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#1
第061回国会 地方行政委員会 第5号
昭和四十四年三月二十日(木曜日)
   午前十時四十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十九日
    辞任         補欠選任
     占部 秀男君     林  虎雄君
 三月二十日
    辞任         補欠選任
     小林 武治君     佐藤  隆君
     増田  盛君     林田悠紀夫君
    ―――――――――――――
出席者は左のとおり。
  委員長
  理 事
  委 員
内藤誉三郎君
熊谷太三郎君
吉武 恵市君
林  虎雄君
原田  立君
佐藤  隆君
鈴木 省吾君
林田悠紀夫君
安田 隆明君
若林 正武君
竹田 四郎君
千葉千代世君
松澤 兼人君
和田 静夫君
阿部 憲一君
山田  勇君
国務大臣
    自 治 大 臣
政府委員
    自治政務次官
    自治省行政局長
事務局側
    常任委員会専門
    員
説明員
    農林大臣官房参
    事官
    通商産業省繊維
    雑貨局繊維製品
    課長
    自治省財政局財
    政課長
野田 武夫君
砂田 重民君
長野 士郎君
鈴木  武君
小沼  勇君
児玉 清隆君
首藤  堯君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○奄美群島振興特別措置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(内藤誉三郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 三月十九日、占部秀男君が委員を辞任され、その補欠として林虎雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(内藤誉三郎君) まず、理事の辞任についておはかりいたします。
 松澤君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。理事の選任につきましては、先例により委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認めます。それでは理事に林虎雄君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(内藤誉三郎君) 次に、奄美群島振興特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより補足説明を聴取いたします。長野行政局長。
#7
○政府委員(長野士郎君) 奄美群島振興特別措置法の一部を改正する法律案の提案理由につきましては、この前の委員会におきまして大臣が御説明をいたしましたとおりでございますが、今後の奄美群島の振興計画の基本的な考え方を中心にいたしまして補足説明をさしていただきたいと存じます。
 奄美群島の現況につきましては、お手元に御配付申し上げました資料のとおりでございますので、省略をさしていただきます。奄美群島につきましては、これまでの復興事業、振興事業等につきましては、資料の五ページにございますように、復帰後直ちに策定されました復興計画によりまして復興事業に着手をいたしたのでございます。
 資料の五ページには、復興事業の概要といたしまして、昭和二十九年から三十八年度に至ります間二百九億円の事業をいたしております。主たる事業は交通の整備、国土の保全、基幹産業の復興及び特殊産業の開発、文教施設の復興整備、保健衛生施設、社会福祉施設の充実、その他、こういうことになっております。
  〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕
 それから、その後の振興事業につきましては、三十九年度から本年度の間に百八十億の事業をいたしてまいっておるのでございます。振興事業になりましてからは、基幹産業の振興というようなことに力を入れているというかっこうで、それと、産業基盤の整備というようなものに次第に重点を移して今日まできておるわけでございます。
 そういうことでございまして、復興事業の当初、目的といたしましたのは、非常に戦後、行政が分離されております間に空白を生じました奄美の荒廃が非常に激しいということで、本土並みの形のところまで持っていきたいということで、復興事業が始まったわけでございます。その公共施設の整備等を中心としました復興事業によりまして、ほぼ戦前並みのところまで整備をされたのでございます。それに続く振興五カ年計画におきまして、道路、港湾のような産業基盤の施設の整備をはじめといたしまして、先ほど申し上げましたように、群島の振興のために各般の事業を実施してまいりました。
 産業の振興につきましては、土地改良事業、糖業、畜産、林業等につきまして、地域の実情を勘案しながら実施してまいったのでございます。
 交通施設につきましては、群島間の主要道路は、事業の実施によりましてほとんど自動車交通が可能になりました。港湾につきましても、大体各島に一応の整備が完了したところでございます。
 その他の公共施設につきましても、かなりの整備を見まして、それらの事業の結果、奄美群島の基幹産業でありますところのサトウキビの生産は非常に増大をしてまいりました。四十三年度は約六十四万トンの見込みでございます。
 郡民所得もかなりの伸張をみせておりまして、昭和二十九年に日本復帰直後の郡民所得は、県本土の六三・二%でございましたけれども、復興、振興事業等を行ないました成果も大いに寄与したと考えておりますが、昭和四十一年には八二・一%までになっております。
 今回の計画の改定につきましては、御審議を願っておりますこの一部改正法案が成立しましたあとで、奄美群島振興審議会の審議を経まして、さらに後期五カ年計画というものの計画を策定いたしたい。そうやってこれが初めてきまるわけでございますが、そこで、それまでの素案というようなことで考えておる点をひとつ申し上げてみたいと思います。
 郡民所得を、これまでの振興事業の実績を基礎としながら鹿児島本土により近づけることをまず目標といたしまして、群島の経済の自立体制を確立するということで、各般の事業を計画をいたしたいと思っております。
 改定計画の今後の五カ年間の総事業費は二百四十八億円程度でございまして、国費は五カ年を通じましてそのうち百三億円程度と考えておりますが、その内容のおもな予定をいたしておるのを申し上げますと、そのような事業によりまして、産業振興関係では、サトウキビの生産高を、四十二年度におきまして六十四万トンでございますが、これを目標年次には百万トンにいたしたい。それから肉用牛の飼育頭数につきましては、現在一万五千頭ございますが、これを三万頭まで持っていきたい。
 それから奄美群島の特殊な産業といいますか、特産物でございますところの大島つむぎにつきましては、四十二年におきまして二十万反ございますが、これを三十万反を目標にして、そういうことに必要な事業を実施をいたしますとともに、これに即応いたしまして、産業基盤の整備を進めてまいりたいと考えております。
 これらの施策によりまして、四十八年度後期五カ年計画の終了年度におきましては、一人当たりの群島民の所得を二十七万九千五百六十七円、鹿児島県に比しまして九四・一%というところまで近づけたいというふうに考えておるのでございます。
 改正法を成立さしていただきましたならば、そういうような意味の後期五カ年計画を策定をいたしまして、奄美群島振興特別措置法の目的を達成するように努力をいたしたいと考えておるのでございます。
  〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕
 簡単でございますが、以上をもって改正法案の補足説明とさしていただきます。
#8
○委員長(内藤誉三郎君) 本案に対し質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#9
○千葉千代世君 今回の奄美群島振興特別措置法の改正案は、振興計画の期間を、現行の三十九年度を初年度としてそうして五カ年のものを、十カ年に延長すると、こういう内容でございますけれども、その中で振興計画は鹿児島県知事が原案を作成して、自治大臣が奄美群島振興審議会の審議を経て決定すると、こういうことになっておりますけれども、いま御説明になった補足説明の分はその骨子ですか、あるいはその骨子を審議会にかける、その素案なんでしょうか。その関連はどうなっているのですか。
#10
○政府委員(長野士郎君) ただいま申し上げましたとおり、この改正法が成立いたしませんと、後期の五カ年計画が立てられないわけでございます。改正法が国会で成立さしていただきましたならば、さっそく法律を施行いたしまして、それに基づきまして、審議会が続いて存続する。そういうことになりました場合に、その審議会にかけまして、次の五カ年計画というものが策定をされるわけであります。したがいまして、ただいま申し上げましたのは、この改正後の計画としてわれわれが素案として考えておりますものの概要につきまして、大体こういうふうな目標で考えていきたいということを事務的には考えておるということを御紹介したという程度でございます。
#11
○千葉千代世君 そうしますと、いまの素案は正式には審議会を経て決定すると、こういうことですね、順序としては。
#12
○政府委員(長野士郎君) そのとおりでございます。
#13
○千葉千代世君 いまここに出されております事業計画案ですけれども、いま拝見したので詳しくはわかりませんけれども、重点的事業として推進していきたいという項目をいまあげられたわけです。その目標とか重点的施策については、さっき申し上げたように、審議会の議を経なければ決定いたしませんけれども、その中で特にあげられました糖業――お砂糖事業、それから大島つむぎ、それから畜産関係等がいわれておったわけですね。そこで、糖業についてお尋ねいたしますけれども、この年間の生産トン数は十七ページにありますですね。この砂糖の価格安定、生産目標、そういう点について、奄美大島だけのことはいまわかりました。これを重点的に産業として、これから五カ年計画の中でもっと進めていって、年間トン数をうんとふやしていくと、こういうお話であったわけです。ところが砂糖産業は、御承知のように、農林水産委員会などの速記録を拝見してみますというと、輸入の問題とからんで相当問題が出ているように思います。具体的には、昨年でございましたか、北海道、東北等で、あれは砂糖大根といっておりますが――正式な名前は何と申すのですか――その値段が下がってきた、輸入と関連して。そこで、それでは困るというので、一トンについて幾らかの補助を、買い上げに対してしているわけですね。そうして考えていきますというと、これからの日本の砂糖生産の見通しはどうなっているのでしょうか。農林省の方がいらしたらお答えしていただきたいと思います。
#14
○説明員(小沼勇君) 砂糖の問題でございますが、先に奄美のほうから申し上げますと、農家の大体八割のものはサトウキビをつくっておりまして、大島郡全体で二万六百四十戸、これは四十四年の二月の状況でございますが、その中でキビの生産量は大体六十三万六千トンという状況でございます。一戸当たりのキビの生産の耕作面積が四十六アール程度でございますが、これにつきまして、政府が、そのキビを工場が買い上げるに際して、最低の生産者価格というものをきめまして、それに基づきまして生産者と工場で値段の取り引きをしてきめておるわけでございますけれども、奄美のほうでは、大体最低生産者価格を、私のほうで、トン当たり六千二百六十円に本年度はきめておるわけでございますが、奄美の中でも若干地域によって異なりますけれども、大体六千二百六十円または六千三百円で取引をしているという状況でございます。そうなりますと、全体として農家に入る金額は、キビの生産量に掛けてみますと、若干の誤差はございますが、約四十億円が入るということになっております。
 砂糖につきましては、このほかに私ども、国の交付金、並びにこの法律に基づきまして甘味の砂糖の事業団がございますが、そこで調整金を出しておりまして、これは熊毛郡を含めてでございますが、交付金で、四十二年の砂糖年度産につきましては七億二千万の交付金と、それから、十一億四千万の調整金を交付をしているという状況でございます。砂糖に手厚い保護をしながら、国内産糖についての育成をはかっているということでございます。その財源につきましては、もちろん国庫から出すものもございますけれども、大きくやはり外国の砂糖が一般的に安いという状況でございますので、事業団を通じまして、外国の砂糖から、その差額の数%をとりまして、それを北海道のビート――てん菜糖等でございますが、それとサトウキビのほうに回すということを現在やっておるわけでございます。ただ、今後の方向といたしまして、やはり現在はかなりの差がございますけれども、逐次国内のサトウキビ生産なりてん菜の生産につきまして合理化していくということが重要でございますので、合理化の目標を立てながら、逐次その工場及び生産者の生産をはかっていくということでございます。しかし、日本の場合に、地域的にみて、やはり南のほう、南西諸島のような地理的条件の悪いところ、また北海道のような寒冷地帯におきましては、やはりこのサトウキビなりてん菜糖がきわめて重要な作物でございますし、そこの地域の住民にとっては、それが生活のかてにもなりますので、私どもそのような世界的な砂糖需給の関係をにらみながら、国内産糖の安定的な発展をはかってまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
#15
○千葉千代世君 ただいまの輸入関税の一部をそれに充てる、こういうことですね。そうすると、輸入関税と消費税は、私は大体四九・五%のように聞いておりますが、そうしますというと、その中の六%ですか、充てますのは。何%ですか。
#16
○説明員(小沼勇君) これは、申し上げますが、非常にむずかしい計算をやっておるわけでございますが、考え方といたしまして、砂糖の国内の価格につきましては、上限の価格と下限価格を設けまして、その中で国内の砂糖の価格が安定的にあるようにという、そういうメカニズムをつくりまして、その中で、輸入の砂糖が安い、下限価格より安い場合は、そこから安定資金を取る。さらにこの全体、その上限価格と下限価格の間で合理化目標になる値段をひとつ置きまして、その中で砂糖が動く場合には、その値段について大体三〇・四七%の、約三一%でございますが、それを調整金として取りまして、それを先ほど申し上げました甘蔗、サトウキビなりあるいはてん菜糖に充てるという仕組みを持っているわけでございます。なお、下限価格を平均輸入価格がさらに下回っている場合には、それを安定資金として積み上げておいて、非常に砂糖が高騰した場合には、それをもって埋め合わせるというそういう仕組みでやっておるわけでございます。
#17
○千葉千代世君 やっぱりこれは砂糖の価格安定法とか、そういうふうなものによってでしょうか。
#18
○説明員(小沼勇君) さようでございます。
#19
○千葉千代世君 日本の国内で消費するお砂糖の量、これは輸入、国内産合わせて全体どのくらいで、その中で奄美のサトウキビから出る砂糖の量というのは、大体でけっこうですが、大体の比率はどれくらいですか。続いて関連して、沖繩でつくられているサトウキビからつくられる砂糖の量と、それから沖繩で買い上げている、日本で保証して買上げています砂糖の価格、いま奄美で六千二百六十円から六千三百円と言いましたね、私が参りました宮古も大体九〇%がトウキビだけでしたけれども、たいへんこれは安かったわけですね。この奄美群島の振興計画の遂行がよく行くと行かないということは、特に重要産業の場合には、今度は沖繩が復帰した場合に、同じような法律が今度はできてくると仮定しますというと、たいへん重大な問題をはらんでいると思うのです。それで、私の調べたところでは、大体奄美の三分の二くらいの値段のように聞いておったわけです。その辺のところをちょっとお答えいただきたい。
#20
○説明員(小沼勇君) 四十二年の砂糖年度で申し上げますと、国内産糖は大体ビート糖、これは北海道でございますが、これが二十六万六千トンでございます。それから奄美、熊毛を含めまして、国内のサトウキビの生産によります砂糖が九万七千トン、それから沖繩が二十二万一千トン、それから輸入のほうが、これは実績でございますけれども、四十二年で百六十四万トンという状況でございます。今後私どももこの砂糖の価格の安定につきましては、法律がございますので、その法律の運用によって、生産の低いところについては補てんする、先ほど申しましたようなメカニズムを通じて補てんをしていくということを続けてまいる考え方でございますが、沖繩につきましても、今後復帰の問題が出てまいった際には、当然それを含めて考えていくということになろうかと思います。これにつきましては、今後の問題でございますので、ここでこういうしかたになりますというふうに申し上げ得る段階ではございませんけれども、当然南西諸島に準じて考えていくというのが筋ではなかろうかと、かように考えておるわけでございます。
#21
○千葉千代世君 国内の、たとえば砂糖年度でいいますと、四十二年度の国内の砂糖の消費量の総量ですね、それに対する奄美の生産のパーセント。消費量全部は、国内産も輸入砂糖もありますが、全部含めて、とにかくなめてしまった、日本国民が。それで砂糖を買え買えといってお菓子がはんらんしているわけですね。学校のお料理だって砂糖をうんと使った料理を奨励している、そういう方向になっている、どのぐらいの砂糖を使っているか。
#22
○説明員(小沼勇君) 昨年のトータルで当然出てくるわけでございますけれども、試算でございますが、一人当たりの消費量は、四十二年で約二十一・四八キログラムという推定が出ております。なお四十一年は二十・五二キログラムという状況でございまして、若干ずつ消費量がふえているという状況でございます。輸入を含めまして大体全部国内で消費をしているというふうに了解しております。
#23
○千葉千代世君 ちょっと答弁が不足なわけなんですが、全体の砂糖の消費量は――その中に、奄美のいまトン数を言われましたね。大体何%ぐらいに当たるのですか、奄美の生産は。
#24
○説明員(小沼勇君) 大体全体が二百十六万トンでございますから、その中で九万七千トンということで約二十分の一ということになります。
#25
○千葉千代世君 関税の中から取り立てたお金を積み立てておいて、お砂糖が高騰した場合その他についてそれを活用するということですが、砂糖が高くなるということは、一体どういう原因なんでしょうか。具体的にいえば、砂糖の需給関係によって高くなるのか、あるいは輸入とか生産とかを見合わして、それで資本投下の場合にそのほうの調節をして、それで、ことばでいえば値段をつり上げていくというのか、どういう場合にお砂糖の高騰ということが予想されるのでしょうか。
#26
○説明員(小沼勇君) 非常に大きく支配されますのは、国際的な糖価の変動でございます。これについてはいろいろございますけれども、かつては朝鮮動乱、その次に非常に大きな変動がございましたのはスエズの動乱でありまして、それからキューバ紛争と、そういうふうに世界的にどこかで動乱なり紛争なり起こった場合に、急激に砂糖の価格が上昇するということが起こっております。最近はかなり供給が安定してまいりましたせいか、世界的にはやや過剰生産という状況に推移しておりますが、昨年の十月に砂糖協定ができまして、今後砂糖について著しい変動のないようにしていこうという申し合わせをして、日本も参加しておりますけれども、これがことし発効することになるわけでございまして、今後世界的な需給のバランスをとっていこうということになっております。世界的な砂糖需給のそういう状況の中で、いろいろと世界的な投機を行なう場合もないではないと思いますけれども、私ども砂糖の事業団を持っておりまして、そこで国際的に起こる変動を受けとめて、国内に直接影響がないようにしていくという万全の措置を現在講じておるわけでございます。
#27
○千葉千代世君 砂糖の生産が世界的に伸びていって、その消費市場を日本に求めている、そういう場合には、輸入の問題とからんでいくというと、日本の砂糖産業を圧迫すると、こういう中で、いまおっしゃった協定をして、そして不当な競争のないようにして、国内の安定をはかっていくと、そのことはたいへんけっこうだと思います。ところが現実には、農林省の指導方針としてかどうかわかりませんが、東北、北海道あたりですというと、ビートはだんだんやめて、ほかの作物に転換したらいいじゃないかと、こういう指導が農協を通して行なわれているんです。そうすると、サトウキビ製造についてそういう不安感があるときに、今度は奄美群島ですから、ほかの産業といっても、ああいう立地条件の悪いところですというと、いきなり工業を持っていって、重工業をどうということもできない、いろんな条件にはばまれている。群島の場合には、主要産業としてこの糖業について、永久に価格安定と、しかもこれが製造なすった方々の生産費、生活費、そういうものが正当に補償されていくという当時の五カ年計画の後には一体どうなっていくのか。
 それからついでですけれども、五カ年計画が終わったときには、先のことですけれども、これすぐ済んでしまうわけですね。そうした場合には、これはよくあります離島振興法に吸収されていくのか、あるいはどういう構想があるのか。やっぱり相当長い計画がありませんというと、これ困るんじゃないかと思うんですが、そういう計画などとあわせてちょっと答えていただきたいと思います。ちょっと話が進み過ぎましたけれども……。
#28
○説明員(小沼勇君) 私ども、やはり国内で地域的に、そこの住民がそのものでないとなかなかその地域ではつくれないという、そういう条件にある場合に、やはりその作物につきましては、十分にその生産の振興をはかり、安定をはかっていくということが基本でございまして、北海道などにおきまして、私ども、ビートについてはできるだけ面積もふやしていただきたいということで、いろいろの補助、助成をやっておりますし、また南のほうにつきましては、自治省を通じて生産振興対策をとっておるわけでございます。全体といたしまして砂糖の需要は、今後も国民生活の水準が上がるにしたがいましてふえてくるというふうに見通しておりまして、大体四十一年から五十二年にかけまして、約四三ないし四九%ぐらいの砂糖の増を見込んでおります。そういう情勢でございますので、当然にサトウキビについても、作付面積の増、生産量――まあ、これは反当収量がふえてまいりますと、面積の増のほかに生産をふやすことになるわけでございますが、サトウキビにつきまして、おおよその推定でございますが、五十二年には、いまよりも生産量で七二%程度ふやしたいというふうに考えておるわけでございます。そういう状況でございますので、また、先ほど申しました砂糖の価格安定等に関する法律で完全に保護されておりますので、十分に安心してサトウキビについては生産を拡大していっていただきたいと、かように考えておりますし、政府としてもその方法で施策を進めていきたいということで考えておるわけでございます。
#29
○千葉千代世君 そうしますと、これからの見通しは、やっぱり主要産業の重点目標として、砂糖産業については、国として責任を持ってこの五カ年計画達成のためにやっていくと、こういうことですね。そうした場合に、先ほど補足説明でおっしゃられたんですけれども、鹿児島県の生活水準あるいは所得と比べて、まだ低いけれども、かなり追いついてきたと、こう言われている。ところが鹿児島自体は、日本全体と比べてずいぶん低いわけですね。しかし鹿児島県の中の一つの大島郡という郡ですから、鹿児島県に合わせていくということも、こういうことは一応理屈としてはわかりますけれども、やっぱりいままで長いことああいうふうな僻地で苦しんでおったわけです。現実に私ども行ってまいりましたところでは、非常に貧困な家庭が多いわけなんですね。子供の教育その他についてもずいぶん貧困なものが多いし、考えた場合には、振興五カ年計画だけではなかなか格差が解消していかない。現にいままで五カ年計画でやって、格差がかなり縮まっておりますが、これが解消までは行っていない原因はいろいろございますが、容易ではないと思う。その基本になる産業でございますから、やはり本腰を入れてやっていくということは非常に大事じゃないかと思いますが、その次に伺いますのは、先ほど補足説明で大島つむぎのことを述べられたのですが、この中では一四ページですね、この生産高がわかりました。今後もこれを増産していきたいという目標も伺いました。大島つむぎの原料は一体どこから供給してくるのですか。
#30
○政府委員(長野士郎君) つむぎの原料につきましては、生糸だと思いますが、生糸は本土から入ります。おもなところの仕入先は、名古屋を中心にしているというふうに聞いております。
#31
○千葉千代世君 これは国内産の生糸だけでしょうか。
#32
○政府委員(長野士郎君) はっきりしたことはなかなか申し上げかねるのでございますが、いままで聞いておりますところでは、おおむね国内産の生糸だと思いますが。
#33
○千葉千代世君 このごろ輸入生糸がずいぶんふえてきておりますね。国内産ではとても足らないようで、いわゆるシルクの復活といいますか、訪問着から始まった、それからちりめん、そういうもののために、相当の量が輸入されておる。奄美に行くその原料も、おもな所は名古屋でしょうけれども、輸入元は、本土だけじゃないでしょう。
#34
○説明員(小沼勇君) 私は資料の準備ございませんけれども、補足していまの蚕糸関係で申し上げますと、生糸のほうも大体年間三十四万俵程度を現在国内で生産をしておりまして、このほかに輸入は約二万俵程度でございまして、いまのところはほとんど輸入は問題ないといいますか、ささやかなパーセンテージ程度でございます。そのいずれが奄美に回っているかはわかりませんけれども、そういうような程度でございます。
#35
○千葉千代世君 これは私も確たる証拠はありませんが、黄八丈といって八丈で織っているものがございますね。その生糸の原料も輸入に頼っていると聞いたのですが、あるいは奄美もそうじゃないかと推察したわけですよ。この大島つむぎについてでございますけれども、この前の新聞にございましたが、大島つむぎをたいへん零細な工賃で織る、そうしてたいへん安い価格で出される。少しでも高く売りたい、そのルートを求めて、東京にある一つの卸売り店でしょうか、代理店のようなものをつくったわけですね。ところがその方がつぶれてしまって、そして奄美の本島の方、鹿児島の方、非常に倒産寸前でひどい目にあった。その被害は零細な方々に及んだということを聞いておりますのですけれども、その点について、その後どうなっておりますか。おわかりでしたら答えていただきたいんですが。
#36
○説明員(児玉清隆君) お答え申し上げます。新聞に出ました点につきましては、鹿児島県のほうでもたいへん心配をいたしまして、連鎖倒産を防ぎますために、いわゆる県からも金融機関に対する預託をいたしまして、そしてその保証のもとに、金融をつけて、そしてショックを緩和したというふうに聞いております。したがいまして、当面将棋倒しになるという状況にはございませんけれども、ただ、何にいたしましても被害額が相当大きゅうございますので、今後のそういった零細業者の実際の負担というのは、ちょっと長びいて大きな問題になるんじゃないかというふうな心配をいたしております。これにつきましても、今後やはり県ないし市のいろんなあたたかい助成というものを、われわれとしてもいろいろ折衝して、それらを実現して、ショックをできるだけ緩和していきたいというふうに考えております。
#37
○千葉千代世君 ちょっとはっきりいたしませんが、金融機関が保証してショックを防いだとおっしゃるんですけれどもね。金融機関が保証したというそのお金は、また返さなきゃならないんでしょう。いかがですか。
#38
○説明員(児玉清隆君) そういうことです。
#39
○千葉千代世君 また、たとえば保証したといっても、利子が安いとか、何か条件はあるでしょうけれども。
#40
○説明員(児玉清隆君) 返済すべきものでございます。
#41
○千葉千代世君 そうすると、損をこうむるのは生産者じゃないでしょうか。
#42
○説明員(児玉清隆君) 生産者でございます。
#43
○千葉千代世君 そうすれば、これは解決してないわけなんですね。そこで、これは通産省に、直接の責任ではありませんでしょうけれども、そういうふうに、重要産業を指定して、そして一生懸命やってた者が、前の五カ年計画の中でですよ、やっていた者がそういう目にあったということは、生産をしたけれども、これを売りさばくについてのあたたかい配慮が足りなかったということに、私解釈しておりますけれども、いかがなんでしょう。
#44
○説明員(児玉清隆君) お答え申し上げます。繊維につきましては、一番私どもも頭の痛い問題は流通の問題でございます。で、流通につきましては、まあメーカー自身が相当体質を強化して、そしていわゆる取引先をつかむということが一番基本でございますけれども、何せ、やはり販売業者の中には、非常に機構自身が複雑でございますし、数も多いものでございますから、中には相当悪質なものもございます。私どもの今後の指導、いまやっております指導方針をいたしましても、まあ流通機構自身の体質強化といいますか、そういった原因をつくらないように体質の近代化をはかっていく、それからメーカーに対しても、できるだけ窓口をできれば一本化して、そして信用のあるものと一本で取引をするというような方向で考えておりますけれども、奄美の場合の現在の取引状況、流通機構の現状をちょっと参考までに申しますと、これは若干鹿児島の本土の分も入りますけれども、機屋さんから集散地問屋、これは京都を中心にいたしまして、東京、大阪、名古屋に主として点在いたしております。こういうところの集散地問屋に機屋さんから直接出しておりますのが四〇%程度あります。それから、同じく機屋さんから出します途中に仲買人が入りまして、そうして地場の買い継ぎ商、これを経まして集散地問屋につなぐ、非常に取引ルートの長いもの、これが六〇%でございます。それから、いまラウンドで申し上げましたが、ほんの少々でございますけれども、機屋さんから協同組合に出しまして、そうして協同組合から集散地問屋に出すというような形態が若干ございます。で、いずれにいたしましても、商取引の問題でございますので、あまり商権を侵害するような方向では、われわれはこういう取引をしなさいという強制はできませんけれども、できるだけ指導といたしまして、こういう事件が起こらないように、相手先を十分選択した上で、そうして県とか市の窓口とも十分連絡した上で、取引ルートを確立するという点で、今後も指導してまいりたいと考えております。今後の点につきましては、いま先生御指摘のように、どうしても債務そのものは残りますので、これはいま完全な解決になっていないとおっしゃいましたが、確かになっておりませんで、ただ、県として現在できることは、一時にそれが返済としてすぐ返すというようなことになりますと、あるいは仕掛け品、あるいは仕入れ資金等に困窮いたしますので、そのつなぎの融資をつけるという程度が、いまやっていることでございます。
#45
○千葉千代世君 結局中間マージンのことが大きな問題に浮かんでくると思うのです。いまの実際製作している方々から、仲買人を通す、あるいは地場の買い継ぎ、そうして今度は集散地問屋にいく、そうして消費者のわれわれの手に入る。そういうものはわれわれ庶民には買えませんね、皆さんのような紳士がお召しになるような、かすりのこまかいものは極上なんです。こまかければこまかいほど極上なんです。一反五万円も六万円もするわけです。いいものだったら、この間見てきたら八万円ですね。あれを、着物と裏を入れますと十何万です。一番安いバーゲンに出ているもので二万五、六千です。そんなに高い値段になって、それなら地元はどうかというと、地元では三分の一か四分の一、賃金はすごく安いんです。それで一日何銭といいましたか、私忘れましたが、窓辺でもってこまいの見ておりますから、目がみんな赤くなって、私みたいな年配の人が多く織っておるのですが、窓辺の暗いところでこうして目を通して暗くなるまで一生懸命やっておりますから、みんな目が悪くなって、幾らも織れないという状態です。そういう人たちが一生懸命織ったものを、中間で搾取、というとことばが悪いかもしれませんが、全くの搾取ですね、そういう人たちが骨身を削ってやっているのに、それこそ食うものも食わずにやっているのに、途中で何にもしない者がばぁんと仲買いと問屋でもってつり上げて、デパートに行って、新柄、新柄ということで、どんどんデザインして、新しい新柄に合わしてやっていくということになれば、全く商業ベースに乗せられてしまって、そうして一番ひどい目にあっているのはだれかといえば製作者になっている。私が申し上げたいのは、こういうふうに六〇%も、いわゆる仲買人、地場の買い継ぎでおやりになっているというのでは、これはいつまでたっても解決しません。どんなに口をすっぱくしようが何しようが、これは直接骨身を削ってやっているものが仲買いになっているわけじゃないのですから、それで奄美の方々が、これは地元の人々でなければ苦しみはわからないということで、地元の様子のわかった者を代表に選んで代理店を出したのが、さっきの結果になったわけです。ですから、地元の人はたいへんいい人ですから、自分たちのやりようが悪かったか、人の選定が悪かったと言ってくやむだけなんです。全く気の毒です。それから、振興計画、五カ年計画を出しましても、そういう底辺の人がほんとうに安心して重要産業を支えていくということにすぐ役立つかということになると、少なくともこの問題に対して役立っていかない。私はただ文句を言うのではなくて、具体的には協同組合の育成ですね、生産者からこの協同組合を通して、そして協同組合も手数料というものが要るでしょう、協同組合を経営しますから。そうして消費者にいくような、そういうルートをやっぱり確立するなり、あるいは百貨店なら百貨店にいくにしても、その生産者は、お金が幾ら、工賃は幾ら、その工賃というのは一時間について幾らに見合うような工賃の設定というものは、これは労働省ともちろん相談でしょうけれども、そういう設定をして、そうしてその正当な値段で買い上げたものが協同組合から通していけば、そんなに産地でつくったものがデパートにいって、三越のケースに並んだときには目が飛び出て、はじめて見学に来て気を失ったという人がいるのです、卒業生ですか、修学旅行で来て。おばあちゃんがつくったものがこんな値段になっているということで。これは大げさかもしれませんが、とにかく驚くということなんです。そういうふうにいった場合には、やっぱりここらで健全な協同組合の育成という面もあわせてやっていかなければ、これは単にお金を保証したからといっても解決していかないんじゃないかと、私はこう思いますけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
#46
○説明員(児玉清隆君) 全くいま御指摘のとおりでございまして、私どもも県ともよく連絡をとりまして、協同組合方式をできるだけ育てていくという方向で処理してまいりたいと思います。
#47
○千葉千代世君 この奄美群島の特別措置法の前身である復興特別措置法では、昭和二十九年度から五年の計画で始めて、それを十カ年計画に改めて、三十八年まで継続したのですが、その間の計画上の事業費が大体二百十五億、うち国庫の支出が百二十二億円とありますが、その実績の上に立って三十九年に始まる振興五カ年計画では、事業費が百七十八億、それから国庫支出が七十五億円で、実績見込みも数字の上では若干上回るように見えますけれども、十五年間に投下された事業費の総額とか国庫支出の総額、それらは主要産業の振興あるいは産業基盤の整備、国土保全または文教施設の整備等についてかなり成果をあげていますけれども、さっき申し上げたように、まだたくさんの問題をはらんでいるわけなんです。たとえば、くどいようですけれども、いま説明のあったように、大島郡民の所得が鹿児島県民一人当たりの所得に比べて四十一年度は八二・一%、あるいは全国民所得の一人当たりに比べると四七・七%、こういうふうになっているわけです。で、鹿児島県民と比べると相当改善の余地が見られたわけなんですけれども、鹿児島県自体が低いわけですから、国民との対比では、三十年くらいに比べてあまり改善されていないように思う、国民全体の対比と比べて数字的に見ていきますと。ですから、まず鹿児島本土に近づけていくのが主眼だと、さっき補足説明でおっしゃったのですね。そうすると、四十年ころからかなり横ばいしているような状態があるのです。それからもう一つ、生活保護でも全国統計で約千人当たり一五・二人、鹿児島県は二九・三人、奄美は六五・四人ということになっている。まだまだ本土との格差がたいへんあると思うんです。その原因を考えていきますというと、日本経済の高度成長に伴って、地域の格差が拡大していっているということが言われるわけなんですけれども、この高度成長のひずみを是正して、これに対処していくというだけの内容が、この計画ではまだ足りないようなんでございますけれども、実際の立案に当たった方々、そうお思いになりますか。
#48
○政府委員(長野士郎君) 御指摘がございましたように、鹿児島県自体が全国平均の国民所得に対して、その総額がまだ低いところであるということはそのとおりでございます。そういう意味で、その鹿児島県の所得に対しまして、さらにたとえば四十一年度におきましては八二・一%であるというのが奄美群島の状況でございます。そこで、私どももそういう意味で、鹿児島県自体の所得もこれから当然格差を取り戻すといいますか、全国平均の所得に近づける努力はしていただかなければならないと思いますし、また、そういう鹿児島県の所得に奄美群島の国民所得というものがなるべく近づいていくということを考えなければならぬということは御指摘のとおりであります。そこで、私どもがいろいろな計算のしかた、予測のしかたというものはあるようでございますけれども、五カ年間の振興事業を行ないました最終目標として、鹿児島県の県民所得に対して九四・一%ぐらいにひとつなるようにということを考えたのでございますけれども、その場合の鹿児島県の所得もおのずからまあ上がっていくということを考えなければならないわけでございまして、そういう意味で、私どもがいま確定したものではございませんけれども、一つの目標としておりますものは、鹿児島県の四十一年の県民一人当たりの所得は十七万一千百九十八円でございますが、これを県のいろいろな計画その他の指標と勘案いたしまして、四十八年では鹿児島県の県民一人当たりの所得も伸びるだろう、約二十九万七千円、つまり七三%ぐらいは伸びるだろうという目標、また伸ばしたいという目標を持っておるわけでございますが、その目標に対しまして、島民の所得を九四・一%まで持っていきたい、これはなかなかできるかとおっしゃいますと、非常に困難の点はたくさんあると思います。あると思いますが、ぜひともそういうところまでは少なくとも持っていきたい、そのためにどういうことを考えたらいいかという問題として、振興事業のいろいろな内容を積み上げていっているというような形でございます。
#49
○千葉千代世君 次に、過疎現象がかなりあらわれておりますので、この点を伺いたいと思いますが、群島の人口推移の表をちょっと見たのですけれども、復興当時を一〇〇といたしますと四十年には九〇と減少している。名瀬市は若干人口がふえておりますけれども、この同じ大島本島の中でも、村によってかなり減っておりますね。たとえば大和村は七五とか、宇検村は七二、瀬戸内町は七七というふうに、こういうふうにずっと、以下、沖永良部島まで減っているわけですが、この人口別の推移を見ていきますというと、十四歳以下の若年層が減っていっているわけなんです。そうして六十歳以上の高年齢層が反対に多い、こういうふうになっていきますというと、奄美群島の中心的都市であります名瀬を除いたほかは過疎現象があらわれております。
 そこで、四十四年度の地方財政計画に関連して伺っておきたいのですが、四十四年度の地方財政計画を見ますというと、投資的な経費の中で過密過疎あわせてその特別対策事業費を大幅に、つまり五百二十五億円ふえて千三百七十億円にする。そのうち過疎対策費は四百五億円計上されているわけです。この過疎対策といっても地域によって内容がかなり違うし、また、どこまでが過疎対策かということも、どこで区別するかちょっとその内容がばくぜんとしているように思うのです。この財政計画の中で過疎対策事業費としていっているのはどういう内容のものを考えているのか。それからあわせて四百五億円を計画に計上した基礎を知りたいのですが、その説明をしていただきたいと思います。
#50
○政府委員(長野士郎君) ただいま御指摘の地方財政計画上の過疎対策費、その経費の内訳等につきましては担当の者をつれてまいりまして、いまこの資料を持っておりませんので、後刻説明さしていただきたいと思います。
 ただ、前段のほうで先生の御指摘になりました奄美群島における過疎現象と申しますか、流出の現象でございますが、確かに御指摘のように、年齢構成から言いまして、非常に働き盛りというか、あるいは中学校を卒業した学卒者というか、そういう人を中心にして、この構成比が年々全体の構成比の中で下がっておる、それはそのとおりでございます。ただ、これはいろいろの見方がありますが、この振興事業におきましても、なおなお作付面積をふやしていく、一人当たりのキビの面積もふやしていくというようなことも考えております。そういうことで過疎的な現象というものを私どもできるだけ食いとめていきたいと思いますが、ある見方によりますというと、なお奄美は少し過疎的な要素が少な過ぎるというか、普通の本土におきますところのこういう村における人口減少率から比べますと、全体としてはそれほど減少の傾向というものが、なおある面では緩慢であるというような見方もされておるようでございます。しかし、いずれにしてもそういうことだけで考えるわけにはまいりません。何とかして群島民の経済所得を上げまして、そういう過疎問題についてもいい影響があらわれるようにいずれとも努力いたしたいと思っております。
#51
○千葉千代世君 いまの若年層の方々が減っていくということは、よく新聞でも御承知のように、集団就職というのがございますね、中学卒業、高校卒業の若い方々を奄美、沖繩からつれてきて本土に就職させる、こういうことになっている。その追跡調査などもあって、そしてこれは文教のほうの関係ではあとの卒業指導対策とか、参考に労働省の追跡調査を見ておったわけですけれども、これは時間がないので省きますが、さっき言われた主要産業をささえているにない手はどこに求めているかということと関連するのですが、たいへん心配になっておるのです。あそこは機械産業といっても、なかなか狭いところですし、ごらんになってわかるように、土地も狭いところでごちゃごちゃ段のようになっているところに、農業の機械化といってもあそこではなかなかそうもいかない。実際の農業のにない手が老年層が多くなってきた場合に、これをおもにささえていく層をどこに求めてこういう計画をなさっていくつもりでしょうかということを伺って次に進みたいと思います。
#52
○政府委員(長野士郎君) この資料の八ページを見ていただきますと、昭和三十年からここでは四十年に至りますところの産業別の就業人口の推移表が出ておりますが、こういうもので見てまいりますというと、昭和三十年におけるところの第一次産業に従事しておりました人口は七万四千人で、構成比は七六・五%になっておりますが、昭和四十年におきましては三万五千四百六十四人、構成比は四六・二%、第二次産業におきましては三十年が六千四百八十六人で、四十年が二万二千九十人、三十年の構成比は六・六%でございますが、四十年は二八・八%、第三次産業におきましても同様な傾向があらわれておりまして、パーセンテージは二四・九%、第三次産業も四十年は三十年に比しましてたいへん増加をしておる、そういうことで、それでもなお第一次産業の産業別の就業人口が半分くらいになるわけでございます。そういう意味では確かに典型的な後進地域的な産業別の人口構成比になっておると思いますが、三十年から四十年に至りまして著しく伸びましたのは、構成が変化しております一番大きなものは、第二次産業におきますところの製造業でございます。それからその次に目立ちますものは第二次産業の中の建設業等が相当伸びておるということが目立つわけでございます。この製造業の内容は何かといいますと、やはりこれは奄美大島の特産物でありますところのつむぎ、それから製糖工場等におけるところの就業人口が非常にふえておる。それから建設業におきます就業人口のふえたのは、復興事業開始以来、いわゆる公共投資を中心にいたしました建設事業がだんだんと進みまして、現地におきましても当初は現地には一切資材もなければ技術もないような状況でございましたのが、最近では現地で資材も調達できますし、技術もそういうものがだんだんと定着をしてきておるというような状況になっておるわけでございます。
 そこで、むしろ農業でいいますと、キビを中心にして近代化をはかっていきたいということで考えておりますが、農業の一人当たりの生産規模を拡大してまいりますと、むしろ農業の就業人口の割合というものは減っていかざるを得ない。合理化すればするほど減っていくということがむしろ言えるわけでございます。そういう意味でも、つむぎなり、今度は農業と申しましてもキビは特に現地で加工その他をいたすわけでございます。そういうところへ就業人口の転換をはかっていく。それからもう一つは、サトウキビは、まあ私ども聞いておりますところでは、非常に土地をやせさせるそうでございますが、ただ、このキビの葉っぱが牛の飼料として非常に適当なものだというふうに聞いております。そこで、計画では、最近肉用牛が非常に品薄といいますか、品がすれになっておりますが、肉用牛の飼育を非常に奨励をいたしたい。それとキビの葉っぱと結びつきまして、そうしてまたその堆肥その他がキビ畑に還元されていくという輪環といいますか、循環する形をぜひともとりたい、そういう次第で、就業人口、就業の機会を多くつくりたいということでございます。
 それからもう一つは、林業でございます。林業につきましては、なお人工林と申しますか、林業の栽培をいたしますが、その前には現在原始的にはえておりますもの、いわゆるパルプ用の原料、チップと申すのでございますが、チップ用材として切りまして、払い下げをいたしております。公有林も非常に多くございますが、そういうところには琉球松という松を植えまして、そして非常に育成の早い用材になる優良な林種だというふうに聞いておりますが、そういうことでまた所得も上げながら就業の機会を多くつくっていきたいというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、いわゆる省力化、機械化、近代化、経営規模の拡大ということをどうしても農業全体としては進めていかなければなりませんので、そういう意味での就業人口比が転換をしていくということは、これはどうしても避けられない。そういう意味ではある程度人口の流出と申しますか、そういうことで出ていくこともこれは避けられないと思いますけれども、なるべく地元に雇用の機会がありさえすれば雇用をいたしまして、年寄りばかり残らないところをつくるようにどうしてもしなければならぬと考えております。農業につきましては、そういう意味で後継者養成というようなことも振興事業の中でも一つの重点として、そういう後継者を養成し、自立農家を経営していくに足るところのものをつくっていくということも、一つの大きな事業の中に取り入れて考えていこうと思っております。
#53
○千葉千代世君 それでは、四百五億円の説明は次に。
#54
○委員長(内藤誉三郎君) ちょっと速記とめて。
#55
○委員長(内藤誉三郎君) 速記を起こして。
#56
○千葉千代世君 次に、奄美群島振興信用基金についてお伺いいたしますけれども、基金については今回の改正は、監事が監査結果に基づき、「理事長又は自治大臣及び大蔵大臣に意見を提出することができる。」という規定を新たに入れる。こういう内容のものですけれども、その立法理由を伺わしていただきたいと思います。
#57
○政府委員(長野士郎君) 奄美群島復興信用基金は小さな基金ではございますが、これも政府関係の金融機関でございます。そこで、監事の関係につきましては、監事の監査結果を、何といいますか、監事が監督官庁に対しまして直接意見として提出するというような制度を加えることが、むしろこういう政府関係金融機関の運営の内容を十分に実態に即して把握するために必要だということがございまして、こういう関係の法制を改正する機会には、いずれの政府関係の金融機関にも監事の権限の拡張と申しますか、そういうことで加えるということになっておりまして、私どもも、その趣旨には全く異存はございませんので、この改正の際にこれを加えることにさせていただきたい。こう考えておるわけでございます。
#58
○千葉千代世君 基金は保証業務と融資業務を行なっておりますけれども、その出資金は、保証業務が五億四千万円、融資業務約六億六千万円であると思いますけれども、国、県、市、町村の出資額をもし御説明願えたらお願いしたいと思います。
#59
○政府委員(長野士郎君) 基金につきましては、四十三年度末におきまして国からの出資金が五億九千万円、鹿児島県からの出資金が五千五百万円、市町村からの出資金が千三百五十万円ございまして、四十三年度末におきまして、融資関係におきましては六億五千八百五十万円でございます。
 それから、保証業務につきまして申し上げますと、いろいろ承継債権五億一千六百二十七万一千四百三十円、国からの出資金二千五百万円、保証業務に対しましては、合計いたしまして五億四千百二十七万一千四百三十円、合計いたしまして出資金は十一億九千九百七十七万一千四百三十円でございます。それから、四十四年度には出資金として、これは予算で計上していただいておりますが、さらに国が二千万円、そこで県がいままでの慣例がございますので、県で五百万円、市町村三百万円、二千八百万円の出資がさらにふえる見込みでございます。
#60
○千葉千代世君 保証業務についてですけれども、奄美群島に関する日米協定によって、アメリカ合衆国政府から移転を受けた債権に相当する額が出資資金となっております。その額は約五億円ということでしたけれども、その中にはクレームがあって債権が確定しないものとか、それから回収不能のものなどがあって、現金化されているものは約三億円というように聞いているのですが、その点少し詳しく説明していただきたいと思うんですが。
#61
○政府委員(長野士郎君) 奄美群島のいまの信用基金でございますが、その前身は奄美群島の復興信用保証協会ということから発足をいたしまして、その発足をいたしました場合の一つの資金のもとになりました資産と申しますか、そういうものがございますが、それがいまお話のございましたいわゆる承継債権でございます。これは奄美群島がわが国に復帰をいたしました際に、奄美群島に関する日本と米国との間の協定に基づきまして、昭和三十年五月二十五日に両国政府間において確認の上で日本国政府に移転をされた債権がございます。この債権はそういう意味では米国政府から日本政府に移ってきたわけでございます。その内容といたしましては、いわゆるガリオア物資代と申しておりますが、ガリオア物資代、当時わが国の場合でも食糧その他困難になりましたときに、いろいろ物資を送ってよこしたわけでございますが、沖繩でもそういう状況がありました。このガリオア物資代におきますところのその債権を日本政府が引き継ぎまして、それが一億八千六百万円ばかりございます。それから琉球政府におきまして協同組合の中央金庫の貸し付け金、あるいは復興金融基金貸し付け金、そういうようなものがございました。とれも米国政府の債権であったわけでございますが、その貸し付けいたしております債権につきましても日本国政府にゆだねられたわけでございます。協同組合中央金庫貸し付け金と申しますのは、琉球地域における協同組合育成のために琉球政府が設立をした中央金庫でございます。この金庫から奄美群島の地域の協同組合がお金を借りておった、こういうことでございます。それからいわゆる復興金融基金の貸し付け金と申しますものは、琉球地域での民生安定と申しますか、そういうことのために琉球政府が金庫を設立いたしまして住民に対する貸し付けをいたしました。貸し付けの内容は住宅建設資金が大半のようでありますが、それ以外にも、たとえば家畜の購入資金でありますとか、開田あるいは開墾の資金というようなものがあります。それから額はわずかでございますが、復興金融基金貸し付け金仮払い金というものがございます。これは復興金融基金の債務者のうちで弁済不能になったものに対する競売とか、訴訟費用とかございまして、そういうものを仮払いしているという債権でございます。そういうことで米国政府から三十年の五月二十五日に、総額にいたしまして五億二千四百八十七万円余の債権が日本国政府に移転をされました。基金がそれを承継いたしましたのは三十年の九月十日でございました。基金が承継いたしましたのはそのうち五億一千六百万円余のものを承継いたして今日に至っております。
#62
○千葉千代世君 衆議院の質疑応答を見てみますと、回収不能のようなものがあるようにちょっと見ていましたのですが、現在回収不能のものについてはどういうふうに処理していくかお聞きしたいのです。
 それからついでに、今後その回収不能のものがあった場合にはどうして処理していくつもりか、このままでやっていくつもりか、あるいは、聞くところによるといろいろあれは一部の方々がいいことをしているのではないかということを聞いているんですが、そんなことは調べてみないと私も実証を持っておりませんからわかりません。しかし、今度五年計画が再び発足した場合には、ほんとうにこれが生きて使われておって、そうして島民のためになっているものであれば、ある程度けじめをここらでつけていっていいんじゃないかと思いますけれども、それはやっぱり軽々しく言えないと思う。なぜならば、不能なものをそのままでいいということを前提で言うことになりますから、たいへんむずかしい問題だと思いますけれども、そういう意味で今後の処理方法をどのように考えていくかということで答えていただきたい。
#63
○政府委員(砂田重民君) 先生おっしゃいますように、この解決方法、たいへんむずかしい問題でございます。実はガリオア物資代に関連しましてのクレームがありましたのと、それから復興金融基金の貸し付け金の承継をいたしましたのと、違う性質のものが二つございまして、いま先生のお話の重点は、復金のほうの貸し付け金の回収不能をどうするかというお話だろうと思いますが、奄美のこの基金が承継をいたしましたのは対象が当初二千人でございます。いまそれが千人でございます。千人のうちのちょうど五百五百ずつに分かれているという状態でございます。元利も利息も延滞金も返済しておられない方が半分の五百、あとの五百が元金をお返しになって延帯利子だけ残っておる、そういう状態でございます。貸し金のことでございますからお一人お一人みんなケースが違うわけでございます。たいへんお気の毒な方も大勢おられます。そうかと思いますと、たとえばその町なら町で、町の大勢の人が、あの人は返す能力があるじゃないかという方でも返しておられない方も中にはある、そういたしますと、取り扱いのずさんなことをいたしますと、すでにお返しになった方に対して正直者がばかをみるというふうな結果になってはこれまた大問題でございます。そこで、実は衆議院でもいろいろ御議論がございましたので、大蔵省と自治省とでこれの処理の基本方針を決定をいたしました。それを御報告をいたしておきますが、一つはガリオア物資代のクレームの申し立てにかかわる分につきましては自治、大蔵両省において共同調査をいたしましてすみやかにその処理をはかる、端的に申しまして、調査と申しましても、もう物もありません。実情の調査といっても、あの当時にさかのぼってそうこまかく現物についての調査はもう困難、不可能だろうと思います。そこでいろんな方のお話を伺う、それぞれの当事者の方々のお考えを伺う、そういった方法の調査を両省で、やはり国の債権のことでございますから、調査だけは一応その現物についてはできなくても、もう一度両省で直接そういった調査をさせていただきたい、その上で御承知の各株式会社、各協同組合等についてのクレームについてはもうこの際解決をしてしまいたい、これが一点でございます。
 それから復金の貸し付け金の問題でございますが、償還済みの債権者との間の問題がございますので、公平な取り扱いを考えなきゃなりませんが、一つは、無資力またはこれに近い状態が継続しておられる、かつ相当の期間を経過しても同一の状態が改善されないのではないかと思われるような債務の弁済の見込みのつかない方、こういう方につきましては元本、利息、延滞利子とも免除をする、それからその他の債務者の、いま申し上げました、元本は返しているけれども延滞利息だけが残っている、こういう方につきましては債務者の現在の資力を勘案をいたしまして減免措置を講じている、このいま申し上げましたようなことの具体的な処理方法は今月末をめどに両省の間で結論を出そう、こういうことで実は自治省からも担当官を現地に派遣をいたしまして、すでに調査をして帰ってまいりました。大体この月末をめどに両省の間で具体的な措置が決定ができる、かように考えております。そういうふうにひとつ御了解をいただきたいと思います。
#64
○委員長(内藤誉三郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#65
○委員長(内藤誉三郎君) 速記を起こして。
#66
○和田静夫君 奄美大島の復興基金に関連して奄美群島の復興信用保証協会というのがあると思います。ひとつ資料として保証協会がやっている、特に保証業務の代位弁済額、こういうものが一体どのくらいあるのか、その代位弁済の処置がどのように取り立てが行なわれておるか、それから融資業務のほうの債務の不履行額、あるいは遅延しているもの、これは一体どのくらいあるのか、できたら資料でお示しをいただきたいと思いますが、わかりましたでしょうか。
#67
○政府委員(長野士郎君) 資料でございますか。――資料はできるだけ早く取りまとめまして提出させていただきます。
#68
○千葉千代世君 ちょっと速記やめて……。
#69
○委員長(内藤誉三郎君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#70
○委員長(内藤誉三郎君) 速記起こして。
#71
○千葉千代世君 衆議院の地方行政委員会の附帯決議によりますと、電力料金は本土に比してたいへん高いというふうに聞いておりますんですけれども、この解消をはかるように要望されております。奄美における電気事業の概況とか、本土との比較について電力料金の実情等、説明していただきたいと思いますけれども、時間がありませんので、これは要望いたしておきます。
 総体的に離島に行くとか、僻地に行きますと、電力、それから水道料金、これがかなり高くなっております。で、今後、振興計画の中で、この面についてやはり特に配慮をはかっていただきたいと、こう思うんですけれども、いかがでしょうか。
#72
○政府委員(長野士郎君) 奄美群島におきますところの電力料金につきましては、電力整備の問題と密接な関係がございますが、群島につきましては、先ほど来御説明申し上げました復興法、あるいは前記の振興法それぞれの事業によりまして、奄美群島には大島電力という電力会社がございますが、それと、現在は大和村という村と喜界町――と申しますのは喜界島でございます。それから与論町、これは与論島でございます。それから瀬戸内町、古仁屋という港がございますが、古仁屋の一部でございますが、そこで大島電力と、四つの公営電気が電気供給事業を行なっておるわけでございます。そこで、まあその点につきましては復帰時から比べますと、発電能力も復帰時の八百六十四キロワットが現在一万七千三百三十一キロワットとなっております。点灯率も四〇%でありましたものが現在九五%になっておりまして、もうほとんど無点灯地域がないような改善をされておりますが、ただ料金につきましては、もうお話のようにかなりの格差がございます。そうしてこれはいわゆる郡民の民生安定にも、また経済の自立態勢にも非常にまあ悪いと申しますか、マイナスの要素として解決しなければならぬ問題になっております。これにつきましては鹿児島県あるいは関係各省、特に通産省と私どものほう、いろいろ協議中でございますが、大体の計画といたしましては、来年度におきまして、まず公営電力の中の大和村の公営電力というものを大島電力に吸収をさせたい、それから四十五年度には公営電力の中の整備をはかりまして、整備をはかりました上で、さらにそれを大島電力に併合させたい。それからできれば四十六年を目標にこの大島電力そのものを九州電力に合併するというかっこうで措置をはかっていきたいということを考えておるわけでございます。ただ一つ、なぜそういう手間取ったことをやるのかということがあると思いますが、これはいままでいろいろ議論をし、折衝してまいったのでございますが、要するに、九州電力自体が他の電力会社に比べましてどうも料金がずいぶん高うございます。と申しますのは、九州は御承知のように離島その他たくさんかかえております。そういうことが非常な隘路になりますので……。
#73
○委員長(内藤誉三郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#74
○委員長(内藤誉三郎君) 速記を始めて。
#75
○政府委員(長野士郎君) そういうことでございますので、まあ大島電力というものもそういう意味では非常な困難を持っておりますので、四公営電力というものを非常に近代化していくというので、従来できるだけのことをやってまいりました。補助金、起債等におきまして振興事業の中で近代化をはかってきておりますが、そういうことがだんだんと進んで、そこで大島電力に持っていける、大島電力の近代化のためには開銀融資その他もう相当これに突っ込みまして整備をはかることにいたしております。その上でないと、九電に合併するということが事実問題として非常にむずかしいというような状況がございます。
 電力料金につきまして簡単に御説明申し上げますと、一キロワットアワー当たり、たとえば九州電力は十一円でございます。大島電力は二十一円でございます。大和村は二十五円でございます。瀬戸内は二十円、喜界は二十五円、与論は二十三円、つまり一般の家庭の使います電灯料金でも九州電力に比べますと、大島電力で、九州電力を一〇〇といたしました場合に一九〇、一番高いのは大和村、喜界町の電力でございますが、これになりますと、二二七というような状況でございます。工業用の電力料金につきましても、同じように高い料金を払っておることはもう御指摘のとおりでございます。いままでそのために、そういう段階がございますので、公営電気、大島電力というものの合理化とか、設備の近代化というものをはかり続けて今日に至りましたが、今後の見通しとしては、いま申し上げますように、関係各省なり当事者の協力を得まして、そういうかっこうでの合理化を進めていきたい、こう考えております。
#76
○委員長(内藤誉三郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#77
○委員長(内藤誉三郎君) 速記を始めて。
#78
○説明員(首藤堯君) お答え申し上げます。
 今回、地方財政計画におきまして四百五億円の過疎対策費を計上いたしておりますのは、これは主として過疎対策事業の投資的経費の単独事業としてやりますので、これをここに取り上げております。内訳は山村振興対策事業費、農業基盤整備事業費、それから林業構造改善の対策費、林道の関係の単独の経費、こういった各種の公共施設の整備に要しますもの、こういうものが三百四十三億円、それから別に、御案内のように、辺地対策事業債という起債を起こしておりまして、これを元利補給をしておりますこの分が六十二億円、合わせて四百五億円と、こうなっております。それから、なお辺地対策事業はこれだけではございませんで、通常の経常行政費でございますとか、あるいはこの地域におきます公共事業の負担のこなしとか、こういうものもございますので、地方交付税の措置におきましては、このほかに過疎対策分として増加計上をいたしました額が五百六十六億円あるわけでございます。したがいまして、過疎全部といたしましては千億を少しこえる額がその地域のための増加財源と、このように考えておる次第でございます。
#79
○千葉千代世君 もう一点。今回の法律案で別表の改正、事業費に対する国の負担とか、あるいは補助の割合の改正を見ますというと、国の補助とか、それから負担の割合が相当下がったものが見受けられますですね。提出資料の中に負担の比較が出ておりますけれども、このような改正が行なわれるには、何か基本方針なり基準があってなされたと思うんですけれども、その点と改正の内容を説明していただきたいと思います。
#80
○政府委員(長野士郎君) 補助率の改定につきましては、資料にも出しておきましたが、その理由といたしましては、従来の復興事業は、あの当時は、鹿児島県それ自体も、それから奄美群島それ自体も負担能力がほとんどございません。したがいまして、公共事業を中心にいたしましては、ほとんど国の負担、まあ一〇〇%に近い負担のものが多かったのでございます。振興事業になりました際に、そういう公共施設の基本的なものは大体めどがつきまして、振興事業になりましたときにある程度補助率の調整をいたしたのでございますが、今回、後期の振興事業を推進するというようなことになりますと、他地域との間の特に公共施設関係につきましては、ほとんど調子が整ってまいった状況もございますし、それからそれぞれの財政力等のこともございます。そういうことで、他地域との補助率の差を設ける必要がないとは申しませんけれども、まあがまんができるというようなものにつきましては、他地域並みのことにいたしたのがございます。そこの、たとえば市町村道の整備とか、簡易水道の整備とか、小中学校の整備とか、そういうものにつきましては、離島振興法並みに補助率をいたしております。それから県事業につきましては、特に他の離島と特別区別する必要が非常に薄くなったため調節を加えました。そういうものもございます。ただ、補助率を検討するにあたりましては、それでもなお市町村の負担が酷なものが多くございます。それからいわゆる民間団体と申しますか、あるいは共同施設とか、そういうものに出します補助は、これは他には例がないようなものを出しておりますが、なお続けていく必要があるし、振興事業の重点であるということもございますので、そういう主要な振興事業につきましては、従前と同様の補助率を踏襲をいたしますとか、そういうような大体のめどでおりまして、いずれ補助率の調整を加えさせていただくことにしているわけでございます。
#81
○千葉千代世君 いろいろお伺いしましたけれども、私は日本の国民の総生産が資本主義の国の中で第二位になったとか、あるいは鉄鋼とか自動車産業がアメリカに次いで二位になったとか、こういうふうに言われておりますけれども、そのようないわゆる高度成長の陰にたいへんなひずみがあるということを見のがしてはならないと思います。で、所得の再配分を通じて考えましたときに、高度成長の裏で進行している社会的なひずみ、特に経済状態のひずみ、こういうものが僻地の、特に群島の皆さんに波及しないような手だてを十分に講じていくという、これがこの五カ年計画の中に占める大きな比重であると思うのです。そういう意味で、国民所得の格差の是正ということ、その他教育条件の格差の是正とか、あるいは社会保障の是正とか、そういう問題を通して、これが十二分に効果をあらわせるように大きな努力を希望して、私の質問を終わります。
#82
○委員長(内藤誉三郎君) これにて暫時休憩いたします。
 再開は午後一時といたします。
   午後零時三十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十分開会
#83
○委員長(内藤誉三郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、奄美群島振興特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対し質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#84
○阿部憲一君 大臣にお伺いします。先ほど来この奄美の復興、振興計画についていろいろお伺いしていたんですけれども、この中で主たる産業、砂糖とか大島つむぎのことについて伺ったんですが、やはり砂糖の増産ということについては、砂糖自体が国際的に非常に過剰生産になっているということがあって、それに対して政府は特段に補助、援助するというようなことを言明されておりましたけれども、非常にこれはやはり根本なのは経済事情でございます。いわゆる需給関係でございますので、かつての東北のビート等のような問題で、せっかく政府の指導によってつくったのに、結局被害を受けたのは農民だけだということになりませんように、ひとつ特段な施策をお立てくださるようにお願いします。また、大島つむぎについても、一部旧債が残っている。しかもそれを聞いてみると、決して生産者の責めではない。流通上の問題であり、また問屋等の倒産とか、そういうようなことが原因になっているように思いますけれども、これについても、ほんとうに大島つむぎの生産をしている零細の島民のために、もっとしっかりした援助措置を講じていただきたいと、そう思います。これについて、大臣からひとつ確信のほどをお伺いしたい。
#85
○国務大臣(野田武夫君) いま阿部さんの指摘さまれした砂糖、大島つむぎですが、例におあげになりました東北のビート、私もよく存じております。あれはさんざんなことになりました。まあ特に奄美の砂糖というのは、奄美では一番大事な、ちょっと東北のビートと違いまして、もっとあそこの基本的な、何と申しますか、生産の大事なものでございます。これはやはり、どうしても続けていっていかなくちゃならないし、これに対しては、どうすればその砂糖の仕事はうまくいくか。これはいまお話のとおり、いまのいわゆる現状ではなかなかむずかしいので、これは先ほどおそらく政府委員からお答えしたと思いますが、何といっても奄美振興の大事な産業でございます。重点的にわれわれは取り扱っていきたい。できるだけひとつ援助したい。それから、大島つむぎにはさらに、これは確かに零細企業ということでございまして、なかなかこれもいまの時代に即応してやるということ、非常にこれも困難性があると思っております。
 私は先般もある方のお尋ねにお答えしたのでございますが、しかしこれは伝統的、由緒のある織物でございまして、だからつむぎに関連して何かまたこれに少し知恵を加えて、何か消費の盛んなようなもの、市場に出しても売れるというようなもの、つむぎだけにこだわらないで、何かそういのものを少しお互いに考えたらどうかという考えをいたしております。これも、大事な奄美の振興に資するところの重点的な仕事として考えておりますから、できるだけ力を注ぎたいと、こう思っております。
#86
○阿部憲一君 大臣のひとつ御善処といいますか、特段な重点的な施策を御期待しておきます。
 なお次に、この奄美復興資金の問題について二、三お伺いしたいと思いますが、去る二月の二十七日及び三月七日の衆議院の委員会及び予算分科会におきまして、奄美の復興資金について論議がかわされましたけれども、まず第一は、アメリカ政府から日本政府へ承継された債権は、国内法における通常の債権と、その性格が根本的に違っているものであると考えますけれども、この点大臣は、財政法上どういうふうに考えられますか、簡潔に御答弁いただきたい。
#87
○国務大臣(野田武夫君) 私は、この財政法上という法律的な解釈は、政府委員から申し上げるのがいいと思いますが、いずれにいたしましても、この復興資金のうちの、この日本政府が引き継いでこれやったようでございますが、まずそのいまの財政法上の問題から政府委員がお答えしまして、そのあとまた私お答えいたします。
#88
○政府委員(長野士郎君) この債権につきましては、先ほども申し上げましたように、奄美群島が復帰いたしましたときの、三十年の五月に、日本国政府とアメリカ合衆国政府との間に協定ができまして、その協定の第三条六という規定に基づきまして、両国政府間で債権を確認の上日本政府に移転された、こういうことでございますから、その意味で完全に日本政府の債権になったということでございます。その後三十年の九月に、復金に出資という形で、日本政府から今度は基金の設置に伴いまして出資をいたしました。それは特別措置法の第十条の三というのがございますが、第十条の三で、その債権を、奄美群島保証協会が国から承継し、奄美群島信用保証協会に対して国から出資されたものの額に相当する額というようなことで、ここで受け入れをいたしております。そういうかっこうでございまして、それからその同じ条項の中に、その債務の履行その他が著しく困難であった場合におきましては、その債務の取り立てについて、これは政府の関係の金融機関でございますから、また政府といいますか、国の債権でございますので、そういう場合に、条件の変更をいたしますとか、あるいは履行ができなくなりました場合に、全部または一部を免除するというような場合には、自治、大蔵両大臣の許可が要る、こういうことになっております。
#89
○阿部憲一君 この承継債権は、もともとがアメリカ軍の直轄占領下に奄美が置かれていた当時に、救援と復興のために、言うならば占領行政の実をあげるために生じた貸し付け金でありますが、国内法における他の債権は、国民の血税を原資としたものでございますから、当然その両者の間に違いがあることははっきりしていると思います。したがって、国内法上の通常の債権と同様きびしい取り立てを行なってはならないことは当然だと思うのでありますが、ところが、この債権の取り立てについては目に余る、市井の悪徳高利貸しが取り立てるような、血も涙もないという取り立てを行なっているということを奄美の人たちから聞いておりますけれども、この点についてどういうふうに考え、また自治省は、はたして現地の実情を知っておられるかどうか、お答えいただきたい。
#90
○政府委員(長野士郎君) お話のように、その債権の額が、ただいま申し上げました、国が承継いたしましたものが五億一千六百万円でございます。そうして、いままでに回収いたしましたものが二億九千七百万円、約三億円でございます。そういうことでございまして、それのなお取り立て中ということばに従えば取り立て中の部分があるわけでございます。この中で債権の種類に二通りあります。ガリオア物資代というのと、もう一つが基金貸し付け金と申しております貸し付け金でございます。特に問題になりますのが貸し付け金のほうでございます。これは大体債務者が二千人くらいおられまして、それが千人はすでに完済をされております。あとの千人が残っております。残っておる中の大体五百人が延滞利息だけを残しておるという方、あとの五百人が延滞利息のみならず、元本もなお残しがある。こういう方でございます。この問題の解決をどういうふうにするか。それを非常にきびしく取り立てておるではないかというお話でございます。確かにそういう面が私どもないとは申せない実情だというふうな印象を受けております。大体そういう意味での実情は、個人個人についての実態も大体正確に把握できました。
 そこで、これからそれをどういうふうに処理していくかという問題でございます。いままでなぜそんなに長くかかったのだというおしかりを受けることは、確かに私どももそういう意味ではおしかりを受けなければならないという点はございます。ただしかし、この基金は、国が直接吸い上げてしまうものではない。やはり奄美群島のこれがすべて融資なり、施設なりに循環をされております。島でございますので、だれが納めており、だれが納めていないということは非常によくわかっております。均衡とか公正ということもだいぶ考えなければならない。あまり、大きな声をしているのはいい目にあいそうだ、まじめに、苦しいながらも、借金だからといって納めた人とは、その関係はおかしいじゃないかというような問題も、なかなか個々、具体的なケースとして考えなければならぬ面もありますので、そういうことも含めまして、早急に整理をする方向で考えたい。大臣も早急にやれという御趣旨でございます。私どももその趣旨に従いまして処理をいたしてまいりたいというふうに考えております。
#91
○阿部憲一君 この問題ですけれども、奄美の特別措置法案の衆議院の附帯決議がありまして、また、この継承債権の徴収の減免措置がかりに出されておるとしましても、これは当然国内法上の通常債権を基準にして減免してはならないと思っておりますが、この点どうお考えでしょうか。ちょっと国内法のと同じ減免をするのも、国内法に基づいての、そのとおりの減免ではならないと思いますが。
#92
○国務大臣(野田武夫君) この基金の貸し付け金の問題の償還関係でございますが、私、先般各党の委員の方々からつぶさに拝聴いたしました。これはたいへんだ。いまお話のとおり、これはアメリカから引き継いだ日本の財産である。これはそれに違いありません。しかし、おのずから、いま阿部さんのおっしゃるとおりに、この金というものの考え方が、また法律上は同じに扱うかもしれませんが、政治としては相当変わった考えを持っていいのじゃないか、こう思いましたから、一般的の債権債務と違った取り扱いをすべきだということに私は考えたのでございます。そこで、これはやはり聞きおくだけ、委員の各位の御意見を拝聴するだけでは済まされない。すみやかにこの問題を解決しなければいかぬということで、即刻といいますか、その日のうちに私、行政局はじめみんな打ち合わせました。大蔵省に折衝いたしました。それで、数日――わずかの期間でしたが、大体の処理方針をきめたのでございます。だから、いまお尋ねのような一般的な債権債務、これは法律上は知りません、私はあまり法律学者じゃありませんから。権利義務といえば、これは完全に日本政府が引き継いで貸している金ですから、しかし政治的な取り扱いは、これはおのずから相当違っていいのじゃないか。そういうふうな処理方針のもとに私処理したつもりでおります。
#93
○阿部憲一君 それじゃ自治省のほうのお考えを承りますけれども、法律上はいかがなんですか。御見解を局長に。
#94
○政府委員(長野士郎君) 先生のお話の税金でできた債権と違うじゃないか、確かに税金でできたものでございませんことは、法律上もそのとおりだと思います。その由来は、もう事実がそうであります。ただし国の債権、国の財産ということになりますと、そのよって来たるところとは別個に、国としてはその債権の管理については、やはり国民の財産として厳重に扱っていくということが、まあそこのルールからは、法律上はなかなかはずれにくいという点は確かにあるわけでございますが、先ほどしかし御説明申し上げましたように、この基金におきましても、この法律の十条の三の九というところには、貸付条件の変更、あるいはそういうものの全部、一部の免除というようなケースも規定されておりますから、法律的にも、そういう実態とあわせて運用をしていくべきじゃないかというのが、大臣の強い御意向でございます。私どももそういうふうに考えていくことは、法律上、実態に即する法律の運用はもちろん可能であるというふうに考えております。
#95
○阿部憲一君 国際私法上、奄美群島の住民を債務者として、アメリカ軍政府を債権者として、アメリカ政府から無償で譲渡を受けたということは事実でありますが、奄美が本土復帰するに際して、日米両国政府間だけで取りきめて、すなわちこの承継された債権については、債権者側だけの都合によって、奄美の本土復帰が実現する前にすでに国内法上の措置も一方的にとられたのでありますけれども、この間奄美の債務者は全くつんぼさじきに置かれているのであります。このことは、債務者にとってはとうてい納得、理解ができないところでありますが、この点についてもお考えを伺いたい。
#96
○政府委員(長野士郎君) この債権は、いま申し上げましたような日米間の協定、それから、いま申し上げました法律等によりまして移転をしたことは、国内法上も明らかになっているのであります。そこで債権は、国内法としても法律上当然移転したものでありまして、法律上は債務者への通告は必要がないというふうに解されておりますけれども、事実関係といたしましては、政府はその確認時に債務者に通告をいたしております。三十年の五月であります。それから基金は、承継いたしましたのはそのあとになりますが、三十年の九月でございます。それで、ちょっとおくれておりますけれども、三十一年の四月には債務者への通知をいたしております。
 なお、この問題につきまして大阪地方裁判所に訴訟がございます。それは昭和四十年に判決がございまして、裁判所の判決といたしましても、その法律ぎりぎりの話かと思いますけれども、対抗要件としての債権者からの通告は不要であるという判例もございます。しかし、実際問題といたしましては、債務者に通知はいたしております。
#97
○阿部憲一君 衆議院の予算分科会における政府の答弁は、結論的にいいますと、権力関係と、世間一般の金銭の貸借、その点も混乱している。混同しておられまして、債権者側の特約、日米間の条約あるいは別段の定めをしたという答弁をしておられますが、これは債務者の全くあずかり知らぬところであって、債務者を無視して、債務者が全然知らない間に変更してしまったということは、債務者、すなわち奄美の島民にとって別段の定めがあったということにはならないと、この点はどういうふうに考えておりますか。
#98
○政府委員(長野士郎君) この点につきましては、法律論はいろいろ理由が言えるようでございますが、つまり、要するに法律上債権を移転したと、国内法上移転したということでありますと、法律上は債務者に対しての通告は必ずしも必要じゃない、要件じゃないということが、解釈としては一応確定しておるわけであります。これは先ほど申し上げましたように、実際問題としては債務者に通知はいたしております。
#99
○阿部憲一君 政府の答弁は、憲法第九十五条の解釈としては、はなはだ狭過ぎると思います。特定地域の住民の利害に関する重大な事項を一片の政令で定めたということは、はなはだ不当であると考えますが、この点はどういうふうに考えますか。
#100
○政府委員(長野士郎君) 一片の政令というわけではございませんで、奄美群島が復帰いたしましたときに、奄美群島の復帰に伴う法律の適用の暫定措置に関する法律というのが、その当時国会で議決をされておりまして、その国会の議決に基づきまして、必要な場合には政令その他が公布できるという法律上の授権をいただきまして、そして国内法でそれぞれ整理をされていく。引き継ぎのときにはいろいろな事態が的確に予想されませんものですから、そういう意味で政令にゆだねた範囲が、いまから考えれば多過ぎるじゃないかという御意見は、そのとおりだと思いますけれども、しかしそれは実態に即するための弾力的な措置でございまして、法律上の問題としては、そういうことはないじゃないかと思います。
#101
○阿部憲一君 一片の政令というのは、特に強めて、要するに住民不在の行き方ということを言いたかったわけでございますけれども、時間がせかれておりますので、結論的に申し上げますと、ぜひ奄美群島債務者の福祉を生活安定のために、せめて延滞利息の全面的打ち切り、それから生活困窮者に対する債務免除、それから減免等の特別措置がとられるのは当然と思います。この点についてひとつ大臣のお考えをお伺いしたい。
#102
○国務大臣(野田武夫君) この基金の債権債務の問題ですが、私は阿部さんのお心持ちといいますか、非常に理解できます。できるだけやはりそういう線に沿うて――法律上の問題は別でございます。法律上この権利があるかないかということは別にして、政治的に見て、実態を見まして、やはり奄美群島の関係者の方たちが苦しんでおられるということは事実でございますから、何とかそれに対してはひとつ適当な解決方法を講じたいと、そこでいま私どものとろうという措置は、まず前提といたしまして、償還済みの債務者と、まだ未処理の債務者との間の公平な取り扱いというのは、一応頭に置かなければいかぬと思うのであります。払った者は損だと、こう出てきますと、これは非常に処理の場合に困ることでございまして、またそうすべきじゃないと、やっぱり公平を期するということは前提に置かなければならない。しかし、なお公平を期しつつ現状を何とか救わなきゃいかぬ、こういうことになってまいります。
 そこでまず無資力か、またはこれに近い状態が継続しておって、かつ相当な期間を経過しても同一の状態にあるために、債務の弁済の見込みが立たない債務者については、元本の利息及び延滞利子も免除する、この考え方を持っております。それからその他の債務者につきましては、債務の弁済をした場合には、債務者の資力を勘案して、延滞利子について減免措置を講じる。さらにその期間は、それじゃいつまでそういうことをやるのだ、ほうって置けばこれは――取り立てがきびしいというおことばでしたから、これは心配ですから、それでこの貸し付け金につきましての具体的処理法は、できる限り今月中に決定しよう、こういう方向でこれに対して措置をしたい、こう考えております。
#103
○阿部憲一君 いま大臣のおことばの中に、過去のすでにもうやむなく弁済した人と不公平という問題、これは当然考えなければならぬと思いますが、これについて奄美振興法第十条三の九項の、救済規定を遡及して適用する、そうしたら十分に解決できるではないかと思いますが、この辺について、これひとつ御返答願いたいと思います。
 なおこれは政治は一片の法律論で片づく問題ではなくて、あたたかい政治の手を差し伸べてやることを現地の住民は期待しておると思います。いま大臣のおことばにそういうことがあったので、私も安心しております。大臣もこの際、奄美の島民の救済に積極的に乗り出していただきたい、これお願いしまして、私の質問を終わります。遡及することについて御見解を……。
#104
○政府委員(長野士郎君) これは債務の免除とか変更ということは、これはやはりどうも将来に向かって考えていくということが法律上の考え方でありまして、お話のような場合に遡及するということは、これは無理ではないかと思います。ただ振興事業等におきましては、農業関係その他の関係におきまして、近代化の処理とか、あるいはそういう意味の関連いたします融資とかいうようなものは、振興計画の中にも相当盛り込んでおりますが、私どもはそういう実態との関連におきましては、そういう事業との関連において、将来に向かったひとつ解決方法というものをできる限りあわせて考えていくようにするようにいたしたいと思っております。
#105
○林虎雄君 この奄美群島振興特別措置法を五カ年間延長するということにつきまして、これ現在妥当だと思っております。ただ改正案の要点は、説明にありましたように三点でありまして、五カ年間の延長と、それから負担補助率の改定、公立学校の災害復旧の補助率の改定と、三つのようでありますが、大臣お忙しいようですから大臣に最初聞きたいのは、この復興計画が昭和二十九年から出まして以来、この法律が通過いたしますと、結局復興計画、振興計画を通じて二十カ年になるわけであります。これは社会経済の変動等によってやむを得ないと思いますが、少なくとも計画というものは、一応計画年次が達成すれば完結するということを予想しているのが計画である。それが二十九年以来五カ年、つまり十カ年に延長になり、その次に振興計画になりまして五カ年、それが今回さらに五カ年というように延長になるわけでありますが、この法律がさらに将来延長するということが予想されておるのかどうか、そのところを最初にお伺いしたい。
#106
○国務大臣(野田武夫君) いま御指摘のとおり、この復興計画といいますか、振興計画と申しますか、それが今度御審議をお願いしております五カ年間延長の法律案、まあ成立をいたしますと二十年、これは御指摘のとおり計画が次々、五年、十年、また五年延びていくということは、これは決して好ましい状態ではございませんが、何しろ日本に復帰しました当時から顧みますと、実情が、われわれの希望する線まで行政の水準が上がってくるということが非常に困難である。たとえば鹿児島県並みに少なくとも引き上げたいと、これは大体の目標でございます。それにいたしましても、なかなか奄美全体の地理的条件、産業の実態、いわゆる経済的な活動範囲とか、また観光なんかもそれは一つの資源ではございますが、それが振興計画当時から、一生懸命やりましたけれども、なかなか計画どおり思うようにいっておりません。それからまた、これをただ資金だけぶち込みましても、やはり受け入れ体制がどうなっているかということを考えませんと、大体財政の力だけでもまいりませんし、また、住んでおられる地域の方々も、やはりそれに即応して、一緒になって振興計画に当たっていただきたい、こういうことでございましたが、漸次大体の目鼻がつきかかっております。いままでは、ほんとうの地ならしといいますか、それが一歩一歩は前進いたしております。
 それで、この今度お願いした五カ年計画の間には少なくとも目的を達成したいと、こういうめどを持って、この五カ年間にひとつうんと力を入れようと、そうしてもういま林さんのお話のとおり、また五年、十年延びることのないように、この五カ年間延長していただきますことができますれば、ここで大いに全力を傾けて奄美の振興に当たりたい、こう考えております。
#107
○林虎雄君 いまのお答えでよくわかりましたが、私の申し上げましたように、計画がだんだん大きくなって長くなっていくということについては、いろいろ現地の状況もあり、経済の高度成長というような問題ともからんで、やむを得ない点もあったと思いますが、やむを得ない点以外に、私は、計画を、予算を執行するにあたってかなりロスがありはしないかと、つまり五カ年計画を始めて以来、今度で二十カ年になりますけれども、そのように延ばすということは、所定の予想した計画がそこまで達成しなかったということは、社会、経済の変動もありますけれども、その執行上にあたって現地でのロスがありはしないかと、そういうことをちょっと感ずるわけでありますが、そういう点を事務当局で検討したことがございますか、お聞きしたいと思います。
#108
○政府委員(長野士郎君) 御指摘のとおり、復興事業の当初におきましては、港も道路も十分なものがございません。資材も現地で調達もできません。技術も現地にございません。そういうことからいたしまして、非常に事業の進捗率が最初は落ちました。同時にまた、非常な試行錯誤もいろいろございました。これをやれば非常にいいということでやっておるものが案外よくなかったり、いろいろいたしました。振興事業に入りましても、そういうものはやはりございます。われわれも大いに反省しておりますが、やはりそういう実際に適しない計画が起こりましたり、そういう意味のロス、これは正直申しまして、かなりあったということは否定できないと思います。
 それと同時にもう一つは、たとえば衆議院でもいろいろ御指摘になりましたが、どうして蚕糸をふやさないのだというお話がございました。これは計画の当初非常にふやしてまいったのでございます。つむぎの原料といたしまして非常に必要だというので、ふやしてまいったのでございますが、どうしても住民の気持ちと合わない。どうしてもそれが計画上実行が達成されないという意味で、一つはこの現地の住民のやはり何と申しますか、意欲なり熱意なりというものとの間のまあ食い違い、それがまあ実態に即しないじゃないかというようなことをおっしゃれば、そのとおりの面が確かにございます。私どもいま反省をいたしておりますが、ただ最近は現地のほうでも非常に意欲が高まってきておるようでございまして、ここ一、二年来、急速に奄美の産業の自立という体制に向かっていけるようなところへいま差しかかってきておる。今後十五年、二十年、長過ぎるようでございますが、まあそういう状況でございます。
#109
○林虎雄君 この復興計画、振興計画がどんな成果をあげてきたかということは、やはり端的には住民の生活が、住民福祉が向上したというところに具体的にあらわれると思うわけでございますが、この資料等によりますと、生活保護の状態、保護の対象というものは逐次減ってきておるようであります。まあこれは一つの成果であろうと思いますが、さらにこの農業の所得などを見ますると、まだまだこの鹿児島県、母県である鹿児島県の平均水準からはかなり遠いようであります。まあ鹿児島県自体が、所得水準は全国的に見て低い県のようでありますが、少なくともまあそれまでには、もうすでに現在までの十五カ年のうちに達成してしかるべきものだと思いますけれども、これもやむを得ないと思います。
 そこでお聞きしたいのは、今日まで十五カ年間に国が、あるいは地元が投入した予算総額をですね、十五カ年にどのくらいになるか。それからさらに今後五カ年間に、どの程度の予算を予想しているか、その点承りたいと思います。
#110
○政府委員(長野士郎君) 総額につきましては、二つになっております薄い資料のほうにおきまして、復興事業においては、二十九年―三十八年の間に、総額では、事業費としての総額は大体二百十億を投じております。それから振興事業の、本年度までの間に百八十億を投じております。まあそれがこの復興事業、振興事業としての額でございまして、まあここで、しかし復興事業、振興事業だけでものを考えましても、まあ奄美群島全体の経済と申しますか、そういうものの動きがはっきりつかめないわけでありまして、私どもいろいろな試算をいたしましたが、これはちょっと古うございますけれども、たしか昭和四十年ごろに試算をいたしてみますというと、結局、奄美群島では、群島内で生産をされますものの総額が二百十七億ばかりでございます。それで、群島内で消費されますものの総額は、いろいろ調べますと、三百二十七億ぐらいでございます。つまり百億ぐらいは自分のところの消費にもまかなえない、まあそういう生産をいたしておるようでございます。
 で、それを今度は移出移入の関係で見ますというと、やはりそういう数字が出ておりまして、移出が大体百十億でございまして、移入が二百四億、やっぱりここで百億ぐらいのものを移入をいたしております。その移入の中には、米をはじめといたしまして野菜から肉類、卵に至りますまで移入をいたしております。まあ機械類等はもちろんのことでございます。
 これに対応して、それじゃどうやって奄美の経済がもつかということになりますが、片一方で郡の外から、つまり群島の外から入ってくる財政資金、国の関係、県の関係、その他の関係を全部洗いますと、それが大体百二十一億ぐらいでございます。それから、郡から外へ、国税、県税、社会保険の負担金等で出て行きますものが大体十八億ぐらいでございます。つまり、それが、差し引き百億ぐらいのものが財政的なまあルートを通じまして群島の中へ入ってきておる。これがまあ奄美群島のやっと均衡をとっているという現状の姿をあらわしているように思います。私どもそこで、奄美群島にまだまだ蓄積がございません。そこで群島の経済の自立と申しますためには、やはり移出をもっと伸ばす。つまり砂糖なり、糖業なり奄美大島つむぎなりというようなものを伸ばし、同時に群島内の消費に充てられるようなものは鮮島内で生産をしていくというような体制をつくっていく。野菜から肉、卵にいたりますまで移入をしておるという状況でございますと、いつまでたっても奄美群島には蓄積ができません。この状態をひとつ打破していくということでございまして、つまり、いままで振興事業、復興事業、いろいろやっておりますが、これは結局のところ、奄美群島のバランスを維持するということの一部に非常に役に立ったということ。それだけじゃございません。現に、施設も相当向上しておりますけれども、やっとそれが今度、群島内の経済自立の方向へ向かっていけるようにだんだんなってきたという状況でございます。私どもはこの移出入の差の百億というものを、国、県、その他の財政資金だけでささえるのじゃなくて、それを少しでも島民の蓄積のほうに転換していくようなことにぜひ向かっていくようにいたしたい、こう考えております。
#111
○林虎雄君 国費を相当膨大に投入するわけでありますから、当然その効果が、成果が上がらなければならないと思いますが、あがらないと言っておるわけじゃありませんけれども、先ほども申し上げましたように、効率の点において多少の疑問があるような気がいたすわけであります。二十カ年に延長したことだけが理由ではありませんけれども、効率ということが重要である。ただ、本土内であるならば、ちょっと飛んでいって事情を調べてみるということも可能でありますが、遠隔なところでありますので、一度現地を見て、調査しまして、そして住民の実際の実感といいますか、この計画に対する成果の実感等を、実情等を調べてみたいと思っておりますが、それはそれといたしまして、もっと効率的に予算を執行することが望ましいというふうに考えております。まあ、ああいう僻地であり、いろいろ条件も非常に悪かったところでありますから、無理のない点もありますが、同時に私は、住民の福祉に直結するような方向で、できるだけ予算を生かして使わなければいけない、一部に利用されるようなことがあってはならないということを指摘しておきたいと思います。
 それから、あとは事務的になりますけれども、第二の点でございますが、それは補助率の別表でありますけれども、別表を見ますと、おおむね従来の補助率よりも低くなっているというふうに思いますが、この点、私の誤解かどうか、お聞きしたいと思います。また、低いといたしましたら、低くなっております理由をお聞きしたいと思います。
#112
○政府委員(長野士郎君) 御指摘のとおりでございます。主として補助率の調整は、まあ補助率を上げるほうに働かないで、下げるほうに働いております。と申しますのは、やはり復興事業の当時は、もう鹿児島県も非常につらい状態でございまして、そういうことでございますし、地元にも負担能力はまだございません。そういうことで、ほとんど国がめんどうを見ていくという体制をとってきたわけであります。振興事業に入りまして、次第に鹿児島県自体もだんだんと力を持ってまいりました。そこで、県に関係する事業については、多少そのころから調節をいたしまして、他の鹿児島県内の地域との関係とのやはり調整をするということが必要じゃないかということでございます。整備も相当できてまいりました。そういう点からいたしまして調節をいたしたというようなかっこうでございます。今回の場合も、そういう意味で、他の地域の補助率との差を設けることの――これは補助率は高ければ高いほどいいという議論もございますが、やはり相当整備のできているものについては、そういうことで考えていくべきではないかということで、市町村道とか、公共事業の河川とか海岸等につきましては、大体離島振興並みにいたしております。また県事業につきましては、そういうことが可能なものはそういうことで整備をいたしました。ただ、そういうことをするにあたりましても、やはり奄美群島の市町村、それから共同施設とか、近代化のための個々の住民なり共同組織に対する補助事業というようなものにつきましては、振興事業の今後の重点でもございますので、大体従来と同じような補助率を踏襲をいたしました。
 いままでは、一般の公共事業に対する補助率がございます。その上に離島の補助率がございます。さらにその上に奄美群島がございます。それを、公共事業的なものは、県事業を中心にしては多少離島並みのところへそろえるといったようなかっこうをいたしたのでございますが、それにいたしましても、なお、かんがい排水事業でたとえば県事業につきましては、離島振興では十分の五・五の補助でございますが、奄美におきましてはなお十分の七というようなことをやっておりますのは、奄美群島はこれからこの産業振興のほうはやはり伸ばしていかなければならないというようなところで、そういうようなものとか、あるいは農道につきましても、県の補助率は、離島でございますと十分の六、一般は十分の五でございますが、奄美におきましては十分の七・五、あるいは市町村の分も、一般は十分の四、離島は十分の四・五でございますが、奄美の場合は十分の五・五というふうに、そういう産業の振興に直接つながりますようなものにつきましては、なるべく補助率はいじらない。他との調整ということもございますけれども、その点はなるべく振興事業の目的を達するようなことで考えたつもりでおります。
#113
○林虎雄君 法律の改定の第三として、公立学校の補助、公立学校施設災害復旧事業というのを、その改正でありますが、これは何ですか。第六条の「特別の助成」というところの改正で、前の法律の補助率五分の四に満たない場合には「五分の四とする。」ということでありますが、今度も補助率は同じでありますけれども、これは何か条文の整備という意味でやったのですか、そのほか特別の何か意図があってこの改正をされたのか。その点をお聞きしたいと思います。
#114
○政府委員(長野士郎君) この関係につきましては、従来この関係の規定がございませんでした。それで、公立学校施設災害復旧費国庫負担法について、離島振興の場合に特別の補助率が新しくできたのでございます。そこで離島振興より下げるわけにはもちろんまいりませんので、そういう意味でここにつけ加えさせていただくということでございます。
 それじゃ、いままで災害があったのか、なかったのかという御議論がございますが、いま奄美群島につきましては、学校だけではほとんど全部整備してしまっておりますので、従来はこういう該当の事例はございません。ことしから今後はこれが適用になる、こういうことでございます。
#115
○松澤兼人君 大臣が見えられましたら、二、三大臣に対して所見を伺いたいと思いますが、それまでちょっと数字の問題等について質問をいたしたいと思いますが、先ほども林委員から質問がありましたように、一つの奄美群島における住民の生活水準ということを考える場合には、農業所得の変遷とか、あるいは農業外の一般の島民の所得の増減の傾向、あるいは生活保護世帯なりあるいは要生活保護世帯、こういったものがその指標になるのじゃないかと思いますけれども、過去、復興計画なりあるいは振興計画なりずっとやってこられまして著しい改善が見られたという点がありましたら、その点についてお答えを願いたいと思います。
#116
○政府委員(長野士郎君) 資料を差し上げておきましたが、資料の九ページに所得の推移がございますが、所得だけでものを考えるわけにはまいりませんし、なお、これぐらいじゃたいしたことはないじゃないかという御指摘があるかもしれませんけれども、とにもかくにも、逐年群島民の一人当たりの所得は鹿児島県民所得に、まあテンポはのろいかもしれませんけれども、次第に近づいてきておるというようなこと、それから、その前のページを見ていただきますと、産業別就業人口の割合というものも、第一次産業から第二次産業あるいは第三次産業というように構成比が次第に移り変わっていっております。それは第一次産業より第二次産業のほうがいいと言えるかということもあるかもしれませんが、そういったように、だんだんと奄美群島の状況が客観的な数字からいいますとそういうことになっております。
 それから、厚い資料のほうの初めのほうを見ていただきますと、たとえば生活保護にいたしましてもかなり多くはございますけれども、これもだんだんと割合は減っていっている。その下にございますが、農業所得だけにつきまして見ますと、四十一年当時におきましては、奄美と鹿児島県本土とはもうほとんど変わらないといいますか、変わらないより、むしろ、この表でいきますと、奄美のほうが上がっておりますけれども、ややそういうところへだんだんと近づいていっている、これはそういう資料でございます。
 具体的な目で見えるようなもので見ますというと、私どもの経験からいたしますと、初めておいでになる方は、何だ、こんなふうな島かというような印象をお受けになるかもしれませんが、従来の奄美群島の姿からすれば、相当変わっていっていると申し上げてもよろしかろうかと思います。
#117
○松澤兼人君 なるほど、この生活保護の状況という資料を見ますと、三十八年から四十二年まで約二五%ぐらい減っているようでございます。確かに改善といえば改善の実があがっていると言うべきだろうと思いますけれども、しかし、それにしても全国の平均あるいは鹿児島の平均というものに比べてみれば、はるかに要生活保護の人口というものが多いように考えられますが、そこで新たな振興計画ということをお考えになる場合に、少なくともこの点についてはどの程度まで減っていくか、あるいはまあ減っていかせるかということに対して、目標といいますか、そういうものございますか。
#118
○政府委員(長野士郎君) 生活保護世帯として、どういうふうに減らしていくかというような考え方でとらまえてはおりませんが、先ほども申し上げましたように、県民一人当たりの所得に対しまして、四十一年度では群島の島民の一人当たりの所得は八二・一%でございます。これを目標年次におきましては、県民一人当たりの所得に対しまして九四・一%というようなところまで上げたい。そういうことを一つの目標といたしまして振興事業を考えていきたいというふうな考え方でおります。その場合の県民一人当たりの所得も四十八年度までには七三%伸びるだろうというような、これは鹿児島県の計画その他から考えまして、そういう伸びるというものを要素に入れ九四・一%まで持っていきたい。つまり、奄美群島に対しましてはほとんど倍増近い所得の伸びを期待したいというふうなことを考えて一生懸命に取り組んでまいりたいと思っておるのでございます。そういうことの結果といたしましては、生活保護世帯というようなものが急速に減っていってもらわなければ私ども困る、といいますか、そういうことにならないというふうには思います。
#119
○松澤兼人君 目標年度におきましては所得がどれだけ伸びるということを考えておいでになる。逆にいって、それだけに所得が伸びてくれば生活保護の世帯、あるいは人口というものがそれに反比例して減っていくという計算ができるのじゃないかと思いますけれども、具体的にそのほかにいろいろの関連する条件というものがあるでしょうから、裏表の関係というか、あるいはまた逆の関係というふうに割り切ることはできないと思いますが、最終年度において所得増加の目標というものがあるとするならば、それの反対の面として生活保護人口というものがどの程度になるかという推計はできるのじゃないですか。
#120
○政府委員(長野士郎君) これは、私どもいまあらためて一つの御示唆を受けたようなことでございますから、できるだけそういうものがつかまえられればつかまえられるように検討を続けていきたいと思いますが、ただ、人口構成、あるいは年齢構成、いろんな問題の要素がからみますから、必ずしも所得の増大に反比例するだけでつかまえられるかどうか、これは多少疑問がございますけれども、ひとつ担当省とも相談いたしまして、もしそういう資料の推計がある程度可能だということでありますれば、私どもぜひそれをとらまえてみたいと思います。
#121
○松澤兼人君 いまも私申しましたけれども、ほかにいろいろの条件がありますから、ただ、所得がふえたから生活保護が減るというふうに割り切るわけにはいかないと思いますけれども、しかし、一応の推計というのはできるのじゃないか。これはきょうでなくてもよろしいですけれども、今後検討していただいたらいいと思う。
 それから、県と比べれば、先ほどお話しの、農業所得は県よりもいいと言って、御自慢でもないでしょうけれども、追いつき追い越しているような状態になっているようですけれども、まあ、その県の名前を言っちゃ悪いですけれども、他の後進県的な県と比べて、平均と比べてみて奄美の状態がどういうふうになっているか。鹿児島県と奄美ではない。県の名前を言っちゃ悪いですけれども、後進的なと自治省がお考えになるような県のたとえば農業所得であるとか、あるいは生活保護人口であるとかいったような、そういう数字はございませんか。
#122
○政府委員(長野士郎君) これはもう少し追って調べまして、比較表はつくれると思いますが、現在手元に資料がございません。ただ、私どもやはり鹿児島県がどうとかいう意味じゃございませんけれども、県本土についていくということ、そこから上にいくべきだという議論は、これはなかなか地理的条件、絶対条件の不利、辺地性はなるべく克服したいと思いますけれども、何さま、そういう意味では一番南の端に近いところでございまして、やはり目標としては県本土の所得になるべく近いところへ持っていくということではなかろうかと思います。
#123
○松澤兼人君 この数字を見ますというと、追いつき追い越したというようなふうに読めますけれども、そういうふうに考えていいんですか。何かほかの偶然の数字の変化ということでこういうふうに出ているのか。
#124
○政府委員(長野士郎君) これは私どもも、四十一年の農業所得については、上、下が違うんじゃないだろうかというので実は調べてもらいました。まだまだほんとはここまでは行っておりません。と申しますのは、このときは鹿児島県のほうはでん粉が暴落をいたしまして、そこで農家の所得が実は減ったという特殊な事情がございます。しかし、統計でございますので、四十一年はこう出さしていただくわけでございます。これをもって追い越したなんとは私ども決して申し上げようとも思いませんし、それからまた、他の産業の所得その他を全部入れて考えますというと、まだまだ、いま申し上げますように、四十一年で県本土の県民一人当たりの所得に対しましては八二・一%程度にとどまっております。
#125
○松澤兼人君 正直にお答えいただいてけっこうですが、この数字を見ましても、三十八年度、三十九年度を見ますと、県のほうががたっと落ちているのは、これは何か特別の事情があって、それなのに奄美のほうは伸びているというような、何かほかの事情の変化によってこういう数字が出てきていると思うんですね。それですから、追い着いた、追い越したというかっこうにはならないんじゃないかというふうに私も考えるわけなんです。
 それからもう一つは、人口の移動といいますか、あるいは端的に流出と言っていいと思います。その数字は、薄いほうの資料の七枚目、昭和三十年、三十五年、四十年、それで増減が出ているわけですが、総数で見ますというと、三十五年、三十年、この間に〇・九六、それから三十年、四十年にすると〇・八九というふうに、人口の漸減という傾向は、これは否定することはできないと思います。今度の五カ年延長によってそれが人口の流出が落ちつくものか、あるいは漸減の傾向というものはこれは動かすことのできない傾向であって、もう五年たった後にはどの程度に人口が減るであろうという、そういう試算はございませんか。
#126
○政府委員(長野士郎君) 人口の流出につきましては、やはりこれからも人口の流出は避けられないというふうに考えております。これはわが国のわが国といってここもわが国でございますが、島根県あたりの過疎地域に入りますというと、過去五年間くらいで二〇%以上人口が流出しておりますが、そういう面から見ますと、奄美群島はむしろ流出のしかたが非常に緩慢でございます。しかし、農業の近代化、適正規模というようなものを考えてまいりますと、どうしてもある程度の人口の比率は変わって、むしろ、計画としても変わっていく面がある。そこで、実は現在の人口十八万三千幾らのところから、目標年次におきまして、四十八年には十六万二千七百人程度になるであろう。つまり四十一年度から比べまして八九・二%、つまり、もう一〇%くらい人口は低くなるであろうという想定をいたしております。
#127
○松澤兼人君 後進的な地域であって近代的な産業が立地できないというところにあっては人口が漸減するという傾向、これは全く阻止できないような状態で、そのために自治省はいろいろと考えをこらしておられるだろうと思うのです。やはり先ほどお話がありましたように、自給自足的な経済というものが確立すれば、ある程度まで流出の速度といいますか、あるいは動きを食いとめることはできると思います。私たちは、そういうことのために今後の振興計画というものに大いに期待しなければならないと思います。
 そこで、もう一つの問題は、税収の問題ですが、厚いほうの二ページ、これは調査年次は四十二年度までですが、これは自主的な財源とわれわれが普通言っている、そういう市町村収入と考えていいですか。
#128
○政府委員(長野士郎君) この資料は歳入中に占める市町村税の割合をお示ししたと思います。交付税はしたがって入っておりません。
#129
○松澤兼人君 そうしますと、これは市町村が税法によって徴収する地方税収入であって、交付税等は入っておらない、交付税等を計算に入れるとどういうことになるのですか。
#130
○政府委員(長野士郎君) 歳入中に占める税の割合でいきますと、奄美群島におきましては市町村税は平均いたしまして七・八%でございまして、鹿児島県の県の町村で見ますと一三・二%、やはり県の町村のほうがそういう意味では非常に財政支出として考えましても財政力がある。奄美群島のほうはまだまだ財政力がないということが言えるようでございます。それで交付税を加えたものというのは、自主財源と申しますか、そういうものとちょっと分類の、いまそれの資料を手元に持っておりませんが、交付税とか国庫補助金とかそういうものを全部つっくるめにしまして、ここでは依存財源と書いたのがございますが、それで申しますと、先ほど申しましたような関係で自主財源が一八%、依存財源が六八・八%、その他は地方債が一三・二%、これは四十一年度でございますが、そういう形になっておりまして、財政力が非常に弱いということが言えると思います。
#131
○松澤兼人君 これには出ておらないようでありますけれども、財政規模といいますか、あるいは財政の大きさということから考えて見ると、鹿児島県と比べてみてどうですか。これは合計すればどういうことになるのか。ここの二ページの数字はいわゆる市町村税という自主的な税だけであって、このほかに依存財源というもの、あるいはその他起債等があって、そうすると、その合計したものが鹿児島県の市町村の平均と比べてもどの程度かという数字はございますか。
#132
○政府委員(長野士郎君) いま実は手元にその資料を持っておりませんので、資料ができましたならばお届けいたしますが、薄いほうの資料の三ページを見ていただきますと、右の欄に財政力指数の欄がございます。これで見ていただきますと、平均いたしまして、一番しりの右のところを見ていただきますと、財政力指数は〇・一五と、こういうことになっておりまして、鹿児島県の町村だけをとりましても、これは〇・二二でございまして、その点では鹿児島県の財政力の指数と町村の財政力指数はこの資料には入っておりませんけれども、ほかの資料で見ますと〇・二二でございまして、その意味では格段に財政力がなお劣っておるということははっきり指摘できると思います。
#133
○松澤兼人君 逆に言いますと、やはりこの奄美群島の財政力がそれだけ小さい、弱い、あるいは依存度がそれだけ大きいということが言えるわけでありますが、先ほどお話しのありました依存財源というものの中には、この計画に基づくものもやはり含まれておりますか。
#134
○政府委員(長野士郎君) 入っております。
#135
○松澤兼人君 それでは、いまでなくてよろしいのですけれども、この依存財源の中において、この振興計画、あるいは復興計画、そういう名目で国あるいは県から出されているもの、それから、そうでなくて、普通の財政交付金といいますか、あるいは交付税交付金、そういうもの、普通のまあ市町村に国あるいは県から出されている自主財源以外の財源というようなものを区分けしてお示し願えたらけっこうですけれども、これも非常にむずかしい問題だと思いますけれども、一応のかっこうだけちょっとお示し願えたらいいと思うのです。
#136
○政府委員(長野士郎君) なるべく早くいまお話しのございましたような資料を提出させていただきます。
#137
○松澤兼人君 まあ、これはどこでも後進的な地域においては要求もされ、また必要だといわれているのですが、やはり交通の利便ということが非常に産業の発展にも、あるいは住民の生活の向上にも大切だと思うのですが、長野局長御存じかどうですか、私たち参議院の地方行政委員会で、奄美が返ってくる直前、たしか十二月二十日ごろでしたか、地方行政委員会として現状を視察調査したことがある。そのときにも二回鹿児島港から出発をいたしまして、二回とも行けないで、まあ、遠くまで行ったのは開聞岳の先まで行って引返してきたという非常に苦労したことがあるのですが、その当時から見れば、船便もあるいは空の便も非常に改善されたと思うのですけれども、そういう点の改善の実績というものはどんなふうになっておりますか。
#138
○政府委員(長野士郎君) その復帰当時からでございますと、たとえば港につきましても、まず一番大きな問題は名瀬港にも、たしかその当時でございますと千トンの船も岸壁に横づけにならなかったと思います。現在の名瀬港の能力は三千トンでございます。徳之島の亀津、亀徳港と申しますのも、その当時はもちろん名瀬よりも貧弱な港で、すべて沖がかりで、サンゴ礁の植わったところから入っていくという非常に危険な港でございましたが、現在は三千トンの港でございます。それから沖永良部島の和泊とかそういうような港も、あるいは徳之島の平土野、あるいは古仁屋等はいずれもいまは千トンの岸壁を持っておりまして、十分船は岸壁に横づけにすることができます。しかし、この振興事業法の今後の五カ年計画の中におきましても、さらに古仁屋港を三千トンにまで持っていったほうがいいのではないかというようなことも考えております。
 それから空港でございますが、現在大島本島には奄美空港がございます。喜界島にも第三種空港がございます。徳之島、これは民間でございますけれども、空港がございます。沖永良部にも確かこの一月に完成したと思いますが、空港ができておりまして、YS11なら発着をいたします。あのあたりはむしろ先生のお話しのように、台風がひょっとやってくるということになりますと、船はもう絶対に動きません。ただ、飛行機でございますと、台風の来る直前まで行ったり帰ったりすることができまして、現在それらの飛行便はもうほとんど満員のようでございます。この四月、五月というような時期は非常に乗降客が多いということを聞いております。先ほどちょっと申し上げました喜界島は、三種ではございません。場外飛行場でございますから、訂正させていただきます。したがって、五つの島がございますが、現在すでに四つの島には飛行場は整備されております。
 それから道路につきましても、道路の改良率が現在三三・一%でございます。改良率非常に悪うございます。鹿児島県の他の離島と比べるとそれほど悪くございませんけれども、それを今度の目標では五一・二%に引き上げていきたい。舗装につきましても現在非常に低うございまして、舗装率は六・五%しかございません。これを三〇%ぐらいまで引き上げていきたい。鹿児島県も舗装率が悪うございまして一四・七%でございますけれども、奄美群島も復興事業五カ年の間にそういうことでやっていきたい。そういうようなことで、少なくとも港湾なり空港なりという設備につきましては、もう各島に空港は、――各島全部というわけにはまいりませんけれどもたとえば先ほどの与論島におきましても茶花という港はいま千トンの岸壁を実は持っておりまして、大体足は確保できるというような状況にあると思います。
#139
○松澤兼人君 港ができましたことはたいへんけっこうなんですけれども、便のほうは、港湾だとか船便だとかというものが改善されて、大型の船もできるから速度も早くなっていると思いますけれども、しかし、船便のようなものは欠航が多かったりして島民が予定の仕事を足すのに非常に困るということは当時私たち伺ったのですけれども、鹿児島へ出てもいつ帰れるかわからぬというようなことがしばしばあるように聞いております。大きな船になれば多少のしけでも、空港ができるということもあるでしょうし、スピードも上がっていることだと思うんですけれども、そういう港湾及び空港のことはよくわかりましたが、船自身の運航については欠航がどの程度多いのかあるいは少ないのかという点です。
#140
○政府委員(長野士郎君) 詳しいことはちょっとわかりませんが、現在千五百トンの船が三隻、千トンの船が一隻、七百トン一隻、五百トン一隻が鹿児島−名瀬間あるいは鹿児島−名瀬−喜界間あるいは鹿児島−名瀬−徳之島−沖永良部−与論、あるいはまた沖繩の航路もその中では寄ってくれるものもございます。それから飛行機でございますが、現在奄美大島と鹿児島の間にはYS11型の飛行機が一日三便往復をいたしております。それから徳之島はYS11型が一日二便往復をいたしております。そういうような状況でございます。
#141
○松澤兼人君 私ども行きましたときにはまだ返還になる前でしたから、学校の建物もまったくわらぶきの、まことに失礼な言い方ですけれども、人間の住む所あるいは教育を受ける所とはとても考えられないような状態にあったわけです。その後、復興計画なりあるいは振興計画などによりまして、ブロック建築になったり鉄筋建築になったりしているのだろうと思います。これは委員長頭の中に入れておいていただきたいのですが、適当なときにその後の復興状況なりあるいは振興状況なりというものをこの目で見たりあるいは耳で聞いたり――長野行政局長の御答弁まことにりっぱでございますが、現状をわれわれはだで感じ取るということも将来の復興計画には必要だと思いますので、これは覚えておいていただきたいと思います。
 なお、大臣がお見えになりましてから二、三念押しのような質問をしまして、私はこれで質問を打ち切りたいと思います。
#142
○原田立君 最初のほうは、私予算委員会に行っておりまして聞いていなかったのですが、いまの奄美ですけれども、奄美自体が生産するものですね、それと、実際生活に必要で持ってこなければならないものと、この比較がおわかりでしたら教えていただきたいと思います。
#143
○政府委員(長野士郎君) 先ほども申し上げましたが、昭和四十年に私どもも奄美群島を中心にいたしましてどういうふうに移出、移入の関係があり、それから、どういうふうな資金の動きがあるか、そういうものをとらまえようというので、いろいろと調査をし、専門家等にも委嘱をいたしまして分析をいたしました。一番最近のは昭和四十年でございますのでお断おり申し上げておきますが、それで見ますというと、群島内のその当時の総支出が三百二十七億円、要するに、ざっと三百億ということになっております。そうして、群島内の純生産と申しますか、群島内で生産できるものが二百十七億円ということになっております。すなわち、消費するものと生産するものとのバランスが違いまして、百億円は消費過剰といいますか、生産に対して消費の過剰であります。これをまた、物資の群島内から外へ出るもの、それから群島の外から群島の中に入るもの、こういうもので調べてみますというと、移出するものが百十億円でございます。それから、群島の中に移入するものが二百四億円でございます。つまり、移入のほうが百億円多いというかっこうになっております。移出するものの大宗はいわゆる分みつ糖と申しますかざらめ――ざらめと申しますか、砂糖でございますが、あるいは黒糖あるいは大島つむぎ、パルプ用材等もございます。それから、移入するものの大宗は米、酒、電気製品、衣類、菓子、パン、たばこ等の生活必需物資が約六十億ぐらい、それから木材、非鉄金属、鉄鋼、機械類、自動車あるいは肥料、セメント、農機具、飼料――えさでございますが、そういうものをつくりまして、百四十億円をこえております。そういうことで、要するに、赤字が百億あるわけでございますが、これに対しまして、片一方で群島の外から郡の中へ入る国庫補助金でございますとか、交付税でございますとか、あるいは群島の振興事業の補助金でございますとか、あるいは国家機関がございますから、そういうものの給与でございますとか、外から入るものが大体百二十一億円、そして群島の中から外へ出る財政的なお金が十八億円でございます。国税でありますとか、県税でありますとか、あるいは社会保険の負担関係でありますとか、こういうものが十八億円ぐらいございます。したがいまして、これを差し引きいたしますと、大体百億円ぐらいがいわゆる財政的な資金というものを中心にして奄美群島に入ってきておる。これらの関係がちょうど奄美のバランスを保たせておるというかっこうに相なるわけでございます。私どもは、したがって、これだけでは蓄積が一つも残らないという勘定になるわけでございますが、それでも多少ずつ郡民所得が上がっておりますけれども、今後はやはり移入いたしますいろんな物資の中には、極端なものでございますと、野菜、肉、卵というようなもの、牛乳その他日々移入しておるというようなかっこうでございまして、こういうものをぜひとも郡内の生産で郡内の消費がある程度まかなえるようにすればそこに蓄積が包まれてくる、こういうことに相なるのじゃないだろうかと思いまして、今後の振興事業におきましてはキビ、つむぎ、肉用牛はもちろん一つの中心でございますけれども、同時に、蔬菜、園芸、養鶏、こういうものも積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。
#144
○原田立君 私の調べてきたのと大体同じような数字なんですけれども、こういうふうに米、生糸、衣料、野菜、卵、魚、くだものに至るまで入っている。やっぱり何とか現地自給はできないですかね。できるような財政的な援助してやって、いわゆる適正農家をふやしていく、生産を上げていくというようなふうにならぬもんかどうか。それが今度の法案の中に、今度五年間延長するわけだけれども、それがどれだけ織り込まれているか、そこら辺までちょっと説明してください。
#145
○政府委員(長野士郎君) ざっくばらんに申しまして、やはり果樹とか蔬菜、養鶏等は、私ども、しろうと目でございますが、見まして、決して不適地だとは思いません。むしろ、鶏などは南洋の動物でありますから、南のほうがよいんじゃないかと私ども思いますけれども、そこで、ただ従来はどちらかと申しますと、やはりそういう意味でのすぐ害虫がおるとかいうようなことがありまして、なかなかそういうところへ乗ってくれるような意欲がまだ乏しかったと私は思います。ただ、最近になりまして、蔬菜を市場に出荷する、あるいは相当大きな規模で養鶏業を共同で営むというような体制がだんだんとできてまいりました。
  〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕
それから、聞きましたところが、スイカ等は昨年の夏はもっぱら島内自給でまかなえたそうでございます。そういうことで、だんだんとそういう体制がいま整いつつありまして、蔬菜とか乳牛等については絶対に自給体制をとっていかしたい。振興事業の中にもそういう意味の施策としての事業は相当重点的に計画をしたいということでいま立案中でございますが、この厚い資料の、ちょっと変なんでございますけれども、三九ページのあとにまた一ページが始まるんですが、その二ページ目、そこのところを見ていただきますと、これは大まかに、まだ具体化しておりませんが、産業振興という部分では五カ年計画で百十一億を投じていこう。その内容は、ここに書いておりますように、土地改良事業、それからその次に農業協業化の促進ということで九億九千万円、その中には果樹集団地指導とか蔬菜出荷対策というようなものも加えております。それから、農畜産物生産対策三十三億という中にはキビの問題もございますが、家畜導入を考えていきたいというように考えておりますし、その項目の中にミカンコミバエというのがございますが、これが実は島にはかんきつ類を主にいたしましてミカンコミバエというハエがつきます。そこでパパイヤとかあるいはトマトでありますとか、あるいはポンカンの類でございますとかのかんきつ、こういうものはそのままでは本土に持ってこられないように農林省令で禁止されております。ただ、いまポンカンだけはたしか薫蒸をいたしますと本土に持ってくることができるというようなことになっておりまして、そういうことが生産に対する意欲を非常に阻害するというような点は確かにございますが、島内消費ということはそれと関係ございませんので、ぜひそういうものを進めてまいりたいと考えております。そういう意味で、この中にも、だんだんと計画が具体化いたしますにつれまして、そういう自給体制が生産の条件さえ多少整えてやれば可能だというものをぜひ進めてまいりたい、こう考えております。
#146
○原田立君 大体わかりましたが、この前私もちょっと大島に行ってきまして、蔬菜類など、あそこではできないのだというようなものが、北の節田のほう、あっちのほうはだんだんつくられている。たいへんいい傾向だなと実はそう思っておりました。それで大島支庁長から聞いたのでは、まあ、ぼつぼつというような程度なんで、そこのところを非常に手厚くしてもらいたいというようなことを言うておりました。それで、ちょっとこれ数字だけで見てよくわからないのですけれども、手厚くなっているのですか、これで。
#147
○政府委員(長野士郎君) こういう事業につきましては、なおこのほかにいわゆる振興基金における低利融資等も考えまして、そしていわゆる農家経営の、自立農家経営というののモデル等もつくっております。そういうものを通じましてこれから強力な指導をいたしたいというふうに考えておりまして、鹿児島県の当局及び大島支庁を中心にいたしましても、そういうことでひとつ考え方を全く一致さしておりますので、私どもは今後そういう意味では非常に成果が期待していただけるのじゃないかというふうに考えておるのでございます。そういう意味で、だんだんと果樹専業型の自立経営農家もつくり、蔬菜専業型のものもつくっていくというようなことでいろいろ指導を加えてもらい。それに必要な振興事業としての取り上げ方というものはぜひ進めていきたい。それから資金につきましても、基金の資金も、そういう自立経営のための資金については従来六分五厘でございましたが、これを今度は五分にいたしまして、融資条件の改善もして、そして、いままでは個人の貸し付けでございますと五十万円ないし百万円というところでございましたのを、全部百万円ないし百五十万円というふうに、これでもまだ額は十分とは思いませんけれども、一回一回そういうことでどんどんできるだけ融資条件も年々改善をしながら、両方を振興事業における助成と融資とを合わせまして事業を伸ばしていきたい、こういうふうに考えておりますし、住民のほうのいまの受け入れといいますか、そういう意欲も最近非常に高まっているように私どもは存じております。
#148
○原田立君 いままで過去十年間にわたって奄美諸島に対する手当てがなされてきて、今回また五年延ばすというので、それはたいへん地元は非常に喜んでもいるし望んでいることなんですが、従来やってきたのと今回行なうのとについて、特に手厚くなったもの、それから特にこの問題は手薄くなっちゃったもの、その差はどうですか。
#149
○政府委員(長野士郎君) この振興事業の内容は、今回は――いままではどちらかといいますと、公共土木施設とか、あるいはそれを別のことばで言いますと産業基盤整備というようなことでございまして、そういう方向でものを考えていくということがどちらかといえば強かった。これを今度は産業振興ということをもう重点にいたしまして、そして伸ばしていきたいということでございます。で、おもなものといたしましては、産業振興は、サトウキビの集団指導地とか、先ほども申し上げました蔬菜の出荷の対策、あるいは夏野菜の栽培計画、こういうものを考えるということとか、あるいは家畜の畜舎の増設をはかりますとか、ミカンコミバエの防除対策を講ずる。農業総合センターをつくりまして農業の後継者に適切な新しい農業技術の指導を行なう。あるいは、自立経営農家の育成につきましては、先ほど申し上げましたように特別な融資を考えていく。それから大島つむぎにつきましては、大島つむぎのセンター、あるいはつむぎの共同工場あるいは染色の共同工場、あるいはつむぎの製造設備、加工設備等の整備をはかっていく。それから、試験研究機関もそれに応じまして整備をしていきたい。亜熱帯地域特有のいろんな植物、動物、それから水産関係、こういうものの研究その他もやってもらいたい。現在でもその結果が非常にあらわれたものもございます。たとえば、カンショにつきましてかんがい用水をすれば二、三割増産になるとか、こういうようなことはいままでの実験の結果で出てまいりましたので、そういうものは現に振興事業の中でも取り入れております。
 それから、産業基盤の整備としては、道路の補修についての市町村道の管理のために補修用の機械器具も整備しよう。社会基盤の整備としては、公園の整備、農村の住宅の改善。観光関係では、サンゴ礁地域でございまして非常に美しい海がございますので、海底公園をつくり、また、そういうものの受け入れのための国民宿舎等も整備したいというようなこと。多方面にわたっておりますが、しかし、重点はあくまでも産業振興でございまして、そこでものを考えていく。そういうことを非常に手厚く考えていきたいと思っております。
#150
○原田立君 まあ、奄美はやっぱりしっかり自立していこうとするには、土地柄としてサトウキビの増産、あるいはつむぎの振興、あるいは山林の開発と、こういうふうなことがぜひ必要になるのだろうと思うし、それから内部の自給自足体制でいけば、先ほどのお話しのあった蔬菜、卵、魚類の自給自足ですね。これをしっかりしなければいけないだろう。そこら辺が実は心配している向きなんですが、だいじょうぶでしょうな。
#151
○政府委員(長野士郎君) 私は、先生に大いに期待していただいてけっこうだと思います。
#152
○原田立君 そこまで局長言うのだったらあれだけれども、じゃ、ほかの問題にちょっと移りますけれども、道路の問題なんですが、村と村が最近やっとつながったと、本土の場合には戦前すでにもうつながっておったわけですから、それだけ、二十何年間たいへんおくれているわけです。大島支庁のほうも、旧道のほうを拡幅するよりか何とか新設しよう。この方面を手がけてこれがやっと実が実るようになった。これからが最後の詰めになる。こういうわけなんですが、これからが最後の詰めなんだ、こういうことなんですが、いまこの別表を見ると、道路が、従来十分の八から十分の九までが国の負担であったのが、十分の六・五というように下がっているわけですね。これはどうして下げたのですか。
#153
○政府委員(長野士郎君) 先ほどもちょっと申し上げました補助率につきまして、多少の調節をいたしました。それは、相当公共施設が整備された面がありますから、ほかの地域との均衡ということも鹿児島県としても国としても考えなければならない面でございます。そこで、そういうことにいたしましたが、それは市町村道の関係でございまして、いまの道路はもっと大きな道路でございます。この関係は変わりません。おそらく御指摘になりましたのは大和村、宇検村あたりの道路の開通のことだろうと思います。これは非常に長くかかりました。と申しますのは、あの途中に非常にむずかしい固い岩等がございまして、トンネルをうがったりするのがたいへんむずかしかったのでございます。県道等につきましての補助率は変えておりませんが、市町村道につきましては、他との調整もございまして、十分の八から四分の三に、〇・五%だけ調節をさせられたというようなかっこうになっております。
#154
○原田立君 今度の五カ年計画でどうですか。奄美本島の節田あたりから瀬戸内まで至るいわゆるまん中を通っている基本道路ですね。全部舗装ぐらいになりますか。それが一つ。
 それから徳之島ですけれども、徳之島はずっと全部一周している道路がありますけれども、これはほとんどただ土をひっかいて流しただけなんです。そこら全部舗装になりますか。簡易舗装でも。
#155
○政府委員(長野士郎君) まあ、仕事の入り組みの関係もございますが、実は奄美群島の中で、名瀬―古仁屋間、一本の長い道だけが道路整備五カ年計画の道路になっておりまして、これは奄美群島事業の中に直接入っておりません。しかし、まあ私どもも関係省にも強く要請をしまして、できるだけ改良のみならず舗装もできるように持っていきたいと思っております。と申しますのは、飛行場その他から名瀬に取りつけるような道路も、振興事業でやります部分の舗装は先にいくようなこともままございます。そういうこともございますので、調節をしてぜひそういうことをしてもらいたいと思っております。
 それから次の徳之島の一周道路でございますが、これは振興事業対象道路のようでございます。これは大体御趣旨のように舗装がされると思っております。
#156
○原田立君 じゃあ、古仁屋間は振興計画に入ってないそうだけれども、きちんとできるように努力するという御返事で納得するようにいたします。
 それから、大島では国庫支弁の職員が百六十七名いるそうですけれども、大蔵省ではこれを全部切っちゃうぞというようなことを言っておったというのですが、その点はどうですか。
#157
○政府委員(長野士郎君) 職員の関係につきましては、昭和二十八年に奄美群島がわが国に返ってまいりましたときに、群島に所在しておりました官公庁の職員の中で、各省の官公庁の職員に振りかわりましたもの以外は、たしか九十七人でございましたか、それは全部、鹿児島県に大島支庁をつくりまして、その中に受け入れをしてもらいました。しかしそれは、当時県の財政力等もございますし、復興事業をやるという関係もございましたので、この職員はすべて地方事務官にいたしまして、全額国費で支弁をいたしました。その当時は、国の直接の支弁事業でもございましたので、そういう理屈をつけてできたわけでございますが、振興事業になりまして、その関係がそういう事情がなくなりましたので、その点は、全額国の負担というか、補助職員というようなことで今日に至っておったのでございます。その点につきまして、今後五カ年間をどうするかという問題が、たいへん私どものほうと大蔵省との間でもいろいろ話し合いをいたしました。まあ補助金の整理ということを盛んに言っておるのはおまえのほうじゃないかという議論もございましたり、いろいろいたしましたが、そこで結局のところ、今後五カ年間は二分の一は補助しようということで話し合いをつけまして、したがいまして十分の十というわけにはまいりません。その点では、鹿児島県の負担がふえることになりましたけれども、まあ二分の一負担ということで振興計画期間中は援助していくということで折り合いをつけておるわけでございます。
#158
○原田立君 変なところで折り合いをつけると、現地は困るわけですよ。それから、さっき九十七人と言ったけれども、百六十七人と言っておりましたけれども、違うんですか、数字違うけれども。
#159
○政府委員(長野士郎君) ちょっと説明を途中抜かしまして、たいへん申しわけございません。
 最初受け入れたときが九十七人でございまして、その後だんだんとふえまして百六十七人になっております。まあその関係で鹿児島県の負担がふえることは、これはそのとおりでございます。まあその点につきましては、財源措置その他については、自治省全体として鹿児島県についての関係の措置は十分にやっていけるという見通しもあわせて持ったものでございますから、そういうことで決定をさせていただいたというかっこうでございまして、関係職員がそのために非常に職務の執行に影響を受けるというようなことには絶対にならないのでございます。
#160
○原田立君 それはちょっと別にして、先ほど電力問題もあったそうでありますが、また附帯決議案の中にもありますけれども、地元は大島電力ですね、これ一体どうして九電と合併しないのですか。
#161
○政府委員(長野士郎君) 電気につきましては、大島電力のほかに、なお四公営電気――四つの町村でなお公営電気をやっております。それは、大和村、それから喜界町――これは喜界島でございます、与論町――これは与論島でございます、それから瀬戸内町の一部――瀬戸内町と申しますのは古仁屋がございますところでございます、ここではなお公営電気が残っておりますので、それはまあいろいろな事情もございますが、つまり大島電力そのものが、いままでも電力そのものの整備も十分でないので、振興事業、復興事業全部を通じて大島電力そのものの整備も実はつとめてまいりました。と同時に、公営電気につきましても、そういう意味で整備をし、体質改善をはかってまいりました。その結果、現在点灯率は四〇%から九五%まで上がっております。そこで、やっとまあ最近県も非常に努力をしまして、関係省ともだんだんと協議を重ねておりますが、そこでとりあえず来年度におきまして大和村の公営電気を大島電力に統合する、その次の年度におきましては、他の公営電気をその間に整備をいたしますから、整備が完了いたしますので、これもまた大島電力に統合する、そうしたあとで最終的に大島電力を九州電力に統合するようにしたい。この手間どりますゆえんは、一つは、そういう意味でまだまだ改良改善が完了していないというところに一つございます。それと同時に、その改善をどうして待たなければならぬのだということになりますと、九州電力自体が九電力の中で一番電気料金が高い――九州電力自体が、九州全体に非常に離島がたくさんございまして、そういう意味で電気料金も高いので、電力自身の合理化も進めておる最中だというように聞いております。そこで、大島電力のほうもできるだけ合理化をはかった上で九電に統合していくというような形で電力問題を解決すべきではないだろうかというようなことをいま考えて、関係省等の協力を得まして、鹿児島県が中心になって現在計画を立て、私どももそういう線で進めていくようにいたしたいと、こう考えております。
#162
○原田立君 いろいろ事情はおありだろうと思うけれども、とにかく現状は高いと、それからいまのこの計画がおそいと、そこに問題があるのですよ。これはもう少し局長しっかりしてもらわぬと困ると思うのですよ。今度は附帯決議の案の中に入っているのですから、そういうところの大きな問題をとんと抜いておいて今回の法案を出すなんというのは、ちょっとぼくはどうかと思うのです。ひとつ局長、強力にこれを推進すると――九電のほうに統合するようになれば電気料金もっとぱっと安くなるのですから、島民それで困っているのですから、九電の合併も、そんな三年も四年もの先の話なんか言わないで、早期実現すると確約してもらいたい。
#163
○政府委員(長野士郎君) 私どもとしては、もう先生のお気持ちと全く同様でございます。ただまあ、電力機構をどういうふうに統合するというようなことになりますと、私どもは本来の立場からいいますと公益事業である以上は当然そうあってしかるべきだという気が実はいたします。なかなかその関係省の見込み、計画調整というものが、いま申し上げたような事情を背景にしながら逐次合理化し整備し統合するという方向をたどっていかざるを得ないというような状況のように聞いております。それだからといって、それでよろしいんだということを申しておるわけじゃございません。一日も早くそういうことが、合理化、近代化が進みまして、そうして、高料金でありますことは御指摘のとおりでございますから、それが安くなりますことが民生の安定あるいは島民所得にも非常にいい影響を及ぼすことは当然でございますので、ぜひ努力をしてまいりたいと思っております。公営電力に対しましても、現在振興事業では二分の一の補助をいたしております。それから、これは施設でございますが、そういうもの、あるいは大島電力にも開銀等に働きかけまして開銀の融資もやっていただくというようなこともいまやっております。それから市町村の関係での補助裏につきましては、自治省としては起債で維持できるようにしていくということはいろいろこれまでもやってまいりました。今後ともそうやって体質を直しまして、いろいろな条件が出ておりますものを一つ一つ消してしまいまして、そして一日も早く統合できるように持っていきたいと考えております。
#164
○原田立君 むずかしい問題に対して、ちょっとことばは悪いけれども、へっぴり腰になってもたもたおくれるというのじゃなくて、やはり住民の安定というようなことも踏んまえて、自治省ひとつ本腰を入れて通産省なんかにも働きかけはぜひやってもらいたいと思います。お願いします。さっき確約せよと言いましたけれども、あまり確約しないで説明ばかりでしたけれども、その点お伺いしてこの電力問題を終わりたいと思います。
#165
○政府委員(砂田重民君) 電力問題は、島民の所得向上にも、また産業振興にも、重大な影響があることでございます。ただ、先生のおっしゃる確約せよということにつきましては、非常に公益性の高い、公共性の高い事業ではございますものの、九州電力はやはり民営事業でございますので、命令を発してどうこうするという国家権力の介入も、これまたいかがかと思います。ただ、九州電力が合併がおくれざるを得ないような体質を残念ながらまだ公営の電力企業は持っておりますので、個々の解消は、私ども自治省の努力で解消はできるはずでございますから、ただいま局長が申しましたような補助金でございますとか、起債でありますとか、あるいは大島電力に対する開発銀行の低利の融資でありますとか、こういう私どもにできます努力は、最善の努力を尽くしまして、九州電力への合併の気運が早まりますように、ひとつ懸命に努力をしてまいりたいと思います。
#166
○原田立君 次官のほうから、懸命に努力するということで、この点は一応ぼくは納得します。
 最後に、ちょっと法案にあまり関係ないのですけれども、たしかことしの初め大島の青年が大阪で大島つむぎの詐欺事件を起こしましたね。あれは局長もたいへん頭を痛めておるのだろうと思うが、この事件のいわゆる終戦処理は一体どういうふうになったか。これが大島つむぎ業界に与えた影響は非常に大きなものです。今後こういう大島つむぎをもっと振興さしていくためにも、どういう処置を考えているのか。ただ民営ばっかりにまかしておるのもどうかと思うのですが、その点いかがでしょう。
#167
○政府委員(砂田重民君) 大島つむぎの流通改善は、先ほどもいろいろ御議論があったところでございます。これの流通改善はたいへん大事なことでございます。ただ、大阪で起こりました事故は、地元の方のお話を私伺ってみましたのですが、大島つむぎは主として、大阪の問屋といいますか、ここを通じて消費者に流れていく、そういう流れが一番大きいようでございます。やはり奄美出身の方の経営しておられます非常に有力な問屋さんがあって、いろいろな生産者がつくっておられる協同組合からもそのルートを通じて流れておりますのが一番多いようでございます。ただ、そのほかに、この青年が非常にまじめにやる人のようだから、この人をたよってやったら、いわゆるその中間マージンといいますか、そういうものがもっと排除できるのじゃないか、そういう考えで、あのたいへんな迷惑をかけた青年のルートを使って商売を始められたようでございます。ああいう事態になりましたので、先ほども局長が御答弁いたしたかと思いますが、鹿児島県が鹿児島銀行に預託をいたしまして、一億一千万円の保証ワクの拡大をいたしまして、そこから生産者に融資をいたしまして、島民の生産者の倒産という事態は避けられたようでございます。ただ、これ融資のことでございますから、やはりそれだけの赤は残っておりますので、返済その他県のほうで特段の配慮をしているようでございます。引き続いてそういう配慮を県のほうに私どもも希望をいたしておるところでございますが、この繊維の流通問題は、先生御承知のように、たいへんむずかしいところでございまして、どこまで行政が出張っていって、それがはたして生産者に得になるのかどうなのか、たいへんむずかしい問題でございますので、通産省の中小企業庁等、いわゆる全国各地にあります地場産業育成というようなことも中小企業庁で検討もされておりますので、私のほうからも積極的にこういう点を依頼をいたしまして、安定した太いパイプでの、あまりひどい中間搾取的なことのないような流通方法を、自治省といたしましても、鹿児島県に協力をいたしまして何とかその道を見つけ出したい、このように考えております。
#168
○原田立君 そうすると、行政庁がどこまで出張っていいものかちょっと見当がつけにくいというようなことで、業界ですからわからないことはないのですけれども、まあいいときはほったらかして悪いときにばかり問題出すというふうに思われてはたいへん恐縮なんですが、非常に大きな取り扱い量だったようですね。これはだから、大島つむぎ、あそこの全体の業界にこういう悪影響があった、それだけは少なくともとめるような、そんなことが今後ないように何とか歯どめをしなければいけないのじゃないか、こう思うのですよ。そこら辺どんなふうにお考えですか。
#169
○政府委員(砂田重民君) おっしゃるとおりでございまして、県の本庁でも、また大島市庁でも、非常に重要な問題として取り上げておりまして、どう申しますか、端的に申しまして、生産者の側でも非常に大きな一つの警戒心を持たれたようでございます。やはり繊維の流通経路というものはたいへん複雑になっておりまして、あまり経験の豊富な人でない人の口車に乗ることはこういう間違いを起こすのだというということを、現地の方もたいへんあらためて皆さんで、これからの大阪の問屋さんの使い方というものについてももっと検討をしなければならぬという決心をなさったように伺っておりますが、県の中小企業の指導員なども真剣に検討を始めているようでございまして、こういう事態が二度と起こらないように、県のほうにも自治省からもいろいろお願いをいたしまして、これからの新しい流通改善等につきまして、鹿児島県としての、どう申しますか、地域的な物産の中の大事な一つとして、何かの地元生産者の協同組合を強化するとか、そういった流通改善の方策を見つけ出したいと思います。ただ、今日の時点では、こういうふうな新しい流通経路を通してやるのだ、そういう結論を得るところまで参っておりませんけれども、現地にたいへんな打撃を与えることでございます。こういう流通改善につきまして、自治省といたしましても、十分鹿児島県と連絡をとってこれから今後の措置をとっていきたい、新しい流通経路の発見をしてまいりたい、かように考えております。
#170
○原田立君 これで終わりにしたいと思うのですが、奄美大島にこうやって国費を投じて何とかして立ち上がらせようというようにやっておるわけですから、だからただ単に業界だけの問題というふうにおくのはちょっと感情的にまずいと思う。それで、せっかく努力するという政務次官のお話ですけれども、なお一そうこれは努力していただいて、こういうふうな事故は二度と起きないように配慮願いたいと思うのです。
#171
○理事(熊谷太三郎君) それでは、これにて暫時休憩いたします。
   午後三時三十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時三十二分開会
#172
○委員長(内藤誉三郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、小林武治君及び増田盛君が委員を辞任され、その補欠として佐藤隆君及び林田悠紀夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#173
○委員長(内藤誉三郎君) 休憩前に引き続き、奄美群島振興特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対し質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#174
○松澤兼人君 簡単に大臣にお尋ねいたしたいと思うのです。すでに長い間かかりまして奄美群島の復興あるいは振興という仕事が実施されてまいりましたが、これは期待に反したということばを言っていいか悪いかわかりませんが、さらにこれを五カ年延長しなければならないということは、やはり今後も、いままでの実績に徴して、国あるいは県その他が一致してその振興をはからなければならない仕事がまだ残っている、こういうふうに解釈していいと思うのですが、先ほど大臣がお見えにならなかったときに、行政局長にいろいろと御質問申し上げたのですが、確かに二十九年から見れば、統計数字の面では改善されたところが見えますけれども、私どもが非常に心配しておりますのは、振興計画なり、あるいは以前の復興計画なり、直接事業に関係のある人たちが利益を得て、一般の住民には、その復興法とか振興法とかいうものが下まで行き渡っていないのではないかというような感じがいたしますが、さらに来たるべき振興計画の中において、まあ当面は鹿児島県民でありましょうが、それに追いつき、さらに全国的にその生活の水準を上げていく自信がおありでございますか。自信ということよりは、むしろそうすることの決意をお披瀝していただきたいと思うわけです。
#175
○国務大臣(野田武夫君) ただいまの御意見でございますが、全く、奄美大島復興計画から、次いで振興計画に移っておりまして、その経過のあとをたどってみますると、相当力は注いでまいりましたけれども、なかなか所期の目的を達成するということがまだ困難でございます。今回特に振興計画を五カ年間延長していただくような法案を出しまして御審議を願っておるのでございますが、その目標は、当然日本全体の水準まで行政水準を上げたいということが第一の目的でございますが、とにかく、いずれにしても、鹿児島県、本土並みにはどうしても最低限持っていかなくちゃならぬ。理想を申しますといろいろここで申し上げることがありますけれども、少なくとも鹿児島県でございますとか、その本土との格差がまだだいぶんひどいというようなことは、私どもといたしましても、これでは奄美の住民諸君に申しわけないと、そういう意味でございますから、この五カ年計画の目標といたしましては、もちろん最後は本土並みでございますが、まず第一段階で鹿児島県の、内地と申しますか、本土と申しますか、これはこの水準だけはもちろん持っていく。したがって、今後も、この御審議の上で、この法案を可決することがしあわせにしてできますならば、全力を傾けてその方針に向かって行政を進めていきたい、こう決意しておる次第でございます。
#176
○松澤兼人君 先ほども申しましたが、この振興計画の事業者といいますか、それに直接関係のある土木だとかあるいは少数の地場資本家というところが潤って、一般住民はその振興法の恩恵に浴することが少ないという、そういう面から、もっともっと直接国があたたかい気持ちで、群島の県民に対して直接はだに触れるような親切な仕事が行なわれなければならないと思いますが、従来でも特に自治省が不親切であったと考えませんけれども、やはり観点は、私が言うまでもなく、その住民の生活水準の向上なりあるいは所得の向上なりというところになければならないわけで、形が非常に振興してくるというだけでなく、住民の生活それ自身が豊かになることが何と申しましてもこの法律の主眼であろうと思うのです。その点につきまして、大臣の所見を伺いたい。
#177
○国務大臣(野田武夫君) 全く御指摘のとおりでございまして、この奄美の今後の振興政策といたしましては、産業、また教育の問題とか文化方面、経済力と、これがやはり直接奄美の住民の皆さんにいわゆるはだに触れる政策でなければ、住民とはどうも縁が遠いような、事業をやっておっても、これはほんとうにいわゆるわれわれの目的とする奄美振興にならない。幾多御質問の中にもだいぶ出てまいりましたが、電力料金の問題一つ取り上げましても、これはやはり生活の実態から考えますと、このまま放置することはできない。この問題一つをとらえましても、実に今日まで奄美の方々には非常な経済的な負担を与えている。こういうものの解消、これもやはり生活の一つの水準の向上のためには必要だ。これは例を一つ特別引いたのでございますが、そういう意味におきまして、いま申しましたとおり、各般にわたりまして直接奄美の住民諸君の生活が向上するように、水準が上がるように、われわれ行政を担当する者といたしましては、そういう目標に向かって推進したい、こう考えております。
#178
○松澤兼人君 まあその点、大臣はじめ関係の官庁の御努力をさらに希望いたしますが、この行政の制度といいますか、あるいは機構といいますか、まあ大きな島は五島あるのですか、それに市町村が十四あるわけです。徳之島は三町ある、本島は大体七町村あるということですが、自治省もいろいろと広域市町村圏というようなことをお考えなんですが、これはまあ住民の希望を聞かなければ、もちろん自治省が押しつけがましく指導するわけにもいかないと思いますが、機構の上からいえば、何か非常に分かれているような感じもいたしますが、何かそういう行政上の指導をされたことがありますか、あるいはそういう市町村合併なり統合なりの問題についてお考えがありますか、どうですか。
#179
○国務大臣(野田武夫君) 復興計画を進めるときにも町村合併を行なったわけでございます。また、今後もやはり、いま松澤委員のお示しのように、こういうところでは特に広域行政が必要ではないかという見方も出てまいります。そのことを考えますと、いま現に一市十三町村ございますが、これが合併が可能のところはやはりそうしていただくほうがいいし――ただ、島々でございますから、なかなかそこのところは困難のように聞いております。広域行政をやります上に、なかなかそこのところ、全体どういうふうに持ってまいりますか、それから、従来のやはり一つの古い伝統なんかがございまして、なかなか、島々でございますから、行政指導をやります場合には事情にぶつかっておるように考えておりますが、しかし基本的には、すでにそういう復興時代にもできるだけの合併を進めたわけでございまして、今後もやはりできますならば、広域行政をするとかしないとかではなくて、広い視野に立ちまして、共同でいろいろおやりになるところは、非常に経済的な効果があるものはそういうふうに進める。いろいろなことを、あらゆることをひとつこの五カ年間において一度検討いたしたい。いままでの経験もございますから、相当調査も整っておりますし、資料も持っておりますから、それを基礎にして五カ年間の延長、五カ年間のいわゆる振興政策を進めたい。いま具体的に何か動いているかというようなこと、これは政府委員のほうでひとつお答えをいたします。いろいろとあるそうでございますが、なかなか実現しにくいということを聞いておりますから、実は私もはっきりその点存じませんが、政府委員に何か資料があるかもしれませんから、お答えしておきます。
#180
○政府委員(長野士郎君) これまでの間には、大臣がいまお答えいたしました十四市町村でございますが、その中で、たとえば瀬戸内町は四カ町村でありましたものが一町に合併をいたしております。それから喜界島も、昔は二町村でございましたが、これを一つの町に統合いたしております。徳之島も以前は四カ町村でございましたのが現在三カ町村になっておりますが、これからさらに行政の広域化ということはもちろん必要だと思います。機会があれば合理的な行政体制を整えるということもしてまいりたいと思いますが、大臣が申し上げましたように、島のことでございまして、なかなかほかと事情がだいぶ異なる点がございます。しかし、いずれにいたしましても、広域的な行政体制という方向で、合併というところまでいかないまでも、総合的に広域計画の中で共同処理をしていくような方向から進めてまいりたい。そうして、その結果がそういう行政体制の統合というところに進むようなことも、それができるところはぜひとも取り上げてまいりたい、こう考えております。
#181
○松澤兼人君 最後に希望ですが、この法律が成立をみますと、そういうことを所管しております地方行政委員会としましても、五年間ほとんど奄美の復興については触れることの機会があまりないわけですが、予算の中には奄美群島振興費というものが出てきますから、関連して質問できるわけですけれども、私が希望いたしますのは、少なくとも通常国会ごとにその進行状況というものを行政局あたりから、その機会があったらこの委員会に報告をしていただき、議題にして、委員とあなた方といろいろ意見を交換するということは、非常にわれわれは奄美群島と近い関係を常に保っていく上からいっても必要なことじゃないかと思いますけれども、その点につきまして大臣の御所見を承りたい。
#182
○国務大臣(野田武夫君) 私はいまの御提案は全面的に賛成――これは私は公の席で言っておきます、ここに局長、係の者が全部おりますから。そうして、やはりむしろ私ども行政を担当しておるほうから御報告いたしまして、それに対するいろいろな御示唆をいただくことが、これは非常に有効だと思います。せっかく五カ年延長していただいて、何をやっておるかわらぬということでは、また行政を担当する者が万全を期すると言っておりましても、やはり何らかそこに御示唆を与えていただくものがたくさん出てくると思います。そういうことでございますから、この席ではっきり申し上げておきますが、必ず通常国会ごとに奄美の振興計画の推進の内容、実情について御報告することにいたしておきます。
#183
○委員長(内藤誉三郎君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#184
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#185
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。奄美群島振興特別措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#186
○委員長(内藤誉三郎君) 総員挙手と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#187
○林虎雄君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、各派共同による附帯決議案を提出いたします。趣旨説明を省略し、案文を朗読いたします。
    奄美群島振興特別措置法の一部を改正す
    る法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、奄美群島振興計画が五箇年延長され
 るに当たり、産業基盤の整備及び産業振興に効
 率的な施策を推進し、群島民の所得水準の向上
 に資するとともに、次の諸点について速やかな
 措置を講ずべきである。
 一、奄美群島における電力機構の合理化、近代
  化を進め、電力料金の高料金が解消するよう
  適切な措置を講ずること。
 二、奄美群島振興信用基金の保証業務に要する
  資金として国から出資された債権については
  復帰後すでに十五年も経過している事情等を
  勘案し、適切な措置を講ずること。
  右決議する。
 以上でございます。何とぞ委員各位の御賛成をお願いいたします。
#188
○委員長(内藤誉三郎君) 林君提出の附帯決議案について採決を行ないます。
 林君提出の附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#189
○委員長(内藤誉三郎君) 総員挙手と認めます。よって、本附帯決議案を全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの附帯決議に対し、野田自治大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。
#190
○国務大臣(野田武夫君) 政府といたしましては、ただいまの附帯決議の御趣旨を十分尊重いたしまして、奄美群島の振興のためなお一そうの努力をいたす所存でございます。
#191
○委員長(内藤誉三郎君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これは委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#192
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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