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#1
第061回国会 農林水産委員会 第28号
昭和四十四年七月三日(木曜日)
   午前十時五十八分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         任田 新治君
    理 事
                高橋雄之助君
                宮崎 正雄君
                達田 龍彦君
                矢山 有作君
    委 員
                河口 陽一君
               久次米健太郎君
                小枝 一雄君
                櫻井 志郎君
                園田 清充君
                田口長治郎君
                温水 三郎君
                森 八三一君
                和田 鶴一君
                杉原 一雄君
                武内 五郎君
                鶴園 哲夫君
                中村 波男君
                沢田  実君
                向井 長年君
                河田 賢治君
   国務大臣
       農 林 大 臣  長谷川四郎君
   政府委員
       農林大臣官房長  大和田啓気君
       農林省農政局長  池田 俊也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農業協同組合法の一部を改正する法律案(第五
 十八回国会内閣提出、第六十一回国会衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(任田新治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 農業協同組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○鶴園哲夫君 協同組合運動の重要な基本であります協同組合教育活動について伺いたいのですが、この協同組合短期大学を廃止するあるいは解散するという紛争があるのですが、長いこと続いているわけですけれども、その間の事情については農林省としては御承知かどうか、まずお尋ねいたします。
#4
○政府委員(池田俊也君) 一応承知いたしております。
#5
○鶴園哲夫君 この協同組合短期大学は、学校教育法に基づく文部大臣認可の短期大学のようでありますが、なぜ学校教育法に基づく短期大学になったのか、その間のことをお尋ねいたします。
#6
○政府委員(池田俊也君) 詳細なことは必ずしも承知いたしておりませんが、これは歴史が非常に古い教育施設でございまして、たしか大正十五年に産業組合学校というかっこうで一応発足をいたしたわけでございます。目的は、産業組合の運営に当たる職員の養成というようなのが中心であったようでございます。その後、ずっとそういうことで教育が行なわれていたわけでございますが、戦後におきましては、協同組合学校というふうに名称が入れかわりまして、内容は大体同じだったと思うわけでございますが、それがやはりいろいろ一般の教育水準が逐次上昇するというようなこともございますし、それからまた協同組合の業務が非常に複雑になりまして、相当程度高度な知識が要るというようなことがございまして、もう少し程度の高い学校にすべきであるという議論が農協の中から起こりまして、昭和三十年に短大に昇格といいますか、学校教育法による短大になったというように承知をいたしております。
#7
○鶴園哲夫君 いま局長のお話の、昭和三十年に学校教育法に基づく短期大学になった際に、農林省としては補助金を出しておられますか。
#8
○政府委員(池田俊也君) 短大になりましてから、たしか通信教育関係の施設の一部を補助したことがございます。
#9
○鶴園哲夫君 私が農協労連と話をしてみますと、この短期大学のときに補助金を出しておられる、それからいま局長のお話のように、通信教育制度という、非常に大規模なもののようですけれども、この大規模な通信教育制度を設けられたときに補助金を出しておられるようですね、確かではないですけれども、そういう短期大学をつくるときと通信教育制度をつくるときと出しておられるように思う。で、後者の場合は、一千万円というふうにいっておりますね。これはどういう積極的な意味があったのか。つまり、農協が短期大学をつくる、あるいは農協に働いている者が働きながら協同組合教育を受けていくという非常に大きな制度であるこの通信教育制度、それに対して非常に大きな補助金を出すということは、これは政府として積極的に奨励をしていくという意味があってなされたのか、どういう意味でこの補助金を出されたのか、それを伺います。
#10
○政府委員(池田俊也君) 通信教育は、いまお述べになりましたように大体は、現に農協の職員でございまして、従来そういうような教育を受ける機会に恵まれなかった方々が多数あるわけでございますが、そういう人たちにつきましても一やはりその知識、能力を向上していくということは、これは農協の事業の適切な運営という見地から非常に必要なことでございますし、そういうような観点から、そのための施設に対して助成をする、こういう考え方でございます。
#11
○鶴園哲夫君 私が申し上げました、通信教育制度の創設のときに一千万円の補助金を出された、短期大学のときにも出されたというふうに聞いておるんですが、その点はどうかという点も御答弁をいただきたいと思います。
#12
○政府委員(池田俊也君) 短大ができます前の昭和二十九年度というような年にも百万円程度、比較的少額でございますが補助金を出してあるわけでございます。まとまった補助金といたしましては、昭和三十四年度に一千万円の助成をいたしているわけでございます。
#13
○鶴園哲夫君 農協労連の新聞によりますと、農協教育機関整備委員会とかいうものがあったようですね。これはいつできたんですか。どの程度動いておったものですか。
#14
○政府委員(池田俊也君) これは全国農協中央会が中心でございますが、これが、全国連でございますとかあるいは県連でございますとか、そういう連合会の会長クラスをメンバーにいたしまして農協教育整備対策委員会というものをつくったわけでございますが、できましたのは四十二年の六月でございまして、その後ずっと農協教育のあり方というようなことにつきまして検討をしたことを承知しております。
#15
○鶴園哲夫君 この整備対策委員会に農林省はだれがメンバーとして参加しておられるんですか。
#16
○政府委員(池田俊也君) メンバーといたしましては農林省は参加いたしておりません。ただ、オブザーバー的に委員会の議論の内容を知るために担当者が出ていたことはございます。
#17
○鶴園哲夫君 担当者というとだれになるわけですか。課長ですか。
#18
○政府委員(池田俊也君) 協同組合課長でございます。
#19
○鶴園哲夫君 この協同組合短期大学が解散する、あるいは廃止するというんだそうですが、これはどういう理由なのか。農協の教育活動にとっては非常に重要な問題だと思うんです。先ほど局長から説明ありましたように、大正十五年、産業組合学校として活動をして、それが戦後学校教育法による協同組合短期大学というふうになり、さらに通信教育制度もこれに付加して設置をし、今日まで協同組合運動の中で重要な内容をなす協同組合教育活動をやってきたわけなんですが、これを廃止するということはどういう理由に基づくものなのか。文部省のこれは技術教育課ですね、文部省の話を聞いてみますと、きょうお呼びをすればよかったのですがね、お呼びをするほどでもないであろうというふうに思いましたのでお呼びをしなかったのですが、文部省に対して協同組合短期大学を廃止するという申請を出しておられるのかどうなのか。
 私がこれからいろいろお尋ねをいたしますのは、私は、その短期大学という教育活動は農協の活動上非常に重要である。特に今日非常に重要であるというふうに思うことと、さらに、農林省はこの重要な問題について無関心でおれぬはずだ、しかも補助金まで出しておられますよ。そういう立場から私は政府のはっきりした態度を聞きたいわけなんです。そういう意味でこの短期大学について伺っているわけですから、いま申し上げましたように、解散する理由は一体何かということと、文部大臣に対しまして短期大学を廃止する申請を出しておられるかどうか。
#20
○政府委員(池田俊也君) これはいろいろ農協内部の一つの考え方の問題がございますので、私どもがあるいは把握していることは必ずしも真相のすべてを把握してないという点があるかと思いますが、私どもが承知しておりますことは、一つのきっかけになりましたのは、現在この協同組合短大というのは世田谷にあるわけでございますが、敷地が五千四百坪程度。ところが、これが昭和三十八年ころであったと思いますが、その以前からあるいはあったのかもしれませんが、道路計画がございまして、どうもその道路計画からいくと、協同組合短大の敷地を通過せざるを得ない。こういうことで、それがはっきりした形をとりましたのは四十一年ころでございますが、先ほど申し上げました敷地の約二割くらいがその道路の敷地として必要になるということで四十一年の七月にくい打ちが行なわれ、測量が開始された、こういう経過があるようでございます。しかもこの道路が敷地のまん中を通過するというようなこともございまして、どうも従来でもかなり、あまり広い敷地ではございませんでしたし、そういうようなことになると、どうも教育を行なう環境として、施設として十分でない、こういうようなこともございまして、いずれにしても移転をせざるを得ない、こういう事情があったようでございます。
 ところが、そういう移転をするというようなことが一つのきっかけになりまして、まあ四十二年春ごろから全中が中心で教育施設の整備ということを内部的にいろいろ検討を始めたわけでございますが、その段階におきまして農協の組織の中から、どうも現在の協同組合短大の教育のやり方が適当でないのではないかという意見が出たようでございます。まあそういうようなことがございまして、その後先ほどお話がございました農協教育整備対策委員会がずっと検討しておったわけでございますが、八月に大体結論が出、それからさらにその後十一月に全国の農協大会というものが開かれまして、役職員教育に関する対策というものが一応決議をされまして、協同組合短大というものとは別に、中央に中央協同組合学園というものを設立しようというような方針がきまり、逐次その後それが実施に移されていると、こういうような経過をたどっておるようでございます。まあその関係におきましては、協同組合短大はいずれ廃止をされるということになるわけでございますが、まだ教育が現に行なわれておりまして、在学生もいるわけでございますので、現状におきましてはまだ文部省に対して廃止の申請は出ておらない、そういうように承知しております。
#21
○鶴園哲夫君 いま局長の答弁の中で、ここを道路が通るということが一つのきっかけになって、さらに、まあどういうことにするかという際に、いまの短期大学の教育について適当でないのではないかという意見が出たというような話なんですが、適当であるかないかという点についてはいろいろ問題があると思うのです。ですから一応それはここでおきまして、もう少し筋道の点についてお尋ねをしたいと思うのですけれども、いまのお話のように、結局その短期大学は廃止すると、そして中央協同組合学園ですかというようなものができると、しかし短期大学を廃止するという、廃止したいという申請は文部大臣には出してない。しかし農協労連の新聞によるというと、一年生の学生の入学は取りやめているようですね。申請は出してないのだが、すでに一年生の入学は取りやめたと、実際上廃止してから届け出を出すつもりなのか、廃止の申請はしてないのにすでに一年生の入学は取りやめているというのは、私は少しそれは順序が逆のような気がするのですね。廃止の許可の申請を出して許可がおりたと、それから一年生の入学をストップするという筋道がいいのじゃないかと思うのですね、逆になっておりますね。その間のその事情はどういうことなのか。いま大学紛争というものはとかくうるさいものだからこういうような手段をとられたのかどうか。文部省の話を聞きますと、一年生の入学を取りやめるという、この入学は取りやめるという届けば出しておるようですね、届けば。ですけれども、届けを出しておるので、これは許可事項じゃない。つまり申請事項じゃなくて届け出でいいようですね。どうもこの辺問題があるように思うのですけれども、いずれにしてもそういうまあ手続になっておるわけだから、廃止の申請はしてないけれども――してないですね、これ。にもかかわらず一年生の入学は停止するということですね。その間の事情、少し込み入ってるようですね。また常識上どうもさか立ちしているように思うんですね。この間の事情について……。
#22
○政府委員(池田俊也君) 学校教育法におきます扱いにつきましては私ども実はよく承知をしておりませんので、いまのようなケースの場合に、在学生の教育は続けるという場合に、それが終わったときに廃止の申請を出すのが至当か、あるいはその前に出しておきまして、経過的に存続するというような手があるのか、実はそこらの学校教育法の扱いを私ども一承知をいたしておりませんので、的確なお答えができないわけでございますが、私どもの一つの見方といたしましては、現に在校生がいるんで、それに不安を与えるというような――これはもちろん一年生の採用をストップすれば不安を与えるということは避けられないかもしれません。それにいたしましても、短大としては明らかに存続をする、そしてその教育が終わった後に正式に廃止の申請を出す、そのほうがよりよいというような判定がその裏にございまして、そういうような扱いがなされているというふうに理解しているわけでございます。
#23
○鶴園哲夫君 先ほど申しましたように、短大を廃止するという許可申請は全然出しておられないんですね。出していないにもかかわらず、廃止の一年を踏み出したわけですね。つまり、一年生の入学をやめた、あと二年生が残っておるだけ、実質上今年で終わる。来年の三月には短期大学には学生はいない。こういうやり方は協同組合の教育運動としてははなはだしく私はふさわしくない、精神的におかしいですね、なっちゃいない。政府は農協の教育活動についてはもっと重要な関心を持つべきだし、奨励金も出しておられるんですよ、補助金も出しておられるんですよ。さらにまた先ほどの対策の委員会のメンバーにも協同組合課長がこれは農政局長の代理として見えておられるんですから、もう少し明確にこれはしておいていただかないと、私はいずれ補助金の問題については責任を問いたいと思っております。どういう責任をとられるのか。
 そこで次にお伺いいたしますが、先ほど一千万円の補助金を奨励金といいますか、補助金を出されました通信教育制度ですね、これは学生が七、八千名おるというふうに聞いておるんですが、この通信教育制度というのは一体今度の短大の廃止によってどういうことになるか。時間の節約のために申し上げておきますと、私が文部省と話をしてみますと、どうも短期大学を廃止することによって、通信教育制度というものをなくするわけにいかないようですね。どうもそのようですね。これは私が問い合わせたわけじゃないんですが、いろいろ問い合わせてみますと、どうも通信教育制度というのは廃止するわけにいかない。短期大学はいまのお話のように廃止の申請をいたしますというと、これは手続としては簡単なようですね。歴史の上とか、現状はいろいろありましょうけれども、手続としては簡単なもののようです。この短期大学に付設して設けられている大規模な通信教育制度というのは、これはなかなか廃止できないようですね。これはどういうふうに処理されるおつもりですか。
#24
○政府委員(池田俊也君) 通信教育の学生、現在千四百人ぐらい在籍者としてはあるようです。確かにいま御指摘のように、これを廃止するということはいろいろ問題があるようでございまして、そういう方面におきましてもこの取り扱いをどういうふうにするか現在検討中のようでございますが、大体見通しといたしましては、これは廃止しないで、やはりそのままのかっこうで通信教育として残すということになるのじゃないかというふうに私は承知をいたしているわけでございます。
#25
○鶴園哲夫君 先ほど局長がお話になりました中央農協学園ですか、この中央農協学園というのは学校教育法による学校じゃないようですね。花嫁さん学校とか理容学校とか、あるいは料理学校というような特殊学校ですね。これは文部省から聞いたのですが特殊学校のようですね。知事の認可の学校ですね。これはどういうわけなんですか。協同組合の教育活動、教育運動というのがきわめて重要だということは御承知のとおりです。長い歴史を持って、そうして戦後やはり短期大学という資格が必要だというところから学校教育法に基づく短期大学というものができた。その短期大学を廃止して、特殊学校である――これは教育内容は別にして、学校の格としては話にならないですね、こういう特殊学校になってしまう。一体何を私は農協はお考えなのかということを聞きたいのだが、しかし政府としてどういうふうに考えておられるのか理解に苦しみますね。補助金を出した政府としてどういうふうに考えておられるのか伺いたい。
#26
○政府委員(池田俊也君) これは学校教育法にいろいろの種類の学校があるわけでありますが、その中で各種学校という一つの形がございまして、その各種学校として発足させるという計画で現在東京都に対して申請を出しているわけでございます。その詳細な考え方の筋道というのは、私ども必ずしも詳細に把握しているわけじゃございませんが、大筋の考え方といたしましては、従来の協同組合短大というようなものに対して農協の中でいろいろな批判があるというところから、やはりこういう協同組合の職員の養成というような観点からいうと、もっと協同組合組織に直結した教育機関のほうが好ましい。それには具体的にはたとえば全国中央会が直接その事業に当たるほうがいいのだという、そういう考え方があるわけでありまして、そういう考え方からいいますと、短大になりますとどうしてもこれは独立をいたしますので、そういう形をとらないで直接全中がやりたいということでやるといたしますと、いまのような各種学校という形でしかないわけでございますので、そういうように確かに学校の格というか、感じからいたしますと何か一段下がったような形になるわけでございますが、そういうような希望から各種学校という形をとりたいと、こういうことになったというふうに理解しております。
#27
○鶴園哲夫君 理解はわかりますけれども、これは格下げどころの騒ぎじゃないですよ。これは産業組合学校から短期大学にしたということは、これはやはり資格の問題が重要だったのでしょう。今度は短期大学がなくなっちゃって各種学校だというのでは、これはどうも解せないですね。これで協同組合の教育運動がさらに前進をしていくのだというふうには全くとられないですね。そこでこれは先ほど局長、短期大学に付設してある、そして農林省が一千万円の奨励金を出してつくった通信教育制度というものを残したいのだという話だったですね。残せるのですか。どうも私がこれを聞きますと――私だ聞いたのじゃなくて、聞いてもらったのですが、聞いてもらいますと、どうも協同組合短期大学というのは特殊な大学ですから――ほかにないわけですよ。そういう大学はほんとうに一つしかない、日本に。そういう大学の通信教育だから、どこかの大学にこれを持っていくわけにはいかぬだろう。もちろんこれは今度できるやつはいまお話しのように、私も申し上げておるように特殊な学校ですから、そこにはこれはもう全然持っていくわけにはいかない。資格のないものがもしできたとすれば、全く資格のないものですし、おそらくできないでしょう。農協運動に従事している者が働きながら農協の教育活動に積極的に参加していくという制度がなくなるということになるのですよ。
#28
○政府委員(池田俊也君) どうもこれは実際の扱いとしてなかなかむずかしい問題があるようでございまして、確かにいま先生のお話しのように、非常に特殊な通信教育でございますから、なかなかほかにというわけにはいかない。それでまた、学生も一つの時期にまとめて入るということではなしに、必ずしもそういう形をとらないというようなことでございますので、なかなか区切りがむずかしい。しかし、そういう学生がいる限り、これを廃止するというのもこれは適当でない、こういうようなことがございまして、少なくとも現在の学生がいる限りは廃止ということができない、こういうようなことがあるのでございます。そういうようなことで全中当局もこの扱いをどうするかということはいろいろ検討しているようでございますが、私どもが承知しております限りでは、少なくとも現在の学生がいる限りは存続すると、こういうような考え方のように承知しております。
#29
○鶴園哲夫君 これは非常に重要な内容を含んでいるように思うのですね。つまり、付設してある通信教育制度というのは、短大が二年制ですから通信教育制度はおそらく四年制だと思う。そして、これは八年間は有効なようですね。これは大学制度がそうでしょう。八年間は在学できる。そうしますと、これからこの通信教育制度というのを廃止しようと考えても、八年間はあるということになりますよ。短期大学は廃止という許可を出すわけにいきませんでしょう、その間、八年間は。だから文部省に対しては農協短期大学を廃止するという申請はしてない。廃止しないが、しかし一年生を入学させることはすでにことしやめた。来年は卒業だ。短期大学は実質上なくなる。が、それでも短期大学を廃止するという申請は出せない。出すのは七年後と。こういう妙ちくりんなことになってるのはどういうことなんだ。もっとこれは一千万円の補助金を出して奨励してきた問題ですから、責任を持ってこういう点を私ははっきりさせなければならない。大臣、どうですか。大臣のほうはゆっくり答弁していただいていいのですが、局長、どういうように考えられますか。
#30
○政府委員(池田俊也君) 確かに非常にむずかしい問題でございまして、私どもも全中当局でその点いろいろ検討しているということは承知しているところでございますが、学校教育法の扱いの問題にもなりますので、ここで実は的確にお答えいたしかねますので、文部当局とも十分私どもも連絡をいたしまして、極力本来の趣旨に沿うような措置をとるように、側面から指導いたしたいと思います。
#31
○鶴園哲夫君 私は、初めから申し上げていますように、農協の教育活動というのは農協にとっては欠くべからざるものなんだと。協同組合運動というのは、御承知のとおりなんですよ。ですからそういう教育というのは、資本主義社会において行なわれていないのだから、資本主義そのものの中では。だから協同組合が自分から協同組合学校というものをつくって、そこで協同組合運動というのは、教育活動をしているわけだ。きわめてこれは重要な問題なんですね。その上、大学――学校の問題だから、教育活動の問題だから聞いているということと、農林省が一千万円の金をかけて、その前にも補助金を出してやっている教育活動じゃないか。それに対する態度として、いまの局長の答弁では、これはどうも私は納得できない。ですからあとほど協議をされて、それから全中とか関係方面とも協議をされて、答弁いただくなら答弁いただく。簡単にこんな問題を私は処理するわけにいかない。先ほど来申し上げておりますが、繰り返します。
#32
○政府委員(池田俊也君) 文部当局あるいは全中等ともさらにこの問題、検討いたしまして、またあらためて御答弁申し上げることにいたします。
#33
○鶴園哲夫君 農林大臣の答弁も、この際、もう一ぺんはっきりしておいていただきたいと思います。
#34
○国務大臣(長谷川四郎君) ただいま局長から御答弁申し上げたように、文部、全中とも十分連絡をいたし、話し合った結果をまた御報告申し上げたいと思います。
#35
○鶴園哲夫君 この点についてはすみやかにそういうように大臣、局長の御答弁のように協議をされて、ひとつ委員会において御説明をいただきたいと思います。簡単な問題じゃないと私は思っています。こういうものをいいかげんに農林省が取り扱うから困るのです。これは教育活動、教育制度としてやらなきゃならないことは政府としてははっきりやってもらわないと困るのです。一部に適当でないというような意見があったということのために学校そのものを廃止するというのはおかしな話、どういう立場からいってもこれはおかしい。おれがつくっているんだからかってだろうというような話でもいけない、これは。まして政府が補助金を出して積極的に奨励しているというのだから、そういう意味の立場からいってもこういうものは……。しかも日本にただ一つあったこの歴史のある、資格のある学校教育法に基づく短期大学を廃止して、名前は何か中央協同組合学園という名前だけれども、各種学校であるというような、これは資格としては格段に資格の低い学校ですね。教育大学は別かもしれませんよ、それは。資格がないです。資格がとれない、こんなものでは。しかも重要な意味を持っている通信教育制度そのものも非常におかしな、全く一体学生を何と心得ているのかと思う。
 そこで農林省に伺いますのは、この一千万円の補助金を出されたんですが、これは召し上げますか、農林省としては。私は短期大学は廃止するというなら、そういう方針がはっきりして、それでいくということになるなら、これは農林省として責任をとるべきだと思いますが、私は補助金を召し上げただけで終わる問題では絶対ないと思いますけれども、どういうふうに責任持っておられますか。
#36
○政府委員(池田俊也君) この補助金を支出いたしました当時は、こういう問題が起こるということは全く想像しておらなかったことは当然でございますが、こういう問題が起きまして、通信教育を廃止するというようなことにかりになりました場合には、当然これは補助金適正化法に従って処理すべきものであると私どももちろん考えておるわけでございまして、まあ十分検討いたしたいと思いますが、そういうような場合にはもしその施設がもちろん減価償却をいたしておるわけではございますけれども、なお残余財産があるという場合にはそれは返還を命じるということもあるわけでございますので、そういうような点も十分考えて適当な措置をいたしたいと考えております。
#37
○鶴園哲夫君 次に農協の共済連の問題につきまして、時間の関係もありますので一点だけお尋ねをいたします。
 この間、大臣御承知のように農業共済連が盛大な共済連の表彰式を行ないましたですね。たいへんな盛大な表彰式を行なわれたわけなんですが、この表彰式に農林大臣賞が出ておりましたですね。これは農林省はどういう賞状をこの共済連の盛大な表彰式で出されたのですか。
#38
○政府委員(池田俊也君) 共済事業に関します優績――優績というのは成績のよかったということでございますが、優績組合表彰ということで農林大臣賞その他を出しているわけでございます。内容的にはこの種類が、内容はさらに種類が分かれているわけでございますが、本年度におきましてはたしか六組合であったと思いますが、大臣表彰をいたしております。
#39
○鶴園哲夫君 私はこれからこの農協の共済連の表彰の問題については適当を欠くというふうに思いますので伺うわけです。いま大臣賞等と言われましたが、この新聞を見ますというと、大臣賞と農政局長賞が出ていますですね。何ぼ出されたのですか、これは。農政局長賞というのがだいぶ出ているじゃないですか。五つですかな。農林大臣賞というのは何ぼですか、これ。何ぼ出されたのですか。農林大臣、何ぼ渡しましたか。あなた御出席になって表彰状を渡しているところが出ている。しかも握手している。新聞に載っている。何ぼお渡しになりましたか。
#40
○政府委員(池田俊也君) 農林大臣賞は先ほど申し上げましたとおりでございまして六組合でございます。それから農政局長賞、私が渡したわけでございますが、ちょっと数はいまはっきり覚えておりませんが、大臣表彰よりか多いわけでございます。たしか十組合程度であったと思います。
#41
○鶴園哲夫君 農林大臣賞は六つ出ているわけですね。そうしていま局長賞が十くらい出ているだろうというお話なんですが、そこで農協運動、農協活動の中で全販連、全購連あるいは信連関係のものもあるわけですね。農協活動の中でこういう大臣表彰状を渡したりするようなそういう表彰式はほかの農協やっているのですか、ここだけですか。大臣表彰ここだけですか。ほかやっているのですか。
#42
○政府委員(池田俊也君) 協同組合に対しますこの種の表彰は現在は共済関係だけでございます。
#43
○鶴園哲夫君 この新聞を見ますと農林大臣賞というのは六枚出ていますね。これはどうでもいいですが、ただ農協活動の中で共済連だけ出ているということはどういう理由に基づくのかですね、それをお尋ねします。
#44
○政府委員(池田俊也君) この表彰の扱いというのは農林省全体の一つの扱いの問題があるわけでございますけれども、どちらかと申しますと、農林省としては積極的にこういう表彰状、こういう事業に対しては大臣表彰を行なう、こういうような形を実はとっておりませんで、むしろこういう事業でないと出しませんというような逆の実は扱いをとっているわけでございます。したがいまして、ある、いろんな事業がございまして、その事業がぜひひとつその事業の奨励のために大臣賞を出してほしいという申請がありましたときにその基準を当てはめてみまして、妥当なものであるという判定をいたしました場合には、大臣表彰状を出す、こういう扱いをしているわけでございまして、ほかの事業につきましてはたまたま私どものほうにそういう申請がない、こういうことで特に共済事業につきましては非常に熱心な申請がございまして、事業の内容をいろいろ検討した結果出すということになりました。
#45
○鶴園哲夫君 いま局長答弁ですと、ほかの販連なりそれから信連なりあるいは全購連なりというほかの協同組合事業の中には出していないが、ただ共済連だけについては熱心な要望もあって、そこで農林大臣賞を出しているのだというお話なんですね。しかもその農林大臣賞というのは積極的にというわけじゃなくて、こういうものに該当するものはひとつ出そうということになっているんだというお話しなんですね。それでこれは「農林大臣賞状の取扱い」というのが農林省にありますね。これを見ますと、「農林大臣賞状の取扱いについて」「共進会、品評会、競技会等」に農林大臣賞を出すことになっているんですね。これは一体何の品評会です。何の競技会です。何の共進会なんです。私は農林大臣考えていただきたいと思うのです。これは適当を欠くと思うのです。ほかの信連でも販連でも購連でも、これは常識であると思うのです、出さないのです。出してないのです。農林大臣賞をくれという共済連から積極的にお話があったようですが、私は適当を欠くと思うのですがね。これはあとほど申し上げますけれども、局長、何の競技会なんですか。品評会なんですか。何を共進するのですか。
#46
○政府委員(池田俊也君) これはいまお話がございましたように、「共進会、品評会、競技会等に際して」、こういう「等」というのがあるわけでございます。いわば共済事業につきましての優績――優秀な成績をおさめた、それのコンクールであるというような性格も一部ではございますので、正確には品評会、競技会とは言えないかと思いますが、それに準ずるものということで「等」の中に入る、こういうふうに理解しているわけでございます。
#47
○鶴園哲夫君 これは大臣、大臣賞取り扱い規定があるんですよ。大臣賞を出されるに当たりましては規定がしてある。むちゃくちゃに出すわけじゃない。いま局長は「等」とおっしゃる。何かコンクールに類するものだそうですね。「等」に入ります。その「等」に入るというその表彰に、農林大臣賞が六枚も五枚も出ている。大体農林大臣賞というのは一枚のものですよ。大臣も出しておられる経験がある。六枚をぺらぺらと出しちゃったというのは、これはぼくはたいへんな優遇をしている何だと思うのです。というのは、共済組合活動というのは評判があまりよくない。かんばしくないわけです。コンクールに類するとおっしゃったが、コンクールに類するようなことをやっている。いま何とか運動をワッペンをつけてやっているそうです。そのワッペンをきょう持ってこようと思って持ってきてないのですが、つまりノルマがあるわけですね。末端まで責任負担をさせられているわけです。これは負担をさせられた、それを遂行しなければいけないわけです。全部ノルマを与えられてそれでしりたたかれて一生懸命やっているわけなんです。昼間行っちゃ農家はいませんから夜行く。超過勤務になるが、超過勤務を出していないというような事例が一ぱい起こっているんですよ。有名な事実ですよ。盛んに競争させておるわけです。それのコンクールに農林大臣、農政局長が表彰状出して一緒になってあおるというのは一体何事ですか。どういうわけですか。こういう点は不適当ですよ、大臣も考えられなかったらだめです。
#48
○農林大臣(長谷川四郎君) これは私のときだけじゃない、毎年で、ことし初めてやったのではない。もっと早く御注意してくれればよかったのでありますが、そういう点は社会党も当日行っておられたんだが、出す前に言ってくれたら出さなかったんだが、いまはおこらないで話してください。そのときに早く注意してくれれば私だって出しゃしません。私は全然知らない。前例でございますとか言ってこれだけ読んでくれと言われたので読んできただけなんです。そのときに社会党の方たちも行っておられたんですから、いかぬのだと注意してくれて、ごもっともだということになれば帰ってくるんだけれども、いまになって言われてみても、やっちゃったので、今度来年よりそういうことを検討するよりしようがないですね。
#49
○鶴園哲夫君 それは大臣のお話のそういう点もありまして、私は昭和四十二年に農協問題について伺ったんですよ、いまその全部の続きをもう一ぺんやっているわけです。サイトの問題もそうです、手続の問題についてもそうです。それから米の手数料の問題についても前回出した問題です。農協の表彰状についても四十二年に出したんです。大臣はそのときはいらっしゃらないわけであります。そのときの大臣は倉石農林大臣でした。ですが改まりませんから再びここに出したわけなんです。おっしゃるとおりに、ノルマではどうだこうだということは、あるいは大臣の耳に入っていないかもしれない。農政局長の耳に入らぬようじゃこれは失格のおそれがあります。担当の局長としては。しかし、いろいろあるわけですよ。そういうものに農林大臣賞出して、農政局長も出して、しりたたいておるというようなことでは、どうも適当を欠くんじゃないかというふうに思います。それからここに大臣賞の取り扱いを規定しているものがあるわけですが、「等」ということでコンクール的なものに五枚も六枚も農林大臣賞出すというのは穏当を欠く。農協運動として全販連がやっておる、全購連がやっているようにやっていいんじゃないかと思うんですね。ですからいま大臣の答弁にありましたように、ひとつ御検討をいただきたいというふうに要望をいたしておきます。
 次に農協の不正事件について、これも念のために農林大臣に申し上げておきますけれども、四十二年の倉石農林大臣のときにやりまして以後全然改まっていない。のみならず、著しく増大をいたしまして異常な状態になっているというふうに見られますので、重ねて農協の不正事件についてお尋ねをいたしたいと思います。今度の衆議院の農林水産委員会に農林省が農協の不正事件につきまして資料を提出いたしております。それは私ももらいました。「農協不正事件の概況」、昭和四十四年四月九日、農林省農政局というので、三十二年度から四十二年度まで件数と金額が出ております。四十二年というのはいまの段階では一番新しいものだろうと思います。ですから、ことし衆議院に出した資料では四十二年度が一番新しいものとして出ております。
 そこでこの問題についてお尋ねをいたしますが、一体農林省が、ここで「農協不正事件の概況」として出しておりますこの不正事件というのは、一体どういう内容なのか。その点食い違っておってはまずいと思うので、この不正事件というのは一体どういうことなのかをまず明らかにしてください。
#50
○政府委員(池田俊也君) 先ほど先生の御指摘になりました資料の数字でございますが、これの基礎といたしましては、いろいろ役員の横領でございますとか背任でございますとかというようなことで刑事事件になったもの、あるいは当然その性格上刑事事件になるもの、そういうような一応の前提に基づきまして集めた数字でございます。
#51
○鶴園哲夫君 刑事事件に該当するあるいは刑事事件に該当しないで弁済をして終わるという問題もあるでしょうし、いろいろあるのだろうと思いますが、刑事事件に至らない不正というものもあるというようなことを考えますと、これはたいへんな状態だと私は思うのです。農協の不正事件というのはたいへんな事態ですね。そこで、四十二年の資料がいまのところ一番新しいわけですから、四十一年は御承知のように農協の不正事件の年になるのじゃないかというふうにいわれて騒がれた年なんですよね。そこで私四十二年にこの農協の不正問題を取り上げたわけです。火曜日のこの委員会で取り上げました千葉の農協共済連の五千万円。この事件というのは、四十一年、四十二年にかけて大きな問題になったのですね。同時に、この年にはたくさんの不正事件が起きたのですね。その当時の資料もここに持っておりますが、質問したわけですが、そのときは倉石農林大臣の都合がありまして三時間の予定を一時間半しかしなかったので、あるいはこの事件をあげなかったかもしれませんが、石川県の山上農協の六千八百万円事件、岐阜市農協の五千万円横領事件、大阪府堺市の中央農協の六千四百万円の横領事件、三重県の農協長が二億五千万円の不正融資をして、これが焦げついた。埼玉の皆野農協の参事が一億二千四百万円の不正融資をやって、その中の一億円が行く先がわからぬ。全部これは毎日新聞、朝日新聞にでかでかと載ったやつです。それでなければ私はこれは知っていないわけです。これが載った。そこで朝日新聞にいたしましても、四十一年は農協の不正の年だ、不正事件の年になるのじゃないかといって騒いだ。われわれもたいへんなショックだった。農協関係者はもちろんですが、農政に関係している者は全部四十一年の記憶があると思いますね。局長はそのとき農政局長じゃなかったのですけれども、農林省の幹部だったのですから当然これは大きなショックを受けておるに違いないが、御記憶ございますか。
#52
○政府委員(池田俊也君) その当時農政局におらなかったわけでございますが、いろいろ新聞紙上等でかなり大きく扱われた事件でございますので、私どももその一部につきましては、いまお話のように相当関心を持って記事を拝見したことがございます。
#53
○鶴園哲夫君 先ほど農政局長が、農協の不正事件というふうにして農林省が出しておる資料というのは、これは刑事事件に該当するものだ。しかしそれ以外に不正というのはあるわけなんですね。いずれにしても刑事事件に該当するという不正事件というのが四十一年に金額としては十六億なんですね。その前の年は九億なんですね。その前の年は五億です。ですから高度成長もいいところですね。たいへんな高度成長です。九億から十六億になっておるのですね。そこで農林省は、四十一年から四十二年にかけまして、農協の不正事件について局長通達を何回出されましたか。当然こういう事態ですから、農政局長としては、農協の不正について適切な措置をとったと思うのです。とるべきだと思う。したがって、農政局長が措置をとろうとすればいろいろあるでしょうけれども、まずお役所のことですから、通達ということになるわけですから、何回通達をお出しになったか。
#54
○政府委員(池田俊也君) 実はごく最近、依然として不正事件が続出をいたしておりますので、あらためて関係者の奮起を促すという意味で通達を出したわけでございますが、それを含めまして四回ほど出しております。
#55
○鶴園哲夫君 そういうことでは困りますね。局長は、それはつい最近なられたのですから、しかしこれはそういうようないいかげんな話じゃ困りますよ。私の手元にこういうのがあるのです。昨年の四十三年の五月九日、「時事通信」の農林経済版、この中に農協課から公表したものが載っておる。これによりますと、「農業協同組合の不正事件の発生防止について、四十一年から四十二年にかけて四回にわたって通達を行なった。特に四十二年五月の通達は厳重なものであった」と、こう書いてある。四回出した、四十二年の五月までに。もう四十二年五月の通達を忘れておるのじゃないですか。非常に強調しておる、この中に。だめですよ。いいかげんだ。その四十二年五月の一日の通牒を出してもらいたい。重要だからお願いします。強調してあるのですよ、四十二年五月の農協の不正事件防止についての局長通達。
#56
○政府委員(池田俊也君) 四十二年の通達は私いま持っております。内容につきましていろいろございますが、現在までのいろいろな不正事件が起きてきた原因等にかんがみまして、こういうような点について特に配慮をする必要があるので、そういう点についてひとつ十分指導をせよと、こういうような趣旨のものでございます。たとえば、農協の内部牽制組織というようなものが非常に不十分でございますので、たとえば信用事業等につきましては、現金出納とか記帳とか承認とかいう事務は独立して少なくとも担当者を三人以上にせよとか、あるいは配置転換は計画的に行なえとか、その他たくさんございますが、そういったような内容のものでございます。
#57
○鶴園哲夫君 これは農林省農務課で出したやつですが、一種の講評みたいなものでしょうけれども、それによりますと――局長いま何かちょっと隠したような発言をしたですね。――とにかく農協の不正活動が非常に四十一年にたいへんになって、そこで四十一年から四十二年の五月にかけて四回の通達を出して、農林省としては防止にやっきになった形をとったわけです。そこにそう書いておる、形をとったようなことを。そこで、特に四十二年五月の通達ではいま局長がおっしゃったようなことを言っておるのですが、第一番目にあげているのは、「不正事件の発生が内部けん制制度の不備にあることにかんがみ、行政庁、農協中央会および組合が一体となって組合の内部けん制制度の整備状況の一斉点検を実施し、不備を是正すること。」とありますね。行政庁ですから農林省でしょう。県も入るんですか。機関委任をしております県も入るんですね。行政庁の農林省、県、中央会及び組合が一体となって農協の組合の内部牽制制度の整備状況を一斉点検せいと書いてあるのですね。その一斉点検の実情を聞きたい。資料として出していただきたい。
 それともう一つは、先ほど局長から話がありましたですね、もう一つ重要なものとして、この農業協同組合の現金を取り扱うとか信用事務を取り扱うところ、これは「少なくとも担当者を三名以上とすること。」ということになっておりますね。それからもう一つ、「経理事務担当者の計画的な配置換えを行なうとともに、とくに貯金事務については年間随時当該担当者以外の者によってこれを行なうこと。」、――これの実施状況ですね。というのは、この文書の中に、「守られない通達」と、こう書いてあるのです。「守られない通達」と大きな見出しで書いておるから、どうも守られていないようだ。この通達は守られていない通達。四十二年の五月に出し、不正事件に関して農林省も非常にやっきになって次から次に通達を出して押えようとした。四十二年の五月の通達、これが一年たってこういう文書が出されているわけですね。農協課で出されたわけですが、「守られない通達事項」と大きな見出しで出している。農政局長が四回も通達を出してそれが全然守られていないと書いてあるから、どの程度守られていないのか、これをはっきり聞きたいわけなんです。いま間に合わなければ資料として出していただきたい。点検すら行なわなかったのですか。点検をやられたならその状況を承りたい。
#58
○政府委員(池田俊也君) いまお話がございましたような点検を私どもと農協中央会と協力いたしまして実施をしたわけでございます。ちょっと私の手元にもございますが、こういういろいろな表がございまして、これに基づいて点検をしたわけでございます。しかしどうも非常に十分な結果は必ずしもまとまらなかったようでございますが、一応結果がございますから、これはまた先ほどの後段の御質問とあわせまして資料を整備いたしましていずれ御提出申し上げます。
#59
○鶴園哲夫君 その資料は、印刷するのがたいへんであれば見せていただくだけでけっこうです。というのは、どうも、ここにも「守られない通達事項」という見出しで書いてあります。四回不正事件に対して農林省が通達を出したにかかわらずその通達が守られていないということを書いてあるのですよ。むちゃな話ですよ、農林省が書くのですから。それだけではなくて、四十二年というのはそういう四回も通達を出してやられたにかかわらず、四十一年から四十二年には事件も非常に大きくなりましたし、金額に至っては四十億という形になっちゃったのですね。この十五年間の総額よりももっとでっかいですよ。四十一年は十六億でしょう。四十二年は四十億の金になっちゃったのです。衝撃ですよ、これは。不正事件に対する農林省の通達を四回出してそれが守られていない、何が守られますか。それくらいはしっかりしてくれなければどだい話にならぬ。しかも刑事事件に該当するような事件ですよ。それじゃ私は困ると思うのです。だからどうも守られていないし、その証拠としては四十二年には金額として二倍半の四十億という額になってしまった。この十五年間を合わしたよりももっと大きな不正事件が起きてきたという状況ですよ。責任重大ですよ。農林大臣どうです。これじゃ四十三年からの問題はまだ資料は出ませんから伺いません。大臣の見解を承っておきます。
#60
○国務大臣(長谷川四郎君) 鶴園さんのお話もございましたが、私たちはこの農協の貸し付け不正事件につきましては、もう機会あるごとに農協の幹部の方、中央会の幹部の方々には申し上げておりますし、したがってこういう点についてはもう中央会自身が乗り出してやるべきであって、現在われわれのほうはこれを監督する立場にはあるけれども、直接の監督は県がやっておるのだから、その点は気をつけてやってもらわないと、しょっちゅうあなた方のためにこっちはおしかりばかり受けておるので困るという話をこの間したのでございましたが、いずれにしても中央会がいまいろいろな問題を起こされておるそうですが、それが決定次第さらに中央会の方々と十分に連絡をとりまして、こういうような問題が起こされないような方向に持っていかなければならない、こういうふうに考えております。
 こまかい点のお話もございますけれども、さっき申し上げたように、中央会の役員が決定いたしましたら、新たにこれらについて十分話し合いを進めるつもりでございます。
#61
○鶴園哲夫君 どうも農協の問題についてもそうなんですが、特に農協の問題については何か通達を出せばそれで責任がとれたというふうに考えておられるのじゃないかと思う。共通役員制の問題についても通達のそういう形跡が非常にあるのですね。これは火曜日に共通役員制度の通達について質問したのですが、どうも通達を出せばそれで責任がのがれたような感じを持っておられるのじゃないかと思う。農協の不正事件についても四回にわたって乱発をしたわけです。私に言わせれば乱発ですよ。四十一年のショックの年に四回乱発をした。四回出したのだからもう責任はそれでいいのだというようなそういう考え方を持っておられるのじゃないか、守られようと守られまいとそんなことはいいのだ、とにかく通達を出しておけばそれで言いわけは立つというような考え方を持っておられるのじゃないかというふうな感じがしてならないわけです。
 それじゃ私は困ると思うんです。いま大臣の答弁の中にも何かそういうようなちょっと甘いところが見えましたですね。不正事件の問題については徹底して私は理解できないですね。わずか半年の間に四回の通達を出したんだから、それで責任はとれたんだ、あとはおれの知ったこっちゃない、農協の問題じゃないか、中央会の問題じゃないかというようにとれるような考え方を持っておられるのじゃないかと私は思うんですよ。そういうことじゃぼくは何が何だかわけがわからぬですな。ですから、いまの問題については資料も見せてもらうなり、出してもらうなりしまして、もう一ぺん不正問題についてはもう少し突っ込んでやって、そして農林省が積極的に努力してもらいたいと思うんですよ。
 そこで、次に資料要求をお願いしたいんですが、それは非常に出しにくい資料かもしれないと思うんですがね。というのは、内部の問題に入るし、それから行政の機密事項にも入るような感じがして、若干気になるんですけれども、しかし出せぬことはないだろうというふうに思いますので、不正事件の職種別件数ですね、役員がどの程度やっているか、職員がどの程度やっているか、役職員の共謀によってどの程度やっているかという問題ですね。それから不正事件の発生の部門別の件数並びに金額ですね。それから不正事件の発覚の端緒、ここに出しているやつは刑事事件に該当するわけですが、その発覚の端緒、それも行政庁、それから内部監査、中央会監査、警察の調査、その他というような形で、発覚の端緒の分類ですね。これの新しい資料をひとつ御提示いただきたい。それと、先ほどの四十二年通達の実情というものとからんで、不正事件というものを委員会においてもはっきりさしておく必要があるというふうに思います。この三つの資料についていかがですか。
#62
○政府委員(池田俊也君) 極力御趣旨に沿うものを提出申し上げたいと思います。
#63
○鶴園哲夫君 これはいま私が先ほど申し上げましたように、若干内部の機密の問題に入る点もあろうと思って懸念いたしたわけですが、局長の答弁がありまして、もちろん私の手元に昭和四十年のやつがあります。昭和四十年度の、先ほど私が申し上げた不正事件の職種別件数、それから発生部門別の件数、それから発覚の端緒の分類をしたものがあります。これは農林経済版、先ほど申し上げたこれですね。「時事通信」の農林経済版の四十一年十二月三日号にやはり同じ農林省の農協課が出しておるわけです。ですから若干機密にわたると思いますが、出しているものですから、一種の公表みたいなものですから要求をしたのです。局長の答弁がありましたので、ぜひ出ていただいて、そこで、四十年度のものがありますから、おそらく四十二年度のものも出るだろうと思うのですが、それとの関係におきまして、さらに通達の関連等において不正事件というものを明らかにする必要があるというふうに思いますので、その資料が出ましたところで不正事件についてはさらにお伺いをすることにいたしたいと思います。
 ここで少し休憩に入っていただけませんか。
#64
○委員長(任田新治君) これにて午後一時半まで休憩いたします。
   午後零時二十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十二分開会
#65
○委員長(任田新治君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農業協同組合法の一部を改正する法律案に対し質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#66
○鶴園哲夫君 資料をけさほどいただいたわけですが、いまこれを十分検討する余裕がないんですけれども、簡単に一応問題にしたい点だけを明らかにしておきたいと思うんです。この決算を含んだ業務報告の提示をお願いしてあったんですが、これ出てますね。業務報告はね。
#67
○政府委員(池田俊也君) 四十年度の全購連の業務報告書でございますが、その中で、損益関係を抜きまして、資料の中に抜きましたものを掲載してあるわけでございます。
#68
○鶴園哲夫君 問題の奨励費というのはどこにありますか。この私の前の資料では十一億という金になってるんですね。これは一体どこに入ってるんですか、いまの資料の。
#69
○政府委員(池田俊也君) 資料の四ページ以降が全購連の四十年度の損益計算書でございますが、その中で、いまお尋ねの点は、七ページをごらんいただきたいわけでございますが、七ページのまん中あたりでございますが、支払利息の、さらに細目の一番下に事業支払利息というのがございます。これが十五億九千二百万というのがございますが、その中に含まれているわけでございます。その中で十一億一千万程度が開銀に対する事前決済の奨励金ということになるわけでございます。つまり、この資料ではその点が明らかでございませんが、内容的にはそういうことになるわけでございます。
#70
○鶴園哲夫君 私が全購連のサイトの問題があまりにやかましいから、これは種々問題を含んでいるから、サイトの問題について伺っているわけなんです。四十二年にも伺ったし、今回も続いてこの問題について明らかにしたいということで伺っているわけなんです。問題の一つの大きな焦点は奨励金にあるわけです。というのはサイトの中の大部分は奨励金になっているものだから、したがって、その奨励金が一体どのようなものなのか、これはおかしいじゃないか、協同組合の大原則というのは御承知のとおりじゃないか、利用高配当によってやるべきだ、その原則すら踏みにじるようではだめだということを私は主張をしてきたわけなんです。それで私は業務報告を見れば、もう少し奨励金の内容は明らかになるものだと思って、業務報告の要求をしたわけなんです。ところが、いま局長の説明にありましたように、内容はただ一項目あるだけです、中身は何もない。農林省にはこの程度の資料しかないのですか、来ていないのですか。
#71
○政府委員(池田俊也君) 全購連その他、もちろん各連合会からも同様でございますが、業務報告書を私どもは御提出を願いまして保管をいたしておるわけでございますが、その業務報告書の損益計算の部分をそのまま実は抜き出したものを御提出申し上げたわけでございます。それで前回、サイトの関係でいろいろ御質問がありまして、事前決済の奨励金ということで十一億ほどのものが奨励金というようなことで、メンバーに支払われているということを申し上げたわけでございますが、これは、実は私どもが特に調査をいたしまして実はそういう数字を把握したわけでございます。一般の決算書の上では必ずしも明らかになっておらないわけで、ただいまのは確かに決算書の面だけでは必ずしもはっきりしていないわけでございます。
#72
○鶴園哲夫君 たびたび申しておるように、協同組合の大原則なんですから、利用高配当というのは、その大原則があぶなくなるようなそういう処理のしかたはおかしいじゃないかという主張をしているわけですから、したがって、かりにそれは農林省のほうに出ている業務報告では内容が明らかでないならば、ぜひひとつお調べの上に御答弁をいただきたいわけなんです。中身は何になっているかという点も聞きたいわけです。ですから、それはあとでよろしゅうございますから、ぜひひとつ中身がどうなっているかという点を御説明いただきたいと思います。
 それから、次に米の集荷手数料の問題につきましては、これはちょっとめんどうな計算がしてありますから、私のほうもきょうは昼休みにお客があったりいたしまして、めしも食わないできたのですが、検討にちょっと時間が要りますし、これについては食糧庁にも来てもらってお聞きしたい。というのは、手数料問題をはっきりしませんと、従来から非常に問題なわけですね。手数料問題というのは特にこの三、四年大型農協が出ましてから一そう大きな問題になっているわけですから。また、単協なりそれから県連なり全国連が一体となって動くには、農協に従事する職員の問題を考える場合にも、この問題をはっきりさせなければならぬというように思っておりますから、その場合に政府が出しているその百八十億の米の集荷状況、集荷手数料というものが妥当に配分されていないということになりますと、これは問題があると私は思っている。したがって、もう少し、このいただいた資料はこまかく、三通りか四通りに計算してありますから、どういう妥当性を持つかということを検討の上、食糧庁にも来ていただいてこの点ははっきりさせたい。
 ここで申し上げておきますと、私の見解では、単協は九九%以上の仕事をしているというように思うのです。ですから、百八十億の手数料が政府から農林省に出る、農林省から農協に出るならば、しかるべき考え方を貫くべきだと。一俵当たり百八円だということでつかみで渡してある。それが世上いろいろいわれる配分の形になることは、私は好ましくないという考え方を持っております。しかし、これは長年の慣行でもありますし、ですからそこは根強く議論をしてみなければならぬだろうというふうに思っています。
 なお、食糧庁の百八十億という集荷手数料についても、百八十億そのものにも問題があるというふうに思っておりますので、いずれ食糧庁に来てもらいまして、農政局長、農林大臣との関係の間でこの問題については処理をしてまいりたいと思っています。
 それから、第二会社の問題について、私の主張点は明らかなわけなんです。依然として協同組合の原則に立つべきだという主張をしているわけですから、ですからいただきました資料で、この五〇%以上農協が出資をしている第二会社の百五十四ですか、それの出資額は幾らになるわけですか。
#73
○政府委員(池田俊也君) 御提出申し上げました資料にあるわけでございますが、資料の別刷りに、「農協による株式取得状況等の概要」というのがございますが、ここに記載してございますが、全国連合会以外の農協の出資額、これが二十六億でございます。それから、全国連合会の出資額が十一億でございますから、合計いたしますと三十七億ということでございます。
#74
○鶴園哲夫君 いま五〇%以上の出資が三十七億というのですが、それ以外に五〇%以下の出資があるわけですね、それは幾らと出ているわけですか。いただいておってどうも恐縮なんですけれども、これに載っておればすぐ指摘できると思いますから、早く論議を進める必要上、幾らと出ているか……。
#75
○政府委員(池田俊也君) 御提出申し上げました資料は五〇%以上の分でございますので、そこには書いてございませんが、単協の株式取得の総金額は四十二年の数字でございますが四十一億円、端数がございますが四十一億円でございます。これは五〇%以上と以下とを含んでいるわけでございます。単協以外の連合会につきましては、ちょっといま手元に資料がないわけでございます。全国連の数字はこれはいまちょっと手元に数字がございませんが、後刻御提出申し上げられるわけでございますが、県の連合会につきましては、はなはだ遺憾でございますが、そういうふうな五〇%以下のものについての調査をいたしておりませんので、これはちょっと御提出申し上げかねる次第でございます。
#76
○鶴園哲夫君 早い話が、どうも農協について、単協にしましても県連にいたしましても全国連にいたしましても、行政庁としての責任があるわけなんですから、単協は別だというわけにいかない。これは行政庁として、この三段階の問題については全部責任があるわけです。その場合に第二会社あるいは出資、こういう問題について農林省としても、行政庁として非常に関心を持っておられる、これをいかにすべきかという点についてのことは、長年にわたって論議になっているわけです。それでこの間も私説明を申し上げたように、農協問題検討会というのですか、学識経験者が集まった検討会にも、いかにすべきかという議題の一つとして提出しておられるわけなんですね。で、農林省の見解は明らかになっているし、さらにその検討会の結論も明らかになっておる。にもかかわらず、法制上の問題について、いろいろ事情があってならなかった、しかし指導監督の面においてはやっていきたいというようなお話もあった。ですが、いまのような御説明をいただきますと、それは何か非常にあやふやな感じを受けましてしようがないわけなんです。全国連のことはよう知っているが、県連になるとあやうくなり、単協になるといよいよわからないというような話ではまずい。行政庁としては一貫して責任を持っている、こまかい問題というのは、いま申し上げたような経緯があるわけですが、ここで一口に言って、大まかに言って五〇%以上の出資額というものは三十七億だ、これはもちろん単協は入っていない――単協は入っているんですか、全国連以外ということですね二十六億、全国連か十一億――三十七億。それ以外にほぼ推定するとどういう金になると見ておられるのですか、大まかな推定でいいです、これを含めて。
#77
○政府委員(池田俊也君) これは全く推測でございまして確たる根拠があるわけではございませんが、先ほど申し上げました四十一億というのがこれが単協の会社に対する総出資額でございまして、五〇%以上のものが二十六億でございますから、第二会社でありましても、要するに農協の持株比率の少ないもの、五〇%以下のものは大体十五億くらいであろう。その他全国連、経済連等の出資があるわけでございますが、全国連等の出資は第二会社、いわゆる五〇%以上の出資が全部で十一億ございますからそれとの比率等を勘案いたしますならば、さっきの三十七億に入らないものはおそらく二十億程度ではなかろうかというような推測になるわけでございます。そういたしますと、総額としてはおそらく六十億前後ではなかろうかというふうに考えられるわけでございます。
#78
○鶴園哲夫君 全国連は五〇%以上の出資というのは十一億円、いまお話しのように全体を含めてみた場合に、六十億全部という推定をできるのじゃないかというお話なんですね。火曜日に伺いました鹿島灘の臨海工業地帯にできる全購連の飼料工場並びにサイロ、全購連の出資が行なわれることになっているわけですが、この臨海工場は飼料工場のほうは五〇%出資、サイロのほうは九〇%出資、その出資額は三十二億になるわけですね。全国連がいま第二会社に出ているものが十一億とおっしゃるが、今回全購連がやります鹿島灘に対して三十二億の出資が行なわれるんじゃないですか、幾らですか。
#79
○政府委員(池田俊也君) 前回申し上げましたのは、それぞれ両会社に対します所要資金――建設資金でございますが、それがそれぞれ三十億程度というふうに一応私ども承知しておるわけでございますが、それは全額出資によるものではございませんで、相当額の長期借り入れをいたすわけでございます。前回は手元に資料がなくて申し上げられなかったわけでございますが、サイロ会社の資本によってまかなう部分は三億円、一割。それから飼料生産会社の資本金は四億円という現状におきましては計画のようでございます。したがいまして出資額につきましては、大体合わせまして四億七千万円程度ということに相なるわけでございます。
 なお、これは一応のそういう数字がございますが、まだ計画が必ずしも十分固まっておりませんので、いろいろな検討がなされているようでございまして、必ずしもそういう数字のとおりに実施されるかどうかはまだ確定をしておらない段階でございます。
#80
○鶴園哲夫君 この鹿島灘のサイロとそそれから飼料会社は、ほかに鉄道に対しても出すでしょう。そこに至る鉄道に対して出資をするでしょう、ありませんか、それも一つ答弁をいただきたい。
 そこでこの出資ですがね、この金というのはどういうふうに見ておられますか。本来は利用高配当になるべきものかどうか。私は利用高配当にすべき性格のものだと思うのです。ただ農協が出資をするということを否定するわけじゃないのです。全然否定はいたしませんが、財源そのものとしてはこれは利用高配当に該当するものじゃないか、農林省としてはどうごらんになっておりますか。
#81
○政府委員(池田俊也君) これはいろいろな場合があり得るわけでございますが、一番好ましいのは当該連合会がそのための増資をいたしましてそれを出資の原資に充てるのが一番好ましい形であろうと思います。それからさらには従来ございます、内部留保があるわけでございますから、それを出資の財源に充てるという場合もやや似た性格のものであろうと考えられるわけでございます。もちろんそういう内部留保がありまして出資をしなかったならばそれが回り回って利用高配当になるかもしれないということはございますが、まあ、直にはなかなか結びつかないのじゃないかというふうに考えるわけでございます。
#82
○鶴園哲夫君 私はどうもこの協同組合法の精神からいってあるいは農業協同組合の原則からいって、どうも局長の答弁はあまりにも現実に左右されすぎているのじゃないか。原則としては、私ははっきりさせるものははっきりさせる、現実の上でやりにくいものもありましょう。そういうものはそういうものとしてまた考えていかないというと、現実とたてまえというものをごっちゃにしては論議が進まない。内部留保、それを認めないわけじゃない、しかし内部留保があったとしても、それはいい。しかしその中から出資するという場合には、これはやはり当然利用高配当として考えるべきものじゃないか。出資する以上これはいまあなたがおっしゃったように増資という立場もあるでしょう、本来はそういう立場をとるべきじゃないか。
 ついでですから一ぺんに申しておきますけれども、私は、これは県連を通じて、単協を通じて組合員まで配当すべきだ、出資するならこれを増資という形でさらに組合員から単協、経済連、全国連に積み上げていくという手をとるべきだ、そのことによって初めて五百五十万の組合員が結束の原則というものを貫徹できる。いまみたいなことをやったら何のことかわからないのです。これは手数のかかる問題でもない、こんなものは。組合のものになる、組合の手近のものになるということになるのじゃないですか。それについて、私はいま結論を申し上げたわけです。そうやるべきじゃないか。
#83
○政府委員(池田俊也君) 先生のおっしゃいます趣旨はやはりこの種の第二会社をつくる以上は、それは当然個々の会員なりあるいはさらに下がって単協の組合員なりそういうところが十分そういう事業の必要性を認めて第二会社の設立に参加するというような形をとるべきではないか。したがいまして、形としてももしそのある連合会に利益金が出た場合には、それを下まで分配をしてそれをあるいは出資にするなりその他の方法によるなりして、あるいは連合会が直接第二会社をつくるということじゃなしに、単協をメンバーにして第二会社をつくるというようなかっこうにしたほうが十分下部の監視も行き届くし、理解も得られるからそのほうかいいではないかと、こういう御趣旨かと思うわけでございますが、確かにそういう点からいえばそれは非常に理想的な形であろうと思います。ただ私どもは従来これは必ずしも十分でございませんので、その点につきましては私どもも十分これは反省をし、今後さらに強力な指導をしたいという考え方を現在持っているわけでございますが、おくまでも従来の指導としては総会等において十分その計画をひとつ検討してもらいたい、単に賛成賛成ということではなしに、十分検討していただいて、そうしてまさにそれは組合の事業のために利益になる必要な計画であるということをはっきり確認をした上で設立に参画をする、あるいは会社の運営状況については十分総会を通じまして末端まで運営の状況というものをよく知らせる、こういうことが必要である、こういう指導をしておるわけでございまして、その趣旨はいま先生がおっしゃいましたような趣旨で実はやっておるわけでございます。ただまあ率直なところを申し上げると、なかなかそういう指導はしておりましても必ずしも十分な結果を得ていないというのも、これはまた確かに事実でございますから、私どももその点については今後も努力をしたいと、こういう気持ちを持っている次第でございます。
#84
○鶴園哲夫君 第二会社がいいか悪いかという問題は別問題としまして、農協の出資の問題として私は論議をしたいと思います。農協の出資として考えた場合に、先ほど申し上げたように出資というその金は本来は利用高配当に該当するものではないかと、そうでないものもあるかも一しれません。それをだからそういう立場からいえば考えなければならないし、その原則はやはり貫いてもらいたい、そして新しく必要があるというなら、増資という立場でもいいし、出資という立場でもいいからやるという筋を通さなければならぬのじゃないか。しかし、いまのこの農協全体の運営から見ますと、これは相当かけ離れた論議になるかもしれません。私はそう思っていない。農協というのは見れば見るほどたいへんな問題をかかえておる。また見れば見るほど国際的にも巨大な地位を持っておりますし、農業の中においても今後ますます大きな地位を持ってくる。それだけに協同組合原則というものをやっぱり貫いていくという方向でこれはやはり努力をし、つとめていかなければならない。
 ところが、私はいままで共通役員制の問題についてもあるいは農協としての不正事件の問題についても論議をしてまいりましたけれども、あれはたよりにならないような気がしてしようがない。今度の問題についても、いま私が申し上げておる問題についても、いま局長の答弁はいただいたのですけれども、はなはだしく弱いような感じがしてしようがない。先ほどの農協の短期大学の廃止の問題についてもはなはだしく私としては不満であります。ですから、この点について大臣も見えておるところでもう少しこの点を詰めていきたいと思います。ですから、一応食糧の手数料の問題についてあるいは眠り口銭、トンネル共販の問題等についてはまた別に食糧庁もきてもらいまして、明らかにしていきたいと思います。
 次に、法案の中の一つでありますところのこの総代会制の問題について若干――まあ総代会制の画期的な強化なんですが、私はこの総代会制というのはどうも今度のこの総代会制の強化というのは協同組合の原則であります一人一票制というものを踏みにじるものだという考えを持っているのです。農林省はそうでないというのですけれどもね。踏みにじるものだという考え方を持っている。
 それで、結論を先に申し上げますと、結局農協合併を促進されて、そのために大型農協ができて、その大型農協の処理の都合上総代会制の画期的強化というものが出てきた。さらに一会員一票制というものも同じだと私は思っているのです。ですから、一体農協というのは、単協というのは、むやみに一万の組合員だ、三万の組合員だ、四万の組合員だというのがいいのか、あるいは一千名程度の総合農協がいいのかという問題があると思うのですね。しかし農林省としては、この合併促進法をつくられまして合併を奨励されてきたわけです。できた合併農協の中には一万という組合もできたということになるわけですね。その救済策として出てきているというふうに私は見ているのです、この総代会制の一会員一票制のじゅうりんというのは。
 ですから、時間の関係もありまして、結論を先に申し上げまして、これからひとつ論議をしたいわけなんですけれども、現行法でも総代会を規定しておるわけですが、これは総代会に該当するものと、今度やられようとする画期的な転換の総代会制というのは、これは違う、私はそう思っているのですけれども、この総代会制、いまの法律で規定している総代会制の実施状況はどうなっているのかということをまず伺いたい。
#85
○政府委員(池田俊也君) 当初御提出申し上げた資料にもあるわけでございますが、概略して申し上げますと、現在最近の数字でございますが、総代会制を採用している組合の数は、全体の組合数の大体一四%程度でございます。もちろんこれは組合の規模によりましてかなり採用率は違うわけでございまして、規模の小さい組合におきましては、たとえば千人未満というような組合におきましては採用しております率は一割弱程度、それから千人から二千人というようなところになりますと急速に採用率がふえまして四割くらいに及んでいる、それ以上になりますとさらにその採用率が高いとそういうような状況になっているわけでございます。
#86
○鶴園哲夫君 定款に総代会制を規定をしておるけれども、実際総代会制を規定をしているが、運用しているのはどのくらいありますか、眠っているんでしょう、スリーピングでしょう。
#87
○政府委員(池田俊也君) 年次によりして若干の違いはございますが、大体七割程度が総代会を採用している。組合の中で七割程度が総代会を開催して総代会制度というものを利用しておると大体そういう状況でございます。
#88
○鶴園哲夫君 いまの局長の答弁によりますというと、いまの現在の協同組合法に規定してある総代会、これは私は文字どおり総代会だと思うのです。その文字どおりの総代会、規定はしてあるんだが定款にこれを採用しているのは一四%、千たらずの組合だ、その中で実際総代会制をやったところというのは大体七割程度、そうしますと七百組合くらいということになるわけですね。だから言うならば、いまの総代会制で見た場合に非常に小さなものだと思うのですが、ただ規定はしているのだが総会のほうがいいということにも通ずるわけですね、やらないわけですから。ですから総会に対する単協の組合員の考え方というものと、それから総代会制に対する単協の組合の考え方というものに差があるのではないかという気がするんですがね、その点の意識調査のごときものはありますか。農林省は農家の意識調査というのをよくやるんですが、そういうものがあるのか、どういうふうに見ておられるのか。
#89
○政府委員(池田俊也君) この総代会制度というものを一体どういうふうに考えるかということも一つあるわけでございますが、それは協同組合の本来のたてまえから申し上げますならば、これはやはりすべての組合員が一つ場所に集まりまして組合の管理について十分議論等もした上で方針をきめるというのが好ましいことはこれは当然のことでございます。ただある程度の規模になりますとなかなかそれが望まれない。むしろそういうことをやっても、それはだれかよその人がやるんじゃないかというような非常に関心の薄い態度が逆に出てきまして欠席が非常に多いというようなことがあるわけでございます。そういうようなことではなしに、やはりメンバーである者が当然出てそういうところで十分検討をするということがよろしいということで、むしろその中の一部の人でありましても総代というものをきめまして、それが総代会においては必ず出席をして組合の最高の決定に参画をする、こういう制度ということで総代会が出てきたわけでございます。
 ただ従来確かにいま御指摘のように全体からすればそれを利用しているのは非常に少ないのではないかということはあるわけでございますが、これはまあ従来総代会の権限というものが総会に比べまして特段に制限をされていたということがございまして、見方によれば総代会の権限というものが非常に中途はんぱなので、まあそのくらいであればやっぱり総会を開いたほうが出席者は少なくても委任状か何かでやったほうがいいと、こういうことで必ずしも利用されていない面があったわけでございまして、私どもは今回の改正で、またこれは別な意味の御議論はあり得るかとは思うわけでございますが、権限を拡大して総代会の利用を――適正な運用をしたいということで改正を御提案申し上げているわけでございます。
 なお意識調査があるかないかというお話でございますが、若干そういう調査をしたことはございます。組合員につきまして個別に一々やったわけではございませんが、組合の管理の責任者等に一体どういうことがよろしいかというようなことで、総代会制度の権限等につきましても意向を調べたことはございますが、やはりその結論といたしましては現在の総代会制度の権限を拡大する、そういうような方向で制度の改正を行なうべきであるというような大体の結論になったわけでございます。
#90
○鶴園哲夫君 今回総代会制度を画期的に強化されるわけですが、画期的に強化どころの騒ぎではなくて、これはもう総会というのはなくなるようなものですね。どういうわけでこういうふうに総代会というものを画期的に抜本的というか、抜本的に強化拡充されるわけですか。
#91
○政府委員(池田俊也君) これは先ほど合併促進ということと密接に関係していると申しますか、そういう観点からなされたのではないかという御指摘があったわけでございますが、確かにそういう点もございます。やはり合併が進みまして大型農協が出てまいりますと、総会を開催するにしてもなかなか会場の確保がむずかしい、あるいは会員の出席、組合員の出席が非常に悪くなるというようなことで、そういう面からの総代会制度の再検討あるいは変更ということがあったのは事実でございます。ただ私どもは、やはり直接的な動機は、かなりそういう点が作用しているわけではございますが、それだけではなしにやはり組合の管理をよりよくするという点からいきまして、確かにそれは総会制が理想としては最善でございますけれども、実際問題になると、さっきもちょっと申し上げたのでございますが、どうもなかなか出席率も思わしくない、むしろある一部の人が代理出席とかあるいは書面決議とかというようなことを悪用ということばが適当でございませんが、そういう制度を手がかりにいたしまして、ごく一部の人だけでものごとがきまるというような傾向が一部にあるわけでございます。それはやはり理想と現実とのどうも食い違いではないかという気がいたすわけでございます。それであるならばむしろ総代会というものをはっきりいたしまして、そうして、総代が責任を持って総代会に出席をし、ゆだねられた組合員の方々の意向を十分に代弁をし、組合の議事に参加するということのほうが形としては、あるいは民主的な運営という点からいってやや簡略になるような感じもいたしますけれども、むしろ実質的にはそのほうがより民主的な運営ができるのではないか、あるいはやり方によっては組合員の意向を十分に実現することができるのではないか、こういう考え方をいたしておるわけでございまして、ある意味では理想と現実との非常にむずかしい調整の問題だと思うわけでございますが、私どもはそういう観点を含めまして今回のような制度改正を行ないたいという考え方になった次第でございます。
#92
○鶴園哲夫君 まあもともとこの問題で出てきた一番大きな理由というのは、いま局長から説明がありましたように、大型農協というものが出てきたということ、三千名、五千名、一万という定員を持った単協ができてくると総会を持つのが容易ではないという、そういう物理的な問題がやはり一番大きな原因だろうと思うのですが、それにいま一つ局長から説明のあったような点も付加して理屈としてはつくだろうという気もする。ですが、それはやはりどうも私は協同組合の原則からいえばこれはおそろしくずれているという感じがするのです。これはあくまで協同組合の原則を貫きながら農協運動というのは進めていくようにしなければいかぬと思うのです。一部のものがとおっしゃるけれども、そうしなければさらにこれは一部のものになります。総代会というのはさらに一部のものになります。一そう一部になってしまう。県内に二百五十、二百八十、三百あった単協が、総合農協が合併促進によってそれが三分の一になってしまうというようなところもあります、県によって。そういうところにおいていろいろいわれている問題はこれは容易じゃないのです、農協の問題というのは。ここでどうこうというのはいささか場違いのような気もして具体的な話はしませんですが、そういう傾向のやはり法律的な表現として出てきたんじゃないかというように思うわけです。
 ですからそこでこの総会制は集まるのがたいへんだというのですが、妙な話なんですけれども、武館道に二万名集まる。これは全国から集まるのですよ、一年に一回。三日でも四日でも場合によれば一週間でも集まる。一つの町村の中にあって組合の大原則である総会、それをやれぬという話は一体どこからくるのか。青空でやった場合はこれは総会にはならないわけですか。会場がないということもあるかもしれません、三千名入る、あるいは四千名入る、青空でやった場合にはこれは総会にはならないのか。
#93
○政府委員(池田俊也君) それは総会は必ず建物の中でやらなければならないということではございません。あるいは青空ということも考えられるわけでございまして、非常に珍しい例でございますが、学校の校庭でやったという話もあるようでございます。ただ雨が降ったときになかなか集まらぬというようなこともございますので、やはり実際問題としては建物の中でやらざるを得ないであろうと私は考えるわけでございますが、もちろん当初から出席率等を考慮いたしまして必ずしも組合員の数が入れなくてもいいんではないかということもあるかと思うわけでございますが、やはりたてまえとしては組合員は出るというのがたてまえでございますから、そういう施設の面でもなかなかむずかしい面があろうというふうに考えるわけでございます。
#94
○鶴園哲夫君 いま言われますように、協同組合法によれば五人か六人おれば総会は開かれるような形になっておりますね。議長がおってあと記録係の人がおればあとは委任状四人までですね。委任状は四人までですか、書類の委任もできるわけですね。ですから問題ないわけですから四、五人おれば総会は開かれるような形になっているわけです、実際は。であるけれども、まあ全部集めれば会場がないだろうとか、物理的になかなか集まるのはたいへんだとか、一年に一回、しかし武道館には二万名集まって一週間もおられる、それは筋が通らぬ、そういう話では困るじゃないか、妙な話かもしれませんけれども、そういうことも言いたくなるのです。局長の感想どうですか。それから青空でもいいですか、それから六、七名おれば総会は成立する、いまの法律では。書類による委任は幾らでもできる、書類を提出すればいいのですよ。委任は一人で、四名か五名でできる。そうすれば書類を出せばできる事情、議長は置かなくちゃならないが、それを取れば四人か五人でできる、法律上は。そんなものはどっかほったらかしておいて会場は物理的にほったらかしておいて、そうしてごく一部の者に運営してもらっては困るからという話はどうも通りません。局長の考えと真意を聞きたい。
#95
○政府委員(池田俊也君) 確かに実際の組合の運営を見ますと、まあ、そういう四人五人というのは非常にちょっと極端な例だと思うわけでございますが、非常に少数で総会が行なわれているという事例がかなりございます。私は実はそれが非常にまずいのではないか。鶴園先生からはいろいろ農協のいまの事業運営あるいはその他につきまして不適当な点の御指摘をいただいたのでございますが、そういうことがされてくるのもやはりそういうことに基礎的な一つの原因があるかもしれないという気がいたすのでございます。でございますならば、やはりそれを何とか改善をしてより多くの人が責任を持って組合の最高の事業計画でございますとか、そういう方針の決定に参画をするということが必要であるわけでございます。私はむしろ不特定多数というとことばは適切でございませんが、まあ組合員が集まるということよりかむしろ総代というものをはっきりきめて、そのかわり総代というのはある意味では責任があるわけでございます。これは実際問題としては部落というようなことで出てくる場合が非常に多いわけでございますが、いずれにいたしましても、まかされた人たちの意向を十分に組合に反映させるという責任が一面では出てくるわけでございます。でございますならば、そこにまた総代会の下部的な組織としていろいろな会合も持つ、そうしてその会合を通じて組合員の意向を総代が把握をして、それを持って総代会に参加をするということになったほうがより組合員の意向を十分に組合の運営管理に反映することができるのじゃないか、そういうことがまたいろいろ御指摘をいただいていることを根本的に改善する一つの手がかりにもなるだろう、こういう感じを一面には持っているわけでございます。確かに合併その他一つの面というものもございますけれども、そういう別の面もありますので、そういう意味で私は総代会の適切な運用というものにやはり期待をしていいのではないかということを一面では率直に考えておる次第であります。
#96
○鶴園哲夫君 総代はどういうふうにして選挙するのですか、そうしてその総代は一人一票という大原則をどういうふうにして表現するのですか、表現できますか。
#97
○政府委員(池田俊也君) 総代の選挙はたてまえとしては総会において選挙する。総会外の選挙も制度として認められておりまして、選挙いたすわけでございます。その具体的な方法はこれは組合の定款なり選挙規定できめる、こういうことでございますが、現実的に行なわれておりますのは、一番多いのはやはり部落あたりを単位に総代を選んでいくというようなやり方がどうも実際にはかなり多いようであります。
#98
○鶴園哲夫君 私はいま法律で規定してある総代会制の場合には落部ごとでという話についてもある意味では納得できます。しかし今回の総代会制について部落ごとに選挙するというのには非常に問題が私はあると思います。もう一ぺん繰り返し、一人一票の大原則をこの総代会、総代で代表できるかどうかというのです。一人一票という大原則があるでしょう。それを総代が代表できるかどうかという点を説明いただきたいのです。
#99
○政府委員(池田俊也君) 御質問の趣旨がちょっとよくわかりかねる点があるわけでございますけれども、当然それは基礎的には一人一票でございまして、それを総代がさらに代表するわけでございますから、その線に沿って行なわれるのが至当であろう。たとえば部落ごとに選ぶといたしましても、一部落一人と、こういうふうに限る必要もございません。その部落におきます組合員の数というようなものも十分前提にいたしまして選ぶ方法はあるのではなかろうか。
#100
○鶴園哲夫君 局長、総合農協というのは部落の寄り集まりじゃないでしょう。千名の組合員がおるならばその千名の結合でしょう。部落で選挙するというのは、それは私はいまの法律で規定している総代会制ならば、それは否定もしなければ、まあまあと思いますよ。しかしこれはいまからやろうとする総代会制を部落で選定するというのは、言うならば小選挙区制ですな。あれと同じに考えていいのですか、小選挙区制と同じように。どうも私はそこのところが納得いかないのだが、ちょっと答弁していただきたい。たとえば五人を代表するとしましょう。そうすると、これは総代会に出た本人は反対だ、この人は賛成だ、この人は反対だ、こういうような場合はどういうことになるのですか。多数決でいくわけにいきませんよ。あなた方は多数決でいくつもりでおるのですか。少なくとも組合の一人一人の一人一票という大原則に基づいたものを総代会制にやらせようというわけでしょう、今度は。その場合に一人一人の一人一票制の意思というものを無視できないですよ。代表にしたら多数決でいくというわけにはいかないですよ。どういう表現をするのですか。わしは五人を代表したのです、その中の二人は反対だが三人は賛成だ、だから賛成だと、こういうふうにいくのですか。
#101
○政府委員(池田俊也君) 総代というものの性格でございますけれども、これは私どもはやはり組合員の意向の線に沿って当然その意思を組合の管理運営に反映する、基礎的にはそういうものだと思いますけれども、一たん選ばれました総代というのは、これはやはり総代の意思によって、制度的には総代の意思が組合の運営についての意思表示になるわけでございますので、実際問題としては私どもは極力選ばれた下部の組合員の意思を代表するようにということが望ましいわけでございますけれども、制度になりますれば、これは総代が自分の意思で、たとえば総代会においては賛否の議決に参画する、こういうことになる筋合いのものだと考えておるわけでございます。
#102
○鶴園哲夫君 それだから困るというのです。それは一人一票の原則というのと矛盾しませんか。労働組合の代議員だっていまの局長の言ったようなのは話になりませんよ。それはやはり五人なら五人の意見を聞いてやるのが多数決だ。それだったら多数の意見を代表します、自分の意見はどうであろうと、これが原則でしょう。これは、協同組合の場合は一人一票の原則というものは協同組合の柱になっているのですよ。それが何か修正を受けている。ここにあるのですよ。一昨年ですか全国農業協同組合中央会、全国漁業協同組合連合会、生活協同組合、協同組合経営研究所、この四者で出しました「協同組合の原則とその解明」というのがありますね。つまり一九六六年九月にウイーンで開かれた第二十三回の国際協同組合大会ですね、その中でいまの現状の中における一人一票制という原則についての考え方が出ているわけですが、それからいま出ております一会員一票制、これについての考え方が出ておりますように、一人一票制という原則は微動だにもしていませんね。だから、一人一票という原則からいうならば、いま局長の言った、五人か十人の人にまかせたら、その人の意思で動くのだとなったらこれは一人一票制はどうなるのですか。便宜的につまり一万人の大規模農協ができた、あるいは五千人の大規模農協ができた、したがって、それを物理的に収容する場所がない、あるいは運営上どうだこうだというのはあたりまえの話なんですよ。
 農協合併促進をやるときに、農協というものはどうあるべきだとはっきりしておかなければならない。いまになってごらんなさい、農協合併のメリットはどこにあるのですか。メリットはもうますます大きくなる以外にないですよ、量的に。しかし、実際の運営としては私は農協というのはそうはいかぬと思う。だから、なかなかこれは大きくならない。しかし、大きくなったところはこれはますます大きくならざるを得ない。だから全国連に直接加入することになってくる。これは量による地位を確立せざるを得ないのだから、そうなれば県連も要らぬわけです。一県に一つ農協があればいいということになってくる。いまの滋賀の大規模農協の決議というものは、滋賀県一県で一つの農協でいいという考え方と私は受け取っている。これは五千名なり無方針に大きくなっていけば、量による地位を確立する以外にないでしょう。だから、それが県連も要らないのはあたりまえの話で、それを無理して置こうとすればごたごた紛争が起こるのはあたりまえの話なんです。総合農協としてどういうものがいいのかということがはっきりしないから私は無方針に農林省が合併を促進したと言っているのですよ。もっと激しく言いたいですよ、その点はやかましく。しかし、そのことの救済策としてこういう制度を持ってきたのじゃないか、本末転倒もはなはだしいじゃないかというのが私の気持ちなんです。もともとこれは無理な話なんです。ましていま局長のおっしゃったような総代会ができれば総代の意見で動くのだという話になってしまったらとんでもない。ぼくはこれは承認できないと思う。
#103
○政府委員(池田俊也君) 趣旨といたしましては私も総代というものの意思、総代会における総代のあるべき姿といいますか、そういうものはおっしゃるような線で動くべきものであるという、考え方としてはそうだと思います。ただ制度的に申しますと、こういうたとえば総会で総代を選んだ。部落とか何とかということは一応別にいたしまして、総会で総代を選んだということになりますと、これは一体だれに自分が選ばれたのか個別にははっきりしないわけでございます。総代は総会の決議で選ばれたわけでございますから、個々につながっていかないと、こういうことがございますので、そういう制度から言いますと、やはり総代というのは実際の気持ちとしてはおっしゃったようなことで極力組合員の多数の意向を代表するといいますか、まあやっぱり身近な方の意向を代表するといいますか、そういうようなことでいくのがいいのでございますけれども、やはりその判断というのは総代個人の判断にならざるを得ないわけでございます。ただ部落選出という総選挙区制みたいなものをかりに設けた場合にどうだという問題は別途ございますけれども、私はやはり制度としては総代は総代の意向を総代会において述べ、あるいは議決に参画するというのが制度でございますから、まあいわば代理議決というものとはそこに制度的な差異が出てこざるを得ない。ただ趣旨はやはり極力末端の組合員の意向を十分に反映するように動くべきであるという考え方は私もわかります。
#104
○鶴園哲夫君 その協同組合の基礎である総合農協、単協、それをいまのような組織に持っていったらこれはだめですよ。もうそんなものようわかりますよ。組合の代議員と変わらないいまの話、組合の代議員よりもっとおかしいですよ。しかもいま局長は、総代というものは原則として総会で選ぶという。総会を開くならそこでやったらどうです。一人一票の原則で運営したらどうですか。どうも一人一票制という原則を踏みにじる。相ならぬと私は思う。何でいままで運営してきたのですか。一人一票の原則、それはなかなかそういかない理由はいろいろあったですよ。しかしそういう方向に努力していかなければならない。それを何ですか、ほとんど一人一票制がなくなってしまう、法律上、そうなっては困ると私は思う。
#105
○政府委員(池田俊也君) まあ先ほどもるる御説明申し上げたわけでございますが、確かに今回の制度改正の一つの動機は合併の促進に伴う措置という面が確かにございます。これを私否定するつもりは毛頭ございませんが、それだけではなしに、やはりまあ理想は確かに一人一票の原則で総会で運営するのが一番理想的でございますけれども、現実は必ずしもそれがうまく運営されるようないろんな社会的条件等にない。それは努力をすることによってある程度は改善される面ももちろんあるわけでございますけれども、なかなかそういうふうにいきがたい面もございますので、むしろそれならば総代会を適切に運営したほうが、組合が本来望んでおるあるべき姿にむしろ近づくということも実際にあるんじゃないかということがございますので、そういうような注意を十分払った上で総代会を設け、総代会の運営をしていくということを実は私どもは考えておるわけでございまして、まあ総代会を採用したことが一がいに本来の原則に沿わないとか非民主的な運営になるとかいうように私はストレートにはいかないんじゃないか。むしろやり方によればかえっていい運営ができるのではないかというふうに考えておるものでございます。
#106
○鶴園哲夫君 全然わからんな。いままでの法律でも書類による提出はあるんです。それは一人一票というものの原則によって書類で賛成か反対か出すんです。一人一人が委任する場合も賛成か反対か明らかにするということで出しておるんです。一人一票という原則は守られているのです。それが今度はそういうものは完全にすっ飛んでしまいますよ、総代制で運営するということになりますと。
#107
○政府委員(池田俊也君) 形式的にはまさにおっしゃるようにそのほうが民主的であろうと私も思うのでございます。ただまあ代理議決というような場合に白紙委任状みたいなものを出しまして、それはもう全部おまかせしますというようなことで行なわれておる次第ですが、それが非常に多うございます。そういうようなことはむしろ従来のいろいろ社会的な勢力関係とかそういうことに支配されるおそれが非常に多いので、むしろそのくらいであれば総代というものをはっきり設けて運営をやったほうが私は民主的な運営ができる場合が相当あるのではないかという考え方を持っているわけでございまして、まあそれはある意味では制度面の理想と現実とのギャップといいますか、そういう問題もあると思いますけれども、やはり実態に応じた運営をしたほうがよろしいのではないかというふうに考えるわけでございます。
#108
○鶴園哲夫君 じゃあ局長のおっしゃるその理屈はですね、どうもあまりにも現実に流され過ぎておる。法律でそういうふうになってしまったら、一人一票はどうにもならなくなるのではないかということを言っておる。法律でそうなったら、ということを私は心配しているんですよ。これをぴしゃっと法律できまってしまうんだからね。いま組合員の結束の現実というものがまだ徹底していないから、いろいろ白紙で委任をするようなこともあるでしょう。それは団結の状況が足りないからどこの団体だってそれはある。しかしそれはそうだからといって、法律でそれをきちんとやってしまおうということになりますと救われませんよ。一人一票の原則というものはくずれるということを私は言っておるんです。
#109
○政府委員(池田俊也君) これは先ほど先生の御指摘になったことでございますけれども、現在の状況ではまあ総代会制を採用し、かつ実際に運営しているのは一割程度。こういうことでこういう総代会制度を設けるかどうかというのは、これはまさに組合員の意思できめるわけでございますから、まあ従来でもその程度のものでございまして、もちろん権限が拡大されればその割合がふえるということは考えられるわけでございますけれども、私はやはり組合の組合員が実態に応じてどちらの制度をとったほうが一番民主的な運営ができるかということをきめるはずでございますから、まあ全部そういうふうに非常に悪いほうにだけいくのでなしに、むしろそれぞれの実情に応ずる方向を採用するということを期待もしておりますし、またそういうような指導もいたすつもりでございます。
#110
○鶴園哲夫君 これは局長ね、協同組合の大原則の一人一票制というものと、それから法律案で考えておられる総代制というものでは一人一票制を導入できないと私は思うし、局長はそうでないような何かいろいろございますけれども、ですからその問題についてはいろいろやってみてもですね、――そこでこれはいま農政局長はどういうふうに考えておられますか。組合員にしますと非常にバラエティーに富んだ単協になってきたわけですね。たいへんバラエティーに富んで、平均しますと八百名くらいの単協になるわけですね。非常に大きなバラエティーに富んだ、一万をこすというところも出てくる、あるいは三千だ五千だというような大きな農協が出てきたわけなんです。どう考えておられますか、政府が出しております総合農政との関係、それから十年の間に農家が半分になる、二百七十万戸になるのじゃないか、農業就業人口がいまの九百六十万から四百万程度になるのじゃないかということを出しておりますね。そういうものと、一万の大農協がある。あるいは五千、六千の、局長が考えておられる、青空でもできるのだけれども、物理的にむずかしいような、そういったような大規模農協の関係はどういうふうに考えておられますか。
 私は農協の今度の改正のこういう考え方は、総合農制との関係なりという見解では、これはちぐはぐもはなはだしいと思うという考え方を持っております。いまごろ何でこんなのを出したのか、ちぐはぐもはなはだしい。農協の組合員は十アールの耕地を持っておるもの、あるいは九十日以上働くものというのが組合員の定義になっております。局長も御承知のとおり、五アール以上、三アール、ニアールというところまで組合員を下げた単協だって一ぱいできておる。都市農協の巨大化はますますそうなっておる。十アールじゃない、三アール程度の農業に下げているのじゃないか、巨大になった都市農協、それはもちろん農村部の農協も大きくなったのもありますよ。都市農協に左右されて鼻づらを引き回されておる感じ、こういうものは問題があると私は思うのですが、どういうふうに考えておりますか。私はそれについての局長の答弁を聞いて、時間も少し過ぎましたけれども――どうもちくはぐになっておるというふうに思えてしようがない。まあ先ほど私が申し上げたように、今度農民年金ができますね。これは大体原則としては、いまの農民の半数という考え方を持っておるでしょう。一種農家は総合農政の中では半分以下になる、十年の問に、あるいは都市農協との関係も真剣に考えなければならぬ段階にきていると思うのですね。そういう中でどういう考え方を持っておられるのか。
#111
○政府委員(池田俊也君) 確かに農業就業人口、農家戸数というのは今後かなり大幅に減少する可能性がございます。先ほどの数字のとおりまいるかどうかわかりませんが、かなり減少する可能性はあろうと思います。そういう点からいえば、むしろ農協の規模が大きくなるという、都市とは別にいたしまして、一般的には農村地帯に農協の規模が大きくなるということはないのではないかという感じが一面ではいたすわけでございますけれども、私は組合の経営基盤という点からいえば、これは相当数の組合員をかかえて、組合の経営基盤がしっかりしておりませんと、適切な事業運営ということもできませんので、やはり適当な規模の農協を育成する、そのためにはある場合には合併を促進するという必要があるわけでございまして、もちろん今回の総代会制度というのは、さっきもるる申し上げておりますように、合併促進との関係だけではございませんけれども、そういう面もございますので、今回の総代会制度に関する改正が、私は総合農協との関係で矛盾を来たすというような性質のものではなかろうと考えるわけであります。
 なお、都市農協の問題というのは、私は実はいまの問題と若干離れまして、これはなかなかむずかしい問題といいますか、考えなければならない問題であるという感じは強く持っているのでございます。現在の都市農協というのは、やはり信用事業が中心になりまして、土地の売却代金というようなものが相当多額にその農協に蓄積をされておりまして、農業というよりか、むしろやや違う面の性格が非常に強くなってきております。そういうものでございますので、はたして現在のような形のままでいくのがいいのか、あるいは何か別の考えをとることがよろしいのか、これは私は今後の非常に重要な一つの検討課題であると思っておるわけでございますが、一般的にはさっき申し上げたように、決して総合農政の方向と矛盾はしない。総合農政というのは、むしろあらゆる意味におきまして、農業の体質改善をはかっていくという趣旨のものでございますから、その中で農協というものの基礎を強くし、その農協がやはりいろいろな生産面、流通面で与えられた任務を十分に果たしていくということが総合農政としては欠かせない一つの点でございますから、そういう意味では、私は総代会の今回の改正は決して矛盾をしないというふうに考えております。
#112
○鶴園哲夫君 大臣ね、いま農政局長と論議いたしておりますのは、今度法律の改正の中に、総代会制の画期的な拡充をやるわけなんです。いま総代会制というのがあるのですけれども、それとは非常に違って、画期的なと申しますか、根本的に総代会制というのを強化するわけですね。そのことが単協の一人一票制という原則を表現しなくなるおそれがあるということを言っておるわけなんです。農協の関係者から見ますと、妙な話をするじゃないかというお感じがあるかと思いますけれども、それはあまりにもぼくはいまの農協関係者というのが現実に流れ過ぎている、あまりにも流され過ぎているという点からくるのじゃないか。少なくとも、局長といまいろいろやりとりしてみますと、この総代会というのは、どうも一人一票という原則を表現できない、法律でそういうことをするのだから困るということを言っているわけなんです。そういう論議をやっておるわけなんです。
 そこで話がいま一つ変わってきまして、いまの総代会制なんという考え方は、もともと非常に大規模な農協ができたというところに根本的な原因がある。一万とか五千とか、非常に大きな単協ができて、物理的に五千名の人を、一万名の人を集めるということがむずかしい、困難である。もちろん武道館に二万名という人が集まります、全国から。それは別にしましても、少なくとも五千なりあるいは四千なりという組合員が集まるということは非常にむずかしくなったというところに根本的な原因がある。まあ総代会制というものはそのためにできたものだと私は思うのですけれども、それじゃ農林省は、法律を改正するわけですから、大規模な農協を奨励するのかという感じを持つわけなんです。五千なり一万なりを今後ますます奨励されるおつもりか。それは総合農協の立場とは違うじゃないか。農家がこれから十年の間に半分になりますよということを言っているわけでしょう。半分になりますよと言っておられる。どうも、この点を、大臣に御答弁いただかなくてもいいですが、いま局長の答弁の中に適正規模という話しが出ましたですが、農林省の適正規模というのはどういうふうに考えられておったのですか。単協の適正規模というものはどういうふうに考えておりますか。
#113
○政府委員(池田俊也君) これはなかなかむずかしい問題でございまして、いろんな地理的あるいは経済的な事情がからんでおるわけでございまして、一律には、私はなかなか申し上げられない問題だと思うわけでございます。ただ、非常に小規模で、たとえば例をあげて申し上げますならば、かりに三百人というような農協があったといたしまして、三百人の農協組合員がはたして適正かどうかというと、これはやや規模が小さ過ぎるのではないか。もし、そういうようなところであれば、かりにそこが総合農協であるということにいたしますと、信用事業なり販売、購買なりというような事業をいたすわけでございますが、そういう事業をやるということになれば、少なくとも信用事業につきましては、けさ、午前中にもいろいろ御論議がございました不正事件というようなことからいたしますと、三人は少なくとも係を分けて置けというようなこともございますし、そういうようなところがらいけば、やはり職員の数にいたしましても十人とかいうような数が出てくるわけでございます。それを三百人の組合の規模が支えるというようなことは、これはとうていできないわけでございますから、そういうようないろんな配慮をいたしました結果として、適当な数字がそれぞれの実情に応じてきめられるというものであろうと思いますが、これは確たる根拠はございません。しかし私は、農協としてはいろんな条件の違いはあるとは思いますが、千人程度の組合員の規模としてやるのがやはり組合運営の上からいえば好ましいのではなかろうかというような、非常にばく然とした感じで、それなら根拠いかんとこうおっしゃられると非常に困るわけでございますけれども、そういうような感じは持っておる次第でございます。
#114
○鶴園哲夫君 その点、私も大賛成ですね。単協としては、一人一票の原則というような協同組合運動の精神からいって、やはり地域的に顔を知り合っているという範囲の単協というのが私は好ましいのではないかというふうに思いますですね。それじゃ、その総代会制というようなものをつくらぬでもいいじゃないかと、私はそういう主張者なんです。いまできている大型農協を割れということは言いませんよ。一万人の単協はでか過ぎるから割れというようなことは言わない。ですが、そういう事態にもなってくるのじゃないですか、これから、農協のあり方としては。ところが、それといま政府・農林省が出しておられる法案は食い違っておられるわけですよね。大規模農協を奨励するということになってくるわけです、これは。大規模農協になれば、それは私がさっきから言っているように、もう量的なマス的な地位というものを強調せざるを得ないのじゃないか。ですから、主張せざるを得ないから、結局一県一つでもいいとか、一郡に一つでもいいとかいう人も出てくるでしょうし、あるいは県連は要らぬということになってくるでしょうし、一体それは単協なのかどうか、ほんとうにそういう一人一票の原則を踏まえた単協なのかどうかという点については、これは非常に大きな問題があるのです。私はその考え方がどうもすっきり描けないのですね、局長の答弁の中からは。
 いま局長のおっしゃった、その単協の規模というものについては千名程度というのは、これはだれしもまあ適正な規模じゃないかというように思うし、そういう場合は総代会制なんというのはつくる必要がないじゃないかと思うし、それで三千人、五千人、一万人というのがあるから、しかたがないから総代会制というものをつくるのだという印象を私は受けておるのですが、それじゃだんだんこれから農民は少なくなるじゃないか。半分になるでしょう。それじゃいまの一万人とか五千人とかいう農協もちっちゃくなるじゃありませんか。じゃ法律なんかでそんなものをつくる必要はありません。一人一票の原則というのをあくまで踏まえておられたらどうですか。もし何ならそれは三千人以上のものについて特列を考えるなら考えるように――もとに戻りますよ、必ずこれは、はずれているのだから。まあそれも私は気に食わないのです。気に食わないのですけれどもね、どうも……。
 まあ以上で私はきょうのところこれで一応終わりまして、あと先ほど申し上げました、きょう農協の不正の問題についての資料をお願いいたしましたし、また短期大学の問題についての結論もありますし、それから米の問題並びにサイトの問題、米の手数料の問題ですね――等の問題が残っておりますが、またそれについて資料をいただいたところで重ねてお伺いすることにいたしまして、きょうのところはひとつ、委員長、これで一応終わります。
#115
○杉原一雄君 いまちょうど問題になっておった総代制の問題を、私の予定を少し早めて、若干もう少し突っ込んでお聞きしたいと思います。
 いま鶴園委員から原則と現実の問題ということで非常に長時間にわたって総代制度が法改正の中で位置づけられてくることについて、非常にきびしい警告が行なわれておりましたが、私もまたそれに同感であります。ところが、この法案改正について私もときおりいなかの関係者といろいろな機会をつくって話し合いをするわけですが、ある一町村、一つの町が一つの農協に最近合併した農協長と数時間にわたっていろいろ議論をいたしましたが、もうすでにこの法案が流れておりますので、この法案に備える心づもりをすでにしておったわけでありますが、それでもなおかつこういうことを言うのであります。これはまあ千五百名程度ですが、一年に一回はかりにむずかしくても、三年に一度の役員改選等があるわけで、三年に一度くらいはまあせめて大きな学校の講堂を借ってでも全員集会をやっていきたいものだということを漏らしておったわけです。そうしますと、この総代制度が農協の定款に位置づける場合に、若干違ってくるわけですね。その辺のところ、農林省がこの法が施行される段階において政令等あるいは模範定款等をお示しになると思いますが、いまぼくが申し上げたある町の農協長が言っている願いを政令段階なり模範定款段階にあらわすことが可能なのかどうか、それをひとつ聞きたいと思います。
#116
○政府委員(池田俊也君) いま先生がおっしゃいましたような事例は、私は非常にごもっともな御意見だと思うわけでございます。いろいろ規模が拡大する等のことがございまして、一方では総代会を置くことが組合の管理運営上必要である。しかしそれにしても、あるときには総会を必らず開きたい、こういうようなのが、私も最も理想的なかっこうであろうと思うわけでございます。もちろんそういうような、いまおあげになりましたような事例は、定款等でそういうふうにきめればよろしいわけでございまして、そういうことは十分可能でございます。
#117
○杉原一雄君 その次に、鶴園委員が非常にこだわっておったのは、一人々々の組合に対する意思、決意、判断、参加意欲をどう生かすかという問題にあるのではないかと思います。法そのものに反対するしないは別として、一会員一票制の原則を、それぞれ総代制のもとにおいて生かす場合にはどうするか、こういうことになりますと、法実施の過程において、農政当局がこれに対する指導行政を行なわれるわけですから、そうした組合員一人々々の意見が、かりに総代という形式の中で発揮できなくても、別途な形でぼくは創意工夫ができるようにも思います。これは妥協案じゃありません。ただ、仮説でありますから……。その場合に、指導あるいは誘導行政をなさる場合に、農林当局ではかなり議論をしておいでになりますから、こうしたらいいだろう、ああしたらいいだろうということが、お手元にもしあるならば、いまここで御披露いただきたい。
#118
○政府委員(池田俊也君) まあ、かりに総代会制を採用いたしまして、もっぱら組合の最高の方針を総代会制できめるというような方針がとられました場合には、私はやはりこれとうらはらの関係で、先ほど来御議論のあります組合員のそれぞれの意思を十分に把握するような措置が必要である。もしそういうような措置がないと、やはり非常に一部の意思しか代表しないようなものになるわけでございまして、それは非常に必要なことであるというふうに考えておるわけでございます。その他の手段といたしましては、これはいろいろあり得ると思うわけでございますが、一つの例でございますが、たとえば、部落座談会と申しますか、そういうふうなものを各部落において開催をして、そしてその部落におります総代の方がそこに出て、十分思想統一をして、そしてそれを組合の意思決定に反映させるというようなことが、これはぜひとも必要なことであるというふうに考えるわけでございます。その他いろいろ適切な方法もあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、何らかのそういうような一面、別の面における討議がございませんと、やはり総代会の運営が適当にいかないと、こういうふうに考えるわけでございます。
#119
○杉原一雄君 その次に、先ほどから局長のほうでは、物理的に入れものの問題、それから意思表明の採決その他の技術上の問題等からして、とにかく総会はむずかしい場合がある、大型の場合は特にそうなんだ、こういう話でありますが、ところが、この法案が成立した場合に、現在、なお合併されてない小型農協がかなりあるわけでございます。私もよく知っております。そうした農協等は、従来どおり総会はやればいいわけですけれども、これができると総代会にかけることはできるのでしょう。その辺はどうですか。
#120
○政府委員(池田俊也君) まあ、現行法で五百人以上の組合ということになってるわけでございまして、その点は変わりないわけでございます。したがいまして、三百人くらいの組合では総代会の設置はできないと思います。
#121
○杉原一雄君 そうしますと、五百人がいま限度ですから、五百、六百は総会は物理的には可能だと思うんですね。そうしますと、そういうところはこの法によって画一的に総代会に切りかえていかなければならないのかどうか、総会方式を継続して、いま鶴園委員が言ったように、一会員一票制を堅持していくということはできるんですね。その辺をはっきりお聞きしたいと思います。
#122
○政府委員(池田俊也君) それはもうそのとおりでございます。設けなければならぬということでは毛頭ございませんで、組合の管理運営の実態からいたしまして、総会を十分運用できるということがございますならば、それは総会できめていくというような体制が一番よろしいわけでございますから、もちろんそういうことでいくのがいいことでございます。
#123
○杉原一雄君 先ほど鶴園委員の質問に答えて、適正規模というのは千名程度だ、このことは同時に衆議院の社会党の石田宥全議員の質問にもお答えになって、千名程度ということをおっしゃっているわけですが、私は千名以下ならば物理的に言っても何から言っても、総代制度でなければならないという理由はないと思うんですがね。そうしますと、問題はそうした総代制への移行についての行政指導なり、そうしたことは無理な形ではおそらくされないと思いますが、その辺はいかがでございましょうか。
#124
○政府委員(池田俊也君) さっき鶴園委員の質問に対して、適正規模ということで少なくとも千名程度ではないかということを申し上げたわけでございますが、これは千名が一番いいんだということで実は申し上げたわけではないので、まあ非常に小規模組合との関係で申し上げたわけでございまして、あるいは二千人でも適当ということもあるわけでございます。
 なお、総代会につきましては、これはまさに実態に応じて判断をすべき問題でございますし、私どもの指導方針として総代会を極力設けるようにという指導をいたすつもりはないわけでございます。どうしてもそういう必要のある場合には、総代会の設置を認めるという趣旨でございます。
#125
○杉原一雄君 しかし、きよういただいた資料によりますと、三千名以上の農協が二百六十五という数字が出てまいったわけですね。そこで、いまいろいろ総会の持ち方で、原則論と現実論とのお互い意見交換が行なわれるわけですが、ここで一応足をとめて、大型化の作業が今年限り相当進んだわけですが、二百六十五も。これが非常にいい面とまた必ずしもよくない面と幾つか出てきているわけですが、そうした点について農林省当局で検討集約された点があるとするならば、私はしょってお聞きしますが、大型化によってこれはまずかったなと、たとえば石田宥全議員が親睦性なり連帯性が非常に薄くなるとか、サービス低下が行なわれるとかいうことを指摘しておりますが、農林省当局がそれを肯定しているのかどうか、大型化の面で、どういう面で前進面が出て、あなた方が大きく旗を掲げておられる総合農政にマッチするような農協運営ができるかどうか、いろいろあると思いますが、簡単によい面と悪い面を御提示いただきたいと思います。
#126
○政府委員(池田俊也君) これは組合によりましていろいろ個別差がございますので一がいには申し上げかねるわけでございますが、ごくおおよその傾向といいますか――を申し上げますと、やはり大型化によりまして非常に改善をされたということは、事業面の経営基盤といいますか、要するに事業面が非常にしっかりいたしまして、結局組合の経営内容がよくなるというような面が非常に目立つわけでございます。一方大型化によってマイナスになりますのは、組合員とのつながりがどうしても薄くなりまして、まあ規模にもよりますけれども、より取り上げられる何といいますか、官僚化というようなことがいわれているわけでございますが、そういうような傾向が一面からすると出てくる傾向があるわけでございます。ただ、これも組合の努力次第でございまして、先ほど申し上げましたいろいろな部落座談会とか、各作物別のいろいろな部会、たとえば畜産なり、園芸なりの部会を設けて、いろいろな営農上の指導なり討論なりをして、組合員の経営改善に資するというようなことをやっている組合では必ずしも悪くない。結局やり方いかんであるという感じがいたすわけでございますが、ごく一般的に申し上げて、やはり事業面の成績は大型化によってよくなる反面、組合員とのつながりがよほど努力しないとどうしても薄くなってきまして、組合員の意思が十分に組合に反映しないという傾向が出てくる可能性がある、このように大体理解をしております。
#127
○杉原一雄君 委員長、大臣は何時ごろお帰りになりますか。一応お急ぎなら、私大臣にちょっと聞きたいことがありますけれども、あとでよければ、私論理を展開していきますが、ずっとおりますか。
#128
○国務大臣(長谷川四郎君) よろしいです。お続けください。
#129
○杉原一雄君 それでは、大臣に一ぺんにやってしまいましょうか。実は先ほど鶴園委員が農協の原理、原則の問題と現実の問題について議論をされたわけですが、私、大臣にここで変なことですがお伺いしておきたいことがあるわけです。
 御承知のように、私は去年初めて国会に出てまいりまして、ちょうどその時点で食糧管理制度の問題がクローズアップされてまいりました。西村前農林大臣にも、経済企画庁の動き、大蔵省当局、財政審議会の動き等を非常に憂慮いたしましたので、食管制度を守りますかと盛んに言ったところが、所管制度の根幹は守るのであります、根幹とは何ですかとこう聞きましたら、農業基本法とそれから食管法の前文と第一条、それから第三条、第四条でございますという御答弁をされたことは、その当時私初めてでございますから、非常に耳新しく、いまもなお残っておるわけです。ところが、その後の一年間の食管制度をめぐる農政の動きを見ると、私は西村さんがたいへんうそをつかれたなと、実は思うわけです。そこで、やはりどうしてもここで、鶴園委員が強調するように、原理の問題、原則の問題を正しく踏まえていかなければならないという意味で、若干お伺いしたいのであります。
 実はきのうはからずも産業公害及び交通対策特別委員会において、わが党の田中寿美子さんが大平通産大臣にこういう質問をしたのであります。それは大平通産大臣が六月の二十九日に千代田区神田公園において同党のある候補の応援演説をされた際に、公害の問題についてとんでもない暴言を吐いておるのであります。それを一部引用いたしますと、「青い空のもとで公害のないところで、すみたいという。それは詩人のいうたわごとだ。そんなに青い空がみたいなら太古のむかしにかえることだ。近代的な洋服をき、短時間で大阪へもいけ、たまには外国へも旅行したい、そういう欲望があるかぎりそれをもたらす企業がなければならない。その結果一部の地域で亜硫酸ガスや一酸化炭素がでたからといって、”公害だ””自民党の政治が悪い”と大さわぎするのはもってのほかだ。」この記事のすぐあとに「ああ青い空がほしい。きれいな空気がすいたい――これで歳費かもらえるなら政治家はいい商売だ。」、こういう記事が載っております。
 そのことをきのうの委員会で、言ったのかどうか、事実かどうかとただしたところ、そのとおりでありますと言ったわけです。実にけしからぬ発言であります。そんなことをここへきてふんまんをまき散らしても始まりませんが、この思想の根底に何があるか。通産大臣として公害問題に対処する基本的なかまえがあります。つまり、大資本家に対してきわめて忠実な通産行政をとっておるということをみずからがはっきり言っていると私は思います。いま日本の農政が去年からことし、わずか一年間の中にも大きな転換をしてまいりました。そのことは一つの現実として米が余るという形をとっているかもしれませんが、顧みればやはり食糧政策の基本的なかまえに問題があるわけです。で、大臣にこんなくだらぬことを申し上げてすみませんけれども、大平通産大臣のいま言われたような考え方を率直に言えば肯定されますかどうか、それをお聞きしたいと思います。
#130
○国務大臣(長谷川四郎君) どうもそうおっしゃったか、おっしゃらないか――おっしゃったのだということですが、私としてはちょっといただけないということでしょうな。これはいま公害問題がこれほど騒ぎ立てられておるし、したがって御承知のように、ただ公害というのは産業のみ、鉱工業のみの公害ではなくて、私たちのほうの、たとえば五千戸から一万戸ほどの町村においても養豚、養鶏、こういうようなものもなかなか営むことのできないような状態でございますので、でありますから、こういうような状態の中にあるのですから、そのような状態に沿ったやはり政策といいましょうか、政策を行なわしめなければいけない。そうしてなるべく公害というものを少なくして、住みよい、その報道にあったような、青い空、みんなでその空の下で楽しめるような方法を切り開いていくというのが、やはり政治に課せられた使命だと考えます。私はそういうふうに考えます。でありますから、今回、たとえばいろいろな法案が出てきておりますが、この法案も結局そういうような点に注意をして、そうして公害が起こるであろうというような産業、農産業は、なるべくそういう被害のないようなところにまず出してやりたい。それにはそれに並行的に伴ったやはり施設等を行なわしめていかなければならない、こういうふうに私は考えて、それらの指導といいましょうか、省内においてはそういう点について十分な注意を与えておるつもりでございます。
#131
○杉原一雄君 それはわかりました。ただ、通産大臣の論理をもってすれば、農林大臣も詩人です。詩人的感覚は私は非常に大事だと思います。がんばってください。
 その次は「昭和四四年度において講じようとする農業施策」、これはすでに白書と一緒に本会議を通じて御提示いただいたわけですが、いま問題になっている農業協同組合、つまり今年度において講じようとするこれだけの施策の中で、農協の位置づけというものはそんなに大きくページをさかれていないのですね。それは「農業団体の整備」という段で、七一ページに載っているのです。「最近における農業および農業協同組合をめぐる諸情勢の変化に対処して、「農業協同組合法」を改正して、農業協同組合の組織管理および事業運営の改善を図るとともに農事組合法人の運営の円滑化を図る。」、この程度であります。だから、あとのところはわかっているだろと、こういうことだと思いますが、しかし、私らみたいな新人がこれを読むと、何か冷たいような感じがするのですがね。いつも大体こういう形式で施策を国会に報告しておいでになるのですか。ことし限りでこういうことをなさったのか、その辺をちょっとお聞きしたいと思います。
#132
○政府委員(大和田啓気君) 農業団体、特に農業協同組合がすでに組織的な点においては世界に冠としていて、今後組織づくりを進めるということもまずないわけでございますから、農協を中心とする農業団体に対する記述は大体毎年この程度で、多少の変化はございますけれども、そう大きな紙面をさいておることはございせん。
#133
○国務大臣(長谷川四郎君) いま、いつもこういうふうに出しておるかというような御質問だったのですから、私も初めてなった成り立てのほやほやでようわからぬものですから、答弁をしても・らったわけであります。
 しかしながら、私は、私として一言つけ加えたいことは、いまの農協がいまのままのあり方でいいか悪いか。これは私は大いに疑問を持っております。農協というものはもっと指導性を持たなければならないだろう。自分みずからが、この農協が裸になって、そうして、国の内外においてこれほど農業というものを取り巻くきびしい状態の中にある以上、もっと裸になってほんとうに農民のために取り組んでもらいたい、指導してもらいたい。われわれも一体となって、どういうような方法でも切り抜けるために努力をいたしたいというのが私の偽らざるところの考え方でございます。
#134
○杉原一雄君 その次ですね。この改正法案の提案の際に大臣が説明された提案の理由というのに出ているわけですが、これの十五ページから項目に分けて提案理由が出ているわけです。これはこれなりで見ていけばいいわけですが、ちょっとわかりにくいですから、わからない重要な点だけ、できればなお詳しく大臣のほうから所信を表明していただきたい。十五ページです。「農業の生産面の一部には楽観を許さないきざしも現われております。」、こう出ているわけですね。これはこれなりで私なりの判断はできますけれども、一体「楽観を許さないきざし」というのは内容的にはどういうことをさすのか。大臣ですからそうお詳しくはいただこうとは思いませんが、ちょっと中身についてお教えいただければと思います。
#135
○国務大臣(長谷川四郎君) ただいまちょっと触れましたように、国の内外を取り巻く農業の実態というものはなかなかきびしいものがある。農業の役割りとしてなかなかたいへんだというときでございます。したがって、国民の必要とする食糧をなるべく国内において供給することが望ましいし、そのためには生産性の向上と土地の有効利用が最も必要であると考えます。最近において農家労働力の流出、生産性の低い第二種兼業農家の増加等が非常に多くなってきております。そして、生産力を逆に低下させるようなおそれもないとはしない。こういうことでございますので、土地の有効利用の観点から好ましくない傾向もあわれておりますから、このような事態に対処して、今回これらの兼業農家を含めた農業の集団的生産組織を育成していきたい。こういう措置の一環として、農業の経営の受託事業といいましょうか――を農協に認める等の措置を講じようとしているのもその一端である、こういうふうに申し上げられると思うのでございます。
#136
○杉原一雄君 いまの答弁の後半に触れていると思いますが、十六ページに「このような情勢のなかで、農民の協同組織であります農業協同組合が」、これで農業協同組合の役割りについてお触れになっているわけです。その農協の「役割をよりよく果たすためには」現在の状態では十分ではない、こう言っておいでになるわけですから、なぜ十分でないのか、その辺のところを、根本的な問題について大臣の分析なり判断をお聞きしたいと思います。
#137
○国務大臣(長谷川四郎君) 農協自体は大体指導という点が基本でなければならない、こういう中に立っていろいろな経済政策というものが当然行なわれていくべきものだと私は思うわけでございまして、そういうような点についての指導理念という点については少し欠陥が、はっきり申し上げられないかもしれませんけれども、私から見る限りでは、そういう点については諸種の欠陥があるだろう、こういうふうに考えます。したがって、農協が組合員に対する最大の奉仕という農協本来の趣旨に従って組合の事業運動を刷新する、特にいま申し上げたような指導にも当たらなければならない、やや立ちおくれておる感がある農業生産面におけるこれらの点について事業活動をさらに強化していく。こういうようなことは私は望ましいことであり、農協の使命である、最近の不正事件にかんがみ、信用事業の整備強化、こういうような点につきましてもさらに一だんと努力する必要がある、このように考えるからであります。
#138
○杉原一雄君 いま大臣のおっしゃったことをもう一つの部面から確認をしておきますが、先般五月十二日の大臣官房からいただいた「農政審議会における検討資料――総合農政推進のために――」というのがございます。これの二十七ページから二十八ページにわたって、「今後の農業施策の方向を考える場合には、五十年代の相当大幅な世代交替期まで、今後十年間程度の段階的施策について」云々ということを述べながら、この段階において、「地方公共団体、農業団体等の十分なる協力がなけばれその成果は期待しえないと考えられる。国、地方公共団体、農業団体等が農政推進にあたって果すべき役割を明確にするとともに、政府としては、農家が安心して農業生産活動に従事し、また農外所得を求めることができるよう農家の要望を適確に農政に反映し、かつ農家に対して適切な指導が可能となるよう十分な配慮が必要であろう。」と決意のほどが述べられているし、いまほど大臣の所信表明があったわけですから、繰り返しませんけれども、ただ、この際農協の役割りというものを、農民のために、あるいは地域社会の発展のために、ことば短く言えばいま言われたことに尽きるのでありましょうが、もう一度確認しておきたいと思いますから、重ねてお願いいたします。
#139
○国務大臣(長谷川四郎君) ただいま申し上げたように、農協の役割りというものは非常に大きいものがある。したがって、ただ農協だけにその役割りを果たせというのではなくて、私たち政府におきましても、財政的の面におきましても、環境づくりの面におきましても、これはできるだけ困難を克服して御協力は申し上げなければならぬ。こういうふうな考え方でございますし、この中にもありますとおり、それを行なうためには、地方公共団体あるいは農業団体等が、この人たちが一体の姿となってこの農政というものの推進をはかっていきたい、こういうふうな考え方がこの中に述べられておるのだと思うのでありまして、私もそういうような考え方を持ってただいま御答弁を申し上げておる次第でございます。
#140
○杉原一雄君 どうもありがとうございました。
 そこで、これは官房長の分野だと思いますが、
  〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
ここに「昭和六十年の日本列島――新全国総合開発計画の解説」があります。これは宮崎さんの責任において編集されておる。この計画は新聞等で見たわけですが、宮崎さんが中心になって、あなた方の知恵をかりて解説をしている。この中で特に農業問題について相当のページ数を実はさいているわけです。農林省が中心になって農政審議会で討論された内容とこの辺との関係はどうなるわけですか。かなり違いがあるように思いますから明確にしてください。
#141
○政府委員(大和田啓気君) いまお示しの冊子は実は私はまだ読んでおりませんけれども、新全総自身は、昭和六十年代のビジョン、いまの現昭和四十四年の現状から昭和六十年のあの新しい全国総合開発計画にどのように達するかというのは、これからの私どもの課題あるいは各省の課題であるわけでございます。で、私どもが現在農政審議会で御議論を願い、また私どもが全省をあげて検討いたしておりますことは、昭和六十年のビジョンということじゃなくて、ここ数年農政をどういう形で進めるかといういわば現実的な実践的な課題であるわけです。それで昭和六十年のビジョンは大づかみのビジョンで、私はその方向において農業関係でも決して間違った方向ではないと思っておりますが、いま申し上げておりますように、昭和六十年のビジョンで農政のいわば橋がそこまではすぐにはかからないわけでございます。
 この農政審議会を中心にして私どもが議論いたしておりますことは、昭和五十年代になりますと相当農村は変わるのではないか。それは一つは、昭和四十年現在で経営主が五十歳以上の農家というものは三百六十一万戸あるわけでございます。また昭和四十年において六十歳以上の経営主の農家が百六十万戸ぐらいあるわけでございますが、その中で相当多くの農家があと継ぎがいない、あるいはあと継ぎがいるけれども兼業を主にしているという、そういう農家があるわけです。そういう農業をやってあと継ぎが農業をやっておらないという農家が、かりに昭和五十年あるいは昭和五十五年で農業から離脱をするといたしますと、たしか昭和五十五年で農家戸数は二百七、八十万戸になるという一つの作業ができるわけです。私どもは昭和五十二年を目途の長期計画で農家戸数四百五十万戸と想定いたしておりますから、いまはあと継ぎがいなくてもまた将来帰村するということもございますし、いろいろな変化がございますから、そう直線的に二百七、八十万戸に昭和五十五年に農家戸数が減少するというふうには私どもは直に考えておりませんけれども、一体そういうふうに向かっているときに農政としてどういうふうにこたえるのか。
 まあ論者によりましては、現在では農村は何も動かないから手をこまねいて待つ以外にないというふうな人たちもおるわけですが、それだけの変化が予想されている以上、ただ手をこまねいていては農村に混乱が起こることは必至でございますから、その昭和五十年代に相当な構造的な変化があるということを頭に置いて、昭和四十年代にいかなる農政を展開するかというのが、私どもが農政審議会を中心にして現在やってる課題でございます。したがって企画庁の新しい総合計画と直接の関係はございませんけれども、方向においてはそうたいして狂いはあるまいというふうに考えております。
#142
○杉原一雄君 これは六十年代でございますから、いまおっしゃったこの年代のズレがありますから、かなり数字の面でも違ってくるわけですが、たとえば農家人口、これは四百万と押えていますね。そうした問題等もあったり、あるいは酪農をやる場合、酪農の適正な規模じゃないけれども、農林省が誘導行政をする立場からいって、牛は三十五、豚は六百、鶏は六千羽といったような大規模経営のことをここにうたっておったりしております。それは技術の問題なりいろいろあるわけですが、ただこの計画を策定される場合に、大和田官房長も参画しておいでになると思いますが、いま問題になっている、こうした農政を推進するのは、行政は結局農林省が中心なんですけれども、具体的に地域社会において農業推進の巨大なエネルギーを持っているのは農協だと思うのですが、そうした農政的な観点というものは、こういうところに抜けているのですが、たてまえ上抜けていてもいいんですか、それはどうなんですか。
#143
○政府委員(大和田啓気君) 企画庁の計画で、もちろん農林省は相談に応じ、参画いたしておりますけれども、農林省がつくったものではございませんので、いろいろ私どもから見ても完全でないといいますか、きわめて望ましいことであるものが若干欠けているところがあるわけであります。それは農政をやりますのは、農林大臣のもとで農林省がやるわけでございますから、その計画の中身をつくるといいますか、その方向に沿うて農政を充実さしていきたい、その中には当然御指摘のように、行政機関だけで農政ができるような環境ではございませんから、農林省といたしましても、各省の協力を求めると同時に、やはり地方公共団体、農業団体、あるいは実際は農家の十分納得がなければ、なかなかものが進まない時世でございますから、その辺は私ども検討資料に書いておりますような気持ちで農政を進めていくつもりでございます。
#144
○杉原一雄君 それでは一応私の予定のコースへ戻りますが、私は鶴園委員のあとで質問したことはずいぶんまずかったなと思っているのです。それは彼はキャリアを持ち、ベテランでございますので、問題の核心に触れてどんどん質問を進めているわけです。実は私はいろはから進めたいと思っておりましたから、一番バッターになっていたほうがよかったんじゃないかと、いまさら反省をしても始まりませんが、そういう意味で私がこれから質問をいたしますのは、いろはでございますから、きわめて幼稚な質問を淡々としてやるかと思いますが、御了承の上、御答弁をいただきたいと思います。そのことも、実は鶴園委員が指摘したとおり、いかに原理、原則というものが大切であるか、それが骨抜きになると、限りなく車が坂を降りるような形で、傾斜したり破壊したり、とんざをしたりするからであります。でここで日本がいま、農業が小倉武一が言っているように、袋小路に入ったわけでありますから、お互いの知恵をしぼって、その袋小路から一歩でも脱出しなければならない。その意味でやはり私は歴史的な経過、それに立って現状分析をし、それから今度の法案の中身についての若干の質問をしていくという形を実はとりたいと思いますので、お許しいただきたいと思います。
 農業協同組合法が立案され、法として世に出て、それが今日の農協の誕生となったわけですが、いうまでもなく、昭和二十二年の十一月十九日に法が公布をされたわけであります。従来それまでは産業組合から戦時中の農会なり、農業会に移っていったわけですから、農業会から農協に組織が改編された昭和二十二年十一月十九日、その条件、その時点において、なぜ農協になったか、その政治的なあるいは経済的な社会的な背景について、農政局長から簡単に御説明をいただきたい。私はその中から原理、原則をさぐり出していきたいと思いますからよろしくお願いいたします。
#145
○政府委員(池田俊也君) 終戦後、農業関係の施策といいますか、問題といたしましては、御承知の農地改革がまず当時の司令部の指導のもとに行なわれたわけでございますが、農地改革の成果を今後将来にわたって確保していく。そして農業の発展をはかっていくというようなことからいたしますと、やはり農民の協同組織というものの健全な発展をどうしてもはからなければならない。そして、まあ農地改革によりまして従来の小作農が自作農になる。しかしその裏づけが必ずしもその当時の時点におきましてはあるわけではございませんので、今後その自作農による農業経営というものを発展さしていく、そのためのよりどころといたしましては、やはり農協というものの使命が非常に大きい、こういうことから、農地改革に続きまして農協の組織を確立するということが大きな命題になったわけでございます。
 まあそういうような観点から農協制度を設けて、従来の農業会制度にかわりまして農協制度をつくるということが日程にのぼりまして、先ほどお話のありましたように、二十二年に成立をしたわけでございますが、その基礎的な考え方は以上のような経緯でございますが、やはりその一つの中心になりました考え方は、あわせて農村の民主化をはかっていく。農業会に非常に統制団体的な色彩が強かったわけでございますから、特に司令部のほうから見ました場合にその点がむしろ、日本の戦争に対する支えになったのじゃないか、こういう感覚がございまして、私その後になってもちょっとそういう感じを持ったのでございますけれども、当時司令部としては、やはり何といっても民主化に最大のウエートを置いたという実は印象を持っているわけでございます。
 私事で恐縮でございますが、当時私は非常に若かったわけでございますが、この作業に参加をしておりまして、その当時はやや無我夢中でございましたけれども、あとになって考えてみると、やはりどうもねらいは、特に指令部あたりのねらいは民主化という点に最大の重点を置いて、それに対しまして当時農林省がいろいろ折衝したわけでございますが、考え方にはややニュアンスには違いがございまして、それは農業の生産をより発展さしていくという点にややウエートがございまして、若干ニュアンスの違いがあったような感じを持っている次第でございます。
#146
○杉原一雄君 大まかなところはわかったのでございますが、なお耳に残っている点で二、三質問をいたします。その前に、その当時マッカーサー司令部かどこかしれませんけれども、農林当局に強く指示、指令があったと思うし、助言もあっただろうと思いますが、そうしたものも頭に置いておるわけですけれども、とりあえず農協の組織化ということについて、
  〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
その当時農政当局が確認した四つの原則があったはずだと思いますが、私から言うまでもないわけでございますが、局長からその原則を御披露いただいて、そしてそのことが同時に、いま一会員一票制の問題で鶴園氏が強く渡り合ったわけでございますから、そうした点もさかのぼって考えてみた場合に、その四つの原則がはたして、昭和二十二年でございますから二十二年間経過した今日の農協の動き、同時にまた農政当局が農協に期待するもの、今次の改正案、そうしたものとのからみ合いにおいて、そういったものがはたして、原則が原則どおり貫かれていったかどうか。もし貫かれていないとするならば、それは何が障害であったか。また、こうしたことを含めて、当時の四つの原則というものについて再確認をしていただければどうかと思うのですが、いかがでしょう。
#147
○政府委員(池田俊也君) これは法律の上で必ずしもはっきり明示しているわけではございませんが、国会におきます提案理由の説明等で明らかにいたしておるわけでございますが、一つは自由の原則であるということで、組合の設立あるいは地区をどうするかとか、あるいは組合員の加入あるいは脱退というようなものがすべて自由である、いわゆる自由主義的な協同組合というふうなことが農協法の一つのポイントである、こういうふうにいっているわけでございます。
 それから第二は、農民の主体性の確立をはかる。農民の職能的な協同組合でございますが、要するに従来でございますと、いろいろ農民といいますか、自作農、小作農そのほかに地主というようなものがあったわけでございますけれども、農地改革によりましてそういうものが原則的にはなくなるということで、要するに今後は自作農による農業であるということで、農民の主体性を確立するということがこの法律のねらいであるということを言っておるわけでございます。
 それから第三は、やはり今後農協というものを運営していく場合に、従来はやや経済事業といいますか、信用事業といいますか、そういう面にウエートがかかっていたけれども、そうではなくて、生産面に相当ウエートをかけていく、そういうことを意図しておるということを申しておるわけでございます。これは実際は必ずしも制度面でははっきりはいたしておらない点が多いわけでございますが、気持ちとしてはそういうことでやったわけでございます。
 それから第四には、自由の原則とのうらはらの関係でございますが、要するに従来は行政庁の指導というものが非常に強かった。まあ組合の設立――農業会は別といたしましても、組合の設立というようなものについても役所が相当自由裁量の権限を持っていたというようなこともございますが、そういうことを極力制限をして、要するに農民が中心になって自由に組合の設立をし、運営をしていくということを大原則として、最小限度必要な限りにおいて監督権を認める、こういうようなことになっておるわけでございまして、こういうような大体四つに分かれると思いますが、というようなことが国会の提案理由等で述べられておるわけでございます。
 で、その後それがどういうふうに変遷をたどったかというような感じの御質問でございますが、私は当時そういうことでいろいろやっておりまして、その後農協から直接離れまして、またむしろ最近になって帰ってきたというようなことで、ある意味では、いままさに先生のおっしゃいましたような感じで若干ものを見ておる面があるわけでございますけれども、一口に申し上げるならば、私はやはりこういうような原則で農協制度を発足したものが、その後現実の中でどういうふうにそれが対応してきたか当てはめてみると、理屈どおりにはなかなかうまくはまいらない。基本的な考え方は変わっていないと思うのでございますけれども、なかなか現実にはまいらないで大部分については修正を加える――率直なところを言うと、その後の歴史というものは修正の歴史であるというような実は感じもするのでございます。
 まあ先ほど来いろいろ御議論になっております総代会の問題にいたしましてもそうでございますし、その他いろいろ同じような種類の問題があるわけでございます。それからたとえば生産事業というようなことも理想と現実とは必ずしも一致しませんで、大部分では農協もかなり営農指導等やっておりますけれども、当初考えていたほどは必ずしもいっていないというようなことで、たとえば農地信託の制度でございますとか、今回御提案申し上げております農協の経営受託の制度化でございますとかいうようなことがいろいろ考えられたということで、要するに基本は変わらないけれども、それを現実に当てはめた場合に必ずしもそのとおりいっておらないので、それに対して現実に対応するために若干の修正を加えるとか、あるいはまた十分でない点についてさらにそれをもう少し知恵を出してうまくいくようなことを考えてきたのがその後の私は農協法の改正なりその他のいろいろな農協行政の動きではないかという感じがいたすのでございます。
#148
○杉原一雄君 四つの原則とおっしゃったわけですが、私県下におりまして労働者の生活協同組合なり労働金庫なり、そうしたものの責任者になっておったわけですが、特に労働者の生活協同組合の世界では四つの原則にプラスアルファとして一八四四年のロッチデールの原則というのをわれわれ非常に強調してまいりました。その中には四つで包まれない――門戸開放とか議決権の平等とか、そうした問題はいまの中で包まれているわけですけれども、現金販売のことだとか量目品質本意の原則とかいうことは抜けているわけです。また大臣に聞きたいことは、政治的独立の原則だとか組合間協力の原則とかいろいろあるわけですが、そうしたものはやはりいま四つの原則というものを基底に踏まえて私は提起されてきたものだと思いますし、その中で四つということでありまして、すでに二十数年の月日を経過して、いま局長がはからずもそれは修正の歴史であったと、こうおっしゃったわけですが、どうして修正されねばならなかったかというのも、主観的な条件と客観的な条件があったはずだと思います。客観的な推移は、これは私から申し上げるまでもなく、大きく日本は変わってきておりますし、ただ、一番ここで先ほどの総会の場でよく問題になるように、農協に対する農民とのつながりと申しますか、連帯性、そうしたものが顧みて何か弱かったのじゃないかという気がするのだが、その辺のところ、これからの農協に対処する行政上からも非常に大事でありますので、局長の段階でどうそういうことについて御判断をしておいでになるか。先ほどの話によりますと、農地改革があったのだと、地主の機能が非常に弱くなって、農民の地域社会が非常に変わる。その上に立って民主化をはかり、マッカーサーが日本の非軍事化体制をつくろうという意図があったこともいま述べておられたとおり、私は全く同感でありますが、そういう大きな変化の中で農協が誕生した。農協法ができた。だが、農民はそれに意識的にぴったりとくっついて、喜びと生きがいを持って農協に参加したかどうか。その辺のところを私はもう過去の話ですから、そうした農民と農協の積極的な意思のつながりというのは乏しかったのではないか。その辺のところをあなた方じっと見ておいでになりまして、なぜそうなったのだと、きわめて主観的な問題になっておそれ入りますが、もし局内で討論なさっていることがあったらお聞きしたいと思います。
#149
○政府委員(池田俊也君) これは非常に主観的な問題に入るわけでございますが、私個人の多少独断的な感じになるかと思うわけでございますが、やはり私はどうも日本の協同組合が非常に歴史が古く、かつ組織が行き届いているわけでございます。産業組合当時、諸外国の制度を範といたしまして、明治三十年ごろであったかと思いますが、一応産業組合制度というものができまして、その後非常に関係者の御努力で普及をしたわけでございまして、それが戦時中になりまして農業会制度というもので固定化された。それが今度は戦後になりまして、新しい観点で農協制度というものができたわけでございますけれども、実質的には産業組合当時の組合の基礎というものがそのまま残ったわけでございます。もちろんそれは地主が排除されたとか、そういうことでは変化があるわけでございますけれども、施設はもちろんでございますが、その他のいろいろな組合運営の一つのやり方とかそういうものがずっと残りまして、それがかなり尾を引いているという感じがいたすのでございます。
 もちろん農協の設立当時は、新しい観点で組合の設立をするということでずいぶんPRもいたしまして新しい組合もできたわけでございますけれども、それは全体から見れば非常に一部のものでございまして、やはり依然として村単位の昔からの産業組合以来の農協が残ったと、こういうような感じが私は非常に強いわけでございまして、そういうような意味で、新しく自分たちが組合をつくったという感じが比較的弱かったのではないかという気がいたすのでございます。全部が全部そうだとは申せませんし、その後特に専門農協等ではまた全く違う観点から出てきているのもございますけれども、大筋としては、大勢としては何かそういうような傾向が非常に強く、そのために組合員の連帯感といいますか、自覚といいますか、そういうものがややもう何か組合というものが先にあるような感じが――先般の米の登録問題にもそういうような感じがしたわけでございますけれども、何かそういうような感じがいたすのでございます。
#150
○杉原一雄君 かなり率直に分析していただきましたが、ほぼ私の考え方と近いところまで来ているようですが、特に農民の自発的な意思――おいらの手でおいらの組合をつくるといったような、そうしたものが先行しないで、だれかがどこかで計画をしてつくらされたというようなそういう関係がやはり長く尾を引いているような感じがいたします。でありますから、それがこれからの総代制なり、今度の法改正のすき間になる危険性がある。だからこの点を、そういう農民の今日の意識の改造とか変革の上に立って、今度の法改正について、私たちは最大限の警戒的な目で見ている理由もそこにあることが御理解いただけると思います。で、いま一つ農民心理にもっと突っ込んでいただきたかったところだが、それはいかれなかったのですが、農地改革の上に農協ができた。私たちはもう一歩踏み込んで、農地改革の第三次というところまで踏み込んでいきたかったところだったのですが、片山内閣がああいう形で挫折いたしましたので、志半ばにしてその仕事をなし遂げられなかったわけでございます。もっと徹底した農地改革をやるべきであったと思うのですが、しかしそういう結果になったわけであります。
 ただここで農民のものの考え方、とりわけ土地に対する農民の意欲とか意識というものから十分考えておくことが、いろいろな農協運営に今後、今度改革される法人の問題とかいろいろな問題に関連を持ってくるのじゃないかというふうに思います。これはエンゲルスが言ってることなんですが、身にしみ込んだ所有欲が、自己の土地に対する執着がきわめて激しい。自己の土地所有を否定するどのような動きにも敵対すると。したがって自作農を土地を共有する共同経営に移行していくということは、農民の心理としてはなかなか困難なものを持っているというふうに、私はエンゲルスのことばの中からも感じ取られるわけでありますから、いま改正法案の中で、この種の問題に関連する経営上の問題が出てくるわけですから、私はこの農民心理をやはり十分大切にするというのではなくて理解をしておくことが、失敗のない運営になるのじゃないかと、こういうふうに思います。
 同時にまた私も、農協が産業組合の、ずいぶん昔、満二十で組合の幹事をしておって約二百ほどの組合の経営に参加した経験を実は持っておりますし、戦後農協に参加したわけでありますが、農協に対する農民の考え方、関心というものは案外もろいものがある。結局農協は経済団体ですから、損得が優先するわけですね。農民の問題を考える場合には、そういう点で、いま局長が言ったように、農協に対する農民の関心度合い、連帯感意識、そういうものが非常に弱いということを、これはよい意味で肯定するのじゃないけれども、背定しながらその上に立っての制度改革ということを第一にしていかなければならぬ。またその現実は正しいのではないので、その現実をより関心度を高め、連帯感を強化していくという方向にやはり行政の指導が向けられなければならないというふうに実は考えておるわけです。
 その次ですが、その次の時点の農協の改革、農協法の改正というのは数回ならずあったわけでありますが、そのうちでも大きな屈折、大きな改定は、これは私の判断でございますから誤まっておったらお許しいただきたいのですが、一応私はこういうふうに考えます。第二の改正点は、昭和二十九年の六月十五日、こう私は判断します。それは中央会の組織化の問題の改正点の柱になっておるわけですが、それと相前後しながら河野農政というものが天下に喧伝されたわけであります。でありますから、この法改正と河野農政との関係、言うならばその当時の日本の政治経済情勢がどのような大きな音を立てて変化しようとしていたか。この辺のところをひとつしっかりと見定めたいと思いますので、局長の当時の把握しておいでの点をお聞きして、できますればまた私の見解を述べながら今回の改正に備えていきたい、こう思います。
#151
○政府委員(池田俊也君) 農協ができましてその後設立が一巡いたしまして、その後いろいろ経済環境が変化をしたわけでございますが、やはりかなり設立段階で無理があったといいますか、そういうようなこと、あるいはなかなか農協の体制がそういう経済変動に耐えられなかったというふうなこと、あるいは前からの農業会からのいろんな引き継ぎがあったということ、その他の理由で二十四年ごろから農協の経営不振が前面に出てまいりまして、それに対しましていろいろ立法措置がとられたわけでございます。再建整備法とかあるいは整備促進法といったようないろんな措置がとられまして、農協の立て直しという事態になったわけでございますが、それが大体二十九年ごろまでには見通しがついてきたと思うわけでございます。ということになりますと、今後農協の再建をいかに達成していくか。さらに農協の事業の進展をはかっていくかということになるわけでございますが、どうもそういう事態から見ますといまの制度では必ずしも十分でない。あるいはその問いろんな農協運営をしていきまして、どうも現実にはめてみるとやや理想に走ったというような点が、感じがするような点もあって、どうも現実にうまく合わないというようなことで若干の修正が必要であるということで二十九年の改正になったと思うわけでございますが、一つはいま御指摘のありました中央会制度を設けた。従来は指導連というようなかっこうで一つの連合会の形でやってまいったわけでございますが、もうちょっと広範に組合活動を指導するというようなことから、あるいは組合に関するいろんな事業を行なっていくというような観点から中央会という独自の制度が設けられたわけでございます。それと、それからいろんな組合の管理面、あるいは行政庁の監督面等について必要な修正が行なわれたというのが二十九年の大体の改正までの経過であったと思うわけでございます。
#152
○杉原一雄君 私非常に大事なことが抜けているのじゃないかと思いますが、もちろん農協経営が農協自体の具体的な問題としてあります。経営が不振であったとか、だから農協の再建整備の方向への行政指導が行なわれたとか、農業協同組合経営に関する緊急対策要綱というのが二十五年の四月に出たり、また五月には財務処理基準令が出たりして、当時の農協経営に対してかなりのてこ入れが行なわれたという経過もいまのお話の中で織りまぜて思い出しているわけでございますが、そうした中で、それよりももっと重要なことは、昭和二十八年の十月に時の池田勇人さんがアメリカに渡ったということであります。そうして国務次官補ロバートソンと会談したということが日本の当時の国政全体を大きく曲げていった、方向転換をさせた、そういう中で河野農政が誕生した、私はそういう位置づけを実はしたいわけなんであります。
 言うなればMSA体制というものが確立されて、それに対して日本の農業団体が再編成されないしは従属させられてきたというふうに理解をしたい。誤っておったら長官、ひとり訂正をしてもらいますがね。MSA体制のことは、これは言うまでもなくアメリカの余剰農産物を、その当時の政府が余剰農産物協定をつくりながらそれに対応するような経済措置をやった。しかも、その中で相手のアメリカの考えの中心になっている思想は、きょうも内閣委員会にかかっていると思いますけれども、陸上自衛隊を十八万にするということなんです。陸上自衛隊を十八万にするということは、きょう参議院の内閣委員会で議論されているのは、もうすでに昭和二十八年から三年間の間に陸上自衛隊を十八万人にしなさいとアメリカから厳命されているわけなんです。時の政府、その次の政府がある程度国民的な立場から、国家的な立場かしらぬけれどもサボってきたことは――サボってきたのではないかと思いますが、ただ農政の問題として重要なことは、余剰農産物が日本に持ち込まれたということ、持ち込まれた余剰農産物がドルじゃなく円で決済をしたということで、非常にそのことによって日本の再軍備を強化したということです。だからそれをはしょって言えば、再軍備強化と食糧増産政策とのからまり合いの中で食糧は米麦統制から麦をはずして、そうして米中心という方向に移行してきた大きな転機であったのではないか。それが河野農政という形の中で、あるいは河野農政の中の特徴点をあげれば、三つあるわけでありますが、一つは食糧、特に米麦増産対策の放棄、第二点は補助金価格政策を中心とした小農保護政策の清算、三つ目は、農民の自主的総意に基づく適地適産を基調とした農村振興、これらが農基法その他になって化けて出てくるわけですが、そういう政策をとられてきたのじゃないか。
 この歴史的な経過をあえてこんなところできょう持ち出してくるわけは、やはり、今日の食糧政策にしても農業政策にしてもこれに対応する農協の法改正にしましても、私は、こうした国内要因だけじゃなしに、対アメリカとの要因、関連、そうしたものが常にそこに必ずあるということを歴史的な過去をえぐる中から私は明らかにしていきたいものだと思います。ただ農協の主体的な体質改善、そうした問題についてはいま申し上げたようにその次の三十七年の五月十一日にまた大きな法改正があるわけですから、この法改正との関連において農協の全国大会が重大な決定を実はしております。このことは後ほどの法改正の第三番目の三十七年五月十一日法百二十七号の問題に触れていきたいと思います。
 そこでいま申し上げた問題を若干預かっておきまして、三十七年の法改正の改正点、そしてまたその背景、こうした点をあらためて局長のほうから簡単に要約して説明をしていただきたいと思います。
#153
○政府委員(池田俊也君) 二十九年当時の改正についての背景と申しますか、理解と申しますか、これは事実に対する見方でございますから、いろんな見方はあるかと思うわけでございますが、私どもはいまおっしゃいましたようには全く考えておらないわけで、これはまさにその以前におきます農協のいろんな経過の上に立ちまして、やはりこういう従来の経過を追うようなことでは困るので、これは何とか立て直しをはかっていくというための一つの考慮ということが主体であった、いわば農協の内部といいますか、日本農業の中における農協の役割りというようなことから出てきたもので、あまり政治的な意図というようなことは実は非常に考えにくいのでございます。
 それはそれといたしまして、三十七年改正におきます考え方でございますが、これは農業基本法が三十六年に出まして、農業の今後の方向というものがおのずからそこできまったわけでございますが、この中でやはり今後いろいろ生産面あるいは構造面等でかなり新しい観点から農業の体質改善をはかっていく必要があるというような背景が出てきたわけでございますが、その中で農協の役割りというようなことを考えてみますと、これは制度ができました当初、農業生産面における農協の役割りを非常に重視するという考え方がその後あまり実はそれほど活発な動きを示さないで経過したような感じがいたすわけでございますが、その中でやはり農業基本法の方向に沿いまして極力農業経営の構造改善をはかっていく、そういう点からいたしますと、農地の流動化を促進するとか、あるいは農業生産面における協業を助長していくとか、そういうような必要が出てきたわけで、そういうような観点からの農事組合法人の制度の創設でございますとか、農地信託制度の創設でございますとか、そういうようなことが三十七年改正の中心になったというふうに私どもは理解をしておるわけでございます。なおそれと直接の関連はございませんけれども、やはり農協の管理面における若干の手直し、農協合併がかなり進展をいたす気運になっておった時代でございますが、そのためのいろんなやはり管理面におきます必要な配慮というようなものがあわせて三十七年改正の中に取り込まれた、大体そんなふうに理解をしておるわけでございます。
#154
○杉原一雄君 それではいまの改正のおもなる点を三つあげられたわけですが、おのおのについて若干もう少し詳しくお願いしたいと思いますが、まず、農基法が制定されて、それに伴って生産面の共同化の問題ということなんですが、それはそうだと思うのです。だから協業化の契機になったもの、その背景といったものを、いまのことばの中で若干日本の農協の姿を少しお述べになったわけですが、それをもう少し述べていただけないでしょうか。ちょうど私のところにいまその当時の解説書、「改正農業協同組合法の解説」、「農事組合法人と農地信託事業」、農政局農業協同組合課でつくっている中で、だいぶ整理されながらここに書いているわけですが、これを読めばわかるわけですけれども、やはりちょうどいま改正されようとすることと中身が違いますけれども、かなり観念的にはつながるものがありますので、その辺のところをもうちょっと堀り下げてくれませんか。協業化の問題、法改正に伴う生産構造の問題どうですか。
#155
○政府委員(池田俊也君) 基本法の一つの背景でもあるわけでございますが、まあ一般的な抽象的な言い方になるかと思いますが、日本経済が非常に高度成長いたしまして、それまでの間は農村はいわば不完全就業といいますか、潜在失業といいますか、むしろ多数の人口をかかえて何とかしてそれを完全雇用をはかるというような点が問題になっておったわけでございますが、経済の高度成長で農村の労働力というものが逐次二次産業、あるいは三次産業に吸収される、こういうような事態になりまして、むしろ農村におきましても一部では労力が不足するというような逆の傾向になってきた。ある意味では二、三男の問題が長男問題に変わるというような感じが出てきたわけでございます。
 そういう事態になりますと、これはやはりもちろん基本法で他産業との所得のバランスというようなこともございましたけれども、労働生産性の向上を極力はかっていかなければならない。その場合に、日本の経営規模からいたしますと、単独の経営ではなかなかむずかしいので、協業を促進していく必要がある。そういうようなことで、協業化という一つの機運が出てきたわけでございます。それからさらには適地適産といいますか、従来のわりあいに米麦中心なのが需要に見合った生産ということで、かなり多様化していきまして、特に園芸面、畜産等へ、まあそういう面の生産が非常に進展をしてきた。そういうような新しい農協の部門というようなことになりますと、これはやや新しい観点でいろいろな技術指導も行なわれますし、また受け入れる余地も出てくるというようなことで、集団栽培とか、あるいは共同出荷とかいう機運がかなり出てきたわけでございます。そういうようなことも結局いろいろな形で結びつけばまた一方ではもちろん機械も相当いい機械が出てくるというようなこともございまして、そういうようなものが結びついて協議経営というものが可能となるような条件が逐次整備されてきたという感じを私どもは持ったわけでございます。もちろん農事組合法人が出てまいりました直接の動機というものは、有名なミカン栽培地帯におきます一つの税金対策的なにおいもあったわけでございますけれども、まあ一般的にはそういうような背景で協業化というような条件が逐次整備をされてきて、これを制度面でひとつ推進をしていきたいということが三十七年改正の一つの大きな主眼点であったというふうに理解をいたしておるのでございます。
#156
○杉原一雄君 荒筋がのみ込めたのですが、そういう中でもいろいろ問題をたくさん残しながら、農村が社会構造の面からあるいは生産構造の面からも非常な変革を遂げてきたと思うのです。特にこれは念を押すまでもないことなんですけれども、せっかく協業化の方向を指導行政の中で出しておいでになったわけですが、いまミカンの話が出たんですが、協業化の方向が進んできたところ、逆になかなか進まないところ、生産を中心にして言うならば、何と何とあってそれはなぜかということを、ここでもう一度確認することが今度の法案の中の改正の第一点と非常に関連がありますので、一応念のために聞いておきたいと思います。
#157
○政府委員(池田俊也君) 協業というのは、先生がさっきおあげになりました点にも関係があるわけですが、農民の心理的な要素というものとの結びつきというのは、なかなかむずかしい点があるわけでございます。共同作業的なものでございますと、これはかなり古くから行なわれているわけでございまして、これはそう問題ないわけでございますし、従来からのつながりもあるわけですけれども、必ずしもそうじゃなくて、もうちょっと協業の度合いの強いいわゆる協業経営というようなことになりますと、これはなかなかむずかしい点がある。やはり漁民ほどではないわけでございますけれども、農民の場合も自分のところのたんぽなりあるいは圃場なりのいろんな技術なりについては非常に一生懸命やるけれども、よそと全く共同してやるというようなことについて、すべての面で共同してやるというようなことについてはいろいろ問題があるわけで、それが収支の計算まで一緒ということになりますと、なかなかむずかしい面があるわけでございます。協業経営ということだけに限って見ますと、そういう面ではむしろ全面協業というのは初めから非常にむずかしくて、むしろ部分協業みたいな形が非常に多かったのでございますが、三十六年ごろとその後の経過を見ますと、四十年あるいは四十一、二年ころにかけてはまあかなりふえたわけでございますが、その後はややむしろ減少傾向、全体の数字から申しますと。というような形に一応なっているわけでございます。もちろん中身に入りますと、むしろ一時的な流行みたいなもので、協業経営でつくったものをうまくいかないのでやめて、そのかわり内容的には非常にしっかりしたものはやっぱり着実にふえているというような内部的ないろいろな問題がございますけれども、全体の数といたしましては四十一年ごろを境にいたしまして、むしろ全体としてはやや減少という傾向にあるわけでございます。
 それから部門別で見ますと、やっぱり新しい種類の農業部門、果樹とか養豚、養鶏その他といったような新しい特殊な、いわば一般の米麦農業ではないその他の部門に比較的多いわけでございます。これはいろんなそれぞれの業種によりまして、共同的な施設を持ったほうが経営が非常にうまくいくというような面もございますので、そういうふうなことからそういうふうな事態になっているというふうに考えるわけでございますが、一応そういう状況になっておるわけでございます。
#158
○杉原一雄君 一わたり戦後の農協を中心とした農政の動きを手探りながら探ってまいりましたが、ここで法改正の問題に入る前に私なりに要約してみましたが、これに対するもし意見があれば伺いたいと思います。
 私はこれは独占資本と農協という形で意見を進めていきたいと思いますが、つまり農協法が設置されて、改革以前の日本の農村の姿、経済構造、家族関係一切を含めてですが、その中心をなしていたものは、小作料をめぐって農民と地主との対立関係、これが緊張を生み、ときには妥協し、ときには村ごとごっそり流されてしまう封建的な農村社会をつくっていたと思うわけです。戦いに負けてマッカーサーの指令等もあったりするのでありますが、その後は要約すれば、地主との対決という関係は大体基本的にはなくなってしまう。私も今日ごく最近まで約一アールほど小作地を耕作しておったのでありますが、形の面ではまだ地主小作が残っておったわけですが、地主と小作という緊張関係はなくなった。そのかわりそれに対置されてくるものは資本と農民、資本主義が中心となって形づくっている社会と農村社会との対決といったものがその後の大きな流れをつくってきたのではないか。これに決定的な影響を与えたのはアメリカの極東政策だと私は思います。
 そこでそうした状況の中で農協はどうなってきたか。農民のための、農民による戦う組織でなければならないというのが私の規定であり、考え方であります。しかしながら先ほど告白したように、私も農協の一組合員としてあるいは一役員として、矛盾した農協の運営の中で今日まで私はいまなおある種の関連をもってきておるわけです。矛盾しておるということは、理念としてはこれは資本と対抗するものであるということは割り切らなければならない客観的な条件にあるわけですが、体は、肉体は資本の本能に打ち負かされている。資本の恣意のままに振り回されているというのが失礼ながら今日の農協の姿だろう、こういったような矛盾の中で、農協が右し左し、よろめきながら今日まで前進をしてきました。そこでいまこそ農協が、本来、農民の政治的経済的社会的にみずからを守る自衛の組織であらねばならない、そういうことを正しく踏まえながら、これからの農政の中で農協が大手を振って前進すべきときではないだろうか。しかし、客観情勢は低米価であり、低賃金である。そうした環境の中で肥料で搾取され、農機具でもうけられ、あるいは経済的行為を通じて知らぬ間に搾取されておるのが現状じゃないか、こういう現状把握をしながら、今日の法改正の問題に私は立ち向かっていくのが私の考え方の基本姿勢であります。これは局長に答弁を求めたり見解を求めたりするのは無理だと思いますので、次の問題に問題をころがしていきたいと思います。
 それは参議院の調査室から私たちのいただいた資料の中で昭和四十一年七月十八日農林省農協問題検討会、その検討会の「農協問題の検討結果要旨」というものを私たちいただいておるのでありますが、このことについて若干質問していきたいと思います。これは言うまでもなく、この検討を経て農協法の改正がかつて国会に出されながら、今日また出されたという私は経緯を了解しておるがゆえに、あえてこの検討会の問題について質問をしたいと思います。
 まず、第一点は、いつかどこかでいただいたような気がいたしますが、検討会で検討されたメンバー、いわゆる構成メンバーというのは大体どんなふうな人たちをさすんですか。
#159
○政府委員(池田俊也君) かなりの数の方が検討に参加されたわけでございますが、大体はいわゆる農業に関する学識経験者という方でございまして、大学の教授の方あるいはそうでない言論界におきます農業関係の専門家、そういったような方々、それからそのほかには農協関係の幹部といいますか、指導的地位にいらっしゃる方々、そういうような方々、大体二十人くらいでございまして、一応座長と申しますか、には日本農業研究所の理事長である石井英之助さんが座長で取りまとめが行なわれたわけでございます。
#160
○杉原一雄君 検討会というのは正式な名前ですね。それでは省との関係はどういう関係になりますか。いままで審議会とか委員会とかいろいろありますが、検討会というのは今度が初めてだと思うんですが、私あまりよく知りませんが、それと省との関係はどうなっておるか、その辺のところを明確にひとつ。
#161
○政府委員(池田俊也君) これは正式なものではございませんで、農協制度のもろもろの問題の検討をしていただくために、学識経験のある方にお集まりいただいて御意見を伺う、こういう性格になっておるわけでございます。でございますから、正式の名前というふうなものは実はありませんで、農業協同組合制度に関する検討のための会合、こういうようなことで特に審議会的な取り扱いはしておらないわけでございます。
#162
○杉原一雄君 そうしますと、諮問するという――大臣か諮問したというようなことですね、それでいいんですか、関係は。
#163
○政府委員(池田俊也君) 農林大臣から諮問をして答申をいただくというような性質のものではございません。農協問題についてのいろいろの御意見を拝聴する、学識経験者あるいは農協関係の方々の御意見を伺うという性質のものでございます。
#164
○杉原一雄君 実は調査室からいただいたのは結論しか出ていないわけですよ。これじゃあまり参考にならないので中身を何とかいただける方法はないものでしょうかね。
#165
○政府委員(池田俊也君) 大体結論が中身といえば中身なんでございますが、ただ、率直なところを申し上げますと、意見の中では必ずしも各委員が同じ意見をお述べになったのではなく、大体の筋としてはそういう議論が大勢を占めたというようなので一応要旨ということでまとめられておるわけでございます。もちろん中にはそれぞれの項目について全く違う意見が両方から出てきたという項目が実はかなり多いのでございます。たとえば先ほど来いろいろ御議論がございました総代会制度についても、まあ大筋はそういうことでございますけれども、逆のまた御意見もあった、こういうことで少数意見といいますか、そういうようなものは各項目につきましてたくさんあったわけでございます。
#166
○杉原一雄君 その辺の経過はわかりました。だからこの結論に対する経緯の問題もおよそわかりました。ただ私たちがこれから討論を進める場合に、中身の中身ですね、甲論乙駁が非常に参考になるんじゃないかと思いますので、ここにいただいておるのもすでにあなた方持っておいでになりましょうが、これ以上のものは出ませんか。
#167
○政府委員(池田俊也君) まあこの結論にあらわれておりません意見につきまして、たとえばこういう意見があったということを若干整理をいたしましてお出しをすることは可能でございます。並行的になるわけでございますけれども、各項目につきまして、こういう意見もあったしこういう意見もあった、結論は大体こうである。こういうような意味でいわゆる少数意見みたいなものもございますので、もし御要求でございますならばそういうものを資料として御提出申し上げます。
#168
○杉原一雄君 私の質問時間の中で間に合わないだろうと思いますから、同僚委員がたくさん質問なされますので、それが非常に足がかり、手がかりになりますので、もし御努力できたらそういう形でお願いしたいと思いますし、いま私、ここで幾つかの項目的な結論が出ておりますので、それをはしょって御説明いただければどうかと思うんです、簡単でよろしゅうございますから。
 第一点は、御承知のように農協の目的、性格を堅持すべきであるということになったわけですね。農協の目的、性格は堅持すべきである。しかし先ほどの鶴園委員の質問のように、だいぶ大事な問題がはずされてきているわけで、それはそれとしても、この目的、性格とは何であって、堅持すべきであるという大勢はどうしてきまったのか、このことを簡単にお伺いしたいと思います。
#169
○政府委員(池田俊也君) これは実は検討会におきましては、大別いたしますと二種類の意見があったわけでございます。それは一つは大体いまお述べになりましたように、要するに農協の従来の体制、要するに農民を主体にした協同組合である、別なことばを使いますならば職能的な協同組合である、それが中心である、しかしやはり一方では、農村社会におきまして地域協同組合的な性格もあわせ持たないと実際上地域住民がむしろ不利益をこうむるということもありますので、そういうような性格もあわせ持つというような、基本は農民主体の制度であるけれども、あわせてそういうものを考えていくのが農協のあるべき性格である、こういう議論が多かったわけでございますけれども、それとは別に、そうではなくて、やはりいまの事態からいうと、農協というものはむしろ地域協同組合的な性格を強くするように考えていったほうがいいんではなかろうか、まあいろいろ農村社会も変化をしておるわけでございまして、まあ農家も一方では農業をやり一方では兼業をやっておる、こういうような実態も相当強くなってきておりますので、そういうような点も配慮すれば、むしろ地区内の住民が、農家、非農家を含めて組合を組織する、あるいは場所によりましては、その他の業種も太るというような形のほうが、最近の実態からするとむしろ実態に合うのではないかというような意見もございました。まあ両説あったわけでございますが、結論といたしましては、最初に申し上げましたような意見がどちらかというと中心でこういう結論になった、こういうような経過でございます。
#170
○杉原一雄君 そういう中で、いま局長が申したように、兼業化の問題なり、都市化、多様性の問題があったりして、とりわけ準組合員の問題がどんどんと大きくなってくるわけですから、あるいは正組合員の資格を変えたらどうだ、あるいは都市農協についてはどう考えるか、いまのお話のように、地域協同組合化の意見も強く出されたということですから、しぼって質問申したいのは、正組合員の資格の問題について何か意見が出なかったか。もう一つは、都市農協についての考え方、そうしたものがどういう形で出たか、それをちょっとお聞きしたい。
#171
○政府委員(池田俊也君) これは、いまのような点につきましてもいろいろ御意見あったわけでございます。いまの農協の制度は法律の上では必ずしも規模等についてはきめておらないわけでございまして、定款等できめておるわけでございますが、かなり低い線できめられている場合が多いわけでございます。そういうような点から、むしろ今後は農民による農協というような観点に重点を置くと、むしろ正組合員資格を引き上げるべきであるというような御意見も一方ではございますし、それから現在のようなやはり実態は、小規模な経営が多数を占めている現状、あるいは兼業というものが相当高まっている現状においては、特に修正を加える必要はないではないかというような御意見もあったわけでございます。また都市農協等の問題につきましても、いろいろ御意見があったわけでございまして、ただこれにつきましては、まだどうもいまの段階でどうこうしようというのについては、なお非常にはっきりしない点がございますので、将来の問題として今後さらに検討をする必要があるというような御意見がどうも多かったようでございます。
#172
○杉原一雄君 その次、そこへお手元にこれを持っておいでになりますね、調査室から出た。ページ数が合わなくても、そちらの材料と合わなくても困りますので、これで合っていけばいいと思いますので。第二点の問題ですが、「組合員の農業生産に密着した事業活動を強化する必要がある。」という大見出しの結論が出たわけですね。それに伴うて、農協の農業経営なり営農指導なり、あるいは信用事業の監督強化の問題等が議論をされたように書いてあるわけですが、これはこれだけなりに理解すればいいのかもしれませんが、五八ページですけれども、その相前後するところで、もし補強して説明していただけることがあったら、具体的な問題でございますから、具体的な討論の内容をお聞かせいただければと思いますが、どうでしょう。
#173
○政府委員(池田俊也君) いまお話がございました営農指導等の面について申し上げますと、営農指導というものをどういうふうに一体位置づけるかというような問題につきましては、二様の意見があるわけでございます。
 一つは、これは経済事業、たとえば肥料なりあるいは農機具なりというようなものを農民に供給するいわゆる購買事業というような、経済事業に伴うサービス的な性格のものと理解をすべきではないか。だから組合員に対する本来的な営農指導というのは、これは普及組織というものもやっているわけでございますし、まあその他のあれもあるわけでございますが、農協の事業といたしましては、そういう経済事業に伴うサービスというようなものとして理解をすべきではないか、こういうような意見と、それからもうちょっと突っ込みまして、改良普及事業というようなものとタイアップして、やはりそういう農協の本来的な事業としてやるべきではないかというふうに考えるべきではないかというような、そういうような二様の御意見があるわけでございます。
 それからあと、やや具体的な点になりまして、一体、それは経費につきましてどういうふうな支弁をするか、それはしたがって経済事業に伴う収益でまかなうというような考え方もございますし、あるいは経費を組合員から徴収をした上でそういうものをまかなうというような考え方もあるわけでございますが、そういうような両様の御意見があったわけでございます。
 それから信用事業につきましてはいろいろな問題点があるわけでございますが、これはやや具体的な問題といたしまして、信用事業については監督をもっと強化すべきであるという御意見と、むしろあまり監督を強化することなしに、組合の自主性にまかしたほうがいいというような御意見、両様あるわけでございます。
 それから特に問題になりましたのは、専門農協と信用事業をどう考えていくか、こういうような問題で、専門農協にも信用事業を認めるべきであるという御意見と、認めるべきではないという御意見、両様の御意見がある。こういったような、ごく概略でございますが、そういうような経過でございます。
#174
○杉原一雄君 これの六一ページに信用事業の問題、そこで先般来質問に出ておった役職員の他の兼務の問題もここに書いてありますね。ここでは三行目に「常務に従事する役職員の兼職の制限等その運営について監督を強化する必要がある。」という結論が出たのですが、それはそのとおりですね。そう理解していいのでございますね。
 その次に単位農協の規模の問題が出ているわけですね。これは、けさからの討論で大体農政当局の考え方はわかりました。この検討会では、規模はまだまだ大きくしなければいかんぞというような結論であって、反論はなかったわけですね、大勢は、これによると。いかがです。
#175
○政府委員(池田俊也君) 前段のことにつきましてはそのとおりでございます。
 それから後段の、いまの規模の問題でございますが、これもやはりいろいろな御意見がございまして、特に上限といいますか、上のほうの規模につきましては、何かやはり制限を設けるほうがいいのじゃないか、あまり大き過ぎるのは問題であるという御意見と、まあそんな必要はないと、それはむしろ組合がきめることであって、限界を設けるというような考え方は適当でないというような御意見、それからまた、一般論といたしましては、それを画一的に規模をきめるということは非常にむずかしいといった御意見、まあいろんなニュアンスの御意見があったようでございます。
#176
○杉原一雄君 総代会の問題も討論をされているわけですが、きょう、大体この線に従って農政局長が鶴園委員に答えていたようでありますが、これもアンチテーゼはなかったわけですか、このとおりなんですか。
#177
○政府委員(池田俊也君) やはりいろいろ別の御意見がございまして、大勢としてはいまの御提案申し上げてるような線でございますけれども、むしろそうではなくて、原則として組合の意思決定は総会できめるべきであるというような御意見も一方ではまたあるわけでございます。
#178
○杉原一雄君 次は六十六ページ、役員の問題が相当議論が沸騰したようにも書かれてるわけですが、これはこのとおりだと思いますが、これが法改正の中では生きてきておらないわけですね。改正する必要はないんですか。こういう点、法改正の関連において。
#179
○政府委員(池田俊也君) 参議院の調査室の資料はいただいておりませんので、どういう表現が使われておるか知りませんが、まあ私どものあれでは、これにつきましては、実はいろいろ議論の対象になった問題点の一つでございます。現在は一応すべての理事が代表権を持つと、たてまえといたしましては。で、それを定款においてまたいろんなきめ方をしているわけでございますが、そうではなくて、むしろ代表理事制――代表理事というものとそうでない理事というものと二つに分けて運営するほうがいいのではないか、制度としてはむしろそういう制度を法定してはどうかという御意見が、一方ではかなりの意見としてあったわけでございます。で、まあ結論といたしましてはいまのような結論に落ちついたわけでございますけれども、これはいろいろまた別の意味で検討の対象になり得る問題であろうというふうに私どもでは考えてるわけございます。
#180
○杉原一雄君 なお、後段のところで、役員が、特に代表理事が地方公共団体の長、国会議員もしくは都道府県会議員に立候補し、またはこれを兼ねることは適当ではないので、何らかの制限措置を講ずべきである。――まあ共通役員制の問題にも触れておるわけです。そういう討論がここに書いてあるとおりあったわけでして、大勢はそうだったんですか。
#181
○政府委員(池田俊也君) これにつきましては、結論といたしましてはいまのお話のように、まあ役員の兼職制限――代表理事はその職務に専念すると、そういうことで、たとえば地方公共団体の長でありますとか、あるいは議員等を兼ねるのは適当でないと、こういうような結論になったわけでございますが、これはなかなか一方ではむずかしい問題でございまして、まあ兼職禁止というものをあまり制度的にやるのは困難なのではないかというような御意見も一方ではあったわけでございます。私どもの今回の改正案ではその点については盛り込まれておらないわけでございますけれども、検討会ではいまのお話のような、大勢としてはそういう御意見であったわけであります。
#182
○杉原一雄君 先般来よく問題になっております第二会社ですが、ここでは「農協出資による会社」ということで委員の皆さんからかなりきびしい批判と今後の行政庁としてあるべき態度、こうしたことがこれに述べられ、「当該会社の事業の健全性を確保しうるよう必要な監督指導を行なうことが適当である。」というきつい結論を実は出しておるわけですね。これはこの間からの討論で私内容が了解できたわけですが、このとおり大勢はそういう方向であったのかどうか。まあ具体的ないろいろな例が出たんじゃないだろうかとも思われます。あるいはスーパーはよくあることなんですが、アパート経営の問題とかスタンドバーの経営とか床屋の経営とかいろいろあったと思うのですが、何か今後法案審議の中で参考になるような意見があったら御紹介いただきたいと思います。
#183
○政府委員(池田俊也君) これは大勢といたしましては、やはり特に行政庁の監督の面では必要な監督指導を行なうべきであるという御意見が非常に多かったわけでございますが、これはどういうあれであるかちょっと詳細を存じませんが、特殊なあれといたしまして会社をつくる場合には、むしろそういう第二会社に対しましては中央会が何か監督をするというようなことを考えたらどうかというような御意見もあったようでございます。
#184
○杉原一雄君 検討会の資料の問題はこれで一応打ち切りまして、先ほど局長からお約束いただいたわれわれの討論の参考になるようなものがあったら、羅列的でけっこうだと思いますが、資料をいただければ、今後の討論をする同僚委員の素材になるのではないかと思いますので、たいへん厄介な御注文申し上げますがお願いしたいと思います。
 同時に、検討会の結論が出たのは四十一年の七月ですが、相前後して全国農業協同組合中央会からも、農協法改正に関する意見ということで相当の討論をされたものが要約されてわれわれの手に配付されておるわけです。これはもちろん七月十八日以後でございますから、それを受けておいでになるのか、相前後しておいでになるのか、作業の経過はわかりません。わかりませんが、農政局長の段階でこれを比較検討されたものだと私は思います。その場合に、農協の意見について、取り入れられた分、いやそれは困るというので否定的な面、あるいはもう次の機会ということでおよそ流された分、いろいろあると思うのですが、それはいま直ちに御返答いただければ、検討会と農協中央会が出した意見と比較検討してみて、前進的な面はこれだと、しかしこれはいただけないということを要約していただければどうかと思うのです。項目も大体相対応しているわけです。農協の目的及び性格について云々と、こういうふうになっておるわけですから、かなり皆さんがまとめられる場合に簡単だろうと思うし、すでにまとめられておいでになるのではないかと実は思います。まあここでできなければあとでようございますから。
#185
○政府委員(池田俊也君) 詳細な点は別にいたしまして、大筋を申し上げます。
 検討会の要旨と全中の意見で非常に違っております点を申し上げますと、一つは農協の性格論でございます。先ほど検討会の意見の若干について御紹介申し上げたわけでございますが、検討会の結論は、現行の目的、性格を一応堅持すべきである。それに対して全中のほうは地域協同組合を指向する、こういう方向で協同組合というものを考えるべきではないか、それの具体的なあらわれということになりますと、組合員資格をもっと拡大するとか、員外利用の制限を緩和するとか、事業の範囲を拡大するとか、いろいろな問題になるわけでございますが、そういうような地域共同体的な性格を強くする、こういうことで、まあ改正案の内容は検討会の線に沿っているわけでございますが、全中の意見とは若干食い違っている点があるわけでございます。
 それから、農協のもろもろのいろんな体制を整備していく場合の一つのやり方の問題でございますが、検討会はやはり規制を強化していくと申しますか、そういうような方向で検討したらどうか、たとえば役員の兼職禁止の問題でございますとか、信用事業の監督の強化でございますとか、あるいは第二会社に対する監督の問題でございますとか、こういうような面を中心にいたしまして規制を強化していくというのが検討会の結論でございます。
 それから、それに対しまして全中は、一ぺんにそう言ってもなかなかむずかしい、だからむしろ現状を維持するというような考え方、あるいはものによりましては若干組合の自主性にまかせるというようなことがあってもいいのではないか、たとえば財務処理基準令というものをいまはきめまして、農協の財務についてはその線に合うように行政庁でやっているわけでございますが、そういうようなものももう少し組合にまかせたほうがかえってうまくいくのじゃないか、こういうような御意見のようでございます。この点につきましては、御提案申し上げております法案はどちらでもない。規制の点につきましては種々検討いたしたわけでございますが、結論といたしましては、なかなかむずかしい点がございましてほとんど採用できなかった。しかし、そうかといってむしろ緩和をするという気持ちは毛頭ございませんで、足りないところはむしろ行政指導等で補っていくというような感じでございますので、結論といたしましてはどちらでもございませんが、そういうような検討会と全中の意見とはかなりニュアンスが違うわけでございます。その他若干いろいろあると思いますが、大筋はそんなところでございます。
#186
○杉原一雄君 たいへんお疲れのようですからもう一点だけで――あと法の逐条に入るわけですが、これは私が質問しなくても同僚議員がみな質問されますので、その質問の機会に関連してまた質問さしていただくことを保留しておきまして、最後に一点だけ、中央会から出された意見書の中で、検討会で討論されなかったのが不思議だと思うのは、先般来問題になっております専属利用契約について、これは農協の中央会のほうでは「専属利用契約の期限の長期化をはかり、期限については定款で定めること。」「法第一九条二項を削除すること。」「(理由)専属利用契約についての現行法は、一年以内とする短期であるため、必らずしも実効を上げえないので、長期化をはかると共に一九条二項を削除して、実質的に強化できるよう要望する。」この要望される側の意見を聞こうとは思いませんけれども、局長の判断、同時にまたこれを実現するような努力をされたのかどうか、努力をしたところがじゃまをしたのはだれか、その理由は何かといったことがもし経過としてあるならばお聞きして、きょうはこれで質疑を終わりたいと思います。
#187
○政府委員(池田俊也君) 検討会におきましても、この点については、ほぼ似た意見があるわけでございます。方向としては、専属利用契約というものを積極的に活用されるようにする必要がある、大体同様なそういうような結論になっておるわけでございます。これにつきましては、実は改正案を御提案申し上げますまでの経過といたしまして、私どももいろいろ検討をいたし、また一つの案をつくりまして、関係省とも協議をした点があるわけでございます。ただそれを御提案するに至りませんでしたのは、やはりそういう規定を削除する、期限を延ばすというようなこと、あるいはそれをもし拒んだ場合に施設の利用を拒否することができるというようなものを削除するというようなこと、これにつきましては、どうもやはり公正取引を確保するというような見地からいろいろな問題があるというようなことで政府部内におきましての調整ができなかった、こういう実態があるわけでございます。
#188
○杉原一雄君 それは公取委員会が独禁法の二十四条違反だときめつけてあるわけですか、その辺をはっきり聞きたい。
#189
○政府委員(池田俊也君) 二十四条が問題になりましたのは、御指摘のように公取の関係でございまして、公正取引に該当するおそれがあるというようなことで、まあ公取としては若干立場が違うので、大体そういうニューアンスが非常に強く、結論を得られなかった、こういうことでございます。
#190
○委員長(任田新治君) 本件に関する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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