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#1
第061回国会 社会労働委員会 第19号
昭和四十四年五月八日(木曜日)
   午前十時三十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月八日
    辞任         補欠選任
     田代富士男君     渋谷 邦彦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉田忠三郎君
    理 事
                鹿島 俊雄君
                大橋 和孝君
                上林繁次郎君
    委 員
                高田 浩運君
                玉置 和郎君
                山下 春江君
                小野  明君
                中村 英男君
                藤原 道子君
                渋谷 邦彦君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       労 働 大 臣  原 健三郎君
   政府委員
       労働省労働基準
       局長       和田 勝美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       消防庁予防課長  高田  勇君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○労働問題に関する調査
 (日本ゴム株式会社の安全管理に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(吉田忠三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。本日、田代富士男君が委員を辞任され、その補欠として渋谷邦彦君が選任されました。
#3
○委員長(吉田忠三郎君) 労働問題に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。御質疑のある方の発言を求めます。
#4
○小野明君 去る、四月二十五日の朝、福岡県の久留米市にあります日米ゴム株式会社が火災事故を起こしたのであります。この事故によりまして、十一名の中年婦人が逃げ場を失ってなくなられたのであります。まあママさん工員ということですが、中高年や、婦人の労働対策ということが問題になっておりますおりから、この問題もきわめて重要でありますし、
  〔委員長退席、理事大橋和孝君着席〕
特に、こういった中小工場の労働安全について、きわめて重大な問題を提起をいたしておると思うのであります。こういった観点から質問をいたしたいと思うのでありますが、まず、この火災事故の経過について御説明をいただきたいと思います。
#5
○政府委員(和田勝美君) ただいま先生御指摘のあまりした、福岡県久留米市の日米ゴムという会社で、四月二十五日、午前八時三十分ごろ火災がございまして、十一人の女子の作業員の方が死亡され、一名、男子の作業員の方が重傷を負っておられ、一人の方が――男子でありますが、軽いけがをした。一人逃げ延びられた女子作業員の方が精神的に異常な困惑状態でありましたが、最近ほとんど回復されたと、こういうような事故が発生をいたしました。
 私どものほうで調査及び捜査をいたしました現在までの段階のことについて、御報告を申し上げます。
 この日米ゴムは、合成タイヤ及びゴム工業用品の製造を行なっておる事業場でございます。そのうち、今度火災を起こしました棟の中では、一階におきまして再生タイヤの張りつけ作業を四名の男子従業員によって行なっておる。その同じ建物の二階におきまして、自転車のリムバンドの製造作業を十二人の女子作業員の方が行なっておられる。出火は、ただいままでの捜査によりますと、一階の張りつけ作業場から出火をしたということは、ほとんど確実であろうと考えております。そこから出火をいたしまして、火の回りが早かったこともありまして、二階で作業をしておられた十二人のうち、一名は無事窓から脱出をされましたが、あとの十一名の方は、まことに残念ながら、逃げおくれて焼死された、こういうことでございまして、当時、なお一人男子の方が重傷を負われましたのは、下におった男子の作業員が出火時に救出に当ろうとして二階へ上がって、階段から転落をして肋骨を折られたというのが作業員の中の重傷の理由でございます。もう一人の軽傷の方は、これは消火作業中に軽傷を負われた。それから一人の精神的な障害を受けられた方は、二階の窓から逃げられた女子作業員の方でございますが、これは精神的ショックが非常に強かったのでありますが、幸いにして一時的に終わりまして、ほとんど回復をされている、こういうことでございます。
 発火原因といたしましては、現在までのところ、地元の監督署で捜査をいたしました段階では、タイヤを更生する、古いタイヤに新しいゴムを張りつけていってはそれに接着剤をスプレーで吹きつけて、かわかして、そうしてそこに置く、こういう作業でございますが、その作業中、おおむね通常は乾燥は一分間やるのでございますが、この場合には、当時扱っておった人の供述によりますと、スプレーの吹きつけの中のゴムのりがなくなりましたので、その補給をしている間三分間ほど乾燥をしておった。そこから火が出た、こういうようにいままでの調査では推測され、その作業に従事しておられた方からの供述もそういうことになっております。それがはっきりとした原因であるかどうかにつきましては、今週中に、検事の指揮のもとに、警察と私どもで立ち会いまして、そういう状態で発火するかどうか実験を行なうことになっておりますが、いままでの捜査では、そこから火が出た、こういうことを予測するに十分でございますし、それ以外の原因は、いまのところではないように考えております。
 こういうような事故が出しまて、労働省といたしましては、地元の久留米の監督署はもちろんでありますが、福岡の労働基準監督署に災害対策本部を設けますとともに、本省から安全課長及び産業安全研究所の化学課長を派遣をいたしまして、現地の指揮その他をとりました。そういうような状態でございます。
#6
○小野明君 この火災の原因、火源といいますか、これについて、消防庁にお尋ねをいたしますがね、いま基準局のほうで述べられたのと相違はございませんか。
#7
○説明員(高田勇君) 私どものほうでも火災原因の調査をする責任がございますので、目下調査中でございますが、ただいま局長がお話しになった線と一致いたしていると、いまの段階では思います。
#8
○小野明君 この工場は危険物を扱うのでありますから、かなり現地でも、消防あるいは監督署においても、立ち入り検査が行なわれておらなければならぬと思うのであります。その検査の状況はどのようになっておりますか。
#9
○政府委員(和田勝美君) 最近の基準監督署の監督の状態を申し上げますと、三十九年一月に定期検査を一回行なっております。それから四十二年四月に同じく定期検査を行なっております。それから四十二年八月に同じく定期検査を行なっております。これは四十三年、昨年の十二月に就業規則違反の申告がございましたので、監督を行なっております。
 なお、四十年にはこの事業場が危険物を扱っているということもございまして、特別安全管理指導事業場に指定いたしまして、一年間特別指導を四十年に行なっている、こういうのが実情でございます。
#10
○小野明君 特別に施設の改善とか、そういった安全に関する指導というものは、この立ち入り検査の際行なったものであるかどうか。これは基準局と消防庁、両方にお尋ねをしたいと思います。
#11
○政府委員(和田勝美君) 監督は、先ほど申し上げましたような状況でございますが、そのうち、四十二年の四月の監督の際に、今度火災を起こしました作業場におきましてゴムのりのスプレー作業を行なっているものに対して、空気の流通をよくするための局所排出装置がございませんでしたので、その局所排出装置をつくることを命じまして、それは監督の結果そのように排出装置がつくられている。こういう監督を実施したわけでございます。
#12
○説明員(高田勇君) 久留米の消防本部が過去において日米ゴムを査察いたしました状況は、三十七年の三月の査察を第一回目といたしまして、三十八年、それから三十九年、四十一年に二度、四十三年、都合六回。査察の結果、注意事項を与えております。
 その内容といたしましては、張りつけ工場の吹きつけ部分を区画するあるいは換気装置の設置とか、少量危険物の届け出の問題とか、危険物の取り扱い数量が届け出の数量より多くなっていることに対する危険物の除去の問題、ゴム揮の取り扱いについての指導上の注意、そういうことを口頭ないし文書において過去六回いたしております。
#13
○小野明君 そういった指導が行なわれているにもかかわらず、こういった事故が発生をしたということなんですが、その事故発生についての原因といいますか、これはいま述べられたような乾燥時間が若干延びた、この辺に対する安全の知識というものがなかったということに帰するかもしれませんが、その辺の見解といいますか、なぜこういった事故が起こったかという見解をもう一回ひとつ述べていただきたいと思います。
#14
○政府委員(和田勝美君) 発火原因は、現在の段階では、先ほど申し上げましたようなこととほぼ推定をいたしております。普通の場合、この乾燥は、先ほど申し上げましたように、一分間赤外線ランプによって乾燥を行なっております。一分間であればいままで事故が起きておらなかったのですが、そのとき、たまたまスプレーの中にある接着剤がなくなりましたので、それを取りかえてるために約三分間かわかした。こういうことが現在の捜査の段階では出ておるわけであります。これが確実に三分間で発火をするかどうかは、先ほども申し上げましたように、今週中に検事の指導のもとに実際に行なってみますが、もしそのとおりであったとしますれば、まことに残念でありますが、そういう面における手落ちがどうもあったのではないか。ただ従業員の方に、それだけかわかせば発火をするというようなことが教育されてあったかどうかという点については現在のところではつまびらかではございません。しかし、従業員の方も、この三分間乾燥をしておったことが手落ちであったという意識はおありのようであります。もちろんこれはほかの作業をその間にやられたところに問題があった。ほんとうならば一たん乾燥の赤外線ランプを消してやられるのが妥当だったとは思いますが、どういう事情がありましたか、その間の事情ははっきりいたしませんが、多少どうもそういう点の手落ちがあった。しかし会社側においてそういう教育が行き届いておったかどうか、これは今度発火がそういうことで確実に起きた、起きるというようなことが実証されましたときに、私どもとしてはさらに捜査をすべき問題ではないか、かように考えております。
#15
○小野明君 現行の労働安全衛生規則によりますと、いろいろなものが規定をされておるわけですね。それでこれだけの犠牲者を出したということは、おっしゃるように教育の面に手抜かりがあったのではないかと、こういうことが一つ考えられると思うのですけれども、そういった安全に対します施設設備の点で手落ち、手抜かり、厳密な指導という点が欠けておったのではないか、このように考えられるわけであります。その点についてはいかがですか。
#16
○政府委員(和田勝美君) 基準法に基づきます労働安全衛生規則では、設備に関します規定と、引火性のある危険物を扱います火災防止に関する規定がございます。
 設備に関しますものといたしましては、労働安全衛生規則九十五条に、避難用の通路を危険物を扱っておるような作業場においては二ヵ所以上設けなければならない、こういう規定がございます。実は、この作業場につきましては、二階に関しまして通路と思われるもので、安全な場所に通ずる通路が一ヵ所しかなかったという点が問題でございます。ただ、その際に問題になりますのは、下で使います、いわゆる引火性の強いゴムをガソリンで溶いた接着剤でございますが、これの使用が最近になって非常にきわ立ってふえてきておりまして、基準監督署のほうで監督をしました四十二年ころは、それほどの量にまだ達していなかった。最近非常に繁忙になって使用量が多くなってきたというような点も一つございますが、そういうことを一つ除きますと、安全衛生規則九十五条の違反問題が今回の場合は出てくるのではないかというのが、現在の捜査段階における私どもの見解の一つでございます。
 それからもう一つは、同じ規則の百三十九条の二というのがございまして、これは使用者が引火性の強いもの等を扱う場合における規制規則でございますが、これの第一項の四号には「引火性の物は、みだりに、火気その他点火源となるおそれがあるものに接近させ、若しくは注ぎ、蒸発させ、又は加熱しないこと。」こういうことになっておりますが、今回の場合は引火性の接着剤を用いておったということも事実であります。それを吹きつけて乾燥しておったということでございますので、この点に対する違反の問題も、いままでのところでは、非常に濃厚なものがある、かように私どもしては考えておる次第でございます。
#17
○小野明君 いま言われたのは九十五条と、それから……。
#18
○政府委員(和田勝美君) 百三十九条の二、一項四号。
#19
○小野明君 百三十九条の二、一項四号、この違反であるということですね。
#20
○政府委員(和田勝美君) はい。
#21
○小野明君 結局何回か指導をされあるいは立ち入り検査をやられたけれども、この規則に違反をしておるという事実を発見はしたけれども指導はできなかった、こういうことは、あなたのほうの手落ちになるわけですね。
#22
○政府委員(和田勝美君) 九十五条のほうは、これは避難用通路の問題でございますが、普通、作業主任者等の扱います危険物といいます中に引火性のものが入っておりますが、おおむね一日五十リッター程度を使うものを一応普通の場合私ども想定をいたしております。ただ法文的にいいますと量の制限はございませんが、通常は、監督の場合、五十リッター未満の場合にはそれほどでもないという観点で監督を実施しております。四十二年に行ないましたころは、下でやっております容量はそこまでは達していなかったようであります。そういう点からいたしまして、指導監督がそういう点においては避難通路を二ヵ所設けろ、こういう意味合いの指導は行なっていないようであります。しかし発火が起こりましたこの四月二十五日ごろには、もっと多量の危険物がどうも使用されておった。これは最近非常に作業が忙しくなってきたことに伴って使用量がふえておったようでありますが、その間における実情把握に至らぬ点があったことは、どうも認めざるを得ない、かように思います。そういうことでありますれば、当然監督に行った場合に指導監督をすべきことでございますので、そういう点に対する問題がある。
 それから百三十九条の二のほうにつきましては、赤外線でやっておるという事実は、監督の際に確認をしておりましたが、作業その他から見て、この状態ならば、まあ要するに一分間程度の乾燥状態であるならばということで、特に注意をしなかったようでありますが、それがもっと長い時間にわたって行なわれるときに、危険であるかいなかという問題についての判断は、特に示していないようでございますが、そういう点につて限界等をもっと明確にすべきではなかったかというようなことになりますれば、監督署に対する私どもの指導も至らぬところがあったのじゃないか、かように考えておる次第であります。
#23
○小野明君 さらにお尋ねしたいのは、発火当時、火災当時ゴム揮を五十リッター程度、こう推測されておるようでありますが、現場検証の結果、新聞によりますと、十八リッター入りのゴム揮ですね。これは石油かんになると思います。これが裸のまま六個放置されておった。しかもこれは引火点がマイナス四十二、三度というものである。こういうことになりますと、五十リッターではないのではないか、こう考えられますね。その点はいかがですか。
#24
○政府委員(和田勝美君) 先生御指摘のように、焼けあとからは六かんが出てまいりました。これが全部入っておったかどうかという点は、いままでのところでは実証されておりませんが、かんが六カン出てきたことは事実でございます。それがもし満かんになっておれば百リッターをこえる程度のものになる、こういうことでございます。先ほども申しましたように、私どもとしては、五十リッター未満の場合についてはそれほどの危険性がないということでございますが、五十リッター以上の場合には、監督としても厳重な監督をいたしますが、先ほども申しましたように、四十二年当時やりましたときには、実はそれほどの使用量ではなかったのですが、最近その後最近における会社の使用状況を火災後に調べてみますと、五十リッターをこえてきておる。そこの実情把握が至らなかったことは先ほど申しましたとおりでございます。ただ、これが消防法でいう百リッターを常時こえておったかどうか、その点はいまのところでは何とも断定できない、こういうような状態でございます。
#25
○小野明君 十八リッターもゴム揮が入っておるかんが六個ある。これは六倍すればわかるわけですね。そうすると当然百リッターをこえたものが使われておった、こういうことになるのです。これは、当然そういった可燃物の使用量の増大、この点については、常時基準局としてもあるいは消防庁としても、監視監督という点をゆるがせにしてはならぬと思うのですね。その点をどうお考えになりますか。
#26
○政府委員(和田勝美君) 先生御指摘のように、危険物を取り扱っておることははっきりいたしております。その量が非常に重要な問題でございますだけに、私どものほうで十分注意をしなければならなかったことは、先生御指摘のとおりであります。ただ、四十二年ごろに監督に参りましたころには、当時の監督官の心証としては、それほどたくさん使っていない。しかし、その後非常に業務繁忙になってきて使用量がふえてきておるということは、この火災後の物件捜査の結果出てまいりましたが、その把握が不十分であったということにつきましては、私どもとしてまことに申しわけないと、かように考える次第でございます。
#27
○小野明君 その点について、消防庁の見解をいただきたいと思います。
#28
○説明員(高田勇君) 先ほどお尋ねの件の中で申し上げましたように、久留米市の消防本部におきますところの捜査状況の中で、六回やりました中の三、四、五、この三回は危険物の取り扱いの数量に関する指摘の事項でございます。その中で危険物の取り扱い数量というものが届け出の数量より多くなっているので、その除去を口頭で命じた――命令と申しますよりも、口頭でこれを指導、勧告した、こういうような形になっておるわけでございます。ただ、現実に非常に多くの量を常時、指定数量以上に使用していたというようなはっきりした事実があれば、それにさらに強い法律上の措置というものも当時において講ぜられてしかるべきだった。その点については、先生御指摘のように、指導上に若干のぬるさがあったというようなことは、私ども認めざるを得ないのであります。したがって、現在時点においては、その点についても特に現地の消防本部に対しまして、その調査をした結果、事実がさらに明らかになれば強い態度で臨むようにということを指示いたしておりますし、現地におきましても、過去において三回ほど火災事故を起こしておる工場でもございますので、私どもはその点についても断固たる態度を持って臨みたい、かようにいま考えておる次第でございます。
#29
○小野明君 それから基準局長、労働安全衛生規則の四十六条に、未経験者の就業が禁止される業務という項がございますね。その二号に、「ゴム、エボナイト等粘性質のロール練りの業務」というのがあがっておるのですが、これはまあゴムの関連事業として、この乾燥タイヤを回転させてそれに吹きつける、これは当然未経験者ではやれない仕事で、経験を持たなければならぬ職種だと思うのですが、三分間知らずらに照射しておったというのは、これがはたして経験を持っておったかどうか、未経験者ではなかったかということが一つ問題になると思うんです。この点はお調べになっておるかどうかですね、いかがですか。
#30
○政府委員(和田勝美君) ただいま先生が御指摘になりました四十六条の二号は、実はこれはロール練りの場合でございまして、ゴムを生ゴムからつくるときにロールで練っていく、あの作業のときには手を取られたりなんかする危険性があるのでこれは規制してございますが、今回一階で行なっておりました乾燥の場合に、この号には少し該当させることも無理ではなかろうか、こう思います。ただ、それとは別にいたしまして、その三分間やられたという方は、実に相当経験豊富な班長さんでございまして、経験的には相当もう長い間の経験を持っていらっしゃる、こういう方でございますので、あの発火原因になった作業をやっておられた方自身につきましては未経験とは言いにくいようでございます。
#31
○小野明君 それと、この工場の面積ですね、面積が二百平米以上であれば当然法の強い規制を受ける。それと百リッターということはほぼいま推測がされたわけですね。この建面積はどのくらいになるんですか。
#32
○政府委員(和田勝美君) 私どものほうの調査では、二階床面積は百八十平米だと聞いております。
#33
○小野明君 そうしますと、二百平米という法の規制外だ、わずかの差で規制外だと、こう言われるわけですね。しかし、法的な責任はそれで免れるにしましても、ほぼ二百平米に近い面積を有するということであれば、当然それに準ずる指導があってしかるべきだと思います。これだけ十一人の中年婦人の方が一ヵ所しかない階段で、逃げおくれてなくなられた、こういうことですが、非常階段がもう一つあればということが大きなこの遺族の腹を立てておられるところでもあるし、この安全の問題から言うても、当然通路の件、九十五条には違反しておるのだが、この非常階段にもう一つの階段の設置というものがどうして勧告をされなかったのだろうかと思うのです。この点はいかがですか。
#34
○政府委員(和田勝美君) 百リッター以上及び二百平米というのは消防法の問題でございますが、基準法の問題としましては、いま先生が御指摘になりました労働安全衛生規則九十五条の問題でございます。これは危険物を扱っておる場合には避難用の通路を二ヵ所以上設けるということになっておりまして、私どもといたしましては、この避難用通路の中には、二階の場合等は避難階段を含むという解釈で臨みたい、かように考えております。したがいまして、その点に関する限り、危険物の量につきましても、おおむね五十リッター以上のような場合には、下で五十リッター以上を扱っておるというような場合には、その作業場の全体をつかまえまして、上に二ヵ所のものをつくらなければならない、こういうような考え方でございますが、今度の場合は避難階段が一ヵ所しかなくって、それ以外に一切通路がなかったということでございますので、私どもとしては、現在の捜査の段階では、九十五条違反問題が成立をすると、こういう見解でございます。消防のほうは消防庁の方がいらっしゃいますので、そちらに伺っていただきたいと思うのですが、私どもとしては、そういう考えでございます。
#35
○説明員(高田勇君) ガソリンの使用量の問題でございますけれども、これは消防法の中で危険性の物品は四十六品目ぐらいございまして、その中で、ガソリンは、第四類の「第一石油類」、これに入っております。指定数量は百リッター、こうなっておるわけでございます。したがって、それ以上を常時使用しておる場合におきましては、危険物の許可を受けなけいばならないというような規定になっておるわけでございます。したがって、先ほど来申し上げておりますように、事実上常時使用しておる量がそれをはるかにこえておるというような場合におきましては、私どもとしても、断固たる措置をとっていかなければならない。
 それから建物の延べ面積、建築面積の問題でございますけれども、この点につきましても、先ほど局長からお話のございましたとおりでございます。また、私どものほうで申し上げます違反事実が別途あるのではないか、こういうふうに感じておりますのは、張りつけ工場の場合におきましては、これは全体で二十三年当時に建築されました建物でございまするけれども、その後ロール工場、あるいは加硫工場それから製品置き場、こういうものが一体としてできておるわけでございます。そしてその部分について四十一年に増築が行なわれた部分がございます。したがって、その部分の建築の面積というものがどうなるかということによりまして、消防の設備というものの設置義務が発生してくるという関係もございますので、その点につきましても目下調査を進めておる段階でございます。
#36
○小野明君 それと非常階段、通路の問題と、いま一つの問題は換気の問題、通風の問題ですね。これがこういったゴム揮を吹きつける、こういう工場でありますだけに、常にそういった引火しやすいガスが室内にまあ充満をしておる。これを当然安全衛生規則でも規制をしておると思うんですが、この点の違反事項というのはないわけですか。
#37
○政府委員(和田勝美君) 先ほどお答えを申し上げましたように、四十二年の四月の監督の際には、有機溶剤に関する規則の第八条に基づきます局所排出装置をつくるようにという勧告をいたしまして、それはそのようにつくってございました。今回の場合も下に一ヵ所局所排出装置がございましたが、それが有効なものであったかどうかという問題点が、今度の発火原因との関係において、相当因果関係があるかどうかにつきまして捜査をいたしておりますが、いまのところ、まだはっきりそこまでのものが捜査では出ておらないということでございます。
#38
○小野明君 一応指導はしたんだが、それが発火の原因であるかどうか、こういうことを私は尋ねておるのじゃないです。こういった常時百リッター以上が使われておるのではないか、こういう疑いがある。五十リッター以上ということはあなたも言われておるんですが、この部屋の中に換気、通風というものが設備されておったかどうかと、この点を基準局としては見落としておったんではないか、あるいは換気扇が設置をされておらぬ、それを見のがしておったんではないか、こういうことをお尋ねしておるわけです。
#39
○政府委員(和田勝美君) 四十二年の監督の際に、いま先生がおっしゃいましたような換気装置はなかったのでございます。したがいまして、換気装置をつくれという勧告をいたしまして、換気装置をつくりました。それで一ヵ所換気扇が一階に設置されております。その限りにおいては一応換気扇があったと、ただ、あった換気扇が有効な操作をし得る程度の能力を持っておったかどうかの問題がいまのところありますということを先ほど申し上げたのでありまして、一応はございました。発火当時にはそれがあったのであります。
#40
○小野明君 それが有効であったかどうか、それが常に作動しておったかどうか、換気の目的を果たしておったかどうか、これを尋ねておるんであります。一応どうだというようなことではいかぬ、調査しておるんだからね、立ち入り検査しておるんですから。その点はどうでしたか。
#41
○政府委員(和田勝美君) いままでの捜査の段階では、換気扇は発火当時には動いておりました。だから作動しておって一応の投割りは果たしておったわけでございます。
#42
○小野明君 投割りは果たしておったと、こう言われるけれども、火災になって一瞬の二分か、三分のうちに全部ばっと爆発したんでしょう。ということは、動いてはおったけれども換気の投を果たしておらぬということを証明をしておると思うんです。あるいは一ヵ所では足りなかったのではないか、この点はいかがですか。
#43
○政府委員(和田勝美君) 一ヵ所の換気扇が動いておりまして、それはそれなりの能力は発揮しておりましたが、先生がいま御指摘のように、それがあの部屋全体の有効な換気作用であったかどうかにつきましては、いままでの捜査の段階ではまだはっきりいたしておりません。いまのところの捜査の重点は、一分以上にわたって三分間程度の乾燥が行なわれた、そこに発火要因があったのかどうかと、それと、換気扇がほんとうに有効であれば三分でも発火にならなかったかどうか、そういう問題は今後の実験の結果によっての心証、あるいはその後における捜査によって行なうつもりでございまして、現在のところは、換気扇は動いておったということだけは確認をいたしておりまして、それが有効であったかどうかにつきましては、今週中に行ないます実験の結果、さらに捜査をその点に具体的に進めなければならぬかという問題があろうかと思います。
#44
○小野明君 当然その点は常識的に考えてみまして役に立っていなかったと、そういった指導にしても、不徹底な指導が行われておったということしか、この事故の結果を見ると考えられないわけですね。
 もう一つの問題は、こういった工場には電気器具についていろいろな防爆装置等をやらなければならぬようになっておるのであります。この点はどうなっておったかどうか。
#45
○政府委員(和田勝美君) 危険物が多量にあります場合におきましては、電気についてはスイッチその他につきまして防爆装置を設けなければならぬという規定が安全衛生規則の百四十条の三にございます。その点につきましては量との関係がございまして、先ほど申しましたように、はかりました現在では相当の量の引火性の危険物が使われておりましたが、それとあの部屋の中におけるスイッチその他に防爆性があったかどうかにつきましては、実は使用量についてはっきりとしたものが必ずしもつかめておりません。当時において、常時そういう状態であったかどうか、使用量について、先ほど申しましたように、はっきりつかめておりませんので、それらがはっきりつかめましたにつれまして、電気器具に対する防爆性の問題が出てくる、かように考えております。
#46
○小野明君 それはおかしいと思いますがね。その点もあなたのほうの監督検査の不十分だと思うんですよ。とにかく当時の量、これからいきますと、当然これは防爆装置を施しておかなければならぬものだと思うんです。もし三分間乾燥照射が火源になったということであれば、当然これはたとえば二分をこえれば自動的に点滅していく装置だとか、そういうものを考えられなければならぬと思うのですが、この防爆装置の指導をされておるのかどうかですね。当然これは可燃物が使われておるのですから、そういった予防的な指導というものがあってしかるべきだと思うのです。
#47
○政府委員(和田勝美君) 先ほど申し上げましたように、百四十条の三におきましては、危険性のものの濃度の問題がございます。そうして、それは安全衛生規則の別表によりますと、ベンゼン等のものにつきましては常時百リッター以上を使うというような場合におきましては、電気器具について防爆性を持たなければならない、こういうことでございますが、私どもの現在までの捜査及び警察の捜査、あるいは消防庁の捜査でも、当時、常時百リッター以上使っておったかどうかにつきましては、にわかにいまの捜査段階では判定できないような状態でございますので、この百四十条の三違反問題は、いまのところにわかに断定いたしかねております。ただ、そういうように、法律違反ではないかもしれませんけれども、危険なものを多量に使っておれば、そういう防爆性のものにすべきではないか、こういう御指摘につきましては、それに非常に近い量、法律違反にはなりませんが、法律違反になるに近い量を使っておるような場合には、そういう防爆性の電気器具を使用するようにという指導をすることは、先生の御指摘のように、私どもも当然だと思っております。ただ今回の場合は、私どもがつかんでおりました限りにおいてはもっと少ないようでございましたので、そこまでの指導をしなかった。だから、もう少し常時あの事業所に出向いておりますれば、最近におきます傾向を把握し得たかもしれまんが、先ほど申しましたような監督歴でございまして、最近におけるあの工場の作業量が非常にふえてきたという状態を的確につかみ得なかった。これは人員その他の問題がございまして、にわかに一ヵ所だけなかなか行きかねると思いますが、そういう点におきます私どもの努力が、まあ人員その他の制約があるといいながら、足りなかったことだけはまあ率直に認めざるを得ない、かように思います。
#48
○小野明君 私はその点が問題だと思うのです。なるほど別表には百リットルと書いてある。「常時」という解釈が私は問題だと思うのです。この地下には一万リッターですか、ガソリンが貯蔵されてあるわけですね。それから、この火災現場には、あなたも認められたように、十八リットルの石油かんが六個置いてあった。これは百リッターをこえる量です。そうすると、この別表から見ましても、この事実から見ても別表違反だと、こうはっきり――結果的にはあくまで事故であるが――推測できるわけです。その「常時」というのは一体どういう意味なんですか。一々あるいはその何時間という区切りなのか。それはどういう解釈をされておるのですか。
#49
○政府委員(和田勝美君) きわめて通俗的に申しますと、普通作業時間中には大体一日百リッターが使われると、こういうことでございまして、ある一定時間だけ、ある一日だけ百リッター以上こえたからということで「常時」とはなかなか言いにくいのではなかろうか、かように考えております。
#50
○小野明君 それはあなたあいまいきわまるじゃないですか。この別表には百リッターと、こう書いてある。とすれば、この「常時」という意味もきちんと法的に解釈ができるはずだ。これが解釈できなきゃうそだ。そんなら普通に常識的に百リッターと、こう言われるとするならば、ゴム揮のあったかんがそこに置いてあるとすれば、これは当然常時百リットル以上は使われておると、こう見るのが至当だと思うが、どうですか。
#51
○政府委員(和田勝美君) この事業場は八時間作業のようでございますが、その八時間作業の中で、その作業量から見て、一日百リットルぐらいずつ毎日毎日使っておるということが作業量から推定できるようなときに、常時百リットル使っておると、こういうことでございますが、この発火しました四月二十五日前後に、まあ前後というのは前ですが、あとよりも前の問題でございますが、作業量から見てその程度使われておるという推定ができるかどうかという問題につきましては、いまの捜査のところでは、どちらかといいますと、そちらのほうは消防庁のほうが、消防法違反が成立するかどうかの問題でございますので、御熱心におやりいただいておるんじゃないかと思うんですが、私のほうは、むしろそれよりも、発火点がどういうところにあったかという点に対して、百二十九条の二のほうの問題点を現在捜査の重点に置いております。しかし、もちろんその百リットル以上こえておったということになりますれば、この百四十条の三のほうも成立いたしますので、私どもとしては、もちろんそれで捜査を打ち切るとかなんかという問題ではございませんが、いまのところでは、六かん出てきた事実はございますが、先ほど申し上げたように、作業量全体を見てこれは大体毎日作業時間中に百リットル以上になる使用量があったということで、捜査に当たっては、現地ではやっておると思いますが、私の手元にはまだそれだけの報告が届いていない、こういうことでございます。
#52
○小野明君 私はどうもこれ、百四十条の三項にはっきり違反してると、この思うんです。おたくが指摘できなかったと思うんです、これはね。常時使っておった――作業量から推定すると言うんだけれども、四十二年以来、この工場には入ったことがないわけでしょう、あなたのほうはね。見たことがないんだから、その作業量というのは一体何から推定するか知らぬが、再生タイヤのでき上がりの数量というものからかもしれません。それは実際使うかもしれませんが、危険防止という観点からこの安全規則というのはできておるわけですね。そうすると、当然、モーターの近くには常時補給できるような量のゴム揮も置いてあるわけです。そういったものも含めてこの安全という観点から考慮しなければならぬのではないかと、私は考えるのであります。その点は、作業量から推定してそうは使わない、こう言われるんだけれども、それではどれだけの製造をやって、どれだけの量が常時使われておったかという数字がはっきりしておれば、ひとつ出してもらいたい。
#53
○政府委員(和田勝美君) 私のほうの手元には、こういう作業量であって、おおむねこのぐらいのものが使われておったという報告が、現在のところ届いておりませんので、先ほどの確認をしました焼けあとから六かんのあきかんが出てきたと、こういう事実から、どうもこれは百リットルをこえる量が常時使用されておったのではなかろうかという、いわゆる俗に言う嫌疑と申しますか、そういうものを持ちまして捜査をもちろんすべきだと思います。また、現地の監督署では、警察や、消防庁やなんかと共同して捜査に当たっていると思いますが、手元にはいまのところその資料が参っておりませんので、捜査をやっていないというわけではございませんが、捜査を現地ではやっておりますが、まだ報告資料が手元にはない、こういうことで御了解をいただきたいと思います。
#54
○小野明君 そうしますとね、百四十条の三項の違反であるかどうかわからぬということは、結局、あなたのほうの監督不行き届きから来ておる問題だ、立ち入り検査の不備から来ておる問題だ、いわば今回の事故というものはあなたのほうの責任だと、こうとしか言えないのですがね、それはどうですか。
#55
○政府委員(和田勝美君) 先ほど監督歴を申し上げましたように、具体的なこの安全問題に対しての監督は、四十二年八月に行なって以降は、就業規則違反の問題で行っただけでございまして、ですから四十二年八月以降は確かにあの事業場に参っておりません。これは泣き言を申し上げるようでたいへん恐縮でありますけれども、監督署の人員からいいましてもなかなか手一ぱいのところがございまして、定期監督というかっこうでは出向くことがなかなかむずかしい事情もございまして、そういうまあ一定の点を考えまして――しかしそうは言いましても出向かなかったことは事実なんです。そして作業量が最近非常にふえておったというような情報等につきましては、必ずしも監督署が的確には把握していなかったいろいろの事情がありまして、にわかに監督署についてとかくのことは言えませんが、そういうことを行なわなかったという事実から来る手落ちという点につきましてはまことに申しわけなかった。ただ、その火事の原因、火事それ自体の責任はしたがって監督署にあるのではないかと言われますことにつきましては、そういういろいろの事情がありましたことを御了察をいただきたいと、かように考えます。
#56
○小野明君 初めは正直のようで、あとで責任をちょっとのがれるというような言い方をなさっているのですね。きわめて不満でありますけれども、監督官の数が少ないと、数が少ないということはこれは私も認める。これは大臣に努力してもらわなければならぬ点で、特に有機性溶剤を使うという工場が最近非常にふえてきている、非常な危険な工場がふえてきている。しかもこういった熟練をしない婦人、中年の婦人が共かせぎということで働いておられる場所が多いわけですね。こういったところから見て、やっぱり監督官をふやすなり、重点的にこういった危険な個所については監督の回数をふやしていく、強力な監督指導をやっていくという体制が私は労働省になかったのではないか、こう思うわけです。この点は後に大臣にお尋ねをしたいと思っておる点ですが、消防庁に尋ねたいのは、火災だということで消防本部の化学消防車が来た。ところが、たった二分間で化学消防液が切れてあと役に立たなかったと、こういうことですね。おたくの久留米で持っておられる化学消防車、あるいは全国的にもこれは同じだと思うのですがね、大体化学消防車の役をなすのですかどうですか。三分間で切れてしまうというような消防車ではまことにたよりない気がしてならぬのですがね、どうですか。
#57
○説明員(高田勇君) 化学消防車の薬剤の量が非常に少なくて、三分間で切れてしまったということでございますけれども、一般的に化学消防車の場合でございますと、一般に、先ほど先生御指摘のように、ガソリンその他の危険物、油性の物品を使う工場が非常に多くなりましたので、それに対する消火方法といたしまして、化学薬剤というものは非常に効果があるわけであります。しがって、その点については私どものほうでも補助その他について、力を入れておるわけで、この点で化学消防車が威力を各地において発揮していることは、これは間違いないのであります。ただ、今回の場合に、それがあまりに注水量が少なくて、薬剤量が少なくて、それで威力を発揮しなかったということも、まあ何か別の原因があったのかとも思いますけれども、そのことも事実のようでございます。ただ実際問題といたしまして、一般的にはそういうことはいままでは全然なかったわけでありますが、今回の場合は若干そういった事実があったように思いますけれども……。
#58
○小野明君 その事情を説明しなければいけない。
#59
○説明員(高田勇君) その点につきましても、私どものほうでも現地に担当官を派遣して調査いたしておりますけれども、特に消火活動上実は支障があったという報告は聞いてはいないんでございます。そのために消火に非常に困難が生じたという報告は伺っておりません。ただ、実際問題として、薬剤が多量に、それほど供給ができなかった事実は若干あったようでございますが、そのために消火活動が困難を来たしたという報告は受けておりません。
#60
○小野明君 どうも矛盾しておるな、言い方がね。たった三分間しかできなかったその事情というのを、あなたは的確に握っておられぬようですが、これはきわめて重大な問題点だと思うんです。私の知っているのは久留米の消防というのは、なかなか熱心なところで、機材等もそろえておられるのであります。ところが、一般の消防車においても三十五台というのが直ちにかけつけた。それはよかったが、一斉に放水をしたので、水圧が下がって、火事をうまく消せなかった、こういうことも聞いておるわけですね。こういった点もあわせて、どういった火災の際の事情であったのか御説明を再度もらいたいと思います。
#61
○説明員(高田勇君) 消防隊の活動状況でございますけれども、当時通報と同時に出動した消防隊が現地に到着いたしましたときには、すでにまっ黒な煙が方々から吹きだしておりましてロール工場の横の通路から建物の内部に入って侵入しようとしましたときは、もう煙がだいぶ出ておりまして、消防隊は通路の三分の一くらいのところまで入りますのがやっとでございました。その後ますます煙が出たので、やむなくそこから消火活動を行なったと、こういうような状況でございます。その当時出動いたしました人員は、消防署の職員が九十七名、団員が二百六十八名、それから付近の自衛消防団が二十五名、その他付近の消防隊員による応援隊が五名、合計三百九十五名の出動がございました。出動台数といたしましては、消防署のポンプ車が七台、それから団のポンプ車が十三台、自衛消防隊のポンプ車が三台、応援隊の消防車が一台、化学車が一台、救急車一台、計二十六台出動いたしております。したがって、これだけの人員とポンプ車が出ておりましたので、この点について、先生御指摘のように、一斉に放出したので水量が足りなくなったという事実はあったかも存じませんが、これだけのポンプ車が諸所からかかっております。到着した当時には、もう二十三年の当時の建築のものでございましたので、壁その他に油がしみついておりましたので、非常に火の回りが早かったということで、初期に消火をすることは、到着した当時には非常に困難な状況でありましたけれども、ポンプ車がその当時についても最大限の活動をいたしまして、一斉にやりましたので、何とか活動はできたと思いますが、水を一斉に出したために非常に不足したことは、これは全体として見ますと、それだけ同時に水が出ておりまして、そのために水が不足したという事実は、私は、絶対量が、放出量が少なかったという事実はなかったと存じます。ただ、化学車の、先ほど御指摘の点につきましては、私まことにその点については認識の足らない部分があるかも存じませんので、調査を進めてまた御報告に上がりたいと存じます。
#62
○小野明君 局長ね、この犠牲になられた十一人の御婦人は共かせぎの方が多い、あるいは中には主人が行くえ不明になって、子供さん一人をかかえておられたという家庭もあるわけです。十二歳の女の子一人が残った。こういう気の毒な家庭の事情もあるのですが、この補償についてはどのようになっておりますか。
#63
○政府委員(和田勝美君) 補償につきましては、労災保険のほうで、法律の規定に定めますとおりの補償を申し上げたい、かように考えております。しかし、残念ながら、全体として法律の規定どおりのことをいたしましても、十分な額でないという事情もございますので、実はこれはこういう席で申し上げていいかどうか疑問でございますが、会社側に対しましては、法律の規定以外の問題で会社の過失問題等も十分に考えられるので、その辺あたりを考慮をして、その法に定める以外の措置をするようなことを内々での指導と申しますか、そういうことをいたしておる、こういうことでございます。いまのところ一応二十万円弔慰金が出ておりますが、事情の許す限りさらに努力してもらいたい、こういうようなことを私どもとしてはやっておる次第でございます。
#64
○小野明君 局長にお尋ねをしたいのは、一応二百平米、それから百リッターのこの基準が少し昔のものであり過ぎて、いま有機溶剤を多く使う工場、そういった危険な工場が非常にふえておる。これはゴムの工場だけではないと思いますが、そういった点から考えてみて、この安全衛生の規則の中で、やはり手直しをすべき点があるのではないか、このように私は見ておるのであります。この問題は、非常階段あるいは防爆装置あるいは換気という点で基準が一応きめられておりますために、法的には責任がないというような考え方があってはたいへんなんです。ですから、その基準をさらにきびしくするように規則を改正しなければならぬのではないかと思うのです。その点はどうお考えですか。
#65
○政府委員(和田勝美君) 危険物を取り扱っております作業場における避難通路の問題につきましては、一応法的にははっきり書いて――数字的なことははっきり書いてございませんが、一応五十リッターについての避難通路の確保という考え方でございまして、今回の場合はそういう点からいいますと、九十五条違反が成立するのではないか、かように私どもは現在の捜査段階では考えております。
 しかし、百リッターとか、二百平米という問題がございます。この点につきましては、私どものほうとともに、あるいは建築基準法、あるいは消防法、こういうものと密接に関連のあるところでございますので、今回の経験あるいは過去におきますいろいろの経験、今後におきます有機溶剤、その他の危険物の様相というようなことを勘案しながら、関係省とも十分連絡をしながら、必要があれば規則改正ということにも踏み切らざるを得ないことがあるかとも存じますが、関係省との協議を重ねてみたいと思います。
#66
○小野明君 大臣にお尋ねをしたいと思います。いままでの質疑の中で、問題点というものは大臣もおわかりいただいたと思うのであります。先般も災害の問題で質問を申し上げたときに、安全を守らない経営者というのは経営者の資格がない、佐藤総理はそこまで言い切られたのであります。そうした点から見て、有機溶剤を使う久留米の日米ゴムの工場を見ましても、非常に産業技術の発達とともに危険な場所が多くなっておることは事実であります。こういった災害を防止するためにも、さらに一そう御努力をいただかなければならぬのですが、その決意なり努力の方向というものをひとつこの際開陳をいただきたいと思います。
#67
○国務大臣(原健三郎君) いま小野先生のおっしゃられましたように、また、さいぜんからの質疑応答よく拝聴いたしまして、問題点のほども詳細了承いたしております。われわれといたしましては災害防止、安全衛生等について最重点的にやりたい。特にこういう危険物についてはなお一そう監督を強化していきたいと思っております。さいぜんからお話もありましたように、強化する、全力をあげてやりますというだけでは、どうもかけ声だけでございますので、衆議院の委員会その他においても質問がございましたが、どうしてもやはり監督官の数が少ないので、いまの状態でやると、十年に一回くらいしか各工場に行けないという計算になります。これはあまりにも少な過ぎるので、何とか来年度にはもうちょっと基準監督官をふやす方向に向かって折衝を積極的に進めていきたい、こう思っております。
 それから第二には、いま基準局長も話しましたように、各関係省とも相談いたしまして、改むべき点はもっと改めて、積極的に安全衛生等の指導監督を強化いたしたい、こう思っております。
#68
○小野明君 いまの点で改むべきところは改めてというところが、内容がはっきりしておらぬわけですね。だから本件については非常階段がなかったということ、この点についてはいまの安全規則で措置ができるということなんですが、なお、電気器具の防爆装置、あるいは換気の問題等の基準がいまの産業技術の水準に合わない。さらに合わないというよりも甘くなっておる、基準が。それをきびしくするという方向でこの法の改正をひとつ御努力をいただきたい。
 なお、あわせて遺族の補償等についても大臣の見解をいただきたいと思うのです。
#69
○国務大臣(原健三郎君) お説のとおりでございまして、そういう諸般の点を含めて、労働基準法の改正等も、各省と連携をとりながら、もっと積極的にやれるように指導監督できるように検討していきたいと思います。
 それから十一名の死亡者が出ましたことは、まことに遺憾にたえませんので、その災害補償等につきましては、万般労働省の係をして善処をして御期待に沿いたいと思います。
#70
○藤原道子君 関連。最近労働災害があまりにも多過ぎると思う。本委員会でも、従来これを監督する監督官が少な過ぎるのじゃないか。いま基準どおりにやれば十年に一回くらいしか行けない。とにかく工場はふえる、危険作業がふえてきている、にもかかわらず監督官が少ない。いつも委員会で質問するたびに、増員に努力いたします、こういうことの答弁は得てきたのです。ことしは一体どのくらいふえたのか。
 それから、いま全国の事業所と称するものはどのくらいあるか。監督官の人数はどのくらいあるか。
#71
○政府委員(和田勝美君) 基準法の適用事業所の数は二百五十万強でございます。それに対しまして、監督官は、本省から全部含めまして二千六百八十名くらいであります。なお、本年ふえましたのは、監督官として二十五名、こういうことでございます。
#72
○藤原道子君 ほんとうですか。たった二十五名――それで二百五十万の事業所を監督するのですね、できないわけですよ。夢物語です。大臣、これで人命が尊重できますか、死んだ人はもう帰らないのですからね。そういう点で、ほんとうにこの点真剣に考えてほしい。私は、もう本委員会でしばしば監督官の足りないことを指摘してきているのです。ほうぼうにありますよ、違反は。けれども、それが放置されているのですよ、あらゆる問題。これはもう集約されてきている。過言ではないと思いますので、大臣の一段の御努力をお願いしたい。さっきも避難階段が一ヵ所だったでしょう。私いつも思うのです。こっちから煙が出たら逃げようがないじゃないか。それで注意したけれどもしなかった。二年も三年もうっちゃっておる。こんな監督は監督とは言えませんよ。もっときびしく監督してほしいと思います。それから消防庁も、薬が三分間で切れた、それでもって支障があったとは思えないなんてそらぞらしいですよ、それは。そういうことのございませんように、今後十分に御注意が願いたいと申し添えます。
#73
○渋谷邦彦君 希望意見を……。たまたま先日の九州における火災問題から、いまいろいろな質疑があったわけですが、この火災のみならず実際の労働基準問題についていろいろな問題があるわけです。取り合ってくれないのですよ、とにかく。こういう事実を御存じですか。たとえばかけ込み訴えをするわけだ。ところが人が足りない、人が足りないどころじゃない、会えないのですよ、実情を聞いてくれない。それじゃやはり労働者の立場から考えてみた場合、災害は当然ですけれども、そうしたいろいろな差し迫った問題がたくさんあるわけですね。たまたまいま総定員法だとかいろいろなことが話題になっておりますけれども、あれだけじゃ間に合わぬのですよ。とにかく、いずれにしても、だれが考えても、いまの局長おっしゃった数字はこれはいただけない。これはいま始まったことじゃなくて、少なくとも戦後二十四年間いろいろ調査もされ、検討も加えられ、それで当委員会においても何回となくこういうことが論議されてきておるわけですね。けれども、その結果というものが、必ずしも理想に近づいているというふうな結果じゃない。こういうことで、やはり同じことを繰り返すということは非常にまずいのじゃないかと思うのですね。大体いままでの政府の答弁を伺っておりますと、検討いたします、努力をさせていだたきますです。私らは、率直に申し上げましてね、検討しますとか努力いたしますというのは、やらないということの同意語じゃないかとさえ極端に判断する場合があるわけです。どうかそうした点、私もいまの質疑を聞いておりまして、しみじみやはりこの状況じゃまずいということを痛切に感じます。この点はひとつ労働大臣、また局長のほうにおいても、十分じゃない、十二分の御配慮をいただいて、自後こうした問題が再び繰り返されないように私からも御要望申し上げたい。
 それから消防庁のほうの先ほどの話もずっと伺っているのですが、最近特に建造物の内容を見ますと、燃えやすいといわれる建物が多いそうでありますね。実際そういう実験なんかもテレビを通してございます。きのう、おとといもやっていた。それからもう一つは、合成繊維でできているふとんだとか、そういう衣料品が非常にふえておる関係で、ちょと火がつくともう一ぺんで火が燃え移って、特にトンネル式になっているようなアパートだとか、そういうところではもう逃げ場を失って、どうにもならないというような問題の危険個所が、全国で見たら相当数にのぼるということになりますね。それに対する当然予防措置も十分進められていらっしゃるでしょう。それからまた同時に、そうした建造物をはじめ燃えやすいものが非常に最近ふえているという実情にかんがみて、なお一段の消防に対する配慮というものをお願いを申し上げたい。やはり予防がしっかりしておりませんと、もう起こってからでは何を言ったって始まらぬわけですよ。そうしてお互いにいやな思いをしながらどうしだこうしたということを、繰り返したのではまずいということを、あわせて申し上げておきたいと思います。私の場合は要望です。
#74
○大橋和孝君 関連。私も一言関連して、ひとつ特に大臣、それからまた予防課長のほうに御意見を伺っておきたいと思うんですが、このごろ、先ほどもちょとお触れになっておりましたが、化学建材のために非常に燃えやすい。同時にまた、このごろはガスが発生したりして死傷したりする人が非常に多い。特にホテルなんかでは非常に多いわけですが、こういうことに対しましては、先ほど来小野君からもいろいろ話が出ておりましたが、従業員の監督、それからまたそういうものに対しての絶えず、何と申しますか、人を配置をするようなことで、いわゆる基準局側から、働いている人たちの規制を十分にしていかなければ、いわゆる夜間要員とか、またその基準内容が、非常に基準法的にも十分でないままにいま行なわれておるのが非常に多いわけでございますから、きょうの新聞にも出ているように、時間外に若い人を使ったり、そういう状態が非常に多いわけでございまして、いまそれを監督に行くのに十分な監督官がないという話でございまして、これは私は非常にゆゆしい問題だと思います。ですから、事故が起こってから、このようにしてあれもします、これもします――先ほどから聞いておりますと、ほとんどいつもの国会答弁であって、非常にことばの内容はもっともらしく聞こえますけれども、そんなら現実においてどれだけの増員がされていて、どれだけの設備がされているかというと、非常に寒いものがあります。こういうことが続けられるにおいては、やはり災害を繰り返すばかりでございます。今度の問題もさることながら、もうホテルなんかが焼けてたくさんの人が死んだり、あるいはまた重傷を負ったりしている例は非常にたくさんあるわけです、最近。ですから、これに対して、労働省のほうとしては監督を十分にして、平生から避難の道にしても――あるいはそういうことは消防庁のほうに何かあるのでしょうか。働いている人のいろいろな条件、それから労働条件なんか十分に監督することによって予防はかなりできるわけでございますから、労働大臣、労働省のほうでは、これに対してはほんとうに答弁だけでなしに、現実にこれこれをやるというようなスケジュールを持って、そうして法は改正しなければならぬだらろうし、その後の監督に対してもどういうふうにやっていくか、そのための増員にはどういう計画が要るか、そのためには何年計画が要るかというぐらいに、ぴっちりした計画をしていただきたいということが私の要望でもございますし、それから、それに対する決意のほども聞かしていただきたい。
 それから消防庁のほうには、いままでやられている消防の状態では非常に不満でございますが、特に最近消火剤あるいは消防の器具、家庭に、あるいはそういう場所に設置する器具に対しての取り組み方が非常にルーズであったと思います。いろいろな業者から消火器具の申請があった場合に、規制が不十分ではなかろうか、こういうふうに思います。このごろそういう化学建材が進んできておりますからして、これに対してもっと前向きに消火器具というものを的確に、あわせて、たとえば今度のような非常に可燃物を使う場合には何の消火器具をどうしても何ぼ用意しなければいかぬ、こういうようなことを明確にして、そうしてこれが即時対応できるようにしなければ、そういう危険物を使っているのに、現在のような形ではとても根本的に防止することはできないと思います。また、同時に消防の器具にしても、いまも話しているように、ごく短期間に消火液がとだえてしまうというようなことであってはいけないのであって、現在の建築用材なりあるいはまた可燃物を使う現在の業種なんかでは、あるいはまた密集地帯なんかでは、その構造、こういうものに対しても絶えず厳密に指導していかなければならない。私は、いわゆる予防の活動がまだまだ足りないと思います。こういう点について、もっと科学性のある、実際器具の設備についても、人員の整備についても、こういう機会に、先ほど労働省にもお願いしているようなぐあいに、もっと計画的に、めどを立ててどういうふうにすると、どういうものがあったらこれは防御できるのだという自信の持てる予防活動をしてもらいたい。このようなことで、私も、ある旅館に泊まりましたら、このなわばしごで逃げてと言うて説明をされまして、なわばしごを見てみましたが、われわれ年寄りには、そのなわばしごでは降りられないんです、実際問題として。天井からなわばしごで降りてそれで外に出るなんということは、火事になったら燃えているのですから、なわばしごではみんな死んでしまうんですよ。こんなものでこれが許可されているということ自身おかしいと思う。ですから、そういう点では徹底的にひとつ設備し、またそれの指導をやってもらいたい。それに対して、労働省に話したように、人員をちゃんと配置をしてこれが指導できるようにしなかったら、事が起きて、人が死んでから追及されたら、今後いろいろと考えますというのではもう絶対だめなんで、そういうことの決意のほどを消防庁の長官にも十分に話をして、徹底的に、何年計画でいつまでに何をする、そしてこれだったらばだいじょうぶだ、こういうものをひとつつくってもらうようにしてもらいたいと思いますので、両方のひとつ御決意を聞いておきたい。
#75
○国務大臣(原健三郎君) 本日、本委員会においていろいろ労働災害防止あるいはその原因追及等の御意見を拝聴いたしました。労働省としても大いに反省する点もございますし、決意を新たにして、こういう災害の再び起こらないようにいたしたいと思っております。どうも起こってしまってから、あとから言いわけがましく相なることはまことに残念なことでございまして、ぜひ、そういうことの起こらないように、これから万般の施策をやりたい。御意見のありましたように、もっと監督を強化し、また規制を強化していきたい。それには従前から申し上げますように、やはり二つの点がありまして、一つはもっと実情に即した、このごろの工場等の科学技術の進歩等に即応する法の改正も検討いたしたい、不備な点は改正いたしたい。
 それから第二の点は、やはりどうしても、御指摘がございましたように、私どもも数字を聞きまして、あまりにも監督官の少な過ぎることを痛感いたしております。それで、これはよく皆さん方の御意見を背景とし、御指示もありますので、来年から年次計画を立てまして、どういうふうにふやすべきか、これは閣議の了解も取りつけて進めていきたいと思っておりますので、よろしく御声援のほどをお願いします。
#76
○説明員(高田勇君) お答え申し上げます。
 最初に、先生御指摘になりました、最近の建築材料に伴う煙、ガス発生そのものが多くなっている、これは事実でございます。新建材と称せられるものの中には、煙、ガスが非常に多く発生する、そういうものが多く使われておることは事実でございますので、したがって、そういう点も、私ども建設省と常に連絡をとりながら、内装材料の制限について調整いたしておるわけです。今回の建築基準法の施行令――今回国会に提案されておる建築基準法の中におきまして、内装材料の制限の改正をするような意向を十分取り入れてもらっておるつもりでございます。その一つといたしましては、たとえば旅館につきましては、従来耐火建築でございましたら全然内装制限がございませんでしたものを、今回から避難の通路に当たる廊下、階段等につきましては難燃材料も使用させない、不燃材料、準不燃材料にとどめることを一つやっておりますし、それから避難の問題につきましても、二方向避難の原則というものを私ども打ち立てておりますので、これに一〇〇%近づいたという、実現というまでにはいっておりませんが、かなりの程度近づいたような方向の改正を行なっております。それから、私ども自体におきましても非常に燃焼性の強い繊維製品につきましては、これに不燃性を付与していこうという法律の改正を行なっております。
 それから二番目の、時代に合った消火器具の取り組み方をもっと真剣に行なうべきではないか、この点でございますが、私ども全く先生御指摘のとおりだと存じます。常に、私どものほうでも、消火器具につきましては、一般家庭に使うものあるいは一般の工場等が使うものにつきましても、消防検定協会という国の特殊法人を通じまして、すでにその性能等については検定を行なったものを販売させております。そして、一般の家庭用の消火器につきましては、今回これからやっていこうというふうにいたしておりますが、特殊の対象物に対します消火用具につきましては、そういうことをやっております。その義務は法律上課しておるわけでございます。先生御指摘のような点について、ここには何個以上というような基準の義務は課しております。したがいまして、この点について必要なものについては査察等を通じまして、常にその義務についての履行をさせておるわけでございます。と同時に、御指摘の消火器具そのものが時代に合ってないというような点もございますので、私どもは常にその点についても時代に合った油あるいは電気、あるいは一般というような火災等もございますので、それに合った消火器具の開発という点については検討いたしておるところでございます。それから、対象物について一斉の点検その他についても計画的にやるべきではないか、この点御指摘でございますが、旅館につきましては、先般来、続いて大きな事故がございましたので、昨年の十一月から本年の五月末までの半年間にかけまして、全国におきます温泉観光旅館の三百四十地域対象、したがって旅館全体といたしましては二、三万軒になると思いますが、このくらいの対象につきまして一斉にその消防上の調査をいたしております。その結果が五月末に出ますので、その結果によりまして、措置命令あるいは事業の停止等の強い態度で臨むべきものははっきり臨んでいこうという態度を決定いたしております。特殊の工場その他につきましては、年次的にやれという御指摘でもございますので、その点については、人員等のあれもございますので、今回旅館をまず初めにやっておりますので、特殊なものにつきましては、御指摘のような線に沿って必要に応じて検討をいたしたい、かように思います。
#77
○藤原道子君 委員長、もう一つ。
 私、最近とても心配していることを一つだけ聞いておきたいんですがね、だんだん高層建築になるんですね。いわゆるはしご車というんですか、それいまどのくらい東京都で持っているか、そのはしご車は何階まで届くのか、全国的にはそれの対策はどのように進められておるか、この辺ちょっと伺いたい。
#78
○説明員(高田勇君) 現在、東京において、はしご車が何台あるかという御指摘でございますが、私、はしごの設備のほうの担当でございませんのでちょっとさだかに存じませんが、東京都内におきましては、相当数の台数を持っていることは事実でございます。後ほどその台数につきましては報告を申し上げたいと思います。
 それで、高さにつきましては、現在は三十一メートルを限度として、それに届くような高さのものになっております。そういたしますと、現在すでに東京都内におきまして三十一メートルの高さの建築物がどのくらいあるかということでございますが、もうすでに計画中のものを入れますと、十一階以上、あるいは三十一メートル以上の建築物が二百六十くらいございます。したがって、そのくらいの対象物に対して、新たにますます出てまいりますそういった高層の対象物に対して、外から攻めていくという、その攻め方につきましても、これはかなりの限界が生じてきておるだろうと思います。したがって、私どものほうでは、超高層あるいは地下街、土地の高度利用の観点から出てまいりますそういった上と下に延びていくものに対しましては、新たにそれ自体において必要な整備というものをしてもらわなきゃいかぬのじゃないか、こういうことから、超高層、地下街に対します防災対策について、消防審議会というものがございまして、そこの答申をすでにいただいて、それの具現化にとりかかっておるところでございます。
#79
○大橋和孝君 予防課長に一言ちょっと聞いておきたいのですが、私、最近見た例でありますが、とにかくおふとんが燃えて、からだ半身以上やけどをしたというのを見たのです。これは知らなかったのでもうびっくりしたのですけれども、このごろの夜具というものは、非常に火の早く回る化繊の夜具ができておるのですね。先ほど、旅館だけは注意をしておって、民間のほうはおくれているといいますけれども、これは、アパートの火事でも要因はそういうことからくると思う。ぱっと一ぺんに火がつくものですから、逃げおくれてからだ半身やけどをしているのです、おとなが。こういうことから考えますと、いままでといろいろなものの使い方が変わってきておる。そういうことからいって、火災の、何と消防の検定協会ですか、できて、消火器具を検定していますね。あのあたり私ちょっと調査したことがあるが、あそこが実に、何と申しますか、官僚的であって、だれかボス的な人がおって、その許可を得ておかないと、いいものでも許可を受けられないと、そんなふうなことの非難も聞いておるわけでありますが、これは、まあ人から聞いたことだから確信は持てません。けれども、そういうことがあっては非常に相ならぬし、どうかひとつその消火器具に対しては、もっと配慮をして、十分いまの化学製材に対して対応できるものを早く検定をして民間にまで及ぼさなければ、火災というものは急激にふえてくるのじゃないかという心配をいたしますので、そういう点に特に配慮をしてもらいたい。一言特に付言しておきたいと思います。
#80
○委員長(吉田忠三郎君) 他に御発言もなければ、本日の質疑はこの程度にとどめて、これにて散会をいたします。
   午後零時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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