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#1
第061回国会 社会労働委員会 第23号
昭和四十四年六月十二日(木曜日)
   午前十時四十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十一日
    辞任         補欠選任
     藤原 道子君     大森 創造君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉田忠三郎君
    理 事
                上原 正吉君
                鹿島 俊雄君
                大橋 和孝君
                上林繁次郎君
    委 員
                黒木 利克君
                高田 浩運君
                徳永 正利君
                山崎 五郎君
                山下 春江君
                山本  杉君
                上田  哲君
                中村 英男君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       労 働 大 臣  原 健三郎君
   政府委員
       労働省労働基準
       局長       和田 勝美君
       労働省職業安定
       局長       住  榮作君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       労働省婦人少年
       局婦人労働課長  藤井 敏子君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○労働問題に関する調査
 (労災防止指導員に関する件)
 (婦人の労働問題等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(吉田忠三郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動につきまして御報告いたします。
 昨十一日、藤原道子君が委員を辞任され、その補欠として大森創造君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(吉田忠三郎君) 労働問題に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。
 御質疑のある方の発言を求めます。
#4
○大橋和孝君 きょうは労災防止指導員といいますか、この制度についてちょっと私よくまだ存じませんので、詳しく一ペん教えていただきたいと思うわけであります。
 この労災防止指導員というのは、どういう法律のもとに、いつごろからどういう趣旨によって行なわれたのか、それをちょっと……。
#5
○政府委員(和田勝美君) ただいま御指摘の労災防止指導員につきましては、昭和四十年のころからこの問題が出まして、実際には四十一年度から、大臣から委嘱を申し上げて、四十一、四十二、四十三年以下本年、こういうことで御活動をいただいております。これは特別に法律、政令というようなものの基礎はございませんで、労働大臣の訓令で労災防止指導員規程というものを四十年につくりまして、考え方といたしましては、中小規模事業場等における安全管理及び衛生管理の向上をはかって、労働災害の防止に資するために、各都道府県の基準局に労災防止指導員を置くことにいたしております。指導員にお願い申し上げる方は、社会的に信望がありまして、かつ産業安全または労働衛生に関して学識経験をお持ちの方につきまして、各都道府県労働基準局がそこの労働基準審議会の意見を聞いて推薦をいたす者につきまして、大臣から委嘱を申し上げる、こういうことにいたしておるわけでございます。
 なお、任期は一年ということでございまして、身分は民間の方にお願いをいたしますので、当然非常勤、こういうことでございます。
#6
○大橋和孝君 それができる前は、たぶん各事業場には、安全指導員、あるいはまた、何といいますか、職制上にそういうものがあって、そうして安全を指導してきたという状態であったんじゃなかったかとぼくは思うわけでありますが、それと今度の関係。それから一体民間からというのはどういう任用規程があるのか、標準があるのか、どういうふうな人を民間から選び出しているのか。その人、手当。任期はいま聞いたのでありますが、それから予算というのはどういうふうに組まれているのか。その仕組みをちょっと詳しく説明をしていただきたい。
#7
○政府委員(和田勝美君) 先生いま御指摘のように、この労災防止指導員の前は安全指導員という制度を設けまして、これも訓令が基礎でございます。結果的には、現在の労災防止指導員と同じようなことでありますが、推薦その他につきましては、基準局のほうで一方的にやることが多かったのであります。しかし労災防止指導員になりましてからは、それぞれの推薦を受けてやる、こういうことでありまして、その推薦には経営者側の推薦もありますれば、労働組合側からの推薦もございまして、またそれ以外の方でお願いをするということもございます。その人選につきましては、これは各事業場の、特に中小企業の事業場に対する安全管理、衛生管理ということでございますので、それらの事業場の要請に基づいて活動をするというのがたてまえになっております。したがいまして、人選につきましては三者構成であります。各都道府県の基準局にあります労働基準審議会にその人を報告をして御了解を大体得る、形としては意見を聞くということになりますが、審議会の了解を得た人につきまして都道府県の基準局長が本省に推薦をしてまいりまして、労働大臣から委嘱を申し上げる、こういう手続にいたしております。活動の基準につきましては、労災防止指導員執務準則というものを基準局長名で各局に通達をしてございまして、これは、やり方としては、各都道府県の労働基準審議会の意見を聞いて都道府県の基準局長が定めました指導計画に基づきまして、基準局長の指示を受けながら活動をしていただく、こういうことがたてまえになっております。その指導計画の中には、それぞれの局におきまして、重点的に安全あるいは衛生の管理をする必要のある業種を定めております。その業種、定められた業種に従ってそれぞれの指導をやっております。なお活動の前提は、冒頭にも申し上げましたように、各事業場からの要請に基づいて出ていっていただく、こういうのを一応の前提にいたしておる、こういうことでございます。予算的には大体謝金といたしまして、一応予算で申し上げますと、四千人、お一人一カ年千円という謝金を予定いたしております。それ以外には、そこに出向いていただきますための旅費が二百十八万四千円、それから事業場に行かれますための被服その他の関係のものがございますので、それらの費用として三百五十九万六千円、合計九百七十八万円が四十四年度の予算でございます。
#8
○大橋和孝君 いまちょっと説明を聞きますと、この指導員は、前の安全指導員ですか、それを受け継いできたんですが、何か当初には、そこの中から何人かを選んで、そしてまたそれをあとから追加してというふうな形で推薦されたというような話を聞いているわけですが、いまあなたの話を聞くと、審議会にかけて、そして出されてきているんだと、こういうふうな話ですが、一体それぞれの推薦母体というのですね、それは審議会でかけるのかどうか。それからまた、あなたのいまの説明を聞いていると、その指導するところは事業主から要請があったときに指導するのだ、こんな指導のしかただったなら、あなたのほうは、何のためにつくるのか。もし指導するのだったら、その人が客観的に見て指導するのがあたりまえで、私のほうは完全ですから、指導にいらっしゃいというのだったら指導の意味がないと思うのだが、そういう意味からいっても、何かいまの説明を聞いていると非常に目的とあれとが矛盾しているように思いますが、そういうふうに矛盾しているとあなたのほうではとっておられるのか、とっておられないのか、そこのところも私はまだ合点がいかないのだ。それから全体の人数はどのくらいあるのか。四千人あるのですか、その四千人に対して一人千円とか説明ありましたね。四千人じゃなくてもっと数は少ないと私は聞いておるのですがね。千五百ぐらいだと聞いておるのですが、予算のつけ方なんかいまちょっと聞いたところでは納得できないのですが、もう少し詳しく説明してください。
#9
○政府委員(和田勝美君) 推薦は経営者側、者団体のほうからの推薦あるいは労働組合側からの推薦、その推薦につきましては、各都道府県基準局の管内の組合からであれば推薦はいただけることになっております。それにつきまして各局で事務的に組合その他と折衝した結果、一応の名簿をつくりまして、それで基準審議会の審議に付する、こういうことでございます。特に組合でありますれば、制限的なことはやっておりません。
 それから予算のことにつきましては、先ほど予算的には四千人の千円ということでございますが、実行上は実は千円ではたいへん問題がございますので、したがいまして、謝金としてはお一人には三千円見当というぐあいにしなければ実際に動いていただけないだろうということで、実行上の問題として、いま先生の御指摘のように、千五百人余りでございます。
 それから指導員の指導のしかたの問題でございますが、これはいろいろとこの指導員をつくるときに問題になりまして、いまのところ安全管理、衛生管理の第一次責任者は使用者側でございますので、使用者側の――監督官が参りましてやるときには、法律の規定に基づきますから強制立ち入り権もございますし、事業場調査、それから監督権も法律上保証されている。それだけに実は監督官試験というような厳格な資格審査のようなものがありまして監督官になるわけでございますが、それに対しまして、この民間にお願いをしている指導員につきましては、そういう法律上の基礎がございませんので、どうしても事業場から、自分のところにはこういう欠点があるが、どうも自分たちにわからぬから教えてくれないかというような場合、それから私どものほうで監督に参りまして、どうもこれぐあいが悪いんじゃないか、だからひとつ専門家の指導員の方に来ていただいて見てもらったらどうかという要請を勧奨する、そういうようなことで、事業場側の了解を得て施設の中に立ち入る、こういうことにいたしておるわけでございまして、指導員の方が自主的に動かれるということになりますと、使用者側との間にだいぶ問題があるように思います。いまのところ、そういうことでこれをさしていただいているわけでございます。
#10
○大橋和孝君 これは私も今度少しお尋ねしたい。焦点はやはりそこにあるわけなんでして、もしこの監督署のいわゆる監督官ですね、この数はいままで私どもいろいろと質疑の中では非常に数が少ない、それだけの数でもってしてはいまの災害を防止することができないのだということは、前に私もそういうことを申し上げたこともあるし、各委員からの意見もいままで出ておると思います。それからして、ここでこういう指導員というものをこさえて、そうして指導して回ることによって監督官のされることを補う、ぼくはこう了解しておるわけでありますが、いまの説明を聞きましても、結局はそこのところがぼけてきているわけですね。事業主のほうから一ぺん指導してもらいたいというふうなものであれば、もっとぼくは学術委員会なり、技術委員会なり、特別の問題がもっとクローズアップされればこれは話がわかるけれども、そういうことであるなら私はもう一つお尋ねしたいことは、いまの監督官の数でもってそれなら防止が十分できているということであるのか。もう一ぺんいまの監督官の数と、そしてどういうふうにやられておるかということを一応尋ねてみたいと思いますが、どうでございますか。
#11
○政府委員(和田勝美君) 監督官の数は、地方の基準局及び監督署も合わせまして二千六百何人ということで、非常に少ない数字でございますので、監督官だけではなかなか回り切れないという問題は、しばしば委員会でも御説明申し上げましたとおりでございます。それと、安全問題につきましては、何といいましても、事業場と、そこに働く従業員の方々の協力、こういうことが非常に問題なので、安全管理、衛生管理をする上におきまして非常に重要な問題でございます。そういうことからいたしまして、役所だけでなかなか手の回り切れないところで、しかも、民間にはそれぞれ学識経験の方がいらっしゃいまして、なかなか有効なお手伝いをしていただける、こういう点、それから自主的な協力活動という点も御期待申し上げることができますので、それで労災防止指導員というのをお願いをするわけでありまして、指導員の方はたいへんお仕事をお持ちなのに御迷惑なことでございますが、積極的に御協力をいただける、こういう体制をしいておるわけでございます。したがいまして、監督署でやりますいろいろのこととタイアップをしてやっていただく、しかも、監督署は、いろいろやるときには基準審議会に指導計画というものをかけまして、三者構成の審議会に、こういうことでことしはやったらよかろうというような一応の方針をきめていただきますので、役所側と民間の協力体制である指導員の方とがタイアップするということで、役所からいろいろ申し上げるワクの中で協力をして、安全管理、衛生管理の指導をしていただく、こういうことにいたしておるわけでございます。
#12
○大橋和孝君 いま御説明にもありましたように、やはり監督官の数は、それは二千六、七百名ではとても足りませんし、いままでもこれの増員についてはいろいろ要望がなされてきたところでございますけれども、これもひとつぜひやってもらわなければならないと思います。また、一面、いまのお話のように、この監督官と協力をして安全を指導される指導員がおられる、これも、またたいへんいいことじゃないかと思う。ただ、いまのお話、説明によりますと、いわゆるその計画は、その地方の基準審議会で審議されてつくられる、こういうことになれば、やはり労働者の代表もあるし、企業の代表もあるし、また監督署側から考えられるところの学識経験の方もあることでしょうから、そういう方々が代表になって、そういう方々がある程度立案をして、そしてそれを審議会に渡す――いまの人選をされる場合も、そういう方々が推薦をされて、そうしてある程度のリストをつくって審議会にかけられるわけですね。それだったらこの計画も、そういう方々がいろいろとその管内の災害の状況、いままでの結果、あるいはまた起こり得るような心配点、そういうものを出し合って、そしてこういうふうにしようではないかというものをつくられたらいいと思うんですが、事実はそういうふうに行なわれていないように聞くんですが、むしろ企業と基準局とのほうで話をきめてしまって、そしてこの計画が立てられておる、こういうのでは、せっかくいま各代表が人選されて出ておられるんですから、こういうような人が代表者としてそういうことも考えながら、ある程度基本的なものをこしらえて、そこには役所の人も入られてもいいと思いますが、そういうものをつくられて審議会に出されたほうが正しいのであって、そこらのところがどうも実際に行なわれておるのは、そうした趣旨に反するようなものではないか。
 特に、私は、いま御説明がありましたように、企業の要請があってからこれが監督指導に当たる、これではぼくは意味がないと思う。あなたのおっしゃるように、いろいろ悩んだあげく、わからないから調べてくれというのは、私は非常に珍しい例だと思うんです。そんなことで、災害を防止する指導員というのでは何ら意味がないと思う。それよりも、企業が注意をしてない、企業上に問題がある。それがこういうことでもって等閑に付せられている。そのためにいろんな災害が起こってくる。最近のカネミの問題もそうでありましょう。あるいはいろいろな問題も企業のベースでは等閑に付せられておるから起こってくる。全部そうではありませんが、水銀の問題でも、イタイイタイ病もそういうことです。それは民間企業の責任ではないかと言われてからでも、そうではないと言っているくらいですから、こういう現状から考えてみて、企業のほうから申し出があったとき動くんだというふうな指導員では意味がないと思う。そういう点は一体どういうふうに行なわれておるのか説明してください。
#13
○政府委員(和田勝美君) 指導計画をつくりますのは、確かに都道府県の基準局が一番主体になりまして主体的につくります。そのときには実は全国的な労災の防止計画というものを年次計画で労働省がつくりまして、それの具体化を各基準局がやるわけなんでありまして、それによりまして指導計画をつくるわけでございます。その指導計画をつくる際には、よく管内のいろいろな前の年のデータ、前年だけではなくて、二、三年くらいの推移のデータ、二、三年間にあった問題の姿、こういうものを見定めながら、職種、業種を選定をする、こういうことでございまして、そのときに、この労災防止指導員の方々の活躍をされました成果を十分に取り入れて指導計画をつくるように、こういうようなことになっておりまして、それぞれのデータに基づいて指導計画を各局でつくらしておるわけでございます。そういうことからしまして、指導員の方にわざわざ集まっていただいて指導計画案をつくるということは確かに大体の局ではいたしていないと思いますが、いま申しましたように、各都道府県の基準局で立案をしますときに、それらのことを十分考慮してつくっておる。しかも、つくりました案を三者構成である審議会にかけまして、労働組合の方の御意見も、それから経営者側の御意見も十分反映するようなものにつくり上げますので、そういう意味におきまして、管内の事情がよく反映をされた指導計画ができ上がってきておるのではないか、そのように思っておるわけであります。
 それから第二点の、指導員の活動の問題でございますが、先ほどもちょっとお答えいたしましたが、民間の方でございますので、法律上の根拠に基づくものがいまのところないわけでございます。労働大臣訓令でできた規定でございますから、民間の方の権利義務の問題とか、立ち入り権ということは当然設定をできないわけでございます。しかし、安全指導でございますから、当然その事業場に臨んで現場を見なければ何にもわかりません。そのときには、やはり形としては経営者側の了解を得るということがなければ入っていけないわけでございます。そういうことで、形として事業主側の要請ということが、あるいは監督署が監督指導をしたときの問題点が出てまいりますときに、役所側から事業主側に指導員の派遣を頼んだらどうかというアドバイスをするわけであります。そういうようなことでいまの法的権限との関連との問題を埋め合わしております。実際上は要請の場合よりは、監督署側からのアドバイスで出かけていくことのほうが多いように実際的には考えております。
#14
○大橋和孝君 私はせっかくいいいまの指導員制度、私はこれは非常にいいと思うのですよ。民間も一緒にお手伝いをしながら労働省側の仕事が円滑にいけば非常に私はいいことだと思うのですね。ところが、いまのような問題のために私は指導員制度というものが死んでしまっておるような気がする。私は、ここで一応労働省の中では根本的に考え直してもらわなければならない。いわゆる監督官は監督権を持って入れる、こういう人が現実に少ないのですから、それに準じた者にしてもらって、行き過ぎがあった場合にはいわゆる基準監督署のほうがその人たちを握ってやってもらうわけですから、それはいろいろ歯どめができるわけでありますから、その監督官に準ずるような資格を与えて、少なくとも企業が要請をするというようなたてまえでは、それは私はあってなきがごとし、こういうふうに私は考えますので、その時点で労働省は一ぺん考え直して、いわゆる監督官を増員したような気持ちで指導員をそれに準じたようにして、それにそういうところに行って話ができる、しかし何の権限もないからえらそうなことは言わないけれども、いろんな仕事上のお話し合いはしてくると、こういうやわらかいものが一つあっていいわけなんです。ところが、それを、行くこともできないような、あらかじめ許可を受けなければ何の資格もありませんよと言っておいたんじゃ、その人の仕事を殺しているようなものですね。ですから、私は、やっぱり準じたようなものにして、行き過ぎがあったらそれをとめたらいいんだから、監督官に準じた仕事をさせる、こういうようなことに、これは別に法律を直さなくても、いまのような訓令の中でできるわけでありますからして、私は労働省として、いまのように災害があちこちにある、食品の公害もあればいろんな公害も出てくるというような状態では、どういう人たちをもう少しフリーに動かせるような仕組みにする時期ではないか、こういうふうに考えるわけです。その点についてはひとつ十分に配慮してもらいたいので、大臣からそのようなことに対するお考え方も聞いておきたいと思うんです。いかがでございますか。
#15
○国務大臣(原健三郎君) 御承知のように、質疑応答を通じてその実態は明らかにされてきた次第でございますが、御説のごとく、労働基準監督官が二千六百人ぐらい全国におりますが、非常に不足しておりますことは、私ども痛感しております。各委員会においてもその増員方を要請されておりますので、来たるべき予算折衝のときにこれを増員をいたしたいと思っております。それにいたしても、どうしてもこういう災害防止、衛生管理等の監督官の不足を来たしておりますから、ただいまのような労災防止指導員、これをじょうずに活用することが非常に必要であろうと思いますが、御説のごとく、非常に中途はんぱで、どうも趣旨も徹底していない。で、御説のごとく、これからひとつ一ぺん労働基準局でよく検討して、もっと効果のあるように何とか考えてみたいと思っております。
#16
○大橋和孝君 大臣からそのことばを聞いて、私非常にこれを期待したいと思います。ぜひひとつこれは前向きに考えていただいて、監督官と指導員とがぴたっと一つになって、そしてこの公害、災害というものが防止できるような方向で活躍をしていただきたい。なにもトラブルを喜ぶわけじゃありませんから、それはやっぱり監督署のほうでいろいろと連絡をし合ってやれば、そういうことは十分防止できるではないか。
 それからもう一点、私はここでちょっと局長にお話を聞いておきたいんですが、わずか年間三千円。いまごろの三千円というのは、ちょっとあまりにも、何かぼくは聞きただすのが恥ずかしいような気がするわけですね。それで初めていろんな仕事がしていただけるなんというようなことには考えられぬわけでありますから、私はここのところも何かひとつ考えてもらいたい。それから、ほんとうにこのために動こうと思えば、何か旅費とかいろんなものが要るわけですね。そういうものが謝金の中に入っておれば私はいいと思いますけれども、そういうことも考慮して、こういう人たちがほんとうに使命感を持って、ほんとうに公害の防止、あるいはまた災害の防止というものに努力のできるように前向きなものをつくっていただきたいので、ひとつ私はそういう点も考慮していただきたい。
 それからもう一つ、私ここで新しくお尋ねしておきたいことは、ここらの方々が一体何回ぐらいそういうことをやられるのか。あるいはまた、実際にいままでに動いておられるところの活動の状況を、これを一ぺんちょっとお伺いしておきたい。
#17
○政府委員(和田勝美君) 謝金につきましてはたいへん少のうございまして、ほんとうに申しわけないと存じております。予算的には千円ということでございますが、実行上多少なにをさしていただいておりますが、今後ともその点は努力をさしていただきたいと思います。それから旅費につきましては、先ほどもちょっと触れましたが、二百万余り一応組んでございまして、旅費の支給もできるような予算上の仕組みにはなっておりますけれども、これも非常に不足をしておることは、御指摘のとおりでございます。
 そういうようなことも反映をいたしまして、実際御活動いただいておりますのは、一人平均にいたしますとまことに少のうございまして、年間で四日前後、まことに申しわけないと思いますが、事業場にいたしましてそれでも三十四、五カ所は出向いていただいておるようでございますが、現在のところはそんな状況でございます。
#18
○大橋和孝君 やっぱりこれはその規模から言い、あるいはまたやり方から言って、やむを得ないと思うんです、現在は。ですけれども、このようなことではほんとうの意味をなしていませんわね。ただ、ほんのちょっぴり金をつけておいて、そしてやる仕事もちょっぴりだということではいけないんで、今度この問題を含めて私は根本改正してもらいたいと思います。ある程度ワクをきめ過ぎるからこういうことが少ないので、もっとこういう指導員の人はいまの監督官に準ずる仕事を与えられるとするならば、もっと自由に出入りもして仕事がどんどんできると思うんですね。こういうことがありますが、どうですかと言って、監督官やあるいは監督署と話し合いができる。こういう問題がたくさんあるわけですね。私は京都でいろいろいま話を聞いておりまして、いまそういう問題があって、行きたいと思うけれども、行けないということも事実聞いておるわけです。私は京都の問題については後刻一ぺんゆっくりとお話をしたいと思いますが、まだいろいろなデータを存じませんし、京都の段階では、京都の基準局と話し合いをしておられるようでありますから、私のほうがあまり出過ぎてお話をするのも、現地でのいろいろなお話があることにさしさわりがあるといけませんから、私はきょうは京都の問題については触れませんけれども、具体的な問題とすれば、京都で私たくさんのものを握っているわけです。その握っているものに対してはもっと私はいろいろな問題について批判をしながら、だからしてこうしなければならぬという結論を出したいと思いますから、そちらのほうはきょうは私やめておきますが、特に根本的な問題として、こういう指導員がほんとうにやっていけるということのための働き、同時にまたその数カ所のところに区切ってしかやらないということでは意味をなさないんで、その指導員が自分で考えた自分の発想でもって、こうではないか、ああではないかということでいろいろなところにコンサルタントとして歩き回る、こういうことがやはりいろいろな問題を浮かび上がらせることにもなるし、あらかじめそういうものを発見をして、そして大事に至らぬうちにそれが防止できるということにもなるわけでありますから、そういう自由な活動をさせるべきだと私は思うのですね。だからして少なくともいままでの考え方、それからまた仕組み、それから今後の運営というものに対しては、ひとつ労働省のほうとして至急考えていただいて、その抜本的な考え方をひとつ示していただきたい。こういうふうに私は思います。この問題につきましては、非常に漠とはいたしておりますけれども、こまかしいデータはたくさんございますが、これについてはいま申したように後刻お話することにして、こうした問題を含んだこの安全指導員ですか、この労災防止指導員ですか、この指導員のあり方を根本的に考えてもらうことを要請しておきます。
 それから、きょうは労政局長まだ来ておられぬみたいですが、大臣おられるからちょっと私申し上げておきますが、京都のほうで畑鉄工という全金に属する鉄工所があります。ここではいまロックアウトされておって、提訴もしておるようでありますが、この問題についても私いま非常に大きな関心を持つわけです。ですから、きょうの質問の中では詳しく触れませんが、どういうふうな状態になっておるかということをひとつ御調査の上、次の日のこの社会労働委員会にお話を承りたいと思います。ここで私概略伺っていることは、第二組合ができて、そしてそれにだけ就労させて、むしろいろいろな労働条件、あるいは労働組合との話し合いに対して非常に一方的なやり方をしておるというので、私はこれは法律にも違反するものだろうし、不当労働行為に属するものであって、こういうようなことがしばしば中小企業の労働者に対してやられるならば、私は中小企業に働いている労働者というのは、何の立ち向かうこともできなくて、ほんとうに赤子が手をねじられるような状態で進んでいくということがあり得ると思いますので、私はこの問題をかなり重視しているわけです。ですからこの問題についてひとつ労働省のほうから至急調査をしてもらって、今後こういうふうなものがあちらこちらに出てこないように……。そういうことを私が取り上げるのは何でかと申しますと、いまの中小企業がたくさん倒産していく中で、働いている労働者は、非常にみじめな状態に追い込まれているということを、非常にたくさん例を知っておりますので、いろいろ問題があるたびごとに取り上げておりますけれども、この問題もその中に入るわけで、私は非常に重視しております。ですから、きょうはこの問題のこまかしいことには触れませんけれども、監督署のほうに、向こうから出してもらって実態を十分調査しておいてもらいたい。そして私のほうにレポートをいただきたい、こういうことを要望しておきます。
 それでは、これで私の質問を終わります。
#19
○委員長(吉田忠三郎君) 和田君の担当じゃないけれどもね、いまの大橋君の要請に対して、これはできますな。
#20
○政府委員(和田勝美君) 私から労政局のほうに伝えまして、調査をいたします。
    ―――――――――――――
#21
○委員長(吉田忠三郎君) 次に、婦人。パートタイマーの問題を議題といたします。
#22
○中沢伊登子君 突然質問を申し上げてたいへん恐縮でございます。私のほうも十分準備ができておりませんし、課長さんのほうにも十分まだ連絡ができておりませんので、あるいは要望のような形になるかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。
 最近、若年労働力が足りなかったりあるいは経済が異常に発展をしてまいりましたので、労働力が非常に足りないということで、婦人の働く分野がたいへん多くなっております。特にその中でパートタイマーというものも非常にふえておりますが、課長さんまだ就任されて間もないようでございますので、もしおわかりであればお答えをいただきたいし、そこに資料がございませんでしたら、後ほど資料を提出していただいたらけっこうでございますが、最近の婦人労働者の数はどれぐらいであるか、そしてまた特にその中で既婚の婦人がどれくらいか、あるいは未婚の方がどれぐらいか、あるいはその中でパートタイマー、こういう契約をしていらっしゃる方がどれぐらいか、まず第一点、その問題について質問をいたします。
#23
○説明員(藤井敏子君) 婦人労働者の数は、ただいま一千万人をちょっとこえております。それからパートタイマーの数は、これはパートタイマーというものの定義がはっきりいたしておりませんので、正確に把握することはできませんが、短時間就労者というようなことで、三十五時間未満の労働者の数が、女子労働者の数が六十五万人というふうに私ども承知しております。これは全体の女子労働者の約六%ぐらいに当たっているということでございます。それから既婚者と中高年婦人の比率ということでございましたが、既婚者と中高年婦人は最近ふえておりまして、有配偶者が、ただいま全女子労働者の三六・九%に当たっております。それから死・離別者が一〇・四%でございますので、大体両方合わせますと、婦人労働者の中で既婚婦人が約半数近くということになっております。――それでよろしゅうございますか。
#24
○中沢伊登子君 未婚の方は……。
#25
○説明員(藤井敏子君) それから未婚は、五二・六%でございます。
#26
○中沢伊登子君 そうすると、いまの三十五時間未満というのは一週間でございますね。
#27
○説明員(藤井敏子君) はい、そうでございます。
#28
○中沢伊登子君 パートタイムの定義がまだよくわからないと、そういうふうに言っていらっしゃいますけれども、パートタイマーというのは、それでは退職金とか労働災害の問題、こういう問題だの、それから失業保険の問題、当然そういう問題が出てくると思いますが、その辺はどうなっておりましょうか。
#29
○説明員(藤井敏子君) パートタイマーの方々の雇用条件というものは、私どものほうで昭和四十年と四十二年に調査いたしましたが、労働条件がはっきりしている例が比較的少のうございました。特にただいま先生おっしゃいました、退職金制度といったようなものを制度化されている事業場はたいへん少のうございました。わずかにそれらしきものを実施しているところでせんべつ金といったようなものを出しているところがございました。それから労災保険の問題でございますが、この労災保険は、パートタイマーも普通の労働者でございますので、全部該当者は適用になっているというふうに私ども理解しております。
#30
○中沢伊登子君 そうしますと、退職金というものもせんべつ金程度、労働災害は適用されると、こういうことでございますけれども、そうするとパートタイマーの賃金は大体一時間どれくらいが平均でございますか。
#31
○説明員(藤井敏子君) 昭和四十二年の調査でございまして、ちょっと古うございますが全国の一時間当たりの平均は八十円ないし百十円が一番多い、比率が高いというふうに出ておりましたけれども、最近はだんだん上がってきておりまして、東京都内では百三十円ないし百五十円くらいになっているというふうに聞いております。
#32
○中沢伊登子君 私どもは、婦人の地位を高めるということにずいぶんいままで力を尽くしてきて、婦人議員は特にその問題で超党派でいろいろお集まりをする機会が多いわけですけれども、一時間に八十円から百十円あるいは百五十円にしてみても、四時間働いて六百円、こういうようなことでは、むしろパートタイマーということで婦人の地位が相当下がるのではないか、このように思います。そうしますと、これは労働省のほうとしては、この問題をもっともっと重大視して婦人の地位をもう少し向上させなければならない使命を持っているのではないか、このように思います。特に最近労働力が足りませんから、何でもかんでも婦人労働にいろいろな仕事がおっかぶせられるわけですね。そういう中で、普通の雇用関係を結ばずに、いとも簡単にパートタイマーで婦人を雇うということになりますと、これはやっぱり相当大きな問題になるのではないかと考えます。その点で、私は労働省の特に婦人少年室とかあるいは婦人課長さんなどは今後この問題に大いに力をつくしていただいて、パートタイマーといえども普通の雇用条件を持つほどのものにしてほしいと、このように思いますが、その辺のお考えをひとつ伺わせていただきたいと思います。
#33
○説明員(藤井敏子君) パートタイマーがたいへんふえ始めましたのは、たしか昭和三十八年ごろだったと記憶いたしております。労働省ではそのころから実態把握がまず必要だということから、前後三回にわたって実態調査をいたしまして、現在の日本におけるパートタイム雇用の輪郭をつかむことができました。かなりいろいろな問題があるということがわかりましたのと、それから労働力不足下で主婦の労働力を期待するというようなことから今後ますますこういう形はふえていくのではないかということから、昭和四十二年の十二月に専門家の先生五人にお願いしまして専門家会議を労働省に設置いたしました。そして現状の分析と対策の方向というものをことしの二月に報告をいただきました。ただいまその報告を重要な資料といたしまして、婦人少年問題審議会で審議中でございます。
#34
○中沢伊登子君 先ほどの御答弁の中で、大体三十五時間未満がパートタイマーだと、こういうふうに言っておられましたが、三十五時間を一週間で割りますと、大体六時間前後ですね、一日六時間前後。ただし現状は八時間からあるいはもっと八時間以上働いていて、それでしかもパートタイマーだと、こういわれて、非常に低い賃金で働いている方も相当あるわけですね。私どもが新聞で見ましたところでは、東京の郊外なら郊外に一つの団地ができる、そうすると、その団地の奥さんをその付近の大きな工場で、たとえば東芝なら東芝という大きな会社でその奥さんをみんなバスで、パートタイマーとして連れていかれるわけですね、そういうような例があちこちにあることも私は承知をしているわけです。そうして使いますと、非常に安くて、雇用条件も普通の条件ではございませんから、要らなくなったら適当に休んでもらう、こういうようなことで使われている例が相当あるように伺いますが、この辺の実態をひとつ聞かしていただきたい。
#35
○説明員(藤井敏子君) 先ほど申し上げましたように、全国的な傾向を見ますための調査を実施いたしましただけでございまして、そのほかに全国の室長が事業場を訪れましたときに幾らかのケースを見てきていることは私ども聞いて承知しております。先ほど申し上げましたように、三十八年ころから日本のパートタイム雇用制度はたいへん盛んになり始めたものでございますが、日本におけるパートタイム雇用というものがまだたいへん歴史が浅いものですから、労使ともこのパートタイム雇用に対する考え方がまだはっきり確立いたしておりませんで、両方とも戸惑っておるというのがただいままでの現状ではないかと見ておるわけでございます。ですけれども、先生が先ほどおっしゃいましたように、労働条件その他はっきりいたしません点がまだございますのと、労も使も比較的安易な考えでこの制度についたり、雇ったりするような傾向がまだ見えますものでございますから、先ほどおっしゃいましたように、いろいろ問題点と思われる点はまだかなりあるのではないかと思っております。ですけれども、使用者の方々もたいへんパートタイマーに期待しなければならない頻度が高くなってきておりますものですから、最近では、その労務管理の面についてたいへんいろいろ御研究をしていらっしゃっておるということは私どもよく伺っております。
#36
○中沢伊登子君 もう一つ、労も使も安易に考えておられるようでございますけれども、しかし八時間も八時間以上も働いている人が相当あるとすれば、これだけ婦人労働力が要望されているときに、こういうときにこそ婦人の、何と言ったらいいでしょうか、婦人の利益になるような契約がもっとできるべきである、このように思いますので、その辺で、どうか労働省のほうでも少し御尽力をいただきたい、このように思います。
 それともう一つは、それだけ婦人の労働力が要望されて、パートタイマーにしろ普通の契約にしろ婦人が働くようになってまいりますと、当然そこに起こってくる問題は保育所の問題でございます。これは厚生省の関係の保育所というのもなかなか十分な予算がとられませんで、いわゆる適正配置ということもできておりませんが、一番簡単に考えられる問題は、企業内の保育所、この企業内の保育所について、労働省では、どのように考えていらっしゃるか、その辺を伺いたいと思います。
#37
○説明員(藤井敏子君) 労働省でも、既婚婦人で働く方がたいへんふえてきておりますことから、その保育所の必要性というものを痛感いたしております。労使ともにその要望がたいへん高いということはよく承知しております。ただいま労働省で実施しておりますのは、雇用促進事業団の融資で事業内保育所をつくるということをいたしております。それからささいでございますが、働く婦人の家が全国に二十カ所ほどございまして、そこに、地域のニードによっては保育室というものを設けて保育に当たっております。
#38
○中沢伊登子君 最後に、これは婦人労働課長さんか、どなたが御答弁くださるかしれませんが、これだけ労働力が足りないときに、言ってみれば、失業保険をいただいている方が相当たくさんあるわけですね。一体、これはどういうことなのでございますか、その辺を伺いたい。
#39
○政府委員(和田勝美君) 御指摘のように、失業保険は相当数の受給者がおられます。これは繁栄の中の過剰とでも申しますか、労働条件の上向運動がこのごろ非常に盛んになりまして、ある事業場の労働条件では満足できない、ほかへ変わりたい、その間のつなぎに失業保険が利用される。利用というとたいへん語弊がございますが、その間の生活問題として失業保険をもらわれるという方が相当目立っております。したがいまして、都会地におきましても、若い層で失業保険をもらっておる方が相当いらっしゃいます。それはすでに労働条件の上向運動への動きだと、こういうように考えられますが、これらにつきましては、安定所側では、できるだけ早く就職をしていただけるような、そういう意味の、いい就職口の開拓ということで努力して、失業保険をもらわれる期間はできるだけ少なくすると、こういうようなことで、労働力不足の世の中でございますので、ぜひそうさせていただきたい、かように考えております。
#40
○中沢伊登子君 働く場所を変えていく問題ですが、昔は履歴書は一ぺんしか書くな、こういうことでございましたが、いま賃金のいいところへ、いいところへとどんどん若い人が変わっていきますね。その辺のことを労働省はどう考えていらっしゃるか。これはやはりそれでいいのか、あるいは履歴書は一ぺんしか書くなと言われておりましたけれども、それのほうがいいのか、その辺はどう考えられますか。
#41
○国務大臣(原健三郎君) 非常にむずかしい問題だし、非常にデリケ−トな問題でございます。それは昔のように一たん嫁にいったらもう帰っちゃいかぬというようなもので、一たん就職をしたら変わってはいかぬと、昔はこういうことであったかもしれませんが、それほど窮屈に考えなくても、まあいいところがあれば変わる、適当なところへ、自分の性格、能力に適当でない場所から適当なところに変わる、若干変わられることはやむを得ないと思います。といって、そういう変わり癖がついて、あまりしばしば変わることは必ずしもいいということではない。そういうかえ癖がついてしんぼうすることがなくなったりする。ことに今局長からも話がありましたが、若い若年労働者の方々が非常に変わることが多くなっております。これは、いまたとえば一年間に二割くらい変わられる、学卒者が。それで二年すると四割、三年すると五割二分くらい変わる、これはいまの現状から見ると、やはり若年者が変わることが少し多過ぎると思うのです。若干それには御本人のしんぼうも必要ですが、変わらないように、あまりこれが癖がつくと、だんだん方々へ変わって転落していくおそれがございますので、それにはやはり本人の決意もさることながら、労働環境をよくしたい。それで、われわれ労働省といたしましても、たとえば勤労青少年ホームをつくるとか、あるいは中央においては勤労青少年センターをつくる、来年度からそういう姿勢、そういう勤労青少年ホームにおいてグループ活動をよくやる、あるいは何かあれば相談に応じてやる、館長もおりますから。それからリクリエーションもやる等々をして仕事に対する励みだとか、仕事に対するあきのこないように大いに指導していきたい、こう思って鋭意あの手この手尽力、努力中でございます。
#42
○中沢伊登子君 そこでね、その若年労働者がどんどんどんどん変わっていく、それは本人のしんぼうもさることながら、たとえばこの間でも新聞をにぎわしておりました、沖繩から若い人を連れてくる、ところが初め宣伝をされたときは相当いい条件だと、それから受け入れ側が相当りっぱなようなことを言っておりながら、いざ来てみればまるで女中さんなんかと同じような待遇であった、こういうようなことで、来てみてあきれてしまってやめてしまう、こういう例もございますね。その辺のことは私はやっぱり労働省で相当責任をもって雇用側のほうの条件を十分監督、指導すべきだと思います。その辺をひとつ質問をしたいのと、それからもう一つは、安易に職場を変えていくような風潮ができているので、その人たちを引きとめるために、中小企業は相当な苦労をしなくちゃいけない。それは働く場所もそうですけれども、また賃金の面でも相当の賃金を出さなければ中小企業には働いていてもらえない、こういうことで、中小企業でも若年労働者を引きとめておくということに対しては相当の苦労があるようです。そこら辺の指導や何かはどのようにしておられますか。
#43
○政府委員(和田勝美君) 先生ただいま御指摘の労働条件の食い違いの問題でございますが、これは実は残念ながらよく指摘されることでございまして、安定所のほうで調べましても、監督署のほうで調べましても、当初指示されたのとは違っている中身の、事業所側からいえば、それは誤解があったのだという言いわけもございますが、いずれにしましても、役所側から見たのと違ったものがある、こういう点につきましては、非常に残念なことでございます。ぜひ安定所に示された条件はそのとおりのことでやってもらうような指導を、安定所としては、強力にやりたいと思っております。また、安定所側としましては、そういう指導に乗らないような方につきましては、職業紹介上十分配慮しなければならない、かように考えております。
 それから中小企業の賃金の問題でございますが、こういう人手不足という世の中になってまいりまして、中小企業にあってたいへん御苦労になっておることは事実でございます。ただ、非常にこのごろは大企業とほとんど変わらないような賃金をお払いになっている企業が非常に多くなってまいりました。特に若年労働者につきましては、賃金の格差がほとんど是正をされておる。ところによっては中小企業のほうがむしろ賃金それ自体をとってみますると、高く出していらっしゃる、こういうようなところすら出てまいりました。しかし、中小企業の経営にとりましては、非常に重大な問題でございますから、賃金以外に、やはり先ほどから話が出ておりますが、年少者のための福祉施設の問題、住まいの問題、そういうようなことにつきましては、雇用促進事業団で融資制度等も設けておりますし、国の施策といたしましても、勤労青少年ホームとか、その他いろいろのことをやっておりますが、中小企業の条件を国あるいは都道府県というようなところで、ある程度肩がわりするような施策が今後とも進められていかなければならないのではないか、かように考えております。
#44
○中沢伊登子君 最後にもう一つお伺いしますが、それは、たとえば若年労働者の方がいなかから来ますね。そうしますと、それがたとえば御用聞きに回るような職場がございます、たとえばクリーニング屋さんとか、あるいは八百屋さんとか。そうしますと、今度、その御用聞きに回わって来られたほうが、その者に対して、あなたはそんな御用聞きにいかずに、うちの主人の会社に勤めなさい、いい会社があるからそういうところへ世話してやりましょう、こういうふうにして、せっかく雇ったそういう若い者をスカウトしてしまう例もあるわけです。この辺のことを十分御存じですか。どうですかね。そこら辺をじょうずにやりませんと、ほんとに困るわけです。ほんとにこれは大きな問題だと思います。その辺のこと、どのように指導なさるのか。安定所のほうではどういうふうにそれを連絡しておかれるのか、そこら辺おわかりでしたらお尋ねしたい。
#45
○政府委員(和田勝美君) 労働省のほうで、そのことについて特に調査を具体的にやったことはないようでございます。まあしかしこれはなかなかむずかしい問題でございまして、ほんとうにそういう勧誘をされたかどうか、うわさにはよく聞くわけでございますが、また事実もあるだろうと思いますが、それを集団的につかまえて安定所のほうでどうこうするということまでの調査もいたしておりませんので、ここではっきりどういう態度で臨むかということまではちょっと申し上げられないと思いますが、いずれにしましても、そういう勧誘に負けないだけの力を、雇ったほうで、つけておいていただくことがなによりであるわけでございます。それが中小企業ではなかなか問題でございますので、先ほど申し上げましたようなことで国としても努力をしてまいりたい、こう考えます。
#46
○中沢伊登子君 この問題、こういう問題についていろいろと私も勉強をしてまいりまして、この次はもう少し詳しくいろいろ質問をさせていただきたいと思います。何ぶんにもきょうは突然でございましたので、十分な質問ができませんが、私はこれで質問を終わります。
#47
○委員長(吉田忠三郎君) 他に御発言もなければ、本日の質疑はこの程度にとどめます。
 これにて散会いたします。
   午前十一時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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