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#1
第061回国会 商工委員会 第7号
昭和四十四年三月二十五日(火曜日)
   午前十時二十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         八木 一郎君
    理 事         川上 為治君
                剱木 亨弘君
                土屋 義彦君
                大矢  正君
    委 員
                赤間 文三君
                井川 伊平君
                大谷藤之助君
                村上 春藏君
                阿具根 登君
                小柳  勇君
                近藤 信一君
                竹田 現照君
                塩出 啓典君
                矢追 秀彦君
                瓜生  清君
                須藤 五郎君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        植木 光教君
       通商産業化学工
       業局長      後藤 正記君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小田橋貞寿君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本合成ゴム株式会社に関する臨時措置に関す
 る法律を廃止する法律案(第六十回国会内閣提
 出、第六十一回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(八木一郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 日本合成ゴム株式会社に関する臨時措置に関する法律を廃止する法律案について質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○大矢正君 具体的な質問に入りまする前に、当面するわが国の合成ゴム工業の現状、それからまた、合成ゴムに限らず、生ゴムを含んだわが国の需要の動向、生産の動向、それから今後の見通し、またゴム全体の中における合成ゴムの位置づけ等、一般的な概況について認識を得るために局長から御説明をいただきたいと思います。
#4
○政府委員(後藤正記君) お答え申し上げます。
 合成ゴムの関係では昭和三十年ごろにアメリカ合衆国におきまして、当時、第二次大戦中に政府、軍関係として持っておりましたのを民間のゴム工業三社に払い下げるという気運が出てまいりまして、これにならいまして各国ともその技術を導入したり、あるいは合成ゴム関係の製造に着手したと、こういう沿革になっております。
 わが国におきましては、ちょうどその三十年ごろに天然ゴムの輸入量が、大体これは累年ほとんど平均して入ってまいりますし、かつまた、一次産品でもあります特質上、需要の急増に対処できませんので、その将来性を見越しまして、今後その需要の不足分に対処するためには、やはり合成ゴムをつくるということが肝要であるということで、昭和三十二年の六月に合成ゴム製造事業特別措置法が公布されました。そうしてこれによって日本に合成ゴム事業というものを興すという基本がきめられた次第でございます。で、当時の計算によりますれば、おおむねこの企業単位は生産能力といたしまして年間に四万五千トン程度の規模でないとこれが経済ベースに乗らないということで、まあ当時といたしましてまだ技術的に不完全な点もあり、需要の先行き等に対する心配もございまして、したがって、純然たる民間会社でこれをやらせるということは、なかなか各企業ともしり込みをして出てまいらないということで、先ほど申し上げました法律に基づきまして当初は開銀融資、次ぎまして翌年それが政府出資ということに切りかえられまして、日本合成ゴム株式会社は、二度の増資によりまして昭和三十三年までかかりまして二十五億円の資本金、そのうち十億円が先ほど申し上げましたように政府出資ということでこの仕事は始まったわけでございます。それで四万五千トンの生産能力をもってこの会社は三十五年に至りまして生産を開始したわけでございまして、今日までゴムの需要増というものに対応いたしまして逐次その事業を拡大してまいりました。当時、政府側の措置はさようでございましたが、民間一般におきましてもこの合成ゴムの将来性に着目をいたしまして約三つほどの会社、たとえば協和醗酵でございますとか、それから住友化学でございますとか古河化学でございますとか、そういった純民間ベースでこの仕事を始めたいという意図があったように聞いております。しかしながら、先ほど申しましたように、先行きの見込みが不安定である、それからまた四万五千トンの能力が最初からフル稼働いたしました場合には、当時といたしましては需要全体に対する供給過剰現象というものが出てまいりますので、そのために、これを集約して日本合成ゴムという一つの会社にしぼって、政府がこれに対する補助育成を加えてまいったと、こういうことでございます。さようなわけで昭和三十五年からこの会社が稼働したわけでありますが、一方におきましてまた予想外にこのゴムの需要というものが伸びまして、現在のところ、昭和四十三年におきましてゴムの総需要量は約六十万トン、そのうち合成ゴムが占めますシェアが約五二、三%ということになっておりますが、最近の一番新しい、一部推定を加えました数字によりますと、日本全体のゴム総需要のうち合成ゴムは昭和四十三年度におきましてはおそらく五七%までのぼってまいった、かように存じます。
 そこで、世界全般の趨勢でございますが、世界各国におきましても、わが国におきますと同様、モータリゼーションと申しますか、自動車の急速なる普及によりましてタイヤを中心といたしまするゴムの需要が非常に伸びました。で、天然ゴムだけだとこれがカバーしきれないということで、現在アメリカにおきましては総需要中合成ゴムの占めている比率が七四、五%になっております。日本では、先ほど申し上げましたように、従来は五二、三%、おそらく四十三年度は五七%と、こういうことで、今後とも合成ゴムは伸びていくだろうというぐあいに考えられます。なお、生産能力から申しまして、世界全般のおおむねの合成ゴムの生産能力は、一九六七年の数字で、一昨年でございますからちょっと古うございますが、五百五十二万八千トン、そのうちアメリカが二百五十一万八千トンで約半分近くの第一位を占めておりますが、日本は第二番目の三十六万トンということで、ドイツ、フランス、イギリスを凌駕いたしまして第二位の地位を占めております。で、今後とも自動車、モータリゼーションの普及に伴いまして、この合成ゴム事業というものはまだふえていくだろうと、かように考えております。なお、先ほど若干ことばが足りませんでしたが、日本合成ゴム株式会社以外にも、現在約十社が純民間ベースとしてわが国におきまして合成ゴムの分野に進出をいたしまして、脱衣は約十一、二社でこの生産をいたしております。そのうち合成ゴムの占める比率が約五〇%、かような状態でございます。
#5
○大矢正君 合成ゴム業界の今後の見通しでありまするが、いま局長からわが国の合成ゴムの中に占める日本合成ゴムの会社のシェアは五〇%を上回っているという話でありますが、今後は具体的にどのように転換をしていくのか、なぬほど業者の数はけっこうありまするが、しかし事実においては、この日本合成ゴムというものが圧倒的な分野を合成ゴム業界では占めるかっこうになり、その比率は、しかも年々相対的に高まるという結果になるのではないかと思うのでありますが、合成ゴム業界の今後の見通し等についてお伺いをいたしたい。
#6
○政府委員(後藤正記君) この会社は、発足のころから十分に国際競争力を備えるようにという一つの目標をもって発足いたし、進んでまいったわけでございます。で、現在この会社の生産の一番主力をなしておりますものはスチレン・ブタジェン・ラバーと申します一般汎用合成ゴムの中で一番用途の広いゴムでございますが、それ以外にも合成ゴムは、たとえばブチル・ゴムとかあるいはイソプレン・ゴムとか、そのほかそれぞれ若干ずつ性能の違います品種か数種ございまして、現在は日本は総トータルで申しますならば、合成ゴムの輸入国ではなしに輸出国、輸出量のほうが輸入量を若干上回っておりますが、輸出量は四十三年で日本から約五万九千トン、それから輸入量が、四万六、七千トンぐらいかと記憶いたしております。輸入いたしておりますのは、日本に現在まだ事業として完成いたしておりません新しい品種のほうのゴムでございまして、そちらの方面に対する今後の需要、あるいはまた企業におきまする進出意欲というものも非常に強いわけでございます。なお、先ほど約十一、二社と申しましたが、これは日本ゼオンとか、旭化成とか、電気化学とか、昭和ネオプレン、旭ダウとか、その他日本の化学工業界でもきわめて有力なる各企業でございまして、これらの企業は現在そういう新しい合成ゴムの分野に対する進出意欲も相当ございますし、なおまた、現在合成ゴムを生産いたしておりません企業も、この分野に新規に参入したいという意欲が非常に強うございます。したがいまして、現在のシニアは現在の品種のもとにおきましては、合成ゴムは五〇%を若干上回るという形でございますが、今後自由競争の場におきますならば、合成ゴム全体の品種的、数量的な拡大と、そこの中に出てくるこれら合成ゴム以外の有力企業の活躍、あるいはまた新規企業の参入等によりまして、合成ゴムだけがひとり業界で、何と申しますか、独占的なと申しますか、他を圧倒するような地位を占めるような状態にはならないかと存じます。
#7
○大矢正君 これはあとからの質問になりますが、この会社の株式が上場されてはおりませんが、かりに上場されるということになりますと、かなりの高値がつくということは、裏を返して言うと、この会社は非常に将来性があるという見方と、いま一つは会社経理上非常に優良な条件が備わっているということだろうと思うのであります。そこで、政府がある程度の指導なり監督なり指示なりができる法律的な根拠があれば別でありまするが、それだけの強大な会社であり、しかも市場においても根強い株価も反映しているという現況でありますれば、この会社自身の合成ゴムの中に占めるシェアというのが非常に大きくなり過ぎて、一般的な競争の条件というものが阻害されるような心配はないのかどうかということなんです。
#8
○政府委員(後藤正記君) 先生御指摘のとおりに、たいへんうわさと申しますか、一般的な風潮といたしまして、将来この会社の株式が上場されるときには相当の高値を呼ぶであろうというようなうわさが巷間いま広がっているわけであります。事実会社の経理内容、それからまた合成ゴム全般の需要の趨勢というものから考えまして、相当有望であり、そういううわさと申しますか、非常にいい会社であるというぐあいに見られるのも理由のあることかと考えます。しかしながら、先ほども申し上げましたように、日本合成ゴム以外の各会社も、これはいままで技術導入はいたしておりますが、化学業界におきますきわめて有力なる会社、先ほど例示いたしましたような会社でございますが、これがまた十分なる進出意欲とそれから合成ゴムに対する積極的な姿勢を示しておりまして、具体的にも私ども聞いておるところでありますが、将来――現在のシェアはそういうことでございますが――品種がふえてまいりますのと、ゴム全般の需要増という趨勢の中で特に独占的にこの日本合成ゴムだけがこの市場を押えてしまうという事態にはとうていこれはならないのではないか、さように考えます。
#9
○大矢正君 次に、承るところによりますと、政府が確保しておりました十億円を限度とする発行価額の株式については、すでに譲渡売買を終了しているということでありますけれども、なるほど法律には、この会社が経理上基礎が確立をした際においてはなるべくすみやかに会社の株式を処分せよと書いてありますから、この政府保有の株式を処分する法律的な根拠というものはあるとは思いますが、この処分のしかたについていろいろと議論が私どもあると思います。そこで、処分した株式はどういうような形で処分をされたのか、そして処分先は具体的にどこなのか、御説明をいただきたいと思います。
#10
○政府委員(後藤正記君) 御指摘のとおり、法律第十一条に、「会社の経理的基礎が確立したと認めるときは、有価証券市場の状況を考慮し、なるべくすみやかに、その所有する会社の株式を処分するものとする。」、こういう規定がございます。
 それで、まず最初の経理的基礎の問題でございますが、この会社は三十八年の下期に至りまして黒字を計上いたしました。三十八年下期以降一割配当を続行して今日に至っております。そのほかの財務諸表等の数字を見ましても、十分に経理的な基礎が確立したと考えられまして、政府におきましては三十九年の中ごろから、この株式の処分について考慮をいたしたわけでございますが、ちょうどそのころ、三十九年、四十年はオリンピックの終了期の国内的な景気の下降、あるいはまたアメリカにおきまするいわゆるケネディショックと称されます景気の急落の状態がございまして、景気がきわめて低迷状態と申しますか、非常に下がっておったわけであります。したがって「有価証券市場の状況を考慮し、」とございますので、そういった有価証券市場がきわめて株価が全般的に下がっておるというときにこれを処分するのはいかがかと、こういうことでしばらく状況をながめておりました。四十一年の下期ぐらいから景気はだんだん上向いてまいりまして、その後四十二年に入り横ばい、むしろ上向きぎみという状態になって、株式市場の株価も安定してまいったわけでございます。そこで、政府といたしましては、株式市場も安定し、いい状況になってきた、そこで、御承知のとおりに、この政府株式の十億円は二上場株でございますので、株価等について大体どのくらいに――額面は千円でございますが、幾らぐらいのものかという判定をする必要がある。そこで試験的にと申しましては何でございますが、そのうちの十万株のうち一割分、一億円に当たるものを昭和四十二年の十一月に公開の競争入札を行なったわけでございます。そうしましたところ、その株式を三菱化成株式式会社が三千百六十円の価格で全量落札をいたしました。当時といたしましては、これは予想できなかったと申しますか、最初に三菱化成とか住友電工とか、協和醗酵等が合成ゴム分野にも昭和三十年の初めごろから進出したいという意欲を持っておったことはわかっておったのでございますが、株の放出に当たりまして、これを非常に予想外の高値で全量落札をするという事態は予想されていなかったわけでございます。額面株の三倍以上である、こういうことで、合成ゴム株式会社法をつくって政府はこの合成ゴム会社を助長、育成してまいったというのは、この会社に中立的な性格を持たせて、日本の合成ゴム事業界における中核的な、しかも不偏であり中立的な性格を持たせたいということで、政府はこれに出資あるいはまた融資、あるいはまた税制上の恩典等々の保護を加えてやってまいったわけであります。したがいまして、もしこれが、一割の一億円でございましたが、そのときあるいは十億円の政府持ち株を全部出したとするならば、あるいは全部これを落札したということも考えられるわけでありまして、当時株価の判定につきまして御意見を拝聴いたしました東大の名誉教授の鈴木先生も、それは確かに一割でまず試験的にやったというのは、やり方としてはよかった。一ぺんにこれをやったならば、ある特定の企業が全量を取得して、四〇%以上にわたる株式を全部取ったならば、その会社の経営権は一つの企業に集中する、ということは、政府の当初から意図したところと背馳するものであるという御意見がその中にございましたのでありますが、そういうわけでありまして、三千百六十円の高値は非常に政府としても驚いた。そこで、この株式をさらにいかなる方法で評価するかということが問題になってまいりました。つまり三菱化成の落札いたしました価格は正当なる株式の価格とは考えられず、むしろ会社の経営政策上の意図によるものであって、これはいわば政策価格ともいうべきものであるという考えを政府としては持ったわけであります。そこで、通常の株式の評価方法というのは、純資産評価額でございますとか、あるいは配当還元価格でございますとか、あるいは同種の上場株式との比較をした価格であるとか、まあ大体三つくらいに分かれるということであります。そこで政府といたしましても、民間の有力なる機関、たとえば野村総合経済研究所とか、あるいは日本興業銀行の調査部とか、あるいは野村証券の調査部だとか、そういうところに一々この株式の評価についてその意見を聞いたわけでございますが、おおむね先ほど申し上げました株式の三種の評価方法をそれぞれとりまして、おおむね二千百円から二千二、三百円というところの株価を、大体この辺が千円株の値段としては妥当ではないかという意見が提出されてまいりました。なお、ちなみに申し上げますならば、その一割を公開入札いたしましたときも、三菱化成だけは飛び抜けて高うございましたですが、その他の応札価格はおおむね二千円から二千二、三百円程度が平均であったわけであります。しかし一方において三千百六十円の値段をつけたことも事実であります。そこで両方をにらみ合わせまして、なおまた株式の引き受け能力等をも考えまして、おおむね二千二、三百円と三千百六十円との中間的な価格ということで通産、大蔵両大臣協議の上、二千八百円ということで、残りの九割を随意契約の方法によって処分いたしました。その随契によります残り九億円の処分は、昭和四十三年七月でございました。以上の経緯でございます。
#11
○大矢正君 この会社が設立をされ、そしてまた法律が国会を通過いたしました時点においては、この会社の状況を随時国会に報告をしなさいという附帯決議が衆議院でつけられているというように承っております。私もこの会社が設立された昭和三十二年から国会におりますが、こういう会社の業務報告、あるいはその他各種の報告を承った記憶がないわけであります。これは国会の附帯決議でありますから、まあそれを実施しようがしまいが、判断はかってだというように御解釈をなされてきたとすれば、これまた問題がありますし、この会社自身が直接国会に報告をしろと言われたのか、あるいはそうでない、通産省が報告せいと、こういうように言われたのか、私はよく存じませんが、ともあれ、会社の動向等について随時報告をしなさいということになっているのだが、それが守られていなかったというように聞いておりますが、その点はどうでしょう。
#12
○政府委員(後藤正記君) 先生御指摘のとおり、現在の日本合成ゴム株式会社に関する臨時措置法の母法でございます合成ゴム製造事業特別措置法が国会を通過するにあたりまして、衆議院の商工委員会は四つの附帯決議をこれにおつけになったわけであります。その二番目の中に、「本法による会社の設立並びに運営の経過については、適時国会に報告すること。」こういうのがございました。それで母法でございます合成ゴム製造事業法は三十二年の六月に成立いたしまして公布施行されたのでございますが、その後三十二年の十二月に、日本合成ゴム会社がこの法律に基づいてでき上がって、そして三十三年の六月に法律改正によって法律の題名も変りまして、現在の法律になったわけでございます。したがって三十三年六月に法改正が行なわれますときにおきましては、この会社の、三十二年の十二月にこの会社が設立されて現在こういう状態で動いている、動こうとしているということを、逐一これは国会に御報告申し上げまして、審議していただいたわけでありますが、その後におきましては、政府といたしましては、この法律の規定に基づきまして、第七条、第八条等、財産目録の提出でございますとか、会社からの報告、及び検査でございますとか、その点は怠りなくいたしておったわけでありますが、この会社が順調に事業を経過しておりまして、特段に御報告申し上げることもないというように判断をしつつ、今日まで推移いたしてまいったわけであります。もちろんこれは合成ゴム会社が報告すべきものでなし、これは直接所管大臣である通産大臣が通町報告すべき問題でありまして、会社の順調なる経営の運営ということで今日まで国会にその報告の機を失していたという点につきましては、衆議院におきましても御注意を受けたところでありますが、通産省といたしまして、この点につきましてはおわびを申し上げる次第であります。
#13
○大矢正君 これはいまになってからおわびされたってどうにもならない話で、せっかく国会で附帯決議をつけているものを、まあ局長は、最近局長になられたのだから、あなた個人の責任じゃないだろうが、通産省としてみた場合に、いまだ一度も国会に附帯決議がつけられたにもかかわらず報告をしてないということは、合成ゴムの会社が悪いのか通産省が悪いのか、その辺のことは私詳しくわかりませんが、どう考えたってこれはおかしい話じゃないでしょう。政務次官、あなたも昔から政務次官やっておるわけじゃないから、あなたに責任があるとは申しませんが、当面政務次官である限りは、責任を感じてもらわなければいけない。もっと言いたいことばたくさんあるが、これはあとからにします。まず報告をしなかったという問題はどうですか。
#14
○政府委員(植木光教君) 衆議院におきまして、この法案の審議の過程で、私もこの附帯決議についての御指摘と御注意とおしかりを受けまして、深く遺憾の意を表した次第であります。また、大臣もこの点につきましては、委員会におきましておわびを申し上げた。三十三年の六月に、二十八国会でございますが、改正法の審議国会において報告をいたしました以後、ただいま局長が申しましたように、特段の経営上の問題がなかったというゆえをもって御報告を申し上げなかった。また株式の処分というまことに重要な問題につきましても、御報告をしないままに今日に至りましたことを、まことに申しわけないことであると遺憾の意を表する次第でございます。
#15
○大矢正君 こういう法律があり、そして法律に基づいて政府自身が株式を取得をする。その際、その政府が取得をしている十億円の株式を処分するにあたっては、この法律の実際的な効能、効果というものを停止するにひとしいとまで極端にいえばなると思うのですが、そういう重大な問題についても、国会に何らの報告も相談もなかったということは、まことにおかしな話であって、附帯決議については、おそらく政府側からもその趣旨は十分そんたくするという発言が私はあったと思うのですよ。そうでなければ附帯決議にならぬはずだから、政府が反対すれば附帯決議というものはおそらくでき上がらなかったと思うのです。その際政府は、その附帯決議の趣旨を十分尊重してその実行を約束いたしますといったから附帯決議になったと思うのであって、株式の処分というような重大な問題について、それまでも報告しなかったということはまことに怠慢だと思うのですよ。毎年毎年の事業経過なりあるいは計画というものも、本来であればその趣旨に従って報告してしかるべきものだと思うのでありますが、かりにそれができなかったとしても、株式処分の段階ぐらいはこういう状況、こういう情勢のため株式を処分いたしますと、ついてはその株式の処分のしかたはこういうようにやりますという形が行なわれるべきが当然であって、一年も前に株式を処分しておきながら、いまになってから法律を今度なくして、政府と何ら関係もなしにしてくれというような考え方があなた方のほうから出されること自身が私はおかしいと思う。合成ゴム株式会社が出すなら別ですよ。しかし合成ゴム株式会社がいままで援助を受けてきたが、ここで一本立ちできるようになったから、法律がじゃまになるから取り除いてくれ、こういうわがままは許さるべきことじゃないと思うのですよ。だとすれば、あなた方自身が、この法律はもう必要がないから、この際廃棄すべきだということで提案をしているのでしょうから、当然のことながら、私はあなた方に重要な責任があると思うのですよ。いまのような政務次官の答弁だけじゃ、とてもじゃないがこれから国会がどんな附帯決議つけたった、何ら効果がないということになるわけで、あとあとの問題を含んで重大だと思うので、重ねて答弁してもらいたい。
#16
○政府委員(植木光教君) ただいま大矢委員が御指摘になったとおりでございます。繰り返して申し上げますが、まことに重大な株式の処分という問題についても御報告申し上げなかった、附帯決議の第二項に、「運営の経過については、適時国会に報告すること。」ということを決議せられ、大臣もそのようにいたしますということを申し上げておきながら、御報告を怠ったということについては、全く弁解の余地もないのでございます。衆議院におきましても深くおわびをいたしました。どうぞこの委員会におきましても、私どもの遺憾の意を御了解いただきたいと思います。
#17
○大矢正君 局長、お尋ねをしますが、この法律が廃止をされるときはいつなのかということを、この法律を判定する段階にもし考えたとすれば、その考え方は、この一条にうたわれている趣旨が実際に効力を発生したときと、これは日にちの問題じゃなくて、考え方として私はそうなると思うのです。まあ臨時措置ということでありますから、当然長期にわたってこの法律が存在をするということは私はないのが至当だと思います。だがしかし、昭和三十二年に制定をして、本年四十四年となれば十二年間です。決して十二年間というものは短い期間じゃないし、十二年間という臨時措置というものは、まあ例がないとは申しませんが、租税特別措置のように、特別の措置というようなものは本来的には短期間のものであるが長期に残っているものもありますが、この種のものはあくまでも臨時の措置でありますから、数年間というのが私は一般的な限度だと思うのです。しかし、それを十二年間この法律を実際に運用してきたということは、やはりこの趣旨とするところがいままで実現を見なかったからこの法律が延びてきたのであって、まさかあなたのほうで廃止の法律を出すのを今日まで忘れて延びてしまったということじゃないと思うんだ。そこで、この法律は、「ゴムの供給の確保を図るため」、これが趣旨ですね。この会社の経理的な基礎なり基盤なりが確立したときに法律を廃止するということじゃなしに、ゴムの供給の確保をはかるためにですから、それがはかられるような事態になったときにこの法律を廃止するんだということだと私は思うんですよ。そうすると、その「ゴムの供給の確保」という時点がちょうどいまに当たるのか、あるいはもっと以前にあったのか。まあもっと以前にあったら、なぜその時点に出さなかったのかという議論になるから、あなたのほうはいまだとおっしゃるだろうと思うんだが、だとすれば、そのいまだという一体理由はどこにあるか。この法律の趣旨にある「ゴムの供給を図るため」というのが、最近それが実現をした、だからいま法律をなくするんだという理由だと思うから、その根拠を聞かしてもらいたい。
#18
○政府委員(後藤正記君) 仰せのとおり「ゴムの供給の確保を図る」というのが一番大事なきめ手になると思うわけであります。で、最初にお答えいたしましたように、ゴムの供給は、御承知のとおりゴムの総需要量というのはおおむねこのところ六十万トンで、まだそれがずっと上昇カーブにございます。そのうち、合成ゴムの占める比率が現在五三、四%、おそらく本年度は五七%ぐらいになるという状態でございますが、この状態は、輸出入――若干の日本でできない品種を輸入し、日本で余っておる過剰の分の合成ゴムを輸出しておるという状態で――これはいまプラスマイナス若干輸出のほうがふえておるという形になっておりますが、この「供給を確保」するという状態は、先行きの需要等をも考え合わせ、現在の合成ゴム会社をはじめ十数社の生産能力等、さらにまた、その原料になってまいりまする石油化学関係の生産能力等を考慮いたしまして、おおむね、これは去年からことしぐらいにかけてのところでもう大体供給は確保され、この目的は達成されたというように考えるのが普通ではないかと存じます。ただ、この「ゴムの供給を確保」するというのが一番のこの法律の目的でございますが、しからばその手段、方法といたしまして、この会社の法律を廃止をお願いする際には、御承知のとおりこの十一条の視程があるわけでございますから、その間の会社の経理的基礎の確立に対する認識とか、有価証券市場の状況が安定をしておって、その政府株式処分に対しまして国に損害を与えないという状態がまた必要でもございますし、大量十億の株を一気に放出をいたしまして株式市場というものに影響を与えるということも考慮しなければなりませんので、そういったことをも、付随的事項と申しますか、合わせて考慮をいたしますれば、この法律の目的は達成された、それの時期はおおむね一昨年から昨年にかけてぐらいのところである。かように判定をするべきであるかと存じます。
 ただゴムの供給と需要の関係でございますが、特に石油化学製品の中でも非常な勢いでこのゴム関係は伸びてきておりますが、天然ゴムというのは御承知のように一次産品でございまして、これが世界的にもずっと生産量が横ばい状態、ときによりましては天候の都合によりましてこれが非常にフラクチュエートいたします。したがいまして、その分をカバーして国内の旺盛なる需要というものを全部カバーいたしますためには、相当のやはり能力的にも需要等とにらみ合わせて余力もできてこなければ、供給を十分確保して、まさかのときにゴム工業者等が材料不足に悩むというような状態が起こらないようにしなければならないという点が判定のファクターとして入ってくるかと存ずるのであります。
#19
○大矢正君 単に問題は生産的な問題ではなしに、会社の経理的な状況というものが基礎となって法律の廃止ということを考えるということでありますれば、昭和三十六年には、なるほど赤字を記録いたしておりまするが、しかし三十七年の三月期決算からばずっと黒字になり、しかも三十九年からは一〇%の配当を連続してやっているという状況にあるわけですから、今日までこの法律が存在をしなければならなかったという根拠は私は非常に薄いと思うのですよ。
 まあしかしそういう議論をしておってもしようがありませんから次にお尋ねをいたしますが、株式は政府が保有をすることができるということでありますから、裏を返して言うと、持たなくてもいいし、持たない場合もあり得るということだと思いまするし、したがってこの法律が残っていても、十一条によって株式の処分をしたということもあると思うのです。そこで、この法律が今後もなお残ることによって、どういう不都合というものが合成ゴム業界全体の中に、そしてこの会社に存在をするのか、それをお尋ねいたしたい。
#20
○政府委員(後藤正記君) この法律は、政府による株式の所有を定めます第二条とか、あるいはまた資金の確保をきめております第三条とか、まあこれによりまして政府は会社の総資本中四割の株式を保有し、あるいは資金の確保につきましては開銀からの融資をする、それが四十二年度末までで累計百億の余にのぼっている。そういういろいろな助成策がとられてきたわけでありますが、そういうような助成策をとる一方、常に厳重なる監督、規制を定めております。たとえば重役、代表取締役等の選定は、第四条によりまして選任、解任は通産大臣の認可を受けなければその効力が生じない。それから第五条によりましては事業計画、資金計画に対する認可。からそれまたその第二項では、事業計画、資金計画の実施について、通産大臣は監督上必要な命令が下せる。それから第五条の二には、重要な財産の譲渡。第五条の三は社債の募集及び資金の借り入れ。第六条は定款の変更。第七条、財産日録の提出。それから第八条、報告及び検査。こういうふうに第四条以下ずっときわめて厳重なる監督規定をしいております。したがいまして、いうならばこれは商法上の会社ではありますが、特殊会社と申しまするか、きわめてそれに近い性格を持ちまして、通産大臣の厳重なる監督下に置かれているわけでございます。そこで現在、昭和三十三年以降この会社は二十五億という資本金でその仕事をやってまいったわけでございますが、合成ゴム事業のきわめて旺盛なる見通し、さらにまた他の企業の進出意欲、新規企業の参入意欲等々、さらにまた現在合成ゴムは輸入も全面的にこれは自由化いたされておりますので、海外とのやはり国際競争力等々を考えまして、企業の利益をもあわせて考慮いたさなければなりませんために、会社は現在事業計画を順次拡張をしていくという考え方を持っておるわけであります。当然それには相当多額の資金が必要となってまいりまして、したがいまして、現在の資本ではこれをまかない切れない。二十五億は過小資本であるということで、この事業計画に見合ったような資金の調達の方法といたしまして、この株式の増資のために株式市場に上場することを考えておるわけであります。その際に、もちろん重要な財産の譲渡とか担保に供するとか有償で取得しようとするとき、全部通産大臣の認可にかかって、全部そういう規制を受けておるわけでありますが、一般の会社と違いまして株式市場にこれを上場いたします場合に、いろいろな制約が出てまいりますと、十分なる株式市場においてその評価がなされにくいということで、まあ現実には現在十一条の規定によりまして政府所有の株式が全部民間に移っておりますので、純然たる一般の民間会社としてそういう増資なり今後の事業拡張の方法なりをさせていただきたい、こういうぐあいの会社にも意図がございますし、政府といたしましても十分そこまで育っていったと、二十五億の資本金というものをふやす場合に、もはや政府がこれを出資その他で特別にこの会社だけをどうするという性質のものではないという考え方から、この法律制定の際の御趣旨に沿いまして廃止をお願いしておるわけでございますが、そんなわけで株式を上場いたしまして増資をし、その資金によってこの事業の拡張をしていくという上に、この法律の存続ということは、いろいろ問題が生じる場合もあるという判断でございます。
#21
○大矢正君 あとの質同者もおりますから、最後にいたしますが、政務次官にお尋ねをします。
 会社が設備を拡張する、その設備投資の資金として、たとえば増資をし、その増資の資金を充てるというような話もいまありますがね。この法律があるから増資ができないという理由はないはずだと思うのですよ。私は増資をして、その増資を基礎にしてさらに設備を大きくしようとする際に、それに障害となる理由は私はないと思うのでありますよ。ですから、そういうことは一つの理由づけであって、根本問題は最初の出発点でこの企業それ自身が、もちろん合成ゴム業界全体を含んでおりますが、非常に不安定であった。したがって政府の裏打ちがどうしてもほしかった。しかしながら、その後合成ゴムの需要が強まって、ためにこの会社自身も多額の利益を上げるようになり、
 一割配当を長期にわたって続ける、だけの力がつき、しかも株式を実際に処分する際には三倍以上もの値がつくというほどこの会社の将来性というものを全部の業界なりその他の団体が見ている。したがって、ここまで成長してきたのだから、従来のような政府による指導監督ばもう必要がないし、それはじゃまになるだけだと、したがって、この法律をなくしてもらいたいということが私は根本にあると思うんですよ。だが、考えてみれば、これはまことにかってな話であって、困るときには政府の助言と指導が必要だし、さらに資金の確保もしてもらう。そうして株式も所有してもらうと、言いながら、いまになってよくなったから、今度は法律は一切取り除いてくれ、株式は全部持たせてくれ、そうして二部の市場に上場させてくれ、そうすることによってうちの会社がもっと大きくなるのだというような、こういうような考え方がはたして正しいかどうかということになりますと、私は大いに議論のあるところだと思います。そういう点から考えて、他に、たとえば拾ってみますると、通産省の関係の中でもYS11にからむ日本航空機製造なんかもあります。これも政府が出資をし、民間と共同で出資をして今日に至っております。この会社だって実際に利益が計上される段階になったら、もう政府はひとつ介入しないでくれ、法律から除外して純粋な何ら政府から指導されたり指示されたりすることのない民間企業にしてもらいたい、こういう希望が出てくると思うのであります。そうするとまことにおかしな話だが、通産省というものは国の金を使って会社を育ててやって、一人前になって、もうけるようになったらみんな手放してしまうという、まことにこれはおかしな結果になるわけですよ。私どもはそういうことがはたして許されてしかるべきであるかどうかという点になると大いに疑問のあるところでありますが、この際、政務次官にお尋ねいたしたいと思います。いずれまた、きょうはやめますが、時間を見て残った質問をさせてもらいますが、とりあえずお答えを願いたいと思います。
#22
○政府委員(植木光教君) 仰せのとおり、この法律ができましたときは、当時年々増大する原料の需要に対しまして、低廉でまた安定的な供給を確保しようということでこの合成ゴムの国産化をはかるためにでき上がったものであります。その後、会社も努力いたしましたし、政府といたしましても適切な事業運営を指導してまいりまして、経理的な基礎が確立するに至りました。いまお話のとおり、この会社が国際競争にもたえ得るような力を持つに至りましたし、また、このゴム業界というものが自由化されているというような状況にもなりましたので、民間企業として同社を移行させまして、自主的な運営による一そうの発展を期するようにしよう、これがこの法律の廃止をお願いするに至った趣旨でございます。いまお話しございました日本航空機製造株式会社でございますが、これは資本金七十八億でございまして、うち政府の出資金が四十二億円ございます。この航空機製造株式会社につきましては、ただいまのところ、株式を処分するとかあるいはまたこの法律を廃止するというような考え方は全然ございません。ただこの合成ゴム会社につきましてましては、いま申し上げましたように、純粋な民間企業として発展をしていってもらおうとうことになったわけでございますが、この会社の設立の趣旨に従いまして今後わが国経済の発展、国民生活の向上に寄与するところがなければならないと思います。したがってこの点につきましては、今後合成ゴム株式会社に対しましても、今日までのこの法律による事業の発展ということな十分に自覚し、認識するとともに、今後法律がたとえ廃止されましても、設立の趣旨というものは十分認識しながら健全な企業の運営に当たっていくようにということを、ただいま通産省としても強く希望しているところでございます。したがいまして、いまお話しのような点につきましては、一応政府がここまで育成をし、したがってその結果ここまで発展をしてきた、これでおしまいだということではなしに、今後も十分この法律の趣旨に基づいた指導は続けてまいる予定でございます。また、先ほど申し上げましたように、三十九年の三月期から一割配当になりましたので、これによりまして政府もその配当を受け、また今回の株式の払い下げによりまして一応対価は還元されたというふうには考えておりますが、先ほど申し上げましたように、今後も十分な指導を続けてまいりたいと思っております。
#23
○塩出啓典君 この日本合成ゴム会社が所期の目的を達成することができたわけでございますが、この達成できたその理由は、これを見ますと、非常に政府の施策がよかった、あるいはまたいろいろ重要物産の免税指定あるいは製造機械、触媒等の関税免除、そういうようなことが書いてありますが、今日までそういう一割配当もできるようになってきた、そういう根本的な理由について、通産省としてばどう考えているのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
#24
○政府委員(後藤正記君) 私からお答え申し上げます。いろいろなファクターがあるかと存じます。で、合成ゴムというものが、天然ゴムの代替品というより、むしろそれを凌駕するほどの今後役割りを占めていくということに着目されまして、特にこの法律を制定して合成ゴム製造事業の中核をなすような会社をつくったという政府としての施策、あるいはまた国会で御審議を願ってこの法律が成立したという当初の大方針がまず一つ。それから、年々モータリゼーションと申しますか、ゴムの需要というものが非常な急角度で上昇をして、天然ゴムは、何度も申し上げておりますとおりに、横ばいにしか生産がいかなくて、そのふえていく分はどうしても合成ゴムでこれをカバーしていかなければいかぬという、時の流れと申しますか、そういう時宜に即しておったということ、これが第二点。それから第三点は、会社の経営陣あるいは従業員等、あるいはまた、当初この会社に、政府以外の分六割出資をいたしましたゴム工業者とか、あるいは原料供給者等の主要な株主、経営陣、従業員の協力してのこの会社の運営ということ、いろいろな点が私はあるかと存ずるのであります。いろんなそういうファクターが加わりまして、そうして特に一番大きいのは、やはりこの法律によって合成ゴム事業の中核を占めさせるために、この会社の育成、助成というものに力を注いできた政府の施策というものが、これはまあ相当重要な役割りを占めておるというようにも考えるのでございますが、種々の総合的な成果として今日の会社の現状ができ上がってきたものと考えます。
#25
○塩出啓典君 それで、物産免税の指定とか、またこういう関税の免除、そういう優遇措置を講じその育成をはかった、そういうお話でございますが、この優遇措置というのは、これは日本合成ゴムだけではない、何か一般的にやっておるというように聞いておりますが、これは一体どういう範囲で――そういうゴム業界だけのものかですね、その点は、範囲はどうなんですか。
#26
○政府委員(後藤正記君) 合成ゴム会社に対する政府の助成策と申しますか、恩典と申しますか、それは、第一がまず出資を政府が四〇%までしたということ、その次には資金の確保の面、特に開銀を中心といたしまする多額の融資をいたし、それが誘因になって民間の金融機関というものが、政府がここまで力を入れて融資をしておるところから、それに続いて融資の道がついてきて資金量が確保されたという点が第二点。第三点といたしましては、ただいまおっしゃいましたように、要物産免税でございますとか、重要機械類の関税免除でございますとか、固定資産税の減免でございますとか、合理化機械の特別償却でございますとか、触媒関係の免除でございますとか、そういういろいろな税制上の恩典があるわけでございます。最後に申し上げました税制上の恩典につきましては、これは合成ゴム会社だけでなしに、ただいま例として私が申し上げましたのは、合成ゴム事業に関して一般的にこれが行なわれておる税制上の恩典でございます。しかし、一つ一つこれはしからば他の企業、他の産業の分野にもどうかという点でございますが、これはそれぞれの規定に従いまして、重要機械類にいたしましても、固定資産税の減免にいたしましても、合理化機械類の特別償却にいたしましても、これはそれぞれほかの産業の分野にも均てんいたしておるわけであります。
#27
○塩出啓典君 この免税の点は、日本合成ゴム会社に適用した場合、大体一年間にどの程度の金額になるんですか。
#28
○政府委員(後藤正記君) これは現在詳細に申し上げる数字を手元に持っておりませんが、年度によりましてずいぶんこれは差が出てまいります。また、たとえば重要機械あるいは合理化機械等のそのときの時価の問題もございますし、 これは年々によって違ってくるわけでございます。で、詳細どの程度これが金額的にこの会社に対するメリットになったかと申しますと、これはいま申し上げましたような事情によりまして、確実にこれだけのものというぐあいにびしつと申し上げて御了解は願えないかと存じますが、四十二年度で申し上げまして、重要物産免税で約四億一千万円、それから合理化機械の特別償却指定で約三百八十八万円、軽油引取税の免除で約六百三十万円というぐあいの数字になっております。ただ、先ほど申し上げましたような事情で、正確にきちっとした数字ということは非常にむずかしい点があることをつけ加えさしていただきます。
#29
○塩出啓典君 この会社の従業員の給料が非常に一般より安いのじゃないか、そういうことを聞いたわけですが、そういう点はどうなんですか。
#30
○政府委員(後藤正記君) 合成ゴムの製造に携わっておりますのは約十一、二社、いま十二社になりましたか十一社になりましたか、あるわけでございますが、この会社の従業員は全部で約千六百名ちょっと切れる程度でございますが、ほかの会社と比較をいたしまして特にこの合成ゴム会社の給料が安いというようには私どもは考えておりません。
#31
○塩出啓典君 それで、まあ先ほどのお話によりますと、日本合成ゴム会社に関する免税だけでもまあ四億以上の金額が実際に使われている。免税である。それは結局はいうならば国民の負担のもとにおいてそういうことが行なわれているわけでありますが、まあ日本合成ゴム会社の最近のそういう経営状態というものを考えたならば、何もこういう免税等はやる必要はないんじゃないか、そういう時期ではないんじゃないか、そのように思うわけでございますが、この税金の免税措置というものは今後どうする考えなんですか。
#32
○政府委員(後藤正記君) 先ほど申し上げましたように、この税制上の恩典は特に日本合成ゴム会社に対してのみ行なっているわけではございませんので、この業種、合成ゴムを製造している業種あるいはまたそのほかの分野でございましても、それぞれの税の目的に従った業種について行なっているわけでありますから、したがいまして、ほかの業種なりあるいは同じ合成ゴム製造事業の他の会社と同じように扱っていくのが妥当であるかと存じます。特にこのある一つの会社が非常に経理内容がいいということで、一般に及ぼしているそういう税制上の恩典と申しますか特別措置を、まあ業種を一つ見ました場合に、他業種に比べてこの業種は全般的にこれは非常にいいのだ、したがってこの業種についてはそういう税制上の恩典は考慮しなくてもいいというぐあいに考えることは私は妥当かと存じます。しかし、同一業種の中で一つ経理内容がいいから、この会社だけは税制上の恩典は省くべきだというのは妥当ではないのではないか。同一業極内では、やはり同じ他の全社、企業と同じように扱って、全般として税制上の恩典をはずすべきか存続すべきかというのは業種全般として従来も考えてまいりましたし、今後も考えていくべきことかと存じます。
#33
○塩出啓典君 それではお尋ねしますけれども、このいわゆる合成ゴム製造関係においてこういう免税指定きめたのはいつですか。そうしてまたそれが今日までどういうように変化してきたのか。
#34
○政府委員(後藤正記君) 重要物産免税につきましては、これは昭和三十四年の六月に始まりまして、四十年の三月でこれは他の企業と同じように打ち切っております。それからそのほかはおおむねやはり三十四年から三十五、六年にかけて行なわれてきておりまして、そしてあるいは廃止したものあるいはまた現在存続しておるものと、ものによって違っておるわけでありまして、言うなれば、こういう税制上の恩典と申しますのは、一つの産業育成の見地から見まして当然、業種なりが国際競争力を持ちあるいはまた十分に今後国民経済の中で一つの役割りを果たしていけるというような認識が出てまいりましたときは、これはすみやかに廃止をして、特別の例でなくしていくというのが従来のやり方でございますし、またそのとおりに行なわれてきておると考えておる次第でございます。
#35
○塩出啓典君 まだ現在存続しておるのは――どれとどれがいま存続していますか。
#36
○政府委員(後藤正記君) お答えいたします。現在残っておりますのは、軽油引取税の免除とか、それから工業用塩の特別価格でございますとかあるいは合理化機械特別償却指定設備の固定資産税の減免等でございます。重要物産免税の中でも固定資産税の減免措置は、これは残っております。
#37
○塩出啓典君 私思うのは、まあこのように合成ゴム業界が好転してきたその理由は、一つはやはり政府のそういう施策あるいは免税措置。けれどもそれは結局考えてみれば国民の税金からやはり援助しておると思うのですよね。だからそういう点は当然まず国民大衆にその利益というものを還元していかなければならないのじゃないかと、また、おそらく日本合成ゴム業界がこのように好調になってきたということから考えるならば、当然十社にわたるほかの各社においても非常に営業状態がよくなっておるのじゃないか、そういう状態であるならば、これは当然このような国民の税金を食うような、そういう免税指定等はすみやかに撤廃すべきである、そういうのをいまだに引き延ばしておるということは、これは通産省の怠慢じゃないかと、そのように思うわけなんですけれども、そういう点はどう考えていますか。
#38
○政府委員(後藤正記君) 国民の負担において税の減免を行なっておると、確かにその点はそうであります。しからばその企業なりその業種が、ほんとうにそれだけの恩典を受けたものをいかにして国民に、全般にこれを還元するか、そのお返しをするかというのが問題であると存じます。そのやり方に私は二つあると思いまして、ただいま塩出先生が御指摘になりましたように、そういう場合の国民のほうから出していく分は早くやめろということが一つ、それから今度会社がそれによって実力をつけて、そしてそれがおのずから製品の低廉にして良質なる製品を供給することによって国民全般の経済に寄与していく、そういうやり方と申しますか、方途は二つになってくると存じます。したがいまして、今後とも税制上の恩典につきましては、その事業ごとに、事業単位で、この事業はもはや国民経済の中で十分なる地力を持ち、国際競争力にたえ得るという判定ができたときにはすみやかにそういうものを廃止するのは先生仰せのとおりだと存じます。現在の合成ゴム事業でございますが、現在これは国際的に見まして、価格の点でございますが、十分なる国際競争力を持っております。単価から見ましても、一キログラム当りの単価は、アメリカよりはずっと低く、ドイツより若干、ほんの少しだけ高く、そのほかの先進諸国とは大体同じくらいという状態になってきておりますので、相当この合成ゴム分野については、実力と申しますか、企業なり、業種としての力は養われてきておる。したがって、税制上の恩典その他政府の助成策というものの施策の方向は、ただいま先生御指摘のように、今後にわたって政府の施策としてこれは考えていくべき点かと存じます。私が申し上げました第二点の国民の経済にいかにして還元していくかという点につきましては、これは現在十分に合成ゴム業界としてはその価格と品質の点において、やるだけのことはやっておるというように判断しております。
#39
○塩出啓典君 それではこの衆議院の附帯決議を先般資料でいただいたわけでございますが、この第二番目に、「日本合成ゴム株式会社が民間会社に移行した後においても、同会社を含む合成ゴム製造事業者に対し、強力な行政指導を行なうこと。」と、これは、いまのお話では日本合成ゴム株式会社が現在においては業界の五〇%のシェアを持っておる、そういう点で最近いわれておりますいわゆる管理価格といいますか、おそらくそういう点を非常に心配して、そういう衆議院の附帯決議がつけられたんじゃないかと思うわけですね。ところがお話によりますと、この日本合成ゴム株式会社は、さらに増資をして、どんどん設備を増強していこうとしておる。そうなりますと、われわれが心配しているのは、この法律の目的は、あくまでも国民の皆さんにできるだけ安く安定したゴムを供給させるという目的でこの合成ゴム会社ができたわけでありますが、ところがその会社がだんだん成長して、そしてしまいにはその国から離れて、そして今度は国民大衆に害を及ぼすような、そういう独占的な体制になるんじゃないか、そういう点を心配するわけです。そのためにこの附帯決議が出されていると思うんですよ。しかし、はたして強力な行政指導を行なうといっても、この法律を全部廃止しちゃったらば、完全に民間事業になるわけです。いままでも民間事業に対しては通産省は非常に無力である。最近も汚職事件で、ある新聞には、通産省は企業べったりだという新聞の見出しも載っておるわけであります。また先般のビールの値上げに対しても、通産省というのは何らそういう企業に対して説得力もない、そういう状態で、私たちはこの衆議院の附帯決議の二番目というものが、ただ書かれているだけであって、実践できないんじゃないか。そういう点を心配するわけなんですけれども、そういう点においてこの強力な行政指導というのは、一体具体的にどういうことを行なうのか、また、それを行なうにあたっては、やはりある程度法的な根拠というものがなければ、やはり私企業に対しては、あんまり口出しもできたいんじゃないかと思うんですがね。そういう点に関して通産省としてどういうお考えを持っていろのか、それをお聞きしたいと思うんですよ。
#40
○政府委員(後藤正記君) 最初の、どんどん設備を拡張していって、日本合成ゴム会社が業界に驚いて独占的な地位を占める、そのために国民経済ひいては国民全般に害意を及ぼすようになりけしないか、こういう御指摘でございますが、これにつきましては、きわめて有力なる競争会社が十以上ございまして、これも同じように、やはりむしろ日本合成ゴムにまさるほどの設備の拡張、進出意欲を持っております。それから現在合成ゴムに手をつけていない会社でも、この分野の将卒性に着目いたしまして、産業意欲がきわめて強いということで、十分自由なる競争原理がこの中で働くような場は、私は十分あると考えるわけであります。さらに加えまして、現在天然ゴムも合成ゴムも、これは全部輸入が自由化されております。したがいまして、もしかりに国内におきまして少数企業が独占的、支配的な、言うなれば寡占価格、管理価格というようなものをつくります際には、直ちにこれは国外からの輸入が一挙に押し寄せてまいりまして、その価格というものは維持しきれなくなってくる。言うなれば、完全な国際競争の波にさらされておりますので、その点につきましては、会社の現在のシェアはなるほど五〇%ちょっと上回るぐらいの生産能力を持っておりますが、これは将来において、現在会社が主力といたしておりますSBR、スチレン・ブタジェン・ラバー以外に、まだまだそれよりも現在研究開発中の性質のいい合成ゴムが数種にわたって進められておりますし、そういった方面の進出意欲も非常に旺盛でございますので、そういう点の心配はないかと存じます。
 それから強力な行政指導の問題でございまが、これはいろいろな点で行政指導はできるかと存じます。たとえば現在この特別の合成ゴム会社法というものが廃止されましても、たとえば外資法による技術の導入の問題、必ずしも外国から導入するだけじゃなしに、外の会社とクロスライセンスを結んで、こちらの技術と向こうの技術を交換するあるいは資本を入れるというような点につきましても、これは国民経済全般の立場からやはりこれをチェックはいたしておりますし、そのほか、たとえばこれは法律上の根拠はございませんが、たとえば開銀の融資その他につきまして、今後それが必要であります場合、この法律によって資金確保というのは、第三条で書いてございますが、今後一般的にほかの企業と同列に置かれました祭におきましても、会社のビヘービアが必ずしも適当でないという場合におきましては、政府におきましては、開銀融資に不適である、推薦しかねるという行政指導もできるわけでございます。いろいろな点から申しまして強力な行政指導と申しますか、これは私どもできることであるというように考えております。
#41
○塩出啓典君 それではお尋ねしますけれども、現在五〇%のシェアでございますが、いろいろ各社も設備の増強の計画を持っている、そういうお話でございますが、じゃ、これからたとえば将来において日本合成ゴムもおそらく拡張していく、だろう、そうした場合に、将来のシェアがどう変わっていくか。現在では一位が、五〇%、二位以下は極端に離れている。これは先般来いわれている三〇%シェアという点から考えても好ましくないと思うわけですね。そうするならば、われわれとしては、日本合成ゴムの拡張等は、現在国が四割の株を持っている現段階において、やはりその発展をとどめて、そうしてやはりもっとほかの会社を大きくさしていくような、そうしていくほうがむしろ競争原理が生かされていき、もっと安いゴムが大衆のために供給されるのじゃないか。もうすでに現段階では、もうこれだけやはり一割配当もやってきたということ自体が、私は、もうすでに下げるところまでさらに下げていないんじゃないか、そういう点を心配するわけなんですけれども、そういう点で、これからの将来のいわゆるシェアの見通し――現在の具体的な設備計画があると思うんですね、そういう点考えて、シェアは将来どうなっていくのか、そういう点が一つと、いま言ったように、第二番目には、シェアの五〇%をもっと下げるために、通産省としては日本合成ゴムの増強というものをとどめるとか、そのようにすべきじゃないか。これは私どもがしろうと考えかもしれませんけれども、考えるわけなんですが、その二点についてお答えをいただきたいと思います。
#42
○政府委員(後藤正記君) シェアの見通しでございますが、これは化学製品の通有といたしまして、一たび新しい技術、新しい製品が出てまいりますと、いきなりほかのは全部老朽、老廃化してスクラップ同様になるという、きわめて変化の激しい産業の分野でございますので、現在時点におきまして、このシェアが将来どう動いていくか。特に自由競争の中で、この合成ゴム会社をほかの企業と同じように並べさせ、あるいは新規の企業が出てくるのを自由に設立させ、これをやらせていった場合にどうなるかというこの見通しは、現在非常にむずかしいわけでございますが、ただ申し上げられますことは、当初政府はこれに強力なる出資その他の援助の方法をいたしまして、会社を設立いたしました初めのころは、合成ゴムの輸入量も多うございましたが、これは国内において合成ゴムを始めて、まさに国内生産においては一〇〇%のシェアを持っておったわけでございます。それが順次他の企業が進出してまいりまして、現在のシェアは、なるほど第二位の日本ゼオンは約二〇%弱で、だいぶ格差は離れておりますが、傾向的に見まして、合成ゴムのシェアというものは逐次下がってきております。また下がらざるを得ない状態になってきておるわけであります。特に政府といたしまして、趨勢的にもそうでございますし、現在のたとえばスチレン・プタジエン・ラバーというのが現在は汎用ゴムとして大量の分野を占めておりますが、将来さらにこれにまさるイソプレンゴムとか、スチレンゴムとか、ブチルゴムとか、いろいろな数種のゴムがあるわけでございますが、さらに高性能のものが出てまいりました場合には、これはなかなか予断を許さない状態になってくると思います。したがいまして、ここまで育ってまいりました合成ゴム株式会社が、今後ひとり立ちして他の企業と同じように自由競争の社会で――これは国際競争をも含めまして――やっていくというならば、特に国内におけるシェアを押えますために、政府として拡張計画をチェックしたりする必要は私はないと存ずるわけでございます。
 結論として申し上げますならば、これは自然のままに、現在の状態のままに競争さしていけば、合成ゴムの需要は、従来と同じようにシェアは下がってまいりますし、自由競争というものによって研究の開発は進み、価格というものは下がってまいる、かように私は考えます。
#43
○塩出啓典君 いま私が聞いたのは、そういう具体的な現在の設備計画から具体的にシェアはどのくらい下がるか。先のことは下がるかもしれないし、上がるかもわからないわけですね。けれどもすでに日本合成ゴム会社も、やはり来年度においていろいろ事業計画、拡張計画、そういうものは持っているわけでしょう。それはどうなっているのですか、現在。
#44
○政府委員(後藤正記君) 現在会社は四日市に主力を置きまして、一部千葉県の五井地区にブタジエンの抽出装置を持っておりますが、これを拡張いたしますと同時に、新たに鹿島団地の中に、鹿島の工業地帯でブタジエンの抽出装置とそれからSBRスチレン・ブタジエン・ラバーのクラムをつくりたいと考えておるわけでございますが、ただ何と申しましても、やはりこれには十分なる資金の裏づけというものが必要でございますので、そのために現在会社は増資、その他によって資金をまかないたいということを内々考えておるという状態でございます。
#45
○塩出啓典君 将来のシェアの見通しはどうなんですか。これから将来といっても、二年先、三年先――いま、もう合成ゴム会社かすでに増強計画を持っておる。他社も持っていると思うのですね。そういう点から、ただこれから先新製品ができるかどうかわからぬ、そういうことは先のことであって、それはもう夢みたいな話であって、そういうことを言っておっては話にならぬと思うのですね。ですから、現実にやはりそういう各社が、日本ゼオンやそういう各社も設備増強計画をしていると思うのですが、そういう各社の増強計画等から考えて、はたして日本合成ゴム会社のシェアが下がるかどうか。いままでは下がってきたけれども、いままで下がってきたからこれから後も下がるということは必ずしも言えないし、今回完全に民間会社になったならば上がってくることもあるかもわからないし、そういう点、いままで下がってきたから私は下がるのだという見通しでは、これはあまりにも人のよ過ぎる見方じゃないかと思うのですけれども、やはり国民的立場から考えるならば、これからどうなっていくか、その点を私どもは非常に心配するわけなんですけれども、先ほどの局長のようなそういう人のいい答弁では、これは私たちも信頼はできないわけなんですけれどもね。そういう点、もう少し、シェアも下がって独占になるという心配ばないという、もっと数字的な根拠というものがなければ信頼できないと思うのですけれども、その点はどうなんですか。
#46
○政府委員(後藤正記君) 私の先ほどのお答えに少しことばが足りなかったかと存じますが、新規の合成ゴムの国産化計画は、具体的にすでになっておりますものでも、たとえば日本アルフィンゴム、これは日本石油化学と電気化学、両方とも非常に大きな石油化学の会社でございますが、それの共同投資で日本アルフィンゴムというのをつくることになっております。それから住友化学がエチレン・プロピレン・ゴムというものを考えておりますが、そのほかにもこのエチレン・プロピレン・ゴムというのは三井石油化学、旭化成あるいは三菱油化も一枚加わっております日本EPラバーという会社がございますが、そこで考えております。それから日本ゼオンと日本合成ゴムとでこれは現在検討中でございますが、ポリプロピレンゴムというのを検討いたしております。それからアメリカのエッソと、これは日本合成ゴムが一枚加わりますが、日本ブチルというのを川崎につくりまして、これば四月から本格的な生産を開始する予定になっておりますが、決してこの新しいゴムの品種は将来の夢物語ではございませんで、具体的にこういう非常に性能のいいものが現在研究開発段階になり、企業化段階になり、具体的にすでに外国では実際に生産段階に入って大量につくっているというものを現在日本で伸ばそう、こうしているわけでございます。したがいまして、新しい分野への参入意欲もございますし、そういう点で御心配の点はないのではなかろうかと私は考える次第でございます。
 ただ将来のシェアの問題につきましては、単に従来下がってきたから下がるということじゃなしに、言うなれば日本合成ゴムは現在資本金二十五億で非常に経理内容はいい。いいと申しましても、言うなればこじんまりした非常にいい会社で、合成ゴムだけを一生懸命やっておるからこういう会社になっておるわけであります。これに比べまして、ただいま例として申し上げましたように、日本石油化学とか電気化学とか住友化学、三井石油化学、三菱油化とか旭化成とかこういったところは、きわめて日本合成ゴムに比べますと総合的な石油化学の会社といたしまして強力な資本力と技術陣を擁しておりまして、むしろ私は、従来はこじんまりと合成ゴムだけで立ってきた会社が、こういう大きい企業との自由競争の中に加わると、なお一そうの努力も必要であるし勉強も必要である。決して日本合成ゴムだけが従来の五〇%のシェアを将来にわたって保持していくと、のんびりしておったらこれは困るのではなかろうかと、かように考えます。
#47
○塩出啓典君 それでは十二時になりましたので、あと一つ。
 会社に対する監督が非常に不十分であったと、そういうことがいわれておりまして、衆議院の商工委員会で、四十四年度の事業計画等も出されてないと、もう三月も終わりになってまだ出ないのはけしからぬじゃないか そういうようなことがあったそうでありますが、それはちゃんと出されたわけですね。
#48
○政府委員(後藤正記君) 衆議院で御注意を受けました段階におきましては提出いたしておりませんでしたが、その翌日でございましたか翌々日でございましたか、日本合成ゴム会社から事業計画が提出されました。
#49
○塩出啓典君 それで衆議院の附帯決議の中に、「今後、国有財産たる株式等を処分する場合には、その方法及び評価等に適正を期すること。」と、まあ今回の処分のあり方についてはいろいろそういう、問題点がいままでいろいろ指摘されておるわけでございますが、この株価の決定をする場合には、今後どういう方針でやっていくのか、また今後もあるいは株の売却という場合が出てくると思うのでありますが、そういうときには一体どういう方針できめるのか、それが一つです。それともう一つは、私は株価の決定は、いまさっきいろいろお話もありまして大体のいきさつはわかったのでございますが、この九割の随意契約の売り先の決定ですね、これをやはりどういう観点からこのようなパーセントにしたのか、その点がちょっと聞きたいのですけれどもね。
#50
○政府委員(後藤正記君) 会社に対する監督が十分ではなかったのではないかと、こういう先生の御質疑でございますが、私どもといたしましては、これは法律の規定に基づきまして十分なる監督をいたしてまいったというように考えております。ただおしかりを受けましたのは、衆議院でも本委員会でもそれに関して非常に重要なる時期に国会に対して、附帯決議の条項にもかかわらず報告をしなかったということで、その時期を失しておったという点でおしかりを受けたわけでございますが、法律の規定に基づきます会社の監督は十分にやってまいったと私どもは考えております。
 それから株価の決定の問題でございますが、こういうように無上場の株価の決定というのは非常にいろいろなファクターがございますので、具体的にぴしっときめるのは非常にむずかしいと、したがいまして、先ほど大矢先生の御質問にお答えいたしました際に申し上げましたように、たとえば純資産評価価額とか、配当還元価格だとか、あるいは同種の上場株式の基準価格でございますとか、いろいろな……。現在大体その辺が一番通常の株価の算定方式だといわれておりますので、無上場の株式の算定にあたっては、やはり現在世間一般で妥当と考えておられる方式を考え、その他のいろいろな状況等をも考え合わせてきめていく以外には方法はないのではなかろうかと、かように考えるわけであります。で、これの処分の対象でございますが、これまた公開入札の結果のように、一部の企業が一気に額面の三倍余の高値をもって買い占めをやるというようなのは、まるで何のためにこの法律をつくってこの会社を育成してきたかという国家目的というものと背馳する点がございますので、したがいまして、特に重点を置きましたのは、この会社があくまで法本来の目的に沿って合成ゴム事業の中核として片寄らない立場で中立的な性格を持っていくということを一番眼目に置いて考えたわけであります。したがいまして、随意契約の譲渡先を考えるにあたりましても、従来会社設立の初めよりこの会社に協力してまいりました原材料の供給者、あるいはこの会社の製品の需要者でございますゴム工業者、これに主力を置きまして、そうしてその他会社の運営発展に努力をし、協力をいたしてまいりました金融機関とか損保会社とか商社とかいったところ、あるいはまた内部において努力を続けてまいりました会社の従業員、経営者等、その辺のバランスを見て大蔵大臣と協議の上決定をいたしたわけであります。それで、そのでき上がりの形でございますが、従来からの所有株式とそれから政府の持ち株十億円、競争入札、随意契約によるものと合わせました全部のでき上がりの形は、需要先でありますゴム工業者が、これが一番数が多くて全体の四六・九%を占め、原料供給者としての化学会社が三四・五%、それでおおむね約八〇%を占めて、それ以外のところで、製品取り扱い商社、損害保険会社、銀行等がそれぞれまあ三%から五%前後、まあ役員、従業員は約五%弱ということで全体の構成ができ上がりました。中立的な性格としてはまあ望ましい形にでき上がったのではないかと、かように考えております。
#51
○塩出啓典君 まあ非常に従業員で希望者が非常に多かったのに、従業員に対してはわずか四.四%というようなことになっているわけですが、まあ私たち考えるのは、この株そのものを買ったほうが得かどうかということは別としても、そういう希望老が多いということは、やはり買ったほうが将来得だと、そういう観点からみな非常にほしかったんじゃないかと思うのですけれどもね。まあそういう点、そういう利益というものはできるだけたくさんの大衆に還元していく、そういう線からも、まあ従業員とか、そういう点をやはり重点的に置くべきじゃなかったか、そのように私は思うわけなんですけれどもね。それと、もう一つは、衆議院でも問題になっておるようでありますが、この振り分けの決定というものは、業者の言うままになったのか、日本合成ゴム会社から出たやつを通産省でもほんとうに検討して多少修正をして出したのかですね。修正をするならばどういうような意図で修正をしたのか、そういう点をお聞きしたいと思うのです。その二点。
#52
○政府委員(後藤正記君) 会社の従業員その他に希望があったにもかかわらず株の割り当てをしなかったのがあるのではないかという御質疑でございますが、そういうことではございませんで、希望者に対しましてはこれは全部割り当てをいたしました。中では相当辞退者、まあ千円の額面の株でございますし、そのときの譲り渡し価格が二千八百円と、額面の二・八倍という値段でもございましたので、これは辞退者が相当あったわけでございます。まあこれは内々に聞いておりますところでは、個人的に会社の知り合いの人に金の融通をしてもらって、そうして自分の割り当て分――割り当てと申しますか、大体引き受けられる分を入手した従業員もあったやに聞いております。で、辞退者が、それでもどうしてもいやだという人があったわけでありまして、現在時点におきましては、合成ゴムの需要というものが非常に伸びまして、そうして事実これが上場されたならば、一昨年の落札価格三千百六十円よりももっと上回るだろうというようなことが取りざたされておるように聞いておりますが、当時といたしましては非常に意外なほどの高値でございまして、この随意契約をやる前の段階において、ある会社におきましては、設立の際自分で株を持っておったにもかかわらず、それを手放した会社もあったのであります。これは日を追うとともに、現在のモータリゼーションと申しますか、合成ゴムの需要というものが伸びてきて、先行きが明るいということで、そういう株価に対する人気が出てきておるという事態でございまして、株の処分当時におきましては事実そういう事態もあったわけでございます。で、希望者に関しまして、非常に希望があったにもかかわらず、その分をカットしたという事実はないようでございます。
 第二点の対象先でございますが、これはあくまで通産省の責任におきまして配分先を考えまして、そうしてもちろんこれは会社からはこまかい株主名簿その他等も参考のため取っておりますので、参考として会社の意見は聴取いたしておりますが、最終的な決定――最終的と申しますか、事務的な決定は通産大臣の責任においていたしまして、そうしてそれを大蔵省に協議をいたしまして、両大臣協議の上決定したわけであります。したがって、事務的に原案の作成の責任はこれは通産省にあると存じます。
#53
○塩出啓典君 それでは最後に、衆議院でつけられました附帯決議ですね、これをちゃんと今後守っていくということは非常に大事じゃないかと思うのでありますが、この法案が制定されたときのその附帯決議というものは、先ほども守られなかったと、そういう点から考えて、幾らこの附帯決議をつけても、今後それをほんとうに守っていかなければ何にもならないんじゃないかと思うのですね。そういう点で、この附帯決議を今後とも厳重にひとつ守ってもらいたいと思いますし、それに対する植木政務次官の決意をお聞きいたしまして私の質問を終わりたいと思います。
#54
○政府委員(植木光教君) 衆議院で問題になりました決議案というものは四項目ございまして、その中の三項目につきましては忠実に守ってまいったのでございますが、第二項の運営についての国会への報告を怠ってきたのでございます。この点については先ほども遺憾の意を表したとおりでございます。
 衆議院で過般つけられました二項目にわたる附帯決議、先ほど御質問の中にもございましたが、今後、国有財産である株式を処分しますときには、その方法、評価に適正を期するために第三者機関を設けて公正な価格の決定についての御意見を聴取するなど、努力をしてまいりたいと思っております。また、第二項の、合成ゴム業界に対する強力な行政指導、これは先ほど来申し上げておりますとおりでございまして、十分に順守してまいることをお約束を申し上げます。
#55
○須藤五郎君 もう同僚二人の質問で大体私の質問したいと思う点は尽きているように思うのですが、二、三確かめておきたいと思うのですが、いまこの附帯決議の問題が出ましたが、なんですか、強力な行政指導を行なうというふうになっていますが、これ、実際にできるのかどうかという問題なんですね。民間会社に対して政府が行政指導を行なう、その法的根拠かなんかあるのですか、こういうことは。私はできないと思うのですよ、こういうことを言っても実際には。どうなんですか。そのできるという法的根拠はどこにあって、それは何を根拠にそういう大きなことをおっしゃるのかですな。
#56
○政府委員(後藤正記君) 法的根拠でございますが、これは通商産業省の設置法の第三条に、「通商産業省は、左に掲げる国の行政事務及び事業を一体的に遂行する責任を負う行政機関とする。」ということで十四号までずっと並んでおりますが、そこの中に各産業につきましてのいろいろし得るものが響いてあるわけであります。したがいまして、この設置法に基づく一般的な通商産業大臣の行政機関としての任務として私は行政指導というものはやっていけると考えるわけであります。
#57
○須藤五郎君 やっていけると考えているだけで、やる、やらぬは政府の態度なんですね。この前のこの法案ができるときにも、やはりちゃんとそういうことが条件づけられていたでしょう。処分などする場合には国会にどうのこうのというふうに。ところが、それすらも政府は無視してやっておるというようなそういう政府が、そんなことをおっしゃっても私は信用することできぬし、実際にはおそらくやらないだろうと思うのですね、私はね。やらないだろうと思うのです。それで、こういう場合はこういう処置をするというふうに、具体的にひとつおっしゃってください。そんな民間会社が一々政府の行政指導でしばられていったら、おそらく民間会社はやっていけないということが起こってくるだろうと思うのです。そのために今度こういう法案の廃止ということにやってきたのですよ。そこがねらいだと思うのです。それを逆に、今度は、この法案を廃止しても行政指導でおまえたちを監督するぞというようなことをおっしゃっても、それはことばだけの問題であって、実際はおそらく政府はおやりにならないだろうし、やろうとすれば民間会社との間にいろいろな問題が起こり、実績はなかなかむずかしかろうと、私はそういう結論を持っているのですよ。
#58
○政府委員(後藤正記君) 確かに行政指導というものは非常にむずかしい点であると存じます。しかしながら、現在、仰せのとおり、各企業はその細部にわたりまして一々役所の行政指導で右を向くか左を向くか聞いてやっておりましたのでは、これは会社企業の運営はできないのは当然でございます。通産省といたしましても、実際の作業、行政指導をいたします場合に、各企業の仕事の末端に至りますまで一々口をいれるということは、これは差し控えなければならぬことでございますし、またそれだけの組織、十分なる人員等をも持っていないわけであります。しかしながら、その産業全体といたしまして、これが国民経済上に非常に差しさわりがあるとか、こういうことをやられたのじゃ非常に困る、たとえばその産業の中でも一つの企業が特にきわ立ってビヘービアが悪い、最近特に問題になっておりますのは、いわゆる開放経済に伴いまする外資の進出の場合でございます。これに関しましても現在は外資法の規定に基づきまして現在資本自由化第二次まで実施をいたしてまいりましたが、ある程度フリーにいたしますものと、それから業種によりましては国民経済に甚大なる影響を及ぼして国民生活というものに非常に心配であるというものにつきましては、この分は保留をしておるわけであります。個々のたとえば外資導入につきましても、現在残っておりますものにつきましても一般的なルールはきまっておるのでありますが、それを越えて出てまいります場合は、十分に相手方企業のその立場におけるビヘービアその他を十分に考慮いたしまして検討をいたします。そういうあれやこれやを通じまして行政指導というものは私ども現在もいたしておりますし、将来も、はなはだぼうっとした言い方で恐縮でございますが、私はできると思っております。
#59
○須藤五郎君 会社は営利会社ですからね、自分たちの営利になるような指導なら、それは受けるかわからぬですよ。しかしほんとうの人民の立場に立った指導を政府がやろうとすれば、会社の不利益になる指導なら、これははねつけて、受け付けませんよ。ここで心配しているのは、会社の利益になるように指導していけという行政指導を言う意味じゃないと思うのです、この附帯決議は。逆のことだと思うのですよ。だから、その逆の行政指導を政府がやろうとしても、いまの独占企業というものはそうなまやさしいものではない。政府の言うことなどは聞きませんよ。また、まあ自民党さんいらっしゃいますけれども、やはり選挙ともなればこういう会社から多額の献金をもらわなければならぬ立場にある自民党さん政府で、そんな、会社を押えつけるような行政指導がやれるものじゃないですよ。これはもう会社の言いなりになると思うのですね。それでは一つ例をあげますがね、こういう場合どうですか。彼らのいわゆる会社側のあの時間表といいますかスケジュールによりますと、四十五年の三月に増資をするというふうにきめているわけです。そうでしょう。そのためには、四十四年の二月にこの法律を廃止しなければならぬ、こういう彼たちの時間表に従って私はこの法案の廃止が上がってきているわけですよね。そういう場合、政府はどういうふうに行政指導するのですか。
#60
○政府委員(後藤正記君) 会社におきまして現在そういう増資その他の意見はあるというように私どもも内々では聞いておりますが、正式にまだ来年の何月何日に増資をして上場してとは……。いずれにいたしましてもこの法案の御審議を通じまして、この法律の廃止が公布施行されませんと、上場の場合に非常に不利益をこうむることは、これはだれが見ても明らかでございますので、その点にかかってまいりますので、いつの時期において上場をして増資をしていくかというはっきりした――したいという希望を会社か持っていることは確かでございましょうが、私ども聞いておりますが――まだその時期としてはきまっていないと思います。ただ、現在の会社の考えております、私どもの承知いたしております設備の拡張計画、増設計画というものは、これは増資をして十分なる資金の裏付けがなければできていかないものでありますから、おいおいその増資の問題というものは出てくるかと存じます。しかしながら、その場合、会社の事業計画その他増資ということを私どもが正式にその時点において聞きました際に、これがたとえば他の会社、類似の同種の企業と全然同じような技術をもって重複投資が行なわれ、そこに規模の利益を享受するにふさわしくないような過当な競争が出てまいるような場合というものは、これは通産省において、いろいろと会社と相談をいたしまして、その点は調整をしていかなければならぬかと存じます。
#61
○須藤五郎君 これは私たちのほうが調べたのですが、四十四年の三月増資、そのためには四十四年の二月にこの法案を廃止しておかないと不利だということでこの法案の廃止ということになった、こういうことをつかんでいるのですがね。あなたのいまおっしゃったように、相当の大きい設備の増設をやるわけですね。ですから私は相当の金額の増資だと思うのですよ。その場合に膨大な増資になっていく、大きい会社になる場合には、やはり行政指導でそれを指導していく、押えていく、こういう意味だろうと思うのですね、いまのお答えではそういうふうに私は理解したのですか、そうなのですね。――それじゃそういうふうに理解いたしましよう。それではもういまからちゃんとアウトラインというのですか、どのくらいの増資を計画している、何年くらいに計画しているということをつかまえていなければアドバイスできないじゃないですか。行政措置はとれませんよ。
#62
○政府委員(後藤正記君) 私のお答えいたしましたのは、これは正式に会社が、いずれにいたしましてもこの法律が御審議の結果この国会を通過するかどうかということが、まず最初の前提になっておりますので、したがいましてその時期的な、たとえば四十四年の三月でございますとか、四月でございますとかあるいは五月でございますとか、そういうぐあいにきめるのは、その前提自身がまだきまっておりませんので、その点は私どももはっきりいたしておりませんし、それから会社としましても、その点をきめるわけにまいらぬと思うわけでございます。しかしながら、増資計画、いずれの時期かに増資をしなければならぬということは、会社の現在持っております事業の拡張計画から見て、これは必然的にそうなってくるかと存じます。私ども現在の時点において、非公式ではありますが承知をいたしておりますのは、現在の二十五億というのを、さらに公募によって五億ふやす、そうしてそれを上場いたしまして倍額増資をして六十億まで持っていきたい、そういう意図を会社は持っているように私どもは承知いたしております。まだこれは非公式の段階でございます。
#63
○須藤五郎君 五億の増資をして、それから倍額の増資になって六十億ですね。その点はつかんでいるのですね。それからこの六十億の増資に対して、政府は賛成をする立場にあるのですか、行政指導によってそれを変えていこうという立場にあるのですか。どうなんですか。
#64
○政府委員(後藤正記君) 現在の時点におきましては、将来そういう六十億の増資、つまり六十億の増資ということは、それに見合う事業の拡張計画というものが出てくるわけでありますが、それについては私は政府としてチェックすべきものでなしに、これはやらしたらいい、かように私は考えております。これはただしかし、現在の時点でございます。新技術によって、先ほど来申し上げておりますいろいろな、より高性能の品種が大企業に出てまいりました場合には、そういう化学の関係の業種ではしばしばあることでございますが、一たび新しい品種、技術が出てまいりましたときには、従来のものは全部これは老朽化、一気にスクラップ化する心配もございますので、これはあくまでも現時点における考えであると御了解願いたいと思います。
#65
○須藤五郎君 先ほども大矢委員が最初おっしゃったように、この法案ができるときにはまだ海のものとも山のものともわからないながら、政府が当時の金で十億出したわけですね。それで無配当の期間が五年間続きました。それから一割の配当になった。それで今度はもうこの法律がなくなってもやっていけるのだということになって、政府の監督権をはずすためにこの法律を廃止する、こういうことになるわけですね。そうすると、政府は十二年前の十億といえば、貨幣価値でいえば相当な金額だと思うのですよ。しかもそれが五年間無配当で据え置かれているわけですね。それで今日十二年たって、今度まあ百万株を平均二千八百円で売ったとなれば二十八億という金になるわけですね。政府は相当にもうけたというこうに考えていらっしゃる、倍、三倍近くになったというふうに考えていらっしゃいますけれども、貨幣価値からいったらそうはなっていないと思うんですね。相当政府は、この独占企業に対しててこ入れをしたということが、この点からも言えると思うんですね。それでまあ今後もやはり会社の利益になる点は大いに推進していこうと、そして先ほど公明党の委員の質問もありましたがSBRでは七一%というような大きなシェアを占めているわけですね、今日。で、普通の合成ゴムとしましても、何というんですか、五四%を占めておる。これは独禁法にいう三〇%が警戒線だという線はとうにこれははずれているわけですねところがあなたはさっき、これは貿易の自由化によって、ちゃんと処置できてくるんだと、こういうふうなお答えでしたがね。それではあらゆる産業が貿易の自由化によってこういうふうなシェアをこれから認められていくのかどうか、独禁法との関係はどういうふうに考えていらっしゃるのかですね。何のために独禁法があるのか。貿易の自由化が始まったら独禁法が要らなくなると、こういうふうな御意見なのか。合成ゴムに限って――それはぼくは大体わかっているけれども質問するんだけれども――合成ゴムに限って、こういうことが言えるのか。ほかの産業にもあなたのいま言ったことは当てはまるのかどうかという点なんです。
#66
○政府委員(後藤正記君) 独禁法との関係一般に
 つきましてお答えを申し上げたわけではごさいま
 せん。私としましては、この成合ゴム産業の実態というものが、現在におきまして合成ゴム会社がシェアを五〇%を若干上回る状態になっておりますが、他の企業との並存状態と申しますか、国内における状態、さらにつけ加えましてこれは管理価格と申しますか、寡占価格という問題、心配と
 のおそれにつながってくると存じますが、これは輸入の自由化、全面的な自由化という面でチェックできる問題だ。したがって国内におきまして、シェアはなるほど五〇%を若干上回っておりますが、現在の時点におきましても、それからさらに将来におきてましても、十分に、これはシェアはとにかくとして、自由競争の、原理というものに帰納する状態にあると存じます。加えまして寡占価格なり独占価格なりという、そういうおそれに対しましては、これは国内でもできにくいし、さらに歯どめといたしまして、この輸入の自由化という点
 でもさらにもう一つチェックができる。したがって寡占価格、独占価格という心配は現在ないということをお答えいたしたわけでございます。
#67
○須藤五郎君 そうすると、この合成ゴムの問題も、将来は独禁法にひっかかるということもあり得る。将来を通じてこれがどう発展していこうと独禁法には絶対かからぬということなのか。将来かからないということならばそれでわかりますがね。一つの意見だと思いますがね。かかるとなれば、どの程度のシェアになった場合に独禁法との関係は起こってくるのかという点をもう一ぺん聞いておきましょう。
#68
○政府委員(後藤正記君) これが将来のシェアにつきましては、現在におきまして特に石油化学の流動製品一般について言える問題だと思いますけれども、非常に変動が多く、内容的にもそれから物としても変動が多いものでございますから、シェアの点につきましてもきわめて不確実で、ただ傾向として、現在の勢力の状況から見まして日本合成ゴム会社が独禁法に抵触するような位置を占めるような状態にはならないであろうということを申し上げたわけでございます。
#69
○須藤五郎君 あなたはならないであうと思うということで答弁されても、それはいかぬですよ。そうなった場合どうだということを私は具体的に言っているんですよ。
#70
○政府委員(後藤正記君) 経済はやはり変動いたしますので、将来、あるいはそういう独禁法に抵触する場合が全然ないということをここで断言することは私には現在できませんですが、将来そういうことが起こった場合には、これは公正取引委員会の判断によって独禁法に抵触するものはするという判断を下されることになるかと存じます。ただ、私といたしましては、現在時点におきましてそういう状態にはなってこないであろうということを申し上げておるということです。
#71
○須藤五郎君 私はなぜこんな質問くどくするかというと、最近の独禁法のあり方を見ていますと、通産省は大企業の合併に積極的なんですよね、むしろ。それで独禁法をゆるめていこう、場合によったら独禁法なくしてしまってもいいんじゃないかという方向に通産省の方向が行ってるということは世間でもいわれていますよね。だから私はその点をくどく聞いておくんです。だからこの合成ゴムの問題も、将来独禁法に触れるような状態も起こり得るだろう、その場合にはやはり独禁法で処理する、こういうことでいいんですね。
#72
○政府委員(後藤正記君) はいそうです。
#73
○須藤五郎君 そうすると、この独禁法に触れる限界というものが大体あなたのほうになくちゃならないと思うんですよ。どうなんですか。
#74
○政府委員(後藤正記君) これはやはり私の守備範囲でございませんで、将来においてそういう事態が起こった場合には、独禁法に触れるか触れないかは、やはり公正取引委員会の判断の問題であると存じます。
#75
○須藤五郎君 よろしい、それではそれで了承しておきましょう。
#76
○委員長(八木一郎君) 須藤君に申し上げますが、会場の時間がありますので、あと五分で打ち切りますよ、お願いします。
#77
○須藤五郎君 さっき同僚も、株主の構成については尋ねられたと思うんですね。ところがこの五万株以上の株主は一体何人あるんですか、いわゆる大株主ですね。
#78
○政府委員(後藤正記君) 昭和四十三年七月に第二回目の処分をいたしましたあとの落ちつきの状態で見ますと、五万株以上を持っておりますのはブリジストンタイヤ、協和醗酵、大協石油、三菱油化、三菱化成工業、昭和石油、住友ゴム工業、東洋ゴム工業、月星ゴム、日本ゴム、住友化学工業、三升石油化学工業の十二でございました。これは日本合成ゴム会社の製品を需要いたしますゴム工業社と、それから原料BB溜分と申しますブタンブチレン溜分を供給いたしておりますところとの大体二つの類別に分かれるようでございます。
#79
○須藤五郎君 今度の株主の構成ですね、株の売り方、配分のしかたなんかにも先ほど問題があるといって質問なすったんですがね、やっぱりこういういわゆる正方株の株主というのは十二しかないんですね。いまおっしゃったとおり、これが全部、ゴムを買うか材料を売るかという工場なんです。すべて合成ゴムの利益に通ずるところのものなんです。そういう利益に通するところにこんな何十万株――これてで十二社として五十五万株にもなっておるのですね。おそらく五万平均で五十五万ですから、もっとたくさん持っている人があるわけなんですね。だからこの株式の大半をこういうところに売りつけて持たして、そして材料をそこから買う。売り買いでたくさんの金をこういう大株主が取得するわけなんですね。そういうふうな株の配分のしかたというのはおかしいですよ。だから、先ほども同僚議員が、株主の構成について質問なさったと私は思うのですよ。だから、これは非常に不明朗だと思うんですよ。あくまでも政府のやり方というのは、金のないときは国民の税金を持っていって、それで金を無利子で貸して、そしてもうかるようになったら、そうしたらおまえら自由にやれと言って、各独占企業と、いわれるような大企業を大株主にして、そこでうんとこさ金がもうかるような方法をとるということ。政府の金なら監督することができるでしょう、ところがかそれが縁が切れちまうでしょう、今度の法案で。監督もできてないのです。国会でもこれで無縁のものになってしまうわけです、合成ゴムというものは。そういう形に何でしなければならぬのか。やはりこれは続けて、そしてそこからたくさんの収益があれば、それ方一般の国民の利益になるように、まあ大した利益でもないかもしれないけれども、将来資本金が六十億になってその四〇%でも持てば、年々一割の配当とすれば二億四、五千万円の金が配当で入ってくるわけですよ。そうしたら、二億四、五千万円の配当金を国民のために使っていけば、何か役に立つんじゃないですか。そういうことをしないで、こういう大きな企業の利益にそれを全部してしまうということは、私たちどう考えてみてもおかしい。それで監督権は全然なくしてしまう。附帯決議での行政指導ということばは、瞞着おしたようなことばだと思うのです。日本経済は独占だけの経済じゃないのですよ、国民を土台にした経済ですよ。これで私は質問を終わります。
#80
○政府委員(後藤正記君) この会社の設立の当初におきまして国の四〇%の出資はございましたが、あとの六〇%につきましてはゴム工業者あるいは原料の供給名等と、いまでき上がりの株主の五万株以上というので列挙して申し上げたようなところが、これが最初にその企業の危険負担をおかして、そうしてこの仕事に参画をいたしまして、自来今日に至るまで会社の経営に十分に協力をいたしてまいったわけであります。で、今回の株式の処分にあたりまして、これを一般の競争入札にいたしましたときに、先ほど来お答え申し上げましたような現象が起こったことは事実でありまして、したがいまして、これを随契によって分けたのでありますが、その際に、従来の会社設立以来の努力等に報いるために会社の役員、従業員にも応じ得る範囲内でこれを配分したわけであります。そのでき上がりは先ほど塩出先生の御質問にもお答えしたとおりでございます。今後この会社を法律の存続したままで置いておくという考え方も、これもやはり一つの考え方であると思います。しかしながら、この法律制定の際に、この法律の中の十一条で、会社の経理的基礎が確立したときは有価証券市場の状況を考慮して、すみやかに政府の所有の株式は処分せいということも書いてございますし、当時の速記録で私勉強したのでございますが、参議院におきまする御審議の際にも、政府側から、政府のこの処分が終了した際にはすみやかに法律は廃止する意図であるということが、当時明らかにされております。したがいまして、先生御指摘のような考え方も一つの考え方ではあるかと存じますが、日本合成ゴム株式会社のこの法律に関しましては、私は廃止する方向で考えるべきであると考える次第であります。
#81
○委員長(八木一郎君) 本法案についての質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 次回は三月二十七日午前十時から開会いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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