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#1
第061回国会 農林水産委員会 第31号
昭和四十四年七月十日(木曜日)
   午前十時三十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月九日
    辞任         補欠選任
     山本敬三郎君     亀井 善彰君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         任田 新治君
    理 事
                高橋雄之助君
                宮崎 正雄君
                達田 龍彦君
                矢山 有作君
                藤原 房雄君
    委 員
                亀井 善彰君
                河口 陽一君
               久次米健太郎君
                小枝 一雄君
                櫻井 志郎君
                園田 清充君
                田口長治郎君
                森 八三一君
                和田 鶴一君
                杉原 一雄君
                武内 五郎君
                鶴園 哲夫君
                中村 波男君
                沢田  実君
                河田 賢治君
   国務大臣
       農 林 大 臣  長谷川四郎君
   政府委員
       農林大臣官房長  大和田啓気君
       農林省農政局長  池田 俊也君
       農林省農地局長  中野 和仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農地法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○農業協同組合法の一部を改正する法律案(第五
 十八回国会内閣提出、第六十一回国会衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(任田新治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 去る八日、川村清一君が委員を辞任され、その補欠として足鹿覺君が選任されました。
 昨九日、山本敬三郎君が委員を辞任され、その補欠として亀井善彰君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(任田新治君) 農地法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず政府から趣旨説明を聴取いたします。長谷川農林大臣。
#4
○国務大臣(長谷川四郎君) 農地法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 戦後の農地改革により広範に自作農が創設され、これによってわが国の農業生産力は画期的な発展を遂げ、農業者の経済的社会的地位の向上をもたらしたのみならず、戦後における日本経済の復興と繁栄に大きく寄与したことはあらためて申し上げるまでもありません。現行農地法は、このような農地改革の成果を維持するという大きな使命をになっているものであります。
 ひるがえって、わが国の農業の現状を見ますと、国民経済の高度成長が農業就業人口の急速な減少と兼業化をもたらし、その過程を通じて農業生産の選択的拡大と農業機械化が進んだものの、経営規模はなお零細であり、このため、生産性の向上をはかるにもおのずから限界があることを否定し得ない実情にあります。
 したがいまして、農業の生産性を高め、国民食糧の安定的な供給と農業従事者の所得の増大をはかるという農政の基本目標を実現するためには、農地がより生産性の高い経営によって効率的に利用されるようにその流動化を促進し、農業構造の改善をはかることが肝要であります。政府といたしましては、このような観点から農地法の改正をいたすこととした次第であります。
 なお、この法律案は、第五十八回国会に提出し、審議未了となったものとほぼ同一の内容でありまして、本国会に再度提出したものであります。
 次にこの法律案の主要な内容について御説明申し上げます。
 第一は、農地法の目的についての改正であります。これは、以上述べました趣旨に基づき、土地の農業上の効率的な利用をはかるためその利用関係を調整することを現行農地法の目的に追加するものであります。
 第二は、農地等の権利移動の制限についての改正であります。
 まず、近年における農業技術の進歩等にかんがみて、本人またはその家族がみずから農作業を行なうのであれば上限面積の制限や雇用労働力の制限を設けないこととするとともに、兼業化の進行に照応して下限面積制限を五十アールに引き上げることとし、また、国が売り渡した農地につきましては、その売り渡し後十年を経過したものはこれを貸し付けることができることとし、さらに農業経営の規模の拡大、農地の集団化等をはかるため農地保有合理化促進事業を行なう非営利法人が農地等の権利を取得することができることとして、農地が農業に専念する農家により効率的に利用されるよう配慮したのであります。
 第三は、集団的生産組織の育成と土地の効率的利用に資するため、農業生産法人の要件を実情に即して緩和することとし、その法人の役員の過半が農地の提供者であり、かつ、農作業に常時従事するものでなければならない旨の要件を課して、従来の借入地面積の制限、雇用労働力の制限等は廃止することといたしております。また、農業協同組合が組合員から農業経営の委託を受ける場合には、農地の権利の取得を認めることといたしております。
 第四は、小作地の所有制限についてでありますが、さきに述べました農地保有合理化促進事業を行なう非営利法人または農業生産法人に貸し付けられている小作地及び農業協同組合に対し農業経営の委託がされている小作地につきましては、小作地の所有制限をしないことといたしますほか、農業をやめて住所を他へ移した場合に、従来住んでいた市町村の区域内に所有していた農地につきましても在村の場合と同じ面積まで小作地の所有を認めることといたしております。これらは、いわゆる旧地主制の復活を意味するものではなく、他産業に従事しようとする農家の所有する農地が効率的に利用されるよう配慮したものであります。
 第五は、農地等の賃貸借の解約、更新拒絶等についての規制を緩和することとし、賃貸借について合意により解約する場合及び十年以上の期間の定めのある賃貸借または水田裏作の賃貸借についてその更新をしない場合には、許可を要しないことといたしております。
 第六は、小作料の最高額統制制度を廃止することといたしております。これは、農業者の経済的社会的地位が向上し、また雇用の機会の増大した現在では、当事者の自由な契約にゆだねても戦前のような高額の小作料が発生する余地は、一般的にはないものと判断されるからであります。しかし、現に存する小作地につきましては、小作農の経営に急激な変化を与えることを避けるため、なお十年をこえない範囲内において政令で定める日までは小作料の統制を続けることといたしております。
 以上の賃貸借に関する規制の緩和により、他産業に従事する者がその所有する農地を農業に専念する農業者に貸しやすくなり、土地の効率的利用に資することとなると考えるのであります。
 第七は、草地利用権設定制度の新設であります。
 これは、畜産物の需要の増加に対応して飼料の生産基盤の拡大強化をはかるため、未利用の里山等につきまして、市町村または農業協同組合が共同利用施設として草地造成をする必要がある場合に、それが国土資源の利用という総合的見地から妥当とされるときは、一定の手続のもとに草地利用権を設定することにつき所有者等に協議を求め、これがととのわないときには都道府県知事の裁定を受けることができる制度であります。
 以上が、本法案の提案の理由及びその主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
#5
○委員長(任田新治君) 次に、補足説明及び関係資料の説明を聴取いたします。中野農地局長。
#6
○政府委員(中野和仁君) 農地法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
 本法案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明において申し述べましたので、以下その内容の概略を御説明申し上げます。
 まず第一に、農地法の目的に関する第一条の改正について御説明申し上げます。
 現行の農地法は、農地改革の成果を維持し、いわゆる旧地主制に逆行することを防止するという使命をもって制定されたものでありますが、制定後今日までの十数年間にその使命を十分に果たしてきたものと評価されるのであります。しかしながら、最近における農業技術の進歩や社会経済事情の変化等から見ますと、さらに新しい時代の農業の要請にこたえ、農地がより生産性の高い経営によって効率的に利用されるようにすることが必要となっておりますので、農地法の目的に「土地の農業上の効率的な利用を図るためその利用関係を調整すること」を追加することといたしております。
 第二に、農業生産法人の要件緩和に関する第二条の改正について御説明申し上げます。
 現行の農業生産法人の要件のうち、その法人の構成員以外の者からの借入地面積がその経営総面積の二分の一未満であること、その法人の常時従事者たる構成員が議決権の過半数を保有していること、その法人の必要労働力のうち雇用労働力の割合が一定率以下であること及び出資配当率が一定の割合をこえないことという要件を廃止いたしまして、これらの要件にかえて、その法人の理事等業務の執行に当たる者の過半がその法人への農地等の提供者であり、かつ、その法人の農業経営に必要な農作業に常時従事する構成員でなければならないことといたしております。この改正は、集団的生産組織の育成と土地の効率的利用に資するためのものであります。
 第三に、農地等の権利移動の制限に関する第三条の規定の改正について御説明申し上げます。
 その一は、農地等の権利を取得する場合の上限及び下限の面積制限の改正であります。これは、近年における農業技術の進歩、兼業化の進行等の情勢の変化に対応して、農地がより生産性の高い経営によって利用されるように配慮したものであります。
 まず、現行法では、農地等の権利取得の結果、農地についていえば、北海道では十二ヘクタール、都府県では平均三ヘクタールをこえることとなる場合には、権利取得者またはその世帯員が主として自家労働力により効率的に農業を行なうことができると認められるときでなければ許可できないこととしているのを改め、農地等を取得しようとする者またはその世帯員がその取得後において農業の用に供すべき農地等のすべてについてみずから農業を行ない、かつ、その農業に必要な作業に常時従事すると認められる場合には、面積及び雇用労働力についての制限をせずに許可できることといたしております。
 次に、いわゆる下限面積制限については、現行制度では農地等の取得前における農地または採草放牧地の面積のいずれかが三十アール以上なければならないことになっておりますのを、その取得後五十アール以上の規模になれば、取得前の面積いかんにかかわらず、農地等の取得を許可できることといたしております。なお、地域の実情に応じて、都道府県の区域を分けてこの面積の特例を定めることができる旨の現行の規定は、存続させることにしております。
 その二は、国から売り渡しを受けた農地等については、現行制度では永久に貸し付けることが禁止されておりますが、売り渡し後相当の年数がたちますと事情も変わりますので、これを改め、売り渡し後十年を経たものについては、その効率的利用がはかられるよう貸し付けができることといたしております。
 その三は、農地等の取得者に対して、その土地を効率的に利用すべき旨の要請を強めることとし、通作距離等から見て農地等の取得後においてそれを効率的に利用して農業を行なうことができると認められない場合には、許可しないことといたしております。
 その四は、農業協同組合法の一部改正法案において農業協同組合が委託を受けて農業経営を行なうことができることとしていることに対応して、この場合に農業協同組合が農地等の権利の取得をすることができることといたしたのであります。なお、農業経営の委託に伴う農地等の権利の取得は、農業協同組合が委託を受ける場合に限り認めることとし、それ以外の場八州にはこれを認めない旨の規定を設けることといたしております。
 その五は、農業経営の規模の拡大、農地の集団化等をはかるため農地保有合理化促進事業を行なう非営利法人が農地等の権利を取得する場合には許可できることといたすとともに、その法人が農地保有合理化促進事業のために農地等を転貸する場合にも許可できることといたしております。
 なお、以上のほか、農地等の権利移動の制限に関しましては、現行制度では小作地等はその土地の小作農等以外の者に譲渡できないことになっているのを改め、小作農等の同意がある場合にはその土地が農地等の買い受け資格を有する第三者に譲渡されることを認め、差し押えまたは仮差し押えを受けた自作地等については、その後それが貸し付けられて小作地等となっても強制執行等によりその小作農等以外の者へ所有権が移転されることを認めることといたしております。
 また、農地等の権利移動についての許可権限につきましては、実情に即して整備することとし、農地等の権利を取得しようとする個人がその住所のある市町村内の農地等について権利を取得しようとする場合には農業委員会を許可権者とし、その他の場合、すなわち他市町村内の農地等の権利を取得する場合とか、権利を取得する者が法人である場合等においては、都道府県知事を許可権者といたしております。
 第四に、小作地等の所有制限の例外を定めております第七条の規定の改正について御説明申し上げます。
 その一は、一定の要件のもとに、住所のある市町村の区域の外にある小作地の所有を認めることといたしておることであります。すなわち、現行制度では住所のある市町村の区域の外にある小作地につきましては、その所有を認めていないのでありますが、農地の所有者及びその世帯員が耕作の事業に供すべき農地のすべてについて耕作の事業をやめ、他の市町村へ住所を移した場合に、それらの者が農業をやめたときに住所を有していた市町村内にある小作地で農業をやめる前それらの者等が一定の期間所有していた農地については、北海道では四ヘクタール、都府県では平均一ヘクタールまでは不在村者として小作地を所有できることといたしております。また、その農業をやめたときのその小作地の所有者からその小作地を承継した一般承継人についてもその小作地の所有を認めることといたしております。これはいわゆる旧地主制の復活を意味するものではなく、他産業に従事しようとする農家が他市町村へ住所を移しやすくし、農地が効率的に利用されるよう配慮したものであります。
 その二は、従来農業生産法人が耕作の用に供している小作地につきましては、農業生産法人の常時従事者である構成員が所有する農地であってその者の住所のある市町村内にあるものをその法人に貸し付ける場合に限り小作地の所有制限をしないこととしておりますのを、農業生産法人の構成員であれば、その法人に貸し付けている農地については、その所在地がその構成員の住所のある市町村の区域内にあるものであっても、またその区域外にあるものであっても、小作地の所有制限をせずその所有を認めることとして、農地の効率的な利用に資することといたしております。
 その三は、農業協同組合が農業経営の委託を受けて耕作の事業に供している小作地及び農業協同組合の共同利用施設の用に供している小作地については、それぞれその所有者に対し、その小作地の所有制限をせずその所有を認めることといたしております。
 その四は、農地保有合理化促進事業を行なう非営利法人に貸し付けられている小作地につきましては、その所有者に対し小作地の所有制限をせずにその所有を認めることといたしまして、この法人が農地を借りやすくし、農地保有の合理化に資することといたしております。
 その五は、都市計画法による市街化区域内の小作地につきましては、あらかじめ転用のため届け出をして取得したものは所有制限をしないこととなっておりますが、市街化区域の性格にかんがみまして届け出の有無にかかわらず所有制限をしないことといたしております。
 その六は、近年農業経営における採草放牧地のになう役割りが変化してきたことにかんがみて、小作採草放牧地につきましては、その所有制限を廃止することといたしております。
 第五に、農地等の賃貸借の解約等の制限を定めております第二十条の規定の改正について御説明申し上げます。
 現行制度では、農地等の賃貸借の解除、解約または更新の拒絶をしようとするときは、民事調停法による農事調停によって合意解約が行なわれる場合及び信託事業にかかる信託財産につき解約の申し入れ等が行なわれる場合のほかは、当事者は都道府県知事の許可を受けなければならないこととされておりますが、この規制を緩和いたしまして、農地等の所有者が農地等を貸しやすくするため、次の場合には許可を要しないことといたしております。
 その一は、農地等の賃貸借につきその農地等を引き渡すこととなる期限前六カ月以内に成立した合意で、その旨が書面において明らかであるものに基づいて賃貸借の解約をしようとする場合であります。
 その二は、十年以上の期間の定めのある賃貸借につきその期間満了の一年前から六カ月前までの間にその更新をしない旨の通知をする場合であります。
 その三は、水田裏作を目的とする賃貸借につきその更新をしない旨の通知をする場合であります。
 第六に、小作料の規制を定めております第二十一条から第二十四条までの規定の改正について御説明申し上げます。
 農業者の経済的社会的地位が向上し、また雇用の機会が増大した現在では、当事者の自由な契約にゆだねても戦前のような高額の小作料が発生する余地は一般的にはないものと判断されること、最近において農業生産、農業経営が多様化してきたこと等の理由により、これらの規定を改正して、従来のような画一的な農地一筆ごとの小作料の最高額統制制度を廃止することとし、これに関連して小作料の規制に関する所要の規定を整備することといたしたのであります。
 その一は、農業委員会が農地一筆ごとの小作料の最高額を定める旨を規定した第二十一条を廃止するとともに、この統制額に違反する契約についてはその統制額を小作料の額と定めたものとみなすこととされている第二十二条を廃止し、これらの規定にかえて、小作料は定額金納で契約すべき旨及びこれに違反する定めはその効力を生じない旨の規定を設けることといたしております。
 その二は、小作料の増額または減額の請求権の規定を設けることとしたことであります。これは、小作料の額が農産物の価格や生産費の上昇もしくは低下その他の経済事情の変動により不相当となったとき、または近傍類似の農地の小作料の額に比較して不相当となったときは、当事者は小作料の額の増減を請求することができることとし、増額について協議がととのわないときは、増額の請求を受けた耕作者はみずから相当と認める額の小作料を支払うことをもって足りることとし、減額について協議がととのわないときは、減額の請求を受けた土地所有者はみずから相当と認める額の小作料の支払いを請求することができることといたしております。そして、増額または減額を正当とする裁判が確定した場合には、すでに支払った小作料の額との過不足額に年一割の割合による利息を付して精算すればよいことといたしております。
 その三は、農業委員会に上る小作料の標準額の設定及び小作料の減額の勧告の制度を設けることとしたことであります。まず、農業委員会は、その区域内の農地につきたとえば田畑別、上中下別等必要な区分をいたしまして、その区分ごとの農地につき経営規模、経営能力等において通常の農業経営が行なわれたとした場合における生産量、生産物の価格、生産費等を参酌し、耕作者の経営の安定をはかることを旨として小作料の標準額を定めることができることといたしております。そして、その小作料の標準額に比較して著しく高額であると認められる小作料を定めた契約があるときは、農業委員会は当事者に対してその小作料の減額を勧告することができることといたしております。
 その四は、以上のような小作料の規制についての改正を行なうにあたり、現存の小作地の小作料につきましては、その小作農の経営に急激な変化を与えることを避けるため、この法律の施行の日から十年をこえない範囲内において政令で定める日まではなお小作料の最高額統制に関する制度を継続することとし、その最高額の基準については、農林大臣が毎年検討を加えて必要があるときはその変更を行なうことといたしまして、附則第八項及び第九項にこの旨の経過規定を設けることといたしております。
 第七に、国からの農地または採草放牧地の売り渡しについて定めております第三十六条の規定の改正について御説明申し上げます。
 これは、現行制度では市町村、農業協同組合等の団体に売り渡すことのできる土地は共同利用することが適当な採草放牧地に限定されておりますのを改め、草地としての土地の利用の効率化が進んでまいっておりますことを考慮いたしまして、共同利用することが適当な農地についても団体に対し売り渡すことができることといたしております。
 第八に、和解の仲介制度について第二章に一節を設けることとしておりますので、この制度につき御説明申し上げます。
 これは、農地等の利用関係の紛争が民事調停または裁判によらなくても簡便に解決できるように、当事者の双方または一方から申し立てがあったときは、農業委員会が和解の仲介を行なうことといたしたものであります。この和解の仲介は、農業委員会の委員のうちから農業委員会の会長が事件ごとに指名する三人の仲介委員により行なうこととし、都道府県知事の許可を要することとされる事項について和解の仲介を行なう場合には、仲介委員は都道府県の小作主事の意見を聞かなければならないものとしております。
 なお、農業委員会が和解の仲介を行なうことが困難または不適当であると認めるときは、都道府県知事による和解の仲介ができることといたしております。
 第九に、開拓財産である道路、水路等の譲与に関する第七十四条の二の規定について御説明申し上げます。
 開拓財産である道路、水路、ため池等につきましては、現在有償で売り渡すこととなっておりますのを改めまして、これらの財産の性格にかんがみ、その用途を廃止したときはこれを無償で国に返還することを条件として、市町村、土地改良区等に無償で譲与することができることといたしております。
 第十に、草地利用権設定制度について第三章に一節を設けることといたしておりますので、この制度の概要について御説明申し上げます。
 これは、畜産物に対する需要の増加に対応して飼料の生産基盤の拡大強化をはかるための制度であります。
 まず、市町村または農業協同組合は、その住民または組合員の共同利用に供するため、牧草の栽培またはこれに付随して家畜の放牧を行なうことを目的とする土地についての賃借権を取得する必要があるときは、都道府県知事の承認を受けて、その土地の所有者等に対し、草地利用権の設定に関する協議を求めることができることといたしております。この場合に都道府県知事が承認できるのは、その土地が自作農の創設に供されるとするならば国による未墾地買収の対象となり得る土地である等一定の要件に適合するものである場合に限ることとしております。
 次に、この承認を受けた市町村または農業協同組合は、土地所有者等と草地利用権の設定に関する協議をすることとなりますが、これがととのわない場合等には、都道府県知事の裁定を申請することができることといたしております。この場合には、都道府県知事は、土地所有者等に意見書を提出する機会を与え、その土地の利用の状況、利用計画等を考慮してもなお草地利用権の設定を望む市町村または農業協同組合が共同利用に供することのほうが国土資源の利用に関する総合的見地から必要かつ適当であると認めるときは、草地利用権を設定すべき旨の裁定をするものといたしております。
 なお、草地利用権は設定の初めから通算して二十年をこえない範囲内で更新することができることといたしております。
 また、草地利用権の存続期間が三年以上にわたるときは、その土地の所有者等は、都道府県知事に対し、草地利用権を有する者がその土地等を買い取るべき旨の裁定を申請することができることといたしており、草地利用権を有する者が正当な事由がなく引き続き二年以上草地利用権が設定されている土地をその目的に供しなかった場合には、草地利用権を解除することができることとしているほか、草地利用権の譲渡等の禁止の規定等を設けることといたしております。
 最後に、第八十三条の二におきまして、農地等の無許可転用者または転用許可の条件に違反している者等に対し、農林大臣または都道府県知事は工事の停止命令等違反を是正するための必要な措置をとるべきことを命ずることができることといたしております。
 以上をもちまして、農地法の一部を改正する法律案についての補足説明を終わります。
 引き続きまして、「農地法改正に関する参考統計資料」の説明を簡潔に御説明申し上げたいと思います。
 目次をごらんいただきますと、農地制度の改正に関連いたしまして、主として農地の制度、それを取り巻きます農業の基本的な資料というものを取りまとめてございます。まず基本統計におきましては、耕地面積、それから農家数、今度の改正に関連いたします離農農家の状況あるいは新設農家の状況、それから農業就業人口の推移、農業雇用労働の実情というものを基本的な統計として掲げております。二番目には、農家の経営耕地規模の変動と農地移動ということで、農家の階層間の移動なりあるいは経営耕地の移動。それから三番目には、協業及びいわゆる請負耕作等ということによりまして、協業の主要な指標なり、それから水稲の集団栽培の問題あるいは請負耕作の資料を整えております。それから四番目には、最近の農家経済の実情。それから五指目には、農地法によります農地の権利移動統制と国によります買収、売り渡し等の実績でございます。それから六番目には、農地等の取得資金、自作農維持資金の状況。それから七番目に農地転用の実情。八番目に小作料あるいは農地価格、あるいは農地法第二十条の改正を考えておりますので、その二十条の現在の処理状況というものを掲げております。多くのところはごらんいただけばおわかりいただけると思いますので、その中でほんの主要な点だけを申し上げておきます。
 まず、五ページをお開きいただきたいと思います。これは昭和三十年から三十五年、四十年にわたりましての耕地の規模別事兼業別の農家数の推移でございます。これをごらんいただきますと、全般的に兼業化が進行しております中で、特に経営規模の小さい三反未満あるいは五反未満の農家の兼業が急速にふえておるという実情が出ておるわけでございます。
 それから七ページをお開きいただきますと、農地改革の結果、自作農創設によりまして、日本の大部分が自作農になったわけでございます。その状況がここに出ておりまして、現在、自作、全く自分の土地だけで耕作をいたしております農家が八〇%、それから自作地の多い自小作農家が一五%、小作地のほうが自作地より多い農家が二・八%、小作地だけは一・八%、こういう状況になっております。
 それから一一ページをお開きいただきますと、最近の離農農家の状況でございますが、大体この数字でごらんいただけますように、最近では八万戸ないし九万戸が離農しております。全体の農家戸数に対する離農率は大体一・六%程度になっております。その下のほうをごらんいただきますと、その中でも、離農いたしますのはやはり五反未満が大体九〇%近くを占めているというのが実情でございます。
 その次の一二ページをごらんいただきますと、その中でも離農農家の離農時の専兼別の構成を見ますと、やはり第一種兼業農家、第二種兼業農家で大体七制四分を占めておるというような実情になっておるわけでございます。
 それから飛ばしまして二四ページをごらんいただきます。このあたりで耕地の移動の状況をいろいろ出しておりますが、そのページのまん中の経営耕地の移動をごらんいただきますと、最近一年間で差し引き増加した農家の実態が出ておりますが、その中でこの表のまん中より右のあたりに「主たる増加の方法別農家の構成比」というのがございます。これをごらんいただきますと、最近では大体、買い入れて耕作する農地をふやしていくというのが約三割、それから新たに借り入れて耕作したのは、大体二割五分、貸し付け地を返してもらってやったのが一三、四%、それから「開こん干拓つぶれ地復旧」というのが二三%、こういう状況になっております。
 それから三一ページをごらんいただきたいと思います。この表は、農地法によりまして農地移動統制をやっておりますわれわれのほうの業務統計でございます。毎年の移動統計をとっておるわけでございますが、それで件数と面積がどうなっておるかという表でございます。昭和三十年、三十五年、それから最近の四年間の表示がしてございますが、一番多いといいますか、農地移動のときに問題にしなければなりませんのは、この自作地の有償委譲でございます。
 この状況が、件数におきましては、最近は四十万件前後、そうして下の欄の面積をごらんいただきますと、全国では七万ヘクタールから七万五千ヘクタール程度という状況で、数字的には変化ございません。ただここには統計を出しておきませんでしたが、中を見ますと北海道が移動の状況が最近は頭打ちになりましたけれども、ここ数年ふえております。内地はここ五、六年は四万ヘクタール前後で同じような状況になっております。
 それに関連しますこまかい資料が、次にありまして、次に四〇ページをお開きください。この表は農地改革以来国が農地を買収をいたしましたりあるいは大蔵省なり林野庁から所管がえを受けまして農家に売り渡しました実情でございます。これによりますと、終戦後四十二年度末までに国が取得いたしました面積が二百五十九万ヘクタール、売り渡し実績が大体それに近くなっておりまして、現在農地として持っておりますのは四千ヘクタール。右の欄は未墾地について書いてございます。取得実績が百六十三万ヘクタール。売り渡しましたのが百二十七万ヘクタールということになっております。
 それから四十一ページは今回農業生産法人の要件を改正しておりますが、それに関連いたしまして、昭和三十七年の農地法の改正によりまして農業生産法人制度ができまして以来、この表にございますように全国では二千二百六十六できております。その中で有限会社が千三百五十三、農協法に基づきます農事組合法人が八百九十ということになっております。
 それから四六ページをごらんいただきますと、今回、先ほど説明申し上げましたように、農地法二十条の賃貸借の解約についての改正をいたしておりますが、それに関連いたします現在の状況でございます。これによりますと、最近では処理件数が四万一千、許可いたしましたのが大部分でございますが、不許可件数が百三十八件、その中で大部分が連署申請ということになっております。
 それから最後に五〇ページをお開きいただきます。これは農地価格の問題でございます。農地価格につきましては日本不動産研究所、それから次のページに全国農業会議所の調査がございます。かなり数字は、データのとり方それから対象等も違いまして数字は違っておりますが、傾向的には似ておるかと思います。なお最近発表になりまして、四十二年に田の普通で二十三万九千円といのがございますが、これが四十三年では二十七万八千円というふうにかなりの値上がりを示しております。
 非常に簡単でございますけれども、以上をもって統計資料の説明を終わりたいと思います。
    ―――――――――――――
 非常に簡単でございますけれども、以上をもって統計資料の説明を終わりたいと思います。法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提案理由の説明を聴取いたします。長谷川農林大臣。
#7
○国務大臣(長谷川四郎君) 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案につきましてその提案理由を御説明申し上げます。
 肥料価格安定等臨時措置法は、その制定以来、肥料価格の安定、肥料の輸出調整等についておおむね所期の効果をあげてまいりました。
 この法律は、昭和四十四年七月末日までに廃止することとされておりますが、最近におけるわが国農業の実情及び肥料の輸出市場の状況にかんがみ、なおこの法律を存続する必要があると考えられます。
 すなわち、農業の基礎資材としての肥料の重要性はいまさら言うまでもありませんが、特に総合農政を推進し、農産物の価格安定、農業所得の確保等をはかろうとしております現在、肥料価格の安定措置の継続をはかる必要性が従来にも増して高まってきていると考えられるのであります。
 一方、輸出競争の激化から肥料の輸出価格は急激に低下しており、世界的な設備大型化の進展とも相まって国際価格はなおしばらくの間変動するものと考えられ、輸出の一元化と国内需要の安定的確保をはかる措置が引き続き必要と考えられるのであります。
 このような内外の諸事情に対処して肥料工業の側におきましては、徹底した合理化をはかるため、現在設備の大型化を中心とする構造改善を推進しているところであります。
 以上のような状況にかんがみまして、本年八月以降におきましても引き続き国内需要の確保、肥料価格の安定、輸出の一元化等の措置をとるものとし、この法律を廃止する期限を五年間延長することとした次第であります。
 以上が肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案の趣旨でありますが、なお政府といたしましては、本措置とあわせて肥料工業の合理化を一そう推進し、また流通の合理化、円滑化を指導して肥料対策に遺憾ないよう配慮してまいる所存であります。
 何とぞ慎重に御審議くださいましてすみやかに可決されるようお願いする次第であります。
#8
○委員長(任田新治君) 次に、補足説明及び関係資料の説明を聴取いたします。池田農政局長。
#9
○政府委員(池田俊也君) 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして若干補足して御説明申し上げます。
 肥料価格安定等臨時措置法は、臨時肥料需給安定法及び硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法のいわゆる肥料二法廃止後の措置といたしまして、内需の優先確保、国内価格の安定及び輸出体制の一元化を骨子として定められた法律であります。第一の内需の優先確保の措置といたしましては、国内需給上混乱が生じないよう需給見通しに基づき輸出を規制することとし、国内農業者に不安を与えないようにいたしているのであります。第二の肥料の国内価格の安定をはかるための措置といたしましては、肥料の生産業者と販売業者との間の自主的な価格取りきめが実施されておりますが、政府はこの取りきめに必要な資料を交付すること等によって価格取りきめが円滑に行なわれるよう措置いたしております。第三に、肥料の輸出体制の一元化をはかる措置といたしましては、日本硫安輸出株式会社に硫安の輸出を一元的に行なわせることとしているのであります。
 肥料価格安定等臨時措置法は、昭和三十九年に制定されて以来、おおむね所期の効果をあげてまいりました。
 この法律に基づき生産業者と販売業者の間で取りきめられた硫安価格につきましては、農業者の強い要望と生産業者の合理化努力が反映して五カ年間に相当の値下げが行なわれたのであります。
 一方、肥料需給につきましては、この五カ年間国内需要は平均年率三%の増加を示し、輸出は二〇%程度の大幅の増加を示してまいったのでありますが、需給見通しの適切な運用により需給上何ら問題なく推移し、国内需要への安定的供給と輸出の振興に寄与してきたところであります。
 この法律は、昭和四十四年七月末日までに廃止するものとされておりますが、最近における農業及び肥料工業の実情にかんがみ、なお存続する必要があるものと考えられます。
 まず農業側の事情といたしましては、総合農政を推進し、農産物の価格安定、農業所得の確保等をはかろうとしております現在、主要生産資材としての肥料の価格安定措置を継続する必要が従来にも増して高まってきていると考えられることであります。
 輸出面の事情といたしましては、最近における国際競争の激化があげられます。すなわち、西欧の窒素肥料輸出カルテルの輸出攻勢から国際市場における輸出価格は急激に低下しており、わが国もこれに対抗するためやむなく追随しているのでありますが、国際価格は、世界的な設備大型化の進展と相まってしばらくの間変動するものと考えられ、わが国も大型設備を相次いで完成することによって輸出振興に特段の力を入れなければならない事態に直面しているのであります。このような状況のもとでは国内価格の安定とあわせて輸出体制の一元化をはかる措置の継続が強く望まれるのであります。
 このような情勢に対処して肥料工業の側におきましては一そうの合理化と体制整備を進めるため、目下四十六肥料年度を目途として日産千トン基準のアンモニア大型設備の建設を中心とする構造改善の推進につとめているところであります。大型設備の建設には、多額の投資とばく大な廃棄負担が伴うのでありますが、これらの困難を克服して大型設備が完成された暁には、その合理化効果は国内農業の発展と輸出振興に大きく貢献することとなるものと考えられるのであります。
 以上のような諸情勢下にあっては、まず国内需要と輸出の摩擦を調整して、肥料の時期的地域的需給の円滑化をはかり、さらに、国内価格の安定をはかることによって農家経済の改善と肥料工業の合理化を円滑に遂行し、また、輸出競争の激化に対応して輸出体制の一元化をはかる等の諸措置が引き続き必要と認められるところであります。
 したがいまして、本年七月末日までに廃止するものとされております本法の廃止期限を五年間延長することとした次第であります。
 以上をもちまして、肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案についての補足説明を終わります。
 次に関係資料について簡単に御説明申し上げます。
 順次御説明申し上げますが一ページに「アンモニア系窒素肥料需給の推移」を示しておるものでございます。おもな点について申し上げますと、尿素につきましては非常に内需が増大をしてきておるわけでございます。ア系全体の合計といたしましては生産量、内需、輸出量、いずれも着実に増加をしているわけでございます。
 次に二ページに「硫安等の国内価格の推移」を示した表が出ているわけでございます。一番右の欄をごらんいただきますと、新法制定後五カ年の間に硫安については六十円、尿素につきましては六十九円の値下げが行なわれているわけでございます。
 次に、三ページにおきましては「最近における硫安等の国内価格と輸出価格の推移」を出しているわけでございますが、若干の変動がございますが、輸出価格と国内価格との間には、日本の場合におきましては年次によって違いますが、三ドルないし十四ドルぐらいの格差がございます。しかしながら他の西欧諸国に比べますと、格差は日本の場合はやや少ないわけでございます。
 次に、尿素につきましても大体同様の表を四ページに出しているわけでございます。
 次に、五ページでございますが、「ガス源別アンモニア生産能力の推移」を出しているわけでございます。二十八年以降かなり状況は変化しておりまして、かつて相当大きなウエートを占めておりました電解法は現在はほとんどなくなっているわけでございます。ガス法の中では流体原料法によります割合が特に多いわけでございますが、その中でも石油を原料にいたしますオイルガス化法、ナフサ分解法が非常に大きいような最近は状況になっております。
 それから六ページに「アンモニア工業の構造改善について」の通商産業省の省議決定の内容を出しているわけでございます。これは補足説明等においても御説明を申し上げましたところでございます。
 次の七ページはそのやや詳細な内容でございまして、大型アンモニア設備の具体的な調整要領でございます。
 次に、八ページにおきましては「最近におけるアンモニア系窒素肥料の仕向地別輸出実績」を出しているわけでございます。一番下に合計欄がございますが、輸出は着実に伸びておりますが、主要なものは中共が大きなウエートを占めておりまして、あと年次によって若干違いますが、インド、韓国等がわりあいに大きなウエートを示しているわけでございます。
 次に、九ページに「硫安販売業者の取扱い比率の推移」を出しているわけでございますが、あまり年次によって変化はございませんが、全購連が過半数、五割以上を占めているわけでございます。
 それから次に、十ページに「最近における農家一戸当たり農業現金支出の推移」を示してございますが、その中で肥料はやはり大きなウエートを占めておりまして、最近では一戸当たり四万円程度、しかしながら割合としては逐次低下をしている状況でございます。
 以上をもちまして、簡単でございますが、資料説明を終わります。
#10
○委員長(任田新治君) 本日は、両案について趣旨説明、補足説明及び関係資料の説明聴取のみにとどめておきます。
    ―――――――――――――
#11
○委員長(任田新治君) 農業協同組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#12
○沢田実君 先日に引き続きまして、農協法についての質問をいたしたいと思います。
 最初に、都市農協の問題でございますが、先日総合農協の事業強化ということについての質問に対しましては、局長はその必要がないという答弁でございましたが、一般的にはそのとおりであろうと思います。ところが、きょうは都市農協を一体どうするか、こういう点について質問をいたしたいと思います。
 都市化の進行は東京のような大都市の周辺のみでなく地方都市にも、程度の差はございますが全国的な潮流となっております。農民が長期の見通しを立て、農業条件の変化に対応していけるかどうか非常に大きな問題があろうと思います。都市農協においては地域協同組合的性格にならざるを得ない、そういうような状況でございますが、そういう状況下にあってあくまで農協本来の精神を通せるかどうか、こういうこともまた問題になろうと思います。都市農協の実態に合わせて農協法の特別措置を講ずる必要はないかどうか等々が問題になるのじゃなかろうか、こういうふうに考えられます。都市農協においては総合農協から信用事業重点経営の傾向がはっきり出ております。ところが、その信用事業の範囲が狭いので金融機関としての基盤が非常に弱い、商工業関係営利法人への貸し出しができない。員外利用が増加をしておりますけれども、貯金については農協法の制限をこえる組合が出てきている。あるいはまた事業組合の貯金量は伸び悩みの傾向にある、また貯金の吸収源を土地の代金に頼る傾向にある農協が多い等々、いろいろな問題があるようでございます。以上のような状況下にある都市農協の実態に即するように法の改正を希望している点が多いようでございますが、その対策を一体どういうふうに考えているかお尋ねをいたしたいと思います。
#13
○政府委員(池田俊也君) 都市農協につきましてはただいま御指摘ございましたような問題が確かにあるわけでございます。私どももその点は今後農協制度上の非常に大きな一つの問題点であろうという感じを持っておりまして、農協問題に関する検討会でもそういうような指摘をしておるわけでございます。ただ、私どもは現状におきましてこれの制度改正というようなところにまで踏み切るにはまだ時期がちょっと早いのではなかろうか、やはり都市農協でございましても相当組合員の中には農民がいる、それで農業を行なっている、こういう状況でございますから、性格をあまり現状において変えるというのもまだ時期としてはやや早い、こういう感じも実は持っているわけでございまして、確かに非常に問題の点でございますので、私どもも十分この状況につきましてはさらに注意をいたしまして必要な時点においてはさらに制度面においては何らかの考慮を加えていくというようなことも実は考えたい、こういう気持ちでございます。
#14
○沢田実君 法を改正する考えは現段階ではないと、こういうお考えのようでございますが、そこでこの前申し上げましたように、総合農協のいわゆる事業を強化するという問題が都市農協に関してだけでも考える余地はないかということで、組合員のための手形割引とかあるいは組合員のための国内為替取引とかあるいは住宅金融公庫、中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫等、金融機関の業務代理あるいは公金の取り扱い、こういうようなことをできるようにしてほしいというような希望が都市農協にはたくさんあるわけでございますが、そういうお考えはないかどうか。また、財務処理基準の例のいわゆる貸し出し基準を変えて貯金総額の何%というようにするお考えはないかどうか。あるいは員外利用の範囲を拡大する、あるいは余裕金運用上の制限を緩和する等々都市農協に対する何らかの対策をしなくちゃならない、こう思うわけですが、現段階ではそういうお考えはないかどうかお伺いしたいと思います。
#15
○政府委員(池田俊也君) 確かに都市農協の一部にはいまお話のございましたようなことが実際問題として必要であるという声もあるわけでございますが、私どもはやはりそれについていまのような点についてもし改正をするといたしますと、私は農協というものの性格からかなり離れるのではなかろうか、いわば商工協同組合といいますか、中小企業協同組合といいますか、そういうような感じが非常に強くなってまいりますので、そこまで農協法のワクの中でやるのはいささか問題であろう。もし、そういうことがどうしても必要な情勢になれば、これはやはり多少性格を別のものとして考える必要があるのではないか、こういう感じを持っておるわけでございます。
#16
○沢田実君 いまのお話は都市農協がそういうように信用事業が非常に発展した場合には、農業協同組合という範囲を越えて別な性格を持った機関としてやるべきだ、農協法は改正するべきではない、こういうお考えと理解してよろしうございますか。
#17
○政府委員(池田俊也君) その関係では農協法の改正は全く考えていないというふうにきめておるわけでもございませんが、まあいま御指摘のような点を全面的に取り入れていくというのはいささかむずかしいのではないだろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
#18
○沢田実君 それはさらにまた検討していただくことにいたします。
 次に農事組合法人の問題についてお尋ねしたいと思いますが、いわゆる農事組合法人が農業経営を受託することはできないわけですけれども、農事組合法人には農業経営の受託をさしてはなぜいけないのか、その点について御説明いただきたいと思います。
#19
○政府委員(池田俊也君) これは農事組合法人の性格からいたしますと、当然そういうことを認めてもよろしいのではないかという一つの考え方があり得るわけでございます。私どももそういう感じを若干持った時期もあったわけでございますが、これは組合員から農業経営をお預かりするという非常に重要な仕事でございますので、組合員に不測の損害を与えるということのないようにするためには経済的基礎が非常にしっかりした団体でないとやはり問題を起こす余地があるのではなかろうか、こういうことで農事組合法人にはいまの経営委託というようなことは認めない、こういう結論に相なっております。
#20
○沢田実君 次は、また若干問題が違うわけですが、農家が土地を買収したりいろいろなことにお金を必要とするわけですが、そういうための基金等を創設するお考えはないか、その点についてお尋ねいたします。
#21
○政府委員(池田俊也君) 現在農地の取得資金といたしましては公庫資金があるわけでございまして、これは条件としてはかなり有利な非常に低い利率の資金でございますので、私どもは農地というものを取得する資金としては、低利長期のものでなければならないのでございますから、一般にたとえば農協等に基金をつくらせるというふうなことは非常にむずかしいのではないだろうか、やはりこれは公庫資金というような特殊なものでございませんとなかなかその目的に合致したものをつくるということは非常にむずかしいのではないか、こういう感じを持っております。
#22
○沢田実君 さらに農協がいよいよ発展いたしますに伴い、農産物の価格安定事業というようなものも農協の大事な仕事になってくるのではないか、こういうふうに考えられますが、そういう安定のための基金を積み立てるというような行政指導といいますか、大蔵省等も税金の関係等があるかもしれませんが、農林省としての考え方を承りたいと思います。
#23
○政府委員(池田俊也君) これは非常に大事なことだと私どもも実は考えておるわけでございます。現在農協におきましては、営農団地構想というのがございまして、生産、流通を通じましてある意味で市場の組織化みたいなことの考えを進めている、こういう段階でございまして、私どもはやはりその一環といたしまして、たとえば価格安定のための基金を創設するということは特に必要なことでございまして、望ましい方向であるというふうに考えております。
#24
○沢田実君 そういう必要だというふうにお考えになりながら、今度の改正には乗ってこないわけですが、最初に申し上げたように、三つの改正しかない。その他いろいろ御質問申し上げた中で、それも必要だと思う、これも検討だと、事項はたくさんあるわけですが、そういう問題について、あるいは今回はしないけれども早急にまた抜本的な改正をするお考えがあるのか、あるいはそれは必要だけれども当分できないのか、その辺についてのお考えを伺いたい。
#25
○政府委員(池田俊也君) これは私どもは実は農協法の改正をいたさなくても、現行法のワクの中で基金を積みまして、そうしてそういうような事業の原資に充てるということは可能であるというふうに考えておるわけでございまして、そういう意味で特に法律改正ということは実は考えていないわけでございます。
#26
○沢田実君 そうしますと、法改正をしなくてもできるんだ、行政指導でできる、こういうことですと、そういうことをいつごろまでに実現していこうというお考えでしょうか。
#27
○政府委員(池田俊也君) これはまだそう全般として行なわれているというわけではございませんけれども、一部におきましてはそういうこともすでに行なわれているわけでございまして、たとえば野菜の価格安定というようなことで各県等においては一部実施をしているところもございます。私どもはやはりこういうのは非常に必要なことでございまして、まさに今後の農協がしなければならない一つのポイントであろうという感じを持っております。極力私どもの分野でできますことについてはお手伝いを申し上げたいと、こういう気持ちでございます。
#28
○沢田実君 大蔵省にお尋ねをすればよかったわけですけれども、お呼びしておりませんので。その安定基金についての積み立てについての税金関係のほうはどうなっていますか。
#29
○政府委員(池田俊也君) これはいろいろ税法上の関係がございますので、まあいろいろなテクニックが要るわけでございますけれども、やり方によりましては、たとえば農協等がそういうもののために金を出します場合には、それの損金算入が法人税の関係で認められる、こういうような措置もございます。こういうものをうまく利用してやれば十分できると私どもは考えているわけでございます。
#30
○沢田実君 次に、組合民主主義の問題については、せんだってもこのことは二回ほど議論になりました問題ですが、一組合一票制の原則に対して例外をつくったという問題ですが、日本の他の法律にも例のないことではないかと思うわけでありますけれども、せんだっての局長の答弁では、外国にも若干例がある、ですからよろしいのじゃなかろうかというふうなお話であったように思いますが、こういう行き方がはたしていわゆる組合民主主義という方向に合致するかどうか、そういう点が若干疑問ですのでお尋ねをいたしたいと、こう思うわけです。
 それで、たとえば一町歩を耕作している人と、あるいは五町歩を耕作している人と同じ一票です。それは個人の場合は当然だとおっしゃるかもしれません。あるいはまた、国家間のいろいろな機構を見ましても、小国と大国の問題で同じく一票ではないか、そこに差別を設けるところに現在の国際連合等の大国の拒否権等でいろいろな問題が起きているように、そういう考え方は民主主義に逆行するおそれがあるのじゃないか、説明は不十分ですが、こういうふうに考えるわけですが、この組合の場合には、大規模の組合には一票でなくてもいい、こういう考え方ではたしていいのかどうかという問題をお聞きをいたしたいと思います。
 それで、何かこういうことをきめた経過についてですが、農林省が合併を推進してきた、農林省の指導に従って合併した組合は一票になってしまう、農林省の指導に従わないほうが結局票数が多くなるというようなことで、そういう希望に従っていまこういう改正案を出したやに聞きますが、そういうような希望はいま始まったことじゃないことでして、ずっと前にそういう希望があったということで、いまこういう改正をすることがはたして組合民主主義に反しないかどうかという問題についてお尋ねをしたいと思います。
#31
○政府委員(池田俊也君) これは外国にも非常にたくさん例がございますし、それから日本の場合には消費生活協同組合がすでに実施しているわけでございます。考え方といたしまして私どもは、協同組合組織というのはやはり末端の組合員が中心になりましてその利益を増進するというのが終局のねらいでございます。そのための連合会であるというふうに考えているわけで、そういたしますと、やはり末端の組合員の数というのが相当のウエートを置かれてしかるべきではないか、それが単協になり連合会になりいたしました段階で、非常に大型のものも小型のものも同じ扱いというのはかえってそこに問題があるのではないか、もちろん合併等の関係の調整という意味もございますが、そういう考え方をいたしておるわけでございまして、私どもはこれは組合民主主義には決して矛盾をしない、むしろ合致をするものであるという考え方をしているわけでございます。
#32
○沢田実君 そういうお考えと、それから先ほど申し上げました逆の意見と両方あると思うのですが、あえて農林省がそういう説をおとりになった理由は一体どこにあるのかという点をもう少しお尋ねしたいと思います。
#33
○政府委員(池田俊也君) 率直なところを申し上げますと、やはり先ほど御指摘のございました合併等の関係で非常に大型農協が一方でできてきている、一方では依然として小型のものがあるということで、いかにも連合会に対する発言権の点等で不均衡ではないかという意見がかなり出てきておるわけであります。それがまた一面では合併の促進に障害になっておるという点もございますので、そういうことも考えまして、実は今回踏み切ったと、こういう経緯でございます。
#34
○沢田実君 合併が始まったのはずっと前だと思います。そうして合併は、この間のお話では終了しておるというお話ですので、この段階でいまさらなぜそういう改正をしなければならないのかという点が若干不審ですのでお尋ねしたいと思います。
#35
○政府委員(池田俊也君) 合併促進という見地だけから申し上げますと、まあ大部分は済んでおるのじゃないかという御指摘もあり得るのでございますが、しかしやはり組合の連合会の管理という面から見まして、どうも実際問題として非常に困るという御意見がかなり強いわけでございます。もちろん合併もまだ、完全にこれですべて終わったと、こういう事態でもございませんので、そういうようなことをいろいろ勘案いたしまして、今回の措置をとるように踏み切った次第でございます。
#36
○沢田実君 次に、せんだっても実は農協株式会社の問題について質問があり、いろいろ御答弁があったわけですが、その問題についてもう少しお尋ねをいたしたいと思いますが、現在農協のいわゆる直営工場というものの実態はどういうふうになっておるか、まず最初にお尋ねしたいと思います。
#37
○政府委員(池田俊也君) 農協が工場といいますか、いろいろな加工製造関係の事業を直営でやっております場合と、それからたとえば先般ございましたような、たとえば全購連等が餌さ関係の事業を第二会社でやる場合と二つのやり方があるわけでございますが、実は大部分はやはり直営でやっておるわけであります。たとえばいろいろな農産物の加工関係の事業でございますとかあるいは精米、精麦等の事業あるいは畜産関係の加工の事業等につきましてはほとんど直営でやっておるわけでございます。ただ一部、第二会社の関係で、たとえば全購連等は餌さ関係の事業につきましては、方向といたしましては第二会社でやるというような実は方向になっておるわけでございまして、もちろんその他にも、先般御提出申し上げた資料にもございますように、県の段階その他でも若干ほかのものもございますけれども、大部分は直営であるというふうにお考えいただいてよかろうと思います。
#38
○沢田実君 数字的におわかりにならなければ、あとでまた参考の資料をお尋ねをしたいと思いますが、株式会社と直営工場の長所と短所といいますか、長短についてどんなふうにお考えですか、お尋ねしたいと思います。
#39
○政府委員(池田俊也君) これは事業の種類ないし規模によりまして一がいに私は申し上げられないと思うわけでございます。比較的規模の小さいものでございますならば、もちろん第二会社にする必要もございませんし、直営でやるのが一番よろしいと思うわけでございますが、非常に規模が大きくなったり、あるいは他の企業と合弁ないし技術提携というようなことでやっておりますと、これはなかなか直営でやり切れないということも実際にはどうもあるようでございます。でありますので、一がいには申し上げかねるわけでございまして、一般論を申し上げればそういうことであろうと思います。
#40
○沢田実君 直営工場を会社にする場合に、まず考えられたことは責任体制の明確化あるいは生産能率の向上などということがいわれるのじゃなかろうかと思いますが、先ほど局長も大体飼料関係――餌さ関係がこの会社になっておる、こういうお話でございますが、それで具体的にその一つの例を申し上げてお尋ねをしたいわけですが、栃木県に間々田飼料株式会社という会社が昭和三十九年の六月に全購連から分離をして独立をいたしたそうでございますが、三十六年から現在までいろいろな施設も拡大し、あるいは生産能力も月産四千トンくらいから現在では一万数千トンにまで拡大をするというような状況になっておるようでございます。ところが会社と全購連との関係は一体どうなっているかといいますと、きめられたマージンの範囲内でいかにその生産を合理化するかということだけで、全購連との子会社としての関係といいますか、全く関係においては前と実質的には変わりがない。独立採算制をとっておる株式会社の職員がいわゆる賃上げの闘争においては交渉の相手は自分たちの社長、いわゆる経営者ではなしに、親元の全購連と直接折衝しているというようなことが実情のようでございまして、そういう経営者不在の株式会社といいますか、そういうのが実態でございますが、そういう会社をなぜつくらなければならないのか、直営工場と実質的には全く同じような状態でありながら会社を設立するということについて疑問ですので説明をしていただきたいと思います。
#41
○政府委員(池田俊也君) これはいろいろな理由があるようでございますが、私どもが承知しておりますやはり一番大きな理由といたしましては、独立採算制をとりまして損益を明らかにする、あるいは責任体制の確立をはかるというような見地がどうも中心になっているようでございます。あるいはそれに付随いたしまして労務関係の問題も若干からんではおるようでございますが、中心はそういう独立採算制を明らかにするということのようでございまして、そういう事情で、それならば独立採算制というのは連合会の中では全くできないかというと、それもやり方のいかんではございますけれども、経緯はそういうことのようでございます。
#42
○沢田実君 いわゆる責任体制の明確化、独立採算制、生産能率の向上というようなことを唱えられているわけですが、実際にいま申し上げました会社の例で申し上げますと、昭和三十九年に独立をいたしまして、それからの第一期の一年間では約十八億から十九億くらいの売り上げをしているようです。それからその次の第二期の一年間では二十五億くらいの売り上げをしておる。若干前進をいたしておりますが、第三期に入りまして、配合飼料の値上げの問題等、農家の需要の手控え等等がございまして、全購連が数億の赤字を出したというようなことで、第三期においては生産能力は拡大しているにもかかわらず結局フル運転はできない、第二期の二十五億円見当にとどめざるを得ないというようなことで、会社にしてみると結局全購連の販売能力ということに左右されて、生産性の向上といっても同じことだ。ですから、会社にしたために、設備をそれだけ増大したためにそれだけ安くできているかというと、決してそうではない。会社の利益率等は全く普通の会社では考えられないような状態で放任されておる。普通の会社であるならば、会社が始まって三年間こんな状態ならばおそらく重役交代になるだろう。それが農協の株式会社なるがゆえに全くそういうことがないということが実情のようでございます。そうしてみますと、いまおっしゃったような独立採算制とか、生産能率の向上とかいうことはただうたい文句であって、実質的には決してそうなっていない。そういうような株式会社を一体放任しておかれる方針なのか、農林省としては今後どういう考えで会社というものに対して対処していく方針なのか、その点について基本的な考えを承りたいと思います。
#43
○政府委員(池田俊也君) いま御指摘のございました間々田の飼料会社の詳細な内容は承知いたしておりませんが、私どもの理解では、これはその製造の原料面あるいは販売面――販売面といいますか、生産いたしました飼料の販売先、これは全購連でございます。したがいまして、全購連の第二会社でございますから、会社自体として非常な収益をあげるという運営を必ずしもいたしておらない。要するに全購連の下請的なものでございますから、もちろん非常に有利に販売するということだけを目標にいたしますならばまた他の運営方法もあるわけでございますけれども、全購連が一手に買い取る、こういうようなことで、その価格は当然会社として経営が成り立つというような観点から価格が取りきめられる、こういうようなこであろうというふうに考えておるわけでございまして、したがいまして、ただいま御指摘のございました成績だけでは一がいに判定はちょっとできないのではないか、という感じを持っておるわけでございます。
#44
○沢田実君 だからいま局長が答弁なさったように、そうであるならば会社にしなくても直営工場でいいじゃないか、全くこれは株式会社と性格が違うじゃないか、それを独立させて会社にするのは一体何のためかということなんです。
#45
○政府委員(池田俊也君) その点につきましてはさっき申し上げましたように、要するに独立採算制で責任、損益を明らかにするというような観点で、まあ全購連の中にかかえておりましても全くできないということではないと思いますが、どうしてもその点が非常に大きな世帯の中の一部でございますから、他におぶさるというようなことで経営が放漫に流れるというようなこともあり得るわけで、そういうことで独立をさしたというふうに私どもは理解をしておるわけでございます。
#46
○沢田実君 大臣にお尋ねしたいのですが、こういうわけで株式会社がたくさんつくられております。いま申し上げましたのは資料のうちのほんの一つの例ですが、会社のいろいろな実態等を調べてみますと、内容についてはいま申し上げたのと五十歩百歩です。そういうような会社がたくさんつくられて、株式会社というふうに独立して、おそらく農林省の指導監督等からは離れるんじゃないかと、こう思うわけですが、そういうような株式会社をたくさん、せんだって局長の発表でも百四十五ということですが、あるいは六百ということもいわれておりますが、その出資の高においては相当数の会社ができておる、こういうふうな傾向にあるわけですが、その会社の実態等を考えてみますと、このまま放置していていいのかどうか非常に心配な点があります。会社としての、いわゆる株式会社としての利益をあげておるわけではなしに、いま申し上げましたようなその会社の目的であるいわゆる責任体制の明確化、生産能率の向上といいましても、実際には責任がない。ということは、職員の賃上げですね。その責任昔はのがれていて全購連と交渉せざるを得ない。全く加工賃の下請工場だ、実質的にはそうだと、そして直営工場ではなしに会社がつくられているというような現状なわけですが、そういうふうな農協のあり方で一体いいのかどうか、大臣のお考え方を承りたいと思います。
#47
○国務大臣(長谷川四郎君) ただいまの御指摘のあったような点についてはわれわれも大いに考えておるところでございまして、今後も話し合いを進めるつもりではございますけれども、そのように他に出資をして経済活動を行なうというような場合は、農林省のほうの認可を受けるとか、あるいはチェックするとかいうような方法をとることが最も妥当だろうというようにも考えております。たとえば銀行を見ましても、銀行の各支店はある一定の金額、はなはだしいのは十万円以上というようなものまでも本店に合図をしなければ貸すことができないというようなことになっております。少なくとも農協は農民の大事な金を預かっておるのですから、もし間違いがあったということになりますると、その責任を追及されるばかりではなくって、それこそ大問題が起こってくるわけでございますから、われわれは今回の今度できる、新たなる陣営を整えてできる中央会とは、こういう点についても十分の話し合いをして、今後、先ほどお話がございましたように、法律を出すなら法律を出すようにしなければならないだろうし、そうでなくっても、こういう点についての監督を農林省はもう少しやらなければならない。それとももっと強化する方向はどうしたらいいかというような点については、十分これは把握をいたしまして、そしてその方途を新たに開いてまいるつもりでございます。
#48
○沢田実君 大臣がそういうお考えだそうですので、局長もひとつ事務当局として大いに研究をしていただきたいと思います。
 次に、農業機械の問題についてお尋ねをしたいわけですが、最近の農業機械は非常に機械化が進みまして、四十二年度の統計を見ましても、乗用トラクターが五万八千台、動力耕うん機が三百万台、動力刈り取り機が十五万台、動力脱穀機が三百三十万台、動力カッターが九十四万四千台等々、現在の農家の機械化というのはたいへんな状況でございます。さらにまた大型機械も導入されて、機械化が進んでいるわけですが、この機械の購入にあたっては、いわゆる取り扱い体制の整備強化、あるいは売買条件の有利性の確保、あるいは機械化営農指導体制の確立というようなことが必要ではなかろうか、こういうふうに思うわけですが、こういう問題は農協も大いに担当する点が大きいのではないか、こういうふうに思いますが、この農業機械に対する農協の考え方についてお尋ねをしたいと思います。
#49
○政府委員(池田俊也君) 機械化は、御指摘のように、非常に最近進んでおりますし、今後ますます推進をしなければならない方向でございます。これにつきましては政府も相当力を入れて補助等を行なっておるわけでございます。もちろん実施面で農協等も相当機械を扱っておりますし、そういうサービス面といいますか、そのような面についても今後さらに力を入れる必要があろうと私どもは考えておるわけでございます。特に機械の場合いろいろ現在問題もございますが、私どもといたしまして機械について今後特に考えなければならない問題といたしまして、やはり機械で作業をやりました場合にいろいろな事故が起こってまいりますので、そういう安全対策を強化していくというのが一つのポイントだと思います。
 それからもう一つは、従来どうも日本は機械化というのはかなりおくれておりましたので、まあ最近いい機械も出てきておりますが、どうもその部品等が統一が十分でない、こういうようなこともございます。こういう点についても、私どもはやはり規格の統一を進めていく必要がある、こういう考え方を持っているわけでございます。
 それから、これは農協の問題と直接には結びつきませんが、私どもはやはり機械化というものは十分それが稼働するような形で導入をしなければ農家の利益にならないわけでございまして、単に機械を売るということだけではなしに、そういう営農の中へどういうふうに機械がうまく組み込まれるかという点についても、行き届いた指導が必要である、こういう考え方を持っておる次第でございます。
#50
○沢田実君 いま三つの問題を申し上げましたが、部分的には局長の答弁の中に入っておったわけですけれども、そこでまず第一の取り扱い体制の整備強化という問題ですが、実際に農機具が農民の必要なものが安価に供給されるような体制になっていればいいわけですが、不必要なものまでセットで買わなくてはならないということが事実あるらしいのです。それからさっきちょっと話が出ましたが、年式が変わりますと部品が変わってしまう。そうすると、修理がきかない。新しい年式のものを買わなくちゃならない。そうすると農民はその農業機械の借金払いに追われているという現状でもあるように聞くわけですが、そういう問題でいま答弁にもございました部品の問題もあるというお話でございましたが、そういう問題について、具体的にどういう進め方をしているのかその点、もう少しお尋ねをしたいと思います。
#51
○政府委員(池田俊也君) 確かに若干そういう傾向もあったようでございます。最近だいぶ農家も機械になれてきましたので、以前ほど機械を押しつけられるというような傾向は少なくなってきているように思いますが、この点については今後も私ども相当考えていかなければならない、こういうふうに思います。
 なお、部品の問題につきましては、実はこれは通産省が中心になるわけでございますが、現在、例の工業標準化法という法律がございまして、トラクターの作業機の装着部分あるいは防除機の一部の部品等につきましては、いわゆるJISの対象になっているわけであります。ただ全般からいたしますと、まだ一部分でございますので、私どもといたしましては、実は規格化を推進したいということで関係の方にお集まりをいただいて会議を開きまして、そしてどういう点を規格化する必要があるかというようなことを選びまして、その規格化を関係のところに要望する、こういうことを実はやっておるわけでございまして、そういうような方向を私どもはさらに積極的にやってまいりたい、こういうふうに考えております。
#52
○沢田実君 第二番目は購買条件の有利性の確保問題ですが、農協は四十二年度に農業機械の売り上げ五百億を達成したそうですけれども、その場合占有率は三六%だ、こういうような統計が出ておりますが、はたしてこれで購買条件の有利性の確保がされているのかどうか。機械のメーカーの販売の有利性に利用されているのではないかというふうなことが考えられますが、その点についていかがでしょう。
#53
○政府委員(池田俊也君) 先ほど申し上げましたように、最近農家も非常に機械にはなれてきておりますので、私どもは必ずしもやみくもに機械を押しつけて、それがあまりどうも動かないというようなことは、比較的減っているのではないか。もちろん一部ございますが、減っているのではないかというふうに考えているわけでございます。それで私どもはやはりこの問題は農協の一つの指導の問題でもございますが、農協においても普及員制度等とタイアップいたしまして、十分営農指導をやっていただきたい。そして営農指導との連絡の上で機械を導入していく。ただ機械を売らんがために事業をやる、こういうことではなしに、営農指導と結びつけたかっこうで十分やっていきたい、こういうことを御要望申し上げておりますし、また農協自体も最近の方向としてはそういう方向に逐次まいっておるものというふうに考えております。
#54
○沢田実君 第三番目にお尋ねをしようと思いましたことがいまおっしゃったことなんですが、確かに機械化営農指導の体制の確立ということがやはり大事なことであり、農協にとって最も大事な仕事ではないか、こう思うわけですが、現在そういう指導体制というものはあまり確立されていない。農業機械指導技師というようなものが一体どの程度配置をされ、具体的に農民に対するそういう指導をどの程度やっているのか、もう少しお尋ねをしたいと思います。
#55
○政府委員(池田俊也君) まあ御存じのように、農協は営農指導員というものを一万数千人かかえまして、逐次その数もふえているわけでございまして、その中でやはり機械を中心にしてやっている方も一部あるわけでございますが、特に機械技師ということで何人ということを私どもは数字を把握しておりませんが、その営農指導員がそういう部面を担当しているわけでございます。それからこれはまあ全部ではありませんが、一部につきましては農機具のサービスステーションというようなものも農協によりましてはかなりそういうものも設置しておるところもございます。これは大小いろんな規模がございますけれども、最近の数字で申し上げますと、約二千組合ほどがそういうものを設置しております。
#56
○沢田実君 農業機械化の前進に伴いまして事故もまた多くなっているようでございます。耕うん機の運転を誤って、その下敷きになって即死したというような例も最近出ております。死亡に至らないまでも、手の指を切断したとか、あるいはけがも相当多いようでございますが、農業機械による事故の統計等がございましたらお教えいただきたいと思います。
#57
○政府委員(池田俊也君) これはちょっと年次は古いのでございますが、二年ほど前の数字でございますが、約一年間につきまして調査したものがございます。まあその内容について申し上げてみますと、いろんな原因がございますが、大体圃場の中で起こりました事故というのは大体半分ぐらいでございます。それから四割ぐらいが道路上の事故でございます。途中衝突したとか、そういう事故でございます。どういう原因かというような点を調べてみますと、一番多いのは、やはり運転者の技術が十分でなかったというのが第一でございまして、それが大体半分ぐらいのウエートを占めております。それから次に多い事故は、やはり機械の装備が十分でないというような事故がそれに続いていると、こういうようなことでございます。以上申し上げましたのは、大体傷害関係の事故でございますが、死亡に至りました事故といたしましては、やはり道路上の事故が圧倒的に多いわけでございます。これが大体六割程度を占めておるという状況に相なっております。
#58
○沢田実君 そのように農業機械による事故が非常に多くなっているわけですが、これに対する対策は一体どういうふうにされていらっしゃいますか。運転者の技術研修等が大事じゃなかろうかと。現在メーカーが機械を売りつけた場合に、機械を何とか動かせるだけの指導はするらしいのですが、それだけでは当然不十分ですし、それがいわゆる技術未熟による約半数の事故というものが起こっているんじゃないか、こう思いますが、そういう運転者の技術研修等もまた農協の大きな仕事ではないかというふうに思いますので、それらについてのお考えを承りたいと思います。
#59
○政府委員(池田俊也君) 私どもはしばらく前からいろいろそういう事業を行なっているわけでございますが、一つは一般の人に対するいろいろ啓蒙といったようなことで、農作業の安全対策ということで、どういう点に留意してそういう事故をなくすかといういろんな指導を行なっておりますが、一方ではまた技術の向上ということで、県にそういう施設を置きまして一定期間機械の扱い方についての研修をやる、こういうようなこともやっておるわけでございます。また一方では農業機械の装備の問題がございますので、安全装備基準というようなものを設ける、要するにどういうような装備をしなければならぬかというような安全装備基準というものを設けるというようなことも、いろいろそういう面でも努力をいたしておるわけでございます。なおこれは、やはり今後さらに機械化が進むわけでございますので、特に新しい機械が、いろいろ大型機械が入ってまいりますので、私どもは今後の計画としてもそういうものについては、いろんな施設に対します助成でございますとか、そういうものについては大いに力を入れてまいりたいというふうに考えております。
#60
○沢田実君 最後にもう一つ、農協の政治活動についてこれは大臣にお尋ねをしたいと思うわけですが、宮脇会長辞任を機に農協の内部にも大きな反省が起こっているそうでございますが、農協の責任体制のあり方あるいは農協農政の限界論あるいは農民のための農協とは一体何かというようなことがいろいろ議論されているそうでございますが、その中で政経分離と申しましょうか、農協の政治活動ということが一体是か非かという問題なんですが、農協の政治活動というのは第七十三条の九のいわゆる中央会の事業の一体どこに入っているのか。はたして農協の政治活動というのはこのままでいいのかどうか、そういう問題について大臣に承りたいと思います。
#61
○政府委員(池田俊也君) いま中央会の事業の問題がございましたので、先にちょっとこの点だけ申し上げたいと思いますが、これは中央会の事業の中で農政活動をやるということははっきりそういう表現はございません。組合の事業に関する云云というような表現を使っているわけでございます。ただ、御存じのように農協の事業というのは非常に農業のあらゆる面にわたっておりまして、販売事業にしろ購買事業にしろいろいろ農政活動につながる問題が、ほとんど全部の問題がつながる問題でございます。たとえばいろいろな農産物の販売に関連して価格政策等々いろいろつながってくるというようなことがございますので、そういうような意味において関連する範囲内において農政活動を行なうことは私どもは中央会の事業の範囲内であると、こういうように考えているわけでございます。
#62
○沢田実君 大臣の答弁の前にもう少しお尋ねをしたいのですが、七十三条の九の中にいまおっしゃったのはおそらく「中央会の目的を達成するために必要な事業」と、こういうふうなところに含まれるというお考えだと思いますが、この中央会のいわゆる目的を達成するその目的は何かといえば、七十三条の二にありますように、「組合の健全な発達を図ることを目的とする。」ということが目的ではないか、組合の健全な発達。農協法の第一条にまた組合の目的が出ているわけですが、そういう点から考えて、はたして農協の政治活動というものが適当かどうかということが問題になろうと思います。いま局長おっしゃったことは、われわれの生活は政治と関係しないものはありません。一般の商工業についてみても、物を生産するにも販売するにも、すべてそれは政治につながっております。どこの会社だって政治に関係なしに事業ができるはずがありません。そういう点からいえば、そういうふうな解釈であればいいわけです。私はそうじゃないと思う。農協といういわゆる目的、第一条の目的、中央会の目的ということから考えまして、いわゆる農協という組織ではたして政治活動をやっていいのかどうかということが私は問題じゃなかろうか、これはこの前若干問題にしましたいわゆる中央会の会長が国会議員を兼職しているというような問題にもつながるわけですが、その根本はいわゆる農協の政治活動ということがはたして是か非かということが私は問題じゃなかろうか、こういう意味で質問をしているわけですので、その活動が、いわゆる購買、販売がみんな政治につながっているから政治活動が是だと、そんなふうには私には考えられない。もし農協がそういうふうに政治活動をするならば別個な政治活動組織でするべきじゃないか、農協という団体は政治活動をするためにできた団体ではなかろう、こういうふうに私思うわけですが、大臣どうですか。
#63
○政府委員(池田俊也君) ちょっと私の申し上げ方があるいは適切でなかったので、農協が、中央会が政治活動をしていいというふうに御理解になったのかと思うわけでございますが、そういう意味で申し上げているのではございませんで、いま七十三条の二なり七十三条の九なりからいたしまして組合の事業にいろいろ関係をする、七十三条の九で事業があるわけでございます、そういうものに関連をいたしまして農協が、あるいは陳情をしたり、まあ私どもはある意味では農政活動ということばで言っていたわけでございますが、そういうようなことは農協中央会として許されることである。ただ、まさに政治そのものの活動をやるということはこれはできないわけでございまして、そういうものを、たとえば農協の関係者が集まりましてほかの政治団体をつくると、これはまた別の問題でございますけれども、農協中央会がまさにその政治活動の中に入りましてそのものずばりのことをやるということはこれは許されないことでございますが、そういう農協の事業に関連をいたす限りにおいていろいろな役所に陳情をしたり、そういったようなことはこれは中央会の仕事の範囲内であろうというふうに、そういう意味で申し上げたわけであります。
#64
○国務大臣(長谷川四郎君) 農協の中央会、それらは政治に対しましては中立性を保つということになっておりまして、別に農協自体が政治活動をして飛び歩いておるというような話も聞いておりませんが、ただ、おっしゃるように、政治は、個個個々が持っておるそのものを自分の立場においてそのときにこれを行使するということは当然のことだと思います。 いま沢田さんがおっしゃるように、政治につながらないものは何もないと言っておりますが、そのとおりだと私は思います。思いますけれども、農協自体の姿というものは中立でなければならない、こういうことになっておるわけでございます。
#65
○沢田実君 局長のおっしゃった、いわゆる全中の農政活動の中に米価や麦や農林予算やあるいは課税対策あるいは畜産物の価額対策、イモでん粉対策、肥料、年金あるいは有線放送から新都市計画法までいろいろな部門があって、そこで陳情したり何かしておるという範囲を私はいま言っているわけじゃないのです。私が申し上げておるのは、いわゆる農協として全国の農民を動員して実際に政治活動をしていると、農協の主力が自民党の国会議員とつながってそれが政治につながっているというような現状における農協の政治活動ははたして是か非かということを申し上げているのであって、抽象的な出題ではなしに、その現在の動きに対する批判が最初申し上げたいわゆる会長辞任という問題になっているんじゃないかというふうに私は思うわけです。そういう点でいわゆる農協がそういう政治活動をすることがはたして是か非かという問題についてひとつ大臣にお願いします。
#66
○国務大臣(長谷川四郎君) 一部には、そういう活動がなかったということは私も申し上げません。しかしながら、農協そのもの自体の性格というものは申し上げたとおりでございます。しかし、今後さらにそういうような農協が中心となった活動が起こされてさらに拡大していくというようなことがあるならば、私たちは十分これらに対しましては注意を促しますし、そういうことのないような指導をいたしてまいりたいと考えます。
#67
○沢田実君 肝心のところになりますと大臣あまり答弁をしていただけないわけですが、ある農村評論家は、農協は経済団体をこえて政治団体化してしまった、しかもそれが自民党にのっ取られている、こういうふうに評しておる農村評論家もいるわけです。そういう点から、農協が現在のような政治活動をするということは、私は農協として好ましくない、好しくないだけではなしに体質改善をしていかなくちゃならぬ、こういうふうに実は考えております。どうかその点についてさらに大臣としての所信を承って私の質問を終わります。
#68
○国務大臣(長谷川四郎君) 私も農業のまん中に育っておりますけれども、私は、農協自身が運動をして投票を取りまとめをしてもらった覚えもなければ何にもございません。残念ながらそういうことでございますが、いずれにしても沢田さんがおっしゃるようなことがあるとするならば十分私は注意をいたしまして、そういうことのないようにいたすようにいたしましょう。
#69
○委員長(任田新治君) これにて午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時三分開会
#70
○委員長(任田新治君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農業協同組合法の一部を改正する法律案に対し、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#71
○鶴園哲夫君 前回いろいろ質問をいたしましたときに、資料の提出も要望いたしておきましたし、その資料の提出がありましたので、その資料につきまして若干の検討を行ないました。したがってその資料についていろいろお尋ねをいたしたいわけです。
 それから、なお前回の質疑の際に答弁が留保になっているものがありまして、局長が再度いろいろ御相談の上答弁をいただくことになっております。したがいまして、そういった問題につきましてお尋ねをいたしたいわけですが、まず順序といたしまして、前回やりました協同組合短期大学の問題について局長の答弁が留保になっておりましたので、これをまずひとつ答弁をいただいて、それからその問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
#72
○政府委員(池田俊也君) 前回協同組合短大の通信教育部の扱いの問題についてお尋ねがございました。文部省の問題でもございますので、私ども的確なお答えができないで、その後文部省等とも連絡をしていたわけでございますが、それにつきまして簡単にお答え申し上げます。
 通信教育部におきましては現在在学生が約千四百名ございます。非常に入学の回数が分かれておりまして、古いのは三十五年から入学をしておる、こういう状況でございまして、非常に入学の年次は各年にわたっているわけでございますが、現在の協同組合短大の学則では、修業年限は二年でございますけれども、在学年数については定めがないと、こういう状況のようでございます。したがいまして、在籍の期間が限定をされませんので、そういう古い人も在学をしている、こういうかっこうに相なっておるわけでございます。そういうことがございますので、現状におきましてはそういう学生が多数おりますので、これをかりに廃止するということになりますと、その在学生の扱いの問題がいろいろございまして、現状において通信教育部を廃止するということはいろいろどうも困難があるということのようでございます。いま直ちにそのままの状態で廃止をすることは非常にむずかしい、こういう状況のようでございます。そこいらが明らかでございませんでしたので、一応文部省の見解も聞きましてお答えを申し上げるわけでございます。
#73
○鶴園哲夫君 この問題につきまして若干お伺いする前に、先般、問題にいたしました中央協同組合学園ですね、今度新しく開設されつつある中央協同組合学園の問題と、それから短期大学を廃止するというお考えのようでありますから、その廃止するにあたっての残余財産ですね、非常に大きな財産があるわけですが、それの帰属の問題ですね、この二つについてまずお尋ねをしたいわけなんですが、中央協同組合学園の入学願書の受付が終わったことは御承知ですか。募集が六月の二十三日から六月の三十日までで募集が終わって、これから試験ということになっておるようですけれでも、御承知かどうか。
#74
○政府委員(池田俊也君) 中央学園の募集の問題でございますが、これにつきましては、いまお話のございましたように、一応六月末で締め切りということで募集というようなことをやったようでございます。ただ、非常に短期間の間でどうも十分でないというようなことがございまして、あるいはもう少し延長すべきであるという御意見もあるようであります。もうこれで一切打ち切るということになるのかあるいはまた再延長みたいなことになるのか。そこいらはどうも私どもが承知している限りでは確定をしていないという状況のようでございます。
#75
○鶴園哲夫君 それらの内容についてはここでは省略をいたしますが、この中央協同組合学園のこの募集要領によりますと、中央協同組合学園というのは協同組合短期大学と違って各種学校である、こういうふうにしてあります。で、この点についてはこの間局長も学校法人ではないし、各種学校だと、こういうことを答弁になったんですが、この点間違いありませんか。
#76
○政府委員(池田俊也君) まだ正式に認められたという形にはなっていないようでございますが、各種学校ということで今後やっていきたい、中央会としてはそういう意向であるというふうに承知しております。
#77
○鶴園哲夫君 各種学校としての許可は受けていないと、各種学校にしたいという申請は出ているんですか。
#78
○政府委員(池田俊也君) 申請書もまだ正式には出ていないようでございます。まあ、どういうようなやり方でやるかというようなことを内々都庁と連絡をしていると、こういう状況のようでございます。
#79
○鶴園哲夫君 私が先ほど申し上げましたように、中央協同組合学園の募集要項によりますと、各種学校であると断定をした記載をしてあるわけです。でありますが、許可は出ていない。各種学校の申請もまだ出していない。ところが、募集要領には各種学校であるという断定をして、記載をして学生を募集しているというのは、一体どういうことなんですか、お尋ねをしておきます。
#80
○政府委員(池田俊也君) 内部的な事情は私どもも詳細は存じないんでございますが、確かにまだ申請書も正式には出ておらず、認可も受けていない、こういう段階でございますから、募集ということは、これはいわばその性格としては正式の募集というものではなしに、募集のいわば予備行為みたいなものというふうに理解するほかはないわけです。
#81
○鶴園哲夫君 いや、これはあとで伺いますけれども、募集要項には各種学校というふうにりっぱに記載してある。持っておられますか、あなた持っていない、それは話にならない。ぼくはまた持っておられるのかと思った。いや、ぼくは間違って読みませんから、正確に読みますから間違って読むようなことはしません。各種学校であるというふうに記載をしてある。そして、それで全国にこれをばらまいた。そうして学生を募集した。だがしかし申請も出していないし、許可ももちろん出ていないということになりますと、これはどうもたぶらかすものではないかという疑念が出ますね。どういうふうにこれは農林大臣考えられますか。
#82
○政府委員(池田俊也君) 私ちょっと事務的にお答え申し上げたいと思いますが、これは確かにいまのような状態でございますから、私どもの理解では正式な募集というものではなしに、いわば募集の予備行為みたいなものと解するほかないと思いますが、全中当局としてはこれは各種学校として認可がおりる、こういう確信のもとに逐次作業を進める必要もございますので、そういうことで予定ということを本来は書くべきものであろうと思いますけれども、そういう記載が抜けていた、こういうことで非常にその点適切な措置とは申せないわけでございますけれども、そういうようなおそらく趣旨であったろうと思うのであります。
#83
○鶴園哲夫君 いま局長は各種学校になるという確信のもとにというお話ですけれども、その確信がないんじゃないんですか。あるのかしら。ちょっとそれじゃ確信があるというふうにお話ですが、確信がないということを私は思っているんですけれども、まずこの募集要領によりますと、不十分な答弁はためておきますよ、いまの答弁は不十分ですから、ためておきますから、あと鉄砲水みたいに流さぬように。募集要領によりますと、この提出書類が六通要るんですよ、この六通の中の二通が問題なんです。所属農協または連合会長の内申書が要る、これは様式第三号となっております。それからもう一通要りましてね、それは都道府県の中央会長の副申書が要るんですよ、それは様式四号ですよ。だからね、この所属農協の会長の内申書が要るということと、もう一つ県の中央会の会長の、県中の会長の副申書が要るということになっていますね、これは非常に閉鎖的ですね、きわめて閉鎖的。ですから、学校教育法に基づく各種学校に一体該当するのかどうかという点があるようですね、都庁のほうに聞いてみましてもですね。ですから、いわば確信があるという、確信に基づいてというお話ですけれども、これはもう閉鎖的なんですね。これは学校教育法に基づいては、これは極端に閉鎖的ですし、公開の原則でもありませんし、教育の機会均等にも反している。この二つの書類が出なければ第一願書も出せないんです。そういうことになっていますね。そうしたならば都のほうに私は電話で連絡をしていろいろ伺ってみますと、困るというんですね、これは。そうすると、これは一体ここでは募集要項の中に各種学校というふうに断定をし、記載をし、局長はいま答弁の中で各種学校になる、こういう確信のもとに進めておるんだという話だけれども、筋としてはそうでないではないか、各種学校にならないではないかということなんですね。どうです。
#84
○政府委員(池田俊也君) 私どもも調べてみましたらいまお話のような事情があるようでございます。また、中央会の副申とかあるいは所属農協等の内申というものが、学校の一般的な考え方でございます公開の原則というようなこととどうマッチするのかあるいはマッチしないのか、そこらにどうも問題があるということでございまして、いま御指摘のような事実は確かにあるようでございます。
#85
○鶴園哲夫君 ですから局長が答弁になりました確信に基づいてということにも非常に大きな問題がありますし、それから募集要項の中にこういうふうに各種学校であるという断定をした記載するということも非常に大きな問題があるというふうに思うんです。なお、この募集要項の資格の中にこういうふうになっているんです。必要なところを読みますと、現に農協、同連合会及び中央会に勤務しておる者並びに将来勤務することが確実と見込まれる者、この二つあるんです。ところが、将来勤務することが確実と見込まれる者という者はどういう願書を出すのかこれに載っていない。願書は先ほど申し上げましたように農協長の推薦、内申書ですね、それから県中の会長の副申書が要ることになっておる。ですからちょっと見ますと、これは将来勤務することが確実と見込まれる者ということでできるのじゃないかと見られますけれども、内申書の内容を見ますと、所属部課、担当業務、賃金月額、職場における本人の状況、性格から研究心から対人関係から何から全部書くことになっているんです。ですから勤務していなければだめだということになりますね。それから副申書を見ますと、これは県中の会長が出すわけですが、これも所属組合の組合員数だとか職員の数だとか事業の財務状況だとか販売高が幾ら、自己資本が幾らという調子なんです。だからいま現に農協に勤務していないで将来勤務することが確実な者という者はこれは願書の出しようがないでしょう。そうしますと、ここに将来勤務することが確実な者ということは書いてあるけれども、これは名目じゃないかというふうに断定せざるを得ない、局長どう解釈されますか。
#86
○政府委員(池田俊也君) ちょっと私どももどういう書類を出させてどうというところまで一々タッチをしておるわけではございませんから、いまの確実と見込まれる者というのをどういうふうな方法でチェックするのか、あるいは御本人から誓約書を取るとかいうことをやるのか、あるいは他の方法をとるのか、ちょっと私どもは何ともお答えいたしかねるわけでございますけれども、まあ資格として現に勤務している者のほかに、将来農協に勤務することが確実である者も資格に加えているわけでございますから、いわば大部分はあるいは現に勤務している者かもしれませんが、そういう資格を規定している以上は当然それは将来農協につとめる者も入るものであるというふうに考えております。それをどういう方法でチェックするかというところまでは実は承知をしておらないわけでございます。
#87
○鶴園哲夫君 局長のお話のように、将来確実に勤務すると見込まれる者という点について誓約書を取るとかいうような形のものもあるでしょう。しかしそれにしても申請書が出せない、内申書が、これを見ますと。先ほど申し上げましたように所属の単協の組合長が出す、単協でもいい、県連でもいいんですけれども、そこの会長――単協の組合長が出す内申書というのは、職場における本人の状況を書くことになっているんです。性格がどうだ、対人関係がどうだ、研究心がどうだ、勤務状況はどうだというようなことを書くことになっておる。それが中心のようです、これを見ますと。だから出しようがないんです。あるいは非常に急場のことで十分に検討なくしてできたかもしれない。ですが、りっぱなものになっている。それでいま局長が、そこまで深く携わっていないことが何かそう無理ではないような言い方をされましたが、これは私は前から言っているんですよ。これは協同組合の短期大学に対して農林省が奨励金を出しましたでしょう、一千万円の奨励金を出した。それを今度廃止しようというんだからどういう理屈があって廃止するのか、奨励金を出してつくったものを廃止するその理屈がはっきりしないまま答弁なさっているでしょう。いままでははっきりしない。奨励金を出して奨励したものを廃止するというその理屈は何なんです。全然理屈がはっきりしない。だからその点はぼくはあとで一千万円の補助金を返してもらうというだけでは済まない問題です、これは。私はそう思っていますけれどもね。ですから、いま新しくできようとするそういう協同組合の学園に対しまして、何かよく御存じないということは私は理解に苦しむ。重要な問題じゃないですか、やめるというんだから。やめるという理由がはっきりしない、補助金を出して奨励して。はっきりしてもらいたいんですがね。そうすると新しくできるものについても、それは農林省としてはっきり考えておいてもらわないと私は困ると思うんですがね。そういう点についてどういう考えを持っておられるのか、農林大臣の意見も聞きたいと思うんですけれども、局長どうですか。
#88
○政府委員(池田俊也君) いま先生のお話は、どうもこの募集要項等から見て、現に組合につとめている者だけに実際は限るということではないのか、こういうお尋ねで、非常に具体的な点までお述べになったのでございますが、私どもは現に農協に勤務している者のほかに、将来農協に勤務することが確実である者も含むという考えでおるということを実は承知してるわけでございまして、まあそれの具体的な、どういうような様式でそれをチェックするかというようなところまでは実は承知しておりませんということを申し上げたわけでございます。これは現実に中央会の扱いの問題でございますので、あるいはあまり想定で申し上げるのもいかがと思いますけれども、現につとめていない者については所属組合における成績等を書くわけにはまいりませんから、そういうものは空欄にするという扱いもあろうかと思いますし、私どもは詳細を知りませんが、こういう資格をきめている以上は、現に組合に勤務している者に限るという趣旨ではないというふうに私どもは考えざるを得ないわけでございます。ただ、それにいたしましても、いま御指摘のように、副申書をつけるとか内申書をつけるとかいう点からいって、どうも学校教育法の各種学校のたてまえからいってはたしていかがなものであろうかという問題はあるようでございます。これはまさに学校教育行政の問題でございまして、私ども直接関知してるわけじゃございませんが、そういうことがあるんで、この問題はやはり今後関係当局において十分検討されるべき問題であろうというふうに考えてるわけでございます。
#89
○鶴園哲夫君 いま局長がお話になりましたように、内申書を出すわけですし、それは結局農協長、さらに副申書として県中の会長が出す。それが出さなければ願書にならないわけですね。ですから非常に閉鎖的ですしね。ですから言うならば企業学校みたいなものだと思うんですよ。しかし各種学校という名目で記載をして募集をし、そしてまた局長お話のように、確信があるというお話ですけれども、いまお話のように非常に問題があって、これは各種学校ということにならないだろうという判断を立てても全然おかしくないという状況だと思うんです。いろいろ都庁とも話をしてみますとそのようですわ。そうなった場合にどうなるかという問題を次にまあお尋ねをしたいわけなんです。
 そこで、いま先ほど局長は冒頭の答弁の中で、いま通信教育部の中に在籍している者は約千四百名だ、その中には三十五年創設したときに入った者がいる、で、学則では何年以上おってはならないという定めはない、したがって、いま直ちにこの通信教育部というものを廃止することには困難であるという話がありましたですね。この学則の中に、授業料を納めない者について除籍する規定がありますかしら。――あるんですな。その点はどういうふうに見ておられるんですか。
#90
○政府委員(池田俊也君) 学則の中にそういう規定がございまして、所定の期間内に学費を納入しないときは除籍するという規定があるのでございますが、必ずしも従来そういうふうに励行されているわけではないようでございます。しかしながら、その規定がございますから、この規定に従いまして学費を納入しない学生が除籍をされるということもあり得るわけであります。
#91
○鶴園哲夫君 学則に除籍のことが書いてあるけれども、いままで九年、これは発動したことはないという話なんです。
 もう一つ、この通信教育部の学生が三十人おっても四十人おっても廃止することになっていますか。学則には定めがないようですね。
#92
○政府委員(池田俊也君) そういう定めはないようでございます。したがいまして、除籍もされないで一定の数の学生が在籍をしていると、こういう状態のもとにおいては、通信教育部を廃止するのはなかなか問題があるのではないかと、こういうふうに文部省においても考えているようでございます。
#93
○鶴園哲夫君 まあ理屈としましては、学則の上でも制限はないわけでありますから、二十名あるいは三十名という形でもこれはやらなければならない。やろうという者の意思をじゅうりんするわけにいかない。カットするわけにいかない。理屈の上では学則上は何年おって悪いという――これは働きながら学ぶ学生ですから何年というきめはない。事実、いま局長が答弁にありましたように、三十五年創設以来十年近く学生がいる。その学生も少ない数字じゃないですね。問い合わせますというと、百名程度、百名こすようです。そうしますと、理屈の上では少なくともこれは十年以上存続しなければならないということになるのですか。理屈の上ではそうなる。どうですか。
#94
○政府委員(池田俊也君) これもまあ学校教育法の運用の問題でございますので、私どもまあ責任を持ってお答えできない点もございますけれども、私どもが承知しておるところを申し上げますと、先ほどございました除籍処分の規定もございます。したがいまして、学費の納入がない場合には除籍処分ということもあるわけでございますから、そういうようなことでかりに学生がいなくなったということがありますならば、それはその限りにおいては廃止ということはまあ問題はない。それから、あるいは現在の学則の中でも修業年限についての定めはございますが、何年以上いてはならないという定めはないわけでございますけれども、そういう定めをすることもこれはできると、私どもが文部省当局から伺いましたところでは、そういう学則を定めることもできるというようなふうに伺っておるのでございます。
#95
○鶴園哲夫君 いま局長が答弁になったんですが、評議員会できめれば学則を変えることができる、あるいは理事会でやれば学則を変えることができる。しかし現在のこれでは何年以上という――しかし本来は、たてまえは、働きながら学ぶ者に対する教育の機会を与えるという通信教育制度ですから、したがって通信教育の場合においてはそういう定めをしてないわけですよね。何年というような定めをしていない。ですからそういう趣旨からいってもいまの答弁にはぼくは問題があるというふうに思いますね。ですが、いずれにしても、これは三千五百万円の金を短期大学に対しまして全中は出しているわけですね。四十五年度は出すのか出さないのか、はっきりしてないようですね。一千万円の金を出して奨励した農林省として、一体この成り行きはどうなるのかという点に対して重要な問題がありますから、三千五百万円の全中の金というのは四十五年度は出るのか出ないのかというを明らかにしてもらいたいのです。
#96
○政府委員(池田俊也君) これは全中当局の意向をさらに確かめてみませんと的確なお答えができないわけでございますけれども、またあるいは今後の、先ほど来問題になっております事項の扱いがどうなるかということにもよるところが多いと思うわけでございますが、私どもの従来の経過から考えますと、四十五年度もやはり継続して支出をするということに相なろうかと思うわけでございます。
#97
○鶴園哲夫君 そういう話にぜひ指導し、なるようにやってもらいたいと思いますですね。かりにそれがない場合、かりにない場合は授業料ではやっていけぬのだろうと思うのですね。そうするというと、寄付行為の中に定めてありますように、学校財産を処理しなきゃならぬだろうと思うのですね。それはどういうふうに考えておられるのですか。
#98
○政府委員(池田俊也君) まあ仮定の話でございますので、的確にどうもお答えがしにくい問題でございますが、私どもは現に施設があり、またそれが運営されている状況のもとにおいては、その必要な金が当然支出されませんと、これは実際問題として非常に困るわけでございますから、当然そういう必要な限りにおいてば必要な金は支出をされるのではないかというふうに考えているわけでございます。
#99
○鶴園哲夫君 局長ね、この点はもっとはっきりさせていただきたいのは、私は繰り返し言っていますように、通信教育制度については農林省が一千万の金を出して奨励なさっているんですよ、また奨励するのはあたりまえでしょう。あるいはこの短期大学ができるときにも金を出して奨励しておられるんですよ。だからその成り行きについてはもっと真剣でなきゃならないと思うのですよ。だからもっときちっとやってもらわないと困るわけなんですがね。
 まあしかし次に、伺いますと、短期大学なりを解散しようという考え方のようなんですね。しかしなかなか解散できない、これは。というのは、通信教育の部があるから解散できない、困難だ、しかし考え方としては短期大学を解散しようという考え方のようなんですね。そうしますと、いま約五千坪あまりの土地があるのですね。その価格は一体どの程度になるのか、人によると十億になるといい、あるいは七億だ、八億だという話もあるようですけれども、どの程度になるのかということと、その財産の処分をどうするのか、かりに解散する場合に。
#100
○政府委員(池田俊也君) お話が私ども正確に把握しているわけじゃございませんが、常識的に考えれば十億に近いような相当多額なものになるのではないかというふうに思うわけでございます。なお残余財産の処分につきましては、これは寄付行為で定めているわけでございまして、現在の短大の寄付行為では、学校法人その他教育事業を行なうもので、理事の三分の二以上の同意、それから評議員の議決ということできめる、こういうことになっているわけでございます。したがいましてその趣旨に従って、当然残余財産の処分は行なわれる、きものであるというふうに私どもは考えます。
#101
○鶴園哲夫君 局長のおっしゃるように、この短期大学の寄付行為の二十九条に、解散のときの、「残余財産は学校法人その他教育事業を行う者のうちから、」というふうになっていますね。そこで前に戻るわけなんですが、全中が学校法人でないことは明らかだと思うのですね。これは御質問申し上げるまでもない。全中は学校法人ではない。
 次に、いま全中はことしから開校しようとしつつある協同組合中央学園、これは学校法人でないことは明らかです。そして、これは学校になるかどうかすら非常にむずかしい。特殊学校にはなれぬだろう、いまのままでは特殊学校にはなれぬだろうということすら判断されるわけなんですけれども、そうした場合に、この金は全中にはいかないし、全中がやっておりますところの中央学園にもいかないということになるというと、これは一体どういうことになるのかという点ですね。
#102
○政府委員(池田俊也君) 御指摘のとおり、全中は学校法人ではございません。ただ私もここで断定を申し上げるつもりはございませんが、この寄付行為でうたっております「その他教育事業を行う者」ということに該当するかどうかという問題が別にあるわけでございます。現在の農協法の中央会の目的達成のための事業ということの中に、「組合に関する教育」という項がございます。 これはいまの中央学園が組合に関する教育ということに該当する可能性は非常にあるわけでございます。そういうことでございますならば、そちらに帰属をするということもあり得るわけでございます。
#103
○鶴園哲夫君 いま局長の答弁がありましたように、農協法の七十三条の九に、中央会の仕事が書いてありますね。三号に、「組合に関する教育及び情報の提供」というふうになっているのですが、これが教育事業を行なうということに該当するというお考えですか。これは教育、宣伝、啓蒙じゃないですか。これは教育事業を行なうというものに該当するのかどうか。
#104
○政府委員(池田俊也君) もちろん非常に軽い意味の啓蒙に関連する事業も当然含まれるわけでございますが、必ずしもそうではなくて、一年とか二年というような期間の教育をやる場合もあり得るわけでございます。そういうものを私どもはやはり教育事業ということに考えてよろしいのではないかというふうに現在は考えております。
#105
○鶴園哲夫君 そもそもこの協同組合短期大学ができたということは、全中とは別の法人をつくってそうしてやろうということだったのでしょう。資格の問題もありましょうけれども、いわゆる短期大学という資格をとる面もありましょうけれども、別に別の学校法人をつくってそうして教育をやろうということだったろうと思うのですね。そのことはこの七十三条の三とは別なことをやっているのじゃないですか。これに該当しているのですか。これは全中がやっているわけではないでしょうね。いまやっているのは全中とは全然別個の独立の学校法人なんです、ただ金を出していますけれども。いまやろうとしている中央学園というやつは、これは中央会の、全中の直営と書いてあります。いまここにあるやつは、そうではないのですよ。ですから、そういうたてまえじゃなかったのですか。いまの農林省の考え方は、七億か八億か十億になる金を全中さんのほうにやりたいからいまのような話をなさっているのじゃないですか。
#106
○政府委員(池田俊也君) 私どもはそういう金をぜひ全中に差し上げたいという気持ちは毛頭ないわけでございます。そういうことから申し上げているのではございませんが、まあその協同組合短大が現在できました経緯は、全中中央会としてできないからやったということではなしに、やはり学校法人というようなもので相当高度の組合に関する教育をやるほうがよろしいという一つの考え方のもとに行なわれたというふうに私どもは理解をしているわけでございます。したがいまして、考え方としては二つの考え方があり得るわけで、そういう考え方も当然あり得ますし、それからこの中央会自体としてもやりたいという考え方もあり得るわけで、その間に私どもは中央会自体が考え方が変わってきた。当初は、学校法人で、短大で、相当高度の教育をやりたいというのが、いろいろやった結果、どうも少し考え方が変わってきた、こういうことでございまして、必ずしも、中央会のこの規定で読めないから別に取り出してやったのだ、こういうことではなかろうと思います。
#107
○鶴園哲夫君 この問題はひとつ残しておきましょう。で、あらためて所管官庁である文部省の出席をいただいて詰めるということにいたしたいと思います。この七億か十億の、かりに解散するときの残余財産の帰属についてはそのように論議をしたいというふうに思います。
 そこで重ねて農政局長に伺いますが、農林省は金を出して一生懸命やれと言うて奨励して今日まで来た短期大学を廃止して、そして新しい学校法人でもない、格の一段下がるといいますかね、そういうとおかしいのですが、格の一段と下がる、花嫁学校や料理学校と似たような、そういう各種学校をつくってやろう、しかもそれも各種学校にもなれぬだろう、いまの状況では、というようなことになぜなるのか。そんな曲がりくねった必要ありますかね。私はそこが不可解なんです。農林省はそこのところはっきりしなければいかぬのじゃないか。補助金を出しておるのですから、奨励をしたのですからね。どうもそこの点が農林省のほうはあいまいだけではなくて、私は不適切だというように思うのですよ。せっかくある短大じゃないか、しかもそういう財産だってりっぱにある。廃止しようとしても今後理屈の上では十年たっても廃止できない。先ほどの通信教育部がありますから十年たっても廃止できない。金は来年も三千五百万円出すのだ。何も好んで新しくつくらないで、大きな短大にするならする、短期大学にするというふうにされたら理屈がすっきりするじゃないですか。どうですね、すっきりした答弁をしてもらわないと……。お宅は金出してやったのでしょう、一生懸命。不見識もはなはだしいですよ、いまの段階になって。
#108
○政府委員(池田俊也君) 補助金を支出しましたことに対する責任は当然あるわけでございますけれども、しかしこの問題は、やはり本質的には協同組合のいわば内部というと多少ことばは適切でございませんが、直接この問題に関与している方々の意見、それからあるいはそれに関連をいたしまして、学校教育といいますか、そういう教育制度の問題がからんでおるわけでございますが、そういう問題でございますので、非常にはっきりしないじゃないかというおしかりはあるわけでございますけれども、私どもといたしまして実はこれについて協同組合短大であくまでいくべきであるとか、あるいはそうじゃない方向でいくべきであるとかいうのはいささか私どものやっております仕事の範囲から見まして、多少そこまで期待をされますことはいささか困難ではなかろうかという感じを持つわけでございます。しかしまあ補助金を出したということは、確かにこういう問題が起こるということは当時としては全く想定もしていなかったことでございますから、その処理をどうするかという点につきましては、私どもといたしましても当然責任があるわけでございますから、これにつきましては今後善処いたしたい考えでございます。いまの問題について、積極的に私どもがこういう方式をとるべしということを打ち出すのはいささか困難ではないかと考えておるわけでございます。
#109
○鶴園哲夫君 局長、あなたそういうことをおっしゃいますけれども、もともとこの短期大学を廃止して、そして新しく協同組合中央学園をつくろうということの対策委員会があるでしょう。その委員会に農林省は入ってるでしょう。この間答弁されたでしょう。おかしいじゃないですか。それにおまけに補助金を出しおいて、奨励金出しておいて、何かこう逃げ腰みたいな話は……。農協の教育活動については非常に重要な内容を持ってるわけです。ですから、農林省としても一千万という金を出して奨励なさったのでしょう。それは当然だし、いいことでしょう。それについて、そういう奨励したものが何かわからぬ形で廃止になるということについては、これは責任がどうだこうだいう問題じゃないと思うのです。もう一つ、先ほど私が申し上げた、これを審議をしてきめる、そこにメンバーとして入っているわけでしょう。
#110
○政府委員(池田俊也君) 前回も申し上げたわけでございますが、私どももそういう会合に、まあ担当課長がオブザーバー的な立場で出席をして、そういうことを傍聴していたという事実は確かにございます。しかしこれは私どもは積極的にその会議の中に入りまして、こういうふうにすべきであるということを申したことはないわけでございます。これは私どもは役所の農協との関係その他からいいましても、そこまで介入をいたしまして指導するというのはいささか私どもの仕事の範囲を越えるものではないか、こういうことで様子は十分関心を持って見守っておりますけれども、積極的な立場で参加をしたわけではないわけでございます。
#111
○鶴園哲夫君 こまかくなりますけれども、オブザーバーという話なんですね、そうではないのじゃないですか。それをはっきりしてもらいましょう。何か前回の答弁もあいまいなんです。何かいまになって逃げ腰みたいな話じゃ受け取れませんよ、これは。
#112
○政府委員(池田俊也君) これはその委員会の委員とか何とかいうことでは全くございません。前回もオブザーバーということを申し上げたわけでございますが、まさにそういうことで様子を見守っていたと、こういう性格のものでございます。
#113
○鶴園哲夫君 それじゃその名簿を出してもらいましょう、そのときの委員会の名簿を。そういうオブザーバーだとおっしゃるなら名簿を出してもらいたい。で、前回からオブザーバーだオブザーバーだとおっしゃるけれども、その名簿を出してもらえばはっきりするわけです。なお、ぼくは何か前から農協の問題についていろんな問題を取り上げてきて口をすっぱくしているのは、こういう問題についてどうも農林省は少しだらしがないという感じをぼくは持ってるわけですよ。何かというと自主団体だとおっしゃるですね。しかし奨励金出してやっておるのだから、それが理由なくして、――はっきりした理由がないでしょう、理由なくしてやめようというようなものに対して農林省の見解が示されないというのは解せないですね。しかもその指導監督の機関ですよ。だから私の、いま農林大臣お帰りになったようですけれども、あなたのいない間にだいぶ論議が進んだわけです。結論をかいつまんで申し上げるというわけにもいかないのですが、ごく簡単に申しまして、どうも今回の協同組合短期大学を廃止するという点については非常に疑問が多いだけじゃなくて、何でやめるのか理屈がわからない。長年の伝統があって、これはこの間も局長は答弁いたしましたのですが、大正十五年以来の伝統があって、さらに戦後これを短期大学にして、三十五年に通信教育部を新しく追加して、いずれも農林省が補助金を出して、特に通信教育については一千万円の金を出して奨励してきたわけなんです。ところが何も理由なくしてこれをやめようというのですね。やめるというならわかるのです。やめちまうならわからぬわけでもない。ところがまた別につくるというのです、学校を。しかもその学校は、いまの短期大学よりもっと進んだものになるのじゃなくて、建物はそれはいいものになるかもしれませんが、しかし学校法人でもなければ、その学校というものに該当しないようなものなんですね。何でそんなことをするのか、大体話にならないですね。ですからぼくは農林大臣なり、それからいま農政局長答弁がありましたが、そういう経緯なんですから、この問題について、もう少し積極性を持って対処してもらいたい、理屈のはっきりしない、何も理屈のはっきりしないものについては、行政庁としての考え方を明らかにしてもらいたい。補助金も出してやっておるのですから――という考え方で対処してもらいたい。弱腰なんです、どだい農林省は。あとでもやりますけれども……。大臣は弱腰じゃないだろうと思う。
#114
○国務大臣(長谷川四郎君) 答弁しろと言われても、私もおしかりを受けるかもしれませんけれども、ほんとうに初めて聞くことで、何ら報告もまだ今日まで受けておりませんので、農協内部の問題だと思うのですが、十分この点については、今後お話を聞いて、それからでないとはっきり御答弁申し上げられませんけれども、いずれにしても局長が十分その点については、対処するだろうと考えておりますので……。
#115
○鶴園哲夫君 それじゃ大臣、対処の姿勢が問題なわけなんですよ。経緯はいま申し上げたとおりなんです。農林省が補助金を出して奨励してこられた、非常に重要な仕事なんですね。それが理由がない。さっぱり理由がない。廃止するというなら、それだけならまだわかるのだけれども、要らなくなったから廃止するという理屈もあるでしょう。だけれども、また別につくろうというわけです。しかもそれを学校法人でもないし、特殊学校でもない、何か学校にもならぬような、そういうものにしようというわけなんですね。こういうものは、私はさっきから局長に言っているのは、従来の経緯からいって、農林省としてははっきりした考え方をもって臨むべきであるということを言っているわけです。
#116
○国務大臣(長谷川四郎君) 私もきょうほんとうに初耳で何なんですが、いろいろ伺ってみると、なかなか農協内部にもいろいろ複雑な問題があるようでございます。 いずれにしてもそのままほうっておくという意味ではございませんので、十分対処をいたしたいと考えております。
#117
○鶴園哲夫君 いずれにいたしましても、全中が今回つくろうといたしておりますところの協同組合中央学園、これは非常に問題がある、設置そのものについても。これは非常に問題があって、特殊学校にもなり得ぬだろう。学校をつくる考え方そのものがどうも特殊学校に触れるというふうに思うのです。特殊学校にならぬと思うのです。
 さらに、一方においては短期大学を廃止するわけにはいかない。通信教育の部が残っている限りにおいて廃止できないというような奇妙きてれつな状況をつくるということは、これは協同組合の教育活動として非常に遺憾だと思う。はなはだしく遺憾だと思う。それに対するまた農林省が見解を持たないということも無方針だというように私は思う。ただ、いま大臣のお考えですと、農協内部のいろいろな事情もあるようだから、いろいろ聞いた上で対処していきたいというような話なんですけれども、私はこういうような態度で臨んではならないということを繰り返し言っているわけなんです。相当なものですな、これは。私は義憤を感じますね。常識上これをそうですかというわけにはいかない。これは局長だってそうだと思うのですよ、すなおに考えれば。大臣だってそうだろうと思うのだ。こんなおかしなことありませんよ。もう一ぺんこの問題はやり直さなければいけないですね。
 次に、問題をひとつ別に変えまして、農協の不正問題について、前回資料を四つ要望いたしましたところが、資料が出てまいったのですが、前回の論議は、農協の不正事件というのが四十一年に急速にふえた。たいへんなふえ方をしたということで、農林省としてもこの不正をなくするために、四回にわたって不正防止の通達を出された。にかかわらず、四十二年は四十一年よりもさらに一そう大きな不正事件というのが続出をする。四十一年の三倍近い金額の不正事件が起こるという異常な状態になったというところで問題を提起し、論議をしたわけですね。その中で問題は、四十一年から四十二年の五月にかけて四回の不正防止の通達を出したにかかわらず、効果ないだけではなくして、一そう不正が三倍近くにもふくれ上がったということについての私は問題提起をしているわけです。たまたま農協から発表したものの中に四回も通達を出したが、「守られない通達事項」という見出しの文が出たから、そこで一体通達はどうなっているのかということを聞きまして、その中の一つとして「守られない通達事項」と書いてあるのだけれども、念のために一体通達はどういうふうになっているのかということで一つだけ――四回目の最後の通達ですね。四回目の通達の協同組合の一斉調査ですね、それはどの程度やられたのかということの資料を提示してもらいたいということを出したわけなんですが、それについて資料をいただきましたが、私の都合もありまして、つい三十分ほど前に資料をいただいたわけです。若干説明もいただきましたですが、私の受け取り方ではやはりこの農業協同組合でお出しになったように「守られない通達事項」ということになるというふうに思うのですが、この通達――まあ、不正を防止しようというために通達を四回出される。そうして言うならば、外に与える感じとしては、農林省せい一ぱいやっている。通達を出してやっているという印象を受けるわけですけれども、ただその中は実行されてない。よく守られてない。それじゃまるで何のために通達を出すのかわからぬじゃないかという結論なんです、私は。ですから局長、いまのこの「守られない通達」の状況について、説明をいただけませんか。
#118
○政府委員(池田俊也君) 四十二年度におきまして、私どもと中央会とが連絡をとりまして、主として農協の内部牽制組織の状態がどうなっているかというようなことで、非常にこまかい項目に分けまして、いろいろな項目について点検をしたわけでございます。点検をいたしましたのは、全国についていろいろ実はできなかったということもございまして、全部の県の集計結果ではございませんけれども、一応結果はわかったわけでございます。それによりますと、項目によっていろいろ違うわけでございますが、大体の数字で申し上げますと六割ないし八割ぐらいの割合で守られている事項が多いわけなんでございます。中には非常に悪くて三〇%程度しか適合をしていないというところもございますけれども、大体はそういうような状況でございます。
 要するに内容的に見ますと、やはり組合の内部牽制体制が、比較的規模の大きいような組合はまだわりあいに行なわれているわけでございますが、比較的規模の大きくないようなところでは、いろいろな帳簿を本来照合すべきところが照合されてない、あるいは現金出納の係の人がやる範囲の仕事を越えた仕事をやっている。そういうことから不正事件が起きる可能性があるわけでございますが、そういうようなことについて、必ずしも十分ではないというような結果が実は出てまいっておるわけでございます。つまるところは、やはり組合の経営基盤が弱くかつ内部牽制組織が必ずしも十分でない、こういうような結果が実は出ているわけでございます。非常にたくさん項目がございますので、一々内容は申し上げませんが、概要はそういうことでございます。
#119
○鶴園哲夫君 時間の関係もありますからはしょって質問いたしますけれども、日本農業新聞で、不正防止のための埼玉県の考え方が載っていますね。これを見ますと、県と県中とがいろいろ協議をしまして、対策委員会をつくってそうしてやっているわけです。不正防止の対策委員会をつくっている、県と県中がですね。それで信用事業を中心にして部分検査を重点的に行なうパトロール検査をやる。パトロールです。まるでおまわりさん並です。パトロール検査をやる。それから情報を得たら機を逸せず即刻やはり検査をやる、これはえらい話じゃないかとぼくは思うのです。これは手を焼いているんじゃないか、協同組合の不正事件というものについては手を焼いているんじゃないか、こういう印象を強く受けるんです。農林省は五回の通達を出されたけれども、あまり守られていない。実際しかし農協ではこれは手を焼いているんじゃないかという印象を強く受ける。ついこの間の七月五日、土曜日の日本農業新聞の論説、社説ですね、これは御承知のとおりに農協の機関紙みたいなものです。この五日の「論説」で、「不正事件の温床をなくせ」という題名で載せていますか、お読みになりましたか――読んでない。大体なっていない。ぼくはすぐ目についた。わざわざ切り取って赤線引っぱってマルまでした。それは農協の不正について関心があるからです。あなたはないんですか。これは農協の新聞だから農協自身が農協の不正についてものを言う場合には見ていなければだめですよ。自分のことを一生懸命言っているんですから。だからそういうことからいいますと、どうも関心が薄いような気もするんだけれども、そうあってはならないんで、一生懸命やっているわけでしょうが、ここで農協の「不正事件の温床をなくせ」という題で社説を書いている。その中で言っているのは、理由が二つあるというんですね。というのは、農協が会社化したというのが一つだ、もう一つは農協が社用族になった。との二つをあげているんです。どうですか、局長の見解をお聞きしたいんです。農協自体が「社用族」になったとわざわざかぎカッコして書いてあります。だから会社じゃないんだから――「社用族」だと書いてある、会社化というのは化ですから、そのまま会社化ということです。それから社用化した、社用化したということはどういうことなんだ、全販連が全購連を招待しているのか、飲んでいるのか、どうしているのか。あるいは県の段階で単協を招待して飲んだりしているのか、どうなのか、よくわからないんですよ。その二つについて局長の見解を聞いておきたい。
#120
○政府委員(池田俊也君) いろいろ公務に忙殺されておりまして読むいとまがありません、はなはだ残念でございますけれども、いまのお話ちょっと詳細読んでみないとどういう趣旨かよくわからない点がございますが、おそらく社用化したというのは、まあ組合の役員あるいは幹部職員等が組合の持っている資金をいわゆる社用族というような使い方をしているということを指しているのかという気もいたしますけれども、私どもはこの不正事件の基本につきましては、非常に平凡な言い方ではございますけれども、やはり農協の指導者においてどうも組合管理の責任という点から自覚のやや欠けている点があるのではないか、こういう感じが、実は問題が起きました事例について見ますと、そういう感じを深くするわけでございます。それがあるいは現象的には一部社用族みたいなことになっているかということかと思うわけでございますが、私どもはやはりそこが非常にひとつ基本的に問題が一部において――全部ではございません、一部において問題があるのではないか。
 それからもう一つは、この農協法のたてまえと全く無縁ではございませんけれども、やはり農協というのは農民が中心になって組合を管理運営をしていくという体制でございますが、それが最近いろいろ経済が複雑化してくる。ところがそういう方が組合の管理を行なうという場合に、どうも専門的な知識が十分でないというようなことで、これは悪意ではなしに、どうも本来やるべきことを十分やってない、こういう点がやはりあるのではないか。だからそういう点を私どもはやはり常勤役員なり何なりで当然補うべきであるという感じを持っておるわけでございますが、そういうことが一つの弊である。
 もう一つは、やはり組合の中に弱小組合等もございまして、内部牽制組織等の整備が不十分なところがある。大体大別いたしますとそういうようなことが基本的な原因ではないか、一部そういうことがいろいろな現象に転化してくるということはございますが、そういうふうな考え方を持っておるわけでございます。
#121
○鶴園哲夫君 局長、この「論説」は不正事件と言ってないのです。「不正事件の温床をなくせ」と言っているのです。その不正事件の温床というのは何かといえば、会社化と社用族、しかも「「社用族」の横行であろう」と言っている。社用族が横行しておるのです。はっきりしてもらわなければ困る。農民のための農協というけれども、何が農民のための農協か。不正をなくせというのじゃない。まず「不正の温床をなくせ」という。その温床は何かといえば、会社化と社用族の横行と書いてある。横行ということばを知っていますか。問題はここだと私は思うのです。あとで質問いたします。
 それからもう一つこれに書いてありますけれども、農協というものは非営利原則だ。だから余剰金を出さないことがいいのだということにすりかえられておる。むだ金を使っておると書いてある。農協の新聞が農協について論説を書いているのであります。農協は非営利原則だ。したがって、余剰金がないのがいいということにすりかえられておる。むだづかいをしていると書いてある。どうですか、局長の見解を聞きます。これだけはっきり書いてあるのです。「余剰金を出さないことにすりかえられ、経費のムダが生まれることがある。これらは監査でもあまり問題にされないようだが、」不正の温床になると、こう書いてある。どうですか。
#122
○政府委員(池田俊也君) 余剰金が出るのがいいのか悪いのか、これは一がいに言えないのだと私は思います。といいますのは、余剰金が出ない、むしろ組合員に対するたとえば供給価格を引き下げるというようなことにおいて余剰金が出ないという場合もございますし、あるいは余剰金を出してそれを利用高配当等によって分配をしていくというやり方もございます。いろいろやり方はあるわけでございます。一がいに私は言えないわけでございますが、余剰金を出さないのが常によろしいのだとは必ずしも私は考えておらないのでございます。
 なお、私どもはいろいろな不正事件を見ますときに、出てくる一つの感じといたしましては、やや昔風の考えと申しますか、たとえば役員の方はあまり給与をとってはいけない。それでほんとうにわずかな手当等で甘んじている。しかし、いろいろな関係でどうしてもある程度役員にも給与的なものを渡すというようなことがございまして、別な形でそれを渡しておる。そういうようなことが一つの不正事件と結びついておるような事例もございます。だから私はやはりそういう点は合理的にもう少し物事を考えていったほうがいいのじゃないかという気がいたします。
#123
○鶴園哲夫君 私がいま論議しておるのは不正事件の温床を論議しておるのです。その温床の中でいま言う農協は非営利原則だ、それが余剰金は生まれないのがいいというふうにすりかえられる、そうしてむだ使いをするということなんですね。余剰金があればそれは当然利用高配当によって組合員に還元すべき性格のものなんでしょう。私は農協の新聞が「論説」として「不正事件の温床をなくせ」ということを主張したということはいいことだと思う、内部からこういう論説が行なわれるということは。しかし、同時に不正の問題について責任を持っておる官庁はもっと正確にこういうものをつかんでもらわないとどうもいけない。
 そこで次に、これも農林省の農協課の出したものの中にありますが、単協の監査というのは監査をする監事そのものにほとんど監査能力がない、それから監事が役員だということで執行部と同じような仕事をしたり考えを持ってやっておる、それでなれ合いになってしまっておるというところから単協における、総合農協における監査というのははなはだしく妙だということを書いて、農林省の協同組合課の人が協同組合課という名を打って出しておるわけです。ですからいま言ったようなことからみますと、いま私は埼玉県の例を申し上げ、それから四回、五回の通達も守られていないということを申し上げ、いま日本農業新聞のこういう問題を申し上げ、さらに農林省が出しておる、単協の監査というものが土台の底がくずれておるというような話が出ておる、公表されておるという点等からいいますと、これは非常に問題だ。どういうふうに対処されるつもりなのか、ただ精神論じゃだめですよ、具体論を出してもらいたい。
#124
○政府委員(池田俊也君) 組合の監事の監査の問題でございますが、これは実際問題といたしましては確かになかなかむずかしいといいますか、本来の機能を発揮するのはなかなかむずかしい実態だと思います。これは会社等でも同じようなことがある面では指摘されておるようでございますが、やはり役員の中の監事でございまして、本来からいえば当然業務執行と監査とは画然と区分すべきものでございますけれども、なかなかそれがそういう形に行なわれていない。むしろ有力者が理事になりまして、ややそれに次ぐ人が監事になるというような実態も確かにございます。なかなか私どもはそこに多くを期待するのはむずかしいのではないかという感じを率直のところ持っておるのでございます。ただ、やはりそういう制度がありまして、またなかなか役所の検査等では気づかない面に気づくということももちろんあるわけでございますから、これは私どもは極力やはりその機能を発揮していただく必要があるわけで、そういうようなことについては全中等においても監事教育ということを極力やるということで検査といったようなことはやっておるわけでございますが、私どもはやはりそこにすべてを期待するわけにはいかないので、行政庁による監査あるいは中央会による監査を併用していく以外に方法はないのではないかというように考えておるわけでございます。
#125
○鶴園哲夫君 衆議院のほうでは、この協同組合法の一部改正の法案について、検査体制の整備といいますか、強化といいますか、そういう附帯決議がついておるようですが、農林省は全国連を検査され、さらに地方農政局が県連を監査して、さらに都道府県が単協を検査する、行政庁の検査はそういうシステムになっているんですが、そこで農林省の検査ですけれども、私は農林省設置法を三十七年に改正を行なって今日の地方農政局ができるときに、検査を分散することは弱体化することになるんじゃないかという主張を強くしたわけです。つまり本省から各地方農政局に分散してしまった、それが非常に弱体化するんじゃないかという主張をしたわけなんですね。三十七年ですが、三十四、五年ごろから急速にこの不正事件が――不正事件というのは要するに横領とか裁判になるやつ、刑事事件になるやつですね、そういうものが非常にふえてくる。高度成長よりもっと大きな成長率を遂げてくるというのは、いま言う行政庁の監査、農林省の監査、それから都道府県の監査という点で問題が一つあるんではないか、もう一つ全中なりそれから県中が行なう監査ですね、これのやっぱり体制が弱いんじゃないかという気がするんですがね。ですから農林省の監査、それから都道府県の検査についてどういう考え方を農政局は持っておられるか聞きたいですね。
 で、農林省からいただいた資料によりますと、不正事件の発覚の端緒というのがありますね。これを見ますと行政庁の検査による発覚というのが四十年で言いますと約八割近い、金額で言うと。件数で言うと約五割というのが行政庁の検査になっておるわけです。四十二年のやつは少し率が下がりますけれども、行政庁の検査による発覚の端緒というのが出ているわけで、ですからそういう不正を増高するという問題もありまして、そういう行政庁の法律に基づく検査についての体制を伺いたいですね。県も非帯に重要な体制を持っておるわけですけれども、これは単協を検査するわけですから非常に大きな任務を持っているんですが、どういう実情にあるんですか。
#126
○政府委員(池田俊也君) いま御指摘の点は実は非常にむずかしい問題でございます。どういう体制が最も能率的ないい検査ができるかという問題、非常にむずかしい問題だと思います。私も率直なところいま御指摘になりましたようなことが全くないと言う自信はないわけでございますが、しかし一面現在のような体制をとるに至った経緯もまたあるわけでございまして、要するに従来でございますと、県の連合会の検査というのは農林省がもちろんやるわけでございますが、本省においてそれが先ほど御指摘のように地方農政局に移管を一部いたしまして、地方農政局が県の連合会の検査をする、その限りにおいて若干分散型になりましたので、一時に力を集中するのは非常にむずかしいということも一部ございます。しかしまた一面それぞれのブロックにおるわけでございまして、県との連絡は非常によろしいわけでございます。したがって的確に情勢を把握できると、こういう利点もございます。まあこの利点と若干のマイナスの点をどういうふうに理解するかという問題で、私もこれに対していま結論を下すというのは若干ちゅうちょするわけでございますが、いずれにいたしましても、私は現在の点を一応基礎にして、さらに足りないところはやはり補うようなことを考えるべきではないかということを、まだこれは農林省としてきまったことでもございませんし、お話し申し上げるわけにもいきませんが、現在検討をしているわけでございます。
 それから、どうなっているかという御質問で、おおむねは御存じのことであろうと思いますが、念のために申し上げますと、現在の単協の検査に当たっております県の体制といたしましては、検査関係の職員が三百五十八人いて、それから農林省の職員が二十九人でございまして、本省に四人、地方局に二十五人、こういう状況でございます。なお、中央会におきます体制といたしましては、全国中央会に十一人、それから県中に八百三十五人、こういう人数が当たっておるわけでございます。
#127
○鶴園哲夫君 これは一つの例ですが、非常に農協の不正が多くなりまして、行政管理庁が監察したんですね。その数字が出てるわけですよ。そうしますと、県の検査の実施率というのは非常に低いんですね。いまおっしゃったように全国で三百幾らでしょう。そうすると、農協というのは総合農協だけでも七十幾らあるわけだし、それから考えましても、これはとてもですね。ですから検査率というのは非常に低いですね。なお、県中の監査率ですね、これも非常に低いですね。これは行政――県の検査率よりもまだ低いですね、半分にもならないですね。まあ県の検査実施率というのは大体四割ぐらいのようですね。ところが中央会の監査、県中の監査となりますと二割切るんですね。五年に一回ということなんです。
 まあいずれにいたしましても、私はこの国の検査の体制というものについてひとつ検討してもらうと。それから都道府県の――これは都道府県が非常に大きな権限をまかされておるわけで、これが単協その他、総合農協、専門農協ですね、これを検査することになっておるんですが、県の検査体制がいまのように弱い。で、国はこれを委任してるんだけれども、どういう援助をしてるんですか、県の検査体制について国はどういう援助をしてるのか。
#128
○政府委員(池田俊也君) 現在の県の検査関係に対します補助といたしましては、検査旅費の補助をいたしておるわけでございます。もちろんその他、研修等につきましても補助をいたしておりますが、直接検査関係で申し上げるとそういうことでございます。これは、かつては職員の設置の補助もいたしておったわけでございますが、その後は現状におきましてはその補助が打ち切られまして、県の財政の中でまかなうと、そういう体制になっておるわけでございます。
#129
○鶴園哲夫君 会計検査院法という法律がありますね。あの会計検査院法によりますと、会計検査院は支所を設けることができるというふうになってますよ。それで私、何ゆえに支所を設けないのかということを院長に一ぺん聞いたことがあるんです、決算委員会で。そうしたら、いろいろ説明がありまして、支所を設けることはできる……。で、やっぱり何ですね、この検査をするということが、まあみなこうなんですな、人間をふやさないよということですね、できるだけ。だから、検査院の検査官の人間もできるだけふやさないように押えるんですね。ふやしてもいいんじゃないかと思うけれども、なかなかしない。支所を設けることはできるんだけれども、設けないですな。できるだけ検査なんてのは追い込めとこうという考え方のようですね。だから、いま農林省の考え方もそういう考え方なきにしもあらずという気がいまの県のほうのことを聞きますとある。ですから、いまこういう状態になってきているわけですから、やはり法律に命ずる検査体制というものを、国の場合においても、県の場合においてもはっきりさせるという必要があると思うのですよ。そして、県におる職員というのは、いまお話のように、一県に六人ぐらいなんですね。ですから、それより、いま言うように、やっぱり人件費についても補助をするとかいうような形で補助をするというような体制をとって、やはり検査の体制、行政庁の検査の体制というものをはっきりさせていくという体制を私はとる必要があるというように思いますね。その点についてひとつ農林大臣の話を承っておきましょうかね。
#130
○国務大臣(長谷川四郎君) 先ほど埼玉県のお話も承りました。しかし、何としても検査体制というものはもっとしっかりしたものをつくらなければいけないというようにも考えております。この間もだれかの御質問にお答え申し上げたのですけれども、そういうような今後の不正事件を防止するためには、一応中央会の役員が、新役員ができましたらば、私はさっそくその役員と会いまして、そして今後の不正事件をいかに防止するかというような点については十分検討を加えてもらわなければならぬし、加えるべきである、そして私どもの持っている意見を率直に申し上げていきたい、こういうふうに考えております。しかし、いませっかくの鶴園さんのお話でございますが、その点については、十分検査をする方法というものは考えなければならぬというふうに考えております。
#131
○鶴園哲夫君 大臣は米価を押えたという仕事をなさったのですけれどもね、どうもいまの話を聞いているとぴんとこないですね。局長のアドバイスが悪いのじゃないですか。たいへん悪いですよ、いまの話は。私は行政庁の検査体制というのも問題があるということを言っているのです。それについて、体制をもう少しはっきり確立をしていく必要があるのではないかということを言っているわけなんです。局長もうまくアドバイスしなければだめですよ、大臣は何から何まで知っているわけではないですからね。同情いたします、これは。
#132
○国務大臣(長谷川四郎君) ほんとうに、先ほどもちょっと私が触れたのですけれども、銀行あたりはどんな大銀行であっても、支点はある程度の金額、一定のきまった金額を貸し付ける場合には、必ず本店のその承認を求めた後でなければ貸し付けばいたさないのです。ところが現在の農協は、単協がかってに貸し付けられるような制度になっておられるというところにも、そこにも一つの欠陥があるだろうと思っている。ほんとうにずぶの金融のしろうとが、はたして人の信頼、ことばだけの信頼の上に立って行なうところにも大きな間違いがあるだろう、こういうふうにも私は考えておるのでございまして、そういうような点についても自発的にもう少しやってもらいたい。行政的な面の指導につきましては、もちろん行なわなければなりませんで、われわれの農林省としても絶対責任はございます。こういうような点については、何とかまあ農協法を通していただいておいて、ゆっくり後日に検討を加えるつもりでございます。
#133
○鶴園哲夫君 局長も答弁をしてもらいたい。
 それからもう一つ、先ほど私が出しました「不正事件の温床をなくせ」というその「論説」の中に、農協の中央会――全中ですね、全中が近く農協の監査基準を検討するための機関となる委員会を設けて、そして監査の実施に積極的な態度を出すという、こういう全中、県中の行なう、つまり農協内部の監査に対して、政府も援助できる面があれば積極的に援助すべきではないかというふうに思いますが、その二つについて答弁を求めます。
#134
○政府委員(池田俊也君) 国あるいは県におきます検査体制の問題、私は率直のところ非常にこれは大事な問題で、現状は必ずしも満足すべきものではないわけでございます。かつて産業組合当時におきましても、国なりあるいは県の検査のほかに、さらに自治監査法という特別な法律までつくりましてやった経緯もありますし、産業組合の事業の発展というのは、ひとつはやはり検査が非常にしっかりしていたという面も確かにあったと思うわけでございます。極論すれば、協同組合行政の半分は検査であるという言い方さえできるわけでございまして、そういう意味では確かにいまの事態からみますと、今後相当新しい観点で体制を立て直していくということが必要でございまして、実はいろいろ内部でいまそれについての討論をいたしているわけでございます。ただひとつ弁解じみますが、まあ県に対する補助というようなものが非常にむずかしい状態に最近だんだんなってきておりますので、その点で非常に実は苦慮しているわけでございます。
 それから、後段の問題でございますが、これは確かにいま中央会でそういうものを検討いたしておりまして、私どもも御相談に乗っております、これは。したがいまして、できました結果につきましては、当然私どもの考え方と調整したものができると、こういうことに相なっておるわけでございます。
 なお、中央会の行ないます監査計画、これは毎年度計画をきめてやっているわけでございますが、その計画を立てる場合にも、私どものほうの計画と十分突き合わせをいたしまして、うまくそれがマッチするような形で実はやっているわけでございますが、その点については、さらに私どももそういう連絡を密にしてやっていきたいと考えておるわけでございます。
#135
○鶴園哲夫君 行政庁の行なう検査の体制について、衆議院のほうの附帯決議がこれについてはついているわけですが、こういうときでありますから、はっきりやはり前進させるようにぜひ善処してもらいたい。
 なお、これは全中なり県中が行なう単協の監査については、自己監査については問題がありますね、これは。ですから、全中なりそれから県中の行なう監査について、とにかく積極的に取り組むという姿勢になっているわけだから、国が援助できるものがあれば、積極的に援助していくという体制をとって、行政庁と協同組合がともに不正をなくしていくという点に努力をすべきだと私は思いますが、大臣にそのおつもりで善処を要望いたしておきます。
 それから次は、これは全購連のサイトの問題ですね。資料をいただきました全購連のよく言われますサイト問題、それからトンネル共販、眠り口銭と言われる全販連の問題ですね。この二つについてはっきりさせておきたいわけなんです。前回、この点について局長も大臣も相当前進した回答をしておられるわけです。おられるわけですが、もう少し突っ込んで論議をして、さらにはっきりさせた考え方を示しておいてもらいたい。全購連の四十年のサイト、それは二十億幾らある。その中の十三億というのは奨励費として出している。実はその奨励費の内容は何だということで、奨励費の内容が出てきましたですね。何ページでしたか、奨励費の内容が出まして、事業奨励費三億八千万円、教育研修費二億四千万、情報宣伝費二億三千万、計八億五千万――これは奨励費は十三億になっているのですよ、四十年度のあなたのほうの出されたやつには。これは八億五千万になっていますね。これはいつのやつかな。まあこれでいきましょう、この八億幾らというやつで。これはインチキじゃないでしょうな。前にいただいた資料には、奨励費として、ぼくは十三億だと思っておったのだが――十一億ですね。まあいまのこれでいきましょう。いまおたくが出されました資料の何ページですか、事業奨励費、教育研修費それから情報宣伝費とありますが、これについて二つお伺いします。
 一つは、この内容、中身は一体何か。それからもう一つは、県連の段階で同じようなサイトがあって同じような奨励費を出しているというふうに思うのですね。この二つですね。というのは、前もって言っておきますが、この奨励費はあまり芳しくないうわさが高いのです。いま、御承知のとおり、内輪の話をすれば、共通役員制といったいろいろこれは問題がありまして、農協内部にあってもいろいろ問題がある。そういう中でいろいろ私どもが聞きますことは、これがいけないのです、この奨励費が。全国連の場合における奨励費、それから県連における奨励費、これがあまり芳しくない話が出る。ですから、私はそういう芳しくない話を聞くから、中身を示してください。中身を説明してください。まさか私の知っていることを局長が知らぬはずはない、私はそう思っているのです。われわれが知っていることを担当の局長が知らぬことはない。中身を説明してください、何に使っているか。
#136
○政府委員(池田俊也君) どうもこの全購連の決算の関係と、前回お出し申し上げました事業金利との突き合わせが非常にはっきりいたしませんので、はっきりしないというのは読みにくいわけでございまして、恐縮でございますが、ちょっと私のほうから御説明申し上げますと、前回十一億円サイト等との関係で、買いに対する期前決済の奨励金が出ているというお話を申し上げたわけでございますが、これは実はいまおあげになりました奨励費とは関係がないわけでございます。と申しますのは、次のページ、七ページをおめくりいただきますと、そのところに「その他損益」というところがございまして、その中に「支払利息」というところがございます。その中で「事業支払利息」というのが十五億何がしあるわけでございますが、その中に十一億円の期前決済の奨励金が入っている。いわば利息扱いみたいなかっこうで経理をしているわけでございますが、いまおあげになりました八億五千六百万という奨励費は、それ以外の奨励費と、こういうことに御理解をいただきたいわけでございます。
 それで、それならば八億五千六百万の奨励費の内訳いかん、こういうことでございますが、これはそこに書いてございますように、三項目あるわけで、事業奨励、教育研修、情報宣伝と、こういうことであるわけでございまして、内容はいろいろございますが、たとえば事業奨励費でございますと、たとえば具体的に申し上げますと、農機具、石油その他の施設に対する助成であるとか、あるいは試験費の助成であるとか、あるいはその他いろんな組織化の費用に対する助成でございますとか、いろいろあるわけでございます。それから教育研修費に対する助成といたしましては、これまたいろいろな項目がございまして、映画の制作費について助成をするとか、見学、表彰費に対する助成とか、いろいろございます。それから情報宣伝につきましても、まあ普及情報宣伝のための印刷物に対する助成とかいろいろそういう内容はあるわけでございます。
#137
○鶴園哲夫君 もう一つ県の段階。
#138
○政府委員(池田俊也君) それから申し落としましたが、県の場合は奨励金、たとえばサイトの関係等の的確な資料がございませんので、この前お出し申し上げました資料では受取利息と支払利息の状況をお出し申し上げたわけでございまして、受取利息といたしましては全国で二十二億円ほどのものがございまして、これはやはり全購連等における奨励費の扱いにほぼ近いものが行なわれているように私どもは承知をいたしております。
#139
○鶴園哲夫君 これは局長ね、私は若干言いにくいことまで言ったわけなんだから、もう少し局長も腹を割って話をしてもらうと都合がいいんだけれども、そうもいかない面もあろうかと思いますが、ですが、私はこの奨励費については先ほど申し上げたように、全国連の場合のこういうサイトから出てくる奨励費については非常に問題がある。
  〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
さらに県の段階におきますサイトから出てくる金の、二十数億ある金の中から出る奨励費というものについても非常に問題がある。もっとこういう点もはっきりしないと、社用族、ここにいう社用族が横行するという表現になるわけですよ。社用族が横行するということになるわけですよ。横行なんです。百鬼横行のあの横行です。ですから私はそういう意味で、この点については十分ひとつ政府としても注意しておいていただきたい。農協は農民のためにあるわけですから。どうも、こういうものは本来利用高配当によって組合員に還元すべき性格のものなんです。それがこういう奨励費という形で出されるということ自体にも問題があるし、しかもそれがいろいろ言われるようなことでは、これはもう農協の大原則を忘れているというふうに言わなきゃならないと思うんですね。ですからこの件についてはよくひとつ、これは先般、こういう余剰金の場合にあっては利用高配当という農協の協同組合の原則によって処理するという方向にいくべきだという発言がありましたですね、局長の。いいですか、そういうことで。
#140
○政府委員(池田俊也君) いまこのサイトの関係から出てきます金を奨励金というようなかっこうで出しておるわけでございますが、考え方として非常に複雑なかっこうになっておりますので、それはむしろもっと明確にして、利用分量配当という形もあり得ましょうし、あるいは購入価格の引き下げというような方向に使う方法もありましょうし、あるいは組合員に売り渡しする価格を引き下げるということもございましょうし、いずれにしてももう少し明瞭にしたほうがいわばガラス張り的なことになるので、いまみたいな複雑な方法が必ずしもよいわけじゃございませんから、そういう方向でいろいろ努力をする必要があるのではないかということを実は申し上げたわけでございます。確かに私どもがいろいろ検査等で指摘をしておる事例があるわけでございますが、奨励費というのがどうも内容がはっきりしないというような点がございますので、やはり極力そういうものはもっとはっきりしたかっこうに整理をし、あるいはどうしてももちろん要る場合もあるわけでございますが、それはそれなりにやはり基準を明らかにするというような措置が要るのではないか、そういう方向で私どもも指導したい、こういう考えでございます。
#141
○鶴園哲夫君 次にいただいた資料で、米の手数料ですね、これも時間の関係があって……。この米の手数料は、早いこと言いまして、出していただきました資料の一ページにあるやつは、これはもう表題のとおりの数字だけれども、私の要望するものにはこれは全然合わない数字です。無意味の数字です。これはだから論外といたします。もっと言いたい点もありますけども、それは初めにこういう出し方の資料を出された関係があって、今回新しく資料を出される場合に、また同じような方式を採用されたんだと思います。ですからいずれにしてもこれは全然問題にならないし、役所としてこういうものを出すのは恥ずかしいというように思っていただきたい。
 それから三番目の、二ページにありますところの、この中のC方式ですね、これは正しいと思うんですね、C方式。つまり米の集荷手数料ですから、その米の集荷手数料というものがどういうふうに三段階に分かれていくのかという点については、このC方式が私はいいと思うんです。A、Bともいずれもこれはいけない。いけない理由は説明しません。おわかりでしょう。C方式でやった場合に九十四人となっていますね、全販連にあっては九十四名。しかし、この中にありますように米麦一緒になっておりますね。麦も雑穀も入っていますね。ですからそうなりますと九十四名というのはもっと減るんだと思う。そうしますと一人当たり大体六百万円かそこらの手数料になるわけですね。それから経済連は、これもよくわからないんですが、これは百万円くらいの手数料。一人当たり百万円。それから単協は何人おるかわからないけれども、ただ私の言いたいのは、米の集荷というのは九九%は単協がやってるんじゃないか。そしてあと経済連、全販連という事務手続になっているのだ。九九%は単協なんだということをはっきりさして考えるべきじゃないか。食糧庁はこれは農協の問題として取り上げているわけなんですけれども、何せ百五十億という米の集荷手数料が農協に出るわけですから、その手数料のいま言ったような形の処理のし方をしないと、つまり米の手数料というものは九九%以上単協がやっておるのだという点を明らかにして、この百五十何億という金の問題を考えなければならぬのじゃないかという点を私は主張したいわけなんです。その点については、先般も局長から、そういう方向に努力をしなければいけないという答弁もあったように記憶しておるのですが、時間の関係もありますから、続いてもう一つこれと関連して伺っておきますけれども、この間もお示しいたしました家の光協会が出しております「農協五つの問題」――協同組合関係図書シリーズ、この中で眠り口銭というのが書いてある。それからトンネル共販というのが書いてある。一体眠り口銭というふうにいわれあるいはトンネル共販というふうにいわれる内容について、局長にひとつ説明をしていただきたい。
#142
○政府委員(池田俊也君) 眠り口銭とトンネルマージンというのは、非常に近い概念だと思うわけでございますが、私どもの理解では、やはり眠り口銭というのは、全く事業面で何らの関係がなくて、単にいろいろな政策的な配慮等から、ある一定の口銭をそちらに与えるというのが眠り口銭である。トンネルマージンというのは、一応曲がりなりにも事業としてはそこのところを通りまして、ただ実質的にはあまり仕事をしていないでマージンをとる、こういうのがいわゆるトンネル・マージンで、私どもは非常に似てはおりますけれども、一応概念的には違うのじゃなかろうかということで、農協の場合にはあるいはトンネル・マージンというふうに見られるものが全くないとも言えないと思いますが、眠り口銭というものはないのではないかというふうに一応考えております。
#143
○鶴園哲夫君 これを見ますと、非常に詳しく書いてあるのですよ。眠り口銭、いまの局長の定義はりっぱですね。眠り口銭とこのトンネル共販は。これによりますと、総合農協中央卸売市場に出すその場合には、県連も全国連も通じない仕切り書がくる。仕切り書の中には全域連の手数料が引いてあって、経済連の手数料が引いてある。こう書いてある。全然通じないくだものとか、青果物あるいは畜産関係のいろいろなやつですね。たとえば神奈川の単協が自動車で個々の中央卸売市場に卵を持ち込む。仕切り書が出る。どこも通っていないのだが、全敗連の手数料が引かれ、経済連の手数料が引かれるというシステムですね。そういうものを私は直さなければいけないというふうに思うのです。もちろんこういう体制をとられたのは、これは全販連にしても経済連にしても、再建整備でたいへん苦労された。そのときにこういうシステムができたのだろうと思うのです。ですから、今日こういう制度はあくまで残しておくということはよくない。だから自然の形の手数料に直してもらいたい。これは相当なものですよ。ここに書いてあることは実にいいことが書いてあります。ですから、こういうのはおかしいですよ。何にも通らぬのに手数料はぱっぱ、ぱっぱと引かれているというようなシステムですね。これは改めるべきじゃないかな。というのは、最近大型農協、この間もやりました大型農協が経済連も県連も困る、直接全国連につながるということを主張し始めておる。盛んに主張しておるということは、この問題が一つ大きくあるということは御承知のとおりですよ。大きくなった農協のメリットがないじゃないか。経済連に手数料を取られてしまう。中間マージンを防ごうということじゃないですか。あるいは長野の五大協といわれる大きな協同組合が、もう直接全国連に入りたいとか、手数料は経済連に渡さないとか決議をやったでしょう。あるいはまた弘前の大型農協が政府に直接米を売りたい、経済連を通さない、もちろん全販連も通さない。直接政府に米を売りたい。政府はこれを拒む理由は何もない。こういうようなことですね。あるいは滋賀の農協も、かつては二百何十の単協があったけれども、いまや七十ぐらいの単協になってしまった。したがってこれはもう全県一つの協同組合にしたほうがいいのじゃないかという論議が行なわれていることは、こういう中間的なトンネル口銭なり手数料問題が非常に大きくあるわけですね。私は、単協というのが農民の組織としてあるのだから、それにサービスをする機関として経済連があり全販連がある。いまさか立ちしちゃって、単協が経済連にサービスをするような、全販連にサービスをするようなさか立ちの形になっているわけですね。手数料なんかに明確に示されているわけですよ。そうして裏側には、奨励金というような形によって妙な形になるというようなことになっているわけですから、ですから、いまの米の手数料の問題も大きな一つの問題である。私は政府が持っている金だから、政府が支払う金だから、その点については政府としてもっとしっかりした態度をとるべきだ。同時に、いま言う眠り口銭なりそれからトンネル共販といわれるようなものは是正をしていくという方向に指導し、あるいは協議をしていくべきだと私は思うのですね。そういう点についての局長のひとつ答弁をいただきたいのです。
#144
○政府委員(池田俊也君) 確かに各事業をとりましたときに、御指摘のような事実があるわけでございます。これは私、やはり姿勢としては極力そういうものは正していくというのが当然あるべき方向であるというふうに考えるわけでございます。ただ一つ、これだけは、それぞれ農協の事業を見る場合に、そういうことを考える必要が若干あるのではないかという気がいたしますのは、やはりそれぞれの事業だけでその事業の収支が相償うという形を必ずしも現実においてはとっていない。要するに、ある事業におきましては、確かに一部やや取り過ぎ的なところがある。しかしまた、他の事業をとりますと、連合会がかなりサービスといいますか、むしろ持ち出しみたいなかっこうになっているところがある。全部を総合いたしまして、要するに単協の事業の、単協の利益になる、組合員の利益になるというところにいくのが本来の筋でございますから、やはりそういう面も一面では考える必要があるのではなかろうか。そうは言っても、しかしあまり極端にそれぞれの事業の面においてトンネル・マージンとか云々といわれるようなことがありますことは、これはやはり組合員あるいは会員の間に非常に不満を起こす原因でもありますから、方向としては極力是正をしていくべきものであるというふうに私どもは考えております。
#145
○鶴園哲夫君 これは局長、確かに前半に答弁があったことはこれは否定できない。そういう事実はあります。ですが、いま局長が後段にお答えになったように、これはこういう形に置いておきますと、これはやはり県連は要らぬということになってきまして、要らぬのかもしれない、どうなのかよくわからないのですが、ただ米の問題にしても先ほど私が申し上げたように、経済連は要らぬ、全販連も要らぬ、直接政府に売ると、こういう主張をしているわけですね。それを拒む理由はまた政府も何もないわけです。直接売ればいい。拒む理由は何もない。あるいは大型農協が直接全購連に入るということも、これは拒む理由は県中としてはないし、法律上何らの拒否する理由はない。加盟脱退の自由というのがあるのです。入っていい。ただ、農協自体のいろいろな組織上の問題もありましょうから、そういう面からの点があるだけの話であって、しかし、そういうものも手数料の問題なりやみ口銭の問題なり眠り口銭の問題というものがあって、強く出てくるわけですね、こういうものが。それだけではなくして、私は、農協というのは本来こうあってはならないというふうに思っているわけですよ。ですから、具体的にどういうふうになさるおつもりですか。米の問題を私は三回にわたって取り上げた。もう四回になりますね。米の手数料が、農協に四十二年で約百五十何億の手数料。その手数料について単協、それから県、全国という、これをどういうふうに具体的に是正するようなことに持っていきますか。それからやみ口銭あるいはトンネル共販あるいは眠り口銭といわれる、単なる、通りもしないのに手数料だけ天引きされてしまうというシステム、それを具体的に是正していく、そういう方策を聞きたいわけです。
#146
○政府委員(池田俊也君) これは、単に私どもがそういうふうに考えているわけではなしに、やはり農協自体としてもかなりの期間をかけまして、内部的な検討をやりました結論としても、非常に抽象的な表現ではございますけれども、ほぼ私どもが申し上げたことに近いような結論が出ているわけでございます。したがいまして、あと問題は、要するにそれを実行するという問題なんで、まあいまの米の問題あるいはその他の青果物の扱いの問題等ももちろんでございますし、それから私が申し上げましたように、たとえば全購なり、なら全敗をとりまして、全体の事業の収支といいますか、内容を明らかにした上で結論を出さないと、一つの事業項目だけで結論を出すわけにはいかない面もございます。したがいまして、そういう点について、私どもは今後やはりそういう農協のほうと連絡を密にしながら、必要な指導を加えながらそういう方向に逐次実現を見ていくという以外に実は端的な方法というものはございませんわけで、非常に迂遠なようでございますけれども、やはり根が深い問題でございますから、逐次そういう方向に理解を深めて、農協にも努力をしてもらうということであろうと思うわけでございます。
#147
○鶴園哲夫君 私はもうこの問題を、サイトの問題にいたしましても手数料の問題にいたしましてもあるいは経済連の問題にいたしましても、種々いままで論議してきたわけなんですが、それは農協がさか立ちしているという点に基本を置いて私は主張しているわけなんです。農協のために農民があるような形であってはならない。全国連があるために単協があるようなそういう形であってはこれはさか立ちして困る。さらに農協に従事している者で、全国連に従事している者、県段階に従事している農協の職員、単協に従事している職員の処遇関係があまりにも格差があり過ぎる。同じ農協運動に従事しているにもかかわらず、単協の賃金というものは全くお話にならない。私に言わしむれば、全国連の下請が県連であり、県連の下請が単協である。下請よりもっとひどい賃金だ。そうじゃない、農協の根源は単協にあるわけだから。それであるのに賃金なんというものはひどいものです。それは何がゆえにそういうことになっているのかといえば、農協がさか立ちしているのじゃないか。手数料の問題を取り上げてみても、サイトの問題取り上げてみても、何を取り上げてみてもさか立ちしているのじゃないか。だからそういうものを是正しなければ農協運動というものは大地に立たないし、農民の上に立たないし、農協運動に従事としている者もこれは本来のたてまえに立たないのじゃないかという主張をしているわけですね。
 最後に大臣の答弁と局長の答弁を伺いたい。まず最初に局長から答弁したほうがいいですな。そのあと農林大臣、ひとつお願いします。
#148
○政府委員(池田俊也君) ただいまのような御指摘、確かにそういう傾向が一部にあるわけでございまして、私どもも大規模農協の問題がいろいろ起きてきたというようなことの背景には、当然そういうことがあるわけでございますから、もちろん連合会は連合会としてのなかなか事業実施上のむずかしい点はありますけれども、そういう不満が出てくるということについては、これは率直に反省をする必要があるわけでございまして、そういう方面に努力をするという機運にはなってきていると思うわけでございます。どうもそういう方面については、さらに強力に農協の指導をいたしまして、現状がそういう方向に向かって是正されるように努力をしたいと考えております。
  〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
#149
○国務大臣(長谷川四郎君) 私もなかなかむずかしくて答えられませんけれども、現在のようなあり方でいいか悪いかという点になれば、私は是正しなければならないときがまさに来ているだろう、これだけははっきり申し上げられると。したがっていまのような二段階、三段階、どちらがいいかという点については、十分検討しなければならぬ。したがってこの組織の中において、さらに検討を加えてもらうということが一番大切なことだろう。それを中心として、またわれわれも相手をいたしまして、そうして是正すべきものは十分是正していく、またしなければならないときが来ている、このように私は深く感じております。
#150
○鶴園哲夫君 種々農協の問題を取り上げてまいって、それについての答弁もいただいたわけですが、どういう状況に進んでいるのか、御答弁になったようなことがどういう形に進んでいるかという点について、機会を見て重ねてひとつ、この委員会で質問したり審議したり論争したいというふうに思っております。
#151
○国務大臣(長谷川四郎君) まことに申しわけありませんけれども、国会が開会中は何としても毎日こう追い回されておりますので、とても会うときなんていうものは一日に一時間もあるものじゃないのでございまして、国会を終えてからでなければ、いろいろいままで申し上げたことについての話し合いというようなことは全然できません。したがって国会が一応終止符を打った後において、初めていろいろの折衝をしたい、こういうように考えております。
#152
○委員長(任田新治君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめておきます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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