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#1
第061回国会 大蔵委員会 第25号
昭和四十四年七月一日(火曜日)
   午前十一時五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二十八日
    辞任         補欠選任
     林田悠紀夫君     今  春聴君
 七月一日
    辞任         補欠選任
     萩原幽香子君     田渕 哲也君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸茂 重貞君
    理 事
                青田源太郎君
                岩動 道行君
                戸田 菊雄君
                多田 省吾君
    委 員
                青木 一男君
                伊藤 五郎君
                大竹平八郎君
                鬼丸 勝之君
                小林  章君
                中山 太郎君
                西田 信一君
                矢野  登君
                木村禧八郎君
                田中寿美子君
                松井  誠君
                松本 賢一君
                横川 正市君
                渡辺  武君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  福田 赳夫君
   政府委員
       大蔵政務次官   沢田 一精君
       大蔵省銀行局長  澄田  智君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
   説明員
       大蔵省銀行局保
       険部長      渡部  信君
       労働省労働基準
       局監督課長    細野  正君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○租税及び金融等に関する調査
 (生命保険外務員の試験制度等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(丸茂重貞君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る六月二十八日、林田悠紀夫君が委員を辞任され、その補欠として今春聴君が、また、本日、萩原幽香子君が委員を辞任され、その補欠として田渕哲也君が、それぞれ委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(丸茂重貞君) ただいま御報告いたしました委員の異動に伴い、現事が一名欠員になっておりますので、この際、その補欠選任を行ないます。
 理事の選任は、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(丸茂重貞君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に田渕哲也君を指名いたしま
    ―――――――――――――
す。
#5
○委員長(丸茂重貞君) 租税及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は御発言を願います。
#6
○戸田菊雄君 生命保険の外務員試験制度改正について質問してまいりたいと思うのでありますが、今回の生命保険外務員の試験制度改正の大綱ですね、その内容と、それから実施時期はいつから考えておるのか、その点について説明をしていただきたい。
#7
○説明員(渡部信君) 御質問にお答えいたします。
 今度の改正は、本日七月一日から実施と、こういうことになっております。
 内容は、おもなる点を申し上げますというと、まず、従来の保険は、登録以前に試験をして、それに合格した者のみが会社と委任契約を結び、それに基づいて大蔵省に登録を申請する、こういうことになっておりますが、今回の改正では、まず外務員を志願しようとする者が最初に会社に出向きまして、そこで会社と委任契約を締結いたします。そうして、従来からこれは問題となっておったのでございますが、外務員の資質の向上ということにつきましては、三十七年の答申以来、そのためには試験制度を実施してはというようなこともございまして、先ほど申し上げたような基準で実施してまいった次第でありますが、なにせ希望する者の多くが御存じのように主として婦人層なのでございます。しかも、その婦人層というものは試験について知識経験というものがきわめて乏しく、従来のようなやり方ではその成果を期待するということが非常に困難な状況にあったため、今月からは従来のやり方を変えまして、登録した直後においておのおのの会社が責任をもって実地指導担当員をつけて実際の募集を指導すると同時に、さらに募集業務について必要な保険知識あるいは倫理の教育というものを行ない、その期間を三カ月とし、三カ月以内において生命保険協会が定めるところの試験を受けさせる、そうしてこの試験に合格した者をいわゆる雇用契約を結び正規な採用を行なうという、こういうことが従来の制度と今回の試験制度の大きな差異になっております。
 その他問題がありますけれども、それはまた後ほど御質問に応じましてお答えいたします。
#8
○戸田菊雄君 内容についてはわかりましたけれども、もう一点だけ聞いておくのは、ねらいは一体どういうところにあるのかですね、その点を端的にひとつ……。
#9
○説明員(渡部信君) ねらいは、先ほども申し上げましたように、三十八年以来、三十七年の保険審議会の答申に基づいて、外務員のレベルアップということを目的として、保険業界がこぞっていわゆる採用試験の実施ということに自発的に踏み切った次第でございますが、先生御承知のことと思いますが、きのうまで――まあ正式に言うと、きのう試験があったかどうか私は存じませんけれども、一応期限的にはきのうまでの試験については、いろいろと問題があったというようなことで、批判の対象になってございます。したがって、保険協会も、従来の試験のやり方では、先ほど申し上げましたようにレベルアップというものはとうてい望むべくして行ない得ない状況にあると、したがって、従来の試験制度を改めて、その効果をより一そう上げるためにはどうしたらいいだろうかというようなことについてここ長い間検討しておったように承っておりますが、その検討の結果、先ほど申し上げましたような方法を採用することが最も効果的であり、募集員のレベルアップというような目的に沿うゆえんではなかろうか、こういうことで改正いたしましたと、このように伺っております。
#10
○戸田菊雄君 内容の具体的な問題については後ほどまた質問してまいりますが、その前に、生命保険の現在の契約高と継続率の状況ですね、これは一体どうなっているか。まあ年度にしますと、そう多く言っても困るだろうと思うので、四十年以降、それから四十四年度の見通し、これを含めてもし説明できるならお願いしたい。もう一つは、失効あるいは解約高、そういった状況、それから該当契約払込保険料ですね、こういった内容もあわせてお願いしたい。
 それからもう一つは、現在の鉱工業生産の状況ですね、これは戦前と比較して一体どの程度の倍率になっているのか、それから国民所得の割り増し、この状況は一体どうなっているのか、それから銀行預金ですね、現在どの程度になっているのか、それから生命保険の総資産、預金高、こういったものについてぜひお聞かせをお願いしたい。
#11
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 まず、保険契約高でございますが、三十九年の総契約高は六兆二千五百三億円、四十年が七兆三千四百五十六億円、四十一年が八兆八千六百七十八億円、四十二年が十一兆一千七百九十六億円、四十三年が十三兆三千百億円、契約高はそのようになっております。
 今度は継続率でございますが、同じく三十九年が七一%、四十年が七〇・六%、四十一年が七〇・四%、四十二年が七二・三%、四十三年が七二%、そのようになっております。
 第三に失効解約高でございますが、三十九年が一兆八千九百五十九億円、四十年が二兆六千八十九億円、四十一年が三兆一千十二億円、四十二年が三兆七千四百八十七億円、四十三年が四兆七千七百四十六億円となっております。
 第四に保険料収入でございますが、三十九年が六千六十四億円、四十年が七千四百十八億円、四十一年が八千九百九十五億円、四十二年が一兆八百四十八億円、四十三年が一兆二千九百十億円となっております。
 その次に総資産でございますが……
#12
○木村禧八郎君 関連して。失効解約の保険料のほうをこの際やっぱりお聞きしておいたほうが順序がいいと思いますので、それを……。
#13
○説明員(渡部信君) 失効解約の保険料でございますが、三十九年が三百七十九億九千一百万円、四十年が四百七十七億四千九百万円、四十一年が、四百九十二億七千五百万円、四十二年が五百四十四億一千万円、以上でございます。
#14
○戸田菊雄君 それから戦前の比較ですが、鉱工業生産の倍率、国民所得の倍率、それから銀行預金……。
#15
○政府委員(澄田智君) いま、あらかじめお話がなかったものですから、実は手元に比較するような戦前の数字を持ってきておりませんので……。
#16
○戸田菊雄君 それじゃ、全金融機関の全資金の何割程度になっておりますか。いまの発表されたその数字ですね、四十三年度でけっこうですけれども、どういう状況になっていますか。
#17
○政府委員(澄田智君) 金融機関の預金の総額は、全国銀行では四十四年の四月末で三十五兆三千七十七億でございますが、これは全国銀行で、そのほかに信託、相互銀行、信用金庫、信用組合、それから農協、あるいは農中、商中というようなものを加えますと、六十六兆九千二百六十億ということになっています。
#18
○戸田菊雄君 それから四十三年の総資産は一体どのぐらいになっているのか。
 それからもう一つは、金融機関の全資金の普通の状態で言えば何割程度が生命保険の占める割合といいますか、戦前の十一年あたりを見当にして、どの程度なら一番妥当と見ているのか、その辺の見解があれば教えていただきたい。
#19
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 四十三年度の総資産は四兆一億円でございます。
 それから、占める資金の割合でございますが、五・一%となっております。戦前の資料は、ただいま持ち合わせておりませんので、いずれ御連絡申し上げたいと思います。――いまのあれは四十二年度でございます、いまの比率のほうは。
#20
○戸田菊雄君 そうしますと、いまの数字の発表によりますると、契約高につきましては非常に膨大な伸びを示しているわけですね。四十三年で十三兆三千百億円と、こういう状態でありますから、われわれの調査によりますると、戦前の水準よりもはるかにオーバーしているということがはっきり言えると思うんですね。しかし、解約高を見ましても、これもまた年々増加の傾向にあるわけですね。四十三年で四兆七千七百四十六億円で、わずか五年前の三十九年と比較をしまして、三倍まではいきませんが、三倍弱という増加ぶりですね。こういう状況で来ているわけですけれども、これらの原因は一体どういうところにあるのかですね。銀行局長の通達によりますると、そういう継続率の効果について非常に悪くなっているようだから、そういうものに対して改善策をとりなさいという通達も出されているようですけれども、そういう改善策について、どの辺にガンがあるのか、いろいろ検討なされておると思うのでありますが、それらの内容についてひとつお聞かせを願いたい。
#21
○説明員(渡部信君) まず、継続率はどう改善されておるかというような御質問だと思いまして、お答え申し上げます。
 御承知のことと思いますが、生命保険契約の短期解約並びに失効というものは、保険事業の経営効率の良否につながる問題でありまして、新契約の継続率を改善することは、保険事業の健全化の上からゆるがせにできない重要な問題でございます。当事務局といたしましては、契約者の利益を保護し、生命保険事業の健全な発達をはかるため、継続率の改善を最重要施策として取り上げ、その推進に努力を払ってまいってきたところであります。この結果、昭和四十二年度にあらわれた新契約の継続率について見ると、前年度までに見られた足踏み状態からようやく改善の方向に向かいつつある状況にあり、各社の継続率の実態を見ると、四十一年度と比較しまして、先ほど申し上げましたのは全体として申し上げましたけれども、個別的にはまだ申し上げませんが、改善された会社というのが十六社あり、そのうちかなりの改善努力が払われたと見られる会社が九社にのぼっております。元来、継続率の良否というものは、募集時の外務員の募集のしかたによってきまるといわれておりますが、一方、保険会社の過大な業容拡大方針にもその原因があると考えられるので、量のみを追求する経営態度に対し強く反省を求めると同時に、その質的改善の諸施策をあわせて進めておる次第でございます。しかしながら、本質的には、契約者の求めにあたった保険商品を開発してこれを適切に販売すること、募集制度の改善合理化、ことに外務員の身分給与制度の改善と相まってこの定着を高めることの施策が伴わなければ、改善の目的を達成することはきわめて困難であると考えております。したがって、今後とも各社に対しより一そうの改善努力を求めるとともに、これらの諸施策も積極的に今後推進してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#22
○戸田菊雄君 大蔵省としましては、継続率は大体どの程度が一番妥当だと思っているのですか。
#23
○説明員(渡部信君) これは、御承知のように、入った者が全部継続してくれるということが一番望ましいのでございますが、それは言うべくしてなかなか困難な状況にあります。したがって、事務局といたしましては、いまのところ八〇%前後が最近の状況からいって達成するのに非常な――楽ではございませんが、非常な困難を伴うと思いますけれども、その辺までいっていただければ非常に幸いだと、このように考えております。しかしながら、その状況はどうかということは、先ほど御説明申し上げたとおりでございます。
#24
○戸田菊雄君 一〇〇%が一番好ましいけれども、いまおっしゃられたように、八〇%以上が大体希望する線だと、こういうことですね。しかし、いま部長が発表された内容によると、三十九年は七一%、四十年は七〇・六%、四十一年は七〇・四%%と、だんだんと下がってきている。やや四十二年になって七二・三%、四十三年は七二%、こういうことなんです。ですから、希望する八〇%以上に各年度いっていないということですね。これは一体どこに欠陥があるのですか。大蔵省の行政監督指導が悪いのか、あるいは、生命保険協会等の事業経営等の内容が悪いのか、これはどうですか。
#25
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 現在の状況は、まことに御指摘のとおりでありまして、私どももその継続率をどうして引き上げるかということについては日夜腐心いたしておるところでございますが、その原因もいろいろあろうかと思います。先ほど申し上げましたように、まず、現在の募集員――募集職員でございますが、そこでは外務員と申しておりますけれども、外務員の質的なレベルというようなものが一つの問題であり、また御承知のように、先生方いろいろ御経験があろうかと思いますが、いろいろ縁故関係その他をたどって、いわゆる顔募集、縁故募集というものに迫られるというようなことを多分に御経験になっておられるのではなかろうかと思います。そういうようなことがありまして、知っておる、あるいは縁故続きに勧誘員が参りますと、まあその人の顔を立てなくちゃならない。まあ生命保険に入ってそれを満期までかけ続けることにこしたことはないのでありますけれども、それほどにも考えていない、まあ顔を立てるためにというようなことがあります。それからまた、顔を立てる際にも、一カ年払いというような多額の保険料は支払わない、月額の少額の保険料にとどめておくというようなことで、入る場合にも非常に安易に入りますし、また、それを打ち切る場合におきましても容易にそれをやめることができるというようなことでありまして、そのほかにもいろいろ原因はあろうかと思いますが、その辺のところが一つの大きな問題であると思います。もちろん、われわれ行政当局が保険会社に対してこれまでいろいろ努力を続けてまいりましたが、その不十分な足らざる点というようなところが一つ原因になっているというようなこともあろうかと思いますが、その点は先生方に対して深くここでおわび申し上げたいと思います。
#26
○戸田菊雄君 どうも、部長の回答を聞いておりますと、何か加入者が悪くて、あるいは外務員が悪くて、そこだけ焦点になっているような回答ですね。もっと大筋は、経営の本体がどういう方向に行っているのか、あるいは大蔵省の行政監督指導面でどうなっているのか、この辺を私は聞きたいんですよ。いまの話を聞くと、加入者が経済能力がないのに高い金額で契約してしまったとか、あるいは外務員の制度がどうのこうのとか、そればかりが力点ですが、そのほかの点はどうなんですか。
#27
○説明員(渡部信君) 先ほど、私は、そのほかにもいろいろ原因があろうと思いますと、こう申し上げて、先生おわかりのことと思って、しいて申し上げなかった次第でございますが、御承知のように、保険契約高というものは年々多額にのぼっておる、その一つの原因は何かというと、国民の間に保険思想が大いに普及された、将来のためには保険に入っていなければならぬというような考え方もあろうかと思いますが、半面、また、保険会社が自社のいわゆる業容――ということを私は先ほどちょっと申し上げたように記憶いたしておりますが、業容も拡大しなければならぬと、こういう考え方が根底にありまして、外務員に募集業務に従事させる場合においてその辺についても何か問題があるのじゃなかろうか。また、保険会社の外務員に対する指導――先ほど試験制度に関連して申し上げましたけれども、その辺の募集技術と、基礎的な保険の知識、あるいは募集のとき必要な倫理というようなものについての教育その他についてもまた不十分な点もあるというようなことが一つのその大きな原因であろうと思っております。
#28
○戸田菊雄君 そこで、大蔵大臣に一点お伺いしておきたいのでありますが、少なくとも生命保険の機能というものから見まして、人の生死によって生ずる経済生活の不安定を除去すると、こういうところに生命保険の重点があるかとわれわれは理解する。そういうことになりますると、何といっても、いまの継続率から見た場合に、大蔵省が考えられる八〇%の基準線よりもずっと下回っている。今後の見通しはまだ聞いておりませんけれども、これが希望する八〇%以上まで行くのにはいまの実態からいえばなかなか容易じゃない、こういうふうに考えるわけです。こういういわば生命保険の持つ生命といいますか、そういう点から考えまして、どう具体的な対策をとったなら大蔵省が希望する方向に行けると、こういう方向なり政策ですね、そういうものを大臣はお考えになっておられるか、お伺いしたいと思います。
#29
○国務大臣(福田赳夫君) まさに、戸田さんのおっしゃられる話は、保険行政の中心の問題なんです。問題は二つあるわけですが、一つは、保険会社の営業政策の問題なんです。契約をよけいすればいいんたというただ単なる――いま保険部長から業容の拡大という説明がありましたが、そこに、過当競争というか、そういうような面もありまして、業容の拡大ということに非常に熱中する。そういう営業政策を受けまして、保険契約の第一線の外務員が無理をするという点が一つあると思うのであります。それからもう一つは、これも重複になりますが、外務員それ自身の問題なんです。保険契約の結び方、そういうところにあるわけかと思うのであります。この両面から問題の解決に取り組んでいかなければならぬ、こういうふうに存じておるわけでありまして、大蔵省といたしましては、つとに、業容の拡大のみに走っては困りますと、こういうたてまえから生命保険業界の指導に当たっておる。そうして、なるべく解約というような事態のないようにやっていただきたいと、こういうふうに勧奨をしておるわけであります。同時に、外務員につきましては、制度の改正をいたしまして、そうしてこれが目的達成に資していきたい。両面からいまそういう考え方で保険行政の合理化近代化というものに向かって努力を進めておる。逐次それが効果をあらわしつつある。なかなか八〇%という目標まで行くのは大ごとと思いますが、だんだんそこへ接近するように持っていきたい。これが大蔵省の基本的な考え方であります。
#30
○戸田菊雄君 大臣の御答弁で方向はわかったのですけれども、それでこまかいことをちょっと聞いていきたいのでありますが、大蔵省の銀行局長名で、これは四十年の十二月十八日ですけれども、当時の銀行局長は佐竹さんですが、各生命保険会社社長あてに「生命保険募集制度の合理化と継続率の改善について」、こういうことで通達を出しておるわけですね。この通達の性格ですけれども、何といいますか、権限、あるいは法的根拠、こういう問題について大蔵省としてはどういう理解をしているのですかね。通達ですから一つの命令系統をとるのだろうと思うのですが、その法的根拠、効力、こういう問題についてお聞かせ願いたい。
#31
○政府委員(澄田智君) いまお尋ねの銀行局長名による通達でございますが、それぞれ監督の業界に対していろいろな形で監督の内容を示達をしていると、こういうことをやっております。通達もその一つの形でございますが、その根拠といたしましては、保険業の場合には保険業法の第九条、これは「主務大臣保険会社ノ業務又ハ財産ノ状況ニ依リ必要アリト認ムルトキハ業務執行ノ方法ノ変更又ハ財産ノ供託ヲ命ジ其ノ他監督上必要ナル命令ヲ為スコトヲ得」ということで、「監督上必要ナル命令ヲ為スコトヲ得」という大臣の権限がある、この権限の範囲内におきまして事柄の性質に従いまして局長名で各保険会社にそういう通達を出すというようなことをいたしてきておるわけであります。御指摘のこの四十年の十二月の通達もそういった形のものでございます。
#32
○戸田菊雄君 保険業法に基づいてその業界に対する一つの示達事項で、通達というものは一つのその形だと、こういうことですね。具体的には、保険業法第九条の大蔵省の権限内だと、こういうことですね。それで、少なくとも保険業法に基づく生命保険会社のあり方というものは、一つは、事業免許の申請、こういうことが必要ですね。内容を見ますると、「定款」、「事業方法書」「普通保険約款」「保険料及責任準備金算出方法書」あるいは「財産利用方法書」、こういった五種類の基礎書類を添付することが規定されておるわけですね。加えて、主務大臣による一般的行政監督の内容として、報告聴取及び検査の権限、監督命令権、基礎的事項変更の命令及び遡及処分の権限、法令、命令等の違反行為に対する処分権限、劣勢会社に対する整理促進、ほかには生命保険会社の計算とか資産運用の方法、こういうものがおおむね保険業法に基づく規制措置として出されておるわけですけれども、この通達内容というものはこの中のどれに該当して大蔵省は通達を出すわけですか。具体的には、保険業法にきめられている大蔵省の権限内容ないしは主務大臣の権限内容というものは、いま申し上げたような内容だろうと思うんですけれども、どこに具体的に該当するわけですか。
#33
○政府委員(澄田智君) 先ほどお読み申し上げましたように、「其ノ他監督上必要ナル命令」と、こういう規定になっております。保険業に対する監督上必要な範囲における命令、その命令のしかたの一つの形として局長の通達という形をとっておるものであります。
#34
○戸田菊雄君 そうしますと、内容としては、あくまでも行政監督指導、こういう内容ですか。出たものは命令だから、違反をすればそれに対する罰則とか、そういう法的な権限といいますかね、そういうものが含まったものですか、この通達というものは。
#35
○政府委員(澄田智君) 事柄の内容によりまして罰則というものに直ちに結びつくということでない場合は当然いろいろあるわけでございますが、いまのお尋ねの行政上の監督、こういう範囲かと、こういう点につきましては、おっしゃるとおりでございます。
#36
○戸田菊雄君 そうしますと、この四十年の十二月十八日の銀行局長名で出している「生命保険募集制度の合理化と継続率の改善について」の@の「継続率の改善」の内容を見ますと、「各生命保険会社は継続率が今後少なくとも八〇%以上に到達するよう努力するものとし、」と、一応努力目標を示達しているわけですね。いま現実の問題としてはそれに到達をしていないのですけれども、こういうものに対して各生命保険会社の取締役会議ですか執行機関に対して適切な措置をとれるということに解釈していいわけですね。もしそういう解釈が成り立つとすれば、具体的に大蔵省はこういう継続率のパーセンテージに対して何らかの適切な措置を打ったのかどうか、その辺の内容についてお聞かせを願いたい。
#37
○政府委員(澄田智君) この四十年十二月の通達におきましては、いまも御指摘のありましたように、努力目標として八〇%ということを掲げまして、そして改善の計画を立てて今後逐次改善をはかっていく、そして計画を提出をさせましてそれの実行状況を見ていく、こういうような内容でございます。その改善の内容は、先ほどからお話のありました外務員の育成計画とか、あるいは継続率改善のための具体的な施策をどうするかとか、そういうことをいろいろ会社側が計画を立てて、それを出してくる、こういうことでございます。したがって、これは努力目標であり、可及的すみやかにそこに到達するというように鋭意努力することが望ましいと、こういうことで、それを確保する手段としていろいろ計画を立てて、それを主務官庁に届け出をさせてその実行状況を監視をしていく、こういう趣旨であります。したがって、これはそういう努力を要請するわけで、直ちにそれが到達できないからその責任を追及するというより前に、まずその努力を要請したものだ、かような通達でございます。
#38
○戸田菊雄君 生命保険会社の執行機関としては、その通達に基づいてそういう部面に対する何らかの検討はなされているのかどうか、また、大蔵省にその辺の報告がなされているのかどうか、その辺が一つです。
 もう一つは、局長通達は、募集制度とそれから継続率問題について主として大綱四点についていろいろと義務づけを示達したということになっていますね、私の理解する限りでは。そういうものに対して通達を発した効果というものについて、大蔵省としてはどういう判断をされているか、あわせて二点をお伺いいたします。
#39
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 ただいまの御質問についてでございますが、この通達の結果、会社がどういう施策を講じ、その結果どういう状況になっておるかというようなことにつきましては、年に一度報告を聴取し、その旨について会社の責任者から説明を聞くと同時に、そのほかに、年に二回でございますが、直接わがほうの担当者が会社に出まして実態調査というものを行なっております。その結果はどうかということは、先ほど申し上げたような状況でございますが、やはりいろいろな問題点がありまして、そのつどそれらの問題については改善方、善処方というようなものを要望いたしておるわけでございます。
#40
○木村禧八郎君 ちょっと関連して。いまの戸田さんの質問に関連しまして、継続率をよくするための努力目標は八〇%、これを目標にして努力している、そういう指導をしているというお話がありましたが、それと同時に、もう一つ募集制度の近代化のほうですね。つまり、外務員制度の改善に関してですけれども、四十年の保険審議会で募集制度の近代化を答申して、そうして、先ほど御答弁がありましたように、生命保険の外務員の現状は、八割くらいは家庭の主婦で、ほとんどパートタイムで、専業の外務員はあまりおらないと。したがって、募集制度の近代化につきましては、専業外務員をなるべく多くするということが一つの目標であるわけでして、したがって、三カ年計画を立てて専業の職員の割合を引き上げる努力をしていると、こういう答弁が参議院の社労委員会で前にされているんですよ。
 そこで、この点を明らかにしていただきたいんですが、この三カ年計画でどの程度に専業外務員の比率を引き上げるのか、そうしてどの程度にその効果があらわれているのか。いままでの答弁を伺っていますと、政府は、こんなに重大な問題に対しまして、まあすぐに効果上げるのは無理だ、徐々に効果を上げるよりしようがないと言っていますけれども、政府の努力のあとなんというものは片鱗も示されていないですよ、いままで伺った限りでは。全く怠慢じゃないかと思うんですよ。八割も主婦がやっていて。パートタイムというのでしょう。そういうような状況で、そうして保険外務員制度の改善を行なうと言ったって、それは私は全く無理じゃないかと思うのです。そこで、その三カ年計画というのはどういう内容のものですか。
 それからもう一つ、簡易生命保険の状況を聞きたいんですよ。簡易生命保険のほうの解約とか継続率はどうなっているのか。それとこの民間のほうの保険との比較ですよ。おそらく簡易生命保険の解約は非常に少ないと思うんですよ。継続率は非常にいいと思うんですよ。なぜそうなのか。簡易生命保険がそうであって、民間の生命保険の解約率というのは非常に高い。これはひとつ検討してみる必要があるのじゃないですかね、二つを。片方は政府の経営ということと片一方は民間と違いはありますけれども、それにしても継続率について非常な差があるんですから、ひとつ研究してどこに手を打つ必要があるのかもっと積極的に考えてみるべきじゃないですかね。何かものすごくこの点についてはいままでの答弁を聞いても怠慢の一語に尽きると思うんですが、もう少しわれわれに納得できるような御答弁はできないのですかね。
#41
○説明員(渡部信君) ただいま御質問の簡易保険の解約率と生命保険の解約率でございますが、生命保険の解約率は先ほど申し上げましたとおりでございますが、はなはだ申し訳ございませんが、簡易保険のほうの解約率はただいま手元に持って来ておりませんので、後刻先生のほうに御連絡申し上げたいと思います。
 それから……。
#42
○木村禧八郎君 いや、なにもきちんと数字がなくてもいいですから、比較してどの程度なのかというんですよ。私は、おそらく非常に少ないという結論が出ておると思う。
#43
○説明員(渡部信君) ただいま正確なところでないので、間違っておったならば後ほど訂正さしていただきたいと思いますが、非常に高く、継続率は九八%程度、このようになっておるというようにいま連絡がありました。
#44
○木村禧八郎君 その原因はどこにあるのか、どういうわけでそうなるのか、その点は……。
#45
○説明員(渡部信君) この原因は、御存じのことと存じますが、先ほど申し上げましたように、民間の生命保険会社の募集というものについては、保険会社自体の営業政策のあり方、あるいは外務員の素質の問題など、いろいろ問題があろうかと思いますが、御承知のように、簡易保険というものはその歴史が非常に古く、主として零細な保険というものを国が保証をして行なっておるというようなことで、民間の保険に比べ従来よりその思想が徹底しておる。同時に、御承知のように、募集に当たるところの募集員というものは、郵便配達をなさる方が主としてその業務に当たっております。したがって、それらの方々は、先ほど申し上げた外務員と違いまして、募集技術の面においても、あるいはまた知識の面においても、相当まさっておる点があるのではなかろうかと思います。
 また、次に、簡易保険の募集というようなことについては、国でその多いことは望んでおるわけでございますが、いたずらに保険契約高の増加というようなもののみを目標にして、あとはどうなろうとかまわぬというような考え方で臨んでいないというような点がこの差異になってきた大きな原因ではなかろうかと思っております。
 また、先ほど御質問の、専業外務員の率は全体に対してどれくらい占めておるか、三カ年計画はどのようなものであったかと、このような御質問でございますが、三カ年計画で目標としたところは、四〇%でございます。これに対して、四十三年度は、現在の数字では、約四三%、このような状況に相なっておる次第でございます。
#46
○岩動道行君 ちょっと関連して。先ほどから、解約率の問題、これを減らすためにいろいろな行政指導をしておられるその御努力はよくわかるのでありますが、やはり生命保険に対する魅力というものが、ある程度現在のいろいろな預貯金の中でも欠けているのではないか。こういうようなことから、特に各種の生命保険において新種保険というものをいろいろ編み出して、その魅力をつけて、そうして保険契約高をふやす。また、堅実な経営で業容を拡大していこう、こういう方向にあるものと私は考えておるわけでございますが、ただいまの外務員の問題についての素質の向上等も必要でございましょうが、私は一つ基本的に政策的に特に政府側にもこの際御検討いただきたいと思いますのは、特に大蔵大臣も御出席でありますので、保険料の所得控除額、これをもう少しふやしてやらないと、サラリーマンなんかも、保険をかけても、所得控除が少ないと、ほかに行ってしまうというようなことで、保険料の所得控除についてその額を税制上引き上げると、これは毎年問題になっておるわけでございまするが、これをやりますれば相当また魅力が出てくると、契約の解除も減るのではないだろうかと、こういうような考え方もあるわけでございまして、日本経済の発展、あるいは産業資金の調達、さらにまた貯蓄と、そういったようないろいろな観点から保険に対する優遇措置というものをもっと考えていただいたならば、保険の契約高の増高、そしてまた契約解除の減少、こういうことも考えられるかと思います。その中の一環として、私は特に保険料の所得控除額の引き上げ、これをぜひ今度の税制調査会においても検討していただき、来年度の税制においてはこれを実現してまいる、こういうことを特にお考えをいただきたいと思いまするが、大蔵大臣の御所見をこの機会に承っておきたいと思います。
#47
○国務大臣(福田赳夫君) 貯蓄が非常に大事な問題であり、特に長期安定貯蓄ですね、これはわが国の今日の経済をここまで持ってきた中心的な推進力であったと思います。今後ますますその必要に迫られていると、かように考えております。そういう見地から、利子の問題また配当の問題、また保険料の所得控除の問題、それらの問題が利子課税、配当課税の期限切れの問題とともに再検討されなけりゃならぬわけでありまするが、長期安定貯蓄の重要性というようなことも踏まえながら、かつ税制のあり万ということもまた同時に重要視しながら慎重に検討をいたしていきたい、かように思います。
#48
○木村禧八郎君 ちょっともう一つ、さっきの関連なんですが、いま途中で御質問が入って中止しましたから。
 簡易生命保険につきましては、公社化の構想があるといわれています。これは今後そうしたことをやる計画があるのかどうか、政府に。これは前に何か答申があったのじゃないですかね。この点が一つ。
 それからもう一つは、いまの生命保険の契約の安定化、それから契約の増加をはかるための一環として、税制面の控除が必要じゃないか。これはまあ国税、地方税を通じまして非常に問題だと思いますが、地方税につきましてもやはり多少改善されたようですけれども、それと同時に、インフレの問題ですね、貨幣価値が低下してくる問題、これと解約がふえてきている問題と全然関係はないかということですね。政府は考えたことがありますか、この点を。それからいつも問題になるのですが、何も生命保険だけじゃなく、長期債権についても問題になるのですが、昭和三十五年から最近まで貨幣価値はものすごく低下しているわけですわね。そういう面からもこれは検討する必要あるのじゃないですか。これは貨幣価値の低落によって保険契約者に非常な損害を与えている。長期の銀行預金なんかでもそうだと思うんですが、特に生命保険はそうだと思うんですが、一時終戦後においては大きな問題になったのですが、私はやはり将来は問題じゃないかと思う。そこで、安定価値計算というかスライド制、これが問題になってくるのじゃないですか。生命保険は貯蓄そのものじゃありませんけれども、最近貯蓄性を非常に強調しているわけです。そういう貯蓄性を強調している場合に、非常に長期の契約ですから、貨幣価値が低落していく場合にはたいへんな損害を与える。経済的に無知と言っちゃ悪いですが、経済的にそういう貨幣価値の減価に対して強い関心を持たれない人は、知らず知らずのうちにごまかされて、そういう価値の下落によって損害を受ける。これに対しては、政府は政府の責任としてほうってはおけない問題じゃないかと思うんですが、この点についてどうお考えですか。これは大蔵大臣に伺いたい。貨幣価値の安定の問題ですから。
#49
○政府委員(澄田智君) 先にお尋ねの簡易保険の公社化の問題でございますが、これは簡易保険を公社化するというようなことじゃなくて、郵政事業、郵便の集配、郵政事業を公社化するという問題として、いま郵政省の郵政審議会でその問題が論議をされていて、まだ答申が出たというような段階ではございません。いま論議中でございます。そして、簡易保険とかあるいは郵便貯金という業務をその場合にどう考えるか、その辺はこれから論議をさるべき問題であろう、かように思います。
 それからいまの貨幣価値の問題は、これは大臣からお答え申し上げることでございましょうが、戦争直後非常に高度のインフレで保険というものがいわば壊滅のような状態になり、そういう意味で保険思想というものも非常に低下をして、それを取り戻すのに非常に長い間かかって、三十年代に入り、ことに最近に至って保険というものが、戦前の物価換算等いたして戦前の水準をこえてようやく保険の思想というものが定着をし、それから貨幣価値というようなものと切り離して保険というものが必要である、こういう考えが一般に普及をしてきている、こういう段階であると思います。その保険の場合に、貨幣価値の安定というものが最も重要な一つの要点であるということは、申すまでもないことであります。そういう意味で、いまの保険の普及、保険思想の確立というものが、最近の経済の安定というものによるというふうに思われますので、今後ともそういう努力を続けていかなければならない、かように存じております。
#50
○国務大臣(福田赳夫君) 保険は、結局、いろいろな種類がありますが、商品なんです。保険契約という商品をどういうふうに保険に加入される国民がそろばんをはじくか、こういう問題で、その中で確かにあなたのおっしゃるような物価の変動というものをどう国民が見るかという問題があるんですが、どうしても物価問題には政府が取り組んでこれを克服しなければならぬ。それに対する国民の期待も高いと思います。そういう状態ですが、現実には、物価が上がる、こういう時期ですから、したがって、この物価問題、そういう問題をとらえて新種保険、新しい商品を出す、こういうことが大事じゃないか。スライドはちょっと問題なんですが、新種保険、新種商品でカバーをする、こういう考え方で進みたい、かような考えでおります。
#51
○木村禧八郎君 これは、大蔵大臣、単に保険だけじゃなくて、長期債権の問題として、このように貨幣価値が毎年五、六%ずつ低下していくにあたりまして、政府が真剣にやはり考える必要があるのじゃないかと思うんです。それで、恩給等については、審議会の答申で大体スライド的な考慮を払っているでしょう。だから、社会保障というようなものについてはスライド的なことを――公債だってそうでしょう。公債だって減価するわけですから、長期債ですから、一番いいことはゴールドクローズ的なものを入れればいいわけですね。ですから、物価が上がらないようにすれば一番いいわけなんですよ。ですけれども、そう言っても、上がっていく場合、保険業の安定とか発展というその業界のためも一つはあるでしょうが、それ以外に政治の道義性の問題ですよ。貨幣価値がこんなに下がっていく、これは政府でもはっきり世界まれに見る減価ということを言っておる。高度成長のほうもまれに見る成長でありますけれども、貨幣価値のほうもまれに見る減価率ですが、これについてこれまで何ら総合的な措置がされてない。これは私は非常な問題だと思うんですけれども、いま、業界の安定という立場だけから、新種保険を考えてこれに対処するというお答えがあったんですが、インフレ下における長期債権の問題は、やはり総合的に考えるべき問題じゃないですか。
#52
○国務大臣(福田赳夫君) どうも、物価に比例してまた支払いを動かす、こういうような考え方は、物価政策を放棄するような印象にもなるわけであります。私どもは、そうじゃなくて、物価の問題を克服しなければならぬ、そういう考え方に立ってあなたの御指摘のような問題の解決をしなければならぬ。そこで、私は、そういう実現の事態に直面しての新しい商品、国民のほうでもちゃんとそろばんをはじくわけでありますから、はじいて、これで大体いいな、こういうことになるわけでありますから、国民の立場もこれによって適正に保護されていく、こういうことになる。どうも、スライド、スライドとすいぶん強調されますが、この考え方は物価対策、インフレ対策という立場からは非常に重要な問題であり、軽々にさあそれに行きましょうという考え方にはなり得ない、さよう考えます。
#53
○木村禧八郎君 いま、スライドをやりますと、予算も膨張していくでしょうし、むしろ物価値上げをするようなことになると言われましたが、いままで政府は物価を安定させるさせると言いながら、ちっとも安定していない。どんどん上がるから、スライドにしなければこれはたいへんだ。スライドしていけば、安定させなかったらそれはたいへんですよ。ですから、われわれはスライドさせろと言うんです。スライドにしておけば、どうしても真剣に安定政策をとらざるを得ないんですよ。ほんとうですよ。たとえば、社会保障でも、公債でも、ゴールドクローズの契約をあれして、銀行預金でもみなそうですよ。これはスライドにしておいてどんどん物価が上がっていったら、ますますインフレを激化する原因でしょう。だから、これはたいへんだと、そういう歯どめをつけなければ、政府が真剣に物価対策を講じないのですよ。物価値上がりというものは麻薬みたいなものですから、知らず知らずのうちに国民の財産を収奪するんですからね。だから、そういう意味で私はスライドをやれというんです。むしろそうなんです。スライドがどんどん適用されるようになったらたいへんですよ。適用したらたいへんだから、そこで、スライドにしておけば……(「そんなことできない」と呼ぶ者あり)いや、そうしなきゃだめなんですよ、政府のしつけをしておかなきゃね。そういう意味で私は言っているわけです。
#54
○国務大臣(福田赳夫君) 私どもは経済の動きに非常に真剣に取り組んでおりますので、軽々にスライドというふうなことは言い出し得ないことはひとつ御了承願いたいと思います。
#55
○木村禧八郎君 軍人恩給はスライドをやっているでしょう。実際にスライドをやっているんですよ。どうですか。
#56
○国務大臣(福田赳夫君) あれはスライドじゃないんです。現実の状態に即して二、三年目くらいであれさせるということでありまして、スライド制じゃございません。
#57
○戸田菊雄君 外務員の募集制度等の問題については具体的にあとからお聞きしたいと思うのですが、大蔵大臣が時間の関係で退席をしなければいけませんので、この機会に一点だけお伺いをしておくのですが、保険業法の根拠法は商法ですね。これは局長でけっこうです。
#58
○政府委員(澄田智君) 保険業法の根拠法が商法というような関係ではございませんで、商法は商行為一般に関する基礎法で、その中には保険というものも含まれる、そうして特別に保険業についての法律として保険業法がある、かようにわれわれは考えております。
#59
○戸田菊雄君 わかりましたが、明治三十一年に旧商法の全面的施行がありまして、第一編第十一章保険、第六節保険営業の公行、こういうふうなことで、いま局長がおっしゃられたとおり保険業法というものがかみ合わされて実施をされている、こういうことだと思います。三十二年に新商法が制定になって、これらの条文は同法施行規則に移されて、三十三年に単独法として保険業法の制定施行を見たと、こういう状況を経て、昭和十四年に全面的に改正になっている。その後、終戦後でありますけれども、統制規定の廃止なり、独禁法に応じた規制、こういうものが逐次改善をされつつ今日に至っておる。それで、法的制定の面を見ますと、非常に古いのですね。今日のように、特に昭和三十五年以降、高度経済成長というものがしかれて、日本の経済変動も大きく激変をして膨大になった、そういう中における今後の保険業法のあり方というものに対して、やはり抜本的に改善の方向を検討する時期ではないか、こういうふうに考えるのでありますけれども、その辺に対する大蔵大臣の考え方はどういう方向にあるのか。それからもう一つは、これはあとでこまかい点はいろいろお伺いいたしまするけれども、大蔵省の保険審議会、いわゆる諮問委員会ですけれども、ここに外務員制度を直接担当しておるそういう当事者を審議委員として入れていく必要があるのではないか。そうでなければ、実務態様というものは具体的にはなかなか学者やなんかでは掌握しかねるということがあるのじゃないか、そう考えますので、その辺の検討の問題と、いま言った審議会の構成等の問題について若干検討を加える必要はないのか、これについて大蔵大臣にお伺いをして、あとは、急ぐようですから……。
#60
○国務大臣(福田赳夫君) 保険業法の制定が非常に古いことは、御指摘のとおりでございます。しかし、そのつど、必要のつど改定をいたしております。ことに、戦後におきましては、しばしばこれに改定が加えられまして、法といたしましては今日の経済情勢に合致している体系であると、かように考えておるわけでありまするけれども、なにせ経済が非常に進歩発展する世の中でございまするから、今後といえども保険業というものが時勢に合致したイメージアップができるように保険審議会等にもはかりまして配意をいたしていきたいと、かように考えております。
 なお、保険審議会に外務員を参加せしめよというようなお説でございますが、保険審議会のほうは利益代表というような方で構成するという考え方をとっておらないわけでございまして、保険業界の方は、審議委員として入っておりますが、これは学識経験という意味において参加を願っておるわけでございます。業界を広く見回しておる、業界に対する知識をお持ちであるという方数名に審議委員をお願いをいたしておるわけでありますが、しかし、お話しのように、外務員制度が問題になることはとにかくあるわけでありまするから、そういう際には、これは臨時委員というように制度もありますので、そういうふうに重要な役割りをする外務員、この中で知識のある人をそういう形で御意見を承るということも考えておりまして、とにかく、この審議会で、営業の方針、さらに外務員の問題等にわたって適正な判断がなされるようにということを心がけてまいりたい、かように考えております。
#61
○戸田菊雄君 では、具体的な問題について伺いますが、銀行局長通達の中に、「改善の具体策の策定」という項目の内容に、「早期失効解約の場合における失効課金制度の徹底、強化をはかる等」と、こういうことに通達がなっておるのでありますが、
  〔委員長退席、理事青田源太郎君着席〕
これは、結局、継続率が悪い、そうすると、保険会社としては勤務評定その他をずっとやりまして、それで解約その他について一定の年数以下で解約をしたような場合には返戻金を求めるというようなのが出てきますね。そういうことから来て当該外務員に対するところの罰金制度というものをうたっておるわけでありますけれども、はたして法的に正しいのか、こういうことが一体できるのか。少なくとも私の知っておる範囲内では、たとえば金銭の出納業務を取り扱うという場合には、むしろ各企業ともそういう者に対しては一定の手当制度を設けてこれを補足するような形態をとっておるわけですね。ところが、これを見ますと、外務員が一応契約高をとってきて保険契約を結んで、それが解約をされると、勤務成績が悪い、おまけに罰金制度でもっていま言ったように失効課金制度というものを設けられるということになったら、これは生活が成り立っていかないのじゃないかという気がするのです。こういう点はどういうふうに理解をされているのですか。
#62
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 ただいま先生の御指摘の点でございますが、具体的には先生のおっしゃるように、いろいろ問題もあることと思います。しかしながら、御承知のように、外務員の給与というものは、固定給と、比例給、いわゆる募集高の多寡に応じてそれを与えるというような仕組みになっておるわけでございます。したがって、募集の多い人は多くの比例給をもらいますし、そうでない方は少ない比例給をもらうというような仕組みになっておるわけでございます。その際、契約高に応じてもらう比例給というものは、いわゆる募集手当といわれておるものでございますが、ただいま先生の御指摘になった点は、その募集手当につきまして、早期に解約をされた場合には、未然に保険会社としてはその募集高に応じて一定率で――これは各社によってまちまちでございますけれども、定められたところの募集手当というものを与えてございます。しかしながら、与える前提は、その契約者というものは、たとえば二十年満期なら二十年満期、三十年満期なら三十年満期というようなものの保険をかけるというような前提において考えられておるものでございますけれども、それが不幸にして半年あるいは一年未満で解約された、まあその他の期間もございましょうけれども、解約された場合には、将来この契約者が長年掛け金をかけるであろうという前提のもとに立って与えた募集手当というものは、その条件を満たさないということになりますので、募集人と保険会社との間における契約によって、そういうものが出た場合には、返戻というようなこと、取り上げあるいは取り戻しといいますか、そういうこともあります。これでよろしいかというようなことで具体的な契約によって行なわれておるのでありまして、その点は経済的その他についていろいろ問題はあろうかと思いますが、その辺は従来から行なわれておるところでございまして、私どもはそれについては現在のところいたし方がないのじゃないかと、このように考えておる次第でございます。
  〔理事青田源太郎君退席、委員長着席〕
#63
○戸田菊雄君 労働省から来ておると思うのですが、いまの保険部長の回答ですと、いたし方がないのじゃないか、こういうことでありますけれども、これは、言ってみれば、いまの外務員の賃金というものは、一つは固定給、一つは契約高の歩合給です。ですから、いま保険部長が説明された内容というものは、賃金の一部だろうと思うのです。こういうことがはたして許されるのかどうか、労働基準法から見てどうなのか、職業安定法から見てどうなのか、この辺の見解を明確に差し示していただきたい。
#64
○説明員(細野正君) ただいまのお尋ねは、一つは固定給と歩合給の関係の問題、それからもう一つは失効課金制度の返納の部分というものが法律的にどうなのか、大体この二点になっておると思うわけでありますが、まず、第一点の固定給と歩合給の問題につきましては、基準法の二十七条の出来高払制の保障給の規定がございます。しかし、これは、先生御指摘のように、何割でなければいかぬということについての割合が法定されておらないわけでございます。したがいまして、そういう意味での保障給というものに対する違反というような問題は直ちには生じないというふうに考えておるわけでございます。
 それから二番目の失効課金制度の問題でございますが、実は突然きょう御質問をいただきましたものですから、失効課金制度の内容について私どもよく実情を存じておりませんが、生命保険料の一定割合を支給しておいて、それを、先ほどお話がございましたように、契約が中途解約された場合には解約分に対応するものを返納させる、こういうふうな制度でございます。その場合に、一定割合の支給ということが、まず概算払いであって、その後に精算するという性格のものなのか、あるいは、賃金そのものとして確定されたものを支給しておいて、後に減額するという形になるものなのか、その辺のところは実際の就業規則なりあるいは個別的なそれぞれの会社の実情を見ませんと、にわかには判断できないのじゃないかというように思いますので、こういうことで法的に直ちに問題があるかないかということは、いま申し上げましたようなところを調べました上でないと直ちにお答え申し上げられないということをこの席では申し上げるだけにとどめさしていただきたい、こういうふうに考えております。
#65
○戸田菊雄君 固定給と歩合給の二十七条の問題だけじゃなくて、固定給と歩合給を含めて賃金と理解されるのかどうか、それが一つ。
 それからもう一つは、失効課金制度というものは、賃金の罰金制度ですよ、言ってみれば、私の理解からすれば。そういうようなことがいいのかどうかということです。
#66
○説明員(細野正君) 先ほどの御説明が少し不足いたしましたので恐縮でございますが、いままで伺っておりましたところでは、一応固定給も歩合給も含めて賃金ではないかというふうな前提で私は申し上げたわけであります。
 それから二番目に、減額はないかどうかという点は、先ほど申しましたように、まず支給基準によって確定的に支給されたものを引くというかっこうの性格のものなのか、あるいは、概算で払っておいて支給条件がきちんとしたところで清算するものか。清算するものであれば、それは減額ではなくて、もともと就業規則に従うところの賃金の支払いということになるわけです。そういう意味で、現在ただいまのところでは判断できませんので、先ほど申し上げたようなことの答弁で御了承いただきたい、こういうふうに思います。
#67
○戸田菊雄君 保険部長、歩合給の支給といえどもこれは賃金だということは、いま課長が言っておるとおりなんです。ですから、外務員の場合には、いわゆる固定給と歩合給で、ハイタク自動車のそういった関係の運転手の場合も同様なんですよ。これはいろいろと問題になっておりますけれども、これが賃金でないと言う者はだれもいないと思う。そういうことからいけば、これは当然賃金の一部なんです。それも、決定的な過失で会社に対して損害を与えた、あるいはその加入者に対して重大な損害を与えた、そういう性格のものとは違う。つまり、一たん契約はしたことはしたのですから、その加入者の経済事情その他によって継続ができかねる、こういうことで契約破綻ということは許される行為でしょう。そういうものがあったからといって、これが継続率にいろいろ影響するからといって、当該外務員に対してこういう失効課金というもの、いわば罰則制度を――だから、総体的な企業の考え方として、金を集める者は苦労するだろう、あるいはそういういろいろな失敗、損をするときもあるだろうからということで、むしろ出納手当的なものを創設して補完するのがいまの時代趨勢じゃないですか。そういうときに、罰金制度をつくって、賃金から、それも零細な賃金なんですよ、生活に見合わないようなもの、そういうものから引くような制度をあらかじめ罰金制度として設ける、行政監督指導の立場にある大蔵省自体がそういう指導をやっておることについては、法律的にも非常に疑問があるし、実態としてもそういうことは冷酷な仕打ちではないかと、こういうふうにわれわれは考えるのですが、その点はどうですか。
#68
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 先ほど私がお答え申し上げましたように、そういう現行の実施要領については、いろいろ問題もあろうかと思います。また、いわゆる生活というようなものもかかっておりますので、その方面からも検討をしなければならぬという重大な問題であるということは重々承知いたしております。しかしながら、外務員が保険会社と募集業務というようなものをやるという契約を結んだ場合に、その契約の中に、先ほど申し上げましたように、契約の多寡によって比例給というものの給付というものが行なわれる。また、一方において、保険会社が、まあこれは大蔵省として特に関知しておるわけではございませんけれども、募集人との間においてそういう二十年、三十年の契約をして、その期間規定どおりの掛け金をしてもらえればこれくらいの募集手当というものをお支払いしましょうというような契約になって、また、それが途中で解約される場合にはある程度返戻というようなことでもよろしいか、いたし方がないというように、保険会社と募集人との間の自由契約によって行なわれておることであるならば、私どもとしてはいたし方がないのではなかろうか、このように考えておる次第でございます。
#69
○戸田菊雄君 どうも、保険部長は、時代逆行の答弁なんですね、聞いていると。いま言っているようなことは一つも私は問題にしていない。保険部長が言うように、たとえば、契約をとってきたものが一年以内に解約をされる、一カ月なり二カ月で解かれた、年越しをしなかったという場合には、賃金の支給としては、三カ月程度ぐらいで検査をしながら、勤務成績を見ながら、それらに対する歩合給の支給というものを減退しているわけです。そのほかに、大蔵省の失効課金制度というものは、罰金を取れという言い方なんですよ。これは二重、三重になっているんですよ。だから、いま部長が言ったように、一回だけそういうふうな歩合給の割合を賃金の支給割合として減退させるということならば、私はなんにも文句は言わない。それは会社でやっていることなんです、賃金を支払うときに、すでに。そのほかに失効課金制度というものをとれということでしょう。だから、その点はどうなのかということです。
#70
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 私の説明が不十分のために、ただいま御質問のような結果になったのではなかろうかと思いますが、私が申し上げました歩合給というのは、たとえばこういうものでございます。たとえば、今月百万円の保険契約をとりましたならば、それについて幾らの募集手当というものを差し上げましょう、こういうことでございます。ところが、ただいま先生が申されておるところの、いわゆる罰則と言うかどうか、これは非常に問題があろうかと思いますけれども、先生はそれを罰則と申されておりますので、罰則ということばを使わせていただきますけれども、その問題は、先ほど申しました比例給とは違いまして、一たん百万円の契約をとった場合に、これだけの募集手当をあげますとあげました。しかしながら、百万円の契約が不幸にして半年あるいは一年後に失効というようなことになった場合において、保険会社はそれを最初支給する場合においては、十年あるいは二十年の契約ということを前提として支給したものでございます。したがって、失効になった場合には、その条件というようなものが満たされないことになったものでございますから、一種の解除条件付契約というようなことで、一たん支給したもののうちの一部がいわゆる返戻というようなかっこうになるのではなかろうかと、このように了解いたしておる次第でございます。
#71
○戸田菊雄君 細野監督課長にお伺いいたしますが、そういうことはどうなんですか、労使双方の協議事項になるのじゃないですか。ですから、あらかじめ監督行政指導機関がこういう問題にタッチをするということは、それ自体不当干渉じゃないですか。どういう見解ですか。
#72
○説明員(細野正君) ただいまおっしゃいましたのは、私、意味が十分のみ込めなかったのですが、監督行政として指導するのは行き過ぎではないかという御意味でしょうか、それとも、労使関係に一般的に行政機関が介入するのは不当ではないかと……。
#73
○戸田菊雄君 両方含まれております。
#74
○説明員(細野正君) 第二点の、監督行政としてそういう問題に直ちに介入するという点については、先生おっしゃいましたように、本来労使関係で処理すべき問題について、監督機関がいわば調停的な役割りでの指導をするというのは望ましくないと思いますので、私どもとして軽々にそういう問題について指導とかなんとかということをやるべきではないと考えております。ただし、それぞれの所管の官庁がそれぞれの権限に基づいた指導をなさるのはまた別の問題ではなかろうか。その場合に、いま大蔵省の当局がどれだけの行政指導の御権限を持っておられるのか私どもよく存じませんので、その点はむしろ銀行局のほうからお答えいただいたほうが妥当ではないかと思っております。
#75
○説明員(渡部信君) 先ほどのお答えに続けてお答え申し上げたいと思いますが、たとえば失効に伴うところの収入保険料というものはどれぐらいか、あるいはそれに見合うところの当該年度におきましてかかったところの募集手当その他の経費は一体どのくらいかというようなことを資料から申し上げますと、たとえば四十二年では、募集手当その他の経費が六百七十四億円に対し、失効解約の保険料というものは五百四十四億円となっておって、差し引き二百一億円の持ち出しと、こういうことになっております。したがって、こういう状態を続けるということは、ひいては保険会社の経理全般にも影響を及ぼす問題というようなこともございまして、大蔵当局といたしましては、そういう面の是正、いわゆる保険契約者の保護というような問題から考えて、先ほどのような問題についてはあるいは問題があるのじゃなかろうかと、このように考えて、保険会社が自発的にああいう制度を設けておるということについては、そのままこれでしかたがないのじゃなかろうかと、このように考えておる次第でございます。
#76
○木村禧八郎君 変ですね。いまの数字をもう一度言ってください。
#77
○説明員(渡部信君) 申し上げます。
 失効解約に伴うその当該年度の契約についてかかった経費というものが六百七十四億円、これに見合うところの保険料収入というものが五百四十四億円、差し引き二百一億円の支出超過……。
#78
○木村禧八郎君 差し引きした数字がそんなになるのですか。
#79
○説明員(渡部信君) 間違いました。百三十億ですね。百三十億の支出超過、こういうふうな状況になっております。
#80
○木村禧八郎君 それでいいんですか。何だかおかしいですよ。
#81
○戸田菊雄君 それはあとで問題にしていきたいと思いますが、保険部長、どうもあなたのやつはおかしいですよ。
 これは四十一年の三月十一日ですけれども、大蔵省銀行局保険部の当時の保険第一課長村田博さん、この人が、組合がいまのような問題に対して当時の福田大蔵大臣に申し入れをしたのに対して、回答をやっている。いまのことについて、
 昭和四十一年三月四日付をもって申入れのあった標記の件については次のとおり回答します。
 一、失効課金制度について
 これが労働協約に含まれている場合には、外務員と会社経営者の交渉対象になるものである。
 こういう回答になっております。いま監督課長が言ったように、これは賃金なんです。そういう問題については、当然労使交渉対象事項なんです。ですから、協約上の問題が発生をして問題になってきた場合には、そこで検討しなさいという回答を明確に大蔵省でやっているんですよ。あなたの考えからいけば、あくまでも契約実態からこういう歩合い給の支給になっているから、失効課金制度というものは正当だという主張ですね。これとはだいぶ違う、理解が。いかがですか。
 それともう一つは、労働基準法の賃金の支払いについて、第二十四条をどう理解するかですよ。すべて賃金を支払わなければならない。控除というものについては、当該労働組合、ないしは組合がない場合にはその職員の過半数を代表する者とそれらの控除対象というものをきめていけというのがたてまえでしょう。だから、あなたの答弁は、基準法から言っても職業安定法から言ってもあくまでも違反しているのじゃないですか。それから大蔵省としても、四十一年の三月十一日の回答で、明確にそれは労使交渉対象の協議事項であるということを回答しているんです。どうですか。
#82
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 私の説明不足でまたこのような結果になったのじゃなかろうかと思いますけれども、私が先ほど申し上げましたように、先ほど先生から御指摘のような制度というものは、その募集人と保険会社との契約というものが基本になっております。したがって、また、今日までに長い間そういう制度が行なわれておって労使間において問題がかもされていないというようなことは、その辺についてもお互いに了解がついている問題ではなかろうか、こう考えて、私は、問題はないのじゃなかろうかと、このように申し上げた次第でございます。
#83
○戸田菊雄君 あなたが理解する失効課金制度というのはどういう内容ですか、具体的に説明してください。
#84
○説明員(渡部信君) 私が聞いているのは、間違えておりましたら後ほど訂正さしていただきたいと、このように考えておりますが、先ほど例示的に申し上げましたように、百万円の保険契約高をとりましたならば一万円の募集手当をかりに差し上げましょう、こうした場合において、それが半年ないし一年で失効した場合において、その期間に応じて一万円のうちから何がしかを返戻さしてもらう、こういう制度ではなかろうかと考えております。
#85
○戸田菊雄君 だからその罰金制度は正当だという言い方ですか。
#86
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 私は、罰金制度と申し上げたわけではございません。先生が罰金制度というおことばをお使いになりましたから、そのことばを使ったわけでありますが、私どもといたしましては罰金制度というようなふうには解していない次第でございます。(「一種の請負契約だ」と呼ぶ者あり)
#87
○戸田菊雄君 そうすると、こういう理解でいいんですか、保険部長。契約高によって歩合給で一定の金が支給される。ところが、それが一年以内とか六カ月でもって解約をされて、とにかく会社の勤務評定に入る、欠格条項に入っていくということになった場合には、当然その歩合給支給というものは減給される、こういうのをさして失効課金制度だと、こういうことをあなたは言うのですね。そういう理解でいいんですね。
#88
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 先ほど来申し上げておりますように、私どもの理解が間違っておったならば訂正さしていただきたいと思いますと、このように申し上げている次第でありまして、私は先ほど先生に申し上げたように理解している次第でございます。
#89
○戸田菊雄君 もう一ぺん言ってください。
#90
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 先ほどの私の説明が不十分のために、理解されていないというような点があることについては、はなはだ申しわけないと思っておりますけれども、私がたとえばことし百万円の保険契約額というものをきょうとりましたと。私がかりに募集人として、契約をとりましたと。そのときに募集手当というものが一万円もらえます。ところが、これがかりに二十年満期の保険であった、こういう契約で入っておりますれば、また、会社も、そういう意味合いにおいて募集人に募集手当というものを支給した。ところが、そのときに、その保険契約者が不幸にして半年あるいは一年で解約した場合には、その期間に見合う、たとえば一万円を全期間についてあげたものとすれば、半年あるいは一年をこえる掛け金を掛けなかったという期間に相当する分を差っ引く、こういう考え方に基づいている制度ではなかろうかと、このように考えております。
#91
○戸田菊雄君 細野監督課長、どうですか、いまのことに対して労働省の見解はどうですか。
#92
○説明員(細野正君) 結論的には、ただいまの御説明だけでは、先ほど申し上げましたように、これが一定の期間の間にこういう条件を満たしたらこういう金を支給するという、そういう支給条件になっていて、その支給条件にのっとった支給というふうに見るべきものなのか、それとも、支給した金の中から減額するという性質のものなのか、つまり、いまの例で言いますと、一万円というものが支給されて、そのことは確定されていて、その中から減額されるというふうに見るべきものなのか、ちょっといま判断できませんので、いまの基準法でいえば減給の制裁に該当するのかどうか、あるいは一部の控除と見るべきものなのかどうか、その辺についてはちょっとお答えできないような状況でございます。(「解除条件付だと言っているじゃないか、もっとはっきりしなさい」と呼ぶ者あり)もっと詳しく申し上げますと、半年なら半年の間にそういう契約をとって、それから中途解約されたものがずっと計算されてきて、最後のところで全部差し引いた残りのものを支給するという、そういう性格のものであれば別段問題ございませんし、それの前払いであるのか、それとも、そういう意味での概算払いをしていたのをあとで精算するのか、それとも、まず支給しておいてその中から減額するということがそういう性格のものとして就業規則の中で明確になっておるものなのかどうか、その辺がわからないと、先生のいまの御質問に対する直接のお答えがちょっとできかねる、こういうことであると思います。
#93
○戸田菊雄君 監督課長、遠慮しないでものを言ってもらいたいのだけれども、少なくともこれはどういう企業だってあるのだけれども、年次休暇と祝祭日休暇ね。そうしますと、祝祭日に要員が不足で働いたような場合には、百分の百二十五ですか、これを支給しなくちゃいけないですね。一たん働いたときには、その当月の分を賃金計算では一応支給することが決定するんですね。それで、年休消化ができたという場合には、それが賃金支給の一カ月以内の範囲内で操作できるという場合には、百分の百二十五支給の百分の百を差し引くということがあるんです。そういうものといえどもこれは明らかに労使対等の協議事項になっておるんでしょう。ここで協議を結ばない限りは賃金についてはできないんですよ、労働基準法からいっても何からいっても。ところが、いまの場合は、無差別的に無原則的に保険部長はできると、こう言っておるんでしょう。だから、そこを労働者としてははっきりした見解を出しなさいと言っておるんですよ。
#94
○説明員(渡部信君) ちょっとお答え申し上げます。
 ただいま、先生は、私が無差別的にできると、こういうふうに……。
#95
○戸田菊雄君 無原則と言ったんです。
#96
○説明員(渡部信君) 無原則でできると、このように申し上げたと、こういうようなふうに私は理解いたしますけれども、私はそのように申し上げておるわけではない。そういうものについては、募集人と会社との間において契約が行なわれておる、しかも今日までそれが問題になっていないということは、かりに労使の間において協議すべき事項であれば当然問題になっておるし、問題になっていないということは、その間においての話し合いというものがついている問題でなかろうかと、そういう意味において私は問題はなかろう、こう申し上げた次第でございます。
#97
○戸田菊雄君 問題になっておるから大蔵省としては回答やっておるんでしょう。四十一年の三月十一日に明確に回答しておるんです。「これが労働協約に含まれている場合には、外務員と会社経営者の交渉対象になるものである。」と、そういうことなんです。だから、あなたの解釈はこのことと数段下がっておるわけです。
#98
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 私の説明不十分で申しわけないと思いますけれども、そういう問題が労使の間において取り上げられてお互いに納得し合っておるといって問題になっていない場合には問題はなかろうと、そうしてまた、現在そういうことが特に私のほうに問題になっておるというようなお話も聞いておりませんもので、その辺のところはお互いが納得ずくになっておるのじゃなかろうかと、こういうふうに解釈いたす次第でございます。
#99
○戸田菊雄君 勝手な解釈じゃ困るから、これを読んであなたちゃんと理解して明確に答弁してください。
#100
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 これを読んでみますというと、「一、失効課金制度について」といたしまして、「これが労働協約に含まれている場合には、外務員と会社経営者の交渉対象になるものである。」と、このように書いてございます。したがいまして、先ほどの失効課金というようなものがかりに労働協約に含まれておったと、こうした場合においても、現在まで具体的な問題として私のほうに、こういう問題がありますと、どうにかしてください、どうなるのでしょうという問題が出てきていないということは、この問題についてすでに労使の間において了解がついておるから現在のような状態になっておるのじゃなかろうかと、したがって、私は、しいて問題はないのじゃなかろうか、そのように申し上げておる次第であります。(「そうじゃないんだ、組合と問題になっていないということなんだ」と呼ぶ者あり)組合と問題になっていないということでございます。(「次元が違う」と呼ぶ者あり)組合と募集人との間でこれが問題とされていないと。もしもこれが先生のおっしゃるように労働協約事項であって、しかもそこで意見が対立していれば、これは相当大きな問題になり得る事項であると思います。(「そのときの問題だ」と呼ぶ者あり)
#101
○戸田菊雄君 それはあとで問題にしていきますけれども、いずれにしても、私は、こういう失効課金制度というものは不穏当なものだと思うのです。それがことに局長通達でやられるというと、これは通達ですから、一種の命令でしょう。命令でもってこういうものをワクづけしていくということは、労働組合に対する不当干渉でもある。各種法律からいってもそういうことはできないと思う。ですから、この点については十分検討していただきたいと思いますね。検討してほしい。さらに具体的に言うなら、この問題については削除してもらいたい。
#102
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 私が先ほどから先生の趣旨と違うようなことを申し上げておりますけれども、それは私が何も自説を固持しているわけではございませんで、現在の時点における私の理解がそのような状態になっておると。したがって、私の理解がもしも間違っておった場合には、先生のところに行っておわびを申し上げる、いつでも御訂正を申し上げる、こういうような趣旨でございますので、その点あしからずお許しを願いたいと思います。
 それから先生が、これについて、今後検討しなさいと、こういうようなおことばでございますけれども、私もさっそく帰りましてこれについては十分検討いたしてみたい、このように考えておりますから、御了承願いたいと思います。
#103
○戸田菊雄君 それは、同じように監督官庁のほうでも検討していただきたいと思います。
 それで、前へ進みますけれども、募集制度の改善について具体的に質問してまいりますけれども、この通達中の募集制度の中で指摘した外務員制度の内容についてですけれども、一つは登録状況、それから廃止状況、それから登録試験の状況、過去五年間の合格率、それから試験制度の改定目的は一体どういうところにあるのか等について、監督行政上どういう考えを持っているのか、この点についてお聞かせを願いたい。
#104
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 いま過去五年は持っておりませんので、四十年から四十三年の四年間でございます。新規の登録外務員数というものは、これはデータによりまして多少数字に差異があるようでございますけれども、四十年度三十六万七千五十九人、四十一年度三十五万四百四人、四十二年度三十八万四千七百十人、四十三年度三十六万三百八十九人、このようになっておる次第でございます。
#105
○戸田菊雄君 廃止状況は。
#106
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 業務廃止の外務員数は、同じく四十年度が三十一万五千二百八十八人、四十一年度が三十三万三百三十六人、四十二年度が三十三万八千五百六十五人、四十三年度が三十五万三千三百七十八人、このようになっております。
#107
○戸田菊雄君 試験の状況、過去五年間の合格率は。
#108
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 過去五年間の正確な合格率は、ただいまここに持ち合わせておりませんけれども、聞くところによりますと、大体九割八、九分、九八、九%になっておるんじゃなかろうか、このように私は思っております。間違っておったら、後ほど訂正さしていただきたいと思います。
#109
○戸田菊雄君 「生命保険募集に関する答申」というのが昭和三十七年七月に保険審議会から出されているわけですね。この内容を見ますと、「まえがき」を言うと長くなりますけれども、「三十六年一月の第六回部会において、生命保険契約に関する募集、存続、支払等について、いわゆる苦情の処理を公正迅速に行なう等適切な方策を実施するために必要な機構を業界内に設け、契約者の信頼にこたえるとともに健全な保険思想の一層の普及に資することが望ましいとの意見を採択した凶と、この採択に基づいて、保険審議会としては、「生命保険募集の今後のありかた」その1として「外務員制度の改善」「外務員の現状が増員と脱落とを繰り返し、しかも、実働数が登録数の半数前後にすぎないことはさきに指摘したところであるが、これは、生命保険会社が外務員を導入するに当って、その適性等を充分勘案しているとは必ずしも言いがたいこと、また、導入後の教育訓練が必ずしも満足すべき状態にないこと等によるところが多いと考えられる。」したがって、「今後、保険会社が新規に外務員を導入するに当っては、筆記試験を含む公平妥当な方法により、外務員としての適性に基づく厳正な選別を行なうものとする。更に、将来の外務員制度は専業的外務員に基礎を置くべきであるとの観点にたって、外務員に対する教育訓練を更に外務員全般に及ぼし、その資質を向上するとともに、良質契約の確保維持が外務員給与に一層反映するよう給与体系を改善し、外務員がその職場に定着できる体制を確立しなければならない。」と、こういう答申内容が実はできておるわけですね。ところが、いまお伺いしましたように、新登録が、四十年の場合三十六万七千五十九人、四十三年が三十六万三百八十九人、廃止状況もややそれに匹敵する状況ですね。こういう状況で、この答申の内容どおりに、外務員の資質向上なり加入者保護という本来の目的からいった業務達成にはたして適正なものか、そういう点についてどういう見解を持っておられるか。
#110
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 これは先ほど触れたかと思いますけれども、その点については、私どもも先生の御指摘と同感でございます。したがいまして、以来、事務当局といたしましては、保険業界に対してよかれと思うところのいろいろな施策というものを示唆し、その実施というようなものについて邁進してまいったわけでございますが、遺憾ながら先ほど申し上げたような状況になっておる。したがって、その改善の一環として、従来の募集というような問題についてはいろいろ問題があった。たとえば外務員の教育指導、倫理の徹底というようなことについて、従来の試験制度についても問題になっておった。したがって、それを、先ほどお答え申し上げましたように、新しい方法や、改正をすることによって、一線の外務員に対しての教育指導というようなもののあり方というものを変えよう。そうすれば、審議会の答申の線にも沿うというようなことではなかろうかと思うのであります。
 それからまた、一方、保険会社自体におきましても、いたずらに業容の拡大というようなことのみに重きを置くことなく、良質の保険契約を確保するというような点について御考慮願いたいというようなことをお願いして、私ども担当者が常日ごろ実際に会社に出向いてその調査をする。そうして、よく見て、まだ不備な点があれば、あらためてその対策というものを考え、そのつどそのつどこれを指導して、一歩一歩よりよいものに近づけていこう、このようにいたしておる次第でございます。
#111
○戸田菊雄君 もう一点だけちょっと聞いて中心に入りたいと思うのですが、四十三年の、年払い、二回以下で解約されたもの、それから半年払い、ですから三回までいかないですね、それから月払い、十三回までいかないものはどれくらいの割合でございますか。
#112
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 遺憾ながらその資料はただいま手元に持っておりませんので、後刻先生のほうに御連絡申し上げるということでお許し願いたいと思います。
#113
○戸田菊雄君 それで、「生命保険外務員試験制度の改善について」ということで、これは生命保険協会の「協会ニュース」でありますが、一は、「登録後、生命保険の基礎知識教育とセールスの実地訓練を行ない資質の向上をはかる。」、二は、「会社は入社した外務員に対して、必ず教育担当者ならびに募集上の指導者を置き、必要かつ有効な教育、指導を精力的に行なうものとする。」、三番目に、「登録を受けた者は、登録日以後三カ月内に必ず受験し、」と、こういうようなことで九項目にわたりましていろいろと通達に基づいて生命保険協会で検討された内容が今回の試験制度改善の大綱になっておると思うのであります。これを見ますと、われわれが考えることとはだいぶほど遠い諸点が実はあるわけです。というのは、この案でいきますと、まず採用して雇用契約を結んで登録してしまって、それから向こう三カ月間教育をしていく、こういうやり方ですね。そうして一定の教育後に受験をさせる。しかし、いままでもそういう方法で大体やってこられたが、九八%の合格ですね、先ほど答弁されたように。それが非常にずさんなんです。ですから、この方面に対して抜本的な改善策をとっていかなければ、さっき指摘したように、資質の向上もないでしょうし、経営実態が前進するということもない。ここが一番ポイントになってくるのではないだろうか、こういうふうに考えるのです。ですから、問題は、試験をやる前に、雇用契約といいますか、その前に一応六カ月くらいの教育指導をやって、その後にはじめて受験をさせて、合格をした者を登録外務員にしていく、こういう形に持っていかなければ、その辺は強い規制をしなければ、今後外務員の資質向上というものはできないのじゃないか、こういうふうに考えるのですけれども、その辺に対する見解はどうですか。
#114
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 いま先生の御意見というような考え方も審議の過程においては内部においてはあったのではなかろうかと思います。しかしながら、慎重審議の結果、先ほど先生から御説明願ったような試験規則というようなものができ上がり、一応雇用契約というものを締結し、登録してから三カ月以内に試験を行なう。しかも、その期間に、従来どちらかというと手薄になりがちであったところの実地の指導、あるいは保険募集に必要なところの基礎知識とか、あるいは募集上の倫理というようなものをよく教え込む。そうすれば審議会の答申の趣旨にも沿うゆえんになるのではなかろうかというようなことで今回の改正のような規則を設けたと、このように承っております。この試験は、先生御存じのように、これは業界が自発的にやっておる試験でございます。業界のうちでも生命保険協会というものが中心になって、このようなことを実施すれば従来達成されなかったところの外務員の素質の向上というものが大いに期待されると、だからこういうことでやらしてもらいたい、やってみてはどうかというようなことで私どものほうに説明がありましたので、それならば私のほうはひとつその方法でやっていただこうかと。そうして、その結果がどうなるかというようなことについて見てみましょう。そして、業界のほうにおきましても、その結果が芳しくない、改善をすべき余地があるのじゃないかというようなことになった場合には、また現在の規則を改め、よりよいものを目ざすというようなことについては一向やぶさかではない、このようにお考えになっておる、このように承っておりますので、私どもも現在、それではこの改正案に基づいておやりになったらよろしゅうございましょう、このように申し上げておる次第でございます。
#115
○戸田菊雄君 いま出されておるその改正案と、いま私は希望する点を言ったのですが、部長としては一体どちらがいいと思いますか。いまの答弁ですと、試験的にいまの改正案でやってみて、これがまずければ再度また検討し直すと、こういうことでございますけれども、どっちに行ったらほんとうの意味で改善策がとれるのか、その辺の見解ですね。というのは、さっき木村委員からも質問されたときに、簡易保険の場合は九八%でしょう。これはすべて専業制度ですね。職員化して、職員がやっているわけでしょう。ですから、そういういわば雇用条件が違うところにそういう成績があがってきているのだと思うんですよ。ところが、生命保険会社の場合については、いま言ったように三十六万人も採用するけれども、数多くの人がやめて、常に新陳代謝をしていくわけですね。
 それからいまの試験制度なんというものは、全く形式的なんです。その点については、保険部長、あなたの回答は全く形式的なものだと思うんです。実際はそういうものではない。それはここにもありますように、問答集をいろいろつくって、そのうちから五問提出をして、しかもその五問も前もって当該者に教えておく。そして試験をやっていくわけです。こういう試験のやり方の中においては、資質の向上なんというものはないですね。試験制度そのものがいいか悪いかは別にして、一定のバロメーターとしてそこを乗り越えなきゃだめだよ、それが資質の向上を伴うのだと、こういうことであって、一定の標準を求めるためにやっておるわけでしょう。そういうものが何ら効果を及ぼしていないというのですから、そういう具体的な事例は幾らでもあるんですからね。だから、いま部長が形式的に答弁されたようなものじゃないんですよ、実態というものは。だから、そういう意味合いにおいてももう少しこの点は真剣に考えないと、単に形式論理で行政指導をやっておったって、資質の改善なんというものはできませんよ。そういう点はどうでしょう。
#116
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 ただいま、生命保険協会が自発的に今月から実施しようとする試験規則と、先ほど先生から御説明がありましたやり方と、どっちがよろしいか、保険部長意見を述べろと、こういうことでございますが、私としては、本件につきましては、よほどよく慎重に検討しなければ、早々にどちらがいいということは結論が出しかねる問題でございますので、どちらがよいかというようなことについてこの席上でお答え申し上げることはお許しを願いたい、このように考えております。
 それからきのうまでの外務員の試験制度というようなものについてはいろいろ問題があった、先生のおっしゃったような問題があったようなことも私は承っております。全部が全部ではないけれどもそういう問題が数多く見られるということは、私ははなはだ遺憾に考えておりました。そのような問題もありまして、今月からの試験の実施というようなものにつきましては、従来とは違い、厳正にえりを正して、試験本来の目的というようなものが実現されるような方向で、生命保険協会が中心となって今後の試験を実施したい、このように私どものほうに申し出ておりますので、私どものほうは、その点は非常にけっこうなことだと。しからば、どうなるか、ひとつ一生懸命やってもらいたい、その成果というものはどの程度あがるか見てまいりましょう、こういう状況にあるのでございます。
#117
○戸田菊雄君 いま外務員の新陳代謝が非常に多いという原因はどこにあるのか、その見方について説明をしてもらいたいと思うんですがね。
 それから局長通達の中の「募集制度の改善」のところで、「専業外務員育成計画の策定」という項目があるのですが、この中でこういうことを言っておられるのですね。「生命保険募集制度を近代化するためには、生産性の高い専業外務員を主たる基盤とする外野制度を確立してゆかなければならず、専業外務員の全体の外務員の中に占める比重を高めることによって外務員のターン・オーバーの傾向を縮小してゆくべきである」と。それで、(イ)といたしまして、「二年以上を経過した実働外務員をいう。」と、こういうことで、もっと具体的にこの点については局長通達で流しておるのですね。ところが、いまの現況というのは、そういうところに行っておらないと思うんですね。そうだとするならば、現行の数字を発表していただきたい。四十三でけっこうですが、三十六万三百八十九名中、この指摘事項に該当する専業外務員というのは一体何名いるか、その内訳は男女別はどらなっているか、年齢構成はどうなっているか、その内容についてひとつ教えてください。
#118
○説明員(渡部信君) ただいま先生からの御質問の資料は、遺憾ながら手元に持っておりませんので、後刻先生のほうへ御連絡申し上げたいということで御容赦願いたいと思います。
#119
○戸田菊雄君 資料はあとでもけっこうですけれども、ただ、大まかに言って、この通達内容の基準より上回っていると思いますかどうですか、その点。
#120
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。先ほど三カ年計画において外務員の占める専業外務員の比率はどのくらいを目標としておったかという質問があったときにお答えしましたように、それは四%でございます。ところが、四十三年におきましてはその比率が約四三%になっておると、このような状況でございます。
#121
○戸田菊雄君 いま、労働事情が逼迫して、雇用政策としては困難をきわめているのですね。そういう中ですから、今後そういう状態はもっと窮迫してくると思うんです。この見通しはどうですか。
#122
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 労働事情の逼迫というような点につきましては、ただいま先生の御指摘のとおりでございます。また、その見通しというようなことにつきましては、遺憾ながら、私どもは、ただいまこの現段階においてそういう資料というものを作成いたしておりませんので、そのお答えはお許し願いたいと、このように考えております。
#123
○戸田菊雄君 もう一点、部長、私の質問をよく聞いてくださいね、回答されないところがあるから。私は、継続率が、大蔵省の考えでは八〇%以上、それが七〇何%に下がっている、あるいは郵便局でやっている簡易保険から見て非常に下がっている。それで、そういう主要な原因は一体どこにあるかと、こういう質問をしているんです。その回答がないですから。
#124
○木村禧八郎君 ちょっとそれに関連して。もう一つ、三カ年計画ですね、四十年から始まって四〇%の目標、それが四十三年に四三%になっている。もうそれは目標を達しちゃったから今後はそれでいいとお考えなのか、さらにこれをもっと引き上げる必要があるとお考えになるのか、引き上げる必要があるとしたらどの程度に引き上げをされようとしているのか、その点もあわせてお答え願いたい。
#125
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 最初に、木村先生の質問に対してお答え申し上げたいと思います。四十年からの三カ年計画は四〇%だと、四十三年におきましては約四三%、その目標を達したからそれでもういいのか、こういう御質問のようでございますが、そのようには私ども考えておりません。この率は、私どもといたしましては、保険契約の質的内容の向上というような観点から考えた場合にはできるだけこの率を引き上げることが好ましいというふうに考えて、保険協会のほうに対しましてもできるだけ専業外務員の占める割合を引き上げるようにということでお願い申し上げておる次第でございます。
 それから戸田先生からの御質問についてでございますが、生命保険の継続率というものは、目標を八〇%にしておきながら、現在の段階では遺憾ながら七〇%程度じゃないか、これに対して簡易保険の継続率というものは九八%の程度になっておる、その差異は一体どこにあるか、これに対するお答えはしていない、このような御質問の趣旨であったか、このように解釈いたしておりますけれども、これについては、あるいは私の思い違いかもしれませんが、先ほどちょっと触れたのではなかろうかと、このように考えておる次第でございます。と申しますのは、簡易保険というものは、御承知のように、その歴史というものが長い。しかも、全国津々浦々零細なものを対象にしておる。しかも、国家というものがそれを担保しておる。しかも、その募集に当たる機関というものは、全国の郵便局、それから郵便局におけるところの集配人というようなものが当たっております。その郵便局の集配人というものは、先ほど来問題になっておるところの外務員の知識、倫理、技術というような点と比較した場合に、数等上回っているのじゃなかろうか。そういうことがこのような差異を来たしておる大きな原因のおもなるものではなかろうか、このように考えておる次第でございます。
#126
○戸田菊雄君 ですから、具体的にいえば、たとえば賃金が悪いとか、雇用政策が悪いとか、専業員化しないとか、こういう具体的な内容が出てくるのだろうと思うのですが、その辺のことを私は聞きたいんですよ。待遇はいいと思いますか。やっぱり、希望としては、専業化させるというのが通達の内容でしょう。だから、そのとおりにいっておるのかどうか、その具体的な内容についてちょっとお聞かせ願いたい。
#127
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 たとえば、具体的な内容、賃金についてはどういう差異があるかというようなことでございますが、いまここで、一例でございますが、民間の生命保険会社の外務員についての給与がどのようになっているかということを申し上げますというと、いわゆる職員補という制度がございまして、その職員補というものは契約をして三カ月未満のものでございますが、これは一例でございますが、百万円以下の契約高をとった者に一カ月平均の支給されるお金というものは一万三千七百二十円。それから百万円をこえて契約高をとるというと、その人は見習職員というものに進級いたします。見習職員に進級いたしましてから三カ月間に、先ほどの職員補の時代の百万円にプラス八十万円、合計で百八十万円、百万円超百八十万円以下の保険の契約をとった者についての手当というものは一万四千二十円。それから今度は、この見習職員がさらに三カ月間に百八十万円をこえるような保険契約をとるというと、その人は新人職員という段階に昇級いたします。そうすると、その職員のあれがどうなるかというようなことでございますが、その場合に、その新人職員に進級した者が新人職員の期間として六カ月在職の間に三百九十万円の契約高をとるというと、その手当が――これはちょっと数字がおかしいから、後ほどお答え申し上げたいと思います。これは計数がちょっと違っておると思います。とにかく、これは上がります。それから今度はさらにその新人職員が三百九十万円以上の契約高をとるというようなことになるというと、さらに二級職員というようなものに新級いたします。二級職員として六カ月以内に六百万円の契約高をとるというと、その者は一万九千三百四十円というようなことになります。さらに、その者が六百万円以上の契約高をとるというと、一級職員というようなふうになり、一級職員で六カ月以内に七百八十万円の契約高をとるというと、その手当が二万八千二百六十円と、このような状況に推移してまいりますけれども、これが郵便局に奉職しておるところの職員の給与と比較した場合には先生御指摘のように低いというような面が多分にあるんじゃなかろうか、そういうことはやはりいなめない事実ではなかろうかと私は考えておる次第でございます。
#128
○戸田菊雄君 そうしますと、基本的に、固定給と歩合給の割合が平均どのくらいいっているのかですね、その割合を……。
 それからもう一つは、いまおっしゃられた職員補としての平均賃金はどのくらい、これは固定費と歩合いを分けて合算して、それから見習職員、これの場合どれだけになっているか、それからさらにこういきますと、二級職員ですね、これの場合にどのくらい、一級職員でどのくらい、その四つをひとつ説明してください。
#129
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 固定費と比例費、歩合制の給与の割合でございますが、これはただいま申し上げたあれについてはとっておりません。別な資料で申し上げますというと、職員補に相当するものが、固定給が八八・九%、比例給、歩合給が一一・一%、見習職員が固定給が七九・七%、比例給が二〇・三%、新人職員が固定給が三五%、比例給が六五%、二、級職員が固定給が一六%、比例給が八四%、それから一級職員が固定給が四二・七%、比例給が五七・三%、になっております。そこで、先ほど階層別に申し上げました職員の一万三千七百二十円と一万四千二十円の内容はどうなっておるか、固定給の具体的数字でございますが、このほうは計数がございますので申し上げてみたいと思います。まず、最初の職員補についてでありますが、一万三千七百二十円のうち、いわゆる固定費というものに相当するものが一万二千円――それでは、この数字が対応していないそうでして、申し上げることを取り消さしていただきたいと思います。
#130
○戸田菊雄君 じゃ、資料がないようですから、あとで出していただきますけれども、監督課長に聞くんですけれども、いま発表されたように、職員補の場合には八八・九%、一一・一%、ずっと割合が出ているんですけれども、一級職員になりますと四二・七%、五七・三%ですね。二級では一六%、八四%なんですね。はたしてこういう固定給と歩合給の割合というものが妥当なのかどうか、労働省の指導としてはどうですか。
#131
○説明員(細野正君) 基準法では、出来高払制その他の請負制でやっている労働者につきまして、労働時間に応じた一定額の賃金の保障をしなければならぬ、こういう規定がございます。これは御承知のとおりでございます。その場合に、どのくらいの割合を保障しなければならないかという点は法律に書いてないわけでございます。したがいまして、法律上は、何らかの保障給を設ければそれで法違反ということにはならない、こういう状況になっております。おそらく、お尋ねの趣旨は、それにしてもある程度指導のめどみたいなものがあるのではないか、こういうふうなことではないかと思いますが、一般的にこの点についての明確な指導基準というものが実はないのでございます。ただ、一例としては、唯一例外的なものとして、ハイヤー、タクシー等の場合に、歩合給の割合が非常に高いことが労働時間が長くなる、その結果法違反が出てくる、そういう直接の原因になっているということから、保障給を六割にするようにという、かなり強い指導といいますか、この点は、先ほど申し上げましたように、交通災害の大きな原因になる長労働時間ということの、これはまあ法違反になるわけでありますが、それの原因として給与体系がある、こういうことから、いま申し上げましたのは例外的な指導基準を経営者側や労働組合ともいろいろ御相談しながらそういう強い態度をとっておるという例外が一つございます。しかし、それが直ちに一般の産業企業に当然及ぶというものでないことは明らかでありまして、そういう意味で生活保障という観点から見て一般的に六割という数字がいろいろなところで使われているということはございますけれども、それをすぐいま申しました基準法二十七条の保障給の割合に持ってくるというわけにもまいりませんで、そういう意味でお尋ねのような明確な指導基準はない。しいてその一つの望ましい形としては六割あたりが一つのめどではないかということは言えると思いますが、それをもって直ちに指導基準とするような意味で使うべき性質のものではないというふうに考えております。先ほどお尋ねございましたように、労働監督機関が、いわば労使関係事項について、法律の権限なくしてあまり調整的あるいは指導的なことをやるのは問題がございますので、そういう意味でも、いま申しましたような六割というのは、あまり振り回すべきものではないのではないかというふうに考えております。
#132
○戸田菊雄君 交通災害等の激発によって、ハイヤー、タクシーあるいはトラックの運転手、こういったいわば請負出来高制払いについては、一定の指導はされているわけですね。当面六、四でもってやりなさい、こういうことですね。ですから、それはやはり時代の趨勢だろうと思うんです。それを、一般民間企業にまで波及させていいかどうかという課長の答弁ですけれども、それは大蔵省に気がねしているのだろうと思うのですけれども、いずれにしても、もう少しそういうことははっきりした全般指導をやってもらいたいと思うのです。何と言ったって労働省は労働者を育成するところですから、そういう面についてはやはり思い切った態度を示してもらいたいと思います。
 しかし、いずれにしても、外務員の場合、歩合給についての割合というものは非常に高率ですね。それじゃやはり外務員の生活保障ということは成り立たないと思う。だから、そういう意味から言って、当面この給与体系について抜本的に改善策をとる必要がある。こういう点について、局長はどう考えますか。
#133
○政府委員(澄田智君) 保険外務員の場合は、いまハイタクの運転手の例が出ましたが、それとはやや違う勤務形態であるということは、これは事実としてそうではないかと思います。そして。パートタイムのような性格を持っている人が多く、こういうものは専業化をしていくことが方向として望ましいということはそうでございますが、他面、その外務員を充足するためには、相当そういう。パートタイムのような婦人層等の人を活用していくということも、これは保険外務員の長い間のそういった慣行、そういったやり方というものもあるわけでありまして、そういうところも勘案しながら、もちろんおっしゃるように固定給の割合というものもしかるべき比率というものを維持しなければならぬし、あるいは引き上げていかなければならない、こういう問題は当然あるわけでありまして、さらに今後ともそういった給与体系の改善、それから専業の外務員というものをふやしていく、そういう方向は当然のことではあり、また、そういうほうに保険の経営というものを持っていくような指導というものも当然やっていかなければならないということでありますが、今後の労働事情等も考えて外務員問題というものを十分慎重に検討し、逐次改善をしていかなければならない、かように考えております。
#134
○戸田菊雄君 募集制度の改善で、局長通達では、「専業外務員育成計画の策定」とそれから「新契約費等経費の節減と支出の合理化」、これは非常に相矛盾した内容をそこに含んでいると思うのです。片方では、具体的に二年以上の者をもって専業外務員制度で置きかえていきなさいと指導する。しかし、いまの生命保険の経営内容からいけば、いわゆる内部組織、外野組織とあって、そして外野組織のほうはすべて契約費でまかなえというのでしょう。これをさらに局長通達では、節約しろと言っているんですね。一面においては育成強化をはかれというのですから、この辺がやはり私は非常に問題になるところじゃないかと思う。いまの契約費等で全体をまかなっていくとするならば、それらに対する契約費の予算というものをもう少し大幅にとっていかなければ、結局外務員の待遇向上というものにもつながっていかないんじゃないか、こういう考えを持つのですが、この辺のかね合いと、いまの契約費等の設定ですね、一千円当たり、三十四円ですか、維持費等については四円ですか、そういうことになりますと、かりに百万円とってみても、三万四千円見当にしかならないわけでしょう。それで全体をまかなっていけということになるわけですからね。それじゃとても会社としてもまかない切れないんじゃないですか。だから、こういう経営内容についても抜本的に検討を加えていかない限り、当然外務員等の待遇向上というものはできてこない、私はこういうふうに考えるわけですが、その辺はどう考えますか。
#135
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 先生の御指摘の点はもっともと考えるのでございますが、先ほど私が先生にお答え申し上げたかと思いますけれども、四十二年度において、新たに契約した者が万一の場合に解約をしていく、そのものに要した費用が、収入として見合うところの保険料を約百三十億円も上回っておる、支出超過になっておる、このようなことを申し上げたように記憶いたしておりますが、そういうことが現在の保険会社の経営というようなものについて、外務員制度のあり方と関連してでございますが、経営というようなものについて大きな問題になっているのではなかろうか。したがって、それでは、先ほど来問題になっているところの現在の外務員制度のあり方、もちろん会社のほうにも責任がございますが、その辺のところを根本的に考えなければならない。それをむしろ先ほどから問題になっている外務員というようなもののかわりに専業外務員というようなものの比率がふえていけば、彼らは良質の保険契約というようなものを募集する、多額にこれを獲得するというようなことになってくる。そうすると、先ほど、一年で解約した場合に、解約に要した経費が支出超過になっているという問題がございましたけれども、その辺とのかね合いを考えた場合には、そっちのほうを切り詰めれば、切り詰めたお金をもって専業外務員の給料その他の待遇面についての充実ということも考えられるのではなかろうかと、こういうようなことを考えまして、先生が先ほど指摘されましたような通達の趣旨というようなことになってくると考えておる次第でございます。
#136
○戸田菊雄君 これは、私は、先ほど大蔵大臣と木村先生との間でやったように、一方物価抑制と、それに加えて年金のスライド制、そういうものと同じだと思うんですね。相矛盾した形にあるわけですから、そこは思い切った抜本策をとらない限り、いつまでもこの状態が続く限り、改善策はとれないのじゃないか。だから、ここでほんとうに専業外務員をつくる、そういう資質向上されたものをつくっていくということであるならば、思い切ってこの待遇を上げなければだめなんですね。そうすると、いまあなたが答弁されたように、契約経費の中では百何十億か赤字だからとてもそれはそういうわけにいかないのだということになるわけですね。だから、いまの経営内容としてそういう部面の欠陥がそこに来ているのじゃないか、こういうふうに考えるわけです。いずれにいたしましても、いまの歩合給と固定給の割合がこのままでいいというわけではないと私は思うんですね。だから、その辺は、いずれにしても、総合的にこの局長通達どおりに外務員の資質向上をはかるとするならば、ほかに何らか検討策が必要じゃないか、こういうふうに考えるのですけれども、その辺は、政務次官、どうですか。
#137
○政府委員(沢田一精君) けさほど来、熱心な御質疑を聞いておりまして、私は私なりに深く勉強はしておりませんけれども、いろんな感じをもって拝聴しておったわけなんです。いろいろ問題があると申しますのは、たとえば解約失効という問題が多過ぎるという御指摘がありましたけれども、これはやはり日本の長い間の歴史的な保険業界の沿革もあると思いますけれども、先ほど保険部長や銀行局長も言っておりましたが、業務の拡大ということを最大の方針にして会社が経営方針を継続してやってきたところにも問題があると思います。そして、結局、外務員と申しましても、縁故、知人そのほかをたよって、そして業務の拡大を第一線の外務員はしいられておるという結果もあると思います。したがいまして、失効というようなことが非常に多くなっておる。どんどん業務の容量を広げていきませんと、会社として成り立たないという問題もあろうと思います。したがいまして、専業の外務員というものの率をどんどん広げてまいりまして、そして高い賃金を払う。ところが、結果的に、これは言い過ぎかもしれませんが、業務がいままでのような伸びで拡大していかないということになります。そうしますと、会社経営自体がはたしてそれでやっていけるかどうかというような深刻な問題もあるいは出てくるかもしれない。そうしますと、いままで加入していただいております国民の各界各層の多くの人たちに非常に不安をもたらすというようなこともあると思います。したがいまして、先生が御指摘のように、会社の経営内容、あるいは業務の方針、そういった大所高所から総合的にいろいろな点を慎重に検討判断をしなければなかなか解決しない問題がたくさんあろうと思います。
  〔委員長退席、理事青田源太郎君着席〕
因果関係になっておるものも確かに御指摘のようにあろうかと思いますけれども、それらの点について、これは非常に大きなことを申し上げるようでございますが、大蔵省といたしまして、保険業全般の監督をいたしております役所といたしまして、さらに各般の問題について総合的に慎重に検討をし、そうして業界とも十分相談をし、あるいは審議会の意見も十分に聞いた上で、いまいろいろと御指摘になりましたような事柄につきまして総合的に検討をいたしたい、かように考えるわけでございまして、個々の問題を取り上げられまして、これはけしからぬじゃないか、これはどうかと言われますと、なかなか即答いたしかねる面もあろうかと思いますけれども、全般的にいままでいろいろと指導をやってまいりました経緯も御指摘のようにございますけれども、さらにこの辺で総合的な抜本的な検討を加えてみたい、かように考えるわけでございます。
#138
○戸田菊雄君 政務次官のおっしゃられましたようなことでぜひ検討していただきたいと思うのですが、えてして、いままで、政府の答弁で検討する、善処する、配慮するなんというのは、やらないことになっておるのですね。政務次官の場合は信頼しておりますから、ぜひひとつ検討していただいて、前向きでこれで少しでも前進したというようなことになるように要望しておきたいと思うのであります。
 それで、審議会の答申案の内容にまた移るわけですけれども、この「外務員制度の改善」の「外務員の資質向上」についての意見が大綱三つに分かれて答申されているわけですね。その一つは、「現行登録制を改め、免許制ないしは試験制を実施すべきであるという意見があった。」と、こういう意見、もう一つは、「免許制あるいは試験制に反対ではないが、それが不正当な募集行為を防止する万全の手段とはなりえないとの理由で、むしろ外務員の募集行為に対する生命保険会社の責任体制を強化することにより、契約者保護を図るべきであるとの意見もあった。」と、もう一つは、「免許制あるいは試験制が、不正当な募集行為を防止する手段として必ずしも実効を期しがたく、また、当面労働事情のひっ迫も予想されるおりから、外務員の採用がますます困難になること、更に、募集行為に対する保険会社の責任を強化することは、保険事業の健全性をそこなうおそれがあること等の理由をあげて、免許制あるいは試験制の採用も、責任体制の輪化にも反対し、むしろ外務員の待遇に改善を加えるほか、外務員の教育訓練の拡充により、その質的向上を図るべきであるとの意見もあった。」と、こういう意見、大綱三つの具体的な答申内容というものが出されているわけです。今回これの改正の効果として出てきたものは、私の理解する限りでは、三項――後段の待遇改善ということは削除されているのでありますが、労働事情等の逼迫等から三項に基づいて重要な改正をしたように私は理解をしているわけなんです。その辺の見解はどういうふうに感じておりますか。
#139
○説明員(渡部信君) ただいま先生が御指摘になった問題点についてでございますが、これらの問題は、「外務員制度の改善」とか、「募集行為の適正化と保険会社の責任体制の確立」とか、あるいは「保険契約の質的向上」というようなことにつきましては、みなが関連があるといえば関連のある問題でありまして、私どもといたしましては、これを切り離して一つ取り出して検討するというようなことは検討できないこともございませんけれども、非常に関連の深い問題でありまして、今日まで、この辺の問題については、答申の趣旨に沿ってそれに応じたそれぞれの施策というようなものを会社に出させ、それを実施するように要望してまいった次第でありますけれども、現在の状況はどうかというようなことは、先ほど来先生が御指摘になっておるような状況でございまして、私どもの力が足らずしてこのような結果となっておるということについては、ほんとうに申しわけないと思いますけれども、私どもも今後もこの制度の趣旨に沿いましてできるだけこういう方向に向かって前進を続けたい、こういうように考えております。
#140
○戸田菊雄君 保険部長、私は具体的にものを聞いているんですよ。答申の内容では、三つの意見があったというんです。今度の改正案というものはどの項に基づいてやられておるのか。私は、三項に基づいてやられておるのではないか、こういうことなんです。あなたはどういう理解を持っているのか。一項、二項、三項と、三つの意見があるわけですから、私は、三項の意見に従って今回の改正案というものをやられているんじゃないか、こう具体的に聞いているんですからね。
#141
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 私が先ほど申し上げましたように、今度の改正案というものは、この三つの問題というものが関連しておるのだ。したがって、この三つの問題というものは、当時この答申をいただいたときから非常に大きな問題になっておる。しかも、それが現在の募集員のあり方というようなものに関係しているのでありまして、募集員のあり方というものはいずれもこの三つの問題というものに密接な関係を持っておるのでありまして、このいずれを切り離すというようなわけにはまいらぬ。今度の改正案は、この三つをねらいとしておるのだ、そういうことでございます。しかしながら、先ほど来申し上げましたように、今度の改正案でも、はたしてこの趣旨に沿うような成果をあげることができるかどうかということは非常に問題だ。もちろん、いままでの実施の結果がこういう期待に沿えなかった、そういうことで問題があったということについては、われわれも十分その責任を痛感をいたしておる。今度のこの改正案というものは、そういういままで達成できなかった欠陥の多かった問題というものを一つでも除去して一歩一歩いいほうへ向かっていこう、こういう方向に基づいて改正をいたしたと、このように了解いたしておる次第でございます。
#142
○戸田菊雄君 具体的に答弁をしてもらいたいと思うんです。答申の三項の内容というものは相当違うんですよ。第一項については、現行制度を全面撤廃しろというんです。そうして、免許制ないしは試験制を実施すべきである、制度として設定しなさいというんですよ。第二項は、そこまでいかなくてもいいが、それが不正当な募集行為を防止する万全の手段とはなり得ないとの理由で――これは非常に抽象的でありますが、そういうことで、むしろ具体的に外務員の募集行為に対する生命保険会社の責任体制を強化しろ――これも非常に抽象的でありますが、そういうことを考えて、そこはやはり大蔵省は指導監督機関として検討しなければいかぬというんでしょう。そうして三番目があるわけです。そうして、なおかつ、生命保険外務員試験規則というものは十二条から成り立っているということが出ておるんですよ。そうして、七月一日から実施するんだというんです。そういうものに対して、答申に基づいて大蔵省としては当然検討する責務があるんでしょう。はたして十二条に具体的にいま言った答申の三意見というものがどういうふうに取り入れられているのか、その内容について一条ごとにでもいいですから伺いたいんですよ。
#143
○説明員(渡部信君) 先生の御質問はまことにもっともであるのでありますが、私どもといたしましては、第一に「外務員制度の改善」というようなことがここに掲げられてございます。しかしながら、これはけさほど来お答え申し上げておるような問題というものをはらんでおる。そこで、その改善というものにいままでも努力をしてきたけれども、今後もまたその方向に向かって進んでいかなければならぬということでございます。
 それから第二の「募集行為の適正化と保険会社の責任体制の確立」と、こういうことでございますが、これについてもまたけさほど来外務員制度のあり方というようなことについていろいろ問題になってきた事項でございます。
 それからまた第三点の「保険契約の質的向上」、これもけさほど来お答えしておるというような問題でございます。
 これらの三つの問題というようなことについては、それぞれ関連しておる。おのおの一、二、三と分けて掲げられてはおりますけれども、これらの間には、先ほど来私がお答え申し上げましたように、非常に密接な関係があるというようなことでございまして、その辺のところを一歩一歩よいほうに近づけていくためにはどういう方法をとったらいいかというようなことを今日まで検討された次第でありますが、その結果今回の改正というようなことになったわけでございます。
 いま、先生は、免許制度というようなことについて具体的にはどうかという御質問でございますが、それについては、私どもといたしましては、募集員というようなもののあり方について現在は登録制というようなことをとっておりますけれども、これを免許制というようなものに持っていくについてはなお検討すべき多くの問題をはらんでおるのじゃなかろうか、こういうようなことで、今後検討してまいりたい、このように考えておるものでございます。
 それからまた、責任体制の確立というようなことにつきましては、けさほど来申し上げておりますように、募集員の募集倫理というようなものにつきましても問題がある。知識あるいは技術というようなものがなくて、先ほど来問題になっておったように、失効解約率というものが高いということが保険会社にとってもマイナスであると同時に契約者にとってもマイナスであるというようなことで、その辺については、実地指導と学科の指導と倫理の指導というような面から責任体制の確立というようなものをはかっていかなければならぬのじゃなかろうかというようなことについては、十分先生からの御質問がありましたし、また、私の答弁がまずいために御了解願えなかった点もあったのじゃないかとも思いますが、そのような点がありましたならば、あしからずお許し願いたい、このように考えている次第でございます。
#144
○戸田菊雄君 あしからずにはいかないんですよ。どうしても抽象的なんですね、保険部長は。私は具体的に聞いているんです。一つの意見としては、現行制度の登録制度を改めて、そして免許制ないし試験制を実施すべきだと。これに対して検討したはずでしょう。だから、いまの段階でどうしてそういう制度ができないのか、制度化に踏み切れないのか、このことを聞きたいのです、具体的に。制度化に踏み切ったが、こういう欠陥があるからもう少しそういう点で検討なんですというなら話は別だが、そういう聞きたいところを答弁してくれないんですね。その点は一体どうなのか。たとえば、不正当な募集行為を防止するということでどういうことを大蔵省は検討したのか。責任体制を確立しろというのだが、こういう問題について具体的にどう検討したか。それから今回改めようとする、この十二条によって構成される試験制度について、これは一体妥当なのかどうなのか。私は、その内容について問題にしたいのは、一つは、第三条の登録を受けた人が、三カ月以内で、はたして資質向上に希望するような教育内容というものはできるのかどうか。実際上は、あれでしょう、採用して登録をして募集行為をやらせる、その合い間でやっていくのでしょう、教育を。三カ月間まるまる授業計画を設定してそこでみっちり勉強さしていく、それに加えて実務体制を付加していく、こういうものじゃないのでしょう。仕事が優先されて外交の募集行為をやらせていて、そして結果的に名目試験をやっていくから、あなた方が考えるような資質向上にはいっていないのです、実際は。だから、そういう実態の克服をどうするかということです、心配は。でないと、さっきいろいろと論議をしてきたような欠陥の克服までいかないじゃないか、こういう心配があるから、私はものごとを具体的に聞いて回答を求めている。そういう点についてひとつ答えてください。
#145
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 免許制度についてでありますが、先ほど申し上げましたように、現在が登録制になっておる。昔から免許制というような御意見もあったやに承っております。しかしながら、これを登録制度にしたということについては、外務募集員というようなものを免許制というようなものにすることについては何かまだ検討しなければならぬ問題があるのじゃなかろうかというような考え方がありまして現行の登録制になっておる。もちろん、私どもといたしましては、この点については、ただいま御指摘のような経緯もございまして、これを登録制から免許制度に切りかえるというようなことについて検討していないわけでございませんが、先ほど来申し上げておりますように、これについてはたとえばこういう例を申し上げますというと適当かどうかは存じませんけれども、保険の外務員というものは、ほかの外務員に比較して非常に公共性を帯びている、それがゆえに登録というようなことになっておるのだろうと思います。しかしながら、また、線の引き方によりましては、これは適当な例ではないかと思いますが、ほかのたとえばいろんな物品販売業というようなものも多く行なわれております。そういうものだって、ある程度場合によっては公共性というものは帯びている。そういうものが登録制というようなものになっていない。その辺の考え方、割り切り方、線の引き方というようなことについても、なお慎重に検討しなければならぬ問題もはらんでおる。そういうことで、私どもは、これをないがしろにしておるわけじゃないのでございますけれども、その辺のつり合い上、慎重な検討を要する問題があると考えておるので、現在検討中であり、また、今後もこれを検討してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
  〔理事青田源太郎君退席、委員長着席〕
 それから外務員の素質の云々の問題でございますけれども、これは先ほど来先生にお答えしておるとおりでございます。
#146
○戸田菊雄君 どうも納得いかないのですが、同じようなことを繰り返すのですが、具体的に大蔵省はどういう検討をしたのかということをさっぱり言ってくれないんですね、こういう答申に対して。三十七年ですからね、この答申が出ておるのは。しつこいようだけれども、こういう点は経営者の責任体制を具体的に検討しなさいと。業界は、どういうところに欠陥があって、こういう点についてわれわれはこう思うというやつが出てこないんですね。だから、そういうことで答弁が済むならとてもいいことだけれども、私はこの点については了承できかねますが、いずれまた機会を見てこの問題についてはやるつもりでありますから、この次に譲るといたしまして、前に進みたいと思います。
 それは、監督課長にお伺いしますけれども、いま、外務員の募集で、会社が懸賞金を出してそういう外務員を募集しているという実態があるんです。これは具体的に出せというなら、いっぱいありますから出しますけれども、そういうことは職業安定法違反じゃないですか、どうですか。
#147
○説明員(細野正君) 安定法の問題は、私の直接所管ではございませんので、明確なお答えをいたしかねる点がございますが、募集する場合に、自分の職員でやる場合と、それから他人を使ってやる場合と、両方ございます。いずれにしても、継続的に報酬を許可を与えられたときの条件以上のものを払いながら募集をさせるということになりますが、許可の問題は、通勤圏内の場合に職員を使ってやる場合には要りませんが、その他の場合には要るようになっております。その場合に、いま申しましたように、条件以上の報酬を与えながら募集をさせているということになると、確かに問題が出てまいるというふうに考えております。
#148
○戸田菊雄君 担当外でございますから了承しますけれども、これはあとで担当官のほうから調べていただきまして回答をいただきたい。
 そういう実態が、例を具体的にあげろといえばいっぱいあるんですけれども、こういう内容については大蔵省としては御存じですか。もし知っておるとすれば、そういうものに対してどういう対処策をとっておるのか、どうですか。
#149
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 ただいま担当者に伺いましたところ、そういう制度があるようでございます。ただ、交通費その他実費弁償というようなことで業界では支給しておるというようなことでございます。
#150
○戸田菊雄君 じゃ、これはお願いしておきますが、そういう具体的な事実で大蔵省が現在までタッチした内容について、年月日、場所、内容、金額、どこの会社か、そういう点について資料を御提示願いたい。
 それからいろいろと外務員の待遇上等の問題についていままで御意見を伺ってきたのですけれども、最後に、教育制度でいま業界でいろいろ検討されて方針を出しておるようでありますけれども、はたしてこれで監督機関としては十分だと言えるのかどうか、それから初任給は現行のままでいいのかどうか、それから採用条件はどうか、こういう問題についてどういう判断をしておるのか、具体的にお願いしたいと思います。
#151
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 今度の改正の制度の方向で、期待されるような成果をあげる上において十分かどうか、このような御質問でございますけれども、私どもといたしましては、これもけさほど来お答え申し上げましたように、きのうまでの試験制度というようなものにつきましてはいろいろ欠陥がありました。そうして、その欠陥を是正し、少しでもよいほうに進んでいくための方策というものを今日まで生命保険協会が中心となって検討した結果、今度の改正のような方向で教育の効果をあげ得るのじゃなかろうか。特に外務員の募集というようなものについては、従来の試験のやり方では、試験前において保険協会が定めたところの教育課程というようなものを履修するということになっておりますけれども、それはまだ採用されるかどうか不安定な志願者に対してそういう勉強をしいる、あるいは勉強してもらうというようなことについても、なかなか徹底しがたいというようなうらみというようなものもあって、それからまた、そういう状態で試験をしてまた労働逼迫というような事情があって保険会社がどうかという問題も、その点はいろいろ問題もあろうかと思いますが、合格率が九八%から九九%、こういうような状態になっておったと、そういう状態では資質の改善というようなものはなかなか望めないのじゃなかろうかというようなことで今回のような制度というものにしたわけでございますが、これはいずれも大蔵省というようなものの手を離れて、保険会社あるいは保険協会というようなものが中心となって、この方向でやれば従来よりもよりよい結果を生むであろうとの確信に基づいて改正の方向に踏み出したわけでございます。しかも、実地の指導に当たる場合には、実地指導者というようなものが新しい外務員について指導して回る。また、部内におきましては、必要な知識あるいは募集倫理というようなものを指導するというようなことにつきまして従来以上の努力を払う、こういうことになっておりますので、私は、この辺につきましては、十分な――十分ということは申し上げてはどうかと思いますけれども、従来より以上の成果をあげる結果になるのじゃなかろうかと、このように期待いたしております。
 それからまた、初任給が十分であるかどうかというような問題でございますが、これは大蔵当局としてそれに直接関与しておるわけではなく、志願者、募集人とそれから保険会社というようなものの間の契約で行なわれておることでございます。しかし、また、その初任給が低いというようなことについてはいろいろ問題もあろうかと思いますが、これを上げるということになると、会社の経営に響く、それがひいては保険料率というものにはね返ってくるというような問題もありまして、これはなかなか慎重に検討しなければならぬ問題でなかろうかと、このように考えております。
 それからまた、最後の採用条件というようなことについてでございますが、これも保険会社と志願者、募集人との間のお互いの自由契約というようなものに基づいて行なわれておる問題でありまして、この点については、お互いの間に問題がない、これでよろしいということになれば問題はないのじゃないかと、このように考えております。もちろんその点につきましてはいろいろ問題もあるようでございますが、現在の段階におきまして、そのようなことでよろしいと、問題はなかろうというようなことを私どもは承っておりますので、そのような方向で進んでいただきたいと、こういうようなことを生命保険協会のほうにお願い申し上げておる次第でございます。
#152
○戸田菊雄君 いまの保険審議会の委員の構成について先ほどちょっと質問しましたが、臨時委員という制度があるから、できるだけそういうものを採用して今後は検討を進めたい、こういうことでありますが、ぜひ大蔵大臣の意向に従って事務当局としてもできるだけ正当な意見を聞くようなそういう構成メンバーにしてもらいたいと思いますが、こういう点に対する事務当局としての考えですね。
 もう一つは、試験制度の根拠――一方諮問がなされておりますが、この点について一体どういうふうに考えるのか。具体的には、この改正案にありますが、(試験問題)第七条、ここに問題があるわけですが、その内容は、これによりますと、第七条試験は、外務員が生命保険契約の募集を行なうに際し了知していることが必要と考えられる生命保険の基礎知識ならびに販売知識の基本について、筆記によりこれを行なう。
2、前項の試験問題に関する事項については、別表2に定めるところによる。
と、こういうことになっておりまして、別表がないのですけれども、別表の内容、具体的にどういう科目でやられるのか、その辺の検討した内容について、わかっておればお答えを願いたいと思います。
#153
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 まず、審議会の委員について、公正な意見を反映させるようにという問題でございますが、これは先生のおっしゃるとおりでごいまして、先ほど局長から御答弁がありましたような趣旨で今後進めたい、このように考えております。
 それから第二点の試験の根拠でございますが、これもけさほど来御説明申し上げておりますように、法的には根拠はございません。ただ、保険会社、生命保険協会が自発的にやっているというような問題でございます。
 それから最後の試験問題集でございますが、ただいま、今度の新しい問題集というようなものについて、私、手元に持って来ておりませんので――どうもたいへん失礼しました。ちょっと一例を申し上げますというと、このようなことになっております。問題として、具体的には、一として「わが国で生命保険を必要とするおもな理由」、第二番目は「私たちの暮らしを守る三つの保障」、第三問は「生命保険会社の資産運用」などというような問題でございます。
 以上お答えいたします。
#154
○戸田菊雄君 いまの試験問題の内容ですが、生命保険の必要な理由、あるいは暮らしを守る三つの保障、これは私は内容としては相当むずかしい問題だろうと思うんですね。ことに資産運用なんというのは、専門知識でしょう、こういうことになればね。そういうものに対して、改正規則でいうところの三カ月の中で募集行為を実行しながらはたしてそういうものがマークできるのかどうか、こういう問題を私は心配するわけですよ。ことに、採用の人員構成がわからないというけれども、私はやはり女子の中年齢層が多いと思うんです。私たちが現在ぶつかっているのは大体そういう人たちです。だんなさんが働きに行って、子供さんも学校に行って、だれもいないから、その合い間にやろうというような人たちが多いのですね。そういうことだと、大体四十歳以上です。ですから、そういう人たちも当然職員として働いてもらうことはけっこうだし、推進しなくちゃいけないのです。それがためには、もっと親切な指導、育成強化というものが配慮されなければ、消化し切れないし、そのことだけでもやめてしまうということになるのじゃないか、こういう心配があるんですね。だから、こういう面については、実態に即応した体制を監督機関としては忠告をし、保険協会を指導していく、そういう心がまえが必要だろうと思うのですが、この点は要望として申し上げておきたいと思います。
 次に、新規契約費と維持費との関係でお伺いしたいのですけれども、さっきもちょっと触れたんですけれども、いまの千円当たり三十四円ないし四円という契約費あるいは維持費等の単価というものが、はたして妥当なものかどうか、もう少しこの内容について検討を加える必要があるのじゃないか、こういうふうに考えますが、いずれにいたしましても、会社は赤字経営でということになるのですが、そういうことであるとすれば、全般的な内部組織の運営等も含めた事業総体の経営内容について検討を加えていく必要があるのじゃないか、こういうふうに私は考えるのですね。いずれにしても、いまの保険会社というものは、そういう内部組織、外部組織の両面が両軸になって運営されているわけですから、一定の経営システムではあろうと思いますけれども、なかなかそういうことから来る弊害というものは非常に多い。多いから何とか検討しなければいけないのだ、こういうふうに考えるのですが、その辺の政策方向、事務当局の考え方について明確にお答えを願いたい。
#155
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。
 ただいま先生の御指摘の点というようなものは、まことにもっともでありまして、われわれ事務当局といたしましても今日までいろいろ検討してまいった次第でございます。たとえば、新契約費のワクとか維持費のワクなどの事業費のワクにつきましては、経済情勢の変化というようなものに即応していくべきであると考えておりますので、その辺につきましては私どもも今後とも絶えず検討を重ねて経済情勢にマッチしたものにしていきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#156
○戸田菊雄君 これで終わりますけれども、最後に資料要求をしておきたいと思います。
 一つは、各社払込別継続率状況――年払い、半年払い、月払い、これの最近五カ年のものでけっこうですから、その資料をぜひ御提示願いたい。
 二番目は、全社失効解約契約高、該当契約払込保険料の最近五カ年――これは聞きましたからけっこうです。先ほどの説明で誤りがなければ、あの資料を使わせていただきます。
 次に、新契約費の明細表ですね、これは昭和四十二年度と三年度を含めて最近の五カ年間のものをちょうだいいたしたい。
 それから維持費の明細表、これは新契約費明細表と同様でお願いします。
 それから外務員中、雇用外務員と委任制外務員の各社在籍数をお願いします。
 それからもう一つは、現在、生命保険会社は二十幾つあるわけですが、局長通達で八〇%以上の継続率に持っていけという、それから極端に下がっている一番悪い順序から五番目くらいまででいいですから、その順序に資料提示を願いたい。
 以上五点を要求しまして、本日はこれで終わります。
#157
○委員長(丸茂重貞君) 本件の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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