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1949/05/26 第5回国会 両院協議会・合同審査会等 両院協議会会議録情報 第005回国会 両院法規委員会 第8号
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1949/05/26 第5回国会 両院協議会・合同審査会等

両院協議会会議録情報 第005回国会 両院法規委員会 第8号

#1
第005回国会 両院法規委員会 第8号
昭和二十四年五月二十六日(木曜日)
   午後一時三十一分開議
   〔衆議院両院法規委員長高橋英
吉君が会長となる〕
 出席委員
   衆議院両院法規委員長
           高橋 英吉君
   理事      角田 幸吉君
           尾関 義一君
           眞鍋  勝君
           林  百郎君
           鈴木 幹雄君
           田中不破三君
   参議院両院法規委員長
           藤井 新一君
   理事      新谷寅三郎君
           田中耕太郎君
           松村眞一郎君
           鈴木 安孝君
           大野 幸一君
           羽仁 五郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
 國会法第十三條の解釈に関する件
  ―――――――――――――
#2
○会長(高橋英吉君) これより会議を開きます。
 本日は過日來の両院の実情にかんがみ、國会の尊嚴保持、及び國会運営改善の件につきまして、速記をやめて御懇談いたしたいと思います。――速記をやめて。
   〔速記中止〕
#3
○会長(高橋英吉君) 速記を始めて。――田中さんから國会法第十三條についての御意見の開陳をお願いいたしたいと思います。
#4
○委員(田中耕太郎君) 先ほど衆議院において会期延長の決議をされて、それが参議院に送付されました場合におきまして、参議院において運営委員会で問題となつたと聞きましたことは、國会法第十三條の、参議院において議決をしなかつた場合においては、衆議院の議決したところによるということになるのかどうか。つまり参議院で違う議決をした場合のみならず、参議院において議決をしなかつた場合も「両議院一致の議決に至らないとき」に含まれるかどうかということが明らかになつたわけであります。そのとき参議院においては、本会議で混乱場裡に議決をしたということになつておるけれども、しかしながらそれを相当多数の人が爭つておるというようなわけでありまして、この点について本委員会におきまして明確にすることは、將來この十三條の規定を改正するか、あるいは改正しないで、今後の運用で処理して行くかという上においても、はなはだ有益なことではないかと思いまして、この國会法第十三條の解釈及びこれに関する立法の必要あるいは不必要につきまして研究することを提案いたす次第であります。
#5
○委長(大野幸一君) 私は田中委員の提案に賛成いたします。國会法の第十三條には「前二條の場合において、両議院一致の議決に至らないときは、衆議院の議決したところによる。」とありまして、私の個人的意見を申し上げれば、「両議院一致の議決に至らない」という字句は、参議院において議決しなかつた場合も含むと解釈しまして、今回の参議院の騒乱事件については、事務当局の説明が正しいと個人的には考えておる。しかしこの條文に「参議院が何ら議決をしないときには」ということが明らかでなかつたために、いわば法律の字句が明白でなかつたために騒乱が起きたものと思います。もしその條文に明らかであつたならば與党といえども押し切つて、会期延長の議決をする必要もなかつた。十二時ぎりぎりの時間にあえて本会議を開かなくてもよかつた。こう思うと、その原因はこの法文の字句の不備にあつたと思います。法文の不備が一つの動機となつて、ああいう騒乱を起したのですから、両院法規委員会といては早急にこれをひとつ解決する必要があると思います。從つて私は賛成するものであります。
#6
○委員(松村眞一郎君) 私は当初に会期を定める場合と延長の場合とを一緒に考えておることが、よほど大ざつぱな考え方だと思います。それは延長の場合でありますと、会期がちやんときまつておるんです。会期の末日の終りまでに議決をしなければ、参議院の方で議決をしないということが明瞭になるのでありますけれども、当初会期を定める場合におきまして、いつまで待つておれば参議院が議決をしなかつたかということがはつきりわからないと思うのです。その日のうちに議決しなかつたならば議決しなかつたものと認める。こういうこともいえないだろうと思うので、最初の場合と延長の場合とは、おのずから適用の関係が違つて來ると私は思う。この間の延長の場合はこれは会期の末日までになつておるのでありますから、その日中に決定しなければ、これは議決に至らなかつたことであるということは、きわめて明瞭だと思うのです。私は今度の場合は何ら疑義を持つていないのです。しかし第十一條の場合に、実は困るということを感ずるのです。当初きめますときに、衆議院はきめたけれども、どうも参議院の方で何とかいろいろな関係で一向きまらないというときに、いつまでたてば両院が議決に至らなかつたことになるのでしようか。これは前に総理大臣の指名のときにも、そういうような問題が起つたのです。一たん総理大臣の指名が多数できまつた。多数できまつたのを、さらに今度は、その表決できまつたのをよろしうございますかと、議長が聞かれたために、それには不同意であるというようなことを言う者があつて、採決というものと、表決というものとの間の効力問題も起つたのでありますけれども、その際にはやはり同じようなことが考えられたわけです。初めに決選投票で何某ということがきまつておるのですから、議決に問う場合に、それがいかないということは、それは議決をしないと同じことだという意味の解釈もできるということで、私はそういう議論を持つておつたのでありますけれども、それは何か十日以内とかいう期限があるのでうか。総理大臣の指名につきましては、そのようなぐあいに一院が決定した後に、他の一院で決定する跡始末についての規定が、どうも十分に考慮されていないように私は思うのです。そういうようなわけでありますから、私としては当初きめます場合と、延長の場合とは別々に考えて、細心の規定がいるという考えを持つております。
#7
○委員(田中耕太郎君) 私も先ほど大野委員が言われましたところ、またさらに具体的に松村委員が言われましたところに賛成するものであります。「両議院一致の議決に至らないときは」という意味は、必ずしも議決はしたが、しかしその議決の内容が衆議院の議決と日数において違うという場合のみではなく、消極的に決議をしないというときの態度をはつきりさせ、つまり会期延長に反対だという場合も含むものではないか。しかしながら單に議決をしないという状態が会期延長に反対だと、ただちに、即断することはできないのであつて、たとえば会期の二、三日前に衆議院から一定の会期を指定して延長の議決をして來た。それが参議院に送付されて、そのときに参議院側で会期延長に反対の人が多数あつて欠席して定足数を欠いた。しかしその瞬間においてはまだ参議院が議決しなかつたからして、ネガティヴの意思表示をしたものとはいえない。まだ会期が相当に残つておるから、議決はし得るかもしれないという状態であります。しかしこの間の場合のように、もう会期余すところ三十分というような場合において、その間に全然議決がなかつたとするならば、どうしてもこれは会期延長に反対だと見なければならないので、そういうふうに解釈してもいいのじやないか。もしそういうふうに解釈しないと、國会の運用方非常に支障を生ずるというわけで、この場合には、多少文字の上から見ますると、拡張解釈になるかもしれないが、しかし法律の解釈はやはり合理的になすべきで、必ずしも字句に拘泥すべきではないから、さような場合も含めて、議決が一致するに至らない、つまりぎりぎりの場合において議決をしなかつたならば、議決の一致を見ないと言えるのではないかというふうに考えます。
#8
○会長(高橋英吉君) そうしますと、参議院の方で会期の延長とか、また会期についての議決がなかつたということになつた場合は、反対であつたり、または衆議院と議決が一致しなかつたという場合に認定するという解釈については、御異論はないわけですか。
#9
○委員(角田幸吉君) 今の田中さんの御説ごもつともだと思います。もし相当切迫しても議決をしないということは、反対の意思を一應表示したということでけつこうでありますから、その点は御賛成申し上げます、
#10
○委員(羽仁五郎君) その点について、私の考えを述べさせていただきたい。さつき松村委員から述べられましたこの二つにわけることが、必要なんじやないかという点なんですが、私もその意見に賛成なんです。会期が一應両院の一致した議決でもつて決定された場合、そして今度延長するという場合なんですが、その点について、私としては法律的な問題もあるわけですが、本質的に考えまして、いろいろないわゆる二院制度でもつて、参議院が第二院である、從つて第一には、第二院として第一院の決定をあくまで尊重する。しかし同時に、今度逆の場合ですが、第一院が第二院を全然無視していいということは成り立たないと思うのです。もしそうであると、二院制度というものはなくなつて、一院制度になつてしまう。だから本質的な会期の決定の場合においては、両院の一致した議決を必要とし、もし一致しなかつた場合には衆議院の議決をもつておきめになる。それから今の場合には田中委員のおつしやつたような拡大解釈ということも納得できないと思う。さてそれではあらゆる場合にそうなのかというと、さつき申し上げた第二の、つまり第二院というものが全然無視されてかまわないのかという問題になるので、その会期をまず決定するときには衆議院の意思が最後には決定するということがあるんですが、それによつて決定された会期が、今度延長されるかされないかという場合には、一致した議決が望ましいが、もし一致したかしたなかわからない場合ですが、不一致の場合には、今おつしやる通り衆議院がおきめになればいいわけです。最後に残された唯一の第二院が全然無視されない程度の余裕として、第二院が違つた議決をしたのかどうかわからないという場合が認められるということは、二院制度の本質からいつて、その程度のことは許されるのじやないかというふうに考えるわけです。もしそうでありませんと、議決しない場合には、すべて衆議院の議決に從うということで、第二院というものは、いわば無視された形式になるんです。それから本会期をきめるときには、最後には衆議院がおきめになる。それから延期の違つた議決をした場合には、衆議院の方で決定されるけれども、最後に違つた議決をしたのかどうかわからないという場合、つまりその程度の――これは全体からいうと六分の一になるわけですが、六つの場合があるわけで、その六つのうちの五つの場合には衆議院がきめられるが。六分の一ぐらいの第二院の異議というものは認められることが妥当ではないかというように、本質論的に考えるのです。その意味でさつき松村委員の発言せられました意見に私は同意なんです。
#11
○会長(高橋英吉君) 松村さんの御意見は現行法の解釈としては、議決しない場合でも、やはり一致しないという場合に該当するが、これは妥当でないから、これを改正すべきだというふうに解釈しましたが、そうすると現行法の解釈論としては、一致しないという場合に該当するいうふうにお認め願つて、これがいいか惡いかについての解釈の問題は第二段の問題です。
#12
○委員(角田幸吉君) 改正案として、私はもう一つつけ加えて申し上げたいんですが、松村さん、羽仁さんの御意見はごもつともだと思う。そこでもつと言いますると、まず第一に両院の議決が一致しないというときは衆議院の議決できまつた。さらにまた延長した、これまた一致しないということで、また衆議院が議決をやつた。そうしてさらにまたその議決が一致しないということで三回も四回もやる。そういう場合もこれは議決の一致を見ないということでやつて行かれるという解釈ができるか、できないかということをこの際伺つて、それから結論を出して行きたいと思うんですがいかがですか、この点は……
#13
○会長(高橋英吉君) それは同じじやありませんか。
#14
○委員(田中耕太郎君) 参議院が日数の点において違う決議をして不一致ならば、ただちにこの規定の適用があるわけです。ですから歩み寄りの余地はない。
#15
○委員(角田幸吉君) だからその後何回でもやつて行かれるとお思いになりますか。
#16
○委員(松村眞一郎君) 法文の解釈論としてはそう思われます。
#17
○委員(角田幸吉君) もしこれがそういうことができないという考え方が正しいならば――この法の全体の精神から見て、一回やつたあとはいけないのだというならば、現行法のままで私はよろしいと考える。必ずしも第一回の会期にだけこだわる必要はないと考えて行きたい。しかし何べんでも、それは続けて行かれるのだということになれば、おのずから改正案についとは相当の考慮の余地があると私は思います。
#18
○委員(羽仁五郎君) 今の御発言で、私の聞きたいことを明らかにしていただきましたが、問題は非常に明らかな問題でありまして、二院が存在し、第一院の決定されたことに対して、ある意味でチエツク・アンド・バランスを取る使命があるとおつしやるならば、何度でも会期を延長せられて、結果においてチエツク・アンド・バランスを取ることができる。チエツク・アンド・バランスの力があまり強くなることはいけないが、さつきの程度のチエツク・アンド・バランスを認められるのが妥当ではないかと思います。
#19
○委員(松村眞一郎君) しかし私が考えますには、休会の場合には両院一致の議決が必要だということが國会法の第十五條に書いてある。これは一致の議決を見ない以上は休会ができない。一旦会期がきまつた場合は、休会をするということは実は会期の縮小、会期の短縮のようになる。その際には両院一致の議決を必要とするということが、この十五條にあつて、その場合に一院だけの議決で休むということはできない。國会としての一致の議決を必要とするということになるならば、延長の場合も同じではないかと私は思う。初め会期をきめます場合と延長の場合とは別にしなければならぬという趣旨は、私はそこから來ていると思うのであつて、その國会に一旦やめてしまつて、また臨時國会を召集されたらいいではないか。なるべく愼重にしていただきたい。だからといつて参議院はいつも延長に異議をいうわけではないんですから、異議をいわなければずんずん会期の延長はできる。だから異議をいうような場合には、やはり一應ぶち切つたらいいじやないかという思想なんです。
#20
○委員(田中耕太郎君) 今の松村委員の休会の場合と、延長場合と違うということにつきましては、やはりそこに理由があるんじやないかと思います。休会の場合においては、これは縮小する方ですから、從つてこれは参議院といたしまして、衆議院として法案が非常にたくさんあつて、その期間ではとうていやれないという理由があるんですが、延長の場合においては、われわれ議長なんですから、不特定の日数だけどうしても働かなければならないという理由が根本になつておつて、衆議院がかりに長い期間議決をして來た、これはあまりに長過ぎるといつたつて、衆議院の方でそれだけ必要とするのならば結局それに從うというのが当然である。それからついでですが、さつき羽仁君の言われた参議院は衆議院の一方的意思に徹底的に拘束されてはならない、やはり参議院の意思も尊重されなければならないという一般論につきましては、これはまたいろいろ論議もありましようが、しかし制度上で、そこに政治的のいろいろな理由があつて、法律に書けないような理由がある場合に、常にこういう問題が起る。それを一々考慮して、ある場合には参議院が全部的に無視されている、他の場合においては尊重されているというようなことをこまかく判断して書くわけにも行かず、從つてやはり一律的に一致の場合、あるいはさつきわれわれが論議しているような場合において、衆議院の議決が優越するというのは、これはやむを得ないことではないかと思いますから、ついでにその点だけ申し上げておきたいと思います。
#21
○委員(羽仁五郎君) さつきの私の発言は、現在の條文について意見をお出しになつているときに、その範囲をかえて言つたんですが、現在の條文の解釈としては今おつしやる通りです。それに対して、もしもつと問題が考えられるとすればという意味の発言です。
#22
○会長(高橋英吉君) 現在の解釈は一致したと思いますから……
#23
○委員(角田幸吉君) この点に解釈はもう一度明らかにしていただきたい。衆議院と不一致の場合も延長はさらにできるということに解釈が一致したことにきめて、これだけは確認していただきたい。言いかえれば現在の法律の場合では何回でもやれるということに解釈を一定してもらいたい。
#24
○委員(田中耕太郎君) それはどんな意味ですか。
#25
○委員(角田幸吉君) 今回は今参議院と初めて不一致の場合です。さらに参議院と不一致の場合は何回でも延ばして行かれるというんです。
#26
○委員(松村眞一郎君) それは解釈論としてはやむを得ない。
#27
○委員(角田幸吉君) その解釈論で一應きめておいていただきたい。現行法のもとにおいてはそれが可能だという解釈論をきめていただきたい。
#28
○会長(高橋英吉君) それに立脚してどう改正したらいいか、少くとも表現がまずくて、今度のような問題を起したんですから、その通りでいいとしても表現をかえる必要があると思う。しかしその通りではいけないとなれば、むろん表現ばかりでなしに、すべてをかえなければいかぬと思う。そういう点についてひとつ御意見の御発表を願います。大体先ほどからいろいろ御議論があつたようですから、引続いてこれを檢討したいと思います。
#29
○委員会(田中耕太郎君) これはごく思いつきですけれども、とにかく第十三條の解釈について疑義があつたわけですが、これを明瞭にするということは、必ずしも必要でないとはいえないんではないかと思います。どういうふうにこれを書き改めるかの問題でありますが、この十三條を土台にして考えてみますと、両議院一致の議決に至らないとき、または相当の期間内に一院が議決をするに至らないときはその含みで、というわけです。相当の期間というのは、そのときどきによつて違うので、まだ二日も三日もあるという場合、最後まで、つまりせつぱつまつて延期の議決をし得る。ですから、その間に安足数が足らないで議決をしないでも、まだ期間が残つているからあとでやれる、結局ぎりぎりのところまでという意味で、ぎりぎりのところまでというようなことは法律には書けませんから、相当の期間というくらいで、もうあと三十分しかないというようなことになれば、そのときに議決がなかつた場合においては、相当の期間満了しているというふうに解釈することができはしないか。もの明瞭にするというなら、そういうふうな書き方をすればいいじやないかと考えております。
#30
○参議院両院法規委員長(藤井新一君) 今参つたんですが、十三條のことで私ちよつと疑義を持つております。國会法制定当時に、一致に至らないときにおいては、衆議院の議決をもつてやるということが速記録に残つているというお話ですが、これは事実ですか。
#31
○会長(高橋英吉君) それは載つているはずです。
#32
○参議院両院法規委員長(藤井新一君) その一致に至らないときというのは、両議長が会合して一致しないときというわけですか、または院議による議決の場合ですかどちらですか。
#33
○会長(高橋英吉君) もちろん院議の場合です。
#34
○参議院両院法規委員長(藤井新一君) 一致しないときは衆議院の議決をもつてするというとチエツク・アンド・バランスを破つて、衆議院が優越することになると、ちよつとそこがどうも……
#35
○会長(高橋英吉君) 條文がみなそうなつております。十一條、十二條、十三條は、衆議院優越主義になつているから、これをある程度まで是正しなければいかぬという議論が出ているわけです、立法論としては……
#36
○委員(角田幸吉君) 今の田中君の御意見に対して、私はちよつと申し上げておきたい。両院が一致の議決に至らないとき、または参議院が相当の期間内において議決をなさざるときというふうな御意見でしたが、私はこの議決が有効になるか無効になるかという重大問題を含みますので、相当の期間というような漠然たるものではいかぬと思う。たとえば二十四時間内とか、何時間とかいうならばいいですが、漠然たる相当の期間ということになりますと、議決をするのに三十分でもできるんじやないかというかもしれない、あるいは一日でも足らぬということになるかもしれません。それはいろいろの議員の出席その他のこともいるものですから、これはやはり相当の期間ではなく、もしそうするならば、もつとはつきりした限界をつけたものでやつていただきたいと思います。
#37
○委員(松村眞一郎君) その非常にごもつともで、私も二十四時間とか、あるいは遅滞なくとかいうことも考えてみましたが、結局そこはやはりそれくらいのゆとりは、ものによつては必要ではないかと思う。たとえば日曜日にならないで月曜日まで待つとかいうような場合においては、その二十四時間を越してしまうというようなことになります。そこを今はつきりさせることができれば、それに越したことはないと思います。
#38
○会長(高橋英吉君) それはちよつと時間で切るわけには行きません。衆議院でもうあと三十分あと十分というとき、つまり十一時五十分ぐらいに延長の議決をするような場合もあるし、一分前ということもあるから、やはり相当の期間ぐらいにしておかないと、ぎりぎり一ぱいで十一時五十九分五十九秒のときもある。そういうように一分もないときにやる場合も生じてくるから……
#39
○委員(角田幸吉君) そこはしかるべく願いたい。
#40
○委員(羽仁五郎君) 現行法の解釈は、大体さつきおつしやつたようにして、もしそれを今言われるように字句を修正されるなり、あるいは訂正されるなりするとすれば、その現行法の意味をはつきり表わすという方にもつておいでになりますか、それとももう少い根本的に考えて、そつちの方へ進むというふうになりますか。
#41
○会長(高橋英吉君) これは現行法の改正で、ただちにやつたらいいと思います。
#42
○委員(羽仁五郎君) 当面の問題としては、現行法をもつとはつきり規定するという方向にお進みになるんですか。
#43
○会長(高橋英吉君) 衆議院がこれでよければ、文字だけをかえるということにするし、またあまりに衆議院が優越過ぎて是正を要するということになれば、それに從つた改正が必要だということになると思います。
#44
○参議院両院法規委員長(藤井新一君) 田中委員にお聞きしますが、私が質問した問題は、当時その問題が議せられましたか。
#45
○委員(田中耕太郎君) あなたがお見えになる前に、衆議院の優越の問題についてここで話が出ました。しかしこれは藤井君の方は一層その問題については詳しいわけで、二院制度の中においてこれを何とか片をつけるためには、やはりどちらか優越した地位を與えることが必要だという一般的の原理から來るんじやないですか。
#46
○参議院両院法規委員長(藤井新一君) この國会法はあなたが文部大臣であつた当時、その憲法制定当時の直後における制定です。当時あなたは責任の地位におられて……
#47
○委員(田中耕太郎君) 今の解釈問題ですが、全然私はそこまで考えるような機会は與えられませんでした。
#48
○参議院両院法規委員長(藤井新一君) そこで私は、衆議院が優越のようになつているこの議決を取消してもらいたい。勧告するには、一致しないときには衆議院の議決したものを認めるということになると、どうも十三條は死んでしまうから、そういう議決があるというから、そういう議決は取つてしまえば、また新しく問題が起つて來る。
#49
○委員(田中耕太郎君) それは両院制度の根本問題になつて來ると思います。
#50
○委員(大野幸一君) 私は十三條の衆議院の議決したところによるという意味を、衆議院の優越感というところからは考えたくない。というのは、最終の決定というものは、どこかでしなければならない。最終まで不一致で置くわけには行かないのであります。それをどこに求めるか、二者の意見が違つて讓らない場合に、どこに最終の決定権を與えるかということで、衆議院の議決によるということはやむを得ないことであると思うのでありまして、十三條の問題からただちに参議院が劣等視せられたように感ずる必要はないと思うのでありまして、この点について、そうこだわらない方がいいと思います。
#51
○委員(田中耕太郎君) その問題については大野委員のお話の通りで、意見が対立しているからどつちかにきめるという精神から来ていると思います。優越云々は政治的の問題になるわけですから……
#52
○参議院両院法規委員長(藤井新一君) 私もさように考えるので、旧憲法では、天皇の大権によつて会期延長でも何でもできた。決定権が天皇にあつたが、今度はないから、大野さんの言つたようなことになるだろうと思う。
#53
○委員(羽仁五郎君) 優越感とか、劣等感とかいう問題じやないと私は思う。二院を置かれているということの意味、そうして、ことに第二院が本質的な点においては第一院を尊重するが、しかしある場合、割に低いパーセンテージの場合にチェック・アンド・バランスということが意味をなすであろうと思います。ですから、いずれかに決定しなければならないということは、大野委員の言われる通りですが、そのいずれかに決定するということが、大体さつきごく大ざつぱに申し上げたように、六つのうち五つの場合には衆議院がチェック・アンド・バランスをとる、しかし六つのうち一つくらいの場合は、参議院がチェック・アンド・バランスの作用をなすということは、二院制を置かれている意味から考えて、妥当ではないかという意味で、さつき私は申し上げたのであります。
#54
○委員(田中耕太郎君) 羽仁君の言われました両院の関係の点ですが、これは根本問題にさかのぼりますので、衆議院と参議院との間に、ある程度の分業が必要ではないか。たとえばアメリカにおいては、外交問題については上院が優先しているわけです。そういうようなことを分業的に考慮するかいなかは、これは両院制度の根本を研究するときに檢討しなければならない問題ではないか。だから、そういう意味においてのお説は、その際に大いに考慮していいじやないかと思いますけれども、今日はそこまでさかのぼるわけのものではないですから、やはり現在の國会法なり、あるいはさかのぼつて憲法の建前において、どういうふうに始末すべきかということに、言及すべきじやないかと思います。
#55
○委員(角田幸吉君) この際松村さんの御発言の、十一條の最初に國会の会期を定める場合においてのみ、参議院に十三條を適用するように改めて來たという御議論があつたのでありますが、結論的に、私はその御意見には遺憾ながら賛意を表しかねるのであります。もつとも衆議院において一旦十三條によつて、一致しない場合に、何回も何回も現行法で衆議院だけの議決によつて延ばされて行くというような不都合があるようにも考えられることは、法制の上からいつてまことに妥当でないというようにも考えられます。しかし何と申しましても、政党政治下におきましては、衆議院が大体内閣の基礎をなして、國政を運営しているのであります。そこで会期の延長のごとき事項につきましては、あえてこれは先ほど大野委員その他の方々から申された通り、決して優越して申し上げるのではありませんが、その期間をきめてから國政を審議するという職能につきましては、これは一應衆議院の方の権能の上におまかせを願うことが相当であろうと思うのであります。でありますから、最初に会期をきめるその後の延長のときにおきましても、やはりそういう権能につきましては、衆議院の方にその権能を讓られることが相当であろうと思いますので、松村委員のなるべく改正をする必要があるというお考えにつきましては、この際私は賛意を表するものであります。
#56
○委員(松村眞一郎君) 私は修正すべきだという強い意見で申し上げているのではないのでありまして、切めきめる場合とその延長の場合とは、別に考える値打のあるものではないかという意味で、疑問といいますか、問題として提起しておるんです。それはなるべくだらだらにならぬ方がいいではないかという考えから、この実驗から來ているのです。大体の政治の見通していうものをおつけになり、これだけの法律を審議するというようなことがあれば、大体それで一應きめて、また臨時会を召集することはちつとも妨げないんです。なるべくきちきちときめて行こうという思想から來ているので、必ずしも現在の法律をかえなければならぬということから來ているのではありませんから、運用で行けるのではないかと思います。ありま再々延長することをやめて、あらためて開こうじやないかという政治上の工作もできることですから、ただ問題としては、会期延長の場合は先ほどお話がありましたように、会期がぎりぎりになつて衆議院が議決をするというようなことはおやめにならぬと、むしろ逆に法律が必要であるならば、参議院の方で議決をし得る余地のある程度の議決をされないと困るということも、実際問題としては起つて來ると思います。そういうことから申しますと、衆議院が必ず適当なときにあらかじめ議決をするということがもし前提であるならば、実はこの方はもう会期はきまつているのでありますから、その最終の日に議決ができなければ当然延長したものとして、何ら法律上の解釈からいつても、実際上からいつても不都合はないと思う。むしろ延長の場合には、衆議院の方がある程度の時期に参議院が議決のできる程度のゆとりを持つて、議決をされるということの方が必要ではないかと私は思う。
#57
○会長(高橋英吉君) 大体両院の意見が不一致の場合は、両院協議会なんかを開催してやるのが至当なので、会期の問題なども相当重大問題であるから、やるべきであるにかかわらず、これがないのは、結局衆議院なんかが押し迫つて、あと五分とか、十分とかいうときに延長の議決をする場合がたくさん現在の情勢ではありますから、両院協議会を開くいとまがないというような点もおもんぱかつてやつたと思われるんですが、一應現行法の解釈としては、あらゆる場合に、衆議院が延長の議決をした場合にはそれが有効だというふうな建前になつているとすれば、それを一應誤解のないような、疑義の起らないような程度で改正をすることにして、両院関係の調整については、また別個に大きな見地から――こればかりではないのですから、考慮するような勧告をしてもよろしいし、他日の讓るということにしてもよろしいと思いますが、十三條については一應休会の場合と違つて仕事をしようというふうな場合だから、それで仕事をしようという意欲を制限しないというような方向に現行法を解釈して、これを疑義のないように改正しろという勧告にしてはいかがかと思いますが、どうでしようか。
#58
○委員(大野幸一君) 委員長の意見の通り、私はこの十三條の「両議院一致の議決に至らないときは」とあるのを削り「両議院の議決が一致しないとき、又は参議院が議決しないとき」というふうにかえれば、今のところ十分ではないかと思うのであります。
#59
○委員(羽仁五郎君) 今述べられましたような御意見であると、現行法の「両議院一致の議決」ということをむしろはぶいてしまつた方がいいんじやないかと思います。第十一條を「臨時会及び特別会の会期は、衆議院がこれを議決する。」第十三條も「両議院一致の議決に至らないときは、」というのを削つて、「衆議院の議決したところによる。」とする。そうしてもちつとも違わないじやないですか。そういうことだつたら、なぜこんなことを書いてあるのか、單に儀礼的なものであるのか。私はそうは思わない。先ほど申し上げました通り、低いパーセンテージであつても、第二院の存在ということがなければならぬ。そうでなければ、巨大な國費をかけて第二院を維持しているということは、國民に対してまつたく相済まぬことである。それなら私どもは進んで一院制度をしかれた方がいいと思う。今のような御議論であるならば、これを改正するばかりでなく、一院制度をお取りになつたらいい。私はそう思う。ですから、先ほどから申し上げているように、ある程度のことがなければ二院制度を置く必要はない。何のために両院一致の議決とかいうことが書いてあるのか、それでは実質的に無意味ではないか。
#60
○委員(田中耕太郎君) やはりそういう段階があることによつて、衆議院の議決が愼重になる。全然衆議院まかせで、こちらの意見が表面に現われないということと、こちらがやはり議決し得るのだ。できるだけこちらを尊重するというような、その間には、いろいろ話合いもあるでしようし、われわれ法律家から考えてみると、やはりむだなようだけれども、こういうステップをとることは無意味ではないと思う。
#61
○会長(高橋英吉君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#62
○会長(高橋英吉君) 速記を始めて――。それなら國会法第十三條の問題については、いろいろ御意見が出て、ほぼ結論に近いものを得たように思いますが、まだ研究の余地があると思いますから、各自一層研究していただいて、次会に結論を出したいと思います。
#63
○参議院両院法規委員長(藤井新一君) 十三條についてはつきりした精神は、大野委員が言われたんですが、これははつきり申し上げますと、十三條は「前二條の場合において、両議院の議決が一致しないとき、又は参議院が議決しないときは、衆議院の議決したところによる。」こういうように話をもつて行つているんですから、それを了解の上に各派へ持ち帰つて、さらにこの次に御審議をお願いしたいと思います。
#64
○会長(高橋英吉君) 藤井君の述べられたことは、本日の委員会の懇談においてのほぼ一致した結論でありますから、御了解の上に御善処を願いたいと思います。
  ―――――――――――――
#65
○会長(高橋英吉君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#66
○会長(高橋英吉君) 速記を始めて――それでは次会は二十八日午後一時としまして、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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