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#1
第061回国会 大蔵委員会 第23号
昭和四十四年六月二十四日(火曜日)
   午後零時四十二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸茂 重貞君
    理 事
                岩動 道行君
                戸田 菊雄君
                多田 省吾君
                田渕 哲也君
    委 員
                大竹平八郎君
                鬼丸 勝之君
                小林  章君
                今  春聴君
                中山 太郎君
                西田 信一君
                矢野  登君
                木村禧八郎君
                松井  誠君
                松本 賢一君
                鈴木 一弘君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  福田 赳夫君
   政府委員
       大蔵政務次官   沢田 一精君
       大蔵省主計局次
       長        相沢 英之君
       自治省財政局長  細郷 道一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
   説明員
       自治省財政局交
       付税課長     横手  正君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(丸茂重貞君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言願います。
#3
○戸田菊雄君 大蔵大臣に質問申し上げたいと思いますが、交付税等の問題については、数多くの質疑が行なわれてまいりました。大かた、焦点となる諸点については、一巡した感があると思います。四十三年度の予算編成の際ですけれども、当時の大蔵省の考えとしては、国の財政硬直化の一因として地方交付税交付金の伸びが実はその一因をなしておるのだと、こういう言い方をしておられたと思うのです。したがって、交付税率の引き下げをめぐりまして従来大蔵省と自治省の間で種種議論が戦わされてきたことは事実だろうと思う。こういう議論を通じまして、四十四年度においては一定の覚書を手交して六百九十億円を国が借り上げた、こういうことで大体決着を見たようでありますけれども、今後の地方交付税のあり方と申しますか、あるいは年度間調整の問題を含めて、どのような方向に行くのが一番いいのか、そういった一定の方向があれば大蔵大臣の御意見を承っておきたいと思います。
 さらに、それと関連をいたしまして、地方交付税の性格ですけれども、こういった性格について、自治省と大蔵省の間で、若干の意見の違いといいますか、ニュアンスの違いがあるようにわれわれとして印象を受けておるのでありますが、そういう性格論についてお聞かせを願いたいと思います。
#4
○国務大臣(福田赳夫君) 地方交付税は、その性格は、地方自治団体の財政はまちまちでございます、そのまちまちを調整するために国はその財源を交付する、こういうことでございます。地方自治財政に対する調整的役割りというもの、これが交付税の性格でございます。それを実行するために、いわゆる国税三税というものを対象といたしまして、それに一定の率を乗じた額を地方団体に交付する、こういうことをいたしておるわけでございますが、これは、お話しのように、年来、その交付すべき額をどうするかということについて、大蔵省、自治省間で議論が戦わされてきたわけでありまして、予算編成とも相なりますると、この大蔵省と自治省との間の議論の調整ということは最大の難関の一つであるという状態が続いてきておったわけであります。
 私は、この前大蔵大臣になりましたときに、そういう状態はこれに終止符を打たなければならぬと考えました。つまり、中央の財政といい、地方の財政といい、これが合わさって日本社会というものを運営することになるわけでありまして、いわば車の両輪のごとき形で日本社会の運営に当たる、こういうことでございまするので、そういう考え方に立てば、議論はありましても争いや対立になるべき筋合いのものではない、さよう考えまして、議論には議論を尽くしますけれども、とにかく予算編成だという際には、まず予算の編成のあらゆる案件に先立ってこの話の結論を出す、そういう結論を前提といたして予算の編成をやってきた、こういうやり方を始めたわけであります。私は、ですから、この三、四年間は、それ以前に比べますると、財政の面からの中央と地方との対立関係ということはかなり大きな変化を来たしておると、こういうふうに見ておるわけでございます。
 ところが、昨年、四十三年ですね、中央が地方からまあ端的に言うと借りるというやり方が行なわれた。ことしもそういう方式をとったわけです。とったのでありますが、その借り上げ方式を決定する際に両省間で打ち合わせをいたしまして、それでもうこの借り上げ方式は今後はとらないことにしよう、こういうことにきめまして、とらないつもりでございます。しかし、地方財政の年度間調整、つまり、中央、地方が一体となって、国の経済また社会、そういうものの運営に大きな影響があるわけでありまするから、中央の考え方、地方の考え方というものがばらばらであってはならないわけであります。中央が何らかの経済政策的な意味をもちまして財政の運営に当たるという際には、地方もこれに協力をする、これは当然そうなければならぬことだと思うのでありますけれども、その調整の方式につきましては、これからひとつ十分検討をし、新たなる方式を樹立いたしましょうやと、こういうことにいたしたわけでありまして、その具体的な方式の検討、また協議、そういう段階にはまだ入っておりません。国会でも終わってからそういう協議をいたしたい、かように考えております。
#5
○戸田菊雄君 交付税率の引き下げ問題、あるいは国への貸し付けの問題ですけれども、これは、もとをただせば、国の財政に比較して地方の財政が豊かである、こういう言い方のもとに今年度も六百九十億国が借り受けます、こういうことになったろうと思うのでありますが、国・地方それぞれの主張には私たちも一理はあるというふうに考えるのです。考えるのですけれども、特に地方側の主張に見られるように、地方行政の水準は非常に低下をしておる、決して地方は財政が豊かではないというようなことを言っておるわけですが、こういった地方におけるいわゆる国民生活と密着をした行政水準といいますか、そういう問題が事務的に山積をしておるのがいまの地方自治体の実態ではないか、こういうふうに考えるわけです。
 しかし、地方財政の独自財源のいわば地方税の伸びは、私の調査によりますと、実に二〇・三%に達しており、歳入の伸びにおいても一八・五%程度に達しているんじゃないか、こういうことになって、国の一五・八%よりも大きく上回っていることも事実だろうと思います。
 そこで、国に貸し付けるそういう地方自治体の財源のゆとりがかりにあるとすれば、これはいまの所得税の免税点や個人住民税の免税点から推しても、こういうものは国の施策としては当然個人住民税の負担軽減に向けるのが至当じゃないかというふうに私は考えるんですけれども、こういった考え方についてはどうなんですか。
#6
○国務大臣(福田赳夫君) 必ずしも御同感というわけにはまいらないんですが、財政は一年度間で見るべきものではありません。これは、会計年度があって、一年で区切ってありますけれども、先先までのことを展望してやらなければならない。地方財政はいま好調だけれども、いつまた落ち込みがあるかもしれない。そういう際の備蓄も大事なことなんです。現に、四十年度のごときは、二千億以上になったと思いますが国の援助を得ましてやつとつないだと、こういう状態でありました。そういうようなことを考えて、財源があるからそれを使っちゃおう、あるいは減税に回しちゃおう、これは将来の地方財政を逆に窮屈にするゆえんである、こういうふうに考えるわけです。財政の豊かなときには、その幾らかを残して、そうして将来への弾力をたくわえるという考え方をとったわけですが、その考え方は妥当な考え方である、私はかように考えております。
#7
○戸田菊雄君 四十五年度に向けて税制調査会等が開催される手はずになっております。当然、大蔵省としては、税体系全般についてのこれに対する諮問を行なうはずだと思うのですが、地方住民税等に対する税体系、それらの改正策で大蔵省としては今後の税調に諮問することになるのかどうか、その辺の考えを一つと、それからもう一つは、いまの地方税、国の財政、こういったものを総体的に考えてみましても、いわゆる税源の配分ですね、こういうことはやっぱり過去にも相当論議をされてきた点だと思うのでありますけれども、非常なる不均衡というものがあるのではないか。金の使用は地方でもって七割程度使っている。しかし、税源の確保については、国のほうで七割ぐらい逆に吸い上げてしまう。こういう、何といいますか、税源配分から来る、国の財政の円滑化について非常にそごがあるのではないか、こういうふうにどうしても考えざるを得ないのですけれども、そういう面についての抜本改正策といいますか、今後の検討といいますか、そういうお考えは大蔵大臣としてはお持ちじゃないんですか。
#8
○国務大臣(福田赳夫君) 当面、租税体系について、中央・地方を通じまして、抜本的ということは適当であるかどうかわかりませんけれども、そう根本的な改正を試みようという考えは持っておりません。地方税につきましては、これは税制調査会が意見を述べるということになると思いますが、しかし、そう根本的な改正をいま試みる時期とは考えていないのであります。
 それで、住民税というようなお話が出ましたが、住民税につきましても、大体、いまの体系で、こまかい点は格別でありますが、そう支障はないのではないか、そういう考え方を持っておるわけであります。
#9
○戸田菊雄君 地方交付税法の第十六条は、四月に交付する交付税の額の算定方法を定めているわけでありますが、本案によります交付税総額の特例が国会で承認される以前において、省令でもってすでに本案が成立したものとして交付をしておる、こういう問題に対して、衆議院大蔵委員会でも実は追及がされているわけですけれども、四月交付分については、減額がなされない状態のもとで交付をし、六月、九月、十一月の時点で本案成立後その調整を行なうべきではないか、かりに本法が成立しないならばどのような措置をとるのかという質問がわが党の議員によって出ておるわけです。こういうことは、法案成立以前に行政ぺースでもって先行して、すでに法案成立と同等の効果を与えて実行に踏み切ったというようなことについて、これは国会で審議をしておるわけですから、そういうさ中に省令が先行していくということは、われわれとしては、これは国会軽視ではないか、こういう考えを持つんですけれども、その辺についての大臣のお考えと内容について具体的に御説明を願いたいと思います。
#10
○政府委員(相沢英之君) 四月及び六月に交付いたしました第一期及び第二期の普通交付税の算定の際に、六百九十億円は一応減額されるという見込みのもとに計算をしたわけでございます。これは、自治省からそういうような方針で四月分の交付をします際にやりたいという話がございまして、私どもも、六百九十億円の減額は一応四十四年の予算においては承認されていることでございますし、また、もしその六百九十億円を引かないで算定をして交付をいたしました場合には、今度この法案が成立いたしますと、六百九十億円をその際引くという、つまり、六月分の交付税でもって大幅に減額をするというような事態になることが考えられるわけでございます。地方の財政運営の便宜を考えますと、当初そういう控え目なと申しますか六百九十億円を減額したところで交付を受けて、後に増額を受ける、そういう線で行くほうが、当初多目にもらってまた減額されるよりも便宜だというふうな判断が自治省にあったんだと思います。そういう自治省側の考え方につきましては、私どもも妥当だと思いましたので、そういう措置をとったわけでございます。
#11
○戸田菊雄君 ですから、私の聞いているのは、いま国会自体でこの法案が審議をされておるわけですから、そういう法案審議のさ中で、いろいろ技術的な事務ぺースで考えるならそういうことも言い得るでしょうが、当然法案として成立しない限りこれはやれないというものをあえて事前に行政ペースでやるということは、一体国会というものに対してどういう考えを持っておるか、この点を私は聞きたいんです。
#12
○政府委員(相沢英之君) 交付税の額につきましては、一応予算では六百九十億円を減額したところで成立しているわけでございますが、ただ、その根拠となる地方交付税法並びに交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案が成立をしていないという状態にあるわけでございます。したがいまして、そのような場合にどういう措置をとるかという判断の問題になるわけですが、その点につきましては、先ほど私が申し上げましたとおりに、当初六百九十億円を減額をしないで交付をしておいて、後に法案の成立の際にこれを引くというよりも、むしろその成立ということを一応予定いたしまして六百九十億円を減額して交付をしておいたほうが地方団体の財政運営としては便宜ではないか。つまり、あとで交付税を減額されるということになりますと、なかなか運営上支障が生ずるのではないかというふうに自治省側も考え、また、私どもも自治省側の考え方に賛成したわけでございます。そういうわけで、一応六百九十億円は減額したもので交付しておいて、そして交付税法案が二十日でございましたか通りましたから、その六百八十億円のうちの九四%、つまり――ちょっと答弁を訂正いたします。私が申しましたのは、六百八十億は繰り越しでございますから、六百九十億円に関しましては、ただいま申し上げたような措置をとっているわけであります。
#13
○木村禧八郎君 ちょっと関連して。それはいまのお話はよくわかりますよ、先へ与えておいて、あとにまた引くというのは。しかし、それについては、延びたんですから、法的な手続をやっぱりすべきじゃないですか。だって、六百九十億を貸し上げるという法律ですね。ところが、これはおくれてしまっているから、おくれたことに対するまた手続が必要ですよ。いまお話ししたことを裏づける法律的手続が必要なんですよね。だから、国会にはからずに行政的なペースだけでやるのはおかしいんですよ。やろうと思えばできるんですから。いま国会が開かれているんですから、そういうおくれたらおくれた手続を国会になぜ出さないのか。そうして、いま言われたようなそういうことをやられたほうが実際にはいいと思うんですよ、混乱が起きますから。そんなら、そのように法的手続をなぜとらないか。国会が開かれているのに、行政ペースだけでやってしまうのはおかしい。これは国会を無視している。そこが問題じゃないですかね。
#14
○政府委員(相沢英之君) その点は、地方交付税法の第十六条の第二項に規定がございまして、読み上げますと、「当該年度の国の予算の成立しないこと、国の予算の追加又は修正により交付税の総額に変更があったこと、大規模な災害があったこと等の事由により、前項の規定により難い場合における交付税の交付時期及び交付時期ごとに交付すべき額については、国の暫定予算の額及びその成立の状況、交付税の総額の変更の程度、前年度の交付税の額、大規模な災害による特別の財政需要の額等を参しやくして、自治省令で定めるところにより、特例を設けることができる。」という規定がございます。この第二項の特例規定によりまして自治省令を制定して、ただいま申し上げましたような措置をとっているわけでございます。
#15
○戸田菊雄君 そうすると、今回の措置は、あくまでも十六条第二項に基づいて一定の行政措置をした、こういう解釈ですか。
#16
○政府委員(相沢英之君) さようでございます。
#17
○戸田菊雄君 その事務的な面はあとでお伺いします。
 大臣が一時半までですから、もう一点だけ大臣にお伺いをしておきたいのでありますが、交付税の持つ有効な機能を生かすという意味合いにおいて、新しい体制に即応した――と申しますのは、いま過密ないしは過疎、そういう現象が地方自治体の中には多く発生いたしているわけです。極端に言うなら、東京都のような富裕団体が鹿児島あたりのめんどうを見なければいけない、そういう状況になっていると思うのであります。ですから、そういう分配基準というものに対して改定する必要がないのかどうか、この辺の点から聞いておきたい。
 もう一つは、財政制度審議会の報告、あるいは地方制度調査会の答申では、それぞれ国及び地方の立場を主張したままで終わっておるんですね。こういう交付税についての一定の結論といいますか方向づけというものをまだ行なっていないように私たちは印象を受けるのでありますけれども、こういうものについてはやっぱり一定の方向なり結論を出させていくことが必要じゃないだろうか、こういうふうに考えるんですけれども、そういった制度上から来る政策のあり方、こういう問題について大臣の見解を承っておきたいと思います。
#18
○国務大臣(福田赳夫君) お話は、まことにごもっともと思います。客観情勢の変化に応じまして配分の基準というものが変化をしていく、これは当然のことだと思います。自治省において毎年毎年そういう方向で配分基準というものの反省なりまたそれに基づいての修正、そういうことをやっておると、かように思います。
#19
○田渕哲也君 まず、地方交付税のこの法案が生まれた経緯につきましては、先ほど、大蔵大臣は、中央・地方における財政面における環境が非常に改善されてきたというふうにおっしゃいましたけれども、しかし、今回の問題の発端というのは、大蔵省は財政硬直化の原因の一つとして地方交付税をあげて交付税率の引き下げをはかってきた、これを意図してきたという経過があろうと思います。それに対して、自治省側ではこれに反駁をしまして、つまるところ本年一月の覚書の手交となって、結果においては国と地方の間に貸し借りの関係が成立するということになったわけでありますけれども、これはどうも当面の糊塗策にすぎないという感じがするわけであります。地方交付税の持つ役割りは、先ほども大蔵大臣も説明されましたように、やはり行政水準の均衡化ということにあろうと思います。しかし、現在の地方自治というものは、いわゆる素朴な形での住民自治にとどまらず、むしろ個々の国民を対象として行なわれる行政内容のどの部分を国が持ち、どの部分を地方が担当する、そういう考えに立って分担するのが適当ではないか、また、こういう観点で把握さるべきではないかというふうに考えます。したがって、国と地方の間あるいは大蔵省と自治省の間で論争されてきたようなセクト的な考え方やあるいは行動では、ほんとうの意味の問題の解決にならないのではないかという感じがするわけであります。したがいまして、この点について、地方交付税の本質といいますか、本来どうあるのが理想的であるか、どうあるべきかということについて、大蔵省、自治省両省の基本的な考え方をまずお伺いしたいと思います。
#20
○国務大臣(福田赳夫君) 地方交付税は、その性格上、地方自治団体の状況が区々まちまちである、財政的にいろんなでこぼこがある、それを調整するという趣旨で中央からその財源を交付する、こういうことにあるわけでありまして、現在の交付税の制度は、その所期するところの目的を果たしつつある、かように考えるわけであります。
 中央と地方との関係でありますが、中央・地方は互いに独立した主体性を持っておるわけでありまするから、これは議論はあります。議論はありまするけれども、この議論の末帰着するところ、またその議論のねらいとするところのものは何であるかというと、日本社会、日本国を相携えてよくしていこうということにあるわけでありまして、われわれの夫婦間でも、いろいろ議論はありまするけれども、決着するところは決着していく、それと同じような関係のものである、かように御理解願いたいと思います。
#21
○説明員(横手正君) ただいま大臣からお話がございましたように、地方団体にとりましては、当然地方税をもって十分仕事ができるというような体制であれば一番望ましいとは思いますが、現行の租税の仕組みのもとにおきましては、どうしても地方団体間に税源の偏在と、こういうことは免れないわけでございまして、このため、地方団体の必要な財源を保障し、また、地方団体間の財源を調整する仕組みとしては、現行の地方交付税の仕組みは十分その機能を発揮しておるものと、かように考えております。
 なお、国と地方の間の関係でございますが、これも、現行の各種行政における負担区分、あるいは現行の租税の仕組み、これを基礎に置いて設けられた交付税の仕組みでございますので、われわれといたしましては、この機能が今後も十分発揮できるように持ってまいりたい、かように考えております。
#22
○田渕哲也君 先ほど、大蔵大臣は、財政というものは一年一年で考えるべきものではないということをおっしゃいましたけれども、地方財政は好転してきたということを大蔵大臣はしばしば言っておられますが、やはり好転したとお考えになっておりますか。
#23
○国務大臣(福田赳夫君) 非常に好転したと思っております。四十年のあの大不況のときの地方財政、これは国もあの不況の影響を受けまして税収が減る、したがって地方に交付すべき交付税も減ると、こういうような状態であり、地方ではかねて地方税においても減収が見積もられると、こういう状態で、国でばく大な援助をしてやっとつないだと、こういうような状態であったわけであります。その当時から比べますると、非常に地方財政は好転をしてまいってきておるわけであります。公債への依存割合を見ましても、いま国では七・二%だと、地方団体におきましては四・三%だというところまで来ておるわけであります。しかし、日本社会は、国においても地方においても、公的蓄積というか社会資本の充実ということが非常に立ちおくれているわけでありまして、そういう面から、中央でも地方でも行政需要というものが高度に要請されておるわけです。ですから、財源の面からいいますると、これでいいのか、十分かというと、そうじゃない。そうじゃありませんけれども、前に比べますると非常に好転をしておると、これはいろいろな指標から見ましてそうはっきり言えると思います。
#24
○田渕哲也君 現に、好転しておるという判断があるからこそ、六百九十億円を国に借りるというような措置をとられたと思いますけれども、しかし、地方の税収入の内容を見てみると、私は、たくさんの悪税があると思うのです。これは先ほど戸田委員も指摘されましたけれども、まず第一には、住民税の超過課税ではないかというふうに考えております。大蔵大臣は、地方交付税は地方団体の財政のまちまちの状態を調整するためにあるというふうに言われましたけれども、それなら、地方交付税というものがありながら、道一つ隔て、川一つ隔てたところで同じような行政サービスしか受けていない住民が、片一方が超過課税が行なわれておる、これは理屈からいっても非常に不合理ではないかというふうに考えておるわけです。四月の二十二日の衆議院の地方行政委員会におきましても、自治大臣は、住民税の超過課税解消をはかるというようなことを言っておられますけれども、しかし、この解消のめどは三年ないし五年というようなことを言われております。私は、まず理論からいっても不合理な超過課税というものの解消に、もし地方財政が好転しておるならば、その財源を充てるべきではないかというふうに考えるわけですけれども、これについて大蔵大臣並びに自治省の考えをお伺いしたいと思います。
#25
○説明員(横手正君) 超過課税は、現状では二百数十億の総額にのぼろうかと存じます。ただ、地方団体におきまして超過課税を行ないます場合、住民も納得の上で必要な水準の引き上げを行なうような場合もございましょうし、一般的に非常に財源が不足いたしまして超過課税に頼るといったような団体も見られると思います。ただ、地方団体、特に市町村等にありましては、地方自治体でございますので、どうしても標準税率以上取ることが極端に望ましいことではないというようなふうには言えないかとも存じますが、ただ、最近の地方財政の収支の状況からいたしまして、今後は三年程度を目途に、こうした超過課税につきましては逐次減少させる方向で施策を進めてまいりたい、こういうことで、特に市町村につきましては超過課税を逐年落としてまいるように指導をいたしておるところでございます。
#26
○田渕哲也君 この超過課税と並びまして、これは佐藤首相みずから悪税だと言っておられる電気ガス税があります。それから昨年できた自動車取得税、これも免税点が十万円が五万円上がって十五万円になりましたけれども、十五万円の品物を買うのに取得税が一々かかるというような例はあまりほかはないのじゃないかというふうに考えております。このような改善をまずはかるべきではないか、国に貸すだけのゆとりがあるならばこういうのをやるのが本来のやり方ではないかというふうに考える次第であります。
 それから大臣の時間が限られておりますので、最後に一点だけお伺いしたいと思いますけれども、現在、国税の所得税と地方税の住民税との課税基準は違っております。これは住民税と所得税とはその趣旨が違うのだから課税基準が違うのは当然だという考え方もありますけれども、住民税のほうは非常に低所得者層にも重い税金になっておるのであります。しかしながら、これは考えてみれば、最近は、交通が発達し、あるいは通信網の発達等によって、経済圏というものが拡大しております。したがって、従来の課税原則をそのまま適用する、そのまま当てはめていくというのはどうも矛盾があるような気がするわけであります。そうして、現行の非常にアンバランスのある地方税の注民税あるいは所得税、この問題をこのまま放置しておきながら、国と地方との間で財源調整を行なうこと自体が何か割り切れないものを感ずるわけであります。したがって、国と地方との間の財源配分のあり方、あるいは課税原則の問題について、政府の考え方を明らかにしていただきたいと思います。
#27
○国務大臣(福田赳夫君) まず、住民税についてでございますが、住民税は、これは地域社会の運営のために必要な財源である、こういう性格を持っております。国家運営のために必要な所得税や法人税とその性格が違う、かように考えておるのであります。したがって、所得税の課税最低限と住民税の課税最低限との違いが出てくる、これはやむを得ざるところであると、かように考えます。ただ、経済が進歩発展していく、それにつれまして国税におきましても地方税におきましても、つまり所得税でも住民税でもその最低限が引き上げられる、これはその方向で考えていかなきゃならぬことかと思いますが、しかし、住民税におきまして地域社会に広くその負担を求めるということにつきましては、私は所得税と同日に論ずることはできないと、かように考えております。
#28
○田渕哲也君 最後に、時間がありませんので、もう一つだけお伺いしたいと思います。
 先ほど、覚書に書いてあります年度間調整について、まだ検討の段階であって、国会が終わってから具体的な案を考えるということをおっしゃいましたけれども、しかし、現在考えられる方法としてどういう方法があるか、もしお答えいただければお答えいただきたいと思います。
#29
○国務大臣(福田赳夫君) まだ自治省と話も始めておらぬ段階でありまして、まあいろいろ考えは持っておりますけれども、ここで申し上げることは、無用の混乱を起こすものとなりますので、差し控えさしていただきたいと思います。
#30
○戸田菊雄君 ただいま自治省から答弁があったのですけれども、十六条第二項の解釈についてどうも納得がいかないのですけれども、「当該年度の国の予算の成立しないこと、国の予算の追加又は修正により交付税の総額に変更があったこと、大規模な災害があったこと等の事由により、」と、大体三項目があるわけですね、前提条件として。解釈としてこれのどこに入るのか、何を根拠にしてそういう今回の措置をとったのか、この法的解釈を厳密にお聞かせ願いたいと思います。
#31
○政府委員(相沢英之君) これは第十六条第二項のいま読まれました「大規模な災害があったこと等の事由により、」の「等」でございます。「等」の中にこれを含めて解釈しているわけであります。
#32
○戸田菊雄君 ただ、法律の前段としてはいま言った三項でしょう。それで、いまあなたが適用できると言うのは、「大規模な災害があったこと等の事由」の「等」に含めるというのですが、この「等」に該当する内容は、じゃ、具体的にどういうものが想定をされ、どういうものが起きた場合には現行のような行政ペースで処置ができるのか、この辺をひとつ具体的に教えてもらいたい。
#33
○政府委員(相沢英之君) この法律のこの条項を立案いたします際にどういうことを考えていたかよくわかりませんが、しかし、ここにあげました事由以外の事由によりまして交付税の額の調整が必要となるということがその当時も考えられましたのでこの「等」という字句を使ったわけであります。したがいまして、その「等」にどういうようなことが考えられるかという御質問でございますけれども、それはまあいろいろな場合が考えられたから入れたのであろうというふうに申し上げるよりちょっとほかに答弁がないのじゃないかと思います。
#34
○戸田菊雄君 そうすると、行政ペースの手腕でもって何でもできるということになるんじゃないですか、結果的に、いまの解釈でいけば。「等」の中にはどういうものが想定をされ、こういう事態が発生した場合には所定どおり二項によって措置ができるというなら話は別ですけれども、「等」で全体の解釈が含まれて、それで何でもできるということは、結果的には法律がなくたってできるということになると解釈できませんか。その辺の具体的なケースについてもし大蔵省でまとまった考えがあれば、あるいは立法精神として当時こういうことが想定をされているというものがあるならば、そういうものについて明確にお答えを願いたいと思います。
#35
○政府委員(相沢英之君) これは、ほかの法律の規定における「等」の解釈についてよく疑問が出るわけでございますが、まあ、「等」と書いてある場合に、何をしてもいいか、あるいはどういう事由でもかまわないのかということに一応文理的にはなりますけれども、しかしながら、そういう交付税を交付すべき時期及び額について第一項ではっきりと規定しているわけでございますから、この規定を変えねばならない妥当な根拠がなければ、当然この「等」の解釈だからやれるんだというふうにはならないと思います。それはまあ常識的に考えましてそういうことをすることが一般に認められる場合でなければ、「等」の解釈だからといって何をしてもいいということにはならないと思います。今回の六百九十億円を減額して算定するということも、それは一応予算上の措置といたしましては減額ということになっており、それが国会の承認を受けている、片や法案の審議をお願いしていると、そういう状況でございますから、六百九十億円の減額を予定してその算定をするということを「等」の解釈としてやることは、この法律の解釈をそう逸脱していることにはならないのではないかというふうに考えております。
#36
○戸田菊雄君 だから、相沢さんのいまの答弁なされたようなことなら、逆にむしろ私は必要がないんじゃないかというように考えます。それは衆議院の答弁の中でもおっしゃられていると思うんですがね。結局、四月交付分については、減額がなされない状態のもとで交付をして、六月、九月、十一月の時点で本案成立後にその調整を行なうべきではないか、かりに本法が成立しない場合にどのような措置をとるのかという質問に対して、六月以降の交付時期に調整するとの答弁が行なわれているんですよ。それが可能ならば、法案をいま審議中なんですから、ことに、適用条文は何かと言ったら、十六条の二項の大災害が発生したこと等のこの「等」の非常にあいまいもことした解釈に根拠を置いて今回の措置を行なうということについては、いまの答弁を含めて、私は、そういう無理を強行してまでやらなくてもいいんじゃないか、法案が成立したあとでじっくり――もうすでにいま六月でしょう。だから、時期的にも十分可能じゃないかということをこちらとしては考えるんですけれども、その辺はどうなんですか。
#37
○政府委員(相沢英之君) それは、ただいま先生のおっしゃいましたような交付のやり方というのは、当然考えられるわけでございます。また、法律の解釈としてそういうことももちろん可能であると思います。ただ、それじゃいずれの方法によったほうが地方団体側の財政運営上いわば便宜であろうかということを考えますと、当初四月に減額しないところで算定した金額をもらい、後に六月あるいは九月、十一月で減額されるよりも、一応六百九十億円の減額が成立すると見てその金額を基礎として算定し交付を受けるほうが地方団体側の財政運営上は便宜ではないかというふうに自治省並びにわれわれとしては判断したということであろうと思っております。
#38
○戸田菊雄君 それじゃ、あらためてちょっと質問したいと思うんですけれども、四十三年度予算の地方交付税額の内容を見ますると、国税のいわゆる法人あるいは所得あるいは酒税、こういう各三税の三二%が地方交付税の交付対象になっていくわけですね。そうしますと、当然年間押していって自然増収というものが見込まれる。そうすると、三税の自然増収は七百三十六億あるわけですね、私の調査で。間違っておれば、指摘してもらってけっこうです。その七百三十六億のうち、四十四年度の繰り越し額が六百八十四億です。だから、実質的には、四十四年度の税収見積もり三税の三二%、これには直接組み込まないような予算編成大綱になっているのじゃないか。だから、いま次長が答弁をなされたような交付税の削減が、たとえば六百九十億政府で借り、その分についての減額交付というものが、実質的には地方交付税の中身においては影響はないのじゃないか、こういうふうに私は考えるのですが、その辺はどうですか。
#39
○政府委員(相沢英之君) 四十三年度の三税の自然増収に相当する交付税の増加額は、ただいま先生がおっしゃいましたように、七百三十六億円ということでございます。したがいまして、その七百三十六億円に相当するものが当然地方交付税として地方団体に交付されるわけでありますが、それは補正予算を組まなければ四十五年度の歳出に計上されるということになるわけであります。四十三年度補正予算を組みました際に、この四十四年度における六百九十億円の減額というものを念頭に置きまして、その補正予算にこれを七百三十六億円という金額を計上したという形になっております。そのうち六百八十四億円は、交付税及び譲与税配付金特別会計の中で四十四年度に繰り越されて交付されるということになるわけでありますけれども、その繰り越しの措置につきましては交付税法の改正によって規定しておったわけであります。したがいまして、その交付税法の改正案が国会で成立するまでこれは一応除外するという措置をとっておったわけであります。したがいまして、四月分及び六月分の交付税の配付には当初その六百八十四億円に相当するところの第一期分及び第二期分の交付税というものは交付しないでおきまして、このあいだこの法律が成立いたしましたので、その六百八十四億円のうち九四%、つまり普通交付税相当分のうち第一期分及び第二期分、すなわち二分の一、金額にいたしますと三百二十億円ほどの金額を交付するという措置をとったわけでございます。そういうことでございましたので、おっしゃいますとおりに、金額的には、六百九十億円の減額とそれから四十三年度からの交付税の繰り越しの六百八十四億円とはほぼ見合っておりますけれども、その繰り越すことになっております六百八十四億円については別途交付税法の改正でもって繰り越す措置をとることになっておりましたものですから、その法律が通るまではこの交付を当然見合わすべきものであるということでこれを押えておったわけであります。
#40
○戸田菊雄君 もう一度確かめておきたいと思いますけれども、交付税の内訳等について若干質問してまいりたいと思うんですけれども、四十四年度の一般会計から本特別会計に繰り入れる総額はどのくらいですか。
#41
○政府委員(相沢英之君) 一兆三千三百三十三億三千九百万円でございます。
#42
○戸田菊雄君 それでは、所得、法人それから酒税の内訳をひとつ教えてもらいたい。
#43
○政府委員(相沢英之君) 所得税が一兆九千五億七千二百万円、法人税が一兆八千五百八十億三千百万円、酒税が五千六百七十億五千万円、合計四兆三千二百五十六億五千三百万円、これの三二%で一兆三千八百四十二億九百万円、それに過年度の精算分、これは四十二年の精算分が三十一億三千万円、これを加えます。それから四十三年度の特例措置分が百五十億円、これも加えます。これは四百五十億円、いわば国が借りておりましたうち、第一回の返済分でございます。それから四十四年度の、この御審議願っておりますところの法案によりますところの特例措置減額分でございますが、これが六百九十億円でございます。したがいまして、一兆三千八百四十二億九百万円に、三十一億三千万円と百五十億円を加えて、六百九十億円を減額したものが一兆三千三百三十三億三千九百万円ということになるわけでございます。
#44
○戸田菊雄君 それで、先ほど大蔵大臣にもその点は聞いたのですけれども、こういった配分基準ですね、こういう内容について、次長としては、何か改善策といいますか、過疎・過密、あるいは地方交付税の平均化という立場において必ずしも妥当性があるとは言えない、そういうものについてもう少し改善する必要があるのではないだろうかとわれわれは考えるのですけれども、そういう配分の基準の内容ですね、こういうものに検討を加える必要はないのかどうか、その辺の考えはどうですか。
#45
○政府委員(相沢英之君) 御案内のとおり、交付税の配分基礎は、基準財政需要額と基準財政収入額でございますけれども、基準財政需要額の算定につきましては、その測定単位、あるいは単位費用等につきまして、これは従来とも毎年度のように改善措置が行なわれているわけでございます。過密問題、過疎問題その他いろいろと競合しあるいは相矛盾する要請というものもあるわけでございますし、まあいろいろな地域あるいはいろいろな事項に全部に傾斜をつけて財政需要を算定するということは実際問題として困難でございますし、また、財政需要額の算定を極端に精緻にいたしますというやり方についても必ずしも問題がないわけではないというふうに考えますけれども、今後ともその財政需要額の算定については十分――これはもちろん自治省の発意によってやることでありますけれども、私どもとしましても協議を受けてやっていきたいというふうに考えております。
 基準財政収入額の算定につきましては、これは、現在、都道府県は基準税率による標準税収の八〇%、市町村は七五%ということになっておりますが、この八〇%また七〇%の率をさらに上げることによって地方団体間の受ける交付税の配分を調整したらどうかというような意見等もございますけれども、なおこういった点についても慎重に検討する必要があるというふうに考えております。
#46
○戸田菊雄君 自治省としてはどういうお考えですか。
#47
○政府委員(細郷道一君) 私どもは、交付税の算定を通じまして各地方団体の財政の保障をやってまいりたい。どこの団体でも、同じような条件にあるならば、同じような道路費の算定をする。同じ条件であれば、学校についても同じようにやる。で、その需要の算定をいたしまして、それぞれの団体の税収を引いた残り分が交付税として行く、こういう考え方でおるわけでありまして、この財源の保障をするレベルを順次引き上げていく、あるいは実際の地元の要望するものに対してこたえるようなことでいきたい、これが私どもの基本の考え方でございます。
#48
○戸田菊雄君 いま、地方自治体における行政ベースが引き上がっておると思いますが、どうですか、その辺は。
#49
○政府委員(細郷道一君) 十分とは申せませんが、やはり順次向上しているものと考えます。
#50
○戸田菊雄君 三税に対する四十四年度の税収見積もりが一兆数千億といわれておるのですけれども、三税の増収見積もりはどのくらいというように考えておりますか。
#51
○政府委員(相沢英之君) 今年度の税収見積もりがどの程度になるか、四十三年度は、最終的に補正後ベースに対しましては、たしか百五十億円ほど減収になったというふうに承知しておりますし、まだ目下のところ、どの程度の増収が出るかという点につきましては、私ども、主税局にも聞いてはおりますけれども、はっきりわからないというのが現状であるというふうに見ております。
#52
○戸田菊雄君 大体前年度以上上回ることはわれわれの推定としては間違いないと思いますが、ただ税収見積もりの中では酒税関係が非常に落ち込んでいるということだけは審議の際に大臣が言っておられたですが、しかし、総じて三税を考えた場合に、四十三年度を下回ることはないだろうと思うんですが、その辺の見解はどうですか。
#53
○政府委員(相沢英之君) ざっくばらんに申しまして、私ども、主税局に、こういうような民間の春闘相場、あるいは公労協のベースアップの状況その他を考えますと、少なくとも源泉所得その他で予算に見積もったものよりもある程度の増収は出るのじゃないかというふうに聞くわけですけれども、しかし、現在の段階では、とてもどの程度の増収が出るかというようなことは言える時期ではないというのが率直な主税局からの答弁でございます。
#54
○戸田菊雄君 財政制度審議会の報告内容について若干自治省の財政局長に承っておきたいんですけれども、昭和四十三年の十一月二十一日でありますけれども、「今日、地方財政の公経済全体に占める比重は、国の財政の占める比重よりむしろ大きいということができる。このような状況を考慮すると、フィスカル・ポリシーの有効かつ適切な運営を確保するためには、地方財政が国の財政と同一基調で運営されるような方策を確立する必要がある。」と、こういうことが指摘をされておるですね。はたして今年度四十四年度の交付税の態様というものが総体的に答申の線にいっていると思うのかどうか、その辺の見解はどうですか。
#55
○政府委員(細郷道一君) 財政制度審議会でもいろいろ地方財政のことを御議論になって、その結果、答申と申しますか、報告のようなものが大蔵大臣あてに出たわけでございます。この内容も一つの考えであるというように私どももくんでおるわけであります。また、別途、地方制度調査会というのも政府の総理大臣の諮問機関であるわけでございます。そこにおいても同じような議論をしてまいる。地方制度調査会は、やはり地方自治なり地方制度全体の健全な発展なり運営という立場でものを見られる。財政制度審議会は、どちらかといえば、国家の予算、国の財政という面に重点を置いて見られる。そういった点で、同じ問題につきましても多少意見が違う点があるのはやむを得ないのではないだろうか。現実に、御存じのとおり、それぞれの答申を見比べていただきますと、違うわけでございます。そこで、私どもは、政府の中におきまして、もうすでに、御承知のように、大臣の手をわずらわして財政対策をきめてまいったわけでございます。したがいまして、財政制度審議会の答申をそのとおりに地方財政に全部実現しているかということになりますと、私は率直に言って全部は実現はしていない、かように考えております。
#56
○戸田菊雄君 大体審議会答申の内容に肯定的な答弁でありますが、やはりそういう状況になっているのじゃないかというふうに考えるのですが、いまの超過負担の総額は大体どれくらいでしょうか、四十三年度、四十四年度、この点について伺っておきたい。
#57
○政府委員(細郷道一君) 四十四年度の超過負担の額については、まだつかんでおりません。昨年、一昨年に実は実態調査をいたしまして、一昨年は千二百億くらいあるのではなかろうか、その後昨年も超過負担の解消に努力をいたしまして、昨年は一千億足らずくらいではなかろうか、今年度につきましては、本年度の措置ですでに御承知のとおり三百十二億円の解消措置をいたしましたので、数百億になっているのではなかろうか、こう思います。
#58
○戸田菊雄君 昨年の通常国会の審議の際であったと思いますが、大蔵大臣はこの超過負担の解消を自後三年でもって実現したいということを答弁されている記憶があるんです。いま具体的に議事録を持っていませんから、はっきりした内容については若干の違いがあるかもしれませんけれども、しかし、いずれにしても、政府の態度としては、従来われわれに答弁をしてきた内容としては、国の責任において超過負担というものはとにかく解消いたしますと、こういう考え方であったわけですね。ですから、こういう解消策についての具体的な内容についてお聞かせを願いたい。
#59
○政府委員(細郷道一君) 俗に超過負担が千億あるとか千五百億あるとか、こういいます場合に、従来いわれておりましたのは、国の補助基本額と実際に支出をした地方の実績額との差をもって超過負担と、こういうふうにいわれておったわけでございます。そこで、それが全部国が措置すべき超過負担であるかどうかということについていろいろ議論が分かれましたので、関係省も入っていただいて実態調査をいたしました。たとえば、最初の年には保健所の職員への補助金を調査する。調査をいたしますと、実際におります保健所のたとえばお医者さんは、学校を出て何年くらいの経験の方がおられるということがわかるわけでございます。そういう場合に、それに当てはめて国家公務員ベースによります給与を計算をいたしますと、何等何号になるということが出てまいるわけでございます。ところが、現実にはそれをこえているところもある。そういったような場合に、その実績に、実際の実態調査に基づいて何等何号であるべきだというところまでに足らない分は、国として超過負担解消として措置をしよう。その単価差というものを三年間で見ていこう。もちろん、その間にベースアップがあれば、その分を織り込んで見ていこう。こういうことでありまして、給与のベースが国家公務員よりも高い――これは団体によって違うわけでありますが、高い部分は、それぞれの地方団体で持ってもらおう、こういうようなことで、いわゆる超過負担といわれておりますものの中身を実態調査によって明らかにしてまいる、国の措置すべきものは三年で解消していく、こういうようなやり方をとっておるわけであります。
#60
○戸田菊雄君 その超過負担が発生する根源というものは、やはり国における配分基準と申しますか、そういうものの設定内容がきわめて現況と食い違っておる結果、そういう状態が発生をしておるのではないか。最近、各市町村段階においても、そういう国の超過負担解消について、あるところでは裁判に訴えてまで違法性があるのではないかということも指摘をされておるのです。ことに、地方自治体に対する公営企業の進出というものは相当大きいと思います。あるいはまた、学校建設にいたしましてもいろいろ各地あるわけですけれども、そういうものに対する各地の交付基準というものが総体的に窓口を一本にして、たとえば自治省なら自治省、大蔵省の主計担当なら主計担当、こういうところでもう少し窓口をしぼった形でそういう内容というものを点検できないものか。そこまでいかないまでも、対策会議かなんかしいて、各行政が寄り集まって検討すれば、そういう地方自治体に対する超過負担というものは、極度に負担増というふうにいかなくても済むような状態をつくり上げることができるのではないか、こういうふうに考えるのですが、その辺の各省のいわば検討案というものがなされていい時期ではないかと思うのですが、その辺はどうですか。たとえば建設省では、一つの道路をつくるとき、これもまたその下へおろしてやったときに、自治体あたりであるいは市や県が負担しなければいけないという事態、あるいは住宅にしてもしかり、あるいは文部省から見ると学校建設についてもしかり、各省がいろいろな形でそれぞれの基準設定はやっておりますけれども、そういう問題について、具体的に言うと、大蔵省とか自治省の担当者がもう少し規制をするようなかっこうで、現況に見合ったような交付体制というものを検討する段階ではないか、こういうふうに考えるのですが、その辺は自治省としてはどう考えるか、また、大蔵省としてもどういう考えを持っているか、お聞かせを願いたい。
#61
○政府委員(細郷道一君) 超過負担というのは、補助負担金制度に伴って生ずるわけでございまして、私どもは、やや極端な言い方かもしれませんが、補助負担金制度というものがなくなって、その分が地方税あるいは地方交付税という財源によって措置されるということになってまいりますと、こういった問題もなくなっていいのではないだろうかという基本的な気持ちを実は持っておるわけでございます。現実にはなかなかそういうわけにもまいらないというようなところで、この超過負担というような問題が出てまいったわけであります。
 超過負担につきましては、そういう意味で、どこかで単価を求める、こういうことが一つの考えでございます。現状においては、御承知のように、予算の編成過程で一つきまってくる。それから次に、各省庁における予算の執行過程でまたきまってくる。そういったようなところから出てまいりますものですから、どの段階でこれを押えていくかということは、非常に個々の補助金ごとに違ってまいると思うのです。そこで、実態調査をして、きちっと予算編成のときからそれを直すものは直してもらう。私どもは、予算の要求にしても、各省庁の方に実はお願いをいたしまして、超過負担のないような単価でちゃんと積算して出していただきたい。しかし、予算というものは、御承知のように、最後になってまいりますと、幾らのお金をどこに充てるのが一番施策を申ばすのにいいのかといったようなことも、また各省の方の中にはあるのじゃないか。そして、多少一方がへこんでも一方が伸びればいいというようなこともあるのじゃないか。そこで、私どもは、予算要求をちゃんとしていただく、そうして大蔵省とは打ち合わせをした単価で、直すべき単価で査定をしてもらう、こういったような方法でこの解消の道をいま歩いている、こういうことでございます。
#62
○政府委員(相沢英之君) 補助金の予算単価の問題につきましては、私どももその補助対象とする事業が適正に執行されるということにつきましては非常に大きな関心を持っているわけでありますから、その予算単価も、実際に予算を執行した場合において著しく実態と離れることのないように、当然これは配慮すべきであるというふうに考えておるわけであります。まあこれは三カ年間に超過負担を解消するということで、四十二年度に六種目、それから四十三年度に五種目、主として超過負担が大きいといわれる補助金につきまして、大蔵、自治、関係各省の共同実態調査を行ないまして、それを基礎にしまして関係省で協議して単価をきめ、その単価まで三カ年の計画でもって引き上げるということで、現在実施しているわけであります。したがいまして、この措置で、予算の編成面における超過負担というものは、今後の労賃、資材の値上がりによりましてさらに単価が上がる、これに対する処置をどうするかという問題を除けば、ほぼ解消されるのではないかというふうに考えております。
 ただ、予算を適正に組みましても、執行面でなお各省がいわゆる薄まきというようなことをやることに伴う超過負担の発生があるわけであります。例としていかがかと思いますが、たとえば小中学校の建設におきまして、建設費の補助におきまして、鉄筋と木造で一定の割合を予算上きめておりますが、地元の市町村等の要望が強いために、鉄筋の比率を予算よりも上げる、予算額は一定でございますから、結局鉄筋あるいは木造を含めまして単価が下がる、いわゆる薄まきというようなことは従来も相当あったわけであります。予算単価以下の単価で予算を配付する。まあこれはそのどちら側に原因があるか。地方団体側が、多少単価が下がっても鉄筋でもらいたいということを強く要望する場合もあります。それは、そういう鉄筋としての予算の補助をもらえれば、起債の許可その他の面で配慮をしてもらえると、したがって、何とかなるというようなことでそういうことを希望するというようなことがあったりいたしまして、執行段階において予算単価よりも低い単価になるということが間々あったわけでございます。こういった点につきましても、私ども、予算を執行する際に、支出負担行為実施計画の承認というような段階がございます。公共事業その他そういう主として投資的な経費につきましては、その執行に際しては大蔵省に協議することになっております。その協議の段階において、そういうようなことがないように、超過負担解消問題がやかましくなって以来、特に配慮もしております。ただ、その各省の予算配付の仕事をどこかに取りまとめるという点につきましては、補助負担金の交付ということが、単に地方団体に対する財源付与という意味だけではなく、いわば各省の行政目的を達する手段になっているという意味合いからいたしまして、なかなかこれは各省との間に話をつけて自治省あるいは大蔵省で取りまとめてやるというような運びにはならないのじゃないか。したがいまして、そういうような支出負担行為実施計画あるいはその他の段階でそういう執行面におけるチェックを十分にやるようにつとめていくという方法しかないのじゃないかというふうに考えます。
#63
○木村禧八郎君 ちょっと関連して。先ほどのお話で、四十二年、四十三年で実態調査をされたそうですが、その資料をひとつ御提出願えませんか。
 それからもう一つ、先ほど、財政局長が、本年度数百億ぐらい超過負担があると。その数百億というのは、いまの実態調査に基づいて政府が三カ年計画で解消すべきそういう超過負担とは相当開きがあると思うんですがね。いままで千二百億とか千億とか、それでいま数百億と言われたでしょう。そのいま言われた数百億というのは、政府の超過負担解消三カ年計画の対象になる数百億じゃないと思うんですよ、いまお話を聞きますと。実態調査に基づいて、それに基づいて適正に補助すれば、ほぼもう三カ年計画による超過負担の解消は達成されるようなお話だったですね。ですが、一般には、普通には、超過負担といいますと、先ほど相沢次長の言われたようなそういう意味には解釈していないですよね。超過負担解消といっても、いままで千億とか千二百億と言われていたわけですね。実際に地方自治体が支出した額とそれから補助の額との開きを普通超過負担と言っているわけですね。そこのところが非常にあいまいだし、いまの説明ではっきりしたわけですけれども、その点はどうなんですかね。その二つの点ですがね。
#64
○政府委員(相沢英之君) ちょっと超過負担の観念についていまお話がございましたが、確かにその地方団体が実際に支出した金額と補助の積算根拠となっているところの事業費との差額が超過負担というふうに一般には観念されていると思いますが、そういう意味においての超過負担を全部解消するということは、これは自治省も私どもも実際問題としてできないというふうに考えております。と申しますのは、どのように補助負担金の単価を是正いたしましても、それよりもりっぱな施設をつくろうとかいうようなことを地方団体側が考えた場合に、それをとめる方法もございませんし、それがまたあったからといって差しつかえはないのだろうというふうに考えます。ですから、そういう部分までも、つまり、地方団体が支出したから、それぞれに対応する補助金を必ず交付しなければならない、そうしなければ超過負担の解消にはならないという意味においての超過負担をなくすことは、これは自治省側も私どもも困難であろうというふうに思っているわけであります。したがいまして、標準的な工法で――たとえば施設の場合、標準的な工法で施工した場合において通常かかる経費というものを補助負担の積算基礎にせざるを得ない。ですから、そういうものが何であるかということについて、そうしてそういうものを基準とした場合においてどのくらい現在の補助金が低いかというその実態を私どもは過去において調査したわけでございます。その実態調査の内容につきましては、自治省側と相談をして提出したいと思います。
#65
○戸田菊雄君 いま相沢さんが答弁されたとおりだと思うんです。そう無責任に国の補助金を出せるわけじゃないのですから、やはり一定の標準化した設定基準というものがあって、あるいは積節価格標準価というものを求めてそれぞれやるのだろうと思うんです。ただ、その場合、非常にこまかいことで申しわけないのですけれども、たとえばいま地方に行ったって、橋をかけるといえば、大体鉄筋かセメントに変わっているんですね。木造ということはもうほとんどあり得ないと思うんですよ。ところが、まだ積算価格の基礎になっているものには、そういう時代に即応しない、いわば積算価格の標準価というものが求められておるのではないか。そういうことで、これは木村先生が資料要求をいたしましたから、あとでその内容を検討すれば十分わかることですけれども、そういう部面があるのではないだろうかとわれわれ考えるのですね。そういうところから来る超過負担というものが総体的に出てくる。だから、地方自治体が、確かにりっぱな橋をかけたいとか、りっぱな学校を建てたいとか、いろいろあるけれども、それを責める理由はいまのところないのではないか。もう時代即応がそこまで行っているのではないかと思う。むしろ価格設定の積算価格の標準価というものが国のほうがおくれている、裏にはどうしても少しでも多く金を出したくないというそういう精神配慮なんかも働いてそういう結果を招来しているのではないだろうか、そういう部面が数多くあるのではないだろうかと考えられる。これはいずれ資料が提示をされるというお約束ですから、その出た段階で少し検討して、その辺の上でやってみたいと思うんですが、でき得ればそういう部面についてもう少し発展的な一つの積算価格標準価というものを出すような御努力をぜひお願いをしたいと思います。
 それで、具体的な問題で財政局長にちょっとお伺いをするのですけれども、先ほど、地方行政水準というものは向上したかどうかという考えを聞いたら、まあ上昇はいたしておると思いますと、こういう答弁だった。しかし、それは何を標準にしてそういうことを言われるのか。私が考えることは、特に、道路、下水、屎尿、あるいはごみ、こういう処理等についてはいま地方自治体としては非常に苦心をしておる解決問題ではないか。ことに、東京都内においては、最近アメリカ様式の生活内容なんかも相当多く日本に導入されておる。したがって、テレビなんかも、シロクロがカラーテレビ等に変わると、それはもう買う人がいないものだから、あるいは譲り受ける人もいないものだから、全部捨てちゃう、そういう結果になっているわけです。ごみや、そういった処理状況というものが、いま過密都市においてはことにひどい状況になっているのだろうと思う。ですから、そういう部面について、私は必ずしも地方団体の行政ベースが引き上がっておるとは考えられないのですけれども、その辺はどうですか。ことに国民と直接密着したそういう生活部面に対する対応策ですね、これははたして自治省が考えるような方向でいま進みつつあるのか、その辺の見解はどうですか。
#66
○政府委員(細郷道一君) 先ほどもお答え申し上げましたように、いま非常に不十分ながらも向上はしてきている、まあこういうことで申し上げたわけでございます。いまお話の出ております道路にいたしましても、特に市町村道はその整備率が劣っております。改良で一二%ぐらい、舗装で五%ぐらい、ちょっと正確な数字をいま持っておりませんが、大体それぐらいでございます。たとえば下水道にいたしましても、市街地面積の三二%は下水の整備をはかりたいという計画が政府にございますが、現状は昨年の初めに二〇%ぐらいである、こういうような状況でございます。そこで、私どもとしましては、こういった非常におくれた水準の施設については、各地方団体に共通な問題でございますので、これを引き上げるための財政措置をしたいということから、本年度の財政計画におきましては、道路特に市町村道については従来の五割増しの財政措置をいたし、また、下水道につきましても、あるいは清掃につきましても、それぞれ三年後四十六年末の目標がございますので、その目標に達成できるよういままでのおくれを取り戻す意味での財政需要の増加額を今回財源措置をする、こういったようなやり方で実は今年度臨んだわけでございます。じゃ、それで三年後にはいいのかというと、やはり世の中はどんどん発展してまいりますから、いま予想しておったものでそのときも十分だとは思いませんし、また、変化があろうと思いますけれども、現状におきましてはそういった態度によって向上をはかってまいりたい、かように考えております。
#67
○戸田菊雄君 先ほどちょっとお伺いをしたのですが、税源の配分について非常に不均衡だから、これの抜本改善策をとる意思はないかと大蔵大臣に質問しましたが、自治省としてはこういう問題について基本的にどういうふうなお考えを持っておられるのですか。もう少し税源の配分については検討を加える必要があるのじゃないかというのがわれわれの立場の考えです。自治省としてはどうですか、そこのところは。
#68
○政府委員(細郷道一君) 自治団体の財政運営を自治体らしくするためには、私はやはり自主財源を増強することだろうと思います。具体的に言えば、まず第一に、地方税を増強することであろうと思います。第二に、地方交付税であろうと考えております。地方税を増強することによって、住民の自治への税金面からする参加の意欲というものが表面化されてくるのではないだろうか、こういう意味で自主財源の増強を実は考えておるわけでございますが、現実になかなか飛躍的な増強ということができません。御承知のように、国民の租税負担をどの程度に押えてそういう問題を考えるのか、地方税についてだけは国民の租税負担をふやして考えていいのか、そういったような基本の問題もあったりいたします。先般も、政府の税制調査会におきまして、国民の租税負担というものは二〇%程度がよろしいというようなお考えもございまして、私のほうは、それでは国税から地方税への税源移譲ということが一つの道ではなかろうか、結局、所得税の住民税への移譲というようなことも案として考えてみたわけでございますが、それはそのときの諸情勢で実現を見るに至りませんでした。しかし、基本としてはやはりそういう方向で行くべきではないか。なお、国から地方へ税源移譲をするということとあわせて、私は、地方税自体についてももっと増強する余地はないのか、住民税、固定資産税、そういったものについてみずからもっと考える余地はないのかというようなこともあわせて検討してみたい、こう思っております。
#69
○戸田菊雄君 結局、局長がいまおっしゃられたような内容で検討されるのは当然であろうと思うんですが、電気ガス税等については、全く悪税だから廃止をすべきだと、現佐藤内閣総理大臣もかつてそういうことを明確に答弁をなさったこともありますが、こういう点についてはどういうふうにお考えですか。
#70
○政府委員(細郷道一君) 私どもは、電気ガス税をそう悪税とは実は考えていないのでございます。と申しますことは、電気ガス税は、所得に対する課税の補完税としての消費税であるわけでございます。所得の上下に応じてこの使用料が出てまいります。補完税としては非常に質がいい税ではないかというふうに実は思っておるのでございます。もう一つは、この電気ガス税は、かつては一〇%程度であったわけでありますが、七%に下がっておるわけであります。電気ガスというものが、何と申しますか、社会の生活水準というようなものを反映して、そうしてかつ所得の水準にもある程度――パラレルとは申しませんけれども、それに比例をしていくようなそういう税だという意味において、私どもは実はそれほど悪税とは思っておりませんのですが、この税の将来についてはいろいろの御議論もございますので、よく考えさしていただきたいと思います。
#71
○戸田菊雄君 所得税と住民税との免税点の比較においてこれは考慮されてきておるわけですね。自治省としては、現行六十三万円の地方税の免税点というのははたして妥当なものなのかどうか、今後さらに免税点を引き上げていく考えなのか、その辺に対する考え方はどうですか。
#72
○政府委員(細郷道一君) 所得税と住民税は、御承知のように、機能も違いますので、私は、これについて課税最低限が全く同じになるべきだとは考えておりません。現に、政府の税制調査会におきましてもずいぶん長い間論議の末、所得税と住民税の課税最低限については差があってしかるべきだというような答申をいただいておるわけであります。しかしながら、世の中がだんだん進んでまいりますし、生活水準というものも上がってくるといったような場合に、既存の生活レベルというものをどの程度税制上守っていくかというような問題はあろうと思います。私どもとしても、いまの六十三万円でもう固定をしてしまうんだというような考え方でなしに、やはり時代の動きを見ながら検討してまいりたい、かように思います。
#73
○戸田菊雄君 基準財政需要額の問題ですね、さっきもちょっと意見として出したんですが、何としても過疎・過密対策というものは、計画的に財政需要というものを見積もって、それに適合した対策というものを立てていかなければいけないものだと思いますが、そういうものに対する基本計画と申しますか、そういうものを自治省としてはお持ちになっておるのですか、その辺はどうですか。
#74
○政府委員(細郷道一君) 過密・過疎の問題は、まあ非常にむずかしい問題でございます。特に財政的にも問題が大きいと思いまして、昨年、過密といいましても、特に人口の急増する地帯、そういう地域の市町村、おもに市でございますが、それについて実態の調査をいたしました。いたしましたところが、人口の急増するところでは、たとえば教育施設の建設といったようなことに追われまして、他の行政施設が多少おくれている、足踏みをさせられているというようなことがわりあいに計数的に出てまいりましたので、そのおくれを取り戻すべく今年度の交付税の算定においては需要額をそういう地帯にふえるように算定することにいたしました。
 それから過疎につきましても、実は同様実態調査をいたしました。過疎について私ども調査の結果問題となりますのは、やはり一つは学校の統合でございまして、学校統合によりましていわばそういう地帯からいえばよけいな金がかかる、それを何とか交付税上の需要として織り込めと、こういうようなことがございましたが、そのほか、農業、林業、そういったいわゆるその地域の産業のための財政需要というものをもう少し見てほしいというような議論もございました。また計数的にそういうものを把握いたしましたので、それを参考にしまして今回過疎対策としての交付税需要を算定をする、こういう行き方をとりました。
#75
○戸田菊雄君 ですから、そういうものを総合的にまとめた基本的計画というものはお持ちですか、この辺はどうですか。
#76
○政府委員(細郷道一君) これは、過疎・過密といっても、具体的には個別的な要素を多分に持っております。それからもう一つは、私どもは、金だけでなかなか片づかない問題を持っているのではないだろうかという気もいたしております。それで、本年度はいま申し上げたようなことで、調査の結果に基づいてそういうかなり大幅な思い切った措置をいたしましたが、将来の問題といたしましては、どうしても広域圏的な立場に立った地元の計画、私どもは街づくり・地域づくりと呼んでいますが、そういうものが要るのではないか。いまでもそういう計画があるところがございますが、いろいろ新総の改定等もございましたが、この際もう一度見直してもらう。そういうことを含めまして、自治省としては、広域市町村圏というふうなものの充実というようなことで実はいま指導をいたしております。そういうものが出てまいりますと、それに応じた財政措置をとることによりましていわゆる実質的な対策になるのではなかろうか、こういう期待を持っておるわけでございます。
#77
○戸田菊雄君 その青写真というような明確なものはないわけですね。
#78
○政府委員(細郷道一君) 青写真というと、まあどういう意味か、いろいろな広い範囲があると思うのですが、少なくとも私どもはそういった過密・過疎の対策を取り上げるには、先ほど御説明しましたように、現地の実態を把握して実は取り組んできておるわけでございます。現地の実態は、ややもすれば対症療法的な面が多いわけでございますが、それぞれ現地において将来計画というものを持っておりますれば、やれをとるのにやぶさかではないわけでございまして、本年度も、たとえば府県の道路事業につきましては、各府県の地方計画と申しますか開発計画、いろいろ名称はございますが、そういうものにのっとられております道路、これの財政需要というものを一部織り込むというようなやり方をとっております。何と申しましても、地方団体の計画でございますから、国で一方的にマクロ的にやるだけではやはり十分でない、そういった地域から盛り上がってくるものも重要な参考にしなければいかぬ、そういう意味で、先ほど申し上げましたような広域市町村圏計画というようなもののできることを実は待っておるわけでございます。
#79
○戸田菊雄君 まあこういう状態になってくれば、やるものは計画的に実施をしなければ、いま局長が答弁をなさっている個々的な内容についてもうまく運用措置をはかっていくということはなかなかむずかしいのじゃないだろうか。だから、一定のそういう基礎をもって自治省としてはこれらの問題に総体的に取り組むということですね、こういうことがやっぱり必要じゃないか。石炭の特別会計法の改正等の問題についても、最近、産炭地なんかは極度に疲弊しているんですね。こういうものもやっぱり過疎現象に大きく組み入れられなければならない現象じゃないかと考えるんですがね。ですから、産炭地がそういう疲弊をした場合には、振興法か何か特別立法してずっと対象としていく、こういうことなんですけれども、それは今日十年にもなる現況ですから、そういうことに対して総体的な計画をもって計画的に逐一実施をしていかなければならない。そういうような行政指導というものがなければ、自治省としてはなかなか容易でない、こういうふうに考えるのですけれども、そういう面については、いま局長が答えられたような内容であろうと思うのですが、今後の十分な検討を要望しておきたいと思います。
 それから主計局のほうにお伺いするんですが、地方財政によって景気浮揚というのですか、そういう面についての期待というものはどの程度一体持っておるのかですね。
#80
○政府委員(相沢英之君) 国の財政規模と地方の財政規模はほぼ近い大きさになっておりますが、国から地方に交付税あるいは補助負担金の形で支出されます金額を加減しますと、その実質的な規模は、四十四年度予算で言いますと、国が三兆六千五百八十九億円、これに対しまして地方が六兆六千三百十二億円ということで、国の八一%ぐらい大きな規模に地方のほうがなっております。そういうようなことがありますので、先ほど先生が御指摘になりましたように、公経済において占める地方財政の比率は国よりも大きいというような大臣の答弁になったかと存じます。そういったような意味からしまして、国がフィスカル・ポリシーを行なう場合に、地方の実際的な財政運営というものの動向がきわめて重要になるわけでございますが、しばしば申し上げられておりますとおり、地方の財政支出の中身というのは、人件費、事務費、あるいはその他の経費にいたしましても、いわば恒常的な行政を行なうのに必要なものが相当なウエートを占めております。そういった意味におきまして、弾力性という面におきましては、なかなか弾力的な運営を求めることは困難な面もあると思います。したがいまして、フィスカル・ポリシーを行なう場合にもそういった面において制約があるわけでございまして、その対象は主として施設その他の建設、まあ公共事業を中心とするところの投資的な経費になろうかと思います。したがいまして、その投資的な経費の財源について、景気に対応するところの調整措置がフィスカル・ポリシーとしては考えられますが、具体的には、国が地方公共団体に支出するところの公共事業費その他の補助負担金、それと、また、その裏負担、あるいは地方の単独事業の財源としての地方債の金額、まあ一般的なその他の資本的な支出以外の消費的な支出についても当然ある程度の伸縮ということは考えられますけれども、フィスカル・ポリシーを行なう場合には、いま申し上げました公共事業を中心とするところの資本的な支出が対象となり、したがって、具体的には、国が地方に対して支出するところの公共事業費その他の補助負担金及び地方債、それの調節というものが手段として考えられるというふうに思っております。
#81
○戸田菊雄君 それらの範囲は広いと見ていいですか。いまの景気調整のそういうものの地方財政にたよる範囲というものは、広いと見ていいんですか、その見方ですが。
#82
○政府委員(相沢英之君) これは、公共事業費その他は、結局、国が支出する、その支出するものが実際には大部分は地方団体が受けて支出するという関係になりますから、国と地方とそういう面においてはフィスカル・ポリシーとして持っている役割りはそう大きな違いはないのじゃないかというふうに考えております。
#83
○戸田菊雄君 いま、局長のほうから、地方財源の主体はやはり地方税だと、次に国からの交付税、こういう順序で地方財政の租税負担というものを確立していくのが至当であろうという答弁があったのですけれども、いまの地方税財源は、言ってみれば、うまみのあるものは国が全部吸い取っちゃって、あと地方税の税源として入ってくるものはあまり税収のあがらぬものが多いのじゃないか。だから、局長がおっしゃられますように、まず主体として地方で財源を確立するということであれば、何といっても税源の配分ですね、そういうものが相当検討されなければならないと私は思うのです。そうでなければ、いまの税源配分でいくと、うまみのあるものは全部国が取ってしまうでしょう。これじゃいつまでたっても地方財源の主体というものをそこに置くわけにはいかないのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、その辺は、大蔵省としては、いま局長が答弁された内容等について検討ないしは今後の改善策としてはどういう考えを持っておられるのか、この辺についてお伺いしたい。
#84
○政府委員(相沢英之君) 私も、地方自治というたてまえからいいますれば、地方が独立に賦課徴収するところの地方税というものがその財政運営のための財源の主体をなすという形が望ましいことであるとは思いますけれども、しかしながら、現在、どのような税目をとって見ましても、私はかなり団体間においての偏在はあるのじゃないかというふうに思っております。したがいまして、地方税の税目をふやす、あるいは税率を上げるという形で地方税の税収の拡充をはかるというそのやり方には、おのずから限度があるのじゃないか、つまり、地方団体間の財政運営のバランスということを考えた場合には問題があるのじゃないかというふうに思っております。したがいまして、交付税と地方税とどちらを主体に考えるべきかという問題については、なお私は慎重に検討する必要があろうかというふうに考えております。
 それから地方税は、国税に比べて、どうも伸びその他の点で劣っているのではないかという御意見でございますが、しかし、ここ三年ほどの国税とそれから地方税の伸びを見てみますと、たとえば四十年度において国税の伸びは前年度に対して三・四%、地方税の伸びが一〇・七%、四十一年度は国税が一一・七%、地方税が一四・一%、それから四十二年度が国税が二〇・二%、地方税が二一・五%ということで、この三年ぐらい、これはいずれも決算ベースでございますが、それで見た限りにおきましては、地方税のほうの税収の伸びのほうが国税よりも大きくなっております。これにはもちろん国税における減税等の関係がありますから、一がいに比較することはあるいは問題があろうかと思いますが、地方税のほうが国税に比べて特にそういう税収の伸びその他の点で劣っているということは実際としてはないのじゃないかというふうに思っております。
#85
○戸田菊雄君 じゃ、最後に財政局長にお伺いをしたいのですけれども、財政制度審議会あるいは地方制度調査会、こういった答申の中で指摘をされておる問題が数多くあるんですけれども、こういう内容からして、先ほど大蔵大臣にもちょっと質問したんですけれども、地方財政に対する、ことに交付税という問題についての一定の結論というものは出ておらないんですね。だから、これはやっぱり一定の方向を来たす方向に自治省としての努力をしていくべきじゃないかと思うんですが、この辺はどういうふうに考えますか。
#86
○政府委員(細郷道一君) ちょっとあるいは取り違えているかもしれませんが、私どもは、地方交付税制度というものにつきましては、先ほども申し上げましたように、地方団体間におきます財源保障という意味でその意義が非常に大きいのではないか、これを通じまして財源保障を順次高めていきたい、こういう基本的な考え方を持っております。
#87
○委員長(丸茂重貞君) 本案の質疑は、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
    午後二時四十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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