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#1
第061回国会 社会労働委員会 第16号
昭和四十四年四月二十二日(火曜日)
   午後一時二十九分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉田忠三郎君
    理 事
                上原 正吉君
                鹿島 俊雄君
                大橋 和孝君
                上林繁次郎君
    委 員
                黒木 利克君
                高田 浩運君
                山下 春江君
                山本  杉君
                横山 フク君
                中村 英男君
                藤原 道子君
                渋谷 邦彦君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  斎藤  昇君
   政府委員
       厚生省公衆衛生
       局長       村中 俊明君
       厚生省医務局長  松尾 正雄君
       厚生省薬務局長  坂元貞一郎君
       厚生省児童家庭
       局長       渥美 節夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       行政管理庁行政
       管理局管理官   清正  清君
       厚生大臣官房統
       計調査部長    浦田 純一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○社会保障制度等に関する調査
 (心身障害児及び母子保健対策に関する件)
 (人口動態統計に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(吉田忠三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 社会保障制度等に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。
 御質疑のある方の発言を求めます。
#3
○藤原道子君 私は、心身障害児対策と母子保健について若干お伺いをしたいと思います。
  〔委員長退席、理事大橋和孝君着席〕
 最近相次いで問題が起こっておりますが、私の地元である静岡県でも、母親が、自分がなきあとこの子はどうなるんだろう、近所の子供は喜々として入学する、その新入生の喜ぶ姿をわが子と比較いたしまして、非常に心をいため、ついにわが子を殺した事件が起こっております。一日おいて、またちょっと離れた磐田のほうで親子心中というのが起こっております。これはもうすでに、老医師がわが子を殺したというときに、厚生省では、こういう事態が再び起こってはいけない、万全の対策を立てますと、はっきり言明されたはずでございますが、事実はその後も各地で悲劇が相次いで起こっておる。この現状に対して、大臣はどうお考えになるか。さらに心身障害児対策に対して、どの程度の熱意をもっておやりになるのか。この対策と、大臣の御決意をお伺いさせていただきたいと思います。
#4
○国務大臣(斎藤昇君) 心身障害児を持たれた親御さんのお気持ちは、ほんとうにわかるように思います。私は心身障害児施設を訪問いたしまして、保母さんからいろいろ伺ってみると、自分のところにこんな心身障害児がおったらどうであろうか、こう思いますと、もう申し上げるまでもないと思います。また心身障害の子供、その人たち自身も、せっかくこの世の中に生まれてきて何という不幸なことだと感じておられる点も、私はよくわかります。そこで、私どもといたしましては、まず心身障害児の生まれないように、また心身障害にならないようにという予防対策がまず一番肝要であろうと存じます。それには妊娠前から妊娠中、それからまた乳児の間、ことに三歳までの間に心身障害になる、そういうものを早期発見をして手当てをすれば、これが予防ができるということでもありますから、そのほうに今後非常に重点を置いていきたいと思いまして、ことしの予算でもそういう面で、十分とは言えませんけれども、相当前進したつもりでおります。また、自分がなくなったら子供がどうなるんだろうかという御心配もございますので、御承知のように、いま法案を提出いたしておりますが、いわゆる親御さんがなくなったら年金をそのお子さんがもらえるという保険を、これは国の保険ではありませんが、だいぶいま府県あるいは大都市でやっておりますので、これを全国的にやれるように、何といいますか、国が一つの機関を設けまして、その団体でもってその保険を給付し得るように措置をいたしたい。さらに心身障害を受けた子供に対する治療、あるいは社会復帰のできるような施策につきまして、あるいは収容施設、あるいは身体障害を減少せしめるいろいろ療法の研究なり、またこれを実際にやれるようにするための施設等につきましても、本年は相当配慮したつもりでございます。引き続いてこれを進めてまいりたいと考えております。
#5
○藤原道子君 こういう御答弁は、ずいぶん長い間われわれ聞いてきておる。ところが実際には行なわれない。そこで、私がお伺いしたいのは、この心身障害児が生まれないようにする対策が必要だということ、これは私の長年の持論で、本委員会でも、たびたび問題にしておりますが、これは続いてあとの質問に譲りまして、現在生まれている心身障害児、これをどう守っていくか。最近は特に労働力不足というようなことで母親が動員されておる。その子供たちの保育関係など、ずいぶん万全を期します、期しますと言われるし、渥美さんがお書きになったこの「児童の健康と福祉」というのを、私、昨晩じっくり読ましていただいた。いいこと書いているのですよ。これがこのまま行なわれないどころか、事実はそれに反していることも、あなたもここで反省をしておいでになるけれども、これは一体やれるのですか、やれないのですか。夢物語か、その成算をまずお伺いしたい。
#6
○政府委員(渥美節夫君) 心身障害児対策につきましては、ただいま大臣からもお答え申し上げましたとおり、厚生省におきましては、最重点施策ということで、そういった心がけで対処しているわけでございます。まあ心身障害児の中にも、その種類によりまして精薄の問題あり、あるいは肢体不自由の問題あり、そのほか重症の子供の問題ありと、いろいろございます。したがいまして、その症状なり、能力に応じまして適切な対策を立てなくちゃいけないということで、施設の拡充なりあるいは在宅者の対策なり、あるいは在宅者の対策の中では心身障害児の扶養保険制度に対します国の援助対策を新たに起こすというようなこともやっておるわけでございますし、また、精神薄弱者の相談員制度というものも、昭和四十四年度にはさらに拡充をしてきつつあるわけでございます。さらにきめのこまかい、たとえば身体障害児に対しましては、それを家庭から通園させまして、施設におきまして指導訓練をするという、肢体不自由児の通園施設という制度も本年からは創設いたしておるわけでございます。同時に、また非常に長い間訓練が必要な人たちに対しまする国立の心身障害のコロニーの建設もさらにハッパをかけておるわけでございまして、重症心身障害児対策につきましては、今回も九百八十床の病床を国立療養所につくる、それから進行性の筋ジストロフィーに対しますベッドも二百八十床ばかり国立療養所に増設をするということも考え、その種類、症状に応じまして、ともかくあれやこれやと手を打っていかなくてはならないと思います。また、その治療なりあるいは成因に対しまするところの研究でございますが、これも昨年度に引き続きましてその規模を拡充いたしまして、進行性筋ジストロフィーあるいは自閉症の子供たち、あるいは蒙古症の問題、脳性麻痺の研究、こういったこともさらに規模を大きくいたしまして続行をする。さらにその基礎となります母子保健対策につきましても、先生御承知のように、妊産婦の死亡の大きな原因を占めますところの妊婦中毒症なりあるいは妊産婦糖尿病というふうな疾病につきましても、公費負担をさらに拡充をしてまいる。いろいろとやりたいことはたくさんございます。したがいまして、現状において、医学的な見地等から考えましてやれることはともかく手をつけて進んでいきたいというふうなことで考えております。予算の額にいたしましても、心身障害児対策につきましては、昭和四十三年度に比べますと、相当大幅の増額を期しておるところでございます。
#7
○藤原道子君 心身障害児の予算は幾らですか。
#8
○政府委員(渥美節夫君) 心身障害児対策も、先ほどお答え申し上げましたように、精薄対策あるいは肢体不自由児の対策、あるいは重症心身障害児の対策等もございますし、また、その設備の助成等もございますが、簡単に申し上げますと、精神薄弱児対策の予算につきましては、その施設に収容する子供たちの費用まで全部含めまして、昭和四十三年度の七十一億に比べますと、昭和四十四年度におきましては、九十一億ということになっております。それから身体障害児の予算につきましては、昭和四十三年度の三十五億に対しまして、四十億。それから重症心身障害児対策の予算につきましては、昭和四十三年度三十億でありましたものを四十一億。このようにかなり大幅に増額をいたしておるわけでございます。
#9
○藤原道子君 ここにもあなたがお書きになっているように、そういういろんな目標とか何か書いてあるが、入れものだけができればいいわけじゃないんですね。入れものはできたけれども、世話する人が足りないために、まだ待機する患者がおりながら入れられないというような施設があるやに伺いますが、それはどのくらいございますか。
#10
○政府委員(渥美節夫君) 私どもが過去におきましていろいろと調査を行なっておりますのは、心身障害児の各症状につきまして調査を行なっておりまして、その調査結果によりますると、精神薄弱児施設に収容する必要のある子供さん方の数は四万七千八百というふうに考えられます。そのうち、現在約二万人の子供が収容されておりますので、なお二万八千人近く待機しておるということに相なると思います。それから肢体不自由児につきましては、現在の要収容の子供たちの数が約一万六千ございますが、現状では八千二百五十ばかり収容しておりますので、なお八千人の子供が待機しているということに相なります。それから重症心身障害児につきましては、一万六千五百の子供たちが収容を必要とするわけでございますが、これはこの三月で約四千百床ばかりベットができますので、あと約一万二千人程度の子供さん方が待機しているということになると思います。なお、そのほかいろいろございますが、これらはまだ数が少のうございますから、省略をさせていただきます。
#11
○藤原道子君 だから施設ができても、保母さんや、看護婦さんの人手が足りないために、入れることのできない施設があるというふうに聞いておりますが、そういうことはございませんか。
#12
○政府委員(渥美節夫君) 質問を取り違えましてたいへん恐縮でございましたが、現在のところ、精神薄弱児施設あるいは肢体不自由児施設等におきましては、一般的な看護婦の不足という問題もございますが、いま申し上げましたような施設におきましては、ある程度職員の確保はできております。ただ、一番問題になりますのが重症心身障害児の施設でございまして、現在民間の施設も相当ございますが、やはり看護婦なり保母の不足で、まだ収容が定数まで至っていないという施設が数カ所あると考えられます。
#13
○藤原道子君 その名前をちょっとあげてみてください。府中はどうですか。
#14
○政府委員(渥美節夫君) 重症心身障害児の施設の中で、いろいろとそのような問題があって、たいへんお困りになっていらっしゃる施設といたしましては、東京都下にございます島田療育園でありますとかあるいは秋津療育園、あるいは滋賀県の琵琶湖学園、このような施設があげられると、かように思います。
#15
○藤原道子君 私はなぜ人手が足りないか、その看護婦なり保母さんなりの教育ということがすべてなおざりになっているんですよ。それで秋田あたりからおばこなんというふうなことで応援に来てくれる。こういうことに依存して、まあいいわ、いいわで過ごしておる厚生省のあり方が今日のような状態を招いている。いろいろ計画はあるようでございますけれども、これに対する従業員の確保、これについては確信をお持ちでございますか。
#16
○政府委員(渥美節夫君) 御指摘のように、非常に苦労の多い仕事でございます。したがいまして、私どもといたしましては、確保の一番大きな方策といたしましては、そういった勤務環境の適正と言いますか、非常によくするという問題、そから基本的には処遇の改善をするということであると考えております。したがいまして、昭和四十四年度予算におきましても、これら重症心身障害児施設に対しますところの国の助成金につきましても、従来は、この医療費にプラスするところの三八%の加算という額、その額を補助しておったのでございますが、昭和四十四年度におきましては、その加算額三八%を四三%。つまり五%ばかり増額いたしまして、補助するということにいたしたのでございます。このことによりまして、看護婦なりあるいは指導員、保母等の処遇というものがより改善されるというふうに考えられると思います。なお、また民間の方々のいろいろな有志者、ボランティア活動等につきましても、地元の公共団体の方にもお願いいたしまして、保母さんなりあるいは看護婦さんなりの生活がよりよくなるようにお願いはしているところでございます。
#17
○藤原道子君 これから建物を建てて何とか処遇改善もされるだろうとおっしゃるけれども、人員は、きょうやあしたすぐできるわけじゃないのです。養成機関のあり方がどうなのか、さらに処遇の改善とか何とか言っていらっしゃいますけれども、保母さんたちは、子守っ子じゃないと、いま非常に憤慨していらっしゃる。これは耳にタコのできるほど取り上げておりますので、私質問するのも恥ずかしいくらいなんです。どの程度に処遇の改善を予定されているのか、どの程度に勤務態勢に対して改善が行なわれようとしておいでになるか、この点についてお聞かせ願いたい。
#18
○政府委員(渥美節夫君) 病院としての性格を持ちますところの重症心身障害児施設におきましては、先ほど申しましたような、医療費にプラスするところの、医療費かける四三%という金額が施設にまいりますので、その金額が約五十五万円に、年間一人の子供につきましてなりますので、こういうふうな改善された予算の中で、主としてそのような職員に対する優遇措置が行なわれるように施設を指導するということでございます。それから病院としての性格を持っていない、たとえば精神薄弱児の施設なんかにつきましては、昭和四十四年からは本俸に対しますところの調整額、これは国家公務員にありますように、本俸の四%ないし八%という加算額を支給することができるような予算措置をいたしました。そのようなことで、病院としての性格を持たない一般の児童福祉施設におきましては、そういった苦労の多い仕事に対します調整額によりまして、職員の確保をやさしくするようにしたわけでございます。なお、先生御承知のように、昭和四十四年から昭和四十六年の三カ年計画におきまして、保母につきましては、その給与を国家公務員並みに改善する、いわゆる給与改善費というものが予算化されているわけでございます。このように、いろいろな方法によりまして、保母さんなり、指導員なりの確保をはかりたいと思います。
 なお、養成の問題につきましてお触れいただきましたが、保母養成施設の数も毎年二十ないし三十カ所ばかりふやしているところでございます。それから、また看護婦の対策につきましては、これは直接児童家庭局で実施するというふうな性質でございませんで、一般の看護婦さんの確保拡充対策に依頼をするということでやむを得ないのではないか、かように思います。
#19
○藤原道子君 重度心身障害児の収容施設に行ってみますと、それこそ何から何まで看護婦さんがやらなければならない。それで看護婦の定数、これはどうなっておりますか。
#20
○政府委員(渥美節夫君) 重症心身障害児につきましては、私のほうの指導と、それから予算的な裏づけにおきましても、児童二人につきまして一人の介護職員がつくようにしております。その介護職員といますのは、看護婦、保母、あるいは理学療法士、作業療法士、そのような実際に子供の世話を直接するという職員を総称するわけでございますが、いま申し上げましたような看護婦とか、児童指導員、保母とか、理学療法士、作業療法士あるいはその助手という者が子供二人につきまして一人配置されるように指導いたしておるわけであります。
#21
○藤原道子君 それで満足な世話ができると思っていらっしゃいますか。作業療法士ですか、その人たちはおむつの取りかえなんかしてくれないし、御飯を食べさせたり、清拭をする、これは一体だれがやるのですか。寝たきりなんですよ。それで看護婦さんやすべてひっくるめて二人に一人。聞こえはいいですが、二人に一人どころか、それは二人に一人たえずついているのではございません。定員がそうでございますから、三交代制では一人の方が六人も七人も世話しなければならない。行ってごらんなさい、ふうふうしております。なぜこんな苦労をしなければならないのかと泣いている看護婦さんがいる。けれども子供のかわいさにひかれてがんばっております。しかし、一面、人間的生活ということになれば、そう長続きするものではないと思うのです。いま普通の定員で四人に一人という医療法、これはあとで伺いますが、それとても無理な段階にきているのです。看護婦の不足だ、保母の不足だというけれども、大体待遇が悪いし、勤務条件があまりにもひど過ぎるのです。これを変えて、まず重症心身障害児の入院施設を今度おつくりになったならば、それにふさわしい親心がなければ、私は、せっかくつくってもだめだと思うのです。今後どういうふうにやるのか。やはり全部ひっくるめて二人に一人の定数でおやりになるのでございますか。これでは成果があがらない。飼い殺しのようなものです。世間がうるさいから、それで歩ける、動ける心身障害児はあと回し、寝たきりの者は手がかからないからそれにだけ眼をつけているのだ、こういうことを言う世論もございます。これに答えて、もう少し愛情のあることはできないでしょうか。
#22
○政府委員(渥美節夫君) この重症心身障害児の子供二人につきまして一人の介護職員という点につきましても、いろいろ問題があると思います。しかしながら、いままでのいろいろな経験とか、学者等の意見によりまして、一応現在のところは二対一ということにいたしておるわけでございますが、さらにこういった点については研究をすべきであると私は考えております。そこで、確かに主たる介護職員は看護婦なり、保母というものが中心となると思います。したがって、こういった方々に対しまして、さらにその処遇の改善をするという必要はまだまだ十分あると思います。したがいまして、私どもの今後の考え方といたしましては、二対一につきましてはさらに研究をする。それから処遇の改善につきましては、先ほど申し上げました医養費に対します四三%の加算額というものを、もっと上積みしていく必要があると考えて、そのように今後努力していきたいと思います。
#23
○藤原道子君 学者の意見を聞いたとおっしゃいますが、どういう学者でございますか。
#24
○政府委員(渥美節夫君) いろいろと医学者、医学者の中でも整形外科学あるいは精神神経科学の先生なりあるいは心理学者、こういうふうな方々の意見を総合的に聞きまして、二対一というふうなことで昭和四十一年以降進めておるわけでございます。しかしながら、その後のいろいろな問題もありますので、さらにこの二対一の問題については検討を加える必要がある、かように考えている次第でございます。
#25
○藤原道子君 私は、渥美さんの答弁はいんぎん無礼だと思うのです。やさしいように言っているけれども、真剣に子供を考えているのですか。あの施設に行ってみて、あれで事足れりと考えるならよほど血も涙もない人でございます。私は力はございませんけれども、たえず施設は見ております。親御さんの嘆きも聞いております。それでもそういう施設へ入れたいと願う親が多いのですよね。だから入れてやればいいのだ、入れものさえつくればいいんだという考え方では私は許せないと思う。厚生省というものは、厚生行政というものはそういうものではない。ことに、私はいまびっくりしました。私も不勉強でございましたけれども、すべてひっくるめて二対一、私は看護婦が二対一だと、こういうふうに理解しておった。これは真剣に検討していただきたい。学者の意見と言いますけれども、これは自民党さんも入っておられるあれですから、大臣もお読みになったと思うのですけれども、母子健康センター連合会というんですか、ここの本をごらんになって、諸外国の例がどうなっておるかということをあなたはおわかりだろうと思う。私は、いまの御答弁では納得がいかない。さらに真剣にやっていただかなければ、施設で働く看護婦も、保健婦もいなくなりますよ、保母さんもいなくなります。これは真剣に考えてください、大臣。いま民間の施設に対しても云々とおっしゃいましたが、この施設は民間のほうが多いのです。ほとんど民間に依存してきておる。入れものはこのごろになってやっとつくるようになったから、それで何でも民間に依存すると思うのです。先ほどおっしゃいました保険制度ですか、何と言うんですか、あれは。保険制度で出発する。それも国がやるのではない。すでに地域で持ちこたえられないで、岡山や、兵庫でぼつぼつ制度が……。親のない子を見ていけ、そういう世論のために国がこの制度に今度若干の補助をしていこうというようなことだろうと思うのですけれども、保険のあれを助成をしております。しかし、これは国の責任で不しあわせな子供たちを見ていく、これが私は正しいあり方ではないかと思うのですが、これは大臣やはりいま出しておいでになることが正しいとお考えですか。私は国がどうも責任回避しておるような気がしてならない。お伺いいたします。
#26
○国務大臣(斎藤昇君) 国としてやるべきことは、これはほんとうにやっていかなければならないと思いまするし、ただいま民間で行なわれております保険もこれも国がかわってやるべきかどうかというのにはまだ議論の余地があるだろうと思います。とにかくそういうものが民間で適用されて、そして非常に不便を感じておるという点を国が不便のないようにすると、差しあたってさように考えているわけでありますが、親がなくなったあとでどうするかという心配に対するいまの保険でありますが、しかしその保険がなければ子供があとやっていけないというようなそういうやり方に放置をしておく考えは毛頭ございません。
#27
○政府委員(渥美節夫君) おことばを返すようで、たいへん恐縮でございますが、私自身も重症心身障害児対策に対する考え方は異常なものがございまして、その点は、よろしくお願いしたいと思います。同時に、もう一つの問題といたしまして、重症心身障害児施設の整備状況でございますが、国立の療養所でやっておりますのは、現在まで三十六カ所でございまして民間のほうが十三カ所でございます。今後の整備方針といたしましても、国立療養所の付置病棟に重点を置いてやってまいりたいと思います。なお、国立の療養所におきます重症心身障害児の病棟におきましては、子供四十人に対しまして看護婦が十名、看護助手が八名、保母が二名ということで、理学療法士、作業療法士等につきましてはこれを除外いたしましても、二対一ということでいまやっておるところでございます。
#28
○藤原道子君 委員長は一時間で終われというけれども、もう三十分たっちゃった。こういう子供が生まれるのは国の責任なんですよ。国づくりは母体の健康から。こうした心身障害児が生まれる原因が――渥美さんもいつかテレビにお出になったあのときの放送聞きましたが、妊娠の初期に三〇%の原因がある、周産期に六〇%、生まれてから起こるのは一〇%だというように、私はお伺いしました。ということになれば、妊娠中の母子保健、衛生指導、こういうものがなおざりになっているということがこういう子供の生まれる原因になる。もし妊産婦の指導、衛生管理よろしきを得たならば、こういうことにはならなかったと思う。たとえば、昨年のサリドマイドの赤ちゃんの問題でも、三十六年にドイツで禁止したんですが、そのとき直ちに日本でも禁止することを私はここで要求したはずです。ところが、そのときには、日本にはまだ奇形児が生まれておりませんから、これからよく調査いたします、奇形児が生まれてからじゃおそいじゃないか、いま禁止して学問的に追及して、それが白となったときに飲むと、とにかくいま世界各国禁止しているんなら直ちに禁止しなさいと言ったけれども、やらなかった。九カ月後に製薬会社が自主的にあれは回収するということで終わった。もし、あのときに思い切ってそれをやっておられたならば、サリドマイドの出生は三分の一以下に減っている。しかも、それに対して親たちから損害賠償を掲げて法廷闘争に持ち出された。国にも、製薬会社にも責任がないと、厚生省は主張して反論していた。ところが、当委員会の追及で、結局国にも、製薬会社にも責任がございますというようなことで、やっと、何と言うんですか、電動式義手、それをつくることにするというので、いま若干できている。サリドマイドでも、大臣、もし妊娠五十三日以後だったら飲んでも一向に差しつかえない。一番危険なのは、妊娠七週間前後だと私は伺っている。ということになれば、母体がいかに微妙な働きをしておるかということはおわかりになる。そうして生まれたサリドマイドの子供は学校へ入ったら優等生じゃございませんか。足で字を書きながら優等生。二年に飛んで入学を許された子供もあって非常に成績も優秀だ。もし子供が五体満足で生まれたならばと親もどれだけ嘆いておるかわからないと思います。政治とは、その国の運命を左右すると同時に、人の命をどう大切に守るかというところに基本が置かれなければならないと思う。妊娠と妊娠中と、周産期で九〇%の原因がある、心身障害児が生まれる原因が。ということになれば、とにかくこうした子供が生まれたことに対して国が責任を持たなければならない、私はそれを追究したい。ところが時間がございませんので、私は不満でございますが、次に進みますけれども、人間のしあわせは健康から生まれる。しかも健康の基礎は人生の初期、すなわち胎児期から乳幼児期につくられる、こう言われている。児童福祉法ができて今年で二十一年ですか、国連の児童憲章ですか、それができて十年になるのに、一向に日本は進んでいないわけです。進んだように見えても不幸は繰り返し行なわれている。そこでお伺いしたいのは、この心身障害児が生まれる原因である妊娠中の保健衛生指導はどのように行なわれているか、これをお伺いしたい。先ほど妊娠中毒症には云々とか、いろいろお話がございましたが、それをまずお伺いさしていただきたい。
#29
○政府委員(渥美節夫君) 先生御指摘のとおり、心身障害児の発生の予防というのは、妊産婦の健康の管理というものによりまして相当部分改善されると、そのように思います。従来までこういった妊産婦に対しますところの健康診査を保健所で行なってまいりました。しかしながら、なかなか健康診査の率が上がってまいりません。そういったことでいろいろ問題がありますので、昭和四十四年度からは、保健所でなくても、妊娠されたおかあさんはもよりの病院なり、診療所等におきまして健康診査を受けられる。初回妊娠でかつ低所得者ではございますが、そういった方々に対しましては、その健康診査を公費負担で行なうということによりまして、このように健康診査の新しい制度を設けております。それから、なお妊娠中毒症なりあるいは妊産婦の糖尿病がそのような異常児の発生の原因となるわけでございますので、妊娠中毒症なり、あるいは昨年度から妊産婦等に対しましても糖尿病の治療、入院費等につきましては、公費負担で行なうという制度を出発させておるわけでございます。また同時にこういったおかあさん方がこの健康診査等を進んで受けていただくように、また母子保健の知識を十分に吸収していただきますように、市町村におきまして母子保健推進員という制度を設けまして、これによりまして地域活動を実施させておるところでございます。
#30
○藤原道子君 母子保健推進員というのは、どういうところに位置づけされる人たちですか。
#31
○政府委員(渥美節夫君) この母子保健推進員というのは、やはり地域におきまする母子保健の活動のかなめになっていただくというような意味におきまして、昭和四十三年度から全国の一千の市町村に実験的に配置いたしまして、地域の医師会とかあるいは助産婦会、看護協会とか、歯科医師会とか、そういった専門家の方々と地域の婦人との間を取り持ちまして、いろいろと母子保健に関する知識を普及したい。あるいはまた、先ほど申し上げましたような、保健所なり、医療機関に対する受診を勧奨すると、こういうふうなことを仕事とする、市町村の嘱託のような身分を持つ方々でございます。
#32
○藤原道子君 その人たちの教育は、どの程度に行なっているのですか。それと待遇。
#33
○政府委員(渥美節夫君) もちろんこういった方々は、これから教育するということでは非常にむずかしいと思うわけでございまして、地域の保健婦とか、あるいは助産婦とか、こういうふうな方々を中心といたしまして、お願いをしておるわけでございます。国からはこれに対しまして活動費に対しすところの補助金を約二千万円ばかり全国的に補助しているわけでございます。
#34
○藤原道子君 現在の仕事でさえ保健婦さんなり、助産婦さんは手が回りかねている。それがこの人たちに、活動費の補助が全国で二千万円でしょう。それで成果があがるでしょうか。保健婦、ことに助産婦におきましては、その養成もなおざりにされて、老齢化して、あとに出てくる助産婦がないのがいま大きな悩みじゃございませんか。この助産婦さん、保健婦さんに母子保健推進員というような名前をつけたって、いまだって母子指導員というのがあるはずなんですから、それが名前が変わっただけのようなことで成果があがるとは思えません。なぜもっと抜本的な施策がとれないのか。
 それから低所得者でございますがと、お答えがございましたが、低所得者だけが流、早、死産をするわけじゃない。どんどん労働婦人がふえて、ことに憂うべきは農村婦人が農夫症にほとんどかかっている。こういう人にこそ私はそういう処遇が必要だと思うのです。低所得層というのは生活保護と、それからボーダーライン層、ここまででしょう。これが問題なんですよ。そんなことでは成果はあがりません。われわれはすべての妊産婦にこれが行なわれなければだめだ、こう思います。母子保健法で牛乳を妊産婦、乳児に九カ月間支給する、これもわれわれはすべての婦人に、すべての子供にと要求しました。政府は、当時は生活保護、これをややこしく言われて、やっとボーダーライン層まで広げましたけれども、一向に成果はあがっていない。きのう私は婦人の会合へ出ましたら、知らないというのがいます。ちっともPRしていない、出したくないからPRしない。こんなことで成果があがるはずないですよ。そこへもってきて、日本はいま恥ずかしいけれども、妊産婦死亡率はセイロンに次いで非常に高いんです。低くなりました、なりましたと言うけれども、諸外国に比べれば五倍、六倍の高率を持っておる。それに対して対策よろしきを得れば、産むために命を落とす母の悲劇はなくなる。産まれる子供は健全な子供が生まれる。これに対して、まことになまぬるいと私は指摘せざるを得ないんです。ですから今後これをおやりになり、糖尿病とか、妊娠中毒症とか、特に心身障害児の出生の原因になるようなものについては、すべての婦人にこれをやるわけにはいかないのか。それから妊娠中の保健衛生指導というようなものもやはり機械的に何月何日にやる、だから集まれと。ところがつとめている人は行けないんですよ。これらに対してはどういう指導を考えておいでになるか。
#35
○政府委員(渥美節夫君) 幾つかの御質問を受けたわけでございますが、地域におきますところの市町村の母子保健推進員でございますが、現在のところ九百九十六市町村でやっております。やはり母子保健活動自体は、比較的行動力の半径の小さいお母さんと子供でございますが、いずれにいたしましても、こういった地域活動が非常に重要でございまして、その地域活動によりましてお母さんと子供なり、赤ちゃんなり、自分の子供に対する健康上の関心を持っていただくという必要があるので、このような制度は、さらにもっと御指摘のように拡充すべきものであると、かように考えます。
 それから妊娠中のお母さんの健康診査につきまして、低所得者階層だけであるのはおかしい、母子栄養強化対策、つまりミルクの支給の対象についても、低所得者階層を中心としておる、それからまた、保健所の取り扱いの問題も御質問がありましたが、確かに低所得者階層だけにやるというのは、ほんとうの意味の母子保健対策から見れば問題があると思います。しかしながら、とりあえず昭和四十四年度におきましては、そのような初回妊娠の妊婦につきまして、保健所だけでなしに、一般の病院、診療所におきますところの健康診査の制度を開始したので、低所得者階層は最も重点として取り上げなければならない方々として、そのような対象に限られたのでございますが、これも今後とも努力をする必要があると、かように私は考えております。
 それから保健所でなくて、もっと仕事の合い間であるとか、あるいは仕事のあとであるとか、そういった時間まで健康診査を受けられるようにすべきであるというふうな御意見が出たわけでございます。それもそうだと思います。したがいまして、これも実はいまの問題と関連するのでございますが、保健所でなくても、もよりの病院なり、診療所においても健康診査が公費負担で受けられるような制度としていまの制度が発足されているわけでございます。
 なお、いろいろとこまかい配慮がこういった母子保健に対しましては必要でございますので、いろいろ勉強を続けてまいりたいと、かように思います。
#36
○藤原道子君 あなたは勉強はうんとしているのです。しているのだけれども、やれない原因がどこにあるか、国の姿勢です。
 大臣にお伺いしたいと思うのですが、諸外国の例を見ると、驚くべき努力がされている。いままでイギリスとか、スエーデンの問題ばかりを取り上げておりましたけれども、最近勉強いたしまして、ニュージーランドあるいはイスラエル、こういう国はまことにちっぽけな国です。イスラエルは、人口はわずか二百五十万。二百五十万しかないイスラエルでどういうことがやられているか。ここには、母乳にまさる栄養はないというので、妊婦中にすでにもう乳房のマッサージですか、お乳が出るように、どうしたら母としての任務が果たせるかというようなところまで事こまかい指導がなされている。あるいは妊婦体操というようなものも行なわれている。そうしてたいへんな数の保健所ができておるのですね。それから家庭で出産する場合に、もし緊急の事態が起こったときには、ちゃんと輸血の道具から医者が付き添ってわっとくるから、そこで輸血いたしますから、出血によっての死亡というものは非常に少ないのです。出血死亡は二年間に人口十万対〇・八しかない。ところがわが国では、二四・八の人が年間出血で死んでいるのです。イスラエルのような、建国わずかに二十年、砂漠の中にかんがいをして、そうして一生懸命国づくりに励んで、しかもああした国際的紛争を絶えず起こしている。それでも、妊産婦は、国の宝の子供を産む、まず国の繁栄は妊産婦の保護にある、こういうことで行なわれている。ニュージーランドだって同じようなことが言えると思います。ニュージーランドの人口にいたしましても、非常にわずかで、二百六十四万人。日本の二十七分の一、こういう小さい国でございます。ところが、国民に対する保健医療の補助金、これは一人当たり三万円出ている。日本は幾ら出ているか。私の推計では千百円くらいしか出てないと思う。そして保健所はたくさんできております。そして保健所だけでない、支所ができている。ニュージーランドでも、オランダでも、全部保健所だけではない。いま市町村でやらせるとおっしゃるけれども、こういうことが行なわれて、非常に妊産婦が大事にされている。子供が生まれれば、母乳を与える時間は、三カ月間は一日四時間与えられる。四時間子供に接触することによって、非常に固い母子の結びつきが考えられる。しかも母乳の出ない母親にも四時間の子供に接する時間が与えられて、賃金カットはございません。こういうことを見るとき、私はなぜ、諸外国でここまでできるのが日本でできないか。イスラエルや、ニュージーランドは経済力は世界の何位でございましょうか。日本は世界の第二位だの、三位だのといわれておる。それならば、国づくりのためによい子が生まれなければならない。年々子供の出生率が減っておるのです。一体将来どうなるか。しかも生まれる中に心身障害児が相当数生まれている。これでは日本の将来は危ういのじゃないでしょうか。私は、適正に子供を守る、妊産婦を守る、これが国づくりの基本だと考える。これをおやりいただくのは、大臣あなただと思う。妊産婦保護に対してもっと的確な手が打てないものでございましょうか。どうしても低所得層対象にしか考えられない。低所得層の人といっても、病院で診療を受けるときの待遇、入院したときの待遇、こういうものを御存じでございましょうか。低所得層の人が生んだ子供は必ずしもだめじゃないのですね。低所得層の生んだ子供が非常に国に貢献するような子供ができないとはだれも断言できない。こういう大事な子供を産むのでございますから、低所得層と限らないで、すべての妊産婦、すべての子供、これに対する保護対策がいまこそ急がれるときではないでございましょうか。ニュージーランドにしても、あるいはオランダにしても、イギリス、スエーデンなどは申すに及ばず、人口六千くらいに保健所が一つ、四十五万の都市には保健所が十八もある。これはニュージーランドだと思います。こういうことが講じられておる。――この本の会の中には自民党の人も入っている。知らないはずはない。したがいまして、これらの人口二百五十万や二百六十四万の国でもこれだけのことはやる。ましてやわが国でやろうと思ってやれないはずはないと思うのですが、いかがでございましょうか。大臣、今後母子対策に対して、何か構想がございましょうか。
#37
○国務大臣(斎藤昇君) 日本の国の姿勢の問題に触れての御意見でございます。私は、おっしゃるとおりだと思いますが、御承知のように、日本は貧乏で子たくさんであったということで、とかく昔は子供をわりに粗末にしていたと思います、率直に申しまして、全体の姿勢から申しますと。それは国が貧乏であり、子たくさんであった。いま例にあげられました国は、人口が少なくて、そして子供が非常に大切だという国であります。もうこれは数十年来、もっともイスラエルは建国があれですけれども、ニュージーランドにいたしましても、ニュージーランドの福祉施設は、これは白人に対してはほとんど世界一の福祉でございます。とれらの人口二百万の国であって、相当みな富裕な国でございます。いま日本の生産力は世界の三番目といわれましたけれども、日本は人口一億あるわけです。一億の人口で、そうしてやっと西独並みの生産、西独は日本の人口の半分でございますから、したがって、国民の所得からいえば西独の半分であります。しかも、日本の平均所得が上がってきた、あるいは国民所得が上がってきたというのも、ごく最近であって、長い間の蓄積がない。したがって、そういう点から比較いたしますと、いわゆる日本の生産力が上がってきたというだけで、ここやっとどうやら世界で二十一番目の、平均所得とやらにして見れば、そこまでになった。しかも昔からの貯蓄がない。貯蓄という意味はあらゆる意味の、社会資本、社会施設、道路にいたしましても、われわれの生活環境にいたしましても、これが二十年、三十年、五十年と続いてくれば相当完備をされて、いろいろな方面に金が使えるだろうということになりましょうけれども、それにも忙しいという現状でございますが、しかしながら日本のこの人口問題という点から考えましても、どうしても子供を大切にしなければならんというときになってまいりました。御承知のように、ここ十年間は、もう子供が非常に大切だという時期になってきておるわけでございますから、したがって他の施策はおくれましても、このために金を使うと申しますか、施策はこれは十分にやってまいりませんと、貧乏だから、あるいはそれだけ予算が足りないからというてほっておけないような事態にもう日本は当面してきておるわけですから、したがって妊産婦あるいは乳幼児、あるいは青少年というものに対する施策をできるだけ進めてまいらなければならんと思っておるわけでございます。先ほどから御説明しておりますように、妊産婦に対する対策も、いま十分であるとは申しませんが、以前に比べて相当進めるようになりましたから、この姿勢をもっともっと強化をしてまいって、そうしてほんとうに子供は国の宝だというように、国の財政もそれに対して使っていかなければならない。それには私は全力をあげてまいる責任があると、かように思っておるわけであります。
#38
○藤原道子君 大臣のいまの御説明がございましたけれども、私は納得いかない。使うべきところへ金を使うのなら命を守る、国の基礎である子供、この対策にもっと予算を出せないはずはないと思うのです。ことに日本の出生率は、もはや先進国の最低になっている。ことにだんだん働く婦人がふえてくる。家庭婦人に比較するときに、家庭婦人が流産死産、こういうことにおちいっておるのが二十三とすれば、職場婦人は四十五人がこの対象になっておる。どんどんこれから職場婦人がふえてくる。農民はかあちゃん農家にどんどん転落していく。そういうときに、昔はそれは貧乏の子たくさんといったかもしらんけれども、いまは貧乏人ほど子供が生まれたら困る、どうして暮していくのだろう、こういうことで出生率が減っておるじゃありませんか。これは渥美さん御承知だと思う。こういうことからいきまして、あまりのんびりされていたらたいへんなことになる。二十年後の日本の社会、三十年後の日本の社会、日本の経済の基盤はこれは労働力がささえる。外国の新聞見たでしょう。日本の高度経済成長は労働者の低賃金と勤勉にあるといっている。その労働力が粗末にされて、しかも子供の出生がだんだん少なくなる、奇形児が生まれる、心身障害児が生まれる、こうなったら一体どうなるのでしょうか。いまこそき然たる態度をもって大蔵省に当たっていただきまして、ぜひ、妊産婦の対策、児童手当法も四十四年度から発足するような約束だったと思うのですが、いまだに実現されていない。から手形でなしに、じみでもいいから着々としてこういう点に力をいたしてほしい。いまや早急な問題だと、こう思いまして、きょうは大臣に御出席を願って、やりますということばを聞きたい。やってほしいのです。私どもが出産費国庫負担法をいま出しておりますけれども、お産はほんとうに大事だ。妊娠は女の責任だなんといって女ひとりに押しつけておく時期ではもうございません。世界各国に恥かしい。先ほど渥美さんが学者の意見を聞いたと言われるが、その学者のほうでもいろいろある。母子保健推進会議、自民党さんのいろいろな方が入っているあの会合では、その学者は、政治にもっと訴えなければだめだ、こういうことを書いていた。私は恥ずかしいと思う。学者でもいろいろある。タカ派もあれば、ハト派もあるでしょう。その片っ方の意見だけを聞いて、これが学者の意見ですと押しまくられては、私は黙っていられない。御承知でございましょう。真に妊産婦を憂え、子供のしあわせを願うお医者さんたちの多数は、一日も早くこの問題を取り上げてほしい、実行してほしいと、私たちのところにもずいぶん陳情が参っております。これに対して大臣はどうお考えでしょうか。
#39
○国務大臣(斎藤昇君) 全くおっしゃるとおりでございます。今日の人口問題の点から考えましても、労働力の点から考えましても、ただ単に人道的な問題でなく、これが根本的な問題でありますが、それにプラスして、いま日本はそういう状況になってきておると私も申し上げて、現在認識は先生と私は変わっていないと思うのです。したがいまして今後さらにこの方面に最善を尽くしてまいりたいと、かように思います。
 先ほどおっしゃいました、いわゆる低所得層にだけとおっしゃいますが、これは公費負担でやるという点において、自分でお産の十分できる人にまでいかなくてもいいじゃないかというので、現在の段階では公費負担の点には所得制限を設けておるのでありますが、これも徐々に上げてまいって、なくしてしまうということがこれは適当であろうと、私はかように思います。そういうような意味で、今度も健康保険の抜本改正は近くやるという約束をしておりますけれども、また、それでも待てないというので、出産手当だけは保険給付も倍額に上げるという法案もいま審議を願うようにいたしているわけでございまするし、児童手当もおくれて申しわけがございませんが、来年は必ずやれるようにいたしたいというので準備をいたしておるわけでございまして、これらの点は決してその場のがれの言辞ではございません。私は心からそういった児童の問題を憂えておるものの一人でございます。
#40
○藤原道子君 公費負担が低所得層だといわれた、私もそれを言っているのですよ。やはりすべての人に公費負担でやれ、やってやれないはずはない。ほかの国は人口少ないから豊かだなんて言うけれども、私は必ずしもそうではないと思う。イギリスあたりは一九二〇年ごろからこの問題に取り組んでおります。オランダでは一九〇一年から取り組んでおるわけです。日本はずっとおくれてきたのです。おくれているから早急には追いつけないかもわかりません。けれども、事こうした非常事態だからいまこそ抜本的な対策が必要じゃないかと、私はこう申し上げておる。それは金を払っていけば医者はみてくれますよ。いわゆるボーダー・ライン層以上にその余裕が、全部費用が潤沢かといえばそうじゃございません。その点非常にきびしいんですよ、国の査定が。そういうこともあわせまして、時間でございますからこれ以上あまり多くは言いませんけれども、母子対策、これは非常に大事でございますから、ぜひ真剣に取っ組んで、児童手当は来年は必ずやる、ぜひやってもらいたいと思います。
 そこで、この際お伺いしたいことがございます。医務局長みえていますね。看護婦やあるいは助産婦の足りないのは五大市だけではない、一般的に非常に問題であるということは、たびたび当委員会で申し上げて、近く当委員会では看護婦問題だけで一日かけよう、そうして政府の勇断を望もう、こういうことになっておりますから、きょうは多くは触れませんけれども、実は昨日、私、まだ病後の静養で議会は三割しか出ていないのでございますけれども、伊豆のほうへ行っておりました。ところが、陳情が参りまして、自分の親がいま入院しているのだが、これは肉腫ですが、がんセンターで手術を受けた。子供の事故死等もあったものですから、大体よかろうというので退院した。ところがまたこのごろ出血が始まったので、入院した。がんセンターでは、出血があるとときどき輸血をしてくれた。ところが今度の病院は、これは国立病院でございます。親戚の者が入っているから名前をいうとおっかないから、名前は伏せておきますが、国立病院、しかもモダンな国立病院、そこでは輸血をしてくれない。ぜひ輸血をしてくれといってお願いしたら、献血手帳を持ってくればやってやる、こう言われたそうです。そこで困っちゃいまして、親戚や労働組合のお助けを得て、若干の献血手帳を持って行ったけれども、長くなるようではこれも続きません。何とか助けてもらえないだろうかということが一つ。
 それからいま一つは、重体でございますから、家族の者が付き添いたい、お願いしても基準看護だから付き添いは困ります、こういうことで許しは得られない。面会時間以外はだめだ、おかみさんが二時ごろ行ってみると、ゆうべの食事も、朝の食事も、昼の食事も積み上げてある。患者自身では食べる気力がないんですよ。ところが看護婦さんは忙しい、手が回らない、こういうことで何としても耐えられないので、ひとつぜひ付き添いが認められるように院長にお願いしてもらいたい、こういうことを言われまして、実は昨日私は院長をたずねてまいりました。厚生省では、基準看護はこれでいいとお思いでしょうか。基準看護料をとっているし、たたかれるから付き添いは許さないと言っている。肉親の立場からすれば耐えられないですよ。これは一体どういうことでございましょうか。ゆうべも手をつけてない、箸も一口もつけてない、朝の食事も昼の食事も手をつけてない、そこに並べてある。こういうことで病院の任務が果たせるでしょうか。こういうことをしなければならないほど看護婦が忙しいといたしましたならば、いまの医療法施行規則を改めて、定員等に対して何らかお考えのほどがあるでしょうか。
 さらに薬務局長もおみえだと思いますから、この輸血の問題、輸血用の血が足りないからこういうことをやっているんでしょうか。私は実に憤慨にたえません。ここで堂々と病院の名を発表したいのですけれども、やはり私もそうした縁者に対してはちょっと弱くなりまして、ここで名前なんか発表してしっぺい返しされたらかなわないから、入院している病人だから。きのう私は病院を訪問してみました。手術のあとから、赤血球が足りなくなるのですか、出血がとまらない。そしてガーゼがまっかになっている。私あれを見て、これが日本の医療かなあと思ってきた。一体これでよろしゅうございましょうか、これをひとつ。
 時間がないから重ねて申しますけれども、最近の新聞に、何やら血清肝炎が最近またふえた、こういうことが報道されておりますが、献血の状態はどうなっているのか。あるいはまた、献血手帳を持っていかなければ国立病院でも輸血がしてもらえないのか、こういう指導がなされているのか、あるいは、基準看護だから病人がどうあろうとも付き添いを認めない、こういうふうなあり方をよしとしておられるのかどうかをお伺いしたいと思います。
#41
○政府委員(松尾正雄君) お答えいたします。ただいま御指摘のようなことが私どもの直轄いたしましておる病院で起こっておるということでございましたならば、これは私ども深くおわび申し上げなければならぬと存じます。国立病院で輸血を行ないます場合に、必ず献血手帳がなければ輸血をしないと、こういう指導は一度も過去におきましてもやっていることはございません。おそらく、これは推察でございますけれども、献血というものによりまして、保存血をまあ全部の人の協力によって確保したい、こういうことから手帳を用意いたしまして、献血される方にその効果をよくわかっていただく、こういうような態度で、また病院側も協力するという意味もあって、私はそういうことを申し出たのじゃなかろうかと実は推察いたしますが、しかしながら、輸血という一番緊急な問題でございます。かような場合には、やはり必要な輸血というものは手帳の有無にかかわらずやる、これはあくまでたてまえでございます。そういう意味におきまして、もしそういう誤解を与えるというようなことがあるといたしますならば、十分ひとつ注意をいたしたいと存じます。
 それから基準看護の問題でございましたが、基準看護というものは、御承知のとおり、保険における基準看護料を支払うというたてまえから設けられておるものでございますから、したがいまして、いわゆる付き添いはつけない、これはもう御承知のとおり原則でございます。しかしながら、家族がお見舞いとか、その他の方でついておられるということを絶対に拒否しているものではございません。いわゆる職業的な看護というものが横から入ってまいりまして、職員以外の人によって看護が行なわれるということを基準看護のたてまえ上避けておるわけでございますけれども、家族の方が横におられるとか、いろいろそばでめんどうを見ておられるということまでは絶対にこれは拒否しておりません。たぶん、国立病院におきましても、さようなことは幾つも例のあるところでございます。さような点は、ある意味におきまして、あまりにもしゃくし定木な考え方を与える運営ではなかろうかと存じますので、十分そういうような患者さんのお気持ちにも沿いますような指導を徹底させるようにいたします。
 なお、三食分の食事がそのまま残っておる、私も、いろいろいままで経験をいたしましたことといたしましては、ちょっと予想のつかないような事態でございます。また、そんなふうに残しておいて、はたして給食というものをうまくまかなっておるかどうかという点を疑問に思うくらいでございますけれども、しかし、それは事実でございましょうから、問題は、先生おっしゃいますように、結局は看護婦というものが不足しているのではないかというこの一点にあろうかと思います。したがいまして、私どもも、先般もお答え申し上げましたように、いままでの需給計画という形では、とうていこういうものが早急に解消できないのではないかというふうに考えております。一年に四万三千ベッドというような増床のあるような時期でもございますので、やはり根本的にこの看護婦の需給計画を立て直さなければならない。非常にいま急いでその基本的な作業を進めておるような次第でございます。したがいまして、先生が御指摘のように、施行規則で四対一というような、それがやはり一つのガンではないかというような御質問でございましたけれども、私どもは、ただいま行なっております作業では、決して四対一というようなものを基準にして考えているような作業では、もうもはや間に合わないという態度でございまして、したがいまして、いろいろな別の角度から需給計画を練ってまいっております。したがいまして、それができ上がり、ある程度軌道に乗ってまいりましたならば、私自身、その四対一という施行規則をそのまま永久に残すという意思は毛頭ないつもりで作業を進めているわけでございます。
#42
○政府委員(坂元貞一郎君) 前段の献血手帳の問題は、いま医務局長から申し上げたとおりでございます。私どもも、従来、献血手帳がなければ困るとかあるいは献血手帳ではだめで預血手帳を持ってこいとかいうような病院が一、二あったように聞いております。その後何回もこういう点については厳重に警告をいたしまして、手帳の有無にかかわらず、緊急差し迫った輸血でございますから、そういうような場合は十分そういう配慮をすべきであるということで、従来から厳重に指導監督をしております。おそらく医務局長申し上げたとおりのことだったかもしれませんが、非常にその点残念であると思います。したがいまして、私ども、今後、献血手帳等の有無にかかわらず輸血等を必ず丁重にやってもらうように各医療機関に重ねて警告を発したい。特に国立病院関係においては、そういうことについて他の医療機関のやはり一つの模範としてそういうことを実施してもらうように、従来からこれもやっております。今後そういうことの二度と起きないように十分気をつけたいと思います。
 それから血清肝炎の問題をお触れになりましたが、確かに最近私どものほうの医療研究費を出しております学会等の発表によりましても、四十年、四十一年、それから四十二年は急激に減ってまいったわけでありますが、残念ながら、四十三年の調査ではこれがまたもとに戻っているようでございます。その原因が那辺にあるかいま研究をしておりますが、いずれにしましても、採血時の健康診断、それから検査、こういう点がややルーズになっているという面があるかもしれませんので、いま、都道府県なり日赤のセンターの関係者を集めて、全国的にブロック会議をやっております。したがいまして、重ねて採血時の健康診断なり、検査等を厳重にやる。それからまた、県当局としましても、血液銀行等の監視というものをさらに徹底するようにということを警告をし、指導いたしているわけでございます。それから、藤原先生御存じのように、血清肝炎の問題につきましては、いろいろまだ学問的に未解明な問題がございます。肝機能検査の方法等についてもまだ学会等でいま統一されたものができておりません。したがいまして、そういうものを学会等で早急にやっていただくように、最近も学会等に要望いたしております。それから診断基準、予防方法、こういう点についてまだ相当学問的に問題が残されておりますので、そういう点についてわれわれいま研究指導をいたしまして、早急に学会等で権威ある基準なり、方法を考えていただくように重ねてこの点いま強く要望をいたして、できる限り早く血清肝炎全体の問題についてのある程度科学的な基準なり何なりが早く確立するようにやっていきたいと、かように考えております。
#43
○藤原道子君 この売血が献血に切りかわって、献血がどんどんふえていると思うけれども、いま何%になっているのですか。その献血で間に合わないからこういうことが起こるのじゃないかと思う、その手帳持ってこなければだめだというようなことは。ですから、献血をさらに十分させる対策をお持ちであろうかどうか。それから急に献血に切りかえたために技術者が不足しているのじゃないかしら。技術の未熟な人が献血に当たる、こういうことで肝炎が一まあ肝炎にはいろいろ原因があるということは私も少しは勉強いたしましたけれども、それにしても逆戻りをするということになれば、やっぱり献血でもだめじゃないか。だからまた売血ということになりかねないのじゃないかと心配いたしますので、その点をさらにあわせてお聞かせ願いたい。これは医務局長も、薬務局長もですけれども、東京病院でも、ときどき献血の手帳を持ってこなければというふうなことで患者とのトラブルも起きているということを伺いました。その他にも九州方面で若干あるやに、けさちょっと電話で問い合わせたのですけれども、あるようでございます。私は、いやしくも命を守るために必要だから輸血をする、そういうときに、手帳が手に入らなければ輸血してもらえないなんということは、これは人道上許しがたい問題だと存じますので、さらに指導よろしきを得ていただきたい。それから医務局長にも、そういうふうに東京病院の療養所でも、それから九州のほうでも――これはちょっと私まだわからないですが、長崎医大等の指導というのですか、そういうことでやられたのだということを言っていますけれども、これは皆さんが陳情し、闘争によっておさまったようですが、そういう事例が若干あるようでございますので、少なくとも瞬時を争う輸血問題がそういうことであってはならないと思います。先ほど申しました私の親戚の者でも、家族は年とったおばあさん――女房ですわね。むすこは肝臓を病んでいるから献血はできない。そうすると、その家族だから、献血手帳と言われるとだれかのを借りなければならない。それで私も病室へ行ってみたのですけれども、まっかに血が出ているのです、ガーゼからしたたるように。同じ国立でありながら、がんセンターでは頼まなくても輸血をしてくれる。その紹介で入った病院では、献血手帳を持ってこなければだめだということでは納得できない。私に陳情に来て、私きのう院長に会ってお願いしてきましたけれども、私が行ったからあるいはこれはやってくれるらしい。家族の付き添いはけっこうです、こういうことでございますけれども、もし、たよる人がなくて、どれだけ多くの人がこういう苦しみにあっているかと思うと、非常に心配でございますので、きょうあえてこの時間を拝借してただしたわけです。これは昨日のできごとでございます。どうか医療は命を守る問題として今後ぜひとも指導よろしきを得ていただきたい。国民大衆が安心して医療が受けられるようにしてほしいということを強く私は申し上げておきたいと思うのです。国立病院であるのですからね。民間病院じゃどうだろうかというと、まず私たちはやはり国立がいいように思っていますからね。非常に不安になって御質問いたしました。
 そこで、さっき医務局長は看護婦の問題をいろいろ御検討中だということでございますが、とりわけ心配なのは、私は看護婦のことは四対一はぜひとも改めなければだめだということが一つと、お産ですね。助産婦、これは夜が多いのです。時間外です。時間外は人数が減っている。助産婦はだんだん老齢化している。それの新しい対策が立っていないですね、養成対策。助産婦を希望する人が非常に少ないように私聞いている。これを手をこまねいて見ておるという手はない。なぜ足りないか、なぜ志望者がないかということになれば、やはり処遇の問題、それから労働問題等が原因すると思います。看護婦問題はこの次に残しまして、委員会全体としてお伺いをする機会を得たいと思いますが、産婆が足りないためにお産が失敗をする。あるいは保育器の中で、看護婦が足りないために、焼け死ぬという幾多の事件が起きておりますことは、やはり看護婦や助産婦さんが足りないということです。ところが、この前も言いましたけれども、看護婦の場合は希望者が非常に多数あっても養成機関がない。六倍もある志望者で、どんどん優秀なのを落としている。今度茨城県へ行きましたが、非常に高校では優秀であったのに、全員落ちてるんですよね。これじゃせっかくつくった衛生看護科というのですか、ここの使命もいかがでございましょう。私は看護婦の養成はもっと適切に考えて、そうして一本化の方向へ進んでいく努力をしてほしい。いま対策を練っておいでになるそうでございますが、一日も早くこれができ上がって実行されますように、方々のストライキ、闘争に対しまして、夜勤二人勤務にいたします、八日以内にいたします、こういうことで妥結しておりますが、今年じゅうに何人、来年何人、三年後にはこうですと言うのだけれども、それがはたしてできるのかどうか。できなかった場合の騒ぎが私は心配でございます。その需給計画、きょう、もしその対策がお聞かせ願えたらいただきたいと思います。
 それから看護婦の教務員というのですか、学校で教える先生、これが非常に不足してるんですね。幾ら養成学校をつくっても、先生がいなくちゃ話にならない。それで東一のようなりっぱな看護学院で、用務員一人いないのですね。教務主任が小使さんの仕事までしなくちゃならない。百二十人以上いるところで先生は三人。それが用務から何から一切を扱う、こういうことでいいと思ってきょうまで放置されたのですか、局長のお考えを承りたい。
#44
○政府委員(松尾正雄君) 第一点の助産婦の不足につきましては、だんだんに従来おられました助産婦さん方が老齢化されまして、減ってまいっておるということでございます。したがいまして、やはり助産婦の養成ということは、先ほど来いろいろとおあげのように、母子衛生という観点からいいましても、確保しなければならないところでございます。ただいままでのところ、約七百三十程度の入学定員をもって、毎年養成をいたしておるわけでございますが、ベースにやはり、御承知のように、看護婦になった方から助産婦になっていく、こういう道でございますので、何としても根っこになります看護婦というものの修業者を大きくふやすということが基本であろうかと思います。しかしながら、たとえば国立機関におきましても、昨年からことし、引き続きまして新しく国立病院などに養成所を付置いたしましたが、私どもも努力いたしまして、その助産婦確保、養成所の拡充ということには、十分ひとつ努力してまいらなければならぬと思います。
 なお、そういったような養成に関連いたしまして、教員の数が不足であるということ、特に今後私どもが大々的に養成計画を立てたいというような場合には、御指摘のとおり、そういったような問題が大きな障害になるおそれがございます。ただいま、まだ不十分ではございますけれども、大体一回六十名ないし七十名程度の定員をもちまして、半年コースのものを年二回、専任教員の養成といたしまして、そういう専門コースを設けてやっております。ただ、それだけでも将来の教員養成としてはまだ不足かと存じます。ただいまもそういうことをやっておりますが、引き続き将来の計画にあわせまして、教員になる方の養成に十分ひとつ力を入れなければならぬ、こういうふうに私ども考えているところでございます。
 なお、そういうような養成所におきますいろいろな補助者と申しますか、小使さんの話がございました。そういったものが不足なために、大事な教務主任といわれている専門の教官がよけいな仕事ばかりしておるということは、まことに恥ずかしい次第でございます。全体の中の運営として、十分これは考え得ることだと思いますので、こまかい注意をひとつ今後はやってまいりたいと存じます。
#45
○藤原道子君 次期委員会までに看護婦需給計画をお示し願いたい。それから看護婦の養成機関に対してどういう構想を持っているのかということ、それから准看を今後どのように処遇される御所存であるか、こういう点についてのお考えをぜひ伺う予定でございますので、ひとつ準備して資料等持ってお出まし願いたい。
 最後に薬務局長にお伺いしたい。最近お薬が非常にはんらんしてるんですね。それで妊産婦の非常に危険な時期が七週間前後。そのころが気分が悪い、それでやたら薬飲むんですね。サリドマイドもそのことでございますけれども、したがって、そういう薬の誇大広告が過ぎるんじゃないか。それから薬に値段が書いてない、このごろ値段の表示がない薬が多いのでございます。そうすると、医者に行く手間が惜しいから、まあこの薬がいいというもんだから、この薬で済まそうというようなことで問題が起きる場合が多々あるように思えてならない。薬務局としても、もう少し製薬会社に対して弱腰でなしに――製薬会社の親方がいるけれども、まあひとつき然たる態度でそういう指導をすることが望ましい、いかがでございましょうか。
#46
○政府委員(坂元貞一郎君) 確かに日本人は昔から薬好きだといわれているように、薬に対する依頼心というものが非常に高いということは、どうも事実のようでございます。そこで、妊産婦等の場合の薬の問題でございますが、従来から、妊産婦等につきましては、できる限り薬を服用しないようにという一般的な指導はやっております。特に妊娠中の場合は、いろいろ薬についての影響力というものが非常に高いわけでございますので、特定のものにつきましては、妊産婦は服用してはならないというような注意書きを書かしているものもございます。いずれにしましても、そういうことで、できる限り妊産婦等の場合は薬剤に依頼しないようにという一般的な行政指導を従来からもとっております。また今後もそういう方針で臨みたいと思っております。
 その次に、薬の誇大公告の問題でございます。これは特に法律でも誇大広告というものを禁止しているわけであります。実際問題としまして、何が誇大かあるいは虚偽かという点、まことにデリケートな場合もございます。それはそれとしましても、従来から医薬品の広告のあり方につきましては、いろいろな面で行政指導をやっております。薬業界のほうでも自粛要綱というものをつくりますし、また広告媒体のほうでも倫理要綱というようなものをつくって、自主的に薬の広告についての適正化というものを念頭に置いて従来からやってきておりますが、まだまだ不十分な面もございますので、薬業界、広告媒体等を含めまして定期的に会合をやっております。そういう会合を通じまして、できる限り一般の国民なり、一般の消費者の方から見て薬の広告に行き過ぎがないようにという方向で今後ものごとを進めてまいりたい、かように思っておる次第でございます。
 それから最後に、価格表示の点でございますが、従来から、この点については国会等においても、医薬品について価格の表示がなされていないのはいろいろな面において困るという意味の御要望が非常に強いし、一般の消費者の方からもそういうような御意見がたくさんまいっております。そこで、私どもとしましては、なかなか全部の医薬品を一挙にやるということ、これはいろんな意味においてむずかしい問題がございますので、とりあえずできるものからでもやっていこうということにしまして、いわゆる再販売維持契約を結んでいる医薬品、これは薬局、薬店等で売られている薬が非常に多いわけでございます。そういう再販売維持契約を結んでいるような医薬品については、できる限り今後早急に価格の表示をしていくようにということで、現在一部のものについては価格表示がなされております。その価格表示のしかたそのものについて若干まだ問題がございますので、できる限りいま業界と相談しながら、そういうような再販契約を結んでいるような医薬品から逐次価格の表示をしていこう、こういうことでいま進んでおりますので、あとしばらくこの点時間がかかるかもしれませんが、方向だけはそういうふうにきちんとやっていきたいと、かように思っておるわけでございます。
#47
○藤原道子君 私は、少し厚生省が弱腰じゃないかと思いますので、この点十分指導してほしい。まだいろいろありますよ、あるけれどもきょうは時間の関係で次回に譲りたいと思いますが、最後にたいへんお待たせして失礼いたしましたが、公衆衛生局長に、保健指導といいますか、妊産婦の保健指導は保健所の任務になっていますね、保健所で受け持つ面が多々あると思います。その保健所に医者が足りない、医者のいない保健所がある、それから助産婦さんがいないところがほとんどだと思います。東京でも助産婦さんがいる保健所は一カ所だと聞いております。非常に心配でございます。保健婦も定員は充足されていない。外国では、人口六千人に対して一つの保健所がある、医者から何からスタッフがそろっている。ところが日本ではいま二十万くらい受け持っているじゃないですか。初めは十万というはずで出発した保健所が、いまではだんだん範囲が拡大され、統合されて非常に広範囲にわたってきているにもかかわらず、医者がいない、嘱託医である、助産婦がいない、保健婦が足りない、これで一体保健所の任務が果たせるでございましょうか。これから真剣にやってもらいたい母子保健に対して、私たちは非常に心配でございます。この医者の確保、あるいは保健婦、助産婦の確保、これらについてどのような構想で、どのような努力がなされてきたか、この点についてお伺いしたいと思います。
#48
○政府委員(村中俊明君) 保健所の技術者の確保につきましてですが、御指摘の医師をはじめ助産婦、保健婦の、御指摘のとおり、充足率は非常に不足いたしております。医師につきましては、三千九百名の予定定員に対して四四%余というふうな数字ですが、ただいまの医師のない保健所があるというふうな点の御指摘は、必ずしも当たらないのではないかと思いますが、大体一カ所一人ちょっとの割合で配置されております。たまたまこれが欠員になる、やめるというふうな時期がございますが、それは他の保健所から医師あるいは所長が兼ねて実際の仕事をやっておるという実態でございます。なお助産婦につきましては、一応基本的な考え方といたしましては、現在八百三十の保健所がございますが、ここに一名ずつの配置を予定いたしております。しかし、残念ながら現在充足されておりますのは五分の一程度でございます。保健婦につきましては、これは予定に対して大体七五%程度の充足率を見せておりまして、助産婦の問題は、先ほどいろいろ乳幼児それから医務行政の中で御議論がありましたが、私どもも制度が変わって非常に養成自身が助産婦についてはむずかしくなってきたというふうな問題もありましょうし、また御指摘のような待遇の問題もからみまして、現状はなかなか充足されないという実態でございます。ただ、助産婦、保健婦、乳幼児の健康指導の面で保健所の技術者が不足しているために非常に手落ちになるのではないかという点も御指摘がございますが、これにつきましてはこまかい数字もございますけれども、保健所及び病院、診療所、さらにはもう十年になりますが、母子健康センターというふうな、それぞれの機関を通じまして妊産婦、乳幼児の指導相談というふうなことを実施いたしておりまして、総体的には施設がなくて行かれないというふうなケースはわりあい少ないのではないか。しかし、御指摘のとおり、技術者の確保につきましては、たとえば医師については、これも前回本委員会で藤原先生から御質問がありましてお答え申し上げましたが、たとえば大学との提携で研究をやって、できるだけ保健所にいる医師の技術が低下しないような、あるいはユニークな研究ができるような道を開くことによって医師の固定化をはかる、あるいは海外の医療事情を視察するための海外派遣を計画する、あるいは手当の一部を改善するという意味で研究費の増額、さらには将来公衆衛生に向かう、そういう学生たちのために貸し付け制度を設定する、あれやこれや気のつくこと、考えの及ぶことをいろいろやっておるわけでございますが、実態はなかなか思うようにまいらないということでございますが、これらの点につきましては、今後もいろいろ御意見なり、いい提案をいただきながら改善に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#49
○藤原道子君 いつ質問しても同じ答弁、いろいろ努力はするけれども、充足できないところに何か原因がある、その原因を解明した結果はどうなんですか。医師が得られないからといって、この大切な母子保健の重要性が増してきつつあるときに、このままでいられてはたまらない、四四%の充足率でしょう。母子保健センターがあるなんといったって、母子保健センターそのもののいまの内容はまことに微弱です。これではもの足りないものがございますが、さらにこれはこの次に追及するといたしまして、きょうはこの程度にいたしますが、大臣、お聞きのとおりなんでございます。
  〔理事大橋和孝君退席、理事上原正吉君着席〕
日本は貧乏なんだで済ましてはいられない。イスラエルなんかごらんなさい。あれだけの戦争、戦闘等を繰り返す中においても、なおかつ母と子に対する対策は日に増し充実している。要は、やろうと思えばできるんです。国の繁栄も人づくりにあると思うので、母子保健対策あるいは心身障害児対策がこの辺で停滞していては相済まない、国民に対して。大臣の御所信をお伺いいたしまして私の質問を終わりたいと思います。
#50
○国務大臣(斎藤昇君) 御所見のとおりでございまして、こんなところで停滞をいたしておるようなことに絶対にならないようにいたしたいと思っております。本年度予算も不十分ではございましたけれども、いままでに比べれば相当伸びたわけでございますから、これを今後うんと伸ばしてまいりまして、日本の母子対策を完ぺきなものにいたしたい、かように思います。
    ―――――――――――――
#51
○大橋和孝君 実は、もう三時の定刻が過ぎましたけれども、前からだいぶ何回も来ていただいては時間の関係でとりやめてきましたので、政府委員の方々にも申しわけありませんから、できるだけ縮めて私の質問をさせていただきたいと思いますので、どうか答弁のほうも要領よく答弁をしていただいて、そうして早く完結するように御協力を願いたいと思います。
 私、きょうお尋ねいたしたいと思いますのは、厚生省内におけるところのいろいろ行政能率の向上に関してお聞きをしたいと思って計画をいたしておりましたが、中でも第一番目には、この人口動態調査が統計調査部のほうで行なわれておりますが、これは電子計算機の使用をされているわけでありまして、まずその辺の大きな問題について、特にしぼってお伺いしておきたいと思います。
 人口動態統計の集計が一年ほどいま現在おくれておる。最近いろいろ雑誌を見ておりますと、部分的には発表されておるようであります。まあ私まだ勉強が足りないから完全にもうその結果が発表されたのかどうか存じませんが、私の見ておる範囲の雑誌では部分的にしかまだ出ておらないわけでありますが、いずれにしましても一年ぐらいはおくれているわけでありますが、このコンピューターのオペレーションにとって、いまだかつて起こったことのないような非常な異状があっておくれたんだと、こういうふうに取りざたされておる面もございます。あるいはまた今度WHOの基準が変わりましたので、コンピューターにのせる前に手間どったからおくれたというふうな話もあるわけでありますが、こうした動態調査なるものは非常に重大な意味もあるわけでありますからして、各方面からこの統計は重視されておる。ことにこの統計に基づいてやらなければ困るというところもあるやに聞いているわけでありますが、いずれにしましてもこのようにしてコンピューターが、何と申しますか、うまくいかないためにおくれたんだということになれば、これはたいへんな問題だと私は思うわけであります。
 結局この情報革命を考えてみますならば、その産業の構造や、形態を変えるだけでなくて、私たちの生活環境や思考方法まで変えられてしまうというふうに、いまいろいろ言われているわけでありますが、その情報処理、伝達速度が非常にキーになるわけでありますが、もう音速をはるかにこえるコンピューターの中央処理装置ではむしろ音速をこえて光の速度に――いわゆる秒速三十キロというふうなことが可能だといわれておるわけでありますが、このような大きな性能を持っておる機械があって、しかもそうした事柄がおくれたということになればこれはたいへんな問題でもある、こういうふうに考えるわけであります。特にまた印刷物に比較しまして、コンピューターの記憶素子は記録の密度が数けたもでかくなっておるわけでありますから、処理速度と記録密度の飛躍的な進歩が厚生省の中の統計業務に大いに役立っていることになるんでありますが、この進歩は、もっと高度な統計業務に偉大な貢献をするはずでありますし、コンピューターの持つ使命がここに非常に大きく問われておるわけであります。でありますからして、こういう点から考えまして、いまの状態でこのようなところをみますと、多彩な使命を持つコンピューターに関して、基本政策といいますか、機械の選択についても標準的な基準がないのではないか、そういうことがやはり私は問題になってくるんではないかと思うのでありますが、厚生省におきましては、何かコンピューターを採用されるときに、いま言うたような選択基準というものあるいはまた標準的な基準というものをきめられていらっしゃるのかどうか、それから予算の編成時にはどういうふうにこれを一体考えられたのか、それからまた管理に対する心がまえを含めて、ひとつ大臣のほうから。いままでこのコンピューターを使われるに際して基本的なものはどういうふうなところにあったのか、予算のときを振り返ってどうだったということをひとつお伺いしておきたいと思います。
  〔理事上原正吉君退席、委員長着席〕
#52
○説明員(浦田純一君) ただいま大橋先生から御質問がございました点は、私どものほうで扱っております人口動態の業務が大幅におくれておるではないか、その原因は電子計算機を十分に使いこなしてない点にあるのではないかといったような御趣旨だと思います。現状を申しますと、確かに先生の御指摘のとおり、昭和四十三年分の人口動態の業務が一部渋滞いたしまして、その発表がおくれておるのでございます。例を引いて申しますと、四十三年の一月分、これは前年の例でまいりますと、大体四十三年の七月ごろまとまっておったのでございます。それが今回は四十四年の一月にやっとまとまったということで、この分で申しますと、約半年ほど例年に比べましておくれておるわけでございます。その後、毎月概数は逐次出しておるのでございますが、現時点で申しますと、大体四十三年の五月分がもうまとまった、いま六月の分に入っておるということで、この一月から四月までの間に若干その辺のおくれは取り戻しておるのでございますけれども、そのようなことがあるのでございます。
 その理由として、先生は二つほど御指摘になっておるわけでございまして、ことに電子計算機の機械そのものを十分使いこなしてないんじゃないかという点でございますが、実は、先生先刻御承知のとおり、四十三年を期しまして、国際的にきめられております、人口動態の中でも最も重要な死因の分類方法でございますが、これの大幅な、ほとんど全面改正を行なったのでございます。この国際疾病傷害及び死因の分類、英語の頭文字をとりましてICDと申しておるのでございますが、これは人口動態統計が、一国のみならず世界的にも人間の健康を保持していく上に重要な役割りを持っておるということで、国際連合、ことに世界保健機構におきまして、世界の死因分類についての基準を設けましてやっておるのでございます。もちろんわが国も、この基準に基づいていろいろと作業をやっておるのでございますが、その四十三年に行なわれました大改正、その基本的な分類表については、すでに私どもも承知しているわけでございますけれども、一番事務を進めていく上に肝心な重要な資料であります索引表、それから内容例示表、これが遺憾ながらWHOのほうの本部のほうの作業が非常におくれておりまして、実はいまだもってその一部は私どものほうに入手していないといったような実態がございます。もちろん四十三年に国際的にこの新しい分類表に従ってやるということが決定した以上は、このようなことにつきましては、私どもとしては極力事務の渋滞を来たさないように努力をしなければならない立場でございますし、それだけまた人口動態統計は重要なものであるという認識はいたしておるわけでございますが、ちょっと私どものほうの業務の流れを御説明申し上げたほうが今後の御理解に役立つかと思いますので、恐縮ですが、ちょっと時間を借りまして簡単に申し上げたいと思いますが……。
#53
○大橋和孝君 それはわかっておるからいい、時間もないし。
#54
○説明員(浦田純一君) それで、実はその死因の分析につきましては、わが部でもって専門の熟練した職員がやっておるのでございますが、すっかりその標準分類が変わりましたので、その点で事務の渋滞を来たしたということでございます。
 しかしながら、一般的に申しまして、電子計算機を入れました効率というものは、当初の企画どおりにあげつつあるのではないかというふうに考えておるわけでございます。たとえば第十二回の完全生命表、これは昭和四十年の国勢調査の人口を基礎といたしました非常に詳しい生命表でございますが、これの発表につきましては、ことしの二月に総理府のほうから基礎の数字をいただきまして、すでに三月中には計算を終わりまして、先般発表しておるといったようなことで、従来に比べまして、従来は一年以上かかっておりますが、そのように大幅に短縮しておるという例でごらんになってもわかりますように、電子計算機の威力は発揮しているのではないかと思っているわけであります。
 なお、おそらくは、先生の計算機に対する故障云々という御質問の点は、私どものほうで電子計算機の付属機械といたしまして備えております入力装置、これは光学文字読み取り装置でございますが、これを備えつけるときに、私どもの仕事に特に合いますように、念入りにいろいろとメーカーの方に注文をつけたわけでございまして、それはわが国といたしましては初めての画期的なものでございまして、いよいよ本番稼働するまでに多少調整に手間どり、一、二カ月ほど調子がなかなかうまく出なかったという点がございましたので、あるいはその点でなかろうかと思っている次第でございます。
 それから、いろいろと基本的な政策の問題につきましては、これは私そういったことについてお答えする立場でございませんが、政府全体の立場の中におきまして、統計調査部におきましても、より効率的な電子計算機の活用につきましては研究を進めてまいりたいと存じておる次第でございます。
#55
○大橋和孝君 WHOのいろいろ今度新しく大幅に改正されてそれが影響したということは、私もある程度は認めています。しかしそれを処理することに対しては、この次の機会に――きょうは時間がありませんから、先ほど申したようにコンピューターに限って話をまとめたいと思いますから、その問題については、あとから一ぺんまた機会があればいろいろなお話を承りたいと思いますが、このコンピューターの問題に対しましては、少なくともほかの企業体あたりのオペレーション関係者なんかは、いろいろいままで厚生省でやっておられたこのことに対しては、非常に初歩的な間違いであったと言っておる。いろいろそういうふうに取りざたされているような関係にあるぐらいなんですね。そういう点から申しましても、私は、コンピューターを入れる場合に、いろいろこれは通産省のほうでも規格なんかの許可制度がとられているやに聞いておりますし、また厚生省なんかでもいろいろそういう点については配慮されたとは思いますけれども、こうした輸入機械を国内移動するのにはそうした許可制限があると聞いておりますが、その点はどういうふうになっておりますか。それからまた、厚生省で使用していらっしゃる機械というのは、レミントン・ユニバック社のUVといいますか、あの型だと聞いておりますけれども、そうでございますかどうですか。
#56
○説明員(浦田純一君) 先ほど大橋先生の御質問で少し御説明を漏らした点もございますので、それもあわせまして……。
 現在、私どものほうに備えつけております電子計算機の型は、御指摘のとおりユニバックのV型でございます。
 それから、これをなぜ選んだか、その選定の理由、あるいはどのような基準でやっているかということでございまするが、これらにつきましては、当時ユニバックV型という機械は、世界的にも非常に信用度の高い安定した機械でございまして、すでに国内でも使用実績があったのでございます。そういった信用のおけるという点、それから、先ほどちょっと触れました入力装置でございますが、光学式の文字読み取り装置というものが、当時はまだ国産では十分に開発されておりません。実用化されておりませんので、そういったこちらの必要性というようなことから、私どもといたしましては、すでに昭和四十年以前から、これらの機器選定につきましては、部内に選考の委員会、また部外者の学識経験者の方も入れまして、この点十分に検討してまいったわけでございます。それからなお、業務の管理その他につきましては、日本能率協会のほうにお願いいたしまして、私どもの全体の仕事の流れ、ことに電子計算機を中心としての仕事の処理の方式につきましていろいろと相談してまいっておる、こういったことでもってやっておるわけでございます。
 それから電子計算機を国内で移動する場合に、通産省の許可が要るかという点でございますが、この点私はっきりと記憶しておりませんけれども、いきさつを申しますと、通産省は、当時指導という点で、これはどこに電子計算機がどのようにして設置されているかという状況をはっきり把握するという意味合いからいろいろと報告を徴しておったというふうに記憶しております。
#57
○大橋和孝君 いまのお答えによると、正確にあれをされておるということでありますが、私が調査したところによりますと、これは労働省の市場センターで使われておったU型、これを入れるということで話が進んでおったやに聞いておりますが、ちょうど労働省がその機種を切りかえするというのでUVを厚生省が導入しよう、こういうように決定され、予算も措置をされたと聞いておるのですが、いま使用しているUVは、実はそれが間に合わなかったので、日本生産性センターと申しますか、そこのレミントンセンターを経由したもので、その労働省のものと比べると、稼動時間も相当長くなっておるし、製造年月日も相当経過したUVを導入された、こういうふうに聞いております。通産省も労働省の使用した機械で許可した、こういうふうに思っておったのでありますけれども、しかし、これが一年後になって通産省がそうでなかったということを知って、昨年ですか、通産省は始末書をとったというふうにも聞いておるわけです。厚生省のほうからこのようなことも聞いておるけれども、そのことはどうだったか、ちょっと聞いておきたい。
 それから、またレンタル料の面でディスカウントするのが当然でありますけれども、この機種についてそのレンタル料はどういうふうになっておるか、そのこともお話しを願いたい。予算との関係もわかっておったら説明願います。要領よくひとつ。
#58
○説明員(浦田純一君) 労働省のユニバックV型がそのまま私どものほうに参ったというのではございません。先生先ほど申されましたように、そういう話も一時あったように聞いておりますけれども、現実はセンターから搬入したということでございます。
 それから始末書云々でございますが、これは実はUVを四十二年七月に搬入いたしました際の一つの条件、これは国家の予算を使う場合の条件になっておりますが、一年限りの契約を更新していくということでございます。たまたま一年たった時点におきまして、国産機の導入ということを閣議決定その他の方針によりまして検討する段階がきたわけでございます。御承知のように、その間非常に急激に国産機の開発が進みまして、国産機でも十分に輸入機に対抗していけるということもございまして、一年たった時点で話が出たわけでございます。したがいまして、私はむしろ逆にその準備期間を十分に置くという必要性から、昨年七月に期限も切れておるのでUVをもう一年さらに延ばしていただいたというようなことで、別に始末書云々というようなことではなかったんじゃないかと思います。そういった話し合いがあったということでございます。
 それから予算でございますが、これは御承知のように、いわゆる借料として払われておるのでございまして、一セット幾らというふうに支払われております。それの合計は、ユニバックV型につきましては一億四千三百六十二万八千円、これは一セットでございます。そして今度七月に実は日本電気のつくっておりますNEACという機械を入れるのでございますが、それにつきましては最終的にはまだ契約をしておりませんので、どのように決定するかわかりませんが、一応予算の面では一億三千五百四十九万八千円という数字で入っておるわけでございます。そして何かディスカウントのお話でございますが、実はそういった、つまりこういう借料を払う契約の段階におきましてそれらのことも考慮いたしまして、基準使用時間というものを設定して、それ以上使った場合も、ひとつできるだけサービスで、その点は無料で動かすことができるといったように契約を結んでおりますので、実質の問題といたしまして値引きを、ディスカウントするということは起こってこないのじゃないか。それからUV型のこの借料は国際的な基準の価格でございます。
 以上でございます。
#59
○大橋和孝君 レミントン社との契約についてペナルティー契約をしていなかったので、稼働しない時間のレンタル料は支払わないでもいいと、あなたもいまおっしゃっておるわけでありますが、しかし、なおそれにプラスしてオーバーの時間を使ったときにはそれもサービスするという話になっておったというわけでありますが、これはほかの企業体あたりの状態では、そのペナルティー契約というものがなくてもレンタル料を少々ぐらい割り引くのが商法上の慣習ぐらいにまでこのごろなっておるということでありますが、厚生省はこの一億四千万円を全額支払っておる。しかもその面では何カ月間も使わなかったということなんかもあるわけでありますから、その間の経過的なこと、それから、またこういうようなふうな少しはディスカウントすべきものもされてないということがあるとすれば、私は、これはやっぱり厚生省の責任があるだろうと思うんですが、それらの点について詳しく一ぺんひとつ聞かしていただきたい。
#60
○説明員(浦田純一君) 先ほど私の説明が足りなかった点もあったかと思いますが、電子計算機の借料の支払い方式は、ここに契約書の写しもございますが、年間の基準使用時間、大体これは月でいいますと二百時間ということになるわけでございます。つまり成規の昼間の執務時間というのに近いわけでございますが、それを基準として決定されておるわけでございます。ところで、実際の稼働時間はどれくらいかと申しますと、まあ大体三百時間とか、あるいは三百時間をこえて月間使っておるといったような実情でございます。これはもちろん、私どもは、いわゆる機械の使用時間については、ずっと日誌をつけておりますので、はっきりしておるのでございますが、したがいまして、契約で基準使用時間をこえてもその分は当然――まあ新しく搬入した場合にはいろいろのなれの問題もございますので、当然基準使用時間をこえて使うということが普通でございますが、それらについてはサービスするということでございました。また逆に全然機械が動いてなかったのに金を払ったんではないかという御疑問でございますけれども、そういったような事実はございません。したがって、基準の時間をもととして設定された借料の契約というもので、いわば予算の使用につきまして不適正な点はなかったのではないか、また、厳正に私どもとしてはそういった使用につきましてはやってまいったつもりでおるわけでございます。
#61
○大橋和孝君 じゃレミントン社と厚生省との契約の内容についてちょっとお伺いしたいのですが、計算機を導入して、これを利用するときに、利用のしかた、すなわちシステム技術の有無、またはその良否によってその能率が非常に違うことは、御存じのとおりでありますし、場合によっては全く使えないケースも起こってくる。そこで厚生省は四十二年にU Vを導入するに当たって、この契約書の条項の中にシステム分析並びにレミントン側の日常の業務指導、システム設計、プログラムの作成に関してどういうような取りきめをして、契約書の条項にうたっておられるのか、ひとつ聞かしてください。
#62
○説明員(浦田純一君) いろいろと契約書の中にございまするその中で、「賃貸借料」並びに「賃貸借料の支払方法」という点について御説明いたします。第四条に「月額賃貸借料は、木契約書別表(1)に定める金額とし、機械設備を月間二〇〇時間使用する場合のものとする。」ということが一点でございます。「ただし、月間二五〇時間まで使用することは、差し支えないものとする。」ということで、月間五十時間のオーバータイムは初めからサービスという点が明確にされておるわけでございます。それから二百五十時間をこえた場合の規定もございますが、そのときは超過使用料として支払うというきめもございます。したがいまして、あと支払い方法は、これは「賃貸借開始の日から計算するものとする。」、それから「一ケ月未満の端数を生じた場合は、月額賃貸借料の三〇分の一に相当する額に賃貸借期間の日数」、要するに日割り計算をする。それから請求書が出てから毎月三十日以内に払います、こういったようなことが盛られているわけでございます。したがいまして、使用実績から申しますと、いずれも二百時間をこえておるということで、先生の御懸念なすっておるような事実、あるいはそれに伴ってディスカウントさせるといったようなことは、実際の問題としては、そういったことは生じなかったわけでございます。それからディスカウントの契約あるいはペナルティーとかおっしゃっておりますが、そういったようなことはこれでもって十分実質上カバーできるということで特に入っておりません。
#63
○大橋和孝君 大体契約の中にはそういうふうな条項はうたうべきものではないのですか。それはされなくてもいいという判断だったようですから、それはいいとしても、ほんとうであったらそういうことも必要ではないかと私ども聞いてるわけですが、実際問題としてそうした時間的にはオーバーして使ってるから要らんのだと、しかしこのいままでの様子を聞いてみますと、やはりユーザーのワーカーズ・プログラム、これの中の使い方なんかの失敗があったらたいへんだけれども、そういうことのお粗末なあれがあった。いわゆる応用面、ソフトウエアの矢敗ですか、統計作成の上では、メーカーの用意すべき特殊なアプリケーション・ウェアなどは必要でないと、そういうようなところからワーカーズ・プログラムの失敗があったということも聞いております。その点。
 それから、また、このOCRですか、これに対してまたOMRと両方あるわけですが、こういうふうなことについて、このデータの読み取り機をこのOMRに変えるということになったというふうにも聞いておりますが、このOCRとOMRということに対してはどういうことになってるのか、ちょっと御説明願いたい。
 それから第三点は、カタログでは、OCRは、このカードをそのままで四百四十枚ですか、読みとれる能力があるということでありますけれども、これは実際は百枚ぐらいしかスピードが出なかった。と同時にまた途中で故障が起きてしまったというようなこともあったように聞いております。この点なんか、どういうふうになっていますか。これはいろいろ折り目があったり、汚れたりなんかしていますと、そういうことが起こってくることは十分あるようでありますけれども、この経過はどういうふうになっていますか、その辺のところをちょっとお聞きしておきます。
#64
○説明員(浦田純一君) 第一点、プログラマー、すなわち利用方面の態勢が万全であったかという御質問だと思います。私どもは、ユニバックV型を導入するに当たりましては、かねて、一番大事なのは利用方面、ソフトウエア関係を充実することであるということで、機械導入以前から特に期間を設けしまて、専門技術員の養成あるいは部職員全般についての電子計算機組織の講習といったことを繰り返してきたわけでございます。御承知のように、電子計算機の機械、電子計算機を十分に利用するということには段階がございます。いろいろときわめていけばいくほど、高度の利用方法がある。先ほど先生がおっしゃったように、いまや電子計算機の本体そのものは光速でもって動くといったような、非常な高度の能力を持っているわけでございますが、利用するほうといたしましても、この利用方法はどこまでも伸びるわけでございます。したがいまして私ども現在仕事をこなすため必要な段階のプログラマーこれはあるいは初歩とおっしゃるかもしれませんが、それについての養成は、万全とはいわなくても、何とかこなせるというところへ機械導入までに達成したというふうに考えておるわけでございます。それで、おことばを返すようですけれども、その後、実際に、たとえば四十一年に行なわれました農林省と合同の生活総合調査、これは非常に膨大な調査でございますが、これは電子計算機を導入いたしましたので、二カ月程度でもって集計が完了している。それから死因分類を別といたしまして、人口動態の四十三年の年計、これも実は前年に比べまして一、二カ月早まって数字がまとまっておる。あるいは先ほども例に引きました第十二回の完全生命表につきましては、前回に比べまして一年半も早くなっておるということで、まあまあ私ども現実に処理していかなくてはならない責任範囲でのプログラムの力というものは、何とかこなしたのじゃないか。さらにいまもってこれらの要員の技術の高度化については努力いたしているところでございます。
 それからOCRあるいはOMRという点のお話でございますが、ただいまユニバックV型に付属しております入力装置は、私ども略称いたしましてOCRと申しております。OCの「C」はキャラクター、要するに文字という英語の頭文字でございますが、文字読み取り装置、こまかい文字読み取り装置と申すべきかと思います。それがOMRというふうに、今度のNEACを入れるときに、変わるのじゃないか、それは一体どうしてかということでございますが、私どもNEACを選びました大きな一つの理由といたしまして、やはりOCRないしOMRの性能ということもございまして、国産機でOCRと同じ、あるいはそれ以上の性能を持っているというものがたまたまOMRという名前でもって存在したのでございます。これは日電の開発した機械でございます。OMRの「M」はマーク、いわゆる光学マーク読み取り装置ということでございまして、OCRとOMRと違うところは、OCRは数字が読み取れるということでございます。それで、今度の中央装置が変わりまして、日電の機械になりますので、それのワンセットとして日電の開発しているOMRというものに変わるわけでございます。しかも、今度はいまあります一台の機械を二台並列で使いたい、中央装置につきましても、実は大型を二台入れるということでもって、実質的にいままで以上の威力を発揮するようにしたいということで、OCRからOMRにしたわけでございます。
 それから最後に御指摘のOCRの能力でございますが、御指摘のとおり一分間に読み取る速度は四百枚でございます。これがうまくいってなかったじゃないかという御指摘、確かにこれは私どものところで試作いたしまして第一号機として本番にかけたわけでございますので、私どもの注文を受けてメーカーのほうがつくられたわけでございますが、設置したあとなかなかしばらくは、いわゆるなれといいますか、そういったならし運転をする間はこの性能どおりの速度でもって動かなかったのでございます。確かに一時は一分間に百枚といったようなこともございましたが、幸いに非常にメーカーさんにも御努力いただいたと思いますが、私どももあれこれ注文つけまして、大体一カ月、二カ月後には二百枚、三百枚というふうに上がってまいりまして、現在ではほとんどカタログ性能どおりに一分間四百枚の速度でもって順調に運転しておるようになっております。
#65
○大橋和孝君 それらの原因はやはり何と申しますか、折れ目ができたり、保健所あたりから送ってくるものに対して、その間によごれておったりなんか、いろんなことが影響して起こってきたということがわかったんじゃないかと思うのです。おそらくそうだったんだろうと思うのです、読み取り機の速度がそういうことによって落ちるわけですから。
 そこで、私はもう一つさかのぼって聞きたいのは、そういうことはなかったと思うのですけれども、先ほど二カ月ぐらいこういうことができなかったというのは、ディスカウントの対象にはならないんですか。
#66
○説明員(浦田純一君) 実はそのことにつきまして、実質的にそれによってどのような影響があったかということでございますが、設置した当座はできるだけ早く軌道に乗るようにということで、メーカーの方はもちろん、私ども部内職員といたしましても非常に苦心したわけでございます。したがいまして、事実上徹夜作業といったようなものも繰り返しまして、ずいぶんにその点でもって、機械の使用という点から申しますと、普通の時間をこしまして使ったといったような実情もございますし、また、私どもといたしましては、非常にこの辺の機械のメカニズムというものが微妙な点がございますので、そういっちゃなんですけれども、機械を導入いたしましてからある程度おいたならし時間、ならし運転というものについてはよほどしなくちゃならぬのじゃないかということで、現実に申しますと、いわゆるディスカウントの対象として考えるべきかもしれませんが、逆に超過時間というものもございますので、特にこの点については割り引きずるというようなことはやっておりません。
#67
○大橋和孝君 それは他の商社関係のそういう人たちが見ていると、やっぱりお役所仕事だからそういう点は甘くやっていたという見方もあるやに聞いているわけです。同時にこの調整のために時間がかかったとおっしゃっていますけれども、そこらのところは非常にまだ初歩的なミステークではないか、こういうふうに他のほうからは批評されているわけでありますからして、厚生省としては十分そういう点については配慮してもらわなきゃならないのじゃないか。ほんとうからいえば、これはもうやっている人のミステークじゃなくして計画している側のミステークだ、いわゆる上層部の、この計算機を導入してやろうとするところの幹部の心がまえに間違いがあったのではないか、甘さがあったんじゃないか、間違いじゃないと思いますけれども、甘さがあったんじゃないかというふうなことが評価されておることも聞いておりますので、こういう点については、きびしくひとつ反省をしてもらう必要があると思います。
 次に、時間がありませんから、続けて私の聞きたいことをちょっと聞いてまいりたいと思いますが、UVファーリントンのOCRの性能、速度に関してちょっと尋ねてみたいのですが、当初の見込みと稼働の実情とを考えてみると、速度の点についてはどういうふうになっているのか一ぺん御説明願いたい。それからチェックルーテン、いわゆるチェックする手順ですね、これなどを織り込めば当然スピードが落ちるのが普通である、こういうふうに言われておるようでありますが、このシステム設計のときにおいて、これを読み取り速度の中に見積りをしなかったのではないか。こういうようなことを考えてみると、ほんとうに私が申しましたように、計画の中に何かミステークがあったのではないかと思うのですが、その点どうですか。
#68
○説明員(浦田純一君) OCRの導入あるいはそれに伴ってのいわゆるシステム設計について、幹部のほうで少し甘かったのじゃないかという御指摘、おしかりでございます。当時電子計算機を導入するに当たりましては、これはやはり予算的にも大きな事業でございますので、責任者は十分にその点も考慮して研究を重ねたところであったのでございます。しかし、あとで振り返ってみた場合に、ああするよりはこうしたほうがもっとよかったのではないか、あるいはこういった点はなるほどちょっと気がつかなかった点があったといったような反省はやはりしているのでございます。しかしながら、OCRの速度の問題でございますが、カタログ性能では、御指摘のように、一分間四百四十枚の速度でございますが、すでに導入前の説明におきまして、これは要するに全力疾走といいますか、途中何も、たとえばカードをそろえるとかあるいはよごれがありまして、とまったときにそのよごれのついたカードを取り出してきれいにするとか、そういったようないわゆる手間、ハンディングタイムと申しますか、こういったようなものを入れました場合には、当然その分だけ落ちるわけでございます。したがいまして、いわば経済速度といったようなものは、実際的にはシステム設計の中では考えなくちゃならないわけでございまして、その点の認識は十分ございます。
 OCRはそういった意味で能力の非常に高い機械でございまして、一分間に四百四十枚というのは非常な速度でございまして、私どもがもしもこれを使いますというと、必要としておる作業は瞬時に終わってしまう。四日か五日もかければ完全に終わってしまうということで、決してこの点については甘かったわけではございません。
#69
○大橋和孝君 ファーリントン製のOCRの装置に対して、やっぱり故障とか、読み取りの誤りというのは、計画が誤りでなかったとしたら、それなら何でそういうことが起こるか、その原因なんかはどう考えておりますか。
#70
○説明員(浦田純一君) 誤りでなかったと言い切りますと、少しきつ過ぎまして、その点ことばが足りなかったのでございますが、ある程度初めにシステム設計におきまして、その辺の幅は確保しておったということでございます。それからOCRの速度でございますが、ときどきそういったカードによごれがあるととまるじゃないか、あるいは、いわゆる吸いつけがうまくいかなくてとまるじゃないか、むしろ機械そのものよりも入ってくるデータ・ドキュメントのほうに問題があるじゃないかという御指摘かと思います。確かにその点ございました。一月分につきまして、四十三年の一月分でございますが、実はこの調査票に市町村の窓口でマークをつけていただくわけでございます。その点は、初めての仕事を市町村の窓口の方にお願いしたという点で、私ども、まえもちまして、いろいろと講習会を開きまして、技術的な指導には努力したんでございますが、実際にスタートしたときには、そういった記入誤りとかいったようなものがかなりあったのでございます。これらは全部チェックするというわけにはまいりませんが、抜き取りでチェックするということで、それでもかなり誤りがあったということは事実でございます。しかし、その後その誤りがどういった点に出るかということを検討いたしまして、市町村に対する指導も重ねました結果、二月目、三月目から急速によくなりました。したがいまして、現在ではほぼカタログ性能どおりに動いているというところまで改善されております。
#71
○大橋和孝君 いまおっしゃいますように、そのカードなんかのそうした業務の遂行ですね。こうした問題について、あなたのほうでは一体どういう訓練の実態があったのか。いわゆるカードの記入が適切を欠いていると、いまのように能力が落ちるわけですね。そんなものに対しては、いまどんなふうにして指導しているか。やはりカードの運搬のときによごしたり、あるいは折り目をつけたりすると、やはりインプットの際には影響があらわれてくる。こういうことですから、オペレーション要員の訓練の実態がどういうふうにされているか、これについてお聞かせ願いたい。同時にまた新機種の導入によって好結果が得られるということは新聞あたりでも発表しておられたわけですが、実際はこのデータの読み取り機について、読み取りのインプットが横にされるか縦にされるかで、もう大きな故障が起こっておった。こんな簡単な点を考えないで、そして好結果が得られる見込みはないと私は思うんですが、そういうことがあったやに聞いております。
 それからまた、このOCRの装置のいわゆる連動については、一体どういうふうに検討されていたんだろうか、こんな点について一回お聞かせください。
#72
○説明員(浦田純一君) 先生御指摘のように、OCRにかけるためにはすでに調査票の段階でもってマークしていかなければならないという作業があるわけでございます。これは先ほども申しましたように、市町村の窓口でもってその作業をお願いしているわけでございます。これをまずどのようにして技術的な周知徹底をはかったかと申しますと、各市町村の実際の担当の吏員の方々にお集まりいただきまして、実物でもってその記入方法については御指導申し上げたのでございます。しかし何ぶんにも新しい制度でございましたので、実際のスタートをしたときには、多少マークするのに、一定のワクの中にしるしするのに少しはみ出たとか、あるいはつい鉛筆のよごれがついたとか、あるいは鉛筆が薄かったといったようなことがあったのは事実でございます。私どもは、この調査票が正しく適正に作成されるように、こちらのほうで十分にチェックをいたしまして、たとえばワクからはみ出るのがどれぐらいある、あるいは完全に読み取るのを間違えまして、間違った欄につけたのがどのくらいあるというのをおのおの原因別に大体チェックいたしまして、そしてそれに応じて今度は一々こちらから参るというわけにはまいりませんので、通知でもって、あるいはそのほかの講習会、その他の機会を通じまして実物でもって指導を重ねてまいったわけでございます。
 それから、中での技術員の養成でございますが、これは私どもの職員の中に電子工学関係の技術者もおりますし、それから数学屋さんとか、そういった工学方面の詳しい専門の職員もおりまして、これらを中核といたしまして、前もって事情が許しました者につきましては学校に行かせまして、それができない者には短期の講習会というものをさせまして、それをまず中核としてさらに他の要員に及ぼしていくという形から始めたわけでございます。それから、現在に至りますまで定期的に講習会を持つ。それからさらに若手の優秀な者については国内留学をさせる、この予算も今度九十六万ほどついておりますが、そういったようなことでもって続けておるわけでございます。
 それからOCRのオンラインということかと思いますが、これは今度新しく入りますOMRの本体に直結して使う方式になっております。OCRは実は二つの使い道がございまして、一つは分類に使っております。それからもう一つは実際のデータを読み込むための読み込み装置として使っております。これらはいずれも本体に直結して使えるという仕組みでございます。
#73
○大橋和孝君 それで新機種を入れて、相当いい結果が見込まれてるということは検討済みなんですか。
#74
○説明員(浦田純一君) これにつきましては、まだ正式に契約はいたしておりませんが、すでに昨年OMRの実際のものにつきまして、いわば本番でぶっつけテストをしております。その結果、間違いはないというふうな見通しを持っておるわけでございます。
#75
○大橋和孝君 先ほどからずっと話を聞いてまいりまして、何か御説明と、私どものほうの聞いている事柄とで、やはり業務上のオペレーションの要員の訓練なんかに対しましても、そういうものがもっときちんといっていれば、そうしたいままでにミステークはないわけでありますし、いろいろおやりになっておるようでありますからその点はこまかく言うのはちょっと――私、お話を承りたいたくさんの問題点を持ってきておりますけれども、時間がありませんから、最後的に一点お話を伺っておきたいと思うんですが、こういうふうな調子でございまするからして、政府のその業務全体にわたってこれを見てみますると、――これは行管のほうからもちょっと、厚生省のほうにもお話を聞いておきたいと思うんですが、含めてひとつ両方で聞いておいていただきたい。これは非常に積極的な機械化対象業務の拡大が予想されていくわけでありますけれども、厚生省の管内だけでも――大臣もちょっとお聞き願っていただきたいが、管内だけでも年金福祉事業団あるいは医療金融公庫、環境衛生公庫あるいは社会福祉事業振興会とか、いろいろ団体がありますが、こういうものもおそらくこれからはコンピューターを入れなければならぬような状態になりつつあると思うわけであります。厚生省だけで見ましても、各機関がばらばらにこういうふうに導入をして、先ほどちょっと質疑の中にも申し上げましたように、何とか言えば非常に初歩的なと思われるようなところに行き当たって、能力が十分発揮されていない。しかもいろいろな点で苦労されて徹夜もされたけれども、実際問題としてはそれがおくれておって、それだけの成果が発揮できていない。このような問題も先ほどから明らかになっていると思うのでありますが、そういうことなんかもあわせまして、私はもうこういうふうな状態では、中央に計算センターでもこしらえるとか、厚生省の中に一つにまとめてそういうものをつくるとかいうような構想はぼつぼつ必要ではないかと思われるわけでありますが、こういう点についてもう一ぺん大臣のほうのお考え方を聞いておきたいし、あるいはまた行管のほうでも、そういうことに対しては研究しておられるという話であります。政府機関全体のことについては私も聞いておりますが、これについてはもう少し前向きな計画で、このコンピューターを導入するときの計画、あるいはまたその利用の管理、あるいは総合調整、あるいはこういうふうな施策をずっと一貫して高能率的なものにされていくという必要があるのじゃないかと思います。各部署ではいろんなものが出て、そこでまたいろいろしなければならぬ役割りはあると思いますけれども、こういうようにしなければならぬのじゃないかと思います。また業者あたりでやっているコンピューターは、商社でありますからして三交代でやって、全部フル運転をさす。いま申しているように、非常に高性能のものでありますからして、そこへインプットするまでのいろいろな仕事はたくさん分化されてくるでありましょうが、そういうところで訓練さえよろしきを得て統制してやっていけば、私は非常におもしろいものじゃないかと思います。しかし、国の状態は三交代でということにはならぬわけでありますから、もしこういうような非常に高能率な合理化された機械がこれからどんどん利用されるようになれば、別の事業団としてまた合理化される道が考えられるのじゃないかというふうに思うわけであります。ですから、これはばく大な費用で、一億何千万円もかけて一つの統計調査部だけでおやりになっている。またほかの事業団で別のものが出てくるということになりますと、これは費用がたくさんかかると思います。いまからでもそういう計画をしてもらっていい時期じゃないかと思うわけでありますが、それについての大臣の考え方、また行管のほうでお考えになっていることをひとつ伺っておきたい。
#76
○国務大臣(斎藤昇君) お考え方の一つといたしましては、私らもさように思っておるのであります。ぜひそういうものを早く一カ所で集中的に、あるいは公団かなんかで政府のものは全部やるということが将来望ましいのじゃないかと思っております。各省で同じものを置くということよりも、一つのもので集中使用するということが望ましいと思っております。それらにつきましては、いま政府全体といたしまして行管が中心になっていろいろと考え、また検討してもらっておりますので、詳しいことは行管からお聞きをいただきたいと思います。
#77
○説明員(清正清君) いま先生から話がありました問題につきましては、現在国の予算で約八十七億のレンタル料を払っているわけでございまして、現在百三十五セットが国の機関に入っております。したがいまして、政府としまして、昨年の八月三十日に、政府における電子計算機の利用の今後の方策につきまして閣議決定を見ております。その閣議決定の中においても、いま先生のお話の中にありました要員の問題とか、あるいは現在利用上隘路になっている問題とか、あるいは適用業務の拡大という問題が入っているわけでございます。さらに最後に共同利用の問題もうたっております。それらにつきましては、現在各省庁の共同研究という立場で、従来行政管理庁においても電子計算機の研究会を持っておりますし、研修も実施しております。また四十四年度から最も行政の機関で弱いSEの教育について、約十二週間コースを年に二回ということで計画を立てているのが実態でございます。そこでさらにこれらをどういうふうにホローするかという問題があるわけでございますが、閣議決定の四項目をさらに六項目の具体的な項目に選別いたしまして、四十四年度からこれを具体的に推進していくという立場をとっております。また、現在七省庁の審議官及び課長をもって一応幹事会という連絡会議をもっておりますが、これに伴いましてできるだけこれらの具体的な問題を取り扱っていくということを考えておりますし、先ほど先生からお話がありました問題で、やはり各省庁が縦割りにコンピューターを導入しておりますが、コンピューターの機能は横割りにあるわけでありまして、これらの問題から考察をいたしますと、一番多いのは防衛庁が二十五セット入っておりますが、そのほか十五、十四という、省においては相当な台数が入っておるわけでありますから、でき得るならば、省庁の中において、将来互換性を持たすための機種の統一とか、あるいはさらに省におけるセンター的なものを設けるべきじゃなかろうか。さらに拡大して、できれば今度はそれらの共通の業務については共同利用する、いわゆるセンター的なものが将来構想として考えられるべきだということで、いま検討の段階に入っておるというのが実態でございます。
#78
○大橋和孝君 時間がなくてこれで終わらせていただきます。いまちょっと清正さんのお話を聞きましたが、これは特に必要な問題でありまして、特に大臣のほうからも閣議の中で大いに反映はしていただけると思いますけれども、これをうまく徹底的に合理化というか、いいものにして、共通に使えるもの、共通にやっていけるというシステムを伸ばしてもらわないと、厚生省の中でやっておられることを私一例に出しましたけれども、いろいろ私ども聞くところによりますと、ほかのほうにもそういう問題があるわけでありまして、やはり行政レベルでおやりになっているいまの状態は、商社あたりでやっておる側からみますと、何と申しますか、ぬるま湯的な、あるいはまた非常に批判の的になっておるようでありますので、特に国民の税金からやられるわけでありますから、能率をよくするための働きというものを、もっとこの際十分に検討してもらう必要がある時期ではないか。特に運用の面、基本的な問題に対して、基本的な法則でも立てて、そういうものに照らし合わせてぴっちりやれるようなところまで踏み切ってもらう必要があるのではないかと思っておりますので、そういうことを早く進めていただくことを要望します。まだもっとたくさん聞きたいことをきょうは持ってきておりますけれども、時間がありませんから、これで終わらせていただきます。
#79
○国務大臣(斎藤昇君) 先ほど私申し落としましたが、総理も非常に御熱心でして、先般の閣議でも情報産業の問題に触れて、この点に言及をされ、そうして行政管理庁を非常に督励をされた、昨年八月の閣議決定の趣旨に沿ってさらに前進をするようにと。非常に御熱心でございますので、私らも、及ばずながら、その方向で一日も早く完璧なものにしたい、かように思っております。
#80
○委員長(吉田忠三郎君) 他に御発言もなければ、この程度にして、本日はこれにて散会をいたします。
   午後四時十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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