くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第061回国会 農林水産委員会 第16号
昭和四十四年五月九日(金曜日)
   午後一時五十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         任田 新治君
    理 事
                宮崎 正雄君
                達田 龍彦君
                矢山 有作君
                藤原 房雄君
    委 員
                河口 陽一君
               久次米健太郎君
                栗原 祐幸君
                小林 国司君
                櫻井 志郎君
                田口長治郎君
                温水 三郎君
                森 八三一君
                和田 鶴一君
                足鹿  覺君
                杉原 一雄君
                武内 五郎君
                鶴園 哲夫君
                中村 波男君
                沢田  実君
                河田 賢治君
   政府委員
       防衛庁長官官房
       長        島田  豊君
       外務政務次官   田中 六助君
       外務省アメリカ
       局長       東郷 文彦君
       林野庁長官    片山 正英君
       水産庁長官    森本  修君
       運輸政務次官   村山 達雄君
       海上保安庁長官  河毛 一郎君
       海上保安庁次長  林  陽一君
       消防庁長官    松島 五郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
   説明員
       防衛庁防衛局運
       用課長      安田  寛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (日本海における漁船の安全操業に関する件)
 (林野庁の定員外職員に関する件)
 (岩手県下における山林火災に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(任田新治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#3
○委員長(任田新治君) 速記を始めて。
 暫時休憩いたします。
   午後一時五十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時五十五分開会
#4
○委員長(任田新治君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 農林水産政策に関する調査を議題といたします。
 まず、日本海における安全操業に関する件について調査を行ないます。
 質疑のある方は御発言願います。
#5
○達田龍彦君 今回の米軍機の撃墜事件に伴う日本海を中心とする海域の安全操業と船舶の安全運行について若干問題点がございますので、政府当局の措置と当面の対策について基本的な問題についてまずお伺いをいたしたいのであります。
 若干国会の取り上げるタイミングとしてはおくれたきらいがあるのでありますけれども、昨日の新聞によりましても再びエンタープライズが日本海に入ったという報道も伝えられておる状況にあるのであります。しかも今日の状況からこれらの問題を展望するときに、短期的、一時的なものでなくて、かなり長期的な立場でアメリカ艦隊をはじめその他外国の艦隊が日本海に多く軍事的な行動が行なわれるという展望があるわけでありまして、そういう意味で今日の日本海を中心にする日本漁船の漁業操業の安全とそれから日本船舶の航行の安全について、私は短期的な、一時的な対策ではなしに、長期の展望に基づいた対策が今日望まれる段階にあると考えておるのであります。さらにまた新聞その他の情報によりますと、いま直ちに直接的な漁業操業に対する被害が直接的には出てないような状態になっておるのでありますけれども、私が今回、私は長崎県でございますから、特に壱岐、対馬の漁業者等に対するいろいろ今日の安全操業問題について実情を現地でつぶさにただしたところによりますと、この安全操業を行なうについての問題点がいろいろ出てまいっているのであります。
 そこで、そういう観点から特に、この安全操業確保の上からは水産庁、さらには運輸省あるいは海上保安庁、さらに防衛庁、外務省等で総合した対策が今日望まれるわけでありますので、それらの問題を各省の立場からまず私はお尋ねをしておきたいと思うのでありますが、まず、この安全確保のためにいま申し上げた水産庁と、それから海上保安庁または運輸省の一般船舶の航行に対する安全運航の問題、さらには防衛庁、これらのところがいかなる対策をまずおとりになったのか、順次ひとつ今日までの対策について御説明いただきたいと思うのであります。
#6
○政府委員(村山達雄君) 海上保安庁のとりました措置について御報告申し上げます。四月十五日、米軍機墜落事件が発生いたしまして、外国の船艇の捜索活動が行なわれましたので、海上保安庁といたしましては第七、第八管区海上保安本部に対しまして、漁船の安全指導に特に注意を払うよう直ちに指示をとりました。
 二番目には、四月二十一日朝、空母を含む艦艇が日本海に入ったことが確認されましたので、関係のある漁業協同組合、漁業無線局及び出漁船に通報いたしまして、注意の喫起を行なうとともに、特に出漁船の多い日本海南西海域に通常の巡視警戒のほかに、さしあたり巡視船二隻を常時配備いたしました。また、航空機による哨戒も実施いたしまして、漁船の安全指導に当たってきたのでございます。
 その三は、四月二十六日早朝より二十七日にかけてのことでございますけれども、空母を含む多数の艦艇が対馬海峡を南下し、黄海方面の海域に移動したことが確認されましたので、以後、黄海方面における特別哨戒のための巡視船を二隻に増強いたしまして、漁船の安全指導に当たってまいりました。その後、黄海方面海域には空母を含む数隻の艦船が行動しておることが判明いたしましたので、現在は出漁状況、出漁船の性能等を勘案いたしまして、済州島付近に巡視船一隻を配備して漁船の安全指導に現在当たっておる状況でございます。
 そこで、注意の喚起その他の内容でございますけれども、先ほど申しましたように、漁船に対しまして、同時にアメリカ側の艦艇に対しまして、わがほうの漁船がこの地域に何隻ぐらいいるかということを明らかにいたしておるところでございます。そうしてまた、わがほうの漁船に対しましては、現在アメリカの艦艇のこういうものがどこの地点にいるかということをまず知らせております。これによりまして不測の事態のないように、あるいは衝突のようなことがないように第一に配慮いたしておるのでございます。
 第二番目には、とかくわが漁船について、何と申しますか、わが国の漁船が漁労をやっておるということを明らかにする意味におきまして、漁船に対しまして国旗を掲揚すること、それから昼と夜とによって差はございますけれども、現在漁労をやっておるということを明らかにするそれぞれの標識あるいは照明をつけることを注意をいたしておる、こういう次第でございます。
#7
○政府委員(森本修君) ただいま政務次官のほうから言われましたこととほぼ重複をする内容になりますが、水産庁といたしましてもそれぞれの出先の漁業調整事務所を通じ、また各県を通じまして、一つは日本海におきまする操業上の注意をいたしまして、不測の事態が起こらないように関係の漁業者に対して周知徹底をはかるよう努力をしてまいりました。内容は先ほど政務次官から言われましたものと同様でございます。
 それからもう一つは、アメリカ側に対しましても、従来から日本海の操業状態を通報いたしまして配慮方を要望しておったのでございますが、今回またあらためて外務省を通じまして操業状況の通知をいたしまして、安全操業について配慮をしていただくよう、要望いたしたわけでございます。
 大体以上でございます。
#8
○政府委員(島田豊君) 漁船の安全指導なりあるいは安全操業の確保の問題につきましては、ただいま政府側から御答弁がございましたように、一次的には水産庁の問題でありあるいは海上保安庁の問題でございますので、防衛庁といたしましては今回の事件に関連いたしましての格別の措置をとっておらないというのが実情でございます。
#9
○政府委員(東郷文彦君) 先生、御指摘のように、日本海でこういう米軍の艦艇が出るという事態は昨年の一月にもございましたし、日本の漁船の安全操業という問題につきましては、外務省も水産庁をはじめ関係の御当局と随時連絡を保っております。そういう趣旨から、ただいま水産庁長官からお話しございましたように、日本海における日本の漁船の操業状況というものを随時大使館に渡しまして、これを海軍当局に周知せしめ、また先ほど来お話しのような日本漁船に対するわがほうの措置を向こうに通じまして、安全操業が乱されないようにということをたびたび注意を喚起しております。今回の事件がありましてからあとも、第七十一機動部隊が編成されてこちらに出てくるという情勢になりまして、私も二十二日にオズボーン臨時代理大使と話をしまして、重ねて注意を喚起したわけでございます。
#10
○達田龍彦君 非常に簡単な報告でありまして、必ずしも私が聞きたいことを述べておるとは思われないのでありますけれども、一つずつ確かめていきたいと思うのであります。
 まず水産庁でありますけれども、今日までのこのアメリカ艦隊を含む外国の過去の作戦行動、戦闘行動的な行動のために、日本の漁船の操業がどういう形で制約を受け、また具体的には被害というものが現実に出ておるのか、水産庁で把握しておる点があればまずお答えをいただきたい。運輸省のほうでは日本の船舶の航行の中で、このために具体的にどういう支障が現実に起こったのか、起こってないのか、それらの問題を明らかにしてもらいたいと思うのであります。
#11
○政府委員(森本修君) 今回のアメリカ艦隊の日本海におきます活動の範囲は、主として地域的に見ますと北緯三十六度以北、それから東径百三十三度以西というようになっております。で、わが国の最近までにおきますところの日本海の操業状況は、そのアメリカ艦隊の活動の範囲とは違っておるような場所で主として操業が行なわれておるというふうに私どもは承知をしております。
 したがいまして現在まで私どもが受けております報告によりますと、直接的に米国艦隊の活動によって損害を受けた、たとえば漁具が損傷したとか、船体に被害があったとか、そういった事態はまだないというふうな状況でございます。またただいま申し上げましたような活動なり、操業の範囲でございますから、格別出漁の手控えその他といったようなことで操業に重大な支障があったというふうな報告にも接していないということでございます。
#12
○政府委員(村山達雄君) 一般船舶の航行につきましても、支障が起きたという報告は何ら聞いておりません。
#13
○達田龍彦君 まあ水産庁長官の回答では、格別被害がなかったという話であります。私は水産庁からそういう回答が出るだろうと思ったんでありますけれども、実は対策というものが、全然格別の被害がなかったという上に立って安全操業を確保するような対策では、私は対策として今日用をなさないという考え方を持っておるのであります。これは一般船舶の航行についても言えるのでありますし、また外務省の今日のアメリカに対する日本の安全操業を確保するための申し入れ等についても、これは私は言えるのでありますけれども、一貫して言えることは、今日直接的な被害がなかった、格別に支障がなかったと、こういうことを政府当局は言っておるのでありますけれども、実際に操業している漁船の実情を見てみますと、日本海にそれらの艦隊が入ってまいりましたために、みずから操業を自粛しておる、あるいは操業を短縮しておるというのが今日の漁民の実情であるのであります。また、軍艦や艦隊から投棄物が投棄され、あるいは汚物が流され、油でよごれ、あるいは飛行機が哨戒するために騒音によって魚が散る。いつ何時艦隊が動くかわからぬが、その動くことによって起こるあらし以上の高波を伴う波に対してどうそれを回避するか、それらの問題を考えたときに、日本の漁船はそういう被害を未然に防止するために操業を短縮し、あるいは自粛しておるという状況にあるから、表面的な被害が出てないというのが今日の日本漁船の安全操業の実態であるのであります。これを見過ごして、船が沈まなかった、あるいは操業が行なわれておるという表面的な理由のみで対策が万全だとする今日の政府当局の一連した対策は、私はきわめて表面的な対策である、本質的な安全操業の対策になっていないということを実は指摘をいたしたいのであります。
 それで、そういう意味において今日の対策をいろいろ検討いただかなければならぬわけでありますけれども、まあ外務大臣がお見えでないので、実は私もこの問題についてどういう形で質問をしょうかということで迷っておるのでありますけれども、非常に事は政治判断を要する問題であるのであります。したがって、今日の安全操業を確保するために、海上保安庁にいたしましても、水産庁にいたしましても、とられている措置というのは、法律に基づいた手続を厳重に守りなさいということが漁船に対する安全操業の、要するに注意を喚起することがその重点になっているのであります。そういう重点をそこに置いて安全操業をする限り、漁民は萎縮をして、そしてあぶないから操業をしないという結果になるのであります。あるいは操短をするという結果になるのであります。私はそういう形でのいわゆる安全操業の確保のしかたは、漁民の側から見れば非常に迷惑であります。むしろ漁民の立場から安全操業を確保してくれるならば、どういう海域で日本の漁船が操業をしておるから、アメリカの艦隊なりその他の艦隊は安全操業を確保するためにその水域に特別の配慮をして、安全操業を確保するような立場を相手側が守る、こういうことが前提にならなければ私はならぬと思います。
 過去のプエブロの問題のときに、網を切られた、転覆をしたという問題が起こりました。こういう苦い経験を持っておりますから、この際、わずかの期間であれば操業をするよりも、操業をして転覆をされたり網を切られるよりも、この間休んだほうが被害が少ないという判断で、漁民は操業を自粛するのであります。これが、壱岐、対馬や、あるいは日本海方面の漁民の今日の状態に対する気持ちであり、姿であるのであります。私はそういう意味で、短期的な場合については漁民もある意味ではそう危険をおかしてまで操業をするということをしないでありましょうけれども、今日の状態からまいりますと、かなり長期的な、しかも予測できない状態で大艦隊が日本海に入ってくるという状態である限り、今日私は長期的展望に立って問題の処理をしなければならぬと思うのであります。その意味では漁民も長くこういう問題が続けられてまいりますと、無理してでも操業するという状態になったときに、大きな危険が出てくるのであります。現実には大きな被害が伴うのであります。したがって、そういう意味での、私はそこに基礎を置いた対策を立てないと、安全操業の確保にならないと、こう思っておるのであります。
 そこでまず外務省に――大臣おいででないようですから、外務省にお尋ねをいたしますけれども、運輸省のほうから先ほど御説明があったように、日本の漁船が操業しておるという実態をアメリカ側に知らしておるということでありますけれども、私は逆に、外務省は日本の漁船や船舶の安全操業と安全航行を確保するために、そういう定期、下定期の航路、あるいは操業をされている海域に対してアメリカの艦隊が入らないような強力な申し入れと措置をアメリカにとってもらうことが私は前提でなければならぬと思うのであります。こういう考え方に立って、私はアメリカ側に対して外務省はまず外交交渉の中で、あるいは随時協議の中で、このことの取りつけを実はしてもらおうと思っておるのであります。これは政治判断の問題でございますから、局長では非常に問題があるのでありますけれども、大臣がどうしても出られないという事情のようでありますから、一応とりあえず局長からお考えを伺って、また別の機会に大臣の出席をいただいてでも問題の解明をしていきたい、こう思うのであります。
#14
○政府委員(田中六助君) 私から……。
 ただいまの第一点の定期、不定期の航路などの問題でございますが、この明示は――すでに各関係官庁から説明があったと思いますが、十分向こうとの打ち合わせは事前になされております。ただ、入らない措置をするということは、御承知のように公海でございますので、具体的には入るなというようなことはできないと思います。ただ、私どもが事前の措置として、現在、入ってからでは間に合わない部分があるわけでございますので、これもすでに水産庁長官から御答弁があったとは思いますが、一年間の操業状況を大体大使館を通じまして米政府に外務省のほうから十分通告をしておるわけでございますので、その点、安全操業との関係で私どものでき得ることはやっておるというつもりでございます。
#15
○達田龍彦君 アメリカ側からこれに対して何らかの具体的な措置の回答がこれになされておりますか。
#16
○政府委員(田中六助君) 私どものこういう措置に対しまして、アメリカ側は十分尊重するということを申し入れてきておりますので、私どもも一応了承しているわけでございます。
#17
○達田龍彦君 いままで、外交交渉の中で申し入れられた具体的な内容を、ここで御説明いただきたいと思うのです。
#18
○政府委員(東郷文彦君) 先ほど来御説明申し上げておりますように、まず、こういう事件のあるなしにかかわらず、日本漁船の操業状況というものを米国側に詳細説明して、あらかじめ十分向こうに知識を持たしておくということが一つでございます。今回のような事件がございましたような場合に、先刻申しましたように、私も向こうに話をしたわけでございます。重ねてこの安全操業の問題を提起しまして海軍当局の最大限の善処を求める、こういうのが話の内容でございます。
#19
○達田龍彦君 きわめて私はまだ不満でありますけれども、時間もございませんから次に進みますが、そういう状況の中から判断をいたしますと、アメリカの艦隊やその他の艦隊の行動あるいは移動の範囲というものは、日本側で哨戒なりあるいは巡視をしておって、その動静をさぐって日本の漁船あるいは船舶に緊急に連絡するという以外に方法がないように受け取られるのであります。そうなってまいりますと、安全操業を確保するための日本の海域の哨戒行動あるいは巡視行動というものがきわめて大きな役割りを持つわけでありますけれども、いま新聞その他の伝えるところによると、海上保安庁の巡視体制、それから水産庁のこれまた哨戒体制、巡視体制、また一時的には、先ほど防衛庁のほうでは全然そのために特別の行動をとっておりませんということを官房長は言っておりますけれども、一般民間紙の伝えるところによると、四月の二十二、三日ごろの状態では、防衛庁の飛行機が空の哨戒を続けておる、こういうのが新聞に伝えられておりまして、そういう体制をおとりになっておるのでありますから、そういう体制の中でどうやって航行する漁船やあるいは船舶に緊急に、適確に連絡をおとりになっておるのか。現地の実情から、私は壱岐、対馬の多くの漁民といろいろ今回お会いしてきたところによりますと、さっぱりその連絡がきちんとしていない、しかも正確でない上におそくもある、こういうことが言われておるのでありまして、非常に不安と危険を感じておるのですが、おのおの各省庁ごとにそれらの連絡をどういう形でおとりになっておるのかお尋ねをしておきたいと思います。
#20
○政府委員(島田豊君) 防衛庁は今回の事件に関しまして、先ほど申しましたように、格別の哨戒等の措置をとっておらないわけでございます。防衛庁は、もちろん有事におきましてはわが国の周辺海域の哨戒、その他の要するにわが国に対する防衛に任ずるわけでありますが、平時におきましては艦艇あるいは航空機によりますところの継続的な哨戒というものは行なっておりません。ただ、教育訓練と申しますか、訓練をやっておりますので、訓練等の際におきまして、船舶につきまして非常に行動が不審であるというような場合は、それを発見した場合あるいはそういう行動不審の船舶の存在を知った場合におきまして、その動静を監視するということはやっておるわけでございますけれども、これはあくまで訓練等の際にそれを行なうということでございまして、格別の哨戒は行なっておりません。したがいまして、先ほど御指摘の新聞紙に掲載されましたことにつきましても、そういう特別の命令を与えましてそういう哨戒をさしておるという事実はないのでございます。
#21
○政府委員(村山達雄君) 先ほど申し上げましたように、海上保安庁といたしましては、不慮の衝突あるいは他の国籍の船と間違われることのないように、そういうことを通じまして安全操業が確保されるように、わがほうの漁船側に対しましても、アメリカ側に対しましても、現状を詳細に伝えることを任務といたしておるのでございます。そうして、海上保安庁がとりつつある措置につきましては、関係省庁に、つまり外務省、水産庁それから防衛庁に十分連絡をとっておるのでございまして、海上保安庁がいま与えられておる任務の範囲におきましては、まだ防衛庁に特に具体的にお願いしなくても差しつかえない、こういうふうに判断しておる段階でございます。
#22
○政府委員(森本修君) 私どもとしましては、私ども独自のルートとしてはなかなか情報をとるのはむずかしいのでございますが、一つは現地におきます関係の漁業組合に連絡をいたしまして、所属の漁船が米艦隊を見かけるというふうなことがございますれば、その情報を至急こちらのほうに連絡してもらいたいということが一つと、それから取り締まり船をやはり現地のほうに派遣をいたしましたので、そこから現地における状況がソースとして入ってくる。先ほど来言っております海上保安庁から私どものほうに一つはこういった艦船の動きについて情報がございます。そういうものをできるだけそのつど迅速に関係の漁業調整事務所を通じ、漁業組合に連絡をする、また海上におりますところの漁船に対しては無線連絡等の方法で迅速にそういった情報が行きわたるように措置をしておるのでございます。先ほど先生が言われましたように、あるいは現地といいましても、それぞれ離島なりあるいは海上に漁船等がおりましょうから、具体的に一つ一つ調べますというと、あるいは先ほど言われましたようなことで、十分連絡がいってない面もあるかもしれません。そういう点につきましては将来の問題として、私ども情報の伝達あるいは情報の収集の組織的な方法を十分ひとつ検討し、措置をいたしたいと思っております。
#23
○達田龍彦君 海上保安庁の関係ですがね、御承知のとおり、夜間の操業が非常に多いのでありまして、特に夜間の危険度がそういう意味で高い、また保安庁の巡視体制、監視体制というものが夜間は非常に困難な状況にあるのであります。その中における安全操業の確保ということが、漁船の立場から見れば非常に重要でございます。これらの点についてどういう方法で艦艇の移動あるいは行動を把握し、そうして迅速に漁船や船舶に連絡をとる、いわゆる連絡系統をとっておられるのか、詳しく御説明いただきたいと思います。
#24
○政府委員(河毛一郎君) 今回の日本海の艦隊行動に関しましては、何と申しましても対馬海峡を中心といたしまして動静把握をすることが一番効果的でございます。したがいまして、対馬海峡を中心といたしまして、巡視船艇を中心とした哨戒体制をしいております。
 それから夜間の問題でございますが、これにつきましては御指摘のとおり、昼間に比べまして哨戒が非常にむずかしくなるという点はございますが、レーダーその他を駆使いたしましてできるだけそのような点を補足いたしておる次第でございます。
 次に、把握いたしました状況を漁船にどのように伝達するかという点でございますが、これは先ほどから水産庁からお話もございましたように、去年のプエブロ事件以来、このような情報伝達方式というものを漁業無線局、漁業協同組合との間で恒常的につくっておりますので、このルートを通じまして流していく、こういうことが第一義的に行なわれます。次に、具体的に私どもが特に哨戒ラインを引いた場合におきましては、その哨戒ラインにございます。巡視船がその付近の操業漁船に対しまして、具体的にその動勢を伝達するということをあわせまして、一般的な伝達方法、現地における伝達方法を併用いたしておる次第でございます。
#25
○達田龍彦君 不定期船舶ですね、これが、艦隊が入ってまいりますと危険を感じて漁業操業をしているところを通るということのために、操業に支障があるということがあるのです。そういう関係から、不定期の船舶に対する連絡通知というか、そういうものはどういう方法でとられておりますか。
#26
○政府委員(河毛一郎君) 漁船以外の一般商船、特に不定期船につきましては、御承知のとおり、漁船の場合と異なりまして、一定の海域で停留し、あるいは移動しつつ操業をするということがございません、ということと、もう一つは、やはり一般論としては、漁船に比べますと船がかなり大きいという点もございまして、おおむねそのような見張りその他については十分行なわれているのではなかろうか。場合によりまして漁船の操業区域に触れる、立ち入るということもあり得ると存じますが、これは通過船舶でございますので、比較的漁船側に与える影響というものは少ないのではなかろうか。したがいまして、現状におきましては不定期船に対しまして特に組織的にそのような状況を知らすということはとってない次第でございます。
#27
○達田龍彦君 さらにこれは外務省でありますけれども、公海上の問題でありますから、作戦行動あるいは練習行動というのか、行動をするために、不測の、予測し得ない行動が行なわれることもあり得るわけです。その場合に、事前に外務省を通じてアメリカ側に操業の海域を連絡しておっても、それが無視されて行動するということは当然予想されるのであります。そういう事態になった場合に、一体アメリカ側は外務省を通じてそういう連絡が、作戦行動であれば私はしないということを考えておりますけれども、なされないということになりますと、それに対する対処の手法が、現実の問題として海上保安庁が巡視してそれを発見する以外にないのであります。これは、私はいまの体制の中では、それに対する海上保安庁のいわゆる哨戒体制というものは、そういうものまで完全にキャッチできるような体制ではないと考えるのであります。そういうものに対して、これは日本の漁業の安全を確保するためには、私はできるだけ日本の漁船に、いわゆる日本に対してアメリカからそういう事前の何らかの連絡がなければいけないのではないかと思うのでありますけれども、こういう問題に対して外務省はどういう考え方を持ち、またアメリカ側にそういう場合に対する意向といいますか、そういう場合に処する話し合いをされたことがあるのかどうか、お伺いをしておきたいと思うのであります。
#28
○政府委員(田中六助君) 御承知のように、公海の自由ということになりますと、航行、つまり運航の自由と漁業の自由と二つございまして、それが相互に利害が相反する場合が起こるわけでございます。このことを達田委員はおっしゃっておると思いますが、したがって向こうにも航行の自由というものはございますので、そこら辺がどうしても私どももそれ以上事前にどうこうしろというようなことを、いままで正直に申しましてそういう申し入れをしたことはございません。
#29
○達田龍彦君 そうしますと、いまの海上保安庁を中心にする安全操業確保のための巡視体制あるいは哨戒体制の中では、そういう不測の事態に対処する体制は私は万全でないと考えているのでありますけれども、そういう場合の海上保安庁としてはどうこれに対するという自信がありますか。今日の体制で、そういう状態に対して被害を事前に防止できるような自信がある体制下に今日あるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
#30
○政府委員(河毛一郎君) まず海上保安庁の現在の体制でございますが、いろいろ困難な問題はございますが、先ほどからお話しのございましたように、少なくとも現在、直接の被害は防止し得ている、こういうふうに考えております。したがって、現状を前提といたしますれば、私どもといたしましては、現在とっております体制を今後継続していけば漁船の安全操業というものはほぼ確保できるのではなかろうか、こういうふうに考えている次第でございます。なお、今後その他のやり方、方法等につきましてはさらに改善をいたしたい、こういうふうに考えております。
#31
○達田龍彦君 私は先ほどから申し上げておるように、現状の直接的な被害がないという状態は、現実的には実質的な被害をこうむっている結果になっておるということを言っている。それはいま申し上げたように、漁業を操業を短縮したり自粛したりして、危険を避けてそういう現実的な被害を避けておるというのが今日の漁業の操業の実情であるからであります。そういう意味では漁家は、漁民は生産がそれだけ低下をいたしておるので、漁獲物がそれだけ少なくとられておるのであります。これは短期的な場合であるからいまのところそれでもしんぼういたしておりますけれども、これが今日の状態でかなり長期的な展望に立ちますと、がまんができませんから危険をおかしてでも操業するという結果になるのであります。そういう状態になったときに、いまの哨戒体制、巡視体制ではきわめて私は危険が伴うということを指摘をいたしておるのであります。でありますから、今日の警戒体制、哨戒体制というものは、現状でもって満足するという哨戒体制では私はいけない。完全に満足のできるような、自由な操業ができるような、操業に規制が行なわれないような哨戒体制というものを確保してやらないと、あの沿岸の漁民の生活権をおびやかすようになり、日本の水産業のいわゆる生活を低めることになるのであります。やっぱり私は長期的展望に立つならば、そういう態勢での哨戒体制、警戒体制をつくるべきではないか、そういう意味での対策を政府は海上保安庁、水産庁、外務省一体になって総合的な対策をこの際願っておかないと、今日特に将来にわたって、特に韓国、北朝鮮の問題が非常に緊張が高まってくる情勢下にもあるわけでありますから、そういう点も配慮しながら長期的な展望に立ったそういう安全操業確保のための対策を私はとるべきではないか、こういうことが前提になっているのでありますから、そういう意味で私は、それらの問題を排除する方法として、どうしていけばいいのか、これは、海上保安庁並びに水産庁にお考えがあればお考えを出していただきたい、こう思うのであります。
#32
○政府委員(村山達雄君) 先ほど海上保安庁長官からも申し述べましたように、海上保安庁といたしましては、現況で可能な範囲の施策をとっているつもりでございまして、また幸い、現在までのところ衝突事件なりあるいは誤認されたというような事実がないわけでございます。まあそれ以上何とかならないかという問題でございますけれども、これはそもそも撃墜事件、それに伴う事後の緊張事件自体が非常に不幸な事件なのでございまして、心理的な影響その他はたいへんなことだろうと思うのでございますが、実は海上保安庁の持っておるいろいろな手段を考えますと、そこまではいかないということが現状であるわけでございます。先ほど申し上げましたように、われわれはいまの正規のルートを通じましてさらにそれを緻密にやっていくということだけが与えられた――海上保安庁としては、それ以外の方法はない、こういうぐあいに考えておるわけでございます。
#33
○政府委員(森本修君) 私どもの立場といたしましては、関係の漁業者なり漁船が安心をして操業ができるということがきわめて私たちとしても希望をしておるところでございます。しかし、問題は公海上のことでございますので、先ほど来外務省のほうから御説明がありましたように、一定の限界がございます。したがいまして、国内的には、やはりそういった艦船の動向なりあるいは漁船の保護なりについて十分の体制をとっていくという必要があろうかと考えております。もちろん、関係各省にまたがることでありますし、私どもとしましては、漁船なり漁業の安全を確保するという重要な使命を持っておりますから、今後海上保安庁とも十分連絡をいたしまして、私どものほうからも必要な措置をお願いしてまいりたいと、かように存じております。
#34
○達田龍彦君 これは時間がありませんから、簡単にやりますが、防衛庁にはなぜこういう事態に対して特別の哨戒をするようなことを、これは運輸省から防衛庁に言うのか、それとも防衛庁みずから判断をしてやるのか、いま特別なことをやっていないというのでありますけれども、どういう立場からそういう立場をおとりになるのか、御説明いただきたいと思います。
#35
○政府委員(村山達雄君) 先ほどから申し上げておりますように、安全の対象は誤認の問題、それから衝突の問題でございます。それを確保する手段は伝達の問題でございます。したがいまして、伝達に関しましてはあらゆる手を使ってやっておるわけでございますので、現況におきましては防衛庁をさらにわずらわすというところまではいっていない、こういうふうに判断しておるからでございます。
#36
○達田龍彦君 では、必要であれば防衛庁にも要請をしてそういう措置をとってもらうということはあり得るということですね。
#37
○政府委員(村山達雄君) もちろんあり得るわけでございます。
#38
○達田龍彦君 そうしますと、防衛庁が特別にはやっていないけれども、常時やっている航空機によるところの哨戒体制があるのですね。これはどういう範囲でどういう目的でやられておりますか。
#39
○政府委員(島田豊君) 航空機による哨戒は先ほど申しましたように、哨戒そのものを目的として行なっておるというものではございませんで、平素におきますところの訓練、その他業務を行ないます場合に、行動不審の船舶等がございましたらその動勢を監視するということでございまして、平時はあくまで訓練というのがたてまえでございます。したがいまして、その過程におきましていろいろそういう監視行動をとることはございますけれども、現在の情勢下におきましては、わが国を防衛するというふうな目的をもって継続的に哨戒するという必要はないということがその前提になっておるわけであります。
#40
○達田龍彦君 時間がまいりましたので最後にお尋ねをして終わりたいと思うのでありますけれども、防衛庁、海上保安庁あるいは水産庁、外務省といろいろな各省にまたがっておりまして、必ずしも統一的な対策、一元化された措置が私は欠ける面が出てきているような印象も受けるのであります。水産庁はやっぱり漁民を守る立場からいろいろな措置を国全体としてとってもらいたいだろうし、また外務省に対してはアメリカに強く申し入れてもらいたいということもあると思います。あるいは海上保安庁は保安庁なりに監視体制を完全に行なうためには、外務省にまたアメリカに対してものを言ってもらいたいこともあるだろうし、水産庁と連絡を密にしていくということもあると思うのです。私はそういう意味でそれらの関係のある省庁がこの安全操業を確保するために総合的な、統一的な対策を国全体としてとる強力な体制が私は今日必要であると思うのであります。それは過去のプエブロのときと若干本質的な違いがあります。それはかなり長期になるであろうということ、しかも数次にわたるそういう事件の積み重ねでございますから、対外的なアメリカの立場としてもかなり強力な軍事行動が展開されるということが、容易に想像できる今日の緊張下にあるわけでありますから、そういう意味では、私は過去の安全操業の確保の対策以上に強力な長期の展望に立った安全確保の対策を国全体が考えていかなければならない本質と性格を持っておると実は判断をいたしておるのであります。
 そういう意味で、ぜひこの日本海にとどまらず、将来はいろいろな緊張が激化をしてまいりますと、日本沿岸全体の漁業の安全確保あるいは船舶の運航に対しての確保に対して根本的な総合的な対策が必要であろうという観点に立ちまして、この際ひとつこれらの関係の省庁が中心になって、特に今日の日本海の漁船の安全操業を中心にして総合的な対策本部的なものを水産庁なりあるいは運輸省において、そうして強力な統一された総合的な対策をとるべきではないかというように考えたのであります。これは直ちに運輸省で、私のほうでやりますというわけにはならないと思いますけれども、おのおの関係省がひとつ持ち寄っていただいて十分協議をいただいて、何らか、いま申し上げたように、現実に漁業の衝突だとかあるいは沈没だとか、あるいは網を流したとかというような現実の被害が今日幸いにしてないのでありますけれども、そのことはいま申し上げましたように、裏を返せば漁民みずからの自粛操業あるいは操業を短縮するというような形で被害から、いわゆる危険から避けておる状態が今日の安全操業の実情である、そのために漁民は生産も非常に低下をしておりますし、これが長期になりますと危険をおかして操業をするという結果被害が出ることは目に見えておるのでありますから、私は今日の対策はそういう対策を、いわゆるそういう実情を根底にした対策を立てなければならぬという考え方に立っておりますから、どうかそういう意味で各省庁、この問題ひとつ十分御検討いただいて、そうして関係各省庁の一元化された、統一した対策、方法をおつくりになって総合対策をおきめいただくようにお願いをいたしたいのでありますけれども、最後にこの私の考え方に対して関係の省庁の考えをひとつ御披瀝いただいて、私の質問を終わりたいと思うのであります。
#41
○政府委員(村山達雄君) 漁船の安全操業あるいは一般船舶の安全航行の重要性について御指摘になりました点は全く同感でございます。ただ先ほど来申し述べておりますように、その手段といたしましては、なるほど各省庁が統一的本部をつくっているというようなことではございませんけれども、実際的にはそれぞれの機能を有機的に発揮いたしておりまして、現在の段階では少なくともいまの密接な関係でいいのではないか、かように思っているわけでございます。
#42
○政府委員(森本修君) かような事柄でございますから、関係をいたします各省は連絡を円滑にする、また同じような意識で事を処理するということが必要であろうかと思います。一、二度こういうことがございましたから、最近の時点におきましては、私ども関係官庁との連絡も時間的にもわりあいスムーズにいっております。また現地に対します連絡の方法等についても先ほど来のようなことで一応統一をしてやっておるわけであります。そういう意味合いからいたしまして、それほど不便を来たしておるというふうには思っておりません。ただ、かような事柄でありますから、今後連絡の方法なりあるいは打ち合わせのしかたなり、そういう点については十分円滑にいくように対処をしていかなければならないことと存じます。
#43
○政府委員(田中六助君) 外務省といたしましては、各省庁といままでそれぞれの機能を十分発揮して連絡しておりますし、今後もこの調子を続けていこうと思います。ただ達田委員のおっしゃることはまことに非常にいい考えでございまして、私どもも将来必要とあらば、そういうような方向に持っていくということもやぶさかではないという考えを持っております。
#44
○達田龍彦君 まあ運輸省とそれから水産庁はあまり乗り気ではないようでありますけれども、私はむしろ外務省よりも運輸省や水産庁がこれは総合的に密接な連絡をとりながら、総合対策をとっていくことがしかるべき立場にある省の立場だろうと思うのであります。いまの体制でけっこうだという運輸政務次官のお話しでありますけれども、きわめて私は遺憾であります。今日、私が先ほど申し上げているような漁民の実情というものを考えたならば、完全ということはないのであります。完全というならば、漁船が、いわゆる船舶が、アメリカの艦隊が日本海に入らないで全然危険がないという状態ではじめて完全であります。そういう状態が確保されるようなところまで体制を私はやはり基本的には進めていくというのが各官庁の姿勢でなければならぬ。この程度で漁民もがまんしてくれ、公海上で、日本以外の問題からこういう問題が起こったのだからがまんしてくれでは、私はやはり漁民の立場あるいは日本の船舶の安全航行を確保する上においては、長期に立った場合に非常に不安が残るし、問題が残っていると思います。
 そういう意味で、これで万全だという不遜な態度ではなしに、もう少し今日の漁民の実情をつぶさに理解いただいて、そうしてその上に立った、より完全なものにしていくための謙虚な対策を私は考えてもらわなければいけない。特に運輸省の場合には漁業の問題については非常にうといわけであります。ただ一般船舶が航行しているからそれを右、左に分けるくらいの考えじゃ困る、事は生活に直接結びついているのでありますから、もう少し水産庁とも相談して実情を把握しながら、愛情のある対策を特に運輸省が中心になって立てるように特別の配慮をお願いしたい。こう思うのでありますが、どうですか。
#45
○政府委員(村山達雄君) ことばが足りなくて誤解があったら御容赦いただきたいと思いますが、私の申し上げているのは、現状の程度であれば、こういうことです。先ほど冒頭に申し述べましたように、アメリカ側の艦隊も最近におきましては、大体災難救助を中心にいたしまして、空母一隻あと駆逐艦が五隻くらいということでだんだん縮小している状態でございます。したがいまして、現状ということでございますれば、さらにいまの連絡を緊密にいたしていくということで大体いくのじゃなかろうかということを申し上げたのであります。基本的に外交政策の立場からこういう不幸な事態、あるいはそれに伴ないます事柄を配慮できるような、また配慮していくことを強力に進めなくちゃならない、また、してもらわなければならないというような事態になりますれば、先生のおっしゃられることもひとつ十分考えられる点じゃないかと、かように申し上げたつもりでございます。
    ―――――――――――――
#46
○委員長(任田新治君) 次に、林野庁の定員外職員に関する件について調査を行ないます。
 質疑のある方は御発言を願います。矢山君。
#47
○矢山有作君 きょうは時間が限られておりますから、林野庁に対して日給制職員の賃金の改善問題について簡単にお伺いいたします。私も簡単に御質問申し上げるからお答えされる方も要点をつかまえて簡潔にお答えいただきたい。
 まず第一は、現在日給制の職員の賃金の問題については、公労委において調停されようとしていると聞いておりますが、いずれにいたしましてもこの賃金の改善の問題についての林野庁の基本的な態度ですね、これをひとつお話し願いたいと思います。
#48
○政府委員(片山正英君) 賃金問題の御質問でございますが、まずその前に林野庁といたしまして現在国有林の経営をいたす態度との関連があろうかと思います。われわれは林業という第一次産業はほかの二次産業と比較いたしますと非常に立ちおくれた形と、こう言わざるを得ないと思います。
  〔委員長退席、理事宮崎正雄君着席〕
 しかし現在の需給状況あるいは山村の実態から、これは何とかそれに伍していけるような姿、経営もそれに伴なうような姿、近代的な産業にマッチした姿、これを指向いたしまして経営の合理化をやってまいっているわけであります。そのような形の中で賃金につきましてもそれに即応するような経営の合理化による、あるいは生産性の向上の中で賃金についても他産業に伍していける賃金を確立していきたいというのが基本的態度でございます。
#49
○矢山有作君 きわめて抽象的なお話があったのですが、私はこれから少し具体的にお答えいただきたいと思います。というのは、これまで林野庁当局と組合のほうとでいろいろ団体交渉をやっておいでになっておると思いますが、その中で、この日給制職員の賃金改善について、どういう点を重点的にとらえて賃金の改善をやらなきゃならぬのだということを、具体的に話し合いをしておられるはずなんです。したがってそういう点を具体的にそちらから出していただきたい。それを踏まえて論議をしたほうがいいと思いますから、そういうふうにしていただきたいと思います。
#50
○政府委員(片山正英君) 組合とのいろいろな交渉の中で第一点としてわれわれ要求されておりますのは、まず月給職員とのバランスの問題、それから他産業とのバランスの問題、こういう問題が主体としてあろうかと思います。ただ現在の賃金でございますが、これは月給職員のいわゆる俸給の立て方と日給制職員のいわゆる賃金の立て方とは、考え方の基盤が実は違っておるわけであります。そこで月給制そのままが日給制に移行するというような形では立てられておりませんけれども、いずれにしましても、先ほど申しましたような基本的な産業に伍していく。経営の改善と相まって伍していけるような姿で月給、日給ともども改善をはかってまいりたい、かように考えております。
#51
○矢山有作君 月給職員との間の賃金の立て方が違うという問題は、それはもうけっこうです。そういう話じゃないので、私が聞いておるのは、いろいろ団体交渉をやられる中で、先ほどあなたのほうからおっしゃったいわゆる月給制職員との格差がひどい。このことも当局は認識をされて、その格差を縮小するように努力をするということははっきり約束されておるはずです。また他産業とのバランスの関係からしてもやはりここにも格差がある。したがってそういう点に注目をして、民間他産業並みの給与改善を目ざす、こういうこともお約束になっておるはずです。そのことは、やはり林業労働者の労働実態あるいは生活水準の実態、そういうものを踏まえながらそういうお約束をなさっておるはずだと、私は、私のところにあります書類で考えておるのですが、団体交渉でこういう話が持ち出されただけで、そういうことについて、いわゆる格差解消のために努力をいたしましょうという約束をしておらぬのですか。
#52
○政府委員(片山正英君) 林業の賃金あるいは俸給の指向すべき方向といたしましては、私は先生がおっしゃる姿の中で、すなわちそういう格差の是正をする方向の中でやってまいりたい。しかし現状は、地元の賃金、民間の賃金、そういう実態の中でこれは相ともに進めていかなければならぬ、かように思いますので、その点の関連の中で、やはり一歩一歩進めてまいりたい、かように思っておるわけでございます。
#53
○矢山有作君 地元の民間同種産業の賃金を考えてというのがいまおっしゃった林野庁の一つの基本的な考え方になっておるようです。しかしながら、私はそういう考え方に問題があると思います。そういう考え方の根拠というのは一体どこにあるのですか。私はこの問題で関係があるだろうと思いましたから、いわゆる国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法が出ておる、この法の趣旨からして、そういうふうに地場の同種産業というものをそれほど重視して、それとの均衡を考えることをしなければならぬのか、その点に一つの大きな疑問を持っておるわけです。
  〔理事宮崎正雄退席、委員長着席〕
 私は、この法の解釈からいうならば、地元の同種産業、つまり地元の民間林業に働く人々をストレートの対象にしてそれとの賃金バランスを考えるのでなしに、全体の民間産業との賃金バランスを考えていけというのが私はこの法の趣旨ではないか、こういうふうに考えておるのですが、どうも林野庁のほうは、地場の民間林業、それの賃金動向というものをあまりにも重視され過ぎておるような感じがするのですが、どうなんですか。
#54
○政府委員(片山正英君) 先生御承知のように、農山村におきましては、かつては余剰労力といった中で確かに仕事が進められておったということも言えると思うのです。そのような姿もございまして、あるいは山村のほんとうの地元の人を民間でも雇い、こちらでも雇うという姿でやってきたわけでございます。したがいまして、やはり地元の一つの賃金というものはその賃金体系の中で一つあるということは言わざるを得ないと思います。ただ、最近におきましてはそれが専業化してくる。いわゆる林業そのものに、余剰労力を活用するという意味じゃなしに、林業そのものとして安定した雇用をはかってまいるという諸情勢でもありますし、林野庁としてもその方向でいくわけでございます。したがいまして、そういう諸情勢の中におきましても、単に地元賃金ということだけでは私はいま考えておりません。先生おっしゃる、全体の賃金の行き方、あるいは月給制の行き方、それらとの関連においてやはり判断していきたいということはございますけれども、しかし一方、地元の実態の賃金というものがございます。それらとの関連も含めてやはり検討してやってまいりたい、かように考えているわけでございます。
#55
○矢山有作君 この地元のいわゆる民間林業の賃金形成というのは、これは私が言わぬでも長官よく御承知のように、これは非常に零細な規模のものが多いわけですね。したがって、使用者のほうが一方的にかってにきめて、それを働く人たちに押しつけてくる、そういう実情なんでして、決して労使対等の中できめられていく賃金じゃないわけですよ。したがって、不当に安く賃金形成がなされておるという場合が非常に多くあるわけです。ですから、最近民間林業は、いわゆる労働者が足りなくて困っているんでしょう。そういう民間林業の賃金実態をあまりにも重視し過ぎると、林野庁でもそういう傾向が起こっておるのだろうと私は思うのですが、いわゆる国有林野に働く労働者の老齢化の問題、あるいはまた、そういった労働力確保が困難になる、こういう問題が出てきておるじゃありませんか。私は林野庁から出されておる資料を見ましても、非常に老齢化の傾向が目立っておるし、二十九歳未満の若年労働力というものは年々減少してきておる、こういう実態が出ております。
 国有林野の健全な経営をやるためには優秀な労働力を確保するということが第一番の前提条件です。そうして優秀な労働力を確保できるような賃金形成をやっていくということでないとこれは私はだめだと思う。そうしてまたもう一つは、違った面からいわれておるわけですが、過疎対策というものがいま非常に大きく強調されておる。そういう面から見ても、やはりこの国有林野で働くいわゆる日給制の職員の賃金形成というものを、民間林業の、いわゆる労使対等でない、使用者の一方的恣意できめられておるものを非常な基準にするということは私は間違いだと思う。長官のほうも、それをあまり重く見ないような方向で考えていくような意味に解釈されるようなお話がありましたから、その問題についてはこれ以上はくどくは申し上げませんけれども、ぜひとも地場の民間林業労働者の賃金をあまりにも重視しないでもらいたい。そうしてまたそれをあまりにも重視しないということが、いわゆる給特法の三条にきめられておる趣旨でもあろうと私は思うのです。そのことを強く私は要求しておきたいと思います。
 そこで具体的な問題に入りたいのですが、いわゆる月給制職員との格差の問題あるいは民間産業との格差の問題ということがいろいろ論議されておりますが、林野庁は大体どの程度の格差があるというふうにつかんでおられますか。
#56
○政府委員(片山正英君) 先生のいまのお話の月給制職員との格差、それから民間労働者との格差、こういうふうに承ったわけでございますので、その二点についてお話申し上げますと、数字に入りますのでたいへんこまかくなりますけれども、四十三年度の私のほうの資料によりますと、四月から十二月までの間の実績でございますが、国有林作業員の平均日額でございますが、一千九百三十三円でございます。これを月額に試算しますと、大体二十三日を掛けるわけでございますが、四万四千四百五十九円、こういうふうになっております。そういう現況でございますが、月給職員との対比をするしかたといたしましては、ただいまの数字は基準内外、いわゆるボーナス関係を含めた数字で申し上げたものでございますから、ボーナス等を除いた毎月のいわゆる基準内だけについて比較をしておりますので、そのものについて比較して申し上げたいと思います。
 まず日給制職員の月額換算でございますが、三万四千八百四十五円、これは常用と定期の平均でございます。それに対してまして、いわゆる技能職とわれわれ呼んでおります職員の月額平均が四万八千五百五十円でございます。したがいまして約一万四千円の差がございます。しかし技能職月給職員の年齢なり、あるいはそういう資格等の関係で差がございます。したがいましてそれを日給と同じ人ということで、いわゆるラスパイレス法によって修正をいたしますと、その格差は一万一千円ということに相なります。したがいまして一万一千円の格差はあるということは言えると思います。ただ月給制の技能職と日給制の人の仕事との内容につきましては、やはり若干違っておるわけでございます。片方は指導的立場、片方は現実の作業ということで違ってはおりますが、一応の比較は以上のとおりでございます。
 それから民間との関係でございますが、伐木造材手、これは国有林におきましては、これは基準内外込みでございますが、三千四百四十七円でございます。それから集運材手が二千九百二円、造林手が千八百十一円、それから集材機等運転手が二千三百七十八円、育苗手が千二百四十円、炊事手が千四百八十三円でございます。これに相当する、いわゆる奥地で同じような立場で働いておる民間事業約千五百事業場を対象にして調査いたしますと、これも基準内外込みでありますが、伐木造材手が千九百六十八円、集運材手が二千三百一円、造林手が千六百九十四円、集材機等運転手が二千四百七円、育苗手が七百四十九円、炊事手が九百九十三円となっております。すなわち、民間に比較すると国有林につきましては日給は相当いいということの実態でございます。
#57
○矢山有作君 長官、ちょっと民間産業との比較のところは、私の聞いたのと見当違いの答弁をしておられる。私は国有林の日給制職員の給与問題で聞いておるときに、先ほども言いましたように、地場の民間の同種産業、つまり民間林業の労働者の関係を重視してはいけないという立場で言っておるわけです。で、その場合、林野庁としてはいままでの交渉経過の中から、民間産業、それも五百人規模以上の民間産業の給与に近づけることを努力目標としてやるのだということと、それから月給制職員の給与との格差を解消することを努力目標にしてやるんだということを確認事項としてちゃんと約束しておられる。だから、私が民間産業との比較を言ってもらいたいと言ったのは、民間のいわゆる同種産業、林業の従業者のことを言ったんじゃないんです。民間産業五百人規模以上の問題を言った。あなたのほうから言ってもらえば長うなりますから、私があなたのところから出ている資料に基づいて申し上げます。これはいろいろ取り方があろうし、それから基準内外あるいは基準内だけでいい場合といろいろあります。ありますが、私がこれから申し上げる数字というのは全部あなたのところから出ておる資料に基づいて言っておるんですから……。
 日給制の平均賃金、これ基準内だけでいいますと、これは全体の平均が日額千三百九十円、大体一カ月の就業二十三日と見ますから三万一千九百七十円ぐらい。それから月給制の技能職、これが四十三年七月一日現在で計算しておられます。これは先ほども話が出ましたが、四万八千五百五十円、全産業の五百人規模、これの月額四万七千五百四十円、こういうふうになっております。これみな基準内です。そうすると、月給制の技能職との差が一万六千五百八十円程度、それから五百人規模の民間産業との差が一万五千五百七十円程度。まあ数字の取り方というのはいろいろありましょうから、いろいろ理屈はあると思います。しかしいずれにしても、この月給制の技能職員と、それから民間の五百人規模の産業に従事しておる人たちの給与に比べたらきわめて低いということは、これは数字の上ではっきりすると思うし、そのきわめて低いということは、いわゆる団体交渉の席上で林野庁もそれを認められた。認められたから、いわゆる通称十確認と言っておられるようですが、十の確認事項――十確認の中で、五百人規模の賃金水準に近づくことを努力目標として賃金改善をやっていくとか、あるいは月給制技能職員との賃金格差を解消する努力をやっていくのだ、こういうことを言っておられると思うんです。そうすると、ことしいわゆるそういう確認に基づいて、当局と組合との間のお約束に基づいて具体的にどういうふうに改善していこうとされておるのか。それをひとつ言ってくれませんか。
#58
○政府委員(片山正英君) 現在労働組合とその問題で再三交渉をいたしたわけでございますが、現在の段階では、先生が先ほどおっしゃいましたように、調停の段階でいまやっておるわけでございます。ただ、われわれの現在の経営内容あるいは予算等から考えた一つの計算といたしましては、昨年同額ということを調停で申し上げておる段階でございますので、いま調停の段階でさらに労使の打ち合わせがある、こういうことでございます。
#59
○矢山有作君 調停委員会で昨年並みということを言っておられるとすると、昨年並みという百四十五円ですね。この百四十五円のアップではたして、たとえばの話、月給制技能職との格差の解消ができるのですか。あなたのほうから出ておる資料によると、ここに月給制の技能職との賃金格差の模様がわかる資料がありますが、基準内賃金で見て、率ではここ二、三年は多少改善されておるようですが、額では開きはかえって大きくなるようですね。一体この格差を解消するのに、去年並みのアップで解消できるのですか。私は去年並みのアップでは解消できぬと思う。去年並みのアップで解消できないのに、団交の席ではこの格差の解消をやるのだということを約束をしておる。そうすると、組合に言っていることと実際にあなたたちがやっていることとは全く違うんですね。私は団体交渉というものはそんないいかげんなものじゃないと思う。団体交渉で少なくとも格差の解消と言われた以上は、それを実際に実行するものでも、格差の解消になるような具体的な数字というものが出てこなければならぬ。この点どうなんですか。
#60
○政府委員(片山正英君) 月給制の賃金のアップにつきましても現在仲裁に移行いたしておりますが、調停段階におきましては当局側として、林野庁といたしましては、月給制職員についても前年同額ということを実は申し上げておるわけでございます。そのような意味で、日給制についても前年同額ということを申し上げておるわけでございます。これは昨年の例になりますけれども、大体月給制と日給制は同じ額というふうに判断いたしておるわけであります。
#61
○矢山有作君 一応、こういうことを考えているんじゃないですかね。定昇込みで六千五百五十七円ぐらいになるでしょう、月給制の場合ね。定昇抜きにすると四千七百七十七円ぐらいですね。これを一カ月の従業二十三日として割ってみると、定昇込みの場合は二百八十五円になる。このくらい上げにゃいかぬのですわ。それから定昇抜きでやった場合には二百八円。これだけ上げぬと、百四十五円上げたんじゃ格差が広がるんじゃないですか。しかも日給制の職員の場合、定昇というものはないんです。何年間こうやっていても、ほんの申しわけ程度に少し上げるというのはあるけれども、あれは定昇のうちには入らぬですね。そうすると、格差を解消する以上はやはりこの定昇込みの六千五百五十七円に見合うものを基礎にして、その上に格差の解消に見合うような金額というものを積み上げていかぬと、格差の解消にならぬわけですが、そうでなしに逆にこれよりも少ない金額を積み上げたんでは、格差はよけい広がるんじゃないですか。私は単純に考えてそうだと思うんです。私の頭が悪いんでしょうかね。
#62
○政府委員(片山正英君) いまのベースアップの中では、実質のベースアップとさらに定昇の問題と、こう二つの問題が実はあるわけでございます。そこで、日給制の場合の定昇の点をどう考えるか、こういう御質問とも関連すると思いますけれども、実際月給制の人たちの俸給体系というのは、日給制の人たちの俸給賃金体系とは基本的に違っておるのがそこでございます。そこでわれわれもいろいろ検討いたしておるわけでございますが、月給制の職員の方々は逐次年限がたつに従ってそれぞれの重要なポストに変わっていくというそういう組織におおむねなっておるわけでございます。しかし日給制の職員の方々はそれは同一労務でございます。したがいまして、そのような意味から比較いたしますと、日給制の職員の方々は、若い人は月給制職員の方よりもいいわけでございます。しかし年配になってきますと、月給制の方々はそういうものがございますから、ある年齢になりますと月給制のほうが上になってくる。これは仕事の体系上実はやむを得ない姿でないだろうかというふうにも実は考えられるわけでございます。ただベースアップそのものの問題につきましては、われわれも先ほど申しましたいろいろな諸情勢もございますけれども、地元の問題、他産業の問題、月給制との関連の問題、いろいろございますから、それらを十分考えながら進めてまいりたいと、かように思っておるわけでございます。
#63
○矢山有作君 私はね、日給制の職員の中へ定昇を持ち込むとかそんなことを考えておりません。それは給与体系の立て方が違うのですから、私はそんな議論をしようと思わないのです。月給制の人は重要ポストに、年限がくればどんどん出世していくでしょう。ところが国有林はそういう出世をしていく月給制の職員ではもたないはずです。国有林で実際に働いて木を切り出してやっておるのはこれは日給制の職員でしょう。日給制の職員が大部分なんです。この日給制の職員の扱いをきわめて劣悪な労働条件のままに置いておいて、そうでない諸君の給料だけ幾ら上がってみたって、こんなことやっておったら国有林はつぶれますよ。一番大切にしなければならぬのは、国有林野事業をささえている現場第一線に働く労働者です。これに対して極端に低い賃金を押しつけておいて、国有林野事業の発展は考えられない。たとえばいまあなたが賃金の金額を示されましたね。日給制の職員の月額が四万幾ら。これは年がら年じゅう毎日働いているのじゃないのです。日給制の職員というのは、もう一年の間半分ぐらい失業せにゃならぬ。この失業期間を考えた場合、日給制の職員が一カ月四万五千円もらっておろうが、たとえば六カ月失業するとするならば、何ぼになるのですか、これは。きわめて低い賃金なんです。そういう賃金実態のままでほうっておいてはいけないと言うのです。しかもあなた方は月給制職員との格差の解消を言っているのだが、格差の解消というのは何も給与体系にとらわれてどうこうという問題じゃない。そんなことは私は考える必要ないと思う。何も日給制の職員の人たちに、いわゆる定期昇給というものがないのに、月給制の人の定期昇給の問題を引っぱり寄せてきて、それとどうこうという議論は要らぬと思うのです。
 要するにあなた方は、国有林野事業をささえる第一線の労働者は日給制の職員が大多数である、そうするとこの賃金改善をやらなければいまの状態では国有林野事業がもたぬ、という認識に立つならば、その低劣な、劣悪な賃金の水準というものを改める努力をしなければいけません。それを昨年並みだなんて言っておったらますます格差が開くじゃありませんか。しかも、これはあるいは大蔵省がやかましく言っているか知りませんが、大蔵省がどう言おうと、国有林野事業の最高の責任者はあなたですよ。あるいは農林大臣だ。あなたが自分のもとで働いておる大切な第一線の労働者の賃金改善を真剣に考えないでだれが一体考えるのですか。大蔵大臣は考えやしませんよ。大蔵大臣というのはさいふのひもをいかにして締めるかというのが商売だ。だからあなたは公労委に対しても、明年並みというようなとんでもないことを言うのじゃなしに、自分たちはいわゆる月給制職員との格差の解消を考えているし、民間の五百人以上の産業との格差の解消を考えているのだから、少なくとも定昇込みではじき出した数字に格差、定昇分を上積みしてもらわなければ困るというくらいの話をせにゃ、もとから昨年並みと言われたのじゃ、いたずらにいためつけられて、もっと低いところへたたかれるのじゃないですか。何かいちゃもんつけられて、百四十五円というのは高過ぎるからもっと低くしろというような文句を言われているということをほのかに聞いていますがね。そういう形じゃだめです。
 これはどうなんですか。あなたが林野事業としては最高責任者だからして、真剣に考えなさいよ。こんなことをやっていたら労働者は集まりませんよ。しかも先ほどのお話で、若いときには月給制に比べて有利だが、年が寄ってくると月給制と比べて不利になるのだ。一番生活に困るのは、高年齢に達して、子供が大きくなり学校へ行き出したときに、一番生計費がかかるのですよ。そのときにずっと賃金が上がらないで、若いときに少しばかり月給制と比較して上だなんて言ったって、そんなことは理由にならぬですよ。現実にあなたのところから出てきている資料によっても、三十九歳未満というこの働き盛りですね、働き盛りの国有林労働者の数というものは、きわめてこれは少ないじゃないですか。半分程度でしょう。しかもこの傾向が、だんだん減ってきて、高齢者が多くなるという傾向にあるのですよ。これはこの際基本的に賃金のあり方というものを考えないとだめです。もう公労委に対して、百四十五円などと言わないで、もっとどんと賃金改善のための具体的な数字を示す用意はありませんか。
#64
○政府委員(片山正英君) 先生先ほどおっしゃいました中で、二つの問題があるように思います。月額が四万八千幾らということであっても、つとめている月数が少なければどうにもならぬじゃないか、こういう御指摘だと思います。われわれもそのとおりだと思います。したがいまして、これはだいぶ古い統計でございますけれども、三十八年と四十三年を比較いたしますと、三十八年におきましては八月以上の雇用者は常用を含めまして五〇%ぐらいしかおりませんでした。しかし経営の改善あるいはいろいろな組み合わせによりまして、現在におきましては八月以上の雇用者数は全雇用者の八〇%が大体なっております。そのような形で逐次私は通年雇用、そういう安定したものに持っていきたいというふうに努力をいたしておりますけれども、ただ、遺憾ながら季節の事業でございます。造林であれ何であれ、どうしても季節性を排除するわけにいかない姿がございます。したがいまして、そういうものを何とか技術面で補いながらこれをやってまいりたいというふうに思って、先生のおっしゃる、やはり毎月同じようにという意味で努力してまいりたいと思います。
 それからもう一点、先生のおっしゃった月給制の賃金アップということでございますが、これはなかなかいろいろな一般の問題とも相関連しますが、率論と額論とが二つ混在しております。今度の調停におきまして月給制の出ましたのも八%プラス千円。千円は絶対額でございますが、八%はいわゆる率論でございます。それらが非常にむずかしい形でございます。そこでわれわれはやはり何とかそれらのものを近代的にマッチするように、あるいはそういう人々が喜んで働けるように、そういう点については努力してまいりたいと思いますが、現実の問題として、そういうものが混在しておるわけでございます。おっしゃる点を十分含みまして改善をはかってまいりたいと思います。
#65
○矢山有作君 これはそれほどむずかしい理屈でないので、あまりくだくだ申し上げてもしようがないのですが、ただこれも結論として言いますが、昨年並みの百四十五円じゃだめだ。定昇込みの六千五百五十七円ではじき出しても二百八十五円になるのですよ。私はあなた方が大蔵省に行って説明されるときにはいろいろの理由を言うだろうと思います。それは理由づけというのはお役人はきわめて得意なんだから、だからその理由づけはどういう理由づけでもできるのですから、あなたが約束された民間五百人規模以上の賃金、月給制技能職の賃金に近づける、そのためには百四十五円ではだめですよ。月給職で定昇込みでいっても二百八十五円です。格差解消になれば、この上に何ぼ積み上げるかしらぬが、積み上げなければだめなんだ。そこで得意なあなたが理論構成をやればいいのですよ。技術的な問題なんだからできるはずですよ。私どもにそれを大蔵省に納得させるような一々理論づけをやれといっても、それはなかなか無理ですよ。
 ところがお役人は、それがやれるような資料も持っているし、できるようなスタッフもそろえておるのだ。それをやって、百四十五円でいったのでは話になりませんな。これはもういろいろ煮詰めの段階に入っておるでしょうから――百四十五円ということをまだ言いますか。それとももう百四十五円は明らかに二百八十五円に比べて百四十円開くのですから、これじゃだめだと、百四十五円という数字は改めるということを約束しますか、どうですか。そうせぬと、あなたは団体交渉の席上でうそをついていることになる。国有林の労働者は、林野庁の長官なり職員部長はうそをつくものだと信じたらどうなりますか、あとの事業運営がやりにくくなりますよ。私は何ぼ言いなさいとも言いません。しかし、少なくとも昨年並みでいっておったのでは話にならぬ。その点を認められて、前向きで今後進まれるかどうか、その点を具体的に言えといっても無理でしょうから、抽象的におっしゃってそれでけっこうです。百四十五円じゃだめです。明らかにそれにこだわらないで、前向きで格差解消を踏まえて交渉していくのかいかぬのか、具体的に。もしいかぬとなれば、くどいようですが、あなたはあなたのもとで働いておる多くの労働者にうそをついたということになるということを認識しなければいかぬ、どうですか。
#66
○政府委員(片山正英君) 団体交渉でいろいろ折衝した結論につきましては、われわれはそのとおりやってまいりたい、法の許す範囲においてわれわれはやってまいりたい、こう思っております。
 そこで、現在大蔵省当局ともこの問題については再三打ち合わせておるわけでございます。なお結論の出ておらないのは遺憾でございますが、そう打ち合わせしているわけでございます。月給制職員につきましても、昨年同額というのは林野庁で申し上げましたが、使用者側の一つの案としましては、七・五%プラス七百円というのも出ております。いろいろな問題がございますが、私もあくまで気持ちのよい職場にしたいということを念願して折衝してまいりたいと、かように思っておる次第でございます。
    ―――――――――――――
#67
○委員長(任田新治君) 次に、岩手県下における山林火災に関する件について調査を行ないます。
 質疑のある方は御発言願います。
#68
○藤原房雄君 去る六日の国有林野から出火いたしました岩手県における山林火災の問題でございますが、被害状況について概略説明願いたいと思います。
#69
○政府委員(片山正英君) 今度の被害でございますが、五月六日の午前七時に岩手県山形村の関の平庭国有林というところから発火いたしたわけでございますが、原因につきましては、どうも炭焼きがまの失火ではないかというふうに実は推定いたしておるわけでございます。
 出火に伴いまして、営林署、関係隣接営林署あるいは消防団員、さらには陸上自衛隊の応援を得まして消火に当たったわけでございますが、当初、比較的鎮火しやすいんじゃないかということでかかったわけでございますけれども、突風さらに強風に相なりまして、当時二十五メートルの風が吹いたというふうに調査いたされておりますが、その結果非常な蔓延類焼に及びまして、現在調査しておりますところでは二千三百ヘクタール、そのうち国有林が千三百ヘクタールということになっております。
 なお、そのような形で広がったものですから、八日の朝六時からヘリコプター三台を国有林としてチャーターいたしまして、そして化学消火剤を使いましてこれに投じたわけでございます。これは前に試験的にはちょっとやったわけでございますが、実際の山火事にこれをやりましたのは、今度が初めてでございますが、いままでの研究もございましたので、三台チャーターしてやったわけでございますが、幸いにして非常にいい結果をもたらしておるというふうに現地からも報告がきております。現在におきましてはおおむね鎮火したというふうに考えております。
#70
○藤原房雄君 本日はたいへん時間もございませんので、るるお聞きしたいことがございますが、二、三点にしぼってお話したいと思います。
 この六日の日は山形村だけではなくして岩手県下およそ十ヵ所ぐらいに火災が起きた。このように言われております。しかもその火災の起きた原因というものはいま長官のお話になった山形村については炭がまの不始末といいますかの問題である。そのほかの火災の原因につきましては無届け火入れとか、またはたばこの火の不始末、たき火のあとの不始末、こういうようなことが原因だと報ぜられております。いずれもこういうことは天災的なことではなくして、人為的なことだ、こういうことで、この点について私どもは非常に注視しなければいけない、このように思うのであります。
 そこで、ここでお聞きしたいことは、このたびの大事に至った、いま長官のお話のように二千三百ヘクタールというたいへんな山林を焼いたわけでありますが、その原因が決して不可抗力ではなくして、人為的な原因によるのだ、こういうことが一応言えるのではないか、このように私どもは考えているわけでありますが、この点についてはいかがお考えでしょうか。
#71
○政府委員(片山正英君) 先生御指摘のとおり、山火事の大部分は人為的の問題でございまして、今回の大山林の火災になりましたのは炭山の問題、炭山から出たというふうに推定いたしておりますが、そのほかたばこの火であるとか、火入れのたき火のまずさ、そういう人為的なものがほとんど大部分でございます。したがいまして、われわれはそういう個々一人一人の認識をほんとうに深めていくということに努力していかなければならないということで、前々からこれはやっておるわけでございますが、残念ながらまたこういうことになったわけでございますが、あくまで個々の人に注意を喚起するということが肝要だと考えております。
#72
○藤原房雄君 原因が人為的であるということだけに、対策に対しては綿密な、そしてまた強力な対策によって防がれる面も多分にあると、このように考えるわけでありますが、今回までこの山林火災に対してのとってきた対策、また今後強力に講じていきたいというその対策がありましたらお伺いしたいと思います。
#73
○政府委員(片山正英君) 山林火災の予防並びに消防につきましては、所管官庁は消防庁でございます。しかし、われわれ山を国有林としてあずかっておる、あるいは民間の山を森林国営保険という形でまたおあずかりしている、あるいは保証しているということもございます。したがいまして、われわれとしてもそういうような意味も含めましてこれの予防措置ということがぜひ必要なわけでございます。したがって、まずやはり何と申しましてもそれぞれの人が非常に注意をしていただく。ことに火災期というものがございます。これは大体われわれは二月から五月一ぱいと見ておりますが、その火災期を十分注意していただくということで、再三通達等をやっておるわけでございます。また現地におきましては、営林署において、防火体制の組織をつくってございます。そういうようなことで、また民間につきましても、県を通してそういうことを指導しておるわけでございますが、まずそれが第一点。ポスターその他全部そういう意味でやっておるわけでございます。ただそういうことばかりでは、今後のいろいろな消火体制上なかなかむずかしい点もございますので、現在消防庁等と打ち合わせまして、昨年消防庁とこちらとの幹部の火災警防の連絡会という、研究会というものをつくりまして、そしてそれのあり方をさらに検討を進めて実施に移してまいりたいという体制をとっておるわけでございます。
 消防等につきましてもいろいろな面で研究をいたしておりますが、ただいま予防のお話でございましたので、予防の点についてだけちょっとお答え申し上げた次第であります。
#74
○藤原房雄君 消防庁のほうどうですか、いまの件について。
#75
○政府委員(松島五郎君) 山林火災が最近非常にふえてまいっておりますので、ただいま林野庁長官からもお話がございましたように、消防庁といたしましても、山林火災の防止ということを一つの重点にいたしまして防止運動を進めてまいっております。それがために林野庁との間でも研究会等も設けて連絡をしながら進めてきておるわけでございますが、本年度の防火、火災予防運動にあたりましても、林野火災の防止というのを取り上げまして全国的に実施をいたしたような次第でございます。
 この予防期間中の火災発生件数を見ますと、昨年に比べまして予防期間中だけではございますけれども、かなり減少をいたしておる。したがいまして、先ほどもお話がございましたように、この山林火災の原因というもののほとんど大部分が人為的なといいますか、の原因によるものでございますので、やはり皆さんに注意をしていただくということが一番大事だということでございますので、私どもといたしましては、予防運動といいますか、そういうものの徹底を期していきたいということで指導を推進いたしております。それから火災が発生する危険のあるような気象条件のもとにおきましては、巡視というようなものも並行することが必要でございますので、そういった方面にも力を入れてきているつもりでございます。
 なお、市町村の消防体制の整備ということも、一たん発生いたしました場合に、これも御承知のとおりに、食いとめるために必要でございます。その方面の力も入れてまいっておりまして、市町村に対しては消防計画を立てて有事即応の体制をとるように指導をいたしておりますけれども、山林市町村のようなところがだんだん人口が減っていくというような問題もございまして、消防団員を確保するということ自体もむずかしいような事態になってきている面もございます。この点につきましては、私どもといたしましては、やはり人だけにたよるというばかりでなくて、施設の近代化というようなことも考えていかなければならないというふうに考えております。で、今年度の予算といたしましてもポンプを積載して運びますポンプ積載車というようなものも補助対象に加えまして、そういった市町村における機動力というものにも配慮をいたしているような次第でございます。
#76
○藤原房雄君 これは特に申し上げたいことは、当日湿度は二二%ですが、気温は十八度、風速が大体二十メートル、瞬間最大風速が二十一・五メートルですか、山林火災という観点から考えますと相当な危険状態にあったわけであります。異常乾燥注意報なんかも発せられておったと思うのでありますが、こういう状態だからこそ大体同じような時刻に県下に十ヵ所にもわたって火災が起きたと思うわけであります。こういう異常な状態というのはそうあることではないと思うのでありますが、いまの長官のお話ですと、相当、思想の啓蒙ということをポスター等によってやっているのだ、こういうお話でありまして、特にこういう異常状態のときに対しては、もっと徹底した方法というものがとられなければいけないのじゃないかと思います。
 さらに出火の原因が炭焼きがまからの飛び火である。これは最近はレジャーブームでずいぶん山林の中に若い人が入るようになったのでありますが、そうではなく、くろうとの方、炭焼きに携わる方から、その仕事に従事しているそういう方が出火の原因をつくったということであってみれば、これは単に不幸な災難としてこういう事件が起きたのじゃなくして、やはり当局としても猛反省をして、特に四月、五月の異常な事態に対しましてはもっと徹底したものがなされなければならない、このように思うのでありますが、この点につきましては長官、いかがですか。
#77
○政府委員(片山正英君) 先生御指摘のとおり、火災の危険期におきましては当然そのような態度であらねばなりません。したがいましてわれわれも巡視、そういうものを動員いたしまして、そういうときに対処いたしておるわけでございます。たまたま今回におきましても、四月三十日に、火災危険期であるからということで、特にやはり炭焼きがまについては注意すべきであるということを徹底さしておったわけでございます。当日、その辺の炭焼きがまは、われわれの調査では不十分であるかもしれませんが、われわれの調査では二十基くらいあったのでございますが、十九基はそのような形でやめておったわけですが、一基だけがそういうような点があってこういうふうになったということでございます。今後ともそういうことは十分注意していきたいと思いますが、今回もそのようなことで四月三十日に注意はしておったわけでございます。先生のおっしゃるとおりますます厳重にやってまいりたい、注意を喚起してまいりたい、かように思う次第であります。
#78
○藤原房雄君 それからもう一つ、私も現地に行ってまいったのでありますが、林道の整備ということが非常に重要だということを痛切に感じたわけであります。山林国といわれる岩手県でありますから、非常に広範な地域であります。この整備ということはたいへんなことだと思いますが、しかし、ある程度の整備がなされておったならばという懸念も非常にあるわけであります。予算としては相当お金を入れて林道の整備についてははかっておるようでありますが、林道の整備に対する一そう強力な施策というものが必要であると、このように痛感してきたわけでありますが、この点につきましては、いかがでしょうか。
#79
○政府委員(片山正英君) 私たちも先生のおっしゃるとおり、そう思っております。ただ、現状におきましては、日本のヘクタール当たりの山林の林道密度と申しますのは残念ながら五メーターから六メーター程度であるわけでございます。われわれは少なくとも十三、四メーターまでにしなければ、そういうものに対処はできない。生産の面も当然ございますけれども、そういうことで実は努力しておるわけでございますが、現状はただいま申しました五、六メーターでございます。おっしゃるような形で今後も推進してまいりたいと、かように思う次第でございます。
#80
○藤原房雄君 自衛隊の方いらっしゃいますか。――自衛隊の方々も出動いただいて、相当な協力をいただいて防火に当たったということも聞いておりますが、要請が何時ごろあって、何名の方が何時ごろ出動なさったかという、この点についてちょっとお聞きしたいんですが……。
#81
○説明員(安田寛君) 防衛庁から御説明申し上げます。
 ただいまの、問題になりました岩手県の山形村の要請につきましては、岩手県知事から六日の十六時二十分に自衛隊に対して要請がございました。九時三十分ごろ出火しているわけでございますが、要請は十六時二十分でございます。直ちに自衛隊を岩手駐とん部隊から十七時に派遣いたしております。その際の派遣人員は六百名、その後三日間にわたって作業に従事しましたから、延べ千八百人ということになるわけであります。
 なお、ついでながら山形村のほかに青森県の名川町、岩手県の種市町、宮城県の宮城町にもそれぞれ関係の知事からの要請がございまして、自衛隊を派遣いたしております。
#82
○藤原房雄君 時間もありませんので簡単に申し上げますが、先ほど消防庁長官のお話だったと思いますが、このたびヘリコプター二台によって化学消火剤で試験的にやったところが非常に効果があったというお話がありました。これはいままでにない画期的なことであったと思うんであります。しかし、消火剤に対する研究とか、または今後さらに、このように大きくならない以前にそれに対する対策というものを講じなければいけないということから、さらに強力な研究が必要だろうと思いますし、この点についても連絡協議会といいますか、両者の間の、林野庁と消防庁の一そうの研究をまって、このような大きな山林火災の未然に防ぐことのできるように要望したいと思うのであります。
 最後に申し上げたいことは、私現地に行ってまいりまして、ほんとうに痛感いたしましたことは、
 一般民家が相当被害を受けておるわけであります。これは消防庁、被害の状況はどうでしょうか。
#83
○政府委員(松島五郎君) 私どもの承知しておりますところでは、住宅が二十一戸、非住宅が十七戸、合わせまして三十八戸焼失をいたしているようでございます。なお、罹災者は世帯にして二十三世帯、人員にして百二十三人となっております。
#84
○藤原房雄君 いま二十三世帯だというお話でございましたが、この程度の罹災者では災害救助法は受けられないわけであります。しかも、ここは非常な山間地でございまして、零細な農家の方々が焼け出されたわけであります。ほんとうにあすにも食べるものもないという状況でございます。しかも、家から出した家財道具は全部焼け出されたという、こういう状況で、この家族の方にもお会いしていろいろお話をいたしましたけれども、ほんとうにたいへんだなあと感じてまいりました。県といたしましても何とか対策は講じなければならないということでございましたが、強く地元で要望しておりましたことは、今回のこの火災は、国有林から出火したという、こういうことで、自分たちの住む家を何とか国有林の払い下げ等によって見ていただきたいと、こういうことを地元の方は要望しておりましたのですが、この点につきましては長官どうでしょうか。
#85
○政府委員(片山正英君) 国有林の中から出火したということは事実でございますが、ただ、端的に申し上げますと、民間の人の出火でございます。そこでいろいろな救助の問題とも相関連してまいるわけでございますけれども、先ほど先生がおっしゃいました災害救助法の発動は、基準には及びませんので、これはおそらく発動はできないであろうと、こういうふうに思います。したがいまして木材を安く売る、いわゆる減額して売るというような措置はできないわけでございます。しかし、それぞれの方が非常にお困りになるということであるならば、普通の木材の原価売り払いということがございます。ただ、木材は御承知のように、国有林で売るのは丸太でございますから、はたしてそれがうまくいくのか、ほんとうに小さい方々は丸太ではたしてうまくいくのか、非常に問題だとは思います。しかし、十分お打ち合わせして、措置としましては丸太で売るということはできるわけでございますので、いろいろお話を進めてみたい、こういうように思う次第でございます。
#86
○藤原房雄君 時間もだいぶ経過いたしましたので、詳細の消防体制、今後の問題につきましては、災害対策委員会においてまたいろいろやりたいと思います。いま、長官からも木材の減額というようなことで、罹災者については何らかの措置を講じたい、こういうお話でございましたが、どうか零細な農民であるだけに、これらの方々のこともまた考えていただきたい、また家屋を焼失した、それから山林を焼いた、こういうことで非常に零細な方々であるだけに、どうか特別にまたこれらの方々の生活を見守っていただきたい、このことを心から要望いたしまして私の質問を終わります。
#87
○政府委員(片山正英君) ちょっと私の説明が不十分であったかと思いますので、つけ加えておきたいと思います。
 災害救助法の発動をされた場合には、その災害救助法の発動された基準がまたございますけれども、それによって減額の売り払いはできるということを申し上げたんですが、今回の場合は災害救助法の発動は困難であろうと思います。したがいまして、減額の売り払いということはできかねると、しかし、丸太を原価で売り払うということはできるわけでございます。ただ、先ほど申しましたように、丸太でございますから、即座に使うということはなかなかできないわけでございます。地元の方々の、罹災者の御要望がございましたら、いろいろ検討してみたい、こういう意味でございますので、御了承願いたいと思います。
#88
○委員長(任田新治君) 本調査に関する質疑は、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後七時散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト