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#1
第061回国会 商工委員会 第4号
昭和四十四年三月十一日(火曜日)
   午後一時十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月三日
    辞任         補欠選任
     藤原 道子君     阿具根 登君
     田渕 哲也君     瓜生  清君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         八木 一郎君
    理 事
                川上 為治君
                土屋 義彦君
                大矢  正君
    委員
                赤間 文三君
                井川 伊平君
                内田 芳郎君
                大谷藤之助君
                村上 春藏君
                山本敬三郎君
                竹田 現照君
                矢追 秀彦君
                須藤 五郎君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        植木 光教君
       通商産業大臣官
       房長       両角 良彦君
       通商産業省通商
       局長       宮沢 鉄蔵君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小田橋貞寿君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (通産行政に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(八木一郎君) これより商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について報告いたします。去る三月三日藤原道子君、田渕哲也君が委員を辞任され、その補欠として阿具根登君、瓜生清君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(八木一郎君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は御発言を願います。
#4
○大矢正君 私は、先日来新聞をにぎわしております通産省内部における不正な事件に関してお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、新聞の報ずるところによりますると、関税暫定措置法の第二条にありまする重要機械類の免税に伴いまして、その審査の過程で通商局の事務官であります堀田某なる者が、正確にはわかりませんが、本来免税になるべき機械類でないにもかかわらず、特別の権限を持って免税措置を一方において講じ、一方においてはそれによって供応を受け、かつまた、推測の域を出ませんが、収賄の可能性もあったということでありまして、産業界と密接な関係があり多くの許認可の権限を持っている通産省としては、まことに重大なものがあると思います。そこで、今日までのこの問題に関する経緯と考え方をお尋ねをいたしたいと思います。
#5
○政府委員(植木光教君) 綱紀を厳粛に維持することは、われわれの最も心すべきところでございます。常にこの点につきまして注意を払ってまいったのでございますが、今回のような事件が起こりましたことを、まことに申しわけなく存じております。
 経緯につきましては、通商局長からお答えをいたさせます。
#6
○政府委員(宮沢鉄蔵君) ただいま先生御指摘のとおり、先般私のほうの局におります堀田事務官が収賄容疑で、現在警察で取り調べを受けておるわけでございます。まことに世間を騒がせまして申しわけない次第だと思っております。ただ、その過程におきまして、本来免税にすべきでないものを免税にし、というようなことがあったのではないか、こういうお尋ねでございますけれども、実はこの関税の免税をやります際には、通商局だけでこれを処理しておるのでございませんで、実はどの機械を免税対象にするかということを通産省内部の意見を取りまとめます際には、通商局とそれから企業局、工業技術院、それから原局、重工業局、これだけのものが集まりまして、その機械がはたして国産がないのかどうか、また、その機械を入れることが当該産業の設備の緊急な近代化を促進するために必要であるかどうか、また、その事業の主要な作業工程において欠くことのできないものであるかどうか、こういうような点をいろいろ審査して意見を交換しました上で免税にすべきであるかどうかという判定をいたしまして、それを大蔵省のほうに持ち込むわけでございます。御承知のように関税暫定措置法の所管は大蔵省になっておりまして、大蔵省のほうで通産省の説明を聞き、向こうは向こうでそれなりにいろいろ審査いたしまして、これは免税してしかるべきものである、こういう判定が下りました際に免税の手続をとるということになっておるわけでございます。したがいまして、堀田個人が、免税にすべきものではないものを免税にするというようなことを、かってにやり得るようなことにはなっていないというふうに考えておるのでございます。
 なお現在警察で取り調べ中でございまして、具体的にどのような供応を受け、どのような結果になるか、この点につきましては現在まだ捜査も継続中でございますので、その報告を受けておりませんので、その内容の具体的なものにつきましてはまだお答えできる段階になっておりません。
#7
○大矢正君 いまあなたの発言を聞くと、特別彼が措置することによって本来課税されるべきものが免税措置になるような組織なり機構なりそれから仕組みにはなっていないんだという発言でありますが、もしそうだといたしますと、堀田事務官なるものは、具体的には何らの権限がないことになるし、その権限のないところに、あれだけ、公表されているだけでも非常に多くの供応が行なわれ、われわれ自身がもう想像できないような大きなものになっているわけでありますが、そうすると、あなたの説明から言うならば、それぞれの企業というものは、堀田なるものからいささかの恩恵にも浴さないんだけれども、結果としては膨大な供応をしている、これはこれからの捜査を待たなければなりませんが、贈賄をしている、こういうことになるわけで、もちろん私どもは捜査当局じゃありませんから、具体的に証拠の一つ一つを持ってあなたに迫るわけにはまいりませんが、常識的に、かつ一般的に考えてみましても、そういうような権限もないところに何のために供応というものが起きるのか、そこがわからないわけです。ですからあなたの言わんとすることは、私はわかるような気がするんですよ。気がしますが、そうだとすると、そんな権限のないところにそういう供応が起きるかということなんですよ。もう一度ひとつお答えをいただきたい。
#8
○政府委員(宮沢鉄蔵君) 堀田事務官は、いわゆる通商関税官という仕事をしておりまして、この通商関税官は、通産省の設置法の施行規則によりますと、上司の命を受けまして関税にかかわる渉外に関する事務を処理する、こういうことになっているのでございます。そこで私が申しましたことに関連して、堀田が何らの権限がないというのはおかしいじゃないかというお話でございますが、私は、彼が全然権限がなかったということを申し上げるつもりはございません。堀田君の仕事は、免税の申請がありました際に、それを各局で、先ほど申しましたようにいろいろ相談するわけでございますが、それを取りまとめまして、そうして大蔵省に一応通産省として要求をいたします際に、それを送りつける、そういう仕事をしておったわけでございます。実際の仕事のやり口を申しますと、先ほど申しました各局がどういう立場で審査に参加するかということでございますが、まず重工業局でございますが、重工業局は国産の機械工業を保護する立場をとっておりますので、いろいろ具体的な機械について申請がありました場合には、これはほんとうに国産できないものであるかどうかということにつきまして、非常にシリアスな、非常に厳重なそういう立場から審査いたしまして、したがいまして、まず重工業局のほうでこれは国産の機械がないということを重工業局に言ってもらいませんと、これは全然話が進まないわけでございます。それから企業局でございますが、これは当該産業の近代化等のために必要であるかどうか、こういう観点から審査いたすわけでございます。工業技術院あたりも、一体そういう機械がかりに現在国産できていなくても、すでに相当技術開発が進んでおって、近いうちに国産化できるだろうというような見込みとか、そういうことに関連しまして、いろいろ意見を言うわけでありまして、それに対しまして、主として原局のほうから、これは当該産業の近代化には大いに役立つから入れてもらいたいというような立場でいろいろ発言があるわけであります。その皆さんの意見を取りまとめまして一応評点をつけるわけでございます。その中にいろいろ評点のつけ方があるわけでございますが、ABCDぐらいのランクがつくわけでございますが、この場合にDランクというのは、同種の国産品があって、十分代替できるというものは、これはDというランクでございます。審査内容、やり方等を調べてみたわけでございますが、かりに出ました担当官のうちで、一人でもDランクをつけますと、それでアウトということになるそうでございます。したがいまして、かりに堀田君が頼まれまして、ほんとうに国産化ができているにもかかわらず、それを入れるようにと言った場合に、彼が幾らAをつけましても、だれか一人Dをつけますと、それはもうアウトということになるそうでございます。したがいまして、そういうようなやり方をしておりますので、彼がかりに会社から頼まれましても、彼の一存でだめになるべきものがよくなってしまうということは、仕事の仕組みからして実際は行なわれなかったというふうに私たちは考えているのでございます。まず通産省の段階でそういうふうにして一応審査されるわけでございます。まあ大体いままでの傾向を申しますと、大蔵省に十持ってまいりますと、大体七つぐらいしか通らないというようなことでございまして、それも結局かりに通産省できめますと、大蔵省が全然それをほとんど実質的に無審査で通してくれますと、いろいろなこともあり得るということも一応考えられるかと思いますが、実は大蔵省は大蔵省で専門的な審査官を置いておりまして、それでいろいろ厳密に審査されるわけでございます。そういうことの結果として、いま申しましたように、通産省の内部でもっていろいろ検討いたしまして選びましたものの中から、さらに選ばれたものだけがこの政令の改正に載る、こういうような仕組みになっておりますので、現在調べられておりますような段階でございますが、そういうようなことがあるといたしましても、実際いま調べられているような問題が起こったといたしましても、そのために、だめであるべきものがよくなってしまうというようなことが実際には行なわれてはいなかったというふうに私たちは考えているのでございます。それからなお、会社から出します――いま私が免税の申請と申し上げたのはちょっと正確でございませんが、結局いまの問題は、政令にどういう機械を指定するかということが最終的に問題になるわけでありまして、業界から通産省に出てまいりますのは、免税機械を政令に指定してほしいという希望表みたいなものが出てまいるわけでございます。要するに申請ではないわけでありまして、希望表が出てまいるわけでありまして、それに従いましていろいろ審査いたしまして、その希望を取りまとめまして、通産省としても、なるほどこういう希望はかなえてやってしかるべきものであるということを大蔵省にものを言う、大蔵省が審査のスタッフを持っておりまして、各省、通産省以外の各省からも話がくると思いますが、そういうものを全部集めまして、大蔵省としてはこういうものを免税対象として指定してしかるべきであるかどうかということを大蔵省がきめる、こういうことになっておるのでございまして、したがいまして、全然権限のないものにそれだけの会社がたくさんの金をつぎ込んだのは全く不可解である、こういうお話でございますが、その点に関しましては私自身もたいへん不可解なことであるというふうに思っておるのでございます。
#9
○大矢正君 あなたね、そういう答弁になると私のほうも開き直らなきゃならぬことになるんだがね、どういう手順と手続を経て最終的に免税措置がとられるのかという内容を私もお尋ねをし、それから調べもしてわかっているつもりでいるんです。ですから、なるほど通産省内においてもそれぞれ直接関係のある部局が集まって、この機械が免税措置として妥当なものであるかどうかという、言いかえるならば関税暫定措置法の二条に基づく趣旨が生かされているか生かされないかというような検討をされた上で、もう一度大蔵省の――最終的には大蔵省が税を担当するわけでありまするから――門をたたかなきやならぬということ自身もわかっております。ただ私が聞いているのは、そういう手順、手続はあったとしても、なおかつあの種の問題が起こるということは、そこに何かの欠陥があるのではないかということをお尋ねをしているわけなんですよ。単に堀田事務官なるものはあくまでも公示に基づいて、上期においてはこういう機械を入れたいと思うが、これを政令の中にひとつぜひ加えるようにしてもらいたいという希望を受け入れて、事務的にそれを検討した結果、単に大蔵省に出すというだけならば、こんな事件は起らないと思うのです。企業というものはそれほど甘いものじゃないですよ。役に立たないものに酒飲まして金をやるような、そんな甘いものじゃないわけなんですよ。そこに企業自身が何らか益するところがある。しかも、それだけのことをやってもなおかつ企業としては利益があるんだということがあるから供応もするだろうし、贈賄もするわけでしまう。あなたの説明を聞いていると、通産省の機構の中、それから最終的に免税措置がきまるその過程の中の手続においては、一切間違いがないし、問題が起こるはずがないんだという御答弁だから、それならば起こった責任は一体どこにあるのだと私どもは開き直りたくなるんです。やはりまだあなたのほうの――これはもちろん大蔵省も入れて私は議論したいところだが、大蔵省を呼んでいるわけじゃありませんから、大蔵省のことは一応おくといたしましても、場合によっては通産省だけでなく大蔵省も、こういうこの種の問題を担当する担当官が同じことをあるいはやっているかもしれない。ただ、それがたまたま捜査の対象にならなかったというにすぎないかもわかりませんよ。これはあくまでも予測の上ですから。しかし、ともあれ通産省の事務官が問題になったことは明らかなんだから、そのことに限定をして考えてみると、あなたの言われるようないろいろな手順、手続があり、AランクからDランクまでのランクがつけてあるのであって、そのランクのつけ方を堀田一人がやるんじゃないんだから、そんな間違いが起こるはずがないというような答弁ですが、全くもって不可解だと言うほかないわけです。ですから、私は手順、手続の問題についてじゃなく、それでもなおかつ問題が起こる原因はどこにあるのだろうかということをお尋ねしているわけです。
#10
○政府委員(宮沢鉄蔵君) まあ手順、手続その他はいま御説明したとおりでございますが、しかもなおこういう問題が起こったのはなぜかという御質問に対しましては、私自身いまひとつ非常にやはりこれから考えなけりゃならない問題だろうと思っておりますのは、同じポストにあまり長く人を置いておいたことではないかというふうに考えております。それで、現在役所の仕事もわりに専門的な分野があるわけでございますので、まあできるだけやはり専門的な知識を持っておる人を育てたい、こういう気持ちも一面にはございまして、まあこの人たちもやはり通商関税官というふうな名前をつけまして、やはり一種の専門官の一つでございますけれども、どうも今度は、今回の事件といい、それからしばらく前に起きましたJISの事件といい、いわゆる専門的な知識、経験を持っておる人の分野に事件が起きております。結局いま申しましたような行政上の要請もございましてそういうことになったわけでございますが、それにしても、同じポストにあまり長くおったような場合にやはりこういう事件が起きておりますので、やはり仕事の面では多少やはり問題があるにしましても、あまり長く同じポストに置かないというようなことを考えるべきではないか、そういう点を私たちとしてはいま反省しておりまして、そういう点につきましてひとつ具体的なやり方についてもなお至急検討したい、こういうふうに考えております。
#11
○大矢正君 長く置くとどういう欠陥があるのですか。
#12
○政府委員(宮沢鉄蔵君) 長くおりました場合には、結局まあ今回の場合に具体的にどうであったかということは別にして、一般的なことになるかと思いますけれども、そういう仕事に関する知識、経験が非常に豊富になるといういい点はあるわけでございますけれども、また一面、外から見ました場合には、ある人が非常にその単独の、何か非常な権限を持っているというふうに、やはり誤解されるということもあろうかと思いまするし、それから、まあ何とはなしに発言力といいますか、そういう面で多少力を得てくる、そういうことの反映として何かその人が非常に大きな権限を持っているかのように誤解されるというようなこともあり得ることでございますし、またそういったようなことの結果として、今回のようないろいろな事件が起きるということのきっかけにもなりかねない、そういうようなこともあり得ることではないかというふうに考えておるのでございます。
#13
○大矢正君 まああなたの御発言によると、通産省の、持に本問題に限って言えば、通商局の中におけるその種の問題の審査の過程の中には、特定の人間がみずからの意思に基づいて免税措置を講ずるというようなことはではない仕組みになっているということになると、結局のところ、何ら力のない者に対して企業というものが多額の供応をしたり、将来あるいは捜査によって出るかもしれませんが、贈賄をしたりということは、全く企業がどうかしているのであって、通産省の機構や仕組みやそれからまた手順、手続の上においてはいささかも間違いがないのだと、だからもっと極端なことばで言えば、企業というものはばかだったんだ、何も権限のない人間に一生懸命飲ませて食わせている。しかも一軒の店だけで、新聞の報ずるところが正しければ、三百万円というのでしょう、一軒の店だけで。一軒の店で三百万ということは一カ月約三十万ということでしょう。それ一軒ですよ。かりにそんなのが五軒あったらどういう勘定になりますか。それだけ私は日本の経営者というものはばかではないのじゃないかと、あなたが御存じなくてここで答弁をされているかどうか、あるいはわかっていて言わないのか、わかっていて言わないとなると、なおあなたのほうは人間が悪いことになるわけでありますけれども、ともあれ、やはり欠陥のあることは間違いないのじゃないですか、そういう問題が起こるということは。というのは、私はきびしく言うようでありますけれども、まじめにやっている人間が、同じ役所の中で、やはり精神的に受ける打撃というのは非常に大きいと思うのですよ。いままでまじめにやってきたし、これからもやろうとする人間に対して、どんなに害毒を流すことになるかわかりませんよ、この問題は。ですから私は申し上げているのであって、もしあなたのほうに具体的にこういう措置とこういう措置をとることによってこの種の問題を未然に防止ができるし、そういう事態にならないようにできるのだ、こういう考えがあったら、この際お答えをいただきたいと思うわけです。
#14
○政府委員(宮沢鉄蔵君) この種の問題が起きたことによりまして、非常にまじめに仕事をしておる人にたいへんなショックを与えるのではないかというお話は、全くそのとおりでございます。そこで、こういう問題を再び起こさないようにするためにはどういうふうにしたらいいかということでございますが、本件に関します限りについて申しますと、私は仕事の仕組みそのものに関しましては、先ほどるる申し上げましたように、チェック・アンド・バランスのシステムは一応できているようなわけですが、同じポストに長く置いているということが大きな原因の一つであるというふうに私は考えておりますが、これは局内、もっと広く申しますと全省の問題になると思いますが、この専門的な知識、経験を要するポストに対する人事配置の問題でございますが、やはりあまり長くならない機会に、多少問題がありましてもこれは異動を行なうということをぜひ考えたいというふうに考えております。
 それからもう少し一般的に申しますと、行政内容の再検討といいますか、今回の事件は、要するに個別の行政といいますか、形の上では政令指定ということがございますが、実質的には特定の機械を入れる人に対する免税措置ということに、わりにつながってくる行政でございまして、比較的個別行政といいますか、ある種の行為をすることによってわりあい企業の利益に直結するような種類の行政、これも幾つかあるわけでございますが、できるだけそういうものはやめるようなことは考えられないのか、行政内容の再点検といいますか、できるだけそういう個別的な、統制的な仕事はやめさせることができないかどうか、そういったような点の再検討もしたいと考えております。
 それから今回の事件に関する限りは、先ほど申し上げましたようにチェック・システムがあるわけでございますが、そのほかのそういう個別行政の分野におきまして、この際、私どもとしては総点検をいたしまして、必要なチェック・システムができているかどうか、そういうことをもう一回見直していきたい、こういうふうに考えております。
#15
○大矢正君 局長、お尋ねをしますが、関税暫定措置法の第二条にいうところの「新式又は高性能の産業用機械類で、本邦において製作することが困難である」というのは、具体的にどういう内容のものであるのか、ということは「本邦において製作することが困難である」、絶対できないということではないわけですね、「困難である」、そこに幅があるわけです。したがって、国内に現存する機械であっても、場合によっては免税措置として外国から輸入することができるということになるわけですね。それが十億の機械だったら一五%の関税でいけば一億五千万円企業としてはもうかることになるわけですね、そうでしょう。したがって、この法律の運用それ自身の中に非常に幅があるという問題がありますね。それからもう一つは、「事業の主要な作業工程において欠くことができないものであること。」という第二項がありますね。これもまた非常に幅のあるものですよ。またこの条文にはないけれども、機械の特定する部分のみを免税の対象にするのか、その機械を包括する全体に対して免税するのかということによっても非常に大きな違いがあるわけです。しかし、これは法律には書いてない。したがって、そういう幅のあるところに――もちろん法律であるから、あらゆるものに、読んですぐ適用できるようなわけにはまいらぬから、そこに政令に指定する、こう書いてあるんです。それは私もわかります。したがってそれだけに、言うならば特定の個人に権限が集中をする、新聞等ではオールマイティと書いてある。私もまさか通産省ともあろう役所の一事務官にオールマイティなどということは当てはまらないと思うが、やはりオールマイティではないにしても、ほぼそれに近い権限というものが発生する根拠があるんではないかという感じがするわけですよ。したがって第一の点は、いま申し上げたような二点――三点ですか、正確に言うと三点というものは、やはり通産省それ自身の中において――第一段階においてですよ、最終的には大蔵省にいくに違いないが、第一段階、審査の過程において――申請以前の審査の過程においてそれを認めるか認めないかという権限と幅というものが、かなり事務官に与えられているんではないかという感じがするんですが、もう一度お尋ねをしたいと思います。
#16
○政府委員(宮沢鉄蔵君) ただいま法律の条文を引用しての御質問でございますけれども、これはやはり「製作することが困難である」という簡単な表現でございますけれども、当然やはり幅があると思います。それで具体的にその判定をいたします際には、それをさらに運用上はA、B、C、Dというランク、先ほど申しましたように各担当官がランク、評点をつけるわけでございますが、この評点をつけます基準を見てみますと、やはり当然――いまの御質問に関連がございますので申し上げますが――ランクがあると思います。たとえばAランクは文句なしにどう見ても国産できない。どういうものかと申しますと、たとえば外国会社の日本に特許がありますために国産ができない、あるいは技術水準が全然劣っておるために絶対できない、こういうものもあるかと申します。そういうようなものがAランクでございます。それに次ぐランクのものといたしましては、同じような種類の国産品はあるけれども、能力的に見ますと非常な差がありまして、稼働上やはり問題がある、こういうものが一応Bランクになっております。それからCランクになりますと、同種の国産品があるわけでございますが、能力的に劣る、あるいは国産品はないけれども、しかし技術的につくろうと思えばつくれないことはない、こういうものもあるわけでございます。これはCランクでございます。それからDランクというのは、先ほど申しましたように同じような国産品がありまして、それで大体できるはずである、こういうものでございます。Dランクは文句なしにだめでございますけれども、A、B、Cのものにつきましては、これはやはり各担当官が並べて審査いたしますと、多少評点に差がついてくることがございまして、したがいまして、やはり解釈上の問題といたしましては当然若干の幅があるわけでございます。
 それから堀田君の場合について申しますと、彼が一人でもって黒のものを白と言うことはできないわけでございますけれども、この評点をつけますのは、通商局と、それから重工業局と企業局と化学工業局、四つでございますから、堀田君は四分の一の評点をつけるだけのあれを持っておった、そういうことは言えるわけでございます。ただ先ほど申しましたように、要するにDはだめでございますが、このDのマークをだれか一人つけましたらそれはだめだということになっておりますので、当然認むべきでないものを認めるというような仕組みにはなっていない、こういうことでございます。
#17
○大矢正君 あなた、法律的にというか、事務的にというか、行政的にというか、そういう立場だけで答弁されようとしているが、そうするとまた私どもは疑問がわくわけです。四人おって、A、B、C、Dの四段階があって、だれかDというものを入れたら、それでその機械は重免の指定は受けられないということが前提だから、もちろん申請も出さない、却下されるということになるわけですね。そうすると、あなたのいまの論法でいくと、四分の一の力しか堀田にはないと、堀田の四分の一の力しかないものがあれだけのことをやるなら、ほかの三人も同じことをやっているのかという理屈になる。そうじゃないですか。あなたは純粋に行政論的にというか法律論的にというか、そういうふうな答弁をされるけれども、しかしわれわれ一般の目で考えれば、堀田というものが、あなたがあくまでも四分の一の権限しか絶対ないんだということを抗弁すればするほど、それでは残りの四分の三に対しては、もっと何かやっているのか、あるいは同様のことをやっておるのか、多少個人差があるから三百万が二百万に落ちるのか、ということをやっているのかという理屈になるじゃないですか。
#18
○須藤五郎君 関連して一つだけ。
 いま、四分の一の権限しかないというお答えでしたけれども、その四分の一をもしも堀田何がしというのがいつもDをつければすべてのものがだめになってしまうということじゃないのですか。だから、堀田の筆一本でそれが生きも死にもするということになれば、ABCDの一つしか権利はないというふうなのはことばだけのことで、その力たるやいわゆるオールマイティになるわけじゃないのですか。だから、堀田某が業者のところへ行って、おれは今度Dをつけるぞ、こうかりにおどかしたとすれば、その堀田のDをつけられるのを防ぐために、業者はやはりそれに金をつぎ込むということが起こってくるのじゃないのですか。だから、四分の一の権限しかないというのではなしに、堀田はオールマイティの権限を持つ、こういうふうに解釈もできるのじゃないのですか、運営の上において。
#19
○政府委員(宮沢鉄蔵君) まあいま四分の一というのは多少ひっかかったわけでございますが、もう一回申しますと、この評点をつけますのは、四人でつけるわけでございますから、そういう意味において四分の一と申し上げたわけで、いま極端な場合を、逆の場合を須藤委員から御質問のように、かりに彼が本来AであるべきものをDとつけました場合には、それはやはりだめになってしまうわけです。しかし、それをオールマイティと言われますと、四人とも全部オールマイティということになるので、オールマイティという言い方はちょっとあれだと思いますけれども、いずれにしても四人でやるべきものである。しかしいずれにしても、だれかDをつけたらだめになる。したがって、先生が御指摘のように、もしかりに彼がABCであるものをDとつければだめになる、そういう仕組みになっております。
 それからもう一つ、各局の一応立場を先ほど申したので、結局、堀田君について、一体彼がどういうことを実際やっておったか、それからどの程度の彼が発言力があったかということについて考えてみますと、先ほど申しましたように、非常に長くその仕事をしておりまして、そして大蔵省に行っていろいろ話をするようなこともしておりましたから、結局、こういう言い方をすれば非常に通りがいいとか、こういう言い方をすれば通りが悪いとか、そういうような脳波といいますか、そういうものは、やはり非常に長くやっておりましたために、おそらく原局やなにか、原局は自分のほうの機械について、ぜひ大蔵省のほうに通してもらいたい、こういう発言をするでありましょうし、こういうときに、長く仕事の経験をしていれば、大蔵省のビヘービアからいうと、こうした言い方をすれば大体だめになってしまう、ということはあり得ることだと思います。そういう意味のおそらく助言というようなことは、いろいろもっと押す段階になればあり得ることだと思います。
 それからもう一つ、大蔵省に対して説明いたしますのは、堀田君が説明するのじゃなしに、それをいろいろ大蔵省に要求するときには原局が行って説明するわけです。ただ彼が行ってその場合に立ち会っておるわけであります。そういう立場にあるわけでございまして、したがいまして、先ほど申しましたような意味において、オールマイティじゃないかと、とにかく仕事をする上に彼がオールマイティであって彼の筆先でもってどうにでもなってしまうということは、そういうようなことは私はなかったと思っております。
#20
○大矢正君 いま私はだんだんと質問していこうと思ったところを須藤さんに言われたわけで、こういうやり方だって考えられるわけでしょう。東大の入試じゃないのだから一斉にやるわけじゃないのでしょう、ABCDのランクをきめる際に。したがって、繊維機械を入れる場合には繊維雑貨局とほかの三つの個所から意見を聞いてみたり、そうすると、ほかのほうはみんなBからC、あるいはAもあった、したがってこれは認めるべきだという、そういう情報を全部入れて、結果的に自分があとDさえ入れなければ免税措置が最終決定じゃないがきめられるということになるわけです。だから、りこうに立ち回るやつなら、先に企業局と、直接機械を入れようとする局と、それから重工業局とこの三つの意向打診をしてみて、みんなよろしいということになったらそこでおれは、お前ら何かやらなかったらDを入れるぞと、こうやられたら、いやが応でもそこへせっせと通わなければならないという問題が起こるのですね。
 それからもう一つ、堀田事務官なる者は長い間同じ職場から離れていない。しかしほかの部局というものはみな変わるわけだから、ですからおそらく機械一台入れるごとに、おそらく極端なことを言えば、人間がかわっておると思うのですよ。したがって、堀田事務官なる者がいままでの経過はこういうのがありまして、こうでありましてというようなことを説明すれば、そこで、いやそんなばかなことはないと言うほど、実力があるなしにかかわらず、経験がないわけだから、反対ができないから、それじゃひとつ部局をまとめて、Bくらいに入れておこうとかCくらいに入れておこうということになる。したがって、そこに供応なり贈賄なりというものが起こり得る可能性というものが出てくるわけです。したがって私が申し上げたいことは、二つ問題がある。
 一つは、こういうことを未然に防止するためには何といっても手順、手続その他審査の過程というものをもっと厳格にし、そういうものが派生し得る余地がないようなものにする方法がないのかどうか。そうして、たとえば私自身商工委員会にいれば、通産省にそういうような事件が出れば、われわれ自身も残念でしょうがない。ところが大蔵省のほうは名前はいささかも出ない。もちろんつかまってないから名前が出ないのはあたりまえな話ですが、あるいは大蔵省のほうにもあったかもしれない、過去において。それはわからないで済んだかもしれない。ともあれ業界と非常に密接な関係がある通産省という行政官庁がこの種の問題で名前をあげられるということは、まことに残念なことです。そのためには、やはりどういう方法を講ずればこのような問題を未然に防ぐことができるかということを考えなければならぬ。あなたの言うとおりに、いや、もうそれはちゃんときちんとできているわけだから、それはもう絶対間違いないのだ。こんなものは起こり得るはずがないのだ。ないようにちゃんとでき上がっておるのだという一点張りじゃ、それじゃおかしいじゃないか。なぜそういう問題が起こるのだということになるわけで、私はまだやはり検討しなければならぬ余地があるのじゃないか。それから、業界に対してもそうですし、業者自身に対しても、通産省があたかもオールマイティであるというような印象を与えることによって、そこに気持ちが変化すれば、供応なり贈賄なり派生するような条件をつくり上げちゃいけない。そういうものをなくさなければならぬ。そのためには、私はもっと厳格に審査をするという立場をとって――どういう形が好ましいかはわかりませんが、最終的な決定というものが通産省の事務官と大蔵省の事務官の二人でもって政令の書きかえができるようなものじゃなしに、何らか第三者機関なり何なりを設けて、そういうものを通して、もちろん三十万か五十万の機械にまで一々そういうことをやるというのは困難であるでしょうが、金額的にある程度のラインを引いて、それ以上のものはこういうような第三者機関なりそれに類似するものの承認なり決定なり審議なりを通してやっておるのですからあくまでも間違いない、もし問題があったとすれば、一事務官の権限がそうさせたのじゃなくて、問題は、わが国の産業政策なりその他がそういう方向を生み出したというように、その考え方を変えるなり方向を変えていかなければならぬのではないかという問題点が一つの問題点としてあるから、先ほど来申し上げておるわけであります。
 それから第二の問題は、最終的でありますから全部言わしてもらいますけれども、新聞その他で言われておりますように、行政監理委員会が最近いろいろな役人の汚職問題に触れて、場合によっては直属の責任者はその責任の一切をとりなさいというきびしい内容を法律として求めるのかあるいは各省の申し合わせ事項としてきめるのか知らぬが、そういう方向できめさせたいという強い意見が出されておるやさきにこういう問題が出るということは、非常に残念なことですよ。そういうようにしなければいかぬということを今度の堀田問題というものが示す結果になってしまったわけですからね。そういうことがあなた方のこれからの実際の行政の上において非常にマイナス要因となることは、これはもう明らかです。
 したがって第一の問題は、いま申し上げたような手続、手順、審査というものが、もっと広範な人の意見なり判断なりを入れてやり得るような余地をつくるべきじゃないかという問題。第二点は、いまそれでなくても行監委その他から言われているあの種の意見があるやさきでもありまするし、いかにそういう内容が充実したとしても、やはり公務員としての自覚と意識に欠けているからにおいては、どこでどういう問題が派生しないとも限らないわけですね。ああいうように通産省単独の許認可事項ではない非常に複雑な、単に審査の過程を通産省が持っているという内容でさえ、あれだけのことができるならば、許認可の権限を最終的に通産省が持っているものだったら、どれほどのことをやられているかわからないという疑惑が生まれてくるのじゃないですか。ですからこの際、私は、通産省が最終的に権限を持っている許認可事項の一切についても、このような事態が起こる不安がないかどうかという点について十分検討すべきであると思いまするし、それから人事管理というものは、聞くところによりますと官房長の責任だというお話でもありますから、私は官房長が責任があるということを申し上げているのではなくて、官房長自身も、そういうような公務員としての自覚と意識に欠けるような者が将来出ないように十分な監視をやはりやるべき必要性があるんじゃないか。なるほど堀田事務官なる者は、新聞その他、また人づてに聞きましても、非常にそういう面については知能犯であって、人にわからないようにあれだけの豪遊が長期にわたって、事前にだれにもわからないで済ますほどの男でありますから、まあ問題点はあったにしても、彼のほうがいまの役所の上役よりはりこうであったということになるのです。いままで知らなかったということはそういうことでしょう。全然予測できなかったし、言われてみて、あとからあ然としたということは、言いかえれば、向こうのほうが役者が一枚上手だったということになるわけです。このことはまことに恥ずかしい限りですから、どうかひとつ政務次官でもけっこうですし、局長でもけっこうですし、またできればほかの方々でもけっこうですから、ひとつ決意を聞かしていただきたいと私は思います。
#21
○政府委員(植木光教君) いま貴重な御意見を聞かしていただきまして、今回の事件によりまして世間を騒がせましたこと、また当省の行政に対する国民の信頼が傷つけられたことは、まことに申しわけない、また情けないことだと思っているのであります。また、先ほどお話しありましたように、ほとんど大部分の、ほとんどといいますよりも全部と言ってもいいと思いますが、まじめに努力をしてくれている職員の受けましたショックもまことに大きいのでございまして、したがって、いま未然に防止するための措置をとるべし、また管理者の責任についても、いまお話しがございました、大臣が直ちに指示をいたしまして、綱紀保持のための具体的措置についていま懸命にその具体策を仕上げているところなんでございます。お話しのように、先ほど局長から申しましたように、同一人に一定期間以上同一ポストに従事させないように、人事管理の適正化をいたしましたり、あるいはまた事務運営の方法の改善、管理者の責任体制の強化、さらに内部監査体制の強化、こういうことについてただいま具体的措置を練っているところでございます。早急にこれを仕上げまして、当省の信頼を回復し、また国民に公正に奉仕する機関としての責任を果たしてまいりたいと思っております。どうぞ御協力くださいますように。
#22
○委員長(八木一郎君) 本日の調査はこの程度といたします。
 次回は三月十八日午前十時とし、本日はこれをもって散会いたします。
   午後二時五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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