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#1
第061回国会 外務委員会 第2号
昭和四十四年二月六日(木曜日)
   午前十時九分開会
    ―――――――――――――
   委員長の異動
 一月二十七日三木與吉郎君委員長辞任につき、
 その補欠として山本利壽君を議院において委員
 長に選任した。
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十七日
    辞任         補欠選任
     二宮 文造君     白木義一郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 利壽君
    理 事
                佐藤 一郎君
                長谷川 仁君
                大和 与一君
    委 員
                石原慎太郎君
                梶原 茂嘉君
                杉原 荒太君
                高橋  衛君
                廣瀬 久忠君
                三木與吉郎君
                西村 関一君
                羽生 三七君
                松下 正寿君
   政府委員
       外務政務次官   田中 六助君
       外務大臣官房長  齋藤 鎮男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        瓜生 復男君
   説明員
       外務省条約局外
       務参事官     高島 益郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国際情勢等に関する調査
 (昭和四十四年度外務省関係予算に関する件)
 (第六十一回国会外務省関係提出予定法律案及
 び条約に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山本利壽君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について報告いたします。
 去る一月二十七日二宮文造君が委員を辞任され、その補欠として白木義一郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(山本利壽君) この際、一言委員長としてごあいさつを申し上げます。
 私、このたび、はからずも三木前委員長のあとを受けまして委員長に選任されました。はなはだ微力でございますが、皆さま方の格別な御指導、御協力をちょうだいいたしまして職責を全うしてまいりたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#4
○委員長(山本利壽君) 次に、三木前委員長から発言を求められております。これを許します。
 三木君。
#5
○三木與吉郎君 私、今回、本委員会の委員長を辞任いたしましたが、委員長在任中は、理事各位並びに委員各位の格別の御支援を賜わり絶大な御協力をいただきまして、まずまず大過なくその職責を果たすことができましたことは、まことに感謝の至りでございます。この機会に厚くお祈を申し上げまして、はなはだ簡単でございますが、退任のごあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
#6
○委員長(山本利壽君) 次に、理事の補欠選任についておはかりをいたします。
 私が委員長に選任されましたので本委員会の理事が一名欠員となっております。この際、補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(山本利壽君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に増原恵吉君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(山本利壽君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題といたします。
 まず、昭和四十四年度外務省関係予算及び今国会に提出予定法律案及び条約につきまして説明を聴取いたします。
 田中政務次官。
#9
○政府委員(田中六助君) ただいま委員長からお話しのありました昭和四十四年度外務省関係予算及び今回の国会に提出を予定しております外務省関係の法律案と条約などにつきましては、事務当局より説明いたさせます。
#10
○委員長(山本利壽君) 齋藤官房長。
#11
○政府委員(齋藤鎮男君) 外務省の予算案につきましては、かなり大部でございますので、お手元にお配りしてございます「重点事項」について簡単に御説明いたします。
 まず、全体の規模でございますが、一番上に書いてございますように、四十四年度最終決定額が三百九十三億六千二百万円、これは本年度の予算額に比較いたしまして三十九億五千七百万円の増でございます。パーセンテージにいたしますと一一・二%でございます。昨年度と本年度を比較してみますと一〇・八%でございましたので、それよりは来年度は上回っているということが言えると思います。もとより、外務省の予算といたしましては、総額においてなお希望額に達しませんのでございましたが、全体のかっこうがかなりよくなりましたので、その点まず御報告申し上げておきます。
 具体的内容につきましては、それ以降に書いてございますが、大きく申し上げまして、一ページにございますのが経済・技術協力でございます。これが大きい重点の一つでございます。
 それから、その次に五ページに参りまして、6の広報活動の充実強化、これがいわゆる対外、対内広報と文化関係でございますが、これがもう一つの大きな重点の柱と言ってよろしいかと思います。
 それから最後に、六ページにございます、7在外における領事活動云々以降がいわば外交体制の強化とでも申します項目でございまして、全体としてこの三つが重点の柱と言ってよろしいかと存じます。
 各項目について簡単に御説明申し上げます。
 最初の経済・技術協力の点でございますが、ここに書いてございます1につきましては、百五十万というのが計上されておりますが、これは、ベトナム戦争の終結に向かいましていろいろの会議が予想されます。あるいは監視機構等が設立される可能性がございますが、現在の段階では、いつごろ、どういう規模のものということが予測できませんので、とりあえず、そういったものを調査するということで、調査費をそこに計上してございます。
 2の経済協力の強化推進でございますが、これを二つに分けて考えております。第一は、(1)にございます無償援助の促進、第二は、そのページの最後にございます技術協力の強化改善、この二つが経済協力強化推進の重要な点でございます。
 第一の無償援助の促進につきましては、そこに、(イ)ベトナム及び周辺諸国の経済開発及び民生安定のための援助とございまして、備考に三つのプロジェクトが掲げてございます。一つは、南ベトナムにおける難民救済用アパートの建設、これが二億六千万円計上してございます。それから2が、ラオス・タイ間の通信施設の改善。御承知のように、これを成功させますと、通信網がここだけが欠けておりますために全般が通じなかったのでございますが、これで非常に改善されるわけでございます。第三はビエンチャン飛行場の改良計画。これはラオスの飛行場でございますが、非常に貧弱なもので、かつてこれを改善しようという希望が非常にラオス政府に強かったのでございますが、今般それに協力してあげられることになったわけでございます。問題が今日まで延びましたのは、御承知のように、ラオスという国が非常に財政的に窮乏しておりまして、かりにいわゆる経済協力援助という形でお金を貸しましても返済の見込みがございませんので、どうしても金をやるという形にせざるを得ないわけでございます。そこで無償援助ということになりました。それが二億五千万円でございます。
 それから(ロ)経済開発計画実施設計援助の拡充、これは昨年度も計上されましたが、ことしも同額の一億計上されてございます。これは後進国、発展途上国でプロジェクトを行ないたいけれども設計をする金がない。そういう場合に設計をわが国でしてあげることによって、それ以後の日本のそのプロジェクトに対する経済協力が容易になるし、また、発展途上国においてはそれによって将来の発展の基礎が築かれるということで、非常に喜ばれる計画でございますが、今回はノンカイ、ビエンチャンの橋の建設のための実施設計をこれによって行なうということでございます。なお、ほかのプロジェクトももちろんございます。
 それから(2)の技術協力の強化改善でございますが、これは毎年外務省のいわゆる経済協力予算の最も重要な部分でございますが、ことしにつきましては、金額としては本年度ほどの伸びがございませんが、つきました内容が、たとえばそこにございます研修員の受け入れ、あるいは専門家の派遣というものがかなり大幅に認められましたが、発展途上国が最も希望している人の行き来による技術協力の促進という面がかなり進むと思われます。
 それから、そのうちの(ロ)農業及び医療協力並びに日本青年海外協力隊の強化拡充でございますが、農業及び医療協力につきましては、本年度の予算にだいぶんついておりますので、来年度につきましては、ただいま申し上げましたように、むしろ専門家あるいは向こうからの研修員の派遣受け入れというものに重点を置きましたので、数字が伸びなかったのは、この点の数字が伸びてないということでございます。しかし、これは必要量は確保してございます。
 (ハ)技術協力業務遂行態勢の強化と申しますのは、技術協力をもっぱら担当しております海外技術協力事業団の交付金を増したことでございまして、これは実はきわめて事務的な経費のようでございますが、技術協力事業というものが大幅に伸びました反面、この協力事業団の人が増さないために、仕事はふえても仕事をする人がいないという状況で、現実に事業が円滑に推進されない傾向にありましたので、今般はこの辺に重点を置いて協力事業団の拡充に努力したわけでございます。
 (3)は省略申し上げます。
 それから三ページにございます(4)経済協力計画作成及び効果測定のための現地調査の強化。これはいわゆる追跡調査でございまして、経済協力はしてやってもその効果がはたしてあがっているのかどうかということで、最近国民の間で非常に危惧の念を持っておられる方もございますので、それを追跡して調査しようという金でございます。額は少ないのでございますが、意義は非常に大きいというように考えております。
 (5)その他経済協力費と申しますのは、技術訓練センター、その他そういうセンターに対する委託費等でございます。これも省略いたします。
 それから3経済外交の推進。これは主として経済協力局関係の仕事でございますが、低開発国との貿易促進及び東西貿易の拡大ということを中心にして要求してございます。これも経済、いわゆる貿易関係の予算は従来かなりついておりますので、ことしはたいした発展はございません。
 4国連諸活動に対する協力の強化でございますが、これは分担金、拠出金の関係でございますが、詳しいことは省略申し上げます。
 (2)万国博国連館建設でございますが、これは本年度来予算がついておりまして、いよいよ建設に入るわけでございます。設計もできまして、先般起工式も行ないました。予算はこれで十分ではございませんけれども、一応ていさいのつく国連館ができるということでございます。同じ額を民間が協力しておりますので、官民半分ずつ出すということでございます。
 5万国博準備態勢の強化。(1)招請元首等外国首脳に対する接遇態勢の整備ということで、これは万博にナショナル・デーというものができまして、自分の国のこのナショナル・デーには元首が日本を訪問されることがかなり多いわけでございますが、その際のいろいろ旅費等を要求したのでございまして、そういうものは来年度からはつけようということで、これは主として車でございます。
 次のページの6広報活動の充実強化というところで、(1)重要外交問題に関する視聴覚広報活動の推進。これは国際問題の啓発のためにテレビジョン、ラジオ等のネットワークをもっと利用しようということでございます。
 その次は講演会、パンフレットの作成でございます。
 (3)在外公館の行なう広報文化活動事業の拡充でございますが、そのうちで特に御指摘申し上げたいことは、その右のまん中ぐらいに書いてございますが、広報文化センターが各地にできておりますが、これがパリ、それからマレーシアのクアラルンプールに増設されるわけでございます。
 そのページの備考の下のほうの6国際文化振興会というところに、(イ)歌舞伎米国公演というのがございますが、これは五千五百万円でございます。これはもちろんギャラを取って現地でも金の調達をいたしますが、政府もこれを援助するということでございます。
 次のページに参りまして、(4)、(5)、これは先生方にも非常に御援助をいただいているところでございますが、日本研究講座及び日本語普及事業の拡充、それから外国人留学生受け入れ体制の改善、こういう二つの問題でございますが、特に(5)のほうにつきましては、現在そのための組織として国際学友会というものがございますが、それを強化しようということでございます。
 7在外における領事活動及び移住事業の充実――外交体制の強化ということの一つでございますが、一つは在外邦人子弟教育の拡充強化、いわゆる外国に日本式の全日制の学校をつくるということでございまして、このたびジャカルタ、サンパウロ、リマ、シドニー、合計四カ所できるわけでございます。すでに十七校ができておりますので、この四校を加えまして二十一校が外国に日本の小学校ないしは中学校としてできるということになるわけでございます。
 (2)在外邦人保護活動の拡充強化。これはたとえば外国で行き倒れになった人を救済するいわゆる領事関係の経費でございます。ちょっと御関心になることは、韓国に日本人妻というのがございます。ああいう人たちのこともこういう経費で考えたいということでございます。
 (3)は既移住者の定着安定促進のための営農基盤強化及び移住地の環境整備でございます。移住事業の重点として、新しい移住者を出すことも大事でございますが、現地に参っております移住者の環境を整備してやるということの経費、外務省としては本年度来そういうところに重点を移してございます。
 次に、最後のページでございますが、外交体制の中で一番基本になります外務省員ないしは外交官、あるいは在外公館へつとめております現地補助員の待遇改善その他でございます。
 (2)に在外公館現地補助員の増強というものがございます。それから旅券査証事務迅速化のための機械化推進。これは、旅券の発行がかなりおくれますのは、これを処理する人員が足りないため、もっぱらそういう事務的な理由でおくれるのでございますので、人間は、現在定員をふやせないという制約がございますので、それではそれにかわる機械化をしようということで、非常に大規模な機械化をする決心をいたしました。そのための費用でございます。五カ年計画くらいでやる必要がございますが、今般その第一着手ができるということになりました。
 それから在外公館施設の国有化促進。これは御承知の在外の大公使館、領事館事務所及び公邸を日本の国有財産としてつくる、ないしは買っていくということでございます。
 9在外給与制度の抜本的改善でございますが、あとで法律案のところで申し上げますけれども、いわゆる在勤俸の改正を来年度やるわけでございます。
 その他いろいろの経費がございますが、「その他」の中で特に申し上げておきたいのは、下に在外公館新設としてザンビアの大使館、アンカレッジの領事館二つできまして、これらを合計いたしまして、先ほど申し上げましたように、三百九十三億六千二百万円ということでございます。
 以上、非常にはしょりましたが、予算の大綱でございます。
 続きまして今国会に御審議いただきます外務省関係の法律、予算案の中で、法律案について御説明させていただきます。
 法律案は二件でございます。両方とも予算関係の法律でございます。第一は外務省設置法の一部を改正する法律案。内容は三つございまして、最初は、外務省に儀典長一人を新設する。第二は、在外公館の名称及び位置を定める法律を廃止して、外務省設置法の別表とする。三は、在南イエメン、在モーリシァス各大使館及び在アンカレッジ領事館を新設する。きわめて事務的なものでございます。
 第一の儀典長につきましては、すでに御承知のとおりに、現在事実上儀典長はございますけれども、儀典長というものは外交制度の中ではきわめて重要な地位を占めるもので、特に万博等を控えて外国の賓客が多い場合に、事実上外務大臣の代理としていろいろのことを処理するだけの儀典長にはなっておりません。そこで、今般法律職としてその地位の確定した儀典長を置くということでございまして、在外公館長の経験者、大使の経験者を持っていきたいということで、いろいろの困難はございましたが、今般認められたものでございます。
 それから第二は、これは先生方の御要望も含まれております、いわゆる法律及び法令の簡略化というものに協力をするものでございまして、従来、在外公館の名称及び位置は特別の法律できめられておりましたが、これは特別の法律をつくる必要は特にございません。生成の経過でそうなりましたので、今般この際整理をして、この外務省設置法の別表としてそれを含ましてしまおうということでございます。
 それから、第三、南イエメンとモーリシァスが独立いたしましたので、これはもちろん本館を置くつもりはございません、兼館としてこの法律の中に入れるということでございます。アンカレッジにつきましては、ことしの予算に組まれましたし、アンカレッジがきわめて重要な役割りを演ずるようになりましたので、ここに領事館の実館を新設したいということでございます。
 それから第二の法律案は、ただいま予算で説明申し上げました在勤俸関係でございます。これについて特に申し上げて御理解を得ていただきたいと思いますことは、従来在勤俸は一つにひっくるめて幾らということできめられておりますけれども、最近の傾向といたしまして、住宅が非常に高くなりまして、在勤俸のひどいところは、半分程度のものが住宅費に取られる。一方、非常に住宅の安いところは安い住宅費を払えば済むものでありますから、在勤俸のかなりの部分が、住宅費の高いところに比較して、まあ、俗なことばで言えば、得をするということでございます。しかし、そういうところでも、一定の規格の住宅に入って外交活動が容易なような体制をとるべきであるということで、今般制度の改正をいたしまして、いわゆる基本手当と別に住宅手当というものを分けました。外国の制度はほとんどこうなっております。日本の制度がその点おくれておりましたので、今般そういうふうにいたした次第でございます。なお、物価の値上がりその他の事情によりまして、今般九%の上昇率で増加しております。
 以上、二つの法律案を御説明申し上げました。
 このほかに、今般十九件の条約案がございますが、これは条約局から御説明いたします。
#12
○委員長(山本利壽君) 高島参事官。
#13
○説明員(高島益郎君) この国会に提出いたします条約十九件につきまして概略を御説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます「第六十一国会提出予定条約」、この表に基づきまして概略の説明をさせていただきます。
 全体の種類別に申しますと、表の最後のほうに八件の租税条約がございまして、それを除きますと十一件でございます。十一件のうち、いわゆる多数国間の条約が五件ございまして、残りは日本と二国間の条約でございます。
 順次この表に従いまして内容を簡単に御説明申し上げます。
 第一は、国際通貨基金協定の改正でございます。これは御承知のいわゆるSDR――特別引き出し権の制度を新しく国際通貨基金の中に設けるために、これに伴って必要な協定の改正でございます。これは過去四年来、十カ国蔵相会議等を中心にいたしまして国際通貨基金が熱心に研究の結果、今回成案を得ましてこの協定を改正することになった次第でございます。その仕組みは、ごく簡単に申しますと、これまで国際貿易の伸びに応じまして各国が持っておりますいわゆる準備資産、金とか、ドルとか、ポンドとか、そういったものの伸びが十分でなくて、国際貿易の伸びに非常に阻害要因になってきているという最近の現象にかんがみまして、どうしてもこの金、ドルを補充するいわゆる第三通貨というものが必要だという認識から出発しております。この特別引き出し権――SDRというのは、仕組みから申しますと、国際通貨基金の中で、たとえば毎年一億ドルに相当するSDRを新しくつくるという決定をいたしますと、これを各国の出資比率に応じまして各加盟国に配分されるわけでございます。日本の場合で申しますと、約三・五%ですから三千五百万ドル相当のSDRが配分される。で、それぞれの国の国際収支の状況に応じまして、非常に収支状況が悪化してどうしてもドルとか、あるいはフランとか、そういったものが必要だという場合には、このSDRのかわりに必要な外貨を確保し得るという仕組みでございます。また一方SDRを持っている側が通貨基金から指定を受けました場合には、そのような要求に応じまして、自国が持っておりますドル、ポンド等を必要な国に提供する。そういうことで、実際にドル、ポンドを必要とせずに、このSDRというもので必要なそれぞれの外貨を各国が確保し得る。そういう仕組みをここに考え出したわけでございます。これをこの通貨基金協定の改正という形で今回制度化したわけでございまして、これが国際通貨基金協定の改正でございます。
 第二が、一九四八年にブラッセルで改正された文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約というものでございますが、いわゆる著作権の保護に関します国際的な条約といたしまして非常に古くからございますこのベルヌ条約、これは明治十八年に作成されまして、自来一貫して著作権の保護に関する国際的な条約としていままで各国に適用されてまいっておりますが……
#14
○大和与一君 ちょっと。それはどうせ提案のときに詳しくおっしゃると思うので、きょうはもっと簡単でいいです。こういうものがあるということでいいですから。
#15
○説明員(高島益郎君) 今般、日本がこの改正の受諾に踏み切った理由は、いま持っております著作権法の根本的改正にかなり時間がかかりまして、今般ようやくその改正に踏み切った次第でございますので、それに伴いましてこのブラッセルの改正条約を新しく御承認いただくということになった次第であります。内容は省略さしていただきます。ただ、いままでの保護よりも保護の基準が厚くなって、それだけ著作権の国際的な水準に合わせるというのがおもな目的でございます。
 第三番目に、オーストラリアとの漁業協定でございます。これは昨年の国会で御承認をいただきましたメキシコとの漁業協定あるいはニュージーランドとの漁業協定と大体同種類の漁業協定でございまして、オーストラリアの漁業水域の設定に伴いまして、従来日本が持っておりましたマグロはえなわ漁業の操業を確保するための協定でございます。
 第四番目と第五番目を一括して御説明申し上げます。国際コーヒー協定及び国際砂糖協定は、これまで御承認いただきました小麦協定あるいはすず協定等と同じく国際商品協定でございまして、主として後進国から産出しております食料品あるいは原材料等の価格を安定さして、それで後進国の経済の安定に貢献しようという観点から作成されましたいわゆる商品協定で、これら商品の需要供給を調整することによって価格を安定するという仕組みになっております。いずれもいままでございました協定の全面的な改正でございます。
 次に、メキシコとの通商協定がございます。これはメキシコは、ラテンアメリカ諸国のうちでは日本が一番取引の多い貿易相手国でございまして、従来から非常に通商関係は盛んなのでございますけれども、メキシコはいままでいわゆるガットの協定に入っておりませんで、したがいまして、日本もメキシコもそれぞれにいわゆる貿易に関する最恵国待遇を法的に与え得ない関係にありましたので、今般メキシコとの間にこのような協定を結ぶことによって相互に貿易一般に関する最恵国待遇を与え得る仕組みにしたわけでございます。
 次に、ユーゴスラヴィアとの間の文化協定でございますが、戦後、日本はフランス、イタリアをはじめといたしまして十一の国と文化協定を締結いたしておりますが、ユーゴとの間には、かなり古くから先方の強い要求がございまして、ぜひ日本との間に文化協定を結びたいという希望がございました。日本といたしましては、文化協定の締結自体にそれほどの意義を認めるわけではございませんが、ユーゴというような特別な地位を占めている国でもございますし、この国との間に文化協定を締結することの意義もないわけではないという観点から、昨年チトー大統領の訪日の機会に署名し、今回国会に提出することになった次第でございます。
 次に、カンボジアとの間の贈与に関する協定でございますが、これは、国連が中心になりまして、いわゆるメコン河の開発計画をかなり古くから実施しております。カンボジアにございますメコン川の支流のプレクトノットという川の開発計画でございますけれども、ここに高さ二十五メートル、長さ約十キロの大きなダムをつくりまして発電及びかんがいの計画をやっと作成するに至りました。これに対しまして、日本はじめ十カ国及び国連からの援助を基金といたしまして、その基金に基づいて今年暮れくらいから約三年半くらいの計画をもちましてダム建設を行なうわけでございます。そのために日本とカンボジアとの間でそれに必要な日本の贈与に関する協定をここに締結することになっております。まだ妥結しておりませんので詳しい内容は決定いたしませんが、金額といたしましては、すでに四百二十万ドルというものがきまっております。
 その次に、アジア統計研修センターの設立に関する協定がございます。これもやはり国連の要請に基づきまして、一昨年でしたか、東京でエカフェの総会をやった際に、日本にこのような研修センターを設置し、アジア諸国の統計専門家の養成に当たっていただきたいという決議ができまして、この決議に基づきまして、国連及び日本が必要な金を出しまして、東京にこのようなセンターをつくって、アジア諸国から統計専門家を集めて、約十カ月間、毎年三十名くらいずつ統計の専門家を研修せしめる、そういうための機関でございます。
 それから、その次のページに、国際水路機関条約というのがございます。これは一九二一年に発足いたしました国際水路局というのがモナコにございまして、各国の水路官庁、日本で申しますと、海上保安庁水路部、そういうところが集まって水路図誌の作製、その他技術的な面につきましての協力関係を設定している機関でございますけれども、今般この国際水路局を解消いたしまして、国際水路機関という名前にしまして、仕事の内容は従来と同じでございますけれども、これに国際機関としての格式を与え、法人格を与え、かつ、必要な限度で特権免除を与える。そういうために必要な条約の改正でございます。
 それから、フィリピンとの間の郵便為替の交換に関する約定というのがございます。これは、各国との間の郵便為替の交換につきましては、万国郵便連合等がございまして、その万国郵便連合のもとで各国がそれぞれ郵便為替の交換に関する約定というものを締結し、これに基づいてそれぞれ郵便為替を交換しているわけでございますが、フィリピンとの間には戦前はございましたけれども、戦後それがなくって、実際上この郵便為替の交換ができませんでした。今般やっとこのことにつきまして交渉が妥結しまして、フィリピンとの間に郵便為替の交換の約定を結んで、これから郵便為替の交換をしようというものでございます。
 その次に、ベルギーはじめ先ほど申しました八件の租税条約がございます。うち、イギリス、アメリカ、インド、この三国の間の租税条約は、現在ございます租税条約の改正でございます。それぞれかなり古く締結された条約でございますので、その後できましたOECDの租税条約のモデル条約との観点からいろいろ改正すべき点がございまして、その必要な改正が行なわれております。したがいまして、新しく締結いたします租税条約は、ベルギー、アラブ連合、ザンビア、オーストラリア及びイタリア、この五件でございます。特にこのうちアラブ連合は、中近東の一つの中心国でもございますし、そういう意味で、いままで中近東の間では租税条約がなかった関係もございまして、新しい布石をここにしくことになるわけであります。
 以上、全部で十九件の条約の概略御説明を申し上げました。
#16
○委員長(山本利壽君) 以上をもって説明は終了いたしました。
 ただいまの説明に対する質疑は後日に譲り、本日はこれにて散会いたします。
   午前十時四十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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