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#1
第061回国会 社会労働委員会 第21号
昭和四十四年六月五日(木曜日)
   午前十一時十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     重政 庸徳君     山崎 五郎君
 六月四日
    辞任         補欠選任
     上林繁次郎君     浅井  亨君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     浅井  亨君     上林繁次郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉田忠三郎君
    理 事
                上原 正吉君
                鹿島 俊雄君
                大橋 和孝君
                上林繁次郎君
    委 員
                黒木 利克君
                塩見 俊二君
                高田 浩運君
                山崎 五郎君
                山下 春江君
                上田  哲君
                小野  明君
                藤原 道子君
                渋谷 邦彦君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       労 働 大 臣  原 健三郎君
   政府委員
       労働省職業安定
       局長       住  榮作君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       自治省財政局財
       政課長      首藤  堯君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○職業訓練法案(内閣提出、衆議院送付)
○労働問題に関する調査
 (産炭地域開発就労事業に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(吉田忠三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る五月十九日、重政庸徳君が委員を辞任され、その補欠として山崎五郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(吉田忠三郎君) 理事の補欠選任についておはかりをいたします。
 去る四日、上林繁次郎君が一たん委員を辞任されたので、理事が一名欠員となっております。この際、その補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
#4
○委員長(吉田忠三郎君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、理事に上林繁次郎君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(吉田忠三郎君) そこで、先ほど申し上げました職業訓練法案の審議に入る前に、理事の申し合わせ事項を申し上げます。
   社会労働委員会理事会における
   委員会の運営についての申合せ
 一、本委員会の定例日は火曜日(午後一時)及び木曜日(午前十時)とする。
 二、本委員会の委員の異動はみだりに行なわない。
 三、委員は努めて委員会に出席し、常に定足数を確保する。
 四、法律案の審査は原則として本付託の順序に行なう。
 五、質疑者の数及び発言時間の制限はみだりに行なわず、審査は慎重に行なう。
 六、必要に応じ参考人の意見を聴取し、公聴会、連合審査会を開催する。
 七、強行採決は避ける。
 八、その他委員会の運営は理事会における話合により円満に行なう。
 以上、この八項目を理事会として申し合わせをいたした次第であります。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(吉田忠三郎君) 次に、職業訓練法案を議題といたします。
 まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。原労働大臣。
#7
○国務大臣(原健三郎君) ただいま議題となりました職業訓練法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 現行の職業訓練法の制定をみました昭和三十年代の初頭以来、わが国の経済は技術革新を基軸としてめざましい発展を遂げ、この間に重化学工業を中心とする産業構造の高度化が急速に進展してまいりました。
 こうした経済の成長発展と表裏して、職業訓練を取り巻く労働経済の変化は著しく、特に労働力の需給は近年とみに逼迫の度を加え、中でも技能労働力の不足は深刻で、昨年六月の労働省の調査では百八十四万人の多きに達しています。また、技術革新の進展は、生産設備の機械化、自動化を促し、その結果、生産現場の技能労働も質的に多様な変化を遂げ、このため、技術革新に対応できる新しいタイプの技能労働者を待望する声が強まっております。
 今後、国際経済競争は一そうの激化を見るものと思われますので、国をあげて産業体制を整備し、生産の拡大とともに経済の効率化をはかることが必要であると考えます。そのかなめをなすものは、生産の現場において、直接生産活動に携わる技能労働者の職業能力の開発向上にあると存じます。加えて、このような技術革新の進展、産業再編成の進行は、労働者の技能の陳腐化をもたらすことも多いと考えられます。
 労働者がこのような情勢によく対応し、その雇用の安定と生活の向上を期する上からも、職業生活の全期間を通じて、必要に応じ職業訓練を受けて、職業能力の向上につとめることができるような職業訓練の実施体制を整備することが喫緊の課題であると考えます。
 わが国の職業訓練制度は、昭和三十三年に現行の職業訓練法が制定されて以来、職業訓練と技能検定を二つの大きな柱として、技能労働者の養成、労働者の職業の安定と地位の向上という目的のもとに推進され、発展してまいりましたが、さきに申し上げましたような新しい時代の要請によくこたえていくためには、なお、不備、不足の点も少なくないのであります。
 労働省におきましては、このような職業訓練をめぐる事態の変化に対応するため、数年来職業訓練制度の改善整備について検討を進め、一昨四十二年の六月、中央職業訓練審議会に対し、今後の職業訓練制度のあり方について諮問いたしました。
 同審議会におきましては、年余にわたり慎重な審議を重ね、また、その間全国各地で公聴会を開催して広く関係者の要望を聞くなどして、「腕と頭」を兼ね備え、変化に適応できる判断力と応用力に富んだ新しいタイプの職業人を養成し、確保するための職業訓練制度のあり方につきまして、昨年七月の答申でその基本的構想を明らかにしたのであります。労働省におきましては、この答申の趣旨を尊重して現行職業訓練法の全部を改正する法律案の要綱の案を取りまとめ、中央職業訓練審議会の意見をさらに聞きました上で成案を固め、ここに職業訓練法案として提案いたした次第でございます。
 次に、その内容の概略を御説明申し上げます。
 第一に、この法律の目的は、雇用対策法と相まって、技能労働者の職業に必要な能力を開発向上させるために職業訓練及び技能検定を行なうことにより、職業人として有為な労働者を養成し、もって、職業の安定と労働者の地位の向上をはかるとともに、経済及び社会の発展に寄与することにあるものであることを明らかにいたしました。
 第二に、こうした目的に従い、職業訓練は、労働者の職業生活の全期間を通じて段階的かつ体系的に行なわれるものでなければならないこと。特に青少年に対する職業訓練は、その個性に応じ、適性を生かすよう配慮して行なわれなければならないこと、職業訓練及び技能検定は、相互に密接な関連のもとに行なわれなければならないこと等、職業訓練及び技能検定の原則に関する規定を設け、基本的な理念を明らかにするとともに、職業訓練の振興に関する関係者の責務についても規定いたしました。
 第三に、職業訓練及び技能検定の重点的かつ計画的な推進をはかるため、国は職業訓練基本計画を、都道府県はこれに基づいて都道府県職業訓練計画を策定することとし、あわせて計画の内容等に関する規定を整備いたしました。
 第四に、職業訓練の体系を段階的に整備するため、職業訓練の種類を、養成訓練、向上訓練、能力再開発訓練及び再訓練並びに指導員訓練とし、これにより、国、都道府県等の行なう職業訓練と事業主等の行なう職業訓練の両者を通ずる一貫した体系建てと職業訓練に関する基準の統一をはかることといたしました。
 また、養成訓練は専修訓練課程と高等訓練課程に区分して行なうこととし、高等訓練課程の修了者が修了時の技能照査に合格した場合には、技能士補を称することができることといたしました。
 第五に、公共職業訓練施設の名称を職業訓練校と改めるとともに、市町村も公共職業訓練施設を設置することができることとする等、職業訓練の施設に関する規定を整備いたしました。あわせて、公共職業訓練施設の業務内容を拡充して、関係地域における職業訓練の振興に資するように運営されなければならないことといたしました。
 第六に、事業主等の行なう職業訓練に関し、従来養成訓練のみに限られておりました都道府県知事の認定の制度をすべての職業訓練に拡大するとともに、認定を受けた職業訓練に対しましては、都道府県等は積極的に援助を行なってその振興につとめることといたしております。
 第七に、事業主、特に中小企業の事業主が共同して職業訓練を行なう場合等に、責任体制を明確にし、永続性を確保するため、職業訓練法人を設立して法人格を取得できることとし、あわせて職業訓練法人連合会及び職業訓練法人中央会の制度を設け、事業主等の行なう職業訓練の自主的かつ積極的な発展をはかる体制を確立することといたしました。
 第八に、技能検定の等級区分を、技能労働者の職務の主要な段階に応じて定めることができるようにする等、技能検定に関する規定を整備するとともに、技能検定の試験に関する業務を行なわせるため、中央技能検定協会及び都道府県技能検定協会を設立することとし、技能検定に関する民間の積極的な協力を確保し、技能検定の拡大実施のための体制の整備を行なうことといたしました。
 以上のほか、職業訓練審議会、職業訓練指導員その他職業訓練及び技能検定につきまして技術的な規定の整備を行なうとともに、この法律の制定に伴う経過措置及び他の法律との調整等について所要の規定を設けることといたしたのであります。
 以上この法律案の提案理由及びその概要につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#8
○委員長(吉田忠三郎君) 本日は、本案に対する提案理由の説明聴取のみにとどめておきます。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(吉田忠三郎君) 次に労働問題に関する調査を議題といたし、質疑を行ないます。
 御質疑のある方の発言を求めます。
#10
○小野明君 産炭地域におきます開発就労事業について、若干お尋ねをいたしたいと思うのであります。
 今回の第四次の石炭の合理化によりまして、なだれ閉山という現象を呈してまいっておるのであります。こういうことから新たに、急速に、しかも大量の失業者がまたこの産炭地域に放出をされるようになるのであります。ちょうどその時期にこの開発就労事業というのが新たに計画をされたのでありますが、この事業の内容について明らかになっておらぬ点、あるいは問題になっております点等が若干ありますから、こういった点を明らかにしていただきたいと思うのであります。
 そこで、現在この産炭地域におきます失対事業、これはどういったものが行なわれておるのか、それの内容について御説明をいただきたい。
#11
○政府委員(住榮作君) まず産炭地域で実施しております失業者を吸収するという事業といたしましては、一つは失業者就労事業というのがございます。それから特別失業対策事業、それから炭鉱離職者の緊急就労対策事業、今回実施することにいたしました産炭地域開発就労事業、そのほかに、関連いたしまして公共事業があるわけでございますが、大体、事業といたしましては、その五つがあげられると思います。
 そこで、失業者就労事業でございますが、これは労働省で主管しております事業でございまして、直接失業者を吸収いたしまして働かせる、こういうことで、今年度は一日の平均吸収人員が十四万七千人、事業費単価が千百三十円五十二銭、こういうことになっております。それから、特別失業対策事業は、全国の規模は、失業者の吸収人員三千人ということでございまして、事業費単価、これは予算上は示されていないのでございますが、一応逆算して計算しますと、四千五百七十円ということになっております。それから、炭鉱離職者緊急就労事業でございますが、これは規模は四千七百人、それから単価が二千五百円、今回の産炭地域開発就労事業の場合は、規模は三千二百人、単価が三千六百円、大体こういうような内容で実施いたしております。
#12
○小野明君 その単価、人員というのはそれでわかりますが、この事業に対します負担区分ですね、国の補助その他の関係を御説明をいただきたいと思います。
#13
○政府委員(住榮作君) 就労事業につきましては、労力費、事務費は三分の二の補助でございます。それから、資材費は二分の一でございます。
 それから、特別失業対策事業費は、これは全く公共事業と同じ補助率でございまして、事業の種目によりまして補助率が違うのでございますが、三分の一から四分の三と、事業の種類によって異なっております。
 それから、炭鉱離職者緊急就労対策事業は、補助率が五分の四。それから今回の開発就労事業は補助率が三分の二、こういうことになっております。
#14
○小野明君 すでに四本の失対事業が行なわれておる。そういった中で二十五億の金をつけまして新たに開発就労事業を興した、その補助率は緊就よりもさらに低い三分の二である、こういうことになりますと、事業は興したものの、さなきだに疲弊した市町村の負担を累増する、しかも超過負担というものが、これは常識的には地方自治体を苦しめておる、こういう事態があるわけですが、それをしも押して開発就労事業なるものを興した理由、しかもこれが国庫補助というものがわずかに三分の二に押えられておる、こういうことが、どうも私には理解ができぬわけです。この点をひとつ御説明をいただきたいと思います。
#15
○政府委員(住榮作君) 御承知のように、産炭地域の地方公共団体、これは財政力が十分でないということは十分承知いたしておるわけでございます。特に、この新しく開発就労事業を興しました趣旨でございますが、一般に労働力の需給関係が非常によくなっておるのでございますが、産炭地域においては、なお失業者の滞留が多くて、なかなか雇用情勢というものがよくなっていない、こういうことは御承知のとおりだと思います。さらに、今回の石炭対策の推進によりまして、離職者の発生が見込まれておるわけでございます。そういう際、産炭地域の振興をはかるということは、きわめて大事なことでございますが、石炭産業にかかわるべき産業、これを興す、そうしてその地域におきます就労機会の増大をはかっていくことが基本的に大事だと思っておるのでございますが、さしあたりまして、そういうような意味での公共事業の産炭地域における拡大実施等とも関連いたしまして、地域振興の基盤となるような事業を実施し、あわせて産炭地域の失業情勢の緩和に資していきたい、こういう考え方で開発就労事業を実施したわけでございますが、最初に申し上げましたように、産炭地域の地方公共団体の財政状況は必ずしもよくございません。従来、たとえば先ほど申し上げました失業者就労事業につきましても、これは特に産炭地域等には高率補助をいたしまして、財政の緩和をはかっておりますし、あるいは緊急就労対策事業、補助率五分の四の事業でございますが、地方負担分の五分の一につきましては、自治省とも連絡いたしまして、特別交付税なり、起債あるいは起債の利子に対するる特別交付税、こういうことをお願いいたしまして、財政負担のかからないようにいたしておるわけでございます。今回の開発就労事業につきましても、三分の一が地方負担になるわけでございますが、その手当といたしまして、起債あるいは特別交付税、さらに起債の利子に対する特別交付税の配慮ということにつきまして、ただいま自治省と折衝いたしておりまして、産炭地域の市町村の財政負担が軽くなるように、極力努力いたしておるところでございます。
#16
○小野明君 いま言われた点で肝心のところが抜けていると思うのです。というのは、自治省と折衝中である、だからどういった態度で折衝されておるのか、その辺を見通しも含めて明らかにしてもらいたいと思うのです。
#17
○政府委員(住榮作君) いま申し上げましたように、緊急就労対策事業、これは五分の四の補助で、五分の一が市町村、県の負担になるわけでございますが、この五分の一につきましては起債、それから特別交付税、こういうことで直接的な意味での財政負担がかからないように現在やっておるわけでございます。開発就労事業につきましても、その起債と特別交付税の割合等につきましては、いろいろあるわけでございますが、緊急就労対策事業と同じ方向でその財政負担の問題を解決したい、こういうように考えてやっておる次第でございます。
#18
○小野明君 同じと言いますと、その内容はどうなりますか。
#19
○政府委員(住榮作君) 結局ですね、緊急就労対策事業のことを申しますと、たとえば、特別交付税につきまして、県に対しましては五分の一の二〇%でございますが、これを特別交付税でみる。市町村の場合は四〇%を特別交付税でみる。それから、残りは起債でめんどうをみる、その起債の利子については特別交付税でめんどうをみる。したがいまして、その開発就労事業につきましても、二〇%、四〇%のような割合が若干変わるかもしれませんけれども、地方負担の三分の一を埋め合わす方法といたしまして、先ほど来申し上げておりますように、特別交付税、起債、その組み合わせによってやっていきたいと、こういうように考えておるわけでございます。
#20
○小野明君 緊就の場合は、県、市町村と合わせて五分の一ですから、きわめて低いわけですよ。しかし、この開就になりますと、三分の一ですから、かなり率が高い。いまおっしゃったのは、緊就の場合を言われておるのであって、この開発就労事業の場合は一体どうなんだ。これは産炭地に思いやりがあるならば、全額特交で見るべきではないか。起債といえどもこれは借金ですからね。起債の幅をきわめて少部分にするとか、全額特交で見るというような態度でやって、初めて私はこれが生きてくるのではないかと思うのです。その辺がどうも折衝のしかたが非常に何かあいまいで弱いように思いますが、その辺をひとつ説明をしてください。
#21
○政府委員(住榮作君) 現在折衝中の問題でございますので、少しあいまいな点があったかと思うのでございますが、御指摘のとおり、開発就労事業が三分の一で、緊急就労対策事業に比べて負担が多うございます。したがいまして、やり方としましては、要するに、特別交付税と起債、そういうようなことでその穴埋めをするということになると思いますけれども、負担が多いということを考えまして、私どもとしましては、御指摘のように、特別交付税の割合を高くすると、こういう方向で極力折衝をいたしておるところでございます。
#22
○小野明君 それについては後ほど見える自治省にも伺いたいと思いますけれども、高くするという態度というのですか、一体その見通しはどうなんですか。
#23
○政府委員(住榮作君) 現在折衝中でございまして、なかなか財政当局もかたいことはかたいのでございますが、産炭地の市町村の財政事情、その他こういう事業の性格等をも考えまして、私どもとしてはせっかく努力をしておるところでございます。
#24
○小野明君 大臣にこれはお尋ねをしたいと思うのです。
 こういう事業を計画されながらも問題点はいま申し上げたようなところにあるわけです。それで、三千六百円の単価ではたして地元の業者が受けるかどうかという問題もある。事業主体としても問題があるのですけれども、やはり全額を国のほうで見る、こういう態度で疲弊した市町村を救済していくということでないと、これはやはり問題が残るように思います。地元の亀井知事も、これはもう全額国の費用でやるので、地元には一銭の負担もかけないのだということを言われておるわけです。ところが、あらわれてきたのを見ますと、三分の一は地元負担だ、これは何ということだということで問題になっておるのですが、その辺を労働大臣は一体どう受けとめられておるのか。いまの局長の御答弁では、きわめてどうも積極的な姿勢が足らぬように思うのです。大臣、この辺でひとつあなたの御意見を伺いたいと思うのです。
#25
○国務大臣(原健三郎君) 御説の点はまことに同感でございます。地元に、あるいは市町村に三分の一の負担でということは、やはりこういう産炭地の特殊事情にかんがみて、かなり負担が重過ぎるということを私も考えております。もう少しこれを国でめんどうを見てあげて負担を軽減するようにし、地元は五分の一ぐらいになるというようなところまでやりたいと思っておりますので、いま鋭意事務当局にやらせておりますが、私も、直接自治大臣にも談判いたしまして、そういう趣旨をよく徹底させたいと思います。そうして御期待に沿うようにいたしたいと思っております。
#26
○小野明君 財政局長がお見えでないので、財政課長に伺います。
 方針はお聞きだと思いますけれども、この問題は、開発就労事業について特交で全額見るべきだ、それが疲弊した産炭地の市町村の財政を救うし、失業者を救っていく道だということを申し上げておるのですが、自治省の折衝に応ずる態度というものは、どういうことなんですか。
#27
○説明員(首藤堯君) ただいま御指摘の産炭地の開発就労の問題でございますが、このような制度ができ上がりましたので、何といたしましても、その事業の円滑な施行に資し得るような財源措置をしたい、こういう方針で現在検討をしておるところでございます。
 負担額につきましては、御指摘のございましたように、地方債及び特別交付税、こういうもののかみ合わせをもちまして、完全に事業実施ができますように、措置をいたしたいと思っておるわけでございます。ただ、特別交付税で全部どうだという御指摘でございますが、御案内のように、特別交付税にも総額のワクがございますし、そのほかの産炭地関係の各種の事業につきましても、たとえば昭和四十三年度では三十九億円程度の特別交付税を措置しておる、こういった事情もあるのであります。できるだけ地方団体の財政需要等とにらみ合わせながら無理のない施行ができるように努力をしたい、こう考えております。
#28
○小野明君 安定局長にもう一回尋ねますが、これで事業主体がこれを受ける態度でいるのかどうか、この事業が円満にできる状態であるのかどうかお尋ねしておきます。
#29
○政府委員(住榮作君) 現在事業の実施につきまして、地元と設計その他御相談を申し上げている段階でございますが、さしあたって、第一号といたしまして、約二百人程度の事業をまず十日から実施することにいたしております。その他、さらに引き続きまして実施していくという前提で県、市町村と御相談申し上げておるわけでございますが、いまのところ実施したいという事業は相当数ございます。ただ、御指摘のように、財政負担等の問題がございますので、そういう財政負担ができるだけ地元のほうにかからないということでありますれば、実施したいという事業は相当数にのぼっておる状況でございます。
#30
○小野明君 いま大臣の決意では、緊就と同じ地元負担、こういうことをおっしゃったわけですから、大臣も自治大臣とがっちりやられると、こういうことですから、あなたのほうもひとつしっかりやってもらわなきゃならぬが、次の問題は、これによって、はたして労働者が集まるのかどうかという問題があると思いますね。というのは、これは対象を炭鉱離職者、または関連産業離職者、こういうふうにしぼっておられるのですが、それ以外の人は、その他については入れないのかどうか。その辺、いかがですか。
#31
○政府委員(住榮作君) この事業に働いていただこうと考えておりますのは、炭鉱からの離職者及び関連企業からの離職者でございまして、現在のところ、そういった産炭地の離職者、関連企業からの離職者の事情を考えて事業を実施しておりますので、吸収すべきそういう失業者の方がおると、こういうふうに考えております。
#32
○小野明君 いまお尋ねしたのは、それだけにしぼるのか、あるいは一般失業者、まあ筑豊というのは失業者の洪水のところですから、その他という一般失業者を吸収する幅があるのかどうかということです。
#33
○政府委員(住榮作君) いまのところは、炭鉱離職者及び関連企業からの離職者で、一般の失業者を吸収するということは考えておりません。ただ、これも御承知のように、開発就労事業に石炭離職者及び関連産業からの離職者を七〇%吸収しよう、こういうことでございます。ですから残りの三〇%についてはそういうワクがないわけでございますから、その限りにおいて一般の方が就労できる、こういう関係になろうかと思います。
#34
○小野明君 そこで、事業のウエートからいきますと、特別失対まではいかないが、緊就よりも上にランクされるわけですね。これは補助率がいま大臣のおっしゃったようなことにいきますと、かなり上のほうにランクされるということになるのですが、事業量で三十七億ぐらいになるかと思うのですが、それだけの事業になりますと、かなりのこれは事務費といいますか、緊就の際にも人件費が必要とされておるわけですが、これについてやはり事務費が必要だ、人件費が必要だと思うのですが、それはどのように見るようになっておりますか。
#35
○政府委員(住榮作君) この事業は、大体公共事業と同様の考え方に立っておりまして、いま御指摘の事務費等につきましては、全体の事業費の五%をそういう事務費等に充てる経費と考えております。
#36
○小野明君 そうすると、三十七億と見れば、それの五%ということになりますね。そうしますと、この事業実施に必要な人員というのはどれくらいに見ておられますか。
#37
○政府委員(住榮作君) 事業実施に必要な人員につきましては、特に計算いたしておりません。大体公共事業も五%でそういう事務費とか、人件費とか、庁費をまかなうように考えておりますので、大体公共事業と同じ状態で事業が実施できるというふうに考えております。
#38
○小野明君 最後に、この事業というのは新規の予算の項目になっておると思いますが、継続しておやりになるつもりですか。
#39
○政府委員(住榮作君) 本年度は、六月から実施するという前提でございますので、十カ月の予算になっております。明年度からは、この三十七億の予算規模を平年度、要するに十二カ月実施する、こういうことで考えていくことになっております。
#40
○小野明君 最後に、今度の炭鉱のスクラップで筑豊にはさらに多くの失業者が放出をされることが予想をされるわけであります。そこで初めてのこういった事業でありますから、この事業で十分地元の失業者を吸収し得るのかどうか、あるいはどういう問題点があるのかということがこれから出てくるわけですが、そういった産炭地域の振興というものも考慮されながら、この事業に十分柔軟性を持たしていただきたい。というのは、開発事業に従事するものは、七〇%のワクがあるということですけれども、もしそれができない場合には、やはりパーセンテージを下げるとか、そういった問題を十分考慮に入れながら、柔軟な方針で、ほんとうに失業者を救済するという目的を達することができるような事業にしてほしいと思うのであります。それを最後に大臣にお尋ねをいたしたいと思うのです。
#41
○国務大臣(原健三郎君) 御説のごとく、これは今度新しい計画でございまして、そういう意味において、地元の事情等もよく勘案して柔軟にやり得るようにという御説でございますので、そういう点も考慮して善処したいと、こう思っております。
#42
○委員長(吉田忠三郎君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にして、本日はこれにて散会をいたします。
   午前十二時散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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