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#1
第061回国会 農林水産委員会 第9号
昭和四十四年四月十日(木曜日)
   午前十時三十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月九日
    辞任         補欠選任
     和田 鶴一君     重宗 雄三君
 四月十日
    辞任         補欠選任
     重宗 雄三君     鬼丸 勝之君
     沢田  実君     矢追 秀彦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         任田 新治君
    理 事
                高橋雄之助君
                宮崎 正雄君
                達田 龍彦君
                矢山 有作君
                藤原 房雄君
    委 員
                鬼丸 勝之君
                亀井 善彰君
                河口 陽一君
               久次米健太郎君
                小林 国司君
                櫻井 志郎君
                田口長治郎君
                森 八三一君
                足鹿  覺君
                杉原 一雄君
                鶴園 哲夫君
                中村 波男君
                矢追 秀彦君
                向井 長年君
                河田 賢治君
   国務大臣
       農 林 大 臣  長谷川四郎君
   政府委員
       農林大臣官房長  大和田啓気君
       農林省農地局長  中野 和仁君
       農林省畜産局長  太田 康二君
       食糧庁長官    檜垣徳太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
   説明員
       農林大臣官房参
       事官       小沼  勇君
       農林省農地局か
       んがい排水課長  杉田 栄司君
       建設省河川局開
       発課長      川崎 精一君
       会計検査院事務
       総局第四局長   鈴木 治久君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (昭和四十四年度農林省関係の施策及び予算に
 関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(任田新治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 昨九日、和田鶴一君が委員を辞任され、その補欠として重宗雄三君が選任されました。
 また本日、重宗雄三君及び沢田実君が委員を辞任され、その補欠として鬼丸勝之君及び矢追秀彦君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(任田新治君) 農林水産政策に関する調査を議題といたします。
 昭和四十四年度農林省関係の施策及び予算に関する件について調査を行ないます。
 これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○矢追秀彦君 私は奈良県の川上村の大迫ダムの建設についてお伺いしたいと思います。これは着工年度は昭和二十五年になっておりますけれども、現在のところまだダムの工事は始まっておらないわけです。その工事のおくれております理由について御説明をお願いいたします。
#5
○政府委員(中野和仁君) いまお話のように奈良県、和歌山県の十津川、紀ノ川の総合開発の一環といたしまして、大和平野、紀伊平野の農業用水なり水道用水なり発電、洪水調節といういろいろな目的を持って二十六年に着工したのでございますが、非常に大きな事業でございまして、また予算の関係もありまして緊急性の高いものから順次着工をしてきたわけでございます。大迫ダムにつきましてはいまお話しのように用地買収等に問題がございましてまだ解決しておりませんので、そしていま着工に入っておりません。
#6
○矢追秀彦君 その問題点をひとつここで列挙して、その一つ一つに対して農林省としてはどういうような指導をされてきたかお伺いしたい。
#7
○政府委員(中野和仁君) 大迫ダムにつきましては、先ほどもちょっと触れましたように、用地買収が非常に困難な問題がございます。と申しますのは、水没農家百四十六戸というように大きな数にわたっていることもあり、それから国や県の道路も水没しますので、それのつけかえもしなければならないというようなこともありまして長年月を要しておるわけであります。
#8
○矢追秀彦君 現在地元におきまして非常に問題にしておることは地質の問題なんですが、昨日も県のほうから現地のほうにあっせんに行かれたわけでありまして、きのうも小学校にみんな集まりましていろいろと話し合いがあったようでありますが、詳しいことは私もまだ伺っておりませんけれども、いま一番問題になっているのは、他の土地と違いましてダム建設自体に大反対をしているわけです。あくまでも安全が確保されればというのが一つの条件です。あとは補償の問題がありますけれども、何といっても一番問題は安全性の問題であります。これについてはどのようにいままで地元に対して納得のいくような説明をしてこられたのか、どういう点を地元が納得していないのか、その点いかがですか。
#9
○政府委員(中野和仁君) 大迫ダムの地質につきましては、農林省といたしましてボーリング調査を初め各種の地点調査を実施してきたわけでございます。ただ、いま御指摘のありましたように、四十二年五月にダムの予定地点の左側の上流に地すべりがございまして、かなり地元民に不安を与えたようです。その個所自体は直接ダムの場所と関連はないようなところでありましたけれども、非常に心配をかけましたので、これにつきましては学者なり建設省等より調査を求めましてそこの開さく工事を実施したわけでございます。そういうようなこともございますので、われわれといたしましては、県庁の協力を得ましてそのダムの建設地点の安全性についていま地元に十分納得するように説明をしておる最中でございます。
#10
○矢追秀彦君 農林省が直接地質の調査はされたわけですか。されたとしたらどの機関でされたか、建設省に依頼をされたのか、依頼をされた場合、建設省はどの機関がどうされて、どういう結論が出たのか、その点ちょっとはっきり教えてください。
#11
○政府委員(中野和仁君) 先ほど申し上げましたボーリングの調査なり、あるいは弾性波の試験なり試堀をやる、横穴を堀りましていろいろ岩質なり地層等の調査をいたしましたのは直接農林省がやったわけでございます。それに対して学者なりそれから建設省の協力も得ておるわけでございます。
#12
○矢追秀彦君 そうするとあくまでも農林省が主体で調査をされたわけですね。私ちょっと伺ったのは、建設省のほうに依頼をされて地質の調査をやって、建設省のほうのOKが出ないと工事もできないというような形になっていると聞いたのですが、その点はいかがですか。
#13
○政府委員(中野和仁君) 私の申し上げました試験その他の調査は農林省が直接やったわけでございます。ただ、先ほど触れましたように、地すべりいたしました地点についての安全性その他のことで建設省の協力を得たわけでございます。
#14
○矢追秀彦君 建設省の協力はわかりますが、建設省のほうでこれは工事をやっても心配ない、安全性は確保されておるという調査の結論が出てこなければ工事にかかれないのか、それともそういうことは関係なしに農林省がこれでいいと言えば工事はできるのか、こういうことですか。
#15
○政府委員(中野和仁君) われわれの予定しておりますダム地点につきましては、建設省のほうもだいじょうぶだということになっているわけでございます。
#16
○矢追秀彦君 先日、建設省関係のほうからいろいろ調査に来られて会合等もあったと伺っておりますが、その内容について教えていただきたい。
#17
○説明員(杉田栄司君) 建設省と特に問題が生じましたのは、いわゆる地すべり対策について、特に過去近い期間にしばしば接触というか協力を求めたわけでございます。特に地すべりにつきましては奈良県内に、農林省自体の調査では十分でない、もう少し学識経験者等の意見を徴すべきだという意見がございました。それに基づきまして学者の調査も依頼し、意見も聞き、なお農林省のやりました調査結果等に基づいてさらに建設省の意見も求め、実際に現地の調査もいたしていただいたわけであります。
 その結論といたしましては、ダムの安全性については直接関係するものでは問題はない。なおその取りつけ部等についてさらに工法を若干念を入れるというようなことで意見の一致を見ておるわけでございます。
#18
○矢追秀彦君 河川局の開発課長さんにお願いいたします。
 建設省といたしましてはいまのお話どおりになっているのですか。私が伺っているのは、建設省として農林省と協力をしてやるこの調査については、まだ最終的な安全性が確保されているという結論は出ていないと、このように聞いているのですが、その点はいかがでしょうか。
#19
○説明員(川崎精一君) 私どものほうの立場は、河川法に基づきまして一般にああいった工作物が出てまいりますと、それに対して河川管理の立場から安全かどうかというようなことを審査して許可あるいは認可することになっております。
 この大迫ダムは農林省のやっておられます国の事業でございますので、そういった許可とか認可にかえまして、河川管理者であるわれわれと農林省との協議が成立することによってそれと同じような効果を持たせると、こういうことになっておりまして、河川管理の立場から農林省から出てまいりました設計書なりそういったものを審査して、その上で協議の合意に達すると、こういう進め方をしておるわけでございます。
 大迫ダムにつきましては先ほど来お話がございましたように、いろいろ地すべり等問題がございましたが、そういった対策も一応片づいております。常識的に私どものほうでいろいろたくさんダムを審査いたしておりますが、アーチダムをつくるダムの場所としまして外観的には別にダムの安全性その他を云々するような地質ではない、こういうような点は意見が一致いたしております。
 ただまあ、非常に高いダムでございますし、アーチ式のダムでございますので、できるだけ施工の方法、こういった点については十分念を入れる必要があるのじゃないかということでさらに調査を追加してもらったり、あるいは私どものほうの土木研究所からも現地を調査に参りましたりしまして、今後どの程度に基礎をすればいいかとか、上から洪水がダムの上をオーバーして流れるわけです、そういった洪水の処理の方法にはどういう設計をすればいいかとかいったような細部についてかなりの時間をかけて調査をしてまいっておりますが、現地で聞きますところによりますと、大体そういった点もほぼ双方了解に達したというようなことで、近く本省のほうに書類が上がってくるのじゃないかというふうに聞いております。
#20
○矢追秀彦君 昭和四十四年一月二十八日に県知事のほうから近畿農政局長に要請がきまして、その資料があるわけですが、その最後のところに「大迫ダムの基礎の地質について」という河川課長からの資料がついておりますけれども、これから以後、これをさらに突っ込んで調査をおやりになったですか。これが最終でしょうか。
#21
○説明員(川崎精一君) 県でいろいろやっております。そういったことも詳細は私承知いたしておりませんが、先ほど申し上げましたように、大体ダム自身の安全性とかそういったものを常識的な工学的な立場では云々するような問題じゃなくて、むしろ細部のいろいろな具体的な処理の問題をいま詰め終わったというふうに聞いております。したがって、特に今後はさらに追加するというようなものはないと思っております。
#22
○矢追秀彦君 ということは、いままでの研究された結果、これをいかに地元に説得されるかということであって、さらに地元が不安に思っている地点については調査はもうしないということですか。
#23
○説明員(川崎精一君) まあ事業は農林省の直轄の事業でございますし、県は県としてのいろいろな地元に対する立場があろうかと思いますが、私どものほうは、安全性とかそういった河川法上の立場を審査するだけでございますので、その他のいまの対地元の問題については私どもはよく承知をいたしておりませんが、建設省の立場としましてのいろいろな調査とか審査というものは大体現地の地方建設局の段階ではほぼ終わっているように聞いております。
#24
○矢追秀彦君 もし資料を公開するようにという要求があった場合は、いままでの研究の資料の、調査のあり方等全部公開できますか。
#25
○説明員(川崎精一君) 資料は地方建設局にございますが、私どもが審査にあたっていろいろ調べましたことについては、御要求がございましたら、いつでも提出するつもりでおります。
#26
○矢追秀彦君 農林省にお伺いしますけれども、この間仮締め切りをやるということで地元が非常に騒ぎまして、で、県会が終わる二十八日までは一応絶対にしない。それから話し合ってということでいままで延びてはきておりますけれども、やはりかなり仮締め切りを早くしたいという意向が強いので、地元としては、一つの要求はいま資料を出してもいいと言われましたけれども、資料の公開ですね、絶対安全であるという学問的な調査の公開とそれから安全性の確保ですね。その点を強く要求しておるわけです。その点について地元の要求に対して農林省としては全面的に答えられる用意があるかどうか、その点。
#27
○政府委員(中野和仁君) いまお話しございましたように、仮締め切りの工事との関連で多少いざこざがあって、県会が済むまで延期をいたしまして、いまこれからの県会を通じまして、現地との話し合いをすることになっているわけでございます。その際に、農林省といたしましては、地元の納得を得るということが先決でございますから、十分に調査いたしました、試験しましたようなデータ等を安全性を示す意味で出しまして、十分納得のいくような方向でやっていきたいというふうに考えております。
#28
○矢追秀彦君 したがって、地元の話し合いがつくまでは絶対に仮締め切りは強行しないと、これは約束していただけますか。
#29
○政府委員(中野和仁君) こういうダムの建設につきまして、地元の反対がありまして、なかなか工事が進みません。われわれといたしましては、地元の了解をできるだけ早く得た上で工事に着工したいというふうに考えております。
#30
○矢追秀彦君 私、全般的に奈良の水の問題についてちょっと不思議に思うことは、このダム工事がおくれたのは、やむを得ない事情があったこととは思いますけれども、要するにその先に、下のほうの平野のほうのいろんなかんがい工事を先にやられたわけです。それも相当前におやりになったわけです。それがいま実際でき上がっているわけですけれども、実際それはまだ十分に効力を発揮していない。しかも、まだこのダムが、これからすぐかかったとして、大体五年ぐらいかかるのじゃないか。もしでき上がった暁においてすでにつくられておるいろんな、要するに川ですね、配水の、それが、はたして役に立つのかどうか。むしろそのころはまたいろんな情勢が変化してこないか。住宅がどんどんふえておりますし、その点の見通しはどうですか。
#31
○政府委員(中野和仁君) この事業全体につきましてはダムを建設省の分も合わせまして四つつくって、それによって全体の計画として成り立つわけでございます。すでに三つは完成しておりまして、その範囲での効用は発揮はしておるわけでございます。ただ最後にこのダムをつくりまして、この川全体が完成するということでございまして、いままでのつくりました水路等が全部むだになるということではないと考えております。
#32
○矢追秀彦君 それでいまの工事ですね、大和平野の、あれは三十一年と三十二年、この辺ででき上がっているのじゃないかと思うのですけれども、もう一つのほうが二十八年から三十二年、したがって、その大迫ダムができ上がるのが、いまから五年とかりにしますと、四十九年、五十年ぐらいですよ。そうすると、三十二年から五十年とはだいぶ時間がたつわけですけれども、これでは、いまおっしゃったように大丈夫と言われますが、というのは、奈良県の現在の開発、非常に団地がふえたり住宅がふえたりしてきておるわけです。だんだんベッドタウン的に都市周辺はなりつつある。そういうときにあたってこれができ上がったころにはどうなるのか。しかも、できたところもすでにくずれてきておるようなところもありますし、そういった意味で、私は非常にこの工事がむだになってしまうのじゃないか。その点非常に憂えるわけです。その点いかがですか。
#33
○政府委員(中野和仁君) 奈良平野に対します水につきましては、主としてこのダムに依存しておる計画になっておりますので、このダムができませんと完全に水がいくということではないわけでございますけれども、ほかのダム等もできておりますので、暫定取水で奈良平野のほうに送っているわけでございます。ただ、いまの奈良の開発と言いますか、都市化の問題とも関連をいたしまして、すでに大和平野の事業には上水道に水を毎秒一トン持っていくという計画を織り込んでやっておりますし、まだ暫く、五年、十年かかるうちに、奈良平野の都市化との関連がありまするから、事業計画の変更をやりますとかあるいは工事が完成いたしましたあとであれば、事業のアロケートのやり直し等もいろいろやりまして、都市化なり工業用水との関連をあわせて考えていかなければならないというふうに思っております。
#34
○矢追秀彦君 大臣にお伺いしますけれども、こういう工事、この問題から、私は二、三調べてみたのですけれども、全体的に非常におくれているわけです。それはいろんな事情はあると思うのですけれども、相当巨額の金を使っているこういう工事が非常に私はこれは問題にしなきゃだめなんじゃないかと思うのですけれども、たとえば東北の場合であれば西津軽ですか、これは昭和十八年の着工なんです、戦時中の着工です。これは全部できましたけれども、非常に時間がかかっておる。それから、もう一つは雄物川水域ですか、これは昭和十九年に着工して現在四七・二%の進捗率、四十三年で。このほか大体着工年度というのはみんな相当昔です。
 で奈良県の場合であれば、いま問題にしているのは昭和二十五年。もう一つの愛知川が昭和二十一年。大和平野が三十三年。進捗率は六四・四%、六七・〇%、八一・〇%こういうような進捗率で非常な長年月。もちろんダムの工事、そういうふうなことでは時間はかかると思いますけれども、少し時間がかかり過ぎるんじゃないか。それは地元の反対があったからできなかった、地元が反対されるのはやはり政府の説得が足りない、補償の点でも折り合いがつかない、そういった点が十分でない。特にこういう問題が起こるのは全部いなかです。いまいなかのほうはいろいろな問題をたくさんかかえておるわけです。で、そういった点でよけい地元の人は補償をたくさん要求する点も私はよくわかるのですけれども、とにかくまず第一番目にお聞きしたいことは、こういう大工事は非常に長年月かかる。したがってお金の面についてもだんだん物価も上がってきますし、いろいろ修正も出てきますし、大迫ダムについても二回ばかり設計変更されていると思いますけれども、現在そういう問題が出てくる。非常に私は税金の無駄づかいといってしまえばそうなるのじゃないか、こう思うのですけれども、全国的な状況から見られてこういう問題に対して大臣はどうお考えになっておられるかお伺いいたします。
#35
○国務大臣(長谷川四郎君) 全国的にそういうような傾向が多くなってきているという、これは見のがすことのできない事実だと思います。したがって、農業の関係のダム等は、農林省が直接ここをやるんだといってきめるのではなくして、地元が大体こういうような大計画をこういう計画の上にこうやってもらいたいからぜひやってくれといって申請をしてくる、それを検討して、そこで、地元民はどうなんですか、地元のほうは、私のほうが絶対責任を持って解決をいたしますと、たいがいはそう言ってくるんですけれども、なかなかその地元民の了解というものが得られなくなってきている。特に最近に至りましてはごね得と言ってはまことに申しわけないけれども、そういうような面が非常に多くなっておって、そうして公共性というものの実施に欠陥が生じてきているということは事実でございます。しかし御指摘のあったような点も私も伺ってみたんですけれども、なかなか大工事である。いろいろの障害が出てきているというお話でございましたけれども、何といってももう十年も十五年もかかるようでは、ダムの所期の目的と今日はだいぶ相違があるだろうと思います。今度は特にそれらは督励をいたしまして、大いに早目に工事が完成できるように督励を十分いたしてみたいと思います。
#36
○矢追秀彦君 地元から要請が出てそれでつくるのに非常にうまくいかないとおっしゃいましたけれども、しかしそれは地元の住んでおる人たちの総意ではなくて、あるいは町長さんとか、村長さんとか、また県の段階くらいの考え方だけできめるところに私は問題があると思う。そういった点でそこに住んでいる一般の人たちの声、そういうものをもっと早く聞いて、そういうことがちゃんと盛り上がったものから出てきたのであれば私は心配ないと思うのです。特に大迫ダムについては、私はこんなやりやすいところはないと思うのですよ、政府側としては。要するにごね得じゃないわけです、ここは。安全性さえ保証してくれればどうぞ工事やってくださいというのです。私も何回か行きました。村長さんにも会いましたし、また一般の方ともお会いしていろいろお話伺ってきましたけれども、そんなごね得で旗を立てて絶対ダム建設反対、これだけの補償要求と、こういう強烈なことは言っていないわけで、安全性を保証してもらいたい。それをまだはっきりしていないのに仮締め切りやったというんで頭に来て、朝五時ごろ私のところに来られたわけですけれども、そういう点で、私はこういうところは一番やりやすいと思う。こう思うわけです。それがなおかつ昭和二十五年から昭和四十四年にいたるまで、これはほかの工事はできましたけれども、肝心のダムをつくる工事というのは全然始まっていない。お金の問題一々やればよろしいのですけれども、時間があまりありませんのでやめますけれども、決算書を見ていただけば毎年度おわかりになると思うのです。そういう点もいま農林大臣言われたような言い方だけではちょっと納得できない、このように思うのです。
 それからもう一つの問題としては、水の問題が、特に奈良県で、いまはまあそんなに問題がなくても、もうちょっとすると私は大問題になってくると思うのです。この工事がおくれることによって、またそのほかの問題で、たとえば和歌山県との関係とかいろいろあるわけです。そういった点でさっき局長さん言われましたけれども、工事がずれるけれども、それにたとえば都市化になってきた、この都市化に見合って変更して、そんな、あとから追いかけるようなやり方ではだめなんじゃないか、その県ならその県の将来の開発はどうあるべきかということをある程度想定した上でやっていかなければ、そうでなくてもいまの日本の都市にしても、こういうふうな、いいかげんなといいますか、何といいますか、ごちゃごちゃしたようなものになってしまったわけです。これは計画性がないから。そういった点で大臣どうお考えになっておるか、やはりビジョンというものをはっきり立ててやっていく、農業用水はどうする、個々の農地は今後どう変化していく、どれぐらい住宅ができる、それに対しては飲料水はどういふうに要るとか、それくらいの算定をやった上でやらないと、ただ行き当たりばったりでやっておったのでは意味がないんじゃないかと思うんですが、この点はいかがですか。
#37
○国務大臣(長谷川四郎君) 私も初めてお聞きするのですけれども、これらは農業ばかりじゃなくて、飲料水、すべてに多目的に使われるということになっていくと、相当大きな計画だと思うのでございます。要は、いずれにしてもダムがつくられるその場所に住んでおられる百何戸の方々に対しては確かに利益率というものは少ないだろう。奈良県全体の上に立ったときに初めてその目的が達せられることではございますけれども、そういうような方々が安全性というようなことに欠陥があるというのならば、これは十分考えなければなりませんし、もう絶対心配ないんだという確認を与えなければならないだろうと思います。おことばのような点がございましたとするならば、十分その点は安全性を確保できたというその納得の上に立ってこれらの問題の推進をはかってまいりたい、このように考えております。
#38
○矢追秀彦君 時間がありませんのであと二つぐらいで終わりますが、会計検査院の方にお伺いしますが、こういった工事がずっとずれている場合に対して大迫ダムを含めまして会計検査院としてはどういうふうな処置をとられるのか、いままでとってこられたか、その点お伺いしたいと思います。
#39
○説明員(鈴木治久君) 会計検査院といたしましては四十一年七月三十日付をもちまして四十年度末の国営かんがい排水事業の施行状況について検査した結果、予定に比較いたしまして非常におくれているものがあるということにつきまして、その促進方をはかるように農林大臣あてに改善意見を出しております。その後の調査の結果ということになりますが、私どももこの進行状況につきましては十分に関心を持っておりますし、その後の報告、あるいは私どものほうの検査いたしました結果では、進捗率というものは相当に従前に比べまして進んでいる、かように考えております。特に特定の、ただいまの大迫ダムのようにいろいろの事情がありましたものにつきましては、今後も私ども検査の際にはそういう点を十分頭に入れておきまして、設計書なりあるいは積算内容なりにつきまして十分検査したい、かように考えております。
#40
○矢追秀彦君 それでは時間が超過いたしましたので、最後にもう一つ農林大臣にお伺いいたします。一つは、農林省でやっておるこういうダムについては、ほかの水資源のダムとかあるいは電源開発と違って地元に対して、はっきりいって直接お金は入ってこないと、そういった点でやはり水資源の開発のダムとか電源開発のダムのほうをつくってもらいたいというところもわりあい出てくると思うんです。そういう場合は一応その村と比べた場合に不平等になるわけです、その他に比べまして。そういうことに対してやはり平等という立場の上から、こういうダムで全然お金がおりない場合に対しては何らかの措置を国としてはやるべきではないかと思うんですが、その点が第一点。
 それからもう一つは、これで相当――まあ、ここの村もそうですが、どこでも水没するわけです。それにひっかけてかなり――最近はそうでなくても町にみんな出ていくのに、これがきっかけになって相当人口が減ることが考えられます。そういった場合学校の問題とかいろんな問題が出てくるわけです。だから、こういった場合都市への人口流出を防ぐためには、新しい村づくりをして、ダムができた後でもほんとうにここに住んでいるほうがいいんだというふうにしていかなければ、半分ぐらいになる可能性も出てくるわけです。農林省としては、この種の問題の場合にどういう処置をとっていかれるか。やはりそこに対して特別のことをしなけりゃならないと思うんです。
 この二点をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
#41
○国務大臣(長谷川四郎君) 農林省がただいまのお話のような点でダムをつくるというような場合になりますと、その地元に固定資産税が免除されることになっておる。でありまするから、他の方法をもって、公共性の何ものかをもってそれに報いなければならないだろうと、こういうような話もだいぶ進んでは出ておるんですけれども、なかなかそれらがまだ実施には薄いようでございますので、こういう面はそれを補うだけの面をやはり公共性の何ものかによって補っていくというような方法を考えるべきだろうと、その犠牲になる市町村、こういうところにはそういうふうにすべきだというように私もいま伺って考えます。今後そういうような点については、十分考慮を払って、そして地元の協力が進んでできるような方途を切り開くようにいたしてみたいと考えております。
#42
○鬼丸勝之君 作付転換の問題を中心に大臣、官房長、局長にお尋ねをいたします。
 作付転換は、特に新年度の予算におきましても米の生産対策として総合農政の大事な柱の一つとして取り上げられておりますが、まず昨年の十一月に公表されました「農産物の需要と生産の長期見通し、」これによりますと、延べ作付面積は、四十一年に比べて五十二年には約四十七万ヘクタール減らすということになっております。ところで、そのうち稲は四一・八万ヘクタールでございますが、すでに四十三年度までに相当ふえてる、むしろ増反をしておるんじゃないかと思いますので、これから五十二年までにこの最終目標の水稲について申しますと二百七十六万六千ヘクタールに減反するということになっておりますが、五十二年までに大体宅地だとかあるいは道路用地につぶれる、そういうことでつぶれ地になる減反の数字はどのくらいでございますか。
#43
○政府委員(大和田啓気君) お話のように、昭和五十二年におきましては現在の水稲の作付面積よりも四十万ヘクタールぐらい減ると米の需給がバランスがとれるという数字でございますが、五十二年までの水田の壊廃の面積は大体三十万ヘクタールというふうに想定いたしております。
#44
○鬼丸勝之君 そこでもう一つは、壊廃のほかに、開田による増反が今後五十二年までにある程度あると思います。私は開田を今後極力抑制すべきではないか、こう考えておりますが、補助とか融資による開田はできるだけ抑制していく、また自力開田は抑制策がなかなか困難であると思いますけれども、これも行政指導によってできるだけ抑制をしていくべきであると考えるものでありますが、それにしてもなおかつある程度の増反ができると思います。これはどのくらい五十二年までに見込んでおりますか。
#45
○政府委員(大和田啓気君) 国あるいは県による開田も極力押えますと同時に、個人のいわば独力による開田も融資等の措置を通じて極力抑制することにいたしまして、おおむね昭和五十二年までに十万ヘクタール程度の開田が行なわれるのではないか、そういう想定をいたしております。
#46
○鬼丸勝之君 そこで壊廃と開田をプラス・マイナス合わせますと五十二年の最終目標の面積に持っていくためには、私の概算では約二十万ヘクタールの水田をこれから他の作物に転換させなければならぬ、こういうふうに思うのですが、これは大体間違いないですか。
#47
○政府委員(大和田啓気君) 大体私どももその考えでございます。
#48
○鬼丸勝之君 そこで、この作付転換の対策が実は新年度すべり出しましたけれども、もうすでに地方の農村の農家の人たちの受け取り方には、どうもあまり評判がよくない――評判がよくないというよりも、やっぱり一種の不信感を持って迎えられておる点もあるようでございます。と申しますのは、新年度の予算に約二十億円の奨励補助金と、それから畜産関係あるいは果樹、園芸等のそれぞれの部局に直接作付転換のための施策の経費あるいは間接的なそういう経費が計上されておりますが、まずこの経費の概要をごく大きな種目別でけっこうですから、直接、間接の合わせたものをまず伺いたいと思います。
#49
○政府委員(大和田啓気君) 稲の作付転換は予算上四十四年度に一万ヘクタールを予想しておりますが、これに対応する予算といたしましては、作付転換奨励金いわゆる反当二万円というものが一万ヘクタール分で二十億円ございます。それから牧草、果樹、野菜等々に転換いたします場合に、必要な機械施設等の導入に対する助成費が補助金として九億円ほどございます。また転換対策の推進に必要な国、県、市町村等々の事務費が約一億円で、合計三十億円がいわば直接の費用でございます。それから間接の費用と申し上げますと、多少不正確でございますが、なおこのほかに転換のために必要な土地基盤整備事業の費用としておおむね五億円計上をいたしております。
#50
○鬼丸勝之君 そこで約三十億円の直接の費用、それから土地基盤整備事業の費用として五億円でございますね。これだけの約三十五億円の経費を投入いたしまして転換対策を進められるわけでございます。実はその方法の前に、その方法のよって立つ基本的な姿勢ということについて私は伺いたいと思うのです。それはやはりこの長期見通しの最初の二ページでございますが、ここに、「農業に関して講ぜられる施策については、農業基本法の示すところにしたがい、現在考えられているような形態と進度とをもって実現されるものとする。」、ここまでは、私は考え方としては別に異論もなく、当然だと思います。ここから、「その場合、米については、今後作付の転換を進めることが必要となるので、米の作付転換およびそれに伴う他作物の作付への誘導を考慮に入れることとする。」こういう書き方で、この見通しに書いてありますが、この書き方から考えますと、表現の問題は別としまして、非常にこの作付転換は微温的に考えておるのではないか。と同時に、作付転換をやって、それに伴って他の作物の作付への誘導を考慮に入れると、こういう考え方ではたして作付転換が新年度一万ヘクタールでもうまくいくと考えられるか。私はこの表現は、ひとつ基本的な姿勢の問題として、まあ今後これは随時、行政において改定するということも書いてありますから、私は変えていただく必要があるのではないかと。と申しますのは、まず基本的には、いままでやっぱり何といっても米作偏重、しかも食管制度によって米の生産費あるいは農家の所得が補償されておる。こういうところで米が農家にとっては経営上一番安定した作物であるということで、いわば米街道を一筋に歩んできておるわけです。そこで作付転換をほんとうに今後二十万ヘクタールも五十二年までに実現するということになれば、この米街道のほかの別のバイパスなり別の新しい道路――道路でいえば――をつくってですね、さあこっちのほうを通ってください、畜産のほうをこれだけやれば、いままで米つくってるよりはむしろ経営上いいんですよと、安定しますよと、こういうことにならなければ、ほんとうに作付転換はできないじゃないかと。そこで私はむしろ、こういう書き方でなしに、他の農畜産物の生産に誘導することを前提にして作付転換を進めると、こういう考え方になっていただきたい。まあ、いまそういう考え方をあるいはとっておられると思いますけれども、この見通しの表現からいうと、基本的な姿勢に問題があるというふうに私は思うのでございますが、この点、大臣ひとつ。
#51
○国務大臣(長谷川四郎君) 御指摘のとおりなんでございます。けれども、何と言っても昭和十七年から食管法ができ、そうして、米を、いかに消費者に心配のない食糧を、安定した供給をするかという点について、一方手段として農業者に非常な御努力を願ってきたという関係等もございますので、いま余ったからすぐこれを政府命令によって転換をしていくということもなかなか困難性がございますので、そういう上に立って、さきに官房長が申し上げましたように、徐々ではございますけれども、ぜひともあなた方が食管法を維持していきたいというお考え、政府も維持させなければならぬという考え方のもと、こういう上に立って、ぜひ協力が願いたいと、それには農業でございますからすぐ転換しても、あすからその生産が高まっていくというわけにはまいりません。そういう上に立って補償といいましょうか、それだけの償いを申し上げまして、完全にそれに転換ができるような方法に持っていきたい、こういう政策をとっておるわけでございまして、お話はおっしゃるとおりでございます。基本方針はそのとおりでございいますけれども、なかなかそう一度には政府としては持っていかれないところに苦痛があると、こういうことでございます。
#52
○鬼丸勝之君 私は、作付転換を決して無理にやっちゃいかぬと、こういう気持なんです。それで先ほどからつぶれ地の問題もお伺いしたのですが、しかし、二十万ヘクタールにいたしましても、五十二年まであと八年ですか、なかなか容易のことではないと思います。そこで、結局大臣のお気持と私も一緒なんですけれども、まず行き場所を、受入れ体制をしっかり固めて、そうして農民の信頼にこたえなければ、たとえば今年の分は各県にある程度、数字を流しておられるようですが、そういうことで受け入れ側のほうの体制ができなければうまくいかぬじゃないかと。私はそこで、あとで方法をお伺いしたいと思いますけれども、まず受け入れ体制をつくって、バイパスなり、新道路を建設して、そうして迎えるという行き方、その場合に、特に農家の所得がいまの米づくりよりも、少なくとも同等の所得が確保される、こういうことでなければならぬと思うのです。それからもう一つ作付転換の計画を地方におろされる場合に、私としましては、父祖伝来営々として米づくりを続けてきておったと、そういうところはもうひとつ、その農家の人たちがほんとうに自発的に転換するというなら別でございますよ、そうでなければこれはあまりすすめるべきではない、どうも地方の実情をだんだん聞いてみますと、農林省の本省はそう無理にすすめるということはしないけれども、やはりひとつの数字的な割り当てがおりておるようですから、県なり市町村がやや事実上強くすすめて、それが命令的なものに受け取られておる、こういう事実がございます。そういうこともありまするから、この点もあわせて行政指導の問題でございますけれども、お答えをいただきたいと思います。
#53
○国務大臣(長谷川四郎君) 私たちのほうが一応の一万ヘクタールという基礎を持っておるものですから、それはできるところはかってにやったというわけにはまいりませんものですから、一応各県、各農政局に寄ってもらって、大体ひとつどのくらいにいこうという基礎案は出してあげたのでございます。そんなものですから、やはりそれに対する、県のほうへ、あなたの県はこのくらいやってもらえないだろうかというお話を持っていったのではないかと思いますけれども、これとても決して私のほうは強制的ではございません。ぜひとも農民みずから将来を考え、そうして、ただいまお話のあったような所得――米と同等の所得のあるようなものをつくってもらわなければならないのだと、それにはやはり今後問題がある、今後は何と言っても主産地主義というものをとっていかなければならぬ、こういうようなところに重点を置いて、そうして御協力を願った方々が、あのとき転換をしたために、かえってこのようによくなったという方法をとるように、それが今後の主産地主義というものの大眼目であり、それがもとをなすものですから、そのようにするようにという話を申し上げてあったのであります。まさに米を転換したために所得が少なくなったというようなことのないように、御指摘のような点には十分考慮を払ってまいらなければならないと考えております。
#54
○鬼丸勝之君 ただいま大臣からお答えがございましたし、まあ誠実なお人柄の大臣のことでございますから、私は大臣のお答えを全面的に信頼いたしまして、特にこの転換の計画を末端におろす場合に、農協中心に、農家に十分に納得されるように、これは大臣のほうからそれぞれの出先によくひとつ徹底をしていただきたいと思いますし、また米作を長くやっておって、米作地帯で長年――何十年も米づくりをやっておったところは、これはもうすすめないというお考え方を原則としてとっていただきたいと、かように要望を申し上げる次第でございます。
 そこで、やや具体的に何点かお尋ねしたいと思いますが、私は、作付転換は、いま申し上げましたような考え方で、また自然の条件等もちろん十分これに即応して、いわゆる適地適作主義で考えにゃいかんと思っておるのでございますが、この方法におきまして特別事業による助成あるいは奨励金の交付その他いろいろございますけれども、問題は需要と価格の面から、さっきからお話のように安定した作物がその地域にどういうふうにこれを見つけていくかと、こういうことだと思います。
 そこで、特にお尋ねしたいのでございますけれども、たとえば転換作物につきまして、果樹がございますが、ミカンなどはどういうふうにお考えになっておりますか。たとえば九州――九州ばかりでなく全国的にこれはもう相当増反されて、まあ特別な干ばつ被害でもなければ例年豊作になるんではないか。特に九州の福岡、熊本、佐賀は主産地でございますが、昨年は御承知のように非常な暴落をした。キロ当たり三十円そこそこの値段でたたかれまして、まあ品質の悪いものもございましたけれども、要するに反別からいうと耕作面積はもうこれ以上ふやす余地がないのではないかと考えますが、この点ひとつ……。
#55
○説明員(小沼勇君) お答え申し上げます。
 現在の、ミカンを含めまして全体の果樹でございますが、果樹の植栽につきましては、かねてから果樹農業振興特別措置法によりまして果樹農業振興基本方針を策定しておるところでございまして、それによりまして果樹の種類ごとにその植栽面積を掲げております。ミカンで申しますと、四十二年から四十六年に約三万ヘクタールを新しく植栽する計画を持っておるわけでございます。今回の稲作から果樹への転換にあたりましても、そういう転換の目標面積は、いま申し上げましたような植栽の目標の範囲内で実施することにいたしておりまして、需給上の問題の生じないように配慮してまいりたいと、かように考えておるわけでございます。もちろん地域によりいろいろな差がございますので、地域の実態に即しながら転換についても進めてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
#56
○鬼丸勝之君 ただいまミカンについては四十四年から六年まで三年間ですか、三万ヘクタール考えていると言われますが、実際はこれは農林省でももう少し正確に調査していただきたいと思いますが、御承知のようにミカンがいいというと、ミカンを山を切り開いてどんどん増反するのですよ、ですから私の郷里のほうなどは、どうもミカンの増反が、農林省で把握されている以上に、あるいは条件の悪いような山地にもミカン畑ができているのじゃないか、こういうことが懸念されております。そこでミカンについては、御承知のようにいま貿易自由化の波も強く押し寄せてきておりますので、今後の需給見通しからいって、私は地域的に多少の差はありましょうけれども、九州あたりでは転換作物の対象としては適当じゃないのじゃないかと思うのですが、もう少しその反別等の実態を正確に把握された上でのそれは結論であるかどうか。ただいまの御意見に対して伺います。
#57
○説明員(小沼勇君) 御承知のとおり基本方針に基づきまして、各県で果樹振興の計画を立てております。全国的に申しますと、先ほど申しました三ヘクタールについて、すでに約二万ヘクタールの植栽が完了しておるわけでございます。目標達成率ということばを使っておりますが、六七・二%の目標達成率ということでございまして、ミカンについていま申し上げたわけでございますが、全体の果樹について申しますと、目標達成率は五四・一%ということでございます。もちろん今後の消費需要も国民生活の水準が上がってまいりますとともに、果樹関係の需要は着実に伸びておりますので、やはりその面では十分見込みがあるというふうに見ております。しかし地域によってかなり偏差がございますので、私どもやはり地域の実態を十分見ながら施策を進めていく必要があるということでございまして、その中で水田転換についても考えてまいりたい、こう思っている次第でございます。
#58
○鬼丸勝之君 まあ地域の実態をひとつ十分把握していただいて、慎重に考えていただきたいと思います。
 そこでこれも福岡の一部等でございますが、地域によりましてはお茶ですね、茶が転換作物として適当だ、現地の農協の幹部等もそういう意見を持っている者がいるのですが、いわゆる緑茶、普通のお茶ですな、あるいは玉露も含め、こういうお茶の転換作物としての扱いは、農林省の方針にはないようでございますが、これは考えていただけますか。
#59
○説明員(小沼勇君) 実は転換作物の中にお茶とかあるいは植木とか花木を含めて検討すべきではないかという御意見も美はあったし、また議論もされたわけでございますが、緑茶につきましては御承知のとおり、需給上かなり需要のほうも頭打ちになっておりますし、大幅にこの面積を増していくという考え方をまだとりにくいのではないかということで、問題があるわけでございます。そういうことで、緑茶については当面含めておらない考え方でございますが、なお花木あるいはその他の作物等が出てまいるかと思いますが、そういうものでもし希望がある場合には、地域の実情を十分見まして、ケース・バイ・ケースで検討して、その適否を判断していくという考え方で処置をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#60
○鬼丸勝之君 お茶についても全国的に大きな増反はあまり考えるべきでないと、私もそう思っております。ただ、適地適作という考え方から、御承知のように、静岡はじめあるいは九州でも福岡、佐賀にある程度のまとまって産地が形成されておりますから、そういうところは水田の転換にあたって主産地としてもう少し発展させるほうが適当ではないか、かように考えますので、ケース・バイケースでひとつお考えを願いたいと存じます。
 なお、近ごろは大都市を初め中小都市がどんどん都市化されてきておりますが、御承知のように、大都市はだんだん緑がなくなってきておる。灰色のコンクリートの建物がどんどん建ちまして、そういう殺風景な町の姿になりつつあるので、これに緑を取り戻すということが必要でございます。
 そこで、これはどういうふうにお考えになっておられるか。花木あるいは造園用の植物、こういうものが現に需要が逐次伸びてきております。これに対応して私は作付面積転換の対象としてこれらの花木あるいは植木の類ですね、これはぜひ考えていただきたい、こう思うのですが……。
#61
○政府委員(大和田啓気君) いま御指摘のような作物ばかりでなしに、私どもは指導といたしまして飼料作物、野菜、桑、果樹、サトウキビ、てん菜というものだけを表に出しておりますけれども、それ以外の作物でもまず需要の面で心配がないということ、それからある程度集団的に栽培される見込みがあるという二つの条件で、知事が地方の農政局長とよく相談してきめていい、そういう指導を現在いたしておるわけでございます。したがいまして、御指摘のような作物については、私が申し上げました条件を満たしますならば、それは実施できるというふうに考えております。
#62
○鬼丸勝之君 それから作付転換で一番私は今後伸ばしていくべきものは、畜産振興に伴う飼料作物の問題だと思います。これにつきましては、いまの転換の実施要領としては、自家用の飼料をつくる者に補助ないし奨励をするということになっておるようでございますね。そこで、自家用の飼料作物をつくるといっても、いま乳牛も肉牛も一頭も飼っておらない、そういうところに機械導入の融資があるようでございますが、自家用の飼料作物をつくらせるにあたっては、その前提として乳牛なり、肉牛の導入を助成していかれなければならぬと思いますが、この点機械の購入の助成とかいうようなことだけでは畜産への転換の効果はあまり期待されないんじゃないかと心配をいたしておりますが、いかがですか。
#63
○政府委員(太田康二君) 先生御指摘のとおり、飼料作物は家畜の整備の問題あるいは経営基盤の安定の問題から言いまして非常に重要な問題でございまして、現にたとえば乳牛等につきましては良質な粗飼料は七五%併用するということでございますが、現実には五三%までしかいっていない。そういった意味におきまして、農林省といたしましては飼料作物の導入事業あるいは草地改良事業に大いに力をいたしておるわけでございまして、先ほど御指摘の「需要と生産の長期見通し」におきましても相当大幅な計画を立てたことは御承知のとおりでございます。
 そこで、今回いま御指摘のように、飼料作物の転換ということで水田を転換して飼料作物を生産する場合の問題でございますが、これで一つ考えられますことは、先ほど申し上げましたように、経営の安定のための飼料自給力の向上あるいは飼養頭数を増大するというようなことからその必要が出てくるだろうと考えられるわけでございますが、そこで稲作から飼料作物への転換を積極的に誘導いたしますために、家畜導入事業あるいは農業近代化資金、さらには農林漁業金融公庫の畜産経営拡大資金、総合施設資金等の制度金融によりまして家畜を集団的に導入いたしまして、水田を飼料作物に転換する場合にはまさに転換奨励金交付の対象とするということにいたしておるのでございます。
 そこで、家畜の裏づけの施策があるかという御指摘でございますが、御承知のとおり、現在、家畜導入事業という事業を農林省としては実施いたしておりますし、したがいまして、この家畜導入事業に基づきまして家畜導入事業をやるというもの、あるいは金融で先ほど申し上げましたように、農業近代化資金あるいは畜産経営拡大資金、総合施設資金、こういった制度を活用することによりまして、転換農家の家畜導入が円滑に進められるというように措置してまいりたいと考えておる次第でございます。
#64
○鬼丸勝之君 いろいろ制度金融をいま活用して、集団的に導入するという御計画があるということを伺って、これをひとつよく末端のほうに親切に徹底していただきまして、これを御指導願いたい。どうも私がかねていろいろ伺ったり調べたところによりますと、農家で米づくりと同等あるいはそれ以上の所得を獲得するために乳牛を入れるとすれば、少なくとも乳牛十頭くらい飼育しなければいかぬようでございますな、労働報酬の関係からいうと。この点どうですか、最低の適正規模というか、乳牛の頭数等について……。
#65
○政府委員(太田康二君) 四十三年度の牛乳の生産費調査の結果が最近発表になったのでございますが、これによりますと酪農の収益性は著しく改善をされておるのでございまして、いま先生御指摘の水稲の生産所得に包敵する所得を酪農であげるにはどうだというお話でございますが、私たちの本年度発表されました生産費調査によりますと、一ヘクタール水稲の生産所得に匹敵する所得を酪農であげるには一体どのくらい牛がいたらいいかということでございますが、四十二年では五・五頭の搾乳牛を必要といたしたのでございますが、四十三年の生産費調査の結果によりますと、米価の上昇がこの年あったわけでございますが、四・九頭でいいということでございます。
 特にこの際申し上げておきたいと思うのは、よくいわれますところの一日当たり家族労働報酬の問題でございますが、酪農は四十二年から四十三年にかけまして全国平均で六百八十円上がりまして、全国平均が千八百四十八円ということに相なっております。ちょうど四十二年の米が二千六百二十七円でございますからこれに匹敵するものはどれかということで規模別に見てまいりますと、十頭から十四頭では二千七百二十三円ということで、すでに米を越えるだけの家族労働報酬をあげております。七ないし九頭という規模で二千三百二十七円ということでございまして、乳牛の増、乳価の値上がり等の結果、非常に所得が改善をされておるということがこれで申し上げられるかと思います。
#66
○鬼丸勝之君 大体いまお答えのように、十頭以上飼育すれば米作による所得よりむしろそれ以上の所得が確保される、これは非常にけっこうでございます。そこでちょっとお尋ねしたいのですが、十頭新たに飼育するということになればどのくらいの経費がかかりますか。特に当初経費ですね。
#67
○政府委員(太田康二君) われわれの大ざっぱな積算でございますが、乳牛の導入と、それからそれに必要な施設等を含めまして、一頭大体五十万とみておりますので、おおむね五百万くらいかかるというふうにみております。
#68
○鬼丸勝之君 もう一点畜産関係でお尋ねしますが、阿蘇の高原地帯に御承知の大草地開発事業をやっておられますが、これは実は私、農林水産委員として昨年も視察いたしました。ああいうものを私はもっと大規模にもう少し早いテンポで実現していただきたいと思うのでございます。あれは将来九州の畜産センターとして熊本県ばかりでなく、福岡県もあるいは大分県のほうにも畜産の振興を及ぼすような基地にしていただきたいと念願しておりますが、この点いかがでございますか。またいつごろでき上がるか。
#69
○政府委員(太田康二君) 実は現在阿蘇につきましては、すでに事業に着工いたしております。阿蘇に隣接いたしております大分の久住飯田地区につきましては、国営の調査事務所を設置いたしまして調査に入っております。そこで、いま御指摘のとおり、草地の造成、しかも大規模な造成というのはなかなか技術的にも問題がございますので、四十四年度予算におきまして大規模な畜産開発の一環として、草資源の開発及び牧場経営の実験展示のための草地開発畜産センターというものの設置について助成をすることにいたしておりまして、むしろこういったものをあらかじめ設置し、そういった草地開発が進むに従って、それと並行して牧場経営の実験展示をやっていくというような施設を実は久住飯田地区に設置することにいたしております。こういったやり方を今後じみりに進めまして、草地開発が円滑に進むように考えたのでございます。
#70
○鬼丸勝之君 どうかひとつ畜産振興が、私は五十二年までの作付転換対策の中でも一番重要だと信じます。今後も食糧の需要供給の推移から見て宙産物の需要がふえますから、これに大いに力を入れていただきたいのでございますが、いまの阿蘇の畜産センターの整備ももう少しピッチをあげて、ひとつ早くこれを仕上げるようにお願いしたい。そうしませんと、五十二年というのはすぐでございますから、なかなか生きものを飼って育ててこれを市場に出すというのはなかなかひまもかかります。この辺ひとつ大臣にも特に御配慮をお願いしたいと思います。
#71
○国務大臣(長谷川四郎君) ただいま太田局長から畜産の収益性、これらについて申し上げましたけれども、もっと多頭化いたしますと、数字がただいまお話になったよりもはるかな収益性を高めてまいります。こういうような点から考えましても、阿蘇の将来にいかに大きな期待を持っておられるかということも当然でございますので、なるべく御期待に沿うよう早目にこれらの完成をいたすように大いに努力をしてまいるつもりでございます。
#72
○鬼丸勝之君 最後に、農業振興地域との関係をちょっとお尋ねいたします。これはいずれ法案がこちらで審議される機会にまた別の御質問を申し上げますが、この作付転換に関連いたしまして、農業振興地域との関係はどうなっておるかという点でございます。と申しますのは、新しい都市計画法によって御承知の市街化区域が指定されることになっております。それで市街化区域に指定されることがはっきりしているものは作付転換の対象にしないという御方針を承っておるのでありますが、この農振法の資料によりましても、都市計画法第七条第一項の市街化区域に定められた区域については農業振興地域の指定はしないという提案理由になっておりますけれども、法文を読みますと、これは必ずしもそうでない、第六条第三項に「都市計画法第七条第一項の市街化区域と定められた区域で、同法第二十三条第一項の規定による協議がととのったものについては、」指定を「してはならない。」という規定になっておりますが、何か市街化区域にも農振地域を指定され得ることになっておるようにも考えられます。そこで、農振地域は大体全部作付転換の対象になるのでございましょうね。その辺の農振地域との関係をちょっと教えていただきたい。
#73
○政府委員(大和田啓気君) 市街化区域につきましては農業振興地域の指定をしないという方針でまいりたいと思います。したがいまして、調整区域の中には農業振興地域として指定されるところも出てくるわけでございますし、計画区域以外のところで、当然農業振興地域が指定されるわけでございますが、そこでは私どものいまやろうとしております稲作転換対策の対象になるものが当然あると思います。ただ、私どもいま申し上げておりますのは四十四年度のことでございまして、四十五年度以降に一体この問題とどう取り組むかということは、これから四十四年度の仕事の成果、その他米をめぐるいろいろな問題を勘案の上、もう一度考え直すということでございますから、それ以上の先のことについてはまだ申し上げる段階ではございません。
#74
○鬼丸勝之君 大体御方針はわかったような気がしますけれども、もうちょっと念を押したいのですが、市街化区域は、まずよほどのことがなければ農振地域の指定はしないと、かように理解していいかどうか、市街化区域はですよ。それから、今度は調整区域は私は農振地域が相当あると思うのです、事実上、実態はですね。そこで、これはある程度指定もされる。むしろ調整区域については、現在そこに土地を持っておる農家はやはり農振地域に指定してもらいたいという声が強いのではないか。と申しますのは、片や市街化区域になる、片や調整区域になって、調整区域は農振地域にならぬとすれば、全く一つの谷間になるわけです。ですから、そこら辺の関係をよくお考えいただいて、市街化区域は、もう農振地域にはしない。悶々例があるかもしれません。たとえば埼玉県あたり相当広い地域にわたって、大宮とかどこそこを市街化区域にしてもらいたいというような意向が強いようでございますから、例外はあるけれども、農振地域に市街化区域はしない、調整区域のほうは、むしろ逆に農振地域をできるだけ考えると、まあ地元の農民の意向もありますけれども、むしろ農振地域にします、こういう考え方でいっていただきまして、そこで、それじゃ市街化区域も農振地域に間々やったところは、作付転換の対象にすべきではないか。例外的にやったところですよ。と申しますのは、やはり花木を栽培するというようなことが、現に都市近郊においてはある程度進んでおります。今後またそういう希望を持った農民も多いのです。やはりそういう意味で、都市近郊農業を育てるために、水田を、アパートの間にちょぼちょぼつくっておる、ああいう姿はやはり望ましくないと思うのですね。むしろ積極的に作付転換を奨励されたらどうか。いや、そういうものは、もう自分でどうせ金回りのいいほうにやるからいいだろうということでは、私は少し片手落ちじゃないかという気がします。それは、市街化調整区域はまあほとんど全面的に考えていただく。こういうふうに思うのでございますが、いかがでございましょうか。
#75
○政府委員(大和田啓気君) 調整区域につきましては、これば当然地元の意向もございますから、一がいに言うわけにはまいりませんけれども、当然振興地域として指定されるところは出てくると思います。それから市街化区域につきましては、何せ十年先には市街地になるという予定のところでございますから、一般論としては、私どもやはり作付転換の対象にすることは適当でないというふうに思います。ただ今後市街化地域の指定が現実にどういうふうに行なわれるかという問題もございましょうし、大都市と地方都市との相違もあるいは出てくるかもしれませんが、それはたてまえとしては作付転換の対象にはすることは不適当でございますけれども、事実問題としてまた検討いたす機会があると思います。
#76
○委員長(任田新治君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十九分開会
#77
○委員長(任田新治君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は御発言を願います。
#78
○中村波男君 本委員会で相当米の需給問題総合農政等について質疑がかわされてまいったわけでありますが、私はまず最初に「農産物の需要と生産の長期見通し」の中で米の項につきましていま少しお尋ねをいたしたいというように考えるのであります。
 「長期見通し」によりますと、面積におきまして五十二年に二百七十六万六千ヘクタール、したがって四十一年に比べまして八八・三%に作付面積が減少するという見通しが立っておるのでありますが、この見通しを立てられました根拠について詳しくひとつ御説明をいただきたい、こう思うわけであります。
#79
○政府委員(大和田啓気君) 米の需給につきましては今年の十月に五百七十万トン持ち越し米があるということ以外に、四十四年度の稲作を考えてみましても四十三年と同じ面積の水稲三百十七万ヘクタールということを土台にし、平年作で反当四百二十五キロ程度というように考えますと、千三百六十五万ないし千三百七十万程度の生産があるであろう。需要のほうはここ二、三年の動きから千二百四十万トン台であろうということで、当面の需要と供給とが相当なアンバランスを示しておりますほかに、現在の稲作の状態で進むといたしまして、昭和五十二年において三百十七万ヘクタールの水稲の面積が維持されるといたしますと、陸稲の作付面積が多少の減がございましても需要は依然として千二百四十万トン台でございましょうから、生産は水稲、陸稲合わせまして、水稲の反収四百四十五キロというふうに想定いたしましても、千四百二十万トン程度の生産が行なわれるのではないか。そういたしますと、当面におきまして相当な米の生産、消費のアンバランスがありますことに加えて、昭和五十二年におきまして平年作において百八十万トン程度の過剰ということか見込まれるわけでございます。
 作付の転換その他なかなかむずかしい問題はもちろんあるわけでございますけれども、私がいま申し上げますように、当面の問題として平年作で百万トン以上のアンバランス、昭和五十二年におきまして依然として百八十万トン程度のアンバランスということで、将来の日本の農業を考えていくことができないわけでございますので、かたがた畜産物、野菜、果実等に対する需要はふえ、それに相当の土地の面積が必要であるわけでございますから、昭和五十二年におきまして米の生産と需要とのバランスをとるためには水稲面積が今日の三百十七万ヘクタールから四十万減ることになるだろう。それはやや単純見通しといいますよりは、よその機会でも申し上げましたけれども、日本の農業の将来を考えると、そういうふうに政策的にも誘導することが必要だという意味で、意欲的な見通しというふうに申し上げてよろしかろうかと思いますけれども。昭和五十二年において米の生産、消費のバランスを保つ、そのためには水稲の作付面積が二百七十七万ヘクタール程度になることを期待するということでございます。
#80
○中村波男君 いま官房長からお話しを聞きまして、この見通しというのはいわゆる政策的な展望の上に立っての意欲的見通しだというお話がいまあったわけでありますが、その他の麦類、豆類いろいろありますが、それらのすべてが単純な長期的見通しではなく、政策的なあるいは意欲的なという表現がありましたけれども、そういう見通しであるのかどうか、全部そういうふうに立つ見通しであるならば御説明を受ける必要はないわけでありますが、部門によっては違うんだということであるならば、これはわれわれこの見通しを検討する上において重大な要件でもありますから御説明をいただきたいと思うわけであります。
#81
○政府委員(大和田啓気君) 昭和三十七年に私ども農業基本法に基づきまして最初の見通しを出したわけでございますが、そのときの見通しは、現在の情勢がそのまま推移するということを前提といたしまして、性格的には単純見通しであったわけでございます。
 それで、今回の見通しにおきましても、実は単純見通しで作業をやったわけでございますけれども、単純見通しでありますと、いま申し上げましたように、米が昭和五十二年において百八十万トン余るということになるわけでございます。それで、それでもいいではないかという意見か――実は私ども議論をいたしましたときに、これは単純見通しなんだということで、米は百八十万トン昭和五十二年にもう余る。畜産物等の需要はふえるけれども、生産はそれにとても追いつかないと、そういう形で見通しを立てることも一つの意味があるではないかということをだいぶ議論したのでありますけれども、三十七年に第一回の見通しを立てましたときは、単純見通しでもそれほど奇妙、というと少し言い過ぎかもわかりませんが、いま申し上げましたような妙な形にはならないわけでございいますから、まずまずこれは単純見通しでよかったというふうに思いますけれども、今回の昭和五十二年を展望いたしますと、米は極端な過剰、それから畜産物につきましては極端な不足という、そういうことになりますので、私どもそれはやはり何といいますか、政府の立てる見通しでございますから、あまり不自然な事実をそのままさらけ出して、これが見通しでございますということはやはりおかしいということで、もちろん見通しでございますから、そう無理な行政当局が単に希望を連ねるだけの見通しというわけにもいきませんけれども、そういうことの許し得る限度において米については意欲的な見通し、米をめぐって畜産物についても相当な意欲が入っているというふうにお考えいただいてよかろうと思います。
 それ以外の作物、たとえば御指摘になりました麦とか豆とかにつきましては、これはたとえば価格農産物といいますか、豆なりあるいは小麦の価格を二倍にするとか三倍にするとかいうこと、人為的な手を加えればまた別の姿があらわれ得るわけでございますけれども、その点につきましては現状からそれほど動かない、あるいは現在の制度、たとえば麦の生産におきましても相当なことをいたしておるわけでございますが、そういうものは大体現在考えられておりますことを延長して麦と豆等につきまして生産がどうなるかというふうに見通したということでございます。したがいまして、見通しの性格として、米については意欲的な見通しであり、豆あるいは麦等につきましてはきわめて単純見通しの色彩が強い。それは一つの見通しの中で、あるものに意欲が入り、あるものには意欲が入らない単純見通しであるということはアンバランスじゃないかという御批判もあるでしょうし、われわれもその点ずいぶん議論をいたしたわけでございますが、これは日本の農業の生産と需要との姿の現実に立って判断いたしますと、そういうふうに、私どもが取り上げたような形で問題を処理することが一番正しいのではないかという結論で、方法論的には首尾一環しないところが確かにあるわけでございますけれども、それが今後の農業政策を立てます上に、また農家が経営をいたします上に、何ほどかの指針をもたらしたいということが、この見通しの念願でございますから、そういう趣旨からいって、これはいいのではないかというふうに決断を下したわけであります。
#82
○中村波男君 長期見通しを作成する目的といいますか、ねらいというものから言いまして、いまの御説明では相当私は矛盾がありますし、問題があるというふうに思うわけです。いわゆる単純に見通しましてこうなるから、これでは日本の食糧政策、特に食糧を自給するという基本方針にのっとって、政策的にこのようにしてこうするのだというものが別に用意されて初めて政策の可否というのが判断できますし、そこにまた政府の長期の政策目標というものがつくられなければならぬというふうに思うわけでありますが、時間もありませんから、野菜、果樹あるいは畜産等につきましても、次の機会に具体的にお尋ねをいたしたいというふうに思うわけでありますが、できますならば、作目別に、いま官房長の御説明のありましたような具体的な見通しの内容ですね、いわゆる官房長のことばをかりれば意欲的、私たちから言えば作為的と言えるかもわかりませんが、もう少し、単純見通しではこうなるのだが、意欲的見通しあるいは政策的見通しとしてはこういうふうにつくったのだというものを、資料としてお示しをいただければ、たいへんわれわれが勉強するのに参考になるのではないかというふうに思うのでありまして、そういうお願いをまずもって申し上げるわけであります。
 そこで、いま御説明のありました稲作に限って御質問をいたしますが、単純見通しでは、作付面積において昭和五十二年には四十万ヘクタール多過ぎるのだ、端的に言えばそういう結果になると思うのであります。したがって、これを政策的に四十万ヘクタールの作付転換をしないと、米の過剰はさらに大きくなりまして、どうにもならなくなる、こういう結果になるというふうに思うわけです。したがって政府といたしましても、総合農政の上に、基本に作付転換というものをお置きになりまして、最初は四十六年までにいわゆる三年間に二十万ヘクタールの転換計画を持たれて、四十四年度においてば、たしか五万ヘクタールを考えておられたようでありますけれども、財政当局から強い反撃がありまして、すなわちうしろ向きの捨て金だということで、とりあえず今年は一万ヘクタールを、テストとして承認をされた、こういう経過があるように伺っているのでありますが、とにかく四十万ヘクタール、ことしから言えば九年後には作付転換をさせなければ、米の余剰が解決できないということであるならば、直ちにこの作付転換計画というのを政府が持ちまして、そしてそれに向かって政策を具体化していかなければ、問題がたいへんなことになるのではないかという感じがいたすのでありますが、その点はどうお考えでありますか。
#83
○政府委員(大和田啓気君) 昭和五二年の生産の見通しで、二百七十七万ヘクタール程度の水稲作付面積にならないと米の需給がバランスとれないのではないかというふうに申し上げたわけでありますが、四十万ヘクタールの水稲につきまして作付転換をするという趣旨ではありません。これは毎々申し上げてございますが、私どもの推定では、十年間で水田面積、水田がいわば壊廃される、工場敷地でありますとか、宅地でありますとか、そういうものにかわるものが、約三十万ヘクタールというふうに推定をいたしておるわけであります。それから、放置すれば、開田というのは相当進みかねませんけれども、最近の米の需給事情から、開田について相当な抑制をするということでやっておりますので、五十二年までにおける開田の面積はほぼ十万ヘクタール程度と推定をいたしております。そういたしますと、作付の転換を要するものは昭和五十二年までにおおむね二十万ヘクタールということになるわけでございます。
 この二十万ヘクタールをどうするかということにつきましては、作付の転換というのはとにかくなかなかむずかしい問題であることは御承知のとおりで、すぐ計画を立ててそれで動くということでもございませんので、私ども将来の展望として、やはり作付転換ということは必要であると承知しながら、今後どういうふうな形で動かすか、昭和四十四年度でやっておりますようなことでこれからもやるのか、あるいは別の方法を考えるのかということは、四十四年度の一万ヘクタールの作付転換の実績、それには農業関係者あるいは農家自身のそれの受け入れ方、あるいは客観情勢も刻々として動くわけでございますが、そういうものを土台にして、もう一度十分慎重に検討しようということでございます。
#84
○中村波男君 一昨日でしたか、当委員会において大臣が、本年度とにかく一万ヘクタール、テスト的にやった上で今後の問題は検討すると、言い方が悪いかもしれませんけれども、全く何といいますか、たよりのないようなお話があったのでありますが、しかし実際問題として、ことしの予算を要求されるときには、五万ヘクタールというものを考えて予算要求を出されたということは事実でしょう。
#85
○政府委員(大和田啓気君) 予算の要求といたしまして、五万ヘクタールの作付転換ということを私ども議論したことは事実でございます。
#86
○中村波男君 そうだといたしますと、急にとにかく一万ヘクタールことしやってみた上で検討するということになると、当初の計画というのが根底からくつがえったとは申しませんけれども、自信をなくされたというのか、計画変更を迫られておるというのか、そういうようなことになったというように思うわけでありますが、そういうふうになった理由ですね、背景というものがあろうと思うのでありますが、何かそういうものがあるのですか。
#87
○政府委員(大和田啓気君) 作付転換の問題は、どうも先生にそういうことを申し上げる必要のないことであるかもしれませんけれども、昭和八年に相当米の過剰問題がありましたときに、農林省からそういう案が出まして、陸軍当局の国防上の見地からの反対で、それが案として成立しなかったという経過が日本においてございますし、その当時朝鮮におきましても、南綿北羊でございますか、南部地帯は綿、北部地帯は羊にかえるということで、ある程度の作付転換の実施をやったそうでありますけれども、それもなかなかうまくいかなかったということも事実でございます。またアメリカにおいて相当な国費を使って、いま二千万町歩ほどの作付の制限をやっており、それがいろいろな問題をかもしておることも事実でございまして、私ども作付転換の問題については、過去の事例あるいは現在の状況等を踏まえて、十分慎重に計画を立てるべきだというふうに考えておるわけで、四十四年度の実績を見て今後の処置に当たりたいということも、この問題について慎重に対処しようとする私どもの気持ちでございます。
#88
○中村波男君 これ以上押し問答してもどうかと思うのでありますが、とにかく最初は農林省として、いま官房長のお話になりましたように、二十万ヘクタールどうしても作付転換をせなければならぬのだという、この上に立って五万ヘクタールというものを計画されて、半年もたたないうちに慎重に検討をしなければならぬという、こういうふうに変わったということは、少なくともその間の事情をお知りにならない農林省ではなかったはずでありますから、私たちから見ておると、何か奇異な感じを受けるわけです。
 それはそれとして、とりあえず本年度一万ヘクタールを予定をし、その予算が計上され通っておるわけでありますが、その計画によりますと、飼料作物に八千三百ヘクタール、桑に二百五十ヘクタール、果樹に五百ヘクタール、野菜に三百ヘクタール、てん菜に四百ヘクタール、砂糖きびに二百五十ヘクタール計一万ヘクタールという、こういう内容だと聞いておるわけでありますが、そこでとにかく、この機会にお聞きしておきたいと思うのは、飼料作物への転換を八千三百ヘクタール見ておられる。この八千三百ヘクタールを消化する具体的な内容ですね、どういうふうに考えておられるのか。飼料作物をいわゆる畜産農家以外のものにつくらせて、これを飼料としての流通にのせるという計画なのか。あるいは畜産農家にいわゆる稲作から飼料作物へ転換させることを基本にして計画が立っておるのか。この点等、今後の見通しに立つ計画というものをこの機会に明らかにしていただきたいと思うわけです。
#89
○政府委員(大和田啓気君) 牧草八千三百ヘクタール以下、一万ヘクタールの内容についていまお話がございましたが、予算の積算の基礎にそういう数字を私ども持っておりましたことは事実でございます。ただ、それで現在牧草八千三百町歩やってくれという形で県の指導を厳格にいたしておるわけではございませんけれども、最近も地方農政局長会議をやって各地の情勢についての情報の交換をやりましたけれども、牧草についてはそれほどの面積にはならないようでございます。私ども現在考えておりますことは、日本におきましては、干し草――乾草の流通ということは競馬馬についてほんの一部行なわれているだけで広範にある酪農家について干し草の流通があるという状態ではございませんので、最初のというか、四十四年度の事業といたしましては、牛を飼っている農家が自分の水田に牧草を植えて自給飼料の給与率を高めるということを考えているわけでございます。ただ将来の問題といたしましては、干し草の流通ということについて、私どもやはり真剣に取り組む必要があると思いますので、四十四年度の予算におきましては、全国で四個所ほどの実験的な試みとして干し草の乾燥施設とその流通の状態等の調査及び農協が現実にそのにない手となるわけでございますけれども、そういう干し草を、草を乾燥させて流通させるような実験的な事業をやりまして、将来の展望に備えたいというつもりでおるわけでございます。
#90
○中村波男君 とにかくことし一万ヘクタールの計画を立てて、その結果を見て検討をされるのだということになるならば、長期計画について議論する余地がいまの時点ではないわけでありますが、いま官房長の御説明によれば、飼料作物への転換というのは畜産農家を対象にしておるのだということになるならば、いわゆる畜産経営のあり方というものについても、畜産行政、畜産対策として政策的にも具体的に検討しなければならぬ問題がその中に含まれておるのじゃないかと思うわけですがね。従来とにかく牧草地をさらに造成をして多頭飼育ということを目ざす畜産というのが中心に指導されてきたというように思うわけです。水田畜産と申しまするか、そういう畜産形態へ移行させて、そうして作付転換するのだということになるならば、具体的にそういう政策が片方に用意されなければこれは実績が上がらないというふうに思うわけです。したがって、どうもいまのところ腰だめ的な、場当たり的ないわゆる作付転換政策というのが出てきておるというふうに思うわけです。私たちはそこに問題があるというふうに考えておるわけであります。したがって、作付制限による転換の矛盾というのをあげればきりがないわけでありますが、一つの例をとりますならば、果樹というものへの作付転換も相当なウエートを占めてくると思うのでありますけれども、ミカンの生産がやっと軌道に乗り、これから収入もあげようと意気込んでいたやさきにミカン価格の低迷で先行き不安にかられて、四国では農民が近代化資金の返済を心配して自殺したというような、実に気の毒な事件さえ引き起こしておるということは御承知のとおりであります。したがって、いま農民が一番不安にかられておりますのは、農民はモルモットではないんだ。こういう怒りを爆発させて、オーバーな言い方かもしれませんけれども、とまどっておるということが言えるのではないかと思うわけであります。価格や流通対策など、いわゆるミカン農政の確立を求めていることは御承知のとおりでありますが、したがって、鳴りもの入りで構造改善をやらせ、成長作物だとして奨励しながら、価格の安定対策というものを怠ってきた、流通振興対策、流通対策あるいは自由化への防備などを考えておらなかったところに、選択的拡大政策の矛盾が出てきておるというふうに思うわけです。
 これは、一つの例であります、酪農しかり、養豚しかり、ことしのまあ各野菜の暴落等々幾多の例があるわけでありまして、したがって、作付転換政策というものを今後進められる上においては、いま私がミカンの例で指摘をいたしましたような価格対策、流通対策あるいは外国の農産物との関係等々を考えて立案を願わないとこれはたいへんなことになりますし、政府の考えておられるような作付転換というのは、これは私は賛成できませんし、うまく進まないというふうに思うのでありますが、しかし、実際問題として、米は過剰でありますし、長期見通しにはっきりしておるように、いつまでもほっておけない問題でありますから、ことしとにかくやってみて、それから検討するのだというような、そういう私は何と言いますか、のんびりした時代では今日ないというふうに考えるわけです。したがって、今後この問題をどのように煮詰めていかれる考えなのか。この点はひとつ大臣からお聞きしておきたいというふうに思うわけです。
#91
○国務大臣(長谷川四郎君) 前回私がお答え申し上げましたのは、大体、ことしは一万ヘクタールというものも、あの時期になってどういう大計画を立ててみても、それはなかなか遂行は困難だろうというような見通しもありましたし、いずれにしても、これだけ米作というものに定着しているものを、ここで十万だ、五万だといってみても、実際、口では言えるかもしれないけれども、それが現実に行なうことができるかどうか、なさなければならないことであるけれども、まず本年度は一万ヘクタールをやってみて、その結果いろいろの欠陥も出てくる、長所、短所が出てくるだろう、そういうものを見きわめた上に立って、初めてこれに対する主産地主義なら主産地主義というものをどういうふうに今後とっていくかという、そういうような点をあらためて考えるべきであって、とりあえず本年度は一万ヘクタールをぜひ協力をお願い申し上げたい、こういうような上に立って本年度の決定をみたわけでございます。ですから、先ほどから官房長からもいろいろお話がありましたように、また作付に対しましても、これがというものばかりでなくて、いろいろなものを、つまり適地適作的なものを奨励するようにして、ひとつやってみてくださいと、そういうようなことで本年度の決定をみたということを一言申し上げておきたいと思います。
#92
○中村波男君 この生産見通しについて、私なりにこれを批判をいたしておるのでありますが、とにかく過剰であるということを前提にして、作為的に数字を合わせられておるのではないかというふうに思うわけです。たとえて言うならば、生産量について、五十二年について十アール当たり四百四十五キロに見ていらっしゃるわけですが、現在幾らになっておるか。まずそれからお聞きをして、十年後の四百四十五キロというのは過小見積もりではないか。特に、いま農林省の考えておる集約的な稲作というものを前提にし、特に稲作の適地地帯に重点を置く稲作経営というものを考えるならば、四百四十五キロなどというような生産量では、これはやはり食糧の、いわゆる外国との価格においてさや寄せをしていくというたてまえからとっても、これは私は少な過ぎるのではないかというふうに考えておるわけですが、この点いかがですか。
#93
○政府委員(大和田啓気君) 四十三年の水稲の実収は、反当四百四十八キロでございました。ですからそれに比べますと、昭和五十二年における四百四十五キロというのは多少過小に見積もり過ぎはしないかという御意見があろうと思いますが、四十二年、四十三年は何といっても大豊作でございますし、その前の年の昭和四十一年は反当にして実収四百キロでございます。四十一年四百キロ、昭和五十二年四百四十五キロというのは、十年間に約一割ほどの増収でございますから、四十二年、四十三年が大豊作であったということを別に考えますと、私どもはそれほど低過ぎる数字であるとは思わないわけでございます。この四百四十五キロということを想定いたすにつきましては、各県の試験場長でございますとか、あるいは農林省の地域試験場長でございますとか、そういう人たちの意見も十分聞いております。非常に多目に見る人は四百六十は間違いなしにいくという人もございますし、少し低目に押えますと四百三十という意見も実はあるわけでございますけれども、今後労力が相当少なくなるということも考慮して考えますと、その中の四百四十五キロという数字はそれほど過小なものではないというふうに考えておるわけでございます。
#94
○中村波男君 食糧庁長官にお忙しいところをあえて御出席いただきましたので、二、三お尋ねをいたしたいと思うのでありますが、先日の当委員会で政府の全量買い上げということにつきまして、ことしからは何といいますか、期間をきめて、いわゆる制限を期間的にいたすという趣旨の御発言があったように私は承ったのでありますが、そうだとするならば、その期限をいつごろお切りになる考えであるのかということをお尋ねしておきたいと思うわけです。
#95
○政府委員(檜垣徳太郎君) 従来も何年産米の最終の買い入れ期間というのはいつであるということはきめておったのであります。大体当該年産米は翌年の七月ないし八月でほとんど全部政府に売り渡しは終わるわけでございますので、大体従来の経験にかんがみまして政府買い入れの全量が終わる時期、そういうものを見定めまして時期をきめておったのであります。これは自主流通米との関係がございますので、やはり時期だけははっきりさしておく必要があるだろうというふうに思っておるのでございます。
#96
○中村波男君 実質的にはいままでとはあまり変わらないということでありますか。
#97
○政府委員(檜垣徳太郎君) 生産者の側から見ましては従前と実質的には変わらないということにいたしたいと思います。
#98
○中村波男君 次は、いままでの御説明によって、自主流通米というのは食管法第八条ノ二以下の規定に組み入れられて、したがって、政府の管理米の一部であるというふうに御答弁がされてきておると思うのでありますが、そのように理解して間違いございませんか。
#99
○政府委員(檜垣徳太郎君) 現在まで私どもが自主流通米の検討を進めております基本的な考え方としては、自主流通米も食管法第八条ノ二以下のいわゆる配給計画に基づく流通ということでまいりたいと、そういう意味で、流通に関する政府の管理は自主流通米にも及ぶものであるというふうに考えておるのでございます。
#100
○中村波男君 そうだといたしますと、政府管理の消費者米価の値上げをきめられる場合、当然私は政府米と自主流通米とを加重平均して食管法第四条二項に基づいて、いわゆる家計米価をこえない範囲内できめられなければならないというふうに解釈をするわけでありますが、この点いかがですか。
#101
○政府委員(檜垣徳太郎君) 第四条の第二項の規定は申し上げるまでもなく、「前項ノ場合ニ於ケル政府ノ売渡ノ価格」ということでございますから、前項――第一項の規定は、「政府ハ其ノ買入レタル米穀ヲ」――つまり政府が買い入れた米穀を八条ノ二ノ二項の販売業者または政府の指定する者に売り渡す場合に適用がされるものでございますから、したがって、「家計費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ消費者ノ家計ヲ安定セシムルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」というのは、政府が買い入れをいたしました米を売り渡す場合の価格の水準をきめる場合に配慮すべきことでありまして、自主流通米の価格の水準は、先般来申し上げておりますように、需給の動向に応じて価格の形成をさせようという筋のものでございますから、計算といいますか、計算の方式としても成り立ちませんし、食管法の政府直接管理の米による安定的な供給を受けようという方は、家計安定を旨とした価格で購入することができるということを保障するのに十分であるというふうに考えております。
#102
○中村波男君 そういう御答弁がなされるであろうとは思っておったのでありますが、しかしながら実情としては、価格こそ制限規定は設けておりませんけれども、管理米の中に組み入れて、いわゆる配給通帳にしてもその中で同じ取り扱いをするという、こういうことをしておる限りにおいては価格の面においてもやはり私は加重平均をしてその上できめることが、いわゆる当然な扱いであろうかというふうに思っておるわけです。いま長官が御説明になりましたように、食管法をそのまま読めば前項云々ということになりまして、自主流通米にはもちろん適用が及ばないという解釈は成り立つでありましょうけれども、自主流通米というものの性格が、いわゆる政府の説明によれば、うまい米を消費者が求めておるという、それをもとにして選好に応ずるという、こういう解釈があってこういうものをおつくりになったといういきさつから言いましても、当然私は加重平均をして家計米価をこえない範囲の中できめられるべきだという解釈をいたしておるのでありますが、この点についても見解の相違ということになろうかと思いまするけれども、もう一度御説明をいただきたい、こう思うわけです。
#103
○政府委員(檜垣徳太郎君) 従来からの米のいわゆる消費米価の中には何種類かのものがあったわけでございます。一つはほとんど大部分の家庭が依存をいたしております内地米そございます。さらにそのほかにより安価な米を求めるという人たちのために、徳用上米あるいは徳用米というようなものがございまして、これはいずれも政府の売り渡しにかかる米の価格でございますから、食管法四条二項の規定によりましてそれぞれ価格統制をしてまいったわけでございます。
 そこで自主流通米につきましては、先ほど申しましたように消費者の選好に応じて、消費の動向に応じて価格の形成をさせるというものでございますから、その自主流通米を選ぶか、自主流通米を選ぶ一つの動機として、価格の水準をどこまで耐えしのぶかということは、私は選好する人の責任と判断でやられるべきであって、そのことが政府として家計の安定を対策的に保障しようとする政府売り渡し米の価格の決定というものに関連づけて考える必要は私はないのではないか、これはもう法律上の問題は明瞭でございます。また経済の実態の問題としても私はその必要はないのではないかというふうに考えます。
#104
○中村波男君 次は、この十月になりますといわゆる四十三年産古米と四十二年産古々米と五百五十万トン以上の持ち越しになるのではないかという報告を受けておるわけでありますが、この過剰米対策ですね、これについて政府は具体的にどのようにこの過剰米を処理しようとされておるのかお聞きをいたしたいと思うわけであります。
#105
○政府委員(檜垣徳太郎君) 御指摘のように、いまの米の需給関係は明らかに供給過剰の状態でございまして、したがいまして、毎米穀年度、現状で推移すれば、過剰米の累積が増大してまいるということに相なるわけであります。基本的には過剰状態を解消するということのためには需給の均衡をはかる方策をとることが私は最も大事だと思いますけれども、それが容易に実現できる性質のものでないということも十分承知をいたしております。
 一つの方法といたしましては、私どもとしては広い意味での消費の拡大という意味で、国内のみならず海外に対する貸し付けあるいは援助、輸出等を考えることによって過剰の解消ということにつとめてまいりたいというふうに思っておるのでございますが、またそういう考え方から、先般契約をいたしました韓国への貸し付けというようなことも実施をいたしたわけでございます。なお今後も海外へのわが国の米の供与という問題については真剣に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 しかしながら、そのような努力をかりにいたしたといたしましても、私はやはり過剰米、なかんずく前々年産米というようなものが繰り越されるという結果に相なろうと思うのでございます。それにつきましては、一つは従来需給の関係と価格の関係とで、工業用米等で外国から普通外米あるいは砕米等を輸入いたしておったのでございますが、これらの輸入をとめまして、工業用原料としては、かりに主食としてはやや不適でございましても、利用できるものはそういうものに充当するというようなことで、国内消費に充てるということを考えてまいりたい、すぐ本年直ちにとの問題ではございませんが、私は行く行くはやはりわが国としては相当大量の飼料穀物を輸入いたしておるのでございますから、好ましいことではございませんけれども、国内産米の飼料用への充当ということも考えざるを得ないだろうというふうに思っております。
#106
○中村波男君 これはだれが責任者になりましても、こうすれば直ちに五百万トンの余剰米を処理できるというような名案はないことは私もよくわかりますが、ああしようこうしようと考えているうちに、二度目のつゆを越しまして、それがはたして一般配給米として配給できる状態にあるのかどうかということを考えると、先般予算委員会でも指摘を申し上げましたように、思い切って福精度を上げるとか、あるいは安くするとかして処分をしたほうが私は損失が少なく済むのではないか、こういう角度でこの問題を見ておるわけでありますが、いま長官が言われましたように、やむを得ず飼料にこれを払い下げるということになれば、大ざっぱに言いまして、百万トンえさに処分すれば千二百億なり千三百億赤字が増大をする、したがって自主流通米を編み出された根本原因というのは、やはり私はいまのままで放っておくと食管赤字が累増して財政的に食管制度がパンクしてしまう、だからひとつ財政負担をできるだけ軽くするためにも自主流通米制度というのを導入したと、こう見ておるわけです。しかし自主流通米を導入いたしましても、うまい米だからといって国民の消費が多くなるということは考えられないのでありますから、自主流通米がふえれば政府手持ち米というのは全量買い上げを続けていかれる限りにおいては在庫がふえるだけであって、その在庫が古米、古々米というふうに累増していけば、その赤字というのがこれまたばく大になりまして、その面から食管会計というのが、いわゆるいまの政府の考え方をもって、すれば耐えられなくなるという、こういう悪循環をひき起こすのではないかというふうに思うわけです。
 そういう立場で先般も予算委員会で御質問を申し上げたわけでありますが、七月に繰り越しますいわゆる四十一年産米は、私は百五十万トン以上になるのではないかというふうに見ておるわけでありますが、これをどう処理するかということは、これは重大な私は財政的にも問題があるというふうに思って心配をしておるわけです。したがってこれはやはり、何とかなるというようなそういう安易なお考えとは思いませんけれども、思い切って考えてみる事態であり、時点ではないかというふうに思うのでありますが、外国へ何とか出したいといってみたところで、そう簡単に出せるものでもありませんし、この間鶴園先輩から御質問があったと思うのでありまするけれども、外国へ無償で十年据え置きで二十年等量返還というような形で貸しましても、これば不良米というので、いわゆる両国間の信頼感の上に大きなみぞができるというような国際的な問題をひき起こしておるというようなことから考えましても、そういう安易な道というのはないのではないか、こういうふうに考えるのでありますが、余剰米対策の一環として大蔵省と農林省で相当検討されました結果、学校給食に使わせたらどうか、こういうことがきまりまして、文部省に対してそれを申し入れられたといいますか、要請をされたと申しますか、そういうことを新聞で拝見したことがありますが、その後の経過、見通し等についてもあわせてお聞きをしておきたい、こう思うわけです。
#107
○政府委員(檜垣徳太郎君) 御案内のように、学校給食につきましてはほとんどが小麦製品でございます。パンの給食になっておるのでございます。またパンの給食をするについては文教当局としては文教当局なりの理由があってのことであったわけでございますが、今日のような国内の米の過剰という事態になりますと、私どもとしては小国民に無理やりに米を食べてくれと言うわけにもまいらないけれども、児童あるいは父兄、学校当局が米の給食をしたいという場合には米の給食を進めるという形でそれを推進するような施策をとってほしいということを、文部当局に対しまして事務的に要請をいたしたことは確かにあるのであります。
  〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
また、必要あれば私どもも協力をするから炊飯施設等の施設助成というようなことも考えてほしいということも申し出たのでございますが、文教当局としては、米による給食というのは一部に行なわれておりますが、非常に人手を要するとかあるいは従来の給食施設の改造というような点で非常に多くの経費を要するというような問題がありますので、全面的にそういうふうな方向をとることには難点があるというふうに私ども聞き及んだのでございますけれども、現地において米による給食を進めたいという点については、文部当局としてもそれを押えるというような考え方はない、なおいろいろそういう問題点があるので、政府部内でも今後十分研究をし合うようにしようではないかということになっておりまして、それがいままでの経緯であり、現状でございます。
#108
○中村波男君 先般の予算委員会で特に四十二年産米の処分の問題で質問をいたしましたときに、大蔵大臣は、七月以降についてはさらに一%搗精度を上げまして、上げるというよりも下げまして処分すればそんなに大きな損失にならない、こういう意味の答弁があったわけでございますが、食糧庁としては、七月以降四十二年産米の消費者への配給について、一%程度搗精度を下げて処分する方針というのを固めておられるのか、さらに検討されるのか、またその程度で二度つゆを越した古々米が処分できると見ておられるのか、その点いま少しく明らかにしていただきたい、こう思うわけです。
#109
○政府委員(檜垣徳太郎君) 私も大蔵大臣の答弁を聞いておりまして、その発言内容は承知をいたしております。私どもは七月以降、つまり二度のつゆを越した日本米、国産米というのは大量にかかえた経験がないのでございまして、はたしてどんなことになるのか判断がつきにくいのでございます。ただ私もお答えをいたしたのでございますが、二度のつゆを越せば通常のつゆを越さない米あるいは一度のつゆを越した米とは食味に変化があるということがいわれておりますので、それを念頭に置けば、何らかの方法をとらなければ、配給用のあるいは食用の米としては消費者に受け入れられないであろうというふうに考えておりますので、今後十分事情を検討いたした上で措置を決定いたしたいということを考えておりまして、大蔵大臣のお考え、御発言の内容も私は一つの方法であるとは思いますけれども、そういう形でどう配給をするかというのがまた一つの問題であろうかと思うのであります。
  〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
 また一%歩どまりを下げる程度のことでいいかというお話しでございますが、これも歩どまり試験等もやってみる必要があるわけでございますし、常識的には現在の歩どまりが九〇・六七%という全国平均の歩どまりになっておりますが、さらに一%の歩どまりを下げるということになりますと、白米の形としてはほぼ搗精の限度だというふうに理解をされますので、搗精度でものを考えるならば、大蔵大臣の発言されたことは一つの理由があるというふうに私は思っております。
#110
○中村波男君 現在も一%分を値引きしていわゆる四十二年産米を処理していらっしゃるわけでありますが、実際問題として消費者の口に入りますときに、一%搗精度を下げて配給されておるかどうかという追跡調査というのはなされておりますか。
#111
○政府委員(檜垣徳太郎君) 私どもも出先きも持っておりますし、また、府県段階でも配給米改善協議会というようなところで、搗精度に疑問があったりあるいは米の混入率について疑問があったりいたしますときには、現物についていろいろ検討をいたしておるのでございます。で、多少御理解をいただく必要があると思いますのは、私どもは歩どまり率一%低下ということを前提にした売り渡しを現在いたしておるわけでございますが、期間がたちますと若干水分そのもの、そういうものの喪失といいますか、水分そのものが減ってくるというようなことから、いわゆる同じ時期に同じものを搗精をしまして搗精度何%にする、さらに一%下げるというものと期間の過ぎたものの歩どまり率を一%下げるものの間には若干の差があることは事実なんでございます。しかし、いまの段階で従来の既定歩どまり率九〇・六九がとうてい私は配給に耐えられないということで、現在米の小売り商も消費者に対するいろいろな配慮というのは一時とは非常に違ってきているというふうに私ども見ておりまして、歩どまり率について問題が起こったというようなことは聞いておりません。
#112
○中村波男君 余剰米対策というのは、直接的には現在余剰の米をどのようにして処分をし、いかにして損失を少なく食いとめるかという、こういう直接的な対策と長期見通しから見てもとにかく当分毎年毎年余剰になるということが明らかでありますから、そういう長期の上に立つ対策というのを早急に私は立てなければならぬのではないかというふうに思うわけです。先日も自民党の議員の方からの予算委員会における備蓄米制度を創設してはいかがという質問に対して、福田大蔵大臣からその必要はないという御答弁があったわけでありますが、私はこの機会にひとつ備蓄米制度を設けて、そうしていわゆる余剰米対策とし、またいかなる不作その他の異常な状態の中でも国民の食糧は完全に確保されるという、こういう立場で検討をする必要があるのではないかと、こういうふうに考えておるわけです。
 その備蓄の方法も、いままでのように玄米で備蓄するといいましたところで二年たてば味は悪くなりますし、保管には限度があるわけでありますから、やはりもみ貯蔵ないしは琵琶湖の湖の底に保管をするというようなことが実験的に立証されておるということから考えても、まだまだ私は考えればいろいろな方法があると考えておるわけです。これは思いつきの提案でありまするけれども、ほんとうにやる気になれば、全国に高速道路が延びておりまして、その地下を利用して両側にコンクリートの壁さえ設ければ相当な倉庫に転用することも可能ではないかというような、まあ、これは一つの思いつきの方法でありますが、一つの例として申し上げればいろいろ方法はあると思うわけです。したがって、もみ貯蔵をもっと計画的にそういう施設のために金を投入いたしましても、玄米で保有をし、その損失度を計算に入れればこれは私はいわゆる安くあがる、財政的にも決して損の方法ではないのではないかと、こういうふうに考えておるわけです。これは相当政治的な決断を要する一つの施策だと思いますので、大臣もひとつこういう点について全く一考に値しないような私の意見かどうかお聞かせをいただきたいと、こう思うわけです。
#113
○政府委員(檜垣徳太郎君) 大臣の高度の御見解は、あとでお願いをすることにしまして、保管の方法については私どもいろいろ研究を現に始めておるのでございます。現在まで技術的に明らかになりました点は、米は御案内のように十五度以下の気温のもとでは虫害の発生も、それから米の古朽もほとんどないということで、長期保管に耐えるし、食味の変化がないということははっきりいたしております。これについては農林漁業金融公庫からの低利長期の資金を供与するということで、昨年から引き続いて実施をいたしております。また、湖底等の温度の変化の少ないところで本年から実験に入るわけであります。また、大臣からの御指示もありまして、白米の表面をコーティングするコーティング米の研究もこれから始めるつもりでおります。いま御指摘のありました高速道路の下というのは、これは実は一つの発想であると私も思うのでございますが、米の貯蔵庫につきましては、できる限り外部からの影響の少ない形態のものでなければいけない。表面をアスファルト塗装いたしておりますような、いわば屋根がアスファルト塗装されているような高速道路の下で温度が一体どうなるのか、また貯蔵量に対して両面壁でございますから、容積あたりの外壁の受熱面積の大きさが大きいというような点も、これは技術的にも非常に問題があろうかというように思いますので、そういう問題のあることだけを私は御参考に申し上げておきたいと思います。
#114
○国務大臣(長谷川四郎君) 私も米がいかに過剰していても、備蓄という点については、これはやるべきではないだろうか、こういうような考え方を持っておりまして、そうしてそのただ備蓄方法というものをどうやるか、したがって、米は精白されると、大体精白日から三週目くらいから食味というものは逐次ダウンしていくというようないろいろ話も承りましたけれども、玄米で置く、あるいはもみで置くというのならば、またおのずからその貯蔵方法は違うというようにも言われております。いずれにいたしましても、御指摘のように何らかの方法をもって、そうしてわが国独得なやはり米なんでございますから、その米の貯蔵という点については一段と研究をし、そうしてその目的が達せられるような方途を切り開くべきである、このように考えていま長官が言われましたように、目下いろいろな角度から研究を進めさせているところでございます。
#115
○中村波男君 大体時間が来たようでありますから、もう一問か二問お尋ねして本日は終わりたいと思いますが、長官、今度自主流通米の中に酒造米を組み入れたわけでありますが、いままでは政府がコスト価格で貯蔵米は払い渡しをしておったわけでありますが、自主流通米に変わりましたことによって従来のコスト価格よりも確かに私は上がるんじゃないかというふうに思うわけです。そうなりますと酒屋さんからいえば、今度はやはり酒の値上げということに結びついてくるのではないか、これは物価問題としても今後問題を残すのではないかというふうに心配をしておるわけです。こういう現実が必ずくるんじゃないかというふうに思っておるわけです。したがって自主流通米にいたしまして、従来のコスト価格で酒造米というのはいわゆる実勢価格として動くと見ていらっしゃるかどうか、この点ちょっとお聞きしておきたいと思います。
#116
○政府委員(檜垣徳太郎君) 非常にこの答弁はむずかしいのでございます。むずかしいといいますことは、自主流通米の価格、自主流通米として動く酒米の価格に生産者側、需要者側にある予断を与えるということも私非常に問題があろうかというふうに思いますので、微妙であるということを申し上げるわけでございます。現在も御指摘のように酒米についてはコスト価格で払い下げておるのでございまして、したがって、私ども考えております自主流通米としては最も軌道に乗りやすい性格の米である。
 そこで、それでは現在の政府の払い下げ価格の水準で流れるかどうかということでございますが、政府のコストの中にはこれは自主的に流通をさせれば、あるいは必要がそれほど大きくないというコストも入っているはずでございます。たとえば私どものコストの中には二万七千数百人の職員の給与その他の事務費もすべてかぶってもらっているのでございます。したがって必ずその水準で流れる、またどういう米もすべてそういう水準で動くというふうに申すことも、これまた事の性質上適当でございませんが、私は自主流通米として酒米が流れる場合、現在の価格水準から大きく変動するというようなことはないだろうという考え方に立っております。
#117
○委員長(任田新治君) 本件についての質疑は、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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