くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第061回国会 社会労働委員会 第6号
昭和四十四年三月六日(木曜日)
   午前十時二十八分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉田忠三郎君
    理 事
                上原 正吉君
                鹿島 俊雄君
                大橋 和孝君
                上林繁次郎君
    委 員
                黒木 利克君
                徳永 正利君
                山本  杉君
                横山 フク君
                小野  明君
                中村 英男君
                中沢伊登子君
   政府委員
       労働政務次官   小山 省二君
       労働省婦人少年
       局長       高橋 展子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○労働問題に関する調査
 (婦人の労働問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(吉田忠三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 労働問題に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。御質疑のある方の発言を求めます。
#3
○中沢伊登子君 きょうは、働く女性のためにつわり休暇が必要だ、こういうような世論がいま高まりつつございますので、その点についてお伺いしたいと思います。
 その問題に先立ちまして、生理休暇というようなものがいろいろな労働組合に設けられておりますが、それがどれくらい利用されておるか、その実態を一度聞かしていただきたいと思います。
#4
○政府委員(高橋展子君) 私からお答えさせていただきます。
 生理休暇をどの程度利用しているかということでございますが、私どもが調査いたしましたところによりますと、三十人以上の規模の事業所に働きます女子労働者についてでございますが、これは対象女子労働者の中の二三・七%という数字が出ております。
#5
○中沢伊登子君 それはすべて有給休暇でございますか。
#6
○政府委員(高橋展子君) 生理休暇の有給・無給は、これは労働協約でおきめになるわけでございますが、現在のところ、生理休暇を有給としております事業所は、同じ調査によりますと、約五二・五%でございます。
#7
○中沢伊登子君 最近、生理休暇が非常にとりにくいと。それは、なぜかといいますと、有給・無給に関係なく、生理休暇が権利としていただけるようになった当初、女子労働者がこれを相当悪用した、こういうふうなことから非常にとりにくくなったというふうな話も聞いておりますが、そのようなこともおそらく労働省のほうには耳に入っていると思います。また、最近は、そうでなくて、その代替要員がない、生理休暇をとるとそのしわ寄せがほかの人にみな来る、こういうことで非常にとることがむずかしくなってきている、こういうふうにいわれておりますけれども、その辺の調査がもしございましたら、ひとつ聞かせていただきたいと思います。
#8
○政府委員(高橋展子君) ただいまのお尋ねの点につきましては、調査としてどの程度この取得が困難であるかというような全国調査は、まだございません。
#9
○中沢伊登子君 それでは、欧米先進国ではこのような生理休暇というものがいままでに設けられているかどうか、その辺をひとつ聞かせてください。
#10
○政府委員(高橋展子君) 生理休暇制度を法制上の制度として設けております国は、わが国のほかに一、二の国でございまして、いわゆる欧米先進国にはこれを制度として設けている国はございません。
#11
○中沢伊登子君 その一、二の国はどこでしょうか。
#12
○政府委員(高橋展子君) 一つはインドネシア、他の一つは韓国というように伺っております。
#13
○中沢伊登子君 そうすると、いわゆる先進国というところにはまだ設けられていないようにいま承ったわけですけれども、このあいだもある婦人のグループでいろいろ話をしましたけれども、非常に困難であっても、そのしわ寄せがほかの人に行くということで生理休暇がとりにくい、このような話を聞かされております。こういうところにも女子の労働者の働く職場における一つの非常な困難性が見受けられるわけでございますけれども、それと同時に、最近は、つわり休暇をというような話があっちこっちから起こっております。同時にまた、産前・産後の休暇を、いま六週間・六週間となっておりますのを、八週間・八週間にしてはどうか、こういうような話もいろいろ私どもの耳に達してくるわけでございますけれども、こういう問題を労働省のほうではどのようにつかんでいらっしゃいますか、その辺をひとつ伺わせてください。
#14
○政府委員(高橋展子君) そのような御要望が組合等の間にかなり強くなってきているということは、伺っております。
#15
○中沢伊登子君 実は、私のほうで一つ要望が出てまいりました。それで、いろいろ資料等を送ってもらったわけですけれども、おそらく労働省のほうでも調査をされたその結果は聞いていらっしゃると思います。そこで、私のほうでつかんでおります資料を一つ申し上げますと、働く女子の流死産が家庭婦人の約二倍半だ、このような調査が出ております。それをいろいろ。パーセンテージで調べてみますと、家庭婦人は流死産が約八・七%なのに対して、共働きの婦人、働く婦人では二二・三%――二倍半以上のパーセンテージが出ている。しかも、その上に、今度人工流産も、一一・一%に対して二三・二%、これも二倍半くらいになっている。それで、内職している奥さんはそれのほぼ中間くらいの数字だ、このようにいわれているわけですが、労働省のほうではどのようにそれをつかんでいらっしゃいますか。そして、また、その原因は、働くときの姿勢とか、あるいは通勤で非常に押されるとか、いろいろなことがあるでしょうけれども、それらの問題についてつかんでいらっしゃる限り教えていただきたいと思います。
#16
○政府委員(高橋展子君) 流死産の原因というものはたいへんに複雑なものがあるようでございまして、直ちに職場の働く姿勢であるとかあるいは通勤の状態が流死産の原因であるか否かということはきめかねる点が多いように医学的にはいわれていると私ども伺っております。私どもといたしましても、最近、既婚婦人で働く方が非常にふえている、したがいまして、出産のケースもふえてまいっておりますので、働く婦人の妊娠、出産等に関する保護について新しい視点から検討が必要であると思いまして、先ごろ全国の六大府県におきまして婦人労働者の妊娠、出産に関する調査を実施いたしまして、ただいまその取りまとめ中でございますが、その結果を待ちまして検討いたしたいと考えております。
#17
○中沢伊登子君 そうしますと、通勤や、それからまた働く姿勢や、そういうものばかりが流死産の原因ではないとされますと、そのほかにはどのようなことが考えられるでしょうか。たとえば食品の添加物、そういうものも相当影響があると思いますけれども、そこら辺はどう考えていらっしゃいますか。
#18
○政府委員(高橋展子君) 医学的な点につきましては、私どもも知識が十分でございませんので、なお厚生省等ともよく御連絡をとりまして考えてまいりたいと思います。
#19
○中沢伊登子君 人工流産のほうでは、いまのその働く姿勢とか通勤だけでなくて、住宅事情というようなこともあってわざわざ人工流産をすると、こういうふうな話も私ども聞いておるわけですけれども、全部いろいろひっくるめて考えますと、せっかく妊娠したのに、最近は、生まれてくる赤ちゃんは全部の妊娠をした中の約半分しか生まれてこない、こういうふうなことを私どもは統計上から知らされているわけです。その赤ちゃんもまた生まれても相当の数死んでいるわけですね。こういうことで、いま、日本の人口が、新しく結婚をされた人の中で生まれてくる赤ちゃんというのは一・九人から一・八人ぐらいに減っている。これでは日本の優秀な国民がだんだん減っていくのではないか。人口問題を考えてまいりますと、この点は非常に心配になってまいるわけでございます。もちろん働く婦人ばかりが流死産が多いからというわけではございませんけれども、これは住宅問題なんかも解決をしなければならない点は非常にございますけれども、その中でも、特に先ほど申し上げましたようなパーセンテージからいっても働く婦人の流死産というのは非常に多いですから、その点で先ほどからお尋ねを申し上げました生理休暇が非常にとりにくいということも流死産の一つの原因になっておると思いますし、それから同時に、せっかく妊娠をしても、妊娠の初めのちょうどつわりのあるころ、一、二カ月あるいは三カ月、このようなときにやっぱり非常な無理をして流死産をするということが原因になっておるのではないかと、このように考えるわけです。そうしますと、生理休暇が、三十人以上の規模の事業所で働く女子の中で二三・七%しかとられていないようではございますけれども、そうすると、妊娠をいたしますと生理がございませんから、そのかわりにつわり休暇をとるようなことを制度化したらどうかと、こういうふうな声がだんだんとあがっているわけですけれども、その点についてはどのようにお考えになるでしょうか。
#20
○政府委員(小山省二君) 最近、婦人労働者中、特に既婚婦人の率が非常にふえてまいりましたことは、御承知のとおりでございます。したがいまして、妊娠、出産等母性保護の重要性はますます高まってきておるわけでございまして、したがいまして、御指摘の妊娠初期におきますつわり等につきましても、大部分の妊婦の経験するところでございまして、これが妊婦にとりましてもまた生まれてくる子供に対しましても非常な大切な時期であることは、医学的にも明らかになっておるようなわけでございます。したがって、労働省におきましても従来からつわりの問題を含めまして母性保護に関する調査を実施し、実態の把握につとめておるわけでございますが、昭和四十一年の調査によりますと、全事業所の一%足らずでございますが、つわり休暇を設けておるような実情でございます。いま局長から御答弁を申し上げましたように、ただいま全国の六大都道府県におきまして婦人労働者の妊娠、出産に関する調査をいたしておりますので、この調査の結果を待ちまして慎重にひとつ検討を進めてまいりたというふうに考えておる次第でございます。
#21
○中沢伊登子君 ぜひその六大府県での調査を待って、しかもその流死産がどのような原因に基づくものか、まあ先ほど高橋局長さんのほうの御答弁にもありましたように、厚生省ともいろいろ討議を重ねられて、ぜひその原因を突き詰めて、そして、もしもつわり休暇というものが必要であれば、その方向に向かって努力をしていただきたい、このように考えます。
 しかし、私が一つここで非常に迷っておりますのは、出産の産前・産後の休暇を八週間ずつにしようというような話も最近出ております。そうなりますと、妊娠をいたしますと、一年間の十二カ月の中で四カ月休暇をとるわけですね、出産の前と出産後と。それで八カ月しか働かない。そして、その上に、生理休暇だ、そらつわり休暇だ、こういうことになってまいりますと、その辺が私がいま質問をしながら非常に迷っている点でございますけれども、こうなったときに、働く婦人の、働く女性の地位というものはどのように評価されるものか。やっぱり女性はだめじゃないか、こういうように言われるのじゃないかということが非常に心配になってまいるわけです。その辺のことをどのようにお考えになられるかを伺いたいのが一つと、しかし、先ほど申し上げましたように、いま生まれてくるお子さんが平均一・八人とか一・九人とか、これではやはり優秀な日本国民がだんだん数が減っていくわけですから、それは女性にとってどうしてもいわゆる天職ということで、少し子供を三人や四人は生んでもらわなくちゃいけない。こういうことになってまいりますと、そのような隘路を克服して、やっぱり女性は子供を生んでいかなくてはいけない。そこへもってきて、非常に労働力が足りませんから、そのような状態であってもなおかつ女性はやっぱり相当職場に進出をしなければいけませんから、女性はいままでどおりの地位に高めていただいて、相当な休暇をとったりなんかはしますけれども、それだから女性ではだめだ、こういうようなことを言われないように何かこれを制度化していく、こういうふうな方向に向かっていけるものかどうか、そこら辺のお考えをひとつ伺いたいと思います。私の質問も非常に変な言い方をしておりますけれども、いま私もその点は非常に迷っておりますので、その辺のお考えをひとつ伺わせていただきたい。
#22
○政府委員(小山省二君) 御指摘になる点については、私どもにおいても従来からいろいろと検討をいたしておる問題でございます。御存じのとおり、労働協約の中で十分にそうした母性保護のあれができますれば、特に立法化してこれを制度化する必要はないというふうに考えておりますが、いま御指摘になりましたような非常に出産率も低い、またいろいろな障害も起こっておるという現状をかんがみますると、やはりある意味においては制度化さなければならぬような実態であるかもわからないと思うのであります。しかし、これが職場におきます雇用関係の面から見ますと、いろいろまた障害の生ずることは当然でございますし、それが将来の婦人の職場進出に大きなまた障害になるということは、これは一面において相当検討しなければならぬような問題であろうというように私ども考えます。したがって、それらの調整をどういたしますかは、十分関係者の厚生省あたりの医学的専門家の意見等も十分取り入れまして、慎重にこの問題に対して対処し、御期待に沿うようできるだけ前向きで取り組んでまいりたいと考えます。
#23
○中沢伊登子君 どうもありがとうございました。
#24
○委員長(吉田忠三郎君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にして、本日はこれにて散会いたします。
   午前十時四十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト