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#1
第061回国会 社会労働委員会 第20号
昭和四十四年五月十五日(木曜日)
   午前十時二十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月八日
    辞任         補欠選任
     高田 浩運君     今  春聴君
     上林繁次郎君     北條  浩君
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     今  春聴君     高田 浩運君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     藤田  進君     上田  哲君
     北條  浩君     上林繁次郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉田忠三郎君
    理 事
                上原 正吉君
                鹿島 俊雄君
                大橋 和孝君
                上林繁次郎君
    委 員
                黒木 利克君
                高田 浩運君
                徳永 正利君
                山本  杉君
                横山 フク君
                小野  明君
                藤原 道子君
                中沢伊登子君
    発議者         大橋 和孝君
   国務大臣
       労 働 大 臣  原 健三郎君
       国 務 大 臣  野田 武夫君
   政府委員
       人事院事務総局
       給与局長     尾崎 朝夷君
       労働省労政局長  松永 正男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       総理府人事局次
       長        宮内 通雄君
       行政管理庁行政
       管理局審議官   石原 寿夫君
       北海道開発局長  遊佐志治磨君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○労働基準法の一部を改正する法律案(藤原道子
 君外一名発議)
○労働問題に関する調査
 (北海道開発庁職員の労働条件に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(吉田忠三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十四日、藤田進君が委員を辞任され、その補欠として上田哲君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(吉田忠三郎君) 理事の補欠選任についておはかりをいたします。
 去る八日、上林繁次郎君が一たん委員を辞任されたので、理事が一名欠員となっております。この際、その補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
#4
○委員長(吉田忠三郎君) 御異議ないものと認めます。
 それでは理事に上林繁次郎君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(吉田忠三郎君) 労働基準法の一部を改正する法律案(参第一七号)を議題といたします。
 この際、発議者から提案理由の説明を聴取いたします。大橋和孝君。
#6
○大橋和孝君 ただいま議題となりました労働基準法の一部改正案について、その提案理由を説明申し上げます。
 わが国の女子の雇用者は、三十年代後半から、男子の増加率を上回って急速に増加しております。労働省の記録によれば、昭和四十二年度で約九百七十万人、これは全雇用者の三二%を占める数であります。
 このように多数の婦人が、いわば日本経済の重要なにない手として働いている反面、妊産婦の死亡、異常産、新生児死亡はきわめて多数にのぼり、その上心身障害児出産も最近上昇しつつあるという憂慮すべき事態にあるのであります。国際的に比較しましても、出生十万に対する妊産婦死亡率を見ますと、イギリスの五倍、フランス、アメリカの二・五倍という高率を示しているのであります。このような不幸な事態の中でも特に、婦人労働者の流産、死産の例がきわめて多いことに注目しなければなりません。一例をあげますと、東京の麹町保健所の調査によりますと、丸の内に勤める共働きの女性の流産、死産は家庭婦人の約二倍半にのぼり、妊娠の約二四%、すなわち宿った新しい生命のうち四人に一人はこの世に生れ出ることができないというおそるべき実態にあるのであります。
 婦人労働者の健康保護にとって特有に大きな問題は、母体保護の問題であることは、たびたび私どもが指摘しているところであります。働く婦人の場合、母性が労働によって障害されることのないように、保護と配慮が必要とされると考えるのであります。ところが、婦人労働者の職場の現状を見ますと、職業の分野がかなり変化を見せ、自動作業機械の導入などにより、生理的な可能限界に近い労働密度の中で、息もつけないように忙がしい職場が多いのであります。パンチ・カード計算などの作業は、競争制度でその作業量を増加させており、また繊維産業では、騒音、綿ぼこり、高温高湿の職場で、六秒間に糸をつながなければならない作業機を二台も担当するという状態であります。これが、婦人の健康に大きな障害となっていることは言うまでもありません。特に、産前、産後にこのような作業につくことは、母体、胎児にきわめて危険な影響を与えるのであります。
 つわり症状は、個人差もあり、七割から八割の女性が経験するのでありますが、この時期は知能をはじめ胎児のいろいろな器官が形成されるいわば基礎工事の時期であり、この時期が一番流産しやすく、先天性の異常にもなりやすいのであります。この意味では、妊娠初期はその胎児の運命をも左右しかねないとも言えましょう。働く婦人の流産率が家庭婦人より二倍も高いというのは、実は、職場における直接的な肉体的無理に加えて、通勤ラッシュ、神経の疲労が、働く婦人の場合、男子労働者に劣らず強いことに原因するところが大であると考えられるのであります。このことは、多くの働く婦人の「つわり休暇が欲しい」「安心して子供を生みたい」という切実な声としてあらわれているのであります。
 つわりを含めて産前、産後の母体をいかに保護するかは、働く婦人の健康をいかに守るかという重要問題であると同時に、国の未来をになう新しい生命をいかにして健康に生み育てるかという問題であります。国の行政にとって、これほどに重要な問題はないと考えるのであります。
 以上、この法案提出の理由を申し述べました。
 次に、この法案の概要を御説明申し上げます。
 まず、出産に伴う産前、産後各六週間の休業の期間をそれぞれ八週間に延長することといたしました。
 次に、使用者は、つわりのため就業が困難な女子が休業を請求した場合は、就業させてはならないものとし、あわせて、平均賃金の算定方法、解雇制限の期間及び年次有給休暇を与える要件について、産前、産後の休業の期間とつわりのための休業期間との取り扱いを同一にするため所要の改正を行なうことといたしました。
 以上、何とぞ慎重御審議の上すみやかに可決されるようお願い申し上げる次第であります。
#7
○委員長(吉田忠三郎君) 本日は、本案に対する提案理由の説明聴取のみにとどめておきます。
    ―――――――――――――
  〔委員長退席、理事大橋和孝君着席〕
#8
○理事(大橋和孝君) 次に、労働問題に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。
 御質疑のある方の発言を求めます。
#9
○吉田忠三郎君 本日は開発長官見えていますから、長官に対してごく簡単に二つほど質問いたします。本来でありますると、かなりの質問をいたさねばならぬのですが、長官は自治大臣兼務いたしておりますから、衆議院のほうの地方行政のほうとの関係もありますので、きょうは二つに限って質問したいと思う。
 野田長官は、すでに御案内だと思いますが、当社会労働委員会におきまして開発局の常勤化をされております非常勤の職員の給与、これは御承知のように、給与法の二十二条の二項にかんがみまして、一般職とかなりの均衡を欠いている点を当委員会で私が指摘をいたしてきたわけでございます。したがいまして、開発庁の長官として、この非常勤職員給与をどのように処遇の改善をはかろうとするか、この点を一つ伺っておきたいと思います。
 もう一つは、非常勤化をしています職員は――開発局は他の省庁とは仕事の内容が違います。したがいまして、これはいま直ちにと言ってもなかなかできませんから、将来計画的に、段階的にこの人々の身分というものを保障してやらなきゃならぬのじゃないか。ただいまの場合、全く身分は不安定であります。でありまするから、そういう角度から身分の安定をどう一体はかろうとしているのか、この二つを長官からお聞かせを願いたい、こう思うわけであります。
#10
○国務大臣(野田武夫君) 当委員会におきまして、しばしば北海道開発庁関係の非常勤で勤務している者について御論議があったようですけれども、特にこの非常勤職員の処遇問題にお触れになりましたが、これは現在も法令、予算の範囲内で漸次改善をはかってはおりますが、基本的には、一般会計年度の範囲内で、非常勤職員という身分で依頼いたしておりますので、これをすぐ常勤職員と全く同列に取り扱うことは問題であろうかと思っております。しかしながら、いま御指摘のように、その処遇問題をそのままの姿でいくということは、私も穏当ではないと考えております。現在は、開発局では、非常勤職員の賃金日額を事務系と労務系に分けて、前者には行(一)俸給表を、後者には公共事業関係五省の協定によります労務単価表を基礎にそれぞれ決定していることも、すでに御承知のとおりだと思っております。このきめ方が、給与法の常勤職員との均衡を考慮し、予算の範囲内で給与を支給するという趣旨に照らして最も妥当なものであるかどうかにつきましては、十分検討する余地があると思っております。したがいまして、この際給与法の定める趣旨を生かします方向で、明年度からも給与改善をするということを目標に非常勤職員の給与等の実態を調査いたしまして、具体的にはこの調査の結果を待って決定いたしたいと考えております。
 しかしながら、当面四十四年度につきましても、今年度の人事院勧告等諸般の事情も考慮いたしました上で予算の範囲内で善処してまいりたいと、こう考えております。いまお示しのとおり、本年度も、申し上げましたとおり、相当考慮しなくちゃならぬし、明年度からももっと計画的にこの問題を取り上げて善処いたしてまいりたいと、こう考えております。
 それから現在北海道開発局では、御承知のとおり、工事の最盛期には約六千人ほどの非常勤職員を雇用しておりますが、これは北海道の工事の適当な時期というのが非常に短いという自然条件からきている、特殊性からきておるのでございまして、これらの職員の中のほぼ二千人に近い職員を十カ月をこえて相当長期間にわたって雇用していることは、もうすでにこれは御存じのとおりと思いますが、これらの職員の職種が、事業の態様によりまして、いろいろ種類が違っております。これらの職員が定員職員と全く同じ恒常的な仕事に従事しているかどうかということは、なおよく定員の配置、現在の工事等のやり方、携っておりますところの事務の具体的な内容、その他を調査してみなければ、詳しい実情というものがはっきりいたしませんが、しかし、これらのことは、すでにもうしばしば事務当局からお答えいたしておると思いますが、事実今日二千人近い非常勤の職員がおのおのその職種において働いておるようでございます。そこで、私といたしましては、まずこの非常勤職員の実態をもう少し詳しく調査して、その結果を待ちまして行政管理庁その他関係各省庁ともよく相談をいたして、これは何らかの適正な措置を講ずるようにいたしたいと思っております。先般の閣議でこの問題が出ましたときも、私は、行政管理庁長官に向かいまして、その意味のことは一応発言いたしておきました。労働大臣ともしばしばお話し合いいたしまして、何かひとつこれが適正化の方向に持っていきたい、さらにそういう方向でもって前向きでひとつ努力したい、こう考えております。
#11
○吉田忠三郎君 時間が限られておりますから、多くは申し上げませんが、給与関係の、いま大臣がおっしゃった明年度中に調査をして、こういうお話ですが、この問題を私提起したのは二月ごろでありますから、その段階で明年度というのは四十四年度ですね。すでに予算通っておりますから、五月ですから、明年度ということになりますと、つまり四十五年度ということですか。大臣が明年度と言っている意味は、おそらく四十四年度中に検討するということじゃないかと思うんですが、その点はきっと大臣はまだ予算が国会を通過していない段階での発言じゃないか、こう思うんですが、この点をひとつ。
 それから身分の問題は、せっかくただいま閣議でも問題になっているようだし、関係大臣がいろいろ話し合ったり、相談しているということですから、しかも前向きに検討する、こういうことですから、私はきょうは了といたしておきますけれども、これから業務の内容を調査してみなければわかりませんというようなことでは、これは、はい、そうですかということは、私は言えないわけです。なぜかというと、これは三十六年以降、厳密にいえば昭和三十七年以降、こういう問題を歴代長官としてそれぞれ扱われてきて、特に、最近では、前の木村長官のときに、昭和四十四年度に抜本的に非常勤の問題を取り扱う、こういうことを言明されまして、今日に至っている経過がある。しかも、開発庁が常勤化をしているような職員二千人をかってに雇用しているんじゃないんです。たとえば今年度、昭和四十四年度の予算要求についても、長官みずから政府に要求されました定員というものは、事業量の増大に見合う新規事業に五百数十名という定員要求をしたはずです。それが政府のほうとすればそれを認められない、そういうことで、わずか十二名より認めない。五百何十名も必要である新規事業に対して十二名より認めないから、その結果事業が遂行できないので、開発庁とすれば、やむを得ざる措置として、非常勤の職員を雇用しておる結果になるのです。そういうものが積み重なってきて今日の数になっているのですから、この点を誤解のないようにして、ぜひひとつ大臣のただいまの答えのように、前向きに取り組むということですから、積極的にこの問題を取り上げて、一般の省庁と違うわけですから、開発事業という大きな事業を持っていますので、ぜひそういう仕事の内容、質的なものを検討されまして、定員化すというか、身分を保障していくように、最大の努力を私はしていただきたいと申し上げて、大臣についての質問を終わりたいと思います。
 さきの来年度というのは、四十四年度中ではないか、このことをひとつ答えていただきたいと思います。
#12
○国務大臣(野田武夫君) ただいま吉田さんからの御質問、来年度というのは、当然四十四年度に調査をやる、そうして来年度に実施計画をひとつやりたい、こう考えております。
 さらに、いまの御指摘の点、私も十分考慮いたしておりますし、やはり実態の調査を、われわれももちろん大体わかっておりますが、さらにひとつ再調査をする、行政管理庁もやはり厳密にひとつ調べてもらいたい、こういう希望を持っておりまして、何らかその間にひとつ具体的な対策とか、あるいはこの問題に対する前向きの検討をいたしたい、こう考えております。
#13
○吉田忠三郎君 ただいま長官から給与法の二十二条に照らして、一般職との不均衡の是正についてかなり前向きに、しかも不均衡を認めた上での御発言だったと思うのです。
 そういう立場で開発局長に二、三伺っておきますが、先般も当委員会で指摘をいたしておきましたが、石炭、寒冷地――大体開発局の場合は国家公務員になっていますから、石炭手当といっていないと思いますが、寒冷地給内に含まれておる非常勤の諸君に支給いたしておる石炭手当というものは三十円になっておるのです。そこで、私は一般職と不均衡ではないかという点を指摘したわけです。この点は一体その後、調査してみるということでありましたが、調査の結果どうなっておるのか。それから、かりに三十円が石炭相当額だとするならば、どのような係数の取り方をしておるのか、この点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#14
○説明員(遊佐志治磨君) 先般の当委員会で宿題もいただきましたし、いまの御質問もその点についてかと考えますので、あわせてお答えいたします。
 寒冷地手当の勧告につきましては、昨年四十三年におきまして、若干改訂がございました。資料として前に御提出申し上げてございます開発局の非常勤職員規程、それの二九ページにございます非常勤職員の給与のきめ方にもございますように、特に、行(一)系統の非常勤職員につきましては、行(一)の俸給表に準じて賃金をきめておるということを御説明申し上げてございますが、この中に、いま先生の御指摘のございました三十円を加算しているわけでございます。なぜこのようになっているかと申し上げますと、前回も御質問ございまして、内容の実態調査もいたしました。特に問題になりますのは、いわゆるデスク系職員の問題でございますことは前回も申し述べてございますが、約二千名の長期雇用の非常勤職員の中に三分の一程度デスク系がおるということを前に申し上げておりますが、本年、四十四年の一月一日現在で七百二十九名ということになっております。これの内容を調べましたところ、世帯主と準世帯主とその他というふうに三つに分けておるわけでございますが、寒冷地手当なんかのきめ方でございますものにならいますと、いわゆる扶養家族を持っております者で、一世帯を形成しておる者を世帯主と言っております。準世帯主は、世帯を独立して持っておるけれども、扶養家族のいない者、たとえば具体的に言いますと、夫婦共かせぎのような者、おくさんも収入があるというような場合、これは準世帯主に入るわけでございますが、それからその他のほうは、これは独身者というふうに考えていいと思いますが、この三つに分けてみますと、七百二十九名のうち、世帯主は二十九名でございまして、四%でございます。それから独身者、その他に類する者が七百二十九人のうち六百七名でございます。すなわち八三・三%になっております。残りの九十三名が準世帯主、これが一二・七%、こういう数字になっております。したがいまして行(一)系統のデスク系職員の八三%が独身者であるということ。前回も、この連中の平均年齢が二十三歳ということを申し上げてございますが、そのことが端的にこの形としてあらわれておると私ども了解しております。したがって、石炭手当について申し上げますると、その他につきましては、おおむね一トンの石炭を購入し得るものをいわゆる定額として計上されているというようなことでございまして、これは定員職員のいわゆるその他の職員、独身者では、北海道では甲、乙、丙と三つの地域がございますけれども、多いところでは、甲が九千九百三十円、乙地が九千百円、丙地が八千五百三十円というのが定員職員のその他の職員の石炭手当でございます。そうしますと、いまの三十円というもの、これを一年間二百七十四日というふうに計算しておりますので、これからいきますと、八千二百二十円というものがこの定員職員の独身職員の石炭手当と見合う形になってまいろうかと思います。このような次第で、この支給実績も、稼動した日数に応じて三十円分が加算されるという形でございますから、この分がいわゆる寒冷地手当の中における定額分としての石炭手当に見合うものと考えることは可能だと思います。
 なお、あと二千名の中の三分の二に相当いたします行(二)系統の職員についてはどうか、こういう問題でございますが、これは前回も申し上げましたように、行(二)系統の職員につきましては、五省協定の労務賃金を基礎といたしまして年齢別で賃金をきめておりまして、五省協定の労賃のきめ方というものを考えますときに、北海道というのは、全国で三番目に高い労賃が定められておりますけれども、前回も申し上げましたように、毎年八月一日現在で調査した結果、それをさらに翌年度にスライドしてこの額をきめているのが実情でございますが、その中にこういう寒冷地における、夏働いて冬を越す賃金というものがその中に入っている、こういうことが言えますので、もちろんいわゆるデスク系職員と同じく、行(二)系職員につきましても一日三十円というものは支給してございますから、それはそれとしてございます上に、労務賃金をきめる段階で幾らかの定額分というものがその中にこみで入っているというふうに私ども理解している、このような状態でございます。
 考え方はこのようでございますが、支給実績のほうも、いまの七百二十九名について、概算で部局別の資料から個人別に当たりまして出したのを御参考までに申し上げますと、これは石炭手当だけじゃございませんが、平均して一人当たり年間三万四千円ばかりのものを四十三年度の実績として支給してございます。これを定員職員の連中と比べましても、人によっては、むしろ若い定員職員の方なんかはこれよりも少ないというような状況がございまして、それから相当年輩の人でありますと、寒冷地手当と石炭手当両方入れましてこれよりも若干上回るという人もございますが、そのようなことで、実績からいいましてもそう大きな違いはないのではないか、こんなふうな調査でございます。
 なおお断り申し上げなければなりませんのは、デスク系の七百二十九名について調べましたのは以上のとおりでございまして、これは一番行(一)系統のデスク系職員について問題がはっきり、入っている入っていないという問題に先般来議論がなっておりましたので、とりあえず七百二十九名について調べたのでございまして、他の人間につきましては、時間の関係もありまして、本日までの調査には間に合わなかったという点がございますので、御了承賜りたいと思います。
#15
○吉田忠三郎君 局長ね、どうもあなたの説明聞いていますと、わかったようなわからんような、われわれには理解できない内容ですよ。たとえば賃金を設定する場合に、幾らか入っているのだ――その幾らというのは、一体、それこそ幾らなんですか。それがはっきりしないんです。はっきりしてないでしょう。賃金をきめる場合に、これは労務賃金ですから、あなたのおっしゃるようなことであるならば、普通の労働の質と量に対する賃金が幾ら、それから寒冷地給に見合うものは幾ら、あるいはそれ以外のものは幾らと明確になって、そのトータルが幾ら幾らということになるんじゃないですか。賃金の本質というのは、そういうものでしょう。それが、賃金設定のときに、寒冷地給らしいものが幾らか入っておる、幾らかといったって、一体何十円入っているのか、何円入っているのか、さっぱり明らかになってこないですね。賃金をきめるときは、そういうものじゃないですよ。特に、開発局の場合、給与法の二十二条を指摘した意味は、一般職の場合はそれぞれの俸給表にきめられた以外に寒冷地給というものがきめられているんですよ。その寒冷地給の中には石炭相当額が幾ら幾ら、石炭の単価は幾ら幾ら、そうして甲、乙、丙の三級地になっていますよ、北海道の場合は。だから一級地の場合は幾ら幾ら、二級地は幾ら幾ら、三級地は幾ら幾ら、これはきまっているんですよ。石炭の支給のトン数もこれは人事院が勧告をしたり、あるいはそれに不満だということで労働省に提起して仲裁裁定で出ているものがある。ですから公企体の職員には、この仲裁裁定に基づいてそれぞれ支給されているんです。そういうものなんですよ。ところが非常勤の場合はそういうものがないんですから、不均衡じゃないかということをぼくは聞いておったんです、この間から。ところが、あなたの場合は三十円が相当額。なるほど三十円を二百七十四日にかけてみますと八千円そこそこですよ。幸いいまあなたの説明を聞いていると、七百二十九名の中には独身者が多い。独身者はたしか石炭分は一トンですから、石炭一トン購入する相当額にはなっているでしょうからこれは問題ないけれども、世帯主の場合どうなんですか。世帯主の場合、数が少ないといったって、世帯の数は少なくても、札幌は大体二級地ですから、たしか三・三四トンぐらいになっているんじゃないかと思うんです。少なくとも三トン石炭を買わなければならぬわけです、最低、どんな人でも。給仕さんであろうと、局長さんであろうと、課長であろうと、部長であろうと石炭の消費量というのは同じですよ、世帯を持っている場合。だから石炭の場合は定額で支給しているものなんです。それに定率を入れたというのは税金の関係があるから、年末調整で、局長が定額で三万円もらった、下級職員も三万円定額でもらったとする場合に、年末調整で、あなたの場合は所得が多いですから、いまの税制の中ではこの課税対象の金額が非常に多いわけですから、その分は税金で持っていかれちゃう、そうすると不均衡になるわけです。局長は名目賃金よりもらってないということになる。だからその分を結果的には定率でかけて、あなたの場合は一般職がかりに三万円ぐらいのときは、あなたは七万円ぐらいもらう、こういうことにして調整しておるものなんです、この寒冷地給というものは。わかりますか。それが実態はそうなっていないんです。賃金設定のときに幾らか入っているんだということで、幾ら入っているということもない。そこを私は聞いているんです。ですから局長ね、せっかく大臣がああいう答弁をしたわけですから、私はここでは多くを言いません。言いませんから、少なくとも一般職と不均衡にならないように、特に石炭寒冷地給というのは別になっているわけですから、それと同じような体系を一つつくって――それが一般職より多いとか、少ないとかいう議論じゃないんですよ、少なくたってこれはやむを得ないんです。一つの基準をつくってやらなければならないわけですからね。ですから、開発局としての、非常勤の職員に対してやっぱりこの石炭寒冷地給を支給していくという明確な基準を一般職にならってつくるべきだ、その結果少なくなったってやむを得ないですよ。多いとか少ないとかいう問題じゃないんだから、制度的にそういうものがないじゃないか、こういうことを言っておるんですからね、そういう検討をひとつしてもらいたいと思うんです。
 それから、一歩譲りまして、この三十円が石炭相当額であるということであるならば、これは労働省でもいま検討されておるようでありますが、失対労務者が三十円なんです。しかし、この三十円では今日の石炭の値上がりの関係、今般の運賃の値上がり等々で、三十円では積雪寒冷地に居住しながら労働をしていくいわゆるカロリーに見合うものではない。ですから労働省でも、失対の場合は手直ししなければならぬというので、たしか検討しておるはずなんです。そういうものがかりに出てきた場合に、結果的にこの三十円肯定してみたって、この三十円では足らないということになる。そういう場合にこれはどうしますか、局長。
#16
○説明員(遊佐志治磨君) 先ほど分けてお話し申し上げたつりでございますけれども、はっきりしていないという点についての問題は、行(二)系統の賃金決定についてその分がはっきりしておらないということは言えると思いますが、先ほど申し上げました非常勤職員賃金決定要領の二十九ページにありますものの中に、いまの三十円を加えてございますが、そのほかに俸給月額相当額に〇・八五を掛けたものを二七四で割って一日分といたしましてこの賃金の中に入れております。この分が従来のいわゆる定率であり、それからプラス三十円のほうが定額というふうに私ども考えておったわけでございますが、この問題は、先ほど冒頭に触れましたように、昨年この分が変わってきておりますので、その点については問題はあろうかと思いますが、いわゆるデスク系の職員についてはわりあいにはっきりしているという点が一つあります。ただし、いま、最後に先生おっしゃいましたように、三十円でいいのかという問題になりますと、これはやはり問題がある。それから俸給月額相当額に〇・八五掛けまして二七四で割るものをいわゆる定率分と考えているということにつきましても、人事院のほうの寒冷地手当の勧告についての説明によりますと、これが考え方が変わってきておりますので、先ほど先生のおっしゃったような、税金の問題やなんかも含めまして変わっておりますので、この点私どもも考え直す必要があろうかと思っておりますし、それから失対賃金のいまの三十円が変わった場合にどうなるかということにつきましては、先ほど長官のお話もございましたことでありますので、さらに検討して前向きに考える必要がある、私はそう思っております。
 それからもう一つつけ加えさしていただきますのは、何かもごもごとわからないようなことを申し上げたことは、いわゆる五省協定の労務賃金を基準にしてきめている行(二)系統の職員の問題でございますが、これはやはりプラス三十円というものはやっておりますから、その点は行(一)デスク系統も同じでございますが、しからば世帯持ちがむしろ数が多い、比率からいって、いまの行(一)のデスク系が七百二十九名のうちの二十九名が世帯持ちというような問題と違いまして、行(二)系統の非常勤労務者には世帯持ちが数が多うございますので、この三十円だけでは問題にならないということになります。しからば、その分のあとの定率分、定額分というものの差額はどこに入っておるのかということになりますと、五省協定できめた単価の中に入っていると、われわれ考えざるを得ないということしかないのでございまして、これが中身がどういうふうに積算されているかということは、私どもはそこまで担当しておりませんのでわからないということで、御説明がどうもあやふやなものの言い方になってしまって申しわけないんでございますが、行(一)と行(二)系統の賃金のきめ方の違いということがそこから問題になって出ていると思うんです。そこで、前向きに考える場合に、当然行(二)系統のこの非常勤職員は、一般の行(二)の常勤職員の俸給を準用したらいいじゃないか、こういう問題が当然出てきて、それならば、先ほど申し上げたようなデスク系職員と同じようなことで処理できるというふうなことも考えておりますので、この点もよく、いわゆる非常勤職員の人たちの意見もあることでございますから、その点もこれから先のもののきめ方を当委員会、それから先ほどの長官のお話を踏まえて、私どももこれを進めてまいりたい、こう思っております。
#17
○吉田忠三郎君 局長、いまのお答えをぼくは了承しますがね、せっかくこういう点が明らかになったのですから、これは労使双方で十分研究してみてください、労使双方で。寒冷地給はほかの給与と違いますから、これは。職員みな一緒なんですから、多く支払う必要もなければ、少なく支払う必要もないですね。ですから、十分労使の間で研究して、この当初の賃金をきめるときにそれが幾らか入っているんだというあいまいなことではなくして、切り離して、寒冷地給、というものは、これは一般職であろうと、行(二)職であろうと、あるいは非常勤職員であろうと、同じようなものが支給されるように、その体系をきちんとつくりあげてくださいよ。その中にはたとえば寒さの度合いの積算が幾ら幾ら、あるいは何といいますか、ただ石炭だけじゃありませんからね、それ以外にも寒さに対する人間の抵抗力をつけるというものですね、たとえば食料にしてもそうです。あるいは衣料品にしても、それぞれのファクターがとられて、それで積算されて幾ら幾らときまっていくわけですよ、どんぶり勘定でやっているわけじゃないんです。ですから、そういう点も例がないわけじゃない、ちゃんと労働省に行きますと、仲裁裁定出したときのものがありますしね、それから人事院でもそういうもの持っていますよ。持っていますから、そういうものを十分参考にして、これは労使双方で、先ほど長官も答えたように、これから四十四年度中に諸給与、待遇等について調査して善処する、こういうことですから、研究して新しい観点に立ってつくりあげていただきたいということを申し上げておきます。私は、それできょうは終わりたいと思うんですよ。
 それから、ちょっと待ってください。開発庁については終わりますが、せっかく総理府の人事局の次長さんが来ていますから、一つ伺っておきますが、この前から、この開発局だけではなくして、行管に求めた資料でも、各省庁に非常勤職員というものがいるんです。特殊法人あるいは三公社五現業を除いても、十九万何がしかという数字が出ているんですね。たいへんな数ですよ。その中身は、これはあとあと関係の省庁に私はおいで願いまして伺おうと思っていますが、この問題は、ただ単に三十七年の閣議決定、その後の定員の不補充の次官通達等をにしきの御旗のようにかかえ込んでも解決のできない問題をそれぞれ内包しております。そこで、こういう問題を行管に伺ってみますと、定員外職員だからわれわれの存じ知らないところである、所管外である、いままでこう言っておる。ところが、先般の内閣委員会におきます答えというものは、かなり変わってきておりますよ。こういう点で総理府の人事局としても無関係ではないと思うが、私は私なりに、たとえば行政組織法の十九条を見ても関係あるように思うので、こういう点は一体どう考えているのですかね。
#18
○説明員(宮内通雄君) ただいま御指摘の点につきましては、非常にかたくなな言い方になりますが、私ども人事局の所掌事務といたしまして、任用については、人事院と私どものほうと二つに分かれておりまして、所掌はおのずから分かれております。そうして先生御指摘の制度の所管という点につきましては、私どものほうは、いわゆる一般職公務員の服務につきましては所掌いたしておりますが、それ以外につきましてはほとんど人事院、こういったことになりますので、制度の所管官庁といたしましては、人事局というものは制約されてくるわけであります。したがって、御指摘のような任免というような問題は人事院。ただ、私どものほうでは、何といいますか、人事管理方針の総合調整、これを主として担当する部局でございますので、そういった大きな基本的な方針という問題に触れる限りはこの問題に対処してまいりたい。したがって、制度的な面につきましては人事院のほうからお答えを願いたいと思います。
#19
○吉田忠三郎君 制度的なものは人事院のほうから答えてもらうが、人事院ではどう考えているか。――いま来ているのは、人事院の給与局長だけですね。行管はどう考えているか。関係ないということをいままで言ってきたのだが――あなたじゃないですよ。ところが関係ないということにはならない、法律的に見ると。だからこの点はどうなんですか。
#20
○説明員(石原寿夫君) 所掌事務の関係から申しますと、当委員会で申し上げましたとおり、「定員」ということが書いてございますので、関係がないということばは非常におかしいのでございますが、所掌事務の範囲にはなかった。したがいまして、その実態につきましてもよく承知をしていなかったということは、私、前回もお答えしたとおりでございます。ただ、その際にも申し上げましたように、当委員会で御指摘のありましたことは新しい知識でございますので、勉強しなければならないということは申し上げたわけでございます。その後内閣委員会で総定員法の、あれはたしか限度数の関係であったかと思いますが、その際に定員外職員の問題が出たわけでございます。それで、私自身は、この問題については、この委員会で先生からもお話がございましたように、関係大臣の逐次出席を求めて詰めるというお話がございましたので、そのように事務的には理解いたしておったのでありますが、総定員法とのからみで、向こうで問題が出る。しかも最高責任者である大臣も出席いたしまして、その場で御案内のような御答弁を申し上げたということでございます。当然最高責任者が発言をしておりますので、私どもはそれを事務に乗せて今後やっていくわけでありますが、現時点におきましては、その実態とかいろんな関係については、知識はいままで申し上げたとおりないわけでございます。これからやりたい、こう思っておるわけでございます。
#21
○吉田忠三郎君 いままでは、各省庁は、定員については設置法できめておったわけですね。それをいろんな弊害があるとかなんとかと言って、総定員法に改めるということだと思うんですよ。私はいま総定員法のことについて深くどうと言うつもりはないんですが、そういうことだと思うんですよ、簡単に言えば。しかし、実態としては――そのことは悪いと言っているんじゃないんですよ、私は。悪いと言っているんじゃないが、普通の、何といいますか、いわゆる一般の非現業の省庁と違いまして、現業に準ずるような、たとえば建設省にそういう部分があります。それから開発局も端的に言ってそうですね。外の仕事だけに従事しておられるんですから、言ってみれば生産職場を持っているわけだ。それが北海道の場合は、国策として、当初は人口問題、日本の食糧問題等々が柱になって年々開発をしていくということになっていたわけなんです。だから事業が拡大されていくわけですよ。最近特に北海道を総合食糧基地とする、そのためにどんどん開発をしているわけです。わが国の総合食糧基地にするというんですから、たいへんなことですよ。これからだってどんどん事業量は拡大されていくわけです。その場合に、今度は総定員法ということになるんだと思うんですが、そのことを伏せておいても、いままでのようなやり方ですと、定員のワクがきまっているから行管ではできませんと。のみならず、欠員を補充しない、そして五%削減するんだなどということをやってきましたな。算術的、機械的にやってきたわけだ。しかし、そういう結果事業がふえていくんですから、これは。機械とか何かだけではできないんですから。機械を持ってきたって、その機械を運転するのはだれかと言えば、人間ですよ。そのときに、いま言ったように、定員のワクがない、あるいは欠員補充しない等々の、これは三下り半めいたものがありますよ、次官通達。そういうことをたてにとって、新しい事業に対しても人をやらなかった。さて、事業を進めなければならぬからどうするかということになると、やむを得ず、いま開発局がとっているように、非常勤、大臣は二千人以下だと言っていますが、二千人こえているんですよ。こえた、こえないは私はここで問題にしようとは思いませんが、そういう実態がある。こういうものをあなた方はいままで知らなかったから、新しい問題だからこれから勉強さしてもらいたい――これは大いに勉強はけっこうですよ。しかし知らなかったではないですよ。これは五年も、六年も、七年も前から予算をきめるときに毎回歴代長官にわれわれがものを言うてやってきて、知らないわけではない。特に開発局の長官が行管の長官を兼ねておったことはたしか二、三代あったと思う。一面においては行政管理庁の長官をやり、片や開発局の長官をやり、二足のわらじをはいておった時代が過去数年前から二、三回あったと思う。だから知らないわけではない。知っておった。知っておったけれども、いま言う三十七年の閣議決定、その後の欠員は補充しないという次官通達などなどがわざわいをして、新しい事業といえども、結果的には事業費を食って非常勤でやりくりしなさいということでやっておった。今日その数がばく大になっちゃって、その人々がいなければ事業が遂行できないということを国会で指摘されたら、これは新たな問題だから勉強するというのじゃ、はい、そうですかということにいきませんよ。これはあなたに言ったってしょうがないが、そうなんですよ。これはうそも隠しもない。ですからこれは総定員法が終わったあとに行管長官なり何なりにおいで願ってやるようにして、きょうは、私はここであなたに答弁を求めることでもないし、求めたって無理ですよ、あなたたちに。ですから言いませんけれども、やはり実態は実態として、これをやっぱり制度の上に乗っけていくというのが私は行政の事務の仕事だと思うのですよ。ですから、そういう観点に立って、そういうものが出てきたからけしからぬというような態度ではなくて、計画的に、段階的に、時間がかかったとしてもそれを正常なものにして行政の円滑化をはかっていかなきゃならぬという方向で、私はこの始末をすべきものじゃないかというふうに考えますので、せっかくこれは長官が前に答弁しているわけですね、内閣委員会で。あなたは、最高の責任者の発言でありますから、事務に乗っけなければならぬと、そう言っておりますが、そういう考え方に立ってこの処理をするように、いままでのように、定員外職員だからわれわれ知らない、所管外事項だというようなことでなくて、やはり関係の省庁と十分討議をしたり、研究をしたりあるいは話し合ってものごとを解決するように努力してもらいたいと思うのですね。それだけです。
#22
○理事(大橋和孝君) それでは他に御発言もなければ、本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
  午前十一時二十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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