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1949/04/19 第5回国会 両院協議会・合同審査会等 両院協議会会議録情報 第005回国会 両院法規委員会 第4号
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1949/04/19 第5回国会 両院協議会・合同審査会等

両院協議会会議録情報 第005回国会 両院法規委員会 第4号

#1
第005回国会 両院法規委員会 第4号
昭和二十四年四月十九日(火曜日)
   午後三時三十五分開議
 〔衆議院両院法規委員長 高橋 英吉君
  が会長となる〕
 出席委員
  衆議院両院法規委員長   高橋 英吉君
  理事 角田 幸平君 理事 松澤 兼人君
     佐瀬 昌三君    藤枝 泉介君
     眞鍋  勝君    田中不破三君
  参議院両院法規委員長   藤井 新一君
  理事 新谷寅三郎君 理事 伊東 隆治君
     田中耕太郎君    松村眞一郎君
     鈴木 安孝君    大野 幸一君
 委員外の出席者
   衆議院法制局長     入江 俊郎君
   衆議院法制局参事    三浦 義男君
   衆議院法制局参事    福原 忠男君
   参議院参事       寺光  忠君
   参議院参事       河野 義克君
   参議院法制局長     奥野 健一君
   参議院法制局参事    今枝 常雄君
   ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 米國派遣議員選定の基準に関する件
   ―――――――――――――
#2
○会長(高橋英吉君) これより両院法規委員会を開会いたします。
 ただいま懇談会でウィリアムス博士から、いろいろお話を聞きましたが非常に有益だと思いますから、この速記を会議録の附録とすることにいたしたいと思いますが御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○会長(高橋英吉君) それではさように決定いたします。
   ―――――――――――――
#4
○委員(松澤兼人君) 議員の派遣の問題についていろいろ話が出たんですが、両院法規委員会として、少くとも派遣議員の選定基準というようなものをつくつて、これをとりあえず議院運営委員会に勧告するということを、両院議長に提出したいと思います。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○会長(高橋英吉君) それでは、ただいまの松澤君の御提案は、異議がないようでありますから、最も早い機会に委員会を開いて、その基準をつくりたいと思います。
#6
○参議院両院法規委員長(藤井新一君) つきましては、議院運営委員会においてもこの話を進めておりますから、われわれは、委員会を今週中に開いていただきたいと思います。そうしてその委員会において大体の基準をまとめて、早急に勧告したいと思います。
#7
○会長(高橋英吉君) 速記をやめて。
  〔速記中止〕
#8
○会長(高橋英吉君) 速記を始めて。――それではただいまの問題について愼重審議しますために、特に金曜日の午後一時から本委員会を開会して、両院の運営委員長を呼んで経過報告をしてもらうことにいたします。
 なお本日は通常選挙期日に関する件を議題といたしたいと思つておつたのでありますが、時間もおそくなりましたから、次会金曜日にこれもあわせて審議することにいたしたいと思います。
#9
○参議院両院法規委員長(藤井新一君) この問題については衆議院の方からまず勧告案を送付していただきたいと思います。これを会長にお願いいたします。
#10
○会長(高橋英吉君) それでは本日はこの程度で散会いたします。
   午後三時四十五分散会
   ─────・─────
〔附  録〕
ウイリアムス博士と両院法規委員との懇談
   ―――――・―――――
昭和二十四年四月十九日(火曜日)
   (於参議院議長應接室)
   午後二時開会
 出席委員
   衆議院両院法規委員長
           高橋 英吉君
   理事      角田 幸吉君
   理事      松澤 兼人君
           佐瀬 昌三君
           藤枝 泉介君
           眞鍋  勝君
           田中不破三君
   参議院両院法規委員長
           藤井 新一君
   理事      新谷寅三郎君
   理事      伊東 隆治君
           田中耕太郎君
           松村眞一郎君
           鈴木 安孝君
           大野 幸一君
#11
○参議院両院法規委員長(藤井新一君) 今日は私は英語をもつてごあいさつをいたしたいと思うのであります。
 ウイリアムス博士並びに紳士諸君、本日はウイリアムス博士の列席をかたじけのうして、法規委員会における懇談会を催す運びとなつたのでございまするが、委員の方におかれましては、どうぞ率直にいろいろウイリアムス博士と御談合を願いたいと思う次第であります。
 まず私はいろいろな点を聞きたいと思つておるのでありますが、米國懇会におきましては、当法規委員会に相当するものはルールス・コミテイー(規則委員会)であろうと思うのであります。これは私の知つておる限りの知識でそうだろうと思うのでありまするが、この両者の間には差異があるのかどうかという点。第二といたしましては、米國に於ける常任委員会と法規委員会との関係ということを聞いてみたいのであります。第三には、この常任委員会と法規委員会はどちらが強いのかということ。第四といたしましては米國におけるルールス・コミテイーは非常に強力なものだと言われておるのでありまするが、それは年長議員からなつておるのかどうか。第五といたしましては、日本におきましては、政府もまた両院議長も、この法規委員会というものを、ともすれば閑却しがちでありまするけれども、法規委員会の地位というものを考慮しまして、他の常任委員会等を指導して行くようにして行かなければならないと思うのでありますが、それにはどういうぐあいにしたらいいか、その手段の問題。第六といたしましては、アメリカにおいては、行政部に対して法規委員会は勧告をしておるのかどうか、こういう点についてお伺いしたいと思つておるのであります。
#12
○ウイリアムス博士 まず米國の議会におきましては、この法規委員会というものは存在しておりません。米國のみならず、世界各國の立法府におきましても、私の知つておる限り、こういう委員会が設置せられておる所はないのであります。しかしながら来國の州におきまして、三つの州が大体日本のこの法規委員会の線に沿つた委員会というものを持つておりまして、その構想も当法規委員会に似ておる点が多分にあります。今三州においてと申しましたが、この三州というのはカンサス、ミシガンもう一つほかの州でありまして、その三つを言つておるのでありますが、この三州におきましては、過去二十年間にわたりまして、こういう委員会を持つておるのであります。それはいまだに経驗的な段階を経ておるにすぎないのでありますが、これを私が國会法に入れた動機は、この三州における実際を見まして、それが相当な成功を收めておるのにかんがみまして、日本の國会法にこれを入れまして、当委員会を設番するということに力を入れたわけであります。すべての状態がいい場合には、こういう委員会が成功するというのは、かなかなむずかしいことだと思つております。当委員会が成功する唯一の方法というべきものを考えるといたしましたならば、この委員会に連なつておりまする議員の方々が、委員会の勢力というものを両院にも、また内閣にも知らしめるように努力するという点にかかつて來るのではないかと思つております。この委員会がなし得られるであろうと思われる唯一の重要な理論的な考えは、これが司法、行政、立法を含めた大きい意味の政府の中において、一つの確固たる地位を保つて、そうしてそこにおいて政治家が党派にとらわれずに問題を議するという点にかかつておりまするが、もともと政治家が党派にとらわれないということは非常にむずかしいがゆえに、私はその言葉を断言的には用いないのでありまするけれども、ともかく非政治的にいろいろなことを論議するというような機会が得られるという点が、重要なところだと思います。だからこの希望としましては、佐瀬さんでも、また松澤さんでも、これが民自党であるとか、あるいは社会党であるとかそういつた点を抜きにして論議するという点にありまするが、そういうことが可能であるかどうかということは、これまた一つのむずかしい点ではないかと思います。ところが議員の方におきましては、党派的であるということがむしろ自然といいましようか、固有の姿に近いと思うのでありまするがゆえに、この法規委員会の精神といたしましては、超党派的にやるということはむずかしい。そういうことがこの場合に言い得られるだろうと思うのであります。そこでこの委員会といたしましては、会期中におきまして少くとも一週間に三回ぐらいは会合も開くし、よく委員の方も研究調査等もなさいまして、法律問題というものにつきまして非常な御努力を傾けられるのがいいのではないかと思つております。
 私はこの委員会の活動ということは、今まであまりよく聞いていなかつたのでありまして、最近におきまして委員会が活動しておるということを知りましたのは、ここにおられる藤井議員が参議院の修正案のことに関しまして私を訪問してくだすつたときに思い出したというようなかつこうになつておるのであります。これが委員会の行動について申す場合の一つの典型的な例というものになるだろうと思つておりまするが、私といたしましてはむしろこの法規委員会が、私のことなんかはどうでもいいですから、自分で決定いたしまして、そうしてそれを両院議長に持つて行かれる。そうしてまたさらにそれを新聞にも発表するという自信を持つて、自主的にいろいろ活動していただきたい。こういうように思つておるのであります。だから私としましてはむしろ委員会の活動を新聞紙上で知るというぐあいになるのを待つているといつてもさしつかえないのであります。
 私はそれから他の例を申し上げたいと思いますが、これは今から一箇月ないし三週間前にあつたことでありまして、その問題につきましては当委員会の方が結論を持ち、そうしてそれを大きな声で取上ぐべきものであつたと思うのでありますが、それは全國選挙管理委員会に関するものでありました。その委員会に関する修正を討議しておりましたときでありまするが、こういうような問題は選挙に関係するわけでありまして、この委員会においてその当時とにかく取扱つても、参加してもよろしかつたのではないかと思います。それからまたその他衆議院議員の選挙法とかあるいは地方議員に関する選挙法とかの改正とかいうものも、まだ法案のかつこうをなしてはおりませんけれども、そのうちに出て來る問題でありまして、このような選挙に関することはこれは議員の本質的な領域に属すべき種類のものでありまして、國会といたしましてはこういう選挙法に眞劍な考慮を拂つて、そうして連絡もとり、前からこちらの方でも研究をし、結論を出すべきであると思うのであります。國会が中心となつてこのような問題を取上げ、そして過去において行われているいろいろの選挙法に関するあやまちというものを改正し、そうして何がゆえに改正したかというその理由もまたはつきり國民に示す。この國会のような高い地位にあるものがこういう問題を眞劍に取上げるという行き方は、非常にいいのではないかと思うのであります。そうして國会がこれを眞劍に取上げた場合には、世論もまたこれをサポートするでしようし、新聞等は特にこれに対して強力な支持を與えるのではないかと思つております。そこでもし私がこの委員会の委員でありましたならば、私といたしましては両院に対して次のような点について勧告をするようになすだろうと想像するのであります。
 それは選挙法、これは複数でありますが、いろいろの選挙法に関する両院の特別合同委員会というものをつくりまして、選挙法の改正に関して次の三つの線に沿つて、この選挙法規を研究することをやるだろうと想像いたします。その第一はこの法規の改正は五年くらいは修正しなくても済むように、いろいろの研究の結果をその中に盛り上げて行くということ。第二の点は選挙法規が公正であるということでありまして、すべての政治家もまた政党も適当な公平なものであるからこれを守るというようにすること。第三といたしましては人民主権ということを特に考慮に入れまして、國民全体のためを考えて、單なる政治家の利益とか、政党の利益というものではない全体の利益を考える。こういう三つの点を十分考慮するであろうと思います。この委員会ではそういうことができるであろうと思うのであります。たとえば社会党なら社会党の方が、こんなことを言い出しても、それは実現がなかなかむずかしいと思いますが、この委員会におきましてそういうことを取上げた場合には、ここに超党派的であるからそのことはできるのではないか。それで私はこの選挙法とそれから選挙管理委員会のことを申し上げたのでありますが、それは超党派的なものでなければならないと思いますがゆえにこれを指摘したのでございます。
 御承知の通り米國におきましては四十八州ございまして、それぞれ一州に一つずつ州議会がございますが、この州議会はそれぞれ選挙法というものを管理しているのでありまして、過去における例を見ますると平均して十五年に一回しか選挙法を改正していないのであります。それはつまり選挙法というものが適当な適合したものであるということを示して余りがあるからだと思うのであります。これは例でございまして、もちろん言うはやすく行うは難しでございますが、しかしながらともかく行わなければできないということも事実だろうと思います。從いまして、まずやるということであります。そしてまたこのような事柄におきましては自分自身で一個のはつきりした見解を持つておるということが必要であると思います。
 それからまた他の例を申し上げたいのでありますが、それもなかなかむずかしいかもしれません。これは最近四、五日の間におきまして、各省設置とか國家機構の改変とかいうことに関しまして、約二十五ばからの法案が最近私の眼にとまりまして、私は大体これを読んだのでありますが、こういう法案に関しましても、法規委員会といたしましては、なすべき役割があるんではないかと思うのであります。そしてそれはつまり憲法の條項と照し合せてみて、憲法違反になる点はないかとか、あるいは國会の地位というものをいささか軽視している点はないだろうか、こういつた問題についても委員会としては取上ぐべきであろうと思うのであります。ともかく立法府は憲法に明記しております通り國権の最高機関でありまするがゆえに、この最高機関が無視せられておるんじやないか、閑却せられておるんじやないかということの研究、調査はこれはまさに超党的なものではないかと思うのであります。非党派的なものではないかと思う。從つて私といたしましては民主自由党であろうと、國協党であろうとその他の党であろうと、どういう党におきましても、この委員会を通じて非党派的な問題の研究、調査、処理ができると思うのであります。これは單にこの会期中の問題ではなく、その以後においてもまたできる問題であります。それは政令の問題でありまして、御承知のごとく政府は憲法、または法律に準拠して公布せられなければならないのでありまするが、はたしてその通りに行つているかどうかという点についての調査も、この委員会としてはできるのではないかと思うのであります。それは一つ一つの領域ごとに法律と照し合せてみて、いろいろ調査できるのではないかと思うのでありますが、もちろんこれは非常に大がかりな領域でございます。
 それから御承知のごとく議員の言論の自由ということはたつとばるべきものでございまして、それは何人たるとを問わず公平に討議時間を與えらるべきであるということでございますが、これに関しましては、たとえば最近衆議院において見られております通り、民主党の椎熊三郎氏であるとか、あるいは共産党の林百郎氏の問題が大分やかましくなつておりまするが、当委員会といたしましては、そういう事件が起きたときに、これを個別的に取扱うのではなくして、そのような事件がぽつぽつ起つて來るということがあれば、これを一つの傾向として見まして、そういうことが傾向としてある場合には、これをたくさんの事例を観察した後に取上げて行くということもまたできることである。私は事例をあげようと思えば、本來は非党派的なものでありましても、これが党派的なものと密接しているような事例もたくさんあげられるわけですが、今のところはそれくらいにしておきましよう。
 それから委員会の運営についてでありますが、委員会は國会に対しまして委員会專属の專門員と、調査員とを設置してほしいという御意向のようでございました。これは各委員がきめるべき問題でありますが、私としては、この法規委員会に專門員等を置く必要はないだろうと思いますし、それは委員会の目的をもあやまらしめるという意見を持つております。議員は國民の代表でございまして、そうして、たとえいかに優秀な人でありましても、その機能を官僚に引渡すべきものではないと思います。それでもし議員がいろいろ調査したり研究したり、また精力を傾けて働かず、さらにはよき健全な判断をしないというような場合には、その議員はこの委員会に列すべきではないと思います。委員といたしましては結局よく働かなくてはならないだろうと思います。それは常識を注入するとともに、自分に才能を示すことでもあるし、さらには勇氣を出すことでもあるし結局のところは國民の利益というものを代表して、國民のために働くということであります。
 私は專門員が必要でないと申し上げましたが、その点に関しましては國立國会図書館というものを考えるべきものと思います。そこにおきましては、いろいろ資料もございますし、またりつぱな人材もそろつておるのでありますから、この國会図書館というものを利用すれば專門員はいらぬのではないかと思うのであります。たとえば人口問題なら人口問題というものを取上げてみましても、この人口問題に関しましては、どの問題も同じでありますが、その技術というものが必要になつて参ります。根本的な技術というものを探すにあたりましては、これは外國の例はどうであるとか、あるいは日本の例はどうであるかといつた点につきまして、たとえば三十ページから四十ページのいろいろな資料を必要とするという場合には、この資料の提出は國会図書館に求められる。そうしてそれで技術の方はカバーされるのでありますが、これに基いて判断をするのが議員の務めであるのでありまして、ともかく問題に関しましては、総括的で、かつ正確な資料が図書館の方にありますから、それを利用すべきだと思います。從つて委員会といたしましては、自分の地位をはつきりと出すことが必要になつて参りますし、そのためには非常に各人がそれぞれの分野におきまして努力をするということが必要になつて参ります。委員会の目的というものを十分よく認識し、かつその目的を達成するために非常に努力を傾けるということ、これが委員会が成功する秘決であろうと思うのでありまして、もしこういうことがないならば、委員会はほんとうに重要ではない機関ということになりますし、委員会設置の意味もなくなると極論できるでありましよう。しかしながらもしも委員会が成功いたしまして、そうして重要な問題について自分の結論を出し、それが各方面において受入れられるというぐあいに成功いたしますならば、あとは道が平坦な道になるであろうと思います。それで私といたしましては、ここにその間委員会が國会両院からも重要視せられるように希望している次第であります。これで私の話を終りたいと思つております。
#13
○衆議院両院法規委員長(高橋英吉君) 椎熊君と林君との関係で重大な採決がありましたものですから、ちよつと遅れまして失礼いたしまた。
#14
○ウイリアムス博士 その結果はどうでしたか。
#15
○衆議院両院法規委員長(高橋英吉君) 林君の懲罰は成立いたしまして、懲罰委員会にまわることになりました。椎熊君のは否決になりまして、懲罰委員会にはまわりません。
#16
○ウイリアムス博士 これは余談ですが、それは全部が超党派的なものでしようか。
#17
○衆議院両院法規委員長(高橋英吉君) 共産党の言動が常に無責任だからです。
#18
○委員(松澤兼人君) その点異議あり。
#19
○衆議院両院法規委員長(高橋英吉君) そういう私の見解です。林君の今度の具体的な言動について観察するところによりますと、どうかと思われる点があるかもしれませんが、大体の傾向から一應警告を発しておく必要があると思つております。
#20
○ウイリアムス博士 それは故意の陳述を本人がやつたのが問題なんですか。
#21
○衆議院両院法規委員長(高橋英吉君) 林君の弁解としては、誤つて間違いを陳述したと言うし、林君に反対の方は故意に惡意に虚偽の事実を陳述したというふうに解しております。
#22
○委員(松澤兼人君) 社会党は両方に反対です。どちらにも反対しました。
#23
○委員(眞鍋勝君) アメリカどはこういうような場合にはどうしますか。
#24
○ウイリアムス博士 結局それが故意の虚偽の陳述であるという場合であれば、議会から除名されます。ところがもし誤つてちよつと口がすべつて言つたという場合には、その議員自身が自分で陳謝する。そうしてそれが受入れられるという場合には、もちろん除名にはならないわけでありまして、そうでない限り、故意の場合は当人の二十四時間以内に除名になります。これは大きな面では院の威嚴というものがありますから、それに照し合せてみてきめるわけであります。從つて院の威嚴を傷つけたというのは、各議員に対して非常に強い感じを與えるとともに、院の威嚴というものをできるだけ保とうということでありまして、單なる議事妨害であるといつたことは、もちろん区別されます。だから、たとえば今の問題ですが、この問題も当委員会において、取上ぐベき一つの跳躍板であろうと思うのでありまして、これが一つの契機になりまして、院の威嚴というものが保たれているか、それが行われていないかということに関する問題も、この委員会では取上ぐべきであると思います。ともかく規則というものは必要でありまするけれども、規則だけでは不十分でありまして、結局のところ、各議員の行動が改善されるということが必要である。そのためにはたとえば一月に一回くらい、こういつた点につきましてよく観察をいたしまして、そうして勧告もいたす。その上事態が改善されるというようなことにでもなりますれば、これは当委員会の非常な功績と申しましようか、そういうことにもなると思います。結局改善しようと思うことに関しては、いろいろ取上げて來ますと制限がない、リミットがない、幾らでも問題がころがつておるんじやないか。從つてそのためにはこの委員会がよく活躍するということ、それから健全な判断をするということ、こういうことによりまして、だんだんと委員会の地位も重要視され、また人々もこの委員会の言うことを聞くということになつて來ると思います。それからこの次の委員会の会合のときには、両院議長をお客樣に呼びまして、そうして議長からもいろいろサジェスチョンでも聞くとか、委員会としてはこういうことをやつてくださいとかいう、それからその次にはたとえば運営委員長を呼ぶとか、あるいはまた、他の常任委員長をお客樣に招きましていろいろ話をする。しかしその話は結局のところ、委員会の非党派的な問題を取上げることに関する話ということになります。
 それからもう一つは、たとえば総長以下の事務局の者も呼びまして、それらの人々からよい考えをとるということであります。これはもう別に地位の高下ということは考えないで、いい人からいい情報を得る。それから法制局長を呼んで聞く。またときには大臣も呼びます。こんなぐあいにして一回二時間くらい話を進めますと、そのうちには一つぐらいはいい考えも出て來るかもしれないと思います。それからまた最高裁判所の判事など二、三名でも呼んで聞けばいいし、それから檢察廳の檢察官など、あげれば幾らでもあります。それから経営者、あるいは労働者の代表でもいい、あるいは学校関係の教職員でもいい。ともかく行動が必要でありまして、鐘が幾つ鳴るか知れませんが、とにかく鐘を鳴らして行かねばなりません。
#25
○参議院両院法規委員長(藤井新一君) 週に三回ぐらい委員会をやつて行けば、その理想の実現は達せられるであろうが、現在の場合には週に一回――参議院の方は二回やつておりますが、その一回でさえも集まることが非常に困難であります。それをひとついかにすれば正確にやつて行けるかということのサジェスチョンをお願いいたします。
#26
○ウイリアムス博士 私としては一週間に三回くらい開くようにしたい。もしもそれで來なければ、委員の方をやめていただきたいということを私だつたら言うでしよう。
#27
○委員(眞鍋勝君) 今日は実は非常に愉快です。というのは、日本人からこういう話は近ごろ承らなかつた。久しぶりにこういう話を聞いてたいへん愉快です。私はしばらく議員を休んでおりまして、今度出て來て一番感じたことは、議員の品位がよほど下つたということです。そこで衆議院の方はしかたがないとしても、参議院、昔の貴族院の方は品位の点においては私は非常に敬意を表しておつたが、選挙法がかわつたのと同時に、参議院も衆議院も品位の点においてはかわらぬ。この品位を高める上において今問題になつている椎熊氏それから林氏、これらの問題をこの委員会に取上げて、公明正大に批判を下して彼らに示すということが、よほど品位を高める上においても効果があるんじやないか、要するにこの委員会を善用すれば從つて両院議員の品格品位を高める点において、多大の貢献をすることができると思う。アメリカあたりの議会と日本の議会とを比べてみて痛感するのは、品位が格段の相違があることで、私はこれを非常に遺憾とする。そういう点から見てこの委員会を善用する意味において、どうかときどきウイリアムス氏に來てもらつて、こんな話をしてもらつたらよほど改善ができると思つて私は喜んでおります。なお選挙法のことについても、品位という角度からこの委員会が檢討してもらたいと思う。日本の議会の品位を高めることに、まず第一に努力して行きたいと私は思つております。
#28
○ウイリアムス博士 ともかくこちらとしていろいろそういう問題を取扱つて行つて、そうして新聞が書くように懸命にやつて六箇月もたてば、相当いろいろのことができるだろうと思います。たとえば運営委員会の方によく渡りをつけまして、自由討議の時間には、個々の委員の方が立ち上つて法規委員会のことを宣傳する機会を與えてもらうというぐあいにして、いろいろ行動を実地に移してやつていただきたい。それである党の者があまりやかましくした場合には、法規委員会に属しておる方が、法規委員会で言つたことを忘れないでくれとでも言えば、それで大声で叫んでいる人もやめるというようになるかもしれない、いわゆる十字軍の騎士にでもなつたつもりでやつてください。そういうぐあいにして機会あるごとにこちらのことを示しますと、それで法規委員会がやつているなということを皆にも了解してもらえるようになります。
#29
○衆議院両院法規委員長(高橋英吉君) ちよつと專門員の問題ですが、これは各常任委員会にも全部そういう補助機関があるし、ことに特別委員会みたいな訴追委員会等にも全部補助機関があるわけです。それによつて、議員の活動が能率を上げて行くような形になつておりますが、法規委員会は万般にわたつて関係を持つているので、より一層補助機関の必要を痛感するんですが、なぜほかのそういう委員会に補助機関を認められて、この法規委員会だけが認められないのか。それで実際法規委員の連中がうんと働かなければならないのはもとよりですが、それぞれ他に仕事を持つている関係上思うように働けない場合があるわけです。先ほど藤井委員長が言つたように、週一回の定例日すらも集まりが惡いということがあるくらいですから、どうしても実際において補助機関というものがなければ、ほんとうの働きはできないというふうに、過去二箇年の法規委員会の体験で私どもは考えるのです。ほかの委員会と比べてなぜ当法規委員会に限つて、補助機関がいらないのか、その点ひとつお聞きしたいと思います。
#30
○ウイリアムス博士 この相違は調査というのといささか性質を異にしておりまして、この法規委員会の武器とでも申しましようか、それは精神的な面にありまして、これはよき判断に基く道徳的な正義とでもいいますか、それが高いというところに法規委員会の特色があります。從つてそれを若い小さな調査をやつている者の判断にまかすべき性質のものではない。ただ結局自分の考えたところのものをそのまま実行されて行くところに特色があつて、自分で働けといつたのはその点なんです。だからいろいろ必要な情報なんかも、たとえば大学の先生なら先生にでも聞けば、そういつた点はもらえるということになります。それからその他の資料はたとえば國会図書館の方に連絡すればもらえるということになりますから、調査の方の者はいらないのです。だから皆さんも國会図書館を訪問されることを望んでおります。あそこにはいろいろなものがあつて、ちよつとびつくりなさるくらいあるのです。
#31
○衆議院両院法規委員長(高橋英吉君) それはよく活用します。その場合にこまかい法規の改廃などについて、やはり関係法規を集めたりするのに、どうしても現在は國会内の法制局の力をからなければいけないんです。ところが法制局は法制局としていろいろの仕事があつて、法規委員会に專属していないものですから、そこに非常に不便を感ずるような部面があるんですが、ごく少数でもそういうふうな手足になつて使い走りをして歩く者――國会図書館にわれわれ行つてもいいんですけれども、非常に忙しいときには代理の專門員に行かすような場合も生じて來る。そういう場合はどうでしようか、こまかい話になるんですが……。
#32
○ウイリアムス博士 そういう場合だつたら法務委員会の方に頼んだらどうですか、それは結局どうでも同じですが。要は法規委員会の方が自主的にいろいろ自分で自分のことを他に知らせたり、また判断をしたり、活動をする。ここの武器は党派的でない知識ということに盡きるだろうと思います。
#33
○参議院両院法規委員長(藤井新一君) 私はこの法規委員会のできた当時からの委員ですが、法規委員の活動ははなはだ貧弱であるという指摘を受けたんですが、事務員を置き、タイピストを專属に置き、部屋を與えてもらつてやらなくてはいかぬということをウイリアムスさんが確かにいつたはずです。われわれは記憶しますが、今日の発言はそれと違つた発言をしておられるがどういうわけですか。
#34
○ウイリアムス博士 私としましては、結局道具よりも人だと思つておるのでありまして、最初は人が中心になつて行くかもしれないと思つておつたんです。ところがあなた方が、もう人の点においてはいい、それでほしいものがあるというならば、もちろんそれは取つたつていいわけなんです。藤井さんは頭がいいから前のことを記憶なすつておりますが……。
#35
○委員(大野幸一君) 先ほど藤井さんが、衆議院議員の不出席のようなことをおつしやいまして、眞鍋さんが、議員の品格のことについて話をされましたが、私はこれからほめていただきたいことを御報告申し上げたいと思います。それはわれわれ社会党では松澤さんと私、大野ですが、衆議院と参議院とおのおの一人ずつですが、今少数党に陷つているので、おそらく発言が採用されるのはこの委員会以外にないと思つておりますけれども、そこでこの間参議院の全國区のことについては、自由党の委員が自党の政策に反対しても、ここでは全会一致で賛成してくださつた。こういうことは非常にほめていただいていいことだと思うんです。今後もよろしくということを申し上げます。
#36
○ウイリアムス博士 それは非常によろしい。
#37
○衆議院両院法規委員長(高橋英吉君) いろいろ有益なお話を伺うことができましてありがとうございました。
 これをもつて懇談会は終ることにいたします。
   午後三時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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