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#1
第061回国会 地方行政委員会 第7号
昭和四十四年四月三日(木曜日)
   午前十時四十六分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 三月二十五日
    辞任        補欠選任
     藤原 道子君     中村 英男君
 四月一日
    辞任        補欠選任
     中村 英男君     千葉千代世君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         内藤誉三郎君
    理 事
                熊谷太三郎君
                吉武 恵市君
                林  虎雄君
                原田  立君
    委 員
                小林 武治君
                鈴木 省吾君
                船田  譲君
                増田  盛君
                安田 隆明君
                山崎 竜男君
                若林 正武君
                竹田 四郎君
                千葉千代世君
                松澤 兼人君
                和田 静夫君
                阿部 憲一君
                山田  勇君
   衆議院議員
       発  議  者  山本弥之助君
   国務大臣
       自 治 大 臣  野田 武夫君
   政府委員
       中部圏開発整備
       本部次長     小林 忠雄君
       自治政務次官   砂田 重民君
       自治省財政局長  細郷 道一君
       自治省税務局長  松島 五郎君
       消防庁長官    佐久間 彊君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       首都圏整備委員
       会計画第一部長  永井  陽君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査
 (最近の消防行政に関する件)
○首都圏及び近畿圏の近郊整備地帯等の整備のた
 めの国の財政上の特別措置に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出)
○地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○地方税法等の一部を改正する法律案(衆議院送
 付、予備審査)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(内藤誉三郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 三月二十五日、藤原道子君が委員を辞任され、その補欠として中村英男君が選任されました。また四月一日、中村英男君が委員を辞任され、その補欠として千葉千代世君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(内藤誉三郎君) 最近の消防行政に関する件を議題といたします。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#4
○和田静夫君 新宿のトルコぶろの火事の問題について二、三質問をいたしたいと思います。
 去る二月二十五日も、私はこの地方行政委員会で、引き続いた温泉旅館の火災や惨事に触れまして、消防行政一般について質問をいたしました。こうした国会における質疑応答は、おそらくいままでも火災が起こるたびに繰り返されてきたのでありましょうけれども、事態はこうした論議をあざ笑うかのごとくであります。去る三月二十九日の夕方には新宿のトルコぶろに火災が起こり、五人の若い女性の命が奪われました。また三月三十一日未明には、和歌山県白浜温泉旅館でまた惨事かと思わせるような火事が起こっております。行政上の改善の約束をいくらしてみても、こういう火事はあとを断たないという予感があるかのように、消防庁長官は、新宿のトルコぶろ火事があって問もなくのテレビで、消防署の能力限界を述べられました。問題を国民に返す形で発言をなさっております。長官の苦衷は察するに余りありますが、責任を国民の側に求めるとき、そこに行政というものはなくなるのでないかと私は思います。あらゆる国民の不幸を自己の責任として痛感をし、それを次の施策に生かしていかなければならないということは、行政の任に当たる者のいわば宿命と言ってよいだろうと思うのであります。そういう意味で、私は、たとえむだに見えてもこういう委員会でこういう論議を繰り返しながら問題の所在を明らかにすることが必要だと思います。問題が問題としてはっきりすることにこそ私は解決への第一歩があると信ずるからであります。そこでお尋ねをいたしたいのでありますが、トルコぶろ「その」の場合、消防法上問題はなかったと長官も言われました。三月三十日の朝日新聞にも、消防署が消防上問題がなかったと言っていると実は記述があります。が、消防法の関係だと思われる条項一つ一つについて違反の事実がなかったかどうか質問をいたしますので、お答えを願いたいと思います。
 まず第八条の防火管理者の条項があります。トルコぶろ「その」は、ここでいう防火管理者を置いていたのですか、どうですか。
#5
○政府委員(佐久間彊君) 置いておりません。
#6
○和田静夫君 消防法の施行令第一条は、「消防法第八条第一項の政令で定める防火対象物は、別表第一に掲げる防火対象物で、」明らかにトルコぶろは別表第一の(九)の「公衆浴場」に入ると思いますが、「当該防火対象物に出入し、勤務し、又は居住する者の数が五十人以上のものとする。」となっておる。その収容人員の算定方法は、消防法施行規則第一条によって、「従業者の数と、浴場及び脱衣場の床面積の合計を三平方メートルで除して得た数とを合算して算定する。」ということになっておりますが、「その」の従業員は、伝えられるところによると、十八人、建坪四百五十平方メートルの二階建てだそうですが、浴場及び脱衣場の床面積は何平方メートルであったのですか。
#7
○政府委員(佐久間彊君) 私どもが東京消防庁から報告を受けたところによりますと、九十八平方メートルでございます。
#8
○和田静夫君 そうしますと、ここの場合、九十六平方メートル以上の場合、法違反になると考えられますが、いかがですか。
#9
○政府委員(佐久間彊君) 省令によるこの計算方法によりますというと、この「その」の場合におきましては、常時収容人員が四十二名、交代制の女子従業員を合計いたしましても四十八名ということでございますので、消防法の第八条の規定の対象にならなかったというふうに聞いております。
#10
○和田静夫君 三月三十日の朝日新聞には、「その」も、階段や廊下のカベにはビニールレザーが、また浴室には防水ベニヤが張ってあった。どれも猛烈な煙を出す材料で、逃げる前に煙にまかれてしまう。」とありますが、これは消防法第八条の三に抵触しない施設ですか。
#11
○政府委員(佐久間彊君) 第八条の三は、カーテン類の防炎に関する規定でございますので、ただいまおあげになりましたものは関係はございません。
#12
○和田静夫君 第八条の三の「どん帳、カーテン、展示用合板その他これらに類する物品で政令で定めるものは、政令で定める基準以上の防炎性能を有するものでなければならない。」こうなっておりますね。トルコぶろに入ったことありませんけれども、いわゆる壁というのはたいへん、何ですが、その店全体を保持する意味での展示用の合板という観点で、いわゆる客を――まあ美的であるかどうか芸術的には別として、そういう感覚で、客を招き入れるという意味の性格を持っておりませんか。
#13
○政府委員(佐久間彊君) 先生のおっしゃいますのは、いわゆる内装材料というので、建築基準法の関係で規制の対象になっております。
#14
○和田静夫君 消防法第九条は「かまど、風呂場その他火を使用する設備又はその使用に際し、火災の発生の虞のある設備の位置、構造及び管理、こんろ、こたつその他火を使用する器具又はその使用に際し、火災の発生の虞のある器具の取扱その他火の使用に関し火災の予防のために必要な事項は、市町村条例でこれを定める。」とあります。しかるに「その」には、東京都の火災予防条例に違反する点はありませんでしたか。
#15
○政府委員(佐久間彊君) 東京都の火災予防条例に違反する点は二、三あるようでございます。たとえば、重油をタンクの容量以上に給油いたしておったようでありますが、その結果オーバーフローをしておりましたが、これは火災予防条例の違反になっております。そのほかあと一、二、条例違反はあったようでございます。
#16
○和田静夫君 東京都の火災予防条例の第三条第十三項のどの部分の違反がありましたか。
#17
○政府委員(佐久間彊君) 第三十条のことかと存じますが、この三十条の第七号で、「危険物が漏れ、あふれ、または飛散しないようにすること。」というのがございますが、これが先ほど私が申し上げましたことでございます。
#18
○和田静夫君 あの火災予防条例の第三章第一節第三条「炉及びかまどの位置及び構造の基準は、次のとおりとする。」この十三、「軽油、重油その他の液体燃料またはプロパンガス石炭ガスその他の気体燃料を使用する炉またはかまどのうち、屋内に設けるものにあっては、壁及び天井の炉またはかまどに面する部分の仕上げを不燃材料または準不燃材料でした室内に設けるとともに、その付属設備については次によること。」イからチまで、この中でどの点とどの点の違反が、抵触する部分があったのですか。
#19
○政府委員(佐久間彊君) どの点ということにつきましては、ちょっと私も詳細ただいま承知しておりませんが、この点につきましては、耐火構造でなければならないという趣旨であると思います。それにつきまして、「その」の場合におきましては、ボイラー室が耐火構造になっていなかったという点がございます。
#20
○和田静夫君 三月三十日の読売新聞に、「階段の真下にタンクを内蔵、客室のすぐ隣にボイラー室がある。道路から地下タンクまで重油を補給する長さ数十メートルの送油管は法令違反の塩化ビニール製。」とあります。これは配管には金属管を用いることを規定しておるところの火災予防条例第三条十四号に明白に違反しているのではありませんか。
#21
○政府委員(佐久間彊君) その点につきましては、私まだ具体的に明確な報告を受けておりませんので、調査をいたしてみたいと存じます。
#22
○和田静夫君 それではいまのやつは、調査を約束されると、こういうことですね。
#23
○政府委員(佐久間彊君) さようでございます。
#24
○和田静夫君 消防法第十七条の違反の事実はございませんか。
#25
○政府委員(佐久間彊君) この十七条に基づきまして消火器その他消火用設備をしなきゃならない対象物は、面積の基準がございまして、「その」の場合におきましてはその基準に該当していなかったようであります。ところが、その後――昭和三十八年に新築いたしました際にはその基準以下でありましたが、今回事故がありまして消防署も承知をいたしたのでありますが、その後建て増しをしてございまして、その建て増しをいたしました分までひっくるめますとこの基準に該当する、こういうことになっております。
#26
○和田静夫君 そこが問題なんですよね。建て増しをしたあとの状態というのは明確に消防法のこの対象物に該当をするわけですね。そうすると、やはり、以下具体的に一、二御質問してからあれしたいと思うんですが、明確に長官がテレビで――まあ、あのころまだ調査が完了していなかった事態における発言だと思うんですが、消防法上の抵触がなかったというような意味の発言をされる。あるいは新聞に消防署の職員が、幾つか読み上げればいいんですが、そういうふうに言っている。こういう事態というのは、私は誤りだと思うんですね。そこで、いま「その」には一体電気火災警報器がなかったと聞くんですけれども、これは明らかに施行令二十二条に違反をしている、そういうふうに思いますが、いかがですか。
#27
○政府委員(佐久間彊君) 電気火災警報器の点は、御指摘のようでございます。
#28
○和田静夫君 そうすると、いままで幾つか確認をしてきたとおり、たとえば防火管理者がいなかったとか、あるいは電気火災警報器がなかったとか、言ってみれば、そういうふうな形で消防法上も明らかに違反の事実があった、こういうふうに理解をしてよろしいですか。
#29
○政府委員(佐久間彊君) 消防法あるいは条例に違反する部分もありましたことは、御指摘のとおりであります。
#30
○和田静夫君 ただ、残念なのは、いかに発生をして時間的に間もない時間であったとはいいながら、新聞等に、消防署のだれであるかは特定をされていませんが、そのようなことがなかった、なかったけれどもこのような事態が起きたんだという意味のことを発表される。私は、どういう意図であったか、なぜそういうことを隠さなきゃならないか。法の上で明確に違反があるのになぜ隠さなきゃならないか。責任のがれというふうな感じを、これを読みながら調査をするに従って考えざるを得ませんでした。
 で、一つだけ読み上げておきますと、三月三十日の朝日新聞の記事はこうなっています。すでにお読みのことだと思うんですが、「東京消防庁は、昨年三月、有楽町のサウナぶろ火事(三人焼死)のあと、八月までかかって都内のトルコ、サウナぶろで一斉査察を実施した。」ところが、他の新聞によると、二百五十二軒で一斉にやったけれども、この二百五十二軒の中には「その」が入ってなかった、査察の中に。そういう状態で、明確に漏れている。それで、四つぐらいあげてあるんですが、かぎがかけっぱなしになっていたとか、ボイラーのそばに燃えやすいものがあったとか、あるいは重油の取り扱いが不注意だったとか、あるいは消火器があっても従業員が使い方を知らなかったというようなことで、改善の注意をした、こうなっています。「だが、そうした面がすべて完全であっても、密室、迷路、新建材といった点が改善されない限り、火が出たとき、事故は避け難いと、同庁のある係官はいう。「その」の場合にも消防法上は、問題がなかったと消防署はいう。」、こういうふうに書いているのですね。消防庁は、法が完全に守られていても何か別の事情でこうした惨事は避け得ないという印象をことさら与えることによって、消防署が六年間も査察をしなかった――「消防署、六年も査察せず」という大きな見出しになっている。六年も査察をしなかったという自己の怠慢を押し隠そうとしているかのような感じを受けます。法を守っていなかった。それを消防署が見過してきたという事実は、厳然としていま確認したとおりであります。消防庁長官はそのことをお認めになりますか。
#31
○政府委員(佐久間彊君) 先ほど御質疑の問にお答え申し上げましたように、消防法令関係の違反の事実がありましたことは御指摘のとおりでございます。そこで、それらの点を見過してきたということにつきましては、消防機関の側として責任のありますことは私もそのとおり痛感をいたすわけでございます。そこで、この消防側がその直後の新聞の報道において、消防関係の者が先ほどおあげになりましたようなことを述べている、こういう御指摘がございましたが、この火事現場に参りましてだんだんといろいろ調査をいたしますにつれまして、こまかい点でいろいろ違反の事実も発見されてきたわけでございまするので、私はその直後東京消防庁の関係の者が、先ほどお読みになりましたようなことをかりに申したといたしましても、別に責任のがれをするという意図で申したとは考えないのでございます。
 そこで、いま六年間査察をしていなかったという御指摘がございました。この点も私そういう新聞記事を拝見いたしましたので、現場に参りまして東京消防庁の関係の者に尋ねたわけでございますが、これは、その当時三十八年に新築がなされました際にいろいろ検査をいたしましてから今日まで査察をやっておりません。その事情を聞いてみますというと、これが十七条の対象になっておりませんでしたので、そこで、東京消防庁といたしましては、何分にも都内で約百万軒近くもいろいろな意味で査察をしたらいいだろうと思われるような施設があるわけでございます。あるわけでございますが、その中で、やはりいまの消防法十七条の規制の対象になっておるものをまず重点的に査察を行なう。これが、それだけでも十七万軒以上あるわけでございますが、それを重点的にやる。そのほかのものにつきましては、まあ重点的にと申しますか、一斉査察ではなくて重点的に必要に応じて行なう。こういう方針で査察をいたしておるわけでございます。そこで、この点につきましては、まあ法令の基準以下でありましたので、あと回しということで、手が届いていなかった、こういうような実情であったようでございます。そこで、消防職員は、御承知のようにいわゆる火消しのほうに備えておるということで、大半の人員をそのほうに充てておりますので、予防査察専門のものはごく少数でやっておる。あと、かたがた警防関係の者が手のあいているときにこれを補助する、こういうような形でやっておりまするので、なかなか東京都のように多数の対象物がありますところにつきましては、手が及ばなかったというような事情のあった点は認められるわけでございます。しかしながら、御指摘のようにサウナぶろの火災も昨年ありまして、いろいろこういう特殊浴場につきましては世間の関心がある。また消防機関としてももっと気を配っていなければならなかった対象物でございますから、それらのことにつきましての査察のやり方その他につきましては、なおいろいろ反省をして、今後改善をしていかなければならない点がある、かように存じておるわけでございます。
#32
○和田静夫君 防火に関する法令としては、消防法令のほかに建築基準法令、都市計画法令あるいは火薬類取り締まり法令、高圧ガス取り締まり法令などがあるわけですが、消防法以外の法違反は今度の場合なかったのですか。
#33
○政府委員(佐久間彊君) 建築基準法関係につきましては、先ほど内装材料の問題がございましたが、これは建築基準法の規制の対象になるわけでございまするが、ただこの場合は、まだそこまで規制が及んでいなかったようでございますし、そのほかの点につきましては、まだ最終的には報告を受けておりませんが、一応私、この問現場に参りましたときに聞きました段階では、格別違反があったという話は聞きませんでした。
 なお、つけ加えますが、ただ先ほど申しましたように、当初、三十八年に建築いたしましたあと継ぎ足したもの、これは違法建築で、全然届け出も何もいたしておらない部分でございます。
#34
○和田静夫君 労働省見えなかったのですが、いま建築基準法だけ言われましたが、労働基準法の安全規則で、ボイラー設置のいろいろの問題の、第九条であるとかあるいは十五条であるとかいうやつがあるわけですね。これらの部分の違反も明白だと思うのですが、いかがなんですか。
#35
○政府委員(佐久間彊君) その点まだ私ども把握いたしておりませんので、さっそく調査いたします。
#36
○和田静夫君 私は、今度の火災にはこれだけの法違反があったということを消防庁長官ははっきり言われるべきであったと、こう思うのです。消防署にそうしたものを十分査察する能力がないのなら、法違反の放置の状態を明白にした上でそのことを言うべきであったと私は思うのです。私はそういう意味では、テレビに出られたときのやはり視点というのが、たいへん残念ながら苦情を申し上げなければならないような状態の視点でしたから、何か法が守られていてもこうした惨事は引き起こされる、さっきも申しましたけれども引き起こされるのだということをことさら印象づけるような態度に、逆の意味でとれた。そういう責任回避のそしりを免れないような状態であった。これは私の感じでありますが、感じました。ともあれ消防法が第四条に、「消防長又は消防署長は、火災予防のために必要があるときは、関係者に対して資料の提出を命じ、若しくは報告を求め、又は当該消防職員にあらゆる仕事場、工場若しくは公衆の出入する場所その他の関係のある場所に立ち入って、消防対象物の位置、構造、設備及び管理の状況を検査させ、若しくは関係のある者に質問させることができる。」こういうふうになっている条項を持っているわけですね。私がいま、この条項が最も緊急に発動されなくてはならないと考えている消防対象物は、一つは、だれが考えても火事が起こりやすいと考えられるトルコぶろ、サウナぶろのたぐいであり、もう一つは、いわゆる連れ込み旅館の実態というものはどういうふうになっているのか、あるいは国道沿いにずっと建っているモテルのたぐいは一体どうなっているのか。特にモテルなんかは、外観から見てみると、どうも下で火が出れば――円筒状になっていて、その上に人が入っている、こういうような感じを外から受けざるを得ません。この災害というものは私は予見ができるような感じがいたします。早急に予算措置をして、ある一定期間ある地域を指定をして、集中的に調べてみると言いますか、いわゆる四条の条項に基づく諸件を満たしてみる必要があるのではないか。そしてその結果を、本委員会として立ち入り検査関係者から直接聞いてみることによって実情をつかむことが、打ち続く火災に対処する一つの道ではないだろうか、こういうふうに考えます。その上に立って、長官が述べるように消防署の査察機能の充実、予算措置について本委員会として主張していくといったことも考えられるのではないかと思うのです。そういうつもりはありませんか。これは大臣に、政治的な意味もありますから答弁を求めたいのでありますが、まず長官にお伺いしたい。
#37
○政府委員(佐久間彊君) ただいまの御質問にお答えする前に、先ほどの私のテレビでのことがいろいろ御指摘いただきましたが、現場へ参りました直後に出ましたので、いろいろまたことばの足らない点はあったかと存じますが、私の気持ちは、消防側としても消防法令の順守、あるいは査察というようなことについて反省すべき点は反省をするし十分努力をするけれども、やっぱり国民の皆さんがそれぞれ自分の身の回りの火の用心についてはさらにひとつ注意をしていただきたいと、こういう気持ちで申し上げたわけでございます。と申しますのは、先般の磐光ホテルの火災も、直接の原因となりましたのは、二十五メートルの強風下で三階の屋根が一部吹っ飛んだというような状況のもとで、なおかつたいまつに火をつけてやるようなショーを管理者がやっておる、あるいはまた今回のトルコぶろにつきましても、直接の原因になりましたのは、タンクローリーから重油を給油いたしますときに八百リットルくらいのタンクの容量を越えて給油をして知らずにおったというようなことでありますとか、もちろん消防側も責任のがれということじゃなくて、ふだんの査察、指導につきましてはさらに力を尽くしてまいる所存でございまするけれども、やっぱりそれぞれの施設の管理者側におきましても、もっと火災を出さないように自主的に注意をしてもらう、両力の努力が相まっていきませんと、なかなかこのような事故を防げないのではないかというような気持ちをそのとき持ちましたものでございますので、そんなことで、いろいろまた御指摘いただくような不十分な表現であったかと思いますが、御指摘の点は十分反省をしてまいりたいと存じます。
 それから、ただいま御提案のございました御意見の点でございますが、旅館、ホテルにつきましては、有馬温泉の事故がありましてから、前回も申し上げましたように、この四月までの期間を指定いたしまして全国一斉点検をやるようにいたしたわけでございますが、トルコぶろ、サウナぶろ等につきましては、ただいま一定の期間を限っての一斉点検というようなことはいたしておりませんけれども、今回のような事故もございましたので、この点につきましてはひとつ部門で検討をいたすようにいたしたいと存じます。
#38
○和田静夫君 そしてその検討されるときに、私、ひとつ考えてみなければならぬのは、たとえば査察をする、かりに一軒一軒の営業主体が違法性があるいはなかった場合でも、この同種営業主体が密集する地域における地域的な火災や危険の予防、言ってみれば私は法の盲点になっておるような感じがするのですが、今後どう対処すべきであるかというような方向性が同時に明らかにされる、こういうことが必要なような感じがするのです。というのは、ふしぎと新宿の場合だって、あそこはちょうど、現地見ましたけれども、駐車場が横にあったりして、私も新宿は非常に長いものですからよく知っていますけれども、あったからあれはあそこで終わったのですが、しかしずっと見てみると、トルコぶろの密集地帯が御存じのとおりああいうふうにあります。あるいは連れ込み旅館といわれるものを見てみますと、ぼつぼつあったほうがよいような感じがするのですけれども、どうしてかしらぬが、代々木なり原宿なりずっと密集地帯です。そういう地帯に対するところの火災予防というようなものをどういうふうにするかというような問題はかなり重要な問題じゃないか、こう思うのです。当面はそうしたところを中心に査察を強化していくべきだ、そういうふうに私は思います。それにつけても、消防行政上のより根本的なこととして考えなければならないのは、都市計画的観点の導入の必要性だと私は思うのです。その必要性が痛感をされます。そういう意味で、新都市計画法にある意味の期待を寄せまけすれども、新都市計画法といえども、既成市街地はどうすることもできません。としますと、これは二月二十五日の本委員会におきましても私は言いましたが、トルコぶろ地帯とか、あるいは旅館街とか、あるいは温泉街とか、あるいはいま言ったような密集地域であるとか、地域の特殊性に合わせた消防体制の充実の追求をお互いしていく以外にないのじゃないか、そういうふうに考えますが、いかがですか。
#39
○政府委員(佐久間彊君) ただいま御指摘のありました点は、私も一々ごもっともなところと存じますので、十分念頭におきまして検討をいたしたいと思っております。
#40
○和田静夫君 大臣見えたのですが、長く重複をしませんけれども、新宿のトルコぶろ「その」の火事に、将来にわたっての消防政策の教訓を得る、そういうような意味で、消防法四条がいうところの査察、それらのものをひとつ特徴的にある一定の期間集中的に予算をつけていまの機会にやる。対象として申し上げのは、たとえば連れ込み旅館が一ぱいある地帯だとか、モーテルの状態だとかいうことを申し上げたのです。そういう点と、あわせて消防庁長官からは、十分に考慮をしながら相談をして結論を得たい、こういうことでしたが、大臣いかがですか。
#41
○国務大臣(野田武夫君) 御指摘のように、最近非常に頻発しておるそういう火災事故情勢を見ますと、実はただ一ぺんの通達でやりましても、なかなか効果はあがっておりません。消防庁といたしましては、極力これにつきましては綿密にやっているつもりでございますが、なかなか実効をおさめていないことはわれわれまことに遺憾に思っております。いまの御指摘のトルコぶろみたいなものですが、多分いままでお答えいたしたと思っておりますが、東京をだんだん調べてみますと、そういう対象になるのが百万近い戸数になるそうでございます。私もよく実数を知りませんが、大体基準といいますか、当然こういうことを消防法できめたことを査察するというのは大体十七、八万、基準外が八十万以上という状態でございます。それからこれはお答えが重複するかもしれません、私すぐ調べましたのですが、この問題は大きい問題ですから。そうすると、東京消防庁のいまの職員が一万二千人であります。査察する人が三、四百人しかいない。そういうことで、百万対象査察でございますから、これは私は当然やるべきことでございますが、手落ちがあるし、また基準以外のところはなかなか手が回っていないという実情でございます。この点につきましては、これは十分ひとつ対策を考えなければいかぬと思っております。いままで通達いたしましていろいろのことを指導しておりますことは、これは重ねてまた厳重にやりますが、違反したものに対する取り締まりといいますか、対策というか、これも厳重にやりませんといけないのと、それからもっと実際的のことは、いまちょうど御指摘のように、やはり実際においてひとつ徹底的な調査をする、これは私はほんとうに必要だと思っております。
 それからもう一つ、これに関連いたしまして、消防庁だけの仕事でなくて、やはり建築基準法の関係がございます。たとえば、今度のトルコぶろの火災のことを振り返ってみましても、実は増築した分にタンクローリーなんかくっつけて、もともと許可を得ていないんですね。それから消防車の入る道がもうすでに狭くて活用できないとかいういろいろな点において、これは総体的にひとつ考えてやりませんといかぬし、こういう経営者もまた、自分のことを守ることですから、反省してもらいませんと。いままでの消防行政と申しますか、こういう災害に対する、ことに火災対策というものを一生懸命やっておりまするけれども、実情はなかなかそれに沿うていかないのは、いま申しました消防庁のやる仕事、それから建築関係の仕事、それから都市政策としてのやはり道路関係、これはそういう営業をおやりになるときの許可をどうしてするか。いろいろなことが総合的にやはり考慮されてまいりませんと、これは消防庁の責任をのがれるとかそんなことじゃありません。私の申し上げるのは、やはり徹底的な方法を考えてやらなくちゃならぬ。
 そこで、第一段のいまの御質問にありました、いわゆるトルコぶろをはじめ、温泉旅館といいますか、そういうものに対する査察というものを、どんなに手がかかっても、一応やりませんと、そういう客観的な状態がそうだということを看過することはなりませんから、これは私どもとして各関係方面と連絡いたしまして、いま御指摘のとおり何か手を打たなければいかぬと私どもも考えております。私は、トルコぶろには非常に心配いたしまして、これはたいへんだ、こういうことをほうっておけば、これは東京、特に過密地帯はそうですが、ひとり東京を取り上げましても、こういう事柄というのは次々に起こる心配がある。しかし、いま御指摘のようなところまでまだ踏み切って実は決定いたしておりませんが、できるだけ何かの方法でもって御意見のような方策をとりたい、こう考えております。
#42
○委員長(内藤誉三郎君) 本件はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#43
○委員長(内藤誉三郎君) 首都圏及び近畿圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案はすでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより補足説明を聴取いたします。細郷財政局長。
#44
○政府委員(細郷道一君) お配りしてございます首都圏及び近畿圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案関係資料の中の、ページ数が入っておりませんので恐縮ですが、六、七枚いったところに法律案の要綱がございます。青紙が入っておりますが、青紙の二つ目でございます。そこに法律一部改正案の要綱がございます。御承知のように、首都圏及び近畿圏の財政援助の法律では、府県に対しましては、地方債のかさ上げ許可をし、その地方債の利子負担の一部について国が財政援助をする、こういうことになっております。それからいま一つは、市町村分につきましては、その市町村の財政力と仕事の分量等を勘案して国の補助負担率を引き上げる、こういう仕組みになっておりまして、それらの適用期間は昭和五十年度まで、こういうことになっております。今回、中部圏につきまして、その法律の一部改正によって、近畿圏首都圏の場合と同様の財政援助の方式が適用できるように改正をいたすものでございます。したがいまして、法律案といたしましては、すでにお手元にございますように、題名を改めるほか、各条文の中に、中部圏の地域について適用がありますようにそれぞれ改めたものでございます。したがいまして、内容的には非常に簡単な内容になっております。
 ただ、一つつけ加えておきたいと思いますことは、中部圏におきましては、都市整備区域と都市開発区域に計画が分かれておりますが、そのうちの都市整備区域には、具体的に、名古屋市の中心部にあたるところも含まれております。首都圏、近畿圏におきましては、東京、大阪等の中心部、いわゆる既成市街地にあたる部分はこの援助の対象からはずされておりますので、中部圏をここに入れるにあたりましても、名古屋市の一部、既成市街地に相当する部分はこの適用を排除するように改令で区域を定めるように委任してございます。そういったことによりまして、三つの地域について同様の財政援助措置ができるように改正をしよう、こういうことでございます。
#45
○委員長(内藤誉三郎君) 本案に対し質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#46
○林虎雄君 先日、大臣の提案説明、ただいま補足説明もありましたように、この法律案は、従来の首都圏及び近畿圏の整備、建設に対して適用された国の財政上の特別措置を中部圏の整備にも及ぼすために、中部圏を加えることを内容としたものであると思います。
  〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕
この前提というべき中部圏基本開発整備計画が昨年公表されております。ここにも、委員会にも資料が提出されておるのでございますが、この機会に基本計画の概要をできれば図面によって説明をお願いしたいと思います。
#47
○政府委員(小林忠雄君) お手元に、中部圏開発整備関係法令、それから中部圏基本開発整備計画、それからここに張ってございます中部圏の区域図、この三つのものが資料としてお配りしてございます。
 ただいま御質問がございました中部圏開発の基本計画でございますが、これはこの関係法令の十二ページ、第九条第二項にその定めるべき事項がきまっております。一号、二号、三号とございまして、第一号が開発、整備に関する基本方針、第二号が都市整備区域、都市開発区域、保全区域の指定に関する事項、第三号が主要な施設計画に関して定めることになっております。これを受けまして、もう一冊の別冊の中部圏基本開発整備計画が、昨年七月一日に正式に決定をいたしました。一ページに目次がございますが、第一編が第九条第二項第一号に当たります基本方針でございます。それから第二編が区域指定に関する事項でございまして、同項第二号に当たるものでございます。それから第三編が同項第三号に当たる部分でございます。
 図面につきまして簡単に御説明をいたします。中部圏は、この法律の第二条第一項に定義してございますように、富山県、石川県、福井県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県及び滋賀県という九県を含んだ地帯ということになっております。それで、中部圏の位置づけと発展の概要につきましては、基本整備計画の第五ページの下段のほうに書いてございますが、まず中部圏の日本全体における位置づけをお話しを申し上げますと、大体日本列島の中部に位置しておりまして、東に首都圏西に近畿圏に接しております。首都圏も近畿圏もともに京浜及び阪神という過密の工業地帯、人口、産業の過密地帯を中心とする一つの大都市圏を形成しております。これについて首都圏計画及び近畿圏計画があるわけでございますが、この問にはさまれました中部圏というものを開発することが、日本全国の中におきまして非常に全体の開発に寄与するということが一つと、そのほかに、この基本方針の五ページの下のほうに書いてございますように、首都圏近畿圏の過密を中部圏の開発を促進することによりまして緩和をするという意味が、全国的な一つの大きな意味でございます。
 中部圏の計画の特色でございますが、これは中部圏の地勢に由来をいたしております。首都圏、近畿圏は、それぞれ東京湾、大阪湾というようなところにございます大都市地域を中心とした平野部を中心にしておりますが、中部圏は、日本で一番高い山岳地帯、日本の屋根といわれております中部山岳地帯が大体中央部にございますために、日本海側と太平洋側及び中部内陸地帯という三地域が、従来それぞれわりあい連絡が十分でない状態において開発が行なわれております。太平洋側におきましては、東京、大阪を結びます中心のいわゆる太平洋ベルト地帯という地帯でございまして、人口、産業の集中が非常にはなはだしい、いわゆるほうっておきますと東海道メガロポリスというような地域を形成しつつあると思います。これに対しまして日本海側は、いわゆる古来の北陸道でございまして、どちらかと申しますと関西経済圏の範囲内に吸収されるといいますか、その影響を非常に受けて発展をしてまいりまして、どちらかと申しますと、名古屋、静岡等の中部圏の太平洋側との経済交流が比較的薄い地帯でございました。これは中央部に急峻な山岳地帯が存在するためでございます。それから中央部の山岳地帯は、非常に急峻な山岳地帯でございまして、ここ数年間の人口の移動を見ますと、人口がそれぞれ北陸地域及び太平洋地域、しかもその相当部分が京浜、阪神地域へ流出をしている地域で、ほうっておきますと過疎問題が起きる、こういうような地域でございます。そこで中部圏の開発は、名古屋を中心とする地域につきましては、京浜、阪神のような大都市地域対策の性格を持っておりますが、中部圏全域の開発ということになりますと、太平洋地域と中部山岳地帯及び日本海沿岸の地帯を一体として開発をするということが中部圏開発の一つの特色でございます。この点は、中部圏開発整備法第一条の目的のところに、「東海地方、北陸地方等相互間の産業経済等の関係の緊密化を促進するとともに、首都圏と近畿圏の中間に位する地域としての機能を高め、わが国の産業経済等において重要な地位を占めるにふさわしい中部圏の建設とその均衡ある発展を図り、」ということがいわれているゆえんでございます。そしてその手段といたしましてはどういう開発手段を用いるかということでございますが、これは基本開発整備計画、七ページの「計画の目標」下段のほうに書いてございますように、従来日本海側と太平洋側と内陸地帯とが十分な連絡がなかったということは、自然上の制約によりまして交通通信が非常に不便であったということでございます。そこで、何と申しましてもこの地帯を一体とする開発をはかりますためには、この中部圏を一体とした交通体系の確立ということが特に重要でございます。でございますから、まず首都圏、近畿圏の中間に位しておりますから、それぞれ東西間の交流を緊密にするということはもちろんでございますが、同時に、南北の交通路というものを開発することによりまして、地域内の循環交通、通信の体系を整備することによって物資及び人の移動を促進することによりまして、太平洋側と日本海側とを結びつけて、一体として開発をしてまいりたい。中部圏は、日本列島の中でも最も幅の広い地域を含んでおりますが、同時にまた伊勢湾、敦賀湾というような一番狭い地域をも含んでおりますので、そういうところをうまく組み合わせました交通体系をつくるということが中部圏開発の一つのねらいでございます。そのために、今回御審議を願っております財政特例法、このうちで都市整備区域、都市開発区域に関する財政上の特別措置をお願いしておるわけでございますので、この区域指定について次に御説明いたしたいと思います。
 中部圏の区域につきましては、法律の中部圏開発法第二条の三項及び四項、五項にそれぞれ区域がございます。
  〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕
第一が都市整備区域でございまして、これが法の第十三条に規定してございます。これはいわゆる大都市地域でございまして、名古屋を中心といたしましてすでに相当の大都市地域になっておるところでございます。大体名古屋を中心といたしまして半径四十キロの圏内、西は四日市から東は西三河の地帯に至る半径四十キロの地域を整備区域として指定しております。この地図で申しますとピンク色に塗った地域でございます。これは、先ほど財政局長から説明いたしましたように、首都圏近畿圏と違います一つの特色でございまして、首都圏、近畿圏におきましては、この都市整備区域に当たるところは、既成都市区域と近郊整備地帯という二つの区域に分かれておりますが、中部圏におきましては、既成都市区域という概念がございませんで、近郊整備地帯と既成都市区域とを一体とした都市整備区域という概念でひっくくっているわけでございます。これは立法の経緯によりますと、東京、大阪というものはすでに過密でございますので、これについては何らかの抑制措置を積極的に講ずる必要があるということから地域指定を分けたわけでございますが、名古屋市を中心とする地域におきましては、東京、大阪のように過密の状態になっているという現象にはまだなっておりませんので、将来放置しておくと過密になるおそれがある、したがって、現在から先行的に整備を行なうことによりまして、過密のない集積というものを実現しようとする地帯でございます。
 次に都市開発区域でございますが、これは法律第十四条にございますように、それぞれの地域の中核となる都市を中心として積極的に開発を進めようという地域でございまして、かば色に塗った地域がそれでございます。東から申しますと、東駿河区域、西駿河区域、遠州区域、東三河区域、伊勢区域、琵琶湖東北部区域、岐阜区域、それから伊那谷区域、高山区域、福井・坂井区域、金沢・小松区域、富山・高岡区域、長野・上田区域という区域がそれでございます。
 次に保全区域と申しますのは、第十六条に指定してございますように、観光資源の保全開発というのが第一の目的、それから緑地保全が第二、第三が文化財保存という三つの目的を持って指定されることになっておりますが、今回指定をしておりますのは、このうちでも観光資源の保全、開発についてだけ、とりあえず国立公園、国定公園等を中心として中部山岳地帯等について指定をしておるわけであります。
 その他、第三編の施設計画におきましては、この区域間全体を通じまして根幹的なおもな施設計画について定めておりますが、詳細については省略いたします。
#48
○林虎雄君 いまの説明で、首都圏並びに近畿圏の構想と若干異って、中部圏は非常に広範囲にわたってのその地方の産業経済の発展に重要な役割りを果たそうということが明らかにされたのでありますが、この問題と、この中部圏と関連いたしまして、特に大臣にお尋ねしたいと思いますが、最近過密過疎ということばで象徴されておりますように、わが国の産業経済の発展、それから産業構造の変貌等によりまして、人口の都市集中というものがきわめて著しくなったのでありますけれども、特に東京周辺、首都の周辺、並びに大阪を中心とする地方、並びに名古屋を中心とするこの中部圏、この関係に将来はさらに人口が集中するであろうというふうに言われておるわけであります。将来人口の六〇%がこの太平洋ベルト地帯、いわゆる東海道メガロポリスといいますか、その中に、東京から大阪を結ぶ東海道、太平洋岸に人口が集中するということが言われておるのでありますが、この中部圏をお考えになるにつきましても、太平洋ベルト地帯の都市集中というものとどのような関連でお考えになっているか承りたいと思います。
#49
○国務大臣(野田武夫君) いま御指摘になりました日本全体の人口の推移というものは、今日までの経緯から考えまして、将来の地域の発展その他から考えまして、現在において、お話のとおり、首都圏、近畿圏、これを結ぶ太平洋のベルト地帯というのは、漸次激増している状態であります。将来の人工の配分といいますか、推移というものは、このままほっときますと、さらに拍車をかけて、もうその地帯のいわゆる過密問題、同時にこれに伴うて過疎地帯がだんだんふえていく、こういうきわめて好ましくない状態があらわれてくると思っております。したがって、いま政府委員から説明もいたしましたとおり、この中部圏の開発をやるという趣旨の中におきましても、現在の首都圏、近畿圏の情勢を考慮して、やはりこの中間にある中部圏ことにこれは太平洋、それから日本海、中部の山岳地帯といいますか、内陸地帯、この開発をひとつ急いでやれば、いままでわれわれが将来非常に心配している人口集中の、特に首都圏、近畿圏における集中の傾向を防ぐことができるだろうということが大きな一つの目的になっておりまして、その意味からいたしましても、日本の人口の移動をバランスをとってやっていきたい。ことばをかえて申しますと、過密と過疎の現象をできるだけ緩和してやりたいというところに、やはり今度の中部圏のいわゆる財政援助をして開発にかかりたいという目的が十分含まれていると、こう思っております。
#50
○林虎雄君 いま大臣からお答えがあったわけですが、この中部圏基本開発整備計画によりますと、昭和四十年の中部圏の人口千六百五十万、これは北陸のほうも含まれておると思いますが、目標年次の昭和六十年には二千二百万に達するという推定でありますが、特にこの太平洋地帯に集中するといわれる昭和六十年には、人口の六〇%がここに集中すると予想されておりますが、そういう人口というものと、事務当局ではこの人口は一致しておるように考えておられるわけですか、その点ひとつお聞きしたい。つまり太平洋ベルト地帯に発展するであろうという人口の増加と、この増加とはどういう関連で見ているか。
#51
○政府委員(小林忠雄君) ただいま御指摘がございました昭和六十年におきます中部圏の総人口二千二百万という数字は、ただいま経済企画庁が中心になりまして作成しております全国総合開発計画におきます中部圏における推定の数字と大体調整をとった数字でございます。経済企画庁の昭和六十年におきます中部圏の想定人口は、現状のままおきました場合と、それから過密過疎対策を積極的に行ないました場合、二つの場合を想定しているわけでございますが、この数字は全国的に過密過疎対策を積極的に推進をするということを前提とした数字にやや近い数字になっております。と申しますことは、具体的に申しますと、自然の趨勢にほっておけば、東京から大阪までべた一面に都市が連なるということになりますので、そういうことを政策的に極力分散方向に持っていくという施策をした場合にどうであろうかということを企画庁で作業をいたしました結果の数字に近くなっております。
#52
○林虎雄君 大臣おられますから、あとでお聞きしようと思いましたが、繰り上げてこれを先にお聞きしたい。これは近く政府は府県合併の法律案を提案されるということを聞いておりますが、この府県合併の法律案と――これはどうせその際あらためて出た時点において質疑をするわけでありますが、いま問題になっております首都圏、近畿圏、中部圏といいましても、これはもし府県合併の案が出るとすれば、当面大阪を中心とする合併ということがあるいは名古屋を中心とする合併ということが一応考慮に入るであろうと思いますが、そこで、いま提案されております法律案と、将来の府県合併というものと何か相関関係があるような感じがするわけでございますが、いわばその前提条件をつくるような、そんなような感じもするわけでありますが、それに対して大臣の御所見を承りたい。
#53
○国務大臣(野田武夫君) いま御指摘になりましたこの府県合併の特例法案でございますが、これは近く提案したいと思っております。まあこれは、先般も申し上げておりますこの府県合併案と今度の中部圏の問題、あるいは首都圏、近畿圏の問題とどう関連があるか。これは、今回、この中部圏の基本開発というものと府県合併というものとは、全体的な、総体的な考慮から出ているものではございません。ただ、今日この社会経済の非常な伸展に伴ないまして、広域行政という、これはまあ自然的に発生している経済状態に対処する方法、あるいは地域社会の社会的な問題の解決、まあ文化面その他産業面ことごとくそうでありますが、これにはどうしても行政を広域行政に持っていったほうがその行政の能率を高めていくのではないか、それから効率的ではないか、こういう考え方を持っております。しかし、これはあくまでもその地域の状態と地域住民の方々の御意見に沿うてやることでございまして、この中部圏の開発計画が出たからその圏内の府県は合併したがよろしい、あるいは合併すべきだという意見は持っておりません。いま申しました、広域行政のほうが行政の水準を高めるのじゃないか。もしそれを必要とするならば、府県の合併もやりたいという希望が出てくれば、それはその希望に沿うてやるように道を開いておいたほうがよかろう、こういう意味でございますから、必ずしも相関的な意味において――将来府県合併の特例法案を提案いたしまして御審議をお願いするといたしましても、基本的な考え方は相関的な考え方はないということだけを申し上げておきたいと思っております。
#54
○和田静夫君 いまの御答弁との関連ですが、二月の二十五日の本委員会で、私は都道府県合併特例法案の問題について大臣にお考えをただしました。私は基本的には自治体間の協力方式でよいのではないかという形のことを申し述べました。大臣は、必要があればそれはけっこうです、むしろ役所としては歓迎をします、こう答弁をされておるわけでありますね。で、いま意図はどうあろうとも、どういうふうに動いているかというと、たとえば三月二十五日の朝日新聞によりますと、中部経済連合会の井上五郎会長らが二十四日の午後佐藤総理を訪れた。その訪れたのは、「愛知、岐阜、三重三県の合併を実現させるため、近く国会に提出される都道府県合併特例法案の成立に努力してほしい」と要望しております。したがって、私が指摘したのに対して、あのとき自治大臣は否定をされたのですが、府県合併問題についてこのいわゆる財界からの要望というものはたいへん強いのではないかという、そういう私の質問に対して、いやそういうことはないのだというふうに言われたけれども、現実の問題としては、こういう佐藤総理に対する申し入れがあった。そして、府県合併についての財界の圧力とでも申しますか、そういうような形のものが現実にあることは、ここで明らかだと思うのです。で、私は圏域行政を進める体制としていま考えられている府県合併というものは一体どんなものなのかというのはやはりたいへん問題になると思うのです。どうですか、それは。
#55
○国務大臣(野田武夫君) 私も和田さんにお答えしたことは覚えております。実は私は一向財界の動きに動かされておりません。あまり圧力を感じないものですから、どの方が動いているかということは知っておりますが、しかし私は、そういうかっこうの府県合併特例法案というものがそういう問題で動くということは――動かれることはかってですから、またそれの御希望があればお動きにもなりましょうが、私自身が何らのそういう感触を持たないので、私は心から広域行政ということが必要ではないか。この前もちょっとお話したこともあるけれども、私ら、近くの県ですが、水の問題でも何かしら一級河川に指定されて困っておる。一級河川にしてくれ、一級河川にしてくれと運動をしておいて、結局今度は一級河川になったら困った、困ったと言う。国がかってに水をどうとかしてはいかぬと言う。これは水だけの問題ではない。これは大きな問題で、ほかにもありますが、長くなりますからここではやりませんが、和田さんの仰せられるように、財界の動きがあるということも聞いております。全然知らぬじゃありませんが、私にはその感じが一向に受けないし、こういうことで府県合併という大きな問題を――行政改革ですから、やろうということは、それは和田さん、いかに私どもの立場といたしましても毛頭考えておりません。それだから、共同組織でやろうというのはけっこうだということはそれでありまして、いま目標とするところは、地域住民の方が行政の水準を上げるにはどうするのかと、それには一プラス二の力のほうが、一と一より以上、三または四の力が出る。それよりももっと広域になればよいということであれば、それでもいい。それはその地域の責任者の方、住民の方が考えることであって、その道だけは開いておいてよろしいと思う。私は道を開くことは、広域行政が、今日の社会経済の伸展と推移にかんがみて、ひとり府県だけでなくして、各地方団体においては相当痛感しておられるところがある。また現にそういう意見が出ておりますが、私のところにいろいろ陳情を受けておる中にも、やはりある県のごときは、だんだんだんだん合併をやっておったんだが、まだ第二段、第三段の合併をやってもらわなければという――考え方はいわゆる一種の共同体ですね。しかし、それは行政上合併すれば、地域のつまりこれは合併になりますが、こういう意見が相当多いのです。だから、いま申し上げましたように、圏域の開発、府県合併はそのために備えておくんじゃないかと、あるいは一部の財界人の思惑で府県合併をやるんじゃないかということは、今日の自治省に関する限りは毛頭ないということをはっきりこの前と同じようにお答え申し上げておきます。
#56
○林虎雄君 まあこの法律案は府県合併の問題ではありませんけれども、ただ、いま大臣がお話しになったように、府県合併の法律案を提案するにしても、具体的な府県の合併というものは当該地域の住民の自由意思によってどういうふうに決定されるか、その自由な意思によって考えるべきだというお答えでありますが、府県合併の法律案が出るということ、提案されるということは、一体府県合併に対して一つの外堀を埋めるといいますか、そういう感もあるわけでございますが、中部圏のこの構想については、愛知を中心とする、合併とはかなり違いまして、かなり広域な地方を対象としておるのでございますから、まあこれがそのまま該当するとは考えておりません。
 そこで、少し具体的に事務当局のほうにお尋ねしたいのでございますが、中部圏の都市整備区域、都市開発区域及び保全区域の整備等に関する法律の第三条によりますと、都市整備区域等の指定が行なわれたときは、関係知事は市町村長と協議して、地方協議会の意見を聞いて、都市整備区域建設計画、都市開発区域建設計画、保全区域整備計画を作成して、総理大臣の承認を申請しなければならないとあります。昨年の十一月、区域指定の告示があったのでありますが、各県の建設計画については現在どのようになっておるか、承りたいと思います。
#57
○政府委員(小林忠雄君) 大体各県に問い合わせましたところでは、事務的には、五月いっぱいには、ただいま御指摘のございました中部圏の都市整備区域、都市開発区域及び保全区域の整備等に関する法律の第三条に基づきます中部圏開発整備地方協議会を五月中に開くということを目途に作業を進めております。政府の中部圏本部といたしましては協議会で出てまいりました案につきましては、七月上旬までを目途に内閣総理大臣の承認を取りつけたいと考えておりますが、同条第二項にございますように、中部圏開発整備審議会の意見を聞かなければならないし、関係行政機関との協議がございますので、六月上旬に各県からまとまった案を出していただきまして、七月上旬に承認に持っていきたい。新しい都市計画法が六月上旬にはおそらく施行になろうかと思いますので、その新しい都市計画法の一つの前提をなす計画になりますので、
  〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕
七月上旬におそくも承認に持っていきたいと考えております。
#58
○林虎雄君 中部圏開発整備計画は、法律の規定では「基本開発整備計画及び事業計画とする。」ということになっております。中部圏の開発整備法では「事業計画は、基本計画の実施のため必要な毎年度の事業で政令で定めるものについての計画」ということになっており、政令では当該事業を行なうものについて規定されているわけですが、四十四年度の事業計画というものは現在どのようなことになっておるか、状況と内容を承りたいと思います。
#59
○政府委員(小林忠雄君) この事業計画につきましては、計画の主体、手続等について法律上必ずしもはっきりしておりませんが、毎年度の事業についてつくることになっております。そこで、ただいまその中心をなしますものは何と申しましても都市整備区域及び都市開発区域の中における拠点開発方式でございまして、そのために建設計画をつくり、今回御審議を願っておりますような財政援助をいたしたいということでございますので、建設計画はおおむね昭和五十五年を前提に案をつくることになっております。そこで、この建設計画が承認になりました後におきまして、これを各年度にブレーク・ダウンをしていきたいと考えておりますので、中部圏としましては、まず各区域の拠点の区域における建設計画がきまった後の段階においてその年次計画をまとめて事業計画をきめていきたい、こういうように考えております。
#60
○林虎雄君 改正案の第二条第三項の終わりのほうにカッコして「政令で定める区域を除く。」とありますが、この規定の趣旨と政令の内容について説明を承りたいと思います。
#61
○政府委員(細郷道一君) 先ほど補足説明のときにも申し上げましたように、首都圏、近畿圏におきます既成市街地に相当する区域を中部圏については政令で除外をしたい、こういうことで政令に委任をしてあるわけでございます。その区域は、ただいま関係者の間で相談をいたしておりますが、大体名古屋市の中央部を除外をしたい、こういうふうに考えております。
#62
○林虎雄君 この財政上の特別措置に関することでありますが、四十一年度から五十年度までの問における特別措置として、起債の特例を認め、利子補給をしたり、補助率の引き上げを行なったりするわけでありますが、中部圏の基本開発整備計画の計画期間は昭和四十三年度から六十年度までの十八年間ということになるわけであります。そうしますと、財政上の特別措置が行なわれる期間と計画期間とが相当に食い違っておりますが、この点についてどうお考えになっておりますか。
#63
○政府委員(細郷道一君) これも先ほどちょっと御説明申し上げましたが、今回は首都圏、近畿圏の財特法に中部圏をのせるということで、期限その他につきましては現行法にそのまま移行させる、こういうことで五十年度ということになっております。もっとも利子補給については五十五年度ということでございますが。そこで、計画の期間とこの財特法の期間が違うという点は、確かに御指摘のとおり、一つの問題点になろうかと思いますが、その点につきましては将来十分実態あるいはそれまでの事業の進捗の状況等も見定めて検討をいたしたい、かように考えております。
#64
○林虎雄君 提案理由の説明では、中部圏の整備開発を推進する必要がある、このためには経費が膨大な額にのぼるので、地方団体の財政負担も増大してくる、これらの区域の建設計画の円滑な推進をはかるために財政上の特別措置が必要であると言われております。このガリ版の資料の六ページですか、昭和四十四年度事業分の財政援助見込み額がありますが、この各府県別の見込み額及び昭和五十年度までどのくらいの財政援助が行なわれると考えておりますか、推定額でもあれば承りたいと思います。また、この昭和四十四年度分の財政援助見込み額がどのようにして算出をされてきたか、算出の基礎というものがあったら承りたいと思います。
#65
○政府委員(細郷道一君) 四十四年度から五十年度までの推計につきましては、実は、御承知のように、事業の分量と財政力がからみ合っておりますので、各年度の財政力をどの程度に見ていったらいいかということが、いろいろ与件がございますので、実際になかなかむずかしいのでございますが、試みに過去数カ年の中部圏の対象地域におきます公共事業等の伸びから推計をいたしますと、大体県分として中部圏債が二百六、七十億、そのうちかさ上げ分が百二十億ぐらいになるのではないか。それから市町村分の補助率かさ上げにつきましては四十億ないし五十億程度になろうという見込みを持っております。
 なお、県別にということでございましたが、実はちょっと県別の事業の張りつけがまだ具体化しておりませんものですから、ちょっといまの全体的なところで御了承をいただきたいと思っております。
 なお、四十四年度自体につきましては、お配りしました資料にございますように、県分の地方債としては三十一億、うちかさ上げ分が十三億。それから市町村分の補助率引き上げにつきましては五億円。これは、御承知のように、四十四年度施行分について翌年度に国から金が出るわけでございますので、五億円というのは四十四年度事業に対するものでございますが、財政措置を伴いますのは四十五年度と、こういうことでございます。
#66
○林虎雄君 最後に一点お聞きしたいと思います。
 国の財政援助のやり方といいますか、いろいろあるようであります。先般審議いたしました奄美群島振興特別措置法であるとか、また提案になっております新東京国際空港に対する特別措置法案のように、事業の種類ごとに国の補助率の特例を法律に書いてあるものと、その首都圏等の財政特別措置法の市町村分のように、財政力に応じて引き上げ率に弾力性を持たせたものとがあるようでありますが、このように扱いを異にするということはどういう理由に基づいておるのであるのか、その点承りたいと思います。
#67
○政府委員(細郷道一君) 奄美群島、あるいは今度御審議を願います成田新空港の財政援助等は、非常に地域が限定されておりますことと、行ないます仕事についてある見通しが持てるというようなことから、端的に補助率かさ上げの方式によったものでございます。
 それから、首都圏方式と私ども呼んでおりますが、これは相当の広がりを持った地域に対して、その中に関係市町村の数が非常に多くございますので、それらの関係市町村――府県も入れて関係団体でございますが、関係団体の財政力と、それからその年に行ないます事業の分量とを勘案して財政援助の方式をきめる、こういう行き方をとっておるのでございまして、圏域全体に広がっておりましても、ある年には甲という町に仕事が集中する、ある年には乙という町に仕事が集中する、そういったようなことも十分予想されるのでございまして、そういったことから、地域全体に適用される財政援助の方式として、やはりそれぞれのそのときの財政力を反映させていくのがよかろう、こういう考え方でいま二つの方式を選んでいるわけでございます。今回、中部圏につきましてはあとのほうの方式によるほうが適当であろう、こう考えたのであります。
#68
○和田静夫君 昭和三十一年に首都圏整備法が制定をされ、昭和三十八年に近畿圏整備法、四十一年に中部圏開発整備法がつくられ、以来圏行政は何か私は前提的に扱われてきた、そういう感じがいたしますが、ここらあたりで一ぺん中間的に点検をしてみる、そういう必要を、先ほど来の論議を通じても感ずるのであります。圏域行政の必要としていわれていることは、広域行政の需要の増大といわゆる大都市問題と二つがございます。こういう行政需要の増大は、何も大都市に私は限られたことではないと、東北開発促進法や各地方の開発促進法が何らの成果を結果的にはあげていない、地域格差が拡大をするばかりである、先ほど地域格差の問題が出ましたが、そう現実は指摘せざるを得ません。一昨日の荒川におけるところの事故を見てみても、あそこでなくなられた方々は青森の出かせぎ者の方々である。こういう生きた実証がみごとに出ていると思うのです。で、いわゆる大都市問題の解決に、首都圏整備法なり近畿圏整備法なりあるいはそれに基づく諸法律がどのような成果をおさめてきたのか、私はそろそろそれを国民の前に明らかにしてもいいころだと、十年以上たっているのですから、思います。たとえば、さきの委員会で論議をして上がりました奄美群島振興特別措置法の一部を改正する法律案には、参考資料として、御承知のとおり、これだけ膨大なものが提示をされました。これによって、われわれは、少なくともこの法律によってどこにどれだけの金がつぎ込まれたかということを、奄美の場合知ることができたのであります。しかるに、この「首都圏、近畿圏、中部圏財政特別措置関係資料」に載っているわずかな実績らしいものといえば、四十一年から四十三年までの「首都圏債等の実績」、四十二年、四十三年の「国庫補助引上額の実績」、四十四年、四十五年の「中部圏に対する財政援助見込額」のみであります。この点、私は、政府のほうは金さえ落とせばという感覚であり、関係都道府県のほうは金さえもらえばという感覚であって、およそ計画を実行していくための財政上の特別措置を行なう法律としては、残念ながらふさわしいものではないと指摘せざるを得ません。
 そこで、この「奄美群島振興特別措置法の一部を改正する法律案参考資料」の追加の分、これには「復興5箇年計画及びその実績」、「復興10箇年計画及びその実績」、「奄美群島振興計画及びその実績見込」が掲載されておりますが、首都圏整備法が施行されて十年を経過した今日、せめていま提案の法律案の審議にあたっては、首都圏整備計画及びその実績を示す資料を直ちに作成をし提出をすべきだと思いますが、いかがですか。
#69
○国務大臣(野田武夫君) ただいま打ち合わせておりますから……、いいかげんな御返事はできませんから。
#70
○説明員(永井陽君) 首都圏整備法に基づきます計画に基づきまして過去に行ないました整備の事業の実績につきましては、関係の向きと調整をいたしまして後ほど資料として提出するということで御了承願いたいと思います。
#71
○和田静夫君 実は、これが出ないと、この法律案の今後の審議は私はできないと思うんです。先ほど林委員のほうからも触れられましたが、実は事業計画を、大臣、資料として求めました。法律では事業計画が明確に提示されなければならないことになっているんですが、そういうものがありません。したがって、それらを含んで申し上げておきますが、事業計画さえあれば、その実施状況も当然点検をされているはずであります。法律にその要件が定められているのに、それが提出をされずにこの論議をするというのは、たいへん私は不幸な状態だと思います。十分一ぺん読ましていただきたいと思うんです。あまり無理を言ってもしょうがありませんが、たとえば、いまの場合すぐ問に合わなければ――すぐというのは、いまこの委員会でという意味じゃありません、後ほど協議されてからの時間を含んでですが、首都圏整備法第二十一条にいうところの基本計画、整備計画及び事業計画をそのまま提示していただきたいと思うんです。第二十一条第五項で「事業計画は、整備計画の実施のため必要な毎年度の事業で政令で定めるものについての計画とする。」となっておりますが、事業計画について過去前年度分についてお知らせいただきたいと思うので、その上で法案の審議に――私たち去年の七月に出てきた者としても、どうしても審議する場合にそれがないと無責任になります。以上のことを求めたいと思います。
#72
○説明員(永井陽君) 首都圏整備委員会につきましては、御承知のように、昭和四十年に整備法のかなり抜本的な改正がございまして、改正法の趣旨に基づく基本計画の作成に四十一年の終わりからかかりまして、実は昨年の十月に改正法の趣旨にのっとる新しい首都圏基本計画が作成されまして公表されたわけでございます。これはもちろんさっそく出しますが、それから近郊整備地帯の整備計画をこれは指定して、その事業計画の整備計画をつくるようになっておりますけれども、これにつきましても、引き続きまして、全部で、既成市街地の周辺の地帯、市町村の数にしまして百六十五に及ぶわけでございますが、このうちの九十六の市町村の分につきましては整備計画が作成されておるわけでございますけれども、残りの六十九につきましてはまだ整備計画そのものが作成されておりませんので、目下鋭意作業中でございまして、それは急を要しますので、でき得れば来月早々にも計画作成を完了したいということで鋭意努力しておるわけでございます。したがいまして御指摘の事業計画でございますが、これをつくります際の上位計画ともなります整備計画がいま大わらわでやっておる最中でございますので、事業計画につきましてはまだ作成されておらないというのが実情でございまして、いま少し時間をかしていただきたいというのが事情でございます。
#73
○和田静夫君 首都圏整備法の十五条を読むまでもないと思いますが、国会に対する報告を義務づけられているわけです。「委員会は、毎年度、内閣総理大臣を経由して国会に対し首都圏整備計画の作成及びその実施に関する状況を報告するとともに、その概要を公表しなければならない。」――それを求めているわけですから、先ほど言われたとおり、いまちょうど協議をしておるとこう言われますから、協議をして資料が出された段階で審議さしていただく。法律に基づいて私は言っているわけですから、したがって、先ほど答弁されたんですから、それでけっこうです。次までに用意をしてもらって、次回にこの法律案を論議さしていただく、こういうことにさしていただきます。
#74
○説明員(永井陽君) 先ほど申しましたのは、すでに作成が済んでおります整備計画に基づく事業の実績の数字を関係向きと協議をいたしまして、実績の内容を御報告申し上げると申しましたので、実は法律に基づく事業計画として官報に告示するものはできておらないわけであります。
#75
○和田静夫君 いまできる範囲のものを出していただくということになりますね。
#76
○理事(熊谷太三郎君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#77
○理事(熊谷太三郎君) 速記を始めて。
#78
○原田立君 今度の中部圏の中に、福井県と三重県と滋賀県、三県一緒に入っておりますが、これは近畿圏の中にも入っている三県ですね。ダブって入っているということは、財政措置でありますから、どっちか片方にするのではないかと思うのですが、その点はどうなんですか。
#79
○政府委員(細郷道一君) それは、ダブって適用になるのではなくて、一方が適用になります。
#80
○原田立君 一方ということは、近畿圏のほうですか、中部圏のほうですか。
#81
○政府委員(細郷道一君) 財政援助の法律としては、先ほど法案に出ておりますように、その事業の分量と、県でありますれば通常の負担率との差をかさ上げするわけでございますから、一つしか出てこないわけでございます。一方しか適用にならない、こういうことでございます。
#82
○原田立君 開発整備法の第六条に「総理府に」……「調査審議する。」というふうなことが書いてありますが、具体的にはこういうことを実際やったんでしょうか、どうでしょうか。あるいは「内閣総理大臣に意見を述べることができる」とあるが、それも、先ほどの中部圏の基本開発整備計画を出した、これだけのことをいっているのか、そのほかにまだおやりになったのか、その点。
#83
○政府委員(小林忠雄君) 中部圏開発整備法第六条第二項の、総理大臣の諮問に応じて開発整備計画の策定、実施に関する重要事項について調査審議するということにつきましては、すでに第九条以下の基本計画の作成の際に調査審議をしております。さらに、区域の指定につきましても、第十三条、第十四条、第十六条等におきまして、それぞれ調査審議をして、すでに決定をしているわけでございますが、今後さらに、中部圏の都市整備区域、都市開発区域及び保全区域の整備等に関する法律に基づきまして、その第三条によりまして、先ほど林先生から御質問のございました、各圏からあがってくる建設計画を内閣総理大臣が承認いたします際にも、この中部圏開発審議会の意見を聞くことになっておりますので、これにつきましても調査審議をいたすことになっております。第三項は、審議会が自主的に諮問に応じない形で重要事項について意見を述べる権限を書いてあるわけでございますが、ただいままでのところ、この第三項に基づく意見につきましては、権限はございますけれども、その意見が提出をされたことがございません。
#84
○原田立君 先ほど和田委員のほうからも指摘があったように、法律で事業計画等もつくらなければならないというようになっているのに、首都圏及び近畿圏においてはできていない。これはまことにもってふらち千万だと思うんです。それで、中部圏の開発整備計画の中での事業計画、これはどうなんですか。
#85
○政府委員(小林忠雄君) 中部圏の事業計画は毎年度の事業について定めることになっておりますが、そのもとになります基本計画は昨年すでに決定をしておりますが、この中心をなしますものは、先ほど御説明いたしました拠点となります各区域の建設計画でございます。この建設計画が大体ことしの七月ごろまでに内閣総理大臣の承認を得るということの予定にしておりますので、これは大体昭和五十五年までの施設計画を各県からつくって持ってくることになっておりますので、それをもとにいたしまして事業計画を作成したいと思っております。
#86
○原田立君 何度も言うようになりますけれども、先ほど和田委員が指摘したような、首都圏及び近畿圏のような、そういう失態があるわけです。そういうことが中部圏ではあってはならないとこう思うんで、お聞きしているわけです。七月に五カ年間のが出るというお話だそうですが、そうではなくて、毎年度つくれということになっておりますから、それはできるのかできないのか、つくるのか、見通しはどうなのかということなんです。
#87
○政府委員(小林忠雄君) 事業計画につきましては、近畿圏の場合でもそうでございますが、基本計画につきましては作成者及び作成の手続その内容等につきまして法律で規定をしてございますが、事業計画につきましては、毎年度つくるということになっておりまして、その内容は政令で定めておりますが、作成の主体、手続等が法律に明確になっておりませんために、他の圏について、近畿圏等についておそらく手続がはっきりしてないんでつくってないだろうと想像いたすわけでございますが、中部圏につきましては、法律は多少はっきりいたしませんけれども、建設計画がきまりましたら毎年度事業計画をつくるという形に持ってまいりたいと思っております。
#88
○原田立君 そうすると、首都圏や近畿圏などでやっているような失態は中部圏ではやらない決意だと、こういうふうに承っておいてよろしいですね。
#89
○政府委員(小林忠雄君) 中部圏につきましては、毎年度の事業計画をつくるつもりでおります。
#90
○原田立君 首都圏、近畿圏のほうに聞きたいんですけれども、財政局長、いまもらった資料2ですけれども、四十一年、四十二年、四十三年、首都圏及び近畿圏の「首都圏債等の実績」というので出ておりますが、要するにこれが首都圏及び近畿圏の財政援助措置における実績ということなんですね。この法律をつくって、そしてこれだけ援助しましたと、この法律をつくった実績はこれでございますというように理解してよろしいんですか。
#91
○政府委員(細郷道一君) 財特法の規定によります実績はこのとおりでございます。
#92
○原田立君 それで、あのリストは法律できまっているようでありますが、これは計算してみましたらば、起債のほうでは首都圏に対して七十七億円、かさ上げしたのが三十三億五千七百万円、利子補給したのが三千四百万六千円、近畿圏のほうは、起債したのが百二十一億九千二百万円、かさ上げしたのが五十八億七千九百万円、利子補給したのが三千二百三十二万二千円、計算すると大体このぐらいになるのですが、市町村のかさ上げ分が三十八億五千九百万円、これもあま普通考えてみて、資金が足りないところにこれだけの手当てをしたんだから、ゼロから見ればプラスじゃないか――なるほどプラスには違いないけど、この法律をつくって、首都圏及び近畿圏の近郊整備あるいは開発計画、こういうようなのから見ると、大きな素材をかかえているというのにしては、これは少ないんじゃないか、もう少し大都市開発計画も考えねばならない時期等でありますから、これはたいへん少ないのじゃないか、こういうふうに指摘したいんですが、その点いかがですか。
#93
○政府委員(細郷道一君) お配りをしてございます資料は、この法律を適用した実績だけでございます。ただ、これのかさ上げ額の実績だけで首都圏、近畿圏の実際の事業の施行状況を判断することは適当でないんではないか。と申しますことは、事業の分量と財政力との比較を絶えずしておりますので、年々財政力が上がってまいりますると、かさ上げの額は必ずしもそのとおりはふえていかない、そういった事情があるわけでございます。それからいま一つは、この措置額の中で、府県のかさ上げについては、不交付団体等の問題が利子補給で除かれております。首都圏で申しますれば、東京都、神奈川県といったような相当分量の仕事をするであろうところがこれから除外をされておるといったような問題もあるわけでございます。で、ここにもございますように、都府県に対します地方債のかさ上げは、四十一年度二十六億、四十二年度三十億、四十三年度三十七億、まあ順次漸増はいたしております。また、利子補給につきましても、四十二年度の千五百万円に対して、四十三年度は五千百万円にふえております。特に利子補給のほうは、起債が償還期間等の関係でだんだん累積をしてまいりますので、利子補給の額の効果はむしろ今後のほうに多く出てくるであろう、まあこういうふうに思っております。ただ、先ほど申し上げましたように、やはり首都圏近畿圏という非常に膨大な財政需要のあるところについて、この程度のものでいいんだろうかということは、私ども直観的にはそういう感じがいたします。いたしますけれども、先ほど申し上げましたような不交付団体の特例でありますとか、あるいは基礎となります財政力の増強というほうは別途に行なわれておるわけでございまして、たとえば、御承知のように、交付税等におきましても都市圏補正の採用であるとか、事業費補正の採用であるとか、そういったようなことによって行なっておりますし、また最近こういう都市において非常に問題になっております土地の先行取得といったようなことにつきましても先行取得債のワクを特別設けてやるというような措置も実はいたしておりますので、まあ全体として御判断をいただかなきゃならぬと思うわけでございます。
#94
○原田立君 そうすると、細郷局長のお考えは、詳しい検討資料はないけれども、これで大体十分じゃないのかと、こういうふうに考えるということでございますね。
#95
○政府委員(細郷道一君) 誤解のないように、繰り返すことになりますが、この数字だけしか仕事が伸びていないのか、整備計画が進んでいないのかということになりますと、私はそれだけでは適当でないんじゃないのかと、あくまでもこれは根っこからの事業の負担額等を示したものでございませんで、財政力と事業量とのからみ合いの上積み部分だけの数字でございますので、根っこのもの等も入れて事業の進捗状況というものは判断をすべきじゃなかろうかと、こういうことを老婆心ながら申し上げたわけでございます。
#96
○原田立君 どうもよくわかんない、よくわからないんですよ。要するに、私が聞いているのは、こういう法律をつくって財特を行なう、これが今日こういう首都圏とか近畿圏並びに中部圏のこういう法律をつくってわざわざ手当てをしなきゃならないという段階、はたしてこれで十分であるのかどうかと、もし十分でなければもっと十分なように手当てをしなきゃいけないんじゃないかと、こうぼくは言うわけなんですよ。肝心の事業計画ができていないから、またその報告も、先ほど和田委員からも指摘したように、報告もされていないから、判断の材料がないんですよ。こっちにしても、あなた当局者ですからね。一番わかるだろうと思うから聞いているわけです。こういうふうな返答じゃなくて、どうなのかはっきりしてもらいたい。
#97
○政府委員(細郷道一君) まあ財政特別措置というものはどういう財政上の役割りを演ずるのか、あるいは整備計画の執行上どういう役割りを演ずるのかという見方の問題が一つあるんではないかと思います。これだけで全部を勝負するというわけには私はいかないだろうということを先ほどから申し上げておるわけでございます。しかし、さりとて、じゃこれで万全かと言われますと、ここに対象になっていない事業もございますし、あるいは将来ここに使われるであろう土地を先行取得するために金を調達する方法もあるわけでございますから、そういったようなことを総合的に見ていかなければならない、まあこういうことを実は申し上げたまででございまして、私自身もこれだけで全部完ぺきであるというつもりは毛頭ございません。そういう考えに立っておりますからこそ、大都市とかあるいはこういう地域についての地方債を年々非常にふやしておりますし、また交付税の配分等も非常な傾斜配分を実はいたしているわけでございまして、その上にこれが上積みで出てくるので、この数字だけで御判断されてはちょっと私どもも実態に合わないのじゃないかということを申し上げるまででございまして、なおわれわれとしても、首都圏の委員会なりあるいは近畿圏の委員会なりとも連絡をとりながら、もっと私たちも他の方面でできることについて大いに努力をしてまいりたい、かように考えます。
#98
○原田立君 「中部圏に対する財政援助見込額」と、こういう表が第六ページに出ておりますけれども、
  〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕
中部圏のほうではこれはおわかりですか。
#99
○政府委員(小林忠雄君) この数字は中部圏と自治省と協議してできた数字でございます。
#100
○原田立君 そうすると、この七月に出てくるであろうその事業計画等からも大体勘案して、昭和四十四年度並びに四十五年度においてはこのくらいのことで今回法律をつくる、その趣旨にのっとって十分だと、こういうことですか。
#101
○政府委員(小林忠雄君) 大体従来、中部圏各県の公共事業の伸びと国家予算の補助金等の伸び率等から推定をいたしまして、大体全体の事業量を出しまして、その点から推計をしたわけでございます。何ぶん初年度でございまして、財政援助法がまだ成立しない段階でございますので、先ほど来の数字を伸ばしておりますが、この財政援助ができるということになりますと、いままで首都圏近畿圏等の例を見ますと、次年度以降においてだんだん事業が伸びておりますので、初年度におきましては大体この程度でいいのではないかと思っております。
#102
○原田立君 都市整備区域及び開発区域、保全区域と、こういう指定が四十三年十一月十四日告示されているわけですが、保全区域は一応別にして、整備区域及び開発区域で地元の要望どおりにいかなかった市町村というのはないのですか。要するに、整備区域の中に入れてもらいたいというような意見があったのを開発区域のほうに入れちゃったとかいうようなことはないのですか。
#103
○政府委員(小林忠雄君) こちらが整備区域に入れたいと思いましたところを地元の要望で開発区域に入れたところがございます。なお、開発区域に入れてほしいという要望は各県とも非常に強うございまして、県の要望そのままを、なまの数字を取りますと、中部圏の面積の半分近くが区域指定をしなければならないようなことになりますので、関係各省及び各県と御相談をいたしまして現在程度に圧縮をしたわけでございまして、その際主としてまあ府県市町村の御要望に応じ得なかったところは、現在の山間部等で都市的な発展が見込めないというようなところ、あるいは現在山村振興法の適用があるところ、あるいは低開発地域の工業促進法の適用のあるようなところ、そういうところにつきましては、府県市町村とそれぞれ御相談をいたしまして、当初御要望がございましたところを本部で査定をしたと言っては語弊がございますが、切り捨てまして指定をした事実はございます。
#104
○原田立君 まあいろいろそうやって圧縮なさったということですけれども、その後またこういうふうに変えてくれないかというような強い要望ですね、そういうのはございますか。
#105
○政府委員(小林忠雄君) 二、三の県においてそういう要望がございます。これは実際建設計画をつくってみた場合に、もう少しまわりの市町村の部分を取り込まないと一体的な建設計画が立たないというようなところが現在一、二あるようでございますので、そういう建設計画が出てきました段階におきまして、多少周辺部の整形手術と申しますか、多少の手直しをするところが一カ所程度あるんじゃないかと思います。そのほかに国土開発の、高速自動車道路の建設計画というようなもの、大きな全国的なプロジェクトが将来考えられますところで、そのインターチェンジ等を中心に非常に発展をするんではないかという予測のもとに区域指定をしてほしいという要望が強い区域があるところがございますが、これは高速道路の路線の決定、その建設計画等が具体化しました段階において追加指定をいたしたいというように考えております。
#106
○原田立君 追加指定がある、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。――大体そういうお答えのようだから、そういうふうに聞き取っておきます。
 それから、こんなことをここで言うのもどうかと思うんですが、自治大臣、前回自治法の改正をするときに、自治法第二条の規定の中に総合的、計画的云々というのがあったのについて、多少質疑をしたことを私まだ記憶しているんですが、こういうふうな中部圏開発整備法とか、あるいは首都圏とか、近畿圏とか、そういうやはり総合的な意味において計画というものがつくられる、これは私はどうもそういうふうに理解するわけでございますけれども、その点どうですか。
#107
○国務大臣(野田武夫君) 非常に首都圏、中部圏近畿圏おのおのやはり性格として、その圏域における総合的な計画に基づいてやる、こうやるのは当然だと思います。
#108
○原田立君 実はその点についてこの前長野行政局長に指摘したところ、二市以上にまたがるような計画ではないんだ、ただ一市だけだ、その市の中だけの計画でやるんだ、そのことを総合的かつ計画的云々というようなことで表現したんだ――それはおかしいじゃないか、もっと広域的な範囲における計画じゃないのかと言ったら、長野局長は、あくまで一市です、一市ですと、こう言っているわけです。その点、大臣の言われたのとだいぶ食い違うわけです。これはきょう行政局長いないからあれですけれども、これは多少地方自治法のときの解釈のしかたに疑義がありますので、ひとつ大臣お聞き取りになって、次回の委員会ででもきちっと御説明願いたいと思います。以上です。
#109
○委員長(内藤誉三郎君) 本案に対する本日の審査はこの程度にとどめます。
 暫時休憩いたします。
   午後一時五分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時十五分開会
#110
○理事(熊谷太三郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 地方税法等の一部を改正する法律案(閣法第五八号)及び地方税法等の一部を改正する法律案(衆第二二号)を一括して議題といたします。
 提案理由の説明を聴取いたします。
 野田自治大臣。
#111
○国務大臣(野田武夫君) ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由と内容の大要を御説明申し上げます。
 地方税につきましては、地方財政の状況を考慮しつつ、極力負担の軽減合理化をはかってまいったのでありますが、なお、個人の住民税等については、負担の現状にかんがみ、その軽減につとめる必要があると考えております。明年度の地方税制の改正にあたりましては、このような状況を考慮いたしまして、住民税の課税最低限の引き上げ、青色申告者の専従者控除による完全給与制の実施、白色申告者の専従者控除の引き上げ等を中心として可及的に地方税負担の軽減合理化をはかることといたしたのであります。このほか、市町村が宅地開発に伴い必要となる公共施設の整備に要する費用に充てるため、目的税として、宅地開発税を課することができる道を開くとともに、大都市の税源充実に資するための地方道路譲与税の譲与基準の合理化及び日本国有鉄道の納付する市町村納付金の軽減をはかることとし、所要の改正を行なうこととしたのであります。
 次に、以下順を追って地方税制の改正の概要について御説明申し上げます。
 第一は、地方税法の改正に関する事項であります。
 その一は、道府県民税及び市町村民税についてであります。個人の道府県税及び市町村民税につきましては、住民負担の軽減をはかるため、課税最低限の引き上げを行なうこととし、昨年の所得税法の改正に伴う給与所得控除の引き上げのほか、基礎控除、配偶者控除及び扶養控除の額をそれぞれ一万円引き上げることといたしました。また障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額についても、一万円ずつ引き上げることといたしたのであります。
 このほか、障害者、未成年者、老年者及び寡婦についての非課税の範囲を、年所得三十万円まで拡大することとしております。
 また、中小事業者の負担の軽減合理化をはかるため、青色申告者の専従者控除についていわゆる完全給与制を実施するとともに、白色申告者の専従者控除額を四万円引き上げることといたしました。
 なお、給与所得にかかる道府県民税及び市町村民税の特別徴収については、納税者の負担感の緩和をはかるため、六月から翌年五月までの十二回に分割して行なうことといたしました。
 このほか、土地税制の改善をはかるため、国税において、譲渡所得に対する課税の特例措置が設けられたのに対応し、土地等の譲渡所得に対する住民税の課税についても、これに準じ、個人が五年をこえて保有している土地等の譲渡所得については、土地の供給の促進に資するため、分離比例税率による課税を行なうこととするとともに、個人の保有期間五年以内の土地等及び昭和四十四年一月一日以降に取得した土地等の譲渡所得については、土地の投機的需要を抑制する等のため、現行負担を上回る高率の課税を行なうことといたしました。
 その二は、事業税についてであります。個人事業税につきましても、中小事業者の負担の軽減合理化をはかるため、青色申告者の専従者控除について、いわゆる完全給与制を実施するとともに、白色申告者の専従者控除額を四万円引き上げることといたしました。
 その三は、不動産取得税についてであります。不動産取得税につきましては、都市計画において定められた地下駐車場を取得した場合における不動産取得税について課税標準の特例を設ける等負担の軽減合理化をはかることとするほか、入り会い林野整備等による土地の取得に対する不動産取得税の課税標準の特例の適用期限を延長することにいたしました。
 その四は、料理飲食等消費税についてであります。料理飲食等消費税につきましては、負担の軽減をはかるため、旅館における宿泊及びこれに伴う飲食の免税点を千六百円に引き上げるとともに、飲食店等における飲食の免税点を八百円に引き上げることとし、また、あらかじめ提供品目ごとに料金を支払う飲食の免税点を四百円に引き上げることといたしました。また、料理飲食等消費税を簡素合理化して課税の適正化をはかるために、税率を一〇%に統一することといたしました。
 その五は、固定資産についてであります。固定資産税につきましては、砂利の採取に伴う災害の防止、ばい煙の処理または騒音の防止の用に供する特定の償却資産について、課税標準の特例を設ける等負担の軽減合理化をはかることとするほか、外航船舶に対する固定資産税の非課税措置の適用期限並びに新築住宅及び新築中高層耐火建築住宅に対する固定資産税の軽減措置の期限をそれぞれ延長することといたしました。
 その六は、電気ガス税についてであります。電気ガス税につきましては、電気に対する電気ガス税の免税点を五百円に、ガスに対する電気ガス税の免税点を千円に引き上げて、負担の軽減をはかることといたしました。また、紙の製造に使用する電気に対して課する電気ガス税の税率を一定期間百分の四にするほか、綿紡績糸等に対する軽減税率の適用期限を延長する等の措置を講ずることといたしました。
 その七は、自動車取得税についてであります。自動車取得税につきましては、負担の軽減をはかるため、その免税点を十五万円に引き上げることといたしました。
 その八、宅地開発税についてであります。大都市及びその近郊の市町村においては、宅地開発に伴い必要となる公共施設等の整備に要する費用に充てるため、負担金等を課している事例が増加してきておりますが、負担の合理化をはかるため、次の要領により、市町村は、目的税として宅地開発税を課することができる道を開くことといたしました。
 宅地開発税は、都市計画法に規定する市街化区域のうち、公共施設の整備が必要とされる地域として条例で定める区域内で宅地開発を行なう者に対し、宅地の面積を課税標準として課することとしております。また、その税率は、宅地開発に伴い必要となる公共施設の整備に要する費用、当該公共施設による受益の状況等を参酌して、条例で定めるものとし、当分の間、宅地開発税の税率を定めるにあたっては、あらかじめ当該税率その他自治省で定める事項を自治大臣に届け出なければならないものといたしました。
 なお、宅地開発税の納税義務者が、宅地開発に伴い必要となる公共施設またはその用に供する土地で政令で定めるものを市町村に無償で譲渡する場合等においては、宅地開発税を免除し、または還付するものといたしております。
 その九は、日本万国博覧会の開催に伴う特例についてであります。日本万国博覧会の開催に伴う特例措置として、昭和四十五年中における外客の宿泊及びこれに伴う飲食に対しては、料理飲食等消費税を課さないこととするほか、博覧会の用に供する施設に対する不動産取得税及び固定資産税を非課税とする等の措置を講ずることといたしました。
 以上のほか、国税においてとられる措置と対応して、不服申し立ての期間を六十日に延長することとするとともに、申告納付または申告納入にかかる地方税について更正の請求制度を設けることとし、これに関連して、還付加算金の計算期間の始期に関する規定について所要の整備を行なうことといたしました。
 このほか、所得税法の改正に伴う関係規定の整備等所要の規定の整備を行なっております。
 第二は、地方道路譲与税法の改正に関する事項であります。
 地方道路譲与税につきましては、大都市の税源の充実に資するため、譲与基準として用いる道路の延長及び面積について、道路の種類、幅員による道路の種別等を考慮して、補正を加えることができることといたしました。
 第三は、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の改正に関する事項であります。
 日本国有鉄道にかかる市町村納付金につきましては、日本国有鉄道が通勤輸送、幹線輸送の増強のため実施する設備投資に伴う納付金の負担の増高を緩和するため、一定期間内に新設された線路設備等にかかる納付金について、所要の軽減措置を講ずることといたしました。
 以上の改正により、昭和四十四年度においては、個人住民税におきまして七百十四億円、個人事業税におきまして六十五億円、自動車取得税その他におきまして七十五億円、国有資産等所在市町村交付金及び納付金におきまして二十五億円、合計八百七十九億円の減税を行なうことになりますが、一方、宅地開発税の創設及び国税の改正に伴い九億円の増収が見込まれますので、差し引き八百七十億円の減収となります。
 以上が地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその大要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#112
○理事(熊谷太三郎君) 衆議院議員山本弥之助君。
#113
○衆議院議員(山本弥之助君) ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案について、提案者を代表して、その提案の理由と内容の大要を御説明申し上げます。
 地方税源、とりわけ市町村の税源の充実強化ということは、シャウプ税制以来の課題でありますが、残念ながら、今日においては、この問題の解決どころか逆の方向にあるといっても過言ではありません。
 すなわち、市町村税についてみますと、市町村歳入中に占める税収入の割合は、昭和二十六年度の四六%から四十二年度には三七%に低下している状況にあります。これは主として、市町村税制が税収入の安定に重点が置かれたため、今日の都市化現象に伴う動態的な財政需要に対応し得ないという税体系の仕組みに基因するものであります。
 日本社会党は、最近における社会経済の発展に即応する税体系を確立するため、国、都道府県、市町村を通ずる税制のあり方について根本的に再検討を加え、早急に結論を出すべきであると主張し続けてきているのでありますが、今回の政府提案の地方税法の改正案では、何ら解決の糸口さえ見えないのであります。
 他方、現在のような物価高のもとにおける税負担の現状にかんがみ、国民の生活を守るためには、大幅な地方税の負担軽減につとめる必要があると考えております。昭和四十四年度の財政措置として、前年度に引き続き巨額の財源を国に貸し付けることになっておりますが、このような余裕があるならば、個人の住民税等を中心とした地方税負担の軽減合理化をはかるべきであると思うのであります。
 したがいまして、この際、わが党は、憲法に保障する地方自治と住民福祉を守る立場から、基礎的地方団体である市町村の税源の充実をはかるとともに、大衆負担の軽減を行なうため、当面、社会経済の現状に照らし、特に緊急と認められる事項について所要の改正を行なうこととしたのであります。
  〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕
 以下順を追って地方税制の改正の概要について御説明申し上げます。
 まず、地方税法の改正に関する事項について申し上げます。
 第一は、道府県民税及び市町村民税についてであります。
 その一は個人についてでありまして、まず、住民税の課税最低限につきましては、今回の政府案では約九万二千円引き上げられておりますが、所得税における課税最低限との差は依然として相当大きいのであります。かりに住民税と所得税とではその性格上の相違もあり、課税最低限については必ずしも一致すべきものでないという論があるにしても、できる限り両税の格差を縮減するよう、具体的な計画のもとにその引き上げをはかる必要があると思うのであります。
 したがいまして、昭和四十四年度以降三年間にわたって住民税の課税最低限を引き上げるため、基礎控除、配偶者控除及び扶養控除の額を、四十四年度においてはそれぞれ三万円引き上げることとしております。なお、四十五年度及び四十六年度においてもそれぞれ二万円引き上げることを予定いたしておりまして、その結果、四十六年度における課税最低限は百五万円となる見込みであります。
 また、障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額については現行の六万円を十万円に引き上げることといたしております。
 このほか、障害者、未成年者、老年者及び寡婦についての非課税の範囲を、年所得三十三万円まで拡大することといたしております。
 さらに、中小事業者の負担の軽減合理化をはかるため、青色申告者の専従者控除についていわゆる完全給与制をとるとともに、白色申告者の専従者控除額を現行の十一万円から二十万円に引き上げることといたしました。
 次に、現行の道府県民税所得割りの税率は、課税所得百五十万円以下二%、百五十万円以上四%という二段階の比例税率的制度となっておりますが、低額所得者との負担の均衡をはかる見地から、税率を五段階に区分する超過累進税率制に改めることといたしております。
 その二は、法人についてであります。
 最近における企業の発展は、都市特に大都市の充実に負う面が少なくないのみならず、公害その他の問題について、都市に多大の負担を及ぼしている実情にあるため、その負担をある程度企業に求めることは当然であると考えるのでありまして、住民税の法人税割りを、道府県民税にあっては現行の五・八%を一〇%に、市町村民税にあっては現行の八・九%を二〇%といたしております。
 第二は、事業税についてであります。
 事業税は本来二重課税的な性格を持つものであり、特に零細な個人事業者については、その負担の過重に著しいものがあるのであります。したがいまして、将来、個人事業税は撤廃の方向で検討を加える必要があるのでありますが、当面、所得税を納付するに至らない者に対する個人事業税の解消をはかるため、事業主控除を現行二十七万円から四十六万円に引き上げることといたしております。
 また、中小事業者の負担の軽減合理化をはかるため、青色申告者の専従者控除について、いわゆる完全給与制を実施するとともに、白色申告者の専従者控除額を現行の十一万円から二十万円に引き上げることといたしました。
 第三は、料理飲食等消費税についてであります。
 都市あるいは観光地等における市町村の行政負担は年々急増を示している反面、観光関係地の財政収入は、市町村一に対し、府県二、国四という実情にかんがみ、その財源に充てるため、この際府県税である本税を市町村税とすることにいたしております。
 次に、物価上昇等を勘案し、大衆負担の軽減をはかるため、旅館における宿泊及びこれに伴う飲食の免税点を現行の千二百円から二千五百円に引き上げるとともに、飲食店等における免税点を現行の六百円から千円に引き上げるほか、あらかじめ提供品目ごとに料金を支払う飲食の免税点を現行の三百円から五百円に引き上げることにいたしております。
 なお、料理飲食等消費税の市町村移譲につきましては、課税事務を考慮して昭和四十五年度より適用することといたしております。
 第四は、都市計画税についてであります。
 都市計画税の課税客体は土地及び家屋となっておりますが、都市計画事業に伴う受益の度合いは、償却資産についても土地及び家屋と同様でありますので、都市計画税の課税客体に償却資産を加えることといたしております。
 なお、都市計画税の賦課期日は一月一日となっておりますので、この改正規定は昭和四十五年度分より適用することといたしております。
 次に、地方道路譲与税法の改正に関する事項について申し上げます。
 地方道路譲与税につきましては、大都市の税源充実の一助に資するため、譲与基準として用いる道路の延長及び面積について道路の種類、幅員による道路の種別等を考慮して、補正を加えることができることといたしております。
 以上の改正により、昭和四十四年度においては、個人住民税におきましては差し引き千三百七十億円、個人事業税におきまして二百五十二億円、料理飲食等消費税におきまして三百八十六億円の減税となりますが、一方、法人税割の改正に伴い、二千九百八十七億円の増収が見込まれますので、差引き九百七十八億円の増収となります。
 以上が地方税法等の一部を改正する法律案の提案及びその大要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#114
○委員長(内藤誉三郎君) 次に、閣法第五八号について補足説明を聴取いたします。
 なお、本案は衆議院から修正議決の上送付されておりますので、修正部分について、便宜政府委員からあわせて説明を聴取いたします。松島税務局長。
#115
○政府委員(松島五郎君) お手元にお配りしてございます地方税法等の一部を改正する法律案関係資料の新旧対照表によって御説明を申し上げます。
 まず、総則の改正について説明をいたします。
 三ページ、第十五条の九第二項の改正は、徴収猶予または換価猶予の期間を経過した後におきましても、本税を納付または納入しなかったことについてやむを得ない理由があると認められる場合には、そのやむを得ない理由がやんだ日までの期間延滞金を免除することができるものとしたものでございます。同じく三ページの第十五条の九第三項の改正は、滞納にかかる地方団体の徴収金につきまして差し押えがされている場合、または担保の提供がなされております場合には、その期間にかかる延滞金について日歩四銭の割合を日歩二銭にすることができるものとしたものでございます。
 次は、四ページ、第十七条の四第一項の改正は、申告納付または申告納入にかかる地方税につきまして、今回一般的に更正請求の制度を設けることにいたしましたが、その更正請求の期間は一年間としたことに関連いたしまして、還付加算金の計算の始期につきまして所要の整備を行なうこととしたものでございます。すなわち、還付加算金の計算の始期は、第十七条の四第一号の場合、更正、決定、賦課決定等によりまして確定した地方団体の徴収金にかかる過納金につきましては、納付または納入のあった日から還付加算金がつくということでございます。第二号の場合は、更正の請求に基づく更正によりまして確定した地方税にかかる過納金につきましては、更正の請求の日の翌日から起算して三月を経過する日と更正の翌日から起算をいたしまして一月を経過する日とのいずれか早い日といたしまして、これを還付加算金の計算の始期といたしております。第三号は、申告または修正申告により確定をいたしました所得税額の更正に基づきまして行なわれた賦課決定によって納付すべき税額が減少した住民税所得割りまたは個人事業税にかかる過納金につきましては、所得税の更正の通知の日の翌日から起算いたしまして一カ月を経過する日といたしております。第四号は、前三号の過納金以外の地方団体の徴収金にかかる過納金または誤納金につきましては、過誤納となった日として政令で定める日の翌日から起算して一カ月を経過する日を計算の始期といたしております。
 次は、七ページ、第十七条の五第三項の改正でございますが、住民税法人税割り及び法人事業税につきまして分割基準の修正がございました場合、それに基づいて更正、決定等を行ないますときは、増額の場合につきましても、減額の場合と同様、五年間これを行なうことができるものと改めております。
 次は、八ページ、第十九条の三の改正は、地方税にかかる不服申し立て期間は現行三十日となっておりますのを、行政不服審査法の一般原則に基づきまして六十日に延長することといたしましたので、現行の特例規定を削除することといたしております。
 九ページ、二十条の九の三の改正は、現在法人事業税についてのみ設けられております更正の請求の制度を、申告納付または申告納入にかかる地方税全般について設けることとし、更正の請求ができる期間を一年間とすることといたしたものでございます。
 一〇ページは、第二項の規定でございますが、更正申告、更正または決定にかかる税額等の計算の基礎となった事実に関する訴えについての判決により、税額が減少いたしました場合等、やむを得ない後発的な理由による更正の請求につきましては、第一項で御説明申し上げました一年間の更正期間を、更正請求の期間が経過した後においても一定期間更正請求ができることとしておるものであります。
 次が一二ページ、第二十条の九の四の改正は、本税の一部が納付されまたは納入された場合における納付または納入があった日以後の期間にかかる延滞金の計算の基礎となる税額は、当該納付または納入のあった税額を控除した残額であることを明確にすることにいたしたのでございます。
 次に、道府県民税の改正について御説明申し上げます。一三ページ第二十四条の五第一項第三号の改正は、障害者、未成年者、老年者及び寡婦の賦課金の非課税限度額を現行二十八万円から三十万円に引き上げることとするものでございます。
 次は、一四ページ第三十二条第三項の改正は、青色専従者給与につきましてのいわゆる完全給与制を採用することに伴う改正でございます。
 一五ページの第三十二条第四項の改正は、白色申告者の専従者控除額につきまして、現行十一万円を十五万円に引き上げることとする改正でございます。
 次に一八ページ、第三十四条第一項第五号の改正は、生命保険料控除の範囲に二つのものを加えようとするものであります。その一つは、心身障害者に関しまして地方公共団体が実施する共済制度にかかる契約の掛け金であります。その二は、その退職年金契約に基づく従業員の掛け金につきまして、所得税と同様の取り扱いをすることとしたものであります。
 一八ページから一九ページにかけまして、第三十四条第一項第六号から第九号までの改正は、障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額をそれぞれ一万円ずつ引き上げ、七万円とするものでございます。なお、これに伴いまして特別障害者控除額を九万円といたしております。
 一九ページの第三十四条第一項第十号の改正は、配偶者控除を現行九万円から十万円に、同じく第十一号の改正は、扶養控除を現行五万円から六万円に、同じく第三十四条第二項の改正は、基礎控除額を現在の十一万円から十二万円に、それぞれ引き上げることとしているのであります。
 次は二〇ページ、第四十二条第三項の改正は、住民税の特別徴収税額を年十二回徴収することといたしましたことに関連し、五月中に納付納入があったものについては、道府県への払い込み期限について特例を設けることといたしたものでございます。
 二三ページの五十三条の二の改正は、従来、法人の事業税については、法人税の更正があった場合、事業税について更正の請求をすることができることとされておりましたが、この制度を法人の道府県民税についても設けることとし、その請求期間を法人税の更正の通知があった日から二カ月以内としたものでございます。
 次に、事業税について説明をいたします。二五ページから二六ページにかけまして、第七十二条の十七第二項の改正は、青色事業専従者につきまして、住民税同様完全給与制を導入することといたしましたことに伴う改正でございます。
 二六ページの七十二条の十七第三項は、白色事業専従者につきまして、その控除限度額を十一万円から十五万円に引き上げる等、所得税の取り扱いと同一とすることにいたしたことに伴う改正でございます。
 次に三一ページ、第七十二条の三十三の二の改正は、従来、法人事業税についてのみ課税標準または税額に計算誤り等があった場合には、申告期限から二カ月以内に限り更正の請求ができることとされておりましたが、今回、一般的な更正請求制度を設けることといたしましたので、従来の第一項の規定を削除することとしたものでございます。三三ページ、第七十二条の四十及び第七十二条の五十の改正は、道府県知事が法人税について更正または決定の請求をした場合において、税務官署が三カ月以内に更正または決定をしないときは、上級の税務官署に再び更正または決定の請求をするとともに、その旨を自治大臣に報告することとされておりましたが、行政事務の簡素化の見地から、自治大臣に対する報告の義務を廃止することとしたことに伴う改正でございます。
 次に、不動産取得税について説明をいたします。三五ページ、第十三条の二、第二項の改正は、従来、年金福祉事業団等から、公的資金の貸し付けを受けて住宅を新築し、これを六月以内に従業員に譲渡する場合の、事業主の不動産の取得に対しては不動産取得税を課さないこととしておりましたが、今回この対象を拡大いたしまして、事業主が従業員に譲渡する住宅を新築し、これを六月以内に譲渡したときは、事業主に対してはすべて不動産取得税を課さないこととすることといたしたものでございます。
 三六ページ、第七十三条の十四第十二項は、都市計画において定められた路外駐車場の公共性等を考慮いたしまして、都市計画において定められました地下駐車場を取得した場合における不動産取得税の課税標準を価格の二分の一とすることといたしております。
 次に、料理飲食等消費税について説明いたします。三六ページ、第百十四条の四、第一項は、飲食店等における飲食の免税点を六百円から八百円に引き上げることにし、第二項では、あらかじめ提供品目ごとに料金を支払う飲食の免税点を三百円から四百円に引き上げることといたしております。
 三七ページ、第百十四条の五は、旅館における宿泊及びこれに伴う飲食の免税点を千二百円から千六百円に引き上げることとし、第百十五条の改正は、税率を百分の十に統一することとしたものであります。
 三八ページ、第百十六条第一項第二号の改正は、料理飲食等消費税の適正な賦課徴収を確保するために法人等が宿泊飲食等にかかる経費を支出している場合には、当該法人等に対して質問審査権を行使する旨を明確にすることとしたものでございます。
 次に、市町村民税であります。市町村民税の改正は、障害者等に対する非課税範囲、各種控除額の引き上げ、専従者控除制度の改正等は、道府県民税の改正で説明いたしましたことと同様でありますので、その他の改正点についてのみ説明をいたします。
 四六ページ、第三百二十一条の二、第三項の改正は、延滞金の計算期間についての控除期間を設けることとしたものでございます。
 四九ページ、第三百二十一条の五の改正は、給与所得者についての特別徴収は、六月から翌年五月までの十二回に分割して行なうことに改め、均等割のみの特別徴収については、一括徴収ができることといたしております。
 次に五〇ページ、第三百二十一条の五の二の改正は、特別徴収の回数の改正に伴いまして、小規模事業所の納期の特例を、従来の五カ月ごとを六カ月ごとに改めることといたしたものであります。
 次に、固定資産税について説明をいたします。五三ページの第三百四十八条第二項第十九号の二の改正は、新たに労働災害防止協会の鉱山保安センターを非課税とすることとし、また、同条同項第二十七号は、建設公団が鉄道施設の建設の用に供するため取得した土地で、日本国有鉄道に対し無償で貸し付けることとなるものについて非課税とすることとしております。
 五五ページ、第三百四十九条の三第二十二項は、都市計画において定められた地下駐車場について、五年間その課税標準となるべき価格の二分の一の額とし、また、五六ページでございますが、第二十三項は、砂利採取に伴う汚濁水処理施設、ばい煙処理施設及び騒音防止施設についての課税標準を価格の二分の一とすることとしております。
 次は、電気ガス税であります。五七ページ、第四百八十九条第一項、第二十二号の五は、従来、三年間の期限つき非課税品目とされておりました酢酸を、期限の定めのない非課税品目とするものであります。同じく五七ページ、四百九十条の二、第一項の改正は、電気ガス税の免税点を、電気については五百円、ガスについては千円に引き上げるものであります。
 次は、自動車取得税であります。五八ページ、第六百九十九条の九の改正は、自動車取得税の免税点を十万円から十五万円に引き上げるものであります。
 次は、軽油引取税であります。五八ページ、七百条の二十一の改正は、従来、特別徴収義務者が徴収猶予の申し出をするときには、必ず担保を提供しなければならないものとされておりましたが、今回これを、一定の要件に該当し、担保を徴収する必要がないと認めるときは、担保を徴しないで軽油引取税の徴収猶予を行なうことができることといたしたものであります。
 次は六〇ページ、第七百条の三、宅地開発税であります。第一に、本税は、宅地開発に伴い必要となる道路、水路その他の公共施設で、政令で定めるものの整備に要する費用に充てるための目的税でありますが、本税を課税するかどうかは、市町村が条例によって定めることといたしておりまして、道路、水路その他の公共施設で、政令で定めるものとしましては、都市計画事業の対象とされていないような道路、排水溝、公共空地として児童遊園地のような宅地開発に直接関連する必要最小限の公共施設を予定しております。第二に、本税は、都市計画法に規定する市街化区域のうち、公共施設の整備が必要とされる地域として条例で定める区域内で宅地開発を行なう者に対し、宅地の面積を課税標準として課するものとしております。すなわち本税は市街化区域全体について課するものではなく、宅地開発が著しく進行している地域またはそれが予想される地域で、宅地化に伴いまして最小限度の公共施設が必要となる区域に限って課税し得るものといたしております。納税義務者は当該地域内において権原に基く宅地開発を行なう者であります。
 第三に、宅地開発税の税率は、宅地開発に伴い必要となる公共施設の整備に要する費用、当該公共施設による受益の現状等を参酌して条例で定めるものとしておりますが、法附則第三十三条の規定によって、当分の間、宅地開発税の税率を定めるにあたっては、あらかじめ当該税率その他自治省令で定める事項を自治大臣に届け出なければならないものといたしております。税率について、定率または定額で定めなかったのは、宅地開発に伴う公共施設の費用は、立地条件によってかなりの差がありますため、一律の税率とすることは、かえって実情に即さないものがあると考えたからであります。したがって、当分の問、税率の決定、変更については自治大臣への届け出を求めることとし、税率の届け出にあたっては、自治省令で定める事項として、当該課税区域にかかる公共施設の整備についての計画等をも提出を求めまして、実情に即する助言指導をいたしてまいりたいと考えております。
 第四には、宅地開発税の納税義務者が宅地開発に伴い必要となる公共施設またはその用に供する土地で、政令で定むるものを無償で譲渡する場合その他政令で定める場合には宅地開発税を免除し、すでに宅地開発税を納付されているときは還付し、またはみずから公共施設を整備する旨の申し出があったときは徴収を猶予することができるものといたしております。すなわち、宅地開発を行なう者が市町村の定める公共施設の整備に関する計画に適合するような公共施設をみずから整備し、これを市町村に提供する場合には本税を免除することとしているものでございます。
 次に、本法附則について説明をいたします。六四ページ以降でございます。
 従来、本法附則はすべて項で規定されておりましたが、今回これを条に改めることとし、この機会に、一定期間設けられていた特例的な規定等で、その期間がすでに経過したもの等につきましては必要な整理を行なうことといたしております。
 次に、実質的な改正部分について御説明を申し上げます。七一ページ、第六十四項は、外航船舶に対する固定資産税の非課税措置の適用期限を昭和四十六年度まで延長しようとするものであります。
 七二ページ、附則第六十五項は、新築住宅に対する固定資産税の軽減措置の期限を延長し、昭和五十年一月一日までの問に新築されたものに、また、七三ページ、六十六項の規定は、新築中高層耐火建築住宅に対する固定資産税の軽減措置の期限を延長し、昭和五十年一月一日までの間に新築されたものについて、それぞれ適用することとしようとするものであります。
 次に、七四ページ、附則第六十七項の改正は、綿紡績糸等に対する電気ガス税の軽減税率の適用期限を昭和四十七年五月三十一日まで延長しようとするものであります。
 七五ページ、附則第九十三項は、入会林野整備等による土地の取得に対する不動産取得税の課税標準の適用期限を昭和四十六年三月三十一日まで延長しようとするものであります。
 七五ページ、附則第九十七項は、紙の製造に使用する電気に対して課する電気ガス税の税率を、昭和四十四年六月一日から昭和四十七年五月三十一日までの問、百分の四とするものであります。
 七六ページから七九ページまでの附則第三十二条は、日本万国博覧会の開催に伴う地方税の特例措置を定めたものであります。その内容は、昭和四十五年一月一日から同年十二月三十一日までの間における外客の宿泊及びこれに伴う飲食等に対しては料理飲食等消費税を課さないものとするほか、博覧会の用に供する施設に対する不動産取得税及び固定資産税を非課税とする等の措置を講ずることといたしております。
 七九ページ以下、附則第三十四条及び第三十五条は、土地等の譲渡所得にかかる住民税の課税についての特例を規定したものであります。
 第三十四条は、長期譲渡所得に対する課税の特例を定めたものであります。すなわち、昭和四十五年から昭和五十年までの間における保有期間が五年をこえる個人の長期保有土地、建物等の譲渡所得につきましては、他の所得と区分し、昭和四十五年、四十六年中の譲渡分につきましては道府県民税一・三%、市町村民税二・七%、昭和四十七年、四十八年中の譲渡分につきましては道府県民税一・六%、市町村民税三・四%、昭和四十九年、五十年中の譲渡分につきましては道府県民税二%、市町村民税四%の比例税率を適用して課税することといたしております。
 八三ページの第三十五条の改正は、短期譲渡所得に対する課税の特例を定めたものであります。すなわち、保有期間が五年以下の個人の短期保有土地、建物等、または個人が昭和四十四年一月一日以後に取得したこれらの資産の譲渡に対する譲渡所得につきましては、他の所得と区分し、道府県民税は譲渡所得の四%相当額、市町村民税は譲渡所得の八%相当額と、その譲渡所得を他の所得に合算をいたしまして通常の課税を行なうこととした場合における税額の一一〇%相当額とのいずれか高い税額によって課税をいたすことといたしております。
 以上の改正に関連いたしまして、住民税賦課制限額は、一般の所得についての課税標準の八〇%の額と短期譲渡所得の金額の八八%との合計額によってそれぞれ判定することといたしております。
 なお、改正法の附則第十五条におきまして、以上の長期譲渡所得及び短期譲渡所得の課税の特例は、昭和四十四年中の譲渡について租税特別措置法による所得税の特例を選択いたしました場合には、昭和四十五年度の住民税についても適用することといたしておりますほか、保有期間が三年をこえる譲渡所得を長期譲渡所得とみなすという特例経過措置は所得税に準ずることといたしております。
 次は八六ページ、地方道路譲与税法の改正であります。第二条は、地方道路譲与税の譲与基準として用いる道路の延長及び面積につきまして、道路の種類、幅員による道路の種別等を考慮して補正を加えることができることといたしますとともに、これに関連し、地方交付税の収入超過団体に譲与すべき譲与額については、前年度に譲与された譲与額に一定の率を乗じて得た額を限度とすることといたしております。
 次は、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の改正であります。八八ページから九二ページまででありますが、その内容は、日本国有鉄道の昭和四十年四月一日から昭和四十七年三月三十一日までの間に取得した線路設備、車両等の固定資産にかかわる納付金について、現行の価格の二分の一の額を算定標準額とする制度に加えまして、地方鉄道に対する固定資産税の特例措置と同様の軽減措置を講ずることといたしたものでございます。
 以上が政府提案につきましての補足説明でございます。
 なお、衆議院におかれまして修正された部分について説明をさせていただきます。
 政府案におきましては、今回の改正法案の施行期日は、昭和四十四年四月一日から、宅地開発税に関する部分は六月一日から、料理飲食等消費税にかかわる部分は、十月一日からといたしておりますが、衆議院におきましては、宅地開発税及び料理飲食等消費税を除く部分の施行を公布の日からと改められまして、そのうち電気ガス税の免税点を引き上げる部分にかかわる改正は、昭和四十四年四月一日から適用するという趣旨の修正が行なわれております。
 以上でございます。
#116
○委員長(内藤誉三郎君) 両案に対し質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#117
○竹田四郎君 地方税の一部改正の法案が出たわけでありますが、まあ地方税がシャウプ勧告できまってから、日本の経済情勢というものはたいへん大きな変化を来たしていると思うのです。たとえば、かつての自転車に対するような税金というようなものも、もういまはなくなってしまっておりますし、まあ今日、軽自動車税なんかもありますけれども、モータリゼーションという形でまいりますと、おそらくこういう軽自動車税というような税収というようなものも、今後非常に伸びるよりもむしろ減少していくんではなかろうか。あるいは、当時は予測できなかったわけでありますが、現実には首都圏あるいは近畿圏、先ほども論議がありました名古屋を中心とする中部圏、こういうところに非常に多くの企業が集中し、また人口が集中してきておりますし、同時に企業の伸びというようなものも、おそらくわれわれがだれもが想像できなかったような大きな伸びを示しているわけであります。こういうふうな経済の変動あるいは所得の偏在という点を考えてみますと、いままでの地方税制そのものというものは、すでに現在の情勢というものに適応できなくなってきているというふうにいま私は考えるわけでありますが、そういう意味では、地方税制度というものをかなり大きく変えていかなければ、いまの実態に沿わないし、また過疎地域においては、御承知のように税収がどんどんと少なくなっていって、そうして公共施設の維持ということも非常に困難になってきております。こういうことを考えてみますと、かなり大幅な税制度の改正というものが伴っていかないと、姑息的なばんそうこう張りみたいな一部面の改正だけでは情勢に適応しない、こういうふうに私どもは見ておりますが、今度の改正も非常に部分的な面での改正といっていいか、あるいは改悪といっていいか、考え方によりますけれども、いずれにしても非常に小さな面での改正しかない。これでは地方自治という立場で考えてみますと、一番基礎的な地方自治体である市町村の財源というものが住民の要求を満たしていかない。さらにその問題は、住民の地方自治というものに対するところの考え方、あるいは地方自治の尊重という本来の目的からだんだんと離反をしていく、そうして住民の要求は何ら解決をしていかない。こういう事態で、ますます住民と自治体というものとの問に大きな亀裂が生じ、それがおそらく私は今日地方税が非常に高いという住民の不信の声になって出てきておるのではなかろうかと思うのですが、そういう意味では、もう今日において地方税制度を大きく改革をしていくという時期にきておりますし、むしろおそすぎるといったほうがよかろうかと思いますが、そういう点に関しまして自治大臣はどのように考えられ、今後どういうふうな形で税制というものを考えておられるか、この際お示しをいただきたいと思うのです。
#118
○国務大臣(野田武夫君) ただいま御指摘のありました地方税制のあり方というもの、これは御意見のようにシャウプ勧告に引き続いて、今日制度そのものは相当修正、改正の段取りをとっておりますが、基本的にはそのとおりでございます。それからその後のいわゆる地方公共団体の推移と申しますか、今日非常な激動した日本の経済、社会の推移に伴って、これが今日の地方税制が適当であるかということにつきましては、私どもはことに地方公共団体の現状をみますると、これはりっぱなもので間違いはないということは言い切れません。私はこれはひとり地方税制だけでなくて、やはり国の税制につきましても考えなくてはならぬことですから、これは私は地方税制だけに手をつけるというだけでなくて、ほんとうに基本的に日本の経済、社会の情勢を見て、そうしてこれに対応する税制を確立すべしという御意見は、私はこれはやはりこの場合十分ひとつ検討すべき時期にきているということは私は同感であります。これはいま申しましたとおり、ただ地方税制だけに手をつけるというだけではなくて、税制全体、国地方を通ずるものでなければ、われわれもいま御指摘のありました御意見に沿うような根本的な改正はできない。しかし、その検討すべき時期であることは私自身も痛感いたしております。さらに、お話のとおり、今日の予想しなかった過密地帯とか、過疎地帯というものに対する地方財政の内容、これに対応してどうしてこの財政をまかなっていくかというようなことでございまして、これも一つは税制だけで考えずに、地方行政全体、これに思いをいたしまして、そして税制のあり方を考えなければならない。私はもうそういう段階にきておるんじゃないかという感じをいたします。しかし、今日まだそう申しましても国の税制も地方の税制も、やはりなかなかこれに手をつけますということは、これは一つの何といいますか、大きな改革でございまして、これにまた周密な検討を加えませんと、ただ部分的なことをとらえてやりますと、また収拾がたいへんなことになります。これこそ地域住民の方々に思わざる、何といいますか、負担の公平を欠くようなことがあってはならないし、非常に大きな問題でございますと同時に、重大なる考慮を払う必要がある。したがって、今日御審議を願うために出しました地方税法の一部改正でございますが、そういう心がまえをもちまして、できるだけ地域住民の方の負担を軽くする、そうしてこの住民の方々の生活を少しでもよりよくしよう、いわゆる行政の水準を上げるということの意思を持ってこの改正に当たったということは間違いないのでございまして、その点は御意見を私は非常に敬意を表してお聞きいたしておるのでございます。同時に、この改正案の趣旨はやはり根本的な改革ではございませんが、今日まである税制の基本に沿いまして、少しでも地方財政の問題を考えながら、一方、住民の皆さんの負担を軽くすることを考えなければいかぬと、こういうことでの改正でございます。
#119
○竹田四郎君 大臣も地方税制を変えるべき時期にきていると、こういう御意思のようでありますが、いつもこの議論はもうかなり長い間実はされているわけですね、私がここで申し上げなくてももうそういう時期にはきていると考えるわけでありますが、しかし、一方、具体的には行政組織のほうは実はかなり進んでおるのですね。たとえば、ことしの自治省で考えられております広域市町村圏の構想だとか、ある府県合併だとかいうような面では非常に進んでいるというか、とにかく現状打破をするという、そういう意思は非常に強いわけですけれども、税制に関しては、いまたいへん負担の軽減をはかるというふうにおっしゃられているのですけれども、まあ現実には超過負担の解消計画というものも、四十三年度ですか、これからもう始まっているようでありますけれども、現実にはその措置をしなければもっと大きくなるんでありましょうけれども、まあ若干全体的には上がっているにしても、まだまだ超過負担というものは非常に大きいわけです。そういうふうに考えてみますと、ほんとうに一番基本的な組織である市町村の財源というようなものは、こんなことでは全然私は埋まらないと思うのですね。でありますから、ひとつその点ではもう少し具体的に、ただ口でおっしゃるだけではなしに、今年度なら今年度、あるいは明年度なら明年度から具体的に地方税制の改革、あるいはこれは国税も当然含まれてくると思いますけれども、そういう具体的な案をお持ちでないと、せっかく大臣はそういう御趣旨であっても、それはただおっしゃられているだけだということで、現実の日程にはのぼってこないと思うのです。もう少しその辺はどんなふうにお考えになっているのか、具体的にこの辺で改正案をつくるための一つの準備に入るべき時期にあると思うのですが、そういう面では具体的にどう考えておられますか、もう少しその辺をひとつ明確に出していただきたい。
#120
○政府委員(松島五郎君) 御承知のとおり、現在の税制ができましたのはシャウプ勧告に基づくものでございますが、その当時の基本的な考え方といたしましては、市町村は財政規模も小さいということから、できるだけ安定した税収入が得られるような税制が望ましいということで、税目の構成もでき上がってきたというふうに考えております。そういう点から、具体的に申しますと、固定資産税というような税金が非常に大きなウエートを占めているわけでございます。ところが先ほど御指摘もございましたように、市町村の税目は固定資産税と住民税とでもってほぼ八割を占めているわけでございますけれども、そのうちの固定資産税をとってみましても、伸びが非常に低いというようなこと、特に市町村の税収入の総体的な比重が下がってきておるというのが現状でございます。また、それ以外の税目について見ましても、これも先ほど御指摘がございましたが、自転車、荷車は昭和二十五年は、シャウプ勧告当時で言えば、両方合わせまして三十八億円程度の税収入がございました。これに対して同じ車の税金ということで対応する自動車税を見ますと、自動車税が十八億円ばかりございます。したがいまして、自転車、荷車と自動車というものを比較いたしますと、自転車、荷車のほうが倍近くあったということでございます。その後の経緯を見てみますと、自転車、荷車は先ほど御指摘になりましたように、たしか昭和三十八年かに廃止の運命になっていくような税金であった。一方、自動車税はその後どんどんモータリゼーションの振興に伴いまして伸びてまいりまして、昭和四十四年度の収入見込み額では千二百六十億円をこえるというような税金にまで成長をいたしてきているわけでございます。こういうような点を見ますと、やはり市町村税のほうが経済の発展に乗り得ないような税金が多かったというようなところに、今日のような市町村税制が総体的に伸び悩んでいるという原因があるのではないかというふうに考えております。しからば、それを今回どう改善していくかという問題でございますが、これはたいへんむつかしい問題でございまして、市町村税の中にできるだけ伸びのあるような税を組み入れていくということが、まず第一に考えられるわけでございますが、その場合に、今日のように経済の発展が続いている限りは、伸びのある税金というものが必ずしも不安定な税金であるということと同じではございませんけれども、どうしても伸びのある税金はとかく税収入に安定性が少ないという欠点を持っている。したがって、市町村の財政が小さい規模であるから、できるだけ安定した収入の得られるようなものというほうに力点を置きますと、経済の発展になかなかついていけない。経済の発展にできるだけついていくような伸びのある税収ということになりますと、安定性という面で十分でないものが出てくるということをどう解決していくかということが、われわれ考えていかなければならない問題点であろうと思います。安定性の問題を別にして、税収入の伸びをもう少し市町村税に期待をするような税種を組み入れるということになりますならば、標準所得等に対します税収入のウエートを高めていくというような方途を講ずれば、市町村税もかなり強化されるのではないかというふうに考えられますけれども、そうなりましても、市町村全体を通じてそれがうるおうという形にはならないことは御承知のとおりでございます。したがいまして、今度は市町村の中でどこに力点を置いて問題を考えていくのかということもあわせて考えていかなければならないと思います。今回の住民税の課税最低限の取り上げによる地方団体別の影響をとってまいりますと、平均所得の低いいなかにおきましては、課税最低限を一律に上げるわけでございますから、いなかではどんどん納税義務者が減って、都会ではそれほどの影響はないといたしましても、いなかでは非常に納税義務者の減り方も多いし、減税の割合も相対的に大きくなってくる。そういうような場合に、いなかは税によってものを考えるというようなことを、この際やめていくかどうかというような問題に関連をして、検討しなければならないと思うわけでございます。そういった点を私どももいろいろと考えながら、今後の市町村の姿、あるいは県と市町村のあり方というものを、全体としてやはり見ながら、税制というものを具体的に考えていかなくちゃならぬ。いま税収入が減ったから、何か持ってくればそれですぐ片がつくというわけには、先ほど大臣からもお話がございましたようにいきません。そういった点を、それでもまだ抽象的ではございますが、具体的な税種とそういった関係とをにらみ合わせながら、検討を続けている段階でございます。
#121
○竹田四郎君 いまの局長さんの説明は、非常に懇切丁寧で、非常によかったと思うのですけれども、しかし将来の展望というのが全然欠けていると思うわけです。そうした点でひとつこれは大臣に御答弁いただきたいと思うのですが、何らかの形で改革をしていかなければならないという御意思があるのですか。具体的にどうするのか、この点をひとつ大臣のほうから明確に出していただきたい。
#122
○国務大臣(野田武夫君) いま税務局長からの説明、特に市町村税の問題、これは御承知のとおり地方公共団体といえば、三千何百という対象がございます。これが公平に均てんした税制はどうしていくかという、地域によって非常にやはり税制の上に格差が出てくる。それから税源というもののつかみ方ということで、特に過疎地帯のごときはむしろ課税負担力があるかないかというくらいまでに、全体の団体の行政の運営をするにも困る、住民の方々も非常にまた負担が、それだけに考えますと、特別にこれを取り上げて申しますと、税制面だけで考えましても、なかなか容易ではない。私、先ほど申しましたとおり、国と地方の一体という議論はまずしばらくおきましても、地方税制だけ取り上げましても、やはり行政面とマッチして考えませんと、国みたいに一本で所得税はどうだというところなら、所得にかける税金ですと、そこまでのあれはございませんが、いま申しました雑種多様な地方団体を対象とする税制、こういうことになりますので、私はいまやはり、まず第一段階では、局長が申しましたとおり、現在の府県税と市町村税のあり方、それからその問また市町村にこれを振り分けまして、その税種によっては、市町村によって思うように税があがらない場合もあるということでございますから、これはいまの竹田さんの御意思は私よくわかりますし、私も尊重すべき御意見だと思っておりますが、これをやりますには、一方やはり、われわれ役所としても考え、これは当然責任者として考えなければなりませんが、同時にやはり税制調査会なり地方制度調査会、いろいろな各般の機関を動員いたしましてかかりませんと、多種多様な地方団体に対応する、しかも行政運営に支障のないような地方財政の確立ということになりますので、これは非常に困難な問題であることは間違いない。困難であるからほっておけないという問題でございますから、私いま申しましたとおり、われわれ自治省といたしましても、いま局長が言いますとおり、いま府県税と市町村税の配分につきましても、この税収をどうして、たとえば市町村に持っていくものがあるかないかと、こういう分で、いま非常に局長自身も困っておるし、実情はしかし、そうしておれないというようなことでございますから、私は、先ほどちょっと申しましたとおり、役所そのものも真剣にこれの検討に当たると同時に、その結果によっては、やはり税制調査会やあるいは地方制度調査会あたりの、これは税とは関係がないようでございますが、やはり行政との関係がございますから、各方面の総合的な意見を伺いまして、そうしていま御指摘のありましたような税制の基本的な改革というものに取り組む以外にない。ただ役所だけでこれをやっておりましても、また、税制調査会だけにこれをただこちらから出しまして答申を待つということでなくて、みんなが、こういう大きな問題は、税制の革命みたいなことでありますので、この際やはりそういう心がまえでこの税制問題の改正に取り組む必要があると、こう思っております。
#123
○竹田四郎君 いろいろおっしゃられたけれども、結局は具体的にどうするのかということを私は実は聞きたいわけで、確かにその必要性は両者とも認めているわけなんですが、その辺で具体的に、たとえば来年度はひとつ各方面から意見を聞いて諮問できるようなものをつくるとか、あるいは来年度はひとつ税制調査会なり地方制度調査会に基本的な考え方を出してもらう、そういう具体的な御答弁がないと、結局何ら進展はしないと私は思うのですけれども、もう一歩踏み込んだ考え方、こうしたものをお聞かせ願えないもんですか。
#124
○国務大臣(野田武夫君) 私がいま触れました、いろいろな方策を必要とすると、こう申しましたのは、一応諮問します場合におきましても、やはり根本的な責任は自治省が持っております。
 この改正案を機といたしまして、おそらく、局長も先ほどいろいろ御説明しましたうちに、非常に不安に思っております。その責任者の局長が、大体府県税と市町村税のあり方というものまでいま自分はどうも明確ではないし、なかなか問題だと言っておりまするから、おそらく私どもの考え方は、これはもう一つの常識になっておると思うのです。
 そこで、いま竹田さんは、来年すぐ諮問をしてどうかということでございますが、私は実は腹の中ではそのくらいの考え方を持っておりますが、ただここで口で申し上げましても――私わざわざ税制調査会や地方制度調査会の名前をあげましたのは、どうしてもそこまでいかなければいけない。そこでこれが四十四年でそれが実施できるか、四十五年でできるか、四十六年でできるか、これはまあなかなかむずかしい問題でございますが、おそらく地方税の根本的な改正、特に府県税と市町村税との関係、こういうものにつきましては、このままでは推移ができないのです、打ち開けますと。いま税務局長も申し上げております。だから政府全体も考えなくちゃなりませんが、自治省といたしましては、この改正案は、これはもう先ほど趣旨を申し述べたとおりでございますから、この改正案の実現のあとは、次に気をつけることは、私はそういうところから手をつけなくちゃならない。その意味におきまして、われわれは御指摘どおりひとつ何らかの政策といいますか、抽象論でなくて、たとえば税制調査会、地方制度調査会にかける、その前にしかし相当にやはり自治省としての、自治省だけの案を持つ必要がある。それからまた案がなかなかできませんが、その税制に対する態度、方針といいますか、そういうものをやはりきちんと持たなければ、ただ無責任に、ひとつお願いしますといってほうり出すということではいけない。だから私は、竹田さんがおっしゃったとおり、来年すぐ、ことし四十四年度にかかりますと、税制調査会にかけますということまで申し上げませんがわれわれとしましては、この四十四年度から当然その問題について真剣に取り組んでいきたい。その結果は、私が先ほどお示ししましたような各種の機関、調査会、その他にもお願いをするという段取りでこれはいかざるを得ないのです。そういう心がまえであることは間違いありません。ただ、いつからどうするということまで、まだここで申し上げる段階に至りませんけれども、当然そこまでいかなくてはならぬという、私自身の腹がまえを持っておる。こういうことだけお答えを申し上げます。
#125
○竹田四郎君 たいへん不満でありまして、もう少しその点が明確になっていかなければならないと思うのですが、しかし、これ以上この議論を続けていても、具体的なものはどうも出そうもありませんし、ただ私はここで一つ申し上げたいことは、ひとつこの一年のもう推移を見まして、また来年いかに自治省がこれに対して努力をしたか、しないか、そのときに評価をする以外には実はないと思うのであります。ひとつ何かいままで私どもが、一般国民として受けた感じは、困っているという認識は全体にあるにもかかわらず、まあ自治省の政府のほうがあまりこの点について努力をしていない。その結果が今日地方自治に対する国民の考え方というものが、非常に離れてきたというふうに私は申し上げてもいいと思うのです。その点で、ひとつ今後の推移を見まして、私どもはまたその点について、政府の強力な実現を見守っていきたい、このように思うわけであります。
 その次に、課税最低限の問題についてお聞きをしたいと思うのですが、これはほかでもたいへん論議をされているところだと思いますが、所得税の課税最低限は九十三万円、地方税の課税最低限が六十二万円ということで、三十一万円程度の開きがあると思います。しかし、この幅、約三十一万円の幅というものがはたして適正なのかどうか。まあ若干、地方税のほうが低いというのは、ある意味ではその理由はわかりますけれども、三十一万円の開きというものは、一体適正であるのかどうなのか、自治省はそれに対してどう考えておるのか、その点お答えをいただきたいと思います。
#126
○政府委員(松島五郎君) 所得税と住民税の課税最低限の差が、現行のままが適正であるかどうかというお尋ねでございますが、これはなかなか幾らまでが適正であるか、幾らから適正でないかという判断をすることは、いろいろむずかしい問題であると思います。ただ私どもとしては、最近所得税では御承知のとおり課税最低限を毎年十万円ずつ引き上げていっておりますけれども、少なくとも現状より開かないようにということを念願しつつ、去年に引き続きまして、本年度も課税最低限の引き上げをしていこうという考え方をもって現在提案をいたしておる次第でございます。なお、将来の問題といたしましては、やはりもう少し課税最低限を近づけていく努力が必要ではないかというふうに考えております。
#127
○竹田四郎君 たしか三十八年ごろだと思いますが、三十八年ごろの開きというのは、大体一七%ぐらいの開きになっておったと思うのですが、最近の開きはもっと多くなって、二五、六%ですか、そのくらいの開きになっていると思うのですが、三十八年度は、たしか私もあまり詳しいことを覚えておりませんけれども、所得税と地方税との関係を遮断したころだと思うのですが、そのころの一番最初に考えられた課税最低限と、所得税と地方税とのその差というものは、私はある程度理論的な基礎があったろうと思うのです。それが今日ただ開くにまかせる、ことしは若干縮まったといってもよかろうと思いますが、この点はやはり六十二万円といいますと、大蔵省の計算をしております基準生計費、これは自治省ではどれくらいに見ておりますか。
#128
○政府委員(松島五郎君) 基準生計費というのは、大蔵省では昭和四十年ころまで出しておりましたけれども、その後この数字をつくっておりませんので、現在、従来大蔵省でつくっておりましたように、基準生計費が幾らであるかということを的確にお答えすることは困難でございます。ただ四十年ころにつくりましたものを基礎にいたしまして、その後の消費者物価の増加率を乗じまして計算をいたしてかりに見ますと、昭和四十三年で六十六万円ばかりになるのではないかというふうに私どもでは推計いたしております。
#129
○竹田四郎君 そういたしますと、基準生計費が六十六万円くらいだというわけでありますが、課税最低限が六十二万円だということになりますと、これは標準的な生計費に食い込んでいる、こういうふうに見てもいいと思うのですね。そうすると、生計費に食い込むそういう世帯で、しかも税金を払っていかなくちゃならないということは、少し公平の原則といいますか、そういうものに欠けるのではないだろうか、こういうふうに思うのですが、その辺はどうですか。
#130
○政府委員(松島五郎君) 基準生計費と住民税の課税最低限の関係でございますけれども、御指摘のとおり、かりに六十六万円程度といたしますと、六十二万円でございますから、それよりも低いということは御指摘のとおりでございます。ただ従来の経緯を申し上げますと、課税最低限がこの基準生計費に比べますとずっと低かった、だんだん近づきつつあるというのが現状でございます。そういう点から、まだ不十分ではございますけれども、できるだけそういった事態を避けるように努力をなお今後とも続けていかなくちゃならぬのじゃないかというふうには考えております。ただ基準生計費というものの内容の見方にもいろいろ問題があると思いますけれども、やはり税をある程度負担をしていただくということも、生活をしていく上においては必要なことだというふうに見ることが許されるとするならば、必ずしも基準生計費と住民税の課税最低限が同じでなければならないということにもならないのではないか。もちろん、それを上回っておることは望ましいわけでありますけれども、やはり生活をしていく以上は、ある程度の税を負担していただくということの前提の上に考えられてもいい面もあるのではなかろうかというふうに考えております。
#131
○竹田四郎君 いまのお話ですと、その基準生計費以下の人が税を負担してもいいじゃないかということですね。これは実は均等割りで割っているわけですね、現実には。そう考えてみますと、少なくとも最低限というのは、基準生計費と一致する線、このことが正しいと思うわけです。したがってそのほかの、その基準生計費以下の人は、均等割り等によって負担の分任あるいは地域社会という考え方での税金を納めている、こういうふうに考えれば、所得税みたいに均等割りが全然ないということになれば、基準生計費よりも少し下の人でも負担をすべきだという考え方も出ると思いますが、地方税の場合には均等割りというものがすでにあるわけです。当然そういう観点から言いますれば、最低限は基準生計費に一致すべきである。こういうふうに思いますが、どうなんですか、その点。
#132
○政府委員(松島五郎君) 私ども課税最低限がなるべく高い姿になることを決して拒否するものではございません。できるだけ引き上げていきたいという気持ちを持っておりますことは、先ほども申し上げたとおりでございます。そういうことから、基準生計費との関係におきましても、かってはかなりの開きがございましたけれども、だんだん近づいてきているというのが現状でございます。先ほど申し上げましたのは、一つの考えを申し上げただけでございまして、私どもはそれでいいということを申し上げたつもりではございませんので、引き続きその方向で努力をいたしてまいりたいと思っております。
#133
○竹田四郎君 大臣にお伺いしたいと思うのですけれども、いま局長は、だんだん基準生計費と地方税の課税最低限を近づけたいという希望と努力はしていくということなんですが、これは国民全般が地方税が重いというような理由の一つは、私はそういうところにあるのではないか、こういうふうに思うのですが、先ほども地方税全体の改革の問題に触れたわけですが、これは課税最低限の問題でありますけれども、こうした問題について、やはりもう少し具体的にその努力目標といいますか、そういうものをひとつ自治大臣として考え方をお示し願いますればと思いますが、ございませんか、どうですか。
#134
○国務大臣(野田武夫君) 私は、この基準生計費と住民税の関係、これは科学的にいろいろこれは分析すると、いろいろ理屈がつくと思います。しかし、私は、一般的にやはり大きな眼で見ますると、全体に地方税ばかりでなく、どうも国民の税負担というものが少し過重だということではありませんが、どうも重いのです、感じが。私は率直に申します。だから、基準生計費とのどういう比較でもって下げるかという、そういう私は科学的な検討はいたしておりませんが、私は一般論として、できるだけこの税負担を軽くするという方針が何かという――私は実感でございますから、税がもう少し軽くせにゃいかぬというのが、生活している私どもの実感なんです。また私の政治的な感覚ということです。そこで、今回の住民税も、できますならば、私はこの基準生計費ということをあまり存じませんでしたけれども、なるべく軽くしたい。それで、今度全体においてできるだけというので、八百七十億の全体の減税は地方税でやりましたけれども、そのうちに取り上げられました住民税は、所得税のつまり課税最低額とはだいぶ開きがあるということもよく存じております。
 それから、もう一つ、確かに理屈をつけますと、税制調査会の答申には、必ずしも所得税と住民税が一緒に考えないでもいいとある。それはそれでけっこうです。それは私も所得税が、これが住民税と同じ線でいけということは、多少地域住民の町づくりの負担とか、いろんなことがございますから、必ずしもそれと一致するということの議論じゃございませんがやはりこの住民税をもう少し軽くしなければいかぬという感じを私はとにかく深くいたしております。
 そこで、先般のこの委員会においてもお答えしたことを覚えておりますが、また予算委員会においても何べんもお答えいたしておりますが、まあこの二、三年間ですね、どうしてもこれはひとつ下げる方向に持っていきたい。しかし、それはもっとこれに、ただ決して逃げ道をつけるわけじゃございませんが、やはりこれは一般の経済状態もございますから、私が二年、三年先のことをここで言うことは、少し私としては、まあ責任上どうかと思いますけれども、しかし、四十五年度は、もう大体の、大かたの日本の経済の見通しもつきそうでございます。そうすれば、それは四十四年度で大体見通しがつきますから、つまり四十五年度の課税標準なんかにつきましては、ある程度いま頭に置いて考えていいのじゃないか。四十五年においてはどうするかというくらいのことはいま考えていいのじゃないか。こう考えております。それには、私は住民税は、やはり四十五年度も課税最低額を引き上げるという考えを持っております。そうして、もし日本の全体の経済の情勢が安定成長と申しますか、一応の経済態勢が、今日のような態勢が続いてまいりました場合には、やはり引き続いて住民税その他の地方税の負担を軽くしていくことだ。これはいろいろ地方には、私が申し上げるまでもなく、御承知のとおり、いろいろ財政上の事情がございます。非常に行政費もかさんでまいることも事実でございますが、それだけでもってやはり住民の負担の問題を考えないということは、私はやはり地方自治をあずかる者としてはどうか。そこで、いま繰り返して申しますが、局長も言っておりましたが、少なくとも四十五年度におきましても、相当な額はやはり住民税は軽減していくがいいと、こう考えております。
#135
○竹田四郎君 いま四十五年度においても最低限をかなり引き上げていくと、こういうふうなお話がありましたが、これは国税のほうでも四十五年度には百万円を当然突破する、約十万円、そういう形がすでに出ておりますから、いま大臣がおっしゃられた点は、国税の最低限の引き上げの幅ぐらいを考えておられるのですか、それとも、いまの三十一万円の幅をもう少し縮めるという立場で四十五年度の引き上げを考えていらっしゃるのですか、どちらでございますか。
#136
○国務大臣(野田武夫君) 私は、この所得税と住民税の課税の幅をなるべく縮めるということは、できればけっこうですが、やはり、おのずから地方財政と国の財政との運用も違ってくるのでございますし、私どもはやはり、国が幾ら上げたから・一緒になって上げるという、こういうことじゃなくて、今日の地方住民の負担を軽くする。それにはまず住民税の負担を軽減せにゃいかぬ。そこで、これはまだ私のほうでまとまった意見じゃございませんが、私自身の考え方から申しますと、これは税務局長、隣におって、おこられるかもしれませんが、私はそういうことを提言したいと思うのは、やはり本年並みぐらい、十万円前後のやはり課税最低額の引き上げを四十五年で実現したい。縮めるために、そう二十万、三十万ということ、これはなかなか地方財政がそう簡単にまいりません。私は口では言えましても、理想論としてはどんなでも言えます。しかし、それは理想論だけ言ったって、なかなか実際の行政というのは動きませんから、私はやはり最低限というのは、自分ができるなと思う線でお答えしたほうが良心的だと思います。いろいろ御注文もあるし、それじゃ少ないから、まだ所得税と住民税の差は同じじゃないか、こうおしかりあるかもしれませんが、しかし、私はやはりできるだけ、つまり自分が、これならばやれると思うことをお答えしたほうが、私自身の気持ちとして、自分がそうしたいと思いますから、したがって本年の、四十四年度における住民税の低減、つまり課税最低額の引き上げの程度は当然四十五年度にやらなくちゃならぬ。できればもう少し引き上げて、ことしよりもう少し引き上げるということができれば幸い。決してそれ以下のことをやろうということではございません。できるだけ引き上げたいのです。どの程度にまいりますか、これはひとついろいろ計算をしたり、またいろいろな意見も聞いてみなければいけませんが、そういう気持ちを私は現在持っております。
#137
○竹田四郎君 たいへん自治大臣には申しわけないのですが、どうも聞いていて、自治大臣としての御答弁というよりも、個人的に私には聞こえるような御発言が多いように思うのですけれども、まあこういう席でございますから、個人的な意見でも自治大臣としての意見というふうに私は受け取りたいわけですが、どうもその辺、せっかくいいことを言っていらっしゃるのですけれども、何かその辺に、私は、大臣の発言の力なさといいますか、そういうものを実は感じてしょうがないわけでございますが、その点ひとつ、自治省を代表する大臣と、こういう形で御答弁をいただきたいとお願いをしたいと思うわけです。
 さて、そこで、最低限の問題は、そのようにして、去年、ことし、また来年についても引き上げが行なわれそうでございますけれども、なるほどそういう層は非常にけっこうでありますけれども、経済がこれだけ発展をし、給与もかなり全体的には上がっている、こういう中で、実は均等割りしか納められない人というのがかなりありそうなわけですけれども、これは一体全国で均等割りだけの納税者というのは何名くらいになりますか。
#138
○政府委員(松島五郎君) 均等割りだけの納税義務者は約五百万人程度でございます。
#139
○竹田四郎君 そうしますと、五百万人の人は、経済の発展の中で、しかもかなり取り残された人たちだと、しかも減税の恩恵というのは、国税も、また地方税も、これは何ら恩恵をこうむっていないと、こういうことになりますね。ただこうむるのは物価の値上がりという形でこうむるわけだ。こう考えてみますと、私は、当然均等割り、特に個人の均等割り、この点については若干手を加えないと、片一方は非常に最低限が上がることによって利益を得るけれども、一番層としてはまあ低所得層といいますか、こういう人たちはそういう恩典というものは何らこうむらないわけなんですね。これはある程度考慮する必要があると私は思うのですけれども、その点は、いかがでしようか。
#140
○政府委員(松島五郎君) 先ほど五百万人と申し上げましたが、まことに申しわけございません。これは、現行法で所得割りの課税最低限を引き上げなかった場合にその差額が五百万人でございまして、課税最低限の引き上げをいたしますと、所得割り納税義務者自体が三百万人ばかり減ってまいりますので、差し引きいたしますと逆に八百万人という数字になります。訂正をさせていただきます。
 なお、均等割りしか納めない者は減税の恩典を受けないではないかという御指摘でございますが、いま申し上げました訂正をさせていただきましたところからもおわかりいただけますように、課税最低限の引き上げによって三百万人という大量の方が実は、従来は均等割りと所得割りを納めていたのが、均等割りだけになるという意味での減税が行なわれているわけでございます。
 なお、均等割りだけ従来から納めていた方についてはそういう問題はございませんけれども、ただ均等割りは、御承知のとおり、昭和二十六年に現在の税額になったわけでございます。その後県民税に百円ずつ移譲いたしましたけれども、県民税、市町村民税を通じます均等割りの税額を合わせました場合には、昭和二十六年以来据え置きでございます。この間に国民所得の全体の水準も上がってきておりますことを考えますならば、相対的には税率が引き上がっていないということは、減税になっているというふうにも解されるのではないか。税額は、人口五十万以上の市で七百円、五万ないし五十万未満の市で五百円、一番下の段階の市町村で三百円という額でございますので、そう重い額でもないように今日では思われますので、この程度ならばがまんしていただけるのじゃなかろうかと、かように考えております。
#141
○竹田四郎君 まあ私が申し上げているのは、今度の措置で最低限が上がったことによって税額が少なくなった人、この人たちはそれだけ軽減されるのでいいわけですけれども、しかし、現実には、母子家庭だとか、あるいは身体障害者をかえている世帯というものは、おそらくその三百円でも金を出すということは、私はかなりつらいことだろうと思うのですよ。ですから、毎年毎年幾らか減税の恩典にあずかれる人はけっこうですけれども、あずかれない人、これについてはやはり何らかの形で考えてやらないと、所得の高い人には恩典があるけれども、貧乏人には恩典がない、こういうことでありますので、これは何らか私は、やはり考えて、まあ少なくとも幾らか恩典を与えるとか、そういう減税の政府の誠意というものを均てんをする、こういうことが私は必要ではなかろうかと思うのですが、かまわないというお考え方ですか、どうですか。
#142
○政府委員(松島五郎君) いまおあげになりましたうち、寡婦、あるいは障害者、未成年者、老年者というものにつきましては、先ほども法律案で御説明申し上げましたように、非課税限度というものを設けておりまして、従来前年所得が二十八万円以下の方は均等割りも所得割りもともに納めていただかないということになっておりましたのを、今回三十万円までその限度を引き上げておりますので、そういう方にはいまお話しのような点は救済されていくのではないかというふうに考えております。
#143
○竹田四郎君 まあ私は、若干そういう面はあっても、何らかの形で減税の恩典というものを、そういう特に低所得の人たちに何らかの形で与えていくということが必要だろうと思うのです。特にボーダーライン層というものに対しては、当然そういうことをすべきだと思うのです。
 そこで、今度は法人のほうの均等割りですね、おそらくこれもほとんど一号法人、二号法人変わっていないだろうと思うのですが、資本金一千万円ですか、これを境にして一号法人、二号法人という形で分けているわけですが、この辺は私はかなり問題があるのじゃないか。しかも、この均等割りが市町村の場合にも非常に低い。四千四百円くらいでございますか、非常に低い。ところが現実には、いま一千万円以上の法人といってもほとんど中小企業の状態でありまして、この辺に一号法人、二号法人という二つの大ざっぱな分け方、これだけは私は現在の経済情勢の中でぐあいが悪いじゃないか、こういうふうに思うのですが、その点いかがでしょうか。
#144
○政府委員(松島五郎君) 法人の均等割りにつきましては、御指摘のような問題もございまして、たしか昭和四十二年度の改正であったと記憶いたしておりますけれども、従来やはり人口段階別になっておりましたのを、法人について人口段階別というのはあまり意味はないということで、法人の規模別に変えました。その際に若干の引き上げを行なったのでございまして、今日の状態からすれば、それで十分かどうかという点は、御指摘のとおり、いろいろ検討しなければならぬ点があると思いますけれども、一応昭和四十二年度にそういう意味で引き上げを行なってきております。今後の問題といたしましては、やはり経済情勢の推移等を考えながらその適正化をはかってまいりたいと思っております。
#145
○竹田四郎君 現実問題、大きな工場というのは、これは公共施設の利用、特に道路その他の利用という点では、これは小さな企業に比べれば非常に大きく使っているわけです。その方面はほかの税金でということもありますけれども、国民感情として、二千万ぐらいの法人も何百億という法人も同じように均等割りがあるということは、これはやっぱり国民全体としてきわめて不公平じゃないか、こういう感じも私は受けると思うんですが、これなどもう少し段階を区切って均等割りというような点を私はつくるべきだと、こういうふうに思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#146
○国務大臣(野田武夫君) いまお話承っておりまして、まあ資本金一千万円を境にして、いまお話のとおり、だんだん事業内容が膨張してきている、資本金が膨大になっております。むしろその傾向をたどっております。これはひとつ税務局でも十分検討してみたいと思います。どうせ、この税法が実現しまして、いよいよ次の税法の問題に入ってまいりますから、その際に十分検討することにいたすことにしておきますから、よく私いまのことはわかりました。
#147
○竹田四郎君 たいへんその点では前向きの御答弁をいただきまして、今後ともひとつ期待をしているわけでございます。
 その次には、都市税源の強化の問題でありますが、まあ今回これに関してなされたということは、地方道路譲与税に対する若干の補正、あるいは交付税法による若干の補正はありますけれども、しかし、今日の都市におけるところの財政需要とその税源ということとを関連してみますと、非常に都市税源というものが少なくなっておると思うんです。府県のほうは大体順調な伸びを示しておりますけれども、市町村のほうの伸びというのは、先ほども申しましたように、非常にその割合というものはむしろ減少している、こういうふうに考えますと、まあ交付税法、その他譲与税というようなこと、あるいは先ほども討議されました財政特例法でやるというようなことも一つの方法ではあろうと思うんですが、しかし、その方法でいくということは、一番政治と密着をしている地域住民という立場から考えますと、非常にわかりにくい、こういうふうなことであろうと思うんです。そういう意味では、もっと都市税源というものは都市税源として取って、それによって具体的に仕事をさしていくということのほうが私はより望ましいと思うわけであります。しかも、都市税源については、前の数回にわたるこの委員会においてもしばしば附帯決議がついているというふうに言われておりますし、それから地方制度の調査会のほうでもこの問題については特に項目を入れているわけでございますけれども、そういう点で見ますと、今回の地方税源の強化、充実という面では具体的にあまり発展がないんではないかと、こういうふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#148
○政府委員(松島五郎君) 都市税源の充実の問題につきましては、御指摘のとおり、しばしば附帯決議をいただいておりまして、私どもも努力をいたしておるつもりでございます。昨年度は自動車取得税を創設をさせていただきまして、形としては県税でございますけれども、その三分の二は市町村に交付するということにいたしまして、市町村道路財源の充実化につとめたわけでございます。さらに残りました三分の一のうちでも、大都市が国道県道の管理をいたしておりますことを考慮いたしまして、県分の三分の一からさらに大都市には譲与する、交付するということにいたしておりまして、また今年度の改正でも、先ほど申しましたように、道路譲与税の配分基準を改めまして、できるだけ都市交通の事情を反映するような傾斜的配分によって都市の税源の充実をはかっていくというような方途を講じておるわけでございます。もちろん、今日の大都市における財政需要の急激な増高という点を考えますならば、なお十分とは言いがたいという点もございますけれども、私としては一応今日の段階でできる限りの努力をいたしておるつもりでございます。
#149
○竹田四郎君 そういう努力にもかかわらず、大都市の超過負担というのは、一方では超過負担解消計画ということが実施されているにもかかわらず、六大都市の超過負担というのは四十二年度よりも四十三年度のほうがさらに増加をしておる、こういうふうに六大都市関係では言っていますが、若干のそういうような形でやっても、私は、今日の都市税源の充実強化になるどころか、むしろそういうこそくな手段が負担を大きくしていっているんではないだろうか、こういうふうに思うわけでありますけれども、まあここにも配られましたように、六大都市から都市税源の財政措置を要望しておりますが、特に法人所得課税の拡充でございますが、この点について今日百分の八・九を百分の二十に上げてくれという内容であろうと思いますけれども、これについてはどんなふうなお考え方でございますか。
#150
○政府委員(松島五郎君) 大都市の税源を充実する方法としては、いろいろな点が考えられると思いますけれども、大都市の要望しておりますような道路の財源の充実という点については、先ほど申し上げましたように、できるだけ努力を払ってきております。
 なお、いま御指摘になりましたような法人課税の問題でございますが、法人課税の問題ということになりますと、御承知のとおり、法人にかかります税金は、国税は法人税、地方税では府県の法人事業税、法人税割り、市町村の法人税割りというようなもので、全体をひっくるめまして企業課税のあり方というものをどう考えていくかという問題として考えていかなければならない問題もございますので、いま税制調査会では法人課税のあり方についていろいろ検討が行なわれております。御承知のとおり、現在の法人税制度は法人擬制説の上に立って仕組みが立てられておるわけでありますが、そういった課税のしかたがいいか悪いかというような問題も今後の検討の項目の一つでございますが、そういったものをひっくるめまして企業課税のあり方について検討いたしまして、私どもといたしましては、それらの検討の一環としてこういった問題を取り上げていっていただいて、できるだけ都市の税源の充実に資するような方向でこの問題進めていきたいというふうに考えております。
#151
○竹田四郎君 ことしのこの地方道路譲与税における、道路の種別とかそういうことを含めて配分方法が若干変わったわけですが、大体六大都市にいく金はどのくらいの額になりますか。
#152
○政府委員(松島五郎君) 前年度の配分基準そのままでございますと、前年四十三年度は十六億ばかりでございますが、私どもが現在試算をしております額では五十一億円程度になるものと見込んでおりますので、三十五億円程度増加するものというふうに考えております。
#153
○竹田四郎君 いずれにいたしましても、そのくらいの程度では、今日の六大都市におけるところの交通事情の緩和にもならないし、あるいは非常に多くの要求もあります道路の改良、舗装、こういうようなことにも、六大市でいままでと比べますとせいぜい三十何億くらいでありますから、一都市の割り当てというのは六億ぐらいにすぎないと思いますね。これではとても現在のそういう大都市におけるところの道路財源としてまことに微微たるものだと、こういうふうに言わざるを得ないと思うんですが、こういう面でさらに何らかの形で道路財源というものを与えていくという御計画はございませんか。
#154
○政府委員(松島五郎君) 道路財源をさらに大きくするということになりますと、今年度の改正によります道路財源の道路譲与税の増加額は、先ほど申し上げましたように、一応三十五億円程度ふえるのではないかというふうに試算をいたしておりますが、この額は前年度に比べますと増加額だけで二倍以上になるわけでございまして、私どもとしてはかなり思い切ったふやし方だというふうに考えております。ただ、全体の道路譲与税の増加額が来年度百億円ぐらいでございますから、配分方法を変えることによって、他の自治団体が少なくとも今年度よりも――今年度と申しますか、昭和四十三年度よりマイナスになるということはできるだけ避けたい、その範囲でできるだけ大都市の財源がふえるようにしたいという配慮で試算をしておるわけでございまして、したがいまして、来年度以降になりますと、さらに自然増収というものも出てまいりますので、その配分の方法についてはできるだけさらに傾斜をつけるというようなことによって大都市に対する道路譲与税の配分額がふえるように配慮をしていきたいというふうに考えております。
 なお、道路財源といたしましては、先ほども申し上げましたように、昭和四十三年度の改正で自動車取得税を創設さしていただきましたが、この額は、昭和四十三年度の見込み額では三百九十五億円でございましたけれども、昭和四十四年度は六百五十億円を上回るものと見込まれております。したがいまして、かなりこの税は伸びる税でもございますので、これが大都市に対する道路財源の一助としてもかなり今後大きく期待できるのではないかというふうに考えております。
 なお、根本的には、国と地方との間における道路財源の配分ということになりますと、現在の揮発油税に対する地方と国との取り分をどう考えていくかという問題が残るわけでございまして、これらにつきましても、従来から私ども、もっと地方の道路に回す分を多くすべきであるという主張を続けてきております。今後ともその方向で努力をして、できるだけ地方の道路財源の充実をはかっていきたいという気持ちを持っております。
#155
○委員長(内藤誉三郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#156
○委員長(内藤誉三郎君) 速記を起こして。
#157
○竹田四郎君 都市税源というのが非常に少ないし、いまの形では、この前本会議で私が述べましたように、いろんな形でいまの制度というものがそのためにゆがめられているわけですね。そしてしかも、非常に国と地方との関係というものが住民にとっては複雑であって、実際わけがわからないと、これはかなり大きい。ただ単なるお金のやりとりの問題よりも、むしろ地方自治体に対する住民の考え方を非常に消極的にしてしまうと、あるいは、逆に言いますと、国の地方に対する干渉支配という度合いをやはり深くしていくと思うんです。そういう意味で、私は、この中央と地方との関係の金のやりとりというものをもう少し今後の税制改革の中でだれでもわかるようなわかりやすいものにしていくことが地方自治の伸展の上でも非常に重要なことだと、こういうふうに考えるわけですが、実はあとまだ質問がありますが、きょうはこの辺でとどめたいと思いますが、これは将来展望として、地方自治の伸展という立場、あるいは住民にわかりやすい地方の財政という意味で、もう少し複雑にしないで簡単にしていくということが非常に私は必要ではないかと思いますが、その辺ひとつ自治大臣、どんなふうにお考えなのか御意見を承って、きょうのところは終わりたいと思います。
#158
○国務大臣(野田武夫君) いまの国、地方の税制のあり方、それから地方税におきましても、いま申されましたように、いろいろ改良をしなければならぬ点が多いということもよくわかります。ことに都市の税源と申しますか、財政上これは非常に大きな問題でございます。いま局長から、大体の対策、その他都市に対する税をどういうふうにして少しでも増加するかということを御説明しましたが、私は、もちろん御指摘どおり、これでもって都市の財源をまかなおうと思っておりません。それから道路の問題なんか特にそうであります。いま局長から申しました揮発油税というのは、私はもう少しやはり大事な一番必要なところに国が考えてやる必要があるのではないかと考えております。
 それから、いまお話がありましたが、大体国と地方の行政事務の配分から、それから行政のやり方をもう少しわかりやすくしろということ、よくわかります。そこでいま一つの問題、行政改革からきている意見でございますが、地方に国のいろいろな補助が出ております。これらもまあ、ことに零細なものを早く整理しまして、そうして地方の自治的な行政事務も、財源も自主的にやるようにすることがまず第一、ことにこれは非常に必要でございます。これは道路ばかりじゃございません。
 それからもう一つ、国と地方のこういう特殊な都市対策というものを考えますと、こういう財政事情と申しますか、ことに税の問題でもどういうふうに配分していくかということも残されておりますし、私はやはり、ここまで参りますと、もう都市問題というものは、従来の税制の基本的な考え方では、なかなか都市の財源というものはうまく生まれてまいりません。いろいろなことをやっておりますけれども、確かに不足しております。そういうことでございますから、今後税制改革は当然に手をつけることでございますから、やっぱりこれらは、ことに都市の財源につきましても、そのうち税源につきましても、新たな構想を描いて今後措置すべきものだ。それには、いまお話しのとおり、やはりなるべく地方と国というものと筋が通った、しかもわかりやすいという、お話のとおり、できるだけ自主的な財源でいくようにするのが好ましいし、私どもも、実際そうすべきものだ、こう考えております。
#159
○委員長(内藤誉三郎君) 両案に対する本日の審査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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