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#1
第061回国会 大蔵委員会 第11号
昭和四十四年四月十七日(木曜日)
   午前十時三十九分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸茂 重貞君
    理 事
                青田源太郎君
                岩動 道行君
                戸田 菊雄君
                多田 省吾君
    委 員
                青木 一男君
                伊藤 五郎君
                大竹平八郎君
                鬼丸 勝之君
                小林  章君
                今  春聴君
                津島 文治君
                中山 太郎君
                西田 信一君
                矢野  登君
                木村禧八郎君
                野上  元君
                横川 正市君
                鈴木 一弘君
                渡辺  武君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  福田 赳夫君
   政府委員
       大蔵政務次官   沢田 一精君
       大蔵省国際金融
       局長       村井 七郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂人長太郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に
 伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(丸茂重貞君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案、及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言願います。
#3
○野上元君 昨日インドネシアの援助問題についてお聞きしたのですが、きょうの新聞によりますと、オランダで開かれたインドネシア債権国会議において、わが国の政府代表として出席した森外務審議官が、この債権国会議において日本に割り当てられた一億二千万ドルの対インドネシア援助について同意を与えた、こういうことが報ぜられておるんですが、この内容をもう少し詳しく教えていただけませんか。
#4
○国務大臣(福田赳夫君) 国際金融局長から説明いたさせます。
#5
○政府委員(村井七郎君) オランダのスケベニンゲンというところで開催されておりました援助会議の場におきまして、日本政府代表からの発言がございまして、そのとおりにきまったという報道を受けております。中身は、いわゆる非事業計画、消費財的なもの、BEというふうに呼ばれておりますものの援助が五千五百万ドル、新規事業計画いわゆるプロジェクト援助と呼ばれておりますのが一千万ドル、それからKR――ケネディラウンドの食糧援助といたしまして一千万ドル、合計いたしまして七千五百万ドルというもの、これが四十四年度中に支出され得る限度であるということが一つ、それからそれにつけ加えまして、四十五年度以降の支出になるわけでございますけれども、協力意図を表明いたしまして、それは事業計画に対して四千五百万ドルの支出予定を協力したいという発言をいたしております。この中身は、これからのインドネシアとの相互の協議によりまして決定するわけでございますが、先ほど申し上げましたように、四十五年度以降の支出になってくるわけでございます。以上が新しい新規の援助の意図を表明した次第でございますが、この点につきまして各国とも了解したというふうに報道を受けております。
#6
○野上元君 お聞きしたいのは、その四千五百万ドルの約束ですね。いわゆる四十五年度における約束ということなんですが、そうしますと、この債権国全体で五億ドルの援助額をきめたというその五億ドルというものの期間というのはいつまでなんですか。
#7
○政府委員(村井七郎君) 念のために申し上げておきますけれども、先ほど申し上げましたように、四千五百万ドルと申しますのは、約束ではございませんで、協力の意図表明、つまり今後いいプロジェクトがありますればそこまで出す――これはもちろん国会の御審議を予算という形で経るわけでございますが、こういうふうに努力をしたいというこちらの意図の表明でございまして、これは相手国との約束という性質のものではございません。それを念のために申し上げておきます。
 ところで、この四千五百万ドルの協力する意図を表明しました中身でございますが、これは、したがいまして、これからの話し合いになるわけでございまして、私たちがいろいろインドネシア経済の復興につきまして実情をもう少し加味しながら案を練りまして、さらに先方との協議を重ねながら具体化してまいりたい、そういうふうに思っておるわけでございますが、非常に大ざっぱに申しますと、いろいろなプロジェクトの継続分、これがございますし、また、資源開発関係に援助するのも一つの有効な援助方法だと思っておりますので、そういった問題をもう少し相手方とも煮詰めながら今後やってまいりたい、かように考えております。
#8
○野上元君 そのあなたの説明は私も一応わかるんです。わかるんですが、債権国において援助の総額を五億ドルときめたわけですね。その五億ドルというのはいつまでに支払われるのか、その期間は一体いつまでなのかということを知りたい。
#9
○政府委員(村井七郎君) 五億ドルというのは、これは今年の国際収支をそれで埋めなければいかぬというその支出ベースといいますか収支のベースに立った数字ではございませんで、五億ドルの計画を今年中に始めるべきであるという意味の五億ドルでございますので、その支出は必ずしも本年だけに限定いたしませんで計画をいたしまして、その五億ドルの支出は、本年度、来年度、場合によっては再来年度というふうに支出が多年度にわたるという可能性がある性質のものでございます。
#10
○野上元君 このインドネシアに対する債権国の援助は、過去何回ぐらい行なわれておりますか。
#11
○政府委員(村井七郎君) 正式のものは昨年と今年の二回でございます。
#12
○野上元君 そうしますと、昨年度は総額幾らですか。
#13
○政府委員(村井七郎君) 三億二千五百万ドル、五億ドルに相当いたしますのはそれでございます。
#14
○野上元君 その三億二千万ドルというのも先ほど五億ドルの説明があったように多年度にわたる可能性がある、また今年も五億ドルをきめて多年度にわたる可能性がある、また来年度も多年度にわたるという、こういうことを考えておるのですが、これはどういう援助計画なんですか。はっきり私らにのみ込めないんですが、どうしてそういうことをする必要があるのか。毎年毎年ぴしっと的確に援助額をきめ、的確に援助できるという方法をなぜとらないで、どうしてこういう非常にルーズなやり方をするのですか。
#15
○政府委員(村井七郎君) 御承知のように、インドネシアの国は、従来、非常にインフレと申しますか、急速な物価高に襲われまして、民生が非常に不安定であったという事態でございますので、インドネシア経済の復興をいたしますときに、まず食糧を中心といたしました衣食関係の援助をするということが中心であったわけでございますが、去年の初めごろから一応物価も落ちつきかげんになってまいったわけでございますので、そういう民生安定と並行いたしまして経済の復興を徐々に加味しながらやっていくということが基本的な方針でございます。したがいまして、昨年の三億二千五百万ドルと申しましたときは、ウエートが食糧等にかかって、事業計画的な多年度にわたるプロジェクトのウエートが比較的少なかったということが言えるわけでございますが、第二回目でございます今年の場合になりますと、その五億ドルの中身はかなり変化しつつある。したがいまして、先ほど申し上げましたBEという消費財的な食糧を中心としたような民生安定的な物資というものはウエートを減じまして、復興事業的なもの、あるいは基礎産業的なもの、たとえば火力発電とか水力発電とか、そういったものに次第にウェートが移ってきつつあるわけでございますので、昨年度は比較的多年度にわたるようなそういうプロジェクト計画は少なかったわけでございますが、ことしは次第にそういう比重がふえてくるというふうに考えられますし、したがって、仰せのように、多年度にわたるものがダブってくるという事態があるわけでございますが、しかし、この計画自体は、やはり経済の安定成長とともに実施していかないと、投資インフレ等を起こしますものですから、計画自体はがっちり組みながら、しかも実施は慎重にやっていくという筋のものでございますので、わりあい計画期間が長くなるということはやむを得ない措置ではないかというふうに考えております。
#16
○横川正市君 関連して。インドネシアヘの援助問題等はあとでまた大臣に私から質問したいと思うのですが、ちょうど池田内閣当時の予算委員会で、ちょっと年月日を記憶しておらないのですが、当時インドネシアの政情不安のときに、たび重ねて自民党副総裁の海外出張ということがありましたが、そのときの総合的な一つの政策の中の一環として、インドネシアが政情不安を乗り切るということの直接的な手助け、それを日本が負うているのじゃないか、言いかえれば、当時のインドネシアの政情を左寄りから右寄りに転換させる、そういう政策の手伝いをしているのじゃないか、そのために相当思い切ったテコ入れを日本に要請されているのではなかろうか、そういう記事が総合雑誌その他でも出ておりました。予算委員会でそういう質問をいたしましたが、いや、そういうことではないという簡単な答弁しかいただいておらなかったのですが、最近インドネシアの現政権の重要顧問といわれる方と私どもちょっと会見する機会がありまして、インドネシアの復興について何が一番問題なのかと言ったところが、戦勝国としての軍事費支出に大幅に取られることが復興の大きくおくれている原因なんだということが述べられているわけです。私は、政情がどういうふうになったかということは別問題として、いまのインドネシアのいわゆる工業生産力あるいはGNPのいわば安定成長の度合いというものをどう見るかという問題が非常に大切なことじゃないか、その点を納得のいくような見方をしてくれないと、金を持っていくということについてもその妥当性を欠くのじゃないかと思うのですが、この点をどう見られているか、ひとつ御説明を願いたい。
#17
○政府委員(村井七郎君) 確かに、従来の政権は、これはスカルノ時代というふうに言えるかと思いますが、私たちが見ますところでは、中共ともわりあい親密な関係を持っておったということが言えるわけでございますが、経済的には、ばらばらと申しますか、わりあい統一性のない計画、場当たりの計画という点がかなり多かったわけでございます。半面、それは国際情勢からやむを得ないと申しますか、現在のようなああいうコンソーシアムがなかなか結成されない。これは多分にインドネシアの政治的な姿勢に基因しておったと思いますけれども、それが新政権で非常に改まってきた。きちっとした経済復興計画もするし、自由諸国との関連もはっきりしてくるというような政治姿勢がとられるに従いまして、コンソーシアムというものもはっきり結成される段取りになりまして、それで昨年が第一回のそういう正式のコンソーシアムの場になったわけでございますが、そこで、債務というものを見てみますと、やはり共産圏に対する債務がかなり大きいという事態が数字的にもはっきりしたわけでございます。
 ところで、自由主義の国が援助をいたしますときに、これが債務の共産圏への返済ということに右から左へと流れていく、つまり非共産圏の国々が援助をするその援助額が共産圏への債務の返済というように流れていくというようなことも非常に懸念されたわけでございますが、しかし、問題は、やはりインドネシアの経済復興というものが肝心なんで、それが十分確保されるようにということが中心になりまして、コンソーシアムというものはインドネシアの援助の使い方、これをよく見なければいかぬ。単にほかの国への債務の返済だけじゃなくて、インドネシアの復興自体に十分援助が使われるということを確保しようではないかということが制度的にもはっきりしてきたわけでございます。現に、世銀とかIMFとかいうものが出先の機関を置きまして、その復興の過程を十分好意的にアドバイスするという姿勢もとったわけでございますが、その反面、援助は、先ほど申し上げましたように、民生の安定から始まってインドネシアの経済復興という基本的な問題にメスを入れていくという過程を次第にとっていこうということに相なったわけでございますので、したがって、安定した経済を実現した上でそういう復興の経済の無理のない成長を達成する、そういうプロセスを経ていこうというのが基本構想でございますので、その五億ドルというものに数字的にはいろいろ異論がございますけれども、そのみんなの協力した考え方というものに対しては私たちもできる限りの協力はやはりしていくべきである。したがいまして、今後の来年以降はどうなるかということは、もっぱらインドネシアの経済の今後の推移を見ながら援助のやり方あるいは規模をきめていくということになろうかと思っております。
#18
○野上元君 昨年度の三億二千万ドルの中に占めるプロジェクトの比率と、本年の五億ドルに占めるプロジェクトの比率というものはわかりますか。――それは計数はあとでもけっこうです、専門家にはじいてもらって。
 次の質問を続けていきたいと思いますが、聞きたいのは、プロジェクトの性格上、来年度あるいは多年度にわたっていくという、その将来に対するコミットというものはわかります。わかりますが、プロジェクト以外のたとえば商品による援助であるとかあるいはまた食糧による援助であるとかいうものは、その年度内に確実に全部支払われておりますかどうか、その点はどうですか。
#19
○政府委員(村井七郎君) おおむね支払われておるわけでございます。去年六千五百万ドルのBE、先ほど言いました消費財の援助がございましたが、大体六千万ドルに近い、つまりほとんど九割くらいのものが本年度四十三年度中に支出されております。
#20
○野上元君 おおむね全部支払われておるといわれておるんですが、残が残るというのはどういう意味なんですか。たとえば食糧の援助の場合に、これが無償供与でない場合には、いわゆる償還条件というようなものがありますね。あるいはその他の援助についても同じですが、そういう場合に、日本の条件が非常にきびしいというような場合に、日本ばかりでなく援助国の条件がきびしいという場合に、向こうはこれを拒否するという場合もあるわけですか。残が残っておるというのはそういう意味ですか。
#21
○政府委員(村井七郎君) 二つに分けて、BEと、それからいわゆるケネディラウンドによる食糧援助というものに分けて考えてみますと、BEの場合は、これは現地で売却いたしまして、その売却代金を財政収入にいたします。したがいまして、インドネシアルピーの価格、為替の動きを見まして、為替がルピー安になるというような場合にこれを売り出すというような操作をいたしますので、時期を見ながらBEの実施をやっていくということが一つでございます。それが、先ほど申しました九割の残りの一割が残っておるという実情かと思います。
 それからもう一つのKRのほうでございますが、これは特に日本がほかの国に比べてきつい条件を出しておるから残額が残っておるというわけではございませんで、KRは実は五百万ドル昨年度は約束をしたわけでございますが、これがいまだに残額として残っておりますのは、制度的に向こうとまだ詰めが終わっていない。条件の問題ではございませんで、積み立て金の問題というような技術的な点におきまして向こうと話し合いをしておる最中でございまして、まだ詰めが終わっていないということに基因しているわけでございますので、この制度が仕組みができ上がりますと、本年度はこのKRにつきましてはわりあいスムーズにいくということになろうかと思います。先ほどのBEは、そういう時期的な様子をながめながら実施していくということでございますので、あるいは早くあるいはおそくという多少の時間的なタイム・ラグはあろうかと思っております。
#22
○木村禧八郎君 関連して。先ほど非常に重要な御答弁があったんですが、この際はっきり伺っておきたいんですが、共産圏は債権が相当あるわけですね。私、前に調べたことがあるんです、リファイナンスの問題に関連しましてね。そうしますと、これは共産圏を拘束することができないんですね、債権国会議は。そうしますと、これは去年ですか、対外債務総額二十三億六百万ドルのうち、共産圏は、十三億三千五百万ドル、総額の五七%を占めているわけですね。先ほどのお話では、共産圏は拘束できないんですが、リファイナンスの場合は、焦げつき債権を政府がこっちで日本政府が金を貸してやって肩がわりしてやるわけですよ、商社の焦げつき債権を。その場合には、輸銀法では、債権国の全部または大部分が承認したときにリファイナンスができるということになっているのに、共産圏が抜けているんですよ。五七%共産圏が占めている。それだのに強引にやっているわけですよ、共産圏をのけて。これは将来大きな問題になると思うんですよ。前には、通産省が、共産圏は多くはソ連だ、あれは武器を輸出したんだ、だから通常貿易とは違うと、こう言っているんですよ。しかし、武器であろうがなかろうが、債権は債権ですからね。これは、今後、債権国会議で、先ほど質疑がありましたように、毎年毎年援助するんでしょう。それが返済に充てられないという保証はないんです、拘束できないんですから。その点はどうなっているんですかね。
 それともう一つは、四十四年度でリファイナンスの問題はどうなっているか、あるいは焦げつき債権の肩がわり、それはどういうふうになっているかという、その二点を聞きたいんですがね。
#23
○政府委員(村井七郎君) 第一の点は、全く共産圏の場合は軍事援助が中心でございますが、その返済には自由主義国からの援助が回らないようにという、そういう努力をインドネシア側もしております。それから主要債権国が合意した場合という輸銀法上の問題につきましては、そういう共産圏に対する返済債務というものとの性格が違うということと、法律にもございますように、主たる債権国ということで、それは自由圏の人たちが集まってその合意をいたしましたときにはそれでいいという法制局の見解もございます。したがいまして、コンソーシアムの場におきまして主要な国という場合は、自由諸国のうちの主要な国ということで、片一方の五十数%ございますものは、これは性格の違った債務であるということ、それからインドネシア側がそちらのほうには少なくとも同じような条件で繰り延べを要請するという努力を払うというふうに表明しておりますので、そういう意図表明ともあわせ考えまして、この輸銀法上の主要な債権国ということで今度のコンソーシアムは解釈され得るというふうになっております。
 それから四十四年度のリファイナンスの予定でございますが、日本といたしましては六百六十万ドルを予定しております。これは現在のインドネシアの状況からしてやむを得ないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#24
○木村禧八郎君 共産圏のほうはどういうふうにこれを考えているんですかね。放棄しているわけじゃないでしょう。それは自由圏だけでそういうふうにきめているんですけれども、一体共産圏のほう――まあソ連です、一番大きいのは。それから中国もあるかと思いますけれども、共産圏はどういうふうに考えているか。これは将来問題が起こり得ると思うんです、自由圏のほうだけで勝手に考えていますがね。それで、そのだいじょうぶだという理由は、内容が違うのだ、貿易じゃないのだ、武器援助だ――それは自由圏のほうの主張ですよね。しかし、共産圏はどう考えているのか。それで、これを放棄したわけじゃないとすれば、将来これは請求する権利がある。また拘束できないんですよ。そういう点、共産圏は放棄したわけじゃないので、どういうふうに考えているのか。そのことをはっきりさせなければ、これは大きい問題だと思うんです、将来。ただ、だいじょうぶ。だいじょうぶということでは、そんなことでは済まないと思うんです、金額も大きいし。それから六百六十万ドルのリファイナンス、これが結局――この前一千万ドル追加をやりましたね。経済協力基金でしたか、政府の贈与ですな、無償援助でしたね、やりましたね。これは別に四十四年度予算に計上されているわけですかね。そうすると、これがまた結局商社の焦げつき債権の肩がわりに使われるということになるわけですね。四十四年度にはどういうようにやるのか、伺いたいと思います。
#25
○政府委員(村井七郎君) 第一点の点でございますが、これは私たちも非常に問題に当初からしておった点でございますので、実はこのコンソーシアムをいたしますときに、結論を出します際に、インドネシア側にその点を確認しておるわけでございますが、インドネシア側は、先ほども申し上げましたように、共産圏に対する債務の支払いは、私たちがリファイナンスをやるというあの条件以上の条件で、つまりきちっきちっと返すというふうなことはしたくないと、しないつもりであると、そしてそういう線で交渉するという話をしております。目下まだ交渉が結論に達しておるかどうか私たちは聞いてはおりませんが、つまりわれわれのリファイナンス以下の条件では債務の返済をしないつもりであると、そういうふうにインドネシア側は言っておるわけでございますし、また、そういう方針で交渉しておるというふうに御了承願いたいと思います。
 それからリファイナンスの六百六十万ドルでございますが、これは四十四年度の予算の中で輸銀の資金繰りをもちましてやるということになるわけでございますが、まだこれは実はきまっておるわけでもございませんで、これからまた国際会議が開かれまして、そこで、どういう条件でやるかということ、あるいは金額をどうするか、やり方をどうするかということをもう一度話し合いましてきめるということになるわけでございます。
#26
○木村禧八郎君 これは大蔵大臣にお尋ねしたいんですが、この前も衆議院で相当問題になっているんですが、このリファイナンスをやる場合に、外交上の協定とか覚え書きみたいなものがこの前はあったわけですよ。今度は、そういうものはなくて、また、予算にはどこにあるんですかね。前に、これはやはり条約の一つとして特に国会に承認を求めなきゃならぬじゃないかということがやかましく衆議院の予算委員会で問題になったんですよ。それは予算の範囲内で何とか法律の範囲内においてやるんだから国会承認は要らないとか要るとかだいぶ議論になったわけですよ。しかし、また新しくこの前のリファイナンス以外に六百六十万ドルリファイナンスするということになると、これは向こうとの間にまた覚え書きか何かなきゃならぬわけですよ。そして、また、予算にそれが計上されていなきゃならぬわけですよ、四十四年度の予算に。予算のどこに計上されてますか。四十四年度の対外経済協力費は七百二十八億二千万で百五十九億九千万円ふえているわけです。ものすごくふえているんですから、その中のどこにあるのか。これは、大蔵省所管か、外務省所管か、通産省所管かですね。どうも大蔵省所管の中ですね。経済協力に必要な経費として六十四億三百万円あるんですけれども、これがどこに対する協力なのかわからぬのがあるんです。どこにあるんですか、予算の。
#27
○政府委員(村井七郎君) 御承知のように、リファイナンスをいたしますときは輸銀が肩がわりするということになるわけでございますが、その場合は、輸銀が四十四年度の予算でもちまして資金を与えておりまして、そのワクの中で資金繰りといたしましてやれる範囲内でしかやれないということでございまして、輸銀の資金のワクの中に今度のリファイナンス分を見積もりまして、それで予算が組まれておるわけでございまして、そのワクの中におきまして相手国とこれからきめて、合意に達しますればそこで書簡を取りかわすという段取りになるわけでございます。
#28
○木村禧八郎君 それはおかしいですよ。じゃ、輸銀の予算の中にはっきり明示されておりますか。輸銀の中の資金繰りでやるなんて、そんなことじゃ済まされないんで、輸銀の中の予算にはっきりと六百六十万ドル焦げつき債権の肩がわり、リファイナンスとして、これははっきり国会の承認を求めなきゃならぬと思うんですよ。この前の一千万ドル、あれは無償の贈与でありましたが、あれはまあ輸銀の金を使うと金利が高いから、そこで無償で一千万ドルやって金利をソフトにすると、安くするということでやったんでしょうが、あのときはちゃんと覚え書きがあるんですよ。いまぼくはそれ持っておりませんけれども、確かにあるんです。ですから、今回に限って、覚え書きがないというのはおかしいと思うんですよ。
#29
○政府委員(村井七郎君) その覚え書きは、今後二国間で話し合いました結果を覚え書きで取りかわすという段取りになるわけでございます。したがいまして、話し合いはこれからでございます。
#30
○木村禧八郎君 それは国会のやはり承認を求めるわけですか。
#31
○政府委員(村井七郎君) 先ほどから申しておりますように、予算の範囲内におきまして実行するということでございまして、私たちは、法律、条約に違反いたしません限りは、本年度の予算でもって国会の御審議をいただいておるというふうに考えておりますので、予算の範囲内におきましてこの合意書を取りかわすということにするつもりでございます。四十五年度以降に債務負担が生ずるというものではございませんで、四十四年度の輸銀の予算の範囲内から支出されるという性格に基づくものでございます。
#32
○木村禧八郎君 これは今後問題になると思うのですが、時間が大蔵大臣は十二時までしかいないそうですからこれでやめますけれども、これは憲法上どうなんですか。対外債権でしょう。そういうものについては、やっぱり条約と同じように国会の承認が要るのじゃないか、そう思いますけれどもね。
#33
○政府委員(村井七郎君) その点は、従来たびたび国会でも御議論をいただきまして、私たちは、法制局その他とも十分議論もいたし、煮詰めまして、その統一した結果は、先ほど来私がお答えいたしましたように、法律、条約に違反せず、かつ後年度に債務を負担するという性質のものでない限りは、その年度の予算の範囲内であれば、政府間の行政取りきめでやって差しつかえないというのが統一された見解でございます。
#34
○木村禧八郎君 それじゃ、六百六十万ドルでリファイナンスしまして、日本商社の焦げつき債権がどのくらい肩がわりされ、いつの分の肩がわりになるのですか。それで、それはどのくらい残るのかですね。いますぐにお答えできなければこまかいことはあとで資料でけっこうですけれども、大体どのくらい焦げつき債権がこれで処理されるのか、いままでのが。それでもう終わりなのかどうかですね。これは前にもずいぶん問題になったわけですよ。それで、そういう商社がうんと献金しているんです、政党に。
#35
○政府委員(村井七郎君) リファイナンスの点につきましては、取りまとめまして資料として後刻御報告いたしたいと思います。
#36
○野上元君 どうも金融局長に質問が集中したようなんで、大蔵大臣が十二時までしかいないそうで、大蔵大臣のほうに質問したいと思うのですが、こまかい技術的な問題は別としまして、私、この新聞の記事をすなおに読むと、要するに、日本は、一億二千万ドルの援助を提供することを表明した、こういうことになっておるわけです。ところが、その説明を聞くと、そのうちの七千五百万ドルは予算上はっきりしておる。しかし、四千五百万ドルについてはこれは約束までもいかないがこういう努力をするのだということを言っておると、まあこういうふうに説明があるわけですね。しかし、このどの記事をよく見ましても、日本の割り当ては一億二千万ドル、米国は一億二千二百万ドル、オランダは三千五百万ドル、そして英国とベルギーは約束したが額は明示しなかった、こういうふうになっておるわけです。ということになると、むしろ日本は一億二千万ドルの提供を約束したというふうに私どもはとらざるを得ないのです。ということになると、四千五百万ドルというのは四十五年度において支払うものですね。したがって、これは、もしもこういう表現を使ったとすると、非常に重大な問題だと思いますね。まだ予算が成立しておらぬのに、国会の承認も得ておらぬのに、四千五百万ドルの先行約束をするということは、これは先ほどから問題になっておるように、リファイナンスどころじゃなくて、これこそ明らかに法律違反じゃないでしょうか。
#37
○国務大臣(福田赳夫君) これはそういう解釈はいたしていないのです。内容につきましては、いま村井局長から申し上げ、また、野上さんからも確認があったとおりでありまして、七千五百万ドルは、これを限度としてことし実行することを約束する、それから四千五百万ドルは、来年以降において支出されることになるのですが、何か適当なものがありますれば協力しましょうと協力意図表明と、こういうふうに考えておるわけであります。したがいまして、また来年この問題は予算として御審議を願うと、こういうことに相なるわけでございます。これは去年と全く同じなんで、去年は八千万ドルという当年度の支出の限度、これを予算で御審議願い、また、協力意図表明として三千万ドルということを別に申し上げたわけであります。その三千万ドルは四十三年度の話ですから、それじゃ一体四十四年度以降どういうふうになっているかというと、四十三年度においてはもちろんこれは支出も何もされておりません。四十四年度にはどうなるかというと、一部どうも支出過程に入るものが出てこようかと、こういうふうに考えるわけでありますが、その際は海外経済協力基金等より支出するということに相なろうと思うのであります。これも海外経済協力基金のその予算の範囲内でありますので、別に法律上支障がある問題とは考えておりません。それと同じフォーミュラをことしもとっていこうと、こういうことなんであります。
#38
○野上元君 説明はわかるのですが、私が言いたいのは、少なくともこういう債権国会議において援助を約束したということは、対外的に一つの公約を与えたということになるわけですね。ということになると、まだ予算が編成されておらないのに、四千五百万ドルの支出を来年度約束するということは、大蔵省の編成権に対する一つの侵害にもなるのじゃないですかね。そういうことは大蔵省としては認められるんですか。
#39
○国務大臣(福田赳夫君) そうなっては相ならぬというので、約束はいたしておりません。協力の意図を表明いたしておる、これにとどまるわけであります。
#40
○野上元君 これはもう海のかなたの討議の内容は知るべくもないので、私たちは新聞記事によって推測せざるを得ないのですけれども、これによると、はっきり一九六九年度における各国の援助額はこういうふうにきまった、こういうふうに書いてあるし、森審議官もそれに対して提供することを約束したと、こういうふうになっておるんです。あなたのほうでそう幾らいろいろと説明されてみても、これはだれが見ても、ちょっとおかしいのじゃないかなあ、行き過ぎじゃないのかなというように思うんです。特に、イギリス、ベルギーあたりは、援助は約束したけれども、額は示しておらないのですね。ということは、やはり国内的な問題があるから、法律的な問題があるから、額は示さなかったという慎重な態度をとったのじゃないかと思うのですが、日本はなぜそんなに先走って金額を明示して約束をしなきゃならぬのかという点がどうも釈然としないのですが、この点はどうなんですか。
#41
○木村禧八郎君 関連して。海外経済協力基金から出すのであるから、予算の範囲内だから、いいと。海外経済協力基金は一般会計から繰り入れるんですよ。それから、さっき、輸銀の予算の範囲内と言いましたけれども、これは産投から繰り入れるんです。産投には一般会計から繰り入れるのですから、結局は税金なんです。ですから、いま言われたように、税金を先に使うことを約束することは、国会に対して、予算の審議に対して、制約になりますよ。そうでしょう、国際的にそういうことを約束してしまえば。ですから、約束することは不当です。
#42
○国務大臣(福田赳夫君) そのことは、よく承知いたしておるわけであります。経済協力基金から出すにいたしましても、輸銀から出すにいたしましても、これは国会に重大な関係がある問題であります。国民の税に関連の深い問題であります。そこで、予算を直接支出するという問題と別に差別しては考えてはおりません。しかし、これは、論より証拠というか、四十三年度をごらんいただきたいのでありますが、八千万ドルほどの支出と、それから三千万ドルの協力意図表明をしておるが、三千万ドルについては全然手はついておりません。それから八千万ドル、これはそこまで支出してもいいわけなんであります。そう考えておるのですが、これも非常に立ちおくれておりまして、わずかに五千七百万ドルしか出ておらぬ、こういう状態であります。おそらく、四十四年度の分につきましても、おおよそ同じような形になってくるのではあるまいか。審議権を侵害するような意図は毛頭ありません。
#43
○野上元君 そうすると、この一億二千万ドルということを日本が言わないと、いわゆる債権国会議の中の空気はまとまらぬというような政治的な配慮のもとにおける一つの発表なんですか。
#44
○国務大臣(福田赳夫君) 御承知のように、債権国とすると、ソビエトロシアを除けば、日本は最大の債権国なんです。しかも、日本は、アジアの日本であり、アジアの安定というものには最大の関心を持たなければならぬわけであります。国際機関において、たとえば大体五億ドル要りそうだ、アメリカが一億四千万ドル食糧援助をする、残りをみんなで分担しようじゃないか、日本は三分の一の一億二千万ドルの分担をすべきである、こういう空気が出てきておる、それを日本が否定するということになりますと、アジアの安定、その中で重要なインドネシアの安定、これに重大な影響があるわけでありますね。そういうことを配慮して、とにかくこの国際機関の下調べをした結論に従おう、こういうことにしたわけであります。
#45
○野上元君 詳しいことはまた後ほどやることにして、インドネシアに対する焦げつき債権という問題が一時問題になりましたね。それで、木村さんからいろいろと質問されたことがありました。そういうことが背景にあるものですから、国民としても、インドネシアに貸したのはいいけれども、また焦げついてしまうのじゃないだろうか、しかも結局は自分らの税金じゃないかというようなことになるから、そういう点が懸念されると思うのです。したがって、私もしつこくこの問題については実は聞いておるわけなんでありますが、インドネシアに援助する場合に、いわゆるインパクトローンみたいなものじゃなくて、タイドローンみたいなものだという考え方で援助しておるのですか。もしもそういうことであるならば、援助されたものがどういうふうに使われておるのか、そういう点の監視機構と言うと大げさですが、これが実行されておるかどうかというそういうことを知る指導機関といいますか、そういうものはインドネシアに派遣されておるんですか。
#46
○政府委員(村井七郎君) これは賠償を含めましていろいろインドネシアに対する援助あるいは民間の債権もございましょうが、過去に行ないましたものにつきましては、どういうふうに使われておるかということは、先般来、北島団長を団長とする経済視察団が派遣されまして、過去のものの実績調査というものをいたしておるわけでございますし、今後のものにつきましては、これはおっしゃいますようにタイドローンという形をとりまして、たとえばプロジェクト一千万ドルといいますときには、これは現実にはキャッシュでございませんで、物が日本から出ていくというかっこうになるわけでございまして、それが適正に使われておるかどうかということは、適当な監視といいますか、これはインドネシアに対しての外交的な配慮もあるわけでございますが、それが約束どおりに使われておるかどうかということは十分見てまいるつもりでございますし、また、一つの機構もございまして、世界銀行が現地に駐在事務所を設けておりまして、そもそもこういうものは世界銀行が一括してその実行状況を見るということに相なっております。
#47
○野上元君 一応インドネシアの問題は終わります。
 次は、BISが十五日に終わったんですか、そのときに、御承知のように、最近における国際金利高の問題について討議し、かつ、南アフリカの産出する産金の処理をどうするかというような問題について討議したようですが、結論が出ないままに散会したというふうに新聞は報じておりますが、この際、日本は、このBISに投資するというんですか加盟したいという意向を表明し、かつ、運動を続けておるというようなことが新聞に出ておりますが、これはどういうふうになっておりますか。
#48
○政府委員(村井七郎君) 御承知のように、BISは、当初日本が株主であったわけでございますが、戦後平和条約のときに日本はその株主権を放棄いたしたわけでございます。それで、従来、オブザーバーというかっこうで毎月の例会に出席しておるわけでございますが、今回、六月でございますが、BISが三倍増資をするという話がございまして、これが六月に本ぎまりになろうかと思いますが、その際に、また日本の出資を認める意向であるというふうに私たちは聞いております。金額がどの程度か、あるいはどの程度の株主になるかということは、これはまだこれからの問題でございまして未定でございますが、また元の地位に復活する方向で話し合いが進められておるというふうに私たちは承知しております。
 金の問題につきましては、私たちまだ十分報告を現地に出席いたしておる者から聞いてはおりませんが、どうもまだ最終的な結論にはとても達したとは私たちは考えておりません。
#49
○野上元君 このBISが設立された趣旨というのは、大臣も御承知のように、第一次大戦のドイツのあの窮状を処理するということで設けられたものですね。したがって、日本とは遠く離れた問題だと思うのですが、最近におけるBISというものはどういう性格に変貌しつつあるのか、そしてまた、日本がこのBISに加盟するという政治的な意味とメリットというか、そういうものはどういうふうにお考えになっているんですか。
#50
○政府委員(村井七郎君) 確かに、最近のBISは、そういう賠償を中心とした支払い機関、受け取り機関という性格から変貌いたしまして、ヨーロッパ中心ではございますが、総合的な一つの金融機関になろうとしております。具体的に申し上げますと、ユーロダラー等を受け入れたり放出したりいたしておりますし、各国の中央銀行とのつき合い、中央銀行からの預金を受けましてそれを運用しておるということで、ヨーロッパを中心といたしました国際的金融機関に変貌しつつあるように考えられます。また、最近のいろいろ国際通貨問題及び金の問題というものを議論いたしますときに、そのほかのIMFとか十カ国蔵相会議とかいうふうなものもございますが、それとは別個に中央銀行レベルでこういうものをある程度事務的にかつ金融専門家的に議論しようというふうに相なっております。
#51
○野上元君 特に日本がこのBISに加盟するという政治的意図というのはあるのですか。
#52
○政府委員(村井七郎君) 政治的意図というものは別にございません。
#53
○野上元君 そうしますと、日本がBISに加盟する、株主になるということは、どういう目的なんですか。
#54
○政府委員(村井七郎君) これから日本の経済力の規模がだんだんふえてまいりますときに、資産の運用一つにいたしましても、一国の銀行だけとやるのではなくて、アメリカともやるが、またヨーロッパともやる、ユーロダラーの取引も状況によりましてふえたり減ったり非常に取引が多くなるというような事態、あるいは、いろいろな場合にヨーロッパ通貨も支援しなければいかぬし、また日本としても支援を受ける場合もあるかもしれないというような関係で、全世界的に日本の相手国というものが金融面におきましても広がっていきます。そういう様相に応じまして、BISとのつき合いというものが今後日本でもかなり必要性を増してくる。実力からいきましても、こういうヨーロッパ諸国も期待いたしましょうし、日本といたしましてもある程度株主権を持つことによりまして非常に得るところも今後多かろうというふうに考えられるわけでございます。
#55
○野上元君 そうしますと、日本の経済の規模あるいは貿易の規模というのがいまや世界的になって、したがって、対アメリカだけではなくて、対東南アジアだけでなくて、対ヨーロッパにも十分力を入れていかなければならぬ、そのための便宜的な手段だというふうに考えてよろしいのですか。
#56
○国務大臣(福田赳夫君) BISは、もう御承知のとおり、これはちょうど賠償からこう発足したのですが、今日は、いま村井局長から話がありましたように、主としてヨーロッパを中心としますが、全世界にわたっておるわけですから、中央銀行間の協力体制、つまりほんとうに純粋の金融の協力体制機関だ、そういうふうに性格が変貌いたしてきておるわけであります。わが国は、日本銀行、これが世界の金融の流れと無縁でおるわけにはいかない事態になってきた。そういうようなことで、わが国がここで昔のように正式のメンバーとして入るということはもう切実な問題になってきておるので、もし株の保有が復元されるということであれば、ぜひそうしたいというところへ来ておるわけであります。
#57
○野上元君 これはIMF体制に大きな関係があると思うのですが、南アフリカが金をIMFに売らない、そして金を動かさないでIMFから外貨を引き出して貿易決済に充てるというような方針をとるということがきょうの新聞に出てますが、これはどういうことなんですか。たとえば、IMFに金を南アが売らないというのはどういう理由で売らないのか。そして、金を売れば、自分の国際収支というものは、あるいは貿易決済というものは、自由にできるはずですね。その金はとっておいて、IMFのゴールドトランシェを使って決済をするというような方法をとるという考え方というのは、IMF体制というものに対してどういう影響を与えるんでしょうか。
#58
○政府委員(村井七郎君) 南アは、確かに、金を売却してまいりませんと国際収支のつじつまが合わないという国柄でございますので、売りたいと思います。ただ、IMFの規定にもございますように、ほかの経済条件にして同一ならばIMFに売りなさいということになっておるわけでございまして、自由市場価格が四十数ドルというようなときにIMFに三十五ドルで売るということについては協定上いろいろ問題があるわけでございますし、また、IMFといたしましても、協定上買う義務は必ずしもないんだという態度でいままでのところ来ております。最終的な決着はついておるわけじゃございませんが、そういう段階でございますので、直接南アとしてはIMFに金を売る運びになっていないというのが実情でございます。
 ところで、南アの国際収支の状況からいたしますと、どうしても外貨が必要であるという事態がございますので、それならばIMFの信用機構を利用して外国通貨の引き出しを行なう。つまり、南アのランド以外の通貨がございます。各国の通貨を引き出しまして、その引き出した通貨でもって対外決済に充てると、こういうことを南アとしては考えておるわけでございます。
#59
○野上元君 そうしますと、これは、IMF体制に対する南アの抵抗ということじゃなくて、技術的な問題ですか。
#60
○政府委員(村井七郎君) 技術的な問題でございますが、結局、その背後には、みんな国際協力をもちまして、こういう限定されたようないまの金の制度あるいは二重価格制度というものがスムーズに解決される。具体的に申しますと、もう少し自由価格市場というものが平静になって、三十五ドルという国際正常価格に近づくということを協力の上で実現したいという気持ちが背後にあるわけでございまして、出ております問題は非常に技術的でございますが、そういう気持ちから出ておるというふうに御理解いただいたらいいのじゃないのかと考えます。
#61
○岩動道行君 関連して。先ほど野上委員からお話の出ましたBISの加盟の問題でございますが、これは私はぜひ実現をしていただきたい。そのためには、政府あるいは中央銀行の日本銀行は、全力を尽くしていただきたい。と申しまするのは、これはヨーロッパの決済銀行ではありまするけれども、非常に有力な情報源にも相なっております。たとえば一九五八年のヨーロッパの通貨回復の問題などもそこの会合できまったというような事情もございまして、非常に大きな役割りを果たす場所にも相なっております。したがいまして、私は、日本の経済が国際的に大きな活躍をするためには、BISにぜひ加盟する、これを実現するために努力をしていただきたい。また、その見通しについて大臣にお伺いしておきたいと思います。
#62
○国務大臣(福田赳夫君) お話のとおりでございまして、特に金融情報の立場からいいますと、何としても入っておきたいところなんであります。最善の努力をいたしたいと存じます。見通しとすると、六月にはこれが実現しそうである、こういうことになっております。
#63
○野上元君 もう一つ、前回大臣に質問した一〇%経済成長率の問題なんですが、アメリカも御承知のように緊縮財政をやっておる。イギリスもやっておる、ポンドを守るために。そうしてまた、ヨーロッパ全体でも大体そういう緊縮ムードというものが非常に強くなってきた。したがって、上半期においては蔵相の言われるような成長が望まれるかもしれぬが、下半期から日本の経済もまたかげりが出るだろう、新聞等でもあなたのほうの大蔵筋はそういう見解を持っておる、こういうふうに言われておったのですが、毎日変わっておるんです。私どもも非常に困っておるのですが、先月はかげり、今月は楽観、きょうはまたかげり、こういうふうに春の天候みたいなんで、どうもこれはどこに聞いたらはっきりわかるのかちょっととまどっておるわけです。蔵相としては、どうですか、最近の国際情勢から見て、もう一ぺんあなたの見解を表明してもらいたいと思います。
#64
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、何回も申し上げておりますが、ことしくらい経済環境の先行きの見通しのむずかしいことはない。それは何かといいますと、一つは、ヨーロッパの通貨問題がどういうふうに解決されていくであろうか、また、解決いかんによって国際貿易にどういう影響があろうかという点と、もう一つは、アメリカの経済がどういうふうな推移を示すか、こういう点なんです。多少の両者とも下降線を描くというような事態に対しましては、その際わが国の輸出が減退をするということがありましょう。それにもかかわらず、わが国は、前に比べると、国際収支の天井が高い。そこで、輸入を維持することが可能であるという状態にあるわけであります。そういうようなことで、輸出は減退をするということが起こった場合において、わが国の経済をどういうふうに運営していくかというと、輸出が減退するから日本の経済も総縮みに縮ましてしまうか、こういうと、さにあらず、国内において需要を喚起し、つまり、輸入ができますから、喚起政策が可能になるわけです。これは財政金融政策を通じて行ないます。そういう過程を通じて日本の経済の成長路線を維持したい、こういうふうに考えておるのであります。しかし、これが非常に大きな落ち込みである、世界的な落ち込みである、また、これがかなり長期にわたりそうだという見通しでありますると、そういうことをいたしかねるかもしれませんが、いま見通しされるような軽微な落ち込み状態であるという際におきましては、さような国内財政金融操作によりまして成長路線を堅持してまいる、こういう政策をとってまいりたい。したがいまして、一〇%一〇%ということを言われますが、何も一〇%にこだわっておるわけじゃないんです。そのときどきの情勢によって多少の出入りはありましょう。しかし、五年間ぐらいの見通しといたしますると、一〇%程度の成長を維持していきたい、その考え方はいまでも変わっておりません。
#65
○野上元君 この問題は、何といってもあなたの勘を云々する問題ですから、非常にむずかしいので、きょうはこの程度でやめておきます。
 最後に、SDRの問題について、大臣も時間がないようですから、あと一つお伺いしておきたいと思うのですが、SDRの真のねらいは一体何であるか。SDRを創出しようとする真のねらい、それは一体何なんですか。国際流動性の増強なのか、あるいは、IMF体制といいますか、ブレトン・ウッズ体制といいますか、これの堅持なのか、どっちにあるのですか。
#66
○国務大臣(福田赳夫君) これは、端的に申し上げますと、国際流動性の不足を補う、こういうことに尽きると思います。ただ、いまIMF体制という話がありましたが、その補う手段としてどういうふうな形をとったらいいだろうかというと、やはりこれはIMFを中心として何らかの機構を考うべきではなかろうか、こういう方法論としてIMFが登場してきますが、ねらうところはいまの流動性の不足を補う、つまり世界経済全体の経済の成長に順応し得る流動性を世界的に持たなきゃならぬというところにあるわけであります。
#67
○野上元君 その流動性の供与の問題なんですが、これはまあいろいろと私なり調べてみますと、たとえばBISなどから見ますれば、国際流動性が現在において不足しているという徴候はない、また、将来も不足するということはあり得ない、こういうふうにはっきり言い切っているんです。それで、蔵相は、このあいだ、それはもう世界の少数意見だと、こういうふうに言われたんですが、いまや国際流動性が不足しておるというのは、福田大蔵大臣とケネディ財務長官ぐらいじゃないんですか。(笑声)世界各国においては、国際流動性は十分だと。ただ、いわゆる金本位制とかわって為替本位制の場合は、一ところにまとまってドルがたまる、あるいはキーカレンシーがたまるというようなことが起こり得る。したがって、その点で流動性が欠如しておるということは相対的に言えるかもしれぬが、全体として見れば、絶対額として見れば、決して流動性というものは減っておらない。したがって、この際新しい補完通貨を創出するなんということはむしろインフレにつながるので、それは危険であると、こういうふうな見解のほうが多数のように思うんです、私の読んだ限りにおいては。どっちが少数派なんですか。
#68
○国務大臣(福田赳夫君) 少数説、多数説の議論ですが、毎年々々IMFの総会というものが開かれるわけです。それと並行して世界銀行大会という形の会合もある。そこでいま何が一番問題になっているかというと、後進国の援助の問題と、それから流動性の欠如をどうするかという問題です。これは何もこの一、二年に発生した問題じゃないんでもう数年前からこの二つの問題が指摘されまして、そして、一方においては後進国を開発援助する、それによって世界の繁栄を拡大する、それをまたささえる金融手段としての流動性を補足していく、こういうことなんです。世界銀行大会、IMFの大会において圧倒的な多数で決議されておるわけですから、そういう方向がこれはもう多数説と言うほかはないので、決してそういう考え方が少数説ではございません。
 ただ、これはいろいろ政治的な関係なんかもあるのじゃないかと思いますが、フランスがこれに対してずっと異論を持ち続けてきたということ、これは事実であります。フランスがそういう異見を差しはさんだについては、私は、経済的というよりは、むしろ政治的なドゴール大統領独特の立場からじゃないかという判断をしておりますが、ともかくもう圧倒的な多数をもって流動性の不足を補うべし、後進国の開発援助をいたすべしというこの二つが決議をされており、決して少数説でないということははっきりしております。
#69
○野上元君 私たちが率直に見ておりますと、SDRを創出するという目的は、いわゆるIMF体制を保護するところの一環であるというふうに実は思えるんですね。というのは、IMF体制を保護する機構というものは網の目のように張りめぐらされておりますね。にもかかわらず、やはり国際通貨の不安という問題が起きているんですね。ということになると、IMF体制そのものがもう二十何年間続いてきてやはりガタが来ておる。したがって、これを補完するための一つの措置ということになると、いままでIMF体制をささえてきたのは、言うまでもなく、ポンドとドルですね。そのポンドは、いまや落日の運命にある。これが再びキーカレンシーとして有効に機能するかどうかということはむずかしい状態であるというのが一般の考え方である。残るのはドルですね。ドルも、最近は、どうもおかしくなった。というよりも、ドル一本に頼ってIMF体制をささえていくということは、従来いわゆる金本位でささえてきた国際通貨の問題が崩壊したことと同じ道をたどるのじゃないか。したがって、SDRを創出することによってドルを保護することもけっこうでしょう、当面は。しかし、それだけに終始すると、金で失敗したことをドルで再び失敗するんじゃないかというような懸念というものが国際的にあるんじゃないか、こういうふうに実は私は考えられるのですが、その点、蔵相はどういうふうにお考えになりますか。
#70
○国務大臣(福田赳夫君) この流動性の不足という問題は、当面の問題として出てきておるわけじゃないのです。これはもう数年前から、六、七年前からこの問題が提起されて、何かいい知恵はないものだろうかと、こういうことでございます。いま当面の国際通貨不安というのは、これは主要国における国際収支の悪化から発生した臨時的な現象である、こういうことであります。たまたま長い間の懸案である流動性不足問題というものがこの時期につまり現象的な通貨不安のときに結論づけられるような時期になって来たものですから、どうもそこの辺がこんがらかって見られるような状態なんですが、もともとこれは別の発想である、こういうことであります。これは世界の長い目の繁栄のためにどうしても必要である。しかも、いろいろ論議され、考えられたけれども、これ以上の仕組みはないと、こういうことなんです。さあ、それじゃそういうことをやらんでほうっておいて一体どうなるかということになると、これはどうも名案というものがないのです。そういうことで、いまの通貨不安の問題と次元の違うところから出てきておる問題である、そこをひとつ切り離してごらん願いたい、かようにお願いする次第であります。
#71
○木村禧八郎君 関連して。いま、野上さんの質問は、結局SDRはIMF体制を維持するための方法じゃないかと言われたわけなんです。それに対して、大蔵大臣は正面から答えておらないと思うのですが、IMF体制というのは、御承知のように、二つの柱からなっていると思うんですね。一つは固定為替ですね、アメリカのドルに対する。固定為替ですよ、通貨はみんな。もう一つは、ドルの金に対する交換性でしょう。この二つでしょう、IMF体制をささえているものは。ところが、この二つが、一九四四年ですかブレトン・ウッズ協定ができてから情勢がすっかり変わっちゃっているわけなんです。ともかく、あのときの固定為替は実情に合わぬ。ですから、最近では、為替の変動幅をもっと広げろとか、あるいは制限を設けないで自由にしろとか、為替変動幅の拡大が主張されていますね。もっと実情に合うようにしろということが、実際に実行できるかできないかは別として、そういうことが議論されていますね。もう一つは、ドルの金に対する交換性です。これはドル残高が三百億ドルもあって、アメリカは以前より金保有額が減って百億ドルそこそこの金準備しか持っていないんですから。しかも、アメリカ国内では二五%の金準備率を廃止しちゃったんですから、金の交換ができなくなっちゃった。そこで、ドルの金に対する交換性というものは前と変わってしまったから、それをSDRという形で調整しようというところにあると思うんです。――いま、「大臣は国際会議席のため十二時までですので御諒承願います」と、こういうのがまいりましたから、簡単に大蔵大臣お答えになって……。御協力申し上げますから。
#72
○国務大臣(福田赳夫君) これはまあいわゆるIMF体制の強化にならぬ、こういうことはないんです。ないのですが、IMF体制を強化しようというのが最後のねらいじゃないんで、ねらうところは世界の経済を発展復興させよう、こういうことなんです。その発展復興にIMFというものが戦後重大な役割りを演じてきた。でありますから、流動性の今回の問題もIMF中心の考え方でひとつやっていこう、こういうふうにはなっておりますけれども、IMF体制を政治的な考え方としてこれを援護しようと、こういうわけじゃない。援護される結果にはなります。しかし、それが決して世界の繁栄のために悪いことじゃない、いいことなんです。もしほかにいい考え方がありますれば、それは転換していって一向差しつかえない問題だろうと思いますけれども、いまの現状で、IMFを中心にして、そしてこの機構がいままで尽くしてきたように円滑に運行をするということは必要なことじゃないかという世界的な判断からこういうようなものが創案されておる、こういう理解を持っておるわけであります。
#73
○委員長(丸茂重貞君) 午後一時再開することといたしまして、休憩いたします。
   午後零時四分休憩
  〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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