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#1
第061回国会 法務委員会 第11号
昭和四十四年六月十二日(木曜日)
   午前十時三十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十一日
    辞任         補欠選任
     大森 創造君     藤原 道子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         小平 芳平君
    理 事
                後藤 義隆君
                河口 陽一君
                亀田 得治君
                山田 徹一君
    委 員
                木島 義夫君
               久次米健太郎君
                近藤英一郎君
                山本敬三郎君
                占部 秀男君
                藤原 道子君
                山高しげり君
   国務大臣
       法 務 大 臣  西郷吉之助君
   政府委員
       警察庁刑事局保
       安部長      海江田鶴造君
       法務省刑事局長  川井 英良君
       法務省矯正局長  勝尾 鐐三君
       厚生省社会局長  今村  譲君
       労働省婦人少年
       局長       高橋 展子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        二見 次夫君
   説明員
       内閣総理大臣官
       房参事官     岸野 駿太君
       厚生省公衆衛生
       局防疫課長    後藤 伍郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○検察及び裁判の運営等に関する調査(売春防止
 対策に関する件)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(小平芳平君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十一日、大森創造君が委員を辞任され、その補欠として藤原道子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(小平芳平君) 検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。
 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#4
○山高しげり君 売春防止対策について、関係の皆さま方にお尋ねを申し上げたいと思います。
 最初に法務大臣にお尋ねを申し上げたいんですが、三月の予算委員会で私が現行の売春防止法につきまして大臣に改正の御意思があるかどうかお尋ねをいたしました。その節、大臣としては、そのことについては慎重を期しているけれども、運用の状況とか規定の内容とかについては、現在よりさらに時勢に合ったものにするために事務当局に検討を命じていると、こんなふうにおっしゃったのでございますが、その作業がどんなふうに進んでおりますか、そのことについてまずお尋ねしたいと思います。
#5
○国務大臣(西郷吉之助君) 山高先生のお述べのとおり、ああいうふうに答えまして、いろいろの面で売春の現在の法律の運用状況、またその適否等について、それ以来現在に至るまで鋭意検討させて、おりまして必要があれば手直しも必要かと思いますが、いまお尋ねの点はその点だけでございますから、鋭意検討を続けておるということを申し上げます。
#6
○山高しげり君 たいへんことばが抽象的でございますが、それぞれのお受け持ちの方々からこまかく伺いたいと思いますけれど、大臣それでよろしゅうございますか。
#7
○国務大臣(西郷吉之助君) それでは、その実情につきまして刑事局長から。
#8
○政府委員(川井英良君) 売春防止法につきましては、まず最近の運用の実情でございますが、私どものほうで警察のほうから送致を受けて受理いたしておりますまず概況をざっと申し上げますと、昭和三十四年ごろをピークといたしまして、その後検察庁で受理いたしております件数は、漸減と申しましょうか、順次減っておる状況でございます。たとえば、昭和三十五年には一万六千百三十一名を受理いたしておりましたが、その後昭和四十三年には七千八百九十三名ということでございますので、全体といたしましては受理件数が約半分に減っているということが明らかでございます。
 それから、その中で問題は、御承知のように、五条違反と普通言われております勧誘等の事犯と、それから五条以外の管理売春等のいわゆる助長事犯というのが、大きく二つに分けて観察が必要だと思いますが、その数字を一応当たってみますと、勧誘等の五条関係の違反は、三十五年で一万一千八百五名でございましたが、昨年四十三年は四千三百十二名ということでありまして、これは半分ではありませんで、もっと減っていることが明らかでございます。一方、五条以外の助長事犯と言われておりますものは、三十五年には四千三百二十六名を受理いたしておりますが、昨年度におきましては三千五百八十一名を受理いたしておりますので、この助長事犯のほうももちろん多少減ってはおりますけれども、わずかの減少を見せておる、こういうことでございます。
 きわめて大ざっぱな数字でございますが、検察庁で受理いたしております数字だけから一応観察を申し上げますというと、非常に減っておるということは全体として事実でございますが、減っております原因は、五条違反の関係が著しく減っておるということでございまして、管理売春等を含む助長事犯のほうはそう著しく減ってはいないということが言えると思うわけでございます。
 それから、実情でございますが、御承知のとおり、この種の事件は、法務省ないしは検察庁がみずから乗り出して調べる、捜査、摘発をするというのではございませんで、第一次の捜査権を持っております警察が第一線に立ってこの種事犯の現実の捜査、摘発に当たりまして、その中から検察庁に送致されてきたものについて法務、検察がこれにタッチをしてその処理につとめておる、こういう実情に相なっておるわけでございますので、あるいは後にまた警察庁のほうから、具体的な運用の実情なりあるいは売春自体の実態なりというふうなものについて御説明があろうかと思います。私ども、受理をいたしております事件を検察官が調べまして、一応若干の取りまとめた報告を順次求めて法の改正の資料にいたしておるわけでございますが、そういうふうなものから見まして、この現行の防止法の精神に沿いまして――この種の事件は、何と申しましても、この売春という悪を助長するものは、売春婦であるよりも、むしろその背後にあってこれを操作し、またそれによって非常な営利を得ておる管理売春的ないわゆる助長事犯というふうなものを徹底的に取り締まるということが最もこの種の犯罪の撲滅のために必要であるという意見が、風紀検察を担当いたしております検察官の圧倒的な意見でございます。したがいまして、現行法はそういうふうなたてまえに相なっておりますので、この実態の面から見まして、私どもの立場といたしましては、やはり現行法の精神なりあるいはこの立て方なりというふうなものはこれでいいのじゃなかろうか、問題はむしろこの運用にあるのであって、警察当局とも十分に連絡をとってこの運用に全きを期していくということでかなりこの種の犯罪に対して対処ができるのではないかというのが、この犯罪の発生実態にかんがみての私どもの現時点における考え方でございます。
 なお、もうちょっとそのほかにどういう改正点が問題になっているかということを申し上げなければこの場合の御回答にならないと思うのでございますが、単純売春を処罰すべきであるかどうかということがやはり大きな問題点だと思いますので、この点につきましても検討を進めております。
 第二点は、この売春の相手方となる者を処罰すべきものであるかどうかという点がやはり大きな法律上の問題点だと思いますので、この点につきましても、いろいろな資料を集めるとともに、その当否について検討を煮詰めております。
 それから第三点といたしましては、いわゆるひもを放置していいのかどうか、そのひもについては現行法上どういうふうな取り締まりが可能であるかどうかというようなことについてやはり検討をいたしております。
 それから第四点といたしましては、管理売春の処罰規定が今日ありまするし、またかなり重い刑罰を持っておるわけでございますけれども、いままで法が予想しておったような形態ではなくて、新しい形態の管理売春が出てきておるという実態に即しまして、管理売春の処罰規定はこのままでいいかどうかというようなことについてやはり検討を遂げております。
 なお、そのほかに関連事項といたしまして、これはあとから矯正局長から御説明があろうかと思いますが、補導処分の期間の延長の問題でありますとか、あるいは厚生省の所管になると思いますが、婦人相談員の設置義務の拡張とその常勤が、予算を伴う問題でございますけれども、厚生省関係の担当されておる問題というものにつきましても、刑事局としましても、あわせて関係当局と連絡をとりまして検討いたしておる、こういう実情でございます。
#9
○政府委員(勝尾鐐三君) 私のほうは、売春防止法第五条違反によって検挙され裁判所に送られまして補導処分の言い渡しを受けた婦人を収容している立場でございます。
 大臣のほうから、この婦人補導院の現況と問題点、それに関連して現行の補導期間六ヵ月が適当のかどうか、こういった点をおもに御指摘がありまして、検討をいたしております。
 婦人補導院の現況につきましては、御承知のように、東京と大阪と福岡の三ヵ所に婦人補導院がございます。収容定員は三ヵ所で二百七十六名、この二百七十六名の定員に対する職員の定員は合計七十三名でございます。ところが、開設以来の収容状況でございますが、昭和三十五年から六年にかけましてほぼ収容定員に見合う収容者があったのでございますが、その後逐次収容者が減少をいたしておりまして、四十二年からは九十名、八十名というように一日平均の収容人員が百名を割るに至っているという現況でございます。
 ところで、問題点として、この収容者をいろいろな角度から調査してみますと、一つは補導院に収容されてくる婦人の資質、精神状況がきわめて劣悪であるということでございます。たとえば知能指数から見ますと、約八〇%が、普通、限界指数と言っていますが、七九とか、はなはだしいのになりますと知能指数は四〇というのがまれにあるようでございます。四〇ということになりますと、自分で着物を着ることができないといったような知能の状況でございます。これが約八〇%に達している。それから精神状況から見ますと、約五〇%が精神病質の傾向、あるいは精神病質、それから精神病という精神障害を持っております。
 さらに入院時の疾病状況でございますが、これまた八〇%近くが性病ないしその他の疾病を持ってきている。年令も逐次高年令化していると申しますか、補導院に関する限りは三十歳代が五〇%以上をこえているという状況でございます。したがいまして、また売春の経験から申し上げましても、相当数が二年、三年、五年、中には十年といったような売春経験を持っている。こういった状況から見ますと、補導院においてどういう補導をしたらいいのかということが問題になるわけでございますので、いま言った資質面の欠陥、さらに長い売春歴ということで、勤労意欲が非常に乏しいということ、これを特に留意しなければならぬ。さらに疾病が非常に多いということで、結局現在の婦人補導院においては、いわゆるまともな職業補導と申しますか、一本立ちができるような職業訓練をすることが資質的に非常に困難な場合、まずもってその病気をなおしてやる。そうして、勤労意欲の乏しいこういった状況の者に対して、正常な社会生活、家庭生活を営み得るような基本的な態度を教え込むというところが、現況に照らしてまあ精一ぱいということになろうかと思うのでございます。このような状況でございますので、この補導期間の六ヵ月を延ばす必要があるかないかという問題点になりますと、一つは、まずもってこの収容定員に見合うように入ってきてもらいたいということが一つでございます。それから、このような精神状況でございますので、かりに補導期間を延ばしたとしても、有効適切な職業訓練等が施し得るかどうか、その点に困難性があるということでございます。
 それからなお、疾病等に関連して、出院時の状況でございますが、性病その他の疾病を持ってきている者が約八〇%ございますが、六ヵ月を終了して出ていくときに、治癒をしていない、治癒しないままで出院をしていくという者がやはり五〇%をこしているということでございます。といたしますと、補導期間の延長の問題の前に、これらの病気を治癒しないままで出ていく婦人、あるいは一応まともな日常生活ができるようになった程度で出ていった婦人、これらの受け入れを円滑にやってもらうということが当面まず解決しなければならない問題なのではないかというように考えまして、私のほうとしては、目下、厚生省、あるいは労働省、あるいは自治体と事務的に問題点を検討しながら、たとえば婦人コロニー等への受け入れを円滑にできないかどうか、その他の社会福祉機関で受け入れてもらうのにはどのようにしたらいいかどうかという点について、事務的に協議を重ねているという状況でございます。
#10
○山高しげり君 一応両局長からの現況の御報告は承りましたが、この検討には、大臣、何か期間的なめどがございますか、いつごろまでに目鼻をつけるといったような点はいかがでございますか。
#11
○国務大臣(西郷吉之助君) いま両局長から実情を御説明申し上げましたが、なかなかデリケートな点が多いので、さらに今後この検討を早めまして、その際に、必要があれば、改正をするかしないかという点についてきめたいと思います。もう少し結論を出すのには時間がかかるのじゃないかと思います。
#12
○山高しげり君 そこで、ちょっと総理府のほうに伺いたいのでございますけれども、総理府の御所管の売春対策審議会、そちらの関係の方に伺いましたときには、何か売春対策審議会としては、法改正について前には手をつけておいでになったけれども、いまはそのことはしておいでにならないというふうにも伺ったのでございますが、その点だけちょっとここで伺いたいと思います。
#13
○説明員(岸野駿太君) 現在審議会の委員の先生方が特に関心を持って審議を進めております事項は、売春防止法自体の改正についてはもう少し事務当局の御検討を進めていただくということに決しまして、さしあたり、トルコぶろの問題について規制をさらに強めていくのにはどうしたらいいだろう、あるいはいま矯正局長がお話しになりました婦人補導院の問題につきまして、いろいろと関係方面からの陳情もあり、委員の方々の御関心等もありまして、審議会といたしましては、さしあたりその二つの問題を重点的に検討を進めていくということでございます。
#14
○山高しげり君 そのことはほかの機会にも伺ったことがございますけれども、かつては売春対策審議会においても法改正のことを取り上げておられまして、何か部会でもって幾らかそのことを検討なさったことがあったのではございませんか。
#15
○説明員(岸野駿太君) 審議会の中に、昭和四十一年の十月に法律改正の問題を主として検討するという委員会が持たれておりまして、その結論が、四十一年の十月三十一日付で、一応従来の審議経過、検討の結果をまとめて文書にして総会に報告したという経緯がございます。その際の審議の内容は、先ほど刑事局長がお話しになったような問題点、単純売春をどうするか、あるいはひもをどうするか、相手方を処罰するのにどうするか、問題点は当時も同じでございまして、最終的には、この小委員会の結論では、一応法改正を直ちに行なうということについては消極的な意見が大勢を占めたというような審議の経過になって報告書が出ております。
#16
○山高しげり君 もう一つ岸野参事官に伺いたいのですが、いまのお答えの中に、売春対策審議会の運営は委員の関心ということが一つ大きく浮かび上がったように聞き取りましたが、委員の関心を持たないことは取り上げない、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
#17
○説明員(岸野駿太君) いいえ、それは事実を申し上げただけでございまして、もちろん審議会でございますから、役所のほうが何らかの問題をもってこれを諮問をする、あるいはまた委員のほうで自発的に取り上げて審議し意見を具申をしていく、この二つのやり方があるわけでございまして、ただいま申し上げましたのは、ことばが若干足りませんでしたけれども、もちろん役所側もその委員の指摘された問題点についてかねがね問題といたしておりまして、この際委員の先生方の積極的な御審議をいただいて行政に反映を与えるということで両者の意見が一致してこの審議を進めているというぐあいに御了解願いたいと思います。
#18
○山高しげり君 最近委員の方々がおかわりになったように承りましたけれども、あの審議会の委員に、ずっと以前には国会議員の先生方も委員にお出ましの時代があり、現在はそのことはないようでございますけれども、審議会の委員の内部には、元に戻って国会議員の委員への参加を要望していらっしゃる声があり、私どものほうへもいろいろな形でそれが伝わっておるのでございますが、今回の委員改選ではそのことは問題にならなかったのでございましょうか、ちょっと余談でございますが。
#19
○説明員(岸野駿太君) 御承知のように、審議会の中に国会議員の先生を御参加いただくということにつきましては、前々回の委員の改選の際に、ちょうど米価審議会の問題が具体的にそうだったと思うのでございますけれども、一応国会議員の先生方には御遠慮していただくということで、前二回民間の識見を有する者と行政機関の職員をもって構成をする審議会を発足させたわけでございます。今回もその点につきまして私どもも検討を加えたわけでございますけれども、情勢が新しく変わったということもございませんので、従来のいきさつどおりに、識見を有する者と関係行政機関の職員をもって構成しておるわけであります。しかし、全体の定数をみなそれでもって埋めたというわけでございませんで、従来国会議員の方が占めておりました定数のワクはそのまま欠員にいたしまして、この問題は政府の今後の審議会全体の趨勢に待つということにさしていただいておるわけでございます。
#20
○山高しげり君 そのことはおきまして、その審議会に役所側から諮問をすることもあり得る。かつてあった。今回の新しい委員におなりになってから、役所側の諮問というようなものはもう出ておるのでしょうか、まだでございましょうか。
#21
○説明員(岸野駿太君) ございません。新しい委員の方が四月一日に全員がそろったわけでございまして、これは行政機関の方々とお打ち合わせをしなくてはいけない問題だと思いますけれども、もし必要がございますれば、審議会の委員の先生方の御意見を聞きたいというような必要がございます省庁ができましたときには、よく話を進めまして、諮問をするか、あるいは自発的に審議をお願いをするか、これはどちらかの方法になると思いますけれども、その点につきましては、さらによく関係の機関とも打ち合わせをして、今後の審議会の進め方を持っていきたい、こう考えます。
#22
○藤原道子君 ちょっと関連。諮問されたことがあるというお話でございますが、私ずいぶん長く審議会の委員をいたしましたが、私がやっている間には一回もなかった。もし諮問した例があれば、どういうことを何回諮問されたかちょっとお伺いしたい。どうも売春審議会は無用の長物のような扱いを受けておりまして、ほとんど諮問を受けたことがないと私は記憶いたしますが。
#23
○説明員(岸野駿太君) 諮問をするということで、意見を具申するということは、法律のたてまえを申し上げたわけでございまして、先生が御指摘になりましたように、この法律の改正を、売春防止法をつくる必要があるかどうかということにつきまして、審議会の前身の協議会のときに御諮問があったということで、法律ができましたあとの審議会については、たぶん、御指摘のように、特別に政府のほうから具体的な問題について諮問をしたということはなかった。ただ、そのつど意見具申は、御承知のように、かなりなされた。法律の改正につきましてもなしましたし、あるいは麻薬の問題等につきましても、あるいは婦人保護の問題につきましても、意見具申はかなりなさいましたというぐあいに記憶いたしております。
#24
○藤原道子君 私たちも、審議会全体としても、まま子扱いのような不平不満が満ちております。意見具申はいたしましても、弱いのですね。これだけ性病の問題がやかましい。あるいは麻薬の問題がやかましい。けれども、政府としては何ら知らぬ顔というようなことでは、張り合いがないというような意見のあることを申し上げておきたいと思います。
#25
○説明員(岸野駿太君) これは私のほうで諮問をする――私どものほうは総理府の具体的な行政を持っておりませんので、御承知のように、法務省、あるいは厚生省、あるいは警察庁等、関係方面の方と十分お打ち合わせをいたしまして、関係省庁において諮問をし、審議会の意見をお聞きになりたいというような事項がございますれば、先生が御指摘になりましたような御趣旨に沿って、本審議会の運営を持っていくというぐあいに考えております。
#26
○山高しげり君 売春対策審議会にはいろいろな批判もあるようでございますけれども、現状を承っておいた次第でございます。
 戻りまして、刑事局長にお伺いをしたいと思いますのは、運用状況を承りまして、この五条違反、あるいは助長事犯、いずれもだんだん減少してきている、ことに五条違反が半減以上を示しているということでございますが、その主たる原因が売春そのものが減ったとはお思いでございますまいね。御当局からごらんになって、それだけ減ったということの原因はどこにあるか、それを承りたいと思います。
#27
○政府委員(川井英良君) 警察からの受理件数はたいへん減っておりますけれども、そうだからといって、ただいま御指摘になりましたように、町に社会的に批判を受けなければならない売春行為がはたして減ったものかどうかということにつきましては、私もたいへん疑問に思っております。おそらく新しいいろいろな形の売春行為が、あるいはそれに類似の行為があらわれてきたものであって、取り締まりの立場からいうならば、犯罪が非常に巧妙化してきたし、あるいはまた事柄の性質上ますます潜在化してきたというようなことがやはり一つの原因になっているのではなかろうか、こういうふうに考えております。
#28
○山高しげり君 私もまず局長の御意見と同感でございますが、そこで承りたいと思いますのは、いま売春対策審議会でもトルコぶろをお取り上げのようでございますけれども、しばらく、その新しい行為と申しますか、形態と申しますか、トルコぶろのことで承りたいと思います。
#29
○政府委員(川井英良君) 私のほう、御承知のとおり、警察庁の所管でございますので、町の実態については間接的に警察等の報告を、あるいはその情報の提供を受けて、むしろ教えていただいて間接的に承知をしておる程度でございますので、むしろ実態のこまかいことは警察庁のほうからお聞き取りをいただきたいと、こういうふうに思いますので、トルコぶろ等の実態につきましても、法務省なりの幾らかの資料は持っておりますけれども、むしろ間接的なものでございますので、私どもといたしましては、警察のほうの御説明に譲らしていただきたいと思います。
#30
○政府委員(海江田鶴造君) トルコぶろにつきましては、御承知のように、昭和四十一年に、議員提案によりまして、風俗営業等取締法が改正され、条例で定める一定の地域についてはトルコぶろを営業してはならないということになったわけでございます。そのために、法律が改正されました昭和四十一年までは、毎年百軒ないし二百軒ふえておったのが、四十一年の末の七百六軒から、三年以上たちましたけれども、ほとんどふえておりません。昨年の私どものほうの調査によりますと、七百十三軒でございまして、その間七軒しかふえていない。したがって、トルコぶろに対する風俗営業等取締法の改正のねらった措置というものは効果をあげておる。要するに、現在あるものはしかたがないけれども、それ以上ふやさない。特に善良な風俗を乱すおそれのある場所はふやさないという政府の方針は、これで目的を達したという、ふうに私ども考えております。
 なお、トルコぶろの中で行なわれます売春犯罪でございます。これにつきましては、私どもも、関西を除きましては、大体全国的に何らかの形で売春もしくはそれに類する行為が行なわれているのではないかということは考えております。ただ、なかなかトルコぶろにつきましては、入っているお客の人権上の問題もございまして、取り締まりが必ずしも容易ではない。また、トルコぶろに働いておる婦女子、それからそこに行くお客、トルコぶろの営業者、この三者とも被害意識がない。婦女子においても被害意識がない。したがって、いろいろな面においてわれわれに対する協力が得られない。非常にむずかしいので、取り締まりはきわめて難航いたしております。四十三年中にトルコぶろの関係で警察で検挙いたしましたのは百三十一名にすぎません。また、トルコぶろ営業七百件余りについて公安委員会が営業停止の行政処分をしたのはやっと十六件にすぎません。しかし、これはあくまで警察が法に照らして処置した件数でございますが、それ以外に警察が日々の警察活動あるいは捜査活動において警告をしたりあるいは行政指導したりしてこれをいい方向に持っていこうとして努力はいたしておるのでございまして、これは数字にはあらわれておりません。
#31
○山高しげり君 第一線の御苦労なかなかたいへんだろうかと思っております。ただ、いまのお話のように、四十一年の風営法の改正は私どももよく存じておりますけれども、いまおっしゃいましたけれども、議員提案でございまして、しかもその風営法の改正による禁止地域の設定が、いまおっしゃるように、トルコぶろの増加を非常に押えていると、効果があったと、国がお考えになって法改正をなさらないで、議員提案でそのことが行なわれて、しかもそれだけ効果があった。しかも、その困難をおかしていらっしゃる第一線の警察の方々は、やはり売春防止法との連関において非常に取り締まりがしにくいということをしばしば伺っておるのでございますが、それでも大臣、まだ法改正のいつごろまでにやらなければならないというお見込みは立たないのでございましょうか。慎重もけっこうでございますけれども、その辺承りたいと思います。
#32
○国務大臣(西郷吉之助君) 非常に社会に影響を与える重要なことでございますので、いま局長、部長の説明のとおり、むずかしい問題かかえてやっておりますが、なるべくすみやかに法務省としての結論を出して対処していきたいと思っております。
#33
○山高しげり君 どうぞそのなるべくすみやかにという抽象的な表現が、一日も早く具体的に何年後とかいうことになることを望みまして、もう少しトルコぶろのことを承りたいと思いますけれども、トルコぶろがふえないことはけっこうでございますけれども、いまの警察庁のお話の中で、関西以外はほとんど全国的に行なわれているらしいトルコぶろ内の売春行為が、特に関西でそれが行なわれていないらしいことについては、何か原因がございましょうか。
#34
○政府委員(海江田鶴造君) これは若干その土地によりまして――これは関西と申しましても大阪でございますけれども、大阪はトルコぶろの構造、設備が東京とは違っております。トルコぶろの場所とあんま、マッサージをする部屋が違っているのがかなり多いわけでございまして、そういう面で、かなり前から大阪のトルコぶろというのは、ほかのトルコぶろに比べて明るいと申しますか、比較的に売春等の行なわれるおそれが少ないというふうに私ども承知いたしております。
#35
○山高しげり君 特に大阪がほかの地域と違うというのには、何か伝統的なものというか、理由があるのでございましょうか。
#36
○政府委員(海江田鶴造君) これはどうも、私どもも大阪の担当者に聞いておりますが、正しい理由といいますか、まともな理由については、私どもわかりませんけれども、大阪人の特性からして、ああいうつまらぬものにはあまり金を使わないというようなことが原因ではなかろうかというふうに――これは全体ではございませんけれども、大阪の一部の担当者がそういうように言ったのを聞いたことはございますが、それ以外には私ども正当な理由と申すものを実はまだ発見していない状況でございます。
#37
○山高しげり君 刑事局長さん、いかがでしょうか。この個室のついている浴場というものを禁止をすると、その必要があるというような御意見は、御検討の中では出てまいっておりましょうか、いかがでしょうか。
#38
○政府委員(川井英良君) トルコぶろの規制は、現行法上、御説明申し上げるまでもございませんけれども、風俗営業等取締法でありますとか、あるいは浴場の取り締まりの法律ないしは条例というふうなものによりまして、主として警察庁において取り締まりを実施されておりますので、そちらのほうの面からいまの御質問に対する行政当局としての責任ある立場なり御回答なりがおそらくなされなければならないと思います。
 私のほうは、御承知のとおり、もっぱら法律と事後処理を担当いたしておりますので、そういうふうな面でちょっと申し上げたいことがあるのですが、このいまのトルコぶろなんかの関係におきましては、私ども統計の面で最近注目しておりますのは、この婦女の福祉に関係のある犯罪の受理、処理の状況を別な統計で整理をしてみているのでございますけれども、売春防止法以外の法律で、たとえば刑法犯の中に淫行勧誘とか略取誘拐とか営利誘拐とかいうような適用規定がございまして、この種の規定も順次最近は活発に運用されております。これは売春防止法そのものではございませんけれども、たとえばトルコぶろなんかにおける場合におきましても、この種の法令が適用になった事例があるようでございます。
 それからもう一つ重要なのは、たとえば児童福祉法の違反でございますとか、職業安定法違反、さらには労働基準法違反、これはたくさんある中から特に婦女の福祉に関係のある事件だけを取り上げて統計をとっておるのでございますけれども、三十五年を標準に申し上げまして、いまの児童福祉法、職業安定法、労働基準法などは、三十五年には七百三十九名を受理しておったのでございますが、四十二年の統計によりまして千三百六十七ということで、約倍近いものが送致になっております。これは労働省の関係と警察庁の関係と両方でございますけれども、こういうものがいま御指摘になりましたような事態に対して刑罰的な面からかなり役立っているのじゃなかろうかというふうにも考えますので、先ほど大臣から仰せになりましたように、売防法の検討、ほかにもそういうふうな関係のある特別法規の運用と内容につきましてもあわせて検討している段階でございます。
#39
○山高しげり君 それじゃ保安部長、一言だけ。
#40
○政府委員(海江田鶴造君) 個室の廃止につきましても、私ども個室がないにこしたことはないというふうに考えております。ただ、御承知のように、四十年から四十一年にかけましての法律改正の際に、この問題が相当問題になったわけでございますが、御承知のように、トルコぶろといえども公衆浴場であって、厚生省所管の公衆浴場法による許可を受けて営業しているものである。これがすでに六百軒あるいは七百軒のものが営業をしておる。これを新たに法律で認めないということになると、営業権との関係で問題があるということで、やむを得ず、現在あるものあるいはそれ以上にこれをふやさない、あるいは一定の地域以外にはこれをつくらせない、こういう方向でこれを検討するということで現在に至っておるわけでございまして、個室をなくすることにこしたことはないと思いますが、営業権との問題で若干問題があるというふうに考えておるのでございます。
#41
○藤原道子君 厚生省の公衆衛生局長来ておりますか――これはどこの管轄になるか私よくわからないのですが、トルコぶろの許可は厚生省ですね。その構造等についても十分調べた上で許可しているのでしょうか。いつか新宿でトルコの火事がございました。救いを求めて泣き叫ぶ女が窓から顔だけは出ておるのだけれども、のがれる道がなかった。一体こういうことに対しての指導というものはどのようになされておるのでしょうか。人権問題だと思うのです。ちょっとお聞かせを願いたいと思います。
#42
○説明員(後藤伍郎君) 公衆浴場につきましては、環境衛生局の所管でございまして、きょうは関係ございませんので、参っておりません。
#43
○藤原道子君 わからない……。
#44
○説明員(後藤伍郎君) 実は私はちょっとわからない、防疫課長でございまして。
#45
○藤原道子君 見当違いで失礼いたしました。しかし、やはり厚生省でございますから、十分にこの点は考えてほしい。
 それから、公衆浴場法で許可されているからしかたがないとこっちは言っていらっしゃる。個室でこうやっているのがどうも公衆浴場とは私には考えられない。これはたびたび論議したところでございますが、さらに厚生省ではこの論議を進めていただいて、社会に害ありという立場に立てば、事厚生省ですからね、もう少ししっかりしてもらいたいということをちょっと言っておいてください。
#46
○山高しげり君 それでは次に問題を変えまして、矯正関係の婦人補導院の問題に入りたいと思います。たいへんにまあ入居者が少ないということにつきまして、矯正局長からもいろいろ御意見がございましたですけれども、結局入っている女の資質の問題をこまかに承りましたが、これも、厚生省おいでになっていても、少し引き出しが違うのかもしれませんが、精薄対策といったようなものが国として一元的に考えられようとしている段階において、将来、こういう現在婦人補導院の中におるような精神病質もしくは精神病者であるような人たちが、こういう中でこういう形でだけ対策を整えられるよりは、もっと大きい国としての精神病あるいは精薄対策という中に含まれたほうがいいとお考えでしょうか。常識的に言いますと、非常に少ない数の人を、ときには職員の数のほうが入っている人よりも多いような日もあるらしいことを聞いておりますが、その辺はどんなものでございましょうか。
#47
○政府委員(勝尾鐐三君) 御指摘の点につきましては、たとえば東京の婦人補導院でございますが、現在は職員数よりも収容者の数が多くなっておりますが、ここ一年間の間に職員数二十九名に対して収容者が二十五名という日がございました。現在は職員数を上回っております。
 なお、いまの精神病ないし精薄の問題でございますが、私のほうの関係では、いわゆる犯罪ないし非行を犯した者で刑法の規定によっていわゆる心神喪失というまでの判定は下せないといった関係で矯正施設に入ってくる者、さらに矯正施設に入ってから一般社会におったときにすでに発病はしていたんだろうと思いますが、矯正施設に入ってから顕著に精神病の徴候を発揮してくる者、この二種類がございます。そしてこの精神病の問題につきましては、婦人補導院も含めまして、少年院あるいは刑務所等におきましても、いま言った精神病系統の者が全体のやはり二%ぐらいはいるという私のほうの目下の数字でございますので、こういった者につきましては、やはり施設に在所期間中に、たとえば一ヵ所に集中をして、そこで特別に効果のある治療的な処遇を行なうという点について、目下重点的に具体的な策を進めております。問題は、いわゆる収容期間を満了して出所する場合に、その受け入れの問題になりますと、これは一般福祉の領域に入りますので、その点については厚生省その他関係省との間の緊密な連絡を強化していくという方向で目下いろいろな対策を講じております。
#48
○山高しげり君 厚生省、いかがでございますか、その問題。
#49
○政府委員(今村譲君) ただいまの問題、私ども担当いたしております婦人収容の施設、これも最近の傾向からいいますと、非常にIQといいますか、知能程度の低い人が多くなってきております。これは例を申し上げますと、三十七年の統計では知能指数が七〇以上という人が大体全体の六五%ということでございましたが、四十三年度ではそれが四七%というふうに減っておりまして、IQ三〇以下、五〇以下という人がどんどんふえております。まあ言いにくいんですけれども、相当知能の高い人はなかなか施設なんかには落ちてこない。したがいまして、逆に言いますならば、精神薄弱的な人がどんどん入ってくると、そうなりますと、婦人保護施設の中で対象を分けまして、現在児童家庭局で精薄対策、施設整備対策というのをやっておりますが、そこで分類収容ということを考えなければいかぬのじゃないか、そううふうな私ども感じでおりますが、これは児童家庭局のほうといろいろ相談いたしております。ただ、対象が売春の前歴とかいろんな経験を持っておりますので、単にIQだけで精薄施設に入れるというのもいろいろ運営上悪影響があるというふうな問題もございまして、私ども、中で精薄の度の強い人、そうでない人というふうに、婦人保護施設の中で分類を逐次進めていきたい、こういうように思っております。基本的には、仰せのように、精神病と精薄と非常にむずかしい問題がございます。精神病院系統でどの程度やれるか、それから精薄系統、それから純粋な婦人保護施設だけ、その辺の分類をもっと詰めなきゃならぬというふうに検討いたしておるというふうな状況でございます。
#50
○政府委員(勝尾鐐三君) ただいまの点に関連いたしまして一言付言させていただきますと、婦人補導院に入ってくる婦人のIQ、精神状況は、先ほども申し上げましたように、非常に劣悪でございますが、別の観点から申し上げますと、いわゆる私のほうの関係では女子刑務所あるいは女子少年院というのがございます。この女子刑務所、女子少年院に入ってまいります婦女子は、いわゆる売春防止法で入ってくるのではございませんで、窃盗だとか詐欺だとかいろいろな犯罪ないし非行で入ってまいりますが、それらの罪名で入ってくる収容者の中に、いわゆる売春婦とみなされる者、この数が最近少しずつふえております。したがいまして、これは正面から売春防止法の対策というよりも、女子刑務所あるいは女子少年院の収容者のいわゆる売春婦とみなされる収容者に対する処遇というものについて効果的な処遇をする必要があるということで、その立場からいろいろな施策を目下やっております。
#51
○藤原道子君 関連。それでは、六ヵ月ですからね、補導院は。それで、この資料を見ましても、六ヵ月たてば出所させるわけですね。そうすると、再入所というのがありますね、繰り返しておる。やはり精薄が多いと思うんです。それで、今村さんのほうでもいろいろ検討しているというけれども、事実はかなり長年月かかっているんですね。その間にその対策が立たないというのがおかしいと思う。成人の精薄はあなたのほうでしたね、精薄対策。成人のほうはどこ。
#52
○政府委員(今村譲君) 児童家庭局に精薄は全部まとめました。
#53
○藤原道子君 まとめたにしても、いままではあなたのほうでやってたのよ。それで、長い間に補導院から、補導院へ入れられたと、六ヵ月たった、精薄だけれどもぽいと出して、あとの保護がなされていない。これじゃやはり社会悪は繰り返して行なわれる結果になると思うんです。こういりことに対しては至急に対策を立てて、精薄――あなたがいま言ったように、知能の高い者はもっとじょうずにやっている、つかまらないんです。ですから、網にかかるのは知能の低い者ばかり。その対策が立っていない。だから繰り返して何回となしに入所してくるというケースになると思うんです。この点は、十分ひとつ検討して、至急に連絡の上でひとつ対策を立てていただきたい。
 それから、立ったついでにお伺いしますが、性病の問題でも未治癒のまんま出ているのがありますね。末治癒で出た場合には、保健所なりどこかと連絡をとって、そして治癒するような方法がとられておるのか、出所したからもう関係ないというような状態できょうまできておるのか、この点をちょっとあわせてお伺いします。
#54
○政府委員(勝尾鐐三君) 未治癒で出る場合につきましては、まずもって本人に、病気の状況、それから病気の害悪のひどさを特に懇切に教え込みまして、さらに引き取り人がある場合には、その引き取り人に対して、たとえば保護関係による治療を受け得ることになっておりますので、その病院等の手当についての手続を教えてやる。それからさらに、引き取り人がないという場合もまれにございます。そういう場合には、いわゆる保護会等に連絡をいたしまして、なお婦人補導院で協力を得ております病院等を紹介をいたしまして、できるだけ治療を継続さぜるという努力を一応はいたしております。
#55
○藤原道子君 知能の低い人であり、引き取り人というのが主としてひもが多いんですよね。というような場合にね、性病の治癒までめんどう見ておるとは思えないのです、私。いろいろなケースも伺っておりますけれども、というような場合に、保健所とかあるいはどことかで必ず治癒しなきゃならぬというような指導はできないものでしょうか、そういう方法はないものでございましょうか。
#56
○政府委員(勝尾鐐三君) これは私のほうの数少ない経験でございますが、付近の保健所なりあるいは病院にお願いをしまして、そうしていわゆるまあ保護系統の保護を受けまして治療をするところまで一応話をつけたことがございますが、結局本人が、ただいま御指摘がありましたように、まあひもが引っぱっていってしまう、あるいは逃げ出すというようなことで、なかなか効果があがっていないといううらみが非常にございます。
#57
○政府委員(今村譲君) ちょっと、先生のお話の。疾病がある限りはどこかに引きとめておいてということで、実は性病予防法の解釈を私申し上げるのは恐縮でございますが、即時強制といいますか、いやだと言うのを引きとめて監禁してでも治療させるというのは、現在の性病予防法では許されない事態になっておると思うのでございます。現に、私のほうの施設でも、一番悩んでおりますのは、無断退所というのが若干ございます。四十二年度でまあ千五、六百名入っておりますが、無断退所というのが百九十六名というのがございます。で、これはもちろん、救世軍の人方とかいろいろな人が趣旨をよく説明して――といってかぎかけるわけにまいりませんので、やっておりませんが、どうしても逃げ出すという人が多いのですが、こういう人が疾病がなおらないままで出てしまう。それを口をすっぱくして説教して連れ戻すという努力を積み重ねておるのですが、ちょっといまの法体系ではなかなかむずかしい問題じゃないか。そういうふうにただ説得でいくよりしょうがないというので、私のほうもやっておるのであります。
#58
○山高しげり君 性病の関係についてももう少し伺いたいことございますけれども、いまの補導院の問題で、出てからのお話もいろいろあり、中にいる人の資質の問題もございますけれども、さっき局長もお触れになったかと思いますが、入所者の少ないこと、これにつきまして、結局あそこへ入る人は執行猶予者に限るというわけでございますけれども、その辺にまあいろいろ、これ私個人の意見でもございませんで、関係者の間にも、その補導期間の延長と、それからその刑の期間との関係がございますので、その辺何か御意見がございましょうか。
#59
○政府委員(勝尾鐐三君) ただいま、この補導院に入ってくる者がどの程度の処罰を受けた者が入ってくるかという問題の御指摘だろうと思うのですが、私のほうで見ているところは、大体罰金で申し上げますと、やはり七回ぐらいは罰金刑を受けてからでないとなかなかこの婦人補導院の補導処分という言い渡しがないように思うのでございます。で、この点についてはいろいろなまあ見方があろうかと思いますが、いま御指摘がございましたように、補導処分といってもやはり身柄を拘束をするという観点から、刑全般のまあバランスというようなことから、いきなり身柄拘禁を伴う補導処分というものに踏み切れない面があるやにうかがえるのでございます。で、この点については、地方裁判所あるいは検察庁のほうに補導院の実情とどういうことをやっているかという点についてその実情を理解していただくと同時に、それぞれ関係機関から婦人補導院に対してこういう処遇をしたらもっといいじゃないかという御意見があるならば、それを受けとめて私のほうでも生かしていくというようなまあ心づもりで、関係機関に対して協議をしているというのが現状でございます。
#60
○山高しげり君 刑事局長さんのほうでは、この問題いかがでございますか。
#61
○政府委員(川井英良君) 一つは補導処分の期間の問題だろうと思いますが、これは理屈の面が一つあると思いまして、やはり補導処分と申し上げましても、自由を拘束する一つの処分であることは間違いございませんので、その自由を拘束する処分というものの性格にかんがみまして、おのずからその期間の長短というものも出てくるわけでございますが、これはやはり一種の保安処分でございますけれども、その法定刑――刑罰にされた場合の法定刑とのバランスをとって期間をきめるというのがいままでの刑法の分野における世界的な傾向でもありますし、ただいま私の手元で刑法の全面改正の作業が進められ、法制審議会で進められておりますが、その中でも、非常に広い範囲で保安処分を取り込むという作業がいままさに山場にかかっているところでございますが、その中において、いまの補導期間を含めまして、保安処分の期間はどうあるべきかということに対して、ほとんど日本全国を網羅した刑法学者あるいは実務家が集まって議論をいたしておりますが、やはり一種の自由拘束処分であるから、そこにはあまり政策的な長い期間というのは合理的じゃない、いまの法定刑との均衡をまず考えなきゃいかぬという意見が今日圧倒的でありますので、そのようなところを少し御紹介申し上げさせていただきました。
 それから、この補導の内容でございますが、内容は矯正局長からいろいろ御報告がございましたので省きますが、検事が裁判所に対してどういう意見を述べるか、また裁判所がそういうような意見を参酌してどういうふうな、あるいは刑務所のほうへ、刑罰にするか、あるいは補導処分にするかというふうなところがまたこれは一つの運用の問題だと思いますけれども、やはり新しい制度でありますので、検察においても、あるいは地方裁判所の取り扱いにおきましても、なかなかやはり、補導処分の取り扱い、あるいは言い渡し、あるいは効果、目的というようなことについて、まだまだ親しみがたいといいますか、なじみがたいといいますか、そういうようないろいろな面があることは、私やはり率直に申し上げて否定できないと思います。矯正局長からお話がありましたように、矯正局、それから私どもの刑事局、それから検察庁、地方裁判所、そういうような係官が常時集合いたしまして、このような問題についての円滑な運用ということについて検討を進めておる段階でございますので、その辺のところにつきましては、また今日の国会における問答というようなものも、検察庁ないしは必要があれば地方裁判所等にも提起をいたしまして、さらに関係各省間における連絡調整というものを一そう向上してまいりたいと、こういうふうに考えております。
#62
○山高しげり君 まだ補導院についても問題は残っておりますけれども、時間の関係もございますので、次に厚生省御所管の婦人保護施設のことに入ってまいりたいと思います。
 補導院同様、ここもまたかんこ鳥が鳴いているみたいな現状のようでございますが、その現状に対して、何か厚生省御当局として打開策のようなものを考慮しておられるのでしょうか。
#63
○政府委員(今村譲君) いまの婦人保護施設、全国で六十三ございまして、定員は二千二百四十四、まあ二千二、三百人ということでありますが、現在仰せのとおりに大体五五%前後しか収容者がない――千二、三百人という状況でございます。この問題につきましては、私ども、各地にある婦人相談所、あるいは婦人相談員、あるいは福祉事務所というふうなもので、いろいろ地方を巡回をして、民生委員とか、婦人会とか、青年会とか、いろいろの相談なり、あるいは対策の打ち合わせ会議なりということをしておりますけれども、いまの状況としては、年々少しずつ減ってくるということでございます。私どものほうとしては、まあ警察から送られる、あるいは裁判所系統から送られるというような人方とか、あるいは自発的に自分でかけ込みで来るというような人、あるいは民生委員なり何なりからこっちのほうへ回ってくる、いろいろのルートがありますが、私どもとしてはできる限りそういう相談員あるいは相談所の機能を強化して発見して歩くというふうなかっこうにもっていきたいというふうに考えております。
#64
○山高しげり君 ところが、結局これは県がやっていらっしゃるので、もうほとんど定員の半数も入っていないというような現状が十年も継続しているというような事例も県によってはあるようでございまして、厚生省はどうお考えになろうとも、県としてはまことに困ると。ことに、またこの仕事は、もう法律ができたときからわれわれは申しておったことですけど、非常に格差がある仕事だと思うんです。地域差のある仕事。大都市のような地域を持っているところと、ほんとうにいなかの、それこそこのごろでいえば過疎地帯をたくさん持っているような県などでは、同じ条件で施設が持たれ、相談所が設けられ、相談員がおりましても、非常に格差があることは初めからあったのだし、またそれがだんだん著しくなっているのじゃないかと思うのでございますが、これはやっぱり予算にも関係することでございますけど、ほかの施設に転用なさったような県もあるのじゃないでしょうか。それから、この施設の整備費というような予算もあるようでございますけど、何か大蔵省はそんなものをお打ち切りになりたいような御意見もあり、厚生省がたいへんお働きになってことしは取りとめられたようなお話もきましたけれど、ことしはことしとしても、これは将来にかけて現状のままでいいとはもうだれの目にも見えなくなってきておるようでございますけれど、それでたとえば、いわゆる再編成期、それで入れる人によって多少分けて、どこの県も同じ仕事をしないでも、多少こう分類収容と申しますか、そんなようなことを求めている人たちもあるようでございますが、その辺まで含めまして一応伺いたいと思います。
#65
○政府委員(今村譲君) おことばのように、まあ六十三ありますが、数が半分、あるいは五五、六%の収容者ということで、ある程度老朽化したようなものについては整理して、きちっと直して、もう一ぺん組み直したらどうだというふうな意見も毎年の予算のときには出てまいります。しかし、いまおっしゃいましたように、施設を転用してつぶしてしまったという事例は現在までのところはございません。ただ、老朽化してまいります問題があるので、これは予算としては、私どもは別に――総ワクは社会福祉全体の総ワクでセットしておりますので、必要に応じてはつけると、別に予算的にこれはだめだから切ってしまうというようなことはやらないつもりだし、現在までやっておりません。ただ問題は、やはり精薄問題、あるいは性格上の問題、いろいろありまして、施設が相当、まあ収容の半数くらいということなんで、この機会に重い人は重い人のように、あるいはそうでない人はそうでないふうにというような分類収容はやりたいと思っております。しかし、これはたとえば秋田とか山形というふうなところは、もうその辺の人を分類するから東京へ持ってこいというわけにもまいりません。したがって、せいぜい大都市周辺というか、大都市内部の施設においてのやりくり、非常に重度の精薄のような人については、それはある程度、千葉県とか何とかということで可能ではないかというふうに考えます。これは東京、神奈川あたりの施設長さん方といろいろ相談をして、逐次その措置をする場合の類型別にだんだん集めていこう――一気にはまいりませんが、というふうなかっこうにしたいというふうに考えております。
#66
○山高しげり君 結局一時収容施設は必要だと、これは必ずしも売春行為があった者ばかりでなくて、いわゆるかけ込み寺的な性格を持っておりますから、そういう意味で、一時収容施設の必要は相当ふえておるけれども、一時収容施設として現在の建物をおもに活用したい、そういうような要求はあるんじゃないのでございますか。常時婦人保護施設としてきめられているような性格で継続していくことは、非常に実態、つまり対象者が少なくて運営がしにくい、こんなふうな現状がわりに多いように私どもの目には見えるのでございますが、いかがでございますか。
#67
○政府委員(今村譲君) ちょっと私、一時収容の実績といいますか、数字を持ってまいらなかったのでありますが、一時収容はいわゆる婦人相談所につくもの、それから施設は長期的なということなんで、施設まで一時収容者を回さなければならないというほどの状況でもなさそうだということでございます。これはまあ活動が悪いのかもしれませんが、施設長さんの中には、せっかくあいているんだから一時収容のほうでもやったらどうだという御意見はございますけれども、現実はそこまでいってないんじゃないかということでございます。
#68
○山高しげり君 それで、ついでに婦人相談所なり婦人相談員まで含めて承りたいわけですけれども、婦人相談所につきましては、身体障害者の相談所とか、現在ございます似たような相談所は、地方交付税でやっておられるところが多いけれども、これだけは国庫補助でございますね。それを大蔵省ではそろえたいような御意向があるんじゃないのでございますか、地方交付税に回したいというような。でも厚生省がこれもたいへんお骨折りになったようには聞いておりますけれども、見通しその他どうでございますか。
#69
○政府委員(今村譲君) その辺は先生一番よく御存じだと思いますが、端的に言いますと、婦人相談所、婦人相談員、これは母子相談員でも何でも同じでありますが、要するに地方公共団体の機関、そういうものは原則としては全部交付税で、補助金は使わないということが原則でありましたが、この婦人の問題だけは、交付税で完全に地方公共団体にまかしておいたんでは、なかなかやるところもあるしやらぬところもあるというのでは困るというので、当初から非常に無理をいたしまして、国庫補助金制度ということでコントロールしたいということであったわけであります。端的に申し上げますと、孤塁を守っておるのはこの制度だけでございます。その辺、非常になかなかむずかしい問題がありますが、私はやはりこの制度でいくのが筋だと、こういうふうに思っています。
#70
○山高しげり君 ところが、私、それよくわかりますし、孤塁は守っていただきたいわけですけれど、東京都が婦人相談員の常勤制にお踏み切りになったわけです。そういたしますと、法に基づく義務設置ということから少し離れるわけのように思われますけれども、その点はどうお考えですか。
#71
○政府委員(今村譲君) これは非常にデリケートな問題でありますが、法律では、非常勤でいわゆる学識経験のある人。普通の意味での公務員、常勤は常勤で、婦人相談所の職員とか、しかるべき福祉事務所の職員とかをそろえる、そのほかにそういう学識の高い御婦人の人を行政に協力していただくという意味で非常勤ということが法律できめられたということでございます。したがって、私は、現実は問題二つあると思います。非常勤のそういう学識経験の高い方々に対するいわゆる謝礼といいますか、報酬、それが低いという問題が一つ。もう一つは、それとは別個に、婦人相談所を中心としたいわゆる恒常的な事務職員なり何なりの体系、いわゆる常勤的職員の強化の問題。問題は二つあると思います。したがって、非常勤が要らない、全部常勤にすべきであるというのも、私はおかしいんじゃないか。したがって、私どものやりますことは、非常に困難ではありますけれども、婦人相談所の必要な職員ならば、常勤でそれをふやしていくという問題が一つと、それから非常勤は、やはりそういう普通のお役人以外に、民間の非常に優秀な人方にお手助けをいただくという、そっちのほうに対する、何といいますか、謝礼といいますか、報酬、そういうふうなものを増額する、二本立てでいくべきである。今度の東京都の場合でも、東京都が独自で常勤のそういう職員をふやされるということについては、法律違反でも何でもございませんし、ただそれに対する予算措置というものを今度どうするかということが一つの問題でございます。非常勤職員も、それはこっちの希望するだけの職員を置かれるかどうかは別としまして、やはりそれはそれとして、そういう人方に協力していただくという努力はしていただきたい、こういうふうに思っています。
#72
○山高しげり君 結局、東京都のみならず、婦人相談員の常勤の要求が出てくるその根には、やはりいま局長が御指摘になったように、処遇が低いということが一番厳然として存在をしているんじゃないでございましょうか。そういう意味で、東京都は特例としてまた残された問題がございますが、一般的にこの際、やはり局長がお考えのような制度としての婦人相談員、その本質的なお働きにまつためには、非常勤職員の処遇を上げるということ、これは婦人相談員だけでもございません、同じ厚生省御所管の母子相談員もありますけれども、これは何とかお考えになっていただかないと、もう十年来同じ処遇でというような非常勤職員というものには、将来なり手がなくなるのであります。婦人相談員の現状は、よくとどまってやっていらっしゃると、側からは驚嘆に値するほどにも見えるわけでございますけれども、事実地方庁では、これもまたほかのお仕事を兼職をさせるような事例が、これはさっきの相談所とは違いまして、確かにあるようでございますけれども、そういう傾向が強化されるということでは困るんじゃないか。これは何とか局長がひとつ責任を持って努力をするということになさっていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
#73
○政府委員(今村譲君) それは、おっしゃるように、二、三年前ですか、一万二千円ぐらいだったのを、いろいろと言いまして、いま一万九千二百円ぐらいということになっております。これは、毎年これのアップを要求しますが、基本的には、問題は、常勤的ないわゆるほんとうの地方公共団体のまるがかえの職員だという姿勢で出るか、あるいは非常勤のいわゆる学識経験者に対する謝金というかっこうで出るかというところでいろいろ議論をしてみるわけでありますけれども、やはり相当の額を来年度は私どもとしては上げて、それだけの人の協力に対しておかしくないというかっこうまで持っていきたい、こういうふうに思っております。
#74
○山高しげり君 お気づきであり御努力なさっていらっしゃることも認めますけれども、何かまだお役所として、観念的に学識経験者として扱い、謝金というような意識がありますけれども、相談員さんたちは相当な年齢で経験を重ねて、やはりそれ以外の収入があって奉仕的にやっているというような条件の人は、皆無とは言えませんけれども、非常に少ないんじゃないでしょうか。そうなると、人間食べられるだけはとかいうようなやはり報酬の問題が出てまいりますから、この非常勤職員というものがいつまでもこうヘビのなま殺したいでは、これ非常に困るように思いますので、まあいまのおことばをどうぞひとつ実行をしていただきたいとお願いを申し上げておきます。
 そこで、もう時間もあまりございませんし、最後に、この婦人相談員さんなんかが働いておりまして非常に強く申しますことは、この保護をされる婦人たちの取り扱いでございますけれども、これは地検のほうとそれから婦人相談員とのつながり合いなども東京などではあるわけでございますけれども、あるいは相談所関係の方なんかもおっしゃいますし、その女の人たちの取り扱いでございますけれども、なぜ、初回――初めての人たちというものの間に婦人相談員なんかは関係をつけてもう少し生活指導なんかにタッチがしたいけれども、もう数回回数を重ねてからでないと連絡をとっていただけないということを、しきりと聞くわけでございます。これは刑事局長さんにお答えを――警察でもございませんね、検察庁の関係でございますね、いかがでございましょうか。婦人相談員はまあ厚生省の所管でございましょうけれども、さっきからしきりに横の連絡というお話も出ておるようでございますけれども、同じ犯罪にしてもまだその犯罪歴が浅いうちに生活指導によって保護の手を伸ばしたいというのが婦人相談員などの要求でございます。その点一つ。
 それから、これもまあ厚生省に伺うことかしれませんが、一括して申し上げますけれども、いま東京なんかも常勤に婦人相談員をなさいました一つの大きな目的といいますか、さっきのこれは地域差にも関係するのでございますけれども、むしろその婦人保護の重点としては未然防止という方向へ持っていく現在は段階ではないか。東京のような大都市では、非常にまあ集団就職なんかの子供たちが流れ込んできていながら、定着率が非常に低くって、男の子にも問題があります、この間のピストル射殺犯人のような子供も出ておりますけれども、女の子の場合に、定着しないでそのまま都市の中で転落をしていって売春行為をやっていると、そういう事例がふえておりますので、現在の婦人保護施設とは別に、もう少し積極的に、年少女子ホームといいますか、これは未然防止を目的とした一つの収容施設でございますね、すでに犯罪行為を犯した者を入れるのじゃなくて、そういったような積極性のある施設を考える時代になってきているんじゃないかと、こんなことも聞いておりますけれども、それぞれの御関係で簡単でけっこうでございますが御答弁をいただきたいと思います。
#75
○政府委員(今村譲君) 第二点の未然防止の問題でありますが、これは仰せのように、確かに、年少女子ホームといいますか、そこである程度のだれか指導員のような人がおって、しかもそこから普通の働きに出るというふうなかっこうのものをぜひつくれと、まあ現在ある婦人施設の一部分でも整備してそちらのほうにでも転用していく、活用をしたらどうかと、こういう話がございます。ただ、この辺は、いわゆる労働省との関係、いわる集団就職の青少年に対する指導の問題とかいうふうな問題、一体どんな人をどういうふうな方法で選ぶかというふうな問題というのもございますので、まだ現実には踏み切っておりませんですが、そういう婦人収容施設のようでもない、といって住宅でもない、その中間のようなもの、これは確かにおっしゃるように必要なんではないかというので、内部でもいろいろ検討しておりますが、もっと進めてみたいと思います。
#76
○山高しげり君 何か厚生省は四年ぐらいその予算要求をしていたそうですけれども取れないとか、これはうそですか、ほんとうにそういうことはあったんですか。
#77
○政府委員(今村譲君) 年少女子ホームというかっこうでの新規のものについては、これは予算要求したことがございます。ございますけれども理屈を言い出すと、一体住宅なのか、施設なのか、売春防止法とどういう関係になるのか、機構なのかというふうな議論があって、そこのところの詰めが十分できておらないためにつぶれております。したがって、これは一般の年少女子の福祉施設というかっこうでいくのか。といって、そういう若い人方のいわゆる婦人売春防止関連施設として銘打ってやるんでは、これはおかしいではないかという議論もありまして、これは別個の社会福祉体系で考えざるを得ないのじゃないかという気がするわけです。それで、もう少し詰まらぬものですから、出して一、二回やったことがございますけれども、もっと考えてみたいと思います。
#78
○政府委員(川井英良君) この補導院を出る際ないし出てから、あるいは拘置所を出る際あるいは出てから、それからもう一つは、私ども担当しておりますのは、検事が調べまして、いろいろな事情でこれは起訴するよりは不起訴にすべきだというふうな事案もかなりございますので、そういう不起訴処分にする際に検察庁がどうやっておるかと申しますと、全国すべてではございませんが、こういうような事件が比較的多い地方――三分の一ぐらいでございますが、更生保護相談室というものを地検の中に設けて、係官を常時置きまして、それで検察からこれは不起訴処分にするのだという指示がありますと、その人について、そのままもちろん不起訴で釈放をするわけではありませんで、便宜、あるいは婦人相談員の方、あるいは保護司の方、あるいは身柄引き受けに適当な方というふうな人たちのお集まりを保護室にいただきまして、それで最もこの人に当面適する方法はこういう方法であろう、たとえば更生保護会に委託した状態がいいのか、あるいはうちへ帰る旅費を支給して家族の保護にまかしたほうがいいのか、あるいは福祉事務所にあっせんしてそちらのほうでさらにまた御相談をいただくほうがいいのかといういろいろな方法をきめまして、そうしてあと当座あるいは引き続き一応間違いのないようにやっているのが検察庁の実情でございます。
#79
○山高しげり君 そのときに、婦人相談員さんなんかは、なるべく早く会わしてほしいと、こう言うのでございますけれども、その点はどうなんですか。
#80
○政府委員(川井英良君) いろいろこまかい数字は多少報告を受けておりますけれども、幾日目にそういうふうな措置をとったかということについてのこまかい数字がいま手元にございませんので、あらためてまた検討さしていただきますが、処置といたしましては、こういうふうなものにつきましても関係検事を集めていろいろ相談をする機会がございますので、そういう際に私からまたそういうふうな希望を申し述べたいと思います。
#81
○山高しげり君 労働省にお越し願っておりますので、その婦人年少労働者の集団就職と転落の関係で何かおっしゃることございましたら。
#82
○政府委員(高橋展子君) 若年の少女売春と申しますか、転落女子の問題につきましては、しばしば言われますように、やはり職場生活の不適応であるとか、安易な離転職といったようなこととの関係が少なくない。いろいろな調査等によりましても、若い女子で売春事犯といったケースに当たりますものには、非常にその経歴の中で離転職の回数が多いのでございます。そのようなことから、私どもといたしましては、青少年労働者、特に少女が職場を安易に動き回るということを重ねるうちに転落するということはやはり防ぎたいと、このような考えでおります。それで、直接売春の防止ということに必ずしもつながるものではざいませんが、若い青少年労働者たちの職場適応を促進しまして、またその健全な育成を進めるというような観点から、積極的な施策をいろいろ行なっております。たとえて申しますれば、特に若くて中卒等で就職した子供たちにつきましては、就職後一年間はアフターケアをいたしまして、就職先の事業場を訪問するということをいたますし、また企業におきましては、子供たちの職場生活への適応を高めていく上の方策といたしまして、カウンセリング制度といったものを取り入れてもらうように促進いたしております。あるはまた、若い少年少女たちが余暇生活をすこやかに過ごすことができますように、各地に勤労青少年ホームといった施設を国庫補助で設置いたしまして、青少年たちが、最近非常にふえてまいりました労働時間外の時間をそこですこやかに過ごして、活発な余暇活動を行なうと同時に、生活指導も得られるうな相談員、指導員を配置して、育成に当たっている次第でございます。
#83
○藤原道子君 時間もたいへん経過しておりますで、整理をして簡単にお伺いいたしますので、また御答弁も簡潔に要領よくお願いしたいと思います。
 私は、最近補導院はがらがらであるとか、売春の傾向は減ってきているとかいうようなことを言う人もございますが、大都市とか基地周辺、あるいは温泉街等においては目に余る状態だと思います。これらに対して、どういうふうに把握し、どういうふうに警備――何といいますか、取り調べその他捜査等をしておいでになるのか、ちょっとその辺をお伺いしたい。
#84
○政府委員(海江田鶴造君) 非常に私どもも困った問題だとは思っておりますが、こういう問題は、一線で実際に取り締まりに当たっておる者から申し上げますと、警察の取り締まり、特に罰則の適用ということで、これも非常にむずかしいわけでございますけれども、そういうことだけではたして効果があるのか、あるいはそういうことが防げるのか、そういう点についても若干の疑問を持っております。それと、一つは、警察もいろいろな仕事がございまするので、必ずしも目が届きかねる。御承知のように、飲食店なり、いろいろなそういう店というものは非常にふえております。これはもう私どもの力の及ばないぐらいにふえておりますので、そういう若干のぬるさはございますが、やはり私どもやっておりますのは、どこにどういうふうに一番重点を置いたらいいかということで、特に売春でございますが、売春でございますと、被害にかかっておる少年婦女子を助ける、それから暴力団とかそういう悪質なものに重点を置いてやる、それから特に一般の人から見てあまりひどいじゃないかというようなところについては相当な無理をしてでも力を入れてその浄化に努力する、そういうことでどうにかきておるわけでございますが、これが決して十分であるとは思っておりません。
#85
○藤原道子君 私は、いつぞや問題になりました佐世保ではその後どういう状態になっているかということを聞きたい。
 それから、米兵の休養兵というのですか、来ておりますですね。その船、飛行機が着いたときは非常にひどいものがある。で、これは某温泉地でございますが、大きな有名なホテルでございますが、ほとんど契約をしてやっておるというような状態がずっと放置されている。たとえアメリカ兵であろうとも、日本には売春防止法があるはずでございます。しかも半ば公然とそういうことが行なわれていることに対して、何か手は打てないものでしょうか。
#86
○政府委員(海江田鶴造君) 私どもといたしましては、やはり目に余るものを取り締まるということで、そういう点に重点を置いて適宜やっていくというほかに妙案はないのじゃないかと実は考えておるわけでございますが、佐世保なり横須賀なりで問題になりました一つに、米軍が若干の日本のキャバレー、バー等に性病予防の立場からオフリミット制的なものをとりまして、そうして若干の医師会等と連絡をいたしまして、性病予防の措置を講じて、これなら安心だという店にマークを施して、そうしてその店だけ米兵の立ち入りを認めるということで、若干問題になったことがありますが、現在はそういうことについては、日本側でそういうことについて措置をする、少なくとも米軍側がオフリミット制をとるということはさせないということは、いままでに徹底いたしました。
 さっき先生おっしゃったような、アメリカの兵隊が相当入ってきて、そこで相当な遊びなりあるいは売春等が行なわれるということにつきましては、やはりそういうときには悪質な業者を処罰する、取り締まるということでやっていきたいと考えております。
#87
○藤原道子君 悪質な業者というと、どの程度まで悪質というのですか。
#88
○政府委員(海江田鶴造君) 実は、売春事犯と申しましても、御承知のように、女が引っぱるいわゆる勧誘、これは非常に私ども、どちらかといいますと、最近は数も少なくなりましたし、またあまり力を実は入れてはいないのでございまして、むしろ、自分たちで女を集め、契約をし、契約売春をさせる管理売春、そういう悪質な業者、特に暴力団なり悪質な業者がやっておる売春を取り締まるということでございます。率直に申し上げまして、たとえば女が自分で家を一軒かまえて、そういう売春婦がたくさんおる一軒をかまえて、アメリカの兵隊なりその他と売春をやっておるということは、これは幾ら相当な数の女がおりましても、犯罪では取り締まることは実はできないわけでございます。むしろ、そういう女を一定の場所に置いたり、雇ったり、背後であやつって売春をさせまして、そうして金をせしめる、こういうのが悪いのでございます。そういう意味で、そういうものに重点を置いて取り締まりをすると、こういうことでございます。
#89
○藤原道子君 場所提供ということで、ホテルがアメリカ兵とほとんど契約したような状態で、売春婦を集めて、そこで売春行為を行なわせているというような場合には、当てはまるのでしょう、場所提供でしょう、どうなるんですか。
#90
○政府委員(海江田鶴造君) やはり業者が、その女が売春婦であることを知っており、そうして米兵に対して売春をやるのだということを知っていて部屋を貸したということがはっきりつかめれば、確かにおっしゃるとおり売春の場所提供という事犯になります。ただ、こういう場合、非常に問題が実は多いわけでございまして、国内には、旅館でも、ホテルでも、あるいは温泉地でも、わりあいに女連れなり、あるいは自分の愛人であるとかということで連れてきて泊まる。それを宿のぼうで、やはり商売でございますので、それを一一チェックして確めるというようなことは実は宿としてなされていないのが実情でございます。そういう意味で、取り締まり上、そういう方面の立証がなかなかむずかしいということでございます。
#91
○藤原道子君 それは、女を連れてふらりと泊まるというなら、旅館としてはわからないでしょう。しかし、私が申し上げているのは、そうではないんですよ。ほとんど経営が成り立たないんじゃないかというようなうわさのあった大きなホテルが、米軍との契約によってこのごろは実に盛んなのであります。とりわけ兵隊が着いたというような数日間というものは、これはもうたいへんな繁盛なんです。それが周囲へ与える影響ですね、これが私はおそろしい、こう思うんです。私は、敏腕な皆さんが知らないことはないと思う、そういうホテルのあることを。しかし、そこに手入れがなされたということを私はまだ寡聞にして聞いていない。これは大目に見ているんですか、しかたがないんであきらめているんですか、どうなんですか。
#92
○政府委員(海江田鶴造君) いま先生がおっしゃったような事件につきましては、私どもさらに各府県の実情を聞いて、対策を講じたいと思います。講じたいと思いますが、実は各府県におきましても、若干そういうことについては、実情はある程度知っておろうと思いますが、それを売春防止法の場所提供として処置をするということの、それだけの力なり目の届き方、あるいは立証のやり方、そういう点についてまだ足らざるところがあるのじゃないか、こういうふうに思いますので、この面は、私どものほうの警察活動全般の力の振り向け方、教養のやり方、あるいは捜査のやり方等についてさらに改善をしていきたい、こういうふうに思います。
#93
○藤原道子君 結局、あらゆる面で言えることでございますが、この売春のホテルのことにしても、大きいところはお目こぼし、小さいところがひっかかる、知能の高いものがうまく逃げておる、知能指数の低いものだけがひっかかってくる、あらゆる面にそういうことがあてはまるんじゃないか。もし売防法を堅持していくというお考えでしたら、その点もぜひ範を示していただきいと思いますが、いかがでございましょうか。
#94
○政府委員(海江田鶴造君) 売防法につきまして、いろいろ不備な点はないかという御意見が私どもによくくるわけでございますが、やはり世の中が少し変わってきておりまして、こういう対象が非常にふえてきている。それから、それに対して、私どものやり方というものが、やはり旧態依然としたものであって、いま先生がおっしゃったような悪質な、しかも大きなものについて、やはり私どもが一律に形式的に考えておってはそれらに対処できないという点は反省いたしております。したがって、今後やはり売春防止法の目的を達するためには、どのような取り締まりが一番いいのか。特に、いまおっしゃったような小さなもの、あるいは弱いものだけをいじめることがないように、そういう点は今後私どもの取り締まりの体制をはかることによって何とか道を打開していきたい、このように思います。
#95
○藤原道子君 その点、私はここで名前は指摘しませんが、そういうことが現在大っぴらに行なわれておるということを申し上げまして、善処をお願いしたいと思います。
 それから、これは横浜の米海軍病院横浜診療所の発表でございますが、昭和四十二年の七月から四十三年の三月までに性病にかかった米兵が二百二十六名ある、こういうふうなことが言われておるんですね。月別にここに件数が出ておりますけれども、十二月から二月までが一番多いわけでございますが、そういうふうな例がある。こういう米兵が公然とホテルその他でやっている。そうすると、向こうさんが持ってきたのか、こっちがしたのか知りませんけれども、結局異人種間における性病の伝播というようなことにもなりまして、これが潜在化していって、いまの性病の状態にまでなってきたと私は思うんです。そういう点で、米兵だからしかたがないというような考えでなしに、日本の国民の健康を守るという意味から、あるいは日本の女性をおもちゃにされたくないので、金で売買されたくないので、外国では、日本に行けば女は幾らでもある、売春オンリーだといううわさが立てられておりますのは、まさに国辱ものだと思いますので、そういう点を特に申し上げたい。
 それから性病の関係でございますが、性病が最近非常にふえてきているということが言われておりますが、その実態をちょっとお聞かせ願いたい。
#96
○説明員(後藤伍郎君) 性病の現状でございますけれども、これは昭和三十二年の売春防止法の施行で一時激減したような数字になっておりましたが、四十年以降再び上昇しております。特に四十一年の届け出制度の改正で非常に合理化したわけでございますが、これによって数字がふえております。ちょっと数字を読んでみますと、三十九年が九千五百四十人、四十年が一万八百四十九人、四十一年が一万八千七十一人、四十二年になりますと二万四千百二十五人、昨年は一万八千七百五十八人という数字になっております。しかし、これは届け出の数字でございまして、これが患者の総数とどういう関係にあるのかなかなかむずかしい問題でございますが、いろいろあちこちで、ある地区で調べた数字ですと、大体届け出の十倍くらいあるのじゃないかというようなデータが出ているわけであります。
 われわれの対策といたしましては、特に昭和四十四年度について申し上げますと、従来からの婚姻時及び妊娠時、そういう時点での血液検査、梅毒血清反応検査、それを重点的にさらに進めていきたい。さらに性病に関するいろいろな知識の普及、啓蒙、治療の徹底、そういうものについてやっていきたいと考えております。
#97
○藤原道子君 売春婦が検挙されましても、釈放されるのが多いのですね。そのときに、性病の検査ですが、性病予防法の十一条で常習の疑い著しき者に限り強制検診をするということになっているのですね。その常習の疑い著しいという、その「著しい」というのはどの程度にランクされているのですか。
#98
○説明員(後藤伍郎君) 非常にむずかしい問題だと思いますが、私ども、性病予防対策では、やはり売春の特に常習者、この人たちが感染源となって非常に蔓延させているという事実は、そのとおりだと思います。それで、特に第十一条は、売淫の常習の疑いの非常に著しい方に対する健康診断の命令をする。ただこの際人権問題という非常に微妙な問題が出てまいりまして、どの程度が著しいかという御質問でございますけれども、これはちょっと一般論的にどの程度だということはちょっと申し上げるのは困難だと思います。しかも、私どもの指導は、その具体例が出たケース・バイ・ケースによって、その時点でそれを判断するというような姿になっております。ただその時点も、やはり基本的な人権問題というのがございまして、その辺を十分慎重に取り扱ってまいりたいという指導をいたしております。
#99
○藤原道子君 基本的な人権の問題、それは尊重しなければならない。だけれども、検診はもし病気があるならばなおしてあげるのでしょう。その人の転落、その人が病気で廃人になることを防ぐわけです。一般社会に伝播することを押えていくわけですね。ただ手をあげてあなたはいま二万幾らの十倍くらいいるのじゃないかとおっしゃいましたが、菅原さんですか、三悪追放の。あの人たちに言わせれば、五百万人くらいいるだろうなんて言っていますよ。これ一体どうしたらいいんですか。しかも、検挙されても、あるいは著しい疑いというところに行き詰まっちゃって、これは確かにそうだと思っても検診することができないというようなことを嘆いておられる方がたくさんあるんです。ですから、この点をどのように解釈するのか、これが私は知りたいし、国民の健康の保持というような問題からいきましても、これ重要だと思いますので、さらに伺ってみたいと思います。あなた方の届け出の二万人や一万何千人では、私まだ了承できない。
#100
○説明員(後藤伍郎君) 先ほど私が二万の十倍ぐらいじゃないかということを申し上げました。これは実際に病院に入っている患者数でございます。それから菅原先生のおっしゃる五百万人というのは、一般であるかどうかわかりませんが、数十万人の人の血液検査をした結果約五%の陽性率があるということで、逆算しますと五百万人というような点だったと思います。ちょっとこれは比較の時点が違います。
 それから十一条の問題でございますけれども、性病予防法という任務でございますけれども、性病を撲滅しようという予防法の目的がございますが、一方憲法で保障される基本的人権、これとの調和をどのように結びつけるかということ、これは非常に困難な問題でございまして、しかも性病予防法の健康診断は強制的なものじゃなくてむしろ間接的な――即時強制というのじゃなくて間接的な強制という姿になっておりますので、その辺の運用にはなかなか苦慮するところでございます。この十一条による健康診断でございますけれども、昨年はこれによって診断を受けた数が五千七百四十七名という数字が出ております。やはり警察当局からの連絡等によって初めてわかるという姿でございます。
#101
○藤原道子君 結局、売春婦はどうしても性病罹患率が高いわけですね。特にその点は考えていただきたい。特に補導院から出所する場合の未治癒による出所者、これの追跡調査というのですか、これは特に必要ではなかろうかと思いますので、性病に対しましては非常に重大だと思いますので、特段の努力をしていただきたい。さらに、この性病予防法十一条の問題がもし一つの壁になっているとしましたならば、これの改正等も考えられていいんじゃないかと、こう私は考えておる。その点は、特にさっき補導員のほうの御説明もございましたけれども、つかみにくい、指導しにくいということはよくわかるんです、常人でないんですから。けれども、だからといって野放しにしておくということではたいへん困るのでございまして、その点は特に強く要望しておきたいと思います。
 それから、補導院から出所いたしますときに知能の低い者をそのまま出しちゃうわけですよね、迎えがあれば。そうすると、また繰り返すんですね。そういうときには、やはり厚生省なりほかの施設と相談なさいまして――補導院は懲罰の意味だけじゃないんです、私は人生再出発の補導をするところだと思う。それならば、六ヵ月済んだからはいさようならでは効果はあがらない。こういうことで、特に心身障害者の問題はいま大きな社会問題にもなっておるときでございますから、特にその点を御配慮していただきたい。かわいそうだという立場から私は申し上げているのでございまして、お考えをちょっとお聞かせ願いたい。
#102
○政府委員(勝尾鐐三君) 第一点の追跡調査の問題でございますが、これは現場のほうからもぜひ追跡調査をやりたいという希望が非常に強うございます。現在私のほうでやっております追跡調査の方法幾つかございますが、一つは、出院者に対して、あるいは出院者の保護者に対してはがきを十枚なり二十枚渡して、そして定期にそのはがきを使ってその後の状況を補導院に送ってもらうようにお願いをする。回収率は必ずしも高くはございませんが、やはり返事をくれるものがあります。大体返事をくれるものはまあうまくいっている、そういうぐあいに見られます。それからいま一つの方法は、私どもの所管で申し上げますれば、保護観察所の所管に保護司というのがございます。あるいは私のほうの施設の関係では特殊面接員といった方がおられますので、そういう方の手をわずらわして、いま言った人権上の問題の摩擦を避けながら出院後の状況を把握をする、こういう方法を現在とっております。なおそのほかの問題といたしましては、御指摘もございましたが、関係機関の情報交換という問題について、われわれのほうもやはり足りなかった点が多分にあるんじゃないかということで、いわゆる情報交換の活発化ということはぜひやりたい、このように考えております。
#103
○藤原道子君 それから、婦人補導院入院時の年齢というのが出ているのでございますが、これを見ますと五十歳以上というのがあるんですね。それから最近は、年少少年ですか、これはだいぶ減ってきているというのですが、五十歳以上というのはやはりこれ弱いんですか。
#104
○政府委員(勝尾鐐三君) 最近、これは大阪でございましたが、六十歳をこえたのが一人いたようでございます。これはやはり性格そのものに欠陥があるようでございます。
#105
○藤原道子君 私も性格に欠陥がなければこんなばかなことないと思うんです。同じ精薄の中でも、山下清さんのように性欲は何にもないけれども絵画のほうには天才的なものを持っている。と同時に、何にもできないけれども性欲だけが強いというような人もいるわけですね。だから、そういうものを分類すれば、そういう人たちの保護が徹底しなければ、精薄だからしかたがないでは、結局その人が性病その他を伝播して歩くわけでございますから、そういう点特に、いまのおことばにございましたように、各省間の御相談でひとつ処遇をしてあげて――かわいそうだと思うんです。普通の頭脳がございましたら、そういうことをするはずがない。見ますと、売春歴二十年なんというのがあるんですね。こういう人は特殊な人でございますから、特殊な人としての扱いが当局としてできないものだろうかとふしぎに思うくらいでございまして、この点のお考えもう一度お聞かせ願いたい。
#106
○政府委員(勝尾鐐三君) 関係機関の情報交換の活発化と同時に、当面私のほうの所管の関係で現在協議しておりますのは、御承知のように、更生保護会というのがあるわけであります。現在の更生緊急保護法なりあるいは犯罪者予防更生法という法律のたてまえは、いわゆる仮退院と申しますか――をした者を、本人の希望により保護会に収容をすることができるというたてまえになっておるわけでございます。したがいまして、満期退院者については、更生保護会はこれを受け入れるたてまえになっておらないのでございます。そこで、この満期退院者についても、特殊な者については更生保護会で受け取ってもらうという問題。それからさらに、法律のたてまえは本人の希望によりというのが条件になっておるのでございますが、やはり事情によっては強制的に更生保護会に収容するということを考えられないだろうか。この点は当然いま言った関係法規の改正の問題にからむわけでございますが、要はやはり一人の人間を救ってやる問題でございますので、いろいろな問題点のあることは十分承知いたしておりますが、そういう点について検討をしてもらいたいということで、これは所管は保護局でございますが、現在意見の交換をやっております。
#107
○藤原道子君 私は、それはぜひ法の改正等を考えていただきたい。本人の希望によりといったって、知能指数が低い人、売春を悪と考えていない人、こういう人たちが希望するはずがないのでございますから、そういう点で、本人のためにも、社会の問題からいきましても、ぜひお願いをいたしたい。びっくりしちゃったんです。売春歴二十年以上なんというのがだいぶあるようでございます。知能の低い人、それからこういう人たちに対する特段の配慮をしていただきたい。これは、二十年以上の売春歴のある者を補導院に入れて、六ヵ月でどの程度のあれができるかと思うと、ナンセンスだと思うんです。この点もぜひお願いいたしたいと思います。
 そこで、お伺いしたいと思いますが、暴力団の構成員の検挙後の状態−・検挙されて、処罰されて、そして出てきてから、その暴力団なるものはどういう行動をしているか。悔い改めておりましょうか、さらに輪をかけてやっておるようなことはないんでしょうか。
#108
○政府委員(川井英良君) 具体的には警察庁の刑事局が一番よく知っておるのではないかと思いますが、私のほうも、検挙された者を受けて処理して、その後の状態についても関心を持っておりますので、そういう点から申し上げますと、昭和四十年ごろ、警察庁が主になりまして、検察庁にも働きかけて、暴力団の一斉検挙と申しましょうか、非常に大がかりな検挙をやりました。それが大体目的を達しまして、かなりのものが解散というような措置になり、それから大もののかなりの者が刑務所に入ったということで、しばらく鳴りを静めておりましたけれども、昨年の秋ごろから順次刑を受けた者は出てくるというようなことになりまして、去年からことしの上半期にかけては、私どもの情報の面でも、やはり暴力団がまた再び違うような形でもって蠢動を始めて、それから売春ないしは麻薬というような方面についても、あるいは賭博というような面についても、結びつきを持ってをるというような情報が入ってきておりますので、警察庁のほうともいろいろ連絡をとりまして、さらにまたしっかりした方法でもって対処しなきゃいけないというようなことを検討中の段階でございます。
#109
○藤原道子君 私は本問題についても少し追及したいのでございますが、時間がございません。これはこのごろまた半ば公然としたように広言をしている者があるのでございます。そういうことを耳にいたしますので、やりかけた以上は徹底的にやっていただきたいということを強く要望いたします。
 それから、性病、麻薬、売春三悪追放という追放協会ですか−というものができておりますね。それをこの間ちょっと資料を拝見しましたら、ずっと予算が同じ額で出ているんですね。発足して四年目ですか、三年目ですか。法務省の予算も、厚生省の予算も、全部申し合わせたように同額で出ている。この三悪追放運動はどういうことをしていらっしゃるのか。このごろテレビのチャンネルをちょっとひねったら三悪追放なんて出てきてびっくりしちゃったんですが、どういう使命を持ち、どういうことを期待して補助金を出しておいでになるのか、やっている仕事はどういうことをやっておいでになるのかをちょっとお伺いしておきたい。
#110
○説明員(後藤伍郎君) この三悪追放協会でございますけれども、性病、売春、それから麻薬犯罪、こういう三つの悪を追放しようという目的でつくられております。それで、この協会の主たる目的は、この三悪追放のための衛生思想の普及、そういうところに重点がありますけれども、たとえば仕事の内容といたしましては、三悪追放大会の開催、それから広報宣伝車による巡回活動、それから思想普及のための映画製作、それからテレビの放送、そのほかいろいろな広報資料を作成して配布する。この三悪追放、撲滅といいますか、そのためにはやはり国民全般一人一人でこの罪悪の脅威を自覚するということが最も重要でございますので、この意味で協会が民間団体として啓蒙宣伝活動を非常にやっているわけでございます。当然国の施策もあるわけでございますので、これはこれらと相まって大いに三悪追放のために努力していきたい、こういうふうに思っております。
#111
○藤原道子君 私はやはり手元に三悪追放協会の生まれて以来のやったお仕事のメモもいただいております。けれども、たいしたこと期待していないんじゃないですか、各省とも。もし効果あり、それに期待するならば、予算の面でも若干の考えあってしかるべきだと思う。物価は上がっているし、いろいろなところでベースアップが行なわれているのに、この協会に対する補助金というものは同額なんです。また、この間テレビの放送も見ましたけれども、あれで効果があるほど甘くはない、いまわれわれが心配しているのは。そういう点で、もし効果を期待しておいでになるとすれば、もう少し指導あってしかるべきではなかろうか。それはなきよりはいいでしょう。三悪――性病、売春、麻薬は悪いことだ、これはなきよりましかもしれませんけれども、あれだけの金を使って、あれだけの宣伝をなさるならば、もう少しやり方にくふうがあるんじゃないかというような気がいたしますので、ちょっと触れてみましたが、追及は深くはできません。時間がもうやがて一時になるので、皆さん御迷惑と思います。
 そこで、労働省にお伺いをしておきたいと思います。先ほどもちょっと御答弁ございましたけれども、未然防止の問題がいま重要だと思うんです。それで、婦人相談員も最近は転落防止というほうに相当な力を入れております。ところが、この転落してまいりまする女性が集団就職をしてきた子供たちの中に多いということ。新宿にしても、渋谷に参りましても、未成年の子供がかなり、何と言いますか、歓楽街で働いているんですね。もとはこういうところに集団就職で来たんだが、おもしろくないから転職して、だんだん転職転職しているうちに、変な異性との結びつきができて、そこで結局相手方がひもになって酷使されている、こういう例がたくさんあると思う。まあ最近の統計を見ましても、第一次産業、第二次産業、第三次産業の労働者の増加率というのを見ると、飛躍的に第三次産業がふえております。その中へ巻き込まれていく。健全な職業を求めて上京したはずのこの未成年労働者が、こういうところへ転落をする。この間も地方のお母さんから手紙で訴えがございました。そういうふうな悲劇が各所に起きていると思いますが、この集団就職にどのような対策をもってその指導に当たっておいでになるのか。先ほど、健全な娯楽ですか、こういう点で、いろいろ青少年ホームですか、こういうものもつくってやっていると言われましたが、それはどの程度にあるのか、何ヵ所あるのか、どこにあるのか、そういうことが一般の子供に周知徹底がなされておるのかという点についてお伺いしたいと思います。
#112
○政府委員(高橋展子君) 先生のおっしゃいますように、確かに転落する未成年の少女には離転職経験者が非常に多いのでございます。ある調査によりますと、少女売春の件数の中で大体六ヵ月未満に転職をしたというのが半数以上を数えるというように、相関関係がかなりあるように思われるのでございます。そこで、離転職自体が必ずしも悪いということじゃございませんが、安易な動機で離転職を重ねるということは、特に年若い者にとりましては非常に危険な面もございますし、また職業の技術も身につけ得ないで、次第に低い職種に落ちていくという傾向もございますので、私どもといたしましては、職場適応を高めるということによって、そのような安易な動機による離転職というものを防ぎたいと考えております。その方策といたしましては、これは婦人少年局だけではございませんで、職業安定局の役割りももちろん大きいのでございまして、特に御指摘の集団就職等につきましては、やはり私ども労働行政といたしましては、まず職業紹介の段階におきまして、本人の適性というものがほんとうに尊重されて、評価されて、ふさわしい仕事につけるようにということが、まず第一段階としてきめこまかに行なわれなければなりませんので、その点につきまして、特に近年は職業安定機関の努力を強くしているわけでございます。
 それからまた、先ほどちょっと触れましたが、就職したあとのアフターケアにつきましても、特に先ほど申したように半年とか一年未満の離転職が多いということにかんがみまして、そういった就職後一年間は就職先をたずねてうまくいっているかどうかを見て回るというようなことも行なっておるわけでございます。また、ただいまお尋ねの勤労青少年ホームといったような施設を数多くつくることによりまして、勤労青少年が仲間を得られ、また適当な指導も得られ、かつ充実した余暇生活が送れるようにということを意図いたしておるわけでございます。この勤労青少年ホームにつきましては、現在建設中のものも含めまして、今年度末には百十ヵ所ほどになる予定でございます。これは地方公共団体が設置主体となって設置いたすのでございまして、これに対して国のほうから国庫補助を行なう、このような形で進めておるわけでございます。この勤労青少年ホームに対する地方公共団体の関心と申しますか、要望が非常に近年強くなりまして、加速度的にふえてまいっているわけでございますが、お尋ねの周知方法等につきましては、私どももいろいろと周知につとめておりますところでございますが、地方公共団体ももちろんいたしております。それから、昨年度から、中卒で働く子供たちには、青少年手帳というものを労働省のほうで交付することにいたしまして、そのような手帳には、いま申しました勤労青少年ホームの所在地等が全部明記してございまして、青少年たちがどこに行けばそのような施設があるということがわかるようにしてございます。その他いろいろな機会を通じて周知につとめているところでございます。
#113
○藤原道子君 私は、青少年手帳を渡していらっしゃることは、たいへんいいことだと思う。それと同時に、雇用者側にこういう施設を大いに活用するような指導が私は願わしいと思う。うまいことを言って雇用しても雇用条件が違うとか、休養時間に伸び伸びと休養ができないとか、いろいろ子供たちは訴えております。それから、転職した者が誘いにくるわけですね、こういうことのケースが非常に多いようでございますから、そういう点もお考えいただきまして、雇用主がもう少し自分の子供と思うような気持ちで指導をし、それでそういう健全な施設のあることを子供たちに知らせていくと、そこを利用するように指導していく、こういうものができなければ、宝の持ちぐされになるのじゃないか。そういうところへ行くのを好まない雇用主もございます。そういう点を特に御注意を願いたい。
 それから、就職してきた子供たちに、全国に婦人相談員――何というのですか、婦人少年室の中に婦人相談員というのがございますね、これらの人が一人や二人ではたいへんでございますけれども、集団就職で行った家庭を年に一回くらいは訪問していただくなり何かして、文通を密にするように指導してほしいんです。そうすると、子供から手紙がぷっつり絶えたというようなときには、これは変化があったんじゃなかろうかというようなところまであたたかい指導をしていただいて、年少者は日本の宝でございますから、これらの子供たちが転落して、しかもきびしいひもつきで肉体を破壊していっている、こういうことを考えると、やはり同じく母心としては痛むものがある。どうかそういうことを御指導いただきまして、こうした不幸な事態が少しでもなくなりますように。それから、相談室というようなものが方々にございますけれども、相談に行っても冷たかったからもう行かないわというのがけっこうあるんです。そういうことも、つまり官僚行政と言っちゃ悪いんですけれども、そういう点が警察に対してもございます。こういう点をぜひお考えいただきまして、あたたかい気持ちで御指導くださいますように、心からこれはお願いをしたいと思います。
 それから、売春問題というのは、検挙してもあまり手柄にならないのですね、警察庁。だもんだから、つい手抜きをするというようなことも私は伺っております。どうかそういうことのございませんようにやってほしい。警察の御苦労はよくわかるんです。一件をあげようと思って長い間もう追跡をして、これならよかろうといって取り上げても、上司からはあまりおほめのことばもない、これでは私は成果をあげることはできないと思う。いま心身障害児出生なんかに対しましても、国としては大きな問題となっておりますときに、遺伝梅毒だの何だのというようなこと、あるいはこのごろでは家庭婦人の中でちょいちょいそういう働きをしている人もあるやに私ども承知いたしております。どうかそういうことのございませんように、正しい指導が行なわれますと同時に、ひとつ補導院の出所者に対して、あるいは、起訴猶予になったとか、不起訴処分になったとかいうような者でも、全然疑いがないわけじゃないのでございます。そういう人たちのその後の指導、その後の追跡と申しましょうか、そういうことも非常に大切じゃなかろうか。それから刑罰を見ても、だいぶ重くはなったけれども、わりあい軽いですよね。そういう点が、まだ男性の中に、売春とは悪であると法律はあるけれども、まあ女を性の対象ぐらいにしか考えない慣習が残っておるというようなことを私は言わざるを得ないわけでございまして、それではせっかくの法の精神が泣きます。どうか正しい指導で社会悪の根源を断つことのできますようにお願いいたしまして、一時でございますので、その御答弁、ひとつ各省の御決意を伺いまして、私の質問をきょうは終わらせていただきます。
#114
○政府委員(海江田鶴造君) 実は、さっき先生から指摘されましたように、売春取り締まりについて一線に熱意が薄いんではないかという御指摘がありましたが、確かに言われれば私どもそういう面もあるように思います。と申しますのは、現在、先ほど先生もおっしゃいましたように、かなり風俗の乱れがございまして、いわゆる売春というものとそれ以外のものとの差が非常にあいまいになってきておる。それから、レジャー産業の隆盛に伴いまして、いろいろそういうところに働く人たちがふえてきておる。そういう人たちの中にも若干秩序の乱れがある。そういうことから、どの程度まで売春取り締まりをやったらいいのかということについて、一線の幹部の中にもはっきりと見通しがないようであります。私どもはやはり、その点につきましては、若い婦女子が悪い者のえじきになって、そして売春に泣かされるというようなことを取り締まるのが、これが第一であります。それともう一つは、やはり売春防止法という法律が日本にはあるので、法治国家のたてまえ上、いかにもその売春防止法がないような、依然とした従来のような売春が組織的に行なわれることのないようにやる。そして、一番特に悪質なのは暴力団等による組織的な売春であるから、これを取り締まりなさい。大体三つを重点にやっているわけでございます。それぞれの各県におきましても、やはり漸次その私どもの考えているところをわかっておりまして、重点的にやっておるように思いますけれども、まだ至らない点が相当あると私ども自覚しておりますし、ただいまの先生の御指摘に従いまして、さらに一そう努力いたしたいと思います。
#115
○政府委員(勝尾鐐三君) 私のほうの関係といたしましては、先ほど未然防止のお話がございましたが、他に少年鑑別所という機関がございまして、ここへ送られてきました少年につきましては、その成育歴等を詳細に調べまして、医学、精神医学、心理学、教育学の専門家が、いろいろな角度から、その少年の資質面の欠陥はどうか、精神面の欠陥はどうか、またどこに問題があるのだ、またこの少年は何を欲しておるかといった点をかなり科学的に的確に診断できる機能を持っておりますので、いま言った少年が入ってきた場合には、その辺のデータを関係機関に提供をして、アフターケアの的確を期するように努力いたしたいと思っております。なお、不幸にして刑務所等に入ってきた者につきましては、それぞれの刑務所において、状況を持っている者はなおす、また性格的な欠陥は処遇の過程において矯正をしていくということに全力を注ぎまして、なお出所する際には、保護観察所、更生保護会、あるいは関係機関との緊密な連絡をとりまして、その引き継ぎを円滑にして、この種の効果的な対策の樹立に一そうの努力をする所存でございます。
#116
○政府委員(川井英良君) 不起訴処分にする際に特に注意をすると同時に、その後の動静の把握についても関係当局とも連絡をとって遺憾のないように措置するようにつとめたいと思いますし、それから起訴するものにつきましても、さらに現状に即した刑罰なり措置がとられるようになお一そうの努力を重ねたいと、こういう決意でございます。
#117
○政府委員(高橋展子君) 売春の対策といたしましては、法律による取り締まりということと相まちまして、やはり基本的には、やはり基本的には、婦人の人権尊重、あるいは健全な職業観といったことに関しまして、社会一般のモラルの向上と申しましょうか、そういったことがたいへん必要なことではないかと思います。それで、私どもといたしまして、労働省といたしましては、基準法による監督、あるいは職業安定法による取り締まりも行ないますが、それと相まちまして、いま申しましたような点に関する啓発活動というものを、従来も行なってまいりましたが、今後も一そう行ないたいと思います。さらにまた、特に婦人の働く条件というものを整備いたしまして、婦人が健全な職業について、そこで生きがいのある生活をするという、その姿勢を広く普及してまいるということにもつとめてまいりたいと思まいす。
 また、特に若い少女たちにつきましては、一般的に勤労青少年の福祉対策を一そう強化してまいりたい。その中で先ほど先生の御指摘のようなきめのこまかな指導といったことも強力に進めてまいりたいと思う次第でございます。
#118
○藤原道子君 いま御決意を伺いました。どうかそれを実行してほしい。私は少年鑑別所のこともきょうはお伺いする予定でございましたが、いまお話もございましたし、時間の関係できょうは省略いたします。どうぞ人権擁護の立場からも特段の御努力をお願いいたしまして、きょうの質問を終わります。
#119
○委員長(小平芳平君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#120
○委員長(小平芳平君) この際、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 検察及び裁判の運営等に関する調査のうち、売春防止対策に関する件につき、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#121
○委員長(小平芳平君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○委員長(小平芳平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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