くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第061回国会 社会労働委員会 第2号
昭和四十四年二月十八日(火曜日)
   午前十時十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十七日
    辞任         補欠選任
     丸茂 重貞君     塩見 俊二君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    理 事
                上原 正吉君
                鹿島 俊雄君
                大橋 和孝君
                上林繁次郎君
    委 員
                黒木 利克君
                高田 浩運君
                徳永 正利君
                山崎 五郎君
                山本  杉君
                上田  哲君
                中村 英男君
                中沢伊澄子君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  斎藤  昇君
       労 働 大 臣  原 健三郎君
   政府委員
       厚生大臣官房長  戸澤 政方君
       厚生大臣官房会
       計課長      横田 陽吉君
       厚生省公衆衛生
       局長       村中 俊明君
       厚生省環境衛生
       局長       金光 克己君
       厚生省医務局長  松尾 正雄君
       厚生省薬務局長  坂元貞一郎君
       厚生省社会局長  今村  譲君
       厚生省児童家庭
       局長       渥美 節夫君
       厚生省保険局長  梅本 純正君
       厚生省年金局長  伊部 英男君
       厚生省援護局長  実本 博次君
       社会保険庁長官  熊崎 正夫君
       労働大臣官房長  岡部 實夫君
       労働大臣官房会
       計課長      藤縄 正勝君
       労働省労政局長  松永 正男君
       労働省労働基準
       局長       和田 勝美君
       労働省婦人少年
       局長       高橋 展子君
       労働省職業安定
       局長       村上 茂利君
       労働省職業訓練
       局長       石黒 拓爾君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○社会保障制度等に関する調査
 (厚生行政の施策に関する件)
 (昭和四十四年度厚生省関係予算に関する件)
○労働問題に関する調査
 (労働行政の施策に関する件)
 (昭和四十四年度労働省関係予算に関する件)
    ―――――――――――――
  〔理事大橋和孝君委員長席に着く〕
#2
○理事(大橋和孝君) ただいまから社会労働委員
会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十七日、丸茂重貞君が委員を辞任さ
れ、その補欠として塩見俊二君が選任されまし
た。
    ―――――――――――――
#3
○理事(大橋和孝君) 理事補欠選任の件について
おはかりいたします。
 ただいま御報告いたしました委員の異動に伴
い、理事が一名欠員となっていますので、この
際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により委員長
にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異
議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○理事(大橋和孝君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に上原正吉君を指名いたしま
す。
    ―――――――――――――
#5
○理事(大橋和孝君) 次に、社会保障制度等に関
する調査及び労働問題に関する調査を一括して議
題といたします。
 まず、厚生行政の施策について斎藤厚生大臣か
ら所信を聴取いたします。斎藤厚生大臣。
#6
○国務大臣(斎藤昇君) 第六十一回国会における
社会労働委員会の御審議に先立ちまして、この機
会に厚生省所管行政に関し、一言申し述べたいと
存じます。
 私は、昨年十二月当委員会において所信の一端
を申し述べましたが、自来その考え方により昭和
四十四年度予算の編成に努力いたしてまいりまし
た。その内容はいずれ予算審議の際等に御説明申
し上げまして、御審議をわずらわしたいと存じま
すが、いま、その概要に触れつつ、厚生行政の当
面する主要課題について申し上げたいと存じま
す。
 まず、第一に、医療保険の問題でありますが、
制度の抜本的改革につきましては、関係各方面の
調整と相まちまして、早急に政府案を作成して御
審議をお願いいたしたいと考えておりますが、今
日の段階ではまだ目鼻がつきかねております点、
はなはだ申しわけないと存じておるのでございま
す。
 他方、一昨年御審議いただきました健康保険法
及び船員保険法の臨時特例法は、本年八月末を
もって失効いたしますので、抜本対策が実現する
までの間、暫時、この特例措置を延長さしていた
だきたいと考えておりますので、何とぞよろしく
お願い申し上げます。なお、医療保険における分
べん給付の改善、日雇健康保険法の改正は、抜本
改正と切り離してこの際行ないたいと考えており
ます。
 第二に、年金制度につきましては、人口構造の
老齢化傾向にかんがみ、所得保障に対する国民の
関心も高まっておりますので、厚生年金、国民年
金両制度を通じ、いわゆる二万円年金を実現いた
すべく、大幅な改善をはかる所存でございます。
また、福祉年金につきましても、年金額の引き上
げ、所得制限の緩和のほか、懸案の夫婦受給制限
の撤廃等をはかる所存でございます。このため、
今国会に関係法案を提出いたしたいと考えており
ます。
 第三に、公害対策につきましては、明年度にお
きまして被害救済制度及び紛争処理制度を確立す
るため、今国会に関係法案の提出を予定いたして
おります。また、有機水銀等による環境汚染の調
査、環境基準の設定及び公害防止計画に関する基
本方針の策定につきまして、引き続き努力を重ね
てまいりますほか、公害防止事業団融資の改善を
はかり、公害防止対策の実効を期してまいりたい
と考えております。
 第四に、社会福祉の分野では、まず、生活保護
につきまして、国民の消費水準の向上、消費者物
価の上昇等を考慮して、生活扶助基準を一三%引
き上げますとともに、各種扶助の改善をはかるこ
ととし、また、老人、心身障害児等に対しまして
は、きめこまかくあたたかい配慮の手が届くよ
う、施設の整備、運営の改善その他福祉施策の一そうの拡充をはかってまいる所存でございます。
 特に、近年における老齢人口の増加、核家族化傾向等に伴い、老人福祉対策の推進が焦眉の問題となっておりますが、明年度は、特にいわゆる寝たきり老人のため、特別養護老人ホームの増設をはかりますほか、家庭奉仕員の大幅増員、訪問健康診断の実施等の居宅対策の強化を考えております。
 次に、心身障害者対策といたしましては、重度の障害児のための施設整備の推進をはかるほか、新たに、親なき後の心身障害児の生活安定のための心身障害児扶養保険制度について、助成とその合理的運営をはかるための措置を講ずることといたし、また、身体障害者福祉対策として、在宅の重度障害者のための援護措置の充実、国立補装具研究所の新設等を考えております。
 このほか、母子保健対策の面では、健康な子を産み、そして健康に育てるための条件づくりを進め、また、保育対策として、保育所の増設、保母の増員等、施策の強化をはかることといたしております。
 なお、中高年寡婦福祉対策として、新たに、福祉資金貸し付け制度を考えておるのでございます。
 第五に、保健衛生の面では、ガン対策、脳卒中予防対策等の成人病対策、結核対策及び精神衛生対策を推進するとともに、交通事故等による傷病の急増に対処するため、救急医療センターの整備、医師の研修等、救急医療体制の拡充につとめる所在であります。
 このほか、昨年発足した医師の臨床研修制度に対する助成措置の拡充、看護職員の確保対策の推進をはかるとともに、らい療養所入所患者のための福祉措置等も講じてまいりたいと考えております。
 第六に、戦傷病者戦没者遺族等の援護につきましては、対象拡大、給付内容の改善等、その施策の充実をはかってまいる所存でございます。また、戦没者の遺骨収集につきましては、引き続き計画的にその実施を進めるほか、昨年復帰した小笠原の硫黄島につきましても実施をする予定であります。
 以上申し上げました事項のほか、厚生行政を推進するにあたりましては、なお重要な課題が少なくありませんので、今後とも各位の一そうの御指導と御鞭撻をお願いする次第でございます。
#7
○理事(大橋和孝君) 次に、労働行政の施策について原労働大臣から所信を聴取いたします。原労働大臣。
#8
○国務大臣(原健三郎君) 第六十一回通常国会にあたり、当面の労働行政の諸問題について一言所信を申し述べ、各位の御理解と御協力を得たいと存じます。
 私は、今後の労働行政の基本的な課題は、次の二つであると考えます。その一つは労働者の能力の開発向上と有効発揮をはかり、労働力の面から経済の安定的な成長を確保することであります。その二つは、労働条件の向上、職場環境の改善、福祉対策の拡充を進めて、労働者とその家族の豊かな生活を実現することであります。
 私は、このような考えに基づいて、積極的に労働行政を推進してまいる所存であります。
 まず、雇用対策について申し上げます。労働力不足の傾向は、最近、経済、社会の全般に急速に浸透してまいりました。しかし、今日の労働力不足は、西欧諸国におけるような完全雇用の状態とは異なり、婦人、中高年齢者等についてなお雇用促進の余地が残っております。国民各層がこの事態をよく認識し、安易に人手にたよる傾向を是正することが肝要であり、すべての労働者がその能力を十分に生かすことができるよう、経済の効率化を促進しなければなりません。これとあわせて、今後は、労働力不足時代にふさわしい雇用対策を展開することといたします。当面は、重要産業、特に輸出関連中小企業への雇用促進、公共職業安定所の窓口における職業紹介の即時処理化を進めてまいります。
 中高年齢者、家庭婦人、身体障害者については、その特性に応じた職業への就職を促進いたします。特に家庭責任を持つ中高年齢婦人については、安心して職業生活を送ることができるよう諸条件の整備をはかってまいります。
 失業対策事業については、来年度も就労者の賃金を一二%引き上げることといたしました。これと相まって失業対策事業の運営管理が適正に行なわれるよう、引き続き努力いたしたいと思います。
 今後の石炭対策のあり方につきましては、さきに閣議決定を行ないました。労働省といたしましては、この閣議決定の趣旨に沿って、石炭鉱業の雇用確保、離職者に対する援護、産炭地域の雇用安定等の諸施策を講じてまいる考えであります。
 最近、生産現場の中核をなす技能労働者の不足は著しく、昨年の不足数は、百八十四万人にも及んでおります。また、技術革新が急速に進展するにつれて、生産設備の近代化が進み、技能労働者の職務内容にも質的な変化が見られるようになってまいりました。
 このような事態に対処するためには、職業訓練制度を時代の要請にこたえ得るよう刷新整備することが緊急の課題であります。このため、昨年七月の中央職業訓練審議会の答申に基づいて、現行職業訓練制度を全面的に改正し、整備するため、職業訓練法の改正法案を今国会に提出し、御審議願うべく、目下準備を進めているところであります。これとあわせて、公共職業訓練所の拡充、事業内職業訓練に対する助成の強化、技能検定の飛躍的な拡大実施をはかることといたします。なお、昭和四十五年にわが国で開催される技能オリンピックについても、所要の準備を進めてまいります。
 以上のような施策を通じて職業訓練行政を質量ともに拡充してまいりたいと思います。
 労働災害の発生状況は、逐年減少の傾向をたどってまいりましたが、いまなお年間六千人に近い死亡者を含め、多数の死傷者が発生しております。しかも、最近、災害発生率の減少領海が鈍化し、まことに遺憾にたえないところであります。しかも、今後は、高年齢労働者や未熟練労働者の増加から、災害が増加するおそれがあり、楽観を許さない状況であります。
 労働災害の防止は、労働行政の最重点課題であります。今後も一、労働災害防止基本計画の線に沿って、科学的な労働災害の防止対策と職業性疾病の予防対策を、積極的に進めてまいります。
 労働者の労働条件は、全体として向上してまいりました。しかし、労働災害の防止や中小零細企業における最低労働条件の確保はまだ十分ではありません。労働基準行政の推進については、今後とも一そう努力いたしたいと思います。
 家内労働対策については、昭利四十一年以来、家内労働審議会に対して、総合的家内労働対策の樹立について審議を願っていたところであります。昨年十二月答申を得ましたので、これに基づいて今国会に家内労働法案を提出し、御審議いただくことといたしております。法制的措置を含め、今後実効ある家内労働対策を強力に進めてまいる考えであります。
 最低賃金制については、改正最低賃金法に基づいて、わが国の実情によりよく即応した効果的な最低賃金の普及に努めているところであります。最低賃金制の基本的なあり方については、目下中央最低賃金審議会において検討を願っております。答申が得られ次第、これを尊重して、所要の措置を講じたいと思います。
 勤労者の生活を長期的に安定するためには、勤労者財産形成政策を推進することがきわめて重要であります。今後も、持ち家取得を中心として、勤労者財産形成政策を積極的に進めてまいりたいと考えております。
 失業保険及び労災保険制度についても、失業保険法と労災保険法の一部改正法案、両保険の適用徴収事務を一元化するための法律案、及びこれらの法律の施行に伴い関係法律の技術的整理を行なうための法律案を今国会において御審議いただくことといたしております。その内容は、五人未満事業所への適用拡大をはかるとともに、失業保険給付の改善と制度の健全化をはかり、あわせて両保険の適用徴収事務を簡素化するための事務処理の一元化を行なうことであります。労災保険制度の改善につきましても、労災保険審議会において本格的な検討を願っているところであります。審議会の今後の審議状況を参酌しつつ、具体策を検討してまいりたいと考えております。
 勤労青少年は、明日の日本を支える原動力であります。心身ともに成長期にある勤労青少年が、健全な職業人、社会人として成長することができるよう、職業安定機関と学校との連携を強化し、職業選択から就職後の生活設計にわたる一貫した総合的な施策を進めてまいります。
 最後に、労使関係について申し上げます。組織労働者の増加に伴って、労使関係の動向が、政治、経済、社会の各般に大きな影響を及ぼすようになってまいりました。今後の複雑な内外諸情勢を考えるとき、労使関係の安定は、従前にも増して強く要請されるのであります。
 私は、労使が経済社会の発展のにない手として、相互の立場をよく理解することが肝要であると考えます。そして、労使が、国民経済的視野から、良識をもって、賃金問題をはじめとする労使間の諸問題を、話し合いで、自主的に解決することを期待いたします。私としても、そのような気運の醸成に最大の努力を払ってまいります。
 以上、当面する労働行政の諸問題について私の所信を申し上げた次第であります。これまでの著しい経済発展に伴って、就業構造の近代化が進み、労働行政の対象である労働者とその家族はすでに国民の大部分を占めるに至りました。内政における労働行政の比重は、一段と高まってきております。このような労働行政の重要性に対応し、労働行政の課題をよりよく達成するためには、中央と地方が一体となってその行財政の力を十分に発揮できるよう労働行政全体の総合的な運営をはかる体制を確立することが不可欠であります。このような観点から、労働省においては、昨年来、労働行政機構の抜本的な改革について検討を加えてまいりました。昨年十一月、労働大臣、自治大臣、行政管理庁長官の間において改革の基本的事項について合意に達したことは御承知のとおりであります。目下、この合意に基づいて、関係各省との折衝を重ねつつ、労働省設置法その他関係法の改正案を整え、今国会において御審議いただくべく準備を進めております。各位におかれても、今回の労働行政機構改革の趣旨をよく御理解いただきまして、格段の御協力を賜わるよう切にお願い申し上げる次第であります。
 今後の労働行政の推進にあたりましては、各位の御意見を十分拝聴しつつ、一そうの努力を払ってまいりたいと思います。何とぞよろしくお願いいたします。
#9
○理事(大橋和孝君) 次に、昭和四十四年度厚生省関係予算について、政府に説明を求めます。横田会計課長。
#10
○政府委員(横田陽吉君) お手元にお配りしてございます「昭和四十四年度厚生省所管予算案の概要」に基づきまして、厚生省所管予算についての概略を御説明申し上げます。
 最初に、予算規模について申し上げます。
 一般会計につきましては、昭和四十四年度要求額は九千三十九億三千二百万円でございます。前年度予算額七千六百八十六億七千五百万円に対しまして千三百五十二億五千七百万円の増加でございます。伸び率で申しますと、前年度に対しまして一一七・六%に相なっております。
 特別会計につきましては、厚生保険特別会計をはじめといたしまして五つの特別会計を所管しておりまして、それぞれの歳入、歳出規模は、この資料の三〇ページ及び三一ページにしるしてあるとおりでございます。
 次に、主要経費の概要を順次御説明申し上げます。
 保健所対策費については、前年度に対して八億七千七百万円の増額でございまして、新規事項といたしましては、脳卒中の死亡率の高い地方における検診のための経費を計上したことでございます。
 原爆障害対策費につきましては、前年度に対しまして十四億八千八百万円の増額でございます。数項目の新規事項がございます。その内訳は、白内障を医療費の対象にしたこと、被用者本人の一部負担を公費で肩がわりすることにしたこと、特別手当の、所得税額一万七千二百円という所得制限を緩和しまして所得税額二万三千円以下の者に対して月額五千円の手当を支給することにしたこと、特別被爆者に対して一万円の葬祭料を支給することとしたこと、及び数日間収容して健康診断を行なうための施設を現に存する広島のほかに長崎にも一カ所増設することとしたことでございます。
 日本脳炎特別対策費につきましては、五千百万円の増額でございまして、この疾病が死亡率のきわめて高い疾病であることにかんがみまして、予防接種の対象人員を大幅に増加するとともに、より効果の高いワクチンの開発のためウイルスの型の同定を行なうための基礎的に重要な研究を実施することといたしましたが、そのため三千八百万円の経費を計上いたしております。
 精神衛生対策費につきましては、対前年度二十七億九千七百万円の増額でございます。その内訳は、措置入院及び通院につきましてそれぞれ三千人及び二千人の人員増を計上いたしておりますし、病床増設のための補助金を相当額増額しております。そのほか、患者の社会復帰の促進をはかりますために、収容治療とのかね合いを検討するための調査費の計上とか、在宅患者の地域社会における管理の適正を期するため相談員の資質向上をはかるための経費などを計上いたしております。
 結核対策費につきましては、前年度に対しまして二十三億二千百万円の増額でございまして、おおむね従来施策を踏襲して、医療費の増加分に見合う所要額を計上いたしております。
 らい予防対策費につきましては、前年度に対し五億四千万円の増額でございます。主要事項は、入所患者の福祉向上のために患者慰安金の増額をはかろうとしておるほか、特に不自由者に対して不自由者慰安金を月額二百五十円から千七百円に大幅に増加するなどによりまして、その処遇の積極的改善をはかろうといたしております。
 水道事業対策費につきましては、前年度に対しまして十億二千五百万円の増額という大幅な増額計上になっております。上水道の水源開発につきましては、地方公共団体の実施分が、八億四千万円から十五億五百万円と、一七九%の大幅の伸び率になっております。水資源開発公団分は、経済企画庁予算の中に計上されるわけでありますが、二億二千九百万円の増額でございます。簡易水道につきましては、三億六千万円の増額で、一二一%の伸び率でございます。
 清掃施設整備費につきましては、前年度に対して三億一千三百万円の増額でございまして、これは四十二年度を初年度とする五カ年計画の三年次分の予算の計上でございます。屎尿処理施設及びごみ処理施設につきまして、それぞれ相当額を計上してございます。
 環境衛生金融公庫費について申し上げますと、三億九百万円の増額でございます。資金ワクを三百五十億円から五百十億円と大幅拡大するとともに、必要な経費を計上いたしております。
 公害防止対策費につきましては、主要事項を申し上げますと、七ページの公害被害救済対策費は、新たに被害者の救済制度を確立することに伴い、そのための国の負担する経費を計上することにしたものでございます。そのほか、水銀、カドミウムなどの特定の物質による環境汚染の調査のための経費、自動車の排ガス及び騒音監視の設備費を計上したこと、大都市保健所三十三カ所に専任職員と測定機器を備えまして保健所に公害対策の第一線業務をやらせることとしたことなどがおもな点でございます。予算額では、前年度に対して一億五千二百万円の増額でございます。また、公害防止事業団につきましては、九十億円から百六十億円と大幅に事業ワクを広げるとともに、四十二年度に引き続きまして中小企業向け貸し付け金利の引き下げを行なうことにいたしております。
 がん対策費につきましては、一億七千六百万円の増額でございまして、おおむね従来施策を踏襲いたしております。
 救急医療対策費につきましては、五千九百万円の増額でございまして、従来施策を踏襲して救急医療センターの整備や医師の研修を実施することなどのほか、交通事故の大型化、広域化などに即応する救急医療体制を整えるための調査費を計上いたしております。
 へき地医療対策費につきましては、一千八百万円の増額でございまして、おおむね従来施策の踏襲でございます。
 医師臨床研修費につきましては、五億九千八百万円の増額でございまして、昨年発足した新しい研修制度をより円滑に実施するために公私立大学附属病院及び指定病院に対する指導経費の補助金額を研修医一人当たり四十万円に引き上げることと、国立病院における研修医処遇の改善を行なうことなどがおもな内容でございます。国立大学附属病院における研修医につきましては、御承知のとおり、国立病院と同様の経費が文部省予算に計上されることになっております。
 医療金融公庫費につきましては、一億八百万円の増額でございまして、事業規模の拡大をはかっております。契約ベースは三十五億円、資金ベースは二十五億円増額することに伴う補給金の計上でございます。
 看護職員確保対策費につきましては、看護婦の供給不足はきわめて深刻な問題でございますが、新生光など新たな需要が生じてまいりますので、この需給のバランスをはかることは焦眉の急務と考えております。このため、修学資金の貸与、養成所の新増設に対する助成、及び潜在看護力活用対策の三つの施策をより拡大することにいたしております。
 医薬品安全対策費につきましては、おおむね従来施策の踏襲でございます。
 民間社会福祉事業育成費につきましては、市町村社会福祉協議会に対する職員設置費の人員増、単価引き上げなど、その活動をより推進するための経費を計上してございます。
 生活保護費につきましては、前年度に対しまして百八十九億四千三百万円の増額でございます。生活水準につきましては、昭和四十四年度の経済見通しによる消費水準の伸び率を参考にしまして一三%アップにいたしております。これによりまして、一般勤労者世帯との格差も相当縮小することになります。そのほか、教育扶助の八%アップをはじめ、各種扶助につきましても所要の改善をはかることにいたしております。
 身体障害者福祉対策費につきましては、前年度に対し六億二千七百万円の増額でございまして、相談員の増員とか、家庭奉仕員の増員など、従来施策の拡充をはかるほか、重度身体障害者の特殊な便器とかふろおけなど、日常生活に必要な設備の助成など、在宅者の援護措置の拡大をはかることといたしておりますともに、諸外国に比べて戦後立ちおくれを示しております補装具の研究開発を推進いたしますため国立身体障害者更生指導所に補装具研究所を附置することといたしております。
 老人福祉対策費につきましては、前年度に対しまして二十五億二百万円の増額でございまして、四十四年度厚生省施策の中で特に重点を置いておるものの一つでございます。老人対策は、あとで御説明申し上げます年金制度の改善という所得保障政策が中心でございますが、そのほかにいろいろときめのこまかい施策が必要とされる分野でございます。したがって、四十四年度には、居宅の寝たきりになっている老人の数は、六十五歳以上の方が四十万人、七十歳以上の方が二十万人と推定されておりますが、これらの方々に対しまして、従来施策の健康診断などでは保健所に受けに来ることができませんので実効があがらないわけですから、医師を派遣いたしまして健康診断をするとか、身のまわりの洗たくなどのお世話をしてもらうとか、家庭奉仕員を派遣いたしますとか、特殊ベッドを貸与するなどという居宅対策を実施するほかに、あとで御説明申し上げます特別養護老人ホームなどの収容施設を大幅に増設することにいたしております。
 地方改善対策費につきましては、五億五千万円の増額でございまして、地方改善事業はその施策が数省にまたがっております。厚生省におきましては、従来から実施しておりますもろもろの施設改善経費につきまして対前年度四〇%の大幅な増額をはかっておりますほか、隣保館の職員の増員などに必要な経費などを計上いたしております。
 社会福祉施設整備費につきましては、前年度に対し七億円という大幅な増額を計上いたしておりますが、特に前に御説明申し上げました老人福祉施設につきましては、従来ベースの特別養護老人ホームの増設のほかに、三億四千万円ほど特にこのために上積みして、おおむね十億二千万円程度の補助金を予定いたしております。
 社会福祉施設処遇改善費について申し上げます。前年度に対しまして四十二億八百万円の改善経費を計上しております。施設職員の給与改善をはじめといたしまして、各種施設の職員の増員などはいずれも緊急に解決しなければならない問題でございます。まず、給与改善につきましては、公私立を通じましてあるべき給与との格差を三年間で解消するなどの所要経費として十七億円新たに計上することとしておりますとともに、職員の増員につきましては、保育所保母定員を、三歳児からゼロ歳児までのきわめて手のかかる向きについて、それぞれ二十五対一を二十対一に、六対一を三対一に改定するととも一に、大幅な増員措置を講ずることとしておりますのがおもな内容でございます。
 一八ページに飛びまして、保育対策費について申し上げます。前年度に対しまして八十一億七百万円という大幅な増額になっておりますが、これは保育所の増設と並びまして措置費の面で保育児童の大幅な増加を認めることにしたためでございます。備考にございますように、前年度に対しまして十万人近い措置児童の数の増加を計上いたしておるわけでございます。
 重症心身障害児(者)対策費につきましては、前年度に対して十一億一千七百万円の増額でございまして、従来施策を年次計画的に推進することといたしております。施設の増設、居宅保護の両面にわたりまして考慮いたしておりますが、施設費につきましては、国立療養所の増設分九百六十床、公・法人立の国庫補助につきまして六百床の増床を見込んでおります。居宅保護につきましては、千五百台の特殊ベッドを計上いたしております。
 進行性筋萎縮症児(者)対策費につきましては、二億三千九百万円の増額でございます。この疾病は学問的にさらに究明する必要がありますので、あとで申し上げる研究費の中に相当の研究費を計上しておりますほか、収容するための病床を国立療養所に二百八十床の増設をすることといたしております。
 心身障害児(者)コロニー設置費につきましては、高崎市の観音山付近に施工中のコロニーは、可能な限り早期に開所することに重点を置きまして、現在施工中の五百五十人収容規模の施設として昭和四十六年一月一日開所を目途に管理棟その他の施設に必要な経費を計上しておるのでございます。
 心身障害児扶養保険制度助成費につきましては、心身障害または精薄の子供を持たれる親の方々の最大の心配は、親なきあとの子供の生活でございます。そこで、なるべく安い掛け金で、なるべく大きい保険金が、信頼できる機構を通じて支給されるために、社会福祉事業振興会に中央機構としての仕事をお願いし、地方公共団体に第一線の仕事をお願いすることによりまして、民間保険会社の行なっておる保険を可能な限り有利に利用する方策を講ずるために必要な経費を計上してございます。
 身体障害児等対策費につきましては、一億三千二百万円の増額でございます。心臓手術の件数を伸ばしたり、フォコメリーに対する新たに開発された電動義手を支給すること、自閉症児に対する治療訓練費を新たに計上することなどがおもな内容でございます。
 精神薄弱者福祉対策費につきましては、六億三百万円の増額でございます。相談員の増員などの施策を推し進め、その他従来施策の拡大をはかるための経費でございます。
 母子保健対策費につきましては、八千五百万円の増額でございまして、健全な子供を産み、そして育てていただくために一貫した施策を行なうための経費をきめこまかに計上してございます。あとで御説明申し上げる医療保険における助産費の増額と並びまして、低所得階層の妊婦と新生児について、一般の医療機関に行かれた場合なども公費負担の対象にすることによりまして、従来、共かせぎなどのために昼間保健所で診断を受けられなかったような不便を取り除き、また、児童相談所の機能を活用して、精神発達の程度について精密検診を行なう必要のある児童の検診を行ない、自後の措置の合理化をはかることにより精薄児福祉対策を前進させることといたしております。
 寡婦福祉対策費につきましては、新たに、戦争あるいは交通事故による未亡人に対する生業資金その他の貸し付け制度を創設することといたしておりまして、補助率三分の二の二億でございますから、貸し付け原資は三億円になります。
 国民健康保険助成費につきましては、対前年度五百四十億円の増額になっております。大部分は、医療費増高に伴う四割五分の国庫補助金の当然増経費でございます。事務費につきましては、市町村超過負担解消の三カ年計画によるものでございますが、大きな事項としては、安全分娩のため助産費を二万円に引き上げることといたしておる点でございます。ただ、これは財政の問題がからみますから、実施可能の市町村から逐次実施いたしまして、三年計画で全市町村について実現を期することにいたしております。
 農民年金問題調査費につきましては、調査費一千万円を計上いたしております。
 年金福祉事業団費につきましては、厚生年金、国民年金の保険料引き上げがなされますので、被保険者の福祉をより充実する必要がございまして、そのため事業規模を百八十億円増額というふうに大幅に拡大いたすことにしております。
 戦没者遺骨処理費につきましては、わが国の領土に復帰いたしました硫黄島において新たに遺骨収集を実施いたしますほか、フィリピンその他で遺骨処理を行なうことにいたしております。
 戦傷病者特別援護費につきましては、備考にございますとおりの改善経費でございます。
 戦傷病者戦没者遺族等援護費につきましては、十五億一千二百万円の増額でございまして、内訳は、恩給関連事項につきましては、恩給に準じた改善を行なうことにいたしておりますし、その他の未処遇の問題につきましては、援護問題懇談会の報告などに基づきまして数項目について改善を実施することにいたしております。
 医療保険国庫負担金につきましては、医療保険の抜本改正は四十四年度には間に合いませんので、特例措置を二年間延長することにいたしておりまして、おおむね従来ベースの国庫補助金を計上いたしております。ただし、助産につきましては、本人二万円、家族一万円への引き上げを予定しておりまして、また、日雇健康保険につきましては、助産を含む給付改善をはかると同時に、段階別に相応の保険料率の引き上げをはかることにいたしております。なお、助産につきまして政府管掌健康保険では千分の一の料率引き上げにその財源を求めております。
 厚生年金国庫負担金につきましては、四十四年十一月から二万円年金を実現するための所要経費を計上いたしております。
 国民年金国庫負担金につきましては、まず、拠出年金は、四十五年七月から夫婦合わせて二万円の年金制度を実現するための所要経費を計上しております。福祉年金は、三つの点にわたって改正を予定いたしております。第一点は、老齢福祉年金について月百円、障害及び母子福祉年金につきましてそれぞれ月額二百円引き上げを四十四年十月から、第二点は、夫婦受給制限の廃止を四十四年十月から、第三点は、扶養義務者の所得制限の緩和を四十四年五月からそれぞれ実施することにいたしております。
 国民年金市町村事務取扱交付金につきましては、市町村超過負担を三カ年で解消する計画に基づき、第二年次分の所要額を計上してございます。
 科学研究費につきましては、厚生行政の性格上きわめて大初なものでございますので、二〇%弱の大幅な増額を見込んでおります。
 児童手当準備費につきましては、児童問題懇談会から本格的構想の報告を受けましたので、関連分野との調整をはかり具体的な実施案を作成するために、懇談会の意見に基づきまして省内に正規の審議会を設置することにいたしたわけでございます。
 国立公園等施設整備費につきましては、八千四百万円の増額でございまして、内訳は、国立公園、国定公園内の施設整備のための経費を相当額増額いたしたわけでございます。
 きわめて簡単でございますが、以上が厚生省所管予算の概要でございます。
#11
○理事(大橋和孝君) 次に、昭和四十四年度労働省関係予算について政府に説明を求めます。藤縄会計課長。
#12
○政府委員(藤縄正勝君) お手元にございます「昭和四十四年度労働省関係予算の概要」という刷り物に従いまして御説明を申し上げます。
 まず、予算の規模でございますが、一般会計は、千百四十三億二千九百万円でございまして、前年度に比べまして四十五億二千六百万円の増額と相なっております。一〇四・一%になっております。
 労災保険特別会計でございますが、千八百七十一億六千七百万円でございまして、前年に比較いたしまして三百七十七億一千五百万円の増でございます。一二五・二%になっております。
 失業保険特別会計でございますが、二千三百八億八千七百万円でございまして、前年に比較いたしまして二百四十億七千万円の増額でございます。一一一・七%になっております。
 最後に、石炭対策特別会計のうち、労働省関係部分でございますが、七十六億三千七百万円でございまして、二十五億四千六百万円の増額、一五〇・〇%と相なっております。
 次に、中身の主要な点につきまして御説明を申し上げます。
 まず、第一は、総合的雇用政策の展開でございます。就業構造の変化、あるいは新規労働力の減少、人口構成の老齢化等、雇用問題はいろいろ複雑化いたしておりますが、これに伴いまして労働能力の有効発揮が必要でございます。
 そこで、第一に、労働力不足対策の積極的推進を掲げておりますが、その中身は、従来から行なっております総合的な計画の策定推進と相まちまして、労働力誘導のための施策を展開する経費でございまして、そのおもな内容は、右にございますように、共同福祉施設の設置を新たに始めようというものでございまして、労働力を輸出産業その他の主要な産業に誘導いたしますために、それらの産業の中小企業の団体が共同で運営できますよう、雇用促進事業団におきまして一カ所三千万円、一応初年度は十カ所といたしまして三億の予算をもちまして、体育、保健、給食その他の共同福祉施設を設置いたしまして、これをそのような団体に運営委託をしようとする予算でございます。
 次は、職業紹介の効率化の推進でございますが、雇用の流動化を促進するために、従来から広域職業紹介を推進いたしておりますが、近年、労働市場センターを設置いたしまして、その促進をさらに機械化に乗せて推進いたしておるところでございます。来年度予算に計上いたしておりますおもなものは、広域職業紹介業務を即時処理化に進めるそのための試験的な実施でございまして、来年度とりあえず大阪地区に二十九の安定所を結びまして即時処理化を進めてまいろうとするものでございまして、求職者が自分に適する遠隔地の求人内容をすみやかに知ることができるような体制を整備しようとするものであります。
 そのほかに、雇用情報の作成提供ということで、労働市場ニュース等をつくってまいる、あるいは、最近各方面で見られます婦人のパートタイマーのための講習会を六大都府県におきまして三十六の安定所で行なってまいるというような予算でございます。
 次は、雇用促進住宅でございますが、これは従来のペースに従いまして来年度も一万戸の新設をしてまいろうというものでございまして、単価アップ等で予算がふえております。
 それから次は、予算ではございませんが、財政投融資の面で雇用促進融資の拡充をはかっております。総額百四十三億になっておりますが、内訳を申し上げますと、住宅関係が百十九億、福祉施設関係が十二億、通年雇用関係が七億、身体障害者関係が一億、職業訓練関係が四億というふうになっております。
 次に、これも年来の懸案でございました職業研究所を昭和四十四年度におきましてはいよいよ設置をいたすことになりまして、雇用促進事業団にとりあえず職員数十五人をもって発足をいたすことといたしております。
 その他、雇用関係の統計の整備等を進めるための経費でございます。
 第二は、地域の実情に即した雇用対策の強化でございまして、その一は、大都市圏の雇用対策の推進といたしまして、明年度は東京の中野に勤労青少年センターというものの建設を始めたい、そう考えておりまして、その関係の予算でございます。三ページの右の上にございますように、全体計画は六十一億六千二百万円の四カ年計画の規模になっておりまして、土地代は昭和四十三年度に二十億すでに計上済みでございます。そこで、四十四年度につきましては、建設費の初年度分といたしまして十三億九千五十万円を計上いたしております。それがおもな中身でございます。
 それから地方雇用対策の推進といたしましては、そこにございますように、開発拠点地域等における勤労者総合福祉センターの建設でございまして、四十三年度におきましては岡山の水島にこれを設置いたしましたが、四十四年度は、さらに、広島県の福山、あるいは長野県の諏訪・岡谷地区というようなところに設置をいたす予定でございます。中小企業レクリェーションセンターは、前年すでに着手いたしておりますものを本年続けますほかに、新たに二カ所程度の調査費を計上いたしております。勤労青少年体育施設といたしましては、新たに六カ所――一カ所三千万円の六カ所分を計上いたしておりまして、勤労青少年が使いますグランドその他の体育施設を漸次設置してまいりたいという予算でございます。
 第三は、新規学卒者対策の強化でございまして、新規学卒者に対する職業指導及び職業紹介を強化してまいることは当然でございますが、さらに、最近のような高校進学率の上昇、あるいは都市における勤労青少年の問題というようなものに対応いたしまして、新規学卒者の就職後の追指導の強化をはかってまいる。そのために、新たに都市部を中心に年少就職者相談員というものを三百人配置いたしましてその専門的な相談に当たらせる、また、そのために年少就職者の指導記録票というものを整備いたす、あるいは年少者に「働く青少年手帳」を配布する、あるいは勤労青少年講座を開設する等々の施策をもってこの面を強化してまいりたい、さような予算でございます。
 第四は、中高年齢者の雇用促進対策の強化でございます。これは若干の減額になっておりますが、職業転換給付金制度が御承知のように相当額の不用額を出しております関係で、実情に即した予算を組んでおります。ただ、中身といたしましては、従来の就職促進措置の対象とならないものでありましても、三十五歳以上の中高年齢者を中心にいたしまして極力職業訓練を実施していくという方向で新たに訓練手当及び訓練待期手当の制度を創設をいたしております。それから人材銀行の増設も、前年度に引き続き新たに二カ所をつくってまいりたいという中身になっております。
 第五は、総合的な身体障害者職業対策の展開でございますが、その第一は、就職援護措置の充実でありまして、身体障害者社会復帰センターというものを今後設置してまいりたいということでございまして、一カ所分ここに予算が若干計上されておりますが、これは東京の上野に新たに安定所を改築いたしますが、それに付設いたしまして昭和四十五年度以降におきまして建設をしたい。そこで、四十四年度分で土地購入費の一部を計上いたしておるわけでございます。そのほか、就職促進指導官の増員、あるいはさらに身体障害者に対する職業訓練の拡充ということで身障訓練所を一カ所新設する予算が計上されております。さらに、重度労災障害者に対するリハビリテーション対策の強化ということで、リハビリテーション作業所を一カ所新設する予算が計上されております。
 第六は、雇用の促進、安定のための特別対策の強化でございます。まず、第一に出てまいります愛隣地区でございますが、当該地区には安定所、住宅、病院等を全部一カ所に集めました総合的な労働福祉センターを建設中でございますことは御承知のとおりでございますが、そこに設けられます労働安定所の職員の増員を新たに行なうという予算でございます。港湾労働対策につきましては、港湾労働福祉センターをさらに増設してまいるということで、来年度は四カ所になっております。それから港湾労働者住宅の増設。それから雇用調整手当の改善ということで一日当たりの単価をごらんのように引き上げております。それから港湾労働者の労働条件の近代化をはかり、労働災害防止のための監督指導を行なってまいることは、当然でございます。また、関係の就職促進指導官の増員もはかったところでございます。駐留軍関係離職者の就職援護対策といたしましては、就職促進手当を引き上げてございますし、さらに住宅確保奨励金というものを炭鉱離職者等と同じように新設をいたしております。ただ、この関係の予算は、対象人員が減少しておりますので、その関係で予算総額といたしましては減額になっておりますが、いま申し上げましたような内容の充実をはかっているものでございます。
 同和地区の雇用対策といたしましては、やはり就職促進指導官を増員いたしますとともに、新規学卒者に対する職業指導、職業紹介の充実、職業講習、職業訓練の強化等をはかっているところでございます。
 第七は、建設、出稼労働対策の強化と万博関係の労働対策の推進でございます。建設、出稼労働者につきましては、実態調査を行ない、手帳の発給、台帳の作成、整備を行なう、あるいは就職促進指導官を増員する、さらに相談所を拡充する等々の施策と相いまちまして、四十三年度から始めております通年雇用融資及び通年雇用奨励金の制度をさらに拡充したいと考えております。それから万博関係は、労働者確保のための対策の強化と、それから労働災害防止対策の徹底、適正な労働条件の確保をはかる経費でございます。
 第八は、産炭地域労働力対策の積極的推進でございますが、そこにあります(1)から(5)までは、従来の施策でございます。緊急就労対策事業の実施でございますが、吸収人員が若干減っておりますが、単価を引き上げております。それから援護業務の推進、広域職業紹介の強化、転職訓練の実施、就職促進手当の充実でございます。(6)にございます産炭地域開発就労事業の実施、それは新規でございまして、九州の筑豊等に見られますように、産炭地域におきましては、従来から炭鉱離職者対策あるいは産炭地域の開発策等が進められておりますけれども、地域ぐるみのさらに雇用の安定と開発を進める必要があるという個所につきまして、新たに事業費単価三千六百円をもちまして三千二百人の人員を対象に産炭地域開発就労事業というものを実施しようというものでございます。この関係の予算は、四十四年度、二十五億二千四百万円になっております。
 第九は、失対事業の運営改善でございまして、吸収人員が若干減少しておりますが、労力費単価を一二%引き上げております。特別失業対策事業につきましては、前年どおりの金額が計上してございます。
 以上が雇用対策でございます。
 次に、職業訓練制度の全面的改正でございまして、大臣の説明にもございましたように、技能労働者の不足、技術革新の進展に対応いたしまして、職業訓練制度を全面的に改正する、そのための法案を今国会に出す予定でございまして、そこで、その中身、予算的裏づけといたしましては、企業内訓練の振興ということでございまして、八ページでございますが、特に指定職種につきましては、そこにございますように、前年度千六百円の単価を三千二百円に引き上げましてその飛躍的拡充をはかる、人員等もふやしてまいるということでございます。
 それから公共職業訓練の拡充につきましては、一般職業訓練施設、高等職業訓練施設等が従来の程度のものをさらに進めますと同時に、高等職業訓練施設――従来の総合訓練所と言っているものでございますが、これにつきましては、新たに沖繩に一カ所新設をいたそうという計画がございます。そのほかに、身体障害者の訓練所を新たに一カ所つくろうというものでございまして、先ほど触れたところでございます。
 それから九ページでございますが、次に、職業訓練指導員等の資質向上と養成確保でございまして、その中で、特に右の説明の(2)にございます職業訓練大学校の移転拡充でございます。職業訓練大学校は、現在、都下の小平にございますが、非常に狭隘になってまいりましたので、二年計画で敷地を購入いたしましてよそに移そうということでございまして、予算といたしましては、十万坪、総額十九億八千万円の予算の初年度分といたしまして九億九千万円が計上されておるものがおもなものでございます。
 それから新規訓練職種の開発と訓練内容の充実ということでございまして、訓練職種の新設、訓練照査基準の作成というようなものをやってまいるという関係の事務費でございます。
 それから今度の改正の要点の一つでございます技能検定の拡大実施でございますが、従来国及び都道府県でやってまいりました技能検定につきまして、その対象を飛躍的に拡充する、内容を改善するという目的をもちまして、新たに中央とそれから各都道府県に技能検定協会というものをつくってまいろうということで、四十四年度は、半年の予算一億五千五百万円が計上されておるわけでございます。
 職業訓練による国際協力の推進につきましては、四十五年度の技能オリンピック開催体制の整備等をさらに進めてまいるというような関係の予算でございます。
 次に、一〇ページでございますが、産業構造、社会環境の変化に対応する労働基準行政の展開でございます。
 労働者の都市集中、技術革新に対応する労働態様の変化に基づきまして、特にイにございます、経費としてはわずかでございますが、労働基準に関しまする法制的、実態的な研究を始めようということで、関係の研究会の経費が計上されております。
 それから近代化のおくれた分野、社会的問題となっている分野の労働者に対するきめ細かな施策の推進といたしまして、最低労働条件確保のための監督の経費、それから最賃制の普及の経費、さらに労災病院の拡充強化をはじめとしますところの重度障害者対策、労災援護の対策の経費がそれぞれ計上されております。リハビリテーション作業所の増設につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、一一ページに入りまして、自動車運転技術特殊訓練を行なう、あるいは、遺族に対する労災援護の強化といたしまして、実態調査を行ない、あるいはすでに四十三年度から引き続いております葬祭援護施設の設置につきまして建設を進めるというような予算でございます。
 総合的家内労働対策につきましては、大臣の説明にございましたような新たな法案を提出する予定でございますので、その裏づけとなる事務費を計上してございます。
 合理的賃金制度の推進につきましては、従来からの賃金研究会の推進と、賃金相談室をさらに拡充してまいる、それから技能労働力の不足と関連いたしまして、技能と賃金の結びつきに関する実態調査を進める等々の事務費でございます。
 次に、一二ページに移りまして、労働災害防止のための抜本的対策の確立と推進でございます。
 技術革新に伴いまして、新たな災害が起こってまいる、職業性疾病が発生してまいる、それから労働力不足の結果、未熟練労働者、高齢労働者等が増加するというような問題に対処しまして、まず第一には、科学的災害防止対策、職業性疾病予防対策の充実強化ということで、そこにございますような諸計画の推進、それから安全研究所、衛生研究所等をはじめとしますところの研究活動の強化、さらに職業性疾病予防対策の推進、それから特に本年九月にわが国で開かれます国際労働衛生会議への助成というようなものを内容といたしております。
 さらに、災害防止の関係のサービス網を整備確立いたしますために、安全衛生コンサルタントの活動育成、安全衛生サービスセンターの拡充、それから災害多発危険有害事業所への重点的監督というようなものをさらに進めてまいる予算が計上されております。
 次に、婦人の能力の有効発揮と福祉対策の推進でございます。
 雇用対策と重複しておる面がございますが、そこにありますような中高年齢婦人の雇用の円滑化をはかってまいるということで、就業分野拡大のための啓発活動の強化、あるいは短期職業講習の拡充、家事サービス職業訓練の充実、パートタイマー対策の推進というようなものをはかってまいるわけでございます。それから中高年齢婦人の雇用状況の把握、それから婦人週間の拡充というようなものが中身となっております。
 それから婦人労働者、労働者家族の福祉増進対策といたしましては、働く婦人の家の増設がございまして、前年度二カ所でございましたものを、四十四年度は四カ所計上いたしております。その他、内職職業補導所をさらに増設してまいる関係の予算、及び労働者家族、家族従業者の福祉増進関係の予算が計上されてございます。
 次は、一五ページに入りまして、勤労青少年の健かな成長のための総合的施策の樹立推進でございます。
 これも、先ほど雇用対策の面で出てまいりましたものと大部分が重複いたしておりますが、学卒者のアフターケアの拡充、受け入れ体制の整備、それから中野におきます勤労青少年センター、その他先ほど申し上げましたような諸施設の拡充でございます。特に一六ページの右の上にございます婦人少年局専管の事項といたしましては、勤労青少年ホームを、前年度十八カ所でございましたものを、四十四年度は二十三カ所増設してまいるという予算でございます。
 次は、社会経済情勢の変化に即応する積極的労政行政の展開でございます。
 その一つは、労働経済等に関する長期的展望に基づく労働政策の樹立でございまして、政治、経済、社会情勢の変化に対応する労使関係、労働運動の動向の把握と適切な対策に資するための経費、及び労働運動との関連における労働経済の総合的な把握に要する経費というような事務費が計上されております。
 それから労使関係の安定促進といたしましては、労働教育の拡充ということで、日本労働協会に対する補助金を増額いたしておりますほか、労働委員会の機能の充実等が行なわれております。
 それから中小企業労働対策といたしましては、従来から中小企業集団に対する助成を行なっておりますが、これも若干予算をふやしておるわけでございます。
 次に、労働保険制度の改善と適正な運営がございます。零細企業に対しまして失業保険、労災保険の適用拡大を段階的に行なうということで関係の改正法案を出したいということは、先ほど大臣が申し上げたとおりでございますが、なかんずく失業保険法の改正につきましては、そこにございますような段階的な適用拡大のほかに、受給者に対する給付の適正化と就職の促進、給付内容の改善、季節的失業保険受給者対策の推進、それから労働保険の適用徴収事務の一元化というようなものを中身といたします改正法案をいま職業安定審議会、社会保障制度審議会に諮問をいたしておるわけでございます。さらに、これらの改善と対応いたしまして、失業保険料を千分の一引き下げるというような中身になってございます。そういった関係の改善の予算が、その改善部分だけで九十八億七千七百万円になるということでございます。それ以外に、新たに労働保険相談員というものを二百五十人新規に設置いたしたいということでございます。
 最後に、国際労働行政の充実強化といたしましては、アジア地域等における発展途上国に対する技術協力の推進をはかるということのための予算を計上いたしておりますほかに、ILO、OECD等に対する分担金の増額等の協力関係の予算、その他情報の収集活動等の予算というようなものでございます。
 簡単でございますが、以上をもって予算の御説明といたします。
#13
○理事(大橋和孝君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#14
○理事(大橋和孝君) 速記を起こして。
 本日はこの程度でとどめます。これにて散会いたします。
   午前十一時二十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト