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#1
第061回国会 大蔵委員会 第26号
昭和四十四年七月三日(木曜日)
   午前十一時十四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸茂 重貞君
    理 事
                青田源太郎君
                岩動 道行君
                戸田 菊雄君
                多田 省吾君
    委 員
                青木 一男君
                伊藤 五郎君
                大竹平八郎君
                鬼丸 勝之君
                小林  章君
                矢野  登君
                木村禧八郎君
                田中寿美子君
                松井  誠君
                松本 賢一君
                横川 正市君
                渡辺  武君
   衆議院議員
       大蔵委員長代理
       理事       渡辺美智雄君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  福田 赳夫君
   政府委員
       大蔵政務次官   沢田 一精君
       大蔵大臣官房審
       議官       細見  卓君
       大蔵省主税局長  吉国 二郎君
       国税庁長官    亀徳 正之君
   事務局側
       常任委員会専員
       員        坂入長太郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国税通則法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(丸茂重貞君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 国税通則法の一部を改正する法律案を議題とし、まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。福田大蔵大臣。
#3
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま議題となりました国税通則法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を申し上げます。
 政府は、昭和四十四年度税制改正の一環として、最近における社会、経済の諸情勢の進展に即し、納税者の権利救済制度の整備充実をはかることが必要であると考え、この法律案を提出いたした次第であります。
 以下、この法律案につきまして、その大要を御説明申し上げます。
 第一に、国税に関する審査請求については、現在、各国税局に置かれている協議団が審理を行ない、協議団の議決に基づいて国税局長が裁決することになっておりますが、今回の改正では、課税等の処分に関与する税務の執行系統から切り離された機関として国税不服審判所を国税庁に設け、納税者の審査請求について審理、裁決を行なわせることとしております。なお、国税不服審判所には、事案の能率的な処理に資するため、所要の地に、その支部を置くこととしております。
 第二に、不服申し立て期間の延長、不服申し立てについての審理手続の合理化等の措置を講ずることとしております。すなわち、異議申し立て等の期間は、これを一カ月から二カ月に延長することとしております。また、納税者の不服に関する審理手続については、国税不服審判所長は、一定の手続を経て、国税庁長官が発した通達に示されている法令の解釈と異なる解釈により裁決ができることとする等の整備合理化をはかることとしております。
 第三に、納税者が誤って税額を過大に申告したと主張する場合の更正の請求について、現行二カ月の請求期間を一年に延長するとともに、やむを得ない後発的な理由による更正の請求については、さらにその特例を設ける等、所要の改善を行なうこととしております。
 なお、以上のほか、差し押えにより国税の徴収を確保する措置がとられた場合または十分な担保が提供されている場合には、差し押え等がされている期間の延滞税率を日歩四銭から日歩二銭に軽減する措置を行なうこととしております。
 以上、この法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げた次第であります。
 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#4
○委員長(丸茂重貞君) 次に、補足説明を聴取いたします。吉国主税局長。
#5
○政府委員(吉国二郎君) 国税通則法の一部を改正する法律案につきまして、ただいまの提案の理由を補足して御説明申し上げます。
 今回の国税通則法の改正は、最近における社会、経済の進展に即応しまして、納税者の不服を審理・裁決する機構として国税不服審判所の設置、及び不服申し立て期間の延長、不服の審理手続の改善、更正の請求期間の延長等、納税者の権利救済制度について一連の改善措置を講ずることをその内容とするものであり、昨年七月の税制調査会の「税制簡素化についての第三次答申」を具体化するものであります。
 以下、今回の改正の概要につきまして順次御説明申し上げます。
 第一は、国税不服審判所の設置でございます。すなわち、国税に関する審査請求につきましては、現在、国税局長が、そのもとに付置される協議団の議決に基づいて裁決を行なうこととされていますが、今回の改正は、この協議団を廃止し、かわって国税庁長官の直属機関としまして、執行系統から切り離された国税不服審判所を設置し、審査請求の審理及び裁決は、国税不服審判所が行なうこととしております。国税不服審判所の構成は、国税不服審判所長のもとに国税審判官、国税副審判官その他の職員を置くこととしております。また、不服申し立て人の便宜と事案の能率的な処理に資するため、国税不服審判所には、所要の地に支部を置き、国税審判官以下の職員を常駐させることとしております。
 第二は、不服申し立て期間の延長及び納税者の不服の審理・裁決手続の合理化でございます。すなわち、異議申し立て期間及び始審としての審査請求期間は、現在、一カ月とされていますが、今回の改正は、これを二カ月に延長することとしております。また、異議申し立て後三カ月を経過しても決定がない場合には、現在、納税者が特に反対の意思表示をしない限り、三カ月経過の時に自動的に審査請求に移行することとされていますが、今回の改正は、納税者の意思をより正確に反映する趣旨から、三カ月経過した後は、納税者の発意により異議決定を経ないで審査請求ができることとしております。なお、納税者には、三カ月経過の時に審査請求ができる旨を教示することとしております。また、審査請求の裁決は、国税不服審判所長が、その指定する国税審判官の合議に基づいて行なうこととしております。さらに、審査請求について裁決をする場合において、現在、執行機関でもある国税局長は、通達と異なる法令解釈により裁決することが困難でありますが、今回の改正では、国税不服審判所長は、国税庁長官が発した通達に示されている法令の解釈と異なる解釈により裁決することができることとしております。ただ、このような裁決をする場合または法令解釈の重要な先例となると認められる裁決をする場合には、課税処分等を行なう場合の法令の解釈と不服の裁決に当たっての法令の解釈との統一ある運用の確保を期する観点から、国税不服審判所長は、あらかじめ、その意見を付して国税庁長官に申し出ることとしております。なお、国税庁長官は、このような国税不服審判所長の申し出に対して指示する場合には、その問題を非常勤の学識経験者からなる国税審査会に諮問し、その意見を尊重しなければならないこととしております。この国税審査会の委員は、十名以内で国税庁長官が大蔵大臣の承認を得て任命することとしております。
 第三は、納税者が誤って過大に税額を申告したと主張する場合の更正の請求につきまして、その請求することができる期間を延長したことであります。すなわち、現在、この更正の請求をすることができる期間は、所得税及び法人税の場合は二カ月、その他の国税の場合は一カ月とされていますが、今回の改正は、この期間をいずれの場合も一年に延長することとしております。なお、申告期限後に生じた一定の事由によって更正の請求をする場合には、さらにその特例を設けることとしております。
 さらに、以上のほか、国税の延滞税につきまして、一定の場合にその負担を軽減する措置を講ずることとしております。すなわち、滞納にかかる国税につきまして、差し押えにより徴収を確保する措置がとられた場合または十分な担保の提供がされている場合には、その差し押えまたは担保の提供がされている期間の延滞税率を日歩四銭から日歩二銭に軽減することとしております。
 以上、簡単でございますが、国税通則法の一部を改正する法律案の提案の理由を補足して説明いたした次第でございます。
#6
○委員長(丸茂重貞君) この際、本案に対する衆議院における修正点について、衆議院大蔵委員長代理理事渡辺美智雄君から説明を聴取いたします。渡辺美智雄君。
#7
○衆議院議員(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました国税通則法の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正部分について、提案の趣旨並びにその内容を簡潔に御説明申し上げます。
 修正の内容は、次の五項目にわたっております。すなわち、第一に、原案では、不服審判所の組織及び運営に関する事項については、これを大蔵省令で定めることといたしておりますが、現行の協議団については、これを政令で定めており、また、これらの事項は、国民の権利義務に重大な関係を持つものであること等にかえりみ、今回の審判所についても、これを政令で定めることに改めることといたしております。
 第二に、現行法のもとにおいて、異議申し立ての補正については、行政不服審査法の規定がそのまま適用されておりますが、今回の国税通則法の改正によって、この規定は適用されないこととなります。しかして、政府は、改正後の補正については、運用面において事実上の措置を講ずると申しておりますが、この法律が成立した暁は、制度の上においては何らその保証がなく、異議申し立てが不適法であれば、その程度いかんにかかわらず直ちに却下されるおそれが生じ、現在よりも納税者の権利救済の実が後退する危険性があるのであります。
 したがいまして、この際、異議申し立ての補正に関する規定を新たに設けることとし、異議申し立てが国税に関する法律の規定に従っていないもので補正することができるものであると認めるときは、その補正を求めなければならないことといたしました。そして、さらに、この場合において、不備が軽微なものであるときは、職権で補正することができる道を新たに開き、さらに、異議申し立て人は、補正を求められた場合には、税務署その他の行政機関に出頭して補正すべき事項について陳述し、その陳述の内容を当該行政機関の職員が録取した書面に押印することによっても、補正をすることができることといたしております。
 また、審査請求の補正については、原案では、不服審判所長が補正を求めるものとする、といたしておりますが、異議申し立ての場合と同様、その補正を求めなければならないこととするとともに、職権による補正及び口頭による補正に関する規定を新たに設けることといたしております。
 第三に、国税庁長官が、不服審判所長の意見の申し出に応じて、これに指示を与える場合には、原案では、国税審査会の議に付し、その意見を尊重してこれを行なわなければならないことといたしておりますが、国税審査会の国税庁長官に対する拘束力をさらに強めて、裁決の公正を期する必要があると思われますので、これを国税審査会の議決に基づいてしなければならないことに改めることといたしております。
 第四に、国税審査会の委員は、原案では、国税庁長官が大蔵大臣の承認を受けて任命することといたしておりますが、その権威を高め、第三者的性格を一そう強くするため、これを大蔵大臣が任命することに改めることといたしております。
 第五に、この法律の施行期日でありますが、原案では、この法律のうち、国税不服審判所関係を除いた部分については、本年四月一日から施行することといたしておりますが、現在すでにその期日を経過いたしておりますので、これを公布の日から施行することに改めることといたしております。
 以上が衆議院における修正部分の概要であります。
 何とぞ御審議の上、御賛成あらんことをお願い申し上げます。
#8
○委員長(丸茂重貞君) 本案の事後の審査は、次回に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(丸茂重貞君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 国税通則法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(丸茂重貞君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり」
#11
○委員長(丸茂重貞君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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