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#1
第061回国会 文教委員会 第19号
昭和四十四年六月二十六日(木曜日)
   午前十時十二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         久保 勘一君
    理 事
                楠  正俊君
                田村 賢作君
                安永 英雄君
    委 員
                小林 国司君
                大松 博文君
                中村喜四郎君
                永野 鎮雄君
                秋山 長造君
                川村 清一君
                鈴木  力君
                内田 善利君
                萩原幽香子君
                小笠原貞子君
      発  議  者   安永 英雄君
   国務大臣
      文 部 大 臣   坂田 道太君
   政府委員
       文部省大学学
       術局長      村山 松雄君
       文部省管理局長  岩間英太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十四年度における私立学校教職員共済組
 合法の規定による年金の額の改定に関する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○国立学校設置法の一部を改正する法律案(安永
 英雄君外一名発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久保勘一君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 昭和四十四年度における私立学校教職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府側から提案理由の説明を聴取いたします。文部大臣。
#3
○国務大臣(坂田道太君) このたび政府から提出いたしました昭和四十四年度における私立学校教職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 私立学校教職員共済組合は、御承知のように、昭和二十九年一月に、私立学校の教職員の福利厚生をはかる目的のもとに私立学校教職員共済組合法によって設立されたものでありますが、自来、本組合が行なう給付については、国・公立学校の教職員に対する給付の水準と均衡を保つことを建前とし、逐次改善が進められ、現在に至っております。
 しかしながら、既裁定の年金額及び昭和三十六年十二月三十一日以前のいわゆる旧法期間の年金額等において、国・公立学校の教職員と比べてなお不均衡な部分がありますので、今回これらの点を改善するため、この法案を提出することといたしたものであります。
 次に、この法案の概要について申し上げます。
 第一に、国・公立学校の教職員の既裁定年金につきましては、過去数回引き上げが行なわれてきております。しかし、私立学校の教職員の既裁定年金につきましては、一度もこのような措置がとられておりませんので、この不均衡を是正するために、今回国・公立学校の教職員の既裁定年金の引き上げに準じて、次のような改善を行なうことといたしております。
 まず、私立学校教職員共済組合法の規定による年金につきましては、その計算の基礎となっている標準給与の額に、その標準給与が適用されていた期間に応ずるそれぞれの改定率を乗ずることによって、昭和四十四年十一月分から、年金額の引き上げをはかることといたしております。また、これに伴って、旧私学恩給財団の年金につきましても相応の引き上げを行なうことといたしております。なお、他の共済制度と同様、既裁定の退職年金及び廃疾年金の最低保障額を現行の六万円から九万六千円に、遺族年金の最低保障額を三万円から四万八千円にそれぞれ引き上げることといたしております。
 第二に、旧法期間の年金及び一時金の額を計算する場合は、国・公立学校の教職員につきましては最終俸給額を基礎といたしておりますが、私立学校の教職員につきましては退職前三年間の標準給与の平均の額、すなわち、平均標準給与の額を基礎といたしておりますので、この不均衡を是正するための率を政令で定め、この率を旧法期間の年金及び一時金の額を計算する場合の平均標準給与に乗ずることといたしております。
 第三に、他の共済制度の例に準じて、給付等の基礎となる標準給与の月額の下限を現行の一万二千円から一万八千円に、上限を現行の十一万円から十五万円に引き上げることといたしております。
 最後に、この法律の施行日につきましては、厚生年金保険における年金額の引き上げが本年十一月一日から実施の予定であること及び準備の期間等を考慮し、既裁定年金の引き上げ及び旧法期間にかかる給付の改善については昭和四十四年十一月一日とし、既裁定年金の最低保障額の引き上げ及び標準給与の月額の上限・下限の引き上げについては他の共済制度の例に準じて昭和四十四年十月一日といたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#4
○委員長(久保勘一君) 以上で、本法案についての提案理由説明聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(久保勘一君) 国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。政府側から坂田文部大臣、村山大学学術局長、以上の方々が出席いたしております。
 質疑の申し出がございますので、これを許します。楠君。
#6
○楠正俊君 最初に文部省にお尋ねいたしますが、戦前学校看護婦というのがあって、それが廃止されて、昭和十六年に養護訓導というのが制度化されて、それから戦後養護教諭という制度が、これは全校必置制ということが規定されたのですが、このそれぞれの違いはどういうところに、看護婦と養護訓導とそれから養護教諭と、その、制度的な違いというより内容、働きの違いといいますかね、役割りの違い、それはどういうところにあるのか、なぜ看護婦じゃいけなくて訓導にして今度教諭にしたのか。そのあたりのことをまず最初に御質問申し上げます。
#7
○政府委員(村山松雄君) ただいまの御質問に対しまして私十分お答えをなし得る立場に必ずしもないわけでありますが、養護教諭の養成のほうを担当しておる関係でまあ関連して若干御説明もなし得るわけでありますので、そのような意味で申し上げますと、まず学校看護婦というのは、名前が示すように学校に置かれる看護婦、学校においては未成年の児童生徒がおるわけでありまして、教育活動が多角的になっておりますので、健康上の注意も必要でありますし、また若干の疾病負傷等に対する、まあ学校医というのはおりますけれども学校医なるものは非常勤であって常時学校にはいないと、そういう場合に、学校管理下におけるそのような児童生徒の健康の管理あるいは負傷疾病に対する看護的な手当てをするために必要な職員として学校に配置された看護婦ということであったろうと思います。そこで、そのような職務を遂行するために学校に置かれるものが、基礎的な要件としては看護婦としての資格、技術、訓練といったものが必要でありますけれども、学校においてもっぱら生徒・児童を取り扱うということから、教育的な配慮、識見、知識といったものも必要である。それからまた学校に置かれる職員としては、事務職員、技術職員を除けば教員でありまして、これはまあ戦前、小学校の場合には訓導、中学校の場合には教諭ということであったわけでありますが、小学校の場合学校に置かれる職員として養護、看護というようなものをつかさどるもの、あるいは教育をつかさどるもの、立場は違いますが、扱いについてはなるべく近い扱いにしたほうがよかろうということからいたしまして、学校看護婦にそういう教育的な配慮を加えて、職名も養護訓導というようなことに改めたのだろうと思います。それからまた戦後になりまして、学校教育法ができて学校の職制がきめられたわけでありますが、その際さらにそういう考え方を一歩進めまして、養護教諭、これはもちろん養護をつかさどるわけでありますから、その基礎的な素養といたしましては看護婦的なものが必要であります。資格要件にもそのようになっております。看護婦、保健婦といったものを基礎資格とする資格取得の態様もございますし、あるいは学校において直接養護教育に関する専門的教養を中身として直接資格を取得する道もありますし、そういう資格取得の道からいたしましても複合的な形で、それから職務の態様にいたしましても、教育的配慮を頭に置きながら、養護をつかさどるというようなことから養護教諭という職名並びにその職務の態様が定められたもの、かように承知しております。
#8
○楠正俊君 看護婦の資格を持っているものは、四年制の大学のほうですね、あれを受けるためにはやはり四年間やらなければいかぬのですか。
#9
○政府委員(村山松雄君) 御質問の趣旨がつかみかねるわけでありますが、現在の教育職員免許法のたてまえからいきますと、看護婦の資格を有するものは若干の教職に関する単位を付加することによって養護教諭の資格がとれることになっております。必ずしも大学に進むことを要しません。また、看護婦の資格を持つものが大学に進学するためには別途大学入学資格が必要になってくる、こういう関係だろうと思います。
#10
○楠正俊君 まだ養護教員を置いていないところで、それにかわって養護職員というようなものがかりに置いてあるところがあるんでしょう。そういうものには昭和四十年度から資格付与講習会というものを開催して資格を付与するということになると、何も資格もないものが、かりに養護を担当しているという現実があるわけですか。
#11
○政府委員(村山松雄君) いわゆる養護職員というのは、一つは資格の関係、もう一つは定数の関係で、県費負担以外で市町村費等で、資格が必ずしも十分でない、まあ資格のあるものも定数の関係で養護職員になったものもありますし、資格がなくてやむを得ず養護職員になったものもございますし、そういうものが、たしか昭和四十年当時には八千人くらいおったように承知しております。そこで、まあ養護教諭の充足を積極的に行なう場合、考え方といたしまして養護教諭の義務の重要性からいたしまして、十分に資格のあるものをもって充てる。そのために養成を積極的にはかるということも必要でありますが、現実のことを考えますと、現におる養護職員の中で資格があるものについては定数を考慮することによってこれを定数内養護教諭に切りかえることが望ましいわけでありますし、それから資格のないものにつきましても、資格を取得する意欲、能力のあるものについては、これを適当な方法で資格を取得せしめ、定数上の配慮、人事上の配慮をあわせ講ずることによりまして定数内職員にすることが望ましいわけでございます。その資格取得のために文部省では計画的な講習会等を行なって、それから初中局においては逐次定数上の配慮、それから人事行政上の配慮も教育委員会に対して指導しまして漸次切りかえつつございます。ただ、これは本人の意欲、能力並びに定数、人事という関連がございますので、全員切りかえができるかどうかについてはなお確定的に御説明できかねる点がございますが、先年来漸次やってまいっておりますので、意欲、能力、資格あるいはそれからまた雇用者側でやれるものについてはほとんど全部切りかえができるものと考えております。
#12
○楠正俊君 現在あるその養成機関で、大学と短大と国立の養護教諭養成所と文部大臣が指定する養護教諭養成機関とそれからいまの講習会ですね、そういうところを出たものが養護教諭になっていく、就職していく、その数わかりますか。
#13
○政府委員(村山松雄君) 最近の実績で申し上げますと、大学、短期大学では、これは養護教諭養成だけを目的としていないで、たとえば保健学科でありますとか、あるいは家政学部でありますとか、あるいは中学校教員の養成課程だとか、そういうところで養護教諭の資格も得られるような教育課程ができておるわけでありますので、その卒業生がすべて養護教諭たることを目的としておるわけではありませんので、免許状取得者から申しますと、昭和四十三年三月現在で大学、短期大学卒業者で免許状を取得したものの数は千二百六十五名ございます。このうちで小・中学校に就職したものは四百六十六名ということになっております。約三分の一が小・中学校に就職いたしております。それから国立の養護教諭養成所につきましては、同じ時点で七十六名が免許状を取得いたしまして、小・中学校に六十五名就職しております。これは八五%程度の就職率になっております。それから指定の養護教諭養成機関、これを出ましたもので免許状を取得いたしましたものは、同じ時点で千二百八十八名となっております。これが就職者が四百四十五名ありますので、就職率は三四・六%ということになっております。それから養護教職員からの転換は四十三年には実績がないようでございます。一年前の四十二年につきましては五十五名、小・中学校の養護教諭になっておるようであります。これを除きまして四十三年の免許状取得者の合計は二千六百二十九名で、うち小・中学校就職者は九百七十六名、就職率が三七・二%ということになっております。
#14
○楠正俊君 大学の卒業生が養護教諭になるのは三分の一ぐらいしかない。これはどういう理由か。養護教諭に対する重要性の認識、これは非常に低いということか、現場でほかの教諭と比べて養護教諭が軽視されておるというか、地位が低いというようなことから、どうも就職したくない、ほかにいってしまうというような話を聞いておりますが、こういったことに対して今後どういうように対処していくかということについて、安永委員 にお願いいたします。
#15
○安永英雄君 確かにいまおっしゃったように生徒、児童の健康の保持、増進、こういった問題について崇高な、そして重要な任務があるという認識が、これは行政当局あるいは一般にもそういった認識が低いという点、これが大きな原因だろうと思いますし、さらにやはり公務員もそうでありますが、特に養護関係の給与の問題、これあたりが非常に低いということも大きな原因じゃないかというふうに思われます。やはり認識の度合いが非常に低いという例で、いまも質問がございましたが、私もちょうど昭和十五年に師範を卒業いたしまして、十六年の切りかえのときには現場におったわけでありますが、いまもいろいろお答えがありましたけれども、あの当時の、これはちょっと話が別になりますけれども、関連がありますから申し上げますけれども、養護の看護婦さんというのが養護訓導に切りかえをした一番大きな原因は、あの当時のやはり軍国主義といいますか、大東亜戦争の非常に激しくなる当時で、大学では学校の軍事教練という時間が非常に増されたり、その当時国民学校に入って直ちにやはり体育という問題が非常に重視されて、体育の時間も増加されたと私は思っております。その当時やはりそういった国策に沿って生徒、児童の体育、重要な体育の面に携わる者が一教諭、看護婦さんではだめだということで、そういった国策の面から訓導というふうに切りかえられた大きな基本もあるわけです。したがって給与の面ではその当時あまり変わっておりません。ただ変わったのは町村の雇いということにほとんどなっておりましたから、これが県費に切りかえられた。市町村からもらわずに県から一般の先生方と一緒にもらうということだけが変わったということでありますけれども、しかし私はその当時現場におって、いまはもうなくなられましたけれども、年寄りの養護の看護婦さんが非常に張り切って、事実上名前が変わったというだけで質的には、内容的には変わってないのに、非常にやっぱりその使命を認識し、しかも他の見る目も、国も県もあらゆるところが自分の使命というものを尊重してくれているという気持ちから、非常にお年寄りでしたけれども、張り切られたということを私は覚えておりますが、そういった面のやはり外部からもこういった崇高な使命というものを認める、そのためにはやっぱり行政機関その他が十分なそういった者に適応する資格なり、あるいは給与、こういったものを伴わせるということが私は必要ではないかと、あるいはまた結論的に申しますと、やっぱり必置をしていない、どの学校にも養護教員がおらないという、そのことがやはり一番大きな原因なんで、おってもおらぬでもいいような役なんだと、学校の中における任務なんだというふうなことが非常に一般的に認識されておるというところから、やはり軽視と言ったり、大学を卒業してもこれに就職しない、こういった面があらわれておる。特に私は調査をいたしましたけれども、ひどいところでは必置されていませんから、一人の養護教諭が、多いところで七校、二、三校はざらにあります、教育委員会管内でいわゆる兼務をさせられておる。したがって一週間のうちに一校、一校一日ずつ回りながら、その学校の重要な任務をさせられておる。こういう実態からいって生徒の目も父兄の目もあるいは学校の中における職員も、一週間に一ぺんしかあらわれない、しかもなかなかまとまった実績というものがあらわれないわけです、常時おらないで、一週間に一ぺん来て、そしてやるというんですから。やはりそういった点も十分、兼務ということを解くためには必置ということが一番大きな要因ではないかというふうに考えておりますし、それから給与の面等につきましても、これは公務員全体が非常に低いんでありますけれども、特に教育職の四表、この中でも格差が出てきておるし、給与表の二表、三表、これあたりから一等級にわたる。こういったふうな制度も全くないわけで、したがって格づけされて非常に低い給与で養護教諭は押えられておる。こういった点の是正も早急にやらないといけないのではないかというふうに考えます。要するにここで提案をいたしておりますように、早急の問題としては、給与の引き上げという問題と全校にまず必置をするということが一番今後の対策として重要ではなかろうかと、こういう意味で提案をいたしております。
#16
○楠正俊君 ちょっと文部大臣にお伺いしますが、いま安永委員が養護教諭がほかの教員に比して地位が低い、軽視されておる、その根本的な原因として、法律では全校必置になっておるけれども、附則で当分の間これを置かないことができるとやっておりまして、この社会党の提案理由を拝見いたしておりましても、昭和四十三年で配置率は四〇・三%、それから義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準の改正の五カ年計画の終了年度である昭和四十八年度において養護教諭の配置率は五〇・四%だと、このような状態でずっといったら一体いつになったらその法律の趣旨がかなえられる、全校必置になるのか、その計画ですね。それについて大臣にお答え願いたい。
#17
○国務大臣(坂田道太君) この点につきましては、当委員会におきまして鈴木さんからも、あるいはその他の先生方からもしばしばお尋ねいただいたところでございますが、われわれといたしましては、やはり全校必置という一つの目標を立てつつ、同時に現実としてその養成計画と申しますか、それの度合い、あるいはまたその他の財政的及び定員等を勘案しながら漸次前向きに検討してまいっておるわけでございます。しかしながら、もうこのあたりでひとついま少しその歩幅を進めるような計画を立てなきゃならない時期にきておるというふうに考えておる次第でございます。
#18
○楠正俊君 前向きということはもう再三お聞きしておるんですが、四十八年五〇%、半分ですからね、前向きといったって相当な前向きでないと前向きと言えないわけでございまして、結局は養護教諭が必要であるという認識の度合いの問題だと思うんですね。そこをひとつ大臣、うんとおなかの中に必要だということの意味を認識されまして、前向きの上にも前向きでこれから考えて積極的に対処していただきたい、これはお願いでございますが、再三各党からお願いされておっても一向に進まないわけですから、その上にもなお私からもお願い申し上げて、安永委員に御質問申し上げますが、この短期大学は修業年限は何年というふうにお考えになっておられるのか。それからこういった養護機関はお医者さんの協力がなくちゃいけないわけで、この社会党提案の案を見ておりますと、必ずしも医学部がないところにも短大を置いていらっしゃいますが、そういう場合どういうようにされるのか、その点についてお答え願います。
#19
○安永英雄君 修業年限は一応、これは一応ということばをあえて使いますが、二年といたしております。さきにも申しましたとおり、本来ならば四年制大学での養成がこれは当然理想でございます。そうなければならぬと私は考えておりますが、当面そういった養護教諭の質というものを高めていくという問題と、いま御質問のございました早急に全校必置を実施するという、いわゆることばは悪いけれども急増ということで早急にいま考えなければならない時期でありますから、したがって、あえて二年制という問題を出しておりますのは急を要するという立場で、四年制での大学が理想でありますけれども、当面の問題として二年という年限を区切っておりますし、また、いまの教育職員免許法でも二年制短期大学卒業者でも二級免許状が授与されるということでありますから、将来この修業年限の延長ということを一応含めて修業年限は二年というふうに考えておる次第でございます。
 なお、御発言のとおり、当然養護教諭の養成機関におきましては、医学関係の教員というものが必要でありますが、この三十七の国立の教員養成大学、この所在地に医学部がないというところも確かにあります。で、私は全部に当たったわけではありませんが、この法律案の提案にあたって特に県庁所在地以外のところにある大学というものについて二、三調査をし、あるいはその当該の学校の責任者とも話し合ってきました。ここではやはり県立の病院あるいは日赤病院、こういったところから教員に該当する人を派遣してもらうということが私の当たった限りにおいては可能だというふうに考えまして、各県の中枢部にある国立大学、これの中でそういった関係者の協力を得るということは不可能ではない、非常にできる現実性があるというふうに、これは全般についての調査ではございませんけれども、当たった限りにおいてはそう確信いたしております。
#20
○楠正俊君 この案を拝見いたしておりますと、三十七大学に一挙に短大をつくる、文部省が一向にやらないものだから、こんちくしょうと思ってさっとつくったという何か政府に対するリアクションで一挙につくり上げてやるんだという意気込みはたいへんけっこうでございますが、その経費ですね、それから志願者の確保、それから卒業時の需給事情といったものはどういうことになるのか、その点について安永委員にお答え願います。
#21
○安永英雄君 結局、いま国立の大学に養成機関を設置してある以外の各県におきましては、この大学の中に養成機関を設置すべきだという提案をしておるわけでありますが、結局その原因は、八カ所しかございませんし、ブロック制になっている、そこに私はやはり何といいますか、生徒の募集というのが非常に少なかったり、あるいは各県でへんぱになっておるということが現在一つの問題である、そうしてやはり非常に魅力がない。千葉県にたとえば今度国立の養成機関ができたということについても、これは大体ブロックからいえば関東一円になるだろうと思いますけれども、これはあまり知らない、千葉大学にあるということを知らない、熊本の大学にあることを知らない、こういうことでなかなか応募する人がない。あるいはある県においては非常に養護教諭を養成したいということで、入学する人が県によって非常にバランスがくずれておる。こういったところが全校必置に向かう障害になっておる。あるいはまた全校必置でなくても、御存じのように現在の定数を文部省で決定をして各県に配分しましても、養護教諭がおらないから、定数はあっても教員がおらないという実にもったいない、予算はあるけれども人がおらないという、こういった状況も、ブロックになっているから、それに魅力がないし、またよく知らないという立場がありますから、どうしてもやはりこの点は各県の身近なところに、そうしてその県の需要供給と、こういった面も身近にあれば非常に明確になってくる、こういう面もねらいとして持っておるわけでありますから、おっしゃるようにこの志願者の確保という問題についても、いまでも非常に少ないのにどうだと言われますけれども、こういった法律ができて設置がなれば、私は相当な志願者の確保はできるというふうに考えています。これは一つの例でありますが、私学あたりの中でこういう養成機関、幾らでもあるわけです。要所要所にありますけれども、これがやっぱり国立という形の中で養成されるということになれば、いまでも私立のほうに行っておる人もあるんですけれども、これは相当な数は確保できるというふうに考えます。
 経費の問題でありますが、これは一挙に出しましたので、たくさん金がかかるということで無理ではないかという意味のことも含めて質問でもありますが、決して文部省にやけっぱちで私は当たっておるわけではございませんし、ほんとうにこれからかかって二年制の養成機関、学校をつくらなければ、これはとても全校必置などということは、私の計算では二十五、六年かかる、いまの調子でいけば。こういうことで、これは経費の問題は一にかかって文部大臣の決意にかかっておるのではないかということで、私がはっぱをかけるまでもなく、文部大臣としては当然の措置としてやらなければならないことではないかというふうに考えまして、もう精神ばかり説いたわけではございませんし、現実に必要だし、私も二、三の大学を回りまして、やはりこれについては、こういう養成はうちでも引き受けてもいい、ぜひやりたい、こういったところも私は当たったりいたしまして、非現実的な問題ではなくほんとうに現実的な問題でありますから、ぜひ通していただきたいと思います。
 それから需給関係につきましては、これは当然必置という前提に立てば、これは行政機関あるいは教育委員会とか、第一、文部省、こういったところで正数の是正をやっていけば、いまのところ当面は需要に追いつかない、こういった状態ではないかというふうに考えます。
#22
○楠正俊君 いま安永委員のお話を伺いまして、文部省としましては、いま文部大臣が前向きで今後考えていくんだということでございましたが、養成機関についてどういうような前向きの具体的な計画があるか、その点についてお答え願いましたら私は終わります。
#23
○政府委員(村山松雄君) 定数上の問題は別といたしまして、現在とられておりますところの基準改定、四十八年までの充足計画に対する養成といたしましては、最近認定課程もふえておりますし、それから養成所も若干ふやしまして、四十三年の需給状況は、先ほど御説明したとおりでございますが、将来の問題といたしましては、拡充による不足とそれから減耗の補充と合わせまして、おそらく毎年千二百名程度の需要が見込まれるわけでありますが、それに対して教員免許状取得者の数は四千名を越すということが見込まれております。現時点の拡充計画に対する養成はほぼ間に合っておる、さらに定数上の問題を進めるならば、養成計画としても、それに対応する策を立てたい、かように考えております。
#24
○委員長(久保勘一君) 本案に対する本日の質疑はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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