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#1
第061回国会 文教委員会 第8号
昭和四十四年四月十日(木曜日)
   午前十時十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月九日
    辞任         補欠選任
     土屋 義彦君     二木 謙吾君
     内田 芳郎君     楠  正俊君
     山本茂一郎君     斎藤  昇君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         久保 勘一君
    理 事
                楠  正俊君
                田村 賢作君
                小林  武君
    委 員
                大松 博文君
                中村喜四郎君
                永野 鎮雄君
                吉江 勝保君
                川村 清一君
                鈴木  力君
                内田 善利君
                萩原幽香子君
                小笠原貞子君
   国務大臣
       文 部 大 臣  坂田 道太君
   政府委員
       文部大臣官房長  安嶋  彌君
       文部省初等中等
       教育局長     宮地  茂君
       文部省大学学術
       局長       村山 松雄君
       文部省社会教育
       局長       福原 匡彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       文部省社会教育
       局青少年教育課
       長        山中 昌裕君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数
 の標準に関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○教育、文化及び学術に関する調査
 (日本育英会に関する件)
 (へき地教育に関する件)
 (中学生の職業指導に関する件)
 (青少年に対する社会教育に関する件)
 (都教組事件についての最高裁判決に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久保勘一君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 昨九日、内田芳郎君、土屋義彦君、山本茂一郎君が委員を辞任され、その補欠として楠正俊君、二木謙吾君、斎藤昇君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(久保勘一君) この際、おはかりいたします。
 中村喜四郎君から文書をもって都合により理事を辞任したい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(久保勘一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、ただいまの理事の辞任及び去る四月八日の委員の異動に伴い、二名の理事が現在欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、前例により委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(久保勘一君) 御異議ないと認めます。
 それでは理事に田村賢作君、楠正俊君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(久保勘一君) 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず政府側から提案理由の説明を聴取いたします。
 なお、この際、衆議院における修正点につきましても、便宜政府側から説明を聴取することといたします。坂田文部大臣。
#7
○国務大臣(坂田道太君) 今回政府から提出いたしました公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 公立義務教育諸学校の学級編制と教職員定数の標準につきましては、昭和三十四年度以降二回にわたり改善五ヵ年計画を実施し、いわゆるすし詰め学級の解消をはじめ、学級規模の適正化と教職員の配置率の改善につとめてまいりました。この結果、学級規模においても教員一人当たりの児童生徒数においても大幅な改善をみるに至りました。しかしながら、これらの改善措置にもかかわらず、僻地等に多い小規模学校における複式学級等の学級編制、学級担任外教員、養護教員及び事務職員の配置率並びに特殊教育諸学校の学級編制及び教職員定数等については、なお不十分な点が見受けられますので、第二回目の五ヵ年計画が昭和四十三年度をもって完了するに際し、これらの諸課題について、昭和四十四年度を初年度とする五ヵ年計画により、改善をはかることとしたものであります。一 次に法律案の内容について御説明いたします。
 まず第一は、公立の小学校及び中学校の学級編制の標準の改善であります。
 すなわち、その一は、僻地等における教育水準の向上をはかるため、小学校及び中学校の単級、小学校の四・五個学年複式学級並びに小学校及び中学校の四十九人標準学級を解消するとともに、小学校の二・三個学年複式学級及び中学校の二個学年複式学級にかかる学級編制の標準について改善をはかったことであります。
 その二は、特殊学級における教育効果の一そうの徹底をはかるため、その学級編制の標準を改善したことであります。
 第二は、公立の小学校及び中学校の教職員定数の標準について改善を行ないました。
 すなわち、その一は、小学校及び中学校の教育の指導態勢を充実するため、教員の配置率を改善することとするほか、寄宿舎を置く小学校及び中学校について教員の加算を行なうことといたしました。
 その二は、養護教員及び事務職員の配置基準を改善するとともに、僻地学校の数等及び要保護・準要保護の児童生徒数が著しく多い学校の数を要素としてこれらの教職員を加算することとしました。
 その三は、小学校及び中学校における学校図書館の重要性とその事務量を考慮し、事務職員定数の改善を行ないました。
 その四は、学校の存する地域の社会的条件及び教職員の長期研修等を考慮して教職員の加算を行なうこととしました。
 第三は、公立の特殊教育諸学校の小学部及び中学部の学級編制の標準を改善したほか、新たに重複障害児についての学級編制の標準を規定したことであります。
 第四は、公立の特殊教育諸学校の小学部及び中学部の教職員定数の標準について改善を行衣いました。
 すなわち、その一は、小学部の教員の配置率について、小学校の改善と同様な改善を行なうこととするほか、特殊教育諸学校における機能訓練の重要性にかんがみ、そのための教員定数の加算措置を改善するとともに、寄宿舎を置く学校について教員の加算を行なうことといたしました。
 その二は、寮母の配置基準に改善いたしました。
 その三は、小中学校の場合と同様に教職員の長期研修等を考慮して教職員の加算を行なうこととしました。
 第五は、経過措置についてであります。
 この法律案は、昭和四十四年度から施行することといたしておりますが、その実施については、必要な経過措置を設けることといたしました。
 まず、公立の義務教育諸学校の学級編制につきましては、昭和四十八年度を目途として新しい標準に達することができるよう、今後における児童生徒数及び学校施設の整備の状況を考慮しつつ、各都道府県の実態に応じて、都道府県の教育委員会がその基準を定めることといたしました。
 また、公立の義務教育諸学校の教職員定数の標準につきましては、今後における児童生徒数及び教職員の総数の推移等を考慮しつつ、五年間の年次計画により順次新標準を達成することができるよう必要な経過措置を政令で定めることといたしました。なお、児童生徒数の減少の傾向が特に著しい県につきましては、一般の府県と同様に措置いたしますと、小学校及び中学校の教職員定数が急減いたしますので、昭和五十年三月三十一日までに漸次この定数を減少させることができるよう配慮することといたしました。
 なお、この法律案は昭和四十四年四月一日より施行することといたしておりましたが、成立時期がおくれましたので、これを公布の日から施行し、四月一日にさかのぼって適用するとの修正が衆議院で行なわれました。
 以上がこの法律案を提出いたしました理由及び内容の概要であります。
 何とぞ十分御審議の上すみやかに御賛成くださるようお願い申し上げます。
#8
○委員長(久保勘一君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#9
○委員長(久保勘一君) 速記を起こして。
 引き続き政府委員から補足説明を聴取いたします。安嶋官房長。
#10
○政府委員(安嶋彌君) ただいまの文部大臣の説明を補足して法律案の内容について御説明申し上げます。
 この法律案の内容の第一は、公立の小学校及び中学校の学級編制の標準の改善についてであります。
 すなわち、まず、一学級に多くの学年の児童または生徒を収容して教育を行なわなければならない単級及び小学校の四・五個学年複式学級を解消するとともに、小学校または中学校の四十九人標準学級を解消することといたしましたが、この措置と並行し、小学校及び中学校の複式学級の学級編制の標準につきまして、小学校の三個学年複式学級にあっては現行二十五人から十五人に、小学校の二個学年複式学級にあっては現行二十五人から二十二人に、中学校の二個学年複式学級にあっては現行二十五人から十五人に、それぞれ改めることといたしました。
 また、小学校及び中学校の特殊学級の学級編制の標準につきましては、現行十五人から十三人に改めることといたしております。
 この法律案の内容の第二は、公立の小学校及び中学校の教職員定数の標準の改善についてであります。
 その一は、小学校及び中学校の教育の指導態勢の充実をはかることでありますが、小学校につきましては、改正前の第六条第二号に定める教員の配置率の改善を行ない、音楽、体育等の専科担当教員が充実できるよう学級担任外教員数の改善をはかりますとともに、中学校につきましては、教科指導の充実とあわせ生徒指導態勢の整備のため、十八学級以上の学校について教員の数の加算が行なえるよういたしております。また、寄宿舎を置く小学校及び中学校につきましても教員の数の加算が行なえるよういたしております。
 次に、養護教諭等の数につきましては、その一般的な配置基準を、小学校にあっては現行の児童数千人につき一人から八百五十人につき一人に、中学校にあっては現行の生徒数千二百人につき一人から千五十人につき一人に、それぞれ改善することといたしましたが、さらに、へき地学校の数等を勘案して養護教諭等の数の加算が行なえるよう措置いたしております。
 次に、事務職員の数につきましては、その一般的な配置基準を、小学校にあっては現行の児童数が四百人以上の学校から三百五十人以上の学校に、中学校にあっては現行の生徒数が三百人以上の学校から二百五十人以上の学校に、それぞれ改善することといたしましたが、へき地学校の数を勘案して事務職員の数の加算が行なえるよう措置いたしましたほか、さらに、要保護者及び準要保護者の児童または生徒が著しく多い学校についても加算が行なえるよう措置いたしました。
 また、小学校及び中学校における学校図書館の重要性とその事務量を考慮いたしまして、小学校にあっては三十学級以上の学校に、中学校にあっては二十四学級以上の学校に、それぞれ事務職員を一人加算することといたし、そのため第九条中に第二号を設けて規定の整備をはかることといたしております。
 最後に、学校の存する地域の社会的条件が教育上特別の配慮を必要とすること、教職員が長期にわたる研修を受けていること等の事情のある場合におきましては、教職員の数の加算が行なえるよう規定の整備を行なうことといたしております。
 この法律案の内容の第三は、公立の特殊教育諸学校の小学部及び中学部の学級編制の標準の改善についてであります。
 すなわち、特殊教育諸学校の小学部及び中学部の学級編制の標準は、現行法におきましては、十人と定められているところでありますが、これを八人と改めることといたしますとともに、新たに重複障害児である児童または生徒についての学級編制の標準を五人と定めることといたしたものであります。
 この法律案の内容の第四は、公立の特殊教育諸学校の小学部及び中学部の教職員定数の標準の改善についてであります。
 まず、特殊教育諸学校の小学部の教員の配置率につきまして、小学校の教員の配置率の改善と同様の改善を行なうことといたしましたが、特殊教育諸学校における機能訓練の重要性にかんがみまして、そのための教員定数加算の改善をはかることといたしております。すなわち、現行法におきましては、肢体不自由者である児童または生徒を教育する養護学校につき一人の教員の数の加算を行なっているところでありますが、これを、改正後の第十一条第三号に定めますとおり、盲学校に一人、聾学校に二人、精神薄弱者である児童または生徒を教育する養護学校に二人、肢体不自由者である児童または生徒を教育する養護学校に三人の教員の数の加算に改めることといたしております。
 また、寄宿舎を置く学校につきましても、教員の数の加算が行なえるよういたしております。
 次に、寮母の数につきましては、現行の寄宿舎に寄宿する児童・生徒六人につき一人とされている算定を、五人につき一人と改め、さらに肢体不自由者である児童または生徒については四人につき一人と改めることといたしますが、新たに寄宿舎を置く学校ごとに七人の寮母を置くことを定数上保障する措置を講じております。
 教職員が長期にわたる研修を受けていること等の事情のある場合に、教職員の数の加算を行なえるよう措置することにつきましては、小学校及び中学校と同様といたしております。
 本則規定に関しましては、以上のほか、学校統合の場合の本法の適用に関する定めを設ける等、規定の整備をはかっております。
 最後に、この法律の経過措置について申し上げます。
 まず、公立の義務教育諸学校の学級編制につきましては、昭和四十八年三月三十一日までの間は、児童または生徒の数及び学校施設の整備の状況を考慮し、改正後の学級編制の標準に漸次近づけることを旨として、都道府県の教育委員会が学級編制の基準を定めることといたしております。
 次に、公立の義務教育諸学校の教職員定数の標準につきましては、昭和四十八年三月三十一日までの間は、児童または生徒の数及び教職員の総数の推移等を考慮し、改正後の教職員定数の標準に漸次近づけることを旨として、毎年度、政令で定めることといたしております。なお、政令で定める特別の事情のある都道府県の小学校及び中学校の教職員定数の標準につきましては、昭和五十年三月三十一日まで右の経過措置を講ずることができることといたしております。
 以上、この法律案の内容について、補足説明いたした次第であります。
#11
○委員長(久保勘一君) 以上で本法案についての提案理由の説明聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#12
○委員長(久保勘一君) 教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。
 政府側から坂田文部大臣、宮地初等中等教育局長、村山大学学術局長、以上の方々が出席いたしております。
 本件について質疑の申し出がございますので、これを許します。川村君。
#13
○川村清一君 最初にお尋ねしたいことは、今年の日本育英会の業務計画について御説明願いたい。
#14
○政府委員(村山松雄君) 育英会の事業費は、昭和四十四年度予算計上額約百四十億円であります。前年に比べまして約七億円の増額になっております。
 おおむね前年以前に採用いたしております奨学生の奨学金に充てるわけでございますが、四十四年度の増加分といたしましては、一つは大学院の奨学生貸与人員増加の問題がございます。大学院の修士課程につきまして、四十三年度八千二百人を四十四年度八千九百人に、七百人増加いたしております。それから博士課程につきましては、前年度八千人を四十四年度八千四百人、四百人の増員をいたしております。
 それから第二点は、高等学校の特別貸与奨学生の人員を増加いたしております。四十三年度第一学年一万四千八百人を四十四年度一万六千四百人、千六百人の増加をはかっております。
 それから第三点は、大学通信教育の奨学生に対しまする貸与額の改定をはかっております。これは通信教育の奨学生のスクリーング期間中の奨学金でありますが、四十三年度一万三千円を四十四年度は二万円に増額をいたしております。
 第四点は、高等専門学校の高学年の学生に対する貸与月額の改定をはかっております。高等専門学校は五学年制でありますが、その高学年に当たります第四、第五学年の奨学生に対しまする貸与月額を、一般貸与、特別貸与とも大学の同等学生並みに改めております。具体的に申し上げますと、一般貸与につきましては、二千円を四十四年度三千円に、一千円引き上げております。それから特別貸与につきまして、自宅通学者現在四千円を四十四年度五千円に一千円引き上げております。それから自宅外通学者、現在六千円を四十四年度八千円に二千円の増額をはかっております。これらを含めまして、事業費の総額が百七十四億円になりますが、そのうち約三十四億は返還金をもって充当いたしまして、不足分百四十億を政府支出金によって充当いたします。これが四十四年度事業の概要でございます。
#15
○川村清一君 全般的な概要はわかりましたが、そこでこれは大体月額貸与ということになっていますが、月額の貸与金が本人に行き渡りますにつきましては、どういうような手続を経て一ぼくの聞きたいことは、毎月毎月いくものか、何カ月かためていくのか、どういうことになっておりますか。
#16
○政府委員(村山松雄君) 新規採用の場合は、大学から日本育英会のほうに採用願いを出しまして、採用になりますと、あとは月々日本育英会から当該大学分を銀行に送金して、銀行から本人が受け取る、そういう仕組みになっております。
#17
○川村清一君 特に前年とことしの情勢の変わっていることは大学問題なんですが、各大学、ずいぶん紛争が起きておりますが、そういうようなことで、昨年とことしと変わっている点がございますか。
#18
○政府委員(村山松雄君) 育英資金の採用のしかた並びに送金方法について特に変化はございません。
#19
○川村清一君 そうしますと、ことしも前年どおり、まあことしはもう四月ですから、四月分は四月分として本人に渡る、五月分は五月分として渡る、六月分は六月分として渡る、こういうようなことになりますか。
#20
○政府委員(村山松雄君) 原則としてはそのとおりでありますが、四月分はこれはまあ本年度に限りませんで、毎年度そうでありますが、新年度で新規採用その他の事務がふくそういたしますので、若干おくれがちであることにつきましてはお含み置き願いたいと思いますが、原則としては前年どおり毎月いくことになっております。
#21
○川村清一君 確めておきたいのですが、そうしますと前年度から貸与を受けておった学生、生徒につきましては、これは引き続きでございますから、新規の手続は必要でないと思いますので、その学生、生徒につきましては、四月分については四月に、五月分については五月に手渡される。それから新規分につきましては、これは手続がありますので、若干おくれるということは想像がつくわけでございます。しかし、それとても四月分については従来どおりというのでありますから、ことし特に変わったことはない。若干おくれても四月分のものにつきましては五月には手元に届くということになっているのだろうと、かように思うのですが、それでよろしゅうございますか。
#22
○政府委員(村山松雄君) 原則としてはそのとおりでありますが、一言申し上げますと、育英資金は修業年限、大学であれば四年間を限度として出すわけでありまして、その間毎学年順調に進学することを条件といたしておりますので、四月にはそれらの点について大学側との連絡事務もございます。まあそういうことで順調に進学しておれば、若干のおくれはございますが、例年どおり奨学金が支給されることになっております。
#23
○川村清一君 ことしは文部省のほうの指導といったような形の中で、まあことしの四月、五月分はちょっと支給――貸与ですけれども、それを待って六月にそれをまとめて渡すと、四月、五月の分はちょっと待てというような、特別にそういう指導をされたことはございませんか。
#24
○政府委員(村山松雄君) 育英資金は御指摘のように、すべて貸与でございます。貸与金を本人に渡す、交付する。いま私支給と申しましたが、本人に交付すると言ったほうがより適切かと思います。その手続としては、これは大学と育英会の間で行なわれるわけでございますので、順調に進学しておれば、若干のおくれはありましても、四月分が例年どおり出されることになっておりまして、あまり著しくおくれるということはないかと思います。ただ留年その他の事故がありますと、その間とまることもございます。
#25
○川村清一君 いや、この問題は育英会と大学、生徒間の問題でございますので、文部省が直接関係しておるとは思いませんけれども、これは育英会法という法律に基づいて主務大臣である文部大臣がこれは指導、監督をしておる機関でありますし、それから業務計画につきましても、あるいは決算等につきましても、すべて文部大臣がこれを監督しまたは決裁をしておる、そういう機関でございますし、多額の国庫支出がなされておる、そういう機関でございますので、私はあえて文部省にお尋ねをしておるのでございまして、それだからいろいろことしは問題があるということを前提にしてお聞きしているのであります。前提にしてお聞きしておりますけれども、先ほどの御答弁によりますというと、大体前年と変わらないと、従来の行き方を踏襲しておられるという御答弁でありましたので、いま私が心配になることをお尋ねしますというと、だんだん何か変わってきているような気がするので、さらにお聞きしておるのであって、私がさっきこれを確かめたいと言いましたように、その学生学生によってはいろいろことしは問題があると思います。だから個々の問題のある学生については当然問題があると思いますけれども、そうでない学生につきましてはずっと、これは新規でなく、たとえば大学生に例をとりますれば、大学の一年生のときに奨学金を受けられる、そういう中に選考されまして、一年、二年と受けてきて、現在三年であるとするならば、そのままそれが受けられる。先ほど局長のそういう御答弁であったからそういうふうに了承したわけですね。新規、いわゆる新入生につきましては、これはいろいろ手続申請その他また選考、そういう手続があるのでありましょうから、その間若干おくれるということは私もわかるわけでありますけれども、それとてもこの育英会の事業の性格からいって、法律のたてまえからいって、これはやはり学資に困る生徒を教育させるといったよう左たてまえからやっている制度でございまして、したがって、その育英資金の貸与がおくれることによって、学生の学業並びに生活そのものにまで影響を及ぼすようなことがあっては困る、そういう考え方でお尋ねをしておる。ですから、先ほど局長が言われたことを私が確認してよろしゅうございますかと言っているのです。
#26
○政府委員(村山松雄君) 順調に進学しておるものにつきましての育英資金の交付がおくれることはないと考えております。
#27
○川村清一君 それは、そうしますと四月分については四月に交付され、五月分については五月に交付されるわけですね。
#28
○政府委員(村山松雄君) 原則としてそのとおりに承知しております。
#29
○川村清一君 原則はわかるのですけれども、ことしはちょっと異常左ので、原則が原則でなくなって、あまりその原則からはずれれば、それは学生全部がゲバ棒ふるってヘルメットかぶってるわけではないと私は思うのです。やはりそういうことに関係なく勉強したいという学生もたくさんいると思うのです。そういう学生に影響がないかということですよ。それは原則原則ということで、客観情勢が異常であるから、そういう学生に対してまでも原則が適用されないということであったらこれは非常にたいへんだと思うわけです。それからことしは留年というのがある。それからたとえばゲバ棒ふるっておるそういうような生徒であって、原則ということで全部打ち切るという――ゲバ棒がいい悪いは別として、そういうような生徒に対して全部打ち切るという原則なのか、この辺も問題があるが、それはまずさておいて、そういうものに関係ないものはきちっとやると、原則というものは、情勢が原則的でないものだからその原則上からそれも原則じゃないといってはずされるよう左ことがあっては非常に困るので、その点はどうなのか。それから留年ということをさっき言ったですね。たとえば東大のようなところはどういうことになるのですか。たとえば東大の学生なんかに対してはどういう処置をなさるのですか。いろいろな学生の層があると思うのですが、それも文部省はどういうふうにして育英会を指導されていますか。
#30
○政府委員(村山松雄君) 継続のものにつきまして四月中に交付できないというような報告は育英会から受けておりませんので、そういう意味で四月中に交付されると思います。まあ原則と申しましたのは、必ず支給できるということにつきましては、これは育英会のことでありますから、そこら辺に多少含みを持たして申し上げたにすぎないわけでありまして、順調に進学している者についての奨学金の交付がおくれることはないと考えております。それから留年等につきましての停廃止でありますが、現在育英会の奨学規程によりまして、育英資金の交付の決定は、学業が優秀であって経済的に困窮しておる者という条件でなされるわけであります。そこで採用後におきましても、育英会は本人の所属大学と連絡をとりまして、そういう条件が満たされているかどうかについては調査をいたしております。そういう調査は学業成績につきましては学年の進級の段階でいたすわけであります。そこで奨学生として継続することが不適当のほどに条件が変化しておればまず停止をする。それからさらには、場合によっては廃止をするということもあり得るわけであります。まあそういう措置をとることがあり得るということを御説明申し上げたわけであります。
#31
○川村清一君 局長のおっしゃってるようなことは、これは原則的には法律に書いてあるわけですから、それは私も認めざるを得ないと思います。
 そこで、最後にお尋ねしておきますが、東大あたりはまあ加藤代行を中心といたしましてほかの教授、また学生諸君の非常な努力によって、だんだん正常に返ってきておるわけですね。この学校に対しまして、ことしの貸与金の交付は四月五日はちょっとストップして六月差で待てと、六月に支給する、六月以降まで待てと、こういうような指示を育英会が出しておるような事実はございませんか。
#32
○政府委員(村山松雄君) 東大あるいは教育大等につきましては、ほぼ全員が必ずしも順調に進学できないのではないかという情勢がございます。そういうこともありますので、育英会と大学との間で、いつ進級がきまるか、そういうことについて話し合いをしておると思います。
#33
○川村清一君 そこで私は強く要望しておきたいのでございますけれども、それは育英会と大学側と、いろいろ話し合いを進める、文部省がそこへ直接タッチするわけじゃないのですよ。しかし文部省はそういうやっぱり指導、監督の権限を持つ機関なんです。またその義務もあるわけです。そこで、いまの局長のおっしゃっていること、これはわかるわけだけれども、いろいろ内部に複雑な問題をかかえておることは十分わかるのですよ。わかるけれども、そのために全部の学生が、去年まで受けてきておった貸与金の交付を受けられないで、それに貸与ストップしたというわけではないわけだけれども、おくれるわけですね。聞くところによると、六月まで交付するのを待てと、交付するのをやめるといいますか、こういうような意向を育英会が強く持っておるということで、大学当局は非常に困っておるということを聞いておる。そうしますと、この育英会奨学資金制度の趣旨からいっても、これを受けておる学生の生活といったようなものから考えてみても、これは制度の趣旨に相反するものであると私は考えるのです。ですから、そういうことを、育英会が考え、大学当局に対して強く話をしておるとするならば、やはり指導、監督の衝に当たっておる文部省としましては、これはやはりそういうことはやめるべきだと、あなたがおっしゃったように、その月々に交付するという従来のそういう態度を堅持して一それはちょっとあなた方の立場からいえば渡せないような学生があるかもしれない。まあしかし、それはそれとしまして、全部が全部そうじゃないでしょう。だとすれば、当然そういう指導を、主務大臣としてやってしかるべきじゃないかと私は考えております。いかがでございますか。
#34
○政府委員(村山松雄君) 文部省が育英会の監督庁としていたしますところの指導、監督は、一般的に日本育英会法並びにその政令、省令、それから育英会が認可を得てきめておりますところの奨学規程にのっとって適正に業務を執行するようにという指導でございます。現在、育英会と東京大学の間では、東京大学のほうで、本年度につきましては、進学、進級等が六月ごろにならないと判明しないという問題があるようでございます。そうなりますと、育英会のほうでも継続できるかどうかの判断を、六月ぐらいの時点まで延ばさざるを得ない、こういう関係だと思います。
#35
○川村清一君 どうも局長ね、あなたのお話はだんだんおかしくなってくるのだ、聞いていると。だめだよ。そういうことでは質問できないですよ。私の一番初めの質問は一般論であって、だんだん東大にきたらそういうことに変わってきたのかしらんけれども、あなたそんなこと初めからおっしゃっていないでしょう。そうすると、いまあなたのおっしゃっていることを考えてみれば、東大のほうは六月ごろにならなければ進級がきまらんから、だから育英会としても六月ごろまで出せないと、こういうような話になってきている。それじゃいままで相当時間をかけて聞いていた話が、どういうことか、何で私が聞いてきたかわけわからない。あなたの説明によると、百四十億の政府支出がことしの予算でなされておる。そうするとそういうことであれば、われわれもう予算を審議するたてまえにある国会として、ちょっと、そうですがといって引き下がるわけにいかんですね。だから私が言っているのですよ。いろいろ前の年と違っている、情勢が変わっているということを前提にして、そういうことにかかわりない学生がいるでしょう。そういう学生まで――生活がかかってきているのです。学生には月々一万何ぼ、二万からの交付を受けるのと受けないのとでは。どういうことになるのです。この制度そのものは、家庭が豊かな学生に貸すという制度じゃないんですよ。家庭が困ると、しかしながら向学心あり、そういう能力のある、そういう学生に育英資金を貸与して、そして有為の人材を養成するという国の大きな要請に基づいてなされておるんでしょう。だとすれば、いろんな事情があってもその事情を解明して、そうしてそういう学生にそういう処置をしてあげるように努力するのが、これがあなた文部行政でしょう。主務大臣の任務でないですか。それじゃ私はわからぬ。そんなことじゃだめだね。
#36
○政府委員(村山松雄君) 私は当初から一貫して同じ言い方をしておるわけでありますが、順調に進学した者については、これは例年どおり育英資金の交付が行なわれる。東大の場合には、順調に進学できる見通しが現時点でまだ立っておりませんので、それが立った時点において育英会のほうできめると、こういうことだと思います。
#37
○鈴木力君 ちょっと関連。
 いまの説明でどうも私はよくわからぬことがあるんですよ。こういうことなんでしょう。留年した学生には貸さないということになっているんでしょう。というか、四年間だけ貸すと。そうすると、進学するかしないかわからない学生にはこれはちょっと待つと、そういう仕組みになっている。そこまでは、まあ私はいい悪いは別として仕組みとしてはわかった。それならね、どこの大学が何人進学するかわからぬからおまえの学校には全部わかるまで貸さないという言い方が私にはわからぬ。借りたいという人にはただ貸すんじゃないでしょう。それぞれの育英会の資金の申し入れの手続があるはずだ。手続がきまっている。そのきまっている手続があった場合に、進学がなければそれは当然事務的にチェックされるわけでしょう。それなら特に六月差で待てなんていう方針は必要ないはずだ。申請が出てこないのだから。それをなぜ六月まで、東大とかまあどこどこの学校は別としても、ある学校には六月差では貸してはいけないという方針をきめて、その通達を出すのか、あるいはそういう指示をしておるのか、その理由が私にはわからぬ。もう少しその辺説明してください。
#38
○政府委員(村山松雄君) まあ六月云々というのは、どちらかといえば東大のほうの判断でございます。東大のほうで、東京大学の学生については全員が進学できるかどうかがはっきりしないということでありますので、育英会としてもはっきりするまでは、これは停止、廃止というもう一つ前の段階で、まあとにかく育英資金の交付を保留せざるを得ない、こういう事情でございます。
#39
○鈴木力君 私の聞いているのはね、保留するという方針を出す必要がないんじゃないかということです。進学しなければ貸し付けの申請が出てこないんだからね、育英会はだまっておって従来の方針どおりやっておれば、かりに六月差で進学がなければ出てこないでしょう。育英会の業務には何ら関係がないわけだ。そこのところがはっきりしないからはっきりしない者に貸したという事故は出るはずがないでしょう。それを、東大には六月差では貸しませんというこのきめ方がおかしいと私は言う。だまっておったって、事実上はそうなるかもしれませんよ。あるいは、五月に進学した者が貸し付け申請をするかもしれない。それは審査してやるんですから、育英会側のほうはね。だから、ある学校には何月まで貸さないなどということがなくって、いままでの規定どおり適用していけば自動的にそうなるはずなんだ。それを意図的に東大にはこうだということを言ったのはなぜかと、そういうことを聞いている。
#40
○政府委員(村山松雄君) 東大について全員が普通には進級できそうもないというのは、これは客観的な事実であります。そういう意味で、一般的左考え方といたしまして進級の確実でない者に対して育英資金を、何といいますか、惰性で出すというわけにはまいらないという趣旨だと思います。
#41
○鈴木力君 あのね、私の言うことをよく聞いてくださいよ。客観的に進学しないかもしれない。それは客観的にそう見ればいいんですよ。そうしたら育英会は東大からはことしは六月までは育英資金の貸し出しの申請はこないんだなと育英会内部で話をしていることはわかるんだ。話をしていることはわかる。しかし東大に対しておまえのところは六月までは貸さないぞと言う必要はないでしょう。中のほうでは六月まではこないのだなという判断をしている、それは自由だ。だれでもそういう判断はできるわけですよ。その判断をしたことと、東大には貸さないという方針をきめるということとは違う。なぜそういう方針をきめなければいけないのかということなんです。
#42
○政府委員(村山松雄君) 育英会の奨学生は、一たん採用いたしますとその個人と育英会との契約関係であります。したがって育英会に貸すなとか貸せとかいうことは文部省としては申さなくてもよろしいわけでありまして、で、東京大学の学生については、現時点で全員の学業成績の報告が育英会にきていない。したがって育英会としては育英資金を継続するかどうかの判断ができない、こういう事態になっておるわけであります。
#43
○鈴木力君 さっきの話とだんだん変わってきたわけだ。継続するかしないかの判断はできない。その判断は進学という事実があった場合に個々に判断をいたしますから、それはそれでよろしい。それは事務的な手続なんですよ、方針とは違う。だからその中で判断していることはかまわぬということです、中で判断していることは、私はいまの制度というか仕組みの上から言えば。しかしそれが何かさっき聞いていますと、これは事実関係、よくわからぬが、さっきの局長の答弁だと、東大はそういう状態に判断するから、東大には貸さないという方針になっておるのだ、こうなってくるとおかしいということなんです。それは、そうである限りは、貸し付けの申請がこないのだから、いま何月までなんということは育英会樹のほうはやる必要はない。ただしそれぞれの事務では、東大からしばらく来ないぞということは事務的判断としてはだれでもやることですから、そのことまでどうこう私はいま言わないのだけれども、まとめて東大がどうも何月まではあやしげだから、そこは六月までは貸しません。この大学は五月ごろに進級できそうですから、五月ごろにはこれを判断して貸す道を開きます、それはよけいなことではないかということです。
#44
○政府委員(村山松雄君) 私は、東京大学の学生についての奨学金の継続の見通しの御質問がありましたので、その見通しとして状況を御説明したわけでありまして、文部省で貸すなということを申しているわけじゃございません。
#45
○鈴木力君 文部省としてのことじゃなくて、育英会はそうするとそういう判断をして東大にそういうことを言ったということはないのですか、あるのですか。
#46
○政府委員(村山松雄君) 育英会はその個人別の学業成績報告を何と言いますか、出してくれというか、もっと端的に言えば督促をした事実はあるようであります。
#47
○川村清一君 そこで大臣に私お尋ねしたいのですがね。まあ私がいろいろ局長にお話をしていること、私の気持ちはわかったと思うのですね。そこでいろいろな事情があることを承知して言っているわけですけれども、だけれども、全部が全部ではそれはないでしょう。奨学資金の交付を受ける、もう資格を喪失といってはちょっとオーバーだけれども、そんなものが全部じゃないでしょう。それからその育英会の業務計画在り業務の執行から、そういう決算から、そういうことは全部大臣が指導、監督するわけでしょう。それから大臣だって当然東大に現在上がっておる生徒がりっぱに進級し、りっぱに卒業して、やはりりっぱな人物となって国のために尽くしていただくことを念願しているわけでしょう。そうすればこういう問題について、大臣が育英会とあるいはこの東大といろいろお話し合い、事情を聞いたことがありますか。これは聞いてもらわなければ困るのですよ。一体こんなことまで聞くほど余裕もないですか、もっともっと重大左問題があって……。現に私はもう非常に学生が困っておるということを聞いておる。それでこういう質問をしているわけです主。こういう困っている学生を何とかちゃんとしてあげるのが、やっぱりこれは国の責任で左いかと思うんですね。また大学の、何らかの紛糾が起きておる大学の原因を、いろいろ調べてみますというと、原因はもろもろのもの、いろいろありますけれども、その中にはやはり学生の生活という問題がからまって、寮の問題であるとか何とかというようなものになって発展しているものもあるような気がするわけですね。そういう立場から考えていっても、この問題はやっぱり大事左問題だと思っておるんです。大臣の御見解を私尋ねたいですね。
#48
○国務大臣(坂田道太君) 特に国立大学に学んでおります学生というのは、経済的に恵まれない人たちが多いということは、私承知しております。したがいまして、そういうような学生に対して奨学資金というものは、その諸規定に応じて適正に行なわれるべきだというふうに思うわけでございますが、先ほどお話がございましたように、仕組みが仕組みでございます。したがいまして、やはり東大側におきまして、どれだけ進学できるかということが把握できない以上は、東大側としても育英会に対してはっきりした意思表示ができないと思うんです。したがいまして、東大側が申しますには、私たちのところに参りましたときにも、大体進学というのは、一応のめどは六月ぐらいに考えておるけれども、そのこと自体もまだ実は不安定左状況にある、こういうことでございます。そういたしますると、育英会側として何とかしたいと思いましても、東大側の何らの意思というものが出てこない以上は、判断のしようがない。しかしながら、いま御承知のように、いつもと違った状況であって困っておる学生から見るならば、何とかしてくれと言われるのも、これはわかるわけでございますけれども、しかし、われわれのほうのたてまえからいたしますると、東大側のその意思表示を聞かない以上は、育英会側としても、何とも判定のしようがない。およそ六月くらいまでは何とかしょうということは、一応の努力目標だと思うんです。東大の場合、それが過ぎるかもしれない。しかしながら、学生側も育英会資金というものが、国の税金からまかなわれていることであって、そういう奨学資金をもらえる諸規定というものについては、ちゃんとわきまえておると思うわけです。そういうことの段階であって、これはやはり重大左問題だと考えておりますけれども、私といたしましては、育英会ともあるいは東大側とも今後話を聞いてみたいと考えております。
#49
○川村清一君 大臣、ぜひそれ、問題を聞いてみてください。そして実際にそのために困っている学生がおるならば、その学生をやっぱり救済してやるように努力していただきたいと思うんです。
 局長に、事務的なことですが、ちょっとお聞きしたいんですが、私詳しくわかりませんからね。かりに東大なら東大に入学しますね。そして、育英会の貸与金を受ける。申請をしまして、そして許可されると、それに基づいて交付を受けていますね。それはあれですか、一回そういうふうに認められて、その許可をされますというと、その学生は、黙っておれば四年間、卒業するまでその資格はあるわけでしょう。それはどういうときにその資格喪失するんですか。
#50
○政府委員(村山松雄君) 原則はそのとおりでありますが、先ほど来御説明いたしておりますように、毎学年学業成績の調査をやります。それからまあ毎学年でなくても、重大な条件違反のようなことがあれば、警告、停止、廃止といったような措置がとられます。そういうことのない限りは、原則として通常の修業年限の期間継続いたします。
#51
○川村清一君 そうしますと、まあ一年から二年にいくとき、あるいは二年から三年にいくとき、何らかの事情によって、これはお互いなま身のからだですからね、順調にすらすらっと四年間必ずいくものではないと思うんです。そして留年なんということも、これはあり得るでしょう。その場合は打ち切られるんですか。
#52
○政府委員(村山松雄君) 悪質なものは廃止になりますし、情状酌量の余地のあるものは停止になります。
#53
○川村清一君 どうも検事みたいなことを言う……。それじゃね、まあ私は非常に鈍才でありまして、また大学も出ていないので大学のことはわからぬですけれども、あなた方はみんなりっぱな東大の卒業生だと思うのですけれども、かりに不幸にして病気になって留年した場合に、その病気というものはあなたのおっしゃったいまの原因でいうとどっちのほうになるんですか。病気の場合は情状酌量ですか。
#54
○政府委員(村山松雄君) 病気休学の場合には、育英資金の扱いとしては休止という扱いにします。病気がなおって出てまいりますと、また復活いたしまして、病気期間を除きまして四年間、育英資金が交付されるたてまえになっております。
#55
○川村清一君 それじゃ情状酌量にもならぬわけだ、病気の場合は。それじゃわかりました。
 そこで、とてもこういう官僚的な頭では、われわれあなた方のような雲の上のよう左考えを持って、基本的な考えの方々と、われわれ地上で生活しているので、どうも基本的に話がかみ合わないので、もうこれ以上しようがございませんのでやめますが、大臣、先ほど言われましたように、どうかひとつ現実の問題として、あなたの大きらいな暴力学生でなく、非常にあたりまえの、いわゆる一般的にいえば、あたりまえの学生で困っておる学生さんもたくさんいらっしゃると思いますから、そういう方々に困らせないように、ひとつ十分両方の意見を聞いて何とか行政指導でそういう点を調和してやっていただきたい、私はそう要望します。
 それで時間もあまりないようですから、簡単にお聞きしたいと思いますが、僻地教育の問題について若干お聞きしたい。大臣の所信表明とか、また予算の説明書なんかを読みますというと、その中に過密、過疎という、いわゆる過密に対して過疎という、過疎地域の教育という、そういうことば、題目と、それからいわゆる従来われわれが言っておった僻地教育という、こういう題目と二つあるわけです。そこでこの過疎地域教育というのと、それから僻地教育というのとは文部省はどういうふうにお考えになっておるか、同じに考えられておるのか、説明書なんかを読むというと、二つあるわけですね。これはどうしてこう二つにしておるのか、同じものならどっちかにまとめたほうがいいと思うし、何か考えが、内容的にもし意味が違うならば、その違いを説明していただきたいと思う。
#56
○国務大臣(坂田道太君) 一応私から説明しまして、それからこまかいことにつきましては、政府委員から申し上げます。御承知のように、過疎問題、これは社会増関係で非常に皆様方に御心配をかけている問題でありますが、同時にまた、過疎の問題がその反面として浮かび上がってきたわけであります。また、従来僻地に対する教員の充実、あるいは教育内容等におきましても十分でなかった、あるいは施設、設備の面においても欠けるところがあったということをわれわれは承知をいたしておるわけでございまして、教育機会の均等ということから申しまして何とかして僻地教育の振興対策を考えなければならぬというふうに努力をしてきておったわけでございます。四十四年度におきましては前年度に引き続きまして、教職員対策としましては僻地教員の特別昇給の問題あるいは教育環境の整備につきましては、僻地集会室あるいは寄宿舎建築費など、それから児童対策といたしましては、遠距離通学費補助あるいは高度の僻地にはパン・ミルク給食費補助あるいはまた教育内容の改善につきましては、複式学級用教科書の調査研究等の諸施策を行なうとともに、これら補助金の事業量の拡充と補助単価の引き上げをはかってまいってきておるわけでございます。
 そのほか四十四年度から先ほど私が提案理由で説明をいたしました五カ年計画をもちまして、僻地等の小規模校の学級編成基準と教職員定数の改善等をはかることとしておるわけでございます。これによりまして四十四年度の僻地教育関係予算は、前年度予算に比べ四四・二%増、十八億一千七百万円の増、総合計いたしますと五十九億三千三百万円というふうになっておるわけでございます。これでも私はまだまだ不十分だと考えるわけでございまして、今後とも僻地教育振興について、その充実に努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#57
○川村清一君 もう一点お聞きしたいのは、現在学校統合というのが各地で行なわれております。特に僻地では多く行なわれておりますが、学校統合というものに対する文部省の基本的な考え方、基本的な方針、これをひとつ御説明願いたい。
#58
○政府委員(宮地茂君) 学校統合はいまおっしゃいました僻地なりあるいは社会増、片一方で社会減といったよう左ことで、僻地でなかった過疎地域にもそういった学校統合が行なわれるわけでございますが、私どもといたしましては学校統合の基本的な考え方といたしましては、大体十二学級ないし十八学級くらいの学校規模のものが教育を行なう場合学校の組織と申しましょうか、単位としては一応教育的によいであろうという考え方を根底に持っております。ただ、しかしながら、だからといって小さな複式学校、これを複式と複式の学校が二つある場合に、無理をしてこれを統合しなさいといったようなことは、これはやるべきでなかろうということで、大体が児童生徒の教育というたてまえから無理なく学校が統合できて、しかもある規模の学校くらいということを一応の目標といたしております。したがいまして、大体市町村なり県で学校統合したいという考えがありました場合には、一応それを見ますときには、そういう考えでいたしておるというのが考え方であり、実情でございます。
#59
○川村清一君 時間がありませんから最後に一点だけいまのに関連してお聞きします。大体基本的な方針はわかりましたが、そこで適正な規模において、適正な地域においてそれをなさろうとする考え方であれば、文部省としてはそれは認めるということ、これは文部省の方針はわかりましたが、むしろ文部省としてはそういうようなところはなるべく統合したほうがいいんではないかというようなことで行政指導なされておりますか。そこまでは積極的ではなく、そういうものが出てくればまあ認めてやるという程度でございますか。どちらでございますか。
#60
○政府委員(宮地茂君) 私のほうは何でもかんでも適正規模にやれというような指導はいたしておりません。ただ規模だけを考えましても、児童生徒の通学範囲が非常に広がったのでは、むしろかえって統合しないほうが児童生徒のためにはよろしゅうございましょうし、そういうようなことで小学生なら四キロ、中学生なら六キロ、一応の基準でございますが、そのくらいな地域で統合したい。しかも、それが十二学級から十八学級くらいあるということであればそれを推奨と申しましょうか容認するということでございます。ただ、よくこういう問題は町村合併とか、あるいはいろいろな政治的な問題、こういうようなことでいろいろ具体的には非常に無理をして統合して、あとその統合したのをまたもとへ戻したいというような問題も現実にございます。したがいまして、私どもとしては強制をしたりするようなことはいたしておりません。
#61
○国務大臣(坂田道太君) ただいま局長から申し上げましたとおりでございまして、やはり地方の実情に応じてやらなければいけない。しかしながら、文部省といたしましては、やはり教育的見地に立って指導、助言はやっていくという考え方でございます。ほかの地域においてそういうような試みがなされておるかということはつまびらかにいたしませんが、私の地域でも同様な問題がございまして、先生方も御承知のように、五箇荘という非常に僻地でございますが、その中で小学校は、小学校の児童生徒の成熟度あるいは通学距離の問題もございまして、統合というのは一部にはやっておりますけれども、左かなかやれない。しかしながら、中学校の段階でむしろこれを集めまして、そして寄宿舎を建てましてやっておる。それで適正規模にやって教育効果があがったという事例もあるわけでございまして、これなどはやはりおもしろい行き方では左かろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。教育組織あるいは教育内容等につきましても、中学校の段階でぐっと進む、こういうようなことができておるわけでございます。
#62
○川村清一君 僻地教育の問題について掘り下げていろいろお尋ねしたいと思いますが、与えられた時間も過ぎたようでございまして、次の機会にやることにいたします。
 これで質問を終わります。
#63
○萩原幽香子君 連続射殺犯人が半年ぶりで逮捕されました。十九歳の少年でございました。新聞もテレビも一斉にとの問題を大きく報じ、世人はあ然としたようでございます。そこでマスコミ報道のあとを受け継いでこういう問題を考えるのは一体だれ左のか、こういうことを私はしみじみと感じたわけでございます。初めからこの少年について取材をしておりました記者は、人を殺したことに対する罪の意識が感じられなかったという話でございました。盗みがばれたから殺すという何とも単純でほんとうに命のとうとさを知らないまことにおそろしいことだと思うわけでございます。
 そこで私は文部大臣にお尋ねいたしますが、こうした問題はなぜ起きたのでございましょうか。今後こうした問題を防ぐ上から、教育の面からどのような配慮をすればよろしいのでしょうか。このことについてまず文部大臣の御意見を承りたいと存じます。
#64
○国務大臣(坂田道太君) 今度の凶悪な犯罪は許すべからざることでございます。しかもそれが十九歳の少年、やりましたときは十八歳だったと思うのでございますが、それからまたライスシャワー大使をけがさせたのもたしか十九歳だったと思います。やはり青少年のものの考え方というものが非常に自己コントロールというものを失ってきておる。衝動的に、条件反射的に、このことがどう在るかというようなことを考えないままにやるということは、一般的に今日の青少年にいえるのではないか。これのやはり原因はいつか申し上げましたように、戦後のやはり視聴覚教育、あるいはいろいろな映画、その他風紀に関するような問題がもう子供たちの目にあるいは耳にあるいははだに直接入ってくる。そうしてからだは大人並みになっていて欲望をかきたてられるというところにもあったと思いますが、さかのぼりますと、まず第一に、やはり家庭教育というふうに思います。また小・中・高の教育の段階におきまして、倫理感といいますか、道徳教育的な問題というものがやはりある。その点について私は考えますと、今度のこの犯人の家庭環境から考えますと、おとうさんが亡くなっておるという家庭的な一つの問題があって、一般の両親があってさえなおかついろいろの問題が起きておるのに、そういうような家庭環境に育ったということ、まあ金をほしさにとにかくああいうようなことをやったという結果におきまして、一面考えますると、また被害者的な面もある。われわれのおとなの社会というものをもう少し考え直してみなきゃならない幾多の問題を示唆しておるのじゃないだろうか。あるいは学校教育においても、あるいは社会教育の面においても、私たちはこの自由社会という社会は、そういうものは一応本人の責任にゆだねるという形、なるたけ強制力をもってやらないというたてまえになっておる。ところが問題にしているのは法律であり、制度である。しかし法律、制度以上に、その前提となるべきところの良識あるいはモラルというものを私はもう少し自由社会においては声をあげて、マスコミも、またわれわれ政治家も、おとなも考え直してみなきゃならないのじゃないか。われわれの一挙手一投足というものがどういうふうに青少年に影響を与えるかということを考えなきゃならない。家庭でもそうでございます。また、われわれ政治家としても、その政治家の行動というものを考えなきゃいかぬ。同時に、今度は小・中・高の先生方も、教壇に立たれる以上は、その点について、自分の一挙手一投足というものがどういうふうな影響を与えるか。単に法律に違反するとか違反しないとかいうことの、その前提としての、いわゆる公民としての教育と申しますか、あるいはモラルの問題というものをもっともっとわれわれは議論しなければならないのじゃないだろうか。その点が多少われわれには欠けておった、われわれ文部省としても指導、助言について、あまり本人にまかせ過ぎておったというところは、やはり今後反省し、考えていかなきゃならない問題じゃないだろうか。その意味において、やはり社会教育というものがもっと充実をし、そしてその社会教育の指導者と申しますか、そういう人たちの養成ということがやはり今後のわれわれの目標でなければならぬ。その点について、まあ不十分ではございますけれども、着々一歩一歩進めております。しかしながら、もっともっと私はこれを強化し、そしてその指導者と申しますか、社会教育あるいは公民教育の指導者という人たちがしっかりした考え方でもって青少年の教育に当たってもらいたい、かように考えるわけでございます。ただ、また受け取る親や子供たちの側から見た場合には、単にそういうような指導を待つばかりでなくて、自分自身が親は親として、子供は子供として、それぞれの発展段階に応じて自分の行動というものに対して、それがどういう社会的影響を与えるか、あるいは道徳的な心情というものをどうやって自分は養っていくかということについて、やはり教育の一番大事な問題として取り上げてもらうということも必要かと思うのでございます。これは大学生になったからということじゃなくて、やはり小さい子供のうちに、自分のことは自分で始末をする、あるいは自分は人に迷惑をかけないというようなことが、やはり一番自由社会において大切なことであって、基本的なことであるのじゃないか。そのことは、やはり家庭教育の、小さい段階でも求められるべき問題である、かように思うわけでございまして、その意味において、父親や母親の責任がある。あるいはまた小学校あるいは中学校、高等学校の段階、それぞれの段階において、そういうところに重点を置いたものの考え方ということが、これから日本の国の文化国家、あるいは教育の普及した国家として、単に経済的な水準が高まるということだけではなくて、精神面における充実ということのほうに向かわなければ、真の意味における平和国家というものが生まれてこないのじゃないだろうか、あるいは福祉国家というものは生まれてこないのではないかというふうに、基本的には考えるわけでございます。
#65
○萩原幽香子君 中学校の職業指導上、特に考慮しなければ左らないと考えられることは、どういうことでございましょうか。
#66
○国務大臣(坂田道太君) 中学校の段階における職業教育でございますか。
#67
○萩原幽香子君 ええ、職業教育です。
#68
○国務大臣(坂田道太君) 職業教育という意味がよく私はわかりませんけれども、今日、こういう、非常に科学技術の進歩した産業と社会が高度化してまいります。そうしますと、非常左技術的なエキスパートというものが求められ、あるいは科学者というものが求められ、創造的な科学的発明というものが求められるということはわかるのですが、同時に、それをささえているものの中に、技術的な教育というものを発展段階に考えた場合に、高等学校の段階から始めるのがいいのか、あるいは中学校の段階ぐらいからもう少しそれを身につけさせるほうがいいのかということにつきましては、私はやはり中学校の段階で多少そういうような技術的左ものを身につけさせることも教育の重要主要素じゃなかろうかというふうに私は考えるわけでございます。その意味合いにおきまして、もちろん今日の段階で高等学校に七十数%も入っていく。もう中学校を卒業して実社会に出ていく人たちは非常に年々少なくなってきておる。少なくなっておるために、受け入れ側の企業におきましては、若年労働力を引っ張りだこという形が出て、しかも、引っ張りだこしてもそれにはおのずと限界があって、今日では高等学校の段階からこれをとらなければならないというふうに変わってきておるわけでございますが、私はやはり中学校の後期においては、多少の技術教育というものを学校体系の中においても取り入れていくということを考えるべきでは左いかというふうに思うので、これは単に一般教育を阻害するものではないのじゃ左かろうかというような考え方も実は持っておるわけでございます。そういうような考え方に立っておるわけでございます。
 こまかいことの指導の面については局長からお答えいたします。
#69
○政府委員(宮地茂君) 中学校では選択で、職業、特に農業的な、工業的な、商業的な、そういったようなものも選択でとれるようにいたしておりますが、いま大臣がおっしゃいましたように、大体最近、七十数%、八〇%前後の子供が進学をいたしておりますし、また東京のような都会では九〇%も進学いたしますので、私どもこの職業、特に中学を卒業して高等学校に進学しないで就職する子供にはとりわけ、一年、二年もそうですが、特に三年段階で選択の教育等も十分に指導をする必要があるだろうというふうな考えも持っておりますし、いま中学校の学習指導要領を考えておりますが、そういう方向でいたしております。これはただ、どこかの委員会でも出た御質問でございますが、家庭の事情等で高等学校へ行きたいとか、あるいはいろいろな進学の希望を持っている子供に対して、教師が職業なりその他学級指導等におきまして、進学しないで就職をさせるようにとかいったようなこと、先生のお尋ね、そういうことではなかろうかとも思いますが、そういうことでございましたら、そのような指導は厳に戒めてもおりますし、先ほど育英会の御質問も出ましたが、家庭の貧困等で無理無理職業指導をやって就職させるようなことがないように、いわゆる進路指導という面におきまして、そういうことを十分学校で注意していただくように指導いたしております。
#70
○萩原幽香子君 中学校でもやはり就職するものがあるということでございますから、いわゆる適性検査といったようなものをどのようになされておりますのか、それを承りたいと思います。それから、先ほど東京あたりでは九〇%高校に進学する。そうしてまたその進路指導ということでは、子供が学校へ行きたければできるだけ学校に行くように指導するのだというようなお話でございましたが、そういたしますと、私はやはりもうここまでくれば高等学校というのは義務教育にする必要があるのじゃないかという感じもするわけでございます。ですから高等学校を義務教育までに上げるのにはどれほどの予算が要るか、それはまた後日お聞きしたいと思うわけでございますけれども、やはり指導のしかたというものは、高等学校までやらせたいというのが御希望でございましょうか。そうしますと、適性検査といったよう左ものはどのようになされておりますのですか、その点について承りたいと存じます。
#71
○政府委員(宮地茂君) 特に中学校では、高学年になりますといわゆる就職、進学を含めまして、進路指導ということを重視しております。これがとかく従来職業指導と進路指導がどうも現場では混乱も起こっておるようでございますが、就職する者も、あるいは進学する者も含めまして、将来の進路指導、その場合に、いま適性検査とかいったよう左お尋ねでございましたが、御承知のように、学校では生徒、児童指導要領でございますか、小学校から中学校、ずっと担任の先生が詳細に本人の性格なり能力なり、日常活動で特記すべきことは記録にとどめて、そういったようなものを総合して三年生のときに、中学三年のときに将来の進路指導を決定する材料にしておるというのが実情でございます。私、個々の学校で、どのような器械、器具等を使った検査がなされておるか、それはいまのところ存じませんので、以上申し上げたとおりでございます。
#72
○萩原幽香子君 私がそういうことをお尋ねいたしますのは、中学校を出まして集団就職をしました場合に、三ヵ月ぐらいが一番離職をする子供が多いということ、三ヵ月から六ヵ月ぐらいで半分ぐらい離職をするといったよう左統計を見たことがございますので、もし中学で適性検査をされて、適正にそういったような職業指導をしていただいておりましたら、こういったことが少なくて済むのではないだろうか。子供がこういうところへ行きたいからそれじゃといったような形でやられておるとすれば、こういう離職ということも多くなるのではなかろうか。もう少し適正に子供の進路をきめてやるよう左指導、適性検査というものがなされることが必要ではなかろうか。しかもそれは中学校だけではなくて、やはり高等学校に行っても、そういったようなものが一つの基礎になって考えていくということはできるのじゃないだろうかということを考えますので、お伺いをいたしたわけでございます。
#73
○政府委員(宮地茂君) 先生の御指摘のことは全く私どもも同じように考えております。先ほど申しました学習指導要領の改正なり、あるいは指導部課長会議など、いろいろ文部省として現場の教育についての講習会とか、研究会、いろいろございますので、そういったような機会も利用いたしまして、御趣旨のような点の徹底を今後はかっていきたいと存じます。
#74
○萩原幽香子君 集団で中学校から就職するような子供が多いわけでございますが、この間問題を起こしましたのも集団就職で青森県から来た子供だということでございますが、そういう子供が就職しますときに、大体中学校としてはどのような配慮がその子供に対してあるいは就職先に対してなされているのでしょうか。そういうことについて文部省としては何か御指導といったようなことはございますでしょうか。
#75
○政府委員(宮地茂君) 文部省としていま御質問のようなことを特に一つのテーマとして指導をする、あるいはそういう講習会を開くというようなことはいたしておりません。しかしながら、進路指導等を通じまして、講習会等がございますが、そういう場合に、いま私も詳細は存じませんが、いまのお尋ねの点につきましては、やはり一応その本人の希望とまた指導する教師の側では本人の能力とか性格とか、そういったものの調和を求めて大体就職指導がなされておるものと考えておりますが、またそうあるべきであろうと思います。ただし、子供の希望だけでもいけませんし、また教師が性格、能力だけから判断しても、本人がいやがるところへ行かすわけにもいかないと思いますので、その調和のとれたお互いに納得のいき、いままでの本人の能力に応じたところ、そういうところを選ぶように指導しておるものと考えております。
#76
○国務大臣(坂田道太君) いま萩原さんの御指摘の点は、実は私は日本の教育の中でやはり欠けておる点じゃないかというふうに思っております。というのは、もう少し客観的な、その本人の能力に応じ、あるいは適性に応じ、あるいは年齢に応じて、また私が所信表明いたしましたような意味において、その適性というものについて、あるいは能力というものについての客観的な学問的なアプローチというものがあっていいのじゃないかというふうに思います。と申しますのは、フランスでは、制度は異なりますけれども、中学校の段階でその指導を非常に進めている。中学三年というものはむしろ適性を見出すという形で行なわれているようにわれわれは聞いているわけでございます。そういうようなわけで、前提であるから、今度は高等学校を卒業し、高等学校の卒業資格が同時に大学の試験につながっていく、こういうことになる。また、それが実を言うとパリ大学でも卒業資格が同時に入学資格を得るわけでございますから、多数に入る。ところが、その多数に入ってくる学生というものははたしてパリ大学の大学の基準から考えるとなかなかそういうふうにいかない。そうして結局卒業するのは、十六万入って結局三〇%しか卒業できない。そこにまた社会問題が起きておるということで、日本とはまたちょっと違った制度にはなっていますけれども、しかし中学校の段階でそういう適性能力についての多年の研究とその成果、それが客観的にもある程度世間に認められ社会に認められておるというような点については、考えなければいけない問題だというふうに思います。とのことは同時に高等学校から大学に入学いたします場合において、あなたの能力、あなたの適性ではどういう程度の大学あるいはどういう学科を志望するのがいいかというようなことをある程度、教師の思いつきや何かで、あるいは一般的な常識で判断し指導するのではなくして、長い間の研究の成果によってそれが客観的に認められるよう左やり方、それと本人の希望というものをどうやって調和しながら指導していくかということに移らなければいけないのじゃないか。その意味において私はやはり、非常な反対がありましたわけでございますが、能検テストの成果というものは一応出ておるわけでありまして、このことがやはり入学試験制度を改革する一つの指針になるのじゃないか。むしろ高等学校の段階における三年間の学校長の成績評価とか、しかもそれをある一部の学科だけではなくて、いろいろの面における総合評価というものを、試験をやりまする大学側が受けとめていく、こういう考え方が大学に生まれてこなければならない。もしそういうようなことが行なわれるとするならば、入学試験による弊害、あるいは高等学校の全人教育という目的をも達成することができるんではないかというふうに思うわけでございまして、この点はわれわれといたしましても中学校、高等学校におけるそういった能力、適性というものについての客観的な調査、あるいは研究、あるいは追跡というような科学的な、あるいは心理学的な、教育学的な観点によって、これをやはりやる努力をいたさなきやならないのじゃないかというふうに思っておるわけでございます。
#77
○萩原幽香子君 ありがとうございます。ぜひそういう方向でひとつ文部省のほうでも御努力をお願いしたいと存ずる次第でございます。
 さて、この集団就職の場合のつとめ先でございますが、大体集団就職をしてきた子供たちはどういうところへ流れておりますのでしょうか。これは労働省関係になると思うわけでございますけれども、わかっております範囲でひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#78
○説明員(山中昌裕君) ただいま資料に即して御説明申し上げますと、文部省のほうで青年教育の現状というものを昭和四十三年度出しております。専門のほうは労働省でございますので、私のほう正確ではございませんけれども、昭和四十二年度就職者、中学卒の就職者総数が約四十四万五千人でございます。そのうち県外就職者が十四万人、県外就職率は三一%になっておる。それから高卒者について見ますと、昭和四十二年度就職者が九十四万人、そのうち県外就職者が約二十六万五千人、県外就職率は二八%になっております。
#79
○萩原幽香子君 ありがとうございました。私がお尋ねしたいと思いましたのはそういうことではなくて、どういうところへつとめているか。たとえば大きな会社でしょうか、あるいは中小企業でしょうか、個人商店でしょうかと、こういったようなことがもしおわかりでございましたらお聞かせいただきたいと、こう思ったわけでございます。
#80
○説明員(山中昌裕君) はなはだ申しわけございませんが、私どものほうでは企業別の調査はまだいたしておりませんので、その点は労働省のほうに確かめまして、また後刻御返事申し上げたいと思います。
#81
○萩原幽香子君 省の違いますことをお尋ねして恐縮でございましたが、実は私は、勤労青少年のために一体どのような学びの場が与えられているだろうか、あるいはまたそういう子たちの悩みを持っていく場がどのようにあるだろうかということが知りたかったわけでございます。と申しますのは、たとえば個人商店なんかにつとめている子供が非常に多いということになりますと、なかなか学ぶということもむずかしゅうございますでしょうし、そうした人たちが集まって話し合うといったような場を見つけるのもむずかしいのではないだろうかと、こういうことも考えましたし、また大きな会社などでございますと、初めて新入社員が入りましたときに新入社員教育といったようなものの中で、たとえば東京というところへ来れば、東京とはどういうところだ、どういう仕事をするかという内容だけではなくて、その町の状態とか、あるいは気をつけなければならないこととか、そういったようなものがありますでしょうし、また労働組合があって、その中で子供たちの悩みを聞いていくといったようなものがあろうかと思いますけれども、しかし個人商店とか中小企業などでそういったものがないところに就職した子供でございますと、学びの場もなく、そして悩みがあっても相談する場もないというようなことが非常に多いのではなかろうかと、こういうことを知りたいと思いましたので、実はどのようなところにつとめているかということをお聞きしてみたわけでございます。それではひとつ後刻労働省のほうへお尋ねをいたしまして、その資料がございましたらちょうだいをいたしたいと思います。そこで、こうした勤労青少年のためにどういったようなあたたかい施設がございますでしょうか、そういう用意されておりますものについてお尋ねをいたしたいと存じます。
#82
○政府委員(福原匡彦君) いま萩原先生のお話の、勤労青少年のための施設でございますが、これが文部省だけでなくて、また労働省その他もいろいろそのための対策を立てておりまして、いろいろな形でその施設の用意をしているわけでございます。ただ、都市化の進展と申しますか、都市に人口が流入しております。ことに青少年の流入が激しいわけでございますが、それに対応するだけの施策が十分立ってないというような現状でございます。たとえば文部省でございますと、従来のそうした青少年の受けとめの場所としては公民館がやはり中心だったわけでございます。ただ、公民館というのが、むしろ農村部で発達いたしまして、ことに大都市では、普通の中小都市には相当普及しておりますけれども、大都市では普及していないというような欠陥がございますので、大都市に向かって青少年がぐっと入ってきたということで、公民館がそれを受けとめるに十分な機能を果たしていないということは、残念ながら認めざるを得ないわけでございます。そういう面からいたしまして、最近公立青年の家を――公立青年の家の従来の位置はむしろ山とか海とか、そういったようなところが多かったわけでございますけれども、最近は都市の青年の家というものに重点を置いて、そうした都市に入ってまいります青少年を受けとめる場所、ただ宿泊、訓練だけでなくて、平素、日曜日とかあるいは仕事が終わったあとの、個人としてたずねてきてそこでいろいろまた指導も受けられる施設として考えておるわけでございます。これに相当する労働省の施設として、勤労青少年ホームというものがございまして、これも青年の家と同じように漸次普及しつつあるわけでございます。これもまだ数としては十分ございません。そういったようなことを受けまして、ただいま総理府の青少年問題審議会におきまして、一昨年から、都市化の進展と青少年という問題をテーマにいたしまして審議を進めておりまして、これがそういった都市に入ってまいります青少年をどう受けとめたらいいか、これはただ量だけでなくて、量が入ってくるということが質の面においても、まあ今度の射殺魔の少年の場合もそうでございますけれども、一説によると、都市は匿名の社会だ、入ってきますと一人一人でなくなってしまって、何か、大ぜいの中にかくれてしまう。一人一人にしてみれば人間として認められないよう左社会に入ってくる、そういった、ただ数がたくさん入ってきて、それがその施設の数で受けとめ得ないということでなくて、そこに入ってくることによって、従来農村で中学校まで育ってきたその環境からあまりに変わってくる、それで見放されたような、家庭からも社会からも見放されたような環境というところに入るわけでございますが、それをどう受けとめるか、このためには施設に十分なる指導者というものが必要になってこようかと思います。そういうものをあわせて現在青少年問題審議会で御検討いただいておりまして、これは各省に関係するわけでございますが、その中で文部省としても分担をいたしまして、できるだけ施策をしていきたいというふうに考えております。
#83
○萩原幽香子君 たいへんありがたいことでございまして、都市青年の家でか在り成果をあげておられるということも承っておりまして、こうした施設ができるだけたくさんできますように、今度の予算ではどうぞひとつ社会教育局といたしましてもがんばっていただきたいものだと、こういうふうに考えるわけでございます。あわせまして、その施設に大事なのはやはりカウンセラーの養成ということになるのではないだろうか、大体、こういったようなところで指導してくださっております。カウンセラーの養成ということはどのようになっておりますでしょうか。この点をちょっと文部大臣からお聞きしたいわけでございます。
#84
○国務大臣(坂田道太君) ちょっと私ではわかりませんので……。
#85
○政府委員(福原匡彦君) これら青少年の家につきましても、あるいは勤労青少年ホームにおきましても、正規のカウンセラーの制度というものができておりません。制度ができておりませんで、ただ職員が置かれている。その職員について、どういう能力を持った指導者がいいかというようなことについては、ある意味でその設置する県なり市町村なりの判断によって置かれているというような状況でございます。私どもとしては、社会教育研修所その他、いろいろな研修の場においてそういう方に集まっていただきまして、そういった資質の向上につとめておりますけれども、実はその基本に、たとえば社会教育主事という一つの資格があるわけでございますが、そういう資格が要請されていないという点、問題がございます。ただ、現場におきましては十分その点はいろいろ気をつかっておりまして、教育に経験の深い方などをそこに配慮しておられるというのが実情でございます。それと、実態として、そこにいる指導者が十分であるかという点に在りますと、現在施設をつくることに追われていて、指導者のほうはそれに追いついていかないというような面もございまして、その点いろいろ困難をしょっているというのが現状でございます。
#86
○萩原幽香子君 時間がございませんので、勤労青少年たちにまず健全な仲間づくりをさせる、こういったようなことが私は非常に大事なことだと思うのですが、そういうような、たとえば根っ子の会のようなものがたくさんできて、そしてお互い同士で励まし合ったり助け合ったりしながら、だんだん生きがいを感ずるよう左形の方向に持っていく、こういうことが大事だと思うわけでございます。そこでまた、健全なそういう仲間づくりをさせるためにどのような配慮がなされているか。あるいは未組織勤労青少年に対してどのような教育施設をつくろうとしていてくださるか、こういう問題について承りとうございますし、また、都市にございます公民館が勤労青少年のためにどのような役割りを果たせばいいか、こういうようなことについてもお尋ねをしたいわけでございますが、時間がございませんので、この件に対しましてはまずこのくらいにとどめておきたいと存じます。
 とにかく、この事件を通して私は考えましたことは、いなかから大都市に出てきた春少年に対する配慮がなさ過ぎる。そして、こういうようなことからいろいろの面が出てきているわけでございます。こういう、いなかからぼっと出てきた青少年の暴走を防ぐための歯どめがどこにもない社会の状態というようなことを私はふと感じまして、きょうはこの問題について承ったわけでございます。何とかひとつ、こういう面でしっかりとした、この子たちを暴走させなための歯どめというものをもう少しお考えをいただきたいと思います。
 最後に、文部大臣にちょっとお尋ねをいたしたいわけでございますが、けさのテレビを見ておりましたら、芝浦工大の三人の先生の退官を報じておったわけでございます。あれを聞きまして私は非常に驚きましたのと同時に、私はまずそういうときに考えますことは、この退官された、学生たちの拒否にあって退官をされたこういう先生たちの御家族の気持ちというものをまず私は考えないわけにはいかないわけでございます。そういう三人の退官された先生はなぜそういうことになったのか、内容とあわせてこういう問題についての大臣の御見解を承りたい、こういうふうに考えるわけでございます。
#87
○国務大臣(坂田道太君) ちょっと私、そのテレビを見ておりませんので、後刻調査をいたしまして御報告申し上げたいと思います。
#88
○萩原幽香子君 ぜひお願いいたしたいと思います。
 それじゃ、どうもありがとうございました。
#89
○小林武君 きょうは時間がきめられておりますから、一つ――一つというのは大事な問題だけを固めておいて、あとはまた後ほどお願いいたしたいと思いますが、文部省のいままでの処罰は正しかった、こういうような意味の文部大臣の答弁があったわけであります。そのことでやはり今度の判決の内容等から考えまして、その理由がどういう理由かということを簡潔に聞きたいわけです。この場合は必ずしも大臣でなくてけっこうで、まあ大臣が御答弁いただければなおいいのですが、長い間こういう仕事に携わってきた政府委員のほうから、こうこうこういうことで正しかった、もちろんこの判決文も一緒に入れてもけっこうでありますし、何でもけっこうでありますから、正しかったという理由をはっきりしてもらいたいわけです。
#90
○政府委員(宮地茂君) 従来、先般小林先生の御要求で資料をお出しいたしました中にも書いてございましたが、勤務評定反対の一せい休暇闘争あるいは学力調査反対の一斉休暇闘争、人事院勧告完全実施要求等の一斉休暇、いろいろあげてございますが、勤務評定につきましては、これは公務員法にも定めるところでございますし、この勤務評定の結果等を参考にいたしまして、本人の昇給その他の基礎資料にもいたしておるものでございます。したがいまして、適法に勤務評定は行なってよい。国なり教育委員会の権限として公務員につきましての勤務評定は法律上の根拠もございますし、それに反対をして休暇闘争をする。その場合に憲法の問題で二十七条で基本的な労働権はもちろんございましょうが、違法な休暇闘争をやったということで処分をいたしたものでございます。学力調査につきましても、これは学力調査そのものが行なえるとか行なえないとか、これは国会でもいろいろ過去に御論議のあったことでございますが……。
#91
○小林武君 ちょっとあれなんだけれども……。
#92
○委員長(久保勘一君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#93
○委員長(久保勘一君) 速記起こしてください。
 どうぞ答弁続けて。
#94
○政府委員(宮地茂君) そういったようなことで、過去の問題は、一応文部省としては、適法左措置をすべきことに対しまして――違法左争議行為をなさったので処分いたしましたが、本件につきまして、最高裁の判決でも、これは前回大臣からもいろいろお話ございましたが、二審ではもちろん有罪という点、これは争議行為そのもの、私ども文部省なり教育委員会が過去に処分をした、それに関連はございますが、そのことではなくて、いわゆるあおりをしたという点についての二審の判決であり、また、今度の最高裁の判決も、これは、「原判決を破棄する。被告人らはいずれも無罪。」ということは、あおり行為として刑罰を加えるに該当しないということでございます。ただ、その過程におきましては、小林先生のおっしゃいますように、このあおり行為に関連のあります一斉休暇闘争等についても、これは先生がお持ちの二一ページに判決が書かれておりますが、「本件の一せい休暇闘争は、同盟罷業または怠業にあたり、その職務の停廃が次代の国民の教育上に障害をもたらすものとして、その違法性を否定することができない」というふうに書かれておりますので、文部省といたしましては、前回大臣が答えられましたように、今回の判決には、公務員も原則的には労働基本権の保障を受ける、しかしながら、その職務の公共性に対応する当然の内在的制約を包含しておる、そういうことからして、一斉休暇闘争は国民の教育上に障害をもたらすもので違法であるというふうにいわれておりますし、こういう趣旨の判決が出る前に文部省が行ないました措置も、今回の判決に照らして違法ではなかったというふうに私ども考えておる次第でございます。
#95
○小林武君 なかなか理解していただけないようですから、ひとつ質問の方向を変えまして、いままでの処罰は地公法三十七条一項について処分をいたしましたか。これはどうですか。
#96
○政府委員(宮地茂君) もちろん三十七条二項のあおりではございませんで、三十七条一項でございますが……。
#97
○小林武君 一項もあるし、二項もあるんだろう。
#98
○政府委員(宮地茂君) そのほかに、三十五条の職務専念義務違反といったようなものも、その見地も加味いたしまして処分いたしております。
#99
○小林武君 それで、あれでしょう、三十七条というのが問題なんでしょう、これは。結局地公法三十七条でしょう。それはまあいろんなところへ出てくるわね。出てくるけれども、三十七条というのは非常に重要左問題をはらんでいるということはあなたお認めになるのかどうか。そうでないのがあれば、ぼくは一々全部処分のあれ知っているわけじゃないんだから。しかし、私の見た限り、経験した限りにおいては、三十七条というのが問題なんだ。一項と、それからあおり行為となると、またあおり行為とこれはあるわけだからその点をひとつはっきり聞いておかぬと、何でやったのかわからぬということでは困るのだ。まずそれを聞いたら、その次ひとつただしますわ。
#100
○政府委員(宮地茂君) 先ほどちょっと私三十七条二項の点に触れましたのは、ちょっと訂正させていただきます。
#101
○小林武君 あおり行為は違うよ。
#102
○政府委員(宮地茂君) はい。そこで、先ほど申しました三十七条二項云々と申しましたのは訂正させていただきます。もちろん三十七条一項、二項含めまして、これは争議行為の禁止ということで、これは最高裁の判決にもありますように、これを文字どおり読むということにつきましてはいろいろ問題もありますし、きわめて重要な規定だと考えます。それで三十七条の規定、それから三十五条とで過去においては処分をいたしております。
#103
○小林武君 三十七条というのがこれが問題となった争議行為だから、結局処分したのでしょう。争議行為だからね。そのことが主でしょう。教員は争議をやっちゃいかぬという争議行為が問題だからやったんでしょう。これは国家公務員、地方公務員ともそうなんですよ。そうでしょう。ほかのことでやったのは別なんですよ。役人であろうが何であろうが、わいろもらったなんというのは、私はそれのことを言っているのじゃないのだ。この場合は日教組関係のものであれば、これはみな争議行為、三十七条でいっているのですよ。間違いないでしょう。そうなると、そこでだんだんしぼられてきましたよ。そうすると、三十七条というものを、だから判決書においては非常に重要視してかかってきています。三十七条というのはたいへん重要なところだと、だからこれをやはり解釈しているわけですよね。労働基本権ということを前に言っているが、そこで、ここの一〇ページからページにかけての場合に、ぼくはまるで文部省になったつもりで実は質問しているのだけれども、この中に、これは全く刑事罰のことだけ言ったのであって行政罰のことは含んでおらないとあなたのほうで解釈しているかどうかということを聞きたいのですよ。お持ちになっているだろうから、一〇ページのうしろから四行目か五行目、そこらあたりのところです。「これらの規定が」ということが書いてあるところから「違憲の疑いを免れないであろう。」という二ページの三行まで。ここら全部あるのだけれども、ここらをひとつ見ていただいて、この中に一体刑事罰ということだけ言っているのか。行政罰も含まれているかということの確認をひとつそこでやりたいのだ。そうしないと、話が散ってしまってだめなんです。
#104
○政府委員(宮地茂君) これは争議行為一般についての考え方が書かれておるものと思います。
#105
○小林武君 一般だから行政罰のことも入っておるのかと、こう言うのです、間違いないかね。
#106
○政府委員(宮地茂君) それは争議行為一般のことですから、その争議行為の発展、結果的に行政処分その他刑事罰いろんなものが出てくるわけでございますが、それらの結果を含んでの争議行為一般についての説明をしておるのだと思います。
#107
○小林武君 そこまでわかってもらえばいいんです。
 そうすると、今度、そこに二つの問題が出てくるんですよね、違憲の疑いがあるという、文字どおり、規定どおりやったら違憲の疑いがあるんだと、こういつている、そうでしょう。一一ページの三行目の一番最後のところ、ところが違憲でないという考え方も反対の裁判官、裁判長はじめ何人かの方は、反対意見として三十七条というのはこれは違憲でないんだと、そういう立場を取られている。ところが、この判決書というのは多数決によってきまったものですから、判決書は三十七条というものは、これはやりよういかんによっては、実施のしかたいかんによってはこれは違憲の疑いが出てきますと、こう言っているんですよ。だから、私はそういうことを言うというと、いままであなたたちの処罰というのは、三十三年度以降だけ考えても、この種のものについては争議行為としてやられたんだから、その処分の問題について、これは先ほども私言っているように、文部省側の立場とわれわれの立場違うけれども、やはり検討してみる必要があるということにならぬかということを言っているんですよ。筋は立っているとぼくは思うんですが、ぼくの言っていることは。
#108
○政府委員(宮地茂君) これは先生が指摘されております一〇ページに書いておられるように、判決としては文字どおりに解釈したらいろいろ表面で違憲となりますよということでございます。したがいまして、三十七条をもう文字どおりにやったら違憲の疑いがありますよと、従来やっておったことはもちろん文字どおりではなくて、いろいろそのときの状況を判断してやったんだと、したがって判決には一斉休暇闘争は、これはいけないんだということが二一ページにいわれておりますので、過去にやりましたことは間違いはなかった、こういうことでございます。
#109
○小林武君 そこで、これは大臣にぼくはやっぱりよく聞いていただきたいし、調べていただきたいところなんですね。やはりここが行政罰も含めてですよ、文字どおりに、私はあなたの発言はこれはもうやっぱり間違いだと思いますよ。文字どおりということは三十七条の立場に立って争議行為だと判定したと、それは文字どおりになるわけですよね、争議行為だという判定をしたら。そうしてこれを一体いろいろな処罰をするということになると、それについてはあとのほうに出てくるわけですからね。文字どおりやっちゃいかぬのですよ、なぜやっちゃいかぬなんていうことはあなたに説明することもないと思うんだね、それは、その法益が違うんですよ、労働基本権というものを主張する法益のものと、それから争議行為やっちゃいかぬという法益のものと二つがこれは相反するあれなんだから、そういうものを憲法はかかえ込んでいるけれども、その間の調和ということがあって初めてこの判決、この現判決というものが出てきたわけだ。だから、私は、その中に行政罰も含めているということになると、文部省の処罰というようなものがこの大法廷の判決というものを尊重するという意向があるならば、この新たな判決によってそれはもう天と地の違いですわ、この前は体刑をもって臨んできたのだから、それが無罪になったからその無罪になった根拠をどこに置いているかといったら、この判決書のここが重要なところなんですよ、だから私はそこで違憲の疑いのあるような問題がもしあるとすれば、というようなやはり文部省の考え方がその中に出てきても、調べるという態度がなければならぬ、これは私は調べないで直ちにどうせいということは申しません。それから、いまの坂田文部大臣が全部やったことでも表し、だから坂田文部大臣におかれては、私先ほど来からの質問も答弁もお聞きしているというと、いわゆる文部省の手なれた技術的な御答弁はそれほどおなれになっていないようだけれども、教育に対するひとつの見識というものはさすがに御専攻のものでもあったようだから非常にりっぱであると、そういう人がこのことを見のがしてもらっては私は困るというような気がするのですよ。結果的にどうだということは別なのですよ、私はそのことは厳粛な問題だと見ているのですよ、大法廷の判決というものは、われわれはいまの大法廷の判決を何でも正しいと思わないけれども、これにはきまったら服さにゃならぬというあれだけは持っている、残念ながらとこう思っても服さなければならぬ、そうでしょう、もしこれが死刑だというような判決であったならば、わめこうが泣こうがこれはもうとにかく死刑されちゃうわけです。そういう厳粛なものなんです。そういう厳粛な判決というものが出た場合に、あなた方のお考えというのはどうかということを私は聞きますから……。それでまずこのことを明らかにしましたが、あなたたちがもしそのほかに三十七条は違憲でないという、違憲の疑いがこれはないのだと、こういうようなお考えはないようだ、これ、認められたからね。
 そうするとさつきも言ったように、いろいろお考え願わなければならぬのだけれども、まあこれも文部省の立場を想像して言うような質問でおかしいのですけれども、あなたたちのお考えの中に、それはそれだ、刑事問題の条項がここに出ている判決の主たる趣旨だからわれわれは行政処分については別なんですというようなお考えがあるならひとつここで御答弁をいただきたい、新たな論争をやらなくちゃならぬと思うのですね。それはもうあまりにもひどい話だからやらなければならぬと思うのです。そのあと、あなたの言う、何ページとか言うが、その何ページの前に、また一つあるから申し上げますけれども、まずそういう考えがあるのかどうかということです。もう一ぺん言うとね、こういう疑いのあるというあれが出てきた、そうすると、ここのところの少なくとも何行かの間のところに出ている問題は、これは刑事罰ばかりでなくて行政処分を含めての問題だということの確認ができたから、そうしますと今度はこれをもってすなわち争議行為だから全部処罰しなければならぬという三十七条の解釈をやった場合、その場合にこれは違憲の疑いのある行動というものにつながってくるわけだから、だから過去の処分というものに対して一体どうしたらいいかという、これは間違いのないという結論も出るかもしらぬけれども、間違ったという結論も出るかと思うが、そういう角度でお考えになるか、いや、違う、これはもう行政罰というものは違うのだ、別なものだというお考えに立つか、その点の御見解を承りたいと、こういうわけです。
#110
○国務大臣(坂田道太君) この九ページにあるわけですけれども、「違反者に対して課せられる不利益については、必要な限度をこえないように十分左配慮がなされなければならず、とくに、勤労者の争議行為に対して刑事制裁を科することは、必要やむをえない場合に限られるべきである」というふうに言っているわけですね。そうしますと、この本件に関しては、確かに刑事罰を加えるべきじゃないという判決がある。しかしながら必要やむを得ない場合は刑事罰の対象であるということがこの中から読みとれるということだと思います。それから一二ページ、「かように、一見、一切の争議行為を禁止し、一切のあおり行為等を処罰の対象としているように見える地公法の前示各規定も、右のような合理的な解釈によつて、規制の限界が認められるのであるから、その規定の表現のみをみて、直ちにこれを違憲無効の規定であるとする所論主張は採用することができない。」こういうふうに、これこそこれは文字どおり読んでいいんじゃないかと私は思うわけでございます。したがいまして、私は、永野委員の御質問に対しましてお答えいたしたことは、「地方公務員法で禁止される違法左争議行為にあると考え、そのつど公立学校教員がそのような違法左行動に走ることのないよう、各都道府県教育委員会を通じて警告し、さらに、もしそのような違法な行動が行なわれた場合には、当局としては、それぞれの行動の実情に即し厳正な措置を講ずるように指導してきたところである。」こういうふうに申しておるわけで、違法左争議行為はこれからも厳正にやらなけりゃいけないというふうに申し上げたわけでございます。
#111
○小林武君 あなたの話は、法律とかなんとかいうものを抜きにして考えて、一般論でいえばそういうことですよ、悪いことをしたら。実情に即してそれぞれやらなければならぬと、大阪の何だか、教育庁の何だか部長だかがわいろをもらって校長さんを盛んにつくったとか、愛媛県の教育委員会の何だか、どえらない何だかがおこったとかいうことが起これば、これは関係者がやられるのはこれはもうしかたない。あたりまえのことなんです。そのことを議論しているのじゃないですよ。私は、あなたも情ないんだけれども、初めのほうからまたやらなけりゃならぬ。この判決書の冒頭に何て書いてあるかというと、これは、中郵裁判の判決を踏襲するということを書いてあるのですよ、客観的に言えば、われわれ流に言えば。それで、そういうたてまえに立って、五ページの中に、憲法二十八条の、いわゆる労働基本権というのが、これは労働者に与えられた権利であるが、これは憲法二十五条の生存権の保障を基本理念としておるということをいい、二十七条の勤労の権利及び勤労条件を保障するということをいって、そして経済上劣位に立つ勤労者に対して実質的な自由と平等とを確保するために労働三権を与えているのですと、こうはっきりいって確認しておる。こういう趣旨に従って考えれば、六ページですよ、実定法規においても「労働基本権の制限を定めている場合にも、」「根本精神に即してその制限の意味を考察すべきであり、ことに生存権の保障を基本理念とし、財産権の保障と並んで」労働者の労働三権を「保障している法体制のもとでは、」両者の「調和と均衡が保たれるように、実定法規の適切妥当な法解釈をしなければならない。」とそこに書いてあるのですよ。このことは、逆に言うと、反論の中には、反対の裁判官はこれについて反論しているのですよ。それもお読みになったと、しかし判決もそのことをここできめておるわけです。そういうものを受けて、公務員というものは全体の、とにかく奉仕者であるということは間違いないと、しかしその中にも、公務員というものは決して労働基本権を失っているものではありませんよと、こういっている。ところで、これに対して、それは、地公法三十七条でやった処罰は違憲だという、こういう弁護側の攻撃がきているものだから、それの答弁として、先ほど来申し上げているように、規定どおり、もうすべて一切の争議行為を禁止して、そしてこれらの争議行為の遂行を共謀し、そそのかし、それらの行為すべてを処罰する趣旨に解すべきものとすればどうなるかというと違憲の疑いを免れないと、こう言っているのです。そうでしょう。これは間違いないでしょう。だから、私は違憲でないということはそうしたらどうやるのだ、三十七条の適用の上において違憲でない場合はどうかというと、それは法律の規定を可能な限り憲法の精神に即してこれに調和し得るよう合理的解釈をされれば、この見地に立つときはこれは違憲でないのですと、こう裁判官は言っているわけです。いいでしょう。だから、違法的なことを言っているわけじゃない。いささかなまぬるいといえばなまぬるいかもしらぬけれども、両方でなまぬるいと思うかしらぬけれども、しかし、これはそのものずばりでやったらだめなんだ、憲法の労働者の基本権というものを認めるように、調和のできるようにやれと、ここで言っているのだ。そうすると違憲でなくなるのだ、こういうたてまえがここに立てられた以上これは認められたのでしょう、それはここに書いてあるのだから。そうなったら一体、私はいままでやられたことをここずっと見るというと調和を保つようにやったとは思われない、みんな争議行為だと見てやっているのですから。私のほうでは少なくともこれに出されたもうとにかくいろいろな不平、不満が人事委員会に殺到して、人事委員会も手上げるくらいのもうあれになっているから、それのあれもよく知っています。その事由説明書在るものが、出ているものも若干は目を通しています。そういうたてまえに立って文部大臣にそこまでを理解していただければ、第一段のところまでいかぬけれども、いったわけじゃないけれども、大体そういうたてまえに立てば刑事事件の判決とはこれは別個なものですとはおっしゃらないだろう。行政処分についてもやはり振り返ってみる必要があるのじゃ互いか。刑事処分は体刑を与えてそうして処罰しょうとしたものを無罪にした。行政の処分についても検討してみるということは、人をさばくことはそう簡単なものでないということを、教育の場にあるところの、その最高の責任者である文部大臣なり文部省なりというものがやはり考えてみる必要があるのじゃないかというのが私の質問の趣旨であったわけです。これをあなたが、いやそんなことはないと、中村さんにどう答弁したとか永野さんにどう答弁したとかというようなことをここでおっしゃるのであれば、これはあらためてあなたの理論をお聞かせいただいて、これからやっても二十分ほどじゃどうにもできぬから、あなたが一体どんな考えかということを聞かしていただいて、やめましょう、この次またひとつお願いいたします、こういうことにしてやめようと思っているのだけれども、聞かしていただきたい。
#112
○国務大臣(坂田道太君) ちょっとかみ合わないようにお感じですけれども、非常によくかみ合っておるのじゃないかと思うのです。小林さんもやっぱり自分流におっしゃいますから……。たとえば私ははっきり何回も申し上げているわけで、公務員も原則的には労働基本権の保障を受けるものである、これをるるあなたは長い間言われるわけですよ。ところがその次の、何ページですか、書いてあります。その職務の公共性に対応する当然の内在的制約を包含していると、こういう……。
#113
○小林武君 あたりまえだ。
#114
○国務大臣(坂田道太君) あたりまえでしょう。だから、そういうわけなんでございまして、そこにおのずと少し、どっちにウエートを置くか、どっちをあれするかというようなことで違ってくると私は思うのですよ。私は両方をあわせて読まなければ本判決の真の意味はわからないので、私はこれをすなおに実は読んでおるつもりでございます。したがいまして、先ほどから繰り返し申し上げておるわけでございまして、その辺どうも私も小林さんがなぜかみ合わぬとおっしゃるのかがよくわからないので、「かように、一見、一切の争議行為を禁止し、一切のあおり行為等を処罰の対象としているように見える地公法の前示各規定も、右のような合理的な解釈によって、」先ほどおっしゃった「合理的な解釈によって、」ということについては私もうなずいたわけでございますから、「規制の限界が認められるのであるから、その規定の表現のみをみて、直ちにこれを違憲無効の規定であるとする所論主張は採用することができない。」したがって、違法な争議行為は今後といえども私といたしましては厳正に取り扱いたいと、こういうことでございますから、本件の趣旨を体して考えていきたいということなんでございます。
#115
○小林武君 あなたの厳正というのは、これは判決書を踏まえて、そうして正しく受け取ってですよ。しかし、いまのところ危険ですよ、あなたは少し。危険は、それはまあとして、正しくあなたがこれを踏まえて、正しい解釈の上に立って、そして厳正にものごとをやるということは、これはもうあなたは文部大臣として当然なんです。そのことを認めないなんて言っているのじゃないのです、それは。しかし、これを曲げて解釈したら困るのです。私は、地方公務員である教員が何も公共性がないとかなんとか、そんなこと言っているのじゃないのです。あると言うのです。いいですか、あると言っているのです。あとのほうのことは言わぬけれども、あると、それだから、その次の一四ページを見ればわかるように、そこでやはり競合するわけです。法益の問題で二つが競合するわけだ。言ったでしょう、私がさっき。「地方公務員の具体的な行為が禁止の対象たる争議行為に該当するかどうかは、争議行為を禁止することによって保護しようとする法益と、労働基本権を尊重し保障することによって実現しようとする法益との比較較量により、両者の要請を適切に調整する見地から判断することが必要である。」、こう言っているのだ。その上に立って言っているのだから、先ほどの私の論理は、ここでの解釈論は間違っていないことはわかるでしょう。そうでしょう。そういう点に立って一あとのほうのは、これは時間がないからやめるけれども、だからその上に立って、やはり刑事問題もそういうたてまえで今度は原判決を破棄する、被告全員無罪ということになった。私はいままでやったやつ全部無罪にせいとかここで言っているのじゃない。あなたたちのほうはそれについての原判決を十分考えて、私の計算だというと訓告だって私はされればこれはもうやはり処罰ですよ。処分ですよ。そういう人が二十万、三十万いるといういまの状況からして、そういう問題についてもう一ぺん振り返ってみるということは、文部省という役所としてあたりまえじゃないか、そういうことをいま言っているのです。ただ、このことについて、坂田さんもどうもあまり弁舌が得意じゃないらしいし、私も正直言って法律がそれほどわかっておるわけじゃない。一生懸命読んで覚えようとするが、そう簡単にいかぬ。そこで、私は文部大臣にお話ししたいのだが、これは法制局でも何でもいいから、顧問弁護士なら顧問弁護士でも何でもいいから、ひとつ呼んで御討論いただいて、この解釈で私とあなたたちとの間にもう全くの食い違いが出るとこれはとんでもないことになると思う。最も正しく解釈してお互いがやる。これは隠すことができないですよ、文章化されておることですから。だからこのことをはっきり踏まえてひとついまの問題に当たるという気持ちを持っておいてもらいたい。
 私は実はまだあれをやりたいと思っていたのです。文部省のいわゆる行政処分なるものについて、ひとつあなたの見解をかなりお尋ねしたいと思ったけれども、これも大臣の時間が来ておるようですから、ここでやめますが、いたずらにここでやり合って対立感をあおり立てるということでなしに、正しくものごとを判断するという立場から大いにひとつ考えて、お互いに考えて、責任を持っていきましょうということですから、きょうはこれでやめます。
#116
○国務大臣(坂田道太君) いまのこの判決は最高裁の判決でございますから、この判決の正しい見解あるいはそれに対して私たちが服することは当然なことだと考えるわけであります。そこでやはり小林さんのほうでも、淡々とひとつすなおに、やはり一斉休暇をやることによって児童生徒に与える影響というものが非常に大きいというようなことからこの判決は書かれておりますから、それもあわせてひとつお考えをいただきたい。われわれも十分これを読みまして、今後の争議行為につきましてやはり厳正な行政をやってまいりたい。いやしくも先生方がそのような違法な争議行為に走り、そのことによって履歴にいろいろの悪いことが書かれるというようなことがあってはならないわけでありますから、そういうものを未然に防止するためにも、私は、やはり先生方もよくお考えをいただきまして、そうして当然の、この権利の主張はけっこうでございますけれども、違法なことに対しては厳に慎んでいただきたいというふうに思います。
#117
○小林武君 最後に御要望を申し上げておきますが、私も、およそ文教政策の任にある者は、日本の将来なり民族の将来の発展ということをお考えになって、あやまちあるようなことはひとつやめてもらいたい。少なくとも国民に対して謙虚な態度でなければならぬと思うのです。私は戦前、戦後にかけて教員をしたものですから両方のあれを知っております。その中で出てきたさまざまの教育上の誤りというものは、いまの文部行政の中にないかと言ったら、私はそうは思っておらないのです。この誤りの発展がさまざまなところに出てくるという、そういう論争はいつかやる機会もあるかもしれませんが、やはりその点ではお互いに何と言われてもお前らの悪いやつは取り締まるというような考え方から抜け出さなければならぬ。われわれもまた文部省を相手にしてけんかをしなければならぬという考え方に野党は立つべきものとはついぞ思ってない。批判すべきものは批判するにしても、お互いに国会の中においてやっておる限りにおいては、日本の教育をよくする、そういうことを考えてやっておるわけでありますから、そういう立場で文部省におかれましても、ひとつ十分反省をしなければならぬ、謙虚さがなければならぬ。権力の座にある者は最も謙虚でなければならぬということを私は申し上げて、坂田文部大臣はそういう点で、きわめて御理解のあるりっぱな方だと思っておりますから、大いに期待をいたしております。
#118
○委員長(久保勘一君) 本件に対する本日の質疑はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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