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#1
第061回国会 運輸委員会 第19号
昭和四十四年五月十五日(木曜日)
   午前十時二十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     上田  哲君     藤田  進君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岡本  悟君
    理 事
                江藤  智君
                金丸 冨夫君
                谷口 慶吉君
                瀬谷 英行君
    委 員
                河野 謙三君
                佐田 一郎君
                菅野 儀作君
                平島 敏夫君
                前田佳都男君
                山崎 五郎君
                渡辺一太郎君
                森中 守義君
                三木 忠雄君
                中村 正雄君
                市川 房枝君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  原田  憲君
   政府委員
       経済企画庁総合
       計画局長     鹿野 義夫君
       文部省初等中等
       教育局長     宮地  茂君
       運輸大臣官房長  鈴木 珊吉君
       運輸省海運局長  澤  雄次君
       運輸省船舶局長  佐藤美津雄君
       運輸省船員局長  高林 康一君
       運輸省港湾局長  宮崎 茂一君
       運輸省航空局長  手塚 良成君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       郵政省電波監理
       局無線通信部長  大塚 次郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案
 (第五十八回国会内閣提出、第六十一回国会衆
 議院送付)
○外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法等の
 一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岡本悟君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案並びに外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法等の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 政府から提案理由の説明を聴取いたします。原田運輸大臣。
#3
○国務大臣(原田憲君) ただいま議題となりました新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 新東京国際空港は、将来における航空輸送需要の急激な増大と航空機の急速な進歩に対応できる国際空港として建設されるものでありますが、これが建設に当たる新東京国際空港公団においては、当面の最大の課題として空港用地の確保に全力をあげているところであります。
 ところで、新空港の敷地予定地の一部は、国有地である下総御料牧場によって占められておりますので、その移転先として、空港公団は、目下栃木県高根沢地区に新御料牧場を建設しており、その竣工後においてこれと下総御料牧場との建築交換を行ない、同牧場敷地を取得することといたしております。
 しかし、下総御料牧場は新御料牧場より大きいため、この建築交換後において残地が生じますので、当該残地を空港公団に現物出資することによりこれを同公団に取得させ、もって新空港の建設に資することとする必要があります。
 このため、空港公団に政府が土地または土地の定着物を追加して出資できることといたそうとするものであります。
 次に、新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、政府は、必要があると認めるときは、新東京国際空港公団に土地または土地の定着物を出資の目的として追加して出資することができるものといたしております。
 第二に、土地または土地の定着物が出資された場合における空港公団の資本金に関する規定、出資の目的とする土地等の評価に関する規定その他の関係規定を整備いたしております。
 以上がこの法律案を提案する理由であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願いいたします。
 次に、ただいま議題となりました外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 わが国海運は、経済の高度成長に伴い毎年増大する輸出入貨物の安定した輸送を確保するとともに国際収支を改善する役割りをになっており、国民経済上きわめて重要な地位を占めております。このような使命を果たすべきわが国海運業は、戦後、借り入れ金により外航船腹の増強につとめておりましたが、昭和三十一年のスエズブームの終息以後海運市況の悪化を迎え、深刻な経営危機におちいり、そのまま推移すれば国の要請する船腹の拡充も不可能となるおそれがありましたので、政府は昭和三十八年以降海運業の再建整備方策を推進してまいりました。海運企業は、これにこたえて再建整備の目標を達成しつつ、大量の外航船舶の建造を行なってまいりました。
 しかしながら、経済が引き続き高度成長を遂げている現状にかんがみますと、今後もより大規模に外航船腹の拡充を進めていく必要がありますが、わが国の海運企業が、海運助成策を背景とする諸外国の海運企業の進出等に対抗して、国際競争力のある外航船舶を大量に整備していくためには、今後一定期間、外航船舶建造のための融資について、船主の金利負担を軽減するための措置が必要であると考えられるのであります。
 このような背景におきまして、運輸大臣の諮問機関である海運造船合理化審議会は、この問題について審議を続けておりましたが、同審議会は昭和五十年度における邦船積み取り比率を現状より大幅に引き上げて海運国際収支の改善をはかるため、今後六年間に二千五十万総トンの外航船舶を建造すべきであり、これを達成するために、昭和四十四年度以降六年間に建造する外航船舶に対する融資について、船主負担金利を平均年五分六厘五毛とするよう利子補給することが必要である旨を答申しております。政府といたしましても、この答申の趣旨に沿って、昭和四十四年度予算案におきまして所要の措置を講ずるとともに、その内容をこの法律によって規定しようとしたものであります。次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、政府は、海運会社の申請により、日本開発銀行及び一般金融機関がともに行なう外航船舶建造融資について、昭和四十四年度以降六年間に限り、これらの金融機関と利子補給契約を結ぶことができることを定めたことであります。利子補給を行なう場合の利子補給率につきましては、日本開発銀行に対しては融資利率と年利五分五厘との差、一般金融機関に対しては長期設備資金の最優遇金利と年利六分との差の範囲内で定めることとし、利子補給期間は、船舶の建造期間とその後八年間とすることといたしております。
 第二に、利子補給にかかる国庫納付金の納付及び猶予利子の支払いの条件を合理化することとしたことであります。国庫納付金の納付につきましては、現在、海運会社が一定の利益を計上した場合にその決算期に受ける利子補給金相当額についてはその全額を国庫に納付することとなっておりますが、この制度を改め、利益の額の範囲内で利益率に応じて累進的に定める額を納付することを原則といたしました。また、再建整備期間中に支払いを猶予されていた猶予利子の支払い方法につきましては、現在、当初十年間は一定の利益を計上した場合に支払い、その後の十年間に毎年一定額を支払うこととなっておりますが、これを今後十五年間に毎年一定額を支払うこととし、確定額支払いの時期を五年間繰り上げることといたしました。
 なお、外航船舶建造融資利子補給制度につきましては、新法により一元的に規定することとし、日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法は廃止することといたしております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
#4
○委員長(岡本悟君) 外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法等の一部を改正する法律案について質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○森中守義君 直接法案に関係ないことですけれども、連続してフェリーボートの事故が二回続いております。その後運輸省におかれても適切な指導あるいは対策がとられていると思うのですが、少なくとも台風であるとか、そういった不可抗力に近いような事故でないわけですね。これはどういうことなんでしょうか。日常における行政当局の行政指導が怠慢であったということなのか、さもなければそういうところまで目が届かなかったということであるのか、経緯について詳しくお話し願いたいと思います。
#6
○国務大臣(原田憲君) フェリーボート事故に関しまして森中委員からいまお尋ねがございました。経緯、対策等についてお答えを申し上げる前に、事実問題についてちょっと御報告申し上げたいと思います。
 さきに五月六日、フェリーボート「うずしお丸」の事故がございました。これは昭和四十四年五月六日午前零時五十分ごろ、兵庫県三原郡西淡町阿那賀港におきまして、淡路フェリーボート株式会社所有のフェリーボート「うずしお丸」三百六十六・四九トンがランプゲートをおろし、乗用車等六台を積み込み、ほかに待っている自動車がなかったので、船長の指示により出港準備にかかり、ランプゲートを約十五センチ上げたときに、陸のほうから乗用車が走ってきた。この際、陸上従業員と船側乗り組み員との連絡が十分でなかった模様であって、船が動きだしたところへ乗用車が乗り込もうとして陸上可動橋と船のランプゲートとの間に転落し、乗用車に乗っていた四名全員が死亡したという事故でございます。
 本件につきましては小松島海上保安部が三原警察署に協力して事故原因の究明に当たっております。
 その後また、五月十一日午前一時五分、高松港を出発して宇野に向かいました四国フェリーボート株式会社所有のフェリーボート第13玉高丸、二百七十・九一トンが、同日午前二時二十二分ごろ、ランプゲートを仰角二十一・五度まで降下し接岸しようとして、岩壁の手前約二十メートルに至ったとき、車両甲板の右舷後尾に積載してあったライトバンが、運転手みずから車どめをはずし、前方に積載中の小型トラック一台を迂回して前面に進み、乗り組み員の制止を聞かず、ランプゲートを乗り越え、海中に転落し、乗車中の四名のうち二名が死亡したという事件がございました。
 本件につきましては玉野海上保安部と玉野警察署で合同捜査を実施、十二日午前九時三十分、乗用車運転手を業務上過失致死容疑で岡山地検に送致しました。なお、現在継続捜査中という事件でございます。
 私はこの事件が起きまして、まことに遺憾なことでございまして、人命を失われた方々には衷心から弔意を表する次第でございますが、このフェーリーボート事故は、過去において実はこういう事故がなかったわけでございます。こういうことが起こらないように、運輸省といたしましては従来から旅客船の安全運航につきましては、かねてより注意をいたしまして、旅客定員をこえた旅客の搭載の禁止等、法令の順守、船舶の運航管理の適正化等について指導し、多客期の年末年始等については交通安全のための総点検を行なっております。本年も特に春季の行楽シーズンを控えて、去る四月二十一日には、事務次官名によりまして交通事故防止について通達し、さらに海運局長、船舶局長、船員局長の連名で、より詳細な事故防止対策につきまして通達することによりまして、旅客定員の順守、船舶の管理等につきまして遺漏のないように指導しておったつもりでございますが、しかしながら事実上はこういう事故が起きました。まことに遺憾であると考えております。私といたしましては、その後すぐにこのような事故がもう再び起こらないということのために、できるだけの措置を講じておるような次第でございます。
 なお、森中先生のお尋ねによりまして、その方法等、具体的に御報告、御答弁を申し上げたいと思います。
#7
○森中守義君 後者の五月十一日の場合のですね、必ずしも船舶側の責任とは言いがたいような気もする。しかしそうは言うものの、前者とあわせてなるほど大臣が言われるようにかつてこういう事件がない、これはおそらくわが国の海難史上にも、こういうけたはずれのものはないと思う。しかるに、事件は事件として煮詰めていかにゃならぬと思うのですが、平素における海運局かあるいは保安部あたりの指導はどういうことですか。要するにこういうけたはずれというか、常識はずれの事故もあるということは、何かこう欠けるものがあるような気がしてしかたがないのですけれどもね。
#8
○国務大臣(原田憲君) いま御指摘のように、いままではなかったけれども、こういうことが起きたということについては十分でなかった点があるのではないか、私もこのように考えます。いままでカーフェリーの安全について関係法令によりましてその規制及び指導をきびしく行なってきたところでございますが、しかしながら、規在の関係法令は事業面より規制する海上運送法、船員面より規制する船員法、船舶整備面より規制する船舶安全法と多岐に分かれておりますので、船舶の運航者や利用者の便に資するため、近い将来、これからの法律に基づく諸規則、通達等をまとめて必携的なものを作成して、カーフェリーに関する安全確保に資したいと考えております。また、本年四月中に海上保安庁におきまして、カーフェリーを中心とする公開一斉取り締まりを行ない、現在その結果を取りまとめておりますので、これを今後の業務の参考に資したいと考えております。
 なお、再度事故が発生いたしましたので、私は、私の名前で緊急通達を全国の海運局長に対して打電をいたしたのでございますが、いま申し上げましたように、それぞれ法律はございますけれども多岐に分かれておりますのと、いままで事故がなかったということで、十分に事故防止ということについて欠くるところがなかったかというお尋ねでございますが、私はその点はやはりいままでなかったということで見のがされておる点があった。いまおことばのように第二回目の事故はこれは運航者にももちろん何がありますが、世の中にはそういうむちゃなことをする人もあることを予期しつつ事故が起こらぬような対策を立てていくということが十分である、こういう面から、いま申し上げましたように、現在の行なわれておる法律等もまとめて注意をして事故の起こらないように資すると同時に、なお必要があれば法的な措置というものも考えなければならぬ、このようにいま考えておるところでございます。
#9
○森中守義君 後者の場合ですね、これやっぱり搭載管理の問題だから、抑止、制止すべきにかかわらずしなかったというその責任は免れないと思う。それで、こういうことを私は地元で聞いたことがある。熊本に三角という港町があります。ここに島原とかあるいは長崎方面からやはりフェリーが入っておる。それで三角の港にすでに着岸をしている小船、漁船とかあるいは伝馬船等もありますが、こういう船が、フェリーがものすごい勢いで入港してくるものだから波が非常に荒くなってしょっちゅう岩壁に腹をぶっつけて浸水をするとかあるいは破損をするとか、もうそういう例があとを断たないと、こういうんですね。したがって、九州商船のほうにそういう関係の漁業組合等が、入港の際にはもう少しスピードを落としてほしい、少なくともそういうすでに着岸をしている小船等の損耗を生じないように注意をしてほしいという申し入れを何回もやったんだそうですが、なかなか聞いてくれない。それをよく内容を確かめていけば、大体あの距離が時間でももって一時間半ぐらいだと思うんですね。何しろものすごい立て込んだスケジュールを立てているもんだから、そういうかなり速足で走っていかないとなかなかその時間どおりいかない。したがって、実際の船のキャプテンあたりは、多少その事情がわかって気の毒たというように言っているんだそうですけれども、まあ要するにその運航の回数が多過ぎる、その辺の配慮をしてあるものだから、やはり船長のほうでは時間から時間に間に合わしたいというので船足を落とさない、こういう問題が背景にあるようですね。ですから、私はこの二つの事故といえども、いまの問題にやや共通したようなことがあるのじゃないか、こう思うのです。したがって、ほんとうに運航計画をどういう状態で立て、それを許可することになっているかどうかわかりませんがね、そういう事情等が出先の海運局あたりでわかっているのかどうか。もう少し、さっき何か調査をやったと、こう言われるのだけれども、運航状況がどうなっているのか。そういうせわしく運航させるために、よんどころない事故等の発生というものが当然起こり得るような気がする。したがって、先ほど申し上げる熊本の三角の場合には人命は失われておりません。しかし、小船の被害というものは相当なものですよ。したがって、もし人が失われたという事件があれば、今度のようなことがもっとこう社会で注目を浴びるでしょう。人の命が失われないような面でも、かなりそういうことの犠牲は多いのですよ。こういうことをどういうふうにお考えですか。
#10
○政府委員(澤雄次君) 現地の海運局長が運航計画スケジュールを承認いたしますに際しましては、海上保安庁その他とよく連絡いたしまして、港内の安全あるいは船員の労務管理の面で無理があるかどうかということをいろいろ考えて認可をいたしているわけでございますが、このカーフェリーにつきましては、非常に最近自動車の需要が多くなりまして、スケジュールが非常に多くなっていることはこれは事実でございます。ただ、あくまでも海上保安庁あるいは船員管理の面、船舶の安全法上の要請等を考慮に入れて認可をいたしているつもりでございますが、三角港の件につきまして、これはもう初めて伺いました。さっそく取り調べまして、海上保安庁とも連絡をいたしまして、港内の安全上支障があるというようなことであればさっそくスピードを落とさせる、あるいは運航回数をかげんするという措置をとりたいと思っております。
#11
○森中守義君 これはね、やっぱり多少総合的に考えていきませんとね、にわかにそのスピードを落とす、回数を減少したとなると、いまのような時期ですから、たいへんな需要ですよ、当面そういうことで今度は問題がある。もともとこれはこういうことではないでしょうか。非常に、内航船のことだから、少しそういうことに対する何かこうものの考え方が甘過ぎるのじゃないかというような気もするのですね。何も大波が来るわけでもない、デッドロックにのし上げるわけでもない。勝手が知り過ぎる、わかり過ぎるという、そういう安心感というものも多少船主側に、あるいは乗り組み員の側にあるような気もするのです。だから私は、今日のようにマイカーがふえる、船がどんどん車を運んでいくという、こういう新しい時代ですからね。しかも、そこには制限された隻数で動かしているということになれば、まずその辺から改善していくべきじゃないですか。むろん九州商船をはじめそういう関係の会社等において、まあどのくらいいの自力を持っておるか知りませんよ、おそらく一ぱいつくるにしても相当の金がかかるでしょうからね。そういう借入金借入金でまあやっている結果、数少ない船で大量に運ぼうと、それで利潤をあげなければ採算がとれないという、そういう経営上の背景もあるかもしれない。むしろ現象的にものの処理をすることよりも、もっとこう基本的なものを考えていかねばならぬと思うのですよ。何かそういう実情調査したことありますか。
#12
○政府委員(澤雄次君) 先生御指摘の点はまことに重要な点でございまして、自動車の、カーフェリーに対する需要が非常に伸びてまいりまして、最近船舶整備公団がつくっております船もカーフェリーが非常に多いのでございます。できる限り無理のない運航ができますように、業者に対しても需要がある場合には船舶設備、船舶をふやすようにということは指導をいたしておるのでございますが、企業の経営内容その他から需要に応じ切れない。したがって、一ぱいの船舶でなるべく多くの運航を行なうというような無理が生じてきつつあることも一部においては事実でございます。これらにつきましては、私のほうとしても全面的な調査を行なっておりますし、それから船を建造しよう、カーフェリーをふやそうというものにつきましては、船舶整備公団を通じましてできる限りこれに協力してまいっておるわけでございます。この三角の件につきましても、船の数が少ないのかどうか、その点を早急に調査いたしまして処置いたしたいと思っております。
#13
○森中守義君 これは何も運輸省に限らないで、水産庁あたりでも多少似たような傾向があるんですね。つまり、国際漁業あるいは遠洋漁業にすこぶる力点が置かれて、近海あるいは沿岸漁業についてはあまり重視されていない。したがって、運輸省もそうだと私は言わないけれども、まあ、いまからその審議に入ろうという、こういう運輸の問題でも、国際的なものについては、かなり政策的な力が入れられておるけれども、内航船等についてはあまり重視されていないような、概念の問題ですがね、そういう気がするんですよ。思わぬような事故が発生をする。この辺のこと一ぺん洗い直してみたらどうです。いま海運局長が、まあこれから需要がだんだん増大するだろうから、さらに新船をつくるとか配船をするような配慮をしたいということで、ものの考えとしてはわかりますがね。具体的にそういうものがいつ日程にのぼってくるのか、実現をするのか、まあ要するに取り締まる法律があるから取り締まりを強化する、あるいは力によって規制をする、これだけでは済まされないような問題がありますよ。その辺が私は大臣のほうでも特に考えてもらわねばならぬ問題だと思うんですね。力が、法律があるから、その罰則なり何なりを適用するとか、あるいは行政指導をもっと強化するということでは解決できない側面がずいぶん多いと思うんですね。まあそういうことはいま一通りのお話であらかたわかりましたが、もっと具体的に洗い直すようなことも考えてもらっていいんじゃないか。同時に、社会の指弾を受けるような、型はずれの、常識はずれの事故が起こらないように、日常、これはひとつ運輸省でも適切なる指導あるいは監督というものは怠ってもらっちゃ困ると思うんですね。
 それと、どうなんでしょう、そのことをあわせて、こういう事件は結果において海難審判所かなんかに、審判に付されるんですか。
#14
○政府委員(澤雄次君) 海難審判の対象になります。
#15
○森中守義君 まあそれでそのことは特に最近の一つの社会問題として非常に私ども重視しておりますから、特に当局において……。
#16
○瀬谷英行君 関連してお聞きしたいのですがね。
 これから先カーフェリーがふえるということになると、それに従事する従業員、いわば乗り組み員ですね、これも相当ふえてくるだだろうと思う。その場合にさきの、たとえば自動車が乗らないうちに船を出航させたといったようなケースですが、これはちょっと私らの常識では判断できない。何か渡し船の船頭が馬でも運んでいるような調子で仕事をやっているのじゃないかという、こういう印象を受けるわけです。だから、それらの乗り組み員の教育であるとか、あるいは養成であるとかいうものはどういうふうになっているのですか。現状、これからの需要の増大に伴って間に合うようになっているのかどうか。先般の事故を起こしたカーフェリーの乗り組み員の経験年数とか、あるいはそれらの乗り組み員の教育程度とかいうものを、もしおわかりになったらお聞かせ願いたいと思うのですが。
#17
○政府委員(澤雄次君) このカーフェリーだけではございませんが、旅客船の運航につきましては、会社で運航管理規則というものをつくっておりまして、これを船長及び船員あるいは陸上員に対して教育をやっているわけでございます。このたびの事故の船長の経験年数、ちょっと私いま持っておりませんが、先ほど森中先生御指摘がございましたように、あるいは同じ航路を反復運航しているために非常に気やすさが生じて何らか間違いを起こしたというようなことがあったんではないか、こういうふうに思いますが、大臣からもこまかく、たとえばランプゲートは船が陸に着いてからあけなさい、あるいは締めてから陸から離れなさいというようなこと、あるいは陸上と船内との責任者の連絡方法を明確に定めなさい、特に夜間では信号のやりとりの方法をはっきりしなさい、それから陸上と船内との間には遮断機をつくりなさいというような、事こまかく運輸大臣からも関係業者にこの際訓令いたしまして、これを今後とも反復会社がその職員に教育するように、このように指導をしてまいりたいと思っております。
#18
○森中守義君 一つ大事なことを忘れていましたがね。まあ名前まであげませんよ、最近こういう話があるのですね。日曜日に事務所に行ってみたと――むろん私じゃありませんよ、ところがその船はおりからの休みなのでたいへんな混乱ぶりを生じている。ところが事務所には管理者が一人もいない。それで、他用でその人は行ったらしいのだけれども、こういうふうにみんな苦労をしているのに船舶管理者がいないのは何事だというわけで、一日中さがし回ったら、北九州かどこかに出かけていてあわてて帰ってきた、こういう話があるのです、これもあるところのフェリーのことですがね。そこで、幸いにして事故等が発生していないからさしずめそういうことが問題にならぬのですがね。その運航のすべての権利というかあるいは権限というのか、そういうのは乗り組み員に全部まかしてあるのですか、陸上における管理者というものは一切そういうことには関係する必要はないと、そういうことになっているのですか。
#19
○政府委員(澤雄次君) 先生御指摘のようなことがございましたら、これは非常にけしからぬことでございまして、これは船舶の運航に関しましては運航管理者というものがございますし、船をこのあらしの中で出していいかどうかというような判断はこれは船長の判断でございますが、その会社の企業全体の一部としての運航管理ということはやはり陸上でやっております。運航管理者がおらないというようなことがございましたらまことに遺憾でございます。後ほどでもお教えいただきましたら、その会社を直ちに厳重に注意をいたしたい、このように思います。
#20
○森中守義君 これは特に社名、船名等をあげるのはどうかと思いますからそれは伏せますけれども、私もそのように理解している。肝心な運航管理者が日曜だからいない。それもこれもよく考えてみると、結局手なれ過ぎている、こういうような一つの慣習、慣行的のものがかなり重要視されてもいいのではないかと思うのですね。ほんとうにゆゆしい問題ですよ。これはひとつ一般論としても理解していただいて、大臣のその行政指導の通達等が出たならば、特にそのことも機会あるごとに運航管理者の責任の強調ということはやってほしいと思いますね。
 そこで少しく内容に入ってまいりたいと思うのですが、今回の合理化審議会ですね、これは大体期間はどのくらい議論したのですか。
#21
○政府委員(澤雄次君) ちょっといま資料がございませんが、昭和四十二年の九月七日に、再建整備終了後の新海運対策はいかにあるべきか、こういう諮問を大橋大臣のときにいたしました。そうして四十三年の十一月二十五日に御答申がございました。約一年と三カ月でございます。
#22
○森中守義君 大体この種の審議会等の審議の期間としてはやや適切であろうと思う。
 そこで変な話になりますがね、こういうものに限らないで、ずいぶん審議会が多い。政府は諮問をして答申をもらっているのですが、受け取った答申で、ものごとによっては三〇%答申の内容を行政面に生かしていくとかあるいは立法にゆだねていくとかあるいは予算措置をとるとか、態様は必ずしも同一ではない。むろん諮問及び答申、その扱いは政府に選択権があるわけなんですから、一がいにどうこうという批判はどうかと思いますけれども、まあ概していままで五〇%答申を見られておればややいいほうなんですね。特に米価審議会等については、もうほとんどその内容というものが見られない。しかし運輸省はよほどこういう審議会を尊重されると見えて、審議会の答申をこの際は一〇〇%近く立法に持ち込むあるいは予算措置を講じたということになっているのですね。それだけに、審議会の審議内容あるいは与えられた答えというものが重視すべき貴重なものであったという判断に立てばそれまでですけれども、これは大臣どうなんですか、閣議でいろいろ議論をしたときに、海造審の場合が一〇〇%近いものを採用するということであれば、たとえば米価にしてもその他の問題等にしても、内閣一体の責任において諮問をした、答申を受け取ったという場合には、すべて一〇〇%尊重すべきじゃないですか。むろんこれは人事院勧告等も含めての話ですけれども、そういう意味で私は、この場合はちょっとまあ奇異な感じを持つくらいに内容が採択をされた、こういう意味で非常に特に注目しているのですがね、他に比べて、どういうふうな気がしますか。
#23
○国務大臣(原田憲君) まあ私の所管をしておりますもの以外のことは、先生おっしゃるとおり、内閣一体でございますが、私もそれほどよく正直にわきまえておりませんから、いま人事院勧告あるいは米価の問題を持ち出しておられますが、これはまあその専門の大臣所管のことでございますから、あえて私が申し上げることは避けさせていただきますが、やはりこれは審議会の答申というものを受けたならば、それを尊重するということがたてまえでありますから、できるだけ、絶対的なものではありませんけれども、責任を持つ、政府が行なうのが責任でありますけれども、答申をした限りこれを尊重するというのが私はたてまえであろうと思っております。したがいまして、先般審議を終わりました国鉄財政再建推進会議の答申も、私自身はこれを受けまして、かつての国鉄関係の諮問等の答申に対して十分であったかどうかということは私は避けますが、今回はできるだけの努力をして、答申に沿うように力を注いだつもりでございまして、この海造審の答申に対していま森中さんのお尋ねの、これは十分過ぎるぐらいじゃないかというわけで、こうあるべきじゃないかと私自身は思っております。
#24
○森中守義君 その裏を返して言えば、なるほどいま言われた国鉄の推進会議、今回のものと、まあ言ってしまえばいずれもが非常に立ちおくれておる。要するにぎりぎりの段階のところまできていたものだから一〇〇%採択せざるを得ないという、こういう見方も成り立つかと思うのですがね。そういう意味で前の中曾根さんが大臣のときに、一度運輸行政については抜本的に洗い直していくと、もう行きつくところまで行きついてしまって、このあたりでぎりぎりの妙策を確立しなければどうにもならぬのだ、こういうことを一回この委員会で発言をされた印象を私はまだ耳に残しているのですが、したがって、さきの国鉄の推進会議の結論といいあるいは今回のこれといい、大体運輸大臣としては、国鉄は国鉄なりにむろんこれは相当長時間にわたる審議の経過で余すところなく問題点が浮き彫りにされた一つの答えを私ども持っておるわけですが、要するに両方ともこれによってほぼ、問題となっている今日の運輸行政はやや水準化した、平準化したと、こういうように行政の長官として判断されますか。
#25
○国務大臣(原田憲君) まあわれわれが生活をしていく上においてはやはり理想というものはあくまで次から次と私は浮んでくるものであると思いますから、満足ということはなかなか限りのないものであります。この海造審の答申も、いままでの海運というものに対してやってきたことが、まあおかげさんで効果があがったから今後それでいいかというと、まだ一そうやらなければならない、こういうたてまえの答申をいただいておる、このように私は理解をいたしております。したがって、この問題がこれで解決したというふうには断定はできないのでございまして、今後ともこれらの目標を達成して、その次にまた考えていかなければいかぬということはもう必然のことであろうと思いますが、一応今回は、今後六年間に対するところの海運政策としてこの答申を受けた。きょう御提案を申しました私どもの法案を中心に御審議を賜わり、これの結末を得ますならばまずまず今後の方策というものは間違いない、このように考えておる次第でございます。
#26
○森中守義君 具体的な内容は次の機会に譲りたいと思うのですがね。そういうことでちょっと気になる点をひとつ聞いておきますが、答申の別紙の中で、五十年度の国民総生産、この中で四十年から五十年の年平均成長率を八・五%に見ておりますね。この八・五%を基調において今回のこの計画をおつくりになったのですか。
#27
○政府委員(澤雄次君) さようでございます。これは昭和五十年度までの政府全体としての計画がまだなかったものでございますので、経済社会発展計画における平均成長率に近い線で伸ばしたわけでございます。
#28
○森中守義君 それで海運局長、それが問題なんだ。おそらくその発展計画というものは、先ほどお示しになった、四十二年九月七日から四十三年の十一月二十五日に至る期間には、すでにもう存在しておりましたよ。存在していたし、若干の手直しは行なわれている。したがって、実際の実績を基礎にしてこれがもしできたものであり、かつまた立法措置が、あるいは予算措置がとられておるということであれば、もう少し慎重であってよかったと思うのですね。どういうことかといえば、企画庁が出した発展計画の実績というこの統計によれば、八・五%じゃありませんよ、一二・六%になっている。したがって、早くも四%くらいの狂いを生じている。その誤差を持ちながらこの計画が実行に移されていくということになれば、これから六カ年間の中にどういう変化を生ずるのか。まあそういう意味で、私は全体的な経済計画の中にどういう比重を置くのか、あるいはそういうものを要素にしているのか、この合審の示されている添付資料それ自体に若干の疑問を持つし、それをうのみ、まるのみにして立法措置、予算措置、あるいは計画に移行しようとする運輸省それ自体の考え方がわからない。相当大きな誤差が生じますね、六年間で。どのくらいの誤差を生ずるのか、いまにわかに私もここで試算をしているわけじゃないけれども、要するに八・五%を根拠に置きながらやったのだが、すでに実績においては一二・六%ということになります。数字を見ただけでも、かなりの大きな変化があるのですね。その個々的な内容は次の火曜日にもう少し詳しくお尋ねしたいと思うのですが、私のここで言わんとするのは、合審の審議された経過というものが、一年あまりかかって非常に慎重であったことはけっこうなんだけれども、はたして現状をずばり踏まえているかどうかについては疑問がある。そういう意味で、一体答申を受けて立法措置あるいは予算措置を講じた運輸省の、どうも少し内容的にずさんな点があるのじゃないかというように思うんです。その点どうですか。
#29
○政府委員(澤雄次君) 海運造船合理化審議会におきます審議の途中におきましても、確かに先生が御指摘になりましたように、この経済成長率八・五%というのは低きに過ぎるのではないか、こういう御議論もございました。ただ、いまそれでは準拠すべき成長率の伸び率が何%がいいかということにつきまして、早急に一定の仮定を立てるということは非常に困難である。で、将来国全体の長期計画は修正されるようなことがあれば、そのときにまたこの所要船腹量その他を再検討する必要が起こるかもしれない。ただ、現在の時点におきましては、一応この八・五%を基準にしてやらざるを得ない。これは海造審には関係各省入っておりますし、それから関係の経済団体の方も入っておられまして、一応そういうことに相なったわけでございます。
 それから、いま一点、この六カ年間に二千五十万トンという船をつくりますことが、現在の船会社の体力から見て十分かどうかということも相当に議論をされました。二千五十万トンの程度であれば、船会社の体質を悪くしないでこれを建造することが可能であろうという結論に達したわけでございますが、経済成長率を、御指摘のように非常に高く持ってまいりますと、そうすると所要船腹量というものはもっと非常に多くなるわけでございます。しかし、そうしますと、はたしてこの程度の対策でそういう大量建造ができるかどうかという問題も起きてくるわけでございまして、それやこれやを海運造船合理化審議会で検討いたしました結果、現在の時点においてはこの六カ年計画は、この八・五%を前提にしてやることが妥当である、こういう結論に相なったわけでございます。
#30
○森中守義君 ここは大いに議論の分かれるところであり、もう少し詰める必要があると思う。で、私はそのときはそのときで、もう一回再検討すればいいという、そういう趣旨で法律が提案をされる、あるいは予算が措置されるというようなことは、あまり立法府としては好ましいとは思わない。ですから、ある程度数字というものはきちっとしたものでなければならぬし、いかにもそのときはそのときだというならば、いいかげんなものだというように、簡単な言い方をすればなるのですね。それじゃ困るのですよ。それで、それは次の機会にもう少し私も研究してきますが、非常にたいへんな差がある。同時に成長率が高まった段階においては、その時点でもう一回再検討するということは私はとりたくない。そういうものの考え方の上に立ってもう一つ聞いておきますが、なるほど二千五十万程度の大量造船をやれば、積み取り比率は七〇%台ぐらいに上昇してくる、ひいては国際海運収支も好転をする、こういうことのようでありますが、わが国が二千五十万トン、六年間でやった場合、外国はどうなるか。そのままの状態で足踏みしますか。おそらく二千五十万トンわが国が新しい船腹量を保有した場合には、外国はそれを待つのではなくて、それなりにもっと上昇していくのじゃないか。そうなると積み取り比率を高めるために、少なくとも七〇%段階にするために、これこれの船腹の保有量が必要だというこの議論というものは、将来を見た場合に、必ずしもそれで海運収支が黒字基調になるということには言い切れないのじゃないか、こう思うのです。先ほど大臣の説明の中に、国際競争力を高める、こういうお話がありました。しかし問題は、わが国が力を入れるように、外国といえども相当力を入れることになるでしょう。そういう米英等の主要な各国の建造計画というものはどういうように判断されますか。
#31
○政府委員(澤雄次君) まことに御指摘のように、欧米の海運諸国も非常に手厚い海運助成を実施いたしております。そのうちにはわが国よりももっと厚い助成をしておる国もございますので、今後欧米諸国も新造船をどんどんつくってわが国の貿易に対して競争をしてまいると思うわけでございます。ただし、この計画をつくりますに際しましては、経済界の方とも非常によくお打ち合わせをいたしまして、経団連あるいは石連――石油連盟それから鉄鋼連盟等とも御相談をいたしまして、こういう荷主の方々も、日本の船会社が国際競争力のある船をつくっていくならば日本船を使いましょう、こういうことを言われまして、またいままで実際にそのように日本船を使っていただいておるわけでございます。国際競争力のある船といいますことは、外国船と同じ運賃を出せる船ということでございますが、われわれといたしましては、あるいはこの新海運対策の助成が欧米諸国よりも幾ぶん落ちるところがあるかもしれません。船会社の経営努力によって、これだけの助成を行なえば欧米諸国と同じ運賃を出していける、このように確信をいたしておりますので、この法案を御承認いただきましたならば、私は日本の船会社は十分国際競争力のある船をつくっていって、積み取り比率を予想どおりに上げることができる、このように考えております。
#32
○森中守義君 そこで、これは少し本筋をはずれる議論になるかわかりませんが、私は別な角度から、必ずしもそううまくはいかぬ、やや悲観的な考え方を持つんです。それは、日本の場合にはあくまでも貿易ベース、あるいは純粋な海運ベース、こういうことで新船建造というものが計画をされる。しかも政策としてそれが採用されているということなんですが、外国では必ずしもそうはいかぬのじゃないか。というのは、必ずしも外国は純粋な貿易ベース、あるいは海運ベースではない。そういう側面を多分に持っていますよ。だから日本が利子の補給等をやって、それで正常な海運収支を確立したい、こういうこととは別に、外国では軍事的な意味合いでこれにかなり力を入れている。そうなると、将来の国際社会をどういうように展望すべきかはここの議論じゃないけれども、やや私は日本の場合とは変わった性質のもとにおいて、相当新船の建造というものが促進されていく可能性が十二分にある。そうなると二千五十万トンの新船の建造が終了し、それで積み取り比率が高くなったという、そういう単純な理論では割り切れないような気がする。たとえばアメリカを例にとりますと、商船法というのがある。一九三六年にできておりますね。一九四六年に戦時建造余剰船舶売却法。この二法が一体何を意味しているのか、非常に私はこの点が重視しなければならぬ側面を持っていると思うのです。だから、幾ら日本がつま立ちをして国策として新船建造に力点を入れてみても、なかなか国際水準に到達をする、ひいては海運収支が黒字基調に転ずるということは容易なことではない、こういうように思うのですが、いかがですか。
#33
○政府委員(澤雄次君) まことにこの新海運政策を実施すれば、易々として計画が実現できるというものではございませんで、非常な船会社の努力と経営の合理化のための努力と、また政府の適切な指導ということと、それから荷主の、日本の荷主の協力ということが今後とも必要であろうかと思います。先生御指摘のように、アメリカにおきましては一九三六年の商船法によりまして、船をつくりますと、その船価の五五%までが国が補助する、こういう制度になっております。またイギリスでは、船をつくりますと船価の二五%まで国がただで金をくれるという制度になっております。しかし、こういう制度を実施いたしましても、アメリカの船はふえていかないのでございます。アメリカの積み取り比率は年々下がっております。イギリスもこういう制度を実施いたしましても、船が政府の思うようにふえていかないという状態でございます。この点やはり日本の海運というものは、成長力のある経済、日本の貿易をバックにいたしまして、日本の荷主の協力ということと船会社自体の合理化の努力ということによりまして、再建整備期間中も非常に伸びてまいったわけでございます。これは世界の驚異でございます。また今後六カ年間におきましてこれだけの助成を行ないましても、たとえ、その助成は英米の助成策より低いということはございましょうが、私は必ずやこの計画を達成して国民の期待にこたえるであろうと、このように確信をいたしております。
#34
○森中守義君 いま澤局長は、アメリカは年率二%くらい積み取り比率が低下している、こういう御説明ですが、これは私はちょっとやはりとらえ方あるいは分析のしかたが現状を多少平面的に見過ぎていると思うのです。なるほど商船法の政策宣言はこれですよ、問題は。御承知のようにこういうことをいっているのですね。「米国は、国防上、並びに外国貿易および国内通商の促進のため、(a)内航による通商の輸送を充足するとともに、米国の輸出入のための輸送を確保し、かつ常時、上記国内通商並びに輸出入の円滑を維持するために肝要なすべての航路に配船するに足り、(b)戦争または国家非常事態に際し、海軍及び陸軍の補助部隊として奉仕することができ、(c)出来得る限り、米国民より、米国籍のもとに、保有され、運航され、かつ(b)米国で建造され、訓練された優秀な米国民である乗組員を乗り組ませた船舶であって、設備においてすぐれ、安全性が高くそして目的に最も適した型のもので構成される商船隊を保有すべき必要がある。かかる商船隊の開発を促進し、かつその維持を助成することが米国の政策であることをここに宣言する。」、こういっている。これに当たるのがいまのベトナムですよ。あるいはまた諸外国に相当のアメリカの基地を持っている。したがって、この政策宣言にあるように、商船イコール軍事編成、こういう二面の性格を持っているわけなんで、かなりアメリカの商船がいわゆる戦闘作戦行動に組みかえられる、そういうことが積み取り比率を近年やや低率な状態に置きかえている傾向だ、こういうふうに私は見る。パリ会談がどういう状態になっているか。やがてやがて平和が訪れる。アメリカが純然たる平和産業に切りかえたときに、いままで軍事目的に軍事編成化された商船というものはもとの商船に返ります。そういうときになると、相当ダイナミックな威力を発揮するというふうにまたなるであろう、私はこう見る。だから、なるほど指摘されたように、若干の下降線をたどってはいるといいながら、アメリカはそういう意味で対象にらない。いまそういうベトナム戦争という特殊な現象を基調にしているわけですから、したがって、いまわれわれが考えなくちゃならぬのは、アメリカがこういう商船法による政策宣言であれ、あるいは売却法による政策宣言であれ同じ趣旨のものなんだけれども、われわれとしてはやはり、平和というものを念頭に置いてそういう国際社会に日本の商船がどういう位置づけになるかということを考えると、こういう特殊な時代に特殊な問題で低率化している外国というものを引き合いに出すというのはいささかこれはどらかと思うのです。ですから、おそらく強大国においては多かれ少なかれアメリカの商船法的なそういう性格を基調にしてやっていると見なければならぬので、そういう時代に日本だけが、平和国家だからあくまで平和貿易をやるのだからということで、現在の積み取り比率を確保しているという見方のほうがより適切じゃないか。国際社会全体がそういう状態になった場合には、もっと日本は衝撃を受ける可能性が起きてくるのではないか、こう思うのですが、そういう見方についてはどういうふうに考えますか。
#35
○政府委員(澤雄次君) 確かにおっしゃるような点がございます。かりに全面的な平和になったら世界の海運市況はどうなるかということにつきましては、世界の海運業界あげていろいろな予測をやっているところでございます。しかし、どのような事態が起きても日本の海運界の生命力と申しますか、日本の貿易の成長にささえられた日本海運の生命力というのはいかなる事態に対しても対処し得るように体質を改善し、経営を合理化し、大いに努力してこれに打ち勝っていかなければならないと考えております。
#36
○森中守義君 澤局長、そういう精神教育は大いにけっこうです。そういう考えでなければとても日本の海運政策はできないことはわかっているんですが、しかし、少なくとも海造審の答申を受けて立法措置を講じよう、あるいは特殊な長期計画をやろうという場合には、もう少し内容として――むろん私の言っておることがすべてだとは言いませんよ。けれども、こういう問題もあるというようなことが総合的に判断の基礎にならなければまずいのではないか、こう思う。そこで残念ながら海造審の答申には先ほどの成長率のずれがある、あるいはその積み取り比率についても六年経過した後でないと当たったか、はずれたかという答えは出てこない。むろん途中において再検討を加えるというお話でもあるから、そういう結果論をいまにわかに予測はできませんけれども、長期の計画であればあるほどもっとそういう内容というものは多面的でなくてはならないと思う。その辺が少しく欠けているような気もする。これは私の意見であり、一つの指摘ですからね。
 そこで、そういうような意味で、一体それならば六年間にいわゆる中核六社というのはどうなっていくのか。むろんこれは独禁法の適用除外になっておるかどうかといろいろ検討してみると、除外になっていないようですね。この中にも多分に中核六社というのは独禁法上の制約もはめているような気もする。しかし、それは後日の議論としまして、かなり手厚い保護政策をとりながら、一体中核六社あるいは系列会社、これらの収益状態を見れば相当いいんですね。ですから、自己資本を前期三年においては定期船で五%その他で一〇%、あるいは後期三年においては関係各社等の経理状態等によって吟味すると、こういうことを言われておりますが、中核体で四十三年九月決算において三百八十億七千五百万、四十四年三月においては三百七十九億三千六百万と相当な収益をあげておりますね。それと中核六社の個々的なものも出ておりますが、郵船にしろあるいは三井船舶でも川崎でもジャパンラインでも山下新日本でも昭和海運でも相当の収益をあげておる。大体コンスタントにいっておりますよ。こういうように見てくると、はたして三百数十億という収益をあげながら自己資本の投入というのはさっき申し上げたような率でいいのかどうなのか。端的な言い方をすればこれだけもうかっておる。しかも利配もやっていながら何もかも国におんぶしたらうまくないんじゃないか、そういう気がするんですが、手元にもっと正確な資料があれば、四十三年の九月及び四十四年三月決算の内容をひとつ示しておいてください。
#37
○政府委員(澤雄次君) 詳しい資料は持っておりませんが、先生御指摘のように、中核体で四十三年九月期の償却前利益は御指摘のように三百八十億でございます。しかし、船を非常につくってまいっておりますので、三百五十億の償却を同期に実施いたしておりますので、償却後利益といたしましては二十九億でございます。これから税金を払い、いろいろな処分をいたしまして、未処分利益として二十五億の利益を出しておりますので、利益率といたしましては資本に対して六分九厘から七分くらいの利益率かと思います。今後、前半期におきましてはここに御審議になっておりますように、自己資金が一割でございますが、後期三年においてどうするかということも実は海運造船合理化審議会で審議をされたわけでございます。しかし、今後の船会社の投資なり経営が一体どうなるかということの一応の予測はいたしておりますが、いま確実に予測することはできない。これはやはり三年たった時期において再検討をして、自己資金の投入率をきめるほうが妥当であろう、こういう結論になったわけでございます。と申しますのは、今後この二千五十万トンの大量建造を推進してまいります一方、中核体は特にコンテナ投資というものが膨大な額になることが予想されているわけでございます。これは諸外国がコンテナ船を日本に入れてまいりますので、どうしても日本船もこのコンテナを推進しなければいけない。これは非常に膨大な額になりますので、それやこれやをもう一度、もう三年たった時期において再検討しよう、こういうことになりまして、このようにきめたわけでございます。もちろんその趣旨は、現在よりも自己資金の投入額をふやす方向で検討する、こういうことでございます。
#38
○森中守義君 詳しい議論はあとに譲りますが、いま一つその中で、中核六社の利配はどのくらいになっいるんですか。
#39
○政府委員(澤雄次君) 六分でございます。
#40
○森中守義君 これは火曜日までに間に合うかどうかわかりませんが、中核六社の役員報酬、これは年に何回の賞与等が行なわれているかわかりますか、そういうものを各社別に、それと、むろんそういうことはないと思うんですが、たとえば私鉄等がかなり投資していますね、国鉄もやっておる、中核六社等にそういう、つまり純粋な海運企業以外に投資をしているかどうか、それもひとつ資料として、ないと思いますがね、一ぺん調査をして御提出をいただきたい。
 きょうはこのあと少し人の問題についてお尋ねしておきたいと思います。
 文部省に最初お尋ねしますが、いま仙台、詫間、熊本、国立の電波三校の一校における入学人員は何名ですか。
#41
○政府委員(宮地茂君) 仙台と熊本が一学年の入学定員、八十名ずつの百六十名でございます。それに香川県の詫間が百二十名、三校で合わせて二百八十名でございます。
#42
○森中守義君 郵政の場合に、この三校で卒業する、あるいは在校の学生も含めまして国家試験に合格する通信士は何名ですか。これはできるならば過去何年に何名ずつというように、二、三年以前のものから教えてもらいたい。
#43
○説明員(大塚次郎君) ただいま先生の御質問の学校別の人数はちょっと手元に持ってまいりませんので、後刻調べてお答えいたしたいと思いますが、とりあえず四十年度、四十一年度、四十二年度の受験者の合格率を申し上げさしていただきたいと思います。三校の合計の合格率でございますが、第一級無線通信士については、四十年度は八・六%、四十一年度は七・三%、四十二年度は九・一%でございます。また、第二級無線通信士につきましては、四十年度は七・八%、四十一年度は二〇・九%、四十二年度は一〇%でございます。また、第三級無線通信士につきましては、四十年度は三一%、四十一年度は二三・四%、四十二年度は二九・九%となっております。
#44
○森中守義君 文部省の場合ですね、電波三校を出た諸君で船舶に乗り組んだ卒業生及び陸上に就職した卒業生はどういう比率になりますか。
#45
○政府委員(宮地茂君) 海上と陸上を一〇〇といたしまして海上のほうの率を申し上げます。三十八年度七%、三十九年度一三%、四十年度三八%、四十一年度四七%、四十二年度一九%、これが海上への就職。逆のほうが陸上。
#46
○森中守義君 そういう比率からいきますと、四十一年の四七%が最高ですね。これは学校当局では特別に就職指導、つまり海上だとかあるいは海上以外に一般官公庁あるいは会社、そういうような特別に計画的なものはやっていないですね。個個人の選択にまかしておるのですか。
#47
○政府委員(宮地茂君) これは特に計画的にはやっていないようでございます。それに三十八年度から四十二年度の先ほど私申し上げました数字をごらんいただいてもわかりますように、年によりまして非常に不同でございます。コンスタントな数字になっていないということで、就職というものが年々需要側のいろんな理由で一定の数字がつかみにくいということは学校側――校長等が申しておることでございます。でございますから、その他いろんな数字から見ますと、無線通信士になります電波高校の卒業生は非常に足りないように見えますけれども、校長に聞きますと、就職をぜひさしてやってほしいということで会社側に就職のお願いに行っておるというような実態のようでございます。で、いま先生お尋ねの件は、もちろん個人の意思が中心でございますし、こういうふうに年々海上就職率が違いますのも、学校自身が計画性がないというよりも需要側がどうも固定をしていないというのが実態のようでございます。
#48
○森中守義君 そこで先ほど国家試験の合格者の率からいきますと、あと通信大学がありますが、それらを含めて、現在電波のほうで把握されている海上通信士の充足率というもの、この辺はどういうように判断されていますか。
#49
○説明員(大塚次郎君) 無線通信士のうちで、現在第一級無線通信士については年間約三百名から四百名、第二級無線通信士につきましても年間約三百名から四百名が国家試験に合格いたしております。一方で、商船、船舶の無線通信士の需要につきましては、昭和四十四年度においては第一級及び第二級無線通信士を合わせまして約百五十名程度くらいの需要と見込んでおりますので、大体需要は満たされるものと、こう考えております。
#50
○森中守義君 いまのは一級が三百名から四百名、二級も三百名から四百名、これに対して需要が四十四年の場合には一級、二級ともで百五十名限度、こういう数字でしょうか。
#51
○説明員(大塚次郎君) そういうことでございます。
#52
○森中守義君 そこで、現状では需要にほぼ対応できるような状況だというので、現状においてはそう心配もないように思うのですが、そこで運輸省の場合、二千五十万トンという、要するに大量新造船をつくった場合、オペレーター及び機関部員とか、あるいは甲板員とか、そういう総体的な総合的な船員の需給計画というものはお持ちですか。
#53
○政府委員(高林康一君) 二千五十万トン建造を外航船舶について今後やっていきますけれども、現在のところ私どもといたしまして計画を策定中でございますが、その場合に、大体の大まかな見通しといたしましては、計画の前半期におきましてはある程度充足は可能である。しかしながら、計画の後半期におきましては相当需給が窮屈になってまいります。ことに機関士の部門において需給が相当窮屈になってくるというふうに現在の段階においては見通しておる状況でございます。
#54
○森中守義君 これは造船の二千五十万トンというのは動かしがたい計画としてぴしゃっとできているわけですね。むろん人の問題はこれは多少流動しますから、しかも個々人の職業選択の自由が憲法上保障されておるわけだから、なかなかその辺のむずかしさもありますが、おおむね充足可能ということで、ちょっと二千五十万トンという大量建造になれば問題だと思うのですよ。それでこの六年間のいずれかの期間に船員の需給計画というものはつくるのですか。そうじゃなくてある程度その場その場で、たとえば新造船に対しては個個の会社が雇用関係を結んでいくとか、あるいは転船をさせるとか、あるいは合理化によって減員をしてそっちに振り向ける、そういう柔軟な体制をとるのですか。画一的にやるのか個々的にやるのか、その辺はどういうことになりますか。
#55
○政府委員(高林康一君) ただいま先生御指摘のとおり、人の問題は相当流動的な要素がございます。したがいまして、私どもは船員需給につきましてぴしっと、これだけ、たとえば一船に何名乗らせろというふうにきめるということは――もちろん船舶職員法上の最低限というものがございます。しかしながら、それ以上どういうふうにやるかというようなことは、船の具体的な性格によっても違うと思います。したがって、その辺は相当弾力的に考えていくべきであろう。そこで船舶職員法上の最低限の人数をもってするならば、これは大体職員部門につきましてはほぼ充足ということは、最終の年次ぐらいにおいては相当窮屈になってまいりますが、可能であろう。しかしながら、どれぐらいそれ以上に乗せていくのか、代替船についてはどのような配置転換をやっていくか、その辺はやはり労使間、あるいは全体的な見通しにおいて弾力的にやっていくべきであろうという感じで、いま船員需給について大体の需給見通しを策定しておる段階でございます。
#56
○森中守義君 それは会社関係等における当事者間の合理化に関するいろいろな話し合いにもよりましょうが、やはりその原則になるのは船舶職員法の最低ぎりぎりの義務的な要員、これはどうしても確保しなくちゃならない。あとは完全にアルファという理解をしていいかどうかわかりませんがね。したがって最低ぎりぎりのこの二千五十万トンで割り出した場合にどうかという、この計画は持っていなければまずいのじゃないですか。それと、これはしばらく私農林水産のときに、水産庁で非常に問題になったのですが、いまたいへんなんですよ、沿岸あいるは近海漁業になりますと。なぜかといえば、みんな国際漁業に取られる、あるいは外航船舶に取られるというわけであります。ほとんどの沿岸、近海の船主というのは四苦八苦しておる。しかも、そういうことが非常に危険な反面を持っているんですね。たとえば、海上保安庁に明らかに違法であり、脱法であるということで摘発される。しかし、それを水産庁はどうして隠蔽するかということにきゅうきゅうとしていますよ。その原因は何かといえば、結局人が足りない。そこで、たとえば出港させないで、港に係船をする、こういう措置をとらなければならないのだけれども、法律的にはとらないで出してしまうという、こういう例も決して少なくはない。そういうのがたまたまさっきのフェリーの話じゃないけれども、やっぱり要員不足等のために、あるいは過度に失する稼働状態のために、海上における事故が絶えない、こういう一つの側面も持っている。なるほどこれはよく話に出るんだけれども、沿岸あるいは近海よりも、国際船、外航船に乗るほうが処遇もいい。しかも船内の設備等も違いますからね。ですから、沿岸あるいは近海の乗り組み員というものが全部そっちのほうに転用されるという可能性が非常に強まっていますね。これは、いや、それは水産庁、農林省がやることだから、運輸省の計画には関係がありませんといって済まされない、国全体としての問題があると思うのですね。それで、なるほど流動性を持っているというのはわかりますけれども、ただ、それかといって、いきなり、正確に雇用関係を結ぼうというのに、いや君は希望するけれども乗ってはならぬとか、そういう規制のしかたは法律的にはできないでしょうけれども、その辺のことがやはり二千五十万トンを大量につくるという際の一つのネックにもなってくるような気がする。私はそういう意味で、沿岸あるいは近海の漁業にきわめてしわ寄せがくるような、そういう方策というものはやはりとるべきでなかろうし、それを回避するためには、計画的な乗り組み員の養成あるいは配置計画――個々人がどういうものを選択するかは別としまして、つまり計画というものはその中に正確なものとして樹立されなければ、なかなか二千五十万トン、一口につくるといっても、簡単に船は動かぬのじゃないかというようにも思うのですよ。だから、さっきのお話だと、いや別段計画的なものは考えない、しかし後半期には窮屈になるだろうという、何だかんだでやりくりしながら充足できるんだという船員局長のお答えでは、あまりにも平板過ぎて、具体的な内容に乏しい、こう思うのですよ。どういうふうにお考えですか。
#57
○政府委員(高林康一君) 御指摘ございましたように、外航船の船員というものをそれだけ切り離して船員の需給を考えるということはできないわけでございます。現実に、たとえば水産高校、水産大学というようなところを出た人も外航船に大部分、大部分というのは少し言い過ぎでございますが、相当程度いっておる。あるいはまた内航船の船員というものが外航船の部員にいっているというようなことで、外航それから内航、漁船その他の間の流動関係というものは相当程度はなはだしいのでございます。そこでいま先生御指摘になりましたように、そういう問題につきましては、漁船の場合、ことに比較的小さい型の漁船のほうに非常に労働の需給逼迫が現実にあらわれておる、また内航についても逐次あらわれておる、こういうのが現状でございます。そこで需給関係を考えます場合には、やはり内外航、漁船を通じて考えていくべきであるというような考え方で私どもおります。
 その場合具体的な対策としてどうするかということでございます。基本的にはやはり船員の養成というものを充実していかなければならない、これはまず根本でございます。具体的な措置といたしましては、本年度から商船高等専門学校、これは主として外航に当てられると思いますけれども、商船高等専門学校の定員を四百名から二百名さらに増加いたしまして六百名にするということ、それから海員学校は、これは主として内航の職員、または外航の部員を養成いたして、毎年大体千人くらいの卒業者がございますが、これを一校増加いたしまして、再来年度からさらにこれを――いま校舎の建築にとりかかるというように本年度の措置をしたわけでございます。こういうようなことでやっておりますけれども、問題は船舶職員制度というものをこの段階においてはいろいろ考え直すべきでございます。そこで、現在の船舶職員制度のあり方といたしましては、海技従事者国家試験によりまして、その試験によりまして免許を与える。その資格を持っているものでなければ乗せられない。船ごとにいろいろな資格の区分けがございます。それであまりにも実地試験が重視されるというような傾向が過去にございましたので、私どもといたしましては、むしろ経験によって安全を相当担保できるという考え方で、一定の経験年数を持つ者は、職によっていろいろ違いがありますけれども、そういう者は上級職に口述試験または無試験で昇進できるというようにいたしまして、いわば下部の船員を上級職員に登用する道を大幅に開きたい。それから漁船には不足でございますのは乙種二等航海士、または機関士の部分でございます。これにつきましても、御存じのように、漁船におきましては漁労長、あるいはいろいろな部員が非常に多うございます。これは一定の経験年数を持つ者については、乙種二等に上がれるようにというように職員制度の改正をはかりたい。さらに根本的に、先ほど外航につきまして申し上げましたように計画年度の末におきましては、かなり機関士を中心に不足してまいります。そういう関係で自動化船というものを当然――二千五十万トンというものに自動化というものを大幅に取り入れていくことが想定されます。たとえばノルウエーにおきましては、機関室については無人とするというような船が出ております。そうしますと、この機関士不足という問題について、これをやはり無人化するという可能性があるのではないか。しかしながら、その機械の信頼性というような観点から、船舶運航の安全上、やはりいろいろまだ問題がございます。そういうような問題点を含めまして現在、船舶職員制度をどのように改正すべきか、漁船、内航、それから外航を含めて、そういうような点について昨年九月から海技審議会にいろいろ御諮問申し上げておりまして、そういうような点もあわせて検討しているという現状でございます。
#58
○森中守義君 いまの審議会の答申はいつごろを予定しておりますか。
#59
○政府委員(高林康一君) なおまだ若干の日数がかかると思います。いろいろまだ問題点が整理し尽くされないところがございます。結局、需給の観点と、安全という観点とをどのようにして調和させるかということになりますので、いろいろ各方面で意見がございますが、それらについていま詰めをやっておりますけれども、なおまだ若干の時間は要る。少なくとも本年一ぱいはかかるんではなかろうかと見通しております。
#60
○森中守義君 いま船員局長が言われるように、問題は教育ですよ。一般警備要員とか、どこでもすぐ使えるという、そういうのは船の場合はごく少数ですから、特殊な技術を持った職員でないとできませんからね。それで運輸省は、所管の海技大学、航海訓練所、それに海員学校、これに今度は、文部省所管で東京商船大学、神戸商船大学、商船高等専門学校、それとその電波三校、特殊なものがありますね。これでいただいた資料からいきますと、ほとんど海上要員の一定の資格を持って乗員せしむべき者の教育の大半、大体この数からいくと文部省は六百四十名ぐらいですから、三つ合わせて、電波高校のものを合わせると約八百名ぐらい、あとはみんな運輸省の特殊教育をやっているわけだな。そこでこれは、非常に今日の大学問題等がこういう騒然たる時期ですからね、そこまで手が回らぬという文部省側の意見もあるかもわからぬけれども、ことに電波高校の場合には、数年前から高専に切りかえたらどうか、こういう学校所在地の父兄の中から強い要請が上がっておりますよ。私のところにもよく見える。その話の内容を聞けば、先ほど電波の通信部長が言われた試験の合格者、これが従前に比べていくと非常に悪くなったと、こう言うんですね。非常に少ないですよ。本来ならば――本来というのか、電波高校創立時代には優秀な学生が集まってどんどん試験に合格したんだが、その後は非常に低率な状態にある、こういうことだと思うんですね。いわゆる国立の高専を幾つかつくりましたね、そういうところに優秀な学生が流れていく。したがって、電波高校には、二流、三流という言い方はこれは失敬千万でしょうけれども、高専がない時代のように優秀な者が比較的少ない。したがって、学生の質の低下というものが非常に目立っておる。こういうことが、有資格者をつくっていくべき国家試験に合格率が悪くなっている。こういう話を私は聞いたことがあるんですよ。これはなるほど、考えてみりゃそのとおりだと思うんですね。だからそういうことを除去して、できるだけ有能な人材を、しかも国家試験に合格するような、つまり電波高校往年の権威を保たせるためには、いまの高校から高専に昇格さしたらどうか、こういう話がある。おそらく文教委員会でもずいぶんこのことは議論が展開されたかと思うのです。ですから、そういうようにして選択するのか、あるいはこういう特殊教育というものは元来これは逓信省、郵政省で持っていたものですからね、そちらのほうにお返しをするか。そしてまた、さっきあげた東京商船大、神戸、あるいは商船高専ですね、こういうものは運輸省に引き取ってもらうかして、総合的な海上における要員計画が、より完ぺきなものにするためには切りかえていくほうがかえって合理的であり、しかも能率的であるんじゃないかというように思うんですよ。さっき申し上げたように、海上の大体まあ九割近くは、ほとんど運輸省の所管の教育機関で養成しておるわけですからね。これが大体今日のわが国の海運界をささえておる最大の支柱じゃないかというようにも見て差しつかえないと思うのですね。なかなか宮地局長、あまり問題が問題だから軽々に言うわけにもいかぬですがね、これは一つの問題点だと思う。私は率直に言って、先ほど船員局長の言われる審議会の答申がことし一ぱい無理だということであれば、その前に計画することはちょっと困難ですね。一応答申を受けて、それを基調にして新しい立法措置を講ずるとか、あるいは船舶職員法の手直しをするとか、何かそういう方策をとらねばならない。そうなるとすでにもうこの六カ年計画、へたすると二年度、三年度くらいでないと具体的に要員の配置計画というものはできないと思うのですよ。だからできるならば文部省の、この商船三校及び電波三校、これも合わしてひとつ検討してみたらどうです。何も文部省役不足だからよそへ直せという、そういういやな意味じゃありませんよ。いまのように非常にむずかしい事態だから、できるだけあなたのほうも手を少なくしたほうがいい。ちゃんと専門家が郵政省は郵政省におる、運輸省は運輸省におるのですから、大臣、これはどうですか。商船三校は運輸省に引き取るように文部省に話してみたらどうですか。
#61
○国務大臣(原田憲君) これはたしか行管でこの問題を議して一応の結論を出しておるように私は承知しておるのですが、政府委員から答弁をさせまして、もしそれで十分でなければ、また私から私の考え方を申し上げさしていただきたい。
#62
○政府委員(宮地茂君) いまのお尋ねの点二つあったと思いますが、電波高校を高専にするかどうかということと、またそれもあわせまして所管がえをするつもりはないかというお話でございますが、実は現在、工業関係が高等専門学校という制度がございます。学校教育制度につきましては、御承知のように戦前の学校制度が戦後非常に大きく変わりまして、その大きなねらいの一つは、戦前の学校制度というものは万人に平等な扱いがなされるようになってなかった。たとえば中学校へ行く者は高等学校へ進める。高等学校へ行った者は大学へ行ける。ところが実業学校――商業学校、工業学校というようなところへ行きますと、上の高等学校へは行きにくい。一次の入学試験には受けさしてもらえないとかいったようなことで、学校制度が非常に複雑でもございましたし、またある学校に入りますと袋小路になっているといったようなことから、そういうこと以外にたくさんございますが、一つの考え方はそういうことで、学校制度は一応その本流を原則として、まあ簡素に、あまり複雑多岐にわたらないようにといったような考え方が中心でございます。とにかくそういうようなことから、戦後六・三・三・四といったようなものになりまして、ただそういう形でいたしましたが、一方におきまして社会の発展、経済の進展、いろいろこういう面から、産業界から、それにしてもこういう中堅技術者がほしいのだといったような社会的な要望もございます。そういうようなことで、工業関係だけ、これは多少六・三・三・四から見ますと変則でございますが、工業高等専門学校というものをつくったわけでございます。ただ法律にも規定してありますように、高等専門学校でも何も工業に限らないでいろいろやったらいいんじゃないかという意見ももちろんございましたが、先ほど来申しておりますような学校制度に対しまして、特例的な高等専門学校であるということで工業高専をひとまずやりまして、非常に評判もよろしゅうございますし、またこれをつくったのは暫定的とか変則とかいうこと以上に意味があるんだといったような評価も受けております。そういうようなことからここ数年間工業だけでなくて農業とか商業とか、とりわけ電波のようなものは工業と言ってもいいんだから、これを高専にしたらどうだといったような意見もありますし、また陳情もございます。そういうことで現在私どものほうにおきましては、電波高校を高等専門学校にし得るものかどうか、また、するとすれば、一度に制度だけつくりましても、そこでどういう授業をやっていくかといった教育内容、教育方法、いわゆるカリキュラムであるとか学習指導要領であるとか、いろいろそういうものを必要としますので、あわせて検討をいたしております。それがいまのお尋ねの第一点だと思います。
 それから、あまり文部省でやっておる学校もよくもいってないようだし、また特に船員の養成は海技学校関係で文部省所管以外の学校が本流だから移したらどうかといったようなふうにお聞きしましたが、おことばを返すようですが、現在の外航船の船員は、これは学校教育法によります商船大学、商船高校――今度高専になりましたが、それが主流になっておることは、これはデータをごらんいただけばわかることと存じます。それからもちろん文部省の所管であるとうまくいかないから、これをそれぞれの省に移すということも確かに一つの考え方と思います。しかしながらわが国の学校教育、これをたとえば医療行政は厚生省の所管だから医者の養成は厚生省がやったらどうか、あるいは農業に従事する農業高校や、その他農業関係の大学は農林省でやったらどうか――昔は水産講習所が農林省にございました。しかしながら、そういったようなことは、やはり学校というものは基本的な将来活躍する素地を養い、基礎的に必要な知識を授けるということで学校教育として行なうべきであろうといったような考え方が大勢を制しまして、戦後はむしろ各省にありました戦前のものを文部省所管の学校に統合したということでございます。そこで御指摘の点は、むしろどこの所管ということよりも、よりよい教育をせよというような意味でもあろうかと思いますが、私はそのように受け取りたいと思っております。これ所管を変えたら文部大臣ではうまくいかぬので、運輸大臣ならうまくいくかもしれませんが、しかしながらそういうことはよく聞くんです。最近文部省の所管だから大学が騒ぐんで、特に商船大学なんかは運輸省に持っていったらぴしっと上からの命令が下に通じて騒がない学校になるんだというようなことを私は審議会でも聞きました。それはそれなりに私ども一がいになわ張り根性からそういう議論をはねつけるんじゃなくて、謙虚にこれは承っております。しかし、ただ所管を変えたからうまくいくというようなものではない面も相当多うございますので、今後ともまずい点は所管とかなんとかいった役人争いのように聞こえるようなことじゃなくって、本質的に教育そのものの検討をしてやるべきである。
 ちなみに申し上げますが、航海訓練所というのが運輸省所管で今日ございます。これは戦前文部省の所管でございました。戦時中に高等商船の卒業生などは、これは海運士官等にもなったり、いろんな関連から閣議で一時的にこれは当時の逓信省でしたかが所管するといったようなことで、戦後、大学、高等学校のほうは文部省所管に返りましたが、航海訓練所だけまだ返っていないということで、むしろこれは昨日も原田大臣も出ていただいて壮行会がございましたが、商船高校ですね――現在の上級生は高等学校ですから、商船高校の専攻科の生徒が世界一周の旅に出たわけでございます。それと乗って世界一周の旅の教育をしてくださるのは、所管的には運輸省所管の航海訓練所なんです。これは学校当事者としては、自分が教えておる子供を他省所管の人に預けて、それは商船高等学校の教育の一部であるというのは、何としても理論的におかしい、だから商船学校の全責任において航海訓練所がやっておることも、文部省所管の航海訓練所と申しますか――それは別ですが、そういう形でやりたいという要望もございまして、この航海訓練所の所管につきましては、行政管理庁のほうへ、これは数年前でございますが、文部、運輸両大臣のほうからそれぞれ申し入れ書と申すのでしょうか、正式の文書で出されております。ただ最後に、くどうございますが、私ども所管争いと世の中に受け取られるようなことではなくて、どうすればいまの教育でりっぱな船員が教育できるかということで努力もいたしておりますし、そういう意味におきましていろいろ御批評、御批判、御指導を賜わりたい、こういう、ふうに考えております。
#63
○森中守義君 局長、ずいぶんたいへんなPRを聞いたわけだけれども、これはあなたは航海訓練所がまだ文部省に返っていないのでこう言われるんですけれども、運輸省に言わせると、商船大学はまだ返っていない、こういうようなことになりますよ。商船大学は、昔は逓信省にあったわけだ。
 それで学校教育それ自体がガバメント・ラインのオーガニゼーションのそれを踏まえておるわけですから、あながちあなた方がいま言われるように、教育の基本原則はこうなんだというところで戦後再編成が行なわれたんじゃない。これはよく考えておかなくちゃいけませんよ。それでこの場では教育の議論をすることが本来の使命でないからそれはそれとしても、言われることもうなずけないこともないのですけれども、たとえば商船大学であろうと電波高校であろうと、入学せんとする学生の方向というものは、一つのものを選択して入ってくるわけですからね。もうその時点において職業の選択を行なっているというのですよ。そうでしょう。卒業してどこへ行くのか、それは船より弱電メーカーがいいから弱電のメーカーに行こうという、そういう電波高校出身の学生もいましょうが、大体しかしこういう特殊学校の入学希望者というものの将来というものは、希望したときにすでに職業の選択を行なっている、こういう見方をすべきじゃないかと思うのですね。だから戦前において東京高等商船あたり、これは逓信省の所管てあったということ、これらのことは――私はそういうように何も戦前のことはすべていいが、いまの教育がいけないという意味合いじゃないけれども、いまここで二千五十万トンという大量の新船をつくって大いに海外雄飛しなければならぬのに、一体要員の需給計画はどうだ。それを詰めていく場合に、教育が特殊な教育を必要とするにかかわらず、所管が方々にまたがっていたんじゃどうにもならぬ。特に商船大学等の場合、養成されているのが二百名、二百四十名、六百四十名、こういう、しかもあれでしょう、一挙に必要な人間だけをじゃどこに増員をしようということも、そう簡単に文部省の予算上の問題、あるいは予算に関連をする教授の問題、収容施設の問題、なかなかそう簡単にいかぬと思うんですね。そういうことを考えると、より合理的にするためには、つまりこういう乗り組み員等の教育機関というものは運輸省に渡したほうがいい、あるいは電波高校のごときは郵政省に私はお返しをしてもらいたい、こういうように思うんです。しかし、いずれにしても二千五十万トンということを考えると、船員局長はあまり気にならぬようなお話ですけれども、私どもとしてはちょっと無視できない。国民の税金である利子の補給は受けた、しかもそれは本来なら昨年で終わっているべきはずなんですよ、そういうことでしょう。それが終わらない。一年間の延長をやって、日切れになればまた六年間ということで、これはあとの議論になりますけれども、いつまで一体海運政策というものはまさに過度に失するような保護政策をとらねば自前にならぬのかということを考えると、そうそう私は国民の感情からしてもけっこうだという気にはなれない。特に同じ大臣の所管でありながら、この前から運輸大臣はずいぶん国鉄でさんざんいやみも出た、一体海運はどうなんだ、国鉄と比べたらどうだ。そこまでこの委員会でだいぶ議論になった。要するに国鉄はいびられるだけいびられた。海運はチョウよ花よと大事にされるという、こういうもののたとえで言うならばそういう聞きがある。しかし、それでもほんとうに外貨を獲得して国家経済を高めねばならぬという見地に立つならば、それも私は一つの政策だと思う。そのことを否定はしないけれども、しかしそういう重要なものであれば要員というものはあなたが考えるほど、後半において機関部員は若干窮屈になるだろうが、ただ、流動性をうまいぐあいに把握をしながら充足できるような対応策がある、こういう単なることばとしては済まされない問題があると思うんですね。だから、これは文部省の局長にこの場で約束せぬかと言ってもしょうがないかと思いますが、多分に閣議でこの辺の特殊教育のあり方というのか、所管というのか、そういう問題で一ぺん運輸大臣閣議で議論してみてもいいんじゃないんですか。それとこの次は行管呼びますよ。行管の見解も問うておきたい。大臣は行管で結論が出たようなお話でしたけれども、その返事はありませんか。
#64
○国務大臣(原田憲君) 私はそこのところ知らぬものだから出たように聞いておるものだから、事務当局に答弁さしたんですが、いまの航海訓練所の問題をそう思ったものですから言ったんですが、私はこれは文部大臣ではございませんので、私見になりますけれども、私は森中さんの考え方に大体賛成です。これは森中さんの考え方自体が、かりに社会党の中でも教育という問題で議論なさったらいろいろの考え方あるだろうと思っております。あなたの考え方がすなわち政党の考え方として言うといろいろ議論があるんじゃないかと私思いますけれども、私も私見として、これは森中さんの考え方に私は賛成であります。日本の教育制度が戦後変わりまして、いわゆる六、三、三、四という単線型の制度でオープンで、だれでもいらっしゃいという教育をやって、これが一応の効果をあげたことは私否定できないと思っております。したがって、たとえばこういう制度をとっておるのはソビエト、日本、それからアメリカ、こういう国がそうであります。そうでないヨーロッパにおいては、いまドゴール政権下の、ドゴールは引退しましたけれども、フランスにおいてあるいはイギリスにおいて、あるいはドイツにおいてでも、ヨーロッパにおいて大学制度が問題にされているのは、日本のような制度をとるべきではないかということが問題になって、もっとオープンにすべきであるというところから出発しておる。
 私は日本では逆にそのオープン・システムにやり過ぎて、いまおっしゃっておるような点について不十分な点がありゃせぬかという問題を考えなきゃならぬ時代に来ておるのではないか、このように私は考えるがゆえに、森中さんの考え方というものに賛成をし、教育制度ということは、いま大問題になってきております大学制度を中心に、これは今後の日本の大きな教育制度の問題として検討すべき事項に入っておると私は考えます。
 具体的に言いまして、航海訓練所の話が出まして、きのう私が行ったという話まで文部省の局長が言いましたけれども、それが学校を出て遠洋航海に行ってくる間は航海訓練所で訓練を受ける、それが気に食わぬから文部省に返せと、こんなあほらしい議論はないと私は思います。これはことわざで言いますと、かわいい子には旅をさせろということは、何か一ぺん親の手元を離れて他人の飯を食って苦労をしてこいということなんで、その学校で一生懸命育てたが、遠洋航海へ行って、一ぺん苦労してこいと、その間船の専門家が訓練をするということは私は喜んでいいんじゃないか、こういうような気持ちを私は持つわけであります。ましてやそのことについて、こっちでなければ教育ができないというような取り合いをするということは、これはいわゆるセクショナリズムというものであって、その勉強をする生徒にとっては本来の目的とするところではない。やはりしかし学生は、私にも経験がありますけれども、学生といわれると、大将はだれかというと文部大臣、こういうのがその時分の印象でありました。たとえば戦争中にもう学校へ通えなくなって、今度は市長さんが中心になって、市長の命令で何でも聞くんだと言われたときに、何を言うかと、おれたちの大将は文部大臣であるのに、市長は何を言うかと、学生のときに反抗したこともありますけれども、しかしその当時も講習所とかがあったわけです。そこでやられた教育は悪かったかというと、私はそうは思わない。そういうことから考えると、私は教育制度という問題について検討をすべき時代が来ておる。今後の、特に二十一世紀を目ざして進んでいく時代に入るためには、私は教育制度というものを全般的に考えて見る時代が来ておるのではないか。ちょうど三派全学連があばれておるが、それはけしからぬことではあるけれども、これは何がゆえに起こってきたかということをわれわれ自体が受け取って検討すべきときが来ておる、このように考えております。
 ただ私は、ますます技術革新というものが進んでいきますがゆえに、そういうことを考えますときに、人間というものの人力をたよってものを動かしていくということは――従来日本人はそういう考え方が多いんです。特にわれわれの世代から以前の者にはそういう考え方が強いんでありますけれども、それではついていけない。やはり人間というものは計画的に生んでみても三人まで生んで、そうしてようやくわれわれ日本民族というものが維持できる、二人だったら滅びてしまうということですから、児童手当という――話がえらくほかへ飛びますが、いろいろ言われておる世の中ですから、これは私はできるのだけ人力というものにたよらないでいくということを考えながら、今後の教育というものを中心にどうしていくかということも考えておかなければならぬのじゃないか。
 私は冒頭に申し上げましたように、これは文部大臣の所管のことでございまして、私の私見でございますが、閣議と申しますより、いま各政党が教育という問題について非常にそれぞれの立場で考え、これを日本の国の将来ということに結びつけて検討しておることと考えあわせながら、森中さんのお考えについて、私は先ほど冒頭に述べられたことについては同感を感じておりますので、そのようにお答えを申し上げます。
#65
○森中守義君 なかなか格調の高い演説で痛み入りますね。私は元来二十一世紀なんて言われると非常に弱い。そういう意味で格調高かったと、こう申し上げておくのですがね。私は我田引水で運輸省に返せ、あるいは郵政省に返せ、それは単なる感じの問題ではないですよ。私はいま大臣の言われたように、多少私の意見を言うならば、いま大学の問題は管理上の問題であって、教育上の問題とは私は思っていない。それと同時に、外国と日本のそれを比べた場合に、何といっても日本の場合には文科優先の教育ですよ、そこに問題がある。だから、いま文科系と理工系を比べてみた場合どっちが多いかということになると、例外なく文科系統が多い。はたしてそれで日本の将来の産業経済を背負って立つような青年教育ができるかということになると私は現状をとらない、むしろ理工系をもっとふやす。しかも理工系というのは単なる概念の理工系ではなく、実務教育をもっとしたらどうか。そういう意味で、先ほど言っているように、すでに特殊な学校に志を立てたものは、そのことが直ちに職業に結びついておる、そういう意味で有能な職業教育をするためにはおのおのの部門があるのではないか。何でもかんでもいいからおよそ教育という名のつくものは文部省でなければならぬというそういうものの考えには同意しがたい。しかも今日の教育制度それ自体が、さっきも言うようにガバメントの一つの恣意によったわけですから、そういう意味で私は確かに改善の時期、再検討の時期が来ているんではないか。しかもそれが具体的には、こういう海運の再建計画――再建ということばが適当かどうかわからぬけれども、長期計画の中で要員の配置というものは最大の課題だ。ではそれをどう充足するかということになるならば、一たん教育の問題まで入ってみてそこで合理化をやったらどうか、こういう趣旨なんで、だからこれは一回、二回の閣議等でぽんときめるという筋合いのものではむろんないんですが、しかしその海運政策を推進をする最高の長官である運輸大臣が、この辺のことはよほどお考えいただいて、文部大臣なり関係の閣僚あたりともよく相談をして、できるだけ早い機会に一応の目鼻をつけてもらいたい。
 零時半になりましたので、きょうはこの程度で私は終わります。
#66
○委員長(岡本悟君) 午後二時まで休憩いたします。
   午後零時三十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十分開会
#67
○委員長(岡本悟君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、外交船舶建造融資利子補給及び損失補償法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
#68
○金丸冨夫君 新海運政策について若干質疑を行ないます。
 政府は今日のわが国海運業についてどういう認識の上に立って新海運政策を行なおうとしておるのか、この点をひとつ基本観念をお伺いしたいと思います。
#69
○政府委員(澤雄次君) 再建整備五カ年間におきまして、船会社の償却不足は解消いたしました。また、延滞も解消いたしたのでございますが、諸外国の海運企業の体力は、日本の海運企業よりまだ相当に強固でございます。それで、この償却不足と延滞は解消いたしましたが、今後やはり荒い国際競争にたえていきますためには、今後つくる一ぱい一ぱいの船に対しまして必要最小限度の国際競争力をやはり与えていく必要があるのではないか。そのために最低必要な国の助成を今後六カ年間やはり続ける必要がある、まあこういう結論に到達したわけでございます。
 で、これは、日本の貿易が非常に伸びております、船の増加をはるかに越えておりますために、積み取り比率も悪く、国際収支も、海運の国際収支は赤字基調はむしろ拡大する傾向にございますが、このいまお願いしております助成条件をもって六カ年間に二千五十万トンの船をつくりまして、そして積み取り比率を向上し、海運の国際収支を改善していこうと、こういうことでございます。したがいまして、企業救済的な海運助成策というものはこの新海運政策においてはとっていないのでございます。できる一ぱい一ぱいの船の最低必要な国際競争力をつけるために必要な助成策を講ずる必要があると、こういうことに基づきましてこの法案の審議をお願いしたわけでございます。
#70
○金丸冨夫君 いまのお答えですが、要はこのただいまの現状において、わが国の海運が前からの再建整備計画によってやってきた結果、非常に順調なる業績に立ち返ったというその前提に立って、今度の新海運政策を行なうということですね。そういうことになれば、この海造審の趣旨にもありますように、従来のように企業助成を中心とするこういう構想からは脱却して、そうして相当程度回復した企業体力というものを基盤において、そうしてできるだけこの経営の自主性を発揮する、こういうことが書いてあるようですから、そういうことになりますれば、ただ、いまのわが国の高度成長における経済関係、したがって輸出貿易等の趨勢から考えても、この海運の増強ということは、これはむしろ理解できるわけでありまするが、ただ船舶自体を増強するということについても、何かそこに目標というものがなけりゃならぬだろう。現にこの構想において二千五十万トンを五十年に完成するという計画で進む、こういうことになっているわけですが、この間において、はたしてこのただいまの現状をもって十分にこの拡張――新海運政策を実行するだけの十分な見込みがあるかどうかという点が、やはりまだ懸念なきあたわずというところだろうと思うのです。この点について、たとえば二千五十万トンというものを昭和五十年にこれを完成させるというのについて、他の経済関係、たとえば財政資金等における資金の負担力というものについて、各業界がこれに十分たえ得るかどうか、この点はどう認識されているでしょうか。
#71
○政府委員(澤雄次君) 海運造船合理化審議会の審議の過程におきましても、この二千五十万トンを日本海運が今後六カ年間に建造していくにつきまして、海運会社の体力がこれにたえるかどうであろうかということが、非常に熱心に御審議を得たわけでございます。それで、これはいろんな角度から船会社の今後の六カ年間の経営内容を分析いたしまして、電子計算機にかけまして、いろいろ財務比率、その他を検討いたしたわけでございますが、二千五十万トンと申しましたけれども、この純増でやってまいりますので、出発の時点におきまして、すなわち当年度におきましては、いままでの建造ベースをそう大きく上回ることはないわけでございます。四十三年度におきましても、実質三百万トンの船の建造を行なっておりますし、四十四年度におきましても、やはり三百万トンちょっとこえるという程度の建造ベースで出発いたしますので、この程度の助成を行なえば、体力的に十分やっていける。ただし、そのためにはやはりこの六カ年間に海運会社が半額ないし倍額の増資を行なって自己資金をつくっていく必要があるということは言われたわけでございます。それが可能であれば、この建造計画は十分達成できる、こういう結論に達したわけでございます。
#72
○金丸冨夫君 それで、その点の認識は十分おありになるであろうから、この新海運政策に踏み切ったのであろうと思います。それについて、まずこの海運二法実施後の今回のこの海運整備、これの結末はどうなっておるのか。その点はっきり確認しておく必要があるわけなんで、あなたのほうから提出されましたものによりますというと、各中核会社、系列会社、専属会社別に出ておりますが、おおむね四十四年三月、これは見込みでありますけれども、原価償却不足解消状況はゼロになる。それから、元本約定延滞解消状況として、延滞金九百三十四億、これもゼロになるというようなことになっておりますが、これには間違いないのですか。
#73
○政府委員(澤雄次君) 間違いございません。
#74
○金丸冨夫君 それで、なお今度の法案の最後のところに、再建整備法に基づく猶予利子の返還という、これの返還方法がきまっておりますね。これはこの整備期間中に猶予利子――利子の猶予をしたというものはどの部分に属するわけですか。この元本約定延滞額九百三十四億のうちに入るわけですか、どうですか。
#75
○政府委員(澤雄次君) これとは別でございまして、再建整備法に基づきました猶予利子は十七次船以前、すなわち昭和三十七年四月三十日までに計画造船として建造いたしましたものの利子、これを五年間猶予したわけでございます。その額が開発銀行分で三百四億円、市中銀行分で三十六億円に相なります。そのうち市中銀行分は、これは政府が何にも助成していなかったわけでございます。開発銀行分は開銀が猶予した利子相当分を政府が開発銀行に交付しておったわけでございます。その交付した分を返還するについての規定でございます。
#76
○金丸冨夫君 わかりました。そうするというと、ともかく中核六社、それから系列二十九社、それから専属三十七社、合計七十二社について現在はこの約定延滞額、あるいはまた償却不足というようなものは、もちろん全部この四十四年三月三十一日というところで、全部解消になったわけですね。
#77
○政府委員(澤雄次君) さようでございますが、この約定延滞を解消いたしましたのは集約会社七十二社のうち整備計画提出会社四十社についてでございます。その会社は全部約定延滞を解消いたしました。
#78
○金丸冨夫君 整備計画の分が何社でございますか。
#79
○政府委員(澤雄次君) 整備計画提出会社が四十社でございます。
#80
○金丸冨夫君 大臣がお見えになりましたから一点だけお伺いしたいんんですが、この新海運政策については現在のわが国海運が相当立ち直ったから、もういわゆるいままでのようなすべて企業助成というようなことは一掃して、そうして、できるだけ自主経営の線に持っていくという認識の上に立ってやられるということをいま局長から答弁いただいたいでありますが、それに関して、この再建整備計画の場合に、最も大きく重点を置かれたのは、わが国海運業者のおのおのグループに分けて、いわゆるこの海運業のレベルアップを行なって、そうして六つのグループにこれを統合していく、あるいはまたこれに系列、専属の方式でもってやっていくということによって、この再建整備計画を進めるということに承知いたしてまいっておるわけですが、今度のこの新海運政策にあたって、すでに海運業は十分に立ち直ったのだから、こういうものはむしろ回収していくんだということではないと思うのですが、たとえば統合その他は大いにこれを推奨するというようなことが海造審の条項の中にもありますが、ただ一点、私の非常にまだ理解ができないのは、非集約会社に対しても、今度のいろいろのこの措置を行なうのだという条項がございます。こういうことになるというと、非常にむしろもう統合はどうでもいいんだというようなことにもとれるわけですが、これは私が、むしろまだ勉強が足らないのかもしれませんが、その点についてのいきさつが、言いかえれば統合しておるいまの体制において、新海運政策においても、融資、利子補給等を行なうということではないかと思っておるんですが、この点はいかがですか。大臣にひとつお伺いしたいと思います。
#81
○国務大臣(原田憲君) 新海運政策の要点の中で、いまお話しのように、企業の経営力の充実と海運の秩序ある発展をはかるためには、今後なお、この四十四年度以降六カ年に二千五十万総トンを目ざして建造計画を進めていく、そのためにはこれらの助成策が必要であると考えだおりますが、今後も集約体制はこれを維持するようにつとめる、こういうことが一点ございます。それから船舶建造に対する開銀融資につきましては、非集約船主に対してもこれを考慮するという点がございまして、ここのところをいま御質問であろうと思いますが、再建整備計画期間終了後におきましても、過当競争を避けまして国家資金の効率的な使用をはかり、外航海運における競争秩序を確保するために集約体制は基本的に維持するべきであると、ただいま申し上げましたように第一番に考えております。そのために国家助成につきましては総花主義をとらずに集約体制に参加した企業に重点を置く方針でございます。しかし、財政資金については資金の一部を補完することにより外航船腹の拡充に役立ち国際収支に貢献する場合には集約体制の維持に支障がない範囲で非集約船主にも融資することといたしました。
 なお、利子補給につきましては、これらの資金補完のための融資には支障がないと考えますので、ここ当分の間、非集約船主に対してはこれは行なわないことにいたしております。
 同時に、以上の措置については海運造船合理化審議会も同趣旨の答申を行なっておるところでございます。
#82
○金丸冨夫君 その非集約船主というものにやはりこの措置を考慮する――考慮するというのはとういう点か知りませんが、いろいろ理由があるだろうと思いますが、これをやることによっていわゆる集合体の結束というか、そういうものは乱れるおそれはありませんか。
#83
○政府委員(澤雄次君) 大臣が御説明申し上げましたように、非常にむずかしいことでございますが、集約秩序にひびを入らせないときに限って非集約の船主にも財政資金を考慮する、こういうことでございまして、具体的に申し上げますと、やはり計画造船は集約船主を主体にして考える、大部分のものは集約船主に計画造船を割り当て、利子補給をつける。ただわずかな量でございますが、非常に非集約船主といえどもいいアイデアを持っていい船をつくろうとされる、しかしどうしても資金が集まらないというような場合に、若干の開発銀行の資金を融資することによってその船ができるというようなときには、それまでとめる必要はないのではないか、こういう海造審の御意見がございまして、それを運輸省といたしても採用したわけでございます。
#84
○金丸冨夫君 なかなかどうも私どもちょっと理解しにくいのですけれども、そういう場合があったとして、実際それを計画造船等にのせていくということ自体、こういうものを基本とした秩序維持ということに成功して今日があるわけですから、しかも、ただいま大企業の合併とかそういう面によって、国際競争力に最も関係のあるこの業種においては、特にこの業者のレベルアップというものをすることが先決であるということで、あれだけ再建整備時期においては議論ぜられたのですから、これにいろいろ公平、不公平というようなことがあって、そうして非集約船主に対してやはり同等なことをやるというようなことになった結果が、どうも一緒になっておってめんどうだ、自分のほうでやってもらえるならこのほうがいいというようなことで、またもとのような、いわゆる昔のわが国海運の状況に返るおそれはないかということを実は懸念したわけであります。もちろんそういう点について、その基本方針というものは、いわゆるレベルアップと秩序維持、そうして国際競争力というものをどこまでも旺盛に育成していくという観点でお進みになるならば、私は別に支障はないと思いまするが、この点のいわゆる措置というものを、具体的な措置というものを誤りのないようにひとつ十分にやっていただきたいということを申し上げます。
 問題を変えまして、この二千五十万総トンを昭和四十四年以降六カ年間の建造目標といたしまして今回の新海運政策がスタートするわけですが、この目標は海造審の中にもありますように、五十年の時期においていわゆる運賃収支がゼロになるということを目標としてやるのだ、こういうことが書いてあるわけです。その点からいわゆる二千五十万トンというものがはじき出されて、そしてそれが年次別に割り当てられてこの表になっておるように理解しておりますが、この表自体は昨年度あたりの実際の計画造船の数からすればあまり無理はないように思います。たださりながら、最後のいわゆる国際収支の点において、毎年五億ドル、四億ドルあるいは八億ドルというぐあいに赤字になるものを、何としてもこれを解消しなければいかぬということに大きな目標があるであろうと思うわけですが、さてそれを達成するには何としてもこの船舶をよけいにつくるということだけではやはり解決はできないのだ、これはもちろんこの運賃収支をゼロに持っていくというためには、わが国の船でよけいに荷物を運ばなければいかぬ、いわゆる積み取り比率の問題に帰すると思うのですが、この積み取り比率の表を拝見しますというと、例年三七%前後から、あるいは――輸出が三七尾前後、それから輸入が四五%、四七%というような数字を大体ずっとたどっておりますね。これを二千五十万トンで運賃収支をゼロにするということから考えて、はじき出された目標というこの積み取り比率の目標は輸出が六〇、輸入が七〇ということになっておるようですが、この例年の実績から考えて、ちょっとこれは達成できないのじゃないかというような気がいたしますが、これについては十分の確信が政府におありでしょうか。
#85
○政府委員(澤雄次君) まず現状でございますが、先生御指摘のように輸出三七%、輸入四七%、あるいは四十三年度は五〇%程度になる見込みでございますが、これは実は日本船だけの積み取り比率でございまして、船が足りないので日本の船会社が外国船を借りて外国船を用船して運んでおります分を含めますと輸出で約五〇%、それから輸入で約六〇%のところまで現在でもきているわけでございます。これは船が足りないものですから、外国船を船会社がチャーターして日本の輸出入物資を運んでいるわけでございます。この六カ年間にこれだけの船をつくっていただきましたならば、これは荷主と海運造船合理化審議会の審議の経過におきまして十分お打ち合わせをしたわけでございますが、経団連、特に石油業者、鉄鋼業者、これらの方は運賃が同じであるならば日本船を使いましょうということを申しておられますので、外国船と同じ運賃を日本船が努力して出していく限りこれだけの積み取り比率を達成することは決して不可能なことではない、このように確信をいたしております。
#86
○金丸冨夫君 ところが、それは外国船を使っておると言うのですが、もっとも外国船も、この雑誌を見ますというと、四十一年に月五十八万重量トンといいますか、そうするというと、十二で七百十六万重量トン程度になるわけですね。そうすると、それが加わるというと、そういう数字になりますか。四十一年でそういう数字がここに書いてある。三十九年の約六倍くらい。ここのところ伸びたようですが、四十一年度はとにかく月五十八万重量トン、そうすると七百十六万トンですか、そういうことになると思いますが、これを加えるとそういうことになりますか。
#87
○政府委員(澤雄次君) ただいま御指摘の四十一年度につきましては、まだ外国用船の量が輸出の場合少なかったのでございますが、外国用船を入れますと、輸出の積み取り比率が四四・二%、それから輸入の積み取り比率が五八・二%と相なっております。
 それから四十三年度につきましては、外国用船の量が非常にふえてまいりましたので、先ほど申し上げましたような約五〇%、六〇%。
#88
○金丸冨夫君 幾らになっておりますか。
#89
○政府委員(澤雄次君) 外国用船の量ですか。
#90
○金丸冨夫君 そうです。
#91
○政府委員(澤雄次君) 外国用船の量は約六百万トン、これは重量トンでございますが、約六百万トン。
#92
○金丸冨夫君 私もこのコンテナ計画のときにその点お伺いしたのですけれども、結局それだけの外国船を現に使っておるということであるならば、思いきっていわゆるフル・コンテナの船を大いにこしらえたらいいじゃないかということを申したことを記憶しておりますが、六百万トン、私のあれによりますと、七百十六万トンですから、ずいぶんと積み取り比率が上がってきたということになるわけです。
 ところで、それじゃいま北米航路それから低開発国の積み取り比率とか発展途上国、こういうものは非常に政府の方針自体によって困難な面とか便宜な面いろいろあるのじゃないか。早い話がこの前、前運輸大臣のときに韓国向けのこちらの輸出問題について、いろいろ韓国船を使え、いわゆるバイ・コリアンですか、そういうことを言われて、われわれは非常に不満で強く現地の交渉にこれを主張してもらいたい、こちらの輸送力というものについて少なくともフィフティー・フィフティーぐらいのところでやってもらいたいということで主張したのですが、この低開発国、まあ発展途上国といいますか、こういう方面はいろいろと違うだろうと思います。そうして主として船を持っているところは、持たないところは別ですけれども、そうでないところはおそらくわれわれの国の船を使わせろということで相当もたれかかってくるのじゃないだろうかと思うのですが、この方面の積み取り比率等おわかりでしたらひとつ教えていただきたい。
#93
○政府委員(澤雄次君) 東南アジアの諸国は、先生御指摘のように非常に自国家自国船主義を強く主張いたしております。こういう傾向が一番強いのは韓国それからインドネシアでございます。また、これはアジア地域ではございませんが、南米の諸国、これは一致して非常に強い自国家自国船主義をとっております。それからアメリカ合州国も、これは政府援助物資につきましては、米国船優先主義をとっております。これらの国に対しましては海運自由の原則を何ぼ言っても通りませんので、いろいろこの国別に交渉をいたしております。いたしておりますが、ただいまのところあまり正直申しまして成功をいたしておりません。東南アジアの各国別の積み取り比率をただいま持っておりませんが、例年下がってきておりまして、東南アジア向けの輸出で全体をまとめて申し上げますと、三十八年に四二%までいっていたものが四十一年には三三%に輸出は下がっております。それから輸入も三十八年に六七%までいっておりましたが、五九%、そういうふうに下がっております。
#94
○金丸冨夫君 オーストラリア、ニュージーランド方面の太平洋地域ですね、これはどういうことになっておりますか。
#95
○政府委員(澤雄次君) オーストラリア、ニュージーランドは、現在までのところ自分の船を持っておりません。外航に出る船をほとんど持っておりません。この方面におきましては、むしろ日本海運と英国海運との競争でございます。これは日本船のほうが絶対的に優勢でございます。いま確かな数字を持っておりませんが、たしか積み取り比率は六〇%ぐらいに相なっているかと思います。
#96
○金丸冨夫君 ところで、四十三年でわが国の船腹量は世界で第五位千九百五十九万総トンというようなことが表に載っているわけです。世界第一位にリベリアなんというのが二千五百七十二万総トンというのがありますが、これはまあいわゆる税の関係で国籍を入れているというのがあると思いますが、こういうのには、わが国の船舶所有者が向こうに籍を持つというようなものはございませんか、リベリアに限らず。
#97
○政府委員(澤雄次君) 現在までのところ政府としては承知いたしておりません。
#98
○金丸冨夫君 ともかくもこの積み取り比率ということが、結局これが予定の輸出六〇、輸入七〇という線を維持できればいわゆる最終目標の運賃収支ゼロというところにいくであろう。しかし、これが努力ができないという状況になってくれば、いかに船腹をふやしてもその目的には到達できないということになるだろうと思うのであります。積み取り比率自体の向上ということはどういう方法で具体的にやられておりますか、その点をひとつ知らせていただきたい。
#99
○政府委員(澤雄次君) わが国の海運は――非常に幸いなことに日本経済がどんどん伸びていく。この日本の貿易は、世界の貿易市場におきましても非常に大きなパーセントを占めておりまして、船会社にとりまして、荷物は幾らでもあるということでございます。それで結局、そのときそのときの外国船の提示する運賃あるいは世界のマーケットの運賃というものを日本船が出せる限り荷物は幾らでもあるということが言えるかと思います。それで、運賃が同じなら日本船を使いましょうということを経済団体連合会も鉄鋼連盟も石油連盟もまた消費者筋も申しております。それは運賃が同じであれば日本船を使うほうが荷主にとっても有利でございます。これは同じ日本人同士でございますから、いろいろと融通がきくということかと思います。それで結局、ここにお願いしております海運助成策を実現していただきますならば、もちろんこれだけでは十分ではございませんが、船会社の経営努力、それから企業の合理化ということを進めていくならば、日本の船会社は外船と同じ運賃を出していけるに違いない、こういう確信のもとにわれわれはこの助成策をお願いしているのでございます。これが実現いたしましたら、私は必ず日本船はそれだけの積み取り比率を日本の荷主と協力して実現できると、こう確信いたしております。
#100
○金丸冨夫君 いや、私の承知したいのは、こちらの輸出についても輸入についても、それ自身が日本の商社がすべてコントロールできればそういうことになりますね、しかし、おそらくコントロールできないことがあればこそ、十分にいままでできずに、しかも、四十一年の数字からいっても七百十六万重量トンというようなものがみすみす外国船に取られるということは、運賃か、しからざれば、そういうことがきかない、そういう商社の自由に輸入についても輸出についてもならないということと、それから運賃が外国船を使うことによって利益だということのそろばんが出るからこそ、こういうのが日本のを使えないということになるのだろうと思いますね。こういう点について、たとえば輸入については、いまの場合、石油とか鉱石とかこういう大量貨物は別ですけれども、一般雑貨というようなものについては、やはりそういうぐあいに、わが国の商社がアメリカなりあるいはまたカナダなりそういう方面の荷物をコントロールできますか。また、できる方法がありとすれば、それはどういうことにしておるのですか。手をつかねて来るのを待つというのでは、これは積み取り比率は決して向上しないということになる。何かやっているのだろうと、こういう気がするのですがね。
#101
○政府委員(澤雄次君) 先生御指摘のとおりでございまして、結局、貿易形態が、日本の船会社が荷物を取れるかどうかということが決定される大きな要素の一つであるわけでございます。輸出は元来がCIF輸出と申しまして、運賃込みで輸出する。したがいまして、日本から申しますというと、輸出の場合には日本の商社が、アメリカの場合にはアメリカ渡しで商品を売るというケースが非常に多いわけでございます。これは輸出の大体七〇%くらいがCIF輸出であるかと思います。その場合には、日本の商社に船の指定権がございますので、日本船を使いやすい。ところが、これが輸入になりますと、日本から申しまして輸入、アメリカから申しまして輸出の場合には、向こうの商社に船積み指定権のある場合が多いわけでございます、CIF輸出が普通でございますから。したがいまして、船会社の努力といたしましては、向こう側の外国にいる商社に食い込みまして、日本向けに外国の商社が輸出する場合になるべく日本船をたくさん使ってくれるようにということをいま懸命の努力を日本の船会社はやっているわけでございます。今度のコンテナ化にいたしましても、日本からアメリカヘのコンテナは十分取れるだろうが、アメリカから日本へはほとんどコンテナが取れまいというのが発足前の予想でございましたが、日本の船会社が懸命の努力をいたしました関係で、帰りのコンテナにつきましても非常にたくさんの荷物を取っておりまして五〇%以上約六〇%に及ぶ積み取り比率をコンテナにつきましては復港についても取っております。今後ともそういう努力を船会社としては懸命に行なっていくものと確信いたしております。
#102
○金丸冨夫君 いまの、たとえばサンフランシスコあるいはロサンゼルスとか、ああ一いうところにしましても、なるほど相当に日本向けのものについて努力されている何がありますが、これはやはり組織的にこれを相当強化するように御指導をなさらぬと、ともかく向こうにおる商社が、こちらから行った観光案内ぐらいに一生懸命になっておって、そういう点に身が入らないというのをたびたび見かけ、そういう気のするのに私どもあったのですが、できるだけ新計画によってそうして積み取り比率を何としても上げていく。それで積み取り比率が七〇%でなくして八〇%あるいは九〇%に上がれば、二千五十万トンつくらぬでもいいのだから、それでもやはり収支はとんとんにいくわけですから、だから、こういう点について積み取り比率自体、それを運ぶ船がなければ困りますけれども、いずれにしてもこの積み取り比率というものについてはよほど強力なる御指導をなさる必要があるという感じがいたすわけであります。
 それからいまコンテナのお話がありましたが、今回のこの二千五十万総トンのうちにコンテナ船あるいは原子力船、もうすでにほかのほうでは、他の諸外国では原子力船につきましても六隻か七隻かできておって、そして原料輸送には四十ノット、四十五ノットが出て非常に速い。将来のやはり一次産品の輸送船としては最も適しておるというような話も聞いておるし、まあそれはそれとしましても、コンテナ船については、これはおそらく積み取り比率自体にも日本にどう影響するか別として、これは非常に運賃、諸掛かりの面においても御案内のように非常に安くなるわけで、今後の海運の方向としてはこの海上コンテナということにおそらく徹底して進むのじゃないか、現に相当進んでおると思うわけです。私は三年前の状況しか詳しくなにしませんので、その後の状況をお聞かせ願えればけっこうだと思うのですが、この二千五十万総トンのうちにどういう程度、この六年間またこれまでの四十三年、四十四年に建造したものと合わせてどういう保有量になるか、この点をお聞かせ願いたいと思います。
#103
○政府委員(澤雄次君) コンテナ船につきましては、昨年の九月から日本と加州との間のコンテナサービスを開始いたしました。これには七百五十個積みを六ぱい配船いたしております。それから四十四年の秋から豪州――オーストラリアとの間のコンテナ輸送を開始いたします。これには千個積み三ばいとちょっと船の型が違うのでございますが、ロールオン・ロールオフと申しまして一種のカ−フェリーの大きなものでございます、それを一ぱい、合計四はいで豪州とのコンテナ輸送を開始いたします。来年にはシアトル、バンターバーとのコンテナを三ばい、日本船主ばいで開始いたします。そこまでは確定いたしておりまして、そのあと……。
#104
○金丸冨夫君 二はいじゃないですか。
#105
○政府委員(澤雄次君) 三ばいです。シアトル、バンクーバー三ばいです。七百五十個二はいと千個一ぱいと。それでそのあとヨーロッパに、昭和四十六年になるかと思いますが、ヨーロッパと日本の間を五はいの日本船でコンテナを開始する予定でございます。その次は日本とニューヨークの間を七はい。これは型その他はきまっておりませんが、約七はいの船でコンテナ輸送を開始する。いまほぼ確定しあるいは準備が進められております計画はそのようなものでございますが、その計画期間中には、六カ年間にはコンテナ船として約五十万トンのコンテナ船を建造することが予定されております。
#106
○金丸冨夫君 そうするというと、いま造船計画としては、いままでの六ぱいとそれから北米三ばい、豪州四はいそれに欧州が四十六年で五はい、それからニューヨークが七はい、そういう程度が入っておるわけですね。それから先のこの二千五十万総トンというものに対する細部のこれまでの計画はないのですか、あるのですか。
#107
○政府委員(澤雄次君) このコンテナ化は非常に流動的でございまして、外船がどのように入ってくるかという状態によりまして変わってまいりますし、それからいま申し上げました航路にこの期間中には増便、船の隻数をふやす必要が出てくるかと思います。それらをまるく見まして五十万トンと見ておるわけでございます。この計画の後半期におきまして、あとの三年間についてはまた確定した計画をつくり直さなければならないのではないか、このように考えております。
#108
○金丸冨夫君 このコンテナ船はさようなわけでコンテナ自身を使いますから、フル・コンテナを送る送らぬは別として、コンテナに入ること自体が雑貨等の点については相当集約輸送ができ、また運賃が安くなる、諸掛かりが安くなるというようなことで、相当これを実行する国とそれからしない国ということになると、これはたいへん積み取り比率に影響すると思いますね。ニューヨーク航路を現在はフル・コンテナではなくて約四十ぱいばかり使っておると聞いておりますが、そうですか。
#109
○政府委員(澤雄次君) ニューヨーク航路には現在フル・コンテナ船は参っておりませんが、従来の動力の船の中にコンテナを二十個あるいは四十個入れて運んでおります。その数が年間を通じまして輸出で約二千個、輸入で約八百個、これは一年間であります。従来の船を使っての実績でございます。
#110
○金丸冨夫君 これはコンテナの数ですね。
#111
○政府委員(澤雄次君) そうでございます。
#112
○金丸冨夫君 この対米関係においてコンテナ化するということにいたしますというと、いま両国間に動いておりまする総輸出入数量の何%くらいにこのコンテナ化ができますお見込みですか。
#113
○政府委員(澤雄次君) 総量のうちいわゆる雑貨でございますが、運賃同盟の対象にしている貨物の七割から八割まではコンテナに積むようになるであろう、このようにいわれております。
#114
○金丸冨夫君 かようなお見込みであれば、私は七割までは考えていなかったんですが、相当数がこれは伸びてきているに違いない。そういうことになれば、これからできる船舶を、普通の一次産品、鉱石であるとか重油とかそういうものを輸送するにはこれは別ですが、そうでない雑貨方面についてはむしろフル・コンテナ船とか、こういうものに切りかえていく必要があるだろうと思いますね。そうしないというと、コンテナ輸送自身において外国は非常に出足が早いですから、どうしても日本、荷主がこちらだからというようなことで安閑としては考えられない。結局非常な港湾経費、中継費の節減、またフル・コンテナにしますというと、もう回転率が非常に違う、停泊時間というものもほとんど三分の二で済むというようなことになってまいりまするから、相当これは影響があると思うのですが、この点について、いまお話を伺いますというと、結局、海上コンテナは流動的だから、言いかえればひより見で、そのときの模様を見てというようなことのように受け取れるのですね。諸外国においては、相当、たとえばアメリカあるいはイギリス等においては、ちゃんと計画を立ててコンテナ化をやっているのじゃないかと思うのですか、この点は御承知ありませんか。
#115
○政府委員(澤雄次君) 流動的と申し上げましたのは、後期三年の分についての見通しが流動でございまして、四十四年、四十五年、四十六年において建造いたしますコンテナ船につきましては、ただいま申し上げましたように、アメリカ、豪州、欧州というものにつきまして、非常に確定した計画あるいは非常に進んだ準備のもとに建造を実施いたしておりますので、日本海運が世界のコンテナ化におくれるということは絶対にないと確信いたしております。
#116
○金丸冨夫君 この点は私が申すまでもなく非常に重大であろうと思いますので、運輸省におきましても、十分これは注意して出戻りにならぬように――現にいろいろな船の改装とかなんとかいうことで、たいへんな金を使っておる。これは近代化の、いわゆる船の優秀な機械ができてきたからやるということでなんですが、さらにコンテナ船でなければならぬというようなことになると、普通にこしらえたものを根本から改造ということはなかなかできるものではない。この点は政府といたしましても十分注意せられて、大体の情勢とそれから荷動き、それからコンテナ化の可能性ということを突きとめられて、ひとつ御計画になっていただきたい、要望いたします。
 ところで、これは海運業者に対する一つの負担増になるわけですから、港湾局長にお伺いしますが、先般の神戸並びに東京の埠頭公団の進捗状況、それからこれに対して船会社が新たに負担をする船舶、船腹の造船ということでなしに、コンテナ化することについて負担しなければならぬもの、こういう点はどのくらいになっておるか。また現状、あの当時の十カ年間でしたか、五十年までの総予算、総財政資金が千何ぽか、千億程度でございましたですか、これは進捗状況と、それから今後このコンテナ船がそういうところで就航に利用せられるまでに港湾が整備せられるのはどういうことに進んでおるか、ひとつそれをお伺いしたいと思います。
#117
○政府委員(宮崎茂一君) まず外貿埠頭公団によりますコンテナ・バースの整備の状況でございますが、四十四年度の末までに、東京湾と大阪湾、おのおの五バースずつを完成するような考え方で工事を進めております。その中で大体、大阪湾のほう、大阪港、神戸港、それから東京湾の横浜港、この三港につきましては、順調に工事が進んでおりまして、早いものはことしの八月から、逐次でき上がってきつつございます。明年の四、五月くらいまでにはでき上がる予定でございます。ただ、東京の大井埠頭でございますが、これはニバース完成の予定でおりましたが、実は土地買収が非常に難航いたしました関係で、少しおくれまして、また、ことしの一月にボーリングをやりました結果、これがまた地質がことのほか悪うございまして、ヘドロでございましたので、その後設計変更をいたしまして、これはいま船社と話し中でございますが、もうすぐ六月になりましたら着工して急速に施工をいたしたい、これは四十五年度中にはこの二バースは完成したいと考えております。総体的に申しまして、東京の大井がおくれているという状態でございます。
 それから第二点でございますが、このコンテナのバースをつくりますに際しまして、船社の負担がどうなるのかというお尋ねだと思いますが、当初この全体の公団バースの計画が千億程度でございましたが、それをその後多少圧縮いたしまして、九百億くらいになっております。それからその中で、実はコンテナ・バースが二十二バースございまして、そのほかにライナー・バースというのがございます。これは必ずしもいまの船社が借りるというふうにはなっておりません。港運業者その他が借りられるわけでございます。したがいまして、この全体のいま予定いたしております二十二バースについて申し上げますと、いまの工事費にいろいろ増減はございますけれども、おおむね全体で六百億程度の資金がかかるのじゃないかと、こういうふうに考えておりまして、その四〇%でございますから、いわゆる二百四十億をこれは船社の側で負担をするということになっております。負担をすると申しましても、公団のほうが船社から金を借りるわけでございまして、これは七分五厘の利子をつけまして金を借りるわけでございます。二百四十億でございますが、これはちょっとさかのぼりますが、何年間で二百四十億かという問題がありますが、このいまのコンテナの需給の計画から、いまの計画では八年くらいになっておりますが、あるいは六年くらいになるのではないかと私ども考えておりますが、そういたしますと、年間三十億ないし四十億くらいの船社の負担になりまして、その分が先ほど申し上げました船社から公団が七分五厘の金利で借りられる、こういうことになるのでありまして、初年度はこれが二十億でございまして、そのうち八億はこれは別途の関連のところから借りまして、船社から十二億借りたわけでございますが、これにつきましては、公団が借用証書を入れまして借りた。したがいまして船社側にも非常に御不満がございまして、いわゆる焦げつきだというようなことで、公団債を発行してくれという非常に強い要望がございました。それと四〇%の比率を下げてくれぬか、どっちかにしてくれという要望がございました。四〇%の引き下げはできなかったのでございますが、四十三年度の金から公団債を発行することにいたしております。したがいまして、船社の資金繰りのほらはだいぶ楽になったというふうに私ども考えております。その後、年間三十億ないし四十億でございますので、船社もそれはたいへんでありましょう。大体いまのような公団債発行というようなことで落ちついているのじゃないか、かように考えております。
#118
○金丸冨夫君 海運局長にお尋ねしますが、コンテナについて最も大事なことは、結局普通のコンテナを使いましても、一番わかることは、卑近な例は、これはフル・コンテナがどういうぐあいに利用されるかという、これが一番キーポイントになろうかと思いますが、新たにこういう船が動きますときに、このコンテナはどういうことになっておりましょうか。コンテナ自身は新たにこちらの船に使うものは全部こちらでつくるというのか、あるいはアメリカと話し合いで共通にやるというのか、いろいろと奥地にも行きますわね。この点はどういうことになっておりますか。もしなっておらぬとするなら、今後は、このコンテナ自身の保有、運用について、どういうお考えをもって進まれるか、この点をお聞かせ願いたいと思います。
#119
○政府委員(澤雄次君) 現在のところ、コンテナ・ハン――コンテナの箱でございます。これはその船をつくりました船会社が建造、保有いたしております。で、一ぱいの船につきまして、大体、その船が七百五十個積みであれば、三倍のコンテナをつくりまして、その船会社が保有をいたしております。で、三倍と申しますのは、船の上にワン・セット、それから日本側にワン・セット、これは陸を走っております。それからワン・セットはアメリカ側で陸を走っております。それで、三セットを建造、保有をいたしております。まあ非常に膨大な額になっております。加州航路の場合には、船の価格とこのコンテナ・バンの価格とがほぼひとしいくらいのものになっております。それで、各社がいま独自に使っておりますが、現在、加州航路につきましては、グループ制を指導してつくっております。二グループになっております。日本の六社が二グループになっております。そのグループ内では、このコンテナを融通利用をするということがたてまえになっております。
#120
○金丸冨夫君 コンテナの話は、際限がないからそのくらいにして……。
 で、六カ年間のこの建造融資総額は何ほどになるわけでございますか。
#121
○政府委員(澤雄次君) この二千五十万総トンのうち、計画造船で予定いたしておりますものは千六百五十万トンでございます。千六百五十万トンを計画造船でつくる。それから四百万総トンは、いわゆる自己資金と申しますか、全然、政府の助成の対象外でつくる、一応こういう予定にいたしております。それで、この千六百五十万総トンに要しまする建造費用は一兆三千億でございます。そのうち、開発銀行融資は八千億でございます。
#122
○金丸冨夫君 そうすると五千億は市中ですか。
#123
○政府委員(澤雄次君) 市中及び自己資金でございます。
#124
○金丸冨夫君 ああそうですが。自己資金、これ入れて…………。
 これまで計画造船でずっとやられました二十四年以来を見ましても、四十三年度までで六千九百二十三億円程度になるように思いますが、そうすれば、今後のこの計画については、これははるかに資金量から考えれば倍ぐらいになるというように――まあ倍までにはなりませんが、というような非常な計画で、まことに重大な新海運政策と言わざるを得ないと思うわけです。四十四年度は財政資金の手当ては予算で九百十億、さようでございましたね。まあかようなことでまいりまして、このいわゆる金利の表を見ますというと、いろいろ今度は従来より変わって、少し政府のいわゆる助成策というものは後退と、これはまあ初めからそういうことをうたってありまするから、当然だと思いますが、こういうことでもう一つわが国海運を新たにこしらえようというこの大きい計画を、しかし業者がよろしいということになったのでしょうか。これはやはり前は海運二法において再建整備計画ということでありましたから、それは性質上今度とは違います。違うけれども、さらにこの段階において資金においてはほとんどその倍、まあこれは新しい今日の金ですから、多くなるのも無理はないわけですが、それにしてもトン数でも倍というようなものを、これはやらなければならぬということについては、相当政府としてもやはり何かの面において、いわゆる業者というものに助成というものをしなければならない。今回のこの利子補給ということ自体は、まあそれがすでに助成策であると、こういうぐあいに考えますが、アメリカあるいは英国、ノルウェーその他各方面の海運助政策を見ますというと、まだこれよりももう少し一歩踏み込んだ助成策をとっておるところもございますね。ただここで比較をしますというと、よく海運業者から、わが国の貿易収支の赤字がなかなか取れないのは政府が力を入れないのだ、言いかえれば助成策が足らない、助成措置が足らないためだということをよく聞いておったのですが、この提出の表を見ますというと、まあ大体いいところをいっているのじゃないかという気がいたします。ただこのうちで税制措置、これについてはたとえば合理化機械等の特別償却制度とか、登録免許料軽減措置とか、あるいは輸出割り増し償却制度、あるいは輸出所得控除制度というようなものが再建整備の場合にも、これはこのままやられておったと思うのですが、これはそのままになっておりますね。この点はちょっと後退しないから、このところでひとつ業者を大いに助成したということになるわけですか、金利は引き上げましたがね。
#125
○政府委員(澤雄次君) 実は税制も若干後退いたしております。これは輸出割り増し償却制度あるいは輸出所得控除制度の中で、いままでは外貨による輸入運賃というものは全部対象になっておりましたが、新海運政策と申しますか、この四十四年度からは輸入運賃については二分の一しか認めないということに相なりました。その点が現在、今までの税制よりも後退した点でございます。しかし、先ほど先生のおっしゃいました合理化のための特別償却、初年度一割の特別償却という制度はことしから新しく採用いたしました。この点は前進をいたしました。これは主として、オーナーと申します、船舶を所有だけしておるオーナーのための対策であると、このように御理解願いたいと思います。
#126
○金丸冨夫君 輸出割り増し償却制度と、それから輸出所得控除制度、これは二カ年間しかやらない。そうすると二年過ぎたらこれはなくなると、そういうことになるんじゃないでしょうか。
#127
○政府委員(澤雄次君) これは租税特別措置法の立て方が全部そのように相なっておりまして、大部分の特別措置は一年、二年、特別長いもので三年と、そういうことでその期限が来ましたときにまたころがすというのは、従来の例のように了解いたしております。
#128
○金丸冨夫君 わかりました。
 この利子補給契約は金融機関と政府がやるわけですね。そうすると、それによって利子補給がなされた部分があわせて出世払い、営業成績が上がったならば、一定の期間を限ってこれをその営業成績に比例して納付金で政府に返すと、そういうことでございますか。なかなか書いてあるのがむずかしいものだからよくわからぬです。
#129
○政府委員(澤雄次君) さようでございます。政府が利子補給契約を銀行と結びまして、銀行は政府から利子補給金を受けますと、それに相当する分だけ船会社に対して利子分を減額するわけでございます。で、船会社はその減額された利子を銀行に払うわけでございます。それで船会社が年一割をこえる、対資本金利益率一割をこえましたら、こえた部分の何分の一かずつを政府に返す、このような仕組みに相なっております。
#130
○金丸冨夫君 この二千五十万総トンをつくるということ自体の目標、あるいはまたこれをつくることに対する財政措置、そういうこと全体から考えてみまして、いまの積み取り比率というようなことが非常に大事な問題になってくるであろうし、今後この制度が発足せられましても、わが国海運は、森中委員から指摘された経済成長率八・五%というようなことは、これは低位にあるからまだそれよりもうんと出るのだということであっても、海運競争力、国際競争力というものは、そう簡単に――わが国だけが船を持っているわけじゃない、またわが国だけが新政策をやるのではおそらくないのではないか、そういうことになりますと、わが国今後の海運の前途というものは、相当に引き締めていかなければならぬであろう。それにはやはりいまの集中制度というかレベルアップの点はくずさないように、どこまでも指導してやっていただくということが、最も肝要であろう。それからまたいまの積み取り比率を上げるという船腹増強以外の手段というものを大いに考えて、そうして指導していくということが運輸省としてぜひとっていかねばならぬのではないか、かように考えるわけであります。
 与党の質問で、みなあくびばかりしているようですから、この辺で私の質問を終わることにいたします。
#131
○委員長(岡本悟君) 本日は、この程度といたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時三十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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