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#1
第061回国会 社会労働委員会 第18号
昭和四十四年五月六日(火曜日)
   午後一時二十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月六日
    辞任         補欠選任
     渋谷 邦彦君     田代富士男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    理 事
                上原 正吉君
                鹿島 俊雄君
                大橋 和孝君
                上林繁次郎君
    委 員
                黒木 利克君
                高田 浩運君
                徳永 正利君
                山下 春江君
                山本  杉君
                小野  明君
                藤原 道子君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  斎藤  昇君
   政府委員
       人事院事務総局
       職員局長     島 四男雄君
       厚生省公衆衛生
       局長       村中 俊明君
       厚生省医務局長  松尾 正雄君
       厚生省薬務局長  坂元貞一郎君
       厚生省保険局長  梅本 純正君
       労働省労働基準
       局長       和田 勝美君
       労働省婦人少年
       局長       高橋 展子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       警察庁刑事局保
       安部保安課長   小野島嗣男君
       労働省労働基準
       局監督課長    細野  正君
   参考人
       日本赤十字社人
       事部長      宮島 久義君
       日本赤十字社衛
       生部看護課長   岸井キミ子君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○社会保障制度等に関する調査
 (日本赤十字社の新看護体制に関する件)
 (看護婦等の充足に関する件)
 (麻薬の取締に関する件)
    ―――――――――――――
  〔理事大橋和孝君委員長に着く〕
#2
○理事(大橋和孝君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 本日、渋谷邦彦君が委員を辞任され、その補欠として田代富士男君が選任されました。    ―――――――――――――
#3
○理事(大橋和孝君) この際、参考人の出席要求についておはかりいたします。
 日本赤十字社の新看護体制について調査を行なうため、本日の委員会に、日本赤十字社人事部長宮島久義君及び日本赤十字社衛生部看護課長岸井キミ子君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○理事(大橋和孝君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○理事(大橋和孝君) それでは、社会保障制度に関する調査を議題といたします。
 ただいま決定しました参考人の方が御出席されておりますので、日本赤十字社の新看護体制について質疑のある方の発言を求めます。
#6
○藤原道子君 赤十字の方には、参考人として御出席いただきまして、御苦労さまでございます。
 今日、日本の医療は、看護婦不足からくずれるのじゃないかというくらいに、看護婦問題が重要になってまいりました。毎日の新聞やあるいはテレビ等を通じまして、これらの問題が取り上げられない日はないくらいに、いま大きな社会問題になっておることは御案内のとおりでございます。人事院が、夜勤は月八回、二人以上という判定を出されましてもう四年を経過したわけでございます。それにつきまして、当局が看護婦の増員計画にあまりにも不熱心だと思うのです。そういうことから、承るところによりますと、日赤では新看護体制というのでしょうか、こういうことを勘案されて、それをいま労組のほうへ提示されておるということを伺いましたが、さようでございましょうか。
#7
○参考人(宮島久義君) おっしゃったとおり、本社側から労組側に対しまして、新体制と申しますか、月八日、二人夜勤ということにつきまして提案申し上げております。
#8
○藤原道子君 御案内のように、いままで病院勤務の看護婦従業指針という中で、これは二十三年に制定されておりますが、準夜勤とは午後十二時までかかる勤務、深夜勤とは午前零時より午前八時までの勤務ということに相なっております。それから労働基準法の第三十七条におきましても、深夜業務とは午後十時より午前五時まで。厚生省では、こういう指針できょうまで指導してこられたと思います。ところが今度看護婦が足りないから、人事院判定が月八日、二人夜勤というようなことで出されたので、いろいろ御苦労のことはわかりますけれども、いまでさえ看護婦さんの過労は目に余るものがある。にもかかわらず、あなたのほうでは、人が足りないから新体制でやるのだ、こういうふうなことを言われておりますそうでございますが、これで一体やれるのでしょうか、からだに無理なくやれるという確信を持ってこういう提案をされているのでしょうか。
#9
○参考人(宮島久義君) お答え申し上げます。
 看護婦さんの現在の勤務体制は、特に夜勤の関係の人事院判定から見まして、それをオーバーしているということがあります。そこで、月八日以内、夜勤二人という線が人事院から出されておりますから、私どもといたしましても、種々検討いたしまして、どういう形で実行できるのかという点を十分検討いたしました結果、現在の看護婦さんの、何と申しますか、転勤ないしはやめられる、それを充足し、さらに増員するというようなことにつきまして、厚生省の資料などもいろいろ拝見させていただきましたし、私どもの看護婦の養成の実態なども勘案いたしまして、実行できるその線というのは何だろうということを探究いたしました結果、現在の体制のままではどうしても増員ができそうもない、これは物理的に充足が困難じゃないか。月八日以内、夜二人ということをやる場合に、たとえば人事院の線というのはいろいろあやがあると思いますが、そういう線で考えましても、これを充足することが物理的に可能性が非常に乏しいのじゃないかという点と、もう一つは、たとえば物理的にそれが可能であったといたしましても、現在の医療費――最近この問題に何らかの解決があったといたしましても、なかなかそういう医療費のもとでは経済的にも困難じゃないかというような点を考えまして、新しいシフトを組合に提案したわけでございますが、いま藤原先生がおっしゃいました過労の点につきましては、私どもも十分考えたつもりでございます。すなわち労働衛生的に、少なくともいまよりも悪くならないように、それから看護婦さんも、これは結婚していらっしゃる方も、未婚の方もあるわけでございますが、そういう方たちの通勤勤務というような点と、それから勤務以外における人間生活と申しますか、そういう点においていまよりも改善されるというような点を十分検討して、御提案申し上げているつもりでございます。
#10
○藤原道子君 人が足りないからできない、足りたとしても、いまの医療単価では病院経営上増員が無理だとおっしゃったわけですね、かいつまめば。だから、いまの人員でこれを何とかこなしていこうということだと、私は拝承いたしました。いまの医療単価でやれないならば、これはやるべき方法はあると思います。何でもかんでも看護婦のほうにしわ寄せがいっております。あなたはいまより悪くならない、こうおっしゃいました。ところが、私の手元にございますこの資料からまいりますと、A班、B班、C班、こう分けていらっしゃいますね。A班は朝の八時から四時までですか。それからB班が四時から十二時まで、C班が十二時から朝の八時というふうに相なっております。間違いございませんか。
#11
○参考人(宮島久義君) 勤務の時間割りの前にちょっと申し上げますが、私どもは絶対に増員をしない、いまの人員の中でやりくりするというように御提案しておるものではございません。現在の体制のままではとても充足し切れない、経済も許さないということで、新しい勤務体制のもとで本格的な増員を考えるなら考えるべきだ、こういうことで御提案しておりますので、この点申し上げさしていただきます。
 それから勤務の時間割りの点は、いまちょっと聞き漏らして、まことに申しわけございませんでしたが、私どもが組合に提案しておるものは、四シフトでございます。Aシフトが八時から十六時四十五分、これは拘束が八時間四十五分になりますが、途中の休憩を四十五分、したがって実働が八時間、こういうふうに考えております。それからBシフトが十六時から二十二時まで、これは拘束が六時間でございますが、そのまま実働の六時間でございます。それからCシフトが二十一時四十五分から朝の八時十五分まで、これは拘束が十時間三十分となりますが、これには休憩、仮眠の時間を二時間とりまして、実働を八時間三十分としております。それからもう一つAというシフトを考えまして、八時から十二時までの拘束四時間、実働四時間というシフトを考えております。これも標準的な五十床の病棟についての一応の例示でございまして、病院によっていろいろくふうをしてもらうということや、同じ病院でありましても、ベッド数が多い病棟や少ない病棟、あるいは混合病棟とか、重症病棟とか、それから新生児の病棟とか、そういうところについては、それなりのくふうをしてもらうということでございまして、ごく標準的なものとしてこれを提案しておるわけでございます。
#12
○藤原道子君 御案内のように、看護婦は何時までと相なりましても、それから申し送りをするのですね。申し送りに三十分ないし一時間ぐらいかかる場合がある。それから往復の時間はどう考えていますか。平均して五十五分ぐらいが看護婦さんの往復時間のような統計が出ております。そうすると、申し送りが十六時ですか、いまのあなた方から伺ったのでは。そこで申し送りを済ませて、それから五十分かかってうちへ帰る。うちへ帰って、そうしてまた出て来るのに約一時間前後の時間がかかる。そうすると、これは一体どうなる。うちに居る時間なんて非常に少なくなってしまう。これで家庭持ちの看護婦さんが満足して勤務ができるかどうか。それが一つです。
 いま一つは、二十一時四十五分から八時十五分、それで仮眠を二時間とします、こうおっしゃる。ところが、仮眠の設備はどうなんです。労災病院でこうした勤務体制をやっているようでございますが、いろいろ問題が起こっているようでございます。仮眠といっても、ばたばた同僚が働いているときに眠れるでしょうか。あなたは現場においでになったことないでしょうから、涼しい顔をして二時間の仮眠を与えますと言う、これは言うべくして行ないがたいことなんです。アメリカあたりへいっても、仮眠の部屋というのはまことに静かで、まっ暗にして、昼間でもぐっすり眠れるような設備ができております。日本のようないまの医療施設の中で、仮眠時間を二時間与えます、あるいは休憩四十五分与えるから実働八時間でございますと、あまりにも現場を知らない言い方だと思う。いまの看護婦さんで労働基準法どおりに休んでいる看護婦さんがあるとお考えになりますか。私は、いま労災病院でもいろいろ問題が起こって、それでまた新たな方法を考えているやに伺っております。日赤ともあろうものが、人権を無視したようないまのやり方ではだめだから人事院が勧告を出した。それであなたのほうは、これでいけば準夜が切れるから、それで深夜だけで八時間、月八日ができる、これならば文句はないだろうというようなことを言っていらっしゃるようでございますが、人事院の勧告は月八日なんでございます。そうすると、二十一時四十五分からとすれば、これは二日にまたがるわけですね。これに対する解釈はどのようにしておいでになるのでしょうか。人事院の勧告は、全医労から要求されて出たのでございますが、準夜、深夜を含めての全医労の要求だった。それに対して人事院勧告は月八日でございます。八回とは言っていない。いかがでございましょうか。
#13
○参考人(宮島久義君) 家庭持ちの方たちにつきましても、私どもは考えたつもりでございますが、ただいまの勤務体制は朝の八時から十六時まで、十六時から二十四時まで、二十四時から朝の八時まで、こういうことで、従来、夜中の十二時の交代につきましていろいろ苦情があったわけでございます。できれば、まさに避けたい交代の時間でございます。そしてまた看護婦さんの実態といたしまして、全寮制と申しますか、看護婦さんが全部近くの寮から通われるというようなことから、だんだん家庭持ちの方もふえてまいりまして、外から通われる方が多くなってきているというようなことで、十二時の交代というものは避けられたら避けるべきじゃないか。未婚の方でも、結婚されている方でも、とにかく避けられれば避けたほうがよろしいと、こういう考慮が一つ入っております。
 それから、仮眠の設備につきましては、現在のところ完備しているとは申し上げかねます。しかし、私ども、この新しい体制をとるにつきましては、各病院で十分仮眠ができるように、有効な仮眠ができるようにその設備を進めさせる覚悟でございます。そういう点も含んでおることを申し上げたいと思います。
 それから、なるほど仮眠の時間が与えられても確実に休めるかという点になりますと、これは急患などが出た場合にはなかなか困難な場合があろうかと思います。したがって、そういう点は、夜二人つけても、三人つけても、たとえば救急病院なんかの場合には、急に交通事故でうんと送り込まれたというようなことなどがあった場合には、こういうものを設けておりましても、確実に仮眠なら仮眠、休息なら休息、休憩なら休憩の時間がとれるかというと、とれない場合もございます。そういう場合には、やむを得ず仮眠の時間にも働いていただかなければならぬかと思いますので、それはそれで対策を立てていかなければならぬかと思いますが、それと同時に、ここで申し上げておきたいと思いますことは、日赤の労働協約による実労働時間が週に三十九・五時間になっております。これはもう非常に短い実労働時間だと思います。そういう中でやりくりして、それぞれのシフトを組むわけでございますので、その点も御考慮願いたいと思うのでございます。
 それから、人事院が、なるほど準夜と深夜を含めて月八日以内にと、こういうことを言っている点は承知しておりますが、今度のシフトのように、二十一時四十五分から朝の八時十五分までというふうに組みましたものは、人事院のお考えもありますが、労働基準法などで特に問題にするのは、午後の十時から朝の五時までの深夜業でございますので、その点を特に重視いたしまして、その回数を月八日以内に持っていく実効性ある案というふうな考え方でこの案を提案しているものでございます。
#14
○藤原道子君 日赤さんが、労働時間が三十九・五時間、非常に少ないようにおっしゃる。ところが、夜勤の調査なんか見ますと、日赤が一番多いんですよ。私は、看護婦問題というのはあとだというから控えるんですけれども、ひどいところは十八時間も十九時間もしている。それがこの体系ではたしてやれるかどうか。私がいまさら申し上げるまでもないんですけれども、二十三年のこの医療法の施行規則によると、あの当時には付き添いを認めた上での四人に一人、四床対一人なんです。その付き添いは保険料から出ていたはずなんです。ところが、その保険料からの付き添いがはずされて完全看護、それがまた七、八年して完全看護といえば何でもかんでもしてもらえるという錯覚を起こすから、だから基準看護にするのだ、こういうことに推移してきたことは、看護課長さん御案内のとおりです。付き添いがいる上に立っての四床に一人だ。それが付き添いははずされたんです。しかも、雑役とかいうものは別ワクにあったはずなんです。五、三、一といっていたのが、いまでは四、四、二というふうに改められた。看護婦さんの活動というものはどれだけ忙しいかということを御案内なんでしょうか。看護婦さんで健康上何ら支障ないという人は少ない。一生懸命、妊娠したらこういうふうにするんですよ、こうしなければいい子は生まれませんよと指導をいたしている看護婦さんに異常産が、統計によっても、五〇%も出ているじゃありませんか。いかに看護婦が過労であるかということは、私が申し上げるまでもないんです。だから子供ができたらやれないからやめていくんです。優秀な看護力がちまたに二十七、八万もいるんですよ。この人たちが働けるにはどうするか。まず看護婦さんの待遇を変えなければいけない。働きいいようにしなければいけない。看護婦が健康で、喜んで献身できるような対策を考えるのがあなた方の使命じゃないかと思う。それを増員をするにはいまの医療単価ではできない、病院経営上もできない、はっきり言っていらっしゃるじゃございませんか。ということになると、病院経営上できないから、しわ寄せは看護婦のほうにいってもいいとおっしゃるのか、この新看護体系から――体制というんですか、何だか知らぬけれども、これからいくと、看護婦は楽になるんですか。いまの人員で、ふやさなくても八回の看護はできるというようなことをちゃんとあなた方が言っていらっしゃるでしょう。けれども、はたしてできるかどうかですよ。往復という時間に約二時間取られるのですよ、看護婦は。それからいままで深夜に帰る場合にも、病院として、そのままかってに帰れというような態度は間違っている。深夜に女性を帰すなら、やはりこれを送り迎えするようなことも厚生省だって考えなけりやならない。そのために事故の起こっている例はあるじゃございませんか。それから、九時四十五分に交代すれば早く帰れるからいいとおっしゃるけれども、申し送りその他があるということは看護課長さん御案内だろうと思う。その他また救急だ何だとあれば、帰るときにも帰れないということが間々起こってくることは想像できるじゃございませんか。絶対そんなことはない、十一時四十五分には帰るのだと、はっきり言い切ることができるでございましょうか。
#15
○参考人(宮島久義君) 看護婦さんの働きやすいように、あるいは人間生活をするのにといいますか、便宜が阻害されないように、あるいは楽しさの点なんかも考えなければいけないと思いますが、そういう点は考えておるつもりでございます。これは重ねて申し上げたいと思いますが、まず申し送りのために時間が足りないじゃないかと、こういう御意見のようでございますが、通常の場合、私どもはこの勤務の中で申し送りはできる。特別何かございましたときに、いま先生が御指摘になったように、その交代の時間のちょっと前にどかどかと何か急患でも来たというような場合にどうなるかというような、そういうレアケースはあるかと思いますが、通常の場合、私どもはこの時間で申し送りはできるのじゃないか、こういうふうに考えてシフトを組んでいるものでございます。できるだけ働きやすく人間生活もあまり阻害されない勤務ができるようにということは、十分考えているつもりでございます。
 それから、増員の関係を全然考えていないということではなく、もう一度申しますと、現在のシフトで月八日以内、夜勤を二人以上ということにいたしますと、これはもうとてもそのめどのつかない増員になると、こういうふうに私どもとしては考えてやっているものでございます点を、もう一度申し上げさせていただきます。
#16
○藤原道子君 これはたいへんなことだと思う。このほうが看護婦さんが働きやすい、それから申し送りは普通の場合にはこの時間でやっていけるんだと、特別なことがある場合には申し送りに手間もかかるけれども、普通の場合にはこの時間でぱっぱっと申し送りを、引き継ぎをしているというように、いま言われたようでございますが、ほんとうにそうですが。いままでやった患者の状態を次の看護婦さんに申し送るのは、これは常識じゃありませんか。医者からこういう注意がある、この患者はこういう状態だ――私聞き及ぶところでは三十分、どうかすれば重症等をかかえているときにはもっと時間がかかる、そんなこと知らないはずはないでしょう。私たちしろうとだと思って、あまりいいかげんな答弁してもらっては困る。そういう点でもう一回聞きたい。
 それからもう一つ、厚生省のこの病院勤務看護婦従業指針では、準夜勤とは十二時まで、深夜勤とは零時からというふうになっておりますね。これに対しては、厚生省と相談の上でこういう体制に切りかえる方針を出されたのでございますか。それもあわせてお伺いいたします。
#17
○参考人(宮島久義君) 先生、たいへんすみませんが、最後のほうは、いま申しました新シフトの点でございますか。
#18
○藤原道子君 はい。
#19
○参考人(宮島久義君) 申し送りの時間につきまして不足ぎみではないかという点の御指摘でございますが、これは検討した結果申し上げたつもりでございますけれども、なお検討してみたいと思います。
 それから、このシフトを組むにつきまして、特に厚生省に御相談を申し上げてやっているわけではございません。日赤が独自に考えてやっているものでございます。
#20
○藤原道子君 大体において、看護婦の勤務を日赤あたりでは相変わらずナイチンゲール精神というようなことでやっていると思う。ナイチンゲール精神の真意をあなた方は理解しない。都合のいい点ばかりを強調しておいでになる。非常に私はその点が残念でございます。第一、高等学校を出て三年学校でしょう。それで国家試験を受けるのです。それで非常な待遇が悪いのですよ、ほかの短大とか大学出の人たちに比べて。勤務も変則なんですよ。よりよき方向へと考えていかなければ、看護婦の充足はできません。ことに、あなたのほうでは、看護婦が足りない足りないと言いながら、看護婦の養成に対してはどういう方法でやっておいでになるか。幾ら養成しても歩どまりが四〇%くらいだからというようなことも言っておいでになるやに聞いておるのですが、日赤で法どまりは四〇%か五〇%か知らないけれども、国家試験を受けた看護婦さんたちは、自分が選んだ職務でございますから、看護婦をそうやすやすとは捨ててはいかない。これには厚生省にも責任があるので、看護婦の養成を、何といいますか、日赤の責任においてさせるというところに問題がおる点は、これはあとの追及といたしまして、看護婦になりたい人が六倍からの競争率である。しかし、相変わらず、五人か十人ふえればいいほうでございまして、旧態依然、それで看護婦が足りない足りないと言って、ましてやめていく人があるから残った人に重労働がかぶさってくる。これは御案内のとおりなんです。それならどうするかというふうなことを考えてはいただけないのか。二日にまたがる深夜勤なんということは私は了承できない。
#21
○参考人(宮島久義君) 看護婦さんの勤務が通常勤務から見まして変則の勤務であるということは、私どももよく認識しているつもりでございます。待遇の点では、国家公務員の線にのっとっております。ただ、この体系は国家公務員の線にのっとっておりますけれども、各病院で若干の差はありますが、初任給は平均して三号くらいからやっておりますから、国家公務員の場合と比べますと、若干上から出発しているというようなことで、この賃金のほうはさまっております。それから歩どまりの点でございますが、何か私どもが公式の場でそういうことを言ったということで御指摘になったかと思いますが、たとえばこの間四十三年度の卒業者の関係で見ますると、八七・一三%ですか、これが日赤に残るわけでございますが、この残りの者も半分以上が進学などで残るということでございますが、残る率は非常に高いわけでございます。それから、看護婦の数も、ここ数年、毎年若干ずつやめていく者と、充足する者、充足する者は日赤の学校を出た者だけじゃございませんで、現に村にいて資格を持っていらっしゃる看護婦さんなんかにも出てきていただく場合がございますが、若干ずつふえておりまして、現在の医療法の線から考えますと、正看と准看で一〇六%程度を占めておりますし、そのほかに看護助手が約二割程度おります。そういう状態でございます。
#22
○小野明君 関連。
 先ほどあなたのお話の中に、こういうくだりがありました。二・八(ニッパチ)を実施しますとね、とてもめどがつかない増員になる、こういうお話がありました。今度、新看護体制か何かしりませんが、たらい回しをおやりになっているようですけれども、結局二・八という人事院の判定、これを忠実に実施をしようという気持ちなり、そういうものが全然ないということがあなたの表現で明らかになっておるわけです。これは増員をしよう、やっぱり二・八を順守しなければならぬ、こういう計画なり、決意というものが人事部長におありかどうか。それがなければ、人事院の判定も何もこれは役に立たぬ。そのことをまずお尋ねしたいと思います。
#23
○参考人(宮島久義君) ことばが足りないかもわかりませんが、人事院判定の線は、日赤におきましては尊重する立場で、対策を立てるということは、内部ではっきりそういう決意をしておりますことを申し上げます。
 それから二・八にいたしますと、増員になるので、これは避けるのだというような言い方をしたかもわかりませんが、そうではございませんで、現在のシフトのままでやった場合に、私どもは先ほど申しましたように、物理的にも、経済的にも非常に困難がある。そこで人事院の線を尊重しながらこれを実現するには、具体的な方法としてどういう線があるだろうかということで、考えた末たどりついた案でございますので、その点申し上げます。
#24
○小野明君 関連だから、あまりくどくは尋ねたくないのですが、人事院の判定を尊重なさるという決意が幹部の中におありである、であるとするならば、何年計画で、たとえば三年なら三年という計画でもってこの判定を実現をしていく、こういう具体的な数字、計画がなければ、尊重するとおっしゃっても、これはうそにしかならぬ。ですから、先ほどのことばで私が感じましたのは、とてつもない数字になる、こういうことばですから、二・八をやるとしたら、この数字あたりもはじいていないのじゃないか、一体幾らになるという数字もおわかりになっていないのじゃないかという気がするわけです。ほんとうに尊重なさるというならば、一応シフトがえをおやりになって、そして何名を充足し、何年計画で二・八を実現する、こういう計画がおありだろうと思うが、その辺も説明をいただきたい。
#25
○参考人(宮島久義君) 正確な数字というものはなかなかつかみかねておりますけれども……。
#26
○小野明君 概数もわからぬじゃないか。
#27
○参考人(宮島久義君) 大体やめる数は――実際に看護婦さんという職業から離れられる場合、これが含まれておりますが、やめられるのが、これは病院によって違いますけれども、一割ないし二割程度がやめられます。そして現在のシフトのままで人事院の線を実現しようといたしますると、これは四割程度は増員せなければいけないというような点は検討しているのでございます。
 今後どういう計画でやるのかということでございますが、ただいま中央組織の組合が三つございまして、これに提案しておりますので、組合とよく相談をいたし、了解をとった上でこの案を実施に移していきたい。その場合に、各病院ごとにどの程度どうなるかということは、先ほども申しましたが、病棟の編成が区々であったり、たとえば夜勤の場合に二人でも足りないと思われるような重症病棟だとか、混合病棟だとか、それから新生児の病棟、そういうところなどもいろいろございますので、その点をよく検討いたしまして、実行案をつくっていく。なお、これをやるためには、いままでの設備などでは足りない面がございますので、そういう点も設備していかなければならないというような点、いろいろございます。
 それから看護婦さんの資格を持っていらっしゃる方をなるべく有効に使っていくような考え方もありまして、東京の大森病院なんかで最近始めておりますが、夜勤専門の方をお願いいたしまして、夜勤回数のほうをできるだけ少なくするようなことを進める。いろいろあるわけでございますが、そういう線で、ただいまのところ、組合のほうに私どものほうで御相談を申し上げて、漸次はっきりした線に持っていきたい、こういうふうに考えております。
#28
○小野明君 まあ病棟によって特殊事情があるなんということは、それは私もよくわかっておるのです。ですから、私がお尋ねをしたいのは、組合とよく話をいたしましてというのですけれども、あなたは人事部長という責任の地位におられるのです。ですから、何年計画かでこの充足計画をおきめになるとしたならば、そういった実態調査がまずなされておらなければならないわけです。この病棟には何名、この病棟には何名、二・八を基礎といたしまして、そういった実態調査がなされておらなければならぬし、その上に立って、二・八実現の何年計画という具体的な計画というものが組合に提示をされなければならぬ。ところが、いまお話を承っておりますと、組合と御相談を申し上げておりますというのですが、そういった具体的な計画というものが組合側に提示をされておるのかどうか。それに至るまでのこういったシフトがえであるのかどうか。どうもお話を承ると、これ自身でやりくりばかりをして、とても二六実現の計画なんというものは片りんだもうかがえぬような気がするわけで、少しことばがきびしいようですけれども、実際はそういった計画がおありでないのではないかということを懸念されるわけです。再度ひとつ御説明をいただきたいと思います。
#29
○参考人(宮島久義君) 個々の病院につきまして、具体的にそれぞれ何人何人というような線は立てておりませんけれども、およそのめどはつけているわけです。全国的な線でおよそのめどをつけて、まず、何といっても、組合との間でこの基本的な方針について話をきめてまいらなければいけないということで御提案しているのでございまして、その団交の中で、これに伴ういろいろな点について話し合いも現在いろいろしているようなわけでございますが、何年計画で何人増員になってどうするというような点までは、はっきりと組合のほうに提案しているわけでもございませんし、また正確な数字をここで御説明する段階には至っておりません。
#30
○小野明君 二・八が実現をいたしますれば、組合が反対するわけないじゃないですか。それから大かたの数字といいますか、具体的な個々の病棟についてどうだ、こういう具体的な積算の基礎というものがはっきりしないで全体計画ができるわけがないじゃないですか。ですからもし人事院の判定を尊重するということであれば、こういうたらい回しみたいなわけのわからぬことをされるよりも、そういう計画的なきちんとしたひとつ計画をお立てになるように要望をしておきたいと思います。
#31
○藤原道子君 組合側と折衝してきめると言うが、組合側が反対した場合にはどうなさるんですか。日赤の前橋支部で、本社の方針とは違うけれども、いまと同じようなことでやってみたけれども、とても体が持たないという看護婦さんの主張で、結局取りやめたはずなんです。深夜に入る前には一時間なり、二時間なり若干仮眠してから勤務に入るから深夜勤務もつとまる。今度は何にもない。ことに本社のずるいのはここにあらわれてますよ。夜勤といえば十時からですよね。だから九時四十五分なんてことで切っちゃって、全体の計画もないままにこういうふうなやり方、何べんかあなた方がやり直したことが出ておりますよね、私が拝見するところによると。それから組合とあなた方が交渉なすったことも、私全部承っております。組合は絶対に反対でございますよ。看護婦もふやさないで、変則勤務をさらに変則にして、それで看護婦の業務がつとまるんでしょうか。それよりも、いま四対一ではとてもできないから、医療法の規則の改正をしてほしいと、それからいまの医療経費ではやれないならば、これをどう解決するか、国の低医療政策のしわ寄せを受けているんですから、もっと公の負担を増大して看護婦をふやす、ふやすにはどうするか、それには養成の面、待遇の面、こういう面を考えてやろうとするあたたかい気持ちはないのですか。日赤ではずいぶんきびしい勤務でしょう。日赤で四十二年の六月に看護婦さんが血圧二百四十にもなって死んだ例が出ておりますよね。これは旭川の日赤病院。こういうふうに看護婦は命をすり減らして働いているんですよ。これ四十二年の六月でございます。まだあったと思うんだけれども、急ぐもんだからちょっと見当たらないんだけれども……。日赤では幾つも出ている。こういう無理な勤務をさせておいて、さらに人事院判定を何とかうまくごまかそうと思って、需給計画がつかないままに、いまの小野さんのお話にあったように、たらい回し勤務、こういうふうなお考えをなさることは、あまりにも実情に沿わない。とにかく労働組合と相談をして決定すると言った、いま。これは私はかたく覚えさせていただきます。どうか働く人が安心して、喜んで勤務につけるような体制をつくっていただきたいのです。ことに、一人夜勤がまだ日赤には相当あるはずでございます。どこでどうだというんなら私申し上げますけれども、時間の関係がございましてそこまで言えない。相当夜勤の一人勤務がある。二時間の仮眠なんてことは、これは絵に書いたぼたもちで、できっこない。それで、この看護婦さんというものは患者に接触する時間はどのくらいですかという問いに対して大体十二分。検温するといっても、インターホーンで、いまから検温します、どうぞ患者さんははかってくださいと、これで看護業務がつとまっていると言えるでしょうか。しかし現場ではそうしなければやれないのですよ。こういう点も、天下の日赤と言われるところで模範的な体系をぜひ示していただくよう心から要望いたしまして、私は、次の、厚生省への質問でございますので、この程度にしたいと思います。ほんとうに労働組合とよく話し合ってください。私みんなここにあるんですよ。一問一答をみな私伺っておる。これでは働く人は承知いたしません。どうぞお願いしたい。
#32
○理事(大橋和孝君) では、ほかに発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。
 参考人の方にごあいさつをいたしますが、本日は、御多用中のところ、御出席いただきまして、まことにありがとうございました。
    ―――――――――――――
#33
○理事(大橋和孝君) 続きまして、次に看護婦等の充足に関する件についての調査をお願いいたします。
 御質疑のある方の発言を求めます。
#34
○藤原道子君 私は、本委員会でたびたび看護婦問題のことについては取り上げてまいりました。そのつど厚生省からお答えをいただいておりますが、検討いたしますとか、努力いたしますというようなことで、何だかばかにされておるみたいな気がする。国際的にも日本の医療水準は群を抜いている。その日本でいまのような医療労働者の状態がよろしいと医務局長はお考えでございましょうか。私は、きょうは、各委員からも御質問がございますので、従来御質問いたしました点は避けまして、具体的な問題について若干お伺いをしたいと思います。
 いまも申し上げましたけれども、最近の新聞に看護婦問題のあらわれてない日はないと思う。特に朝日の追跡調査などは頭が下がるような努力をされて、その実態が報道されていますことは、御案内のとおりなんです。特に、いままでは非常に看護協会などはお上品でございましたけれども、その看護協会が見るにたえないで、がまんできなくなって、健康を守る看護大会、これを開かれて、市中デモ行進までされておるということは、よくよくのことだというふうに医務局長はお考えにならないでございましょうか。
 この看護協会の決議を見ましても、「近年、病院における過酷な条件下にある看護婦の夜勤の改善がさけばれ、全国的に強い要望としての運動が展開されている。これはひとえにわが国医療行政の貧困が起因して、看護職員の絶対数の不足をもたらしたためである。よって私共保健婦・助産婦・看護婦は、国民の健康を守る役割を果すために」、次の三項目の実現をはかりたい。「保健婦・助産婦・看護婦の質をさげないこと。保健婦・助産婦・看護婦学校の増設による大巾な人員増加をはかること。労働条件や待遇改善によって離職者の防止をはかること。」、看護連盟からも同様な決議がなされ、市中行進さえされたということは、これはよくよくのことだと思います。
 あなた方は労働組合あたりの言うことはあまりお取り上げにならないけれども、毎日の新聞、最近だけでもこのように出ている。これを読まれて、大臣は、看護婦不足に対して真剣にお考えいただいていると思いますけれども、まずその点から、さらに人事院判定に対しても、その対策、あるいはまた看護婦の充足計画、こういうものについて取り組んでおられるということを聞きましたが、どの程度までそれが進んでいるか、これを伺いたい。各地方におきまして、県立とか、市立病院等が自主的なプランを組んで要求に入っております。これらのところで、多くは、ことし何人増員いたします、来年何人、三年後には解消いたしますと、はっきり書いている。三年後に、はたして看護婦の需給が正しくできるものでございましょうか。きょうはだまさないでください。真剣な御答弁を伺いたいと思います。
#35
○政府委員(松尾正雄君) 医療従事者の中で、特に看護婦の数の少いということにつきましては、厚生省といたしましても、非常に痛感をいたしておるわけでございます。したがいまして、従来からいろいろな養成計画等を助成して今日までやってまいりましたけれども、その後のいろいろな条件というものを加味いたしましたならば、従来やってきましたようなベースでもって看護婦の養成というものを考えていくということでは、とうていこれは間に合わないという意識に立っております。したがいまして、いままでの需給計画のようなやり方では、同じことを繰り返すのではなかろうか、したがいまして、新しい角度からこれをいろいろと積み上げてまいらなければならない、その作業をいま急いでいる段階でございます。私どもも、地方におきますところの増員関係につきましてのいろいろな妥結状況ということは、逐一承知をいたしておるわけでございますが、やはりこの計画を実現をいたします過程において、ただいまの需給計画もやはり非常に急ぐ部分と、より長期的な部分と、いろいろかみ合わせて対策を考えなければ、先生おっしゃるような、申しわけない事態になるのではなかろうか。ただいまそういう具体的なセットにいろいろ苦心をしておる段階でございます。
#36
○藤原道子君 それは、いつごろできるのですか。
#37
○政府委員(松尾正雄君) 私自身の気持ちといたしましては、できれば今月のうちに大綱は全部きめてしまいたいと考えております。
#38
○藤原道子君 先ほど来お聞きのように、苦しまぎれに各病院でそれぞれ変則勤務の状態が立案され、実行に移されつつある。先ほども言いましたけれども――保険局長来ていますか。二十三年の発足当時には付き添い婦は保険給付になっていたのですね、それで四対一だったのです。それが二十五年に国の統制下にない付き添いは困るというので、はずされたはずでございます。それで完全看護になった。けれども、人員はふえてないのですよ、四対一から。四対一ということは人聞きはいいんですけれども、一人が十三人ぐらいの患者を見るということになるのですね。ところがまた三十三年ごろになったら、完全看護といえば患者が何でもかんでもやってくれるという錯覚を起こして迷惑だから、これは基準看護に変えましょう、こういうことになって、三十三年から基準看護と呼び名を変えてきょうに至っている。付き添い婦をとっておいて、それで四対一だ、基準看護とはいかなるものでございますか。これで看護ができると当局はお考えになっているのでしょうか。何のことはない、保険からはずされて、保険財政を守っていくために患者の方に付き添い料が転嫁された、こういうことになるんじゃないでしょうか。看護婦は重労働になる、患者の負担は増大していく。それをのほほんと見過ごしておいでになるあなた方の医療というものに対する基本的な考え方を、私は疑わざるを得ない。基準看護というのはどういうことか、お聞かせを願いたい。
#39
○政府委員(梅本純正君) ただいまの御質問の点と少し観点が違うかと思いますが、この際申し上げておきますが、率直に申しまして、基準看護と言われますその基準の一つの考え方といたしましては、付き添いがいないというのが一つでございます。この制度は、先生よく御承知だと思いますけれども、ちょっと数字を申し上げてみますと、現在、府県の指定医療機関になっておりますものは六千七百四十四という数字がございますが、それに対しまして、基準看護の病院というものは二千二百二十九。まあこれは大数観察でごらん願えばいいと思いますが、三三%でございます。私のほうの保険の支払いといたしましては、全国の被保険者から集められました保険料につきまして、現在三三%ございますそういう基準的なサービスをしておられる病院につきまして、一定のプラスアルファの加算を認めるという制度でございます。そういう状況でございますので、この三三%以外の病院につきましては、この加算を現在は支払っていない状況でございます。これは、一般に医療法の病院の規制を受けて運用をされておるそれ以上にやはりはっきりした、私のほうの保険の点から示しました基準に合致するかどうか、それに合致するからということで都道府県知事に申請書を出されまして、都道府県知事とのまあいわば契約のような形でございますが、私のほうの病院についてはこれだけの人員がそろっておる、付き添いをつけなくてもやっていけるということで都道府県知事にプラスアルファの加算を認めてもらいたいという申請がありまして、都道府県知事が認可をした病院、この三三%につきまして加算を認めておる、まず制度はそういうことになってございます。
 それとともに、先生おっしゃいました基準看護の前に完全看護その他の制度があったわけでございますが、確かに完全看護から基準看護にどうして変わったかという点につきましてはつまびらかでございません。ただ、おっしゃいますように、完全看護ということばに誤解があるというような点も一つの理由であったと思いますけれども、一つの支払いの、あるいは加算の基準といたしまして少し明確にしたという点が基準看護の点であろうと思いますが、この基準をきめます際におきましても、医療法の一定の精神をはずれるわけにはまいりません。ただし、そういう裏づけによりましてわれわれのほうとしましては現状にできるだけ合わせますように、看護婦という用語を使います場合には正看護婦、准看護婦というような形になりますけれども、保険の支払いとしましては一定の数の約二割ぐらいでございますが、看護助手という、名称のいかんを問わず、看護婦に協力する人も計算の中に含めまして、しかも一類、二類、三類――四人に一人、五人に一人、六人に一人というふうな一つの基準を設けまして、できるだけ実情に合わせまして全部看護婦さんでなければならぬというような形でなしに、こういう制度を運営しておるわけでございます。ただ問題は、全国のすべての病院における看護婦の待遇の問題と関連しました点数の問題、それからこういうふうに一定の三割程度の、プラスアルファのサービスをするから加算をくれという場合の基準看護の病院の問題、そういうような体系の問題も含めましての根本問題もございますし、それから診療報酬の点にひっかかってくると思いますけれども、この点につきましては、先生御承知のようにいままで諸種の事情によりまして十分なデータがございませんでした。そういうことで、最近におきましては根本的な調査も徐々に集計しつつございますので、中央医療協議会におきましては、調査の結果を待って根本的に検討するというふうな状況になってきております。現在の診療報酬につきましては、これが看護婦の分ということははっきりいたしておりません。すべての行為につきましてすべての技術料が含まれておるという制度になっておりまして、この問題がいいか悪いかは抜本的な、根本的な適正化のときに、被保険者の代表も交えた中央医療協議会において、検討するという約束になっておりますので、その答申を待ちましてわれわれとしては善処いたしたいと、かように考えております。
#40
○藤原道子君 そこがわからないのです。結局、四対一は、付き添いがあった当時にきめた四対一なんです。ところが、いまは付添婦がはずされても看護婦は相変わらず四対一。しかも四、四、二、この比率もいまやくずれております。こういうときに、はたしてあなた方の机上の計算から申しまして、正しい看護が行なわれておるとお考えでございますか。最近のデータを見ますと、一番看護婦さんの仕事量のたくさんある中でも重大であると看護学校で教わっておりますところの、いわゆる患者に対する接触看護、この点はほとんどやっているひまがない、かけ足ですからね。調査によりますと、接触は一日平均十分から十二分という統計が出ております。検脈には一分を原則とするのに、私も看護婦ですけれども、当時は心臓病でない限りは三十秒ぐらいで、二倍にして出しております。ところが、このごろは十秒ですよ。ちょっとでも心臓に故障があるとかいうような場合には脈にあらわれる。その大事な検脈がひどいところになると五秒、こうしなければ看護婦さんのからだがもたないのです。それから体温計は、ほとんど患者のまくら元に置いておいて、ただいまから検温でございます、おはかりくださいというような病院がだんだんふえている。これでも基準看護と言えるのでございましょうか。患者さんたちが非常に不安を覚えて、患者の緊張した気分を解きほぐしていくには、接触看護ということが非常に大事だと私たちは教わりました。いまの看護婦さんもやかましく教わっているはずです。けれども接触看護などしていたのでは手が回らないのです。五秒検脈で、検温はインターホーンで、いまからやりますからはかってください、こんなことを基準看護と呼んでおるところに、あなた方が患者の立場を考えた上での医療行政であるかどうか疑わざるを得ない点がございます。しかも、看護婦さんはそうしなければやり切れない。まあ日勤というのは平均して月に五日か六日です。これでは健康を害さないのがふしぎなくらいです。異常産が五二%ぐらいある。これをきょうまで黙って見てきた厚生当局が、私には納得いかない。だからこそ看護婦はやめていくのですよ。こういうことに対してどうお考えになっておりますか。看護婦は機械だから使えるだけ使えという気持ちなんですか。患者の不安をどう解消していくか。ここにも患者から訴えた手紙がたくさん来ている。非常に不安だというのです。それで入院しようと思えば差額ベッドでしょう。差額のないベッドへ入院しようと思えばなかなか入院できない。つい最近も子供さんが病院をさがしているうちに死んだ例があります。国民をこういう状態に放置していて、日本は大国であるとか、経済力が世界で第二番目といっていられるのでしょうか。命を守る大事な部面を担当しておいでになる保険局長、さらに医務局長、厚生大臣、どうお考えになっておるか、お聞かせ願いたい。
#41
○政府委員(梅本純正君) 基準看護の問題でございますので、私からお答えいたしますが、先ほども申しましたように、先生のおっしゃいます点はよくわかります。これは、やはり病院のあり方そのものの問題でございまして、近代の医学が進歩いたしましたし、病院管理学も非常に発達をしてまいりましたので、いわゆるナーシングユニット、その他の関係からいろいろ変化があろうかと思います。ただ、基準看護の問題につきましては、先ほども申しましたように、保険の加算の支払いの一つの基準でございまして、やはり一〇〇%から三三%を引きました残りの病院につきましては、この基準加算をとっていない病院がほとんどでございます。やはり先生のおっしゃいました、すべての病院につきましての一つのお考え、これを解決し、その上に立ちまして、いまこれは一類、二類、三類、全部含めまして三三%でございますので、その辺一類、二類、三類というふうな分類という基準がいまはきつくなっているかどうか。これは労働力の面と、それからそれを実施するに際しての点数の問題が低いかどうかというふうな問題と、二つに分けられると思います。われわれのほうといたしましては、この前の点数改定のときにおきましても、こういう基準サービス部面につきましては、二年前でございましたか、七・六八%引き上げましたときに、その七・六八%以上に一〇数%の引き上げを、基準サービス部面について入院関係につきましてはやってきたわけでございます。今後におきましても、点数の引き上げについては努力をしてまいりたいというふうに思いますが、ただ、人数の構成につきまして、先ほどのような正看護婦、准看護婦、看護助手というふうな構成、看護助手まで織り込みました基準をつくっておりました段階において、なおかつ全体のそういう運営について不足かどうかというふうな問題は、まずその六七%に当たる一般病院のあり方の問題と関連いたしまして、今後中央医療協議会、そういう点を舞台にしまして抜本的に御検討願いたい、願ってみたいと、こういうふうに考えております。
#42
○藤原道子君 一類、二類、三類と分けてやっている。それをいま執行しているのは三三%こういうお答えでございます。十分手が回らなくなるのはあたりまえじゃありませんか、付き添いを抜いているのだから。大阪の阪大病院で昨年八月でありましたが、起きましたね、基準看護の問題が。ここは一類の基準看護です。ところが、この病院では付き添いを置かなければやれない人が百名以上いたわけですね。大阪の大学病院です。それで付き添いを置くと一日に千四百三十円ぐらいかかる。阪大の例ですよ。この阪大の例を見ると、患者四・七人に看護婦一人、基準より多くいたのですよ。それでも百人以上の方が付き添いを置かなければいられない、こういう状態にある。大体、付き添いもなしに基準看護と称して、看護婦さんに仕事量を全部をやれといってもできないのですよ。阪大病院といえば天下の病院ですよ。そこにおいてすらこういう例が起きているということを、まずお考えになっていただきたい。これでも基準看護でやっていけると考えますか。
#43
○政府委員(梅本純正君) 率直に申しまして、各方面から、この基準看護の点数ではなかなか困難であるということはよく聞いております。ただし、先ほども申しましたように、たとえば阪大病院の問題につきましては、これがもし阪大病院が基準看護病院でないといたしました場合には、医者の必要と認めるときには付き添いを患者がおつけになる。そうした場合に、保険から療養費払いとして付添料というものは一定の――これは少額かもしれませんけれども、一定の額が償還できる制度になっております。ただし、阪大病院につきましては、それだけの人員をおそろえになって、大阪府の知事に、自分のところは基準看護でやっていくから承認をしてくれというふうに申し出られて、それに対して認可を与えられましたわけでございます。それの契約の条件――契約かどうか、ちょっと語弊があるかもしれませんが、はっきりと申しますと。条件としましては、自分の病院としては、付き添いをつけないで、看護婦で患者の適正な看護をやっていくということで、大阪府に申請書を出された。大阪府が調べましたところ、四人に一人の条件を満たす看護婦さんがおられたわけです。したがって、加算分をお払いをしておったわけでございます。御承知かと思いますが、加算分につきましては二十二点でございましたか、加算を認めておったわけでございますが、あの事件は、いまたまたまそういうふうに、病院が、いわゆる支払い基金を通じて保険者から加算分を取っておりながら、患者のほうが付添婦をつけられて、付添婦に付添代をお払いになっておる、そういうことでございますので、われわれといたしましては、その加算分が低いか高いかという根本問題はあるといたしましても、その経緯については、そういう形になっておりますので、基準看護の申請というものをはっきりやめていただいて、現在は、阪大病院は基準看護病院ではなしに、普通の一般病院と同じような形で運営をしていただいている。こういうような制度になっているわけでございます。
#44
○藤原道子君 私が言うのは、四・一を上回る看護婦でも基準看護はできないのです。それを言っているんですよ。付き添いをかってにつけたというけれども、付き添いなしにはいられない人がたくさんいるんですよ、看護婦さんが忙し過ぎるから。この間も当委員会で問題にしましたけれども、国立病院で、基準看護で、付き添いをつけちゃいけないと言われ、つけなかった。行って見たら、看護力は充足しておりながら、夕飯も、朝のおぜんも枕元に積んであった。それで家族の者が行って、おばあちゃん、おじいちゃん食べなさいと食べさしたら、少しは食べたというんです。看護婦さんが枕元で食べさせるだけの余裕がないのですよ、いま四・一を上回っていても。それを保険財政のたてまえからこういうことをされるのか、当時は看護婦だけだったのが、いまは看護助手も含めての四、四、二ですか、ということになって手が回らない。これで医療業務が成り立っていきますかということなんです。
#45
○政府委員(梅本純正君) まず助手を入れましたという関係は、基準看護にいたしまして人員計算いたしましたときから、当初から現状とよくマッチするようにということで、非常にかたく、看護婦さんだけでないといかぬという形でなしに、一定の比率をきめまして、二〇%程度は看護助手でもけっこうですし、それから最近におきましては実情と合わせる意味におきまして、正看護婦さんの一定の数を確保するような基準にはなっております。五割以上は正看護婦さんを確保するという形になっておりますが、それも実情に合いますように、少しゆるめた運営をやっておるわけでございます。それで先生のおっしゃいますように、これでやれるかどうかという問題は、全病院について、厚生省の指示のもとにこういう形でやるべきだという形ではなしに、やはり現行の保険制度におきましては、被保険者に対しましてこれだけの看護婦の数をそろえて、そして付き添いをつけたくてもいいサービスをしますから、私のほうの病院に加算をいただきたいと、こういう制度になっておるわけでございまして、確かにそういう点につきまして、これはこちらから指定したり、あるいは指示したりという制度でございませんで、各病院が申請をして、自分のほうはこういうふうにやりますから、何とか認めてくれというふうに、都道府県知事に申請をして、そして都道府県の係官が調べに行って、ちゃんと条件は整っておると、それではよろしいということで認可を与えれば加算がもらえる、こういう制度になっておるわけでございます。先ほど申しましたように、二千二百幾らかの病院が基準看護病院になっております。確かにこれは先ほども申しましたように、この基準看護病院におきまして、なかなかこの基準看護の点数では、申請をして認可はしてもらったけれども、非常に苦しいという話も聞いております。しかし、一面において苦しい、こういうことであれば、制度上は加算はもらわなくてもいいと、だから付き添いをつける制度に、もとのように変えるということも可能でございます。しかし、そういうことをせずに、せっかく加算がもらえておるのであるから、非常に苦しい点もあるので、こっそりと、一方は保険者から加算をもらいながら、一方においては付添婦をつけるというふうな事態が各所に起こっておりますことは、われわれもよく承知をいたしております。この問題は、先ほど申しましたように、やはり基準看護の点数の問題、それからひいて全体の看護婦に対する人件費の問題、一種の人件費の問題が、現行の診療報酬の点数においては、全部あらゆる行為の中に合められて、マクロで入っておるわけでございますので、この点はデータがそろいました段階において、中央医療協議会において抜本的に改正するという方向が一昨年の建議のときに合意をされておりますので、早急に検討されると思います。その検討を待って善処いたしたいと思います。
#46
○藤原道子君 言いわけばかりを聞くための委員会ではないと思いますので、一日も早くそれができるように、いまの現行下において、医務局長も厚生大臣もお聞き取りでございますけれども、ずいぶん無理がいっている。完全な看護どころではない、普通の看護もできないような状態下に置かれて、しかも看護婦さんは非常な過労になっておる。御案内でございましょうけれども、大阪の貝塚病院で、ある日十時ごろに救急車が来た。迎えに出た職員一同が患者の顔を見て、あっと声をのんだ。朝八時まで深夜勤務をして、それでさっき申し送りをして帰ったばかりの看護婦さんが救急車で運ばれた。あらゆる手当てを尽くしたけれども、正午過ぎにはもう死んじゃったんです。しかもこの看護婦さんは、副院長が診察をして、入院をするか治療をするか、いずれにしても勤務のできる状態ではないという診断がされながら、病棟婦長に連絡がなかったために、病棟婦長から魔の病棟といわれる産婦人科に配転して、出勤したとき頭が痛くて、机にうずくまっていたそうですけれども、深夜勤だ、患者が待っているんだという使命感から、エバアイスを頭に巻いて、勤務をして、朝八時に勤務を終わって帰って間もなく急変して、救急車で送られてきて、しかも朝八時に勤務を終わった病院で、若い命を失っているんです。これは貝塚病院だけではございません。全国で数えればきりがない。二、三年の間に四十件からの看護婦さんのこうした過労による死亡があげられておる。それほど看護婦は重労働をしてるんです。これをきょうまで見過ごしてきたというのはおかしい。知らないとは言えないと思う。最近の新聞紙上にこういうことが全部出ておるはずなんです。それでも看護婦の需給計画が立たない。人事院判定が四年もおくれて、今日やっと需給計画をいたしております、こういうことで済むでしょうか。保険局長は、とにかく保険財政だけが大事だという意味でなしに、患者の立場を考えて、しかもこのごろは保険で入院しようと思えば二カ月も三カ月も待たなければ入院できない。ほとんど差額ベッドでございます。あく病院を待っていて死んだという患者もあるんです。こういう実態を御承知でございましょうか。
#47
○政府委員(梅本純正君) 差額ベッドの問題につきましては、この一月にも調査の結果が出てまいりまして、これにつきましては、その前に厳重な保険局長通達を出してございますので、その線を守りますように、また、この正月に各都道府県の保険課のほうに厳重に指導監督をするようにというふうにしたわけでございます。ただ、この制度につきまして、いつもお話が出ますのは、こういうものを今後の問題として、いつまでも認めておくのかどうかという問題が一つございます。これは、たしか戦前の昭和十三年からでございましたか、認められておる一つの病院につきましての実績のある制度でございますので、われわれのほうにおきましても、やはりその歴史的な点もございますし、また確かに一部の患者の希望があることは事実でございますので、その点は、できるだけ乱におちいらないようにという形で、各都道府県の保険課を通じて指導を厳重にいたしておるわけでございます。
#48
○政府委員(松尾正雄君) 養成問題につきましては、厚生省としても相当の努力をいままでも払ってまいり、特に過去数年間におきましては、いろいろなそういう養成施設の強化ということに尽力いたしてきておるわけでございます。しかしながら、率直に申し上げまして、いま先生も御指摘のような事態かと存じますが、国民の医療需要というものは非常にふえてまいりました。特に、入院のベッドに対する期待も大きい、こういう背景もあろうかと存じます。最近のところ、一年に約四万二千ベッドのものがふえているわけでございます。したがいまして、一方では養成に非常に努力をしてまいったとは申しながらも、その一方において、需要側のほうの増加というものもまた非常に顕著でございます。こういったような背景の中で、御指摘のように、なかなか思うようなところで充足が十分にできない、早急にできない、こういう事態が出てまいっていることは、私どももよく認識をいたしております。先ほど来四対一のお話もいろいろ申されておりました。これはやはり医療法の基本の問題かと存じます。四対一という標準の数字というもので、これがかりに基準看護に守られようと、実態としては十分な看護ができないじゃないか、この点もやはり医療の変化に上りまして、医療の中身が変わってきております。したがいまして、看護婦さんのいろいろな診療、介護にいたしましても、また患者の質におきましても、それぞれ態様が変わってきておるということは、十分考えているつもりでございます。ただ、看護婦の数は、本来からいいますと、画一的にどこでも、幾らあればいいんだということを青めることは、本来むずかしいと思います。本葉は、患者の病状に応じ、性質に応じた数で配置太れることが望ましいとは思いますけれども、それは申し上げても、なかなか一つの標準をつくり上げるというわけにはまいりません。ただいまの、そういう画一的ではできないという性質も一応ございますので、看護サービスというものがどの程度であれば患者さん方もすべて満足されるかということも、これもその限度をきめるということは、事の性質上非常にむずかしい問題があろうかと存じます。ただ、数は単に四対一というような、医療法の従来ありました基準、これをそのまま据え置いて今後の需給計画を立てていくという態度はとらないつもりでございまして、どれくらいの看護サービスをやるのが患者さんにとっては一番望ましいかということは、非常にむずかしい問題かもしれませんけれども、いろいろな基礎の要件のデータ等もつくりまして、それが満たされるような配置計画というものをひとつ考えてみたい。また、同時に、勤務条件というものも新しくいろいろと起こってきている問題でございます。したがって、単に四対一というような形でそれを算出するのではなくて、そういう必要な看護婦の看護の量というものもこなし、かつ、一つの単位といたしましての看護単位でも、しかるべき勤務条件というものがきちっと守られるような数、こういうものをやはりベースに置きまして、需要の推定を早急に出したい、こういう努力をしている次第でございます。
#49
○藤原道子君 私は、こういう状態がわかりながら、しかも当委員会でしばしば取り上げても、きょうまで是正されなかったということに対して心からなる憤りを持っております。大体、日本の看護婦の数と諸外国の数を比べてみますと、たいへんな差なんです。人口十万に対して日本は二二四・一、カナダは六五一・三、アメリカは六二七・七、スェーデンのごときは九九七・六というような看護婦を備えて、それで国民の命を守るために努力を払っておる。ところが日本はいま申し上げましたような低医療政策の犠牲になって、看護婦がいないために赤ちゃんが焼け死んだ、取りかえ事件があった、あるいは注射のやりそこないがあった、いろいろな事件で犠牲を受けるのは患者なんです。一方、看護婦さんは、この間調べました統計によりますと、看護婦をやめたいと思う人が九割近くもある。中卒でさえこのごろ二万の初任給といわれるとき、高校を出て三年教育を受け、国家試験を受ける。しかも、その費用はいま二万五千か六千円でしょう。それで初め入ったときは公務員と同じ程度だとおっしゃるけれども、昇給の面がたいへんな相違になっておる。重労働に低賃金、こういうことでは看護婦さんが納得しないのはあたりまえだ。健康だとはっきり言える看護婦さんがほとんどいないということははっきりしておる。これをぜひお考えいただきまして、国民の命を守るために、働くものの権利を守るために私は格段の配慮をしていただきたい、こう思うのです。と同時に、私が申し上げたいと思いますのは、わかりきったことがわかっていない。この点をぜひわかっていただきたい。と同時に、需給計画が成り立たなければ看護婦さんの増員はできない。いまどんどん看護婦さんの養成をしておるというけれども、准看が多いのです。准看と正看とが逆転してきておるのじゃないですか。看護婦のなり手がないから看護婦の学校が云々ということを前は答弁されていた。ことしは六倍からの希望者があったはずです。けれども、一向に養成がふえていない。しかもこのごろは、前にも言ったことを繰り返しますが、准看進学コース、高等学校の衛生看護科、それに短大、四年制度の大学というようにまちまちになっておる、一体、この看護婦の養成機関を将来どのようにしようとお考えになっておられるか、この基本方針を示していただきたい。それから看護婦のいまの養成、高等看護学院でも先生方が足りない。一年、二年、三年があるのに、そこに先生は三人、用務員もおりません。教務主任の方たちは悲鳴を上げておるのが今日の現状です。それから実地指導の場合、指導員で云々ということになっておりますけれども、指導員なんてちゃんとしている病院がございますか、あったらお聞かせ願いたい。看護婦さんは見よう見まねでそれを習っている、こう答えておりますが、こういう状態で看護婦の養成がいいとお考えになっておるかどうか。それから重ねて聞きたいことは、看護業務とはどこまでが看護業務になっておるか。私も方々の病院を見て回り、自分もたびたび入院しておりますが、看護婦さんの業務、准看の業務これを聞かしてほしい。
#50
○政府委員(松尾正雄君) 准看の養成がだんだんに数を増しまして、看護婦の数をややこすというところに最近まいりましたことは、先生御指摘のとおりでございます。今日、御指摘のように、各種の養成課程というのがございます。私どもも、かなりこれは複雑な制度だというふうに感じておりますけれども、しかし、また別の面から見ますれば、できるだけ多くの人をやはり確保しなければならない、こういうことで、養成の計画がある、あるいはその制度を打ち立てるという場合、たとえば看護高校のような場合におきましては、やはりこれは若い女性の方々がこういう方面に非常に志望されるという傾向があるということで、そういう方向をやはり伸ばしていかなきゃならぬ。しかしながら、従来のものをいきなり全部そちらに一気に切りかえてしまうということは、これは現実にできないことでございます。しかし、人の教育意欲を非常に失わせることにもなりますので、いろんな点を考えてとにかく全体としての数をふやすようにいままで努力をされてきた。その結果が、御指摘のように、いろんな種類のものがたくさん出てまいっております。
 今後の問題でございますけれども、このままでまいりますれば、准看の比率も相当高くなってまいります。しかしながら、また基本的には、中学を卒業して二年間というような准看の養成、これがいまの准看養成の基本形でございますけれども、しかし、これは高校進学率というのが非常に高まってまいりまして、中学を卒業したままで高等学校へ行かない人というのがどんどん減りかかってまいりました。おそらく四十八年ごろには、私どもの推定では、十万をちょっとこえる程度になるのではなかろうかと存じますが、そういうような過程も考えますと、当然この看護婦の養成制度自体に、もう一度そういう時代の波に沿った新しいやり方を考えなきゃならぬ。従来のものだけに固執しているというようなことだけでは、もうとうてい実態に合わないのではなかろうか、こういうふうに私どもも感じております。したがって、そういうものをいまいろいろと検討を続けておりますけれども、そういうものをひとつ長期の計画の中に一度織り込みまして、その上で最終的に、看護婦というものがどういう形で統一さるべきであるかということをひとつぜひつくり上げてみたいと思っておるわけでございます。ただ、おそらく、看護業務というものにつきましては、どういうところに区分があるかというような問題もございますけれども、やはり多数の補助者というようなものを必要とするということが、看護業務を能率化し、本来の仕事を伸ばしていく上にも必要であろうかと思います。したがって、そういうものが必ずしも十分にまだ消化できないというような場合でございますので、それらも含めまして検討してまいりたいと思っておるわけでございます。そういうふうなものも組み合わせて考えられれば、将来のあり方としては、やはり看護婦というものに一本化するというのが一つの道であろうかと存じております。ただ、それまでに至りますいろんな過程は、当然ただいま申しましたようなことも考慮に入れなければならないかと存じます。
 それから、看護業務の中身につきまして、特に看護婦と准看との業務の内容でございます。法律上からいって、看護業務というもの自体、この二つのものに差はないわけであります。ただ、准看が看護婦または医師、歯科医師の指示を受けて看護業務を行なうというところに差があるわけでございますが、実質的な看護業務自体については、その範囲において差はない、こういうふうに考えなければならないと思います。ただ、個々のいろいろな判断を要するような場合が起こり得るというようなことは当然あり得ると思います。そういった点が、看護婦または医師の指示ということが、看護婦と違って特別に入れられている理由であろうと考えておりますが、看護業務自体の本質的な範囲の中には差はないというふうに考えております。
#51
○藤原道子君 准看は医師または看護婦の指導のもとに云々ということになっていますね。ところが、一人で夜勤しているんです、准看が。だれが指導するのか。
 それからもう一つ。看護業務として、静脈注射とか、点滴注射、こういうものは、これは看護婦がやるべきなんですか、医者がやるべきなんですか。私は医者がやるべきものと理解しておりましたが、この点を伺いたい。
#52
○政府委員(松尾正雄君) 看護業務自体には差がないと申し上げましたが、一人夜勤をしている場合に、それは違反ではないかというような御質問でございます。その場合、そこだけをとらえれば、確かに看護婦がいないではないかという印象があろうかと思います。病院全体として見れば、いわゆる病棟婦長なり、夜勤の婦長なりというものが看護婦としておられる場合が多いわけでございます。また、その指示というものも、個々の一つ一つのことについて一々指示をするというようには解釈をされておりません。総括的に、一般的に指示をしておいてもよろしいという解釈でございますので、一人の准看さんが一人夜勤をしておられるということをもって直ちに違反であるとは言えないかと存じます。
 それから静脈注射等につきましては、本来、医者のやるべき仕事であるというふうにされておりますけれども、ただ、たしかここに詳細持っておりませんが、裁判所の判決でも、そう言い切れるかどうかというような微妙な判決もあったかと記憶いたしております。しかしながら、従来からやはり患者に重大な支障を与えるものである、こういうことでございますので、これは本来医者のやるべき仕事であるという解釈のもとに通ってきておるわけであります。
#53
○藤原道子君 それじゃ准看とか、看護婦という差は要らぬじゃないですか。一人夜勤をしたり、病棟主任をしたり、十八人の看護婦の中で普通の看護婦さんはたった一人という病院がありますよ、それで待遇は准看なんです。夜間勤務のときに病棟婦長とか云々と言われたけれども、実態を知っているんですか。婦長さんはどこへ寝ているんですか。突発事件のときに、婦長のところへ指示を仰ぎに行っていたらこっちの患者さんはどうなるんですか。そういう一時のがれの答弁では納得がいかない。これはどうなんでしょう。准看が点滴注射していますよ、静脈注射もしていますよ、それでいて待遇は准看なんです。それで場所によれば、看護婦の指導のもとにということで押えられちゃう。これをそのままにして見過ごして、何ら差異はございません、それならいっそ准看と看護婦を一本にしたらどうですか。
#54
○政府委員(松尾正雄君) 看護業務というものの範囲といたしましては、看護婦と准看とが法律上差がある、業務自体からいえばあるとは言えない、これはもう間違いないと存じます。ただ、判断をいたしますときに、やはり高度の判断等を要するものがあるということで、ああいう指示の項目が設けられておるわけでございます。いま御指摘のように、一人夜勤で、全くいないじゃないかというような事例もあろうかと存じますけれども、一般的な指示として、あるいはその場合の具体的なその病棟における指示というようなものがあらかじめなされておれば、それは法律上全く不当である、違法であるというふうには言えないと、こういうことになっておるわけでございます。したがって、一人夜勤をしているから、これはもう絶対に違法であるというふうに言い切るのは無理であるというふうに考えております。
#55
○藤原道子君 これは重大だと思うのですね。准護は一人夜勤をしても違法ではない。私は、この准看の一人夜勤という問題は、労働基準法にも及ぶと思う。御案内のように、中学卒業して二年いきますと十七歳――十八歳未満の准看が一人で五十人、六十人の愚者を深夜に看護している、これはどうなんですか。婦人は深夜業は禁止されている。だが、看護婦とか、あるいは電電公社の交換手さんですか、こういう人は職務上これは認められている。認められているということと、際限もなくこういうことをやらしていいということとは一致しないと思う。未成年者が夜間一人で深夜業をしている。こういうことに対して労働基準局としてはどのようにお考えですか、あるいは婦人少年局長としてはどのようにお考えですか。資格優先である、こういうことで切っております、言いのがれております。でも、これはあまりにも非人間的なことじゃないでしょうか。病院のあの空気は特殊な空気です。あるときは重症患者、死人を一人であれしなきゃならない場合もある。それを十七歳や、十八歳の未成年の准看さんがやらせられている。こういう看護婦の場合には、母体にも何ら影響はないのでしょうか。憲法で規定している点、あるいは児童福祉法で規定している点、母体保護の点、これらに対して婦人少年局長はどのようにお考えでございますか。
#56
○政府委員(高橋展子君) 基準法の解釈につきましては、基準局長がお答えすべきかと思いますが、お許しを得て退席しておりますので、監督課長にお求めでしたら、さよういたします。
 婦人少年局といたしましては、看護婦の問題につきまして、もちろん婦人労働者の保護ということからかねていろいろ配慮いたしておりまして、しばしば調査を行ないましたり、あるいはまた基準監督機関等と御連絡の上、事業所の指導をいたしてまいったわけでございます。特に、最近はこの夜勤の問題をめぐりまして、いろいろと社会的にも問題が強くなってまいっておりますので、この看護婦さん方の夜勤に関しまして、これを労働医学と申しますか、そのような点からも検討して、適正な基準のようなものを出していきたいと、このような考えで各方面の専門家の方々に御依頼いたしまして、研究会議というのを一昨年以来設けておりますが、いまその結論をお待ちしていると、このような段階でございます。それを得ましたら、具体的なことにつきまして、なお一そう行政指導を強めてまいりたいと思っております。
#57
○説明員(細野正君) ただいま御質問ございましたように、基準法上は、未成年の女子であっても保健衛生関係の事業については深夜業が認められているわけでございます。ただし、御質問の趣旨がおそらく業務の責任の問題とか、あるいは行なわれるその回数とかを問題にしておられるかと思います。回数等については、基準法では直接の制限規定はないわけでございますけれども、本来の趣旨からいって、そうしばしば繰り返されることについては、法的な問題ではないにしても、社会的な問題じゃなかろうかというふうに考えております。
#58
○藤原道子君 労働省では、このごろ非常にやかましくなっておる看護婦の問題に対して、これから手をつけるとおっしゃるが、婦人少年保護の立場から、いまの局長の御答弁は満足できないんですが、日本母性保護協会の森山博士が、しばしば繰り返されるこうした看護婦の夜勤、ことに妊娠中や、未成年者の夜勤は好ましくない、これが続けば母体が破壊される、こういうことを言っていらっしゃる。これは労働基準局ですか、あるいは婦人少年局がこれらの点をもう少ししっかり監督してもらわなきゃ困る。いまのままでも違法ではないわけですね。しばしば繰り返されるというけれども、一カ月に十四日も、ひどいのは十九日も夜勤をしておる。これでもきょうまで知らなかったんでしょうか、あるいはどういう指導をなされていたんですか。もう一ぺんお聞きをいたします。
#59
○政府委員(高橋展子君) 先ほどお答えいたしました専門家会議の御研究と申しますのは、これは厳密な意味で、夜勤回数は何回までが適正であるかというようなことを医学的に究明していただく、そういう専門的な、技術的な面での御研究でございまして、一般的な問題といたしましては、基準局のほうでも監督機関を通じまして、病院、診療所等についてはかなり濃密な監督指導を行なっていらっしゃるところでして、また、私どもも診療所等の実態については調査をしばしば行ないまして、先生御指摘のような実情をよく存じているつもりでございます。ただこれを一がいに規制する新たな基準を設けるというためには、やはり専門家会議での御研究が必要ということで御検討をお願いしておる、こういうような意味でございまして、一般的には実情は存じ上げておるつもりでございます。また、それに基づきまして診療所等についての行政指導を行なっておりますし、また、医療関係の労働条件の改善には財政措置等も非常に関係が深いのでございますので、厚生省の関係局長にあてまして、毎年基準局長と婦人少年局長のほうから、一そうの御配慮をお願いするということを要請しておるところでもあるわけでございます。
#60
○小野明君 関連。いまの監督課長、基準法違反でないと、こうおっしゃったんですが、六十二条ではっきり制限をされておるわけですね。そこで十八歳未満であっても業務によってはそのように深夜勤務ですね、認めておる、しかもこれが十八歳未満の婦女子であっても同様である、この解釈がどうも私には理解がいかない点があるわけです。実態としては、あなたのほうがそういう解釈をされておるものですから、深夜勤が野放し状態にあることは、御承知だと思うんですけれども、その根拠についてひとつ再度説明をいただきたいと思うんです。
#61
○説明員(細野正君) ただいまの御指摘のように、六十二条の一項では「満十八歳に満たない者又は女子を午後十時から午前五時までの間において使用してはならない。」というふうに制限をしておるわけですが、ただ同じ条の四項で、前三項の規定は、これこれの場合には適用しない、こういう規定がございまして、その中に、第八条第十三号の保健衛生事業については適用しない、こういうことを明らかにいたしておりますので、そういう関係で先ほど申し上げましたように、この深夜業の禁止規定は、十三号、すなわち保健衛生事業には適用しないというふうに解釈しておるわけでございます。
#62
○藤原道子君 法律のたてまえだけでそういうふうな解釈をされちゃ困る。それは看護業務は特殊業務ですから、夜勤があることは、私たちも認めておる。だけれども、女子の深夜業を禁止したのは母体保護という重要な問題があると思う。それを無制限にやっていいということはないと思う。ことに十七歳や、十八歳の子供がこういう状態にあることが、これが基準法で認められておる資格優先というようなことで処理されることは、あまりにも非人間的ではないか、こう考えます。医務局長だってそうでしょう、どうお考えですか。私はもう少し働く者を保護する立場で労働省はものを見てほしい。夜勤を全然やっちゃいかぬとは私は申しませんよ。だけれども、十七歳、十八歳は未成年ですからね、児童福祉法に該当するんですからね。その者が一人夜勤をしてこれが何日に及ぼうとも、それは適用除外だから差しつかえない、これじゃ、納得できないんですけれども、どうでしょう。私の言うのは無理でしょうか、大臣。
#63
○国務大臣(斎藤昇君) ただいまの問題は、労働省のほうからお答えでございますが、大体常識としては、私は、藤原さんのおっしゃるとおりだと思います。十七歳、十八歳の未成年の婦人は、夜勤をやるにしても、ある程度の制限をするというようなことが常識ではなかろうか。それは法律で書くか、あるいは実際の運営においてやるかという問題であろうと思います。
#64
○藤原道子君 私はだいぶん時間をとりましたので、そろそろ終わりにしたいと思いますが、いま大臣がお答えになりましたように、人間を大切に守るという立場から、こういう実情にあるということをお考えいただきまして、今後の抜本改正でぜひ改めてもらいたい。考えただけでも、お互いの子供がもしそういう状態に置かれたらどうでしょうか。医務局長だって、保険局長だってまさかがまんができないだろうと思う。働く者の上に何でもかんでもしわ寄せが来るということでは、看護婦が足りなくなるのはあたりまえだ、こう考えます。
 それから、先ほど、中学卒業がだんだん減ってくる、だからいまの准看制度はちょっと無理があるというようなおことばでございましたが、私もそう思うのです。もう時期が過ぎていると思う。そこでしばしば申し上げておりますように、この際、学校教育法に基づくところの看護教育、それで資格は一本、こういうふうにぜひしたいと思いますけれども、この点は、検討いたします、文部省とも相談してというような従来のお答えでございましたが、その後どの程度に進んでおるか、どういうお考えであるか、この点をお聞かせ願いたい。
 それからいま一つ、看護婦の一本化は私たちの理想でございます。いま、准看護婦がいろんな方法であるのですね。夜学に行けといっても三交代制で、行けっこないのです。それから学校に行こうとすれば看護婦をやめなければ学校へ行けません。こういう状態にございますので、私は、六年なら六年以上の経験があったならば、厚生大臣の定める講習を経て、そして国家試験を受ける資格を与えたい、こういうふうに考えておりますが、これらはその後どのようにお考えでしょうか。看護婦のレベルが下がるというようなことで反対の意見もございますけれども、医務局長が言われるように、看護業務には何ら差別はない。しかし、教育の面が大事なことは、私もよく承知をいたしております。けれども、現在看護婦が足りないためにずいぶん無理がなされておる。准看も無理をしている。だから、六年以上勤務いたしますならば、それで講習を経て国家試験を受けるのですから、国家試験の内容を下げろとは私は言っておりません。厳然とした国家試験で、これにパスした者は看護婦に昇進の道を開く、こういうことにすることがいまの看護婦の充足にも役立つし、また十年で頭打ちの准看さんに希望を与えることになりはせぬか、こう考えますが、その点はいかがでしょうか。
 さらに、この四・一は全寮制度の当時の考え方、いまは半数以上、七〇%が家庭持ちで、通勤しているのです。こういう状態でございますから、子供ができても勤務ができるような施設、保育所、これはまだ一%ぐらいしかございませんけれども、これが病院内にあるために勤務が続けられるという声をよく聞くのですけれども、こういう保育所施設等をお考えになる用意はありますかどうですか。外国なんかへ行ってみますと、病院の付近に看護婦が何人だから、どのくらいの住宅、医者が何人だからどのくらいの住宅、ちゃんと住宅施設があるから、あの殺人的な交通難にあえぎながら出勤することはない。また遠くだから云々というような事故もなくなるわけです。ですけれども、いま日本でそれをやれといったってやれっこないのですから、とにかくせめて子持ちで安心して勤務ができるような保育所施設等はお考えになっておるかどうか、その点お聞かせ願いたい。
#65
○政府委員(松尾正雄君) 学校教育法に基づきます学校によって養成を進めていくということにつきましては、先ほどもちょっとお答え申し上げましたように、これは若い方々の非常に大きな魅力ともなっておるという現状にかんがみまして、私どもは、これはやはり片方で進めるべきものだというふうに考えております。したがいまして、看護高校も、御承知のとおり、最近八十三校までふえてまいりましたし、大学が七、短大が十一ございます。そういうところまで学校教育法による看護婦または准看護婦の養成が進んでおります。私どもは片方でやはりこういうものは進めていくべきものだというふうに考えております。ただ、学校というものになりますと、いろいろな資格その他で非常に大きなきびしい条件がございます。したがって、容易にどこでもつくれるというようなものでもございませんので、先ほど来のように、いろいろ量的にふやさなければならない、こういう面もございますので、当分やはり養成施設というものと併存しながら、しかも、学校教育法によるものを決して妨げることなく、進歩させていくということが必要ではなかろうかと存じております。
 それから、進学コースにつきましては、これも二年課程あるいは三年の夜学課程というようなものもございまして、かなりまちまちでございます。しかしながら、私どもは、やはり准看というものが非常に大きな戦力として、いま看護力の中に働いていただいておるという事実をはっきり直視をしておるものでございます。したがいまして、そういう方々が今後続いてくる場合におきましても、また、現在の方々におかれましても、そういう進学コースというものをやはり伸ばしていく、これには先生御指摘のように、看護婦という非常に大事な仕事でございますから、その養成課程における質というものは重要視しなければならないと存じます。したがいまして、多少のいろいろ隘路はございますけれども、なおそういう進学課程というものをさらに強化していって、御希望がなるべく多く受けとめられるようにすることがまず第一歩だろうと存じます。しかしながら、これもいわゆる高校出身の方々をどういうふうに扱っていくかという問題とのかみ合いがございますので、私どもは、質的には確保できるという保障を十分検討しながら、前向きの形で全体の養成計画の中に十分織り込ましてみたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 それから、家庭を持っておる方々が非常にふえてまいりました。御指摘のとおり、通勤者がふえるあるいは家庭を持たれた看護婦さんがふえてまいりまして、そのことがいろいろなまた看護婦全体の勤務その他の問題にも非常な影響を与えておる、こういうふうに認識をいたしておりますが、その中でやはり保育所の問題が大事な問題であると存じます。ただ、保育所の問題は、現在、知のとおり、児童福祉法によりますところの保育所というもので基本的には進んでおるわけでございまして、できますならば、通勤距離にもよるかと存じますけれども、小さいお子さんを長距離の保育所に運ぶというよりも、御家庭の近くで預けてくることが子供の保育上のことからいえば一番いいのではなかろうか、このように考えますけれども、まだまだ保育所が足りないところでございます。一方、看護婦さんの方々には御家庭を持たれても働いていただきたいという願望がございまして、院内の保育所あるいはまた別の、保育所以外の保育制度というものも当然積極的に考えていかなければならぬというふうに存じております。
#66
○藤原道子君 最後でございます。たいへん長くなりましたけれども、私は地域に星の数ほど保育所があれば事足りる。ところがそれがないのですよ。また病院内に保育所のあるところではおかあさん看護婦が安心して働いておるのですよ。それを考えてほしい。何というか、最高のものをとは私も申し上げません。けれども、現段階では必要ではないか。しかも労働組合が経営しておる保育所はあるけれども、国の施設の中で、施設がみずからやっているというところはほとんどないと言っても過言ではない。この点もあわせて考えていただきたい。私が申し上げますのは、優秀な看護力が、子供ができたためにやめていき、巷に眠っておる。惜しいじゃありませんか。この人たちが働けるような条件を考え出さなければ、いつの日に看護婦のいまの不足の状況が解決されるか。まるで夢みたいな話になってしまって、相変わらず看護婦の上にしわ寄せがくる。ひいては患者の上にしわ寄せがくる。いまの医療を見ておりますと、予算に合わせたやり方、保険財政に合わせたやり方で、患者のために、働く人のためにというようなことを見出すことができないのが残念でございます。したがって、厚生大臣にも、この看護婦問題が非常に深刻な状態に立ち至っているということをお考えいただきまして、喜んで働けるように……。看護婦さんに、やめたいと思ったことはありますかと言うと、九割くらいは、やめたいと思うけれども、患者のことを思い、同僚のことを思うとやめられない、こう訴えている看護婦さんがたくさんあるんです。こういう点もあわせて、どうか命を守る医療、これを重点にお考えをいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 あわせて、労働省には、資格優先だから知ったこっちゃないという態度ではなしに、もっと真剣に――基準法ではそうかもしれませんが、健保優先だと、私は思う。こういう点も考えて、ぜひ監督をきびしくやっていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 最後にひとつ、看護婦の問題ばかりやりましたけれども、保健婦が足りないで母体教育がおろそかにされている。助産婦がほとんど老齢者ばかりになりました。このままでいきましたら、助産婦はいなくなるんじゃないかしらということが私たち心配でならないのです。助産婦対策、保健婦対策、これらもあわせまして、教育の一元化等も考えられるけれども、あなたのほうでは、この保健婦の問題、助産婦の問題、どういうふうにお考えになっているかをお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#67
○政府委員(松尾正雄君) 保健婦、助産婦につきましても、非常に貴重な保健指導に従事される方々でございます。しかしながら、一番ネックになりますのは、やはり看護婦でございます。看護婦になられた方から保健婦、助産婦になってこられる、こういうことになりますので、私どももできるだけやはりベースには看護婦をふやしてまいりたい、同時に保健婦、助産婦につきましても、この看護婦という資格をとられた方々が二つのコースを行くということもいろいろ不便な問題もございます。できれば一元化した、二つをあわせ、同時に同じところで両方の勉強ができますような制度、こういうこともすでに発足をさせているような次第でございます。確かに保健婦、助産婦の養成についてはまだまだ不十分でございます。私どもも、国立をはじめといたしまして、それに助産婦学校など、養成にも手をつけましたけれども、今後ともそういう動向には十分注意いたしまして、一そう養成には努力を進めたいと存じております。
#68
○藤原道子君 ちょっと答弁漏れがある。さっき准看の進学コースの問題でお伺いいたしましたが、それをお考えになったことがあるかどうか、これを伺いたい。
#69
○政府委員(松尾正雄君) 先ほど申し上げたつもりではございましたが、准看の進学コースにもいろんな制度がございますが、しかし一方、准看の方々を魅力あらしめるようにしていくという方法といたしまして、基本的なそういう進学コースはふやすべきであり、これはやはり教育上の必要性からもそういうふうにいたすべきだろうと思います。しかしながら、それだけで必ずしも十分いろいろな方々の希望を満たし得ないというものがあるということも事実でございます。したがいまして、レベルを下げるということは、御指摘のとおり、私どももそういったほうに向かうべきではないと考えておりますが、しかし、それを下げないでやっている方法というものがございましたならば、これは先ほど来高校卒業というものをどういうふうに考えるかということで先生も御賛同いただきましたが、そういうような新しい制度と組み合わせまして、全体の養成計画の中にはまり込むかどうかということで検討を進めたいというふうに考えているわけでございます。
#70
○小野明君 最初に大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、いまいろいろ藤原委員のほうから質問もありましたように、看護婦問題が四年間にわたりまして、判定があったにもかかわらず、きわめて不満足な状態にあるということでありまして、ぜひひとつ斎藤厚生大臣の手によって、この問題の解決をはかっていただきたい。また、この解決の大綱と言いますか、そういう方向までひとつ窓をあけていただきたいと思うのであります。その辺の御決意、御所信のほどを承っておきたいと思うのであります。
#71
○国務大臣(斎藤昇君) 私、厚生大臣を拝命以来、あるいは直後からこの看護婦問題はきわめて重要な問題であり、何と言いますか、人命にかかわる問題にまでなってきているというように感じております。当委員会におきましても、藤原委員はじめ他の委員からもたびたびお話を伺っております。伺えば伺うほど私はそうだという感じを深めているわけであります。おそらく以前は、病院にしましても、診療所にいたしましても、これならば十分患者のために、十分とは言えなくても、患者のための医療制度として十分だということで発足をし、また働く看護婦さんあるいはその他の方々に対しましても問題なくいっておったものだと思いますが、しかしながら、最近、ここ十年あまりのいろいろな変化というものが非常に作用をいたしまして、今日になってまいっている。いままでこれでよかったと思っておった基準や、そういった考え方を相当変えていかなければならぬ時代にもういまやなってきている。厚生省としましては、私から言うのはどうかと思いますけれども、ここに思いを新たにして、そうしてもう一度あらゆる点について考え直し、いま藤原さんのおっしゃいました、保険制度、そこからきている矛盾もありましょう、またいろんな点があると思います。したがって、それらをすべて抜本的に考え直して、そして看護婦の需給計画も立て直さなければならぬだろう、処遇の改善の問題も立て直さなければならぬだろう、また医療のあり方という点も考え直していかなければなるまい、何ベッドに対して何人看護婦があったらいいという考え方で今日の医療がまかなえるのかどうかというところまで入っていかなければなるまい、かように考えまして、そういった意味から検討いたしてまいっているわけでございます。先ほどから医務局長にいたしましても、保険局長にいたしましても、そういった考え方でいま掘り下げているといったわけでございまして、その掘り下げた結果によりまして、これは、私が大臣であるからどうというのでなくて、いまもうそういうときにちょうど際会をしているというときでありますから、だれが大臣であろうと、この事柄についてはっきりした方針を立て、それに邁進をしていくということでなければ、医療の完ぺきも期せられませんし、ひいては看護婦さんたちに喜んで働いていただくという職場ができないわけでありますから、そういう考え方でやってまいりたい。少くとも次の予算要求までには、そういった根本的な考え方を明らかにいたしまして、場合によりましては皆さま方のさらに御批判もいただきながら、その対策を十分考えてまいりたい、かように考えているわけでございます。
#72
○小野明君 いまのお話を承って、何だか今度はできそうだというような気がするわけであります。そこでひとつ精力的に大臣も仕事を進めていただくように、まず冒頭お願いをいたしておきたいと思います。それから先ほどの医務局長の御答弁の中で、いわゆる大臣のいまの御所信に基づく新需給計画といったものがちらちら出てきておるのであります。それで、五月中にこの大綱が決定をされると、こういうことでありますから、もうすでに局長のもとでは、どういった柱を立て、どういった基本的な考え方に立脚をしておると、こういった点ぐらいのところはもう計画がおありになるのではないかと考えられるのであります。その端々は、いま医務局長の御答弁の中で伺ったような気がするのでありますが、ここであらためてそういった大綱についてひとつ御説明をいただきたいと思います。
#73
○政府委員(松尾正雄君) まだ完全に煮詰まったような見解ではございませんので、その点は御了承いただきました上で、大体の考え方と、どういう点に着目をしながらどういうものを組み立てようとしているかということを申し上げて御容赦いただきたいと思います。
 一つは、やはり日本の医療の需要のほうがどう変化するだろうか。御承知だろうと存じますが、患者の出方というものが非常に増加をいたしまして、昭和三十一年から四十年までの間にちょうど倍増したような実績を過去において持っておるわけであります。それが先ほど申し上げましたような病床の増加という、非常に激しいものにもあらわれておるかと存じますが、そういうものの一方においては、医療施設あるいは病床というものがどの程度伸びてくるか、これをやはり基本的には押えていかなければならないかと存じます。
 そのほかに、今度は看護婦さんの必要数を出すほうの問題があるわけでございます。それは、先ほど藤原先生にお答え申し上げた中で一端を申し上げたかと思いますが、たとえば医療法の現在の標準というものが四対一である。しかし、それをそのまま先ほどの医療の需要のほうに当てはめてみたというだけでは、ほんとうの意味での需給計画にならないのではなかろうか。やはりどの程度の看護婦さんを一つの単位の中に必要とするであろうか、この必要量というものが一つの単位として組み立てられなければならないだろうと考えている次第であります。それはやはり一つには医療上の必要でございますから、あくまでどの程度の業務をこなしていかなければならぬだろうか。それが不十分でございますれば、たびたび御指摘いただきましたように、非常につっけんどんな、また行き届かない看護に終わるわけであります。したがって、どの程度の量をこなすかということがまず必要であろう。そのためにどれくらいの人員が要るか。また、それにしばしば出ておりますような勤務条件というものの改善ということを織り込むといたしましたならば、それがどのような態様になるか。こういうものを全部一つずセットいたしまして、それを日本全体の医療機関、医療需要のほうに当てはめていって、一つの需要側と申しますか、そういう必要とするほうの数字の予想をつけてみたいというのがこの問題でございます。
 もう一つの供給計画のほうは、先ほど来藤原先生にもお答え申し上げましたように、これからの青少年人口の変化というものもございますし、それから進学率の変化、特に中卒だけで終わるのでなく、高校に進学し、さらに大学に行くというような傾向が非常に強くなっております。人口のいろいろな絶対数の変化の中で、そういう傾向をどういうふうに押えながらどの程度看護力に吸収できるかという点の検討が必要であろうかと存じます。
 それから、はなはだ複雑だという御指摘も先ほど来ございましたけれども、この各種の養成課程というものをどの程度それぞれ組み合わせて年次的にふやしていけば、最初に出す需要数にほぼ追いついていくだろうか、こういうことを柱にいたしまして組み立ててみたいということで努力をいたしておるような次第でございます。
#74
○小野明君 先ほどから四対一という問題が出ておるのですけれども、これは勤務条件とかみ合わせてというお話なんですが、当然この四対一という施行規則の基準というものは改善をされてくるし、全体的な基礎としては、人事院の判定にあります二・八、こういった勤務条件というものが基礎になると、このように見てよろしいわけですね。
#75
○政府委員(松尾正雄君) 少なくとも四対一からそれに執着してスタートするものではありません。結果といたしまして、そういうような作業をいたしました結果、四対一がどういうふうになるか最終的に一応詰めてみたいと存じます。ただいま四対一というのがあくまで標準ということになっておりますけれども、それを需要と供給、特に供給計画のほうとにらみ合わせまして、行政上これを変えても差しつかえないという判断がつくならば、私どもは、それは弾力的に取り組んでいくつもりであります。
#76
○小野明君 もう一つ、人事院の判定の二・八という点が当然考慮されなければならぬと思うのですが、これが基礎にある、このように見てよろしいのか。また待遇の問題、看護婦の初任給にしても非常に低いと思うのですが、こういった問題も当然考慮に入れられるし、また私は入れてもらいたいと思うのですが、いかがですか。
#77
○政府委員(松尾正雄君) 人事院の判定の中身は、一人夜勤を行なう看護単位とか、いろいろな表現がございますが、それに即応して計算をしなければなりませんが、基本的にはあの条件がそれぞれ必要な場合に実現できるようにセットをしたい、こう考えております。
 それから処遇等の問題につきましても、これは私どものこれからでき上がる計画の中で具体的に幾らということを言い得るかどうかは別といたしまして、しかも、それを他の職種と比較をしたり、その他のことにおいてどの程度言い得るようになるかは別といたしまして、少なくともその勤務の実態というものに即応したものにしてほしいということだけは、私どもとしても、強く希望したいといま考えております。
#78
○小野明君 人事院の局長お見えですね。いま、厚生省のほうでああいった新需給計画を立てられる、こういうことになった。四十年の五月に人事院が判定をされました。これは人事院の性格からいって準司法的な立場、役割りを果たされたということなんですが、また、さらに人事院としては行政措置の要求ということも当然考慮されなければならぬと思うのです。これは四年間判定のしっぱなしか、改善をされておるかどうか。あなた方が意図されておるように、看護婦の夜勤の問題一つにいたしましても、改善をされておると見られておるのかどうか。そうでないとしたならば、ただ判定に終わる、そういうことではいかぬではないかと思うのですが、その辺の見解を承っておきたいと思います。
#79
○政府委員(島四男雄君) 私ども、言うまでもなく、判定の出しっぱなしでいいものではありません。一日も早くその判定の趣旨が実現されることを望んでいるわけでございまして、したがって、私どもといたしましては、これは文部省関係の看護婦さんも当然関係してくるわけでございますが、厚生省なり、文部省当局から毎年そのつど、この判定がどの程度実現に近づいているか、その点についての報告をいただいておるわけでございます。しかしながら、現在まで私どものほうがいだだいておる報告によりますと、たとえば夜勤日数約八日という線は、必ずしもまだ満足すべき状態ではないというふうに申し上げてよろしいかと思います。
#80
○小野明君 必ずしも満足すべき状態ではないというふうな言い方をされておりますけれども、もう完全に無視されておる、あなた方が判定を出されておるけれども、これは机上の空文になっておる、このように私どもは実態を見ておるわけです。というのは、先ほど日赤の人事部長の方がここに参考人として来られた。あなたはお聞きでないかもしれぬけれども、人事院の判定をそのまま実施するとなりますと、めどのつかない増員になる、こういうことをおっしゃっておられます。おたくが判定を出しても、完全にそれを実現しようとする気持ちがない。日赤においてしかりですよ。その他の病院においてもこれは同様だと思うのですが、そういった実態についてどうこれを改善しようとなさるのか。それほどひどい状態と見ておられないのかどうか、ひとつ率直な御意見を伺いたいと思います。
#81
○政府委員(島四男雄君) この問題は、先ほど医務局長からもお答えがあったように、単に勤務条件だけの改善で解決できる問題ではなく、やはり看護婦そのものの絶対数の不足という問題が根っこにあるわけでございます。したがってその問題については、私どもは直接権限も何もございませんが、あくまでも勤務条件の改善についての人事院の判定というものは、当時四十年の五月に判定を出したわけでございますが、そのときに私どもで全国調査いたしました。そのときの夜勤日数の平均は九・四日という数字が出ておるわけでございます。その際に、もちろん判定の中でいっておるわけでございますが、この問題というのは、単に夜勤日数そのものだけで、たとえば八日がいいのか、六日がいいのか、十日がいいのかという問題は、必ずしもきめ手というものはございません。たとえば現在看護婦さんの行なっている業務の範囲、特に夜勤時における業務の範囲が明確になっておるか、なっておらないかという問題とか、夜勤業務の遂行を容易ならしめるためにどういう器材を投入したらよいかとかあるいは休憩室とか、仮眠室というものがはたして整備されているか、いないか。さらにはまた夜勤交代時の通勤事情という問題もかなりいろいろ影響があるようでございますが、現に私どもがいろいろ調査してまいりますところによりますと、夜勤の交代時には、帰るのに交通機関がない。したがってまた病院に泊まらざるを得ないというようなことがよけい看護婦さんの勤務を過重にしているという事情もございます。それから看護の補助業務について看護助手をもっとふやす必要もあるのではないか、そういったようないろいろな他の勤務条件との相関関係によってこの問題を解決すべきであろうということで、私どもでは八日というのは一応の目標である。したがって、そういうような他の勤務条件との関連においてこの問題は判断せられるべき問題であるということを判定でうたったわけでございます。ところで、その後私どもでもいろいろ直接調査してまいっておりますが、先ほども申しましたように、当局からの御報告をいただいておりますので、残念ながら夜勤日数の多い勤務個所もかなりあるということは、十分承知しております。その点は、ただいま無視されているというようなおことばがございましたが、これは私どもの立場からいたしますれば、決して無視されているというのではなく、当局は当局なりの十分の御努力をされているにもかかわらず、なおかつ遺憾ながら今日までその実現を見ていないと、このように申し上げてよろしいかと思います。
#82
○小野明君 いまおっしゃったようなことは判定以前の問題ですよ。当然やらなければならぬことですよ。これは労働省のほうからも当然この問題について意見があってしかるべきところです。それをいま二人夜勤あるいは八日と、こういう問題以前に解決せねばいかぬと、あたかも増員よりもこちらのいまの勤務条件を整備することが先だ、こういうような言い方をすると、これは問題だ。当然です、これは。いま言われた判定の際に出される五つか、六つの問題は、これはあたりまえです。これがなければ、これは前近代的な労働条件にある、まさに封建的な労働条件、労働状態だと、こう言わざるを得ぬわけです。この上に立って二・八というものが、私は、判定として出されていると思うのです。ところがおたくの判定を見ますと、きわめて不満なのは、増員要求に対してきわめて引っ込み腰、引っ込み思案である。こういうことが書いてあるのですね、二・八というのは、これは当然人員増を伴うものである。それに対して「増員の困難度をもあわせ考慮すれば、問題の根本的解決策としては適当でないと思料される。」、増員が困難であるから、いまのこの労働条件を整備せよ、本末転倒の判定を下しておる。きわめて問題であると思う。なぜそんなに人事院というものは、形式的にはそうでないかもしれませんけれども、やっぱり独立な権限を持っていると思っておるのですが、人員増に対してどうして引っ込み腰な態度に出られたのか、どうしてぴしゃっと勧告をしないのか、判定を下さないのか。判定で足りなければ、判定をやってまだ守られていないということであれば、当然人事院規則の改正なりあるいは勧告という措置をとられないのか、私はふしぎでならぬ。その辺を答弁をいただきたいのです。
#83
○政府委員(島四男雄君) ただいまこの判定の中身がきわめて不十分であるという御指摘がございましたが、この人員の問題は、算術的に月八日、二人夜勤ということであるいははじけるかもしれませんが、そのような場合に、はたして現状から見て実現可能かどうかという問題が実はあるわけでございます。判定そのものの権威といいますか、ということからいたしますれば、やはり判定が当局によって、直ちにではなくても、なるべくすみやかに実現されることが望ましいわけでございまして、またそのような判定を出すべきものと考えるわけでございます。したがって、もしこれは人員まで何名増員すべしといってみても、それが実現不可能な判定であれば、全く単に絵にかいたもちになるわけでございまして、そのような具体性のない、実現性のない態度は、やはり人事院としてとるべきではないというふうに考えられるのでございます。
#84
○小野明君 そういうことは、あなたのほうではあまり心配せぬでいい。人事院がそういうふうで、役所のふところぐあいばかり心配したようなことでは、あなた、人事院はいけませんよ。私は、いつも佐藤総裁に、あなたやめなさい、人事院の勧告が、給与の勧告でも実現されぬ場合はあなたやめたらどうか、私はそういう決意でおりますということは、いつもあなたのところの総裁言うのだが、全く何のためにあるのやらわからぬ。判定後四年もして、全く不満足な状態であるということがあなたのほうにおわかりになっていないのか。判定で足りなければ、もう四年たっているのですから、規則の改正あるいは勧告という措置をとられてはどうですか。あなたのほうが変に熱心なのは、特会法の場合なんかの人事院規則なんか一夜にしてやっておる。あるいは自衛隊の増員なんかばたばたやってしまう。こういうことはやられても、看護婦の増員については各省のふところぐあいを考えながら、これでは一体だれを守る符所なのかということを私は言いたくなる。しゃんとした答弁をしてもらいたいと思います。
#85
○政府委員(島四男雄君) おことばではございますが、人員の問題まで判定において触れることは、いわゆる医療行政の根本にまで触れる問題になりますので、私どもとしては、そこまでやるのはいかがかと、こういう態度で判定を出したわけでございます。
#86
○小野明君 人員の問題にまで触れるのはというが、実際に触れておるじゃないですか。増員は困難であるというふうに、人員の問題まで触れておるじゃないですか。現行でよろしいというように触れておるじゃないですか。とすれば、精密な実態調査の上に立って、これくらいの人員はということくらいは、あなたのほうでできるはずじゃないですか。二人夜勤とかあるいは八日というようなことが出る以上は、それに伴ってやっぱりそれぞれの個々のケースに当たって数字というものも出てこなければならない。それが親切な判定だということになるんじゃないですか。
#87
○政府委員(島四男雄君) この行政措置の要求は、あくまでも勤務条件の改善に関する要求でございますので、したがって、人事院の判定としては、勤務についてはこういう勤務が望ましいということをうたったわけでございます。この判定の中身のような勤務条件を実現するためには、人員はどの程度でよいかということは、当局がまさに御判断願うべき問題ではないか、このように考えるわけでございます。
#88
○小野明君 どうもわからぬのですが、そうすると、人員増というのは、あなたのところでは別に関知しない事項である、こういうことですか。
#89
○政府委員(島四男雄君) 勤務条件の改善には必ず定員増なり――必ずといっては語弊がございますが、概して、定員の増加であるとかあるいは予算増加という問題が伴いがちの問題でございますが、そこまで定員を何名ふやせとか、予算をこれだけ取りなさいということは、ここでは言うべき問題ではなく、それはあくまでも定員の問題でございましたら行管とか、あるいは予算の問題でございましたら大蔵省の当局がお考えいただくわけでございますが、それにはもちろん厚生省当局がその点について人員を策定して、厚生省からしかるべき人員なり予算を当該当局に要求すべきものであろう、このように考えるわけでございます。
#90
○藤原道子君 関連。私が人事院にお考え願いたいのは、もし勧告として出ておりましたら、もう少し強く響いていたと思います。今度厚生省では看護婦の増員計画で約三億近い要求をしたのですが、大蔵省にばっさり削られちゃって、去年からたった一千万円ふえただけです。私は、人事院にしても、厚生省にしても、ほんとうの下部末端で働く人や、患者の状態がわかっていないと思うのですよ。実に人命に関する問題だ。ところが、それがいまあなたの答弁は、それ以外に答弁のしようがないかもしれないが、どうも納得がいかない。人事院が人員についての勧告をするのはあたりまえだと思うし、われわれは八日で満足していない、どうしても六日でなければいけない。六日以内、当面はとあなたのほうではおっしゃっていますけれども、それには増員がなければできないのですから、看護婦の養成がなければできないのですから、それに触れないので、ただ軽く判定としてお出しになった。それで大蔵省に厚生省がなめられてしまった。今度はこうしますと、私たちにいい答弁をしたけれども、二億九千万円ですか、要求していらっしゃって、たった九千万円しか許可になっていない。これが今日大きな問題になっている。だから、人事院としては、もっと強く出てほしいと、私も関連いたしまして要望いたしますが、どうでございましょうか。あなたのところがたよりじゃありませんか。
#91
○政府委員(島四男雄君) ただいまの御要望は私どもよく上司のほうに伝えて、人事院としても今後どういうふうにこの問題を扱うか、十分検討してみたいと思います。
#92
○小野明君 だから、局長としての判断をこえておるところがあるかもしれませんが、やはり行政措置の要求に対して判定をする、それだけではなくて、それが実行できていないということであれば、行管の権限に属するものであれば行管とも打ち合わせをしてもらう、そういった必要な手続を整えて、また調査もしていただいて、規則の改正、それから勧告という措置が実現に効果があるということであれば勧告という措置をとる、こういうふうにしてもらいたいと思うのです。その点をよく総裁と協議を願いたい。近くまた再度総裁に来てもらいますから、ひとつ十分検討をしてもらいたいと思います。その辺の答弁を再度お願いします。
#93
○政府委員(島四男雄君) ただいまの御要望、十分上のほうに伝えたいと思います。人事院としても、この問題については前々から真剣に考えておりますが、なお、現在、現状に即して必ずしもその判定の趣旨が満足に実現されておりませんので、いかにしたらこれが実現されるか、人事院といたしましての与えられた権限内でどうしたらいいか、十分検討していきたい、そのように考えております。
#94
○小野明君 それから監督課長に尋ねるが、先ほどはちょっとああいうふうに一問で終わったけれども、この准看なり、年少の十八歳未満の深夜勤がどういっだ実態にあるのか、あなたのほうはそれぞれの事業所について調べたことがありますか、それをひとつ。調べておれば、この違反はなかったかどうか。やはり六十二条の禁止の規定というのは、根本に生きておらなければならぬわけですね。その辺の御答弁をいただきたい。
#95
○説明員(細野正君) 四十三年中におきまして、病院、診療所、五百十一の事業所につきまして鋭意監督を実施しております。その結果、約九割の八九・六%に当たる病院診療所におきまして、何らかの規準法違反が発見されました。これにつきましては、直ちにその場で是正についての措置をとっております。
 なお、先ほど婦人少年局長からも申し上げましたけれども、病院、診療所の労働条件の改善そのものにつきましては、行政的あるいは財政的な措置も必要な面が非常に多うございますので、こういう監督結果に基づて、毎年、厚生省あるいは文部両省の各局長さんに御要望を申し上げているというふうな状態でございます。
#96
○小野明君 要望じゃいかぬですよ。違反があればぴしぴし摘発してもらえばいいのです。その辺の心がまえが、あなたも人事院と同じように、へっびり腰でよろよろしておるのだが、その辺をもっとぴしぴしやってもらわなければ困る。
#97
○説明員(細野正君) 法律違反につきましては、その場で是正するようにしております。
#98
○小野明君 それを見のがしておる。
#99
○説明員(細野正君) その場でやっております。
#100
○小野明君 それから医務局長にお尋ねをしますが、各地方自治体に対しても、それぞれ指導の責任がおありになると思うのです。先般大臣が福岡にカネミのライスオイルの件で来られまして、これは非常に適切な措置といいますか、とられたことは非常にありがたかったんですが、その際、ライスオイルの患者の陳情と同時に、県立八病院がありますが、この看護婦さんの陳情も大臣受けられた。大臣のほうからはあとで御答弁をいただきたいと思うんですが、この県立病院の紛争について、経過をひとつ概要を御説明いただきたいと思います。
#101
○政府委員(松尾正雄君) 福岡の県立病院について、私どもが知り得ている範囲のことを申し上げますと、ことしの三月二十日に組合のほうから増員関係に関しましての要望が出されたということでございまして、その後いわゆる組合ダイヤというようなものが四月の十七日から組まれまして、五月六日というところまで計画として進行しておる。しかしながら、その場合でも、いわば夜勤者がいなくなるというような事態はなくすように努力しておられるようでございます。一、二名の冬病棟ごとに保安要員というものを組合側も出しておられるということで、そのほか連絡員というようなものも置きましては支障のないような措置をしておる、こういうようなことでございました。いままでのところ、県の回答としましては、八日制ということの実施に要する増員というものの範囲内で努力をしよう、二人制については、なおどういう病棟にそれをするかということを検討したい、こういうことを答えて、まだ折衝を続けておるというふうに承知をいたしております。
#102
○小野明君 この問題については、知事側も四回にわたって回答をされているようであります。当初の回答から見ますと、かなり前進をしたものになってはおるようですけれども、いま一歩のところで組合側の了解を得るに至っておらぬ。というのは、これは看護婦の人事院判定に基づく二・八を実施するについての人員増の問題である、その人員増を直ちにせよということは組合も言っておらぬと思うので、その点はやはり誠意ある回答というものが待たれるわけです。この状態をどう見ておられるか、どう解決すべきか。医務局長としては、どう指導をなさろうとしておるのか、お尋ねをしたいと思います。
#103
○政府委員(松尾正雄君) 地方自治体の問題でございますので、直接は、自治体と病院とのいろいろな責任においてお話しくださるというのを原則として立ててまいっておるわけでございますが、事、医療機関におけるそういう問題でございまして、患者さんに御迷惑がかかったり、いろんなトラブルが起こるということは、私どもとしても、できるだけ早く避けてまいりたい、こういう基本方針でございます。いままで県のほうに対しましても、各方面でいろいろと妥結いたしましたような状況というものは、逐次情報としてもお送りして参考に供するような努力はしております。しかしながら、いま先生が申されましたように、その時期の問題でございますとか、あるいはいつそれを実現するかというようなことにつきましては、県内における事情なり、あるいは増員ということになれば、定数化その他のいろんな措置が必要であろうかと思います。そういう手続、議会の関係その他を考慮されまして、時期的な問題というものがやはり具体的に入ってきませんと、実現性のある答えにはならないというふうに存じます。したがいまして、よく県のほうのそういう段取り等も聞きましたり、ほかの医療機関、ほかの県等の経験から見ますれば、一定のやはり年次計画でもって、これを消化していくというのが一番妥当ではなかろうかと考えております。この点はよく県とも連絡をとりまして、必要があれば、私どものほうからもそういうような示唆を与えたいと存じております。
#104
○小野明君 二・八を実現をするということについて、福岡の県立病院が一歩手前まできておる。いま八十名の増という回答があっておると思うのです。二・八実現について、福岡がそういうふうに先行しては困る、こういう態度ではないと思うのですが、ここで実現をぜひさせたい、こういうお気持ちであるかどうか、ひとつ再度お尋ねをしたいと思うのです。
#105
○政府委員(松尾正雄君) すでに二十二ぐらいの都道府県の段階におきまして、こういう交渉が持たれ、妥結しておるわけでございます。その間におきましても、私どもは、別にそれがあったら困るという話を申し上げたこともございませんし、そういうような地方公共団体その他の看護婦の獲得の問題とか、いろいろな問題がございますので、そういう問題をよく実態を踏まえた上で実現可能な点でも妥結ができますようにと、こういうふうな態度でやってまいりたい。したがって、福岡県だけ先行して困るというようなことは毛頭考えておるわけじゃございません。
#106
○小野明君 年次計画でこの判定を生かしていく、これが一つの解決の道ではないかという御答弁ですが、厚生省自体は、この判定を生かすために何年計画ということをお考えになっておるのか、あるいは福岡の場合は五月八日で組合ダイヤというものが切れてくる。それから先はきわめて重大な事態が発生をするのであります。これは業務命令その他で解決すべき問題ではないわけですね。そういうことから見まして、厚生省の先ほど言われておる新需給計画、それよりももっと福岡県のやつはシビアなものかわかりませんが、何年計画ぐらいで実現をするのがいいか、その辺のひとつめどがあれば御説明を一いただきたいと思います。
#107
○政府委員(松尾正雄君) 先ほど申し上げましたように、県当局等との具体的ないろいろな手続、それからその他の条件はまだ詳しく承っておりませんので、それらをよくお聞きした上でほんとうは判断すべきだと存じます。ただ、私どもはほかのいろいろと解決をされました事例というものも承知しておりますので、その例でいきますと、大体三年ないし四年というところが多いように考えております。したがって、それは福岡県内のいろいろな事情、あるいは養成の計画、看護婦獲得の可能性、いろいろなものがやはりからんでいるわけでございますので、それらの状況もよく県当局とも連絡をとりました上で、他のほうを参考にすれば、その辺のところが一応の常識的な線ではなかろうかと存じております。
  〔理事大橋和孝君退席、理事鹿島俊雄君着席〕
#108
○小野明君 これは大臣に地方自治体指導の責任がおありになるのでありますが、この看護婦の問題で亀井知事に大臣はお会いになりました。亀井知事は、組合との団交の際に、患者の一人や二人は死んでもしかたがない、こういうことをおっしゃっておるわけです。――これは首をかしげられますけれども、ちゃんとテープにとってあるわけです。こういう暴言を吐かしておったのでは、これは指導も何もないわけです。大臣が博多に行かれまして、事は、カネミのライスオイルの問題でしたが、看護婦代表の皆さんの陳情も熱心にお聞きいただいておりますから、その辺は亀井知事とどういうお話があったのか、ひとつ聞かしていたきだたいと思うのです。
#109
○国務大臣(斎藤昇君) 先般福岡に参りました際に、はからずも看護婦さんの陳情を受けまして、実は、私、県立病院の看護婦問題で知事と団交中であるというようなことは全然知らなかったわけなんです。私はどこへ行っても、看護婦さんその他から陳情にこられれば、受けますと言っておるので、そういう意味で陳情を伺いました。その際、これは県立の病院の問題だから、皆さんの章のあるところを知事さんに会ったときによく話しておきますと、確かに私は申し上げました。そのあと、夜、亀井知事に会いまして、いろんな問題もありましたから、県政に関するいろいろな問題の話の中で、実はきょう陳情を受けて、こうだとお話しいたしましたところが、いや、この間から団交をやっておって、先ほどもその問題で、まあここまでの話であったけれども、一応はもの別れになったという報告を私は伺いました。私がその団交の中に入って、そして県としてはこうこう、こういうようにやったらどうだというような、そんな仲介みたいな事柄は、ちょっとあの席では行き過ぎだと思いましたから、実は、看護婦問題はわれわれも実際人道問題だと思うて苦慮をいたしておる、できるだけ皆さんの満足するような解決をはかってもらいたい、知事も、そのつもりでいるんだということから、私は小野さんのいらっしゃるところでも、看護婦さんの組合の方に、予算をつけてもらえば幾らでも看護婦は得られますかと、私は伺ったわけです。この点、私は全国的にも非常に心配をいたしておりますから。知事も、まあ予算をつけただけで看護婦が得られるかどうか、非常に自分としては心配であるということも言っておりました。そのときに、看護婦組合の方に、まあ皆さんの御存じのもよりの人で、いままで看護婦をやっておられて、いまはやめておられる人相当あると思うと、大体、現職の看護婦さんと潜在看護婦さん同数ぐらいあるわけですから、したがって、定員を増すということになったら、皆さんの手でそういった人たちにまた現職に返ってもらえるという見込みがありますかと言ったら、おります、こういう話で、これは非常に、何というか、ありがたいことだと思ったわけです。それで知事にも、看護婦さんの人たちは、予算をつけてもらえれば人は自分らの手で、いま休んでいる人を現職に呼び戻せると、こういう自信があるというようなことであったから、それだけは念頭に置いてひとつ考えてくれるように、こういう話を私は実はしておきました。そこで、藤原先生その他、看護婦さんの組合やなんかにも精通の方がいらっしゃるわけなんですが、現職の方々に手を延ばしていけば潜在看護婦の方々を現職に呼び戻せる可能性がどの程度あるのか、私は、それをやっぱり厚生行政の一つとして皆さんの力を借りて確かめてみたい。いままでやっておりました潜在看護婦を顕在化するというやり方は、厚生省のやり方では手ぬるいので、こういう方法でやればもっとできるんだということであれば、これはとにかく手っとり早くいまの看護婦不足が解消できるわけでありますから、この点も、看護婦の需給計画の中にもう一ぺんその点を掘り下げて見てもらいたい、こう思っております。いいお考えがありましたらひとつお知らせをいただいて、御協力を願いたいと、かように思っております。知事にはそういうことを申しました。先ほど知事が暴言を吐いたといいますが、もしそうだとするならば、おそらく何かのいきさつでそういうことになったのじゃないかと思うので、知事の真意はそんなところにはないであろうということは、私も友人でありますし、皆さんとも、かつて参議院におられた亀井君のことですから、腹の底からそんなことを思っておられるはずはないと私は思っております。この上ともいい団交の結果が得られますように、私は願っておるわけでございます。
#110
○小野明君 福岡の問題も、いま一歩のところまできておるわけなんです。亀井知事もかなり譲歩をされておるわけです。しかし、三百二名かの要求に八十ぐらいの線を出しておられる。いま一歩のところにきておる段階です。五月八日から組合ダイヤというものが切れてしまうという紛争になっておるわけですね。ですから、事が紛争であるからどうだということを申し上げるのじゃありませんが、少しでも患者にいいように、あるいは看護婦さんがよりいい勤務条件で気持ちよく勤められるようにという趣旨なんでありますから、大臣からもひとつ、参議院におられたことのある亀井知事でもありますし、ひとつ御指導をいただきたい。いま本心ではあるまいと、もし本心であったらこれはまあ知事はやっておられませんわね、たいへんですわね。しかし、言ったことは間違いない。ですから、その辺もあわせて御注意をいただくと同時に、知事のあり方というものは、大臣から御注意受けなくても御存じでしょうけれども、再度ひとつ大臣から御注意をいただくと同時に、また県立八病院の問題の解決にも、大臣積極的にひとつ御指導をいただきたいと思うのです。再度ひとつ御答弁をお願いいたします。
#111
○藤原道子君 ちょっとそれに関連、答弁の前に……。
 これは非常に大事だと思うんです。八日で切れるんですよね。わずかなところへきて、知事が、労働基準法には違反してないと、いろいろやりとりがございまして、患者の一人や二人死んだってしかたがない、だもんで組合を非常に刺激いたしまして、それなら看護の保安要員を引き上げるというところまでいまきているんですよ。それで私はきょうはテープを持ってくればよかったと思う。これはうそじゃございません。そういう非常に緊迫した状態でございますので、厚生省としてもよろしく御指導願いたいと、こう思うのです。
#112
○国務大臣(斎藤昇君) ここで、労働争議についてどうという立場でなしに、友人といたしまして、こういうお話しがあったということを、まず適当な方法で、適当に連絡をいたします。
#113
○小野明君 終わります。
#114
○大橋和孝君 だいぶ時間が迫まっておりますので、私ちょっと要点だけをつまんで、この看護婦さんの問題についてお尋ねしたいと思いますから、できるだけ重複を避けますが、四十三年には、病院、診療所五百十一について、看護婦と労働基準法の関係について調査をしておられるはずですね。それを見ますと、八九・六%がこれは何らかの基準法違反になっておる。そのうちで五五・四%が労働時間の違反である。ことに非工業事業所あたりの全体の違反件数から見ますと、これが三二・四%ですから倍以上になっているわけですね。こういうような状態で実際問題として行なわれておるということは、これはもう明白になっておるわけでありますが、こういう問題は先ほどちょっと触れられておりましたけれども、この問題について、一体労働省のほうはどういうふうに考えておられるのか、これは非常に大事な問題だと思うのであります。また、こういうようなことが行なわれておるということに対して、厚生省のほうでは一体どういうふうに考えておられるのか、その考え方をきちっとひとつ聞かしていただきたいと思います。
#115
○説明員(細野正君) ただいま御指摘ございましたように、病院、診療所の労働基準法の違反状況は、かなり高い比率を占めておりますので、私どももこれを重視いたしまして、本年度におきましても、非工業の中の重点業種としてこれに対する監督を厳重にするように、先般の課長会議におきましても指示をしたところでございます。
#116
○政府委員(松尾正雄君) 私どものほうも、この調査結果をちょうだいいたしまして、中身がこういうふうな違反でございますことはまことに遺憾だと考えております。特に病院というような場所で、ついいろいろなことでうっかりしたと申しますか、そういう雰囲気があろうかと思いますけれども、少なくとも勤務とか休憩、そういったような問題についてきちんと守られていないという指摘は、たいへん残念に存じます。したがいまして、私どもも、全国の衛生部の医務課長、主管課長会議でございますとか、そのほか各種病院、団体の集まりというようなときには、必ずこれらの状況をよく説明をいたしまして、十分ひとつ指導して、早く守られるようにという指導は続けていくつもりでございます。
#117
○大橋和孝君 いまこのパーセントの例を引いて申し上げたのは、これほどこの違反があるということは、私は、この医療の組み立ての中に大きな問題があるからだということを認識してもらいたいから、これを出したわけです。実際問題として、八九%といったらこれはほとんど全部ですね、違反は。こんなような状態に追い込んでおきながらそのままおいておくということは、日本の医療を守る厚生省、あるいは労働省は、こういうようなものをあまりにも等閑視されておる。その原因をもっと追及をして、どこでそういうことにならざるを得ないか、それをもっときわめることがぼくは最も必要なことではないか。こういう違反が行なわれていることは、違反は違反として、それは、病院、診療所がいかに法を守らない悪いやつであるかということだけでなくて、もう医療制度そのものにも、あるいは報酬の中にも大きな間違いがあるからこういうことになっているので、看護婦さんあるいはそうした医療従事者の供給、それを養成する過程、これのすべてに問題があるのではないかということで、これはひとつ十分に考えていただきたいと思うわけであります。
 それからまた、外国なんかの例を一つ見てみますと、夜勤の手当を大幅に増額をして、夜勤を専従者でも喜んで希望してくるくらいの夜勤手当というものを出しているのが外国の例でありますね。ところが、こちらのほうでは、夜勤手当は四十一年からでしたか、初めて認められて、一回百円、しかも、この百円を一体時間はどういうふうにしてやっているのか。たとえば十二時までの夜勤は百円は与えられない、朝の五時までつとめて初めて夜勤手当の百円が与えられる。私は、この百円というものに対して実に奇異な感じを持つほど問題があると思うのでありますが、この支払われておる状態、あるいはまた支払い方法、計算の方法、これについて一ぺんひとつ聞かしていただきたい。
#118
○政府委員(松尾正雄君) 夜間看護手当は、四十年八月から支給されるようになっておるわけでございますが、この支給方法としましては、ただいま御指摘がございましたように、夜勤いたしましたとき一回について百円でございます。しかし、その深夜における勤務時間が二時間以内の場合には八十円ということできまっております。ただいま御指摘のように、二時間以内の場合は八十円、それからそれをこえる深夜勤の場合は百円ということになっております。私どもも、やはりこういった実態と百円という額とははなはだ似合わない、こう思っておりまして、先年のときにも、これの増額について強く要望したわけでございます。今後とも私どもは増額には努力を続けたいと存じております。
#119
○大橋和孝君 それには二五%ですか、割り増しがついておるということも知ってはおるのですが、しかし、いまの百円というのでは実に問題にならないし、外国なんかに比べてみますと非常に差がある。特に深夜の勤務と昼間の勤務というものは、先ほど藤原さんが盛んに言われた母体、そういうものに対しての影響というものも実に大事なものがある、これに対して百円というのは。私がいま聞いたのは、百円の計算方法、計算基礎は一体どこから出したかをついでに聞いておきたい、こういうふうに思っていま質問をしたわけでありますから、この百円の計算基礎というのは、一体どこから出したのか一ぺん聞いておきたい。
#120
○政府委員(松尾正雄君) 残念でございますが、算出基礎をいま存じておりません。後ほどよく調べてお答えいたします。
#121
○大橋和孝君 とんでもない話でありまして、あなたのほうは百円渡しておるが、何で渡しておるのかわからぬで渡しておる。わけのわからぬ百円を出しておるということになると、これは会計上問題があるだろうと思う。また、逆にいえば、わずかばかりのものを出して知らぬ顔をしておる、計算基礎がわからぬということになると大問題だと思う。至急調べて知らしてもらいたい。
 それから次に、業務の内容の適正化の区分というものについてちょっと聞きたいと思うのです。これは先ほどちょっと出ておりましたが、たとえば医師の仕事とパラメディカルの仕事と分析する必要があると思うのです。たとえば医師も、看護助手もいなければ、これはみな看護婦さんにしわ寄せされるわけですね。ところが外国の例を見てみますと、ソ連あたりでは、パラメディカルが医師の三倍くらいいると言われておる。これを五倍にしようというのが最近の方向だということを私は聞いております。一九六三年ごろでありますか。カナダでは六倍、スウェーデンでは九・五倍、アメリカでは四・四倍、デンマークでは三・七倍、日本では約二倍であります。看護婦、助手の制度がありませんから、こういうようなことから考えてみますと、私は看護婦の助手というのは、いま完全看護といいますか、基準看護では、認めておるわけでありますが、これの区分が食事とか、あるいは清掃するとか、そういうような業務までが看護婦のほうにしわ寄せされておる部分がたくさんあると思うのです。こういう点なんかも、これは十分看護婦業務ときちんと離してやるくらいの指導を十分行なわれる必要があろうと思うのですが、これは予定表の中にどういうふうに組み込まれておるのか、その点ちょっと聞かしていただきたい。
#122
○政府委員(松尾正雄君) 先生御指摘のように、看護婦補助者というものの業務の中身をはっきりきめてかかる、しかもそういう人を十分チームの一員として使っていくということが、いま御指摘のように、看護婦として本来持っておる力を八時間なら八時間の中でフルに使う、それがそういう資格を持たなくてもいいような仕事に多くの時間をさかれるということになれば、せっかくの資格が死んでいるわけでありますから、私どもも、そういう意味で補助者というものを十分活用するようなことを考えなければならないのじゃないか。それは決して看護の内容を下げるというような意味で言うのじゃなくて、むしろ看護婦というものの本来の仕事を十分にやってもらうための補助者、こういう形で一定のものをどうしても導入しなければならないと考えております。この点につきましては、いろいろなほかの資料等もございますので、一応長期計画の際には、そういうものをやはり組み込んでまいりたいと思っております。
#123
○大橋和孝君 それから、日赤あたりでは毎年千人くらいの看護婦さんが送り出されておると言われておるわけです。――そうでございますね。この際、それを二倍にするということはできないことじゃないのだ。三十八ですか、看護婦学校が日赤にある。そうすると、これが何で増員できないか。これはやはり一人養成するのに年間十五万円かかるとか言われておるようですね。そういうような関係で、それでなくても苦しいわけですが、いまの病院経営の診療費の中から編み出して養成をしておる、こういうような状態では、やはりそこに無理があるのではないか。養成の制度は、当然国なり公的なところで十分な負担をしてやらなければならない、こういうふうに思うのでありますが、特に民間あたりの施設で養成をするときは、いま何か前の議会の中の答弁を読んでみたところでは、やはり直接援助できないのだ、それだからということになっておりますが、それは私は県を通じて、委託養成補助費とかなんとかいうことでやったらどうか。これは、たぶん大臣の答弁の中にもそれがあったと思うんでありますが、そういうふうにでもして、国あるいは公的なところから補助をして、十分裏づけをしなければこの養成ができないと思うんでありますが、そういう点については、いかがでありましょうか。
 それから、四十一年十月十四日の社会労働委員会での大臣の答弁でありますが、これも先ほどちょっとどなたかが触れられましたが、公的医療機関に付置しておる施設、それからまた高校の看護科を拡充していく、あるいは県を通じて、民間の養成機関に委託養成費を出しながら、これを国が補助してやっていこうとする方法、あるいはまた修学資金なんかの貸し付けなんかもして、もっとこれを発展させようと、こういうようないろいろな柱を立てて養成計画が提案されておると聞いておりますけれども、こういうような問題については、先ほどのように、公的に費用を負担するということで、相当裏づけされてなかったならば、とうていできない。特に日赤だとか、官公立の病院に付置されておるところの看護婦の養成機関というものを倍ぐらいにすることは、その金を少し補給すれば、何ら支障なしにできるんじゃないか、こう思うわけでありますが、この考え方についてどうでありますか。
#124
○政府委員(松尾正雄君) わが国の看護婦の養成は、どちらかと申し上げますと、各病院で自分のところに必要とする人を養成したいというような歴史があったようでございます。いわば企業内教育みたいな形でスタートしてきた。その点は今日の時代におきましては、そういうものでないことは御指摘のとおりでございます。たとえば国立病院等でいま養成いたしております者の大体五三%ぐらいしか国立の機関にはもう残りません。あとみんなほかの医療機関に出ていただいておるわけであります。私どもやはりそういうふうな形でいくことが本来であろうと思います。そこで、国の場合には、一般会計でこれを負担して養成しているわけでありますけれども、その他の機関におきましては、御指摘のように、医療費、診療報酬の中でその養成費を出すということは、ただいまほかに人を出すというところ、自分のところ以外の人を教育するということも、自分のところの診療費でまかなわなければいかぬ。これは非常に増員に対しては制約的要素だと思います。ただ、民間等に関しまして、委託費というようなことで、補助金は出せない仕組みでございますが、何とかそこを突破したいということで、国なり、県なりがそういうところに看護婦養成を委託をするという形をとれば、これは可能ではないか、こういうふうに考えまして、四十四年度のときにもそういう要求をやったわけでございますが、どうしてもまだ壁が固くて、実現できませんでした。しかし、私どもは、一般の施設をつくりますときのいろんな助成、補助金というようなもののほかに、どうしてもやはりそういう経営的なものについて、何か方法を講じてあげなければやりにくいということは同感でございます。引き続きいい方法をいろいろと検討させていただきたいと思います。
 それから、公立関係のものを特に伸ばしてまいりたいということは当然でございまして、ただいま三年課程のものでは、国と県で大体六四%くらいをやっております。しかしながら、これもさらに、最も養成のしにくいものは、そういう団体が私は率先して引き受けるべきだと思っておりますので、その方向を進ませていただきたいと思います。
 それから、看護高校は三十九年に発足をいたしたわけでございます。たへいん短かい期間の間に八十三校までいま伸びてまいりました。これは今後も引き続きやはり順調に伸びていってほしいというものでございます。
 それから修学資金等につきましても、現在の状態でございますれば、なお単価も引き上げて、かつ人員もふやしていくということが私どもの希望でございまして、育英資金等の単価に右へならえのいろんな問題もあったようでございまして、ことしは人員増だけに終わっております。しかしながら、この問題は、先ほどの経営費が非常にかかるという問題とも決して無関係ではないと存じております。すべて食費から何から全部を持つという形であれば、いろんな経費がかかるわけでございますけれども、しかし、奨学資金をうんと増すことによって必要な食費等を払うということも一つの方法ではないか。どういう方法が一番いいのかは決定しておりませんが、それとのからみ合い等におきましても、やはり奨学資金の制度の問題は強く考えていかなければならぬと存じております。
#125
○大橋和孝君 もう少しそこのところ突っ込んでいろいろ聞きたいところはありますが、時間がありませんから大まかなところで進ましてもらいます。特にいまいろんな養成計画の中で、厚生省は、もう少し大蔵省に対して相当強腰でもって当たって、国から出させる、国から出す方法を十分裏づけない限り伸びないと思うのです。いままで何べんも繰り返して言ってきたのですが、いま申したような根本的なことでもっと突っ込んで詳しいところを聞けばその点浮き彫りになると思いますけれども、申し上げません。特に、厚生省のほうでは、これは裏づけをして、国としてももっと大きく養成機関を伸ばしていく、少なくともすぐもう来年度から倍以上になるという状態にまで持っていってほしい、こういうことを考えるわけです。先ほどから年次計画の話もありましたが、これに触れません。
 先ほどちょっとお話出ておりました既婚婦人の問題でありますが、国立病院・療養所において既婚の看護婦の比率は四二・五%、これは御発表になっているものを聞いたパーセントでありますが、こういうことは、先ほどお話しになったように、結局保育所をつくらなければいけないのだということが先決問題よくわかりました。先ほど議論になりましたが、なお一そう突っ込んでいきたいということでありまして、いま星の数ほどあればとにかく、でなければ住宅の近くの保育所に預けると一番いい、それが理想でありますが、なかなかできてない。また国立の状態を見ましても、保育所をつくりましても部屋をあけるだけであって、あとは全部預ける人の負担になってくるという状態です。あちらこちらで調べましたが、そういうことがガンになっておる。結局保育所をつくっても大きな負担ばかりで、決してうまくいってないわけです。運営の問題においても非常に大きな問題がある。少なくとも、これに対して国から、ことに医療の従事者の増員をはかる意味においても、こういうことが一つの大きな施策として出ない限り、私は既婚の婦人に働いてもらうということはできないと思うのです。ことに免状を持った人がいま五十五万四千ありますか、その中で二十五万三千、就業率は四五%くらいにしかなってないのです。五五%は就業してないという形になっている。先ほどちょっとお話ありましたけれども、もっともっと具体的なことを進めなければ、潜在する看護力を復活させることはできないと思うのです。このことが私聞いておった中では明確に受け取れておりませんから、今後、一体潜在看護力を吸収するためにはどういう施策をするか、こういうことについて聞かしていただきたい。ことに国立病院なんか、退職する率は一三・七%と言われている。四十三年だけで一千百名が退職している。こういうことを考えてみると、やはりいろんな潜在力を復活させるところの施策、それには労働条件とか、いろんな問題が入ってくるだろうと思うけれども、これに対して相当前向きの姿勢でやらない限り、こうした看護婦さんは減る一方になってくるという形になりますから、ここのところきちっとした答弁をしてください。
#126
○政府委員(松尾正雄君) 家庭におられる看護婦さんにぜひ働いていただきたいと、私どもも考えております。それから先ほど来藤原先生等のお話を伺いましても、看護をする資格と申しますか、人間といたしまして、家庭で子供さんを持たれた方がそういう理解の上に立ってまた患者さんに接せられるということは、たいへんありがたいことではないかと考えております。したがいまして、できるだけそういう方々に出ていただく、このためには、先ほど大臣からいいサゼスチョンをいただきましたけれども、どこに潜在看護婦さんがおられるかということを具体的につかむということ、これはなかなかむずかしい問題であったわけです。しかし、いろいろな点でとにかくおられることをまず確認をしたい。それから第二には、しばらくやはり職場を離れておられますと、最近の新しいいろいろ変わった医療の中に入っていくことに、率直に申してちゅうちょされる空気があるようでございます。したがいまして、四十二年から、まだ規模ははなはだ小規模でありますけれども、そういう御希望のある方に短期間の講習と申しますか、最近のいろんな看護上、医療上の問題をお話申し上げるという講習会の機会をつくる、これはたいへんそういう積極的な希望を持っておられる方にとっては喜ばれたように受け取っております。ただ、こういったことも、家庭におられる方を相手にするものでございますので、なるべくもっとこまかい範囲に広げてやらなければならない。大きなブロック単位までとても十分手が届きかねますので、今後県とも十分連絡をいたしまして、こまかい地区でそういうことができまして、容易に受けられるように配慮したいというふうに考えております。それから第三は、やはり保育所の問題であろうかと存じます。これもいろいろ経費の問題になりますれば、他の保育所とのいろいろなバランスの問題規模の問題等々があると思います。しかしながら、理想的なことばかり申し上げておりましても、実際はなかなか成り立たない問題でございます。単に国立の機関だけでこれを解決すればいい問題でもございませんので、児童局ともよく相談して、少なくともこういうものについて、何らかの形で積極的な手がとれる方策を実現したいと私ども考えております。同時にまた、こういう家庭におられる方々が勤務をされる態様といたしましては、すべてを通常勤務の方と全く同じにすることがはたして妥当かどうかという問題もあろうかと思います。やはり家庭の仕事がございますので、たとえばパートタイムというようなものをうまく組み合わせることによって、相当の時間そういう看護面に出ていただける、こういうことも可能ではないか。大体ただいま申し上げましたような。パートタイムのようなことも含めまして、潜在しておられる看護婦さんの対策を立ててみたいと考えておるわけでございます。
#127
○大橋和孝君 私、ちょっと梅本局長に聞きたいのは、この保険の点数の中には、一体看護婦さんの給与が幾ら含まれているかということを具体的にしなければ、この問題はなかなか根本問題が解決されないと思うのですね。一体それはどういうふうになっておりますか。それからまた、各医療機関で看護婦の養成機関が付属してあるわけですが、先ほど言ったように、十五万円もかかるわけですが、この赤字に対してある程度診療費の中から埋めているということも事実あろうと思うのですが、その点は一体どうなっていて、そういうことがもし医療、医業の経営の中に押し込まれているような状態があれば、これはたいへんな問題だと思うのです。特に私は力点を置いて尋ねたいことは、保険で支払われている点数の中に看護婦さんたちの働いている分量がどういうふうに入っているかということを明確にして、そういうものをもっとクローズアップさせて支払わなければ、これは民間であろうが、公立であろうが、医療は圧迫され、そうしていつまでも看護婦さん、あるいはまたその他のパラメディカルの人たちの待遇はよくなっていかない。そこにどうしても無理がある。だから、この問題は非常に重大な問題で、医療費の支払いの中にこうした大事な要素をどれほどに計算されておるか。先ほどの何か話の中では、全体的、総体的にふわっと何か説明されたのですが、そんな状態では、もういつもしわ寄せされるのはパラメディカルの従業員であるという原因になろうと思うのですけれども、そういうところをもっと詳しく説明してください。
#128
○政府委員(梅本純正君) お医者さんであられます先生は、よく御存じと思いますけれども、御承知のように、保険から、診療報酬につきましてそのお医者さん並びにパラメディカルの関係者に支払う方法といたしまして、御承知のように、戦前は厚生省と日本医師会におきまして来年度は幾らという総ワクで契約をいたしてきめまして、現行の診療報酬の点数のもとになりますのは、これは日本医師会におきまして、各科のバランスをいろいろ検討されまして、その各科のバランス、あるいは各診療行為ごとの一定のバランスというものを考えられて点数表を決定されておったわけでございます。それが、御承知の戦争状態になりましてから、そういう民間団体との契約ということはやめるということで、厚生大臣の権限ということで、現在厚生大臣が点数表の告示をいたしておるわけでございます。そういうことでございますので、結局ドイツ流のお医者さん自身は、おのおの各科に分かれておりますが、たとえば内科の一つの行為と外科の一つの行為をどういうように評価をして、どういうようにきめるかということにつきましては、どの行為一つとりましても重大問題であろうと思います。それは一応お医者さんの内部におきまして、従来、内科、外科、各科ございますけれども、そのバランスをとりながら、その自分たちの仲間といいますか、お医者さん内部の配分の一つの基準としまして点数表がきめられてきたわけでございます。それで一定のものに落ち着いてきております。厚生大臣がきめる形になりましてからも、現行の特に乙表をごらん願いますと、戦前のそういう点数表と何ら変わらない形のまま、ほとんど基本線は変わっておりません。そういうことで受け継がれてまいりまして、結局それで一定の安定を保っておるわけでございますが、ただ、そういう点からいたしまして、診療行為でございますので、たとえば入院料という形の中にすべてのものが全部含まれるという形でございますし、それから乙表で処置料というのが出てまいりますけれども、一定の処置をした場合には、その人件費的なものも全部その中に含まれているという考え方でございます。したがいまして、この診療報酬の点数表の問題につきまして、たとえば大きく分けて物件費的な点数表、人件費的な点数表という組み立てになっておりませんで、その各科のバランスをとりながら、各行為について何点というようなきめ方をいたしておりますので、もちろんこの診療報酬の計算の中に、お医者さんのその報酬は、いわゆる人件費といいますか、そのドクター・フィーは幾ら幾らであって、それから御指摘の看護婦のあれは幾ら含まれておる、あるいはそれじゃ病院の事務長、あるいは会計、庶務の連中は何点なんだと、こういう立て方になっていないわけでございます。そういうことで歴史的に見まして非常にむずかしい問題で、各科に分かれております一つの行為をとって、それはこちらが六点のこちらが七点であるというようなことを正式にきめます場合には、これは大問題になると思いますし、それの一つの端緒は、国際的によく身体障害者の等級表をきめますときに両眼喪失と片手切断というものとの級別をきめるということでも相当の会議をやり、国際的な基準を見出そうということでも相当の年月がかかっておりますが、これは各診療行為について、内科と外科、整形外科と皮膚科の行為を比較して、それを評価して、それをまた物と技術に分離していくということについては相当の問題点があるということで、第三者的にごらんになりました場合には、この自由経済の中で一つの支払い方式を点数できめておりますために、原価計算的な計算がないではないかという御指摘があろうと思いますけれども、やはりむずかしい。各科の非常に細部に分かれている診療行為が、一応歴史的に、保険発達以来、こういうような関係で落ち着いてきている。そうしてあとは、問題は近代の医学、薬学の進歩に応じまして、必要なところを手直ししてきたと、こういうような状況でございます。そういうことで、おっしゃいますように、各人件費につきまして、院長は幾ら、看護婦さんは幾ら、事務長は幾ら、あるいは庶務会計の係員は幾らというような組み立て方になっておりません。ただ先ほど申しましたように、従来はそういう点につきまして検討することにつきまして、前もお答えいたしましたように、根本的なデータが諸種の関係で十分ございません。これは、四十二年の九月の中央医療協議会におきましても、関係者全員が三年に一回診療報酬の関係の根本的な調査をやるという合意ができまして、調査が進行をいたしておるようでございます。そういう点で、今後診療報酬の体系の立て方から始まりまして、抜本的な御検討が中央医療協議会で行なわれるというふうに考えております。
#129
○大橋和孝君 そんな紋切り型の答弁を聞こうと思っているんじゃない。それはもう何べんも聞いておることです。しかしいまあなたがおっしゃるように、だれは何ぼとして計算せいということを言っておるわけじゃない。一体全体いまの点数の中にどれくらい含まれていると、あなたは見ておるのかということを聞いている。特に、点数の計算というものはいつ改訂したんですか、単価というものはいつ変えたんですか。点数というものはもう十年前につくった点数で、しかも単価は変えてない。単価は十円であるということの中でこれだけ人件費が上がっていく。そしてまたもちろん物価が上がるからして、非常に働いている人たちも困るんだという条件が一つも支払いの中には含まれてないじゃないですか。それを三年に一回の医療費の調査をしましてと、そんなことを言われている時期じゃない。もう一目りょう然、いまの点数で支払われている医療費というものは、ほんとうに働いている者の真価を認めてないということを指摘したい。そういう意味において、いま生で私は保険局長として、保険の財政を考えるのに、赤字を出さないように押えるばかりじゃなぐて、もっとやっぱり保険財政をふくらめることによって、医療従事者のいわゆる働き分はどれくらい認めるかということを考え合わせてやっていかなきゃならない。私は、そういうことを言うわけです。いままでの立て方、やり方は十分承知をしているけれども、そういうことであってはこれからの医療従事者、ことに看護婦さんなんかを募集していく上において、養成していく上においても、また気持ちよく働いてもらうためには、とうていこんな医療費の組み立て方ではいけないんです。もう少し働いている方たちの、看護婦さんあたりの働く分量をどれくらいに見るかということをつかめる程度にしていかなければ、医療費はこう考えています、ああ考えていますでは困る。いま考えてごらんなさい。入院費の点数を考えても、その中に食事から何から入れてしまえば、いまの一人一日入ってもらっても、これを看護するだけのものが入っていると認められますか。そういうことを反省をしてもらいたい、あなたに考えてもらいたい。そういうことをやらなければ、いろんなことを言っておりましても、これからこうします、ああしますということで、先ほどから養成計画も聞きましたが、養成所、各種学校でも、もう若い人たちが希望を持ってそしていけるような仕組みにしますとか、あるいはこうしますとか、いろいろ計画が出ておりましても、それは紙にかいたもちであって、ほんとうに金が出なかったらだめなわけですよ。そういう点を私は追及したいと思いますが、再度一ぺん考えを……。
#130
○政府委員(梅本純正君) 御質問の最後のように、現行の点数表の中で看護婦の人件費が幾らだという御質問でございましたので、現行制度の立て方につきまして御説明をしたわけでございます。しかし、この問題につきましては、現行の保険点数につきましては、単価掛ける件数という形になっております。それで、いままでやってまいりました診療報酬の引き上げの方法といたしまして、パーセントをもちまして引き上げてまいりました。三%あるいは五%。最近におきましては、四十二年の十二月一日をもちまして七・六八%全体につきまして引き上げをやったわけでございまして、単価の問題につきましては、一点十円というのが非常に事務的に便利であるということで、昔は単価につきまして十一円幾らという端数がついておったものを、一応単価掛ける件数でありますために、単価を十円に据え置きまして点数のほうで操作する。これがいいか、悪いかはまた別の問題としまして、現行そういうふうになっておりまして、単価掛ける件数で何%上げる。平均して何%上げたものにつきまして、各科のバランスを見て配分をしていくという方式がとられておるわけでございまして、これにつきましても最近におきましては、先ほども御説明しましたように、四十二年の十一月に上げまして平均は七・六八%でございますけれども、基準サービス部面につきましては、そのパーセントから見ますれば、平均以上の引き上げが行なわれたわけでございます。私が申しましたのは、今後の一つの診療報酬の体系のあり方といたしまして、先生おっしゃるのも一つの議論だと思います。それは先ほど長々と御説明しましたように、非常に歴史的にそういう形で、各科のお医者さんの上のバランスとしてずっと発生してきておりますので、これの組み立て方を全面的に変えるかどうかという問題が一つの根本的な適正化の問題として中央医療協議会で新しいデータに基づいて御審議になるものというふうに考えております。前々から甲乙二表があるという問題につきましても、おかしいではないかという問題もありますし、また物と技術を分離すべきだという議論もございます。技術と言われますものは、いわゆる人件費的なものと物件費的なものとは、はっきり分けるべきだ。人件費的なものでも、先生おっしゃるような、そういうふうに各職種別に分けるべきだという御議論も一つの議論だと思いますが、ただ歴史的にそういう点がございますので、やはり関係者のできるだけ一致した方法でその体系の検討をやってまいりたい。それがためにはやはり関係者が出そろっておられます中央医療協議会の舞台をして、よくその意見を聞いて善処してまいりたいということでございます。
#131
○大橋和孝君 いまの話で七・九%上げたとか、それはもう二年も前の話です。物価なんか見ましても、年々にして五%前後ずつ上がっている。そういうふうなことを考えてみますと、なかなか医療費の立て方自身も十分考えてもらわなかったら、やはり医療機関の中で看護婦さんの位置づけというものは伸びていかない。必ずその原因をなしておるわけでありますからして、特にそういうふうな。パラメディカルの、あるいはまた医者の技術料もそれに含まれるわけでありますが、そうした人件費的なものを相当ウエートを高く持っていかなければ、これはしわ寄せばどこへいくかというと病院にいくわけですから、そういうことは厚生省の方針としては十分考えてもらわなければならない。ほかのいままでの議論の中でも、何かそういっても現実とは離れているから、十分現実を見ながらいかなければいけないということもありますけれども、特に私はこういうふうな看護婦さんの勤務の条件、あるいは要員の確保、養成の方法、あるいはそうした待遇の改善というふうなものを相当抜本的にやらない限り、それはなかなか組み入れられないと思います。特に養成計画がいま樹立されておるときでありますから、そういう点を配慮していただくのが一番重要なポイントではなかろうか。そういうことに対しては、厚生大臣は十分大蔵省に対して予算を獲得してもらう、それを胸を張ってやってもらわない限り、看護婦さんのいろいろな条件もできない。できなければ国民の健康が守られないという状態なんで、先ほどからいろいろな例をあげられていますけれども、ひとつ大臣のほうから、この看護婦の養成の問題については非常に大きな要請をしていただきたい。同時に、私は、きょうにでも社会労働委員会の決議として、ひとつそういうようなことをしていただきたいと思っておりましたけれども、これはこの次にでも、またいろいろとお願いをすることにいたしまして、私は、きょうは提案をさしていただきませんけれども、特にその根本的な意味はどこにあるか、やはり厚生省がもっと胸を張って、そうして予算獲得をしてもらって、そうして国民の健康を守れるような看護婦さんの養成、あるいは労働条件、二人に月八日の問題なんかも実現できるように組んでもらいたいと思いますので、そういう点を要望いたしまして、この点は終わりたいと思います。
#132
○国務大臣(斎藤昇君) 小野委員の冒頭の御質問にお答えをいたしましたとおり、私は、この問題は今日の時世の要求している一番大事な問題の一つと考えまして、十分に取り組んでまいり、大蔵省も説得をするだけの自信をもってやりたい、かように思います。
#133
○理事(鹿島俊雄君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#134
○理事(鹿島俊雄君) 速記を起こして。
 他に御発言もなければ、本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#135
○理事(鹿島俊雄君) 次に、麻薬の取締に関する件について調査をいたします。
 御質疑のある方の発言を求めます。
#136
○大橋和孝君 たいへん時間がおくれておりますので、ごく簡単にさらっとやらしていただきたいと思います。
 このところ、麻薬事件が非常に発生しておる。特にベトナムから帰休兵が持ってくるところの事犯が非常に多いと聞いておるのでありますが、きょうは私は、その中で特に大麻の問題を厚生省と警察庁、特にまた外務省あたりにちょっと尋ねてみたいと思いますが、最近は非常に麻薬事犯が多い傾向であると聞いておりますが、それはどんなふうになっておるのか、あとでちょっと聞かしていただきたい。
 それから第二点は――時間がありませんから簡単に要点だけを申し上げますから御返答していただきたいと思いますが、三月六日付の朝日新聞や読売新聞にも出ておったわけでありますが、最近の傾向といたしましては、海外の基地などから来る米軍の兵士から大麻がたばこというような形で持ち込まれている。これに対しまして警視庁は米軍と交渉して異例の捜査協力要請をしていると、こう書いてあります。大麻の密輸密売事件の検挙は、警視庁保安二課の調べによると、こう聞いております。一昨年は二十六件、二十四人、押収したのが百六グラム。昨年は五十九件で六十六人、押収が一キロ七百六十六グラム、こういうふうに非常に増大をしております。量あるいはまた数も多くなっている。すでに今年に入りましては、二月までにもう四十四件、三十一人と、こういうふうに聞いております。こうした事態に対しまして、厚生省や警視庁は、現在この取締官は一体何人ぐらいでやっておられるのか、どのように活動しておられるのか、これを聞かしていただきたい。
 第三点は、ここでひとつ大麻というものの品質、作用あるいは使用状況についてもちょっと聞いておきたいと思いますので、以上三点についてひとつ御答弁願います。
#137
○政府委員(坂元貞一郎君) 逐次第一点から簡単に御説明いたします。
 第一点の最近の麻薬犯罪の現状でございますが、これは御承知のように、昭和三十八年法律の改正をやりまして以来、ヘロイン等の不正麻薬の違反は逐年減少しております。ただ、それにかわる新しい麻薬事犯というのがここ二、三年急激にふえてきております。その第一点は、いま御指摘になりました大麻事犯でございます。それから第二点は、いわゆる正規の医療麻薬の不正事犯というのが最近少しずつふえてきているというようなこと。それからいわゆる海外からの密輸事犯というものが依然としてあとを絶たない、むしろふえつつある、こういうような現状になっております。総体的に申しますと、三十八年ごろの麻薬事犯が非常に多かった時代から比べますと、総体の違反検挙の件数等は逐年減少してきておりますが、いま申しましたように、新たなる麻薬事犯というものがそれにかわりまして出てきている、これが概括的な状況でございます。
 それから第二点の大麻事犯につきまして、米軍関係、特にベトナム帰休兵等、あるいは基地周辺等に最近ふえてきているということは、概括的に申しますと、冒頭に申しましたように、大麻事犯というものがだんだんふえてきておりますので、この大麻事犯の内容を分析いたしますと、やはり外国人による海外からの持ち込み、こういうものが非常にふえてきている。その中には、御指摘のように、ベトナムあたりからの帰休兵なり、あるいは海外旅行者等の持ち込み、そういうものも少しずつふえてきているということでございます。それに対しまして、厚生省なりあるいは警察、海上保安庁関係、官庁一体となって取り締まり、捜索をやっているわけでありますが、厚生省関係の麻薬関係の要員といたしましては、現在全国に麻薬取締官事務所というのが八カ所ございます。そのほかに横浜、神戸等に三つの分室というものがありまして、そこに大体百六十名の国家公務員たる麻薬取締官というものが配属されて、実際の取り締まりに当たっているわけでございます。それから、それ以外に各都道府県に、これは地方公務員たる取締員でございますが、百三十一名程度の麻薬取締員というのが法律上配属されておりますので、こういうものによりまして現在全国的に麻薬取り締まりの実際の活動をやっている、こういうことでございます。それ以外に警察なり、海上保安庁あたりもやっておりますが、警察からもお見えになっておりますので、警察関係は、後ほど答弁していただけるかと思います。
 それから第三点の大麻の作用等でございますが、これはいろいろ昔から大麻というものがどのような作用を持っているかということについて、諸外国でもいろいろ文献等にも出ておりますし、わが国においても、この大麻というものの作用等については、最近特に事犯が激増してきておる現状でございますので、十分研究をいたしているわけでございますが、これはむしろ大橋先生のほうが専門家でございますので、私から申し上げるのはいかがかと思いますが、やはり大麻というものは麻薬の一種ではありますけれども、ヘロイン、モルヒネ等の狭い意味の麻薬と若干作用が違っていると言われております。それはどういうことかと申しますと、ヘロイン、モルヒネ等と違いまして、大麻の場合は、いわゆる幻覚症状というものが非常に強く出てくるということが第一点でございます。それからもう一つは、ヘロイン、モルヒネの場合よりも、大麻の場合は、いわゆる禁断症状とかいうようなものが若干弱い。むしろ禁断症状と言われているものはほとんどない。精神的な依存度というものはございますが、肉体的な依存度というものは、大麻の場合は、ヘロイン、モルヒネと違いましてほとんどないというようなことが言われているわけでございます。ただ、これを常用いたしますと、やはりいろいろな弊害が出てきているということは昔から御承知のとおりでございます。
 私から御答弁いたしますのは以上の点であります。
#138
○説明員(小野島嗣男君) ただいま厚生省からお話がございました警察庁の保安課長でございますが、警察の取り締まり状況についてお話したいと思います。
 先ほどお話がありましたように、ヘロイン等の麻薬事犯は、件数から言っても三十六、七、八年を頂点にして、最近は非常に減少しておることはいまのお話のとおりでございます。ただ件数としては減少しておりますが、昨年、ヘロインについては、警視庁でタイ国留学生の持ち込みましたヘロインの事件を検挙いたしておりますが、これが大体五キロ余に及ぶヘロインの押収量でございまして、昨年は、いままでで一番ヘロインについては件数は少ないんですが、一件当たりの押収量が多く、過去になかったぐらいの押収量になっております。ことしに入りましても、兵庫県警でやはり一・五キロぐらいのヘロイン、これは外国船の中国船船員が持ち込みまして、日本人がこれを買った事件でございます。したがいまして、件数は非常に減っておりますが、まだまだ東南アジア方面の麻薬の事情というものは好転いたしませんで、日本に持ち込んでこようというような形勢はないことはございません。したがいまして、私どもといたしましては、これを持ち込む段階で、水ぎわで徹底的に検挙するという方針で、現在までに検挙いたしておりますのは大体水ぎわで捕捉しまして、末端の中毒者には渡らない状況で検挙をいたしておるわけでございます。
 それから大麻でございますが、大麻につきましては、これはどうも世界的な傾向のようでございまして、ちょうど昭和四十二年に国際刑事警察機構京都総会というのがございまして、六十九カ国から警察代表が参りました際にも、この大麻の問題については、麻薬問題全般とともに、取り締まりを厳重にすべきだという意見がたいへん出まして、そういったような決議もなされております。国際協力の面でも、そういう点について関心が持たれておるわけでございます。したがいまして、その当時の報告を見ますと、アメリカでも一九六五年から六六年にかけた二年間で、検挙者が二倍になり、押収量が三倍になったというような報告もあります。それからイギリスでも大麻はたいへんな問題である、あるいはカナダでもたいへんな問題であるというようなことで、それぞれ代表が報告しているわけでございます。各国警察ともにこの大麻については頭を悩まし、あるいはこれを検挙すべく努力をしているようでございます。昨年、日本人の旅行者がヨーロッパ方面で五名大麻の所持で検挙されております。いわゆるヒッピー族とか、まあフウテン族というようなものが世界的に流行になりました際に、一般的に大麻が流行し始めたといわれますが、それらの外国人旅行者によってあちこちに運ばれて非常にふえている。わが国では、大体ちょうどヘロインが下降期にたりました三十九年ごろから非常にふえてきている。警察のほうにおきましても、これについては、当初から大麻の吸煙に関します事犯につきましては、徹底的に検挙の態勢で望んでおりますが、現在までに昭和四十年が三十九人、昭和四十一年が四十二人、昭和四十二年が九十人、昭和四十三年が百七十八人というのを検挙しております。大部分は東京、横浜方面でございまして、あと神戸、大阪福岡、長崎というような開港場を控えました土地で、四十三年の中で百七十八人のうちで百三十三人が外国人でございまして、その中にはいろいろ外国人旅行者とか、外国人船員とかあるいは外国軍人というものも含まれておるわけであります。私どもといたしましては、先ほど麻薬一般について申し上げましたように、できるだけこれが使用の段階にならないうちに検挙すべく徹底的にやっておる次第でございます。
 それから全国的な私どものほうの麻薬の専従員は、七百七十人ばかりおりまして、そのほかに一般警察でございますが、全国的に警察官が兼務的に麻薬取り締まりをやっておりまして、各県でやはり従事者がおるわけでございます。
 以上でございます。
#139
○大橋和孝君 国内でいま麻薬の中毒者は一体どれくらいおるのでしょうか、そういうことはつかめておるのでしょうか。そういうものは収容されておるか、ことに大麻あたりではどういうふうになっておるかということをお伺いしたいと思います。それが第一点。
 第二点は、私、聞くところによりますと、茨城県あたりで県知事が許可をして栽培をしておる、こういう話を聞いているのですが、一体耕作者は何人くらいおって、耕作面積はどのくらいで、その使用目的とか、監督とか指導、こういうものはどのようになさっておるのか。また野生の大麻というものもあるように聞いておりますが、そのようなものはどのようになっておるのか、これを第二点として聞かせていただきたいと思います。
 第三点は、一体こういうような、大麻なんかがあるとすれば、これを除去するのにはどうするのか、どうされているのかということも聞かせてもらいたい。
 それから、二月二日付けの「夕刊フジ」という産経新聞系の新聞ですが、これに赤坂の山王ホテル――これは米軍の専用ホテルで、中には遊技場とか、サウナぶろとか、映画劇場とか、バーがあるとか聞いておりますが、その山王ホテルを舞台として大麻のたばこが、いわゆるマリファナたばこですか、これが非常に付近のナイトクラブやあるいはスナックバーに流れているというような、大きなうわさがあるというようなことが出ておったわけなんですが、これは治外法権的な基地だとか、施設に対しては一体どうなっておるのか。あるいは現状では一体大麻なりその他の麻薬を国内から根絶することは、こういうところで十分なあれをしないとできないように思うわけですが、一体どういうふうになっておるのだろうか。麻薬事犯等はやはり国際協力で、先ほどお話しになりましたように、非常に協力的に情報交換をしたり、また研究ゼミあるいは取り締まり法の国際会議をやられる等、情報交換をされていることも聞いているが、それは一体どういうふうな状況でいま日本で行なわれているのか。たとえばそういうふうな基地だとか、日本の者が入り得ないような山王ホテルとか、そういうふうな場所に対しては、どういうふうにこれが行なわれているか、これを第四点として聞かせていただきたい。
 第五点には、厚生省薬務局ですね、警察庁の保安課あるいは麻薬取締官、都道府県の警察官等も、いまお話しになったように、おやりになっておられるということでありますが、それは総合的なチェックがされているように思うわけでありますけれども、お互いにどういうふうな連絡なんかをとってやられておるのか、あるいはまたこの対策に対しても、具体的な方法についていろいろ連絡もされているだろうと思いますが、そういう点は一体どういうふうにされているのか。麻薬の取り締まりに対しては年間に予算をどれくらいつけてあるのか、それをどういうふうに使用されておるのか、この点もひとつ伺わせていただきたい。
#140
○政府委員(坂元貞一郎君) 麻薬中毒者というものは三十五、六年から七、八年ごろの一番麻薬事犯の最盛期と称せられている時期には、非常に国内的にも多数いるというふうに言われていたわけでございますが、法律等の改正によりまして、麻薬中毒者のいろいろな対策というものを現在まで実施いたしてきたわけでございます。その結果、中毒者と称せられる者は、潜在的な中毒者というものはなかなかっかみにくいような状況でございますが、法律等によりまして、届け出あるいは通報というような制度をとっておりますので、そういう網にひっかかってくるような中毒者というものは私どものほうで毎年つかんでおります。その数字は、たとえば昨年の場合でございましたら、全国に五千四百人程度。ただ、これはいま申しましたようなことで、届け、通報によって見つかった人たちでございますので、これ以外に潜在的な中毒者というもの、これはなかなか実際問題としてつかみにくいわけでございますが、大体一万人以上いるのじゃなかろうかというふうに言われているわけでございます。大体中毒者というものは、そういうことで現在少しずつ減ってはおりますが、依然として全国的にも五千名以上の人たちがいるわけでございます。こういう人たちについては、法律によりまして強制入院、特に症状のひどいような人については強制入院、いわゆる措置入院という制度を設けておりますので、現在精神病院等の一部を利用して、そういう措置すべき中毒者というものを収容している、こういう制度に相なっているわけでございます。
 それから第二点の大麻の栽培でございますが、これは茨城県の例を御指摘になりましたが、私、茨城県のほうの事情は承知しておりませんが、大麻というものの栽培というものは、これは御承知のように、昔からわが国におきましても種子とか、繊維を摂取するような目的で栽培が行なわれてきているわけでございます。最近も、やはりそういう目的で全国的に大麻というものの栽培が行なわれております。しかしながら、これを不正に悪用するということは法律で禁止されておりますので、いわゆる不正栽培ということは認められないわけでございます。そこで、私ども、先ほど申しましたように、取締官あるいは取締員というものを現在総動員しまして、全国的に大麻の不正栽培、自生しているものの不正栽培というようなものを摘発しております。この件数も非常に毎年多くなっております。たとえば昨年の場合でございましたら、全国的に不正栽培というものをやっているということで、私どものほうで処分いたしましたのは百六十六名でございます。押収大麻というものは二十万本というような事例になっておりまして、大体毎年同じような傾向になっているわけでございますが、今後ともこの大麻の不正栽培という点については、法律の命ずるところによりまして、どしどし指導しながら、悪質的についての処分をやっていきたい、かように考えているわけでございます。
 それから、第三点の山王ホテルの点につきましては、新聞等に一部出ていたようでございますが、これは厚生省のほうでは直接やっておりません。
 それから、順序は逆になりますが、第五点の警察なり、厚生省なり、関係各省たくさんあるわけでございますが、この関係各省の連携方法でございますが、これは先ほど警察庁からも申されましたように、海外からの密輸あるいは持ち込み等を水ぎわにおいて摘発するということが一番効果的であるわけでございます。そこで、そういうような点に十分配慮していくというようなたてまえのもとに、警察、大蔵省、それから運輸省、法務省、こういう関係各省のいろいろな連絡会議というものを定期的に開いております。それから第一線の取り締まり機関等においては、第一線同士でお互いに情報の交換、それからまた連絡、そういうものを絶えずやるように、われわれ厚生省と警察との間に一応の話し合いを以前から進めてきておる。それに基づきまして、お互いに連絡を密にしながら麻薬の事犯の取り締まりに当たろう、こういうことに相なっているわけでございます。
 それから最後に予算の点でございますが、厚生省関係だけで申し上げますと、麻薬関係の予算というものは、本省の経費、それから麻薬取締官事務所の経費、それから都道府県に置かれております麻薬取締員の経費全体的に申し上げますと、四十四年度の麻薬対策の厚生省関係の予算でございますが、四億二千五百万というようなことになっており、これは先ほど申しましたように、本省、地方、それから都道府県、こういうものを総合した麻薬対策の全部の予算でございます。
#141
○説明員(小野島嗣男君) ただいま先生から御質問のありました山王ホテルを根城にしてというようなお話がありましたのですが、私どものほうとしては、山王ホテルを舞台にということは承知いたしておりません。ただ、昨年の十二月からことしの初めにかけまして、赤坂、麻布周辺の外国人相手のバー等で麻薬、大麻が密売されておるということで、警視庁で二つの事件を検挙をいたしております。それに関連いたしまして、米軍人が検挙されておるわけでありますが、その際米軍人の宿舎を捜索いたしまして、その場合に米軍機関の協力を得て捜索をしたことがございます。そういうことで、そういうふうな一連の事件がございましたので、たぶんこういった問題について御質問になったものと思います。私どもは、麻薬の所持者が一般外国人であろうと、あるいは外国軍人であろうと、あるいは日本人であろうと、区別なく徹底的に検挙いたしておるわけであります。その捜査につきまして、米軍当局もたいへん協力的でございます。ただいまの場合も米軍の機関の立ち会いで捜索をいたしております。また、米軍の船を米軍機関の立ち会いで捜索をしたことがございますし、また米軍人が大麻を売ったということで検挙いたしまして、一部の者が船で日本を出航した後におきまして、特にヘリコプターを出して、私どものほうの要請で向こうからこちらに連れてこさせて、そうして私どものほうが逮捕、検挙したというような事犯もございますので、米軍といたしましては、たいへんそういう点で麻薬の犯罪の捜査の面では積極的に協力してくれておるわけであります。私どもも、いろいろな情報等については連絡をいたしまして、また捜査の協力については、私どもばかりでなく、各県警におきましても、それぞれの米軍機関に対して要望をし連絡をしておる次第でございます。
#142
○大橋和孝君 もう一点だけまとめてお伺いしておきます。
 それからちょっと厚生省のほうにお伺いしますが、三悪追放協会、これは菅原通済さんが会長でやっておられるということを聞いておりますが、これは麻薬だとか、売春だとか、性病の三悪の追放を目ざしているというこの協会に対しまして、政府は何でも六千六百万円ぐらいを出してこの協会を設立された。もしこの事実があるならば、どこの所管で一体このようなことをされたか、その点をちょっと私伺いたいと思うのです。これが第一点であります。
 それから第二点は、三悪追放協会の設立趣旨、年月日、あるいは役員の名前、それから事業の内容、収支決算、こういうことがもしおわかりならばひとつ知らしていただきたい。できれば計画表あるいはまた実施表を精細な数字なんかとともに提出いただきたいと思いますが、きょうは急にということもできないでしょうから、あとで資料でいただきましてもけっこうだと思います。
 それから第三点は、この麻薬追放については、あらゆる国の機関、また国民の協力で、あるいはまた国際間の協力などによってやられることが必要なことは再三繰り返して言ったわけでありますけれども、国民に対するこれらのPRについては、どういうふうに進められているのか。たとえば最近は大麻のあれが多いということなんかも、もう少し国民にこういうことのいけないことをPRしてもらう必要もあるかと思うのですが、厚生省あたりはこのことをどういうふうに考えておられるのか。
 それから、麻薬は、一度絶えても手をゆるめるとまたすぐ入ってくる。社会悪の大きな一つの根源であります。私、資料を持っておりますので、ゆっくりとこまかしいことはもう少し厚生省のほうにも、警察のほうにも聞かしていただきたいと思っているわけでありますが、特にこういう対策は十分にしていただきたい。先ほど聞いておりますと、ずいぶん手は尽くしていただいておりますし、水ぎわでいろんな処理をされているわけで、非常にいいわけでありますけれども、最近、特にヘロインあたりが減っておるにもかかわらず、一方では大麻あたりがふえてきている。ヘロインあたりは量の大きいものがどっかり入ってくるという問題もございますので、ひとつ厚生大臣もおいででございますから、こういう問題に対しての取り組み方を特に督励していただきたいと思っているわけでございます。
#143
○政府委員(坂元貞一郎君) 三悪追放協会というのは、昭和四十一年の十二月二十二日に、財団法人としまして、厚生大臣の認可をもらったわけでございます。当初、三悪追放推進協会ということになっておりましたが、途中から三悪追放協会というふうに名前を変えておりますが、いずれにしましても、四十一年の十二月二十二日に、厚生大臣が財団法人としての許可を与え、今日まで活動をいたしてきておるわけでございます。直接財団法人の許可の仕事をやりましたのは公衆衛生局でございますが、いまお話のように、性病、売春、麻薬という、いわゆる社会の三悪の撲滅を民間運動としてやろうという目的のもとにおいて法人の認可をとりまして、活動を始めたわけでございます。これにつきましては、いま御指摘のように、昭和四十四年度で六千二百万円の国庫補助金が計上をしてあるわけでございます。これによりまして性病の対策、それから売春の防止対策、麻薬禍撲滅の対策、こういうものを公衆衛生局と社会局と、薬務局の三局にまたがりまして、この法人の指導監督をやっておる、こういうことに相なっているわけでございます。
 それから、設立当時の発起人の名前とか、現在の役員の名前というような御質問がございましたが、これは非常に数が多うございますので、後ほど資料で御提出さしていただきたいと思います。
 それから第三点の、麻薬禍の国民へのPR、確かにこれはまことにごもっともでございまして、従来からもその点を非常にわれわれ心がけながら予算も計上し、麻薬禍の恐ろしさというものを、一般の国民によく承知してもらうようにということで、いろいろな手を使ってPRをやってまいったわけでございます。中央大会あるいは全国的に地方の大会等も開きながら、片や、またいろいろな啓蒙の資料等もつくりまして、今日までやってきておりますが、確かにいま御指摘のように、麻薬の事犯というものは、件数は若干減りつつございますが、新たなる様相というものが生まれてきております。したがいまして、まだまだ麻薬取り締まりというものを少しでもゆるめるというわけにはまいらないわけでございまして、いまはむしろ潜行しているというふうにも考えられるわけでございますので、われわれとしましては、今後さらに国民へのPRというものを徹底すると同時に、先ほど来申し上げておりますように、水ぎわ撲滅というような強力な手を使いながら、また片一方、国内に見られる麻薬中毒者というものの対策というものをさらにまた強化するというような、もろもろの手を考えながら今後この問題に対処していかなければならぬ。世間では、よく麻薬問題は一応成功したというふうにいわれておりますけれども、決してわれわれはそのためにこの問題を楽観するわけにまいらないわけでございまして、今後いろいろな国際情勢の変化に伴いまして、たとえば新たな国際性を持っておる大麻問題というものが非常に大きくクローズアップしてきておりますので、そういうようなことも考えながら、国内的に、国際的にお互いに情報をつかみながらこの問題のさらに対策の強化ということを考えながら対処してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#144
○大橋和孝君 少しだけ言い落としましたのであれしておきますが、三悪追放協会というのは、私はもう少しいろいろな資料をいただきましてから、なお一そう御質問さしていただきたいと思いますけれども、何か政治的なものがあって、しかもあまりに内容が空虚であるというふうなことも聞いておりますので、そういうことであるかどうかを私も調べてみたいので、先ほど要求しました資料の中には、数字的にも、またいままでの予算的あるいは調査項目、いろいろなことについて、こまかしいひとつ資料を出していただきたいと思います。以上でございます。
#145
○藤原道子君 その資料は全社労委員にお配りください。
#146
○理事(鹿島俊雄君) ただいま藤原委員の御要望に対しまして、さよう御処置を願います。
 他に御発言もなければ、本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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