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1947/10/08 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第30号
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1947/10/08 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第30号

#1
第001回国会 議院運営委員会 第30号
昭和二十二年十月八日(水曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 淺沼稻次郎君
   理事 坪川 信三君
      安平 鹿一君    森 三樹二君
      工藤 鐵男君    小島 徹三君
      後藤 悦治君    廣川 弘禪君
     山口喜久一郎君    石田 一松君
      川野 芳滿君    田中 久雄君
      中野 四郎君    林  百郎君
 委員外の出席者
         副議長    田中 萬逸君
        事務總長    大池  眞君
        法制部長    三浦 義男君
     法制部第一部長    福原 忠男君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 議院の全機能發揮に關する小委員會研究事項國會法の一部を改正する法律案
 商業委員會の委員派遣承認要求の件
 經濟力集中排除法案を付託すべき委員會に關する件
 次囘の自由討議の問題
 國會職員に對する一時手當の支給に關する規程案
 國會職員給與規程案
    ―――――――――――――
#2
○淺沼委員長 それではこれより會議を開きます。
 先般來議院の全機能發揮に關する小委員會におきまして、種々問題を研究し檢討してまいつたのでありますが、小委員會としてはなお今後も多く研究する問題が殘つておるのであります。一應小委員會として結論に達しましたものを、中間報告することにいたします。この御報告につきましては、研究事項として配付してありますが、それについて事務總長から御説明願うことにいたします。
#3
○大池事務總長 一番最初に「議院の全機能發揮に關する小委員會研究事項」という、一應こしらえたものをお手もとに配付してございますが、これを讀みまして御説明申し上げたいと思います。
 一、議案の趣旨徹底
  (イ)、議院運營委員會において必要と認めた重要法案については、(自由討議の制度を活用し、その際)動議で趣旨辯明を求めることとする。
 括弧をつけてあるのは、この前の話で、今の建前の關係で、一應自由討議の制度を活用して趣旨辯明をさせる、自由討議の際必要があれば、その範圍の質疑應省をしたらどうかという御意見と、いま一つはそれはそれとして動議で趣旨辯明を求めることも違法ではないのではないかという御議論と二つございまして、どちらを小委員會として御採用になつたかという點が不明確でございましたので、「自由討議の制度を活用しその際」という言葉を括弧に入れてございますが、どの方法でやるか、あるいは二つの方法を併用するのか、御決定ができれば結構と思います。その意味で括弧にいたしてあります。
  ロ、その他の議案については、委員會で説明した提案理由を議員に印刷配付すること。
  ハ、議長は、議案の委員會付託を本會議に報告すること。
 大體先日の委員會では、この三項目が不明瞭でありましたので、一應ここに書いておきました。
 二、議員案發議の場合
  發議に當つては、草案として受理し、整理の上正式に發議の手續をとること、
 これは先日發議にあたつては、整理の上ということにしたらどうかという御意見があり、もう一つ、二の問題は、むしろ事實上の取扱いの問題に任せておけばよい、こういう委員會の決定事項として載せる必要もないではないかというような考え方もできるのでありますが、一應ここに載せておきました。
 三、國會法第三十九條第二項の承認手續
  各院別に現在通り提出し議院運營委員會に諮り場合により必要があれば兩院の合同審査會を開くこと。
  兩院の意見が一致しないときは不承認とすること。
 こういう御意見のようでございまして、そのようになりました。
 四、決算の取扱
 決算委員會の意見決定を待つ。
 五、常任委員會
 常任委員會の改廢、所管事項、委員の員數、委員の交代等については各派において研究すること。
 六、證人
  イ、宣誓させること。
  ロ、宣誓に違反したときは刑法の僞證罪の例によつて處分すること。
  ハ、證人が出頭しない場合及び宣誓又は證言を拒んだ場合には過料を課すること。
  七、委員の派遣
  議院運營委員會の承認を經た後議長が許可すること。
 八、緊急質問、これも確定的にはきまつておりませんでして、一應緊急質問は眞に緊急性もあるものに限り議院運營委員會または各派交渉會において許否を決定すること。
 九は法制部擴充問題、こういうことで一應この前のお話の事項を整理したわけであります。
#4
○淺沼委員長 ただいまの事務總長の説明に對して御意見ございませんか。
#5
○小島委員 ぼくは從來からもしばしば述べた意見ですが、一のイの、議院運營委員會において必要と認めた重要法案については動議で趣旨辯明を求めること、これは自由討議の制度を活用してやるという。この動議によるということは最近の新らしい議會のやり方をまたもとに戻すものであると私は思う。これはやはり委員會を中心として、法案はいきなり委員會にいくべきだと思う。それに續いて、ロにある、「その他の議案については委員會で説明した提案理由を議員に印刷配布すること」というけれども、委員會の説明は記録に殘つてくるのだから、二重に刷ることは必要ないのじやないか。これだけで一體議員が法案を知つているということはおかしいので、あくまで議事録を讀んでいくべきだ、こういうぼくは解釋をとる。これは二重の手間です。
#6
○山口(喜)委員 私は小島君と全然反對の意見をもつています。と申すのは、小島君はこれはもとに戻すという言葉を使われていますが、私はもとに戻した方がいいと思う。できれば、あらゆる議案法案は一應本會議で趣旨辯明をさして、その上で委員會にもつていくような以前の運營方法がよかつたと思つております。從つてこの研究事項に書いてある原案のごときはその趣旨に則つて、現在の法規上においては法規をかえなければいけないから、次善の策としてこういうふうに研究事項に書いてあるのだと思いますが、私は以前のような運營方式がよかつたという觀點から、イ、ロ、ハ、すべてこの案のごとくして差支えないと思つています。
#7
○林(百)委員 私の方は小會派の立場から言いまして、全委員會に顔を出しているわけでなし、わずか四人の議員が七つ八つの委員會に顔を出しているだけですから、議案の趣旨徹底をイ、ロ、ハの方法をぜひとつてやつていただきたい。かりに現在の國會の運營が委員會中心制度がいいか、あるいは從前の讀會制度がいいかという根本的な問題は別として、かりに委員會制度でいくにしても、今の機構の中で、しかも全議員に趣旨が徹底するような方法はぜひ講じてもらいたい。そういう意味で私は小會派としてこのイ、ロ、ハの方法をぜひ徹底してもらいたいと考えています。
#8
○小島委員 ぼくはこのイ、ロ、ハの中のハは差支えないと思う。本會議に報告する。報告すれば法案というものはすべて刷つたものが來ているのだから、この法案はどこの委員會にかかつているということがわかる。ロは委員會の議事録さえ見れば、提案理由だけでなくて、それに對する質問竝びに答辯もはつきりわかるのだから、何もここで二重に提案理由を刷つて渡す必要はないとぼくは思う。それは議事録を見るべきものであつて議事録を見て初めて提案理由というものがわかる。通り一遍の挨拶だけでわかるべきものでない。ほんとうに知りたいと思えば議事録を讀むべきで二重に刷つて渡す必要はない。そういう意味においてはハはもちろん當然すべきことだと思う。しかしロ、イについては、ロは絶對反對です。イについてはこれは自由討議の制度を利用して重要法案について提案の趣旨を聞いてそれに對して質問するというような形をとることは差支えないと思いますが、イの動議で趣旨辯明を求めることができるということは、現在の國會のやり方というものの根本を紊するものであるし、實際のところ今は多少不便だけれども、議員が委員會の議事録を見なければ法案がはつきりわからないといことを認識してきたら、ぼくはこの委員會というもので動いていく、それがほんとうの動き方だと思う。それが通り一遍の質疑應答で議案の内容がほんとうにわかつたと考えることは大きな間違いと考える。殊に今度のようにわけのわからぬ法案が出てくれば、本會議で通り一遍の質疑應答で議案の内容がわかつたと思つたら大きな間違いが起つてくると思う。むしろ委員會等においてこまかい微細にわたつた質疑應答を見ることが議員としてほんとうの責任であり、國民に聞かれた場合にも、返答し得る。たつた本會議の一應の質疑應答だけで法案がわかつたこと考えるのは間違つておると思う。だからこれは、せつかく委員會の制度がものになりかけておるのだから、ここで崩すことはしない方がよい思う。
#9
○山口(喜)委員 小島君は根本を紊してはならないというような現行法を守る立場から主張されているが、私はむしろ根本を紊すべきである、こう考える。また小島君は通り一遍の本會議の説明を聞いたくらいではわからない、こう言いますが、通り一遍でもある方がよいのであつて、ないよりましだと私は考える。また委員會の質疑應答を十分檢討すればわかると申されますが、議案が委員會の手を離れて本會議にかかるまでに、速記録がそれほど迅速に各員の手許に配付できない現状でありますから、從つて委員會の質疑應答を檢討する餘裕がないわけなんです。こういう觀點もありますので、これは今日提出されたような方法をとることが私は妥當である。讀めばわかるというようなことは、きわめて當り前のことではありますが、一々讀むことよりも本會議で重大な法案は特に一應皆の耳からも入れておいて、各員がその法案に對する認識を得、そうしてそれを各委員等の黨出身の委員等に、この點は、こうもわかつてもらいたい、ああもわかつてもらいたいとあらゆる注文をつけて、委員會で愼重審議して、これを本會議で決定する、こういうあり方が私は議會の運營の上、みながその法案に目を通すということが、行き方としては運營上おもしろいと思つております。
#10
○工藤委員 いろいろ御發言もありましすが、私も小島君も民主黨から委員として出ておるが、別に黨議できめた問題ではない。そこで私の考えではやはり動議によつて趣旨辯明を求めた方がよいと思う。なぜならばやはり全體が法案の趣旨を知ることが必要であり、さらに傍聽人にもこれを知り得る機會を與える。そういう意味でも、公開的な大衆的方法をとることがいいと思います。私はこの動議でいくことも一つの方法だと考えますので、これを御採用になつてはどうかと思います。
#11
○石田(一)委員 私はこの研究事項のイの問題は兩方の中庸を行つたものであると思つております。現在の機構、規則をそのまま存置しようとする小島君の御意見まことに結構だと思うが、しかしどちらかいえば自由討議の制度を活用して、動議で提案の趣旨辯明を求めることがいいと思います。しかもこれし現行の制度を亂すものでもなく、山口君の希望なされるような本會議で提案者の趣旨辯明を求めて、しかも傍聽人にまでもその趣旨がわかるようにする。また一般議員にも重要法案の趣旨わがかるようにする。これが賢明なる方法で、むしろ國會議員としてそういう方法をとる方が義務に忠實であると考えますので、ぜひ議案の第一のイのように取計らわれるように希望します。
#12
○小島委員 私は先ほどから言うように、原則的には委員會で種々研究すればいいということを主張するものです。というのは今の日本はまだそこまで行つていないようですが、これから法治國として立つていく場合、すべてのことが法律的となつて、しかもその法律はますます難解なものとなつてきて、ただ國會あたりで趣旨辯明を聽いただけではわかるはずがない。それでわかつたと思つて人の前でその話をして、とんでもない間違いを起すことがしばしばある。通り一遍の大臣の趣旨辯明の説明だけでわかるものでないから、やはりこれは委員會中心でいかなければならぬと思います。
#13
○淺沼委員長 大體あなたの御意見を伺つておりますと、原案とそう隔りがないと思うのですが……。前に研究事項二段目に、右ついては、場合によつては質疑を許す。但しその員數及び時間は運營委員會または各派交渉會であらかじめ決定することにしてはどうかということがある。もし今言つたようなことで本會議でいろいろ時間の點、あるいは質問が出た場合に非常に混亂の憂いがあるというようなことになれば、そういうことを附け加えたらどうでしようか。
#14
○小島委員 ぼくは過渡的なものとしてこれをやられることについては別に反對するものではありません。
#15
○淺沼委員長 他に御意見はございませんか。――他に御意見がなければ、檢討を要する事項は殘して、他の部分については認めることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○淺沼委員長 なければその次に證人に關する事項を議題に供することにいたします。他の部分について引續き研究を要する事項については委員會で研突することにいたします。それでは罰則規定、證人の選定について事務總長から説明を願います。
#17
○大池事務總長 それではただいまの六の證人の點で、宣誓をさせることと宜誓違反の僞證罪になることと、それから證人の出ない、あるいは宣誓違反、拒否等の場合、この三點をきめるについては國會法を變えなをればなりませんので、その點だけを他の國會法の改正と切り離して、とりあえず案文をつくつてみたわけであります。今の三點の問題はただいまそこに差上げておる二案は、内容においては少しも變りがないことと思つております。そこで第一案の一ページ刷りになつている「國會法の一部を改正する法律案」というのによりますと、今國會法の百六條に、國政調査その他のため證人を喚び出すことができるという規定がありますので、そのあとへ「各議院が、議案その他の審査又は國政に關する調査のため、證人の證言を要求する場合には、民事訴訟における證人の訊問に關する法令の規定を準用する。但し、議院は、勾引を命じ又は過料の決定をすることはできない。」第百六條の三法律により宣誓した證人が議院に對して虚僞の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に處する。」この「三月以上十年以下の懲役に處する」というのも民事訴訟法にあるのと同樣であります。「前項の罪を犯した者がその議院の審査又は調査の終了前に自白したときは、その刑を減輕又は免除することができる、」
 第百六條の四として、「議院から證人として出頭の要求を受け、正當の理由がないのに出頭せず、又はその義務を盡さない者は、これを三千圓以下の過料に處する。」この三條を入れたわけであります。そこで百六條の二の一番最初にこういう場合には「民事訴訟法における證人の尋問に對する法令の規定を準用する。」ここに民事訴訟法の證人の法令が準用されるということを概括的にうたつてありますので、法文としてはきわめて簡單で體裁はきわめてよいわけでありますが、實際はこの民事訴訟法における證人の尋問に關する法令そのものの中には、今度の場合に全然準用し得ないものと、準用し得るものとをたくさん含んでこの章があるわけであります。たくさんの法條の中どれが準用されるかということが表面でははつきりしていないので、同じ事柄を大體どういうことになるかきわめてわかりやすく書いたのが、第二案の「國會法の一部を改正する法律案國會法の一部を次のように改正する」ということで、第一條、第二條、第三條、第四條にうたつてあるわけであります。一應同じことでありますが、百六條の二として證人が各議院に出願したときは、その證言をなす前に宣誓させなければならない、各議院において證人に正當な理由があると認めるときは宣誓をさせないことができる。」
第百六條ノ三 宣誓は證人をして宣誓書を朗讀させ且つこれに署名捺印させるものとする。
 宣誓書には良心に從い眞實を述べ何事も默祕しないし又何事も附け加えないことを誓う旨を記載しなければならない。
第百六條ノ四 議院において宣誓した證人が虚僞の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に處する。
 前項の罪を犯した者がその議院の審査又は調査の終了前に自白したときは、その刑を減輕又は免除することができる。
第百六條ノ五 證人が病氣その他正當な理由がなくて出頭しなかつたとき又は宣誓若しくは證言を拒んだときは三千圓以下の過料に處する。
つまり實際に準用された規定をはつきりそこに一目わかるように書いたに過ぎません。形の上としては第一案の方が法制的にはきわめてよいと思いますが、國會法がなるべくわかりやすくという建前で、宣誓するときにはどういうぐあいにするか、またどうやるかということをはつきりさせたのが二案でありまして、準用の點においても變りはないと考えます。
#18
○林(百)委員 やはり第二案の方が親切だと思うのですが、民事訴訟法を準用することは何のことかわからない。わざわざ民事訴訟法を讀む人もない。やはり議案の上に親切に書いてやる方がいい。
#19
○淺沼委員長 ただいま事務總長から説明になつた點については、いずれをとることにしますか。
#20
○林(百)委員 第二案がよいと思う。
#21
○中野(四)委員 第二案が眞に適當だと思いますからこれをとることにしたいと思います。
#22
○淺沼委員長 他に御意見ございませんか。
#23
○石田(一)委員 第二案をとるにしても第一案の方には「議院は、勾引を命じ又は過料の決定をすることはできない」とうたつてありますのに、二案の方にはその趣旨が全然ないのでありますが、やはりこれは議院自身がこれを方するのがでなくて、司法裁判所においてこの刑の量を決定する。こういうことをこの中のどこかに附け加えた方がなおより以上はつきりして親切なのではないかと思います。
#24
○淺沼委員長 ちよつと石田君に御相談しますが、一應第二案をとることに御異議ありませんか。
#25
○石田(一)委員 異議なし。
#26
○淺沼委員長 それでは第二案をとることにして第二案を議題に供します。
#27
○大池事務總長 ちようど法政部長がおりますので、私の説明が違つておつたら補足願いたいと思いますが、第一案の方ですと、民事訴訟法における證人の尋問に關する法令の規定を準用するということになつております。民事訴訟法によると向うは檢察廳であり、こういうことが要るわけです。そこでそういう但書の必要がありますが、第二案の方をとると、民事訴訟法の規定を適用することはなくて當然この規定だけでやるわけです。この規定では別にこういうことをした者にはこういう罰を科するということだけしか書いてない、從つてこれが僞證でやるや否やは當然議院から刑事民事の方を移してそちらでやつていただく以外にはない。議院自身が第三者に對して三月以上十年以下の懲役に處するということはないわけで、議院において宣誓した證人がこういうことをしたときにはこういう刑になるぞ、その刑の認定は普通の裁判所の方へ當然にいく、こういうように當然解釋されるものと考えます。
#28
○石田(一)委員 そうするともしこういう宣誓に違反し、または理由なくして出頭しないものがあつたときに、議會全體がその者を相手にとつて司法裁判所に告發するという方法をとるのですか。
#29
○大池事務總長 そういうこと以外に方法はないのです。
#30
○石田(一)委員 その手續の規定が何かここにないと……
#31
○大池事務總長 そういうことを書く必要があれば、國會法で書くか、あるいは國會法を受けた兩院規則の中で書くかということが問題になると思います。全部訴追するという場合には、どういう方法をとつて訴追するというところまで國會法の中に入れるいうことももちろん考えられますけれども、そういう方法は必要があれば規則の方で書くことができると思います。しかしそれも一緒にこの中に入れておいた方がいいのではないかということも言い得ると思います。その點は法制部長から説明させます。
#32
○三浦説明員 ただいま問題になつております點は、最初の第一案にありました民事訴訟法を準用いたす場合におきましては、民事訴訟法の中にこういう規定があります。二百七十八條に「裁判所ハ正當ノ事由ナクシテ出頭セサル證人ノ勾引ヲ命スルコトヲ得」。さらに二百七十七條に「證人ガ正當ノ事由ナクシテ出頭セサルトキハ裁判所ハ決定ヲ以テ之ニ因リテ生シタル訴訟費用ノ負擔ヲ命シ且五百圓以下ノ過料ニ處スコノ決定ニ對シテハ即時抗告ヲ爲スコトヲ得」。こういう規定がありまして、民事訴訟法を準用いたしますと、過料または勾引ということが當然準用されてくることになりますので、これはこの前の裁判官彈劾法のときも同樣でありましたけれども、議院が行政的な措置を講ずることは適當でない、これは本來の司法權の發動に任せる方がいいという建前から、その點だけは議院としてはできないということを第一案の方ではうたつてあるわけであります。
 第二案の方は、先ほどお話のように、そういう點がありませんので、その問題を特に規定する必要がないと考えられます。しかしながらただいまお話の宣誓義務その他に違反した場合に、刑法との關係をどう考えるかという問題になりますと、これは刑事訴訟法の告發で、何人も犯罪ありと思量するときは告發することができるという一般原則によりまして、それを裁判所に告發することによりまして、司法手續に移つていく。これは彈劾法におきましても同樣の考えをとつておるわけであつて、その點は私がただいま申し上げましたような意味で御了解願つていいのではないかと思つております。ただここでちよつと申し上げておきたいと思いますのは、民事訴訟法を準用するという第一案の方と、そうでない案に方との重要な點は、第二案の方においては「各議院において證人に正當な理由があると認めるときは宣誓をさせないことができる。というその正當な理由というのは、どういう理由であるかというのが、一番問題になると思います。民事訴訟法を準用すると、いわゆる正當の理由というものが、民事訴訟法上證言の拒否という問題として數條にわたつて規定されているのでありまして、それらの點に關しては民事訴訟法を準用すると、その點は一應明確になると考えられるのであります。しかし民事訴訟法を準用すると、裁判長あるいは裁判所というような規定がありますから、準用の限度をどういうふうにするかという問題は、ただ包括的にこういたしましては、實際準用の場合にいろいろ明確でない點があると考えられますので、第一案の場合においては、衆議院規則なり何なりにその點をさらに明瞭化する必要があろうかと考えておつたのであります。
#33
○石田(一)委員 ただいまの法制部長の御説明は了解できるのですが、こういう場合が想像できると思います。委員會において證人に證言を求めた。その證言を求めた個人である委員は、これは事實を黙祕しているということを確認された。それで委員自身はこれを告發しようとしている。しかし委員會の過半數は告發しなくてもいいじやないかというふうに、二通りにも三通りにも意見が分れる場合があります。そのときに、この國會法の改正された百六條の口の規定によつて、これを個人であるこの委員が事實を黙祕して眞事を述べていないという理由のもとに、委員會の決定に反して、一議員として裁判所に告發することができるかどうかということも、大きな問題になるのじやないかと私は考えますから、この際これを刑事裁判所に移す手續というようなものを一應規定してあつた方が、困難がないのじやないかと私は考えます。
#34
○小島委員 今あなたの言うのは一つの理窟だけれども、たとえば二十人の委員會の中で十九人までこれは僞證でないといつてみたところで、たつた一人の委員がはつきり僞證ということを知つておつたとすれば、その委員は告發すればいい。委員會の決議をもつてこれを告發するとか何とかいうことをきめることは、むしろ筋が違つてくるのじやないかと思うのです。たとえば石田君一人がこれを僞證だと考え、十九人の人が僞證でないと考えた場合に、問題が起きてくる。數の上では十九人の方が勝つかも知れないが、僞證であるかないかということは、多數では判決できない。一人でもできるのだから原則はそれでいいと思う。
#35
○石田(一)委員 それならば話はわかるのすが、先ほど事務總長のお話の中には、これは國會として罰するのだというお言葉でございましたから、僞證したという事實を一人だけが知つて、他の人が知らない。それで多數のために國會としてやりまた委員會として告發するのならば、多數によつてこれは僞證でないということになり得る。だから眞實僞證罪を構成しているものならば、多數によつて決定すべきではなくて、個人の委員が告發できるということになればよいのではないか。そうでなくて、ただいまの事務總長のお言葉では、國會とか委員會とかいうような一つの機構がこれを告發する。それを代表して議長や委員長が告發するということになれば、多數決によつて僞證したものが、僞證したものでないかという結果が生ずるそこで私は先ほどからその點をはつきりしなければならぬと言つているのです。
#36
○小島委員 やはり刑法の原則に歸るよりしかたがない。
#37
○三浦説明員 法律的に申しますと、石田さんのお話の通り個人でもできるということになると思います。ただ委員會で喚んだり委員で喚んだ場合に、個人でも告發することができるかどうかということは政治的な問題になるので、別箇の問題として考えらるべき問題であろうと思いますが、法律的には可能であります。
#38
○林(百)委員 ちよつと法制部長にお聽きしたいのですが、民事訴訟法の規定をよく見ますと、宣誓させない場合も、宣誓を拒否する場合もある。ところが、これでみると、ただ正當な理由でひつくるめてあるが、これでよいかどうかという問題です。正當な理由についての解釋が非常にむつかしくなると思います。
#39
○三浦説明員 その點は先ほど私が申し上げたように、一番大事なことになると思います。民事訴訟法を準用しておればその點は一應はつきりしてくることになる。ところが、二案の方になると、その點をどうきめるかという問題が問題として殘るだろうと思います。殊に民事訴訟法を準用すると、これは古い規定だが、第二百七十四條には「貴族院若ハ衆議院ノ議員又ハ議員タリシ者ヲ證人トシテ職務上ノ祕密ニ付訊問スル場合ニ於テハ裁判所ハ其ノ院ノ承認ヲ得ルコトヲ要ス」こういう規定もありますし、さらに第二百八十條には「證言カ證人又ハ左ニ掲クル者ノ刑事上ノ訴追又ハ處罰ヲ招ク虞アル事項ニ關スルトキハ證人ハ證言ヲ拒ムコトヲ得證言カ此等ノ者ノ恥辱ニ歸スヘキ事項ニ關スルトキ亦同シ
 一 證人ノ配偶者、四親等内ノ姻族又ハ證人ノ家ノ戸主但シ親族ニ付テハ親族關係カ止ミタル後亦同シ
 二 證人ノ後見人又ハ證人ノ後見ヲ受クル者
 三 證人カ主人トシテ仕フル者」
 とあります。これは民事訴訟法でも刑事訴訟法でも大體同樣の規定が置かれておるのですが、その點が民事訴訟法を準用するとはつきりしてくると思います。さらに第二百八十九條には「左ニ掲クル者ヲ證人トシテ訊問スルニハ宣誓ヲ爲サシムルコトヲ得ス
 一 十六歳未滿ノ者
 二 宣誓ノ趣旨ヲ理解スルコト能ハサル者」、
 こういう二つの項目が掲げてあるわけでありまして、それらの點も一應民事訴訟法の準用に上りますとはつきりしますが、ただ先ほど申しました點が準用すると問題になると思います。
#40
○小島委員 結局正當な理由ということは、宣誓させないとかさせるかということをまず國會が考えるわけです。正當な理由でないと國會が言つてみたところで、これは刑事訴訟法でいつた場合、刑事訴訟法では裁判所が正當な理由でないと考え、國會の方が正しくないと考えた場合は、刑事訴訟法の裁判所の方はおそらく、刑事訴訟法で僞證罪によればよいのではないか。それは當然拒否して差支えない。それを正當な理由がないという國會側の方がむりだということになれば、これは義務違反ではないと、そう解釋したらよいのではないか。
#41
○林(百)委員 しかしこういう場合がある。宣誓をさせないことができる場合がある。それはこちらでむりに宣誓させる場合で、宣誓させれば僞證罪が成立してまいりますから、そういう場合には、ほんとうなら宣誓させないでよかつたものを、國家が宣誓させたことによつて僞證罪が成立するという場合がある。
#42
○小島委員 正當な理由がない場合、宣誓させたということになるわけです。刑法から見れば、正當の理由ありと認めなければならない。その正當の理由ありとして、宣誓する必要ない者を宣誓させたことになる。
#43
○林(百)委員 僞證罪は正當な理由ないときは僞證してもいいということにならない。
#44
○石田(一)委員 第二案の、今議題になつておるこの改正案からみると、この僞證罪が刑法にある僞證罪であるかどうかということも大きな疑問があると思う。これはただ國會法における委員會に出た證人の僞證の問題であつて、今論ぜられているのは裁判所に出た證人の僞證の問題で、それとこれとは別箇の問題になる。私が先ほどから申し上げておるのは、刑事訴訟法または刑法における裁判所の僞證罪と同じに適用されるということがこの條文の中に現われていなければ、これは別箇の問題だ。裁判所によつて僞證したのでなくて、國會法の委員會に出頭した證人が僞證をしたので、別箇の問題だ。この改正法案からみると、刑法上の僞證罪と同じ性質の僞證だということは、どこからみても考えられない。だからその根據がどこにあるかこの僞證罪が裁判所の僞證罪と同じなのかどうかが、この條文に現われていなければならない。それさえ現われておれば、手續も何もできる。
#45
○林(百)委員 しかし刑法の僞證罪は法律によつて宣誓した者が僞證した場合に僞證罪が成立するわけで、國會へ來た場合も、法律で宣誓した場合には、刑事訴訟法、民事訴訟法の宣誓と同じです。
#46
○石田(一)委員 それはおそらく裁判所の問題じやないですか。
#47
○小島委員 それは民事訴訟法の場合と國會の場合とは違うけれども、刑法では全般的に法律で定めた宣誓によつて云々しておるのだから、それは同じことになる。
#48
○林(百)委員 法律によつて宣誓した證人虚僞の陳述をしたときは三箇月以上十年以下の懲役に處すとある。
#49
○石田(一)委員 しかしこの刑法で定めたところの宣誓をした者が虚僞の陳述をした場合には僞證罪とするというこの狙いは、裁判所の權限のある裁判官の前に僞證したことを言うのであつて、司法裁判權をもたない國會の委員會において宣誓した者が虚僞の陳述をした場合を豫期してつくつた立法だとは考えられない。
#50
○林(百)委員 それはそうじやない。會計檢査官懲戒法とか、行政裁判所の裁判官懲戒法というようなものがある。
#51
○石田(一)委員 それは裁判というものに關係しておるからで、委員會は裁判所じやない。
#52
○小島委員 法律で宣誓したのだから、法律に違反した場合はそれが適用される。
#53
○林(百)委員 全部包含しておる。
#54
○福原説明員 ただいまの石田委員のおつしやつることは、確かに一理あると思う。その點刑法の百六十九條の僞證罪の解釋はドイツでもやはりその點で議論がありまして、やはり議院あるいは委員會における證人がもし宣誓した場合にはこれを含むという解釋をしておるようです。ところが、日本ではその點非常に疑義があるわけで、先例としては特許法第百三十二條というものがあつて、特許法では民事訴訟法の規定を準用しておるのでございます。そして特許法で特許侵犯について、たとえば證人を喚問し、尋問する、それは全部民事訴訟をかぶつておるのでありますが、それについては法律によつて宣誓しなければならないわけでありますが、それを處分する場合には、特許法百三十二條に、法律により證人が虚僞の陳述をした場合には三箇月以上五年以下の懲役に處すという條文をそのまま載せておるのであります。それは特許法の立案の際の註釋書などを見ますと、その點について疑問があるというところから、やはりかような明文を特許法でも置いたものだと思います。なぜそういう疑問があるかというと日本の刑法では百六十九條、百七十條とを併せて解繹しなければならないと思うのであります。百七十條にははつきり確定裁判がありたる前あるいは懲戒處分の決定する前に自白したる場合は、その刑を減刑または免除することを得という規定があるが、百七十條から反面解釋しますと、百六十九條の證人というのは明らかに裁判または懲戒處分の場合の證人に限定しなければならないじやないかという解釋が十分に成立つのです。それでその問題を囘避するために特許法では同じ條文を特に設けたものだと思うのです。それゆえに國會法の一部改正の場合にもその點の疑問を避けるため第一案でも第二案でも刑法と同じ表現を用いておるのであります。學説の爭いのあるところですから、その點御了解願います。
#55
○淺沼委員長 速記をやめて……。
   〔速記中止〕
#56
○淺沼委員長 速記を始めて……。
#57
○林(百)委員 百六條の二の正當な理由、それから百六條の五の正當な理由これが問題だと思います。民事訴訟法ですと具體的な事例がちやんとあるのですが、この國會法ですと、正當の理由で抽象的に包括してあるが、この正當の理由というのはたれが第一認定するかが問題なんです。民事訴訟、刑事訴訟ですと國家が認定するのであるが、この場合は各議員だとなると、Aなる議員は正當なる理由でないと認め、Bなる議員は正當なる理由と認めた場合どうでしようか、委員會の中にはたくさんの議員があるのだから……。
#58
○小島委員 これはハウスの方の議院ですよ。
#59
○林(百)委員 それではハウスのたれが認定するのですか。
#60
○中野(四)委員 ぼくは法律家じやないからわからないけれども、むしろ正當な理由があると認めるときは宣誓をさせないことができるというのを拔いてしまつたらどうか。證人はたれでも議院に出頭して宣誓をするということにすれば、理窟はなんでもない、簡單に通ると思います。
#61
○林(百)委員 そういかない場合がありますよ。
#62
○中野(四)委員 そういう場合があると言つても、その方が手取り早くて筋が通ると思うが、素人論はいかぬか。
#63
○淺沼委員長 まだ議題もずいぶんあるので、時間の都合もあるから、先ほど決定いたしました通り第二案をとることにはきまつたわけですから、それを條文としてもう一度議論を進めることにしたらどうでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○淺沼委員長 さよう決定します。
    ―――――――――――――
#65
○淺沼委員長 次に商業委員會から委員派遣の承認について議長から諮問されております、これを議題に供します。事務總長から御説明願います。
#66
○大池事務總長 商業委員會から委員派遣の承認申請がまいつております。その派遣の目的は輸出産業施設の現地調査、こういう大きな問題でありまして、これを第一班、第二班にわけます。第一班は京都、大阪、神戸、第二班は靜岡、愛知に行きたい。第一班は六日間で、喜多楢治郎さん、細川八十八さん、佃良一さん、松原喜之次さん、松崎朝治さん、中村元治郎さんの六名、第二班はやはり六名で四日間、笹口晃さん、林大作さん、岡野繁藏さん、櫻内義雄さん、辻寛一さん、松井豊吉さんであります。
#67
○淺沼委員長 御意見はありませんか。
#68
○中野(四)委員 これはこの前の北海道へ行く連中にも相當強く制約を加えたと同じようにしたい。この人たちは、われわれの聽いた範圍においては自分の選擧區である。
#69
○小島委員 施設というのがはつきりわからぬ。
#70
○淺沼委員長 それではこの案件はさらに審議することにして、本日は保留することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#71
○淺沼委員長 それではさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#72
○淺沼委員長 次に經濟力集中排除法案を付託すべき委員會について議長より諮問がありますから、これを、議題に供します。
#73
○大池事務總長 これは昨日の交渉會のときに、御研究を願つておきたいと申し上げたのでありますが、經濟力集中排除法案をどこへ付託するかということで、私ども事務的にはどこがいいかまつたく見當がつきませんので、御協議願いたいと思います。ただその際、この前申し上げておきましたが、かつて商業委員會で、この法案が出てきた場合には、自分の方に當然來べきものであろうと思うが、どうであろうかというような質疑應答もございますので、その點も御考慮願つて、いずれがいいか御決定願いたいと思います。
#74
○石田(一)委員 これはいろいろ議論もあると思いますが、經濟力集中排除法案のような特殊な法案がいくつも出るということは、議院自體が豫想していなかつたことだと思いますが、これこそほんとうに今あるどの委員會にも屬さない、特殊な法律だと考えます。こういう重大法案こそエキスパートを選り出して、特別委員會の必要があるのではないかと考えます。
#75
○安平委員 私も今の石田君の意見に贊成です。これは企業整備の問題にからんで、相當大きな問題で、わが黨においてもこの問題を特別に研究しております。こういう法案こそ特別委員會を設けていただきたいと思う。
#76
○小島委員 民主黨も大體その意見です。できるならば特別委員會を設置してやる。但し特別委員會がいけないということならば、商業委員會にかける。
#77
○中野(四)委員 一應特別委員會を設置することに贊成します。
#78
○淺沼委員長 特別委員會を設置する意見が多數のようでありますから、そうすることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○淺沼委員長 異議なければその通り決定します。
#80
○中野(四)委員 その場合に人數の問題等が起りましようが、こういう特別の性格をもつた委員會でありますから、按分はあつてよろしいが、特に小會派も一名ずつ入れていただくことを御考慮願いたい。
#81
○淺沼委員長 そうすると四十五名に決するに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○淺沼委員長 さよう決定いたします。これは諮問があるわけではありませんが、取扱い方はこれを本會議で、さつききめた議案の徹底と重要性に鑑み、動議で趣旨辯明を求めることをやりますか。
#83
○小島委員 次囘の自由討議の議題にしましよう。
#84
○淺沼委員長 そうすると自由討議を活用して、動議で政府の趣旨辯明を求めて、次囘の自由討議の議題にするということを附加して議長に答申することに異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#85
○淺沼委員長 それでは經濟力集中排除法案を付託すべき特別委員會を設置する。人員は四十五名とし、あすの本會議にかけて政府の趣旨辯明を求めて、十四日に自由討議をする。そういうことに決定します。
    ―――――――――――――
#86
○淺沼委員長 次は勞働省の方から國會議員の勞働委員會の委員、同じく斡旋委員の候補者の兼務について、説明をしないという申出がありますから、勞働教育課長より説明を伺うことにいたします。これは速記をやめて懇談の形でいたします。
   〔速記中止〕
#87
○淺沼委員長 速記を始めてください。
 國會職員に對する一時手當の支給に關する規程案及び國會職員給與規程を議題に供します。
#88
○大池事務總長 國會職員に對する一時手當の支給に關する規程案について簡單に御説明申し上げます。御承知の通りただいま政府職員に對する一時手當支給の關する法律案が出ておるわけでありまして、たしか今、財政金融の方で御審議中と思います。あれは千六百圓案と千八百圓案との差額の二百圓を一時手當として九月分まで差上げようという案でありますが、あの政府職員という中には、國會職員がはいつておらないために、あの千八百圓案がここの職員には適用されない、除外されておるという結果に相なつております。從つてこれとまつたく同等の取扱いを國會職員に對してもとつてもらわなければ困るという意味合で、これを規程案で出したわけであります。一方においては法律で、一方では規則というのはどうであるかといえば、國會職員に對しては、法律で國會職員法ができておりまして、給與に關しては兩院の運營委員會の合同審査會できめることになつておりますから、最後には合同審査會で御決定を願わなければならぬと思いますが、合同審査會にもつていく前に、一應案文の御了承を願い、あるいは御意見を承つて、さらに參議と院の方も打合せをして、ほぼまとまつたところで一應兩院の合同審査會に移したいと考えております。案文は政府職員の例によることでありますから、きわめて簡單でございます。
 この規程施行の際現に在職する國會職員、嘱託、主事補、書記補及び傭員には、政府職員の例により、一時手當を支給する。
 もとは政府職員の方ででき上りますから、その例によりまして、一時手當を支給するということに書いてあるわけであります。附則は
 この規程は、政府職員に對する一時手當の支給に關する法律施行の日から、これを施行する。
 向うがどういうぐあいに修正されますか、その例によつて國會職員も同樣の取扱いを受けよう。從つてあの政府職員の支給に關する法律案が施行されれば、そのときからこちらも施行されたいという案でございます。
 次に國會職員給與規程、これはただいまの一時手當支給と違いまして、國會議員の給與規程というものが正式にはまだできておりませんので、一應これでお願いをいたしたいと思つております。從つて最近伺うところによりますと、政府職員の給與に關する法律案というものが出てくるはずでございまして千八百圓に基きます増俸等もでき上るはずでありますから、それができればこの給與規程もさらに御修正を願わなければなりませんが、それができ上るまで、五月私どもが一般の官吏から身分が變更になつて、國會職員となつて、今日までのこまかい支給規程の案が具體的にできておりませんので、從つてその中間的にぜひこれだけのものはある程度規定していただきていというのでございます。一應案文をこの前にもちよつとお目にかけたことがあると思いましたけれども、大體以上をもつて御説明といたします。
#89
○林(百)委員 速記者とか衞視とか、この方には特別手當が特にあるが、一般の事務員との均衡はどういう點ではかりますか。
#90
○大池事務總長 その方は十三條に「國會職員には、國會事務の性質上各職員の住居、通勤、被服等の事情その他職務の状況に從い、特種手當を支給することができる。」これによつて特種手當を支給することができるのですが、これはこういう手當を確實に必ず出すというのではございません。今の速記者の特別手當、衞視の特別手當及び衞視宿料というのは、すでに今日まで持つておつたものであります。現實に持つておつた手當そのものを取拂うというのは不當と思いまして、豫算面においても從來通り認められておるわけであります。それで衞視竝びに速記者の特別手當というようなものは昔のままで、ごくわずかなものでございますから、これに應ずるように金額を上げるということで、實はこの前の豫算のときにも御説明を申し上げて、皆さんにお願いもいたしたわけでありますが、千八百圓案の建前上、そういうものを國會職員には認められないということがわかりましたので、そういうものの公平を保つためには、十三條において特種手當、つまり國會職員に關する特別な事情に基く特種手當という方法で出す以外にはない。
#91
○林(百)委員 つまりできるということですね。
#92
○大池事務總長 それは豫算が足らなければ、他の地方團體などは自分自身は豫算がありますが、ここでは豫算自體はない。これを出すことにしますれば、その豫算の面と突き當りますから、豫算の経理の上で豫算をもらつてきて出す。これを認めてもらつて出すということになつておるのであります。それと一番しまいに議會手當、十五條に「國會閉會中勤勞著しい者には、議長は議院運営委員會に諮り、特別の手當を支給することができる。」これが議會手當という意味でありますが、そういう言葉が通りませんので、特種手當と特別手當、この二つの運用によつて不公平な點を是正する以外に方法がないと思いまして、その規定を入れていただいておるのであります。
#93
○淺沼委員長 今の説明に對して何か御意見はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#94
○淺沼委員長 それではただいまの議長より諮問の二件でありますが、原案の通り答申するに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○淺沼委員長 さよう決定いたします。あらためて兩院合同案査會に諮問されるようにまた議長に答申することにいたします。
 本日はこれで散會します。
   午後零時二十九分散會
ソース: 国立国会図書館
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