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#1
第061回国会 外務委員会 第12号
昭和四十四年五月二十日(火曜日)
   午前十時二十二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 利壽君
    理 事
                佐藤 一郎君
                長谷川 仁君
                増原 恵吉君
                大和 与一君
    委 員
                石原慎太郎君
                梶原 茂嘉君
                杉原 荒太君
                廣瀬 久忠君
                三木與吉郎君
                加藤シヅエ君
                西村 関一君
                羽生 三七君
                森 元治郎君
                黒柳  明君
   国務大臣
       外 務 大 臣  愛知 揆一君
   政府委員
       外務省経済協力
       局長       上田 常光君
       郵政省貯金局長  鶴岡  寛君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        瓜生 復男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本国とフィリピン共和国との間の国際郵便為
 替の交換に関する約定の締結について承認を求
 めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○プレク・トノット川電力開発かんがい計画の実
 施工事のための贈与に関する日本国政府とカン
 ボディア王国政府との間の協定の締結について
 承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山本利壽君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 日本国とフィリピン共和国との間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件及び
 及び
 プレク・トノット川電力開発かんがい計画の実施工事のための贈与に関する日本国政府とカンボディア王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
 以上二案件を便宜一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#3
○大和与一君 フィリピンとこの国際郵便為替約定が締結されるようになった経過について、まず御説明をいただきたい。
#4
○政府委員(鶴岡寛君) 昭和三十二年の四月にフィリピンに対しまして郵便為替業務の再開を提案いたしましたわけでございます。ところが、フィリピン側は、為替管理等の国内事情がございましたと見えまして、しばらくの間交渉は難渋いたしまして一向に進展を見ておりませんでございました。それから十年たちました昭和四十二年の一月になりまして、ようようフィリピン側から業務の実施に同意するという回答がございました。それで、それではどういうような方法で実際の業務を取り扱おうかといういわゆる業務の実施方法について交渉が行なわれまして、四十二年の九月に約定の案につきまして双方の郵政庁間に合意を見たわけでございます。それで、それからいわゆる外交ルートに乗せまして、昭和四十三年の六月に東京で日本側が署名、また、八月にマニラでフィリピン側が署名をいたしました。そして今度の国会に御審議をお願いしている、そういうようなことがいきさつの大要でございます。
#5
○大和与一君 フィリピンが万国郵便連合の「郵便為替及び郵便旅行小為替に関する約定」に加盟しない事情はどういうわけですか。
#6
○政府委員(鶴岡寛君) これは私どもからの推測でございますけれども、大体二点ほどあると存じております。一つは万郵連の為替約定に入りますと、そこで料金にワクをはめられてしまう。その万郵連できめております、為替約定できめておりますワク内でしか料金をきめられない、そういう点がいやではなかったろうかという点が一点でございます。第二点といたしましては、フィリピンの国内の制度が万郵連の為替約定にきめております諸制度と若干食い違ったところがある。たとえばフィリピンとの為替の交換は目録式で行なわれております。万郵連の為替の交換の方法には目録式とカード式とがありますが、カード式が主流を占めておるというような点、あるいは私用の通信文の記載を万郵連では認めておるのにフィリピンは認めていない。そういうような点に若干の食い違いがございます。そういう二つの点でフィリピンは従来万郵連の為替約定に入ることをがえんじていない、そのように考えております。
#7
○大和与一君 いまのワクがきめられるということは、具体的に例をあげて、どういうことですか。
#8
○政府委員(鶴岡寛君) たとえば万郵連約定の六条にございますが、振り出しの際に徴収する料金――公衆から取ります料金でございますが――は、カード式の為替については四十サンチーム、目録式の為替については八十サンチームのワク内で取れというような制限があるわけでございます。それで、たとえばアメリカの例でこれを申しますと、日本は万郵連約定に入っておりますが、それに比べますと、やはり入っていないアメリカは自由にきめておりますために、手数料が高くなっておる。日本の国内手数料に比べると、日本が国内で外国為替の振り出し人から取ります料金に比べると高くなっておる。そういう例もあるわけでございます。
#9
○大和与一君 この約定では、通常の郵便為替だけが交換されることになっておるわけですね。同じ二国間の約定を締結しておるイギリスやパキスタンとは電信為替も交換しておるが、フィリピンとの場合には何か事情があるわけですか。
#10
○政府委員(鶴岡寛君) これは私どもの推測でございますが、現在フィリピンはアメリカとだけこの為替交換をやっておりますが、それもやはり通常為替だけでございます。電信為替はやっておりません。したがいまして、向こうのそういうような事情から電信為替は扱わないのであろうと、そのように想像いたしております。
#11
○大和与一君 日本は万国郵便連合の郵便為替約定に入っておるが、フィリピンは入っていない。約定の加盟国と未加盟国との間に、約定を締結した場合に具体的にどのようになるのか御説明いただきたい。たとえば加盟国と未加盟国との間では料金の差が出てくるとか、そういう例もあげて御説明をいただきたい。
#12
○政府委員(鶴岡寛君) 料金の問題ございますが、具体的に申しますと、たとえばアメリカでは十ドルの金を送りますのに、この国は約定に入っておりませんので自由にきめられると、したがって、四十五セントの手数料を取っておる、そうすると、日本では七十円でございます。四十五セントは百六十二円に該当いたします。これに対して日本は七十円というワク内の料金を取っておる。五十ドルで比較しますと、アメリカでは二百四十四円を取れるのでございますが、日本は百四十円にとどまっておると、そういう差があるのでござ
 います。
#13
○大和与一君 万国郵便連合の未加盟国がわが国が二国間約定を結んでいない国にはどのような国がありますか。また、将来これらの国々と二国間約定を締結する考えがあるかないか。
#14
○政府委員(鶴岡寛君) ブラジルであるとかあるいはビルマ、アルゼンチンとか、そういうところがございます。そして、これらの国々に対しましては、外務省を通じまして従来何回も約定の締結を相談をしておりますが、まあ、いろいろな事情があってまだ締結に至っていないわけでございます。
#15
○大和与一君 外国郵便為替は現在世界においてカード式と目録式の二つの方法が行なわれているが、この方式を簡単に説明していただきたい。
#16
○政府委員(鶴岡寛君) 今回日比間でとりますのは目録式でございますが、まず目録式から申し上げますと、たとえば、フィリピンのほうで日本に郵便為替を送る人が十人なら十人ございますと、それらにつきましてフィリピンでは為替証書を作成いたしませんで、振り出し人、受け取り人、金額等の必要事項を通知してまいるわけでございます。それを私どもの貯金局におきまして、そういう目録が参りますので、その目録によりまして為替証書を貯金局のほうでつくる、日本のほうでつくるというのが目録式でございます。
 カード式は、もう向こうのほうで、振り出し国のほうで最初から一枚一件というように一件ごとに一枚のカードをつくりまして、そして、所要事項等を全部記入しましてこちらに送ってくると、それによって金の支払いを行なうと、そういうものでございます。
#17
○西村関一君 いま大和理事が打ち合わせのために出られましたので、私がプレク・トノット川の電力開発計画のための贈与協定に関する問題についてお伺いしたいと思います。委員長、よろしゅうございますか。
#18
○委員長(山本利壽君) ちょっと聞こえませんでしたが。
#19
○西村関一君 いま質問が継続されている問題は大和委員が質問を続けられると思いますから、私はプレク・トノット川の電力開発の問題に対して質問したいと思います。それでもよろしゅうございますか。
#20
○委員長(山本利壽君) はい、よろしゅうございます。
#21
○西村関一君 私はこの提案理由の説明のありましたときに外国に行っておりましたのでお伺いをすることができませんでしたけれども、資料を拝見いたしまして、私も四年前にカンボジアに参り、またラオスに参りまして、多少この問題に対して関係者の意見を聞いてまいりましたので、こういう協定が結ばれるということにつきましては反対するものではございません。こういうことにむしろ日本が協力するということには賛成をするものでございます。それについて伺いたいと思いますことは、この開発計画、メコン川開発計画という膨大な計画、しかも、ほとんど自然河川の状態のままになっているこの開発に対して、協力諸国がメコン開発計画のメコン委員会を中心として行なわれておるということでございます。その一環としてこの協定が結ばれるという、この全体の構想としてですね、「どういう計画の中で、何年くらいの計画で、どのようなめどをつけてメコン川開発計画というものが進められておるか。その全容をいいますか、その全体の構想について、可能な範囲、わかっておる範囲でお伺いをいたしたいと思います。
#22
○政府委員(上田常光君) 先生ただいま御指摘のとおりに、メコン川の開発計画というのは非常に膨大なものでございまして、メコン委員会が一九五七年にできましてから、メコン川を中心といたしまして、その河川及び流域の開発計画を鋭意検討しておるわけでございますが、まだ何年までに具体的にどうというはっきりした計画があることは私は承知しておりませんが、しかしながら、たとえば本流だけについて申しますと、一番上流から申しますと、たとえばパモンの計画というのがございます。これはラオスとタイとの間のものでございます。これは非常に大きな計画でございまして、費用も外貨で八億ドルぐらいかかるのではないかというようなことになっております。それから下がってまいりますと、今度はいわゆるサンボールの計画というのがございます。このサンボールの計画と申しますのは、これは従来日本も相当調査をいたしておるのでございますが、いずれもまだこの調査に基づいて具体的にいつからどの程度の工事を進めるかというようなことはまだきまっておりません。さらにまた、このトンレサップという川――あそこのカンボジアのいわゆる大きな湖と書きます大湖の入り口にある川――あの川が洪水期には逆流いたしますので、あの川の入り口のところを防ごうというダムの計画もございます。まあ、これがおもな本流でございますが、それからさらに支流につきましては、また北から申しますと、大きなものといたしましては、ラオスのナムグム・ダム計画がございます。これは現在実施中でございます。それからさらに下がりまして、タイの中ではすでにナンプン、ナンポンというような、これは支流のダムでございますけれども、これはすでにでき上がっており、そのほかに、いま、きょう御審議をいただこうとしておりますこのカンボジアの中のプレク・トノット川につくりますダムの計画がございます。そのほか、一々申し上げるのに枚挙にいとまがないほどに支流に関するいろいろな計画というのがあるわけでございますが、さらに下がりますと、またいわゆるメコン・デルタまで来ますと、このデルタ地帯をどう開発するかという計画もあるのでございます。さらにまた、メコン川にかけます橋の問題もございます。これは、一番大きな問題といたしましては、北のほうで申しますと、ラオスとタイの間のいわゆるノンカイとビエンチャンの間の橋をどうする、それからまたデルタ地区のいわゆるミ・トワンの橋をどうする、そういったような計画がございます。さらに、メコン川流域と申しますと、今度はいろいろな平原のかんがい計画がございます。目下、いろいろな国際機関あるいは各国それぞれフィージビリティ・スタディ等をやっておる段階でございます。まだ、何年までに具体的にどこの工事をどうやるということはきまっておりません。ただいま申し上げましたのはごく概要でございます。
#23
○西村関一君 いまお話しになりましたような計画に対して、日本の技術者がどの程度、何名ぐらい、どういう部門の専門家がこれに参加しておりますか、この点いかがでしょうか。
#24
○政府委員(上田常光君) メコン委員会ができましたのは、先ほど申しましたように一九五七年でございますが、わが国もそれ以来メコン川及びその流域の特に技術的な技術調査については相当多数の専門家を出して協力しておるわけでございますが、ただいまここで、何名どこにやったかということはちょっと申し上げるだけの数字をいま持ち合わせませんが、一番その中で大きなものを見ますと、やはり先ほど申しましたサンボールのダムの計画の調査がございます。これはもうすでに何年間も何回かの調査をいたしております。おおよそいままでで、この技術協力といたしまして、大ざっぱに申しまして、全部を含めまして百五十万ないし二百万ドルぐらいではなかろうかと思っております。
#25
○西村関一君 それから、いまお話しのありましたカンボジアの大湖、これは洪水期になりますと非常に膨大な湖になっちゃう。そのために沿岸の開発が非常におくれておるという、状態でありますが、その大湖に流れておるところの、いまおっしゃった川の入口にダムをつくって逆流を防げというようなことがあるようですけれども、大湖全体に対する開発あるいは洪水の防止、そういうことについては、まだそこまで手がついておりませんですか。
#26
○政府委員(上田常光君) 大湖の問題につきましても、わが国といたしましては、技術協力の形で専門家等を派遣して調査をいたしております。
#27
○森元治郎君 このブレク・トノットの電力開発について一問だけ。
 エカフェができてもう長い。そして、こういう関係の開発について協力国の数も多いし、二十数カ国もあるし、それから国連の機関も各種機関が十幾つもあったり、いろいろな財団と団体の応援もたくさんあるのですが、どうも、船人多くして船山に登るというか、一向進まない、こういうことなんですね。そこでやけを起こしたのでしょう。たぶんにああいうやけを起こして日本が、これは半分おれが持つと。二千七百万ドルの段階でね。そうしてあとの半分はほかが持つと言って引っぱったが、それでもほかの協力国が協力をしない。そこで値段を下げて千八百万ドルにしたのでしょう。その半分を持つ――四七%。その半分は借款ということで、とにかく日本がリードしたということはいいことだと思うのですよ。しかし、あなたの同じ閣僚の中で福田大蔵大臣なんかは、いまから二十年先の計算をして、国民総生産は年一%六十五億ドルになるのだというようなことを言って、はでなことを言うのですが、実際に行なうときになるときわめてみみっちい。利息にしても三分五厘、十八年かというようなことできびしいのですな。この東南アジア開発の重点が理屈が多過ぎる、調査が多過ぎる、横の連絡が長過ぎるから、早く実行して見せることが東南アジア開発に対して地元民の期待が非常に大きくなるのだと思うのですよ。あまりどうも遊よく的な雰囲気がバンコクあたり、東南アジアに流れていると思うのです、この開発に対する各国の協力体制が。それから、日本の指導権があり金があり、しかも協力をするのだと言って約束しているのですから、もっと積極的に各国の協力で、分担金で、こまかい割り当てもけっこうだが、おれは出すのだと言って、しかも、出して、時間を短くして決行するということをぜひこれからもやってもらいたいと思うのです。たまたまこれはおそくなったが、できたが、長ったらしいのです、だらだらして。会議ばかりやっていて。こういうことではいけないので、大臣ひとつ、日本が東南アジア開発と言うならば、口を実行して示してやることが一番関係国の信頼を集めるのだと思うのですが、いかがですか。
#28
○国務大臣(愛知揆一君) ただいまの森委員のお説につきましては、私、全く御同感でございます。まさにおっしゃるとおりであると思います。したがって、本件につきましても先ほどるる御説明申し上げておりましたとおりで、経済的あるいは技術的の観点から、メコンの支流開発についてもいろいろな計画もございましたし論議もありましたけれども、各方面から見て最もすぐれた計画であるということで高く評価されているようでございますから、この際日本としても決心をして、たとえば所要外貨分の約半分までを引き受けることにいたしました。これはおそかったけれども、いままでにない私は適確な判断ではないかと考えておるわけでございますが、今後におきましても、お説のとおり、大いに勇気を持って実行に当たりたいと思っております。
#29
○委員長(山本利壽君) 他に御発言もなければ、二案件に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(山本利壽君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより二案件について一括討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
 別に御意見もないようでございますが、討論はないと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○委員長(山本利壽君) 御異議ないと認めます。
 それでは、二案件につきまして順次採決を行ないます。
 日本国とフィリピン共和国との間の国際郵便為替の交換に関する約定の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#32
○委員長(山本利壽君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、プレク・トノット川電力開発かんがい計画の実施工事のための贈与に関する日本国政府とカンボディア王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#33
○委員長(山本利壽君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、二案件について本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○委員長(山本利壽君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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