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#1
第061回国会 文教委員会 第23号
昭和四十四年七月十五日(火曜日)
   午前十時五十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         久保 勘一君
    理 事
                楠  正俊君
                田村 賢作君
                小林  武君
                安永 英雄君
    委 員
                小林 国司君
                大松 博文君
                中村喜四郎君
                永野 鎮雄君
                平泉  渉君
                二木 謙吾君
                吉江 勝保君
                秋山 長造君
                川村 清一君
                内田 善利君
                柏原 ヤス君
                萩原幽香子君
                小笠原貞子君
   国務大臣
       文 部 大 臣  坂田 道太君
   政府委員
       文部政務次官   久保田藤麿君
       文部大臣官房長  安嶋  彌君
       文部省管理局長  岩間英太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       文部省管理局福
       利課長      石川 宗雄君
   参考人
       私立学校教職員
       共済組合常務理
       事        関野 房夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和四十四年度における私立学校教職員共済組
 合法の規定による年金の額の改定に関する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久保勘一君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 この際、文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。坂田文部大臣。
#3
○国務大臣(坂田道太君) 先週の十日、参議院の文教委員会定例日にもかかわりませず、私出席できませんでしたことに対しまして、衷心よりおわびを申し上げる次第でございます。今後このようなことのないように相つとめたいと思う次第でございます。
#4
○安永英雄君 いま、大臣のほうでおわびを申し上げるということですけれども、私はただ単におわびということで済まないと思う。これは、私は今後の文教委員会の運営なりあるいはまた大きくいえば、国会審議のこの運営について私は大きな汚点を残すので、この際、おわびの内容が私ははっきりするまでこれただしていきたいというふうに考えるわけでございます。で、言いたいことは何といっても、参議院の文教委員会の定例日である、その定例日についてどんな理由があるにせよ、全く初めから顔を出さないで、しかも理事会なりあるいは委員長なりあるいは文教委員の皆さんに了解を得ずに衆議院のほうの文教委員会に出席したということは、これは極端に言うならば、私は二院制度といったものを否認する立場に立たれておるのではないか。こんなふうに私は考えるわけです。今日まで大臣があるいは予算委員会のたびとかあるいは私の知っている限りでは国大協の会議に出席したい、あるいは衆議院の本会議に出席をしたい、こういった立場で了解を得て、そうして出席したということはあるし、われわれ自身もそういうことであれば了解をするということで、そちらのほうに大臣に行ってもらったこともこれはあるわけです。しかし、このたびのこの七月十日の問題については、全く理事会にも報告、了解という行為もありませず、あるいはまた、当初から出席をしていない。聞くところによると、早々とまだ時間もきていないのに衆議院の文教委員会のあの委員の会議室におられたということをあとから聞いたわけですけれども、これは全く無視をしている。しかも、われわれ理事会としては、けしからんじゃないかということで、再三にわたって委員長を先頭にして参議院の文教委員会に出席をするように申し入れをしたにかかわらず、なお出席がなかった。そして、その後一片の陳謝ということも十日から今日までなく、ようやくいま、内容はわからないけれども、おわびをするということでは、私は済まないのじゃないのか。これはただ単に文教委員会の運営の問題ではない。大きく言えば憲法の問題でもあるし、基本的には二院制度を否認するという、この立場を大臣はとっておられるのじゃないか。いまもお話がありましたけれども、この参議院の取り扱っておる問題は、真に重要な問題を真剣に今日まで審議をしてきておるわけなんです。いまも話があったけれども、衆議院のほうでは大学問題というものの審議をめぐってやっておられるのですけれども、わが参議院の文教委員会としても、大学生の七〇%をかかえておる私学の、しかも紛争の原因は、確かにこれだと、大臣自身も言われた私学の問題を真剣に討議をしている。われわれから言わせるならば、大学問題の紛争のかぎというのは、こういうきめのこまかいこういった私学の先生方の福利厚生面あるいは施設その他について思い切った抜本的な措置をとるという大臣の言明もあったが、こういった問題についても、私どもとしては真剣に討議をしておる。何だかこう衆議院の審議をしている議案と、参議院の議案とに軽重をつけたような考え方もあるやに聞いておる。これはもってのほかだと私は思うわけです。
 大臣、私はくどくこんなことを言っておるのは、当初に申し上げたように、ただ単に十日のでき事ではない、文教委員会の問題ではない。あくまでも今後の国会運営あるいは文教委員会の運営という問題について、ただ単におわびをするだけではこの問題は決着がつかない。こういう意味から、向こうに行ったのは悪かったし、おわびをするし、二度とこういうことはしないようにという、いまのことばがありましたけれども、その内容をもう少しはっきり言ってもらいたい。
 第一に、大臣は、私はそう一方的に言ったけれども、われわれに了解なしに、なぜ出席をこちらにしなかったのか。さらにその後再三にわたっての出席申し入れについて、依然として、なぜ出席しなかったのか。さらに今日まで、これについて参議院文教委員会に対して少なくとも委員長に対し、理事会に対して釈明なり何なりなぜ行なわなかったのか。こういった点について、それを含めて大臣のおわびをするという内容について具体的にお答えを願いたいと思います。
#5
○国務大臣(坂田道太君) 十日の場合でございますが、私は、元来国会というところに、出まして、もう二十三年、私は国会は国民の代表の集まるところであるし、行政府としては国会の場に出た場合は、国会のおっしゃるとおり、指図どおりに動かなければならないというふう心得ております。したがいまして、委員会その他につきましても、私自身の気持ちといたしましては、できるだけ物理的なこと以外は出席をして御説明をする義務がある、責任があるというふうに考えておるわけでございます。
 十日の場合も実を申しますと、そういう気持ちでございまして、院の御指図に従うよりほかにはないというように考えておったわけでございます。ところが、その前の衆議院の文教委員会におきまして、理事会の結果、与野党一致いたしまして、暫く集中して大学法案を審議する、定例日を変えてやるというようなきまりがなされたと聞いております。ということは同時に、参議院の理事の方々やあるいは委員長さん方と御了解があったものと私は了解をいたしておったのでありまして、あの日も、実は、大臣室におりまして、まあどちらに行くべきか、参議院に行くべきか衆議院に行くべきかというふうに、まあ待っておったわけでございますが、たまたま衆議院のほうからの要請によって、私、向こうへ出てしまったわけでございます。ということは、いま申し上げましたようなことが前提にあって、おそらく両院で話し合いがついておるものと心得て、実は、あそこへ入ってしまったということでございまして、その点はおわびを申し上げたいと、かように思います。
#6
○安永英雄君 いまおっしゃった院の指図というのは、どこから出たのですか。院と言うのは何です。
#7
○国務大臣(坂田道太君) いや、私は、先ほど申し上げますように、両院の委員長さん方で御相談がなって、その結果として衆議院のほうへ行くべし、こういうことだ、衆議院委員長の命令である、こういうふうに思って向こうへ参ったと、こういうことであります。
#8
○安永英雄君 そうすると、大臣、としては、今後、こういった――これは私に言わせれば全く誤解だ。両院の了解がついていない。これは確かめなかったことについても、大臣としても、責任がある。そうった了解がついておっただろう、話し合いがついておっただろうという形で、この院の指図、それを受けて、衆議院に行ったと、こう言いますけれども、先ほど言ったように、二院制度をとっておる限りにおいては、これはべたで一つの院でぶつ続けに審議するということはできないことで、したがって、文教委員会であれば、参議院としては火・木と、こういった慣例をつくって、そうして二院制度というものを、有効的にそういった審議をやり得るようになっている。したがって、了解ができておるだろうかどうだろうかという問題は、はっきり確かめて行くべきであるし、また、当初入ったときには、一歩引いて、そうであったとしても、参議院の文教委員会の理時会として、それを代表して、はっきりこちらのほうだという立場をとれば、中途からでも立って、こちらに出席するのが当然であろうと思う。少なくとも、大臣は、衆議院の文教委員会に入って、その途中においては、これは双方の了解がついていない、したがって、定例日として当然参議院に行かなければならないという、こういった理解というものがあったはずであります。われわれとしては、最後まで待っておった。いまおっしゃったように、指図どおり動かなければならないし、気持ちは当然定例日であるところに行かなければならないし、これは私の責任でもあるし義務でもある、こういう基本的なかまえがあるとするならば、そういったところがはっきりこれは両院の了解がついていないという立場をとるならば、その時点からでも、こちらに来なければならない。私はそう思うが、大臣としてはそこらの考え方というのはどうです。
#9
○国務大臣(坂田道太君) 文部大臣としましても、非常に困るわけでございまして、衆議院のほうではそういうふうにおっしゃいますし、また参議院のほうでもそうおっしゃいます。同じ時間、二つのからだがないわけでございまして、 やはり、その際は、両院で御相談いただいて、そしてその結果、文部大臣をあっちにやるこっちにやるということをきめていただかないと、私としましても、非常に、どっちに参りましても、どっちからの院からもおこられるわけでありまして、私の立場もひとつ了とされまして、両院で御相談をいただいてきめていただきたい、かように思う次第でございます。
#10
○安永英雄君 それは、しかし、おかしいじゃありませんか。それは院の命令のまにまに私はいかなければならぬという立場を言っておられるけれども、その反面、二院制度というのはこれは否認をされていることじゃないと思う。そうするとこれの審議というのは、一定の期間、限られた期間審議をする場合に有効的に定例日というのを設ける。その定例日に出席をするということは、これは当然あなたの気持ちとしては、責任でもある、義務でもある、そこに出席しなければならぬ、こういう基本的な考え方を持っておって、両院の話し合いがついていないということに気づいて、そこではたと困って、自分はどちらに行こうかという立場というのはおかしいじゃありませんか。そのときは、あなたが言ったように、基本的にはという考え方が判断の基準にならなければ私はならぬと思う。それをとらなかったというのは、参議院を軽視しておる。参議院の文教委員会を軽視している。これ以外にないじゃありませんか。最後の判断は、いまのことばから言えば、あなたの頭の中の判断ですよ、最後の判断は。院の判断ではない。あなたの判断でその場合は参議院に行くかどうかという問題はきまるはずです、特にそういう基本的な考え方を持っておるとするならば。それを衆議院におったというのは、こちらに来なかったというのはなぜです。
#11
○国務大臣(坂田道太君) 衆議院のほうでも私を放してくれなかったからであります。
#12
○安永英雄君 ちょっともう一ぺん言ってください。
#13
○国務大臣(坂田道太君) 衆議院のほうでも、一応両院が話し合いをされて、そうしてその結果衆議院におるべしということでございまして、私はそこへおるべきものであると心得てそこにおったわけでございます。
#14
○安永英雄君 それはだれが言ったのです。両院の了解がついて、そうして衆議院におるべしと、こうあったから自分は衆議院におったと言うが、正式にはだれから聞きました。
#15
○国務大臣(坂田道太君) いや、そういうふうに思ったというわけでございまして、衆議院の委員長としてはそういうような指図をなさったと私は考えてまたおったわけでございます。
#16
○安永英雄君 そうすると、くどいようですけれども、今後こういった場合があり得ると思うのです。いわゆる両院ではっきり話もつかない、そうして衆参の文教委員会で双方ともやるという日がきた場合、こんな場合には大臣としてはあくまでもそういった、たまたま参議院に来ておれば参議院のほうの院の言われたとおりに従う、衆議院においては衆議院に従う、そういったいまの立場、十日にとった立場というのは、正しいという立場をとるならば、あなたは先ほどあやまると言ったけれども、何をあやまっているのですか、あなた。何もあやまっていないじゃありませんか。どこの点を指して、あなたは、先ほど文教委員会に対して来なかったことについては悪かったので、今後こういうことがないようにおわびをしますというのは、どこの点を指しておわびをしますと言っているのですか。
#17
○国務大臣(坂田道太君) 両院の委員長が了解ができたと思っておったのに、いまお話を承ると、それができておらなかった。それを知らずに向こうに行って、文教委員会にきまっておるというふうにもう思い続けて、向こうの衆議院の質問者に対して答弁をしたということについて、もう少し慎重であるべきであったというふうに思うわけでございます。その点をおわびをいたしておるわけでございます。
#18
○安永英雄君 何かいまの話をでは、私が言ったので、そこでわかったからということですけれども、あなたが先に、一番初めに発言があって、それから私が言ったのですよ。あなた、少なくともここに来るときには、私の考えでは、向こうの衆議院におるときに、十日の衆議院におるときに、すでにこの話は両方ついていないということははっきりしているわけです、うちの文教委員長言っているのだから、われわれも言ったのだから、人を通じて言ったのだから。そのことについて、あなたは向こうに入っておって、途中でやはりこれは両方話がついていないということがわかっていて、しかも向こうにおってこちらに来なかったからおわびをした、こういうふうにおっしゃるが、十日の最後まで全然そういうことは知らずに、話がついているものと思って最後の最後まで衆議院におった。ところがその後、たとえば、いまの話では、私がいま言ってわかったのでおわびをしたとおっしゃるのですか、そこらはっきりしておいてください。
#19
○国務大臣(坂田道太君) お昼のころでございましたか、日米科学協力委員会の会合がありまして、そこへ参りましてそうして帰りましたところが、その間に何か委員長さんと皆さん方とがお見えになったということは聞いております。それでぜひ参議院のほうへ帰ってくれというようなことだったと思いますけれども、衆議院のほうは衆議院のほうでここへおってくれ、私はその板ばさみになったわけでございます。したがいましてその際、文教委員長のほうに従ったというところが私がおわびをしなければならない、こう考えておる次第でございます。
#20
○安永英雄君 私は今後の問題が一番大事だから言っているわけです。大体定例日という日をきめて、そうして定例日以外はやらないという、これはあなたに直接関係ないけれども、口頭の話し合いが行なわれておる。したがってそういった関係で、参議院のほうとしては定例日で火・木で進んできておる。大臣のほうは了解を得られた。それでわれわれも了解をした。こういった場合にはそれは他の委員会なりあるいは他の会合に出席をするということもそれはあり得る。また今日まであり得た、やってきた。そこで必ず定例日、こういった日に大臣が当然出席しなければならないし、そういった審議のときには今後必ず了解というものを求めてその了解を得てこの参議院の文教委員会から他のほうに出席をする、こういうことはいまさっきおっしゃった絶対にそういうことがないようにするというのは、そういった意味も含めてはっきりおっしゃったと受け取ってよろしいか。
#21
○国務大臣(坂田道太君) 私といたしましてはとにかく両院で御相談いただいて、どちらへ行くべしというようなことをはっきりきめていただきたい。そうしないと私はどうにもしようがないということでございます。またそういうことがなされるだろうと思いますので、そういうようにいたしたいと思います。
#22
○安永英雄君 だから困るという形じゃなくて、大臣自身も、自分自身も定例日というものにはこれは出なければならぬし、気持ちとしてはこれは基本的に責任があるし、義務がある、こういう点は基本的に押えておられるかどうかということです。
#23
○国務大臣(坂田道太君) 定例日ということも承知いたしておりますし、定例日には責任をもって出なければならぬということもわかっております。しかし両院で御相談になって定例日といえども衆議院のほうに行くべしとおっしゃった場合には私はそこに行くべきであるというふうに思うわけであります。
#24
○安永英雄君 私が聞いているのは、両院でそういった話し合いがつかない、こういう事情わかったときにはどちらをとるかということです。
#25
○国務大臣(坂田道太君) 私としては何といたしましてもそれをつけていただきたいと思います。
#26
○安永英雄君 つかないまでは両方とも出ませんね。
#27
○国務大臣(坂田道太君) その辺をひとつよく御相談いただかないと私としては非常に困るわけでございます。
#28
○安永英雄君 これはこちらのほうにそういった努力をせい、はっきりせい、この話が双方つかないといった場合にはつけていただきたいと言う、それは私ども承知します、それはわれわれとしての責任だから。大臣としてはそういった立場のときには両方に出ないということを言ってもらいたいと私は思ったから言った。つけてもらいたい、つけてもらいたいと私のほうに責任を持ってくるんじゃなくて、そういった期間はあるのです。そういう期間のときにはこれは大臣室にすわっていてください。
#29
○国務大臣(坂田道太君) その際は大臣室にすわっております。
#30
○委員長(久保勘一君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 昭和四十四年度における私立学校教職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案審査のため、本日参考人として私立学校教職員共済組合常務理事関野房夫君の出席を求め、その意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○委員長(久保勘一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#32
○委員長(久保勘一君) 昭和四十四年度における私立学校教職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を続行いたします。
 政府側から坂田文部大臣、岩間管理局長、以上の方々が出席いたしております。
 質疑の申し出がございますのでこれを許します。安永君。
#33
○安永英雄君 局長にお尋ねをいたしますが、私学共済の赤字の問題のときに私も申し上げたのでありますが、こういった経営の苦しいという立場でひとつ問題になるのは掛け金の滞納という問題です。これもこの前質問したように、私学共済は他の制度に比べて窓口、手足が非常に少ない、こういう立場で徴収も非常に困難だろうと思うのでありますが、この滞納額はどれぐらいあるのか、そうしてその滞納額について徴収、これの見通し、こういったことについてお答え願いたいと思う。
#34
○政府委員(岩間英太郎君) 掛け金の徴収でございますが、毎年初年度におきましては九三%程度の掛け金の伸びがございます。次年度を入れますと九九・六%程度の掛け金の伸びがありまして、したがいまして滞納の金額は四十三年度を例にとりますと学校数にいたしまして八十一校、滞納掛け金額が一億五千三百六十万七千三十円というふうな数字が出ておるわけでございます。先生も御指摘のとおり掛け金の徴収につきましては、人手が十分でございませんので直接出向きましてその督促をするというふうなことがなかなかやりにくいわけでございますけれども、しかし掛け金の納入状況はほかの共済と比較しましてもまあ自発的に納入いたします部分が非常に多くて、その意味では順調にいっているのじゃないかというふうな感じがするわけでございます。しかしながらなお未納がございますのは、これはまだ基礎の固まらない組合としましても非常に大きな問題でございまして、今後その解消のためにつとめたいと考えておりますが、その方法といたしましては文書による督促その他がございますけれども、さらにこれから私学の助成を強めていこう、こういうふうな計画を持っております。その際には優先的にこういう掛け金を払っていただくようなことも考えてみたいということでございまして、できるだけ掛け金の額は、滞納額は少なくしていきたいということでございます。
 それからもう一つは、現在財政状態が極度に悪い学校につきまして非常に大きな額の掛け金の滞納がございます。この点につきましては、これは先般も御指摘がございましたような福岡電波というふうなところにつきましては、いま再建のいろいろ方途を講じているような段階でございまして、その一環といたしましてこういう掛け金も若干減額ということもあると思いますけれども、再建の道を講じましてそういう掛け金が将来入ってまいりますようにこれまたそういう問題につきましては特別の方法をもちまして掛け金の徴収の増加をはかりたいと考える次第でございます。
#35
○安永英雄君 次に、この前質問をいたしましたが、福祉事業の内容についてただしたいのですが、しかしこれは総資産の中の不動産の関係のときに質問をしたのですが、その際そちらのほうで土地と宿泊所その他の問題については出されたので、それ以外の事業についての概要を、特に私が聞きたいのは、医療施設、保健関係、こういったものはどうかという問題を質問したいと思います。
#36
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま福祉財源といたしましては、長期、短期の経理のうちからそれぞれ千分の一ずつ千分の二を福祉経理のほうに繰り入れまして、各福祉経理に配分をいたしておる次第でございますが、ほかの共済では、大体千分の三・二というふうな、これはもちろん本俸に対する割合でございますけれども、そういうふうな財源がございまして、そういう意味から申しますと、私学共済のほうは長期経理、短期経理は、まだほかの共済に比べますと十分ではございませんために、まだ福祉事業がはかばかしくいっていないという点は御指摘のとおりでございます。
 先般、いろいろ現在やっております事業につきましては御説明申し上げましたが、ただいまのところは、医療経理は、金額といたしまして四億四千万の予算をもちまして、現在下谷病院を一カ所運営しているわけでございます。もちろん組合員はこの医療経理によります下谷病院の医療以外にほかの病院をもちろん利用できるわけでございますから、その点は支障がないと思いますけれども、しかし、ほかの組合のようにたくさん医療施設を経営いたしまして、それによって組合員の福利厚生をはかるというふうな点がまだ十分ではないということでございます。
#37
○安永英雄君 福祉財源の問題については、これはもう一回触れておきますが、ぜひひとつ共済組合のほうを御指導願いたいのは、どうしてもやはり福祉財源に充てる総資産の割合が非常に低いということ。これはぜひとももう少し福祉財源関係のこの予算というものを大幅にふやす。しかし、これは総ワクが非常に苦しいわけでありますから、この点は文部省等でずいぶんこれの援助をやって福祉財源をふくらまして、そうして共済組合の恩典をすべての人が直接受けるという措置をぜひともひとつとってもらいたいというふうに重ねて要望をいたしておきます。
 それから、いま下谷の医療施設の、病院のお話がありましたが、これについてはよく、この病院の経営というのは非常にむずかしいわけで、大体宿泊所にしても病院をしても、共済制度のところでは、いわゆる組合員以外の治療、診療、こういったものをやってなんとか経営がやっていける、こういうのが非常に多いわけですが、実際にこの病院の使用といいますか利用というか、こういったものについて、現在そういったいわゆる組合員という人がどれくらいこれを利用し、他の外来者、こういったものがどのくらい利用しているか、こういった問題について明らかにしていただきたい。
#38
○政府委員(岩間英太郎君) 御指摘のとおり、組合員ばかりのためにだけ病院の経営をやってまいりますとどうしても赤字が出てくるというようなことで、組合員以外も利用をさせておるわけでございますけれども、患者数総数が、四十三年度を見ますと、入院が六万五千二百三十五人、それに対しまして組合員の利用が六千二百三十二人、外来が十五万七千七百五人に対しまして組合員が八千七百五十三人、入院にいたしまして約一割、外来にいたしまして五%を若干上回っているというふうな程度でございます。
 なお収支の状況でございますけれども、四十年度、四十一年度は黒字になっておりますが、四十二年度が一千万円、四十三年度が三千五百万円の赤字になっております。これは病院の改修、それから改装、そういうものがございまして、そのためにこういう赤字が出たと思いますが、まあ比較的とんとんにいっているというのが現状じゃないかと思います。
#39
○安永英雄君 この点大臣に要望を一つ。
 これは私自身公立共済のほうにもお願いに行った、そうして了解を得たのですが、いわゆる沖繩の教職員が、沖繩の現地で医療施設が非常に少ない、こういうことで苦しんでおる。したがって内地のほうの治療を受けたい、ところが内地まで出て来ると非常に経費がかさんでくるし、また病院にもなかなか入れない、こういった関係で、この点私はすべてとは言わないけれども、長期を要するような患者あるいは重症、こういった悩んでおる沖繩の教職員の内地における治療、こういったものについて、私学共済のいまの下谷病院、これあたりに、これは何人でもけっこう、やはりこれを引き受けて治療をさせるという私は願いを持っているわけです。当面私学共済の、この病院の問題ですけれども、こういった問題について、沖繩の教職員の、医療施設がなくて困っているという点について、大臣として御尽力を願いたい。これは直接のことじゃありませんが、御尽力を願いたい、こういう考え方を持っているのですが、どうでしょう。
#40
○国務大臣(坂田道太君) いまの安永さんのお話は非常に大事な問題だと思いますし、私もそういうふうなことができたならばというような気持ちを持っておりますので、前向きに検討いたしたいと考えております。
#41
○安永英雄君 ぜひひとつその点は、私学共済あるいは公立共済、こういった文部省と直接関係のあるところはもちろんでありますが、他のほうの国立の病院その他についてもひとつ便宜をはかるように、御尽力を願いたいと思います。
 次に、これはちょっと触れられたと思いますが、深く入らなかったので、もう一回お聞きしますが、この私学の教職員の退職手当の問題ですが、多くは申しません。この立法化が、法制化、制度化がどこで引っかかっているのか、また文部省としてどういう考え方に現在あるのか、それだけでけっこうです。
#42
○政府委員(岩間英太郎君) 正確に申しますと、どこでも引っかかっておりません。ただいま私どものほうで研究に着手したところでございまして、実は今年度約百九十万の調査費をもらいまして、ただいま調査様式をつくりまして、私学の先生方の給与その他の実態を正確に把握するというところから仕事を始めております。近い機会に、ぜひ退職手当制度につきましては結論を出しまして、実施に移すように努力したいというふうに考えております。
#43
○安永英雄君 これもどこにも引っかかっていないということになると、私はいまもおっしゃったように給与の実態調査、そのあたりが行なわれているというのですけれども、この前から何回も聞きますけれども、給与その他の私学について実態調査というのは、ほとんど文部省に届いていない。そうなってくると私は文部省の怠慢じゃないかと思う。どこもひっかかっていなければあなたのところでひっかかっている。ぜひひとつこれは促進してもらわないと、この制度化ができないことによって、大学はもちろんですけれども各都道府県にある私立の高等学校あるいは中学校、幼稚園こういったところではほんとに零細な金をお互いに出し合って、そして自分たちの退職のために、制度がないものですから、これについての裏づけの財源というのもこないもんだから、自分たちで出して自分たちで何とか分け合うといういなかの頼母子講みたいな形でやっているのですからこれは気の毒です。
 それからまた、私学に優秀な人材を集めるといっても退職時の保障というのがきちっとしていない限りなかなか人材も集まってこない。こういった関係もありますから、ひとつ別にひっかかりがなければ文部省で早急に実現してほしいと思います。
 それと同じような性格のものですけれども、災害補償制度の問題はある程度前進しながら何か労働省その他のところともたもたしているような気がするのですが、これについてはどういう現状になっているか、見通しとしてははっきりいつごろつけられるのですか。
#44
○政府委員(岩間英太郎君) 災害補償制度につきましては昭和四十三年の四月一日から労働者災害補償保険法が常時五人以上を使用する全事業所に適用するというようなたてまえになりましたので、一応私立学校にも適用されるという形になったわけでございます。しかし私立学校職員の災害発生率が非常に少ないということがございます。先般も御説明申し上げましたが、大体保険料率が給与の千分の二ということになっておりますけれども、私立学校の職員の場合は千分の〇・三程度しかないんじゃないかということでございまして、具体的なその実施に当たりまして運用上の配慮をいたしまして、私立学校に過重な負担をかけないというようなことでいま労働省と折衝しているところでございます。これにつきましてもできるだけ早く結論を出したいというふうに考えて私ども努力しているわけでございますが、まだその結論が出ていないということはたいへん残念に思っておりますが、今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#45
○安永英雄君 次に、本法案と直接関係のあります標準給与額の問題であります。この前下限を一万二千円、これを一万八千円に上げるということで論議をいたしました。ところがいまもお話しのように、私学の給与の実態というのはなかなかっかみにくい、こういう話ですけれども、私はつかみにくいことはない、それがつかみにくければ私学共済のこの掛け金の基準になる標準給与月額、こういったはじき方も文部省すら正確につかんでいないとすれば共済組合でつかんでいる数字というのは非常にあやしくなってくる。こういうぐあいに私は思っているわけですが、都道府県別、学校種別のこの標準給与の月額、これがつかんであったら明確にしていただきたいと思います。それくらいはつかんであると思います。
#46
○政府委員(岩間英太郎君) 現在共済制度に必要な程度の俸給の実態というものはつかんでおりますけれども、その過去の経歴その他いろいろ基本的なものとの横縦の関係の資料はございません。その点につきましてただいま調査しているところでございます。ただいまお尋ねのございました標準給与の実態、各都道府県別に出たものはございますが、これは一々申し上げますとたいへん時間がかかりますのでこれは資料で申し上げましょうか、それとも一、二の例を申し上げましょうか。たとえば大学の場合でございますと、平均が五万……この点課長からお答えさしていただきます。
#47
○説明員(石川宗雄君) 平均で申し上げますと、大学の平均が五万三千五百五十四円でございます。短大は四万二千六百三十五円でございます。高専は四万八千五十二円でございます。それから高校は四万三千五百五十円、中学が四万八千七百八円、小学校が四万二千四百五十三円、幼稚園が二万二千六百三十四円、盲ろう学校が三万四千八百三十九円、各種学校が三万二千六百四十四円、組合の職員が四万二千七百四十九円、以上でございます。
  〔委員長退席、理事楠正俊君着席〕
#48
○安永英雄君 データーをひとつあとでいただきたいと思うのです。それから都道府県別のものもぜひいただきたいと思います。
 いま平均とおっしゃったけれども、これ以上は聞きませんが、私はその平均を中心にして上と下がものすごく差がある。それが学校種別に、それから都道府県別にずいぶん違う。いわゆる給与の一番下限と上限の開きというのはずいぶん違ってくる。ここあたりが非常に私は問題じゃないか。そうして今度の掛け金の基礎になる標準とこう言っても、これは非常に内面的には問題が多いのじゃないか。掛け金をうんと負担をする人と負担をしない人との差が非常に大きくなってくる。したがって、法案全般については賛成ですけれども、私は今後の問題として、下限上限の引き上げの問題についてはよほど慎重に、いまおっしゃったように前歴まで計算をして綿密な給与の実態調査をしないと、おそらく今度みなこの法案はいいことだからと、こう言っていますけれども、これは実際に掛け金を払う場合については各個非常にまちまちになるし、苦しい人、前よりも楽になった人、いろいろになってくるということで、こういう点で内部的に不満があれば共済制度の精神にも反するわけですから、どうしても基礎のデータというのは全部とって、もう一分のすきもないようなデータで積み上げた標準の給与というものをきめなければならぬ、こう思います。
 そこで、私も実はうっかりしていたわけですけれども、標準給与の等級、これがあるわけです。これがひとつ問題だと思います。等級のとり方について問題だと思いますけれども、この等級のいままでの等級と今度の法律の決定に基づいて、いわゆる新法に基づいてこの等級がきまるわけですから、もちろんこれは、この法律案を出す限りにおいてはそこまで検討されておると思いますからお聞きするわけですが、その対比をひとつお聞かせ願いたいと思います。
#49
○政府委員(岩間英太郎君) 現在下限が一万二千円から上限が十一万円までの間で三十一段階になっておりますものを、今回下限を一万八千円に引き上げまして上限を十五万円に引き上げるということで三十二の段階に分けるわけでございますけれども、その引き上げる部分以外につきましては従来と変わりがないわけでございます。
 たとえば二万円の標準給与がございますけれども、これは一万九千円以上二万一千円未満のものがそのランクに入るわけでございまして、これは従来とは変わりはないわけでございます。ただ下限のもので従来一万二千円あるいは一万四千円あるいは一万六千円の方がすべて一万八千円のところに入ってくるということになるわけでございます。それから上限のほうで従来十一万円以上の方が十二万円あるいは十三万円あるいは十四万円あるいは十五万円のランクに入ってくる、こういうふうなことでございまして、等級表自体につきましては、上限と下限を改めたということだけが違っているところでございます。
#50
○安永英雄君 これはしかし上限と下限のその区切りのところから下、それから上というだけが影響するのじゃなくて、この等級表をやった場合には現在の掛け金の基礎になるこの給与費というのは全般的に変わってくるのじゃありませんか。
#51
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま一万九千円の方がベースアップ等によりまして上がった場合にはもちろん等級は変わるわけでございますけれども、引き続いて一万九千円でございました場合には変わらないということになるわけでございます。
#52
○安永英雄君 わかりました。私学の給与が非常に低い、この前管理局長のほうはこの共済組合制度のこの下限が一万二千円が一万八千円に上がったことによって、それに刺激されて下のほうが上がっていくだろうという非常に奇抜な考え方を持っておられたのですけれども、私はそれではちょっとぐあいが悪いということを申し上げたわけですが、私も検討してみたのですが、あなたのほうでこの国家公務員の初任給、これについてたとえば高等学校卒、中学校卒、これあたりが、国家公務員の中におりますね。これはどのくらいの大体初任給になっているのですか。
#53
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま私のほうの手元にございますのは幼稚園の場合について調べたものがございますけれども、高等学校卒業で、これは国立ではございませんが、公立学校では平均が一万三千四百四十一円、それに対しまして私立が一万二千八百三十四円、これは前の委員会でもちょっとおしかりを受けたのでございますが、昭和四十年度の調査しかいまのところございませんので、そういうぐあいになっております。なお御参考のために、短大卒の場合でございますと、公立が一万六千七百二十七円、私立が一万五千五百四十三円、大学卒でございますと、国立が
 一万八千五百円、公立が一万八千六百八十六円、私立が一万六千九百八十四円ということになっておるのでございます。公立のほうは国立よりも若干高いという傾向はございますので、国立と比べました場合と大差がないというふうに考えております。
#54
○安永英雄君 そういう比較の方法もありましょう。またその結果として私学関係におる人々は初任給その他が非常に苦しい立場にあるということはわかりますれども、私はこういうところを比較してみたのですよ。国家公務員の初任給で高卒の場合でも行政職の(一)八等級の二号、これが適用されますから基本給が二万二百四円ですね、それに調整手当千二百十二円がつきますからこの高卒の場合で二万一千四百円近くの金額になるわけです。それから中卒の国家公務員に採用された用務員、用務員ですよ、中学卒の用務員、これが行政職の(二)五等級の三号ですから、基本給が一万八千九十二円、調整手当を千八十五円もらいますから一万九千百七十七円、中学校卒ですよ、中学校卒の用務員ですよ、これで初任給は入ったばかりで一万九千百七十七円、あるいは中学校卒の事務見習いというのがおるのですが、これも国家公務員の給与法でいってみましても、これですら一万一千七百八十六円となる。この前の調査で、今度の下限を上げた。そうして、一万八千円以下の給料というのはずいぶんおるということをこの前計数を申された。私は、これをみても、国家公務員という立場におっても、中学校卒、高等学校卒で、もうすでにこの下限、上にこしている。これは御存じのように私立の幼稚園だって、高等学校だって、中学だって、ほとんど大学出ておる、あるいは大学出ないでも、それ相当の学歴を修得するための教育を受けている。これでは私は比較にならない。あなたのほうで公立学校のほうとの比較をされたけれども、私のほうの比較した立場に立てば、これはちょっとひどいと思うのですよ。だから、私は共済組合の、この掛け金を出すための基礎になる平均給与という、そういったものにたよるのじゃなくて、私は私学のこの一万八千円以下を、それ以上にもっていくというためには、思い切って、この私学のことですから、むずかしいとは思いますけれども、だから、どこに標準を求めるか、これも非常にむずかし問題だし、先ほど言ったように私学の大学の中でも同じこの学校の中でも差が非常に激しいという立場ですからなかなかとりにくいと思うけれども、私は共済組合のように、上限はいい、上限はどこまでもとにかく伸ばしてもいいけれども、下限は、共済組合のほうで加減をするのじゃなくて、初任給はこれだけだ、最低はこれだけ。どんな経営でやろうと、どんないなかの幼稚園であろうと、初任給はこれだという私は基準をびしっときめて、これをやっぱり文部省が行政指導する。こういう立場に立たなければならんと思うのですが、どうでしょうね、この点。
#55
○政府委員(岩間英太郎君) 全く御説のとおりだと思います。私学の経営、ただいまのところ国からあるいは都道府県から十分な助成もいっておりませんので苦しいこととは思いますけれども、しかし、この一万二千円というのは、いかにもひどいわけでございまして、ことしベースアップがございました場合には、おそらく先生がおっしゃいましたいまの最低のものでも二万円をこえるのじゃないか。それに対して一万二千円というのは、これはいかにもひど過ぎます。いろいろな事情がございましても、これは引き上げていくべきだ。それについては、この前お話がございましたように、ある程度私どものほうでも積極的な指導をせよというような御意見ございましたが、しかも、できるだけ、そういう方向で、所管の問題もございますが、そういう方向でまいりたいということを申し上げたいと思います。
#56
○安永英雄君 私はもう少し突っ込んで私学の給与の、いわゆる私学共済に納める掛け金の一番基礎になる給与という問題について深く触れたいと思ったのですけれども、時間もありませんから一つだけお聞きしたいのですが、現在私学、特にはなはだしいのは、各地方にある知事の所管業務に入っている私学の高等学校、ここで非常に問題が多いわけですが、現在の生徒減とあるいは経営困難という理由で高齢者あるいは臨時免許の所有者あるいは講師あるいは共かせぎ、こういった教員を容赦なく首を切っている。こういう身分の問題であります。特に私はこの前も申したように、知事の所管業務にはなっているけれども、この問題は、文部省が直接指導、助言をしなければならない点として、こういった経営困難はわかる、わかるけれども、次々にそれを理由にして首を切っていく、合理化をやる、こういった点はもう少し理屈を立てて明確な立場でこの問題を処していっていただきたい、指導してもらいたいということです。公立学校では人事委員会等もあるし、それぞれ苦情を持ち込んで公正な裁きを受けるところもあるようですけれども、私学の問題についてはそうはまいらないという点が非常に多いわけです。
  〔理事楠正俊君退席、委員長着席〕
 特にひどいのは、就業規則の中にかってに処分の事項あるいは強制退職の事項というものを記載して、これを処罰のほうに出すことによってこれは効果があるかのように錯覚を起こしている。そうして就業規則にあるからという今度は二段目の理由で容赦なく首を切っていくという事態があるんです。これは団体協約書あるいは就業規則の関係から私は絶対できない問題だというふうに考えますが、局長はどう考えられますか。
#57
○政府委員(岩間英太郎君) 私ども、私学の関係におきまして特に文部省は個々の大学の人事までは介入しないというのがたてまえじゃないかということでございますが、ただいまの問題につきましても、私立学校の場合は純粋に労働三法の適用があって、労使の関係がはっきりしているわけでございます。そういう点で第一義的な労働省でお扱いいただく問題じゃないかと思うのでございますが、しかし、最近でも日大の関係いろいろ調べたのでございますけれども、まだ労働協約もできていないというふうなことがあるようでございます。まあ少なくとも労働協約ぐらいは結ぶというのが労使関係の初歩じゃないかというふうな気がするわけでございますけれども、そういうふうなことから考えました場合に、さらに改善の余地はもちろんあると思いますが、私ども指導しなければならない面もあると思いますけれども、その点はまず労働省の関係でもって問題を処理していただくということじゃないかと思います。
#58
○安永英雄君 それでは次のときに労働省を呼んでその点は明確にいたします。
 法案の第一条、第二条、第五条について質問をいたします。国共済の年金、恩給の改定の今日までの経過について要点だけでけっこうですから明らかにしてください。
#59
○政府委員(岩間英太郎君) 国共済の年金、それから恩給の改定、これは従来公務員のベースを追っかけるというような形で改定が行なわれてきたようでございます。私学共済につきましてはそういう改定が行なわれなかったために今回一挙にそれを行なうというふうな形をとったわけでありますが、国共済、恩給の関係は昭和二十三年の十月に三千七百九十一円ベース、それから昭和二十五年の一月に六千三百七円ベース、二十六年の一月に七千九百八十一円ベース、二十六年十月に一万六十二円ベース、二十八年の十月に一万二千八百二十円ベース、三十三年の十月に一万五千円ベース、三十七年十月に二万円ベース、四十年の十月に二万四千円ベース、四十二年の十月に二万六千四百円から三万八百四十円ベース、四十三年の十月に二万八千八百円から三万二千四百円ベース、今回の四十四年の改正におきましては三十七年十月の公務員ベースに合わせるというふうな措置をとりまして、それを全部ひっくるめまして私学共済は今回初めて四十四年の三万五千円ベースに追いついたと、そういう形になっております。
#60
○安永英雄君 だから最近においても三十七年、四十年、四十二年、こういうふうに改定をしているんですよ。その際に、私学共済の関係でどうしてこれはさわらなかったのか、今後の問題もありますから簡単でけっこうですから、そのひっかかったところは何かという問題と、いま一挙にとおっしゃったけれども、今回の改定によって国共済の改定に準じた増額をはかるということですけれども、これはぴたっと完全に追いついたという形が結論的にはとれたという結果になりますか。
#61
○政府委員(岩間英太郎君) いままで改定をいたしませんでした理由を一口に申し上げますと、いままでは恩給の改定が行なわれたわけでございまして、国家公務員の場合あるいは公立学校の場合は恩給期間にかかわる職員が非常に多いわけでございます。そういう意味で恩給法の改正に伴いまして国共済等の改正が行なわれたわけでございますが、私学のほうはそういう関係がなかったというのが理由といえば理由でございます。しかし、これは合理的なものとはいえませんので今回改定を行なうということにしたわけでございまして、今回の改定は、これも一言で申しますとぴったり、その上げ幅の率から申しますと国共済や地方共済と一致して引き上げたということが申し上げられると思います。
#62
○安永英雄君 これはあとで、私はちょっと疑問がその点あるのです。また来年やらなきゃならぬのじゃないかというふうな気もするわけです。この点は次の質問者等でやられると思います。
 法律案の三条について、旧私学の恩給財団の年金額について大正十三年の設立で二十九年の一月に共済の創立と、こういう形になるわけですが、その際のこの権利義務の引き継ぎというのがどうなっておったのかということをお聞きしたいと思います。
#63
○政府委員(岩間英太郎君) 旧恩給財団に入っておりましたものはこれは引き続き新しい共済制度に入るというのが原則でございます。ただ旧恩給財団の、すでに年金の支給を受けておりましたものにつきましてはこれは二種類あったわけでございますけれども、低い年金を受けているものと、これは掛け金の関係でございますが、高い年金を受けているものと二様あったわけでございますが、これは最低保障を順次引き上げてまいりまして、今回の改定によりまして最低保障を九万六千まで引き上げるというふうな措置をとっているわけでございます。
#64
○安永英雄君 まだたくさん質問の内容は残りますが、あとの質問者の方でやっていただくことにして、第三条で、実際にこれは相当高齢者だと思うのですよ。待ちに待っておられる方がこの三条で救われるということですが、大体どれぐらいの人になりますか。
#65
○政府委員(岩間英太郎君) 今回の改定によりまして旧恩給財団の年金の引き上げの対象になりますものは、私どもの計算によりますと千六百二十二人という人数になります。
#66
○安永英雄君 千六百、ちょっと多いのじゃないかと思います。
 それから法律案の附則の二項、これは非常に長い間不満に思ってこられた方だろうと思うのですが、これはどれくらい救われますか。
#67
○政府委員(岩間英太郎君) 既裁定年金の引き上げの対象になります者が約二千名でございますが、旧法期間にかかわる給付の改善の対象になります者が五千六十名ということになっております。
#68
○安永英雄君 組合創設当時の年金あるいは一時金算定のその当時の基礎、いわゆる旧法方式、それと三十六年以降の改正でどう変わったか。いわゆる新法と旧法の変化ぐあい、これについて説明していただきたい。
#69
○政府委員(岩間英太郎君) 組合発足当時の旧法につきましては、まずその基礎給与でございますが、これが新法に比べますと、退職前五年間の標準給与の平均ということで新法では三年間の平均でございますが、五年間の標準給与の平均をとっております。それから退職年金につきましては、組合期間が二十年までは給与月額の四倍、それから二十年をこえる場合には、そのこえる一年につきまして給与の日額の四倍を加算するというふうな方式をとっていましたが、新法によりますと、組合員の期間が二十年の場合には給与の年額の百分の四十それから二十年をこえる一年につきまして給与の年額の百分の一・五を加算するというふうな方式の違いがございます。しかし今回の改正によりましていままでの旧法期間につきまして一定の倍率をかけるということになるわけでございまするから大体を申し上げますと、新法に換算いたしますと同じ程度まで改善されたということが言えるのじゃないかということでございます。
#70
○安永英雄君 最後に、大臣にこれも要望ですけれども、私学のこの混乱している経営困難になっている原因もいろいろあると思うのですけれども、やはり何といっても自主独立というこの精神、これを何とか通そうということで努力されていることもわかりますけれども、現にやはり教育環境の整備等が低下をしていることは間違いないし、それによって学問の研究あるいは教育というものが非常に低下している。ひいてはこれは大部分の大学を、大学生を収容しているわけですから、日本の教育の水準を上げるためにはここにかかっているというふうな感じがするわけでございます。したがって私もこの点について、ただ単に私学共済の問題を中心に質問なり意見を申し上げてきたわけですけれども、やはり抜本的にこれは文部省のほうで小さな私学共済といえども、これについての指導、助言、あるいはそれに裏づけする財源、こういったものを十分につぎ込んでそうして育成強化をはかっていただきたい、こう最後に要望をいたしまして、私の質問を終わります。
#71
○委員長(久保勘一君) 午前中の委員会はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後、零時六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十二分開会
#72
○委員長(久保勘一君) ただいまから文教委員八を再開いたします。
 午前中に引き続き質疑を行ないます。
 政府側から坂田文部大臣、岩間管理局長、参考人として私立学校教職員共済組合常務理事関野房夫君、以上の方々が出席いたしております。
 質疑の申し出がございますので、これを許します。内田君。
#73
○内田善利君 前回に引き続きまして私は私学共済について質問したいと思います。いままでに何回となく各委員から質疑が行なわれてきておりますが、今回はこの中で特に共済事業の実態というか、それとその事務機構について、少しこまかくなるかもしれませんが、お聞きしたいと思います。
 それからいままでに種々論議された中で、多小まだ不明確な点あるいは疑問になるような点も二、三ございますので一緒に質問したいと思います。
 まず共済の中で給付についてですけれども、この給付金の支給ですけれども、この給付金は非常に私たちの組合員の生活に密接になっておるわけですが、支給される人にとっては非常にかけがえのない貴重なお金になることがしばしばあると思います。
 その組合の概要によりますと四十二年度の実績が短期給付だけで約百八十二万円、そして給付金の合計が約四十七億というふうになっておりますし、長期給付のほうも含めますと約六十億円というふうになってまいりますが、これらの給付金を頼りに生活しておる人も少なくないわけでございますが、この給付につきまして、たとえば休業給付でございますが、この休業給付がまずどういうぐあいに支給されるか、この点についてお願いしたいと思います。
#74
○参考人(関野房夫君) ただいまの御質問にお答え申し上げます。
 お尋ねの件の休業手当金でございますが、これはいわゆる短期給付と申しまして、これは請求権者がまず学校法人の代表者の署名印を受けましてそれを組合に請求するわけでございます。その手続といたしましては、御参考に申し上げますと、まず当組合におきまして文書係がその請求権者、組合員でございますけれども、その請求書を接受いたし、さらに担当係がその請求書を点検いたし、その組合員資格が、組合員原票というのがございますが、それとマッチするかどうかということを資格項事に照合いたします。さらに給付決定の資格事項、これは照合いたしまして書類が不備な場合には返送などいたします。そういう審査を経まして給付額を計算いたしまして、そうして給付決定をいたすのでございます。さらに給付で決定いたしましたならば、その支払い金額につきまして私ども組合の経理課がございますからそのほうに回しまして、御本人の手元にお送りする次第でございます。各その所要日数は、手続は、二十日間でございます。ただし送金に郵便振りかえ等を利用いたしますれば約一週間はかかるものでございまするから二十日間に郵便の振りかえ手数の期間を加えますると二十七、八日から三十日といういままでの経験と申しますか実績でございます。
 以上でございます。
#75
○内田善利君 本人がたとえば病気になって入院する、そういう場合に休業給付の手続をしてから三十日かかって本人の手元に給付金が入ると、こういうわけでございますか。
#76
○参考人(関野房夫君) さようでございます。
#77
○内田善利君 非常にお聞きしておりますと手続も繁雑のようでありますし、また本人が病気になって入院するその時点において非常にお金も要りますし、非常に一時的に金も出ると思うのですが、できるだけ早く本人に支給するようにできないものか、あるいは何か便法があるのか、その点についてこまかくなりますがお聞きしたいと思います。
#78
○参考人(関野房夫君) 内田先生のお尋ねでございますが、かねがね給付金の支払いにつきましては組合におきましても組合員のために一日も早く支給されることを事務的に望んでおりまして、そのように処理いたしておりまするが、何ぶんにも件数の多いものでございまして、決して弁解ではございませんが、慎重にやっておりますので二十日間という日数がいままでかかった実績でございますが、内田先生のお話しのありますとおり今後一そう早くいたすようにつとめたいと思っております。
#79
○内田善利君 ちょっと話が違いますけれども、例の学校安全会ですけれども、この学校安全会の場合には、これも同様な共済制度であると思いますが、子供がけがをして、申請してから約一年間くらいかかってからやっと安全会からお金が出ると、このような例があるわけですけれども、これでは、忘れたころ金がやってくるというのでは非常に困ると思うのですが、そのようなことは休業給付の場合にないのでしょうか。
#80
○参考人(関野房夫君) 安全会のお話が出ましたが、その実績私は存じませんが、一年もかかるというようなことは私のほうではございません。
#81
○内田善利君 私学共済の場合に災害給付、これはどのようになっておりましょうか。その手続、それから本人に入るまでの期間。
#82
○参考人(関野房夫君) ただいまの災害給付の、内田先生のお話でございましたが、これも短期給付のうちの一部でございまして、内容は弔慰金であるとかあるいは家族弔慰金、災害見舞い金、こういった内容を持っておりますが、先ほど申し上げました休業給付の場合と同じように、手続は先ほど申し上げました手続を経まして、当組合のほうに事務的にまいっておるのでございます。特に災害につきましては、非常に災害見舞い金等につきましては急を要する場合があるようでございまするから、かつて十年ほど前でございましたが、伊勢湾台風等がありましたときにも、当組合の職員が現地にまいりましてすぐその場でもって裁定をいたしまして弔慰金を差し上げた。こういう事実もございます。まあ、普通は先ほど申し上げました手続を経るのでございますが、非常な災害の場合にはその手続を省略いたしまして、現地において処理する場合もございます。要するに一言で申しますと、組合員の皆さまに喜ばれる組合としていろいろ活動いたすのでございます。
#83
○内田善利君 いま仰せのように組合員のための共済組合でありますから、災害の場合にそのように現地に急行されてすぐ現地裁定されて支給されたというようなことを承りまして、非常にいいことなんだなあと、このように思います。何しろ私学共済は組合員のための共済組合でございますから、この点よろしくお願いしたいと思います。また休業給付の場合も二十日とか、三十日とか言わないでできるだけ早く、入院の時点において組合員は金が要るわけでございますから、よろしくお願いしたいと思います。
 それから次は、保険給付でございますけれども、その保険給付の中にもこの中で直接本人に支給になるものもあるようでございますが、この点についてはどうですか。
#84
○参考人(関野房夫君) 短期給付の中で療養の給付と申しまして、これはいわゆる健康保険でございますが、組合員が病気になりまして、病院、医院等の医師の手当を受けまして、その費用につきましては、病院、医院からさらに社会保険診療報酬基金というものに集まりまして、それから組合に基金から請求がまいりまして、組合ではそれの内容を審査いたしまして、レセプトが毎月約十六万まいりますが、その内容を審査いたしまして、基金にお払いして基金からさらに医院なり病院等にお払いするわけでございます。これは内田先生の御質問の、現金の給付を御本人にいたすわけでございませんが、現金の給付につきましては、療養の給付の以外のもの、具体的に申しますと、療養費あるいは出産費、育児手当金、埋葬料、家族療養費、配偶者出産費育児手当金、家族埋葬料、これが保険給付のうちで現金で組合員あるいはそれにかわるべき請求権者に支払われるべき金でございます。この手続につきましても、先ほど申しました手続、同様な手続をとっておりまして、大体日数も申し上げましたとおり、二十日間、書類審査に二十日間、さらに送金手続に郵便等を到用すれば一週間ほどかかる予定でございます。銀行等を利用すれば、その送金の日数は短くなるかもわかりませんが、現在の状況はさようでございます。
#85
○内田善利君 長期給付の場合の退職給付と、それから廃疾給付、これについてはどうでしょうか。
#86
○参考人(関野房夫君) 長期給付の給付金の支払いのことを申し上げます。長期給付は退職あるいは死亡というのが給付事由の発生でございますが、そういう給付事由が発生いたしまして、その請求権者が学校法人等の代表者の署名印を受けまして組合に請求書を提出するのでございます。その手続につきましては先ほど申し上げました短期給付と同様でございますが、一応二、三変わっているので申し上げますが、まず御本人からあるいはその請求権者から学校法人等の代表者の署名を得て出すのでございますが、その書類はまず組合にまいりますと文書係の請求書のほうに接受いたします。それを担当係、これは当組合の業務部の給付課というのがございまして、その給付課の担当の係がその書類の審査をします。さらに組合員の資格事項を照合いたします。これは短期給付と同様でございますが、組合員原票と照らし合わせましてマッチするかどうかということを照合するわけでございます。そして今度はその資格があれば給付決定の資格事項をさらに照合いたしまして、その際に不備の書類等がございますれば、学校法人等に返送をいたします。さらにその次にその長期給付の年金、退職金の給付額の決定の計算をいたします。そしてその給付額を決定いたしまして、その決定いたしましたものは学校法人と本人あるいはその請求権者に通知いたします。ただ組合におきましてはこの支払い金額を、先ほど申し上げました経理課の係員に示しまして支払い方の依頼をいたしまして、さらに経理課におきましてはそれを銀行あるいは郵便局等に支払うのでございます。この日数は、大体一カ月、この書類の手続、約一カ月かかります。さらに繁忙期と申しますか、四月、五月、六月、先生方の――組合員の異動の多いときが繁忙期でございますが、繁忙期におきましては、非常に件数が多いものでございますから、日数がいま申し上げました一カ月にさらに半月ばかり加わりまして、一カ月半くらい大体かかるようでございます。これにつきましても、一日も早く御本人のあるいはそのかわりの方に、現金が届きまするように組合といたしましては仕事をいたしておるのでございまして、おかげをもちまして他の共済組合に比べますると、早いというおほめのことばもいただいておる次第でございます。以上でございます。
#87
○内田善利君 どの共済組合より非常に給付が早いということでございますが、先ほども申しましたように、給付されるまでの期間が長いと結局効果が薄いわけでございますから、ひとつすみやかに給付できるように今後も大いに努力していただきたいと思います。次に、福祉事業でございますが、前にもどなたか聞かれたと思いますけれども、現在私共済の行なっておる福祉事業にどういうものがあるか、まずお願いしたいと思います。
#88
○参考人(関野房夫君) 私学共済におきまする福祉事業は、私学共済組合法の法律第二十六条に書いてございますけれども、一応お読みいたしますると、一、組合員の保健、保養、宿泊、教養に関する施設の経営、二、組合員の利用に供する財産の取得、管理、貸し付け、三、組合員の貯金の受け入れまたはその運用、四、組合員の臨時の支出に対する貸し付け、五、組合員の需要する生活必需物資の供給、六、その他これらのものに付帯する業務、こうなっておりますが、現在、三番目に申し上げました組合員の貯金の受け入れまたはその運用と、五番目に申し上げました組合員の主要な生活必需物資の供給、これはやっておりませんが、それ以外のものはやっております。
 これを簡単に御説明さしていただきます。大体これらの事業は掛け金収入、組合員からの掛け金といたしまして、標準給与の千分の一、短期が千分の一、長期が千分の一合計千分の二をいただいております、財源といたしまして。それから長期経理に持っておりまする保有資産のうちから借り入れいたします。それから私立学校振興会からの助成金あるいは都道府県や地元の私学団体の協力を得ておる次第でございます。で、すでに現在実施しておりまする福祉事業のおもなものを申し上げますると、会館というものがございます。東京に湯島会館、北海道の札幌に北海道会館というのを持っております。この会館におきましては、組合員の宿泊、集会、休憩等の利用に供しております。それから宿泊所でございますが、現在松島、湯河原、京都、有馬、別府、箱根の六カ所に宿泊所を持っております。この宿泊所は組合員の宿泊、集会、休憩に利用されております。それから保養所は、現在は山代と道後の二カ所にございます。これは宿泊所のスケールを少し小さくしたものでございますが、これも宿泊、集会、休憩に利用されております。それから海の家、山の家、これは現在蔵王、赤城、志賀高原、六甲、鎌倉の五カ所にございまして、これは保養所よりさらに規模を小さくしたもので、もちろん料金等も低廉でございます。さらに全国にそういった会館、宿泊所、保養所、海の家、山の家を持っておりますが、なお組合員の皆さま方が利用するには足りませんものでございますから、地方によりまして一般の旅館を指定いたしまして、その旅館に組合員が泊った場合には、その差額について、金額はごくわずかでございますが、一人一泊三百円の補助をいたしております。そういったものが全国に二十ヵ所ございます、これが指定旅館でございます。それから共同利用できる他の共済、国家公務員共済組合の持っておりまする、あるいは公立学校、農林共済の持っております他の共済組合の施設についても、私学共済は共済連盟に加入しているものでございますから、ほかの共済の組合員とそれに準ずる待遇でもってそれらを利用させていただいております。以上がそういった宿泊、会館等の施設でございます。
 さらに医療施設としては、東京の下谷に下谷病院というベッド数二百十六を持つ総合病院を持っておりまして、組合員の利用に供しておる次第でございます。この病院は一般の方も多数利用されておるのでございますが、特に組合員の方に対しましては特別に経費を軽減したり、あるいは優先的に入院等もはかっております。それから短期人間ドック、これは組合員の健康保持、増進のために、それから疾病の早期発見のために、健康保険組合連合会の協力を受けまして、全国の短期人間ドック実施病院で診察を受けたものに対しましては補助金を出しております。その補助金は一人について約八千円でございます。それから医療関係の第三といたしましては、胃の集団検診を行なっております。四十一年度から満三十五歳以上の組合員を対象といたしまして胃の集団検診を無料で行なっております。さらに育児雑誌と保健剤の配付をいたしております。四十三度、昨年度からでございますが、組合員とあるいはその家族の第一子、一番先の子供が生まれましたときには出産婦のための育児雑誌と保健剤を無料で配付いたしております。これが医療の福祉施設でございます。
 その次に、貸し付けでございます。現在実施しておりまする貸し付けは組合員を対象といたしまする一般貸し付け、入学貸し付け、結婚貸し付け、住宅貸し付け、災害貸し付け、それから学校法人を対象といたしまして特殊住宅貸し付けというものを行なっておりますし、一般貸し付けは、これも簡単に申し上げますと本人が物品購入であるとかあるいは出産であるとか、医療であるとか、納税であるとか、そういったいろんな資金を必要とする場合に、標準給与月額の二カ月の範囲内で一万円から二十二万円というその範囲内で貸し付けをいたしております。この利息は年六分でございます。償還もこれは一ヵ月据え置きで二十カ月の長期にわたって元利金等償還を行なっております。たとえば入学貸し付け、これは組合員が、自分の家族が学校に入りますときに資金を必要とすることでございますので、それに貸し付けするのでございまして、五万円から二十万円という範囲でございまして、利息は先ほど申し上げました一般貸し付け同様に年六分でございます。この償還は一ヵ月据え置きの六十ヵ月でございます。結婚貸し付け、これは組合員が自分あるいは家族の結婚のために資金を必要とするときには結婚貸し付けを行なっております。これは五万円から二十万円の範囲でございまして、その利率は年六分でございます。
 それからその次は、住宅貸し付け、住宅貸し付けは第一住宅貸し付けと第二住宅貸し付けがございまして、これは非常に組合員から希望が多いのでございますが、第一貸し付けと申しますと自己の用に供しまする住宅の新築、増築、改築、移築、修理、そういったもので、比較的第二住宅貸し付けに比べると軽度のものでございますが、これにつきましては三万円から五十万円というのでございます。第二住宅貸し付けと申しますのは組合員が自分の用に供しまする住宅の新築、購入、または敷地の購入、そういった場合に貸し付けるのでございまして、三万円から二百万円という範囲で貸し付けております。
 さらに災害貸し付けでございます。これは組合員が水災、震災、火災等の非常災害に資金を必要とする場合一万円から二十二万円でございます。以上が組合員に対する貸し付けでございます。
 さらに特殊住宅貸し付けというのがございまして、これは学校法人がその所属の組合員のために住宅を建築する場合に、その学校法人に対して貸し付ける金額でございまして、利率は年六分でございます。以上が貸し付けの内容を詳細にわたって御説明申し上げましたけれども福祉施設の各内容でございます。
#89
○内田善利君 その福祉事業のことよくわかりましたが、その中で宿泊所ですけれども、この利用者ですね、組合員と組合員の家族、非組合員に分けてどのような人たちが利用しているか、その利用率、年間の利用率等わかれば教えていただきたい。
#90
○参考人(関野房夫君) 組合員の主として宿泊所、保養所、保養施設等は組合員のための施設でございますが、組合員が利用するのがたてまえでございます。数名で参りまして中に一人組合員がおるあるいは組合員の紹介があるといった場合に、これは組合員か、非組合員かという区別がなかなかむずかしいのでございまして、組合員が何名か、非組合員が何名かというお尋ねでございましたが、その区分はいたしておりません。大体宿泊施設を利用している者の数は、四十三年度におきましては湯島会館、北海道会館、これは一般にも開放しておりますので、これまた区別しておりません。ただ料金等においては差をつけております。それで全部の宿泊施設の利用者は四十三年度におきましては六万七千人、それから保健施設におきましては山の家、海の家、保養所がございますが、それが一万七千人ほどで、合計八万四千人ほどの宿泊で利用しております。集会にもさらにそれを利用されておりまして、宿泊施設と保健施設の集会の延べ人員は九万四千名でございます。
 以上でございます。
#91
○内田善利君 料金に差をつけてあるということですが、これはどうなっておりますか。
#92
○参考人(関野房夫君) 組合員については先ほど申し上げましたけれども、保健施設、福祉施設につきましては、掛け金でもって千分の一、長短合わせて千分の二をいただいておりまして、それによって福祉施設を維持しております関係もありまして、組合員優先ということになっておりまして、宿泊施設の場合におきまして相当いつも満員でございますので、あまり一般の方は利用されておらないのでございますが、湯島会館、北海道会館の場合ではかなり利用されておりますので、その宿泊の場合あるいは集会の場合等に、金額に大体二割程度は差をつけております。
#93
○内田善利君 次に、保養所は、先ほどお話では全国で二ヵ所ですけれども、ここの利用状況はどうですか。
#94
○参考人(関野房夫君) 保養所は、先ほど申し上げましたように山代と道後にございまして、それはいずれも四十二年度に開設されたもので、まだ十分PRがいっておりませんものでございますので、四十三年度におきましては、山代における宿泊は四千二百人、道後における宿泊は二千百人、集会は山代におきましては四十三年度は四百九十名、道後におきましては二千三百人でございます。
#95
○内田善利君 先ほど下谷病院のお話がありましたが、ここの利用状況はどうでしょうか。
#96
○参考人(関野房夫君) 下谷病院の利用状況でございますが、四十三年度中の入院患者の数は六万五千名でございます。これは延べでございます。それから外来患者の延べは十五万七千人でございます。
#97
○内田善利君 ここの利用状況は、いま組合員も一般も開放されてあると思いますけれども、その組合員の利用率と一般の利用率の関係をお聞きしたい。
#98
○参考人(関野房夫君) 入院の場合でございますと、私学共済の利用率は四十三年度におきまして九・六%、約一割でございます。外来のほうは組合員が五、六%、したがいまして外部の一般の地域社会の方の利用されるのが入院の場合においては九割、外来の場合においては九割四分、そういった状況でございます。
#99
○内田善利君 非常にけっこうなことと思いますが、福祉事業は何と申しましても先ほど申しましたように組合員自身のものでありますから、組合員が喜んで利用できるように、安心して利用できるように今後も大いに努力していただきたいと思います。
 次に、事務機構についてお聞きしたいと思いますが、私学共済組合の事務関係の総人員それから部課の構成、これはどのようになっておるか、現在の人員で現在の仕事量をこなしていけるかどうか、このことについてお伺いしたいと思います。
#100
○参考人(関野房夫君) 私学共済組合の事務機構のことをお尋ねでございますが、私学共済組合におきましては組合法の第七条によりまして理事長一名、理事三人以上六人以内、実際は現在六名でございますが、法律上では三人以上六人以内、監事二人となっております。その理事長、これは常勤でございます。理事は一名、私常務理事です。監事一名は常勤でございます。これが役員でございます。その職員といたしましては百八十六名の定員をもって総務部と業務部という二部ございまして、その総務部と業務部の下に、総務部におきましては庶務課、企画調査課、経理課、福祉課、業務部におきましては組合員課、徴収課、給付課がございまして、この数は二部七課でございます。さらに大阪には出張所が一カ所ございます。この事務を運営するにあたりましては理事長、常務理事等が責任を持っているのでございますが、理事並びに監事をもって構成いたしております役員協議会というものを毎月一回開きまして重要な事項はそこの審議を経て実施しております。さらに運営審議会、これは二十一名の委員から構成されておりまするが、これによって重要なことはさらに審議されているのでございまして、年三回ないし四回開催いたしております。さらに組合員の資格、給付、掛け金等の問題について不服等の申し出があった場合には、審議会というのがございまして九名の審査会委員をもって構成いたしておりますが、それによって審査をいたして決定をいたしているのであります。いまお話しのように、その人数は百八十六名でいわゆるこれは本部と称しております。そのほかに会館、病院等にもそれぞれの職員を配置いたしておりまするが、お尋ねの件は本部のことと存じますので本部のことを申しますと、定員をふやすということはなかなか経費も伴うものでございますので慎重にいたしておりまして、これをなるべく人力によらずして機械等を利用して、機械化と申しますか、そういったことで事を運んでおります。さらに私学共済組合につきましては地方に、先ほど申した大阪には出張所がございますが、各都道府県に支部等がございませんので、その点が事務には多少渋滞を来たす関係ございますので、各都道府県の担当官に私学共済の事務の一部を委託して、たとえば新設校の指導であるとか、あるいは掛け金納入の連絡であるとか、あるいは各種会合のあっせんであるとか、まあこういったことを都道府県の担当官にお願いいたしましてやっていただいているわけでございまして、現在においては極力仕事に渋滞のないように運んでおるつもりでございます。
#101
○内田善利君 私学共済は他の共済組合に比べまして組合員数が非常に少ないわけでございますが、事務職員一人当たりの組合員数といいますか、どのくらいになっておりますか。特に国・公共済と比べまして事務員一人当たり組合員数はどのようになっておりますか。
#102
○参考人(関野房夫君) 組合員数は六月一日現在におきまして十八万六千人でございます。それでちょうど百八十六人でございまするから一人当たり千人ということの見当でございます。
#103
○内田善利君 国・公共済のほうはどうですか。
#104
○参考人(関野房夫君) 私、寡聞にして国共済、公立共済等の職員の数等を存じませんので……。
#105
○政府委員(岩間英太郎君) 現在、公立共済のほうは八十六万の組合員がおりまして、それに対しまして本部が約二百人程度でございますけれども、あと各都道府県に支部がございまして、それを合わせますと七百人くらいじゃないかということでございます。したがいまして、私学共済よりは若干人数が多いということになろうかと思います。
#106
○内田善利君 人件費が他の共済組合に比較してだいぶ多いようでありますが、この面から見てやはり事務費に対する国庫補助というものも増加すべきと思うのですが、その点についてどうでしょうか。
#107
○政府委員(岩間英太郎君) 御指摘のような点があると思いますが、まだその点は正確には申せませんけれども、大体事務機構から考えまして、公立共済と比較いたしましてもそう多いということは言えないんじゃないか。したがって、組合員の人数が多いものでございますから、どうしても同じような仕事をしなければならないという意味から申しますと、確かに先生の御指摘のような点はあろうかと思います。しかし、これをまた改善するということになりますると、組合員の多いほど比較的安上がりになるというふうな傾向から見まして、なかなかむずかしい点もあろうかと思います。
#108
○内田善利君 次に、職員の給与についてお聞きしたいと思いますが、現在の私学共済の職員の平均給与と他の文部省の外郭団体といいますか、たとえば先ほど申しましたような学校安全会、そういうものと比較して、私共済の平均給与とおのおのの外郭団体との平均給与と比較した場合にどういうふうになっておるか、おわかりになりましたら聞かせていただきたい。
#109
○参考人(関野房夫君) 職員の採用につきましては、文部省関係の福祉法人、財団法人、いわゆる外郭団体が、まとめまして文部省外郭団体統一試験というものを毎年行なっておりまして、それでいわゆる初級、上級、いわゆる高等学校卒、大学卒の者を採用しております。で、私学共済におきましては、四十四年度、この四月に採用いたしましたのは二十四名でございます。これは私学共済の本部でございます。それから、福祉施設、先ほど申し上げました病院、会館、宿泊所等におきましては、かりに病院であれば医師、薬剤士、看護婦、事務職員を必要のつど会館におきましてもその必要のつど、宿泊所においても欠員のあるときにとっておりますが、本部におきましては統一試験を行なっておる。統一試験によって採用し、その初任給もきめておるわけでございます。その初任給は、大学出は調整手当を含めまして二万九千五百八十円でございます。初級――高等学校卒は調整手当を加えて二万二千四百八十八円でございます。なお、当組合の平均の給与は、男子が五万三千円、女子が三万一千円でございます。全部の平均が四万五千円というのが私学共済組合の職員の給与の実態でございます。他の組合施設につきましては、他の共済組合あるいは安全会等につきましては十分存じませんが、私の知っておる範囲では、公立共済におきましては大学卒が三万八百五十二円、それから高等学校卒が、初級が二万三千八百七十九円、それから私学振興会、育英会、これは大学卒が三万二千円、それから高等学校卒業が二万二千七百円というのが初任給と承っております。と申しますのは、私学共済はいわゆる公務員ベースでございまして公務員の給与体系に全く準じております。それから公立学校共済組合は東京都ベースでございまして多少高い。さらに私学振興会、育英会等は公団ベースと申しましてこれはさらにそれよりも高い。こういった給与体系でございます。
#110
○内田善利君 給与の体系よくわかりましたが、同じ公務員と比較してどうなんでしょうか。
#111
○参考人(関野房夫君) 同じ国家公務員と比較いたしますると、私学共済の場合を申し上げますと、採用にあたりましては国家公務員よりも一号上にとっております。ですから、国家公務員よりも百石高いという状況でございます。
#112
○内田善利君 他の省の所管の特殊法人の平均給与がわかれば教えていただきたい。
#113
○政府委員(岩間英太郎君) ちょっと資料ございませんけれども、大体におきまして、いま関野さんから御説明申し上げましたように、公務員ベース、それから公庫公団ベースというのがございます。たとえばほかの共済でございますと、公立共済の場合これは東京都の例をとっておるようでございます。給与につきましては、ただいま御説明申し上げましたようなことでございますけれども、そのほかの退職金その他を考えますと、どちらが高いか比較がむずかしいところでございまして、全体としては甲乙がつけがたいということを申し上げて差しつかえないのではないかという感じがいたします。
#114
○内田善利君 他の省と比べると文部省関係は少し低いように思うのですが、その点はどうでしょうか。そんなわけないでしょうが、少し低いように思いますが、低いならば何とかしなければならないと思うのですけれども。
#115
○政府委員(岩間英太郎君) 他の省の所管でございまする公庫・公団、これは役員の報酬は御指摘のとおりかなり差がございます。しかし、一般の職員の俸給は、これは公庫・公団ベースと申しまして同じような待遇になっておるわけでございますけれども、そのほかに期末等におきまするいわばプラスアルファと申しますか、そういうものにおきまして若干の差があることはこれは事実でございます。
#116
○内田善利君 前回の委員会でも安永委員から指摘があったわけですが、天下り人事に関係すると思いますけれども、私共済の部課長、役員、こういった役員の方々の登用の基準、これはどうなっているか教えていただきたい。
#117
○政府委員(岩間英太郎君) これは私学共済組合の執行機関自体でもって選ぶということになっておるわけでございます。先ほども御説明申し上げましたように、現在二部七課ございまして、そのうちで責任の地位にあるものにつきましては、文部省から参っておりますのは二人でございます。これはほかの公庫・公団その他から比べますと非常に数が少ないということがいえるかと思います。先般もいろいろ安永委員からもお話がございましたが、まあ私どもとしましては広い規野に立った適当な者がおれば、これは私学共済のほうからも御希望がございました場合には、そういう方がそういう役職におつきになるということは適当ではないかということも、先般も大臣から申し上げたとおりでございまして、私もそのように考えておる次第でございます。
#118
○内田善利君 先ほどの福祉施設の関係の職員についてお伺いしますけれども、この福祉施設関係の職員の採用はどのように人選されておりますか。
#119
○参考人(関野房夫君) 先ほどもちょっと触れたのでございますが、本部職員の場合は統一試験を経て採用する。それから福祉施設と申しますと病院、宿泊所、会館等でございますが、これにつきましてはその欠員のときにそのつど、たとえば病院でございますと医師、薬剤師、看護婦等がございますが、これは定期的に採用いたしておりませんで、欠員があるときにはそれに見合いまして採用いたしておるのでございます。ただ会館の女子職員につきましては高等学校卒の新卒を採用する関係で、北海道会館、湯島会館におきましては四月に採用いたしております。その他のものにつきましては欠員のつど採用いたしておる次第でございます。
#120
○内田善利君 福祉施設の場合はいろいろ仕事の関係等多様性があると思いますけれども、全部給与は一貫して待遇か行なわれておるでしょうか。異なることはないかどうかお聞きしたい。
#121
○参考人(関野房夫君) ただいまのお話でございますが、福祉施設の中で病院につきましては医師でございます。これは先ほどもちょっと申し上げましたが、一般公務員よりも一号アップでもってお医者さんは採用しております。それから看護婦はこれは非常に少ないのでございますので、なかなかとりにくいのでございますが、初任給は調整手当を加えますと二万九千円程度、それから一般事務は二万二千円程度でございまして、それが病院でございます。
 それから会館等につきましては、これは一般事務は高等学校出を採用していますので、二万四百九十五円でございます。宿泊施設、これは地方にありまして、衣食住を少し給しておる関係で多少安いのでございますが、初任給は一万九千九百二十五円でございます。
#122
○内田善利君 これは本部のほうとも全然異ならないわけですか。
#123
○参考人(関野房夫君) 本部のほうは、先ほど申し上げましたように私学共済は初任給が高等学校卒で二万二千四百八十八円、それが会館、宿泊施設のほうにおきますと一万九千九百二十五円。約二万円でございます。その間の約二千五百円ほどの差がございますが、本部のほうが高いのでございます。それはいま申し上げましたけれども、施設職員に対しましては、寄宿舎を提供しあるいはそこに住んでおります。それから食事もそこで給しております。それから制服も支給しておる。そうした現物給与のある関係で本部職員に比べますと二千五百円ほど低い状況でございます。
#124
○内田善利君 福祉施設あるいは病院でも宿泊所でも、利用者といいますか組合員と直接接触するわけですから、こういった直接接触する人々こそ私は本部職員と同じように待遇すべきじゃないかと、このように思います。やはりこうした方々が組合員の一番利用する場所におるわけですから、問題も起こりがちだし、こうした人たちをもっと給与をよくしていくべきじゃないかと思いますが、この点はどうでしょう。
#125
○参考人(関野房夫君) 内田先生のお話しのとおりでございます。ちょっと先ほど申し忘れましたが、会館、宿泊施設の場合は会館、宿泊所は大宇出が入りません。高等学校出の者だけを比較して申し上げたんで二千五百円の開きがある。先生のお話しのように病院の事務職員等は第一線でございますので、つとめてそういう者の待遇を考慮したいと、さように考えております。
#126
○内田善利君 高等学校出身者は若く誤まちも起こしやすいと思いますので、こういった組合員と直接接触する部面に働く人たちの待遇をよくしていくように努力していただきたいと思います。
 次に、現在私共済の出張所は大阪だけしかないというわけでありますが、そのために東京に本部がありまして、業務が繁雑になるようなことはないか。あるいは先ほども他の地方の施設を増加をはかるべきじゃないか、このように思います。各都道府県の担当官に依頼してあるということですけれども、組合員がふえてくればふえてくるほど、こういった計画がなされなければならないと思いますが、計画があればお教えいただきたいと思います。
#127
○参考人(関野房夫君) 私学共済の場合には大阪に出張所があるだけでございまして、地方の組合員の皆さまに対しましては何かと御不便かと存じております。先ほど申し上げましたけれども、都道府県の担当官のほうに一部の事務をここにお願いしてあるんでございますが、これでもなお十分だと存じません。しかし毎年の四月、五月の期間に臨時出張所というのを全国に数カ所設けまして、そこに約一カ月ほど組合の事務職員、二名ないし三名が滞在しておりまして、いろいろな事務を御指導申し上げたりしておりまして、あるいは巡回指導というものも年に二回行なっておりまして、組合員の各学校に参ったりあるいは各地方、各県のおもだった町に御参集願っていろいろとお話をし、またこちらから申し上げることも申し上げ、承ることも承る。こういう状況でございます。しかしそれにいたしましても、四月、五月の二カ月だけでなくて、一年じゅうおればなおそれに越したことはないので、これにつきましてもせっかく努力中でございますので、今後さらに十分検討いたしたいと思っております。
#128
○内田善利君 現在、掛け金の納入とかあるいは給付金の申請は直接本部にしておると思いますが、そういったことはどうなさっておるのか。本部が東京にありまして大阪に出張所が一つということですが、事務的にどうなさっておるのか。この点についてお願いしたいと思います。
#129
○参考人(関野房夫君) 事務的にははなはだこまかい問題になりますが、組合員証というものを発行しておりまして、組合員証に記載する組合員の資格のある方々の名前であるとか、被扶養者の方々の名前でありますとか、そういったものにつきましては本部でやりますけれども、同時に大阪でやっている。それから、四月、五月が非常に異動期でございますので、各地方にまいりましてやっているという、そういう状況でございまして、そのほかには給付金等は、大阪につきましては、大阪に相談されまするけれども、直接の支払い請求等は全部本部にまいっておるのでございます。以上でございます。
#130
○内田善利君 先ほども一番最初に申し上げましたけれども、いろんな給付金なんかの申請、これは直接本部にきておると思いますが、こういう申請等現地にあれば非常に簡単にいくのではないかと、このように思うのですけれども、この点はどうなんですか。
#131
○参考人(関野房夫君) 内田先生のお話しのとおりでございます。ただ、問題は組合員原票というのがございまして、十八万人の組合員一人一人についてその方の生年月日、扶養家族、それから、標準給与、標準給与決定をするまでの現在どのくらいその人が収入を得ているかという表がございまして、それが十八万の数になりますと、相当膨大な数が本部にあるわけでございますが、それをもしばらばらにいたしますると、お互いに異動いたしまするから、手数が倍、三倍とかかるのではないかと考えておりますが、その組合員原票という問題があるのでございますから、すぐ直ちにこれを数カ所に分散してそこで事務を行なうというところまではさらに検討を要するのではないかと思っております。
#132
○内田善利君 組合員数がふえてくると思いますし、本部一カ所あるいは大阪出張所だけでは繁雑になってくるのではないかと、このように想像いたしますので、この点についてもひとつ計画方をお願いしたいと思います。
 それから次に、施設を今後も増加していかれると思いますけれども、これには予算が必要になってきます。ところが、財政的には非常に楽ではない。このように思うわけですが、私共済の施設を増加するとかあるいは出張所あるいは支部、そういうものを設けるということになれば非常にたいへんだと思うのですが、この場合に国庫補助は行なわれてないものか。この点について一言お伺いしておきたいと思います。
#133
○政府委員(岩間英太郎君) 施設の増加につきましては、まだ計画があるようでございますが、これに対しましては私学振興会のほうからの助成がございます。本年度で約四千万でございますかの助成がございますほかに、都道府県のほうでもあるいはその地元の市町村のほうでも助成をするというふうなことが従来行なわれてきたようでございまして、まあそういう点につきまして、具体的な特定の地方につきましてこういう施設を設けられるという点から申しまして、そういうことが行なわれてきたわけでございます。なお、国庫の補助の問題は、これは全般的な観点からいろいろお話がございますように、全般的な問題として私どものほうはとらえているわけでございまして、まだ個々の問題までいっておらないというのが実情でございます。
#134
○内田善利君 現在、官庁あるいは企業等では非常に機械化が進んでおるわけですが、事務能率を高めるためにもこの機械化ということを行なうべきだと思いますが、私学共済でも事務機械を入れて整備されていらっしゃると思いますけれども、この事務の機械化ということについてはどのように考えておられるか。
#135
○参考人(関野房夫君) 現在、責任準備金の計算であるとかあるいは資産運用であるとかあるいは掛け金の調定、こういったものにつきましては、電子計算機を私学共済組合では持っておりませんが、外部に委託いたしましてそういった計算をいたしております。しかし、今後ますます事務が増大いたしてまいると予想されるものですから、私学共済組合におきましても、組合自体にそういった機械化、電子計算機等を導入いたしまして機械化をはかりたい。さよう考えておる次第でございまして、昨年、事務機械化委員会というものを、さらに昨年、小委員会というものを設置いたしまして、本年の三月末に一応結論を得たのでございます。そして四十三年、四十四年、四十五年とこの三カ年計画でもって一応事務機械化を完成したいと。それはどういうことをそういった機械によって処理していくかと申しますと、たとえば給与計算であるとか、あるいは数理統計であるとか、先ほど申し上げました資金運用であるとか、責任準備金であるとか、掛け金の調定であるとか、そういったものをそういった電子計算機等にかけまして、機械化をはかってこの事務の能率化をはかりたいと、さよう考えておる次第でございます。
 それから、他の共済組合につきましても、これも寡聞でございますが、農林年金におきましては、すでに機械化をやっておるというようなことも聞いております。公立共済におきましても、本年かあるいは来年早々と聞いております。それから国立共済のほうの年金部では三年ほど前からやっておるということを聞いておりますが、私学共済に関しましては、いま申し上げたような状態でございます。
#136
○内田善利君 他のいろんな機関もそのように事務の近代化ということで事務を簡素にし、また、非常に精密化しておりますので、私学共済のほうでも、組合員の数がだんだんふえてまいりますので、この点も他の機関のコンピューターを借りるようなことでなくて、ひとつ私学共済自体で近代化していただきたい。このように希望するわけでございます。
 その次に、先ほども安永委員から質問があったと思いますけれども、掛け金の未納金の問題についてお聞きしたいと思います。これについてはいままで何回も論議されたと思いますけれども、お聞きしたいと思いますが、学校経営の不振がその多くの原因になっておるということは先日の委員会でもお聞きしたわけですが、その未納額を規模別に見るとすればどのようになっておるかお伺いしたいのですが、まず未納金額を学校の規模別にお伺いしたいと思います。
#137
○参考人(関野房夫君) 掛け金の滞納は、公立共済には全然ない、国立共済にもない、私学共済に特に目立つ問題でございますので、いろいろと先生方から御質問を受けるわけでございますが、現在におきまする、三月末の年度末におきまする滞納金の額は一億五千三百六十万七千円でございます。その内訳は、大学が一校、金額を申し上げますと一千百四十二万余円、短大が四校一千五百七十二万余円、高等学校が二十校九千百七十八万余円、中学が二校千二百万余円、小学校が一つで四百七十六万余円、幼稚園が四十三校で千四十万余円、盲ろう学校がゼロ、各種学校が十校で七百三十二万余円、高専がゼロでございまして、合計学校数におきましては八十一校、金額では一億五千三百六十万七千円でございます。
#138
○内田善利君 非常に未納金が多いわけですけれども、これに対して今後どのような対策を講じていかれるのか、この辺について。
#139
○参考人(関野房夫君) 現在におきましても、滞納につきましてはあらゆる機会を通じまして、文書により、あるいは実際に参り、あるいは都道府県を通じあらゆる機会を通じまして督促をいたすのでございますが、さらに今後もその督促を強化いたしたいわけでございまして、現在考えておりまする対策と申しますと、いま申し上げましたけれども前々と同様に文書督促を行なう、それから定期的に出張徴収を行なって滞納金を早期に徴収するということが考えられます。それから関係機関の御協力心得まして、関係機関と申しますと都道府県あるいは私学振興会、あるいは文部省等でございますが、いろいろな方々の御協力を得ましてこの滞納を防ぎたい、こういったことも考えております。それから事務の機械化、この事務の機械化によりまして計算の事務が早くなって早く徴収ができる、そういったことも事務の機械化によって、これは実は六月分の掛け金から実施しておるのでございますが、こういった入金の処理を早くどんどんやっていく、早く通知すれば早くお払いしていただけるのではないか、そういったこともありますので、内田先生からお話しございました事務の機械化も、外部に委嘱しておりますけれども、そういったことをやっております。それから掛け金の銀行口座の自動振りかえ制度、ガス料金などとかあるいは電気料であるとかいったように、あれと同様に銀行口座から自動的に振りかえをしてもらう、これはひとつ銀行にまだいまは話しておりませんが、話し合ってこれもやっていきたい、さように思っております。中には幼稚園等におきましては行くと払ってくれるのでございます。しかしその先生方も忙しいものですからわざわざ銀行に行って払ったり、郵便局に行って払ったりすることがついおっくうになりまして、こちらの係員が参りましてお話ししますと、そうですが、すみませんといってすぐ払ってくださいますが、もしこれが銀行自動振りかえ制度がありますれば銀行に通知をすればすぐ払っていただける。そういったことも考えられるわけでございますから、これも早急に実施いたしたい、さように考えております。それから未収金の徴収員制度というものを置いたらどうか、こういったことを考えております。それから新しく学校ができまして、私学共済に加入いたします際に、都道府県等あるいは文部省等を通じましていろいろと学校に御指導願って、そういうことのないようにお願いいたしておる次第でございます。それから最後に、そういった長期滞納校に対しましては、実は私学共済の掛け金につきましては担保等がございませんものでございますから、早期解決が困難と思われるものについては、債権保全の意味をもちまして、学校当局の了解のもとに抵当権を設定いたしておりまして、それも現在積極的に行なっております。こういったことを現在もやり今後もやりたいと考えておるわけでございます。
#140
○内田善利君 いろいろ理由があるようですけれども、学校経営の不振という点から、特に幼稚園が四十三校もあるようですけれども、学校経営の状況が振るわないで納入の能力がなくなっているのか、それとも事務的な手続のおそさから納入がおくれているのか、この点はどうなんですか。
#141
○参考人(関野房夫君) 滞納の理由でございますが、事務の繁雑によってつい忘れてしまうというのは、これはこげつき、長期滞納とはいえないものでございます。内田先生お話しの長期滞納の場合の原因は、学校の生徒数あるいは学生数の減少によりまして収入が減っておるという、それが一番大きな原因でございます。
#142
○内田善利君 一億五千万円も未納があるようでございますけれども、これに対して文部省としてはどのような対策を講じられてきたのか、その点についてお伺いしたい。
#143
○政府委員(岩間英太郎君) 関野さんからもお話がございましたように、これは分けてみますと学校の経営が不振なものと、それから事務が忙しくて忘れておったという、その二つに分けられるのじゃないかと思います。学校経営の不振のものは、先般の委員会でも内田先生から御指摘がございました、たとえば福岡電波学園のような問題がございますけれども、こういうような問題につきましてはこれはできるだけ再建をはかりまして、その中から全額は無理だといたしましても、正当なものを、掛け金を払っていただくというような方策しかないのではないかというふうな感じがいたします。またどうしてもこれは無理というようなところは、これはもう学校自体が無理なところはやむを得ないということもあろうかと思いますが、考え方としましてはできるだけ再建をはかるような方向で持っていってその中から掛け金の問題も解消するということではないかと思います。そういう点もございますが、 いまのところは私学に対する国の助成というのがまだ非常に不十分なことは前々から大臣も申し上げているとおりでございまして、今後私学に対する助成を強化するという方向の中でこの問題もできるだけ解決していきたいということを考えておる次第でございます。なお現在私学振興会などでは、まあ財政の状態の悪いところには、貸し付け金をやっておりませんけれども、貸し付け金を借りる場合にはまず共済の掛け金を優先的に払って、そのあとで借りるというような指導もしているようでございます。いろんな手段を講じまして、基盤の弱い共済組合でございますからできるだけ未納金を解消するという方向でまいりたいと考えております。
#144
○内田善利君 いろいろ苦心なさっておると思いますが、今後の見通しはどうなんでしょう。一億五千万円の未納金があるのですけれども。
#145
○政府委員(岩間英太郎君) 中身を見ますと、大きいところでは三千五百万、三千二百万、一千百万、七百万、六百万、四百万、三百万というところがございます。その滞納をいたしております学校を見ますと、必ずしも大規模なものばかりではございません。あるいは取り立てるのが困難なところもあるかもしれません。そういうものはやむを得ず債権の整理をしてしまうということもあろうかと思います。しかし救えるものはできるだけこれを救いましてその復興の過程の中から掛け金を払っていただくというふうな方向で進む以外に方法はないのじゃないかというふうに考えております。
#146
○内田善利君 現在私学の経営危機ということは増加の傾向にあると思います。このことについて文部大臣にお聞きしたいと思うのですけれども、このような経営危機に入りますと非常に未納金はいよいよ増加してくるんじゃないか、このように思うわけですが、これからの事実を見てから私学に対する援助の抜本策、こういうものが必要だと思うのですけれども、こういったことに対する大臣の構想といいますか、お聞きしたいと思います。
#147
○国務大臣(坂田道太君) この未納金の問題につきましてはいろいろ原因はあるかと思いますけれども、やはりその背景としましては私学というものの経営、それ自体にも問題があるわけでございまして、やはり今後われわれといたしましてはできるだけ未納金を解消していくという努力をいたしますけれども、しかし、それにはおのずと限界もあるのじゃないか、むしろその背景となりますところの私学に対る援助というようなことについて適切な私学援助を行なっていくということを考えていくべきではないかというふうに考えております。来年度の予算に際しましてもこういうような私学助成の大幅援助ということについていま検討をいたしておるわけでございますが、さらにこれから先の新しい大学構想を考える場合には、国共施設を通じて学生も、また同時に各大学に奉職される教職員の身分の安定ということについて積極的な姿勢をとるべき時期にきているというふうに私は考えるわけであります。かなり時間はかかると思いますけれども、少なくとも方向はそういうことをやらなければならないというふうに思いますし、またわれわれといたしましてもこの方向で当面の、来年度の予算等においても十分配慮をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
#148
○内田善利君 私立大学の紛争の原因もやはりこうした経営面から紛争の原因になっているという面も非常に多いと思いますので、この点についてはいま文部大臣の構想どおりにしっかりひとつがんばっていただきたい、このように希望するものであります。
 次に、未適用校の問題に移りたいと思いますが、いままでこれについても種々論議されてきましたけれども、もう一歩明確にしたいと思います。私共済の組合員は増加してきていると思いますけれども、組合員の今までの伸び率はどのようになっておるのか、また今後はどのようになっていくと予想されておるか、お聞きしたいと思います。
#149
○参考人(関野房夫君) 組合員の伸び率を申し上げます。二十九年度に私学共済組合が発足いたしまして、当初は、二十九年度は組合員の数が五万九千三百六名ございましたが、漸次おかげさまをもちまして増加いたしまして、四十三年度末、この三月三十一日で十七万九千二十一人でございます。その伸び率を見ますると、二十九年から三十七年ごろまで大体三%、六%、七%、八%といった伸び率で毎年伸びてきたのでありますが、三十八年度以降一三%台になり、四十年度ちょっと減りまして一一%、三十八、三十九が頂点でございまして、それ以後四十、四十一が一〇、一一%、四十二年が七%、四十三年が五%、こういった山を形成しているわけでございます。これでよろしゅうございましょうか。
#150
○内田善利君 組合員が伸びてきたということは、私共済の財政面によい影響があったと思うのですけれども、この点はどうなんでしょうか。組合員がふえたことによって私共済の財政面はどうなっておりますか。
#151
○参考人(関野房夫君) 組合員がふえたことは、財政的に長期な場合ですと、責任準備金等がふえてまいるからいいといえばいいわけでございます。しかし短期の場合を見ますると、その構成しておりまする組合員が標準給与の低いものがふえるということは全体的にちょうど水で薄めるようなものでございますので、短期経理においては必ずしも人数がふえたからといっていいとは言えないんじゃないかと存じております。
#152
○内田善利君 先ほどの答弁にありましたけれども、三十八年からずっと伸び率が鈍化してきているのですが、こうなってきますと、未適用校の加入を早期に増加していくことが肝要じゃないか、こう思うのですけれども、この点はどうなんですか。
#153
○参考人(関野房夫君) 未適用校につきましては毎回国会において御審議を願っております当組合の法案にいつも附帯決議として出されているのでございまして、われわれも私学一本化というたてまえからこの全私学が全部私学共済に加入するということが一番望ましいのではないかと心得ているのでございますが、現在の状態におきましては組合発足当時の経緯もございまして早稲田、慶応、明治、法政、あるいは同志社、立命館といった大きな大学が加入していませんので、この点につきましてはわれわれもさらに努力して、もちろんこれは文部省等の御指導のもとにわれわれも努力しなければならぬと思っておりますが、そういう未適用校がないように望むのが一番いいのじゃないかと思っております。これにつきましても組合といたしましては三十八年に法律改正の委員会を部内でつくりまして、その中に未適用校の加入というのは、御承知のように未適用校は加入する際には法律改正をする関係もございますので、その法律改正の委員会をつくりまして、その結論をもちまして文部省あるいはその加入しておりません学校の連合会でありますところの私立大学連盟あるいは政党関係、厚生省関係等の御了解を得たのでありまするが、そのときにおきましてはその計画が成功しなかったのでございます。それが三十九年でございますが、その後依然として進展しない状況でございますが、承るところによりますと、未加入の学校当局におきましても、またその学校の教職員の方々におきましても加入をしたいという意思もあるやに承っているのでございまして、これについては文部省の御指導のもとに十分検討し、努力いたしたい、さように考えておる次第でございます。
#154
○内田善利君 この問題につきましては前回も文部省当局にお聞きしたわけですけれども、いろいろ事情があると思いますけれども、やはり文部省が音頭をとられて早期に未適用校を加入できるようにしていただきたい、このように思うのですけれども、前回の御答弁は非常に抽象的であったと思うのですけれども、具体的にこうするという構想はないものでございましょうか、お聞きしたい。
#155
○政府委員(岩間英太郎君) いままで私学に対する十分な助成が国として行なわれないというふうな状況のもとに組合員の不利益になることをいわば押しつけるということがなかなか困難であったというふうな事情があると思います。そこで私どもとしましてはだいぶん私学共済の内客も充実してまいりましたような状態でございますので、私学に対する助成が強化されますのを機会に何とかこの問題を解決したいという考えでおる次第でございます。
#156
○内田善利君 三十九年ですか、このときの失敗は前回の答弁でもわかったわけですが、組合員の方々の反対でできなかった、そのように委員会で、先日の委員会でお聞きしたわけですけれども、これは組合員の方々が私共済の未適用校についての実情、そういうものをあまりよく知っていないのじゃないか、このように私は思うのですけれども、何といいますかPRが不足しているのじゃないか、もっと組合員の方々には文部省当局の方々なり、あるいは私共済の方々なりがひざを交えて未適用校の実態はこうなんだ、共済組合に入ったらこうなんだというPRをもっとしていただいたらもっとふえるんじゃないかと、このように思うのですけれども、どうでしょうか。
#157
○政府委員(岩間英太郎君) 御注意をいただきましたような点もあろうかと思います。一そう今後とも努力いたしたいと考えております。
#158
○内田善利君 組合員の福祉のために、特にまた私学の問題としても、ぜひ未適用校がなくなるように全員加入するような方向に努力していただきたいと、このように思います。
 次に、私学振興会ですけれども、それから他の私学団体、この共済制度はどのようになっているか、お聞きしたいと思います。
#159
○政府委員(岩間英太郎君) 私学共済以外の私学の関係の外郭団体あるいは私学団体につきましては、これは現在厚生年金とそれから国民健康保険でございますか、これに加入しておるというのが実情でございます。
#160
○内田善利君 未適用校の解決の際に、私学振興会の職員、それから私学団体の職員の加入についても検討すべきであると思うのですが、この点についてはどうお考えですか。
#161
○政府委員(岩間英太郎君) 現在の法律のたてまえが私立学校の常勤の職員というふうに一応定められております。したがいまして、どの程度まで外部の方を入れるかということでございますけれども、現在は私学共済の職員の方々はこの中に入っておるわけでございますが、それ以外の方をお入れするということになりますと、これはいろいろむずかしい問題があるようでございます。私もはっきりわかりませんが、ただ聞くところによりますと、最近、農林共済のほうで、現在適用にならなかった団体の職員が入るような修正が行なわれたということを伺っております。したがいまして、この問題につきましては、それらとの均衡を考えまして今後検討してまいりたいというふうに考えております。
#162
○内田善利君 先ほど一番最初に申しましたけれども、短期給付の中の休業給付についてちょっとお聞きしたいと思うのですが、私学共済の場合と国家公務員の場合、あるいは地方公務員の場合と比較して、給付の実情ですけれども、どうなっているか、お聞きしたいと思うのです。
#163
○参考人(関野房夫君) 休業給付の内容は、先ほども申し上げましたが、傷病手当金と出産手当金と休業手当金でございまして、これは現金でいずれも組合員あるいはその請求権者に支払うのでございますが、四十三年度におきまする金額は、金額と申しますか、休業給付全体で一億四千四百万でございます。この休業給付のほかに現金でもって給付する現金給付、先ほど申し上げましたたとえば療養費であるとか出産費であるとか育児手当金、こういったたくさんこまかいのがございますが、そういった現金給付が全部で四億百万円、そのうち休業給付が一億四千四百万円でございまして、現金給付のうち三五%が休業給付でございます。一件当たりで申しますと、大体傷病手当金は一万九千円、出産手当金は四万一千円、休業手当金は千百円、こういったものでございます。他の共済と比べまするとどうかというお話でございますが、傷病手当金だけでも申し上げますと、国共済の場合で文部省の場合ですと、金額的に申し上げますと傷病手当金は年間に一千七百万円、それから非現業全体で一億一千八百万円、それから国共済全体で二億六千三百万円と聞いておりますが、それでその率は文部省、非現業、それぞれの国共済全体を見ますると、率から見ますると、現金給付の割合の中で休業給付の占める割合は私共済が一番高いのでございます。ほかの文部省共済の場合ですと、全部の中で休業給付の全体がいま言った傷病手当金、出産手当、休業手当でございますが、その合計の休業給付の率が文部共済の場合ですと一一%、非現業の場合ですと一一%、国共済全体では一四%、それに比べまして私学共済の場合には三五%というのが現状でございます。
#164
○内田善利君 私学共済は国共済に比べるとこの辺で負担率が多いのじゃないですか。
#165
○政府委員(岩間英太郎君) 御指摘のように、私学共済におきましては、休業給付の組合員一人当たりで見ますると、休業給付の割合が〇・〇三三件、それから公立共済におきましては〇・〇〇五件、それから文部共済におきましては〇・〇二件、文部共済に比べましてやや高いという程度でございますが、公立共済に比べますと非常に高いという割合になっております。したがいまして、御指摘のように私学共済のほうが負担が大きいということが言えると思います。これはいろいろ原因があると思いますが、文部共済と私学共済は比較的高い。公立共済とは非常に隔たっておるという点から申しますと、たとえば公立学校の先生に対しましては教育公務員特例法の適用がありまして、結核休職その他につきましてはかなり優遇されておるわけでございまして、そういう点で私学共済のほうがそういう手当が少ないと申しますか、そういう点の違いではないかというふうに考えられるわけでございます。
#166
○内田善利君 この点についてもひとつ国庫補助をお願いしたいと、このように思うわけです。
 それから最後になりますが、整理資金についてお聞きしたいと思います。社会保障制度審議会で、整理資源の負担関係についてすみやかに合理的で明確な制度を確立する必要があると、このように指摘されておりますが、どのように検討される打つもりか、ひとつ……。
#167
○政府委員(岩間英太郎君) これは社会保障制度審議会にこのたび法案を御審議願いましたときに、整理資源の取り扱いにつきましては、抜本的な計画の必要性があるということを農林共済と一緒に御注意を受けたわけでございますが、このたびの改正によりまして、掛け金率にいたしまして千分の三・〇一程度の増加があるわけでございますが、従来の加分一・〇二を引きますと一・九九の掛け金率の上昇となるわけでございます。これに対しまして、調整財源といたしましていままでは約一億の金を大蔵省のほうから回しております。それからまた、利差益がございますと、その中で始末をしながら昭和四十五年に再計算をいたします場合にもう一度考えるというふうな御説明をしたのに対して、そういうことではなくて、こういう問題については国それから使用者、被用者の関係、そういうものにつきまして少し長期的に根本的に検討すべきじゃないか、そういう御意見であるというふうに承ったわけでございます。もう少し進んで申しますと、こういう問題については国のほうでかなり考えなきゃいかぬのじゃないかという点も含まっていると思います。今後の検討課題といたしまして十分に研究したいということでございます。
#168
○内田善利君 組合員がふえないで、どんどん退職者が出てくるし、そうなってくるとどうして本負担が多くなってくると思います。組合員の負担と整理資源の負担は組合員がすべきじゃない、あくまでも国が負担すべきであると、このように思いますが、この点はどうなんでしょうか。
#169
○政府委員(岩間英太郎君) まあ従来からの関係で、たとえば財源調整の資金等ももらっております。これはまあ国からの補助金でございますけれども、まあそういうものもございますが、はっきりした制度がいままでのところはないということでございまして、そういう問題につきましては、いまのところはっきりは申し上げられませんが、十分に検討いたしたいということでございます。
#170
○内田善利君 最後にまあお願いをしたいと思いますが、私学振興に関する政府の態度として特に国の補助をお願いしたい。特に人件費補助制度をぜひ新設していただきたい。それから資金の貸し付けについても従来よりもずっと広げていただきたいし、償還期限の延長とか利率の引き下げとか、こういった点もよろしくひとつ御研究していただきたい。それから寄付金に対する免税措置などもよろしく認めていただきたい。それから施設の設置基準の再検討もしていただきまして、特にわが国においては私学の占める重要性ということを考えて、文部省当局としても私学の振興に関してより一そう努力していただきたいと念願いたしまして、私の質問を終わります。
#171
○委員長(久保勘一君) 暫時休憩し、三時四十分より再開いたします。
  午後三時十二分休憩
     ―――――・―――――
  午後三時五十三分開会
#172
○委員長(久保勘一君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行ないます。
 政府側から坂田文部大臣、岩間管理局長、以上の方々が出席されております。
 質疑の申し出がございますので、これを許します。川村君。
#173
○川村清一君 私はいささか立場を変えた角度から御質問を申し上げたいと思います。
 まず第一に取り上げたいのは、この法律案のスタイルについてお尋ねしたいと思います。私この法律案をいただいて奇妙に感ずることは、私立学校教職員共済組合法の一部改正案という形で出されるものと思っておったところが、そうではなくして、昭和四十四年度における私立学校教職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案として単独法として提案されておる、これはどういうわけなんですか。こうして出すことによって何か利益があるのかどうか、これを最初にお尋ねしたい。
#174
○政府委員(岩間英太郎君) この点につきましては私も非常に疑問に思っておったのでございますが、従来国共済の改正、国立学校の共済組合法の改正でございますが、それにつきましてもこういう形でもってやっておったようでございます。したがいまして特別の理由と申しますのは、従来からそういうふうな慣例でやってきたということ以外に、ちょっと私のほうで御説明しにくいわけでございます。
#175
○川村清一君 局長が疑問に思われるのだから、私のほうがもっともっと疑問に思うわけでございますので、それで、何かこうすることによって利益があるならば別ですよ。それから私立学校教職員組合法の一部改正案として規定することが立法技術上これはめんどうである、不可能であるというようなことであればわかるわけですが、局長のいまおっしゃったようなことだけでは何でこれを単独法として提案されているか、私にはわからない、もう一度御説明願いたい。
#176
○政府委員(岩間英太郎君) 私が申し上げましたのは一部改正でもやれるんじゃないかということで疑問を感じたということでございますが、ただいま先生御指摘になりましたように、これはいわば権利の積み重ねの法律のようなものでございますからこのほうが法律としてはわかりがよいと申しますか、整理しやすいというふうな意味だろうというふうに考えるわけでございます。
#177
○川村清一君 わかりがいいというけれども、わかりが悪いのですよ。立法技術上できないというならこれはまた別ですが、しかし今国会に各委員会に提案されておる、たとえば内閣委員会には御承知のように社会党提案でもって国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案が提案されておる。さらに公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案が提案されておる。地方行政委員会には地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案が提案されておる。それから農林水産委員会には農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案が提案されておる。私の申し上げたのは社会党案ですよ、社会党案として出している。政府の提案じゃないですよ。社会党案としてこういう案を対案としていま申し上げた委員会に提案しておるということは、社会党の立場から考えて、これは法制局とも相談して立法技術上これは問題ない、法律の一部改正案の中でこれらの問題ができる、こういう判断に基づいて出しているわけです。ところが、いまの答弁では従来もこういうような慣例によってなさった、こうおっしゃる。そこで私はこの法律をずっと読んでみたけれども似たようなものがある、この中に。そこで私はお尋ねしたい。この私立学校教職員共済組合法は昭和二十八年八月二十一日に法律第二百四十五号でこれは公布されている。その後昭和二十九年第百十五号、昭和三十年第三十九号、昭和三十年第三十九号、第百三十号、昭和三十一年第百四十八号、昭和三十二年第百三十七号、昭和三十三年第百二十八号、昭和三十四年第百四十八号、昭和三十六年第百四十号、第百八十二号、昭和三十七年第六十七号、第百六十一号、昭和三十八年第六十二号、昭和三十九年第百五十三号、昭和四十年第八十九号、第百三十号、昭和四十一年第六十七号、第百十三号、第百二十二号、これだけの法律改正がなされているから、この要点をひとつ説明してください。どういう改正をしたか。
#178
○政府委員(岩間英太郎君) 昭和三十年の四月一日には長期給付に対する国庫補助を百分の十から百分の十五に改めております。それから昭和三十二年の六月一日からは標準給与の下限を四千円から六千円に上限を三万六千から五万二千円に引き上げております。昭和三十三年七月一日には給付事業のうち短期給付につきまして国家公務員共済組合法の新法を準用するように改めております。昭和三十七年の四月一日には標準給与の下限を六千円から八千円に上限を五万二千円から七万五千円に引き上げております。それから昭和四十年の四月一日には標準給与の下限を八千円から一万二千円に、上限を七万五千円から十一万円に引き上げております。それから長期給付の額の算定の基礎となっております平均標準給与を五年平均から三年平均に改め、退職年金の最高限度を平均標準給与の年額の百分の六十から百分の七十に改めております。それから昭和四十一年の十月一日に長期給付に対する国庫補助率を百分の十五から百分の十六に改めております。それから長期給付の給付額の算定の基礎になります平均標準給与の月額の中で旧長期組合員期間に対する給付の算定の基礎となっております平均標準給付の月額を組合員の資格喪失前五年の標準給与の平均から、三年の平均給与に改めますとともに、最高限度額を廃止しております。また、昭和二十七年九月三十日以前に給付事由の生じた旧私学恩給財団の年金の額を六万円に引き上げております。それから、昭和四十年四月三十日以前に組合員期間二十年以上で、給付事由を生じて退職した者または死亡した者の最低保障額を、退職年金、廃疾年金について六万円、遺族年金については三万円に改めております。そのほかの改定でございますが、私学共済の場合は国公共済の規定を準用するという方式をとっております。単独の立法形式にはなっておりません。そういう意味におきまして、国家公務員共済につきまして修正が行なわれます場合に、まあ、そのつどそれを、関係の法規を改めるというふうなことで、非常にたくさんの改正が行なわれているわけでございますが、おもな内容を申し上げますと、以上のとおりであります。
#179
○川村清一君 ただいま局長がおっしゃったような事項は、今度の法律案の中で似たような事項がたくさんあるわけですね。似たような事項がたくさんあるということは、この一部法律改正案でもってこれができるということですね。技術的にはできるということですね。ですから、先ほど局長は、従来のこういうような慣習があるからという御答弁でありましたけれども、同じような問題は、こういう、いまもこの共済組合法の一部改正法でもって処理してこられたわけです。今度初めてこの問題を単独法として出された。それには何か深い根拠があるのかどうかと、こうすることによって、将来にわたってどういう利益か何かがあるのかどうかと、こういうことを聞きたいのです。そういうことがないとするならば、何でそんなことやったのか、私には納得いかないわけですよ。この点をひとつ明確に御説明願います。
#180
○政府委員(岩間英太郎君) 法の形式につきましては、先ほど申し上げましたように、ほかの国共済等につきまして新しい改定事由が生じました場合には、このような形をとってきたということでございますが、私学共済につきまして特に単独法を出しましたのは、いままでの長期給付につきまして、国家公務員あるいは地方公務員と差があったわけでございますけれども、それを、この際一挙に縮めまして、国家公務員あるいは公立学校の職員と同じような水準まで引き上げたという、私学学共済組合法にとりましては、非常に大きな改定があったのでございます。そこで、単独法といたしましてこの際御審議願うということにいたしたわけでございます。
#181
○川村清一君 将来にわたって、何か効果があるのですか。たとえていうならば、これは昭和四十四年ですが、あるいは四十五年、四十六年、四十七年、将来にわって改正されることが当然あり得るわけですね。そういう場合にはどういうような措置をとられるのか。いわゆる共済組合法の改正でいくのか。今度の法律案は「昭和四十四年度における」というように、四十四年度という年数を限定しておりますね。この法律の改正をやるのか、そのつど単独立法していくのか、この点はどうなんですか。
#182
○政府委員(岩間英太郎君) 御指摘がございましたように、今後も改定がございました場合には、国家公務員、あるいは公立学校の先生と同じような水準まで引き上げるということは、これはぜひやってまいりたいと思います。その方法形式でございますが、このたびの法律を改正していくというふうな形で処理をしていきたいというふうに考えている次第でございます。
#183
○川村清一君 私立学校教職員共済組合法という、この法律を改正するならば、これは簡単だというんだ。しかしながら、「昭和四十四年度における」という、この四十四年度とついている、この法律が制定されると、この法律があるわけですね。これを改正するというようなことは、どういうふうに改正するのですか、今度四十四年度というところを四十六年度と改正するわけですか、どういうことになるのですか。
#184
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま四十四年度ということになっておりますけれども、それを題名から改正していくというのが、従来の慣例のようであります。
#185
○川村清一君 もちろんあなたのほうは内閣法制局といろいろ相談をされ、また関係省庁と連絡されて出されると思うのですが、そのようなむだなことをしなくても本法を改正すればきちっとできるならば、何もこんなことをやる必要がないじゃないか、その効果が特別にあるのだというなら別ですよ、どこから改正すると言ったら、まず四十四年度、ここから改正する、頭から改正するんだ、そんなむだなことをする必要がないじゃないか、こういうことを申し上げている、どうですか。
#186
○政府委員(岩間英太郎君) 共済組合関係の法律というのは、これは先ほど申し上げましたが、新しい制度をつくって、従来の制度を全部なくしてから、その上に新しい制度をつくるというのではなくて、従来の権利義務の上に新しい権利義務を乗せていくというような形でございますから、私も十分はわかりませんけれども、従来からこういうような形をとってきたわけでございまして、私どもから申しますと、それをあらためて改正するというふうな方法はとりにくいといいますか、従来の慣例どおりにやっていくということにせざるを得ないじゃないかということでございます。
#187
○川村清一君 法案を出されている責任者のあなたが、しかもあなたたちは、それこそおそらくは東京帝国大学であるか、東京大学であるかわからぬけれども、とにかく最高の大学を出られて法律を専門に勉強されたと思うのです。私は昔の師範学校を出ただけで、法律なんかわからないんですよ。しかし、そのあなたがどうだかわからないなんていうような、そんなことで法案を出し、ここは立法府ですからね、法律つくるところなんですよ。こんなわけのわからない答弁じゃ審議できないんですよ。あとから法制局長官に来てもらう、それはもちろんこういう法律はつけ加えていくことはわかるんですね。ですからこの法律を読むというと、うしろのほうに附則として「附則昭和二十九年五月一九日法第一一五号」の附則がある。「昭和三二年五月二八日法律第一三七号」の附則がある。それから「昭和三四年四月二〇日法律第一四八号」の附則がある。それから「昭和三六年六月一六日法律第一四〇号」の附則がある。みんな附則がついていくんだ。消えていないんだ。だからそこに積み重なっていくことは承知の助ですよ。承知の助の上で聞いているんですよ。それを専門家のあなたがどうだかわからないというんだ。だめですよ。それじゃあもう一点聞きますよ。昭和四十四年度における私立学校教職員組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案というのが、この法律案の名称なんだ、そこで、私立学校教職員共済法の規定によるというのはどういうことですか。
#188
○政府委員(岩間英太郎君) 私学の教職員に対する年金等につきましては、これは基本法は私学教職員共済組合法でございますから、その規定によると申しますのは、私学共済法が根拠規定となって、基本になって、そこから年金の権利等が発生すると、そういう意味でございます。
#189
○川村清一君 ただいまの御答弁によってわかりましたが、私学共済組合法が基底にあって、この法律ができたということでしょう。要すれば私学共済組合法というものがこれは親であって、その子供としてこの法律ができたと、こういう意味でしょう、どうですか。
#190
○政府委員(岩間英太郎君) そのとおりでございます。
#191
○川村清一君 それならばお聞きしたい。この子供の法律が附則第二項で「私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律の一部を次のように改正する。」第三項で「私立学校教職員共済組合法の一部を次のように改正する。」いいですか。それから第八項で「私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律の一部を次のように改正する。」これはちょっと常識では考えられない。共済組合法に基づいてそれを基底にして、それを親として生まれてきた子供が、親である本法の組合法を改正するなんてこんなばかなこと、あなたそれは違法ではないとは思う。あなた方専門家がやっていることだから違法ではないと思うが、適当な処置ですか。これは常識ではわからない。
#192
○政府委員(岩間英太郎君) この一部改正はまあ別の法律でもって慣行法でもってやるということも考えられるわけでございますけれども、まあ今度昭和四十四年度における私立学校教職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律ができました際に、便宜母法でございます私立学校教職員共済組合法の一部を改正する、そういうような立法技術をとったわけでございます。
#193
○川村清一君 ですからできないことをやったということは私申し上げてない。できないことをやったら違法ですよ。まさかあなた方法律の専門家が違法な処置をしたとは考えられない。違法ではないけれども適当ではないと私は言っているのですよ。適当だとお考えですかあなたは。大体基づくのです。基づいてできてきた法律が基づいたもとを改正するということがありますか。
#194
○政府委員(岩間英太郎君) 適当でないという御意見でございますが、まあこれは立法技術上こういう形をとったわけでございまして、これは許される範囲内のことであるというふうに考えております。
#195
○川村清一君 許される範囲内でやったことは知っていますよ。許されないことをやったら違法ですよ。許される範囲内で立法技術上やったということは当然なことですよ。だけれども立法技術上やったその措置が適切妥当な処置であるかどうかということはわれわれには納得いかない。だとするならば、これは法制局ひとつ呼んでくださいよ委員長。
#196
○政府委員(岩間英太郎君) 立法技術上許されることは私どもといたしましては適切であるというふうに申し上げる以外にお答えのしようがないというふうに考えます。
#197
○川村清一君 そういう考え方だから官僚の頭だというのですよ。法律でとにかく許されることをやったから適当だ、許されないことをやったら違法ですよ。違法なことなどだれだってできないのですよ。許されることの範疇でやったからそれは適当だと、そんな理屈がありますか。やることがたくさんあるんだよ。あるけれどもどの道をとることが一番適当かということをやっぱり選択するわけでしょう。私は適当ではないのではないか、こう言っているのですよ。
#198
○政府委員(岩間英太郎君) 適当ではない。まあ適当であるかどうかという御判断はあると思いますけれども、まあ従来も同一系統の法律でもって二つに分けてやるというのがたてまえであっても、便宜一つの法律にまとめてやっても差しつかえないという範囲のものは一本にしている例はございます。まあそういう例から申しまして、この際同じような系統の法律の関係のものでございますから、それを一緒に御審議いただくという意味で一本にしたわけでございます。
#199
○川村清一君 局長はいまの私の質問だけに答えてはだめなんですよ。いまの質問、前段の質問があって、前段の質問から私の質問は現在の質問に来ている。前段何を私は申し上げたかというと、こんな単独立法をする必要はないのではないか。特別効果があるなら別ですよ。このことによってこういう効果があるのだ、だからこうしたのだというなら賛成ですよ。そうですかといって私は敬意を表する。別段大した効果もないものなら、ここにある本法を一部改正したらいいじゃないか。そうすると当然いま申し上げた附則のところはこの法律の中で改正されるわけだから、何も無理がないわけでしょう。違法だとか適当だとかなんという議論は一切出ないわけですよ。ところがあなた出されたこの法律は、共済組合法の規定によって出された法律なんだ。それで出された法律が、基づいた本法を改正するということは、これは常識ではちょっと考えられない。もちろんこれは違法ではないんだと思う。そこまで私も専門家でないからわからないけれども、おそらく違法ではないでしょう。違法ではないけれども、適当な措置だとは私はどうしても考えられない。ところがあなたの答弁はそうではなくて、従来もそういうことがあった。従来あることも知っておる。たとえば前には沖繩北方の委員会で、北方協会法という法律ができた。この法律でもってそのいままであった北方協会法という法律をずたずたに切ってしまったということがあって、私は委員会で問題にしたことがあるけれども、こういう法律を出された。この法律の中には先ほど申し上げましたように附則がたくさんあるわけですよ。積み重ねた附則があるわけですよ。だからいま出されたこの附則の二項や三項やそれから八項というものは、この中に載せたらいいわけですよ。わざわざ同じような法律を二つつくらなくてもぼくはいいと思う。その点はどうだと聞いておる。あなたの御答弁ではどうも納得いかないから、これは法制局に来ていただいて、立法技術の上からひとつ十分これは専門家だから、こっちのほうは質問よりも教えてもらう。
#200
○政府委員(岩間英太郎君) 先ほど申し上げましたように、共済関係の法律は過去のいろいろな権利の積み重ねをやっていくわけでございます。一部改正の場合でございますと、古い規定はこれは新しい規定に改めるというのが原則でございまして、立法技術上そういうものを残すということは可能でございますけれども、過去どういうことであったかということをやはり法規の上で残しておくということは実益のあることでございまして、将来ともそういうふうな権利の積み上げでございますから、過去のある時点においてどういう権利があったかということを知るということは、非常に将来のためにも有益なことだろう。そういうことで一つ一つこういうふうに新しい法律を出しまして、新しい権利を設定していくということは、立法技術上も将来も役に立つというふうに考えてよろしいんじゃないかというふうに考えるわけでございます。
#201
○川村清一君 同じようなことの繰り返しで恐縮ですが、いまの局長の答弁では、私はさらに疑問を持つわけです。こういう時点におけるこれはそうですよ。しかしこの法律ができたために、この附則のやつはこっちのほうも本法に載らないでこの法律に附則がつくわけです。ところが、過去のずっと経緯というものはこの本法のほうの附則でもってずっとあるわけです。この本法のこの附則をずっと読んでいきますというと、いっどうなって、いっどうなったということがずっと出てくるわけです。ところが、今回の法律が成立しますというと、ここに書かれている附則というものはこっちに載らないわけですね。それから、この私立学校教職員共済組合法という法律は将来改正することはありませんですか。ないとは、これは確言できないでしょう。当然改正することはあるでしょう。そのときに附則もまた出てくると思う。そうすると、その附則のほうはこっちに載る。それからこっちのほうの附則はこっちの法律に載る。その附則がつながらないじゃないですか。かえって不便じゃないですか。これをこっちに載せておくとずっと経緯がわかるわけじゃないですか。だから、あなたの答弁聞いていると、わからない。なお不便になる。
#202
○政府委員(岩間英太郎君) このたびの改正は、これは国家公務員あるいは公立学校の職員と同じ程度まで年金の引き上げを行なったということで、そういう意味におきましては、まあ私学共済にとって画期的なできごとでございます。ここがスタートになりまして今後そういう改正がたびたび行なわれて、国家公務員あるいは公立学校の職員と同じようにしていくという趣旨から申しまして、やはり単独の規定を設けてそこをスタートにして、今後これを改正していく。そういう意味合いもあるわけでございます。
#203
○川村清一君 文部大臣にお尋ねします。はなはだ失礼な質問でございまして恐縮なんでございますけれども、ひとつお尋ねしたいのですが、大臣はこの法案をお読みになられましたか。
#204
○国務大臣(坂田道太君) 一応は読みました。
#205
○川村清一君 それでは、この法律案の第一条、第二条、附則の第二項、こういうようなところをお読みになって御理解できましたですか。
#206
○国務大臣(坂田道太君) 大体のところは了解しているつもりでございます。
#207
○川村清一君 もし御理解できましたなら、大臣からひとっこれは説明していただきたいのですが、どうも頭が悪いものですから、私も一生懸命になって三回も四回も読んだのですが、まあ第一条、第二条、附則の第二項のところは何を書いているのか、ちっともわからないのです。どういうことを言っているのか、ちっともわからない。ですから、やはりこれは大学の法科を出られた法律の専門家か、あるいは法律に基づいて行政を執行している役人さんの方でないと一般の者にはとてもわからないと思うのです。それで、もし大臣十分御理解いただいておれば大臣からひとっこれ説明していただけませんか。
#208
○国務大臣(坂田道太君) 私は法学士でございませんので、文学士なものですから、あまり法律はよくわかりません。わかりませんが、しかし、いま先生と局長とのやりとりを聞いておりまして、私立学校教職員共済組合法という法律があって、母法があって、そして、まあその中の規定されておる年金の額を改定するということについてこの単独法を制定したと、こういうことだと思うのです。したがいまして、先生の御指摘は、母法があって、その子供の法であるのに、子供の法の附則でまた母法を改正するのはどうであろうかと、こういう御疑念かと思うのです。しかし、こういうことは立法技術上あり得ることではないかと思いまして、それが極端に不適切であるということは、私は言えないのではないかというふうに思います。むしろそこの私立学校教職員共済組合法という母法があって、その中の年金の額の改定ということに焦点を合わせて、そうして、これを単独立法にしたという積極的な意味はやはりあるのじゃないか。こういうふうに私は思うのでございますけれども、そういうわけでございまして、そうこれで不適切だと言われるいわれが実は私にはわからないわけでございます。それから、たびたび局長から御説明申し上げておりますように、この法案自体が、その内容において国立共済と同じレベルまで引き上げていく、変わらないようにしていくという一つの方向性を示しておるわけでございます。そういう意味の積極性を内容に持っておるわけでございまして、そういうものを指摘しようとしておる。したがいまして、国立共済法というものがこういう形になっておるといたしますれば、それに準じて体裁も形式もそういうふうにしたということは適切ではないかというふうに考えるわけでございますが、まあ冒頭申し上げましたように、あまり法律はわからぬほうでございますから、間違いましたら、間違ったところはまた私の答弁について改めることにやぶさかではございませんが、一応私といたしましてはそういうふうなつもりで御提出を申し上げております。
#209
○秋山長造君 ちょっと関連。私もいまのお話を聞いておって、どうもよくわからないのですが、これ一部改正でやってもいいわけなんですか。これは一部改正でやってもいいが、一部改正では、どうも今回の改正の意義が浮き彫りにならぬので、単独立法やったのだ。単独立法やることによって、この画期的な改正だという意義を大いに顕揚しておるのだ。こういう趣旨のお話でしょうか。たとえば、これ、地方交付税法なんていうのは、地方財政にとってはきわめて重大な法律。しかも、その中で一番ポイントは税率ですわね。所得税、法人税、酒税の三税の何%という、そこが地方交付税の一番核心だと思う。ところが、地方交付税、いまおっしゃる論法ていけば――だから交付税は、他の条文の改正は一部改正でやっても、交付税率の改正というものは、やはりこういう意味で大いに重大な意義と影響があるのですから、単独立法でやってもよさそうに思うのですけれども、ところがそうでなしに、二〇%から始まったと思うのですがね。いま三二%まで交付税率がきておりますが、これは常に本法の一部改正でずっとやってきておるのですね。だから、その違法とか合法とかいう問題は別としても、この共済組合法の改正にしても、いままで、二十九年から四十一年までずっと何回か一部改正、一部改正でやってきておる。それを今回に限って、どうも一部改正ではなしに、単独立法でやられるというので、ただ画期的意義を鮮明にするために、強調するために、いままでの一部改正という形式をやめて、今度単独立法ということにされたという、御説明だけではよくわからんのですけれども、一部改正でもいいでしょう、そこら。
#210
○政府委員(岩間英太郎君) 私は一部改正でもよろしいと思いますが、共済組合の場合には、これは個々の十八人ならば十八人おられる個人個人の方のこれは権利に関係することであります。交付税の場合にはたとえば一九%が二〇%に上がって、改正いたしましても一九%ということを知っておる必要はない、関係者以外には二〇%でもうある程度恒久的な制度である。しかし共済組合の場合には個々人の権利に関係することでありますので、なるべく過去の状態がはっきりわかるほうがその時点時点でその適用を受ける方がおられるわけであります。そういう意味で初めに秋山先生おっしゃいましたようなことでよろしいのではないかというふうに考えます。
#211
○川村清一君 いま大臣おっしゃいましたね、この法案が提案されたときに大臣が提案理由の御説明をされたわけです。御説明をされました文章がここに載っておるわけで、これを読むとよくわかるわけで、こういうふうに改正になったのだということがよく理解できるわけです。ところがこの理解が法文を読んだらさっぱりわからない、法文を読んだらちっともわからない。そこで局長にお尋ねしますが、大臣の提案理由のようにもう少し内容がわかるように法律の条文というものは書けないものかどうか、こういうことなんです、私の言いたいのは。これは大事な法律なんでしょう、年金なんです。私立学校につとめられておる先生方が退職される退職年金、どのくらいもらうのか、またいろいろあるわけですね、廃疾年金は幾らになるか、遺族年金は幾らか、それから給付自体から引き続いてやってきたいわゆる既裁定年金者はどういうふうになるのか。それから昭和二十八年以前からずっとやってきた方はどういうことになるのか、みんな心配されている。年いかれた人ほど少しでも多くなりたいわけです。こういう法律ができたことによって非常に楽しみなんです。一体この法律読んでわかりますか。あなた理解できるようにひとつ説明してください。一条はこう書いてある一条はこういうことを言っているのだ、二条はこういうことを言っているのだと説明してください。私にはちっともわからない。法律がこんなものだから法律は国民のものにならないわけですよ。こんな国民にわからないような法律をつくっておいて、そうして順法精神がないとかへちまだとか言っている。もう少し国民と密着する法律をつくらなければ、この文章読んでわかりますか。あなた方は大学の法科出だから、専門家だからわかりますが、われわれにはちっともわからぬ、説明してください、わかるように。
#212
○政府委員(岩間英太郎君) 私も全く先生と同じでございますが、該当される方がやはり数が多いということになりますと、個々具体的に法文が書けるとたいへんわかりやすくなるわけでございますけれども、電子計算機の世の中になりましてそういうぐあいにうまくいくようになれば私も非常にけっこうなことだと思いますが、いまのところこういうふうな形をとらざるを得ないというふうなことでたいへん恐縮に存ずるわけであります。この点につきましては衆議院からも悪法の例だというふうなおしかりを受けたわけでございますけれども、こういうふうなていさいにせざるを得ないと申しますか、そういう形になっておるわけであります。
 内客の御説明でございますが、第一条は、これは旧法の規定による年金の額の改定でございましてこれは三十六年十二月三十一日以前に給付事由が生じました、これは旧法の規定によります既裁定年金の額をこれは国共済の年金の改定に準じて改定するというの。が内容でございます。
 それから第二条は新法の規定による年金の額の改定でございまして、これは昭和三十七年の一月一日から昭和四十四年の十月三十一日までの間に給付の事由が生じました新法の規定によります既裁定年金の額を第一条と同様に国共済の年金の改定に準じて改定するということが内容になっているわけでございます。
 それから第三条はもとの私学恩給財団の年金の額を改めるわけでございますけれども、これは三十六年の十月から三十七年の九月の間にアップ率、つまり一・三二という率がございますが、その率を乗じましてもとの私学恩給財団の年金の額を引き上げようと、そういうことでございまして、いまの第一条、第二条と同じような趣旨の改正でございます。
 それから第四条は最低保障に関する規定でございまして、これはそこに一号、二号とございますように、退職年金とか廃疾年金、これは最低保障を九万六千円までにすると、それから遺族年金につきましては四万八千円を最低保障とするということでございます。
 それから第五条は、これは端数の計算でございまして、技術的な改正でございます。
 それから第六条は費用の助成でございまして、私学振興会法で旧恩給財団に対しましては国の補助が百分の十六ございますから、その残りの百分の八十四を私立学校振興会のほうから補助していただくということになりますので、それに伴う規定を設けたわけでございます。
 それから施行期日は、これは四十四年の十一月一日から施行するのが原則でございますが、第四条の最低保障それから附則第三項の私学共済法の一部改正、それから第五項から第八項までの規定につきましては、これは十月一日から施行するということをきめたものでございます。それから附則の二項でございますが、これはまず「平均標準給与の年額に、過去一定年間における各月ごとの総組合員の標準給与の平均額を基礎とし、総組合員の給与に関するその他の事情を考慮し、更新組合員の平均標準給与の年額と最終標準給与の年額との適正な調整を図ることを旨として、政令で定める率を乗じて得た金額」というのがございますが、これは昭和三十六年十二月三十一日以前の、いわば旧法の規定によりまして年金を算出いたします場合には、私立学校の職員につきましては過去三カ年間の平均をとりまして計算をいたすわけでございますけれども、公立学校の職員等につきましては、その当時は最終の俸給をとっておりました。したがいまして、最終の俸給をとる場合と過去三カ年間の平均をとります場合には差がございまして、その差を埋めるための率を政令できめるということを規定したのでございますが、その場合にそこに書いてございますように、過去の一定年間、これは三年あるいは五年というふうな過去の一定年間におきます各月ごとの総組合員の標準給与の平均額を基礎といたしまして総組合員の給与に関するその他の諸事情、これは教員の組織、年齢構成等によりましてその率が変わるわけでございますから、そういうものを基礎にいたしまして私学の教職員と公立学校教職員との年金の基礎になります給与の額の差を埋めるというふうなことをここできめたわけでございます。
 それから附則の第三項は、これは標準給与の引き上げでございまして、これはただいままでたびたびお話がございましたが、低いほうでは一万二千円を一万八千円に引き上げる、それから最高のほうは十一万円を十五万円に引き上げるという改正でございます。
 それから第四項は、標準給与は毎年七月一日現在の組合員につきまして五月分と六月分の給与をもとにしてきめております。そしてその年の十月から翌年九月まで適用されることになっておりますが、今回の標準給与の表の改定は昭和四十四年十月一日から施工されるものでございます。事務手続上、その同日前に改正後の標準給与の表を用いて組合員の標準給与を定める必要がございますので、これは確認規定といたしまして、ここに念のために規定を設けたのでございます。
 附則の第五項も、これは昭和四十四年六月一日以後に組合員の資格を取得した者及び急激な給与の変動があったために標準給与が昭和四十四年七月一日以後に改定された者については、翌年の九月までその年の標準給与を適用されることとされておりますが、これらの者については、昭和四十四年十月一日に資格を取得したものと見なして改正後の標準給与の表を適用しよう、そういうふうな規定でございます。
 それから附則の第六項は、共済組合が行なっております各種の給付は、それぞれ請求権者からの請求を待って行なうということになっておりますので、給付の事由の発生時点と実際に給付を行なう時点との間には、時間的なズレがございます。この第六項は、私学共済法及び昭和三十六年法律第百四十号の改正規定のそれぞれの施行日前に給付の事由の生じたものにつきましては、改定前の規定を適用するものである、そういうことを明らかにしたものでございます。
 それから附則の七項は、長期の在職組合員にかかる年金の額の最低保障につきましては、第四条に規定がございますが、第四条というのは、昭和四十四年の九月三十日以前に給付の事由が生じた者についてだけ適用されるわけでございまして、この附則の第七項というのは、十月一日以後に給付事由が生ずるものにかかわります最低保障の規定でございます。それから附則の第八項は、これは整理の規定でございまして、前の最低保障の適用期間を明らかにした条文でございます。それから別表第一は、これはこのたびの年金の額の改定に必要な引き上げ率でございますが、これは年度に応じまして引き上げ率を変えているわけでございます。それから別表の第二は、恩給財団の年金の額の改定でございます。
 以上が内容の説明でございます。
#213
○川村清一君 なかなかめんどうなような法律なようでございますので、まあこれは……。それからなかなか立法技術上の問題もあるでしょうし、全く専門外の私どもがとやかく言うのもおかしいのですが、とにかく法律というものは国民のためにあるわけですから、国民に密着した法律にしてもらいたい。何を書いているのだか一向読んでもわからぬというのでは、だれのためにあるのかわからぬ。役人のためにあるのか、裁判所の判事のためにある法律か、検事のためにある法律かわからぬということでは困るので、できればもう少しわかりやすい条文を書くように今後努力していただきたいということを要請申し上げておきます。
 次に、大臣にお伺いしたいのですが、私立学校教職員共済組合法の第一条の二にある文章についてどのように解釈され御理解されているか。
#214
○国務大臣(坂田道太君) これは物価その他の変動によりましてそれに応じて年金、恩給その他をやはりそれに応じてやらなければいかぬ、増額していかなければいかぬという理由だと思います。
#215
○川村清一君 私もそのとおりだと思ってしろうと流に解釈しているわけですが、条文を読みますと「この法律による年金たる給付の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」昭和四十一年法第百二十二号で追加されているわけでございますね。そこで大臣にお尋ねしたいのですが、これは目的ですから、この法律の目的ですから一番大事なんです。これを実現するために今日まで具体的にどのような対策、努力をなされてきたかどうか、これは抽象的でなく、具体的にひとつ御答弁願いたい。
#216
○国務大臣(坂田道太君) 昭和四十二年の六月、社会保障制度審議会の申し入れに基づきまして総理府に設けられました公的年金制度調整連絡会議におきまして、私学共済法の年金額の改定規定の運用を含めまして、あらゆる公的年金の調整につきまして現在検討が進められている段階でございます。したがいまして、今後におきまして既裁定年金の引き上げにつきましては、この公的年金制度調整連絡会議の結論や他の制度との均衡等を勘案をいたしまして、またこれに要しまする財源負担の方法等を十分考慮いたしました上で、今後とも慎重に検討を進めてまいりたいと思っております。
#217
○川村清一君 そうしますと、この法律は昭和四十一年にこの法律に追加された法文でございますが、現在昭和四十四年でございます。いまの御答弁では、なおこの法律を実現するためには検討されておるということで、問題は将来でございますね。そうしますと、昭和四十一年から今日までは何もしておらなかったと、こういうことでございますか。
#218
○国務大臣(坂田道太君) 基本的な問題につきましてはもう少し検討する必要があると思っております。
#219
○川村清一君 そういうことでなくて、基本的な問題をこれから御検討せられることはけっこうでございますが、私のお聞きしていることは、この法律は昭和四十一年にできておるが、ただいまは言うまでもなく昭和四十四年でございますから、法律ができてから三年、しかもこの法律はほかの条文と違いましてこの法律の第一条の二でありまして目的ですね。目的に載せられたいわば一番大事な律法の柱なんですね。その柱を、いま基本的な問題を検討中であるという御答弁でございますから、端的に言って、今日まではこれの具体化のためには何らの措置も文部当局はなされなかったと、こう解釈してよろしゅうございますか。
#220
○政府委員(岩間英太郎君) この条文の意味でございますけれども、これはそこにございますように「国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」ということでございまして、 これは端的に申せばスライド制というような考え方がこの中にあるんじゃないかというふうに考えるわけでございまして、今回の改定はこの条文に当てはまるといえば当てはまるわけでございます。とりあえず国立学校あるいは公立学校の先生と同水準まで持っていくということでございますから、こういうふうな諸事情の変化に応ずる改定というのは、これは年金制度全般の問題といたしまして、ただいま大臣からお答えしましたように、総理府で真剣に検討中でございます。私どももできましたら一々こういう法律改正がなくても自動的にと申しますか、スライド的にそういう制度ができればこれは望ましいものだというふうに考えておる次第でございます。
#221
○川村清一君 局長、著しい変動というのはどういうふうに理解されておりますか。
#222
○政府委員(岩間英太郎君) これは急激な貨幣価値の変動それからあるいは急激な所得の向上、そういうふうなものではないかと思います。
#223
○川村清一君 具体的にはどういうことでございますか。抽象的にはあなたのおっしゃったことですが、具体的にはどういう変動があれば著しい経済的な変動と、こういうふうに考えるのですか。
#224
○政府委員(岩間英太郎君) ただいまのところは消費者物価指数が毎年五%ぐらい上がっておりますけれども、これがかなり大きなインフレ的な傾向で消費者物価が一〇%以上も上がる、それから現在経済の成長率が一〇%をこえているようでございますけれども、これが二〇%、三〇%というふうに飛躍的に伸びて国民の所得が非常に伸びるというふうな場合ではないかと思います。
#225
○川村清一君 これは常識的には、一般的に著しい変動というのは消費者物価が五%以上上がった場合に著しい変動、こう言っているのですね。ですから、この法のたてまえはいまあなたがおっしゃったようにスライド制なのです。それで消費者物価が五%以上上がった場合においては、これは「すみやかに」ということなんですね。至急ですよ、早くということですよ。「すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」、講ずることができるということではないのですよ。「講ぜられなければならない。」という宣言規定なんですね。これは昭和四十一年。それで昭和四十四年の今日まで年間物価はどのくらいずつ上がっておりますか。
#226
○政府委員(岩間英太郎君) 消費者物価指数で申しますと、平均いたしまして五%程度上がっておるというふうに聞いております。
#227
○川村清一君 それを、基本的な問題はいま検討中である、審議会においていろいろ検討しておる、それからいろいろ考えなければならないというのは、これは将来ですね。
 それじゃもう一点大臣にお尋ねいたします。国会の委員会で法案を議決するときに附帯決議がなされますね、こういう附帯決議に対しまして大臣はどのようなお考えを持たれておるか、大臣の所信をひとつお尋ねしたい。これは一般的に言っているのですよ。
#228
○国務大臣(坂田道太君) 一般的に申しまして、附帯決議の精神に照らしそれを尊重するようにいたしたいと考えております。
#229
○川村清一君 尊重するということは、これは附帯決議がなされたことを実現するために最大の努力をするということでございましょう。そうじゃないですか。
#230
○国務大臣(坂田道太君) 尊重するということは、その示されたことにつきまして努力をするということでございます。
#231
○川村清一君 坂田文部大臣は、自民党の中では特に文教政策のベテランでいらっしゃいまして、文教委員会にずっと長くいらっしゃっておる。常日ごろ大臣の御答弁を聞いても非常に教育には深い御見識を持たれておる、そういうお話を聞いて敬服しておるのでありますが、さて大臣がいらっしゃった衆議院の文教委員会で、昭和三十六年の五月三十一日に附帯決議をしている。同じく昭和四十年の四月二十三日にも附帯決議をしている。四十一年五月二十七日にも附帯決議をしている。そのときには坂田文部大臣は自民党の文教委員会のベテラン委員としてこの附帯決議に参加されて、これは満場一致、社会党だけじゃないですよ、全会一致で決議をしている。そうして先般この法案が衆議院を通過するに際しましても衆議院で附帯決議をされた。あなたはこの附帯決議に参加されておる。なおさら責任があるわけですが、そこで、これらの問題を含めて、これからまた具体的に質問しますけれども、これらのものを一切含めて、努力いたしましたではこれは私は納得できないのだ。具体的にこういうようなことを努力いたしました、こういうことをしましたということをひとつ……。それはいま大臣だから、大臣に前のことを聞くのは恐縮でございますけれども、まずそれじゃ、この間衆議院で附帯決議されたときに大臣は発言なされたでしょう、その附帯決議に対して。衆議院のほうは政務次官が言っていますか。必ず附帯決議すると大臣から発言を求められておりまして、大臣から発言をされておりますね。あなたはどういう発言をされましたか。
#232
○国務大臣(坂田道太君) いま先生おっしゃったのは、努力いたしましたと私が申し上げたというふうにおとりになっていますけれども、努力をいたしますということで将来のことを言っておるのでございます。一般的にとおっしゃったから一般的に答えたわけです。
#233
○川村清一君 そこで、一般的に努力いたしますですから、そこで今度具体的に、今度は一般的でなくて、文教委員会の特に私学共済についてのこの問題について附帯決議をなされておる。こうなると、これは一般的じゃないのだよ、これは具体的だよ。しかも、いま大臣なんだ。そこで、具体的にどうなされたか、そうしてどういう実績があがったか、とにかく昭和三十六年のときにはあなたはたしかもうすでに文教委員でいらっしゃった。それで全会一致でもってこの附帯決議をされておる。いまからもう八年前だ、どういうことをなされたか。
#234
○国務大臣(坂田道太君) 八年前は私は皆さん方と同じように国会議員の一人でございました。政府といたしましてはいろいろやったと思いますけれども、私自身といたしましてはいまからいたしますということでございます。衆議院のほうには附帯決議もございますから今後努力をいたします。
#235
○川村清一君 それは、いまは政府の大臣ですからいまの答弁はわかります。いいですよ。しかし、それは野党の議員ならいいけれども、与党のしかも文教委員会においてのベテランで、文教政策を立案されてきて、ですからそれだけの力があるからあなたは文部大臣になったんで、そんな力のない人が文部大臣になるわけはないでしょう。今度の大学立法だってそうでしょう。政府の考えている文教……自民党、与党から出てくるのじゃないですか。与党の文教部会だとか文教調査会だとか何とかいうところから、そういう政府与党の、自民党の文教部会における有力なあなたが、八年前に全会一致でもって決議されて参加されたあなたが、何かこれ一つやるためにおれは努力したのだと、その結果こうなったのだという実績ぐらいあったっていいでしょう。それないですか。
#236
○国務大臣(坂田道太君) そこまでおっしゃれば私もちょっと申し上げたいと思いますが、たしか百分の二十を目ざしたのですが百分の十六、まあたったそれだけとおっしゃればそれまででございますけれども、努力はいたしました。
 それからまた百分の二十に引き上げるべく、今度の予算のときにもやりました。それからその前の年は私は党の政調会の副会長でございました。副会長というのは大臣折衝の場合には立ち合うわけでございます。そのときもずいぶんやり合ったわけでございますけれども、残念ながら思うようにまいりませんでした。ことに農業共済とのアベック闘争という形になっておりまして、向こうのほうから言いますとこっちのほうががんばりが足りないと言うし、私のほうから言うと向こうのほうが足りない、こういうこと。それから過去の例を申し上げますと、旧恩給財団の引き上げの問題につきましては、私はそのことについては大っぴらに相当にやりましたということが明言できると思います。しかし、そういうことはあまり申し上げるほどではないと思いまして、差し控えておったわけでございます。しかしながらそういうことではだめでございまして、これから前向きに努力いたしたいと思います。
#237
○川村清一君 非常に敬意を表します。それでまたこれから再びこまかくやっていきます。ただいま大臣からお話がありました百分の二十にするためにずいぶん努力してきたということで、まだ実現されておらない。厚生年金はすでに二十年になって、いま、なってないのは農林年金と私学共済だけが百分の十六にとどまっておる。これは坂田さんが大臣になる前にそうやってがんばってきて、そう効果が上がってきているんですから、いま大臣ですから、これは絶対上がると思う。この大臣のときに百分の二十まで上げていただきたい。
 きょうはこれで。
#238
○委員長(久保勘一君) 本案に対する本日の質疑は、この程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後五時五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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