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#1
第061回国会 文教委員会 第13号
昭和四十四年五月六日(火曜日)
   午前十時十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月六日
    辞任         補欠選任
     青柳 秀夫君     山本敬三郎君
     中村喜四郎君     佐藤 一郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         久保 勘一君
    理 事
                楠  正俊君
                田村 賢作君
                小林  武君
                安永 英雄君
    委 員
                小林 国司君
                佐藤 一郎君
                大松 博文君
                永野 鎮雄君
                平泉  渉君
                二木 謙吾君
                山本敬三郎君
                秋山 長造君
                川村 清一君
                鈴木  力君
                内田 善利君
                小笠原貞子君
       発  議  者  川村 清一君
       発  議  者  安永 英雄君
   国務大臣
       文 部 大 臣  坂田 道太君
   政府委員
       文部省初等中等
       教育局長     宮地  茂君
       文部省大学学術
       局長       村上 松雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       大蔵省主税局税
       制第一課長    安井  誠君
       文部省初等中等
       教育局財務課長  岩田 俊一君
       文部省初等中等
       教育局高等学校  望月哲太郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数
 の標準に関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○日本育英会法等の一部を改正する法律案(安永
 英雄君外三名発議)
○産炭地域における公立の小学校及び中学校の学
 級編制及び教職員設置に関する特別措置等に関
 する法律案(安永英雄君外三名発議)
○産業教育手当法案(川村清一君外三名発議)
○高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一
 部を改正する法律案(川村清一君外三名発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久保勘一君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を続行いたします。
 政府側から坂田文部大臣、宮地初等中等教育局長、岩田財務課長、以上の方々が出席いたしております。
 本案について質疑の申し出がございますので、これを許します。安永君。
#3
○安永英雄君 まず改正案の内容を見ますと、要所要所に「政令で定める。」というふうな内容がたくさん出ておりますし、文部省の裁量によって、今後この法案が通過した場合には、細部にわたって規定をされる仕組みになっておりますが、その中で四、五点ただしたいと思います。
 まず第一番に、改正法の附則の第三項の規定について、毎年度の教職員定数の標準の経過措置を定めることになっておりますが、この内容について、詳細にひとつ説明を願いたいと思います。
#4
○政府委員(宮地茂君) 附則三項でございますが、この新法六条に規定いたします小、中学校教職員定数のこの標準または新法十条に規定いたしております特殊教育諸学校職員定数の標準、これにつきましては、昭和四十八年の三月三十一日、これは政令で定める特別の事情がある都道府県、たとえばこれは過疎県等を予定いたしておりますが、そこにつきましては、四十八年三月三十一日で切るということは、実態として教員のいわゆる首切りといったようなことが起こるおそれもございますので、一般県よりは二年延ばして五十年三月三十一日でございますが、それまでの間は、新法の規定にかかわらず、公立の小学校、中学校または特殊教育諸学校の児童または生徒の数及び教職員の総数の推移等を考慮しながら、これらの規定に定めるところによって算定した標準となる数に漸次近づけることを旨といたしまして、毎年度政令で定める、こういうことでございます。
 従来は、この第二次五カ年計画では学級編制、すし詰め学級を解消するために、四十五人に到達するために、毎年そこのところを四十六名とか、四十七名とか、四十五名になるように定めておりましたが、今回は五年間を通じて、これは都道府県の教育委員会で五年間を見て操作してもらう、それは附則の二項のほうでございます。この三項のほうにおきましては、新法六条なり十条、ここではいままでいろいろ御審議いただきましたが、それぞれ学級につきまして先生の定数をつくる乗ずる数が変わっておりますし、また学級の、何学級については何を乗ずるというようなところも変わっております。したがいまして、こういったようなことを勘案いたしまして、政令で定める、ただ前年に比べまして、過疎県等標準法でまいりますと、新法でまいりますと定数が下がるといったようなところには、前年の九八・五%を下らないようなことを、そこで操作して政令で定めようというものでございます。
#5
○安永英雄君 そうすると最低保障九八・五%というふうに保障するわけですが、この点ちょっとここでお聞きしたいのですけれども、九八・五%の根拠について少し説明していただきたいと思います。
#6
○説明員(岩田俊一君) 九八・五%の最低保障の根拠でございまするが、この九八・五%という数字は、第二次五カ年計画の進行途上の経過措置におきましても、校長、教諭は九八・五%、それから養護教諭、事務職員は九七%というような経過措置が定められておったのでございまするが、今回それに準じまして、さらにまた事務職員と養護教諭につきましては、最低保障率を校長、教諭並みに引き上げまして、ひとしく九八・五%にしたわけでございますが、前回から引き続きましたこの九八・五%の根拠は、大体各県の毎年の新陳代謝率が平均しまして三・一%ないし三・五%あるというようなことから大観しまして、三%というぐあいに押えまして、まあ三%ということでございますが、九七%でもちましていわゆる首切りといったような問題は起こらないわけでございます。しかしながら、やはり新陳代謝の趣旨から、少なくともその半分の一・五%分については新採用が可能なようにという配慮があるということでございます。
#7
○安永英雄君 ここでちょっとお聞きしたいのですけれども、文部省のほうで、年間を通じて大体いままでの経験からいって、文部省が握っておる普通の手持ち定員というのはどれくらい持っているのですか。
#8
○説明員(岩田俊一君) 文部省で持っておる手持ち定員というお話でございますけれども、この定数標準法の趣旨からいたしまして、各県におけるところの児童、生徒数に基づく標準学級数に基づきまして定数が自動的にでき上がるわけでございますから、文部省が保有するところの義務教育諸学校の教員定数の余裕というものはないわけでございます。
#9
○安永英雄君 それではこの〇・九八五という、これは確信があればあれですけれども、非常にこういった保障を受ける県と、たとえば定数がわずかな定数でも、やはり各地方教育委員会では非常に苦労するところですが、言いかえますと、予算定員ですね。これと〇・九八五との関係は十分中に入っているわけですね。
#10
○説明員(岩田俊一君) 毎年度の五月一日現在におけるところの児童生徒数並びにそれに基づくところの学級数を押えまして、これの見込みを立てまして、九八・五%を保障することを前提として予算を組んでおります。
#11
○安永英雄君 ここでもう一ぺん関連してお聞きしたいのは、ここ数年来の義務制に関する小、中学教員に関する人件費の年間の予算残というものはどのくらいありますか。
#12
○説明員(岩田俊一君) いまお尋ねに対して前のをさらに補足して、引き継いで申し上げまするが、要するに定数標準法の標準によりまして算定された定数によりまして、これは実績国庫負担でございますから、その定数の範囲内におきましては。でございまするから、毎年度の五月一日を基準にいたしまして算定いたしますけれども、月々の実績を集計いたしまして国庫負担いたしております。したがいまして、年度末におきましては、まあこれは各県経理の方式の問題とかかわりを持ちますけれども、若干の精算残を残しております。この精算残は、かつては二十億、三十億というようにたいへん大きな時代もございましたけれども、最近では漸次縮小されまして、四十三年度の実績で申し上げますと、約七億円ばかりが翌年度精算に持ち越される。したがいまして、残というものはないわけでございます。
#13
○安永英雄君 大体いまの保障率というものを各県に相談をされて、事実上三月末から四月初めにかけての各県では、この保障率でもって一応現在出発しているというふうに見てよろしゅうございますか。
#14
○説明員(岩田俊一君) ただいまお尋ねのとおり私どもは全国の実情を理解しております。
#15
○安永英雄君 あとでずっとお聞きしたいのですけれども、今度の新しい法律案で、こういった、いまこの保障適用を受けるような県、こういつたところが非常に期待しているわけですけれども、ここでお聞きしたいのですけれども、たとえば定数の問題にしましても、あるいは補導教師の増員にしましてもいろいろありますが、この九八・五%というのは、その中に今回提案されております三項以外の有利になった点ですね、いわゆる前進した面、これはこの中に入るのですか、これに上積みするのですか、沈むのですか。
#16
○説明員(岩田俊一君) 各県の定数の毎年度のはじき方は二様の方式でいたします。その一つは、この毎年度の本則定数の経過措置に基づく五分の一ずつの改善分の、積み上げにかかる分が一つと、それから、それでなおかつ前年度の九八・五%を下回る場合には、それまでを保障するようにしようという二通りの方法で定数を算定いたします。したがいまして、各県の実態のありようは、九八・五%に沈む分を保障する分が一つ。さらにそれを上回る分、いわゆる五分の一ずつの改善分の改善がある。九八・五%を上回る分までこれを見るわけでありますから、さらにそれより上積みされる。こういうふうに理解されるわけでございます。
#17
○安永英雄君 そうすると、いまのはよくわからぬのですけれども、あとで具体的に聞いていきますから。ただ例をあげますと、福岡県あたりでは一応保障されておる率で計算した場合と、今度の改正法であらかた計算しますと、算術計算ですけれども、四百四十程度の差が出てきて、この保障率よりも改正案のほうが下回るというふうな概略数字が私の計算では出るのですけれども、そこらあたりを具体的に福岡県の例を引いて、いまの沈む分と保障という問題と、上回る分と具体的に説明してくれませんか。
#18
○説明員(岩田俊一君) ただいま福岡県の例で御質疑ございましたから、その例で申し上げますと、一応これは予算の見込みでございますから、実績が出ればその実績どおり負担するわけでございます。まず福岡県における四十三年度の定数が二万一千二百四十であります。それに対しまして現行法のままで推移した場合におけるところの自然減が九百四十でございます。これは人口、学級数の移動に伴う分でございます。したがいまして、約四・四%の減少率に伴うわけでございまするが、この福岡県につきまして四十四年度の改正法の五分の一の充足といたします数が百四十になってくるわけでございます。その他特殊学級の増が二十、合わせて百六十、それから五分の一の改善と特殊学級の増後の減が、差し引きいたしまして九百四十からいまの百六十を差し引きますと七百八十の三角になる、マイナスですね。それで今度は、その結果、三・六%になるわけでございまするが、最低保障数が三百九十ございまするから、ちょうど差し引き減が三百九十と、こういうことになるわけでございます。
#19
○安永英雄君 大体わかったわけでございますが、この最低率を示した県は何県ぐらいですか。少なければ県名もあげてみてください。
#20
○説明員(岩田俊一君) この四十四年度最低保障の恩恵と申しますか、その措置の取り扱いを受ける見込みの県でございまするが、まず岩手、秋田、山形、福島、茨城、それから栃木が若干ございます。それから新潟、富山、石川、それから山梨、長野、それから京都、鳥取、島根、それから山口、徳島、香川、高知、それから九州は全部です。
#21
○安永英雄君 まあこれ時間がありませんから、私はやはりその最低保障という問題と今度の新しい法律案との間のかみ合わせですね、もう少しやはり考えるところがありはしないかというふうに考えますがね、これはまああとでずっと質問をしながらただしていきたいと思います。
 それからもう一つ、今度の法律案の八条の第二号、ここで養護教諭の数について定めておるわけでありますが、僻地、無医村、ここらの政令の内容についてお聞かせ願いたいと思います。
#22
○政府委員(宮地茂君) 八条二号でございますが、養護教諭等の数の加算でございます。大体政令案としていま考えておりますのは、僻地学校の数に七分の一を乗じて得た数、それと無医村ないし医療機関のない離島等の数に一を乗じて得た数、これを合計したものを加算したい、こういうふうに考えております。
#23
○安永英雄君 この僻地学校の数に七分の一というのは、これは私ちょっときびしいような気がするし、もう少し考えてやったらどうかという気がするんですが、どうして七分の一で一応切るのかですね、それから無医村の関係のこの島の数、これについて一応僻地級の指定を現在検討中と聞きますが、これと非常に関係があると思うんです。そこで、そこらあたりの内容をもう少し詳しく説明してください。
#24
○政府委員(宮地茂君) 実は、この七分の一と申しますものに、いわゆる非常に科学的に、ぜひ七分の一にしなければならないと申し上げる学問的な、あるいは実態に即して絶対に説明のできる七分の一の根拠を示せということでございますれば、正直に申し上げまして、それを説明するほどの自信はございません。ただ、僻地等――これは事務職員の加算のところにも出てまいりますが、これは予算の関係等もございますが、全体の数を見まして大体六分の一というふうに考えました。しかしながら、とりわけ養護教諭は何もお医者のかわりをするわけではございませんが、従来からもとりわけ医者のいないようなところには、医者とは違うけれども養護教諭等をぜひというような声もございましたので、養護教諭の場合は六分の一とするところを、無医村、医療機関のない離島等の数が相当ございまして、これを僻地としては七分の一、それから無医村等の数というふうにいたしました。大体これは僻地学校だけで申しますと六分の一くらいということでございます。くどうございますが、特に科学的に説明せよということでございますれば、それほどの根拠はございません。
#25
○安永英雄君 科学的に根拠がないとおっしゃっても、大体文部省のいままでのこの政令の限定された率ですね、これと現実の問題と比べてみますと、非常にうまくいいところで切ってあるという感じがして、これは根拠があるというふうに私は考えるわけです。それはもちろん財政上の問題は確かにあると思う。あると思うけれども、あとでも申し上げますがね、これ、八分の一になったり、六分の一になったり多少ちょっと前進しますと、もう少しで助かる、こういったところがずいぶん出てくるところで都合よく切ってあるような気がする。そこで質問したのですけれども、これ以上質問すれば実態がどうかということまで聞かなければなりませんので、たいへんなことになりますからこれでやめますが、この七分の一というのはもう固まった案ですか。
#26
○政府委員(宮地茂君) 法律が幸いこの国会で可決されますれば、同日付ででも政令を公布したいと思っているわけでございます。したがいまして、まだ政令案の段階ではございますが、全体の数字というものがもうきまっておりますので、まあ一応この数字は固まったとお考えいただいていいのではないかというふうに考えております。
#27
○安永英雄君 いまも局長のほうから言われたのですけれども、無医村あるいは医療機関のないところと、こういう名目でこの養護関係の先生を配置するというのは非常に問題を起こすような気がするのですね。特にこれは離島等ということで、主としてやはり離島を指しているのではないかと思うのですけれども、この僻地等としてありますが、これはやはり山間僻地もこれに加わるわけですか。山間僻地も加わっているのですか。「等」はどういうことですか。
#28
○政府委員(宮地茂君) いまの先生の「等」とおっしゃいますのは、八条の二号の「へき地学校の数等」というその「等」は何じゃというお尋ねでございますか。
#29
○安永英雄君 はい。
#30
○政府委員(宮地茂君) それは僻地学校の数に、「等」は離島等を「等」で読もうとしたわけでございます。それでそういうふうに読んで政令で離島を出そうという考え方でございます。
#31
○安永英雄君 話を戻しますが、やはりいまでも山間僻地あるいは大体医者のいないような地域では、これは定数にも関係しますけれども、学校の養護教諭、これらの仕事が膨大になっているわけですね。とにかく学校に行けば赤チンぬってくれる。腹が痛くなれば、学校に行けば看護婦さんがおる、こういうことで、それでなくても養護教諭の任務、仕事の内容というのは非常に多岐にわたっておるわけです。こういったやり方でなくして、やはり正規の養護教諭、こういったものをこういった地域に置くということで無医村とかあるいは離島とかいうふうなことじゃなくて、何かこうはっきり正式にその地域に出すというふうな名称に政令の内容でもはっきりすべきじゃないかというふうな気もするのですが、そういった考え方はないかということです。
#32
○政府委員(宮地茂君) いろいろ御議論はあろうと思いますが、一応この養護教諭を算定します場合の根拠、従来小学校千人に一人ということを、八百五十人に一人といったような考え方に立っております。そのこと自身にはいろいろ議論があろうかと思いますが、一応そういう考え方、原則でやっております。したがいまして、県としましても、国が八百五十人に一人ということで積算して県に配当すれば、県も勢いその八百五十を一人として、そういった規模の学校に原則として一人といったようなやり方をするであろう。そういたしますると、僻地等八百五十人以下の学校がたくさんあるところではとても養護教諭が充足しにくいといったようなことになりますので、その八百五十人以下、とりわけ僻地等は違った意味で養護教諭等が必要であろうということで、この政令に先ほど来申し上げたような数字をあげようとしたわけでございます。もちろん、これを県といたしましては、国の保障するものはそれでございますが、特に東北など、山形等では、それ以上に養護教諭を、ともかく学校にはぜひ置きたいということで、県独自でもおやりになっておられるようでございます。そういうことで、県でいろいろ御努力をなさるところがあるようでございますし、また、その実態は私のほうも十分わからないわけでもございませんが、やはり養護教諭だけでなくてその他の教職員の定数をそれぞれふやしたい、特殊教育その他もございますし、そういうことで、最小限こういった形になった次第でございます。先生のおっしゃいますこともある程度わかるわけでございますが、私どもとしましては、いま申しましたような考えから、一応政令案としても先ほど来申しておるような考え方でいくのがよいであろうというふうに考えております。
#33
○安永英雄君 私も過去この無医村等についての養護教諭の配当についてはずいぶん運動したものですが、これは各県でこれだけの措置をやって、さらに無医村というのは残りゃせぬかと思うんです。やっぱりあるだろうと思うんです。無医村のところに養護教諭がいない。これあたりは、いまもお話があったように、各県が独自で苦労しながらこの点についても県独自で配当している、こういうところが多いようですが、これについて、県あたりが努力している点について、この政令を出されようとすれば、相当大幅にそういった範囲を、実態をつかまれれば、これについて文部省としてこれを適用して、これは一応予算定数とか、あるいは心組みがあろうと思いますが、これは幅はありませんか。もう少しつけ加えますと、たとえば、ない中で、無医村の山間僻地や離島に県独自で養護教諭を置く、こうなりますと、それがわかりますというと、やかましく大蔵省や文部省のほうが、次の交付金その点の問題のときに、これは裕福県だということで交付金あたりを差し引くという事実もありますし、あるいはまたおどしをかけてくることもあるんです。これは私はけしからぬと今日まで思っておったんですけれども、無医村とかなんとか、文部省もこれはずいぶん努力をされてだんだん前進してきておりますけれども、ここでそういった県独自で、予算あたりで苦労しているといったところには、やっぱり調べて、それでこれを少し拡大するという考え方はないか。幸いここでは、いろいろ数等にかけるということですから、大体これで無医村のところにはもう養護教諭が学校におると、こういう状態までこれを適用して、政令で広げていくという考え方はございませんか。
#34
○政府委員(宮地茂君) 実は従来はこの僻地の数等を考えまして加算をするという措置はとってなかったわけです。ところが、実態としては先ほど来申し上げましたように、東北の山形県その他では、小さいところにこそ置きたいのだというようなお考え方がございました。で、そういうことを正当性づけると言ってはあれでございますが、従来は全然千人に一人ということしかやっていなかった。それを実態は僻地のそういう小規模学校にやっておるところもありますし、無医村等にもほしいのだといったような声が十分ある。したがって、その声を十分頭に入れて、今回少のうございますが、六分の一なり七分の一なりというものを特に加算をするということにしたわけでございます。したがいまして、まあ十分ではございませんが、従来この四十三年度までやりましたものにつきまして考え方として相当の前進をしたというふうに私ども思っておる次第でございます。それ以上ゆとりとなりますと、これはその辺原則はきめておっても、いろいろゆとりがあるというふうになりますと、せっかく政令できめましても乱にも流れますし、政令としては一応基準をつくる、しかし県におきましては、これはあくまで国が配当するときの数字であるということで、県の特殊事情がございますれば、その県独自の案を加味されておやりになることはこれはさしつかえなかろうかと思います。
#35
○安永英雄君 養護教諭の問題については前でも触れられましたし、また特殊学校の設置の問題等についても私はずいぶんそこでお聞きしたい点があるわけですから、以上にしますけれども、ただ私が先ほど申し上げましたように、各県が進歩はした、前進はしたけれども、やはり無医村の僻地等が残るというようなことも当然あろうかと思うのですけれども、こういったところで県独自で、文部省の方向と同じようにそういったところには養護教諭を置こうという努力をしているところに対しては、私は積極的に、全国的に、文部省がとれについてはない予算ではあろうけれども、各地方の、特に県に対してこれを置くようにという推奨をやっていただきたい。これは自分のところで、てめえが出さないでお前が出せというのはなかなかむずかしいかもしれぬ。私はむしろ逆にそういったところに余分に置いたということで、裕福県だと見られて、そういった交付金等を逆に差し引かれるというふうなことを押さえるためにも、やはりこれ以上今後政令でもって、この法律でもって、さらに前進を年々していくのだ。といったような気持ちがあるならば、むしろやはりその間は県独自で努力をされたいというくらいの指導をぜひやっていただきたい。そのこと自身やはりどうも財政上の問題で、県がちゅうちょしているといった点がありますので、こういった、何と申しますか、指導をしていただくという考え方がほしいのですが、どうでしょうか。
#36
○政府委員(宮地茂君) 念のためにちょっと申し上げますと、医療機関のない市町村につきましては、今度のこの政令で養護教諭を置くところにはかぞえました。それで医療機関のない市町村は本土で六十四です。それから離島で医療機関がないのが十一でございまして、本土の市町村内に含まれている離島が三十九、合わせまして百十四ということになります。したがいまして、少なくとも趣旨としましては百十四の医療機関のない町村に養議教諭だけは一応国としては積算はいたしましたということにはしたいと思っております。積極的にそういったことを指導せよというお話でございますが、県にはいろいろ事情もあろうかと思います。一律に政令ではこう定めたが、養護教諭だけは特にとるということも、これは県にいろいろ事情がございますので、一律な指導ということはいかがか。しかしながら、それぞれの県におきましてそういう考え方でやりたいというようなところは、私どものほうとしても何ら異存はないといったようなことは趣旨としてはつとめたいと思っております。
#37
○安永英雄君 ぜひひとつそういった方向で指導してもらいたいと思います。
 次に、法律案の十五条の規定に基づく政令を出されるわけですが、これについては加算をされるということですけれども、その内容について説明をしていただきたいと思います。
#38
○政府委員(宮地茂君) 十五条関係の政令でございますが、一つには、これは産炭地域の小、中学校につきまして、具体的に政令案の中身を申し上げますと、要保護、準要保護の児童、生徒が四十人以上いて、その数の当該学校の児童、生徒数に対する割合が三〇%以上に当たるもの。
 それから、二番目といたしまして、同和対策として教育上特別の配慮を必要とする小、中学校。
 それから、ことばは多少あれですが、いわゆるスラム地区といわれるようなところ、大阪の釜ケ崎といったようなところがございます。スラム地区ということばを政令で使うかどうかわかりませんが、わかりやすく申しますと、そういった区域が通学区域内に存しております小、中学校。
 それから、四番目といたしまして、外国人の児童、生徒が一〇%以上である小、中学校、これは外国人と申しましても、具体的には韓国人、朝鮮人の関係でございます。
 それからもう一つ、教育公務員特例法で、教員は研修につとめなければならないという規定もございますが、そういう研修を受けている教員が存する学校、そういった大体五つばかりの内容のものを考えております。
#39
○安永英雄君 そうすると、産炭地とそれから同和地区、あるいはスラム地区、外国人、それと長期研修の穴埋めと申しますか、そういったことに加算するというわけですが、同和地区の教育上特別配慮をする、こういった場合に大体どれくらいの地域と、どれくらいの定数を考えておられるか。
#40
○説明員(岩田俊一君) 同和関係の指定の方法でございまするけれども、これにつきましては従来から明確な基準といったようなものは非常に少ないようでございまするが、考え方といたしましては、かつて総理府等で実施された調査の結果がございます。それらの基礎をよりどころといたしまして、大体県の数にしますと二十七県くらいの広がりを持っております。そういうところを対象にいたしまして実施するつもりにしておりまするが、なお詳細は目下検討をいたしております。
#41
○安永英雄君 ついでに、いわゆるスラム街、それから外国人の関係、それをいまと同じような内容をお示し願いたい。
#42
○説明員(岩田俊一君) スラム地区につきましてはただいま局長から御説明申し上げましたように、スラムという表現でするかどうか、これは検討を要するところでございますので、私どもといたしましてはできるだけこれを客観性を持たせるという意味合いにおきまして、建設省等でいろいろ住宅改良地区だとか、その他よくない建築の住宅等の集団する地域の調査の方法等がありますが、それらを援用して、これをきめてまいりたいと思います。大体スラム地区の存する県といたしましては大阪の釜ケ崎、東京の山谷といったところが最も代表的な、世間で知られているところでございますけれども、十県ばかりの県を予定いたしております。
 それから、外国人のほうでございまするが、これは大阪、兵庫あたりが最も多いと思いまするが、大体四県を該当の県として考えておるわけでございます。
#43
○安永英雄君 産炭地の場合、いまお話がありましたように、四十人以上で、そうして三〇%、こういった数字を一応あげられておるようでありますが、まず、その数字にあらわれた教員、この数字が出てくる教員の性格、こういったものについて説明願いたいと思う。
#44
○政府委員(宮地茂君) これも実は考え方といたしまして、こういう要保護、準要保護の生徒の多いそういう学校ではクラス編成を四十五でなくて、もう少し下げたら――これはまあ社会党の案にも似たあれがございますが、そういったいろいろな考え方があろうかと思いますが、ともかく一般の場合と比べまして、こういう要保護、準要保ゆる一般の地域と比べて困難であろうということが想定されます。そういう考え方からこういう措置をとろうとしたわけでございまして、大体そういう趣旨でやりましたので、先生のお尋ねが定数上教育効果がどうという、あまり測定とかいったような意味でのお答えはできませんのですが、大体そういう考え方で加算をしたということでございます。
#45
○安永英雄君 私が聞いたのは、四十年ころから文部省としてようやく産災地の教育、こういったものにいろいろな面で前進的な措置をとられてきたことは、これは私も十分わかっております。わかっていますが、たとえば四十年ころから充て指導主事、こういった形ではじき出された数の結果、それに性格づけをされて充て指導主事ということで配当をされた、こういう時期があります、いまでもある。これは私は現在の産炭地の実態を知られない、だから私は聞いたんです。内容はいまから説明しますけれども、私は聞いたんです。どういう性格を持たせての教師とするのかお尋ねします。充て指導主事ということです。
#46
○説明員(岩田俊一君) この規定の想定いたしましたる対象は、産炭地域におきましては、これは要保護、準要保護と御案内のように多うございます。その関係で相当現場の先生方がその関係のほうの仕事に手をとられる。しかも、いろいろな長期欠席が、まあ非行といったようなことも多いこともとれまた事実でございます。そういうことに着目いたしまして、そういうたいへん手がかかるというようなことと、そういう関係の生徒補導と申しますか、そういうような関係でほかの学校よりも教員配置上これを手厚くする必要があるであろうという観点から、こういうような実例をもちまして現場の学校に教員の定数を算定するという、こういう考えでございまして、これ自体は学校に置かれる教諭でございますから、決して充て指導主事ではないわけです。
#47
○安永英雄君 そうすると、大体文部省あたりでいわれる補導教師、こういう性格を持ったものだというふうに確認してよろしゅうございますね。
#48
○説明員(岩田俊一君) この法律自体は、これは定数の標準法でございますから、職名を設置するところの法律じゃございませんから、これ自体が直ちに補導教員とか指導教員とか、あるいは生徒指導主事とかいうそのものずばりでここで表現したつもりではございませんけれども、そのような実態に合わせた運用がされるであろうということは期待されておるわけでございます。
#49
○安永英雄君 期待されるとか、なるほど定数の問題ですからそういう答弁かもしれませんけれども、そういったところがあらゆる地域で混乱を起こしているわけです。実際どうでも使ってよろしいんだ、こういうふうに受け取るんです。そうすると、どういうことになるかと申しますと、まだいままでの配当が数の少ない関係もありますけれども、結局これが教育委員会、地方教育委員会の事務局あるいは県教育委員会の出先の出張所、こういったところのいわゆるお役人的な仕事に充て指導主事がなってしまう。そうしてそこで何をしているかといいますと、それでも手が足りないものですから県の教育委員会の出先のあらゆる仕事を日常やっている。いままでジャンパーを着て朝八時から生徒指導を徹底的にやった優秀な先生が、お役所に行くというんで。背広を仕立てまして、そして急にお役人のような気持ちになって、そしてまたそこに行くとお役人のように取り扱われるものですから、教育委員会のとにかく人事の時期になりますと、人事の点まで入っていくような、そうして大体手が少ないものですから、何といいますか、私どもから言わせると、管理体制の強化というふうに受け取ってしまって、これはいい定数をもらったというんで、実際生徒の日常の非行とか、あるいは貧困な家庭における遊びの指導とか、あるいは就職指導とか、こういったものはとても手がつけられないような実態になっているわけです。そういう実態の中で、大体そういう学校におりまして、そしてそういった指導に当たる先生ですが、あとは県の教育委員会等でおきめになることですから――これでは私は非常に混乱をしてまいりますので、別に定数といっても文部省そこにおられるんですから、私ははっきりここのところで言ってもらいたい。これはどういう性格のものに使うんだ。
#50
○政府委員(宮地茂君) 従来先生の御指摘のような充て指導主事と申しますか、そういったようなことでやっておりました者と、今回のこの教員加算のいま問題になっている者とは違いまして、今回のはその当該学校に置くわけでございます。それで当該学校で個々の指導、生徒を対象にしまして、たとえば非行の防止あるいはその事後処理、あるいは進路指導、いわゆる生活指導、生徒指導といったようなことを担当さしたいということでございます。したがいまして、ただそれだけをやる専任の教師であるということを言うのがよいか悪いかという問題は残りますが、一般の授業を持っててもよいんですけれども、趣旨は生活指導、生徒指導が本来のねらいであるということは県にも申したいというふうに考えております。従来先生が御指摘になられましたような、急にこれで加算をした、加配をしました教員を実際人事で発令をして、それがいままでとは違ったような、先生御指摘のような仕事をするというふうな誤解があるとしますれば、少なくともそういう趣旨はないということは十分各県にも徹底さしたいと思います。
#51
○安永英雄君 そういう趣旨であるとするならば、私はあまりに生徒、児童の数が四十人以上、それから割合が三〇%以上というのではそういった任務ができない、この率、この数ではできないというふうに思います。ちょっと考えてみても最低三割という生徒が要保護あるいは準要保護という家庭の子供であった場合に、実際にこういった加算ではとてもできないですよ。この実例を私は申し上げてみたいと思うのですけれども、これはあまりにきびしい数字だと思います。たとえば一学級を受け持って、その中に三分の一の生徒が要保護、準要保護というものの家庭の子弟である場合に、その三分の一の子供について私は加算がついてもとてもたいへんなことだと思います。
 そこで先ほど私は申し上げたのですけれども、なかなかうまいこの率の取り方をしてあると思います。たとえば私の狭い調査範囲ですけれども、福岡県に例をとりますというと、これを二五%という数字に下げますというと、現在六十四校ありますが、これが三〇%であれば四十八校しかこれが埋まらない、中学校で五十九校、これが三〇%では四十校、こういったところで、あとわずかで一つの線が三〇%であれば、もう一息、これを二五%あるいは二〇%に下げられると相当いま皆さん方がおっしゃったような学級担任の手をわずらわさないでもある程度の校外指導とかなんとかができると思うのですが、私はこの三〇%というのはあまりに実態を知られないものじゃないかと思う。これは大臣もかつてここに来られましたし、私もずいぶん書類をつくってお目にもかけましたし、委員長も来られて十分この点見ておられるわけですけれども、この点はあまりにきびし過ぎるし、もう一息、たとえば二五%、こういったところにいきますと相当な学校に行き渡っていくというふうに考えられるわけです。
 そこで多少実情を報告申し上げてみたいと思うのですけれども、現在の新しい産炭地に対する振興策、こういったものは出されましたけれども、現在それでも廃山、閉鉱がさらに続いている。たとえば今度の石炭政策そのものは、もう山を捨てろ、やめろ、閉山、閉鉱をすすめるようなものなんだ、現に法律が通ったとたんに、特にひどいのは佐賀あるいは福岡、こういったところではもう合わせるようにして次々に閉山が行なわれております。言いかえますと、ここの要保護あるいは準要保護の家庭がますますふえていくわけです。これと、大体今日まで山が閉じておりますから、人口の移動も確かにあります。ありますが、残った学校の生徒のその中に占めるこういった不幸な家庭というのはむしろふえている。率から言えばふえていっております。非常にひどい内容になっておりますし、これは恥ずかしい話ですけれども、生徒の、あるいは児童の非行、こういったものがむしろ大臣あたりが来て見ていただいたあのころよりも質が悪くなっている、そうして数も多くなっている。こういう現状を現在呈しているわけであります。とても現在の先生の手では負えないし、こちらのほうの対策をしておると授業が欠ける、こういった状態です。たとえばごく最近私の近くのところで調べたわけでありますけれども、とにかく凶器携帯とか、あるいはけんか、あるいは物品の持ち出し、家出、不良団の参加と、こういった、特にいままで学校をサボるとか、あるいはけんかをするとか、これが非常に多かったわけでありますけれども、質的に非常に悪い状態に現在なっていっております。たとえば、昨年からことしにかけて一年間の例をとりましても、結局、非行で警察関係にとにかくお世話になったという数字が、これは一つの町村で三百一人、件数にして五百件ちょうどです。一つの町村なんです。こういう状態になっていっております。
 私もそういった地域の警察署を全部回ってみたわけでありますけれども、たとえば飯塚警察署の少年係、この人と会いました。この人は次のようなことを言っております。学級担任では授業に追われて、家庭訪問などの時間が少なく、児童の校外指導については十分やり得ない。補導専門の先生がいなくては補導が行き届かない。また、駐在だけでは自分の担当地域以外の事情はよくわからないが、補導教員は校区内全域に目が届く。補導係の先生をぜひふやしてもらいたい。この飯塚というのは大体産炭地の中心にあるところであります。
 それから小竹というところの駐在所にも参りました。ここでは、産炭地では都会で想像もできない幾多の非行内容がある。この非行の傾向は年とともに増加の一途をたどりつつある。学校教育は校外補導に手を伸ばし、その専従員を設ける必要がぜひあります。こういうふうなことも言っておるわけであります。
 それから大牟田にも行ってまいりました。大牟田ではこれは少年係の係長でありますが、現在の大牟田では補導係の先生が少な過ぎる。大牟田では若鳩会という組織があって、先生方と警察と協力して生徒の非行を防ぐ努力をしておる。しかし、先生方が授業の片手間ではどうしても授業の制限があるのでうまくいかない。もっと補導係の先生をふやしてもらいたい。こういうふうなことを言っておるのであります。
 まあこれは一応補導という、あるいは非行という面から見た点でありますが、こういった実情は非常にどこにでも産炭地に行けば拾える状態でございます。実際、現在文部省のほうで充て指導主事あるいはその他の職員を増加さしていただいておりますけれども、実際、ある学校には一人もそういう係の先生はいない。こういう実態のところでは、結局はやはり学校の中でこういった補導教員というのを二人ないし三人を予定して、それが専門に回りますけれども、結局は片手間でやっておる。したがって、そこの補導をおもにやっておる先生方とも集まっていただいて話をしたわけでありますけれども、補導のほうに力を入れれば、自分の学級担任の授業というものが結局おろそかになる。しかし、いまもおっしゃいましたように、二五%から三〇%、こういったところであれば、どうしてももう授業にならない。もう外に出ることが多い。朝早くから起きて、朝の登校――出てこない生徒を回って、登校の督促をやる、あるいは、警察ざたになりますというともらい受けということで一日じゅうかかる。書類をつくるというのでも三日ぐらいかかる。そういう仕事を盛んにやっておるわけでありますが、ぜひ教員面についての、補導をやるという先生の増加を、できれば私はもう年々これは前進をさしてもらいたいと思うんですけれども、実際に産炭地の問題は、私も一応提案をさせてもらっておりますけれども、期限を切っております。いま手を入れないと、年々と言っても、もうこれはある程度の時期にくるとどうにもならないような状態になってくるわけです。石炭政策そのものについては、石炭産業そのものについては、これはもう三十五、六年ごろからずいぶん力を入れられて今日まで来ておりますけれども、教育の問題については実は四十年ごろからしか手が入っていないのです。そして毎年、年々と言われますけれども、このまま放置しておけばたいへんなことになってしまいます。たとえば例を申し上げますと、私も二、三日前に実際に学校に行って聞いた話でありますけれども、この炭鉱が閉山になって離職をすると、こういった場合には炭鉱のほうも、会社側も退職金その他を支払うときには、その住宅を立ちのいてもらわなければならぬ。あとくされがないようにということで一切の手続を要しますが、その中に転居とそれから子供の転校というものの届けが付随していないと退職金を支払わないわけです、これがついていないと。ここまでつくと、子供がどこそこの学校へ転校するのだということがわかれば社宅はあくのだということが確認できますから、必ずそれを父兄から取るわけです。ところが父兄としてはどこへ転居したところで職はないわけですから、そしていまの住宅に、まああばら家ですけれども、入っておればただですし、光熱料も要りませんし、水道料も要らないということですからそこに居すわってしまうわけです。学校のほうの届けばすべて転校になっておる。ところが実は家族はそのままあばら家の中に入っておりますから子供もそのままおるわけです。子供はその学級でお別れをやっているわけです。どこそこにこの何々君は転校しますから皆さんとお別れしますということできちんとしたあいさつをして出ておりますから、学校には来られない。家庭におる。家庭におりましても貧しいものですから結局この子供は非行に走らざるを得ない。この前聞いて驚いたのですけれども、いま先生は一生懸命にそういった生徒を今度はさがして回らなければならない。そしてうちが貧しいし、共かせぎその他で出ていますから昼食の準備はほとんどしていない。そこで給食の時間には学校にあらわれるわけです。そして給食だけは食べまして、またいずこともなく昼休みの給食が終わると出ていく。この子供が一番こわいので、非行になるわけです。もちろん学校に籍がありませんから、厳格に言うとその学校の先生の責任ではないかもしれませんけれども、こういう生徒が多くてこれが放火をやったり強盗をやったりいろんなことをやるわけです。それについてのまず第一番の給食費ということですが、給食費も持ってきませんし、町が管理をしましても在籍数できまって来ますから、結局水でも入れて、あるいは一ぱいの食器の中に八分目入れて、来た生徒に分けてやる、こういうこともやらなければならないし、また第一、非行の保護もしなければならない。これは一例ですけれども、そういった現在現状になってしまっておる。
 そこで、先ほど申し上げましたように、私も県の教育委員会等とも一緒に回ったわけですけれども、いまの三〇%という形で切られますというと、これはあと相当な、カウンセラーといいますか補導教師のいない学校もできてくる。いまおっしゃいましたように、充て指導主事ではない、あくまでもその学校におってその学校のという問題でありますが、第一、その学校で、最低限切ってある三〇%の生徒、そういった貧しい保護家庭の子供であるといった場合には、あとでも申し上げますが、事務的にもたいへんな仕事なんです。こういったことで、この数はもう少し下げられないものか。これはもちろん先の話で、この法案が通って政令ができるということですけれども、いまは率直に政令の内容も言っていただいたわけですけれども、私はいまこそ飛躍的にといいますか、抜本的に、漸次前進をさせていくというのではなくて、いま特効薬を与えないというと、これはもうだめな時期がきているのじゃないか。それにはあまりにも三〇%というふうなとり方でやりますと、三〇%、二五%、二〇%とかいう貧しい家庭の子供がおる、とういったことはざらですから、そういったところにはやっぱり置かないと、三〇%以上しか置けないのだという、これは私はいまの現実をあまり知られないのじゃないか、こんなような気がして、多少長くなりましたけれども、意見を加えて、との三〇%というのは、この法案ができて、さらに政令を検討されるときには、もう少し考える余地はないものかという問題についてお聞きをいたしたいと思います。
#52
○政府委員(宮地茂君) 先生のおっしゃいますことも十分私どもも先ほど来お聞きいたしましてよくわかるのでございますが、何ぶんにも四十四年度の措置といたしまして、大体ここに十五条から出てまいります政令の項目が五つ、先ほど来申しましたようにございます。その五つのうちの一つをいま先生がおっしゃっていただいたわけですが、それに焦点を合わせまして、先生がおっしゃいますように直しますと、その他の同和地区なり、あるいは外国人、スラム街、そういったところも勢い減らさざるを得ない、こういうようなことにもなりますので、結局はまあこれが理想的な数字でないということに帰するわけでございます。まあそういう意味から私どもとして今後の努力も大いにしたいということは心から感じておるのでございますが、何ぶんにもこの法律を都道府県は四月一日から待ちあぐんでおりますので、法律がきょうにでも通りますれば、きょうにでも政令を出しませんと、大体今年度の予定は各県でも心組みをしてやっておりますので、十分お気持ちはわかりますが、今後の検討課題ということでは私どもも検討したいと思いますが、先ほど申しました政令、まだ出ていないものを私から申し上げるのも恐縮ですが、固執するようで恐縮ですが、一応五つの項目を見ての考え方でございますので、御了承いただければ幸いだというふうに感じております。それと、なお、これはいわずもがなでございますが、中学校のほうにおきましては、十八学級以上の中学校に一人ということが、生徒、児童ということで考えておりますのが七条の三号にもございますし、そういうことで私どもとしましては将来の検討課題ということで検討さしていただきたいと存じます。
#53
○安永英雄君 文部大臣にお尋ねをしたいと思うのですけれども、四十一年の四月の国会で、総理大臣もずいぶんこの産炭地の問題については感激をされて、そして「産炭地地方における教育の荒廃、これはもう、ほおっておけない状況でございます。御指摘のとおりであります。私どもたいへん心配しております。そういう立場でございますから、貧困児童生徒の就学の助成をする、積極的にこれを助成する、あるいは給食につきましても特に考えていくとか、あるいはまた、指導主事――充て指導主事と言っておりますが、これを増員することによりまして、ただいまの貧困者の生徒児童のめんどうをさらに積極的に見ていく、あるいは高等学校進学者に対しましても育英資金のワクを増大するとか、積極的にそれぞれの処置をとりまして、ただいまの教育問題の解決と取り組んでいく考えでございます。」と。大体先ほども申しましたように、産炭地における石炭産業の対策については三十五年ごろから、結果はあまりよくなかったわけですけれども、それにしても国をあげて徹底的にこの問題については取り組まれてきておるし、いまでも国会の中にこの石炭産業についての特別委員会も設置されていま進んでおります。ずいぶん私どもも教育の問題についてはいろいろ国会にも陳情するし、政府にも陳情したわけでありますが、先ほど私が読み上げた四十一年ごろからようやくこの教育問題に取り組んで、ことしが四十四年ですからわずかの期間ですけれども、この間に私にとりましては、あまりに教育の問題については政府が具体的に施した政策についてはまどろっこしい。そうして私は現在のいよいよ深刻なこの地域の産業の影響を受けて、各家庭、これがもう教育を放棄する、むしろ教育を破壊するという家庭内の状態も出てきている。これについては私はこの児童の施策というものが非常におくれている、こんなふうに思われますし、いまも読み上げましたように、総理大臣のあのときの気持ちはお変わりないと思います。しかし、私の感じとしては、ごく最近石炭産業というものについての考え方がある程度、三十五年とかという時期と変わって、何とはなしに終わったのだ、もう石炭産業についての対策は終わったのだというふうな感じが一般的に持たれるようなことじゃないかというふうに思います。何とはなしに、いまの話では、閉山するが、そのときの閉山に対する退職金の問題はどうだとか、あるいは会社側の借金を政府がどの程度肩がわりをするのだとか、こういう、何かもう石炭産業の末期的な状態に対する張りこう薬みたいな、そうしてもうこの産業は終わるのだというふうな大体一般的な感じが持たれているようなことがあります。これは炭鉱の労働者も、あるいは経営者もそういった気持ちになっていることは事実です。私は言い切ることができると思います。ただ、残された問題は教育問題だと思うのです。この教育問題はそういった気持ちの中でますます私は深みに落ち込んでいってしまう、こういう気がするわけです。この点について、いまもこまかい話をして、三〇%のワクは、あとはスラムとかあるいは同和とか、取り合いっこになるのだから、狭いワクの中で考えていく場合にはとても前進ということは、政令をつくるときにもできない、こういう局長のお話でもありますが、大臣として、私はけわしいと思うのですが、この点についての何か弾力的な、いまのワクの中に縛られない施策というものは打ち出せないのかどうか、こういった点について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#54
○国務大臣(坂田道太君) 私も大臣になります前に、産炭地を見せていただきまして、非常に悲惨な状況から、学校環境がいかに劣悪であるか、そのために起こりますところの非行青少年、あるいはまたそれを指導する担当の教員が少ないということ、それから生活困窮者というものが集中的にあらわれてくるということ、いろいろの惨たんたる状況を実は見せられたわけでございます。ただ、今度の標準法につきましては、確かに産炭地域につきましても、ただいま御説明申し上げましたような多少の配慮はございますけれども、あるいはいまお話を承ってみましても十分ではないと思うわけでございます。でございますけれども、ただいま局長から申し上げましたように、すぐそれではこの中でもう一名、あるいは三〇%を二五%にというわけにも実はまいらぬかと思うのであります。この点につきましては、一応この全体の仕組みといたしましては、県全体を通じて定数を確保することにたてまえがなっておりますので、県の当局とよく相談をいたしまして、特に産炭地域においてひどい地区についての弾力的運用というものはひとつ考えてみたいというふうに思っておる次第であります。
#55
○安永英雄君 ぜひひとつ、何らかの形で県と連絡をとられて、充足をしていただきたいと思います。
 次に、事務職員の問題でございますが、この事務職員の定数につきましては、今度の新しい法律あるいは措置によりましても、依然として産炭地域における学校には事務職員が置けないという学校があるわけであります。これはぜひとも各学校に事務職員を置いてもらいたい。これは大きな学校とか小さな学校とかいうわけにはいかないのです。と申しますのは、いまの貧困家庭の子供というものが学級の中で占める割合というものは依然として高い、従前よりも高いのです。したがって、たとばえ教育扶助事務に関する問題につきましてもこれで一ぱいなんです。事務職員がおらないところは結局教師がやっているわけですが、ちなみに申し上げてみたいと思うのですけれども、事務職員のおらないところは教育扶助事務係というのをつくっているわけです。この事務係一人の労働時間というものをごく最近県下で調査をいたしました。これの一人の労働時間といいますか、それを調査したのであります。これは大体学校で学級担任の中から三人つくって、そうして授業の合い間にやっておるという状態でありますが、四月初めの、いわゆる年度初めの仕事は、学級担任から提出された教育扶助者名簿によって各組の封筒をつくる。それから四月初めの各組の教育扶助者の一覧表をプリントにする。これが大体二百分かかります。それから毎月の事務でありますが、役場から渡される扶助費を計算して受け取り、領収書を役場に出す。手っ取り早くいきましても三十分かかる。それから教育扶助費の明細書を、児童名別に支給一覧表をつくって、各組の個人表に記入して各クラスごとの合計を出す。それから各クラスの合計と明細書との合計を照合する。これは二時間半、あるいは提出がおくれておる家庭というものがあれば三日も四日もかかってまいります。それから学級別に配分表をつくって、さらに金種別に一覧表をつくり、さらに家出、転出あるいは転入の場合、学級担任からの連絡によって再確認をして書類を作成し、役場に返還する。こういう大体毎月の最低の時間というのが六百九十分かかる。それから学期末の事務、これは副読本の購入、あるいはその他の書類づくりというものが二百四十分はかかる。年度末の事務ですので、修学旅行費の書類づくり、旅費の申請を学級担任からの申し込みによって行なう。これだけでも六百分かかる。一年間分の教育扶助関係の書類の整理というので四百五十分。これを合計しますというと、大体千五十分、これを三人がかりでやっておりますから二万六千百九十九分。一日八時間労働として年間五十四・五日かかる。これが大体学級担任三人で分け合って、そうして二〇%程度の家庭貧困児童を受け持っておるというのでこれだけかかるわけであります。だから、一年間のうちで五十何日というのを積算していけば、結局これだけの事務をやっておるということでありまして、当然この事務だけで事務職員が一人はおらなければとうていやっていけない。学級担任あたりで手分けをしてやっておっては、結局授業に差しさわってみたり、あるいは授業外で家に持って帰ってやらなければならない、こういう仕事になってくるわけです。いま申し上げたのは、一応一人も事務職員を置いていない学校の調査を私はやったわけでありますが、それがこういう実情ですから、事務職員の場合、たとえば福岡県教育委員会や文部省のほうにもずいぶんお願いに上がったわけだそうでありますけれども、産炭地の場合に、福岡で事務職員がおらないところはいま四十八校、中学校で五校。合計五十三校なんです。したがって、私は、この五十三校に一応事務職員を置いてもらえばいまみたいな――まあほかにもまだたくさん仕事があるんですよ。あるのだけれども、生活保護、教育扶助を受けるための事務手続だけでそれだけかかるのですから、私は国のほうの予算というのもずいぶん苦しいこともわかるし、一つのワクの中でやっておられることもわかるけれども、たとえば福岡県の場合、要するに五十三人という数字を一応予算の中で見てもらえば、ここには少なくとも一名ずつの事務職員が置ける、こういう事務がさばける。こういうことになって、ひいては、私は、学級担任の授業、こういったものに実の入ったものができるのではないか、こんなふうに考えますが、この点、局長のほうで、先ほども申しましたように、今度の措置という中で事務職員が何とか置けないものか、少なくともこういう地域には必置というわけにはまいらぬかどうか、この点についての御見解をお聞きしたいと思います。
#56
○政府委員(宮地茂君) 今度の新しい九条で事務職員の加算のこともきめております、その三号で。これは従来、昭和四十二年からでございますが、政令の規定で、要保護、準要保護の生徒の数が四〇%以上で、かつその児童生徒の数が百六十人以上の学校に一人という加算を政令でいままでいたしておりました。それを今回、この三号から出てきます政令では、二五%以上で百人以上の学校に一人とするわけでございます。従来百六十人以上の学校に一人というのを百人以上の学校に一人というふうにするので、一応形の上でも、いろいろ問題はございましょうが、前進はいたしたつもりでございます。
 特に福岡県に例をとっての御質問でございますので、このとおり県自体がやるかどうかは別といたしまして、私どものほうとしてはじきました数字では、四十四年ということではございません。今後の五カ年計画をやります五年の間に福岡県で事務職員がふえます数は、要保護、準要保護関係で、この九条の三号関係から出てまいります数の増加は約百三十、五年間でございます、百三十ということになりますので、いま先生がおっしゃいました五十数校ということでありますれば、これきわめて形式的な算術計算でございますが、カバーされるのではないかというふうに考えられまますが、もちろん、県の実態でそれをどのようにするかはいま私ども特に申し上げる予測がつきませんが、計算としてはそのようになります。
#57
○安永英雄君 計算は、先ほどの一番初めに最低保障率を一応与えておられるわけですね。あれとの関係で、いまおっしゃったこの新しい法律は、先ほどの最低保障に上積みをされるわけですか。
#58
○説明員(岩田俊一君) この最低保障は、この法律の規定によりまして職種別に適用いたします。したがいまして、校長、教諭のグループ、それから養護教諭のグループ、それから事務職員のグループ、この三つに分かれます。校長、教諭のグループに最低保障はかかる県に該当しておりますけれども、事務職員につきましては、福岡県に関しましては最低保障はかからない、こういうことでございます。したがいまして、計画の純増分のこの毎年の五分の一ついていくものだけが全く純増として積み上がっていく、こういうことでございます。
#59
○安永英雄君 それで、私どもの計算では、やっぱり養護教諭、事務職員がいない学校というのが多少出るのです。私は、数の問題はちょっと取り方が、私といまの計算、あなた方のと多少違うと思いますけれども、残ることは残るのです。ただ、いまの考え方からいけば、私が五十三校と言ったのは、多少減ることは事実でありましょうが、いまお聞きしてわかったのですが、しかし、残るのは確かに残る。残るけれども、やっぱり先ほど申しましたような事務とかというのは、残った学校でもあるのです。むしろ、残った小さな学校のほうが、いまのは就学関係の援助費の事務だけでございますけれども、あとたくさんの事務がある。こういうことで、どうしてもここは早急にやっぱり一名の事務職員というのを配置してもらわぬといかぬと思いますから、ここで数字のやりとりはいたしませんけれども、わずかな数になろうと思いますが、この点についてはぜひとも何とか配慮をしていただきたい。先ほども大臣もおっしゃったですが、県との打ち合わせを十分やっていただいて、何らかやっぱりしていただきたい。できれば、私も案内しますけれども、どなたでもけっこうですから、もう日にちはとりませんから、そういった学校を案内しますから直接見ていただきたいと思います。これは、学校と役場と行ってもらえば、これで校長さんと教員だけでとてもできるような仕事じゃないということがおわかりだと思います。もう理屈は抜きにして、ここは早急に置いてもらわないとだめだという気がいたします。一見してもらえばわかる。こういうことですから、県との打ち合わせというのは電話じゃなくて、どなたでも一回見てもらえばわかりますから、そういった手続もとっていただいて、ぜひとも事務職員の配置という問題については、必置をひとつ早急に実現してほしいというふうに考えます。これは答弁要りません。
 それから、問題の、やはり同じような養護の関係です。これは先ほど、離島、僻地、こういったところに対しては特別養護教諭を配置するということですが、言いかえますと、産炭地の、いまもうペンペン草がはえておりますあの炭鉱住宅街というものは、一つのやはり私はもう僻地離島以上に孤立した地域だと思うのです。ここでやはり特別に子供の病気、先ほども申しましたように、昼めしを持ってくる、あるいは給食をやっておりますが、朝めしを食わないでやってくる、こういった子供もたくさんおるわけですから、とにかく月曜日の朝会あたりでは、もうぶっ倒れる生徒がたくさん出てくるわけです。とにかく体位も非常に劣っておる。こういった学校では、とにかく一人の生徒が倒れるというと、大体重症なんですよ、重病なんです、必ず医者まで運ばなければならぬ。こういうのが多いのです。これも事実を見てもらえばわかります。データも持っておりますけれども、一人の生徒で倒れるとか、一人の生徒が起こした病気というのは、これは相当積もり積もっての病気ですから、普通の学校における、運動場でちょっとけがをしたとかなんとかいう病気じゃないのです。そこで、その一人の生徒が倒れるというと、医務室らしいものがありますが、そこに学級担任が連れていけば、必ずその生徒に付き添い――うちに帰ったっておりませんからね。うちの者はおらない、たいてい共かせぎで出てしまっている。その生徒につききりなんです。それが毎日毎日起こっていくわけですから、この点はやっぱり、専門の養護教諭というのが必ずどんな学校にも一人はおるという状態をつくらないと、事務職と同じように、学級担任が一人の生徒に付き添ったら、一日がだめになるのです。これは自習なんです。こういった形になりますので、実情は、ここでは時間がありませんからこのデータ等は申し上げませんけれども、同じように、ひとつこの点についての御配慮は十分いただきたいと思いますが、見解をひとついただきたいと思う
 のです。
#60
○政府委員(宮地茂君) 産炭地域に限りませず、一般の学校の保健管理につきましては、これは学校医の問題なりその他給食の問題、いろいろ総合的に保健管理をやる必要があろうかと思います。したがいまして、保健管理の一部を分担いたします養護教諭につきまして、特にこの新法の八条では、先ほどのように、養護教諭につきましても、産炭地なり要保護、準要保護の生徒の多い地域をとりわけ考えませんでした。ただこれは、私どもとしましては、この県の教員定数をはじきます場合の一応の心がまえでございますが、特に産炭地域等は、それぞれの県におきまして、いろいろ県としての産炭地域についてのお考えがあろうかと思います。したがいまして、先ほど大臣も答えられましたように、産炭地域における教員の問題等を含めまして、そういった地域で、先生のおっしゃいますように、月曜日の朝会に腹が減って子供が倒れるといったようなことは、県としても、十分そういう特別な地域については日ごろから考え方もあろうかと思います。したがいまして、先生のおっしゃいますような趣旨のことを、各県と、実際にこの法律政令ではじいた数を割り当てます場合に、実際の人事行政としてそれをどのように県の特色に応じて運用していくかということにつきましては、先生のおっしゃいましたような点も十分考慮に入れまして、各県を十分指導をしていきたいというふうに考えます。法律的には、ただし、八条に、養護教諭についてまで産炭地について特に配慮をしていないのは一面手落ちかとも思いますが、現状におきましては、先ほど来申し上げておりますような次第で、このような形になっておるという点を御了承いただきたいと思います。
#61
○安永英雄君 まだたくさん産炭地の問題については配慮を願わなければならぬ点が多いと思いますが、やはり産炭地の現状からいって、私は早急に手を打つということが一番大事だと思います。そのためにはやはり現地の視察等もやっていただきたい。大臣もかつて御足労願ったこともあるのですけれども、もうとにかく目をみはるばかりの、あれよあれよというままに、とにかく荒廃してしまっていくわけで、特に三十五年あるいは六年、七年と、こういう時期にはずいぶんやっぱり政府のほうの肩入れを期待しておったわけですから、わりと教育の問題については、労働組合等もありますし、また会社もかつては私立学校を経営するぐらいの熱意もあったわけですから、それなりにやはり教育の問題について、子供だけはという気持ちは確かにあった。ところがもう次々に倒れていく、閉山していく、退職金は使ってしまう。とにかく学校の先生方の現在の仕事というのは、夫婦げんかから家庭内の構造まで立ち入って指導しないと、とにかく学校教育が成り立たないという状態に現在なっております。したがって、涙ぐましい努力はしておりますが、先ほども私は恥ずかしい話、教育のやっぱりこれは敗北と言うんです。非行がずいぶんふえておる。このこと自体、教育者自体がこういったことばを出すのはおかしいぐらいでございますけれども、あそこではもう常識が通らない。そういったことでございますので、なるほど先ほどのスラム街もありましょう、あるいは僻地の問題もあるし、大学問題その他もあると思いますけれども、これはもう一日本早く手を打たなければ、もうあそこあたりの犯罪というのは固定化してしまう。この連休の中でも学校火災が起こっておりますが、おそらく生徒だと、こういうことで警察でも何か起こればどこそこの中学の生徒じゃないか、こういうふうに生徒を一応対象にして調べる。こういう状態にもうなってしまっておる。これでは私は、あの産炭地における教育はもう破壊し尽くされてしまう。こういう気がいたしますので、ぜひともこの定数の問題は、一応定数としてあとではっきり決定することでありましょうけれども、政令や、あるいは日常の文部省の指導の中で、あたたかいひとつ指導をぜひとも継続的に行なっていただきたいということをお願いを申して、私は終わります。
#62
○小林武君 初中局長にお尋ねいたしますが、当初定数の問題につきましては、小学校では小学校校長会がこれに対して一学級四十名というようなことの陳情といいますか、請願をいたしております。教職員組合でも、その点について同様なものを出してきた。そういうのが一応今度の場合に何といいますか、そういう問題は別にして――別にしてというわけでもありませんけれども、そういう問題に重点を置いたというよりかも、先ほど来からいろいろな問題になっておりましたところに主眼を置いて、僻地とか特殊教育、教育困難地域というような、局部的に取り残されたところに重点を置く、こういう方針をとる。あるいは人口流出に伴う児童、生徒の激減という新しい問題の出現について、人事行政、財政方面で深刻な問題が起きたから、ひとつ新たな基本的な視点というのを立てて、そして今度の場合は文部省の方針にした、政府の方針にした。こういうふうに聞いているんですが、この点はどうなんでしょうか。
#63
○政府委員(宮地茂君) おおむねいま小林先生からおっしゃいましたような趣旨でこれをつくった次第でございます。
#64
○小林武君 私がこれからお尋ねをしようということの気持ちを申しますというと、まあ何といいますか、これをやるのは、大体終わるのは昭和何年になりますか、昭和四十八年ですね。そういったら何ですけれども、二十世紀の終わりのころまでに幾らもないというところまで続くわけです。
 そこで私は、いま安永さんの質問を聞いておって、これらの問題について、もう徹底的にいままでのうちの第二次くらいのときにやらなかったかという問題も一つあるわけです。それは金との問題だからそう簡単にできないという問題もありますけれども、私は石炭対策特別委員会に出ておって、やはりこれはもう石炭に関係のある人も含めて、四千二百億という膨大な金を出すということについては、相当これは大きな責任を企業も政府も持たなければならぬというようなことを再々述べられている。そういうことを考えますと、教育面というようなものにもつと思い切った措置というものをとれないものだろうかということを一面感じますとともに、幾ら金が違うか、教育面についても通産大臣は、十分その配慮をいたしましてというようなことを言っておるわけです。これはもう答弁ですから、適当というのははなはだ悪いですけれども、心の中にはそれがあることは間違いない。ですから文部省、通産省等がいまの石炭政策というようなものをひとつお考えになっても、当面に、もう急速に解決しなければならない問題があるということをいま申し上げておるのですが、そういうことで解決してもらいたかった。しかし、いまのような初中局長のお考えがあるとするならば、もう少しやはりこの問題について十分にその見解をお伺いしておきたいという気持ちがありますし、もう一つは、一体そんなに長くかかってやる余裕があるのだろうか、そんなに一体のんびりいっていいのかどうかという問題なんです。五カ年計画、これ三回目なんですね。三回目の出だしのころの教育ということを考えた場合に、あなたのほうのいま御説明だとすると、こういうことをこれからお聞きするわけですけれども、先ほど来、それから前回までいろいろ質問があった中に、たくさんの問題あるわけですから、何だか両方とももう中途はんぱなような気がしておるものですから、できれば第三次五カ年計画というのはもっと短縮していくべきではないかという、こういう考え方に立ってこれから質問するわけです。
 そこで、そういう基本的な視点をやはり先ほど来のようなことにとらえた。どこに重点を置こうというのでありますか。この法律だけ見ると、結局数字だけのことなんです。学級のあれがどうだとか、教員の定数がどうなるかということなんですが、この表面に出てきておらないわけです。あなたのとられている、文部省の基本的な視点というものは一体どういう理由によってとったかということをひとつ御説明いただきたいと思います。
#65
○政府委員(宮地茂君) 従来第一次、第二次と十年かかりまして教員定数の改善をいたしましたが、学級、これ一口に申しますと、すし詰めを何としても解消したいということが一番の主眼であったと存じます。したがいまして、私どもの十年来の目標は、一刻も早く四十五人までに学級編制を持っていきたいということが一番のねらいでございます。もちろん四十五人に持ってくれば、四十五人で、それでよいということではございませんが、年来の、十年来の気持ちは四十五人に持っていきたいということでそれをねらいといたしましたために、その他のことは端的に申しますと、目をつむったといったような感じがいたします。したがいまして、今回の第三次の五年計画では、四十五人にともかく持っていきたい。十年来考えたために取り残されてきた、目をつむってこられたものについて考えなければ、わが国のすし詰め解消ということの裏に教育の振興がおろそかになる点がある。そういう点を今後はやっていきたいということで、結局は数字になってくるわけですが、小学校、中学校の教育を、先生方の労力もできる限り減らし、教育効果ができる限り上がるような措置、もちろん第三次五カ年計画でこれですべてが終わりだというふうには考えておりません。いろいろ諸般の事情が許せば、私どもといたしましても、もう少し理想の案というものはこれはいろいろございます。先ほど来御指摘もございました、養護教員の問題にしましても、事務職員の問題にしましても、いろいろ問題が残ってもおりますし、また、はたして四十五人が、以上以下には絶対にしないのだというような確信でやっておるわけでもございません。そういうことで、今回のは、一応従来四十五人にしたいということのためにおろそかになっておったものを充実することによって、わが国の小学校、中学校の義務教育をともかく振興さしていきたい。多少抽象的でおそれ入りますが、一口に申しますればそういう考えでございます。
#66
○小林武君 法律だけ見れば、この法律が出たら、直ちに教育の内容がどんな方向にいくか、これはわからぬ、察しはできないのです。私はそんなことは言っておらない。およそ教育法規を全面的にながめたら一つのものの見方がはっきりするわけですから、教員に対しては免許法がどうとかということがあるでしょうし、あるいは学校教育法の中におけるところの教師に対するところの要求もあるでしょうし、ですから教育法規が全部まとまって初めて教育の方向というものがはっきりするわけですから、それはいいのです。ここではそういう数字的なものに出てきておっても、その数字は内容的には何をあらわしておるかということがはっきりしていないとぐあいが悪いと思います。いま初中局長からお話しになったように、やはりいままでは、第二次までの間は、すし詰め学級の解消に重点を置いた、今度は小学校、中学校でそれぞれの一つの新しい方向に手をつけようとしている、こうおっしゃっておるわけですが、このことについては私もそうなければならぬと思います。それだけに、たとえば、とにかく前回の質問者の間にたくさん出てまいりました問題、また、きょうはなまなましい産炭地の問題を取り上げて出てきている。これは私は同和教育でも同じだと思います。同和教育の歴史を見た場合には、もう解決すべきものは解決しなければならぬ時期が来た。こういう問題は、やはり急速に解決する必要があるのじゃないか。一つを言えば、北海道が特に非常に多いといわれる五学級以下の校長の問題。この問題の解決なんかも一体するべきじゃないか。
 きょうは当初から大体終わりの時間を約束していますから、そのことは抜きにいたしますけれども、そういう今度のやり方に対して考えました場合に、はなはだつまらぬことを聞いているようでございますけれども、文部省というのは一体法律の中の義務教育の水準というものをどういうふうにお考えになっておりますか。これは法律の第一条の目的のところにあるのですけれどもね、「義務教育水準の維持向上に資する」ということがある。
#67
○政府委員(宮地茂君) どの国でもそうでございましょうが、一応現在日本では、いわゆる小学校六年、中学校三年、これが義務教育になっております。したがいまして、欲を言えば切りがないでしょうが、少なくとも義務教育を終わった段階ではその国の国民として、その国家社会の国民なり社会人として一応最低の要求される教養、知識を備えておく必要があるであろうというような考え方で、義務教育は行なわれておるものと思います。しかし、その場合に、義務教育の水準、これはまあ抽象的なものでございますが、六年間でその国の国民として必要だという教育、これは教育ですから、義務教育で終わればよいということではなくて、それ以上教育はできる限り受けたほうがよろしゅうございますし、したがいまして義務教育で、レベルとしてだんだん向上をねらっていくということは、やはり国家社会が発展していく場合当然のことと思います。
 義務教育の水準について何ぞやというお尋ねに的確に答えられませんが、まあそういうことで、国がこのくらいなところは最低と期待しますそのレベルを少しでも上げていきたいということでございます。
#68
○小林武君 聞き方も悪かったのかもしらぬけれども、第一条に書いてあるのですがね。これは読む必要もないけれども、「学級編制及び教職員定数の標準について必要な事項を定め、」と書いてあるが、そのあとに「義務教育水準の維持向上に資することを目的とする。」。私はだから定数というものについてものを考える場合、このことがやはり具体化されないでものを考えるというのはちょっとまずいと思うのですよ。というのは、これは私は段階的に考えて、前のやはり第一次、第二次の当初においては、戦後のことでもありますし、非常な努力目標としてそれでよかったと思う。全部賛成しているわけじゃありませんけれども、まずそういう考え方はよかったと思う、義務教育の水準という問題になれば。私はいやがらせに聞いているのじゃなくて、結局、水準の具体的なものというのは学校教育法の十八条ですか、中学校の場合は三十六条の中において何を教えなければならぬか、これがこの水準になっているのだが、この文章を見て水準がわかるのはだれもいない。わかったようなわからないような文章は、法律だからいいですけれども、これを見て水準というものがはっきりするということはなかなか言えないでしょう。しかし、それを具体化しないことにはこれは教育にならないわけですから。なぜ私がそういうことを言うかというと、先ほど来もちょっと触れましたが、日本の国ばかりじゃない、やはり世界の国国の状況というものはかなり大きく変化しているという点はもう皆さんお認めになっていると思うのです。でありますから、義務教育の問題ですけれども、これをひとつ大きく転換しようというような意図が、今度の場合には多少入っているということでしょうね。そうでしょう。内容的に高めていくということ、いわゆる水準を高めるということです。そうでしょう。水準を高めるということで、小学校の場合にはひとつ今度は画期的なものの考え方をしようということがあるから、文部省の基本的な視点が変わったということを先ほどおっしゃったと思うのです。私もまた、そのことを聞いているから聞いたわけです。そうするとというと、その問題と、今度はまたいまの大学問題等とからんで考えてみましてね、よく保守党の方もおっしゃるのだが、大学問題考えれば、これは初等教育からの影響だなんということを言われる。文部大臣もそういうことを言われる。これは初等教育、中等教育、高等教育みんな関係があることですから、それぞれの考え方、見方は変わっても関係ないとは、これは言わない、関係があるわけです。そうした場合に一体どういう中身でどういうふうに考えたかということ、これはちょっと初中局長の答弁ではあまりにも抽象的過ぎているんです。どういうふうに見たのか、まあ大きく言えば現代社会というようなものと一体義務教育諸学校というものをどうとらえたかという問題が、これが重大な問題だと思うんですよ。これについて初中局長は案をつくるときに文部省内で一体どういうふうに考えたか、ちょっと大げさなものの言い方をしたけれども、いわば国際的ないろいろな関係から、国内的ないろいろな事情からいって一体現代社会におけるところの義務教育というのは、学校というのはどういうふうに考えるべきか、こういうことについて御討論あったと思うんです、当然なけりゃならぬと思うんですが、あったらひとつ御説明いただきたい。
#69
○政府委員(宮地茂君) 内輪のことを申して恐縮ですが、実はこの法案ができます場合、私率直に申しまして大学局長をいたしておりましたので、いま先生がお尋ねのほどあまり詳細知りませんが、まあこれは省議でもこの法案、改正案はいたすわけで全然知らないわけじゃありませんが、いま先生がおっしゃいますほどの、中身をどの程度当時検討したかということは私存じませんが、ただ、いまお尋ねになりましたお答えになるかどうですか、私どもこの義務教育のレベルを上げるという点、これは学校の教育内容あるいは施設その他特に教員定数等では教育の方法等が関連してくると思いますが、いろんな観点から義務教育の水準を上げていきたいということは、これは大学問題云々ございましたが、そういうこととは別個にいたしまして、ともかく国家である以上そういう努力をしていくのが日本に限らずどこの国も同じだと思います。とりわけ今度の改正につきまして、先ほど来申しておりますように、第二次五カ年計画まではすし詰め学級を解消していきたい、十年来の悲願と申しては非常に大げさですが、そういった気持ちで四十五人に持ってきたわけでございます。ところで学校教育法の、先生御指摘になられましたように十七、十八条には小学校の目的なり、あるいはその方針なりが掲げられておりますが、特に具体的にあります十八条の規定等では、たとえば日常生活に必要な国語であるとか、あるいは数量的な算数に関する問題、あるいは自然現象の観察、理科その他いろいろ芸能等もございますが、こういったことを子供に教育をいたします場合に、今回の重点にいたしました僻地、過疎県における小規模学級の充実、こういうことでございますが、やはり多数の子供を、多学年の子供を一つのクラスに集めるということは、この学校教育法十八条でいいますねらいが、やはり単一学年の者を一クラスにします場合と、多学年を一クラスにします場合、やはり同じ能力の先生が教えます場合は困難度も違いますし、また子供の教育の効果も違ってこようかと思います。そういう観点から私どもとしましては、僻地等におきます複式の解消につとめていきたいということは学校教育法でうたっておりますことを実現したいということでございますし、また専科教員を、学級担任外教員を充実していくということと、特に十八条にあります音楽とか美術とかいったような専門的な教育を受けた先生にやってもらったほうが効果の上がるようなものについては担任外教員をふやしていく。それからまたこういう教育が十分行なわれるためには、できる限り先生の雑務を減らしてあげる必要があるというようなことから、事務職員なり、あるいは養護教諭は多少違いますが、そういったようなことで従来のようにすし詰め解消、四十五人にしていくといった非常にわかりよい目標ではございませんが、すべて十八条に規定しております小学校教育の目標を達成する、それをより一そう効果あらしめるためには今回改正しておるようなことを促進していくことであろう、そう考えたわけでございまして、もちろんこれだけで十分でございませんし、いままで御指摘の点も十分ございますので、そういったようなことがございませんと、ただいままでと比べてわずかの一歩前進に過ぎないではないかと言われればそういううらみもないではございませんが、すべてそういった気持ちでこういう措置はなされておると御了解いただければ幸いと存じます。
#70
○小林武君 決してこのことについて初中局長を責めているわけでもないんだが、ただやはり新たな方針をとったということですよ、ぼくに言わせれば。この際徹底的に、とにかく四十名なら四十名という線に現場の考え方を入れてやる。それは第一次、第二次、第三次というような過程においてそうなるのだ、完結編なんだ、こういうことであれば、私はまたそれでも一つの意味があると思う。そうすれば、第三次の場合は非常に短くして、一日も早くいまのような日本の生産の高まりからいえば解決できるのではないか。しかし同時にぼくはいいことだと思っているんですよ。これは雑誌の中から見たあれですから文部省の決定かどうかは私はわからないけれども、しかし、この雑誌もやはりでたらめを書いたのではないと思うんですけれども、「小学校におけるチームチィーチングの動き、また音楽、図工、体育など、専科教員の活用が重要になったこと、中学校では新指導要領案にみられるように、進路指導の充実、能力・適性に応ずる教育の強化が前面に出され、余裕教員の配置が望まれる」ということを理由に、基本的な視点を変えたと、こう書いてある。このことが事実だとすれば、私はこのことをやっぱりいまの時点では取り上げなければならぬことだろうと思っているんですよ、国の教育というものを考えた場合に。そうするなら、私は文部省というものはこの問題についてやはりかなりの突っ込んだ議論があるというふうに想像するんですよ。今度七分の一どうしたとかなんとかということだけが主ではなくて、そういう趣旨に従ってこれからさらに、今度は第何次になるのか、新たな年次でやるのかわからぬけれども、そういう要求というものが出てこなければならぬ時期だと私も判断するから、だからある意味ではあなたたちのやり方については一つの賛成の面を含めながら何かいいことを話したのかと聞いているんですよ。この学校教育法の中におけるところの、いつの場合でも大体そうなんですよ、法律の用語だから。これはある程度どこでも通用するように書いてあって、これでよろしいということは、特に新しいものをつけ加えるものがあったとしても、全面的なあれをやらなければならぬというようなことを考えているわけじゃありません、私はこれでもやっぱり通用すると思う。しかし、これには中身がなければならぬですよ。その中身の話があったかどうかということを言っているわけです。
 まあそのことは打ち切りましょう、私はきょうは長いことやらぬという約束を委員長としたものですから。それで、先ほど現代の社会と学校というようなことを言った。義務教育諸学校といったようなことを言ったわけですけれども、私は文部大臣に御意見きっとあるだろうと思うんです。とにかくわれわれ現代社会ということを言った場合に、だれでも取り上げるのは科学技術の進歩というものと、それから義務教育諸学校の児童、生徒の学習というものは一体どうなきやならぬかといったようなことは考えられずに、新たな視点というものが出てきたと思われないわけです。その他いろいろありますけれども、これは省略するとして、現代社会と学校なんというようなことを言うと、ばかに切り口上に聞こえますけれども、技術革新といったようなものと一体学校というものは何かということを考えてみる必要があるのじゃないか、技術革新というものと学校というものを考えた場合に。またさらに別のものと、社会のあれと学校と関係が見られるものもあるんじゃないか。そういうことを考えておりますからお尋ねをしたんですけれども、特段に文部省ではお考えにならなかったようでありますが、教育研究所というような国立のものもあるわけでありますから、この点ではおそらくそういうものの御報告もあると思いますが、何かお考えになっておったらひとつその点について文部大臣の御意向もお聞かせいただきたいと思います。
#71
○国務大臣(坂田道太君) 先ほど小林さんお尋ねの点、実は私も考えておったわけでありますが、初中局長からその内容についてはお答えをしたわけでありますが、その意味はやっぱり御指摘のとおりに、今度はやはりいままでただすし詰めを解消するということだけではなくて、一つの文部省としての教育的態度と申しますか、あるいは視点を変えたということは、あるいは不十分であるとお考えになるかもしれませんけれども、それは明確に出したつもりでございます。したがいまして、われわれが四十五名というものまで持っていくという意味も、実を申しますと、それ以上の五十名とか六十名というようないわゆる学級編制では真の教育効果というものはあり得ない、なし得ないんだという前提に立っている。でき得べくんばやはり四十五名以下四十名を中心として、大体の小中学校が行なわれるということが望ましいということを考えておるわけでございます。特に心身の発達に応じた教育、本委員会におきます私の施政方針と申しますか、大げさでございますけれども、申し述べましたときに、年齢に応じ、そしてまた能力に応じ、適性に応じた教育ということ、これが小林さんのおっしゃる現代社会に応じたひとつの教育のやり方、あるいは学校教育のあり方だと考えておるわけでございます。その意味合いにおきまして、やはり私といたしましては小規模学校における問題、あるいは特殊教育における先生を加配するというようなことも大事でございますけれども、一応私といたしましてはやはり四十五名以上の学級はもうなくなるんだ。そして現実の問題としまして、この四十五名に押えるならば大体八割くらいは四十名以下の学級編制が行なわれる、こういうことを考えて今度の法案を提出したわけなんでございます。特に科学技術が進歩し、あるいは産業構造が変化をし、あるいはまた、このようにマスメディア、情報産業というものが、一方的に情報というものが人間に襲いかかってくるというような状況において、子供たちというものが人間疎外の形になるということは、現代社会において避けられないことだと思います。そういう状態であればあるだけに、学校教育の小学校の段階あるいは中学校の段階において、心身の能力や健康や情緒や、そういうこまかい人間性をつちかうような教育というものがなされなければいけない。それにはやはり一定規模の学級編制あるいは行き届いた一人一人の子供たちの心情やあるいは変化やあるいはまた、そういう家庭環境等に目の届くようないわゆる学級編制や学校体系というものが求められる。またそれに必要な教職員というものの人数が確保されなければならぬという意味合いにおきまして、私は今度の法案というものが相当意欲を持ったものである。これでもって十分であるとは思いません。この委員会を通じまして事務職員の問題あるいは養護教諭の問題あるいはまた給食を取り扱う人たちの問題いろいろ指摘をされました。あるいは産炭地における加配の問題、指導に当たる先生が不足な問題いろいろされましたけれども、しかし、一つの教育的な配慮を相当強く盛ったものであるということはひとつ御了承いただきたいというふうに思うわけでございます。
#72
○小林武君 初中局長の御答弁がございまして、大学学術局長であって、当面これの、何といいますか、起案されるまでの過程についてはあまり関係をお持ちにならなかったということはよくわかります。わかりますが、私はやはりいままでいろいろな議論を聞いておりまして、もうそろそろ教育の問題を取り扱う場合、根本に触れた問題の上に立ってやるという考え方がないとぐあいが悪いと思うんです。たとえばわれわれも平生口に出すことなんですけれども、この法律ですと何か数字の法律になっちゃうんですよね。そうして非常に重要な背後に教育の中心に迫るような問題とかかわり合いがあるということを忘れ去る場合がある。率直に言って悪いけれども、局長さんでも課長さんでも、御答弁を聞いていますと、数字については一つの見解を持っていると思うが、根本に触れるところまでいかないものだから現場との間に隔たりがあると思う。もちろん金が自由になって幾らもあればもっとやりますわということもわかります、その点の制約はわかりますよ。文部省が大蔵省と交渉する、あるいは政府部内において教育費というものをもっと出すということになるならば、これは教育に期待している以上はものすごくやはり本質的な問題に触れなければならぬと思うんです。それがないからだと私は思います。たとえば今度の問題で、数字的にさらっとやったとしてもですね、一体養護教諭がどうなるのか、事務職員というようなものがどうなるのか、これは教員の勤務時間、勤務内容というものとの関係において非常に重大視されてきていることは、いままでの質疑者の間で十分明らかにされているわけですからね。そうすることは、また新しい教師観というようなもの、それから学校経営のあり方、学校規模のあり方その他みんな出てくるわけです。ですから、やはりだてに教育研究所があるわけではないんでしょう。大臣のお話ですと、教育研究所は学校の規模の問題等についても何か意見を述べられたとか、ずいぶん早くからやられた。しかし、この間やられたが、われわれが師範学校で習ったときと大体似ていますわね、あまり新しいとも思わない、ずいぶん長いこと研究してもたいした進歩がないように思う。しかし、一面ものによってはそうはいかぬという場合があるわけですね、ものによっては。たとえば工作というようなものに手をつけて、簡便なもののうちはけっこうですけれども、ほんとうにある程度機械と称するようなものを使用するということになった場合には、これは二十人以下ではだめですという議論はそこでは通じないだろうし、それから体育の指導というような場合に、体育の時間において機械を使う体操というようなものを、もし中学校あたりでやるということになったら、私は指導の立場からいって、これは教師として責任持たなければならぬことになりますから、それはとても二十人でなければならぬというようなことを言われても困ると思うのですが、そういうこともいろいろございますから、具体的な検討というものを出していただいておやりをいただきたいと思うのです。それは要望して、実は私はこの現代社会における学校の機能というようなものをどう考えているかということを、これを徹底的にあなた方は御討論いただいたかどうかということをお伺いしたかったわけです。しかし、きょうはもう時間がないようでございますから、これはいずれ何らかの機会にお尋ねをする時間があると思いますから、これで打ち切りますが、どうぞひとつ文部省においてもほんとうに現場の人間に肉薄するというような、迫力を持った行政をおやりになるというのであれば、一片の法律的解釈であるとか何とかでなしに、やはり教育の根本に触れた問題に十分な御討論をいただきたい、こう思うのです。同時にその理解があるというと、私はずいぶん立場が違っても、意見が相違しても、接近することが非常に多いと思うのでございます。率直にいって教育上の一番の大きな問題といえば、現場とそれから皆さんの間において意思が十分に通じておらないということが大問題だと思っております。その意味でひとつなお政令をお出しになる際には、現場のその気持ちというものを限られた範囲ではあっても、できるだけ生かすというような、そういうお気持ちで御配慮いただきたい、こう思うわけです。私の質問は終わります。
#73
○秋山長造君 一問だけお伺いします。現行法の第七条に表がありますね。それから第八条にも同じような表がついているのですが、このそれぞれの下の欄に掲げてある数字、これはいずれもコンマ以下二けたになっているわけです。それが今度改正案ではそれぞれ三けたに改正になっている。これはどういう理由ですかということと、それから二けた、三けたにしたらどういう効用があるかということをちょっと簡単に説明してください。
#74
○説明員(岩田俊一君) 御説明いたします。これは表の表現上の技術的な問題でございますが、まず下の率そのものは先般のお尋ねに対して御説明したところでございますが、教育課程に定められたところの指導教科その他の指導に要する時間を基礎といたしまして、学級の担任のほかに何名の教員が要るかということで、学級段階ごとに規模を押えまして、それを学級数に応じまして標準のところで率をとったわけでございまして、その結果の率があらわれているわけでございますが、表現上端数の関係で三けたのところが生じてくるということで三けたという線で合わしたわけでございます。
#75
○秋山長造君 一問だと言ったけれどももう一度お伺いしたい。それは三けたになって、三けた目に何か新しい数字が出てくればいまおっしゃっているようなことがわかるんですけれども、七条なんかただ零を一つつけただけです。零をつけてどういう効用があるのかということです。
#76
○説明員(岩田俊一君) ちょっと説明が不十分でございましたが、従来小、中別々な表になっておったわけでございますが、これを一条に小、中まとめた関係で零がくっついておりますけれども、片一方は三つの数字、片一方は二つなのでこの際合わせたということでございます。
    ―――――――――――――
#77
○委員長(久保勘一君) この際、委員の異動について報告いたします。
 本日、青柳秀夫君、中村喜四郎君が委員を辞任され、その補欠として山本敬三郎君、佐藤一郎君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#78
○委員長(久保勘一君) 他の御発言もなければ質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○委員長(久保勘一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○委員長(久保勘一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#81
○委員長(久保勘一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○委員長(久保勘一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午前中はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五十九分開会
#83
○委員長(久保勘一君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 日本育英会法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法案につきましてはすでに提案理由の説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 政府側から村山大学学術局長、石川学生課長、手塚教職員養成課長、以上の方々が出席しております。
 質疑の申し出がありますのでこれを許します。大松君。
#84
○大松博文君 四十一年にもいろいろ質疑がされておりますので、簡単に質問さしていただきます。
 文部大臣の指定する養護教諭養成機関及び幼稚園教諭等の養成機関を目下、日本育英会の学資の貸与及び貸与金の返還免除の対象に加える提案については、たびたび本委員会に取り上げられているように養護教諭、幼稚園教員等の養成、確保は学校教育面における当面の重要な課題でありますから、早急に実現をはからなければいけないと思いますが、文部省もこの点についてここ数年間大蔵省に予算要求しているにもかかわらず、大蔵省の認めるところとなっていないようでありますが、この点、文部省の積極性がないのかどうか。またその理由がどういう理由であったか。また今後の見通しを文部省にお聞きいたします。
#85
○政府委員(村上松雄君) 日本育英会の育英資金の貸与は原則としまして、学校教育法第一条の学校に在学する者に対しましてやるたてまえでございますが、特殊の目的を持って設置しております教員養成所にも、たとえば、法律で設置されております国立養護教諭養成所のごときは一条学校に準ずるものとして、また優秀なる教員を確保するという政策上の配慮からいたしまして、奨学金の貸与がなされております。これを指定養成機関にまで拡充する問題につきましては、文部省としてはその必要性を認めて予算の要求をいたしておりますが、なかなか認められるまでに至っておりませんのは、御質問のように、大蔵省において育英資金全体の金額あるいはその効率的な使用等々を考慮して、まだまだ正規の学校あるいは正規の学校で教員養成というものがまかなえない場合に国立をもって設置するものに限定して、それ以外の指定教員養成機関にまで拡充するということは、大蔵省としては財政資金の使用の権衡上そこまでの必要性を認めない。こういう見解であろうかと思います。文部省としてはその大蔵省の見解を改めてもらうように毎年説明もし、要求もいたしておるわけでございますが、いまだに実現をみないのは遺憾でございますので、さらに努力をいたしまして、実現するようにつとめてまいる所在でございます。
#86
○大松博文君 今度は提案者に質問いたしますが、本来この返還免除制度を教員、研究者の人材誘致策として認められているようであります。その性質上、この期間をあまり延長することは適当でないと考えるところであり、また現在日本育英会法施行令によって文部大臣の指定する特別の事由がある場合は、その期間の延長が認められているから、この事由の拡大ないし運用で対処できると思うのでございますが、いかがでございましょう。
#87
○安永英雄君 いまも文部省のほうの見解が出されておりますが、この点については、文部省としては十分に国立以外の養成所についても広めたいという考え方は持っておるけれども、大蔵省がなかなか問題があると、こういうところでありまして、金の問題もあると思いますけれども、しかし文部省自体はやはり広げるべきだと、こういうふうに考えられておるところであります。しかし、ずいぶん長い間この問題を提案いたしておりますが、文部省のほうの考え方で金の問題もあるけれども、もう一つ各種学校というような中に入っているから、この養成機関だけを拡充するということになると、非常に他の各種学校との関係ができてくる。したがって、なかなか実現しないのだという答弁もありましたけれども、しかし、質問者のおっしゃったように、はっきりこれと各種学校と性格が違うわけで、文部大臣の指定する学校で、行政機関の了承を受けた場合には、正式な免許状ももらう、そうして、むしろ誘致策としての考え方があるわけですから、したがって、これは正式の養護教員その他を養成するのだ。こういうはっきりした目的でもって、性格でもって養成するわけですから、これについては、ただ単に財政問題だけで片づけられる問題ではないと思います。それから、いまおっしゃったように、現行法の中でも文部大臣の指定する特別な理由がある場合には、その期間の延長を認められておるということで、それでいいじゃないかという御質問もありますけれども、しかし、提案理由説明をいたしましたときにも申し上げたとおり、現在過疎、過密、こういった異常な状態が出てきておる。そうして、各県の定数確保についても非常に問題が多いわけでございます。そうして、計画的にもなかなか立たない。そうして、この養成機関は全国的に見ましても、国立の場合でも、大体ブロック別に養成機関が置かれておる。そのほか公立、私立等につきましても、それぞれ偏在している。こういう状態でなかなかこの誘致策も進まない。また卒業した連中も直ちに就職ができるというものもありますけれども、なかなか就職ができないで、かりの教諭として採用される、こういったり、まあそれはいいほうでなかなか就職もできない。こういうことでございますから、この点については、やはり期間を延長するということをはっきり法律でうたうべきだ。大体育英会の発足はずいぶん長いわけで、私もはっきりとはおぼえませんけれども、戦前、戦時中を通じて、この育英会というのはあると思います。したがって、この戦前、戦時中の法規はなべて政令できめるというのが非常に多い。政府の権限あるいは各省の裁量によってやれるような仕組みになっておった時代からの団体の育英会でありますし、当然やはり明確に法律化をしておくのが、これはもうたてまえだと思います。そういう意味で毎年毎年提案をいたしておりますけれども、これは文部大臣のこの特別な理由がある場合ということをおっしゃってからでもずいぶん期間がたったわけで、そのとおりになかなか実施が行なわれない。こういう経験もありますから、やはりここではっきり法律として正式に確定をしておきたい。こういう気持ちでございます。
#88
○大松博文君 この期間を一年から三年と、一年を三年と認めるというこの今度の改革でございますが、いろいろと地方では過疎地区とか、またその県のいろいろな状況、需給関係ということで、その府県によっても、ブロックによっても違って、それを一年から三年にされたというこの理由、また、三年になればどういうように、そこで、この経費の面も変わってくるだろう。それと、こういうように三年と限定すれば、今後これに拘束されるということから言いますと、先ほど申しましたように、文部大臣の認可を受けた特別な事由がある場合には、その期限を延長することを認めますというところへ、何か特殊なものを付け加えたほうがいいのじゃなかろうか。いろいろなことから、三年よりももっと四年、五年という事態が今後起こらないとは私は断言できないと思います。その点の御説明をいただきたい。
#89
○安永英雄君 確かに三年よりも四年、四年よりも五年、こういう安全係数をとったほうがいいと思います。確かにいいと思いますけれども、この点私が次に提案さしていただこうと思うのですけれども、いわゆる養護教諭その他の養成機関、こういったものについては、私自身は国のほうで早急に臨時的な措置として、こういう養成機関を置くというのは、基本的にはこれはいけないんじゃないかという考え方を持っておるわけです。やっぱりコンスタントにそれぞれの国立大学なり、あるいは大学なり、そういう養成機関を卒業してそこから就職してくる、こういったのが平常だと思います。そういう関係で一応三年と区切っておりますけれども、三年というふうに区切って、さらに文部大臣の特別の理由がある場合にはそれを認める、延長を認める条項も当然消えないだろうというふうにも考えておりますし、一応三年という期間を置く、そういう関連で区切ったわけですから、これが四年になり五年になりというふうになっても、これは提案者としてはけっこうなことだと思います。ただ、先ほど申しました養成機関そのものが、臨時的にこういうふうにできるということじゃなしにという前提があるものですから、一応三年に区切っております。
#90
○大松博文君 貸与金の返還免除措置の適用に関する過去の不均衡是正に関する問題については、貸与金の全部または一部をすでに返還している者が相当数にのぼると思われますが、適用範囲内のその実数と金額をお伺いしたい。
#91
○安永英雄君 一応返還免除措置の適用に関する過去の不均衡の是正の対象となる人数というものでありますが、これは調査が非常に困難ではありますが、やはりこの生徒、児童数の減少の著しい地域からの新規採用者等からは、ずいぶんこの問題について延長の強い要望があります。そういう数字だけではだめでありますが、一応一地域の調査結果からの推定ということしか現在持ち合わせはございませんが、対象人員が約二万人、そうしてその貸与金の返還免除額は、約二十五億というふうに考えております。
#92
○大松博文君 最後に一つお伺いしますが、返還に伴う多額の事務経費等を使ってさかのぼっての返還免除措置を講ずるよりも、この経費等で貸与金の額の増大または人員の増加をはかったほうが有意義ではないかと私は思うのでございますが、ことしのこの育英会の政府の借り入れ金等の額は百四十億だ、この補助金というのは十一億だ、その十一億というのはこれは大体事務経費に当たっているということから考えますと、こういうことをいまからやると相当の、これ以外にまた事務経費も私要るだろうと思います。こういうことを勘案すると、そういう該当される方は非常にお気の毒だと思いますが、こういう経費の面もございますので、いま私が言いましたように、そういう経費を使わずに、貸与金の額の増大とか、人員の増加をはかるほうに持っていかれたほうがいいのではないかと思いますが、その点最後にお聞きしたい。
#93
○安永英雄君 いままでの過去の不均衡というものを一切捨てて、そうしてそういった金額を育英会の経費こういったものにむしろ増額したらどうかという御意見でありますけれども、しかし実際の例を申し上げますと、現在この問題は解決しなければならぬという問題で、たとえば昭和三十六年三月に大学を卒業した者と、三十七年三月に大学を卒業した者、同じ高校の先生について調べてみた場合には、いずれも大学在学中日本育英会の学資の貸与金を受けたときには、昭和三十六年に卒業した者は返還免除が認められない。しかし三十七年に卒業した者はその返還が免除される、ごく最近のことであります。こういう人が同じ職場におったり、あるいは近くの職場におる、こういった場合には、非常にこれはやはり不均衡というもので、わずかな期間を区切られて、しかもそれは古い問題ではない。ごく最近の問題である、こういった問題につきましてはやはりどうしてもこれは解決をしておかなければ非常にやっぱり不均衡な状態ですから、やはり何といってもそういった職場において、まあこまかい金ですけれども、一応やっぱり現在の給与体系の中でこういったものを次々俸給から持っていく、事務局あたりから差し引かれる、こういった場合にはどうしてもやっぱり気持ちの上で、あるいは勤務の上でやはり何か差をつけられたとか、こういった感じがしますが、これは当然やはりそれはそれとして解決をしてやるべきだというふうに考えます。しかし、おっしゃったように、育英会自身の運営費その他についても、これは金が少ないことは確かで、貸与金にしたって、わずかな金額を借りてそれを返しているんですから、ここで大きく増額をしてやりたいということで、私としましては一応不均衡の是正という観点から提案はいたしておりますけれども、質問者のおっしゃったように、当然やはり育英会全般としての経営についての国の財政上の援助、こういうことはさらに一歩進めていただきたいという気持ちは持っております。
#94
○内田善利君 大体私が質問しようと思っていたことを質問になったわけですけれども、この中で返還免除の対象をふやしていくということは非常に賛成でありますし、また返還義務の対象をふやし、将来は返還の義務をなくしていきたい、このようにも思うわけですが、この中で貸与金額について一言も触れていないわけですが、現行の貸与金額でいいのかどうか、諸物価の値上がり、あるいは学費の値上がり等を勘案してもこの辺で貸与金額についても考えるべきではないかと、このように思うわけですが、この点についてお伺いしたいと思います。
#95
○安永英雄君 おっしゃるとおりで、いまも大松さんの御質問にお答えしましたように、実に現在の物価の値上がり、その他大学は都会に集中する、こういった状態で現在アルバイトその他も相当やって苦しい学生生活を送っております。したがって、もう少し抜本的に、大体学生全般を見て必要な金額、いまのように二千円、三千円もらったところで、これはなかなか学生生活そのものをうるおいあるものにするということにはならないわけです。この奨学金プラスアルバイト、こういった状態ですから、こういったものは早急にやはり育英会の経費に国の経費をずいぶんつぎ込んでその額も上げていきたいというふうに考えております。その点については触れておりませんけれども、当然政府としても考えてもらいたいということ、かように思っているわけでございます。
#96
○委員長(久保勘一君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にいたします。
#97
○小笠原貞子君 議事進行について。
#98
○委員長(久保勘一君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#99
○委員長(久保勘一君) 速記を起こして。
    ―――――――――――――
#100
○委員長(久保勘一君) 産炭地域における公立の小学校及び中学校の学級編制及び教職員設置に関する特別措置等に関する法律案を議題といたします。
 本法案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 政府側から宮地初等中等教育局長岩田財務課長、以上の方々が出席いたしております。
 質疑の申し出がございますので、これを許します。
#101
○楠正俊君 最初に文部省にお尋ねいたしますが、午前中の標準法の改正案の質疑のときに、すでに提案者の安永委員からるる産炭地域の教育問題について実情報告などございましたので、文部省に対しましては簡単にお答え願えれば十分だと存じますが、産炭地域の教育問題はずいぶん前から問題になっておりますので、文部省としてはもう毎年毎年いろいろな手を打っておられるわけですが、その内容と、それから午前中審議しました標準法の改正案で予定しております特別措置、産炭地域の教育の問題に対する特別措置のその内容と、その二点についてまずお答え願いたい。
#102
○政府委員(宮地茂君) 産炭地域の教育問題につきましての対策でございますが、これは過去いろいろなことをやっておりますが、そのうちおもなるものを申し上げますと、まず就学援助の問題でございます。これにつきましては昭和四十年度からたとえば学用品費、修学旅行費、給食費等の援助費にかかる国の補助金につきまして、通常二分の一のところを、産炭地域市町村につきましては、当該市町村の財政力等も勘案いたしまして、最高十分の八までの補助をいたしております。また四十四年度におきましては、新たに準要保護児童、生徒を対象とした校外活動、直接には遠足でございますが、遠足費の補助が加えられました。したがいまして産炭地域につきましては、これについても補助率のかさ上げ措置が行なわれるのは当然でございます。またこれらの国の補助金の裏負担につきましては、自治省のほうで特別交付税で措置されておるところでございます。
 次に、文教施設費の補助率のかさ上げ関係でございますが、これは私の局の所管以外の点もいろいろございます。たとえば義務教育施設、ただ建物だけでなく水泳プール等もございますし、給食の設備費、幼稚園舎、それから産業教育の設備、こういうふうなものにつきましても同じような補助のかさ上げ措置がなされておるところでございます。なお、四十三年度からは、義務教育小学校以外の地方公共団体が設置いたします学校の水泳プール及び地方公共団体が設置いたします一般利用に供するためのプール、体育館、運動場にかかる補助率のかさ上げにつきましても同様の措置が講ぜられておるところでございます。
 その次に、高等学校生徒に対する育英奨学金の特別配慮でございますが、炭鉱の不況に伴いまして在校生の特別採用につきましては、従来から北九州地区につきましては特別の配慮をしてまいっておりますが、今後も産炭地の実情を考慮してできるだけ該当者の採用については特別の配慮を行なう予定でございます。
 さらに、生徒指導対策の拡充でございますが、四十二年度から生徒指導の充実をはかるため行政上もいろいろな措置をいたしておりますが、たとえば産炭地域関係市町村の教員を対象とする生徒指導講座といったようなものを開設いたしましたり、いろいろな措置を講じておる次第でございます。
 なお、もう一点のお尋ねの、御審議願いました教職員定数の改善につきましては、午前中も申し上げましたところでございますが、かいつまんで要点を申し上げますと、その一つは、産炭地域等の教育困難地域に所在します学校で、大体政令案では要保護、準要保護児童の数が三〇%、四十人以上を一つの考えにいたしておりますが、そういうものにつきましては教員定数を加配する。それから事務職員につきましても、二五%以上で生徒数が百人以上になります、準要保護、要保護の生徒がそうなります学校につきましては事務職員定数を加配をするということ。それから三番目に、児童生徒数の急減が産炭地域には行なわれておりますが、そういったような場合、一般的に前年度の九八・五%の教員定数を保障するということは、現実の問題としては産炭地域等へ相当この恩典がはね返ってくるものと予想いたしておりますが、大体以上のような措置を講じている所存でございます。
#103
○楠正俊君 提案者にお伺いいたしますが、いま文部省の説明にございましたように、就学援助費のかさ上げ、それから義務教育施設費のかさ上げ、それから午前中審議いたしました教職員定数に関する特別措置等いろいろ文部省としてこれの対策を講じておるわけですが、こういう施策の充実ということで対処できるというようにも考えられるのでございますが、その点についての提案者の御意見をお伺いいたします。
#104
○安永英雄君 いままで文部省が手を打ってきた、そういうものを今後充足していけばいいじゃないかというお話でございますが、それで間に合えば実は提案を改めてする必要もない。反面非常に急を要する。確かに先ほど文部省のほうからおっしゃったように、生徒指導の担任をする先生を増加したり、あるいは就学援助費のかさ上げ、あるいは教育施設あるいは給食施設費の補助、あるいは修学援助費を特別に考慮する、あるいはこまかい話でありましたけれども、生徒を指導する講座をやるとか、こういう説明がございましたけれども、実は私に言わせると、この施設はあるところは的はずれな対策をしているのじゃないか。たとえば午前中も申しましたように、そういった生徒指導をやっていく、こういった場合に、まず役所のほうにそういった係を置いておいて、そうしてその係が、たとえばいまのお話しのように、どうしたら産炭地の子供の非行がなおるか、あるいは就学率が、よくなるか、そういう講座をまずやってそれからというふうな考え方、確かに机の上の考え方があるようでございます。何かこう役所にそれこそ担当の者を置いておいて、それから地域地域に回っていって講座を開いて、そうしてどうしたらいいか研究会みたいなものを開く、こういったゆうちょうな時期ではないわけで、はっきり現在の目の前にいろいろな処理しなければならない教育上の問題が山積しているわけですから、飛び込んでいってそれを解決していく、こういう人が現在おらなければならぬと、こういうことで、多少私は今日までの文部省の手だてというのは、そういった面ではポイントをはずれておったようなところがあると思います。これはないよりはいいと思いますし、確かに前進だとは思いますけれども、そういったはずれたところがある。あるいはまた、就学援助費とか、あるいは設備費その他の点につきましても、何か私に言わせると、計数は持っておりますが申し上げませんけれども、なま殺しといいますか、もうちょっと加えてやればみんなが修学旅行やら遠足やら行けるのにといったところです。たとえば関西に中学校では旅行をする。そこで積み立てておるので大体四千円なら四千円、中学三年間でたまっておる、これであれば大体宿泊と旅費はそれで行ける、こうなりますが、肝心の服が要るとかズック靴が要るとか何とかになりますと、それがないからついやはり補助費としては実費はきているけれども、それでは行けないということでせっかくの修学旅行にも行けない。何かこう私に言わせるとなま殺しで、そこまで見せておるならもう一歩進んで国の援助をしてやれば、国のほうでねらっているととも完成できるのに、何かはんぱな援助、定数等の問題にいたしましてもはんぱな気がいたします。前進は認めますけれども、いまの産炭地の荒廃した状態を、教育をたて直すという場合には追いつかないし、それからいま質問者がおっしゃったように、累年ごとにいまの計画を進めていけばいいじゃないかということでありますけれども、提案者の私としてはやはりいまだという気持ちが非常に強いものですから、これを提案さしていただきたいということであります。
#105
○楠正俊君 あと一問ですが、この産炭地域の教育についてだけこういった特別措置を講じますと、非常に谷間の問題としてほかにも特殊教育の問題とか僻地教育の問題とかそういったものはあるわけなんで、そういった均衡上の問題が多少出てくるのじゃないかと思いますが、その点どうでしょうか。
#106
○安永英雄君 これは当然義務教育のたてまえからしてすべての児童、生徒に十分な教育条件のもとで平等な教育が行なわれるということは、これは大原則であります。したがって、結論的に言えば、その他僻地であるとか、あるいは特殊教育であるとか、こういったものも当然これは国の指導というものはなされて、これに援助を加えていくということは当然なことだと思います。だから私は産炭地だけというふうな言い方はいたしません。当然僻地につきましても、あるいは特殊教育の問題につきましても今日まで、朝決議されました定数法をめぐって社会党としてもずいぶん僻地の問題にしましても、その他教育全般について向上をするようにということで、いろいろ意見も質問もいたしたわけでありますけれども、しかし、ただここで考えられますことは、僻地の問題にしたって特殊教育の問題にしたってこれは当然進めなければなりませんが、どうしてもこの産炭地の問題についてはちょっと変わった性質のものではないか、言いかえますと国の石炭産業、こういったものについてのこの姿勢といいますか、いわゆる人工的な教育弊害が産炭地では生まれているのだ。現在のまあ過密過疎という問題も確かにこれは政治的なものの結果として生まれたかもしれませんけれども、それよりも明確に産炭地の疲弊、こういったものはやはり国の施策、経済政策あるいは石炭政策そのものが大きくやはりこのエネルギーの転換と、こういったことでできてきた上に立っての教育の荒廃だということになれば、やはりこれだけ産炭地について政府なり国会というものが産炭地の産業経済そのものについては相当な力を入れておる。これは全国でもやはり疲弊した産業の地域もありますけれども、特に産炭地の経済、産業というものについては国が責任を持って現在進めていっておるということは、裏を返せばこれは人工的な一つの災害というふうに見てもいいのではないか。そうしますとやはり急を要するという点もあわせ考えますというと、当然やはりこれは特に取上げて国の援助を強く与うべき地域だというふうに私は考えるわけです。特に産炭地の問題にしましても、たとえば石油の輸入税、関税、こういったものの大多数を石炭産業に持っていっておる。私はそういった関係で、教育上ではありませんけれども、思い切ってやはり国の予算といったものをそれと同じような力の入れかたで、この産炭地域の教育には特に注ぐべきだというふうに考えます。てまえみそかもしれませんけれども、どうしても私は特殊教育とか僻地教育ともに大事だし進めなければなりませんが、多少やはり次元が違うのではないか、このように思います。
#107
○楠正俊君 いまいわれた予算ですが、この法律案が施行されるについてどのくらいの金が要りますか。
#108
○安永英雄君 約二十三億円という計数を出しております。
#109
○内田善利君 先ほど質疑の中にもありましたけれども、この法案は昭和四十八年三月三十一日までの時限立法となっておるわけですが、この意味について午前中ちょっと伺いましたけれども、お伺いしたいと思います。
#110
○安永英雄君 この産炭地域の荒廃した教育に何の責任もなく、そして民族の将来をになう子供たちの教育の問題でありますから、できるだけ早急に可決する必要がございます。また本法案は特別措置を定めたものでありますが、一応四十八年までの時限立法として提案をいたしております。現在産炭地においてはこの産炭地の疲弊にかわって、ようやくいま国のほうも県の当局もいわゆるこれにかわる産業の誘致、こういった問題にかかってはおりますけれども、ここ約十年間、この産炭地にいろいろな産業を必死になって誘致してまいりますけれども、資本が非常に浅い、あるいは倒産を計画的にやって、そうしてもうけていこうと、こういった悪業者も入ってきて、ここ早急にこの時限立法の四十八年までに石炭産業にかわる他の産業が来て、新しい産業も打ち立てられるということが一応考えられない状態なんです、いまのところ。しかし努力はいたしております。そういった関係で教育環境も幾らかはよくなってまいると思います。いまはどん底だと思います。そしてまあ早急にこの時限できめております期間までに直さなければ、これはあとではどうにもならないと考えます。したがって、そういった趣旨で時限の立法とはいたしておりますけれども、しかし、私は今後の石炭産業、これをどう立て直していくか、またこの産業にかわる産業をどう興していくかという、この大きな国の政策との関係は確かにあると思いますが、現在進んでおりますそういった施策というものの考え方には、これはこの時限が参りましても、そのときでさらに延長しなければならない、そういうときがくるのではないか、こういうふうに考えております。
#111
○内田善利君 産炭地の窮状については、私もまのあたり見ておりますが、これは強力な対策が必要である。このように思っておりますが、一つの問題点として、提案者も御存じのように、飯塚周辺の嘉穂郡などにつきましては、教職員の実態ですけれども二十歳代がほとんどいない。まあこういう状況でありますが、これについてどのようにお考えであるかお聞きしたいと思いますが。
#112
○安永英雄君 嘉穂地区の生徒減、児童減ということで自然減が出ておりますから、この定数をはみ出す教員というのも確かに幾らか出ておるわけであります。したがって、現在のような新卒、こういう方たちが入る余地がないということは事実上は言えると思います。現在福岡県の教育委員会あるいは福岡の教組とも打ち合わせ、交渉を進めながら、こういった産炭地域における過員、こういったものを北九州市あるいは福岡市、こういった過密地帯のほうに移動をすると、こういうことで現在では教員住宅等も建ててその移動の促進をはかっておりますが、さらに産炭地から過密の都市の中間にある準農村地域とかそういったところに順送りに移動をしながら、そういった過員の対策というものを現在進めておるというのが状況であります。したがって、教員が急に、生徒の減ということで先生の数も減ったということで、ずいぶん遠距離に急に移動するということはなかなかむずかしい問題でありますし、これを強制的に移動させるということもこれは不可能でありますし、できない相談でありますから、そういった私が申し上げたような対策を現在考えておるようであります。したがって、そういったことが実現された暁には当然新規採用も行なわれるというふうに考えております。しかし、反面、産炭地域における私が提案をいたしておりますこの法律案を通していただきますというと、当然ここには新規採用をしてよろしい数も出てまいるわけであります。そういう意味でぜひひとつこの法案を通していただいて、新卒の採用ということができるようにひとつお願いを申し上げたいと思います。
#113
○内田善利君 文部省当局にお聞きしたいと思いますけれども、産炭地域における児童、生徒の体位ですね、健康管理の面で何か著しく劣悪なといいますか、そういう面があるかどうか、おわかりでしたらお聞かせ願いたいと思います。
#114
○政府委員(宮地茂君) 内輪のことを申し上げて恐縮でございますが、所管が体育局で、詳細な調査をしておろうかと思いますので、大事なことでございますので、私からお答えするのも、私詳細存じませんので、もし御必要でございますれば、さっそく体育局のほうを呼びますか、あるいは資料を提出さしていただくかするようにさしていただきたいと思います。
#115
○内田善利君 じゃあ提案者にお聞きしますが、五ページの「第七」でございますが、「産炭地域における児童生徒の体位、衛生状態の劣悪や疾病の著しい増加が見られることであります。」と、この点について具体的にお聞かせ願いたいと思います。
#116
○安永英雄君 一番特徴的に言えることは、結核の患者が非常に多いということ、それから胸囲が非常に平均して低いということ、胸囲と結核です。それからトラコーマ、これが非常に産炭地では多い。これは大体産炭地域における飲料水の問題でありますが、坑内から出る水を相当使うものですから、これが一番トラコーマの繁殖するのに適しておるということで、平均では五六%ぐらいトラコーマに産炭地の子供がかかっておると、こういうデータなども持っております。一番こわいのはやはり結核患者が非常に多いということです。これはほとんど栄養からきておる。それから一つは、狭い住宅で、一人結核患者が出ると感染が非常にしやすい環境に置かれている。こういうことで、学校では、ほとんど養護の先生方は、この結核防止の対策ということで校医と十分打ち合わせをして、この対策に走り回っている。年々これが増加している。こういうのが特徴的なところだろうと思います。
#117
○内田善利君 私も健康管理の面で、特にこの産炭地における小学校の健康管理の面は非常に大事な問題だと、そのように実情を見て思っておるわけですが、この養護教諭を各校に必置するということは、事務職員の問題とあわせてひとつぜひ実現していただくように強力にお願いしておきたいと、このように思います。
 以上で質問を終わります。
#118
○小林武君 初中局長にお尋ねしますが、さっきの蒸し返しなんだけれども、結局先ほど来の安永さんとあなたの質疑で、非常に深刻な状況が明らかになったし、北海道も産炭地だけれども、北海道は、福岡の産炭地の人に言わせると、おまえのほうはもう五年くらいたったらこのような状況になるんだというようなことを言われている。私は産炭地のいまの状況からいえば、地方自治体の力というものは閉山によってがたんと落ちちゃう。たとえば北海道の美唄市という市は、かつては非常ないんしんをきわめた町なんだけれども、やがてこれは美唄村になるのじゃないかというようなうわさが出ている。それから今度北海道で明治関係の山が閉山になったが、沼田というところなんかは、これはもうほんとうの田園になってしまうのじゃないかというような、そういう事実なんか出ているわけです。そうすると、地方自治体はどういうことになるのかというお先まっ暗な状況の中で、何とかせいといったところでできないわけです。たとえば先ほど来も話があったように、養護教員を市の力でひとつやろうかとかなんとかいうことはできないわけですよね。それと非行の問題もこれまた、もうすでにわれわれの同僚議員で、しかも自民党の方が、いつか、こういう場所でないところで私に耳うちしてくれたものだけれども、それは聞きしにまさるものだ、うちの親戚の子供もとにかくおそろしくて置いておけぬので東京へ転校さしたという話をしてくれたことがあります。非行の度合いというものはちょっとわれわれがやはり想像する以上のことであるらしいという場合に、たとえば何といったところで法律できめられちゃえばどうにもならないということになった場合に、それじゃ学校はそのときはほうっておけと、こういうことになるのか。できるだけ馬力をかけておまえらやってみろということになるのか、私はここらはよほど考えどこだと思うのですね。先ほど均衡上の話が出たけれども、均衡上もさることながら、何とかやはりそういう状況を食いとめようと必死になっているものに対して何か、行政的に何とかしてやることができないか。もうすでに法律案通ったら、法律案を直すなんというわけにいかないけれども、そういうことないというと、ぼくは福岡の産炭地なんかも惨たんたる光景だと思っているのですが、自治体の実力からいって。だからそれに対する対策というものなしに、まあまあしかたがないじゃないかというような観点に立っているのかどうか。私はこの法律案通してもらいたいと思っているけれども、とにかく自民党の皆さんが賛成してくれれば通るわけです。通してもらいたいと思うけれども、あなたたちのほうでそこまで割り切っているかどうかということを聞きたいわけです。文部省ではもう手がつかぬ、地方自治体ほうっておけということになれば結局困る。教員もほどほどにせいと、やりもせぬことをやるなんというようなぐあいになるのかならぬのか。これは先ほど安永委員が佐藤総理の答弁を話しておったが、これは石炭対策特別委員会の中でも、かなりの金が出るわけだから、これは通産省と文部省との間の話し合いでその金の動きというものは何とかならないのか。そういう新たな道を考える余地がないものかどうか。いろいろなことを、ぼくは石炭の中でもそういうことを議論したものですから考えているんですが、非情なものの立場に立って、やっぱりできないことは学校でも目をつぶれということをおっしゃるかどうかということ、その腹がまえの問題をぼくは文部当局に聞きたいんですよ。それができないというのは、これは教員の側の言い分ですわ。そう言ってもできないという……。たとえば、先ほどだって、学校を退学していったものがよその学校に転入学していったものに昼のめしを食わせるなんということは、これはちょっとおかしいですよ。しかし、おかしいことが普通に行なわれなければならぬという実態をやっぱりわれわれは見る必要があるのじゃないかと思う。ここで一体行政当局なり、あるいは、まあ何といっても、そこまできてしまえば国会という場において、何にも手がないものかどうか。手があるのかどうかということを、これはお互いに話し合わなければならない。最高の場所ですから、ここは。どうなんですか。そこであなたの目で見るならば、これは万歳なんだと、そういう意味なんですか、どうですか。
#119
○政府委員(宮地茂君) 実は、小林先生の御質問に、多少、あるいは的はずれになるかもしれませんが、実は、衆議院でこの標準法が論議されましたそのときに、山梨県の社会党の小林信一先生から、特殊教育、特に二重苦、三重苦ですか、三重苦のようなこどもがおって、それをマン・ツー・マンで教育する必要があるんだ、文部省が定めたといいますか、大臣なり政府委員の答弁ではマン・ツー・マンの定数配置ができないが、しかしながら三重苦のこどもはマン・ツー・マンでやらなければいけない、文部省としてそれでもこの規定どおりにやればよいのかというのかといった、まあ極端なこれは例でございますが、それに対しまして大臣も私も、即座に、マン・ツー・マンでぜひやらせるような措置を講じたいと思いますということをお答えいたしました。多少、それは法律どおりではないではないかということになるんですが、しかし、そういうことはやっても法律どおりでないからいけないと言われる人はないでありましょうというようなことで申し上げたんですが、私ども、法律なり政令をつくります場合に、あまりいまのような非常に例外的なものといいましても、こう次から次に例外をつくりますと、何のための本則だということにもなりますので、運用の妙を得るのはいいんですけれども、あまり器用に手かげんしながらこなしていくということは避けなければいかぬと思います。したがいまして、趣旨といたしましては、法律なり政令の趣旨を原則といたしますが、特に先ほど来の、いま問題になっております産炭地の養護教員の問題でございますが、三〇%四十人というのを二五%とすればいいところまできておるのが、より一そうよくなるのだというようなお話も安永先生からございました。したがいまして、この福岡県の定数、まあくどうございますけれども、小、中学校の校長なり教員なり養護教員、事務職員あるいは図書館職員、特殊教育諸学校の教員といったようなことが今回の改正の中身になっておりまして、これはあくまでも積算の基礎で、あとは適当におやりなさいというものではなくて、その積算の基礎ではありますが、これを原則としてやってもらいたい。しかし、産炭地のそういうことを考えれば、福岡県としては、あるいは北海道としては、ぜひこのようにやりたいというお考えがございますれば、一応私どもといたしましても、まあそういう考えがなくても、国会ではこういうお話があったが、福岡なり北海道ではどうだというようなことで、まあ具体的に話を当該県としてみたいと思います。その結果、午前中にも文部省で何か手持ちの数が幾らあるのだというお話がございましたが、手持ちの数はございませんが、しかし、これは全国的なものでございますから、手持ちの数はございませんけれども、しかし、各県でいろいろお話し合いをする、運用の妙を得られる措置が全然ないわけでもございません。したがいまして、そういう点は十分県とも相談してみたいというのがいまの小林先生に対して私が現段階でお答えできるまあぎりぎりだと思います。それ以上のことになりますれば、一応今年度はこれでいきますが、来年になりまして、今年度のこの実績を見て、安永先生がおっしゃられ、小林先生がおっしゃられたそのとおりではなかったかということが明らかになりますれば、これは五年計画を直すということじゃございませんが、一応の概数としてのそれぞれの校長、教員、養護教員、事務職員の今後五年間の伸びる数字は一応きまってはおりますけれども、もうこれが絶体絶命で法律を直さない限りは一人もどうにもならぬという問題ではなかろうと思います。したがいまして、来年以降の問題でより一そう充実したことをやるために、この四十四年度の実績を参考にして、また前進した考えを取り入れるということは次の年の段階で考えていきたい。まあ小林先生の御質問にお答えになりましたかどうですか、その程度のお答えしか現在のところは私としてはできません。
#120
○委員長(久保勘一君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にいたします。
    ―――――――――――――
#121
○委員長(久保勘一君) 産業教育手当法案を議題といたします。
 本法案につきましてはすでに提案理由の説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 政府側から宮地初等中等教育局長が出席いたしております。
 質疑の申し出がございますので、これを許します。大松君。
#122
○大松博文君 まず第一に、現行法が制定された当時の提案理由を調べたところが、最初は農業、水産の学科を置く、高等学校で作物の栽培とか魚類、動物の飼育を担当する教育の責任の重要性にかんがみまして手当を支給するというのがその理由でありまして、昭和四十一年の六月二十四日のこの文教委員会会議録を見ましたところが、ちょうどこれと同じようなので、中村先生が質問しておりましたのを見ますと、この担当する先生方は責任が非常に重い。こういう責任の重要性にかんがみまして、手当を支給するものということを言われて、それに当時の小林先生がそうだそうだ、この責任もまた重いという、このときはそういうやりとりがあったように思いますが、今度のあれを見ますと、まあ責任は非常に重大だ。もう一つは、この教職員、こういう担当しておらないところの普通科を担当している教職員、また事務職員、こういう方にもこの手当を支給するのでございますが、これは非常にハードワークでもある。学校というものはその全員が一つになってやってこそ、その学校はよくなっていくとともに、生徒もよくなっていくということをいろいろ考えますと、これは手当をつけるのは私は当然だと思いながら、またこれをいろいろ調べてみますと、現在普通科と産業科というものが一緒になっている学校は千三十六校ございます。これは昭和四十三年の統計でございますが、そうしますと、との産業学校だけじゃなくして、こういう普通科とそれから併設をしているという学校については、非常な中で矛盾が起こるのではないだろうか。こういうものに対するお考えはどうでございましょうか。ともに、これに対して、普通科でありましても、やはり生徒を教育するということは非常に責任が重大だ、また、いろいろなところへ行ってみますと、たとえば英語の教師はその英語を教える場合に普通のあれではなかなか教えにくいというので、自分で研究しながらテープレコーダーに夜とって、そしてその効果をあらわすようなやり方をしておるということから見ますと、私非常に責任は重大であるとともに、常時真剣に研修をやりながら創意くふうをこらしているというのも、普通の学校でもやはり同じだということを考え合わせると、まあここのところに矛盾が生じるのではなかろうかという気もしますが、しかし、いままで支給しておらなかった教職員また事務職員、こういう方に支給しますと、大体その経費というのは幾らぐらいになるものでしょうか。
#123
○川村清一君 まずこの法案について御答弁申し上げて、それからもっと広範に、一般高等学校の教職員というふうに、こう発展していきたい、それに対する御答弁は後に回さしていただきたいと思います。
 まずこの法案について申し上げますならば、御承知のように、昭和三十二年五月三十一日付法律第百四十五号、議員立法で成立した法律でございますが、農業、水産、工業又は商船に係る産業教育に従事する国立及び公立の高等学校の教育及び実習助手に対する産業教育手当の支給に関する法律に基づいて、これを改正しようという提案でございますが、現行のいわゆる産業教育法は、いま申し上げましたように議員立法で出されたものでございます。そして初めは農業と水産に限ってこの手当が支給されておったわけでございますが、その後工業、商船、電波と産業教育手当の支給対象が漸次拡大され、現在は商業科と家庭科がまだ対象に加わっていないという状況でございます。で、この現行法の母法は、御承知のように産業教育振興法でございますが、この産業教育振興法第二条では、産業教育の定義の中に、商業及び家庭科に関する教育が含まれているのでありまして、したがって、これらの教科が産業教育手当の支給対象から除外されておることは、これはもう矛盾でございます。そこで、商業科及び家庭科に対する経費とも受け取られますので、産業教育の振興という見地から、この商業科、家庭科にまでこの手当を拡大していく、こういう処置は妥当な処置であろうと、かように考えて、これをまず考えたわけでございます。
 次に、産業高校の一般教職員に対しても、産業教育手当を支給したい、かように考えておるわけでございます。これはただいま大松委員からもお話がございましたように、産業教育は単に直接産業教育関係学科を担当する教員ばかりで行なわれるのではございませんで、広い意味で普通教育を担任する教員、さらに職員までも産業教育振興に貢献しておるのが、これが実態でございます。もっと積極的にいうならば、産業教育振興のために、関係教職員が一体となって協力することによって、より大きな効果を実現するものと、かように考えられます。したがって、私どもが御提案申し上げておりますこういう考え方は、十分御理解いただけるものと、かように考えておるわけでございます。
 そこで、この法案を施行していった場合に、それでは一体どのくらいの教員に拡大されていくのか、それからどのくらいの予算が必要になってくるか、こういうことでございます。本法案の施行によって新たに産業教育手当の支給対象となる国立の教職員数は、教員で二百十人その他の職員百八十二人であります。したがって、本法案によって新たに必要になる一年間の経費は、約千九百万七千円でございます。しかし、本法案は六月一日から施行することとなっておりますので、これを二カ月分差し引くと約一千六百万円、これは国立の学校の産業手当の額でございます。これがさらに、公立学校にまでもちろん発展されていくわけでございますから、公立学校については本法によって新たにどのくらいの経費が必要であるか。こうなりますと、約三十六億円でございます。平年度は四十三億円。そうして、それじゃ国がどのくらい負担するかということになってくるわけでございますが、これは現行法を見ると、地方交付税の算定基礎として、公立の職業課程教職員数の四〇%を見ております。したがって、地方負担は残りの六〇%となるわけでございます。このような比率で国と地方の負担を振り分けてまいりますというと、国の負担増は十四億四千万円、地方の負担増は二十一億六千万円、こういうことになります。
 そこで、国立学校のほかに公立学校分の地方交付税を、これを国が負担しなければなりませんので、国の負担分は十四億四千万円、これを加えると全体での国の負担増は十四億五千六百万円と、かようになる次第でございます。
 これがまあこの法律に関係しての考え方と経費の概要を申し上げたわけでございますが、大松委員の御質問は、産業教育に従事しておる教職員にだけ、こういう取り扱いをすることは妥当ではないではないか、要すれば、一つの高等学校で職業課程と普通課程を持っておる高等学校がある。職業課程のほうの産業教育、さらに、その教職員、一般教育をやっておる方々にこういう処置をして、それから普通課程の教職員のほうにこういう処置をしなければ、その高等学校の中において、いろいろな問題が起きてくるのではないか、経営上も支障があるのではないかと、こういうような御質問でございまして、これはまあ確かにそういう心配は私もあろうかと存じますし、また現にあることも私は知っております。そこで、もちろん普通課程の教職員に対しましても、こういうふうに給与の改定をし、待遇を改善するということは、これは必要なことでございますけれども、いまその段階にはきておりません。したがって、産業教育に従事しておる、いわゆる学校における、一般課程を教育しておる教職員に対しても、こういう処置をすることによって一歩前進せしめたい、将来はもちろん大松委員の指摘されましたような方向に持っていくことは当然だろうと思うわけであります。
 それから、それを全部やるならば一体どのくらいの経費がかかるかという御質問でございますが、これにつきましては、そういう考え方で計数をはじいておりませんので、その計数は私のほうではちょっとわからない。こういうことで、これはもしわかれば文部省のほうからお答えいただきたいと思います。
#124
○大松博文君 ちょっと文部省にお伺いしますが、いままで商業科と家庭科が除外されておった。本案によりますと従来の教科に加えて、この二教科を新たに加えることになっております。産業教育振興法第二条によりますれば、産業教育として商業科家庭科も含まれておる。しかし実際には手当支給というものは除外されておる。これは一体どういうわけで除外されておるのか、お伺いしたいと思います。
#125
○政府委員(宮地茂君) 産業教育と申します場合に、もちろん商業等も産業教育と呼ばれる範疇に入るべきものと思います。ただ、それに手当を特に支給するという場合には、やはりある者には支給し、ある者には支給しないわけですから、大部分の者が、なるほど普通科の教育とは違うということが明らかである者に限定したほうが、もらう人ともらわない人をきめる場合にもぐあいがよいと言っては、あるいは語弊がございますが、もらわない理由、もらう理由がボーダーライン辺のものを除くほうがはっきりするというふうな考え方であります。したがいまして、商業教育が産業教育という範疇に入るものの特に農業とか工業というものと、普通科の教育とが、教育上困難と申しますか、複雑と申しますか、そういう違いがあるということはわかるんですが、商業関係ですと、経済とか簿記とかいったようなもので、普通科の国語とか数学とか英語とどれだけ違うんだといったような点がある。これはまあ人によっていろいろ理由づけもできますし、一般を納得させるほどの理由も見出しがたい。いろいろなことから、絶対に商業は違うんだという意味ではなくって、産業教育のうち特に著しい農業、水産、工業、それに商船というものに限ったということが従来の経緯でございます。
#126
○大松博文君 それですと、今度のこの提案の中にありますが、こういう専科をやっておられない教職員、また事務職員というものに関しても、これは、この中ではいろいろ生徒の組主任をやっておる、また個々の生徒の保健体育の面もやっておる。それから心理教育もやっている。教務関係、図書関係、これは非常に広範囲にわたる。そして一つのワクの中でおれば、お互いが協力して、お互い助け合ってやっていかなければ、これはよくなるものじゃない。そうすると、その中で一部がそういう特殊な手当をもらって、一部もらっておらないということになれば、やはり人間である、人間というものは自分がかわいいということになれば、やはりくれないんなら、ああそういう者はのけとけという気になってくると、私はまとまらないと思う。そうすると、そういう中にある者も、私はやはり一緒に協力してやっていくんだから出すべきだと思います。それに対していかがでしょう。
#127
○政府委員(宮地茂君) 人間というものは、給料にしましても、その他いろいろのこういう金銭関係の報酬につきましては、もちろん少ないより多いほうがいいのですが、とかく少なきを憂えるというよりも、等しからざるを憂えるというほうが強いように感じます。したがいまして、同じように事務職員でありながら、たまたま産業教育の学校の事務職員だからといってもらい、その他の事務職員では普通科の学校の事務職員だからもらえないということになりますと、どうもぐあいが悪い。したがいまして、それじゃ全部の者にやったらと、そうなりますと、普通科の者にまでやる場合、産業手当ということにもならない。したがいまして、いろいろこういう手当等を支給します場合に、全員に、いわゆる教員だという、教員の責任なり、職務内容の特殊性という点に観点を置いて、全部の教職員に手当を出す場合に、産業手当のようなものを、そのうちの特殊な種目について出す場合、これはやはり何人にも納得のいくような説明がなされるものでありたい、説明が区別してなされない、全体の者に支給するということをこばむものじゃございません。それはそれでいいと思いますが、特に産業教育手当という銘を打っておやりになるのでしたら、普通科の先生なり、事務職員から、ただ普通科にいるだけでもらえないというのはおかしいというような気持ちを起こさせないようなものがいいのではなかろうかという感じがいたします。
#128
○大松博文君 今度は提案者にお伺いします。商業科、家庭科を別に教育振興法第二条からはずしておいでになるわけですか。
#129
○川村清一君 ちょっと御質問の要旨がわからないのですが、産業教育振興法ですか。
#130
○大松博文君 はい。
#131
○川村清一君 産業教育振興法第二条からはずすということですか。先ほど御説明申し上げましたように、産業教育振興法の第二条では、産業教育とは何かという、その定義の中に商業及び家庭科も含まれておるわけでございます。ところが現在産業教育手当を支給されている教職員の中で、商業科、家庭科の教職員がはずされているわけでございます。したがいまして、産業教育振興法の中に、産業教育とは何かと、との指定されている商業、家庭科の教職員が、これだけが産業教育手当の支給対象から除外されているということは、これは矛盾もしておりますし、商業科及び家庭科に対して、やはりこれは軽く見る、軽視するというふうに受けとめられますので、当然産業教育振興という立場から、この商業科、家庭科の教職員に対しましても、産業教育手当を支給することが最も妥当な処置ではないかと、こういう判断に、理解の上に立って、この法案を出している、こういうことでございます。
#132
○大松博文君 盲、ろう学校、養護学校も、産業教育振興法の第二条の中で、産業教育を行なっていれば含まっておると規定されている。それでこれらの、本案で産業教育を実施されていれば、産業高等学校となり、産業教育手当を支給するように規定されている。しかし、これら盲学校、ろう学校及び養護学校の教員に対して、勤務態様の特殊性にかんがみ、百分の八の教職特別手当が支給されている。産業教育手当が支給されるということになると、二重になるのではないかと思います。また、これらの学校において、高等部、中等部の区別がないと伺っておりますが、この場合には支給基準というのは一体どういうふうにされようとしているのか、この二点をお伺いしたいのです。
#133
○川村清一君 御承知のように、この特殊学校教育における産業教育に関するものといたしましては、理容科、あるいは被服科、家庭科、工芸、印刷機械科など多岐にわたるものがあるわけでございます。なお特殊教育の児童、生徒に適した産業教育に関する新しい分野については、文部省もいろいろと努力をされておるというふうに私は承知しておるわけでございます。その詳細についてはあとで文部省からひとつ御説明願いたいと思います。
 そこで、特殊教育諸学校の教職員に対しましては、特殊手当が支給されておる。これにさらに産業教育手当を支給することは、これは二重の支給ではないかというような御質問でございましたが、私は、この特殊教育諸学校の教員の中で、特に非常にむずかしい産業教育をやりまして、特にこの特殊学校の産業教育振興というものは、特殊諸学校に入学しておる生徒が、将来社会復帰をするために最も必要な教科でございますので、これはもう重大であることは御承知のとおりでございまして、この教育に従事しておる方々に一般の産業教育をしておりますそういう学校の教職員と同じように手当てをすることは、これは当然な処置だと考えております。
 それから、特殊教育諸学校の学校の機構でございますが、これは御承知のように、初等部、中等部、それから高等部、こういうものの授業が組み合って行なわれております。これがいろいろと直接産業教育に関係あるもの、あるいは間接に関係のあるもの、いずれにいたしましてもこの初等部、中等部、高等部というものがいろいろ組み合ったまま何らかの形で同一学校内の教職員全員が産業教育に従事し貢献しておる、これがまあ実態でございます。で、そういうような状態から考えまして、同一の学校の中で働いておる教職員に対しましては、この手当を支給される者とされない者と分けることは、これは学校運営に非常な支障がある。先ほど高等学校の中において一般教育に従事する教職員と産業教育に従事しておる教職員との差別をつけることは、学校運営上支障があるのではないかというような御質問がございましたが、特殊教育諸学校については特にそれがあると思うわけであります。ということは、学校そのものの授業形態そのものがきわめて特殊でございまして、その学校に奉職しておる教職員が、産業教育であろうと、あるいは一般教育であろうと、それはもうほんとうに有機的に組み合ったままの形の中で児童、生徒の教育をやっておるわけでございますから、したがって、産業教育振興という立場から、あるいは特殊学校教育の振興という立場からも、これらの教職員に対しまして手当を支給したいと、こういう考え方でございます。
#134
○大松博文君 最後に、文部省にお伺いしたいのですが、国立工業教員養成所の設置法に関する臨時措置法が、四十四年度から廃止される。最近のように工業関係というものが非常な発展を来たしている、そして教員というものもなかなか産業界のほうにとられて教員になる方が少なくなってきているという、こういう時代に、なおかつこういう工業教員養成所をなくすということは、私は矛盾しているのじゃなかろうか。まだふやしていかなければならない状態にあるのに、なぜこれを減らしたのかということをひとつお聞きしたい。
#135
○政府委員(宮地茂君) 臨時工業教員養成所につきましては、直接私の所管ではございませんが、一応初等、中等教育の教員ということで、大学局長がおりませんので、便宜私から答えさせていただきます。
 臨時工業教員養成所につきましては、先ほど先生おっしゃいましたように、大学の工学部とか、あるいは農学部、水産学部等を出ましたような者が一般にその産業界に出て行って、学校の先生に就職してくれない。とりわけ工業関係につきましては、大学で工学部を卒業し、また教職課程をとった者が、工業高校の教師に就職してくれる数が非常に少ないというようなことから、臨時に工業教員養成所をつくりました。ところがその後工業教員養成所の卒業生が、その多くが高等学校等に就職いたしまして、一応この臨時工業教員養成所を設置するときほどの教員の需要――需給のバランスが大体とれるような段階になりました。そういうことで、もともと臨時に設置した養成所でございますので、四十四年度から廃止するということに決定した次第でございます。
#136
○内田善利君 質問がダブるかと思いますが、産業高校は、学校一体となって、有機的に産業教育の実をあげるべきだと思います。ところが同じ学校内において、産業教育科の先生は手当が出る、ところが普通科の先生は出ない、非常に矛盾が現在生じているわけですが、たとえば同じ工業大学を出て、教員免許状も工業科と理科をとっている、あるいは物理でも化学でもいいですが、同じようにとっておって、カリキュラムの関係等で一方は工業科の先生、一方は普通科の理科の先生、こういった場合もあるわけですが、私は産業教育高等学校では、全部一体となって産業教育の実をあげるべきであろう、そういった点から一律に手当は支給すべきである、このように思うのですけれども、文部省当局はどのようにお考えでしょうか、もう一度お聞かせ願いたいと思います。
#137
○政府委員(宮地茂君) 現在の産業教育手当――これは議員立法でございますが、私どもが従来から承知しておりますのは、もともとこれは議員さんの間で農水手当――農業と水産の教員の手当を支給しようではないかといったようなことから始まったように記憶いたしております。それは農業、水産の先生というのは、大体生きものを、子供に教育する手段、方法として農業では家畜等、水産では魚とかいったような生きものを扱う。これは四六時中手が離せないのだといったようなことで、こういう生きものには夜でもえさをやるとか、いろいろついて仕事をしていないと生きものが死ぬるのだといったようなことから、この産業教育手当の一番初期のころの、議員さんが考えられたのは農水手当であったように記憶いたしております。そのときに、工業だって生きものではないけれども、すぐ機械をとめてしまうというのではなくて、一晩中機械を動かしておかないとまた支障が生ずるようなことにもなるのだといったようなことで、工業も入ったようですが、そういうふうにいろいろ沿革はございますが、現在内田先生御指摘のように、同じ学校の中で産業手当をもらう人と、もらわない人があるというのはおかしいので、学校運営という面から見れば、みんな先生だということでやるのが私もその一つの考え方だと思うのです。ただ、そうなりますと、やはり産業手当ということで産業教育をやる学校の人は全部もらうのだと、そうなりますと普通科の高等学校でほとんど同じことをやっておる、特に事務職員にしましても、あるいは英語とか数学とかいったような先生にしましても、なぜ産業教育の学校に行ったら手当をもらい、そこから普通科の高等学校へ行ったらもらえないのか、いろいろこれ説明もつくでしょうけれども、まあ一般的には英語の免状をもらい数学の免状を持って出てきた者が、たまたま就職する先が違うということで差別されるということもおかしいという理屈も成り立とうかと思います。したがいまして、まあ産業教育手当でございますので、やはり産業教育という点に着目してやるべきではなかろうか。そうじゃなくて学校運営上みんなにひとしくやったほうがよいということでありますれば、僻地につとめる先生にはみんなにやるとか、あるいは特殊教育の学校には調整額がいまございますが、そういうものと産業教育手当というのはちょっと性格が違うのではなかろうか、そう考えますので、しいて反対するつもりもないのですけれども、産業教育手当を産業教育の学校の先生にはみんなにやって、運営上不和の起らぬようにやれという御趣旨はわからぬでもないのですが、一がいにそうすべきだということにはどうも賛成いたしかねます。むしろそういう観点に立つのなら、別の考え方で学校の先生ということ、あるいは学校の事務職員ということに着目して、その他の人とは違ったものを全員に配れるようにすべきではなかろうかという感じがいたします。
#138
○内田善利君 理由はつきますけれども、もう一つは、商業科と家庭科ですけれども、商業科も、この法案のできたときは昭和三十二年ですが、現在は商業科も簿記と珠算だけではなくて、事務機械も高級なのを取り入れ、あるいは電子計算機等も使っておりまして、やはり産業教育らしく十年後なっておるようですし、あるいはまた家庭科におきましても職業課程の家庭というのがありますし、非常に高度になっておりますから、産業教育の定義の中に、産業に関する教育というのがありますが、この辺でこういった産業教育のほうも考えるべきではないかと、このように思うわけですがこの点についてはどうでしょう。
#139
○政府委員(宮地茂君) 商業はなるほど産業教育と一般に言います場合に、商業を産業教育からはずすということは不自然であろうと思います。しかしながら、この場合は手当を出すという以上、ただ産業教育だから手当を出すのだというふうになりますと、商業の先生とそれでは普通科の英語なり数学の先生とちょっと職務の違いがあって、種類が違うのはわかりますけれども、どれだけ職務の困難度と申しますか複雑度と申しますか、そういう点については説明がしにくくなるのではなかろうか。それから一般に法律ではございませんが、予算措置等で特に私ども私立学校、私立大学等に出しております理科教育の補助金等がございます。その場合に家庭科などは実験実習をするということで、家庭を理科教育という中に含めて補助金を出したりしておる場合もございます。それからまた家庭というのは、産業教育というよりも女子のための、家庭というのは女子教育ということであって、産業教育とか何とかいうよりも家庭科という場合には女子教育の特殊性というような面も相当強いのじゃなかろうか。まあいろんな観点から考え方といたしまして手当を伴う、ただ、ことばの概念上入るか入らぬかということじゃなくて、手当を出すという裏に実益が伴う場合の論議でございますので、商業課程までこれに加えるということになりますとその他の先生方がなぜ自分たちには支給されないのだという疑問が増してくるような感じもいたしますので、私どもとしましては、どうも固守するようで恐縮でございますが、にわかに賛成いたしがたいというふうに考えます。
#140
○内田善利君 産業教育振興法でいろいろな器材、器具そのものは補助金が出ているでしょう。
#141
○政府委員(宮地茂君) 学校に補助金を出します場合と、施設、設備等の購入費として学校設置者に補助金が出ます場合と、当該教職員に手当が行く場合は、やはり考え方としてこれは同じ補助金のような性格を持つ場合でも、人の個人個人に入る場合と施設、設備として入る場合は、私どもは考え方は別にして従来からやっております。
#142
○内田善利君 最後に提案者に聞きますが、まあこの法案によりますと、いまもちょっと局長から触れられましたが、その他の先生、同じ産業高校のその他の先生、それから普通高校の先生等も進学その他で非常に多忙だと思いますが、こういった先生方との振り合い、そういった点についてどうお考えか聞きたいと思いますが。
#143
○川村清一君 最初に、先ほど大松委員の質問に対しまして御答弁、私先ほど法文を見間違いまして、産業教育振興法十二条十二条と言ったような気がしましたが、あれは二条の誤まりでございましてどうも失礼いたしました。訂正しておきます。
 それから、ただいまの内田委員の御質問でございますが、私は文部省の御見解とは若干違った見解を持っております。第二条ではっきりと商業あるいは家庭科というものが産業教育の中に入っておるわけでございますから、当然これは差をつけるべきではない。それから何か初等中等局長の御答弁を聞いておりますと、農業、水産あるいは工業、こういうような筋肉労働するほうは非常に重視されまして、そうして産業教育の手当を支給する。しかしながら商業とか家庭科とかいったようなのは、あまり野に働くわけでもないし、労働するわけでもないし、機械を動かすわけでもないし、だからしてこれは支給しなくてもいいんだというような御見解のように受け取られるのでありますが、こういう差をつけることは私は遺憾でございます。やはり産業教育を振興する、こういう意味、それは将来日本の産業を当然発展させるものに結びつくところの教育でございますから、現に従事しておる教職員に対しましては相当の取り扱いをするべきである。かように考えます。
 それから産業教育を実施している高等学校でございますが、この学校でそういう実習に携わらない一般教科を授業している教師に対しまして、これはかりに英語の教師であろうと国語の教師であろうと、産業教育に結びつくところの学科を教えておるわけでございます。それからまた、そういう学校を差をつけることは、学校運用上も支障あることは当然でございます。また勤務の内容を考えてみますというと、そういう産業教育を行なっておる学校におきましては、施設、機械いろいろなものがあるわけでございます。これらの施設、機械の管理、保存、こういう面におきまして一般の教師が十分配慮し、またこれは労働しているわけでございますから、当然そういう手当を支給すべきであると、かように考えております。したがって、産業教育を実施しておる高等学校におきましては、産業教育に従事しておるすべての教職員、それから産業教育に直接従事しておらなくても、間接的には産業教育発展のために貢献し協力しておる教職員でございますから、一般教科の教職員に対しても事務職員に対しても支給するように発展させていくのが妥当な措置であるとかように考えております。
 それから今度は、産業教育を行なっておらないいわゆる普通科だけの高等学校はどうするかという問題でございますが、もちろん教職員の給与というものはいまのままでいいとは考えておらないので、もっともっと待遇をよくし、ほんとにりっぱな有能な士を教育界に求めなければいけない。そのためには当然待遇をよくしていかなければならないので、したがって一般の高等学校、普通科の高等学校においても十分そういう待遇改善をすべきであると、かように考えております。ただ、こういう学校があるわけです。普通科の高等学校とそれから産業教育と併科しておる総合高等学校があるわけでございますが、この産業教育、たとえば農業科と普通科と持っている学校がありまして、農業科のほうの教育をしておりますところの、一般教科を持っている先生も含めてこういう手当を支給する。そうすると、そうでない普通科だけの高等学校はどうするかということでございますが、われわれの気持ちとしては同じようにそういう学校に上げたいのでありますが、しかし、これをやっていきますというと、いますぐということにはなかなか相ならぬと思いますので、現在の段階においては一応産業教育をやっておる学校の中において、産業教育に従事しておる教員、それから普通科を教えている教職員というものも同じように待遇をしていくという考え方で、将来はまたさらにそれを一歩進めていかなければならない。いまはそういうふうに考えております。
#144
○委員長(久保勘一君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#145
○委員長(久保勘一君) 高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましてはすでに提案理由の説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 政府側から宮地初等中等局長、望月高等学校教育課長、安井大蔵省税制第一課長、以上の方が出席しております。
 質疑の申し出がございますのでこれを許します。田村君。
#146
○田村賢作君 時間がだいぶ切迫しておりますが、質問も簡潔にいたしますので、答弁もできるだけ簡潔にお願いいたします。
 最切に、これは大臣に申し上げたいことなんですが、定時制、通信制教育というものが戦後初めて立法化されて約二十二年になるわけですが、このことは戦後の学校教育制度の中で最も高く評価さるべき進歩的な制度であったし、またその効果も非常に大きかったと思うのでありますが、しかしなが、定通制度というものの運営には非常に幾多の隘路があります。いうなれば、定通教育というものを社会がどう受けとめておるかということからいたしましても、定通教育の職員の配置が全日制教育と比べるとその組織が弱体化している傾向がある。あるいは施設設備等においても全日制の高等学校と同列に尊重されていないうらみもある。こういうことで定通教育を推進をするということは、幾つもの困難を切り抜け切り抜け進んでいかなければならないのでありますが、特に文部省は、あるいは各都道府県教育委員会等は、いわゆる行政機関が定通教育に対しそのような姿勢でいくのはまことに困ることなんだが、しかし、現実は否めない事実であるというふうに私は思う。
 そこで、文部省もぜひそういうような考えがあったとするならば是正してもらわなければならぬことなんだが、きょうは大臣がおりませんから局長から定通教育に対する文部省の姿勢というものをはっきり打ち出してもらいたいと思います。
#147
○政府委員(宮地茂君) 定時制、通信制の高等学校につきましては、実態は全日制の昼間の高等学校に種々の、とりわけ経済上の理由が強うございますが、そういうところへ行けない勤労青年に後期中等教育をぜひ受けさせてやりたい、こういったような考え方からこの定時制、通信教育の高等学校制度が戦後できたわけでございます。
 そういうような観点から文部省といたしましては、この間に差別をするというような考え方は毛頭ございませんで、むしろ定時制等に行っております生徒には、夜間夜食の補助とか、あるいは運動場、照明施設に対する補助といったような、昼間の全日制高校にはない特別な措置も講じておる次第でございます。したがいまして、文部省の姿勢ということでございますれば全然全日制高校と区別するつもりは毛頭ございません。ただ世間一般の評価というものが、遺憾ながらわが国では昼間の学校を出たものを重視し、夜間部を出たものは、これは高等学校に限りません、大学の夜間部等は何となくこれを差別扱い、差別視するような風潮がまだ一部に残っております。そのことは事実だと思います。したがいまして、そういうような実態を十分私どもも頭に置きまして、たとえば、就職の問題等につきましては財界で、企業のほうで定通の卒業生を差別扱いするのを、全日制と同じように取り扱ってやってほしいということを毎年企業側にお願いしておるというのが実態でございます。
#148
○田村賢作君 局長がいま最後に言ったことは、私が第二番目に聞きたいことなんですが、すべて人間は差別をしてはならないことは憲法が明記しておるとおりでありますが、事実はなかなかそう簡単にいってない。先ほどのように、定時制で勉強した学生というのは、昼間の労働に耐えつつ、なおかつ勉学するけなげな青年であります。にもかかわらず、これを迎える求人者側というものは必ずしもそのけなげな精神を買ってくれない。
 そこで、いままでの例から見ると、たとえば企業側が人を入れる場合に、募集広告のときから定時制卒業者を除くというような差別をしておった傾向がある。前に、池田内閣のときに池田総理がこのことに非常に思いをいたして、実業界に向かって全・定の差別を撤廃、全・定の差別をつけてはならないと、こういうので強く呼びかけたことがありますが、文部省もその差別撤廃についていろいろ努力をしてきたことだと思うのでありますが、これについて具体的にどのような働きかけをしてきたか、また、その働きかけをしてきたその後の結果はどういう結果になってまいったか、どういう傾向になってまいったか、これをお聞きします。
#149
○政府委員(宮地茂君) 文部省といたしましては、次官の依頼、それから局長からの依頼を毎年全国の事業主に出しまして、特に高等学校卒業者に対する就職の機会供与に当たっては、定時制の課程及び通信制の課程の卒業者と全日制の課程の卒業者との間に差別的な扱いがなされないように格段の御配慮をお願いしますということを、毎年これはお願いいたしておりますし、また一方、中央にございます日経連、経団連の幹部の方々と、あるときは大臣も出たこともございますが、次官なり関係局長等で毎年一回程度はそういう会合ももちましてお願いもいたしておる次第でございます。また、都道府県教育委員会につきましては、同趣旨のことを申しまして、県の教育委員会から県下の事業主にそういう点をお願いしておる次第でございます。
 その結果どのようにになったかということでございますが、私どもは、夜間部と昼間部、大学と高等学校を通じまして区別をなくしてほしいということを機に触れ非常にお願いしておりますが、それだけのためによくなったということではないと思いますが、一応出ております数字を見ますと、これは日経連の調査でございますが、いまお尋ねの定時制の高等学校生徒に就職試験の機会を与えないというのが昭和三十八年に、これは日経連が九百十五社について抽出調査しました結果ですが、約半数は受験の機会を与えないということになっておりました。その後だんだんとそれが減りまして、しかも非現業と現業で違うんでございますが、いま四十一年までの調査しかございませんが、四十一年では、非現業ではやはり与えないというのが四八%で、現業は、少のうございまして、二七%が受験の機会を与えない、平均いたしまして三七%がまだ受験の機会を与えていないようでございますが、三十八年の五〇%から十数%は受験の機会を与えるようになっております。年々いい方向に向かっておりますが、それにしましても、まだ三〇%余りは受験の機会を定時制の卒業生に与えていないというのは非常に私ども残念でございます。今後とも同一に扱うように従来以上に声を大にして関係者にお願いしたいと思っております。
#150
○田村賢作君 年とともに高等学校に対るす進学者の率が非常によくなって、まことに喜ばしいことだと思いますが、最近の統計、まあ前年、昭和四十三年の三月の例をとってみると、大体中学の卒業生の何%くらいが高等学校に進学をするか。そのうちで全日制に進学をするのは何%くらいであるのか。定時制に進学をするのが何%くらいであるかということと、定時制に進学をする率というものは増加の傾向にあるか、減少の傾向にあるか、この点をお伺いします。
#151
○政府委員(宮地茂君) 四十三年度の中卒者は百八十四万人でございます。で、百八十四万人のうちの七八%に該当します百四十三万人が高等学校に進学いたしております。その百四十三万人のうち、九二%に当たります百三十二万人は全日制、八%に当たります十一万人が定時制の高等学校に進学いたしております。なお、この定時制と全日制の比率は、漸時定時制のほうが減りまして、全日制の率がふえております。
#152
○田村賢作君 その定時制の率が減ってきた原因がどこにあるか。文部省としてどのような調査をしたかわかりませんが、大体先ほども申し上げましたように、定時制の生徒というものは勤労しながら勉学をするので、非常にきびしい生活と戦っているわけであります。したがって、これらの学生の勉強の条件というものは、できるだけあたたかく見守ってやり、整備をしてやる必要がありますが、しかし、一定の職業について勤労に従事している者でありまするから、使用者側あるいは雇用者側が十分それに対する理解と協力がないと、なかなか十分な勉強の条件というものが生まれない。最近特に中卒で就職をする者の数が激減をしている。新聞等では中卒者は金の卵だと言って宣伝までしておりますが、その金の卵を手に入れるためにやっきになって企業者側、求人側が人を雇い入れますが、さて雇ってみると、金の卵を金の卵扱いにしない、ただの卵の扱いをいたすわけであります。ですから、なかなか定時制高校に進学しようと思っても思いとどまる者が相当あるのではないか。こういうことが先ほどの調査に出てくる定時制に進学をする者の率が減ってくる傾向につながっているのではないかという考えもありますが、これを解消するために、これは提案者の法案の内容にもあるのですが、雇用者は定時制高等学校に就学をしておる、勉強しておる学生に対しては勤務の条件を緩和してやる、改善してやるというような措置をとらせるべきではないか。たとえば四時に仕事が終われば高等学校に通えるのだが、五時までやったんでは高等学校に通えないと、こういう若い青年がいるわけですが、こういうものも四時に勤務が終わるような措置をとってやるというようなことを企業側に奨励をする。義務づけることができればこれにこしたことはない。ただし、これについては企業者側といえども労働に対する報酬を払っているのでありますから、これは無条件ではなかなかそういうことも容易に行なわれにくい。そこで、そういうことを実施している企業者に対しましては、税制の面からこれを減税措置をとるというような恩典をやるならば、企業者も納得の上でそういう措置がとれるのではないか。こう思いますが、きょうは安井税制第一課長が来ておりますから、安井課長からこれらの問題について、大蔵省の考えているというとちょっと言い過ぎになるかわかりませんが、考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#153
○説明員(安井誠君) いまお話にもございましたように、定時制高校の学生が働いておりますために非常に努力をしておるということはお説のとおりだと思います。私ども税制の方面におきましても、現在勤労学生控除というものを設けておりまして、ことしも税制改正でこの控除額を八万円から九万円に引き上げました。給与の収入金額を申しますと、大体四十二万円ぐらいまでは所得税がかからないというような措置になっているわけでございます。いまお説にもございましたように、税制でその雇用の機会を進めることを考えたらどうか。一つの御議論だとは思います。ただ、私ども非常にいろいろこういう議論をいたすわけでございます。一つの政策目的を達成いたしますときに、財政上の援助措置を与えるべきであるか、与えるべきでないかということをまずやはり議論をしてみなければならぬだろうと思います。その次に、財政上の措置を与えるといたしましたときに、税制上の恩典を与えるのが妥当なのか、あるいは補助金、つまり財政支出面を通じます措置を与えるのが妥当なのか、この二つの選択があるだろうかと思います。
 それで、実は昨年、自民党の税制調査会におきましても、身体障害者を一定率以上に雇用した場合には、その企業に対して税金上の措置を講じたらどうかというお話があったわけでございます。その際、だいぶ議論をいたしたわけでございますが、私どもといたしましては、もし税制でこれをかりにするということになりますと、あくまでも法人税でございますと、法人税を納めている企業にしか影響がないわけでございます。たとえば、赤字企業というものも相当ございますし、さらには公益法人、その他のものも相当の雇用の機会も持っているものもあるわけでございまして、どうも税制として利益もあげている企業にだけその雇用の機会の促進を与えるという議論もはたして、税制としてはいかがなものかという議論をいたしたわけでございます。それで、むしろもし財政上の援助をするとすれば、補助金の支出ということになろうかと思うわけでありますけれども、御承知のように、補助金ということになりますれば、他の補助金との優劣、順序、その他もあろうかと思います。それからまた、いま先生のおっしゃっておられますのはそういう趣旨ではないかと思いますが、この身体障害者の場合には、補助金が出るのが実は一番望ましいのだ、望ましいのだけれども、補助金というものはなかなか出せない。ほかの要請、その他があって出せないから税制でめんどうを見たらどうかというお話があったわけでありますけれども、私どもといたしましては、補助金を出す効果と、税制上の措置をとる効果というものは、国の財政面からみますと同じなわけでございまして、補助金を出すに値するという価値判断がそこで行なわれるものでなければ、税制としてはその点いかがなものだろうかというような議論をしたわけでございます。
 それで、先生のおっしゃるような御趣旨、私どもも定時制高校の学生に、なるべく早く勤労時間を短縮して、あと十分勉強してもらいたいという御趣旨は全く同感なんでありますけれども、しかし、税制として、これを直ちにできるかどうか、その辺いま申し上げたような議論もあるということを申し上げさしていただいたわけでございます。
#154
○田村賢作君 それは減税であろうと、補助金であろうと、そういうことが見られれば、意味は同じだ。だから、早くできるならばやってほしい。
 それから、その次は学生、生徒も非常に悪条件の中に勉強をしておるということを申しましたが、これは生徒ばかりじゃなくて、定時制に勤める教職員も同様、これも提出された法案の中にそのことを強調しておりますが、非常に悪い条件の中に勤務しておるわけでありますが、そういうことをカバーする意味でもあろうかと思うのですが、定時制、通信制教育に従事している者に定通手当を支給しておる。ところが定通手当は現在七%の支給であるが、この七%という支給を私はこの他の手当全体とのバランスからみても適当ではない。むしろこれは一〇%に引き上げるべきじゃないだろうかと考えるわけであります。これは全国定時制通信制教育振興会という団体がありますが、その団体でも毎年このことを政府に訴えている。だが、なかなか実現できない。先ほど産業教育手当の問題が出ましたが、聞いていると、一体産業教育手当というものの意味はどういうものであろうかということを聞きながら私は考えたのですが、定通手当というものは、これはまぎれもなく、またえこひいきなく、定時制という一つのアブノーマルな教育条件の中に勤務をしているのでありますから、少なくともこれらの職員には、七%でなく一〇%の手当を出すべきじゃないだろうか。朝めしは一緒に食べられる人も、食べられない人もあるだろうが、おそらく家族とは別個の生活をしています。それから、夕飯のだんらんを家族とともにすることもできない。全く片寄った生活をしておるわけですが、そのための経済負担もまた大きいわけであります。したがって、ほんとうにこの定通教育を振興させると、前向きにやっていくのだ。自分ならばこの手当等も一〇%程度を引き上げるべきである、こう思いますが、文部省の考え方をお聞きします。
#155
○政府委員(宮地茂君) 手当が七%がよいか、一〇%がよいか。これこそあまり科学的に、午前中の一学級四十五人がよいか、何人がよいかと言った以上に、七%か一〇%かというのを科学的に説明するというのはなかなかむずかしいと思います。ただ、そういう場合も、いろんな諸手当とバランスをとってやるということが、一面において必要であろうかと思います。したがいまして、定通手当だけどうということにもまいりませんし、産業教育手当、定通手当関係とのバランスをどうするか、あるいは晩めしも食べないで、定通――定時制は、特にいわゆる夜間部の学校、こうなりますと、大学の夜間部の先生にも同じことが言える問題でございますし、私、一〇%にしてやったらということに対しましては、確かに一つの御意見であり、特にそれは一〇%がいけないで、七%でなければいけませんというような考え方は毛頭ございません。ただ、その他の手当とのバランスをやはり十分考えて、そのためには十分バランスを失しないだけの調査もし、データも整えて、一つにだけ濃く、他のものに薄くということにならないで、みんなが納得のいくような方向で少しでも前向きに、金額がふえるということは文部省としても異論のないところでございます。
#156
○田村賢作君 七%がいいか一〇%がいいかなんということは、議論の余地がないんで、出ないよりか出るほうがいいんです。少ないよりは多いほうがいいにきまっている。だから、一〇%程度出すのが私はバランスのとれた手当だということを言っているのであって、まあ文部御当局も十分ひとつ御研究をいただきたいと思う。
 その次には、これも先ほど局長が答えましたが、定時制だからということでいろいろ配慮をしている、給食もやっているし、夜間照明もやっていると言う。これはあたりまえなんですよ。昼間は照明しないったって、ちゃんと照明が出ているんだから、こんなことはあたりまえなんで、やっているからって恩典にはならないんです、これは。私は長いこと定時制で勉強している生徒の勉強ぶりを見て回ったことがある。いまだから給食がたいへん普及しておるんだが、いまから十二年前、十五年前はまことにみじめだった。生徒が職場からすきっ腹をかかえてかけ足で学校へやって来て、来るとすぐ勉強なんです。それで、夜の九時半あるいは十時まで、あの寒い中で、照明も全くあの当時は薄暗い、教科書の文字さえさだかに見えないような照明の中で勉強をした。しかも、すきっ腹をかかえて勉強する。すきっ腹をかかえて、寒い中で勉強していた。それから帰るのだから、うちへ帰って夕食をとるのは十時半か十一時になってしまう。そうして、あしたまた八時半から勤務につくという、こういうきびしい生活をしているわけです。で、私は、あの生徒たちにあたたかいうどん一ぱいでもいいから食わしてやったらいいじゃないかと、こういうのですすめまして給食施設をつくっていただいたことがあります。で、粉乳がまずいのうまいのと、ぜいたくなことを言いますが、あの当時はあたたかい粉乳一ぱいがたいへんな喜びなんです。ですから、この給食施設をつくるなんということは、決してこれは特別な恩典ではないんですよ。最近、非常に施設もよくなったがまだ十分でないということは冒頭に申し上げたとおりですが、この設備について、どういう努力をし、なお、今後どのようなことに構想をもっているか、お聞かせを願いたい。たとえば給食制度が何%いっているか、完全給食が何%いっているか、完全給食を全部にするためにはどうするかという、あるいは照明にしてもそうだ、教室の照明もあるいは運動場の照明も同様、あるいは冷・暖房――冷房というより、暖房ですね。冬の寒い中で勉強しているんですから、この暖房はぜひ推進してもらいたい。それから図書室とか、各種の体育施設とか、こういうものについてどういう構想で今後これを整備する考えか、それをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#157
○説明員(望月哲太郎君) ただいま先生から御質問のございました点は、体育局あるいは管理局等に関連をすることでもございますので、私のほうからお答えできる範囲で現状を御説明さしていただきます。
 一つは給食のことでございますけれども、現在完全給食をやっております学校が、これは四十三年五月一日現在でございますが、四百九校、二七・四%。それから補食給食をやっておりますところが九百二十校、六一・八%。ミルク給食が四校、〇・三%。給食を実施しております学校が千三百三十三校でございまして、八九・五%。未実施校が百五十六校でございます。
 それから夜間照明のほうは、現在夜間照明施設を持っております学校が五百三十校でございまして、普及率は三五・三%でございまして、これにつきましては、今後生徒数、百人以上のすべての学校に夜間照明施設を整備するために三カ年計画で四十四年度から整備をはかっていくという予定にいたしております。
 なお、体育施設につきましては、屋内体育館につきましては、定時制高等学校につきましては、新設の場合でも国庫補助をするというような特別な配慮をいたしております。
#158
○田村賢作君 いまの完全給食二七%だというのですがね、まことにこれはりょうりょうたるものです。ぜひこれを早急に全部に推進ができるように御努力を願いたいと思います。
 次は、大体定時制の学校というのは、全日制の高等学校に間借りをして入っているわけですが、校長は全日制の校長が定時制の校長でもあるわけです。したがって、校長は昼間全日制の校務に専念して、夜また定時制の校務に勤務しなければならない。非常にこれはオーバーワークであります。したがって、おおむねの学校で校長は毎晩出勤していないのじゃないかと、こう思うのです。教頭がいるかというと教頭もいない。だれがいるかというと定時制主事というのがいる。ところがこの定時制主事というのは、校長の権限も教頭の権限もないと思うのだが、一体学校の運営、管理というものに、その責任者が勤務についておらないということを不自然に思わないかどうか。また、それを解消するためにはどうすればいいか。少なくとも校長の権限を代決できる者を置くべきじゃないだろうかと思うのです。それにはいまの定時制主事を教頭に任命をし、教頭であり主事であるというような形にするか、どういう形か、この管理、運営上の責任を負える者がいないということは制度上片手落ちじゃないかと思う。そこで、この管理の体制からこれらの高等学校の組織、校長、教頭、主事の関係というものを明らかにし、遺漏のないようにするためにはどうしたらいいか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#159
○政府委員(宮地茂君) 現在学校教育法施行規則におきまして、定時制の課程、通信制の課程にはそれぞれ主事を置く。で、その主事は、校長の監督を受け、その課程に関する校務をつかさどる。また、その主事はその課程に属する教諭をもってあてるといったようなことが学校教育法施行規則に書かれてございます。ただ御指摘のような点もございまして、この定時制主事、できることでございますれば、独立の定時制の学校をつくって、独立の校長のみならず、そういう主事ではなくて、校長なり教頭なり教員なりという者が独立に置かれるということが一番理想的な形であろうと、こういうふうに考えまして、私ども四十二年度から大体二ヵ年間にわたって約一校七千万円ばかりの補助金を出してこういう定時制、通信制併置の独立のモデル校を各県に推奨いたしております。今日まで四十二年から六校補助金を出してつくっておりますし、また来年も三校を予定いたしております。ところが、そう申し上げましても、やはり実態はなかなか財政上の問題あるいは教職員の問題いろいろございまして、にわかに独立校になることもむずかしゅうございます。そういう観点から現状におきまして、この定時制主事というものを、やはり職務なり地位というものを明確にしてやる必要があるんではないか、施行規則のあたりでそういうことを書くのではなくして、機会があれば法律ではっきりそういうことを明記してやるべきではないか、そのように考えております。その場合まあどういう位置づけがよいか、独立の学校でございますれば別ですが、独立していない以上、やはり全日制の学校に併設するとすれば、校長というものがやはり一人になりましょうし、したがいまして、その下に位するわけでございますので、教頭といったような名称がどうであろうか、まあその定時制の課程に関する校務を分担して整理するという教頭を置くのも一つの方法ではなかろうか、そのように今日のところ考えております。
#160
○田村賢作君 これで最後ですから簡単にお伺いいたしますが、いまモデル校を全国で六つつくったと、昭和四十四年度に三つつくると九校になるかと思いますが、これらのモデル校につくった学校の実情というものはどんな成果を収めているかということが一つ。それから独立校だといっても全日制の校舎の中に独立した校長だけを任命して、学校が独立していると、こういう場合もある、これは完全な間借りです。非常に紛争を起こしやすい。それから名実ともに施設設備、校長以下教員全部が完全に独立している場合とあると思いますが、できるならば、完全な独立した高等学校にしてほしいわけだが、しかしながら、地方財政との関係があるから一挙にこれを進めることはできないが、できるだけこれを推進してもらいたい。文部省としてもこれを推進してもらいたい。いま全国に完全に独立をした定時制高等学校がどのくらいあるか、もしおわかりだったらお聞かせ願いたいし、きょう数がわからなかったらあとでもけっこうですが、お聞かせを願いたい。きょうお聞かせをいただきたいのは、モデルケースとしてつくったいわゆる六つの高等学校の成果がどうであったかということをお聞かせを願いたい。
 冒頭に申し上げましたように、定時制教育というものは特別な事情のもとにあるのでありまするから、親のすねをかじって勉強するはずの学生がボウリングに行っていたり、マージャンをやっていたり、あるいは暴力を働いておったりというような学生が多い中にあって、こういう悪い条件の中に、きつい条件の中に勉強する学生に対する文部省の思いやりのある政策というものを強力に推進をしてもらいたいということを希望につけ加えまして、私の質問を終わります。
#161
○政府委員(宮地茂君) 四十二年から始めました一年度三県三校の独立のモデル校につきましての成果でございますが、実は四十二年度に岩手、和歌山、鹿児島、四十三年度に神奈川、富山、愛知、こういう六校に補助金を出しまして、これはいずれも二年間で一校当り七千万円の補助ということで、その補助対象としましては、校舎、屋内運動場、寄宿舎、食堂、給食施設その他理科設備等でございます。したがいまし、これらは開校しましたときに、補助金をもらってそれから後にりっぱに開校ということじゃなくて、仮校舎で発足して、四十二年から発足して、四十二、三年と補助金を国も出して、その間に施設等を整備するということになっておりますので、四十二年から発足しまして、独立のりっぱな校舎に入って授業を始めたというのは、四十二年度に岩手、和歌山、鹿児島が、これらが四十三年度の終わりごろからでき上がった校舎で授業をやっておるということでございます。したがいまして、いまここでこういう成果があがりましたと申すにはまだ日にちがございませんので、取り立てて申し上げる成果はいまのところございません。
 なお、この形式的に独立ではあるが、校長だけが別で、教員なり校舎は併用しておる、こういったものが四十三年度では二百四十三校でございます。それから完全に独立しておりますのは、十分責任を持ってお答えできる数字をいま持っておりませんので後日資料として提出さしていただきます。
#162
○委員長(久保勘一君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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