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#1
第061回国会 地方行政委員会 第2号
昭和四十四年二月十八日(火曜日)
   午前十時三十八分開会
    ―――――――――――――
   委員長の異動
 一月二十七日津島文治君委員長辞任につき、そ
 の補欠として内藤誉三郎君を議院において委員
 長に選任した。
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十七日
    辞任         補欠選任
     柳田桃太郎君     内藤誉三郎君
 一月三十日
    辞任         補欠選任
     津島 文治君     安田 隆明君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         内藤誉三郎君
    理 事
                熊谷太三郎君
                吉武 恵市君
                林  虎雄君
                原田  立君
    委 員
                小林 武治君
                鈴木 省吾君
                鍋島 直紹君
                船田  譲君
                増田  盛君
                安田 隆明君
                山崎 竜男君
                若林 正武君
                竹田 四郎君
                千葉千代世君
                松澤 兼人君
                和田 静夫君
                阿部 憲一君
                山田  勇君
   国務大臣
       自 治 大 臣  野田 武夫君
       国 務 大 臣  荒木萬壽夫君
   政府委員
       警察庁長官官房
       長        浅沼清太郎君
       自治大臣官房長  宮澤  弘君
       自治省行政局長  長野 士郎君
       自治省財政局長  細郷 道一君
       自治省税務局長  松島 五郎君
       消防庁長官    佐久間 彊君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査
 (昭和四十四年度自治省の施策及び予算に関す
 る件)
 (昭和四十四年度警察庁の施策及び予算に関す
 る件)
 (磐梯熱海温泉の旅館火災に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(内藤誉三郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 この際、皆様方に一言ごあいさつを申し上げます。
 去る一月二十七日の本会議におきまして、私、委員長に選任されましたので、当委員会についてまことにふなれではございますが、皆さまの御協力をいただきまして、円滑、公正な運営を行ないたいと存じております。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#3
○委員長(内藤誉三郎君) まず、昭和四十四年度自治省関係及び警察庁関係の施策及び予算に関する件を議題といたします。
 初めに、自治大臣から、地方行政の基本施策について所信を聴取いたします。野田自治大臣。
#4
○国務大臣(野田武夫君) 委員各位には、平素から地方自治の進展のため御尽力をいただいているところでありますが、この機会に所管行政の当面する諸問題につきまして私の所懐の一端を申し述べ、各位の御理解と格別の御協力を賜わりたいと存ずるものであります。
 地方自治行政は、戦後二十余年の間、着々とその歩を進め、地域住民の福祉の向上をはかりつつ、国勢の進展に大きく寄与してまいりました。しかしながら、現状は、地域住民の各種の要請にこたえられるだけの行政水準を確保するにはなお十分でなく、さらに近年においては、地域社会の変貌は著しく、新しい行政需要も数多く発生いたしているのであります。私は、このような地方自治行政の現状に対処し、社会経済的諸条件の変動に即応するため、すみやかに適切な方策を検討し、地方自治の進展と住民福祉の向上に万全を期してまいる所存であります。
 昨年末、当委員会において申し述べましたように、最近における社会経済の急速な発展に即応して、地方行政の広域的運営の必要性は一そう強まっていると考えております。そこで、広域的地方公共団体としての府県の自治能力を充実強化するため、前の通常国会で成立を見なかった都道府県合併特例法案を今国会に再度提出し、皆さま方の御協力を得て是非その成立をはかりたいと存じております。市町村段階においては、事務の共同処理方式など現行制度の積極的な活用をはかるほか、地域住民の生活圏の広域化の傾向に即応するため、都市的地域及び農山村地域を通じ一体として形成されつつある日常生活圏を広域市町村圏として把握し、所要の行財政上の措置を講じて、その特性に応じた地域の形成、振興につとめてまいりたいと考えております。
 また、地方行政の簡素化、合理化につきましては、さきに地方公共団体から聴取した結果によりまとめた地方行政の合理化に関する行政改革の意見に基づき、その推進をはかっているところでありますが、引き続き、なお一そうの努力を重ね、各省庁の協力も得て行政改革の実現につとめてまいりたいと存じます。
 公務員行政につきましては、従来から近代的な人事管理の確立をはかるため、各般の努力を払ってまいったところでありますが、今後一そう公務員秩序の確立と正常な労使関係の樹立につとめるとともに、地方公共団体に定年制を採用し得る途を開き、あわせて適正な給与制度の確立及び運用、地方公務員の福祉の増進などを通じて、公務能率の向上をはかってまいりたいと考えております。
 次に、地方財政について申し上げます。
 最近における地方財政は、社会資本の整備のおくれを取り戻し、行政水準の向上をはかるとともに、いわゆる過密過疎等の現象に対処するための新しい諸施策に積極的に取り組んでまいらなければならない重要な時期に差しかかっております。この際、地方財政は、その健全化になお一そうの努力を払いつつ、これらの事業の計画的な実施をはかってまいらなければなりません。また一方、住民税を中心とする地方税負担の軽減合理化も強く要請されております。このような地方財政の現状に立脚して行ないます来年度の地方財政対策は、おおむね次のとおりであります。
 まず第一に、住民の税負担を軽減合理化するため、住民税を中心として約八百五十億円にのぼる地方税の減税を行なう所存であります。
 第二に、地方交付税につきましては、地方財政の健全な運営を確保し、地方交付税率を安定させる見地から、昭和四十三年度の地方交付税の自然増収額を引き当てに昭和四十四年度の額から六百九十億円を減額して、これを昭和四十五年度以降の財源として繰り越すことといたす所存であります。
 第三に、街づくり、地域づくりの事業を計画的、かつ、重点的に実施するため、地方債においては、公営住宅、義務教育施設、辺地対策、都市対策、公共用地先行取得などの事業を大幅に伸ばすとともに、一般財源もこれらの事業に重点的に使用するよう指導する所存であります。
 第四に、地方公営企業の経営の基盤を強化してその健全化をはかり、住民サービスの向上と物価対策に資することとし、一般会計との負担区分の合理化、企業債の増額及び償還期間の延長、金利の引き下げなどにつとめたいと存じます。
 また、明年度の地方財政計画につきましては、目下検討中でありますが、先ほど申し上げました街づくり、地域づくりのための事業を計画的に推進するとともに、地方公営企業の経営基盤の強化をはかることができますよう策定いたしたい所存であります。
 地方税につきましては、ここ数年来、困難な地方財政のもとにおいてあとう限りの減税を行ないながら、税負担の合理化、均衡化を進めてまいりましたが、昭和四十四年度の地方税制改正にあたりましては、住民負担の現状にかんがみ、住民税の課税最低限の引き上げ、住民税及び事業税における青色申告者の専従者給与にかかる完全給与制の実施等を中心として、地方税負担の軽減合理化をはかるほか、大都市の税源の充実に資するため、地方道路譲与税の譲与基準についてその合理化を行なうことといたしたいと考えております。
 次に、消防行政について申し上げます。
 火災その他の災害及びこれによる死傷者が年々増加していることは、まことに憂慮にたえないところであります。私は、これらの事態に対処するため、人命尊重を第一義として、消防行政の充実強化について積極的に取り組んでまいる所存であります。そのため、まず消防体制の常備化と広域化を推進するとともに、消防施設の増強をはかってまいりたいと存じます。
 ことに最近、旅館、ホテルにおいて多数の焼死者を出す惨事が相次いでおりますので、予防行政の重点をこれらの施設の防火安全に置いて、予防規制の強化をはかるとともに、その実効を期するため、き然たる態度をもって予防査察に当たるよう一そう督励してまいる所存であります。また、交通事故等の激増に対処するため、救急業務の拡充につきましては、引き続き力を入れてまいりたいと考えております。なお、消防職員及び消防団員の教養訓練と処遇改善につきましても、一そう努力してまいりたいと存じます。
 以上、所管行政の当面の諸問題について所信の一端を申し上げたのでありますが、委員各位の格段の御協力によりまして、その実をあげることができますよう、一そうの御鞭撻と御指導をお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(内藤誉三郎君) 次に、国家公安委員長から、警察行政の基本施策について所信を聴取いたします。荒木国家公安委員長。
#6
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 委員各位には、平素から治安行政の問題につきまして御尽力をいただいているところでありますが、この機会に所管行政の当面する問題につきまして、所懐の一端を申し述べ、各位の御理解と格別の御協力を賜わりたいと存じます。
 各位御承知のように、現在、国民がひとしく憂慮しておりますのは、過激派集団による相次ぐ暴力行為であり、警察としましても、日夜、その対策に腐心いたしておるところであります。
 これら過激派集団は、先般の東大紛争をめぐる安田講堂の占拠や神田地区での行動に見られるとおり、過激な破壊行動を繰り返し、ために大学を物心両面から荒廃させたにとどまらず、地域住民にも著しい被害をもたらし、公共の安全と秩序の大きな障害になっているのであります。
 このような破壊的暴力行為は断じて許すべからざるものでありまして、私は、大学当局をはじめとする関係者の適正な措置を期待しつつ、これが一そう厳正な取り締まりを続けてまいる所存であり、これがため、警察官の増員、警察装備の充実など所要の措置を講ずることとした次第であります。
 次に、最近の一般犯罪情勢は、拳銃による連続射殺事件、列車等に対する爆破事件、金融機関に対する強盗事件など、かつて見られなかったような悪質な凶悪犯罪が相次いで発生するとともに、従来からの取り締まりによって一時壊滅状態にあった暴力団が、再びその勢力を取り戻すため活発な動きを見せ始めるなどの状況にあります。
 したがいまして、警察といたしましては、今後一そう強力な捜査を行なってこれら犯罪の検挙を期するとともに、あわせてこれが続発防止に特段の努力を傾注する所存であります。
 また、最近都市化の進展など、社会経済の変貌に伴って、国民の日常生活を侵害する事案、特に土地、住宅、食品等国民生活の基本につながる事犯や、さらには新たな少年非行事案の増加が目立ってきております。これらの問題は、国民生活の保護、社会の健全な発達のために決してゆるがせにできないと思われますので、みずから問題の処理に当たることはもちろん、関係機関と協力して、積極的な態度でこれに臨んでゆく所存であります。
 わが国の交通事情は、自動車の急激な増加に伴って近年悪化の一途をたどり、昨年の交通事故による被害者数はこれまでの最高を記録し、大都市における交通混雑は激化しつつあります。
 警察といたしましては、関係者庁と連絡を密にして、総合的対策の推進に努める所存でありますが、これが方策として、本年度から改めて新三カ年計画をもって交通安全施設を整備するほか、交通取り締まり、交通安全教育の面におきましても一そう努力をしてまいる所存であります。
 現下の複雑な情勢に対処して治安の万全を期するためには、言うまでもなく、警察活動に対する国民の積極的な支持と警察官の旺盛な志気が前提となるのでありますが、それには、執行務に当たる警察官一人一人が真に国民に親しまれ、信頼されると同時に、日夜、治安の確保に献身している第一線の警察官が、安んじてその責務を遂行し得るような方策を講ずる必要があるのであります。
 かかる観点から、今後、警察教養を積極的に充実、強化し、警察官の質的向上をはかるとともに、警察官の給与改善、公務災害補償の充実その他処遇改善方策の積極的推進に格段の努力をいたす所存であります。
 委員各位の一そうの御鞭撻をお願いして、ごあいさつといたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(内藤誉三郎君) 次に、昭和四十四年度自治省関係予算の概要説明を聴取いたします。宮澤官房長。
#8
○政府委員(宮澤弘君) お手元にお配り申し上げております資料に基づきまして、昭和四十四年度の自治省関係予算の概要を御説明申し上げます。
 一ページをお聞きいただきたいと思います。
 最初に、一般会計について申し上げます。昭和四十四年度の自治省所管の一般会計歳出予算計上予定額は一兆三千八百三億六千六百九十万六千円でございまして、そのうち、自治本省が一兆三千七百八十一億六千八百二十一万三千円、消防庁が二十一億九千八百六十九万三千円となっております。この一般会計歳出予算計上予定額を前年度の予算額一兆一千三百八十六億六千九百三十万七千円と比較いたしますと、二千四百十六億九千七百五十九万九千円、二一・二%の増でございます。
 以下、その歳出予算計上予定額のうち、主要な事項の予算計上予定額につきまして御説明を申し上げたいと存じます。二ページ及び三ページに一覧表が出ております。四ページをごらんをいただきたいと思います。
 まず、自治本省について申し上げます。
 第一は、選挙に関する常時啓発に必要な経費でございまして、五億一千万円を計上いたしております。この経費は、民主政治について国民の理解を一そう深めるとともに、選挙が明るく正しく行なわれますよう、常時選挙人の政治常識の向上をはかるための啓発に必要な経費でございまして、都道府県、市町村に対する補助金、公明選挙連盟等民間団体への委託費、放送関係委託費等を内容といたすものでございます。
 第二は、広域市町村圏の振興整備の促進に必要な経費でございまして、八千万円を計上いたしております。これは、最近における住民生活の都市化、広域化の趨勢にかんがみ、都市と農山村等を一体とした広域市町村圏の振興整備を促進するため、その計画策定に要する経費につきまして補助いたしますために必要な経費でございまして、広域市町村圏整備費補助金及び関係事務費を内容といたしております。
 第三は、五ページになりますが、奄美群島振興事業に必要な経費でございまして、十八億九千九十五万六千円を予定いたしております。これは、奄美群島におきます主要産業の振興、公共土木施設の整備等の振興事業に要する経費につきまして補助するために必要な経費及びこの奄美群島振興事業の実施の指導等に要する経費につきまして補助いたしますために必要な経費のほか、奄美群島振興信用基金の融資資金の増加に充てる出資をいたしますために必要な経費でございまして、奄美群島振興事業費補助金、奄美群島振興指導費等補助金及び奄美群島振興信用基金出資金を内容とするものでございます。
 なお、この経費につきましては、関連法案といたしまして、奄美群島振興特別措置法の一部を改正する法律案の御審議をお願いいたす予定にしております。
 第四は、小笠原諸島復興事業に必要な経費でございます。六億二千四百九十二万五千円を予定いたしております。これは、小笠原諸島の復帰に伴いまして、同島の緊急な復興をはかりますため、公共土木施設の整備等の復興事業に要する経費につきまして、補助するために必要な経費及び同島におきます民生の安定をはかるための船舶借り上げ等に要する経費につきまして、補助いたしますために必要な経費でございまして、経費の内容は、小笠原諸島復興事業費補助金及び小笠原諸島振興費補助金となっております。
 なお、この経費につきましても、関連法案といたしまして、別に、小笠原諸島復興特別措置法案を御提出申し上げ、御審議をいただく予定でございます。
 第五は、地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費一兆三千三百三十三億三千九百十一万二千円を計上いたしております。六ページをごらんいただきたいと存じます。この経費は、昭和四十四年度におきます所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額の合算額一兆三千八百四十二億八百九十六万円と、昭和四十二年度の地方交付税に相当する金額のうちの未繰り入れ額三十一億三千十五万二千円と、昭和四十三年度の特例措置に伴います加算額百五十億円とを合計いたしました額から、昭和四十四年度の特例措置を講ずることによります減額六百九十億円を差し引きました額に相当する金額を、交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れますために必要な経費でございます。
 なお、昭和四十四年度におきます特例措置につきましては、別に交付税及び譲与税配付金特別会計法等の一部改正について御審議をいただく予定にいたしております。
 第六は、特別事業債償還交付金財源の繰り入れに必要な経費でございまして、百三億円を計上いたしております。この経費は、公共事業費等特定の事業費の財源に充てますため昭和四十一年度において特別に発行を許可されました地方債の昭和四十四年度の元利償還金のうち、いわゆる交付団体にかかる元利償還金に相当する金額を、交付税及び譲与税配付金特別会計法に基づきまして、特別事業債償還交付金財源として、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費でございます。
 次に七ページにまいりまして、第七は、国有提供施設等所在市町村助成交付金に必要な経費でございまして、二十六億円を計上いたしております。この経費は、いわゆる基地交付金として交付するものでありますが、これは、国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律に基づきまして、国が所有する固定資産のうちで、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定による米軍使用の国有提供施設及び自衛隊が飛行場、演習場等として使用しております国有施設の所在いたします都及び市町村に対しまして、助成交付金を交付いたしますために必要な経費でございます。
 第八は、交通安全対策特別交付金に必要な経費でございまして、百十七億三千六百十八万六千円を計上しております。これは、道路交通法に基づきまして、当分の間、交通安全対策の一環として、反則金にかかる収入額に相当いたします金額を、道路交通安全施設の設置の費用に充てるために、都道府県及び市町村に対し、交通安全対策特別交付金として交付いたしますために必要な経費でございます。
 第九に、八ページにまいりますが、小災害地方債の元利補給に必要な経費二十億三百十七万四千円を計上いたしております。
 これは、昭和三十四年及び昭和三十六年発生災害にかかる地方公共団体の起債の特例並びに激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の規定に基づきまして、昭和三十四年及び昭和三十六年以降昭和四十三年までに発生いたしました公共土木施設、農地等の小災害にかかる地方債に対する昭和四十四年度分の元利償還金に相当いたします金額の全部または一部を、当該地方公共団体に交付いたしますために必要な経費でございます。
 第十には、市町村民税臨時減税補てん債の元利補給に必要な経費百十一億一千五百二万七千円を計上いたしております。これは、市町村民税の課税方式の統一等に伴う市町村民税の減収を補てんいたしますために、昭和三十九年度、昭和四十年度、昭和四十一年度、昭和四十二年度及び昭和四十三年度に起こしました地方債並びに昭和四十四年度に新たに起こします地方債につきまして、昭和四十四年度分の元利償還金の三分の二に相当いたします金額を、市町村民税減税補てん債償還費に係る財政上の特別措置に関する法律に基づきまして、関係市町村に交付いたしますために必要な経費でございます。
 第十一は、八ページから九ページにかけてでございますが、新産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費でございまして、十一億九千十五万二千円を計上いたしております。この経費は、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律等に基づきまして、新産業都市、工業整備特別地域等の建設、整備の促進をはかりますために、通常の負担額をこえる負担額の支出の財源に充てるものとして発行を許可されました地方債の利子の一部につきまして、関係道府県に対し補給金を交付するために必要な経費でございます。
 第十二には、地方公営企業再建債の利子補給に必要な経費といたしまして、十七億一千百八十万二千円を計上いたしております。この経費は、地方公営企業法に基づきまして、地方公営企業の財政の再建を促進いたしますために、再建企業を経営いたしております地方公共団体が起こす財政再建債の利子の一部につきまして、当該地方公共団体に対し補給金を交付いたしますために必要な経費でございます。
 第十三には、公営企業金融公庫の補給金に必要な経費一億六千九百万円を計上いたしてございます。これは、公営企業金融公庫の水道事業及び下水道事業に対する貸し付け利率の引き下げに関連いたしまして、同公庫に対し補給金を交付いたしますために必要な経費でございます。
 第十四の参議院議員通常選挙に必要な経費等につきましては、これは、参議院議員通常選挙に必要な経費等は、前年度限りの経費でございます。
 次に一〇ページでありますが、第十五には、以上に申し上げましたもののほか、その他の経費といたしまして八億九千七百八十七万九千円を計上いたしております。これは、自治本省、自治大学校及び小笠原総合事務所におきます職員の給与関係経費その他一般事務費等でございます。
 次に、消防庁関係につきまして御説明を申し上げます。
 第一は、防空に従事して死傷した警防団員の遺族等に対する特別支出金に必要な経費でございまして、一億五百十万二千円を計上いたしてございます。
 この経費は、戦時中旧防空法に基づき防空に従事しました警防団員のうち、防空に従事したことによりまして死傷した者の遺族等で、旧防空従事者扶助令に基づく扶助金の支給を受けることができなかったものに対しまして特別支出金を支給するために必要な経費でございまして、防空従事死傷警防団員遺族等特別支出金及び関係事務費を内容といたしております。
 第二は、消防施設整備費補助に必要な経費でありまして、十億五千二百九十七万三千円を計上いたしております。この経費は、市町村の消防力の充実強化をはかりますために、消防ポンプ自動車、小型動力ポンプ、防火水槽等の普通消防施設の整備に要する経費の一部を補助いたしますために必要な経費でございます。
 第三は、一一ページでございますが、離島消防施設整備費補助に必要な経費七千九百五十四万円でございまして、これは、離島におきます市町村の消防施設の充実向上をはかりますために、その整備に要する経費の一部を補助するために必要な経費でございます。
 第四は、科学消防施設整備費補助に必要な経費四億一千九百六十二万二千円でございます。これは、危険物施設の激増、石油コンビナートの発達、高層建築物の増加等に伴う特殊災害等に対処いたしますために、化学車、はしご車、消防艇、ヘリコプター等の科学消防施設の整備に要する経費の一部を、市町村に対し補助いたしますために必要な経費でございます。
 第五は、救急業務施設整備費補助に必要な経費でございまして、千四百六万五千円を計上いたしておりますが、これは、交通事故等の増加による救急需要の激増に対処いたしますために、救急指令装置の整備に要する経費の一部を、市に対し補助するために必要な経費でございます。
 第六は、防災施設整備費補助に必要な経費千二百万円を計上しております。これは、災害対策が的確、迅速に講じられますよう、国と道府県とを結ぶ無線通信網の整備をはかりますために、道府県におきます無線通信施設の整備に要する経費の一部を、当該道府県に対し補助するために必要な経費でございます。
 次に、一二ページでございますが、第七は、消防吏員待機宿舎施設整備費補助に必要な経費五千万円でございます。これは、消防活動が迅速、円滑に行なわれますよう、消防吏員の緊急出動体制を整えますために、消防吏員待機宿舎の整備に要します経費の一部を、市に対し補助するために必要な経費でございます。
 第八に、その他の経費といたしまして、四億六千五百三十九万一千円を計上してございますが、これは、消防本庁、消防研究所及び消防大学校におきます一般職の職員の給与関係経費その他一般事務費等でございます。
 以上が一般会計でございますが、次に、特別会計について御説明を申し上げます。一三ページ以下をごらんいただきたいと存じます。
 自治省関係の特別会計といたしましては、大蔵省及び自治省所管の交付税及び譲与税配付金特別会計がございます。この特別会計の昭和四十四年度の歳入歳出予定額は、歳入歳出同額の一兆四千五百十七億一千百十七万二千円となっておりまして、前年度の予算額一兆二千九十一億一千四百二万一千円に比較いたしますと、二千四百二十五億九千七百十五万一千円の増加でございます。
 まず、歳入について御説明を申し上げます。一四ページの表をごらんいただきたいと存じます。
 第一は、一般会計よりの受け入れでございまして、一兆三千四百三十六億六千四百九十三万四千円を計上いたしております。これは、地方交付税交付金、特別事業債償還交付金、借り入れ金利子等の財源に充てますために、一般会計からの受け入れ見込み額を計上したものでございます。
 第二は、地方道路税でございまして、七百八十億四千七百万円となっております。これは、昭和四十四年度における揮発油の消費見込み等を勘案いたしまして算出いたしました収入見込み額を計上いたしたものであります。
 第三は、石油ガス税でございまして、七十三億八千六百万円でございます。これも、昭和四十四年度における石油ガスの消費見込み等を勘案いたしまして算出いたしました石油ガス税収入見込み額の二分の一に相当する額を計上いたしております。
 第四は、特別とん税五十七億九千七百万円でございますが、これも、最近におきます収入状況等を勘案いたしまして算出した収入見込み額でございます。
 第五は、借り入れ金百六十五億円でございまして、これは、交付税及び譲与税配付金特別会計法に基づきます昭和四十四年度分の借り入れ見込み額を計上したものでございまして、地方交付税交付金を支弁いたしますために、資金運用部資金から借り入れる予定のものでございます。
 第六は、前年度剰余金の受け入れ二億一千百十三万八千円、第七は、雑収入一億五百十万円となっておりまして、歳入合計一兆四千五百十七億一千百十七万二千円でございます。
 次に、歳出について御説明を申し上げます。
 第一は、地方交付税交付金でございますが、一兆三千二百八億三千九百二十八万一千円を計上いたしております。これは、一般会計から受け入れます地方交付税交付金財源一兆三千三百三十三億三千九百十一万二千円に、地方交付税法第十九条第二項の規定に基づきます交付税の返還額十六万九千円を加算いたしました額から、借り入れ金の償還財源として使用いたします額百二十五億円を差し引きました額でございまして、地方交付税法等に基づきまして、地方団体に交付するために必要な経費でございます。
 第二は、地方譲与税譲与金でございまして、九百十二億三千万円でございます。これは、この会計の歳入となります地方道路税収入額に相当する金額、石油ガス税収入額に相当する金額及び特別とん税収入額に相当する金額を、それぞれ譲与税譲与金として、地方公共団体に譲与するために必要な経費であります。
 第三は、諸支出金十万円でございますが、これは、小切手支払い未済償還金等に必要な経費として計上したものでございます。
 第四は、国債整理基金特別会計への繰り入れ二百九十一億二千五百十九万二千円でございますが、これは、前年度に借り入れます借り入れ金の償還額二百九十億円のほか、この借り入れ金の利子及び一時借り入れ金をいたします場合の利子の支払い見込み額を計上いたしたものでございます。
 第五は、特別事業債償還交付金百三億円でございます。これにつきましては、さきに一般会計におきまして御説明を申し上げたとおりでございまして、一般会計から受け入れました額を財源といたしまして、地方交付税法に基づいて、普通交付税の配分方式に準じて交付いたしますものでございます。
 このほかに、予備費を見込みまして、歳出合計は、歳入合計と同額の一兆四千五百十七億一千百十七万二千円と相なっております。
 以上、昭和四十四年度の自治省関係予算の概要の御説明といたします。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(内藤誉三郎君) 次に、昭和四十四年度警察庁関係予算の概要説明を聴取いたします。浅沼官房長。
#10
○政府委員(浅沼清太郎君) 昭和四十四年度の警察庁関係予算について御説明を申し上げます。
 昭和四十四年度の警察庁予算として計上いたしました額は、お手元の資料にございますように、総額三百九十一億四千八百九十九万九千円でありまして、昭和四十三年度の予算額三百四十二億六千七百十万一千円に比較いたしまして、四十八億八千百八十九万八千円の増となっております。
 次に、その内容のおもなものにつきまして、資料の五ページからの概要説明の順を追って御説明をいたします。
 第一は、警察庁一般行政に必要な経費百十一億三千三百五十五万五千円であります。これは、警察庁、警察大学校及び地方機関の職員並びに都道府県警察の警視正以上の警察官の職員俸給等人件費九十七億九千八十九万六千円、運転者管理センター等電子計算組織の運用に必要な電子計算機の借料及び消耗品の購入費等四億九千六百六万二千円、都道府県警察官の増員五千人を警察学校に入校させて教養するのに必要な経費と、これらの者に貸与する拳銃等装備品の経費一億二千八百万六千円のほか、警察庁、警察大学校及び地方機関の一般事務費等でございます。
 第二は、警察機動力の整備に必要な経費六十六億六千五百四十万九千円でございます。この経費は、警察用車両の購入、警察装備品の整備及び警察通信施設の整備並びにその維持管理に必要な経費でありまして、捜査用車、パトカー、警備用車、交通パトカー、白バイ、移動交番車等、合計二千百四十一台を購入整備するために必要な経費十九億七百八十七万五千円と、出動服、ヘルメット、防石面等の警備装備品及び簡易組み立て式仮設建物の設置等九億二千八百五十八万五千円のほかに、警察用舟艇の建造費等がございます。
 また通信関係では、マイクロ回線による幹線系警察電話自動即時化の一還として、北海道警察本部から函館、旭川、北晃、釧路の各方面本部四区間にマイクロ回線を新設するために必要な経費三億九千三百五万四千円、及び都市圏における一一〇番電話の集中運用及び一斉指令等指令通信施設の整備による急訴処理の迅速化、広域化をはかるとともに、超短波無線電話、携帯無線機、受令機等の増強をするために必要な経費九億六千五百十二万四千円と、新しい事柄といたしまして、現在マニラに置かれております国際刑事警察機構(ICPO)の無線局、東南アジア中心局を日本に移して運用することになり、その施設を二カ年計画で新設する第一年度の所要経費二千二百九十六万円を計上いたしましたほか、通信量の増大に伴って、交換装置等の整備、運転者管理センターに必要なテレタイプ通信施設の整備その他に必要な経費三億五千五百七十三万二千円と、警察通信施設の維持管理に必要な経費として十七億六千八百一万五千円を計上いたしたわけでございます。
 第三は、警察教養に必要な経費六億一千六万一千円でございます。この経費は、警察学校入校生の旅費四億五千九百八十九万三千円と、警察学校における教養のための講師謝金、教材の整備費等でございます。
 第四は、刑事警察に必要な経費三億九千四百四十万七千円でございます。この経費は、暴力団犯罪及び一般の刑法犯の捜査、取り締まり並びに犯罪鑑識に必要な指紋原紙、写真機、法医理化学器材等の整備費、消耗品費、死体の検案解剖の経費のほか、犯罪統計等の事務等に必要な経費であります。
 第五は、保安警察に必要な経費千二百三十八万六千円であります。この経費は、青少年の非行化防止、売春取り締まり、風俗の取り締まり、麻薬、密貿易、拳銃等に関する犯罪の捜査、取り締まり等に必要な資料の印刷費、防犯対策の調査研究費、翻訳料等々、広域緊急配備指令の指導旅費及び全国防犯協会連合会に対する防犯事業を委託するのに必要な経費でございます。
 第六は、交通警察に必要な経費二千三百一万四千円であります。この経費は、交通安全に関する広報、交通事故白書等の印刷費でありますとか、交通取り締まりの指導のために必要な旅費などのほか、全日本交通安全協会に対する交通安全事業の委託費でございます。
 第七は、警備警察に必要な経費二億一千八百六十五万七千円であります。この経費は、警備警察運営に関する会議、指導、連絡等の旅費及び備品の整備と消耗品等物件費並びに密航監視哨の手当等でございます。
 第八は、警察活動に必要な経費五十六億五千六百七十一万円でございます。この経費の内容は、警察活動に必要な旅費及び捜査費であります。
 第九は、警察電話専用回線の維持に必要な経費十六億一千七百八十五万九千円でございまして、警察電話専用回線を維持するために日本電電公社に支払ういわゆる警察電話専用料金であります。
 第十は、科学警察研究所に必要な経費二億一千六百六十八万六千円でございます。この経費は、警察庁の付属機関として設置されております科学警察研究所の職員の俸給等人件費一億四千百九十三万円と、鑑定、検査、研究に必要な機械器具類の購入費、維持費、その他一般事務経費であります。
 第十一は、皇宮警察本部に必要な経費十億二千四百十一万七千円でありまして、この経費は、皇宮護衛官その他皇宮警察職員の俸給等人件費九億六千二百四十五万円のほか、警衛旅費、その他一般事務経費でございます。
 第十二は、警察施設の整備に必要な経費十九億二千七百六十万六千円でございます。これは直接国庫が支弁する対象になっております施設の整備に必要な経費でありまして、具体的には、警察学校及びその射撃場、機動隊、科学警察研究所その他の施設の整備費でありますが、警察学校及び機動隊の一部と科学警察研究所の施設整備につきまして、十六億一千四百七十六万七千円を限度額とする国庫債務負担行為を計上しております。これは注に書いてございます。
 最後の第十三は、都道府県警察費補助に必要な経費九十六億四千八百五十三万二千円であります。この経費は、一般の犯罪捜査、交通指導取り締まり、外勤警察活動、雑踏警備、防犯活動等々、都道府県警察の一般行政に必要な経費と警察署、派出所、駐在所及び待機宿舎等の施設の整備に必要な経費に対する補助金でございまして、そのおもなものは次のとおりであります。まず、都道府県警察一般行政費補助金七十五億五千百八十三万四千円でありますが、これは警察用車両、舟艇の燃料費、修繕費等十七億一千七百二十七万四千円、捜査及び鑑識用器材等の購入費、維持費、留置場経費、派出所、駐在所の事務経費、防犯関係経費、交通取り締まり用器材の整備費、捜査書類等の印刷費その他に五億四千七百八十九万九千円、それから交通安全施設整備費――信号機、交通安全施設に五億三千四百七十七万五千円、機動隊員等の超過勤務手当十七億五千二百六十六万四千円、警察署、派出所の電話専用料九億八千百四十四万五千円、活動経費十八億一千六百九十三万円、諸謝金、職員と参考人旅費等二億八十四万七千円を計上しております。以上が都道府県警察の一般行政に要する経費に対する補助金であります。
 次に、都道府県警察の施設整備に要する経費に対する補助金二十億九千六百六十九万八千円でありますが、その内訳は、県本部、警察署、派出所、駐在所の施設整備に必要な補助金十二億八千七百七十二万三千円、待機宿舎の建設費に対する補助金七億六千四百五十二万三千円と、公務災害に対して後遺症を生じた職員に職場復帰のための専門的な療法と職能訓練をする施設として、リハビリテーション施設を二カ年計画で東京都に新設することとし、初年度分の所要経費に対する補助金四千四百四十五万二千円でございます。
 なお、前年度限りの経費六千三百二十四万三千円は、昭和四十三年七月に施行されました参議院議員通常選挙の取り締まりに要した経費でございます。
 以上、昭和四十四年度警察庁関係で計上いたしました予算の概要でございます。
#11
○委員長(内藤誉三郎君) 以上で説明聴取を終わりました。
 これらに対する質疑は、後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#12
○委員長(内藤誉三郎君) 次に、磐梯熱海温泉の旅館火災に関する件を議題とし、消防庁当局より説明を聴取いたします。佐久間消防庁長官。
#13
○政府委員(佐久間彊君) 磐梯熱海温泉磐光ホテル火災の概要につきまして御報告を申し上げます。
 最初に、今回の火災によりましておなくなりになりました方々の御遺霊に対しまして心から御冥福をお祈りいたします。
 この概要のプリントは、二月十日現在におきましてとりあえず取りまとめたものでございまするので、なお不備な点が多かろうと存じますが、一応これをごらんいただきながら御説明を申し上げます。
 火災の発生いたしましたのは、二月五日午後九時ごろと推定されます。覚知をいたしましたのが九時十五分ですが、鎮火をいたしましたのが翌日午前三時十五分ということでございます。発生いたしましたのは、磐梯国際観光株式会社が経営をいたしておりまする磐光ホテルでございます。
 出火の原因でございますが、これは図面が終わりから二枚目の紙にございますので、それをごらんになりながらお聞き取りいただきたいと思いますが、ちょうどこのまん中に大広間がございまして、その上に火と書いてございますが、ここが出火点でございます。この大広間におきまして金粉ショーというものが行なわれることになっておりまして、この大広間の舞台裏の控室におきまして、ショーのダンサーがショーに使いまするたいまつにベンジンを浸したものを不用意にそのそばにございました石油ストーブのわきに置きまして、石油ストーブに引火をいたしました。そこのどんちょうに燃え移り、天井に火がのぼりまして、その火の方向が、この黒い矢じるしで示しておりますものでございますが、すぐその左側に大宴会場というのがございます。この大宴会場では歌謡ショーというショーをいたしておりまして、初め数十人のお客さんが集まっておられたのであります。そこで、右の大広間の天井からダクトの通っております空間を通ってこの大宴会場の天井に火が回り、これが天井から落ちてきたということであります。そこで、この大宴会場でショーを見ておりました方々が驚いて避難のために逃げられたのでありますが、ここに、この図面によりまして、どこから何人ぐらい避難されたか、逃げられたかということが書いてございます。一番上のほうの従業員食堂と空調機械室の間から十人ないし十五人避難をされる。それから、左のほうの大浴場の上のほうにヌーディストクラブというものがございますが、そこのところの左のところのガラス戸を破って三十人から三十五人逃げられております。それから下のほうで、右下のほうから二十人から三十人逃げられております。さらに、磐光パラダイスの玄関でございますが、ここから三十人から四十人逃げておられます。一番左のほうの、これは非常口であったところでございますが、ここから四十人から五十人逃げておられます。ただ、ここでごらんのように、マルで棒を引っぱってございますのがなくなられた方の発見された場所でございますが、大体この左の出口と浴場との間のところで多くの方がなくなっておられるのであります。これは一番左の四十人ないし五十人(推定)と書いてございますところが、これが非常口でございましたが、錠がかかっておりまして、厚いガラス戸でなかなか開かない、しばらくしてから外からそれを破って避難されたわけでありますが、その際、ほかへ出口をおそらく求められまして、この浴場のほうに逃げられた方々が、ここで煙に巻かれておなくなりになっておる、こういうふうに推定されるのであります。
 なお、この右のまるく書いた部分でございますが、これは火点のちょうど真上の三階の部分でございますが、ここでも男女一組の方がこの部屋でなくなられております。
 あと、また二ページのほうへお戻りいただきますが、死者は三十名でございましたが、重傷を負われて入院しておりました方が十日の日に一名おなくなりになっておりますので、三十一名でございます。
 当日の宿泊者は二百九十五名おったということでございます。
 建物は鉄筋コンクリートづくりの三階建てで、一部は四階建て、一部は簡易耐火、木づくりの二階建てと、こういうことでございます。
 先ほどの図面のちょうど火の出ました部分が磐光ホテルと申しております。それから大宴会場や浴場のあります部分が磐光パラダイスということでございます。さらに、ニュー磐光と申しますのは、先ほどの図面の左側のほうに続きましてやはり木造二階建てのものがございます。これがニュー磐光と、こういう三つの部分に分かれております。
 建物の中のいろいろな設備その他の状況につきましては、そこに書いてございますので、ごらんおきいただきたいと思いますが、私どもの見ましたところでは、消防法あるいは建築基準法関係の設備構造の上におきましては、一部分不備な点はございましたけれども、大体は法令に適合しておったようであります。ただ多数の死者を出しました大きな原因と考えられますものは、その維持管理の状況に非常に大きな欠陥があったように見受けられます。たとえば、先ほど申しました非常口も、非常口はありましても錠がかかっておりましたとか、あるいは自動火災報知器も、法令どおり設置はされておりましたが、当日その時間におきましてはこれが作動するようになっていなかったというようなことでございますとか、あるいは従業員の避難誘導がきわめて不十分であったとか、さらに法令以前の問題といたしまして、当日風速が二十五メートルもあった、そのときにおきましてたいまつに火を点ずるようなショーというようなものを平気で行なおうとしておったというようなことで、防火管理の面におきましていろいろな欠陥があったと認められるのでございます。また、水利の状況でございますが、この前に安積疎水があるのでございます。ふだんはそれを水利に使っておったのでありますが、たまたま当日水門の工事が行なわれておりましたため十分な給水が行なわれなかったというような事情もございます。また、消防隊に対する通報というものも非常におくれて、消防隊が現場に参りましたときには相当なもう火炎であって、すぐに初期消火の効果をおさめるというような状態ではなかったようでございます。その他、今回の火災につきましていろいろ調査の結果、今後検討しなければならないような問題点が出てまいっております。
 そこで、私ども消防庁としてどのような措置をとったかということでございます。この一四ページに書いておきましたが、郡山市の消防長に対しまして国から勧告をいたしました。一つは、残存しておりますニュー磐光という部分でございますが、この部分は建物としては全然火災にあっておらないのでありますが、こちらの本館部分が、この火災との関係で、自動火災報知器でございますとか、あるいは消火せん等でございますとか、そういうものが完全に機能する状態になっておりませんし、そのほか避難器具その他いろいろ消防法令の基準に適合しない部分が発見されましたので、この部分について消防法令による基準に適合するように至急に措置するように、消防法第十七条の四の規定による措置命令を発すること。それからなお、ニュー磐光の部分につきましては、それらの不備の部分が改善され、お客さんの人命安全の保障が期待できる状態になりますまでの間、消防法五条の規定によって使用停止の措置をとるというように現地の消防署に勧告をいたし、現地もそれを了承されておりまするので、その後かような措置をとったことを申し上げておきます。
 それからなお、消防法令の上で改正を要する事項がございますので、現在消防法施行令の改正を検討いたしております。これの早急に成案を得るようにしております。
 それから次に、関係各省庁周の連絡協議会を開催をいたしました。この連絡協議会は、昨年の有馬火災の直後設けまして、そこでいろいろな関係省庁協力いたしまして旅館、ホテルの防火安全のためにとるべき施策について検討をいたしました。各関係省庁間の了解事項を得まして、次官会議にも報告をし、その後それに基づいて関係省庁が施策を進めてきておったわけでありますが、さらに今回の事故にかんがみまして、これを去る十四日に再開をいたしまして、昨年十二月の検討いたしました結論に対してなおつけ加えるべきものを至急に検討するというような措置をとったのでございます。
 それから、これも昨年の有馬火災後、全国の温泉、観光地における旅館、ホテルに対する一斉点検を私から通達を出して、全国の消防機関にやらせるようにいたしたのでありますが、これはまあ期間が大体四月末日までに完了するようにということでいたしておったわけでありますが、今回の事故もございましたので、さらにそれをもう少し完了を急いで、そして改善を要するものについては至急改善をさせるようにということで、去る十三日全国の都道府県消防主管課長会議を招集いたしまして、そのような打ち合わせをいたしたのでございます。
 以上、今回の火災の概要並びにそれにつきまして私どもがとりました措置でございます。
#14
○委員長(内藤誉三郎君) 本件について質疑のある方は順次御発言を願います。
#15
○千葉千代世君 保険でございますね。保険の額と、それから補償ですね。なくなった方に対する現状はどんなふうになっておりますか、現段階で。
#16
○政府委員(佐久間彊君) 今回とりあえず県といたしまして、死者に対して一人当たり一万円、負傷者に対して五千円、郡山市が死者に対して五千円、負傷者に対して三千円をお見舞いとして出しております。なお、旅館側は一人当たり五十万円をとりあえず支出をいたしております。自後の補償につきましては、なお今後の問題としてそれぞれ折衝をされているところでございます。
 火災保険は九億五千万円と聞いております。
#17
○鈴木省吾君 一点だけお伺いしたいと思いますけれども、本館というほう、これがホテルのようですね。それから大宴会場、こちらのほうが何かショーなんかやっているところのようです。それぞれの構造等を見ますと、非常口が非常に少ないように見受けるわけなんですが、これはただいまの説明を聞きますと、建築基準法ですか、そういうものには適合しておったというふうに御説明がございましたけれども、消防上からいくと、私は、このぐらいの、たくさん入って、ここでショーなんかやっているのですから、非常口が非常に少なかったのではないかと思うのです。ですから、消防法と建築基準法との関係、こういうものをもう少し私は密接に各省庁が連絡をして、こういうショーをやるような場合には、建築基準法はいまの基準で消防方面から見た場合には不十分であるというならば、改正してもらうように連絡をしていただくことが必要ではないかと思います。さらにまた、こっちのほうのショーをやっているところは火を使うショーをやっていたようですけれども、これはまた、風俗営業とかいうのは、そういう消防庁に関係なく許可をして、火なんか使っていたように聞いているんですけれども、そこらを見ますと、そういう危険な、しかもたくさん集まって、ホテルのほうから酒なんか飲んで行って、ドテラなんかで行って見ているようですが、そういうところで火を使うような営業許可をする場合において、これもまた消防庁と関係なしに、厚生省か何かのほうで営業許可をしてしまう、そういうことがやはりこういうような火事が起きてくる私は一つの原因ではないかと思うのです。そういう連絡、ホテルとかあるいはそういうところでそういうショーなんかやる場合には、もっと消防関係なんかからも営業許可をする場合に協議していただいて許可をするというようなしかたにしないと、今後こういう惨事が、こういうホテルなんかでますますショーなんかやることが多いように思いますから、起きるのではないかと思います。そういうような連絡を十分して、消防法だけでなくて、関係法令も改正してもらうところがあれば改正していただくというふうに、ひとつ積極的に対策を立てていただきたいと思いますが、それに対するお考えはいかがでございますか。
#18
○政府委員(佐久間彊君) 御指摘いただきました点は、一々ごもっともで、私どもも同感に存じます。実は、建築基準法の関係におきましては、このように劇場、演芸場のような実質を持った場所につきましても、そこを劇場、演芸場として区分して取り扱うということをいたしませんで、全体としてホテル、旅館として建築法上の規制をいたしているようでございます。しかし、この点につきましては、お話のように、特別な規制を考えなければいけないと思いますし、それから厚生省関係でも興行場法の適用の対象になるべきところだそうでございますが、何かそのような関係の手続も欠けておったようでございます。いずれにいたしましても、御指摘のございましたように、厚生省で旅館の営業の許可をいたします際に、あるいは建設省で建築の許可をいたします際に、私ども消防関係と十分連絡をとっていただいて、消防上欠陥のあるものについては許可をしない、こういうような措置をとることにしようということで、先ほど申しました各省庁の連絡協議会でも、まずこの問題を第一の問題として取り上げて相談していこうということにいたしておりまするので、しばらく時間をかしていただきまして、御期待に沿うような結論を出すようにいたしたいと思っております。
#19
○和田静夫君 具体的には二十五日の日に質問したいと思うんですが、いま言われた中で一点、いわゆる水利が非常に悪かった、新聞等の当時の記事をずっと見てみますと、四階まで水が届かなかった、こういう状態にあるようです。これはもう全く消防署側の日常的ないわゆる対策の手落ちというふうに考えられるわけです。その辺についてちょっと伺っておきたいことと、二つが、いま千葉質問にありましたいわゆる補償問題なんですがね、たいへん低い額ですよね、宿が払ったのも。全くの一例ですがね、たとえば最近地下鉄である秋田からの出かせぎ者が労災に該当する死亡をされた。それに対して、労災保険の適用は当然のこと、それ以外に熊谷組は一人当たり二百五十万という支払いをされる、そういう誠意を見せられる部分もあるわけです。公務災害でさえそうなんですよ。全く一般の利用者が不測の状態でこういう形になっていくのに対して、いわゆるわずかに五十万だとかというような形のものでは、これは了承できないと思うのですね。そういう面におけるところの指導というものも各省庁間でもっとしっかりやるべきであろう、そういうように思います。
#20
○政府委員(佐久間彊君) 水利の問題でございますが、これは御指摘のように欠陥があったと思います。と申しますのは、この安積疎水というものを消防上の指定水利に指定しておくべきであったと思います。そういたしますれば、それの用水について工事をして水が来ないというようなことがございますれば、すぐ消防機関と事前連絡をとらなきゃならぬことになりますし、消防機関として、もしそれがあれば他にかわるべき水利はどうするかということを事前によく検討しておくということになるわけでございまして、これらの点についての配慮が欠けておりましたことは、御指摘のとおりでございます。
 それから、補償の問題でございますが、まあ私ども聞いておりますことは、一応一人当たり五十万を旅館側は出しましたが、これはとりあえずでありまして、なお今後、本式と申しますか――の補償につきましてはいろいろ交渉をされると、こういうように伺っております。
#21
○委員長(内藤誉三郎君) 本件はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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