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#1
第061回国会 大蔵委員会 第27号
昭和四十四年七月八日(火曜日)
   午前十一時六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月四日
    辞任         補欠選任
     鈴木 一弘君     浅井  亨君
 七月七日
    辞任         補欠選任
     中山 太郎君     徳永 正利君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸茂 重貞君
    理 事
                青田源太郎君
                岩動 道行君
                戸田 菊雄君
    委 員
                青木 一男君
                伊藤 五郎君
                大竹平八郎君
                小林  章君
                西田 信一君
                矢野  登君
                田中寿美子君
                松井  誠君
                松本 賢一君
                横川 正市君
                浅井  亨君
                渡辺  武君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  福田 赳夫君
   政府委員
       大蔵政務次官   沢田 一精君
       大蔵省主税局長  吉國 二郎君
       国税庁長官    亀徳 正之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
   説明員
       国税庁直税部長  川村博太郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国税通則法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(丸茂重貞君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る七月四日、鈴木一弘君が委員を辞任され、その補欠として浅井亨君が選任されました。
 また、昨七日、中山太郎君が委員を辞任され、その補欠として徳永正利君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(丸茂重貞君) 国税通則法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言願います。
#4
○青木一男君 今度の国税通則法の改正は、大体において納税者の権利利益の擁護救済ということを主眼とした改正でありますが、そのやり方とか程度においてあるいはまだ不満があるかもしれませんが、これに対して依然として私どもに反対の陳情や文書がいまでも来るわけです。おそらく大蔵省へも行っていると思いますが、これは何か改正の趣旨について十分理解がないためではないだろうか、こういうふうに想像されるのでありますが、どういう点で依然として反対意見が一部に行なわれておるのか、見るところを簡単にお話しいただきたい。
#5
○政府委員(吉國二郎君) 御指摘のとおり、特に一部のグループから強く反対意見が出たことがございます。また、いまも反対している者もございます。御指摘のように、その中には、法案が出る前から問題としておったところもあるような次第で、その中には一部の誤解があることも事実だと思いますが、主として反対をいたしておりますのは、国税不服審判所が国税庁の中に置かれるという点が従来と変わらないのではないかという点が一つと、それから審査請求の手続が複雑になっており、これによってかえって権利の擁護が薄れるのではないかという点を指摘しておりますが、この点につきましては、再三申し上げておりますように、手続を複雑にするというようなことはございません。かえって、内容を審査していただきますと、審査請求がより合理的に進められるように配慮しているわけであります。中には、反対陳情を持って参りまして、内容を詳しく説明した結果、わかったといって帰った者もございます。そういうようなことで、そういう点がもし問題がございましたら、審議の過程で明らかにしていただければと、かように考えております。
#6
○青木一男君 わが国の行政体系といたしましては、国家行政組織法を読んでみても、あるいは行政不服審査法を読んでみましても明らかなように、行政処分の間違っておった場合には、関係者からの申し立てその他によりまして上級行政官庁がこれを直すと、これが行政機構のたてまえであります。今度の改正は、一番多く課税を扱っておる税務署の上級官庁である国税局長の上級官庁としての行政の是正の権限と責任からはずして、別な機関に移すのでありますから、これは非常な変化となる。従来の国税局長の手で行なったそういう間違った行政処分の是正ということがうまくいかなかったということをこれは意味するものであって、大蔵省としては決して名誉ある改正ではないと思うのです。改正のいい悪いは別として、そういうような行政機構の本質に触れる問題をこういうような形で取り上げたことについて、主税当局はどういう感想を持っているか、伺いたい。
#7
○政府委員(吉國二郎君) ただいま御指摘がございましたように、従来から、行政関係の不服審査につきましては、従来の訴願法以来、原則は上級官庁の是正機能というものを中心に展開されてきたことは、御指摘のとおりであります。従来、税務行政におきましても同じことを考えてやってまいったわけでございますが、ただ、税務行政におきましては、昭和二十五年にシャウプ改正をいたします際に、税務機構に第三者的な判断を取り入れるかどうかが激しく論ぜられました。先生も御承知のとおり、戦前は、税務署の決定をいたします際には、所得税でございますと、所得審査委員という第三者機関が決定をいたすと、それを税務署の調査に基づいて審査会が決定するという体制をとっておりまして、したがいまして、戦後審査会が廃止になりまして後、民間から審査会のような民間の意見を取り入れた決定というものを考えるべきだという声が非常に強くありましたが、それに対しまして、シャウプ勧告では、第三者が決定内容に参画する、民間の第三者が決定内容を左右するということは適当ではない、しかし、異議を審査する場合に、第三者的な機構というものを考え、そういう専門家を考えることは必要であろうということで、アメリカのカンフェリーの制度を導入することを考えたようでございます。それを移しまして、わが国におきましてはその後国税局長が裁決をいたします場合には別にそこに付置されました協議団の議を経て裁決をしなければならないということにいたしましたが、さらに第三者機関的な意義を強くいたしますためにその後改正をいたしまして、国税局長は協議団の議に基づいて裁決をしなければならないということにいたしまして、第三者機関が行政部内の第三者機関としての地位で裁決を客観化するということが進められてまいりました。私どもは、御指摘のように、いままでのような制度が悪いとは必ずしも思わないわけでございますけれども、二十年間この制度が裁決の合理化に非常に働いてきたという実績を考えながら、さらに最近の権利保護の強化を要求する声等を考えた場合には、この協議団の経験を生かしながら、しかも御指摘がございましたような行政部内における解決をはかるという点から、むしろこの際協議団の姿をもっと純化いたしまして純粋の裁決機構にする。ただし、これは、最終の国税庁長官の権限を事前の調査決定機構と事後の審査裁決機構とに分担をさせるという考え方をとりまして、その姿で従来協議団がやってまいりました筋道をより純化して国民の期待にこたえたほうがいいのではないかという判断をしたわけでありまして、これは税制調査会の学識経験者、特にこの場合には特別の専門家の委員を加えまして御検討願った結果がさような答えでありまして、私どもも、その線の改正がより国民の権利保護に適すると同時に、しかも行政部内の統一ある解決という面も備えておるという点を考えまして、この改正に踏み切ったわけでございます。
#8
○青木一男君 いま局長のお答えのとおり、従来の協議団制度の運用がうまくいかない、国民の間にいろいろな批判があるので、税制調査会の意見をもととして今度の国税不服審判所の制度をつくられるということはわかりました。そこで、私はお伺いするのでありますが、いまの協議団制度がうまくいかなかった理由はどの点にあったか、これを明らかにすることが新しい制度が成功するかどうかのきめ手になるわけです。そこで、具体的にお伺いしますが、第一に、いまの協議団制度というものが制度上の欠陥があるのか、たとえば担当官の人的構成その他の制度的の欠陥があるのか、あるいは、制度自体は悪くはないが、運用がうまくいかなかったということにあるのか、さらに、私は、これは仮定の問題ですが、担当官の国税徴収についての心がまえがどうもうまくいかなかった、よろしくない、こういう点に欠陥があるのか、大体私はこの三点だろうと思うが、大蔵省はいままでの協議団制度の成功しなかった点がどういう点にあるかということをはっきり詳しく説明していただきたい。
#9
○政府委員(吉國二郎君) 私が申し上げましたのは、協議団制度が失敗したという意味ではなくて、協議団制度は私どももかなりうまくやってきたと思うけれども、さらに国民の要望が高いということを申し上げたわけでありますが、その国民の要望が高かった理由が、先生のお聞きになっております協議団制度が必ずしもうまくいっていない原因は何かというところに通ずると思います。そういう点でお答えを申し上げたいと思いますが、第一のまず制度としてどうであったかという点でございますが、先ほど御説明申し上げましたように、最初は、法律的には、協議団の議を経てということにいたしておりました。ところが、実際問題として、協議団の議を経ていればよろしい、その内容については、国税局長は、もちろん正当なものはとるけれども、そうでないのは別の判断をするという前提があったわけでございます。そのために、協議団にかけても、協議団に了解してもらっても、結局はだめだというような声もしばしばございました。そこで、法律を改めまして、協議団の議決に基づいてという規定にいたしまして、協議団がきめればそれでおしまい、こういう感じを持った法律改正をいたしたわけでございますが、先生御承知のとおり、議決に基づいてという意味は、議決を基礎にしてということで、議決にそのままとらわれないというのが法律解釈でございまして、そこで、実際問題といたしますと、協議団が議決をいたしましてから国税局長が裁決するまでにかなりの時間がかかります。なぜ時間がかかるかと申しますと、協議団の議決内容を主管部である直税部であるとか間税部がやはり局長に対する補佐という意味で検討いたすわけでございます。その検討の結果が時間がかかるという批判が相当にございます。たとえば、現在、協議団の未決が約八千ございます。そのうち約二千は、協議団が議決を済ましているけれども、まだ主管部のほうとの調整がつかないというものが二千くらいございます。実際の裁決の時間をとってみますと、平均で九カ月程度でございますが、そのうち三カ月程度は主管部が調べておりますというようなことがございます。私は、そういう意味では、主管部が局長を補佐するために同じ事案をもう一回調べなければならないという気持ちもわかると思いますけれども、裁決機構というものを別に設ける以上は、そこに大体において信頼をして、主管部がもう一回調べ直してそれが妥当であるかどうかをやるということではほんとうの意味での協議団の議決が生きてこないのではないか。その基礎としては、裁決権が国税局長にあるというところに根本はやはり問題があるのではなかろうか。もちろんそれがいいという考え方もあると思いますけれども、いまのような問題が起きるのはそこにあるのではないか、これが第一だと思います。
 それから第二番目に、人的な問題がございますが、御承知のとおり、これは、率直に申しますと、最初協議団ができましたときには、税務職員が少なかったという点もございますが、民間から試験をもって採用いたしました。もっぱら協議団の仕事は法律的な解釈であるから、法律的な知識がある者を採ろうということで採用いたしました。ところが、実際に税務の異議申し立ての九五%は事実認定の問題にかかっていたわけでございます。したがいまして、外部から入った人が税務調査というものに全く習熟しないまま裁決に当たったために、最初のころは非常に混乱があったようでございます。そのために、人事交流をいたしまして、一部の職員は調査部門で勉強してもらい、また、調査部門の人間を協議団に移すというような人事交流をいたしました。その際に、人事交流の際には主管部のほうは自分の重要な人物をなかなか回さないという問題もございまして、一時は協議団へ行くのが非常にいやがられた時期がございます。
  〔委員長退席、理事青田源太郎君着席〕
しかし、その後、協議団については人事配置を相当優先的に考えるという態度を昭和三十四、五年ごろからとってまいりましたために、人的な欠陥のために批判があるという点は私はあまりないのではないかというのがいまの感想でございます。これは、私、主税局としての考え方でございまして、長官もおそらく考え方があると思います。
 あと、長官から……。
#10
○政府委員(亀徳正之君) 大筋につきましては、主税局長から御説明したとおりでございます。私も、先生のいまおっしゃいますように、制度の問題運営の問題、また人の問題と、確かにあると思います。世の中の一番の批判は、国税局に審査請求して協議団にかけるというけれども、やはり直接の国税局長の部下である直税部とか間税部なり主管部の力が逆に強くてねじ伏せられるのではないか。ということは、結局、協議団があっても弱いのではないかというようなこと。それが、制度的にも、最終は国税局長が裁決をいたすものでございますから、そういうふうに見られがちで、また、人的にも、やはり協議団のほうが弱いのではないかという批判も率直にございます。
 そこで、国税庁といたしましては、単に制度がどうこうというよりも、現行の制度においてもいろいろ運営面なり人の問題で直し得ることは十分あるわけでございまして、まず、人の面につきましては、これは具体的に一々申し上げますときりがございませんが、直税部で法人税課長とかそういうところは非常に執行面の中心になるような課長でございますが、そういった人を逆に協議団の副本部長その他に移すとか、相当直税部に勤務した経験のある、あるいは第一線の直税の強い人を逆に協議団に入れるということは、その意味では、いい意味での人事交流を積極的にやって強化するという保障をいたしました。
 それからいま言った人の問題のほかに、運営面で、どうしても協議団がやったことについては直税部その他がけちをつけるという件数が多いのじゃないかという批判に対しては、事実審というか事実問題の処理、そういった問題につきましては、直税部であまり横やりがいかぬように、協議団で一応結論を出したら、もうそのまま局長の裁決としてそれを尊重してやるような指導をやっております。
  〔理事青田源太郎君退席、委員長着席〕
まあそうやっておりましても世の中の批判はいろいろあるわけでございますが、少なくとも運営面としてはそういう面に十分注意をしてまいったわけでございます。
 したがいまして、いまやっておることが全く悪いからこう変わるというよりも、むしろ運営の面で日々改善に努めていたわけでございますが、なおそういう批判があるならば、思い切って制度面でも――むしろ、これは、執行面の立場からいいますと、今度の新しい組織になりますと、なかなかむずかしい問題がいろいろ出てくるのではないかということが予想されるのでありますが、しかし、思い切ってこういった制度に直して、少しでも納税者救済の色彩を強くすることがプラスがあるならば、実施面でいろいろな問題があろうともやはり踏み切るべきではないかということで内部的には議論をして、今回の通則法提出の運びに相なった、かような次第でございます。
#11
○青木一男君 当局の答弁によると、制度そのものよりも、むしろ運用の面に主たる原因があったように見ておられるようであります。
 次に、新しい制度である国税不服審判所の制度についてお尋ねしますが、民間の関係団体その他の間に、完全に国税庁から独立した第三者的な審判所をつくれという意見があったことは、御承知のとおりであります。税制調査会でもその点を取り上げておるわけです。しかし、今度の案では、完全な独立機関の制度を採用しなかったのですが、その採用しなかった理由をひとつ伺いたい。
#12
○政府委員(吉國二郎君) 御指摘のように、今回の国税不服審判所は、独立の裁決権を持つ行政庁ではございますけれども、その地位は、国税庁長官の附属機関としての地位を残したわけでございます。純粋の第三者機関にすべきであるという議論はずいぶんございましたし、税制調査会の中でもその議論はございました。これが、ある意味では、一番議論のかなめになったところでございます。ただ、もし国税庁から離しまして、内閣あるいは総理府にこういう独立機関をつくるということになりますと、この救済の性格は、いわゆる行政不服審査の段階をこえて、準司法的な解決ということになるおそれがある。つまり、いままでのわが国の行政組織におきましては、行政不服の審査が、いわゆる行政庁の行ないました行政行為に対する抗告争訟的なものにつきましては、その行政の最高責任者のもとで決定が行なわれるということが原則でもあり、また、抗告争訟に関する限りは例外がなかったように見受けられるわけでございます。つまり、行政を行ないます場合に、行政部内にその行政主体と別の主体があってそれを批判するということになれば、行政自体の統一というものは保てない。そういう意味では、もし国税庁長官が大蔵大臣から租税の賦課決定の全権限を法律上委任を受けているとすれば、従来の考え方からすれば、当然国税庁の中に最終の裁決機関が置かれなければならないのではないか。準司法機関の線をアメリカからいろいろ導入いたしておりますけれども、準司法機関的なものは、公正取引委員会にいたしましても、その他の委員会にいたしましても、いずれも行政行為そのものを司法的な手続で慎重に行なうという性格のものでございまして、一つの行政庁がやった行為を他の行政庁が批判をするという形の準司法機関はわが国では例がないわけでございます。それは、行政というものの統一性というものから、最高責任者のもとに最後の決定権を置いておくというのが本来の姿ではなかろうか。同時に、一方においては、第三者機関的な立場で見直しをするということの重要性、それが権利救済によりよいではないかという考え方も強く主張されまして、それとの調整をはかるべくいろいろ議論が行なわれました結果、行政の統一性という点からはやはり国税庁の中に置くべきであるけれども、先ほど申し上げましたように、国税庁長官の権能である調査決定という機能とそれに対する再審査という機能とを部局的に分離をいたしまして、それぞれ独立して権限を行使させる形をとる。しかし、最終的な行政の統一は、国税庁長官の出しまする統一的な法律解釈というものに矛盾がないように、国税庁長官の通達と異なる決定をせざるを得ない具体的事案が出た場合には、国税不服審判所長は国税庁長官に申し出をする。そして、そこに国税庁としての統一ある解釈を見出させ、もし国税庁のほうが正しければその考えで押し通すし、国税庁の考えはその場合には具体的事案として適当でないとすれば、国税庁長官みずからがそれを改めるという形で裁決するのが適当ではないだろうか。しかも、その際に、なおそれでは第三者機関的な意味が持てないということで批判があれば、国税庁長官のもとにその法律関係の問題を審議するためだけの目的で審査会というものを置いて、その審査会の議を経た上でその議に基づいて国税庁長官が決定を下すというやり方、これを通じていわば行政不服審査の持っております二つの機能、つまり、行政の是正的機能と国民の権利保護的な意味の機能と両方を兼ね備えた統一的なものとして考える場合には、やはり国税庁の中に独立機関を設ける、それに裁決権を与えるということが現実的解決としてわが国の制度としては一番ふさわしいのではないかという結論が出ましたので、その方向をとったわけでございます。外に設けるということになりますと、これはどうしても準司法機関ということになりますし、準司法機関だということになれば、さらにそのほかに一審から三審まである司法解決を置くということはあまりにも重複でございますので、準司法機関をとるならば、現在の公正取引委員会の決定がそうであるように、その準司法機関の裁決に対する不服は高等裁判所に直接係属し得るという体系をとらなければならないのではないか。そういう制度は、いまの日本の行政、司法組織としては非常に異例なものになるので、いま直ちにそこまで進むことは客観的には不可能であろうかというのが調査会における結論でございます。私どもも、その後、いろいろ立案するにつきましてはその点も考えたわけでございます。最終的にはやはり調査会の考え方が現在としては妥当であろうという判断をいたしまして、かような形をとったわけでございます。
#13
○青木一男君 税制調査会の答申を見ると、完全独立制をとらなかった理由を、組織としていたずらに重複するからということが書いてある。これは私は非常にわからないんです。いまの国税局長の審査裁決の制度にかえて今度の審判所をつくろうというのだから、重複でも何でもない。だから、私は、いま税制調査会の答申はよくわからないのですが、いまの局長の説明で、それ以外に、行政の統一というような見地から主として国税庁の管轄下に置かれたということは、その点は私は結論として賛成なんです。そういう場合に、私は、税制調査会にしろ、大蔵省にしろ、もう少し日本の憲法と行政組織の大局から研究してもらいたかったんです。行政権が内閣に属することは憲法に明示してあり、それで国家行政組織法その他において各大臣が行政部門を担当してやっている。税金を課するという仕事は、大蔵大臣の行政事務の中で最も重要な、最も責任の大きな仕事の一つなんです。いま、徴税の実務については、国税庁長官に相当広範に委任しておりますけれども、依然として大蔵大臣の指揮監督下にございます。ですから、そういうような独立機関という場合には、そういうような憲法なり国家行政組織法上のたてまえとの調和というものをまず頭に置いて検討されてしかるべきじゃないかと、こう思います。そういう意味もいまの局長の話の中にあったものとして、結論としてはこれでよかったことと思います。
 それで、国税不服審判所が、どの点に独立性を今度の法案で持っているか、どの点で大蔵大臣なり国税庁長官の行政下に服することになっているのか、その点を今度の法制のたてまえをはっきりしてもらいたい。
#14
○政府委員(吉國二郎君) 今回の国税不服審判所は、国税庁の附属機関でございまして、地方に駐在をいたすものもございますけれども、これは支分部局という組織ではなくして、審判所そのものがそこに分置されているという考え方をとりました。したがいまして、たとえば福岡に国税不服審判所の支部的なものが置かれましても、これは国税不服審判所の審判官がそこにいるのであって、そこで審判官の議決というものによって中央の国税不服審判所長が裁決をするという構成でございます。国税不服審判所長は、ある事案に対しましては三人以上の審判官を指名して審査に当たらせまして、その議決に基づきまして審判所長が裁決をするということになっております。したがいまして、その点におきましては、裁決する限りにおいては、国税局長が調査決定をすると同じ権限で独立の権限を行使するわけでございます。ただ、その場合に、裁決にあたりまして、従来国税庁が法律の解釈として発布しておりましたところの通達の内容と異なる解釈をとらなければ正当な解決ができないという場合、したがって、別の法律解釈によって裁決をいたします場合、及び、通達にはないけれども、もしこの裁決をするならば新しい法律解釈として今後の通達の先例にもなるかというような重要な案件があった場合には、その裁決にあたって国税庁長官にその裁決内容を申し出て判断を仰ぐという構成をとるわけでございます。したがいまして、さような従来の解釈によらない場合、あるいは将来の先例になるような重要な解釈を下す場合には、国税庁長官の判断を仰いで裁決するという限りにおいては、その点では国税庁長官の意思というものが働き得る、そこに独立制の一部の制限がある、かような構成になっておるわけでございます。
#15
○青木一男君 国税庁長官の通達というようなものにやはり原則としては拘束される、こういう点が指揮監督下にあるということが言えると。私もそう思います。まあおそらくこの点だけではないか。その他の点については独立的に処分をするということですね。
 それで、今度の国税審査会の権限ですが、衆議院の修正によって、「議決に基づき」ということに変わったわけですね。そうすると、その点は、従来の国税局長と協議団との関係と同じような表現です。ただ、国税局長の場合は裁決ということが最終的に権利を持つようになっておる点が違うんですが、先ほど局長の説明だと、「に基づき」ということがあっても最終の決定は所管庁の権限にあるというような説明だったですが、それは、裁決ということがあるからそういう解釈になるのか、それとも、に「基づき」という――これはまあいろいろ行政審議会や調査会等にはあるんですが、「に基づき」ということからどういう結論が出るのか、その点をひつと解釈をはっきりしてもらいたい。
#16
○政府委員(吉國二郎君) 委員会が最終的な行為を行なう場合に、それが行政庁的な意味の決定になるというときには、これは当然委員会の議によって決するということになると思いますが、この場合、国税庁長官はその裁決の申し出に対して指示を行ない得るという前提がございます。つまり、国税庁長官は、通達に反する裁決であってその裁決内容が適当でないと認める場合には、その旨の指示をして一般監督権を行使することができるたてまえになっております。その監督権を行使する指示をいたします場合に、その指示は審査会の議決に基づいてしなければならないというたてまえになっておりますので、ちょうど、先ほど御指摘がございましたように、国税局長が裁決をする場合に協議団の議決に基づくのと同じ法律構成であると思います。
 ただ、その「基づく」ということに対する解釈は、これはむしろ法制局の解釈でございますけれども、委員会等において、最終決定権はないけれども、それに対して意見を述べる。その場合の意見を受けたほうの拘束力の強さというのは、やはり、「基づく」とか、「よって」とか、あるいは「議に付して」という感じで違うのだということを言っております。「議決により」というのは、もはやその指示をするなら指示をする者の判断を入れる余地がない。委員会の意思決定がそのまま行政庁の意思決定にはなりませんけれども、行政庁の意思決定は、その「議決により」と書かれたときには当然全般的な拘束を受ける。こういう例は、法律上は何か一つしかないということを言っております。大部分は、「議決に付し」または「議決に基づき」あるいは「議に基づき」というようなふうな表現をとっておりますが、これはニュアンスの差にすぎないので、最終的な拘束力がないという意味では共通している。しかし、「議決に基づき」という場合には、主観的にはかなり相当に強い拘束力があると考えるべきであるというのが現在の法制局の解釈でございまして、私どもも、そうではないか、かように考えておるわけでございます。
#17
○青木一男君 衆議院が「に基づき」という修正をした意味もそういうところに私はあると思うんで、無意味な修正を衆議院がするはずはない。私もその点はそういうふうに思っております。
 それから今度の改正案の内容について一、二点伺っておきたいのですが、百二条ですね。審判所が原処分取り消しの裁決をしたときは、処分庁はこの趣旨によってあらためて処分をしなくちゃいかぬ、こうありますね。これはいまの審査請求制度と違うように思うんですが、その点はどうですか。もう一度原処分庁が処分をするということはいまの制度と違うように思うのですが、その点はいかがですか。
#18
○政府委員(吉國二郎君) これは、従来の制度と同じ考え方でございます。たとえば更正決定の処分に対する審査請求であれば、裁決によってその更正決定の一部を取り消せば、それが直ちに効力を生ずる、こういう考え方でございます。
#19
○青木一男君 今度のやつは、取り消しの決定によってそれが全部おしまいになるのじゃないでしょう。もう一度原処分庁があらためて処分してあれを取り消す、こういうことが必要のように今度は書いてあるのじゃないですか。
#20
○政府委員(吉國二郎君) この第二項は、「申請若しくは請求に基づいてした処分」で、審査請求はこの場合は適用がございませんけれども、例で申し上げますと、たとえば免許の申請をしたという場合に、免許の申請を却下した、その場合に裁決を取り消しました場合には、あらためて免許をしなければならないわけでございますね。今回の通則法の範囲では酒類販売の免許等は実はこの対象から除いておりますけれども、そういうような一定の処分をしてもらうことを申請したところが却下された、したがって、その却下が間違いであるという取り消しをした場合にあらためて当該官庁がそれに沿った処分をしないと効果が生じないもの、それについてはそういう処分をしなければならないという趣旨のものでございまして、更正決定のように裁決自体が取り消されれば更正処分がそのままなくなってしまうというようなものにつきましては、従来と全く変わりなく裁決によって効力が生ずるということになっているわけでございます。
#21
○青木一男君 どうも、私は、百二条の二項を読んでみると、いまの局長の言われたような限定的な場合だけでなく、全体にそういうような仕組みに読めるのだが、その点はどうですか。
#22
○政府委員(吉國二郎君) 一見そのように見えるわけでございますが、百二条の二項には「申請若しくは請求に基づいてした処分が手続の違法若しくは不当を理由として裁決で取り消され、又は申請若しくは請求を却下し若しくは棄却した処分が裁決で取り消されたときは、当該処分に係る行政機関の長は、裁決の趣旨に従い、あらためて申請又は請求に対する処分をしなければならない。」ということを言っておりますように、たとえば一つの形成行為を求めた場合に、それを却下いたしますと、その裁決を取り消しましても、それ自体では形成行為ができませんので、これは却下したのが悪いという裁決をいたしました場合には、その申請を受けた官庁が裁決に拘束をされまして、あらためて形成行為をしなければならないという趣旨が第二項でございます。
#23
○青木一男君 第九十八条の問題ですが、理由がないと認めたときは却下の措置をするわけですね。この場合にも不利益変更禁止の原則が働いているんだけれども、いままでの実際の税務の実務の上でもって問題になるのは、更正決定で税務署長が判断した課税原因は、これは調べたらなかった、しかし他に課税原因があって同じような課税金額の義務があると判断した場合には、それは却下されるんですか、それとも、審査請求を認めるんですか。これは非常に重要な問題で、それの解釈の慣例になるんですが、その点の大蔵省の解釈をお聞きしたい。
#24
○政府委員(吉國二郎君) 今回の改正におきましては、審査請求のいわゆる総額主義の原則と申しますか、いわゆる真実発見主義というものは変えておりません。したがいまして、いわゆる当事者処分主義をとっておりませんので、相手方の主張の範囲で審査をするということにはなりません。いま御指摘のように、最終的な所得金額というものは原処分庁の処分のとおりであると、しかし、課税原因が違う理由でそういうものであるという場合も、これは当然理由がないものとして棄却するというたてまえでございます。
#25
○青木一男君 国税不服審査所で調べたらば税務署長の調べた課税原因はなかったが、他にあったということを発見した場合、結論はどうなるんですか。
#26
○政府委員(吉國二郎君) それによって税務署長の決定した金額が結果において正当であったと。他の課税原因がございまして、その結果として税務署長が最終決定をした所得金額は課税原因は違ったけれども妥当なものであったという場合には、審査請求の理由がないものとして棄却するというたてまえをとっているわけでございます。その第二項で「不利益に当該処分を変更することはできない。」という意味はまさにそういうことでございまして、その審査請求人の主張だけが正しければそれを認める、ほかに課税原因があるのにそれを無視して審査請求人の主張があればそのままそれに従って決定を下すのではないと。したがって、場合によっては、税務署長が百万円と決定したにもかかわらず、調べてみたら二百万円だったという場合もあり得ると思うのでございます。そういう場合には、再審査の請求があれば本来は二百万円とするべきところでございますけれども、審査請求が本人の申し立てによって行なわれるものである以上、不利益変更はしないということで第二項を置いたわけでございますので、この審査請求の性格自体としては、本人の所得が最終的に幾らであるかということがはっきりすれば、原処分庁の調べた課税要件と違った要件であっても、金額的にその者の所得が正しいものであれば、それは審査請求の棄却になるということになるわけでございます。
#27
○青木一男君 私は、いまの主税局の解釈は理解できない。いまも局長が言われたとおり、その審査請求の線に沿って審査庁は審査しなくちゃいけない。そうすれば、要するに、審査請求人が自分はこういう仕事をしておりませんと言って、ほんとうにその仕事をしておったかどうかを調べるのが審査庁の任務じゃありませんか。私はそうじゃない。この審査庁というものは、単に行政庁のやったことの当否を判断するのでなく、やはり一種の課税処分をするようになる。私は、その点は非常に大事なことだと思います。いままでの大蔵省は現行法によってそういうような解釈をしておりますが、これは間違いだと思うのです。やはり、ただおまえは百万円を納めろなんていう課税はない。おまえはこういう商売をやってこれだけもうけたんだから幾ら税金を納めろ、これが課税処分なんです。それでありますから、なるほどおまえは商売ではもうけていないがこれこれの所得があって税金を課するというそれなら、前の処分は取り消して、あらためてあとの課税をすべきなんです。私は、いままでの大蔵省のやり方は間違っていると思うのです。これは法文からいまのような解釈は当然出てくるわけじゃないですから、今後の運営の問題でありますが、ひとつ国税庁長官もその点を研究されて、これは審査庁が税務署長のやった行為を判断するという審判の制度を逸脱して、ある程度の課税の機関の仕事になるから、いまの答弁は留保しておいてもらいたい。よく研究して、あらためて答えてください。(「そのとおりだ」と呼ぶ者あり)
#28
○政府委員(亀徳正之君) いま先生のおっしゃいました点のお気持ちは実は私もよくわかるので、こういう不服申し立ての処理でございますから、これをけ飛ばすために、ほかのほうもついでにあわせて一生懸命調べてそれをけ飛ばすのだ、こういうことが本来の趣旨ではないと考えております。ただ、主税局長の答弁、私の理解は、同じ営業なら営業所得の中で、いろいろ仕入れた問題があったということを中心に主張していたところが、実は売り上げにちょっと問題があったということがあらわれたときに、あくまでもこれは争点主義だからということでなくして、総額主義といいますか、全般を通じてやはり判断をしなければならない場合があり得るかと思っております。ただ、私が主張いたしたい点は、こういう問題があったからといって、それを押えるためにほかのほうまでいろいろごたごたやるということは行き過ぎだし、そういう点の指導は十分注意しなければならない、かように考えております。
#29
○青木一男君 いまの点は、なおよく研究してもらいたいんです。たとえば、商売でもっていろいろ売り上げの内容によって行き違いがあった、こっちは減っているがこっちはふえているというようなこと、商売の利益とプラス不動産の譲渡所得があったということを考えてみる。私は、そういう場合に、商売の利益に課税したという行政処分と不動産の譲渡によって得た利益に対する課税処分は違うものだと思います。ただ抽象的におまえに税金を課するという処分はあり得ない。こういうことをやって所得が幾らあるから課税するというのでなくては処分の形をなさない。それでありますから、そういう場合は、もし商売のほうの利益が審査請求人の言うとおりなら、それは一応取り消して、あらためてやればいい。そうでないと、審査庁というのは依然としていままでのようなやはり課税の行政庁の仕事をやるということになると思う。だからして、その点はもう一度検討した上、あらためて答弁してもらいたい。
 それから課税の不服審判の問題で納税者が困っておる問題は、決定が非常に長くかかるということなんです。先ほど主税局長の言われるとおり、協議団の件数が何千件もある。ことに、不服申し立てや審査請求に比べて訴訟の件数というのがわりあい少ないのでございますが、これは非常に長くかかるということとそれから金がかかるということが原因であきらめてしまう。だからして、一部には、租税裁判所をつくれというような議論がある。これは憲法上できない相談でありますが、要するに、決定を早くやってくれるということが改正の一つの眼目でなくちゃならない。どうも、今度の改正法を見ると、そういう趣旨のことはちっとも出ていない。これは運用の問題でありましょうが、それでその点をどう考えるか。そのことは審判所の構成の人員とも関係があるわけです。そこで、今度の審判所の人員の機能はどのくらい予想しておるのか。それから一方においては国税局長の仕事はそれだけ減るんですから、これは縮小さるべきものですね。それでありますから、どれだけの規模で国税庁の人員が縮小されるか、審判所の人員がどれだけふえるか。その場合に、ただいまのような早くやってもらうということのためにもやはり人員を充実しなければいけないでありましょうから、その点を加味して大体プラス・マイナスどんなような考えであるかを示していただきたい。
#30
○政府委員(亀徳正之君) 現在の協議団の予算定員は、四百四十九名に相なっております。それから新しくできます不服審判所の予算定員も、同数の四百四十九名と相なっております。
 実は、これから発足いたしましてどうなりますかという未確定の問題がございます。それからまあ率直に申して、私たちの仕事は、毎年法人がふえますし、納税者の数もふえるし、仕事がたいへんなのでございまして、予算要求といたしましては定員の増加を要求いたしておりますが、御案内のような状況でございまして、全体の公務員の定員を少なくしょうという中でございますので、おのずから限界がございます。私たちの発足にあたっての考え方は、人員というものも、極力有能な人によって効率的に処理してもらうということで、この面で人員の増加ははからない、従来と同じ予算定員であります。したがって、国税局のほうからはそれだけ減って、新しい制度に四百四十九名移るということになります。
 それから私はいつも毎々考えております点は、今回の不服審判所の問題は、単に不服審判所の問題だけと理解してはいけないんじゃないか、一般のこういう異議申し立て、審査の請求全体を通じて合理化することが問題じゃないか。そういう意味で、税務署段階での異議申し立ての迅速な処理、それからそういうことは極力適正に処理していくという問題も含めて処理いたしたい、かように考えております。したがって、実施いたしましていろいろ問題がございましたら、また必要ならば内部の要員を削ってでもこれをふやすということが必要になってくる場合があろうかとも思いますが、現在はこういうことでスタートしたい。それから前回の協議団制度と違いまして、特殊な問題を除きましては大体この不服審判所に一括その仕事を委任するということで、直税部とかそういったところから横やりが入らないということで、その面からも審理はよりスムーズに早く片づくものと、かように期待しております。また、実施になりましたときには、これは訴訟と違いますので、納税者の悩みを極力早く解決して差し上げるということが要諦であろうと、かように考えております。
#31
○青木一男君 最後に一点だけ伺いますが、いまの協議団制度のうまくいかなかった理由として人的構成ということがあることは、お認めのとおりなんです。それで、今度の半司法的なような形である程度の独立性を与えた以上は、やはり人の選定ということについてこの趣旨を織り込んで考えていかなければ、前と同じようになってしまうのじゃないか、こういう心配があるのですが、そういうような人の任命というようなことについてどういう考えを持っているか、伺っておきたい。
#32
○政府委員(亀徳正之君) これは、税制調査会の意見の中にも、相当広く人材を集めてこの審判所を構成するようにということが述べられておりますが、ただ、その中に、税は全くのしろうとでいいというわけではございませんので、やはり税の知識の造詣の深い、しかし同時に常識豊かな方をいかにして広く集めるか。特に、一番のポイントは、所長とかそれから正規審判官の人選ということが大切なことであろうかと思っております。ただ、いろいろ事実問題その他もございまして、その面で若干走り回る要員も必要ではないかということで、全体の構成が、審判官、副審判官、審査官というような構成になっておりますが、審判官以上の方は部内からもある程度起用せざるを得ないと思いますが、審判官以上は、原則として、交流ということではなくして、もうそこで骨を埋める気概とあれをもって仕事をしてもらう必要があるのではなかろうか。ただ、副審判官、審査官あたりになりますと、部内から活用する場合には、ある程度の人事交流を――しかし、現在のような激しい人事交流は避けるべきだと思いますが、何らかの人事交流をしたほうが、よりしっかりした人間を確保するという面で必要ではなかろうか。しかし、審判官以上は、原則としては人事交流はないという考え方で臨むのがいいのではないか、かように考えております。
#33
○青木一男君 先ほど私が意見を申し上げました課税原因のことですね、あれは課税は一事不再理じゃありませんから、それだからして、かりに前の税務署長の更正決定が不足して、他に脱税があれば、それを追加して決定していいんですから、ちっともこだわる必要はないので、新しい今度の審判制度というのは、税務署長のやったことのいいか悪いかを判断するだけだと、それを徹底したほうが趣旨にいいと思うので、その点をあらためて研究していただきたいことを申し述べて、私の質問を終わります。
#34
○岩動道行君 青木先生がほとんど重要な問題点についてお触れになりましたので、私は若干の点について補充的に伺いたいと思います。
 今回の国税不服審判所の機構、その運営については、国民の納税者の非常に関心の深いところであり、また、一歩前進であると、かような観点から私は判断をいたしておりますが、特に、従来、国税庁長官の通達というものが非常に重きをなしておった、あるいは法律以上の効力を持っていたと、そういう点に今度はメスを入れてまいる、こういう点におきましてはきわめて大きな前進をみるという意味において高く評価をしなければならないと思いますが、ここでちょっと伺いたいのは、国税庁の長官通達のほかに、主税局長が税法の解釈とか通達とかいったようなことをまたおやりになっていらっしゃるのかどうか、そういうものがもしおありならば、どのようなものがおありになるのか、それをまず伺っておきたいと思います。
#35
○政府委員(吉國二郎君) お尋ねがございましたが、御承知のとおり、国税庁ができまして以来は、主税局長から法律解釈等についての通達を出しているものはございません。もちろん、立案の過程その他で、いろいろ参考になるべきことにつきましては、国税庁の通達を出す際に申し上げておるということでございますが、独立の立場で通達を出しているものは現在はございません。
#36
○岩動道行君 そうすると、主税局長通達とか解釈といったようなものは、特別に公文書で国税局長には出ていないといたしましても、長官通達そのものは主税局長とは協議の上でつくられるものであるかどうか、この点はどういうことになっていますか。
#37
○政府委員(亀徳正之君) 一応通達は国税庁長官の名前で各局にもちろん流しておりますが、法律の解釈その他の分野にわたる面につきましては、十分やはり主税局にも回議いたしまして、主税局の意見も十分尊重して、主税局と国税庁との間の意見の相違ない状況にいたしまして通達は流しております。
#38
○岩動道行君 そういたしますと、今回の審判所で長官通達と異なる決定をするという場合には、長官に申し出をする、そして長官はそれに対しての回答をすると、こういうことになっておりますが、その回答の際には、今度は、やはり大蔵省主税局長と、またあるいは大蔵大臣といろいろ協議をして、その上で処理をされる、こういうことに相なるのでございますか。
#39
○政府委員(亀徳正之君) いろいろな場合がこれはまだ起きてみませんとわからないのでございますが、既存の通達を改めなければならないようなことになる場合と、それから既存の通達でいろんな場合を想定して考えておりますが、想定しなかった事例がございまして、しいて直す必要はないがこういった具体的の場合にはこういうふうに適用すべきではないかという意味で新たなわれわれが予想していない事態に対する一つの解釈というものを流すことになる場合があろうかと思います。いずれにしろ、そういう先例となる場合、あるいは既存の通達に食い違いがあります場合には、審査会の議に基づいて最終決定をするわけでございまして、その際、当然やはり主税局とも十分技術的には連絡をとりながらどうするかということがあり得ようと思います。しかし、基本は、この法律にございますように、審査会の議を事実上十分尊重して大体そのとおりにやるという考え方で割り切っております。
#40
○岩動道行君 今度の不服審判申し立ての場合は、これは直税、間税を通じてでございますですね。そこで、私は、こういう通達に対する従来の解釈を変えるとか、あるいはそれと違った決定をするという非常に大きな役割りを果たす時期になってきておりますので、この際、国税庁長官の通達というものを根本的にまず洗い直してみていただく必要があるんじゃないだろうか。というのは、その通達の中にはかなり重要な問題もありまするし、これが審判所に出された場合にはくつがえってくるような場合もなきにしもあらずで、時代の変遷とともにいろいろと課税技術上の問題もありまするので、直税、間税を通じて通達を慎重に根本的に洗い直してみる必要があるのではないだろうか。そういたしませんと、審判所においていろいろ問題が起こってくる、こういうこともあろうかと思いますので、審判所ができた暁と申しまするか、できることを前提として、通達の洗い直し、そしてどの程度のものがほんとうに通達として適当であるか、こういったことまで御検討をしていただきたい、かように思うわけであります。
 それから先ほど青木先生の御質問にも最後にありましたが、審判官の採用にあたっては、税調の答申にも、広く人材を登用すると、こういうことでございましたが、たとえば、単なるしろうとではいけないという長官の御答弁もあったわけですが、税理士等その道の専門家、こういったようなほうも選考範囲に入るかどうか。私は、こういう人も十分に活用していくことが審判所の独自性を保ち、しかも専門的な権威を保つという意味において十分に検討に値する問題だろう、かように思いまするが、その点についてはいかがでございましょうか。
#41
○政府委員(亀徳正之君) 最初に、通達のお話がございましたので、その点をまず最初にお答えいたします。現在、すでに、ことしの五月の初めでございましたが、法人税につきましては全面改正いたしました、全体を見直しまして。それで、そのポイントは、あまりこまかいことを縛らないで、極力、何といいますか、会社の経理基準というものを尊重するたてまえにいたしております。いろんな具体的な適用を弾力的に処理するということで、相当思い切った改正をいたしております。近くまた所得税につきましても同様に基本的に改正をいたしたい。間接税につきましても、いろいろ問題がありますので、そういう点を考えていきたいと思っております。
 なお、あるいは主税局長のほうからあると思いますが、今度の任用の範囲につきまして、おそらく政令できまると思いますが、やはり、大学の教授、司法官、あるいは検察官、あるいは公認会計士、税理士、弁護士、それからまた部内で税務に長く勤務したそういう方々の中で国税の経験の深い方から選考する。特に、一番トップの方は、国税の問題もさることながら、豊かな常識、学識、そういうものを深く持っておられる方を考えるべきではないか。いずれ大臣の御指示を得ましていろいろ選考に入りたい――いや、もちろん法案が通過いたしました暁には慎重に選考に当たるべきだと、かように考えております。
#42
○岩動道行君 この辺で、通則法を離れまして、多少別の問題に移りたいと思いますが、特に私がこの際伺っておきたいのは、民主商工会という存在でございます。これは昭和三十七、八年ごろまではきわめて活発な反税闘争的な活動が見られたのでありますが、その後最近に至るまでの状況がどのようになっているか、これをまず伺いたいと思います。
#43
○政府委員(亀徳正之君) 民主商工会の全貌というものは、的確には把握いたしておりませんが、一応民主商工会の方々の言っておられるところによりますと、四十四年の三月末で会員が約十二万人ほどに達しておられると聞いて、漸次若干伸びる方向だというふうにいわれております。民主商工会の動きは、単に税金の問題ばかりでございませんし、国民金融公庫の融資とかそういった金融面にも活動しておられるようでございます。
 この民主商工会の性格は、地区により場所によりましていろいろ違いまして、一律にもなかなか言えない面がございますが、所によりましては税務の調査にいろいろ妨害をされましたり、いろいろな口実をかまえて調査を拒否されるという事例がございまして執行面の上で困った事態がいろいろあったことも事実でございます。激しい場合には、相当公務の執行妨害ということにあたるような激しさを示す場合もあります。しかし、全般がすべてそうだと言うわけにまいりませんし、また、私たちの立場も、特定の団体の構成員であるということのゆえをもって差別的な措置に出るという意図は全くないわけでございます。むしろ、いかなる方も、自分の正しいと信ずる所得を申告していただくことを強く希望しているものであります。ただ、いろいろな段階で調査の妨害、あるいは集団的に調査が抵抗でできないというような事態がございましても、私たちの立場といたしましては、やはりき然たる態度でそういった困難がありましてもそれを避けないで処理していくということが税務官庁としての忠実な立場、また、必要な態度ではなかろうか。現実になかなか苦労いたしておる面はございましても、また、人手も相当食う場合もあるわけでございますが、あえてそういう問題にもき然として立ち向かっていくという立場をとっております。
#44
○大竹平八郎君 いまの岩動君の質問に関連しまして、この法案の百七条に、「不服申立人は、弁護士、税理士」そこまではいいんですが、「その他適当と認める者を代理人に選任することができる。」と、こうありますね。この範囲なんですが、裁判所でもこういうことはあり得るわけですね。親が病気で長男に出てこいとか、そういうことはあり得るんですけれども、この解釈は、ただ税理士とか弁護士とかいう専業以外に、いまお話のあった団体とか、あるいは税関係の団体というものは相当あるんですね。そして、また、不平不満を言う業者あるいは一般国民もたくさんある。そういう団体の事務局長とか専務理事とかそういう者もいわゆる適当と認めるのかどうか、この解釈をひとつ聞かしてくれませんか。
#45
○政府委員(吉國二郎君) 代理人につきましては、いろいろ御議論がございましたけれども、現在の不服審査法自体が代理人については制限をいたしておりませんので、今回の改正におきましては、「その他適当と認める者」というのは、本人が適当と認める者を代理人に選任すればよいというたてまえをとったわけでございます。これにつきましては、審判所が適当と認める者に制限すべきだという議論もございましたが、いまの一般の行政不服制度としては代理人の制限をいたしておりませんので、一応代理人は本人が適当と認める者を認めざるを得ないというたてまえでおるわけでございます。
 ただ、これはあくまでも代理人でございますから、これを同一人が何人もの代理を業務的に引き受けるというようなことになれば、これは弁護士か税理士でなければそれぞれ弁護士法違反とか税理士法違反の問題が起きるということはございます。ただ、個別に自分が自分の使用人を代理人に選任をするということをやってまいりました場合には、これは個別の代理人として認めるというたてまえでございます。
#46
○大竹平八郎君 そこで、いまのお話なんですが、そうすると、これは非常に広範囲のものになるんだが、いまの後段のあなたの御答弁からいうと、限定とかそういった解釈ですね、これは一体だれがやるんですか、適当と認めるというのは。
#47
○政府委員(吉國二郎君) この適当と認めるというのは、本人が任意に代理人を選べるという趣旨でございます。したがいまして、代理人が適当であるかどうかを審判所が判定するということを考えておりませんで、もっぱら本人の代理委任があるということによって決するという考え方でございます。
#48
○岩動道行君 民主商工会は必ずしも税だけを目的とした団体ではない、その他にもいろいろあると、こういうことで、最近は金融方面にもかなり活発な活動をしているというふうにも聞いているわけですが、この点についてはまた今後触れることにして、まず税の問題について、いま大竹先生に答えられたように、その代理人は不服申し立てをする者のほうで任意に選ぶことができるということになれば、民主商工会といったようなものもその代理人として資格を持ち得るという解釈は成り立ちますかどうですか。(「民主商工会は反税団体じゃないですよ」と呼ぶ者あり)
#49
○政府委員(吉國二郎君) この代理関係はあくまでも私人間の代理委任の関係でございますので、いかなる資格を持っておっても本人が委任をすれば代理人であります。ただ、それが、代理人として出てきた者が常に業務として代理行為を引き受けているということになりますと、これはやはり税理士でなければ税理士法違反という問題は起きますけれども、これはまた別問題でございます。結局、その委任を受けることが同一人に集中しているという結果になると、それは税理士法違反という行為が生じ得るという問題は別にございます。ただ、私人間の問題としては、あくまでも委任契約、代理契約というものがあればそれでよろしいということになると私どもは解釈しております。
#50
○岩動道行君 民主商工会必ずしも反税団体じゃない、適正な税金を納めるためにいろいろ相談にあずかる、これはまことにけっこうでございます。そのとおりでございましょう。と同時に、また、ある面においては、税務署の調査に対するきわめて妨害的な行為が行なわれてきたことも事実でございます。そのために、告発もされ、また、裁判所において判決も出ていると、こういうことから見まして、必ずしも本来の目的だけでいっているとも思えない点があるわけで、それで私は心配をしてこれからまた少し御質問を続けたいと思うのですが、零細な事業者に対して課税がやはり何といっても感覚的に重い、こういったようなところからそういう民主商工会などの活動する余地が出てくる、こういうことでもありましょうから、私は最終的には課税の問題として最後に大蔵大臣の御意見も承りたいと思いますが、その前に、「税金調査に対する納税者の心得十カ条」、これが民主商工会の税に対する憲法みたいなもので、十カ条があるのですが、中にはたいへんけっこうな個条もございます。が、特に私はここで調査をする政府当局に伺いたいのですが、第六項に「調査には必ず数名立会いの上で応じましょう」と、こういうような条項があるわけです。この数名立ち会いの上でと、こういったようなことは、どういう意味があるのか、調査妨害行為につながらないのかどうか、また、過去においてかなりあったようにも私は聞いておるわけですが、もうすでに何回もあるいは国会で取り上げられた問題で、ことさら新しく申し上げ、あるいは新しく聞く問題ではないかもしれませんけれども、この機会にあらためてその辺の実情を伺っておきたいと思うわけであります。
#51
○政府委員(亀徳正之君) 先ほど申し上げましたように、どこもここもというわけではございませんが、場所によりまして数名あるいはもっと多くの人たちが立ち会って――本来は、税金の話は個個の方で、そのために税理士の方が立ち会ったりするということは当然合法的でございますが、全然そういう関係のない方々が何人か、あるいは場合によっては相当数来られまして、調査をするわれわれの行動を縛る、それから極端な場合には若干の危害を受ける事例も残念ながらございました。それで、私たちは、やはり個々のそういった実態に即して処理をする。もちろん、公務執行妨害、また危害を受けるということがありましたら、残念ながらやはり告発をする、公務執行妨害で告発するという措置をとらざるを得ないわけでございます。また、事実とりました例が幾つかあるわけでございます。要するに、私の一番言いたい点は、税金は、個々の納税者の方の問題であり、集団的にどうこうするということではないのではないか。やはり適正な課税ということが国税庁としての本来の使命でございます。差別的なことでなしに、とにかく税法に従って納税していただく。そういう人たちがいるから調査ができなくてどうにもならないというようなことではいけないのではないかということが基本的な考え方でございます。
#52
○岩動道行君 たいへん常識的な御答弁なんで、もうなんにも言う必要はないようなことになりますが、現実に、一般の納税者の申告と、それから民商に入っている人の申告と、調査の結果どのような差があるのか、その辺を実態を具体的に数字でもしおわかりでしたらお示しをいただきたい。
#53
○政府委員(亀徳正之君) 直税部長から答弁を……。
#54
○説明員(川村博太郎君) こまかい計数をここで申し上げるわけにまいりませんが、全般的に見まして一般的に低い傾向がございます。しかしながら、中には、最近税務署にもかなり協調的になってきた民商もございます。地域的にごく一部でございますが、そういうところにおきましては青色申告もかなり行なっておりまして申告状況がよくなってきたところもございますが、一般的に言いまして、いま申し上げた例はかなり少ないのでございまして、白色申告者の状況等を見てみますと、ほかに比べて低い例が多くございます。
#55
○岩動道行君 ただ低いだけではどうもよくわからないのですが、たとえば盛岡でたしか最近告発をした事例がございますが、これなどは調査の妨害というようなことでおやりになったかと思いますが、と同時に、その申告の割合が一般の白色の申告者の場合と何一〇%か違っている、民商の関係者は。そういった話を私は耳にいたしておるのですが、その辺はどの程度違っておるものでしょうか。
#56
○説明員(川村博太郎君) 実質的な営業の状態と比べて所得の状況がこれで正しいかどうか、適正な申告であるかどうかは、非常にむずかしい判定を要します。したがって、私が先ほど具体的な計数でお答えすることを差し控えましたのは、はたして適正な申告が幾らであるべきかということにつきましては非常にむずかしい判定を要しますので、一般と比べてどの程度過小な申告であるかということはお答えするのに非常に困難なわけでございます。感じから申し上げまして非常に恐縮でございますが、かなり低い申告をしている地域もある、一般に比べて七割程度低いのじゃないかと思われるような地域があることは事実でございます。しかしながら、一般に比べてたとえば五割であるとか六割であるとかいうことを申し上げるのは、現実そういう問題がございますので、差し控えさしていただきたいと思います。
#57
○岩動道行君 いずれにいたしましても、そのように一般の常識からはずれた申告が統一的に行なわれているという事実は、やはり民主商工会の存在があまり適当な指導、相談をしていないと、こういった印象を私どもは持たざるを得ない。また、過去においては非常に反税的な行為も各所に見られた。こういうようなところから、従来、徴税当局が、民商の所属の会員であろうとも一般の納税者同様に公平な課税負担をしてもらうと、こういうことでき然とした態度をとってこられた、それによって民商の動きというものがほかのほうに移りつつあると申しまするか、税の面においては弊害の面がある程度減少しつつあるようにも見られるわけでありますが、しかし、なおこれらは地区によっては相当はなはだしい一般納税者との格差が現実に起こるということでは国民が納得できない点でありますので、今後ともそのような不当な課税でなく、民商の会員といえども税法上の適正な公平な負担をしてもらうという厳正な態度で臨んでいただきたい。それによって国民の民商に対する将来の評価もまた高まってくる、こういうことであろうかと思いますので、特に今後ともそのように税務行政を進めていただきたい、かように希望を申し上げるわけでございますが、私は、先ほど申したように、零細事業者の税負担というものがやはり感じの上で重いと、こういうことから民商の活動もまた生まれてきたというふうにも思われますので、今後の税の方向として、勤労者に対する課税、あるいは零細小規模事業者に対する課税という面につきましては、さらに一そうの前進をするように特に大蔵大臣にはお願いを申し上げたいと思いまするが、来年の税制についての大臣の御所見をこの機会に承っておきたいと思います。
#58
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま岩動委員の御発言の点はまことにごもっともでありまして、民商の問題にいたしましても、今後さらに調査をいたしまして、課税が公平に行なわれるように全力を尽くしたい、かように存じます。
 また、税制につきましては、御承知のように、すでに長期答申というのが税制調査会から出されておるのであります。その税制調査会答申の中で、所得税に関する部分につきましては、課税最低限の引き上げという点につきましては、本年度の税制改正によりまして大体六分どおりのことをいたしたのであります。つまり、百万円まで引き上げるということを言っておるわけでありますが、それに対して九十三万円だ、こういうことにいたしたわけです。それから税率の調整の問題です。特に中堅サラリーマン以下の問題でありますが、これに対しましては四割方までの措置しかできなかったわけであります。したがって、それらの問題が今後の課題になるわけでありまするが、これはまあ財政の事情にもよりますが、課税最低限の問題は来年度はぜひやりたい。なお、財政上余力がありますれば、残っておるところの税率の調整の問題も手がけていきたい、かように考えておる次第であります。
#59
○岩動道行君 関連事項で、先ほど、民商の活動範囲の中に金融問題についての話がありましたが、これは関係の政府委員もお見えになっておりませんので、私は希望として特に申し上げておきたいと思いまするが、民商は税関係からむしろ中小企業者に対する金融問題にあるいは重点を置きかえてきているのではないだろうかと思われる節もあるわけでございまして、特に国民金融公庫あるいは信用保証協会、こういったようなものの融資に対してのいろいろな相談にあずかる、あるいはまたお世話を申し上げる、これはたいへんけっこうなことでございますが、しかし、これがまた個個の企業者に対して何らか正当な方法でなくいくようなことになる――従来の税の面において一部に行き過ぎがあったと同じようなことが金融の融資の面においてあらわれてくるとすれば、これはまたゆゆしい問題であり、一般国民としても黙視できない点でございますので、この点について今後十分に監督もしていただき、また、金融機関としても十分なそれに対する態度でもって臨んでいただかなければいけない、かように考えておる次第でございまするが、もし大臣がこの辺についての最近の状況でも御存じであれば承りたいし、また、これに対する大蔵省の態度というものもこの機会に伺わせていただければしあわせでございます。
#60
○国務大臣(福田赳夫君) 民商の金融問題に関心を持つという動きにつきましては、これは私もそういうことを聞いております。聞いておりますが、具体的にどういうことなのか、実情につきましては私もまだつかんでおりません。よく実情を調査いたしまして、金融業務が適正に行われていくようにいたしたいと、かように考えております。
#61
○委員長(丸茂重貞君) 本案の質疑は、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時四十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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