお願いしましょう。
#20
○説明員(磯崎叡君) いま先生の御指摘になった三点のうち、第一点の国鉄の法案提出権の問題についての話は、先生のおっしゃったとおり、国鉄には法案提出権はないとはっきり申し上げます。国鉄はただ政府に対してお願いするだけなんだ、それは国鉄と運輸省の区別がはっきりついていない、その点は不満だと申しました第一点、これは不正確でございます。私も、国鉄が法案の提出権を持っているなどと思っていることは全然ございませんし、いままでの経験から申しましても、そういう間違った考え方を私自身として持っていないということをはっきり申し上げておきます。国鉄はあくまで政府に法案の提出をお願いするだけでございまして、あるいは運賃改定をお願いする、国鉄総裁として運輸大臣あてに申請書をお出しするだけでございます。したがって、臨時措置法のごときものにつきましては、これは国鉄は全く意見を申すだけであって、法案などについては全く私のほうは何とも関知しないと申しては失礼でございますが、法案は政府がおつくりになるということでございます。
 それから第二点の国会、立法府と行政府の問題につきましては、私どもは全くしろうとでございまして、一切いま先生のおっしゃったおことばに対して、私は批判するだけの、批判なり、お答えするだけの力を持っておりません。しかし、私はきのう記者に言ったことは、先日なり、この一週間の実際の話を、事実を申し述べただけで、私の中には不満とか誣告とかいう気持ちは全くございません。ことにここにも記者諸君が見えておりますので、実態を知って私に聞いておるわけでございます。こういう事実で、疲れただろう、くたびれたろうという話でございます。それは私といたしましては、国会に対する謹告とか侮辱というようなことは全く考えておらない、ただ事実を事実として申し上げただけでございます。
 第三点の忍ということばにつきまして、忍ということばは確かに使いました。これは俗な意味でございまして、たとえばそこにもあとに書いてございますが、一体、これから運賃値上げがおくれて、ロスしたものをどうやって取り返すかということ、あるいは毎日実は仕事が停とんしてしまっている、どうして始末するか。そこにも書いてございますように、きのうはオフィスにおりましたけれども、非常に仕事がたまっておる、こういうことも処理しなければいかぬ。きのうは労働問題も御承知のように非常にごたごたしておりました。こういうこともある。これはとても一人の力でやれる問題ではない、忍耐する以外にないという、私のいまの身辺を取り巻く全体の環境を通して私は忍と申しました。ここに出席して、朝から待つことだけを忍と申したのではないのであります。その点はよくお読みくださると、そういうふうに了解していただけると思いますし、若干私のことばの足りない点がございました。その点が私の不満とする第三点でございます。
#21
○森中守義君 先ほども申し上げたように、私は現場にいたわけでもないし、テープをとっていたわけでもないから、その辺のことをとかく申すわけにもいきませんが、しかし、一面、今日の洗練をされた有能な取材陣によって取材されたことが全くつくり上げたものである、いわば創作的なものだとは思わないし、少なくともこれは、私は、他の同僚議員が私のほうに持ち込んできた。一体、運輸委員会はどうしているんだ、国鉄の副総裁にこういうことを言わせていいのか、かなり激しい抗議でもありましたよ。そういったように、少なくとも関係二法というものがいまや世間の注目を浴びている。しかも、しばしば申し上げて恐縮なんだが、衆議院でああいう状態で送られた、私は本会議における趣旨説明あるいは質問等が行なわれていなければ、このままで、参議院が受け取った二法案というものははたして有効なのか無効なのか、本来ならばこの議論から始めるべきである。私は、衆議院のあの可決の状態というものは合法的とは思っていない。適法に委員会が運営されて、しかも可決成立したとは思っていない。にもかかわらず、一応参議院の立場において本会議の趣旨説明を了承した。あえて質問を立てた。そういう経過を踏まえて、ここで私は有効無効論を再び繰り返して議論しようとは思わないけれども、そういう背景を踏まえて今日に至っておるだけに、しかもこの新聞の中に言われておるように、あなた方は取りたい。出す側もありますよ。取られる立場にある。だから、先だって私はちょっと例を引いたように、要するに運賃料金の値上げに反対する者は不当であって――そういうことばはあなたはおっしゃっていないが、無理解というのか、非協力というのか、値上げするのがあたりまえなんだ、なぜそれに歯どめをしようとするのかというようなあなたの記事が「運輸と経済」という中に出ておる。そういったように考えていけば、やはり一連の思想として、私はこれをなるほどさもありなんというように理解せざるを得なかった。少なくともこういったように、私のみならず、おそらく見たものが、一体、これは国鉄の言い分が正しいのか、国会がどうなのかという、そこに目を向けられておるわけですから、あまり委員会における刺激を高めるとか、あるいは誤解を生ずるようなことは、これはあなたに限らないで、関係者においては十二分に御注意があってしかるべきだと。これはひとつこの記事を中心にして申し上げるようで恐縮ですけれども、私の善意ある警告として受け取っていただきたい。
 そこで、その問題にひとつ関連して申し上げておきたいのですが、ちょうどいまから十年近く前であったと思う。すでに他界されましたけれども、NHKに野村秀雄という有名な会長がおられました。ちょうどこのときテレビ及びラジオの受信料の改定が行なわれた。そのとき答弁に立たれた野村先生が、私はいまでも印象に残っております。どうしても忘れることができないことが一つある。何かというと、受信料の値上げというのは、これは一種の社会悪なんだ、絶対にNHKとしてはそういうことは求めない、望まない、しかし、公共放送を守っていくためには泣いてここでこの措置をとらざるを得なかった、胸中を察してくれ、こういう声涙ともに下るような演説を私は聞いた。その気持ちじゃないでしょうか。運賃を取るのはあたりまえだ、おまえさんたちを汽車に乗せてやっているんだから払うのはあたりまえだという、こういう出方がそもそも私は運賃問題の受けとめ方として非常に問題がある。寡聞にしていままで私は、料金値上げ、運賃の値上げというものは社会悪なんだけれども、しかたがないことなんだ、そういったような話を過去において聞いたことがない。少なくとも、国鉄の首脳部から、あるいは運輸省の首脳部からそういう話を聞いたことがない。たまたま一服の清涼剤になるのは、きょうお越しいただいた菅野経済企画庁長官が、最初はだめだと言いながら、とことんまで反対をしながら、とうとうどこかで妥協をされたということがあるようですけれども、精一ぱいこの問題で多少とも私どもが了解、理解できるかと思うのはその程度のことですよ。どう思っていますか。ぼくはいま野村さんの話をここに例として用いたのですけれども、少なくともきわめて公共性の強い、しかも社会経済、国民生活に影響のあるポジションをあずかっている皆さんとしては、その程度の謙虚な気持ちがあってもいいのじゃないですか。ただいままで詳しく速記録も拝見したけれども、取るのがあたりまえ、召し上げるのがあたりまえ、これでは話にならぬ。そういう極端な表現こそ用いていないけれども、少なくとも国民、利用者に対して相済まないという気持ちはごうまつもない。これは私の独断であれば訂正をいたしますけれども、しかし、私の言わんとする真意というものは御理解いただけると思う。それで私はそういうものの根底に流れるものは、はなはだこれも他のことを引用して恐縮なんだけれども、ことしの「運輸と経済」の三月号に、権威者の角本良平氏が論説を出された。この角本氏によれば、こういう言われ方をしておる。「今や鉄道も競争者の出現で一般企業の仲間入りをしたというにすぎない。ところが鉄道企業内部の人々にはこの変化が余り理解されない。おそらく温床育ちの悲劇であろうか。」、実にそういう意味から言うならば、この角本氏の提起されておる一つの観察というのは鋭い。国鉄の今日の経営の内容、少なくとも首脳部のものの考えというのは、おおむね角本論文に示されたようなことで尽きるのではないか。あまりいい表現ではないけれども、まさに官僚の一語に尽きる。専売なり電電があり、そうして国鉄がある。三公社の中で歴史的に一番、公社としての沿革を持っているのは国鉄ですよ。それならば一体、専売や電電はどうだ。しかし私はそう深い接触があるわけでもないけれども、側面からとらえて、公社の感触というのは非常に強い社会性を持っておる、非常に強い人間性を持っておる。そういう意味ではいささか私は、沿革、歴史が古いというだけであって、国鉄には官僚の弊害というものがいまだ残っておる。この中には非常に貴重なことを言われておる。すべてが親方日の丸、そういう認識の中に国鉄の再建をみずからの手で行なえないような現状に追い込んでしまったのだという、こういうきめつけ方をされております。これもお読みになっていなければ、ひとつ提供いたしますから御一読なさるといい。非常に価値の高い論説です。だから、要するに野村さんの話、それと、皆さんの今日の態度、この角本氏による論説と結びつけていけば、何か今日の国鉄というものをうかがい知ったような気がする。これは角本論文が皮相な見解であるとか、私の提唱する意見というものがもし誤謬であるならば、これは率直に私みずからは訂正もいたします。その辺は非常に抽象的な言い方なんですけれども、ちょっと御意見を聞かせておいてもらいたい。
#22
○説明員(磯崎叡君) 昨日の、ただいま拝見いたしました新聞の記事の中から、私の態度の中でいま先生のおっしゃったような感じが見受けられるというふうにおとりになられることは、まことに私の不徳のいたすところでございます。私は毛頭そういう気持ちは持っておりませんし、できるだけ国民に御理解願って御協力を願うという気持ちに変わりありません。私は三十二年、三十六年と毎回運賃の値上げに関与しておりますが、その間ただいまのような激しい御叱責を受けるのは初めてでございますが、私どもといたしましては精一ぱい国民の御協力を仰ぎたいという気持ちで一ぱいでございます。また、おとといの大臣の提案理由の説明の中にも、そういう御趣旨がたしか入っていたというふうに私思いまして、その点でもし私どもの態度が先生のおっしゃるようなものであったとすれば、これはたいへん申しわけないことで、この点は十分反省しなければならないと思っておりますが、少なくとも私自身はそう思っておりませんが、しかし、そういった新聞記事の中でそういうふうに見受けられるという方が一人でもいらっしゃるならば、やはり私の態度のどこかが悪いのだ、こう思っております。したがいまして、その点は十分反省いたします。
 それから角本監査委員の論文は私もすべて読んでおります。しょっちゅう私は角本氏とも会っておりますし、話も聞いております。やはり彼も国鉄出身でございますが、やはりお互いに早くから独占を政府から与えられておった陸上交通の王座としての妙な肩の張りようは直さなければならない。そうして四十七万一体となって激しい競争場裏にさらされた輸送機関としての努力をしなくちゃいかぬということは始終彼と話し合っている点でありまして、私は彼の言っている温床育ちということばは、それを裏返せば、先生がおっしゃった親方日の丸の思想だと思います。したがいまして、それらにつきましては、今後やはりいわゆる三本の柱のうちの一番大事な一本の柱として、今後の機械化、近代化、合理化につきましては徹底的にそういった思想は払拭してやってまいるのが私ども経営者の責任だと思います。その点につきましては、先生がおっしゃったことは何ら私は反論する意思はございません。
#23
○説明員(石田禮助君) ただいまの国鉄に対する御批判に対して私から一言申し上げます。国鉄の経営が理想的にいってないことは、これはもうおっしゃるとおりです。ここにおいて私としては、国鉄総裁として総裁になって以来、思い切って国鉄の経営に対するやり方というものを是正することにつとめたのであります。けれども、まだまだこれはいかぬ。その根というものは実に深い。何と言ったって国鉄というのはいままで官僚がやっておった。それを今度、公共企業体というふうになったんですから、その根の深いことはたいへんなものです。これを是正するということは非常に骨が折れる。これはやはりかすに相当時日をもってしてくださることを私は期待したい。われわれとしては反省しなければならぬことはたくさんある、そのとおり私は認めます。さらに、運賃の値上げについて社会悪なんということをおっしゃったんですが、私はこれは不賛成です。国鉄の経営は、これは独立採算のもとに経営していかなければならぬ。それで、国鉄が合理化に合理化してなおかつどうしてもこれは運賃値上げする以外に方法がない、こういう場合に初めて運賃値上げを要求するんでありまして、これは国鉄が独立採算のもとに経営しておるということからくる当然の結果である。それを一体、今日に至らしめたものはどうかというと、この社会党から出したものにその点はよく説明してある。これはいまお話しの中にちっとも触れておりませんが、これはやはり国鉄だけを責めないで、政府、立法府というものも非常に責任があるんだということを私はお考え願いたいと存じます。
#24
○森中守義君 いまの総裁のお話になりますと、内容に入っていくことになりますから、あとの時間でゆっくりいたしましょう。むろん私も社会悪ということは概念として申し上げているわけだから、だから、その辺は誤解のないようにお願いしておきます。
 そこで、法制局来てもらっていますか――これもきのうの読売ですが、かなり問題になっている。実は私も非常に不勉強で何となくじくじたるものがあるんですが、これはどうなんですか、運賃法子それから通行税法の関係ですね。私は昨晩だいぶ読んでみましたけれども、私の通行税法に関する認識からいくならば、おそらくこれは分離して施行されるべきものじゃない。あくまでもワンセットでなければならぬ、こういうように考えているんですが、法制局の見解、どうでしょう。
#25
○法制局長(今枝常男君) 提案の趣旨には、まことに仰せのとおり、同時に施行すべきものということで提案しているように存じます。ただ、現状におきましても、国鉄運賃法の公布の時期、並びに通行税法が今後成立いたしますとした場合に、この施行の日をどのようにお扱いになるかということによって、必ずしも施行の日が変わるとは直ちには断じられないと存じます。いま施行の日についてお話がございましたので、その点だけお答えいたしますが、一応はそのように考えています。
#26
○森中守義君 施行日というのは、これは一つの理論の中身なんですが、要するに運賃法及び通行税法、本体として一緒でなくてはならぬ、そういう見解を持つんだがどうかと聞いているんです。もっと平たく言うならば、たとえば、もしかりに参議院において運賃法だけが先に成立をしても、しかし今日衆議院の大蔵委員会で凍結されておるように、これが同時に参議院で成立をしないと、運賃法それ自体は単独ですべりだせないんじゃないか、こういう意味合いなんですよ。
#27
○法制局長(今枝常男君) ただいまお尋ねの点は、法律だけといたしまして考えました場合に、国鉄運賃法だけですべりだせないということは出てまいらないと思います。ただ、国鉄運賃法だけ万一、施行されました場合に、多少の予期に反した結果が起こり得るということはあるように存じます。しかし、これもあとからもし成立するならば、成立する通行税法の扱い方によりましてあるいは何らかの措置が可能かもしれないとは考えておりますが、その点は別といたしまして、国鉄運賃法だけの施行ができないものではないというふうに考えております。
#28
○森中守義君 その予期しない結果とは具体的にどんなことでしょう。たとえば、この改正案の前の現行法では等差が設けてある。しかも、それを背景にして一等一〇%、二等無税、こうなっているわけですね。これが等級差がなくなるわけだから、だから、もし通行税法がそのまま成立をしないでいくということになれば、一体、等差の関係はどうなるのか。要するに、種類がないときには一〇%課すると、こう言っているわけだから、必然的に一五%の値上げというのは二五%、つまり一〇%上乗せをするということにならざるを得ないのじゃないか。そういうことをさして予期しない結果というように理解していいものなのかどうなのか、その点どういうことですか。
#29
○法制局長(今枝常男君) 私が予期しない結果と申しましたのは、まさに御指摘の点でございます。ただ、それがその後において当初の予期のように是正できないかどうかはまず別といたしまして、ともかくも国鉄運賃法がそのまま施行になる、それから通行税法がかりにその後に成立して、その施行日をその後だけということでかりに成立いたしますればそういう結果になると、このように存じております。ということを申しますのは、通行税法を見ますと、先ほど御指摘のとおり、国鉄運賃法の改正と同時に施行するというたてまえで出ております。したがいまして、それがあとから成立いたしました場合に何らかの措置を考えるかどうかという問題が残り得るのじゃないか、まだ十分に詰めておりませんが、ということは考えられる余地はありそうですが、そういうことを一切考えないで、通行税法のほうも成立後早期の機会に施行するという立場でもってこの法案が成立いたしますれば、御指摘のような結果になると存じております。そのことを申し上げた次第であります。
#30
○森中守義君 運輸大臣、提案者の立場からこういうようなことを予測して提案をしたのですか。おそらく私はそうじゃないと。そこで、運賃法と通行税法は別々でよろしい、そういうつもりで国会にお出しになったのかどうなのかが一つ。もし別々であってもよろしいという、そういう見解で提案をされたという場合に、一五%というのは事実上、かりにそれが暫時の期間であったにしても、これは国会のことだから通行税法は廃案になる可能性もあるかもしれない、その場合に一五%というものは、一〇%上乗せをした二五%値上げもやむを得ないというおつもりであったのかどうなのか、そのことを最初にお尋ねをしておきたい。
#31
○国務大臣(原田憲君) 通行税法の改正と運賃法の改正は一体で行なわれるものと、こう考えてお願いを申し上げておりますので、これが別々になって、運賃法だけが通って通行税法が廃案になるというようなことは予想はいたしておりません。もちろん国会のことでありますから、絶対ないということはないのでございますが、そのような考えを持っております。当然、同時に御審議を賜わって万遺憾ないように判断していただける、こういう立場に立っておるわけでございます。
 なぜ二つに分かれておるかということについては、これは大蔵大臣のほうからお答え願ったほうが筋道であろうと思いますが、これは税の体系の問題であって、税というもので一つにすべて集めていく、各法律に税金と関係があるからというので、その法律に税法を付属さして同時にやるということは、これは税の体系を乱してくるということから、通行税も税の特別措置に当たるのでございますが、できるだけさようなものは税法として固めていこうという考え方が一方にあるようでございます。したがいまして、今度の場合も、これはもちろん一体でありますから、運賃法の改正に通行税法の改正というものをつけてお出しするということも、私はそういうものの専門家でございませんが、そういう手だてはないことはないと思いますけれども、そういうたてまえで通行税法は大蔵省のほうで、大蔵大臣が出してお願いをする、こういう形をとっておる、これが今度の形でございまして、ひとつできるだけ、賛否は別にいたしまして、皆さん方の御審議の上、そういうちぐはぐなことのないように御審議を賜わるようお願いを申し上げたいと存じます。
#32
○森中守義君 いま原田運輸大臣の実はお答えどおりに私は理解する。運賃法の改正を出したから、その内容において自動的に通行税法の提案をせざるを得ない、これが通行税法提案の一つの、一つのというよりもすべての目的ですよ。それなのにこれは全然違うわけですからね。いま法制局長の見解によれば、ぎりぎり詰めちゃいないけれども、たてまえ論あるいは原則論としては、あくまでもそうでなくちゃならぬ、こういう意見なんです。これは法制局知恵を出して、どういう詰め方をして結論を出すか知らないけれども、やはり立法府の立場からいけば、あれやこれやいじり回った、そういう便法を講じた、脱法とは言えないにしても、あまり便法に堕するということは、これは立法府として許されない。だから、私はあくまでもワンセットとして成立すべきものであろうし、可決すべきものであろう、その筋道としては、そういうように思う。それで、いま、こういうようにちぐはぐになっているというのは、むろんこれは国会の仕事ですから、政府にすべてその責任があるとは言わないけれども、提案者としては、まことにこれは不手ぎわの一語に尽きる、私はそういうように思う。にもかかわらず、衆議院では、そういう大事な片一方の法案をほったらかして成立したのか成立しないのかわからぬような状態で、どんどん仕上げてしまう。しかも、参議院はそういう一つのあおりを受けておるわけですよ。これははなはだ私は困ると思うのだな。むろんこれは、片や運輸委員会に、片や大蔵委員会に付託されたわけだから、やむを得ないにしても、先ほど理事会で連合審査の話が出ておるのは、一つにはそのことも中心なんですよ。運賃法と通行税法はどういう関係になるか、これはやっぱり連合審査の一つのファクターになっておる、こういうように私は考える。したがって、また国会の運営等の問題ですから、なるほど、十八日公聴会をおきめいただきましたけれども、しかし、これはやはり分離して検討するというわけにはまいりません。したがって、連合審査をいつするか、通行税法はいつ、どういう状態で参議院に来るのか、私はその辺をすみやかにもう一回理事会で協議してもらいたい。そうしなければ、一昨日も変なところで少しお小言を申し上げたようで恐縮ですけれども、質問者の立場に立てば、土俵のないところで相撲をとれといってもとれませんよ。だから、その辺の段取りをつけて、大体目鼻がこうなんだ、大体このあたりで連合審査をやろう、大蔵と共同でやろう、衆議院はどうなるのか、その辺の情勢を把握して委員会をつまり正常に運営してもらいたい。そうしませんとね、これは運賃あるいは特別措置法だけ幾ら審議しても、肝心かなめなものが抜けておれば、何をやってもあまり価値がない。要するに、慎重審議というのはその辺もあると思いますから、せっかく私もおしゃべりを始めたんだけれども、ちょうど時間も時間のようですから、間もなく十二時ですからね、早急に委員長理事打ち合わせ会を開いて、衆議院の通行税法の模様がどうなのか、これをすみやかに把握してもらいたい。同時に、大蔵との連合審査をどうするか、そういう段取りをつけて委員会を運行されるようにお願いをしたい。したがって、その間、私の質問はしばらく留保いたします。すみやかに打ち合わせ会をやってもらいたい。
#33
○委員長(岡本悟君) ちょっと速記とめてください。
  〔速記中止〕
#34
○委員長(岡本悟君) 速記つけて。
 一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十二分開会
#35
○委員長(岡本悟君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#36
○委員長(岡本悟君) 速記をつけて。
 午前に引き続き、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案を便宜一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言ください。
 速記をとめて。
  〔午後一時二十三分速記中止〕
  〔午後一時四十一分速記開始〕
#37
○委員長(岡本悟君) 速記つけて。質疑をお願いいたします。
#38
○森中守義君 理事会でも通行税法の問題が答えが出ない。しかも他院の問題だからそうみずからせんさくも困難だと、こういうことのようですが、いまおとついから審議に入っているこの法案は慎重審議でやろうと、こういうことなんで、その点については異論がありませんが、問題は衆議院が先議されてしかも全然手がつけられていないということになれば、要するに、慎重審議ですから、いつまでかかるかわかりません。十二分に議論を尽くさなきゃならぬわけですけれども、しかし、それにしてからが、衆議院の大蔵委員会が幸いにしていつの日にか採決をして、本会議で可決されて、それからこちらの大蔵委員会に入ってくるというようなことの先行きを考えますと、相当私は時間的に問題があるように思うんです。そこで、先ほどから一応この委員会会でそのことは受けてみようと、こういうことのようですから、あえて少しこのことについて問うておきたいと思うんですよ。午前中、法制局長の見解もほぼわかりましたが、その中で何か便法でもあるんじゃないか、こういう質問を私がしたら、それもなかなかむずかしそうだという返事なんですね。それで、運輸大臣と国鉄にお尋ねしたいんですけれども、どうなんですか、これは。私は率直に言って不手ぎわだと、こう思わざるを得ないんですがね。まさかこういうふうな結果が生ずるということを予定されたんじゃないでしょうね。大臣どうですか、提案者としては。
#39
○国務大臣(原田憲君) 先ほどもお答えいたしましたが、運賃の問題と、それから、運賃にかかってくる税の問題、税は税で、税体系の中で考えるという考え方から、これは政府としては大蔵大臣が責任を持って御審議を願う、こういう形をとっております。しかし、これは一体のものでありますから、私どもといたしましては、これが別々になるというようなことは考えておりません。
#40
○森中守義君 結局これは税制の一部なんだから、だから、便法として運賃法の附則等できめられる問題じゃない。だから、その限りにおいては、大蔵省が所管として税法の改正をやるのは、私は当然だと、そういうことですね。そうなれば、あまりにもわかり切っていることが、なぜこういうような結果になったのか。気づかなかったのか。ただもう運賃法さえ何とか召し上げればそれで事は済むというお考えであったのかどうか。よく言いますよ、上手の手から水が漏るということを。まさにそういうたぐいじゃないですか。こういうことであれば、何も衆議院が有効か無効かという議論までしたり、各党間の調整が非常に混乱状態におちいるような無理までして持ち込む必要はなかったんじゃないですか。私をして言わしむれば、まさにこれはひいきの引き倒しですよ。しかも、ここで一生懸命審議しても両輪の片方がないわけだから、率直に申し上げて、なかなか審議が困難ですよ。これはひとつ運輸大臣、提案者として――大蔵省、見えていますね。こちらもひとつ大いに責任を感じてもらわなければならぬ。もうひとつ両方から、臨時大臣からも、あなた方の責任をどういうように感ずるか、その辺から入っていこうじゃないですか。
#41
○国務大臣(原田憲君) これはけさから森中さんが言っておられますし、私どもは行政の責任として法律を国民のためにお願いをすると、こういう立場に立って審議を願っておるのでございますから、大臣があすこまでこうせい、ああせいと、そんなことを言っているわけがないので、だから、この国会の中におけるところの問題につきましては、私がとやかく言える立場にないわけでございます。ただ、まあ運輸大臣としたら税金がかからぬほうがほんとうは助かるのです。しかし、大蔵省としては税金を取る、こういう立場に立って、そういうことで法律が二つに分かれておりますために、大蔵委員会における審議まで私のほうからどうこう言うこともできませんし、また、運輸大臣として、あすこでどういう場面になるのかということもわからぬですし、おまえはこっちへ行けということで朝は参議院に出ておりまして、衆議院からしかられ、今度は向こうへ行っていて予算委員会でしかられているような……、私は実際あやまったのでございますから……。そういうようなことでございますから、この法律案がまあ上手の手から手が漏れたとおっしゃいますけれども、これはだれが上手であったかということについては、私はこのことについては、いわゆる国会の審議をお願いをいたしておるのでございますから、私がこれをお答えする立場にないのでございます。結論を言いますと、大蔵大臣のほうでぜひこの法案が御審議を――いま運賃法をお願いいたしておりますが、同時に、あるいはこれ以前に、衆議院のほうでも御審議を賜わって、参議院でも御審議を賜わって成立するようにお願いを申し上げたいと存ずる次第であります。
#42
○国務大臣(菅野和太郎君) 実は私が大蔵大臣の留守居役を仰せつかったときに、運輸大臣から、実は通行税の問題が衆議院のほうでまだ進行していないから、それをできるだけひとつ通行税の問題を先行するように大蔵大臣ぜひお願いしますということで、実は私、御依頼を受けたんですが、まだ私は衆議院の大蔵委員会に出ておりませんので、通行税の問題がどうなっておるか、その経過をよく知りませんが、できるだけひとつ早く審議してもらうように私としてはお願いしたいと、こう思っているんです。
#43
○森中守義君 おことばを返すようですが、運輸大臣、それはまあ政府も国民の代表と言われるけれども、国会といえどもむろん国民の代表ですからね。そういう、いかにも国会はそういうことをあずかり知らぬと言われちゃ困る。むろん、上手の手から水は漏れても手は漏れませんからね。そこでそれは私どもとしては非常に重大な関心を持つんですよ。これほど国鉄の問題が国民の注目を浴びている、しかも二法の中の一つという、これは推進会議の決定を基礎に踏んまえているわけですからね。だから、国鉄の将来をどうするのか、日本の運輸政策をどうするかという、言ってしまえばその辺にこの議論の中心があるわけです。その素材を提供しておきながら、運輸大臣は自分の案だけ、大蔵省はそんなもの一緒にくっつけないとなれば、ことばは悪いけれども国会軽視、こういう言い方になっても私しかたがないと思うんです。十分審議できないじゃないですか。これは国会のことは国会でおやりになることだから行政府は手が出ませんという、そういう言いのがれはできませんよ。それはお二人とも、片や運輸大臣であり、片や長官であり、臨時大臣ではあるけれども、お二人とも議席をお持ちになっている。同時に、ほかのことはずいぶん根回しとかなんとか耳にしますから、そういう意味であなた方が不手ぎわなことを生じておけば、それはもう行政は手が届かない、国会のやることだということでは、それは国会はそうですがと引きさがりませんよ。何としてもこれは不手ぎわの一語に尽きる。同時に、参議院ははなはだ迷惑だ、私はそう思う。そこで、事態こうなった現状において、おそらく気がつかれたのは決して私はきのうきょうのことじゃないと思う。そこで、参議院の審議促進をとにかく頼む頼むと言われるからには、運賃法がよしいつの日にか税法に先んじて可決成立をされた場合、どうしますか。その対応策はとられているんですか。また、対応策をとる可能性がありますか、これが第一。
 それから、それに関連して国鉄にもお尋ねいたしますが、よくいわれているグリーンカー、この場合には一〇%従来どおりのようですから、これはむろん問題ないでしょう。しかし、通常の運賃に至っては、運賃法は上がった、さあ実施するという場合、一体どういうことになりますか。現行法どおりいけば、これは当然一〇%つけなくちゃなりませんよ。その税法の上がるまでどのくらいの隔たりがあるかわからないけれども、結果的にはこれは精算をせざるを得ない。そういう器用なことができるか。つまり事務的に可能なのかどうなのか、それとももう運輸大臣あるいは大蔵大臣も、もう一つこれは税法は連休明けまでかかるようだから、衆議院でまた一騒ぎ起こすよりも、他の重要法案に影響あっちゃかなわぬから、これはまあひとつこの際は取り下げようということで取り下げて、それで一五%プラス一〇%、通常運賃二五%でいきますか。結果的に便法がとられるのか。その可能性があるか。少なくとも何日間かというものは隔たりがある。そういうことが実際問題として起きてくる。その点についてはどういうことにお考えになっていますか。これはひとつ運輸大臣及び国鉄当局からもそれぞれお答えいただきたいと思う。
#44
○国務大臣(原田憲君) このことにつきましては、先ほども申し上げましたけれども、税の責任を大蔵大臣が持ってお願いをいたしておりますので、私が正直に申しましたことを菅野大臣はここでお話しになったのでございますが、私はそこまで申し上げなくってももう皆さんよくおわかりになっているだろうと思ってそこまで言わなかったのでございますけれども、当然、同時にあの法律が通るものということで申し上げるように提案がされておるわけでございます。したがって、大蔵委員会の運営とそれから運輸委員会の運営というものは、国会対策の責任者として十分考えながらやってこられたことと思います。私自身も、大蔵委員長にもよろしくお願いを申し上げてやってまいりました。当然、これは同時に通過するものである。ああいう形で衆議院がなりましたが、あと大蔵委員会には所得税の特別措置法その他税法が残っておりましたので、この際に処理されるべきものである、こういうことでお願いを申し上げておったのでありますが、現状はいま森中さんの御指摘のとおりでございます。私はどうしてもこれを運賃法と同時に解決ができますように、大蔵大臣並びに衆議院のほうにもお願いを申し上げまして、これを専一にやっていこう、こういうことをいま考えておりますので、これがいかなかったらどうかということを論ずることは、またかえって誤解が生ずると思いますので、ひとつそういうことは、税法のほうは税法のほうでひとつぜひ大蔵大臣にお願いし、また、私が呼ばれます際には出向きまして、この法案の成立のためにお願いをしたいと思っております。その点で御了解賜わりたいと思います。
#45
○説明員(磯崎叡君) 国鉄といたしましては、ただいま運輸大臣がおっしゃいましたとおり、政府に対しましてひたすらに両法案が両院を一刻も早く通過することをお願いするだけでございます。
#46
○森中守義君 副総裁、ちょっと答弁足りない。具体的にね、グリーンカーは一〇%、まあこれはいいと、通常運賃はどうだと、こう聞いているのです。技術的に、事務的に可能性があるのかないのか、それをお答え願わなければ困る。
#47
○説明員(磯崎叡君) 私どもとしては、両法案が同時に通ることを期待しておるだけでございます。
#48
○瀬谷英行君 ちょっと関連して発言したいのですがね。いま大臣と副総裁が答弁したことは、同時に通してほしいということだけなんですよ。だけれども、実際問題として運賃法はこうやって参議院でやっている。ところが通行税法のほうは衆議院にまだいるでしょう。衆議院にいてこっちにまだ来ていないのです。そうすると一体どうなるかわからぬですよ、これは。だから、かりにですよ、この運賃法だけ参議院で成立したとしても、この通行税法が来なかったらどうするかということを聞いているのです。そのとき切符が売れるのですか、第一。切符は売れないのじゃないですか。この間だけ高い税金をかけて、この通行税法が通ったらその税金分だけまけるというようなことは技術的に不可能じゃないですか。まず私がお聞きしたいのは、この通行税法があとから回ってきた場合に、運賃法が先に――かりにですよ、通ったとして、実施ができるのかどうか、切符が売れるのかどうか。これはただ祈るだけじゃなくて、現実の問題としてできるのかどうかということを答えてもらいたいと思う。もし、できないということになれば、大臣、ただ祈るだけじゃだめなんですよ、断わっておきますけれども。できないということになれば、これはこの委員会の審議も衆議院のその通行税法の審議と合わせなきゃいかぬということになるでしょう。これセットになっているのですからね。セットになっているのだから一緒でなければ困るということは大臣自身も言明しているでしょう、いままで。そうなんでしょう。だから、そのさしみのほうだけ先にでき上がってきても、しょうゆとはしがそろわなきゃ食えないということになるのじゃないですか。これはどうなんです。
#49
○国務大臣(原田憲君) その問題につきましては、法的な何は森中君の質問に対して法制局からお答えをいたしておるわけであります。したがいまして、この場合どうなるかということについては、すでに質疑に対する説明は法制局からあった。瀬谷さんも御了解が願えると思うのであります。
 それで、実際問題としてどうするかと、こういうことでございますので、これは税に関しましては大蔵大臣が責任を持って出されておりますので、税の問題を私が横からこうだこうだと言う筋合ではございませんので、大蔵大臣によろしくお願いをいたしておりますと、こういうことを申し上げでおります。
#50
○瀬谷英行君 切符が売れるのかどうかということをちょっと。
#51
○説明員(磯崎叡君) 国鉄といたしましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、現時点におきまして、国会なり政府にお願いして、一日も早く両法律が通ることをお願い申し上げております。
#52
○加瀬完君 関連。具体的に聞きますよ。新しい切符はもうできているのでしょう。どうですか。
#53
○説明員(磯崎叡君) できているものもあれば、できないものもございます。と申しますことは……。
#54
○加瀬完君 それはそれでいい。できているものには通行税が入っていますか、従来のとおり入っていますか。
#55
○説明員(磯崎叡君) できているものには通行税は、新しい改正法によってやっております。
#56
○加瀬完君 それじゃ前の委員の方が指摘したとおり、このままわれわれの審議している運賃の改正が通ればそのまま動くわけですね。しかし、通行税が改正にならなければ通行税取らなきゃなりませんね。取るにしては、取る方法は一つも講じられておりませんね。結局ストップせざるを得ないのですか。だから、この法案だけ急いだってどうにもならないという瀬谷委員の指摘のとおりじゃないですか、事務的に。やはり両方歩調を合わせて、大臣の御説明によれば、一体のものとして通るという形でなければ、技術的にも切符は売れないじゃないですか。
#57
○説明員(磯崎叡君) その点につきましては、るる申し上げましたとおり、私どもといたしましては、国会並びに政府が一日も早く両法案を通してくださることをお願いするだけでございます。
#58
○加瀬完君 願望を言っているだけじゃだめだ。
#59
○瀬谷英行君 大臣なり副総裁が言っているのは、だから一日も早く一緒に上げてほしいということを言っているのですよ。だけれども、実際はどうなっているかというと、運賃法はこのとおり参議院だが、通行税法は衆議院なんですよね。こっちへ来てないでしょう。私は理事会でこの委員会の運営について自民党の委員からいろいろと催促されております。連合審査をどうするんだとか、公聴会をどうするんだとか、いろいろ催促されておりますよ。しかし、委員会の段取りをきめるにしても、こっちだけどんどんどんどん先に段取りをきめていって、かりに運賃法が成立したとしても、この通行税法が来なかったということになると、実施のしようがないでしょう。これは成立の翌日から運賃が上がるようになっていますから、こっちのほうは、そうするとこれが来なかった場合、通行税法が来なかった場合には切符の売りようがないんじゃないかということを言っているんです。さっき私が聞いたのは、それでも切符が売れるのか売れないのかということを聞いたのです。売れないということになれば、この審議というものを急いでやっても何にもならぬということになるのですよ。もっとも、私たちゆっくりする気持ちは別にありませんけれどもね。どんなに一生懸命審議をしても、成立はしたけれども、今度は実施はできないということになると、これはばかみたいなものですよ。これはもう具体的な問題だし、これからのこの委員会の運営についてもわれわれ十分考えなきゃならぬところですから、まず、できるのかできないのか、どうするのかということから答えていただきたい。願望はわかりましたから……。
#60
○説明員(磯崎叡君) 私どもといたしましては、現時点におきまして、運賃法並びに通行税法が一日も早く両院を通過することをお願いするだけでございます。
#61
○森中守義君 副総裁、お気持ちは大臣からもあなたからもよく聞いてわかる。できるだけ一緒に上げてくれと、しかし物理的にできないのだ。それが現状におきましては、なるほど私も午前中多少酷な注文であったろうけれども、衆議院における状況をひとつ把握してほしいと、しかし、これもやっぱり両院ともおのおの独自の性格を持っているから、限界がありますよ。そこで、衆議院の状況を私どもなりに判断をしてみると、全然手がつけられていない。むろん、氷づけしてあるというわけでもないだろうけれども、ここは正当に審議を進めていってもかなりの日数がかかりますよ。大体いつごろ参議院に来るのか、その見当すらも残念ながらいまつかない。だから、お二人がこもごもとにかくセットにして早くやってほしいと、こう言われる気持ちはよくわかるし、そのお気持ちをそんたくするがゆえに、おとついから慎重審議をやっているわけですが、とは言いながら、物理的に合わない。それならばその空白にどう対応するのか、何か便法があるのかないのか、こう聞いているわけです。だから、それはもう何ともならない、違法なことをやるわけにいかぬならいかぬと。したがって、よし参議院で先に上がったとしても、税法が成立するまでは運賃を上げないなら上げない、その措置がとれないならとれない、こういう返事をしていただかなければ、とにかく一緒に上げてくれ、上げてくれというだけじゃ、この場の審議にならぬ。答えにならぬのですよ。だから、事務的に、技術的に可能性があるのかないのか、こういうことをしつっこく聞いているわけです。それはいま瀬谷理事からもお話がありましたように、何しろもう連日のようにやれ理事会だ、あるいは何だかんだというわけで、かなりこの運営には全部神経を使っているわけですよ。また、私といえども、あまり口がうまくないから、思っていることをずばずば言い過ぎて、少少気の毒な場合もありますけれども、事国鉄のこの問題については、非常に私は心中ひそかに同情している。何とかしてあげないかぬ、そういう一心のあまりやっているのだけれども、スケジュールが立てられないじゃないですか。だから、くどいようだけれども、その空白の期間は、やれるならこういうやり方があると。むろん、それは違法、できないと思う。しかし、あなた方がいい知恵を出されて、やるとすればこういう方法があるならあると、こうはっきり言ってくれと、こう言っているわけだ。
#62
○説明員(磯崎叡君) 国鉄といたしましては、立法府の中の事情はよくわかりませんし、あと法律の審議は院がなさることでございますし、したがいまして、私どもはいま先生のおっしゃった空白のないことを、両法案が一日も早く上がることを期待しております。
#63
○加瀬完君 売れるか売れないか答えてくれ。
#64
○国務大臣(菅野和太郎君) 先ほどから皆さんの御意見を聞いておりまして、問題はやはり通行税の問題だと思うんですが、こちらのほうは、運賃のほうは皆さん方が一生懸命慎重審議して、何とかして通してやろうというお気持ちを拝しているのでございますが、問題は通行税のほうがおくれておるじゃないかという問題だと思いますが、これは大蔵省のほうの責任でありますので……。そこで、先ほど申し上げましたとおり、私まだ衆議院の大蔵委員会にも出ておりませんから、空気はわかりませんが、問題はわれわれの責任でありますからして、大蔵省としては通行税のこの改正を一日も早く衆議院でひとつ可決してもらうように、ひたすらもうお願いして、そうして国鉄には御迷惑のかからぬようにしたいというわれわれの気持ちでありますから、ひとつせっかく皆さん方の御好意に甘えて、ひとつこちらはこちらで御審議していただいて、もうこっちで追いつくように、ひとつ私のほうから衆議院の各大蔵委員にお願いをいたしますから、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
#65
○森中守義君 これはやっぱり話が堂々めぐりで、らちがあかない。よろしいですか、こちらは審議をとめるわけにいきませんよ、慎重審議やるわけですからね。ところが、実際問題になると、ずいぶん、もうこちらのほうは千メートルか二千メートル走っているわけだが、まだ向こうはスタートラインに立っていないわけだから、それならこちらは、ずっと足どめするか、さもなければ向こうにうんと走ってもらうよりかしようがない。他院のことですから、参議院の運輸委員会でこういう状況だから、さあひとつ衆議院のほうは急いでやってくれということは、これは注文つけられませんよ、委員会の責任でないわけですからね。むしろ、私は端的に言えば、提案者である大蔵当局なり、あるいはまたじかに関係のある運輸当局の責任でもあろう、そう思うわけですよ。そうなると、どう考えてみても合わない。合いませんよ、これは。それで三人ともひたすら願望ばかり述べられて、一生懸命してくれ、してくれと言っても、それはもうそんな器用なことはできない。それかといって、国鉄もはっきり答えが出ないですよ。出ないはずだと思う、できないから、そういうことは。しかし、それでも私どもは別に脱法行為を推奨するわけでも何でもないけれども、合法ぎりぎりのワク内で何か対応策はとれぬのか、こういう質問、それにもなかなか返事が出ない。要するに、両法案一緒に上がらなければだめだということですよね、これはけさ法制局長が答えたように。さて、そうなると、相当これは隔たりがあるものをどうしてくれますか。それはどうですか、福田さんのいないうちに国鉄が損する分は出しますか。それならいいだろう。もうこうなりゃそれはしょうがない。少しこちらのほうがスローテンポでいかなくちゃどうにもならぬのじゃないですか。委員長、急げ急げと言ってみても、どうもしょうがないですよ。だから、どうですか、なかなか公開の席上で副総裁も、それはあっても、そういうことを言えないような場合もあるだろうし、ちょっと委員長、何かいい知恵はないのか聞いてみませんか、しばらく休憩して。
#66
○国務大臣(菅野和太郎君) 先ほどからのお話、私のほうもそう言われると、こっちの大蔵省としては非常に責められておるわけですが、大蔵省としましては、三月三十一日に上げなければならない法律案がありましたから、そっちのほうを一生懸命やりましたので、通行税のほうもひとつ一生懸命やって、説明していますから、なるほどもうスタートはしているんですよ。ですから、千メートル先へ行っておるか知りませんが、こちらもスピードを出して追い越すようにいたしますから、ひとつその点ごかんべん願いたいと思います。
#67
○加瀬完君 いずれにいたしましても、これは一体として上がらなければ困るということは確認してよろしゅうございますね。
#68
○国務大臣(原田憲君) 先ほど法制局のほうにお問いになって、この法律がどうだということについて――法律でございますから、一人歩きすることができる法律で上がりました。しかし、私はいま加瀬さんが言われるように、一体でなければ困るということは、そうでございます。
#69
○加瀬完君 国鉄側にも伺いますが、やはりこれは一体でないと、さっき瀬谷委員の御指摘のように、切符の販売その他でも、やはり支障を来たすと考えてよろしゅうございますね。
#70
○説明員(磯崎叡君) 私どもといたしましては、支障を来たす来たさないということは将来の問題でございますから、現時点におきましては、先ほどから何べんも申し上げておりますように、両法律案が一日も早く通ることをお願いするのでございます。
#71
○加瀬完君 質問に答えてください。あなた方の願望はよくわかるし、われわれはあなた方を困らせるために質問しているんじゃない。事務的にやはり一体で上がらないと支障を来たすだろうと予想されるでしょう。それはあなたのおっしゃるように、将来のことですから、推測にすぎませんが、予想は、同時に上がらない場合は支障を来たすと考えてよろしいでしょう。
#72
○説明員(磯崎叡君) 私どもは、たいへん申しわけないことでございますが、院内のことはよくわかりませんが、両法律案が一体となって通ることを前提として考えておるのでございます。
#73
○加瀬完君 そんなくだらないことを言っていたら、もう一回聞かなければならない。院内のことは聞いていない。あんたのほうで一体で上がらない場合は事務的に支障がないかどうかということだけを聞いている。それを答えてくれればいい。
#74
○説明員(磯崎叡君) 私は、先ほどからるる申し上げておりますように、両法案が一日も早く通ることをお願いするだけでございます。
#75
○委員長(岡本悟君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#76
○委員長(岡本悟君) 速記を始めて。
#77
○木村美智男君 いまいろいろお話しされましたけれども、しかし、これは正式なやはり委員会の審議ですから、一応どういうことになるのかということははっきりさしてもらわぬとこれはやはり困ると思う。だから、法制局の見解が述べられましたように、形式的には、とにかく運賃法の一部改正法というものは成立をする、その限りでは、現実行為がどうであるかは別にして、売れるのか売れないのかといえば、改正運賃によって売れるんだという見解が一応形式的には成り立つわけでしょう。ところが、実際の今度は実行行為になっていきますと、これは通行税と運賃というものは一体のものということになっているわけですから、そうすると、現実にそれじゃ願望であるようなものが達成をされたときは問題はないけれども、依然として、多少の距離の違いが縮まっただけでは、まだ何日間かの問題点がそこに残るということがこれは現実に起こり得ると思うんですよ。そのときには一体、切符というものは売ることが現実の問題としてできるのかどうか、そういうことがもし方法論としてあるならある、あるいは、その場合にはちょっと売るわけにはまいりませんという事情だけは明らかにしておいて、そうしてあとはひとつ、それはいま言われているようにできるだけワンセットで通るようなことに一生懸命大蔵大臣も促進をするとか、運輸大臣は運輸大臣の立場からその職責上やるとか、国鉄当局はそれを、実際の切符を売るのに困るんだから政府に促進をしてくれとか、これはそれでいいと思うんですよ。しかし、そこのところの現実問題としてどういう事態になるのかということを、委員会としてはやはり事情は事情として明らかにしておかないと、あとでそれは何か問題がやはり起こってきて、ある一定期間は同じ区間について今度は値段が違ってくるという、そういう問題が現実に起こってくるでしょう。そうでしょう。それが予想される。それは臨時大蔵大臣だから、あなた事情を知らないと言っているけれども、これは通行税法が現在もう現実に審議されておって、あしたかあさってに通って参議院に来るのだという見込みがある問題なら、それはもうだいぶ話は違ってくる。ところがまだ審議に入っていないという事情にあるから、それは相当距離を置くにしてもいろいろの障害があるだろうということが予想をされるので、したがって、これは一体、そういう状態のもとにあるのだから、現実どうなのかということをやはり委員のみんなが事情というものをわかった上でやらないと、それは運賃法通すために何でもかんでも時間をはしょってみたり、いろいろやるべきことを省略してみたりして、摩擦をすることによって逆に審議がおくれているということもあるわけなんです。それがそのように売れない切符なら売れるような状態の中へ十分それは、それこそ国民の理解と納得の求められるような審議体制というものを頭の中で描きながらやるということは、これは与党といえども政府側といえども当然のことじゃないですか。だから、そういう意味で聞いているのに、何だか知らぬが、国鉄当局としてはそれは無理からぬ点もあると思いますよ、いま。だが、まず第一に、大蔵大臣、これは本来なら、あなたはきょう臨時だからしようがないが、福田大蔵大臣がここでひとつ、これは完全な大蔵当局としてミスでありますと言って頭を下げてあやまらなければいかぬわけだ、国民に向かって。そうでしょう。これだけ熱心になって衆議院でもあれだけの強行採決、どたんばをやって、そうして何事ですか、これは。とにかくそこら辺の問題があるから、ぼくはやはりそこら辺について政府側としてもこれからどういうふうに、現実、形式的に通った運賃法を実際の実行行為の中で矛盾のないような事柄を、何をどうしようとするのかという問題は、これは十分検討をしてもらわなければならぬ問題だし、あるいはその場合といえども何か便宜的な方法でも考えられているのかどうか、そこら辺はやはりいろいろとそれは考え方というものについては、これは聞かしてもらわなければ、何だか知らぬが、こっちだけは、片方の車だけは一生懸命走らせて、しかしこいつがだめなんだといえば、やはり私ども審議をする立場におるものも、それが気がかりでね、やはり。そうでしょう。だから、そこら辺は、大臣何かあとで困るような点ばかり頭の中にあるようだけれども、そうじゃなしに、もっと事務的に、謙虚に――謙虚にというか、すなおに考えて、事務的にやはり事情は事情としてこうだという説明はしてもらって、そうして了解を求めないと、何としてもやはり気が進んでいかないのですよ、そこがひっかかってしまって。そこをひとつ政府側として明確にこれはしてもらう必要がある。
#78
○国務大臣(菅野和太郎君) 最悪の場合にはどうなるかという御心配のあまりいろいろ御質問されておるのだと思うのです。そこで問題は、最悪の場合が起こらぬようにするということが問題だと思うのです。この点で責めておられると思うのです。その責任は大蔵省です。要するにこの通行税の改正案が衆議院で一日も早く可決されるということでありますからして、ひとつ皆さん方が心配されておることが実現しないように、全力を注いで早く通過するようにわれわれも大蔵委員にお願いいたしますから、その点はひとつ御了察をしていただきたいと思うのです。
#79
○木村美智男君 じゃあ菅野大臣聞きますが、皆さんが御心配のないようにというのは、じゃあいつごろまでに通行税法が衆議院を通って参議院に回ってくるのですか。ただ、ここは一般の経済論争と違って、抽象論やったって実際問題としてこの問題については困るのです。そうでしょう。だから、気持ちとしてはもうさっきからわかっているのだと言っているのです。もっと端的に事情を明らかにする必要があるからこういうふうに言っているのであって、それはなるたけ――どうももう一つ、いわば長官あなた柔和だから、笑っているのを別に文句言うわけではないけれども、受けとめ方がちょっとおかしいのだ、これはたいへんな事態なんですよ、私たちの受けとめ方というのは。国鉄当局だって実はほんとうにどうしていいかわからぬで困っていると思うんですよ。今日、政府側はここまでのことをあれするとすれば、別にわしらはどうこうする必要はないが、それは国民に国鉄が頭すりつけてあやまらんならぬ問題ですよ、こんなことは。だから、それはそういうことにならないように一生懸命やりますということだが、それならば長官、大蔵委員会で、衆議院ではいつごろにこの問題が大体決着がつけられそうか、あなたの個人的な見方でもいいですよ。そういうことをやっぱり見当がついて、それで大体御心配のないように全力をあげますと、こう言われていればわかるけれども、裏づけは何もなしに御心配ないようにというのでは、さっきから言われているように、それでは答えにならないじゃないですか、何も的確にこうだとせぬでも、ある程度の目安がつけられていなければ。どうなんですか。
#80
○国務大臣(菅野和太郎君) いま木村委員の言われることもよくわかるし、皆さん方の気持ちもよくわかるのでありますが、先ほどから申し上げましたとおり、私にいつ上がるかということを質問されても、この問題については大蔵委員会に出席もしておりませんから全然空気がわかりませんが、どうせ二、三日中には大蔵委員会があると思いますから、そのときにはよく事情を聞き、またこちらもお願いをして、そうして一日も早く衆議院で可決して、それで参議院に法案を回してもらうようにお願いするよりしかたがないと、こう考えております。皆さん方の職責上、運賃の問題と同時に、これは重要に考えておられることはよくわかります。でありますからして、この点は運輸大臣も非常に心配されておるのでありまして、でありますからして、これは大蔵省としてはやはりわれわれの責任だとみな痛感しておりますから、ひとつ皆さん方の御心配が生じないように全力を注いでやりますから、その点はひとつ御了承願いたいと思います。
#81
○木村美智男君 まああまりこれを繰り返してもしようがないのだが、大臣、一方ではそれは審議の状況だから、いつになるかわからぬと言っていながら、片っ方では御心配ないようにします、大臣自身が矛盾をおかしているのだ。こういうことになるから御心配は要りませんよと言うなら、ああそうですかということになるが、いつのことやらわかりません、しかし御心配は要りません、こんなことではちょっとこれはお答えとしても、私どもも何かどうもすっきりしませんので、何かもうちょっと大蔵大臣として知恵の出しようないですか、これは。
#82
○国務大臣(菅野和太郎君) 福田大蔵大臣であればその点はっきりお答えができるかと思いますが、私いままでの大蔵委員会の事情も十分承知いたしておりませんから、御心配ないとは言うてない、御心配のないように努力するということを申し上げておるので、御心配ないというそういうことは言うてない。御心配のことが起こらぬように全力を注いでやりますということを申し上げておるのでありますからして、問題を一日も早く衆議院で可決してもらうように全力を注ぐよりほかに道はない、こう考えておる次第であります。
#83
○瀬谷英行君 これは同じことを何回も言われても困るのですよ。運賃の問題はきわめて現実的な問題ですよ、これは。参議院の運輸委員会でもしもこの運賃の法案がきまれば、本会議できまれば、翌日から運賃は上がるようになっているでしょう。ところが通行税法のほうは、これは運賃法が上がったら実施することになっている、これは先に行っていなければならないのです。ところが、先に行っていなければならない通行税法があとの汽車に乗っているわけでしょう、こっちのほうが先の汽車に乗っているわけです。あとの汽車がまだ発車しているかどうかわからない状態ですからね、追いつきっこないですよ。同じ汽車に乗っているなら隣の車へ行って相談することはできるかもしれないけれども、あとの汽車に乗っているんだからいつ来るかわからぬでしょう。そうすると、この運賃法の場合は、今度は総裁のほうにお伺いするけれども、かりにここで、参議院でもって運賃法というものが成立したとしても、通行税法が来るまでは運賃を上げないで待っているということになるのかどうか。それとも在来の税法でもって、まことに変なかっこうだけれども、税金を取ってやっていくのかどうか、そういうことがかりにできるのかどうかですよ。私はできないと思うんですよ。できないことをやれとは言いません。できなければできないということを私は言うべきだと思います。願望だけじゃなくて、何回も申し上げているように、こう願望いたしますということは言わなくてもいいですから、それはわかっている。できるのかできないのかです。
 それから、運輸大臣として一つできることは、それなら通行税を取ることをやめちまうことです。これは通行税法もあきらめる、通行税そのものをやめちまう、税金を取らないようにする。それは通行税を取らないようにするということであれば、運賃法は通行税法と切り離してわれわれは審議できます。だけれども、それだけの覚悟があるかどうか。できることは、通行税というものをやめちまう。汽車だけでなくて、飛行機も何も全部やめちまう。たいした財源じゃないですよ、これは。だから、思い切って通行税は廃止をするというふうに政府として腹をきめるから、運賃法だけは十分に御審議願いたい、こう言うんなら話はわかりますよ。そんなら私どもも通行税法を問題にしないで運賃法の審議をやります。しかし、そうでなくて、あくまでもセットにしろということであれば、私どもも通行税法と合わせなきゃならないでしょう、これは。さっきも言ったように、さしみだけ先に来たってしょうゆとはしが来ないんじゃくいようがないでしょう。これは一体どうするのかという問題が起こるのですから、これはもう大蔵大臣としてもその点は腹をきめてもらう。明らかに距離の隔たりがあることは明白なんだから、参議院と衆議院というように。これはごまかしてもらっちゃ困る。国鉄総裁と大蔵大臣と両方からお伺いしたいと思います。
#84
○国務大臣(菅野和太郎君) 通行税を廃止したらどうかという御意見ですが、これは予算を軽減しておりますから、大きな歳入の欠陥になりますので、通行税の廃止ということは、これはできません。これだけはっきり申し上げておきます。
#85
○説明員(磯崎叡君) 私のほうとしては、おしかりを受けるかと存じますが、先刻と同じように、空白がないようなことをお願いするだけでございます。
#86
○森中守義君 大蔵大臣、あれですよ、福田さんでないからというわけにもまいらない。しかし、あまり答えられたことないだろうから、だいぶ大目に見ているんですがね。
 そこで、さっきちょっと言われた中で、速記にも載るでしょうが、他に重要な法案があったからこれが目こぼしになった、目こぼしになったという表現は使われなかったけれども、他に重要なものがあったからこれに手をつけなかった、こういうお話がありましたね。これはちょっとやっぱり重要ですよ。むろん、それは他に大蔵関係、重要なものがあったことは知っております。しかし、いま社会的に国鉄の問題がどうなっているのか、例年のように運賃を値上げする、いつまでこういうことが続くのか、国鉄しっかりしろ、運輸省しっかりしてくれ、こういうことがいまほうはいとして起こっているのです。そこで衆議院でもあなた方無理された。参議院においても慎重にやろうとしている。そういう重要な法案であるにかかわらず、なに、これは通行税というのはたいしたことじゃない、他に重要なものがあるから、これはほっておいてあと回しにしようという、そういう認識のしかたでは、私は大蔵省に対してずいぶんものの考え方を変えざるを得ない。それはひとつ、もし訂正されるなら早目に訂正されるほうがよろしかろう。
 それから、これは両大臣に聞いておきますがね、運輸大臣、よろしいですか。お二人おいでになり、先ほどから、できるだけ迷惑かけないようにしたいとか、そろえて一緒にやってほしいと、こう言われる。いずれもが非常に具体性がない。ところが、実質的には、国会はそういう抽象的なもので動いていないのです。お二人とも衆議院においでになるわけだから、しかも、この通行税法はきのうきょう皆さん方がミスがあったことをお知りになったとは思わない、私は。ということでしょう。まさかそんなにむとんちゃくであろうとは思わない。そうだとすれば、いまどうなんですか。衆議院で政府提案の案件が幾つあるか、未決のものが。その数、それから大蔵委員会に付託されて処理されていないものが幾つあるか。その中でこの通行税法は何番目に審議するようになっているのか。その内容を言ってくださいよ。その程度まで掘り下げたことを聞いておかないと、ただ、頼むよ、やってくれよじゃ、これはとてもじゃない、話にならない。そのくらいひとつ具体的に詰めておこうじゃないですか。もし即答できなければ、両閣僚おいでになることだから、一たん休憩をして、統一見解というかそういうものをここでまとめてもらいたい。そうしなければ審議進みませんよ。だから、とにかく頼むからやってくれということでこの委員会は審議をするというわけにまいりません。いま私が申し上げるように、よろしいですね、衆議院で成立していない案件が幾つあるか、その総数、また、大蔵委員会に何本の法案が付託されているか、この通行税法はこれは何番目にやるような順番になっているか、その辺のことは大蔵委員会の理事諸君と協議をされて一応の答えが出るはずだ、そういうことをここでひとつ発表してもらいたい。そうすると、この委員会における審議の目鼻というものもある程度ついてくる。そういうものがなければとてもじゃないがこれは審議進められません。しばらく委員長、その答弁のために協議してもらってください。
#87
○政府委員(細見卓君) 正確なことはいま資料を持ってまいりましてお答えいたしますが、この法案につきましては、つとに提案理由の御説明もいたし、なるべく早く御審議していただくということで、私どもも再三にわたりお願いしておるわけでございます。
#88
○森中守義君 あのね、審議官だか次長だか知らぬけれどもね、同じようなことを答えているじゃないか。役人がそういうことを言うものじゃないよ。幾ら大蔵官僚といえ、無礼千万だ。そんなこと聞いていない。具体的な、私は問題を提起している。衆議院で未成立の法案が幾つあるのか、大蔵委員会に幾つ付託されているか、通行税法は何番目になるか、それを答えてくれと言っているのだから。暫時の余裕を私は与えると言っている。そんなこと言ったってそれは返事になりませんよ。
#89
○国務大臣(菅野和太郎君) いま具体的返事をせよといっても、ちょっとここではわからぬと思いますから、調べて、それで具体的な御返事は、何ぼ提案して何ぼ通ったのかというようなことは、大蔵省の法案でどうということは、これはまた具体的なことは調べてお答えいたします。
#90
○森中守義君 大蔵大臣としてはそのくらい親切にする必要がありますよ。
#91
○瀬谷英行君 ちょっと議事進行について発言したいと思います。いままでの答弁は、同じことを繰り返して答弁してもらっているだけなんだ。野党側で質問している問題に対して的確に答えられていないわけです。さらにいま繰り返し質問があったように、森中委員の質向に対しての答えもいま出ていないわけです。私どものほうとしては、じゃいままでの答弁から要約すると、運賃法の成立は通行税法の成立まで待ってもらうというふうな以外に方法がないように聞き取れるでしょう。そうなんでしょう。そういうふうにしか聞き取れませんよ。それでいいのかどうかという問題もある。したがって政府としては、これは明らかに衆議院と参議院というふうに距離ができているし、時間的な差ができていることは間違いないのだから、ただ願望だけ繰り返すのじゃなくして、現実の問題として一体どうするのか、統一見解という形でもよろしいし、あるいは与党側で、もし協議をしなければならぬということがあれば、それを協議してもらってもよろしいから、暫時休憩をしていただきたいと思います。
#92
○委員長(岡本悟君) 暫時休憩いたします。
   午後二時四十分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時四十二分開会
#93
○委員長(岡本悟君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 引き続き、二案について質疑を行ないます。
 まず、菅野国務大臣、日本国有鉄道当局及び原田運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許可いたします。菅野国務大臣。
#94
○国務大臣(菅野和太郎君) 通行税法の一部を改正する法律案につきましては、もちろん、鉄道運賃法の改正と同時に成立することがたてまえであります。つきましては、現在、衆議院大蔵委員会に付託されている通行税法の改正案がすみやかに参議院に送付されるよう努力いたしたいと思います。
#95
○説明員(磯崎叡君) 国鉄といたしましては、通行税法の改正が運賃法の改正と同時に行なわれませんと事務上支障を来たすことが予想されますので、何とぞ両法がすみやかに成立するようお願い申し上げます。
#96
○国務大臣(原田憲君) ただいま経企庁長官から発言がございましたが、委員会の皆さまに十分の御審議を賜わるように私もできるだけの努力をいたしますので、私の至らざる点は何とぞ御容赦くださるようお願い申し上げます。
#97
○森中守義君 鉄建公団の総裁に参考人として早期からお出いただきましたが、たいへん時間がおくれて申しわけございません。
 そこで、政府関係の方もお出でございますので、少しくお尋ねしたいのでございますが、今度、運輸省の設置法の改正案も提案されたのですが、その内容を一通り拝見すれば、総合的な運輸政策の立案計画を行ないたい、及び指導をやりたい、こういう趣旨のようでありますが、このことに関連して、大正十一年に制定をされている鉄道敷設法、これに伴う俗に言う鉄建公団、これは併合されるものであるのか、これはこれなりに存置されるのであるか。しからば、総合的な交通政策ということであれば、その所掌の範囲あるいは限界というか、そういうものが多分に重複をする可能性がある。かたがた、今日の鉄建公団、これに対する国鉄の俗に言われている赤字線の関係、こういうものが幾つにも結合せられる現状でございまするから、このことは、運輸大臣として、政策審議会に統合されるのか、公団は公団として別に存置されるのか、その辺、一つの基本になるような問題ですから、お聞かせいただきたい。ひとつ公団総裁におかれても、その辺のことをどうしたほうが一番いいのか、そういう概括的な答弁でとりあえずはけっこうですから、最初にお尋ねしておきたい。
#98
○国務大臣(原田憲君) 鉄道敷設法は、いまお話もございましたように、交付後四十六年を経過している古い歴史を持っておりますが、しかしこの間、時代の進展に応じまして、十数回の改正をしてきておりまして、最近では昭和四十年、改正を行なったところでございます。時代に即応した鉄道新線建設を実施するのには、現在のところ支障はないと考えておりますが、今後、国土の総合開発計画との関連、新幹線鉄道網構想との関連等も考慮して、総合的に検討を加える必要はあろうと考えております。
 なお、鉄道建設審議会をこのたびの政策審議会に合併するのかどうか、こういうお問いがあったと思いますが、これは合併いたしません。で、内閣委員会にお願いを申し上げておりますが、政策的な問題については総合的判断をしていく、こういうことで、交通網の政策立案のための審議をいたしますが、鉄道建設審議会というものは今後も持続してまいりたい、このように考えております。
#99
○参考人(綾部健太郎君) 私どもは運輸省の管轄下にありまして、運輸大臣のただいま御答弁があったとおり、運輸省の指示に従って仕事をしていきたいと考えております。
#100
○森中守義君 具体的に、公団総裁の場合にはそういう程度のお答えしか出てこないと思う。それはよくわかります。
 そこで、ことしの三月一日に出された「東洋経済」、この中で非常に注目すべき論説があります。つまり、国鉄の経営については、締めるあとから政治路線が次々と続出してくる、これでは一体、国鉄の再建をはかろうとしても実質的にできないではないか、こういう矛盾をこの際解明すべきではないか、というのが大体の論点になっておるわけであります。
 それで具体的に運輸審議会であるとかあるいは公団の事業内容ですね、そういうものも当然私は、総合的な交通政策のポジションになるものであれば、政策審議会というものの所掌になると思う。したがって、そういうところまでネットを広げて検討されるおつもりなのかどうか、この点を次の問題として大臣からお答え願っておきたいと思う。
#101
○国務大臣(原田憲君) いまもお答えをいたしましたが、運輸政策の審議会では、全般的な日本の運輸問題をどうするかということについて、総合交通体系というものをどうするかという御質問のときに、一つの運輸省内部の機構としてこういうものを持ちますということを申し上げておるのでございまして、これはそういう面に立ちましてその使命を果たしていく、こういうことになろうかと存じます。鉄道建設のための審議会は、鉄道部面の建設のための審議会でございまして、いまお説のように、新しい線を、赤字路線をつくっておったのでは問題があるじゃないかということは各方面で指摘も受け、国鉄財政再建推進会議の意見書にもそのことは述べられておるわけでございますが、しかし、新線というものは赤字線ばかりではないのであって、今後とも重要な国民経済の中で使命を果たすべき線もございます。これらの問題についてやはり鉄道建設の審議会で十分な御検討を経なければならないと考えておりますので、この点につきましては今後もその使命を果たしてまいりたいと、このように考えておるのでございます。
#102
○森中守義君 今回用意されようという政策審議会は、なるほど言われるように、一見、ニュールックなものに見えますよ。しかし、これは設置法まで変えてこの審議会をつくろうという背景というものは、あるいは発想というものは、そのことを考えていけば、いま大臣の言われるようなことではちょっとやはりスケールがこまいと思う。もう少し総合的な視点から、一体これから先の日本の運輸政策はどうなければならぬか、むろんそれは国鉄、私鉄、飛行機船というように全体をとらえられたものだと、こう思う。しかも、衆議院でどなたかの質問に答えられた中に、かなりそういう提唱をされておるのですね。これではどうにもならぬ、だからこういうものをつくるんだという言い方をされておる。だから、私はそういう意味は、鉄建公団の今日の法律効果がどの程度あがっているかということについて、はなはだ疑問がある。非常に極論をするならば、むしろマイナスの作用が多いんじゃないか、こういう見方もできると思う。それと六十年段階におけるわが国の運輸政策というものにある程度結びつくような、まあ相当大きな変化をするでしょう。そういったようなワク内においてこの審議会というものは私はつくられるものだというように理解をしておりましただけに、非常に期待を持っていたのですが、そうじゃないのですか。
#103
○国務大臣(原田憲君) おっしゃるとおりでございまして、木村さんに本会議でお答えをいたしました際に、相当詳細に、鉄道はどうあるべきか、あるいは海運はどうあるべきか、空はどうあるべきか、こういうことについて総合的な政策というものを打ち立てなければならない、そのために政策審議会というものをつくるんだ、こういうことを申し上げておるのでございまして、これはもういま森中さんのおっしゃるとおりでございまして、先ほども申し上げましたように、今後、いわゆる昭和六十年を見越してというお話でございました。菅野経済企画庁長官もおられますが、国土の総合開発計画との関連全体を、鉄道網をどうするかということを考慮して総合的な検討を加える必要がある、このように考えております。一方の鉄道建設のための、審議会は、これは鉄道というものをどうするかと、こういう問題でやはり必要であろう、こういうように考えておるような次第でございます。
#104
○森中守義君 そこで、あまり話が多面にわたるとなかなか答えにくい点も出てきますので、その敷設法を中心にして少しく申し上げてみたい。
 なるほど大臣の言われるように、最近数回にわたる法改正が行なわれた。行なわれているが、内容をずっと見ていきますと、要するに、たとえば国会における議員の名称が変わったとか、まあそういう時代の推移の中に表現が若干変遷を見た程度の改正であって、本体は全然変わっていない。それで私がいま申し上げたように、一体、敷設法に基づく鉄建公団というのがはたして今日の社会需要に対応できるような、あるいはあとでその引き受けをやっている国鉄が十二分に力量発揮できるような態勢にあるかどうか、まあ言ってしまえば法律効果といいましょうか、そういうものがはたして現代の時勢に合うかどうか、その辺の認識はどういうようにお持ちですか。
#105
○国務大臣(原田憲君) 先ほども少し申し上げましたが、鉄建公団の創設は、昭和三十九年につくったのでございますが、国鉄が大体新しい線をつくるために毎年七十五億ずつの金を使ってきておる。しかし、いま御審議を賜わっておる最中にたびたび申し上げておりますように、国鉄自体の財政というものもだんだん悪くなってきておる。したがって、この新しい国策といいますか、政策といいますか、これに従って新しくつくる鉄道というものは、新たな組織によってつくっていくべきである。これはまあ国鉄と無関係ではございませんが、国鉄ももちろん過去におけるところの出資ぐらいはやって、それ以上、国鉄の足を引っぱるようなことはせずに国から相当な財政支出をしてやっていく、こういうことで今日まできておるわけでございまして、それはそれなりの目的を果たしてきておると思うのであります。ただ、国鉄財政からいいますと、いまも申し上げましたように、財政が非常に悪化をしてまいっておりますので、国鉄のほうから出資をしていくということは非常に苦しいという面で、いま森中さんのお話に出ているような点も考慮もいたしまして、今回は国鉄の出資は、鉄道建設公団に対しましては縮小いたしております。しかし、鉄道建設公団というものがそれでは必要でないか。まあ必要でないということを言う方もございますが、必要でないかというと、先ほどから何度も申し上げておりますように、やはりこれは必要欠くべからざるところの新線をどうしてもつくり上げていかなければならないというところの使命を持つ鉄道もあるわけでございます。これは鉄道建設公団によってこれらの建設をやっていくというたてまえで現在臨んでおるわけでございまして、先ほど最後に申し上げましたが、今後、これは日本の新しい総合開発計画の中でどうあるべきかということについては、やはり検討すべき点もあると思いますが、鉄道新線を建設していく上において、現在の公団というものの使命は、私は十分果たさなければならない、このように考えております。
#106
○森中守義君 これは率直に申し上げて、国鉄法一条との関係、つまり公共的企業的というこの問題にすぐ結びつく議論にならざるを得ないんですけれども、いま大臣が言われるその鉄建公団への国鉄の投資ですね、出資、これは四十四年度を言われたわけですね、さっきは。実は私の手元には四十三年分しかない。そこで四十三年度の鉄建公団への出資は、四十二年に対して二十億ふえていますよ。すでに四百八十一億、かなりのものが国鉄から出されている。将来の問題として、大体、鉄建公団の必要な資金需要の何%ぐらい国鉄に出させようということですか。
#107
○国務大臣(原田憲君) いまのは国鉄から出ておる出資の話ではございません。全額です。国鉄はできたときから七十五億出資をしたと私は記憶いたしておりまして、それ以上のものは出しておらぬ。ずっと七十五億というのが毎年国鉄から鉄道建設公団への出資、それ以上のものは国から出しておる、こういうような建設公団の財政のかっこうになっております。今度、四十四年度は、国鉄からの出資は五億減らした、これを申し上げておるのでございまして、建設公団の内容につきましては、政府委員から答弁させます。
#108
○森中守義君 私の質問がちょっと悪いのかもわかりません。国鉄の投資資産というところの統計なんですよ、私が申し上げているのはね。これで毎年度鉄建公団に出資をしているわけです。いわゆる資本金に幾らというのでなくて、つまり事業計画ができる、それによって資金需要が必要になってくるから、それに伴って国鉄が出したのが四十三年で四百八十一億二千八百万、これは四十二年に対して二十億ぐらいふえているわけですね。こういったようにかなりのものを将来とも国鉄は鉄建公団に出していくであろうけれども、ここまで追い詰められている国鉄の財政の中から、大体、鉄建公団の資金需要の何%ぐらいのシェアを持たせようとするのか、その予定されている計画はどうなのか、こういうことを聞いているわけですがね。
#109
○国務大臣(原田憲君) ちょっといまの事務的な面は政府委員から答弁させます。
#110
○政府委員(町田直君) ただいま先生が御指摘になりました四百八十一億と申しますのは、三十九年からの累計でございまして、その中で国鉄の分は、三十九年度が現金が八億と、当時鉄道が建設中でございまして、それを引き継いだものの現物といたしまして百七十二億出資いたしております。その後は年次を追って申し上げますが、三十九年六十一億、四十年から七十五億、七十五億、それから四十二年は精算いたしまして七十億ということで、大体七十五億ずつ毎年国鉄が出資する、こういうことできております。
 それからなお、先ほど大臣が申し上げましたように、今度の財政再建措置を契機といたしまして、国鉄はこういう財政状態でございますので、できるだけ出資は今後減らしていこう、こういう趣旨で、予算上は今年度は五億減らしまして七十億にいたしましたが、今後の計画といたしましては、できるだけ減らしていく、できればゼロにいたしたい、こういうような考え方で今後は進めていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#111
○森中守義君 そこで運輸大臣、地方鉄道の建設ですね、少なくとも鉄建公団の所管に属するもの、これはそれのみでいろいろ計画を策定して実行に移していくということが総合政策の面においてどういう役割りを持つのか。私は、やはり総合的なものが基本になる、その上で鉄道の新線建設というのが具体性を持ってくるのが大体順序じゃないか、こういうように思います。ですから、最初の議論に戻りますけれども、政策審議会と鉄建公団というのは、なるほど政策審議会は鉄道の分野だけじゃないだろうけれども、その分も包括していると思いますから、そういう基本政策というものを――鉄建公団のほうにある種の協議に参加をさせる機会であるとか、でき得べくんば私は、基本政策を一つの基調にしてやるべきだ、したがって、この際は、この点についてもかなり慎重な配慮が必要じゃないか、こういうように思います。ですから、その辺のことは二回お答えいただいて、そういうことは考えておらぬということですからやむを得ないにしても、もしそういうことがこれ以上継続していけば、赤字線の問題は、消えたと思えばまた出てくる。それで国鉄は漸次出資金は減らしていく、投資は減少させるけれども、結果的には請負線も出るでしょう、あるいは完全に譲り受けるものも出るでしょう、その段階において赤字がふえる、そういう循環を繰り返していくんじゃないですか。そのことが非常に気になるんですね。だからむしろ私は、この際思い切って鉄建公団そして政策審議会、この関係をもう少し正確にしてもらったほうがより将来のためになるんじゃないか、こう思うんですがどうですか。
#112
○国務大臣(原田憲君) 慎重に考えていくべきではないかという御意見につきましては、今後十分考慮を払っていきたいと思いますが、冒頭に申し上げましたように、現在のところ、鉄道建設のための審議会を廃止するという意思はいま持っておりません。しかし、総合開発計画の中で検討すべきであるということは、何度も申し上げておりますように、御意見を尊重いたしまして、今度、内閣委員会で設置法の関係が通過をいたしまして国会の御承認を得ましたならば、交通のための総合計画を立てるために運輸政策審議会に十分な働きをさせ、それらの点に万遺憾なきようにやってまいりたいと思います。御意見に対しましては十分注意を払ってやってまいりたいと思います。
#113
○森中守義君 公共性か企業性かということはあとの議論に譲るとしまして、やはりこういうことはいつの時期にか清算されないと、せっかく推進会議がいいものを出しても――推進会議の中でもそこまで極言はしていないけれども、赤字線の問題については、かなり慎重な意見を出しております。そこで私は、政策審議会というものはかなり次元の高い、しかも中枢的な意味合いを持つものだと受け取っています。むろん、企画庁あるいは建設省、大蔵省、こういう関係の省庁を合体をしたようなものでなければならぬ、こういう考えも持つんですけれどもね。これはせっかくの構想でありながらやはり全体をにらんでいない、こういうことでは非常に遺憾だ。
 それと、国鉄にちょっとお尋ねしておきますが、しばしば赤字線のことが言われる。私は、つぶせとかそのことをよろしいというそういう意見を持っていない。やはりどんな辺陬の地域でも恩恵にみんな浴したいのですよ。ただ、便法から方法論としてバスに切りかえてはどうか、こういう意見等もありますけれども、やはりたてまえ、原則は、汽車は汽車で走ってもらいたい。しかし、それは背に腹はかえられぬというこの今日の状態ですからね。ですから、この際のことだから、率直に言って、鉄建公団に対してどういうお考えを持つか。むろん国鉄の意思は、形の上では総裁がお一人御出席のようですけれども、それだけじゃないと思う。たとえば資料の交換であるとかあるいは国鉄の意見等が十分に聴聞されたあとにこういうものはきまると思うのですけれども、国鉄の側から施設を、すなわちそれに準拠する鉄建公団に対してどういうお考えをお持ちか、これはなかなかこういう一つの変革をもたらすような機会もございませんので、この際そういうことを国鉄のお立場から承っておきたい。
#114
○説明員(石田禮助君) 御質問は、今後公団でできる赤字線を国鉄で経営するについてどういうことにするか、こういうことだと思いますが、これは現在、国鉄がかかえておる赤字線というものは何とかしてやらなければならない、こういう国鉄は状態にあるわけでありますから、その上にさらにこの赤字線が加わるということは、これは国鉄としては大きな問題だ。これはまだ思案中で決定したわけではありませんけれども、国鉄が独立採算の上で経営するたてまえからいえば、この公団でできる赤字線というものをそのまま無条件で引き受けるということは私はできぬと思います。それでまた政府から補助してもらわなきゃならぬ、こういうことであると思いますので、これは私のほうの試案でありますが、そのときにはやはり政府から補助をしてもらうとかいうような条件において、初めて国鉄ではその経営を引き受けるということも一つの方法じゃないか、こういうことに考えております。
#115
○森中守義君 大体御意向わかりましたが、実際問題として政府のそれに対する手厚い措置というものはあまりとられていないのですね。そうなると、これは推進会議がどういう答えを出しても、特別措置がどうとられていっても、残念ながら私は五十三年段階で試算されているような内容にならない。そうなるとやはり政府及び国鉄、公団、この三者の間でもっと合理的な解決の方法、つまり国鉄がそういうことのために苦悶をしなくてもいいような対策を立ててくれなければ、なかなかこれは簡単に片づかない問題だと思う。いわんやいま百二十四線区でしたか、その中で八十二線区か三線区は取りこわす、こういう御意向のようだけれども、率直に言ってこれは簡単にできません。生きているのだからそうそう簡単に。これを諮問委員会か何かでお答えをおとりになった。さあ、これからどうかするといっても、かけ声はかけ声として、残念ながら私は実行不可能だと思う。そうなると、そのものをかかえ込んでいかざるを得ない。そういった際に一体政府はどうなさるか。いや、それは独立採算だから、衛星都市等の高採算のところからこの非採算のところへ回せということですべて片づけていいものかどうか。ここは運輸大臣も大蔵大臣もよほど慎重に検討を加えるべきじゃないですか。そういうようなことがある程度目鼻が立ってくれば、私は政策審議会の中に、鉄建公団を包括すべきである、国鉄はすでに過去のものだからこれは廃止すべきであるという、そういう極論を述べる必要はない。まあかかってその辺になると政府の措置いかんということになりますな。いかがですか。
#116
○国務大臣(原田憲君) いまの問題はこれまでもたびたび御答弁を申し上げておる点でございます。なるほど八十三線を廃止すべきだ、これは意見が出てきました。政治というものは生きものである、お説のとおりであります。どういう効果が実際にあるかということが問題でありまして、これを一ぺんにやったためにたいへんな国民生活に混乱を起こした、これでは何にもならないのでございまして、お説のようになかなかむずかしい点があると思います。これらの点につきましては、もう過去に何べんも御答弁を申し上げておりますが、これらのことを含んで今後国鉄が果たすべき使命はどこにあるか、何を国鉄はやるべきであるか、こういう点について先ほどから何べんもお尋ねの、新しく政策審議会で議する、それができるならば鉄道建設審議会というものは要らなくなるじゃないか、こういう結論を仰せでございますが、私は、お説は、まことに貴重な御意見を伺っておるということは十分承知をいたし、今後もやはり国土総合開発計画というものの中で何を運輸はなすべきか、こういう観点に立ってやっていくということを前提といたしまして、現在、いまある鉄道部門の建設の審議会をすぐに廃止するということは考えておりません。将来につきましては、十分お話のあるような点も考慮しながら、ほんとうに国民経済のため、国民生活のために国鉄は何をなすべきか、交通体系はどうあるべきかという点に対して慎重に対処していこう、こういう考えを持っております。
#117
○森中守義君 大蔵省の財政措置はどうですか。
#118
○国務大臣(菅野和太郎君) いま私のほうで新全国総合開発計画を作成中でございまして、その中に、もちろん鉄道の敷設の問題もありますが、大体、これからというと輸送革命ということばを使っておりますが、今後の道路の問題、あわせて鉄道と一緒に考えなければならないし、海運の問題も考えなければならない、航空の問題も考えなければならない、その上で鉄道という問題もあわせて考えなければならぬということで、いま各方面の構想を練っておるところでありまして、したがいまして、それに必要な財政計画というものはやはりあわせて考えなければならぬ。いままでの計画が財政計画という裏づけなくしていろいろ計画を立てておりましたから、今後の国土開発におきましては財政計画もあわせて考えてやっていきたいと、こう考えておる次第であります。
#119
○森中守義君 やはり、非常になるほどというお答えは、大体話が詰まっていないわけだから無理かと思いますが、このままでいいということにはならないと思います。むろん私も汽車というものへのイメージだけで国民が待望しているとは思わない。やはりどういうことで実利という恩典に浴するかという問題だと思います。ところがいままでのやり方を見ますと、いま長官も言われたように、やっぱり個々ばらばらと思うのですよ。一体、鉄道と道路がどういう関係を持っているか。むしろ私は極端に見れば、一例をとれば、国鉄への投資の金利等は六分、六分五厘、道路に対しては幾らか、はるかに安いですね。だから、中にはこう言う人もいるんですね、どうもいまの政府のやり方というものは、道路や自動車に手厚い保護を加えて、国鉄はまま子扱いにしている。同じ政府資金が一分も一分五厘も片一方は高い、片一方は安いということになると、これはやはり私は、なぜそういうようなことになるのかというものの考えに一つの疑問を持ってくるのです。結果的に鉄道がそでにされて、道路をよくする。道路公団は金利が安い、ということは、やっぱりこれは道路というもの、自動車産業に対する特殊な恩恵を与えているのじゃないか、こういうことも言えると思う。その辺の総合性を持たないと、将来どこまで発展していくかわかりません。お互いに祖国のことですから、際限なく国を発展させる。同時にそれは、恩典をみんな均等に浴させなければいかぬ。これは少々長口上になりましたが、そういう意味で、つまり鉄道審議会、そしてその事業体としての鉄建公団、具体的に赤字路線というかっこうであらわれている、この取り扱いについては、国会で聞かれたから答える。しかも否認するのじゃなくて、肯定をする。そこまではいいんだが、具体的にじゃどうするのか、なかなかいままで引き出していない、お示しになっていないのですよ。私はせっかくこういう機会に、こういう機会というのは推進会議で答えが出されて、これから、菅野長官のことばではないけれども、輸送革命を行なおうというならば行なうように、抜本的に改革を加える必要がある。そういう意味で、運輸大臣、私は非常にニュールックというか、ニュースタイルのように見えるのだけれども、実際そういう現在介在をする各般の対策がえぐられない、解明をされない。それを解明しないで一体何を政策審議会として進めていこうとするのか、はなはだ疑問ですよ。しかし、そうは言うものの、いよいよ設置法が成立をする、機構が動き出すという段階においては、その辺のことも組み入れながら検討されますか。しかも、検討の結果、場合によっては立法措置を講ずる、あるいは財政措置を講ずる、そういうことはお考えになっておりますか。
#120
○国務大臣(原田憲君) 運輸政策の審議会におきましては、先ほどから申し上げますように、総合交通体系というものがどうあるべきかということの参謀本部として政策を進めていくと、こういう考えに立っておりますから、今後の日本の総合的な交通体系ということについては斬新な考え方というものを出してこなければならない使命を持っておると、私はそのように考えております。いままでどちらかというと、運輸省というものがまあ認可をしたり、許可をしたりするようなことに重きを置かれた行政ということをやっておったというところにも問題があったのじゃないかと指摘を受けておるのでございます。これらに対しまして、国民経済の場で運輸というものが果たすべきことはどうあるべきか、こういう根本の政策を立てていくところでございますから、いまあなたのおっしゃっておるようなことは当然考えていかなければならないことになってくると、こう思いますけれども、これはいま国鉄の問題で一番大事な、国鉄自体がいわゆる財政的に破綻を来たしてしまったのでは、その持っておる国鉄の使命というものは果たせなくなる。これをまず解決することによって、総合的な交通体系の中で国鉄がどう果たすべきかということをきめていこうと、こういうことでございますから、いままことに勇気がないようでございますけれども、鉄道建設のための審議会をそこへ入れて、もう必要のないものはやめていくというところまではっきりと踏み切っていくということはできないだろうか、こういうことを申し上げておるのでありますが、それらの問題を今後とも踏んまえて、よりよい効果をあげるための政策の根本をきめるというために、政策審議会を十分生かしていきたいと、このように考える次第でございます。
#121
○森中守義君 ここであまり時間をそのことに費やしてもしようがありませんが、要するにこのことはいずれかの時点で洗い直さざるを得ない。そのことが私はほんとうの交通革命だと思う。ですから、これはいまこの場でお答えができないならば、政策審議会がいよいよ動きだしたその段階で、一つの運輸行政の基本問題としてぜひこれは検討してもらいたい。このことを要望しておきたいと思うのです。
 それからいま一つ、国鉄の部外出資の状態ですね、これがいまどうなっているのか。私の調べではかなり重荷ですわね。六百三十三億か、相当な高額にのぼっている。この状況はどうですか。
#122
○説明員(磯崎叡君) 累積の部外出資は、いまの数字の中で鉄道建設公団に出資いたしました分は、先ほど運輸省からお話もございました約百八十億の現物出資が入っております。それから東京都の地下鉄でございますが、帝都高速度交通営団、これに出資いたしましたのは再評価されまして、その中に百三十億入っております。それを除きまして、大体累計でいままで出資いたしましたものは五百五十八億が全額でございますので、このうちから建設公団と交通営団を差し引きますと……。失礼いたしました。すぐお答えいたします。現在出資いたしておりますのは、国有鉄道法の第六条によりまして、主として新しい港湾地帯の臨港鉄道におもに出資をいたしております。これは出資そのものよりも、それによりまして港湾地帯の荷物を国鉄に吸収するという点に重点を置きまして、現在京葉、神奈川、名古屋、福島、苫小牧、それから新しく鹿島臨港というところなどの新しい工業地帯に出資をいたしまして、その進出会社と合同の会社をつくりまして、そうしてその製品並びに原料を鉄道輸送してもらうというふうな方式をとっております。現在出資いたしましたものによりまして実際国鉄に参っております貨物が約六百八十万トンぐらいございます。そうしてその運賃収入だけで約六十六億、これは四十三年度の実績でございます。これをもし出資しないで、全然臨海鉄道をつくらなかったといたしました場合には、まずほとんどがトラックに行ってしまっているということで、日本全体から見ましても流通経費は上がっていると思いますが、私どものほうから見ますと、非常に駅に遠いというふうなことで鉄道に乗らないという貨物をこの臨海鉄道でもって鉄道に吸収する。こういう方策によりまして、出資の配当よりもむしろそれによる貨物輸送の増加をねらっている。こういう投資を大体しております。
 それから先ほどの建設公団は省略いたしまして、高速度交通営団、いわゆる東京の地下鉄でございますが、これは国鉄が通勤輸送を緩和をいたします際に、国鉄だけの力ではとてもできないということで、帝都高速度交通営団に、これは法律によりまして東京都と共同で出資いたしまして、そうして地下鉄も整備しております。たとえば、過般完成いたしました東京のいわゆる東西線と申しますものは、これは結局総武線と中央線の非常な通勤緩和になっているということで、私どものほうは年間約十億出資いたしておりますが、それが交通債券になりまして、約十倍の交通債券として資金的に生きるというふうなこともございまして、私どもの出資を元にいたしまして地下鉄の整備ができているということでございます。いま出資いたしておりますおもな目的は大体そういうことでやっておりますが、金額的には、ときによって多少は違いますが、建設公団と地下鉄を除きますと、大体年間平均十億前後という程度のものでございます。
#123
○説明員(小林正知君) ただいまお尋ねの点、四十二年度現在で申し上げますと、出資金の現在高でございますが……。
#124
○森中守義君 局長、四十二年は監査報告に出ていますね。そうでなくて、四十二年のは私は持っておるので、四十三年のをちょっと言ってみてください、いま副総裁の言われた苫小牧開発等も入っている――四十二年はこれはなかったわけですね。四十二年の場合は、一番新しいものを。
#125
○説明員(小林正知君) 四十三年末現在で申しますと、累計で、全体で投資現在高が六百六十六億でございますが、その内訳で、東京の交通営団これは約七十九億でございます。それから日本鉄道建設公団が五百四十一億、したがいまして、両方足しますと六百二十億程度になりますので、残りました約四十五億程度がただいま副総裁から御答弁申し上げました諸種の臨海鉄道以下の会社に対します出資、かような内容になっております。
#126
○森中守義君 ちょっと、私こまかな点を読み落としておりますが、鉄道営業法六条の該当ですね。それと営団法、公団法、大体三つに分けて出資のようですが、おのおのどうなんですか、これは、持ち株として何%くらいのシェアを占めているのですか。
#127
○説明員(磯崎叡君) 建設公団と交通営団を一応省略いたしますと、多少会社によって国鉄の持ち株の割合は違いますけれども、一応大体地元の公共団体あるいは進出企業等と分け合っておりますが、私のほうの方針といたしましては、国鉄と地元の公共団体と合わせて過半数ということを大体の目標にいたしております。多少場所によって、また進出会社の規模によって違っておりますが、地元と国鉄と両方合わせまして過半数ということを目標にいたしております。
#128
○森中守義君 ちょっと私が申し上げてみますが、間違っていたら訂正してください。
 株式会社日本交通公社、これが三億ですね、間違いありませんか。それから株式会社日本旅行が二億、それから広島バスセンターが六千二百五十万、それから福岡交通センターが二億ですね。それから草津温泉バスターミナルが二千万、それから京葉臨海鉄道、これが四億九千万、神奈川臨海鉄道が二億、名古屋臨海鉄道が五億三千七百万、福島臨海が一億五千万、苫小牧が一億五千万、これが新規ですね、四十三年ですね。それから株式会社大阪鉄道倉庫が一億、日本オイルターミナル株式会社が二億五千万、それから株式会社東京液体化成品センターが八千万、全国通運株式会社が四億、この金額ですね。
#129
○説明員(磯崎叡君) さようでございます。
#130
○森中守義君 そこで、できるならば、おのおの出資社別に、いま大体地元と国鉄で二分の一程度のシェアと、こういうお話でしたが、その持ち株というものはある程度正確にわかりますか。
#131
○説明員(磯崎叡君) もちろんわかっております。
#132
○森中守義君 お持ちになっていれば教えてください。
#133
○説明員(磯崎叡君) 一社一社申し上げましょうか。
#134
○森中守義君 ええ。
#135
○説明員(磯崎叡君) 割合で申し上げます。
 まず、京葉臨海鉄道は国鉄が三四・三%、地元が二八・七%。神奈川臨海鉄道、これは川崎でございますが、これが三六・三%、地元がやはり同じく三六・三%。名古屋臨海鉄道、国鉄が四六・九%、地元が三八・一%。福島臨海鉄道会社、国鉄が四二・九%、地元が二八・〇%。大阪鉄道倉庫、これは地元は持っておりませんで、国鉄と倉庫業界だけでございます。国鉄が四〇%。東京液体化成品センター、これは主として液体薬品を扱う会社であります。これは国鉄が六〇%、あと残りは関係の業界でございます。日本オイルターミナル、これは石油輸送の会社でございます。これは国鉄がちょうど五〇%。日本飼料ターミナル、えさのほうでございますが、これは国鉄がやはり五〇%。交通公社と日本旅行はちょっと――以上でございます。大体ごらんのとおり国鉄と地元公共団体と合わせて過半数ということを一つの目標にいたしております。
#136
○森中守義君 そこで、さっきの副総裁のお答えからいけば、これだけの出資をしたがゆえに約六十六億の貨物収入がある、こういうことですね。そこでこれら出資に対する利配はどうなんですか。
#137
○説明員(磯崎叡君) 臨海鉄道株式会社は全部無配でございます。このうち配当がございますのは交通公社と、日本旅行、広島バスセンター、全国通運の四社だけでございます。あとはまだ無配でございます。
#138
○森中守義君 これはできましたならば一覧表にして出資社名、それから出資額それと持ち株ですね、それといま言われるように、利配、ゼロ配なのかあるいは五分なのか、資料としてこの次にでも出してください。
#139
○説明員(磯崎叡君) 至急に。
#140
○森中守義君 それで副総裁、この程度の出資が、むろんこれは一つの営業のワク組みの中だと理解をせざるを得ないのですね。こういう出資をしたために貨物収入として六十六億あるのだ、しなければ全部トラックに取られるという、そういう関係からの出資でしょうからね。ですから、実際問題として今日の逼迫している国鉄財政の中からこの程度の出資ということは重荷になりませんか。
#141
○説明員(磯崎叡君) もちろん現在の財政状態でございますので、たとえ一億といえども非常に貴重な資金でございます。私どもといたしましては、出資いたします際には、直接の配当は必ず期待できるような仕事はございませんが、いま申しましたとおり、販路の拡張とかあるいは輸送の増加ということが明らかに数字的に、何と申しますか、見当のつくもの以外は一切出資しないというたてまえでやっております。たとえば、石油会社あるいは化成品センター等につきましてもやはりこれを生かしませんと、石油はほとんどタンクローリーへいってしまう、あるいは化成品もトラックにいってしまうということで、大体、出資いたすつどどれくらいの貨物が確保できるか、貨物の収入が幾らかということを全部研究いたしました上で出資いたしておりますので、ほっておきますと、現在貨物輸送は、これは運賃制度のたてまえから申しますとどうしても一般のトラックのほうが安い、特にこういう高級品につきましてはトラックの方が安いのでトラックにいってしまいますので、こういうふうに販路拡張の方法として具体的に一社一社検討いたしまして出資いたしておりますので、もちろん貴重な金でございますけれども、必ずリターン――リターンと申しますか、必ず戻ってくる出資以外は絶対しないというたてまえでやっておるわけでございます。
#142
○森中守義君 それから、まあこれはちょっと言いにくいことですが、こういうところに国鉄出身の、つまり理事出身というか、位人臣をきわめた人が何人ぐらいいますか。
#143
○説明員(磯崎叡君) 大体一社に一人ぐらいは入っております。しかし、理事出身と申しますか、その会社の大きさによりましていろいろございますが、地元の方あるいは業界の方と、それから国鉄と、三者で株式の大きさによりまして役員を出すと、こういう形にいたしております。
#144
○森中守義君 これはいろいろ申請が――まあ申請というのか、ひとつ国鉄から出してもらいたい、じゃ出してやろう、そのかわり人だよと、こういうやり方ですか。それともその話とは全然別個に――さっきの説明では三四%が一番低いですわね、あとは大体五〇%、四〇%、大体、本来ならば独禁法に触れるようなシェアを持っているわけだ、みんな。そういう場合に、むろんいずれの場合でも出資者は強いわけだから、よく重役なんか入れ込むものですよね。そういうようなことが国鉄の場合にはあるのですか。きわめて純粋な立場から、貨物を取りたい、運賃収入を上げたいということで出して、そのあとでこれこれ出したから人間をという、そういう仕組みですか。どっちですか。
#145
○説明員(磯崎叡君) むしろそれは私のほうから人をとれと言うよりも、一緒にぜひ仕事がしたいというたてまえと、それから、その企業側から申しますれば、それだけ流通のコストが下がるというメリットと申しますか、それがあるものでございますから、自分のほうもこれだけの得がある、しかしながらこれだけ出資しよう、国鉄も出資してほしいと。結局問題は貨車の配給、あるいは輸送の荷役というような問題になりますと、非常に国鉄の現業と密接な関係がございますので、たとえば臨海鉄道の現業職員も実はほとんどうちのほうから、ほかに人もおりませんので、うちのほうの現業の経験者を入れておるという形でございます。これだけ株を出すからその株の確保、株主権を行使するというような厳格な意味での法律的な人の出し方というよりも、むしろ民間会社がほんとうに国鉄の意を受けて国鉄に貨物を流してくれるというふうなたてまえから、会社の執行機関にうちの人間を入れておると、こういういきさつでございまして、たとえば、いま鹿島臨港がちょうど問題になっております。あそこで、あれだけの大きな港ができますと、全然いま鉄道がございません。いまつくっております、建設公団のつくっていらっしゃいます鹿島線から約十七キロくらい分岐いたしませんと港までまいりません。その港には御承知のとおり進出企業がございますけれども、いずれも鉄道がなければトラックへいってしまうということで、やはり臨海鉄道をあそこにつくりまして、その際にはやはり国鉄の経験者もぜひほしい、あるいは鉄道の建設でございますから土木の鉄道技術者もほしいというふうなことで、進出業界、あるいは茨城県等と話し合いの上で人を入れておると、こういう形でございます。
#146
○委員長(岡本悟君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#147
○委員長(岡本悟君) 速記をつけて。
#148
○森中守義君 運輸大臣、お聞きのように、これは今日の陸上輸送の深刻な過当競争を象徴的に見ることができるわけですね。むろん、これは国鉄の許容される条項による措置ですから、決してとかく非難はいたしません。むしろ当然なことじゃないか。しかし、この状態というのは今後さらに激化するんじゃないか。これは少し私のとり過ぎかわかりませんが、今回限定をした運賃の改定をする。推進会議の意見書によればこういう限定したものじゃないようです。ところが、貨物については手をつけないということは、結果的に私は、貨物運賃を上げればトラックにとられるという、こういう配慮が相当作用したんじゃないかと思うんです。で、そのことがこういう投資でもしなければ、営業提携をしなければどうにも国鉄の運賃収入があがらないということを端的にあらわしたものだと思うんです。そこで、これから先だんだんこういう競争が激化していけば、私は残念ながら、先ほど言われる六百六十六億程度の投資じゃ済まぬのじゃないか、もっとこれは相当高額なものを出さなければ、荷物がとれない、収益性が高まらないという、こういう現象が出てくるんじゃないでしょうか。当然これは予見される将来の問題だと思うんです、しかも、それはきわめて遠い将来でなくて。こういうことに対して主管大臣として、しかも総合的な交通政策をつくるという構想の上に立って、こういった過当競争が進んでいる、しかも投資がふえる現状では、あまり財政を圧迫しないという副総裁の御答弁だけれども、これが一千億をこえて一千五百億になるという、こういう段階にくると、私は部外投資といいますものは、相当これは大きな問題になってくるように思う。その辺のことを予見しながら政策的にどう対処すればいいというお考えをお持ちですか。
#149
○国務大臣(原田憲君) これは国鉄が今日財政危機に瀕していると世間で言われております問題と関連をしている大きな要因の一つである、いわゆるモータリゼーション時代になって、国鉄というものが輸送の独占をしておった時代と違って、新しい輸送というものの分野に大きな国鉄以外のものが入ってきた、こういうことであろうと思います。そこで、国鉄というものがそれでは果たすべき仕事はないのか。そうではない。いわゆる中遠距離の大量貨物輸送ということについては、これはもう何より国鉄というものの持っているメリットというものが十分ある。こういうことで、これからの国鉄が果たすべき大きな分野の中に、たとえば、再建推進会議の意見書の中では、これは八千百億円という投資額の意見があるわけでございますが、これらと、それから、いま森中さんのおっしゃっている問題は、道路の問題と関連をしておると思うのですが、道路を利用するところの輸送というものと、どうおのおのの役目を果たしていくかという問題になってくるかと思うのであります。その場合、先ほどの大蔵大臣との御論議の中にありました、道路に対してはたとえば開発銀行から融資をしておる、あるいは財政投融資の金を出しておる。これが六分であるにかかわらず、鉄道にはようやく六分五厘である。これらは公平ではないではないか。これらに対していわゆるイコール・フッディングというか、同じ立場に立って投資をやって、それぞれの競争によって輸送というものの使命を果たしていくことによって、国民経済の中で国民生活の上に貢献ができるのではないか、こういうことが論ぜられておるのでありまして、森中さんもその点についてお話を進めていこうとされておるものと私は了解をするわけでございます。したがいまして、運輸大臣といたしましては、今後の日本の交通というものの中で国鉄が果たすべき使命というものを十分に認識をして、そして国鉄再建というものの中で考え合わして、いまお説のように、財政的に危殆に瀕しておる国鉄が、部外に対して投資してみずから母体があぶなくなるというようなことがないようにということを十分勘案しながら、私は政策を進めていきたい、このように考える次第であります。
 少し長くなりますけれども、実は私は、それほどこまかい計算ということについては、事務的にまた御説明が必要とあらばさせますし、ここに大蔵省の主計局の次長も出席をしておりますけれども、ただやはり、高速道路に六分の金を貸しておるのに、国鉄が何で六分五厘か。これはやはり六分五厘と六分については当然、国家財政をあずかっておる大蔵省としては、その論拠があるはずでございます。したがって、私どものほうは、大蔵省の論拠をぶち破る説得力、国民の金を使わしてもらうのでありますから、これに必要な論拠を持たなければ、ただ不公平じゃないか、金利が高いじゃないかだけでは財政当局を説得することはできませんので、これに対して、予算折衝の場合に十分の論議を戦わしてまいりたいと思います。実は正直に申し上げますと、この点については結論が出ておらない。私は、今後またこの点について私どもの持っておる論拠を大蔵省にたたきつけて、これらの問題を進めていきたいとは思っておりますが、これらのことに関しまして、やはり国鉄が十分国民経済の中で果たし得べき使命というものが十分果たし得られるように、政策的に私は行政を進めていく、こういう考えであるということを申し上げたいと思います。
#150
○森中守義君 この議論は、相当時間をかけませんと、十分満足なお答えもいただけないし、まだまだ私もたくさん用意をしているのですが、これは次回に譲らしていただいて、副総裁に、大体五十三年段階をにらんだ場合、外部への出資の許容限度というのはおおむね幾らというように見込んでいますか。
#151
○説明員(磯崎叡君) 実は一番問題は、やはり先ほど御議論になった建設公団への出資をどうするかという問題であります。地下鉄のほうは大体年間十億くらい投資しなければ、やはり国鉄の力だけでこの東京の通勤難を緩和することは、これはちょっと無理だと思います。一応、地下鉄のほうは大体十億程度、これだけはやっていかなければいけないと思っております。そうすると、建設公団への出資は、先ほどのお話しのとおり、いままで七十五億だったものをことしから七十億に下げていただきましたけれども、これを今後三年ぐらいのうちにゼロにしたいというふうに実は考えております。私のほうで出資いたしております建設公団への金は、御承知のとおり、いわゆるAB線にしか使えないことになっております。すなわち、地方開発路線にしか使えない。C線、D線と申しまして、この辺の武蔵野線とか、いわゆる国鉄がやるべきであるような工事は、これは建設公団みずから財政投融資その他受けられてやっておられるわけで、これは有償でございますので、私どもの金は結局地方開発路線にしか回ってないわけであります。したがって、今後どこまで私のほうの出資をやるべきか。それから、国の過疎対策と並んで、どこまで地方の、さっき先生のお話しのいわゆる赤字線的な建設を進めていくか、その問題が一番大きな問題だと思います。あとは大体幾ら出資いたしましても、年間せいぜい五億ないし十億でございます。これからそうふえないと思っておりますが、せいぜい五億ないし十億と思いますが、そういたしますと、それだけでは百億ぐらいどまり。したがって、問題は、建設公団に七十億出しておりますものが毎年やはりこのくらい出さなければいけないものかどうか、これを三年なら三年でやめられるかということがポイントになる点でありまして、この点は、私どもといたしましては、なるべく早く建設公団への出資をやめさせていただきたいという気持ちでおるわけであります。もしどうしても国で御必要とあらば、やはり国の出資でもってやっていただきたいというのが私どものお願いであるわけであります。
#152
○説明員(石田禮助君) 私からちょっと補足的な説明をしたいと思います。森中さんの御質問に対して私から補足的に説明いたしますが、国鉄の貨物における競争者というものは、御承知のとおり、トラックなんです。トラックの有力な武器というのはドア・ツー・ドアなんです。国鉄というものはターミナル・ツー・ターミナルなんです。そこに国鉄の非常なハンディキャップがある。この港湾に対する線、これは全く引っ込み線なんです。御承知のとおり、国鉄は、各工場へ出しておる引き込み線による輸送量というものは全輸送量の五割以上です。つまり、引き込み線というものはドア・ツー・ドアなのだ。そこに、国鉄というものは、同じくターミナルにしても、同じく飼料ターミナルにしても、あるいは港湾に対する引き込み線にしても、同じなんでして、これはやはり港湾に対する引き込み線というものは、単に国鉄の利益だけの問題ではなくて、やはり国鉄では、日本の交通路線としての使命からいってぜひともこれはやらなければならないものだ。こういうことで、私は、どうしても港湾に対する引き込み線というものは今後ともますますやらなければならない、こういうことを考えております。
#153
○森中守義君 いま副総裁の許容限度に対する説明ですがね、これはずいぶんいろいろな態様が変化をしていくでしょうから、財政規模がこれだけだから許容限度はこれだけだというふうな算術計算じゃいかぬと思うのですね。それはよくわかりますが、しかし、いまの道路開発の状態、あるいは自動車産業の進連の状態から考えると、これから数年たったあとは意外な結果をもたらすのじゃないか、私はこういうふうに思うのです。
 で、これはまた次回の議論に残しておきますが、要するに、何としましても、たいへんな逼迫状態の中で外部出資というものは決して歓迎さるべきものではない。しかし、過当競争の中でどうして国鉄が生きていくか、こういう点に論点を求める限りやむを得ない措置だろう。むろんそれは六条の許容条項ですから一つも異論がないわけです。しかし、この種の問題はよほど慎重に検討する必要があると思うのです。私はさっきのお話でも少々あまいような気がするのです。しかし、それは次の議論に譲りましょう。
 そこで、ひとつ資料をお願いしておきたい。公共負担ですね、できるだけこまかなデータを出してもらいたい。
 それから、石田総裁がよくいままで所論としてお述べになっているものですね、公共負担がかなり国鉄の財政を圧迫しているという、こういう説を展開して逃げられますが、いままで政府との間にどういう話し合いをされていたか。ここに一通りの資料は出ております。これだけであったならば私の議論を展開する素材になりませんので、国鉄・政府間における交渉の経緯、それと、監査報告以外にかなり大きな問題が私はあると思いますから、この公共負担の資料を次の機会には必ず御提出をお願いいたします。
#154
○説明員(磯崎叡君) 承知いたしました。
#155
○森中守義君 きょうはこれで終わります。
#156
○委員長(岡本悟君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#157
○委員長(岡本悟君) 速記をつけて。
 本日は、これにて散会いたします。
  午後四時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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