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#1
第061回国会 法務委員会 第7号
昭和四十四年四月二十二日(火曜日)
   午前十時三十七分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
四月十六日
    辞任         補欠選任
     松本 英一君     占部 秀男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         小平 芳平君
    理事
                後藤 義隆君
                河口 陽一君
                亀田 得治君
    委員
                上田  稔君
                山本敬三郎君
                秋山 長造君
                大森 創造君
                山高しげり君
   国務大臣
       法 務 大 臣  西郷吉之助君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   佐藤 千速君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        二見 次夫君
   説明員
       法務大臣官房司
       法法制調査部長  影山  勇君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○訴訟費用臨時措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(小平芳平君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 去る十六日、松本英一君が委員を辞任され、その補欠として占部秀男君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(小平芳平君) 訴訟費用臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○秋山長造君 若干お尋ねをいたします。この法律はあくまで臨時措置法ということですが、この法律は昭和十九年にできたわけですから、もう二十五年たっておるわけです。この間何回か改正をされ、さらに今回の場合は、去年改正されてまたここで改正されるわけですが、まあ今後のことを考えますと、物価、賃金等の変動によるということが改正の理由になっておるわけですから、まあ毎年同じような改正が今後も行なわれることが予想されるわけです。この臨時措置法というような臨時立法が、これだけ長く続いて、しかも毎年改正されるという状態は、私は好ましい状態じゃないのじゃないか、正常な状態じゃないかと思う。これは一体、今後もこの臨時措置法改正ということで、これをずっとつないでいかれるおつもりなのですか。それとも、もうここらで本来の民事訴訟費用法あるいは刑事訴訟費用法という本法のほうの改正というまともなやり方に改められるべきじゃないかと思うのですが、その点についての御見解をお伺いしたい。
#5
○説明員(影山勇君) ただいま御指摘のとおり、訴訟費用臨時措置法は昭和十九年にできまして、当時は全くの臨時措置法というふうに考えられておりましたのでございますが、この廃止がおくれましたというのは、一つには、民訴費用法と刑訴費用法の両方にわたる部分、たとえば今回御審議をされております証人の日当、鑑定人の日当というようなものがこれに一つにまとまっております関係で、そういう若干の便宜がありましたのと、それから、たとえば民事費用法は明治時代にできた法律ですし、刑事費用法は大正十年にできました法律で、いずれも非常に古いものでございますから、これを現在の時点に合わせるように修正をしようといたしますと、いろいろ問題が出てまいります。さらには、民事訴訟について裁判所に出す書面に張る印紙の額を規定しております民訴印紙法の規定等もこれに関連しております関係上、この臨時措置法の改正、すなわち民事訴訟費用法、刑事訴訟費用法の改正がだいぶおくれてまいりました。特にこの臨時措置法は、この中に従前は、四十一年以前は執行吏の手数料まで規定しておりまして、これが執行官法のほうに移ったものでございますから、非常に臨時措置法の規定する範囲が狭くなってまいりました。これは何としても廃止さるべきものでございますことは、ただいま御指摘のとおりでございます。そこで、法務省といたしましては、最高裁判所とも連絡いたしまして、この廃止に実は着手いたしておりまして、そう遠くない期間に民事訴訟費用法と刑事訴訟費用法を改正しようという形に持っていくつもりでおります。いずれにせよ、臨時措置法はそう長く今後は効力を持つということはないようにいたしたいと考えております。
#6
○秋山長造君 民訴費用法、刑訴費用法の改正ということはそんなに手数のかかることなんでしょうか。
#7
○説明員(影山勇君) やはり、いま申しましたように、非常に以前に制定されたものでございますから、まあ文語体を口語体に直すという程度では間に合いませんので、いろいろこまかい問題もございますので、現にいまやっておる最中でございます。
#8
○秋山長造君 大体いつごろか、見通しを言ってください。
#9
○説明員(影山勇君) なるべく早い機会にというふうに努力いたしておるわけでございます。今後はこの措置法をいつまでも続けておくという考えはないわけでございます。
#10
○秋山長造君 この法律でいう日当ですがね。この日当とは何ぞやということ、実は去年この改正のときにもちょっとお尋ねしたのですが、そのときは前の調査部長だったわけですけれども、どうも法務省のおっしゃることもはっきりせぬし、また裁判所のほうも刑事局長、民事局長それぞれの見解を一応は言われたのですけれども、どうも三人のおっしゃることがぴたっと一致しておらぬような節がありまして、それで早急にはっきり確定的な定義を聞けなかった。十分検討して適当な機会にこれをはっきりしてもらいたいということを言ってそのままになっていたと思うのです。それが確定されておれば、その内容をちょっと説明してください。
#11
○説明員(影山勇君) この証人、鑑定人の日当につきましては、この性格が非常に、どういうふうに見るかという問題について、いろいろ意見がございましたわけでございますが、現在のところは大体これから申し上げますような形に統一的に考えておるわけでございます。で、証人の日当は、出頭に際して支出することを要する諸雑費の弁償、それから証人に出てきたためにほかの収入がそれだけ減ったというような収益の損失に対する補償という、二つの性質を持っておるものだ。鑑定人の日当についてもほぼこれに準じて考えられてよいのではないか。こういうふうな二つの日当の性質はまず大体において同じと考えていいということでございまして、ただ日当額の上限をきめます場合には、証人の日当については、出頭に要する雑費とそれから収益の損失を並べて、同列と申しますか、並列と申しますか、同格に考慮するという必要があるのに対しまして、鑑定人の日当のほうは、別途鑑定料という報酬が支給されることにかんがみまして、出頭雑費の弁償のほうに重点を置いて考慮すべきものと思われるというように、現在では統一的に考えておるわけでございます。
#12
○秋山長造君 いまおっしゃった日当の定義といいますか、内容といいますか、これはなんですか、最近そういうようになったのですか、昔からそういう考え方でやられておったけれども、まあたまたまはっきりしろということで、いままでもその趣旨でやっておったものをただことばにあらわして答弁されたということなんですか、それはどうなんですか。
#13
○説明員(影山勇君) その点は、従来は大体そういう趣旨をめいめい考えておりましたのですけれども、必ずしもその点が明確になっていなかったのじゃないか。必ずしも従来そういうふうに両者を分けてきちっと考えておるということがなかったわけでございますので、最近その点を明らかにするという考えで右の見解に到達したわけでございます。
#14
○秋山長造君 この参考資料の八ページ、九ページの表を見ますと、三十七年の改正を境にして証人の日当と鑑定人その他の日当との金額がこう逆になってきておりますね。この三十七年の改正のときに、あなたのほうの日当に対する考え方が根本的に変わったのじゃないかという感じがするのですよ。これも去年の改正のときにもだいぶお尋ねしたのですけれども、どうも昔の経緯、はっきり記録に残ったものがないというようなことだったんですが、三十七年の改正を境に変わったんですか、考え方が。
#15
○説明員(影山勇君) 三十七年以前には、証人の日当の中をこまかく分析して幾らときめて考えたわけじゃございませんけれども、証人の日当についての逸失的な利益、つまり得べかりし利益の喪失ということについての考慮が三十七年以前は非常に少なかったんじゃないか。三十七年に至りまして、これではいかに国民の義務とはいえ証人に出た場合に損害が大きいんではないか、この点を何とか補償するように考えられなければならないというような考えが非常に強くなりました結果、三百円から最高限を千円に引き上げたという措置をとっていただいたわけでございます。
#16
○秋山長造君 それに対して鑑定人その他の方面から不満は出なかったんでしょうか、そういうように扱いが全然逆になってきたことに対して。
#17
○説明員(影山勇君) 特に鑑定人については、鑑定人の団体とか、そういうものがあるわけではございませんで、その事案、事案に応じまして専門家をお願いしているというような状況もございまして、そこから当時七百円になっておりましたので、証人三百円に対して鑑定人は七百円ということもございましたので、特に私ども鑑定人の側から日当が低いということは聞いておりません。一つには、鑑定人に対しましては鑑定料というものが出るわけでございます。鑑定料でそういう点の不十分なところをまかなうというようなこともあったかと思いますけれども、いずれにせよ、そういう七百円の日当が低いということは伺っておらないわけでございます。
#18
○秋山長造君 この表を見ますと、明治時代なんかは最高が十倍ぐらいになっていますわね、鑑定人の日当のほうが証人の日当の十倍ぐらい。それから昭和になりましても数倍になってますわね。そういう状態が相当長いことこれずっと行なわれておったわけですから、それ相当のやっぱり根拠も理由もあったと思うんですよ。それからまた、それに対して特に何か障害もなかったんだろうと思うんです。これだけ長いこと、明治十五年からずっと昭和三十七年まで続いておるわけですからね。だからそれ相当の理由はあったんだろうと思うんですけれども、それ相当の理由というのはどういうことなんですか。何かの理由があって鑑定人のほうが数倍あるいは十倍ぐらい金額高かったんだろうと思うんですが、その理由は何だったんですか。
#19
○説明員(影山勇君) 確たることはたいへん古いことで私どももよくわかりませんのでございますけれども、たとえば民事訴訟費用法によりますと、この十一条で、鑑定人は「出頭又ハ取調一度ニ付キ二円乃至十円ノ範囲内ニ於テ裁判所ノ意見ヲ以テ定ムル所ニ依ル」という、こういうのが一項にございまして、これはおそらく当時としてはかなり高い額でございますから、鑑定料を含んでいるのではないか、当時の日当という中にはそういう鑑定料的なものも包含していたのではないかと考えられるわけですが、ところがこの十一条には第二項がございまして、「鑑定又ハ通弁ニ付キ数多ノ時間又ハ特別ノ技能若クハ費用ヲ要スルトキハ日当ノ外別二相当ノ金額ヲ給スルコトヲ得」という規定が二項にございまして、運用の実際においては、鑑定人に日当とは別に鑑定料という形で二項に従って支払われることがだんだんに多くなって、実際はそうなってきた事情がありまして、そこで昔の最初の出発の形では鑑定人の日当というものが非常に高くきめられていた。現在ではむしろ鑑定料というものを別に出す形のほうが多くなったという状態であると思われます。
#20
○秋山長造君 この十一条の二項ができたのはいつですか。
#21
○説明員(影山勇君) ちょっとこれはわかりませんけれども、たぶん同時じゃないかと思います。
#22
○秋山長造君 その点がちょっと私らしろうとには了解いかぬのですよ。最初この一項だけで発足して、ずっと一項だけでやってきたというなら、ちょうど、その鑑定料をも含めた趣旨だということなら、昭和三十七年までずっと明治時代から鑑定人の日当が証人の日当よりも多かったというのも、それはそれに見合う趣旨だったと思うけれども、二項のほうも最初からあったということなら……。
#23
○説明員(影山勇君) ちょっといまの点でございますが、調べましたのですが、二項は明治三十三年に入ったようでございます。
#24
○秋山長造君 明治三十三年に入ったならなおさら、しかもその入った二項の趣旨が部長のおっしゃるような趣旨で入ったのなら、だから当然明治三十三年の法律改正のころからだんだん鑑定人の日当が下がってこにゃならぬ、今日のような状態になっておらにゃならぬはずだと思うんですよ。それがなってなしに、ずっとやっぱり鑑定人の日当のほうが高いままできているというのは、ただこの二項にだんだん乗りかえてきたということよりほかに理由があるんじゃないですか。
#25
○説明員(影山勇君) おそらく、やはりこれは支給の現状でございますので、必ずしもはっきりいたしませんけれども、大体一項でまかなうというにはあまりに額が少ないという状況になって、そして鑑定料というものを別に支払うという形になったのではないかと考えられます。
#26
○秋山長造君 私はそこらは専門家でないからしかとはわかりませんけれども、一項の普通の日当というのが第九条の証人の日当というものと見合うのであって、そうして鑑定人という場合は、もう当然これは特殊な能力、資格、技能を要する鑑定ということが伴うのが普通ですから、だから通常の日当プラス鑑定料、こうなるのだろうと思うんですよ。だから鑑定料を払われるのは当然ですけれども、ただその前の通常の日当というのは、九条の証人の日当と同じものが払われても別に変わりないと思うのです。あるいは、通常の証人の日当と同じものといっても、普通の証人の場合、どう言いますか、特殊な能力なり何なりというものを別に必要としない、鑑定人の場合は特殊な能力、技能というものを必要とするわけですから、そういう人の能力の高低ということを何らかの意味で評価をして、それでこういうように高くしてあったのじゃないかという気がするのですがね。だから、いま三十七年を境に考え方が変わったということも、それはよくわかります。わかりますが、変わったとしても、だからといって証人の日当よりも鑑定人の日当が低くてもいいということにはならないのじゃないか。やっぱり日当だから、証人の日当も鑑定人の日当も同額ということなら同額で、それで鑑定料を別にプラスアルファで払うということが、一番しろうとわかりのするまともな話じゃないかと思うのですけれども、逆にそれが少なくなるというのは、どうもそこらが私にはよくわからない。
#27
○説明員(影山勇君) 今回御審議を願っております証人、鑑定人の日当につきましても、やはり証人のほうが高くなっております。御指摘のように、鑑定人は特別な技能を持っているものですから、証人より低い日当というのはおかしいというふうにも考えられるわけであります。あるいは正確に言えば、証人と鑑定人との日当をそろえて、鑑定人にはそのほかに鑑定料というものを出したほうがいいということも、ごもっともでございますけれども、何ぶんにも鑑定料というものでかなり大きく見ております。たとえば、外国の例で申しましても、鑑定人には、日当といっても出頭雑費の程度で、それであとは鑑定料の計算のときにその出頭雑費をまかなうというようにした法制も、一、二あるように見受けられますので、鑑定料という日当に比して大きい額が支払われるという点から、この両者の日当の間に差ができてきたものと思われます。先ほど申しましたこの鑑定人と証人との日当の本質という点から申しましても、やや鑑定人のほうは出頭雑費のほうに重点を置く。したがって、逸失利益のほうは鑑定料で若干まかなえる部分はまかなうということで、最高額をきめるにあたりましては、現在のところ鑑定人の日当の額の上限を証人に比して低くいたしているわけでございます。しかし、この点は、臨時措置法を廃止いたします際に十分検討を加えまして、正しい形にいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#28
○秋山長造君 鑑定人について鑑定料を伴わない出頭ということはあるんですかどうですか。二項を伴わない一項だけの場合というものはありますか。
#29
○説明員(影山勇君) たまたまその日に鑑定人が来まして、何か役所の都合で鑑定をやめたとかいうような、宣誓だけで済まして帰るというようなこともあるかと思われます。
#30
○秋山長造君 そういう場合だけですか。そうすると、鑑定人については十一条の一項、二項というものは必ずこれは伴うものだ、一項だけの適用を受ける場合というのは、たまたま役所の都合で来たけれども帰ったという場合だけですか。
#31
○説明員(影山勇君) いまのは、支払いの実情に関係いたしますので、最高裁判所のほうから御答弁願いたいと思います。
#32
○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) ただいまの御質問でございますが、実情は、鑑定人について日当のみ支払うということはございませんで、先ほど影山部長が言われましたように、出頭されたけれども何らかの裁判所の都合あるいは鑑定人の御都合で鑑定そのものに入る前に辞退されたというようなことがあるといたしますれば、そのような場合に、何ら鑑定そのものに着手していないということになりますれば、報酬というものを生ずる余地がない場合がございますので、そういう場合はしいて考えればあり得るかと思うのでございます。実務の実際におきましては、鑑定をわずらわした場合には鑑定料というものは当然のこととしてお支払いしておるということでございます。
#33
○秋山長造君 そうしますと、鑑定人の場合は、法律の条文の上では一応日当というものと鑑定料というように使い分けしておるけれども、実際にはこれはもう一体のものとして払うということになっておるのでしょうか。
#34
○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 機能的には、まさに仰せのごとく、一体としてと申しましても、つまり日当だけとか鑑定料だけ、こういうふうな区別を分けて払うという考え方はございませんで、鑑定人に鑑定をお願いをいたしました以上は、その日お越しをいただいた分の日当、それから鑑定活動をしていただいたことに対する報酬、こういうふうになります。もちろん、それでございますから、日当及び鑑定料ということにはなりますけれども、実務はそのようにいたしておるわけでございます。
#35
○秋山長造君 証人のほうは何ですか、証人に呼ばれて、やっぱりその日の裁判所の都合で、ただ出てきただけで、別に証言もする機会なしに帰って、また出直しという場合にも、やっぱり日当を払うわけでしょう、きめられただけの日当は。
#36
○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 証人につきましては、仰せのとおり、「出頭又は取調一度ニ付キ」ということでございますので、裁判所の要請に応じまして出頭いたしました限りは、たまたまそのときに都合によって証人尋問が行なわれなくても、請求がある限りは払わなければならぬということに相なるわけでございます。
#37
○秋山長造君 いま刑事局長の最後におっしゃった、請求がある限りにおいては払わなければならぬ、これ実際はどうなんですか。裁判所が当然払う義務があるんじゃないわけですね。本人の請求があれば払うというだけ。だから、もう請求せずに、もらわずに帰るという例がわりあい多いんじゃないですか。
#38
○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 民事のほうの実情をちょっと詳しく存じませんので、刑事について申し上げますると、御承知のごとく、刑事のほうではいわゆる情状証人というのが相当ございます。その情状証人は、被告が犯罪事実自体は争っていないけれども、まあ刑を軽くしてもらいたい、あるいは執行猶予にしてもらいたいというような意味において、被告側の知人あるいは縁者というような人を証人に立ててまいる場合が相当あるわけでございます。この情状証人と申しまするのが相当数あるわけでございます。年間取り調べた証人数は一体幾らかということから申し上げますと、三十一万人ぐらいになるわけでございます。その三十一万人――これは民刑合わせてでございますが、三十一万人のうち刑事のほうの証人は何人かと申しますると、十九万人でございます。その十九万のさらに内訳について申しますと、先ほど申し上げました情状証人は六〇%ぐらいを占めるわけでございます。その余の証人はどういう証人かと申しますと、たとえば被告者、目撃者、その他というようなことになるわけでございますが、情状証人がいま申し上げたように六〇%も占めております。で、情状証人は、先ほど申し上げましたように、被告のためにむしろ喜んで出るという方も相当いるわけでございまするので、あえて日当は請求しないと、こういう意思表示をなさる方が相当いるわけでございます。それで、情状証人の六〇%のうちで、さらに日当を請求される方になりますると、二三%ぐらいにとどまるわけでございます。したがいまして、刑事事件について全証人のうちで日当を請求されるという方は半数に近いと、こういうことに相なっておるわけでございます。
#39
○秋山長造君 その半数ぐらいの人しか請求しない、したがって日当を受け取らないということになりますがね。そうすると、あれじゃないでしょうか、まあ出先でその事務をしている人の考え方というのがね、大体もう請求しないのがあたりまえだというような感じになってきて、本来請求して受け取るべきだと、支払うべきだという意識がだんだん薄くなってしまってね、それで証人のほうも何か、特別請求する、金くれいというのが言いにくいようなムードになってしまって、だんだん受け取らない人のパーセンテージが大きくなっていくんじゃないかという感じがするんですがね、それは好ましいことですかどうか。
#40
○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) この点は、前回もその趣旨の御質問があったわけでございますが、召喚状にはもちろん日当を請求することができるということを注意書きいたしてございますし、それから現実に、証人が出頭されますると、必ずその点は廷吏が日当請求されるかどうかということを確かめております――請求権があると、それから請求されるかどうか。それから証人調べを行ないました後においても、裁判長はそれぞれその点は十分意を用いて、請求されるならば手続をしてくださいということで、職員が会計の窓口まで案内してその手続をしてあげるということにいたしておるわけでございまして、その点の配慮は十分にいたしておるわけでございます。
#41
○秋山長造君 それはなんですか、廷吏なり裁判官なりというものが、これは証人に対して必ずそれは言わなきゃならぬことになっているのでしょうか、どうでしょうか。
#42
○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 法なり規則なりがあって言わなければならないという意味ではございません。ただ従前の、長年の実務の取り扱いといたしまして、証人というものは裁判に協力してくださる方であるという意味において非常に大事な方であるということは徹底いたしておるのでございまして、請求書等は用意をいたしまして、そしてそれに書き込めばいいようにして準備をいたし、そして請求されますかどうかというふうに先ほど申し上げましたように尋ねまして、決して、請求しない、請求を断念せざるを得ないようなふうなことにはいたしておりません。
#43
○秋山長造君 その点はなんですか、いまの局長の御答弁のとおりに、もう徹底して実行されているわけですね、それは間違いないですね。
#44
○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) この点は間違いございません。
#45
○秋山長造君 この日当は、やはり予算を組んでいるわけですか。
#46
○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 仰せのとおりでございます。
#47
○秋山長造君 そうすると、なんですね、半数近い人が事実上この日当をもらってないということのようですが、そうすると、大体日当は、予算は組んでも、例年半分ぐらいは残るということになるのですね。
#48
○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) ただいま、予算のきめ方と申しますか、立て方の御質問と相なるわけでございますが、これは従前の実績というものがございまするので、実績を基準にいたしまして新たな予算を立てていくと、こういう方式をとっておりますので、およそ、先ほど申し上げましたように、たとえば刑事で申しますと十九万人だから、これに予算の単価をかけて予算を立てるということではございませんので、従前の、前年度実績支給額というものがございます。それに今度の場合、もしこれが値上げがお認めいただけますると、何%アップということで、従前の実績にそのアップ率をかけて出すというのが従前の予算の立て方になっているわけでございます。
#49
○秋山長造君 そうすると、まあ刑事の証人について三割ないし四割の人はもう受け取らない、辞退するということを初めから見込んで日当の予算を組んでいると、こういうことですね。
#50
○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 立て方から申すとそういうことでございまして、おそらく、最初の制度の発足のときはどういうふうにいたしましたか――それは相当予測を立てまして、証人数は何人で予算単価幾らだということでやったということであるのでございまするが、長年の運用ということで、年間およそ幾ら、証人数幾らということが出てまいります。もちろん事件数が多くなればその証人数も多くなるという関係はございまするが、そういう実績がずっとできておりまするので、それを基本にいたしました予算の立て方、こういうふうになっているわけでございます。
#51
○秋山長造君 それで大体もう狂いはないわけですね。
#52
○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 事件数の予測を立てるわけでございます、私どもといたしましては予算の要求の際に。その場合に、事件が増加傾向であるならば、その事件の増加傾向をも勘案いたしまして件数というものを出してまいります。そういうことで、従前の予測、そういう意味の予測はございます。その場合に、不足を生じたということがあるかということになるわけでございますが、ほぼ予測のほうが実際よりも上回っているというような実情もございますので、この日当に不足を来たして予算上困却したということはないわけでございます。また、証人の日当、鑑定人の日当、国選弁護人の日当等は、証人等旅費あるいは諸謝金といったような予算の目になっておりまして、かりにこの目に不足が生じました場合には、流用または予備費の使用ということができるようなたてまえになっているわけでございます。
#53
○秋山長造君 鑑定人のみならず、いまおっしゃった国選弁護人の日当が鑑定人の日当と全く同じにしてあるわけですね。これはどういうわけなんですか。常識的に考えますと、国選弁護人、これで鑑定人と同じ、普通の証人の日当とはだいぶ安い日当で国選弁護人はいいんだという考え方かもしれぬですが、しかしやはり弁護人ですからね、これは相当仕事の内容は専門的なもんですわね。これはまた、弁護人の努力いかん、能力いかん、熱意いかんによって裁判の結果にもずっと影響を及ぼしてくる性質のもんだと思うんですよ。だから、ただ日当といっても、相当これ高くていいんじゃないか、高くあるべきじゃないかという感じがするんですけれども、どういうわけでこの鑑定人と同じになっているのですか。
#54
○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) これ制度の問題でございますので、むしろ法務省にお答えいただいたほうがよいかと思います。おそらく、先ほど影山部長言われたように、弁護人につきましても報酬がございます。その報酬は弁護活動に対する報酬であるわけでございまして、弁護活動そのものは、やはり裁判所に出てきて弁論をするということ、審理に立ち会うということは、まさに弁護活動の中身でもあるということで、その関係はおそらく鑑定人と同様に考えられたのではなかろうかと、かろうに思いまするが、制度の問題でございまするので、むしろ法務省のほうからお答えいただいたほうが相当かと思います。
#55
○説明員(影山勇君) 国選弁護人の場合の日当でございますが、これも鑑定人と同じように定められましたのは、やはり特殊の学識経験を有するということで、日当の点は鑑定人と同じに定められたものと思います。
 それからもう一つ、証人よりも安いという点は、いま刑事局長の御説明にもありましたように、別途報酬というものがきめられております関係で、若干の点をそれでまかなうという考え方と思います。
#56
○秋山長造君 別途報酬ということで、ちょうどその報酬が鑑定人の鑑定料に見合うわけでございます。この金額からいいますと――私なんか実態を知らぬのですがね、金額からいいますと、鑑定人の鑑定料はわりあい額が高いのじゃないですか。弁護人の報酬というものはどの程度のものが支払われるのですか。
#57
○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) 現実にどの程度支払われているかということでございますが、これは裁判所が相当と認める額ということになっているわけでございます。ただ、全国でこぼこになり、また予算の執行に支障を来たすということがあってはいけませんので、私どものほうで一応の基準というものをつくりまして、各庁にこれをお知らせ申し上げているわけでございますが、現在の一応の基準はどうなっているかということを申し上げますと、一審の簡易裁判所の場合は開廷回数が三開廷の場合には七千三百円、家庭裁判所――家庭裁判所もいわゆる少年福祉を害する成人の刑事事件というのがございますが、家庭裁判所におきまして開廷回数三開廷で九千九百円、それから地方裁判所におきましては開廷回数三開廷で一万二百円、高等裁判所におきまして開廷回数三開廷で一万一千円、最高裁判所におきましては基準といたしまして一万一千九百円、こういうことをまず基本的な基準といたしまして、さらに事件のない弁護活動の実態、特に第一審におきましては、公判前に十分な準備的な活動をされたかどうかというようなこと、訴訟の準備のために特に必要な経費を支出されたかどうかというような事情をも参酌いたしまして、具体的な報酬額というものを各裁判所でお支払いしておるわけでございます。
#58
○秋山長造君 いまおっしゃった基準は、弁護人のいわゆる弁護料ですね、弁護料の金額と比べてどういうことになっているんでしょうか。
 それから第二点として、いまおっしゃったこの基準というのは、たとえばこの日当というのは、御承知のとおり、物価その他の変動に従って年々法律改正を行なわれて引き上げられておるんですが、いまおっしゃった基準というのは、何かやっぱり物価とかそういうものによって年々変えておられるんでしょうか、どうなんでしょうか。
#59
○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) あとのほうの御質問から先にお答えいたしますと、年々一〇%程度の報酬の増額というものをいたしてまいっておるわけでございます。しかしながら、日本弁護士連合会がお定めになっておられるところの報酬基準規程というものがございます。それと比較いたしますると、まだ低きに失するということになるわけでございます。この日本弁護士連合会の報酬基準規程によりますと、簡易裁判所一万円以上、家庭裁判所二万円以上、地方裁判所二万円以上、高等裁判所三万円以上、最高裁判所三万円以上と、こういうような基準というものが定められておるわけでございます。したがいまして、今回も国選弁護人の報酬につきましては一〇%程度の値上げが実現したのでございまするが、この日本弁護士連合会の報酬基準規程というものと対比いたしますればなお低いということはあるわけでございます。
#60
○秋山長造君 そうしますとね、やっぱり国選弁護人になることをいやがるという傾向は出てきませんか。
#61
○最高裁判所長官代理者(佐藤千速君) まあ弁護士の方でありまするので、報酬が低いからいやだということはあからさまに仰せになるということはございませんし、また私どもにも仰せにはならないわけでございますが、国選弁護人の報酬というものを増額されたいということの御要望は常に承ってきておるわけでございますし、私どもも、その国選弁護人の報酬増額についていかなる資料をつくったらいいかというようなことについては、従前からも日本弁護士連合会と十分に御連絡いたしまして、またその御協力も得まして、いろんな調査的な資料というものもつくってまいっている。そしてそれを財政当局のほうへも予算の要求の際の資料ということで使用いたしておるというような関係にございます。ただ、現実にそれでは国選弁護人の方の弁護活動はいかがかということになりますると、まあ昔は若干とかくの非難がされたようなこともございましたけれども、近年は非常に充実した弁護活動をしてくださるということで、その点はなはだ裁判所としても喜んでいる次第でございまして、現に、まあ私の経験を申し上げて恐縮でございまするけれども、若い弁護士の方々が国選弁護人として法廷にお越しいただいて弁護活動を拝見しておりますると、非常によく事前の準備もなさるし、法廷の弁護活動もなさるということで、感謝している次第でございます。
#62
○秋山長造君 ちょっと問題を変えますが、今度の提案理由の説明――この一枚紙の中に、去年の提案理由の説明とちょっと変わったところが一ところありますね。で、去年の提案説明を調べてみると、しまいから三行目ですが、「最近における物価の状況その他諸般の事情を考慮いたしまして、」と、こうなっておりますね。ことしのは、「最近における賃金及び物価の状況等を考慮いたしまして、」と、「賃金及び物価」と、こうやや具体的になっている。これは去年の場合は、「物価の状況その他諸般の事情」で、物価ということを一番大きく考えられておったのだろうと思います。今度は「賃金及び物価」と、賃金を頭につけておられるというのは、やっぱりいまの、最初にお尋ねした日当とは何かということで、その内容は出頭雑費と損失補償、大体二つだと、その損失補償という面を強調するために、これ、「賃金及び物価」と、賃金を今度はっきり出して頭に持ってこられたんですか。
#63
○説明員(影山勇君) いまのお尋ねの点でございますが、この前の提案理由説明書とそれから今回とで、根本的な思想に別に変わりはございません。いまも御指摘のように、これは鑑定人の日当の性質を見ますと、出頭雑費のような物価に関係するものもあり、あるいは逸失利益といったような賃金に関係するものもあるということで、「賃金及び物価の状況等」というふうに申し上げたほうがより正確ではないかということでこういたしましたもので、根本的な点で前回の提案理由と趣旨を異にするということはございません。
#64
○秋山長造君 賃金及び物価の状況を考慮したということですから、当然まあ賃金、物価の値上がりの実態を根拠にされておるわけなんでしょうが、これは厳密に何か数字的な根拠があって百円上げられたんでしょうか。
#65
○説明員(影山勇君) これも昨年同様、一応の賃金と物価の伸び率、上昇率というようなものを見まして、それが賃金と物価の伸び率を総合して平均いたしますと約七%――七・三五%ぐらいの上昇と見ていいのではないかということで、この数を去年の現行の額に乗じて、今回の値上げ幅をそれぞれ百円ということにいたしたわけでございます。
#66
○秋山長造君 七・三五%というのは何の数字なんですか。
#67
○説明員(影山勇君) 七・三五%と申しますのは、賃金の過去四十一、四十二、四十三年間の伸び率の平均を取りましたものとそれから物価の上昇率を平均いたしましたものとを加えて二で割って出したものでございます。まあかなり機械的と申しますか、そういう大ざっぱな数で出しておるわけでございます。
#68
○秋山長造君 この千三百円、千百円という内容ですが、この内容は出頭雑費的なものと損失補償的なものとが入っている。これ大体千三百円のうちどのくらいが出頭雑費でどのくらいが損失補償というような分析がされておるんでしょうか、どうでしょう。
#69
○説明員(影山勇君) 必ずしも非常にきちんと両者を分けるというわけではございませんけれども、出頭雑費のほうは、一応公務員の比較的等級の低い方の――六等級以下の方の出頭雑費、日当が四百円でございますので、大体証人、鑑定人につきましても四百円くらいを出頭雑費と見ようというような考えでできております。
#70
○秋山長造君 そうすると、あとの九百円が大体損失補償ということですね。損失補償のほうは何を基準にしているんですか、一口で賃金といっても。
#71
○説明員(影山勇君) 四百円という日当がございますので、これは比較的正確に考えられる数字でございますので、各従前の額に七・三%をかけた額から日当を除いたものというふうに考えてきたわけでございます。
#72
○秋山長造君 そうすると、鑑定人の千百円のほうも、やっぱり出頭雑費は四百円、それであとの七百円が大体損失補償的なものと、こうなるんですか。
#73
○説明員(影山勇君) そのとおりでございます。
#74
○秋山長造君 そうすると、最初の説明では、証人の日当のほうは出頭雑費と損失補償というものを大体並列的に考えてはじき出しておる、鑑定人のほうは、出頭雑費に重きを置いて、損失補償ということは、並列的でなしに補足的にそれくっつけておるんだという御説明だったですけれども、その補足的にくっつけておると並列的に並べたのとの違いというのが千三百円と千百円、二百円という違いになってあらわれてきていると、こういう理屈になるわけですね。
#75
○説明員(影山勇君) 鑑定人のほうは出頭雑費以外の分について証人より低くなっておりますのは、そういう証人の日当との相対的関係において鑑定人のほうは出頭雑費のほうに重きを置いたというふうに申し上げたわけでございます。
#76
○秋山長造君 証人の日当の出頭雑費というのは大体公務員の六等級を基準にしておられるようですが、やはり鑑定人のほうも六等級、四百円ということが基準になっているんですか。
#77
○説明員(影山勇君) 仰せのとおりでございます。
#78
○秋山長造君 損失補償ということはまあよくわかります。それは仕事を休んで来るんですから、通常の仕事をしておればどれだけ収入があっただろうと、それだけの損失を与えるわけですからね、不十分ながらも、それを……。
 出頭雑費というのは、これは何ですか、弁当代ですか。
#79
○説明員(影山勇君) 出頭雑費は、出頭することになったために弁当代とか湯茶料が要るというところを見ましたもので、公務員の日当と同趣旨に考えておるわけでございます。
#80
○秋山長造君 旅費とか宿泊料というのは別に払うわけですね。だから、もう全く裁判所へ来た場合の昼飯代というようなものだけですね。
#81
○説明員(影山勇君) いま仰せになったとおりでございます。
#82
○秋山長造君 日当というものについての考え方、出頭雑費、損失補償と二つの要素を含んでおるという日当の考え方、それから鑑定人の日当については、並列的でなしに、出頭雑費というものへ重きを置いて、損失補償というものは、別途鑑定料というようなことから考慮して、まあ補足的にくっつけてはじき出している、この考え方というものは今後も変わりませんか。
#83
○説明員(影山勇君) 証人日当、鑑定人日当の本質というものは、先ほど申しましたように、かなりむずかしい問題でございまして、外国の例なんかを見ましても、どうもこの点がいろいろな形になっております。そこで、臨時措置法を廃止いたします際には、ぜひ十分検討をしなければならない問題だと思っております。
#84
○秋山長造君 その点について、この考え方については、少なくともただいまのところは、法務当局と、それから裁判所、裁判所も民事、刑事両方とも、三者これは全く統一見解ですね、やはりもう一致した考え方ですね。
#85
○説明員(影山勇君) おっしゃるように、いわば統一的見解ということでございます。
#86
○秋山長造君 いずれまたこれは、政府の経済見通しによりますと、物価五%に押える、押えると言っておるから、少なくとも五%は上がるんでしょう、あるいは実態はそれより上になるか、賃金にしても同様だと思うんで、またいずれ、いまのままで臨時措置法でずっといくんなら、来年また同じようなことで、また百円上げるというようなことになっていくんだろうと思いますね。だから、それもそれなりの理由はありますけれども、やはりこれ、早く臨時措置法をやめて、本来のあり方に乗りかえていくべきじゃないかと思うんで、その点のひとつ御考慮を要請して、私きょうは質問を終わります。
#87
○委員長(小平芳平君) ほかに御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時四十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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