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1949/04/12 第5回国会 両院協議会・合同審査会等 両院協議会会議録情報 第005回国会 両院法規委員会 第3号
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1949/04/12 第5回国会 両院協議会・合同審査会等

両院協議会会議録情報 第005回国会 両院法規委員会 第3号

#1
第005回国会 両院法規委員会 第3号
昭和二十四年四月十二日(火曜日)
   午後二時八分開議
   〔参議院両院法規委員長藤井新
一君が会長となる〕
 出席委員
   衆議院両院法規委員長
           高橋 英吉君
           尾関 義一君
           佐瀬 昌三君
           藤枝 泉介君
           眞鍋  勝君
           鈴木 幹雄君
           田中不破三君
           林  百郎君
   参議院両院法規委員長
           藤井 新一君
   理事      新谷寅三郎君
   理事      伊東 隆治君
           田中耕太郎君
           松村眞一郎君
           大野 幸一君
           羽仁 五郎君
  委員外の出席者
   衆議院法制局長 入江 俊郎君
   参議院法制局長
   (第一部長)  奧野 健一君
   参議院法制局参
   事       今枝 常男君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
 参議院議員選挙に全國区制を存置す
 る勧告案
  ―――――――――――――
#2
○會長(藤井新一君) ただいまより開会いたします。
 参議院議員選挙に全國区制を存置する勧告案について、審議を続行いたします。お手元に配付してある案でございますが、この勧告案について質疑のあるお方は御発言をお願いいたします。
#3
○委員(佐瀬昌三君) 内容の個々についての質疑は別の機会に讓つて、この改正案の取扱いについて、簡單に私の意見を申し上げてみたいと思います。
 選挙法の改正が、政府、國会、関係方面で問題になつている際、法規委員会として一つの勧告案をつくろうということは、非常に当を得たことと思いますが、ただこの勧告案の骨子をなしておる参議院議員選挙の全國区制の存廃問題については、きわめて性質上重大な関係があると思われるのであります。私どもは現在のこの全國区に、立法当初問題になつた職能代表というものを、そこにどう加味するか、あるいはその趣旨を徹底する上においては、さらに全國区をブロツクに地域的に制約する必要があるではないかというようなことも、この場合考えるべき点ではないかと思うのであります。のみならず、その他の点についても、きわめて重要な関連があるので、單にその点だけを取上げて勧告するというだけでは意味も徹底しない。相当廣範囲にわたつて、総合的に改廃を考えるということでなければ、せつかくの企てもその意味を失うと思われるので、本日ただちにこの問題を決定するというような、いわば性急なことはせずに、いま少しく時間をさいて愼重審議、法規委員会として案を練られる必要があるのではないかと思うのであります。これを各委員に対してお諮りを願いたい。
#4
○會長(藤井新一君) ただいま佐瀬委員から、全國区制の存置には賛成であるが、それにちなんでブロツク制を置いてやるとか、あるいは職能的に研究すべきものがあるのではないかという御発言がございましたが、これに対しまして委員会は今後どういう態度をとりましようか、どうですか。どなたか御意見ございませんか。
#5
○委員(田中耕太郎君) ただいま佐瀬委員からお話がありました。もちろん選挙法全体に関係がある問題で、これだけを取上げて、この際勧告するというのは、その点において周到ではないということは確かに言えると思います。ただそのほかのいろいろな観点から選挙法というものを檢討して勧告するということになると、選挙法全体の改正案を法規委員会でいたさなければならない。これはなかなかたいへんなことで、早急にはできかねる。この選挙区の問題は、性質上参議院の特に全國区議員の立場から見ると、相当に緊急な要望でもある。でありますから、理論的には、この問題だけを取上げるというのは片手落ちのように思えるけれども、実際の問題として、またこれが今までの選挙には全然なかつた新たな制度で、世間もこれについて賛否両樣の意見があるというようなわけだから、事柄を性質的に取上げても、片手落ちの点も、それほど批評するようなものではないじやないか。取上げること自身について、もつともだというふうに一般には思いはしないかという氣がするのです。ですからこの実質の問題に立つていただいてもいいんじやないか。問題はこれが各会派において相当に討議されて、その会派の意見がこの委員会に反映する期間が十分であつたかどうかということであります。しかしこれもあまり長くなつていいというわけに行かないという事情もありますから、本会議中にこの問題の片をつけておかないと、やはり次の選挙にも心構えの点から考えてみても、少しおそきに失するのではないかということも考えられるわけです。從つて、大体各会派の空氣を察知して、今日とはいわずとも、早い機会においてこれをおきめ願うということもさしつかえはないのじやないかというふうに考えます。
 それから職能代表的の要素も、問題になつて來るとなかなかむずかしい問題です。職能代表精神をこの選挙法の改正に盛り込むかどうかということは、これは非常に問題が大きくなる。全國区制を採用する際に職能代表制をはつきり表わさなかつたのは、職能代表そのものが全國的には成り立ち得るので、それで全國区制で職能代表的の考慮も頭に入れて選挙民が選挙するだろう、また自然に職能への要素が入つて來るだろうというふうな意味において、この全國区制が採用されたんじやないかと思うのです。そういう点においては、ある職能、職域の方面においては、まるで代表者を出していない、他の職域の方面においては非常に代表者が出過ぎておるというようなおそれも確かにあります。それからそのほか職能代表的な見地からいえば、いろいろ不完全であるといえましようけれども、職能代表の意味を完全に遂行するためのプランを今度立てるということになれば、これは技術的に非常な困難な問題がたくさん起つて來るでしようから、この問題は私としては切り離して、職能代表的な考えを制度上繰り込むというようなことから、この問題を離して考えていいじやないかというふうな氣がいたしておるわけであります。ちよつととつさに思いつきました点だけ申した次第です。
#6
○委員(田中不破三君) この選挙法の改正につきましては、いろいろとこの委員会としても勧告すべきものというふうな案が、それぞれ出て來るんじやないかと思いますけれども、あるいはこの全國区制の問題は差迫つてことに大きな問題だから、第一に取上げられたのかもしれませんが、この会議で審議いたしまするやり方といたしまして、今度の選挙法の改正についての意見を勧告の形で次々とそれぞれ出されて行くのがいいのか、まとめて出して行く方がいいのか、また全國の選挙区の問題は特に緊要だから最初にこれを取上げたんで、あとは選挙法全体として勧告することにするのか、こういう点の方針がこの委員会としては、まだきまつていないというふうにも思われるんですが、そういう点はどういうふうになつておりましようか。
#7
○會長(藤井新一君) ごもつともでございますが、この問題は去る三月八日の朝刊でございましたか、読賣新聞に全國区制を廃止し、勅選議員をつくるとか、ブロツク制にするとかいうような記事が出たので、はたしてそれが政府の案であつたのか、あるいは全國選挙管理委員会の案であつたのかはしりませんが、それを確かめるために、参議院の方では重大な案件でございますから、当局者を呼んだのです。その結果政府も全國選挙管理委員会も知らない、これは新聞記者がかつてにつくり上げたものであるということを申されましたけれども、世間はそうは許さぬ、世間はやはり全國区はもうないもののように考えておる。そこで参議院の中で三年制議員で來年度に選挙する人には、非常に重大な問題となつて來た。そこへもつて來て民自党においても選挙法改正委員会ができましてわれわれも委員ですが、いかにすべきかということを目下やつております。選挙法改正にあたつて、最も大事なのは選挙区制である。区制をまずどうするか。たとえば参議院の全國区をどうするか、衆議院は小選挙区でするかせぬかということが前提條件である。これをきめてから選挙法を改正しようというのがわれわれのねらいである。そこで参議院の地方行政委員会においてもこれを取上げておりますけれども、まず全國区をどうするかということが問題なんです。この際できれば選挙法改正は衆議院の特例法にちなんでやつて行けば樂ではないかという意見が、現在では強いんです。そこでまず区制をひとつ檢討してここでこれをきめて行こうという考えから、これが今度の区制の問題となつたのであります。われわれは單に全國区制を置いておくがいいとか惡いとかいうのではなくして、これは目前に迫つている問題であるから、一刻も早くという信念からこれを提案している次第であります。
#8
○委員(田中不破三君) そうなると、選挙法の改正問題につきましては、この区制の問題につきまして一應これだけを最初にお取上げになるが、あとのいろいろ改正すべき要点等についても、もし勧告をいたすならばそれは大体一括してやりたい、これだけが一つ取上げられた、こういうふうに了解してよろしゆうございますか。
#9
○會長(藤井新一君) 田中委員に申し上げますが、この問題については衆議院の高橋委員長ともまだ相談をしておりませんが、田中委員からの御発言があれば委員長とも相談いたし、この委員会にかけて本日どうするかということもここでお諮りいたしたいと思います。まだ私は何も考えておりません。ただ区制だけを取上げて行こうという考えだけは持つております。
#10
○委員(田中不破三君) 先ほど民自党の委員の方からもお話がありましたように、これ以外にもまだ重要なものはございましようけれども、それをぽつぽつ取上げて行くのでございましたならば、これをひとつ切り離して先議するのもよろしいかと思います。とにかくこの問題だけは先議して、あとは將來に残して一括してやるという方法もございましようが、民自党の先ほどのお話に対しても、一應そういうような区別をつけておく方針を明らかにして行く方が、よろしいんじやないかと思います。
#11
○會長(藤井新一君) ただいま田中委員からこの選挙区制と残余の法規をいかにすべきやという課題が発言されましたが、われわれ委員会はこの選挙区制以外の問題をどう取扱いましようか。ここで案をつくつて勧告するようにいたしましようか、いかがでございましようか。
#12
○委員(鈴木幹雄君) 今問題になつておりますのは、参議院議員の選挙法が問題になつているわけでありますが、参議院議員の選挙法が衆議院議員その他の選挙法と異なる一つの大きな点は、選挙区の問題だろうと思います。この全國区の各府縣の区域を認めたところの選挙区の問題だけが、参議院としてほかの選挙法と区別される大きな点である。それで私は参議院議員選挙法の問題は、選挙区の問題だけを取上げて考えて行きまして、他の選挙運動であるとか、選挙の費用であるとか、その他実体に関する問題は衆議院選挙法として考えればいい問題だろうと思うのであります。それは衆議院選挙法というものが、過般の総選挙の結果によつても檢討の余地があるし、また新聞紙上に傳えられるところによれば、地方の案というものも全國選挙管理委員会でもできたように聞いておりますが、この問題は法規委員会として取上げていい問題ではないか。問題を二つに考えて一つは参議院議員の選挙法における選挙区の問題をどうするかという問題と、もう一つは衆議院参議院全部を通じました選挙法というものをどう改正して行くか、この二つの問題を取上げて、法規委員会で勧告すべきものは勧告するというようなことにしたらどうだろうか。これは私の意見でありますが、これを申し上げます。
#13
○會長(藤井新一君) ただいま鈴木委員から衆議院、参議院の選挙法を一本にまとめるような案をつくつて、勧告してはどうだろうかという御発言がございましたがいかがですか。
#14
○委員(新谷寅三郎君) 今の御発言の通りで私もけつこうだと思いますが、ごく事務的に申し上げますと、両院法規委員会というものの性質から、各常任委員会との関係を相当愼重に考えなければならぬ点があると思います。現に他の常任委員会におきまして立案をしているもの、あるいは政府側から提案があつて現に審議しているもの、そういつた事柄に対しまして非常に重要な國政に関係する問題であれば、もちろん両院法規委員会は権限を持つておりますから、審議することもけつこうであります。しかし各常任委員会における活動を制約するような勧告をするということにつきましては、各常任委員会としての関係において、あまり好ましくない場合もあるということを考えねばならぬと思うのであります。それで権限から行きますと、もちろん今お話のような重要な要点だけでも勧告してはどうかということはけつこうだと思いますけれども、各常任委員会における立案の状況とか、審議の状況を見た上で、それとにらみ合せてやりませんと、実際上、勧告してかえつて結果が惡くなるというようなことが、從來しばしばあつたものですから、この点も考えながら処理したいと思います。
#15
○委員(佐瀬昌三君) 大体私が先ほど申し上げた趣旨を、各委員も非常に各角度から敷衍して意見を述べられたように拜聽しておりますが、要するに内容については、参議院そのものの憲法上の地位とか、從つてその特性を発揮するような選挙法というものでなければ、二院制度を置いた趣旨も貫徹されない。しかるに現在の選挙制度の上から見ると、そういつたような特殊性というようなものが、少くとも参議院について発揮されていないじやないかという、きわめて根本的な本質論があるわけです。私どもはそういう点も考えて今度の参議院議員選挙法の改正について勧告するならば、非常にそれは意義のあることである。こう考えるので、從つて選挙区制という点も、もちろんその意味においと重要な論点になるんですが、その他にもきわめて関連したもので同時に処理されなければならないというふうに思われる点もあるのと、それからまた一方においては先ほどどなたからか言われたように、いろいろな選挙法が改正される。特に衆議院議員の選挙法についても、最近非常な改正の論議が発展しておるというようなところから見ても、これを統一的に、なるべくならば國民を選挙にならすという意味から見ても、選挙ごとに選挙法が違つたのでは非常に迷う、ということで、実際論から見ても、私はそこにできるものなら大きく統一するということがいいじやないか。こう考えるので、先ほど申しましたように、あまり性急にこれだけをピツクアツプして処理するというのではなくして、綜合的になお檢討する、そうして一應まとまつたものを勧告案として出すという方が、非常に法規委員会としての権威ある勧告案になるんじやないか、こう考えるので、皆さんの御意見をお伺いしたような次第であります。
#16
○委員(大野幸一君) 佐瀬委員は前会お出になつておつたかどうかしりませんが、前会の委員会のときには、この問題について参議院側から切実なる希望がありました。そこで民自党のお方たちの議員の間でも、まず参議院のことであるから、なるべく参議院側でこの案をまとめるべく努力して、そこで十一日に民自党のこれに関する話合いがほぼまとまるであろうから、なるべく両院いわゆる全員一致で議決した方がいいだろう、こういうお話がありまして、日本に特越されたのであります。御発言の全趣旨から見ますると、まだ民自党においても、前委員会に出席せられた委員のお氣持と違つて、党として異論があるように御推察いたしますが、元來法規委員というものは、まず超党派的で、委員の正常なる判断からおのおの議論をし盡して、党に拘束されない立場にあつてこそ、この両院法規委員会が権威あるものと私は考えるのであります。こういう意味におきまして、特に私」人を除けば他の両院法規委員のお方は、ともに党内においても学識経驗すべてにおいて優秀な人だと私は考えます。そうして至高至平の最も誠実なるお方だと思いますから、これについてもひとつ御信頼いただきたいと思うのであります。從つて前会の御意向と本日佐瀬委員の御発言とはまた隔つて來たように考えます。私たち参議院議員におきましては、できることならば参議院の選挙法のことであります。二百五十人定員のうちに百名は全國区から選出されているのでありまして、先ほど田中耕太郎委員から御発言がありました通り重大なる関心を持つておる。こういうやさきにおきまして、かつて藤井委員長が政党資金規正法のときに参議院側からの質問に対して、衆議院側は、まずこのことは衆議院の関することである、参議院のことは参議院にまかすから、これは衆議院の方に同意してくれという発言もあつたし、衆議院議員の総選挙に参議院議員は現職のままでは立候補できないと改正されたときに、参議院議員選挙のときには衆議院は衆議院議員現職のまま立候補できるという矛盾があつたが、それは参議院議員選挙法は参議院で改正するときにしかるべくやるであろう。それはいわゆる参議院側にまかせておいてはどうかというような意味におきまして、奇妙なことには現在参議院議員に立候補される場合には、衆議院議員は現職のまま立候補できるのでありまして、衆議院議員に立候補する場合には参議院議員は議員をやめなければならぬ、こういうようなことに相なつておるのであります。どうかこの点なんかも、私はなるべくならば、昔の貴族院令のごとく、同じ性質だとは決して考えませんが、参議院側八人の委員は、すべてこれに対して同意しているのであります。そういう点をひとつ御考慮くださいまして、すみやかに賛成していただきたいと思うのであります。
 もう一つ申し上げれば、選挙法はよくいろいろ党利のためにかえられますが、しかし短き経驗からしましても、終戰後第一に改正になつた衆議院議員選挙法のときには、社会党が非常に反対いたしました。しかし民自党はこれを押し切つてやりました。その結果は民自党が負けた、こういうことになる。今度の選挙ではむしろ與党であつた社会党、民主党が非常に自党に有利なものと考えて選挙法を改正しましたけれども、これまた予想に反して負けた、こういうことであります。決してこの選挙区、選挙法というものを多数党の当時に自党に有利なように改正しても、これはむだであるということが、過去二回にわたつて証明されているのでありまして、一回やつて見た結果、この参議院議員選挙法に対しては、別に非難もなく、さしつかえないといつて大多数がその欠点を認めていないのである、こういう意味におきますることと、もう一つは何といいましても、この両院法規委員会はきわものといいますか、時期に適して勧告しなければならないのであります。その意味におきまして、最も関心を持つている、まず全國区を廃止するかどうか、こういう意味においては、早くこれを両院に発表し、そうして天下に発表するということが私は適当だと思います。こまかい選挙法改正については、各地方行政委員会あたりで、すでにやつているようでありますけれども、両院にまたがつた大きい問題を発表するということは非常にいいだろうと思うのでありまして、こういう意味におきまして御協議願いたいと思うのであります。藤井会長にもこの間この問題について幸いにウイリアムス氏との間の話があつたようでありますから、この点について藤井会長から率直に会見の模様を全委員に傳えられてはどうかと私は考えるのであります。
#17
○會長(藤井新一君) ただいま大野委員からの御要求でありますが、昨日私は高橋委員長とともに司令部を訪問すべく予定をしておつたところが、高橋委員長は御病氣のために行かれないので、私と渉外課の通訳者と二人が司令部に参りまして、ウイリアムス博士に会つて約一時間ばかり種々の問題について意見をとりかわしたのであります。その中で参議院議員選挙に全國区制を存置するという問題について、両院法規委員会は、しばしばいろいろな勧告をしたけれども、こんなりつぱな勧告案はかつて見たことがない。今までの勧告案の中でこれはベスト・ワンであるということを強く述べられまして、かりにブロツクになつてもそれは意味がない。参議院の性格からいうならば全國区をどうしても置かねばならぬ、これが参議院の特徴であるというような意見を明確に述べられました。これがありのままの話なのです。ほかにも話がございましたがほかの問題は別個といたしまして、区制について以上の発言がございました。
#18
○委員(尾関義一君) 私は前回の委員会におきまして、速記をとめられた間の話におきまして、当日委員会において、全國区制を存置するという決議的なことは次会まで見合せてもらつてはどうか。というのは、十一日には民主自由党の選挙法改正委員会がありますので、幸いに会長の藤井さんもその委員でありますがゆえに、党においては委員会におきましても、いろいろ議論がわかれておりますけれども、私一個の見地から見れば全國区制を存置するということは、今一回は存置するが妥当であろうという信念を持つておると同時に、そういう考えの選挙委員もたくさんございますがゆえに、できれば選挙委員の意思を大体存置の方に持つて行きたい、そういうことになりますれば両院法規委員会の決議に対しても、自分としても非常に力強いというような観点から、この決議を次会まで見合すようにということを申し上げた次第であります。しかしながら十一日の委員会なるものは、ただいま申しますように、選挙法改正の委員会でありまして、党全体のいわゆる代護士会でも何でもないのであります。中にはもちろん全國区に反対せられるお方も相当あるようでありまするが、しかし客観的情勢から私の判断するところによりますと、この存置の問題だけは、多数の意思は私と同様な考え方であるように推察しているのであります。現在においても全國区存置に対する私委員としての意見は、賛成でありまして反対ではございません。從つてこの委員会における意見の発表は、党の決定した意思によつて発表したものでなく、私一個の委員としての立場より発言しているのであります。おそらく佐瀬委員の言といえども、党の意思を代表せられたものではありますまいと私は考えます。佐瀬さんは佐瀬さん一個の見解としての議論でありまして、この意見があつたがゆえに、われわれが党の意思に左右せられて両院法規委員会の権威を云々されるようなことは絶対にありません。さように仰せられたわけではないと思いますけれども、大野委員の今のお言葉の中には、いささか前会はこうであつたのに党の方が云々というお言葉がございましたが、その点は問題はありません。ただ言われるがごとく、両院法規委員会の議案として、單に全國区の全廃の問題のみを取上げて勧告するのが是であるか、あるいは選挙法改正の他の部分にも触れて総合的にこれを勧告すべきが是であるかという一点にあるということであります。あるいは全國区制その他の存置の問題についても、佐瀬委員は必ずしも賛成とははつきり意思表示をせられたわけではございませんが、いずれにしても両院法規委員会の立場としては、全國区制の存廃問題のみでなく、他の点にも総合的に触れて、ある程度の事項を個別的に指摘して勧告したらどうかというお考えのように私は承つたのであります。ゆえに委員諸氏において多くが田中委員のおつしやる通りにこの際は全國区制の存続問題についてのみの勧告に限定しておくがよかろうという意思でございましたならば、これはまた別であります。私はいずれでもかまいません。同時に他の委員が、またその多くが、全國区制の存廃のみに限らず、他の問題まで審議して総合的に勧告するがいいというお考えであつたならば、それはまた私は反対するものではありません。腹藏なき御意見を拜聽いたしまして、そのいずれかに決定したいと思うのでありますが、ただ断じて党の意思を代表しているまでに至つておりませんと同時に、さようなことによつて自分の見解が左右せられたものでないということだけを申し上げておきます。
#19
○會長(藤井新一君) 速記をとめて……。
   〔速記中止〕
#20
○會長(藤井新一君) 速記を始めて……。
#21
○委員(鈴木幹雄君) 私は大体本日議題になつている全國区制存置に関する勧告案は、先ほど申し上げましたような意味において、これだけ切り離してやるということに賛成をいたします。ただ事柄が唐突に現われて來ますことは、一般の者から見ますと、いささか不審にたえない節もある。今私説明を聞いて大分政治的の考慮といいますか、そういうようなこともしんしやくすべきであろうというようなことから來た理由というものを承つてみますと、なるほどこういうことも必要であろうという感じもいたしますが、私は法規委員会としてはそのあり方、動き方というものは政治的色彩を持たないで、きわめて純粹の立場で行つたらいいじやないか、こういうことを考えている一人であります。さような意味からいたしますと、この勧告案において参議院議員選挙法の選挙区制の問題として、どういうあり方であるべきかという建前から行つたらどうだろうか。全國区制の問題と、現在は府縣の区制の問題と両方ありますが、この両方とも維持すべきものであるというふうな書き方にして、政治的色彩をきわめて薄くしたらどうか。つまり参議院議員選挙法に関しては、選挙区制は現行法通りでいい。憲法の條章に照しても、これは妥当なものと認める、こういうふうなことを勧告案としたらどうかということを希望として申し上げます。
#22
○會長(藤井新一君) 鈴木委員に申し上げますが、あなたの御意見はこの中に盛られております。
#23
○委員(鈴木幹雄君) それは私は盛られていないとは申し上げません。私の意見は入つております。意見の通りだといつてもいいのでありますが、ただ動樣がそういう政治的の動機からであると、この書き方が私はいささかそういう点から見ると欠けておるんではないか、こういう感じがするんです。私はもつて冷靜の立場で、政治的考慮を拂わねばならぬという立場から、この勧告をするというふうな行き方の方が、両院法規委員会としては妥当ではないかという見解なんです。
#24
○會長(藤井新一君) 速記をとめて……。
   〔速記中止〕
#25
○會長(藤井新一君) 速記を始めて――別に御発言もないようでございますから、ただちに討論に入りますが御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○會長(藤井新一君) 御異議ないものと認めます。御発言のお方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#27
○委員(鈴木幹雄君) 私は本案の趣旨には賛成であります。ただ法規委員会の性格、あり方という点から考えまして、純粹の、政治的考慮というものを含まないで、その立場から論じてみて勧告すべきが、両院法規委員会の性格であろうと存じます。さような意味から考えまして、現行選挙法におきましては改正すべき点も多々あろうと思いますが、参議院議員選挙法における一つの大きな問題としては、選挙区をどうするかという問題がある。そこで問題となるのは全國区制の問題でありまして、本案はその区制を維持すべきであるとしております。しかもまた参議院の憲法における地位からいたしまして、またその特色を発揮する上からいたしまして、全國区制というものを存置するがいいと考えているのでありまして、勧告案といたしましては、私は今日の参議院議員選挙法の選挙区制というものは、現行法において全國区制と府縣区制とを認めておりまするが、この選挙区制というものは現行法によるのを適当であるという意味の勧告案になすつたらどうかということをつけまして、賛成をいたしたいと思います。
#28
○會長(藤井新一君) ほかに御発言はありませんか。
#29
○委員(藤枝泉介君) ただいま鈴木委員から御発言がありましたが、私もその趣旨において賛成したいと思います。すなわち参議院の特殊性、いわゆる二院制度を維持する上から行きまして、参議院の選挙区制が全國区と府縣区にわかれておりますことは、現在の状態といたしましては適当ではないかと思います。そういう意味で参議院議員選挙法の選挙区制は現行法の通りに維持することが妥当ではないかというふうな意味におきまして、賛成いたしたいと思います。從いましてこの勧告案の要旨につきましては、ただいま鈴木委員が御発言になりましたようにその意味を盛つた勧告案にしていただきたいという意見を申し上げました賛成いたします。
#30
○委員(田中不破三君) 私も参議院の性格からいたしまして、本案に賛成をいたすものであります。ただ現在におきましては、この選挙区制の問題のみならず、選挙法の全般にわたつての改正が考慮されているときでございまして、この法規委員会におきまして突然としてこの選挙区制のみの勧告案をいたすというのは、いかにも法規委員会が選挙法全般にわたつての関心と申しまするか、重大なる関心を持つていないかのごとき感を、この案では受けるのでございます。その点から見ましてこの事句をいささか修正しまして、法規委員会においては、さらに選挙法の改正について、將來重要点についての勧告をすることがあるというふうな意味の表現を入れていただいたならば、けつこうではないかと思うのでございます。そうして、できるならばこの字句につきましては、委員長に御一任を申し上げたいと思うのであります。
#31
○會長(藤井新一君) ほかには御発言はございませんか。――別に御発言もないようでありますから、討論を終結いたします。
 ただちに採決いたしますが御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○會長(藤井新一君) この勧告案について御賛成の方は、挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#33
○會長(藤井新一君) 総員挙手。全会一致でございます。よつて本案は全会一致をもつて可決されました。両院法規委員会規程第二十條によりまして勧告の要旨、及びその理由を付し、案を添えて文書をもつて各委員長から、衆参両院議長に提出することにいたします。
 なおただいまの御意見によつての字句の修正は、委員長におまかせを願います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○會長(藤井新一君) この案につきましては各委員から絶大なる御援助を得たことを感謝いたします。
  ―――――――――――――
#35
○會長(藤井新一君) 林委員が見えておりますが、非日活動委員会に件について法務委員長をお呼びしてあつたんですが、あなたがおいでにならなかつたために、伊藤委員長はお帰りになりました。
#36
○委員(林百郎君) それでは次会にひとつお願いいたします。
#37
○會長(藤井新一君) 林委員からただいま御発言がございましたが、非日活動委員会についての伊藤法務委員長の説明を次会にということでございますが、いかがでございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○會長(藤井新一君) それではさようにいたします。
 もう一つお諮りいたすことがあります。衆議院議員の任期と選挙期日に関する件でありますが、これは参議院議員選挙法第九條、第七十條及び憲法第四十六條によつて、問題の解決がなかなか輻湊しておりますので、この問題については、次会で御審議いただきたいと思いますが御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○會長(藤井新一君) それではさようにいたします。
 本日はこの程度で散会いたします。
   午後三時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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