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#1
第061回国会 社会労働委員会 第13号
昭和四十四年四月十日(木曜日)
   午前十時二十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月八日
    辞任         補欠選任
     鹿島 俊雄君     小林 武治君
 四月九日
    辞任         補欠選任
     小林 武治君     鹿島 俊雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉田忠三郎君
    理事
                上原 正吉君
                鹿島 俊雄君
                大橋 和孝君
                上林繁次郎君
    委 員
                高田 浩運君
                徳永 正利君
                山下 春江君
                山本  杉君
                横山 フク君
                上田  哲君
                小野  明君
                中村 英男君
                藤原 道子君
                中沢伊登子君
   政府委員
       警察庁刑事局保
       安部長      海江田鶴造君
       科学技術庁振興
       局長       佐々木 学君
       労働政務次官   小山 省二君
       労働大臣官房長  岡部 實夫君
       労働省労政局長  松永 正男君
       労働省労働基準
       局長       和田 勝美君
       労働省職業安定
       局長       住  榮作君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       法務省保護局観
       察課長      新井 幹夫君
       大蔵省主計局給
       与課長      相原 三郎君
       文部省初等中等
       教育局中学校教
       育課長      奥田 真丈君
       文部省初等中等
       教育局職業教育
       課長       大崎  仁君
   参考人
       理化学研究所副
       理事長      住木 諭介君
       理化学研究所労
       働組合執行委員
       長        槌田  敦君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○労働問題に関する調査
 (理化学研究所の労働問題に関する件)
 (中高年齢者の雇用対策に関する件)
 (年少労働者の雇用対策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(吉田忠三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 理事補欠選任についておはかりいたします。
 去る八日、鹿島俊雄君が一たん委員を辞任されたので、理事が一名欠員となっております。この際、その補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(吉田忠三郎君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、理事に鹿島俊雄君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(吉田忠三郎君) この際、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 理化学研究所の労働問題に関する件につきまして、本日、参考人そして理化学研究所副理事長住木諭介君及び理化学研究所労働組合執行委員長槌田敦君の出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(吉田忠三郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(吉田忠三郎君) 労働問題に関する調査を議題といたします。
 まず、理化学研究所の労働問題に関する件について調査を行ないますが、ただいま決定されました二名の参考人の方の御出席を願っております。
 この際、参考人の方に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多用中のところ、御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。労使双方から事情について御報告を願うとともに、忌憚のない御所見を拝聴いたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 では、これより御発言を願うのでございますが、まず参考人の方からお一人五分ないし十分程度で御発言を願い、そのあと、委員からの御質疑に対しお答えを願うようにいたしたいと存じますので、その点をあらかじめお含みおきをお願いいたします。
 それでは、まず住木参考人からお願いをいたします。
#7
○参考人(住木諭介君) ただいま御指名にあずかりました理化学研究所の副理事長をしております住木諭介と申します。
 このたび、理化学研究所の昭和四十三年度に関する給与改定につきまして、労使の交渉が長引き、関係各方面に御迷惑をおかけしましたことを恐縮いたし、まず最初におわびしておきます。
 以下、労使間の交渉経過につきまして、簡単に経過報告をさせていただきます。
 理化学研究所は、昨年十一月八日、組合に対し給与表の改定案を示し、それ以来たびたび団交を重ねて組合と折衝を続けてまいりました。組合側は、理化学研究所が提案しました給与表の修正を主張し、これに対し研究所側は、その修正には応じがたいと主張してきました。その間、三月七日の団交においては、給与表案の再検討を試みる旨話をいたしました。しかし、その次の十日の団交において、十分検討はしたけれども給与表の修正は困難であることを通知いたしました。その際、給与の協定は所が提案した表で行なうこと、また組合の要望をも考慮して、若年層の一部に対しては実質的な配慮をする旨提案いたしました。しかし三月十五日の団交において、この案に関し、組合と所側の意見の折り合いがつかず、団交はもの別れとなり、三月十七日に、組合は、埼玉県の地方労働委員会にあっせんを申請しました。
 地方労働委員会におきまして、研究所側は、三月二十四日以来、前に申しました組合との協定は、所が提案した表で行ないたいということ、また組合の要望を十分考慮しまして、若年層の一部に対しては実質的な配慮で処置したいということ、その前提で交渉を続けてまいりました。
 組合は、三月二十五日に、昭和四十四年三月までの分については所の提案に同意をしてくれました。しかし四十四年四月、つまり本年度の始まりからさらに表を改定してくれと、新しい要求をしてきました。給与表は、昭和四十三年七月にさかのぼって実施され、四十四年度の給与改定の前まで施行されるものでありますから、四月に表を再度修正することは不可能なことなのでありましたので、再度断わらざるを得ない状態になりました。所は、年度末の期日が迫りましたので、このことを組合に告げまして、交渉に努力をしてまいりましたが、三月二十七日、あっせんはついに不調に終わりました。
 一方、四十三年度分の給与改定につきましては、予備費を昭和四十四年度に繰り越して支出することはできない規則になっておりますので、年度内に改定に関する必要な手続を完了し、支払いをしなければ、ベースアップの差額の支給ができなくなるのであります。そのために手続に必要なぎりぎりの三月二十八日に至り、団交において組合に通告するとともに、やむを得ず給与改定の承認の申請と、それから予備費使用の認可申請を科学技術庁に対して行ないました。三月三十一日、その承認を得まして、就業規則の改正手続を行ないました。これによって三月三十一日、ベースアップ差額の支給を行なうに至った次第でございます。
 以上で、いままでの理化学研究所におきまする所と労働組合との経過のあらましを御報告いたしました。
#8
○委員長(吉田忠三郎君) ありがとうございました。
 それでは、次に槌田参考人にお願いいたします。
#9
○参考人(槌田敦君) 理化学研究所労働組合の委員長の槌田敦でございます。
 四十三年度のベアの交渉というのは、四十三年六月二十日、理化学研究所労働組合から理化学研究所に対して出した統一要求書で始まるのです。それからずっといままで交渉が続いているわけですが、その初めの段階でどのようなことになったかといいますと、六月二十日から七月のたしか十五日に団体交渉があったわけですが、そのときに、所側の申しますのは、人勧が出るまでは何とも言えないということなんです。人勧が出ますと、今度は、人勧は出たけれども、閣議決定が済むまではどうしようもない、閣議決定が出たから、じゃ何とかしてくれと申し込みますと、いや、内示が出ない以上はというふうに、ぬらりくらり無意味な団交を――所は団交には応じはするのですが、団交の内容というのは、次から次へと時期がたってもことばづかいは変わってきても、言っておること、内容は同じというのが連続して行なわれたわけであります。
 それで、十月八日に内示が出まして、このときは要求後大体三カ月余りたつておるのでありますが、その内示の内容というのは、人件費の総ワクが七・九五%上昇、それから初任給の引き上げ額が二千四百円それから実施時期は八月にするというような内容の内示が出たわけですけれども、これで話が進むかと思って、組合のほうは、賃金表は公開でつくれ、団交の場でつくれというふうに申し入れたのですけれども、所のほうはしばらく待てと繰り返すばかりです。組合のほうも団体交渉で、賃金表はここでこしらえなければ労使対等ではないのだと非常に強く主張したのですけれども、何度言ってもしばらく待てとしか言わない。で、十一月七日になりました。要求を提出後四カ月余りたっているわけですけれども、所のほうでは第一次回答を賃金表の形で出しました。この賃金表の形で出た第一次回答というのは二つの点で不合理である。
 一つは、年齢の点では大体三十二、三歳まで、若年層といいますか、中堅までといいますか、その人たちの給与の上昇率が極端に悪い。ほかのほうの部分は八・何%というところまでいっているのに、この部分では八%以下のところもかなりある。金額にして言いますと数百円くらい値切られていることになります。
 それから、もう一つの不合理な点は、主任研究員及び部長クラスのところ、ここでは上昇率が一一・一%というべらぼうなのがある。額にして言いますと、一万七千円も一挙に上げようとしております。こういうことを組合のほうはちゃんと分析しまして、資料をそろえて指摘したわけですけれども、所の答えは、この指摘を何ら団交で乗せてくれない。指摘には答えないで、ことしはこれで通します、一発回答です。これを何回も繰り返すばかりです。組合のほうでは、そういう答えを聞いてさっそく去年の調査を始めた、おととしの調査も始めた。そうしますと、四十二年度のほうも若い層に対して、やはり同じ三十二、三歳までの部分が数百円値切られているということが明らかになったわけです。特にこの点は非常に大事な点ですけれども、大蔵省の内示で四十二年度もやはり二千四百円の引き上げ額を認めている。それを理化学研究所では二百円値切って、二千二百円しか初任給を上げない。そのことのため、ことし目一ばい二千四百円上げても、やはり去年と同じように、ほかとの差がついてくるわけです。具体的に言いますと、第一次回答では、科学技術の理化学研究所の初任給は三万一千八百円です。ですけれども、ほかの特殊法人のどこをとってみても三万二千円です。もっと多いところもあります。しかし、おととしまで同じだった初任給を去年から二百円値切られている。要するに連続して若年層の初任給を値切って、それを主任研究員、部長クラスのところへ積み上げている。そのことが今度の理化学研究所労働組合にとって不満の最大の原因です。これは去年、ことしだけの問題じゃなくて、おととしも、その前もあった。こういうことの話になっているわけです。そういうふうに値切られた結果どういうことになったかということを組合で調査しました。そうしますと、これはほかの特殊法人に比べてずいぶん大きな格差が出てきます。たとえば通産省関係のある特殊法人と比較いたしますと、平均月額にして二千二百円の差がついています。初任給から六年間の部分の平均月額にして二千二百円の差がついている。それから、これはたしか三年目だったと思いますけれども、ジグザグになっていますから変わっていますが、最高で五千四百円も差がつく。六年間合計いたしますと、いろんなものへのはね返りを含めて二十五万円もほかの特殊法人と理化学研究所の間には差がついているわけです。
 そこで、組合のほうでは、この値切りの回復を今期の四十三年度の賃金の場合の最大の要求にしまして、この回復について非常に強く交渉したわけです。けれども、所のほうは一発回答である、ことしはもう変えませんということを繰り返すばかりなんです。ではなぜ変えないかと聞きますと、それは原研や、情センや、動燃や、ほかの特殊法人とのつき合いもある。要するにつき合いで賃金がきめられている。このことにぼくたちは非常に憤慨するわけです。そのつき合いとはどういうものかといいますと、科学技術庁関係の特殊法人の理事の集まりで、「二水会」と呼ばれていますが、その「二水会」で話し合って賃金をきめている。その統一賃金で理化学研究所だとか、原研だとかの賃金をきめるというようなことをやっている。その統一賃金の規制の範囲というのは初任給からほぼ六年の間です。組合のほうでは、そのようなことは不当である、労働法が適用されている以上、理化学研究所と組合との間だけで賃金はきめるべきもので、そのほかの特殊法人のかってにきめてきたもののつき合いで賃金をきめるのは、これは労働法の違反だと主張したわけです。そうしますと、所のほうでは、今度はそのつき合いを理由にしなくなるのです。「二水会」を理由にした員会にあっせんを申請しました。
 地方労働委員会におきまして、研究所側は、三月二十四日以来、前に申しました組合との協定は、所が提案した表で行ないたいということ、また組合の要望を十分考慮しまして、若年層の一部に対しては実質的な配慮で処置したいということ、その前提で交渉を続けてまいりました。
 組合は、三月二十五日に、昭和四十四年三月までの分については所の提案に同意をしてくれました。しかし四十四年四月、つまり本年度の始まりからさらに表を改定してくれと、新しい要求をしてきました。給与表は、昭和四十三年七月にさかのぼって実施され、四十四年度の給与改定の前まで施行されるものでありますから、四月に表を再度修正することは不可能なことなのでありましたので、再度断わらざるを得ない状態になりました。所は、年度末の期日が迫りましたので、このことを組合に告げまして、交渉に努力をしてまいりましたが、三月二十七日、あっせんはついに不調に終わりました。
 一方、四十三年度分の給与改定につきましては、予備費を昭和四十四年度に繰り越して支出することはできない規則になっておりますので、年度内に改定に関する必要な手続を完了し、支払いをしなければ、ベースアップの差額の支給ができなくなるのであります。そのために手続に必要なぎりぎりの三月二十八日に至り、団交において組合に通告するとともに、やむを得ず給与改定の承認の申請と、それから予備費使用の認可申請を科学技術庁に対して行ないました。三月三十一日、その承認を得まして、就業規則の改正手続を行ないました。これによって三月三十一日、ベースアップ差額の支給を行なうに至った次第でございます。
 以上で、いままでの理化学研究所におきまする所と労働組合との経過のあらましを御報告いたしました。
#10
○委員長(吉田忠三郎君) ありがとうございました。
 それでは、次に槌田参考人にお願いいたします。
#11
○参考人(槌田敦君) 理化学研究所労働組合の委員長の槌田敦でございます。
 四十三年度のベアの交渉というのは、四十三年六月二十日、理化学研究所労働組合から理化学研究所に対して出した統一要求書で始まるのです。それからずっといままで交渉が続いているわけですが、その初めの段階でどのようなことになったかといいますと、六月二十日から七月のたしか十五日に団体交渉があったわけですが、そのときに、所側の申しますのは、人勧が出るまでは何とも言えないということなんです。人勧が出ますと、今度は、人勧は出たけれども、閣議決定が済むまではどうしようもない、閣議決定が出たから、じゃ何とかしてくれと申し込みますと、いや、内示が出ない以上はというふうに、ぬらりくらり無意味な団交を――所は団交には応じはするのですが、団交の内容というのは、次から次へと時期がたってもことばづかいは変わってきても、言っておること、内容は同じというのが連続して行なわれたわけであります。
 それで、十月八日に内示が出まして、このときは要求後大体三カ月余りたつておるのでありますが、その内示の内容というのは、人件費の総ワクが七・九五%上昇、それから初任給の引き上げ額が二千四百円それから実施時期は八月にするというような内容の内示が出たわけですけれども、これで話が進むかと思って、組合のほうは、賃金表は公開でつくれ、団交の場でつくれというふうに申し入れたのですけれども、所のほうはしばらく待てと繰り返すばかりです。組合のほうも団体交渉で、賃金表はここでこしらえなければ労使対等ではないのだと非常に強く主張したのですけれども、何度言ってもしばらく待てとしか言わない。で、十一月七日になりました。要求を提出後四カ月余りたっているわけですけれども、所のほうでは第一次回答を賃金表の形で出しました。この賃金表の形で出た第一次回答というのは二つの点で不合理である。
 一つは、年齢の点では大体三十二、三歳まで、若年層といいますか、中堅までといいますか、その人たちの給与の上昇率が極端に悪い。ほかのほうの部分は八・何%というところまでいっているのに、この部分では八%以下のところもかなりある。金額にして言いますと数百円くらい値切られていることになります。
 それから、もう一つの不合理な点は、主任研究員及び部長クラスのところ、ここでは上昇率が一一・一%というべらぼうなのがある。額にして言いますと、一万七千円も一挙に上げようとしております。こういうことを組合のほうはちゃんと分析しまして、資料をそろえて指摘したわけですけれども、所の答えは、この指摘を何ら団交で乗せてくれない。指摘には答えないで、ことしはこれで通します、一発回答です。これを何回も繰り返すばかりです。組合のほうでは、そういう答えを聞いてさっそく去年の調査を始めた、おととしの調査も始めた。そうしますと、四十二年度のほうも若い層に対して、やはり同じ三十二、三歳までの部分が数百円値切られているということが明らかになったわけです。特にこの点は非常に大事な点ですけれども、大蔵省の内示で四十二年度もやはり二千四百円の引き上げ額を認めている。それを理化学研究所では二百円値切って、二千二百円しか初任給を上げない。そのことのため、ことし目一ばい二千四百円上げても、やはり去年と同じように、ほかとの差がついてくるわけです。具体的に言いますと、第一次回答では、科学技術の理化学研究所の初任給は三万一千八百円です。ですけれども、ほかの特殊法人のどこをとってみても三万二千円です。もっと多いところもあります。しかし、おととしまで同じだった初任給を去年から二百円値切られている。要するに連続して若年層の初任給を値切って、それを主任研究員、部長クラスのところへ積み上げている。そのことが今度の理化学研究所労働組合にとって不満の最大の原因です。これは去年、ことしだけの問題じゃなくて、おととしも、その前もあった。こういうことの話になっているわけです。そういうふうに値切られた結果どういうことになったかということを組合で調査しました。そうしますと、これはほかの特殊法人に比べてずいぶん大きな格差が出てきます。たとえば通産省関係のある特殊法人と比較いたしますと、平均月額にして二千二百円の差がついています。初任給から六年間の部分の平均月額にして二千二百円の差がついている。それから、これはたしか三年目だったと思いますけれども、ジグザグになっていますから変わっていますが、最高で五千四百円も差がつく。六年間合計いたしますと、いろんなものへのはね返りを含めて二十五万円もほかの特殊法人と理化学研究所の間には差がついているわけです。
 そこで、組合のほうでは、この値切りの回復を今期の四十三年度の賃金の場合の最大の要求にしまして、この回復について非常に強く交渉したわけです。けれども、所のほうは一発回答である、ことしはもう変えませんということを繰り返すばかりなんです。ではなぜ変えないかと聞きますと、それは原研や、情センや、動燃や、ほかの特殊法人とのつき合いもある。要するにつき合いで賃金がきめられている。このことにぼくたちは非常に憤慨するわけです。そのつき合いとはどういうものかといいますと、科学技術庁関係の特殊法人の理事の集まりで、「二水会」と呼ばれていますが、その「二水会」で話し合って賃金をきめている。その統一賃金で理化学研究所だとか、原研だとかの賃金をきめるというようなことをやっている。その統一賃金の規制の範囲というのは初任給からほぼ六年の間です。組合のほうでは、そのようなことは不当である、労働法が適用されている以上、理化学研究所と組合との間だけで賃金はきめるべきもので、そのほかの特殊法人のかってにきめてきたもののつき合いで賃金をきめるのは、これは労働法の違反だと主張したわけです。そうしますと、所のほうでは、今度はそのつき合いを理由にしなくなるのです。「二水会」を理由にしたし、非常に敬意を払っておるものでありますが、その中には、いま紛争になっているような、ほんとうに何と申しますか、基礎的な問題が非常にうまくいっていない。一方では科学の先端をいく研究がなされておる、一方では労使間の問題がこじれておるというような、非常に科学の先端をいくところで、そういうふうな見にくい状態があることは、非常に嘆かわしい日本の状態ではないかと思うわけでございます。特に、私は副理事長にお尋ねを申し上げたいと思うのでございますが、第一番目には、給与を改定するような場合、やはり労働者側の意見を聞き、話し合いをしながら進めていただくという根本条件が必要ではないか。しかし、この特殊法人の給与の問題ということに対しては、私どももわからぬわけじゃありません。ですが、その段階においてやはりそうしたことが十分配慮されなければならないにもかかわらず、しかもその給与に大きな格差が出てきておる。先ほど指摘されましたが、他の特殊法人に比べて二千何百円、四千円というような大きな開きができてくるということは、やはり理事者側としての配慮が足りないのではないか、あるいは何が原因でそうなっているかということを副理事長の側からお答えをいただきたい、それが第一点。
 それから、いままでの団交の中で、いまのお話では三月七日に団交をして、組合側と話し合いをして、そして給料表の改定をするという約束をした、それは副理事長もそうおっしゃいましたからそれはあったんでありましょうが、いま組合側から聞きますと、このときにはやはり給与表の特に改定部分、いわゆる三等級のところなんかも三万四千百円を三万四千三百円にすると、それからこの九号俸ですか、三万六千六百円を三万六千八百円にする、十三号俸の三万九千八百円を四万円にする、それから十七号俸のところの四万二千六百円を四万二千九百円にする、二十一号俸のところでは四万五千四百円を四万五千七百円にするということを明示されたと言っておりますが、口頭であるかどうか存じませんが、それがあったかどうか。それはどのようにしてお話になったかということを御回答願いたい。
 それから、また第二次回答を出したのならば、これはどういうふうな形で回答されたかを聞くと同時に、その後の処置は、どういうふうに研究所側ではこれを処理されたか。あなたのお話だと何も出さなかったというお話でありますが、これに対して、科学技術庁のほうにどういうふうに上申されたか、あるいはまたどういうふうに努力してこれに対して処置されたかという、この四点について御意見を伺いたいと思います。
#12
○参考人(住木諭介君) お答えいたします。
 給与改定の点につきましてお尋ねがありましたが、これにつきましてどういうふうにお答えしたらいいか、三月七日に改定すると口頭で約束した、それはどうなのかという御質問であったと思いますが、それから第二次案といっておられますが、この第二次案というのは、聞き返して申しわけありませんが、三月七日に改定するといったそれが第二次案と、こう大橋委員はおっしゃっているのでございましょうか、そうでございますか。もしお答がとんちんかんになると申しわけないと思いまして……。
#13
○大橋和孝君 三月七日に書きかえの要求が組合側から出ましたね。そうしたら、あなたのほうではそれに対して書きかえすると、いま私が読んだように、二百円ないし三百円をアップする、何号俸では二百円上げて合計何ぼにすると、こういうことを口頭で話されたのか、文書で回答されたのか、ぼくはわからないから、どういうふうにそのときは回答されたのかということ、この点聞きたいと思います。
 それから、質問をはずされていますからもう一回言いますと、第一点では、これまで共通の統一要求として組合側が出してきておりますが、その中で、いま話を聞くと四千円とか、二千円とか、こういうふうな差ができているわけですね、ほかの特殊法人に比べて。こういうことをあなたのほうではどういうふうに把握されているか。こういうりっぱな科学の研究をやられているところでは、その給与は最高に行けるようなことを考慮していなければならないはずなんです。また、あとから私は大蔵省にもあるいはまた労働省にも質問しようと思うけれども、大蔵省といえども、こういう法人に対しては、重大な仕事をやっておられるのだから、給与もできるだけのものは上げられるような方法を講じなければならないわけですね。そういう関係の中にあって、あなたのほうは管理者であるから、これに対してどうされたか、こういうことを聞きたいわけです。それが第一点です。
 第二点には、その三月七日の日の団交で、あなたのほうでその第二次案というものを示されたかどうか、これが第二点。
 第三点では、それを書きかえをしてくれということを組合側から要求しておるのですからして、これに対してどういう形で回答したか、これが第三点。
 第四点というのは、そういう回答をするに当って、あなたのほうでは、一体科学技術庁のほうに対してどういうふうなその後の努力をしてこられたか、その点についてひとつ話を聞きたい、こう思うわけです。
#14
○参考人(住木諭介君) 話がとんちんかんになって、私の理解が足りなくて申しわけないと思いますが、また答えが順序を追ってないかもしれませんけれども、第二次案として提出しながら途中で引っ込めた理由はいかん、この御質問にまずお答えいたしたいと思いますが、表を直すという第二次回答はしておりませんが、ただ、実質的に若干の考慮をすることは回答をしております。埼玉県の地方労働委員会のあっせんの際にも同じ提案をいたしておりまして、組合も四十三年度分についてはこれに同意をしておりました。
 それから大蔵省の示した基準より初任給が低いじゃないか、所は、どういう努力をしたかという御質問であったかと思いますが、所といたしましては、御指示のとおり、私としても理研の研究を促進したいと、日夜ほんとうに心身ともに努力をいたしてきておりますが、しかし、いろいろの点を考えまして、理研の職員の構成上のこともありますので、若い層のほかにも中堅層の方もおられますし、それからまた上級職という言い方は悪いかもしれませんが、こういう方もおられますので、所としては、そういうすべての職員の構成から考えて一番適当だと思った表を出したわけでございます。
 それから格差がある、なぜこういう格差があるのかというあれでございますが、各法人によりまして、これはある程度違っていると思っておりますのですが、これで返答したと思いますが……。
#15
○大橋和孝君 じゃ、一つずつお伺いさせていただきます。
 第一点は、こういうことをひとつお尋ねしたいと思うのですが、こういうふうな給料表の中で、あなたのほうでお考えになるその重要性、あるいはどれが妥当であるかということで、多少その初任給の開きだとか、あるいはまた上級の方との重さというもので変えているようでありますけれども、この理化学研究所は相当古くからできておりまして、いままでの過程から申しますと、何でもこの主任の研究員というのがかまえておって、その主任の研究員の方の意向によってほとんど独裁的にやられておるというような、いわゆる大学教授並みのような仕組みが、私がずっといろいろ調べさせてもらった上では、あるわけでありますが、まあそれはそれでまたいろいろの特色もあるが、また一方には弊害もあることでありましょう。ですが、そういうことからいって、比較的高給者に対しては厚く、中あるいはまた初任給に近い人たちには非常に薄いと、こういうようなものがあったんではないかと思うわけであります。ですから、そういうことに対して組合は反発をして、なるべくそういう薄いところをふやしてくれということで要求が出た、これがいままでのいきさつではないかと、私はいろいろ調べさしていただいてそう思っているわけでありますが、やはり七日の団交では、あなたのほうではいろいろ要求を聞いて、それはひとつ改定をしよう――これは地労委の問題もあとでは入ってきたでありましょうが、そういうことで合意をしておられたわけでありますからして、そのとき、あなたのほうのおっしゃっているのは、幾分の手直しをというお話であったのですが、その幾分の手直しというものは、いま私が読み上げた一もう一ぺん申しましょうか。五号俸では三万四千百円のやつを三万四千三百円にする、それから九号俸では三万六千六百円を三万六千八百円にする、十三号俸では三万九千八百円を四万円にする、これで二百円上げているわけですね。それから十七号俸では四万二千六百円を四万二千九百円にする、二十一号俸では四万五千四百円を四万五千七百円にする、こういうようなぐあいにして、二百円、三百円というわずかな金ですね。今日の物価高から言えば何にも買えぬわけですね、二百円、三百円では。それを上げるとか、上げぬとかいうことですから、ぼくらから考えればもう少し何とか方法があろうと、こう思うわけですが、そういう問題の手直しということに受け取っていいわけですね、あなたのいまおっしゃっているのは。手直しを約束したとおっしゃっていましたが、それはこのことを意味するわけですね。
#16
○参考人(住木諭介君) 理化学研究所の研究体制と申しますか、それは大学と同じような講座制――まあ講座制とは申しませんが講座制に類するものをとっております。その構成は主任研究員、それから副主任研究員、研究員、研究員補と、こういう構成をとっております。この体制がいいか悪いかということにつきましては、私どもだいぶ前から考えておりまして、いろいろ外部の方、あるいは内部の方にもアンケートをとりまして、組合も協力してやってくれております。いまの制度がいいのか悪いのか、利点もあります、欠点もありますけれども、それならばその欠点をどうして防げるか、利点は生かして、欠点をどうしたらいいか、現在検討しつつございます、将来どうなるかは別といたしまして。現在の体制におきまして、さき言われた二百円の差、初任給のところのあれは実質的な考慮をする、表は直せないが実質的にはこういうふうに直しましょうということを口頭で言っておりまして、その際も、私どもとしては、若いほうの人のことも十分考慮してと、そういうふうに口頭で返答したわけでございます。
#17
○大橋和孝君 では、いま私が申し上げたのを口頭で回答されたわけでありますが、それを回答されたあとで、あなたのほうはどう一体処置をなさいましたか。その二次案を科学技術庁のほうへ示して、これを認めてもらうように努力をなすったかどうか。その点をひとつ聞かしていただきたいと思うわけであります。二次案を示しっぱなしであるのか、それをどうされたのかということですね。
#18
○参考人(住木諭介君) 実質的に年度末手当で考慮するということを言っておりまして、表の書きかえでないために、科学技術庁と交渉いたしておりません。
#19
○大橋和孝君 私の聞いているのは、年度末で調整するというのじゃなくて、表をかえるということを言っていると聞いているわけですが一へんなことを教えてだめじゃないか。――変にちょこちょこしないで、ちゃんと副理事長に聞いているのだから。ぼくは少しここのところは考えてもらいたいと思う。いまの話では、そういうふうに書きかえを、二百円、三百円上げるということを考えられたと解釈していいのでしょう、年度末にどうせ云々ということじゃなしに。そうであるということに、いまお話されたのではなっているわけです。
 時間がかかりますから、次の質問に移って、あわせて答弁していただきたいわけですが、もし出されなかったとしたら、その後の団交において、出さなかったということをもう少し明確にしなければいかぬだろうし、団交のしかたも、二次案について云々というようなことで団交を持っておられることは、労働組合に対しての正式な団交の場において、それでは労働組合に対する不当労働行為というか、労働者の権益を認めないことになるだろうと思います。ですから、その後の団交を持たれていることがむしろ意味のないことになるのではないか、こういうふうに思います。
 特に、私はそこのところで考えてもらいたいことは、科学技術庁に対して要求するものなら要求するようにしなければいかぬし、それができていないならできていないように、労働組合に対してはそのような団交をしなければ、ただあいまいにして、回答ができるとかできないとかいうことでずるずる引っぱっているということが、この労使間の紛争をかもし出したところの一つの大きな原因であると思う。そういうところから話を聞いておっても、それを出さないのでこういうことになったということであれば、これは今度の紛争の中には、理事者側の大きな責任があるのではないかというふうにも感じられますが、その点は副理事長さんはどういうふうにお考えになりますか。
#20
○参考人(住木諭介君) 小さいことになるかもしれませんが、表の書きかえはしない、こう申しました。ただ、実質的に考慮しょう、こう言っておりますので、表を書きかえておりませんから、その点を科学技術庁とは交渉いたしておりません。
#21
○大橋和孝君 それは、実質的にかえられるものなら、要求は二百円、三百円というわずかな金ですからね。副理事長さんは実質的にやってあげようと回答しているが、実質的にかえることと表をかえることは内容同じことじゃないですか。
#22
○参考人(住木諭介君) はなはだ学者でこういうことわからないので、お答えできないで申しわけないとおわび申し上げます。
 それで、先ほどちょこちょこと言われますけれども、私、表の何号俸が何ということはわかりません。非常に申しわけがない。そんな副理事長あるかとこれはおしかりをこうむるだけかと思いますが、お許しを願いたいと思います。
 実質的と申しましたのは、年度末の手当でやるので、表のほうは変えないということでございますので、御了承願えませんでしょうか。
#23
○大橋和孝君 私のほうも、いつものような質問形式であるいは失礼を申し上げているかもしれませんが、先ほどから申したように、科学の先端を行って、そして非常に国のためにも重要な研究をしてもらっているところでありますので、理事長、副理事長の先生方は比較的そういうことに対してうといかもしれぬということはよくわかるのでありますが、しかし、労務管理と申しますか、その責任はやはり持っていただかなければなりませんので、その意味で今度はせっかくおいでいただきましたから御意見を伺っておいて、また大蔵省に対しても、労働省に対しても、あるいは科学技術庁に対しても、私はいろいろとお話を聞いてみようと、こう思いますので、いろいろとうかがったところまでの質問をさしてもらいますけれども、それは悪く思わないで、ひとつほんとうのところを聞かしていただきたいと思うのです。おそらく実質的には少し上げようと思っていらっしゃるわけです、二百円、三百円のことだから。それをある程度組合と話し合いをつけてやっていただく、それも書きかえるのはごく簡単なことなんですから。そうすれば一方支給というか、一方的なことをやらないでも話し合いがもっと進んでいくのではないか。この組合の人たちというのはみな大学を出、科学者が多いわけでありますからして、そんなことを申しては悪いわけでありますけれども、労働組合の中では、理論的には話がわかる組合ではないか。こういうことから考えれば、私はもっともっとそういう点について、理事者側としては、前向きの姿勢でこういうことの話し合いをつけていただくことが、より解決の道になる。
 それから最終的に、私は副理事長にお尋ねしておきたいことは、三月三十一日を過ぎれば費用が使えないから、それまでの間に出してあげようという、そのベースアップの問題について考えられたことはわかるわけでありますが、その前にもう少し話を進めていただく、現段階ではそういうことで行き当たっておりますから。組合のほうからも話があるように、一度一方支給ということを引っ込めて、仮払いなら仮払いということにしておいて、もう一ぺん話し合いをつける。いま副理事長さんのおっしゃるように、手直しをしようというわけですから、それはやはり二百円、三百円の手直しでもいいわけですから、給料表をそういうふうに変えてやって、そうして今度はこういうような方向でだんだんやっていこうということを団交の中で話し合いをつけていただければ、そういうところに戻せば、少し解決がつくのじゃないか。こういうことに対して、ひとつ副理事長のほうはよく考えていただいて、関係方面との関連をとっていただきたい、こういうふうに思うわけです。その点について、いかがでしょう。
#24
○参考人(住木諭介君) 先ほどから団交のことについて、私、言うのを控えておりましたが、この際、言っていいか悪いかと、非常にじくじたるものがございますが、団交におきまして、あるときは大衆団交のような団交もございます。その後、そういうふうな状態でもって、私に団交の席に出ろという、たびたびのあれもございました。たとえば私の部屋に軟禁されまして、便所にも行けない――きたない話ですけれども。朝めしも、それからその晩の夕めしも食べられない、そういうようないわば軟禁状態、そういう状態において、私に団交に出ろと言われましても、どうしても出られない。それで正常のルートであるならば喜んで出ますと、こういうような回答はたびたびしておりまして、私がいかにもひきょうで団交の席に出なかったというようにお考えでございましたらば、いま申しましたようなわけでございます。こんなことを言うべきじゃないかもしれぬ、これは内輪の問題でございますので、言うべきじゃないかとも存じますけれども、一応申しておきます。
 それから仮払いに直してはどうかという御質問でございますが、これは事務的ないろいろ手続がございまして、そういう仮払いに対しては、何といいますか、科学技術庁ですか、大蔵省でございましょうか、予備金から支払うのには、仮払いの形式では金を出していただけない、こういう規則があるのだそうでございます。と言っては、はなはだまた、副理事長、しっかりせよと言われるかもしれませんけれども。それでどうしても確定払いでなければ許可していただけない、そういう事情がございまして、確定払いにしたものはどうすることもできないというふうに、私は考えております。
#25
○大橋和孝君 これは科学技術庁と、それから大蔵省にちょっと答えてもらいたいと思うのですが、いまのお話のように、それは仮払いとか前渡金ということはできないのですか。
#26
○政府委員(佐々木学君) 給与規程がきまりまして支払った給与でございますので、これは確定払いということでございます。
#27
○大橋和孝君 ぼくはそれがよくわからぬのですがね。給与規程によって払ったから確定払いだ、確定払いである以上は一切それは動かせないというわけですか。いまの場合は、三月末に追ってきて出さなければならぬから、確定払いとして払ったわけですが、それがいま十分に納得がお互いにいってないという場合であれば、いまの前渡金とか、前払いとか、何とか処置があるはずだと思うのですが、ないのですか、全然。
#28
○政府委員(佐々木学君) 三月三十一日以前の状態で、たとえば十月ごろに要求がございまして払って、そして三月三十一日までにさらに給与規程を改正して、そして払うものは払うということはあり得ると思いますけれども、今回のように三月三十一日で払って、もう年度末それでおしまいでございますから、それは確定払いである、後ほどさらにさかのぼって払うということはないと思います。
#29
○大橋和孝君 ぼくはほかの例でございますけれども、たとえばその年度末中には出ない、団交ができないから。そのために一時仮払いにしておいて、あるいはまた前渡金、貸し付け金といいますか、そういうことにしておいて、そしてお金は事実渡しておきながら、あとから交渉して決定をして、そして三十一日にさかのぼって給与改定ができたものとして決済をするということは、ほかの企業体で私はたくさん知っております。ほかの公営企業体あたりでもそういうことをやっているわけでありますから、給与の支払い方法としては、もちろんたてまえからいえば、三十一日までに確定されて払うわけでありますけれども、確定されてない場合は、前渡金とか、前貸し金とかにしておいて、あとから確定をして三月三十一日までにさかのぼってその給与規程で払ったということはよくやられておると思うのですが、それは全然ないのですか、この場合。
#30
○説明員(相原三郎君) 必ずしも完全に調べたわけではございませんが、いま先生がおっしゃいましたケースは、私どもは聞いておりません。やはり払うべきものは三月末に払っていくということだと思います。それから政府関係機関の予算の繰り越しの問題になるかと思いますが、これは主務大臣の承認があれば繰り越せるという規定が総則に入っておるわけです。その場合、繰り越しがどういう場合にできるかということになると思うのですが、これは当、不当の問題になるかと思いますが、おそらく給与費の残額があれば繰り越せる、繰り越すことも考えられるということだと思うのです。ただし給与改定の場合には、当初の事業計画に盛り込んであります給与費がもうないわけでありますから予備費を流用せざるを得ない。予備費を流用する場合に、年度内に支出することがはっきりしていれば、流用ということも主務大臣として認可できるでしょうが、翌年度に繰り越すということに対して予備費を流用するということはむずかしいのではなかろうかというふうに考えております。
#31
○大橋和孝君 これはまたあとから詰めてよく話を聞きたいと思います。ぼくはまだ納得いかぬので、あとから話を聞きます。
 では、いまちょっと副理事長からのお話では、大衆団交をやられて小便にも行けなかったと、こんなことではどうにもならぬとおっしゃっておりますが、一体、槌田参考人のほうにお尋ねしますが、大衆団交を要求して譲られなかったかどうか。いまのように、やはり小便にも行かせないようなことをやったのかどうか、あるいはまたそういうことにしなければならぬ理由はどこにあったのか、そういうことについて一ぺん詳しく槌田参考人のほうから聞いてみたい。
#32
○参考人(槌田敦君) この大衆団交が起こりましたのは――大衆団交ということばはあまりいいことばではないとお考えの方も多いかもしれませんが、大ぜいの人たちが、組合員多数が出席する団交だと思っていただいてけっこうです。私どものところは、大体組合員総数四百五十人ぐらいの組合ですけれども、三月三日から七日まで連日四晩、大体多いときで百五十人、少ないときで百人程度の方が毎晩四日間団交をやったわけです。そういう団交になった理由といいますのは、これはそれより四、五日前に組合の集会がありまして、組合の集会を人事課長がテープに録音した、それがわれわれに発見された。それだけならばそんなふうにならなかったかもしれないのですけれども、その発見されたテープを組合が人事課長の面前で組合事務所の中に保管をしたわけです。その翌晩、二十八日に団交ということになっていたのですが、その点については人事課長とうちの書記長との間で電話で、その団交でいまのテープ問題は議論するということになっていたわけです。ですから、そこで保管されたテープが証拠物件として出ることになっていたわけです。ところが、その翌朝、二十八日の朝組合の事務所のかぎがあいていて無人の状態、要するに組合員がかぎをあけてから仕事、作業に行った、その無人の組合事務所の中に人事課長と給与係長が忍び込みまして、組合の事務所の中を家さがししてテープを探し出した。テープは市販品ですから、あれは一たんかけてみなければわからないしろものです。組合のテープレコーダーを使ってかけてみて、それと確認してからそのテープを持ち去ったという事件が発生したわけです。証拠隠滅にしようと本人は思ったのでしょうけれども、行動かもしれません。ともかく組合の集会をテープに録音をし、それから組合事務所に無断で入り、無人の中を家さがしして持っていったということは、組合に対する支配、介入であると組合員がおこるのはもっともなわけです。そういう状況で大衆団交が開かれたということです。その大衆団交については、所のほうも、その大衆団交が悪かったということをその時点では言わないが、要するに所と組合との間ではその場で確認書もとれているし、先ほどのような団体交渉正常化についても、要するに団体交渉というのは、所と組合との間の合意がまず先だということについては所も合意している。そういうふうに、結論的に言いますと、わりあいまともなことを議論した団交です。そのあと一たん第二次回答を口頭で示しながら、先ほど口頭で示さないようなことを言っていますけれども、実際に口頭で何々を何々にかえると言っているわけです。しかも十五日の団交のときには、隣にいらっしゃる副理事長は、この前口で言ったことを表にすればいいんじゃないか、おかしいなあと言って自分たちの総務部長をしかりつけている。そういうことも実際あるわけです。ですから、そのとき副理事長は、少なくとも表は出ていた、第二次回答を出したということを自分自身思っていらっしゃったに違いないのです。それを、きょうここでこういうふうに発言なさらなければならない事態になったことをぼくは悲しいと思います。ですけれども、そういうことになって組合が裏切られた。要するにせっかく団交できめたものをそれを捨ててしまう、それも役所のさしがねで捨てる、役所が締めつけがきびしいからということを理由にして捨てるということについて組合は納得できない。それで、その次の団交というのは、確かに全員が、全員というか組合員の多数が、百人近い組合員がその副理事長室の前にすわり込んだ。これはどこの組合、労働組合運動でもそういう場面は、役員室の前にすわり込むというのはよくある普通の労働争議で、ことさら取り立てて言うことはない。ですから、そのときに便所に行けなかったとか、便所に行きたいから出してくれと、もし申し出があれば、われわれとしては当然出したわけで、事実その後に監事さんが便所にいきたいから出たいと言われたのを、何も実力阻害をしないで便所に行っていただいていますし、そういうことはちゃんとしているわけで、いま便所にも行けないと言われたのはうそです。それから食べものの差し入れがあったわけです。食べものの差し入れがあって、課長が食べものを持ってドアのところへ行ってドンドンとたたくのだけれども、中から何の応答もない。せっかく食べものの差し入れがあったけれどもだめだった。それからぼくらが電話でそれを伝えようとしても電話をかけたとたんに切っちゃうということがあって、その意思も通じなかったというのが実情です。したがって、ぼくらとしては、そのようなことをした覚えはありません。ただぼくら、してほしかったのは、そのような裏切り行為をしたことに対する所の釈明と、なぜそういうことをしなければならなかったのかということを明らかにしてくれれば、ぼくらとしては問題ないわけです。事実大衆団交のあと三日団交をやっております。要するに所との間の合意ができたわけですから正常な団交ができまして、少なくとも三月十日第二次回答の発表のあった日、それから第二次回答について少し議論があった三月十三日の団交、それから三月十五日の第二次回答のなかった、表なんか出さぬと所が裏切った団交、この三つの団交とも、われわれのほうは執行委員と、それから関係者だけしか出ておりません。したがって、所の言うように、いつもいつもわれわれが大衆団交を要求しているのではなくて、正常に話し合うときは正常に話し合う、それから所が変なことをしたときにはみんながおこってすわり込む、その程度のものだとお考えをいただきたいと思います。以上です。
#33
○大橋和孝君 少し両方の違っている点は、あとからまた話を聞きたいと思います。
 その次に、私はもう少し槌田参考人から聞きたいことは、このいまの紛争が、一体争いの点はどういうことにあるかということを一ぺんクローズアップして、この点とこの点で差があって、双方の間に話がうまくいっていないということを逐一ひとつ一ぺん明確にしておいていただけませんか。そうすれば、話を進めるのに都合がいい。
#34
○参考人(槌田敦君) 第二次回答を所が出すと約束して出した。要するに、その出した第二次回答を実施するかどうか、ただそれだけのことだと思います。要するに団交で約束したことは実行する、それから役所の締めつけを理由にして、たかだか一人当たり二、三百円の値上げ、しかもそれは実質的に解決できるもの、それをなぜ表にできないのかどうかということをはっきりさしてほしい。要するに、そのたかだか二、三百円と申しますと、全体合わせまして、四十三年度分全部で三十二万円です。理化学研究所の給与の総額から比べてみればほんのわずかなものです。それも実質的に解決できるというぐらいの金額ですから、先ほどの大蔵省の範囲をこえているわけじゃないです。そういうたかだかそれだけのものがどうして役所に持っていけないか、ここの点だと思うのです。われわれが聞きたいのは、実質的に解決できるお金はあるんだと、じゃ組合と所との間でそのお金の配分について賃金表をきめて、それを協定すればいいじゃないか、そうすれば、いまこんな闘争なんかしなくても済むわけです。ぼくだって研究できるわけです。ところがそうじゃなくて、そうしている理由は何か、役所がどのように締めつけてきているのか、ここの点です。団交では役所の締めつけということを非常によく言われるのですけれども、その点については、先ほどから一切ぼかしていらっしゃるのかどうか、私にとっては解せません。
#35
○大橋和孝君 じゃ、副理事長さんに、まことに申しわけございませんが、一言だけお伺いして参考人の方の質問を終わらしていただいて、あとは科学技術庁と労働省あるいは給与局長のほうにちょっとお伺いしたいと思います。
 いまおっしゃっているように、副理事長さんがお考えになっていらっしゃいましたように、わずかな金だから何とか手直ししてやろうと、こうおっしゃっておるわけでございますが、こういうことに対しては、先ほど委員長のほうから言っておりますね、問題点を三つほどあげて。こういうことに対しては、表にするくらいは、いま私が読んだぐらいの表ですから、簡単なことですから、それはしてもらえるだろうし、それからまた同時に、これを実施して、やれば、いま支払うことになって、どなたかのほうで底を上げる部分をプランしておられるわけだから、こういうことに対しても話がつくのじゃないかと思うのです。あるいはまた、いまおっしゃっているように、かなり所の――こんなことを聞いても御返答しにくいかもしれませんけれども。そういうことを運ぶことについては、やはり科学技術庁のほうからかなり圧力がありましたのかどうか、そういうことをお感じになっておるのかどうか。この三点をちょっと簡単にお気持ちを伺っておきたいと、こういうふうに思います。
#36
○参考人(住木諭介君) どうも、私の発言がまずいために、特に内輪のことまでここで話しましたために、いろいろなところへ余波が飛びましたことをおわびします。
 先ほど槌田君が言いました点につきましても、私としてはまだ言いたいこともありますし、それから表を直す、出すと言ったのもテーマが違うのですが、しかし大橋委員はそれをいま質問しておられますので、私がそういうことを答えると変なことになりますかもしれませんが、御質問に対してお答えしたいと思います。
 表を直すということに対しては言ってないのでございます。実質的な考慮、これはよく私も考えまして、組合の言うのももっともじゃないか、この点何とかして直そうと思いますということは確かに申しました。そのときは、ほんとうに熱意をもって直そうとかたく決心して、そして理事会を数回開きまして、何とか直したいということをずいぶんと主張しまして、皆さんもいろいろ考えてやってくださいましたが、どうしてもこれは職員構成上からそういう将来のことまで考えますと直せない、だからこれは実質的に何とかしょう、こういうふうに考えまして、そうしてそれを口頭で伝えました。いま私こういうことを知っていないのも申しわけありませんが、今度確定払いをした中の、何と申しますか、年度末手当のうちにはそういうことまで考慮したのが入っているのじゃないかというように、そういうふうにして確定払をしているように私は記憶しております。役所から締めつけられてはいないということをここで申し上げざるを得ないと思います。
#37
○大橋和孝君 それでは、私、参考人の方にたいへん申しわけありませんが、質問終わりまして、科学技術庁のほうに質問していきたいと思います。
#38
○委員長(吉田忠三郎君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#39
○委員長(吉田忠三郎君) 速記つけて。
#40
○小野明君 副理事長の住木さんにお尋ねをいたします。
 いろいろ科学技術庁との折衝がおありになると思うのですが、いまお聞きをしておりますと、この昇給原資の問題と、それから配分権、いわゆる給与表の是正という問題と二つあるように思います。この給与表の是正というのは結局配分の問題になると思います。いま住木参考人が言われるのは、この給与表の是正については別に科学技術庁、役所の締めつけというものはないというふうにおっしゃったと思うのです。ところが、理事会そのものでこの給与表の是正についてはできない、こうおっしゃっておるのですが、この給与表の是正ができないという問題はいかなる理由によるものであるか、この点をもう一度説明をしていただきたいと思います。
#41
○参考人(住木諭介君) 御質問の件は、私どもが表を変えようと思えば、自主的にある範囲でできることはできます。しかし、私が何べんも申しますように、私どもとしましては、理研の将来、先ほど申しましたように、若い方、中堅層の方、上級の方、全部のことを考えまして、そしていかに一番それならば理研の将来にもいいかということを考えて、職員の構成上から将来も考えまして私どもはあの表をつくったのでございます。
#42
○小野明君 理研の将来を考えてと言われることが、どうも私には納得ができないわけです。給与表是正というのは、いま槌田参考人が言われるのはわずかの金額ですね。それを底上げすればよろしい、それだけのことが――これはまあ講座制的なものをとっておられるということかもしれませんが、その程度の底上げというか、給与表の是正ができないということが理研の将来という理由だけでは、どうも納得ができない。どうもこの科学技術庁という、あるいは大蔵省というその辺から、絶対にこの表の是正をすることができぬと、こういう締めつけがあっておるとしかうかがえない。そういった折衝の衝に当たられるのがあなたであるかどうかわかりませんが、その辺のこともあわせて再度の御答弁をいただきたいと思います。
#43
○参考人(住木諭介君) 繰り返すようになって申しわけないと思いますが、締めつけられるということばがどういう意味かわかりませんけれども、そういうことはございませんで、私どもの立場で考えて、今度はこの表をきめております。
#44
○小野明君 そうしますと、組合との交渉によって自主的にこの給与表はきめられる、このように理解をしてよろしいのですか。
#45
○参考人(住木諭介君) そのとおりだと思います。
#46
○小野明君 終わります。
#47
○大橋和孝君 槌田参考人のほうに聞いておきたいのですが、前に「二水会」云々の話が出ておりましたが、これについては私はよく理解をしておりません。「二水会」というのは、このことについてどういうふうな協議をされるのかということを、あなたの知っておる範囲内でちょっと知らせていただきたい。
 それからまた、いま副理事長のほうは、団交でできるとおっしゃっておる。そういうことに対して、いままでの経過から考えてみて、どういうふうになっておるか。その点を少しあなたの感じをひとつ御説明を願いたい。
#48
○参考人(槌田敦君) 「二水会」のことなんですが、私どもも最初「二水会」というものを非常に高く評価しておりました。「二水会」というのは、科学技術庁が指導をして、科学技術庁関係の労務担当の理事を集めて、それでこうしろああしろという機関である。そうでなければこんなにどこの給与をとってみても、五法人――事業団を含めて五法人ですが、初任給から五年間の賃金がぴっしゃり同じ、原研も、理研も、どこへいってもみんな同じなんです。そういうことを指導できるはずがない。特別の法人、特殊法人ですから、それぞれ事情があって、優遇しなければ若い人が集まらないところもある。それから高いほうを優遇しなければ集まらないところもある。いろいろあるはずなんです。いろいろあるはずなんですけれども、同じ金額にしなければならない、また、するということ自身は、これは科学技術庁の締めつけで必ずやっているというふうに理解しております。しかも最初の団交のころには、盛んに「二水会」の関係でだめだと、ほかとの関係でだめだと、そういうことを盛んに言っておりました。だけれども、だんだん答弁が変わってまいりまして、「二水会」というのはサロンであるということが結論になった。そこまでは追い込むことになったのですが、それ以上はがんとして口を割りません。
 それからもう一つ、先ほど団交でできますということを住木副理事長が言われた点は、われわれにとって非常にありがたい点で、今後、四十三年度賃金はまだ協定ができておりませんから、これから持て帰って団交できめるという努力をわれわれはやりたいと思いますし、それをやるのが当然の義務だと思います。できないとおっしゃったのでしたら、これは少し問題が変わってきますけれども、できるとおっしゃったことは、われわれとしては非常に大事なことを言われたものと思います。そこで団交でできるという点なんですけれども、そうは言っても、多分本心ではないとぼくは感じます。本心ではないといっても、そんなことを言ったってどうということはないのですが、ともかく、それはあっせん段階であっせん委員に対して盛んに役所の締めつけを言っているわけです。あっせん委員から聞いた話は非公開ですから言うわけにいきませんけれども、役所の締めつけの話を根掘り葉掘り――特殊法人というのは自主性はないのだと、役所がこういうふうに締めつけてくるからだめだというふうにあっせん委員を説得して、その説得の材料の一つとして、たとえば昨年の十二月にもう科学技術庁に表を出してしまったので、いまさらもうだめなんだということを言っておられる。これは産経新聞の埼玉版にも出ている記事です。そのようなこともある。あるにもかかわらず、ここで団交でできると言われる。この基準といいますか、そこのところは、われわれとしてもどうしても解明しておかないと、ここでそういうふうに団交でできるという口約束のままで持って帰ったのでは、もう一度同じことをやられてしまう。それで何とか役所と理化学研究所との間の関係というものをあばいていただきたいと思います。お願いいたします。
#49
○小野明君 もう一問だけ。いま槌田参考人がそういうふうに言われたが、そういった点をちょっとお尋ねをしてみたかったのであります。いま副理事長が言われまして青天井だという答弁です。ですから、自主的にどんどんおやりになればよろしいと、こうしか結論は出てこないわけですね、住木参考人。そのように私は受け取っておるのです。しかし、あなたが言われるように、特にこの給与表の是正なんというものは――そこに大蔵省も、科学技術庁も見えておるんだが、なかなかそういったことは許さない、うまいこと締めつけをするのです、法人というのには。あなたのところが初めてではないですからね。
 そこで、原資の問題給与表の是正の問題というのが二つ大きな問題なんですが、とても受け取りようによってはそうはいかない。今後の問題点として、それではどういったことが考えられるか。あなた方の交渉の当事者能力を所のほうが持たないというか、そういった点等も私はあるのではないか、こういうふうに見ておるわけです。その辺もあわせてあなたの御見解をいただきたいと思うのです。
#50
○参考人(槌田敦君) いま当事者能力の問題が出ましたけれども、理化学研究所の理事は当事者能力を持ちたがらない。私はもう徹底的にそう言えると思います。持つことをきらう。そういう点がいままでいつも団交がぬらりくらりする理由なわけで、これこれでなければだめだとか、あれでなければだめだとか、それで一たんきめてしまったら一発回答だ。役所に出してしまっておるのだから察してくれよ、こういう話なんです。ですから、これはやはりもう少し当事者能力を持とうとする理事ならば、たとえばほかの公団の話を聞きますと、原資のワクを越えた、越えたからかけ合って取ってきた、そういうこともある。だから、できないことはないはずなんです。できないことはないわけですから、そうしてほしいわけです。しかも今度は原資のワクの中の話、それにもかかわらずこうなるということ、これはどうしてもぼくには理解できない。先ほど青空天井で団交できる話、これはやはりぼくは持って帰ってそれで進めていきたいと思います。そうでなければ労働三権を持っている労働組合とはいえない。団体交渉がなくなった労働組合なんというのは、スト権がなくなるより始末が悪い。ともかく、一体だれと団体交渉したらいいのか。場合によっては、政府と直接団体交渉をしなければならないかもしれない。この点は少なくとも大蔵大臣ということの規制がある限りは、内示のワクの問題は、政府と団体交渉をする必要があるのかどうか。それからその配分についてはどうなのかというところまで、やはりもう少し国会でこのことを議論していただきたいとぼくは思います。しかし、今の話は団交でできるという話ですから、われわれは喜び勇んで、きょう、あしたからの団交に備えたいと思います。
#51
○参考人(住木諭介君) 私から発言を申して申しわけありませんが、先ほど私が申しましたことに、ことばが足りないために違った御解釈があるといけないからはっきりさせていただきたいと思いますが、四十三年度までのものはこれはもうきまってしまったことでございまして、これから交渉してもどうにもならない、こういうことを申し上げる。さっき、四十三年度と言わなかったために、槌田委員長の話によると、四十三年度にさかのぼってまだやれるというふうに解釈しておるわけですけれども、四十三年度はできない。四十四年度からは自主交渉でやれるのだと、こういうことを私は申した。
 それからもう一つ、御質問の青天井という意味が私わからないのですが、どういう意味か。私があれなんですけれども、やっぱり理化学研究所は国家公務員に準じた、何というか、給与規程がございまして、それに従ってやっておりまして、ある一定のワクがございまして、そのワク内においていろいろなことがやれると、こう申したのでございます。
 この二点だけ訂正と申しますか、口の足りないところを補わせていただきます。
#52
○参考人(槌田敦君) いまのお話ですと、去年の賃金はきまっているとおっしゃったのですが、それではわれわれの団体交渉権はどうなるんですか。この点を国会に対しても質問したいと思います。
#53
○委員長(吉田忠三郎君) 参考人の方にちょっと申し上げておきますがね。政府とか、国会に対する参考人としての質問等々は、国会法によりましてできないことになっておりますから、したがって、委員会は、自主的に委員の方々が皆さんから参考意見を聴取した中でこれから政府と質疑がきっと行なわれると思っております。この点御了解いただきたいと思います。
#54
○参考人(槌田敦君) 訂正させていただきます。われわれに団交権を認めてくださるようお願いいたします。
#55
○小野明君 ちょっと、住木参考人、あなたは先ほどの御答弁によりますと、全くいまの話というのはそれをくつがえしているわけですよ。青天井というのは、何も天井がない、団交ですべてできる、このように解決するのが普通なんです。ところがいまあなたが言われますところを聞きますと、青天井どころか、天井もあるし、もっとその天井がずっと低い、人間が立って歩けぬほどの天井になっておる。ですから、あなたは先ほどの私の質問の際に、原資の問題あるいは給与表の問題でブレーキはないのか、給与表の是正ができるのかと、こう私がお尋ねをした、その際にいまの御答弁の表明があってしかるべきだったのです。全部引つくり返してしまっておるわけですよ。それでは一体あなたのところで何ができるのかと、それを私は先ほどお尋ねをしたがったのです。何ができるのか、最低いま組合が要求をしているそのことも、先ほどの答弁からは当然できると、このように私ども解釈せざるを得ぬわけです。またそれが普通の見方だと思います。結局あなたのところは何もできないということにしかならぬのですよ。その辺を再度ひとつ説明をいただきたいと思うのです。
#56
○参考人(住木諭介君) 先ほど私は二つ訂正しました。一つは、四十三年度というのは、もうきまってしまってできないから、これはもうしかたがない。したがって、これからの四十四年度のことについて私御意見を伺っているように思うのですが、四十四年度青天井というのは、いろいろ言われましたけれども、私が言いたいのは、あるワクがありまして――これは公務員に準ずるものだと思いますが、そのワクの中でいろいろの折衝はできる、こう言っておるのでございます。
#57
○委員長(吉田忠三郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#58
○委員長(吉田忠三郎君) 速記をつけて。
#59
○大橋和孝君 ではちょっと科学技術庁のほうにお尋ねしたいと思うのですが、先ほどの論議を聞いておりますと、何か役所のほうが研究所のほうにいろいろなワクをかけている、そして最後に何か交渉は青天井でやるというふうな答えが出たけれども、いやそれは一定のワクがあるのだというとりなしもあったわけでありますが、一体科学技術庁のほうからは、この理化学研究所に対して大体どういうふうなことをいままでの間に指令をしたり、あるいはとりなしをしたり、いわゆる締めつけといわれるようなことをやられたのか。また、そういうのは一体法的にはどういうものによってそういうことをしておられるのか――やられたとするならばですよ。そういうようなことをひとつお尋ねしたいと思います。
#60
○政府委員(佐々木学君) 給与につきましてワクがあると、副理事長が申されましたが、給与予算――やはり予算で運営されておりますから、給与予算を越えることはできないという意味でワクがあるというふうにお答えになったと思います。私もそういうふうに思います。
 それから、本問題につきまして、科学技術庁から締めつけがあったというふうな参考人のほうからの御意見ございましたけれども、そういうことは全くございません。科学技術庁におきましては、最初連絡にこられたのは、こういう争議が起こりましたときに争議の経過報告にこられた。それから住木副理事長が軟禁ということばをお使いになりましたが、軟禁かどうかわかりませんけれども、あのときには私も実は非常に心配いたしました。いろいろ状況はどうだというふうな連絡はとっておったんでありますけれども、それが終わりまして、翌日の夕方に無事終わった、無事終わったといいますか、無事解除してもらったという報告がございました。そのときは残念ながら私は役所におりませんで、会うことができなかったわけでございます。その程度の連絡があっただけで、その間に何らああしろ、こうしろというこまかな指示は全くしていないわけでございます。またこういう研究所の問題でありますから、へたに監督官庁である科学技術庁がああしろ、こうしろというようなことがかりにありますというと、不当介入であるというそしりも受けますので、そういう点は厳に慎んで、やっていないつもりでございます。
#61
○大橋和孝君 そうしますと、実は給与表について、科学技術庁から、昨年末に、他の五法人と足並みをそろえてほしいという要請があった、であるからして理化学研究所のほうでは第一次回答も出してしまった、正式にこの書類を科学技術庁に出してしまったからあとはどうにもならぬのだということを団交で言っておる。あなたのほうは、五法人の足並みをそろえよ、それからあとは第一次の案を提示せいということを命じたことがあるのですか。
#62
○政府委員(佐々木学君) 第一次の案を提示しろとか、第二次案をこうしろとか、そういうことについては全然指示しておりません。そもそも第一次の案を提示する前に、前かあとでございましたか、私はっきり記憶しておりませんけれども、組合からこういうふうな要求があって、いろいろもめておるのだという報告があっただけでございます。
#63
○大橋和孝君 いままでの労使間の交渉、地労委あっせんの過程においても、いろいろこうずっと調べてみますと、やはり中央からの締めつけというか、それでやりにくいのだということは、いまはそうじゃないとおっしゃっておりましたけれども、いろいろな場合に出てくると思うのです。たとえば、それを明示せいと言えば私はここに資料を持ってきていますから、みんな申し上げたいと思うのですが。それでは、あなたのほうはそういうことは一切していないのだ、ことに研究職だから研究所にまかしてあったのだと言うが、だとすれば、そういうことを言っておる理事長なりあるいは副理事長、または藤井理事という人はだいぶ団交に出ていらっしゃるようだが、これらの人がかってに自分の感じだけで言っておるととっていいのですか。給与の予算の中ならばいいとおっしゃるのですが、先ほどおっしゃったように、給与の予算の中であれば、この団交でやっていくことを完全に認められるのでありますね。
 それからもう一点は、その予算にしても、ほかの法人でいろいろ問題が出てくると思うのです。ある程度大蔵省あたりに交渉して予備費の支出ということも考えられるし、またどうにかしなければならない場合があり得ると思うのですけれども、科学技術庁としては、こういう大事な、日本の最先端の研究をやっているという状態の中で、特に研究者のための金も要るだろうし、あるいはまた居残りの特にたくさんなような重要な研究をやっていく場合もあるだろう、こういうことに対しても給与の関係で、あるいはまたそういう給与以外でも何らかの特別措置によって、それらの働いている人たちの優遇ができるということも、私は現実にあり得るのではないかと思うのでありますが、そういうことに対して科学技術庁としては、この理化学研究所に対してどういう配慮をまずするのか、この三点についてお伺いしたい。
#64
○政府委員(佐々木学君) 予算の範囲内であればどんなことをやってもいいということは、私がもしそう申したといたしますというと、言い間違いであったと思います。もちろん予算の範囲内において研究所側が自主的にきめたことは極力尊重するわけでございますが、ただ、その内容がまず給与予算に適合しておるということと、ほかの法人と著しく均衡を失していなければ、法人の自主性を極力尊重していくというふうに考えておるわけであります。予算の範囲内でこまかな点についてはかなりのことが理事者側でできるのではないかというのですが、たとえば研究、職研究手当というものも普通のものよりも増額をしているというようなことも聞いておりますし、また、われわれといたしましても、こういう大事な研究機関でありますから、一人当たりの研究費の増額であるとか、あるいは給料の改定、給与のもろもろの手当等については、できるだけ御相談に応じてやっていきたいというふうには、もちろん考えておるわけでございます。
#65
○大橋和孝君 それならば、先ほどお話の中にもありましたが、あなたの答弁を聞いておると、団体交渉でやれることを大幅に認めていこうというふうにも解釈できるし、あるいはまたほかの法人と足並みをそろえていかなければ何にもできないという状態にも発展するように思うわけでありますけれども、あなたのほうとしては、先ほどから問題になっておりましたところの給料表の改定とか、配分の問題、ことにごく僅かな二百円とか三百円という、全体の総額から言っても三十二万円とかいうふうなものに対して、また、そのやり方に対して、あなたのほうはワクをはめるとかはめないとか、そういうことは自主性を持たせるとか持たせないとか、その現実の二つの点については、あなたはどういうふうに解釈するのですか。
#66
○政府委員(佐々木学君) これは研究所側からそういう申請が出てこなければ何とも申し上げるわけにはいかないのでありますけれども、少なくとも四十四年度以降については、いろいろ研究所側も、先ほどの副理事長の御答弁にもありましたように、今後交渉されていくのではないかというふうに考えております。
#67
○大橋和孝君 四十三年度のいま問題になっている分に対しては、組合の先ほど委員長の言うておられたように、一体どこへそれらを持っていったらいいのか、どういうように解決したらいいのかというところまで言っているわけですが、あなたのほうとしては、どういうように解釈しているのですか、四十三年度の分に対して。
#68
○政府委員(佐々木学君) 四十三年度につきましては、四十三年度のベースアップ分を予備費から給与費に移しかえまして、そして支出したのでございますので、われわれとしては、これは確定払いであるというふうに考える以外にしかたがないというふうに考えております。
#69
○大橋和孝君 この点について労働省側と給与課長に聞いておきます。給与課長にちょっとお尋ねをいたしますけれども、さまざまな段階で、いまあなたは聞いておられてわかるわけですね。組合の側としては一方的にやられておるのですが、その点はひとまずおいて、それは話し合いをしていくと言っておられるから、それは話し合いをして、いけばいい。いまはもう四月に入っておるから、確定払いと言ってもだれかが保管しておるのです。払えるように人事課長かだれか知らぬが預かっておると思うのです。その預かるほうで仮り払いとかあるいは何かまた処置をとって、話し合いしてから、確定払いとして処理するというくらいのことはやらしていいじゃないかと私は思う。これは確定払いだから団交も何も認めないで、これを受け取れというふうな強圧的なことをしなくてもいいと思うのですが、いま科学技術庁のほうでは、それはしようがないと言うのでありますが、もう少しこれは話はできないのか。労働省のほうではこういう労使の賃金の問題では他にもたくさんあるはずですね。これを一時仮払いとかあるいはまた何とか調整のための貸し付けとか、何かいろいろな形をとって、そして話を前に戻して、話を詰めてから確定払いで処理するという話はいままでたくさんあると思うのですが、労働省関係では、こういうことが起こっておるのを見てどういうふうにこれを処理することを考えられるのか。労働省側の考え方、給与課長の考え方を聞いておきたい。
#70
○説明員(相原三郎君) ただいまの御質問でございますが、本件の場合は、科学技術庁長官の権限で承認ができる問題でございまして、特に大蔵省と協議しておることではございませんから、その判断でやれることでございます。一般的には、おっしゃったようなことは非常に困難だと思っております。
#71
○政府委員(松永正男君) これは労働法あるいは団体交渉といったような問題と、それからその財務会計についての規定との関係だと思うのです。そこで一般的に申しますと、民間の場合におきまして、先生のおっしゃいましたようなことをやっておる例があると思いますが、官庁会計の場合は、これは大蔵省のほうが専門でございますが、予算単年度主義でございますので、年度末までに財務が確定しないというと、その支払いができないというのが一般の原則になっております。私どもの関係の事業団等におきましても、そのようなやり方をやっておるわけでございますが、理化学研究所の場合に――まあ事業団、公団等によりまして多少根拠規定やそれから財務規定等が違いますので、それを詳細に見ないとわかりませんけれども、官庁関係の場合には、その年度のうちに財務が確定しないとできない。民間の場合は年度主義がほとんどございませんので、それはまあ自由にできるという違いがあると思います。
#72
○大橋和孝君 お話を聞くと、だいぶんむずかしい点はよくわかります。しかし、それならば、科学技術庁のほうは、こういう段階になっておって一体どういうふうにしてこれをおさめていこうというんですか。
#73
○政府委員(佐々木学君) 私どもといたしましては、理研は大切な研究所でありますから、一日も早く正常な状態に返っていただきたいということをもちろん希望いたしております。そのために、交渉の双方の方々にひとつ前向きで交渉に当たっていただきたいと思うんでありますが、問題は、やはり四十四年度についていろいろ検討していくということではないかと思います。四十三年度につきましては、やはり現在の法制のたてまえからいいまして、四十三年度分を四十四年度に入って支払うということはできないのではないかと、そういうふうに考えます。
#74
○大橋和孝君 いま確定として三月一二十一日までに支払うとして出しておるわけでしょう、一応こういうものについては。先ほど来話しておりますと、組合の側では、理化学研究所の理事長あるいは副理事長あるいは理事の藤井というようなところと話してみても、なかなか言を左右にして団体交渉がうまくいってない。先ほどから話がありましたから、それは十分御納得がいったと思うんですが、実際から言えば、先ほども槌田参考人が言っておられたみたいに、もう一体だれと交渉したらいいんですか、こう言っている。その能力もない、ことばを左右にしてやっているからどうしてもできないのではないか。だからいまあなたのおっしゃっている前向きになって話をしてもらいたいということは、組合側は、話をしたいと言っている。ところが、所はあれもできぬ、これもできぬと言っておったのでは交渉にならぬのではないかというのが、先ほどの切なる訴えではなかったかと、私は思うわけです。こういうことに対して、やはり理化学研究所の理事者の側でうまくいかなかったならば、最後の断はこれは科学技術庁が責任を持っておるわけなんだから、その科学技術庁としては、こういうものに対してはこうしなさいと、もっと前向きの姿勢で指導というか、よりよくいくようにしなければならないと、私は考えるわけですが、そういう問題について、先ほどもいろいろ話を聞いてみると、ただ一方的に押しつけて、これは確定だから取れということではなしに、一応もう一ぺん話し合いをしてほしいと言っているんですから、私は話し合いをしてやって、前の決定のものは決定として、もう給与規定によらなければならないから、それはそういうふうにする。しかし前の給料表の改定だとか、そういうものに対しては一ぺんまた話し合いをしていく。いまあなたもおっしゃったように、それは話し合いをする限度内にあるんだ。そういうことになればそれで話し合いがつく。また前年度の例を見るならば、予備費からの支出も認めているわけですから、給与の要求がある程度通って、あなたのほうもしかるべきと思うならば、その程度は翌年度の予備費の中からそれをベースアップ分として出していくこともこれは可能だろうと、こういうふうに思うわけでございますから、そういうような点で団体交渉がすぐできるような道を開かないと、右往左往して、とにかく拒否をすれば、押しつければいけるというような交渉のあり方は、私はよくないと思うんですが、その点についてどうですか。こういうことに対して、労働省側としてもある程度その正しい線を出して、労働権の三権確立の意味からいっても、労働者を守る意味からいっても、労働者の言い分が通るような意味からいっても、労働省としては、これに対して相当手を加えて正しい方向に指導しなければならないと思うんです。労働省側としても、この三月三十一日までの問題についてどういうふうにしたらいいかということを、両者の見解を聞かしていただきたいと思うんです。
#75
○政府委員(佐々木学君) 労使間の話し合いは誠意をもって行なうべきであるということは、これは当然であると思います。私ども報告を受けております限りにおきましては、理研側の理事者も、その点は十分誠意をもってやっているのではないかと思います。ただ多少ことば上の足りなかった点に行き違いがあったり、あるいは正常な団交をやっていきたい、団交を円滑に持っていくために正常な方法を発見したいというようなことでいろいろ考えておられると思います。決して理事者側も、組合側の団交要求を一方的に拒否しているようなことはないというふうに考えておるわけでございます。その点は十分努力しておられることと思います。
 それから四十三年度の問題でございますが、これはもう先ほど繰り返して申しましたように、これはすでに確定払いでありますし、それから予算単年度主義ということもございますので、四十三年度についてさかのぼってどうこうということはむずかしいと思います。
#76
○政府委員(小山省二君) 給料表の改定をめぐって、理研において長い間紛争が起こっておりますことは、たいへん遺憾なことでございます。労働省といたしましては、かかる紛争につきましては、できるだけ労使間で円満に話し合い、自主的に解決することを望んでおるわけでございますが、本件のような問題につきましては、なお若干労使間において歩み寄り、話し合いをするような点が残されているように考えておりますので、本紛争をいかに現実的に処理していくかという問題について、私はさらにひとつ労使間で話し合いをいたしていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
#77
○委員長(吉田忠三郎君) ちょっと関連しまして、大蔵省の給与課長に伺いたいのですがね。先ほどのあなたの答弁では、一般論としてはある程度お認めのようですが、しかし事実問題として事務的には――つまり官庁会計というのは単年度会計ですからね、それを変更することは不可能じゃないかという意味の答え方をしたと私は記憶しているのですよ。それでいろいろだんだんの関係者のいままでのお話を聞いてみると、まだ労使は紛争しておるわけですね、年度を越えても。紛争しているわけですね、事実問題として。そうして科学技術庁のほうから、つまり確定払いの申請があったのかどうか、手続上。予備費を支出したのですから、おそらく大蔵省の承認を求めると思うのですよ、手続上はね。しかしその実態は団交の不成立なんです。労使は依然として紛争している、年度を越えてですね。その場合、これは労使問題ですが、一方的にいわゆる昭和四十三年度の年度末がきたから予備費を支出しなければならぬから――これは予備費の流用ですね。大蔵省のほうに承認を求め、そうして形式的には支払ったから、そのようなことの変更はできない、こういうことだと私は思うんだが、事実問題は受け取っていない。先ほどもお話聞くと、ほとんどもう大多数受け取っていないんですね。そうした場合に、大蔵省として、そういう実情を全く関知せずに、そういう承認を与えたのかどうか、この辺ちょっといきさつを伺っておきたいと思います。
#78
○説明員(相原三郎君) 予算の流用、あるいは予備費の使用は、これは総理府令の九条でございますが、「研究所は、収支予算で指定する経費の金額については、科学技術庁長官の承認を受けなければ、流用し、又はこれに予備費を使用することができない。」と書いてあるわけです。これによって、科学技術庁長官の承認を得て予備費を使用されたと思います。で、本件については、法律上大蔵大臣に協議を要することになっておりません。したがって、科学技術庁長官の判断で承認されたということだと思います。
#79
○委員長(吉田忠三郎君) そうすると、振興局長に聞きますがね。大蔵省の承認を得ないでできる、いわゆる科学技術庁長官の権限でできるということですね。そうするとその場合に、依然としてまだ労使問題として団交が成立をしていない、了解点に達していない、しかも現実この紛争が起きておりますね。いまでも起きているわけでしょう。そういう段階で、確かにこの予算の失効は三月三十一日で、前年度予算はそこでなくなるわけですから、いろいろなそこに複雑なものがあったでありましょうが、それをもって手続上の確定払いであるとかないとかという議論はさておいても、その予算のワクの範囲内で操作ができ得ることだから、おそらく副理事長も現実問題として、表は改定はできないけれども実質的には中身を直したい、そういうことを言ったんだと思うんですがね。何かここに割り切れないような感じが私するんですがね。ただ単にこれはもう予算の手続上だけの問題で、これがもう決定的に確定なんだと、そこらあたりに依然として労使の問題がほぐれていかないものがあるんじゃないかなという気がするんですが、どうなんですか振興局長。
#80
○政府委員(佐々木学君) 給与表、給与基準の変更の申請につきましては、もちろん労使の話し合いが終わった段階で承認するのが最も望ましいわけでございます。通常はそういうふうにいっておるわけでございます。ところが本年度に限りまして、なかなか労使の間で話し合いがつきません。で、四十三年度のベースアップは四十三年度内に実施いたしませんと、職員全体が、せっかくベースアップがあってもその利益を失うことになりますので、事実妥結しなかったのでありますけれども、まあやむを得ない措置としてこれを承認せざるを得なかった。もし承認しなかったならば、結局四十三年度のベースアップ分の利益というものを職員全体が失ってしまう、そこでこれはやむを得ず承認をしたわけでございます。
#81
○委員長(吉田忠三郎君) 振興局長ね、その意味はわかるんですよ、全職員の利益を失わないようにと、そのことはわかりますよ。わかりますがね、しかし、そうあなたが考えておやりになったことが、事実ほんとうに利益になっているかどうかということを考えると、先ほど来のお話を聞きますと、受け取っていないということですから、やはり利益になっていないと思うんですよ、事実問題としてね。しかも四十三年度の三月三十一日で決裁したものを、いまのあなたの意見を聞いてみたって、これはもう決裁しちゃったわけですから、そのことのよしあしの問題も出てくるでしょう、会計上の事務の問題としてね、出てこようと思いますが、原資はあるわけでしょう、原資はね。四十四年度に手続上そういう手続を越したとしても、四十三年度分の原資としては、これはどこにいくわけでもない、そうですね。ですから、いま紛争起きているわけですから、多少時間がかかってみたって、十分お互いに誠意を持って、あなたのいまおっしゃられるように、この研究所の全体が利益になるような決着がついてこれを施行したって、さして問題ないんじゃないですかね。言ってみれば、四十三年度の三月三十一日に失効いたしまするから、いわゆるそういう問題があるわけです。ですから、この官庁会計上の手続上――何万円になりますか、三十何万円、そんな程度の金のようでございますがね、それを前もって決裁したということにして、労使双方誠意を持ってそのワク内で操作できるということで、大蔵省のほうは、大蔵省のタッチすべきことではないと言っている、あなたみずからもそれは理研のほうにおまかせしていることだということであるならばなおさらのこと、いま紛争が起きているわけですから、この紛争がおさまった段階でこれを施行するということであっても、私は会計法、財政法の違反にはならない。もしそれがなるとするならば、いまおやりになっていること自体が違反じゃないですか、受け取っていないわけですから。受け取っていないものをすでに決裁したということになるわけですからね。そういうことになりやせぬかという気がするのでね。いま小山政務次官がおっしゃったように、どうも科学技術庁のほうに責任あるかどうかわかりませんけれども、理研そのものの労使双方でもっともっとお話を煮詰めたりあるいは皆さんのほうの意見を聞いたりしてこの問題がまとまるということがいいかどうかは別として、解決つく問題のような気がする。さして大きな問題でないような気がするね、ぼくは。どうもいままでのお話を聞いていたら、理研の理事者と組合と団交をやっている、そういうこと自体を詳細知りませんけれども、ただいまこの委員会でお話になった程度では、幼稚なやり方だなというような私は感じがするのですがね。どうですか、振興局長さん。
#82
○政府委員(佐々木学君) 総理府令というのがございまして、予算の予備費の流用、使用にあたりまして、使用の理由並びに金額及び積算の基礎を明らかにした書類を科学技術庁に提出するということになっておるわけでございます。したがいまして、こういう給与規程がなければ、その金額がそもそも確定できないわけでございます。そこで、どうしても現在の総理府令のたてまえからいいますというと、やはりこういう給与規程、基準をきめまして、金額を確定し、使用の理由並びにその積算の基礎を明らかにしなければならないのでございますので、およそどれぐらいの金だということでの流用ということはできないわけでございます。それから四十三年度分はすでに金額を確定して支払いの手続を終わり、会計処理がすでに済んでおるような状況でございます。そこで四十三年度につきましては、やむを得ずこういう処分になりましたけれども、私は、やはり問題解決は今後の四十四年度以降の問題として、労使双方で誠意をもって話し合っていただいたらどうかというふうに考えます。
#83
○委員長(吉田忠三郎君) あまり委員長が発言してどうかと思うのですがね。振興局長さんね、会計処理はもとよりしなければいかぬでしょう。それからそれの承認を求める場合におきましても、やみくもで総額幾らで承認するばかがおりますか、大切な国民の税金を執行する場合に。ですからいまあなたのおっしゃったような細部にわたる諸法令というものがきめられているんですよ。それはそれでいい。しかし労使双方がその積算の基礎になる問題で紛争してきまらないわけでしょう、きまりませんね。ですから、あなたのほうは一方的に積算をして承認を求めたということになるわけですよ。そのことが反省されたかどうかは別として、四十四年度から云々という話でありますが、しかし事実問題として四十三年度の問題で紛争が起きておるのですよ。その紛争が解決をしない間に、会計手続上あなたのほうは諸法令に従ってかってに積算をしてやったということになる。賃金というのは労使双方の団交の対象になっているわけでしょう、労働法で、これは明らかですね。その法令に従って、労使双方は団交しておるわけですね。まとまらない間に、もう単年度の会計年度が来たから、会計上の手続であなたのほうでかってに積算をして出すということになると、それはそれでこの事のよしあしはここで議論する気はありませんが、しかし、もうそういう手続をとられまして、お金は実際何十何万か知らぬが、ありますね。そしてそれぞれの職員に支給をしたと、あなたのほうはこう言っておるが、受け取っていないわけですよ。受け取っていないと、そこでおっしゃっている。受け取っていないとするなら、そのものは宙に浮いているわけですから、それを除外しておいて、とにかくいまやっている紛争を労使双方が解決するように、団交を積み重ねて出た結論でこの金を運用できることになっている。それが大幅に何万とかあるいは何千円というふうに変わるというんなら、これはたいへんなことですけれども、聞いてみますと、二百円とか、三百円だというんですね。まことに私ども奇妙な感じがするんですな。どうもやはり年度末にくる前にもっともっと私は理事者といいますか、管理者といいますか、積極的にこうした年度越しになってお金が宙に浮いている、こういう状態を避けるために、私は団交をやるべきではなかったかと思う。私どもそういう経験は幾たびかありますよ。団交の形式とか何とかにとらわれる必要はないと思うんですが、全員で話し会いをするということが最も理想的なんですね。ですからあなたのおっしゃったように、全体の利益を考えてと言うんなら、できるだけ全体の意見を聞くということが一番いいんですよ。ところが、なかなか常時それもできないであろうから、それぞれきめた代表者間でやっておったと思うが、最終的な段階で、なおかつ、その三月三十一日で会計年度が切れるという寸前では、やはり多くの意見を聞くということはいいことですから、団交の形はどうあろうと、もっと前向きに積極的に理事者はこの解決に努力すべきではなかったろうかという感じがするんですが、こういう点はどうなんですかね、振興局長さん。
#84
○政府委員(佐々木学君) 四十三年度の給与表は、これは理研側がそういう内容をきめて役所へ申請されたのでございます。役所側が一方的にその内容まできめたわけではもちろんないわけでございます。きめたのは理研側がおきめになったわけでございます。役所側といたしましては、従来労使の間で妥結しておった給与体系、それをそのまま用いまして、それにベースアップ分をオンしたのでございますから、特に従来より不利益な計算をしたものとは、われわれは考えなかったのでございます。もちろん内容的には妥結したものがいいんでありますけれども、先ほど申しましたように、期限切れでございますから、そういうふうに処理せざるを得なかった。組合員でもらっていない人が多いという話でございますけれども、どういう理由でもらっていないのか、よくは存じませんけれども。それと組合側の言われるのは、先ほど聞いておったのでありますけれども、給与表の改定を言っておられるように、私先ほど聞いたわけでございます。でございますから、給与表については四十三年度はもうとにかく承認してしまったし、特に従来の体系を変えたものでない、特に不利益を与えたものではないんじゃないか、そういうことで給与表については四十四年度以降分について両方で話し会っていただきたいということを申しております。
#85
○大橋和孝君 先ほどから非常に科学技術庁のほうは、はっきしない答弁をしているんですね。私は、いま言っているように、先ほどから委員長からもずいぶん詰めて話をしておられるように、これは四十三年度分は、もちろんいまあなたのほうが一方的にやった、組合のほうから要求しておるところの給与表の改定も無視して一方的な支給をやったんだが、その支給を合法的になるように、あなたのほうは手続をとって許可したわけなんです。しかし、こちらのほうでは、まだ給与表の問題も残っているからそれをしてくれと言っているわけです。それをやって、現在は四十四年度になっているんですから、それをやって四十三年度にさかのぼっていいではありませんか。先ほどから、そうしても足りない分はどうするか、もう少し足さなければならぬ分をどうするかというのに対して、会計法上できないと、こうおっしゃっているわけですね。だけれども、私はこれをよく考えてみたら、それが四十三年度で未解決の部分というのは、今度たとえば給与表の手直しで、先ほどから議論になっているように、わずか二百円か三百円のことです。そういうような事柄は全体の給与の改定からいってもできる事柄だ。いま四十四年度ですから、それをやって、四十三年度にさかのぼったらいいわけです。そうしたらプラス何ぼかの金が要るわけです。こういう金が払えないということだけれども、それは臨時の研究手当とか何とかというもので出し得るものだと思うのですから、それに合う金額だけを別なそういうもので手当てして支給しておけば、実際は四十三年度にさかのぼって給与表の改定ということにもなり得るわけです。それは今後労使間の話し合いによって、それで四十四年度にいわゆる給料表は改定をする。前に上がったものに対しては原資何ぼ要る、そういうことに対しては、別な方法として手当てとして与えるとか、研究手当とか何とかいう便法もあり得ると思います。そういうところまで話を進めていけば話は簡単ですが、そういうことはできるのですか、できないのですか。
#86
○政府委員(佐々木学君) 四十四年度に入ってから四十三年度の給与表の改定というものは私は非常にむずかしいと思います。
#87
○大橋和孝君 ぼくの言うことがよく通じないかもしれない。四十四年度に改定をする、それはいいと言ったのですね。だからそれは四十三年度にさかのぼって何ぼか、前に実施されたと同じように、別な手当、研究手当か何かで出していただければ、四十四年度からは改定するけれども、いま紛争になっておる四十三年度中の手直しはそこで実質的にできるのではないかということを言うのです。四十三年度にさかのぼってやったということを言わなくてもいいと思いますが、どうですか。
#88
○政府委員(佐々木学君) 四十四年度につきましては、これから労使間で誠意を持って交渉されてゆかれると思うわけでございますから、われわれのほうの認可することは、要するに給与基準の認可でございまして、それ以外のこまかいことにつきましては、あまり従来から干渉といいますか、そういうことはしないことになっているわけでございます。
#89
○上田哲君 一つお伺いします。特殊法人の労使関係というのが非常にまだ若いわけですから、いろいろ整理できなかったり、そのためにいろいろ紛争が別な方向に発展をしていくということがあるわけです。だから政労協としては大蔵省との統一交渉というところに持っていかなければいけないとか、いろいろな問題があるわけです。その辺のところはまだ整理しきれていないわけですから、問題がどうも逃げる余地も大きくなってくるのかと思いますが、私は、科学技術庁の先ほどからのお話は、たいへん不親切だろうと思います。このままの話でいきますと、四十三年度の話は先ほど来出ておりますからしばらく割愛するとして、これから先の問題でも、いまのおことばでは、これからは労使双方が誠意を持って自主的に詰めていけばいいではないか、これはとんでもないことなんでありまして、先ほど来、これまでの交渉でも実は何ら干渉をした覚えはない、あるいはなるべく自主的におやりになるがよかろうということになっておる。干渉することが初めからない。あらかじめワクがあるわけです。あとから承認するということなんですけれども、承認するといっても、初めから与えられたワクの中のこと、そこで整理をしてきたことを承認するわけですから、本来そのことをそのままこれをどんどん進めていく、そういう大きなどんぶりの中で労使が持っていっておやりなさい、こういうことになってしまう。これは親官庁としては非常に問題があると思います。つまり団交権という限りでは、明らかにワクの問題を団交の話し合いの対象にすることはできるでしょうけれども、ワクを変える可能性はないわけです。だから、先ほどの話で私お伺いしたいのは、住木副理事長の御発言について科学技術庁、親官庁がどういうふうに判断されるかということを聞きたいのですけれども、青天井ということばがおわかりにならない副理事長が、学者だからやむを得ないと思うけれども、四十三年度はむずかしいが、四十四年度は十分何でもできますと言ってしまった。十分何でもできますということは、青天井の意味は、ほかの民間産業と同じように、どこまででもとにかく社長と組合との話し合いの中できめることができるというような意味であるというふうに理解されてしまったらとんでもないことになるわけです。そういう形で団交権を認められたのだということであれば、これはもう組合としてはどんどん詰めていくだろうし、がんばっていくでしょうが、労働争議はどんどん拡大しても、具体的には何ら発展していくという可能性はないわけですよ。そういうことになってくると、当然ぶつかっていくワクというものが出てくるわけですが、そのワクについて実はそしらぬ顔で口をぬぐいながら、親官庁は、自主的におやりなさい、自主性を尊重することにいたします、干渉したこともございません、大きく常軌に反しなければ承認をいたしますということでは、結果的には、理研の中でもう研究をおっぱらかして、労使は大いに徹底的に戦いなさい、おれのほうは見ているということにしかならぬと思うのです。そういう全然当事者能力がない、あるいは当事者みずからの発言の意味も解しない副理事長が、先ほど言われたことをもとにして労使間に火をつけるようなことを、親官庁が見ているのでは困ると思うので、どうも長くなりましたけれども、先ほど住木副理事長が言われた、四十三年度は困るけれども、四十四年度は存分にこの中で話ができますということを、親官庁である科学技術庁では、どういうふうにお考えになるか、ことばの中で明確に定義をしておいていただきたいと思います。
#90
○政府委員(佐々木学君) これは特殊法人でございますので、先ほど副理事長も最後に訂正されましたように、どうしても全体の予算、給与予算というものがあるわけでございます。したがって、その給与予算の範囲を越えて、青天井に給与を上げていくというようなことはできないと私は思います。やはり給与予算の範囲内においていろいろくふうするよりほかにしかたがないのじゃないか。われわれといたしましては、できるだけ給与予算全体のワクの拡大にはつとめるわけでございます。それを無視してどうするこうするということは、やはり特殊法人である以上、それはむずかしいというふうに考えます。
#91
○上田哲君 そうすると、四十四年度において給与表の改定と原資の改善を組合が交渉しようとする場合には、どういう相手に対してどういう交渉をすればいいんですか。
#92
○政府委員(佐々木学君) 予備費を見ておるわけでございます。したがって、予備費を使用して交渉されるわけでございます。
#93
○上田哲君 だれとやるのですか。
#94
○政府委員(佐々木学君) もちろん理事者側と組合側とで交渉します。
#95
○上田哲君 理事者側は変えられるわけですね、給与表の改定と原資の改定については組合の要求に対して十分こたえる当事者能力を持っているわけですね、理事者側は。
#96
○政府委員(佐々木学君) もちろん予備費及び予備費を含めた給与予算の範囲内で組合側と十分話し合いをやって、そうして科学技術庁に承認してもらうわけです。
#97
○上田哲君 ということは、それがワクですね。
#98
○政府委員(佐々木学君) さようでございます。
#99
○大橋和孝君 まだ四十三年度の問題も、先ほどから話しているように、確定で一方的に押しつけたのは困るから、それを一たん仮払いということにしておいて、労使ともに話をして、そうしてそこであとから清算すると、それはどういう形でもってもできるということをいま申し上げているわけですが、これをやっておれば時間ばかりかかりますし、非常に私は時間を取っておりますので、これは私委員長にお願いしますが、実態調査でもして相当詰めないと、こんなことでは、一方で科学の粋をやっている研究所であるのに、一方では賃金のことで、ほんとうに熱のあるやり方を科学技術庁としてしなければならぬのにしていない。こういう観点からも一ぺん実態調査をしてもらいたい、これをひとつおきめ願いたいと思います。
 もう一つ大事な問題があるのでお尋ねしておきたい。
 私は、このような研究所で臨時雇員というものを五年の制限をもって使っておる、たくさん。人数は百三十人、百四十人もいるようであります。そうしてこれが最近ではまた契約が変えられて、一年ごとに契約をするという、しかも五年と続いている人はいない。若い人の研究者を集めてきて、非常に低賃金で短期間に、しかも不安定な臨時雇いにして、それにボーナスなんかも、何と申しますか、志程度なものである。そういうふうに実に低劣な労働条件でこういうようなものをどんどん雇用しておる。こういうことがこの中で行なわれておるわけでありますが、これに対し科学技術庁及び労働省なんかはあるいはまた大蔵省なんかはどういうふうにこれを考えておられるのか、これをひとつお聞きして終わっておきたいと思います。
#100
○政府委員(佐々木学君) 過去からのいろいろの経緯等で理研における雇用の形態はいろいろあるようでございます。現在五年を限度としてそれ以上雇わないというようなことはないというふうに聞いております。
#101
○政府委員(小山省二君) 御質問の点につきましては、詳細に承知しておりませんが、具体的な実態をよく見まして、私どもとしては判断すべき問題だと考えております。さっそくひとつ調査させていただきたいと思います。
#102
○委員長(吉田忠三郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#103
○委員長(吉田忠三郎君) 速記をつけて。
 大橋委員のほうから委員長に対する実態調査をしていただきたいという要望ですが、この件については、慣例に従いまして、委員長に一任していただいて、委員長は理事会にこの事項を協議いたしてきめたいと思います。御了承願います。
#104
○大橋和孝君 実態は全然労働省でつかんでおられないのですね。これは「週刊朝日」に出ておるのですね、こういうことで使っておるということが。少なくとも労働省関係あたりにもあることなんでありますからして、これくらいのことは見ておっていただきたい。この週刊誌を私買って読んだらそう書いてある。みな書いてあります。それくらいのことは把握しておかないと、しかもこういう科学の先端を行っているところが最も低賃金の労働者を使うということでやっているわけです。一年ごとに契約して、そうしていつでも首にできるんだと、そうして若い働き盛りで研究したいという人を集めてきて、調べてみたら五年以上働いている人はないわけです。みな首にしちゃう。こういうことをやったり、実に悪らつな人の使い方ですね。こういうようなことがこんなりっぱな最先端を行くところの理化学研究所で行なわれておるのに、これは知りません、これから調べますと、これではちょっと困るので、週刊誌ぐらい読んでおいてもらいたいと思うのです。そういうことでは、だれが一体労働者を最終的に守るかということをわれわれとしては心配するわけなんですよ。これは科学技術庁なんて実にけしからぬわけです。先ほど上田委員も指摘されておりますけれども、実に不熱心だ。そうしてまた、やり方なんかもままでからいって、極端に言ったら、科学技術庁のそこらの責任者は何のために月給をもらっているのだと言わなければならないと思うのですよ。一方では重大な仕事をどんどんやらせておいて、一方で低賃金でこういうことをやる。労使間に非常に紛争がありながら、それに対しては、ああだこうだと言ってのがれたような答えをして過ごしていくというようなことなら、私は実際責任をとるべきだと思うのですよ。そういうことを含めて実態調査の中で明らかにしてもらいたいと思いますけれども、こういう遺憾なことを特に話をして、科学技術庁のほうも、長官がきょうは来ておられないので残念でありますけれども、十分その由を伝えてもらって、前向きの姿勢でしなければ、こういう研究所に働く人たちがほんとうに意欲を失ってしまう。そうなったときは将来日本の科学の進歩が非常に後退するのじゃないかという心配をするわけです。科学技術庁は重大な使命を忘れておると私は言わなければならぬと思うので、十分これは考えてもらいたい、こういうふうに思います。
 それから、きょうは労働大臣がどうでも来て、こういう話の重大な問題は聞いてもらいたいと思ったのですが、病気とあればしょうがない。次官としては大臣に対して、こういう重大問題があるのだから、この常任委員会に対しては徹底的に出席をして、少々腹こわしておったら、担架で運んできてもいいですから、出てきてやるべきだ。このことを強く要望して質問を終わります。
#105
○政府委員(小山省二君) ただいま、私どものほうの調査が十分でなかった点についておしかりをいただいて、たいへん恐縮でございます。将来さようなことのないように、十分留意をいたしたいと思います。また、先生のお考えにつきましては、さっそく大臣によくその旨を伝えて、将来十分委員会に出席するように取り計らいをいたしたいと思います。
#106
○委員長(吉田忠三郎君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。
    ―――――――――――――
#107
○委員長(吉田忠三郎君) 次に、中高年齢者の雇用対策に関する件について質疑を行ないます。御質疑のある方の発言を求めます。
#108
○上林繁次郎君 私は、いま委員長から話ありましたように、中高年齢層の雇用対策についてお尋ねをいたしたい、こう思います。特に、最近の政府の雇用対策が若年労働、これに力が入っている、中高年の労働者対策というものにあまり力が入っていない、こういうふうに感じられるわけです。そこで今後の問題として、これらの中高年齢層の雇用対策についてどのような考え方を持っておるか、その基本的な対策といいますか、そういった点についてお尋ねをしていきたいと思います。
#109
○政府委員(住榮作君) 中高年齢層の雇用対策、就職対策の問題でございますが、現在一般的な労働力の不足傾向の中にございまして、全体としては、御承知のように、需給関係が好転しておるのでございますけれども、御指摘のように、中高年齢層の就職、特に高年齢層の就職はまだ必ずしも容易でない、これは現実の事実でございます。そこで、労働省といたしまして、中高年層、高年齢層の方々について考えてみますと、非常に長い職業経験をお持ちでございます。と同時に、高い能力もお持ちでございます。そういう方々の経験なり、能力をどうして生かすかということでいろいろ対策を考えておるわけでございますが、まず第一にどうして求人を見つけるか、適職を見つけるか、こういう問題でございます。その点につきましては、研究者の研究とか、あるいは民間の実際雇用管理をなさっておられる方の経験を聞きまして、中高年齢者に向く適職を選定いたしまして、こういう職業に中高年齢者を働かしていただくならば、若年労働者よりもっと能力が発揮できるという適職の選定をいたし、それを徹底させまして、そういうような職業に中高年齢層を雇っていただきたい、またこちらからも紹介申し上げる、そういう体制を一つつくっているわけでございます。
 それから一般の安定所にはいろいろな年齢層の求職者が参ります。中高年層にはそれぞれ特殊な事情もございますので、安定所には特に高年齢者コーナーという、別室のようなものを設けまして、そこでできるだけ親身な職業相談、職業指導をすると同時に、同じ構想でございますけれども、大都市等におきまして、市と協力いたしまして、市役所の中あるいはその他適当なところに高年齢者の職業相談コーナーをつくって、やはり高年齢者の職業相談なり、職業紹介をやっていただいているわけでございます。
 それからさらに、これはできるだけ幅広い活動が必要でございまして、なにも安定所ばかりで独占的にやるのもこれはおかしなことでございますので、社会福祉法人等にお願いいたしまして、無料職業紹介ということで、積極的に職業の紹介あっせんをお願いいたしております。
 さらにこれは管理的、専門的あるいは技術的な中高年齢層につきましては、これは御承知と思いますが、大都市には人材銀行を設けておりまして、そういうところで職業の相談を申し上げ、特にそういう面での人材の獲得に悩んでおられます中小企業等にお願いしまして、そういう経験を生かしていただけるように相談をやっております。
 大体大まかに申し上げまして、そういうような施策をやっているわけでございます。
#110
○上林繁次郎君 まあ全然力を入れてないということではないのですけれども、雇用促進事業団の年報を見ますと、炭鉱離職者に例をとってみると、この炭鉱離職者の職業転換、これを例にとってみますと、年度別の職業訓練手当支給ですね、これが四十一年度の基本認定人員が百八十六名になっております。四十二年度では、それが八十名になっているわけですね。こういう状態は、明らかに認定人員の減員になっているので、給与改善というものは行なわれているけれども、実際には認定人員がふえないということは、中高年齢者の雇用の問題が解決されないのじゃないか、こういうふうに感じられるわけですので、この点はどういうことなんですか。
#111
○政府委員(住榮作君) ちょっと資料を調べさせていただきます。
#112
○上林繁次郎君 そこでいまの問題とあわせて、これは予算的に関係があるのかどうかということなんですけれども、政府の四十四年度の一般会計の予算を見ますと、中高年齢者雇用促進対策関係の予算が四十二億二千百万円であるわけです。対前年比にしますと六億四千九百万円の予算減になっておるというわけです。こういう問題もあるわけですけれども、こういった問題も中高年齢者の雇用促進をはかっていかなければならないということを言いながら、こういう面で予算も削られておる、こういった現実の問題、この問題も前の質問と関連性があればひとつあわせてお答えを願いたいと思うのです、それは一緒でけっこうですから。
 それでは次にまいりますが、定年制の問題でございますけれども、現在の民間企業における定年制の現状、これをひとつお聞かせ願いたいと思うのです。
#113
○政府委員(松永正男君) 民間企業におきます定年制の現状につきましては、労働省の調査がございまして、一つは昨年の一月に実施をいたしました雇用管理に関する調査、それからもう一つは四十二年の十一月に実施いたしました定年到達者の調査。先ほどの雇用管理のほうは会社側で一体どのような制度になっているかという調査でございます。それから定年到達者の調査は、働く人の側からどのような現状になっておるかという調査でございます。
 定年到達者の調査によりますと、定年に到達した人たちの七四%の人たちがなお雇用労働者として働いておるという実態が出ております。ごくわずかでございますが、八%程度の方は会社を経営したり、あるいは自営業をやっておるというような実情が出ております。
 それから、雇用管理の調査で、どのような制度になっておるかということでございますが、この調査をいたしました会社のうち約七割が定年制を持っておるということでございます。三割につきましては定年制がないということでありますが、企業規模別に見ますというと、企業規模の大きいほど定年制を持っておる割合が高くなっておるというような現状でございます。
 それから、定年年齢でございますが、一番多いのは五十五歳でございます。それから五十七歳というものもありますし、また六十歳という定年もございます。しかし、五十五歳が圧倒的に数が多うございます。
 それから、そのような実情でございますが、労働力不足の面からいたしまして定年制の改定ということが行なわれております。そこで、過去三年間におきまして定年制を改定をいたしました企業がどれくらいあるかということの調査をいたしたわけでありますが、全体のうち約一割が定年制の改定をしておる。その改定の内容は、定年制を五十五歳から五十六歳あるいは五十七歳に延ばしておるという企業が非常に多うございます。それから、中小企業で見ますというと、六十歳まで延ばしておるという企業が多くなっております。
 それから、定年後の身分と申しますか、取り扱いでございますが、定年に達して一ぺん退職をした者をまた再雇用をするという制度と、それからそのまま勤務を延長するという制度と両方をとっております。勤務延長のほうをやっておりますのは約三割五分、それから一ぺん退職をして再雇用をするという制度になっておりまするものが五三%というふうになっております。それから、再雇用あるいは勤務延長の期間につきましては、五年間という期間を定めているものが多うございますが、一年、二年というような短期のものもあるようでございます。
 以上が概況でございます。
#114
○上林繁次郎君 そこで、定年制がだんだん延長されてきておるという感じなんですが、政府としては、この定年制について、大体現在の経済情勢あるいはまた社会情勢、そういったあらゆるものを加味したうえで、何歳ぐらいが最も適当である、こういうようなものを考えておりますか。
#115
○政府委員(松永正男君) 定年延長の必要ということにつきましては、労働力の面からいたしまして、中高年層の活用ということからも、ぜひ必要であるということで、いろいろな会議の際にも、あるいはまた一般的に国民に訴えてPRをするということをやっておりますが、何歳が適当であるかということにつきましては、各企業の実情、それから特に年功序列型の雇用制度、それとあわせまして給与制度がございますので、何歳が適当であるというような具体的な線を出してのPRはまだいたしておりません。
#116
○上林繁次郎君 本題に入りたいのですけれども、その辺のところは、私は問題じゃないかと思うのです。たとえば、いまお話のありましたように、大体平均で五十五歳から五十七歳と、こういうことですね。そうしますと、五十五歳、五十七歳で定年になりますと、年金制度とのからみ合わせ、こういう問題もあると思うのですけれども、年金は六十歳からである。そうしますと、その間をどうするかという問題、ここに問題があると思うのです。やはりそういうところまで詰めてこの定年制というものを考えていかないと、そこにいわゆるすき間があいてくる、こういう感じがするわけなんです。その間の問題をどうするかというわけです。特にいま五十五歳とか、五十七歳とかいう年齢層は、御承知のように、日本においては戦争という長い期間があったわけです。そういう関係で、戦争が終わって復員をした、したがって婚期もおくれておる。三十歳あるいは三十歳過ぎて結婚しておる。そういう人たちの状態を見ますと、大体五十五から五十七歳ぐらいの方が多い。そういう方たちはちょうどいま大学だとか、あるいはまた高校であるとか、中学であるとか、そういう子供さんをかかえておる率が多いと思うのですね。ですから、よほどこのいま定年にひっかかるような年代の人に対する対策というものを本気になって考えていかないと、これは、私は大きな問題ではないかと、こう思うわけですが、その辺のところをお答え願います。
#117
○政府委員(松永正男君) ただいま先生御指摘になられましたように、確かに社会保障の面におきまして六十歳からということが一方においてございます。それからまた他面、日本人の平均寿命も非常に延びてまいりまして、昔の人生五十年というようなところから、五十歳はまだ若造だというような社会常識といいますか、というようなことになってまいっておりますので、私どもといたしましては、五十五歳の定年は低過ぎる、やはりこれを高めるべきだという方向の運動はいたしたいと考えておりますが、ただ、たとえば外国のように、六十五歳あるいは七十歳というような定年制があるわけでございますが、何歳までがいいのだということで現在の段階でやるよりは、五十五をもっと上向きに引き上げていくという方向でやった方が実情に合うのではなかろうかという考え方をいたしておりまして、上限どこまでということよりも、五十五歳をさらに引き上げていくという方向でやりたいという考え方でございます。
 それからおっしゃいましたように、私どもの調査でも、定年退職者の中で扶養家族をかかえ、その中に就学中の者があるというのが非常にたくさんございます。半分近くそういう方々でございますので、その面からも、おっしゃったような御趣旨には全く同感でございますが、何歳という限定をするということがいいか悪いかという点については、さらに検討をいたしたいと思います。
#118
○上林繁次郎君 まあ私がいま申し上げておることは、いわゆる五十五歳、五十七歳というそういう年代で定年になるという場合、これはもう再雇用された場合には、当然いままでの給料をもらえないですよ。どうしても低い給料で甘んじなきゃならない、こういうことなんです。いままでもらっていた分とだいぶ差が出てくる。その辺のやはり埋め合わせということも考えていかなきゃならない、いわゆる雇用という問題とともに、そういう点についても配慮していかなければならないのじゃないか、こう思うわけですね。そこでやはりなかなか再雇用あるいはまたそのまま五十七歳を過ぎても職についておるということはむずかしいということが言えるわけです。その場合、やはり年金制度というものが六十歳からしかれているわけです。少なくともこれはやはり六十くらいまでは年金制度とあわせて、六十までくらいは延ばしていくべきである、こう考えるわけですね。そういう面での政府の全般に対する呼びかけといいますか、促進といいますか、そういったことを私はやっていく必要があると思うのですね。その辺の考え方はどうでしょうかね。
#119
○政府委員(松永正男君) 先生のおっしゃるような線も、確かに有力な一つの線だと思いますが、当面といたしましては引き上、げる必要があるということでやっておりまして、またさらに状況によりましては、何歳ぐらいが適当だということも検討した上で出すということも必要かと考えます。
#120
○上林繁次郎君 これは厚生関係になるんですけれども、当然こういう定年制という問題にも関係してまいりますので、一応労働省としての態度といいますか、そういった点を明らかにしていただく意味でもってお尋ねするわけですが、今年度、四十四年度からは在職高齢年金――在職老齢年金ですかね、これが六十歳からになりますね。いままでは六十五歳だったわけです。それを六十歳まで下げた。まあ一応上つらから見ると進歩したようにも感じられますけれども、その内容を見ますと、標準報酬が一万円という低所得者、これに対していわゆる在職老齢年金が支給される、こういうことになっているわけですね。これはちょっとあまりにも低過ぎるのじゃないか、標準報酬一万円です。これは厚生省だけにまかしているのじゃなくて、やはり労働省のほうもそういう労働の面からいっても、いわゆる定年制とか、そういう問題をあわせて考えたときには、これはやはりプッシュして、そしてこれをもう一歩前進したものに持っていかなきゃならないのじゃないか、そういう努力を労働省のほうもしていく必要があるのじゃないか、こう思うわけなんですがね。この点についての考え方、一万円という、この点はどうでしょうかね。
#121
○政府委員(松永正男君) 年金の額がどの程度がいいかということでございますが、もちろん一万円が十分だというふうには私どももちろん考えておりませんが、保険制度あるいは社会保障全体として考えました場合に、どの部分が保険で、どの部分が保障というようなことから、保険でやる場合に、拠出をどの程度にするかといったような、全体の仕組みの問題になるかと思います。方向といたしまして、年金額を引き上げるという方向については、私ども、もちろん賛成でございますけれどもその辺のところの詳しい事情はよく存じませんので、私そういう意味ではたいへん不勉強で申しわけございませんが、よく勉強させていただきたいと思います。
#122
○上林繁次郎君 そういうことなんですよ。勉強もしてもらいたいと思いますけれども、そういうことなんです。これはもう常識的に考えても、一つの形だけの問題であって、何ら実質的なものではない、こう申し上げたいわけですね。そこでやはりこういった方たちに健康保険の特例法の薬価の一部負担が免除された事例があるわけですね。その標準報酬というのは、二万四千円、こういうことなのです。私は少なくともこういうものに合わしていくべきだと思うわけですね。これはもちろん今度は厚生の場で質問をしていきたいと思うのですが、これはやはり労働と年金との関係性の問題を私はいま言っているのですから労働省としてもやはりそういう面から考えていく必要もあるのではないかということをいま申し上げているわけです。ですから当然どんなに少なくても二万四千円くらいの、いま申し上げたような事例がら言っても二万四千円、その辺まで標準報酬は上げていくべきだ、こう思うわけです。そういう方向に、労働省としても、厚生省だけにまかしておくだけでなくて、もっともっと前向きの姿勢でそういった面にも取り組んでいってもらいたい、こう思うわけです。そういったことです。
 それからこの高齢者の雇用の問題ですけれども、先ほどいろいろな職業というものを考えている、それに合った高齢者の求職に対しては、なかなか思うような仕事はないということが現状だろうと思います。そこでたとえば高速道路の通行券をとるとか、ああいう仕事などそれほど労力が要るわけではないわけです。比較的若い人たちがああいう任に当たっているようですけれども、そういった問題もあわせてやはり考えていく必要があると思います。この辺ちょっとこまかくなりますけれども、そういう問題を考えておられるかどうか、これについてお願いいたします。
#123
○政府委員(住榮作君) ただいまの高齢者に適する職種として、高速道路の切符収集の職種を御指摘になったわけでございますが、そういうように、要するに若年労働力でなくて、高年齢者、あるいは中年者でできる仕事というものがあるわけでございまして、そういう職種を三年ほど前でございますが、先ほども申し上げましたように、中央雇用対策協議会で、七十二の職種を選びまして、こういう職種についてはむしろ中高年齢者のほうが能率があがる、こういうことをきめまして、民間その他にお願いしまして、そういう職種に中高年齢者を雇ってもらうようにというような運動を起こしております。それからこれも御存じのことと思いますが、官庁等におきましても、中高年齢層に適する職種を選びまして、中高年齢層の雇用率を設定いたしております。その率に達するように、そういう職種には中高年齢者を雇っていただく、こういうことで官庁率先してやっているところでございます。道路公団その他の政府関係機関にもそういう趣旨でお願いはしているわけでございますが、御趣旨のような線で今後積極的にやってまいりたいと思います。
 それから先ほどのお答え、たいへんおくれて恐縮でございます。炭鉱離職者の職業訓練の実施状況でございますが、大体予算上の定数といたしましては、たとえば四十三年度は四千百六十名が予算上の訓練定員になっております。これに対しまして入所者が千七百七十八名ということで、定員に及ばない、半分の入所者しかない、こういうような状況でございます。これはいろいろ原因があると思いますが、一つには、炭鉱離職者の数が四十三年、四十二年、それ以前の年と比べてやや減少してきている点もあるのではなかろうかというように考えております。
 それから全般的に、第二点の御指摘でございました中高年齢者のいろんな対策をやっております中で、予算金額が減っておるではないか、こういう御指摘でございます。これも例年、中高年の就職促進措置をどうやっていくかという計画をきめまして、その計画に基づきまして職場適応訓練あるいは職業指導、こういうような措置を実施しておるのでございますが、いままでの経験によりますと、常に計画が実績よりも上回っておるというのが現状でございます。それで、大体そういうような傾向をも考え合わせまして、本年度予算は昨年度よりも減額になっておることは事実でございます。御指摘のとおりでございますが、本年の雇用、失業情勢を考えますときに、その範囲内で十分やれるのではないだろうかという考え方のもとに予算をつくっておるわけでございます。それと同時に、中高年齢層の就職促進の措置をやる場合に、御指摘の予算で措置いたしますのは、失業保険の受給者以外の対象者について考えておるわけでございます。そういう意味で、失業保険を受け得る方につきましては、失業保険の予算内でやるのでございまして、最近離職されて、こういう措置を受けられる方は失業保険の受給者が多い。したがいまして、これは失業保険で措置をする、こういうことも予算を減少した一つの理由になるかと思います。
#124
○上林繁次郎君 最後に、こういう高齢者の雇用促進のために、民間で高齢者を雇用した場合には、現在労働省で行なっている雇用奨励金制度、これを事業主に適用するという、こういう考え方はありませんか。
#125
○政府委員(住榮作君) 現在、再雇用奨励金は高齢者についてはございません、そういう制度は。ただ、高齢者の再雇用の促進ということでそういう制度を設けたならば、雇用促進について非常に効果があるのではないだろうかということで、研究はいたしておるのでございますが、まだその制度は実現されておりません。
#126
○上林繁次郎君 検討されているということなんですが、やはり高齢者の就職という問題は非常にむずかしい問題ですよ。ですから早急にいろんな角度から検討を加え、対策を立てていかないと、それは進まない、こういうことが言えると思うのです。ですから、いま申し上げた雇用奨励金制度を、高齢者にも適用される制度をつくるべきである、こう考えるのです。これはやはり早急にそういった問題を検討し、実現の方向に持っていくべきである、こう思いますけれども、いかがでしょうか。
#127
○政府委員(小山省二君) たいへん適切なお考えのように私ども承ったわけでありますが、御承知のとおり、本年度予算の中にはさような措置がしてございませんので、来年度予算において十分ひとつ検討をいたしまして、御趣旨に沿うように努力をいたしたいと思います。
#128
○委員長(吉田忠三郎君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。
    ―――――――――――――
#129
○委員長(吉田忠三郎君) 次に、年少労働者の雇用対策に関する件について質疑を行ないます。御質疑のある方の発言を求めます。
#130
○藤原道子君 たいへん時間もおそくなりまして御迷惑だと思いますので、質問はなるべく省略しながらお伺いをしてみたい、こう考えます。
 最近の新聞で警視総監が、異常を異常と思わなくなった、異常が成立するまでの過程を解明しなければならないと嘆いておられます。私はまさにそのとおりだと思う。最近あまりにも異常な事件が続発をいたしておりますが、その中でも、次代をになう青少年、次代をになう勤労青少年の非行化、これは大きな問題であると考えております。技術革新とか、都市集中化などの影響で、地方出の青少年が都会生活、職場生活に適応できない。孤独感にとらわれて安易に転職を重ね、さらには非行に走る例が少なくなく、大きな社会問題となっております。私はこの勤労青少年問題について幾つかの件についてお伺いをしたいと考えるものでございます。
 警察庁の調べによると、刑法犯少年については、昭和三十九年までは中学生が最も多かった。ところが、四十年以降に有職少年の占める割合が最も高くなった。そして四十一年には有職少年が全体の四二%を占めておるということが調査にあらわれておりますが、この変化は何を意味しておるか、まずこの点についてお伺いしてみたい。
#131
○政府委員(海江田鶴造君) いまほど先生からお話がありました有職少年の犯罪がふえておるかどうかということでございますが、実情を申しますと、少年犯罪全体で見ますと、やはり年少の少年の窃盗、盗みがやはりかなり圧倒的に多いわけです。ただ年少少年には盗み等が多いが、いわゆる十八歳、十九歳という年長少年にはどうも凶悪犯が多い。その年長少年の中でも、職業を持った少年、いわゆる有職少年の凶悪犯というものが比較的多いということでございまして、有職少年の全体の中でも、年長の少年の凶悪犯の比率が高いということでございます。
#132
○藤原道子君 労働省では、この点はどのように考えておられますか。
#133
○政府委員(小山省二君) お説のような問題に対しましては、労働省といたしましても、常に注意深く実態を調査いたしておるわけでありますが、特に中学の卒業者及び養成訓練所を出ました全員には、御承知のとおり、働く青少年手帳等を交付いたしまして、雇用条件の明確化をはかりますと同時に、その健全な余暇活動に極力つとめ、その不良化防止に最善の努力を払っておるような次第でございます。
#134
○藤原道子君 私がお伺いしているのは、ただ手帳を出しているとか何とかいうことだけではないのです。非行少年のうちの約六割は転職者であるということが言われておる。したがって、私は転職の状況をここでお伺いしておきたい、労働省に。
#135
○政府委員(住榮作君) 新しく中学を出まして就職して、その後どういうような状況で離職をしておるかと、こういう御質問でございますが、今年の二月までに昭和四十年以降三年間で就職しました中学卒の者の離職状況でございますが、各年度を通じまして、就職後一年間に大体二〇%程度の者が離職しております。さらに四十年に入った就職者が三年後にどうなっておるかということを見ますと、合計しまして大体五割程度の者が離職をしておる、こういうデータが出ております。
#136
○藤原道子君 労働省の調査によると、まあ五二・五%が三年間で離職している、こういうふうに私は拝見いたしております。そこでひんぴんたる転職の原因をどのように把握しておいでになるか。
#137
○政府委員(住榮作君) これもいろいろ全般的な調査は実は必ずしもでき上がっていないのでございますが、たとえばなぜ離職するか、離職の事由でございますけれども、これは東京都の四十二年の調査でございますが、家庭の都合による離職が二九%。それから仕事が合わない、仕事が自分の性格なり、能力に合わないというのが約一割。それから友人に誘われて転職したといったような事由が約二%。その他労働条件が違うとか、同僚との人間関係がうまくいかないとか、そういうのが大体五、六%ずつを占めている。大体離職の原因は、私はそういうようなところではないかと思っております。
#138
○藤原道子君 文部省来ておりますか。――私はひんぴんたる転職の原因の中には地方から出てきた孤独感ですね。都会の生活になじめない、相談する相手もない、いろいろあると思います。と同時に、一つは学校教育の面で進学偏重、就職者を軽視する、こういう面があるのではないか、こう思うのですが、進学偏重の気風を是正しなければならない段階に来ている。この進学偏重のいまの教育には批判が高まっております。これに対して、文部省としては何かこれを是正するような御用意があられるかどうか。
#139
○説明員(大崎仁君) 文部省といたしましては、学校教育法その他の法令等にもございますように、勤労を重んずる態度を養なっていくということを学校教育の目標の重要な一つに掲げておりまして、それに基づきまして、進路指導の時間をホームルームに置いて、必ずまあ特設させるようにいたしまして、正しい職業観というものを身につけさせるということにつきましては、従来から指導をしておるのでございます。ただ御指摘のように、年々進学率が高まってまいりまして、そのために、現在中学を卒業いたしまして就職をいたします者が大体二〇%でございますが、クラス内で数が少なくなるということで、あるいは御指摘のような就職者に対するあたたかい指導が行き届かないという事例も出ておるのではないかと存じますけれども、その点につきましてはさらに指導を強めてまいりたいと、かように考えております。
#140
○藤原道子君 いま職業教育にも力を入れているというようなことをおっしゃったけれども、それは一応はそうなっておるけれども、いまの子供たちが職業観であるとかあるいは勤労観について確固たる信念、こういうものが植えつけられているとは思えないのです。中学に行っておる子もうちにおります。あるいは勤労少年もときどき遊びに参ります。こういう子供たちの話を聞いてみましても、中学あたりでは進学率が高まって、中卒は少なくなっておる。けれども、だれだって高校へ行きたいのです。けれどもどうしても行けない子供もあるのです。それらがクラスの中で小さくなっておる。これが幼い子供に与える影響をもう少し文部省としては考えてもらいたい。はたしてあなたが言われるように、一応はそうなっておりますでは、この問題は私は解決しないと思うのですが、いかがですか。
#141
○説明員(大崎仁君) 御指摘のように、中学校を卒業後就職します者の数が少なくなればなりますほど、それだけあたたかい、行き届いた配慮が必要であると思います。その観点から、現在の状態は必ずしも十分でない面も多々あると存じますので、さらに指導あるいは研修というような機会を通じまして、それらの点につきましての指導を強めてまいりたいと思っております。
#142
○藤原道子君 日本国憲法の中でも、二十七条で「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。」ということが規定されておる。と同時に、勤労者の団結する権利及び団体行動をする権利はこれを保障すると、はっきりうたってある。だから高校へ進む者でも、ただ学歴だけ得ればいいという傾向がある、学歴尊重。勤労の精神、勤労のとうとさ、自分は貧乏だから働くのではないのだ、社会伸展のために貢献しておるんだという誇りを持たせるような教育が、私はいまの学校教育では欠けているのじゃなかろうか、こう思いますが、いかがでございましょうか。
#143
○説明員(大崎仁君) 御指摘のような点につきましては、中学校の場合で申し上げますと、たとえば社会科におきまして、職業と社会生活の関連についての教育を行ないます。あるいは、先ほども申し上げましたように、ホームルームの時間で四十時間以上、必ず進路指導に当てていただきたいということで指示をいたしておりまして、その中で職業の意義、あるいは自己の個性を十分に発揮して、能力、適性に即した職業を選択するという、それを通じて社会、国家に貢献するということにつきましての指導を行なうということになっておりますけれども、なお現在学習指導要領の改定作業を実施中でございまして、近く正式に告示をされる予定でございますが、新たな学習指導要領の改正に際しましては、御指摘の点を一つの改正の重視すべき事項ということで御答申もいただき、その点についての配慮もなされておるので、さらに新しい学習指導要領の趣旨徹底というような機会を通じまして、御指摘のような点の改善ということに努力をしてまいりたいと思っております。
#144
○藤原道子君 中学校教育課長、いまお見えになりましたが、いま私がお伺いをいたしておりますのは、勤労青少年の非行化の問題でございますが、ひんぴんとして転職している、その転職が非行への道をたどらせておる。これには、一つは学校教育にも責任があるのじゃないか。進学組偏重、就職組は軽視される、こういうことから、幼な心にも非常な劣等感を持っている。自分は貧乏だからしかたがないんだという考え方で、職業のとうとさというようなものが学校であまり教えられていないように私は見ておるわけなんです。それで、いま職業課長が言われたように、学校でやっておりますとおっしゃるのですが、はたしてほんとうにやっておいでになるのでしょうか。中卒者はだんだん減ってきておりますけれども、ここ最近非常に進学に熱が入って、クラスの片すみで、進学できない子供たちが小さくなっておる、こういうことを私はよく耳にいたしておりますが、いかがでございましょうか。
#145
○説明員(奥田真丈君) 現行の中学校教育におきましては、主として社会科、それから特別教育活動の領域、この中で、ただいま御指摘のような問題については、特に正しい職業観を養うというような面についてはやるように、国の基準でございます学習指導要領に示してございます。現実の姿につきましては、いろいろな御批判があるかと思いますが、特に現行の制度をいま変えようとしておりまして、新しい国の基準の学習指導要領をいま作成し、まとまった段階でございますが、その段階におきましては、御指摘のような問題は特に留意いたしまして、改定の方針に入れております。正しい職業観とか、あるいは勤労生産の体験を持たせる、こういうことを特に重視して指導要領をつくったわけでございますが、その中で、たとえば社会科の中では「職業と生活」という指導項目を設けまして、「職業と生活」という項目の中で職業の社会的意義を十分理解させるとか、さらにまた勤労が国民の権利であるとともに義務であること、あるいは職業選択の自由が保障されておることの意義、こういうものを十分理解させ、そうして正しい勤労観や、職業観の基礎を育てる、こういうことを明記して、学校教育として重視してやるようにということを考えております。それからなおさらに、教科のいわゆる学習とは別に、特別な教育活動があるのでございますが、「特別活動」と呼んでおりますが、その領域の中では勤労生産的な行事あるいは勤労生産的な活動を行なって、生徒一人一人にそういう体験を持たせるように、こういう指示もしておるわけでございます。
#146
○藤原道子君 私は、ほんとうにそうならうれしいのでございますが、実際にはなかなか行なわれていない。日本国憲法を終戦直後は学校で堂々と教育された。ところが最近は平和条項を話したり、あるいは団結の権利とか何とかいうことを学校で教えると文部省からにらまれる、こういうふうな風潮が全国的に行き渡っておるやに聞いております。私はそういうことが結局一個の人間性をゆがめる動機になってきておるのじゃないか。働くことは企業に奉仕するのじゃない、自分は生産にタッチし、社会のために貢献しておるのだ、こういうふうな信念がないから、教え込まれていないからこそ、働いていても肩身が狭い、おもしろくない、安易に転職するような動機をつくっておるのではないかと考えますので、いま言われたことがほんとうなら、それはいつごろからするのですか。いまやっておるとおっしゃったのですか、これからやるとおっしゃったのですか、もう一ぺん伺いたい。
#147
○説明員(奥田真丈君) 現行も社会科の中ではそういうことはやっております。さらに先ほど申しましたように、重点を置いてやることは、昭和四十七年度から全面実施に移します。
#148
○藤原道子君 いま一つ、就職後の幼い子供が、友だちは上級学校に進んだけれども、自分は就職しておる。その就職している子が遠く郷里を離れて都会でどうしておるだろうかということで、たまには連絡をして相談に乗ってやるというようなことまではしていないのですか。これは職業課長さんにお伺いしたいと思います。
#149
○説明員(大崎仁君) これは学校におきまして、卒業生の指導ということに教職員の方々が配慮しておられる事例が多々あるわけでございます。ただ、どこまで学校が卒業生指導につきまして責任を持つかということにつきましては、勤務条件等いろいろ問題もございまして、十分行きかねるところがあるかと存じます。その意味で公共職業安定所が行なわれます職場の適応指導との関連を十分とりながら、卒業生を見守ってやっていただきたいということで、関係者に対してはお願いをしておるわけでございます。
#150
○藤原道子君 過日の永山少年の担任教師の百として新聞の伝えるところによりますと、彼が郷里に帰ったときに安定剤を求めたり、自分は何とかして定時制高校に行きたいというようなことを漏らしたときに、もっと相談に乗ってあげるべきであった、いま自分は後悔をしておるということを言われたということが報ぜられております。私は教え子のこの結果を見たときに、先生はさぞ心を痛めていらっしゃるだろうと思うのです。ところが、先生方は子供の就職後はどうなっているのだろうか、たまには連絡をとったり、半年に一回くらい行ってあげたいという先生方もたくさんあるんです。ところが、いまは先生方忙し過ぎるんですね。ひまがない、費用がかかる、こういうことで、ついなおざりになってしまって、その結果がこういうことを生んでいるのだ、何とかこれはならないものだろうかということを言っておられる先生がたくさんある。実は私ごとになってまことに恐縮でございますが、私は家が没落をいたしまして、小学校の中退でございます。十一歳の年に新聞社の印刷女工になりました。当時の女工というものの地位は非常に低かった。私よりも成績の悪い子供たちが女学校へ行った。それで「道子さんは女工だ、女工だ。」と、毎日工場の前を通っては指さされたとき、どれだけくやしかったかわからない。あるときはやけくそを起こしまして、それこそ仕事が終わっても家へ帰らないで、お芝居を見たり何かするような日が一週間ぐらい続いたことがある。ところが担任であった先生が非常に私を心配されて、一時間半ばかりかかるところを汽車に乗って訪問されて、あたたかく激励された。職業に貴賎はないんだよ、君が学校で級長していたときのあの意気を職業に生かしなさいと、ずいぶんやさしく先生に激励された。私はこれがなかったらどういう道をたどっていたかわからない。その後、ある職業につきたいと思って、ある規則書をとったが、女学校卒でなければだめだということでまた失望いたしまして、危ういときもございましたが、そのときには職場に非常にやさしいおばさんがおりまして、この方に慰められ、励まされて私は転落するところを救われたわけです。その後東京へ参りました。看護婦の志望を持ちまして東京へ来た。ところが、岡山でございますから、ことばになまりがございます。ものがなくなったことを「みてる」と申します。都会では「みてる」ということは「満ちる」と、こういうふうに解釈する。うんと笑われたことがある。それからまた半年ぐらい私はもう口をきかないような日が続いたこともあるわけです。けれども、これらも励ましてくれ、力になってくれた人があったからこそ私は危機を乗り切ってまいりました。だから、特にこの勤労青少年の転落についてよけい胸を打たれるわけなんです。さぞつらかろうなと私思うんです。ですから、これは労働省としても、むろんうんといたわりを持たなければならないと同時に、学校教育の面でも、そうした上級学校へ行けない子供たちの気持ち、就職後のさびしさ、こういうものに対してはやはりあたたかい指導をこれはぜひお願いしたい。何とかそういう方向をとって、日本が高度成長といって謳歌しておりますけれども、高度成長はこれら勤労青少年たちの手によって遂げられている。日本の経済は世界第二位に成長した。だが、それを働き出した青少年は社会から指弾されるような羽目におちいるということは、私は忍びない気がいたしますので、特に学校教育の面において、ひとつぜひこういう点もあるということもお考えいただきまして子供の教育に当たっていただきたい。私はいまでも励ましてくれた学校の担任の先生を神さまのように考えている。どうか教育とは、一人の人間の運命を左右するだけじゃない、社会に寄与できるのか、あるいは社会に迷惑かけるか、この人間をつくるのが私は教育の基本だというふうに考えておりますので、特にきょうは労働問題でございますけれども、文部省においでを願ったというわけでございますので、ぜひお考えおきを願いたいと思います。
 そこで、労働行政としての勤労青少年対策は、基本的に各人がその適性、能力にふさわしい職業を選択できるようにすること。あるいは就職後のアフターケアについて一貫した体制を確立すること。第三点としては、技術技能の習得を容易にする。第四点といたしましては、以上を総合して最終的に職業を中心とする生活設計を可能にするように援助すべきだと思いますが、この四つの点につきまして、どうお考えになるかを労働省にお伺いしたい。
#151
○政府委員(小山省二君) ただいま藤原先生から、いろいろ年少労働者の問題につきまして、適切な御指示をいただきまして恐縮に存じます。後ほどこまかい問題につきましては、政府委員のほうから答弁いたさせますが、御存じのとおり、このような現象に対処いたしますために、特に労働省といたしましては、本年初めての試みといたしまして、年少就職者の相談員制度というものを設けまして、主要職業安定所に大体三百人ほど配置いたしまして、年少労働者の相談相手になっておるような次第でございます。特に問題になるような、つまりたびたび離職をするような年少労働者については、引き続き相談員を継続的にその指導に当たらせるというような方向で、できるだけその善導につとめておるようなわけでございまして、将来この相談員の成果を見きわめまして、さらにできるだけこの相談員の充実をはかって、年少労働者の離職に対して十分親身になって相談に応ぜられるように、またそういう体制を確立してまいりたいというふうに考えております。
 こまかい問題につきましては、政府委員のほうから御答弁を申し上げます。
#152
○政府委員(住榮作君) 藤原先生のおっしゃられました四つの点につきまして、全くそのとおりでございまして、まず何よりも本人の適性、能力に合った職業を紹介すること、これが離職を防ぐ一番大事なことでございます。その趣旨に従いまして職業紹介をやっていかなければならないというように考えております。
 次に就職後の問題でございますが、これは先ほども御説明申し上げましたように、離職率が高いということ、これは紹介にも関係するわけでございますが、適性、能力に合っていない職業についたということも離職率の高い原因でもございます。それと同時に職場環境になれない、あるいは都会生活になれないというようなことから、仕事がいやになって離職するということもございますので、これはただいま次官から申し上げましたように、年少労働者の就職相談員とか、そういう制度によりまして就職後のアフターケアをやっていきたい。
 それから、さらに職場外のいわゆる余暇活動の問題につきましても、現在共助員等の制度によりまして、青少年の余暇の活用、有効な余暇の活用ということについてもいろいろ対策を講じておる次第でございます。そういう点全部含めまして最善の努力をいたしまして、万全を期してまいりたいと考えておる次第でございます。
#153
○藤原道子君 そういうことがきょうまでやられておればこういうことはないと思う。何か問題が起きなければ、壁にぶっからなければなんという悪口も言いたくなるのですが、ぜひいま言われたようなことを十分やっていただきたいと思うんです。そこで、たとえば適職を選択するために現在の職業紹介機能は十分に働いているかどうか。職業安定所の職員の声を聞いても、最近は失業保険取り扱い業務が大部分を占め、紹介機能はきわめて不十分だと嘆いている人もございました。右のような現状のままで学卒者の紹介を職安に一元化しようとしても無理なんではなかろうか。ここに最近問題になっております学校の校長先生とか、担任の先生との間のいろんな問題が出てくるような結果になるんじゃないか。こういうことも考える。そこで適職指導のためには、学校側と職安との緊密な連絡が必要だと思うが、現状はどうなっておるのか。この点についてお伺いしたい。
#154
○政府委員(住榮作君) 学校側との連携の問題でございますが、まず中学卒の就職者につきましては、これは御承知のように、安定所がほとんど全部紹介をいたしております。そこで中卒の就職者につきましては、学校側に対しまして、まず安定所が求人情報を年度当初から流しまして、その年の求人者側の状況というものをできるだけお知らせを申し上げ、それからさらに学校側で生徒に対する職業指導を行なわれるわけでございますが、そういう場合にも雇用の情勢なり、職業の事情というものについての資料を学校側に提供をいたしております。現実に就職に当たりましては、そういう意味で、積み重ねた結果に基づきまして適当な就職先に生徒を紹介する、こういう体制で中卒の場合は進んでおります。
 高卒につきましては、まだ学校側でみずから職業紹介をされる割合のほうがかなり高いのでございまして、そういう高卒就職者につきましては、雇用の情報を提供するということで協力してやっているところでございます。
#155
○藤原道子君 たてまえはそうなっておると思う。けれどもかなり個人就職というようなものが横行しているように思う。そういうものがかえってやはり転職とか何とかいうことを起こしているやに聞いている。安定所の機能というんですか、使命というんですか、こういう面からいって、ひとつぜひこの点をもっと強化されて、職員が足りないならば、非常に大事な仕事でございますから、労働省としては、その点はお考えを願わなきゃならぬと思います。
 それから、アフターケアの体制の確立は今後非常に重大な問題だと思いますが、どういう構想を持っておられるのか、現実にはどう行なっておられるのか。
#156
○政府委員(小山省二君) 職業安定所の機能につきましては、御指摘のように、私どもも必ずしも万全な体制が整っておるとは考えておりません。将来できるだけ改善につとめてまいりたいというふうに存じておるわけであります。特に、その適性能力の判定は、もう少し科学的にこれは見出されなければならぬ。そういうための安定所の機能は、相当将来大幅に改革していく必要があるんではないかというような感じを持っておるわけでございます。
 なお、アフターケアの問題につきましては、先ほど申し上げましたとおり、相談員制度を設ける反面、やはり青少年に健全なレクリエーションの場といいますか、そういう施設を今後できるだけ増設をしなければならぬというような考え方から、青少年センター等を将来さらに増設をいたしまして、できるだけこうした年少労働者が仕事の余暇に十分研修が可能のような場を創設をいたしたい。特に本年度から東京の中野に総合青少年センターを新築することになっております。これらの施設については、十分ただいま御趣旨のような点を考慮いたしまして、万全を期して当たりたいというふうに考えておる次第であります。
#157
○藤原道子君 中野に勤労青少年センターですか、これができるということは聞きました。ところが、いつできるのですか。それから全国につくらなければ、東京の中野に一カ所土地を二十億とか出して手に入れたとか入れないとかいうことを聞きましたけれども、東京までわざわざ全国からやってはこられない。中野に一カ所あったって、東京じゅうの子供がそこに行くわけにはいかないと思います。一体いつごろ完成されるか、全国にどれだけお持ちになる予定であるか。
#158
○政府委員(住榮作君) いま次官の申し上げました中野のセンターでございますが、これは今年度から四カ年計画で、大体地下二階地上二十階、建物の延べ面積が約一万八千坪。施設の内容といたしまして、各種の相談施設、それから文化教養施設、体育施設、訓練講習施設とか、あるいは相談員、指導員の養成施設、このようなものを内容として考えておるわけでございます。なお、全国的なそういう施設といたしまして、四十三年度から勤労者総合福祉センターをつくっております。これは文化なり体育、教育、研修等の施設でございまして、現在まで三カ所、それから勤労青少年の体育施設としまして現在まで八カ所、その他共同福祉施設等、四十四年度に十カ所ということで、できるだけ全国的にそういう施設ができ上がりますように、計画的に進めていきたいと考えておる次第でございます。
#159
○藤原道子君 息がとまりそうな長い計画、いま現在こういう事態にあるのに、中野のセンターすら四年後でなければできない。それに官公庁でつくったそういう施設はあたたかみがないのです。建物ばかりりっぱなんです。中身に愛情のかけらもないというようなところが多いのです。そういうことのないように、四年なんていわないで、もっと早くつくりなさいよ、冗談じゃありません。
 それから勤労青少年は技術、技能の習得について非常に要望しているのです。これに対して何か構想が立てられているのか。それから青少年の場合、資格取得に対する欲求が非常に強い。この欲求を満たすために、どのような方策が考えられているか、突っ込んで聞きたいのですが、時間があまりないので、重ねて申します。右の目的のためには、職業訓練、技能の習得という制度が有効に働くと思うが、この制度とは別に、青少年の欲求の中に自動車免許の取得というようなことの欲求が非常に強いのですね。ですから、各種学校の類によって取得できる資格にこの欲求が向けられている場合が多いけれども、こういう各種学校で習得できる技能、技術、労働省ではこれには手を出さないという方針でしょうか。自動車免許証を取る、これは一つの例ですけれども、五、六万円かかるんですよ。これをもっと夜間行って安易に取得できるような考え方、こういうところに希望を持たせるような考え方というようなものは持てないものでございましょうか。
#160
○政府委員(小山省二君) 藤原先生から新しい問題を提起されたわけでありますが、ただいまのところ、特にそうした問題について具体的な対策が確立されておりませんが、たいへんごもっともなお話のように考えられますので、さっそくひとつ大臣と相談いたしまして、労働省として十分ひとつこの問題を検討してみたいというふうに思います。
#161
○藤原道子君 もうこういうことに労働省が乗り出してもいい時期じゃないかと思うのです。ただ、スポーツばかりやらしたり、レジャーをやらしたりするだけでは青少年は満足はしない、何か資格を取りたい、技術を身につけたい、こうい欲求が非常に強いということをひとつこの際お考えおきを願いたい。
#162
○政府委員(小山省二君) ただいまのような問題程度でありますれば、職業訓練所の中でそうした問題を処理し、資格を与えておるような状態でございますので、自動車の免許に関する限りは、一応訓練所の中で解決ができると思います。その他を総合して十分ひとつ青少年問題の一環として検討してみたいと思います。
#163
○藤原道子君 特に男の子は自動車免許証ということには魅力を持っているのですね。こういうこともひとつ考えていただきたい。
 それから最近大企業はもちろんですが、中小企業でも、あるいは単独で、あるいは共同でデラックスな従業員宿舎というものが建てられているのですね。それがあたりまえのようになっているのだけれども、青少年の定着率が低いのです。これは私も二、三カ所視察をしてみたんでございますが、物的施設ばかりがりっぱになって、精神面、心情の面でのあたたかさが欠けている。ここに問題がある。これを補うためにはどのような方法があるだろうかと考えてみると、私は、中学出たら十五か十六ですね、この子供たちが働いて宿舎に帰ると、建物はりっぱです、勉強する部屋なんて実によくできておりました、私の見たところでは。けれども、相談に乗ってくれる人がいない。ズボンがほころびても、おばさん、これ縫ってよと言えるような対策は立てられていない。入れものさえよければ、それで事足れりというようないまのやり方では、青少年の心を満たすことはできないと思います。そこで寮母制度についてはどうお考えでございましょうか。これはやっているところもあるようでございますが、寮母を置くことは、寄宿舎生活の自治の原則なんというやかましいことにひっかかるのですが、寮母を置いているところもあります。もし寮母を置くとすれば、このおばさんに人を得るならば、非常に子供の定着にも益するのじゃないか。あるいはまた中高年齢層の婦人の職場として非常に適切なものではなかろうか、こう考えますが、この点はいかがでございましょうか。
#164
○政府委員(小山省二君) 寮母制度の必要性につきましては、御指摘のとおり、労働省としても十分考えているわけでございますが、本省としては、本年度から特にそういう関係も含めまして、寮における指導者あるいは青少年労働者を直接指導する立場にある方々を集めてその研修を行なう、そういう制度を設けて本年度から関係者の研修に大いに力を注いでみたいというふうに考えておりまして、その中で寮母制度についてもさらに検討を進め、できるだけ早い機会にそういう方向に持っていきたいというふうに考えております。
#165
○藤原道子君 机上の計画だけではだめなんですよ。人間の心に触れた対策を立ててもらいたい。特に私はこの点を要望したい。と同時に、この宿舎がかえってこういう結果を来たしておることもある。たとえば共同でやっておる場合に、おれのところは二万五千円、いや、おらのところは二万二千円というようなことで、企業者同士の引き抜きの具に供される。で、この宿舎がりっぱな宿舎でもがらあきのところがあるようでございます。こういう点もひとつ考えておいていただきたい。
 長くなりますがNHKが昨年五月に放送した「にっぽん診断」という中の「勤労青少年」という番組にあらわれた青少年の意識でございますけれども、その点について二、三お尋ねしたい。
 あなたのつくる製品が世の中でどのように役に立っているか、関心がありますか、これに対しては七一%が関心があると答えている。にもかかわらず、技術の進歩とともに、労働が何というのでしょうか、完成品をつくる喜びを人間から奪ってしまう、つまり単調労働になってきたわけです、流れ作業から。そういうことで本人の満足感というものが非常に薄れてきておる。これは否定できない問題だと、こう言われておるのです。そこで、労働省は一昨年単調労働について実態調査を行なったが、その結果はどうなんでしょうか。それから労働者の意識面及び生活面にどうあらわれたか、簡単に御説明を願います。
#166
○政府委員(和田勝美君) 単調労働につきましては、先生がいま御質問なされましたように、一昨年から単調労働に関する委員会を設けまして、なお引き続いて調査研究をいたしておりますが、中間的にまとめましたものによりますと、大体二種類ございます。一種類は、単調労働でありますために実につまらない、先生がいまお話になりましたように、仕事の完成に対する関心というものが非常に薄らいで、まことにつまらない、こういう意識を持っている従事者が多うございます。もう一つは、たとえば大きな火力発電所とか、装置産業のところに行きますと、計器類を見ながら工場全体の管理をしておるようなところがございますが、そういう計器類を見る種類につきましては、相当な誇りを持っておられるようでありまして、非常に緊張感を持ち、工場全体を自分が管理をしておるという責任感もあって、行為は計器を見ておるだけの単調なことでありますが、非常に誇りを持っておられる、こういうようなことでございます。これらに対して、どういうようなことで職場の魅力を持たしていくかということにつきましては今後なお検討させていただきたいと思います。
#167
○藤原道子君 この調査のときにも、いまの仕事が好きでもないというのが七八%、いまの仕事を子供にさせたくない八八%、仕事が自分に向かない八一%、いまの仕事では自分の能力を発揮できないというのが七〇%というように出ておるのですね。これに対して、自分の仕事に誇りを持たせるというようなことで、あなたのほうでも調査を始め、対策をお立てになると思いますが、こういう点は非常に大切だと思います。それならいまのような問題を、人間として取り戻すというのですか、こういうためにはどういう方策を考えているかといえば、すぐ第一にレジャーということが言われるが、レジャーなんというのは副次的なものだと思うのです。ですから、ひとつそういう点はお考えを願って、対策を立てて、若い労働力を生かしていただきたい。
 同じNHKの調査のときに、高度成長の恩典を受けていると思いますかという質問に対しては、高度成長の恩恵を受けているという実感を持っておる者は、たった一一%なんです。ここにいまの社会が独占本位のものだと、高度経済成長はしたけれども、国民生活水準は、国民所得は世界の二十一番目だ。ちまたにはいろいろなものがあふれているけれども、働く者にはその恩典を受けることができない。こういう不満というものが流れておるんだと思うのでございますよ。こういう点も私は見のがしてはならないと思う。そんな小さな中小企業に働く人たちの中でたった一一%しかいない。あとは窮乏感を持っているというような点は、これは無視できない問題ではないか。
 それからいまの転職したい子供は、転職するときに職業安定所に相談に行くことができる、職業安定所に転職したいといって相談に行けるはずだが、そういうことを知っているかという質問に対して、知っているという答えは八二%、ところが現実に行った者はたった七・三%しかいない。これは何を意味するのでしょう。やはりお役所が冷たいのでしょうか、行きにくいのでしょうか。私は、この点非常にお考えを願わなければならない問題ではないかと考えるわけです。はっきり出ている。安定所に相談に行けばいいということがわかっている者は八二%、これは労働省が出したのでしょう、この雑誌。これにちゃんと載っておるんだから、知りませんとは言えませんよ。それならば、どういう対策を立てたら、転職転職で、最後は何というのですか、歓楽街に転落して犯罪を犯すことになるのですから、子供たちがいまの職をいやだと思ったら喜んで、まあ心配しながらでもいい、安定所にまずかけつけるというふうにするにはどうしたらいいかという点は、ぜひ考えてもらわなければならない問題であり、職業安定所としては、なさねばならない義務でもあると私は考えますが、いかがでございましょうか。やってくれますか。
#168
○政府委員(小山省二君) 先ほどちょっと御説明申し上げましたように、本年度から主要な職業安定所に年少就職者相談員という制度を設けまして、とりあえず三百名ほど配置をいたしたわけであります。これが今後、安定所に相談に来にくいという、そういう年少労働者のよき相談相手となって、十分にひとつそういう面についてこの相談員が善導をする。おそらくこの制度によってそういう問題はかなり減少するのではなかろうかと考えております。したがって、その成果を見きわめた後、さらにこれを増員することによってただいまのような問題を解決したいというふうに考えておる次第であります。
#169
○藤原道子君 考えるだけでなしに実行してほしいのです。
 それから労働行政の第一線機関である労政事務所ですね、都道府県の機関ですか。その前身である勤労署というのがありましたね、終戦後。勤労署――そこでは労働組合の結成促進に精力的な活動をやったものであります、終戦後。いまの子供たちは集団的な友だちがほしいのです。したがって、中小企業にも労働組合があったら、そこでお互いの不平不満も話し合えるのじゃないか。終戦直後のときにはこの労働組合の結成促進のために精力的に働かれた労働省が、今日では労働組合敵視のように見えるのよ、私たちには。これは一体どういうんですか、ほんとうですよ。それで、終戦後のこの活動は非常に社会に貢献しているのです。ですから、こういう点はいま労働省ではどういうふうに考えているのか。「労働組合及び労働関係の調整に関する啓もう宣伝を行うこと。」ということは、労政局の業務にはあるはずですね。これがどのように生かされているか、これをひとつ。この条項は具体的にいえばどういうことを意味しているのか、いまの私にはわからない。この点についてひとつお考えを聞きたい。労働組合結成というのは上部団体からのオルグによればいいんだというふうに考えておられるのか、こういうこともとひつこの際。勤労青少年を挫折感から救うためにはやはり友がほしい。これはどうしてかというようなことを考えるとき、その参加意識を高めることが大事だと思いますけれども、ことにこの点は、私が言うのでなしに、高橋婦人少年局長が、勤労青少年を挫折感から救うためには、これまでの企業忠誠心にかえて参加意識を高めることが大切だということを発表していらっしゃるのですね。だから、それは一体どういうことを意味しているのか。この高橋さんの発言は、労働省編集の「労働時報」四十三年十一月号に出ているんです。ということになると、これはどういうことを意味しているのか。きょうは来ていないのです、きょうは婦人デーですからね。
#170
○政府委員(小山省二君) 御承知のとおり、労政事務所は、現在地方庁の所管になっておりまして、直接労働省としてその仕事の指導々、しておるわけではございませんが、お説のようなことは、私どもの承知している限りにおいては、全くないように考えておるのでありますが、もしそういうような事実があったとすれば、厳重に関係機関に警告いたしまして、さようなことのないようにいたしたいというふうに考えておるわけであります。私どもとしては、今日まで特に労働省が、組合結成について、いやしくもそれを妨害するような言動というものはおそらくなかったろうというふうに考えておりますし、今後もあり得ないことだというふうに承知をいたしております。したがって、組合結成はできるだけ自主的に結成されることが好ましい姿であるというふうに考えて、さような方向に指導をいたしておるわけでございます。
#171
○藤原道子君 私は中小企業の企業者の中でも、参加の場として労働組合活動が一つの有効な働きをするという意見が、中小企業の経営者の代表からも同じ雑誌に出ているわけなんです。労働組合といえば、目にかど立てるいまのあり方はやめていただいて、初心に返っていただきたいということをひとつ申し上げて、労働省には言いたいこと、山ほど用意してまいりましたけれども、時間があまりたちました。
 それから労働省に最後に、最近の新聞報道によれば、労働省が勤労青少年の保護法制として、婦人と青少年労働行政の基本法というものをお出しになるやに伺っておりますが、どのような内容の法案であるか、またいつ国会に提案するか、法律の制定によって、現状と比較して行政にどのような変化を来たすのか、これらについてちょっとお伺いいたしたいと思います。
#172
○政府委員(岡部實夫君) ただいま御質問の点につきましては、実は勤労青少年の問題、及び婦人労働力の問題が非常に重要性を増してまいっております。先ほどから御指摘のような、いろんな問題も含まれております。そこで、現在その婦人少年問題に対しまする基本的な法制は、現実には労働省としては持っておりません。そこでこの行政を今後推進していきますためには、何か基本的な法制、それによりまして一つの基本的な姿勢を持ちながら、いろいろな施設とか、その他の問題も含めまして、拡充をはかっていくという必要があろうということで、そういうもろもろの問題を含めながら、それを法制化するとすれば、どういう形のものが一番よろしいかということを検討しろという大臣からの指示もございまして、いま省内で、関係が各局にまたがっておりますので、検討会をつくりまして、その検討に着手しておる。したがいまして、どの時期にどういう形でということは、目下のところまだきまっておりません。
#173
○藤原道子君 私はもう相当進んでいるものと思ったんですが、やっとこれから発足する、各省間で――それにはあなた方の頭だけでなく、いわゆる学識経験者等の意見も入れて、より完全なものをつくるようにしてほしいということを強く要望したいと思います。
 そこで、労働省が、さっきは上林さんから中高年齢層に冷淡で、若い者ばかりに力を入れている、こういうことでございましたが、若い者も現状のような状態で、一体労働省はだれのための労働省かというにくまれ口もききたくなるわけでございまして、これは社会の現状を憂えればこそ申し上げるわけでございまして、ぜひ幼い者が喜んで働けるような政策、婦人がもっと起用されるような、婦人の能力がもっと正しく評価されるような方向で今後ひとつお考え願いたい。
 そこで、たいへんお待たせいたしまして恐縮でございましたが、警察庁のほうにまずお伺いをいたしたいと思います。私は今度の永山少年のことでもわかるように、あまりにも歓楽街が多過ぎるように思うのです。永山は夜の十一時から朝の九時まで働いていたというんですね。そういう深夜喫茶というのですか、これが新宿に百三十軒くらいあるやに伺っております。ここへ落ちた子供たち、働いている子供たちは、ほとんど青少年が多い。これが多く転落する、青少年犯罪を生む。永山一人の問題ではなくて、永山のように、ピストルが手に入ったからああいうことをやったのであって、そうでなくても、何かしてやりたいという気持がいつ爆発するかわからぬような、吹きだまりになっているのではないかと私は考えますが、警察庁がきょうまで青少年指導に当たられておられますので、この少年犯罪の現状というものについてひとつお伺いしたい。あわせまして、ああした深夜喫茶店というようなものがはたして必要なのか。これは労働省は最後と言いましたが、深夜喫茶で働いているのは若年労働者が多い。永山は夜の十一時から朝の九時まで、ほとんど全部そうです。こういうことについて何かお考えになったことがございますか。
#174
○政府委員(海江田鶴造君) 少年犯罪のことにつきましては、先ほど概略申し上げましたけれども、昭和三十九年が、少年人口も多かったので、全体としては最高の数字を示している。四十年から徐々に減っております。四十三年中には大体過失による交通事故の犯罪を除きますと、十六万くらいの数でございます。全体としては減っているということが言えます。ただ先ほども申し上げましたように、年長少年の凶悪犯というもの、その中でこれだけがふえている。それから比較的に有職少年の非行というものが悪質化しているということが実情かと思います。いま新宿等の深夜飲食店あるいは深夜喫茶等に相当なものがいるのではないかということでございますが、警察でもやはり新宿その他の盛り場に重点を置いて、少年の補導活動をやっているわけでございますが、新聞では、新宿で百三十軒くらいが一晩じゅうスナック等の形でやっているということでございますが、これは私どものほうは実は詳細な数はわかりません。と申しますのは、御承知のように、バー、キャバレー等のようなものでございますと、これは十八歳未満の者は働けません。またパチンコ屋とか、マージャン屋というようなことになりますと、これも一八歳未満では働けません。ところが現在新宿等にあります深夜のものは、いわゆる食品衛生法による許可を受けた飲食店でございます。喫茶店もそのとおりでございまして、これは風俗営業の制限を受けておりません。ただ数年前に、深夜喫茶の問題が出まして、議員提案によりまして、これら深夜喫茶は十一時以降は禁止する、深夜酒場も十二時以降は禁止するということでございましたが、現実にはかなり守られてはおりますけれども、喫茶店が十一時以降は喫茶店ではなくて、食事を出す店である、十二時まで酒場をやっているが十二時以降は食事を出す店ということで、営業を切りかえた形で続けているものがかなりあるわけでございます。これは御承知のように、最近は夜間の労働者がかなりふえましたので、こういうものに対する需要が相当ふえていることも事実でございます。したがって、こういうものが現実に相当な数があるわけでございますけれども、これをどうするか、食事もいかぬとするのかということについては、なかなかこれを私どものほうで処置するにはいろいろ問題がございます。いま私のほうでもこれに頭を痛めておりまして、深夜のいわゆる飲食店、スナック、そういうところについてどうするのか、これを厚生省ともいろいろ連絡をとりまして検討いたしております。現在は実態調査に重点を置いているということでございます。こういうところに少年がどの程度転落していくかということにつきましては、先ほどから話がありましたが、集団就職してきた者で、これが大体悪い者は半とし、長くても三年以内にかなりの者が脱落していって、ほとんどがあまり勤労しないで金がもうかる、しかも享楽的で、かっこうがいい――まあかっこうがいいということばを使っておりますが、そういう方向で比較的に素質の弱い人たちが流れていく。これが犯罪を犯すわけでありまして、一〇八号事件の永山君につきましても、集団就職でやってきて、そうして四十年四月に上京してから約四年未満の間に、七回ほど職を変えている、住居も六回ほど転転としている。こういうことで、先生御指摘のように、新宿その他の盛り場における深夜のそういう飲食店等にもこういう少年が働いていることは事実と思います。現在東京都内における風俗営業の従事者が全部で私ども大体二十五万人程度いるかと思っておりますが、そのうちの私どもの推定できる約一割くらい、すなわち二万五千から三万程度が二十歳未満のものではなかろうか、こういうように推定をいたしております。
#175
○政府委員(和田勝美君) 昭和四十二年に、この風俗営業関係で私どもが監督を実施しました事業場四千八百四十四件について見ますと、何らかの意味で労働基準法違反が発見されましたものが四千百五十九件、違反率にいたしまして八五・九%でございまして、それ以外の業種に比較いたしまして違反率が相当高うございます。主要な違反事項を見てみますと、労働時間違反は、女子の労働時間違反が三三・四%、年少者の労働時間違反が、これは時間外労働が禁止されておりますが、そういうことに関連しまして二二・九%、その他深夜業違反、これはパチンコ屋さんを除きまして、年少者――年少者というのは十八歳未満でありますが、これは案外少ないのでございまして、バー、キャバレー等は業種別で見ますると、ほんのわずかしか就業してなかったようでございますが、こういうことで案外に少なくて五・六%。大体おもなものを拾って申し上げますと、以上のような状況でございます。
#176
○藤原道子君 以上のような状況ということでございますが、それを指導しておいでになるのか。
#177
○政府委員(和田勝美君) もちろん監督をいたしまして、違反がございますれば、直ちに是正を命じてその事後確認をいたしております。
#178
○藤原道子君 少し甘いですよ。表面的には年齢を隠して言っているのが多い。こういうところもひとつ十分監督してもらわなければ困る。ことに女子の場合それが多い。こういう点は非常に重大だと思う。
 それから、集団就職の場合の定着率も悪いのでしょうが、ことに永山君が最初に就職した何とかパーラー、あそこで永山と一緒に就職した者が三十九名ですか、いま現在残っておるのはたった五人だというのですね。そういうときには――集団就職だから安定所の関係ですか。そんなに定着率が悪いということは、何かそこに問題がありゃせぬかというような点も調査しなければ実は相すまぬだろうと思うのです。そういう子供が転々として、転落して警察署のお世話になり、法務省のお世話になる、その子供たちが私はかわいそうでならないのです。ちょっとした手が伸びていたならばこういうことにはならなかった、いつもそう思うのです。親の気持ちはどうだろうか、あるいはここまでに至るにはさぞ小さい胸を痛めたであろうというような気持ちがしてならないわけです。ぜひそういう点をこれから十分監督指導をしてもらいたい。
 それから法務省にお伺いいたしますが、これも永山のことだけを見ましても、やはり家裁送りになったり、少年鑑別所に何回か出たり入ったりしていますね。それで、現在の保護観察の状況ですね、それと、指導による効果というようなものはどうでございましょうか、その点をお伺いしたい。
#179
○委員長(吉田忠三郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#180
○委員長(吉田忠三郎君) 速記をつけて。
#181
○説明員(新井幹夫君) いま藤原先生御指摘の保護観察の効果の問題でございますが、一応永山が保護観察になりました事犯は、家庭裁判所で、保護観察所の保護観察に付するという処分でございます。これは少年院等に送致しないで、家庭裁判所からそのまま保護観察所の保護観察処分に付するわけですが、この保護観察処分に付されている少年が昭和四十二年の十二月三十一日現在で大体六万四千六百六十人でございまして、その中で、昭和四十二年中に一号観察、つまり、いまの家庭裁判所から観察所の保護観察処分になって、保護観察を受けておって保護観察の期間を終了した者でございますが、その終了した者が二万九千八百九十八人ございます。
 その二万九千八百九十八人のうち、まだ保護観察の期間中ではありますけれども、本人の成績がたいへん良好だからというので、保護観察の途中で保護観察を解除する手続をした者、つまり良好解除者が九千五百九名ございます。それから、期間満了ではありますが、たいへんに成績がよくて普通の社会人として一応更生したと見られる者が四千三百六十七人ございます。ところが、まだ完全に普通の社会人として更生したという確信はないけれども、ほとんど不安定な要素がなくなったという者が三千二百五十一人ございます。
 いま申しました良好解除の者とそれから成績が非常に良好だった者と、いささか不安定ではあるけれども大体普通の社会人に更生したと思われる者のパーセントが、二万九千八百九十八人のうち五七・一%でございます。
 一方、保護観察中、事件があっていまの保護観察を取り消されて家裁に再び事件が係属いたしまして、それで新しい処分が決定したために、現在行なっておった保護観察を取り消した、つまり成績不良の者が三千八百一人ございます。それからまたそういうような処分には至っていないけれども、どうも成績がよくない、よくないままで保護観察を終わった者が六百八十二名ございまして、そのほか保護観察になじまないで所在不明等になっております者が二千七百六十六名ございまして、この合計七千二百四十九名、つまり全体の二四・三%が思わしくない成績だったと言うことができるわけでございます。先ほど藤原先生が、小学校の先生から激励され、力になったというお話をされましたが、保護観察は、非行した少年を社会の中で処遇しながらこれを激励し、そして力になること、それが保護観察の大きな使命でございまして、そのことによって本人の改善更生をはかっていくというものでございます。ところが、この保護観察処分を受けた少年の中には、非常にその保護観察になじまない者が多いわけでございます。現にこの永山について保護観察の経過を見てみますと、永山は、昭和四十二年の四月二十八日に、横須賀の基地に入って窃盗した等のことで、横浜家庭裁判所横須賀支部で東京保護観察所の保護観察に付するという決定を受けて、そしてその東京保護観察所の保護観察を受けておったわけでございます。それで、その決定を受けました四十二年の四月二十八日に、本人は豊島区におります次兄と一緒に保護観察所に出てまいっております。ところが、保護観察所には観察官というのがおりまして、そして、激励し、力をかせるという意味では彼我の人間関係をつくる必要がありますので、観察官は、いろいろ勉強した知識を振り回しまして、本人と何か人間的な交流のできるような面接をするわけですが、その面接におきまして、非常に本人が保護観察に拒否的で、感情的に高ぶっておりまして、感情が不安定であって、本人との人間関係ができないままに時間が過ぎて、五月一日に、本人に二回目の出頭するようにという指示をしたわけでございます。ところがその出頭に応じませんために、今度はその豊島区の次兄のところに、出頭するようにという呼び出しを出したわけであります。その呼び出しに応じまして四十二年六月十二日に本人が出頭いたしましたが、そのときには、事案が非常にむずかしい事案であるということで、一観察官が会わないで、東京保護観察所の次長が面接をしております。ところが、この面接でも非常に興奮しておりまして、拒否的であった。なかなか本人と静かに話をすることができない、しかし、最後には何とか本人を落ちつけて、静かな状態になって、また次回の出頭を六月の十八日に来るように指示したわけですが、これにも応じないわけでございます。こういうふうな状態で、今度本人に再び呼び出し状を出しましたのですが、本人は出頭しないまま行くえ不明になってしまったわけです。この行くえ不明の期間中、神戸から香港行きの船に乗りまして、出港する途中でつかまりまして、再びこれが横浜家庭裁判所の事件になり、東京家庭裁判所に移されまして、そこで審判になったのですが、再び保護観察処分ということになりまして、四十三年の二月十六日に、東京保護観察所に今度は三番目の兄貴と一緒に出頭いたしました。このときにはわりと静かに話ができたようでございますが、そのときに、本人が言うには、おれはとにかく生まれも悪いのだと、そして、何をしようと思ってもできないんだと、そしていつも自分の、何かしょうと思ってもできないそのやるせなさをどうすることもできないのだというようなことを打ち明けております。そこで本人に、きまった仕事について長く続けなさい、困っている場合や、悩んでいる場合には必ず観察所に相談に来なさいというようなことを約束いたしまして別れたわけでありますが、間もなくその三兄の、三兄の家が杉並にあったのですが、そこから牛乳店に住み込むようになりまして、本人がはたして住み込んでいるかどうか、確認するために保護司を指名いたしまして調査いたしましたのですが、確かにおったということから、今度はその杉並の牛乳屋を中心に保護観察が始まったわけですが、しかし本人は非常に拒否的でして、保護司が来ると前歴がばれるというようなことに気を使いまして、所在不明になってしまったということでございまして、その後本人の青森の家だとか、それから次兄の豊島の家だとか、あちらこちらを居住確認をいたしまして次兄のところに呼び出し状を出したのでありますが、その呼び出し状を受けまして四たび保護観察所に出頭いたしました。ところが、このときもたいへん興奮しておりまして、本人と観察官との長い時間の面接でなかなか人間関係が結ばれないと。そこで、しばらく時間をおいて、本人を静めてこの面接を繰り返していこうといっているうちに所在不明になってしまった。この所在不明の調査をしたわけでございますが、わからないままに今度の事件になってしまった、こういうふうな感じでございます。
 先ほども申しましたように、保護観察は、社会の中で保護司なり、保護観察官なりが本人と人間的な交流をしながら、そうして本人を激励したり、力になったりということで改善、更生を助けていくものでありますだけに、その選ばれてきます対象が保護観察に向いているということが非常に大事なことだと思うのですが、本人の場合、そういった点で非常に問題があったという感じがいたしております。ただ、どの保護観察の対象者であっても、最初は、保護観察になったから観察官なり、保護司と人間的な交流をして相談をして更生していこうとする者はほとんど皆無でございます。それを何とか話し合いをし、相手の言うことも聞き、いろいろなことを相談し合って、いつの間にか、保護司なり、観察官の言うとおりにすればよかったと言う者がずいぶんおるわけでございます。今度のこの事件ももう少し接触ができておったらというので、非常に申しわけないことをしたと思います。また私どもとしては、非常に残念であったというふうに感じております。
#182
○藤原道子君 私は家庭裁判所なりあるいは少年鑑別所等をたびたび視察したり、いろいろお話を伺っていつも感ずることでございますが、あまりに人が少な過ぎるのじゃなかろうか、待遇が悪いですよね。それから少年鑑別所あたりへ行って見ましても、実にひどいですね。いま幾らになったか、この前法務委員会で伺ったときには、副食費が三十何円、四十円に満たないような額でございます。これは非行少年だからというような目で見るところに問題がある。そういう子供だからこそ、何とかあたたかく見てやってもらいたいと思うのです。それから、保護観察に向かない子供だったからこういう結果になったでは済まないと思う。保護観察に向かないならば、しからばどうするか。この対策はお考えになっておられるかどうか。あわせまして、時間もございませんので、現在保護司が何人くらいいるだろうか、観察官が何人くらいいるだろうか、これをあわせてお伺いをさしていただきたいと思います。
#183
○説明員(新井幹夫君) いまの三点についてお答え申し上げます。
 この点、保護観察になじまなかったということについて、それなりにこちらでは十分現状でも手を尽くしておりますし、ついに保護観察ではどうにもならない場合には、家庭裁判所に通告して、少年院送致を希望するなり、また少年院へ戻して収容するなりという措置を講じております。
 また保護司の数は全国で五万二千五百名の定員ですが、大体実態は五万名でございます。観察官は大体七百名でございますが、そのうち所長、課長等を抜きますと、実際に保護観察を担当しておりますものは五百名でございます。以上でございます。
#184
○藤原道子君 私は、きょうはいろいろもっとお伺いしたいつもりで資料も用意してまいりましたが、たいへん時間がおそくなって、日を改めてまた追及してみたいと思いますが、最後にお願いしておきたいことは、繰り返して申し上げますけれども、勤労青少年は次代をになう大切な宝でございますから、これに対処するにはもっと真剣であってほしい。関連各省が連絡を密にしていただきまして、ぜひとも成果が上がるように、また今度お建てになる勤労青少年センターですか、これなんかだってもっと早くできるように考慮してもらいたい。それから子供たちにも希望を持たすような、さっき申し上げましたような各種学校のようなもので自動車の免許をとらしたらというようなこともあわせ考えて、子供が都会の吹きだまりにほうり出されたこのさびしさ、こういうことも十分考えて、愛情のある目をもって勤労青少年の指導、保護に当たっていただきたいということを最後に申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
#185
○委員長(吉田忠三郎君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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