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#1
第061回国会 運輸委員会 第17号
昭和四十四年五月六日(火曜日)
   午前十一時四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月六日
    辞任         補欠選任
     田代富士男君     渋谷 邦彦君
    ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
    委員長         岡本  悟君
    理 事
                江藤  智君
                金丸 冨夫君
                谷口 慶吉君
                瀬谷 英行君
    委 員
                河野 謙三君
                佐田 一郎君
                菅野 儀作君
                平島 敏夫君
                前田佳都男君
                山崎 五郎君
                渡辺一太郎君
                加瀬  完君
                木村美智男君
                森中 守義君
                渋谷 邦彦君
                三木 忠雄君
                中村 正雄君
                市川 房枝君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  原田  憲君
       国 務 大 臣  菅野和太郎君
   政府委員
       経済企画庁長官
       官房長      岩尾  一君
       運輸省鉄道監督
       局長       町田  直君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  山口 真弘君
       運輸省自動車局
       長        黒住 忠行君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       大蔵省理財局国
       庫課長      河野  照君
       自治省財政局公
       営企業第一課長  小田 恵堆君
       自治省税務局固
       定資産税課長   山下  稔君
       日本国有鉄道総
       裁        石田 禮助君
       日本国有鉄道副
       総裁       磯崎  叡君
       日本国有鉄道常
       務理事      湯川 龍二君
       日本国有鉄道常
       務理事      井上 邦之君
       日本国有鉄道常
       務理事      小林 正知君
       日本国有鉄道旅
       客局長      関  赳夫君
   参考人
       日本鉄道建設公
       団理事      増川 遼三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岡本悟君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 冒頭に理事会の決定事項についてお知らせいたします。
 本日の質疑は、順序としましては、午前中に加瀬君、三木君、午後中村君、市川君、公明党の順序で行ないます。時間の割り当ては、答弁を含めましておのおの一時間半ないし二時間といたします。さよう決定いたしましたので御了承願います。
 この際、一言申し上げます。
 鉄道運賃法の審議にあたり混乱を生じましたことは、委員長といたしまして遺憾に存じます。議長あっせんに基づきまして審議を続行することにいたしたいと存じますので、御了解をお願いいたします。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(岡本悟君) 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案を便宜一括して議題といたします。加瀬君。
#4
○加瀬完君 議長の裁定を各会派が了解をいたしまして本日の委員会が開会をされたわけでありますので、委員会の運営上の議論は繰り返しませんが、ただ次の点だけは委員長並びに理事の各位に御確認を願いたいのであります。
 一点は、自民党の参議院幹事長は、本案が三月以来審議を重ねてすでに質疑が尽きているとの意味の発言をされておりますが、実質審議は十数時間そこそこでございまして、審議は尽くされておらない、この点であります。
 第二点は、今回のように会期も十分にあり、しかも質疑者も多く残っており、しかも理事会において対立が激しくて決裂状態というわけでもないのに突然の質疑打ち切りというのは妥当を欠いておりますので、再び繰り返されてはならないものだと思いますが、いかがでございますか。
 第三点は、与野党を問わず、国民の立場から問題がある法案に対しましては、もっと与党も含めて徹底的に質疑というものが繰り返されるべきではないか。与党イコール政府委員といった状態では、立法府の性格からいっても、もう少しわれわれみずからの姿勢が正されてしかるべきではないか、こういう批判が国民の一部にあるわけでありますが、こういう点についてどうお考えになりますか。
 私の発言に対しましてお認めになりますかいなかを簡単に委員長その他の理事の各位からお答えをいただきます。
#5
○委員長(岡本悟君) 委員長としてお答え申し上
 げます。
 第一点の、質疑が尽くされたかどうかということは、これは客観的にいろいろそれぞれ意見のあることでございまして、私といたしましては、終始一貫審議を十分尽くすという基本方針を持ってまいりましたことは御承知いただけることと考えるものでございますが、この点についても十分今後考慮していきたいと考えております。
 それから第二点の、今国会まだ会期があるのに質疑の打ち切り等はまことに穏当を欠くというふうな御指摘でございますけれども、その会期につきましては、重要法案がたくさんございますので、やはり常識的な線でもって、一つの法案の質疑についてはおのずから限界があるというふうに私は解釈をいたしておるのでございます。
 それから第三点の、こういう重要法案については与党を含めてもっと与野党問わず一致して慎重審議すべきであるということには全く同感でございまして、十分今後考慮していきたいと考えております。
#6
○加瀬完君 こだわるわけではございませんが、質疑が尽きたか尽きないか、あるいは審議をこの程度でとどめるべきかどうかという問題は、もっと理事間で相当に協議をいたしまして、協議ととのわず、野党なら野党のほうが一方的に引き延ばしだけをやっておるという御判断なら別ですが、いつまで質疑をするか、どの程度認めるかという問題では全然話し合いがなく簡単に質疑を打ち切るということが前例にされては困りますので、そういうことは前例としては最も好ましいことではないという点だけは御確認をいただかなければ先に進むわけにまいりかねるわけでございますが、この点どうでしょうか。
#7
○委員長(岡本悟君) お答えいたします。前例としては好ましくないと私も存じております。
#8
○加瀬完君 運輸大臣に伺いますが、企画庁長官もいらっしゃっていると思いますので企画庁にも伺うわけでございますが、私の質問はまだ多く残っておるのでありますが、理事会の決定もあることでございますので、多くはあとからの質問の方に譲りまして、いままでの点をもう一度確認だけをしていただきたいと思います。
 第一点は、国鉄の赤字解消のための国、国鉄、国民の負担区分は、いままで政府の宣伝をいたしておりました三方一両損ではございませんで、負担率は一対二対四である、こういう御説明がございましたが、これはそのとおり受け取ってよろしゅうございますね。
#9
○国務大臣(原田憲君) 三方一両損というのは私がよく大岡さばきということで使われておることばを使ったのが始まりだったと私は思っております。そこですぐこれを訂正いたしまして、これは損ではないので三位一体でよくしようということである。こういうことでそれ以後三位一体ということばを用いて御質問に答えておるわけであります。その内容を具体的に言うとどうかというお問いは、一対二対四であるのではないか、こういうことでありますが、これはもうこまかい数字になりますと政府委員に答弁させますが、これは加瀬さんきょう初めて一対二対四ということを言われたので、一対二対三・五ということをたびたび御指摘になっておったと思います。私どもの政府委員から一対二対三という答弁をいたしておったと思うのでございますが、この数字を具体的にあげて申し上げますと、決して同じ額ではないという御指摘はそのとおりであろうと思います。
#10
○加瀬完君 一対二対三・五というのは四捨五入で計算すると一対二対四あるいは二回、三回分の運賃の値上げというものを含めてもっとその差は大きくなるということになろうかと思います。それから改定運賃は私鉄よりもはるかに高くて、よく衆議院でも例にあげられましたように、名古屋−豊橋間の一カ月間の定期は、私鉄の三千三百円に対して国鉄は七千三百十円、また近くの例をあげましても、品川−横浜間は私鉄が千六百三十円、国鉄が二千六百四十円、上野−千葉間は私鉄が二千二十円、国鉄が四千三百六十円、品川−川崎間は私鉄が千百四十円、国鉄が千八百円、こういうことになっているということはお認めになりますね。
#11
○国務大臣(原田憲君) 御指摘のとおりに、この法律案が通過をいたしまして告示をいたしますと、そのとおりになるわけでございます。
#12
○加瀬完君 経済企画庁に伺いますが、国鉄はほんとうに赤字かどうかという問題でございます。政府は四十一年に五百三十六億円、四十二年に千四百七十七億円の赤字が国鉄に生じて破綻寸前であると、こういう御説明をしておるわけでございますが、減価償却前はそれぞれ千六百二十億円、八百十二億円というふうに黒字、経営自体はそういう意味では赤字とのみは言えない。こういう点はお認めになりますか。
#13
○国務大臣(菅野和太郎君) お説のとおりであります。
#14
○加瀬完君 国鉄の赤字は通常経営によるものではなくて、たとえば四十一年には三千五百億円、四十二年には三千七百八十億円というふうに新規工事費によるものであるということはお認めになりますか。
#15
○国務大臣(菅野和太郎君) ちょっと、もう一ぺん。
#16
○加瀬完君 国鉄の赤字は通常経営の償却前は黒字である、なぜ赤字かということになると、新しい事業の工事費が非常にかさむ、そのために一緒に計算をしてまいると工事費のかさみ方が赤字の原因になっておる、こういうふうに了解してよろしいですか。
#17
○国務大臣(菅野和太郎君) 経常収支といまの工事費との直接の関係はあるでしょう。
#18
○加瀬完君 私の言うとおりでよろしゅうございますね。
#19
○政府委員(岩尾一君) 御質問の趣旨は、工事勘定分が非常に大きいのでそれで赤字ではないか、こういう御質問だと思いますけれども、いま長官の御説明されましたように、経常勘定で減価償却前黒字になっておる、そうして減価償却をいたしますと、その減価償却分だけがその一部が赤字になる、こういう現況ですから、これは工事勘定とは関係がない。
#20
○加瀬完君 工事費が異常にかさんで、したがって償却も非常に率が高くなっておる、そういう進行の結果、結局償却まで、含めますと赤字になるということで、全然工事費というものを含ませなければ赤字にはならない、こういう見方が数字の上から資料の上から出ておるのじゃありませんか。
#21
○政府委員(岩尾一君) お説のようでございますが、経常勘定におきます減価償却の結局不足分でございますね、不足分をいろいろ財投とか借り入れをいたします。それから減価償却分というのはそのまま工事勘定に入れるわけでございます。そうすると、もし経常勘定で新しく非常に黒が出ておりましたならば、工事勘定に入れる金がたくさんあるわけでございます。減価償却分が全部入る、あるいは黒字の場合にはそれ以上の金が工事勘定に入ってくる。そこで必要な投資規模というものをきめまして、あるいは工事規模というものをきめまして、その工事規模に必要な金というものが足らなければ金を借りる、こういうことになるわけであります。そこでやはりその工事の金が、いずれは損益勘定の収入にはね返ってくるわけでございますから、したがって工事というものが将来国鉄を再建していくような、そういう黒字になるような工事をやっていただきたい。そういう意味では損益について関係はございますけれども、工事勘定についてはこれが赤字になるということは関係がない。
#22
○加瀬完君 そんなことは聞いてない。国鉄自体が計算をして、損益勘定から赤字が出ないように工事計画そのものを縮小していけば、赤字が出なくても済むということになるのであります。あなたのおっしゃるように、将来の国鉄の発展というものを考え、規模というものを考えて、実際は国鉄の経済状態からは必ずしも妥当ではないと思うほどの大きな工事というものを逐年続けてまいりますことが、たくさんの予算を必要ともすればまた将来の赤字の原因ともなっていくということを一応これは大ざっぱに認めなければ、国鉄運賃を上げる理由もなくなってきてしまうんじゃありませんか。
#23
○政府委員(岩尾一君) 大筋の気持ちはよくわかるのでございますけれども、実際の赤字、黒字というのは先ほど申しましたように、経常収支におきます減価償却分が全部減価償却分として取れるかどうか、取れない場合には取れない分が赤字だ、こういうふうに言っておるわけです。したがって国鉄の赤字、黒字という話と――いまおっしゃいますように、大きな目で見た国鉄全体の工事の金というものは圧縮いたしまして、そうしてできるだけ工事をやらないようにやったほうがいいじゃないかというお気持ちはそのとおりだと思います。しかし、赤、黒という問題はいま申しましたようなことではっきりするわけです。
#24
○加瀬完君 工事をやるとかやらないとかいうことを問題にしているんではないのです。国鉄の経済自体よりも大きな事業費というものを背負い込んでいることが赤字を大きくしている一つの原因ではないか、ということはいなめないではないかということを言っておる。それはそうでしょう。それが妥当だとか妥当でないとか、工事を進めるべきだとか縮小すべきだということを言っているのではない。自前で背負いきれぬ限界以上の工事というものを国鉄が進めていることも赤字の一つの原因だということになるのではないかということを指摘しているわけであります。
 時間が制限をされておりますから次に進めます。これも経済企画庁に伺うのでありますが、ここ数年政府が外航船舶の建造のために出した利子補給金は四百二十六億円、道路公団への出資は八百三十一億円、石炭産業の山主救済に出したものが概算二千億円、これと比べて国鉄への出資というものは非常に少な過ぎはしないか。私企業の救済を先にして公企業をあとにするということは、救済対象の選択の順位というものを政府が必ずしも正しくとっておるとは言われないのじゃないですか。もっと率直に言えば、国鉄を補助選択の順位としてもっと優位に考えてしかるべきではないですか。あまりに国鉄というものに政府が金を出さなさ過ぎると思いますが、この点はどうですか、長官。
#25
○国務大臣(菅野和太郎君) いまの問題は、大体国鉄が独立採算制でやってきたという関係があるのでございます。したがって、政府がそれほど補助しなくてもいいという考え方でやってきたと思うのであって、しかし、今日では独立採算制を堅持することは困難だと思うので、そこで政府は財政的な援助をすべきだということをわれわれは極力主張したのであります。でありますからして、今後の国鉄の問題については、これは総裁からたびたび言われたとおり、政府の援助が足らぬじゃないかということを言われておるのでありますからして、今後の国鉄の運営については、国がどれだけ補助するか、援助するかということは、これは一つの大きな問題だと考えております。
#26
○加瀬完君 官房長さっきからいろいろ御説明なさいますが、あなたのほうで、この前私が打ち切られる前に申し上げたとおり、国鉄赤字の大きい原因の一つに大都市輸送対策のための工事費がある、この投資は、都市対策により対処すべきであり、国鉄の投資負担に依存させることは問題がある、国鉄のいまの投資態度を前提とした運賃引き上げは適当でないということをおたくのほうでおっしゃっておる。そういうことは、結局、政府の国鉄に対する投資をもっとふやすのが妥当だというように、企画庁なり政府なりはお考えになっておったと考えてよろしいでしょう。
#27
○政府委員(岩尾一君) そうお考えいただきますとやや誤解を招くかと思うのでございます。先ほど出資のお話がございましたが、国有鉄道法をごらんいただきますとおわかりになりますように、国有鉄道は全国をある時期においてほとんど独占的に支配をしたものであります。それを引き継いで、そうして国鉄にいったものでありまして、全額を現物出資というような形で国鉄が始まったわけでございます。したがって、国鉄法のたてまえから言えば、出資というものは、もうその際に、国が出した現物出資をもってこれで運営をやってもらいたい。したがってその第二項には、新たな投資をする場合には、国が「出資をすることができる。」という規定がございます。そういう趣旨でできておるわけです。ほかのいろいろな私企業につきまして、あるいは補給金を出したり、あるいは補助金を出したり、あるいは出資をしたり、たとえば道路公団等におきましては、新しく路線を敷いていくわけでございます。こういうものについては出資をしなければならない、こういうことになりますけれども、国鉄はその当時の状況においては、国全体の独占企業というかっこうでございますから、これに対して新しく出資をするということは、われわれは考えておりませんでした。しかし、企画庁長官がいまお話しになりましたとおり、先ほど先生からもお話しのとおり、いろいろ公共負担がございます。公共負担に対しては、これは国鉄の独立採算だけでやっていくのは、これはだんだんむずかしくなってきたのじゃないかということがございますので、いろいろな形で財政援助と申しますか、公共援助と申しますか、そういう意味での負担はすべきである、こういうことを申し上げたわけでございます。
 それからさらに都市の問題につきましては……。
#28
○加瀬完君 ちょっと待って下さい。質問をしておることだけに答えればいいんです。
 あなたのほうで発表したことを私は言っているのですよ。それが違っているというのはどういうことだ、態度が変わっているというのはどういうわけだ。国鉄赤字の大きい原因に大都市輸送対策のための工事費がある、これを国鉄の投資負担にだけ依存させることには問題がある、国鉄のいまの投資態度を前提とした運賃引き上げは適当でないと、おたくのほうでこう判断して発表しているのですよ。ということは、国鉄だけのいまのような投資態度ということでは、これは解決ができないわけだから、少なくもあなたがいま御指摘になったように、道路を新しくつくるということで道路公団に出資があるのだから、鉄道も新しくつくる、あるいは漸増をするというような場合にも大都市輸送対策のような場合にも、工事費はこれは公共負担を全部国鉄がかぶるというのは必ずしも妥当ではない。とすれば、政府が何らかの形で財政援助をするということを考えなければならないということになるのではないか、そういうお立場でこういう発表をなさったのじゃないかと、こう聞いているわけです。
#29
○政府委員(岩尾一君) 大筋は先生のおっしゃるとおりだと思いますけれども、私らはそのために出資をすべきであるということを言っておるのではないので、その際の都市の通勤について別途の投資態度をとるべきであるということを申しましたのは、さらに詳しく申し上げますと、現在のように各私鉄あるいは都市政策の貧困なためにいわゆるドーナツ現象で、スプロール的に都市の周辺に団地ができていく。したがってどうしてもそのために国鉄の通勤輸送というものが困難になっている。これを排除することは都市政策そのものを考えなくちゃいけないのじゃないか。非常に極論をいたしますと、たとえば川越だとかその辺に団地をつくるくらいなら、丸ビルにアパートをつくったらいいじゃないかというような、まあ極論でございますけれども、そういうような意味で都市政策というものをもう一ぺん再検討してもらいたい、都市の再開発をやってもらいたい、これが国鉄の通勤対策を解決する最大の道ではないか、こういうことを申し上げたわけでございます。
#30
○加瀬完君 こうも言っているのだ、あなた方は。前の質問に返るようですけれども、国鉄財政は黒字であり、財政破綻はあり得ない、財政投融資の追加など、投資規模を圧縮すれば値上げの必要はない、こうも説明しているのですよ。そうすればこれはどういう形かは別として、投融資になるか、補助金になるか、利子補給になるか、いずれにしても国が国鉄の財政というものに何か援助の手を差し伸べるということが必要だということを、これは前提にしているのじゃないのですか。
#31
○政府委員(岩尾一君) それは先ほど企画庁長官がお答えになりましたとおりでございまして、当時の大蔵省の内示では、財政援助というものは財政再建補助金だけでございまして、新しく利子補給については、財政再建特別交付金というようなものには一切触れておりませんでした。ただ運賃の値上げだけでやろうというお話でございましたので、私らはその点はさらにもっと幅広く財政の援助というものを考えたらどうか、そういうことによって実際の国鉄の――いわゆる三本立てと申し上げておりますけれども、そういう形がとられるのではないかということを主張したわけでございます。しかもそれが確保されましたので、私らは非常に残念でございますけれども、運賃の値上げに賛成をしたわけでございます。
#32
○加瀬完君 確保されたかされないかということは、これは議論の余地のあところで、あなたがたがそういうお立場であるということははっきり了解いたしました。しかし、金を出さなければならないということは、これはお認めになるわけですね。そこで三位一体とさっき運輸大臣はおっしゃいましたが、いずれにしても国に責任があるということもはっきりしている。運賃だけによって解決すべきでないということは経済企画庁としてもお立場としては変わりがない。ところが上げ幅の問題ですよ。一五%上がったということになりますけれども、どこが一五%になっているか。一五%のところがあるかもしれませんけれども、たとえば遠距離である東京を起点に札幌だというと二四・五%、福井ですと東京まで二八・九%、こう上がっていますね。それから今度はうんと縮めて一キロから五キロまでのところになると五〇%も上がることになりますね。定期でも品川とか蒲田とか、こういう至近距離は三三%上がっている。上げ幅は絶対に一五%じゃないのですよ。これは運輸大臣お認めになるでしょう。あなたのほうで出された資料で計算すると、こうなるのですから。
#33
○国務大臣(原田憲君) いまの御指摘の点は、そういうところも出てくる。しかし総括して一五%のアップだ、こういうことでございまして、なお具体的な答弁が必要でございましたら、政府委員から説明させます。
#34
○政府委員(町田直君) 一五%アップと申しますのは、基本賃率で三円六十五銭を四円二十銭にいたしました。これが、まあ一五%アップということでございます。
 それからもう一つ、運賃・料金、全体を含めまして実際の増収率が一五%、こういうことでございます。
 ただいま先生がおあげになりましたところは、確かにそのとおりでございまして、要するに、今度の運賃改定は、法律の改正をお願いしておりますし、その他料金の改定もございますが、賃率の一五%アップと、それから遠距離逓減制の百キロの改正と、それからその他、運賃・料金の改定と、こういうことでございます。
 そこで、具体的にお話のございましたように、二八%のアップのところも実際には出てくるわけでございます。別に、これは先生の御意見に反発をするという意味ではございませんけれども、具体的に申しますと、たとえば近いところで申しますと、東京を起点といたしまして三鷹、中野、赤羽、浦和というようなところは実際上値上げをいたしておりません。それから、横浜あるいは大月、千葉というところをとってみますと一〇%以下の値上げになっております。これは、もう一つの理由は、区間制ということにいたしまして、区間で区切ったということの結果でございます。それから、また少し遠いところで申しまして、たとえば静岡、浜松、米原、博多、仙台というようなところは、急行を利用すると仮定いたしましても九%から一二%のアップ、こういうことになっておるわけでございます。それらを平均いたしまして一五%、こういうことになっているわけでございます。
#35
○加瀬完君 その区間制が問題ですよね。今度の運賃改定では、これからしようとする運賃改定では、区間制がそう露骨にあらわれておりませんが、三十六年のときとこの現行法のときの運賃改定では、区間の切り方で非常なアップ率を示しておりますね。三円六十五銭が四円二十銭になったから一五%ということにならないわけです。なぜなら一キロ−五キロということが二十円であったものが三十円になる、こういう形になるわけですね。それから、今度は七キロなら七キロ単位に切っておったものを六キロ単位にするとか、八キロ単位で切っておったものを七キロ単位にするということになると、非常に差ができてくるのですね。で、現行法がその前の区間の切り方と比べて非常に上がっておりますから、今度は上げるに上げられないようなかっこうになっちゃっている。おっしゃるようなところも、九%くらいのところや一三%くらいのところも出ておりますよ。出ておりますけれども、現行法の前のと今度改定するのと比べると、これは大きな隔たりになりますね。これはいずれ他の方からまた出されると思いますので次に移ります。
 で、また経済企画庁に聞きますけれども、四十六年に、一応物価対策としては三%アップ以下に押えるということで、最小限、公共料金を押えなければならないという方針をとってきたわけでございますが、運賃値上げによりまして、これはくずれてくるわけですね。三%に押えられるかどうかというのが、物価の他の要素もありますから、それができないとばかりは断定をいたしませんが、少なくも公共料金のうちの一番の中心である運賃を上げたということで、少なくも物価を押える強力な一つの手をもう政府としては放した、こういうことになりますね。
#36
○国務大臣(菅野和太郎君) 四十六年度に三%にするという計画は、いま進行中の経済社会発展計画においてそういう計画を立てたのであります。しかし、これはもう実勢と見通しは全然違っておりますから、この計画は補正するという方針で目下調査研究中でありますからして、四十六年度三%という数字は一応この際は取り消していただきたいと思うのであります。
#37
○加瀬完君 取り消しということは、三%以上、上がることはもうしょうがないということを認めたということですね。少なくも、それは別として、私鉄の運賃をあくまでも押えていくと、こう経済企画庁はおっしゃる。ところが運輸大臣は、なるべくそうしたいとか、つとめてそうしたいとか――つとめても何でも、これはなりませんよね。そうでしょう。同じ区間で国鉄のほうが倍も高いということであって、どうしてこれは高いのかというと、原価計算でこうなる。それなら同じような条件で原価計算をすれば、半分というのは安過ぎるのだから、もう少し上げろという主張をされたときに、経済企画庁としてはそれをとめるわけにはまいりませんわね。そうすると、これは私鉄のうちの電車だけにとどまりませんで、バス、タクシー全部そういうものにも響いてまいりますわね。そうすると、それが原因でまた物価が上がる。国鉄の運賃を上げるということは、ともかく物価を三%どころか、あるいは現在の五、六%より上に上がるかもしれない懸念というものを新しく生ずるということになって、悪循環の物価騰貴の一つの種をまきかねないということになるわけでありますが、こういう点、簡単にさっき官房長の御説明のように、運賃だけでもう国鉄の赤字をまかなうということでなくて、国も幾らか出すのだから、運賃を上げることを認めましたということは、ほかの閣僚ならいざ知らず、経済企画庁の長官としては物価対策から一体それはどういうことになるのだと、あらためて聞かざるを得ない。もうこれは物価対策はどうせ当てにならないから、出たとこ勝負だから、あんまりそんなのにこだわってくれちゃ困るというなら、それならそれでわかる。そう解釈してよろしいですか。
#38
○国務大臣(菅野和太郎君) そう即断的にきめてもらっちゃ困ると思うのであります。鉄道料金の値上げをする際に、その条件としまして、この便乗値上げは認めないということで、閣僚協議会でそういうようにまとめたのであります。私どもも国鉄の料金は値上げするが、しかしそれに便乗した交通関係の公共料金は極力押えるということで、その当時きめたのであります。また、そのとおり総理大臣も運輸大臣も私も発表いたしておるのであります。したがいまして、国鉄料金が上がったから私鉄の料金が上がるとか、タクシーの値段が上がるとかいうように、すぐにそういう決定をしてもらっちゃ困るので、私のほうでは、これは極力それを上げないという経済企画庁としては決意でおります。
#39
○加瀬完君 その御決意はよくわかりました。すぐには上げないということもわかりました。極力押えるということもわかりました。しかし、国鉄を上げたのを、上がったのは何だと言ったら、原価計算でこうなる。今度、同じ区間を走っておって、原価計算が二分の一以下だということはおかしいじゃないか、われわれの原価計算でもこうなりますよと主張されたときに、極力押えたところで、いつかはこれを上げないわけにはいかぬでしょう、理屈から言って。ですから、国鉄を上げるということは、競争線なんかのもっと安いところの私鉄を押える一つの歯どめをはずすことになるのじゃないか。で、物価対策からいえば、非常にこれは大きな問題だ。国鉄の赤字を三位一体で、一部を国民に負担させてまかないをつけようというような簡単なことにはならない。私はいま物価対策の上から伺って、極力ということはあっても、つとめてということはあっても、押え切れますという、そういう理論は成り立たないと思うのですよ。
#40
○国務大臣(菅野和太郎君) 問題は私鉄の十四社と思いますが、これは運輸事業自体については、あるいは赤字が出るかもしれませんが、私どもの調査では赤字が出ておりません。それ以外に百貨店を経営したり、土地の造成などをやっておりますからして、そこで会社自体としては利益の配当をやっておるわけであります。でありますからして、そこで私は一企業体として、土地の経営も、それから電車の経営もその中に含まれたものである、だからして、これは赤字とは言えない。したがって、赤字だから値上げしてくれという理由は立たぬと、こういうように私は反問しておるのであります。
 それから同時に、私は物価を上げないというのがいまの日本の国策であるし、国民の要望ではないか、したがって、国鉄の料金を上げると同時に、便乗して私鉄の料金も上げるということになると、ひいてこれが一般物価に影響を及ぼすから、物価を上げないというこの国策にひとつ準じてやってもらいたいというように私どもでは説得いたしておるのであります。
    ―――――――――――――
#41
○委員長(岡本悟君) 質疑の途中でございますが、委員の異動について御報告いたします。
 本日、田代富士男君が委員を辞任され、その補欠として渋谷邦彦君が委員に選任せられました。
    ―――――――――――――
#42
○加瀬完君 国鉄の経常経費も、大きな事業というものを差し控えればこれは赤字じゃないわけですね。これは経済企画庁が御説明のとおり、国鉄財政は黒字である、財政破綻はあり得ない、あなたのほうでもおっしゃっております。しかしながらいろいろの事業経費というものを含めてやはりこれは運賃を上げざるを得ない。そんなら私鉄だってやっぱり新しい事業計画を発表する、あるいはサービスの改善などをいろいろやる、その見積もりがこうだということになれば、これは上げざるを得ないことになるでしょう。しかし、それを上げさせませんと言ったって、あと半年かそこらすればすぐわかることだからここで議論は繰り返しません。
 次に、三十八年を基準にして米価と運賃を比べると、米は五八%、運賃は定期を例にとりますと一六五%上がっておりますね。運賃値上げは生活費にはあまり響かない、政府はこういう説明をしていますがね、東京−千葉の間の通勤者が二人いる家庭といたしますと、一カ月の米の値上がり分と運賃の値上がり分を計算すると、三十八年と四十四年を比べますと、これは改定されたものとして比べますと、運賃は五千二百四十円、米は千百十円、一年では運賃は六万二千八百八十円、米は一万三千三百二十円、はるかに運賃のほうが生計費にもたらす影響は大きいです、三十八年現在と四十四年現在を比べると。定期は大体会社持ちだからと言うけれども、会社持ちであろうが、会社持ちでなかろうが、会社持ちでないものもあるわけですから、各家計にはこういう大きい響きというものを生じているんだということは一体企画庁はどうお考えになっているのですか。生活費に響く影響は少ないと御判断できますかね。
#43
○国務大臣(菅野和太郎君) 定期券についてはまあ大部分会社が負担しておりますから、個々の生活についてはそれほど影響が少ないという考えを持っております。が、しかし、定期券にしても会社が負担しないところはもちろん家計費に影響を及ぼすと思うのであります。でありますからして、この際、私鉄の料金の値上げは極力押えるという方針でやっておるわけであります。
#44
○加瀬完君 定期券を全額負担するという会社はわりあいに大手というか、有力な会社ですね。しかし通勤者の中にはそういう定期は幾ら上がっても会社持ちだという方ばかりはおらないわけですね。そういう方は一カ月に、たとえば千葉−東京間だというと五千二百四十円というのが、二人おれは上がるわけですよ。一年に六万以上。そういう小零細企業のつとめ人なんというのはボーナスなんか飛んでしまうということになりますわね。こういう調査や生活への影響というのを十分把握されておるのですかね。
#45
○国務大臣(菅野和太郎君) それが生活に影響すると思えばこそ私鉄の料金は上げぬという方針できておるわけです。
#46
○加瀬完君 私鉄の料金を上げていけないのなら、なぜ国鉄上げるのですか。競争線のあるところは私鉄に乗れるけれども、競争線のないところは、これは国鉄に乗らざるを得ない。まさか歩いて通えとも言えぬでしょう。私鉄のことは私鉄自体の経営者が考えることで、政府はチェックするだけの役でいいけれども、国鉄の運賃ということになると政府が決定するのですよ、これは。政府自身に決定の責任のある料金に対して、運賃に対して簡単に生活に影響がないなんという宣伝だけで片づけられては――こういう大きな影響というものをわれわれは見のがすわけにはまいらないわけです。
 で、以上の点から質問を重ねてまいりましたが、結局政府は、運賃負担によって国鉄の赤字の原因を解消しようとしているとしか判断できませんね。都市対策とか、過疎過密の対策とかいったって、そういうことでこの国鉄の工事費のかさみあるいは赤字の原因というものを解消しようという方針というのは、全然もうこれは放置されておるわけですね、これはいかに政府が抗弁しようとも。結論はそういうことになるでしょう。だから公聴会の公述人も御指摘のように、法律なり制度なりというのを変えれば、政府がもっと国鉄に金が出せるものを、法律や制度には一つも触れないで、非常に矛盾を感じつつも運賃に肩がわりをさせておるということにしているのじゃありませんか。端的にこれは経済企画庁長官、急いで、お帰りになる時間だそうですから伺いますが、私鉄よりもはるかに割り高の国鉄運賃というものを好ましいものだとお考えになりますか。
#47
○国務大臣(菅野和太郎君) 決して好ましいとは考えておりません。
#48
○加瀬完君 好ましいことでないというなら、将来の物価対策からも極力国鉄の運賃の値上げを押えるべきだと思いますが、これには御賛成いただけますか。
#49
○国務大臣(菅野和太郎君) この点については、もうたびたびお答えしたのでありますが、国鉄の料金の値上げ自体については、決して賛意を表しておりません。が、しかしながらいま国鉄の財政状態から、経理状態から見れば、このままでほうっておけば、国鉄というものがやがて、まあオーバーにいえば、破綻するかもしれない、これでは、もしも日本の交通の大動脈である国鉄の運行上に支障を来たすようなことになれば、それによって受ける諸物価あるいはわれわれの経済生活への影響というものは、これはおそるべきものがあると思います。そこで何とかして国鉄はうまくやっていけるようにしてあげなければならぬ、そこで料金の値上げということは最後の案として私は考えた。最初は体質改善をやってください――これはここに総裁がおられるが、総裁が料金値上げのことで陳情になりましたから、料金値上げだけで総裁、能事終われりとお考えになったら違いますよ、もっとやるべきことがあるじゃありませんか、それをもっと考えていらっしゃいということを申し上げた。大蔵省に対しても、このまま料金値上げだけでいかぬじゃないか、政府がもう少しこの際援助すべきじゃないかということを私、言ったのであります。そこで先ほど申し上げた三位一体で国鉄を何とかしてひとつ盛り立てていきたいという考えでやっておる次第でございます。
#50
○加瀬完君 前のほうの御説明がないと、私も納得するわけでありますが、前のほうの説明が長いところを見ると、本心はそこにありそうなんで、重ねて伺いますが、国鉄赤字の原因である工事資金は、つとめて政府資金を待つべきだと思いますが、そのような努力をなさるという初めは御態度のようでありましたが、そうでなくなっているようでございますが、その点はどうなんですか。時間もありませんから率直に申し上げますと、先ほども申し上げましたが、経済企画庁は公式な発表として、国鉄赤字の原因は大都市輸送などの工事費が大半だ、そこでこの投資は都市対策により対処すべきであり、国鉄の投資負担に依存させることは問題がある、国鉄のいまの投資態度を前提とした運賃値上げは適当でない、それから国鉄財政はそのものでは黒字である、財政は破綻をしておらない、そこで財政投融資の強化など、投資規模を圧縮すれば運賃値上げの必要はなくなる、こういう態度を明らかにしておったわけでございますが、いまの御説明だと、運賃の値上げもやむを得ないという御態度に変わられた。初めの、もっと政府資金、形はいろいろありますよ、政府の資金というものに待って国鉄の改善をすべきだ、運賃値上げというものを簡単にすべきでないという御態度が変わられてしまったわけですけれども、運賃値上げは問題を片づけておいても、もっと政府資金によって国鉄を援助すべきだという御努力は今後なさるのか、なさらないのか。
#51
○国務大臣(菅野和太郎君) 私の考えといたしましては、国鉄の今後のまず体質改善という問題、それをいかに国鉄がこれに取り組むかというこの態度を見て、その上で政府はいかに対処すべきかということを考えなければならぬ、こう考えております。まず国鉄自身の問題を解決してもらって、そうしてその次には政府の財政援助、それから料金の値上げなら値上げというように考えていくべきだ、こう思うのであります。いま政府が援助すべきだということは、即決に答弁するのはどうかと思うのであって、国鉄自身の今後のやり方、これを私は見たい、こう考えておる次第であります。
#52
○加瀬完君 国鉄自身の問題ではない。あなた方の御指摘のように、国鉄自身として投資規模を圧縮すればこれは帳じりは合うのです。ところが大都市輸送対策という政府の政策上の問題を、公共負担を国鉄が背負わされている、あるいは技術的に言えば財政投融資とかあるいは利子補給とか、補助金とかというような財政の援助の方法をとれば国鉄の赤字というものは解消するし、運賃の値上げだけに待って問題を解決するということをしなくても済むということになっているけれども、そういう方法をおとりにはならない。おとりになろうとする努力をされようと御説明ではお考えになっておらないわけです。ここが私は問題だと言うのです。初めおっしゃったように、大都市輸送対策は都市対策で解決すべきものだというならば、なぜ政府の一体責任で国鉄にだけ公共負担をさせるということをやめさせないか、あるいは財政投融資の追加といったような方法もあるというならば、今度幾らかとりましたけれども、もっと大幅にとって運賃を上げるということを幾らかでもストップさせるという方法をなぜ経済企画庁としてはおやりにならないか。こういう方法は、これはいままでの御説明では、当然経済企画庁としてはおとりにならなければおかしいと思うのです。そうでないと初めの御説明とずいぶん狂ってしまう。お立場としては、私が申し上げたように、経済企画庁は基本的には考えておると私ども認識してよろしいんじゃないですか。
#53
○国務大臣(菅野和太郎君) 工事費のうちでも利息を生む工事費であればこれは私は国鉄自身がそれだけの資金の融通もつく方法もあるし、あるいは政府も援助していいと思うのです。がしかし、利息を生まない工事費の場合には、これはできるだけ考えてみなければならないということをわれわれは考えておる。その意味で工事費の節約ということを考えていいんじゃないか。ことに大都市などにおきましては、たとえば市内に、先ほど官房長申し上げたとおり、アパートをたくさん建てるということであれば国鉄を利用する人が減ってくるわけです。そうすればこれ以上に工事を増進する必要はないということになる。国全体としてこれは考えるべきことであって、国鉄に負担ささないようにやるべきじゃないかというのがわれわれの考え方であります。そういうことでできるだけ国鉄には負担を軽くさせてあげようということで、そういうような意見を持ち出した次第であります。
#54
○加瀬完君 最後に端的に一つ。大体もうかっているところは運賃を値上げしないというのがこれは普通だ。運賃を値上げするならばサービスがよくなるということもこれは当然の常識ですね。ところが、山手線はおくとしても、いまおっしゃった住宅が都内に建たないために公団がみんなドーナツ地帯のところに散在をする。そこで総武線なり常磐線の電車区間というのは私どもたびたび団地の方から陳情を受けるのですが、ラッシュのときは一平方メートルに十三人以上になる。日暮里の大団地は一平方メートル十七、一か二、人間が重なってああいう大団地になる。そういう危険状態の輸送という現状なんですね。しかも、いずれも国鉄はもうかっている。危険すれすれの逆サービスを利用者はされておって、しかもまた運賃が上がるということは一体どういうことだ。運賃を上げるなら、将来の住宅対策というのが変わってくるかどうかは別として、現状の輸送対策というのは、これは都市対策なりあるいは政府の住宅対策として当然考えるべきじゃないか。家はつくったが玄関に入る道がないという家はあり得ようがない。そんな住宅をつくりました、通う交通機関なんというのはありませんというのが一体政府の政策になるのか。そういう点で、企画庁長官も大都市にいらっしゃる方ですから周辺の混雑状況というものはおわかりです。今度国鉄が運賃を上げなければならぬほどの赤字の原因も、大都市の通勤輸送対策というのがその大部分でありますから、その点をもっと政府の対策として、国鉄の線増計画にまかせることではなくて、政府の一体住宅対策なり輸送対策なりとして考えるという基本線に立ってもらいたい。そうすれば政府が金を出すということが当然考えられてこなければおかしいと思います。私が申し上げたのはちょっと議論めいておりますが、こういう考え方はお認めになるでしょうね。お認めになればもうこれで質問は打ち切ります。
#55
○国務大臣(菅野和太郎君) いまの加瀬委員の話は私どもも同じ考え方であります。まず日本は先に住宅をつくって、あとで道路をつくったり輸送関係を考えるというのが今日までの日本のやり方であったと思います。それが今日いろいろ災いしているのでありますからして、やはりわれわれは、政府が住宅を建てる場合には交通関係をまず考える、その上で住宅をつくるということを考えていかなければならぬ。この点については、われわれとしては再検討すべきであると考えております。
#56
○三木忠雄君 それでは前回の質問の続きの問題から。私はちょうど電気で停電をさせられておったものですから、電気でもう一ぺんいろいろ話を進めていきたいと思います。
 国鉄が九電力から、電力会社から買っている電気の金額は大体どの程度になるものか、これをお聞きしたい。
#57
○説明員(湯川龍二君) 百八十一億でございます。購入電力。
#58
○三木忠雄君 百八十一億ですか。このうちお互いに国鉄と各電力会社と電力の融通が行なわれていると思うのですね。この融通が行なわれている電力会社はどこでしょう。
#59
○説明員(湯川龍二君) 電力の融通を行なっているのは東京地区だけでございます。
#60
○三木忠雄君 そうしますと、東京地区の電力の融通の問題でありますけれども、手元に資料をいただきましたけれども、この融通電力を幾らで実際に融通し合っているか。一円九十六銭と、こういうふうに平均単価は出ているわけですけれども、これでよろしいでしょうか。
#61
○説明員(湯川龍二君) 一円九十銭でございます。資料に出ておるとおりでございます。
#62
○三木忠雄君 九十銭ですか。これはどういう計算に――このいただいた資料によりますと、水力の融通電力は一円五十銭、Aの場合ですね。あるいはBの場合五十銭ですね。こういうふうになっているのですけれども、どういうふうな算出のもとに一円九十銭というこの単価が出てきたか、これについてお聞きしたいと思う。
#63
○説明員(湯川龍二君) 融通いたします電力につきましては、時間帯別、それから水力、火力をたきました状況によりまして単価を計算することになっておりまして、ちなみにその融通電力と申しますのは、国鉄で東京近郊に火力の自家発電とそれから信濃川に水力の自家発電をやっておりますが、信濃川から約二百キロ送電をしてまいりまして川崎地区で火力と水力が一緒になったもので、東京電力と結合しております。東京電力が要る時間帯、それから国鉄が電力を朝ピークで使います場合、こういう場合にお互いの効率的なことを考えまして彼此融通するということになっておりまして、夜間の電力等につきましては安い単価でお互いに融通する、それから火力を主としてたくというような場合につきましては火力によってやるということで、それら毎時毎時の差し引きで清算をいたしまして、取り分になるもの、それからいく分になるもの、それぞれ差し引きをいたしまして、それを月計をいたしまして支払いをお互いにする、こういうことになっておりまして、それらの時間帯の情勢によりましたものを集計いたしました結果がただいま申しましたような四十三年の暦年における単価になっておるのでございます。
#64
○三木忠雄君 そうしますと、通産省のほうの統計によりますと、大口需用者に対しては電気については三円六十銭、これは平均の単価でありますけれども、国鉄が購入している電気は、単価は融通の一円九十銭ですね。そうしますと、購入した電力というのは幾らですか。
#65
○説明員(湯川龍二君) それはもう一つの資料でさきに御提出しておりますが、北海道、東北、東京それぞれ異なっておりまして、この資料で差し上げておりますものにつきましては、運転用の電力とそれから駅舎等において使います電灯の電力がございます。電灯の電力につきましては七円あるいは八円等で地区別に違います。運転用の電力は特別高圧電力でございまして、これは各社がそれぞれ電気事業法の十九条によって提出を命ぜられ、許可を得た供給規程を持っておりますので、その供給規程にきめられたそれぞれの分野における単価でございまして、そういう形で申しますと、特別高圧電力は三円六十銭とか四円ということになっております。いま仰せの三円六十銭というのは大口電力の電気事業全体に対する統計の報告の中からおとりになったと思いますが、これは大口の会社あるいはそういった特別高圧を必要とするようなそれぞれの事業体、そういうものの全国平均でございまして、これは深夜の電力を使うところもございますし、それからてまえどものようにピークの電力を使うところもございますし、あるいは平均した電力を使うところもございますので、それらを全部平均したものとして出ておるということでございます。国鉄の場合は、先般御指摘いただきましたように、北海道では七円十九銭でございますけれども、これは北海道では、小樽から旭川までの電化区間が一部ございますけれども、大部分が駅舎等における電灯用あるいは工場等における業務用ということでございますので、こういった高い単価になっております。それから東京とか静岡というところは、全体の消費電力の中で運転用で占めておる割合が非常に大きくなっておりましてこういう単価になっておるということでございます。
#66
○三木忠雄君 そうしますと、この融通電力の割合を調べてみますと、国鉄から東電に融通している融通電力のほうが多いわけですね、このデータによりますと。
#67
○説明員(湯川龍二君) お手元にございます資料は四十三年でございますが、四十三年は向こうのほうへ送っておるものが多くなっております。で、三十八年、三十九年、四十年というのはいただいておるのがずっと多うございまして、これらにつきましては、非常に電力が不足してまいりまして、四十年の秋から川崎に増設の七万五千キロの火力設備が稼動するようになっておりまして、その関係から現在時間帯によって東京電力のほうにいっている部分が多くなっております。これも四十一年に比べてみますと四十二年は少なくなっておりまして、でき上がった直後はもう少しよけいにいっております。お互いの電力設備を有効に使っておるということと時間帯の状況、こういうことによって起こっておるということでございます。なお、信濃川に水力設備を約二十万キロ持っておりますので、降水雨量の状況によりましては、その年によりまして季節的に電力が十分に出るということもあって、そういう電力が融通されるということもございます。
#68
○三木忠雄君 そうしますと、融通電力は非常に安い単価なんですね。これはいろいろ深夜とか、いろいろな計算はあると思いますけれども、しかし、これはもう少し東京電力に融通する場合――国鉄は今後多くなってくるわけですね。こういう問題については、やはり単価をもう少し計算されたほうがいいのじゃないか、こう思うのです。買うときは高いわけですね。
#69
○説明員(湯川龍二君) これはもちろん私どものほうからよけいいっているときは高いほうが望ましいのでございますけれども、三十九年、四十年、あるいは三十八年以降は、ずっとこれの数倍の電力を同じ単価でいただいておりますので、そういったことも含めまして、国鉄もいま申しましたように四十一年、四十二年と少し送り分が出てまいりましたが、これが四十二年に比べまして四十三年は三分の一から二分の一ぐらいになっておりまして、通勤輸送がどんどんふえてまいりますので、これも間もなく、来年にはまた送り込みにはならなくなるということで、そういった時々刻々の移り変わりがございますが、もちろん御趣旨のように売るものはできるだけ高くということはございますけれども、そういったようなことに現在なっております。
#70
○三木忠雄君 今後の電力計画としまして、国鉄はどういうふうな考え方を持って、たとえば国鉄と東電の融通し合っているような形を、将来も全国の支社管内でこういう態勢を、電力の需給関係の問題をどういうふうに踏襲していくか、どういう方向で改革していくか、こういうことについて伺いたい。
#71
○説明員(湯川龍二君) 国鉄がかつて電化を戦後進めてくる際に、当時九電力にまだなっていない時代でございましたが、電力界としましても電力が必ずしも十分でないということもございまして、電化をどんどん進めていくという形の中では、みずから電気をつくるということも考えなければならないということもあったのでございますが、その後御承知のように、各電力会社が鋭意あらゆる方面の近代化・設備投資に伴いまして増強をされまして、その結果といたしまして、東京のように朝晩に非常に膨大な電気を使うというところは集中的に発電所を持つということが望ましいということではありますが、もともと鉄道用の電気は駅舎等に使うものは分散的に各線に沿うてございますので、一カ所で使うのは東京とか大阪とか名古屋とか大きな駅ではもちろんかなりの電気は使いますけれども、全体的に見ますと地域地域から供給を受けるということが望ましい。電気運転にいたしましても、全体といたしますとかなり多量の電気を使いますが、線状にまたがって使っておりますので、自営の発電所を持ちますと、東京のように集中的に使う個所がある、あるいは大阪なんかについても考えられるかもしれませんが、そういったところでございませんと、送電線をみずからつくって供給するというようなことになりまして、かえっていまの電力会計が充実された今日におきましては、すべて自家発電でやることが望ましいとは考えておりません。東京につきましては増大する通勤輸送等に対応いたしまして、みずから原価も安くできますので、先般、先ほど申しましたように火力の七万五千キロを増強いたしまして、現在川崎に二十一万キロの設備を持っております。なお若干の土地その他の余裕もございますので、需要の動向を見まして増強することも考えたいと考えております。
#72
○三木忠雄君 次に、大蔵省見えていますか、理財局長。
 国鉄の各駅において売り上げて現金収入が相当入ってくるのは当然でありますけれども、どういうふうにこの現金処理が行なわれているか。これについて具体的に、総裁はちょうど監査委員長でいらっしゃるときから、ずいぶんこの問題については奔走されたそうでありますので、総裁からこの問題について伺いたいと思います。
#73
○説明員(石田禮助君) 私が監査委員長のときに努力をいたしたことは、例の預託金の問題でございます。各駅各駅の問題はこれは別のほうで答弁させて、預託金だけを私から答弁いたしたいと思います。
 御承知のとおり国鉄は電電公社、専売公社同様に預託金というものを持っておる。余った金というものはすべて預託金へ振り込む、預託金へ振り込んだ場合は、国鉄に関する限りは四十億円までは無利子だ。四十億円をこえたやつに対して金八厘なりをちょうだいする、こういうことになっておったのです。これは私は国鉄が企業体としまして一体預託金なんてこれは変なものじゃないか、普通の銀行勘定にしたらいいじゃないかということで、時の理財局長の正示――いま代議士をやっている正本さんに談判したのです。直したらいいじゃないか、四十億円ただなんということは、国鉄のように高い利息のつく金を使っているところではおかしいということで話をしたのですが、そのときの返事は、預託金というものはやめるわけにはいかぬ。これは国鉄をやめれば電電公社もやめなけりゃならぬし、それから自然専売公社もやめなきゃならぬ。これはこのままにしておいてくれ。それでその金利をただにするということ、これも変更することはできない。ただ四十億円を超過したところには、いま八厘というやつを国鉄に対しては短期公債にこれを利用することができるようにしよう。短期公債に利用すると一銭六厘になる。それでいろいろ考えたのですが、相手は大蔵省のようななかなか右を向いたら向いたきりで決して方向転換をせぬ、こういうものを相手にしても元も子もなくなっちゃうから、まあ四十億円を超過したやつに対して八厘が一銭六厘になれば、まああとはあととしてともかくこれだけのプラスにはなる、こういうことで四十億円を超過したやつに対しては八厘を一銭六厘にした。こういうことでやっておりまして、国鉄としてはそれがために、現に八厘よけいになっただけで七、八億円のプラスになった。大体そういうことです。
#74
○三木忠雄君 あと駅のほうの現金の処理ですね、この問題について。
#75
○説明員(小林正知君) ただいまお尋ねの件でございますが、駅を例にとって申し上げますと、駅の窓口で旅客普通運賃あるいは特別運賃というものが現金収入として出札の窓口に入ってまいります。それは当日――駅の出札係はこれは分任出納員ということになっておりまして、現金を扱う会計職員の責任を持っております。それが時間ぎめをもちましてその日のうちに分任出納役でございます駅長のほうに現金が届けられます。大きな駅におきましてはその日のうちに、小さな駅におきましては翌日までにその所在地にございますあらかじめ管理局長が契約をしております駅収取り扱い銀行、これは市中銀行でございますが、数々ございます、ここのいわゆる普通預金という形で預けられるわけでございます。これを、鉄道管理局の出納役というのがこれは会計課の職員でおりまして、そこの保管に毎日移せばいいわけでございます。全般的に通じまして、送金の手数等もかかりますので、週に日にちをきめまして分任の管理局の出納役の預金口座に移すわけでございます。その間大体平均しまして三日くらいかかっておりますが、そこからさらに、きょう入ってまいりますと翌日付をもちまして各局の所在地の日銀代理店に国鉄預託金といたしまして収納されまして、それがその日、即日、本社の経理局におります出納役の預託金口座へ国庫金の振りかえという形で送付されて、本社預託金となって運用の対象になるわけでございます。
 先ほど総裁が申しましたいわゆる預託金の運用は、毎日の支払いになるわけでございまして、そういった支払いに充てます資金、こういったものを差っ引きまして残りました余裕金、いわゆる一時的な余裕金につきましては、これを日本銀行本店の口座に移しまして、そこで先ほどお話がございましたように短期国債にこれをかえまして運用する、かような形に推移しているわけでございます。
 その根拠といたしますところは、先ほど申し上げました経路に従いまして法規的な根拠を申し上げますと、国有鉄道法の四十二条に「業務に係る現金の取扱等」というのがございまして、「国庫に預託しなければならない」という、他の政府機関の場合と同様に国庫預託業務がございますが、市中銀行の金融につきましては、そのただし書きにおきまして「政令で定める」、すなわち国鉄法の施行令で定めるところによりまして、市中預金ができるということがきまっております。また運用につきましては、その第三項に業務上の余裕金の運用ということで、国債の保有と資金運用部への預託、この二つの道が開かれておるわけでございます。
#76
○説明員(石田禮助君) ちょっと私訂正しなけりゃならぬ。さっき短期公債に利用した場合は一銭六厘と申しましたが、一銭五厘五毛です。それで三十六年に始めまして、四十二年までにその短期公債を利用することによって得た利息がみんなで百三十二億円、そのうちでつまりいま言ったように改正したことにより得た七厘五毛によって、それが六十五億円。
#77
○三木忠雄君 これは大蔵省に伺いたいんですが、この四十億円という預託金について、四十億円以下については利息をつけない、こういう理由の四十億円の限界線というのは何ですか。
#78
○説明員(河野照君) お話しの四十億円でございますけれども、この四十億円が設けられております趣旨は、たしか前にどなたからか御答弁があったかもしれませんが、国鉄も事業体でございますので、毎日毎日の支払いに充てるために、手元に何らかの支払い準備資金は持っておかなければならない、こういう趣旨に出たものでございます。こういう支払い準備資金というものは、普通の企業体、民間企業体でございましても、手元の現金、これは非常に少ない額であろうと思います。それからあとは銀行に対する当座預金という形で持っておるであろう。したがって、そういうものについては利子をつける必要がないじゃないか、こういう考え方に出ているものでございます。
 具体的に、それでは四十億円をどういうふうにして算定したのかというのが先生の御質問の趣旨だろうと思うのでございますけれども、これは二十八年当時、国鉄の事業規模を勘案いたしまして、きめたものでございます。
#79
○三木忠雄君 運輸大臣、二十八年にきめた問題、これは少し改正したほうがいいと思うのですが、これは総裁得意なところじゃないかと思いますが、いつまでも大蔵省の言い分どおりに、特に赤字財政の国鉄において、もう少しこういう問題は積極的に、この金額が入ってきているわけですから、もっと積極的に私は交渉を進めるべきじゃないか、こう思うわけでございますけれども、運輸大臣どうですか。
#80
○説明員(石田禮助君) 私が大臣にかわって答弁申し上げます。
 これはまあ私は考えようで、そういうことで私は監査委員長で初め交渉いたしまして、大蔵省これはきついじゃないか――ただこれに関連しまして、大蔵省もきついことを言ったってまたかわいがっているということを言わぬと公平じゃない、というのは、四十億円で足らぬ分には金を貸してくれるんです。それは無利息なんです。それでそういうようなことからいえば、それはあなたは委員長はそんなことを言うけれども、ただで貸してやっていると言うのですが、それはちょっと聞こえはいいんですが、借りる金額というものが非常に少ないんです。そしてまたそうたいして大きな金も借りていないということでして、これは私は国鉄では独立採算でやって非常に苦しくなっているときには、何とか大蔵省としては、もう少し見たってしかるべきじゃないか、こういうふうに考えます。これはしかし私の私見でして、また大蔵省に交渉するときには、もう一ぺん考えなければならぬと思いますが。
#81
○国務大臣(原田憲君) 先ほどから預託金の問題についてお尋ねがございました。この預託した金の利子の運用をはかることによって、国鉄が幾ぶんでも得をするような制度にしたというお答えがございました。預託金四十億の問題についてどうかということでございますが、よく国鉄側とも相談をして善処をしていきたい、このように考えます。
#82
○三木忠雄君 それと関連をして次に、私鉄と国鉄との連絡の問題について、これの支払い条件といいますか、清算状況、この問題について、特に期間の問題、あるいは現状はどういうふうに清算が行なわれておるのか、これについて伺いたい。
#83
○説明員(小林正知君) 現在国鉄が地方鉄道等と連絡運輸の契約をいたしまして、その取り扱いをしている会社は二百三社ばかりあるわけでございますが、そのお尋ねの、相互に私鉄から出まして国鉄に、あるいは国鉄から私鉄へ、また私鉄から国鉄また私鉄、こういった連絡の運輸が行なわれるわけでございますが、そういったそれぞれの受け取りあるいは支払いの諸勘定の清算をいたしまして、その決済が行なわれますのは、国鉄の内部規定及び契約において約定をしておりますが、取り扱い月の翌々月の十五日というものを期限にいたしております。清算の期日につきましては、ただいま申し上げましたとおりでございます。
 また、清算額の受け払い関係について申し上げますと、四十二年度の実績で国鉄の収入額といたしましては、客貨合わせて、合計額で四百四十五億円の収入でございます、取り扱い額でございます。それに対しまして国鉄からの支払い額が合計二百二億、収支差し引きいたしますと、相殺清算額といたしましては二百四十三億円、かような数字になっております。これは出入りを全部清算いたしました差し引きで申し上げましたわけでございますが、これを会社別に払うものは払う、受け取るものは受け取るというふうに別々にいたしますと、同じく四十二年度で、これは国鉄の現金の出入りで申し上げますと、二百六十二億の受け取り勘定であります。支払い勘定が十九億、差し引きしていただきますと二百四十三億ということで、先ほどの清算差し引き額のネットに合うわけでございます。かような状態になっております。
 さらに、ただいま申し上げましたように、連絡運輸を清算していく過程は翌々月の十五日ということになっておりますので、大かた二月分程度の支払い、受け取りが相互に寝ておるという関係に相なるわけでございますが、四十二年度の数字で申し上げますと、四十二年度末のバランスシートでもごらんいただけば出ておりますように、未収金が四十五億円、連絡の未払い金、国鉄から支払うべきものが四億二千万円ということになっております。この未収金の中身は、先ほど来申し上げておりますとおり、約二月分の支払い納期未到来というものがございまして、その分が四十四億でございます。その四十五億と申し上げました数字は、ただいま申し上げた四十四億というところで、四十四億七千万円ばかりでございますが、数字が違いますのは、これがいわゆる焦げつきと申しますか、いわゆる滞納いたしました、納期がきましても会社のほうの資力が、経営状態が悪いために滞納をいたしておる未収金額、かようなことになるわけでございます。四十二年度で申し上げますと、三千七百万円ばかりあるわけでございます。大体概要は以上でございます。
#84
○三木忠雄君 特に焦げつきの問題ですね、どの程度、いま三千七百万円が焦げつき総額ですか、私もらった資料によるともっと多いように思うのですが、焦げつきの具体的な問題についてお話しいただきたい。
#85
○説明員(小林正知君) ただいま申し上げましたのは、四十二年度末で申し上げましたのですが、先生のお持ちいただいております資料には、四十三年度末が入っておると思いますが、四十三年度末であらためて申し上げますと、トータルで一億六千四百九十万程度でございます。滞納をいたしております会社は四社でございます。その会社名は特に名前を具体的に申し上げることは差し控えさしていただきますが、その第一のS社、ある一つの社は、これは前から経営状態が悪くて、これを回収するために、国鉄といたしましても分割払い等の方法によりましてその確保につとめてまいりましたが、この第一番目のかりにS社と申し上げますが、二千二百七十二万程度の滞納になっておる。二番目はH社と申し上げますが、これは四十三年度末で千二百七十万円程度です。それからT社、これは会社の経営が悪くなりましてから鋭意その回収につとめまして、四十数万円、まだほとんど回収を終わっておりません。最後にM社と申し上げますが、これは昨年の暮れくらいから急速に事態が悪化いたしまして一億二千九百万円程度の滞納、かような状況に相なっております。
#86
○三木忠雄君 会計検査院の報告書によりますると、翌々月の清算では少しおそ過ぎるのではないかと、こういうような指摘も受けているわけですね。特に、いま、こういう清算の方法については、いつごろからこういうふうな翌々月の十五日というような、こういうような日程になったか。私は、まあ私鉄の少なかった時代とか、そういう時代であるならば現在ので踏襲してもいいと思いますが、このように相当な金額が私鉄との間に収入、支出の関係になっている、こういう現状においては、もう少し期日を、会計検査院が指摘されているように、詰めてもいいのではないか。確かに、それは事務的な手続、いろいろ連絡切符等の問題で、いろいろな困難さは考えられないことはないのですけれども、会計検査院が指摘されているように、もう少し詰めておやりになったほうが私はいいのではないか。とにかく国鉄は、あまりにも気がよ過ぎるのではないか。まあ親方日の丸と言われても、これではしかたがないのではないか。うまい汁は全部吸われてしまっている、いいところはもう少し詰めてもいいのではないか、もっと回収をしっかりしていくべきではないかと、こう思うのですが、この問題について、ひとつ、どうお考えでしょうか。
#87
○説明員(小林正知君) 連絡運輸につきましての清算期日の問題でございますが、沿革を申し上げますと、当初におきましては、国鉄が別に指定した日ということで――当初といいますのは、これは戦前でございますが、そういった定めがございまして、実態的にはケース・バイ・ケースによりまして、納入の告知を発しましたときから十五日以内という大蔵省令二十七号、これはえらい古い命令でございますが、これに基づきまして、個々に連絡清算につきましての徴収の納入告知を発しておる、かようなことになっております。その後、その場合の大体実績を調査をいたしてみますと、大体翌々月の二十五日から三十日程度というぐらいになっておったようでございます。しかしながら、その後二次にわたって改正が行なわれまして、二十七年の六月に業界との総合的な話し合いということで、翌々月の二十日ということに期日を明定をいたしました。自来二十日でずっと過ぎておったわけでございますが、三十三年に至りまして、さらにその支払い清算の期日を繰り上げるべきである、かような観点から協議をいたしまして、翌々月の十五日ということになっております。したがいまして、自来、三十三年に翌々月十五日という清算日を定めてから今日に至っておる次第であります。
 なお、御指摘のこの清算の期日をもっと早めるべきではないかという問題でございますが、これは昨年の会計検査の場合の指摘にもございまして、留意事項としてあげられているわけでございます。その中には客貨別にいろいろ事態が違うから、いろいろの指摘もほかにございますが、私どもといたしましては、一括して清算をいたしますことはやはり得策である、また二度手間にならない、こういったような意味合いからも一括清算ということでまいりたいと存じますが、期日の点につきましては、先生御指摘がございましたとおり、相手のあることでもございますし、また長い沿革もございます。また、必ずしも経営状態のいい会社ばかりではございませんし、さらに国鉄からの支払いも、差し引きではプラスになっておりますが、こちらの側からの支払いも早めるという関係も両方に双務的に起こってくる等々の諸事情も勘案いたしまして、方向といたしましては、先生御指摘のような方向に沿いまして目下検討しておるということで、ある程度少しでも短縮したい、かように考えておる次第でございます。
#88
○委員長(岡本悟君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#89
○委員長(岡本悟君) 速記を起こして。
 午後一時半より再開することとし、それまで休憩いたします。
   午後零時三十四分休憩
     ―――――・―――――
  午後一時四十分開会
#90
○委員長(岡本悟君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き二案を議題とし、質疑を行ないます。三木君。
#91
○三木忠雄君 日通とか全国通運あるいは交通公社等の関連会社、国鉄の仕事をしている関係ですね、大体約二百五十社程度ある、こういうふうに聞いているわけでありますが、との清算方法はあと払い制度が適用されているような制度になっているわけです。この問題については具体的に清算方法がどういうふうな基準で行なわれているか、これについてお伺いいたします。
#92
○説明員(小林正知君) この支払いが後納となる取りきめがしてございますが、ただいま先生おっしゃったような外部の諸団体との清算の支払いの問題でございますが、非常に数が多くなっておりますので、取りまとめて申し上げますと、乗車券の代売をやっております日本交通公社あるいは日本旅行会、こういったところは、一般の乗車券類につきましては当旬分、いわゆる前払いの清算ということになっておりまして、当何分を取りまとめまして翌旬の末日という清算になっております。したがいまして、平均の滞留といたしましては十五日間、かようなかっこうになっております。
 また、同じ交通公社、旅行会につきましても、団体乗車券につきましては当日分を翌日支払うという形になっております。一日でございます。
 それから後払いの非常に多くの部分は貨物の車扱い運賃でございますが、これにつきましては通運業者――日通はじめ各通運業者との間に後払い契約ができておりまして、これは当月分を取りまとめまして翌月末日という清算になっております。平均いたしまして四十五日、かようなことになっております。連絡清算の各社につきましては、先ほど申し上げました当月分を翌月の十五日と、かようなことになっております。
 臨海鉄道等につきましては、やはりこの後払い、後納関係の取り扱いは通運と同じ取り扱いになっております。
#93
○三木忠雄君 この納金はスムーズに行なわれておりますか。
#94
○説明員(小林正知君) ただいま申し上げましたような諸団体との間の後納関係の清算は、いずれも現在におきましては順調に納付されておりまして、先ほどお尋ねございました私鉄との連絡運輸の滞納金はございますけれども、それ以外につきましてはおおむね規定どおり実施をされている、かようになっております。
#95
○三木忠雄君 貨物のあと払い延滞償金ですね、これはどの程度ありますか。
#96
○説明員(小林正知君) 四十三年度で申し上げますと、貨物の後納運賃は、先ほどお答え申し上げましたとおり、当月分を月単位にまとめまして翌月の末日が支払い日というかっこうになっているわけでございますが、その納期を過ぎましてすなわち月末までに納金がなかった、これにつきましては昨年四十三年度を調査いたしますと、延納額は累計で六千万円程度でございます。しかしながら、これは一応の猶予期間としてさらにその翌々月の十五日までには完全に延滞償金を支払いまして納付さす。なおそれを過ぎて滞留になる分がもしかりにあったといたしますと、その場合には、後納保証という形で銀行あるいは保証協会からの保証をつけておりますので、その保証の担保を実行するということによって完納されております。
#97
○三木忠雄君 それに関連して一つ具体的な問題として、駅構内のタクシーの問題ですね。私も駅をおりてタクシーを拾おうとしてもなかなか拾えない。こういうような問題で、実はこの駅構内のタクシーの許可については、これはだれの権限で許可がされておるかどうか、これについて伺いたい。
#98
○説明員(関赳夫君) 現在構内タクシー取り扱いにつきましては、管理局長の権限で承認をいたしております。
#99
○三木忠雄君 どういうふうな選考基準で構内タクシーをきめているかどうか。これは全国いろいろ各会社もあると思うのですけれども、民衆駅とかあるいはまた駅広場を自由に使わして、タクシーが来次第どんどん乗っていったほうが待たなくて非常にいいのじゃないかと、私たちはかように常に考えるわけです。しかしながら、聞くところによりますと、名古屋においてもあるいは博多においても、限られた特定業者が駅構内のタクシーを専有していると、こういうような問題を私は聞くわけでありますけれども、これの権限については管理局長の権限でありましょうけれども、ある程度の国鉄としての基本方針があるのじゃないかと思うのですが、どうでしょう。
#100
○説明員(関赳夫君) 構内タクシーにつきましては、あくまでも旅客サービスの確保を前提といたしまして、それにつきまして各需要、要求を見まして現在承認をいたしているわけでございまして、新規業者につきましても、各般の情勢につきまして御要望があれば認めるという形にいたしております。現在のところ主要都市につきましては一応整備されているということでございまして、問題は、いま先生の御指摘のサービスにつきましての問題につきまして、実際上承認をしておっても、たとえば東京駅のように来ないというような問題もございますので、それにつきましては管理局長なり駅長なりが十分監督いたしまして、そのような旅客サービスにそごのないように指導いたしております。
#101
○三木忠雄君 これはそういうふうなたてまえになっておるのですけれどもね、実際に限られた業者に構内を専有されてしまっておると、これは私はおそらく撤廃したほうがいいのじゃないかと、こういう意見を持っておるのですけれどもね。そうして個人タクシーであろうと、どんな小さな会社であろうと、自由に構内に来て営業ができる、あるいは自由に操業できる、こういう関係に立ったほうがむしろ旅客のためにもあるいは一般の乗客のためにも非常にスムーズにいくのではないだろうか、こう考えるわけでありますけれども、これはどうです。
#102
○説明員(関赳夫君) 問題は、一般の利用者の方が直接に使えるかどうかという問題でございますので、たとえばいまお話の中で、個人タクシーにつきましても要望がございましたので、一部のものについては承認をいたしておるわけでございまして、問題は、いまたとえばすぐ御利用になる方がないと、あるいは既得権だけで利用してないのじゃないかというふうな問題がときたま起こるわけでございまして、この点につきましては十分指導を厳にいたしたいと思っております。
#103
○渋谷邦彦君 関連して……。
 たまたまいま駅構内のタクシーの問題が出ましたので関連してお尋ねしたいのでありますが、いま御答弁を聞いておりますと、認可するその基準というものについては明確な御答弁がなかったようです。これが一つ。
 それから第二点は、使用料は幾らになっているのか。それは駅の規模によってその収入というものはそれぞれの違いがありましょうけれども、東京なら東京、名古屋なら名古屋、そういう一、二の例を参考までにあげていただければたいへん都合がよろしいと、これが第二点。
 第三点は、つい一週間ほど前になると思うのですが、新聞に、中小企業ですね、零細企業といいますか、タクシー業界においては駅の利用を認めてもらいたいという希望が非常に強いのですね。ところがそこにどういうからみ合いがあるかわかりませんけれども、業界のほうでそれをアジャストしまして、中小企業のタクシー会社については絶対に認めない、何かそういうふうな制約ですか、加えているので、非常に困っているという実情が訴えられているのですね。こういう点も管理局としてどのような一体取り計らいをされているのか。この三点まとめてひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#104
○説明員(関赳夫君) 第一の問題でございますが、これは先ほど申し上げたように、まず資力、信用が十分であるもの、それから需要供給についてアンバランスがないかどうかというふうなものが主たる承認基準です。
 それから第二の、構内タクシーにつきましては、現在できる限り利用できるようにいたしておりますが、タクシー料金につきましては、部内的には第一種タクシー営業あるいは第二種営業、第三種営業というふうにございます。第一種タクシーというのは、一応現在東京都区内等につきまして取り扱いを行なっているところでございまして、これは都区内で二十三区を一単位といたしまして構内の承認を受けた車両が、その地域内の駅には自由に行き来できるということで、現在タクシーの駐車場は第一種の場合は限定いたしております。営業料金は一応一車両当たり月額五十円ということにいたしております。それから第二種のタクシー営業でございますが、この面積がタクシーの利用度から見まして、いわゆる東京以外の主要都市所在地につきまして取り扱いを行なっているわけでございまして、これは土地利用の効率化をはかるというような点から所定の駐車場のスペースを各承認車両に共通的に使用させておるわけでございます。営業料金は駅等級によって違いますが、一車両当たり月額百円、二百円、三百円という三段階を設けております。それから最後に第三種のタクシー営業でございますが、これはいなかの町などをお考えになっていただければいいと思いますが、タクシーの利用度が比較的に――いわゆるいま申し上げた第一種、第二種以外のところについて取り扱いを行なっているわけでございまして、これは小さな駅で、ごらんになればわかりますが、各営業所ごとに駐車位置をきめましてそこを専用させておるという制度でございます。営業料金は一車両当たり月額三百円の承認車両その他駐車料を加えて収入にいたしておるわけでございます。
 それから三番目の、先生のいまの御指摘の点でございますが、いま問題になりますのは、主としていま個人タクシーの御要望の方が多いわけでございます。これは現在でも名古屋とか静岡とか一部の都市で認めておりますが、冒頭申し上げたように、非常にもういま飽和状態になっているというようなところにつきましては一応現在承認をいたしておりませんけれども、これも弾力的に考えておりまして、いろいろ御利用の方が多いところにつきましてはその範囲を拡大いたしたい、このように考えておるような次第でございます。
#105
○渋谷邦彦君 もう一点。この使用料金につきまして、非常にわれわれから考えると、安いのじゃないか。一年にすると、全国の各駅ということになりますとやはり相当の収入になる見込みになるのではないか、そういうように判断されるわけですね。一体これはいつごろきめられた料金なのか、将来改定する用意があるのか、どうなのかという問題ですね。この点が一つ。
 それから、いま第三点の御答弁にございました個人タクシーに主としてそういう傾向が見られるのではないかというお話でございましたが、実際はこれは違います。個人タクシーは、もちろん自分で車を持っているわけですけれども、そうじゃなくて、台数が三十台とか、四十台とか、五十台という、いわゆる小規模のタクシー会社でありまして、そういうところが非常に要望しているわけです。先ほどあなたが指摘されたように、東京駅なんか夜新幹線でおりますと、三十分以上待たせられる、そういうのだったら、最初からその辺を十分考慮に入れて、何とか調整をやる必要もあるのではないかという問題も当然出てくるわけですよ。認可を一方において与えておる、一方においてはそういう状態になっていても、管理局長の権限で何もできないというのじゃ、非常に利用者として旅客確保という面から考えてみた場合非常にまずいのじゃないかという問題ですね。
 それから、ちょっと順序が逆になりましたけれども、一体使用料でもって年間全国の主要駅で使っている自動車から入る金額は一体何ぼになるのか。
#106
○説明員(関赳夫君) 現在の料金は、四十三年の四月に改正をいたしたわけであります。さらに国鉄の増収をはかる見地からいたしまして営業料金の改正をいたしまして、今回の問題のほかにさらに改正をいたしたい、このように考えております。
 それから申されました中小企業の問題につきましては、先ほど申し上げたとおり、いろいろ御迷惑をかけておるという点につきましては、十分私ども調査いたしまして、そのような実情に即しない点については改めたい、このように考えます。
 なお、構内営業の運送事業の料金でございますが、四十三年度が約二億九千万でございました。今回におきましては、三億一千万、実収一〇六%を見込んでおります。
#107
○三木忠雄君 タクシーの問題で、四十三年四月に改正されたわけですね。それ以前は大体値上げ幅幾らですか。
#108
○説明員(関赳夫君) 四十一年一月ごろでございますが、大体、いまちょっと資料ございませんが、一割程度の値上げをしたかと思っております。後ほどこれは調査いたしまして。
#109
○三木忠雄君 一割……。この問題、総裁あるいは副総裁に伺いたいのですけれども、もう少し私はフリーにしたほうがいいんじゃないかと、こういうふうに考えるわけです。新幹線で、先ほど渋谷委員からお話がありましたけれども、大体十一時四十分の最終が着きますと、三十分から四十分待たなければならない。お客を送ってきても構内営業でない関係ですうっと行っちゃうわけですね。いろいろな関係があると思いますけれども、いずれにしても構内で営業ができるか、あるいは登録制をもう少しオープンにしてやる、こういう行き方を至急考えたほうがいいんじゃないかと、こう考えるわけでありますけれども、これについて。
#110
○説明員(磯崎叡君) 実は駅構内に出入りいたしますタクシーの問題は、初めこれをいたしましたのは、ただでうちの土地を使われちゃ困るという問題が一点、それからやはり見知らぬ旅行者から法外な料金を取っても困る、大体二点でこの制限が生まれたように聞いておりますが、その後、先生がいまおっしゃいましたように、東京と地方とで情勢が変わってまいりまして、東京で、関局長から申しましたとおり、各駅ごとにきめるのが無理だというので、二十三区一本にしてしまった。これはやはり五年ほど前だったと思いますが、それもある意味で限界にきているのじゃないかということで、これは非常にタクシー業界の中ではいろいろ問題があるようでございまして、まあ運転手などはかえって駅に張りつけられることも困ると言っている人も相当あるようでございまして、必ずしも大都市と中小都市で駅構内に入りたいか、入りたくないかという意見が相当食い違っているようでございます。問題は東京あたりで夜分どうするかという問題、むしろこういうときある時間以上はフリーだというようなことも考えるほうがむしろ資格を持っている人の刺激にもなるというふろに考えられますし、一方全般的に夜分になりますと、自動車の絶対数が足りないというふうなことで、わりあいに駅に行きますと、乗車拒否とか、それから料金の請求が、非常に、適正料金以外にできないというふうなこともございまして、駅に来たがらない運転手がもしいるとすれば、それをどうするかというふうな問題などとからみまして、特にこれは東京、大阪等の大都市に限ってある時間以後についての問題としてやはり検討しなきゃならぬ問題じゃないかというふうに思っております。
#111
○三木忠雄君 運輸大臣どうですか。これは早急に手配したほうがいいと思うのですがね。
#112
○国務大臣(原田憲君) 先ほどから三木さんが指摘されておる問題は一々私はごもっともなことであって、国鉄がみずから合理化、近代化すべきであるという問題に触れておられると思います。タクシーの問題も深夜の乗りものをどうするかという問題、いま副総裁が具体的に問題をとらえて答弁をされておるような点があると思います。前にたしか山田君が大阪の国際飛行場の終着、最後の便のときのタクシーが非常に悪いというようなことがございました。これらの問題を解決するために積極的な姿勢で取り組むようにいたしたいと思います。
#113
○三木忠雄君 次に、資材の購入の問題について一、二お伺いしたいと思うんです。主要資材の契約方式等については随意契約が非常に多い、こういうふうに資料等でも出ているわけでありますけれども、石炭あるいは燃料油あるいはまくら木、車両、どういうふうな主要品目の購入についての随意契約のやり方あるいは購入のしかた等について私はもう少し改良すべき問題があるんじゃないか、こう考えるわけであります。特に一つの例を考えてみますと、石炭なんかの輸送についても日本海陸運輸株式会社、ここ一手に独占で輸送さしている、こういうふうな話も聞いているわけであります。こういう問題はやはりもう少し具体的に改良していくべき段階じゃないか、こう考えるわけでありますけれども、特に資材の購入についての考え方、これを伺いたい。
#114
○説明員(小林正知君) 国鉄の資材の購入の基本的なルールにつきましては、すでに先生御承知のとおり日本国有鉄道法の第四十九条に原則が定められているのでございます。原則といたしまして、「公告して一般競争入札の方法に準じ申込をさせ、その最低又は最高の価格による申込者又は申込者との価格その他の条件についての公正な協議を経て定めた者とこれをしなければならない。」要するに、オープンに準じた方式によってやるのが国鉄の物品を調達いたします場合の基本原則であるという旨が四十九条にございまして、ただし書きをもちまして、「緊急な必要のある場合、」さらに、「一般競争入札の方法に準じてすることが不利である場合又は政令の定める場合」、この三つの場合を明示いたしまして、その例外を規定しているわけでございます。さらに政令で定める場合につきましては、国有鉄道法の施行令におきまして、その随意契約もしくは指名競争契約によりまして契約を実施できるケースを具体的に規定し、さらに緊急の必要ある場合と不利な場合というものにつきましては、国有鉄道の会計規程を定める場合に、その契約に関する基本となるべき事項を運輸大臣の御承認を得ることになっておりますが、これを会計規程基本事項と申しておりますが、その基本事項の中で、どういう場合にこの原則によらないで随契どおりにやることができるかということのケースを五つばかりの場合を示しておるのでございます。こういった前提で、詳しいことは一々具体的に申し上げませんが、法律の法的な根拠といたしましては、ただいま申し上げましたとおり第四十九条に基づくただし書きの場合の適用問題といたしまして随意契約を適用しておる、かような結果になっております。
 先生いま例としてお取り上げになりました石炭あるいは車両、まくら木といったようなものにつきましては、これはいずれもこのただし書きの不利の場合の、一般競争入札の方法に準じて契約を取り結ぶことが不利であるということに該当するものとしての取り扱いになっております。
 具体的な事例といたしまして石炭の場合をまず申し上げますと、石炭は、国鉄におきまして最近続いております動力近代化の結果といたしまして、石炭の使用量は年々歳々著しい減少の傾向をたどっておるのでございますが、にもかかわらず、御承知のように産炭構造の変化によりまして、国鉄で必要といたしますような石炭の適正炭の確保というものは非常にまた困難な態勢となっております。すなわち、国鉄においてもとより購入いたします石炭は、大部分は機関車用炭といたしまして動力用に使われるのでございますが、ここにおきましてはおおむね需要規格は塊・粉七・三の割合をもちまして蒸気機関車に焚火するというのが最も効率的なわけでございます。それに引きかえまして産炭構造は、最近の炭業界がいわゆる電力用炭の規格を中心に産炭構造を変化させているという関係、また機械化採炭の関係上粉炭の得率が非常に高く、塊炭の得率が非常に悪くなっておる点から見ても、国鉄がその蒸気機関車用の適正炭を確保することは、近時の石炭需要の一般的傾向にかかわらずなかなか困難な実情にあります。それからカロリーといたしましては、国鉄は運転用炭におきましては、大体六千七、八百カロリーの石炭を必要といたしますが、そういった、いわゆる国鉄の動力用といたしまして最も妥当でありかつ適正であると思われますような規格に合った石炭の入手というものは、一般の石炭の需要の減退等にもかかわりませず非常に困難な事態になっております。したがいまして、こういった観点から、かつてはいわゆる石炭ブームとかいわれまして非常に石炭の物量全体の入手に困難を来たした時代もございますけれども、現在はこういった適正炭というものをいかにして国鉄が所要量を確保するかという観点から、一般のオープンの方式に準ずるような方式をとってこれを調達するといたしますと、どういたしましても一時限りの場当たり的な調達になるというようなことから、こういった適正炭の確保に非常にこと欠く面が多い、こういう面が随意契約を必要とするゆえんである、かように考えておる次第でございます。
 また、国鉄において石炭を調達いたします場合の調達のしかたは、一般民間企業におきましてはいわゆるCIFでございまして、CIF買炭になっておりますが、国鉄の場合はいずれもこれは山元オンレールでございます。国鉄は石炭が出ます炭鉱のオンレールという形で石炭を引き取っております。と申しますのは、各山ごとに国鉄の使用上の規格に合った石炭が出ませんで、これを一つの貯炭場、室蘭でありますとか戸畑でありますとか、そういったところに持ってまいりまして、適当に混炭をいたしまして規格をつくるというような作業をやっておりますので、山元でそれを国鉄が貨車で受け取りまして、それを今度は使用地まで規格を合わせて輸送するという作業が残るわけでございます。この場合に、先ほど先生おっしゃいました日本海陸の輸送の問題が起きるわけでございますが、この輸送につきましても、かなり前、十数年前から日本海陸の独占ではございませんで、大体港別にきまっておりますが、きめておりました四社でやってまいりました。また最近、特に昨年度からは全体といたしましての石炭取り扱い量の減少等もございまして、現在ではちょっと私のいま記憶に誤りなければこの石炭荷役関係を取り扱っている会社は八社にふえておるはずでございます。
 次に車両関係につきましても、これは客貨車ともに国鉄の最も大事な輸送の財産でございまして、これの調達にあたりましては運転保安上良質かつ低価なものを、また経験の非常に深い信用のおける会社の製作にかかわるものを調達する必要があります。かような観点から、オープン方式によりますと、どういたしましても価格だけの、その場その場の価格による競争ということが主になりまして、ぱらつきが出てまいりますということで、先ほど来申し上げておりますような本来の車両調達の趣旨というものを本来の意味において実現する意味で、これも随意契約にする、かような次第でございます。
 国鉄といたしましての考え方は、ただいま御指摘ございました石炭、車両等については以上のような考え方に立っております。全体といたしまして非常に金額が、ただいま申し上げます、お尋ねがございましたような石炭でございますとか、車両等は、一年間だけで車両は六百数十億というような調達額にのぼりますので、金額の点で見ますと、非常に随契が多いようになっておるわけでございますが、品名で、国鉄が調達しております品名は約六千種類ございますが、そのうち随意契約になっておりますものは品名では約八百品種、約一三%程度、かような次第でございます。
#115
○三木忠雄君 一般公開入札ですね、これでやっているおもなものはどんなものがありますか。
#116
○説明員(小林正知君) 一般公開競争入札の方式によってやっておりますものは、ただいまお答え申し上げましたように、国鉄の基幹資材といたしましての石炭、車両、まくら木、その他鋼材、レール関係あるいは車両用の部品といったようなものは非常に大きな金額を占めますので、金額的には随契が非常に多くなっておりますが、大きな金額を占めますもので公開競争入札によっておりますものの例といたしましては電線の一部ですね、電線でも非常に信号用の電線あるいは電力用の電線等いろいろ種類はございますが、そのうち約三分の一程度はオープンの方式によっております。これは規格がJISに近いものでございまして、製作期間も非常に短くて済むというようなことから、そう随契方式による必要はないというような考え方でオープンに立っております。また自動車、トラックでございますとか、事業に使いますライトバン的な程度のそういったもの、そういうような自動車類の購入、国鉄の高速路線を走りますようないわゆる旅客バスは別といたしまして、それ以外の自動車は大部分オープンの形になっております。
#117
○三木忠雄君 この間の朝日新聞を読んでおりますと、四月十一日の朝日新聞によりますと、昭和三十九年より四十二年まで六十七億の手当が支給されていると、こういうふうな報道記事を読んだわけでありますけれども、この詳細について副総裁からお伺いしたいと思うんです。
#118
○説明員(磯崎叡君) 過般、いわゆる国鉄の褒賞金問題につきましていろいろ新聞紙上に出まして、ある程度新聞の誤解等もありますので、この際少し詳しくいきさつその他について申し上げさせていただきたいと思います。概略私から申し上げまして、詳細については担当常務から申し上げます。
 この褒賞金制度のもとは、御承知のとおり、実は戦争前からございまして、主として戦時中には、いわゆる報労物資と、物資の形でもって従業員一般の労をねぎらうという意味で支給されておったものでございますが、その後昭和三十年前後になりまして、物資の出回りが豊富になりましたので、組合等ともいろいろ話がございまして、そして物からひとつ金にしてほしいというような話がございました。私どもといたしましても、これはいわゆる給与ではない、あくまでも、まあ俗なことばで申しますれば御苦労だったと言って総裁から労をねぎらう意味の報労的な意味であるという意味で、あくまでも給与じゃないのだという考え方から金銭に変えましたときにもこれは一律の支給である、いわゆる給与のように人によって差別をつけない、つけるとすれば非常に忙しかったところあるいはそうでなかったところ、繁閑の別によって差別をつけることはあり得るけれども、その人の収入によって差別をつけることはしないというたてまえで、たとえば東京、大阪と地方というふうに地域によって差別をつけるあるいは職種によって差別をつけるということは考えたこともございますけれども、結局これは非常に実現が不可能だということで、たしか昭和三十二、三年ごろから一律に支給するというたてまえに変えたというふうに思います。あくまでそういう形でございますので、これは国鉄内部の予算書を見ますと謝金賞与金という、賞与金という名前はちょっといわゆる民間の賞与金という意味ではなくて慰労金という意味でございますが、国鉄の予算内では謝金賞与金という形で処理されております。そしてその中の、各省予算で申しますと款項目節、細々節に当たるところでございます、これにつきまして、しかしやはり予算等の問題等もいろいろございます、全体としてもちろん目、細目等を超過する金額でございませんが、やはりたてまえからいってこれはまあ考え直すべきじゃないかということで、実は四十三年度の年度末の問題につきましてはその後支給をいたしておりませんので、過般、たしか森中先生からも御質問がございましたが、これを思い切って給与にしてしまったらどうかという御意見もございますし、組合の中ではやはりこれを手当にする、いわゆる給与にしてくれという話もあることはあります。しかし私どもといたしましてもやはりそういういわゆる給与でない、総裁がこれだけの多くの人間を使っておりますとやはり御苦労だったという意味の給与以外の感覚で支給する金がやはりあるべきじゃないかという角度から、今後これをどうするかということにつきましては目下検討中でございまして、四十三年度末はしたがって従前どおりの支給は停止いたしたわけでございます。
 もう少し詳しく担当常務から御説明申し上げます。
#119
○説明員(井上邦之君) ただいま副総裁から担当常務に詳しく説明させると申しましたが、いまの副総裁の説明はかなり詳細をきわめておりまして、詳しく申し上げることはないのでございます。したがいまして、三木先生からあらためて御質問があればそれについてお答えいたします。
#120
○三木忠雄君 そうしますと、運輸省としてこの問題はどういうふうに処理されましたか。
#121
○政府委員(町田直君) 本件につきましては、当時新聞に出まして、私どもといたしましても国鉄から事情を聞いて調査をいたしました。実情はただいま副総裁がお話しになったとおりでございます。
 なお、監査委員会がございまして、監査委員会のこれは意見でございますが、意見を聞きましたところが、やはりこの褒賞金は現業機関としてその性格上必要性を認められるものではないか、予算執行上も不可能な支出ではない、しかしながらその支出が恒常化しておるということ、それから一律支給となっている、ただいま副総裁から御説明のございましたように、そういう点で褒賞の本来の意義が薄れるおそれもあって、今後の取り扱い方については支給方法等について再検討する必要があると考える、こういう監査委員会の意見でございます。したがいまして、運輸省といたしましてもこの意見にのっとりまして関係方面とも打ち合わせ、今後これをいかなる形で取り扱うかということについて検討いたしたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#122
○三木忠雄君 この新聞の記事によりますと、こういう支給については運輸大臣の認可が必要であると、こういうふうにいわれているわけでありますけれども、運輸大臣、これはいつ認可されましたか。
#123
○政府委員(町田直君) これが給与でございますと、給与の一部ということでまず給与準則というものをきめなければなりませんし、それから給与総額の変更になりますと、その認可が必要でございますが、ただいまの形の、要するに報償金ということでございますと、運輸大臣の認可というものは特に必要ございません。したがいまして、運輸大臣としては現在までこれについては認可をいたしておりません。
#124
○三木忠雄君 そうすると、この報償金等については今後だれの決裁で支給が行なわれていくのかどうか、これについて。
#125
○政府委員(町田直君) その報償のやり方の検討をいたしておるということでございまして、本来の意味の報償という形がはっきりいたしますれば、これは国鉄限りで、報償として、報償予算の中で出していく、こういうことで差しつかえないと思います。
 それから先ほどちょっと御意見もございましたが、もし給与の一部として、給与として出すということになりますと、まずただいま申しました給与準則もあり、それから、予算的にも給与総額の中で考える、こういう形になると思います。
#126
○三木忠雄君 具体的に聞きますが、この問題については、どこの予算から実際に支給されているか、まあこの報償金の支給の問題をいろいろ読んでみますと、三月の二十九日、あるいは三月の三十日、これが一律に支給をされているわけですね。こういう問題は、やはり報償金の性格としても、先ほどからもお話のあったように一律というのはやはり私はあまりいいやり方ではないんじゃないか。やはり現場で働く人たちが非常に緊急事態として努力をしたとか、あるいはほんとうに汗みどろになって働いた、それに対する報いる意味においての報償金、これは私は納得できると思うのです。しかし、管理職であろうとだれであろうと一律に三千円の支給、こういうふうなやり方は、これは納得できないのじゃないか。これは世論としても許されない問題じゃないか。一生懸命働いている現場の人たちが汗水たらして、そういう困難の中で働く者に対しての報償金は、これはうなずける問題だと思うのですね。こういう問題について、実際にどこの予算から支給されているか、あるいは資金計画はこれに具体的にないわけですけれども、この資金計画等についてはどういうふうになっているか、明確に説明願いたいと思うのです。
#127
○説明員(井上邦之君) 資金計画なり決算につきましては財政担当の常務からあと御説明いたしたいと思いますが、いま先生の御指摘になりました一律に支給しているのがおかしい、あるいは管理職にも出されているのがおかしい、こういうお話でございましたけれども、先ほど副総裁からるる御説明いたしましたように、かえってこれは差をつけますと、給与の性格を生むわけでございますから、これはあくまでも総裁から――年末年始に国民の皆さんが旅行しておるときに、国鉄職員はやはり寝もしないで働いておる、そういう者には御苦労さんであったという気持ちをあらわす意味で出しているのでございますので、これは一律支給のほうが報償金的な性格に合うわけでありますし、それから管理職についても、一律に支給するのはおかしい、けしからぬというお話でございましたが、実は管理職につきましても、最近の勤務の状況を見ておりますと、いろんな事故の場合でありますとか、いろんな関係で、徹夜で仕事をさせる場合が十数回ございますが、ところが、管理職につきましては先生十分御承知のとおり超過勤務手当等が一切出てないのでございまして、徹夜の勤務をいたしましても何らそれに報いる、それに直接報いるものは何もないのでございます。そういうことを含めまして、年の終わりに、一年間御苦労であった、こういう意味で総裁から出すのでございます。むしろこれは一律に出したほうが私はふさわしいのじゃないか、かように考えます。
#128
○説明員(小林正知君) 金をどこから出したかというお尋ねでございますが、国鉄の予算全体につきましては、予算総則にもございますとおり、予算総則の十四条におきまして、特にその使途について移流用等の制限のあるものは別といたしまして、全体的には企業の合理的な運営ないしは能率的な運営に資するようにその移流用は総裁にまかされているのでございますから、そういった意味におきまして、先ほど来申し上げておりますような意味でこういった支出をする必要がぜひあるということから、全体の予算運用の姿から、その運用の中の弾力問題といたしまして、この手当なり決算といたしましては、いわゆる給与その他諸費の中の諸手当というところから支出をするのでございます。したがいまして、全体といたしましては物件費、あるいは動力費でございますとか、あるいは修繕のための経費、あるいは諸費の雑費等、人件費をも含めまして、できるだけ切り詰めた予算の実行、運用をやってまいりまして、その中から、先ほど来申し上げておりますような趣旨で謝金、賞与金というものを捻出いたしまして、流用措置によってこの経費をまかなう、かような内容になっております。ちなみに四十二年度あるいは四十一年度の数字で、この諸手当の予算は、全体としてはこれは退職手当あるいは共済組合の負担金等を含んだものでございますけれども、この中のいわゆる諸手当の項の中で結果としてまかなえる、かようなものでございます。
#129
○三木忠雄君 三十九年三千円あるいは四十年三千七百円、四十一年、四十二年それぞれ四千円と、こういうふうに金額が違う、あるいはまた、四十三年度についてはこれは支給されない、こういうふうないま副総裁からのお話がございましたけれども、財源がありませんで、私は支給されないのじゃないかと、こういうふうに勘ぐられるわけでありますけれども、そういう問題は初めからそういう報償制度を認めた上でのやり方ならば四十三年度も当然私は支払われなければならないのじゃないかと、こうも考えられるわけです。こういう問題については何とはなしに納得いかないような問題、あるいは常務理事からも一律でいいんだと、そのほうがほんとうにいいと、こういうお話ですけれども、報償金の性格からいったら管理職だって夜おそくまで働いている人たち、いろいろな状態についてはやはり細部にわたるこまかな裁定はできないとしても、大まかに一律に何もかも三千円だという、そうしてこれは払っている人員を見ますと四十七万人ぴったりですよ。金額ははっきり言えば四十七万人でちょうど線を引いたということ自体も、私はいろいろな問題点を含むような材料を提供しておると思うのです。こういう点は私はもう少し納得のできるような答弁を願いたいと思うのです。やはり今後もこういう制度を実際とっていく、あるいは報償金は一律にこういう方法でやっていくのか、あるいはまた改めてどういうふうな方法でやり直していくのか、その点について副総裁から。
#130
○説明員(磯崎叡君) 三木先生の御質問ごもっともで、この点につきましては実は部内で十分論議をいたしました結果、四十三年度、支給はいたさなかったわけでございますが、これはお説のとおり、確かに給与的なものに化しつつあるということはいなめない事実だと思いますので、これではいけないということで、何かここでもってひとつほんとうの意味の御苦労だったというものにしたいという意味で、四十三年度末はたまたま非常に忙しいこともございまして案を得ないままに年を越したわけであります。私どもといたしましては、冒頭に私申し上げましたとおり、やはり地域別とか職種別とかいうことでもってやはり御苦労だったという、まあ、みなおのおの職場で苦労しているにいたしましても、やはり苦労の度合いが多少違うということからいたしまして、できれば地域別、職種別等にある程度差がつけられれば一番いいと思っておりますが、何しろ全部三千円とか四千円ということでこれに区別をつけること自身非常に無理があるというようなことなどで、実はきのうまでの三連休にいたしましても本社も三分の一くらい出勤をさせておりまして、万が一に備えるということで、実は職種別といってもそれは現場だけではないということになるので、結局差がつけにくくなるというようなことで今日まできたわけであります。しかし、一方これだけの企業でございますと、総裁としてやはり御苦労だったという気持ちをあらわしたいことも御了解いただけると思いますので、その点をあまり全企業的な感覚でなしにどうしたら最もよいかということを前向きで私は考えてまいりたいと思いまして、四十三年度は実は停止いたしたわけであります。しかし、今後、いま申しましたような趣旨で、わずかな金でございますが、生きた金の使い方をぜひ考えてもらいたいという点につきましては、先生のおっしゃったことと全く同感でございます。
#131
○三木忠雄君 運輸大臣、この問題について今後どういうふうに……。
#132
○国務大臣(原田憲君) 先ほど町田君からお答えをいたしましたが、この問題について新聞に最初出ましたときに、私はうかつにもこの問題を知らなかったわけです。さっそく調べましたところ、先ほどお答えをしたような経過があったわけでございまして、この問題はいまも質疑応答の中で問題点は尽くされておると思いますので、運輸省といたしましてはこれらの問題点を参考にしまして、ほんとうに合理的である、何人が見ても――国鉄には国鉄の監査委員会としての指摘をいたしておりますが、いまおっしゃったような、何人が見てもこれは当然であるというようなものにできるかどうかということについて、今後検討を加えていきたいと考えております。
#133
○三木忠雄君 次に部外委託の問題で伺いたいと思うのですけれども、国鉄自身が五万人の合理化、こういうふうな計画の一環として計画している業務の部外委託の問題が非常に最近話題になっている問題じゃないかと思うのです。今後、こういうふうに人員の合理化の問題とからみ合わせてどういう形態をとって部外委託を進めていくか、これについて意見を伺いたいと思います。
#134
○説明員(井上邦之君) 部外委託につきましては、これは戦前鉄道省時代から、たとえば乗車券の発売委託でありますとか、貨車の貨物の集配、積みおろしの委託でございますとか、その他数項目にわたりまして部外委託をやっておったのでございますが、最近経営合理化の面でかなり部外委託がふえていることは事実でございます。その際の私どもの考え方といたしましては、まず第一に、部外委託でかえって高くつくようなことではこれは意味をなさないわけでございまして、経理計算をやりまして、部外委託をやれば安くなるという確信のついたものについて行なっていかなければならない、これは基本的な考え方でございます。
 それから、鉄道の仕事は非常に波動がございますので、その波動のピークに備えていつも要員を持っておるということは不経済でございます。したがって、その波動の場合に必要な仕事、それを部外に委託するということもございます。
 それから、特殊な技術、特殊な能力を必要とする仕事でございまして、これを国鉄職員として持つということが非常に不経済になるという場合もございます。たとえば工事の設計でありますとか、図面の作製等につきましても、最近は部外のコンサルタント業務もかなり発達いたしておりますので、むしろそういったところに委託したほうが全般的に見れば安くつくという判断のできる場合もございます。全部が全部そうではございませんけれども、そういう場合もございます。
 大体大まかに申しましてそういうような基準のもとに部外委託を考えておるのでございますが、しかし現実に部外委託をやりますのは各地方の管理局でありますから、その際にはやはり個々の具体的な条件によって変わってくるわけでございます。たとえば部外委託部外委託と申しましても、それを受ける能力のある団体なりあるいは会社なり、そういったものがなければこれは部外委託になりませんから、それぞれに応じて、十分部外の受注の能力がある、また計算をしてそのほうが安くなる、こういった判断がつく場合に部外委託をしておる、かようなことでございます。
#135
○三木忠雄君 この部外委託の今後の進め方がいろいろ考案されていると思うんですね、具体的に現在行なわれているところのおもな部外委託、この会社名ですね、どういうようなものをどこの会社に部外委託をしておるか、あるいは将来は合理化の問題を勘案してどういう方向にこの部外委託を持っていくか、この問題について伺いたいと思う。
#136
○説明員(井上邦之君) 現在やっております部外委託は、営業関係について申し上げてみますと、たとえばコンテナの集配でありますとか、手荷物の集配並びに受託扱いでありますとかの受託業務ですので、部外委託と申しましても国鉄が荷主から受けました料金をそのまま委託会社に払う、通り抜け勘定のようなものでありまして、これはこれによって人員が浮くというものではありません。先ほど申しましたように、集配業務を国鉄は法律上できませんので、これは人員にかかわりなく部外に委託せざるを得ないわけであります。
 それからそのほかに国鉄が得ます収入を基礎にして部外委託料、手数料を払うものにつきましては乗車券の委託発売手数料、たとえて申しますと交通公社でありますとか株式会社の日本旅行、そういったような段階でございます。
 それから荷物受託の手数料関係になりますが、これは荷物輸送の会社がございますので、その会社に――これは地方で一つ一つ別になっておりますから、その会社を一々申し上げるのは煩にたえませんので、ここでは省略いたしますが、それから荷扱いの手数料でありますとか、貨物の積みかえ等の手数料でありますとか、団体手数料――これは先ほど申しました交通公社、日本旅行でありますとか、団体あっせん業者に、団体を取り扱いました場合に一定の割合で手数料を払うという業務担当の形式でございます。
 そのほかに合理化に関連いたすものといたしまして、駅業務の委託がございますが、これは中間駅のお客さんのあまり乗りおりのないようなところは駅業務を部外に委託するということもやっております。これは大体実際にやっておりますのは国鉄の退職者でございます。こういうことになっております。
 その他は車内――車内業務の委託と申しますのは、これは先生もごらんになるとちょくちょくおわかりになると思いますが、列車の中をおばさんが掃いておりますが、ああいう業務を含めまして、部外委託をしておるということであります。その他貨車のほうの清掃業務であるとか、それから小口扱いの輸送、これも、むしろトラックでやるほうが経営全般から見て合理的であるというようなものにつきましては、小口貨物輸送につきましても、部外委託をしておる、こういうようなこともあります。この一々の会社を言えとおっしゃいましても、管理局ごとに数会社にわたって契約いたしておりますので、それを一々申し上げることはちょっと御容赦願いたいと、かように思います。
#137
○三木忠雄君 たとえば一つの請負会社――車内の清掃にしても、あるいは車内の業務委託等に対しても請負会社の指揮監督権というものは、大体国鉄の各駅長の指揮あるいは監督の執行によってきまっておるわけですね。請負会社にまかしてあるけれども、そのさいはいはだれかというと、管理職の駅長であるとか、あるいは助役であるとか、そういう人たちが指揮をしておる例が非常に多いのじゃないかと思う。請負会社にまかしきっておるというけれども、実際に管理職の駅長本来の仕事をやらなければならない、あるいは助役は助役としての仕事をやらなければならぬ、それにもかかわらず請負会社の指揮権というものは、そういう駅長やあるいはまた助役等にゆだねられておる例が非常に多いのじゃないか、こう考えるわけですが、この点どうですか。
#138
○説明員(井上邦之君) 先生おっしゃったことをそのままやりますと、これは職業安定法施行規則というものに抵触いたしますので、これは法律違反、したがいまして、これは労働省とも十分御相談の上、そういうことのないように仕事のやり方を従来私ども気をつけております。駅長、助役が会社に対してものを言う場合は、これはこちらの計画を通知するだけでございまして、実際のこの清掃業務だとか、あるいはいろいろな業務をやるその指揮監督者というのは、これは会社の人間が必ずつくことになっております。また会社の指揮監督者に、おそらく必要があれば駅長みずからあるいは助役を介して、こちらの計画はこうなっておるのだということを連絡するということでございまして、決して直接に請負会社の作業員を指揮監督するということはございません。ただ請負でございますから、仕事の成果に対してこれを完全にやったかどうかということを確認する必要がございます。そういう点で仕事が終わりました場合に、助役なり駅長なりがどの程度の仕事ができたかということを一応確認いたすということはあります。決して指揮監督のためではありません。
#139
○三木忠雄君 そういう問題で、実際職安法と民間委託の関係の問題で、弁護士との間にもいろいろこういう問題が論議されておるわけですね、合理化との問題に関して。これはよく気をつけていかなければならない問題じゃないかと。たとえば作業用具などは請負会社で負担しているけれども、実際に事業所の建物とか、あるいは作業用の施設、あるいはまた作業に直接必要な電気とかあるいは水ですね、そういうようなものは国鉄が実際に無償で供給している、こういうような例もあるわけです。こういう点はやはりもっともっと考えていかなきゃならぬじゃないか。あるいは、実際に駅長あるいは管理職の人たちが退職するときには、必ずそういうふうな関連会社のつながりを持っていく、こういう点が非常に見受けられるわけですね。これは地方の管理局等においてもいろいろな問題があると思いますけれども、こういう点はやはり現職の時代からそういう指揮さいはいがゆだねられていると、こういう点は非常に誤解を招きやすい。この点はやはり改良しなきゃならぬじゃないかと、こう思うわけですけれども、この点はどうです。
#140
○説明員(井上邦之君) 実は先生御指摘の点は全くそのとおりでございまして、四十二年に私のほうからいわゆる五万人の合理化という合理化事案を組合に提示いたしました場合に、かなり部外委託問題が組合との間にも問題になりました。また一方、御指摘のような職安法の問題も出てまいりました。したがって、そういう問題になるような点を全部組合とも洗いざらい相談いたしまして、問題のある点を労働省とも実は相談いたしました。労働省と相談の結果、こういうことであれば職安法に触れない、こういうお許しを得て現在の計画を進めておるのでございまして、先生の御指摘の点、今後も十分気をつけてまいりますけれども、ただいまのところでは職安法に触れる問題は実はないかと、かように考えております。
#141
○三木忠雄君 合理化の問題に関連して、国鉄の電気機関車あるいはまたディーゼル機関車の機関助士をなくして、機関士一人にすることが適当であると、こういうような委員会の答申が出されたわけでありますけれども、国鉄当局としてこの具体的な着手といいますか、こういう問題をどう考えていくか、これについて伺いたいと思います。
#142
○説明員(井上邦之君) この電気機関車、ディーゼル機関車の機関助士を廃止するという問題は、先ほど申しました四十二年春の合理化事案の、全体で約十五項目でございましたか、その中の一つとして私ども提示いたしました。実はこの問題につきましては、そのときに始まった話ではございませんで、数年来組合との間で話をしておった問題でございますが、正式に組合に提示いたしましたのは四十二年春でございます。そこで約一年経過いたしまして、昨年の春に大体合理化事案、ほかの問題は片がつきましたけれども、ただ一つこの一人乗務の問題だけがその時点で解決がつきませんで、四十三年秋まで持ち越したのでございます。四十三年の九月になりまして、組合が相当大規模な闘争をかまえました時点で、この問題を当局と組合とで幾ら議論をしておってもこれは水かけ論じゃないかということがちらほら新聞論調でもあらわれだしました。したがって、私どもも組合のほうも期せずして意見が一致したのでございます。この安全問題については専門の学者の第三者委員会にまかせようということで、九月二十日でございますけれども、そういうことで話をつけまして、東大の大島教授を委員長といたしまする委員会をつくっていただきまして、それに安全に関する問題を依頼をしたわけでございます。この委員は決して当局がかってに選び出したものじゃございませんで、労使共同で推薦した先生方五人でございます。何しろこの問題は非常に特殊な問題でございまして、日本でもこの問題を研究しておられる方は非常に数少ないのでございます。まず五人といいますと、それよりほかにはちょっと適当な先生は見つからないというぐらいの権威でございまして、その諸先生方が実態調査もおやりいただく、あるいは従来から持っておりました当局側の資料、あるいは組合側の資料、そういったものを十分審議をされまして、この四月初めでございますか、委員会といたしまして、一人乗務はむしろ時代の傾向であるということがまず本筋にあたりまして、一人乗務の問題は疲労度あるいは緊張度そういう生理的な面から検討いたしましても、一人が二人より危険であるということが出てこない。あるいはまた一人の場合と二人の場合とで事故はどちらが多いかという問題は、むしろ過去の資料によれば、二人乗務のほうがわずかながら事故が多いという資料が出ているのです。必ずしも一人が安全であるということは言えないけれども、事故に関しては一人乗務も二人乗務も差はないということで、結論として一人乗務でも差しつかえがない。ただし、いろんな安全設備の点、そういった保安設備には十分今後も気をつけていかなければならぬということで具体的な御指摘がございました。ただ保安設備の改善という問題は一人乗務の前提条件ではない。一人乗務でそれをやってもいい。ただそれと並行して、安全設備には今後も気をつけていくように。またそれに伴いまして一人乗務を急激にやるということは、対組合の問題としてもまずい、漸を追ってやるように。非常に御親切ことこまかに至った委員会の報告がございまして、私どもはこの委員会の御報告の趣旨に従って一人乗務の問題を進めてまいるつもりでございますが、ただいま申しました報告書の趣旨に基づきまして、決して急激に、あしたから電気機関車、ディーゼル機関車は一人だというようなことはいたしません。まあ最初に手始めにできる問題といたしましては、先生も御承知のように操車場がございます。操車場にハンプと申しまして、坂の上から貨車を落としまして、そしてそれによって仕事をやっておる状況でございます。この押し上げ機に機関助士が乗っておる、こういう問題はすぐにでも一人でできる問題でございます。そういったやりいい問題からやっていくということで、一挙にこれをやるという考えは毛頭持っておりません。組合とも今後十分話し合いの上漸を追ってやってまいりたい、かように考えております。
#143
○三木忠雄君 これは乗務員の身体状態の問題、精神状態の問題、いろんな問題を調べなければ一人乗務にはなかなか踏み切れない問題じゃないかと思うのです。これは大ぜいの人たち、乗客を乗せているという考え方から考えると、一人乗務というものは、しろうと考えでありますけれども非常に危険を感ずるのです。いわんや、四月十六日の毎日新聞によりますと、国鉄内部の国鉄研究員の中ですら、実際これに対しての調査報告は非常に疑問視されているのです。まあ委員会の調査に携わったこの鉄道科学研究所員の二人が、学問的にも根拠は薄い、あるいは乗務員、乗客の安全に不安はないと言い切るだけの論拠に欠けると、こういうふうに国鉄職員の中から、研究員の中から解雇も覚悟で調査員に公開質問状を出している。こういうふうな状態がある中で、あえて一人乗務に踏み切って実施をしていくということについては、非常に異論を差しはさむのではないか、こう考えるのですが、この問題どうですか、副総裁。
#144
○説明員(磯崎叡君) ただいまお示しの四月十六日の私のほうの研究員の発表いたしましたことにつきましては、その間のいきさつその他いろいろ調べておりますが、何と申しましても大島先生以下のアシスタントとして、大島先生にお手伝いをしておった連中が先生方に、しかもこの先生はさっき井上が申しましたとおり当局と国労と動労の三者が、七重のひざを八重に折って御委嘱申し上げた先生に御協力しようと、その御協力の中のことを先生に無断で外に出すということは私どもとして考えられないのでございまして、何らかの私どもの理解できないいきさつがあるのではないかというふうに思います。いろいろいま調べておるわけです。先生方も非常に意外に思われて、少なくとも、自分たちは当局と二組合から正式な依頼を受けて忙しい中やってやったんだ、それに対して何だということを言っておられる先生もいららっしゃいます。もちろん研究者として自分の個人の意見を言うのは自由かとも存じますけれども、私ども大きな組織にいて、組織のいろいろな設備を使って、そして得たことは無断で出すことについては、若干何か問題が、本質問題以外にあるのじゃないかというふうにも思っている次第でございます。しかしその問題は、そういうことで一つのいきさつをして考えておく必要はあると思いますが、やはり今後実施いたします際には、いま三木先生おっしゃいますように、やはりお客様のほうが不安を感じたのではこれはまことに申しわけない次第で、その点十分慎重にやってまいっておるわけでございます。現に新幹線におきましては一人乗務を実行しておりますので、今後十分国民の皆さま方の御協力を得た上でやってまいりたい、このように考える次第でございます。
#145
○委員長(岡本悟君) ちょっと三木委員に申し上げますが、あと十五分ぐらいだと思いますが、おおむね一時間半ないし二時間ということでいたしておりますから。
#146
○三木忠雄君 もう少しで終わりますから。
 一人乗務の問題につきましては、人件費の節約とか、あるいは合理化とか、どういうような問題よりも私は事故防止の問題がやはり何といったって先決問題であると、こう考えているわけです。これについては、私は慎重にこの問題を取り計らっていただきたい。まあこれは強く要望しておきたいと思うのです。
 それから、この前も総裁にちょっと伺ったのですけれども、鉄道弘済会の問題ですね、この問題については簡単にお伺いしておきたいと思うのですけれども、鉄道弘済会の出資会社の概要についてはプリントをいただきました。しかしながら、何か、調べてみるとまだまだずいぶん関連会社に、これに記載されない鉄道保安工業であるとか、こういう会社等に相当な出資金が出されているわけですね。こういう点は、やはりもう少し弘済会の問題については納得のいくような方法を私たちに示していただきたいと思うのです。たとえば、弘済会が普通の私立学校等にお金を貸してやる、こういう例も実際にあるわけですね。こういう問題を鉄道弘済会の趣旨あるいは規則から考えてみても、どうもうなずけないような問題があるわけです。こういう点はどうお考えになりますか。
#147
○説明員(石田禮助君) これは、私の承知しているところでは、資金の運用という点から、さらに弘済会の仕事というものは一般の奉仕というか、慈善事業という頭でやっておるので、結局私立学校あたりに対しても、自分が教育をやるとかなんとかというのじゃなくて、困っているところへそれをやればその学校の教育がうまくいくというような趣旨でやっているのだと思いますが、しかしその点は、私初めてそういうことを聞きましたが、よく調べてみたいと思います。
#148
○説明員(磯崎叡君) ただいま総裁が申し上げましたとおり、私立学校に出しております金は、実はその学校の成立の過程から申しますと、非常に鉄道職員の子弟をたくさん実は収容しておった学校でありまして、そういういきさつから出したというふうに聞いておりますが、いまあるいは多少内容も変わっておりますが、いますぐ手を引きますとその学校自体の存立にも関するというようなこともあったようでございますが、すでに設立の目的と違って、あまり鉄道職員と関係のない一般の方々の教育をやっているだけならば、これはもう当然設立趣旨から申しましてそういうところに対する資金の援助はこれをやめるべきだというふうに考えます。いま一体どの程度職員の子弟が入って、どの程度その私立学校の月謝が実際安くなっているかなどを調査いたしまして、今後継続すべきかどうかということをきめてまいりたい、かように考える次第でございます。
#149
○三木忠雄君 これは一例でありますけれども、たとえば新宿にある精華学園、こういう学校と弘済会とどういう関係があるかと私はいろいろ考えても、考え及ばない。これは一例でありますけれどもね、鉄道弘済会というのは、総裁からいろいろ聞いてみると、福祉事業あるいは慈善事業に回されるのだと、こういうような話をずいぶん聞いておったのですけれども、これは、一つの私立学校にどういう関係があって、こういうように数年前からこういう融資が行なわれたか、こういう点は納得できないのですけれども、どうですか。
#150
○説明員(井上邦之君) ただいま御指摘の精華学園に対してこれは融資でございますが、出資でございません、融資でございますが、経過を調べてみますと、ずいぶん古いのでございますが、二十八年に、当時の弘済会の会長と、それから精華学園の園長でありますところの勝田、これは御婦人であります、勝田さんとの間に話し合いがつきまして、二十八年の七月に五百万円の融資をいたしました。こういう学校に弘済会が融資をするのはおかしいじゃないかというお考え、これはおありになることは十分わかりますけれども、やはり弘済会の事業の一つといたしましては育英事業というものを全般に考えておりますから、そういう点で、この精華学園が建物の増築等に金を必要といたしました場合に、弘済会に話があって、その弘済会に話があったルートにつきましてはこれはちょっとわかりません、あるいはこれは個人的なつながりはあったかもしれません。しかしながら、これはちょっと現時点では調べるあれがございませんのでどういうルートを通じてかわかりませんが、ともかく弘済会の目的といたしましても、精華学園という学校に融資をするということは、これは育英事業という考えからいたしましても決して弘済会の会の趣旨に反するものではないという判断に立ってやったのだと思います。決してこの精華学園、インチキな学園ではございませんので、先生御承知の吉永小百合のこれは母校でございます。これは五百万円という額の借金でございますが、この返済は三十四年の十一月に元金は返済されておるというふうに弘済会のほうから報告がございました。以上でございます。
#151
○三木忠雄君 こういうふうに、まあ一つのこれは例ですよ、調べ上げればいろいろあると思うのですね。私はあまり時間もないのでそんなにしゃべりませんけれども、こういうふうな、育英事業という美名のもとに、たとえ五百万であろうと四百万であろうと、この鉄道弘済会の趣旨からいったら私は反しているのじゃないかと思うのですよ。吉永小百合の学校が鉄道弘済会とは何にも関係ない話だ。これは、そういうような融資があちらこちらに実際に行なわれているということなんですね。こういう問題は、やはりもっともっと、国鉄にしてもあるいは運輸省としても監査をしていかなければならないと思うのですよ。この点はどうですか、運輸大臣。
#152
○国務大臣(原田憲君) 御承知のように、よく気をつけなければならぬ問題であると心得て、今後よく検討をいたします。
#153
○三木忠雄君 弘済会のやはり今後の行き方として、国鉄側ですね、弘済会をどういうふうに考えていくか。実際にこういうふうに国鉄が赤字財政で悩んでいる。それにもかかわらず、弘済会の売り上げあるいはその純益というものは相当な金額に及んでいるわけです。それはまあ、退職者のいろいろな保護あるいは慈善事業、いろいろな問題は、納得いく問題数多くあります。しかしやはり、国鉄にとってこういう財政難で悩んでいる財政期間中に、やはり慈善事業等についても、多少はやはり厚生省、こういうところからももう少し援助を受けるなりにして、やはり国鉄が、実際に国鉄に乗る人たちが使ったそのお金の幾分かはもっと国鉄の財政資金に還元されて、そうして運賃値上げの一部にでも充てていくと、考えていくと、こういう方向にやはり将来持っていかなければならないのじゃないかと思うのですよ。その点やはり私は、この間からずっと話をしておりますけれども、駅ビルにしたってあるいは関連会社にしたって、みんなそういうふうな弘済会の純益から出資をされているわけですよ。そこへ入っている人たちはみんな甘い汁を実際に吸っている。こういう態勢があらゆるところに見受けられるわけですね。これでは、合理化だ、あるいは国民の前にこうだああだ言ったところで、何にも始まらない。実際に弘済会の理事が何カ所にもかけ持ちで会社の役員を兼ねておる。こういうようなやり方では、いつまでたったって、国鉄の合理化、こうだああだ言ったところで始まらないのじゃないかと、こうも考えるわけでありますけれども、総裁、どうです。
#154
○説明員(石田禮助君) これは私はごもっともだと思うのです。弘済会の財政というものもそう苦しいことはありません。余裕が出てくるからやっぱり問題も出てくるというふうに思います。これは国鉄としてもよほど冷静に考えて出資をする必要があると思う。
 ただ弘済会のことについて一つ三木さんに申し上げておきたいと思うのですが、あそこは全体の駅の数からいきますと全体の四割というものは弘済会がある。それから販売個所からいくと六割だ。そういうことなんでありますから、駅の数なんかからいくと、あの中の二割以上というものは、ほかの営業者としてはやらないのです、損するということです。北海道の僻地などああいうところも弘済会、これは国鉄からいえば実にありがたいわけなんであります。それによってお客というものにサービスができるということで、これは弘済会の非常にいいところだと思っておる。さらに弘済会は四十二年には、駅の営業というものは九百四十億、これは四十三年になったらさらに千億ぐらいになってくると思いますが、これは昔は構内営業料というものを特に弘済会に安くした。ところがその後同じようにして、何らその間にプラスになっていないのです。さらに私は弘済会に非常に感謝しなければならぬことは、国鉄は御承知のようにいまでも殉職者というものは六十人以上、年にいる。ことしあたりは七十人以上じゃないか。さらに負傷者というものは千人以上です。その殉職者の遺族というもののお世話をする。そしてさらに負傷者である身体障害者の世話をするこれは実に弘済会に対して私は感謝しなければならぬ。そしてさらに主要な駅に対しては、あそこに相当な医者と看護婦を置いて、そして旅行者の病人に対して役に立つというようなことで、実にいいことをやっているわけです。で、私は三木さんはどういう考えか知らぬが、弘済会の販売個所が六割も一つの構内にあるということは、これは異常のように思われるんですが、私はもう少しやってもいいと思う。要するに一般の業者がやって利益をポケットの中に逃げ込ませるか、あるいはその利益でもって国鉄の殉職者を見てあげるとか、遺族を見てあげる、あるいは障害者を見てあげる、あるいは一般の旅客の病気に対して手当てをする。いわく何、いわく何、相当にいいことをやっているのですが、しかしこれはいいことをやっているからといって、われわれのほうでは野方図ではいかぬ、ときどで監督する必要があるということで、国鉄としては弘済会のためにぜひひとつあまり甘えさせないで、十分の監督をしていく必要があると、こういうふうに考えております。
#155
○三木忠雄君 この間、資料提出していただきましたね。信号保安協会あるいはまた日本鉄道技術協会あるいは電化協会、これに相当な部外経費が出費されているわけですが、これは実際にどういうふうな業務内容を持っているか。職員が大体あまりいないような協会なんですね。こういうところに相当な金額の経費が出されている。この点について具体的に、信号保安協会はどういうふうな業務内容になっているか、あるいは日本鉄道技術協会はどういうふうな業務内容をやっているか、これについて説明願いたいと思うのです。
#156
○説明員(井上邦之君) 詳細にわたっては専務の理事によって御説明申し上げますが、まず概論的に申し上げます。信号保安協会をはじめといたしまして、先生この前御指摘になりました団体が六団体でございます。あれは宿題になっておりましたので、一応御報告申し上げます。
 いま御指摘のありましたのは、いずれも技術的な関係の協会でございますが、これは国鉄としてこの協会の会員になっておるものではございませんで、国鉄の職員、現役の者もあるいはOBの者も、それから国鉄以外の民間の私鉄、あるいはまた鉄道に限らず交通関係者、学識経験者、そういう人たちが集まって、たとえば信号保安の問題でありますとか、電化の問題でありますとか、それぞれ専門に分かれまして、技術向上のために、かつまた会員の相互の親睦をはかるという趣旨から協会をつくっておる、いずれもこれは社団法人でございます。これに対して国鉄から部外経費ということで金が出ているという点を先生御指摘でもりますが、たとえば信号保安協会の四十三年度について見ますと、四件ほど専門の研究を依頼いたしまして、これに対しまして金が二百七十万出ておるわけでございますが、この調査研究を依頼いたしました問題は、試みに申し上げておきますと、列車速度選別方式の研究それから車両制御無接点化に伴う誘導障害に関する研究、信号設備の信頼性に関する研究、レール磁化とその対策に関する研究、こういった四件の研究がこの信号保安協会に研究依頼というかっこうで出ておりますが、これらはいずれもやはり国鉄の現職をもってしては十分に研究が行き届きませんので、そういう専門の学識経験者に研究を依頼するほうが好ましいということで出しておるのでございます。で、この二百七十万という金は相当多額のように思われますけれども、実はこれは信号保安協会が基幹になりまして、それぞれの専門家に集まっていただきまして、そうしてチームをつくって、それに研究を依頼している、こういうかっこうになっております。大体問題は非常にむずかしい問題でありますだけに、大体はやはり一年間ぐらいはその研究にかかります。そういたしますと四件で二百七十万、一件あたり七十万くらいの見当になりますけれども、そう高い研究委託費というふうにも思われません。何も一人にやるわけではございません。かなり多数のチームに対してこれを出しておる、というかっこうになっておるわけであります。
 技術関係については以上でございますが、あとまた御質問があれば、その他の団体についても御説明申し上げます。
#157
○三木忠雄君 その他の団体について……。
#158
○説明員(井上邦之君) この前先生御指摘になりまして、宿題として残っておりましたものも、では全部申し上げます。
 技術関係を除きまして、その次に先生御指摘になりました混載協会、これについて中央混載協会とそれから関東混載協会とこの二つだけ御指摘になりましたが、この混載協会と申しますものは四十年の秋に設立されたものでございますが、それまでの鉄道の小口貨物の輸送というものが非常に不経済な輸送でございました。先生も御承知のとおり、小口貨物というものは不特定多数の荷主でありまして、行き先もばらばら、したがってそれを貨車で送ります場合に、貨車の中もばらばらでございます。したがって非常に効率の悪い輸送でございます。これを行き先別にまとまるものをまとめて、一車にできるだけ満載いたしまして、そうしてやる方式が混載車扱い方式というのでございましす、それまで小口貨物の輸送の例外的な措置として混載車扱い方式があったのでございますが、この四十年の秋を境といたしまして、小口貨物の輸送の合理化をはかるという点でむしろ小口貨物の混載車扱いを、小口貨物の輸送の根本にする、その考え方を基本にしまして、ばらばらの輸送は例外的なものにだけしかやらない、こういうふうに百八十度の転換をいたしたわけであります。その際に、この小口貨物を行き先別にまとめる仕事というものがどうしても必要になってまいるわけでございます。そこで各支社の混載協会を地域別にたとえば関東支社でありますれば関東支社、中部支社でありますれば中部支社、支社は全部で九つございますので、九社に相当する九混載会社ができました。それを中央で統括する中央混載協会というものができました。そういうことでございます。いわば中央が根拠地であって、各地の混載協会を統括する、こういうような関係で出発いたしたのでありまして、これによりまして、鉄道の小口貨物の輸送の合理化というものが大幅に実現されまして、それまでこの小口貨物の輸送に従事いたしておりました人員も三千九百人、これで節約いたしました。三千九百人といたしますと、年間の経費は四十億。それから貨車の使用にいたしましても、これによって生み出しました貨車が千二百車両であります。千二百車両の貨車を使用面において生み出すということは、これは保有という面から考えますと約三倍、運用効率が大体三分の一でございますから、三倍とお考えいただけばけっこうでございます。したがってその三倍、三千六百両ぐらいの貨車を新造したと同じような結果になります。これを経済計算いたしますと、それでやはり六十億ほどのものが節約される、こういうふうな計算になるわけです。
 一方、これに対して、じゃ国鉄はどれだけ金を出しておるかという問題でございますが、これはかかりました経費の半分は国鉄が見ておる、半分はそれぞれの通運業者が、これは数社入っておりますが、その取り扱いの量に応じて分担する、こういう約束で出発いたしたのでございまして、先生が御指摘になりましたこの中央混載協会について申し上げますれば、国鉄の出し分は四十三年度で千四百五十二万円、それから関東鉄道混載協会では三千七百二十一万円でございますが、先ほど申し上げましたとおり、全国にこの混載協会は設立されておりますので、四十三年度に国鉄から出しました金額は約一億七千万円でございます。言いかえますと、一億七千万円金を出して、半面四十億の人件費を節約し、それから貨車の新造、これは年々というわけにまいりませんが、出発の当時には六十億ほど経済的な負担減になる、こういう関係のものでございます。
 それから次にお話のありましたのは運送保証協会でございますが、これは先ほどの小林常務からちょっと御説明の中に出ました貨物運賃の後払いを保証する協会でございますが、これは三十一年の五月に設立されたものでございますが、その当時まで終戦以来のインフレによりまして通運業者の資金繰りというものが非常に苦しくなってきて、その結果といたしまして国鉄に対する通運関係というものの貨物運賃の後払い、運賃の滞納、あるいは滞納と言うよりもむしろ不納と言ったほうがいいかもしれませんが、だいぶ出ました。これを何とかしなくちゃならぬということで、これを銀行保証と別にこういう運送保証協会というもの、これは大蔵省の了解を得ましてつくりましたものでございます。この運送保証協会によりまして、これまでの通運業者の運賃の保証額は銀行の融資のワクの中に入っておったのでございますが、この保証協会ができましたことによってその保証額はワク外に出るということになりまして、それだけ通運業者の資金繰りは楽になるという関係も出てきました。それから銀行の保証の場合でありますと担保を取っておりましたけれども、この保証協会は担保も取らない。それから保証料金も従来の銀行の保証料率の大体二分の一程度。こういうことで大幅に通運業者の負担が軽減されまして、それによって自来国鉄に対する運賃の滞納あるいは不納という問題は、この保証協会が代位弁済で国鉄に支払いますので、先ほど小林常務も申しましたように、猶予期限を出てもなおかつ国鉄に入らないものは、この運送保証協会から代位弁済として入ってくるので実質的には滞納はないということをお話ししましたが、それはこの運送保証協会の設立された結果でございます。国鉄からはこれに対して金の出し入れはございません。
 それからあと御指摘のありました名工建設と鉄建建設、この二つ御指摘になりましたけれども、これは純然たる土木建設の株式会社でございまして、何ら国鉄から業務委託費とかあるいは会費とか、そういった名目の金は全然出ておりませんけれども、ただこれは土木建設の請負工事会社ですから、国鉄の工事を請け負わした場合には、その工事と見合いまして国鉄からその代金を払うという関係だけでございます。これは一般商事会社との関係と全然同じでございます。
 以上でございます。
#159
○委員長(岡本悟君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#160
○委員長(岡本悟君) 速記を起こして。
#161
○中村正雄君 私は、これまで同僚委員から相当各方面にわたって質問されておりますので、できるだけ重複を避ける意味で、主要な点について二、三点だけ時間の許す限りお尋ねしたいと思います。
 最初に、運輸大臣に前提としてお尋ねしたい点が一点ございます。それは、国鉄財政再建推進会議から意見書が出されまして、それが基礎になって今度の法案の提出になっているわけでありますが、これはこの前、この委員会の冒頭でもいろいろ質問されましたように、この推進会議は閣議決定によっておつくりになったわけでありますが、したがって、これは一つの法律上の委員会をつくってこの委員会の意見を聞いてやらなければならないという制約はないわけで、言いかえれば、行政府の中におきまする一つの委員会と、こういうふうに解釈すべきだと思いますが、端的なことばで言えば政府の能力を補充する機関、運輸大臣の能力補充機関というふうに解釈すればいいと思いますが、そのように解釈していいですか。
#162
○国務大臣(原田憲君) おっしゃるとおりであろうと思います。
#163
○中村正雄君 そうしますと、出されました意見書というものは相当膨大にのぼっておりますが、再建促進特別措置法にいたしましてもあるいは運賃法にいたしましても、すべて、提案理由の説明の中に国鉄財政再建推進会議の意見書によりということをすべて書かれております。したがって、この意見書の内容は今後国鉄を再建するための政府の方針と理解していいかどうか、この点を運輸大臣にお尋ねをいたします。
#164
○国務大臣(原田憲君) この意見書は、これから行なっていきます国鉄再建のための重要な指針の一つであろうと考えております。
#165
○中村正雄君 そうしますと、この意見書の内容以外にも具体的には再建の方法も今後生まれる場合がある、あるいはまた意見書に盛られている点であっても政府が採用しない部分もある、こういうふうに理解していいですか。
#166
○国務大臣(原田憲君) 今日御提案を申し上げております点におきましては、あとで中村さんからまた御質問があろうと思いますけれども、この推進会議が提案をしておりますことを法律案の中に書きまして、たとえば六条、七条というように、これは法律できめた財政助成策というものもとっておることは御存じのとおりであります。それ以外にやらないかと言われますと、これは私はたびたび答弁をいたしておりますが、できることがあればこれは取り入れていくべきであるという考え方を持っておりますけれども、現在はまずこの法律案を御審議をいただいて、御了解をいただいて、まずこれを、まあ何といいますか、国鉄再建のための出発点にするという覚悟で今日臨んでおると、こういうことでございます。
#167
○中村正雄君 私が特にお尋ねしたいと思いますのは、この意見書の内容以外のことを――これも時勢の変化によってはたくさんあると思います。それを特に私が聞いているわけじゃなくして、この意見書は全体として一つの再建方式になっていると思うんです。このいい部分だけはやり、また都合の悪い部分はやらないというのであれば、再建の全体としての構想がくずれると思うわけなんです。
 それからもう一つ、この意見書の内容を検討してみますると、法律的な措置を必要とするものもいま出ておりますようにありますけれども、法律的な措置を必要としない、国鉄の運営自体、政府の運営のものが非常に多いわけなんです。したがって、これは国会審議の対象にはなりません。そういう意味で私は、もちろんこの意見書と一分一厘違わないようにこれを全部やるとはこれは考えられません。しかし、全体としてはこの意見書の再建方式というものが政府の考える国鉄の再建方式として考えてよいかどうかという、基本の問題をお尋ねしているわけです。
#168
○国務大臣(原田憲君) さように考えていただいてけっこうだと思います。
#169
○中村正雄君 そうしますと、この日本国有鉄道財政再建促進特別措置法案、これの二条によりますと、財政再建の目標を昭和五十三年度に置いております。十年後に国鉄の財政が償却後黒字になるということを目標にしております。いろいろな法律措置はありますけれども、このようにはっきりと具体的に目標を示した法律は数少ないと思います。したがって私がお尋ねしたいのは、この十年後に国鉄財政を再建の最終めどにするというこの法律の規定でありますが、これをするかしないかという責任者、たとえばこの二条の責任者は政府であるのか国鉄であるのか、この点お尋ねしたいと思います。
#170
○国務大臣(原田憲君) これは政府であると考えます。
#171
○中村正雄君 そうしますと、この法律が成立しますると、これは法律は一本立ちするわけでありますが、そうしますと再建の五十三年度に目安を置いて、この時に国鉄財政を黒字にする責任は政府にあると、こういうふうに考えて今後の措置を考えたらいいわけですね。念のために確認しておきたいと思います。
#172
○国務大臣(原田憲君) 政府が基本方針を示していくのでありますから、政府に責任があると思いますが、もちろんこの実態は国鉄が行なっていくのでありますから、国鉄がこの再建策に対して実際的には仕事をしていくと、こういうまあ一体的なものであろうかと、こういうふうに考えます。
#173
○中村正雄君 そうしますと、この特別措置法によりまして、これはまあ財政の面だけ拾い上げてみますると、政府がやりまするものは、いわゆるここに書いておりまする第六条と第七条、この二つが政府がやりまする財政的措置になっております。したがって、それ以外は、国鉄の企業努力とそれから利用者の負担ということに今後なると思います。したがって、政府の責任だとおっしゃいますけれども、それは私は三位一体の比率をとかく言うものではありませんけれども、政府のやるのはたったと言っては失礼かもしれませんが、これだけであって、それ以外はすべてほとんどが国鉄の企業努力によってやれと、こういうことになるわけなんです。そうして一応、今後十カ年間の経過を見なければだれも断言はできないと思いますけれども、ただ試算表等を拝見してみますると、十年先はおろか五年先の経済情勢もだれもはっきり見通す者はございません。したがって、私は具体的な金額の内容、あるいは財政措置の内容を議論しようとは思いませんが、一応十年間には絶対に黒字にするというのが政府の責任だということでありますならば、私はこの特別措置法に載っておりますたった二カ条だけの問題よりも、今後の国鉄の企業努力というところに重点を置かなければならない。これは監督官庁としてけつをたたくだけでは私はできないと思いますので、ほんとうに政府が責任を持って、第二条の責任を負うというのであれば、やっぱり今後の問題について相当いままでと違った考え方で処していかなければ私はならないと思うのです。そういう立場から五条について事務的にお尋ねしたいと思うのです。
 第五条によります債務の総額、約六千三百億余りだと思いますが、これを実際上たな上げする措置が五条によってとられております。しかし、これも再建期間が過ぎますと、この債務は復活するわけであります。また、その間の利子相当額の再建債ですか、これは約二千五百億近いものを発行するわけです。これも結局再建期間が過ぎれば生きてくるわけなんです。したがって、私は五十三年度にいまの試算表によって黒字になる、この数字のとおりにいくとしましても、五十三年になりますると少なくともこの六千三百億と二千五百億、これだけの債務は生きてくるわけですね。これをその後償還していかなければならぬわけです。であれば、これは私は意見になるかもわかりませんけれども、ここまで措置をとられるのであれば、なぜ、政府関係の融資でありますので六千三百億をここで切り捨てできなかったかという考えが私は浮かぶわけです。法律的に私はできないわけないと思うのですが、この点、運輸大臣が無理であれば大蔵省関係でけっこうですが、御答弁願いたい。
#174
○国務大臣(原田憲君) この第二条は、国鉄再建の目標をきめておるわけですね。だから私は責任ということを言われるならば、この目標を立てた政府が責任をとるべきであるという立場をとらなければうそであると、こういう考えを持っておるわけであります。私は法律の専門家ではありませんが、そういう考えを持っているわけであります。したがって、いま仰せになっております点は、そこまで責任を持ったのなら思い切ったこういう措置がとれるではないかと、こういう御意見であろうと思いますが、国鉄の財政の再建が成功したときの形を申し上げますと、借金をしたものを返していって企業というものが黒字に運営されていくと、こういう形になるということが前提になっておるわけであります。この企業の経営というもので運賃がまず収入の一番柱でございます。しかし、大きな仕事をするのでありますからこれは借りていくと、この借りてきた金を投資をして、運賃をもってまかなっていくと、それが健全に経営ができたらこの企業というものは健全経営だと、こういうことになるのでありますから、それがいま危機に瀕しているのでありますから、十年間後のうまくいった場合の形というものは、やはり借りた金でありますから返していくということがたてまえになる。しかも十年据え置き、二十年返還ということでございますから、まあこの都合のいいほうから言ったら、ただもらったような金と、こういうことになるのでありまして、相当思い切った措置がされておる、こういうふうに考えられるのではないか、このように考えておりますが、なお不十分でございましたら政府委員から答弁をさせます。
#175
○中村正雄君 じゃ念のためにもう一カ所お尋ねしておきますが、十年後に黒字にすると試算表にも一応出ておりますが、十一年目の試算表は出ておりません。したがって、十年目の試算表を見れば黒字はわずかです。したがって、十年過ぎるとまた債務復活、それから今度は十一年目から利息も払わなきゃなりませんし、したがって、十一年目の試算表はどうなるか、これはまだ未知数でありますが、私はそういうこまかい数字を問題にしようとは思いませんが、ただ、今回の場合はこの措置法によりますと、二カ条だけが政府が援助することになっておりますが、今後十カ年後に黒字にするためには、これで足らなければまた新たな法的措置を講じて政府もやっぱり別に考えなくちゃいかぬ、そういう事態が生じてくると思うんです。十年後に黒字にするのが政府の責任であるというのであれば、現在はこの二つの措置しかありませんけれども、これ以外の措置も経済情勢の変遷、時勢の推移によって、また国鉄運営のいかんによっては、あるいはこの二カ条の措置もまた十年待たずして解消することもあるでしょう。あるいはまたこれに追加することもあるでしょう。そういう弾力的なものだと、こういうふうに当面は考えていいかどうか、運輸大臣のお考えを聞きたいと思います。
#176
○国務大臣(原田憲君) 私は先ほど政府であると言ったことと関連して今後の、この六条、七条ですか、これ以外のものはどうだと。こういう、いま四十四年度予算を中心とした国鉄の財政再建策というものを審議している国会で、私からまたこれ以外にもまだあるんだと――私は先般から何度も申し上げておりますように、この四十四年度予算案を作成する際に運輸大臣として財政当局と交渉をし、その中には残念ながら実現でき得ない点もあったわけであります、正直に言いまして。これらは今後必ずここへ入れていかなければならない問題だろうと考えております。しかしながら政府としてこれはどうだと、こう言われると、私は運輸大臣といたしまして今後これ以外にも、たとえばいま六分五厘までで利子補給の形で出しております財政補助というものを、これはもうけさほどからも議論になっておりますが、いままではよろしゅうございますが、これからの大都市近郊における投資というものは非常な金がかかってくる、これで圧迫をされてくることはもう言を待たないのでありますから、これらに対しましてはより国鉄側に有利な補助体制というものをつくっていかなければならないんじゃないかと、このように私は考えております。
#177
○中村正雄君 第二条の責任者が政府だということで了解いたします。
 で、次の質問に移りたいと思いますが、実は私この推進会議の意見書を一読いたしまして非常によくできておると思います。少なくとも国鉄の再建についての総合的な意見書としては、私読みまして非常によくできておると感心したわけであります。しかし、二回、三回と私これ読んでいきますと、何か一つ足りないものがあると、こう感じたわけであります。意見書を要約しますると、国鉄の努力と利用者の負担と国の援助、たびたび運輸大臣が言われておりまする三つの柱を提案いたしておりまして、そのうち国鉄の努力の内容は、「国鉄経営の近代化、合理化を考究することによって、経営改善をはかる」と、こう四十三ページに述べられておりますが、具体的には結局、経費の節減と収入の増加と、この一語に尽きると思うわけでありますけれども、ただ私は経費の節約、あるいは収入の増加によって具体的にあらゆる方策を提案されておりますけれども、これらの施策を実行するについて、またこれが実現された後においても、いまの管理機構、管理体制といいますか、特に私は管理者の心がまえを指さしておるわけでありますが、それで国鉄が再建できるかどうか、一つの私は危惧を抱いております。何か一つ私は再建の柱に欠けているものがあるんじゃないか、というのは、少なくとも管理機構の問題、管理者の心がまえの問題、これはこの推進会議の意見書は述べておりません。私はこれが欠けておると思うんですが、総裁の御意見があればお伺いしたいと思います。
#178
○説明員(石田禮助君) あなたの御意見は私はごもっともだと思います。要するにこの案は運輸大臣は政府の案だということをおっしゃったのですが、政府の案というよりはやっぱり国鉄の案じゃないかと、それに対して政府というものは援助する。いままでのようないたずらに荷物をひっかぶらせるようなことばかりしないで、もう少し国鉄を愛する愛の手を下すということはこれは政府のコミットした約束であります。それによって初めて国鉄はうまくいくと。今後の問題については、十年の間にどういうことが起こるか、これ、わかりゃしませんよ。そうしますと、大体いまの情勢ではこうやればうまくいくだろう。情勢が変化すればまたそのときの情勢に従って適応策を講ずる。いずれにしましても私は根本問題からいえば、いままでは議会というものが物価の問題から、したがって運賃というものを安く押え過ぎて国鉄の自己資金というものの流入を狭めてきた。さらにそこへ持ってきて政府というものが国鉄に大きな荷物をしょわしておった。いわゆる公共負担。こういうものはひとつこの際払拭いたしまして、議会も国鉄をかわいがってくれる。そうして政府というものも国鉄をかわいがってくれる。と同時に国鉄というものも一生懸命でひとつ努力する。こういう要するに三つの柱の力によって国鉄を再建していく、こういうことだと思います。この案というものはそのときの情勢によって変わることはありまするが、しかし、その底を流れる精神については私はここに書いてあるとおりじゃないかと思います。
#179
○中村正雄君 ちょっと私の質問と総裁の御答弁違っておりますが、けっこうです。
 私は国鉄側に、これから国鉄を再建するについて何といってもその中心になるものは管理部門の方たちだと思います。したがって国鉄の管理体制、職場規律、こういうものについて石田さんでもけっこうですし、磯崎さんでもけっこうですから、質問いたしますので、お答え願いたいと思います。
 その第一は、これは当然なことでありますが、国鉄の職員及び労働組合はいわゆる一切の争議行為が公労法によって禁止されております。したがって争議行為が行なわれた場合、公労法によって解雇された場合が過去何回かございます。その場合に付随的に、停職以下戒告まで過去何千人か何万人かが日鉄法によって懲戒処分に付されておることは御承知のとおりであります。この場合、職員の行動が労働組合運動でない、労働組合運動としては認められない、職場規律違反として私は懲戒処分になっておると思うのです。この点はおそらく間違いないと思いますが、そこで私はこの処分の是非を問題にしようとは全然考えておりませんが、私いままで非常にふしぎに思った点が一つあるわけです。その点についてお尋ねしたいわけでありますが、それは職員によって国鉄の正常な運営が阻害されたとき、管理者でありまする局長以下、現場長が何ら懲戒処分の対象にいままでなっておらないという点でございます。私は管理者はそれが現場長であろうと、局長でありましょうと、自己の管理する国鉄の分野において業務を正常に運行する職務を負っていると思います。その自分の管理する業務が自分の管理下にありまする職員の行動によって阻害され、国鉄に損害を与えている場合であります。しかもそれは事前に予知される行動でございます。管理者が知らないうちに突然起こる行動でなくして、一週間も十日も前から予知されているにもかかわりませず、これが防止のために何らの行動もしておらないということであります。職員がかってに行動するんだから、あるいは労働組合の指令によってやるんだからしかたがないということで、形式的な処置はとっておるかもわかりませんけれども、管理者としての努力を私は尽くしておるとは思いません。しかもこれは長年にわたる国鉄の悪弊でございます。このような管理者の職務懈怠の行為、業務を阻害する行為は、個々の職員の行動よりも私はもっと悪質だと考えます。しかも一回だけじゃなく、同じ職場で何回も何十回も同じ行為が長年にわたって繰り返されているわけであります。それを防止する努力は何らされておりません。現在ではこれがあたりまえの行動になっております。中にはそのような職員に迎合して自分の職務を遂行しておる幹部さえ私はおると思います。なぜそのような管理者が懲戒処分の対象にならないのか、いままでふしぎに思っておるのです。石田総裁、あるいは磯崎さん詳しいと思いますので御答弁願いたい。
#180
○説明員(石田禮助君) 私は総裁になりましてから最も不愉快なことは労使の関係です。実にこれは問題にならぬです。それで、つまり国鉄の職員というものが、国鉄の職員だか総評の職員だかわけのわからぬような行動をするというようなことは実に私は不愉快千万。それを監督するのは、つまり現場の監督者というものがありまするが、これは私が説明するまでもなく、責任はあるけれども実際にそれをやるだけの力はない。またこれを彼らに力を求めるというのは無理だと思うのです。あえてそういうことで管理者の責任を問うなら、私は国鉄の総裁にその責任を負わす。だからして、国鉄総裁としてはどういうことをするかといえば、その労働組合に対して、とにかくストライキというものはこれは禁止されているのだからして違法行為なんだ、違法行為というものはやってくれるな、いわんや違法行為によって大ぜいの国民が迷惑をこうむっている、その大ぜいの人の犠牲において自分の目的を遂行するようなそういうさもしい行為はやめてくれというようなことを再三再四、何べんも言うのですが、私の不徳のいたすところ何ら効果なしということで、いまのところこの問題を追及されるとお手あげです。何ら私には力はない。ただもう組合員及び職員の各自の自省を望む以外に道なしと、こういうことであります。
#181
○説明員(磯崎叡君) ただいま総裁のおっしゃったことを若干事務的に補足いたします。
 まず、意見書の中に、いま先生のおっしゃったいわゆる管理体制の問題、管理者のかまえの問題が出ていないという御指摘であります。これは実は昨年のいまごろから始まりましたが、ほとんどずっと委員会のつどそういう話は実は出ております。この意見書の字にあらわれない、底流として、いままでのままではだめだということを、実は私、再三再四委員の各位から直接間接に言われております。したがって、委員各位が書かれたこの意見書の中には、ずっとムードとして、あれほど言っているのだからというような意味であえてお書きにならなかったのじゃないかというふうに私は察しておるわけでございます。したがいまして、字にあらわれてないから一そう私どもとしては責任を感じなければならないというふうに思っております。
 ただいま総裁から具体的に申し上げましたが、まあ私どもといたしましても、今後の問題はともかくとして、いままでのいろいろな労働争議、あるいは業務妨害という問題につきましては、総裁以下全力をあげてやってまいりましたが、確かに不徳のいたすところで、いまや現場の最前線の管理者が、先生の御指摘のごとく、ある程度勇気を失ってきておるということを率直に私は認めざるを得ないと思いますし、また正しい勇気、ほんとうに筋を通す勇気というものを、われわれが元気づけてやれなかったという今日までの、われわれ自身の最高幹部の管理体制にも私は非常に問題があったというふうに思って、率直にこの点が直らない限りは、先ほど大臣が自分の責任だとおっしゃいましたけれども、国鉄の再建は私は非常にむずかしい。単に物理的な、あるいは金銭的な問題だけでは私は再建は非常に困難だということを私自身感じておる次第でございます。以下御質問によってお答えいたします。
#182
○中村正雄君 あなたが、磯崎さんが決意をお示しになっておりますので、これ以上追及しようとは思いませんが、ただ現場におきまする管理体制なり職場規律が紊乱している例は枚挙にいとまがないほどあります。私が具体的に例をあげるまでもなく、総裁、副総裁も十分御承知だと思いますが、しかしこれは先ほど総裁、副総裁おっしゃいましたように、第一線の現場長の責任のみではございません。むしろ私は本社、支社、管理局等の最高責任者の長年にわたります、やはり親方日の丸式の考え方、一年か二年自分が在職中だけ安穏に日を送ったらいいという考え方、その日暮らしの保身主義というものが私はその根本だと思います。たとえば副総裁の通達が一部の不心得の職員の妨害によって伝達できないような職場もあります。職場の周囲に張りめぐらされた不当なポスターが一枚も撤去できないような管理体制でどうして国鉄の再建ができるか、非常に私は心配です。したがって、いま副総裁からお話がありましたように決意を持って進んでもらわなければ、どのようなきれいな意見書が出ても、この意見書によります物的の面の再建方式はできましても、これを運用する管理体制が強化されなければできないと思います。国鉄の再建のために利用者には運賃の負担をかける。また国鉄には何ら縁もゆかりもない人の納めている税金から政府の補助を受けるわけでございます。政府の援助を受けるわけでございます。そうすると、やはり私は、当事者であります国鉄の役員の方がいままでの考え方を変えて、私は奮起一番しなければ、国鉄の再建はむずかしいという意見だけ申し述べてこの問題の質問を打ち切りたいと思います。
 次に、運賃の問題について運輸大臣にお尋ねをしたい。
 提案理由の説明によりますと、国鉄財政の再建をはかるために必要最小限度の云々と書かれて、運賃値上げが提案されております。言いかえれば、これは危機に瀕した国鉄の財政を再建するために利用者にその費用の一部を分担願う、国鉄の再建の経費の一部を分担願う、こういうわけで、端的に言いますと、国鉄を利用する人に税金をかける、運賃という考え方から利用税というような考え方に国鉄の運賃がだんだん変わってきているのじゃないかと思いますが、これに対して運輸大臣、どうお考えになりますか。
#183
○政府委員(町田直君) この意見書でも申しておりますように、要するに国鉄の再建をするためには三つの方法を総合的にやりなさい、こう言っておるわけであります。その三つの方法の一つは、もちろん現在の状態並びに今後さらにこのままで続けていくと破局的な状態になる、それを解消するということは、そのとおりでございますけれども、ただそれはそういうように何といいますか、いまの赤字をなくし、再建していく手段であると同時に、それは当然運賃という国鉄の一つの収入源というものを適正なものにしていくという、こういう考え方は含まれている、そういう考え方が運賃については考えられている、こういうように御理解いただけばけっこうだと思います。したがいまして、それは利用税ということではございませんで、やはり現時点における国鉄の適正運賃というものを考える、それを一つの再建の手段にしよう、こういうようにお考え願いたいと思います。
#184
○中村正雄君 もちろん運賃であることは間違いありませんが、運賃の性格がだんだん変わってきて、国鉄の設備を利用する利用税のような性質が多分に取り上げられてきているんじゃないか、こういう意味の質問をしたわけです。もしこれが物価としての運賃であれば、国鉄、私鉄の区別をする理由はなくなる。国鉄の運賃は上げるけれども、私鉄の運賃は押えるという理由にはならないと思います。私はそういう意味で、国鉄の運賃というものが従来の物価としての運賃の性格から、だんだん国鉄の設備を利用する利用税というようなものに変わってきているんじゃないかという疑念があるのでお尋ねしたわけでございます。その答弁はけっこうでございます。で、現在まで他の委員の御質問によって運輸大臣なり、あるいは経済企画庁長官が御答弁になりましたのを総合的に判断しますと、国鉄の運賃の改定は行なう、しかし他の交通機関の値上げは認めない、こういう方針だと思います。その理由としていろいろ述べられておりますけれども、その大きな理由は、国鉄財政の再建のためにはその一部を利用者に負担願うんだということにあると思います。他の交通機関の運賃改正を認めない、大きな旗じるしとしては物価安定ということを理由にされまして、やはり国鉄の便乗値上げをやると物価に響くから、政府の最高方針である物価安定の面から私鉄の運賃値上げは認めない、大体両大臣の答弁を総合しますると、こういうふうに判断するわけでありますが、ただ私が考えるのに、国鉄の運賃値上げは国鉄の赤字財政あるいは国鉄財政の破綻――しかしこれは政府、国鉄の努力不足、その責任でこういう状態になってきたわけなんですから、そのため物価安定という政府の基本政策のたった一つの例外として国鉄の運賃値上げだけは認める、しかし私鉄の場合は経営者及び従業員の努力によって現在は黒字だから運賃値上げは認めない、こういう説明でありますが、はたしてこういう説明で世間が納得できるでしょうか。私鉄はみなが努力して黒字にしているんだから、この際物価安定のためには運賃値上げは認めない、国鉄は赤字で困っているんだから、これは運賃値上げしなくちゃいけない、こういう言い方を国会では大臣はおっしゃっていますけれども、世間一般にこれ通用する道理でしょうか。私はひとつふしぎに思っているのです。日常の不断の努力の結果、現時点においては私鉄会社の経営は黒字になっております、しかしあすのことはだれも保証できません、企業努力だけを柱にして経営しなさいと、こういうことですか。国鉄は国鉄経営者の努力不足や政府の怠慢から現在赤字になっておる、したがって、運賃値上げをしなければならない、こういう考え方がいまの社会に通用する考え方かどうか、私は運輸大臣にお尋ねしたい。
#185
○国務大臣(原田憲君) 国鉄と私鉄との経営について大きく違う点は、佐藤総理が出席をされたときに――小林一三さんに吉田総理から国鉄経営について相談をしてこいと言われて行った。ところが、あの人は引き受けなかった。というのは、私鉄というものはもうかるところをやっておる。北海道なんかを独立さしてやったらどうだということになってくると、それはなかなかうまくいかぬという話の事例を引かれて、同じ輸送業であるけれども、国鉄としてその経営の違う点を一つ指摘されておると思うのであります。国鉄というものが政府と職員あるいは国鉄全部の職員の怠慢から今日を来たしていると言われますが、私はそれだけだとは思っておりません。やはりこれは広い意味で政府が国の政治の責任をとっておるんだから、そういう広い意味で、何でも悪かったら政府の責任だと言われるけれども、これはやむを得ないということを何べんも申し上げておりますが、やはり今日の非常な技術革新といいますか、非常な社会の情勢の変化というものに対応するものが十分でない。そのために国鉄という広い全国的な経営というものをもとにしておる運輸事業というものが非常な困難な点に立っておるということと、ある一定の限度、よっぽど広いものでも一地方で運営をしているものと、その間に同じ運輸事業でも差異はあると思います。したがって、今日の大きな変革ということに対して、運輸事業としていままでかつてやらないようなことをやっておる、今度国鉄に対してとっておる措置はこれであります。また、私鉄でも中小の私鉄の過疎地帯におけるところの事業の悪化に対して助成策をとる。こういうことを考えてきておるということも、額は少なくても一つの政策というものが組まれてきておる実際の姿であろうと考えます。したがって、御指摘をされておるところ私は十分わかることはよくわかりますが、その問題について昨年国鉄は定期運賃の値上げをいたしております。改正をいたしております。当然そのことで行なわなければならぬということになれば私鉄の運賃の改正もしなければならなかったはずでありますが、これは一年据え置くということで大臣がかわられましたけれども、一年たつがどうだという質問は私が就任した当時から盛んに受けた一つでございまして、しかし現実には私鉄の定期運賃というものは値上げをせずにやってきたわけであります。ただ、運賃の問題だけを取り上げてみますとこれは不合理でありますけれども、乗客の中で運賃が違うがために非常な損を受けるということになれば、具体的問題として相当な乗客変動というものが当然あらわれてしかるべきであろうと思います。ところがそういう事態がたいしてあらわれなかったということは、この定期運賃の改正というものがそこでは不合理であるけれども、別な手段によって補われるところがあるということも考慮しなければならないのではなかろうか、こういうことが考えられるわけであります。したがって、今度また国鉄の運賃を値上げすると、指摘されているように半額になり、今度はきっとこういうことが起こるというようなことを言われておるわけでありますが、そこらの点まで私は十分考えながら極力抑制したいということを申し上げておるのは、いま中村さんは、運賃が税に変わってきたんではなかろうかと、こういうお話でありますが、税なら税でやっぱり応能応益の原則によって払うべきものは払ってもらわなければならぬからあるいは高く取ったほうがいいのじゃないかという議論が出てくるかもわかりません。私は税という問題よりも、やはり運賃というものの中で、一物一価――同じところを走っておるものが、違うじゃないか。これは確かにおかしい。おかしいがこの点についてできるだけしんぼうをしてもらいたいということを申し上げても、それがもう一つ大きな経済的な安定というところから許されるのではないかということを考えながら、極力抑制をしていくということをお答えいたしておるのであります。
#186
○中村正雄君 私の言っておりますのは、国鉄がこのようになったのは、政府も国鉄も努力をしなかったからだと言っているわけではありません。努力が不足しておると、こう申しておるわけなのであります。
 それからもう一つは、私は私鉄の運賃を値上げしなさい、こう言っているわけじゃございません。ただ、いまの政府が、片方は黒字だからおまえの運賃値上げは認めない、片方は国営企業で赤字になっているから上げるんだということは、政治として私は常識にはずれた理由だ、少なくともここでは通るかもしれませんけれども、世間一般にはこの理屈は通らないということを私は言っているわけなんです。したがってこの問題は今後に残されるわけでありまして、それは運輸行政を見守ってまいりたいと思うわけであります。
 もう一つは、国鉄が今日までの財政の危機を招きました原因の一つは公共負担、特に定期券の割引き率というのが多く言われております。しかしこれは、確かに国鉄としてはもちろん法律違反の割引きをやっているわけではありませんので、何も私は現在の割引き率が違法だと言っているわけじゃないんです。三カ月まで五割引きはよろしい。こういうわけで五割以上割引きしてもかまわないわけですから、実際法律で明示している五割以上の割引きをやっている。これが公共負担として意見書にも六百億近い公共負担に本年度なり、累積しますと相当な金になるわけでありますが、ただこの点だけで国鉄が非常に財政が困難になってきているとも考えられないと思います点の一つに、やはり国鉄と並行して走っておりまする私鉄もやはり定期券の割引きはやっていると思うのです。これは監督局長にお尋ねしたいと思うのですが、私鉄の定期の割引き率というのは、現在どのようになっておりますか。
#187
○政府委員(町田直君) お答えいたします。大手十四私鉄で申し上げますと、平均いたしまして通勤で六九・八%、それから通学で八五・六%ということでございます。
#188
○中村正雄君 いま監督局長の御答弁のように、私鉄におきましても国鉄と同じ推論でいけば公共負担をそれぞれの会社が相当やっているわけですね。したがって、この定期券の割引きによります公共負担は国鉄独特のものでなくして、これは公共事業という公共的な企業が当然負わなければならない私は公共負担だと思うんです。したがって私は国鉄の赤字の原因、財政が困難になっている原因を公共負担のゆえだということでもって言いのがれすることはできないと思う。それ以外の理由はたくさんあると思いますけれども、同じように私鉄も、国鉄と率は違うかもしれませんけれども、五割以上のやっぱり公共負担を負っているわけで、もしこの公共負担を国の税金において補償するとすれば、私鉄に対しても同じように補償しなければ、これは筋が通らないわけなんです。この点はいままであまりにも公共負担のみを表に出して、これが国鉄財政の破綻の原因だと強調されている政府その他の答弁というものはちょっと筋違いだと感じるので、実は割引き率をお尋ねいたしたわけであります。
 それから最後に、いまこの問題についてお尋ねしたいのは、大臣もちょっと言われましたけれども、一応国鉄の運賃が値上げになると、やっぱり並行の私鉄その他の運賃との格差ができる。これは、去年四月の定期の是正以来格差ができておりますが、現在の定期運賃の負担者というものは利用者じゃなくして、その利用者を使用いたしております企業が負担しているというのが多いわけです。したがって個人個人の負担にはならないから従前どおり便利な駅、便利な交通機関を使うということで、去年の四月の定期券の是正以後も国鉄から私鉄に乗りかえる人はあまり多くないということは数字の上からも出てきます。しかし、これは会社負担じゃない個人負担の通勤者等につきまして、やはり徐々ではありますけれども、これはやっぱり移動いたしていると思います。したがって今度の運賃是正によってこの額が非常に大きくなります。したがって、これは経済企画庁の関係にもなるかもわかりませんが、一応交通関係の責任者として、運輸大臣として今度の国鉄の運賃の是正によって他の交通機関との格差が非常に大きくなるけれども、旅客の移動というものは行なわれないという見通しを持っておられるか、あるいは行なわれるかもわからないという見通しを持っておられるか、運輸省なり運輸大臣の見通しを聞きたいと思います。
#189
○国務大臣(原田憲君) 先ほども答えましたが、この問題につきましては、昨年の定期運賃の改正をいたしました際に予期をされた問題だろうと思うんです。それが、私が聞いておりますにはたいした変動はなかったと、こういうふうに聞いておりますので、今後もそういう問題で大きな変動が起きないんではないかということを期待はいたしておりますが、いまお話しのように今度は相当な幅でございますから、これは断言をいたすことはできないが、起こるかもわからぬ、こういうことを感ずるわけでございます。
#190
○中村正雄君 私の懸念いたしておりますのは、私の知っております会社の経営者、二、三の人が、いまの定期運賃であればまあまあがまんできるけれども、今度運賃が是正になるとうちの社員の通勤についても、これは国鉄では困る、私鉄にくらがえしなくちゃいけないということを二、三の私は会社の経営者に聞いたわけなんです。やっぱり一般の民間会社も企業の経営にはきびしくなっております。したがって運賃が私鉄より三割も五割も高い、あるいは倍近くなってまいりますと、いままでのような会社の負担のみではいかなくなると思います。それともう一つは、やはり従業員にいたしましても、いまの国鉄、あれは便利がいい、しかし五十歩百歩のところであれば、会社が定期券を負担するんだから、こっちにかわってもらいたいといえば、おそらくかわるだろうということで、私は今度の運賃の改定によって利用者の移動というものが起こる可能性が非常に強いという危惧を持っているわけです。それが起きてから措置したのでは私は困る。混乱すると思います。やはりこれだけのことをやるんであれば、企画庁も運輸省も、それぞれの資料を基礎にして、見通しを立ててこれを未然に防ぐ措置が交通対策としては必要じゃないか。これは運賃の問題だけじゃありません、車両の問題、運行の問題あるいは電車の密度の問題、輸送力の問題、私鉄の輸送力の問題でございます。特に都市におきまするこういう問題について何らの考えも対策も持っておらない、おそらく移動してもらわないことを祈るというような気持ちだけの対策では運輸省なり企画庁としては私は困ると思うんですが、運輸大臣どうお考えになりますか。
#191
○国務大臣(原田憲君) 私鉄につきましては、国鉄がいま公共負担の問題の中で少し中村さん触れられておりますが、公共負担を利用者が負担するのがいいのか、あるいはその他のもの、いわゆる国だとか地方団体とか公共が負担するのがいいのか、こういういろんな問題があるわけであります。これをこのたび財政再建措置法の中では国がいままでよりも思い切った措置をとろうということを、たとえば昨年やりました四十七年度までを五十年度まで延ばして六分五厘にすると、こういうことを考えておるわけであります。私は私鉄につきましても、当然大都市近郊の大量輸送というものを受け持っておる私鉄の立場を考えますときに、これは私鉄であるから、あるいはもうかっておるからという問題よりも、そういう面からのいわゆる施策というものが必要になってきておるということは、現に大阪におきまして泉団地という中村さんよく御存じの泉州に大きな団地をこしらえた。十四社の中の南海電車にこの経営を頼んだところが、とてもじゃないけれども私のところはできませんと、こういうことで断わられて、そこで大阪府並びに経済団体でこしらえておりますターミナル・センターの会社が定款を変更してこの運輸事業もやる、電車もつくる、電車を経営すると、こういうことで、それなら七分の開銀の金も借りられる、こういうことになって、それでようやく事業をやるという状態になっておる。この現状を見ますときに、私はそういう意味の施策というものが必要である、やらなければならぬ、このように考えておりまして、何もなしで、同じところを走っておるのを、一方は倍で一方は半分だと、これでは御指摘のようなことは通らないんだと言われることが、何にもしないでおいたらこれは当然のことだろうと思います。何らかの措置をしていかなければならない。これはまあ運賃問題を離れても、今日の住みよい社会というものをつくるためにどうするかという問題の中で一番力を入れなければならぬ問題だと思っておりますので、これらの点につきましては、私鉄に対しても現在七分の金を貸すようになっております。しかしこれだって資金量はまだ足りないだろうと思いますし、七分を六分にすることも必要なことではなかろうか。また運輸省といたしましても、地下鉄なんかの投資というものはこれは金を食っていくのでありますから、これらに対しましても狭いからの中でおらずに、自治省が考えるなら自治省と一緒になってもけっこうであります、考えて対処していくということも考えながら私は対処をしていく考えでございます。
#192
○中村正雄君 最後に、四十四年度の予算の問題について一点だけ副総裁にお尋ねしたいと思います。四十四年度の国鉄の予算はいわゆる運賃法が四月一日に実施されるものとして収入が組まれておると思います。これは相当ずれてきている。おそらく百億近い減収になると思うのです。また、まだきまっちゃおりませんけれども、おそらく四十四年度に組んでおりまする人件費というものは、今度やはり仲裁裁定になると思いますが、これは相当上回ると思うわけです。収入の面も支出の面も、四十四年度の予算の面からいまの二つの事項だけ取り上げても相当変わってくると思うのです。これが再建計画の初年度なんです。初年度において出ております予算を相当修正しなければできないということになるわけですが、これに対しまして何らかの善後措置を講じなければいけないと思うのですが、その対抗策がもしおありになればお聞かせ願いたい。
#193
○説明員(磯崎叡君) ただいまの御質問の四十四年度の過般成立いたしました国鉄の予算でございますが、収入の面におきましても御指摘のように運賃法の施行が四月一日ということで組んでおりますので、百億以上のものがすでにこれは取り返しのつかない減収になって消えてしまった。それから支出増加のほうは、御承知のとおり、過般五月一日の晩に調停委員会から仲裁委員会に移行いたしまして、目下仲裁委員会でいろいろお取り扱い中でございます。はたしてどういう仲裁が出るか、いつ出るか、私どもまだわからない事態でございますが、過般の調停委員長私案の数字などが出ております。新聞などに出ておりますが、もしこれらが実際の数字になって仲裁段階であらわれますと、その時点においては予算執行上非常に苦慮しなければならないのではないかというふうに考えております。まだ現時点では仲裁の最中でございますので、それを推定するのはたいへん仲裁委員会に失礼だと思いますので、数字は申し上げませんが、仲裁がもし出ますれば、予算執行上非常に困難な事態に逢着するであろう、こういうことはもちろん御承知のとおり、四十四年度支出の中には仲裁を含んでおりませんので、当然そういう非常に苦しい事態に立ち至るだろうということがきびしく推定されます。
#194
○説明員(石田禮助君) ちょっと私からも……。私が中村さんに申し上げたいことは、中村さんは国鉄というものと私鉄というものとを何かミックスしているように思いますので、私から申しますれば私鉄のほうは鉄道会社じゃないのです。四十三年度下半期の決算報告を見ましても、十四大私鉄会社の鉄道の利益というものは百三十何ぼ。ところが不動産あるいはデパートあたりの利益は百億以上なんです。全く不動産をやり、デパートをやらんがための鉄道なんです。その点は国鉄というものとミックスしないようにしていただきたい。特に中村さんに申し上げたいことは、国鉄の今日の負担において一番大きなものは赤字線であります。たとえば四十一年度における赤字線の損金は千三百億円ですよ。四十三年になると、千七、八百億になる。年々非常な勢いでふえていく。こういうことで赤字線というものは一番大きな国鉄の負担である。それでさらに、この私鉄というものはいまのところまだいままでの在来の積み立て等をやっているからいいのですが、国鉄が今日非常な苦しみの穴に入ったゆえんのものは、通勤輸送に対する膨大な投資だ。これはすでに四十年、四十一年、四十二年、四十三年の四カ年間に二千七、八百億円に近い。さらに今後十年間の間に五千億円、合わせると約八千億円近くなる。これなんかは非常に大きな損ですよ。たとえば東急など見てごらんなさい。鉄道の会社の株というのは七、八十円、不動産会社の株は三百何ぼだ、いずれが主でいずれが従だかわかりゃしない。こういうことで私鉄と区別してもらわなければならぬ。ことに現在の施設だけで私鉄がやっていくならまだいいんですよ。これが国鉄がやっているように通勤輸送力をふやさなければならぬ、こういうことをやった場合に、一体私鉄の財政はどうなるか。これは非常に大きな問題だ。その場に立って私鉄と国鉄というものを比べて御議論をいただけば私はけっこうだと思います。
 さらにもう一つ私が中村さんに申し上げたいことは、国鉄の今日の運賃値上げの原因は何かということになれば、第一はコストアップなるがゆえにプライスアップする。なぜそういうことになったかというと、これは最近における輸送構造の変化です。昔は国鉄というものは独占の上にあぐらをかいておったんだが、最近はどういたしまして、非常に大きな競争をやっておる。そのために四十三年度から四十四年度の予算を見ましても収入増は対前年比七%ですが、支出のほうは一二%、一三%とふえておる。収入と支出と合わぬ状態で、すでに二、三百億のマイナスが出てくる。そこへもってきて通勤輸送の問題で非常な大きな負担ですよ。最近における利息の負担が年に二百億も二百五十億もふえてくるゆえんのものは、あの通勤輸送の利子負担が一番大きなものです。そのほかに輸送安全装置、そういうほうへも投資をやる。そういうことでコストアップなるがゆえに運賃の値上げをせざるを得ない。不動産の利益というものも国鉄にはない。デパートメントストアの利益もない。それで国鉄の決算上のバランスをアップしようと思えば通勤輸送なんかやめたらいいと思う。たまたま国鉄というものは国鉄の使命にかんがみて、どんなにこれは犠牲でもやっぱりやらなければならない。こういうことでやっておるので、この点はひとつ中村さんとしても国鉄の総裁の身になってお考え願わなければならぬ。
 それから公共負担の問題ですが、私鉄は大きな通勤・通学の割引きをやっていますが、いかにも範囲が狭い。実際割引き外と割引しているもののあれを比べてみますと国鉄ほど大きくないですよ。国鉄では割引きによる収入というものと割引き外の収入を比べると割り引き一五、割引き外は八五です。そういうことで割引きというものによってどんなに国鉄は痛い目にあわされているか。最近における赤字線の大きな負担というものは、いなかの赤字線なんというものは、一番のお得意さんは通勤輸送だ、これの負担が実に大きい。こういうことを考えて、ひとつ国鉄の総裁の立場に立って御洞察願わなければならぬ。それでさっき言いましたように赤字線というものを特に中村さんには考えておいていただきたい。これは大きな問題ですよ。これから鉄道建設公団でもってできた赤字線なんというものを国鉄が引き受ける場合には、やはりどうしても政府でしりを埋めてもらわなければならぬ。それでなければやっていかれない。独立採算は維持できないというような状況にまでなっているんだから、もう少し赤字線の問題と通勤輸送の問題、そういう重要なことをお考えくだされば、公共負担というものに対して国鉄というものに対して国鉄がやかましく言うのはもっともだということにお考えくださるようになるだろうと思います。
#195
○中村正雄君 国鉄の経営について石田さんと私と違う点も幾ぶんありますけれども、しかし、国鉄と私鉄と同じように考えて言っておるわけじゃございません。ただ、私が特に言いたいのは、あまりにも国鉄が現状を考えて、いわゆる十分努力をすれば現状のようにはならなかったかもわからないという努力不足をたな上げして、原因の悪い面だけ取り上げて世間や政府に甘えているという考え方がいけないという私気持ちがあるから、特に国鉄を私鉄に比較して私は追及したわけなんで、決して石田さんのおっしゃったことは私全然知らないわけじゃありません。私も国鉄におりましたし、議会におりましても国鉄の仕事をほとんどやっておりますので、石田さんと同じように、こまかい点は知りませんけれども、国鉄の事情は承知しております。ただ国鉄の現状については石田さんとは私は違う点はあると思いますけれども、しかし公共負担の問題にしても、いま言った赤字線の問題にしてもごもっともでございますけれども、しかしこれは国鉄であるがゆえに負担をしなければならない問題もあるし、交通機関という公共的な企業として負担をしなければならない問題もある。したがって、公共機関としての交通事業として負担をしなければならない問題を国鉄の赤字の理由にあげられるのはあまりにも世間に甘えている、こういうことを私は言いたいから、特にいまの問題を摘出して申し上げたわけです。それはほかに比べれば、会社であれば、私鉄であれば株主に配当しなければなりません。国鉄は何兆という財産をただでもらって配当しなくてもいいわけです。それは国鉄が私鉄に比べていい面もたくさんあるわけです。いま総裁は悪い面ばかりあげられましたけれども、いい面もたくさんあるわけでありまして、そういうことを総合的に私も熟知しているつもりでありますが、特に私鉄と対比して申し上げました点は、いま言ったように世間に甘えてはいけない、もっとこれは経営者も従業員も努力をしなければいけない、こういうことを特に言いたいから誇張して申し上げたわけでありますので、御了承願いたいと思います。
 最後に、運輸大臣にこれはお願いをして私質問を打ち切りたいと思いますが、ただいま副総裁からお話しになりましたように、四十四年度の予算についてすでに予想される事態についてだけでも執行困難な面が出ております。しかも四十四年度は再建計画の初年度に当たるわけであります。初年度からつまずいたら私は十年後の再建ということもむずかしいと思いますので、今後具体的になりました場合、国鉄としてはいろいろ努力をするでしょうけれども、私は政府の援助を待たなければ四十四年度のやろうと考えている事業計画が遂行できないと思いますので、この点につきましては今後の問題になりますけれども、運輸大臣としても十分御考慮願いたいということをお願い申し上げまして、私の質問を打ち切ります。
#196
○市川房枝君 運賃値上げの問題は国民大衆にとっては重大な問題でございますので、全くしろうとの私なりの質問を少し申し上げたいと思っておりましたところ、幸いきょうその時間をいただいてとてもうれしく思っております。
 なお、運賃の値上げはどうせ実現するといたしましても、連休が済んでからになったということは国民のためによかったと思っております。実は先日、お隣の磯崎国鉄副総裁から、こうして待っている間も一時間に二千万円ずつ損をしているんですよというお話がございました。国鉄としてはさもあろうと思います。ことに一カ月半近く延びたのですから、いまもお話が出ておりましたけれども、だいぶ損をされたことと思いますが、国民からいいますと一時間延びればそれこそ二千万円得をしたということになるわけでございます。国鉄の立場だけでなく、国民一般の立場もお考えをいただきますよう、との機会に磯崎さんにお願いを申し上げておきます。
 さて、すでに皆さんからいろいろな問題についての御質問がございましたので、私としては私自身が疑問に思っております三、四の点だけについてお伺いいたしたいと思います。ただ全くしろうとでございますので、あるいは見当違いのことを申し上げるかもしれませんが、その点はあらかじめ御了承を願っておきます。
 国鉄に対して国民一般の最も強い関心の一つは安全の問題でございます。道路上での交通事故は全く記録的な増加で、重大問題となっておりますが、四十二年度の国鉄の監査報告書によりますと、列車事故、踏切事故、その他の事故においても、またバス及び船舶の事故においても件数はいずれも前年度より減少し、一名の死亡者も出さなかったとございます。これは事実そうでございましょうか。四十三年度は一体どうなっておりましょうか。それから私鉄や私バスと比較してはどうでございましょうか。国鉄の当局から伺いたいと思います。
#197
○説明員(湯川龍二君) ただいま先生のおっしゃいましたように、この監査報告でございますが、国鉄でお客様におなくなりになるような事故を起こしたことは三十九年以来ございませんで、たいへん喜ばしいことでございますが、おけがをなさった方は若干ございます。三十九年の秋に北海道で踏切事故がございまして、そのときに自動車に乗っていたお客さんでなくなった方がございましたけれども、その後は全然今日までお客様ではございません。
#198
○政府委員(町田直君) ただいまの御質問の国鉄と私鉄の事故の比較でございますが、四十三年度におきましては、私鉄におきましても、まあ本人の過失は別でございますけれども、なくなったような事故はございません。ただし重大事故につきましては、実は先生御承知のように、四十三年度中かなり数が多うございました。これは私鉄も国鉄も含めてでございますけれども、かなり数が多かったと、こういうことでございます。
#199
○委員長(岡本悟君) バスにつきましては、市川先生、ちょっと担当者がおらないようでございますので、後ほど調べさせまして至急御報告させます。
#200
○市川房枝君 はい。
 いまの交通の事情から見まして、とにかく減ったということはたいへんけっこうなことでございまして、これは国鉄並びに従業員諸氏の御努力に対しまして、御奮闘に対しまして敬意を表する次第でございます。ところで、事故の表を拝見しますと、いまもちょっとおっしゃいましたけれども、「本人の過失等によるものを除く。」と書いてありますので、そこのところは何かちょっとあいまいだと思うのですけれども、どうでしょうか。
#201
○説明員(湯川龍二君) ここで先生ごらんいただいておりますのは、四十二年度の国鉄監査報告の一三三ページをごらんになっての御質問だと思いますが、ここで表がございまして、そこに重大事故の原因別の件数が出ております。で、この重大事故と申しますのはどういうことかということで、重大事故は旅客のなくなった方あるいは旅客以外の方を含めまして十人以上の死傷者の生じたような列車の事故あるいは踏切等で、しかも列車の責任で起こしておる、あるいは踏切警手があやまってお客様をお通しして――通行者ですが、従業員のあやまちによって起こすというのが国鉄側として重大事故にあげております。通行者が間違いを起こして踏切でもって国鉄にぶつかるということがございます。そういったいわゆるお客様でない方で国鉄の関連においておけがをなさった方がいるわけでございますが、これは除いてある、こういうことでございます。ここで、統計では死傷されました方々の人数は出ておりませんので、おけがなさった方が若干の数になりましたり、あるいはお一人でありましても事故原因として一件のものは一件というふうにあげてございます。そういう意味で書いてございます。そういった意味で御質問でございますので申し上げますと、本人の過失によるものを除くという除く人数というのは大体どんな見当になっているだろうかということで、ちょっと御紹介いたしますと、これも最近はだいぶ減ってきております。踏切の整備もいたしましたし、それから踏切等で無謀で事故を起こされた方もいらっしゃいますけれども、全体としては三十八、九年に比べますと、三十八、九年ごろは年間百六、七十なくなった方がいましたが、これが四十三年には百件を切りましてございます。それからおけがなさった方はもちろんおりますが、これはかなりの数がございまして、これは大体四百以上ございましたのが、最近は三百台になっております。それからなおここでまことに申しにくいことなんですが、お客様がみずから命を断つと申しますか、飛び込まれるような方がございます。これはまことにお気の毒であり、残念なことで、私ども注意しておるのでございますが、これは全国二万キロ余の運転で一日二万本余の列車を動かしておる中で、そういった事故、そういう形で命を断たれる方が年間大体百件程度ございます。これらについても私ども今後十分留意してまいりたいと存じます。
#202
○市川房枝君 安全の問題は、国民の立場から言いますと、ほんとうに重大な問題でございますので、今後ともひとつ御努力をお願いしたいと思います。
 ついでに踏切のことを伺いたいのですが、これは私の個人的なことにもなって恐縮でございますけれども、私は新宿の鉄道病院の裏のところに住んでおります。外へ出る際には車であるいは歩行で小田急の本社の前の踏切を通る場合が多いのですけれども、ここで朝夕のラッシュのときには二十分ぐらい待たされることがしばしばでございます。それからここでは死亡の事故もことしの初めにございましたし、京王は地下に入りましたからこれは問題ございませんけれども、小田急には、付近の住民はもちろんでございますが、この道路を使っている人たちもずいぶん迷惑をしておりますが、これは踏切については運輸省で私鉄、国鉄みんな共同で何か御計画していらっしゃるのじゃないのでしょうか。
#203
○政府委員(町田直君) 踏切につきましては、まず踏切の整備ということにつきまして、運輸省で国鉄、私鉄を通じまして、先生御承知の法律によりまして整備を行なっております。それからそれによりましてかなり効果があがっておりまして、無人踏切が有人になり、あるいは構造改造と申しまして、自動車がそとを通る場合、途中でひっかからないような施設をつくる、そういうことでかなり施設の整備をいたしております。
 それから、ただいま先生の御指摘のございました点につきましては、なるほどちょっと調べてみますと、ここは非常に電車の交通量が多いところでございまして、南新宿三号というところでございますが、遮断回数が一日に四百三十四回、そして一時間最大二十八回ということでございまして、一日のうちで八時間二十五分遮断しているというようなところでございます。こういうところにつきましては、ただいまお話のございましたように、立体交差をするとか、あるいは地下にするとか、こういうことを順次やっているわけでございます。この場所につきましては、現在まだ具体的にこういう立体交差あるいは地下という計画ができていない、こういう実情でございます。ただ、これにつきましては道路との関係がございますので、建設省と十分協定をいたしまして、協議を進めまして、それから都市計画等の問題もございますので、そういうものと協定、協議をいたしまして、できるだけ早く高架化あるいは地下化をいたしたいと、こういうふうに考えております。
#204
○市川房枝君 次は公共負担の問題です。先ほど総裁が熱心にお話しになっておりましたが、公共負担の問題について少し伺いたいのですが、国鉄の公共負担が、四十二年の監査報告、あるいは「数字でみた国鉄一九六八」によりますと、八百九十億円となっていますが、この委員会に提出されました四十三年度の負担額によりますと六百十二億とずいぶん減っておりますが、これはどういうわけですか。
#205
○説明員(石田禮助君) 四十三年度につきましては通勤・通学の割引きを是正いたしました、三百億以上。それだけ減ったわけでございます。
#206
○市川房枝君 この公共負担として計上されている通学・通勤、学生割引き、その他の旅客割引き、新聞雑誌の割引きあるいは生活必需品の運賃割引き等が出ておりますが、このうち法律上の規定によるもの、それから政府または国鉄自身の決定によるもの、そういう区別をちょっとお聞きしたいのであります。
#207
○説明員(石田禮助君) これは国鉄のほうの意思によって割り引きしたというやつは一つもない。みんな政府の――第一、この通勤・通学の割引きなんというものに対しては、まず五割というものを割り引きしている。これは法律でせにゃならぬということにきまっておるのですね。ここにおける六百十億とかあるいは八百九十億とかいう割引き、通勤・通学の割引きでございますが、これは五割以上にやっているやつです。これも国鉄が自分の意思によってやったのではなくして、政府の命にやってやったのです。こういうことで、そこでつまり公共負担と、こういうことになっているわけでございます。
#208
○市川房枝君 法律によるものとしては身体障害者の割引き、それから戦傷病者の旅客運賃に関するもの、これは法律ですね。そうするとこの法律によったもの、それによった金はどうなっていますか。これは補助を受けていますか。
#209
○政府委員(町田直君) 身体障害者の割引き分につきましては三億ぐらい国から補助と申しますか、出しております。
 なお、先生のさっきの御質問でございますが、六百十億の公共負担の中で定期運賃の割引きによりますものが四百四十二億、これは御承知のように五割という制限がございますが、それ以外の割引きをしているものが、これだけあるということで、これは運賃法によって実質的にきまっている、どういうことでございます。それから貨物の割引きが九十四億ばかりございます。これは暫定割引き、特別措置割引きというような割引きがございまして、これは運賃改定の際に政府の、何と申しますか、慫慂によりまして国鉄が割引きをしている、こういう性質のものでございます。そのほかに学生割引き、これは二十六億でございます。それから新聞雑誌の割引き、その他いまお話しの身体障害者の分というようなもの、全部合計いたしまして六百十億、こういうことになっております。
#210
○委員長(岡本悟君) 自動車局長が参りましたから、自動車事故のことを報告させます。自動車局長、先ほど市川委員から、国鉄の事故に関連して、バスの事故、特に生命に関係した事故件数の趨勢というか、それのお尋ねがあったのです。
#211
○政府委員(黒住忠行君) 自動車の事故も、最近におきます道路交通のふくそうの状況から遺憾ながら増加の傾向にございます。それで自動車事故全体の趨勢を見ますというと、昭和四十二年におきまして、事故の件数が五十二万一千四百八十一件でございますが、四十三年にはこれが約十万件以上ふえまして六十二万九千八百五十二件というふうになっております。死者の数は一万三千六百十八が一万四千二百五十四というふうに増加をいたしております。
 バスの事故につきましては、観光バスと乗り合いバスがバスでございますが、貸し切り、乗り合いにつきましては、これは四十二年まで出しておりますが、四十一年に貸し切りバスにおいては事故率が一七・三%に対して一八・三%、乗り合いのほうにおきましては二七・四で、これが二六・七というふうな数字を示しております。
 それからバス全体の事故では、民営のバスにおきましては、四十二年度は、重大事故、すなわち転覆事故、転落、火災、踏切、車内欠陥事故、死者または死傷者が生じた事故、物的損害が五十万円以上を生じた事故につきましては、昭和四十二年度は二千五十四件でございまして、車両一千台当たりの事故件数が二十六・四件、走行キロ一万キロ当たりの事故件数が〇・四一件になっております。
#212
○市川房枝君 私が伺ったのは、全体のでなくて、国鉄のバスの事故だけですけれども、まあけっこうです。それはここに出ておりますからけっこうです。質問を進めます。
 いま国鉄総裁は、いろいろな公共負担はやはり、政府からの要請と申しますか、政府からの要請によってしたんだということをおっしゃっておりましたけれども、政府からの要請で国鉄がそれだけ負担といいますか、赤字といいますか、になったとすれば、私どもは常識的に考えて、やはり政府がそう言うのならば政府が当然金を出すべきだ、必要な金は補償すべきだ、こう思うのですけれども、それは国鉄から政府のほうに御請求になりましたか。
#213
○説明員(石田禮助君) 大体公共負担というものは最近に始まったものではなくて昔からあった。それで、古い国鉄というものはむしろ独善性の上にあぐらをかいておって余裕しゃくしゃくとしておった。政府からそういうことを言われた場合にはオーライでもっていれる。何らその間にけんかはなかった。ところが、最近における国鉄の状態というものは全然変わっちゃって、そんな人のいいことは言っていられない。独立採算でやらなければならぬ以上、やはり負担すべきものは負担すべきところで負担してもらう。こういうことで、少し勇気を鼓して政府に対して出してくれと、こういうことを主張しているわけです。
#214
○市川房枝君 運輸大臣、どうですか。国鉄は、いまお話しのように、昔はそれでもよかったかもしれないけれども、しかし、現在は独立採算制をしいている以上、政府のほうがそう言うなら、その金はやはり私は国のほうが補償すべきだ、常識的にそう思うのですけれども、勇を鼓してとおっしゃっているのですけれども、それに対しては具体的にはお出しになっていませんね。
#215
○国務大臣(原田憲君) 公共負担分に対して国が幾ら出すか、こういうことについては、お話しのように、政府は措置はいたしておりません。今回はすべてこれを含んだ国鉄の財政再建という面から取り上げた。国はいままでは、極論をするならば、いままで何もしてくれなかったと、総裁はこういうことをおっしゃておりましたが、今度はやっておるということをおっしゃっておるように、そういう面で取り上げておる。私は公共負担という問題についてよく議論をされておったことは知っております。私は私なりに、何も運輸関係はございませんけれども、実は文部省で五年ほど前に外国ではどんなことをしているだろうかということを調べさして、文部省の予算の中でそれを取ってあげるというのがほんとうでないかということを申したことがあるのでございます。しかし、文部省としてはそれよりも大事な予算がたくさんございますので、そのことは実現はいたしておりませんが、外国のほうではやっておるからどうだという御意見もあるのでございます。外国では確かにそういうこともやっております。また通行税なんかも、目的税ではないと思いますが、取って、そのかわりにそういうほうに使うということをやっておりますが、それでも、それじゃうまくいっているかというと、鉄道というものがうまくいかないというところに鉄道経営のむずかしさがあると思うのです。こういう面からひとつ、三位一体と申しておる方法で、広く国鉄全体の経営ということに立って考えるべきだということをお願いをいたしておるわけであります。私は、しかし、考え方といたしましては、法律でもって五〇%ときめておるのに何もしないということは、これは殺生な話ではないか。だから、これは先ほども申しましたけれども、国が持つか、乗っておる人が払うか、いずれにいたしましても、何か考えなければ、これをやっておいて、そうしてしっかりサービスせぬか、こう言いましても、どうしてもできぬことはできぬ。そこら辺のことを考えまして、今後公共負担といわれておる割引き率の問題については検討を加えていかなければならぬ問題だろう。それをだれが負担するかということについては、今後またいろいろ検討しなければならぬ問題があると考えております。
#216
○市川房枝君 私は、通勤なり通学の割引きを減らさないほうがいいかどうかは、家庭の側からいえば、なるべく安いほうがいいんです。だから、それをどうすることがいいかということの問題は別として、もし法律以上に国鉄にそれを割り引かせるならば、それの費用は、いまあなたがおっしゃったように、これは子供の問題、学校の問題であるから、文部省の予算の中でそれを取って、そうして国鉄に払うというような行き方をするのが当然じゃないかと思うのです。
 もう一つ、実は私ども国会議員がいただいておる国鉄のパスですね、これは国会法三十七条によっていただいているようですが、これも公共負担に私はなるだろうと思うのですが、公共負担の中には具体的には一度も出てきません。これは補償をおもらいになっておりますか。おもらいになっておらないのでしょうね。
#217
○説明員(石田禮助君) これは第一計算が非常にむずかしいということがありまするが、こういうようなことを政府なり国会議員なりに私なんかが口を出すということははなはだ失礼千万である。必ずそのうちには、政府なり国会議員から、これは政府負担にしろ、国鉄が独立採算でやっている以上はひとつ考えねばならぬ、こういうことになるだろうというふうに思っておるのです。
#218
○市川房枝君 いや、法律に規定されておるとはいえ、赤字の国鉄から結局無料でサービスしてもらっていることになっているので、それは私どもとしてはつらいのです。国民に対しても相済まぬわけだと思うのですが、運輸大臣、どうなんですか。これは当然国のほうから補償していただくなり、あるいは国会の予算の中から出していただくなりすべきじゃないかと思うのですが、どうですか、運輸大臣。
#219
○国務大臣(原田憲君) まあイギリスでは何か自分の選挙区から国会まではただにしておるという話を、正確かどうかは存じませんが、聞いたことがございます。だから、理屈からいったら、それだけサービスするならば、それならまだ通るじゃないか。市川先生のおっしゃっているのは、みんなもらう必要はないじゃないか、心苦しい、こうおっしゃっていると思います。まあもらっても何も使わぬ人もあるわけですね、全然。だから、それは心苦しいまでに思ってもらわなくてもいいんじゃないか、こう思うのです。お気持ちは、何というか、先憂後楽の非常にとうといお気持ちだと思いますが、逆に、それだけサービスをしてもらっておったら、一生懸命国民に対する自分の職務を果たすということを国会議員は心がけるべきだ、こういうふうにするのがいいんじゃないかというように思います。
#220
○説明員(石田禮助君) 補足いたしますが、アメリカでは、これは国会議員の州とワシントンとの間の往復はこれは政府が出すべきだということで、私が知っている範囲においては、あそこは国有鉄道というのはございません。みんな州有鉄道である関係からして、州有鉄道の切符を一年間に何回、何往復というものを限ってこれは国会議員にやる。その費用というものは政府が負担している。こういうことなんで、いまの差し出口かもしれませんが、政府はつまり国鉄に対して相当のやはり弁償をする。ただ問題は、いつもどのくらいにするかということの計算は非常にむずかしいんですね。これは私は金額の問題じゃないんだ、政府はとにかくお志でいいから出すということにすれば、これは一番穏当ないい方法じゃないか。いずれにしてもこれは国鉄から持ち出しません。政府なり国会議員でひとつお考え願いたいと、こういうふうに思います。
#221
○市川房枝君 この問題には運輸大臣は、まあそれをもらっているから、それのかわりに国民にサービスを一生懸命にするとおっしゃっておりますが、その問題は別個として、議員としては当然国民にサービスするのはあたりまえなんですから、私はこれは別にして考えるのがいいかと思いますが、これはやっぱりいま総裁のお話のように、政府なり国会の予算といいますか、結局は国に――きょうは大蔵省がおいでになっておりませんので、私はこれはひとつ運輸大臣としてやはりお考えくだすって、たいした金じゃない、お志でもいいとおっしゃっているのでございますから、それでも出れば私どもは幾らか――肩身が少しいま狭いですけれども、それひとつお願いを申し上げておきます。
 そこでいま公共負担として報告されているものだけ、四十三年度ではだいぶ減りまして、六百十二億ということになっておるんですが、これ以外にまた公共負担が私はあると思うんですけれども、どうですか。さっき総裁がおっしゃいました赤字線を長いこと継続して営業している。これは私は公共負担だと思うんですけれども、私鉄はそんなこといたしませんね。だからこれは明らかに公共負担だと、こう言っていいと思うんですけれども、これは公共負担にはお入りになっておりませんね。
#222
○説明員(石田禮助君) いままでの計算では、赤字線の場合にいろいろ損をするのは、公共負担ということは出しておりません。私が赤字線というものを非常にやかましく言いだしたのは、最近における輸送機構のこの点について赤字線による収入というものは非常に減り、それで一方に偏しておりまして、経費というものは非常にふえてきた。確かに赤字線による国鉄の負担というのは実に大きなものである。これは公共負担どころの騒ぎじゃないんです。そこでこれはひとつ今後とも政府でもまじめに考えてもらいたい、こういうことで申し上げた次第であります。いまのところでは国鉄の公共負担といった中には含まれておりません。
#223
○市川房枝君 これは私、公共負担にお入れになるべきなんで、もう一つ公共負担としてこれもさっき総裁がおっしゃったことばの中に出てきたんですが、初めから赤字ということがわかっているのに新線を建設をする。そして国鉄がそれを押しつけられるといいますか、経営をしていくんですね。だからこれは初めからやっぱり赤字を覚悟しなきゃならない。これもやっぱり公共負担になりますね。だから、そういうのをずっと私は勘定なすって、そしてそれは国鉄の意思ではないんであって、やっぱり政府の意思といいますか、そういうことになれば、もっと国鉄はそういうものをみんなお出しになっちゃったほうがいいと思います。
#224
○説明員(石田禮助君) これはつまり国鉄が独立採算でやらなきゃならぬ、赤字が出た場合には政府は補助はせぬ、国鉄がどこまでも収支というもののめどをつける、どういうことに縛られている以上は、はっきりした赤字線について出てくるんですから、これをどうするかということは、これは私は私の私見としてこの間も申し上げたわけですが、これはやはり損得は政府が補償するということにおいて国鉄は経営をする、こういうことにいかざるを得ないということを申し上げたんです。ただしかし、段をつけてで、一ぺんにくるわけじゃないんですから、これは将来大きな問題になると思います。
#225
○市川房枝君 大正十一年に制定されその後しばしば改正追加されたのですが、鉄道敷設法というのがある。その附則といいますか、別表としておしまいに日本全国の本州、四国、九州、北海道にわたって二百四十線の建設予定線というものが出ておりますが、これは漸次建設することになりますか、これは運輸省のほうから。
#226
○政府委員(町田直君) 法律上から申しますと、予定線でございますので漸次建設する、こういうことになると思います。ただ、ただいまの鉄道建設公団で建設を進めておりますのは、その中で六十三線を取り上げまして、これをこの十年間につくろうということでいま建設を進めているわけであります。今後遠い将来にわたってつくるものもあればいますぐ手をつけるものもある、こういうことでございます。
#227
○市川房枝君 これは前にどなたか委員のほうから御意見が出たように思うのですが、これは大正十一年から見るとずいぶん時代が変わって交通の事情も全く変わってしまっていると思うが、いまの事情に合わせて根本的にこれをお変えになるという意思は運輸省は持っておりませんか。
#228
○政府委員(町田直君) 根本的に変えると申しますか、随時そのときどきの事情によって法律改正をいたすということをやっておりまして、実は四十年にも改正いたしましたし、そのときどきの事情によりまして鉄道建設審議会等の御答申を得まして改正をいたしていきたいというふうに考えております。
#229
○市川房枝君 昨年の八月に国鉄総裁の諮問機関であります国有鉄道諮問委員会から赤字線の八十三線、二千六百キロの廃止の答申が出たと思いますが、国鉄としてはこの問題はどういうようにお扱いになっておりますか。
#230
○説明員(石田禮助君) 諮問委員会の結論に対しましては、これは御承知のとおり赤字線というのは収支というものを離れて全く地方開発のためにつくってきたわけでありまして、スタートする時分からすでにこれはむろん引き合わない、これは必ず損が出るということはわかっておったのであります。しかしこれは地方開発のために国鉄の使命から考えてやらなければならない。しかもそのときにおける国鉄の収支状態というものはきわめて重要である。大正十一年ですか、それから国鉄が二十四年に公共企業体になるまでに、そのうちの大部分というのは勇敢につくっちゃった。ところがその後の情勢を見ると、交通事情の非常な変化によって、すでに初めから輸送需要に対する輸送力というものがアンバランスだった、損をすることがわかっておった。しかしそれでも国鉄は勇敢につくり勇敢に経営しておった。その時代がすっかり変わり、この地方線というものの収入はぐんぐん減ってくる。しかもその経費というのは諸経費の増その他によって非常にふえてくる。しかも、はなはだしきに至っては、地方の人々そのものがマイカーの発達その他によってそれまで利用しているものも一向利用しなくなっちゃった。もともとアンバランスだったのがさらにアンバランスになった。つまり赤字線の負担というのは非常に大きい、何とかこれはやらなければならぬ、ただこれは全然使っていないところは別ですが、使っているところはこれは取っちゃって全然知らぬというわけにはいかない。それから現在の輸送需要に適応した輸送力を持ってしかるべきだ、そうして鉄道とかえよう、そうすれば地方の人はちゃんと足は確保されるし、そのために国鉄は損がいかないということです。赤字線を撤去するということは、全然使わない場合には撤去するが、そうでない場合には鉄道にかわるものでハンディな経費のかからないものをもってかえると、こういうことなんでありまして、たとえば北海道のごとき、雪の非常に多く降るところで、鉄道がなければ足をだれも見てくれる人がないというところに対しては、国鉄もやっぱり公共的な使命に即しましてやらなければならぬが、そうでないところに対しては、現在の輸送事情に適応した輸送力を提供するということで、ひとつ足の提供は十分にしながら、経済の点をひとつはかる、こういうことが赤字線の解決でありますが、いずれにしましても、これはやはり国鉄としてはやるまでには、十分の研究をいたしますが、さらにこれを地方の人の考えも聞かにゃなりませんので、地方に行ってよく地方の人とほんとうに納得のいくところでやりたい、こういうことであります。
#231
○市川房枝君 本委員会での森中委員からの要求資料によりますと、この八十三線の向こう十年間の赤字の累積は二千八百九十億円で、この線区を逐次廃止していくと赤字が千三百十億円になる、千五百八十億円の削減となる、こういう計算だという資料も出ていますが、この四十四年度予算にはどれだけ赤字線の整理の数字が計上されておりますか。
#232
○説明員(磯崎叡君) 赤字線を整理いたしましても、その年度には予算上の計数にはあらわれてまいりませんので、四十四年度できるだけ着手いたしたいと思っておりますけれども、四十四年度の予算に計上する段階にはまだ至っておりません。もしできますれば四十五年度から少しでもできることになるかと思います。
#233
○市川房枝君 赤字線の廃止もしくは自動車、バスヘの転換については、地元並びに地元選出の議員の方々からも強い反対がありますが、どうして説得をされますか。これはなかなかお骨が折れるのではないかと思うのですけれども、これはどうでございましょうか。
#234
○説明員(石田禮助君) これはごもっとも千万で、これは実はむずかしい問題だと思うんです。ただ、われわれは地方の人、地方関係の政治家にお願いすることは、あの赤字線というものの経営をしているために、その負担が一般の乗客にいっているんだと、こういうことを頭に置いてもらって、そしてかわりに持っていくバスなり何なりというものは、汽車であれば一日に六往復、七往復しかしていないが、バスなら二十往復も三十往復もする、それで駅の数もふえるということで、やってみればなるほどこのほうがよかったと、こういうようなケースもこれは相当にあると思いますので、まあここにおられる政治家の皆さん方にも、どうぞひとつその点は冷静に国民の立場になってお考えいただきたいと思います。
#235
○市川房枝君 私は、昨年の九月に、この運輸委員会として、当時の谷口委員長とともに、京都府及び山陰地方の調査に参りましたが、そのとき赤字線として廃止の勧告を受けておりました笹山線の実情を聞き、また土地の人たちからの陳情も受けました。ところが、その陳情の中で、赤字線だから廃止すると言いながら、隣ではつい近所で赤字線の宮津線というのをいま建設しているんだけれども、あれは一体どういうわけなんだというふうに質問されて、ちょっと困っちゃったんですけれども、この宮津線は赤字になるかどうか、それをどうして建設しているのか。これは建設公団の方にもおいでいただいていると思いますが、その建設公団から宮津線のことをちょっと伺いたいと思います。
#236
○参考人(増川遼三君) 宮津線と申されますのは宮守線だと思いますが、これにつきましても、運輸大臣から指示を受けまして、現在建設を進行中でございます。現在トンネルその他の工事にかかっておりまして、完成は相当先になる見込みでございます。この線はAB線と申しまして、地方開発線に属するわけであります。当初から相当期間たちましても黒字になるような線ではなかろうと、こういうことで現在地方開発線という部類にランク分けをされております。したがいまして、これは完成いたしましたのを国鉄に貸し付けになりますと、大体無償線区に指定されるものと考えております。無償と言いましても、貸し付け料を払っていただかないということでございまして、それ以上の経営上の赤字が出る場合には、国鉄がかわりに赤字負担を背負う、こういうことになるかと思います。
#237
○市川房枝君 鉄道建設公団のことはあとでちょっと伺いたいと思いますが、いま一つ赤字線のことについて伺いたいのですが、これはこの委員会で先般、千葉県の赤字線の一つ木原線を見に参ったのですが、私たちが伺ったせいか、なかなかはでな反対運動が行なわれておりました。大ぜいの方から陳情も伺ったのですが、しろうとの私が一番驚いたのは、その木原線の総収入が六千万円、原価は三倍の一億八千万円かかっておる。しかもその収入の六千万円のうち四分の一の千五百万円は大原町、夷隅町、大多喜町の三つの町への納付金として支出しているのだ、これを知りましてびっくりしたわけなんですが、この赤字線の廃止に一番反対するのはもちろん土地の人たちが不便をなさるのですから反対なさるのでしょうけれども、やはりその土地の自治体に納付金が入らなくなるということからくる反対が相当強いのではないかと思うのですけれども、国鉄はどうお考えになりますか。
#238
○説明員(石田禮助君) これは私は両方じゃないかと思うのです。やはり足の問題、それで御承知かしりませんが、赤字線の一番大きなお得意さんは通勤客と学生なんです。ですからして、これをバスにかえた場合にうまくいくかどうかということは非常に問題がありますが、これは線によりますが、あるいはさらに電車を廃止してバスをふやす、われわれ考えると、とにかくバスにかえるということになるというと、通勤・通学の方もあるから、だからして通勤・通学者に対してはある年限を切ってやはり鉄道の手でこれをやる。まあ地方の人の立場になって考えなければいかぬということでございます。
#239
○市川房枝君 木原線のようなひどい赤字でも営業を継続してほしい、あるいはその上納付金も出してほしいというのはどうも少し無理なように思うのですが、いま総裁のおっしゃるように、これは自動車にかえてそして通勤・通学はしのげるようでございます。だから、そういう人たちのバス代を汽車の場合と同じようにすれば納得してもらえるのではないかと思うのですが、こういう場合ですね、この税金は――バスにした場合には納付金はどうなりますか。
#240
○説明員(磯崎叡君) 私のほうでいま持っている線路敷をどうするかということにかかってきますけれども、もしあの線路敷を市町村にお譲りするという形になって、道路になりますればこれは納付金はかからない。ただし車庫あるいはバスの車等についてはこれは当然かかります。
#241
○市川房枝君 しかしそうなればずいぶん安くなりますね。
#242
○説明員(磯崎叡君) はい、それはそうでございます。
#243
○市川房枝君 そうなればずいぶん助かりますね。あるいはまた私は地方で、そういう場合の赤字線でどうしても継続してほしいというような場合には、やはり国なりあるいは自治体なりが少し補償といいますか、金を出してくれれば国鉄としては経営できるのですけれども、それで納付金の問題なんですけれども、黒字のところからならある程度出してもらってもいいと思うのですけれども、こういうところから納付金を取るというのは、どうもこれは自治省の担当官の方おいでいただいていると思うんですけれども、どうなんですか。当局からも、やっぱり納付金は出さなくちゃならない、これは法律できまっているからだとおっしゃればそれまでですが。
#244
○説明員(山下稔君) 国鉄納付金は固定資産税制度の一環をなす制度だというふうに理解をしております。固定資産税として考えてみますと、企業が赤字であるとか、黒字であるとかということによって固定資産税を取ったり取らなかったりというわけにはまいりませんし、また事業所ごとに考えてみましても、赤字の事業所には固定資産税を課税しない、黒字のところにだけ課税するというわけにはいかないと思うんです。したがいまして、赤字線であるから納付金の納付をしないというのは適当ではないのではないかと考えますが、ただ一方、国鉄の持ちます非常に大きな公共性についてもやはり考慮しなければならないと思いますので、納付金制度全体といたしまして国鉄の資産全部を二分の一にするということによりまして国鉄の公共性に対して十分配慮をいたしているつもりでございます。
#245
○市川房枝君 固定資産税制度があることはよく承知しているんですけれども、国鉄の公共性といいますか、――これはほかの道路なんかからは取っていないのですね、あるいは水道なんかも取っていないのですね。そういうほかの取っていないものがあるのに国鉄は取るということは、これは考え方の問題でしょうけれども、かりに取るとしても、まあいわゆる普通の固定資産税の二分の一、それでも安くしたのだとおっしゃるかもしれないけれども、私どもはもっとこれは安くしていいんじゃないかと、このように思います。国鉄によってずいぶん地方自治体が恩恵を受けておるということをもっと考えるべきじゃないかと思うのですが、これはずいぶん国鉄と地元の方でこの問題はだいぶ議論が続けられてまいったと思うのです。そして結局二分の一というところで落ちついたわけですか。
#246
○説明員(山下稔君) 国鉄に対して固定資産税相当額を御負担願うということの適否につきましては、ただいま先生御指摘のとおり、いろいろ議論のあるところでございます。ただ地方税法が昭和二十五年に全面改正になりましたとき以来、国鉄その他三公社に対しても事業用資産である限りは民間の同種の事業との均衡を考えるという固定資産税を課税すべきではないかという意見を持ちまして、当時の地方財政委員会でも審議をされまして、一応それは課税すべきであるという結論が出たわけでございますが、種々の事情から実際に課税は行なわれておりませんでしたが、昭和三十年の暮れに地方制度調査会なり、あるいは臨時税制調査会で、やはり事業用資産である限りは民間の同種の資産との均衡も考えて、固定資産税相当額の負担をしてもらうべきだという答申がございました。その答申を受けまして、昭和三十一年から負担を願うことにしたわけでございまして、そこでは単に国鉄だけではございませんで、専売公社、電電公社にも御負担を願いますし、また国や地方の資産の中でも、たとえば空港でございますとか、あるいは最近では水道でありますとか、あるいは国有林野でありますとか、そういうものにつきましても御負担を願うということで、国及び地方公共団体については交付金、三公社については納付金という形で御負担を願うということになったわけでございます。いろいろ御議論のあるところかとは存じますが、私どもそうした経緯を経まして、御負担を願うのが妥当であろう、ただし公共性については別途考慮をしなければならないであろうというところから、二分の一にするという形で公共性を考慮してまいりましたし、特に昭和四十二年に至りまして、いわゆる通勤対策、幹線輸送等の設備投資のために非常に投資額がふえて、それに伴って納付金額がふえるという事情も加わってまいりましたので、四十二年から、さらに二分の一のほかに軽減をする措置を講じましたし、また四十四年からは国鉄財政再建の機会でもございましたので、負担の増高の状況をかんがみまして、私鉄との均衡を考えた軽減措置をするということで、さらに新たな軽減措置を講じた次第でございまして、一応御負担は願うけれども、別途公共性については機会あるごとにできるだけの配慮をしてまいったつもりでございます。
#247
○市川房枝君 いままで私の質問の中で、私は赤字線はやめたほうがいいと言っているように聞こえましたら、これは私の本意ではありませんので、赤字線を廃止するのか、あるいは継続するのか、あるいはこれを自動車道にかえるのかというような問題は、それこそ公共的な立場から十分検討し、存続してもけっこうなんですが、その場合にはそれを国鉄だけに負担させることはやはり私は間違っていると思うのです。当然、国としてあるいは自治体として補償すべきだ。いわゆる公共負担として、はっきりしたものにする、こういうふうに考えるわけですが、国鉄も私は、それを強く主張になって当然だと考えますので、これだけを申し上げておきたいと思います。
 次は新線の建設のことをちょっと伺いたいのですが、新線の建設は三十九年以後は日本鉄道建設公団がやっておるようですが、この新線の決定までの手続といいますか、それから国鉄が新線の建設も前はやっておいでになったのですが、これは日本鉄道建設公団になってからどういう点がよくなったのか、これをちょっとお伺いしたいと思います。
#248
○政府委員(町田直君) 日本鉄道建設公団ができましてからの新線のできるまでの手続でございますが、まず予定線というのは、先ほど先生が御指摘になりました鉄道敷設法の別表に掲げてある線でございます。この予定線の中から工事線というものを運輸大臣が公団に指示いたしまして、そうして基本計画というものをつくりまして、公団に指示します。その指示の際には鉄道建設審議会にはかりまして、鉄道建設審議会の答申を経て指示いたします。それに基づきまして鉄道建設公団が工事計画を立てまして、国有鉄道と十分協議の上工事計画の承認を運輸大臣に出してまいります。運輸大臣はその許可をいたしまして、建設する、こういう段取りでございます。
#249
○市川房枝君 建設公団のいままでに建設をされた新線及び現在の工事中の新線の数と、それからその中で最初から赤字が予想されているのは何線なのかということをちょっと教えていただきたい。
#250
○政府委員(町田直君) 現在工事線として指示いたしておりますものが六十三線、二千七百四十三キロメーターでございます。それからいままで建設が済みましたものはちょっとただいま調べておりますから……。
 それから初めから赤字線とわかっているかどうか、こういうことでございますけれども、御承知のように鉄道建設公団が現在建設をいたしております線の中には、大体大きく言って三つの種類がございます。AB線というのがいわゆる地方開発線でございまして、地方開発を目的とした線でございます。それからC線と申しますのが鉄道の幹線あるいは幹線を形成する線でございます。それからD線と申しますのが都市交通線と申しまして、非常に都市交通に関係の深い線、こういうことでございます。数を申し上げますと、六十三線の中で四十九線が地方開発線でございまして、それから十四線が幹線・亜幹線に準ずるもの。そのうちD線が四線。
 大体、申し上げますと、鉄道というのは非常に投資の回収期間が長うございますから、なかなかすぐに黒字になるというのはむずかしいわけでございますけれども、大体予想いたしまして都市交通線は、これはかなり時間はかかりましょうけれども、将来ペイしていくだろうと、こういうふうに考えられる線でございます。具体的に申しますと、東京の外環状をつくっております線とか、あるいは湖西線とか、そういうような線でございます。それからその次にC線の幹線・亜幹線に準ずる線でございます。これはその線そのものとしてははたしてペイするかどうか、むずかしゅうございますけれども、要するに国鉄の幹線の続きでございますから、そういう意味合いでやはり国鉄の幹線の一部をなすと、こういうふうに考えていいんじゃないか。それからAB線、地方開発線でございますが、これはなかなか最近の情勢でございますと、簡単に赤字が黒字に転ずるということはむずかしいんじゃないかというふうに考えられる線でございます。しかしながら国鉄といたしましては、国鉄の使命は全国的に交通網を完備いたしまして、そして低廉でしかも快適な輸送をするというのが国鉄の使命であり、それが何と申しますか、公共性のゆえんであろうというふうに考えますので、やはりAB線でございましても必要なものは今後ともつくっていかなければならない。ただ先ほど御議論が出ました、いわゆるローカル赤字線の問題でございますが、たとえそういうふうな地方開発線でございましても、輸送構造の変化がありまして道路等ができて、バス等で十分代替できる、こういうようなものについては国鉄としても赤字線は今後もできるだけ地元の了解を得てバスにかえていきたい、こういう考えでございます。したがいまして、新線建設につきましても同じような考え方で、やはり非常にバス等に代替できるというものについては、それらの建設を今後十分考えて行なわなければいけない、こういうふうに考えている次第でございます。
 現在まで開業いたしました線が、全線開業が五線、八十九キロメートル、それから部分開業いたしましたものが七線、百三十キロメートルでございます。
#251
○市川房枝君 この新線の決定のときに、運輸大臣が任命されました鉄道建設審議会にかかるわけです。そこの答申で、大体それによってきめられるわけですね。この審議会はいろいろな方たちがメンバーにおなりになっておりますが、各政党からも幹部の方が参加しておられるようでありますし、私ども地方に行きましても、この鉄道は何々先生が骨折ってくだすったとか、ここには有力な政治家がおられるとか、わりあいに何といいますか、鉄道と政治との結びつきがそういうふうに云々されるし、私ども議員になって、前からずっと鉄道と政治とのつながりがずいぶんいわれてきているんですが、そういう意味でこの赤字線が非常に多いということ、初めから無理に、政治路線といいますか、そういうことばさえあるようですが、そういうものが今日の国鉄の経営を困難にもしている。現在もやっぱり赤字線は、いまいろいろ伺ったんですが、開発といえばたいへんにいいんですが、はたしてどうなのか。そこらのところがもう少し伺いたい。そして一つは非常に世の中が変わっていくということもあり、さっき私が申し上げました新しく宮守線ですか、それはトンネルをつくっておいでになるらしいんですけれども、土地の人さえあれは赤字線だなあということを平気で言っているんですが、運輸大臣、どうなんですか、そういう考え方が国民の中にある程度あるということですね、お認めになりますか、公平にといいますか、あるいは日本の将来というものを考えて、そうして新線の建設が行なわれておるかどうかということについて、ちょっと伺いたい。
#252
○国務大臣(原田憲君) 問題が二つ提示されております。いわゆるローカル赤字線の問題と新線建設の問題とでございますが、ローカル赤字線の問題につきましては、私は、申し上げておりますように、代替の機関があるということがまず第一番の条件であります。そういう代替がいいということになりますと、そこでどうするか、たとえばいままでよりも運賃が高くなる、これは困るじゃないか、いやそれは半年間は据え置きましょうとか、一年間は据え置きましょうというお話をしておるということを国鉄側は説明をしております。それもありますし、また地方のこれからの開発にはたしていいのかどうかというような問題、たとえば具体的に、先ほど先生は千葉県の視察のお話がありましたが、衆議院の段階のときには栃木県ですか、に行かれた。それがそのまま国会議員の先生のおっしゃることだから私は正しいと思っておりますが、それをきめたときには、新しい計画というものを知らなかったと、そのきめておる人たちが、廃止をしようという人たちが。ところが新しい全国総合開発ということから考えて、ここにはこういう開発をしようとしておるのに、それを廃止しようとしているんだと、それは理屈に合わないことだと。そういうこともありますが、いま先生の宮守線と反対のところもあると思いますから、それらのことをよく検討しながら善処していく、こういうことが大切であろうと考えております。とにかく、廃止ということは、一つは撤収であります。撤収作戦ぐらいむずかしいものはない。ひとつ間違うと混乱だけを来たして目的を達しないということになりますから、政府で一番大事な問題であろう、そういうことを考えていかなければならぬと思っております。
 それから、新線の問題でございますが、これは鉄道というものが今後も果たし得る分野があるのかどうかという問題が一つかかっておる。これはあるということに立って再建計画というものを立てておるわけでございます。すなわち、大量のものを輸送するのにはやはり鉄道というものは将来まだまだ必要である、こういう面に立って考えますときに、CD線というものはこれは必要なものであるということは、これは言を待たないということになってくると思うのであります。それからAB線の中にも、今後の全国の総合的な開発ということを考えるときには、これは必要であるものも出てくるのではないか、こういうことも考えなければならないのではないか。こういうことを特に新線の場合は、新しい日本の全国的な開発ということを考え合わせながらやっていかなければ、ただ、いま先生が言われたような、この線は何々先生の線であったというような、鉄道というものの明治といいますか、その時分の感覚ではいかないんじゃないか。新しい時代の考え方に立った鉄道というものを考えていかなければならぬじゃないか、そう思います。ただ、私は新幹線をこしらえました際も、大野伴睦という人が羽島駅をつけたんだと、その時分はぼろくそに言いまして、あれは大野駅だと、政治家は一番悪いということを、代表的なことを言われましたけれども、あの駅はお客さんがふえて、よいほうに宣伝をされておるように承知をいたしております。しかもあれは大野伴睦さんがつけたものでも何でもない。ここにいる副総裁も当時営業局長だったと思うが、国鉄のこの問題で質問をされた。大野さんは逆に――あれを岐阜へ持っていったら百何十億要ったんですね。それを国鉄の十河さんが国のためにこの線は直線で行かなければならぬが、ほかの先生を頼んでも当てにならぬ、大野先生、あなた何とか悪者になってやってくれということで、それであれは直線になった。そこで駅をつくるのに国鉄の総裁に聞くが、新幹線の駅は一つなのか、名古屋だけかと聞いたらそうではない、ほかにもたくさんこしらえる。それじゃ「こだま」のとまるのはどこどこにとまるかと聞いたら、横浜にとまり、小田原にとまり、静岡、浜松それから米原、京都、これは全部各県にとまるが、岐阜県だけはとまらない、何で岐阜県だけとまらないのか、おかしいじゃないか、ほかの県には全部とまるのに岐阜県にとまらないというのは。それじゃ横浜の駅はたんぼの中と違うか、横浜もたんぼの中じゃないか、新しい開発ということをすることも鉄道の役目じゃなかろうか、こういうようなことから追い抜き線が要るというのであそこに駅をつくった。これも磯崎君に聞いた。磯崎君の説明でああそうか、だから将来というものを考えると、やはりいろいろなことも考慮しながら事業というものは考えていかなければならない、こういうことが政治ではなかろうかと、こういうようなことも考えております。
#253
○市川房枝君 建設公団の問題は、できたあとこれは国鉄が譲り受け、あるいは借りて経営をする。そうしてそれがさっきお話しのように、赤字ができて、またそれを引き受けるので、それでまた経営が困難になっていくわけでありますが、その問題はたしか本会議でも民社の方の質問のときに佐藤総理は、いや国鉄総裁は審議会のメンバーに入っているから、国鉄の意見もそこに出ているはずだとおっしゃったんですが、総裁がメンバーにお入りになっているかどうかは名簿を見ればわかるんですが、しかしなかなかお一人がお入りになっておっても御意見は通らないでしょう。これは非常にしろうと考えなんですけれども、むしろ建設公団はやめて、やはりもとのように国鉄に新線の建設をまかせる、そのほうがむしろ経費の節約になり、一貫して経営の上でもいいんではないか、そういう意見はこの委員会でもどなたかおっしゃったように思いますし、私がしろうとで考えてもちょっとそういうふうに思うんですが、これは御答弁を伺う必要はないと思います。
 最後に、ちょっと伺いたいことは、私は働く人たちの賃金については、安心して家族の方々とともに生活できるだけの賃金が与えられるべきである。特に交通事業に従事しておる人たちに対しては、安全に関係がありますだけに優遇されていいはずだ、こう思っておるものなんですが、ところがある自治体に関係しております私の友人から実はこういう質問を受けたんですが、それに対するお答えをちょっと伺いたいんですが、それは自治体の公営企業が、たとえば東京都について申しますならば、東京都の交通局の事業は非常な赤字で、これは再建団体にも指定をされております関係上、都の交通局の従事員の昇給はストップになっておる。これは都ばかりではありません。どこの都市もそうなんですが、そういう制限があるが、国鉄の現状はそれこそ財政の危機だといわれておる、実態は都市の公営企業以上に大きい、それなのに何も制限がなさそうだ、これは一体どういうわけであろうかという質問を受けたんですが、それに対して国鉄とそれから自治省の公営企業の方に来ていただいておりますが、ちょっとお答えをいただきたいと思います。
#254
○説明員(石田禮助君) 国鉄職員の給与の問題につきましては、市川さんがすでに御承知だと思うのですが、私は国鉄総裁になりましたときに同じような御質問がありまして、この問題について私の意見を申し上げたことがあるのです。それで私は、とにかくいまのこの国鉄職員の給与をほかの二社――電電公社、専売公社と比べると、国鉄の職員の年齢というものは四歳以上多い。こうして男女の比率から見ても、国鉄は男九八に対して女二、電電公社が七〇に対して三〇、専売公社は六〇に対して四〇、しかもその仕事の質からいえば、国鉄はその時分には年々歳々一年に百人以上の殉職者を出している。全く命がけの仕事をしておる。そうして朝も昼も夜もない。専売公社なんというのは朝行って夜漏ってくる、仕事の質も問題にならない。それで国鉄の職員というものは三千円も四千円も安い、こんなばかなことはないのだ、政府というものは実情を知らないのだと、こういうことを申しまして、仲裁裁定に関しまして私はそういう話をしたことがあるのですが、そのときにはぽっと出まして、これでようやくパーになったが、それで今度の仲裁裁定なんかの問題につきましても、国鉄というものはつまり仕事はいわゆる公共企業体で赤字線の問題がありますし、公共性といわれながら、普通の営利会社と同じような目的で国鉄の経理をやっている。だから、かりに国鉄の財政状態が悪くて昇給の資金がないにしても、少なくともこれは普通のしろうとが考えるとほかの二社と比べると専売公社と同じようになっていない、こういう点から申しまして、国鉄というものはいま財政が非常に苦しいときに、そういうことを総裁として申しますのはなかなかこれはぐあい悪いのですけれども、全く国鉄職員の身になってみるとどうしてもこれは言わざるを得ないのです。私どもとして、責任ある者として言わざるを得ぬということで勇気をふるって申し上げておるわけです。さような次第でございます。
#255
○説明員(小田恵堆君) 公営企業第一課長の小田でございますが、いま先生がおっしゃったように、地方公営企業の中では昇給のストップではございませんけれども、昨年のベースアップをまだやられていない団体が少しございます。御承知のように、再建団体として指定を受けまして、現在企業の再建を行なっております団体が百五十五ございますが、そのうち主として交通でございますが、交通事業を行なっております八団体の交通事業の職員の給与改定ができておりません。いま先生から御指摘のございましたように、国鉄との比較で言われますと非常に私たちとしても苦しいのでございますけれども、ただ、財政状況から申し上げますと、赤字の額はともかくとして、赤字の質と申しますか、これは非常に都市交通のほうが悪いわけでございます。先ほど国鉄の総裁のほうから、資金がなくても何とかやりたいというようなことをおっしゃっておりますけれども、公営企業の場合、それ以上に苦しいのでございまして、もう少ししんぼうをしていただかなければならない。ただ、われわれは何が何でも押えてやろうということではなくて、企業の合理化なりその他増収等考えて財源をひねり出すのを検討してほしいということを管理者の側に対してもあるいは組合の側に対してもいま申し上げておるところでございます。御了承いただきたいと思います。
#256
○市川房枝君 ありがとうございました。
#257
○委員長(岡本悟君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#258
○委員長(岡本悟君) 速記をつけて。
 暫時休憩します。
   午後五時五十分休憩
     ―――――・―――――
   午後六時二十二分開会
#259
○委員長(岡本悟君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 理事会の結果について御報告申し上げます。
 八日の質疑者及び順序は、午前中、森中、田代委員とし、質疑時間はおおむねおのおの一時間といたします。午後は上田、木村、瀬谷委員の順序といたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後六時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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