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#1
第061回国会 文教委員会 第24号
昭和四十四年七月十七日(木曜日)
   午前十時三十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月十六日
    辞任         補欠選任
     小林 国司君     上田  稔君
     平泉  渉君     林田悠紀夫君
 七月十七日
    辞任         補欠選任
     青柳 秀夫君     佐藤 一郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         久保 勘一君
    理 事
                楠  正俊君
                田村 賢作君
                小林  武君
                安永 英雄君
    委 員
                上田  稔君
                佐藤 一郎君
                大松 博文君
                中村喜四郎君
                永野 鎮雄君
                林田悠紀夫君
                二木 謙吾君
                秋山 長造君
                川村 清一君
                鈴木  力君
                内田 善利君
                柏原 ヤス君
                萩原幽香子君
                小笠原貞子君
       発  議  者  安永 英雄君
   国務大臣
       文 部 大 臣   坂田道太君
   政府委員
       内閣法制局第三
       部長       荒井  勇君
       文部省管理局長  岩間英太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       農林省農政局参
       事官       中沢 三郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○学校教育法及び学校図書館法の一部を改正する
 法律案(安永英雄君外一名発議)
○昭和四十四年度における私立学校教職員共済組
 合法の規定による年金の額の改定に関する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久保勘一君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 昨日、小林国司君、平泉渉君が委員を辞任され、その補欠として上田稔君、林田悠紀夫君が委員に選任されました。
 また、本日、青柳秀夫君が委員を辞任され、佐藤一郎君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(久保勘一君) 学校教育法及び学校図書館法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、発議者から提案理由の説明を願います。安永君。
#4
○安永英雄君 学校教育法及び学校図書館法の一部を改正する法律案につきまして提案の理由と内容の概要を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、昭和二十八年に学校図書館法が成立して以来、関係者のなみなみならぬ努力によりまして、今日、ほとんどの学校では、何らかの形で学校図書館を持つに至りました。
 申すまでもなく、学校図書館は学校図書館法第一条に明記されておりますとおり、学校教育に欠くことのできない基礎的設備であります。すなわち、学校図書館は、児童生徒の個人差に適合したしかも個性を豊かに育てます上にきわめて大きな機能を持っております。その他、学習指導の能率化、自発的学習態度の養成、教養の向上、読書指導の徹底及び図書館の利用を通じての社会的、民主的生活態度の養成などに資することきわめて顕著なものがあるからであります。
 しかしながら、学校図書館の運営の現状を見ますと、施設設備及び資料につきましても十分とは申せませんが、今日、最も大きな障害となっておりますのは、その運営維持に当たる人の問題であります。現行の学校図書館法では、その運営を専門的に行なうものとして司書教諭のみを掲げ、その必置制を定めております。ただし、同法の附則におきまして、必置制を当分の間延期しているのであります。
 同法施行後十五年を過ぎた今日における司書教諭の配置状況を見てみますと、公立の小・中・高等学校を合わせて学校図書館の数は約四万ありますが、そのうち、司書教諭として発令された数は、わずか一千名余りであります。その上、発令者のほとんどは兼務であり、専任の司書教諭の数は東京などわずか二百名足らずといった状況にあります。
 したがって司書教諭の置かれていない学校図書館では事実上、学校司書などの名称で呼ばれている職員などによって運営されているのであります。現在、公立学校で以上のような図書館を担当している職員は約四千名おりますが、その四五彩はPTA負担に依存している現状であり、これは地方財政法第二十七条の三に照らしてもゆゆしい問題であります。
 以上のように大多数の学校図書館には専任の教職員が不在であります。そして、事実上置かれている司書的な職員の資格について、何ら法的な措置がなされておらず、その上、それらの約半数は、地位・身分及び待遇の面で不安定な状態に置かれているのであります。このことは、学校図書館制度を有名無実にしているといっても過言ではありません。
 そこで私たちは、学校図書館の本来の目的を達成するためには、図書館業務に必要な司書としての能力と学校図書館に必要な教育的能力との両者を兼ね備えた者を配置しなければならないと考え、新たに学校司書制度を設けることといたしました。学校司書には以上の立場から高い資格を求め、もって学校図書館の運営の強化をはかることが現実的かつ緊急な施策と考えた次第であります。
 また本国会におきまして、政府提出にかかる公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律の一部改正案が成立し、これによって、初めて学校図書館を担当する職員の数が確保され、国庫負担の対象となりました。このような学校図書館に対する関心の高まりをも考慮し、私たちは、一そうの改善をはかるため、学校司書制度を創設し、また、一定の資格を有する学校図書館担当の職員に学校司書としての法的根拠を与え、その職務・身分を明らかにし、待遇の安定をはかり、一定規模以上の公立の小・中学校には学校司書を年次計画で配置することとし、その給与の半額は国庫で負担すること等の措置によって、学校図書館の機能充実をはかろうとするのが、本法律案を提出した理由であります。
 次に本法律案の内容について申し上げます。
 まず第一は、学校司書制度の創設についてであります。すなわち小・中・高等学校及び特殊教育諸学校に必要な職種として、新たに学校司書を学校教育法の中で定め、またその職務については、現行の学校図書館法第四条に定める図書館業務のらち、第三号から第五号を司書教諭の専門的職務とし、第一号及び第二号つまり、図書館資料の収集、分類配列及びその目録の整備等の専門的職務を学校司書の職務といたしました。
 第二は、学校司書の資格付与に関するものであります。資格取得に三つの方法を定めました。その一は、大学卒または図書館法に基づく司書の有資格者で、大学において学校図書館に関する科目を履習した者または学校司書の講習を終了した者であります。その二は、五年以上図書館法で定める司書補として勤務した者または司書補となる資格を得た後五年以上学校司書の職務を助ける事務に従事した者で、学校司書の講習を修了した者、その三は、高校卒またはこれと同等以上の学力のある者で、六年以上学校司書の職務を助ける事務に従事し、かつ学校司書の講習を修了した者といたしました。なお、右の学校司書の講習は文部大臣の委嘱を受けて大学が行なうものとしました。以上によって学校司書の質の確保とともに養成の確保にも万全を期することを目ざしたのであります。
 また経過規定を設け、一、従前の司書教諭有資格者は、新法上の有資格者とみなすこと。二、本法施行前における司書教諭の職務を助ける学校図書館事務に従事した期間は学校司書の職務を助ける事務に従事した期間とみなすこととしました。
 第三は、公立学校における学校司書の数についてであります。すなわち、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律を改め、小学校は六学級以上、中学校は三学級以上の規模の学校に、学校司書を一名ずつ、また、特殊教育諸学校の小学部及び中学部に一名ずつ配置できるよう措置いたしました。また、高等学校につきましても、公立高等学校の設置・適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律を改正し、生徒数百二十五人から八百十人までの全日制または定時制の課程に一名ずつ、八百十人をこえる課程では二名ずつ、そして特殊教育諸学校の高等部にも一名ずつ配置することといたしました。
 第四は市町村立学校職員給与負担法を改正して、学校司書の給与も国庫負担の対象に加えました。
 また、学校司書の俸給については一般職の職員の給与に関する法律を改めて、教育職俸給表の中に学校司書を明記し、身分については、教育公務員特例法の対象に学校司書を加え教育公務員とするなど所要の改正を行ないました。
 最後に、本法律案の施行期日は昭和四十五年四月一日といたしました。
 以上をもちまして、本法案の提案理由を申し述べましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(久保勘一君) 以上で本法案についての提案理由の説明聴取は終わりました。
#6
○委員長(久保勘一君) 昭和四十四年度における私立学校教職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。
 政府側から坂田文部大臣、荒井内閣法制局第三部長、岩間管理局長、中沢農林省農政局参事官、以上の方々が出席いたしております。
 質疑の申し出がございますのでこれを許します。川村君。
#7
○川村清一君 前日の質問に引き続いて質問を申し上げたいと思うわけでございますが、本日は内閣法制局荒井第三部長、農林省農政局の中沢参事官、それぞれに御出席を願いまして恐縮に存じます。それでお二人の方、時間の御制約もあると思いますので、先においでいただきましたお二人の方に質問を申し上げたいと思うわけです。
 最初に農林省の方にお願いをいたしたいと思います。
 農林省が農林水産委員会に提案されております農林年金法案と、文部省が本委員会に提案され、ただいま審議しております昭和四十四年度における私立学校教職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案とは、法律案の構成の点においてもまたその内容の点においても、さらに共済組合法が制定されて以来今日までの経過においても、非常に似通ったものがあるのでございます。
 そこで私は、私立学校教職員の年金の改正をはからんとする本法案の審議に当たりまして参考にしたいと思いますので、先般衆議院農林水産委員会において審議し修正可決されて、参議院に送付されてまいりました昭和四十四年度における農林漁業団体共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案についてこの修正点の内容、それから附帯決議等の内容についてまず御説明を願いたい、こら思うわけです。
#8
○説明員(中沢三郎君) 御質問にございましたように、私たちのほらのいわゆる農林年金法に関しまする衆議院の修正案の内容から申し上げますと、ただいまお述べになられましたような形、すなわち昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案の一部のうち「附則第四項中農林漁業団体職員共済組合法第二十条第一項の表の改正に関する部分の前に次のように加える。」といたしまして、第一条に次の一項を加えるということになりました。
 第一条と申しますのは、いわゆる本則の農林漁業団体職員共済組合法の第一条でございまして、この第一条に二項が加わるわけでございます。
 その内容を申し上げますと、「昭和二十三年八月二十七日に設立を許可された社団法人全国農業共済協会及び昭和三十年十二月一日に許可された社団法人中央畜産会は、この法律の規定の適用については、前項に掲げる法律に基づいて設立された法人とみなす。」こういう規定でございまして、第一条は現在一項だけでございまして、いわゆる農林年金法案の対象となる各種団体の根拠法が規定されておるわけでございます。たとえて申し上げますと、農業協同組合法でございますが、農業協同組合法に基づいて設立された団体と同様に、ただいま申し上げました二つの社団法人がみなされるということになりまして、この団体の役職員がいわゆる農林年令の被保険者たり得る、こういうことでございます。
 これにつきまして政府側の意見を求められまして、農林大臣からは次のような内閣の意見を申し上げてございます。
 「昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案に対する修正案については、年金制度の体系、他の民間法人との均衡等からみて、賛成いたしかねます。しかし、修正案が院議をもって決定された場合には、その運営に万全を期する所存であります。」
 以上のような意見が、ただいま申し述べましたように、農林大臣から内閣の意見として申し上げた次第でございます。
 次は、この修正案が可決されまして附帯決議がされておるわけでございます。
 一応内容を御説明申し上げます。附帯決議の内容でございますが、
  政府は、農林漁業団体役職員が、農山漁村において果している役割の極めて重要なものがあるのにかんがみ、その社会的、経済的な地位の向上に資するため、昭和四十五年度を目途に左記事項の実現に努めるべきである。
     記
 一、農林漁業団体の特性にかんがみ、組合員の掛金負担の増高等をきたさないよう、給付に要する費用に対する国庫補助率を百分の二十に引き上げる等国の補助を増額すること。
 二、旧法平均標準給与の最高限度額については、これを新法なみに改善すること。
 三、既裁定年金の最低保障額については、新規裁定年金の最低保障額なみに改善することとし、特に、二十年未満の遺族年金については、今回の改正の恩典が及んでいないので、可急的速やかに改善すること。
 四、既裁定年金のベース・アップについては、今回の改正の骨子は、国家公務員に準じたものであるが、農林漁業団体職員共済組合法第一条の二の主旨に照し、すみやかに、スライド原則の具体化をはかること。
 五、公益法人等で農林漁業の発展に資する事業を行なっている団体については、本法の適用対象団体とするよう措置すること。
 六、農林漁業団体職員の給与が著しく低位で、給与水準に不均衡が認められるので、給与の改善、給与体系の整備のため、さらに適切な指導を行なうこと。
  右決議する。
 以上でございまして、これに対しまして農林大臣から、ただいまの附帯決議につきましては御趣旨を尊重し誠意を持って努力いたしたいという趣旨の御答弁がなされておるわけでございます。
 以上でございます。
#9
○川村清一君 どうもありがとうございました。
 それで、前段の問題についてもう一度私お尋ねしたいのですが、ただいまお話にもございましたように、農林年金制度によって現在まで対象としている農林漁業団体は法律第一条において規定されておる法人となっておる、その中身はすなわち農業協同組合、農事組合、森林組合、漁業協同組合、水産加工業協同組合、農業共済組合、漁船保険組合、改良区都道府県農業会議、農業信用保証協会、開拓融資保証協会、農業信用基金協会、たばこ耕作組合、漁業生産調整組合、漁業共済組合等でありまして、これは特別の法律に基づいて設立された法人である。ところがこの修正案には、いわゆる民間団体であります全国農業共済協会、同じく社団法人中央畜産会は、今後この法律の適用を受けられるように修正された。
 そこで農林大臣の発言によれば、ただいまのお話によると、この民間団体を入れるということについては賛成はできかねる。ただし院議でそう修正したものであるから院議を尊重してということですが、しないもするも、法律ができちゃったのだからこの法律によってあなた方は行政をしなければならない、こういうことになる。そこでお尋ねしたい。
 農林大臣がこういう民間団体いわゆる社団法人、これを入れることについて賛成できかねるというその根拠は何であるか、それをちょっとお聞きしたい。
#10
○説明員(中沢三郎君) 先ほども農林大臣が内閣の意見として申し上げました中にありますように、年金制度の体系、他の民間法人との均衡ということに主として尽きるのだと思うのであります。
 ただいま御質問がございましたように、いわゆる農林年金の対象団体は農林漁業の発達のために特別な立法措置がとられまして、それらの法律に基づいて事業が限定されている法人でございます。
 そういう団体が御承知のような経過もございまして、厚生年金と分離ざれまして、一つの年金体系を持つようになった、ただいま申し上げましたような意味におきましては、厚生年金の適用、結局厚生年金が適用される各種の法人との区別でつき得るというふうに考えられるわけでございますが、民法に基づきますところの法人が、いわゆる農林年金法の対象になるということになりますと、強制加入というたてまえをとられるはずの公的年金制度の対象団体を、いかなる基準によって区別をするかという基準が不明確になるというふうに考えられますし、公的年金制度のあり方としてもいかがであろう、こういうふうに考えられまして、政府側としては賛成するわけにまいらなかったわけであります。
#11
○川村清一君 ただいまの御答弁でいろいろ理解できますが、しかしながら、この農林年金制度の目標とするところは、要するに農林漁業の発展に資するために設立された法人に働いている、その仕事に従事している職員のやはり生活権を守るとかいったような立場から、この農林年金制度というものができておる。したがって、それは民法上の問題がありますけれども、民間団体であっても、ここに修正された全国農業共済協会、あるいは中央畜産会というものは、日本の農業の発展のために存在し、そのための仕事をしているものであるから、その機関に働いているこの職員を、この組合の中に入れるべきである、入れるのが至当である、こういう一つの見解、立場から衆議院ではこの修正をされたものと私は理解しておるのであります。農林大臣はそういう民間団体をみな入れることになれば、厚生年金との関係もあり、そういったような問題から簡単に賛成できかねるという発言はされたと思うわけでありますけれども、前段、私が申し上げましたように、その農業の発展に資するために設立されたそういう法人団体に働いている職員も、当然この中に入れて農林年金の利益を享受させる、こういう考え方だと思うのですが、これは間違いございませんですね。
#12
○説明員(中沢三郎君) 衆議院の修正案の修正の意図は先生がただいまおっしゃられたような意味だというふうな考え方もございますけれども、先ほども申し上げて、ちょっとあるいは十分御説明できかねたかもしれませんが、補足させていただきますと、民法法人でございますと、その法人の事業の内容なり、あるいは構成員資格というものが公益に反しない限り、自由に変更できるわけでございます。事業などの幅は公益に反しない限り自由でございます。現在の法律の第一条で掲げられておりますところの農協法とか森林法等に基づくところの法人は、やはり制限列挙された事業の範囲内で農林事業の発達に寄与するための事業であるということと違うわけでございます。したがいまして、組合の意思によって法律に反しない限り、構成員なり事業目的が変化するということは、年金制度としては非常に不安定で、結局そこの職員自身も、ある場合には、厚生年金の適用団体というような性格を持つ、ある場合にはというような、こういうケースが制度上どうしても生まれてきているわけです。こういう観点から考えますと、やはり制度というものの限界を破ることになるのじゃないか、こういうふうに考えて賛成申しかねた次第でございます。
#13
○川村清一君 いやそれは院が修正したことでございますので、農林省のあなたにお聞きするのは筋違いでございますけれども、一応農林省の御見解を承ったわけでございますから、われわれがこれから私立学校共済を審議するにあたって、やはり貴重なこれは参考資料になる、こう考えておるわけでありますから。ありがとうございました。農林省はこれで終わります。
 次に、それでは法制局のほらにお尋ねいたしたいわけでございますが、先日の本委員会で文部省にいろいろお尋ねをいたしまして、御説明を願ったわけでありますが、なかなか私としては理解、納得できない点があるわけでございます。そこで本日は法制局においでを願いまして、ひとつ専門的な立場から、私の疑問を解明していただきたい、こういうことでおいでを願ったわけでございますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 第一にお尋ねいたしたいことは、昭和四十四年度における私立学校教職員共済組合法の規定によって、私学共済組合員の年金の額を旧法によるもの、新法の規定によるものを含めて改定せんとするのがこの法律案の趣旨でございますが、そういう趣旨を実現するために現在存在しておる私立学校教職員共済組合法の一部を改正する法律案によってそれを実現することができないのかどうか、立法技術上それは困難なのかどうか。私はわざわざ単独立法にようなくても十分できるのではないかという見解を一点持つわけであります。
 それから、こうすることによって、将来いろいろ立法的にも不便が生ずるのではないかということを懸念するわけであります。それから第二にお尋ねしたいことは、単独立法をすることによって、将来において何か利益があるのかどうか。現在の法律を改正するよりも、ここで単独立法をしておくことが、将来発展的に利益が生ずるのかどらかということをお尋ねいたしたいわけであります。第三には、私学共済組合法に基づいて立法する本法によって、母法である私学共済組合法の一部を改正することは、法の体系の上から適切妥当な方法ではないのではないか、こういうら考えを持つわけであります。したがって、本法の附則でもって、母法である私学共済組合法を構成しておりますが、この私学共済組合法の改正の部分につきましては、当然別に母法の改正案として提案して、国会の審議を受けるべきではないか、これらが筋ではないか。もちろんこれは違法だとか何とかといっておるのではないのです。違法の趣旨をやるわけではないのですから、違法であると申し上げておるわけではないのでありますが、どうも理論的には適切妥当な方法ではないのではないか、こういう疑問を持っておりますので、ひとつ法制局の御見解を明らかにして、私の疑問をひとつ解明していただきたいと思います。
#14
○政府委員(荒井勇君) 最近までいろいろな年金制度におきまして、年金の改定ということが行なわれておりますが、年金の改定というのは恒久的な一般制度というものではありませんで、たとえば四十三年十月とかあるいは四十四年十月とかいうような時点においてその一定の計算をして、その既裁定の年金の額を改めて、そのときに改定行為を一ぺん行なえば、あと特段の行政行為といいますか、手続を要しないという性格のものであるわけでございます。まあ、そういうものでございますから、たとえば、国家公務員でありますとか、あるいは地方公務員でありますとか、公共企業体等職員のそれぞれの共済組合法に基づく年金の額の改定について昭和二十六、七年ごろからすっとまあ、国家公務員についていいますと、十数回にわたって年金改定というものが行なわれております。最近の例でいいますと、昭和四十年度における旧令による共済組合等の年金のための特別措置等の規定に基づく年金の額の改定に関する法律でありますとか、あるいは昭和四十二年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案でありますとか、あるいは今国会に出ておりますようなこの三つの公務員ないし準公務員共済組合法の改定、それに農林漁業団体職員共済組合法に基づく年金の額の改定というふうにいろいろ出ておりますが、その年金改定というものは恒久制度を改めるというものではないわけでございます。その意味で必ず本法の改正をしなければならないというのは、本法というものは恒久制度を書いているものでございますから、昭和何年何月の時点においてどういう改定をするということは本来、本法で規定する事項にはなじまないというふうに考えられるわけでございます。そのために国家公務員の例でいえば、昭和二十六年ころ以来十数回にわたって単独の年金改定法ということが出されているわけでございます。それで、私学共済というのは御承知のように、二十九年から始まりましたけれども、当時旧国家公務員共済組合の年金制度というものをそれに準拠するといいますか、それを例として始まり、それが昭和三十六年の改正によりまして、新しい昭和三十三年の新国家公務員共済組合法による年金給付の体系に準拠するように改められたわけでございますけれども、そういう国家公務員共済組合の制度の例によっているという性格からいいまして、今回行なら既裁定年金、これは旧法当時、昭和三十六年以前の旧法当時の年金につきましても、あるいはその以後の現行法制、いわば新法の規定による年金につきましても、あるいは私立学校教職員共済組合法制定当時、まあ附則で旧財団法人私学恩給財団の年金について規定しておりますけれども、そういう年金につきましても、全般的に改定を行なうという法律をつくろうということでございまして、そのこと自身は昭和四十四年十一月一日から実施するというようなことで、一定の時点においてその年金額の計算の根拠を改定するということを行なえば、あとそれによって今後どうなるという問題ではないということでございますので、その基本的に準拠しているところの国家公務員共済年金改定のそれぞれの単行法で行なわれているという例に準じて同様な先例に従ったということでございます。そのほらが全般的な年金改定であるという意味では内容が非常にわかりやすいということが申し上げられると思います。これが私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案というような形で出ますと、その本法のどの制度が改正ざれたのだろうか。それが既裁定の年金にどうして及ぶのだろうかというのは関係者にとってはいきなりぴんとこないわけでございまして、それが昭和四十四年度における私立学校教職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律というようなことでございましたら、その改定が行なわれた年次は昭和四十四年度である。それから、改定される対象となる年金というものは私立学校教職員共済組合法の規定による年金なんだと。その改定が一般的に行なわれるのだなということがその題名を読んでずばりわかるわけでございます。というようなことで、従来たとえば国家公務員の例でいえば十数回にわたってその先例があるということに従って、この立法の作業をしたということでございまして、そのために、まず第一点として、不便が生じないかということでございますけれども、そのほうがはるかにわかりがいい。全般的な年金改定であるということが端的にわかるという意味で、まあ決して不便が生ずるということはないので、その改定の対象になる年金受給者であれば、その一条なり、二条なり、三条というものを読めば自分たちの取り扱いはどうなるかということは端的にずばりわかるという意味で何ら不便はなく、むしろ便利でわかりがいいのではないかという点が考えられることでございます。
 それから、将来利益があるかというのが第二点の御質問でございましたけれども、それは年金改定を、かりに母法の制定当初の附則を何べんもいじって改定するというようなことになりますと、国家公務員共済のように十数回にわたって年金を改定しますと、もう改定法が附則に一ぱい書かれて、しかも、それがお互いにそのあとの改定の際に、さらにそれを修正するというようなことがあって、非常にごたごたしてしまう。それは、国家公務員共済という、この共済制度においては先駆者でございますけれども、そういう制度の例を見て、かりに本法の附則やなんかで、複雑な数次あるいは十数次にわたるような改定が行なわれますと、その相互の関連が入り組んで、非常にわかりにくいということになるということが考えられるわけでございます。その点単行の昭和四十四年度における年金改定法というような形はどうかと、それが四十五年、四十六年にさらに改定するというような措置をとるほうが、むしろわかりやすくて、四十四年度の改定の措置をさらにこのように改めるのだというようなことを言えば、その経過というものがはっきりわかるわけでございます。これは、国家公務員でいいますと、昭和四十二年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律案というものを出して、これは成立いたしました。それをさらに昭和四十三年度において、さらにそのベースアップの率を上げるというような改正をいたしました。それから、またさらに、昭和四十四年度においても、その改定の給付内容を改善するというような措置をとるべく現在この国会にも法案を出しているわけでございますげれども、そうすると、四十二年度における改定措置が四十三年度においても、四十四年度においてどのようになるのかという点が端的にわかるということで、将来その利益がないことはないというふうに考えられるわけでございます。
 それから、本法によりまして、その母法改正をしているといいますか、附則の第二項と第三項とで昭和三十六年法律百四十号の改正と、それから、私立学校教職員共済組合の一部改正をやっているわけでございますが、その場合、附則第二項で行なっておりますところの三十六年法律百四十号という改正は、その旧法当時、既裁定年金まあ旧法当時に退職し、年金の給付事由が発生したという年金の額の改定をするその規定と密接な関連がある、そのいわば標準給与というものについて改定を行なうという立法措置でございますので、これまきに関連があるという意味で附則事項になるわけでございます。それから、附則第三項は、共済組合法の改正をしている点、それは御承知のように、標準給与の点でございますけれども、これは本年度の共済組合給付の改善措置の一環として、まあ同じ時期に実施されるということできまっておりますので、まあ便宜この共済関係者にとって最もわかりやすい形でその同じ法律の中で提案をしたということでございます。以上簡単でございますが……。
#15
○川村清一君 いろいろ御答弁をいただいて、だいぶ理解はできたわけでありますが、結論的にいって私はこういうふうに理解をするわけです。この本法の改正によってできないことはない、立法技術的にはできる。ただし、こうやったほうが非常にわかりいいし、便利である、こういうような意味のように承るわけです。それでそういうふうに承知してよろしいかどうか。それを明らかにしていただきたいことと、それからさらにお尋ねしたいことは、いまその法律によって母法の一部を改正する、これは附則で改正しているわけですが、そこで、今後、法律を見るときに、どういうかっこうになるのかどうか。そうして、この法律が成立しますとというと、これは単独立法ですから、附則も含めてこの法律が存在するわけですね。そうしますと、これで改正された本法のほうは、こちらのほうに載っているわけですが、これは自然的に削除ざれるというかっこうになるのかどらか。この点を明らかにしていただきたい。
#16
○政府委員(荒井勇君) いまお尋ねの第二点にございました附則三項による本法改正でございますけれども、それは共済組合法の二十二条の表を改正しているということでございまして、この一部改正法というものはその改正施行されますと、それがその一部改正されるいわば母法といいますか、本法の中に溶け込むということになりまして、まあ二十二条の表が新しい表に置きかわるという効果を発生しまして、こちらの年金改定法からは一応その形骸だけをとどめまして消滅するといいますか、ちょうど単独で直そうと附則で直そうと、一部改正というものの効果はそういうことでございます。
 それから第一のお尋ねの、本法の一部改正によってこういう年金改定の措置が行ない得るかどうかというお尋ねであったと思いますけれども、まあその点につきまして、どちらが適当かという議論と通常考えられる法律技術の議論と、いろいろな立場から議論があると思いますけれども、今回の改定の中でいわば本法でなり法律の一部改正で規定されていることは、附則の二項と三項だけでございます。原則として、附則というものは本則に関連のある事項を書くものだということになっております。それで、この附則二項、二項に書かれている事項をたとえばこれを逆に本則のほうに持っていって、現在、本則で書かれておりますような年金改定に関する事項を一切附則に盛り込むことが立法技術的にどうかという点を詳細に検討してみますと、まず、その改定法の本則の第一条につきましては、これは附則第二項の規定による昭和三十六年法律百四十号の改正と密接な関連があるという意味で、これはその附則で改正するということが立法技術的に不可能ではないというふうに考えられる。ところが、その次の第二条の「(新法の規定による年金の額の改定)」、あるいは、その第三条というものを見てみますと、これは今回の改正法の附則の二項、三項で規定している事項と実は関連がないわけでございます。まあ、あるいは第四条の「(長期在職組合員の退職年金等の最低保障に係る改定)」というような事項も、その附則三項なり附則二項で改正を行なっていることとの関連をつけて、附則に逆に持っていくということは、通常の立法技術でできるかと言いますと、通常の立法技術ではなかなかしにくい。それは本則で一部改正をやっている、たとえばそれは標準給与の改定をやったということでございますけれども、そのことと「(新法の規定による年金の額の改定)」、十五万円なり一万八千円に上げるということと二条の新法年金の改定をやるということとの間の関連づけというものがしにくいということで、それをたとえば制定当初の附則に織り込むようなこともやればできないことはないと思いますけれども、まあ立法技術的に見ると、その本法、この本則で行なっている改定の幅が非常に広範である。そうして、その法律の一部改正というものがごく限られた事項になっているという意味で、どうもその問題はあるように考えられます。たとえば農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律というものが四十一年の法律八十二号で出ているとか、あるいは四十一年、私立学校教職員共済組合法につきましてもその本法の改正をしておりますけれども、その際に附則で一カ条だけ年金改定というものを書いたという例はございますが、これをたとえば農林漁業団体職員共済組合法等の一部改正で見ますと、本則のほうでは母法の十六カ条ばかり改正している。あるいは三十九年の一部改正法は八カ条も改正しているということがあって、それは給付期間につきまして、前五年平均給与というものを標準給与と見るという改正をその後、前三年平均ということに改めたことに伴って既裁定年金も改めるということで、本則の改正にまさに関連しておったということで、改定規定が一カ条だけ設けられたということでございますけれども、今回の場合を考えますと、本則と附則のバランスというものがまさに逆になっているという意味で四十一年のような例にはどうもよりにくいのではないかということを純粋に立法技術の面から考えると申し上げられると思います。
#17
○川村清一君 どうも法律専門家ですから、あなたの話を聞いているとなおわからなくなってきます。まあいいです。
 もう一つ、じゃお聞きしておきたいと思う。これは恩給法が改正になれば、当然国共済の年金額が変わってきますね。そうすると、それに準じてこれはまた地方共済が変わり、それに準じて私立学校共済も変わるということになると思うのですが、そこで私はどうもふに落ちないのですが、現在この法案が出ているのですよ。これは内閣委員会には昭和四十二年度及び昭和四十三年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、こういう長いのですが、そうして同じく昭和四十二年度及び昭和四十三年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案、ちょっと舌かむように長い名前の法案です。それを地方行政委員会にはまた昭和四十二年度及び昭和四十三年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案。で、この経過を私調べてみたら、昭和四十年にちょうどいまここでやっている昭和四十四年度における私立共済の年金額の改定に関する法律案というものをやった。ところが今度四十二年にそれを改定したと、そこで四十二年度というのが入った。との法律が今度四十三年にまた変わったわけです。そこでそれに昭和四十二年度及び昭和四十三年度と、こうきた。そうしてそれが今度昭和四十四年度、いまそれをやっているわけです。またもし恩給法が変わったりして来年になるというと、またこれに昭和四十二年度及び昭和四十三年度及び昭和四十四年度と、こうくるわけです。その次また変わると、また昭和四十五年度がくるわけです。一体そうしたら、この四十二年度、四十三年度、四十四年度、四十五年度、さらにまた昭和五十年度までこれがずっと続くというようなかっこうになるのですか、どうですか。またこれは昭和四十四年度における私立学校教職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関す
 る法律案をいま審議しているのです。これが成立
 しますよ。来年変わるというと昭和四十四年度及び昭和四十五年度と、こうなるわけですか。この辺はどういうことになるのですか、これは。
#18
○政府委員(荒井勇君) その点、将来の改正がどうなるかということをいまから確実に予測して、
 こうだと断定して申し上げることはできないと思いますが、その従来の国家公務員共済年金というものの改定の考え方の中には、たとえば最低保障額を引き上げるための改定というようなものがありましたり、不均衡是正的な意味の改定というも
 のがございましたり、あるいはそのベースアップ的な改定というようなものがございましたり、そのときどきによってその改定のねらいとするところが違うわけでございます。それでそのねらいが違う場合に、同じ法律の延長というようなことをするとは考えられませんで、違う観点から、たとえばいま各年金法に書いておりまするスライド規定の実施というようなことで改定が行なわれるということになりますれば、いまのようなものと全然切り離して立法されることは当然だろうと思いますし、いままで四十二年度、四十三年度あるいは四十四年度というものが一貫して同じ考え方のもとに年金改定をやろう。それは低いほうの給与水準のものを中心としてそのべース改定、仮定俸給をころがしていくという方式で年金改定をやるという点で一貫して行なわれておる。それが四十二年度から四十四年度までの改定方式の特色だという点で基本的な態度は変わっておらないものですから、そこをつなげたということでございまして、それが最低保障的な改定をやるとか、あるいは不均衡是正的な改定をやるというふうに改定目的が違う、あるいはスライド改定というようなものをやるというようなことになれば、これは当然単独法という形で提案されるというふうに予測として申し上げます。
#19
○川村清一君 ですから私は結論的に申し上げますと、その改定される年金の種類等によってそういう単独立法だ何だといういろいろな法律ができてくるとかえってこんがらがって、あなたはわかりやすいと言うけれども、一般の人にはわかりにくい、何といっても。だから立法技術上これはできないのだ、不可能なんだというならばこれはいたし方ないけれども、できるとするならばこの本法一本の中で改正したほうが非常にわかりいいのではないか、こう私は申し上げている。そのものによって、こういう法律があって、さあそれを調べるのにどこに書いてあるのだかわからないというようなことではあなたのような専門家、前にも笑われたのですが、大学の法科を出られた法律の専門家、裁判官だとか、弁護士だとか、法律に基づいて行政をやっている皆さんにはおわかりになるけれども、一般の人には何のことやらわからないわけです。そうすると法律というものは国民に結びつかないのだ。特に年金なんというものの法律は該当する個人にとってはこれは重大な問題なんです。一体退職年金が幾らになるのか、既裁定年金がどれだけ上がるか、恩給がどらなるかということは、これはほんとうに死活の問題に関係する問題です。ですから法律を読んでみても何のことやら少しもわからないということでは法律そのものが国民のものには私はならないと思う。ですから立法の仕事をなさる、立法する機関はここですが、立法の審議に当たっているわれわれが理解できない、学がないから、これはしかたがないけれども、しかし提案するあなたのほうがわかりやすいようなものを出してもらわないと私は困ると思うのですが、あなたの答弁は答弁としてわかるような気もするわけですけれども、どらも結論的にはかえってこんがらがってむずかしくなるんじゃないかということだけ最後に申し上げます。その点、最後にそれに対して御意見があるならば聞かせてください。
#20
○政府委員(荒井勇君) 年金改定を本法でやるとしました場合には、改定というものはそのとき限りの措置であるという意味で本法の本則に書かれる事項としては適切であるとは考えられない。そうすると本法の附則であるとか、本法の一部改正法の附則というところでその改定措置を書くということにならざるを得ないわけでございますが、その附則の規定というのは法律家が読んでも、初め本則から読んでいきますと附則辺にいくとくたびれてなかなか読むのに苦労するといいますか、頭が痛くなるというようなものが多いと思うのでありまして、附則で数次にわたる複雑な年金改定というものを書くというのがわかりやすいかといいますと、先ほど申し上げましたけれども、必ずしもそうではなくて、ずばり本則で一条からこういう年金はこのように改定されますというふうに書いたほうがおそらく大多数の関係者にとってはわかりがいいということであろうと思います。ただ立法の表現技術等につきまして、もっとわかりやすくするように努力せよというおことばは私どもそういうことを体して今後ともやらなければいけないということでまことにごもっともだと存じております。
#21
○川村清一君 どうも法制局の方ありがとうございました。
 それでは次に、いよいよ文部省のほうにお尋ねしますが、私は先般も質問したのですが、こまかいことを質問する前に、私は率直な意見を文部省に申し上げて、将来において十分善処していただきたいと思うわけです。それはどういうことかというと、文部省は本法のようなきわめて理解困難な条文をもって構成されている法律案を提出しまして、しかもそれは年金の改正を内容とする法律案だけに各条文はすべて数字が内容であり、数字に関係してくることなんであります。しかるに文部省が提出された参考資料は関係法文の抜粋だけで、審議の参考資料になるようなものは、何一つないといっても決して私は過言ではないと思うのであります。これは結論的にいってまことに不親切な態度であると、私はこう判断する。他の省庁では決してそうではないのです。私は前に農林水産委員会に所属しておりましたが、農林省は提出法案ごとに詳細な参考資料を添えて出します。そらして提案理由を説明してそれに引き続いて資料の説明を行なっているのであります。久保委員長はかつて農林水産委員会に所属し、農林政務次官をなされておられましたのでこのことは先刻御承知のはずなんであります。しかるにこの文部小は実にそういう点に欠けている。もちろん要求すれば出しますよ、資料を要求すれば出しますけれども、いますぐ質問するのに間に合わぬわけです。国会の審議に対して非常に不親切である。この点は私は遺憾だと思う。この点を率直に私は指摘しておきたいと思うのです。そらして今後に対する善処方を要望します。特にわからない、数字ですよ。この数字を審議するのに何も、どういう根拠でこの数字が出てきたのか、ちっともわからない。これは私はいかぬと思うのですが、この点について私も率直に申し上げたのですから、大臣のひとつ率直な御見解を聞かしていただきたいと思います。
#22
○国務大臣(坂田道太君) この法律案を御提出申し上げて皆さん方に御審議をわずらわす場合におきまして十分なやはり資料等をつけなければならぬことは私もかねがね考えていることでございます。本件に関しましてあるいは十分でなかったということでございまするので、この点につきましては反省をいたしまして、今後そういうことの方いように相つとめたいというふうに考えるわけでございまして、やはりこの法律案がいま先生御指摘のようにも非常にわかりにくく、私自身も実は法学士でもございませんし、文学士でございますから、頭が痛くなるわけでございます。そういうわけでございまして、もう少し何かわかりやすくならないものか、実は衆議院の先生方からも非常なそういう御指摘がございましたし、私も同感の意を表したわけでございまして、今後十分わかりやすいような法文に一般的にするということと同時に、やはりそういうような法律案に関しましてはなおさら親切にわかりやすいような資料等を提供するということが、またわかりにくい御質問にならないことにもなるかと実は思うわけでございまして、今後部下を督励いたしまして、そういうことのないようにいたしたいと考えております。また先生方も前もっていろいろ御注意をいただきますと、前もって私準備をいたさせたいと思っておりますから、よろしくお願いいたします。
#23
○川村清一君 そういうようなわけで私はこれからいろいろ数字の問題について御質問しますので、それに対して明確な御説明を願いたいと思います。
 重ねて私は委員長にも一言申し上げておかなければならないと思います。と申しますのは、けさ、これが配付になりましたけれども、先般の衆議院の文教委員会が本案を可決するにあたって全会一致で附帯決議をつけておるわけなんです。したがって、衆議院から本院に送付されてまいった場合に、もちろん提案理由の説明はこれは文部省がするわけで、文部大臣がするわけでありますけれども、委員長の配慮として当然、この法案にはこういう附帯決議がついておるぞということで、法案審議に先立ってこれは各委員にその附帯決議文を配付なされるのが私は当然な措置だと思うわけなんです。そういうことをなされないことは、これはやはり久保名委員長にしても若干配慮が足りなかったんじゃないかということを私は指摘したい。委員長いかがですか、委員長の御見解を承りたい。
#24
○委員長(久保勘一君) お答えを申し上げます。資料の配付その他御指摘のございました附帯決議等については、やはり審議を慎重に有効にいたしますために、できる限り事前に御提示申し上げることが当然だと思いますので、今後十分配慮をしてまいりたいと思います。御了承願います。
#25
○川村清一君 それでは御質問しますが、先ほど法制局のほうにもお尋ねしたわけでありますが、内閣委員会に提案され、現在審議されております昭和四十二年度及び昭和四十三年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案と、それから同じく昭和四十二年度及び昭和四十三年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案と、それから地方行政委員会にかかっておりますところの地方公務員等共済組合法の規定による年金の増額、この三つの法律案と、ただいまわれわれが審議しておりますところのこの私立学校教職員共済組合法の規定による年金額の増額というもの、これはそれぞれ関係がありますので、このさきの法はどういうような内容であって、この内容と現在のここで審議している法案の内容とはどういう関連を持っておるかということについて御説明をお願いしたいと思います。
#26
○政府委員(岩間英太郎君) 一口で申し上げますと、ただいま御指摘いただきましたような法案、それから先ほどもお話がございましたが、私学共済のほうは農林共済と一番密接な関係に従来からあるわけでございますけれども、その農林共済関係の法案内容につきましては、従来から国共済そのほかの共済ではたびたびの改正が行なわれておりましたが、このたび私学共済につきましては、従来行なわれておりませんでした国立学校あるいは公立学校との教員のバランスを一挙に回復するというふうな趣旨の違いはございますが、給付内容自体につきましては、これは国共済法の改正それから農林共済法の改正、それからただいまの私学共済法の改正、いずれも内容は同じであるというふうに聞いております。
#27
○川村清一君 内容は同じだと思いますけれども、この三つの法は、昭和四十二年度及び昭和四十三年度になっておるわけでしょう。そうすると、それはどこが基準になって昭和四十二年に改正になり、そして四十三年にどう改正になって、四十四年度にどうそれがまた改正になるのかという内容が一つあるわけですね。それから、いまわれわれが審議するのは、四十四年度における私立学校のほうの問題なんですから、これは初めてやるわけですね。そうすると、一緒になるということは、こちらのほうの、四十二年度でやり、四十三年度でやり、四十四年度でやっている、今度の向こうでやっている年金の増額と、この私学共済のほうは四十四年度でそこまで一気に上がっていくと、そういう内容なんですか、同じだということは。
#28
○政府委員(岩間英太郎君) 仰せのとおりでございます。先般もちょっといままでの経過につきまして御説明を申し上げたわけでございますけれども、国共済等におきましては、四十二年度あるいは四十三年度に改定をいたしておりまして、その際に私学共済のほうは改定が行なわれなかった。四十四年度に一挙にそれが行なわれるわけでございますが、もし私学共済につきましても、国共済等と同じように、四十二年度あるいは四十三年度に改正が行なわれておりましたら、あるいはやはり昭和四十二年度及び昭和四十三年度云々というふうな題名になったと思います。その点が国共済その他の共済法とズレがあったものでございますから、私学共済につきましては昭和四十四年度にここであらためて基本的な改正を行ないたいということでございます。
#29
○川村清一君 それじゃもっと具体的にお尋ねしたいのですがね。国共済、それから私共済のほうは、四十年を基準として四十二年は四十年の何%アップしたのか、それから四十三年度はさらに何%アップしたのか、そうして今年度は何%アップしたのか、したがって、四十年を基準にして四十四年度の今年は総額で何%アップしたのか、同額であるということは、そのアップ率と今度のこの私学共済法は同じアップ率でなければ同じだということになりませんよ。
#30
○政府委員(岩間英太郎君) これは恩給、それから国共済、地共済同じでございますけれども、昭和四十年の改正におきましては、昭和三十五年の公務員のベースでございます二万四千円ベースに改定されました。それから昭和四十二年には、国家公務員で申しますと昭和三十六年度にあたります二万七千円ベースに改定されました。それから四十三年度には、国家公務員で申しますと昭和三十七年度のベースでございます二万九千円ベースに改定をされました。それから昭和四十四年度におきましては、昭和三十九年のベースでございます三万五千円ベースに改定したわけでございまして、いままでの引き上げの率を申し上げますと、一・四四八倍、いままで国共済におきましては四十年度以来いままでにそういう率になっておりましたが、このたびの改正によりまして四十年を基準にしまして一・七三八倍になるわけでございます。今度私学共済におきましてはこれを一挙に一・七三八倍にすると、そういうことでございまして、途中が抜けておったと申しますか、途中の改正が行なわれなかったということでございます。
#31
○川村清一君 それでは、これはまたあとでお尋ねします。
 私立学校教職員共済組合法第一条の二の規定については、先般大臣にもお尋ねをし、また局長からも御説明を聞いて、それはスライド制を規定したものである。こういうような御答弁であったわけでございますが、そこでお尋ねしたいことは、この法案提案に際しまして坂田文部大臣の提案理由の説明はこういうことを申されておるのでございます。それは「既裁定の年金額及び昭和三十六年十二月三十一日以前のいわゆる旧法期間の年金額等において、国・公立学校の教職員と比べてなお不均衡な部分がありますので、今回これらの点を改善するため、この法案を提出することといたしたものであります。」これが提案理由の説明であります。そこでお尋ねしたいことは、この提案の趣旨と共済組合法第一条二との関係について御説明を願いたい。いわゆる第一条の二はスライド制、したがってこの法律案の趣旨はこの一条二の発想の上から生み出されてきたものかどうか。この関係についてこれをひとつ御説明願いたい。
#32
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま先生の御指摘ございました第一条二項の問題につきましては、先ほど農林省のほうでも御説明ございましたように、附帯決議にもそれはつけておるというふうな状態でございますから、これは総理府において検討中のものでございますけれども、しかし、このたびのここに御説明申し上げてございますのは、今度の改正の内容について御説明申し上げたわけでございまして、スライド制はスライド制の問題として別には考えますが、このたびの提案の理由は、これは国立学校あるいは公立学校の教職員と不均衡な点があったから、それを改正するということを御説明申し上げたような次第でございます。
#33
○川村清一君 そうしますと、今回の改正の点はあくまでも国・公立教職員と同じ水準まで引き上げるというところに目的があるのであって、第一条の二のスライド制というものとは関係ない、まあ一応関係ないと、それらの問題については今後の検討問題として残しておく、こういうことでございますか。
#34
○国務大臣(坂田道太君) そのとおりでございます。
#35
○川村清一君 局長にお尋ねしますがね、昭和四十四年以降、今日までの消費者物価の上昇率、どのような上昇を示しておりますか。
#36
○政府委員(岩間英太郎君) 平均いたしますと五%程度ではないかというふうに考えますが、昨年度は四・七%でございました。五%を越えたことが一回くらいありましたでしょうか。ちょっと記憶はございませんが、五%程度ではないかというふうに考えます。
#37
○川村清一君 まあ五%以上上昇したということは、この法律にあるところの著しい変動と、こういうふうにまあ理解して私はいるわけですが、この著しい変動があった場合においてはすみやかに措置を講じなければならないということを法律で明らかに規定しておる。しかるにそれは今後の検討問題であるといって残しておることは、それはいささか私は承服できない。非常に努力しておる、しかしできない、やる気がないのではございませんか。とにかくあなた方は法律にやかましいのですよ。ところが法律にきちっときまっておるんだ。しかもこれは法律の中でも第一条、目的なんですよ。第一条、目的にうたわれている。これは法律の目的なんですよ。それが今度はこういう法律を改定したけれども、この目的とは関係ないのだ、これとは関係ないのだ、国・公立の教職員の水準のほうが高いからそれまで引き上げることなんであって、こちらのほうには関係ないのだ、こういう答弁では法律というものを全く空洞化もいいところですね。目的が空洞化もいいところだ。一体そういう態度でいいんですか。一般国民がちょっと法律を破るというと、あなた方はけしからぬといってもうばんばん処分するにやぶさかでないわけですね。そういう権力を非常にふるうのでありますが、自分自身が法律をつくっておいて、しかもこれは昭和四十年に追加された法律なんでありますから、まだ時間がなくて、この法律が出て国会でどういう審議をされたか審議の会議録は読んでおりませんけれども、昭和四十年、この法律が審議されたときには坂田文部大臣は自民党の代議士として、しかも文教委員の有力なベテラン代議士としておられて、この法律をつくられておるわけです。しかもいま大臣になった。法案のいわゆる年金の増額をはかったのだと。はかったことが悪いというのではないのですよ。それは敬意を表するけれども、この年金の増額をしようとする発想がどこから出てきたかということは、法律の第一条の第二項のこの条文から発想された。ここまでやりたいと思うけれども、いまの財政の力でなかなかできない。今日はこの程度で終わったというならまた話がわかる。年金は増額したけれども、いわゆるスライド制をうたった法律の第一条の目的のこれに合致しようとするのではなくして、これは国・公立の共済組合の水準にまで上げたいという、かりに上がったとしても、この法律の一条とこれははずれておるわけですね。こういう点について私はこれはなかなか納得いかないわけです。その点御説明を願いたい。
#38
○政府委員(岩間英太郎君) 御指摘のとおりスライド制につきましては、これは真剣に考えなければならない問題だと思います。すでに四十二年以来公的年金制度調整連絡会議というものを設けて四十二年以来審議を続けておるのでございます。それで小委員会の結論でございますが、従来までにかなり会議の回数を重ねておりまして、あと三カ月程度たちますと小委員会の案も出てくるというような段階になっておるということでございます。そういう点から考えまして私ども今回の法律の改正には間に合わなかったわけでございますが、これからも給与の水準の改定が毎年毎年行なわれる。それから恩給の改正が毎年毎年行なわれる。そういう事態の中におきましてこういうような制度は真剣に取り上げてもらいたいというような気持ちを持っております。何ぶんこれは全般の共済制度にかかわる問題でございまして、私どもだけではなくて各省共通の問題でございます。私どもその一員といたしましてその推進に努力したいというふうに考えておる次第でございます。
#39
○川村清一君 それはぜひ努力してもうわなければ私は困ると思う。いまの国民の政治に対する非常に大きな願いは何であるかというと、物価の上昇を抑制してくれる、物価抑制、物価問題が国民の政治に対する一番期待じゃないかと私は思う。もう五%以上、定期預金の利子よりもそれを上回る物価の上昇ではこれはたいへんです。現に、働いて給料をもらっておる俸給生活者なんかは、やはり労働組合をもって戦って賃上げを要求して獲得するけれども、物価の上昇になかなか及ばないということでしょう。ところがもう長い間つとめられて、現在、退職年金で暮らされておるような方々、こういう方々の年金が、これが五%以上毎年毎年物価が上がっていったら、年金なんというもので生活できるはずがないわけです。だとするならば、当然その物価の上昇に応じて、少なくとも五%以上の物価が上がった場合には、これは年金がスライドしていく、これは当然なんですよ。当然ですからして、この法律の中に、第一条、私は法律をずいぶん見ましたけれども、一条の目的に追加されておるなんていう法律はあまり見たことがないのです。法律が規定されるときには、まず第一条に、この法律は何のためにつくるのだという目的がちゃんと掲げられるでしょう。その目的に追加されている法律なんてあまり見たことがない。この法律には第一条、目的に追加されておるのです、このことがきちっとね。というこしは、これを追加した当時のやはり大きな問題があると思う。私は会議録を読むというと、各委員の発言が十分それに載っておったと思うのです。それがさっぱり実現されない、そうしてこれからいま検討しておるというのじゃたまったことではないと思うのです。この点はぜひやっていただきたいと思う。さっき、やられる、このために非常に努力すると。同じく農林年金なんかもこのことは附帯決議つけてきておりますから、農林年金とこれはやはり共通する問題ですから、農林省なんかとも協力してぜひこの実現に努力していただきたい。それからこれは国共済のほうにもあるわけですから、国家公務員のほろとも十分共同していただくということを要望したいのですが、局長、ひとつ決意をはっきり述べてください。
#40
○政府委員(岩間英太郎君) 全般の問題でございますが、その一員といたしまして、ただいまの御趣旨に従って努力したいと思います。
#41
○委員長(久保勘一君) 午前中の委員会はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時四分休憩
     ―――――・―――――
  午後二時八分開会
#42
○委員長(久保勘一君) ただいまから文教委員令を再開いたします。
 政府側から坂田文部大臣、岩間管理局長、以上の方々が出席いたしております。
 午前中の委員会に引き続き質疑を行ないます。川村君。
#43
○川村清一君 それでは若干この法文の中に書かれておる数字を中心としてお尋ねしたいと思うわけでございますが、まず第一に御説明願いたいのは、第一条の旧「法の規定による年金の額の改定」の条文の中にありますところの「旧法の平均標準給与の仮定年額」ということばでございますが、「仮定年額」というのをちょっと私理解できないんですが、これについて御説明を願います。
#44
○政府委員(岩間英太郎君) 年金を計算いたします場合に、新法と旧法とでは計算のしかたが若干違っておりまして、新法におきましては年額を使いまして年金を計算することになっておりますが、旧法の場合には月額を用いまして年金の計算の基礎とするわけでございます。したがいまして、ここで書いてございます「仮定年額」と申しますのは、年額というのは年金計算の基礎にはしないけれども、一応かりに年額というものを出して、それを十二で割りまして月額を出し、その月額を基礎にして旧法の年金の額を計算すると、そういう意味でございます。
#45
○川村清一君 そういう計算によって仮定年額というものが出てまいりまして、その額を十一万円で頭打ちをしておるのは、これはどういう意味ですか。
#46
○政府委員(岩間英太郎君) 十一万円で頭打ちしておりますのは、これは今度の改正法によりまして標準給与の額を改定いたしておりますけれども、その標準給与の額を改定いたします以前の最高が十一万円でございます。そのためにすでにおやめになった方の最高をいままでどおり十一万円というものを最高にするという考え方でございます。
#47
○川村清一君 そういう考え方に対して文部省としては、ほかの公的年金制度と比較してみてどういう考え方を持っておられますか。
#48
○政府委員(岩間英太郎君) 先ほど農林省のほうから附帯決議について御説明があったようでございますが、その二番目に、旧法平均標準給与の最高限度額については、これを新法並みに改善することというそういう附帯決議があったようでございますが、これはただいま先生の御指摘いただきました十一万円で農林共済のほうが頭打ちをしている、その関係につきましてこれを今度の新しい標準給与の最高の十五万円まで持ってきたらどうだろうかという趣旨の御決議だというふうに拝するわけでございますが、ほかの共済年金につきましてもやはり十一万円が最高限度になっておるということでございます。附帯決議につきましては、それを今後検討しろということをここで附帯決議がつけられておる、そういうふうに理解いたします。
#49
○川村清一君 私もそういうことを意図してあなたにお尋ねしておるわけであります。それでほかの年金制度もそういうふうになっておるということも承知の上で質問しておるわけでございます。ただしとの経過がございまして、出発点の、いまの最後のところの十五万円はいいのですよ。全部が十一万円になった経過がほかの公的年金とまた違うわけです。そういう問題が一点と、それから国・公共済組合員の方々の標準給与、地方公務員の方々の標準給与と比べてみて、私学につとめていらっしゃる先生方の給与がきわめて低いということは、あなた自身はっきりおわかりになっておる。農林年金に至っては、これは農業協同組合等の団体に勤務している職員であって、給与はさらに私学の方よりは低い。こういう現実の姿から農林年金の審議にあたって衆議院の農林水産委員会はああいう附帯決議をしている。そこで私もそういう思想の上に立ってあなたに質問をしている。十一万円で頭打ちをしておる、そのことについて農林省はほかのほうがそうだったからしかたがないのだ、こういうようなお考えなのか。私が言うまでもなく、あなたは御承知のように、十五万円で下は現在そろっている。十一万円になったあれがずいぶん違うのですね。何も私学のほうは早くなったわけでもないわけでございます。そういうような関係からもう一度あなたのお考えをお聞かせいただきたい。
#50
○政府委員(岩間英太郎君) これはやはり相当な支出を要するわけでございまして、そういう意味から申しましてこのたびは、ほかの共済制度におきましても最高を十一万円としたということにならいまして、私学共済においても十一万円を最高とするという方針をとったわけでございます。どういう時点で切るかという問題でございますけれども、このような場合にはやはりすれすれの境目で有利になるか不利になるかというようなことが出てまいることは、これはある程度やむを得ないことでございますが、この規定の適用を受けられる方にはまことにお気の毒ではございますけれども、従来十一万円ということを最高にいたしましてそこで掛け金を払ってきたというふうないきさつもございまして、このたびの改正ではこれはやむを得ないというふうな感じがするわけでございます。
#51
○川村清一君 やむを得ないということはいたし方ないということなんでございまして、そのお考えには私はちょっと納得いかないわけです。繰り返して申し上げますが、国共済のほうは十一万円になったのは昭和三十四年の十月になっております。それから公共企業体の共済組合は制限がないわけです。厚生年金は安いですけれども、私学共済は三十七年の新法のとき七万五千円なんです。これが四十年の七月で十一万円になった。そうして今度十五万。したがって国共済も今度は十五万円、私学共済も今度は十五万円、農林年金も今度は十五万円。しかし農林年金が十一万円になったのは三十九年の年なんです。私学共済はそれよりもずっと後になって四十年の七月に十一万円になっている、こういう経過があります。ですからこういう経過から見て今度の標準俸給の改正に基づいてずっとこうやってきた結果、十一万円をこしたならばやはりその十一万、十五万をこすということはいけませんけれども、最高十一万ですから、十一万円をこしてもその額をやはり基礎にすべきではないかと私は思うし、またそのために努力した。努力したけれども、こうなったのだ、これはやむを得ないとおっしゃるならば私もあえてこれ以上追求しないのですよ。しかし、あなたの御答弁はいたし方がない、やむを得ないということだけでは、こういう私学に働いている先生方の給与は非常に安い、こういう実態から考えて了解できないわけです、もう一度お答え願いたい。
#52
○政府委員(岩間英太郎君) 先生おっしゃること十分わかるつもりでございます。またこのたびの改正におきましてもとの点につきましていろいろと折衝したという経過がございます。まあ結果的にこのような形になったわけでございますが、十一万円になりましたのが私学共済のほうは低かったわけでございますから、その間におきまして十一万円程度の俸給をもらっておった方はもう少し低い標準給与で掛け金を払ってこられた方でございまして、そういう意味から申しますと一番あとに改正をいたしました私学共済はほかの共済に比べますと、まあ若干ではございましょうが有利であったということもいえないことはないということでございます。これは蛇足でございまして、最初に先生おっしゃいましたような方針によっていろいろやりましたととろが、こういう結果になったわけでございまして、ひとつ御了承いただきたいと思います。
#53
○川村清一君 あなたには保険であるという考えが基本にある。保険であるから保険を設計する場合にはやはり掛け金をもとにしていく、そういうことでそういう理論的根拠を持っていらっしゃいますから、当時においては私学共済の方々の給与はずっと低かった。給与が低いということは掛け金が少ないということなんです。掛け金が少ないのに最高額が高いということは、これはこれで保険を設計する上においてなかなかできないわけです。そこで、それは給与が低かったときに十一万円ということになったので給与においては有利であった、こういう理論なんです、あなたのいうのは。ですから、あなたの保険理論というものはそういう理論なんだけれども、だから掛け金すべてでもってそれをいわゆる資金としてこの保険を行なっていくとするならば、そういうことになる。そうではなくて、掛け金だけじゃできぬわけです。だからそれに対して国の補助なりあるいは都道府県自体の補助というものをわれわれは要求している。ですから純然たる保険観で持っていけばあなたの理論のとおりになるのです。それじゃ私は納得いかぬわけです。特に私学という立場から考えてみて、それで私はそういうことを申し上げている。もう一度御答弁を願いたい。
#54
○政府委員(岩間英太郎君) 先生の御趣旨のような線でもっていろいろ努力いたしたわけでございますが、今回はこういう十一万円を最高にするというふうな規定改定になったわけであります。そういう意味で先ほど来申し上げますように、今回はやむを得なかったと申し上げたような次第であります。
#55
○川村清一君 この問題については今後ひとつさらに御検討いただきたい、少しでも有利になるように御努力願いたいということを希望しておきます。次に、別表第一についてお尋ねします。別表第一には、昭和二十九年一月から昭和二十九年九月までの期間に対ましては二・四三二の率を乗ずるとあって、一番最後には昭和三十八年十月から三十九年九月までの期間に対しては一・〇五七の率を乗ずる、こうしていわゆる標準給与というものを改定するということなんでございますけれども、そこでお尋ねしたいのは、この二・四三二とかあるいは二・一入九とか、あるいは一・〇五七とかいうこの数字の根拠は、どういうところからこの数字が出てきたのか、それを御説明願いたい。
#56
○政府委員(岩間英太郎君) これは先ほど国共済の関係で少し触れたわけでございますけれども、昭和三十四年の二万円ベースを基礎にいたしまして、それを一・七三八倍したのがこのたびの改定の基礎でございまして、その表の一番最後の昭和二十九年九月まで、つまり三十九年度のベースにこのたびの改定を合わせるということでございますから、昭和三十九年から逆に見ていただきまして、古くなるほど倍率が高くなっていくというふうにごらんいただいてもけっこうなんでありますが、たとえば昭和二十九年の一月から昭和二十九年の九月まで、つまり私学共済制度が発足いたしました時点でございますが、そのときの私学の給与の平均額が、数字で申しますと一万七百二十五円、それが昭和三十四年には一万五千九円というふうな平均給与額になるわけでございまして、その一万七百二十五円でもって一万五千九円を割りました率に三十四年の倍率すなわち一・七三八をかげますと二・四三二というふうな数字が出るわけでございます。三十四年を基点にいたしましてそれぞれの年度ごとの私学の総給与の平均の倍率を見まして、それに一・七三八をかけますと別表第一のような比率が出てまいります。それが昭和三十九年のベースに合わせるわけでございますから昭和三十九年のベースのところが大体ゼロに近いというふうなかっこうになっております。
#57
○川村清一君 そうしますと、三十四年の給与というものが基本になるということですか。そうしてこの二万円ベースというのはどこなんですか、それから昭和四十年はどういうことになるのですか、ちょっと理解できなかったので、もう一度説明していただきたい。
#58
○政府委員(岩間英太郎君) 昭和三十四年の公務員の給与ベースが二万円ベースといわれております。ここを基準にいたしまして計算をいたしておるわけでございまして、昭和三十九年の三万五千円ベースまでこのたびは年金の額を引き上げてまいったということでございます。そこで昭和三十四年の二万円ベースと昭和三十九年の三万五千円ベースとの比率が一・七三八倍となるわけでございます。そこで昭和四十年はまだそのベースまでは、このたびの改定は届いていないわけでございます。昭和三十九年度のベースまで引き上げたということでございまして、そこのところが大体引き上げ率がゼロに近くなるわけでございます。
#59
○川村清一君 くどいようで恐縮ですけれども、そうしますと、昭和四十四年の十一月一日からは新法でこの年金改定の法律の規定によって算出されるわけですが、二十九年から三十八年まではこういう倍率をかけていって標準給与をずっと出していきますが、そうすると、四十年かう、四十四年の十一月一日ですかう、四十四年十月三十一日までの四十年代の給与はどういうふうになりますか。
#60
○政府委員(岩間英太郎君) その給与は、その時点におきます給与になるわけでございます。いまの年金の計算の方法としましては、過去三カ年の平均をとる場合がございます。たとえば四十二年、四十三年、四十四年の平均をとる方はこのたびの改定では影響がないわけでございます、この部分に関しましては。しかし、その給与が急に低くなったような方がございます。たとえば本務教員で、あったのが常勤の講師になられて非常に給与が低くなった、ある一定の年限に達してそういうことになったという方の場合には、全体の給与の平均をとる場合がございます。その場合には、昭和二十九年から三十八年まで在職になっておられた方につきましては、そのそれぞれの時期におきます給与をこういう別表第一のような倍率でもって高めまして、それを含めた全体の給与の平均をとる、それを給与の基礎にする、そういうことでございますから、全期間を平均いたしまして基礎的な給与を計算いたします方につきましては意味があるわけでございます。
#61
○川村清一君 それでは、問題を変えますけれども、附則3についてお尋ねしたいと思います。
 この附則三の改正案につきましては、安永委員からいわゆる上限と下限の問題でいろいろ御質問がありました。一万八千円給与という問題がずいぶん問題になっていろいろ議論されたのですが、私は別な角度からちょっとお尋ねしたいのですが、ちょっと第三級をごらんください。標準給与の月額は二万二千円ということになります。この二万二千円に格づけされる給与というものは、給与月額二万一千円から二万三千円までの方が二万二千円と格づけされるわけですね。このことは、私は私学教職員の給与の実態から考えて、いわゆる国・公立の学校の教職員のようにきちっときまっておりませんから、区々まちまちですから、そこでどっかに合わせなければならないということでこういう措置をとられることはこれは理解できる。ただ理解できないのは、この標準給与の月額をもととしてこれに率をかけた掛け金というものが算出されるわけでしょう。そうじゃないですか。
#62
○政府委員(岩間英太郎君) そのとおりでございます。
#63
○川村清一君 そうでしょう。そうしますと、二万一千円の給与をもらっている方でも二万二千円給与としての掛け命をかけなければいかぬ。二万三千円いただいておる方も二万二千円給与としての掛け金をかける。これはもっとも今度は年金がかえってくるときは逆のあれが出てくる、有利になるでしょう、それは承知で質問しているのですが、これは局長矛盾を感じませんか。二万一千円しか給与をもらっていない人も二万二千円給与をもらったこととしての掛け金をかけるのだ。ずっと下のほうにいってみますか。あまり高額のほうにいくとたいしたことはないから中くらいのところをやってみますと、十四級五万二千円の標準給与というものは、給与月額五万円から五万四千円の方までがその中に入るわけです。五万四千円もらっている方が五万二千を基礎にして掛け金をかけるならこれはたいした得でしょう。しかし、五万円しかもらっていない人が五万二千をもとにして掛け金をかけるということになったらこれはたいへんに損でしょう。この辺矛盾を感じませんか。私はどうもこれ了解いかないのだ。しかし私がそう言うと、これは少なくかけておっても今度もらうときには多いほうでもらうんだから得だと、こうあなたが答弁されることは先に承知して聞いているわけです。しかし、その辺何とかうまくいかぬものですか。その辺をうまくやるのがやはり頭のいい官僚の考え方じゃないかと思うのです。どこかでこれをカバーする方法はありませんか。
#64
○政府委員(岩間英太郎君) 御指摘のとおり、これは矛盾を感じないということではございません。矛盾を感ずるわけでございますが、実はやはり同じような種類の厚生年金あるいは健康保険が同じような方式をとっているわけでございます。やはり各共済あるいは年金におきましてばらばらなのもいかがかと思いますので、この点はそういうものに一応合わしてあるわけでございます。確かに矛盾があることはお説のとおりでございます。
#65
○川村清一君 矛盾があることは承知で、しかし厚生年金その他の年金でそういう措置をとっているかうこれに合わしているんだということは、残念ながら厚生年金、その他の公的年金を審議する委員会でこういうことはきっと問題にならなかったんですよ。問題にならないでずっととおっているからそういう法律が出て、そういう法律を基にしてこういうものをつくっているから、いまさら質問しても向こうがそうなっているからやむを得ないといえばやむを得ないけれども、確かに矛盾であるということはあなたわかるでしょう。わかったらやはり給与の低い人からたくさん取るなんというのはおかしいですよ。これはやはりこういう矛盾があることがわかったら矛盾をひとつ直すように今後検討されて御努力を願いたいと思うのです。もし、来年またこういう法律が出てきて、幸い私がまたこの委員会に置かれていたらまた来年質問しますから。
 そこで次にお聞きしたいのは、附則の第二項の終りごろに「政令で定める率を乗じて得た金額」とこうありますが、この「政令で定める率」というのは、これはどういう数字で何を根拠にして算出した数字なのか、それを御説明してください。
#66
○政府委員(岩間英太郎君) この「政令で定める率」ということでございますが、昭和三十七年の旧法の当時でございますけれども、国家公務員それから公立学校の教職員につきましては、最終俸給を年金の基礎にいたしております。その当時私立学校のほうは最終三カ年の俸給を基礎にとっております。たとえば最終三カ年の俸給が五万円、それから五万四千円、それから五万八千円ということでございますと、平均でございますので、五万四千円というのが年金の額の基礎となる給与になるわけです。そういたしますと、国家公務員等の場合には、最終の五万八千円が基礎になるわけでございますから、その間に私学の先生方につきましては不利益が生ずるわけでございまして、その不利益を是正しようというのがこの政令を定める趣旨でございます。現在のところ倍率といたしましては一・一七という数字を考えておりますけれども、これは最近の給与の総額の一人当たりの平均と、それから過去二年を加えました三年間の給与の総額の平均と比較してそういう倍率を出した、わけでございます。
 なお、これは技術的なことでございますが、たとえば、これから政令を定めるとなりますと、昭和四十五年の給与を一応頭の中に入れなければならないというふうな事情がございますけれども、昭和四十五年の給与というのはまだわからないわけでございますから、その最終の給与を推計いたします場合に過去大体五カ年間くらいの伸び率を考えまして、その五カ年間の伸び率を平均いたしましてそれでもって昭和四十五年度の給与というものを推計いたします。それから四十四年、四十三年というふうな、二カ年間の給与を基礎にして倍率を出すというふうな、これは事務的なこまかいことでございますが、そういうふうな内容を考えているような次第であります。
#67
○川村清一君 そうすると、ちょっとあとに一・三二を乗じた金額とありますね。一・三二というのはこれはどういう根拠を持った数字ですか。
#68
○政府委員(岩間英太郎君) 別表第二でごらんいただきますように、旧恩給財団の年金を受けておられました方々の年金の額を一・三二倍するというふうな措置をとっています。別表第二では、改定前の年全額から比べますと改定年金額は一上二二倍になっております。この根拠でございますが、別表の第一をごらんいただきますと、昭和三十六年十月から三十七年九月までのところに、下のほうに倍率といたしまして一・三二〇倍といろ倍率がございます。この倍率をとったわけでございまして、旧法から新法に移りましたときの時点におきます倍率、つまり一・三二倍をとりまして旧恩給財団の年金を受けておられた方々の年金を増額した、改定したということでございます。
#69
○川村清一君 そういう倍率を乗じて算出されたこの改定年金額に対する妥当性というもの、それに対しての御見解を伺いたいと思います。
#70
○政府委員(岩間英太郎君) 旧恩給財団の最終の年度でございます昭和三十六年から三十七年までの倍率をとったわけでございますから、一番新しい時点において改善されたわけでございますので、これで適当ではないかというふうに私は考える次第であります。
#71
○川村清一君 これは新法の規定によって改善した場合において「(その額が百三十二万円をこえるときは、百三十二万円)」それから「「百八十万円」とあるのは「百三十二万円」とする。」ということはこれはどういうことですか。
#72
○政府委員(岩間英太郎君) これも先ほど御指摘のございました第一条のところに「(その額が十一万円をこえるときは、十一万円)」というのと同じ思想でございまして、百三十二万円と申しますのはこれは十一万円の十二倍になるわけでございます。つまり月額十一万円の標準給与を年額にいたしますと百三十二万円になる。それから百八十万円と申しますのは、このたび改定をお願いいたしております標準給与の最高の十五万円の十二カ月分ということでございます。いずれも「十一万円をこえるときは、十一万円」というふうな考え方と同じ思想をとったわけでございます。
#73
○川村清一君 ところでもう一ぺん数字があるのですが、「「円四千円」を「五千三百円」に改める。」というのは、これは何を根拠にしておるわけですか。
#74
○政府委員(岩間英太郎君) 附則の第二項にございます四千円という数字でございますけれども、これは四千円という数字は旧恩給財団の年金を受ける者で十五年未満の方につきましては、一年当たり四千円というふうな年金の額が定められています。四千円というのをさらに申しますと、恩給財団の最低が六万円でございまして、これを十五年で割りますと、一年当たり四千円という数字が出るわけでございます。この旧恩給財団の十五年未満の人の一年当たりの額をこのたび恩給財団の年令の額を一・三二倍いたしましたので、四千円を一・三二倍いたしまして五千三百円というふうに金額を改定したものでございます。
#75
○川村清一君 そうすると問題は、この一・三二倍というのが問題になるわけですよね。一・三二というものを、これを乗じて、そうして財団の恩給もこれを改正していくというようなことになりました。そこで一・三二とは何かというと、既裁定年金者の改定に使用した昭和三十六年十二月の公務員の給与の年次別改定率に準じたものである。結局一・三二というものをかけて、いろいろなことをやっていく、だから一・三二という倍率が最も妥当なものかどうかというところに問題点があるわけでありますが、私は先ほど申し上げました現実の状態からいって非常に低い率ではないか。ということは、その年令が一番必要な方は高年齢者にあるわけですね。実際、生活に困っている方は年金だけが頼りであって、それに依存して生活されている方、これは高年齢者だと思う。高年齢者ほどこの改正では低いわけですね。そういうことになりますね。この恩給の改定率から見ても低い、基本が低いのですから、同じ率をかけていけば低くなることは当然ですわね。大体四千円なんといろ数字はまあこれはほんとうに昔の恩給財団当時のあれですからね。そうするとその四千円に一・三二かけて五千三百円という数字が出てくるわけですね。ですから一律に一・三二ということでやっていって、その結果が古い高年の年金受給者、この方に非常にお気の毒な問題ではないかというふうに私は考えるわけです。こうきまってしまえばしょうがないのですけれども、これらについてもさらにひとつ御検討を煩したいと私は希望するわけです。それで問題を少し発展させますけれども、この問題は前回の委員会でも大臣にもお尋ねしたわけでございますが、衆議院の文教委員会でも過去に側回も附帯決議をつけているわけであります。すなわち昭和三十六年五月三十一日の衆議院文教委員会では大体こういうような要旨の附帯決議をしております。「現在私立学校教職員共済組合法の個用外にある私立学校の教職員並びに私学振興を目的とする関係団体職員に対し、政府はすみやかに同法適用の道を開くよう、所要の措置を講ずべきものと認める。」こういう附帯決議であります。同じく昭和四十年四月二十三日には、「本法が全私立学校に適用されるよう考慮すること。」という決議をしております。同じく昭和四十一年五月一十七日には、「私立学校教職員共済組合法の適用外にある私立学校の教職員に対し、すみやかに、同法を適用するため必要な措置を講ずること。」こうあるわけです。それから、本国会におきましては、けさほど配付されました附帯決議の第一項に「米加入校に対する指導を行ない、すみやかに全校加入の実現をはかること。」こうあるわけです。そこで、いま私は四つの附帯決議の要旨を言ったのでありますか、どれもいわゆる未加入校をすみやかに加入させ本法の適用をされるように考慮するということがうたわれておるわけであります。昭和三十六年五月三十一日の衆議院文教委員会の附帯決議には、そのほかに「私学振興を目的とする関係団体職員に対し、政府はすみやかに同法適用の道を開くよう、所要の措置を講ずべきと認める。」こういうふうな附帯決議があるわけです。そこで最初にお尋ねしたいのは、昭和三十六年五月三十一日、衆議院文教委員会の附帯決議にありますところの「私学振興を目的とする関係団体」とはどんな団体があるのか、これをお聞きします。
#76
○政府委員(岩間英太郎君) ただいまのところ、特殊法人では私学振興会というのが、私学の振興をはかるための団体でございます。それから、私学の中で法人化しているものがおもだと思いますけれども、たとえば私学研修福祉会、それから私大連盟、私大協会、それから、私立の短大協会、それから、私立の中・高連――中学校・高等学校連盟でございます。それから私学の幼稚園の連盟、それから、私学の各種学校の連盟、そういうものが団体としてあるように思われます。
#77
○川村清一君 そこでいま局長のおっしゃったような私学教職員共済組合法の適用されておる教職員のほかに、そういう私学振興を目的とする関係団体の職員を本法の適用の道を開くように努力せいという、この委員会の附帯決議に対して、これを尊重して今日までどのような具体的な措置を講じてきたかどうか。それとも、そういうものは入れるべきでないという考えのもとに、一向そういうことは考慮しなかったということか。これはどうですか。
#78
○政府委員(岩間英太郎君) 御承知のとおり昭和四十年でございましたか、未加入校の問題を厚生省といろいろ話し合いました場合に、やはりこの問題も出たわけでございますけれども、先ほど農林省の参事官からも御答弁申し上げましたようにちょっとその私学共済では、特に私立学校の教職員を対象といたしておりますので、私学の振興をはかることの団体を加入させるということにつきましては、農林共済以上にむずかしい問題がございます。農林共済の場合には、それが特殊法人であるかいなかということが問題で、その目的自体につきましては、別に変わりはないわけでございますけれども、私学共済の場合には、学校教育を行なっている学校法人に対しまして、学校法人の職員に対しまして、共済制度というものが設けられているわけでございますから、それにやや異質の私学の振興を目的とするものを全部入れるということになりますと、先ほどの厚年その他との関係もございましてなかなかむずかしかったわけでございます。従来の経過を申し上げますとそういうことでございまして、これは私どもの手ではなかなかむずかしいということがこの際に明らかになったわけでございます。
#79
○川村清一君 けさほど農林省の方の御意見または御説明を聞いたわけでございますが、今度法律の修正をされた。院議できまったわけでございますから、賛成できかねるけれどもこれは私学でやらざるを得ない、これは法律になりましたからね。そういう法律で、きているわけです。これはここではありませんが、農林水産委員会ですね。この場合に、昭和三十六年五月三十一日の文教委員会でこういう附帯決議をされた。これは、野党賛成、与党反対といったようなことで多数決で決定されたわけではなくて、全会一致でこういう決議がなされた。当然当時の大臣は、御決定の趣旨を尊重し、実現のため誠意をもって努力をいたしますと、こういうふうに必ず答弁している、大臣が誠意をもって努力いたしますって答弁している事項に対して、局長のあなたは、それは非常にむずかしいと言うことは、これはどういうことなんですか、これは一体。だから日本の政治は官僚政治だと、こう言われる。大臣が、御決議の趣旨は十分尊重し、誠意をもって鋭意実現に努力をいたします――これは必ずきまり文句で、との委員会でもそう言うわけですよね。これは、大臣がそう言っている。それを役人の局長が、これは非常にむずかしいのだと言うことは、これはどういうことなんですか。これは私には理解できないので、これはひとつ大臣に、そういうことは一体許されることですか、ちょっと大臣から御答弁願います。
#80
○国務大臣(坂田道太君) 私学共済法の適用を除外されております私立学校教職員、あるいは私学振興を目的とする関係団体職員に対し、政府がすみやかに同法適用の道を開くよう、所要の措置を講ずるようにという附帯決議があるわけでございます。これに対して、私、原文は承知いたしませんから、あるいは正確ではないと思いますけれども、しかしその附帯決議に対しましては、やはり関係の当該大臣が尊重するということは、これは当然なことだと思うわけでございます。でありますけれども、やはりそれがたやすくできるものとできないもの、むずかしいものとはなはだ困難なもの、いろいろこれはあるわけであります。少なくともそういうことを尊重しながらどうやってそれを実現するかということに心をくだいていると、こういうふうに御了承願いたいと思います。
#81
○川村清一君 それなら話はわかるのです。ですから、非常にむずかしいけれども何とか実現のために努力してみます、検討しますと、こういう御答弁ならまだわかる。それは非常にむずかしい、非常にむずかしいということはむずかしくてとてもやれない、そんな決議されたってそれは困ると、局長の御答弁ではそういうように受けとれる。ところが大臣のほうはさすがもう一つ上で、非常にむずかしい、むずかしいけれども実現のために努力する、してみる、検討するという御答弁ですからそれは理解できました。これは農林関係でないのですが、私学のほうにも実際あるんですよ。私もこれはよく事情はわかっているのです。これは私立学校教職員の組合ですからね。いわゆる学校法人でもないそういう機関の職員が加入するということは非常にむずかしいということは、ほかのほうでやる厚生年金だとか国民健康保険法だとかいうような関係法律にもあって、むずかしいことはわかっておりますけれども、しかしこの私学振興のためにこれは努力しているのですね。私学としてそういうところで働いている職員がこの中に入れてくれということは、これは話がわかるのであって、できれば入れていくことがいいことではないかと思うわけです。法律的にはむずかしいですよ。そこでこれとまたあとで関連してきますけれども、多くの附帯決議で言っておりますように、この問題につきましては安永委員からもそれから内田委員からもいろいろこの問題には質問されまして、局長から答弁されております。それは、すべての私立学校の教職員をこの中に入れて本法の適用を受けるような道を開けということですね。そのことが全部の附帯決議にこれは必ず柱として載っていることなんです。ところか局長のこの問題に対する御答弁をお聞きいたしますと、すべてこれから努力するということは言われておる。しかし今日まで附帯決議を実現するためにそのように努力したという具体的な行動、これについては何一つ報告されていない。ただ困難な実情のみが説明されているに過ぎない。で、そのような文部当局の態度では全私学の教職員をこの組合に入れるということはまことに百年河清を待つようなものである。いつになったら実現するかわかりませんよ。私の心配するのはそんなことやっているうちに私立学校共済そのものの運営かきわめて困難になって、いつの日にか解消してしまうのではないかということを恐れております。それはどういうわけかというと、まずこの組合の現状を見るというと、組合員の増加率というものが激減していますね。私の得た資料によりますというと昭和三十八年度末から四十二年度末までの傾向が出ておるのですが、適用学校数というのは昭和三十八年度末では七千八十五校あり、四十二年度末では八千七百三十一校となって、その上昇率は三十八年二・九%、三十九年四・六%、四十年五%、四十一年六%、四十二年五・九%と大体上昇していっている。いわゆるこの組合に加盟する学校数はこれはふえていっているのですね。しかし組合員数というものを見ますというと、三十八年度末では十一万三千三百八十三名、これが四十二年には十六万九千四百六十六人、上昇率はどうかというと三十八年は十三・二%、三十九年は一三・四%、四十年は一一・七%、四十一年は一〇・二%、四十二年は七・一%で、四十一年は激減しております。こういうふうに減っていっておりますが、この現状を文部省はどういうふうに分析されておるかどうか。この減ってきておる理由をどういうふうに把握されておるのかどうか。今後この傾向はどうなっていくか、どういう展望を将来に持たれておるのかどうか。このことはこの組合の運営上に重大な関係があると思うかゆえに私は申し上げている。これについて御答弁願いたい。
#82
○政府委員(岩間英太郎君) これは御承知の高校急増あるいは大学急増といわれておりますが、そういうものとも関係があるわけでございますが、御指摘のように、高等学校の増加率というのは非常に減っております。その反面、大学の急増の余波がまだ残っておりまして、そのための大学の職員の増加というのがなお続いております。それから幼稚園につきましては、先ほど来の委員会でもお取り上げいただいておるようでございますが、幼稚園の増設の計画がございまして、幼稚園のほうはまだまだふえる傾向にございます。そういう点を勘案して総合的に考えますと、高校急増あるいは大学急増、それから幼稚園の増設というものが重なっておりましたときに比べますと、確かにおっしゃるような傾向がございますが、全般的に申しましてなお幼稚園、大学の部面では増加の傾向にあるというふうに考えております。
#83
○川村清一君 それじゃそんな目立って減っていかない。前途を非常にあなたは楽観していらっしゃるのですか。
#84
○政府委員(岩間英太郎君) 増加率は御指摘のように減ってはおりますけれども、増加の傾向というのはなお続いているというふうに考えます。
#85
○川村清一君 組合の健全な経営というものはやはり健全な財政になければいかんと思うのです。健全な財政下にあって、そうしてその組合に対してなお有効ないろいろな処置をするということでその健全な財政状態にするためには、私は、いろいろ要件がありますけれども、第一の要件は組合員がふえるということでなければならぬと思うのです。ところが現在四十一年四月でもって未加入校は百十七校、教職員数において二万四千八百五十七人、こういうのが資料に出ておるのです。しかもこの組合には加入しないで健康保険組合を設立している学校は、いわゆる有名校といわれておる慶応義塾、早稲田、明治、中央から始まって十六校、その教員数は二万三千百九十七人、こういうことです。だから私学、私立学校教職員というものは本来の目的を達成するために、この健全な状態にあり、健全な運営成果をあげるためには、どうしても未加入校の方々が全部この組合に加入して組合員をふやし、しかも大学の先生となる方は給料も高いわけですから、そうすると掛け金も高くなるし、こういうようなよい条件がそろってくるわけです。こういう中で健全な運営がなされると思うわけです。だから衆議院の文教委員会は数度にわたって、一日も早くこの未加入校を加入するようにということを指摘している。ところが、あなたの答弁は、まあ安永委員の質問に対しても、内田委員の質問に対しても具体性がないわけです。そうして入られない理由は何かというと、入られない理由を上げておる。ところが入られない理由ははっきりしているが、その入られない理由をどうして解消するか、解決するか、その解決するという具体的な方向と努力が何もなされておらないし、報告されておらない。原因はわかっているのですよ。どうして入らないか、原因はわかっている。それじゃ原因を早く排除したらいいじゃないか、解決したらいいじゃないか。坂田文部大臣が大好きな中央教育審議会というのがあるのですが、この中教審が昭和三十年九月十二日にこういう答申をされている。私立学校教育の振興について、「私立学校教職員共済組合については、福利施設の設置等事業の改善強化を図り、未加入者の加入をも促進すること、なお、私立学校教職員の業務災害保障・失業保険等についても検討すること。」こういう答申ですよ。さらに四十二年六月三十日臨時私立学校振興方策調査会の答申が出ている。その答申には「私立大学の教職員の待遇については、現在、特に退職手当制度の確立していないことが問題とされている。私立大学の教職員の身分保障を強化すると共に、私立大学に優秀な教職員を確保することに資するため、退職手当制度を確立するほか、共済制度、災害補償等の福利厚生のための措置の充実強化をはかる必要がある。」こう答申している。文部大臣は中教審の答申は非常に尊重される。特に大学問題等にあたっては必要以上の尊重をされる。ところがこういう答申に対してはどういう御見解を持っておられるか、これをやってごらんなさい、解決するじゃありませんか。一体、退職手当制度はどうなっているか。それから長期給付は別として、短期給付事業、これは累積赤字でもって四十二年度末が三億三千六百九十八万六千三百五円ある、付加給付に至っては何もやっていない。国共済、私共済全部付加給付やっていない。付加給付何もやっていない。これはどうなさる。こういうことをやってごらんなさい。ところが赤字赤字というのは、しかし赤字の問題だってあなた方努力するつもりがあれば解消できる、なぜならば政管掌健康保険はいま健保の特例法で衆議院で憲法を無視するようなああいう採決をやってきた問題の健保、これは国の補助が二百二十五億出ている、この保険に対しては。日雇い健保に対しては百二十三億、船員保険に対しては六億の国の補助が出ている。国共済や地共済は国が出しますよ。ところがこの私学共済は国が出さないのだ。だからしてこういうものを、赤字解消、それから付加給付などにつきましても、国共済、地共済のようにしたならば、これはこの答申にあるようなことを実現したならば必ず加入してくるわけですよ。ところが現在、大学の先生方は、自分の学校ではこの健康保険組合に入っておったほうが有利だから、この私学共済に入るよりもこちらのほうに入っているほうが有利だから入ってこないのであって、こっちへくることが有利のような措置をすれば入ってくる。そうすると何万人という先生方が入ってくる。そうして、できるならば、先ほど問題になったような、教職員組合ではないけれども、私学の振興のために非常に努力をしておる機関の職員もなおそこに加入きせるような措置をとって、そうして組合の人員がふえてくるならば掛け金も多くなるし、保険設計がきちんとできて保険の運営ができるわけですよ。そういう処置をしない。だから、衆議院農林水産委員会が指摘したように、この給付に対する国庫負担率を、これをぜひ二〇%にしてもらいたい。これは私学共済においては、これは毎年毎年やっていることなんです。いまだにこれが実現しないで、私学と農林共済のほうは一六%だ。こういうことを言うと、またあなた方は、いやいや国共済は一五%だ、あるいは地共済も一五%だということを御答弁されるのでしょう、するでしょう、あなた方は。私学のほうは一%多いのだから月利だと、こうおつしゃるかもしれない。ところが、これはもう補助は一六%であっても、整理資源は全額、事務費は全額、それから地共済のほうは地方公共団体でもって事務費は全額、それから整理資源のほうも全額出ております。ところが私学共済のほうは国が一六%だけだ。ただし都道府県によってはそれに最低千分の八ぐらいの補助を出しておるところがある。しかし事務費に至っては一部補助ですよ。一人当たり百十一円だけです。そうでしょう。こういうような問題を解決しないで、そうして整理資源はこれは法律にありますが、つかみ金で、おととしは二千万、去年は三千万、ことしは五千万、整理資源が一億ありますからことしは掛け金をふやさなくても何とか間に合いますというのがあなたの答弁なんです。来年になったらその一億はなくなる。そうすると掛け金をふやす、こういう問題が出てくる。そこで私の言うのは、掛け金なんかふやすのではなくて、国共済、地共済に準ずるために今回の年金の改正をしたのですから、整理資源なんかについても、その予算の範囲内で、二千万だ、三千万だ、五千万だという、そんなつかみ金でなくて、定率でもって何%、事務費は全額、こういうような措置生きちっととる。とうなければ、幾らこの国会で附帯決議しても、あるいはこの中教審あるいはその他の臨時私立学校振興方策調査会、こういったような機関から答申があっても、これは実現できないのだ。退職手当一つ――退職手当はないのでしょう。それから災害補償制度は一体どういうここになるのですか。これだって国共済、地共済はちゃんと災害補償は特別の法律があるでしょう。こっちのほうはない。労災保険の適用を受けておる。そういうような点に努力をしなければこの問題は解決しないということを私は指摘したい。もっと退職手当だとか、労災保険だとか、こういう問題についてきめこまかく実は質問したいのですが、理事のほうからもうやめてくれという話がありましたので、審議に協力する意味をもって私はこれでやめたいと思いますが、私は共済をほんとうにりっぱな共済にして、そうして私立学校教育というものを振興したいと、こういう熱意に燃えて話しているわけですから、ぜひひとつ、あのやろうつまらぬことを言っていると思わぬで、ひとつ大いに理解をしていただいて実現のために努力をしていただきたいということをお願いして、終わります。
#86
○政府委員(岩間英太郎君) ただいまいろいろ御指摘いただきまして、また御激励をいただきまして感謝する次第でございますが、特に未加入校の問題につきましては、これは私ども先生のお説と全く同感でございます。この解決なくしては私学共済の基礎が十分固まらない。したがって、今後の発展もないということを念頭に置きまして、この点につきましては、私学の助成を拡大する際に何とか解決をしたいという気持ちで、最近も私学の関係者とこの問題について話し合いをしましたが、助成が拡大されればひとつこの問題を解決していこうという受け入れの態度も見えるようでありますかう、さらに努力を重ねたいというふうに考えております。
#87
○小笠原貞子君 初めに、私学がいまの日本の教育に大きな役割りを占めているという点から考えてみまして、私学全般の状態を初めに尋ねさせていただきたいと思うわけです。
 大学の場合には約七〇%以上が私学出身者だそうです。幼稚園から私学に入ったとすればほとんどの人が私学出身者であるというふうないまの現状、日本の教育の中では非常に大きな割合を占めているわけでございますけれども、具体的にそれでは大学、それから短大、高校、小、中、幼稚園というような中で、私学というものが、学校数、それから生徒数、どれくらいの割合になっているかということをまず最初にお伺いしたいと思います。
#88
○政府委員(岩間英太郎君) ただいまの四十三年の五月一日現在の数字を申し上げますと、大学におきましては学校数が三百七十七校でございまして、そのうち私学が二百六十七校七〇・八%に達しております。それから短大は現在四百六十八校ございましてそのうち私学が四百二校、八五・九%を占めております。高等学校につきましては四千八百十七校のうちで千二百二十五校、二五・四%を占めております。中学校は一万一千四百六十三校のうちの六百一校、五・二%、小学校は二万五千二百六十二校のうちの百六十二校、〇・六%でございますが、幼稚園は一万二十一校のうちで六千三百九十六校、六三・八%を占めております。学生数、生徒数につきましても同様な傾向でございまして、大学におきましては七三・三%、短大が九〇・一%、高校が一二〇・四%、幼稚園が七五%というふうにこれらの学校の施設の中ではきわめて高い率を占めておるわけでございます。
#89
○小笠原貞子君 いま数字を出していただますと、あらためて非常に大きなウエートを占めておるという問題になるわけです。そういう大きな位置を占めている私学の中で教育というものを担当される教職員の方々、これがほんとに教職員としての任務を十分果たされるということを考えますと、現実では非常にたくさんの困難な点をかかえていらっしゃるというのを私は実際にはわかっているわけです。そこで共済組合の立場の上からでもけっこうですけれども、その私学の先生たちの、たとえば国・公立教員の一人当たりの学生数とか、それから教育労働者としての労働時間とかそれから賃金とかこういうような点からしても、国・公立の学校と、私学の学校の先生たちというものの差がどういうふうに出ているのか、文部省としては現状をつかんでいろいろ対策を立てられているかと思うので、そこのところをどういうふうにつかんでいうっしゃるか伺いたいと思います。
#90
○政府委員(岩間英太郎君) まず教員一人当たりの学生・生徒数を見ますと、大学におきましては国立が一人当たり八・三人それからそれに対しまして私学が二九・六人とかなりの差がございます。もっとも国立大学におきましては研究という任務がございますので、これはその点を勘案しなければならないわけでございますが、かなりの差がございます。それから短大につきましては、これは国立は夜間しかございませんので比較にはなりにくいわけでございますが、国立が二七・八人、私立が一七・三人となっておりますけれども、国立の場合には兼務者がかなりあるというような事情を考慮しなければならないと思います。高校につきましては公立が二〇・九人、私立が二七・九人これも相当の差がございます。それから幼稚園につきましては公立が二七・九人に対しまして、私立が三二・七人ということで、これは私学のほうが若干いいというふうな数字でございます。
 なお、平均給与でございますが、平均給与を考えます場合には、職員構成を考えなければならないという面はございますけれども、一応それを無視して単純な平均をしてみますと、これは四十年の六月一日の古い調査で先般おしかりを受けた調査でございますけれども、大学の場合には国立は六万二千四百円に対しまして私立が六万三百円ということでございます。
 なお、傾向といたしましては、私立の場合には大学は四十歳以下はむしろ国立の場合よりも給与が高いような年齢別に見ますと傾向がございますが、四十歳を過ぎますと、国立には及ばないというふうなことでございます。平均いたしましていまのような数字になったわけでございます。短大は国立が六万二千八百円に対しまして私立が四万九百円。これは先ほど申し上げましたように、国立の短大は夜間が多うございますし、しかも理工系がかなりございます。そういう意味で比較になりますかどうか。高校の場合には公立が四万七千に対しまして私立が三万五千七百円、これも相当の差がございます。それから幼稚園につきましては公立が二万八千二百円、私立が一万八千七百円、これは先般御質問がございましてお答えしたのでございますが、勤続年数がかなり私学のほうは短い、つまり若い教員が非常に多いというふうな事情もあろうと思いますけれども、これくらいの差があるわけでございます。
#91
○小笠原貞子君 給料面から見ても非常に差がある。こういうわけで共済組合の今度のこの法案で年金額を改定するというような出された中身については賛成の立場に立つわけですけれども、具体的に聞いておりますと、川村さんじゃないけれども、だんだんわからないむずかしい問題がありますので、わかりやすく教えていただきたいと思うのです。今回の改正案の中で既裁定年金の改定をはじめいわゆる長期給付の改定ということがあって、その基礎となる標準給与の額の引き上げというのがございます。その標準給与の引き上げの理由ですね、どういう理由で引き上げというものが出されたのか、その辺のところをちょっとお伺いしたいと思います。
#92
○政府委員(岩間英太郎君) 一番大きな理由を一言で申し上げますと、これは給与水準が上がっているということでございます。過去四回にわたりまして公務員給与の引き上げを行なっておりますけれども、これは給与の実勢によりまして大体改定をしてまいったというふうな事情にあるかと思います。
 この前改定いたしましたのは昭和四十年でございまして、毎年平均いたしますと一割程度の人件費の上昇がございますが、それを四年間で複利計算をいたしますと五割くらいの上昇になっているわけでございます。特にことしは春闘等でかなり賃金が上がっておりまして、そういう意味で今度の公務員の給与につきましてもかなりの引き上げが行なわれるのではないかということが予想されるわけでございますが、そういたしますと先般も御指摘のございましたように、もう最低の公務員の給与ですら二万円をこえるというふうなことも予想されるわけでございます。
 そういう意味から申しまして給与の実勢に合わせるということもございますが、さらに私どもの気持ちといたしましては、まあ非常に低い幼稚園の職員の給与というものをこの際引き上げるようにしたいという気持ちでもありまして、その点を考慮したような次第でございます。
#93
○小笠原貞子君 一般的におっしゃればベースアップというものがあったということで、この額が引き上げられるというのは納得するわけですけれども、あとでおっしゃいましたこっちのほうを上げれば給料のほうが上がるだろうという気持ちというのは、どうもこれは全く逆の論法で、こういうのを適用すればもうとても楽な世の中になっちゃうと思うのですけれども、これは全くおかしいと思うのです。具体的にそれじゃ一万八千円以下というのは現実にあるわけでございましょう。そういうのは一体どれくらいあるのですか。私のほうでは上限が上がっていくというのはいいわけです、実際に上がっているんだから。だけれども下限のほうでまだまだ実際一万二千円ベースでもうっている中で、下のほうが一万八千円まで上げられるということは額の面でたいへん負担になってくるわけです。その辺のところがこれを上げれば上げてやれるのじゃないかということは、全然理屈を抜きにいたしまして実際問題としてあるわけでございましょう。そこでその一万八千円以下というのが現在一体どれくらいあるのか、それから十五万円以上というのがどれくらいあるのか、実際の数字でどうなっているか、教えていただきたい。
#94
○政府委員(岩間英太郎君) 四十三年の調べでございますが、一万二千円あるいは一万四千円あるいは一万六千円と、一万八千円以下のものが大体一万三十二百人ばかりあるものと私ども考えております。ただこれは一年前の数字でございますので、四十四年度のこの法律が適用されます場合に、おそらくいままでの傾向から申しまして一万人を割っているのじゃないかということが予想されるわけでございます。
 それから上限のほうでございますが、上限のほうはこれもやはり四十三年の調べでございますが、四千四百二十九人という数字が一応出ております。これは一年たちますとさらに増加をするということは当然でございますけれども、四十三年の数字はそういうことになっております。
#95
○小笠原貞子君 伺いますと、結局一万八千円以下の方が一万三千三百人いると、こういうわけですね、現実には。その人たちが一万八千円の標準給与額でかけられるとすると、結局六千円分をオーバーしてかけるというわけになりますね。今度は十五万以下の人がいるわけでしょう。そうすると、最高どれくらいもらっていらっしゃる方があるのか。それもお伺いしたいのですけれども、そっちのほうの人は、俗なことになりますけれども、結局ずいぶん楽になってくると、こういうふうに考えられちゃうわけですよね。どうもその辺のところがはっきりしないのですね。
#96
○政府委員(岩間英太郎君) いまのところ、長期給付につきましては、掛け金を払った分は年金あるいは一時金として返ってくるわけでございまして、その高い俸給が、標準給与が基礎になるわけでございますから、これはまあ別の問題として考えてよろしいかと思います。
 それから、問題は短期給付でございます。短期給付の場合に、まあ給与の低い方が掛けられた金額とそれから高い方が掛けられた金額がどういうふうになっているかということでございますけれども、一万八千円とそれから十五万円では十倍近くの掛け金の相違があるわけでございます。そこで、若い方がどの程度病気をし、医療保険にかかっておるか。それから、高額の方がどの程度かと申しますと、大体六倍程度の数ではないかと思います。そういうことから申しますと、平均金額にして考えますと約三万円ということでございます。一万八千円見当の方は年に七千五百円程度お払いになるということになるわけでございまして、もちろん平均よりも医者にかかる率が低いわけでございますが、それでも、まだ高額所得者の方の拠出金によりましてカバーしているという面がかなりあるのではないかと思います。まあこれは社会保障制度と若干違いまして、相互扶助的な意味合いがございますので、あまり大きな差がございまして、高額の方が低額の方に対して掛け金の上でめんどうをみるということであまり大きく開き過ぎますと、これは公平の原則から申しまして問題があるのではないかというように考える次第でございます。最高の金額でございますが、最近まあ退職された方の話を聞いたわけでございますけれども、十五万以上の方はもちろんございまして、十八万円程度もらっている方は、これは私の聞いた範囲でもございます。
#97
○小笠原貞子君 そうしますと、今度この標準給与額というのは上げまして、それによる増額分というものはどういうふうになってまいりますか。
#98
○政府委員(岩間英太郎君) 本年度は約半分でございますが、平年度化いたしまして計算いたしますと、先ほどの人数で上限の方が約六千七百万、下限の方が四千百万、合計いたしまして、一億をちょっとこえるのではないかと思いますけれども、先ほど申しましたとおり、下限の方はどんどん減っていく、上限の方がどんどんふえていくということで、大体ことしの場合をそういうふうな補整をいたしまして計算いたしますと、上限の方は三千五百万くらい、下限の方で千五百万ぐらい。その程度の割合ではないかというふうに推測されます。
#99
○小笠原貞子君 それじゃ、次に、短期給付の問題。先ほどからいろいろ問題が出ていましたけれども、赤字問題というのが非常に大きな問題になっていると思います。組合側でちょっと出ていた資料見ましたら、四七二年度一年間で約一億一千万円の赤字で、四十三年度末までの累積赤字が約四億一千万と、こういうふうに、累積だからだと思いますけれども、非常に大きな額になっているわけですね。この辺の原因は一体どういうふうになっているというふうにごらんになっていらっしゃいますか。
#100
○政府委員(岩間英太郎君) この点につきましては、この前もちょっとお答えいたしましたとおり、保険制度の改正というのが一番大きな原因ではないかというふうに思うのでございます。現在、私どものほうで調べますと、ほかの共済組合の方と比べまして、医者にかかっている回数と申しますか、そういう回数はあまり大きな差はないようでございます。そういう点から考えまして、大体制度による赤字というのが一番大きな原因ではないかというふうに考えています。
#101
○小笠原貞子君 それじゃ、その制度による赤字というのが原因だと。その制度そのものを改正していかなかったら赤字というのが解消できないと、こういうふうなことになるわけですか。この赤字を解消するのに原因とその解消方法というものについて具体的にどういうふうに考えていらっしゃるか。
#102
○政府委員(岩間英太郎君) 保険制度は別の委員会で御審議をいただいておりますように、これはむしろ組合側から申しますと、高くなっていくような傾向がございます。まあそういう意味で、これに対する対策というのは別の観点から考えなければならないということでございますが、先ほど来お話のございました未加入校の解消ということなどは確かに非常に大きな改善の役に立つということが考えられます。そのほかに国の補助の問題等もございます。あるいはこのたび御審議を願っておりますいまの上限下限の引き上げということも短期給付の改善に資すると思います。これらを総合的にいま共済組合の内部でも委員会を設けまして検討中でございまして、その結果が出ましたらそれに基づいて適宜の措置をとりたいというふうに考えておるような次第でございます。
#103
○小笠原貞子君 具体的には文部省が今年度の予算要求というか、七千六百七十九万二千円というのをお出しになりましたね。こういうような国からの補助ということでの解決ということも非常に大きな解決の道になると思うのですけれども、非常な大きな赤字額に対して七千六百七十九万という額が出ているわけなんですけれども、結局はゼロになっちゃったわけですが、これはどういうふうな考え方でその額をお出しになっていらっしゃるのでしょうか。具体的に次々と、どういうふうな展望を持って、まずこの七千何ぼというのを出されたのか、その辺の事情をちょっと聞かせていただきたいと思います。
#104
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま政府のほうとしましては共済一般に対しまして短期給付の補助を行なうというふうな立場をとっておりません。したがいまして、私どもが要求いたしておりますのは、ほかの共済と違った面で要求をしているわけでございまして、たとえば健康保険、あの組合員のように五人未満の小規模なところにも国の補助を出すというようなことがございますので、私どもも五人未満の小さな幼稚園をかかえているわけでございます。そういうふうな観点から小規模な学校をかかえている点に着目いたしまして、その点について健康保険などと同じような補助をしてほしいというのが先ほどの御指摘になりました金額でございます。
#105
○小笠原貞子君 それで、まずそういう小規模幼稚園の補助ということを考えられたというのはけっこうだと思うのですけれども、結局それは今年度の予算の中で考えられたと、そのときに、今後どういうふうに解決していくかというような問題は話にならなかったのか、また今度新しく出てくる面ですから、これは解決しなければならない、そういうような点について今後これを解決するためにはどういうような機関でどういうふうに具体的にこの解決への道などというのがはかられていくのでしょうか。
#106
○政府委員(岩間英太郎君) 本年度はただいま御指摘になりましたような方法でもって国の補助をもらおう、そういうことでやってきたわけでございますけれども、それ以前におきましてはやはり赤字がございましたので赤字解消のための予算というものを要求したことがございます。しかしながら先ほど申し上げましたように、共済全般といたしまして短期給付に対する補助というものが練られておりませんので、私学共済だけ赤字があるからといって補助を切るということはなかなか言いにくい、向こうもくれにくいというふうな事情があったわけであります。したがいまして私どものほうは累積赤字の解消は今後新しい観点から考えることといたしまして、とりあえず単年度の赤字というのはこれは消していかなければならない、最小限度それをやっていかなければならぬということで補助金の要求を出したわけであります。まあただいま検討中でございますから、新しい方法が生まれました場合にはそれに基づきまして国の助成を要求したいというふうに考えておりますが、もしきめ手がない場合には、やはり従前のような考え方で単年度の赤字をくいとめるということに全力を傾けたいというふうに考えておる次第でございます。
#107
○小笠原貞子君 今回の改正で四十四年度の単年度の分は短期の場合はどういうふうに結果的になるのでしょうか。
#108
○政府委員(岩間英太郎君) 四十三年度と同様に約一億程度の赤字が出るのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#109
○小笠原貞子君 一億の赤字、四十四年度で出るんですか。私のほうちょっと見ましたら、組合側のほうのあれですけれども、四十四年度の短期経理の収入総額が六十四億四千百四十六万一千円で、給付総額及びその他が六十四億六百四十八万九千円と差し引き三千四百九十七万二千円の黒字が出るというふうな数字が出ているんですけれども、一億の赤字というとずいぶん差が出るんですけれどもどういうことなんですか。
#110
○政府委員(岩間英太郎君) ただいまのような数字ちょっと私存じませんで、もしほんとうにそうでございましたらたいへんうれしいことでございますが、私どものほうは今年度もやはり一億程度の赤字が出るんじゃないかというふうなことを前提にいたしましていろいろものを考えたいというふうに考えております。
#111
○小笠原貞子君 それじゃ先ほども川村委員のほうから出ていましたけれども、私学共済は農林共済と同様に一六%になっておりますね。それについてこれもだいぶ先ほどお話があってわかったんですけれども、具体的にこれをどういうふうに上げていくというふうな考え方と方針とをもっていらっしゃるのかどうか、もう一度お伺いさせていただきたい。
#112
○政府委員(岩間英太郎君) これは毎年二〇%一挙にほしいというふうな予算要求をいたしております。この前百分の十五から十六に上がりました際には、私もちょっと会計課長やっておりまして、あれはちょっとしたきっかけで一%上がったというふうな経過がございましたけれども、私どもの態度といたしましては百分の二十を一度にもういたいということで折衝いたしておる段階でございます。
#113
○小笠原貞子君 これだけで終わりますけれども、ひとつ私学の中で高校の場合ですね、非常に高校入学というのがふえたときにずっと施設をふやして、その後生徒が減ってきたということで非常に経営困難だという高校がずいぶん出てきているように思うのですけれども、共済組合に加盟している中でその滞納金も納められない、非常に困難だというような状態というのは現在のところ東京だけでもけっこうです、全国的にあればけっこうですけれども、どういうふうに出ておるのですか。
#114
○政府委員(岩間英太郎君) いまのところ滞納校は約八十一校全国でございまして、そのうちの二十校が高等学校だというふうなことになっております。八十一校のうちのかなりの部分は幼稚園が占めております。しかし幼稚園は毎年滞納校が減っております。これは事務的な改善もあるわけでございますけれども、高等学校の場合は御指摘のように、二十校ではございますが、毎年これが減るという傾向がいまのところ見えないので、まあこの問題はやはり大きな問題であろうというふうに考えております。
#115
○小笠原貞子君 いろいろ短い時間で伺いましたけれども、はっきりしたことは、公立共済に比べて上がったといっても非常に大きな差があるということは事実だと思う。しかもその反対に、私立学校の占める教育の中におけるウエートというのは逆に非常に大きいと、こういうことはもうはっきりしてきたと思うのですね。そうするとやっぱり国としての、文部省としてのこういう問題に対して今年度また要求されるわけですけれども、ここのところは真剣に考えていただきたいと思うわけなんです。また、いまみたいにだんだん経管が不振だというような高校も出てくるというような場合にも、一体これをどういうふうに解決していこうというような気持ちでいらっしゃるか、毎年の予算要求のときには、教育というような問題は大事だ大事だと言われながら、いつでも結果的には要求がなかなかいれられないというようなことで煮え湯をのまされるような経過がずっと続いてまいりましたので、これをどうか解決していただきたいという、要望ですね。それで、どうか大臣のほうでこの私立学校の問題どういうふうにお考えになってどう努力されようとしているか、その辺のところをはっきりとさせていただいて、質問を終わりたいと思うのです。
#116
○国務大臣(坂田道太君) この私立学校共済組合の問題につきましてもるる御説明を申し上げましたとおりに、改善をしなきゃならない、特に附帯決議にございますように、未加入校があるということは、結局これよりも有利であると、そういうことだと思うのです。有利という原因は何かというならば、この附帯決議にございまするような、長期給付の、たとえば百分の十六というもの、これをやはり百分の二十というようなこと、あるいはまた、長期給付につきましても赤字の問題どうするか、これに対しては何らかのやはり助成措置も講じていかなきゃならぬのじゃないか、あるいはまた、先ほどお話がございました付加給付の問題についても、これにはある、これにはないということは、そういうことは不利だということはあたりまえの話です。そういうようなことを満たしたときにはわれわれのほうで未加入の人たちに対してこちらへいらっしゃいということが言えるわけでございますが、いかにわれわれのほうが心臓強くとも、何もしないでおいてそうして不利なように言いましてもそれは伺こうで来ないのがあたりまえだと思うのです。でございますから、この点については私も十分心得まして来年度の予算の折衝に当たりたいと思っておるわけでございますが、単にこの私立学校共済組合のみならず、私立学校の幾多の問題について同様のケースが幾多あるということは、従来の私立学校に対するものの考え方というものが、設立者が私立である、私学法人である、あるいは幼稚園の場合またいろいろございますけれども、ということ、それから片方は設置者が国であるというだけ、それだけのことでもって片方は徹底的に国の援助をやる、片方はまあ私学の自主性にまかせると、財源も何も、という態度であったわけですが、しかし今日の段階から考えますと、いつもこれを申し上げますと小笠原さんにおこられるわけでございますけれども、百五十万の学生のうちの三十万を国立学校に対して頭割りいたしますと一人当たり七十五万円、それから私立大学の学生の百十万の一人当たりに対します補助といたしましてはわずか一万円以下、財政投融資を入れましても三万円、これではあまりにも格差がひど過ぎるのじゃないか、これは何とか考えなければならぬという気になっておるわけでございまして、こういう時期をおいてはこの私学に対する大幅な援助といいますか、あるいはほんとうの日本における教育というものを私学というものがどんなに背負っておるかと、その貢献度というか、またこれからその貢献度が高まっていくという認識というものを十分われわれはわきまえて、そうして大蔵当局と折衝し、説得をしなければならない、こういうふうにいま考えておるわけでございまして、どうか各党の方におかれましても御協力賜わりますようにお願いを申し上げます。
#117
○委員長(久保勘一君) 本案に対する本日の質疑は、この程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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