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#1
第061回国会 文教委員会 第21号
昭和四十四年七月三日(木曜日)
   午前十時三十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         久保 勘一君
    理 事
                楠  正俊君
                田村 賢作君
                小林  武君
                安永 英雄君
    委 員
                小林 国司君
                大松 博文君
                中村喜四郎君
                永野 鎮雄君
                平泉  渉君
                二木 謙吾君
                秋山 長造君
                川村 清一君
                鈴木  力君
                柏原 ヤス君
                萩原幽香子君
   国務大臣
       文 部 大 臣  坂田 道太君
   政府委員
       文部省管理局長  岩間英太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       大蔵省主税局税
       制第一課長    安井  誠君
       文部省管理局福
       利課長      石川 宗雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十四年度における私立学校教職員共済組
 合法の規定による年金の額の改定に関する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久保勘一君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 昭和四十四年度における私立学校教職員共済組合法の規定による年金の改定に関する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を続行いたします。
 政府側から坂田文部大臣、岩間管理局長、安井大蔵省主税局税制第一課長、以上の方々が出席いたしております。質疑の申し出がございますのでこれを許します。中村君。
#3
○中村喜四郎君 私は、この間の委員会において安永さんの質問、非常にいい質問で、私ども勉強させられて、大臣の答弁の中でも示唆に富んだ考え方もありまするが、それらの点について私の考え方を述べながら御質問申し上げたいと思うのです。
 第一番目には、私学の振興方策について、これは文部大臣にお伺いし、二番目に私学振興のための税制上の問題について大蔵省にお伺いし、それから第三番目には今度の共済法の問題点についてお伺いし、最後に、安永議員に対して文部大臣から、この間の大学のあるべき姿等について非常に示唆に富んだ御意見の開陳がございましたので、これらについてお伺いしたいと思うわけでございます。
 第一点の私学の振興、助成策についてお尋ねしたいのでございますが、まず第一に、私の求めました資料が誤まりでなければ、現在の私学の中で私は特に大学の問題から掘り下げていきたいと思うのですが、大学の全大学数というのは日本で八百四十五、そのうちで国立が九十八、公立が七十八、私立の占める数が六百六十九校、この中で私立の占める割合が、全体から申すと七〇・三%という率になろうと思いますが、これはいかがでしょうか。
#4
○政府委員(岩間英太郎君) 御指摘のとおりでございます。
#5
○中村喜四郎君 そうですか。そしてそれらの大学の全学生数というのは百五十二万五千、それが国立の場合が約三十万、公立の場合が六万五千、私立の学校が百十六万、こういう比率で、学生数から申しますと、私立の占める割合というのは七三・三%ということになろうと思いますが、これも間違いありませんか。
#6
○政府委員(岩間英太郎君) そのように私ども理解しております。
#7
○中村喜四郎君 そうしますと、これらの点を学校数、それから学生数の割合から見て、国が国立等に対するいわば助成措置というか、教育措置で国立関係で出している国の予算は総額で大体どのくらいになりましょうか。私のほうの資料で言いますと、大体大学、高専を含めまして、大学だけで四十四年度の国立学校の予算の総額というのは千四百九十七億というように考えられますが、それは違いましょうか。もっとありましょうか。
#8
○政府委員(岩間英太郎君) ちょっとあとで調べてお答え申し上げます。
#9
○中村喜四郎君 それじゃ私この点はあとで正確にお答えいただくとして、私立の大学等に対しては国はどの程度の助成措置をとっているか、まずお伺いしたいと思います。
#10
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま私立の学校に対しましては、私立大学の教育研究費補助、それから私立大学の理科等教育設備整備費補助、それから私立大学の研究設備整備費補助、大体大きなものはその三つでございますけれども、それに私立学校全般でございますが、私立学校の融資に対しまして国が出資金を出しております。それを含めますと、初めの三つの補助金で大体八十億、政府出資金十五億を加えまして大体九十五億というのが現在国から出しております金額の総額というふうになっております。
#11
○中村喜四郎君 その貸し付け金やその他のいわゆる財投関係のものは、それらを含めましてどのくらいになりますか。
#12
○政府委員(岩間英太郎君) 現在財政投融資資金からの借り入れを含めまして、私学振興会が私立学校に貸し付けをいたすことができます金額は、本年度三百四十億ということになっておるわけ下ございますけれども、その中には返還金、つまれ自己調達資金と申しますか、それも含まっておりますので、それを差し引きますと、財政投融資資金からの借り入れは二百三十億、それから政府…資金が十五億、合計二百四十五億というふうな数字になっております。
#13
○中村喜四郎君 財投を除いて、私立学校の教育のために国がいわゆる教育投資をしておる純然たる額というものを局長どんなふうに考えますか、どのくらいになりますか。つまり純然たる教育助成のために国が国家投資をしているものですね。
#14
○政府委員(岩間英太郎君) 先ほど申し上げました私立大学に対する教育研究費の補助、これが大年度予算で三十三億でございます。一それから私立大学の理科等の教育設備整備のための補助、これが三十億でございます。それからもう一つ私立大学の研究設備の助成がございます。これが十七倍八千万でございまして、合計いたしますと、先ほど申し上げましたように約八十億ということになるわけでございます。
#15
○中村喜四郎君 そうしますと、私が冒頭にお量ねしましたように、国立学校が九十八校、私立学校はそれの七倍近い六百六十九校の大学、しかも学生数にしますと、国立が三十万、私立大学が百十六万、それで私立大学の純然たる国家投資というか教育助成は七十八億、こういうふうになっておるというと、国立の純然たる国家投資というのは大体わかりますか。先ほど私がお聞きしましたが、私の計算は少し違っておりましたものですから、文部省のほうでわかりましたならば、本年度予算でも前年度予算でもけっこうですが、私は国立大学と私立大学のパーセンテージからどれだけ国家が私立大学に対して教育的な助成策をとっておるかという対比をしたいために特にお尋ねしておるわけです。
#16
○国務大臣(坂田道太君) これを学生一人あたりで申しますと、いつもこの委員会で申し上げておりますように、大体国立に対しましては七十六万、三十万人の一人に対して。百何万人の私立大学の一人に対しましては一万円以下。それから財投を含めますと、三万円以下というふうに私は記憶をいたしております。正確な数字はあとでまた申し上げます。
#17
○政府委員(岩間英太郎君) 四十四年度の国立学校特別会計の予算は二千七百六十三億になっております。その中で御指摘のございました国立学校関係の経費が千五百九十一億、先ほど先生がちょっと千五百億というふうな数字をお述べになりましたが、大体いまのような数字になっております。そのほかに付属病院、研究所その他の予算が含まれて、合計いたしまして二千七百六十三億ということでございます。
#18
○中村喜四郎君 いまの数字を聞きますと、国家予算では国立関係に対して二千七百六十三億、私立に対しては純然たる教育助成が七十八億、これを学生一人あたりでは文部大臣のお話を聞きますと、国立と私立との対比は七六対一、財投を含めましても二〇対一もっと以下にこれはなると思うんですが、こういうふうな私立大学に対する国の助成措置が非常に少ないということは、いまの数字が示すとおりでございますが、この点安永委員も触れられましたように、教育の機会均等や公私の別なく教育効果を上げさせるために私学に対しても助成措置を講じたらということは、これはまことにだれもが考えるところでございますが、そうしますと、文部省におきましても、おそらく私立大学についてはできるだけの助成措置をとっていこうという従来も方針はとってきたわけです。それができない理由と、さらに私は今後大臣が私学の振興に対する基本的な考え方をどう取り扱うかということについてまずお伺いしたいと思います。
#19
○政府委員(岩間英太郎君) 私立学校は戦前からこれはもちろんあったわけでございまして、ただいまの学校教育法でもそういう規定がございますが、設置者負担主義というものを従来学校についてはとっております。つまり私立学校につきましては、現在でございますと設置者でございます学校法人が、その経費を負担するということでございまして、戦前も授業料収入によりまして私学の経営を行なうというふうな状態であったんじゃないかと思います。これが戦後引き続きまして、やはり学校教育法におきまして、設置者負担主義というふうな原則が立てられまして、それに基づいて私学が授業料等によりまして経営されてまいったわけでございますけれども、しかし最近におきましては、私学の国の教育全般に占める比重と申しますか役割りと申しますか、そういうものが非常に高まってまいりました。極端なことを申しますと、現在特に大学教育等につきましては、これは私学がその大半を背負っておるというふうな形にまでなったわけでございます。それと相反しと申しますか、それに反しまして教育の内容、それから教育に必要な施設、設備、そういうものは戦後これは世界的な共通の現象でございますけれども、特に巨大科学の時代になりまして、非常に費用がかかるというふうなことになったのでございます。そういう点から申しまして、現在私学の占めます地位、あるいは私学の国家社会に対する貢献度、そういう点から考えまして、私学に対しては助成をしていかなければならないんじゃないかというふうなことが、最近ここ十数年間の間に言われてまいりまして、そこでいろいろな方策が講じられてきたわけでございますけれども、主として貸し付け金によりましてめんどう見るというふうなかっこうがとられてきたわけでございますが、最近の臨時私学振興方策調査会の答申を得まして、新たに私学の経常費と申しますか、教育研究関係の経常的な経費につきましても補助を開始するというふうな状態で今日に至っているわけでございます。
#20
○国務大臣(坂田道太君) ただいま局長からお答えを申し上げたとおりでございますが、先ほどの国立大学の学生一人当たり七十六万円と称しますものは、先ほど局長から申し上げました附置研究所を含めました総額でございますから高くなっておりますが、それを差し引きますと少し減るということをひとつ御了承願います。
 それからいま局長からお答えしたわけですが、元来私は教育といいますか、私立学校というものは、国のお世話にならないで独得の建学の精神において教育をやっていくというところに私立大学の意義というものがあったと思います。その考え方というものは何も今日も変わってはおらないと思いますけれども、何を申しましても戦前と戦後と違いまするのは、非常にたくさんの人たちが高等教育を受けようというふうになってきた、そういうことで昔のように設置者負担だけで、あるいは授業料収入だけで、あるいは幾らかの基金あるいは幾らかの寄付金というようなことだけで、昔ならば経営ができたわけでございますけれども、これだけたくさんになりますると、なかなかその、経営が困難であるし、またいま局長からお答えを申し上げましたように、ビッグサイエンスの時代になりまして、学校の経費というものも非常にかかるというようなことからいたしまして、そういう従来の基金や寄付金やあるいは授業料収入だけではやっていけなくなってきた、こういうわけでございます。ところが、社会的な要請と申しますか、あるいは学校に学ぼうという国民の要望というものは非常に大きく高まってまいったわけでございまして、今日ではもう国立、公立、私立を問わず、同じような使命と責任とを持つようになってきた。ところが、そこのものの考え方という亡のをまだわれわれ自身が割り切れなかったところに、やはり率直に申し上げまして、私学援助というものに対して十分でなかったと言えるのでは九かろうかと思いますが、しかし、もうこういう冊の中になりました以上は、そうしてまた、私学が果たしておりまするその社会に対する貢献度ということを考えた場合には、何らかの抜本的な私営振興方策というものが考えられなければならないということはもうはっきり申せられると思うのでございまして、今後われわれといたしまして、どういうような方策でもって、現在の憲法にも抵触しないで、あるいは大蔵省と予算折衝いたしまして、どの程度のものをやれるかという方策を樹立をいたしたいというふうに考えているわけでございます。とにかく申し上げられることは、この辺で頭を切りかえて、そして抜本的な私学振興対策を打ち出さなければならない時期にきているということだけは、はっきり申し上げられることだと思うのであります。
#21
○中村喜四郎君 岩間管理局長のお答えも、文部大臣のお答えも私はよくわかるのですが、設置者負担だと、国のお世話にならないでやっていくのが私立大学の本来の使命ではあるけれども、いまのビッグサイエンス時代に適応するためにはそれだけのものの考え方ではできないのだ、これに対する方向転換をやっていかなければならないのだと、これはおそらく私は国民の常識になってきたと思うのですが、おとといの安永委員の質問にいたしましても、イギリスの場合なんかは八〇%は私立の大学に対しても助成措置をしているのだ、ところが、日本の場合はいま申しましたように、国立と私立と比較した場合に、圧倒的に学生数が多いにもかかわらず、七十対一あるいは二十対一というふうな学生の教育費国庫負担、この矛盾を解いていかなければならないわけですが、この矛盾の解き方の一つとして、私は後刻大蔵省に税制上の問題についてお尋ねしたいわけでございますけれども、現在文部省がとっている私立に対する助成措置の中で果たし得る措置が幾つかあるのではなかろうか。というのは、助成措置の緩和の問題ですが、先ほど管理局長が教育の研究費補助に今度年予算三十二億四千万円出したと、この三十二億四千万円を受け入れた私立側としては、できるだけ条件緩和をしていただきたいという要請が出ているわけです。その条件緩和は私が申し上げるまでもなく、何というか、研究費補助対象のワクの拡大の問題これはどうしてもやはりワクを拡大してやらなければならない。これは大蔵省のほうでもひとつよくお聞き取りおき願いたいと思うのです。いま岩間さんは、経常経費についても助成措置を講じたい、こういうふうなことを考えていると言いますけれども、衆議院の段階においては、経常経費の中の人件費についての問題については、福田大蔵大臣はこれを否定的なことばが述べられておりますが、その後どういうふうにこの問題に対し、衆議院の大蔵大臣の答弁とそれから文部省が今日考えている将来にわたる経常経費に対する助成措置についてはどういう考え方をもってこれを具体化しようとするか、それをお伺いできれば幸いと思うのですが。
#22
○政府委員(岩間英太郎君) ただいまその点につきましては私どもも検討中でございまして、これは八月末までに大蔵省に提出いたします来年度予算の案の段階で具体的な方策を打ち出したいといりふうに考えておるわけでございますが、先生の御承知のとおり、これは自民党のほうでもいろいり御研究になっておられるようでございます。そういうふうなこともございますので、私どもといたしましては、人件費をも含めました私学に対する助成策というものを考えまして、各方面と折衝しながら、来年度の予算案の提出に際しましてはそういうものを具体化したいという希望を持っておるような次第でございます。
#23
○中村喜四郎君 その点について大蔵省のほうでは、あくまで設置者負担あるいは私学本来の目的からして国がこれに対して経常経費を出すということは、助成するということはおかしいという考え方、この壁を突き破るということは非常にむずかしい問題ではありますけれども、あくまでこの壁は突き破る方策を立てていかなくちゃならない。ただ、私その際に考えるのは、いま局長がお話しのように、現在のビッグサイエンス時代、あるいは私立大学への進学率の非常に多くなった過程の中で、授業料だけでまかなっておった現在の私立大学が授業料を上げることはできない、人件費は増大したからそれで経常経費を助成してもらいたいという方面に直ちに切りかえることだけ考えるのは私は少しおかしいと、したがって、それはあくまでも趣旨は私立大学の研究体制を整えるし、よき人材を、そこによき教育者を求めるという観点から、そういう観点に立てば私は大蔵省の考え方も、単に設置者負担だ設置者負担だと言い切れない面があろうかと思うのですが、こういう点についてはいかがでしょうか。
#24
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま申されましたお考えに従って私どもは予算の要求をしたいといま考えておる次第でございまして、別に授業料が値上げできないからめんどう見てやるのだというふうなことではなくて、広い立場から、高い立場から研究の振興あるいは人材の養成、こういうものにつきましても私学の先ほども申し上げました社会的な貢献度というものを評価いたしまして、それに基づいて要求をするというふうなことではないかと思います。
#25
○中村喜四郎君 それから既往の赤字債権を償還するための貸し付け金をしておりますが、この赤字債権の問題の中で、授業料収入がもう限定されて一定されているから貸し付けができない、あるいは貸し付けても償還が困難だという問題が横たわっておるわけでございます。これはどういう見方で今後この問題解決のためにはやっていこうとされましょうか。
#26
○政府委員(岩間英太郎君) 既往債務の償還は一応三年計画でもって約百億の既往債務の弁済の肩、がわりをやったわけでございますけれども、ことしからまた新しく既往債務の弁済のために計画を立てまして、初年度としまして三十億の予算を財政投融資資金からの借り入れが認められたわけでございます。この運用につきましては、これはいろいろ御指摘のような問題があろうと思いますが、まあそういう問題は今後改善するといたしまして、やはりこの既往債務の高い金利というのが私学の経営に対しましてはかなり重圧を加えておる、こういうふうな認識のもとにこのワクの拡大ということにつきまして今後さらに努力をしたいというふうに考えております。
#27
○中村喜四郎君 いまの既往債の貸し付けに対する条件の問題で、期間と利率の問題をこの間安永委員が御質問なされましたが、これについてもう少しこうしたいんだというところのことが出ましたならばお伺いしたい。
#28
○政府委員(岩間英太郎君) 現在、既往債の返済につきましては、償還期間が七年、それから利率が六分五厘でございますが、そういうふうな形になっておるわけでございます。これは一応この程度の条件で私立学校のほうも納得しておるわけでございますけれども、私どもとしましては、まずその内容の条件の改善よりは、現在非常にたくさんございます要求に対しまして、そのワクの拡大をはかるということがむしろ先決ではないかというふうな考えでございますが、同時に私学振興会の融資につきましては、全般的に償還年限の延長、それから利率の引き下げというふうなことをやはり考えたいということでございますから、全体との関連におきましてこの問題も取り上げてまいりたいというふうに考えております。
#29
○中村喜四郎君 すべての貸し付け金に対する条件緩和をしていくということ、期間あるいは利率の問題についてはむずかしいことはよくわかりますけれども、問題は貸し付けであり、やがて返ってくるとともに、たとえば韓国に対する三十三万トンの米の輸出等に対しましても、二十年間据え置きの三十年間にこれを現物償還するという、こういう緊急措置をとったことを考えれば、私は私学の振興に対する貸し付け条件の緩和ということは、国の措置、政府の決意、特に大蔵省が今日的な課題となっておる大学等の振興だけでなく、紛争解決等のためには当然これは思い切った措置をしなければならない時期にきておると思うわけです。先ほどのように、とにかく授業料収入というものは一定になっておる、これを上げるということは現実の問題としては絶対不可能ではなかろうか。その中で教育者の給与もあるいは福利厚生施設も充実してやらなければならない。先ほど申しましたように、これはビッグサイエンス時代に対応する設備というものもやっていかなくちゃならぬとすれば、どうしてもこれを生み出すものは、これは助成か貸し付け金のワクの拡大、しかも貸し付け金に対する条件緩和というものを考えていかなくちゃならないわけです。これらの点についてはひとつ大臣の政治力を特に期待いたしますけれども、さらにこれらの問題については私大当局、私立学校振興会等とも密接な連絡をとって、早いうちに具体的な案を作成してこれらに対する対応策をとっていただければと思うのです。御承知のように、国立大学はもう何カ月後には入学試験の時期まで明示しなくちゃならない時期、同時にそれに対応する私立大学の入学試験等の問題等も検討しなくちゃならない時期、こういう点からすると、なるたけ早い時期にこの問題解決の糸口を政府間の中で了承のできる段階までいってなければならぬ。特に総理あるいは大蔵大臣等の衆議院段階における答弁、質疑応答の過程を見ると、壁はかたいのだ、文部大臣はどうしてもこの際こうやっていきたいのだけれども、しかし財政当局である大蔵省はこれに対してかたくからを閉じている面から見れば、なかなか政府間の内部でも問題があろうかと思う。しかし、これはもうほうっておけない課題です。どうかそういう点についてのひとつ十分なる努力をお願いしたいわけです。
 さらに私は、今度はこの私立関係の学生個々人の問題に触れたいと思うのですけれども、先ほど申しましたように、私立大学関係で百十六万の学生、この人たちは国立に比較して高い授業料、しかも入学金その他もろもろの状況の中であえいでおるわけですが、これらの中で一つの学生たちに希望を与えるというものは育英資金の問題ではないかと思うのですが、まず育英資金の問題について私は触れたいと思うのですが、国・公立の育英資金、特にその中で特別奨学資金の問題、特別奨学資金を国立の学生が受けているその対象人員と、私立関係の百十六万の学生が特別奨学資金を受けておるこの人数を、わかりましたならばお聞きしたいのですけれども、先ほど文部省の方に調べておいていただきたいということを話しましたけれども、いま私の手元に来ましたのは、国・公立に対しては特別貸し付け金というのはその対象人員が四万五千六百八十四人、それから私大生については一万六千五百五人、ここでも三対一の比率ができ、学生数からいうと、先ほどから私が何回も繰り返しておりますように、国・公立の場合三十万、私立大学は百十六万、その片っ方の多い学生が、貸与を受ける学生数の比率というものにおいてもあまりにも開きがあるので、何かこれは開きがある原因があるのか、あるいはその原因を撤去する方法は何かあるのか、こういう点について私大側から何か貸し付け金のワクの拡大、こういうものは要請されているか、こういう点についてまとめてお伺いしたいと思う。
#30
○政府委員(岩間英太郎君) 先生御指摘のとおり、ただいま特別貸与につきましては、国・公立が四万五千六百八十四人、それから私立学校が一万六千五百五人という人数になっておりまして、これを一般貸与について見ますと、一般貸与が国・公立が四万百八十三人、私立学校が五万二千五百十四人というふうに私立学校のほうが若干人数としては上回っておるわけでございます。もちろん総体の人数が違いますので、率から申しますと、私立学校のほうがどうしても低率になるというふうな傾向があるわけでありますけれども、しかしその採用の基準は、これは国・公立も私立も変わりがないわけでございまして、たとえば一般貸与につきましては、高等学校の成績が平均いたしまして三・二以上、それから家計の基準といたしましては、標準五人世帯で年収百二十万円以下、特別貸与につきましては、同じく高校時代の学力の基準が三・五以上それから家計の基準が標準五人世帯で年収百一万円以下というふうな同じ基準をもちまして採用いたしておるわけでございますから、そういう観点から考えますと、別に不公平をしているというふうなことではないと思います。
 ただいま御指摘になりました特別貸与の問題でございますが、これは四十二年度から新しく私立学校につきましては、新採用いたしますものにつきまして四千六百人の特別ワクを設け、金額につきましても、国・公立よりは経費がかかるという意味で、五割増の単価を設定したわけでございます。ところが、いままでの実績によりますと、四千六百人のワクがございまして、高等学校の段階から大学に行きたいという者の中で特に優秀な者を選ぶわけでございますが、実際に私立大学を希望いたします者はそのうちで三千六百人程度というふうに聞いておりまして、実際はその四千六百人のワク内で処理できるような形になっておるわけでございます。
 まあ、どういう原因かというお尋ねでございますが、この点がよくわかりませんけれども、一応成績が優秀で比較的家庭が貧しいところの子弟は国・公立学校をむしろ第一に選択するというふうな傾向があるのじゃないかということでございまして、この点さらに御指摘がございましたので、理由等につきましては、十分今後とも調べて、それに対する対策を考えていかなければならないと思いますけれども、そういう点があろうかと思います。
#31
○中村喜四郎君 この一般貸し付けについては国・公立のほうが四万人だ、私立関係が五万二千人だ。だけれども、その貸し付け金額というのは一律にこれは一般貸し付けは三千円の貸し付け金。特別貸し付けのほうは、特にこれは要望されているわけで、自宅通学の者は国・公立が五千円であるものが私立は七千五百円、自宅外の通学生に対しては国・公立が八千円、私立は一万二千円、国・公立よりも四千円のオーバーをして特別待遇をしているということのその趣旨はわかるけれども、四千六百人というワクを設定したけれども、三千六百人しかこの奨学資金を受ける者がなかったということ、貧しい家庭の者が国・公立に行ってしまうからそうなっているという判定はこれはなかなかむずかしいと思う。この点については、私はこの趣旨というものをもう少し各高等学校に周知徹底させるような方法をして、私大に進む場合にこういう特典があるのだと、こういうことをまずわからせるということ。もう一つはワクの拡大、現在そういう四年間で受けている学生数が百十六万の学生の中で一万六千人しかこの奨学資金を受けてない。この現実からすると、ワクの拡大ということと同時に、また貸し付けておいて二十年で返還するのだ、無利子で貸し付けておる、こういう趣旨をよく周知徹底させるような措置も、やはり文部省としては奨学金の趣旨からいっても、いまの私大の現状からしてもとるべき措置ではなかろうかと、これは私は要望申し上げる。
 これだけやっていますと時間がかかってしまいますから、この中で私は特にこの私立大学関係の問題で伺いたい。国立大学は授業料が一万二千円、私立大学は年間を通じて各学校平均して八万何千円という八対一の授業料を取っている。この授業料と奨学資金との関連からすると、私は後刻大蔵省のほうにお尋ねしたいのですが、こういうどうしても出さなくてはならない学校へ納める授業料に対しては税制上の免税措置があってしかるべきだ、こういう点から後刻お尋ねしたいから、その点について大蔵省のほうで私に対する答弁をお考えおき願いたいと思うのでございます。
 それでは、この私学振興のための助成の問題については大ざっぱに以上触れまして、その次に、私は私学振興のための税制上の問題について、大蔵省のほうからおいでになっている安井税制第一課長さん――大蔵省のエキスパートと考えますので、ひとつよくお答えいただきまして、なお、課長さんとして御答弁のしにくい点につきましては、大蔵省にお帰りになった上で、文書等によって私どもにお答えをいただかなければならぬ点もあろうかと思いますので、お含みの上お答えをいただきたいと思うのでございます。
 いま私、育英会のほうで触れましたけれども、修学費用の控除制度を創設すべきではないか、こういう考え方からお尋ねしたいわけでございますが、教育の機会均等という精神をより徹底させるということと、私学の現実の苦しさということ、それから学生の苦しさと、こういうことからして、国・公立との間に比率格差が非常に多い。私立大学の場合は授業料だけでも年間八万円程度のものを納めなくちゃならない。その他入学金等々、これはもう国・公立と比べますとたいへんな差異州あるわけですけれども、せめて絶対的に必要な修学費用というもの、授業料その他の問題については免税措置をすべきだと思うが、これについて大蔵省の考え方をお尋ねしたいのであります。
#32
○説明員(安井誠君) ただいまの中村先生のお話は、一般的に子弟の教育費を税制上いかに考慮すべきかという問題かと存じます。先生に御指摘いただいておりますように、最近子弟の教育費が増加をいたしておりますということはわれわれも承知いたしているわけでございます。で、実は昨年の税制調査会にこの点もおはかりを申し上げたわけでございます。つまり教育費控除という議論が出ているので、税制調査会でどう判断すべきかということをおはかり申し上げたわけでございますが、結論的には、この税制というものが、特にこれは所得税制でございますが、個別に事情をしんしゃくするのにはおのずから限度があるのではないか。したがって、むしろ一般的な扶養控除の増加ということで対処するのが税制調査会としては妥当と考える。したがいまして、基礎控除や配偶者控除というものについては、税制調査会は長期答申というものをつくりました際に、二万円の増加を答申なさったのでありますが、扶養控除につきましては四万円増加すべきであるという答申をされたわけでございまして、ことしの税制改正におきまして、そのそれぞれ半分、つまり扶養控除につきましては二万円の増加をいたしたわけでございます。そのような御判断をいただきました理由と申しますのは、実は二つあるわけでございまして、教育費控除といいます場合に、どの段階での教育費を控除すべきかという問題が一つございます。つまり義務教育を受けておられる子弟の教育費を控除するのか、あるいは高等教育を受けている者の教育費を控除するのかという議論があったわけでございます。これは先生のお話しのような御議論は、主としてむしろ高等教育を受けている者の教育費を控除すべきではないかというこういう御議論ではないかと存じます。私どもの手元にあります四十一年度の資料で見ましても、文部省のほうからいただいた資料でございますが、一般に教育費といわれているものは授業料あるいは学校納付金等合わせまして、国立の大学では四万七千円、これが私立の大学になりますと十一万八千円というような数字になっているわけでございます。で、先ほど個別にしんしゃくするということが税制上たいへんだと申し上げましたのは、個個の納税者につきまして、その子弟がどこの大学に通ってどれだけの経費がかかっているかということを個別に税制的にしんしゃくするのは税制としては非常にむずかしいのではないか、というのは、数字に非常に差があるということから出てくることが一つございます。
 第二点は、高等教育を受けております者の教育費を控除することになりますと、その分だけ高等教育を受けさせております、つまり大学に行っております子弟を持っております父兄の税負担を軽減するということになるわけでございます。ところが、中学校あるいは高等学校を卒業して直ちに就職をいたしている者があるわけでございまして、これらの者が当初就職いたしました年には大体所得税がかからないようでございますけれども、就職いたしました翌年ごろの平均賃金で調べてみますと、大体所得税を納めておられる。そういたしますと、高等教育、大学に行かないで働いておる者からは所得税を納めてもらい、大学に行っている者の父兄の所得税は子弟が大学に行っておるために所得税を減らすということが、どうもやはり何としても税制としてはひっかかりはしないかということから、税制調査会等で御議論いただきましたときは、そのようなことから、特に教育控除という形で控除するのは税制としてはいかがなものかという御結論もいただいたわけでございます。しかし、また最近この御議論があることも私どもも十分承知いたしておりますので、最近も六月二十日の税制調査会にこの問題をまたおはかりをいたしておりまして、御検討はいただいているわけでございます。
#33
○中村喜四郎君 説明を聞くとわかるようなんですが、それは大蔵省のものの考え方だと私は思うわけですけれども、いま扶養控除をやっているのだ、これを二万円に増加したのだということですが、私の言っているのは、私学特殊の事情からたくさん金がかかる状況からして、これをどう解決するかということを主題として大蔵省側の意見をちょっと聞いたのです。扶養控除という制度では国・公・私立の別というものは明らかにないのですね。判別するわけにいきません。それからいまのお答えでいくと、個々の判定がなかなかむずかしいということ、申告でも、あるいは源泉徴収という段階でも、年末調整の場合に十分どこの大学の何年生にいっているということは申告できるはずです。これで個々の判定というものができるはずだし、それから中学を出た人が直ちに職場に行った場合に、一年ないし二年後にはその収入が課税の対象になると言うけれども、大学の四年間、三年間という期間を勉強しているというのは、その期間は課税の対象にはならないけれども、いわゆる大学に行っているというのは自分の知識を高める、社会にやがて大きく貢献するという立場になっていく。就職したときもその収入の面からいくと、当然源泉徴収その他の面から見ても一般の場合よりか多い。そういう面からいくと、やがて社会に還元されるという立場からすれば、当然これは税の対象、免税措置をやり得る課題だと、こういうふうに考えるのですが、大蔵省のいわゆる税を取る立場からでなく、出す立場の学生の立場に立って考えたならば、課長さんどうお考えになりますか。私の言っておることは間違っておりますか。
#34
○説明員(安井誠君) 先生のような非常に高邁な御議論に対しまして、私、事務的にお答えして非常に恐縮でございますが、私どもの考え方と申しますのは、私どもだけの考え方と申しますよりは、一応内閣の税制調査会におはかりいたしまして、そこで御検討いただきましたときのお考えでございます。また先生のただいまお話しになりました御意見もあるわけでございますので、現在も税制調査会のほうで御検討いただいておりますので、その際申し上げてみたいと考えております。
#35
○中村喜四郎君 私が特に申し上げているのは、修学費のいわゆる控除制度をつくれというのは、小・中学校の教育関係もありましょうけれども、この際高等教育の分野における教育費の占める率が非常に大きいわけだから、この点については特に控除制度をつくっていただきたいという意見が参議院の中で出たということを、税制調査会が六月の二十日から開かれている、今後も開かれるであろうから、その席上であなたのほうからもよく御説明をいただくことをお願いいたします。
 次の問題に移りますが、私学振興の一環として国が助成をしようと思っても、なかなか文部省、大蔵省、政府の考え方、あるいは大学当局の意向をくみ入れても、一気かせいに助成費を大きくすることはできない。同時に設置者負担という面から考えて、私立の高等教育をやっておる機関を充実するための方法として民間の資金を受け入れる制度、すなわち民間の寄付金を受け入れる制度をさらにこれを拡充して、それに対する免税措置というものをこの際思い切ってしたらどうかと思うわけでございますが、もし大蔵省か文部省のほうで、四十三年度でも四十二年度でもいいから、日本国全体で寄付金の受け入れがどの程度になっているか、個人、法人どのくらいになっておるか。これは学校法人だけでなく、全体としてどのくらいの寄付があるのか、これを資料があれば伺いたいと思うのですが、いかがでしょうか。年間通じてどのくらい寄付金というものがあるのか。
#36
○政府委員(岩間英太郎君) これは四十一年度の調べでございますが、大学、これは昼間だけでございますけれども、昼間の大学につきまして、寄付金が百四十五億というふうになっております。これは全体の私立学校の収入の八%程度でございます。そのうちで法人関係が約八%、それから個人関係が三四%、それから後援会と申しますか、そういうものが四三%、その他が一五%、そういう比率となっております。
#37
○中村喜四郎君 私は、いまのように学校関係に対する寄付以外のもの、もし大蔵省等でわかれば、一般の寄付、たとえば政治資金の問題とかその他の社会奉仕に対する寄付金、これは突然ですから、おわかりなければけっこうでございますが、国の関係の国立学校九十何校に対する二千七百億、先ほどおっしゃいましたように六百七十校に及ぶ私立学校に対する国の助成が七十八億、それに学校法人に対する寄付金が二百八十億、こういう計算からいった場合に、私はなぜ寄付金が学校法人に、教育のために民間から寄付されないのか、されにくいのか。ほかの外国ではこういう寄付金によって私立大学の経営というものがうまくいっている。しかも寄付がしやすい方法をとっておる。こういうことから仮定すると、何かそこにネックがある。そのネックは何かというと、一つ取り上げれば税法上の問題が横たわっておる。税法上でたとえば個人が寄付した場合に、それがいわゆる所得控除になる場合免税になるのは一定の限度があって、それ以上は寄付したものは全部税金がかかるのだ、あるいは会社法人等が寄付した場合も、それが所得控除の限度額があって、これはできないのだ、こういうネックが横たわっておると思うわけです。そこで私はそのネックの解き方についてどう考えるかお伺いしたいわけですけれども、まず第一に、個人が学校法人等に寄付した場合に、免税措置は現在時点においてはどうなっているのか、それをお伺いしたいわけです。
#38
○説明員(安井誠君) 現在寄付金の制度は所得税と法人税にございますが、いまのお尋ねの点は所得税の問題でございます。寄付金が所得税の計算の上で控除になりますのは、実は三つのカテゴリーがあるわけでございます。その第一番目が国または地方公共団体に対する寄付金でございます。第二番目が公益法人、つまり学校法人も含まれますが、公益法人などで大蔵大臣が指定いたしましたものに対する寄付金でございます。これが一般に指定寄付金といわれておるものでございます。それから三番目が、試験研究法人等とわれわれ言っておりますけれども、試験研究あるいは学術の振興といったようなことを目的とする法人、この中にも学校法人が含まれております、に対します寄付金、この三つのカテゴリーに属します寄付金につきましては、所得税法上の控除が認められているわけでございます。ただし、その控除が無制限というわけではございませんで、金額に頭打ちと申しますか、最高限度と、それから非常に少ない金額の寄付金を個別に所得税法上控除するのも容易じゃございませんので、少ない場合には、それを一定限度以下のものは控除しない。この上と下の制限がございます。まず上のほうの制限は、総所得金額の一五%が寄付の限度でございます。それから下のほうの限度と申しますのは、所得の三%、またはこの三%が十万円をこえます場合には十万円にとどめておりますけれども、つまり所得の三%または十万円までの寄付金というものは、通常の何と申しますか、所得税の納税義務者が一般的に寄付をするものであろう。それまでは税法上の特に何といいますか、控除を認める必要がないという考え方に立っているわけでございます。具体的に申しますと、五百万円の所得を持っておりますものが七十五万円、これが一五%になるわけでございますが、七十五万円を寄付いたしますと、それから十万円、つまり所得の三%でございますと十五万円になってしまいますので、十五万円引くのではなくて少ないほうの十万円を引きまして、七十五万円から十万円引きました六十五万円が寄付の課税の対象になる、こういうことになっております。またこの寄付に条件が一つついておりまして、入学に関して寄付するものは除くということになっております。個々の子弟の入学に対して寄付をするのは、税法上特に控除する必要がないというたてまえから、はずれているわけでございます。
#39
○中村喜四郎君 カテゴリーがあって、無制限ではないのだ、無制限ではないというところに問題があると思う。上限がきめられ、下限がきめられているというところに一つの問題があるわけで、私は個人が学校法人に対して寄付しようというその寄付行為は、全的に認めてオールこれを控除すべきではないか。少なくとも現在のところは一五%とこういうことで上限がきめられておるけれども、文部省当局は従来から二〇%、三〇%を要請されておる。私はそんなことではいけないと思う。どんなことがあっても五〇%くらいは少なくとも寄付行為そのものという観点から立てば控除すべき性質のものだ。外国の事例等を見ると、当然そういうふうな措置がなされておるわけです。いわゆる足切り限度とか、あるいはカテゴリーの中の上限、下限というこのきめ方の考え方が、私は私立大学の財源をふやすための、教育を充実するための、施設を強化するための措置に大きな障害になっていると思うのですが、私の考え方のほうが将来の教育にとってこれは重要だと思うのですが、どうでしょう。これは文部大臣の立場から、文部省の立場からすればどう考えるかをお聞かせいただきたいが、その前に課長からもう一ぺん御答弁いただきたい。
#40
○説明員(安井誠君) 寄付金をどの範囲で控除するかという問題は、先生の御指摘のような問題点もあろうかと思います。ただ私どもこの控除制度をやっておりまして、現在手元に数字を持っておりませんので恐縮でありますけれども、非常に寄付をなさる方の数は少ないというふうに記憶しております。所得税の納税者が二千万人くらいおられるわけでありますけれども、大体二千人足らずの方がこの寄付金控除の適用をされているわけでございます。そのワクを広げることによって一体どこまで効果があるのか、その辺の問題も一つあろうかと思いますので、この辺私どもの手元にございませんが、私の記憶でもえらい少ないものだというふうに考えますので、この点申し上げます。
#41
○中村喜四郎君 大臣が答える前に、これは寄付の件数が少ないのだというそこに問題がある。なぜ件数が少ないのだ。これは理解されていないということ、私はここへ出てくる際に、先生方は控除の制度を御存じですかと言っても、だれも知らない。国会の人もあまり知らないのに一般の人が知るわけがないんですよ。これだけ寄付したことが免除になるのだということが国民に理解され、教育のいまのむずかしさということ、財政上の困難性、いろいろ大学紛争の根源、こういうことをよく文部省や大蔵省が理解してくれれば、免除があるのだ、控除があるのだということが理解されれば、私は寄付件数が多くなると思う。寄付件数が少ないから限度額の上限、下限の問題を考えない、これは私は考え方が誤りであると考ええるのですが、いかがでしょう。
#42
○説明員(安井誠君) 私申し上げましたのは、現在のワクの中で寄付金をされている方は少ないということだけを申し上げて、それを広げることがどうかということはまた別の問題として検討すべき事柄だろうと思います。
#43
○中村喜四郎君 よく一つそれらの点を……。私としましては、個人の学校教育に対する寄付金制度は、現在の教育のカテゴリーを直ちに改めることができないとするならば、少なくとも控除額は寄付金五〇%程度までは認めるべきだという強い考え方を持っておりますが、これは個人の問題で、今度は法人の問題です。
 法人の問題は、個人の問題よりももっとしやすいわけです。しかし、これはカテゴリーがあるわけです。おそらくカテゴリーの説明があると思います。法人の場合はどのようになっているか、まず私は伺いたい。
#44
○説明員(安井誠君) 法人税法におきまして、寄付金を損金扱いをいたしますのは、四つカテゴリーがございます。第一番目は一般の寄付金でございまして、これは法人の所得金額とか資本金額に応じましてワクがきめられております。二番目以下が、私が御質問に対して申し上げました三つのカテゴリーがそのまま使われておるわけでございます。一つが、国または地方公共団体に対する寄付金です。三番目が学校法人その他の大蔵大臣が指定いたしますところの指定寄付金でございます。それから四番目が、やはり学校法人等を含ました科学教育の振興に関しますところの寄付金でございます。
 この問題は、学校法人に対する寄付金でございますから、三番目と四番目になろうかと思いますが、三番目の学校法人等に対しますいわゆる指定寄付金と申しておりますのは、「教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するための支出で緊急を要するものに充てられることが確実であること。」それからもう一つは、「広く一般に募集されること。」、この二つの条件がつきましたものにつきまして個個に指定をいたしているわけでございます。その中で学校法人に対しましては、実は私ども一番優先的に考えているわけでございまして、学校法人の場合には学校の校地、校舎――学校の敷地あるいは校舎の取得につきましての寄付金は条件がついておりません。申請がございますれば、そのまま認めるという形をとっております。しかもこれ州個々の学校法人だけでございませんで、私立学林振興会がその個々の私立学校のために校地、校舎の取得をしてやろう、つまりそれの寄付金の窓口になってやろう、手続のめんどうくさいことを代行しようという場合にも、それもけっこうだということになっておりますし、また学校法人を設立いたしますための財団つまり通常の方式でございますと、本来みずからの基金は寄付金によらずに集めてほしい、それからあとのものについてのみこの指定寄付金の対象にしておるわけでございますけれども、学校法人の場合には学校法人を設立するための準備財団もこの指定寄付金の対象にいたしております。それからそれ以外にたとえば育英基金、それから学生寮の建設等につきましても、指定寄付金の対象にいたしておるわけでございます。この範囲に属しますものが四十二年の数字でございますが、申請がございましたものが約六億九千万ばかり申請がございまして、それは指定寄付にいたしております。
 それから第四番目の試験研究法人等ということを申し上げたわけでございますが、こちらのほうにも学校法人が入っていると申し上げたのでありますけれども、先ほどの指定寄付金の場合には、敷地であるとか校舎を取得するためのいわゆる臨時的な寄付金になるわけでございます。これに対しまして第四番目に申し上げました試験研究法人等のカテゴリーに属しますものにつきましては、これは運営費も寄付金の対象にするという考え方でございます。したがいまして、この中には学校法人か、あるいは試験研究のための法人等があるわけでございますが、これも野方図というわけにいきませんので、これにつきましては、第一番目に申し上げました法人の一般の寄付金のワクがあるわけでございますが、そのワクと同額まではよろしゅうございますということになっておるわけでございます。一般のワクと申しますのは、法人の場合には年間で資本金の千分の二・五と所得の自分の二・五を足して二で割ったものというものについては、別ワクで、一般の寄付金とは別にこの試験研究法人等に寄付金をします場合には損金扱いにいたします。かようになっているわけでございます。指定寄付金といいますか、法人関係の寄付金の制度の中では、学校法人に対します寄付・金制度というものがその範囲内では一番何と申しますか、数からいいましても、先ほど六億九千万ということを指定寄付金で申し上げたのでありますけれども、指定寄付金の金額の中の約五割ぐらい占めております。私どもも手続的にもこの学校法人、特に私学振興ということのための寄付についての現在の税法上の取り扱いは、優遇されている部分ではないかというふうに考えておるわけでございます。
#45
○中村喜四郎君 私はその指定寄付金制度の問題で、そこにもやはりいまのように広く一般に募集される、この規定を見てみますると、広く一般に募集して一人の人が篤志寄付したときはこれは認めない、二人のときも認めない、少なくとも十人あるいは五人以上でなければこれを寄付金と認めないという形になっているために、寄付制限が起きている。いまあなたは指定寄付金制度については比較的うまくいっている、六億九千万と、こうおっしゃいましたが……。
#46
○説明員(安井誠君) ちょっと数字を間違えましたので、まことに申しわけございませんが、数字の単位を一つ間違えまして、六億九千万じゃございませんで六十九億でございまして、全体で百三十七億でございます。まことに申しわけございません。
#47
○中村喜四郎君 その点数字が六億九千万が六十九億の間違いだと言うけれども、普通の場合指定のこういうものに適用を受けないで免税控除になっていないものの総額が、寄付金額が百八億あるんですよ、これは控除になっていないんですよ。この人たちはこういう全体のケースからいくと、私は控除制度というものがこうあるんだという形が国民に対してPRされていないということ、それからいまのように一般に募集されてとか、緊急を要するという、こういう課題でなく、学校教育というものは永久的なものですよ。永久的な課題の中でこの学校教育をどうやっていくかという、こういうとらえ方をしてみると、一般でやっても個人でやっても、広くあってもあるいは狭くあっても、あるいはその永久性という立場から学校の寄付金、法人に対する寄付金制度というものはワクを拡大し、制限を緩徐にして一般国民が教育に対する理解度を深めるべきではなかろうかと思う。いまのように義務教育の国庫負担の中でPTAの負担が重い云々という課題が出ておりますけれども、この問題だって、おそらくいまの数字の二百何億というそんなものじゃない、日本全国の教育に払う父兄が出しているもの、こういうものに対する免税措置をとってやるということは学校そのものを理解させるばかりでなく、施設も拡充される。ここで私は抜本的にこの指定寄付金制度の問題については、ワクのカテゴリーのかけ方をもう少し考えるべき課題だと、こういうふうに考えるわけです。
 さらに試験研究法人等に対する寄付金等の問題も同じで、これもやはりひとつのカテゴリーがあるわけです。こういう一つの制限をなくして、免税措置にして、教育を充実するという形をとっていくことが私は今日政府が、考えるべき措置ではなかろうか。私は外地を旅行してまいって、教育の問題あるいは特に新しい学校をつくる、ニュータウンの中に新しい大学をどうつくったかという問題を調査してみた中で、なるほどこういうものは必要だなということは、たとえばスウェーデンあたりで、新しい町づくりをする、そこに大学をつくる開発資金を求めるために、政府の金だけでは足りない、法人が一年間取った所得の半分ないしは四割等はこれを税の対象から初めから除外してしまって、除外した部分を政府に納めてこれを五年間据え置きして、それでもって開発資金に  土地を購入したり学校建設資金にして、五年後にその法人にこれを還付する。途中でその法人が赤字経営になったらば、預けた中からこれを返戻するというふうに、そういうふうに国家の運転資金が十分に民間の資金を吸収しながら教育の中にそれを転用しているという姿なんかは、私は日本の場合でもこういう高度成長の中で寄付の考え方も、あるいは寄付しよう、このままでは教育はしょうがないんだと、こういう考え方があるはずでございますから、いわゆる大蔵省的な考え方で寄付金制度の問題についてカテゴリーをはめない形においてどうするかと、こういう観点からものを判断すべきであると思うわけですが、この点、課長のほうにお伺いするよりは、私のこういう考え方があるということをひとつ大蔵大臣にお話し願いまして、もし文書回答等でもいただければ、あるいはそれを文書回答よりも、私は税制調査会その他の中で大蔵大臣にそういう考え方を生かしていただくことをお願いしたいと思うのです。
 文部大臣、私いまの私学振興に対する寄付金制度に対する免税措置の問題について私の考え方を述べたわけでございますが、私学振興という立場から、文部大臣は一連の私の思想の中でどのようにお考えになられるか、今後どうされるか、ひとつ承りたいと思います。
#48
○国務大臣(坂田道太君) 中村先生御指摘になりましたことは、私どもが従来考えておりますことでございまして、今日まで努力をしてきておるわけでございますけれども、なかなか壁が厚うございまして、思うとおりにまいらなかったわけでございます。やはり一面におきまして、抜本的な私学対策といたしましては、この助成策としての補助金あるいは貸し付け、あるいは一面においていま仰せられましたような免税措置というものがあわせ行なわれるべきものであるというふうに思っておるわけでございます。やはりこの辺で私学というものに対する考え方、私学の果たしておる社会的意義あるいは教育の貢献度というものに対する認識をどう持つかということによっておのずと政策がきめられるべき問題だというふうに思うのでございまして、この点につきましては、先生の御指摘の趣旨に沿いまして最善の努力をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#49
○中村喜四郎君 この問題については、私最後に局長にお願いします。
 いまのように、税制の問題で現行制度の中におきまして免税措置があるのに、それが国民に理解されないまま協力が得られないというこの現実は、私は率直に認めまして、局長さんはあなたの全関係の機関に対しましてこの免税、現在の法律の中でもこうなんだということについては十分にPRの措置を考えていただきたいことを局長に私は要望をいたします。
 私の与えられた時間が九十分というのですが、私まだ第一の問題第二の問題だけで、あと大事な私学の共済法に入る時間がなくなってしまったわけですが、大臣に大学のあるべき姿についてはまた後の機会にお伺いいたすことにしまして、もう少し伺いたいんですが、よろしゅうございますか。それではちょっとひとつお伺いいたします。
 この共済のほうの問題点について私はお尋ねしたいのですが、現在この共済関係の中で、私立学校の共済組合に加入している学校はどのくらいあって、未加入校はどのくらいあるかをお聞きしたいと思います。
#50
○政府委員(岩間英太郎君) 現在私学共済に加入しております学校数は九千八十八校でございまして、未加入校は百十九校、そういうことになっています。
#51
○中村喜四郎君 大蔵省のほうはよろしゅうございますから、御苦労さまでした。
 この適用になってない学校数が、ちょっといま聞き落したのですが、幾つくらいありますか。
#52
○政府委員(岩間英太郎君) いわゆる未適用校と申しますのは現在百十九校ございまして、その人数にいたしますと、約二万五千人ということになっております。
#53
○中村喜四郎君 そうすると、未適用校やあるいは適用除外の教官が生まれ出たその法的な根拠はどういうことからきたのですか。
#54
○政府委員(岩間英太郎君) 法的な根拠につきましては、この私学共済法が昭和二十九年の一月一日から施行されたわけでございますけれども、その附則におきまして、従来から厚生年金あるいは健康保険に加入しておりました学校で、その職員の過半数の同意を得た学校につきましては私学共済に入らないでもよろしいというふうな規定がございまして、その規定に基づきまして現在未加入校ができている、そういう状況でございます。
#55
○中村喜四郎君 そうすると、法的根拠はわかったのですけれども、衆議院及び参議院の段階で常に附帯決議がなされて、私学振興と私学共済の充実化ということから見て、未加入校の加入促進に対して早く政府は具体的な処置をしろという附帯決議がなされておりましたが、これに対して過去どういうふうな経緯でこれの促進をやっておりますか。
#56
○政府委員(岩間英太郎君) この問題は、私学共済につきまして、御指摘のようにきわめて重大問題でございまして、国会からもたびたび御指摘を受けているような次第でございますが、昭和三十九年でございましたか、この問題を文部省におきましてぜひ解決をしたいということで、文部大臣が直接乗り出されまして、厚生大臣といろいろ折衝した経過がございます。そのときには、私学側もぜひそういうふうな方法で解決をしてほしいというふうな要望がございまして、文部大臣が厚生大臣と折衝いたしました結果、長期給付につきましては、これは一括直ちに私学共済に移っていくと、それから健康保険の関係につきましては、三年間の猶予期間をもちまして私学共済のほうに移っていくというふうな方針で、一応私学側もこれを予承したわけでございますけれども、私学の職員のほうから反対の意見が出まして、それが実現に至らなかったといういきさつがございます。その理由といたしましては、現在私学共済に入るよりはむしろ現行のままのほうが有利であるというふうなことが主たる原因ではないかと思いますけれども、そういういきさつによりまして、その当時かなり前向きな姿勢でこの問題に取り組んだわけでございますけれども、その結果が思わしくなかったというような状況でございます。
#57
○中村喜四郎君 一生懸命私学共済を進めたと言うけれども、現実にこれができなかったということの理由というものをもう少し私は解明していただきたい。それに加入しないというのは、何か不利があるのだ、この点は有利でこの点は不利なんだという、そういう利不利の問題についてもうちょっと具体的に御説明いただけませんか。
#58
○政府委員(岩間英太郎君) これは長期給付につきましては、具体的には掛け金の率の問題がございます。それからそのほかに学内の年金というふうなものも実際には行なわれている学校がございまして、そういう点から申しますと、掛け金の率及び給付の内容につきまして、現行のほうがむしろ有利であると、そういうふうなことでございます。それから短期給付につきましては、学校でみずから健康保険組合を持っているところがございまして、そういうところでは、実際に教員の構成、それから給与の点から申しまして、かなり全体として考えるよりも個々の学校別に考えたほうが、掛け金の率にいたしましてもそれから付加給付等につきましても有利な場合が出てまいりまして、そういう観点から申しますと、私学共済に入ったほうが掛け金率あるいは給付の内容から申しまして不利になってくると、そういうふうな利害関係が一番大きな原因ではないかというふうに考えるわけでございます。
#59
○中村喜四郎君 そこで、いまの中で学内年金が云々ということは、私はこの学内年金というものが私立大学等における紛争の原因になっていることを指摘したい。各地の大学で入学資金をためておいて教職員共済の学内年金に充てている。これが学生の摘発という形になり、紛争の原因に連なっておる。おそらく学内年金という問題は、私は私立大学では将来なかなかできなくなるんじゃないかと思うのです。だとすれば、ここで私は国が処置するこの問題、共済の中に全的に入れるような、そして不満を解消するような措置が行なわれるべきだと、これがなしには、国会で附帯決謙をしてもこれは解決できないと思うのですが、いかがでしょうか。
#60
○政府委員(岩間英太郎君) ただいまいま申し上げましたように利害の問題がからまっておりますので、この問題の解決が非常に従来むずかしかったわけでございますけれども、先生御指摘のように、先ほど来お話しのように、私学の経営というものもなかなかむずかしくなってまいりました。これに対して公の助成もしなければならないというふうな現状になってまいりました。また私学共済のほうも逐年内容を充実いたしまして、このたび御審議願っておりますように、国立学校あるいは公立学校と同じように給付できるようなところまでまいったわけでございます。それに反しまして、ほかの厚生年金関係等を見ましても、掛け金の率といたしましてはかなり私学共済に、引き上げが行なわれまして私学共済に近づいてきたというふうな事情もございまして、まず私どもとしましては、私学共済の内容の充実ということをはからなければならないことは言うまでもございませんけれども、また、その他先ほど来お話しのございますように、私学に対する助成を強化するいうふうなこととも関連いたしまして、この問題をできるだけすみやかに解決していきたいというふうに考えているような次第であります。
#61
○中村喜四郎君 そこで問題は、いまのお話で厚生年金の補助に比べて低いのだ、今度の努力によって百分の十二が百分の十六まで四%上げたのだ、厚生年金その他に比べて文部省としては百分の二十まで引き上げたい、私学振興側でも百分の二十にしていただければある程度具体的に問題が解決するというこの問題について、百分の十六じゃなく百分の二十にした場合の大体金額はどのくらい必要でしょうか。
#62
○政府委員(岩間英太郎君) ただいまの計算でございますと、約八千万程度じゃないかというふうに考えております。
#63
○中村喜四郎君 八千万――私も大体八千万と想定しておったのですが、その八千万程度のもので百分の二十にすることによって、厚生年金に比べ、そうしてその他の問題と比べると、私学共済にこれが大きく役立つということなら、私はどうしてもやっぱり百分の二十、あと四%の八千万くらいの金は出すべき性質のものと考えられますが、これは文部大臣いかがでしょうか。
#64
○国務大臣(坂田道太君) その点はまさにお説のとおりでございまして、文部省といたしまして例年その努力を続けてきておるわけでございますが、本年度の予算では目的を達成することができなかったわけでございます。しかし、これはわれわれといたしましては悲願でございます。こういうようなことなくしてはこの附帯決議の実現は不可能かと考えておるわけでございまして、今後とも努力を続けたいと思っております。
#65
○中村喜四郎君 短期給付の問題はどうでしょう、局長さん。非常に不利な問題解決・・…・。
#66
○政府委員(岩間英太郎君) 短期給付の問題は、これは受けるほうから申しますと、受ける内容につきましては、付加給付を除けば差異がないわけでございますけれども、大学におきましては独自の健康保険組合をつくっております場合には付加給付がかなりある、それから大学という単位でものを考えます場合には、幼稚園まで含めたような場合とは違いまして、掛け金率におきましてもかなり低いものです。そういうふうな両方の事情がございます。したがいまして、年金よりはむしろ短期給付のほうが問題としましては大きいのじゃないかというふうな気がしておるわけでございます。
#67
○中村喜四郎君 そうだと思います。短期給付が問題があるからなかなか加入促進ができないというこの問題解決のためには、政府側としてもこれに対する対策を十分樹立していただきたい。この共済法についてはまだ問題点がございますのですか、しかし与えられた時間が五分までお許しをいただいたものですから、大臣から御説明をいただくのがちょうど時間が五分ごろになると思いますから……。安永委員の質問に対して、大学の将来あるべき姿について示唆に富んだ大臣の御答弁がございましたが、特にその中で生涯教育の問題、これはもう人生一生の中で勉強していくのだ、ある程度経済上のゆとりができたときにおいて、しかも社会的な知識を欲求するときに大学の中で再び求める勉強をしたいという、こういう機会を与える方法を考えていきたい、あるいは開かれた大学と、こういう構想を述べられたのですが、あの際に安永先生の質問もだいぶ迫っておったので具体的な説明がなかったわけですが、もう具体的な答弁はいまの段階ではできないかと思いますが、もう少しひとつ開かれた大学、さらに生涯教育の問題について、できれば三分くらいでもってお答えをいただきたいと思います。
#68
○国務大臣(坂田道太君) 三分じゃなかなかお答えができないかと思いますが、やはり一つの例といたしますと、大阪大学で昨年の十月からたしか二カ月くらいにわたりまして全学的な形におけるカリキュラムを編成いたしまして、たとえば機械文明の中における人間という一つの主要テーマのもとに、いろいろの講義を組み合わせまして、そして約二千人の一般の市民の公募をいたしまして、たしか六時から八時だったと思います。これを続けたわけでございます。これはテレビでも放送になって、非常に注目を浴びたことは御承知のことだと思いますけれども、この一つの効用は、いままで学部の弊害にとらわれて、学部だけでしかものごとを考えなかった人たちが、全学的にものごとを考える、医学部の人も、あるいは宗教、哲学をやる人も、あるいはまた倫理をやる人も、あるいは工学をやる人も、そういうような人たちが一緒になってカリキュラム編成をやるという形において全学的意思を決定していく慣行を樹立するという一面のよさがある。同時に、いま申しましたような一般市民に大学というものが開放される。つまり大阪大学の研究の成果というものが社会に還元される、また学ぼうとする市民が満たされるということ、この考え方というものが各国立大学、あるいは公立大学、あるいは各私立大学等においてどんどん進められるとするならば、やはり生涯教育に通ずる一つの方法かとも思うわけであります。
 それからもう一つは、これくらいテレビ、通信というものが発達をいたしました。したがいまして、この通信、テレビというメディアを通じまして、ひとつ国民のために、あるいは家庭の中で知識を吸収をする、またその間若干の、一年間のうちの何日かをスクーリングをする、あるいは個人の教授をやるというようなことがこれからは考えられる。それに対して大学というものがこたえなければならない。スクーリングは各地方の大学でやるとか、あるいは中央に一つのユニバーシティーが形成され、スタッフがおり、カリキュラムが組まれ、そしてあるいは個人指導の教官というものが備わっておって、それが指導をするというようなこともこれからは夢物語ではなくって、現実にやろうと思えばできることではなかろうかというふうに思うわけであります。これはイギリスにおきましても、すでに来年の一月からこのオープン・ユニバーシティーというものを開校いたすことになっておるわけでございます。また高等学校の段階では、たとえばNHKにおきましても一部これをやっておりますし、また十二チャンネルにおきましてもやっておるわけでございまして、不可能なことではございません。またアメリカ等においてもこれを利用しておる。またわれわれ文部省におきましても、社会教育審議会の答申も得ましたし、そういうような検討も前向きにいたしているわけであります。また、これは単に社会教育だけの問題ではなくて、大学教育局あるいは官房等、つまり文部省が全知全能をあげてこれと取り組みたいと考えているわけでございます。その他、おそらく各大学がこれからそういう生涯教育にどうこたえていかなければならないということは、各大学自身としましても考えられべき課題である。三分でございますので、もう少し申し上げたいところでございますけれども、この程度でお許しを願いたいと思います。
#69
○中村喜四郎君 私はもう少し聞きたいのですが、時間が制限がありますから、いまの生涯教育の問題でも、これはいいアイデアです。テレビ、通信教育、これなんかも資格とか学士とか、そういう称号の肩書きをはずした中で力を形成していくということは、実質的にいま世論としても要求されている。あるいはモデル大学の構想等も大臣から打ち出されている。あくまで私は開かれた大学という構想の中で、いまの学部とかあるいは大学自治という形がもう少し広い幅で検討されなければならんし、あの中で大学――東大にしても、あるいは私の母校の醜い、教育大学の筑波研究学園都市移転に対する紛争の実態を見ても、学内の中でさえも意見統一ができない姿の中で、その大学の自治を主張している。あの中でもし一般の人たちの意見が入っていくことがあったならば、あのような紛争になっていかなかったのではないか。東大の場合でもそういうことが想定できるわけです。私はそういう意味におきましても、開かれた大学の考え方というものをどうしても押し進める。しかしいま大臣は夢物語のごとくであると言うのですが、夢物語であったのではこれはものにならないので、私は大学紛争に対する一事の光明を処えないと――当然これは法律的根拠を伴うわけです。こういうふうな問題については、その構想のまとまり次第法律的な根拠を要請するという形にいくと思うのですが、最後に大臣、いかがですか。
#70
○国務大臣(坂田道太君) いろいろの手続はございましょうけれども、やはりそういうふうな法的根拠がなければ実現できないのじゃないかというふうに思うわけです。またそれをやりたいというふうに考えます。
 それから大阪大学の例でございますけれども、市民がそうやって非常に学ぼうとする意欲を持って通ったわけです。そうして、ある講座を終了したという証書をとったわけですが、その熱心な講義に、学生も、若干ではございますけれども参加したわけですが、いまだかって大阪大学ではこのような教育をやったことはないじゃないか、おれたちにもこのような講義をやってくれ、こういうようなことを言っておったということを当事者から聞いたわけですが、ほんとうに市民の学ぼうとする意欲のある人たちと一緒になって学生が講義を聞くということも、教育的に見てこれはきわめて意義あることであると、私はこういうふうに考えます。こういうふうなことから新しい大学、個性ある大学、特色ある大学ということにつきましては、まだまだ私の頭の中にあるわけでございますけれども、皆さま方のお知恵も十分拝借をいたしたいと思います。また、各政党の方々のお知恵も拝借いたしたいと思っておりますので、どしどしひとつ御意見をお述べいただくようにお願いをいたしたいと思います。
#71
○中村喜四郎君 時間超過して、まだ問題が残っておりますが、あとでまた・・…・。u委員長(久保勘一君)午前中の委員会はこの程度といたし、午後一時まで休憩いたします。
  午後零時七分休憩
     ―――――・―――――
  午後一時十一分開会
#72
○委員長(久保勘一君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 午前中の委員会に引き続き質疑を行ないます。安永君。
#73
○安永英雄君 前の委員会で私学全般の問題として、特に私学の振興について、完全とは言いませんけれども、大臣のお考えと私は一致した。言いかえますと、今後の私学の振興については、抜本的にこれは一つの転機として考えていきたい、こういう方針でありますし、特に研究費等については少なくとも現在の研究費よりも上向いた形で当然出されるという趣旨の意見もある程度まで出ておりますけれども、そういった点でやはり問題になってくるのは、いま私学のほうの実情を見た場合に、学生・生徒の入学の数等とも関係いたしますけれども、ある程度施設面については充実してきている。むしろ高等学校の私学あたりについては生徒が減ってきたあとの施設をどうするかという問題こそ残っておる。したがって、経常費のほうの問題が非常に今後の助成の対象にならなくちゃならぬし、その中で、この前私は出さなかったのですけれども、またきょうもこの問題に深く触れようと思いませんが、私学の現状からいって、経常費の中でもやはり教職員についての人件費、これあたりに非常に経営難を訴えていらっしゃる。したがって、思い切ってその人件費の半分くらいは国でみてもらいたいとか、あるいは県段階における高等学校あたりではその四分の一あたりはひとつ国でみてもらいたい、こういう要求も非常に強いわけです。したがって、私は人件費の問題については前の回にも触れたわけですが、やはり私学のあり方、そして私学の自主独立のこのかまえというものを堅持するといった場合に、人件費という問題については、よほどこの問題については出すのはけっこうですけれども、この点については私は十分に意見を持っているわけです。これは今後時間を見て大臣の意向も承りたいと思いますが、それと同時にやはり問題になってくるのは、学生の納付金の問題が非常に大きい問題になってくると思います。先ほども中村先生からこの点については多少触れられた点ではありますけれども、早急にこの問題は手を打たないと、もちろん現在の大学紛争の大きな原因の一つにもなっておるわけでありますが、この点でこの学生の納付金という問題では、対策としては私学全般についての助成をやっていくという中でこの納付金を減らしていくといいますか、そういった手だてが一つある。それと学生に対する奨学制度、こういったものをやはりもう少し積極的に推進するという中で解決をしていく。あるいはまた中村先生がおっしゃったように、教育費に対する減免措置、こういった税制上の問題として解決していく。さらには、私はあとで意見を申し上げたいと思うのですけれども、生徒の授業料という問題についての直接の助成という問題もある程度考えていいのではないかというふうなことが、特に県段階における私学の高等学校の問題についていえるのじゃないか、こういうことを考えておるわけでありますが、まあ学校全般について私学の振興のための助成ということで大ワクを広げていくという、そういった点については先ほどから論議もありましたし、私もこの前質問したからこれに深くは触れませんが、奨学金の制度という点で一応二本立てになっておるわけです。これは特別私学に対してという答申もあったし、それに沿って実施をされたということでありますけれども、この点は私学と、それから普通のいままで行なわれておった奨学金制度、こういつたものを二本立てにしないで、これはやはり一本立てにしていったほうが私はいいのじゃないかという気がするのです。これは財源を獲得する上からいっても、あるいは今後の待遇の問題についても、私はこの点についていろいろ現在でも多少問題があるように聞いております。長くなりますからここで質問いたしますが、奨学金を受ける学生の採用ということばが当たるかどうかわかりませんが、これについて現在どういうふうにしてこの限られた数をきめていくのか、これをお聞きしたいと思うのです。
#74
○政府委員(岩間英太郎君) この点につきましては、先ほどもちょっと触れたわけでございますけれども、現在育英会のほうで奨学金の関係はやっておりますが、採用基準といたしましては、一般貸与につきましては、高等学校の成績を考えまして、三・二以上の平均点があるというふうな場合で、しかも標準五へ世帯で年収で百二十万以下というふうな家計の基準を備えておるものにつきましては、一般貸与の制度があるわけでございます。それから特別貸与につきましては、ややそれを上回るような、学力基準につきましては、高等学校時代の成績の平均が三・五以上、それから家計基準につきましては、標準五人世帯で年収百一万以下というふうな基準をつくりまして、これに該当するものにつきましては、大学からの推薦に・基づいて育英会のほうで奨学金を出す、こういうような仕組みになっておるわけであります。
#75
○安永英雄君 これは当然文部省としてそんな小さなところまでおわかりにならないと思うのですけれども、やはりこの選考について、ことしから試験をやめるというふうなことで、面接とかあるいは推薦を主としてやるという方式に変えるとかという話もありますけれども、こまかいことでありますけれども、せっかくの奨学金の適用者の決定については、これは文部省としてももう少し、どういった形でそれがきめられるのか、これを御調査を願って、指導されることがあったらひとつ指導してもらいたい。これはやはり相当不満があるようであります。こまかいことになりますけれども、そこまでせっかく出されておるとするならば、皆がやはり納得のいくような形で、これは数が限られておりますから、相当殺到しておるという形の中でありますから、研究をしていただきたいと思います。
 それから先ほど中村さんのときに大蔵省が来ておったわけでありますが、帰ってしまいましたので関連もできないでおりましたが、先ほど税制調査会というものについて当然教育費の控除については積極的に大蔵省としては取り組んでおるのだ、自分たちこそ非常に問題があるけれども検討してくれと言っていると言っておりますけれども、私の調査の限りでは全く逆ですよ。答申を受けて、それに対して先ほどくどくど説明をされておりましたけれども、あるいは高等学校あるいは中学校の卒業生が直ちに就職をして、これも直ちに税金を納めている。反面これは大学に通っている。働きもしないでそこから控除するのは不均衡だ、こういう話、説明等もありましたけれども、これは当然調査会のほうから結論が出て、大蔵省のほうに、この問題については必ず実施するようにという形で答申が出ているのですから。そして先ほど言われたけれども、六月の二十日には大蔵省のほうがこの答申に対して、とてもこういう理由がありますからできませんという形でこの調査会に臨んでおるということが事実であって、先ほどのことばは全く反対だというふうに私は考えます。これもお調べ願いたいと思います。ましてや文部省が大蔵省に対しての要求の態度としては、やはり当然教育的な観点から、これについての控除というものについての措置は緊急の問題としてやはり強力に推進をしてもらいたい、これだけを付け加えておきたいと思います。さらに文部省のほうで、いま学生がいろいろの杉で授業料を中心として学校に納入をしていますが、これについて私の調べたところでは、高いところもあるし低いところもある、まちまちなんですがね。こういった実態について調査されたことがあったら明らかにしてもらいたい。
#76
○政府委員(岩間英太郎君) 四十四年度の私どもの調べによりますと、大学におきましては授業料の平均年額が八万四千四十八円、それから入学金が五ガ二千二十八円、施設拡充費が五万七千二十九円、その他二万八千七百七十三円、合計いたしまして二十二万一千八百七十四円、平均するとこれだけの納付金があるという調べをいたしております。なお、高等学校につきましては、授業料が四万八百九十七円、入学金が一万八千九百九十三円、施設拡充費が一万六千八百六十九円、その他一万五千九百三十四円、合計いたしまして九万二十六百九十三円、これは中学校、小学校の十万円以上と比べまして、やや低いわけでございますけれども、高等学校につきましては、各都道府県におきましても助成を行なうというふうな措置がとられているようでございまして、そのかげんかとも思いますが、平均の実態はそのようになっております。しかし、ただいま御指摘ございましたように、文科系、理科系、医科系、歯科系、そういうものでかなり大きな差がございます。それから同じ文科系にいたしましても相当の幅があるように、最低はもちろん国立学校と同じような一万二十円というようなものもございますし、中には文科系では十万円以上というようなものももちろんあるわけでございます。医科系、歯科系等につきましては、特にそれが大きな金額になっておりまして、父兄の負担になっておるということは先生の御指摘のとおりでございます。
#77
○安永英雄君 いまも報告がありましたように、とにかく膨大な納付金を納めておる。そして父兄の負担は増加するばかりなんですね。特に学生の中には実際に自分がアルバイトし、からだを張ってその金額をためながら入学をしていく、こういう現状なんですから、あらゆる方策を講じて、この有能な学生、青年、こういった大学に学びたいという者はやはりこれはどうしても学ばさなければならぬ。この納付金の負担にたえかねて、ついに学業を放てきしなければならないといったような人も相当ある。これはそういった点で先ほど申し上げました方途は当然講じなければならぬと思うのですけれども、しかし私が非常に不満に思うのは、この納付金が一たん学校に納められて、そうしてその使途というのが名目どおりにいってないという実情も私は知っています。これこれの名目でこれだけ入学のときにとったという金が、その名目どおりに使われていない。そうして正規の納付金以外に寄付金を次々にあらゆる名目をつけて納入させる、こういった場合がたくさんあるということ。これはここで一々例を申しませんけれども、この前も芝浦工大の例を申しましたが、また日大の例を引くまでもなくこういったことが非常に多く、非常に不明確不明朗な実態をさらけ出しておる。これでは汗水たらして高い納付金を納めようとして働いておる父兄、あるいは学生自身がアルバイトで働いてこういった金をつくっておるということから考えて、これはもう教育以前の問題、学校経営の以前の問題として、これは厳重にやはり文部省のほうで監視をし、対策をするという必要があると思うのであります。私はこれはもう人権の問題だと思うのですよ。だからこれによって大学紛争が起こっておるというこの紛争の解決のためにも、これはやはり文部省がそういった面の解決を明瞭に行政の中で示すことが一番大事じゃないかと思うのです。学生は不届きだとか何とか言ってますけれども、こうした問題がエスカレートしていくわけですから、この点の対策を必要とするわけであります。そのために納付金については適正な額、ことばは簡単ですけれども、内容はむずかしいのですが、納付金の適正な額というものを明らかにするという意味で合理的な算定方式によって学生納付金の基準、こういったものを設定する時期が来ているのではないか、検討しなければならぬのではないか、こんなふうに思うのですが、文部省のほうの考え方をお聞きしたいと思います。
#78
○政府委員(岩間英太郎君) 学校の経理が公正を欠いて、それがまた紛争の原因になったり、あるいは世間の疑惑を招いたりしているような事例がございますことはまことに遺憾なことでございまして、学校の経理は公正かつ厳正なものでなければならないというふうな観点から、これは臨時私学振興方策調査会におきましてもその経理の問題についてはお取り上げいただいておるわけでございますが、私どももこの一年間をかけまして、ようやく学校法人の会計基準というものをまとめつつあるわけでございます。これによりまして、学校法人の会計をまずできますれば全国的に明らかにいたしまして、そうしてまた必要があれば、それに対して公認会計士の監査も受けるというふうな方途を講じて、学校の経理体系というものをできるだけガラス張りにして、みんながよくわかるようにしていきたいというふうなことを考えています。文部省には私学に対して指導、助言の権限があるわけでございますけれども、個々の問題につきましては別といたしまして、こういうふうな、問題につきましては、強力な指導、助言をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
 ただいまお話しのございました納付金の基準と申しますか、これは御指摘ございましたようにたいへんむずかしい問題だと思います。しかし私学に対しまして国が本格的な助成を行なうということにいたしました場合には、当然こういうものとの関連が出てこなければならないということは明らかでございまして、そういう意味から申しまして、ぴしゃりとこれが基準だというふうなものがはたしてできるかどうかわかりませんが、少なくともこれくらいの範囲内において学生の納付金というものは考えられなければならないというふうなものは、つくってしかるべきじゃないかというふうなことも考えている次第でございます。
#79
○安永英雄君 出すものも出さないで規制するだけせいというのは、これは無理ですよ。それははわかります。しかし出さないでも、やはり行政・指導としてその問のやはり調整とかあるいは助言とかという形は当然とらないと、いま野放しなんですよ。したがって、出したら徹底的にという考え方じゃ、これまた私学の一番いやな思いをするところで、金を出したから今度は徹底的に介入していくぞというそういったことはいけないと思います。私は当然これはいまの指導、助言、こういった形でやはり調整をしていくということが必要だと思うのです。これはぜひともひとつ取り組んでいただきたい。
 それから先ほど問題にしました各県段階の私立の高等学校の納付金、こういったものについて調査されたことありますか。
#80
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま申し上げましたのは、全国の平均でございますが、ちょっと手元に資料がございませんが、この点につきまして私ども計算しております。
#81
○安永英雄君 どうも各県段階の調査については、この前も申し上げたように、文部省としても管轄が違う、こう言っても。全国的なこういった情勢の中では的確なやはり資料というのはもう少しつかんでほしいと思う。これがないとやはり今後の私学の振興というのは特に大学だけに限った問題ではないわけですし、私学の紛争処理は、いま大学が自然にああいう形で紛争に入っておりますが、もう調べてあると思うのですが、私学の高等学校段階におけるいろんな問題から起こってくる紛争というのは、これは絶えていないんですよ。いまに始まったことじゃない。しょっちゅう行なわれておるわけですが、これはやはり国としても注目をし、対策を進めなければならぬと思うのです。そこで私が調査したのでは、東京都においては全日制あるいは定時制全員を対象として授業料の助成というのを一人当たり九千三百円出している、都が出している。大阪では年収百二十五万円以下の家庭の子弟について年間一万二千円出している。神奈川でも出している。愛知でも一万円定時制について出している。京都でも定時制税員について一万二千円の助成を出している。こういうふうにいわゆる知事というところの所管に人っているところでは生徒の授業料そのものを直後助成をしている、こういうところがあるわけです。この点について私は国のほうでも、直接県が苦しい財政の中から授業料の負担というのをはずしてやろうということで県が出している、こういった考え方について文部省はどうお考えになるのか、私は聞きたいが、これにブレーキをかけるというような点があるから申し上げます。
#82
○政府委員(岩間英太郎君) 私学に対する援助の方法といたしましては、ただいま御指摘になりましたように、学生・生徒を対象として援助するといりやり方と、それから学校法人を対象としてやるというやり方と二つあると思います。結果におきましては非常に似たようなものになっておりますけれども、ただいまお話しになりましたような東京都の例、そういうものにつきまして私どもも私学側の人の意見を、これは公に聞いたわけではございませんが、いろいろ聞いておりますけれども、私学側といたしましては、これは個人を対象として助成をするというよりはむしろ学校法人を対象として助成をしてもらったほうがありがたいというふうな意見もございます。結果におきまして、私は個人に対してやります場合も、あるいは学校法人に対してやります場合でも、利益を受けるのは実際はこれは学生・生徒でございますから、そういう意味ではそう大した差はないと感じます。そのやり方の問題でございます。どっちがいいか、私どももそれを比較考慮して検討したことはございませんので、ここではっきりは申し上げられないのでございますが、いずれにいたしましても、こういうふうなやり方もあるということで検討に値する問題ではないかと思います。
#83
○安永英雄君 そうすると、各県がそれは学校法人に出そうが、あるいは各生徒に直接出そうが、いずれにせよ、そういった施策というものを県独自でやられるということは推奨すべきことだというふうにお考えですか。
#84
○政府委員(岩間英太郎君) そういうふうな手段を講じまして、私学あるいは住民に対して福祉の向上をはかるという点は、私はこういうやり方でけっこうじゃないかと思っております。特に私立高等学校の場合には大学の場合と多少違いまして、本来ならば公立学校でもって教育をすべきところを、私学のほうにお願いしておるというふうなそういう面もあるわけでございます。そういう点が比較的はっきりしているわけでございます。それが高等学校は義務教育ではございませんが、いまや準義務教育的な色彩になってまいりましたので、そういった観点から申しますと、その分だけ都道府県のほうで還元をすると申しますか、そういうふうなことがあってもよろしいし、したがいまして、国のほうでも地方交付税を通じまして財源措置をするというふうな方法をとっております。
#85
○安永英雄君 そうすると、そういった点については交付金等を通じてこういったことをやっていることについては、文部省としては極力交付金の中に入るように、そういった対策は十分打ってもらえるというふうに考えていいのですか。
#86
○政府委員(岩間英太郎君) 地方交付税で財源措置をしておりますのは、これは私学振興という立場からやっているわけでございますけれども、具体的にそれをどういうふうな形であらわすか、これは各都道府県のお考えに基づいてやっていただいてけっうじゃないかと、こういうふうに考えます。
#87
○安永英雄君 私の言っているのは、非常にこういった生徒の授業料が高い、こういうことで、それについては県が補助をする、これは非常にいいことである、したがって、その金が特別文部省なり政府のほうで考慮をして、それだけ余分にそのための交付金というワクづけをして府県に渡していくというふうな努力はされるかということです。
#88
○政府委員(岩間英太郎君) 現在の交付税の財源措置の場合に、そういう積算でやっているわけではございません。これは御承知のとおりでありますけれども、やり方は、これは各県でそれぞれ独自のやり方があってけっこうだと思います。私のほうとしましては、全般的に私学教育の進展という立場から財源措置をしているわけでございますけれども、県の受け取り方がどういう受け取り方をするか、あるいはどういう具体的な措置をするか、これはむろん県の自主性と申しますか、そういうものにまかせようじゃないかということで考えておるわけでございます。
#89
○安永英雄君 私の言っているのは、そういう普通やっている金の中から県がどう使おうと私の知ったことではない、とにかくくふうしてやりなさいと、こういう冷たいことを言ってもらおうとは思っていないんです。文部省としては管轄は違うけれども、大学でも高等学校でもいま入学すると、納付金がずいぶん授業料も上がるばかりだ、こういったものを全国的な視野から何とか解決をしなきゃならぬという立場に立てば、それをワクづけして、そうして交付金の中ではっきり県に渡してもらって、それによってこの教育的な解決ができるような方策を考えておるだろうと私は思っておるんですよ。そういったはっきりしたワクのついた金というものを都道府県に流す考え方はないのか、こういうことです。
#90
○政府委員(岩間英太郎君) 東京都その他が始めましたのも、先生のおっしゃいましたような方法でもって授業料の助成をやるというのを始めましたのもごく最近のように聞いておるわけでございまして、数府県でやっているようでございますけれども、全県でまだそこまでは考えが及ばないようでございます。私どもとしましても、その点についてまだ十分検討したことがないわけでございまして、いまここで、そういうふうな考えに基づいて財源措置をするかどうかというお尋ねに対しましては、ちょっとお答えしにくいわけでございますけれども、この点は十分検討さしていただきたいというふうに考えております。
#91
○安永英雄君 非常に私は消極的だと思うし、むしろそういった私学振興のほうに力を入れている県が自主的にいろいろやっているんだ、この数は非常に県数としては少ない、ごく新しいことだから、それが全国的にどうなったかというこういった時期に考えようというようなことじゃいけない。やっぱり一歩進んで、東京でやろうがどこでやろうが、全国どこもこれについては関係があるし、影響を受けているわけですから積極的にひとつ私は取り組んでもらいたい。要らないという県はないんですよ。迷惑がる県はないんですよ。この点については積極的に、もう少し事情を見るとか何とかということじゃなく、やってもらいたい。特に私は大蔵省筋のこのことについての考え方はけしからぬと思う。文部省はしっかりがんばらなきゃならぬと私は思うんですよ。こういう余裕のある金があれば裕福県とみなすということで、これだけのことをそこにしたから交付金から差し引くぞと、こういったおどしをかけているところもあるんですよ。だから先にいいことをやったところは、そういった形でたじたじとなっているという現状です。そういったことを言わせずに、文部省としてはこれはもう教育上の施策として、国の施策として当然やらなきゃならぬ問題だから、せっかくやっているところを圧力かけずに、先ほど言ったように積極的にどこの県にも早くそういったことをやりなさいというふうな形で、財政上の裏づけをしてやるべきだというふうに考えるんです。非常に苦しい財政の中からこれはやっているんですから、それはもう独自性にまかせるという形じゃ解決できないと思うんです。
 それから岐阜県あるいは岡山県では、これはごく最近です、経営者のほうで岐阜では三百円授業料を値上げする、こういうことから、これは県のほうで月額三百円を持つことになったわけであります。岡山県では五百円の月額値上げということになり、騒ぎになり、県がこれについて二百円の助成をますということで現在事はおさまっております。これは結局授業料値上げという問題を県が肩がわりをしているわけなんで、実質父兄の負担の軽減ということには私はならないと思うんです。むしろこれは考えようでは、授業料値上げやむを得ないという立場を認める形にもこれはなりかねない。こんなふうにも思うし、おもしろいことにはこの岐阜と岡山のこういった県の出方、授業料値上げをする、騒ぎが起こる、県が持つ、こういったことが知れてですよ、全国的に経営者のほうで多少値上げをやる、事を起こす、そうして県からもらうという安易な授業料の県の助成というのを、非常に政治的に悪どいやり方をしておる動きもごく最近起こっておるということを私は申し上げておきたいと思うんです。したがって、高等学校の授業料値上げの抑制という問題については、国なり県なりが強力な助成ということをやるか、あるいは認可制、極端に言えば公共料金と、こういった大体考え方から認可制という形をもう考えなければならぬのではないか。先ほど大学の問題についてはこれは調査をし、そうして十分ものをやり、やった上で、こういった問題については文部省としては規制をしていくという方針を先ほどもお述べになりましたが、私は現段階におきましては、一つの県の範囲内だけで考えておっては解決できないと思うんですよ。一つの県の中で私学の授業料をどうするか、納付金をどうするかということではなくて、これはやはり全国的な視野に立ってこの問題の調整をはからなければならぬ、そこに文部省の任務があると思う。そういった意味で私は大学の問題は先ほど意見を伺いましたが高等学校に対する問題としていわゆる許可制といいますか、一つの線を引いていくという考え方は、これは大学ほど私はむずかしい問題ではない、こんなふうに考えるんですが、その点の考えをお聞きしたいと思います。
#92
○政府委員(岩間英太郎君) これもやはり助成の関係が当然出てくると思います。私立の高等学校におきましても特に人件費が経常費の大部分を占めているわけでございますので、人件費が上がれば当然授業料を上げていかなければならないというふうなこれは筋道になるわけでございます。それを避けようといたします場合には、当然授業料を上げることができなければ、ほかから資金が来なければ授業業を抑制するということができないわけでございます。そういう意味から申しまして、これもやはり助成との関連が出てくるわけでございますから、大学の問題と同じようなことではないかというふうに考えるわけでございますが、私どものほうといたしましては、大学の問題についていろいろ検討いたしておるわけでございまして、当然大学の問題につきまして結論が出れば、それはやはり高等学校のほうにも及んでいくというふうなことではないかと思います。先ほど県で授業料に対して補助をするというお話がございました。これは全般の助成をどうするかという中の一環として考えていかなければならぬわけでございまして、先ほども申し上げましたように、学校法人側といたしましては、むしろ個人に対する授業料の補助と――これはやはり結局は都のほうから金を学校がもらって、そうして徴収すべき授業料を徴収しないというふうな形式をとるわけでございまして、そういう意味から申しまして、この問題につきましてもこういう方法がいいのかどうか、あるいは学校法人自体に対する助成を行なって、ただいま御指摘になりましたように授業料というものを抑制するのがよろしいか、いろいろな考え方があろうと思います。なお東京都の場合には全部の授業料というものを押えるというわけではなくて、一カ月あるいは二カ月限られた期間に対する授業料の免除が行なわれるというふうなかっこうで、必ずしも制度としては完備したものではないというふうに考えておるわけでございまして、援助のあり方、これも大臣も申されましたように、根本的に考えていこうというその中の一環としてこういう問題も考えていきたいというふうに考えております。
#93
○安永英雄君 教職員の人件費の問題につきましては、先に譲るとしまして、提案されておりまする共済組合の内容の問題について質問をいたします。
 この前も大臣にも申し上げたように実際この年金の引き上げ等についてのこの法案は非常におそい、こんなふうに思うし、実際にこれだけの期間に改定が行なわれていなというその陰には、やはり改定前の非常に不合理な中で退職をされた、こういった気の毒な人もあると思うのです。私はこれはもう政府の手落ちだと思うし、責任を追及したくなるくらいですよ。したがって、今後の問題として、国・公共済において給付内容等についての改善が行なわれる、こういった場合には、私学共済においても同時にこれが正しく行なわれると、これが本筋と思うのですが、今後の問題として、まず一番初めに局長のお考えを聞きたいのですがね。
#94
○政府委員(岩間英太郎君) 私立学校の教職員につきましても、国立あるいは公立の学校の教職員と同じふうな水準まで持っていくというのが私学共済の多年の懸案であったわけでございます。それがどうやらここで達成されつつあるわけでございますけれども、今後におきまして国立学校あるいは公立学校の共済の年金の引き上げが行なわれました場合には、当然私学共済につきましてもそういう措置を行なわなければならないというふうな考えでございます。
#95
○安永英雄君 今回の改善措置について充当するための掛け金、こういったものの引き上げは行なわないと、こういうことですが、当然財源が要るわけです。この財源についてどういうふうな措置をされるのかお聞きしたい。
#96
○政府委員(岩間英太郎君) このたびの改正によりまして、掛け金率にいたしますと千分の三・〇一程度の財源が必要になるわけでございますけれども、いままでの掛け金の中に千分の一・〇二程度の過分があるわけでございます。これは計算上の過分でございますが、過分がございまして、そこで掛け金といたしましては千分の一・九九程度の引き上げになるわけでございますけれども、ただいまこの問題につきましては、昭和四十五年にもう一度再計算をするという機会にこの問題を考えていきたいというふうに考えております。なおそのほかに現在資金の運用をいろいろいたしているわけでございますけれども、その利益差と申しますか、これがあるわけでございますし、それへら財源調整の資金といたしまして一昨年二千万、それから昨年三千万、本年度五千万というふうな財源調整のための資金もあるわけでございます。それらを考えまして、昭和四十五年度にもう一存掛け金の率につきましては再計算をいたしてみたいというふうに考えている次第でございます。
#97
○安永英雄君 私はそこにやはり問題があるし、場当たりだと思うのです。こういったやはり長い間取り残されておった改正法や、そういった場合、財源というのは私は明確でなければならぬと思うのです。将来四十五年に――いまの間はあっちゃこっちゃとにかくあるものをかき集めてつじつまを合わせて、昭和四十五年度あたりから今度また明確にするんだと、言いかえますと、この掛け金が上がるということですよ、私に言わせると四十五年になったら。そんな掛け金をぐんぐん上げてこういうことをするという形は、これは私は本筋じゃないと思うのです。私は非常にこの法案を喜んで、けっこうなことだと思ったけれども、これは必ず私の考え方では、四十五年のときには掛け金が上がりますよ。この掛け金が上がらないという保証ができますか。また四十五年のときにはそういうことはしません、国のほうがぴしっときめてやりますから、四十五年になろうとどうであろうと、その心配はありませんと、これは断言できますか。
#98
○政府委員(岩間英太郎君) 将来の問題でございますので、たいへんむずかしいことでございます。たとえばベースアップの問題その他がございまして、そういう予測しがたい問題もあるわけでございます。そういう点から考えまして、将来のことは、先生のおっしゃるようなことにならないとは申し上げませんけれども、ただいまのところでは掛け金につきまして是正を行なう必要はないというふうに考えております。
#99
○安永英雄君 将来のことは云々と言われますけれども、いま現に具体的な、将来じゃなくて、いまのこれが通れば九月、十月から実施されるというこういった法案なんですよ。ここは私はどうこうは申しませんが、この点については四十五年にされるということであれば、絶対ということばは私は使われないと思うけれども、少なくとも掛け金の問題については値上がりするようなことはないのだという、そのことは言わないと、共済組合の運営当局者だってそんなあやふやなことでは心配ですよ。この点が私はやっぱり実際はここで約束をはっきりしてもらいたいのだけれども、大臣どうですか、あなたの責任で出してあるんでしょう。こんなあいまいなことでは審議に実際私は入れないのです。掛け金が上がるかもしれぬということでは、そう賛成できないですよ。あなた変な金はもらいたくないだろうと思うのです。
#100
○国務大臣(坂田道太君) 現時点で考えますと、大体いけるという見解でございます。
#101
○安永英雄君 大臣 そこまでおっしゃるのですから、だいじょうぶだろうということで信用して、そういう立場に立っていまから質問いたします。
 いま財源調整費の問題がちょっと出ましたのですが、財源調整費の現在の現状といいますか、できれば性格から言ってください。性格、使途、これをお伺いしたい。
#102
○政府委員(岩間英太郎君) 財源調整費は先ほども申し上げましたように、一昨年初めて二千万の予算がついたわけでございます。昨年三千万、本年度五千万、合計現在一億の財源調整がございます。この性格でございますけれども、これは私立学校共済組合の内容を充実する趣旨でもらっておる金でございまして、まだその使途につきましては、どういうものに使うということはこれは大蔵省とも相談をしなければならないわけでございますが、まだ正確な使途はきめていないわけでありです。しかし、ただいま申し上げましたように、法改正等がございまして、資金が不足する場合にはこれで充当することも当然あり得るわけであります。まだいまのところ使途ははっきりきめていないと申し上げる次第であります。
#103
○安永英雄君 この財源調整費の性格はいろいろないわゆる調整でありましょうけれども、これは当然やはり積み立ててなければならぬ金額なんでしょう、置いておかなければならぬ金額、そうじゃないですか。
#104
○政府委員(岩間英太郎君) まあ、いわゆる保険数理計算等によりまして、責任上積み立てておかなければならないと、そういうものではございません。これはあくまでも私学共済の内容を充実させると、そういう意味でもらっておる金でございます。したがって、まだその使途は明らかでないということを申し上げるわけであります。
#105
○安永英雄君 私は、先ほども将来掛け金の値上げの問題にからんで当面この金を使っていく、こういう話もありましたけれども、やはりこの調整費という名目でいくというのは私は不明朗だと思うのです。厚生年金と同様に長期給付に要する経費の百分の二十の国庫補助、こういった形で強引に獲得しないことには、共済組合自身の性格が非常にぐらついてくる。たとえば午前中、中村先生のほうから未加入のところの話がありましたけれども、そういったことが県であったことがあるんですけれども、そういった不確定な、不安定な財源を持っている私立共済については不安だと、退職時に実際金があるのかどうか、こういったことも非常に不安がっている。それよりも自分の学校でつくってるそれのほうがいいんだ、こういうふうなことで、やっぱりぴしっとした財源がこれだけあるんだ、びくともしないんだという体制を財政的にとってあげる必要がある。こういう意味から私は先ほど言ったような厚生年金、こういった形と同じような国庫補助というもので裏づけしてやらなきゃならぬという考えを持ってるんですが、ここあたりの考え方はどうですか。
#106
○政府委員(岩間英太郎君) これは先ほども大臣から中村先生に対しましてお答え申し上げたとおりでございまして、ただいまのような財源調整というような形じゃなくて、百分の二十がほしいんだということは、文部省からも予算要求を従来しばしばしてまいったわけでございます。まあ結果的に財源調整というふうな形で予算をもらっておりますけれども、これは先生御指摘のような方向でもって解決しなければならないということは、これは大臣からも申し上げたとおりであります。
#107
○安永英雄君 次に、短期給付の問題についてお聞きをしたいんですが、結局現在赤字があると、こういうことを聞いておりますが、その赤字の実態、あるいはなぜそういった赤字が出たのか、こういった問題について説明願いたい。
#108
○政府委員(岩間英太郎君) 短期給付の赤字でございますけれども、これは四十三年度に約一億一千万の赤字が出るというふうな見込みが立てられておりまして、そういたしますと累計約五億の赤字をかかえるわけでございます。規模の小さな、しかもまだ基礎の確定しない組合におきまして、これだけ大きな赤字が出るということは、これは私ども非常にゆゆしい問題だというふうに考えてるわけでございますが、この原因並びに対策につきましては、ただいま私学共済のほうでも対策委員会を設けましていま検討中でございます。原因はどういうところにあるか、これは私どものほうでもはっきりわからないわけでございますけれども、ほかの組合におきましても、短期給付につきましてはかなり赤字が出ておるという現状から見ますと、給付が結局多いと申しますか、まあ過当診療みたいなことなんかも一つの原因かもしれませんけれども、とにかくこちらの予定したよりも給付が多いということでございまして、その中には医療費の値上げもあるようでございます。まあ原因、それからそれに対する対策ただいま検討中でございまして、できるだけ早い機会に結論を出しまして、その対策を講じたいというふうに考えておる次第であります。
#109
○安永英雄君 まあ五億という累積赤字は確かに大きいと思うんですね。それで、いまも原因がどうかという問題についてはあまり明確におっしゃらなかったけれども、私の調査の限りでは、何といっても医療保険制度の変革といいますか、それに伴ってこの赤字というのは生まれてきている。何かこう共済組合のほうで給付が他よりもよけい有利にして、どんどんむちゃくちゃに給付をしたから赤字が出たということでは私はないと思う。その点についてもう少しやはり――この前も聞いたのですが、私のところは私学共済とはしょっちゅう連絡もしておりますし、また内容についても十分知っておりますということでしたが、この点についてのこの赤字が出たということについては私は明らかにしなければならぬと思うのです、この法律案とも関係して。そういうことであれば局長のほうから、年度別に医療制度が変わってきた場合におけるこの共済組合の赤字というものはどう変動してきているのか、こういった説明をひとつ願いたいと思う。そうしないと、共済組合大迷惑ですよ、はっきりしないと。
#110
○説明員(石川宗雄君) 医療給付にかかる年次別の状況を申し上げますと、昭和三十六年度におきまして医療費が下五%値上げになったわけでございます。これが三十六年の七月一日です。それから医療費が二・三%の引き上げが三十六年の十二月一日にあったわけでございます。そういうような影響を受けまして、一人当たり金額は一・二倍というふうに上がっております。また三十八年の四月一日に療養給付期間の撤廃というようなことが行なわれ、また三十八年の九月一日に医療費の地域差の撤廃が行なわれております。こういうような影響を受けまして、やはり一人当り金額が上がっております。また三十九年一月一日に医療費が九・五%引き上げを受けております。逆に四十年十一月一日には薬価基準の平均四・五%の引き下げというのが行なわれております。これで若干引き下がった面がございます。また四十二年九月一日に健保特例法が施行になっております。この影響を受けて若干下がっております。また四十二年の十二月一日に医療費が七・六%引き上げが行なわれております。この影響を受けてやはり一人当たり金額は引き上がっております。また四十三年一月一日に薬価基準の平均五・六%の引き下げが行なわれておりまして、この影響を受けて若干下がっております。というふうに、医療費の値上げによって一人当たり金額が上がり、薬価基準の引き下げの影響を受けて下がり、健保特例法の影響を受けて目下のところ少し下がっておる、こういうような影響を受けております。
#111
○安永英雄君 いま健保特例法の問題が本国会で非常に問題になっておりますが、特に私は聞きたいのですが、健保特例法のあおりを食らって出てきた影響というものは内容わかりませんか。
#112
○説明員(石川宗雄君) 個人が療養を受ける際に最初に二百円負担する、それから薬代十五円をこえる場合には十五円を負担する、それから入院した場合には一日当たり六十円を個人が負担する、こういうふうに個人が負担することによって、逆に言えば共済組合の負担が少なくなる、給付費が少なくなっている、こういうことでございます。
#113
○安永英雄君 私は共済組合のことを聞いているのですから、共済組合の合計の――一人当たり上がるのは私聞かぬでもわかっているのですよ、初診料とかその他。共済組合の金のほうにどう影響をするかということを伺っているのです。
#114
○説明員(石川宗雄君) それはこれから分析検討することになっておりまして、ただいまのところその数字が具体的に出ておりません。いろいろの要素がからんでおりまして、給付全体の額を分析するというのはなかなか難渋でございまして、これから検討分析したいと思っております。
#115
○安永英雄君 いまから検討、これも問題ですけれどもね。やっぱりそういったこまかいところを検討して、そしてやはり文部省はあたたかい目で見てやらなかったからいまごろ出すのですよ、こういう法案を。おそくなっている。
 そこで、やはり問題はこの五億の累積赤字の解消ということですが、局長はこれはいまから検討するし、共済組合自身も検討中と、こう言っておりますが、私は少なくともこの法律案を出して検討する場合に、この赤字の解消をどうするかという問題については、しごく明確にやはり説明をする必要があると思うのですよ。どうもあまり明確なことを言いよると、国のほうが全部持てということになりそうだから、あまりさわられたくないという気持ちもあるかもしれぬけれども、少なくともこういった短期の給付についての問題ですから、すぐにも影響をしていく問題なんですから、この赤字の解消という問題についてはどういう解消策を、まあ共済組合内部はもちろんこれは当事者ですから真剣に考えましょうけれども、文部省としてどうしてあげたいと思うのですが、この解消策。
#116
○政府委員(岩間英太郎君) そこのところをいま検討してもらっているわけでありますが、いろいろ方法はあろうと思いますけれども、私もまだ十分中身はわかりません。ただ、赤字がこれだけ出ておって、これは容易ならざる事態だということを認識したところでございまして、まだ具体的な対策がないのはたいへん恐縮でございますけれども、これは早急に対策を立てまして、対処したいというふうに考えている次第でございます。もちろん国からの補助という問題もあるわけでございます。この問題につきましては、従来も予算要求をいたしておりますが、引き続きましてその実現に努力をしたいというふうに考えているわけでございます。
#117
○安永英雄君 いまからじゃ私はおそいし、またこれは腹案を持っているんじゃないですか。たとえば一つ聞きますけれどもね、今度の法案の中で、この標準給与の上限、下限、これを上げましたね。これは大臣の提案理由の説明のときに何とはなしに聞いておったが、これはもう当然のことで、すっと上がるんだ。いろんな事情がありましてこれも上げますと、こういう文句になっていますがね。たとえばこの上限を上げることによってどれだけの金が増加していくのか、これはどうなんです。これあたりは私はこの赤字補てんといいますか、この中には大きな役目を果たす金額だと私はにらんでいるんですがね。ここらあたりははっきり上限、下限の提案をしておいて、あたり近所の今度の改正を見ますと、直接それとはあまり関係ないんですよ、今度の法案の改正の趣旨からいけば上限、下限を動かしたということは。これは私はいまの共済組合のいわゆる運営、特に赤字、こういった問題と私は大きなかかわりがあるというふうに考えるのですがね。たとえばそういうところにもあるんじゃないか、あるいは国としてどれぐらいの金額を見なきゃならぬかというところあたりの心づもりがはっきりしないと、これは先に審議進みませんよ。
#118
○政府委員(岩間英太郎君) このたびの標準給与の引き上げによりまして、大体六千四百万程度の掛け金の増加が行なわれるというふうに考えているわけであります。そのうち長期給付につきましては、これは当然将来還元されるべきものでございますから、まあ一応計算の外にいたしまして、短期給付につきましては、ただいま御指摘のようにそれが改善されるというふうなことになると思います。上限のほうで大体そのうちの三分の二程度、それから下限の引き上げでは三分の一以下になると思いますけれども、大体それぐらいの割合で掛け金の上昇が行なわれるというふうに考えております。
#119
○安永英雄君 おっしゃらないならもう少し資料を出していただいて、お聞きしたいと思うのですが、たとえば他のほうの制度の赤字がいろいろ出ています。政管健保、あるいは船員保険、あるいは日雇い健保、こういったところでも先ほどのような医療制度の変革によってそれぞれやはり同じように赤字を出している。これについて、それぞれ国の国庫補助というものはどう出していくか、これについて明らかにしてもらいたい。
#120
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま政管健保につきましては、まあかなり大きな赤字があるようでございますがこれに対しまして国庫補助が四十一年度百五十億、四十二年度二百二十五億、四十二年度も同額の国庫補助が出ているようでございます。それから船員保険につきましては四十一年度に四億、四十二年度、三年度にそれぞれ六億、日雇い保険につきましては、四十一年度から四十三年度までそれぞれ三億の補助金が出ているようでございます。
#121
○安永英雄君 いまおっしゃった数字はそのとおりであると思うのです。それではそれぞれの瀬独活の中で、その保険の中で累積赤字は幾らですか。それとの比較を言ってもらわぬことにはわからないのです。
#122
○政府委員(岩間英太郎君) ちょっとそこまで調べがついておりませんが、政管健保につきましては、千二百億程度の赤字があるというふうに聞いております。
#123
○安永英雄君 たとえばいまもおっしゃったんですけれども、政管健保については四十二年度では二百二十五億、こういう膨大な金額がこの赤字の補てん分として国の国庫補助をもらっている。あるいは船員健保、こういったところの累積赤字というのは七億四千万、その中で四十二年度は六倍もらっているのですよ。六億の金額、ほとんどもう解消するに近い金額が国庫補助で出ているのです。日雇い健保のごときは百分の三十五ですから、これを年々出しているのですから、赤字補てんについての国庫補てんというのは膨大な金額が出ている。いま幸いに小さい組合、こう言われましたけれども、これは十七万人くらいの組合です。そこで率から言えば、ちょっと五億というのは大きいけれども、これについてはもう私はいままで他のほうの赤字補てんのための国庫補助はやっているのですから、どのくらい見るつもりですか。これはっきりしてもらいたい。
#124
○政府委員(岩間英太郎君) このただいまおあげになりました政管健保それから日雇いの関係、この関係は社会保障というふうな観点から国庫の補助が行なわれております。それから船員健保につきましては、これはまあ戦時中の実績その他ありまして、過去の沿革に基づいて補助を行なわれているというふうに聞いておりますが、一般的に共済関係、いわゆる共済グループとも言われておりますけれども――につきましては、ただいまのところ赤字につきまして、国庫の補助を受けるというような制度はできておりません。私どももこの赤字につきましては、従来から国のほうで補助をしてほしいというふうな要求を出しておりますけれども、ほかの共済グループとの関係がございまして、それが実現を見ていないことはたいへん遺憾でございますが、私学共済につきまして、ほかの共済グループと違います点は、五人未満の小規模の幼稚園、特種学校等をかかえているという点でございまして、その点に着目しまして、その分に対します国庫補助を七千万弱でございますが、要求しておりましたが、それが実現しておらないというふうな状態になっています。
#125
○安永英雄君 確かに海員あるいは日雇い健保の性格から言って、同じ赤字と言ってもそれを補てんをする場合には多少の差はあると思う。あると思うけれども、しかし大体あおりを食らっている。そういった赤字が出てきた原因というのは大体同じなんですよ。特に私は公立学校の共済組合の内容等も調べてみましたけれども、やはりこれも同じように苦しい立場に立っている。ただしかし、この私立共済の場合は、やはり非常に低い賃金のほうが非常に多い。いわゆる賃金というのがそれぞれ違うのですね。そういった形で掛け金という関係が非常に性格が違ってくる。したがってやはり特殊ないろいろな医療関係の制度が変わってきても、あふりを食らうという率が非常に大きいということを私は感ずるわけです。そのためには、まるまる日雇い健保その他と同じような取り扱いをしては、これはいろいろ問題が他のほうにもあると思いますけれども、相当思い切った金額を国庫補助で投入しないと、この赤字というのは私はどうしても掛け金という形にくると思うのです。これ以上いまの私学共済の各組合員の方々の掛け金を引き上げて、自力でこの赤字を解決せよなどと言ったところで、これはとても共済組合全般の運営については大きな支障がくると思うのです。私は後段でいわゆる運営内における問題を明らかにしようと思っているのですけれども、この五億に引っかかって、ほかのいわゆる組合員の健康を保持するとか、あるいは医療をするとか、あるいは厚生施設をするとか、こういった問題にはとても手が届かないと思うのです。そういった意味で、いま局長がおっしゃったけれども、これはいま検討中と言われますけれども、赤字の解消策としては、主として国の国庫補助というものを主軸にして解決しろと言うくらいの立場で、解決策に文部省が積極的に取り組んでもらうということが一番大事だというふうに考えますが、これについての考え方を大臣からおっしゃっていただければ一番いいと思います。
#126
○国務大臣(坂田道太君) 安永さんのおっしゃることは、私は非常に当然のことのように思います。この件については、ほかのところとの均衡もございますけれども、しかしその主たる原因というものは大体明らかでございますから、この点につきましては、十分次の予算要求の際に一段と積極的にただいまの御趣旨に沿いまして、国庫の補助というものを一つの目標として考えていきたいというふうに検討いたしたいと思います。
#127
○安永英雄君 短期の関係でもう一つお聞きしたいのですが、付加給付という問題です。これは公立その他で付加給付は十分されて非常に恩恵を及ぼしている。これについて反面非常に私学では不遇だというふうに考えるのですけれども、この点についての措置を文部省としてどう考えていただいているか、これについて伺いたい。
#128
○政府委員(岩間英太郎君) 私学共済も十五年たったわけでございますけれども、まだ非常に基盤が浅いという点、それから組合員の人数も少ないという点で、付加給付までとても手が回らないということは御指摘のとおりでございます。私どもも先ほど申し上げましたように、国立、公立学校並みということが一つの目標でございまして、やっと長期給付につきましては何とか形を整えつつありますけれども、短期給付までとてもいままでは手が回らなかったというのが率直なところでございます。まあ今後この点につきましては、私学共済の内容が充実しますにつれまして、そういうものをできるだけ国立、公立学校職員並みにまで持っていくということについて努力したいというふうに考えております。
#129
○安永英雄君 長期給付関係についてお尋ねしますが、長期給付の所要財源率と、その負担割合の状況についてお伺いしたいと思います。
#130
○政府委員(岩間英太郎君) 現在長期給付の掛け金率は千分の七十六ということになっておりまして、これが使用者それから被使用者折半でございますから、千分の三十八という計算になるわけでございますが、ただいま都道府県のほうで千分の八の補助をいただいております。したがいまして、その分を差し引きますと、千分の三十四ずつ使用者と被使用者が折半しておると、そういう形になっております。
#131
○安永英雄君 国共済のほうでは五年に一回所要財源率の改定を行なうことになっていますね。私学共済の場合はどうなっていますか。
#132
○政府委員(岩間英太郎君) 先ほどちょっと申し上げたわけでございますが、昭和四十五年度に掛け金率につきまして再検討するということを申し上げたのはその意味で申し上げたつもりでございまして、やはり私学共済につきましても、五年に一ぺん掛け金率の再調整を行なうということにいたしております。
#133
○安永英雄君 長期給付の一番中心になります責任準備金の状況について、現在どうなっておりますか聞きたい。
#134
○政府委員(岩間英太郎君) 責任準備金は、四十三年度の末で一応七百十八億というふうな金額が出ているわけでございますけれども、そのうちで現実に持っております保有資産が三百七十二億、それから計算上将来入ってくる計算になっております責任準備引き当て金が、三百三十三億ということでございまして、一応計算上の不足の金額が十三億というのが現在の責任準備金の状況でございます。
#135
○安永英雄君 先ほども言ったように、長期給付のやはり骨格になるのはこの金です。いろいろ引き当て金その他の問題ありましたけれども、合算してこれが不足を出しておる、十三億の不足だ、こういったことは私は非常に不安定な運用だと思うのです。それはどうして出てきたのか。これは少なくともこの積み立ての金は不足を出しちゃいかぬのです。これは民間の会社の経営その他にしたってこの金額を、どんな理由があっても責任準備金のこの不足というのは、これを割るということは私は先ほどの赤字の問題以上の問題だと思うのです。どうして十三億も割っておるのですか。
#136
○政府委員(岩間英太郎君) これは赤字と申しますか、計算上の不足額でございますけれども、このおもな原因は、先ほど申し上げましたようにベースアップでございます。まあちょっと予見し得ないような事情によりまして起こるものにつきましては、やはり計算上の違いが出てまいります。そういう意味からただいま十三億というふうな不足額が出ておるわけでございますけれども、これは五年ごとの再計算ということでございまして、四十五年度にもう一度再計算をし直してこれを調整するということになるわけでございます。なお、まあ現実の問題として、これは不足額ということでございますが、現在資金運用の面におきましての計算は一応五分五厘ということで計算をいたしておるわけでございます。現在実際に運用しておりますのは、六分八厘以上の高率でもって運用いたしておるというふうなこともございますので、現実の問題とその計算上の不足という点は、これは若干違うわけでございますから、まあ今後こういうものは五年ごとに調整をして将来の見込みを立てていくということでございます。
#137
○安永英雄君 こういった十三億の不足が出ているという、これはまあどうしても私は許せないと思うのですよ。それでしかもその理由がベースアップというのですからね。このベースアップは当然いまからぐんぐん行なっていかなければならぬし、当然私学においてもそういったベースアップか行なわれるわけですから、そのことが大きな原因で大事なこの責任準備額が不足をするということになっては、いよいよ貧弱な、非常に不安定な財政じゃないかと思うのですが、私もたとえば公立の共済あたりでの経験があるのですけれども、これが起こるときには、わりと退職者が一挙に出たとか、それから行政区画が急に分かれて、そうしてこちらにいまおったのが一応解散じゃないけれども、こっちが分離するからその中の金を全部この準備金に持っていかなければならぬからというような、しごくやむを得ないというような立場でこの不足額が起こってくるのが普通ですよ。あなたのおっしゃるようにベースアップでこれが起こってくるというのは納得がいかないし、むしろそれがほんとうだったら、この準備金については基本的にこれは考えなければならぬ問題だと思うのですが、どうですか。
#138
○政府委員(岩間英太郎君) ちょっと申してはあれでございますが、ただいまの経済の成長率といりのは、これはちょっと一年前でも予想できないような経済の大きな成長があるわけでございまして、それに伴いまして、ことしのベースアップも春闘でございますか、そのときの賃金の上昇でもまあかなり大幅になっております。もちろん一応べースアップの幅というものは見込んで計算はいたしておるわけでございますけれども、それを上回って計算の見込み違いがあったということでございますが、まあ全体先ほど申し上げましたように、七百十八億のうちの十三億ということで、比較的計算の違いとしては少ないのではないかといり気もしますが、もちろんこれは不足が生じないというのがたてまえでございまして、今後十分注意するようにいたしたいと思います。
#139
○安永英雄君 一番最後のところ、何ですか。今後どうなさいます、対策は。
#140
○政府委員(岩間英太郎君) 今後の計算にあたりましては、十分注意してまいりたいということを申し上げたわけでございます。
#141
○安永英雄君 注意して出てくる。このたとえばいまの十三億の問題ではないですが、基本的にあなたの頭の中で、この準備金の性格というものがつかめていないのではないかと思うのですけれども、これは家の中でいわば大黒柱なんですよ。これがゆらいできて多少削られたという形なんですからね。これから先この白アリが食わぬように見ておりますというようなことではこれは倒れてしまいますよ。国としての対策、文部省としての対策、これはあなたのほうの仕事でしょう。つぶしちゃいけませんよ、この共済制度。
#142
○政府委員(岩間英太郎君) もちろんこういうものは正確であるにこしたことはございませんけれども、やはりまあ誤差があるために五年ごとに再調整をするというふうな制度をとっているわけでございます。見込みは、たとえば先ほど申し上げましたように、余裕財源の運用等におきましても比較的かたい数字でもって押えているわけでございます。したがいまして、こういう計算にあたりましては、かたい基礎のある数字でもって押えるということからいたしまして、どうしてもこういうような不足というようなことになろうと思いますけれども、そういうものにつきましては五年ごとに再調整しながらできるだけ的確な方向に持っていくということではないかと思いますが、今後ともそういう意味で注意してまいりたいということを申し上げたいと思います。
#143
○安永英雄君 長期給付に要する経費の国庫補助につきまして、最近の予算に対する決算の状況、こういったものをまず承りたい。
#144
○政府委員(岩間英太郎君) 長期給付に対する最近の予算と決算でございますが、四十年度は予算額が一億三千四百六十一万円に対しまして決算額が一億一千七百八万円、四十一年度が一億九千六百六十六万円に対しまして一億四千七百八十二万円、四十二年度は二億二千五百三十一万円に対しまして二億二千五百三十一万円、これは同額になっております。それから四十三年度は三億七百九十八万円に対しまして三億七百九十八万円、これも同額になっているわけでございます。
#145
○安永英雄君 いまのいわゆるそのとんとんのところがあるわけでけれども、ここは全部積算払い、こういう形をとっているわけですね。したがって、この余った場合は国のほうに納める、足らぬ場合は追加というのは認めない、こういう立場をとられておるわけです。これは私は共済組合の運営にとっては非常に不満です。当然次年度の予算にこれを組んでやっていくのがほんとうだと思うのですが、こんなにまでして、余った分は返せ、それから超過した分については追加は認めない、こういった冷酷無比なこの長期給付に対する国の補助というのは私はいけないと思うのですがね。この点どう思いますか。
#146
○政府委員(岩間英太郎君) ただいまこの国庫補助金につきましては、予算の範囲内というふうな限定がございまして、毎年の年度ごとの補助になっています。しかし、給付の実績が年度当初の見込みを大幅に上回るというふうな場合には、これはもちろん補正予算あるいは予備費によって国庫補助の金額に補正を加えております。したがいまして、現在のところ支障がないというふうなことでございます。
#147
○安永英雄君 私はこれがやっぱり支障を来たしてくると思うのですよ。先ほど言われたように、ベースアップ一つしただけで屋台骨をゆさぶるような状態の中ではこういった状態が私は出てくる。したがって、やっぱり多少そこのゆとりというものを持たせないと、世帯が小さいだけに、また基盤がやっぱり他の制度と比較すると非常に弱い、全員が入っていないというふうな状態の中でやっぱり苦しい運用をやっているわけですから、多少そこのところの国庫の補助の取り扱いについては積算払いという形式、これはある程度あっても私はいいと思う、他との振り合いがありますから。しかし、やはりそれ以上に出る場合もそれはある。だから次年度ということも考えながら、やっぱりそこのところを多少幅を持たせた私は収支をやらないといけないと、こういうふうな感じでありますから、ぜひひとつそういったことをかたくなに考えられないで、やはり運用を助けてやる、こういうふうな気持ちでいていただきたいというふうに希望を申し上げておきます。
 次に年金の問題ですが、この受給権を持っておる人、これは一人当たりの年金額、これを厚生年金あるいは国共済、地方共済、私学共済、こういったものと比較してどうなるか、説明を願いたいと思う。
#148
○政府委員(岩間英太郎君) 退職年金について比較いたしますと、昭和三十八年度におきましては、厚生年金が四万二千五百十円、国共済が十七万二千七百三十七円、地共済が十七万八千四百十三円、それに対しまして私学共済が十二万七千五百十三円。三十九年度におきましては、厚生年金が四万三千二十八円、国共済が十九万一千六百二十三円、地共済が二十二万三百五十六円、それに対しまして私学共済が十二万八千四百二十二円。四十年度は厚生年金が九万一千七百八十一円、国共済が二十一万二千百三十七円、地共済が二十五万二千六百五十六円、それに対しまして私学共済が十三万四千九百十円。四十一年度におきましては、厚生年金が九万三千八百八十七円、国共済が二十三万九千五百五十一円、地共済が二十八万二百七十二円、それに対しまして私学共済が十六万三千七百六十七円、そういうふうなことになっております。したがいまして、私学共済の場合は厚生年金に比べますと、かなりよろしいわけでございますけれども、国共済、地共済に比べますと、これは前の恩給期間がかなり国立学校の職員あるいは公立学校の職員は優遇されておりますので、そのための差ができておるわけでございまして、理論的にはじきました場合には、これは国共済、地共済と私学共済とは計算上は異ならない。実際には恩給年限の違いがございまして額が違う、そういうふうなかっこうになっております。
#149
○安永英雄君 いま説明もされましたから、ある程度わかると思うんですけれども、厚生年金との比較はちょっとおかしいと思うんですけれども、しかしいずれにしても、年金額については低いことは間違いない。これはやっぱり何とかしなきゃならぬし、制度という形から考えていかなければならぬ問題じゃないかと思うんです。いま提案されておるのもその一環ですけれども、私学にとっての年金制度、この問題については根本的に検討を進めていく必要があるのではないかというふうにも考えますが、そういった点御検討になっていますか。またどういう考え方ですか。
#150
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま申し上げましたように、過去における特別な優遇された期間というものを除きますと、理論的には両方の制度は全く同じところまできたわけでございます。したがいまして、実際の額によって比較いたしました場合には低いという点はございますが、制度としては、国立あるいは公立と同じ制度にすればそれで足りるのじゃないかという気がするわけでございます。
#151
○安永英雄君 いまおっしゃった点は、私は局長の今後の年金制度についての基本的な考え方じゃないと思うんです。そんなものじゃないと思う。時間もありませんから、私学の年金制度の問題についてはまた時期をあらためてまとめてもう少し深く質問し、討論したいというふうに考えております。そこで、現在の共済組合の保有資産といいますか、全資産はどれぐらいあって、そうして資産の内容の区分、これはどうなっているか。要するに、総資産に対してどういうふうにして運用をし、いるか、こういった問題についてお聞きしたいと思います。
#152
○政府委員(岩間英太郎君) ただいまの保有資産は先ほど申し上げましたように三百七十二億ということでございますが、昭和四十二年度末の長期経理の資産の運用状況を申し上げますと、昭和四十二年度におきましては三百億の保有資産がございまして、その運用状況は預貯金に約八億二千万、それから信託が三十二億八千万、投資有価証券が百十六億一千万、それから私学振興会への貸し付け金が八十五億九千万、それから不動産または組合の行なう事業のうち、不動産の取得に対する貸し付け金が十六億五千万、それから組合の行なう事業のうち、不動産の取得以外の事業に対する貸し付け金が約二十億、その他二十億というふうな運用でございます。
#153
○安永英雄君 この保有資産の運用について、特に不動産をどう使っているか、運用しているか。あるいは組合の行なう事業に対する貸し付け、これの内容の概要をちょっと説明していただきたいと思います。
#154
○政府委員(岩間英太郎君) 不動産につきましては、ただいま申し上げましたように、金額としましては十六億五千万程度でございまして、組合の不動産投資の大部分はこれは現在福祉事業としまして保健施設、医療施設、それから宿泊所等を設けております。その土地に対する投資というのが大部分でございます。
 それから土地の取得に対する貸し付け金は、ちょっといま土地の分だけ分離して御説明することができないわけですが、住宅貸し付けの中に入っておりまして、住宅貸し付けは四十二年度におきまして九億四千七百万、それから償還が一億一千百万ございますので、差し引きいたしまして八億三千六百万というふうな金額になっております。
#155
○安永英雄君 この保有資産の運用で、そういった区分のところで、どこにこの運用の重点を置くかというのがいまの数字で出てくると思いますね、不動産という関係で。この全保有資産の何%が不動産取得に使われるか、あるいは組合の行なう事案に対する貸し付けで総資産の何%が使われているかという問題についておわかりですか。
#156
○政府委員(岩間英太郎君) 不動産に対します貸し付けは、率としては五・五%でございまして、それ以外の貸し付けが六・六%、これは四十二年度の場合でございますが、その程度になっております。
#157
○安永英雄君 不動産に対するパーセンテージは二一八%じゃないんですか。あるいは組合の行なう事業に対する貸し付けというのは一〇・三%じゃないんですか。
#158
○政府委員(岩間英太郎君) 四十二年度の数字としましては、ただいま私が申し上げたもので間違いないと思います。
#159
○安永英雄君 計数のとり方は私のほうが誤っているかもしれない、あなたのほうが誤っているかもしれない。まあいずれにしても、私の言っている率からいっては二十%です。要するにこの不動産という問題と組合員に対する貸し付け、こういうのが共済組合におけるほんとうの会員に対して直接利益といいますか、恩恵がはね返っていく項目なんですよ、総資産の中において。これはもうどんな共済組合だってここの率が、総資産のうちどれだけのものが会員全般について利益をもたらしているかということなんです。これは総じて言えば長期だろうと短期だろうと、あるいはいまの不動産であろうと、預金だろうと債券を買おうと、すべてこれは会員に対する還付かもしれませんけれども、実際に日々あるいは一年間のうちで会員が共済組合に加入しておることによって恩恵を受けているというのは、この不動産といったところと貸し付けというところが一番大きいわけです。この点について私はこの率は非常に低い。これは公立共済も御存じだと思いますが、公立共済はどれくらいいっていると思いますか。この二つの項目は何%ぐらいがこういった直接組合に還元していく利用がされていると思いますか、公立共済は。
#160
○政府委員(岩間英太郎君) 公立共済の場合は私どもの計算では三九%、約私学共済の三倍程度になっているというふうに聞いております。
#161
○安永英雄君 冗談じゃないですよ。ごく最近これらについての総会があり、決定があって、これについては五四・五九%ですよ。半分以上ですよ。総資産の半分以上が各一人一人の組合員に対して、あるいは宿泊を利用するとか、あるいは赤字補てんのために貸し付けるとか、あるいは医薬品をいただくとか、いろんな厚生の金に直接毎年毎年区切って恩恵を受けておる。この点については、たとえば私学の教育振興上貸し付けをしている、こういった点は公立なり他のほうにはこれはない特殊なケースだと思うから、あながち倍以上、三倍も違うじゃないか、こういうことはあえて私は申しませんけれども、それにしましてもやっぱり何といいますか、普通預金、定期預金、有価証券あるいは社債、こういうところに非常に運用がされておって、そして世帯はこまかいし、大もとをただせば先ほど言った大黒柱がかしいでいるのですから、非常に苦しいと思うのですけれども、それにしても率が多少開き過ぎる。こういった運用については文部省としてはどう思いますか。
#162
○政府委員(岩間英太郎君) 先ほど三九%と申し上げましたのは、これは貸し付けだけだそうでございまして、たいへん失礼をいたしました。私も初めて公立共済とそれから私学共済へ参りまして事業計画を聞きました場合に、一番この点が非常に奇妙にと申しますか、思う点でございまして、私学共済のほうでは資金の運用の利回りが大体先ほど申し上げましたように六分八厘を越えるわけでございます。無理してこういうような高額の運用をするためにこういうことをしているのじゃないかという点を非常に心配をしたわけでございますが、聞いてみますと、実際にはそう特に貸し付けにつきましては無理をしているような様子は見当たらないわけであります。つまり貸し付けにつきましては、毎年相当大幅な要求の上昇が見られておりますけれども、実際にはほとんど全員に対する需要量を満たしながら、しかもまだ貸し付けの率が低いと、そういうふうな状況のようでございます。それから不動産投資、これも御指摘のように組合員の福利厚生にとりましては非常に大事なことでありますけれども、まだその点につきましては私学共済のほうは十分とは言えません。これは今後大いに活用しなければならない部門だと思いますけれども、貸し付けにつきましてはそう無理をしていないという点がわかって安心したような状況でございますけれども、ただ、貸し付けの希望の上昇率というのはかなり大きく伸びております。特に住宅貸し付け、そういうものにつきましての需要というものは非常に高くなっております。貸し付けの金額にいたしましても、今年度よりやく公立共済並みになったというふうなことでございまして、従来からおくれておったということは確かでございますけれども、その点の無理はないというふうに認識するような次第でございます。
#163
○安永英雄君 無理はないという立場をとられるというのは、出すものを出さないからそう言わざるを得ないと私は思うのです。落ちつくところはそこだと思うのです。しかし、私ははっきり言っておきます。出すものを出しても、その運用のときの運用方針というものがいま申したパーセンテージに出てくる。そういうことですから、やはりこの点は文部省としてはしょっちゅう接触をさせておるならば私は指導される必要がある。この点は、私はいやみを決して言っておるのではないのです。この点はそういった方向に共済組合の本来の趣旨というのがあるわけですから、私はやはり長期、短期を問わず、やはり一般の一人一人が零細な金を出し合ってつくって、お互いに相互扶助の精神のもとにやっていっているのだから、やはりこれに入っておけばこういう恩恵があるのだということは常にやらなければいかぬと思うのですよ、これは。特に若い連中なんというのは病気しやしませんし、掛け金だけ払っておるけれども、一つもその恩恵はない。そういう連中がたとえば東京に勉強に来る、講習会に出て来る、こういった際に宿屋あたりが非常に安いところであちらでもこちらでも泊まれる、年に一回宿屋に泊まったら、やはりおれは掛け金を掛けておったのがここで生きてきたわいと思うのです。それが東京へ来れば宿屋というのはない。確かに施設はあ
 る、あることはあるけれども、それじゃ足りない。あるいは何といいますか、公立共済がやっているように、僻地の先生方についてはなかなか恩恵がない、宿屋を利用しようだってなかなか島から出やしません。そういうところではやはりわずかですけれども、医薬品その他を見舞いという形で出してやる。全然利用しなかった人に対してはやはりほかの方法で、手ぬぐい一枚でも配ってやる。私はこういうのがやはり設立の趣旨だと思う。そういう意味から相当な援助をいまからしな・ければ、そういったところに手が届きません。確かに財政的には苦しいのです。しかしそれをやはり共済組合のほうにお渡しになる、こういった場合には内容面にどこまで文部省がタッチできるのか、それはまた別として、やはりそういった配慮をして、使いなさいよという指導はやるべきだというふうに私は思います。この点は、多少他の面のほうの共済組合をかじっておる私としては、ここには不満も多少あるのです。私は別にそこの会員でもなかったわけですけれども、その地方地方ではそういうことも聞く、そういう意味のことを申し上げておきたかったわけです。
 そこで、現在の非常に会員と関係のあるこういった不動産といったものについて、どう運用をしておるのか、内容をひとつ説明願いたいと思う。
#164
○説明員(石川宗雄君) 四十一年三月三十一日現在でちょっと古いのでございますが、投資不動産としまして、東京都文京区湯島一丁目七番五号というので、これは湯島会館があるところでございます。これが二千万円の宅地でございます、三百四十六坪。それから札幌に会館ができましたが、そこのところの札幌市の土地でございます、これは七百十五坪で六千六百万、それから神奈川県の鎌倉市に三百一坪で千百万、それから東京都の八王子市、これが七千七百六十九坪で三千八百八十四万、それからもう一つ八王子市に八千三百八十一坪で約三千九百万、それから同じところに三千坪で一億円、それから京都の烏丸通りのところに一百四十坪で二千二百万、それから同じところで百一四十五坪で二千三百万一それから同じところで百四十四坪、二千三百万、それから北海道の温泉の一あるところですが、約千五百坪で約四千八百万、北海道の有珠郡壮瞥町でございます。それから石川県の加賀市で五百八十六坪で千五百万、それから栃木県の那須、千五百一坪で千百万、それから熊本県の阿蘇郡でございますが、三千五百三十二坪で三百八十八万五千円、それから愛知県の松山、これは保養所がございますが、そこの宅地千三百八十二坪で千五百万、それから愛知県の名古屋、これは名古屋に会館ができます予定地でございますが、三百七十八坪で一億千三百万、それから福岡市でございますが、これも将来会館予定地でございますが、五百八十七坪で一億四百五十万、それから神戸市兵庫区の有馬、これは有馬の宿泊所がありますが、千八百十六坪で七千万、それから和歌山県の白浜に約八百坪で金額三千万、こういうところでございまして、おおむねまず土地が値上がりなんかしますから、安い土地で手に入れたい、将来宿泊所、保養所等を設置するという見込みのあるところを不動産投資で先に買います。そして機が熟したときに会館とか宿泊所とか保養所とか、こういうところへつくっていく、こういうような状況でございます。
#165
○安永英雄君 いまおっしゃった不動産を取得するという、そしてその内容は東京の本部のほうの会館を建てられた、これは当然しっかりしてなければならぬと思いますが、その他のほうは会員のいわゆる厚生施設としてそういうかまえをされるということは私はたいへんけっこうだと思うのです。またこれは非常に広げてもらいたい、またそのためには政府のほうも極力援助してほしい、特に土地取得の問題についてはこれは公立共済でも国立共済でもどこでも同じですが、非常に国公共済のほうはこれついては性格からいってスムーズにいくんですよ。土地の場合、特に国有地あるいは県有地、こういったところで非常に安くしてもらわなければとてもできないといった場合には、わりと国公共済のほうは性格上都合よくいきますが、この公立共済、あるいは私学共済に至りますと、もう本部の方々が一生懸命現地に行って、それこそ取得のためにはたいへんな努力が必要です。こういった点についての私は側面からの国の、文部省の援助というものが非常に私は必要だと思う。わりといままで冷淡なんです。私もこれについてはずいぶん協力をしたのですけれども、これはやはり地方地方にまかしておったり、共済にまかしておってはなかなか苦労するし、むしろ金額が高い。こういったところにこの育成するという趣旨からいって、文部省が仲に入ってもらったときは非常にスムーズにいくということで御協力を願いたい、こう思います。
 ただ問題は、この運用について考えてもらわなければならぬのは、私はもう多少私学共済の場合にはブロック制あたりをとって、そのブロック内における会員の意向というものを十分聞いて、そうしてどこに置いたがいいか、どれぐらいのものを建てたらいいのか、そういった点の運用をぜひやってほしい。東京のほうで本部で衆知をしぼって、そこに組合員が何人いるからここが一番よかろうということで熱心に全国の地図を開いて検討されますけれども、案外地元にいったらそうではないというのが多くて、この点についても不満は私もずいぶん聞いたことがある。あそこに置くならここがよかったということがある。公立共済になりますと、県段階で県組織がありますから、あるいは九州ブロックというブロックごとに集まる機会も共済組合ではあるので、やはり世帯がこまかいということもあるかもしれません。すべて東京でやられて、よかれかしと思って一生懸命やられても、地方のほうの実際の会員との意思の疎通が非常に少ない。こういった点が、ただ単に宿泊所とか温泉に宿屋を建てて保養させる、こういった問題に限らず、大体運用としてはそういった形でよく一人一人の会員から意向を聞いて運用をされるという立場がもう一つ文部省の協力という以外にあるような気がします。この点について御指導もよろしくお願いをしたいというふうに考えます。まだたくさんありますが、ちょうど区切りがいいようでありますので、ここらで終わります。
#166
○委員長(久保勘一君) 本案に対する本日の質疑は、この程度といたします。本日はこれにて散会いたします。
  午後三時七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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