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#1
第061回国会 文教委員会 第6号
昭和四十四年四月三日(木曜日)
   午前十時二十分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
  四月二日
    辞任         補欠選任
     高山 恒雄君     萩原幽香子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         久保 勘一君
    理 事
                楠  正俊君
                中村喜四郎君
                小林  武君
                安永 英雄君
    委 員
                田村 賢作君
                大松 博文君
                永野 鎮雄君
                平泉  渉君
                二木 謙吾君
                吉江 勝保君
                川村 清一君
                鈴木  力君
                内田 善利君
                萩原幽香子君
                小笠原貞子君
   国務大臣
       文 部 大 臣  坂田 道太君
   政府委員
       北海道開発庁主
       幹        海原 公輝君
       文部大臣官房長  安嶋  彌君
       文部省初等中等
       教育局長     宮地  茂君
       文部省大学学術
       局長       村山 松雄君
       文部省社会教育
       局長       福原 匡彦君
       文部省体育局長  木田  宏君
       文化庁次長    安達 健二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       藤井 直樹君
       文部省社会教育
       局社会教育課長  林部 一二君
       文部省社会教育
       局婦人教育課長  塩 ハマ子君
       農林省農政局参
       事官       中沢 三郎君
       運輸省航空局飛
       行場部長     丸居 幹一君
       郵政省電波管理
       局放送部長    左藤  恵君
       建設大臣官房技
       術参事官     長尾  満君
       自治省財政局地
       方債課長     山本 成美君
   参考人
       財団法人札幌オ
       リンピック冬季
       大会組織委員会
       事務総長     佐藤 朝生君
       日本住宅公団理
       事        稗田  治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (都教組事件についての最高裁判決に関する
 件)
 (文化財保護に関する件)
 (日展に関する件)
 (九州大学長事務取扱の任命に関する件)
 (社会教育審議会の答申に関する件)
 (学校給食に関する件)
 (社会教育に関する件)
○札幌オリンピック冬季大会の準備等のために必
 要な特別措置に関する法律の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久保勘一君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 昨二日、高山恒雄君が委員を辞任され、その補欠として萩原幽香子君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(久保勘一君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 札幌オリンピック冬季大会の準備等のために必要な特別措置に関する法律の一部を改正する法律案審査のため、本日、参考人として、財団法人札幌オリンピック冬季大会組織委員会事務総長佐藤朝生君及び日本住宅公団理事稗田治君の出席を求め、その意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(久保勘一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(久保勘一君) 教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。
 この際、小林君から発言の要求がありますので、これを許します。小林君。
#6
○小林武君 初めに、この問題、時間あまりとりませんが、最初に初中局長にお尋ねいたしますが、初中局長だけで全部わかるかどうかわかりませんけれども、教員組合のストライキに類するもので処分を受けた者、ただしこの場合はどんな形のものであったか、どのぐらいの数あるのか、その点伺いたい。
#7
○政府委員(宮地茂君) ただいまの御質問でございますが、最近ここ一、二年間の問題に限りまして、一応……。
#8
○小林武君 ちょっと質問のあれですけれども、一、二年じゃなしに、とにかく当初からずっとこうやってもらいたい。
#9
○委員長(久保勘一君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#10
○委員長(久保勘一君) 速記起こして。
#11
○政府委員(宮地茂君) それでは、四十一年の十月二十一日スト、四十一年の一〇・二一ストといわれるものは、これは人事院勧告に関連いたしましての完全実施要求といった趣旨のいわゆるストでございますが、その場合の参加者十五万人余りで、懲戒処分を受けました者は六万五千四百六十三人でございます。内訳を簡単に申します。免職が六人、停職三百七十四人、減給五百二十七人、戒告六万四千五百五十六人でございます。公務員法上の懲戒ではございませんが、いわゆる訓告といった種類の者がそのほかに五万四千八百八十七名でございます。あくる年の四十二年のいわゆる一〇・二六スト、このときは参加者が十四万余りでございますが、うち、懲戒処分を受けましたのは二万八千三百四十二人。内訳は、免職はおりませんが、停職が二百十八人、減給が五千六百六人、戒告が二万二千五百十八人でございます。また、公務員法上の懲戒以外のいわゆる訓告等が十万三千五百二十一名でございます。それから昨年のいわゆる一〇・八ストと称されるもの、これの参加者は十六万人余りでございますが、うち懲戒処分を受けました者は四万二千二百三十五人でございまして、内訳は免職三人、停職百五十人、減給一万二千八百二人、戒告二万九千二百八十人、その他訓告等が十万四千五百七十人でございます。
 その他にも、いま申しました四十一年以降ございますが、一応大きいもので待遇改善の要求にからんでいるものは以上のとおりでございます。なお、御趣旨が、もっと詳細な、しかも四十一年以前にわたるものの御要求でございますれば、恐縮でございますが、ただいま手元に資料を持ちあわせませんので、あとから資料として提出させていただきたいと存じます。
#12
○小林武君 資料はあとで出していただくことにして、その四十一年以降訓告まで含めて総計にすれば幾らですか。それはざっと概数でよろしいです。
#13
○政府委員(宮地茂君) いま申しましたもののほかにもございますが、いま申しましたものの一応総計をいたしますと、懲戒処分関係が十三万五、六千名になろうかと思います。それからその他の文書訓告等が二十七万前後であろうかと思います。
#14
○小林武君 初中局長にこれもお尋ねしておきますが、こういう、訓告でも何でもいいですが、私の言う場合には訓告を含めてですが、こういう訓告を受けた者等は、教員生活をする上において、どうでしょうか、学校の中では好ましからざる者という判定を大体受けていると私は考える。したがって、教頭になるとか校長になるとかという場合には、きわめてわれわれから見れば苛酷な、何といいますか、制限を受けている、こう考えるわけです。そのほか昇給延伸とかいろいろな面もあると思いますが、そういう点について、文部省でお調べになったことはございますか。
#15
○政府委員(宮地茂君) いまおっしゃいましたような点につきまして、いろいろ教頭になり校長になりといった、いわゆる昇進につきまして、こういうことがあったためになれなかったとか、なるのがおくれたといったようなことは、ちょっと人事行政上、資料としては、調査としては十分これは把握できない問題だと思います。したがいまして、そういった調査はいたしておりませんが、ただ、こうしたストライキをやって処分を受けた者は、やった行為は好ましくないし、よろしくないから処分をされたわけでございますが、しかしながら教頭になるとか校長になるとかいったようなことは、もちろん本人のその他の勤務状況等総合的に勘案さるべきものでありまして、これがゆえに教頭になるのがおくれたとか、校長になれなかったといったようなことは事実ないとも存じますし、そのような調査もいたしておりません。
#16
○小林武君 まあそばの若い方がいろいろ資料を出されて、それを受けて御答弁になることは、これは私はなにもふしぎでも何でもないと思っております。ただ、宮地さん、あなたは文部省長いですわな。その長いお方がいまのような御答弁なさるというと、これはどうもここだけの答弁であって、真実についてはあなたお隠しになっているのではないか。私は少なくとも、特定の県はありますよ、そういうことを許さないというようなことの力が及ぶところは、かなりそれについてはまともに扱われているでしょうけれども、これはもう非常な大きなあれを一生受けて、たとえ訓告であろうが何であろうがもうたいへんなものだ。私はここで文部大臣にも聞いていただきたいのだが、このごろは校長、教頭の試験というのがあるのですね。そういうものをやるところがあるのです、全部やっておるかどうか私は調べませんけれども。そういうところでもそういう者はもう受ける資格がないというようなそういう扱いをしておるところもある。選択の中に入れてもらえない。だから私は宮地さんがそういうことを御存じないとしたら――もっとも大学学術局や何かにおられて、こっちのほうはわからないとおっしゃるなら、私はどうしても知っておるとは言わないけれども、文部省に省議というものがあったり、人事主管の課長を呼んでいろいろ人事指導についておやりになっておるとすると、私はそんなことは全然耳に入っておらぬ、全然知らぬということをおっしゃるのは、ちょいと私はおかしいと思う。私は信用しません。そういうことはきわめてわずかな例であって、それは知らないのが当然というならともかくだが、日本中の、四十六都道府県の中でどこへ行こうがこういう問題は起こっておる。そういうことをあなたたちが知らないということがおかしい。私に言わせれば、人事の指導についてはそういうふうになさっていると思っておる。実例をあげろというなら私は実例をあげる。それをやってもいい、お互いに。あなたのほうでないならないというあれを出せる自信があるなら出してもらってもけっこうだけれども、まあそのことについてかれこれここでは言わないことにしましょう。時間についてはあまりとらぬことにしてますからね。
 そこで文部大臣にお尋ねをいたしたいわけでありますが、実はきのうの最高裁における大法廷の判決というものは、あの判決にかかわる問題は、私の指令でやった方々である。まあきわめて裁判長の言うことば簡単でありまして、内容については文書をもって出すのでありますから、裁判長の言ったことは語としても十幾つかのことばです。私はその中で、この味もそっけもないようなことばに対してほんとうに胸を突かれるような感じでこれを受け取った。十一年かかっているのですから、これは。その十一年のあれを見て今度いよいよ無罪になった。これは刑事罰に問われた。その指令を出したときには絶対これは正しいという立場からやった、合法であるという立場でやった。しかし、十年のうちに被告の一人は死んで、奥さんがその写真を抱いてきのうの公判に出た。そういうようなことはいまここであなたにかれこれ質問することでございませんけれども、坂田文部大臣にお尋ねしたいのは、この公判の結果について、これから、文教行政のうちでも、あなたたちが違法行為だといって県の教育委員会を指導し、教員組合に対してもあなたたちはさまざまな干渉をしてきたそのことについて、詳細な対策というのはあなたに聞くわけにいかぬでしょうが、この公判のあとを受けて、文教の最高責任者である坂田さん、しかも坂田さんは長い間の文教の委員をなさっておって、日教組問題等については、あなたは相当精通されておる、そういうお立場からいって、今後の文教行政の中に、きのうの裁判がどう一体反映させなければならぬと思ったか。ただ負けて残念だと、そうお考えになったか。その点を私はお伺いしたいわけです。
#17
○国務大臣(坂田道太君) 最高裁判所の判決は、都教組の行ないました争議行為たる勤評反対闘争におきまして、都教組幹部の行ないました争議行為のあおり行為、これは刑事罰の対象とならないということを示すにとどまっておるわけでございまして、判決理由にもございますように、公立学校教職員の争議行為を禁止している地方公務員法の第三十七条第一項の規定は合憲であり、都教組の行なった勤評反対闘争は争議行為に当たるものであって、このような争議行為が正当化されたわけでは決してないと、私はそういうふうに判決があったと思います。文部省は、従来から一斉の休暇闘争等の公立学校教職員の争議行為は地方公務員法に違反する違法行為であり、このような行為に対しては行政上厳正な措置がとられるよう指導してまいっておるところでございますが、今回の最高裁判所の判決によりまして、このような指導も当然なことだというふうに確認をいたしたわけであります。文部省といたしましては、今後とも公立学校教職員の争議行為を防止するよう努力してまいるつもりでございますが、教職員におきましても、この判決の意味を正しく認識をして、次代の国民の教育に支障をもたらす争議行為に走ることのないよう自重を望みたい、かように考えるわけでございます。で、いま申しましたとおりに、この判決というものは、あおり行為というものは刑事罰の対象にはならない、しかし争議行為を禁止しておる地方公務員の規定というものは合憲であるということがその前提にあるというふうに私は思うわけでございます。私は、いやしくも小中高の先生方というものは違法行為をしてならないことは当然なことであります。ただし、この法律に違反するとか違反しないとかいうことはとにかくといたしまして、私は小中高の先生が、日常子供たちと向かい合っておる、教育の場を通じて生活をしておられる、そういう人たちの行為、行動、あるいは言動というものが、どういうふうに子供たちに影響するかということを深く考えなければならない、先生という職分はそういうような職分であるというふうに思うのでありまして、その意味合いにおきまして、単に法律にはかからないから何でもしていいというのではないのであって、高いモラルというものが要請されるものだ、そういうものが先生方の一つの使命であり職分である、かように考えておるわけでありまして、今後教育行政を指導いたしてまいります場合においては、むしろそういう面における先生方の自覚と行動というものをおのおのの先生方がお考えをいただき、また文教行政にある者といたしましても、同時にそのような大事な仕事を預かっておるということにつきましては責任を感じ、このようなことがないように指導をしてまいらなければならない、かように考える次第でございます。それこそが私に与えられた責務であり、国民に対する義務であるというふうに私は考える次第であります。
#18
○小林武君 もう一度あなたに念を押してお尋ねしたいのでありますが、この判決文をあなたお読みになったのかどうか。お読みになったとしたら一体、あおり行為、あおり行為のことだけおっしゃいますけれども、文教の責任者としてそれだけしかこの中からお考えにならなかったのですか。読まれたのですか、判決。どうですか。
#19
○国務大臣(坂田道太君) 一応読みました。
#20
○小林武君 一応読んだらそのことだけでございますか、あなたのおっしゃりたいのは。
#21
○国務大臣(坂田道太君) 御質問の趣旨がそこにあったかと思いますからそういうふうにお答えいたしたわけであります。
#22
○小林武君 私は判決の文章の中にある、少なくとも坂田さんともあろう方であるならば、あなたたちも一つの考え方を持っていままで意見も述べ、主張もされてきたわけですから、そんなことでは困るのです。私がいま聞いているのは、そういうことなんです、全体を通して見てあなたの主張は一体どうであったのか、何かお考えになることはございますか。先ほどの総計を見れば約二十七万という数が出ている、これは昭和四十一年から。その前のものを数えたら一体どういうことになるのか。そうお考えになったときにこの判決文に対してあなたの解釈はそれだけだとしたら、私は情けないと思う。私の聞き方がそこだと思ったからとおっしゃるならば、あなたこれ全般に対してどんなお考えを持っておるか、ひとつ述べてもらいたい。
#23
○国務大臣(坂田道太君) 一番中心になるところはそこだと思います。
#24
○小林武君 全体のあれについて述べてくださいと言っているのですが、わからなければ、わからないと言えばいいのです。
#25
○国務大臣(坂田道太君) 私は本質的なところはそれだけだと思います。
#26
○小林武君 本質的なのはそれだけですか。ほんとうにそれだけですか。
#27
○国務大臣(坂田道太君) 私はそう考えます。
#28
○小林武君 私の考えでは、それではあなた無責任だというような感じがするのですがね。無責任ではありませんか。少なくともそのことだけ言っているのじゃないですよ。この判決文見てください。判決文読んでないですね。それでは私は、そういう答弁をしてもらうということになると、これは長々とやらなければならぬから、全般に対してあなたとして一応この判決文の内容をお読みになって、文部省としてはどういう一体受け取り方をしたかということを聞きたかったのです。私は、談話を見るというと、文部省の談話なんかも、何かその勝ち負けだけ考えたようなことを言っている。これによって行政的処分ができないとは言っていない、これから大いにやりましょうなんという言い方、東京都の教育長の談話を見るというと、いままでやった行政処分というのはこれによって別に間違っていたとは言われないのだと、こんなことを言っておる。私はそういう考え方であなたたちが出るのであるならば、これはもう重大なことだと思うのです。この文章を徹底的に読んで、希望するのは、徹底的に読んで、あなたおっしゃるいわゆる文教行政の最高の責任者として一体どうこれを評価しなければならないかというお考えでなかったらおかしいと思うのですよ。そればたったそれだけのことですか、もう一ぺん念のためにお聞きしておきましょう。
#29
○国務大臣(坂田道太君) やはり判決の一番大事なところはあおり行為というものは刑罰の対象にならないということであって、争議行為を禁止しておる地方公務員の勤評反対闘争は争議行為に当たるものであって、この争議行為というものが何も正当化されておるというふうには私は解釈できないわけでございます。それは確かに私も一応読んだわけでございますから、やっぱりこれが非常に大事な判決でございますから、十分ひとつ慎重に読みまして、また別の機会にでもお尋ねがあればお答えを申し上げたい、かように考える次第であります。
#30
○小林武君 慎重審議してか何か知らぬけれども、お読みにならないようですね、大体。お読みにならない方とお話してもしようがありませんから、それでは御注文申し上げますけれども、ひとつお読みになって文部省の見解というようなものをまとめてください。あなたのおっしゃったのはこの部分の(イ)とか、(口)とかいうただそれだけのことですわ。これはもう最後までの間に、そんなわずかの問題を議論しているのではない、各項目にわたって一体公務員の問題について議論しているわけです。そういうことをほんとうにあなたたちがとらえて、これからの文教行政に当たらなければならぬと私は思うのですよ。自分たちのやったことは責任はないのだわというようなものの考え方に立って防備する気持ちだけでおやりになることは私はたいへんな間違いだと思う。なお、このことについてはまあ冒頭に質問をして、あまり時間をかけないという約束しておるので、お約束できますか、これからそれじゃこれを検討して、各項目にわたってこの次までにあなたのほうの見解を述べられる、そして再度質疑を交わすということに御異議ありませんか、どうでしょう。それがないというなら、それをやるというなら私はこの問題はここで打ち切っておきます。きょうだけは。
#31
○国務大臣(坂田道太君) けっこうでございます。私のほうもできるだけこれを詳細に読みまして、見解を求めるというより私からお話を申し上げたいと思います。
    ―――――――――――――
#32
○委員長(久保勘一君) 札幌オリンピック冬季大会の準備等のために必要な特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を続行いたします。
 なお、政府側から坂田文部大臣、木田体育局長、中島体育局審議官、阿部北海道開発庁企画室長、海原北海道開発庁主幹、藤井大蔵省主計局主計官、丸居運輸省航空局飛行場部長、長尾建設省大臣官房技術参事官、山本自治省地方債課長、参考人として財団法人札幌オリンピック冬季大会組織委員会事務総長佐藤朝生君、以上の方々が出席しております。
 本案について質疑の申し出がございますので、これを許します。川村君。
#33
○川村清一君 私は札幌オリンピック冬季大会をぜひ成功させたいというそういう気持ちを持ちながら、きょう来ていただいた方々に若干の質問を申し上げたいと思います。
 まず最初に、オリンピック組織委員会の事務総長さんにお尋ねをしたいと思うわけでございますが、この札幌オリンピック冬季大会の開催につきまして関係しておる機関がたくさんあるわけでありますが、まず、IOC、それからJOCそれから大会の組織委員会、それから地元札幌市、それから政府、まあ政府機関として文部省、こういう機関がそれぞれどういうような横の関係があるのか。それからそれぞれのその機関はこの大会につきまして責任がそれぞれあると思うわけでございます。その責任の分担でございますが、こういったようなことがどうなっておるのか。と申しますのは、それぞれの関係機関の力が総合的に発揮されなければこの大会は成功しないと、こう思いますものですから、この関係機関のそれぞれの立場、責任の分野、それから横の連絡、こういうような点について御説明をまず願いたいと思います。
#34
○参考人(佐藤朝生君) ただいまの御質問に対してお答えいたします。ただいま御質問にございましたように、オリンピックは開催都市であります札幌市が招致いたしたものでございますが、開催を主催いたしまするのはIOC、国際オリンピック委員会でございまして、そこが日本のオリンピック委員会に開催を委託いたしまして、それからまた、われわれ札幌オリンピック組織委員会にその開催を委託しているわけでございます。それで開催の責任は、オリンピックそのものをやります責任は、われわれ札幌オリンピック組織委員会が大会の準備運営に対する責任を負ってるわけでございます。この組織委員会に、ただいまいろいろお話しのございました国あるいは日本オリンピック委員会、それから北海道、札幌市、それから民間団体、いろいろのものが集まりまして組織委員会が構成されております。もちろん開催そのものにつきましての責任はオリンピック組織委員会が持つものでございますが、東京大会のときにもそうでございましたように、一組織委員会の力でこの大きなオリンピック大会ができるわけではございません。関係各方面、民間の全般的な御協力を得なくてはできないわけでございます。先ほど申し落としましたが、国、道、市、国会、道議会、市議会等、各方面の御協力を得ているわけでございますが、そのために、政府におきましては政府に対策連絡協議会というものができまして、また担当大臣もおつくり願いまして、本日御出席の文部大臣が担当大臣になっておられるわけでございますが、政府側のこれに対する支援対策と申しますか、支援をやっていただいておるわけでございますが、また札幌市、北海道庁におきましても、議会に実行委員会をつくっていただきまして、これに対して支援をしていただいておるわけでございまして、われわれのほうからいろいろなことをお願いいたしまして、札幌オリンピックが円滑にかつ成功裏に終わりますように、いろいろなことをわれわれのほうからお願いしまして、各方面の御協力を得てやっていくというのがわれわれのたてまえだと思っております。
#35
○川村清一君 文部大臣にお尋ねしますが、文部大臣は、政府のこのオリンピック担当大臣でございますし、また組織委員会の委員にも席を置いていらっしゃるわけでございます。そこで、ただいま事務総長のほうからいろいろなお話がございましたが、このオリンピックを成功させるためには政府としても相当の力を入れてもらわなければできないと思うわけでありますが、これについて、政府ではひとつ方針を持たれていると思うわけであります。政府の方針を聞かしていただきたい。
#36
○国務大臣(坂田道太君) とにかく冬季オリンピック大会というのは、アジアで初めてのことでございますし、先般開かれました普通のオリンピック東京大会は、おかげさまで非常に成功裏に終わったわけでございますが、何といたしましても、冬季スポーツというものについては、その種目等につきましても、多少まだ日本になじまない部面がございます。あるいはまあ北海道という一つの地域で行なわれるわけでございますから、よほどの努力をいたさないとうまくまいらないのではないだろうかというふうに考えられるわけでございまして、そういうわけで、政府としましては、責任大臣も任命したものと思います。私、担当大臣といたしまして、もちろん競技場の施設、設備というもの、あるいは選手強化等につきましての計画、あるいはその予算化というものにつきまして努力をしてまいったわけでございますが、単に競技場だとかあるいはその設備であるとかということだけでは、これはなかなかうまくまいりませんし、地元の札幌市の関係者の方々、あるいはまた北海道の知事部局、あるいはまた北海道開発庁との関係あるいはまた建設大臣との関係、この間を、オリンピック組織委員会を中心といたしまして、まとめていかなきゃならない責務が私にあると存じておるわけでございます。したがいまして、予算編成の際におきましても、一応競技場その他については軌道に乗っているようでございますが、地元の冬季オリンピックを開くにつきましての関連事業としての道路であるとか、あるいは飛行場整備の問題、あるいは宿舎等の問題もございますが、そういう関係省庁との連絡を密にし、また予算編成の際におきましても、各方面と緊密な連絡のもとに、先般来申し上げておりまするような予算措置も講じられたというわけでございます。担当大臣でございますから、雪がございますうちに、ちょうど開催されます二月の中旬に、この目で見ると、現在の進捗状況等も見なければならなかったわけでございますが、予算あるいはまた当面の大学の問題がございまして、まだ出かけておりません。しかしながら担当局長を現地に派遣いたしまして、つまびらかに調査もいたさせておるわけでございます。今後機会がございましたならば、ぜひ一ぺん北海道へ参って、現地の状況も見、かつ関係各省庁の御協力をお願いをしたい、かように考えております。また地元の方々の御要望もつまびらかに現地でお聞きをしたい、かように考えておる次第でございます。
#37
○川村清一君 重ねて組織委員会の事務総長にお尋ねいたしますが、先ほどのお話によりますというと、大会の準備万端から、大会運営、すべてが組織委員会が責任を持ってなされるという御説明でございました。したがって一九七二年の大会までに一切の準備を整備しなければならない、競技施設はもちろんのこと、選手村の整備だとか、選手村の整備につきましては、ただいまこの法案として出されておるわけでありますが、関連施設の整備あるいは選手の育成強化対策あるいはこのオリンピックの啓蒙宣伝活動、こういうものを一切なされるわけでありますが、当然こういう事業をなされるとすれば、それには金がついて回るわけでありまして、事業計画をかけられますというと、当然それに必要な経費、予算というものを試算されていると思うわけであります。そこで、現在組織委員会としてこの札幌オリンピックをほんとうにりっぱに成功させるためには一切の所要経費が幾らなのか、これは組織委員会で試算された経費ですが、それをたとえば関連事業では――関連事業でも分ければたくさんありますが、道路なら道路だとか、街路だとか、それは要らないから、その総体、関連事業では幾らか、競技施設では幾らか、選手村の整備では幾らか、選手の育成強化対策費には幾らか、そうしてそのうち国の負担分は幾らか、札幌市、北海道の負担分は幾らか、組織委員会の負担分は幾らか、こういったような所要経費の試算と、それの分担金額、こういうようなものが当然出ていると思うのですが、これをひとつ簡単に――こまかく言われてもあれですが、大づかみに説明していただきたい。
#38
○参考人(佐藤朝生君) お答えいたします。ただいま私が答弁したことに誤解があるといけませんのですが、準備運営は私どもが全責任を持ってやっておりますが、私どものやれる部分とやれない部分とございまして、私どもの開催そのものの費用は私どもがいろいろな方面から金をくめんいたしまして、たとえば国庫補助金をいただいたりしてやりますが、関連事業につきましては関係方面に私のほうからお願いいたしましてやるたてまえをとっておりますので、その点お含みおき願います。
 私のほうの、ただいま数字というお話ございましたので、数字を少し簡単に申し上げたいと存じます。競技施設の整備費が大体のところ九十一億でございます。これは各競技施設によりまして国庫補助金の率が違っておりますし、また市、道の負担も違っておりますが、国の負担がそのうち大体六十九億でございます。地元の負担が十五億でございます。組織委員会の負担が六億でございます。御存じのように、競技施設は国がやっていただきますものと、札幌市がやりますものと、組織委員会がやるものと三つに分かれておりますので、そのおのおのにつきまして国の補助率等も違っておりますので、これは詳しくなりますので省略さしていただきます。
 それから組織委員会そのものの運営費がございます。これは先ほど申しました施設費と合わせまして大体のところ開催年度まで六十数億でございます。組織委員会の経費は大体国と地元と民間と三分の一ずつの負担になっておりますので、その割合でこれが負担されるようになると思います。大体のところを申し上げます。
 それから選手強化の費用のお話ございましたが、私のほうの組織委員会はオリンピック大会そのものを開催いたしますので、実は日本選手の参加という問題については関係しておりません。これは体育協会、日本オリンピック委員会が関係しておりまして、私ども直接は関係しておりませんので、オリンピック関連経費としては言えますけれども、私ども組織委員会の経費ではございませんので、ちょっとこれは略させていただきます。それからそのほかの関連事業の費用でございますが、関連事業はいろいろの計算のしかたもございますが、私ども考えましたのは大体千五、六百億になるのじゃないかと思います。そのうち、道路関係費用がいろいろ承っておりますところによりますと大体五百数十億というふうに承っております。その他空港の費用でありますとか、札幌市でやります下水道とかいろいろな費用合わせまして、それからそのほかの費用を合わせまして千五、六百億になるというふうに聞いておりますが、詳しいこと御必要でございますればまたお話申し上げますが、その中の国庫負担の部分がどのくらいかというお話でございましたが、その点私もあまり詳しく存じませんので、これは関係のほうからお答え願いたいと思います。
#39
○政府委員(木田宏君) いまの関連事業につきましては、それぞれ道路、空港、公共事業の負担区分によって処理されてまいるわけであります。いまちょっとここでその千五百億――これもきわめて大ざっぱな概算でございますので、もしその内訳の国、道、札幌市分の数字ということになりましたら、しばらくちょっと御猶予いただきたいと思います。
#40
○川村清一君 文部大臣にお尋ねしますが、先ほどのお話では担当大臣として、また担当の役所として予算の要求その他の点についても十分努力するといったようなお答えがございました。いまざっと聞いたんですが、相当の経費が必要でございますね。政府の方針がきまり、その方針どおりやるとすればそれだけの予算が必要であると思う。そうしますとこの方針なりまたそれに伴う必要経費といったようなものにつきましてはすでに閣議決定出されておるわけですか、予算の総額等について必要経費は。
#41
○国務大臣(坂田道太君) 私のところで総まとめにしまして、それを全体として閣議で了承するとかというようなものではなくて、私が担当大臣といたしまして関係各省庁それぞれ要求いたしまして、そしてそれを全体でまとめるというような行き方でございます。したがいまして、私のほうの直接の事業、競技場の設備の整備とか、あるいは組織委員会の準備運営とか、あるいはオリンピック村等の建設あるいは選手強化対策あるいは選手強化のための施設設備という問題についてはこれははっきりわかるわけでございますけれども、関連事業としましての、たとえば国及び道、公団でやる道路、街路、空港、下水道というような問題、これは概算はわかっておりますし、それから関連公共事業の札幌市でやりますものと、道路、街路、下水道、公共事業あるいは地域暖房、市庁舎、運搬等、あるいは電電公社の通信施設あるいは資金財団運営費というようなものの概算の額はこれは承知をいたしておりますし、それぞれの部門でことしの概算要求をいたし、それで全般的に各省庁からお聞きをいたしまするとほぼ計画の中にはまった本年度の予算分は獲得できた、こういうふうに聞いておるわけでございまして、ただいまのところは一応順調に進んでおると、かように考えておるわけでございます。
#42
○川村清一君 そうしますと、組織委員会としてはこういうような施設がぜひ必要だ。そうすると、これだけのことをするためには、経費を試算するというと大体これだけ要る。これの関係省庁はここであるということで、組織委員会がその関係省庁のほうにいろいろ折衝をするのか、組織委員会は今度文部省へ持っていって文部省でまとめて文部省から各関係省庁のほうへ話がいって、関係省庁のほうからそれぞれ大蔵のほうに予算を要求するのか。文部大臣の話によりますというと、文部省で全部取りまとめるのかと思いましたら、そうでもないようでございますから、各省庁がそれぞれ大蔵省に対して予算を要求するわけでありますが、各省庁に話を持っていくのはどこが持っていくのですか。組織委員会が持っていくんですか、札幌市が持っていくんですか、どこが持っていくんですか。
#43
○参考人(佐藤朝生君) その点につきましては、私のほうに専門委員会を設けまして、関連施設専門委員会というものを設けまして、そこの結論に基づきまして、組織委員会そのものがその専門委員会の議決を検討いたします。それで決定いたしまして、関係各省に私のほうからお願いするというたてまえをとっております、関係各省のほうでいろいろと予算をとっていただくというようなたてまえをとっております。
#44
○川村清一君 そうすると、組織委員会が関係各省のほうにいろいろとお願いをする、各省は今度はそれぞれ大蔵に対して予算を要求する。その場合に、そうなると文部省はどういう役割りをするんですか。
#45
○国務大臣(坂田道太君) 閣議決定におきまして担当大臣がきまったわけでございますが、関係十六省庁の事務次官のクラスによって構成されております札幌オリンピック冬季大会準備対策協議会というものを総理府に設けまして、そういう競技施設の建設、施工主体の分担、あるいは準備対策のための特別措置法等、あるいはこれらについて連絡調整もはかってまいっておるわけでございます。
#46
○川村清一君 それでは、関連の公共事業で一番大きな仕事を持つのは建設省だと思うんですが、建設省では特に私は道路だと思うんです。そこで建設省にお尋ねしたいのですが、このオリンピック関係の道路整備に必要な資金需要は幾らでございますか。
#47
○説明員(長尾満君) 道路及び街路につきましては、一般道路と一般街路につきましては四百億でございます。それから有料道路が全体事業といたしましては二百三十三億でございますが、オリンピック開催までの暫定供与を考えておりまして現在百六十八億、合計五百六十八億の予算で運営しております。
#48
○川村清一君 この五百六十八億が資金需要経費になるわけでありますが、これはオリンピックのためですからね、オリンピック終わってからももちろんこれは使えるわけですが、とにかくオリンピックまでに間に合わせなければならない道路だと思うんです。そこで、オリンピックということになれば開催は四十七年の二月でございますから、そうしますと、それまでに間に合わせなければならないわけでありますね。そうしますと、四十四年度の予算はことしもうついてしまいましたから、四十五、四十六とありますが、この五百六十八億というものは四十四年も含めてだろうと思いますが、四十四、四十五、四十六でこの予算の年次計画はどういうになっておりますか。
#49
○説明員(長尾満君) 現在までの進捗率は四〇%でございます。
#50
○川村清一君 これ、四十四年でですね。
#51
○説明員(長尾満君) 四十四年を含めまして四〇%でございます。
#52
○川村清一君 いや、私のお聞きしたいのは、四十四年で四〇%ではだめなんです。だめというのは、それだけお聞きしてもだめなんですよ。というのは、オリンピックやる年は四十七年の二月でございますから、四十七年の二月というのは、これは年は四十七年ですけれども予算年度でいうと四十六年度ですから、四十六年度予算でございますから、しかもこれは北海道の冬季ですから、東京オリンピックや万博のように、ちょっとオーバーに言えば、あすからオリンピックが始まる、そこできょうまで何かそこら辺いじくっておってもいいんですよね、道路なんかは。ところが、北海道の冬ですから、そうすると四十七年の二月ということになれば、少なくとも道路工事なんかは四十六年の冬になる前、雪の降る前に終わってしまわなければこれはできないわけです。したがって問題は、四十五年、四十六年とありますが、ほとんど四十五年で完成するぐらいのそういうめどでもって工事を進めなければ私はちょっと困るんじゃないかと思うんです。そこで四十四年度に四〇%はわかりましたから、残りの六〇%の大方を四十五年度に予算をつけてやってもらわなければちょっとぐあいが悪いんじゃないかと思うから、四十五年と四十六年度の予算配分をどういう計画かというお尋ねをしておる。
#53
○説明員(長尾満君) 通常ベースでやります事業が四百億のうち約百二十三億でございまして、これは大体現在五〇%以上進んでおります。ですからオリンピック開催までには十分こなし得るペースでございます。それから緊急に促進しなければならぬ路線がございまして、この分が若干おくれておりまして、この分につきましては四十五年度以降できるだけ努力をいたしまして、オリンピック開催までには支障のないように予算措置並びに事業の実施をいたす所存でございます。
#54
○川村清一君 それは先ほど私が申し上げましたように、四十七年の二月三日開催ということを決定しているわけですから、したがって、道路とかそういうものの整備は四十六年の、雪が降る前にこれが完成してしまわなければ何にもなりませんよということを前提にしてのただいまのお答えであると、こう確認してけっこうですか。
#55
○説明員(長尾満君) はい、そのとおりでけっこうでございます。
#56
○川村清一君 それからもう一点確かめておかなければならないのは、実はそこに並んでおられる方々はあまり北海道の事情をおわかりにならないから、よく御承知ないと思います。ことし一月の末まで全然雪がなかったのです。二月の初めに毎年札幌で雪祭りがある。その雪祭りの前に雪がなくて、雪祭りのいろいろなものをつくるのは、これはたいへんなことでございまして、これはいいか悪いかその批判は別として、実際問題は、自衛隊が何百台というトラックを使って遠くのほうから雪を運んで来て雪像なんかをつくっておったのです。ところが二月に入って二月の初めにどか雪が降ってきた。一ぱいの雪になりまして、札幌市内と言わずあの地帯は全く交通麻痺、途絶、こういう状態なんです。そのことが毎年あるわけじゃないのですけれども、ことし昭和四十四年の二月の初めの現象が、そういう気象条件が四十七年の二月に再度来ますという、ちょうどオリンピックの日にちはきまってしまったんですから、二月三日、この前後にああいうことしのようなどか雪がやってまいりますというと、これは選手から観客から全然会場にもう送り込むこともできなければ、これはもう開会式をおくらせたって、日程が全部狂ってしまうようなことになる。そういうようなことになったら、これまたたいへんなことになるのじゃないかということを三年前から心配しているわけであります。来年のことを言えば鬼が笑うというが、三年のあとのことを心配しているのですから何が笑うかわかりませんが。そこでそういう対策も考えておかなければ困るんじゃないかと私は思います。そこでその除雪対策、雪が降ってもさっと除雪ができて支障がないように機械なんかも整備しておくということが私は必要でないかと思うのですが、この辺どうですか、建設省考えておりますか。
#57
○説明員(長尾満君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、特に除雪につきましては、オリンピック開催に支障のないように万全の対策を検討中でございます。
#58
○川村清一君 この前ちょっと札幌市で聞きましたが、除雪費、機械購入というものをやって、そういうことに大体二十八億ぐらい金かかるというのですが、こういう二十八億という、そういう金額なども、建設省はそれは差しかかえないようにいたしますと、あなたいま御答弁なされましたが、そういうことも頭の中に入れられて私にそういう御答弁されたわけですか。
#59
○説明員(長尾満君) 市町村分につきましては市にやっていただくことになります。建設省でやります直轄事業につきましては十分処置をしてまいりたいと考えております。
#60
○川村清一君 大蔵省参っておりますか。いま建設省のほうからオリンピックの関連公共事業、特に道路の問題について、まあ四十六年までにぜひ五百六十八億、これをやるということを確約されたんですが、大蔵省も御承知ですか、それはここで大蔵省も約束できますか。
#61
○説明員(藤井直樹君) 実は私文部省担当の主計官でございまして、建設省担当の主計官が参っておりませんが、ただいまのような建設省のお話の点は、当然北海道の気象状況、その他の特殊な状況も考えて、これから四十五年度、四十六年度の予算の配分をしていくということになろうかと考えております。
#62
○川村清一君 運輸省おいでになっておられますか。運輸省にちょっとお伺いいたしますがね、札幌市のオリンピックで開会式、閉会式は真駒内でやるわけですが、それから真駒内にスケート競技場とかがありまして、いろいろ選手や観客を送らなければならないわけです。送るための交通機関なんでございますけれども、札幌市では、いまの状態ではちょっとできかねるわけです。そこで大急ぎで、そのために間に合わせて地下鉄道をいま計画しておる、御承知だと思うんです。運輸省に対して地下鉄の申請も出されていると思うわけでございますが、これに対して、運輸省としてはどういうような御見解を持っておられますか。
#63
○説明員(丸居幹一君) 私は実は飛行場を担当いたしております飛行場部長でございますので、そっちのほうの関係は存じておりませんのですが。
#64
○川村清一君 ああそうですか。それでは自治省来ておりますか。札幌市は運輸省に地下鉄の申請をしていろいろお願いすると同時に、これは市だけの力ではとてもできるものではありませんから、当然起債を自治省にお願いに行っていると思うから、自治省は御存じだと思うんです。自治省はどういう御見解を持っておりますか。
#65
○説明員(山本成美君) 札幌市の地下鉄につきましては総事業費が約三百十二億ほどの計画ができております。これの中で、起債が三百三億、ざっと三百四億近い数字でございますが、これが起債の要求額として一応計画の中に札幌市が入れております。それから事業そのものは、もうこの間、御承知のように起工式をいたしまして、すでに発足済みでございます。なお、四十三年度、いまもう四十四年度に入りましたけれども、四十三年度で七億の起債を認めておるわけでございます。以上でございます。
#66
○川村清一君 起債三百三億から三百四億ということになりますとたいへんな起債だと思うんです。四十三年度で七億認めたと、こういうような御答弁ですね。そこで私の聞きたいのは、七億を聞きたいんじゃなくて、その三百億の起債で出なければ札幌市の計画ができないんじゃないか。そこで札幌市の申請しておる起債に対する自治省の御見解をお聞きしたいんです。これは一体見込みがあるのかどうか、これは大事な点ですからね。
#67
○説明員(山本成美君) 自席から失礼いたしますが、四十三年度は年度末近くなりましてやっと事業の発足がきまりましたものですから、七億程度で十分だと思います。なお、三百億程度の起債の、将来の問題でございますが、これは事業全体がどういうふうになりますか、まだ完全な姿としてセットされておりませんのでわかりませんが、起債の措置としては極力確保できるように努力いたしております。
#68
○川村清一君 まあ、これは、三百億の起債というものは事業量が、線路がどこからどこまでの事業に対して三百億を申請されているのか、私は札幌市からよく聞いていないからわからないのですけれども、いまあなたの御答弁から判断して、私の確認としては真駒内までですね、オリンピックの開催のそのときまでに真駒内まではそういう交通を確保するための地下鉄がつく、そういう事業が完成できるだけの、見合う起債というものは自治省としては約束できると、こういうふうに私理解してもいいですか。これは三百億かどうかはわからないですよ、幾らになるかわかりませんけれども、とにかく真駒内までは、将来ずっと延びるのでしょうから、その三百億という起債がどこからどこまでの事業量に対しての起債か私にはわからないのですが、少なくとも真駒内まで、オリンピックまでに地下鉄が行く、その事業に対する起債については自治省は引き受けたとこう約束したと、こういうふうに私は確認してもよろしいかということをお尋ねしているのです、いいですか、それは。
#69
○説明員(山本成美君) 私、地下鉄の担当じゃございませんのでちょっとよくわかりかねるのですが、いずれにいたしましても全体計画三百十二億ほどの札幌市としては計画をいたしておりますので、四十六年度、最終年度と申しますか、オリンピックの開催準備の最終期限であります四十六年度ではそのうち約百二十億程度の事業になっておりますので、相当ピッチを上げて、まあオリンピックに間に合わしたいということで計画はつくられているものとかように思います。
#70
○川村清一君 計画が実現するためにはやはり起債が必要なので、その起債は引き受けられますね。それがだめだということになったらそれは計画立てたって事業はできないわけですよ。そうするとオリンピックに間に合わないわけですよ。だから、東京オリンピックのときにはいろいろ批判もあったしいろいろたいへんなことであったけれども、とにかくあの高速道路を羽田からつくったでしょう。間に合わせてつくったでしょう、ずいぶん無理をやってつくったでしょう。ああいうふうにオリンピックまでに札幌市の地下鉄は会場まで行くように事業をやらなければならぬ、そのためには起債を認めてもらわなければできない、その点は認めていただけますね。
#71
○説明員(山本成美君) 地元の出しております三百十二億の費用ができますように十分極力努力いたしたいと思います。
#72
○川村清一君 それでは運輸省に空港のほうを聞きたいのですよ、あなた空港専門だそうですから。
 それで、千歳空港それから札幌市の丘珠空港、特に千歳空港でございますね、外国からたくさん選手も来るわけですが外国から来る選手については、組織委員会としてはどういうふうにお考えになっているのですか、一回羽田へおりて羽田から札幌へ行くということになるのですか、直接もう千歳、札幌へ飛んでいくという、どういうふうにお考えなのですか、組織委員会としては。
#73
○参考人(佐藤朝生君) 組織委員会といたしましては、いろいろ会議を開きまして検討いたしました結果、やはりお話しのとおり直接千歳でおりてもらったほうが非常にわれれわとしても便利がいい、選手のコンディションなんかについてもそのほうがいいんじゃないかというふうに考えまして、千歳に国際線が直接乗り入れるような施設をつくってほしいという要望をいたしておるわけでございます。
#74
○川村清一君 運輸省ですね、そこで、いま組織委員会の事務総長さんが言われたような、そういう考えのもとに千歳空港を整備されると、こういう御計画ですか。
#75
○説明員(丸居幹一君) そのとおりでございます。ちょっと内容を申し上げますと、現在、千歳空港の滑走路は二千七百メートルしかございません。国際線を直接乗り入れるということになりますと、どうしてもやっぱり三千メートルの滑走路が必要となります。三千メートルをこちらのほうで延長することにいたしておりまして、四十六年の、先生のおっしゃいました十月ごろまでには滑走路、エプロンそれからその他ILS等の空港保安施設全部を完了したいというふうに考えておりまして、本年度も四億あまり用地買収等の予算も認めていただいております。用地買収だけじゃございません。まず誘導路とかエプロンとか、先生おっしゃいましたように北海道はなかなか工事が雪がありますと、困難でございまして、できるところから、またそれから現在でもそういうことをやりたいところもございますので、そういうところも含めてやる予定で四億あまりの予算を四十四年度で認めていただいております。
#76
○川村清一君 それから、あなたにお尋ねすることは無理かと思うのですけれども、御承知のように、千歳空港というのは航空自衛隊と併用で使っておるわけですね。それで、国際空港ということになって滑走路がもっと延びていくといったようなことでもっと飛行機の発着陸もひんぱんになるといったようなことになってまいりますれば、いまのような自衛隊と共同で使うといったような、ああいうことで一体いいのですか。その辺はあなたに聞くのは無理かもしれないけれども、運輸省としては、そういうことを運輸省の航空何とかいう担当の部局において検討されて当然しかるべきだと思うのですが、そういうことを検討しておりますか、どうですか。
#77
○説明員(丸居幹一君) 千歳を正規の国際空港にしたらどうかという話は承っております。それからもう一つは、自衛隊と飛行場を分離してつくったらどうかという話も聞いておるわけでございますけれども、それにつきましては、目下いろいろ検討いたしております最中でございまして、まだ結論が実は出ておりませんです。いま先生おっしゃった国際空港の問題というのは、やはり長く恒常的にそこで国際線が発着するという形態ができることが先決問題だと思いますけれども、いまわれわれが考えております、国際線が入るような施設にするというつもりでいたしておりますけれども、あくまでもオリンピックを受け入れるために施設は恒常的なものになりますけれども、ただ、その施設の中でもターミナルビルの中で、税関とかあるいは検疫とか入管とか、そういったものの施設は臨時の施設にしておきたいというふうに考えておるような状態でございまして、やはり国際空港になるためには、どうしても恒常的に国際線が入ってくるという状態が先に出なきゃちょっとぐあいが悪いんじゃないかというふうに思っております。
#78
○川村清一君 丘珠空港に対しましては別段何も考えておらないですか。
#79
○説明員(丸居幹一君) 丘珠空港につきましても、千五百メートル程度まで滑走路の延長をしたい。それから当然丘珠空港も、千歳空港ほどではありますまいけれども、オリンピックになるとかなり飛行機の発着がひんぱんになると思いますので、エプロンあたりは、いまの状態では足らぬと思っておりますのでこれを増強する予定でおりまして、用地の買収等も必要になるところがございますが、今年度予算にそれを組み入れてございます。したがいまして、オリンピック対策としては、われわれとしましては、千歳空港と丘珠空港の拡充と、二つの飛行場を取り上げるつもりにしております。
#80
○川村清一君 大蔵省のほうにお尋ねしたいのですが、お聞きになったように、私はただいままでこの競技施設の整備の問題であるとか、関連公共事業についていろいろ関係省庁からお尋ねをしたわけであります。それぞれ計画をお聞きしましたが、要は、大蔵省が予算の査定の段階でぜひひとつこれは予算をつけてもらわなければできないわけでありまして、各省庁の考えどおりひとつぜひやってもらいたいと、こう思うのです。そこで大蔵省にお考えを聞きたいのですが、特に私はここで強調しておきたいことは、先ほども申し上げたのですが、昭和四十七年の二月の三日から始まるわけであります。したがって、その予算年度は昭和四十六年度の予算の中においてもうオリンピックは始まるわけであります。したがって、予算は四十五年、四十六年で全部これをつけてもらわなければならない、こういう一つの条件がある。それからもう一つは、これは言うまでもなく本州のほうの気象条件と全く違うのでありまして、冬になると仕事ができないわけであります。もう雪が完全に解けるのが五月、仕事が始まるのが五月、十一月になるともう仕事は大体できませんから、五月から十一月くらいまでの間に仕事をやってしまわなければならない、こういう非常に条件がきびしいわけでありますから、その点を十分配慮をしてもらわなければならない。そこで四十五年、四十六年でありますけれども、重点的には四十五年度につけてもらわなければこれは仕事がおそくなるということ、この点を十分これは考えてもらわなければならない。それから私もこれはやった以上はりっぱにやりたいし、日本の選手にも勝ってもらいたい。国旗をあげるあげないは別としてこれはやっぱり勝ってもらいたい。勝つためにはやっぱり練習せねばならぬ。そこで今回は勝つ条件あると思います。なぜかならばこれはホームグラウンドですから。そこで競技の施設なんかも、たとえばこの間のどなたかのお話によるというとジャンプなんか有望だというのですから、ジャンプ台なんかは早くつくって、そうしてそのジャンプ台で一生懸命何回も練習していればそれは初めて飛ぶ選手よりこれはもう有利であることはきまっていることであって、早くつくってそしてうんと練習するように、こうしてもらいたいのです。それから私は見たこともないのですが、何か初めてやる競技があるのですね。そりのボブスレーとかリュージュとかなんとかあるわけですね。これは初めての競技ですね。こんなものをこれはつくってすぐやるなんといってもこれはとてもやれるものでもないから、これはもうことしじゅうにつくって、そうしてもうことしの冬から来年びっしり練習して、日本の選手もあまり笑われないような、優勝しなくても笑われないくらいやはりやってもらわなければいかぬと思うのです、せっかくたくさんの金を出すのですから。そうすると金を生かして使うためにはおそくやらぬで、四十五年度で大体もうでき上がるというくらいの気持ちでもって予算をつけてもらって馬力をかけてもらわなければ私はいかぬと思うのです。そこで大蔵省に聞きたいのです。心得た、承知したと胸を張ってここで答弁してもらいたい。
#81
○説明員(藤井直樹君) 冬季オリンピック大会は開催期日がきまっております国際的行事でございます。それから北海道の気象状況という特殊な条件もございますので、四十四年度予算におきましてもその線で予算措置を十分講じたと私ども考えております。それから四十五年度、四十六年度につきましても、いまおっしゃったような線で善処してまいりたいと考えております。
#82
○政府委員(木田宏君) いま御指摘になりました選手強化の問題、事前にできるだけの準備をするという点もございまして、選手強化のためのことも考慮しながら、すでに練習会場といたしまして苫小牧にはスピードスケート場、小樽には九十メートルのジャンプ台、これはオリンピックとの関連でございますけれども、事後のことも考慮して四十二年度において国庫補助を認めていただきまして、すでに完成し、使用している段階にまで来ておるわけでございます。選手強化対策につきましても、本年度からボブスレー、リュージュの講習を、一般の普及もかねて進める段階にまいりました。また、いろいろな御指摘、御心配をいただいております競技施設も、主たる競技施設につきましては大体四十五年中に使用可能の状態にまで持っていって、前年度のプレオリンピックにその大部分は使用できるようにしたいということで、大蔵当局といままでも御相談申し上げてきておりますので、今後一そう御指摘の点等考慮しながら注意をしてまいりたいというふうに考えております。
#83
○川村清一君 最後に、北海道開発庁にお尋ねします。
 実は私が北海道の道会議員をやっておった時代に、このオリンピックがきまったわけでありますが、最初われわれ社会党は札幌市で冬季オリンピック大会をやることは反対をしたのです。なぜ反対したかといいますと、北海道は本州府県と違って未開発地域である、札幌市はこれはもう北海道の中央であり、ずば抜けて開発が進み、発達しているわけであります。御承知のとおり、北海道の総人口が五百五十万程度であって、札幌市に約百万の人口があるわけですから、約二割の人口が札幌市に集まっていることになります。そうして北海道の面積というものは東北六県と新潟県をあわせたくらいの面積ですから、こういう広大な地域に人口が希薄なんですから、したがって、未開発地域がたくさんあるわけですよ。そこでこの未開発地域の開発を促進してもらいたい。それがオリンピックをやることによって、膨大な公共事業費などの投資がオリンピックにみなつぎ込まれてしまって、そのために他の地域の開発が犠牲にされるようなことがあってはたいへんだと、こういうふうなことで実はわれわれ社会党はこれは反対をしておったのです。しかし、これは皆さんがやるということできまったわけですから、きまった以上はこれはできるだけ協力してりっぱな大会にして成功させなければならない、そういう気持ちでいるわけです。そこで開発庁にぜひこれは言っておいて、十分注意してもらわなければならないのは、御承知のように、北海道総合開発第二期計画のいま実施中なんです。この総合計画を策定したときには札幌オリンピックという計画は出てきておらないわけです。そこで第二期計画ができて、この計画を実施中に札幌オリンピックが行なわれることになったわけです。そこで総合開発第二期計画の総事業量というものはこれは決定をしているわけですね。それの完全遂行というものを広く道民は期待しているわけです。そこで私が先ほどからいろいろお尋ねしまして、各省庁の御見解等も承りましたが、相当の金が要るわけであります。大蔵省にもぜひこれは出してもらいたいということを強く要望したのです。しかし、これが北海道開発予算に影響しまして、このために他の地域の開発、他の地域の道路の開発であるとか、その他の開発に支障を来たすようなことがあったらこれはたいへんなことであって、もう多くの道民は非常な迷惑を受けるわけであります。したがって、開発庁としましては、この予算の要求等に当たりましては、オリンピック予算というものは別ワクにして、そうして他の地域の開発計画に絶対支障を来たさない、こういうかたい考えのもとにこの予算計画なり予算要求をしてもらわなければならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。この点を強く要望しますので、御見解をひとつここで明確にしておいていただきたいと思います。
#84
○政府委員(海原公輝君) オリンピック関連公共事業に伴いまして、御指摘は道央集中になるのじゃないか、それが第二次総合開発計画との関連において一体そういうことでいいのかどうかということかと思いますが、道路、空港等のオリンピック関連公共施設の整備につきまして、これは先生もおっしゃいましたように、大会がきまりました以上、大会開催上支障のないように十分配慮することが必要であるということは申すまでもないことかと思いますが、同時にこれらの施設整備は、長期的に見まして北海道開発に資することを十分配慮して実施する所存でございます。先ほど来、道路の数字につきまして四百億というお話がございましたが、これとてもいろいろくくり方がございまして、ほんとうといいますか、どうしてもオリンピック大会を札幌に招致したことによって生ずるというものは四十億程度でございます。で、それ以外のものにつきましては、従来われわれが策定しております開発計画、それに基づきます既定計画に含まれているものであります。したがいまして、他地域の道路整備に支障が生ずるようなことはないとわれわれどもは思っております。若干それますが、こういうことによって道路についても地方の部分について配慮すべきであるという御指摘はごもっともだと思いまして、私どもといたしましても産業開発道路といたしまして天塩−稚内線を今度新規にお認めいただいたような状況でございまして、今後ともそういった地域開発、特に僻遠の地というものにつきましても、先生御指摘の点を含めまして十分前向きに対処していきたい、かように考えております。
#85
○小林武君 簡単に二つの問題をお尋ねします。これは文部大臣にお尋ねいたしますが、万国博についてはたいへん努力が払われておる、こういうことを、まあこれはひが目かどうか知りませんけれども、感ずるわけであります。ただいまも川村委員からお話がございましたように、北海道の開催についてはやはり財政的な面からもその負担にたえ得るかどうかということについてはやはり意見がございましたし、それから札幌市民の全部の意見を聞いたわけではございませんけれども、市民の声の中には、りっぱなオリンピックというのはどういうことだろうというようなことを、りっぱなオリンピックをやりたいという気持ちはみんな市民持っている。しかし、りっぱなオリンピックという名前にかこつけてただけばけばしくやるというようなことで、あとに札幌市民がそのしわ寄せを受けるようなことではまずいというようなやっぱり批判も持っているし、警戒もしておるわけです。でありますから、どうなんでしょう、万国博は近いから非常に精力的に行なわれているということもあるし、もう一つは、やはり財界、経済界に非常にかかわりのある仕事だと思うのですがね。この資金面などについて閣内におけるところの政府としての心配の点というものは、オリンピックに関する限りはないのでございましょうか、どうですか。
#86
○国務大臣(坂田道太君) 私、担当大臣になりましてから実は非常に心配をしておったわけでございますが、私の直接関係の競技施設設備等については大体順調に進んでおるようだと、しかし関連の、特にいま御質問がございました道路等について、はたしてその計画どおりにいくだろうか、しかもその背景としましては大阪の万博であるとかあるいは東京のオリンピックの際のように、一年じゅう工事がずっと続いて、突貫工事でやれるという地域ではない。ほとんど五ヵ月ぐらいしか仕事にならないんだ。言うならば、大阪やあるいは東京あたりでは、一年もまるっきり使ってやれるんですけれども、半年しか使えないということは、結局二年前にやらなきゃいかぬというぐらいの意気込みでやらなきゃならぬ。その点について、関連事業のほうについて多少ネックがあるし、心配がある。したがって、仰せにございましたように、冬季オリンピックをやることによって、既定の北海道の開発の年次計画というものが削減されるようなことがあっては困るという地元のお考えもございますし、あるいは札幌市等におきましても、自分の起債等、結局これは支払わなきゃならぬわけでございますが、その辺の御心配に対して、われわれが確固として、そういうことは御心配要らぬようにちゃんと措置しますというようなことをやらなきゃいかぬのじゃないか。それから、先ほどここへ参って、皆さん方の御質問を聞いておりましても、お役所の仕事というものが、担当課、局――同じ省でございましても担当局、担当局でも課が分かれておると、もうわからないとかいうようなことがございます。いわんや各省庁間におきましては、なかなかその辺が国民の側から見ると歯がゆい面もあるわけなんで、そういう意味において、私はやはり担当大臣として連絡調整というものをしっかりやって、そして地元の御要望にもこたえる体制をまず整えなきゃならぬのじゃないかというような意味で、私を担当大臣にされたと思うのでございます。そういう意味合いにおきまして、予算面についても十分配慮を払いながらやったわけでございますが、各省庁からお聞きをいたしますると、御心配の点もございますけれども、しかし一応のところはほぼ順調に進んでおるというように御理解をいただきたいというふうに思います。私はまあ万博は非常に大きい仕事であり、また意義ある仕事である、また札幌はそうじゃないというような認識は全然持っておりませんし、札幌オリンピックというものの意義というものを、むしろやはり国民に周知させるあるいはPRさせる、そうして国民のコンセンサスのもとにおいて、こういう競技がフェアに行なわれるということを望んでおるわけでございまして、いたずらに華美にわたったり、あるいははでにしたりということとは意味が違うというふうに私は考えておる次第でございます。
#87
○小林武君 何といっても、やはりオリンピックといっても、冬季の場合はやはりある程度競技人口の面からも、参加の数、その他のいろんな面から見ましても、かつて開かれた夏の大会とはこれは多少違いますから、そういう点もございまして、できるだけ北海道としてもりっぱにやりたいという気持ちには劣らないでしょうけれども、また一面の心配もあると思うのです。特に資金面のことになりますと、これは組織委員会等でも御尽力いただいていると思いますけれども、経済力ということから言えば、北海道というのは何といっても僻地の僻地でありますから、一そうの御努力をいただきまして、どうぞひとつ道民が心配していることで、やりたいが心配もあるという、そういうあれを一掃していただきたい、これは御希望申し上げておきます。
 もう一つ、お伺いしたいことは、これは日本の国民の体力については、この間、何か大使も外国で、たいへん劣っていることを強調されて、まことに男性、女性ともに魅力がないということになったらしいようでございますけれども、確かに私どもそういうこととは別にして、国民の体力の問題、健康の問題ということになりますと、何といってもやはり基幹になるのは、学校教育の中における体育というのは、出発点として重視されなきやならぬと思うのです。そういう意味で、私もさっき川村委員からお話になったように、参加すればいいというだけでは、やはりこれはそう簡単に片づけられる問題じゃないと思うのです。これはやはり国民の何と言いますか、一つの気慨と言いますか、気風というようなもの、発展的な一つの意欲というようなものにもやはり影響するわけです。その角度からとらえたものの考え方もやはり多少ないと、ただ、もう出ればいいのだというようなことでも、あまりむざんなことをやると、これはやらぬほうがいいというようなことになってしまうから、これは普通のあれと違いますから、オリンピックとなると。そういうところに御苦心があると思います。私も非常に努力なされてけっこうだと思います。そういうことについて文部省に対してやはりいろんな注文が出た。あまりいままでの少年の体育について制限が多過ぎた、もう少し競技に参加するということに、自由を与えていいのではないかということのあれだと思います。希望が体育協会その他からも出たし、いろんな意見もあったと思いますが、私も学校の教師をやっておりましたから、そういうことについてあまり干渉も何ですけれども、しかし、同時にまた、学校体育というような、いわゆる学校の教育としての体育というようなものが、全く乱されてしまうような、野放図もないやり方というのも、これもまた何かはなやかな体育だけが盛んになったけれども、最後に残ったものはまことに妙なことになった。選手くずれみたいな者ばかりたくさん出てきたというようなことであっては、これは私は問題にならぬと思う。そこの締まりというものはやはり多少あっていいのではないか、こう思うわけでありますが、これは局長並びに審議官が御意見あったら承りたいのでありますけれども、今後のあれについてもいままでとひとつ変えていこうというようなことが、その面について体育協会等の希望、それに対して文部省としてはやるべきことはやるが、注意を要する点は、こういう点について注意を要すると思っているとか、そういう意見をやはり聞かせてもらいたいということが一つ。それからもう一つですが、私は冬季の競技は、どの競技を見ましてもこれは観客と言ったら悪いかもしれないけれども、これは見るほうの側から言うとちょっと問題が多いわけですわ。大倉シャンツェに行きましても、これは靴をはいたままほこぽこ行くわけになかなかいままでいかなかった。今度はいろいろまあ施設はあるでしょうけれども、できるだけぼくは若い人に、それから子供たちに見せたい。これも札幌周辺だけというようなことでなくて、北海道で言えば僻陬の地に当たるところに相当スケートなんかでも盛んになってまいりまして、そしてごらんになればわかりますが、たとえば高等学校の大会なんか見ましても、これはどこの土地の一体選手かなと思うようなところから、案外将来性のあるのが出てきているというようなことを見ますというと、今度のオリンピックを中心にして、そういう面の配慮というのは何か計画されているのかどうか。これはひとり北海道だけのことを言うわけじゃありませんけれども、たとえば東北その他関係の深いところもそうですけれども、できるならばそういう施設の面においても、それから計画の面においてもしてもらいたいという気持ちがあるのです。それについて御計画があったらまたお漏らし願いたいし、またなかったらひとつ大いにこれからかなり時間のあることでございますからお考えを願いたいと思う。これだけの質問をしたいと思います。どうぞひとつ簡単でけっこうですから御答弁願いたい。
#88
○政府委員(木田宏君) 関係者の方々に御相談申し上げているところでありますが、結局、今度の札幌冬季オリンピックを日本に招致することによりまして、その機会にできるだけ日本の選手がいい成績をあげる、いい成績をあげるということは、やはりその後に、冬季スポーツにつきましての日本の若い者の関心を高め、それをほんとうに地についたものにして普及さしていくというところをねらうものであります。したがいまして、先ほどもちょっと御説明を申し上げましたけれども、練習場としてすでに準備をした屋内パイピング・リンクあるいはジャンプ台等をつくってまいりましたが、このオリンピックの対策費の中で、大型ジャンプ台でありますとか、中型の、小型のジャンプ台、二十メートルと四十メートル程度のものを五台予算で補助してまいりますとか、あるいはパイピング・スケートリンクにつきましても、北海道以外の地域も含めまして補助をするというような態勢をすでにとっております。これはパイピング・スケートリンクのほうは、年に一ヵ所ずつでございますが、四十三年度でも補助し、四十四年度もまた補助をいたすことにいたしておるわけでございます。御指摘がありましたように、特にスケートなどは、屋内のスケートリンクがパイピング施設によりましてかなり各地に普及するようになってまいりまして、国体に集まってまいりますスケートの選手も、驚くほど、こういうあったかいところからこんなにたくさん参加があるかと思うような状態に広がってきておる時期でございますので、この札幌オリンピックの大会を一つの起点にして、その後における冬季スポーツの普及を広くはかっていくという姿勢はこの予算の中でもとってまいりたいと思います。
 なお、それに関連いたしまして、冒頭に、学校体育のワクと、それからそのワクを越えた活動というものをどう考えるかという御指摘がございました。いままで従来からの経緯のあったことと思いますけれども、やはり若い者に対する体育の普及ということの中心を学校に求めてやってきたわけでございまして、これはあくまでも基本になるべきこととは思いますけれども、多くの競技種目におきまして、学校を卒業した者あるいは学校外の活動の中でのスポーツの振興をはかっていくという必要が強く感じられております。また、その力をみんなが持ち得るような段階にだんだん進んでまいっております。したがいまして、国体あるいはオリンピックというような競技の機会に、学校体育の外ででも、青少年に対しまして、できるだけ体育の、スポーツの機会を与えていくという方向に向けていきたい。ただ、それが学校の教育を乱すことがあってはいけないというのは御指摘のとおりでございまして、そのバランスを考えながら、学校体育以外に、青少年につきましても、あるいは一般市民につきましても、体育とスポーツの普及をはかるということをこれからの私どもの施策の方向にしていきたいというふうに考えております。
 先般、新聞に出ておりました学童の対外競技の取り扱いの是正につきましても、そのような意味をもちまして、前進的に現在なすべき措置を審議会に御相談申し上げておりますので、各方面の御意見も十分に踏み固めながら一歩々々進めてまいりたいと思っております。
 なお、この資金の問題についていろいろと御心配いただいておりますが、実はオリンピックの資金で、大臣から御答弁申し上げましたように、公共施設に関しますものにつきましては、国のほうで何とか努力をしていけばいけるという気がしておるのでございますけれども、実際にオリンピックの競技そのものを運営していきます場合に、組織委員会の活動、あるいは事前の選手対策その他でどうしても必要な運営資金が要ります。この運営資金を約二十七億ほどオリンピック資金財団の募金に依存しておるのでございます。これはそこで使ってしまう金でございまして、どうも政府その他の公費でまかないにくい経費でございます。したがって、いま御審議をいただいております法律案の母法の特別措置も講じまして、いろいろな募金の方法を進めておるところでございますが、これは相手のある仕事でございまして、なかなかこちらの一人合点のようにうまく金が集まってまいりません。現在の段階ではそのことを多少気にしておりますが、いろいろと御支援をいただきまして十分努力をしてみたいと考えております。
#89
○説明員(中島茂君) 学童諸君のオリンピック観覧につきましてはまだ計画は立っておりませんが、ここにおられます総長を中心にして、東京大会に行ないましたような団体入場、あるいはそれに類するような特別な措置を講じまして、きわめて低廉な入場料で、そうして安全に見られるような方法を東京大会のときにとりましたので、そういうような方向で組織委員会にも研究していただき、私たち文部省としてもそれを強く要望する所存でございます。
 なお、それから聖火リレー等の行事等につきましてもまだコンクリートしておりません段階でございますが、これらについても青少年、特に学童の観覧、あるいは中学校以上の人の聖火リレー参加というようなことも、教育の支障のない範囲内で十分考えていくべきだと、かように考えております。
#90
○小笠原貞子君 組織委員会のほうにお伺いしたいと思います。
 私たち日本共産党といたしましても、オリンピックの問題についてはいろいろな点が問題にならなければならないと考えるわけなんですけれども、全体から見るならば、オリンピックは民族の友好の場となり、国際的な視野を広めることができるわけですから、またスポーツの振興というような点から考えても、これは意義があることです。そういうわけで、四十二年度に制定されました札幌オリンピック冬季大会特別措置の法案にも賛成したわけなんです。今度の一部改正の法律案についても当然賛成していきたいと、こう思うのですけれども、賛成するからにはやはりそれなりの責任というものを感じているわけでございまして、そういうところから考えてみますと、特にいろいろの施設その他の点を言われましたけれども、これに直接関係しております選手村とプレスハウスの件でございますね、この件について具体的にお伺いしていきたいと思うのです。
 選手村とプレスハウスの構想はどういう構想をお持ちで、その構想がどういうふうにきまっているのか、まだ構想だけにとどまっているのか、そうしてその構想について具体的には一体どの程度進捗しているというのか、その辺のところがまだ私のほうにはわかりませんので、お答えをいただきたいと思います。
#91
○参考人(佐藤朝生君) お話しのオリンピック村とプレスセンターというものの計画でございますが、われわれオリンピック委員会といたしまして、中のオリンピック村小委員会におきましていろいろと研究いたしまして、今度来たるべきオリンピックに参ります選手を一応二千三百人と見まして、これを収容いたしまする村――これはベルリン大会以降一つのところに収容して国際親善をはかるという方針になっておりますので、その方針に基づきまして、いろいろと研究いたしまして、北海道の警察学校のあとに、住宅公団にお願いいたしまして、家を建てまして、そこをオリンピック後は一般道民、市民に開放するという計画のもとに住宅公団にお願いしているわけでございまして、そこに二千三百人の選手を入れまして、そこで一緒に起居をともにいたしまして国際親善をはかるという計画でおります。またプレスセンター並びにプレスハウス――プレスセンターと申しますのは、まいりますいろいろな報道人が仕事をするとろこでございます。プレスハウスはその報道人の泊まります、宿泊する場所でございます。外国人のプレスマンが、だんだんと最近の大会におきましては、テレビの発達、また報道機関の非常な発達によりまして、非常にたくさんな報道関係者が、グルノーブルの大会におきましても、また昨年のメキシコ大会においても参ったわけでございまして、今度の札幌大会におきましても外国人並びに日本人のプレスもたくさん札幌に集まるかと思います。こういう人のために、外国人プレスマンの方、千八百名ぐらいくるのじゃないかという一応の目算を立てたわけでございますが、その宿泊施設につきましても、その規模、構造につきましては、住宅公団と組織委員会でいろいろと検討中でございますが、オリンピック村に準じた構造で建設していただきたいというふうに考えております。またプレスセンターにつきましては、初めは開会式、閉会式の行なわれます真駒内地区に、大会時に、近くできます中学校を予定しておりましたけれども、その後道におきまして青少年会館をつくられる計画ができました。それがちょうどオリンピック前にできるというような計画で最近進んでおられるような経過でございますので、それをオリンピックのときにプレスセンターに使わしていただきたいというような計画で目下進んでおりまして、現在のところ、プレスハウス並びにオリンピック村の計画はそういうことでございます。それによりまして今回提出してあります法律案のように、住宅公団からお借りをするというようになるのではないかと思っております。
#92
○小笠原貞子君 この前の委員会のときの議事録を拝見さしていただきましても、いまと同じようなお答えをしていらっしゃるわけなんです。この間のところでは千二百五十戸程度を予想しておりまして、3DKで約十九棟ぐらいのものを建てるというふうにおっしゃっていますが、まだ詳細の計画が立っていないと、こういうふうに言われているわけなんですね。いまいろいろと構想をお述べになって、計画中と言われました。もちろん計画なさるのは当然だと思うのですけれども、この計画がどの程度具体的になっているのかということを、私質問させていただいたわけなんですけれども、いままでですと、組織委員会としてはこういうのをつくりたい、大きさはこういうようなもので十九棟ぐらいつくりたい。非常に構想としては、組織委員会として希望的に構想をお述べになっていらっしゃるけれども、その希望的にお述べになった構想が、それじゃその小委員会で具体的にきまったのか、まだきまらない段階なのかというところなんですがね。
#93
○参考人(佐藤朝生君) お答えいたしますが、その点につきましては、最近のオリンピック村小委員会におきまして、大体の、いまごらんになりました議事録にありますような計画で建物の配置図をつくりまして、それで一応の基本計画の配置図ができまして、それをまた、われわれのほうのいろいろな意見でありますとか、各方面の意見を入れましてその配置図を直したりいたしまして、これから具体的な、ほんとうの具体的なプランができるという段階でございまして、いろいろ建設省、住宅公団にお願いしましてやっておりますが、高層住宅のほかは四十五年度からつくり始めれば大体間に合います。高層住宅の分だけことしから手をつけなければ間に合わないという状態でございますので、まず高層住宅をつくってもらう分がまずほんとうに確定すればいいというような段階でございます。以上申し上げます。
#94
○小笠原貞子君 大体いつごろそれは確定になるわけですか。
#95
○参考人(佐藤朝生君) お答えいたします。これは住宅公団と十分打ち合わせてやりますが、もう近くこの二、三ヵ月のうちに大体の場所がきまって、内定して、それから設計にかかるだろうと思います。二、三ヵ月中にきまるだろうと思っております。
#96
○小笠原貞子君 それじゃその組織委員会で具体化されるときには、もう住宅公団のほうとも御相談になりながら、なさるときまったものについては、それじゃそのまま住宅公団はそれを実施すると、こういう形になるわけでございますか。
#97
○参考人(佐藤朝生君) オリンピック村小委員会に、住宅公団のほうの関係の方々にもみな入っていただいておりますので、そこで一緒に御相談しながらやっていくつもりでございます。
#98
○小笠原貞子君 先ほど言いましたように、オリンピックの問題というのは、一定の役割りがあると、こう言ったわけですけれども、それはオリンピック大会当時そのものだけの成果じゃなくて、やっぱり大会までの準備の中で、先ほど言ったような、スポーツ振興に役に立つような準備があり、そうしてその大会が済んだあと、それらが成果として、国民のものに返されるということがあって、ほんとうに全部のオリンピックの成果だと、こう考えていいわけなんです。そういう意味からいえば、さっき問題点と言いましたけれども、朝鮮民主主義人民共和国の参加の問題についてなどという問題がございますので、それはまた別の機会にお話をしなければならないと思いますが、そういうふうにして考えて、そのあとやっぱり成果を、施設なりすべてを国民に返すという立場からしますと、この住宅の問題だけを考えましても、やはりそれが、国民、特に札幌市民でございますね。札幌市民に還元されて、少しでも住宅事情を解消すると、こういう役割りを果たしてもらいたいと、そう考えているわけなんです。札幌の住宅事情というのは、私もずっと札幌に三十年近く住んでおります。最近とみに人口が急増いたしまして、非常に困難しておる。札幌市のほうの計画を聞きましても、去年の四月で大体二万五千戸ぐらい住宅が足りない、こういう実情が出ているわけなんですね。そこで札幌市民も、何だかんだといっても、やっぱり地元の市民というのは、相当これに協力をしなければならないということになってくるわけなんですから、市民としても協力はすると、協力してこの大会を成功させるようにするからそのかわりといったらおかしいけれども、だからあとの住宅というものについても、やっぱり札幌市民の住宅事情を考えてもらって、それを札幌市民の要求するような、安くてみんなほんとうの勤労者が入れるような、そういう住宅として開放してほしいと、こういう希望が非常に多いわけでございますね。そこで今度建てられました住宅関係が、あとは賃貸になさるのか、分譲になさるのかというような、そのあとどういうふうになされるかというようなところは、一体公団としてはどうお考えになっていらっしゃるか、お伺いさせていただきたいと思います。
#99
○参考人(稗田治君) 札幌の冬季オリンピックの選手村と、プレスマンハウスの宿舎の関係でございますが、公団といたしまして、いままでオリンピック組織委員会の方と、建設省の方と相談いたしておりますことを申し上げますと、選手村で七百戸、これは賃貸住宅として建てるものでございます。その他の、五百五十戸になりますが、それは分譲住宅としてできるものでございます。ただ分譲住宅にも、公団の事業の中には、いろいろな種別がございまして、特定分譲というのがございます。大部分はこの特定分譲という制度の適用になるのではないか、つまり主として会社、事業場等の社宅、そういうようなほうに分譲する、そういうようなことを考えておるわけでございます。なおこれから実際の設計にかかるわけでございますのでまあ九割程度は来年度の事業で間に合う。先ほどお答えがありましたように、本年度かかる分はそのうちの百戸程度、高層の十一階建てのもの、これが今年度かかりませんと工期の関係で間に合わないというわけでございます。高層のものも現在考えておりますのは、特定分譲住宅の制度を使うというように考えております。
#100
○小笠原貞子君 その千二百五十戸のうち七百戸が一般の市民への賃貸になる、こういうわけですね。それで、あとの五百五十戸がその事業所とそれから社宅というようなところへの分譲と、こうなると市民一般に開放されるというのは七百戸という数でいいわけなんですね、いまおっしゃったのは。
#101
○参考人(稗田治君) 現在のところ、そのように考えております。
#102
○小笠原貞子君 その七百戸の賃貸というのは、大体どのくらいの大きさの構想になっておりますか。
#103
○参考人(稗田治君) 公団で2DKとか、3DKとか申しますけれども、いまのところ組織委員会のほうで言ってきておりますのは3DKを九十戸ですね。あとの残りが2DKというようなことで、寝室が二間のものと三間のものと取りまぜて建てるということでございます。なお公団といたしますと、これは真駒内という、札幌に建てるわけでございますが、従来から北海道庁のほうで宅地開発したところでございますが、公団のほうも住宅要求の補完的な意味で、従来から賃貸住宅を三百戸ないし四百戸程度毎年建てておるわけでございます。ですから、そういうのができ上がった場合に、しばらくオリンピック組織委員会のほうにお貸しする。ただし生活の態様が若干違いますので、その辺は外国人にも向くように内部造作はいたします。日本人に使っていただく前に、これをまた日本式に直す。そういうことを考えておるわけでございます。
#104
○小笠原貞子君 札幌市の建設五ヵ年計画というのを見ましたら、四十二年から四十六年までの五ヵ年計画が出てるんです。その中で、公団住宅というのが九千百戸という数が出ていたんですね。この五ヵ年計画のこの数とは今度のは別になっているわけなんでしょうね、当然。
#105
○参考人(稗田治君) 大きなワクで申しますと、ことしは、政府の住宅供給の五ヵ年計画の第四年度に当たるわけでございます。その全体の戸数から申しますと、現在のところは、特ワクという形では予算の内示を受けてないわけでございますが、最終的にはいずれにしろ、日本国民のために使われる。その数ヵ月の間だけ外国人に使っていただく、こういうわけでございます。
#106
○小笠原貞子君 住宅対策というのは、当然オリンピックなんかというのとは関係なく国として建てられなければならない問題だと思うんですけれども、札幌市の事情やオリンピックで札幌市民は一生懸命に協力をする。だからこの際、ほんとうに私たちの気持ちも、要請も聞いてほしいというのがあるわけなんですよ。私、やっぱりそれも当然だと思うんです。そういう立場から、その賃貸に対しての費用ですね、それから分譲価格だとかいうようなものも、札幌市民が非常に要望しておるという点について、公団としてその要望は配慮しようとお考えいただけるかどうか。また組織委員会としても、また実行委員会に名を連ねていらっしゃる文部大臣にしても、そういう市民の当然の要求についてどういうふうに考えていただけるかどうかということを一言づつお伺いしたいと思います。
#107
○参考人(稗田治君) これで建てました住宅が、日本国民が使用します場合に、家賃負担力その他から考えて適当かどうかというお尋ねかと思いまするけれども、大体従来から真駒内等に建てておりまして、応募の倍率等もわわれは見当がついておるわけでございます。したがいまして、特に公団住宅として高い家賃になるというようなふうには考えていないわけでございますけれども、まあオリンピックを開催するために、やはり、別な地域暖房の会社ができて暖房設備をこちらが使わしていただくということになろうかと思います。したがいまして、そういった暖房費等は多少ふえるかというふうに考えております。
#108
○国務大臣(坂田道太君) いま公団のほうからお答えになりましたわけでございますが、私どももその地域住民の常識の線で、多少はいまおっしゃった暖房その他について高くなるかとも思いますけれども、しかし、そう高いというようなことにはならないような配慮は望ましいというふうに思っておるわけでございます。
#109
○参考人(佐藤朝生君) ただいま住宅公団、また担当大臣からもお答えのとおりでございまして、私どもとしましては、あと札幌市民がなるべく低廉な価格でこれが分譲されることを望んでおる次第でございますが、先ほど申し上げましたとおり、地域暖房の問題がございまして、これはどうしても外国選手を入れますので、セントラルヒーティングでやらなくちゃどうしてもぐあい悪いものですから、これをやっていただく関係は割り高になるかと思いますが……。
#110
○小笠原貞子君 じゃ、いろいろの御事情もあろうかと思いますけれども、やはり市民側もそのことを非常に要望して私のほうにも言ってきておりますので、その点はなおよくよく御検討いただいて市民の要望にもこたえて、そうしてまた選手にもいい条件の中で活躍していただけるというようなことを再度お願いをいたしまして終わりにしたいと思います。
#111
○委員長(久保勘一君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#112
○委員長(久保勘一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#113
○委員長(久保勘一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 札幌オリンピック冬季大会の準備等のために必要な特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#114
○委員長(久保勘一君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#115
○委員長(久保勘一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午前中の委員会はこの程度とし、午後は一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十五分開会
#116
○委員長(久保勘一君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。
 政府側から、坂田文部大臣、安達文化庁次長、小川文化部長、内山文化財保護部長、中沢農林省農政局参事官、以上の方々が出席いたしております。
 本件に関し質疑の申し出がございますので、これを許します。小林君。
#117
○小林武君 文化庁にお尋ねいたしますが、農業振興地域整備に関係する問題で、文化庁と農林省の間に覚え書きを交換したということが伝えられておりますが、これはどうですか。
#118
○政府委員(安達健二君) ただいま衆議院におきまして農業振興地域の整備に関する法律案が審議されておるわけでございますが、この法案が最初に国会に出されましたのは四十三年、昨年の四月一日でございました。この農業振興地域の整備に関する法律が成立施行されますると、広範な、五百ヘクタール等を対象といたしました農業の構造改善事業等が行なわれるわけでございまして、その際にはその地域内に埋蔵文化財包蔵地というような、あるいは史跡等が含まれることも予想されるわけでございます。そこで、昨年の四月一日に、当時文化財保護委員会でございますが、事務局長と、農林省の局長との間で覚え書きを交換いたしたのでございます。その内容といたしましては、農業振興地域を指定し、あるいはその区域を変更したときには、都道府県知事はその地域を明らかにして当該都道府県教育委員会のほうに通知をしてもらうこと。それから都道府県教育委員会は、その通知を受けましたときは、その区域内に埋蔵文化財包蔵地ないしは史跡、名勝、天然記念物等の所在する場合には、その位置とその規模を都道府県知事に通知をする。相互に通知をし合う。そうして、史跡、名勝、天然記念物の所在する土地または埋蔵文化財包蔵地として周知されております周知の遺跡につきましては、都道府県が農業振興地域整備計画を定める、あるいは市町村の定めるところの農業振興地域整備計画を都道府県知事が認可しようという場合には、その計画の中に農用地区域、つまり農用地等として利用さるべき土地の区域及びその区域内において農業上の用途区分――どういうふうにその地域を農業上使うかという区分、それから農業生産の基盤整備及び開発に関するものであるときには都道府県または都道府県知事は、その当該都道府県の教育委員会の意見を聞く、こういうようにして相互に十分連絡をとって農業振興のための地域内における埋蔵文化財包蔵地の保護に万全を期したい、こういう趣旨の覚え書きを交換いたしたわけでございます。
#119
○小林武君 中沢参事官にお尋ねいたしますが、この農業振興地域というのはおもにどういう地域であるのか、あるいは何ヵ所ぐらいあるのか、その点について。
#120
○説明員(中沢三郎君) 農業振興地域として指定が行なわれるであろう地域はどの程度の地域かという御質問かと存じますが、この地域自身はたてまえといたしまして、農業の振興をはかるべき地域ということで、農林大臣の承認を受けました基本方針に基づいて知事が指定する地域でございまするので、全体的に申し上げますと、この六月一日から施行されますところの新しい都市計画法に基づきますところの市街化区域以外の区域は一応農業振興地域の対象となし得る空間であるというふうに考えております。具体的に申し上げますと、振興地域指定は、原則といたしまして市町村の区域を単位とするほうがいいというふうに考えておりますので、市街化区域に含まれますところの町村数を除いた市町村、農地のほうからいいますと、大体現在五百九十万ヘクタールほどでございますが、市街化区域に含まれる農地の予想がほぼ二十万ヘクタールというふうに考えられておりますので、まあ対象となり得る地域――有資格地域といたしましては五百七十万ヘクタールぐらいがそういう性質の地域としてある、こういうふうに考えております。市町村数で申し上げますと、非常に市街化の進んでおる市町村あるいは近々市街化が非常に進むであろうというような市町村を考慮して考えますと、ほぼ三千町村前後ではなかろうか、こういう予定をいたしておるわけでございます。
#121
○小林武君 そうすると大体地域的にいってどうですか。たとえば東北とか北海道とか関東とか近畿とかいう分け方をすれば、大体どっちのほうに多いわけですか。
#122
○説明員(中沢三郎君) 都市計画法で申しますところの市街化区域、東京とか名古屋とか京阪神とかそういう非常に集中的に都市がある地域を除きますと、全国的にどこに片寄っているというふうには考えていないわけでございます。
#123
○小林武君 しかし、一説によると、東北、関東の端のほうとかそういうところに大体集まるというように聞いているのですが、そんなことはないですか。
#124
○説明員(中沢三郎君) 特にそういうふうには考えておりません。申し上げますと、農業振興地域としての指定は知事が行ないますけれども、指定が行なわれますとその地域の振興計画というものを市町村が立てるようになりますから、それによりまして知事がどういう地域を農業振興地域として指定するかという問題にかかわると思うのでございますが、現在農業生産が行なわれておる地帯をお考えいただきますと、全国的に、偏在ということは都市化との関係で一部ございますけれども、全般的には現在農業が行なわれている地域につきまして指定が行なわれるというふうに考えておるわけでございます。
#125
○小林武君 指定地域になりました場合には、文化財を破壊するというようなことは起こり得るわけですか。破壊するというのは意図的に破壊するのじゃなくてですよ。
#126
○説明員(中沢三郎君) この法律は先ほども申し上げましたように、知事が農業振興地域を指定いたしまして、市町村がその地域につきまして整備計画というものを立てるわけでございますが、その計画の中に二つの性質の内容が含まれるわけでございます。一つは、いわゆる一般的な農業近代化のための方向づけの計画と、もう一つは農用地利用計画というものでございます。これを総称いたしまして私たちはマスタープランと言っておるわけでございまして、農用地利用計画につきましては、農林大臣なり都道府県知事が農地法の運用上農地の転用を許可する場合の一つの基準になるというふうには考えておりますが、全般的にはマスタープランでございまして、そこからは具体的な行為が出てこないわけでございます。事業的な行為は出てこない、また法律自身は何ら新しく私権を制限するという要素は含まっておりませんので、御質問にありますような、この制度ができる以前と後を比較しまして、特にこの法律が成立したことによって御懸念になるような事態が新しく含まれる要素は何ら持っていない、こういうふうに考えております。
#127
○小林武君 文化庁にお尋ねいたしますが、その覚え書きを交換した理由は、文化財との関係があるとみたからだと思うのですが、そこで先に言っておきますけれども、その覚え書きというのをここに資料として出していただきたい。それから、その文化財についてあなたのほうではかなり破壊の用心が必要だということで覚え書きをかわしたのだと思う。そのことについては文化庁は予算要求をしましたか。
#128
○政府委員(安達健二君) 四十四年度の予算要求といたしまして、考え方といたしまして、いま三千市町村というお話ございましたが、まあ私どもとしては一応その半分の千五百地区等につきまして、そういう地区の指定があり、また問題のあるところは考えられると思いまして、それを五年計画でその地域内におけるところの埋蔵文化財包蔵地等の分布調査、そういうものをやりたい、こういうことで、四十四年度は最初でございますので、二百地区につきまして、その地域内の埋蔵文化財包蔵地等の所在調査をする、そういうことで二千二百万円の補助を要求いたしたわけでございます。それは半額補助で、その半額はそれぞれの市町村等でもってやっていただく、こういう趣旨の要求をいたしたわけでございます。
#129
○小林武君 この要求は通ったのですか。
#130
○政府委員(安達健二君) この法案が実は昨年の四月から継続審議になったままでございますから、大蔵省に対して十分説得力もございませんでしたので、現在そういう埋蔵文化財の緊急調査の費用といたしまして約七千万円ほどございますので、緊急の必要が生じた場合はそのほうの費用でこの関係の調査もしようというところで四十四年度予算では認められなかったという状況でございます。
#131
○小林武君 認められなかったら困るわけでしょう、いまのところあまり困らぬですか。
 農林省のほうで割合いに手軽く中沢参事官考えられている、あまり文化財に影響ないようなことをおっしゃっているけれども、私は特に農林省に申し上げたいのは、いま文化財の破壊については、やはり極端な事例が幾つかあるわけですね。その極端な事例をやっぱりある程度何といいますか許しているというそういう理由の中に、国が関係するものがずいぶんあるわけですよ。たとえば道路の場合、建設省関係のもの、あるいは地方自治体は文化財を保存する立場にありながら、地方自治体としても文化財を片一方は保存を強調しながら片一方は破壊に一生懸命だというそういう事例もある、こういうことがやはり民間の業者というものに文化財というものを非常に軽視する傾向をさらに助長しているように思いますので、私としては、政府機関というものは非常に慎重でなければならぬと思うのです。私が心配するのは、農林省で、もしこの法律が通って指定をして、そうしてとにかく農地として利用するということになりますと、当然いままであったとおりのことにしておくことはできないわけでしょう。そうした場合、文化財がもし破壊されるというようなことになった場合においては、もう絶対これを守るというような決意があるのですか、農林省の中には。
#132
○説明員(中沢三郎君) 先ほどお答え申し上げましたことが誤解されまして非常に残念でございますので、先ほどのお答えを補足させていただきたいと思います。
 先ほど申し上げましたのは、農業振興地域の整備に関する法律のうち、法律そのものにはそういう要素がない法律であるという性格を申し上げただけでございまして、実際問題としましては、この法律を閣議に提出する場合に、先ほど文化庁から御説明ございましたように、そういう性格ではございますけれども、文化庁のおっしゃることはもっともでございますし、特に全国的な制度としてこういう振興地域制度というものがつくられるということになりますと、やはり従来土地改良事業を行なうにいたしましても、あるいは水路をつくるにいたしましても、ただ予算をつけておった事業をやる場合と違った影響がやはり出てくるという観点から、文化庁のおっしゃいますこともごもっともでございますし、また私たちも国の文化財というものの保護につきましてはやはり、直接の行政官庁ではございませんけれども、国の行政機構の一端としてこれに御協力申し上げるのは当然だという趣旨で、先ほど文化庁から御説明がございましたような覚え書きをいたしまして、この励行を、農林省の責任に関する分は農林省側で行なうというお約束を申し上げた次第でございます。そういう趣旨でございますので、従来農林省の事業が、御質問にございましたような、文化財といいますか、埋蔵文化財を全然いためたことがなかったということも申し上げるつもりでございません。したがいまして、こういうことを契機といたしまして文化財保護に関する面につきましてはできるだけ周知徹底をはかりたい、こういうつもりでおりますので、ただいささか農林行政で国費も使いまして土地改良事業とかいろいろの公共事業を行なう場合に気になりますのは、お聞きしますとかなり埋蔵文化財を包蔵する地域は非常に数多いというふうに聞いておりますし、そこの重要度というものがなかなか私たちがはっきりしない点もございますので、先ほど申し上げましたような趣旨で文化庁のほうと約束をいたしました覚え書きの励行に関しまして教育委員会なり、あるいは文化庁のほうから具体的な注意に関する御協力をいただければ私たちは喜んでそれに御協力申し上げるつもりでおります。
#133
○小林武君 その場合、事前に打ち合わせをして十分文化庁に協力するというような、そういう覚え書きの中にはないわけですね。別に覚え書きの中にははっきり書いておるわけでもないでしょう。あなたのほうで、そうすると、それに対して具体的なその事項にわたって対策というようなものは立てておられるのですか。
 それからもう一つは、予算面ではどういうことになりますか。金の面で一体農林省としてそれに対して協力できるのかどうか。これはどういうことになっておりますか。
#134
○説明員(中沢三郎君) 第一のほうの御質問につきましては、協力ということはうたっていないという御趣旨でございますが、先ほど文化庁から御説明ございましたような、相互に連絡し合い、また都道府県知事が教育委員会の意見を聞くように指導することは協力の一つの形態であるというふうに考えるわけでございます。
 それから、農林省といたしましては一般的な文化財保護行政に関する予算は計上してはいないというふうに考えます。またこれは文化庁のほうの御担当の分野であるというふうに考えております。
#135
○小林武君 農林省はいままで全然ないとは言わぬけれども、あまりなかったような大体お話でございます。私は、建設省の関係のものをやってみますと、よければよけられた道路が、設計の当初からそれを決定する段階では一度もそのことについての相談がないために、もういまの段階になったら破壊しか道がありませんということをやっている道路があるわけです。私は政府の中でもその問題についてはそのことだけは避けてもらいたいという気持ちなんです。ですから、今後こういう点については文化庁に対して協力なんていうことじゃなくて、政府の中のことなんですから、文化財をどう一体保存していくかということについて、共同の責任として農林省でも考えてもらいたい。それからまたそれぞれの分野での予算面の場合でも、ほかのあれだってずいぶんありますわ、団体でも。そういう点でも文化庁との協力のもとにやっていただきたいということをまずあなたに要請をしておきますから、十分な御検討をいただきたいと思います。ただこのことから、こういうお話をしておいて、あとでとんでもないこと起こったら承知しませんから、前もってことわっておきますが、絶対ないようにしてもらいたいと思うんですよ。それをやらないから、もう民間において徹底的に破壊をやるというようなのが山口県の場合でも出ているわけですね。でありますから、どうかひとつ政府の中においては特段のこの問題について御配慮いただきたい。
 それから文化庁のほうですが、文化庁のほうではやはり調査の問題ですね。これは前から調査のことについてはこれができれば、台帳できればいい、あるいは地図ができれば万全でございますという話でありましたけれども、とてもそんなものではないことは御存じのとおりです。そうして、いまこういうふうに法律が通って、かなり大がかりにやられた場合においては、やはり農林省の立場に立ってものを考えればそういうことを一々気にもしておられないということも事実起こるだろう、現地で作業するものは一そうその点では作業上やはり早く進めたいとか何とかいうこともあるでしょう。でありますから、文化庁としては十分責任を感じておやりいただきたい、そのことだけを御要望申し上げておくわけであります。
 それからあと二、三点ございますが、私ちょっとお尋ね申し上げたいのですが、日展に関係することも少しこれから調べたいと思っているのでありますが、その前に、日展ばかりではありません。日展その他展覧会のことでございますが、美術界のことについて多少時間をかけてお願いする時期もあると思いますが、きょうお伺いしたいのは、この点だけひとつお聞かせいただきたい。文部大臣賞、総理大臣賞、これは政府から出る賞だと、名前のあれからいえば見られるわけでありますが、その点は間違いありませんね。
#136
○政府委員(安達健二君) そのとおりでございます。
#137
○小林武君 こういう賞というものは日展にだけ出されるわけでありますか、日展も、他の在野のこれは団体でありますから、いろいろな展覧会があると思いますが、出されるのはどの程度出されるわけですか。
#138
○政府委員(安達健二君) 日展その他美術の団体が主催して行なう展覧会で文部大臣賞、文部大臣奨励賞というものを交付いたしておるわけでございますが、現在文部大臣賞と奨励賞とございますが、中央の面で申しますると、文部大臣賞を出している団体は日展それから院展、それから現代工芸美術展、それから日本南画院展、この四つでございます。それから文部大臣奨励賞を出しておりますのは十五の展覧会でございます。
 それから地方等で文部大臣奨励賞というようなものを出しておるのは、県が主催する県展などがございますが、これを含めますと四十一ほどございます。
#139
○小林武君 日展についていろいろな批判が出ているわけですけれども、この日展の問題の中に、何といいますか、一つの組織そのものに非常に硬直化があります。そのことがまた日展の美術団体としての発展の上にも大きな影響がある、こういうような批判が相当あるわけですね。世の中に存在するものは批判のないものはないのですけれども、その中で、そういう文部大臣賞とか総理大臣賞とかいうようなものは、これはもう日展の、何といいますか、一つの階級制というようなものに対して非常に大きな一つの役割りを果たしているのだということの批判があるわけです。それで、一体この種の奨励賞というものは、文部大臣にお尋ねいたしますが、これはあれですか、この絵にやりなさいと言うのですか、それとも、どれでもいいからおまえ好きなものにやれと、こういうようになっているのか。
 そこで、文部大臣の御意見を伺いたいのですが、私は、何といいますか、文部大臣賞というものは、日展の場合においては、もうこれは作家である以上、日展の作家である以上、必ず一度はこの階段を通らないというと、何といいますか、大家になれないというか、絵が高く売れないというようなことになるのか存じませんが、そういうようなものが一つあると思うのです。そういうものは、私は、やはりうまい絵にはやらなければならぬことだし、実力のあるものにやるものであり、そのことが少なくも芸術の世界に発展を与えるような行き方というものがそこになきゃならぬと思うのですよ。ところが、逆にこれが一つの沈滞するというか、硬直化のもとのようなものになっているという批判を生んでいるということになりますと、賞そのものの意義というのは薄れてしまったというか、なくなっているのじゃないか、こう感じるわけですが、どうして一体そういうことになったかということは文化庁にお尋ねするとして、文部大臣のほうには、そういうふうに考えてやっているとすれば、この賞の与え方について特殊なくふうがあるのかないのかということですね、それをお考えになったことがあるのかどうかということです。もっとも、私のようにそういううわさというのを聞いておらぬということになれば別ですけれども、どんなものでございますか、大臣として御意見があったらお聞かせいただきたい。
#140
○国務大臣(坂田道太君) 私も、文部大臣に就任しましてから間のないことでございますから、つまびらかではございませんけれども、しかし、いろいろうわさ等につきましては、あるいはまた批判等については聞いておるわけでございます。ただ日展は、御承知のように、明治四十年以来官展としての前身を持った日本で最大の美術展覧会であったわけでございまして、これが昭和三十三年以来は社団法人日展という民間団体による展覧会として運営されていることは御承知のとおりでございます。したがいまして、文部省としましても、当然の結果、監督官庁の地位に立ってはおりますが、展覧会自体の運営につきましては、ただいま小林さんが御指摘になりましたように、ほんとうに実力あるいい絵というものが選び出されるということ、あるいはそれを展覧する、そうしてそれを奨励するということこそ、われわれが文部大臣賞あるいは文部大臣奨励賞等を出す意味でございますから、そういう展覧会についていろいろと批判があるというところについてはやはり具体的にお示しいただきますならば、われわれといたしましても、心いたしてそのようなことのないようにしなければ、やはり奨励する意味がなくなってしまうということになりかねないと私は思うわけでございます。ただ、昔のような官展ということではないというところにやはり意味があるわけでして、昔ならば官展だからだめなんだ、こういう批判があったかと思うのです。だから、すぐ官展をやめて民間団体にする、それでいいかというとなかなかそうもいかないということなんでして、官展だからいけないとか、あるいは民間団体だからいいというふうにはなかなか言えない。民間団体であっても、御説のようなことがあればそれはやっぱりいけないことでございます。そういう意味から、文部省のただいまの考え方といたしましては、こういう美術関係諸団体に対しましては、その申請に基づきまして、その団体がどういう歴史と伝統を持ち、あるいはその規模、内容などを十分に検討いたしました上で、その団体展というものが真の芸術的な高い意味における優秀な実態を備えておるならば、そうした推薦してまいったものについては、美術奨励、芸術奨励をする意味から、やはり文部大臣賞あるいは文部大臣奨励賞を交付してまいってきておるわけでございます。そういう意味合いにおいて、むしろ小林さんから具体的に、日展等についてはこういう批判があるというようなことを率直にお聞かせいただくならば非常に幸いだと思っておるわけなんでございます。私も、美術とか芸術とかというものを盛んにするということ、正しい意味合いにおいてそういうものを奨励していくということこそ、文化国家として高い水準の国であると言えますし、それが実態に沿わなければいけないと思いますので、重々その点については反省もいたし、そうして指導もいたしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#141
○小林武君 文化庁にお尋ねいたしますが、これはどういうことにしているのですか。文部大臣奨励賞というから適当にいい絵にやったらいいということで、たとえば各種いままで出された賞というものはやられているわけですか。
#142
○政府委員(安達健二君) 現在民間団体の主催する展覧会に出している場合におきましては、原則といたしまして、その団体の自主的運営を尊重いたしますので、したがって、各団体から、特に一位のものを、文部大臣賞あるいは文部大臣奨励賞として適当であると申請いたしてきたものにつきまして、これに出すということを原則といたしておるわけでございます。
#143
○小林武君 これでこの問題については終わりますけれども、これは官展がいいと私は言っているわけでもないんですが、日展という一つのいわば在野の展覧会がある。これの考え方は大体肯定していますが、ただ問題なのは、やはりこれに一つの賞をやろうということになりますと、文部大臣賞とか総理大臣賞というふうなものは、これはやはり国の費用で出るわけですから、その場合に出すことがいいのかどうかということを考慮することは、これはしたところで別に問題はないと思います。まあ大体いま世評で批判がいろいろ出ているのは有力な塾だとか有力な団体に所属しないものの絵というものは、これはとにかくまあ仲間の中ではりっぱな絵であっても、必ずしも受賞しない。また、そういう団体とか塾とかいう中には一つの非常にはっきりした中心がありまして、その人の意図というようなもので出品されて、まだ十分な審査を経ないうちからどれが入選するとかどれが特選になるとかいうことが明らかになって、ここでこういう事例的になったものを申し上げるというのは、これはやはり差しひかえたいのですけれども、絵をあげて名前をあげて、そしてこれはどうもその人のかいた絵でないと言わんばかりの表現を使ってやられていることもある。こういうことを考えますと、私はやはり総理大臣賞とか文部大臣賞とかいうものの出し方を少し考える必要があるのじゃないか。入選から大体ずっと階段があって、その階段の中の一つの大きな立場を占めているとしたなら、私はやはり国にもそういう賞を出している上において責任を感じなければならぬところがあると思うのです。だから、私がいまここで具体的に申し上げることは差しひかえますけれども、いずれまあ言う機会があると思います。あると思いますけれども、文部省として、あるいは文化庁としてこの問題について検討する必要はあるのじゃないかと、こう思うのです。やり方として一体どうしたらいいか。もう世論が言うのは、世評に出ているのは、きわめて、だれだれという名前も出しておのおの忌憚のない批評をやっているわけですから、だから文部省としては、そういう問題を世論だけに左右されてやれ、ということではありません。ありませんけれども、一体日本の芸術なり何なりの進歩のためには、自分たちのやれることはやっていいのではないか。それが何にも干渉でも何でもないように思うのですから、まず私は文化庁並びに文部大臣にお願いしたいのは、その面の検討を、賞の検討をひとつおやりになっていただけないかどうかということを要望申し上げるわけです。
#144
○国務大臣(坂田道太君) まあわれわれ文部省といたしましてはどの絵がいいかとか悪いとかという決定をする力を持っておりませんけれども、しかし、その仕組みについてどういうふうにしたほうが一番ほんとうの意味における、客観的に見て、あるいは相当の権威者が見て、なるほどと、これはおかしいというようなことがあってはならないので、その辺の仕組みについては、十分私は検討してまいらなければならないというふうに思います。まあ大体美術というものの基準というものは自然科学みたいにきちんと、あるいはコンピューターにでもかけてきまるものではございません。相当主観性の強い、個性あるもの、特殊なもの、それに一つのたれが見ても客観的に非常にすぐれたものであるというものを判定するということは非常にむずかしいことでございますし、またこの点について何人も批判する自由を持っておるし、何人も好ききらいを表現する自由を持っておるわけなので、そういうような形でこの審査の行なわれる現実の状況においていろいろのことが出てくると思いますけれども、しかし小林さんの御指摘の趣旨は私も十分わかるわけでございます。そしてまた、ちまたに流れておる風評というものもやはり火のないところに煙はないわけでございます。多少問題があるのではないかというふうに考えますので、十分これは調査もし、検討もし、あるいは改めるべきことがあれば改めなければならない、かように考えておる次第でございます。
#145
○小林武君 それでは最後に一つだけ。そういう大臣のあれでひとつやっていただきたいのですが、私は絶対のあれというのはなかなか美術に関する限り、これは芸術には言えないですよ。死んでから急に名前が出るような人もあれば、死んでからまるで絵の値段が下がってしまったというような人もないわけではない。しかし、まあおおよそその鑑賞眼というものは、ひどいものはひどいものだし、いいものはいいということはある程度は理解できるところがある。これはやはり認めなければいかぬと思うのです。だからそういう意味でひとつ美術界に新しい息を吹き込む、と言っても、文部省の行政面からはなかなか簡単にできないということ、それはわかりますけれども、せめて文部大臣賞とか総理大臣賞というものについては責任をもった態度をとるべきだということを再度申し上げて、同時にまた、私は文化庁に対して非常に不満なんですけれども、例の美術館の絵の問題について調査をして科学的調査をやってこの結論を出しますというようなことを言われてからずいぶん時間がたっておる。そのことについて何もその後美術館長からの報告もなければ、結果はどうであったと言うんでもなければ何のあれもないわけですがね。私はこういう不都合なことはいかぬと思うのです。そうでしょう。もういまやあの絵を売った男というのは、どういう男であったかということだけは天下周知の事実みたいなことになっておる。そういう問題の人から買った絵で、それについて私は相当の疑義ありと、こう見て言っておるわけですから、美術館長はそれに対して科学的調査もふまえてやって、そしてその結果を明らかにいたしますということを言われたが、それに対する責任を果たさぬということは――これはぼくは大体はわかっておりますよ、どういうことになりつつあるかということはわかっておりますけれども、いささかこれはおかしいじゃないか。この点はひとつ文化庁の次長さん、そういうことを、これは文部省のほうかどうかしらぬけれども、文化行政の一つだと思うから、許されないことだと思うから、これはひとつはっきりしておいてもらいたい。このことをひとつ御注文申し上げます。まあ、答弁は要らんです。要らんですから、そういう手続だけしっかりしてもらいたいということです。
 それからもう一つの問題は、津島遺跡の問題であります。津島遺跡の問題について、これはすでに最後の発掘に取りかかっていると思うのです、これはそう言っておりましたから。これは文化庁の長官にもお会いして、文化庁の長官に、この発掘にあたって問題が問題なだけにひとつ一そう文化庁としても真剣におやりいただきたいということを申し上げて、長官もそのことについてはもう私のほうも非常に真剣にやりますと、学者の真剣な調査の上に立って、私どもはその調査の事実に即した一つの結論を出しますと、こう言われて、私もその点で安心しておるわけです。それがどうもちょいちょい入ってきた情報等によりますというと、かなりはっきりした結果がまああらわれてきたようにも言われておるわけでありますが、この点についてもいまここで時間かけて御説明は要りません。要りませんから私がそういう質問をしたんですから、そういう質問に対してひとつ専門家がいらっしゃるわけでありますから、専門家の立場から、特に専門家の方は三人ぐらいあちらへ、現地へおいでになっていると思うのです。その方からひとつ御説明をいただきたいと思います。これについてはなかなかいろいろな問題がありまして、私も迷惑することも相当あるわけです。非常に迷惑を感じておることもある。しかし、正しいことを正しいと主張することについては、だれが何を言おうと私は事実は曲げられないと思っておりますから、ひとつ結果について責任のある報告をお願いをしておきたいと思います。
#146
○政府委員(安達健二君) 最初にひとつ、前の関係の美術に対する賞の問題につきまして一つだけつけ加えさせていただきたいと思います。実は日展その他の団体の推薦したものに出すところの文部大臣賞のほかに、多少においは違いますけれども、一つは新人美術作品の買い上げということをやっております。これは文化庁のほうで委員を委嘱いたしまして、これは日展のみならず、すべての在野等の展覧会に出された優秀な作品を十点ほど買い上げておる、それが一つの賞的な面があるということもございます。それからもう一つ文部大臣の芸術選奨というのがございまして、この中に美術部門の人もあるわけでございます。そういうような形で団体賞とは別の形での文部大臣賞ないしはそれに近い運用がなされておるということを御了承いただきたいと思います。
 それから西洋美術館のところについては私も申し上げる必要はございませんが、現在なお赤外線によるところの調査あるいは海外の文献を収集したところの調査等続けておりまして、できるだけ早い機会に、この点についての問題点あるいはそれらの対策等につきまして明らかにいたしたいと考えておるところでございます。
 それから岡山県の津島遺跡の問題につきましては、先般来調査をいたしておりまして、四月の十日ないしは中旬ごろまでに第二次の調査が終了することになっております。この五日の日には、文化財専門審議会の委員等、五人の方々、顧問になっていただいておる方々に直接現地で見ていただきたい、こういうことにしておりまして、私どもといたしましては、そういう調査の結果を十分踏まえた上で慎重な検討をいたしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
#147
○安永英雄君 私は九州大学の学長事務取扱の問題について前の委員会で質問をいたしましたが、大臣の真意もまだわかりませんので、さらに続けて質問をいたします。
 三月の十二日に、九州大学の評議会が原前学長事務取扱の辞任を認めて、そうしてさらに井上法学部長のこの事務取扱についての選任を評議会で決定をして、今日まで約二十日間九州大学の学長事務取扱はいまだに決定をいたしておりません。二十六日は卒業式の予定ということで準備を整えておったけれども、ついに卒業証書のない卒業式といいますか、卒業式そのものも行なわれてないのですけれども、卒業証書のない卒業式、こういった実に変則な状態をいまだ続けておるわけで、そこでこの前の質問の中で明らかになったことは、十二日に評議会が決定をして、直ちに文部省のほうに上申書を提出をする、あるいは郵送をする、こういった手続をとったにかかわらず、二十二日までこれを受け付けていない、こういう実態もわかったわけです。そしてその間に調査というものをやったという、これも明らかになったわけです。ただその間に、私が質問をしたいわゆる井上氏自身が辞職をしたらどうかという勧告については、これはこの前明らかにならなかったわけですけれども、それらしい形跡は確かに私はあったと思います。そういう中で、結論的にどうするのだという質問になるわけですけれども、その前にこの原前事務取扱のこの辞任という問題については、これは文部省としては認めたのかどうか、この点はっきりしてください。
#148
○政府委員(安嶋彌君) 上申はございましたが、まだ認めておりません。
#149
○安永英雄君 認めてないという形であれば、現在の九州大学の最高の責任者としての仕事というのは原教授が行なっているというふうに文部省はとっているわけですか。また当然しなければならぬという意味にとっているわけですか。その間の仕事の責任の所在はどこにあるのか。
#150
○政府委員(安嶋彌君) 御指摘のとおり、現在はなお原教授が九州大学長の事務取扱でございまして、九州大学の事務は、原事務取扱の権限と責任において処理されていると思います。
#151
○安永英雄君 原さんの辞任の理由はどうなんですか。
#152
○政府委員(安嶋彌君) 病気ということでございます。
#153
○安永英雄君 病気ということで、この辞任という問題についてはこれは受け付けていないということであれば、現在原さんは病気なんですから、この点については、九州大学における管理とかその他一切の仕事というのは、いま空白状態にあるというふうに私は見ますが、どうですか。
#154
○政府委員(安嶋彌君) 病気ということでございますが、九州大学はこれは大きな組織を持っておるわけでございますから、学内におきましてしかるべき手続を経ましてこれをカバーする措置がとられておるのでございます。
#155
○安永英雄君 一緒に聞きますけれども、そのカバーするというそういった組織はどういうふうにできているのか。また、あの学内においてそれだけの責任をとれるような、学内における約束ごとといいますかね、権限をそこに委譲するとか、そういった手続なりそういったものは完璧に行なわれているのかどうか。あるいはもう一つ聞きますが、これは小さいことですけれども、卒業証書を渡す場合に、当然、二十六日現在における卒業証書のその学長の名前、これは原さになるわけですか。
#156
○政府委員(安嶋彌君) 卒業証書の名前は、御指摘のとおり原教授になるわけでございます。
 なお、九州大学の内部におきまして事務処理がどういうふうにカバーされておるかということでございますが、これはおそらく特別な取りきめ等はあるいはないかと思いますが、一般の役所等におきましても、局長、課長等が病気で欠席をいたしました場合には、それぞれ課長補佐が課長の代行をいたしますとか、あるいは課長が所管の事務につきましては局長の代行をいたしますとか、あるいは適当な形で連絡をとりつつ、上司の了解を得て仕事を進めるというのが通常のやり方でございます。九州大学におきましても、そういう方法で事務が処理されているものと考えます。
#157
○安永英雄君 されておるというふうにあなたは見ているけれども、私はそうじゃないと思う。また上司、上司といったって、最高の上司はいないのですからね。原さん自身もこれは学内で、評議会でこういった決定が行なわれて、井上教授が当然その代行をするのだというふうにきまっておる以上、病気ということだけれども、実際はとれないといった場合には、他のほうでカバーしているといいますけれども、もう少し具体的に言ってください。これは現実に大事なことですから、だろうと思うくらいじゃしょうがないでしょう。どういう機関で、この問題が解決しないこういった場合には、だれがどういう仕組みでいま九州大学の問題を運営していくのか、この点をはっきりしてもらいたい。
#158
○政府委員(安嶋彌君) 御指摘のとおり、大学から上申があったわけでございますから、私どもといたしましては一日も早く事柄を処理したいというふうに考えておるわけでございますが、先般の私どもの照会に対しましても御回答がいただけないというような状況でございまして、私どもも急いで事を処理したいと考えておるわけでございますが、遺憾ながら処理がおくれておるという状況でございます。
 それからどういう形で処理されておるかということでございますが、先ほど私が上司ということばを申し上げましたが、たとえば事務局長が処理する事柄につきましては、これは原事務取扱が上司になるわけでございますから、適当な機会を得て原事務取扱の了解を得ながら事務を進めていく、こういうふうに考えております。
#159
○安永英雄君 所も同じですけれども、昨年の四月あそこの高等学校の、いわゆる校長赴任拒否をする、こういった事件があったわけです。この文教委員会でも問題にいたしたわけですけれども、文部省としては、そういったきまらない校長もあったわけですけれども、早くきめろ、矢の催促で赴任拒否を指導した事実があります。この二十日間全然卒業式もできない、こういった状態に放任しておって、そしてこの前の大臣の答弁では、こちらのほうから真意を確かめるという、いわゆる調査というものに応じないということであれば、あくまでもわれわれとしてはこれを任命することはできない、こう強く言い切られたわけです。ところが、九大のほうはこれはもう全教授慎重審議の末全員が、とにかくこの調査には応ずべきでないという、そうして文部省がこの調査をやること自身がこれははなはだ遺憾である、こういった強い意思表示をしたことは御存じのとおりであります。こういった状態が続けば二十日の段ではない。この問題を端的に言ってどう始末するのか。原さんは寝ている、病気している。そうして何とかいまのような、官房長が言ったような形で九大の運営というのはいってもいいと思っているのか、ずるずるそんなことでいっていいと思うのか。この点、高等学校の例を引きましたけれども、少なくとも最高の責任者というものがいないで済むわけじゃない。そうしてこの責任というものは私は明らかに文部省にあると思う。九州大学からきた、拒否権がある、だからいまだに拒否している、あるいは拒否をしているかいないかわからぬような状態をつくったのは文部省なんだ。これを今後どうするのか、この空白の責任をどう感ずるのか。その点を文部大臣からお聞きしたい。
#160
○国務大臣(坂田道太君) 私はたびたびお答えするように、国民に対して私は非常に責任を持っておるわけでございます。したがいまして、一日もそういう空白のないような事態を望んでおるわけなんです。したがいまして、最終的には文部大臣が任命権者でございますから、任命しない以上はその間原さんが当然事務取扱として代行していただくということだと思います。そしてもし原さんがどうしても病気でできないという場合はどなたかかわりを選ばれるということが望ましいと私は思うんです。それで、たとえば東大の学長につきましてはきまりましたが、やはり何か病気等のことがあることを考えて、たとえば理学部長を第一次の代理とされる、その人がまた病気というような場合は平野法学部長を代理にするというような、ちゃんとしたあたりまえのことをやっておられるわけであります。それから北大等につきましても、私たちは同じような御質問がございましたし、照会をいたしておるわけでございますが、ここはまた非常にすなおに、学長さんはあたりまえのこととして東京にお出ましになりまして、あるいはそのことだけじゃなかったかもしれませんけれども、文部省に参られまして次官といろいろ話をされました。文部省の真意はわかったということで、お帰りになってよく評議会とも相談をしてみたい、こういうことになっておる。また今度阪大の学長さんにしましても、おいでになりまして事務次官とお話をされまして、そしてまたお帰りになっていろいろ研究をされておる。こういうことなんでございますから、私どもが申しますように、井上さんの真意を明らかにされるということがまず第一じゃなかろうかというふうに思うわけなんです。しかも私は、たびたび申し上げるように週刊誌やその他の、新聞その他の一つの片言隻句をとらえて問題にするということはいかがかという立場で問題を考えておるわけでございます。したがいまして、加藤学長も就任に際しまして申しておるように、全体の中の一部を取り上げてとやかく言うこと自体が問題じゃないかという批判もしておるわけなんです。しかし私はむしろそのことを申し上げておるので、全体の中における一部というような御説明があってしかるべきじゃないだろうか、新聞社に対してはそういうことを申し述べておられますけれども、私が任命権者として、直接の機関を通じてそういうことを申し開き、というと非常に何というかかた苦しいことでございますけれども、出ていらっしゃって正々堂々とお述べになって何も差しつかえのないことだというふうに私は思うわけなんでございます。そういう意味合いにおいて、一日も早くそういうことを明らかにしていただきたい。そして、その上でひとつ私は考えていきたいということなんで、あの問題それ自体を取り上げれば、これは庶民的感情から申しますとあるいは国民的感情から申しますと、大学の仕組みとかあるいは従来のやり方とかいうことがなかなか理解ができませんので、直接そのことば自体でもってこれははなはだ不適当である。そういう人を一体国のいわゆる国立大学の責任者にするということはどうなのかという議論が実は出てくる。また、現にそれを反映して各党からもこの国会においていろいろ議論がなされておるわけでございます。国会で議論がなされておるということは、同時に国民のある部分に非常に疑惑とあるいは不安とを感じておるという証拠であります。第一義的にはあくまでも大学自治のたてまえから大学みずからが社会に対し責任を果たさなきゃならない、そういう立場にあるわけです。文部大臣といたしましては、言うなら間接的にでございますけれども、終局的にはまた私は国民に対して責任を負わなきゃならない。そういたしますと、そういう一部の不安や疑惑に対して、私は主権者たる国民に対して何らかの申し開きをする責任と義務があると私は思っておる。国会で問題になっておるということはまことにそうだと思うのです。それが任命するかしないかという問題を離れまして、いかに国民からの疑惑あるいは不安というものがございましてもそれに対してこたえる義務があると私は思うのです。その場合に、何らの材料もなく、しかも単に一片の週刊誌やあるいは新聞記事等をもってあの方の真意はこうでございますと言ってみましても、そのことについて私は国民としては納得をしないと思うのでございまして、その意味においてむしろ私はこういう問題は非常に公正に取り扱わなければならない。同時に、たとえこれが任命がされるとかされないとかいうことは別として、あるいはその自治の中核というものは人事権にあるということくらい私も承知をいたしております。しかしそれで法律に違反しないから何ごとをやってもよろしい、どういうことをしゃべってもよろしいという筋合いのものではなかろうと私は思う。特に自由社会におきましては、その最高学府のいわゆる長として、国民に対して直接責任を持たなければならない人としては、その言動というものをおのずと常識の線に考えていただかなければ、庶民感情や国民感情ということを無視することにつながるというふうに私は思うわけでございまして、その意味合いにおいて、私は真意をただすという意味合いにおいて照会をいたしておるわけでございます。いやしくも人事権に介入したり、あるいはまた自治を侵すというような考え方は毛頭考えておらないことをはっきり申し上げておきたいと思います。
#161
○安永英雄君 私は文部大臣のいまおっしゃったことは、私は国民のこの井上問題について見る目は全く逆だと思う。そういった警察は敵だとか何とか言って、いま国会とかいろいろのところで問題になっておる、そういう人を持っていくのじゃないかと皆が心配しているのじゃなくて、逆にこの問題を契機にして、国家権力、文部省、こういったものが大学の自治に介入していく。こういったことについての国民の不安、疑惑、こういったものが私は渦巻いていると思うんですよ。言ったとか言わないとか、そういう問題じゃないのですよ。あなたのところとは全く逆です。これを通じて、私は、だからこそ九州大学は全員一致しているのです。そんな調査をするのはいかぬと言っておるのじゃないですか。国民がこういう問題のある人を最高学府の――あなたのことばを言えば、最高学府の学長にするのは非常に不安だというふうには思っちゃいないので、むしろ文部省のほうがこれを問題にしている。週刊誌やテレビの問題も取り上げて、そうして普通ならば各大学のそういった評議会から持ってきたものは自動的にそのまま任命するというのが慣例であったのに、あらためてここでそういった問題を取り上げて、そうして拒否権らしいものを振り回すということ、この事態がいまの大学の紛争問題、あるいはまた大学の自治に文部省が介入しているという姿が浮き彫りにされているんですよ。そのことのほうが私は不安だと思う、国民の感情として。その点を私は申し上げたいと思うのです。だから私はかつて森戸事件、大正九年に起こった事件です。あるいは滝川事件、昭和八年に起こっている。こういった戦前、戦時中、いろいろな大学の学問の自由の抑圧、こういう歴史があるわけでして、この歴史のつめあとというものは、現在の大学の中にも依然としていま生きているのですよ、このつめあとが。そのつめあとをほじくるような問題であって、ただ単にテレビで見たとか何とかいう問題では決してないと思う。したがってこの点について、私が文部省のほうの、非公式かどうかしりませんけれども、見解が新聞に出ていたのを見たわけですけれども、かつては治安維持法、あるいは出版法、新聞紙法、こういうものに触れたからということで、こういった弾圧が行なわれたわけですけれども、いまではそういった拘束する法律はないと思います。これは戦前、戦時中を問わず、非常に大きな政治的な圧力なんですよ。ましていまそういった法律がないというのにそういった事態を起こしつつあるのじゃないかというふうに私は考える。あるいは戦前の監督権というのが、指導、助言しかないと、こう言われますけれども、これについても、私は九大事件というものを契機にして、文部大臣の人事というものに介入していったその姿というものが、国民の前に映っているのじゃないか、私はそう思います。私の見方が間違っておれば別ですけれども、文部大臣のこれに対する考え方があればおっしゃっていただきたい。
#162
○国務大臣(坂田道太君) 安永さんみたいに考えられる方がないとは申し上げません。しかしながら今度はまた安永さんがおっしゃるように、庶民的国民的感情として、ああいうような発言をなさる方を一体国立大学の学長に、あるいは代理として迎えることが適当であるかどうかということに対して、疑惑を持ち不安を持っているということは、これは私は事実であると思うのです。事実でなかったならば、民社党さんからも、社会党さんからも、あるいはまた自民党さんからも、この問題についてこのように何回となく御質問になるはずがないわけなんです。安永さんはそういう立場で国民の一部の気持ちを代表して御質問なさいますけれども、また自民党さんは私が申しましたようなことを踏まえて御質問をなさいます。また民社党さんのどなたさんでしたか知りませんけれども、やはり同様な意味合いにおいて、そういう人をなすべきじゃないのじゃないかという御議論をなさいました。しかし私はそれに対しまして皆さんに一致して、一貫してお答えしておるとおり、はなはだしく不適当であるということが明瞭に客観的に認められた場合にのみしないこともあり得るという、実に慎重な私は答弁をいたしておるわけでございまして、むしろその意味において、この際真意をお聞かせをいただきたい。従来、確かに滝川事件や、あるいはいろいろな問題があったことも、私は重々承知をいたしております。したがいまして、そういうことに踏み込むというようなことは毛頭ないということを、たびたび私がここで申し上げていることでございます。御安心をいただきたいというふうに思うわけでございまして、そういう意味合いにおいて、しかし、われわれが大学というものを尊重するという意味は、国民に対してそれじゃだれが一体責任を持つのかということに対して、今日の大学の教官あるいは学長あるいは評議会を含めました管理機関というものが、国民に問われておるわけです。国民のみならず、その大学を構成しておりますところの学生たちは、教官たちのいわゆる全学的意思というものがなかなかまとまらないというところに対してきびしい批判をしておる。それに対して国民は、一体文部大臣は何をしておるのだ、こういうおしかりも実は受けておるわけです。しかし私は監督をするものは持っておりません。指揮、命令する力は、現在の法規ではございません。単に与えられた指導、助言によって、それを国民のために新しい国民のための大学というものをつくっていかなければならぬ責任が私にはあるわけです。その場合にこのようなこと、不穏当なこと、あるいは適当でないこと、それがはなはだしいか著しくか、あるいはそれが客観的に明瞭であるかどうかはいなといたしまして、とにかく常識的に見るならば好ましい発言ではないということは、これは皆さま方もおわかりだろうと思う。こういう国民の不信に対して、大学当局みずからが堂々と申し開きをするという責任が私はあると思う。そのことを、私は主権在民のこの中における正当な選挙によって選ばれた総理大臣の任命を受けた文部大臣でございます。国民を代表いたしましてその真意をただすことくらいは私になくて、何が国民のための大学というものが一体この日本に生まれ得るだろうかという気がしてならないのでございます。あるいは学生のあのような激しい批判に対して、現在の大学当局というものがき然たる態度を持って言うべきことも言い得ない、このような状態に対して何で指導、助言というものをやり得ないのか、やっていいと私は思うのであります。それが私に課せられた責任であり、国民に対する義務である、そう思うのです。
#163
○安永英雄君 激しく言われたのですけれども、指導、助言をいままで一生懸命やっているというけれども、二十日間の空白があったじゃないか。どうしようというのですか。あなたこの前に、はっきり九大から調査といいますか調査書といいますか、文書で出てこない限りこの問題についてはこれは任命しない。はっきり言い切った。それから今日まで二十日間かかっているんだ。どうするつもりですか。そんなに大事なことなら。
#164
○国務大臣(坂田道太君) これは相手のあることでございますから、相手方が待つのかというか、あれなんか意思表示がない限りどうにもならないわけでございます。それを権力でもってやるなんということはよろしくないことだと思っています。これを私が、その意思を、井上さんの真意をただすことがなんで一体自治の介入になりますか。あるいは学問の自由を侵すことになりますか。当然なことじゃないですか。国家公務員として、教授として、これから九州大学の責任者として、そして国民に対して大学教育全体に対して責任を持たなきゃならない者が、文部大臣という職責上の任命権者に対してあたりまえのことをあたりまえに言うことができない。新聞社やその他のところに言って、私に言えないということは、私はどうしても常識的にわからないのでございます。
#165
○安永英雄君 常識的と言われますけれども、現に、あなた報告書を出さない。文部省の措置がいいのだと、こういうことについてどう思うか。
#166
○国務大臣(坂田道太君) だからどっちが常識的かということを申し上げているんです。出さないほうはちっとも責められないで、そうして出すのを待っている私だけを責められるわけでございますけれども、出さないほうは責められないのでございましょうか。私はわからないのでございます。
#167
○安永英雄君 私は、先ほどこの問題についてのそもそもの文部省の任命について、これが問題になったというのは文部省が問題にしたんでしょう。あなたのところが問題にしたんでしょう。そうでしょう。問題にしなきゃ何もこれだけやり合うことはない。テレビと何か週刊誌かなんかに出てびっくりして、それから起こった問題でしょう。だから、それに対して調査をする。それであなたよほどのことがない限り、この問題、任命するんだけれども、よほどの問題があるからという前提をしたために、これは調査をするのでしょう。そうしてこの前のことについては思想、信条の問題、あるいは政治理念の問題とはかかわりなしに何か文書を出せ、こう言ったけれども、書きようがないじゃないの。どんなものを書けというのですか。
#168
○国務大臣(坂田道太君) 私は先ほどから申しましたように、それが任命権者としてどうだこうだということよりも、第一義的には大学の学長、あるいは学長の代行となる者に対しては、今日のたてまえから言うならば、直接国民に対して責任を持つということでなきゃならない。その意味において国会で問題になっておることは何でもないなんというような、そういうお考えでは、私は、責任者としていかがかという、国民の感情というものを思うと、私は思うんです。これに対して文部省がそれを問題にしたんじゃなくて、国会でこれは問題になった。国会で問題になったことは国民の中にそういう不安、疑惑があるということです。あるいは常識をはずれておるんじゃなかろうか、こういうことを国民が考えておるということです。この国民の不安や疑惑を解消する第一次の責任を果たすのは、やはりそれは今度学長代行になろうとしておる井上さん自身がまずおやりにならなきゃならぬことだ。それを、任命権者である私に対してむしろ材料をお与えいただかなければ、私は一体国民に対してどうやって責任を果たしますか、果たしようがないじゃありませんか。
#169
○小林武君 関連。文部大臣に最初にお尋ねしておきたいわけですが、実は私ここに週刊誌、文部省を逆上させた九州大学の井上教授言行録というのがあるわけですけれども、全部読んだわけじゃないけれども、ちょっとチラッと見たところでは、どういうことが一番問題なんですか。ぼくはテレビも何も見てないわけですが、私の見た限りにおいては警察の問題については刑法学者として警察のやり方に対して批判した。こういう何だか文部大臣が、国会が取り上げようが何しようが、だれが何と言おうが、文部大臣がそれをどう取り扱うかということは、文教の責任者としてそれは文部省としての大学に対する考え方からいえば、学問の自由ということをとにかく尊重するという立場に立つわけですから、あなたの判断が必要なわけですが、一体、あなたが一番これは調査しなければならぬと思ったのはどういうことですか。まずそれを聞かしてください。
#170
○国務大臣(坂田道太君) 私は、文言について実はきょうまで触れていないのです、実を申しますと。ということは、そのことばはその全体の一部じゃないんだろうかということなんです。だからむしろ、小林さんがおっしゃるようなことを私は考えておる、率直に申し上げますと。その片言隻句をとらえていろいろやるべきじゃないのじゃないか、そういうことをはっきり私もおっしゃっていただきたい。
#171
○小林武君 そこがさっきからも議論しているのです。前からも井上君がどうなるのだということは、私も北海道の者だから、北海道大学がどうなるだろうかということを心配しているわけですが、そこで文言に触れないというのは、ぼくはちょっと理解ができないのです。たとえばこれがどう考えたって、何か大臣が私に対する答弁をなさったときに、寝たきりでどうにもならぬとか、それから少し悪く言えば頭の調子がおかしくなって、とにかくふさわしくないというような場合には、これはやはり文部大臣としても任命権者として考慮するというようなことがあるだろう。そういう限りにおいては私は、文部大臣の考え方にそれはなるほどと思うところがあるのですよ。その寝たきりの人を推薦するというのもおかしいし、それからちょっと言動がおかしくてどうもあれだというようなことで、あなたのおっしゃるようにこれがちょっと狂っているということならあれだけれども、井上さんの場合は私は、何ぼ考えても結局、何か発言したことが問題になっていると私は思うのです。その発言したことというのは、どういうことをとらえて、あなた発言のどこが一体、問題なのか。文部大臣のおっしゃるように、いまちょっとここに書いてありますが、常識的に申し開きをする責任があるということでありますが、常識的なことをというのは、 これは私は、学者の任免権をどうこうするということにはならぬと思うのですよ。あの人は若干奇行の癖があるとか、放言の癖があるとかというようなことで、そうして私はやるわけにはいかないと思うのです。どうしてもこの国会の問題として取り上げなければならぬという内容は、これはあなたのほうでそれほど調査しなければならぬということは一体何だということをはっきりきめられなければ、議論してもだめですから。あなたたち何を言っているのですか。ただ評判だけのことを言ったら、ずいぶん評判はそれはお互いに持つのじゃないですか。国会議員だって、あいつはどうだこうだということをわれわれも言われているだろうし、お互いに言われているのだろうと思うのです、そんなことは。それは、世間の言っていることは問題ではないということを言っているのじゃない。世間の批判に対しては謙虚でなければならぬが、同時にまた、世間で言うだけのことばをもってこれはだめなんだというような判定はなかなか下されぬでしょう。だから私は井上教授という人が学長代理になった、それがとにかく調査しなければ発令できないという、これは何が一体一番問題なんだということをきめてかからなければだめだ。そうじゃなければ水かけ論になってしまう。だから文部大臣が考えたことでないらしいから、自民党の中で何を言ったのが一番問題になったのか、国会国会とおっしゃるが、私はさっぱり言っていない。
#172
○国務大臣(坂田道太君) そこなんですね。だからまあそこはあっさりひとつ審議を願える機関を通して私のところに、次官まででもお話しいただけば真意がわかるのじゃないだろうかと思うのです。それからあるいはどうしても自分が来たくなければ、あるいは自分のかわりでその真意を伝える方法をとっていただければ、私たちといたしましてはそれはははなはだしく不適当であり、かつ客観的にこれは明瞭であるのか、あるいはそうではなく、小林さんがおっしゃるような形なのか、それは私は容易に判断がつくと思うわけでございます。
#173
○小林武君 もう一つ。これね、なかなか雑音も相当入っておるわけです、さっきからこの議席の中で。これはやはりただでおさまらぬ。相当議論せにゃいかぬ。どうも文部大臣は何かすればあたりを気にしているようなものの言い方は困ると思うのですよ。ぼくはその程度のことであれば、小林、おまえもうわかるだろうということであるならば、これは人事を左右するようなことじゃないのですよ。だれが考えてもこれはあかぬというようなことであるならば、これはもう問題ない。しかし、井上さんの場合には、どうも聞いた限りにおいては、テレビでどうしたとか週刊誌でどうしたとか、それから御本人のあれは私は刑法学者として警察に対して一つの批判を述べたと、こう言っている。こういうことになれば、そのことが私は問題になると思わぬです。それは反体制的なことを許されないなんていうこと大学にないはずでしょう、ね。先ほど来森戸さんの話出たけれども、あの当時はそれで通ったかもしらぬけれども、いまは一体、いまの体制に合わないところの経済学やろうが何の学問やろうが、これはもう自由なんですよ。その限りにおいて私は文部大臣がそういう常識的に申し開きをしなければというようなことを言われるというのが、私はかえって残念です。あなたのような良識ある方がそういうことをおっしゃるということは、ちょっとおかしいと私は思うぐらいなんです。しかし、これはいろいろ異論もあるようだから、ここで議論するならひとつ議論したいですから十分やってもらいたい。先ほどからお二人でやっておるから議論がかみ合わないような気がするのですよ。何のことで、どういうところが一体申し開きを必要とするのかと、学者として一体人事権の問題で話し合わなければならない次元の問題なのかどうかということをやはりはっきりしなきゃいかぬですよ。あの人は酒を飲むとか、何か週刊誌見るとなかなかはでな人だとかなんとかいうことを言う。そんなことは問題にならぬ。あいつはことばが悪いとかなんとか言われる人もいるだろうし、いろいろあるわけですからね。
#174
○安永英雄君 私は大臣に時間もありませんから言っておきますけれどもね。国会の中でとか国民の中で、この九州大学を見る、この問題を見る目というのは、私は確かに大臣がおっしゃったようないわゆるそういった、とにかく内容は別として、問題になった人はぐあいが悪いのだと、そういう人は悪いんじゃないかという不安というものはありますけれども、少数だとあなたおっしゃったけれども、いまなお大学のあの紛争のやはり原因は、大学の自治とあるいは新しい大学像をどうやっていくのだという、もうそこまで国民の目はきているのですよ。ゲバ棒を振り上げてテレビに出てくる、そして顔をしかめるというその時期よりも、さらに次の、それではどういう大学にならなければならぬかという、そういうやはり時期に国民の目は向いてきていると私は見ている。したがって、この大学の学長代理の任命についても、それを含めてやはり国民は関心を持っていると思う。したがって、やはり数は少数とか半々とか、そういうことは私はあえて言いませんけれども、やはりいまから新しい大学像を建設していこうという、そして現在の大学紛争、これをひとつ静めようというそういったまっただ中における問題の焦点ですから、私はやはり私が申し上げている国民の声というものを十分考えていただいて、これはほんの少しの、一つまみのものの意見だというふうに考えられるとこれはたいへんだと私は思いますから、ぜひひとつ私の言ったことは、やはり国民の、私に言わせれば大多数の見る目だと思います。
 それから、いま小林さんも言ったのですけれども、私もこの前からきょうまで迷っている点が一つあるのです。それは大臣があいそうがいいので、その点になりますと、ちょっと本人が東京まで上ってきてくれて、私の部屋に来てくれて、ちょっと何か言いわけをしてくれればそれで済むのにというふうな、それから紙切れで出すのも、これはほかから聞いた話ですけれども、あなたは公安警察はいやだろうけれども交通巡査まで否定していないだろう、交通巡査はいいのだというふうなことを言ってくれればいいのだというような感じを受けたのですけれども、私は大臣のそういうあれはゼスチュアであって、これは根強いと思うのですよ、やっぱり私は。ただ東京に来て、そうして私の部屋に来て、私にちょっと言ってくれれば済むものをというものではないと私は思うから言ったのですよ。事実そうであればこれは問題すぐ片づくと思うのですよ。そうではないというふうに私も受け取っているし文部大臣も受け取っているのじゃないですか。だからこれはあれしたのじゃないですか。この問題は時間が短くてあれですけれども、またこの次あたりもう一回やります。終わります。
#175
○委員長(久保勘一君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#176
○委員長(久保勘一君) 速記起こして。
#177
○内田善利君 私は、去る三月二十九日に社会教育審議会から出ました答申について若干質問したいと思いますが、現在テレビによる放送大学ということに対する期待は非常に高まってきておるわけですが、わが国の状況は大学講座にしても教養番組程度でありますし、公明党でもこのマスメディアの利用についていろいろ提案しておりますが、卒業資格あるいは単位修得資格を得るというようなことは現在のわが国ではできないわけですが、これを放送大学のような形に改めて資格が得られるようにして広く一般国民に公開すべきであると、このように思うわけですけれども、この点についてどうお考えになるか、社会教育局長にお願いしたいと思います。
#178
○政府委員(福原匡彦君) ただいま先生のお話しのように、去る三月の二十九日に社会教育審議会の「教育専門放送のあり方について」という答申がございました。その中には大学のことだけでなくて、もっと広く教育全般にわたりまして放送を活用すべきではないか、現在の教育の質量ともに拡大している時期に放送というメディアを日本人はまだ十分活用し切っていない、ことに教育関係で活用していないうらみがあるということで、相当長文の冊子として六〇ページにわたる答申をいただいたわけでございます。その中にいま先生御指摘の大学教育において放送を利用すべきだというのが相当重点を置いて中に述べられております。現在の大学の学生が増大をしてきておりますときに、こうしたマスメディアというものを活用する面がたくさん残されているという点が大きい指摘になっているわけでございます。この点につきましてこの答申の一つの基調になっておりますものは、こうした大学その他教育機関が教育専門放送局を設置する、そうすることによって教育的な放送を実現すべきではないか、そのためには、これは放送波による一般放送だけではございません。その他英会話テレビとか放送波以外の通信波というものの利用ももちろん中で考えておりますので、いろいろな形での活用方法があると思いますけれども、その中でやはり現在割り当てられようとしておりますUHFの波をいただいて、その中でこの教育専門放送を実現するということについて社会教育審議会として努力するようにという提案をしているわけでございます。この点に基づきまして、私どもこの答申をいただきましたので、いま先生のお話ございましたように、今後政府部内でもいろいろ協議をいたしまして、この答申が実現できる方向で検討してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#179
○内田善利君 この答申について文部大臣はどのように具体化していくつもりであるか、基本方針を承りたい。
#180
○国務大臣(坂田道太君) ただいま社会教育局長から御答弁を申し上げましたとおりまだ三月二十九日に答申が出たばかりでございます。しかしながらその中身を見ますると、なかなか大事なことがあるわけでございまして、慎重に対処しなければならないと思います。しかし、かねがね私は今日の大学というものが単に学問研究ということだけじゃなくて、その研究した成果というものを国民に広く開放するといいますか、還元すると申しますか、あるいはそれをサービスするというか、そういう新しい国民的要請というものが求められてきておる。こういう時代において、現在ありますテレビの波を通じまして、そうしてちょうどイギリスあたりでやっておるようなオープンユニバーシティーというようなことをやるならば、ある程度自宅で学ぶことができる。そして一定期間スクーリング等を近くの大学等においてやることによって、ある一定の資格もとれる。あるいは単位もとれるというようなことが、これから考えられていかなきゃならないんじゃないかというふうに思っております。
 ただ、イギリスのような、BBC放送と提携して、そしてまた別にこのオープンユニバーシティーという一つの機関があって、そしてそこでいろいろカリキュラム等も編成し、そして学位授与等についての権限もそこへ置く。そして実際のやり方はむしろBBCを通じてやる、こういうやり方というのは非常にいい。イギリスの国柄としてはいいと思います。それが日本の土壌にはたして適合するかどうかというようなところは慎重に考えなければならないわけでございますけれども、しかし、現在のテレビの波を通じまして、万人のためにそういうような教養講座が、あるいは短期的な技術教育というものを身につけさせるということは、生涯教育にもつながることでございまして、それからまた国民のための大学というものをわれわれが再建しようとして非常に苦心惨たんしておる、この状況下において、一方において、そういうような現在の大学の硬直化した面を打開する道としても非常に有効な方法ではないだろうかというふうに考えております。イギリスでは御承知のとおり、オックスフォード、ケンブリッジという古い大学がありますけれども、これはやはり今日の社会情勢に対しましてはなかなか適応できない面が出てきておる。しかし、それをイギリスはイギリス流に何百年来の伝統を持っておるこの大学はやはりそれなりの意味を持つ。社会的変遷に応じたひとつ大学というものは、新しく、全く新しくつくろうということでエセックス大学とか、サセックス大学とかというような形で、この近代社会に適応する大学を創設をいたしておるわけでございます。しかし、量的にはいわば高等教育機関に学ぶ国民の要望にはそれだけではなかなかこたえられない。さらにその量的なものを拡大していく。さらに生涯教育にもつながるこの国民的要望に対して、このBBCと提携したオープンユニバーシティーという構想はイギリスの社会においてはなかなか進歩的な制度ではないかというふうに思います。またアメリカ等において別な形ではございますけれども、この波を通じて教育機関としての働きを持ってきた。私は日本においてもどういう形が一番必要であるかということを事務当局に指示いたしまして、ただいま鋭意検討をいたしておるわけでございます。また皆さん方におかれましてもいろいろの御意見等を賜わりまするならば非常に幸いだと思うのでございます。
#181
○内田善利君 じゃ、わが国でも放送大学を設立したいという意向でありますね。
#182
○国務大臣(坂田道太君) 私はそういうような意欲を持っておるわけであります。
#183
○内田善利君 今度の答申の中で大学とそれから地方教育委員会と、単独あるいは共同で、こういったオープンユニバーシティー式なものをつくるという提案が出ておるようでありますけれども、このことについては私たちよくわかりませんが、どのくらいの財政措置が必要なものか、お聞きしたいと思います。
#184
○政府委員(福原匡彦君) 財政措置につきましては、実はこの答申が出ます前に私どもとして、かりに積算をいたしまして、教育機関、テレビとFMにおきまして二ヵ所ずつ実験的な局を持つとした場合のその設備費として半額援助することにしての二億数千万という積算をはじいたことがございます。ですから、それが半額補助でございますから、テレビ、ラジオ一ヵ所ずつで二億数千万ということになります。そういう設備費をはじいたわけでありますが、大体それくらいの見当ではないかと思います。
#185
○内田善利君 電波の割り当てはどうなっておりますか。これが可能であるかどうか。
#186
○説明員(左藤恵君) 現在、教育用その他の用途のために留保いたしておりますUHF帯のテレビの電波、これにつきましては各県一波程度という波の留保はいたしております。したがいまして、個々の大学に、たとえばテレビ教育放送局を認めるというようなことは、周波数的には考えられないことでございまして、しかし、大学の教育放送の問題も含めまして、教育専門放送といたしましてどういう形でいたすか、進めていくべきかということにつきまして、文部当局とも十分私どものほうで連絡をとりまして、慎重に検討いたしまして、できる限り答申の趣旨を生かし得るようにいたしたいと思っております。
#187
○内田善利君 郵政省ではUHF放送の放送帯のチャンネルの割り当てですね。この割り当てについて一チャンネルは教育放送専門局に充てると、このように聞いておるわけですが、しかし娯楽的番組にもしたいという意見もあるようでありますけれども、電波は公共のものだし、国民のだめのものですから、こういった答申も出ましたし、放送大学設立という構想から放送教育用の電波を留保することができるかどうか。ぜひ、教育用の放送電波を留保していただくというできたら確言をいただきたいと思うのですが、この点についてはどうでしょうか。
#188
○説明員(左藤恵君) ただいま申し上げましたように、UHF帯のテレビにつきましては各県一波は確保いたしております。FMの電波につきましてはただいまのところ、私どものほうでは将来テレビがVHF帯からUHF帯に移行しました後におきまして、当然こういったものを考えなければならないというふうに考えております。
#189
○内田善利君 FM波帯の割り当て発表はまだないわけでありますね。
#190
○説明員(左藤恵君) ただいまのところではできないと思います。
#191
○内田善利君 現在、教育専門局としての一応電波の割り当てを受けておる既設の放送局があるわけですね。この許可基準ですが、これはどういうふうになっておるか。
#192
○説明員(左藤恵君) 現在、教育専門局といたしまして、私のほうで免許いたしておりますときに付しましておる条件でございますが、NHKの教育局につきましては、教育七五%以上、教養一五%以上でございます。民間放送につきましては、日本教育テレビに対しまして教育五〇%以上、教養三〇%以上でございます。それから日本科学技術振興財団テレビ、十二チャンネルでございますが、これに対しましては、科学技術教育六〇%以上、その他の教育及び教養二〇%以上の番組を放送することを求めているわけでございます。
#193
○内田善利君 現在、実態はどうなっておるかお聞かせ願いたいと思います。
#194
○説明員(左藤恵君) 各放送局からの報告によりますと、これらの教育専門局は番組比率を満たしておるという報告が私のほうにはまいっておるわけでございます。しかしながら、民放にありましては、個々の番組について見ました場合、一般的にこれを教育番組として分類することに疑問があるものもございまして、われわれといたしましては必ずしも満足すべき状態にあるとは考えておりません。
#195
○内田善利君 話を変えますが、放送大学を一応開設する場合に、いろいろ方法あると思いますけれども、先ほど申しましたように、地方の大学と教育委員会が共同でつくるとか、国営でやるとか、あるいは現在の既設の放送局とタイアップしてやるとかいろいろあると思いますけれども、この点についてどのような基本方針を持っていられるかお聞かせ願いたいと思います。
#196
○政府委員(福原匡彦君) 答申の具体化の方向につきまして、実は検討始めたところでございまして、いまのところ、既存の放送局によるものはこの答申では一応考えていない。教育機関による放送ということでございますから、線のワクはございます。その中でいろいろの形について検討始めたところでございます。
#197
○内田善利君 現在、高等学校のいわゆる卒業証書を与える、資格を与える放送教育が行なわれておるわけですけれども、それについて実態をお話しいただきたいと思います。
#198
○政府委員(福原匡彦君) 現在、御承知のようにNHKの通信学園が高等学校につきまして高等学校の制度の中に取り入れられてございまして、放送が、面接指導あるいは特別活動に代替するものとして、これはテレビとラジオで、ちょっとパーセンテージは覚えておりませんけれども、四、五〇%あるいは六〇%にかわるものとして計算に組み入れられて、放送を聞くことによって面接指導の時間がそれだけ少なくて済むというような形で高等学校制度に取り入れられまして非常に成績をあげておりまして、きょう数字を持っておりませんけれども、たしか二〇%以上のものがこの三月の卒業のときにはちゃんとその課程を終えて卒業したと聞いております。
#199
○国務大臣(坂田道太君) いまのNHKのテレビ高等学校の卒業式に参りまして非常に感心して帰ってきたわけですが、とにかく、この四年間続けて受講するということは、非常になまけぐせの多い人間としまして非常にむずかしいこと、それを乗り越えてあの卒業証書をもらわれた人たちというのは、非常にその間における人間形成の上においてもすばらしいことだという気がいたしました。その集まられた人たちの顔つきを見ましてもそういう印象を受けたのであります。また同時に、その午後でございましたけれども、十二チャンネルを利用しました卒業式にも参りました。これは工業高等学校でございますけれども、この方々も同様な感じを持ったわけでございまして、こういうようなことが大学までいったらなあという感じを実は率直に持った次第でございます。
#200
○内田善利君 この放送大学についてはまだいろいろお聞きしたいと思いますけれども、いまからの問題だと思いますのであとに譲りますが、ぜひひとつこの放送大学ということは国民の期待でもありますし、またアメリカないしイギリスなどでも実現しておりますし、また高等学校でもそのように成功を見ておるように聞いておりますし、ぜひひとつ放送大学実現に文部大臣並びに皆さんの強力な推進を要望しましてこの質問を終わります。
 それから次に、これも時間がありませんので簡単に質問いたしますが、学校給食の問題ですけれども、いま日本学校給食会というのがございますが、これと文部省の関係についてお聞きしたいと思います。聞くところによりますと脱脂粉乳から牛乳への切りかえが終了したときにこの日本学校給食会はやめるのだ、廃止するのだ、そのように聞いておりますが、こういった点もあわせてお願いしたいと思います。
#201
○政府委員(木田宏君) この日本学校給食会につきましては、特殊法人の整理というような問題を機会に、いま取り扱っております脱脂ミルクの取り扱い量が少なくなったならばやめていいのではないかというような御意見が出たことは御承知のとおりでございます。しかしそのときにも、これからの学校給食のあり方と関連いたしまして、日本学校給食の新しいなすべき役割りというものをどう考えるかということによっていろいろと将来を考えようということにもなっておるわけでございまして、現在の段階ですっかりやめてしまうということになっておるものでもございません。
#202
○内田善利君 この小麦が外国から入っていろいろなルートを経て学校に入るまでの間に製粉工場における検査と製パン工場における検査、これはいつどこでだれがやるのか、お聞かせ願いたいと思います。
#203
○政府委員(木田宏君) 小麦粉の流れにつきまして御説明を申し上げておかなければならぬかと思うのでございますが、現在小麦を食糧管理特別会計で輸入いたしまして買い受ける、私どものほうからは全国の学校給食に必要な小麦の量を末端から取りまとめまして必要量の小麦粉の製粉をその食糧庁の特別会計でつくってもらうことを頼んでおるわけでございます。それを各都道府県にできております学校給食会が県内の必要量としてつくられましたその小麦粉を買い受けるという形になっております。都道府県の学校給食会で管内の学校に必要なパンの製造をそれぞれ適切なパン製造の工場に委託をいたしておるわけでございます。結局食管会計から県の学校給食会が小麦粉になった段階で買い受けましたときから一応県の給食会の支配する物資ということになりまして、この県の給食会が自分の必要とするかくかくの規格のパンをつくってくれという委託契約をするわけでございます。したがいまして、県の給食会が個々の製造工場に対して規格どおりのものができているかどうかという検査をすることになるわけでございます。この県の学校給食会につきましては、言うまでもないことでございますけれども、都道府県の教育委員会が監督指導をいたしております。その意味からも県の教育委員会がいま申しましたパンの基準その他につきましてその適正を期するようにやはり指導し目を光らしておるというのが実情でございます。
#204
○内田善利君 製粉工場と製パン工場のチェック。
#205
○政府委員(木田宏君) 製粉の段階は食管会計の仕事として食糧庁にやってもらっております。したがいまして出先の食糧事務所になるわけでございますが、そこで給食用として扱われます小麦の製粉過程というものが食糧庁の責任で製粉過程の検査をしてもらっております。できましたものを県の学校給食会が引き取りまして、自分の必要とするパンを製パン工場に託して実施するということになりますから、製パンの過程につきましては、県の学校給食会が自分の注文どおりの品になっておるかどうかということをチェックする、こういうシステムでございます。
#206
○内田善利君 製粉工場においての製品を県の給食会は見ないままお金を支払うことになるのじゃないですか。
#207
○政府委員(木田宏君) 県の給食会は学校給食用の小麦粉として適切なものを食糧庁でつくっておるわけでございますから、それを引き取りますときに、食糧庁から、具体的には出先の食糧事務所から県の学校給食会が引き取ります過程におきまして、学校給食用の小麦粉として製粉されておるかどうかは、食糧事務所の段階でチェックをしてくれております。食糧事務所から県の学校給食会が買い受けることになります。もちろん買い受けるわけでございますから、自分が買うものにつきまして、必要に応じて品物を見るということはあり得るわけでございますが、これは食糧庁から買うわけでございますので、一般的には安心して私ども買っておるつもりでございます。
#208
○内田善利君 食糧事務所の検査は何回ぐらい行ないますか。
#209
○政府委員(木田宏君) その過程までは食糧庁のほうに委託をしてつくってもらっておりますので、ちょっといま、食糧庁の中で現実に何回ぐらい現地を見ておるのかどうか、ちょっと承知をいたしておりません。
#210
○内田善利君 パンの加工原料ですが、その配合比ですね、これはどこできめますか。
#211
○政府委員(木田宏君) 先ほど申し上げましたような手続で具体的にパンをつくりますのは、それぞれの県の学校給食会、学校給食の関係者がつくるということになるわけでございますが、しかし一応の学校給食指導上のめどといたしまして、文部省の私どものほうからパンの一応の原料の配合基準というものを参考に示しております。県によりまして、この基準に多少の増減がございますけれども、まず、いま私ども承知しておるところによっては、私どもが示しておりますパン原料の配合比率によってそれぞれ委託加工の注文が出ておるように承知をいたしております。
#212
○内田善利君 その配合基準よりも下回っている実態が非常に多いわけですが、これは下回ってもいいわけですね。一応の基準であって、下回ってもいいわけですね。
#213
○政府委員(木田宏君) それぞれどういう種類のパンをつくるかということにつきましては、注文主であります県の学校給食会に若干の裁量があるわけでございまして、私どものほうでは、国の補助金をつけました小麦粉、この小麦粉につきましては、食糧庁とも相談の上で銘柄を指定いたしまして、食糧事務所から配っておりますが、その小麦粉に対しまして、パンをつくります場合に、イースト、食塩、ショートニング、砂糖、あるいはブドウ糖、当然パンをつくるに必要な原材料を加えて製パンをするということになります。このほか、ビタミンであるとかあるいは脱脂粉乳を若干まじえるとか、加える。それはそれぞれの県の給食会の判断が加わるわけでございますから、砂糖のかわりにブドウ糖にかえてしまうというようなことも県によっては起こっておるわけでございます。しかし、このことはパンの製造過程で砂糖でなければならんというわけでもございませんので、それぞれのくふうがこらされておるものと、かように考えております。
#214
○内田善利君 カロリーの関係はどうなっておりますか。
#215
○政府委員(木田宏君) 一応、いま製パン過程の原料の配合基準といたしまして、小麦粉一〇〇に対しまして、イースト、食塩それぞれ二、ショートニング、これは油でございますけれども、三ないし四、糖分、砂糖あるいはブドウ糖三ないし四というようなめどでパンのカロリー計算をし、それに合わせまして副食のカロリーの指導基準というものも一応つくっておるわけでございまして、この砂糖あるいはブドウ糖ないしはショートニングの量が若干の変動はございましても、全体としてのカロリー計算に心配なことは起こっておらないと思います。
#216
○内田善利君 学校給食用のパンは、非常に市販のものよりもまずいという声を聞くのですけれども、この点について。
#217
○政府委員(木田宏君) 小麦粉につきましては、かなり良質の小麦粉を使うように食糧庁と相談でやっておりますが、最上級の粉でないということは、値段の関係からいって一つございます。また全体として、加工賃につきましても、市販の上等のパンほど十分な配合物資をたくさん加えてやるというところもいたしかねますので、一応の基準として先ほど申し上げましたような比率で出しますと、その過程で多少の、最上級のものに達しないという状態もございます。ただ、パンの味はもう一つ、配合比率なり原料の中身にはそれほどの差はないのでございますが、焼き方の問題とか、かなり技術的なプロセスの問題が同時に入るわけでございまして、その焼きのうまさ、あるいはこね合わせ方、そういったものがやはり現実にかなり味に加減してまいるものでございます。私どもは県の給食会の関係者、委託を受けておりますパン工場の関係者等々と製パン技術についての講習会その他を開いております。ただ、一食当たりの加工賃がやはりある線に低くなっておるというところから、味について若干やむを得ないものが起こっておる。これは、これからの問題といたしまして、一般に出回っております市販のパンが、同じ市販でも値段が、私どものほうは加工賃を加えて九円そこそこになっておるわけでございますが、それと同じものを市販で考えますと、どうしても十五円から二十円の間になっていま売られておるわけでございまして、その差がある程度味に響いておるということは避けられない。そこをどうするかというのがこれからの給食のやはり大きな問題だと思っております。
#218
○内田善利君 完全給食、学校給食を無償にすればそういうことは解決するのじゃないかと思いますが、この点について。
#219
○政府委員(木田宏君) これはたいへん大きい問題でございますが、私見にわたりましてたいへん恐縮でございますけれども、この三度三度食べます食事を公費で無償にすれば、その問題は、実はまことに恐縮でございますが、どうも片づきそうにないのじゃないかというふうに、逆に私は感じます。どうしても役所でやりますと、ある基準線でもって処理をせざるを得なくなるわけでございまして、その最上級の味のものを役所でうまくつくるということはなかなかむずかしいことになろうかと思います。また、給食の食費代を全部公費で持つことがいいかどうかという点については、私自身かなり疑問に思っておるところでございますが、現在学校給食を実施いたしてまいりますにつきましては、法律の定めもございますけれども、施設をつくり設備をつくる、そうして必要な人員を配置するところは設置者の負担ということになっておりまして、食べる食糧の、食品の負担分につきましては食べる人が負担をするというたてまえできております。その際に、生活保護その他特殊な生活状況におありの方々に対しまして、別途食費の補助をいたしておりますけれども、現在の体制としては、これでよろしいのではなかろうか。ただ、どのようにしてうまいものをつくり、より多く子供に喜んでもらえる食事にするかという点は、今後努力をしてまいりたいと思っております。
#220
○内田善利君 パンを米にかえていくという考えを聞いておりますが、特に現在の子供はもうパン食になれておりますし、われわれですとパンよりも米のほうがいいという場合もありますけれども、そういった子供たちに対して、たぶついている米を学校給食に使っていくと、そういうことを聞いておりますけれども、この点についてはどうなのか、文部大臣にお聞きしたいと思います。
#221
○国務大臣(坂田道太君) 私はただいまそういうことは実は考えておりません。ただしかし検討の課題であるということは思っております。と申しますのは、やはり日本は米をつくる国でございますから、そういう米どころにおいてこのパン食ということだけでいいかという議論も多少言われておるところでございます。しかしながらこれは全くの研究課題だというふうに御了承をいただきたいと思います。
#222
○内田善利君 時間がありませんのでもう一問で終わりますが、学級閉鎖とか長期に学校が閉鎖されたような場合に、子供が出した給食費はどうなるのかお聞かせ願いたいと思います。
#223
○政府委員(木田宏君) 内田委員御存じのことと思いますが、大体実際の処理といたしましては、月ごとに給食費の集金をし支払いをするということになっておりますから、月の途中から長期にわたりまして食べることがなくなったというようなときには、翌月なり、あるいはしかるべき年度の末でその調整をとるということが現在行なわれておる実態でございます。
#224
○内田善利君 完全給食になるまでにどのくらいの見通しがあるか、最後にお伺いしたい。
#225
○政府委員(木田宏君) 現在給食の実施率は、小学校におきまして、児童数で申しますと九六%までまいっておるわけでございますが、完全給食の部分だけでとりますと八八%でございます。また中学校におきましては、発足のおそかった関係等ございまして、学校数、生徒数ともまだ完全給食の実施率が半数に至っておりません。問題は実は都会にございまして、大都市ほどこの給食の実施率が低いという実情がございます。特にこれから中学校に努力を加えていかなければならぬと思いますが、いままでつとめてまいりました給食の普及度が、一応のある一つの限界と申しますか、線上に来ておるような感じもいたしておりますので、私どもこの段階で、どのような問題を解決することによって将来の促進をはかることができるかどうかを、ただいませっかく審議会にはかりまして検討いたしておる段階でございます。
#226
○萩原幽香子君 たいへん時間が少のうございますので、大急ぎで質問させていただきます。ぜひお聞きしたいと考えておりました教育専門放送については内田委員のほうから御質問がございましたので、この問題は省きます。
 この三月の二十九日の私の予算委員会での質問に対しまして、文部大臣は、昨年七月前文部大臣から諮問された事柄についての答申がこの秋ごろにあるというお話でございました。そのときに私は、秋ごろのような答申でございますとまた再来年ぐらいにならないと実施に移していただけないのではなかろうか、こういうことを申しましたところ、大臣は、いや答申が出る前に必要だと思うことは文部大臣として考えたい、こういうようなお答えをいただいたわけで、たいへんありがたく存じております。そこで、この答申以前にどの点を実施をしていただくことができるのでございましょうか。その点について文部大臣から御答弁をいただきたいと存じます。
#227
○政府委員(福原匡彦君) 社会教育審議会で現在審議を続けている最中でございますけれども、ようやく最近具体的な問題に入ってまいりまして、指導者、施設、団体といったような予算に関係のある面はむしろこれからの議題になってくるところでございます。これをどういうふうに審議会のほうでおまとめになるか。実は私ども目標としてお願いしてあるのは秋でございますけれども、萩原先生のおっしゃるように、一年待てばそれだけ充実がおくれるという面もございますので、その中で来年度の予算に反映させたいと審議会のほうでお考えの点は、あるいは中間答申というような形で七月を目標にその中からしぼって出されるということも考えられるわけでございます。私どもできればまたそういうふうにお願いしてみたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#228
○萩原幽香子君 どの点に今後は重点を置いて答申以前にやらなければならないとお考えになっておりますか、その点をお伺いいたしたいと存じます。
#229
○政府委員(福原匡彦君) これは審議会でこれからきめることでございます。これは私見になりますけれども、私は、社会教育の指導者の問題に一番重点を置いていただければ、こういうふうに考えております。
#230
○萩原幽香子君 全く私も同感でございますが、本年度社会教育重点事項の第一として、社会教育指導体制の充実ということがあげられておりますね、その具体案についてお伺いをいたしたいと存じます。
#231
○政府委員(福原匡彦君) 本年度の予算の重点事項のまとめ方でございますが、ただいま先生のおっしゃいました指導者という面に着眼いたしましての関係、これはちょうど予算を要求するときの重点といたしまして考えた事項でございます。内容的には、一つは社会教育研修所というのが現在ございますが、ここで社会教育の指導者の研修をやっているわけでございますけれども、その面での若干の充実を今年度の予算でははかっていく。それから、従来からやっておりますけれども、現在の社会教育主事の資格を得るために社会教育主事講習というものがございます。あるいは社会教育指導者を海外に派遣いたしましたり、あるいは都道府県の中でも社会教育主事の研修をいたしておりまして、これに対しても国として援助しているという面がございます。若干ずつではございますけれども、その意味で抜本的なことは実は答申待ちというような形になってしまったのでございますけれども、予算面でも若干の増額をはかりまして、そういう面の充実をはかる、こういうことでございます。
#232
○萩原幽香子君 国立社会教育研究所について本年度一名増員ということになっておりますね。全体で何人いらしてどういうような仕事をしていらっしゃるのか、お伺いいたしたいと存じます。
#233
○政府委員(福原匡彦君) 定員は現在十二名でございまして、定員増の非常にむずかしいときでございましたけれども、社会教育の重要性ということで、わずか一名でございましたけれども、専門職員をふやしてもらうということが可能になったわけでございます。御存じかと思いますけれども、上野の、前の図書館職員養成所のあとで、非常に古い建物でございますけれども、あそこに都道府県、市町村あるいは民間の社会教育団体の指導者を、普通二週間程度あるいは一ヵ月ぐらいのことでございますけれども、年間十五コースの研修講座を設けております。平均いたしまして、一コース五十名ぐらいの研修生が集まっております。これはある程度長期にもわたりますので、松戸に寮までございまして、そこに宿泊いたしまして、そちらの宿泊所でも若干研修ができるようにという配慮をするようにいたしました。全体としては現職教育というような形での研修をいたしております。
#234
○萩原幽香子君 社会教育主事の講習指導者というところでちょっとお伺いしたいのでございますが、ここには社会教育指導者の養成として、千五百万円組まれておるわけでございますね。そしてその内訳が、社会教育主事の講習と研修がおもなようでございますけれども、社会教育指導者という範囲について、どのようにお考えでございましょうか。
#235
○政府委員(福原匡彦君) 現在のわが国の社会教育の指導体制といいますか、これは役人と申しますか、公務員によります指導者――公務員指導者が社会教育主事あるいは公民館主事その他あるわけでございます。それと民間指導者と申しますか、社会教育団体の指導者あるいは広く民間のボランティアの活動として、社会教育指導者、この大きく分けて二種類があろうかと、こういうふうに考えております。
#236
○萩原幽香子君 そのいわゆる民間指導者というものに対して、どのように指導をなされようとしておりますのか、その具体的な問題、具体的な方法をお伺いいたしたいと存じます。
#237
○政府委員(福原匡彦君) まあ民間の普通のボランティア活動まで国としてはなかなか手が出ていないわけでございますけれども、国としては全国にわたりますような社会教育団体というものに対しては、資料の配付でございますとか、その他研修に集まっていただくとか、そういうような形での接触をしているわけでございます。
#238
○萩原幽香子君 大体そういったような民間指導者に対する予算措置というものでございますね。資料の配付とか、講習会――講習会といいますか、研究会とか、それぐらいの程度のものでございましょうか。民間の指導者に対する養成というようなものはそれぐらいのものでございますか。
#239
○政府委員(福原匡彦君) これは必ずしもこれで十分だということでなくて、現在しておりますのが、おもにそういったような、役所としてやっております民間の指導、助言といいますか、そういう形で行なっているということでございます。
#240
○萩原幽香子君 そこで、社会教育に携わる人の問題について、少々お伺いをいたしたいと存じます。この社会教育主事といいますものと、公民館主事といいますものとの仕事が非常に錯綜しておりまして、非常に明確でない。まあ社会教育法を読んでみますというと、社会教育主事とは、社会教育を行なう者に専門的技術的な指導、助言をなすと、こういうふうにうたってございますし、公民館主事は、社会教育法の第二十七条に、事業の実施に当たると、こういうことでございますね。ところが、実際問題といたしましては、非常にこの両者があいまいな形にあるように考えるわけでございますが、その点、いかがでございましょうか。
#241
○政府委員(福原匡彦君) これは萩原先生御指摘のとおり、萩原先生よく御存じだと思いますけれども社会教育がやや未分化な面がございまして、これはもう少し伸びてまいりますとその間におのずから役割り、分担がはっきりしてくるかと思います。現在私ども考えまして、その町の大きさによっても、一番小さい段階でございますと、社会教育主事が公民館主事を兼ねるような形で出かけているというような形、これはまさにそのまま相負っているというような状況だと思います。もう少し大きいところになりますと、社会教育主事と公民館主事がただ役割りを分担して、公民館のことは公民館にまかせている、それ以外のことは社会教育主事がやっているというようなことがあろうかと思います。これがもう少し高度になりますと、社会教育主事がある程度の地域、これは大きい都会になってくるかと思いますけれども、全体の企画調整、かようなことに専念をして、公民館主事とやや性格を異にするというような段階もあろうかと思います。その辺がちょっとばらばらになっておりますために、社会教育の中で混乱をしているという面は確かに存在しております。
#242
○萩原幽香子君 公民館主事が一般職であるとか、いわゆる教育専門職であるとかいうところにも多少問題があるのではないかと思うのです。たとえば公民館主事が一生懸命になって勉強をして帰ってみたら戸籍係になっていた。こういったような実情もあるようでございますね。それではほんとうに私は社会教育というものに専念できにくいのじゃないか、こういう感じもするわけでございますが、そういう点についていかがでございましょうか。
#243
○政府委員(福原匡彦君) 公民館がたまたま図書館、博物館のようなやや専門的な社会教育施設と違いまして、いわゆる総合的な社会教育施設と申しますか、何でもやらされるのだというような点が、おそらく社会教育法ができますときに、専門制の位置づけにちゅうちょしたゆえんではないかと思います。まあしかしこれは公民館の方々、非常にその中で熱心にやっていただいておりますし、公民館主事の人が努力して、何とか専門制を確立したいというような動きもございます。これは私どもできるだけ応援して、何か機運が熟するのを待って、もう少しはっきりした位置づけができたら、これも私見にわたって恐縮でございますが、こういうことも今後の答申の中で審議会で検討していただきたいと思いますけれども、あまり社会教育主事、公民館主事、青年学級主事というように分化することが、社会教育全体が伸びない。これも義務設置にして、これも義務設置だというようなことになりますと、かえってお互いに足を引っぱり合うという面も一ございます。何かもっと大きな力にして、公民館主事も、実際やっておりますのは、社会教育全般、変転してまいります社会教育、社会のことがわかっていないと、いろいろなプログラムも十分組めないという事情は社会教育主事とそう変わらない仕事内容だと思います。ですから、ほんとうに私見でございますけれども、何か身分は社会教育主事というようなもので一本にするというようなことも一つの方法として考えられるかと存じます。
#244
○萩原幽香子君 とにかく私たちもあいまいもことした形の中で、非常にやりづらいことをやり続けてまいりましたので、その状態が私がやりましてからはもう相当の年月が経ております。にもかかわりませずいまなお同じような状態がこうして繰り返されているというところに、社会教育というものがほんとうに教育の谷間だということを私はしみじみと感じさせられるわけでございます。しかし社会教育がこういう状態であります限り私は一般の教育というものの正常化もなかなか望み得ないのじゃないか、こんなようなことも考えますので、どうぞひとつ社会教育局長さん、文部大臣をはじめ、皆さん方でこの問題について十分御検討をいただきまして、社会教育が前向きに進展いたしますように、お取り計らいをいただきたい、このように考えるわけでございます。
 その次にお尋ねいたしますことは、社会教育主事の定数基準というものが明確に制度化されておりませんわけでございますが、全国の社会教育主事の設置状況はどのようになっておりますでしょうか、お伺いいたしたいと存じます。
#245
○政府委員(福原匡彦君) 現在社会教育主事は、都道府県の教育委員会及び市町村の教育委員会に置かれているわけでございますが、都道府県の場合は、ちょっと古い資料で恐縮でございますが、昭和四十二年の五月に社会教育主事都道府県八百三名、一県平均十七・五人の数字が出ております。それから市町村全部含めまして二千五百九十四人でございます。合計で三千人余りの社会教育主事と、こういうことでございます。
#246
○萩原幽香子君 人口一万に満たないところは未設置のところが多いわけでございますね。そういう未設置のところの社会教育は一体どのようになされておりますのでございましょうか、その実態をお伺いいたしたいと存じます。
#247
○政府委員(福原匡彦君) 現在まで残念ながら人口一万未満の町村では社会教育主事設置というものが猶予期間が置かれておりまして、まだ猶予期間中にある、こういうことでございます。実際は現在は、人口一万未満の町村におきましても三八%は置いているという状況でございます。それ以外の町村ではしからばどうしているのかということでございますが、これは、もし公民館がございます場合には公民館主事が社会教育の中心になっていようかと思います。それ以外に社会教育委員という制度が社会教育法の中にございまして、これはある意味でボランタリーな仕事でございます。これは専任でございませんので十分な形ではございませんけれども、社会教育委員、あるいは学校の教職員、その他民間のボランティアの努力に待っている、あるいは事務だけが流れているところも残念ながらあろうかと思いますけれども、現実はそういうことでございます。ここでちょっと申し上げたいと思いますのは、ここ一、二年町村のそうした弱い体制に対して県のほうから社会教育主事を派遣するということをとり始めたところがだんだん出てまいりまして、福井県でございますとか、青森県それからことしから石川県も、兵庫県もたしかそういう制度をおとりになっていたと思いますけれども、これはこの場合には教官から社会教育主事を併任する、あるいは一般学校教官を都道府県に籍を移しまして身分を続けて社会教育主事というものを兼ねまして、そしてその社会教育主事のいない町村に派遣していると、こういう実態がだんだんふえてまいっております。現在その体制の中ではまあちょっと妙な形でございますけれども、実質的には非常にありがたいことだと思っております。
#248
○萩原幽香子君 そういった過疎地域といったような人口一万に満たないようなところ、そういうところこそ社会教育を伸展させる必要があるんではないかということを私考えるわけでございますけれども、まあしかし現行法ではそういうふうになっておりますようでございますが、だんだんとそうした方向にぜひ向いていただきますような御尽力をお願い申し上げたいと存じます。
 そこで、この人手不足ということから、社会教育主事にいたしましても、公民館主事にいたしましても、日曜、祭日というときはほとんど休めないという状態でございます。私も六年間県教委の社教主事をいたしましたわけでございますが、日曜祭日はほとんど休んだことはございません。そうしてその上にまだ夜間も出ていくわけでございます。でも、そんなとき私たちは夜間に出ていくのをしんどいという気持ちではなくって、まあ夜でも勉強してくださるんだからいいじゃないかと、そういう気持ちで私たちは出ていったわけでございますけれども、しかし、そういう社会教育主事や公民館主事の善意だけに甘えて社会教育を伸展させることは少し酷ではないかと思います。そういう社会教育主事や公民館主事などの日曜、夜間というような勤務に対してのいわゆる待遇とか手当とか、そういったようなものは現状はどうなっておりますでございましょうか、承りたいと存じます。条例ではそういうものを出すようにという条例はあるようでございますけれども、条例と現実との間にはかなり差があるのではないかと、こういうふうに思いますので、その点どのように把握されておりますでしょうか、承りたいと存じます。
#249
○政府委員(福原匡彦君) 確かに条例は各地方公共団体ごとに定めによって支給すると、こういうたてまえになっております。ですから、休日、夜間の勤務に対する時間外勤務手当というものが出されることになっておりますけれども、実際の場合、これも先生御存じのように、打ち切るということが多いのではないかと思います。ただ市町村などによりまして、たとえば船橋市の場合などは、時間外勤務、休日勤務を見越して教育指導員手当として月五千円を支給するとか、それからこれは千葉県の出張所でございますか、こまかく書いてありますので、社会教育課長から答弁さしていただくことにいたします。
#250
○説明員(林部一二君) 千葉県の場合におきましては、手当といたしまして超過勤務手当年額三万五千円で組んでやっております。それからそのほかこれは調布市の場合でございますが、超過勤務手当――定額制でございますが、定額の額はちょっとつまびらかでございませんけれども、これを支給するというように、それぞれ当該市町村の条例でそういう予算措置をして実施しておる状況でございます。
#251
○萩原幽香子君 全国で大体どの府県がどのようになっているかということをそこでお調べできておりますでございましょうか。
#252
○説明員(林部一二君) その全国的な調べはまだついておりません。
#253
○萩原幽香子君 ぜひそれ一度全国的に御調査をいただきたいものだと考えるわけでございます。ほとんどいま申し上げるような状況ではないだろうかという心配を私は非常に持つわけでございます。社会教育が伸展しにくい理由の一つにもなるんではなかろうかと、こういうことを心配するわけでございます。よろしく御調査いただきますように。
 それから今度は少し実施状況について具体的なことをお伺い申し上げたいと存じます。
 とにもかくも社会教育というものは施設の面において、人の面において貧しい中で進めているということについては間違いのないところだと存じます。だれかが少し大きな声でもっとここに予算を組んでほしいと、こういうふうにおっしゃっていただかなければならないのではございませんでしょうか。私はこの前二十九日に、そういう問題について大蔵大臣に念を押しておきました。来年は文部大臣が出してくださるその予算について大蔵大臣はぜひ私が楽しめるような査定をしていただきたいと、こう申しましたら、大蔵大臣はにこにことなさって、うんうん、こういっておられたから、たぶんしていただけるんじゃないかと、私は希望を持っているわけでございます。そこでこの実施状況について塩婦人教育課長さんにお尋ねするわけでございますが、昨年度、家庭教育学級が一万一千あったわけでございますね。そこでそのことにつきまして大かた報告がなされていると考えるわけでございます。そこでその一万一千の実施された場所、これから指導者、時間数、内容、それから出席者、問題点こういうことについてひとつ具体的に御答弁をいただきたいと存じます。
#254
○説明員(塩ハマ子君) 一万二千学級の家庭教育学級の実施状況でございますけれども、開設されております場所は公民館、それから民間の集会所あるいは社会教育施設、それから非常に大きな分野を占めておりますのが学校の施設でございます。
 それから指導者といたしましては家庭教育という内容の質に伴いまして、学校の先生が非常に多く関連をお持ちでございます。特に理論的な構成、内容につきましては、大学の先生がこれに当たりますし、またその他の一般行政の社会福祉的な関連、また子供の健康等につきましては医師等が指導に当たっております。また子供を育て上げたいろいろな有力な経験者等が指導者に当たっている場合も非常にございます。
 それから学習の方向でございますけれども、従来は主として家庭教育といいますと、しつけ。この規範的な面が非常に多く行なわれておりましたけれども、年々経験を重ねてまいりますと、家庭教育というものの学習内容、領域についての研究が進んでまいりまして、家庭生活というものを分析してみて、その中にある教育的機能と両親の態度というようなものが研究されるようになってまいりまして、質的にも非常に高く変化してきておるわけでございます。しかし家庭教育につきましては、非常に新しい学問でございますので、それで十分な成果があがり得たとはなかなかわれわれのほうでも考えられませんけれども、全体としては非常に上向きの方向に進んでいるということがいえるだろうと思っております。
#255
○萩原幽香子君 時間がなくなりましたので、もう少し塩課長にお尋ねしたいわけでございますが、しかし、いろいろたいへん乏しい中から御努力をいただきまして、おかげで上向きになってきたということは、私もほんとうに感謝しなければならないと存じます。しかしながら、まだまだ問題点もたくさんあるわけで、私は、この家庭教育学級についての問題点も実はお尋ねをしたかったわけでございます。次のときにひとつお尋ねをさせていただくことにいたしたいと存じます。あわせまして、この成果をあげ得た府県と非常に困難であったという府県とがあるのではなかろうかという感じがいたします。また地域的に考えまして、うまくいったところと、それから問題点をたくさん残したという地域もあるんではなかろうかと存じます。そういうことにつきましての原因といったようなものもお伺い申し上げたいわけでございます。さらに老人の自殺が世界第一位といわれるようなわが国におきまして、この原因も、これまでの家が果たしていた機能というようなものをすっかり置きかえるという計画の用意もなくて、家庭というものを解体してしまったというようなところにも何かしら老人の不安というものにつながる問題もございましょうし、こういう問題は社会保障の問題とも関連してまいりますかと思いますけれども、まあ老人の生きがいといったようなもの、老人の知恵、力といったようなものをどのように使うかと、こういうことについての教育的な面も御配慮いただきたいものだと思います。
 それからさらには同和教育の進め方につきましても、同和地区の調査指導費が昨年三百万組まれ、ことしも三百万組まれておりますが、この同和地区に対してどのような調査をなされましたか、そうしてその調査の上に立ってどのような教育で進められておりますのか、そういうことについても実はお尋ねをしたい、こう思っておりましたら、たいへん時間がなくなってしまいましたので、いただいた時間に協力をしながら質問を終わらせていただきたいと存じます。
#256
○委員長(久保勘一君) 本件に関する本日の質疑はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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