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#1
第061回国会 社会労働委員会 第9号
昭和四十四年三月二十五日(火曜日)
   午後一時四十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     藤原 道子君     千葉千代世君
     沢田  実君     上林繁次郎君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     中村 英男君     藤原 道子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉田忠三郎君
    理 事
                上原 正吉君
                鹿島 俊雄君
                大橋 和孝君
    委 員
                高田 浩運君
                徳永 正利君
                山崎 五郎君
                山下 春江君
                山本  杉君
                横山 フク君
                上田  哲君
                小野  明君
                千葉千代世君
                渋谷 邦彦君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  斎藤  昇君
   政府委員
       厚生政務次官   粟山  秀君
       厚生省環境衛生
       局長       金光 克己君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       厚生省環境衛生
       局食品化学課長  小高 愛親君
       農林省農林経済
       局消費経済課長  宮崎 武幸君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○社会保障制度等に関する調査
 (食品の添加物に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(吉田忠三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十四日、藤原道子君が委員を辞任され、その補欠として千葉千代世君が選任されました。
 また、本日、中村英男君が委員を辞任され、その補欠として藤原道子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(吉田忠三郎君) 理事補欠互選についておはかりいたします。
 去る二十日、上林繁次郎君が一たん委員を辞任されましたので、理事が一名欠員となっております。この際、その補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により委日食にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(吉田忠三郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に上林繁次郎君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(吉田忠三郎君) 社会保障制度等に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。御質疑のある方の発言を求めます。
#6
○大橋和孝君 きょうは、食品の添加物について詳しく聞かしていただきたいと思って、いろいろ質問の要旨はまとめております。ところが、大臣はもう十五分ぐらいで時間がないというような話でございますから、かいつまんだところを申してちょっと大臣のほうにも伺っておきたい、こういうふうに思います。ほんとうはこの質疑の中でいろいろ大臣から御意見を伺うのが本意であるし、そうでないと、実際の私の考え方が大臣に伝わらないかもしれぬと思いますけれども、大臣の時間的なそういう関係もありますので、かいつまんでお話をしてみたいと思います。
 昭和二十二年の十二月二十四日でしたか、現行の食品衛生法というのが誕生したわけでありますが、これは従来わが国にはこの種の法律がなかったので、アメリカから持ってきてつくった法律であると、こう聞いているわけであります。そもそも、食品というのは、まず第一に衛生的でなくてはならない、そして第二には安全性の確保がなければならないというのは常識であるし、また、この衛生法にもうたっておられるわけでありますが、現行の食品衛生法では第四条で「人の健康を害う虞がなく」ということになっておるわけでありますが、この規定なんかを読んでみますと、衛生面のみの規制であって、安全性をチェックするということに関してはあまり問題になっていないように思うわけであります。私、これをいろいろ読んでみまして、そこらのところが非常に問題ではないかというふうに考えるわけであります。
 また、いままで、厚生大臣あたりも、いろいろな質問の中で何回かにわたってこの食品衛生法の改正ということを言明してこられたわけでありますが、この国会でも法改正が出てくるだろうと私は思っておったわけでありますが、まだ出てきておりません。二月八日の「朝日新聞」なんかにも大きくこの間の事情について問題にいたしておるのでありますが、無害であれば不当表示や中身のごまかしがあってもかまわないのかということが大きく問題になっておるわけです。たとえば、牛肉といいながらほかの肉を使ってみたり、いろいろなことがあるわけでありますが、これがみな無害であればいいというようなことでいいのかということは大きな問題であります。現行法でかまわぬという論が厚生省の内部で強くあるということを聞いております。このたびの法改正を見送ったなんということも、そういう考えのもとに見送られているのではないかというのが大きく主張されておる論点であったように思います。もしこれが事実であるとすると、これはたいへんなことであります。ですから、食品衛生法の改正ということにもう少し積極的に取り組んでもらわなければならないのじゃないかということも大いに考えているわけであります。
 それからまた、食品の添加物は現在日本では非常に数が多く、三百五十四種類もあるといわれております。これは、外国に比べますと、外国あたりはかなりしぼられてきているのでありますが、日本はほとんど野放しのような状態で、どんどんこういう添加物を認めておる。特に、最近では、たとえばペンキ屋なんかで使うペンキの材料みたいなものがベニショウガの材料に使かれている。それは、いろいろ調べたところでは、有害なことが証明されている。そういうようにいろいろ出てきているわけであります。その用途が多岐にわたっておりますために種類も多いわけでありますが、保存料とか色つけとか香料とかいう意味でこれが乱用されているというのが現状ではないか。これは日本の食品の全部に何らかの形で使われ、われわれの口に入る食物は必ず何かの食品添加物が入っておると言っても過言ではない現況だと思います。これらのうち、毒性の少ないものもありましょうけれども、それはまた毒性が少ないといいましても、相乗作用とか長い間の蓄積なんかによってこれが徐々に人体に毒を与えるということはあり得ると思う。そういうものがいまの食品の中にはかなりたくさんあるのではないか、こういうように考えているわけであります。
 私は、こういうような意味で、あとからこまかしいことは伺いますけれども、そうしたことに対してどういうところで歯どめをされているのか、あるいはどこでチェックされていくのかということが非常に大きな問題でありますので、食品添加物に対して大まかに厚生省としてはどういうように考えておられるか、そういうようなところに対してはどういうようにいままでやってこられたか、大体の方針というものを大臣から伺って、特に食品添加物について将来どういうように考えていこうとなさるのか。
  〔委員長退席、理事上原正吉君着席〕
たとえば法律を改正してやられるということに対してはどういうように思っておるか。また、農林省のほうでは、今度は法改正を出しておられるわけですね。私は、こういうものに対して、厚生省としては相携えて、そうして厚生省は厚生省の立場でほんとうに国民の健康を守るという立場からもっとはっきりとしたチェックのしかたをしてもらわなければならないのじゃないかということを考えますと、どうしても食品衛生法というものの改正ということが必要じゃないか、こう思っておりますが、そういうものの展望についていろいろいま新聞でそういうことがいわれておるのでありますからして、毒にさえならなければいいじゃないか、害がなければいいじゃないかということでは、いまごろの食品というものに対しては将来たいへん大きなことが起こってくる。そういうことを考えると、いまおそいくらいであるということを考えておりますが、厚生大臣としては今後こういうものに対してはどういうようなお考えをお持ちになるのかということを伺っておきます。
#7
○国務大臣(斎藤昇君) 食品の衛生、あるいは、何といいますか、全般にわたっての御意見、まことにごもっともに思います。ことに、最近、添加物があまりに多過ぎる。しかも、必要のないところに添加物を使うというようなことについても、私らもしろうとなりにそういうものが蓄積をしてくればやはり衛生に害があるのじゃないだろうかという感じも深くいたします。やはり食品はできるだけ自然のものがいいので、それにいろいろな添加物を加えるということは好ましい事柄ではないだろうと思いますが、それを法律でどう取り締まっていくかという問題だと思います。ことに、厚生省の分野といたしましては、食品衛生法にいたしましても、栄養改善法にいたしましても、国民の健康を保持していく、そして栄養を増進させるということが主眼であるわけでありまして、これをさらに一歩こえて、そして内容と標示が違っているというようなところまで、いわゆる消費者の見地に立った食品関係の行政を全部やるということになりますと、農林省のやっている食品行政まで全部取ってしまうということになるわけであります。そこまで一体踏み切れるか踏み切れないか。今日の機構のもとにおきましても、厚生省の機構と、それから府県、市町村の取り締まりの機構というものと考え合わせますと、なかなか簡単に食品関係のものは一切こちらで扱うというわけにはいかない点が多いので、そこでいろいろと検討をいたしているわけであります。
 添加物は、現に許している添加物につきましてももう一度洗い直したらどうだといって、その方向にいま進んでいるわけであります。それからその添加物それ自身としての害がないにいたしましても、無用なところに添加物をつけるということを禁止することができないかどうか、それもいま検討をいたしているのであります。ただ、御承知のように、いま自由主義の世の中で、そしてみなそれぞれの考えに従ってこれがいいと思うことがみな自由にできる。それを規制するということについては、やはり社会公共の面に害がある、厚生省から見れば、保健に害がある、衛生に害があるというのでなければ、むやみやたらに規制ができない。これは自由主義の原則に反する――憲法に触れるとは申せぬかもしれませんが、そこまで考えていかなきゃならぬという問題もありますから、したがって、できるだけ国民の健康、安全衛生というものに害があるということをまあこじつけてでもざっくばらんに申せばやりたいくらいに思って添加物の規制というものをいま洗っているわけであります。
 それから標示の問題にいたしましても、たとえば腐敗のおそれがあるというようなものについては、その製品に対して日付をもっと厳守させるような標示方法というようなこともいま考えておりまして、これらは政令でできますから、政令のできる範囲でできるだけやっていく。
 それから食品の営業につきましても、たとえば食用油脂の製造業とか、あるいは総菜製造業というようなものは、これはやはり衛生の見地から許可対象に置いてもいいんじゃないか。
 まあそういうような点をいろいろ考えているのでありますが、いま申しますように、食品万般にわたって標示の内容まで厚生省がタッチしていいかどうか。これはいま農林省のほうでそれをやっておられて、御承知のいわゆるJASマークの強化の点をやっておられます。厚生省としましてもできるだけそれに協力するつもりでおりまするし、両々相まっていわゆる消費者のための目的を達成するのがいいのじゃないだろうか。このごろは、肉だといって、ほんとうの肉なのか、あるいは合成のたん白質からつくったようなものかわからないという苦情もございます。それは厚生省でやるべきなのかどうなのかというその判断でちょっといままでは踏み切れていないというのがざっくばらんなところでございますので、いろいろ御意見を伺いまして、私のほうはできるだけいい御意見を伺って、それを取り入れてやれるものはやっていきたいという考えで検討中でございますので、できるだけ御教示を得たいと思っております。
#8
○大橋和孝君 大臣のお話を承って、まじめに考えていただくことは非常にうれしいと思います。私も、大臣もお話しになりましたように、農林省と厚生省との両省でこれをいろいろと規制をしたり、あるいはまたいろいろな調査をしたり、あるいはまたそれによって安全性を確保しようということは考えられておると思いますけれども、その両省の立場において私はほかの問題でもそういうことはあると思うのでありますが、やはり厚生省はほんとうに健康上の問題からいろいろこうしたものを見てもらうわけであります。また、農林省にしてみると、ある程度そうしたものをつくるほうの面から先行して、そうして、無害であればということでなくて、少なくともものはいいものにしていこうという努力はしておってくれる。こういう形によりまして両省にまたがっておる。何かそこに隘路がありまして、そうしてそれが抜け穴といいますかそういうことになってこういうことがうまくいっていないと思うのでありますが、こういう問題は厚生省関係でたくさんあると思います。これは薬品の問題にしてもそうでありまして、あるいはまた保健薬でも強壮剤に使う飲料水でも、同じようなことが言えると思うのであります。もうこういう段階になりまして、このようにたくさんの種類ができまして、それがほとんどの食品の中に使われておるという段階では、あるいは大臣のおっしゃったように徹底的に洗い直してやっていただくことは必要でありますけれども、厚生省側では健康の側からごらんになるし、一方ではまたつくるほうの側からごらんになるということで、なかなか一致点はむずかしい点があると思います。ところが、何らかの方法をこれからやっていただいて、そうしてこの標示と、また、JASマークの問題も出ておりますし、また、そのための改正もされておるようでありますが、私は、名前だけの改正になって、実体が伴っていないと思うわけです、農林省のやつは。これはあとから一ぺん農林省からも十分いろいろお話を承りたいと思っておりますけれども、そういうことからいえば、両省の、何と言ったらいいか、なわ張りと言ったらぐあいが悪いと思いますけれども、何か言い過ぎるとそちらのほうの権限を侵すのじゃないかということが先行いたしましてこれがなかなかうまくいっていないと思いますけれども、私は厚生大臣にお聞きしたいと思うことは、ものをつくることは必要でありましょうけれども、つくるのは国民の健康を保っためにつくるわけでしょう、ことに食品というものは。ですから、そういう観点からいえば、むしろ厚生省のほうが先行しまして、これをつくればいいか悪いかということはもっと厳密に出していただく。法律改正を必要とすれば法律改正をしてもらって、厳にこれを取り締まっていくという方向が出ませんと、やはり売らんかな、あるいはもうけんかなということであって、きれいにものを見せるためにこうした添加物がたくさん使われておる。たとえば、ベニショウガにしたって、ウメボシにしたって、何も色をつけなくたっていいものを、色をつけたらきれいに見える、おいしそうに見える、売れ行きがいいからということでつけるわけでありまして、それがしかもペンキに使う材料をそのまま使うわけでありまして、こんな無責任なことが行なわれておる。これはもういろいろな方面から報道されておるわけですね。しかも、それは、検査してみたら、毒性があるものだ、こういうふうにいわれておる。こういうことになってきますと、いまの自由競争の時代で、きれいに見える、あるいはまたおいしそうに見えるということももちろん必要でありましょう。私はそれを否定するものではありませんけれども、害をなしていくということであればたいへんな問題であると思います。私個人から率直に言って、食べるものをこれはいいのかなと思って考えてみると、ちゅうちょしなければならぬものがたくさんあるわけです。こういうことを考えてみると、非常に忙しくなってインスタントの食品というものも盛んになってきておりますからして、そういう生活環境からそういうものを使う率が一般の大衆には多くなってきているということを考えますと、いま行なわれている範囲内の規制法については、私は、非常に危険なものがいまたくさんある、こういうふうに考えるわけであります。そういう点で私はいま特に大臣にお考えを聞いたわけでありますけれども、この問題は、農林省と厚生省との権限の云々よりは、国民の健康を守るということの最大の責任はどこで持つかということを明確にしてもらえば、これは厚生省以外にないと思うのであります。そういうことが先行しまして、そしてこの食品の問題に対しては絶対に必要でございますのでそういうことを十分にしてもらって、もう農林省に云々ではなしに一ぺんやっていただきたいと思うわけであります。大臣、非常にお忙しいそうでありますから、そのことだけちょっとお聞きしまして……。
#9
○国務大臣(斎藤昇君) 御趣旨の線は私も同感でございますから、できるだけその線で検討いたしてまいります。
#10
○大橋和孝君 もうちょっと大臣に聞きたいのですが、大臣に行かれちゃったから、気の抜けたようなことになりましたけれども、しかし、大臣にかわって、局長、しっかりと答弁してもらいたい。
 先ほどちょっと申し上げたんですが、食品衛生法が昭和二十二年十二月二十四日に制定されたわけでありますけれども、それの中で、いま私ちょっと申し上げたように、第四条の中で、「人の健康を害う虞がなく」ということになっておるだけでありまして、ことに健康の問題はそういうふうにして多少この食品衛生法の中で考えられますけれども、安全性をチェックするということはほとんど規則から見ましてないわけだと私は思うのでありますが、これについてはどうお考えになっておるのか、少しはっきりと聞きたいと思います。
#11
○政府委員(金光克己君) 食品衛生法は、御指摘がありましたように、衛生上の危害防止ということを主体にいたしておりまして、これは第一条の目的にうたわれておるわけでございますが、そういうことでございますので、あくまで公衆衛生上の立場の立法であると、こういうことでございます。そういうことでございますので、先ほど来お話の出ております衛生以外の問題というものにつきましては、いろいろと問題も提起されておるわけでござます。そういった点につきましては、別途協議して考えていかなきゃならぬ問題でございますが、ただ、危害防止という範囲以外の健康上の問題という問題も考えられるわけでございます。そういった点もあわせまして現在いろいろと検討いたしておるというふうなことでございます。
#12
○大橋和孝君 これで、あなたのほうでは、いまの食品衛生法で食品というものを衛生的に取り締まれると思っているんですか。安全性というものをチェックせずして、それでもって衛生面のみでこれが十分だと、食品というものに対しては十分なすべてのことがチェックできるとお思いになっているんですか。
#13
○政府委員(金光克己君) 衛生上の安全性の確保という点につきましてはこの法律で一応確保できるという形になっておりますけれども、やはりいろいろと食品の製造等も複雑になってまいりまして、また添加物等も非常に数がふえてきたというようなことで、若干この法律の改正を必要とするという段階に現在まいっておると、かように考えておりまして、現在そういった面につきましても検討いたしておるということでございます。
#14
○大橋和孝君 いま、厚生省では、一体どういうところを検討して、食品衛生法改正を早急に出されないのか。少なくともいま農林省のほうではそうした改正を出しているのですから、それに合わして当然もういまの段階になって厚生省はこの根本的な改正をしなければならぬ時期ではないかと思っているのですが、いま検討しておりますとあなたいまおっしゃっておりますが、何を検討されて、どういうものを現在ではつかんでいらっしゃるのか、その内容を聞かしてもらいたい。
#15
○政府委員(金光克己君) 昨年来、特にこの法律の改正につきましていろいろ検討してまいったわけでございますが、その改正の目標といたしましては、現在の法律が衛生上の危害防止であるということでございますが、ただ、問題は、消費者の立場から見ました場合に、たとえば標示等においても、健康増進と申しますか、自分の健康を守るという意味におきましてこういった標示も望ましいというような問題もあるであろうというようなこと、それから規格、基準におきましても、食品によりましては、危害防止だけではなく、もう少し健康を保持するという意味から規格、基準も設ける必要があるものもあるのではないか、かような観点から約半年間ほどいろいろと検討してまいったわけでございます。そうして具体的な例につきましてもいろいろと詰めてまいりましたが、いままでのところでは、健康上これは望ましいという標示とか、規格、基準になりますと、それを規制するというのはどこで線を引いたらいいのかということは実態的になかなか慎重を要する面がございまして、そういったことから一つには現在までにはっきりした法改正の態度を決定ができなかったという状態にあるということでございます。それからそういったような改正をいたすといたしますと、やはり他の法律との関係等も考えなければならぬというようなこともございますが、一番の問題は、いまの具体的な問題におきましてもっと慎重に検討する必要があるということで今日に及んでいるわけでございます。
 それからもう一つは、現在の法律に基づきまして、あるいは政令、省令におきましてどこまで改正できるかということでございまして、それを具体的に詰めてしまおうというのが最近作業を進めておる内容でございまして、それにつきましては、たとえば許可業種にいたしましても、必要な許可業種を設ける。たとえば、昨年来問題になりました油の問題につきましても、これが油製造業として許可業になっていなかったという点もございますので、そういった点も明確にし、また、施設基準等も明確にする必要があるのじゃないだろうか。これは一つの例でございますが、その他の面につきましてももう少し最近の情勢に即応したものに改正する必要があるのじゃないかということで現在詰めております。
 それからもう一つは、標示の問題につきましても、もう少し標示をさせる必要があるのじゃないか。特に添加物等につきましては、もう少し現在よりはさらに添加物の標示を明記させるということが必要ではないかということ。
 それから先ほど大臣からもちょっと御説明がございましたが、添加物等につきましても使用基準がはっきりしていないものがあるわけでございまして、そういった使用基準等をもう少し明確にいたしまして添加物の使用というものを制限をしていくという方向にものを考えるべきじゃないかといったようなこと。
 それからいま一つは、食品衛生管理者という制度があるわけでございます。これは法律で規定されておるわけでございますが、全粉乳とか調整粉乳とか加糖粉乳とかいったようなもの、あるいは食肉製造業といったようなものの製造業におきましては、食品衛生管理者というものを置きまして自主的な管理をしなければならぬという形になっておるわけでございます。そういう制度になっておりますが、こういったことをもう少し範囲を広げて、そうして自主管理をしっかりやらせることが必要なんじゃないかというようなことを考えております。
 以上のような点を具体的にいろいろと詰めておるというようなことでございます。その上に立ちまして、さらに、先ほど申し上げました健康上どこまでものを規制していくかということを考えていきたいということが現在の状況でございます。
#16
○大橋和孝君 いろいろおっしゃるようにこれは非常に多岐にわたっているということはわかるのでありますが、多岐にわたっているということじゃなくて、私は根本的な考え方をもう少しはっきりさせないといけないと思います。特に、添加物は、先ほど私も話しましたように三百何十種類もあって、これが使われていないものはほとんどない。普通の食肉であっても、色をつけておいしそうな肉にしておる。オイモの上に赤く色を塗れば、それが普通のオイモであるのに、何々イモというやつになって売られておる。私はこれは農林省のほうに対してもいろいろ意見を伺ってみたいと思いますが、そのようにして使われる範囲はもうめちゃくちゃであります。
  〔理事上原正吉君退席、委員長着席〕
そういうことでもって、毒性が非常にあるのが証明されるのが出てきたり、あるいはまた、安全性からいっても問題があるというものがたくさんあるわけですね。だから、そういう状態の中で、あなたのほうは、複雑多岐にわたっておりますから、こういう形でやります、ああいう形でやりますというだけではいけないので、方向はもっと健康管理の面からどういうふうにするんだということからこれを割り出していかなきゃならぬと思うんです。
 それから私はこの中で一ぺん御意見を伺って所見もちょっと申し上げたいと思うんですが、一体、食品添加物はどのようにして許可されているのか、これを食品に使ってもよろしいということがどういうふうにして許可されているのか、これは農林省のほうからもあったらば聞かしてもらいたいと思います。
 それから食品衛生調査会というのができていると思うんですね。これは食品衛生法第二十五条によってつくられていると思うんですが、一体、この構成メンバーはどういうふうにしてつくってやっているのか、あるいは、その任務、責任はどういうふうにしてこれを負わしておるのか、食品衛生調査会のいままでの運営でどういうようなことをやってこられたか、そういうようなことをひとつ詳しく報告してもらいたい。同時に、また、過去何カ年間にどういうようなことが何回行なわれてどういうことが審議になったということは、もしデータがあったら、詳しくこれを出していただきたいと思います。どういうこととどういうことが審議されてどういう結果になったということは、なかなか詳しいことはいまここでお尋ねしてもむずかしかろうと思いますからして、一度いままでからずっと洗って、一体、食品衛生調査会というものは、何回、どこで、いつごろ開かれて、何が議題になって、内容はどういうようなことがきめられたということのいままでの経過を少し聞かしてもらうと、食品衛生調査会というものがどういう運営をされてきたかということがわかって非常にありがたいと思いますので、そういう資料を提出願いたいし、それからいま申し上げたメンバーとか、あるいはまたその任務、責任についてお答えを願いたいと思います。
 それからもう一つは、国立衛生試験所というのでいろいろおやりになって、食品添加物なんかについてもチェックしていられると思うのでありますけれども、この国立衛生試験所のことについて、どういうふうな機構で添加物に対しては取り組んでおられるのか、これにつきましても、いままでどういうようなものをどういうふうにチェックされたかどうか、あるいはまたどういうふうなことになっているかということもひとつデータとしていただきたい。私はそういうことをいただくのは、それについて一ぺんずっと私は私なりの調査を進めて、そして、そういう機能でいいのかどうかということも私としては判断をし、また、将来はそういうことについての御意見も伺っていきたい、こういうふうに思うからであります。
 それからまた、農林省の食糧庁、あるいはまた食糧研究所というのがあるわけでありますが、このようなものに対して厚生省側はどういうふうにして連絡をしておられるのか、そういうようなコミュニケーションはどういうふうにあるのか、また、これによってどういうふうなことでもってこうした添加物に対しての安全性、あるいはまた毒性、あるいはまたそういうことに対するチェックのしかた、そういうものが行なわれているかということを聞かしていただきたいと思います。
 それから農林省側にお尋ねするのは、食糧庁、食糧研究所、こういうふうなものの中で食品添加物に対してはどう取り組んでいらっしゃるのか、あるいはまた、このほかのほうでこういう問題に対してはどういうふうにやっていらっしゃるのか、これも、その機関と、それからまた機関の中でやられていること、いままでどういうことが議題になり、その問題に対してどう指示を与えられたか、こういう問題についても、データとしていただくならばいただいてけっこうでありますし、これに対する考え方、この四点ばかりについてお答えを願いたいと思います。
#17
○政府委員(金光克己君) まず、最初に、添加物の問題でございますが、添加物をどういう考え方で扱っておるかということでございますが、添加物の指定につきましては、現法規におきましては安全なものだけを認めていくということでございます。戦前におきましては、取り締まり法規で、危険なものはやめていくということでございました。現在は、安全なものだけを認めていくというのが現行法の趣旨でございます。したがいまして、その趣旨そのものは、安全なものだけを認めるということは、相当制限をしていくという考え方でございます。まあそういうことで、最近におきましても添加物につきましては国立衛生試験所等におきまして必要なものにつきましては再検討をいたしております。また、その結果に基づきまして削除をするものにつきましては削除してまいっております。そういうことで、最近におきましても、ズルチンの使用の禁止、それから過酸化水素の使用基準の設定といったようなことも行なったわけでございます。なお、添加物につきましては、その基準を設けておりますし、また、必要に応じましてはその使用基準というものを設けておるわけでございます。
 それから調査会の問題でございますが、調査会は食品衛生法第二十五条で規定されておりまして、任務は、「厚生大臣の諮問に応じ、食中毒の防止に関する事項、食品添加物公定書の作成に関する事項その他食品衛生に関する重要事項を調査審議」すること、こういうことになっておるわけでございますが、委員は五十人以内ということで、現在会長は東大の名誉教授の小林先生に会長をお願いいたしておるわけでございます。その内容等につきましては、あとで資料として提出させていただきたいと、かように存ずる次第でございます。
 それから農林省との関係でございますが、これはもう適宜連絡をいたしまして協議をいたしておるわけでございますが、調査会等の委員等にも農林省からも入っていただきまして両者の連携を密にしておるということでございます。それから農林省におきますJASの委員会にも厚生省から参画をいたしております。そういうことによりまして連絡を密にいたしておるという現状でございます。
 衛生試験所のいままでの実績につきましても、あとで資料で提出させていただきたいと思います。
#18
○説明員(宮崎武幸君) 農林省として添加物についてどのように取り組んでおるのかというふうな御質問と承ったわけでございますが、ただいま局長からお話がございましたように、添加物の問題につきましては、その基準、あるいは使用の限度とか、そういったものは一応食品衛生法の定めるところということになっておりまして、私どもJASのほうの関係でJASをもってみずから食品添加物につきましてごうごうというふうな基準をつくるということはございません。前提といたしましてあくまで食品衛生法の定めているところを満たしているということをまず前提にして、その上で品質の基準を考えていると、こういうことでございます。
#19
○上原正吉君 関連して。厚生省と農林省と双方に伺いたいのですが、いま食品添加物のことが論議されておるのでございますが、この添加物の中に入るか入らないか存じませんが、増量剤というものがあるのですね。目方を重くする、あるいはかさをふやすために、本来の食品でないものを加える。これは添加物の中に入って取り締まられておるのですか、どうですか。
#20
○政府委員(金光克己君) 増量剤という添加物は認めていないわけでございますが、ただ、そういろ形で入ったものは取り締まりの対象にはなるということであります。
#21
○上原正吉君 それは、取り締まりの対象になるのですか、どうなんですか。
#22
○政府委員(金光克己君) 取り締まりの対象にはなります。
#23
○上原正吉君 ところが、その増量剤の入っている食品というものがたいへんたくさんにあるわけですね。
#24
○政府委員(金光克己君) 先ほど申しました増量剤は、添加物としては認めませんので、それは品質改良とかその他の目的で加えておるということになっておると思うのでございます。
#25
○上原正吉君 ところが、そうでなくて、単にかさをふやすとか目方を重くするために使われているものがある。これは、そうすると、厚生省からも農林省からも放任されているわけですか。
#26
○説明員(宮崎武幸君) JASの規格におきましてただいま御質問の増量剤の考え方を申し上げます。
 御承知のように、JAS規格というのは任意の制度でございまして、JASを受けないから取り締まる、あるいは規制するということはございません。しかしながら、JAS規格におきましては、たとえば添加ハムとかそういったようなものを例にとりますと非常によくわかるわけでございますけれども、何と申しますか、つなぎ肉といいますか、あるいは結着補強材料といいますか、そういう形でいわゆる増量剤というものを規格の中に取り入れておるわけでございます。ただし、そういう意味におきましても、たとえばでん粉は何%以下でなければJASには合格しないというふうに規格の面では制限を課しておるわけでございます。ただ、何%以上あった場合にはJASには合格しないけれども、そういうものはつくってはいけない、あるいは市販してはいけないという規制は、これは制度の外でございますので、全くございません。
#27
○上原正吉君 そうなると、制度の外だから放任されておるのに近いと、こう理解するわけですが、最近、農産物の保存というものはたいへん発達してまいりまして、保存食品というものがふえてきたんですね。そうして、農業協同組合などが小さな工場を建てて保存食品を製造する、こういう例を私はたくさん知っているんです。その製品が、農民の素朴な心持ちとはまるきり違った製品がつくり出されて売り出される、こういう事実を見ているのですが、それがなぜそういうことをやるのかということを私親しく聞きましたところが、何としても市場で非常な競争になるからこうやらざるを得ないのですと、こう言うんですね。そうして、その増量に用いられるものが必ずしも安全であるとはいえないと、私はそう思うものがあるわけなんです。だから、これを放任することはよくない。JASの規格に合格しないのだからしかたがないというのでは事が済まなくなってきつつあるのではないかと、こう思うわけなんですが、農林省も厚生省も、お気づきになったり、何かお気がかりになったということはないわけですか。
#28
○政府委員(金光克己君) 農業協同組合のそういったものにつきまして、私自身、まだちょっと伺ったことがないわけでございます。
#29
○委員長(吉田忠三郎君) 局長ね、あなた自身は何も存じ上げていないという意味の答弁ですが、知っておる課長でいいですから答弁しなさいよ。
#30
○説明員(小高愛親君) いまお話しの、農協とかいろいろなところで、まあこれは農協に限りませんで、食品工業というものは一般に零細な企業が多く、しかも非常に競争が激しいというところから、いろいろなことが行なわれて、たとえば増量なども行なわれておるということは、しばしば私どもも耳にしているわけでございます。そうして、いま、そういったものが使われて心配ないかというお話でございますが、そういうようなものに使われますのは、一般に、たとえば糊料というようなもの、これはでん粉に類似したもの、あるいは穀粉の中に炭酸カルシウムのようなものがまぜられるというようなこともあるかと存じますが、そのようなものは、食品衛生法の第六条で、このようないわゆる化学的合成品は、厚生大臣が、安全である、人の健康をそこなわせるおそれがないとして指定したもの以外は、使うことが禁止されております。一般には、そういう合成品の使用というものは禁止されておりまして、厚生大臣が指定した場合に限って例外的に使用が許されるということになっております。したがいまして、そういうものが使われております範囲によりまして、それからそういったようなものにも、必要なものには、使用の限度を、たとえばそういった糊料につきましては二%という限度を設けてございます。そのような範囲内で使われております限りにおきましては心配ないわけでございますが、そういったものが事実その限度をこえて使用されることがありまして、わがほうの各保健所に食品衛生監視員というものが配置されておりまして、その監視員が監視に回った際にそういうものが発見されて処分を受ける、あるいは行政処分を受けるという例が確かにございます。したがいまして、法律に従っておる分には心配がございませんが、そういう違反を犯すという事例があることは、これは否定できないところだと思います。
#31
○上原正吉君 農業協同組合でなくて、どこでつくっても、あまり芳しくないものがつくられておることは、たびたび御承知だろうと思います。これは、小高課長がおっしゃるように、非常に零細企業が多い、食品の加工業者、あるいは保存食品の製造業者というものは。非常に零細業者が多くて、市場のあるいは問屋の言うとおりのものをつくるんですね、言うとおりの値段で。だから、おかしなものがてきてくるわけなんですよ。その一番の根本を何とか救う道を考えないと、一番たくさん食べられる食品がいかがわしいものが絶えない。単にメリケン粉のかわりにでん粉が入っているというならば、それはまずいだけだから害はない。まずいのはがまんして食えばいいのだから、これはそれほど論ずるまでもありません。ブタの肉の中にウサギの肉が入っておっても大したことはないかもしれませんけれども、増量剤というものは、かさをふやすために、目方をふやすために使うのだから、おっしゃるように二%なんというものじゃないんです。実際問題として。だから、零細な食品加工業者をそういう点で保護する必要がある。わかりやすく言えば、価格の保護をする必要があると思う、めちゃくちゃな価格競争をさせないで済むような。そういうことをお考えになる必要があると私は前々から感じておったんです。まあお話が出たから申し上げるのですが、零細業者が市場の言うなりに値段を建て、品物をつくるということになると、どうしても無理が出てくるから、いかがわしい品物ができてくる。りっぱに天下に堂々と通用するようなブランド商品になれば、メーカーが良心を持って、また自分の名声を考えて、おかしなものをつくり出せないということになるのですけれども、小さな小さな業者がつくるから、それから目方とかさとが標準になるから、また、甘さが標準になるから、辛さが標準になるから、おかしなものをつくる、こうなるわけでありまして、その根本を救済する方法を、ことに農林省はお考えになっていただく必要があると思うのですが、ついでですから伺うのですが、そういうお考えはありませんか。
#32
○説明員(宮崎武幸君) 先生のお話、ごもっともでございます。農林省といたしましては、食品工業のいわゆる育成と申しますか、そういった点では、当省といたしましてもいろいろ配慮しなければならないということは、重々承知しているわけでございます。ただいま御指摘がございましたように、特に中小企業というふうな面におきまして非常に問題があるということでございますが、私どもとしましては、御承知のようにいわゆる中小企業近代化促進というふうな問題、こういう制度もやっておりますし、あるいはそのほか現在私どものところで食品企業の問題の懇談会というふうなものも農林省の中に設けまして、今後の食品企業のあるべき方向ということにつきましていろいろ検討もいたしているわけでございます。そういうふうな中で、ただいま先生もいろいろ御指摘ありましたような、ブランド商品の問題、あるいは今後どのように中小企業に対して融資であるとかあるいは助成をするか、また、企業の統合、合同、そういった問題とか、いろいろ中小企業に対するそういう助成策というものを考えておるわけでございます。現在のところ、私、直接の担当ではございませんので、あまり具体的なことは申し上げられないわけでございますが、そういう観点から、単に規制あるいは制限というふうな点からのみこういった零細企業に対処することなく、これを円滑にかつ自立できるような方向に誘導していくというふうな食品行政を今後展開いたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 それから当面のそういった品質の問題等につきましては、強制の手段はございませんが、私どもの普及、PR、指導ということによりまして、JAS規格というふうな一つの標準がございますので、そちらのほうに向かっていただくというふうな指導をいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#33
○横山フク君 関連の関連で申しわけないのですけれども、課長がいま二%をこえないということで取り締まっているとおっしゃいましたね。私、いま法文を暗記していないし条文も持っていないから伺うのですけれども、その二%をこえないというのは添加物について言っているんでしょう。そうすると、いまの上原先生の御質問のときに、増量剤は添加物であるかどうかと言ったら、添加物でないという局長のお話でしょう。そうすると、その二%をこえてやっているのを取り締まるとおっしゃるのは、増量剤が添加物でないなら、その二%という法律は適用できないんじゃないですか。課長さんは二%をこえないという形において取り締まっているとおっしゃったけれども、そうすると、局長さんはそれを添加物でないとおっしゃった答弁では、範囲を越えることになるんじゃないですか。そういう意味で、添加物というのに増量剤を加えるという形に法改正するか何かしなかったら二%というもので取り締まれないのじゃないですか。私は、課長さんと局長さんの答弁を聞いていて、どうもそこらのところでザルから漏れたような感じがするんですけれども。
#34
○説明員(小高愛親君) ただいま局長が増量剤は添加物でないと申し上げましたが、増量剤という名目では添加物として認めていない、こう申し上げたのでございまして、増量剤そのものが添加物として取り扱いを受けないということではございません。ただ、そういった製造過程で食品に加えられますそのものが、食品でなくて、食品に加えられますものが添加物として取り締まりを受けるということでございます。
#35
○横山フク君 何かちょっとおかしいけれども、関連の関連ですから、私はこれでやめます。
#36
○大橋和孝君 私は、いま上原先生から出ておったような質問は次回に譲って、もっといろんな方面で農林省にも厚生省にも聞きたいと思っております。きょうはそれを省いておるわけでありますが、先ほどの質問の中で、農林省は、食品の関係で、特に添加物の方面を考えてあなたのほうではいろいろやっておられるということで、ただ、食品衛生法できまっているものをそのまま通しているんだと、こういうふうな話ですけれども、これに関連したような事柄を農林省としてはそれだけでもってなんにもチェックしていないのかどうか。私は、もう少しいろんな問題を農林省の立場でやれるところがたくさんあるのではないかと思いますが、そういう観点についてはどうかということと、それから食糧庁だとか食糧研究所のほうでこういう問題について一体どれほどのことを手がけられたか、そうして、JASマークの場合、あるいはまた品質検定の際に、どういうふうにそれをやってこられたかということをもう少し具体的なことが聞きたい、そう思いますから、そういう問題についてお話しになれるところはお話しになっていただいてよろしいし、ことに私はずっと経過をいただきたいために、そういうふうな問題についていままで行なってきたことをずっとある程度の資料に基づいて説明を願いたいと思いますし、私も勉強さしてもらいたいと思いますから、資料の提出を求めたいと思います。
#37
○説明員(宮崎武幸君) 資料につきまして、特に食糧庁あるいは食糧研究所におきましてどのような添加物の検討をしておるかというふうな問題につきましては、私、実は答える力はございませんで、これはあとで資料を提出申し上げます。
 それからJAS関係につきまして、食品衛生法が定めておるところを前提にしてそのまま何もしていないのは少しどうかと思うというふうな御質問と思われます。先ほど若干舌足らずでございましたが、私どもJASのほうにおきましては、あくまでその品質という観点から規格をつくっております。したがいまして、添加物につきましても、これがいわゆる品質面において経済的価値が左右されるというふうなものについては、規格の中に添加物を一つの条件とするというふうな考え方をとっておるものもないことはないわけでございます。干しうどんなら干しうどん、乾めん類でございますが、こういった場合には、いわゆる合成着色料を使っているものも使っていないものも――使っているものでも、もちろん許されたものでございます。それだけでも、ある程度経済的な価値が違うであろう、品質面においても差があるであろうというふうな場合には、やはり合成着色料を使った干しうどんはJASには合格しないというふうな規格を設けております。また、トマトジュースというような場合におきましても、これもたとえ認められている合成着色料でありましても、使っているものはJASには合格させないというふうな規格はあるわけでございます。それからそのほかJAS規格には標示の基準も入ってございますが、添加物を使った場合にはその旨を書いてくださいというふうな標示の基準を設けてやっておる品目もあるわけでございます。そういうことで、全くJASにおいては品質面から考えるときに添加物を考慮していないというわけではないわけでございます。
#38
○大橋和孝君 JASマークについては、もう少しあとからいろいろお尋ねしたいと思います。
 次に、もう一つの先ほどの質問の中に、添加物をどうやって許可されているかということを伺ったわけですが、それには基準がつくってありますとか、あるいはまた使用基準に照らしてということでありますけれども、この許可あるいはまたその使用基準なりが非常に粗雑であるために、三百何十種類というものがたくさん出ておるし、その中には、比較的毒性があるとか不適当であるとかいうものがあとになって指示されておるわけですが、それで、許可される過程ですね、一体その添加物はどういう段階を経て許可されるのか、もっと具体的なことを聞かしていただいて、そうして勉強しておきたいと思うのですが、どんなふうになっておるのですか。
#39
○説明員(小高愛親君) わが国の食品添加の品目は、現在、三百五十八品目であります。これは多いという御意見でございますけれども、ほかの国に比べまして多いかというと、必ずしもそうは言えないのではないかと思っております。これは、国によりまして、添加物というものの範囲も、いままで、これが添加物かどうかということが議論になりましたけれども、国によりまして添加物として取り扱っている品目の範囲に相違がございますので、直接比べるということはできませんけれども、たとえばアメリカでは、日本でいっております食品添加物の範囲のほかに、いわゆる食品の容器、包装に使われます材質で食品に移ってくるものも添加物として扱っております。アメリカでは、そういうものを加えまして二千種をこえるようなものが添加物として規制を受けております。その中から日本で添加物として規制を受けているものをあげましても、五百種類ぐらいございます。フランス、ドイツ等におきましては、これは制度が違いますので一がいに申せませんが、わが国とそれほど変わりはないと思います。たとえばタール色素でございますが、これはわが国では現在十四品目を許しております。アメリカでは十品目でございます。確かに日本より少ないのでございますが、イギリスでは二十八ぐらい、それからデンマークは三十近くを許しております。それから同じ数にしましても、国によりまして取り上げておるタール色素の種類が違いまして、たとえば世界じゅうでどこの国でも使われておりますというタール色素は七十種類くらいございまして、それをそれぞれの国で適当に取り上げて使っておるというような現状でございます。もっとも、欧米先進国だけに限りますと、これが五十種類ぐらいになりますけれども、それにしても国によりまして中身はさまざまでございまして、たとえばわが国で禁じておるものもほかの国じゃ使わしておる、それからわが国でしか使っていない、こういったものも当然起こってくるわけでございます。
 そのような現状でございますが、これを指定いたしますときには、結局、添加物の製造者あるいは食品の製造者で、新しくこういう添加物を使いたい、あるいは売りたいという希望がある者が、私どものほうに資料を提出するわけでございます。そして、その資料を審査いたしまして適当なものを指定するということになりますのですが、その指定の可否をきめますのは食品衛生調査会でございまして、その中に毒性部会とそれから添加物部会という二つの部会がございます。そこで審議をいたします基本的な考え方となりますものは、まず第一に、これが安全であるということでございます。そして、食品添加物というのは、現在の科学の許す最高の知識と技術を用いまして安全性が確認されたものでなければいけないということがまず第一の大きな前提になっております。それから次に、たとえ安全性が確認されたといいましても、いま申し上げたように、これは現在時点の科学技術に立脚しての話でございます。また、将来ともその評価が変わらないということは先例もございまして言えないわけでございますので、添加物として指定する場合には、その添加物を使用いたしますことによりましてこれを実際に口に入れます最終消費者が何らかの意味で利益を受けるものでなければいけない、この二つのことが大きな前提になっております。そして、この二つの前提を満足いたしますものの中から食品添加物としての使用が認められるということになっています。そして、そのための安全というものを証明するための資料といたしましては、いわゆる生物学的ないろいろな資料がございますが、その中でも特に長期の慢性毒性試験というものがその中心になります。これは、食品添加物と申しますものが、食品とともにわれわれの三度三度の食生活を通じてわれわれの一生の間これが摂取されるものであるということが大きな前提になりますので、そういった条件で、使用されても人の健康をそこなうおそれがないということが動物実験によって完全に証明されるということが前提になります。そして、その動物実験は、あくまでも動物によって示されたデータであります。これは、人体実験ということは不可能でございますし、それから人間に長期の何十年という実験をやるということは全然実際実用的な意味がございませんものですから、動物を使うわけでございますが、その場合にはラットとかマウスとかいう小動物が用いられることが多うございますが、それらの動物の全生涯にわたる期間、人間で申しますと、生まれてから七十、八十の高齢に達するまでに相当する期間と申しますと、これらの小動物では一年半ないし二年、あるいはそれ以上という期間になりますが、それくらいの長期の実験をいたします。その結果、どの程度まで毎日食べさして、食べさせないのと同じように異常が起こらないか、食べさせないのと変わりがないかというレベルを見まして、しかし、これはあくまでも動物における実験でございますから、人体にそのまま適用することはできませんので、それに百倍あるいは数百倍というような安全率を考慮いたしましていわゆる人体の摂取許容量というものを算出いたしまして、その範囲内で安全に使えるものをもってこれを安全だという判断をいたすのでございます。そういった基準に基づいて安全の判断をいたしまして、そのほか、いわゆる代謝の実験でありますとか、その他の生物学的、生化学的な実験ともあわせまして安全の判定をいたします。それからその用途につきましても、たとえば豆腐をつくりますときニガリがどろしても必要だというふうに、ぜひとも添加物を使うことが必要な、しかもそれを使うことによって国民が健康的にも経済的にも利益を受けると、こういうことが判断されたときにはじめて認められる、そのようなことになっております。
#40
○大橋和孝君 ところが、私、外国の例も少し資料として集めております。ちょっと外国の例をいまおっしゃっておりますけれども、私は私なりに資料を集めておるわけですが、たとえば西ドイツあたりでは、いま日本でやっておられるような、一般の私企業が食品添加物を開発して、そしてこれを厚生省に持ってくると、こういうやり方はやっていないんです。国みずからが行なって、そして添加物を出していくんだと、そこらのところがやはり根本的に違うのではないか。添加物というものは、そういうふうにしてあなたのいま言っておられるように行なわれておれば害がないはずでありますけれども、しかも、その添加物を許可するときには、利益を与えないものは許可を与えないわけですから、そうすると、利益になっているということにならなきゃならないはずのものが、あなたごらんになっても、ほんとうに利益になっているかどうか非常にあいまいなものがたくさんある。むしろ毒性になっているものがたくさんある。利益ということは、ごまかしになって利益になっていることがたくさんあります。普通のイモを赤く塗ったために何とかいうイモだと高く売れる、もうかるから、その人たちは利益を受けるんだと、こういう考え方だったらいざ知らず、それは論外になると思いますけれども、そういうものがたくさんあるわけです。牛肉なら牛肉でも、色を塗るといい肉に見えるから、色を塗ってある。肉を買ってきて、たくときにはもう色が変わってくる。あるいはまた、しばらく保存しておけば、色素を使ってあるためにぐあいが悪くなってくる。これは利益にならない。そういうものが添加物の中にあるわけです。これは何で起こってくるかというと、私企業によって開発をして、こういうものをつくって色をつけて売るともうかるからということが先行していくからいけない。西ドイツあたり、国みずからがやっていて、私企業の開発は認めない。こういう添加物に対して、国民の健康に関係するものについては、根本的に考えなければならぬ。私企業の立場からもうかるからという立場から考えるところに、あなたのほうでは添加物を検査して十分なことを言えなくて、チェックすることができないという受け身の立場で検査して、これは毒があるとは言えないからということで許可していくということになると、許可の範囲というものが非常に違ってくると思うんです。私は、ここで、まああなたのおっしゃっているような話でわかりますから、主要五、六カ国でよろしゅうございますから、食品添加物はどのくらいの数があって、それはどういうふうに使われておる、どうして許可されておる、使用についてどのような規制がそこで行なわれておるかということの調査資料を要求いたしておきます。それで、厚生省のほうでは、これは大臣に聞くのを落としましたけれども、こういうような認可のしかたは、私企業まかせにしてそれをチェックしていくという立場じゃなくして、私はもっと厚生省のほうあるいはまた農林省のほうにちょっと聞いてみますが、ひとつ一ぺん農林省の中でも考えてもらいたいと思うんです。そういうふうに企業にまかしておけば、私がいま申し上げましたように、もうかるかもうからぬかということでもってこれが開発されていくわけでありますからして、そういうふうなことでなく、あなたがこちらでおっしゃるように、ほんとうにそれを使うことによって、国民の健康上、あるいはまた国民が利益をするということで添加物を考える、こういうことに考え直すということについてはどうなのか、あるいはまた、これに対して厚生省は厚生省、農林省は農林省として一ぺん検討してもらえるかどうか、こういうことについてもぜひ上司に伝えてもらえるかどうかについて、御意見をお聞きしたいと思います。
#41
○政府委員(金光克己君) 主要数カ国の資料につきましては、あとで提出さしていただきます。
 それから先ほどの添加物の開発の問題でございますが、検査につきましては申請者がいろいろ資料を提出いたしますが、国におきましても約二年間ぐらいかけましてその検査をいたしまして、そしてその資料に基づいて調査会で検討するということでございます。
 なお、こういった添加物の開発等にもからんでのこういったさらに安全性を期するという問題につきましては、さらに検討してまいりたいと思います。
#42
○説明員(宮崎武幸君) 御質問の趣旨、十分了解いたしたつもりでございます。添加物の問題につきましては、持ち帰りまして上司にただいまの御趣旨を申し上げまして、農林省内におきましても今後どのように取り組んでいくかということにつきまして厚生省とも十分連絡をとりながら検討いたしたいと思います。
#43
○大橋和孝君 それから国民の側から考えますと非常に重大な問題でありますが、消費者保護基本法というのが昨年の国会で制定されたと思うのでありますが、不当表示の食品、たとえば、馬肉を牛肉としているとか、あるいは、サバやイワシなんかの削ったのをもってカツオブシだというような形でもってどんどん売っている、こういうものに対して、厚生省では、いま、何といいますか、農林省のほうでやられるからということで全然チェックをされていないのじゃないかと思うんですが、こういう点なんかどうかと、こういうふうに思います。
 特に、また、日本の食品は、アメリカなんかと違いまして、びんとかカン、あるいはまた袋というものに、食品の表示が、特に内容の表示が少ないわけです。特に食品添加物については、ただ「添加物を含む」というぐらいのことしか書いてないと思うんですが、こういうようなことで何がどれくらい入っているかということをもう少し明確にする必要があるんじゃないか。これはまた農林省のほうにもそういうことがあると思うのでありますが、そういうことを明示することが明確になれば、何が何グラム、何が何ぼということがそこでできると思うんです。たとえば、お菓子類にいたしましても、石を削った石の粉がたくさん入っておる。これはビスケットあたりにはたくさん入っているわけですよ。それがほとんど大部分をなしていると思う。それから先ほどのタールの添加物は、先ほど課長からタールという話がありましたけれども、タールは日本では案外多いわけです、外国に比べますと。また、外国でも、アメリカあたりではかなり多いようでございます。こういうものは、慢性的にタールを使えばいまの実験ではガンのもとになるということもいわれておるわけですね。それが量が少ないからいいといわれておりますけれども、私はこれは知らず知らずのうちにそういうことの影響は出てきているのではないかということも考えられる。最近、特にガンの発生率は昔より多い。これはまあ病気が発見されないでガンという診断をつけないうちに死んだ人も含まれているからということもいまいわれておりますけれども、私はこういうふうな食品添加物の開発というものが影響しているのではないかということをひそかに思いますけれども、それでは厚生省の側ではそうでないという反論がどこの検査でどういうふうにしてできるか。私は、食品添加物なんかは、許可はあなた方のほうでされるわけですから、そうであってはならないということを、あなたは動物の一生についても検査するとおっしゃっておられますから、そういうことをあなたのほうは自信をもって検査をされているということを国民の前にある程度明らかにしないと、国民が食べものに対する信頼感を失うということになると思います。私は、そういう意味で、先ほどから、データをいただきたいと申し上げている。そういうところに対してはそういうようなところまで十分な歯どめをするだけの検査がなされなければいけないので、私はむしろこの標示がいまの段階では消費者の目をごまかすような状態になっているだけだ、こういうふうに考えるわけです。いまいろいろ見てみますと、乳製品はわりあい標示がきれいにしてあります。私はいろんな食品を見た範囲内では乳製品が一番よくいっているように思いますけれども、あとの食品というのはほとんどゼロだと思うんです、標示してあるということに対しては。こういうことに対しては、一体、厚生省はどう把握しておられるのか、農林省はどう把握しておられるのか、これはだいぶ重大な問題でありますので、この標示ということに対してはもっと的確に考えなければいかぬと思うんですが、その点はどうでございましょうか。
#44
○政府委員(金光克己君) 食品衛生法におきまして、標示につきましては、虚偽の標示の禁止が十二条で規定されているわけでございますが、そういう意味で取り締まりの面ではそういったようなことでやっております。
 なお、この標示の制度をもっと再検討すべきではないかということにつきましては、御指摘の面が現在の状態におきましてはそういう状態にございますので、現在標示をさせる食品の種類というものを広げていこうということで検討いたしております。
 それから添加物の標示につきましても、現在の食品の状態に対しまして現在の規定は必ずしも十分ではないという面も考えられますので、この点につきましても前向きでいま検討いたしております。特にタール色素等の問題につきましては、これは国立衛生試験所で従来も検討いたしておりまして、削除すべきものは削除いたしておりますし、また現在検討中のものもある――これはもちろん再検討という意味でございまして、全部悪いという意味じゃございませんが、そういうようなことを進めていっておりまして、添加物の標示等の内容につきまして、また範囲につきましても検討してまいりたいということで、現在進めておるわけでございます。
#45
○説明員(宮崎武幸君) 食品の標示の問題につきましては、農林省といたしましても、従来からJAS等を通じて指導してまいったわけでございますが、御指摘のように不十分な点も多々ございましたので、今回私ども法律を改正いたしまして、JASのみならず、今後JASをつくろうというふうなものにつきましても標示の基準というふうなものを設けまして、これを広く一般に守らせるよう行政指導の一環としてやっていきたいというふうに考えて、今度の国会に法案を提出するよう進めておるわけでございます。特に御指摘がありました問題は、内容成分の標示、あるいは添加物の標示という問題であろうかと思います。私ども、こういった内容成分の標示等につきましては一番問題があるところと考えまして、今後こういった標示の基準をつくっていく場合には、できるだけ内容成分のこまかい標示というものをさせていきたい、こういうふうに考えております。
 それから添加物の標示方法等につきましては、先ほども厚生省のほうからお話がございましたように、一応食品衛生法上いろいろ定められておりますので、この点につきましては十分厚生省と連絡協調をとりながら指導を進めてまいりたい、このように考えております。
#46
○渋谷邦彦君 添加物に関連しまして私からも一言お尋ねしたいのですが、確かにこの添加物の問題は従来もしばしば問題になったと思うのですね。そこで、この添加物による中毒事件、これが過去においてあったかどうか、件数、また人数、それから中毒を起こす前に発見される機構的な仕組みにはなっていないのかどうか。大体、いままでそうした中毒というものが起こりましたときには、消費者の側からそれぞれの保健所なりを通じて初めて発見される。先ほどもチェックの問題でたいへんいろんな角度からお尋ねがあったようでありますけれども、やはりそうしたチェックの問題についても機能的な働きに問題が残されていないかどうか。確かに、先ほど来の説明を聞いておりますと、相当厳格にワクをはめて食品衛生に対する措置をとっておられるようでありますが、それは当然のことです。しかし、現段階においても、またこの委員会においても問題にされているということは、未解決の処理されていないそうした内容のものがあるのではないか。むしろそうしたところに焦点を合わせてみたいというふうに思うわけですが、ちょっと思いつきみたいなことでたいへん恐縮なんですけれども、いま申し上げた点、いまそこに資料がなければそれでけっこう、あとで教えていただいてまた次の機会に質問さしていただきたいと思いますが、もし大まかにわかれば、その点についてここでお答えをいただきたい。
 やはり、何といっても、常に国民の側からそうした添加物云々というものに関連して食品に対しては十分な配慮がなされなければならないのは言うまでもない。それから先ほどもありましたように、この添加物の場合には、おそらくは大手メーカー等においてはさほど問題になるようなこともあるまいと、こう思うわけであります。また、厚生省等の当局の検査もしやすい。しかし、きまったように問題になるのは、いつも零細企業です。非常に見ばえがいい、まあ中身はともかくとして、子供が喜びそうだ、また売れる、こういうところが問題の一つの山だろうと思うんですね。そうしたところに盲点ができてきまして、常に添加物云々というようなことが話題にされなければならない。実際は文化国家ということを言われておる日本としては、まことに悲しい現象なんですね、あえて言うならば。そうした点について、くどいようですけれども、いま二つ三つばかりの問題についてお尋ねをしましたが、どうかということをお答えいただきたい。
#47
○説明員(小高愛親君) 添加物による中毒事件の事例というお尋ねでございますが、本来、添加物というものは、口に入れても差しつかえないという前提のもとにこれは認められておるものでございますので、いわゆる事件としてあがるような中毒というものは具体的に報告された事例というものはきわめて少ないのでございますが、ただ、一つ、先生御承知のことと存じますが、昭和三十年に岡山県を中心といたしましてほとんど全国的に起こりましたいわゆる砒素の混入いたしました粉乳の事件がございます。これは粉乳の製造の過程におきまして使用いたしました第二燐酸ソーダというものがございまして、第二燐酸ソーダそのものはそういった毒性のない安全なものであったのでございますが、たまたまその品質が不純でありましたために、これに数%の砒素が混入して、そのために結果的にできました製品の粉乳の中に多量の砒素が混入いたしまして、これを知らずにかなり長い間飲ませられておった乳幼児に砒素の中毒事件が起きまして、患者が一万名をこえました。それから死者が百二十名というような悲惨な事件を起こしております。これは添加物そのものが悪かったというよりも、その純度が悪かったために起こった事件でございまして、その後、食品衛生法を改正いたしまして、こういった添加物の純度の規制も厳重にいたしますとともに、いわゆる添加物として取り締まられておるものの範囲も拡大いたしまして、その後そういった事件の起こらないように万全を期しております。そして、その後、この種の事件は起こっておりません。
 それからそのほかに、これはいまのは正しく正常の製造過程で使われて、しかもそういう事故が起こったという事例でございますが、そのほかに、これは先般生じました、人工甘味料のズルチンによりまして二度ほど死亡事故が出ております。これは、一度は、昭和三十八年に岩手県下で起こりました事件でございまして、山間の僻地で、ちょっと場所を忘れましたけれども、幼児が二人で留守番をしておる間に、その家に置いてあったズルチンの原末を多量になめて、そのために死亡したという事例がございました。それからもう一つは、これは昭和四十二年と記憶しますけれども、島根県下で大福餅に多量にズルチンを入れ過ぎて老婆が一人死んだという事故がございます。
 そして、いま申し上げましたように、食品添加物によりますこういったようないわゆる中毒事故として出てくる例は、非常にまれでございます。慢性中毒にしましても、きわめて長期間の間に起こってくる問題で、先ほど御指摘がありましたようにそれとはわからなくてほかの原因で片づけられているものもあるいは起こってくるという心配もございます。
 そこで、これを事前に防止する方法はないかということでございますが、これはあくまでも生物学的な性質を厳重に追究いたしますことによりまして、そういった心配がないということが学問的に究明されたもの以外は使わない、これよりほかに方法がないのではないかというように考えております。どこの国でもこういうことはやっているわけであります。それからわれわれのほうでは、食品衛生法の第六条によりまして、そのようなものは厚生大臣が指定したもの以外は禁止しております。安全に使用できるものだけが例外的に使用が許されるというたてまえになっております。もう一つ、第七条によりまして、それでも心配なものは、使用基準を定めまして、使用してよい食品とその食品に使用してよい量を制限いたしまして、それによって食生活全般からこういった添加物が多量に入ってくることを防止するという措置を講じております。そして、それに対して違反が起こらないように、食品衛生監視員を督励いたしましていま監視をして違反の防止につとめておるということでございますが、おっしゃいますとおり、中小零細企業におきましては、先ほど申し上げましたように、非常に競争が激しい、市場で買いたたかれるということもございまして、いわゆる悪あがきといいますか、こういった者がとかく違反を起こしがちだということはいなみがたい事実でありますので、私のほうとしましては、これら中小企業というものに対する教育、啓蒙というものに、これまでも努力してまいりましたし、今後も十分に力を尽くしていきたいと、かように存じております。
#48
○渋谷邦彦君 ですから、その啓蒙指導、それを、具体的にちょっとでいいから、どんなものとか……。
#49
○説明員(小高愛親君) これは、結局、違反を犯しますのに二つございます。知って犯す場合と、それから知らないで犯す場合と。たとえば、法律に違反すると知っておっても、たいしたことはあるまいと考えて違反を犯す場合がございます。そうして、私のほうといたしましては、全国各県でこれらの業者を集めてしばしば講習会のようなものを県の主催で開催いたします。それから民間の主催でこういった講習会を開催されている場合もございます。そのような場合にできるだけ私のほうからも講師を派遣いたしまして、こういった法律上の問題、それから学問的な問題などをわかりやすく説明して啓蒙につとめるということをいたしております。
#50
○山本杉君 私もちょっと一言だけ厚生省に聞いてみたいと思うのですが、今度農林省と公取のほうで話がついて、JASマークをつけるようにということで法改正してそこへ踏み切られたことはたいへんけっこうなことかと思うのですが、いま厚生省の説明を聞きますと、毒性のないものということで許可をしている、それから最高の科学知識によって厚生大臣が指定をしているからというふうなそこに基準のあれをおっしゃるわけですけれども、たとえば卑近な例でジュースなんですけれども、あのオレンジジュースというものがはたして毒性がないのかどうか、内容がいいか悪いかということになりますと、ずいぶん問題があると思うのです。たとえば、自由化が行なわれるということになりましたときに、まっ先に立ち上がったのがそのジュースでございました。聞いてみると、あちらから入るものは九〇%は天然物なんだ、日本のは反対に九〇%がそうじゃなくて底に少し天然物を入れてある、そういう規格のものだからとても太刀打ちはできないというようなことを説明を受けたわけなんです。最近も、ある市の市長ですけれども、お酒をやめなさいと言われて、そしてしかたがないからジュースを飲んで、宴会に出てはジュースを飲み、家へ帰ってはジュースを飲んでジュースをやたらに飲んだら、足の裏も手のひらもまっ黄色になった。これは毒性があるんじゃなかろうかということでお医者さんに行ったら、あなたの肝臓が弱いからそうなったんだと言われたということですけれども、そういったふうな、自由化になれば立ち行かないような、また飲み過ぎればどうかなるようなものを基準に合っているからといっていつまでも見放しておいていいものかどうか。やがて来たるべき日本のあり方の中で、もう少しレベルの上がったものを指導していくお気持ちがあるのかないのか。いつまでも、最高の科学知識によっているんだ、毒性がないということで添加物を認めておりますというようなことで済むかどうか。最近、これも余談になりますけれども、カレイの干したのが私の食ぜんにのぼっていたのですが、その子があまり赤いから、この子は何か色をつけてある、食べてはいけないと家族にそう言ったんです。そうしたら、私の子供が、そんな魚の子だけ色づけるという器用なまねはできない、絶対それは天然だよと、こう言うのです。それでは、あした魚屋に言ってみようと、私が嫁を連れて魚屋へ行ったんです。そして、カレイの子が赤過ぎるんだけれども、あれは色がついているものかどうかと聞きましたら、実はあれは色をつけてあるんですと、こう言うのです。そういうわけで、明らかによけいなものまでにそういうことをし過ぎていると思います。もっと自然のものは自然でいいんだから、そういういい指導をしていこうというお考えがございますかどうか、そういう点を一つ聞きたいと思います。
#51
○政府委員(金光克己君) ジュースの問題につきましては、先生御指摘のとおり、天然のものと人工甘味料とか着色料を入れるものとの関係とか、また、天然ジュースにいたしましても、その含有量の問題とか、いろいろ問題としては指摘されておることでございます。特に先生ただいま御指摘になりました量的な問題でどういう弊害が起きるかということでございますが、これはなかなか学問的にも厳密に言いますとむずかしい点もあろうかと思うのでございますが、個々につきましては、御承知のように、甘味料にしましても、着色料にしましても、まあ着色料は使用基準というのはございませんが、そういったような使用基準を規制するということにおいて安全率を確保していくということができるわけでございまして、そういう意味で、ジュースにつきましては、そういった成分の標示だとか、あるいはそういった面の安全度という立場から使用基準といいますか、製造上の添加物の扱い方というものを少し検討したい、かように考えておることが一つの材料でございます。今後検討してまいりたいと思います。
#52
○中沢伊登子君 関連して。先ほどからいろいろ大橋委員の質問を伺っておりますと、どうしても農林省と厚生省とは不即一体、そちらが答弁すればこちらも答弁しなきゃならないほど農林省と厚生省は添加物の問題ではいろいろ関係があるわけですね。そういう中で、昨年の五月に消費者基本法ができて、その参議院の附帯決議の中では、農林省のほうには早くJASマークのレベルを上げなさいというような要望を出しております。厚生省のほうに対しては、食品衛生の立場から、いままでのそういういろんな法律をいろいろ総合してもっとレベルアップするような附帯決議であったと思います。いま、私、ここに資料も何も持っておりませんので、よくわかりませんけれども、おそらくそれは附帯決議の3と4と7だったかと思いますが、そういうことを附帯決議の中に入れてあるわけですね。しかし、農林省のほうでは、農林物資規格法の一部を改正する法律案というのをいま非常に一生懸命で提出するところまで来ているわけですが、厚生省のほうで食品法を出すとか出さないとかということでいろいろ問題があったように新聞紙上で拝見しておるわけですけれども、どうして厚生省のほうではそれがおくれているのか、いつ出されるのか、いまどの程度まで進んでいるのか、そこら辺のことを伺いたいと思います。
 いま山本先生のほうからジュースのお話が出ましたけれども、これら一つ一つの問題を出して質問をしておりましたら、一カ月ぐらいかかってもまだ例をあげ切れないかと思います。先ほど大橋委員の添加物のお話のときに、漂白剤については過酸化水素の使用基準をきめていると、こういうふうに言っておられましたけれども、最近、働く婦人たちが非常に多くなっておりますね。そういう中で、会社で働いて家に帰ってまた晩の支度をしなくちゃならないという奥さん方がよく持ち帰るのは、小イモの洗ったもの、あるいはささがきゴボウの洗ってポリエチレンの袋に入れてあるもの、ああいうものには相当な漂白剤が入っている。あれは、私どもが台所で使ってみますと、たちどころにアクが出て黒くなるものです。それが、まっ白になった小イモあるいはゴボウのささがき、そういったものが何で漂白をされているかというと、過酸化水素が使われている。ポリパッケージに入っている生うどん、ああいうものはみんなオキシフルを通しているというふうに聞いておりますけれども、そんなものを例にあげておりますと、ここ一カ月ぐらい質疑応答をやっても済まないくらいたくさん例はございます。これだけいろいろ問題があるのに、どうして厚生省のほうは食品法を早急にやらなかったのか、そこら辺の問題も伺いたいと思います。
#53
○政府委員(金光克己君) 食品法はあとにいたしまして、添加物の問題につきましては、消費者保護の強化に関する件ということで附帯決議があるわけでございますが、この点につきましてはいろいろと検討いたしておりまして、添加物の性格というものが、先ほど来御説明申し上げておりますように、安全なものだけしか認めてはいけない。しかも、それが消費者にとってもある程度プラスになるという面も配慮していくという考え方で制限しているという考え方でございます。根本的にはもう安全なものしか認めないという考え方でございますので、どうしてもこれはやはり食品衛生法に基づく危害防止という観点から整理されていく問題だろうと思うのでございます。そういう意味で、さらに添加物の標示の問題だとか、あるいは添加物の使用基準の問題、これは現在検討いたしておりまして、早急にこれは政省令で改正いたせますので改正いたしたいということで進めております。
 それから食品法の問題でございますが、食品法と一般的にはいわれておる問題でございまして、これは標示の問題を中心に従来論ぜられておるわけでございまして、食品衛生法は危害防止という公衆衛生上の立場の標示を扱っておるということでございまして、経済的な問題からのうそつき食品的な問題はこれでは扱えないということで、公取の不当表示防止法等でこれを扱っておるというのが現在の体系でございまして、農林省はJASの標示を扱っておる、こういうことでございます。これを一元的に検討する必要があるのではないかということは従来指摘されておるところでございまして、この問題につきましてはやはりそれぞれの各省関係があるわけでございまして、経済企画庁を中心に協議しようということで進めてまいっておりまして、現在におきましてもいろいろとそういった点については話し合いがされておるということでございます。それから厚生省としましては、そういった問題もあるわけでありますが、これもきょう御説明申しましたが、現在の食品衛生法は危害防止という観点に立った法律である。それをさらに一歩前進いたしまして、健康増進といいますか、国民の健康を守るという立場から食品というものの標示なりあるいは規格、基準なりの規制をどうしたらいいかという観点でまず詰めて、そうしてそれ以外の経済的なうそつきの問題とかというものはまたさらに関係省と協議しよう、こういう態度で、いまの食品衛生法をもう少し健康維持という立場で幅を広げた立場で検討を進めてまいったわけでございますが、具体的な内容におきまして、国民の健康上の立場から国民が望ましいと思う標示といったような規制ということになりますと、どこで線を引くかというような問題もございまして、具体的に一つ一つ事例をあげまして検討を進めてまいっておったわけでございますが、そういった線の引き方ということにつきましていろいろと問題もございまして、現在までに決してなまけておったわけではないのでございますが、現在までに結論的なものを出し得ないというような状態でありまして、こういった問題は引き続き検討を進めてまいりたい、かような状況で現在おるわけでございます。
#54
○大橋和孝君 これは金光環境衛生局長にちょっと苦言を申したいと思うんですがね。それは、先ほど来ぼくは食品衛生法についてのあなたの態度というものをただしたわけなんです。いまの委員に対するあなたの答弁を聞いておりましても、何か答弁を持って回ってその場過ごしのことだけ言われているわけです。いま言われているのも、いつやられるのかということを私も聞いたし、また委員も聞かれた。それはあなたの答弁がグルグル回っているからですよ。それは単刀直入に答えをしてもらいたい。いま、私は、あなたが、もっとこれから前向きにいろいろ検討します、こういうこれこれのものがあるからそれを検討していく、それを改正していくと言われたから納得したわけですが、またこれを言われると、また別の方面から言って、そうして最終的には、いまお話しになったように、いつやるのかという答えは答弁していない。私は、そういうことを言っても、あなたに話してみてもあかぬだろうと思って言わなかったけれども、そういう持って回った言い方ではなく――先ほどの質問についても答えていない。西ドイツでは、企業のほうから開発するのではなくて、政府がやっている。企業のほうから開発されたものをあなたのほうがチェックしていくのでは受身で、どこに責任があるかということが明確にならなくて規制することができないから、一歩一歩下がっていくんです。そういうことではいかぬのだから、日本のほうも、ドイツのように、厚生省は、これは添加物として使ったほうが国民のためになるというものだけを許可して、企業のほうがもうけようと思って持ってくるやつはボイコットしていくという態度でいかなければいけないのじゃないか。これに対して私も質問をして、それに対しては十分上司のほうに話をしてそういうことをやるという姿勢であるかどうかということを聞いているのに対しての答弁はしていないわけですよ。ですから、そんなことで、こちらの質問の要点をつかんでびっしりと答えてもらいたいと、こういうふうに思いますし、それに対する答えを要求します。
 こんなことばかりやっていたんでは時間がたちますから、私はちょっと進めていきますが、その次は、消費者側から考えて、消費者の前にすべての食品添加物の品名、あるいは用途、あるいはまた基準の量――成分の規格でありますとか、使用する基準とか、保存する基準とか、あるいは製造する基準、こういうものを明示しておかなければいかぬと思うので、先ほど私が申した標示の問題、添加物を使っていますというだけではなくて、品名は何を使っておって、用途はどういうもので、そうしてそれに対する規格を明確にして、そうして使用基準とかそういうものを明示しなきゃいけないのではないかと思うんですが、そういう点についてはどうお考えになっているのか。製造者には、食品のすべてにせめて成分の規格基準はもう義務づけるべきじゃないかと思うんですが、そういうことに対する厚生省側の考え方を局長からちょっと聞いておきたいと思います。
#55
○政府委員(金光克己君) 第一番の添加物の開発の問題でございますが、これは先ほどはっきりと御説明申し上げなくて申しわけないわけでございますが、この問題は、先生のおっしゃるように、ただ受け身だけじゃいけないのじゃないかという御指摘は、そのとおりだと思うのでございます。ただ、添加物もいろいろございますので、特に問題になりますのは保存料といったような問題は、やはり特に毒性の強いという問題でございますので、そういった面につきましては行政庁の研究所等においても研究していくということは必要じゃないか、かように思う次第でございます。こういった点につきましては十分検討してまいりたい、かように存ずる次第でございます。
 それから法律改正につきまして、いつ改正するのだ、こういうことでございますが、これにつきましては、先ほど来御説明申し上げておりますのは、現在の情勢では、今国会にこの法律は、従来考えてまいりました公衆衛生と健康保持という立場で広げた範囲の改正は、ここにいますぐ提案できるかどうかという点につきましては、現在の段階ではなかなかむずかしいような状態にあるわけでございますので、できるだけ早急に検討いたしまして改正を行ないたいと、かようなことしかお答えできないようなことでございますので、御了承願いたいと思います。
 それから政省令につきましては、先ほど来申し上げましたように、現行法規の政令、省令の改正によりましてかなり改正ができる見込みを持っておりますので、これは早急に実施したい、かように考えておるわけであります。
 それから先ほどの使用基準、保存基準の問題は、現行の政省令におきまして行ない得る範囲でできるだけ必要なものは行なうと、それをさらに検討いたします。現在の食品衛生法を健康保持という立場で広げた場合にどういうふうにあるべきかということにつきましては、今後検討してまいりたいと、かように存じます。
#56
○大橋和孝君 それから先ほどもちょっとお話の中に出ておりましたけれども、食品衛生監視員というのが監視しているわけですね、食品を。これは四十一年の十二月現在でおたくのほうの発表は五千九十七人と、こういうふうになっておるわけです。あなたのほうで発表しておられるわけです。この監視員は、どのような仕事で、どれくらいの実績を持っておるのか、それからどのような指導のもとに仕事を行なっているか、こういうようなことについて、もしどこでどんなことをやったということがあれば聞かしていただきたいし、ここでは時間がかかりますから、なんだったらば、何かのデータで報告されてもけっこうであります。また、食品の種類だとか数量が激増しておる中で、五千人ぐらい全国におる監視員だけでもって食品の指導あるいは監視ということがほんとうにできるかどうかということをどう厚生省で把握しておられるのか、こういうふうなことについてちょっとお聞きしたいと思います。
#57
○政府委員(金光克己君) 食品衛生監視員は、先ほどお話がございましたように、全国で兼務者を入れまして五千二百名ほどでございます。
 その仕事の内容は、食品衛生法の規定に基づきまして、営業許可業種、あるいは許可業でないいろいろの食品関係業種がございますが、そういったものを監督指導いたしておるわけでございます。それから必要なものにつきましては、ある数量を収去いたしまして、県あるいは市の衛生研究所で検査をいたしておる、かようなことでございます。一つには、また、許可業種の営業許可に関しましていろいろの事務的な扱い、あるいは技術的な指導をいたしておる、かような実情でございます。それで、全国の食品衛生関係の施設というのが二百六十五万ぐらいあるわけでございますが、収去検査は年間に四十六万件ぐらい実施いたしております。行政処分といたしましても、二万九千というような行政処分をそれに伴ってしておるわけでございます。
 この食品衛生監視員が十分であるかどうかという問題でございますが、関係業種もだんだんとふえてまいっておりますが、この食品衛生監視員の配置につきましては、道府県、政令市が配置することになっておるわけでございまして、交付税の算定基礎に入っておるわけでございますが、交付税の算定の中におきましても折衝いたして若干の人員増がはかれるというような見通しでございます。
#58
○大橋和孝君 先ほど渋谷さんの質問の中にもあったかもしれないと思うのですが、食品が国民の健康に害をしているという例がちょいちょいあるわけですね。そしたら、一体、先ほど山本先生が指摘をされましたような特殊なものも出てきている、そういうようなのをあなたのほうはどこで歯どめをするかといえば、これはやっぱり監視員が実際にあちらこちら調査して歩いて、そしてそれをつかんでこないと出てこないわけですね。消費者側から、やってもらう人はだれかというと、そういう人だ。それを、あなたのほうは結局自治体に預けてやらしておるだけで、厚生省は実際はなんにもしていないわけです。そこからあがってこなかったら何もしない、そういうふうに解釈していいんですか。それとも、厚生省としては、この問題に対してもう少し積極的に手足を伸ばしておるのかどうか。消費者側に立ってみたら、厚生省というのは実に無責任だなあという――あなたのいまの説明を聞いていて、厚生省というのは、あってもなくてもいい、かすみの家じゃないかというような感じもあるわけです。なんにもしてくれない。ただ自治体の交付税の対象になるだけである。おまえのほうに監視員を置けば交付税をよけいあげますよと言っているだけで、こういう健康に重要な影響を伴うものがわずか五千人ばかりの監視員では十分でないと思って質問しているのですが、しかも、その身分は自治体にまかして交付税だけ出しているのだということになれば、一体全体厚生省というのはこの種の問題に対して責任をどこでとっておるのですか。
#59
○政府委員(金光克己君) 食品衛生の仕事は、国は国、地方自治体は地方自治体、それぞれの立場で責任を持ってやっておるわけでございまして、地方自治体が実体的には取り扱っておるわけでございます。そういうことで、国としましてはそれを指導いたしておるという立場にあるわけでございます。そういう関連で行なっておるわけでございますが、食品衛生監視員五千人ということではなかなかやれないじゃないかというのは、確かに先生御指摘のとおりでございます。そういう意味で、食品衛生の確保というのは行政庁だけでできるわけじゃないわけでございまして、そういう意味で食品衛生法に基づきます食品衛生管理者というものも必要な施設には配置をすることにいたしまして自主的な規制をするということと、それからもう一つは、食品関係の団体といたしまして食品衛生指導員というのを全国で約三万名ぐらい設けておりまして、そういった指導員が中心になられまして自主的な活動をする、保健所とタイアップして仕事していくと、こういうこととあわせまして総合的に食品衛生の体制を推進している、かような実情でございます。
#60
○大橋和孝君 そうすると、監視員というのは、見るまでもなく食品衛生監視員ですね。監視員というのは、地方自治体がどういう義務を与えて、どういうふうな雇用関係をどういうふうに明らかにされておるか。それからいまあなたおっしゃっている指導員は、保健所あたりと組んでやっておるというのですが、この指導員というのは一体どういう身分にあって、そしてどういう系列に入ってやっているのか。私はちょっといまのととろ勉強しておりませんのでそこらの点は明確にしておりませんが、どういうことをやっているかどうか判断の基準がありませんから、そういうことを説明していただきたいのと同時に、いま私があなたに申し上げておるのは、厚生省はそういうところでやっているものをどういうふうに把握しているか。あるいはまた、関連系統はどうなっておるのか。あるいはまた、その資料はどういうふうにあがってくるのか。先ほどどなたかから指摘されたように、問題があるのは、消費者が間違って死んだりあるいは中毒を起こしたりなんかしてはじめて問題になるので、ほんとうは、あなたのほうからこれをつかんで、そしてそれを予防的にぴちっぴちっとチェックできるような体制でないというところが心配だから、先ほどからいろいろな角度からお伺いしているわけです。だから、私は、この衛生監視員とか衛生指導員というもののいわゆる仕事の内容ですね。あるいはまた、それがどういうふうな系列でもってやっていくのか。そして、そこでやられることはどういうふうな自主的にやるべき任務を負わされておるのか。そして、あがったときにはどういうふうに処理していくのかという、その業務の内容、業務のしかた。それからあと、それぞれに対しての処理方法というものがうまく一連の系列にのって動かれなかったら、この監視員の目的は達せられないわけですね。そういうことは厚生省の中でぴちっとできておりますか。
#61
○政府委員(金光克己君) 食品衛生監視員というのは、都道府県または政令市が吏員の中から任命するということになっておるわけでございます。そうして、これの任務につきましては、これは食品衛生法に基づきまして食品を監視しておる、こういう立場になっております。したがいまして、いろいろと現場へ出かけましてその食品の安全性を確かめるということ、それからもう一つは、都道府県におきまして食品業種につきまして許可業としての施設基準を設けておりまして、その施設につきましても安全性を確かめておる、かような意味を持っているわけでございます。食品衛生指導員と申し上げましたのは、業界自体が自主的に任命しておるものでございまして、食品衛生協会というものが中央にございますが、各県に支部がございまして、支部長が任命しておるということでございまして、業界自体の自主的な活動ということでございます。そういうことで、そういった人たちが保健所の監視員とタイアップしまして総合的な監視をいたしておる、かような状況でございます。
#62
○大橋和孝君 いま説明の中にありましたように、私がいま申し上げているのは、そこに大きな食い違いがあるわけですね。いまおっしゃっている衛生指導員と衛生監視員があればほぼここでチェックされるように受け取れますけれども、現実はどうかといえば、私のほうから申し上げましょう。これらの人は、たとえば、ここは料理屋、ここはお菓子の製造屋というところへ回って行きまして、せいぜい金網が張ってあるとかどうとか、そんなことを回って見て、ほんとうに添加物がどうだとか製品がどうだということは二の次じゃないかと私は思うわけです。私が申し上げているのは、監視員ではもちろんできませんけれども、任務の中でお尋ねしておるのは、むしろその添加物はどうかとか品質についてはどうかという点検をしていないわけですね。実際においてもし監視員なり衛生指導員がいままでにおいて製品の何が悪かったかということを摘発した事例があったら、私はその事例を、いまからいろいろ言ってもらったらたいへんでしょうから、資料にしていただきたいと思うのです。いつには何をどこがどこでどういうものをチェックした人だということをひとつ聞かしていただきたい、こういうふうに思うわけであります。
 だいぶ時間がなくなりましたから、私、一、二はしょりまして、またこまかしいことはこの次にやりますが、総括的なことできょうは終わらしていただきたいと思いますが、御存じのように、三一書房から「危険な食品」という本が出ています。あれを読ましていただきまして、実におそろしいことを感じました。おそらく皆さん方もそういうことを御体験だろうと思うわけでありますが、私はいかに食品衛生行政が不備であり、また危険な食品がはんらんしておるかということをあの品物の分析を見まして私は感じました。私は、そういう観点からいって、厚生省は、先ほどの問題に戻りますが、ああいうものを見ても、それは規制してあるとか十分監視されていると御把握になっているのかどうか。私は、ここで、厚生省の方、ことに食品をやっておられる課長さんあたりの心臓の太さといいますか度胸のよさに感銘するわけなんです。こういう点については、添加物が非常に人体に影響しておるということを明確に書いておりますから、そういうことに対して少なくとも厚生省としてはそうでないということを反論しなければいけないのじゃないかと私は思うわけです。そういう点からして私はくどいように申し上げておりますが、厚生省としてはどうかひとつこの問題については真剣に取り扱っていただきたい。
 ことに、最近また新聞紙上なんかをにぎわしているのに、おもちゃなんかに先ほどから申しております色素が使われております。幼児がねぶることによって非常な危険が起こるだろう有害な色素が使われている、こういうことをいっております。また、都立の衛生研究所がまとめた結果で、ゴム風船とか、プラスチック製ラッパ、あるいはでん粉製のおはじき、ままごと遊びの道具などを四百八十六種検査しておられるようですが、百十六種が人体に有害だということを発表しておられる。その有害なのは、ローダミンB――赤い色とか、オーラミン――黄色の色素、こういうものはみんな肝臓とか腎臓なんかに障害を起こすだろうということが言われているわけですね。特に抵抗力の弱い人や子供さんなんかにはそういう事例があるというようなことも報告されているわけです。
 あるいはまた、先ほど私もちょっと申しましたが、ベニショウガなんかでも、この着色料にはブリリアントスカーレット3Rというものが出ていましたが、これはペンキやマジックインキに使われている工業用のものですよ。こういうものがベニショウガなんかにも塗られているわけです。これは私は危険そのものだと思うわけですね。またいろいろなことが頻発しておるわけでありますからして、こういうもののチェックということは、先ほど私がいろいろ申し上げたように、非常に大きな問題であります。また、カネミなんかの油も、中毒が出てこなかったらわからなかったでありましょう。ああいうものももう少し早くチェックしていなければならない。消費者側から考えていただきたい。消費者側は、油を使うときには、ごちそうになって太ろうと思って使うわけですが、その中にものすごい毒があってあのようなみじめなかっこうが出てくるわけですから、これは厚生行政の上からいえば非常に大きな問題であろうと思うわけです。こういう観点から、いろいろないままでの大まかな表面上のいわゆる行政面からいってどうかということが考えられる点を、厚生省のほうでは、ほんとうに消費者側に立ってこれをどうするかということを考えてもらいたい。そうするためには、いまの食品衛生法ももっと早く改正すべきでしょう。少なくともJASマークの問題でこの表示云々の問題を農林省はやったんですから、それ以前に厚生省はやるべきだ。こういうことは非常に大事な問題であります。また、外国の例なんかを先ほど言って、私はまだ答弁をいただいておりませんけれども、諸外国についてのそういういろいろなデータをいただきたいと思います。同時にまた、西ドイツのいわゆる添加物を規制する問題も、企業のほうから開発をしてくるんじゃなしに、こういうものは使っていいか悪いかということを一ぺん再検討してこれは厚生省の側からやるべきであるということに規制しないと、勝手にもうかるからといってつくってこられたものをいかに規制しようかというそういう受け身ではだめだと、こういうことを先ほどから強く希望を申し上げておるわけです。これについてひとつ大臣に政務次官から十分にとりなしてもらって、この問題について真剣に取り組んでいただけるかどうか、私は政務次官の決意のほどを聞いて、こういったきょうのおもだった議論はこれで終わって、そうしてこの次はもう少し部分的に各方面についての規制のしかたについて、あるいはもっとその実態について今度はもっと詳しく質問さしていただきたいと思います。きょうはそういうことで終わらしていただきたいと思います。
 もう一つは、今度は農林省のほうですが、JASの改正は一歩の前進であるとは思っておりますけれども、これでもっていま言う食品というものがほんとうに国民の消費者側に立っていけるかどうか、先ほどの問題等もあるわけですからして、これまた農林省のほうでは徹底的にいまの食品のあり方というものを考えてもらいたい。添加物でありましょうとも、いまのような増量の目的に使われるその他もろもろの付加物、こういうものに対しては、農林省のほうでは、品質を改良するという意味からもひとつテコ入れをしていただきたい。そうして、今後、社会情勢が、非常に忙しい状態、夫婦共かせぎというような状態であって、食品というものはできるだけインスタントの方向に行こうとしているわけです。これは冗談でありますが、私はイヌを飼いました。イヌを飼ったら、ドッグフードというものがありまして、こんなあられのようなものを食わしたらイヌはどんどん太っていくわけです。もっとこの食品というものが改良されたならば、もろもろの調理のめんどうはなくなって、ほんとうにもう幾つかのものを食べたら働ける状態になってくる。宇宙食で持って行かれるものなんかは、あれで完全にエネルギー源を持っていけるような状態になっている。ですから、農林省の立場からいえば、もっと食品というものが開発をされてレベルの高いものになって、そうしてそれを調理をするためにあちらこちらで買いあさってやらなくても、もしそういうようなインスタントのものでレベルの高い、栄養のある、たとえば宇宙食のような航空食として持って行かれたようなものができるならば、むしろこれは望ましいのじゃないかと思うわけです。ところが、それを逆コースを行っているわけですから、農林省側としてはこういう食品に対してもう少し真剣に考えてもらいたい。これはひとつ大臣のほうにもよく言っていただいて、今後のあり方についても示してもらいたい。これは、JASマークのあれをつくったからもうりっぱになった、前進したというふうな解釈では相ならぬと思うわけでありますから、そういう点ではどうか十分に農林省は農林省側としてこれを前向きに検討して、もっとレベルの高まったものにしていくためにはどうするかということをJASマークの問題と一緒にやってもらいたいと思いますので、一言両方から御決意のほどを聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
#63
○政府委員(粟山秀君) 食生活の近代化とか食品の多様化、そういういろいろな面を考えまして、国民がいま直面している食物から受ける被害というようなものについての対策は、決して十分じゃないと、そのように思います。したがって、今後十分に検討いたしまして、これに対する対策を十分とらなくちゃならない、ことに添加物などについては早急に検討いたしましてその方策を講じなければならないと思いまして、十分に大臣に御進言を申し上げます。
#64
○説明員(宮崎武幸君) 農林省におきましても、ただいま先生のお話にございましたように、昨今の食生活の目まぐるしい変化に対応しまして、新しい食品というふうなものが非常にたくさん次から次にと出てきている、こういうふうな状況に対処いたしまして、食品の製造から加工、流通、消費、いろいろな万般の部面におきまして、新しい食生活に対処するように、消費者の立場からの行政というものを今後十分内部においても検討し、かつ行政面でも進めてまいりたいと、このように考えている次第でございます。
#65
○委員長(吉田忠三郎君) 他に御発言もなければ、この程度にして、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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