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#1
第061回国会 地方行政委員会 第8号
昭和四十四年四月八日(火曜日)
   午後一時二十五分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 四月八日
    辞任        補欠選任
     小枝 一雄君     渡辺一太郎君
     小林 武治君     鹿島 俊雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         内藤誉三郎君
    理 事
                熊谷太三郎君
                吉武 恵市君
                林  虎雄君
                原田  立君
    委 員
                鹿島 俊雄君
                小林 武治君
                鈴木 省吾君
                船田  譲君
                増田  盛君
                安田 隆明君
                山崎 竜男君
                若林 正武君
                渡辺一太郎君
                竹田 四郎君
                千葉千代世君
                松澤 兼人君
                和田 静夫君
                阿部 憲一君
                山田  勇君
   国務大臣
       自 治 大 臣  野田 武夫君
   政府委員
       自治政務次官   砂田 重民君
       自治省税務局長  松島 五郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       自治省税務局府
       県税課長     森岡  敞君
       自治省税務局市
       町村税課長    高橋 睦男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(内藤誉三郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#3
○竹田四郎君 電気ガス税についてお尋ねをしたいと思いますが、今回の免税点の引き上げで、電気については四百円から五百円ですか、それからガスについては八百円から千円に上げるそうですが、電気のほうは百円だけしか上げてない。ガスのほうは二百円上げられた。どうして電気とガスとそのように差をつけて上げられたのか、その点の根拠について御説明いただきたいと思います。
#4
○政府委員(松島五郎君) 電気ガス税の現在の免税点は、電気が四百円、ガスが八百円でございます。そこで、それぞれ百円、二百円上げる。現在大体二対一の割合になっておりますので、同じような割合になるように引き上げをした、こういうことでございます。
#5
○竹田四郎君 かつては、この間にこんなに大きな差額はたしかなかったと思うのですが、いま片方が八百円、片方が四百円、だから、その上げる割合が同じだと、こういうあり方は、いつからそういうふうになったのですか。
#6
○政府委員(松島五郎君) 御指摘のとおり、かつては電気とガスの免税点にあまり大きな開きがなかったのでございますけれども、ガスにつきましては御承知のとおり、プロパンガスとの競合の問題がございまして、プロパンガスにつきましては、ボンベでもって供給されます関係上課税されていないというような問題がございまして、それとの均衡上、ガスの免税点をかなり引き上げてきたと、こういうことでございます。
#7
○竹田四郎君 均衡上というのはどういうことですか、具体的にその内容は。
#8
○政府委員(松島五郎君) いま申し上げましたように、プロパンガスにつきましては電気ガス税が課税されておりませんので、それとの均衡上、都市ガスについても引き上げをしてきたと、こういうことでございます。
#9
○竹田四郎君 片っ方はかかっていない。これは前からかかっていないわけであります。今回に限ってかからなくなったわけではないと思うんですがね。そういう、もう少し具体的に、なぜプロパンとの均衡上という、数字的な基礎がおそらくおありだろうと思いますので、それを教えていただきたい。
#10
○政府委員(松島五郎君) 電気ガス税の免税点は、昭和三十六年ごろは三百円、それぞれ同じでございました。四十年に電気が四百円、ガスが五百円、四十二年に電気は四百円据え置きで、ガスが七百円、四十三年にも電気が据え置きで、ガスぶ八百円、こうなってまいりましたが、これは最近におきますプロパンガスの普及が御承知のとおり非常な勢いで進んでまいりましたので、そのプロパンガスの普及の状況等を見まして、それとの均衡上いま申し上げましたようにガスの免税点を引き上げた、こういうわけでございます。
#11
○竹田四郎君 どうもその辺がよくわからないのですが、具体的にどういうような普及の状態になったからそういうふうな差をつけてきたのか、もう少し何か根拠があると思うのです。ただ片方が普及をしたとか、あるいはプロパンガスとの均衡というだけでは、どうもよくわからないわけですね。その辺のもう少し明確な根拠をお示しいただかなければわからないのです。
#12
○政府委員(松島五郎君) 三十九年から四十一年の資料をただいま持っておりますけれども、全世帯数に占めます都市ガスとLPガスの普及状況でございますが、三十九年当時は、全世帯に対しまして、都市ガスが二七・四%、LPガスが四五・九%、その後昭和四十一年になりますと、都市ガスのほうは三〇・六%、約三%の普及率の増加でございますが、LPガスのほうは五二・六%、約七%の増加というようなことになっておりまして、特に最近におきますLPガスの普及状況が非常に進んでおる、こういうこと、並びに大体現在LPガスの家庭消費の状況を見ますと、千円どまりになっているのが多いようでございますので、そういった点を考慮いたしまして、免税点を引き上げたわけでございます。
#13
○竹田四郎君 そうすると、いまのお話ですと、LPガスを使っている平均的な消費量の金額が千円だから、それにしたのだ、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#14
○政府委員(松島五郎君) LPガスの平均と申しますより、大体千円というあたりが、ほぼ何と申しますか高い水準のところであるというふうに考えております。
#15
○竹田四郎君 そうしますと、そういうLPガスと都市ガスとの大体の使用の最高の付近というのがこの免税点の限度になっておる、こういうふうなお話だろうと思うのですけれども、そうしますと、ガスのほうは使用の大体最高限度、電気のほうはおそらく最高限は五百円ということではなかろうと思うのです。総理府の発表しております家計費の調査を見ましても、大体全国平均でも千円程度の電気代は払っているわけです。これは七大都市だけでなしに、町村あたりでも最近は千円くらいになっておるわけです。で、むしろそういう意味では電気のほうが、これはもうほとんど全国各地域ともおそらく電気のないというところはもう幾らもないというような状態ではなかろうかと思うのですが、そういう中で、電気のほうは使用の最高限ではなくて、むしろ私の調べた範囲では半分ぐらい、こういうことになっておりますが、ガスのほうは使用の最高限、非常なアンバランスがあると思うのですが、これはどういうわけですか。
#16
○政府委員(松島五郎君) プロパンガスとの関係がございまして、プロパンガスは御承知のとおり課税されておりませんので、同じようなものを使用するガスにつきまして、一方は使っておるものの種類によって違うということも、同じ内容のものでありながら使っておるものによって、LPであるかあるいは都市ガスであるかによって課税される、されないという問題をなるべく避けたい、こういうことで、ガスに対する免税点はかなり引き上げてまいっておりますことは御指摘のとおりでございます。その辺に、片っ方に同じようなもので課税されていないものがあるかないかというところから判断をいたしておるわけでございまして、電気とはそこのところが違うということでございます。
#17
○竹田四郎君 電気ガス税は、これは池田内閣の当時も今日の佐藤総理も、これはもう悪税だと、こういうように言われて、いつまでもこういうものを取っておるのは筋ではない、こういうふうに明言をずっとされておるわけです。そう考えてみますと、電気の場合には、最近の家庭電化等々によって非常に電気の使用量というものがふえてきておるはずです。また電気会社も当然電気の使用量をふやすということを考えているわけでありまして、もうほとんどの家庭が、さっき申しましたように千円以上使っておる。電気は御承知のように必需品であります。そういう意味では、政府のほうは、電気はどのくらい使うのが国民生活の観点から必要最低限だとか、何かそういうものがおありになって五百円という金額にしたのかどうか伺いたい。
#18
○政府委員(松島五郎君) 電気の免税点の五百円は、昭和四十三年度の総需用家数二千四百九十五万五千世帯に対しまして、免税点以下に該当します世帯が二百七十万七千世帯ございまして、その割合が一一%ということになっております。その後ここ一年半の間に電気は使用量がふえてきておりますので、現在の免税点のままにしておきますと、免税点に該当します戸数は九・七%に下がるということが予想されますので、少なくとも現行の免税点対象戸数程度の割合は維持していきたいということを考えまして、五百円といたしたものでございます。もちろんその結果一三%ということになりますが、正確に一一%、去年と同じというわけではございませんが、これは免税点を、六十円だとか七十円というわけにもまいりませんので、五百円と、百円丸く引き上げました結果でございます。
#19
○竹田四郎君 大臣にお伺いしたいのですが、電気ガス税は悪税だ悪税だと言いながら、ガスについてはそういうように使用の最高限、これも先ほどの御説明で、都市ガスとLPGとの格差の問題でこうしたのだ。しかし電気にいたしましても、これは私は、かなり今日電気なしには生活できない必要な最低限とは言えないでしょうけれども、ある金額まではもう必要最低限だと、こういうふうに思うのです。そういうところに、総理府の家計費調査の中で、電気の使用料が平均千円以上、こういう数字が出ておるわけでありますね。これは平均ですから、それに対してその半分しか免税点がないということは、これは悪税の悪税たるゆえんのものを最もよく私は象徴しておると思うのです。どうでしょうか。これがかなり私はひどい大衆負担になっておると思うのですけれども、大臣どういうようにお考えですか。
#20
○国務大臣(野田武夫君) 電気ガス税は従来から、竹田さんのお話のとおりいろいろな批判がございますが、電気ガス税は地方財政の相当な部分を占めておることも御存じのとおりであります。しかし、地方財政のために悪い税は、これはやはりできるだけ緩和していく、これは当然な話だと思います。そこで、今回の税制改革でもやはり電気ガス税を取り上げているのでございますが、お示しの電気を百円引き上げて五百円、これが結局免税点をこれだけ引き上げて、その対象戸数は大体一三%と、こういうわけですが、私もこれをもって足れりと思っておりません。一応この電気ガス税はいま事務当局から御説明いたしたような基準でやっておりますが、これは当然ひとつ将来においてはもう少し積極的な考え方をもって電気ガス税を取り扱わなくちゃならぬということを私自身は深く感じております。しかし、とりあえず本年度の改正で幾分でも緩和していきたいということで、免税点をきめておるのでございます。いま申しますとおり、将来においてはさらに再検討を加えて、もう少し免税点を引き上げる、またその他の税源その他についても検討してまいりたいと、こう考えております。
#21
○竹田四郎君 これはいまのお話ですと、悪いから将来再検討をしようというのですが、本年度の電気ガス税の財政計画で見ますと、市町村の税収は大体八百十億くらいにすぎないと思うのです。八百十億ということになりますと、これは大蔵大臣と自治大臣と二人の間で話をきめられた交付税の六百九十億というものと考えてみると、大体とんとんになるわけですね。だから、いまどうしてもこれはすぐにはできないんだというふうにおっしゃられるわけなんですが、これは廃止に踏み切っても、六百九十億というものを地方財源として確保すれば大体とんとんになるわけですね。一気に廃止ができる、こういうふうに考えられるわけなんですが、なぜそういうような点を特に自治大臣は大蔵大臣にも強く主張して、国へ貸してやるというような形ではなしに、少なくとも廃止というものをもう少し明確にお出しにならなかったか、その理由をお聞きしたいと思うのです。
#22
○政府委員(松島五郎君) 六百九十億の問題は、大臣からもお話があると思いますけれども、昭和四十三年度の補正分を見合いに繰り越したものでございまして、必ずしも昭和四十四年度の財源全体をそれによって減少させるものではないと考えておるわけでございます。また、その問題を別にいたしまして、電気ガス税をかりにお話のように全廃をするといたしますと、それは単に四十四年度の問題にとどまらず、今後永久にそれだけの財源というものが得られないという結果になるわけでございまして、いまの六百九十億は、かりに問題といたしましても四十四年度だけの問題でございますので、そのことが直ちに電気ガス税を全廃できるということにはならぬのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
#23
○竹田四郎君 局長のお話は非常に私は不可解だと思うのです。とにかく総理大臣がこの電気ガス税は悪税なんだ、だからこれは撤廃していくのが筋なんだ、電気ガス税の話が出るたびにそういう答弁があるわけですね。一方には、そういう話があっても、実際事務を担当する局長がそんなことはできないのだと言うことは、どうもちょっと私どもふに落ちないのですが、もちろん四十三年度の六百九十億が直ちに四十四年度に使えないということは私も知っておるわけです。それならばそれで、四十五年度からひとつ全廃しましょう、ことしはこういう措置でかんべんしてくれ、何らかそれについて説明があってもいいはずだと思う。そういう説明がないで、そんなことはできません、六百九十億は来年度だけで、その次はどうなるかわかりません、こういう形では、電気ガス税も廃止の方向にあるのじゃなくて、存続の方向にあるとしか私ども考えられないのですが、どうですか。
#24
○政府委員(松島五郎君) 大臣からお話がございましたように、電気ガス税についてはなお負担の軽減、合理化をはかるべき面はあろうかと存じますけれども、私どもといたしましては、この段階で廃止をするという考え方を持っておりません。
#25
○竹田四郎君 もう一つ、電気ガス税を見ますと、かなり多くの企業に対して非課税措置をやっておりますが、電気ガス税の非課税分はことしは幾らになりますか。
#26
○政府委員(松島五郎君) いわゆる産業用非課税と申しますか、そういうものが二百三十五億円ございます。
#27
○竹田四郎君 二百三十五億というものが一方企業のほうでは減免になっておる――ちょっと、いまの二百三十五億というのは、昨年度よりも約二十億程度ふえるのですか。もっとふえるのじゃないですか。
#28
○政府委員(松島五郎君) いま申し上げましたのは全く非課税になっておりますものの産業用の分でございます。そのほかに一般用の免税分というものがございます。たとえば街路灯でございますとか、そういったものに免税をいたしておりますが、その分が九億円、なお一般用の減税分として、ガスにつきまして二十億円別にございます。そのほかに産業用でも用途免税分というのがございまして、電気会社が発電用に使います電気だとか、あるいは農業用の電気でございますとか、そういったものが別に免税になったものがございます。そのほかに、ただいま御審議をいただいております税法でも、綿糸、綿織物等の関係で税率を軽減しているものがございまして、それが十六億でございます。そういったものを合わせますと、電気では三百二十二億円、ガスでは二十五億円、合わせまして三百四十七億円が免税ないしは軽減になっておる、こういうことでございます。
#29
○竹田四郎君 そうしますと、この三百四十七億の中には、たとえば街路灯みたいに、ある程度は減免しなければならないものもございますけれども、先ほど申しましたように、企業免税というものが二百三十五億その中にあるわけです。そういたしますと、企業に対しては非常な免税がされておる。しかし一般の家庭には、先ほど申しましたように平均使用料のたった半分しか免税になっていない。これはかなり不公平な措置じゃないかと思います。こういう不公平な措置があるからこそ、この電気ガス税というものが悪税だと言われる私は大きなゆえんじゃないか。公平に取られておるということであれば、それはある程度議論も成り立つわけでありますが、そういう意味で、非常に企業のほうには税率緩和あるいは免税、そうした措置をされておりますが、しからば、そういう措置をしている企業の業種といいますか、あるいは製造品目でいうのかよくわかりませんけれども、それは大体どのくらいの業種といいますか、品目といいますか、どのくらいにわたっているんですか。
#30
○政府委員(松島五郎君) 現在産業用の電気の非課税等につきましては、非常にこまかく区分をいたしておりますので、数はかなり多くなっておりまして、たとえば鉄につきましても、鉄鉱、砂鉄、銑鉄、鋼塊、鋼材、合金鉄、鋳鍛鋼、可鍛鋳鉄、純鉄、電解鉄というふうに同じ鉄でも幾つかに区分をしておりますので、数はかなり多くなっておりますが、それらの数を全部合計いたしますと百二十八品目となっております。
#31
○竹田四郎君 たとえばいま一番最初におあげになりました鉄、これは具体的にどういうところで使う電気が免税措置になっておるわけですか。
#32
○政府委員(松島五郎君) 鉄鉱、砂鉄等につきましては採掘の段階についての免税でございます。それから銑鉄、鋼塊、鋼材等につきましてはそれぞれ製造工程におきまして使用する電気の免税でございます。
#33
○竹田四郎君 いま鉄鋼関係のお話があったわけですが、最近八幡、富士両製鉄の合併などがありますけれども、こういう中で論議されているところを見ますと、こういうものについて減税、免税されてきたということは、おそらく輸出あるいは国内におけるところの鉄鋼価格を上げさせない、そういうような観点からおそらく免税にしているんだろうと思うんですけれども、現実には、日本の鉄鋼というのは実際相場から見ましても非常に安い、しかも、最近の話では非常に輸出も伸びておる。こういう事態の中で、さらに電気、これも免税措置を相変わらずやっている。なるほど戦後の荒廃した時期で、鉄鋼が非常に不足していた時期というならば、あるいはそうした措置というようなものがある程度理解ができるわけです。今日において鉄鋼というのは世界で一番日本が生産性が高い、しかも値段も安い、こういうものにいつまでもいつまでも地方税が――片っ方では地方財政が苦しい、こういうことを言いながらいつまでもいつまでも整理をしない、これはまことに不公平な措置ではないかと思うんですけれども、そういう意味で、百二十八品目について一体どのように洗い直したのか、どのように再検討したのか、そして残した理由はどういうのかというのを実は一つ一つ聞きたいわけでありますけれども、いまの鉄鋼関係の問題についてどのように洗い直し、具体的にどういう事情があるからそれを相変わらず非課税措置にしておいたのか、その点をひとつ、最近検討されているだろうと思いますから、明確に聞いておきます。
#34
○政府委員(松島五郎君) 産業用電気の非課税につきましてはいろいろな考え方のあるところでございます。電気ガス税は消費税であるから、消費段階において課税すべきであって、製品の中に、何と申しますか、組み込まれていく原料段階に課税をすべきでないんだという、こういう議論もございます。おそらく現在の電気ガス税がこういう産業関係のものに非課税になってまいりました経緯はそこにあったと私は理解をいたしております。そういうことでございますので、一体それではどの程度までの電気の使用量というものを持つような産業について非課税とすべきかということが長い間論議されてまいりました。税制調査会等におきましてもいろいろ論議をしていただきました結果、製品コストの中で五%以上電気料金が占めるものを非課税にするという取り扱いにしてきておるのでございます。なお、しかもその製品が、重要基幹産業または新規重要産業であるという二つの点から整理をしていくべきだということで今日まで進んできておりまして、いままでも何回も関係方面から資料を徴しまして、そういった電気料金の製品コストの中に占める割合はどうなっているかということを調べながら整理を進めてきておりますけれども、いつも御指摘をいただいておりますが、その後整理されたものはごくわずかでございまして、依然として残っているものが多い、あるいは追加されているものが多いということは事実でございまして、それは、いま申し上げましたような基準から申しますと、現段階において直ちに落とすということが困難であるということからでございます。
#35
○竹田四郎君 私は、地方財政が非常に豊かで、金がほんとうの意味であり余っている、どうにもあり余って使いようがない、こういう段階でありますれば、私は当然ある意味ではそういう御趣旨のこともわかるつもりですけれども、現実には、この前本会議でも述べましたように、地域におけるところの行政水準というものは非常に低いわけです。こういう中で、こちらのほうだけ非課税措置をする、一般の大衆は千円もかかっているのにその半分しか免税されない、こういうようなことは、私は地方財政というのは少なくとももう少し住民の立場に立つべきであろうと思うんです。こういう形が進めば進むほど、最近の地方財政は企業の下請になっているんだとか、こういう批判を私はますます受けるようになるんではないかと思うんですが、先ほど鉄鋼の例で五%の電気代がかかるというんですが、五%電気代がかかると鉄鋼の値段は、たとえば厚板なり何なりでけっこうですが、一体どれだけ上がるんですか。
#36
○説明員(森岡敞君) ただいまお話しの、電気料金の中での電気ガス税を非課税から課税にしたら製品原価にどういうふうにはね返るか、この辺の計算は実は私どもちょっとできておりませんが、いま局長から申しました製造原価の中で占める電気料金のウエート、これは銑鉄で申しますと一一・一%ということになっております。先ほど申しました銑鉄以外のものにつきましてはそれぞれ若干違いますけれども、たとえば合金鉄などはかなり使いますので二六・一%でございまして、あるいは純鉄などは二〇・一%、しかし鋳鍛鋼というふうなものになりますとやや低くなりまして六・七%というふうに、製品ごとに若干の差がある、こういうことでございます。
#37
○竹田四郎君 そのことは三十七年の一月の五日に通産省の企業局長と税務局長との覚え書きですか、これについて五%ということをおそらくおきめになっただろうと、こういうふうに思いますが、これは実は七年も前のことでありまして、その後日本の企業の生産性というものは非常に上がっているはずです。ですから、私は当然いまの鉄鋼ならば鉄鋼一つの問題を取り上げても、非常に能率が上がっている、しかもコストダウンしている、こういう企業であろうと思う。こういう企業については、こういう三十七年当時、その当時でも私は五%という点はかなり問題があろうと思うのです。いまはもっともっとそうした意味では生産性が上がっているわけでありますから、私は、この三十七年の一月五日の覚え書きというものは当然訂正をすべきである、改正をすべきであると思うのです。もう少し具体的に二百八十一品目についてもっとよく検討をしてみる、こういうことが私は必要だろうと思うのです。この点、局長どうですか。
#38
○政府委員(松島五郎君) 御指摘の問題は二つあると思います。一つは、この基準を前提として、現在非課税になっているものがはたしてこの基準に合っているかどうかということを検討するという問題、これは毎度やってきているつもりでございます。もう一つは、この基準そのものが今日において適当であるかどうかということを検討するという問題があると思います。私どもも、前者のみならず、後者についてもいろいろ検討を続けておりますけれども、ともかく製品コストの中に五%を占めているというものを非課税にするかどうかという問題はなかなかむずかしい問題でございまして、今日ではそれが、一つの申し合わせのようなものではございますけれども、一つの基準のように固定化されてきているところから、この基準そのものを変えるということについてはかなりの抵抗がございまして、今日もなかなか問題が進んでないということでございますが、御指摘のとおり、世の中が刻々と変わっておりますので、これらの点も含めて今後検討をしてまいりたいと思っております。
#39
○竹田四郎君 検討すると、口ではそうおっしゃいますが、片方ではこれは非常に抵抗がある、こういうおっしゃり方だと思うのです。こういう企業の使っている電気料金、さっきのような鉄鋼の使っている電気料金というのは、おそらくわれわれが使っている電気料金よりも非常に安いと思う。おそらくキロ当たりに直せば五円か六円という状態だと思うのですね。で、われわれの電気料金というのは大体十五、六円から十七、八円になっています。それで、同じように金額で五%、こういう金額で割合を出すというのは、これは私は、どうも企業にますますサービスを与えることになるのじゃないか。先ほどの二百三十五億、これをわれわれが普通使う電気料金で計算すると、おそらくこの三倍くらいになってくるのじゃないか。これはどのくらいになりますか、われわれの使う電気料金で直すと、二百三十五億というのは。
#40
○説明員(高橋睦男君) 昭和四十二年度の実績で電力消費量と電気料金収入を比べますと、われわれ一般家庭で使われている従量電灯でございますと、キロワットアワー十二円二十四銭ということでございます。大口電力のほうにまいりますと、キロワットアワー三円八十二銭ということになりますので、大体四倍くらいの金額になると思います。
#41
○竹田四郎君 そう考えますと、二百三十五億というものの四倍ですから一千億近く片方には免税をしている、こういうことになりますね。そういたしますと、私は、そういう面から見ると、これはなおさら電気に対する税金というのはたいへん不公平だということになると思います。そういう点でどうなんですか。これは大臣にお聞きしたいと思うのですが、来年度はどうしますか。
#42
○国務大臣(野田武夫君) 私は先般も委員会でお答えいたしましたが、これは、特にいま御指摘の非課税品目でございますが、これはいま税務局長からもお答えしましたとおり、はたしてこの多数の品目の検討が正確にできているかどうかということになると、必ずしも完全な検討がなされていない点があるんじゃないか。それから、いま御指摘になりましたように、一般消費と大口消費の電力料金の差なんというものを勘案いたしますと、これは当然ひとつ洗い直してみなければならぬ、こう思います。そこで、いまの申し合わせが三十六年か七年ということでございますので、相当その間の時間的な意味におきましても、生産技術が相当革新されているのじゃないか。この技術面の問題、それからいまの経済の推移というようなものを勘案いたしますと、そういうものを手直しする必要があるのじゃないかということを感じております。来年度にあたりましては、相当そういう点を準備いたしまして検討したい、こう思っております。
#43
○竹田四郎君 まあ来年は検討するということでありますから、来年を見ざるを得ないと思いますけれども、そういう意味では私は非常に不公平きわまると思うのです。金額ではなるほどそうですけれども、実際の電気の使用量からいけば、ほんとうにこのまけた分だけで実際電気ガス税全部出てしまう。もうほんとうに国民の大衆負担ということしかこの問題では言えないと思うのです。そういう点で、これはひとつ早急に検討をしていただいて、来年度はひとつ全廃できるような財政措置をとっていただきたいと思います。
 もう一つこの際聞いておきたいわけですが、法文は忘れましたが、電気についてみなす使用というのがありますね。たとえばアパートなんかでメーターが一つある、何人かにその部屋を貸している、こういう場合に、何世帯であろうが、それは部屋を貸した人、貸し主の使用とみなされる。こういう形で電気ガス税を取るというのがあると思うのです。最近の公団なんかのアパートではおそらくかなり各戸ごとのメーターがついているだろうと思うのですが、一個しかついていないというところでは、実際は貸し主が使用したものとみなされると、こういう規定ですが、これによりますと、結局普通ならば電気について各世帯五百円ずつ免税点がある。しかしこの場合には、ただ一軒しか免税点がない。ほかの者はかなり税金を取られる。こういうふうになる規定だろうと思うのですが、その点はどうなんですか。割ってやっていくのですか、どういたしますか、そのときの税金の計算は。
#44
○政府委員(松島五郎君) 御指摘のようにメーターが一つであるというような場合に、事実問題として、だれがどのくらいお使いになったか区分することができませんので、貸し主が使用したものとして課税する、こういうことになっております。
#45
○竹田四郎君 そういうことですと、片方では免税点を引き上げるという形でやっているけれども、私は実際上は非常に不公平だと思うのですね。不公平だとは思いませんか。たとえば、五軒入っておってメーターが一つであるという場合には、五世帯いるのだから、五世帯いれば、免税点五百円の五倍の二千五百円免税して、その上にかけていく、こういうのが当然あたりまえだと思うのですが、どうなんでしょうか。
#46
○政府委員(松島五郎君) 厳密にいいますと、それぞれが御使用になった電気量に応じて課税することが一番公平であろうと思います。いまのような場合は、なるほど御指摘のとおり不公平な面もございますが、逆に申しまして、ある一人の人がよけい使って、ある一人の人が使わなかったにもかかわらず、使わない人も免税になるという場合も出てくるわけでございまして、まあやはり問題はメーターが各戸につくということが望ましいということではなかろうかというふうに考えております。
#47
○竹田四郎君 そういうふうなみなす使用でとられている世帯というのはおよそどのくらいありますか。計算したことがありますか。
#48
○政府委員(松島五郎君) 実はそのメーターそのものが一つになっておりますものですから、統計上そのメーターで何人お使いになっているかということがわからないというのが現状でございます。
#49
○竹田四郎君 まあ大体こういうところは、おそらく電気の使用量というのは、一般の家庭、あるいはまあ公団なんかのアパートよりもおそらく使用量は少ないと思うのです。そういうのに税をたくさんぶっかけるというのはまさにぶったくりだと、こう言わざるを得ないと思うのですが、この辺どうですか。何かの形で改正をする意思があるかないか。
#50
○政府委員(松島五郎君) 現在の規定がわざわざこういうふうに入っておりますにつきましては、やはり実際問題として区分ができないというところから起きてきたものと考えます。御指摘のような問題もございますので、私どもといたしましては、なお実態調査も十分いたしまして、検討はいたしたいと思いますけれども、いまここで直ちに来年度改正をするということをお答えする段階ではございませんので、そこは御了承いただきたいと思います。
#51
○竹田四郎君 そういう意味で、いまのみなす使用というのは非常に不公平だし、大体近代的なアパートなら別々にあるわけです。どっちかというと半分くらい家がつぶれかかっているようなところに住んでいる人が比較的多いだろうと思うのです、このみなす使用の場合は。だから、これはひとつある地域においてそういうものを実態調査をしていただいて、これはさっそくに負担の公平という立場から、この点もひとつ、電気ガス税を来年度全廃してしまえばもうそういう必要はありませんけれども、しかし実際どのくらいこの税金を余分に取っていたかといういい資料になると思うのです。そういう意味ではぜひこの点は十分御調査の上ひとつ善処をされたいと思うわけであります。
 その次に、やはり非課税措置についてお伺いしたいと思いますが、私のほうで調べた点で申し上げますと、租税特別措置によって国のほうが減税をされる、それが地方税にはね返ってきまして地方税の減収額になるものが、まあ千八十九億ぐらいあるというふうに言われております。また同時に、地方税におけるさっきの電気の例をはじめとして、固定資産税、そうしたものでの非課税というのが千百三十二億円、これだけありまして、合計二千二百億程度が、国の措置あるいは地方の措置でそれだけ地方税収を少なくしているということになるわけでありまして、本年は四十三年に比べて約四百八十億ぐらい軽減されておるという数字が私のほうには出ておりますが、大体そんなところでよろしゅうございますか。どうですか。
#52
○政府委員(松島五郎君) 大体お話のとおりでございます。
#53
○竹田四郎君 これは全部が全部はずすというわけにはおそらくいかないものだろうと思うのですが、それにしても、両方で二千億からのものが非課税措置になっているというのはやはり問題があるのじゃないか。特に自主税源を確保しろとか、あるいは都市税源の拡充を強化しろ、そういうようにやかましくいわれているときに、こんな多額の金が非課税措置になっているということはわれわれちょっとふしぎでならないわけでありますけれども、これもたしか地方制度調査会でしたか、税制調査会でしたか、ちょっと覚えがありませんけれども、昨年の夏あたりの答申においても、たしかこの点は、国の税金によるところの措置で地方のほうに影響を与える、そういうような関係はひとつ断ち切れというような答申が出ていると思うのですが、その点何らかの措置をいたしまして、当然私はそういうようなものを断ち切っていくというようなことが必要であろうと思いますし、また地方税の非課税措置の問題、これは先ほどは電気ガスの問題だけでありましたけれども、固定資産税等はかなり多くの非課税措置をやっていると思うのですが、そうしたものもこの際すっかり洗い直していくことが必要ではないかと思いますが、まず長期税制の答申によるところの国の軽減措置が地方にはね返っていかないようにする何らかの措置が必要だと、こういう答申に対して、自治省のほうではどういうふうにお考えになっておるか、その点をまず御説明を願いたいと思います。
#54
○政府委員(松島五郎君) 国の特別措置がなるべく地方税に影響しないようにすべきであるという点につきましては、私どももできるだけそういう努力をいたしているのでございます。しかしながら御承知のとおり、住民税にいたしましても、法人事業税にいたしましても、税務署が決定をいたしました課税所得を原則として使うという形になっておりますために、課税所得そのものの計算の中に取り入れられました特別償却だとかあるいは各種割り増し償却というようなものにつきましては、技術的にもなかなかこれは排除するということがむずかしいのでございます。そこで私どもといたしましては、そういう所得計算上の特例措置をなるべく国税で講じないようにしてもらい、特に国税として何らかの特別措置を講ずる必要があるときは、所得計算は通常の所得計算をして、最後の段階で税額控除というような形で処置をしてもらうということになりますと、その分だけ別建てになりますので、私どもとしても課税標準から除外するという操作がしやすいわけでございます。そこで、たとえば資本構成是正のための課税の特例でございますとか、合併助成のための課税の特例の制度につきましては、法人税において税額控除の制度をとって、こちらはそれを排除するという処理をいたしておるのでございます。今後もそういう方法で、できるだけ国税の処理が地方税に自動的に及ぶということがないように配慮をいたしてまいりたいと思っております。
#55
○竹田四郎君 しかし現実には、国税の措置によって受ける地方税の減収分というものは去年よりも二百五十億ぐらいふえておるわけですね。毎年毎年そういう形でむしろふえてきておるということは、地方の側からみればたいへんなことだろうと思うのですね。だからこれはもう少し抜本的な対策で、少なくとも、ふえていくんではなくて減っていくような措置を私は何らかの形でとるべきだと思うのですが、いまお話のあったように、税額の中で計算をしていくというようなことでもできないわけではないわけですね。こういうものを具体的に、そのどれとどれがそういうような形になっておるのか、これも項目というのは非常にたくさんありまして、三十数項目ぐらいにわたってそういうものがあると思いますが、ほかのほうはそういうことはできないのですか、計算上、税制上。
#56
○政府委員(松島五郎君) たとえば特別償却というような制度を国の場合にとりました場合に、御承知のとおり現在は特別措置ということで減税ということになっておりますけれども、特別償却とは、結局最初の年度に損金を多くして、あとの年度にその分だけ損金が少なくなるという意味で一種の課税の繰り延べのような制度でございます。それはそれといたしまして、実際問題としてそういう償却方法による所得計算まで変えてしまうということになりますと、技術的に非常にむずかしい問題がたくさんございまして、実際問題としてはなかなか実行できないという面がございます。そこで、私どもはそういう何と申しますか、企業会計上やむを得ないものを除きましては、できるだけ税額控除というような制度で先ほども申し上げましたように処理するということで、国税の影響が自動的に及ばないようにしていきたいという気持ちを持って関係当局とも協議をいたして、そういう方向で進んできておるわけでございます。
#57
○竹田四郎君 これは一つ一つ見ていきますと、だいぶ問題が私はあると思うんですね。たとえば利子所得あるいは配当所得、こういうようなものも、金額的に見ればとにかく五百億ぐらいのはね返りになっているわけですね。これあたりは非常に私は、地方財源という立場からとってみますと、これは重大な問題だと思うんです。その辺のことは何とか、私そんなにむずかしい問題でなかろうと思うんですがね。そういう点でもう少し一つ一つ洗い直して、なるべく国税の地方へのはね返りを防いでいくような措置をとらなければならないと思う。われわれのほうの一般の勤労者あるいは個人から取る場合には、前にはっきりと国税と地方税との関係は遮断したわけです。こっちのほうだけいつまでも遮断しないでおくというのもずいぶん片手落ちのことだと思う。この辺もいますぐここで回答を得るというようなことも非常にむずかしかろうと思うんですが、非課税措置の問題にいたしましても、たとえば固定資産税などにおきましては全部で非常に多くの金額、四百八十億ぐらいですか、そのぐらい非課税措置になっておるわけです。そういう点でもう少し洗い直して、来年はもう少し金額の少なくとも減っていく、こういうような実績をお示し願いたいと思うんですが、どうですか。
#58
○政府委員(松島五郎君) 御指摘の点は、私どもも税法の改正のたびごとに心がけてきておるつもりでございますが、現実には、非課税規定の整理というよりは、すでにある非課税規定と自分のほうのものとを、非課税という方向で均衡をとれという要請が強いというのが現状でございます。したがいまして、新しく入るものをどうやって防ぐかということにむしろ追われているようなかっこうでございまして、すでにあるものを整理するということはなかなか進んでいないということは御指摘のとおりでございます。私どもも、しかしながら常に新しいものもなるべく非課税にならないようにつとめなきやなりませんが、現在あるものもそういう意味でできるだけ整理していきたいという気持ちを持っておりますので、引き続き努力していきたいと思います。
#59
○竹田四郎君 次に、国鉄納付金のことをちょっとお聞きしたいと思うんですが、一月の六日ですか、自治大臣と大蔵大臣の間で交付税に関する覚え書き、その第五項に、国鉄の納付金については自治、運輸両大臣のきめるところによると、こういうふうなことになって、おそらく二十五億の国鉄の納付金が減額になったと思うんですが、その根拠はどういうことでおきめになっのか、その点お聞きしたいと思います。
#60
○政府委員(松島五郎君) 国鉄納付金につきましては、かねがね国鉄当局からは廃止してもらいたいというような要望も出ておりましたことは御承知のとおりでございます。一方市町村側から申しますと、固定資産税にかわる重要な財源として、絶対廃止は困るという意見も強く述べられてきたことも御承知のとおりでございます。いろいろな経緯はございましたけれども、国鉄の現在の財政の状況等も勘案いたしまして、多少の軽減をはかることにいたしたいというのが今回の改正の趣旨でございまして、そのやり方といたしましては、国鉄のみならず電電公社、専売公社の納付金は、固定資産税相当額の二分の一ということに従来からなっておりますけれども、国鉄の場合は、その二分の一をベースにいたしまして、私鉄についてとられております特例措置をもう一つ同じような形で適用してはどうか、こういうことで二十五億という軽減額を出した次第でございます。
#61
○竹田四郎君 それは具体的にどういうことなんですかね。二十五億がどういうふうにしてはじき出されたか、何か資料をいろいろ持っていらっしゃると思うのですが、もしその資料がありましたらひとつ見せていただきたいと思うのです。もう少しこまかくその二十五億という数字がはじき出された根拠を、もしおわかりでしたら話してもらいたいと思います。
#62
○政府委員(松島五郎君) 現在提案をしております国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の改正案で、それぞれ特例規定を適用することを定めておりますが、その特例規定を適用いたしますと、新規営業路線につきましては、最初の五年間は現在の二分の一であるベースをさらに三分の一にする、こういうことでございます。したがいまして六分の一になるわけでございます。その分で来年度の軽減額が九億六千万円ばかりになります。それから新しい車両を建設いたしました場合に、一般の私鉄は三年間二分の一にいたしておりますので、国鉄の場合は二分の一をベースにして二分の一にするということで、二億七千万円ばかりございます。そのほか自動列車停止装置、これは五年間私鉄の場合は二分の一にいたしておりますので十分の五、二分の一の二分の一、それから河川改良及び線路の地下、高架移設に伴う新設路線の設備等、これも私鉄は五年間三分の一にしておりますので、二分の一掛ける三分の一ということにいたしております。それから立体交差化に伴います路線設備につきましては、道路管理負担分を控除して税額を計算することにいたしましたので、その分等がございます。合わせまして二十五億円、こういうことになっております。
#63
○竹田四郎君 ちょっと、ATS関係は幾らですか。
#64
○政府委員(松島五郎君) ATSが五千万円でございます。
#65
○竹田四郎君 河川のほうは。
#66
○政府委員(松島五郎君) 河川改良等に伴いますものが一億でございます。それからなお評価につきまして、定率法によって、現在までは定額法によって評価をいたしておりますけれども、一般の資産は全部定率法によって評価をいたしておりますので、その分が約十億ばかりございます。
#67
○竹田四郎君 こういう措置をとっていきますと、これはことし限りのものではないだろうと思いますが、来年以降引き続いて国鉄納付金が減額をされていくと思うのですが、こういう計算でいきますと、国鉄の計画と合わせますと来年度あたりは幾らぐらいになっているのですか。
#68
○政府委員(松島五郎君) 来年度の分が二十九億二千八百万円でございます。なお、いま申し上げました数字は、国鉄が予定をしております長期計画に基づく投資が行なわれるということを前提にしている数字でございますので、投資額が上下いたしますと、必ずしもこの額にぴったりと一致するというわけにはまいらないかもしれませんが、大体その前後であろうと思います。
#69
○竹田四郎君 そうしますと、国鉄の第三次長期計画ですか、これが第四次に繰り変わっていくようでありますけれども、それが進めば進むほどこの金額というのは大きくなってくる。そうすると、国鉄の納付金で具体的に市町村に入ってくる納付金は総体的にだんだん減ってくる、こういうふうな形がここで打ち出されてきたと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#70
○政府委員(松島五郎君) 増加する資産につきましていまのような措置を講ずるわけでございますから、資産の増加がなければ減税額もふえないということになりますので、昨年度に比べましては、今年特別の措置を講じましたので、若干減りますけれども、今年以後だんだん減るということは必ずしもないと考えております。
#71
○竹田四郎君 しかし、既設のものはだんだん償却していくから、減るわけでしょう。これは減らないんですか。当然いろいろな、車両にいたしましても、機関車にしましても、まあ土地は減らないだろうと思うんですが、家屋にいたしましても、その他の償却資産にしても、これは減っていくわけですから、当然総体的には減ってくる。どうでしょうか。
#72
○政府委員(松島五郎君) お話しのとおり、償却が進みますと、資産がふえなければ、現状の資産を維持していく限りにおいては減ってまいります。ただ、現状の資産よりも多くなっていきます分には、軽減をしながらもその全部をまけてしまうわけではございませんので、その分だけはプラスされていく。したがいまして、既存の資産の減る分と、軽減しながらも新しい資産のふえていく分との差し引きをいたしますと、全体としては若干ずつふえてまいります。本年度の収入見込み額は、軽減後で百六億ばかりでございますが、来年は百八億、再来年は百十億というふうに、少しずつふえてくるという計算でございます。
#73
○竹田四郎君 まあ非常に国鉄が危機だということで、こういう措置をまあ半永久的にとっていかれるということでありますが、これは自治大臣、どうですかね、いままでに、現実の問題、私の住んでいる地域でもそうなんですけれども、たとえば通勤電車を複線化するという場合には、大体そこの土地を地元に、まあ駅の広場なんかというのは必ず地元に出さしている。極端な場合には駅舎をつくる費用まで地元に出さしている。そのほか、国鉄の利用債を買うということはもうあたりまえで、国鉄の利用債を買わなければそこはもう複線化もしなければ駅の新設もしない、こういうことがもう通常行なわれているわけですね。特に通勤の、この近郊の路線ではそういうことが行なわれておるわけです。で、片方でこういうふうな形で納付金をまけてやる。相変わらず国鉄の利用債を買わなければ住民はちっとも通勤緩和をはかってもらうことはできない、この方面は、自治大臣、運輸大臣との話し合いの中で、国鉄の利用債の問題とこれとの関連というのは一切お話なかったわけですか。
#74
○国務大臣(野田武夫君) 国鉄の財政の危機、再建計画というものが大きな問題になりまして、これは実は、国鉄納付金は今度の予算編成で起こった問題でなくて、前から大蔵省のほうも、国鉄のこれをひとつ廃止してくれ、一文も取らぬでくれという注文が長くあった。今度もその話が出てまいりましたが、特に今度は、御承知のとおり、国鉄のいわゆる再建計画というものを本格的にやる、それで協力してもらいたいということ、従来からの希望もあるから、納付金を免除してもらいたいということ。そこで私といたしましては、国鉄の財政の危機ということはまあわかりますが、納付金を全廃するということは地方財政に影響があるから、これはお断わりするということをたてまえといたしまして、大蔵大臣からの希望もありましたけれども、いま覚え書きに書いてありますとおり、じゃ、その点はもう一切大蔵省は関知しない、大蔵省は国鉄の納付金をどのくらい、これは全廃でもするとすれば、財政計画の中に織り込んでいこうという、この二十五億分はもちろん織り込んでありますけれども、相当期待しておったようですが、拒否してしまったから、そこで覚え書きのとおり、国鉄、運輸大臣と私と話し合い、その際には、いま御指摘のありました通勤電車の場合にいろいろな現物を出すとか、あるいは利用債ということを行なっております、これとの関連を条件付きでもってやるということはいたしておりません。それはやはり主として国鉄の再建計画の中に多少の協力と言いますか、しかしこれは限度があって、その要望は全面的に受け入れられない。そこで、いま税務局長が申しましたとおり、いろいろな理論的根拠からいうと、地方鉄道並みの取り扱いということならば筋が通る。それを、ただ国鉄が困っているから、地方財政にゆとりがあるから金をやるのではない。筋の通らないことは、こちらからいま納付金について手をつけて、何らの根拠のない納付金の削減は一切困るということで折衝した結果、最低限度この程度ならば、まあ私鉄と同じような取り扱いということからいけば、二十五億くらいは浮いてくるからよかろうということにいたしたわけです。ただこの際、これは別に運輸大臣と私、約束した覚えはございませんが、何といっても国鉄というものは、地方の、いわゆる地域の方々に対しては非常にこれは絶対必要な交通機関でございまして、これは決して国鉄だから地方に関連がないというのじゃなくて、これは相当深く地域住民の生活に関連がある。これもわれわれやっぱり考えなきゃいかぬ。やはりそのために相当利用していることは事実でございますから、それがばったり行かなくなるという、すべての再建計画がとまって、交通機関の問題に影響が起こるということは、これはやはり地方行政上から考えましても重大なことでございますということもありましたので、まあこういう最小限度の金額ならば考えようということで、この二十五億の納付金の削減をやったと、こういうことでございます。
#75
○竹田四郎君 その二十五億の削減の話はよくわかるのですが、逆に、通勤電車を多くしてくれとか、複線化してくれというと、もう大体その沿線の市町村に国鉄利用債を持て、こう言ってくるのが国鉄の常識ですね。貨物線なんかには幾らでも国鉄は金をかけますけれども、通勤電車というと必ずそういうことで、国鉄はすぐに自分のふところを痛めないで沿線市町村におぶさっていく。その点は、国鉄利用債はいままでと同様に、自治大臣は片一方でこんなにまけてやっても、いままでと同じ国鉄の要求を聞け、こういうふうにおっしゃられるのですか、どうなんですか。その点、これだけまけてやったのだから、ひとつ国鉄の利用債ということであまり沿線の市町村に迷惑をかけるというようなことはやめなさい、こういうような御意思がありますか、どうですか。
#76
○政府委員(松島五郎君) 国鉄の利用債の地方団体引き受け等の問題につきましては、この制度ができました当時から私どもは、無理な押しつけのような形にわたることはできるだけ避けなければならぬということで、運輸省ともいろいろ相談をいたしてきております。特に、私ちょっといまその内容をかなり昔のことではっきり覚えておりませんが、駅前広場のようなものをつくるような場合のほか、たとえば複線化でありますとか、あるいは電化でありますとかというようなものについては、鉄道利用債の引き受けを求めないというような約束になっているはずでございまして、ちょっといま正確にその内容を覚えておりませんが、かなり国鉄利用債につきましては、私どもとしては地方団体に押しつけるというようなことのないように配慮をいたしてきておるつもりでございます。なお現実の問題といたしまして、二十九年から三十九年ころまでは、かなり国鉄利用債を地方団体が引き受けておったようでございまして、その間に引き受けましたものが約三十億ございますが、その後だんだん減ってきておりまして、四十一年度は四億一千三百万円、四十二年度は三億三千万円というふうにだんだん減ってきているというのが現状でございます。
#77
○竹田四郎君 まあ減ってきているのは、おそらく国鉄のほうが出さなければやらないというようなことで、減ってきているんだろうと思いますがね、具体的に例をあげれば、私が住んでいる地域を走っている横浜線、これはいま御承知のように、相模原からあるいは町田、それから港北を通って鶴見、川崎、東京、こちらのほうに人員輸送しているわけですね。もうこれは前々から実は四十三年一ぱいには、少なくとも原町田までは複線化するといっている、そういう話だったわけです。ところが原町田の町田市の財政事情で、利用債には応じ切れない、こういうことになったわけです、ですから、いつまでたっても国鉄の複線化計画というものが一向に進まない、国鉄はもう最近ではやる気がないということすらいわれておるわけです。そうなってみますと、片方では二十五億削減したけれども、片方では、住民のほうに対しては相変わらずラッシュの混雑を与える、こういうことじゃ困ると思うんですね。まけるだけで、サービスは全然してくれない、この辺どうなんですか。さっき何かそういう取りきめがあるというのですけれども、その取りきめを国鉄のほうは逆に利用している、つくらないというような問題があるわけですが、その辺はもう少し国鉄と自治省とで煮詰めていただかないと、実は住民として非常に迷惑をするわけです。どうなんでしょうか。
#78
○政府委員(松島五郎君) 鉄道利用債の問題につきましては、私どももこういった問題を取りきめますにあたって、国鉄が鉄道利用債まで引き受けさせて、なお税をまけろということを主張するのはおかしいではないかという話もいたしてきております。具体的にいまのお話の点は私は承知いたしておりませんけれども、お話のとおり、私どもとしては、利用債を引き受けないから仕事をやらないというような形で仕事が進められるというそのやり方そのものに問題があるというふうにも考えますので、引き続きその点につきましては、国鉄当局と十分、御趣旨、御意見に従いまして話を進めていきたいと思います。
#79
○竹田四郎君 何かあまり国鉄納付金の問題はどうもすっきりいたしませんし、またここでそういう形で、将来国鉄の運営がいいほうへ向いてきましても、おそらく地方自治体は国鉄に対してサービスをしなきゃならぬ、こういう措置が固定化されてきたということは私非常に残念だと思うわけですが、先ほどのような形での国鉄の性格というものを考えながらひとつ今後も対処していただかないと、地方自治体が負担だけして、そのサービスというのはあまり受けられない、こういう面が出てくるんではなかろうかと思うわけです。
 それじゃ、その次の問題に移りまして、料理飲食等消費税の問題に移りたいと思いますが、三千円以上の高級飲食について、今回その税率を一五%から一〇%に引き下げたわけであります。が、その減税分というのは幾らになりますか。
#80
○説明員(森岡敞君) 税制の改正は、税率の統一、免税点の引き上げでございますが、御指摘の税率の統一に伴う分の減収は、初年度で十二億八千百万円というふうに見ております。
#81
○竹田四郎君 それから免税点の引き上げによる減収分というのは幾らになるのですか。できたら宿泊飲食と、普通の飲食と、チケット制の飲食と分けていただきたいと思います。
#82
○政府委員(松島五郎君) 飲食店の免税点の引き上げは、初年度二十三億三千九百万円でございます。チケット分はこのうちでごくわずかというか、おそらく百万円単位であると存じます。
 それから、旅館宿泊の免税点の引き上げが、初年度で五億五千八百万円でございます。
#83
○竹田四郎君 まあ、三千円の飲食というのはかなり高級な飲食で、一般大衆はそんなに経験が、毎月何回あるというようなものではおそらくなかろうと思うのですが、むしろ一般的な考え方では、そうしたデラックスなムードで料理を食う人たち、これは当然余裕のある人たちと見なければならないわけでありますから、まあ普通の考え方でいけば、そこが一五%の税率が二〇%になってもむしろ大きな問題点はないではないか、こういうのが一般の人たちの考え方だと思うのですが、今度それを一五%から一〇%に引き下げた理由、根拠といいますか、そういうものは何であるか、御説明いただきたいと思います。
#84
○政府委員(松島五郎君) 現在の料飲税の税率は、宿泊及びこれに伴う飲食につきましては、御承知のとおりその金額が幾らでありましても一〇%ということになっております。そういったことから、それとの均衡という問題をどう考えるかということが問題が一つございます。それからもう一つは、現在の法律では、一人一回の飲食料金が三千円をこえると、こういうことになっております。そこで、一人一回ということが常に問題になるわけでございまして、税務当局が特別徴収義務者との間で税額の申告を求めて決定をいたします段階で、一人であったのか一回であったのかということは、なかなかもうあとになってから確認する方法がないわけでございます。そういうことから、徴税当局として特別徴収義務者との間でいろいろと紛議が絶えない、そのことから領収証の交付というようなものも必ずしも厳正に行なわれてないという面もございます。そういったことを考えますと、やはり徴税の円滑化をはかりつつ、適正な課税をし、徴収を確保していくという面からいたしますならば、むしろ一人一回の飲食が三千円以上であるか三千円以下であるかというようなことでなくて、一〇%なら一〇%一律にしたほうがかえって実情に即するのではないか、かように考えたわけでございます。
#85
○竹田四郎君 そういうふうなお考えですと、さっき言ったように食品ごとの特別料金を払って食べるものが、今度免税点が百円上がりまして四百円ですか、ということにして、しかも税収としては、どのくらいありますか、その減収分が百万円足らずだと、こういうわけですが、これなんかはまさにつとめ人の昼めしといってもいいと思うのですね、四百円ばかりですから。こういうのは相変わず免税点を非常に低くして――これは非常にやっかいなことだと思うのです。この辺は四百円でもって、一般の飲食は八百円、こういう差額のあるということも私は非常にどうも均衡を欠くのじゃないか、こういうふうに思うのですが、どうせそういうふうな立場ならば、当然論理的にはこの食品ごとに料金を払ってやる、まあチケット制というのですか、こういうものは、単に免税点を八百円なら八百円という形で、引き上げてしかるべきだと思うのです。これはどういうわけですか。
#86
○説明員(森岡敞君) 御承知のように、飲食店と申しましても形態がいろいろございます。同時にまた、それを利用されるお客の利用のしかたもいろいろございますので、飲食店の一般的な免税点ということになりますと、今度改正案で御審議をお願いしておりますように、たとえば八百円というふうな金額できめるということになろうかと思うのであります。しかし御指摘の今度四百円にいたしました、チケットで、入り口で支払って利用しますようないわゆるチケット食堂、こういうものになりますと、もう店先で表示されております飲食の料金自身が定額で、ほぼ、たたとば二百円から三百円の間、あるいは二百円から四百円の間ということできまっているものでございますから、そこで飲食します場合には、これは全部非課税に、免除にしていいのではないか、こういう趣旨から、あらかじめ提供品目ごとにチケットを購入して飲食をする場所を指定してしまいまして、たとえばデパートの食堂でありますとか、御指摘のサラリーマンの昼食をとる品名なり定価を掲示した店、これを指定しておきまして、そこでは、もう公船領収証の作成も要らないということにしているのであります。そういう経営者として徴税義務上の手続も要らないというふうにしてしまって課税を免除している、こういうことでございます。したがいまして、やはり一品ごとの品目を一応そういう線から考えまして、改正前三百円、改正後四百円ということにしておきますと、御指摘のような商品については全部かからないことになるということで、こういう措置をとったのでございます。
#87
○竹田四郎君 御趣旨はよくわかりましたのですが、そういう形でいけば、いまおそらくそういう形だって、五百円以上のものだってあると思います。ありませんか。これ絶対に税金、いまのチケット制でやっていくところでは全部が免税点以下ということですか。どうですか。
#88
○説明員(森岡敞君) 実態全部を網羅して申し上げますことはやや不正確だと思いますが、私の承知いたしております範囲内では、大部分のサラリーマンが昼食程度に利用するいわゆるチケット食堂というものは、四百円で免税点以下になっているというふうに考えております。
#89
○竹田四郎君 そうしますと、ほとんどないというなら、何もそれをここで免税点を百円上げて四百円というふうな形にしないでもっと一括して、先ほどの普通飲食の八百円、その線までしてもちっともおかしくない、またそれが当然であろう、こういうふうに思うのですが、どうしてここだけこういうような形でわざわざ分けなければならないのか。それはどういう根拠で分けなければならないのか。一つのほうは八百円、一つのほうはそういうところは四百円、もしなければ撤廃して八百円の線でそろえたらどうですか。
#90
○説明員(森岡敞君) 趣旨は先ほど申し上げましたようなことでございますが、結果的、こういう違った免税点のきめ方をしておることによってどういう結果になるかと申しますと、結局四百円の品名表示、四百円以下の品名表示をしている店で、たたとば二品、三品食べて八百円をこえましても、そこでの飲食は税金はかからない、こういうしかけになっている。いわばそういう何と申しますか、大衆的な飲食をする場所で、ある時期たくさん飲食をいたしましても、八百円をこえても税金はかからないようにしておこう、こういう趣旨なり結果になっている、こういうことでございます。
#91
○竹田四郎君 そうしますと、チケットによるところの税収というのは全体で幾らくらいありますか。大体どのくらいの人数が対象になりますか。
#92
○説明員(森岡敞君) 先ほども申しましたようにほとんど免税点以下になっているので、三百円なり四百円という程度の金額で、ほとんど税金はかかっていない、こういうふうに私どもは見ておるわけでございます。それであれば、先ほどお話のように、三百円を四百円に上げる理由はどこにあるのか、こういうことになろうかと思いますが、三百円にきめましたのがたしか四十一年でございまして、その後諸物価の値上がり等によりまして、若干こういう食堂の定価等も上がってまいっておりますので、そういうのを考慮いたしまして、さらに免税の徹底を期する意味で四百円に上げて、ほとんどのものがかからないようにしたい、こういうことにしたわけでございます。
#93
○竹田四郎君 どうも、その説明聞いてもやっぱりサラリーマンの昼めしにも税金をかけるという感じはぬぐえないわけですね。一つのものがたとえば五百円だとなれば、それはかかるわけですね。チケット制の場合には五百円でもかからないんですか。免税点をそれじゃ四百円にするという具体的な効果というのはどにあるんですか。
#94
○説明員(森岡敞君) 先ほども申し上げました、たとえばこういう指定されてない店ですと、八百円をこえる飲食をいたしますと、申し上げるまでもなく課税されます。こういう指定されている店で、チケット食堂で三百円の品を四品飲食した、あるいは四百円の品を三品飲食したという場合には、ともに千二百円になりますが、それは料飲税は課税されないと、こういう仕組みになっておるということでございます。
#95
○竹田四郎君 どうもその辺はあまりよくわからないんですが、そうすると、一品四百円をこせばこれは当然かけられるわけですね。そういうものを三品でも四品でもとるような食堂というのは、こういうことをやっているわけですか。
#96
○政府委員(松島五郎君) たいへんややこしい制度でございますが、要するに入口でチケットを買って食事をする、その料金が三百円なり四百円なり以下のところは、いわばそこは免税食堂だ。したがって、チケットを買うときに二つ買って八百円になっても、一々それを二枚チケット買ったんだからおまえは八百円だというようなことでとらずに、そこは免税にしようというのがこの制度の趣旨であるというふうに考えております。したがいまして、原則としては一品の値段が、今度四百円でございますが、従来は三百円以下のところをそういう食堂として指定をするということでございますが、しかし中には五百円のものを食べられる方もあるわけでございます。そういう場合にはおそらくチケット外で食事をされるんだと思いますけれども、そういう場合には、一般の免税点は適用になるということでございます。
#97
○竹田四郎君 わかったようなわからないような話でございますけれども、どうも非常に複雑であるし、それから税収の面からいってもたいした実効がない、こういうふうな考え方であれば、むしろこれは除いたほうがいい、こういうふうに私は思います。むしろそれならば、一般的に八百円なら八百円、八百円が私はいいとは思いませんけれども、千円なら千円という形にしたほうが私はむしろいいのではないか。少しずつこういうふうな形でやっていくのは、印象だけは非常に悪い、こういうふうに言わざるを得ないと思うんです。
 それからもう一つは、千六百円にきめた根拠というのはどういうわけですか。おそらく千六百円で旅館に泊まろうとしても、寮とか何とかならば泊まれると思うんですが、一般の旅館で、千六百円くらいで泊めてくれる旅館というのはおそらく私はあまりないんじゃなかろうかと思うんですが、千六百円というのはどういう基準できめられたんですか。
#98
○説明員(森岡敞君) 御承知のように、改正前は千二百円でございました。この免税点は昭和四十一年にきまったのでございますが、交通公社の料金などの実態を調べてみますと、三十九年から四十二年までの三年間で料金が約三三%ばかり上がっております。こういう料金の値上がり率をこの千二百円に乗じまして千六百円というふうな引き上げを考えたということでございます。
 それから飲食のほうの免税点につきましては、千二百円当時六百円の免税点でございます。ちょうど半額であるわけでございます。半額がいいかどうかという問題はいろいろございますけれども、一応そういう形でいままで推移してまいっておりますので、千六百円の半分の八百円程度というのがバランスがとれておる、こういう考えでございます。
#99
○竹田四郎君 もちろん千六百円というのは、二食食べて宿泊をすることだろうと思いますが、千六百円で泊まれる旅館というのは、具体的に交通公社の協定旅館で何軒ぐらいありますか。私はどうも千六百円ぐらいで、食事をしてまあビールを一本ぐらいつけて泊まるとしても、千六百円では泊めてくれるところはあまりないと思うのですが、どうですか。
#100
○説明員(森岡敞君) これは地域によりましてかなり差がございます。東京や大阪という大都会でごらんになりますと、確かにいま御指摘のようなことがございますが、地方にまいりまして、かなり奥まったところへまいりますと、それは相当低いのです。千六百円を下回った旅館というものもかなりあります。減収額も私ども一応計算しておりますのも、そういうことを頭に置きながら計算しております。
 それから、先ほど少し申し忘れましたが、国家公務員の旅費の計算を見ますると、千六百円というのが、これが一番低いところでございますけれども、なっております。そういうものも頭に置きながらこれをきめた、こういうことでございます。
#101
○竹田四郎君 実はひとつ自治省の御案内で、千六百円の旅館をひとつ地方行政委員会で視察をしたいと思いますけれども、おそらく千六百円では、都会では少なくとも、ない。せいぜいいま公務員のおれが千六百円というのですが、公務員の方はあっちこっちにいろんな形で寮がかなりありますから、そういうところを利用されている場合がかなり多かろうと思うのですよ、現実問題としては。だから、千六百円で、年一回か二回のレクリエーションに行くのに税金がかかるということは、どうもあまり現在のそういう実態を知らない者のつくったことだと、まあこういうふうに言わざるを得ないと思うのですが、私は飲食の八百円にしてもそうだと思うのです。ビール一本か二本つけたら、おそらく今日八百円ということはきわめて少ないだろうと思うのです。そういう意味で、私はこれは非常に、片一方では、三千円以上のものについては一五%から一〇%と引き下げており、片方のほうでは、免税点は上げたけれども、実際はわれわれの、勤労者の日常のレクリエーションにも、年に一回か二回がせいぜい、そのレクリエーションでやっと泊まった旅館についても税金が追っかけてくる、幾ら地方財政が苦しいとはいえ、こういうことはちょっと公平を欠くんじゃないかと思うのですが、どうですか。自治大臣、その辺これでいいと思いますか。
#102
○国務大臣(野田武夫君) まあ今度この税制案をつくったのですが、これはいろいろ実態的にいえば必ずしも万全ではないと私は思っております。
 免税点のお話でございます。黙って聞いておりましたが、私もこの法案を出す前にいろいろレクチュアをいたしまして、またこの問題についても相当関心がありましたから、話しました。まあチケットの三百円、四百円、これはまあ竹田さんのおっしゃるように、一ぺんにこんなものは八百円なら八百円で、免税全部すればいいじゃないかという御意見でございますが、これは非常に頭をひねって、まあチケット大体三百円、四百円というところが、一応昼めしならば、どんなに物価が上がっても一応の線だ、百円上げたことは、実はよくやったと私は言っているのですが、まあ大体五百円、六百円という昼めしは、これはいまの収入ではなかなか――これは昼ですから、晩は別ですから。三百円が四百円になってきたところに免税点、もうほとんどチケットは免税だろう、こう思っております。しかし、これは見方の問題で、確かに思い切って八百円とやってもいいんじゃないかという御議論よくわかりますが、別にさからうわけじゃありませんが、チケットのやつはほとんど免税になっているだろうと思う。それから八百円がどうか。これは八百円というのは、お話しのとおり、これは実態としてどこまで一般の方に均てんするかということ。私は、これはいま竹田さんの意見に反対の意見じゃないのです。まあ実情を申し上げますと、この間、おでん屋あたりに行って、八百円なら、私どもはかんびん一本つけても八百円以下になるからという、そういう意見もありますし、また同じすし屋にしましても、これは高いところと安いところがありまして、これはお話しのとおり八百円がいいなんということは私は思っておりません、思っていませんが、いままでより多少、二百円上げていきますと、やっぱり多少影響がある。それから宿泊料の千百円ですが、お話しのとおり、都会地では大体千六百円という旅館があるかどうかわかりませんが、このあたり今度一応やってみましたので、事務的にもいろいろ考えてやった結果でございまして、もう少し実態を見まして、これは実態によっては、この免税点というものはこのまま何年も続けるべきじゃないという感じが私はいたしております。だから、いま竹田さんのおっしゃるのに反論するとか、何もそういう意味じゃありませんが、そう言われますと、それはなるほどそうかと思うんです。しかし、多少はこれは喜んでもらう方もあるだろうという程度でございまして、これが非常に、この免税点の引き上げは実に合理的であってどうだというような固まったお答えじゃございませんから、実際の経過をたどりまして――ことし一年ではございませんから、これはもう将来ずっとこういう問題は検討しなきゃなりませんから、実態を踏まえましてやはり検討を加える必要がある、こう思っております。
#103
○竹田四郎君 私は、ほかのほうをいじらないでこの免税点を引き上げていくということであれば、これはある程度わかりますよ。片っ方は、三千円以上については一五%は一五%だ。しかし、実際物価のいろいろな上昇を反映して免税点をそれぞれ引き上げる、こういうなら、それなりに私は筋が通っていると思う。高級飲食のほうはわざわざ下げて、それで下のほうはたいして底上げをしない。こういうところに、料飲税に対する私は政府のものの考え方が逆転しているんじゃないということを私は聞きたいわけです。その辺が、片っ方の高級なところは下げておる。まるで高級料理店の何といいますか、もうけ仕事を手伝ってやる、こういうような形に私はなると思うんですね。だから、そういう二つの問題があるから、私は特にこの問題を問題にしているわけなんです。片っ方は一五%をたとえば二〇%に上げていく、だから君たちも、千六百円で泊まれる旅館はいなかへ行かなきゃないけれども、まあひとつかんべんしてくれというなら、それは喜んで大衆も、国民も応ずるだろうと思うんです。片っ方の高級飲食のほうは下げておいて、下のほうはわずかしか底上げしない。こういう政府の態度は国民のますます不信を買うし、料飲税に対する国民の非難というものがこれはますます高まっていくんじゃないかと、こういう点で、私は自治大臣の日ごろのいろいろおっしゃっていることに対しては非常に敬意を払っているわけでありまして、非常に国民のことがよくわかる、わかっていただける自治大臣だというふうに思っておりますが、こういうものが出てくると、がつんとこざるを得ないわけであります。その点ひとつ、どうなんですか、もう少し免税点を考えて見直すというおつもりはいまのところございませんか。
#104
○国務大臣(野田武夫君) いま申しましたとおり、私は重ねて申しますが、竹田さんの御意見に全く反論じゃないのです、よくわかっております、御趣旨も。そこで高級飲食と申しますか、三千円の問題も、これは実態を聞いてみますと、公給領収証というのは実にわけがわからぬ。そして、一人が三千円とか二人が三千円とか……。実は私は、これは弁解じゃございませんが、何か簡素化してやらぬとまことに不明瞭な、まあ悪い税のがれの方法、こういうことが実際実態でございまして、だからひとつ、上げるほうがいいということもあるでしょうけれども、まあ税金はできるだけ下げるがいい。別に高級飲食店のために下げたのじゃない、統一してやるというにはどうしても下げてやったほうが、徴収義務者といいますか、こういう特別の徴収義務者のほうもいままでより少し良心的になりゃせぬか。これは竹田さんも御存じで、私はあまり知りませんけれども、竹田さんもそう深く御存じかどうか知りませんが、たいへんなものです、公給領収証、これはどういふうになっているのか、別に踏み込んで調査もやっておりませんが、そういうところにあったことも――別にこれは弁解じゃございませんが、簡素化ということを進んでやろうということになってくれるだろうということもございますが、これは重大な理由じゃございませんが、感じの一つの中にそういうこともあったということを御了解願いたいと思います。
 そこで、いまの問題の免税点のことでございますが、これは御指摘のとおりでございまして、これが実態にどこまで沿うているかということも、いまのお話を承りましても私は確信はございません。したがって、当然これらは、本年度は一応こういう措置になりましたけれども、漸次これらにつきましては、やはり注意深く実態を把握いたしまして、漸次いいほうに、免税点を引き上げる必要があるものは引き上げる方向に検討していく、これは当然じゃないかと考えております。
#105
○竹田四郎君 もう一つ大臣にお聞きしたいのですが、三千円以上の高級飲食がある。税率もわからないから一五%から一〇%に下げた。こういうことをあえて通すというなら一もっと庶民がやるところの飲食なり宿泊を、たとえば二千五百円、千円に上げるとか、もう少しどっちかでこう譲らなければ、この問題に対する国民の疑惑というのは私はもっともっと高まるだろうと思います。そういう意味で、税率を一五%から一〇%にお下げになったら、このあたりでひとつ出直していただいて、どうですか、免税点をもう少し実情に合うように上げていく、こういうふうにお手直しになる気はございませんか。
#106
○国務大臣(野田武夫君) ただいまもお答えしましたとおり、ここまで一応宿泊料も免税点を四百円上げたわけです。それから、その他手直しをいたしておりますから、一応ひとつ大体実施後の情勢を見まして、それの実態を把握いたしまして、私は次の段階に入りたい。今日の場合、一応この御提案申し上げたことを御審議願って、それでこの問題は、私はいまたびたび申し上げますとおり、よくいまの御意見は拝聴いたしておりまして、私自身もいろいろ痛感することもございますが、しかし本年、つまり四十四年度は、一応この立案に基づいて御審議をいただきまして、将来必ずこれは再検討の必要がある、こう思っておりますから、その点をひとつ御了承を願いたいと、こう思っております。
#107
○委員長(内藤誉三郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔午後三時十五分速記中止〕
  〔午後四時十一分速記開始〕
#108
○委員長(内藤誉三郎君) 速記を起こして。
#109
○竹田四郎君 途中で何か議論が切れてしまったようでございますが、まあ先ほど申し上げましたように、どうも高級飲食等のほうは一五%から一〇%に下げて、そして大衆のほうはどうも下げ幅が少ない、こういうところに問題点があるということでありまして、どうも料飲税そのものに対してあまりに論理の一貫性が欠けている。こういうことでは、国会が審議をしても、やはり料飲税というものが正しく取られるものではないんだという印象を私は強く国民にむしろ与えてしまう。したがって、計算するほうも何が何だかわけのわからぬような公給領収証を出す。その結果が一体一人幾らになるのか。どのくらいになるのかわからぬというような、納税徴収義務者ですか、そういう方面にも、私は料飲税というものはどういうふうになるものなんだ、こういう印象を強く与えていると思うんです。今回これを一〇%にいたしましても、第一、論理の一貫性がないということになりますと、やはり料飲税の徴収というのは、まあ県税の中でも一番徴収率が低い税金だと思うんです。まあ、そういうようなことが今後起きてくるであろうと思いますが、先ほど大臣が、今後こうした矛盾というものはひとつ考えていこう、まあこういうことでありますので、私どもはそれをひとつ大いに期待をしていたいと思いますが、ただ大臣、これはどうなるかわかりませんけれども、そうした形を自治省の考え方として長く自治省の中に残してもらいたいということをひとつお願いをしたいと思うんですが。
 次に、料飲税というのは、税金を取る、これは県民の税金でありますから、県のほうは盛んにこれで税金を取るわけでありますが、実はこういう宿泊旅館、まあ飲食店、こういうものから出てくるところのいろいろなごみとかその他の問題、こういうものを整理するのは、これは大体市町村の清掃事業ということにかぶせられてくるわけです。あるいは指定都市なり政令都市というのは、具体的に各地において食品衛生のたいへん重大な仕事をしておりまして、これも実際は、今日の状態ではむしろ、そういう衛生検査、食品検査の人数が足らないということで、おそらく食品検査等についてもなかなかその回数を多くやっていくことはできないのじゃないかという実態が、今日の衛生検査員の仕事であろうと思うのです。そういうふうに考えてみますと、料飲税のほうは県のほうに入るけれども、それに伴う実際の仕事というのは、市町村の仕事がたいへんふえる。たとえば料飲街等のごみの処理を見ますと、いま一般的にごみ処理というのは週二回くらいやるのが普通だろうと思うのですが、こういう料飲街の場合ですと、ほとんど毎日集めにいかないと処理ができない、あるいはそれだけ処理をしてもらわないと、やはり衛生上の立場から見ましても非常に危険である、こういうことであろうと思うのですが、そういう意味では、むしろ実際の仕事をやっている市町村に料飲税の一部というものを何らか譲与していくというのが、料飲税自体がそういう目的税ではなかろうと思いますけれども、むしろそのほうが適切ではなかろうか、こういうふうに思うわけです。そういう観点で、県がやる仕事といえば、指定、政令都市においてはせいぜい米飯提供者のしるしを渡したり、警察の営業取り締まり、そのくらいの程度にすぎないだろうと思うのです。そういう意味では、こういう料飲税の一部というものを、特に政令都市とか指定都市とかという実際の保健衛生の仕事あるいは清掃の仕事をやっているところに持っていって、ある程度渡していくということがないと、どうもお金のほうだけは県に入り、実際の仕事をやるところにはそれに見返りになるところのお金が回ってこないので、たいへん御苦労な仕事をされる、こういうことになってくると思うのですが、その辺、ひとつ何か自治省のほうではもう少しこの税金が実態になじむような形にお考えをいただきたいと思うのですが、そういう点の御意思があるかどうか、伺いたいと思います。
#110
○政府委員(松島五郎君) 特定の税目を府県なり市町村なりあるいは国なりの間でどう配分するかという問題は、御指摘のようないわば受益と負担という関係においてとらえるというような行き方も確かに一つの考え方であろうと思いますが、しかしそのほかに、またいろいろな角度から検討しなければならない問題もあろうと思います。現在の税制は、御承知のとおりシャウプ勧告によりまして、市町村税制はできるだけ安定的な税制であることが第一に必要であり、第二には、住所地を中心とした直接税制であることが望ましいという考え方からできているものと考えられるのでございます。市町村が基礎的な地方団体でありますことから、できるだけ地域住民が直接市町村に税を負担するというような、その地域に住んでいる人が直接税を市町村に負担するという住所地主義と申しますか、と同時に直接税主義というものがたてまえとして今日組み立てられていることは御承知のとおりでございます。一方、府県のほうはそれよりも広域の団体であるからということで、主として間接税を中心にして組み立てるというのがシャウプ勧告の考え方であったと思います。市町村税のほうは、大体今日もシャウプ勧告の考え方を基本として構成をされていますことは御承知のとおりでございますけれども、府県税制は必ずしも間接税中心に、その後の改正でなっていない面もございます。
 そこで、料飲税のような間接税を市町村税とすることが適当であるかどうかという問題は、そういった市町村と住民とのつながりといった面も考えて検討をされなければならない面もあると思います。御指摘のように受益と負担という関係、もちろんこれも一つの考え方でございますけれども、他面においては、いま申し上げたようなことも考慮されなければならない。それと県、市町村を通ずる、あるいは国、市町村、府県を通ずる税源の配分のしかたというものを総体的に考えますると、料飲税を市町村に移せば、そのあとを府県としてはどうしていくのかという問題も同時に起こってくるわけでございまして、それらの問題を今後総合的に検討する必要があるというふうに考えているのでございまして、前回も申し上げましたように、今日の税制はシャウプ勧告以来すでに二十年余も経過しようとしておりますので、そういった税制全体の問題として、今後検討の対象にしていきたいと思っております。
#111
○竹田四郎君 大体その点はわかりましたけれども、具体的に市民の眼に映る状況というのは、これはかなり違うわけですね。たとえば料飲街のごみがくさくてしようがないということで、市役所なり何なりへ電話かけるわけですが、考えてみれば、ああいうのでもうけたというか、そういうものによって得られた税金は県のほうで使うのだということは、確かに住民から見るとちょっと何かちぐはぐなものをやはり感ずると思うのです。そういう点で、この点はひとつ御考慮を十分いただいて、もう少し市民にも直観的にわかるようなそういう形に直すことのほうが、税金も納めやすいということになるのではなかろうかと、こういうふうに思うわけで、十分御検討をひとついただきたいと思います。
 その次には、土地税制が今度国のほうで改正になりまして、その譲渡益が分離課税になってくるということになりますと、かなり減収というようなこともあり得るのではなかろうか、それがまた地方税に影響をしてくるというようなこともあると思いますが、その分離課税による地方税への影響というものを一体どのくらいに見ておられますか。
#112
○政府委員(松島五郎君) 御承知のとおり、分離課税によりますのは、長期譲渡所得につきましては軽減をいたしますので、その分はある程度減税が行なわれというふうになるわけでざいますが、短期譲渡所得のほうは逆に増税をいたしますので、増収になる、こういうことにもなろうと思います。ただ増収、減収の問題はそれだけでなくて、長期譲渡所得の場合は逆に税を安くすることによって、譲渡件数を増加させると申しますか、土地の供給を多くしていこうということでございますから、その面から言えば、土地の供給が多くなれば譲渡件数が多くなり、譲渡所得がある程度多くなってくれば、税率は下がっても税収はふえるという面もございます。逆に短期譲渡所得の場合は増税をするわけでございますけれども、増税をするねらいは、投機売買のような短期譲渡をできるだけ制約をしていこうということでございますから、その目的が達せられれば件数が少なくなっていくということになれば、税率は上がりましても、税収全体としてはむしろ下がってくるということがいわば期待されている、こういうふうな相互に関連をいたしておりますので、この税制改正の効果がどちらのほうにどれだけ働くかということは、今日の段階でなかなか予測できませんので、正確にどれだけこれによって減収ができ、増収ができるという計算はできませんが、大体現在の程度は、いま申し上げましたようなことからあまり変わらない状態ではなかろうかというふうに考えております。
#113
○竹田四郎君 この土地税制の改正というのは、私おそらく土地の供給というようなものが多くなるということを期待して、より土地を宅地にしやすくする、こういうことが一番根本の大きな問題ではなかろうかと思うのですが、いまのお話ですと、何かいいかげんにやってみる、やってみてその結果を見るというようなことで、この税金を設けた趣旨はわかりますけれども、具体的にこういうことをすればどのぐらい土地が出てくるのだというような、何かやっぱり試算なり何かそういうものをやって、こういう税制を私はつくり上げたのだろうと思うのですけれども、何らかそういうものはないわけですか。なしに、ただこういう税制をやってみてその結果を見るという、そういう観点だけでこの税制を始めたのですか。どうなんですか。
#114
○政府委員(松島五郎君) 御指摘の問題、確かにそういう問題があるわけでございますけれども、この税制は、いわば将来に向かって土地の供給をできるだけ促進しょう、そこには心理的な効果もかなり含まれてくると思いますので、正確にこの税制をとればいままでの土地供給の何倍になる、あるいはどのくらいふえるという計算はなかなかできがたい問題でございますので、いま申し上げましたように、税収の面からいえば増収、減収それぞれに、短期譲渡あるいは長期譲渡それぞれについて、増収になる面も減収になる面もあって、税収全体としてはあまり変わらないという見込みをいたしておるわけでございます。
#115
○竹田四郎君 実際これだけの措置をするのですからね。私は具体的に、それじゃ心理的な問題も加味して、一体どのくらい土地がこれによって宅地化されるのが促進されるのか、その辺ある程度考えておられるわけでしょう。そういうものを考えなしに、ただ当てずっぽうに、心理的にこうすればこうなるのだという、そういう形でこのものができたわけじゃない。これはもちろん大蔵省が中心でしょうから、大蔵省のはね返りということだろうと思うのですけれども、この点が、われわれとしてはこれだけの措置をするのですから、それによってどのくらい出てくるかということはかなり大きい関心事になろうと思いますね。実際これによって一番問題になってくるのは、大きな企業や大きな地主というのは、わりあい買いかえの特例措置もあるわけですから、そんなにえらく負担が出てくるというわけではなしに、むしろ一番問題になるのは個人の売買、そうしたものが一番大きい問題になってくる可能性が私はあると思います。個人にそれだけの犠牲をしいてやるということであれば、一体どのくらいの、いままでよりも割合でどのくらい土地が出てくるのかということは、当然ある程度――それは一番初めでありますから、また心理的なものも当然加わるわけでありますから、必ずしもそれは科学的な数字ではないにいたしましても、大体どのくらいを予想しているというものがあってしかるべきだと思うんですけれども、それはどうなんでしょう。
#116
○政府委員(松島五郎君) その点につきましては国税も同様の制度をとるわけでございますので、国税のほうともいろいろ打ち合わせをいたしたわけでございますけれども、現段階では、増収、減収ほぼ見合うのではないかという程度の推計しかできていないということでございます。
#117
○竹田四郎君 私が聞いているのは、増収、減収でとんとんになるとかどうとかということじゃなくて、具体的にそれによって土地がどのくらい出てくるのか、どのくらい供給が多くなってくるのか、そのことをお聞きしているわけです。
#118
○政府委員(松島五郎君) まことにむずかしい問題でございまして、先ほども申し上げましたように心理的な要素がかなり働く問題でもございますし、土地の値上がりというものが税の軽減との間でどういうふうにかみ合っていくかという問題もなかなかむずかしい面がございます。かりに税を多少安くいたしましても、土地の値上がりのほうがより激しいという状態が続きますならば、結局税の安くなる分も値上がりでもってカバーできるというような面も出てまいりますので、実はその正確な推計はできていないというのが現状でございます。
#119
○竹田四郎君 そうしますと、この税金というのは出たとこ勝負の税金ということになるわけですな。もしこれで効果があれば、なるほどやってよかったということになるんですが、効果がもし思ったほどあがらないということになった場合は、一体そういう根拠もなしでこれをやるということになれば、一体どうするんですか。それで、あれですね、根拠がないわけですわね。基準がないからこれでよく効率があったとか、なかったとかいう判断、そういうものを具体的にどうされて、この効果がないと、一般的にいままでよりも土地がそれによって移動がむしろふえなかった、何ら変わりはなかったといった場合には、一体この税制をどうするのか。
#120
○政府委員(松島五郎君) 土地の供給の問題はたいへんむずかしい問題でございまして、単に税制でこれだけのことをしたから、すぐにそれだけで効果が発揮されるというわけにはなかなかいかない面があろうと思います。単にこれだけの問題でなくて、土地の供給全体をふやすような方策としてほかに何があるかとか、あるいはまた土地の価格を抑制する方法としてどういうふうな方法があるかというような、土地対策全体と相関連して進めなければなりませんので、土地税制につきまして長期譲渡所得の分離比例課税をとって軽減をしたから、直ちにそれだけでもって土地対策の目的が達せられるというわけにはなかなかいかない問題であろうと思います。したがいまして、いまお話のありましたように、これで効果がなかったらどうかというお話でございますが、もちろん効果がなければ、ないものについてはそのあり方について再検討し、改善すべきものは改善していかなければならぬと思いますけれども、ただ、これだけでもって土地対策はすべて解決をするというわけにはいかない面もあろうかと考えております。
#121
○竹田四郎君 ちょっと横路にそれるかもしれませんが、この土地税制をつくった限りでは、それに対応するほかの手段も、いまおっしゃられたようにあるわけですね。この税制というものは、一体どういうふうに今後土地の移動というものをやっていき、土地を高くしないでやっていくという、一連の何というんですか、一つの一環としてこれをきめていると、こういうお考えのようにいま承ったわけですが、それ全体としての、一環としての政府の土地税制をめぐる土地政策というようなものは一体どういうことなんですか、御説明いただきたい。
#122
○政府委員(松島五郎君) 土地対策の問題は、各省でそれぞれ担当いたしましていろいろ進めているところでございまして、たとえば今回建設省で考えております地価の公示制度というようなものもその一つであろうかと思います。もちろん地価公示をしたからといって直ちに地価抑制ができるというわけのものでなく、これもやはり全体の対策の一環という役割りしか持たないと思いますけれども、そういったものも考えられております。また都市計画法等によりまして土地の利用計画を定めていくというようなことも、やはり一つの土地対策の一環をなすのではなかろうかというふうにも考えられます。さらには、地方公共団体等が土地基金というようなものを持って、できるだけ公共用地をあらかじめ確保しておくというようなやり方も一つの方法であろうと思います。これらの方法は、どれもそれ一つだけでは決定的なきめ手になるとは思われませんけれども、そういったものを総合的に推進することによって土地問題の解決をはかっていこうというのが今日の政府の考え方であるというふうに考えております。
#123
○竹田四郎君 どうもお聞きしていて、この土地税制がほんとうに土地問題の解決になるというようなことではどうもなさそうで、いろいろな面を並べ立てているにすぎないような感じを強くするわけです。しかしこの問題、いまここで決着をつけるといってもお互いにおそらく材料がないということでありますので、またこの成果というものが来年にあらわれてくるであろうと思いますから、それによって見ていきたいと思います。
 宅地開発税でありますが、今回新しくそういうものができまして、市街化区域において各市町村の条例によってその地域をきめ、そうしてそこで農地あるいはその他の種類の土地を宅地に変換をする際に宅地開発税を取るというようなことのようでございますが、大体自治省では、これは各自治体がお互いにきめることでありますから、自治省として直接に幾らにしろと言うわけにはいくまいと思いますが、大体自治省の考え方では、どのくらいの割合で取るのが適当であると判断されておられるか、その金額を、きまっておりましたらひとつお示しを願いたい。
#124
○政府委員(松島五郎君) ただいまのお尋ねの点は、税率の点でございましょうか――税率は、宅地開発に伴いまして必要になります公共施設の資用、受益の程度を参酌して条例で定めるということになっておりますけれども、具体的には、当分の間、新税のことでもありますので、自治大臣に届け出を求めて、負担の過重にならないような指導をしていきたいと思っております。私どもも東京近郊の都市と申しますか、市町村で調べましたところによりますと、道路と排水溝と児童公園程度のものを整備するといたしまして、場所によってかなりの違いがございます。と申しますのは、いま申し上げましたようなものもほとんど大部分が土地に関係をしておりまして、土地代が大部分でございますので、地価によってかなり違いますが、平均をしてみますと、大体一平米当たり千五百円程度になっております。そこで、一平米千五百円を税負担として求めることはいかにも大きな税負担になるというふうにも考えられますので、その三分の一程度ということで、五百円程度を限度として、指導をいたしたいというふうに考えております。
#125
○竹田四郎君 そうしますと、実際には平米当たり千五百円ぐらいかかるんだけれども、実際に負担してもらうのは平米当たり五百円。そうしますと、そこに千円ぐらいの差が出てくるわけですが、結局この千円というのは、その市町村の持ち出しになるということになるんではなかろうかと思うんですけれども、これは、かえってそういう税金を出したがために、逆に、そこを宅地化した人は、当然その人が自分の回りの道路を、少なくとも平米二千円近くはおそらくかかるだろうと思いますが、そうしますと、逆に住民のほうからは、これだけの税金を出したんだから、当然市町村としてその地域にそうしたものをつくれ、こういう要求は必ず出ると思うのです。そうすると、その宅地化した分の面積だけそれをやるという、この分でも千円持ち出しになります。おそらくそうなりますと、そこへ行く通路というようなものがかなり長いものがあれば、それまでも舗装をさせられるというようなことで、かえってこういうようなものをつくることによって、むしろその地域がそうした整備が逆に進まない、そういうような心配はございませんか。
#126
○政府委員(松島五郎君) いまの御心配の点は私ども二通りに考えられると思っております。一つは、いまお話のございましたように、五百円程度の負担を求めて、千円継ぎ足して仕事をしなければならぬ。市町村の財政がたいへんなんで、なかなか整備がかえって進まないという問題、これが一つあろうと思います。もう一つは、市町村が税金だけ取って、整備を、金がないからということでおくらすというような問題、こういう問題も出てくるのではなかろうかという心配もございます。そこで、この法律では、市街化区域のうちで公共施設の整備を必要とする区域を条例で定めるということにいたしまして、税金だけ納めていただいて施設の整備をしないというような形にならないように、地域を限定をして仕事をしていくという、要するに地域の整備計画というものと税負担というものとを相関連して考えて、この税を起こしていただくと、こういうふうに進めることによって、いまのような心配を防いでいきたいと、こういうように考えておるわけでございます。
#127
○竹田四郎君 比較的大きな団地をつくる場合には、具体的に、金を取らないで現物で寄付するということになろうと思うのです。そういう地域の場合は、これは非常に簡単といいますか、やりよいというように思うのですけれども、個人の場合を考えますと、ここは将来駅の北側であって市街地化する区域だと、しかしまだそこには何らできていないし、区画整理をやるにいたしましても、当分の間意見がまとまらないという場合が非常に多かろうと思いますね。しかし区画整理を将来やるということでありますと、当然そこには住宅が、農地から宅地になるとか、山林から宅地になるとかいう変更が行なわれる、そういたしますと、そこには、宅地化される地域だけれども家は一軒しかない。そこで税金をその分だけ、百坪ならおそらく十五万円程度余分に払わなくちゃならぬ。なけなしのところで土地を買って、その上十五万円も払うというなら、これは当然ひとつおれのところへ、長ぐつをはいていかなくても行けるぐらいの道をつくるのは当然じゃないかと、こういう意見が出てまいりますと、おそらく、私は、そういう税金を納めた金で市町村がかなり長い区間に道路が舗装になると、とても負い切れない、こういうふうになる心配のほうがむしろ私は多いであろうと思います。あなたがおっしゃっている宅地化される地域というのは、こういうものを適用する地域というのは具体的にどんなことを、どんな状況を予想してこの税率を適用されようとしておるのか、その点を承りたいと思います。
#128
○政府委員(松島五郎君) 私どもは、市街化区域の中でさらに区域をきめるというふうな考え方をとりましたのは先ほど申し上げたとおりでございますが、市街化区域は、御承知のとおり、都市計画法では十年程度の間に優先的に市街化すべき地域というふうな考え方になっております。しかし十年も先に市街地になるかもしれぬというところで公共施設の整備をしていくということも、現実の問題としては御指摘のとおりむずかしい問題がございます。また施設の整備がおくれるということになりますと、たまたま一軒なり二軒なり家ができました場合に、税金だけ取られたが、十年先ぐらいにならなければ道路もできないということでは、納税者の方に満足していただけない。そこで私どもとしては、そういう市街化区域の中でも、現に市街化、宅地化が進行しつつある地域、または一両年中にここが市街化と申しますか、宅地化することが見通される地域というふうに限定して条例で指定するというふうにすべきではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
#129
○竹田四郎君 一、二年で宅地化される地域というのは、特に大規模な宅地開発でなしに個々に家をつくっていくということにしますと、もう大体半分以上は家が建ってしまっている、そういう地域になってしまうのじゃないですか。
#130
○政府委員(松島五郎君) 現在こういう税金がありませんので、すでに半分以上と申しますか、宅地化している地域、宅地化しつつある地域もあると思います。ただ、こういう税を新たに起こして、市町村としても計画的に町づくりをしていく、そのためには、市町村みずからも相当の経費の負担をしていかなければならぬ、その経費負担をしながらなお町づくりを依然としてしていく必要というのは今日非常に強くなってきておるのじゃないか、かような考え方をとっておりますので、現時点においてすでにある程度宅地化しているというところももちろんございましょうが、これからやはりさらにそれが伸びる、その宅地化が伸びるであろう地域、あるいは、新しくこの辺が宅地化するであろう地域というのは、それぞれの市町村で大体見当はつくはずでございまして、自分の町の問題でございますから、そこで、そういう地域を指定して整備をしていこう、こういう考え方でございます。
#131
○竹田四郎君 そうしますと、私は非常に矛盾が起きてくるのじゃないかと思いますよ。たとえば、いまあちらこちらに若干こうばらばらと家ができてきた、そういう人たちはそういうものを払う必要はないわけです、すでに建ってあるから。新しく来たものはそれだけの金を納めてやらなくちゃいかぬ。しかし実際問題、道をつくる、あるいは小公園をつくるということになりますと、既存の人も利益を受けるわけです。そうすると、今度変わってきてそこに家をつくるという人たちだけが納めて、ほかの人は納めないで公共の施設の恩恵に浴する、そうしますと、一つの町の中で、あるものは取られる、あるものは出さないでその恩恵を受けた、こういうことになりますと、おそらくそこの、まあ結局一つの町内会程度のものになろうかと思いますけれども、中で、私はむしろお互いの反目、お互いの気分、日常の生活において感情的なもつれ、そういうようなものをむしろ醸成をしていく、みんなが気持ちよく話し合って、それじゃひとつ今度は市にお願いしてここの道路を舗装してもらおうとか、ここへ児童公園をつくってもらおうとか、側溝をやろうとか、そういうようなことに対してむしろ私は非常な大きな阻害、これを起こしまして、なんだあいつは金出しているものだからいばりやがって側溝のことを言うのだけれども、じゃそのほかの出してないものは、私のほうは関係ないのだということになりますと、同じ側溝をつくるにしても、これは側溝をそこへつくっただけでは実際上は水は流れないわけです。つくるとすれば全体につくらなければならぬ、こうなってきますと、私はかなりむしろそこの部落の調和、人間の調和といいますか、そういうようなものをむしろ害する、そういうようなものをこの税金によって持ち込むのじゃないか、そういう点はどうですか。
#132
○政府委員(松島五郎君) まあ地域の定め方によってでございますけれども、御心配のような問題も私は絶無ではないと思いますけれども、逆に現在私どもの聞いておりますところでは、大きな団地等がたとえば住宅公団等によって建設されました場合には、それ相当の施設が整備をされている、そこで、競ってその付近に住宅ができていく、そうしてできた住宅は、住宅公団なら住宅公団のような大きな団地にできた公共施設を利用できるという、何と申しますか有利さを目当てにしてそういうものができていくというような話も聞いております。そういう場合は、むしろいまお話のとは逆のような形になるわけでございまして、私はまあそういうところは、結局地域の指定をどういうふうにして御心配のような点を防いでいくかという問題ではなかろうかというふうに考えております。
#133
○竹田四郎君 いま局長おっしゃったように、たとえば団地のまわりはそうなるのだ。団地のまわりはなるほどよくなる。それをはずれて個人の住宅がこうつくられていくと、そういう地域はいつまでたっても道が直らない。あの地域に宅地をつくった人は、あれは金を出しているじゃないか、金を出しているから向こうを優先するんだ、こっちのほうは一軒だけぽつんとあるんだから、金は出してもこれはできないんだということになりますと、かえって逆に、ある一定の地域、いまおっしゃったような公団ができた、あるいは集団住宅ができた、この地域はよくなるけれども、そのほかのところは逆に見放されてしまう。いつまでたってもどろんこ道だ。少しも公共施設はできていかない。あるいは市のほうも積極的にその地域を、個人の住宅があちらこちらにぽつぽつできる地域は指定をしない。公団のまわりだけを指定すれば、公団を通過するその道路分だけは市の負担は軽くなるわけだから、やらない。そういうような区別を地域の中によけい持ち込むことになるというふうに私は思うのですが、どうですか。
#134
○政府委員(松島五郎君) これは非常にむずかしい問題でございまして、ぼちぼちできた、そこで税金を納めていただいてすぐに公共施設を整備するということも、実際問題として、納められる方は五人であるのにかかわらず、二千人なら二千人の町ができるものとして、直ちに市町村として仕事にかかるということは実際問題としてむずかしいと思います。したがいまして、そういう地域をかりに指定をいたしましても、税金だけその五人の方に納めていただいているけれども、もう千人ぐらいになるまでは待ってもらいたいということで、なかなか仕事が進まぬということでは、かえってその方々に迷惑をかけるという問題にもなろうと思います。そこで、ある程度宅地化が近いうちに進むであろうという地域を限って、施設の整備もする、税金も納めていただくということを並行的にやっていくということが必要ではないか、このように考えているわけでございます。
#135
○竹田四郎君 たいへん、頭の中で考えるとあなたのおっしゃるようになるのです。ところが、現実の問題はそうなっていかないのです。たとえば、あなたがいま、五人の方はそこで宅地にすることによって、五人の方が税金を納めた、たとえばそれが百万円なら百万円納めた、そうしますと、そこに施設をつくるなり、側溝つくるなり、道路を舗装していくということになりますと、結局はそのほかの五人以外の人にも、あなたたちも金を出してくれなければ、市のほうで舗装しない。あるいは側溝をつくらない。だからあなたたちも、私たちが土地に対して出したと同じ割合で出してくれ、こういう形で税外負担の問題が必ず起きると思うのです。そういう問題考えたことはございませんか。
#136
○政府委員(松島五郎君) 私どもは税外負担の問題が当然起きるというふうには考えておりません。現在の大都市近郊の町の姿を見てまいりますと、やはり市町村が、将来にわたって自分の町をどうするのかという考え方を持って、家をつくられる方にも、できるだけ環境を整備しながら住宅を建てていただくという方向に誘導していく必要が今日あるのではないか。そういう点から申しますと、やはり一定の地域を指定して、ここに公共施設の整備もし、また負担もしていただきながら町づくりをしていくと、こういう考え方を持っていくことが今日は必要ではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
#137
○竹田四郎君 どうも局長の意見は、私は机の上の議論にすぎないような気がします。おそらくこういう宅地開発税というものをつくっても、私はむしろ地方の持ち出しになる。非常に過大な持ち出しになる。いままでであるならば、都市計画税はこれは出す。その上にこれだけの税金をかければ、住民としては当然おれのところを優先して舗装しろと、またその地域の人がそういう運動を強く市のほうに進めていくことはもう明らかであります。そういうことになりますと、結局私は、むしろ市のほうで、そんなに金がかかるのならお断わりをする、その地域をはずしてしまう。それでなければ、先ほど申しましたように、ほかの、すでに宅地化してそこに住んでいる人たちに応分の寄付を求めて、それでやっていく。そのどっちか以外には、私はおそらく個人から金を取るというこのやり方はおそらく成功しないだろうと思う。必ず、そういう点で私は、この宅地開発税というものは、むしろ都市計画税の二重取りになりますし、そういう形で地域に混乱を巻き起こし、同時に、そういうものが税外負担をふやすか、あるいは市町村は特にそのためにより多くの予算をさかなくちゃならない、あるいはそれによって市街化区域があっちこっちへということで、計画的なものよりも、むしろスプロール化の方向に逃げてしまう。そんなところで十五万円の金を出すなら、そんならほかの非該当の区域へ行ってそこでやろう、そのほうが十五万円得をする。そうすれば取得税ぐらいの金は出てくるじゃないか、こういう考え方が私は当然出てくると思う。むしろそういう意味では、こういう宅地開発税なんかというような税金はつくらないで、むしろその他の都市の財源、都市の税源を強化して、全体として市の考えるような都市計画を進めていく、あるいは付近の生活基盤の整備をやっていく、そうしたことのほうが、私はずっと都市づくりがうまくいくんじゃないか、こういうように思うのですが、あなたは確信ありますか。
#138
○政府委員(松島五郎君) 御指摘の点、確かにそういう面もあろうと思いますが、現実には、御承知のとおり、最近大都市近郊の市町村では、宅地開発要綱というようなものをつくりまして、宅地開発を行なう方にいろいろな負担を求めているのが現状でございます。それらの負担は、結局は宅地開発業者が一応は負担するわけでございますけれども、最終的には、結局土地を購入されて、そこに家を建てられる方に転嫁されていることも、またこれは容易に想像できるところでございます。そういった事態を考えてまいりますと、やはり公共施設の整備を必要とする以上は、どっかに財源を求めていかなければならない。公共施設の整備を必要としないということでございますならば問題は別でございますけれども、どうしても家ができていけば公共施設の整備が必要になってくる。この宅地開発税で考えておりますのは、その公共施設の整備のうちでも、全部をこれでもってやろうというわけではございません。そのほかに、学校でございますとか、あるいは市役所の出張所というようなものも必要になりますでしょうし、あるいはそのほかに、消防施設とかいろいろなものが必要になってまいりますでしょうが、そういったものを全部この宅地開発税でまかなおうというのじゃなくて、宅地開発に伴って必要最小限度の、いわば身の回りの、道路とか、排水溝とか、児童公園程度のものは、一部を負担していただいて、整備をしていこうという考え方でございます。そういう考え方をとります以上は、やはり宅地化が進み、公共施設が最小限度必要となれば、それに幾ばくかの負担を求めて施設を整備していくということが、やはり今後の町づくりの上では必要なことではなかろうかと、かように考えております。
#139
○竹田四郎君 おそらく局長は、上のほうから、テーブルの上でものを書いて、そうして眺めているから、おそらくそういう発想しか私はできないのだろうと思う。現実に地域を回って、そういう問題の相談を受けるということになりますと、そう簡単にはいかないんですよ。たとえ側溝一つ入れるにしたって、そう簡単に側溝が入るわけじゃないです。でありますから、私はむしろこういうことをするなら、むしろほかのほうで都市税源の強化をして、そうして一定の計画に従って、直接にこういう形での負担をさせることなしにやっていく、こういうことでなければ、私は、むしろこういうことが都市の発展のじゃまになる、こういうふうに言っても言い過ぎじゃないと思いますけれども、まああなたがいまたいへん自信があるようでございますから、具体的にそういうことで――まあ団地をつくるのは別ですよ、団地をつくる場合には、もう土地を具体的に出す、側溝を具体的に入れるということが宅地造成事業法等できまっておりますから、これは別です、そういうものは。そういうものから各人が買うのに、幾らか負担がかかっていくというのは、これは別です。個人から宅地開発税を取って、そしてうまくいっている地域はどこですか、見せてください。
#140
○政府委員(松島五郎君) うまくいっているところはどこかというお話でございますけれども、まだ宅地開発税をつくっておりませんので、そういう意味の御質問でしたら、これからの問題でございます。
#141
○竹田四郎君 しかし、具体的に宅地開発税をやるというのは、あちらこちらで似たようなことをやっているのを見て、そしてあちらこちらであまりにも統一的なものがないのはぐあいが悪い、こういうことで、ある程度市町村が現実に行なっている、そういう基礎の上に立って初めてこれが発想されたわけでしょう。全然初めてのわけじゃないわけでしょう。そうすれば、宅地開発税という名前ではないけれども、具体的には何らかの形で負担をもらっているわけですね。この発想に似たような発想でやっているわけですね。そういう地域はどこか、いいところがあるなら教えていただいて、非常によくいっていると言うなら、私どもも見てみたいし、そこの市の実際の財政状況あるいはその地域における超過負担の問題、あるいはそこに住んでいる人たちのお互いの日常の融和の問題、こうした問題を十分研究さしてもらいたいと思うのですが、具体的にそういうことがあったら実は見せてもらいたいと思うのです。
#142
○政府委員(松島五郎君) 現在宅地開発要綱というものを定めまして、いろんな形で負担を求めている市町村が五十二ばかりございます。で、その内容は非常にまちまちでございまして、宅地内の道路用地は全部提供する、あるいは側溝をつけて提供をする、あるいは学校用地として一区画につき何万円か負担をする、あるいは、極端なものは駐在所までつくって出せというようなことをきめているところもございます。私どもこれがすべてうまくいっているというふうには考えておりません。そういうふうに内容がきわめて区々でありまして、その負担の程度もあまりにも差がありますことは適当ではないのではないか、現実にそういう負担を求めている限り、またその求めることが必要であるから求めているんだと思いますけれども、それにはやはりある程度の、何と申しますか、調整が必要ではないか、しかも現在求められています負担は、宅地開発要綱というような、まあどういう根拠のあるものかはよく明瞭でないような形で、実際には話し合いのような形で求めておりますけれども、やはりそれは宅地開発税というような形によって、一つの明確な基準を立てて、しかもそれを起こすについては市町村の議会の議決というようなものも経るということによって、十分審議を尽くして求められるべきではないか、かように考えておるわけであります。
#143
○竹田四郎君 いまおっしゃられた交番とか小学校の用地とか、そういうものは個人で出せるはずないんですよ。そんなものは、宅地開発要綱の中にあっても、大体団地の開発か、区画整理かなんかでやる以外に手はないんですよ。いまおっしゃっているのは、おそらくそういう団地業者が宅地をつくってやっている場合だと思うのですよ。あちらこちらばらばらできる家、こういう宅地の場合には、私はおそらくいまおっしゃられたところの中に入っていないと思うのです。それで政府のほうは何かというと、宅地を、団地をつくるというのは国のほうでつくるわけじゃありませんので、各自、自力建設というのが主体でございますから、各人がつくるということ以外にいま家を持つ方法はないわけであります。具体的にそういう個人から――団地じゃございませんよ、団地じゃなしに、個々にそういうことをやってうまくいっているところ、ひとつ具体的に示してください。
#144
○政府委員(松島五郎君) 個々に負担金のような形のものをとっているという事例、いまちょっと記憶がございませんが、ただ、団地の場合はとってもいいということになりますと、結局団地に入る人から見れば、宅地開発業者が負担をしようとも、宅地開発業者が全部それを自分の負担にするわけじゃなくて、結局そこへ入ってくる方の負担に転稼するわけでございますから、負担をする側から見れば、一人一人であろうと、団地の中に入る場合であろうと、同じではないだろうかというふうに考えております。
#145
○竹田四郎君 私は各人の負担がどうのこうのということを言っているのじゃないのですよ。確かに団地で買った場合には、もうその買う値段に、それだけのものは吸収されていますから、具体的には出てきませんよ。しかし個々でやった場合には、具体的に取るわけですよ。たとえば自分が土建屋を頼んでそこを整地して、大工さんに頼んで家をつくるという場合には、具体的にこれは宅地開発税ですよ、出さなくちやならぬでしょう。違いますか。そうでしょう。そういうことを私は言っているのですよ。そういう地域でうまい地域があるのか、そういうふうなことになれば、片方は団地の地域、片方は個人の地域、非常に不均衡が出てくるのじゃないか。必然的に団地のまわりだけよくなって、ほかのほうはだめになっちゃうのじゃないか、いつまでもそこは取り残される、こういうことになると思う。そういう意味で、どこかいいところないか、示せというふうにお願いをしているわけです。
#146
○政府委員(松島五郎君) どうも私、御質問の御趣旨をあるいは取り違えているかもわかりませんが、団地ならばよくなり、個々の方から税金を取るということならよくならぬというふうにおっしゃったと思いますけれども、そこのところが、どうしてそうなるのかちょっと私のみ込めませんので、もう一度教えていただきたいと思います。
#147
○竹田四郎君 団地をつくった場合には、この宅地開発税の場合にも、そこでできた道路とか、あるいは下水とか、あるいは公園とか、そういうものは、その人の話し合いで大体寄付をするわけですね。その場合には、具体的に宅地開発税は納めなくてもいい。しかし、実際にそれだけ寄付をしているわけですから、税金としてやっているわけじゃないけれども、寄付をしているわけですから、それに相応する分は宅地価格に入っているわけですね。だから、具体的に幾ら幾ら宅地開発税を取られたという、そういう感じというものはないわけです。そうでしょう。実際には取られていても、税金という形で納まっているわけじゃないでしょう。現物で、公園なり道路なり下水という形でそこに寄付されているのだから、税金という形の概念は入ってこないわけです、実際には。ところが、個々にばらばらに自分で宅地をつくって、そこで家を建てる場合には、宅地開発税という形で徴税令書が来るわけでしょう。そうすると、そこに住む人は、おれは自分の周囲をよくしてもらうためにこれだけの税金を納めるのだという観念になるでしょう。そうなってくるでしょう。そうすると、当然に、直せ、おれはこれだけの税金は払っているじゃないか、直せという要求になってくるでしょう。そうすると、ほかの人と、いままでおった人と、それからそこに近くつくる人と当然相違が出てきますよ。そうすると、勢い同じものをつくったにしても、片方には百坪十五万円なら十五万円金を出した、片方は何も出さないでよくなった、こういうことになるわけでしょう。たとえば一つの道路が、こっちは農地だ、こっちは宅地だ、こっちはすでに家ができちゃってる、こっちはいままでたんぼであった、これが宅地に転化するのだから、宅地開発税を出さなくちゃならぬですね、この地域が指定されたら。そうしたら、この人の税金でこの道は直ったわけですよ。舗装されるわけです。そういうときに、それじゃこの負担の関係というのはうまくいくかどうか。うまくいかないでしょう。どうですか。
#148
○政府委員(松島五郎君) いま御指摘のことは、団地として道路の整備なり何なりが行なわれた場合に、そこに住んでおられる方と、家を一軒なり二軒なりつくられた方との均衡問題、もう一つは、団地以外で、その地域ですでに住宅をつくっておられた、宅地開発税以前につくっておられた方と、新しくそこへ宅地をつくられた方の均衡の問題、この二つの点の御指摘ではなかろうかと思います。前の場合は、なるほどストレートに税の形はとってはおりませんけれども、実質的に税相当の負担というものはされているわけでございますから、その人方から見れば、新しく家をつくられた方が何も負担もしないで道路ができたということについて、割り切れない気持ちを持たれるという面があるのではないか。今度は逆に、新しく一軒なり二軒なりつくられた方と、従来税ができる前にすでに団地外で家をつくっておられた方の間では、新しく家をつくられた方は、自分では税金納めて道路を整備をさしたんだけれども、前の人は何ら税を納めずに恩恵を得たではないか、こういう気持ちというのがあると。したがいまして、どっちから見ていくかによって、それぞれの立場があるのではないかと思いますけれども、しかし、新しい税金をつくります以上は、前に住んでた人にさかのぼって適用するというわけにもいきませんので、経過的な問題といたしましては、御指摘のような問題もあろうかと思いますけれども、そこはやはり全体の町づくりをどうしていくかという大きな見地から御理解をいただくよりほかにないのではないかと思っております。
#149
○竹田四郎君 どうも局長と議論していても、机の上と実際とで議論しているようなことで、ちっとも話が合わないでどうもしょうがないわけです。自治大臣は、これは川崎の郊外なんかの事情もかつて非常に詳しく御存じだろうと思うんです。あるいは都市の周辺のそういう事情もすっかり御承知でいらっしゃると思うんですが、いま私と税務局長との話、これを聞いててどういうふうにお感じになりましたか。
#150
○国務大臣(野田武夫君) いま宅地開発税というものをつくった大体発想の根拠を局長が御説明申し上げておりましたが、竹田さんの御指摘の点も、いろいろ複雑でございまして、私どもが感じておりますのは、私はいま特に御指摘になった川崎とか湘南地方ですから、団地が多いんですね、実を言うと、御承知のとおり。そこで、さっき税務局長が説明しましたとおり、実際坪何百円出せとか、学校敷地を寄付せいとか、相当要求しているようです。これは従来、御承知のとおり。それでいま御指摘の点は、ぼちぼち建った場合に税金を取る、取ったけれども、かりに三軒、四軒にやったって、なかなか自治体では費用がかかって一ぺんにやれないし、おれたちは税金を出して一向によくならない。単独でいろいろ宅地造成やられた方、相当やっぱり不均衡は出てくると思います。それからいまお話の、出したものと出さないもの、しかしこの実情はいろいろ私はあると思っておりますが、従来いろいろ、ことに都市の周辺の農地あたりがどんどん宅地になっていく場合は、かってにいまあちこち家をつくられた場合に、道もない、排水溝もつかないという、どっちかというと建てたほうが悪いのか、これを世話しないのがいけないのか、まあおのおの言い方があると思うんです。しかし、そうかといって、一々建てられたからといって、道をつくってあげたり、子供の遊び場をつくってあげるということはけっこうだが、財政上の理由もあるし、そうできないし、大局から申しますと、財政が豊富ならば、まあある程度家ができた周辺は、つまり住むことができるような条件まで持っていってやるというのがほんとでしょうが、それは理屈でありまして、なかなか財政上の理由がございますから、そうまいりません。しかし、今度いま御指摘の点を、私もいろいろ実際も多少知っておりますし、聞いておりますが、宅地開発税というものを、いままで地域によっていろいろ負担を造成者にかけておる場合に、あまり過当なことをやりますと、そのはね返りは、土地を買った人、家を建てる人にはね返りがきて、相当負担が重くなるから、大きな意味の住宅政策としては、団地なんかの造成業者はあまり損はいかぬし、かえって、もうけるわけじゃないでしょうけれども、損がいかないから何も利害がないんですね。しかし、土地を買って家をつくる人には相当これが影響してくるというところに、まあ税務局として考えましたことは、なるべくそういう不当な、家をつくる人に負担がかからないように、一応宅地開発税というもので規制して、そうして土地価格というものをつり上げないようにしたい。同時に、自治体においても、相当これは金がかかることだから、ある適当なめどのつく財源は、やはり都市計画、町づくりのために、必要財源の全部はできなくても、相当部分は、自治体も、それからして造成者、結局は家をつくる方に負担してもらうということで、これは私は宅地開発税ができたからうまくすべていくとは言いませんが、いままでのでこぼこのあった、いろいろ条件の違ったものを一応地ならしをしていくという目標には相当効果的じゃないかと、こう考えております。しかし実際問題として、そういう不公平と申しますか、不均衡と申しますか、またいろいろ注文も出てきましょう、不平も出てきましょうが、これはこの宅地開発税をつくったからそれが全部なくなると、これは私どもも考えませんが、一応私どもの考えておることは、まあいろんな要求をいたしますと、いま申しました駐在所まで、交番までつくれと、このはね返りが全部家を建てる人の地代、土地代にかかってくるということを防ごうと、非常にこれは、一々具体的に実例をおあげになりますとなかなか複雑な問題がありますが、一応の宅地開発税に対する発想の根拠はひとつ御理解願えれば非常に私どもはしあわせだと思っております。だから私の答弁は、決して御満足のいく答弁ができないことは、複雑でございますから、一々の事情がなかなか、個々の事情を取り入れまして、この場合はどうするこうするということは、あまりにも複雑過ぎるほど、たとえば山のてっぺんまでできているものがあります、場所によりますと。とてもそんなところに道をつくってやるといっても、一軒や二軒でずっと町までつくるということはたいへんです。御承知のとおり、どこへ行っても、えらいがけの横につくったり、山の裏につくってみたり、たくさんありますから、実例をどうだと御指摘になれば、なかなか明快な回答というか、御納得のいく回答はできません。しかし、この税制をつくった発想の根拠というのは、これはそういうところにあるということをひとつ御理解になって、幾分でも、結論は、最後は家をつくる人に不当に土地の価格がつり上がることを防ぐ。一面自治体の財政に多少でもこれを繰り入れて、そういう地域づくりに役立たせたい、そういうことだという意味はひとつ御理解いただきたい。まことにあいまいでありまして、的確な答弁ができませんけれども、実際はそうでございますから、ひとつ御理解願いたいと、こう思っております。
#151
○竹田四郎君 これ以上私は議論するつもりはありませんけれども、おそらくその宅地開発税というものは、市町村長を非常に苦境に私は追い込む、そういうものにきっとなるのではないかと思います。それからさらに、ある地域においては、おそらく税外負担を解消しろという国民の要求にもかかわらず、税外負担をさらにふやしていく。あるいは逆に整備をすべき地域がいつまでも整備をされないで残る。いまおっしゃった山の状況というのは、まさにそんなところに金をかけるわけはありませんから、おそらくかけない。そうすると、十年も十五年もほうっておかれてしまう、こういうような結果に私はおそらくなると思うのです。ただ、大きな団地の場合は、これは当然利益の幾分かを出して、いまもうかっていないわけじゃございませんから、大体もうかっているわけですから、そういう形でサービスをするのは、これは当然団地をつくった人の私は責任だと思います。その分が若干買う人のところに負担がかかってくるのは、これはある程度であればこれはしかたがない。そういう意味で、個人からこういう宅地開発税を取るということは、私は地方自治あるいは住民の自治という立場から見ますと、まあ地域には必ずトラブルを起こすし、市町村長さんはこれによって非常に苦労をする。よほどうまい形で考えていかないと、名ばかりあって実際上はそれほど、こんなものをつくっても成果が上がらないということを私は非常に心配をするわけです。だから、おそらくこういうものをこれだけ力を入れておつくりになるということであれば、具体的に私はそういうことでうまくいっている、そういう地域をおそらく検討された上に、この宅地開発税を出す。特に、さっき言ったばらばらにつくられている、そういうものが実際あるだろう、そういう根拠に基づいてこの宅地開発税というものをおつくりになったのだろうというので、さっきもそういう地域があったら見せてくれということを私は強くお願いをしたわけでありますが、これについても具体的にどこどこがそうだと、モデル的なところとしてお示しはいただけない。こういうことになりますと、私は、この法律というのはあまりつくっても実効のあがらない法律になってしまう。ただやっかいな法律になってしまうというようなことになると思いますが、たとえばこの宅地開発税ですね。おそらく、自分のわきに畑がある、その畑はひとつ次男坊のために土地を、家をつくるときに分けてやる、そういうときにでも、やはり宅地開発税というのはかかるわけですから、そういうふうにいたしますと、私は非常に大きなトラブルを将来生ずるものだと思うのです。そう考えますと、どうも名ばかりであって、あまり実効性の少ない、むしろそれは各市町村長に、私はこういう法律をつくらないで、個々にまかされて、その地域の実情に合うような形で町づくりを進めていく。その他の地域については、まあ大体都市でありますから、都市税的な税源をほかのほうで与えることによって、こういうものを取らないでひとつやっていく。こういうことにしたほうが、より計画的な町づくり、よりまとまりのある地域づくりというようなものが、私は必ずそのほうが効果があるだろう、わざわざ、まあこれは初年度でありますから、一億四千万ばかりを当てにしてそういうことをやるというのは、私はあまり効果のあるやり方ではないのではないか、こういうふうに思うわけであります。それから、まあこれはそれ以上議論をいたしません。将来を見る以外にはなかろうと思います。
 その次に軽油引取税で、詳しい御説明はございませんでしたけれども、担保を取らないでもいいという、そういうものを今度つくるというふうにおっしゃっておられました。これは具体的に、どういう場合にはそういう担保を取らないでいい、軽油引取税の猶予を認めると、具体的に何か基準というようなものがおありでございましょうか。
#152
○政府委員(松島五郎君) 過去三年間の間に滞納処分というようなものを受けたことがないという事実、並びに延期された納期限までに税を納付することが資産その他の状況から見て確実と認められるものというふうに限定いたして考えております。
#153
○竹田四郎君 そういたしますと、大体この軽油引取税の場合に、おそらく特別徴収義務者が担保を提供しなくてもいいという場合が非常に多くなってくるだろうと思いますが、どうですか。
#154
○政府委員(松島五郎君) これはいま申し上げましたように、実は従来も徴収猶予の制度はあったわけでございますけれども、徴収猶予制度の場合は必ず担保を提供しなければならないということになっておりますために、その担保として人的保証を求めるとか、そういうようなことが行なわれてきたわけでございます。ところが、結局保証料を取る――取られるということになりますと、金を借りて納めたのと実態的には変わらないということになるわけでございます。御承知のとおり全部現金売買でございますと、税と代金とが一緒に入ってくるということでございますと、徴収猶予の必要もないわけでございますけれども、現在では大体相当程度が売り掛けになっております関係上、どうしても税金が納期日までに、――税金と申しますか、代金が入ってこないということから、徴収猶予を求める者がかなり多いわけでございます。ところが徴収猶予を認めますと、いま申し上げましたように担保、保証というようなことになりますと、結局金利がそれだけかさんで、金を借りて納めるのと同じことになってしまうというようなことから、少なくとも従来きちんきちんと納めた者に対しては、そういうことは酷ではないかという問題がございましたので、こういう措置を講ずることにいたしたわけでございますが、これはどこまでも税収の確保ということがなされなければなりませんので、その運営は、いま申し上げましたように単に滞納の事実がなかったということではなくて、納期限までに納められるということを、資産あるいは信用の状況その他から確実に把握できる場合に限るというふうにしてまいりたいと思っております。
#155
○竹田四郎君 こんなに簡単にしていいのかと実は私は思っておるわけです。現実に数年前、これは神奈川県あるいは東京都の一部に、前には税金を非常によく納めていた。ところがあるとき突然に納めなくなったということで、これは金額にいたしますとかなり大きい金額になりますが、こういう特約業者あるいは元売り業者から軽油を引き取ってほかの小売りへ流す業者は、現実に電話一本、机一つあればできることです。こういうものがかなり大きな税金を納めておるわけです。これは私の経験でも、非常にこのことによって県税収入というものが徴収できなくなって困った。ところが、担保を徴収しても、なかなか担保物件を現実に処理するということになりますと、全国各地に散らばっておる。山の上までさがさなければならぬ、関係府県にそれを依頼しても、自分のところではございませんから実際にはなかなか困難ということで、非常にそれを清算するのにたいへん苦労している。そういう県がたしかその当時二、三県この関東地域でもあった。あの処理が完全にまだついていないだろう。こういうことをいたしますと、よけい私は問題が出てくるんじゃないかと、こういうふうに思うのですが、どうですか。
#156
○政府委員(松島五郎君) 御指摘のような心配は、私ども実はいたして、いろいろ検討をいたしたのでございます。ただ、御指摘のような問題は、最近はちょっと例を聞きませんが、二、三年前にそういう問題がございました。これはいわば計画的にそういうことをやったのではなかろうかというふうにも、詳しい話いま忘れましたけれども、その当時調べましたところが、ありました。東京でもって仕事をやっていて、東京では二カ月なり三カ月なりきちんと納めておる、次の一カ月あるいは二カ月は半分くらい納めて待ってくれという形をとり、三カ月日くらいになるとバタンと倒れてしまったというようなことで、それが倒れたと思ったら看板を変えて別の県へ行って仕事をやっておる。実は相互の間に連絡がないのだと思っておりましたら、あとになっていろいろ調べてみましたところ、どうも同じ業者ではないかと思われる節があるという事例もございましたので、それ以来、私どもは関係府県間の連絡をとって、そういう業種があれば相互に府県間の連絡をし合うという措置も講じております。
 また、担保と申しましても、いま御指摘のございましたように、まことに形式的な担保と申しますか、調べに行ったら北海道の山の中に何とかいう山林があった、処分しようと思ったけれどもそんなものは処分のしようもないというものもある。そこで、単に担保を取ったから安心だというのじゃなくて、特に物的担保の場合には、その担保価値というものをなかなか十分に調査することはできませんものですから、担保を取ったからといって安心をしては問題は解決しない。むしろ徴収猶予といったもう少し実態を把握した上でやるという措置のほうがいいのではないか。そういうことから申しますと、一方においては担保の取り方等につきましても十分注意をしていかなければならないと同時に、従来から過去何年間にわたって税金をきちんと納めており、かつ資産の状況その他を調べてもまずだいじょうぶだ、かりに滞納処分をするとしても資産は十分あり得るというようなものの場合までも、どうしても担保を出さなければ待ってあげませんというのは、あまりにも過酷ではないかというふうに考えて、今回こういう改正を考えておるわけでございまして、その具体的な措置は知事が結局認定をすることになりますので、その辺の指導には遺憾のないように配慮をしていきたいと思っております。
#157
○竹田四郎君 これでごまかされますと、金額が非常に大きいわけです。大体四、五億から、十億に近いものもたまにあるわけです。そういう意味で、担保を取らないでいいということで、たいへん寛大なやり方なんですが、私はそういうことを経験しているだけに、非常にこれは心配なわけです。だから、もう少し何か具体的な指導なり、具体的なことがきめられないと、そういうのにひっかかってくるわけです。おそらく非常にそういうことをやる場合に計画的にやるだろうと思う。前のほうはぴちっぴちっと納めて非常に安心させておいて、それからやるわけであります。そういう点、私は非常にこれゆるくなったという点、むしろ心配しているのであります。まあ各府県連絡を密にするということですが、人の県に入る税金関係でそれほど実際真剣になるかどうか、こういうことも非常に心配なわけなんですが、具体的には各府県のそういう連絡だけで処理できますか。
#158
○政府委員(松島五郎君) 各府県の連絡だけで処理できるとは考えておりませんけれども、大体私ども前の事例等を見てまいりますと、各府県と申しましても、ある県で二カ月税金を納めると一カ月滞納をして、三カ月日につぶれて、四カ月目にはまた別な県へ行って会社をつくって、二カ月税金を納めて、三カ月日に滞納して、四カ月目につぶれる、こういうような形のものが見受けられるわけでございまして、これはもうそれぞれの県のむしろ問題で、隣の県の問題ではないというふうに考えられまして、それ以来そういうものにつきましては相互に連絡をし合って、滞納の事実がちょっとでもあれば、すぐにこういう会社がこういう滞納をしているということを連絡し合うように指導をいたしております。したがいまして、まあ何か隣の県の問題だということでございますと、御指摘のとおり、なかなか連絡も思うようにいかないという問題がございますけれども、いまのような実例を見ますと、それぞれの県の問題でもあるわけでございますので、その点は、現在でも連絡をよくとっておりますし、今後とも遺漏のないようにしていきたいと思っております。
 それからなお、徴収猶予につきまして担保を徴しないことができることにいたしましたけれども、これは絶対に徴しないというわけではございませんので、その実態は十分見きわめた上で担保を取らないか取るかということをきめていくように指導をしていきたいと思います。
#159
○竹田四郎君 どうも私は、各府県でそういうふうに十分な連絡ができるかどうか。まあ実際、私はおそらくなかなかできないと思うのです。やるほうは計画的にやりますから、それでは次のところへ行って同じ名義でやるかというと、おそらく同じ名義ではやらない。名前を違えてくるとか、あるいは代表者の氏名を違えてくるとか、おそらくそう簡単に見つけられるような形ではおそらくこの問題はやらないと思います。私は現実にそういう問題を経験しただけに、非常にこの点が、いま局長の言ったような形でうまくいくかどうか心配でありますが、ひとつその点は、計画的にそういうことをできないような連絡と指導というものを特にお願いをしておきたいと思います。
 それから、時間も参りましたので、いよいよこの辺で、まだ問題あるわけですが終わりたいと思うのですが、去年の秋ごろですか、基地交付金について税務局長は、ことしこそは完全に取ってみせると、そういう努力をするのだと、こういうふうに行政委員会でおっしゃられたと思うのですが、現実は四十二億の要求に対して二十六億しか確保できなかったということでありまして、基地を持っている市町村としてはたいへんこの点については大きな期待を実は持っていたわけです。基地を持っているというただそれだけのことで、非常な大きな犠牲がある上に、しかも基地交付金もとにかく満足に取れない。その他いろいろな施設においては、防衛施設整備法というようなものがあろうかと思いますが、そういう点で、ことしは――その税務局長の意見は、たいへんあの当時勇ましく、われわれも力強く思ったわけですが、二十六億ということは、非常に残念だと思うのですけれども、その点局長はどのようにお考えでしょうか。
#160
○政府委員(松島五郎君) 御指摘のとおり、基地交付金と俗称しております国有提供施設等所在市町村助成交付金は、私どもは固定資産税にかわるものというふうに考えて四十二億円を要求をいたして、その実現に努力をいたしたのでございます。ただ、予算の最終段階におきまして二十六億円にとどまったことは、私どももまことに残念に考えております。ただ、まあ従来から見ますと多少前進をしておりますので、今後とも引き続きこのペースを維持しながら前進をはかっていきたいと、かように考えております。
#161
○竹田四郎君 非常に私どもも残念だと思うのですが、そこで、これは神奈川県の大和の例でございますけれども、日本に駐留する米軍の軍人軍属については住民税はかかっておりませんですね。そういたしますと、おそらく米軍であれ、車は道路を飛ばしていきますし、ごみは出しますし、そういう意味では、まあ具体的に大和市では、清掃もやらなければならないし、し尿の問題もやらなければならないし、道路の整備もやらなくちゃならないし、水道の供給もやらなくちゃならない、こういうふうな一般市民以上にむしろいろいろなサービスをしなければならない。現実にはその人たちからは、日米の地位協定ですか、日米関係の協定によって住民税は免除されておる。そういたしますと、それでなくてもそのほかの基地公害というものが非常にあるにもかかわらず、その町村としては税収というものはないわけです。そういたしますと、むしろこういう米軍軍人軍属の場合には、おそらく日本人よりも給料は高いであろうし、それから住宅などにいたしましても日本の住宅よりもおそらく広い住宅になっている。その分を考えますと、大和市の市長の話ですと、年間一億円ぐらいの減収だと、これ若干のはったりがあるかもしれません。そういう形で、基地交付金が少ない上に、しかもそういう住民税が徴収できない。二重の意味で減収になっているわけですが、そういう減収分について何かお考え方はないだろうか。私思いますが、どうでしょうか。
#162
○政府委員(松島五郎君) 日米行政協定でございますか――によって、駐留軍の所得に対しては課税をしないということになっていますので、住民税も課税されておらないということは、御指摘のとおりでございますが、その場合にその分に相当するものをどうするかという問題は、私ども大和のお話もいろいろ承っておりますけれども、いま御指摘になりましたごみの処理などはやはり税金を取っていいのではないかというふうに考えております。まあごみの分をかりに税金を取ったからといって、それで問題が片づくわけではございません。しかし、一面において学校とかなんとかは市町村が直接経営するわけではございませんから、その経費はかからないということになるわけでございます。その辺をどう判断をして調整していくかという問題たいへんむずかしい問題でございますが、どちらかといえば、それは税制というよりは当該市町村の財政問題としてどう処理するかということではないかというふうに考えられます。もちろん、交付税の計算の場合、税金を取っておりませんから、その分は基準財政収入に含まれませんけれども、それかといって米軍がおります分は人口として基準財政需要額の算入に入っているわけではございませんから、それは相互に問題外にされておるということで、必ずしもそのことが地方交付税上財政措置がされているというふうにはなりません。なりませんが、いま申し上げましたように、税制の問題というよりは、やはり大和市に対する財政全体の問題としてどう政策を講じていくかということとして考えていく以外にはないのじゃないかというふうに考えております。
#163
○竹田四郎君 これは税金問題じゃないから、むしろ税務局長に聞くのがおかしいかと思うのですが、基地交付金が足りない上にそういうふうな形だと、だから少なくとも基地交付金ぐらい私は満足に取ってやる義務が税務局長にはある、こういうふうに思うんですよね。具体的に、そういう米軍の駐留軍人軍属の住民税の非課税分を何かはかの形で補給をされている、交付税なり何なりで補われているというならば、基地交付金のほうも若干がまんしようということはできると思うのです。基地交付金のほうはとにかく六割か七割ぐらいしかくれない、米軍の軍人軍属はあっちでこっちで大騒ぎしているのに、そのほうは税金がかからない、それをそのままにして見捨てている、こういうことでは、まさに踏んだりけったりだと、こういうふうに思うんですけれども、これはむしろ大臣のほうにお聞きしたいと思いますが、そういう点で大臣として何かそういう手当てをお考えになるお気持ちがあるのかどうなのか、伺いたいと思います。
#164
○国務大臣(野田武夫君) 基地交付金は必ずしも満足すべきものじゃございませんが、四十三年度からやや伸びております。これは実はいろんな私も折衝いたしましたが、基地を持っている市町村長の方にもお集まり願いましていろいろお話したのですが、まあこれでもって決して満足すべき金額でなかったのは、要求が四十二億でしたか、これはお話のとおりですが、去年に比べるとまあまあというところで、まあ満足はされないけれども了解していただいたんですが、それは別としまして、大和市のごとき事情はお話のとおりだと思います。そこで、これは税制上どう措置するかということはむずかしい問題でございます。しかし、そうかといって、財政上の措置で対処しなくちゃならないと思います。私は、そういう地域については、どういう方法でやるか知りませんが、ある程度自治省としては財政的にめんどうを見るという方針で、それからこれは財政局とも事務的に相談しなければならないと思いますが、それはやむを得ないといってほうっておくことではない。事情がわかりますれば、やはり一応内情を調べまして、どういう対策ができるか、やむを得ないといって引っ込むわけにいかぬ、事情によっては何らかの措置を、満足すべき点までいくかいかぬかは別として、できるだけのことは措置すべきことではないかと思います。この間も実は二、三大和以外のほうからもいろいろ事情を聞いているということもございます。大和のお話も聞いたことはございます、実を言うと。そこで、いまこの基地交付金と税制の関係で税務当局がかれこれ言うということ、これはむずかしいことでございます。一応また私のほうも財政上の操作がどういうふうにできるかひとつ話を聞いてみたいと思っております。いまの話は聞いたことございますが、私は内容を詳しく存じませんが、たいへん困っておられるということはこの前も聞いたことがございますが、一ぺんそのことについて実情をもう少し詳しくお聞きしたほうがいいと思います。これは、私だけでなくて、事務的にも詳しくお話を願っておいたほうがいいと、こう思っております。
#165
○竹田四郎君 この問題は、実は、去年の十一月ごろだと思うのですが、野田さんの前の自治大臣赤澤さんの大臣のころ、衆議院の地方行政委員会でこの問題が出まして、当時の赤澤自治大臣は、これについては前向きで善処しようということを確約をされておるわけなんです。いまお話を聞くと、検討しようということで、問題があまり進んでおらないようでありますが、これはどうなんでしょうか。そういう点についての引き継ぎといいますか、そういうものがおありでなかったわけでしょうか。
#166
○国務大臣(野田武夫君) 実は、率直に申しますが、いろいろ、事務的な引き継ぎの中にもたくさんありますが、私こういう委員会で困る困るというお話を聞きますが、あまり実態を直接お聞きしていないんです、打ち明けると。だから、私はいいかげんなことを申し上げるのではございませんが、実態についてどうするかということになれば、これは検討すべきことだと思うんですが、どなたがどうということはないんですけれども、私になって直接こういうことだという具体的な内容が――実は私は困っておるということだけは聞いておりますけれども、まあ困っておるというだけでは措置もできぬことですが、最近はどうかというと、やはり困っておられるだろうと思いますが、もう少し実情を私実はお聞きをしておればもう少しお返事ができると思います。だから、私は実情を少し検討して何か方法がありゃせぬかと、こうお答えしたのです。
#167
○竹田四郎君 これは基地交付金に関連してのお尋ねで、たとえば財政局長さんあたりがお見えいただければたいへんよかったのですが、お見えいただけないから、いまのようなお話になると思いますが、この点はひとつ引き続き御検討をいただきまして、少なくとも基地交付金が満足にいっていれば、片一方はかんべんしろ、こういうふうに言えるわけですが、こっちも満足にいかない、こっちもくれない、そうして基地のある町だけがそれによってそれだけ収入が少ない、こういうことであっては、まことに、安保条約の是非は別といたしましても、そこだけに集中的に犠牲を強要するということは、私はよくないことだと思うのです。そういう点で、ひとつ今後御検討をいただきまして、また何かの機会にひとつ御答弁をいただければ幸いだと思います。
 たいへん長くなりましたが、以上で一応終わりたと思います。
#168
○委員長(内藤誉三郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#169
○委員長(内藤誉三郎君) 速記を起こしてください。
#170
○和田静夫君 竹田委員の議論の中にもあったのでありますが、個人住民税が高過ぎるということが、私はいまや常識になっている、そう思います。新聞論調も例外ではありません。三月三日の日本経済新聞の社説は、「望まれる住民税の大幅減税」と題して次のように実は言っております。「六百九十億円の国への財源貸し付け分が、国家予算のなかで減税なり歳出なりに有効に使われる限り、いちがいに悪いとはいえないが、それだけのゆとりがあるのなら、なぜこの際もっと思い切って住民税の軽減に力を入れなかったのか。個人の住民税の課税最低限は国の所得税のそれよりもあまりに低過ぎる。税率引き下げの場合、所得税減税よりも住民税減税のほうが低所得者対策としても効果が大きいのみならず、さらに課税最低限を引き上げれば、税圧に悩む一般住民に大きな福音をもたらすことになる。」――この常識化していることが、私はどうも通用しないのは自治省だけらしいという感じを持たざるを得ません。自治省の方々が、四十四年度税制改正を目前にして、個人の住民税の課税最低限は国の所得税のそれよりもあまりに低過ぎるといわれることに対する弁護論として、住民税の負担分任ということを持ち出されました。それゆえに、住民税は所得税と基本的に性格が違うのだということを強調する理由に負担分任が使われているわけです。たとえば雑誌「地方財務」四十三年十一月号に岡田参事官の論文、雑誌「地方税」やはり四十三年十一月号の高橋市町村税課長の論文、そうして四十四年三月号の森岡府県税課長の論文が、そういう説明のしかたをしています。
 実はこれらの一つ一つについて質問を用意しておりましたが、まあ議事運営の関係上取りやめざるを得ません。したがって、概括的に私はまず税務局長に教えていただきたいと思うのですが、住民税の負担分任ということは一体だれが打ち立てた原則でありますか。どのような税の歴史の中で確証をされ、なおかつこの原則が日本の税制の中にどのような形で生かされてきたのか、私のような初心者にもわかるように教えてください。
#171
○政府委員(松島五郎君) 税につきましては、いろいろな原則があるといわれております。いま御指摘になりました地方税につきましても、負担分任の原則でありますとか、あるいは応益の原則でありますとか、いろいろな原則があげられております。これはどこからそういうものが出てきたかということでございますけれども、やはりそれには地方自治ということと密接な関連を持っているのではないかと私は考えております。地域社会の費用を地域住民がみんなで負担し合っていくんだと、そして自治体を構成していく、こういう考え方がいわゆる負担分任の原則といわれるようなものの考え方ではなかろうかというふうに考えております。これにつきましては、住民税について御指摘がございましたが、税制調査会の答申におきましても、「住民税は所得税と同じく所得に対して課する税であるが、所得税と異なり地域社会の費用をその住民がその能力に応じて広く負担する性格をもっている税である。したがって、住民税は、所得税に比較してより広い範囲の納税義務者がその負担を分かちあうべき性格のものであるので、その課税最低限は、所得税の課税最低限と一致させる必要はないと認められる。」というふうに述べられておりまして、現実の住民税の課税最低限が妥当であるかどうかにつきましては、いろいろ御議論もあろうかと思いますけれども、所得税と同じでなければならないというふうには税制調査会でも言っておられないということでございます。
#172
○和田静夫君 時間がないのでやりにくいのですが、大臣ね、私いまお聞きをしたのですけれども、住民税の負担分任という論理を貫徹させたら、私は、均等割りを上げろという結論は出てきても、課税最低限の低さを説明する理屈づけにはならないと思うのです、この間の竹田さんとのやりとりを聞いておりまして。課税最低限というのは、むしろ住民税の負担分任という論理がストレートに貫徹させられなくなってくる。地方税の面でも社会政策的な観点というものを導入しなければならなくなったからこそ私は出てきた概念だと、少なくともそう思います。そういう意味では、この柴田事務次官が述べているのですが、この「自治から言えば、税金が高いからこそ、今度は自分が払った税金を何に使うのかといって住民が目を光らせる。払っても痛くもかゆくもないような税金なら関心をもたない。たった百円かそこらの均等割りだけなら、くれてやったようなつもりでいるから、一向に関心がない。それではもっと均等割りを上げろ、こういうことになる。」という発言のほうが、現実味はなくても、論理は一貫すると思うのですが、その点はいかがですか。
#173
○政府委員(松島五郎君) 負担分任と申しましても、その負担分任を税の上でどれだけのウエートを持って考えていくかという問題であろうかと思います。負担分任ということが許されるならば、いかなる場合もそれだけで問題が解決するかと申しますと、私はやはりそうではないと考えます。そこで、均等割りというところである程度負担分任を求めるという点は、これはまあ所得の大小にかかわらずという形で求める限界を一応均等割りという形で考えている。しかしながら、さらに所得割りという段階において負担分任と応能負担ということをどう調整していくかということが、所得割りのあり方であり、同時に課税最低限のあり方ではないかと考えるのでございます。所得割りのほうは全部応能負担に徹底すべきだという考え方をとりますならば、所得税と同じような、あるいはそれ以上の累進課税をするということも考えられます。しかし、住民税の性格からいって、所得割りにおいてもある程度の負担分任ということも念頭に置きながら税率を考えるということになれば、課税最低限なり税率なりというものは現在のような姿でも合理的ではなかろうか。さらにもう一歩進めるならば、所得に応じて負担をするというこの負担のしかたは、累進課税のみが所得に応ずる負担のしかたであるというわけでは必ずしも、これは考え方の問題でございますけれども、ない。たとえば比例税率によっても、十万円の人は一〇%ならば一万円であり、二十万円の人ならば同じく一〇%で二万円納めていただく、これもやはり所得に応ずる負担のあり方であると同時に、一面においては負担分任的な要素が強く入れられているというふうにも考えられると思うのでございまして、要するに、負担分任といったら、それだけでもって地方税が割り切れるものでもなく、また応能負担であれば負担分任は全然考えなくてもいいというものでもなく、やはりその辺の調和をどこに求めるかという問題ではなかろうかというふうに考えております。
#174
○和田静夫君 柴田事務次官がさっきのあれと一緒に、第四回の都道府県出納職員研修会における講演で、「現在の住民負担は重いのか軽いのか。なるほど、住民税については、課税最低限が低い、高いという主張がある。所得税についても、所得百万円までは負けてやりたいという議論がある。自治というものの本来の思想からいうならば、自分たちが自分たちの財布で、自分たちの頭を使ってやるということなのです。仕事がしたければ、そして金がなければ自分たちが出し合うのがあたりまえだ、こういうことになる。そうすると、住民税は少々高くてもかまわないじゃないかということになる。住民税を払ったら、めしも食えずに、首をくくって死ななければならないという場合は別でありますが、生きておられる程度なら、住民税を払ってもおかしくないじゃないかというきびしい議論になって出てくる。」、
  〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕
大臣、柴田さんが言う、首をくくって死ななければならないという場合は別だが、生きていられる程度ならば住民税を払ってもおかしくないという議論を、一体だれがしているのですか。野田自治大臣、あなたを含めて自治省がやっていらっしゃるのですか、それとも他のだれかがこういう議論をやっているというのですか、よけいな理屈は要らない、この質問そのものにずばりと答えていただきたい。
#175
○国務大臣(野田武夫君) いまの住民税に対する自治省の見解ということでしたが、私はそれは初めて聞いたのでして、自治省全体は、そういう考えは私責任者として毛頭ございません。しかし、個々の理論的な、体系的といいますか、理屈は、これはありましょう。これは私は、個人個人の議論は自由にやってよろしい。いやしくも私がいま責任をとっている自治省としては、そういう考え方は持っておりません。
#176
○和田静夫君 じゃ委員長、これでやめます。
 いま言われたように、柴田事務次官にしてもそうですし、これ一々全部持ってきているのですが、これらの中に書かれている皆さんの論文が、実は自治の概念を私は逆手にとって住民税の軽減にブレーキをかけていらっしゃる。少なくとも大臣は住民税は高過ぎるという常識を持っていらっしゃる、いまの答弁の中からそのことをくみ取って私の質問をやめます。
#177
○阿部憲一君 四十四年度の地方税財政政策についての答申の中に、「日本国有鉄道については、財政再建期間中、国鉄納付金を大幅に軽減すべきであるとの意見もあるが、国鉄納付金については、その公共性を考慮し、すでに負担軽減について配慮がなされており、現行制度以上の軽減措置を講ずることは、市町村財政に与える影響同種資産の固定資産税負担との均衡等からみて妥当でない。」、こういうふうに結論づけておりまするが、大臣はこの答申をどのように解釈しておられますか。
#178
○政府委員(松島五郎君) 先に私から一応お答えをさしていただきたいと思います。
 地方制度調査会の四十四年度の地方税財政対策についての答申の中には、御指摘のありましたようなことが指摘されております。この問題につきましては、御承知のとおり、他面国鉄当局からは軽減をして全廃をしてもらいたいという要望が昨年度ございました。また、去年の暮れごろからは、国鉄再建推進会議の意見書等もございまして、大幅な軽減をしてもらいたいという御要請がございました。これらの事情を考えながら、一方では市町村財政の状況ということも念頭に置きながら、一方においては国鉄の現在置かれている財政事情というものを考慮しながら、どこに調整点を認めるかということで、実は今回提案申し上げているような軽減措置をとったわけでございます。地方制度調査会ではこれ以上考える必要なしと言っておられますけれども、いま申し上げましたような諸般の事情を考慮した上での決定でございますので、御了承いただきたいと思います。
#179
○阿部憲一君 結局、結論はいま二十五億円の減額になったわけですけれども、国鉄にとりましても、二十五億円減額されたということだけで、再建計画に対してはあまり影響もないわけでございますけれども、この辺はどういうふうにお考えですか。
 それからもう一つ、いま私の質問申し上げた中で、「同種資産の固定資産税負担との均衡等からみて」、すなわち同種の専売や電電公社との均衡ということについてお答え願いたいと思います。
#180
○政府委員(松島五郎君) 二十五億円が国鉄財政にどれだけ寄与しているかという問題でございますが、先ほど竹田委員からも御指摘がございましたように、今年度だけの措置でなくて、昭和四十七年度三月三十一日までに建設されました資産につきまして、あるものはその後五年間、さらにあるものはその後さらに五年間というふうに軽減をいたしますので、国鉄にとりましてはほぼ再建期間に見合う期間軽減の適用を受けるわけでございまして、その総額もかなりのものになりますので、累積をいたしましたならば、やはり国鉄にとっても相当の軽減になり、国鉄財政の再建にも寄与する面が大きいのじゃないかというふうに考えております。
 それからなお、御指摘のございました同種資産との均衡の問題でございまして、これは御指摘のように、専売公社、電電公社との比較をとりますならば、問題があるところでございまして、従来私どももそういう観点から、国鉄納付金について軽減をはかることは必ずしも適当でないという見解を持ってまいりました。しかし、国鉄の財政事情が御承知のような状態になってまいりましたので、軽減措置を講ずることといたしたわけでございますが、その場合におきましても、ただ国鉄がお困りになっているから軽減をするというのではなくて、現在私鉄等についてとられております固定資産税の軽減措置との均衡ということを考慮し、すなわち同種の固定資産で最も近い固定資産でございます私鉄との均衡ということも念頭に置いて今回の措置を講じている次第でございます。
#181
○阿部憲一君 そうしますと、結局今度の二十五億円の措置というのは、来年度以降もずっとこの軽減問題が起こるわけでございますか、継続するわけですか、そういうふうに解釈してよろしいですか。
#182
○政府委員(松島五郎君) 先ほども申し上げましたように、今年は二十五億円でございますけれども、来年は二十九億円程度になる見込みでございます。さらに昭和四十六年度には三十三億円程度になる見込みでございまして、自後こういう形で推移していくということでございます。
#183
○阿部憲一君 都市税制についてでございますが、特に最近は大都市すべて交付税の交付団体になり下がってしまいましたが、これは税制のひずみに起因していると考えますが、この点どういうふうにお考えですか。
#184
○政府委員(松島五郎君) 大都市がすべて交付税の交付団体になってまいりましたことは、結局は財政需要の著しい増高に対処するための税収入の伸びが相対的に少なくなったというところに原因があるわけでございまして、そういう点から申しますと、御指摘のとおり、税制に問題があるということは言えると思います。ただ、それでは税制のどこに問題があるかということになりますと、これは分析のしかたによっていろいろな議論ができると思います。御承知のとおり、市町村税は市町村税収全体のうちの四割が市町村民税でございます。あとの四割が固定資産税であったのでございますけれども、固定資産税の伸びが御承知のとおりに非常に停滞をしているということから、最近市町村税の中におきます固定資産税のシェアというものがだんだん低下をしてきている実情にございます。こういったこともやはり、大都市のみならず、市町村の税収入が伸び悩んできているという大きな原因ではなかろうかと考えております。
#185
○阿部憲一君 大都市は人口や生産、消費すべてが集中しておりまして、税の負担能力から見ても、一番比較的富裕であることは明白なわけですが、しかるに、富裕であるべき大都市が、国からの交付税を受けなきゃやっていけないということの理由ですね。これは、いまお話がありましたけれども、結局税制のひずみという問題だと思いますが、またさらに現在の市町村税制の仕組みにも原因があるし、これらについてもう少しお伺いしたいと思います。
#186
○政府委員(松島五郎君) 先ほども竹田委員の御質問にお答えをいたしましたように、現在の市町村税制は、市町村が地方団体のうちでは基礎的な団体であるという考え方から、市町村の住民が税制の上においても直接市町村に納める税金、もう一つは市町村の中に住居を有する方が市町村に納める税金、こういうような税制で構成することが適当であるという考え方から、市町村民税と固定資産税を中心として現在の市町村税制が組み立てられていることは、御承知のとおりでございます。ところが、最近の大都市等の状況を見てまいりますと、単に大都市の財政需要がそこに住んでいる方だけによって起こるんでなくて、近隣の市町村から通勤をされる方によって昼間の人口が非常にふえる、その人たちが働かれる場所あるいはその人たちの働きによっていろいろな財政需要が起きてきているというのが現状でございます。そういうふうに住所地を離れた市町村において生ずる財政需要というものに対応するためにはどういう税制がなければならないかという問題が、最近の問題として新たに起こってきているのではないかというふうに考えられます。現在の税制は、いま申しましたように、住んでいる人が住んでいる町に税金を納めるということを中心にして考えられておりますけれども、今日のように昼夜間の人口の移動が激しいという状態では、必ずしもそういう税制だけでは事態に対処できないという面が出てまいっております。そういった問題を含めまして、今後市町村税制のあり方を検討していきたいと考えておるのでございます。
#187
○阿部憲一君 この都市税制について、税制調査会の長期答申の中にも、都道府県に比して市町村の歳入中に占める税収入の構成比は年々低下して
 いるという実情をあげて、市町村、特に都市税制の充実を指摘しております。政府もこれを十分認識していると思いますが、改正法案を見ますと、住民税減税が中心であるとはいえ、結果的には減税の犠牲を市町村に多くしわ寄せし、何ら市町村税制の充実を考慮していないというふうに見受けられます。四十四年度の地財計画を見ましても、市町村税の伸び一七%に比して、都道府県税のほうは二三・一%と、依然その格差が続いておりますが、いまこそ国と地方を通ずる税制の配分が必要と考えられますが、この点をどう考えられますか。
#188
○政府委員(松島五郎君) 御指摘のとおり、最近府県税の伸びに比べまして市町村税の伸びが相対的に落ちてきております。これを何とか改善をいたしたいということを私どもかねがね考えてまいっておりまして、昨年度自動車取得税を創設をさしていただきましたが、その自動車取得税を一応府県税として起こしましたけれども、いま申しましたような市町村税の事情から、その三分の二は府県から市町村に交付するということで、市町村財源の充実をできるだけはかっていきたいという配慮を加えてまいっておるのであります。ただいまお示しになりました昭和四十四年度におきます府県税の伸び、市町村税の伸びは、御指摘のとおり、府県は二三・一%、市町村は一七%でございますが、いま御説明申し上げました自動車取得税の市町村に交付されます分を含めまして伸び率を計算いたしますと、府県税は二二%に下がり、市町村税は一八・四%に若干上がってくるという状況でございます。私どもといたしましても、やはり今日の市町村税の状況を考えまして、できるだけ市町村税の充実をはかる方向に持っていきたい。今回提案をいたしております道路譲与税の配分方法の改正等も、そういった点から、大都市へできるだけ道路財源の充実をはかりたいということで提案を申し上げている次第でございます。
#189
○阿部憲一君 昨年の五十八国会におきまして、地方税改正の審議にあたって、「大都市については、その財政の実態に鑑み、税源の充実を検討して明年度において具体化に努めること。」――この本委員会の附帯決議がつけられましたが、この決議をどのように尊重してこの法案に反映させておられますか。また、これで十分であるとお考えになりますか。
#190
○政府委員(松島五郎君) 大都市財政の問題につきましては、しばしば附帯決議もいただいております。私どもも、税制調査会にもはかりまして、御検討をいただいてまいったところでございます。税制調査会の答申におきましては、一つには都市計画税の税率の引き上げ、もう一つは地方道路譲与税の配分方法の変更という、二つの点を具体的にあげて答申をされておられるのでございますが、そのうちの都市計画税の税率の引き上げにつきましては、御承知のとおり、現在、都市計画税、固定資産税につきましては、負担調整措置というようなことが行なわれておりまして、毎年新評価に近づくべく若干ずつ税負担が上がってきている現状でございますので、その際にさらに税率を引き上げることは住民負担の上からいってどうだろうかということで、税率の引き上げのほうは見送りにいたしました次第でございますが、道路譲与税の配分の方法は、答申にもございましたので、今回譲与税法の改正として提案を申し上げているわけでございます。
 なお、これで十分かというお尋ねでございますが、今日の大都市財政需要の増高の状況、あるいは税収入、あるいは税収入の状況等からかんがみまして、決して私どもこれで十分だとは考えておりません。今後とも引き続き大都市財源に努力いたしたいと考えております。
#191
○阿部憲一君 いまお話ありました地方道路譲与税の譲与基準の改正は、道路実態からして当然の措置だと考えられますが、指定都市すべて交付税の交付団体である現状からしまして、当面は実質上の財源強化にはならないのではないか、こういうふうに考えられますが、その点いかがでしょうか。
#192
○政府委員(松島五郎君) 大都市財源の強化の方法をどういうふうに考えるかという問題でございますが、交付税と差し引きになるから充実にならないということになりますと、かりに一般の税がふえましても、やはりその分だけ交付税が減ってまいりますから、それは充実にならぬということにもなるわけでございまして、大都市側としましては、やはり国から交付される交付税でなく、自主財源としての、できるだけみずから調達する財源の充実が望ましい。それの第二の問題としては、少なくとも譲与税のような税の形のものが望ましいということを言っておられるわけでございまして、御指摘のとおり、交付税と差し引きをしていくということになりますと、どんな税金でもそれだけふえた分だけは交付税が減っていくということになりますので、問題はございますけれども、やはり自主財源ないしはそれにできるだけ近いものを増強していくという意味ではお役に立っているのではなかろうかと考えております。
#193
○阿部憲一君 この地方道路譲与税の譲与基準の合理化は、具体的にどのような配分方法を行なうのか。たとえば横浜市とかあるいは大阪市についてどのくらい増額になるのか、示していただきたい。
#194
○政府委員(松島五郎君) 現在は、都道府県道及び指定都市が管理をしております国道、都道府県道の面積と延長とに単純に案分をいたしております。で、今度はそれを補正することができるようにいたしまして、その補正の方法といたしましては、国道、地方道の区分に応ずる補正、砂利道、舗装道の区分に応ずる補正、橋梁の補正――橋梁は経費がよけいかかりますので、その辺を考えるための橋梁の補正、それからやはり、五大都市と申しますか、指定都市におきます道路の財政需要というものを考えてみますと、交通量が絶対的に多いという問題でございます。そこで、交通量の多い状況をどう配分基準に反映させるかということで、私どもいろいろ調査をいたしておりますが、交通量は結局自動車台数に比例し、自動車台数は結局人口に比例するというのが今日の状況でございますので、道路面積当たりの人口、いわば道路に対する人口密度と申しますか、そういうものを基準にして、それを補正するということによって大都市の道路交通の実態を反映させるようにしてまいりたいと考えているわけでございます。
 なお、個別の市についてどの程度かけるかというお尋ねでございましたが、いま個別の市の資料を持ち合わせておりませんが、今回の配分方法の改正によりまして、現在道路譲与税がこれらの指定都市に約十六億円程度交付されておりますが、改正案で一応私どもが試算しておりますところによりますと、五十一億円程度。約三十五億円程度ふえるということでございまして、三倍以上になるということでございます。
#195
○阿部憲一君 そうすると、いまお尋ねした横浜市だとか大阪市だとかいうところについても、大体それに案分してふえるというふうに考えていいわけですか。
#196
○政府委員(松島五郎君) いまの三十五億円程度ふえますものが、それぞれの横浜市なり大阪市に交付されるわけでございますが、それは、先ほども申し上げましたように、道路の延長面積とそれから道路延長面積当たりの人口密度というようなものを基準にしてそれぞれ配分されるということになるわけでございます。
#197
○阿部憲一君 今回の改正法案は、結局大都市財政の強化を考慮されているとは思いません。今後真剣に大都市税財源の強化をはかる考えがおありになるか、もしありとすればその方策、またいつ実施する考えなのか、ひとつ伺っておきたいと思います。
#198
○政府委員(松島五郎君) 先ほども申し上げましたように、大都市税制の問題につきましては、私ども引き続きその充実の方向で検討を続けてまいりたいと思います。ただ、いつこれを具体的にどういう形で実施するかということになりますと、大都市でありましょうとも、あるいは市町村でありましょうとも、税の収入をふやすという道は二つしかないと私は考えております。一つは、国民に現在求めております負担以上の負担をさらに求めることによって税収入をふやすという方法が考えられます。もう一つは、国、府県、市町村を通ずる税源の再配分をすることによって、できるだけ国なり府県から市町村に税源を移譲して、大都市税源をふやしていくという考え方であろうと思います。で、前者につきましては、やはり今日の国民負担の現状から申しまして、できるだけ国民負担の軽減が要請されております現段階において、大都市のためだからといって、いたずらに税負担をふやしていくということはできるだけ避けていかなければならないと思います。もちろん、その税種によって、さらに負担を求めてしかるべきものもあるいはあるかもわかりませんけれども、原則的にはやはりできるだけ避けていくべきだと思います。そうなりますと、結局第二の方法でありますが、国府県を通じて税源の再配分ということを中心に考えていかなければならないということになろうと思います。その場合、国なり府県なりは、やはり現在の税制のもとでそれだけの税収入が得られるということで運営いたしておるわけでありますから、ただ右から左に税収を移せば、それで大都市問題はかりに解決いたしましても、移された側ではまた問題が出てまいります。そこで、やはりこの問題を考えていきますためには、行政事務の配分というようなものもあわせて考えて、あるいは国なり府県なり市町村なりが受け持つべき役割りというようなものをどこに置くかということもあわせて考えて検討していかなければならないと思うのでございまして、そういう意味では、私ども決して逃げるわけではないし、前向きの検討は引き続きいたしたいと思いますけれども、来年からとか再来年からとかという確たる時期をいまの段階で明確に申し上げることは困難でございます。
#199
○阿部憲一君 いまお答えのとおりに、私たち国民の負担をこれ以上増すということは当然避けなければならないと思いますが、ただ、行政事務の再配分ですか、結局そのようなことでひとつ大都市税の強化、財源の強化というものをはかっていただきたいと思いますが、この大都市税制のあり方につきまして法人課税の充実等の問題を含めて検討する必要があると、こういうふうに地方制度調査会では答申していきますが、法人課税の充実についてどのようにお考えでしょうか。
#200
○政府委員(松島五郎君) 先ほども申し上げましたように、今日の大都市の財政需要というものの起こって来たります原因を考えてみますと、一つはたくさんの方が大都市へ来て通勤をするために生ずる財政需要がございます。しかし、たくさんの方が大都市に集まってきて、そのために生ずる財政需要というものをさらに分析して考えますと、結局、そこに大きな企業があって、そこへ通われる人が集まってくるということであり、大きな企業があるということは、そこに法人企業が行なわれているということであり、そういう点から、大都市税制の充実をはかるためには法人課税というものをもう少し強化したほうがいいんじゃないか、こういうのが地方制度調査会の御意見ではなかろうかと考えております。
 そこで、具体的にこれをどうしていくかという問題でございますが、法人課税の充実と申しましても、先ほども申し上げましたように、法人に対する税をこれ以上ふやすという前提に立ってものを考えるとか、あるいは国と県、市町村間における法人課税の配分方法を検討するという形でいくのか、こういう問題があるわけでございます。これらの点につきましては、御承知のとおり、法人課税と申しますか、企業課税のあり方そのものについても実は国税としても問題があります。現在は法人税は、いわゆる法人擬制説という考え方に立ちまして、法人は個人が集まってお金もうけをする機関にすぎないんであって、結局その所得は個人に帰属していくんだ、したがって個人の段階で所得税として課税すべきであって、法人として課税するのは個人所得税のいわば源泉徴収であるという考え方から、配当控除なんという制度も、いろいろ批判されておりますけれども、あるわけでございます。そういう課税のしかたはおかしいという意見が一方にございます。法人は法人自体として実在する存在であるから、個人との関係を考えずに、法人自体に負担を課すべきであるという議論もございます。そういった場合に、課税の基本的な問題について、現在税制調査会でいろいろの角度から検討が行なわれております。私どもは、その一環として、法人課税のあり方と、その法人課税を国、府県、市町村間でどう配分するかという問題もあわせて検討をお願いしてまいりたいと考えております。
#201
○阿部憲一君 自治省は、個人の住民税、それから個人の事業税についても軽減合理化をはかったと言っておりますけれども、所得水準が向上し、しかも消費者物価がウナギ登りに上昇している今日、この程度の減税措置では、焼け石に水であり、サラリーマンの苦悩は決して消えるものでありません。国へ二年連続でもって四百五十億、それからことしはさらに六百九十億円を出す余裕がありながら、要するに高級料亭の料理飲食税を軽減するほどならば、住民税の課税最低限を所得税並みに引き上げるというのは当然だと思いますが、その辺お伺いいたします。
#202
○政府委員(松島五郎君) 個人住民税の課税最低限の引き上げにつきましては、御指摘のとおり、まだ不十分であるという御意見も各方面から私どもも承っております。ただ、地方税制といたしましては、昨年に引き続き課税最低限のかなり私どもとしては思い切った引き上げをしてきているわけでございまして、その意味では、若干なりとも減税の御要請におこたえをしておるのではないかというふうに考えているわけでございます。
 いま御指摘のございました六百九十億の問題でございますけれども、これは、先ほども申し上げましたように、六百九十億は今後永久になくしてしまうと申しますか、切ってしまうというものではございません。四十四年度につきましては、四十三年度からの繰り越しを引き当てに一応四十五年度に送るというだけでございまして、それは四十五年度以降に返ってくるものでございます。一方減税は、一たん減税をいたしますと、その減税分というのは永久にやっぱり減税として残っていくわけでございますから、一年限りの今回の交付税の措置とイコールであるというわけにはいかないことを御了解いただきたいと思います。
 なお、料飲税のことについてもお触れになりましたけれども、料飲税の減税はいろいろな御意見もあろうと思いますけれども、税率の引き上げによって生じます減収は今年度十三億円程度でございまして、これをやらなかったら大幅な住民税の減税がなおできるほどの額ではないというふうに考えております。
#203
○阿部憲一君 この所得税の納税義務者と住民税の納税義務者との納税人口の比較はどうなっていますか、ちょっと説明をいただきたい。
#204
○政府委員(松島五郎君) 住民税の所得割りの納税義務者が昭和四十三年度の実績見込みで二千四百六十九万六千人でございます。これに対しまして、このうち所得税を納められておる方が千八百五十三万八千人でございます。なお、国税の統計によりますと、所得税の納税義務者はもっとたしか数が多くなっているかと記憶いたしておりますけれども、これは所得税の場合は、たとえば給与で納められた方が同時にほかの所得があって納税義務を別な所得で出しますとそれぞれ一人に数えられている統計上の問題ではなかろうかと思っております。
#205
○阿部憲一君 その住民税が重いと常に言われますのは、所得税との格差があり過ぎるということと、それからもう一つは標準税率を越えて課税している超過課税であると思います。この交付税では地方団体間の行政水準の格差をなくしていこうと種々配慮して各種の補正を行なっておりますが、一方では依然として超過課税が行なわれております。自治省はこの住民負担の過重について基本的にはどういうふうにお考えですか。
#206
○政府委員(松島五郎君) 制限税率の制度に従いまして、標準税率を越えて制限税率まで課税できるといういわゆる超過課税の制度は、地方団体が自治団体であるということから、何か特別の財政事情があった場合はそれなりに住民に負担を求めることができるような道を開いておこうという考え方に出るものであると考えております。ところが、現実の運用を見てみますと、特別の財政事情――もちろん財政事情があるからではございましょうけれども、何か特別のことがあったからということよりか、一たんこの超過課税をいたしますと、ことばは適当でないかもしれませんが、慢性的あるいは固定的になりがちだというのが現状でございます。そこで、私どもはそれはやはり現在の制度の趣旨からいっても適当ではないと考えておりますので、この解消あるいは軽減と、極力その方向で進めるように、市町村に対しても指導をいたしております。ことしに入りましても、昭和四十四年にはぜひ計画を立てて、ここ二、三年のうちにそういった問題を解消するようにという指導を続けてきておりまして、現在までの市町村のほうからの報告によりますと、来年度から――来年度と申しますか、もう新しい年度に入りましたが、昭和四十四年度から現在やっております超過課税の税率の軽減ないしは解消ということを計画しております市町村が三百三十二市町村という報告をいただいております。かなり市町村のほうも熱意を持って私どものほうの要請にもこたえていただいておるものと考えますが、今後においても引き続きその方向で努力をしてまいりたいと思っております。
#207
○阿部憲一君 いま自治省から、超過課税を解消するようにという指導並びに通牒を各市町村に出されていると承りましたけれども、これはもしほんとうに超過課税の不合理というものをなくそうとするならば、むしろこのような行政措置を通じての引き下げでなくて、税法そのものを改正して、制限税率を引き下げるとか、また標準税率に戻すとか、こういうことはなさらないのですか。
#208
○政府委員(松島五郎君) これはまあ地方税制の基本的な考え方の問題でございますが、やはり自治団体として、財政の自主権と申しますか、自主性を持ってるという面からいえば、たとえば何十年に一回か村で学校をつくるというようなときには、ある程度の負担を求めることができる道を開いておくということが、やはり税制としても一つの考え方でなかろうかと考えております。したがいまして、制度それ自体を全部この際廃止してしまうということは、私どもとしては現段階では考えておりませんが、ただその運用につきましては、やはりその制度が設けられております趣旨に沿うように弾力的に運用すべきである。したがいまして、固定的になり慢性的になるというような運用のしかたというものは、ぜひ私どもは改善をしていきたいということで努力をいたしておるわけでございます。
#209
○阿部憲一君 自治省はこれらの超過課税を行なっている市町村に通達をお出しになったそうですけれども、これは時期がおそかったために、市町村の定例議会に間に合わずに、次の五月とか六月の定例議会までに解消してほしい、このように指導なさってると聞きますが、超過課税の解消は、いまもお答えになったように、非常に遠く、なかなかむずかしい問題でありますし、これらの市町村がしかも過疎地帯の市町村であり、税収は少なく、行政水準も低く、その向上をはかるための特別の財政事情であって、この背に腹はかえられないわけでございます。やむにやまれず超過課税を行なっているのが実情だと思います。ですから、もしも国の言うとおりに超過課税をやめると、町村の財政に大穴があくというのが実情じゃないかと思います。ですから、これはただ指導とか通達だけで片づくような簡単な問題ではなくて、むしろ根本的な国のあたたかい財政援助がなければ解決できないのじゃないかと、こういうふうに思うのでございます。特に住民税に対する不満は、ただ高過ぎるというだけでなくて、居住地によって税額が違うという点もございます。同じ県内でありながら、隣の町より税金が高いとか、また東京や大阪のような大都市への通勤者で、居住地は寝るだけだというサラリーマンが、会社の同僚よりも相当たくさん住民税を払っている例が幾らもあります。しかも、税率の高いところほど財政事情も悪く、道路、下水など住民の生活環境もおくれ、住民サービスの向上は早急に期待できない、これが実情だと思います。しかも、よそより高い税金を取りながらというような住民の不満の声も高まっているわけでございます。したがって、この超過課税の問題については、結局国があたたかく解決してやろうということでなければならない、これが実際の政治じゃないかと思いますが、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#210
○政府委員(松島五郎君) 御指摘のとおり、超過課税を行なっております市町村は、財源が少ないために、そういう住民の方にも大きな負担を求めなければならないという実情にあるものというふうに考えるものでございます。それはやはり基本的には、そういう市町村の財源充実ということをはかっていくということが必要であると思います。自治省といたしましては、交付税の基準財政需要額等の計算にあたりましても、できるだけ財政の貧弱な市町村に対する交付税交付が傾斜的に増額されるような配慮を行なってきているわけでございますけれども、ただ実際の状況を見ますと、そういう一般的な配慮のみではなかなか問題が解決していかないというのが実情でございます。そこで、私どもも、そういうことをすることの是非についてはいろいろ議論もございましたけれども、ただ単に超過課税を解消しなさいというだけでは問題が解決しませんので、超過課税の解消を計画的にやるところについては特別交付税の配分にあたってもその減収分について相当程度の配慮をしていくという用意を持っておりますことを関係市町村にも通知をいたしまして、できるだけその方向に進んでもらう、そういうことにいたしたわけでございます。
#211
○国務大臣(野田武夫君) 非常に大事なところですから、私から御答弁いたします。
 いま税務局長からお答えいたしましたとおりの考え方で四十四年度の地方財政に当たりたい。そこで、できますれば、この超過課税というものは、これはまことに、地方住民としてきわめてこれは負担の重いお気の毒なことでございますから、まあ一ぺんに、一年間ですぐ解消するということは、これなかなか率直に申してむずかしい。少なくとも三年ぐらいかかるのではないか。実際の効果があがるようにしたい。それには、いま局長が申しましたとおり、地方交付税、特にこの特別交付税においてひとつ十分配慮しよう、こういう方針を、四十四年度の財政計画の討議を省で大体打ち合わせておりまして、それを実行いたしたい、こう思っております。
#212
○阿部憲一君 専従者控除につきまして、青色申告者の専従者控除は、所得税と同じく完全給与制をとり、白色申告者の控除を今回四万円引き上げられまして十五万円となったと思いますが、青色、白色の差はまだ若干残っておりますが、専従者控除についてはもう青色と白色とこの差別をつける時代ではないように思いますが、この点はどういうふうにお考えでしょうか、また一体いつまでにこの差をなくするお考えか、承りたいと思います。
#213
○政府委員(松島五郎君) 青色申告者につきまして完全給与制といたしましたのは、やはり帳簿書類の整備が行なわれておる。したがって、給与として真実に支払われたものが幾らであるかという確認の方法がある。しかしながら、白色申告の場合には、そういった帳簿等の整備を義務づけられているわけでもないので、特に事業専従者と申しますと家族に対する給与の支払いでございますから、実際に幾ら支払われたかということを確認する方法がないというようなことから、現在、片っ方は定額制による限度が設けられ、片っ方は完全給与制と言われる限度なしになったわけでございます。そういう基本的な相違と申しますか――がございますので、いま直ちに私どもとしてこれを一致させるということにはちょっとなかなか踏み切れない問題があろうと思います。しかしながら、これはいずれにいたしましても、今回国税と合わせましたのは、国税、地方税を通ずる共通の問題でございますので、今後引き続き国税と合わせまして私ども検討してまいりたいと思っております。
#214
○阿部憲一君 最後に一言質問を申し上げます。
 例の固定資産税の評価がえをやるように新聞には出ておりますが、三十九年度から調整措置をやった。その調整措置の終わらないところもあります。その状況をひとつお伺いしたい。
 それから、宅地におきましてはどのくらい評価額が高くなるのか、いままで調整措置が終わらないところはどうするのか、その時点でやるのはよいのかどうか、これを伺いたいと思います。
 それからなお、この固定資産税の評価がえというのは、結局大衆課税というふうにもなると思いまするが、結局そうしますと、この借地料、借家料の高騰というようなことにもはね返ってくるような気がします。そうすると、結局いま問題の物価、特に土地に関する物価騰貴というものにも大きな影響を及ぼすのではないかと思われますが、その辺御返答を承りたいと思います。
#215
○政府委員(松島五郎君) 昭和三十九年に固定資産の評価がえをいたしました結果、土地は全国平均四・二四倍に上がったわけでございます。そのうち宅地は約六・三倍まで平均いたしまして上がりました。平均で六・三倍でございますから、したがいまして上のものは十倍にも十五倍にもなったものもあるわけでございます。そこで、急激な税負担の増加を求めることは負担の面からいって適当でないということで、負担の調整措置を講じてまいったわけであります。負担調整措置は、昭和三十九年の課税のときには一律に二割増しまでということでございましたが、四十一年から評価の倍率に応じまして一割、二割、三割増しでもって負担の調整をいたしてきております。現在までに負担調整が済みました地籍の割合を申し上げますと、昭和四十三年度で全国では八・一%程度でございます。四十四年度が済みまして九・七%――約一〇%程度がようやく負担調整手続が済んで新評価に移行している、こういうことでございますが、御指摘のとおり、この上にさらに新しい評価を積み上げるということになりますと、かなりそれをどう調整していくかという問題が残るわけでございます。現行法のままでございますと、評価がえをいたしましても、その負担は現在の負担調整措置が先に延びていくというような形になるわけでございます。たとえば、現在三倍半になっておるものが、評価がえをしました結果、三十八年度に比べて五倍になったと――現在の評価の一・何倍かになって、かりに三倍のものが五倍になったといたしまして、二割なら二割増しのままでずっと先へ延びていく、こういう形になるわけでございます。しかし、評価がえをして、現在でもまだ全体の地籍の八%、今年度が終わりましても一〇%程度しか新評価に移れないという状態で、さらに評価がえをして新評価への移行が先に延びるということがはたして適当かどうか、こういう問題が別にございます。特に最近土地税制の問題として、土地の有効利用が進まないのは固定資産税が安過ぎるからではないかという御批判もかなり強いものがございます。そういった面から、この問題をどう考えるかということは、当然来年度の問題として考えていかなきゃならぬところだと思います。しかしながら、固定資産税は単に土地対策の面だけから考えて問題が済むものではございません。おおよそ住むところあれば土地があるわけでございまして、すべての人がやはり税負担をしていかなければならぬという面を考えますと、土地対策の面からだけ固定資産税は幾ら上がってもいいというわけにはまいりません。その辺の調整をどうするかという問題も残ろうかと思います。私どもといたしましては、そういった問題の、評価が一体どの程度上がるかという問題と関連させながら、明年度の課題として検討を進めていきたいというふうに考えておりまして、現在評価がどの程度上がるかという点につきましては、市町村にいろいろと売買実例の調査とか、そういう基礎資料の収集をお願いをしておる段階でございまして、いまの段階で、全国的にどの程度上がるかということについて、何と申しますか、ここではっきりしたことを申し上げるほどの資料を持ちあわせておりませんが、ただ、不動産研究所とか、そういったところの間接的な資料は持っておりますけれども、これも部分的なものでございますので、これでもって全体を推すということはなかなかむずかしいと思います。特に大都市周辺あたりでは非常な倍数で上がっておりますけれども、またいなかへ行けばそれほどでもないというところもございます。そういった問題も考えあわせながら、もう少し市町村における調査が進んだ段階で、評価の上がり方と税負担の調整のしかたという問題について慎重に検討しなければならぬというふうに考えております。
#216
○阿部憲一君 そうしますと、結局四十五年度に評価がえするということは、何といいますか、確定的というわけじゃないのでございますか。これも情勢を見てから四十五年度――来年度にやりたいというようなお考えでしょうか。
#217
○政府委員(松島五郎君) 四十五年度、御承知のとおり、固定資産税は三年ごとに評価がえをする、こういうことに法律上きまっておりまして、ただ、四十二年度のときは、特別の法律が出まして、四十二年度に限って評価がえを原則としてやらないということになったのでございますけれども、これから後のことにつきましては、三年ごとに評価がえをやるというのは法律上の原則でございます。したがいまして、評価がえをどうしてもやらなければならない。ただ、その評価がどの程度上がるかという全国的な見通し並びにそれに伴う負担調整をどういうふうにしていくかという問題について、四十五年度の問題として私ども検討し、また国会でも御審議をいただく、こういうことになろうかと思います。
#218
○原田立君 ごく簡単にお聞きしたいと思うんですが、今回の減税措置によって約八百七十億円が減税になった。まあ自治省は自画自賛してたいへん自慢の減税ができたとしていばっているわけだけれども、それはそれとして、お聞きしたいのは、これだけ減税してなおかつ四十四年度の実収増は四十三年と比べてどれだけふえているか、その点ちょっとまずお聞きしておきたい。
#219
○政府委員(松島五郎君) 府県税、市町村税を通じまして四千七百二十九億でございます。
#220
○原田立君 約四千七百三十億ぐらい四十三年度から伸びていますですね。これは非常に大きい伸びだと思うんですよ。大臣、局長は事務的なお答えですから、大臣にお伺いしたいと思うんですが、四千七百三十億くらいの、約二〇・三%、もうたいへんな伸びをしている。このときにあたって、減税八百七十億では少ないんじゃないか。もっと手厚い手当てをしてもよかったんではないのか。政治的判断の問題ですが、それと、もう時間があれですから何でも言つちやいますけれども、住民税の減税ですね。住民税の課税限度額については、もっともっともう課税限度額を引き上げるべきだと強い御発言、皆さんだれもあるわけです。四千七百億も四十三年度から比べて多いんですから、これはあまりにも今回の課税最低限度額の引き上げが少ないんじゃないか、もっとふやすべきだ、こう私は思うんですが、大臣の御所見はいかがですか。
#221
○国務大臣(野田武夫君) 御指摘のとおり、地方税の伸びが、非常に、四十三年度と比較して、相当の額に達しております。これに比較して、四十四年度における税制改革の結果の減税が八百七十億、少ないじゃないか、自治省八百七十億もやったというんで、何だかいい気持ちになっているんではないかと。まあ八百七十億という減税額、決して非常に得意というわけではございませんが、まあ端的に申しますと、地方財政がやや好転のきざしはございます、しかし行政的な需要というものが非常に多くて、これももうすでに原田さん十分御存じでございますから、あれこれ申しませんが、そこでなるべくこの際地方財政を充実したいという考えで、まず基本的には、率直に申し上げますと、減税はもちろんすべきではございますが、第一は地方財政の確立をやりたいというのが
 一番基本的に考えたことでございます。しかしながら、住民税その他当然減税すべき、負担の軽減をはかるべきことも、これは大きな使命でございますから、これは手をつけなければいかぬ、そういうことでございまして、まず第一段の御質問の、これだけの昨年と比べて大きな税収があったから、それに比較して八百七十億というのは少ないじゃないかという御批判は、私は、これも一つのやはり御批判として、また御意見として、無理からぬ、決してこれは違っておりますとは申し上げられませんが、これでもって八百七十億が相当、何と申しますか、妥当だと、これ以上は減税の余地ございませんというような心がまえではございません。いろいろ御批判があるのはごもっともだという感じを私はいたしております。同時に、住民税の課税の最低額をもう少し引き上げるのがほんとうじゃないか。これはしばしば私もお答え申し上げておりますが、いま四十三年度で十万円ばかり引き上げました。今度または御審議願っている引き上げが、それに近いものをやっているわけでございます。順次住民税の軽減をはかっていることはお認め願えると思っております。そこで、これがよくいわれますことは、所得税との関連からのお示しの数字の基礎がございますが、これも私は、御意見としては尊重すべき御意見だと思っております。そこで、私の気持ちをざっくばらんに申し上げますと、所得税と住民税の課税最低限というものが相当格差がある、これはやっぱり少し格差があり過ぎる、これは何とか追いつくような方法を講じなくちゃならぬと、これは率直に私感じておりますが、一度ではなかなか、これは地方財政の現状からいたしますと、まあ昨年、今年二年続けてこれだけの減税に入りましたのでございますから、いまの皆さんの各方面、各党からの尊重すべき御意見だと私思って今日もおりますので、今後できるだけやはり住民税は軽減するような措置をとりたい。しかし、所得税と何年ぐらいで一致していくのだということは、やはり地方財政は地方財政の自主的な立場から考える必要がございますから、これは明言できませんが、いまの御指摘のように、できるだけ住民税は今後もやはり軽減する方向にいくべきだ、来年度の税制問題につきましてはやはりそういう意味でひとつ検討に当たりたい、こう考えております。
#222
○原田立君 昭和四十四年度の税収の伸びはかつてないほど非常によいと、これは新聞報道等でも盛んにいわれておりますが、その中で大臣にお聞きしたいのは、先ほどから何度も議論がありました料理飲食等消費税の問題にしても、あるいはまた電気ガス税の問題にしても、特に電気ガス税については、悪税であるということは総理も言っておるし、野田大臣もまたあまりよくない税金だから、早くなくしたいというような御意向もあったし、それで、地方財政をもっと充実しなけりゃならないということは、これはまあ大臣も異論はないだろうと思うのですよ。で、じゃあ地方財政を充実するにあたって、そういういわゆる大衆課税的な税金を、税収を含めて地方財政を充実するというのは、これは少し考え方がおかしいのじゃないか、そういう大衆課税的なものは取り払って、なおかつ国税の中においての地方財政の健全化というものをもっとうたっていかなきゃいけないのじゃないか。地方財政の位置づけですね。これをもっとはっきりしていかなければいけないのじゃないか、そういうような面からいって、大衆課税的なものは漸次除去していく。あるいはもうぼくらの考えでいえば即時もう廃止しろと、このくらい強い考えがあるのですけれども、そういう地方財政の今後の位置づけというものをどういう方針でお考えになっておりますか。この点はいかがですか。
#223
○国務大臣(野田武夫君) 今後も、やはり来年度も、もう四十五年度に入ってまいりますが、
  〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕
今後の、まあ四十五年度を基本としての財政計画、税制の計画を立てなくちゃならぬ。まあこの御審議を願いまして、四十四年度の税制についての結論を得ますれば、直ちにそういう手配をいたす。今国会で特にやはり御指摘をこうむりましたのは、いまお話になりました大衆課税と申しますか、これは電気ガス税その他でございますが、これは私もたびたびお答えいたしておりますが、ことに電気ガスというものは、つまり、地域住民の必需品というか、生活の絶対のものでございまして、この負担をできるだけ軽くするというのは、これは当然考えなくてはならないことでございます。しかし御存じのとおり、これが実は大きな財源になっておりますので、この財源をどうして補てんしていくかというのがやはり財政当局、税制当局の非常な悩みだろうと思います。そしてだんだん今日の日本の全体の経済がこういうカーブでもって進んでまいりますれば、やはり将来の税収の伸びというものは相当期待ができる、そういう意味におきましても、ただ税収がこれだけふえたというので、これはこれとし、住民の、しかも大衆の負担というものはそれはそのままにしていくというような安易な気持ちで地方財政を処するものではないという原則があることは私もよく存じております。特にお示しになりました電気ガス税は、今度の減税と申しましても、これは免税点をやや引き上げたのでございまして、相当電気ガス税には手をつけましたということを言えるほどの内容でないと私自身も痛感いたしております。これはひとつさらに積極的に考える。しかし、ただお断わりいたしておきますが、これを全廃する、電気ガス税は数年うちに全部廃止します、どうもそこまでは私は言い切れないし、また実情申しますと、そこまで到達することは困難だと思っておりまして、電気ガス税はできるだけいろんなものを考慮いたしまして、負担の軽減をはかるのが当然のことじゃないかということを、ことにこの国会を通じて痛感いたしております。
#224
○原田立君 電気の話もしましたので、この関係でも申し上げたいと思うんですが、今回十億二千九百万円減額になる、こういうことなんですが、やはり電気ガスの需要が伸びたために、実際問題としては九十二億九千五百万円増収になっているんですね。そうして四十三年度からみれば一三・一%伸びておる。じゃ一体昭和四十四年度で電気ガス税の収入は幾らかといえば、約八百十億、これだけが収入としてあるわけですが、それも先ほど指摘した四千七百三十億からの税増収に比べてみれば、全部全廃しろといってもそれはなかなかできないような向きがたとえばあったにしても、税収の伸びが非常に多いというその観点からいけば、いま大臣自身も言ったように、あまりにも乏しいやり方だ、こう私指摘せざるを得ない。
 それと大臣、この免税点制度ですけれども、これはひとつ改めるお考えありませんか。たとえば基礎控除制にするとか、あるいはまた税率をもっとぐんと下げるとかいうことは考えないですか。
#225
○国務大臣(野田武夫君) まだ実は役所といたしまして、税務当局もそこまでは懇談いたしておりませんが、私の考え方は、これもお答えしたと思いますが、免税点の問題と同時に、やはり税率のことも考えなければ、なかなか電気ガス税の軽減というものはむずかしいんじゃないか。これはこの前もお答えいたしたつもりでおりますが、これも一つ検討の資料として、私は役所内において相談いたしたいと、こう思っております。
#226
○原田立君 検討を約すということで一応納得する形にいたしますけれども、かりに、電気の場合五百円、これは免税点である。極端な話が四百九十円までは、免税点が五百円ですから、税金はかからない。ところが五百五十円使ったらどうなる。五百五十円全部に対してもろにひっかかってくるわけです。そういう形は料飲税においても同じことが言えるわけです。今回少しずつ免税点が引き上げになったけれども、かりにたとえば飲食店で食事をすると、いままで六百円だったが、これが八百円に引き上がった、七百九十円まで飲んだり食ったりする、これは税金はかからない。八百五十円かかったらどうなる。八十五円かかる、一〇%ですからね。こういう免税点制度は、ある意味でいえば、それは役所のほうは非常に税金はとりやすいのだろうと思うけれども、これは一種のごまかしみたいな感じがするのですよ。免税点の引き上げというと、確かに減税になったのかなあという感じはだれも持つ。だけれども、実際にはそれを超過したらば、超過分だけ課税されるのじゃなくして、全部に課税されるのですから、これはインチキだと言われてもいたしかたないのじゃないか。徴税の方法の一つだろうと思いますけれども、これはもっと納得のいく形にすべきではないかと、こうぼくは思うのですけれども、当局の局長はどうですか。
#227
○政府委員(松島五郎君) 基礎控除制度と免税点制度の問題でございますが、基礎控除という制度は、ある人に帰属します所得等を総合的に判断して、その中のどれだけを課税対象にすべきかという配慮をしていくという趣旨から設けられているものと考えるのでございまして、そういう意味で、従来から基礎控除制度というのは、まあ人税と申しますか、そういうものにはなじむものであるけれども、消費税あるいは物税のようなものにはなじまないといわれているのでございます。そういう議論は別にいたしましても、ある税度の少額消費を免税にするということと、基礎控除というものとは、かなり意味が違ってくると考えられるのでございまして、いま境目のところでお話しがございましたけれども、なるほど境目のところでは御指摘のような問題もございますけれども、また逆に言えば非常なお金持ちが電気を使われてもやはり何百円かは引かれるということは、減税による何と申しますか減収というものと、減税を受けた効果と申しますか、そういうものとが必ずしも一致しない面が出てくるのではないか、本来そういうたくさんの電気を使われるようなお金持ちに対してはもっと取ったほうがいいという考え方もあるような場合でも、やはり定額だけは控除されるということはおかしいのではないかという議論もあるわけでございます。そういった点がございますので、こういう電気ガス税でありますとか、あるいはその他の物税に、免税点制度以外にさらに基礎控除制度を導入するということについては、私どもは非常に疑問があるのではないかというふうに考えております。
#228
○原田立君 いまぼくが境目のところを例に出したといってあなた言うけれども、実際の庶民のふところはそれだけせちがらいというか、いろいろ考え考えやっているのですよ。もちろんうんとお金持ちのところはごっそり取るのは、これはかまわないじゃないですか。うんと使ったのは取るのはかまわないでしょう。だけれども、そういう議論をしておいて、そうしてそういう免税点制度のおかしな面をカバーするお考えは、局長、ちょっとそれは受けませんよ。
#229
○政府委員(松島五郎君) いま申し上げたとおりでございまして、免税点制度というのは、やはり一定額の消費以下の方を免税する。一定の消費以下ということは、結局担税力が少ない方を免除をするという趣旨であろうと思います。基礎控除制度になりますと、その消費金額が幾らであろうとも一定額を控除するわけでありますから、消費金額の非常に多い人にもやはり一定の減税の恩典が与えられるということになるわけでございまして、もちろん税収、減税財源全体がそれを許す段階になれば、そういうことも一つの考え方かと思いますけれども、限られた減税財源を有効に配分するということになれば、やはり一定金額以下の消費者を中心にして減税をするということのほうがより合理的ではないかというふうに考えております。
#230
○原田立君 そうすると、あなたは、局長は、いまのやり方のほうが一番合理的だから、電気ガス税の基礎控除の導入とか、あるいは税率の緩和はやらないと、こういうことですか。
#231
○政府委員(松島五郎君) 税率の緩和の問題につきましては、先ほど大臣から、それらを含めて検討を将来したいというお話がございましたので、私がやるとかやらないとか申し上げる限りではないと思いますが、基礎控除の問題につきましては、税制上の体系といたしましても、私はこれを導入することは適当ではないのじゃないかというふうに考えております。
#232
○原田立君 何度も言うようですけれども、これはそういう導入のしかたを考えない、基礎控除の考え方はしない、当局はそういうふうにずっと今後も考えるんだということで、じゃ、受け取っていいわけですね。
#233
○政府委員(松島五郎君) 現在はそう考えでおります。
#234
○原田立君 大臣、当局はいまのようなお答えなんだが、これは何も私だけの議論ではなくて、基礎控除制度を導入しろということは、多くの学者なんかも、あるいは新聞論調なんかにも出ている問題です。それを全然考慮しないのだということのような局長の答弁なんだけれども、それはあまりかた過ぎるのじゃないですか、いかがでしょうか、その点について。
#235
○国務大臣(野田武夫君) 私は先ほど申しましたとおり、電気ガス税はもっと積極的に減税の方針に沿うて検討すべきものだと私自身が強く感じております。その減税の、技術的といいますか、方法といいますか、これらにつきましては、ここで何に手をつけ、どのくらいするということまでまだはっきり私からお答えする段階ではないけれども、総体的に考えまして、大衆課税であるし、ことにこれが米のめしと同じような必需品でございますから、これをひとつ軽くするということは好ましいことですし、またすべきじゃないかと、こう考えております。一々どの税にどう手をつけるかということにつきましては、これはやはり技術上のこともございますし、ひとつわれわれとしても検討いたしますが、いま直接基礎控除はどうだと一々言われますと、私もちょっとお答えしにくいのでございまして、全体の考え方として、できるだけひとつ電気ガス税の軽減については意見をまとめたいと、こう考えております。
#236
○原田立君 住民税が、標準税率をこえ、制限税率ぎりぎりにしておる市町村が多いのは局長も御存じのとおりです。これは地方財政の貧困を補うために地方住民に押しつけられた悪税の考え方だと、私はそう思います。全国三千二百九十市町村のうち、最高制限税率をかけている市町村が四百十六、標準税率をこえているものが約六百で、合計千十六もある。したがって標準家族で百万円の収入の人は、標準の場合では一万八百二十四円払うのが、制限税率一ぱいでやっている場合には一万六千二百三十六円、すなわち五千四百十二円もよけい払うという姿がある。それで、この地方の財政を少しは補うというような意味でこういうような法律があるだろうと思いますが、制限税率制度はやめるべきではないか、こういうふうに思いますが、いかがですか。
#237
○政府委員(松島五郎君) 先ほども阿部先生の御質問にお答えをいたしましたとおり、制限税率あるいは標準税率の制度は、地方団体の財政支出の自主性ということを考えまして設けられているものでございまして、市町村等が特別の財政需要がありますような場合には、やはりその負担をある程度求め得る道を開いておこうという制度でございます。したがいまして、私どもといたしましては、こういう制度そのものを否定するということは適当でないと考えておりますが、ただ現実の運営は、先ほども申し上げましたように、とかく固定化し、慢性化しておるという実態にございますので、これはぜひ改めていきたいということで、先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、三年ぐらいの間にこれをできるだけ解消をしたいということで、現在各市町村にもそういう方向で努力をされるようにお願いをいたしておる、また私どももそういう方向で努力しておるということでございます。
#238
○山田勇君 長時間の審議でございますし、各委員が質問しましたので、私がいまから質問するのは、若干重複しているところがございますので、それは割愛させていただきまして、質問に入らせていただきます。
 まず大臣にお尋ねしたいんですが、税制改革の問題について少しお伺いいたします。国、都道府県、市町村の全般にわたっての税制に対する抜本的改革の時期がきているといわれていますが、そういった中で、最近府県税はどんどん伸びております。特に事業税の伸びが著しい。一方市町村税の柱である固定資産税の伸びが低いため、市町村税ははなはだしく低下しています。昭和二十九年から三十年の地方税制の大改正では、府県税千四百七十一億、市町村税が二千三百四十四億であったものが、昭和四十一年には府県税が九千百十二億円、市町村税が八千五百七十四億と、逆転しております。地域住民にとっては市町村が身近な存在であります。このような状態は、市町村が地方団体の基礎的なものであるという認識からすればおかしいと思いますが、その点いかがでしょうか。
#239
○国務大臣(野田武夫君) いま山田さんの御意見、われわれもそのとおり痛感いたしております。先ほどから御質問がこの点にも相当ございましたので、どうすればこの調整ができるか、今日の市町村税と府県税との関係というものは、いまお話しのとおりの状態でございます。何とかこれは調整しなければならぬと、こう考えております。また具体的には、税務局長からお答えいたします。
#240
○政府委員(松島五郎君) ただいま府県税と市町村税との伸びのアンバランスについて御指摘がございましたが、府県税は、御指摘のとおり市町村税に比べて最近伸びておりまして、地方税全体に占めますシェアも、かつては市町村税六に対して府県税が四ぐらいの割合でございましたけれども、現在は五五対四五ぐらいの割合で、府県税のほうが多くなってきているということでございます。その原因でございますけれども、府県税が伸びているから、それでは府県税の府県の歳入中に占めるシェアが非常に大きくなってきているかと申しますと、必ずしもそうではございません。交付税あるいはその他の収入の全体の中で、府県税の割合というのはここ十年ばかり三〇%という線を一%ぐらいの幅で上下しているという程度でございまして、歳入の全体の増加ということが歳出の規模の増加とパラレルであるといたしますならば、結局府県税のほうは大体歳出規模の増加に追随していっているけれども、市町村税のほうはそうなってないというところにむしろ問題があるのではないかというふうに考えております。その原因はいろいろございますけれども、一つには、やはり先ほども御指摘がございましたが、固定資産税の伸びが悪いということも一つの大きな原因であろうと思います。さらに税目の構成を見てまいりますと、府県税では法人事業税というものがかなりのウエートを占めておりまして、府県税全体の収入のうちの五〇%ぐらいが法人事業税でございます。これの伸びが最近の景気の好調に伴いましてかなり伸びているというところに、府県税が伸びている原因の一つがあるわけでございます。なお、府県税は、御承知のとおり最初のシャウプ勧告ではあまり有力な税源というものは与えられていなかったわけでございますが、その後の改正でつけ加えられましたものが伸びてくるようになったとか、あるいはまた、前回竹田委員の御質問にお答えいたしましたように、自動車税というような、シャウプ勧告当時では自転車、荷車税の半分ぐらいしかなかった税源が、現在では千億をこえるぐらいの大きな税源に成長してきているというようなこと、たまたま府県税として設けられましたものが今日の景気の上昇にうまく乗り得たという面があろうかと思います。そういうことでございますので、今後の問題としては、やはり市町村に何か伸びのある税金を見出していくということが必要でございまして、これは先ほども申し上げましたように国、府県、市町村を通ずる税源の再配分の問題もございます。また、事情が許しますならば新しい税金を起こさしていただくということも考えられますが、その一つの例といたしましては、昨年つくらしていただきました自動車取得税というようなものは、やはり今後のモータリゼーションを考えますと、かなり市町村の財源として伸びていく税ではなかろうかというふうに考えておりまして、今後とも市町村税の税率については、私どもいろんな角度から検討し、努力をしていきたいと思っております。
#241
○山田勇君 私は、住民税というものは市町村住民税が主体であって、府県民税は従とすべきであると思います。そういった点から、府県民税のうち所得税割り、法人税割り分について、大幅に市町村税に移譲すべきだと思いますが、そういった点について検討されておりますかどうか。
#242
○政府委員(松島五郎君) 御指摘のように、住民税は昭和二十五年に現在のような形になりました際には、市町村税だけでございまして、それが昭和二十九年の改正の際に、やはり府県も自治体である以上は、ある程度府県民である住民から税を納めていただくような体制が必要だということで、府県民税ができたわけでございます。その後のしかし伸びを見てまいりますと、府県民税につきましては、昭和三十七年に国税の所得税から府県民税の、一部税金の移譲が行なわれましたこと等もありまして、かなり市町村税に比べまして伸びが大きいというのが現状でございます。そこで、いまお話のございました府県民税の一部をさらに市町村に移しかえるという問題でございますが、こういった問題も、私は将来の問題としては検討していくべきものだと思いますが、これは根本的には、やはり府県と市町村との税源の配分を、先ほど竹田委員から御指摘のありました料飲税をどうするか、府県民税をどうするか、あるいは現在の法人税割りの配分方法を――配分と申しますか、税率が県の税率と市町村の税率との間で均衡がとれているかどうか、こういった問題、全般的に考えませんと、どれか一つをどっちかへ移すという、それ自体は可能でありましても、そのあとをどうするかという問題が次に起きてまいりますので、やはりこういった問題は総合的に検討していくべきものというふうに考えております。
#243
○山田勇君 それから国税と地方税の関係ですが、非常にアンバランスになっておりますが、この点について根本的に再検討すべき時期にきていると思いますが、いかがでしょうか。すなわち、地方税に関する参考計数資料によりますと、租税総額は、四十二年度は六兆五千四百六十三億円、そのうち国税が四兆三千九百六十八億、地方税が二兆一千四百九十五億と、その割合は、国税が六七・二%、地方税が三二・八%となっていますが、実質的な租税配分は、同資料によりますと、逆に府県、市町村で四兆五千三十六億、国は二兆四百二十七億で、割合は六八・一%、地方のほうが、三一・二%、国と逆になっております。反対になっております。このことは、国のほうで税金を取り過ぎている結果だと思いますが、やはり実際に使う地方団体に税源を与えるのが妥当と私は思います。行政事務の再配分、補助金の整理により税源を地方に渡すべきだと私は思います。その点、いかがでしょうか。それに、現在の税制はどうも中央集権化に片寄り過ぎて、地方自治を極度に抑圧しているように私は思えるのですが、国税、地方税の抜本的改革に着手すべき時期にきていると思いますが、具体的にどう処理なされていきますか、お願いいたします。
#244
○政府委員(松島五郎君) お示しがございましたように、国税と地方税、国民の租税総負担の中で、国税として取られますものと地方税として取られますものとの割合が大体七対三くらいの割合になっておりますけれども、逆に最終的な使用の段階では、国が三、地方が七というふうに逆転しております。本来の姿から申しますならば、使うところで直接国民から税として納めていただくという形をとることが一番望ましいわけでございます。そのことがやはり国民の租税負担が、どれがどう使っておるのかということを一番明瞭にあらわすわけでございまして、それが一番望ましい姿だと思います。この前、同じく竹田委員から、簡明な税制というお話がございましたけれども、やはりそういう意味からも、使うところで、使う金に相当する税が取られていく、国と地方の間でもってやったり取ったりということはできるだけ少ないほうが望ましいということは御指摘のとおりでございます。ただ、そういうふうな形にいたしますには、現在のところは、国、地方というものを一つに見て七対三とか三対七とか言っておりますけれども、個別の地方団体という中まで入っていきますと、それぞれの地方団体の経済的な発展の段階が非常に違いますものですから、たとえば地方税として、七割は地方税で取れるような税制を考えたといたしましても、それは個々の団体にとってみれば、たとえば大都市なら東京なんというところは、七割の分が財政需要の一一〇%になっても、いなかへ行けば依然として財政需要に対しては二割だとか三割だとかいう税源配分にしかならない問題がございます。今日のような経済的に税源が片寄っておりますときには、どうしても国民負担の全体をふやさない範囲内において、一番何と申しますか、能率的と申しますか、財源の配分を地方団体ごとにするということになりますと、どうしてもいま金を全部地方税でまかなうということは非常に困難でございます。そういった観点から、交付税制度というふうなものもあるわけでございますけれども、ただ、私どもは、補助金のような非常に国家統制的な色彩の強いものはできるだけやはり減らして、その分を――結局国がそれだけ減れば、国の税金はそれだけ少なくて済むわけでございますから、逆に地方団体は、それだけ交付金が減れば、地方団体としてはよけいな財源が要るわけでございますから、その分を国税から地方税に振りかえるというようなことをできるだけやっていくという方向でやはり検討しなければならないと考えております。
#245
○山田勇君 行政事務再配分に関する第二次答申では、行政事務再配分及び関与是正の具体的措置について、行政区分ごとに列挙しております。また先ほど申しましたように、財源の再配分について、一応昭和四十二年度現在においてでありますが、移譲財源所要額が一千七百三十三億円と示されておりますが、具体的に事務及び財源の再配分はどのようになっておるのでしょうか。
#246
○政府委員(松島五郎君) 行政事務の再配分につきまして、地方制度調査会から具体的な答申が出されておりますことは御指摘のとおりでございまして、自治省といたしましても、関係各省とその方向に向かって進むようにいろいろ折衝を続けておりますが、なかなかこれは現実の問題として進んでいないというのが現在の状況でございます。財源配分の問題は、結局、行政事務が具体的にどれだけ地方団体におりるかということと相関連してまいりますので、そのおりる程度に応じて、やはり税源の配分をしていかなければならない。その場合には、もちろん国の経費がそれだけ少なくて済みますので、その分は、国税の所得税なりあるいは法人税なり、そういった税をできるだけ地方に移譲するという形で、並行して問題を解決していく、こういうふうに考えております。
#247
○山田勇君 調査会から具体的に行政事務をあげて答申したのは昭和四十年の九月であります。ことしでもう四年になるわけでございます。藤枝、赤澤両自治大臣のときも、答申を尊重すると述べていたのですが、今度の野田自治大臣も尊重すると述べられておりますが、実態を聞くと、ほとんど進展していないように思います。その理由はどこにあるのか、お聞かせ願いたいと思います。
#248
○国務大臣(野田武夫君) ただいまの御指摘のことは、自治省としてはその答申を尊重して、できるだけひとつ早く実現したいという熱意を持っております。いまでも持っております。これがなかなか何年間たっても一向はかどらないという、ここに、まあひとつざっくばらんに申しますと、やはり役所間の権限の問題とか、その他いままでの長い因襲にとらわれた、行政の因襲といいますか、行政上のそういうなにがありますし、実は政府全体としては、先般の閣議でもこの問題が出まして、できるだけひとつ、この前、私どものほうと、赤澤前大臣のときには、いろいろ申し合わせもやっております、関係大臣と。それと、いつでもこの問題が出ますたびに、自治省といたしましては積極的に発言をいたしまして、すみやかにひとつ実現するように関係大臣は考慮してもらいたいということを申しますけれども、まあいまいろいろな役所の事情があるいはあるのか、私は知りません。私自身は非常に遺憾に思っております。しかし自治省といたしましては、いまお示しの点につきましては、いろいろな事情がありますにかかわらず、ぜひひとつ早い目に、せめて申し合わせの事項ぐらいは実現したいというような意思で今後も当たりたい、こう思っております。
#249
○山田勇君 私も、当選して去年の委員会で、確かに私の記憶では、原田委員が、そういう各省の圧力があるなら、どの省が一番圧力かけるのか具体的に示せということを赤澤大臣に申し上げましたところ、赤澤さんは、ちょっとかんべんしてくれというようなことを言っておりました。この事務再配分について、昨年でも今年でもけっこうですから、各省と何回ぐらいお話し合いになられたでしょうか。
#250
○政府委員(松島五郎君) 実は行政局のほうで担当いたしておりますので、きょう来ておりませんので、いずれまたあらためてお答えをいたします。
#251
○山田勇君 住民税の課税最低限についてですが、住民税の課税最低限について、このことは先般の委員会でも大臣に私は質問いたしましたが、現在の所得税の課税最低限との開きは約三十万円ほどあります。この開きをなくす方向で進むと大臣はおっしゃったのですが、長期的見地に立って、どのような年次計画をお持ちになっておられますか。
#252
○国務大臣(野田武夫君) まあ常識的に申しますと、私もこれを何年目にどうするということを明言できませんが、御存じのとおり四十三年度には十万円の課税最低限を引き上げ、四十四年度も大体これに近いものを引き上げております。そういう段階でいま進んでおります。また同時に、所得税のほうは、また来年も当然これは課税最低限を引き上げるということで、また同じやはり格差になりますが、まあ大体一度で、四十五年度ですべて解消するということは、口では申しましてもなかなかこれは困難だ、やはりそういう姿勢で、いままで自治省が持っております住民税の軽減の姿勢というのは大体おわかりだと思います。まあ段階にできるだけその年度を縮小する気持ちで当たりたい。何年目にどうということは、きょうちょっとお答えができません。
#253
○山田勇君 それでは個人事業税についてお伺いいたします。この税は零細な個人事業者にとっては非常に重税感が強いと思いますが、まあ所得税を納めている企業者については軽減すべきであると思います。特に事業主控除現行二十七万円としているのはあまりにも低いと思いますが、大幅に引き上げる考えはございませんか。
#254
○政府委員(松島五郎君) 個人事業税の軽減の問題につきましては、今年度の改正で専従者控除の大幅な引き上げをいたしておりまするので、実質負担はかなり軽減されるものと考えております。なお、事業主控除につきましては、今年度はそこまで手が及びませんでしたけれども、明年度以降の問題といたしましては、やはりできるだけ引き上げをはかっていくという方向で検討を進めてまいりたいと思っております。
#255
○山田勇君 これで最後の質問とさしていただきますが、先ほども各委員が質問しておりました料理飲食等消費税についてお尋ねいたします。本日も実はたくさんの請願が来ております。福島県の南温泉旅館業組合からの請願書が送られてきましたが、内容は、一般大衆旅館における低廉な客層に料理飲食の消費税を課するには忍びないので、免税点、基礎控除を引き上げてくれるように訴えたものでございます。私も常日ごろ庶民のささやかなレクリエーション、レジャーとしての旅行には税金のかからないようにすべきだと思います。また、家族連れがたまに夕食を外でとっても、勘定書きに税金のついていることほど感じの悪いことはございません。今回の改正案でもいずれも低過ぎると思います。現在の実情から考えて、旅館における宿泊及びこれに伴う飲食の免税点を二千円に、また基礎控除を千五百円に引き上げること、飲食店等における飲食の免税点を千円に引き上げることを私は提案したいと思います。庶民に関係のない高級料亭への減税についての配慮よりも、ささやかな庶民の楽しみにプラスになるような改正が望ましいと思います。特にこれは大臣から答弁していただきたいと私は思います。大臣は党の出でございますから、非常に答弁の中にもあたたか味があり、私はたいへん好感を持っております。私は各地いろいろなところへ講演に行きましても、大臣の評判は、ほんとうによく言っております。そういう意味で、ぼくは別に官僚だけがどうのと言うわけじゃございませんが、大臣のほんとうの腹を割って、これについてはこうだということを、これはことしはしかたがないけれども、来年はこうするのだということをせめて確約を私はいただきたいと思います。
 これで私の質問を終わらせていただきます。
#256
○国務大臣(野田武夫君) 山田さんから非常に好感をお持ちいただきまして感謝いたします。私はあまりむずかしい事務はわからぬ野人ですから、いろいろな理論的なお話が出るとこっちが弱っちゃいます。まあ私の経験からいたしまして、先ほどもお尋ねがございましてお答えいたしましたとおり、まあ料飲税の三千円以上の一五%を一〇%に改正した、いろいろ理由を申し上げましたが、それを今度は免税点の問題でございますが、これはいまの山田さんの御要求どおり来年これはやれるかどうかわかりません。これは、そう申しませんと、ただその場限りの軽い答弁ということは私は好みません、よくそういうことはありますけれども。だから、私は何かしらぎごちない点がございます。ですけれども、私が自分で発言しましたら、やはりその線でもって役所の事務当局には伝え、検討を指示することを私は常にやっております。いまの料飲税の免税点でございますが、チケットの問題も先ほどいろいろ論議がありまして、私もいろいろお話ししたのですが、六百円が八百円、実は私はおでん屋、そば屋、すし屋さんのあたりも聞いてみたんです。さっきちょっと言ったんですが、実を言うと、あれはまだ少し足りないというのが相当あった。しかし一応は八百円だ、大体おでん屋なんか銚子一本ぐらい飲めますよと言う人もあるし、なかなかむずかしい、ここのところは。それで、一人千円にせよというのは、大体常識だと私は思っております。八百円が何も効果がないということは思っておりません。相当の人に喜んでいただいておりました。しかし、できればいま山田さんのおっしゃったとおりもう少し上げてもらいたい。しかし、これでも非常においでになるお客さんに気持ちのサービスができる。つまりすれすれでいきますよ、こういうことを言っていました。実質的に免税になりますというお客さんは相当多いですと言っておりました。これは決してかけ引きでない。
 そこで、前口上は長過ぎますが、御質問の点は、先ほどもいろいろ山田さんと同じ御質問が出ておりますし、私も十分これを体しまして、次の税制改革に料飲税の問題にあたりましては、私がその御意見を相当自分の心にかまえまして、ひとつ税制改革のときに当たってみたい。ここではっきり山田さんの提案どおりやりますということをお答えできないのは残念ですけれども、そういう意義を、これはもう常識です。決してあなたの御意見とっぴではありません。意を体して、ひとつ十分事務当局とも相談をいたしてみたい、こういうお答えをいたしておきます。
#257
○松澤兼人君 最後になりました。簡単に御質問申し上げますが、国会におきましては衆参両院とも、都市、特に大都市あるいは指定市の税財源の確立ということは数次にわたりまして附帯決議をつけられているわけでありますけれども、四十四年度では道路譲与税の計算の基礎の是正ということはよくわかりますけれども、そのほか控除の引き上げ等の関係で相当苦しくなるんじゃないかという感じがするんですが、四十四年度におきまして、特に大都市の税財源の拡充という点でお考えになっていらっしゃることはほかにございますか。
#258
○政府委員(松島五郎君) 大都市税制の問題につきましては、先ほど来お答えをいたしておりますように、昨年、自動車取得税を創設させていただきましたが、これは昨年は三百九十五億円程度の収入でございましたが、昭和四十四年度は六百五十億円程度の収入になると見込んでおります。かなりこれがふえてまいりましたので、この税財源は御承知のとおり一般の市町村には三分の二交付いたしますが、大都市には、さらに府県分の三分の一のうちそれぞれ道路の延長面積、指定都市が管理します国道、県道の面積延長に応じまして再配分をいたします。その分もかなりふえますので、その面の増加もかなりあるのではないかというふうに考えております。
 それからなお、いまお話のございました、道路譲与税の配分方法を変更することによって大都市の配分額がかなりふえるというふうに考えております。それ以外の税制上の措置としては、特別、大都市にこれだという形のものはございません。
#259
○松澤兼人君 地方税の減税等によって歳入欠陥が生ずるおそれもあるわけでありまして、差し引きどういう結果になるか。まあいろいろ資料によりますと、六大市はもうほとんど軒並み実質赤字を出しているという状態ですけれども、大都市は国の経済的あるいは文化的な重要な部分のにない手であるわけであります。したがって、これは単に市町村の大きいものというだけでなくて、特別に考えてやるべき性質の制度ではないかと思いますが、そういう差し引きの面及び軒並み赤字、実質赤字ですけれども、赤字の増高ということについて、何かこれを是正するような方法をお考えになっていらっしゃるのですか。
#260
○政府委員(松島五郎君) 大都市の赤字の問題でございますが、大都市の赤字の原因ということにつきましてはいろいろあろうと思います。財政需要が急激に伸びておりますことに対応する税収入の伸びが少ないということもその大きな原因ではあろうと思いますけれども、現在のように交付税が交付されております段階では、単にそれだけでなくて、大都市に対する交付税を交付することの是非の問題がございますが、交付するという前提に立ってなおそれが十分であるかどうかという問題もあろうと思います。大都市の赤字でございますけれども、私ども大都市からいただいております資料では、四十二年の決算では指定都市全体で――自治省の統計では三十二億円でございますが、大都市側の統計では百三億円だと言っておりますが、そのうちでも特に大阪が約半分を占めておりまして、大阪の赤字が非常に大きいということが問題であろうというふうに考えておりますが、いま申し上げましたように、これらに対する対策といたしましては、大都市におきます財政需要の増高の一番大きい原因の一つに、おもに道路関係の整備費が非常にふえてきておるということでございますので、税制の面では道路関係の財源の充実ということを中心に対策を講じていると、こういうことでございます。
#261
○松澤兼人君 いま御指摘のありました四十二年の自治省の決算統計によりますと、大阪と神戸が赤字になっている。しかし、いわゆる指定都市方面の資料によりますと、軒並み赤字になっておる。こういう違いというものは一体どこからくるのですか。
#262
○政府委員(松島五郎君) 大都市側で言われております赤字というのはどういう内容か私詳細承知しておりませんが、自治省の決算統計におきまして、一応、歳入歳出を見まして、その場合にそれが黒字であるか赤字であるかということが第一点でございます。さらに歳入歳出のうちで、税収入は別でありますが、未収入の債権等で当該年度に収入さるべきもので収入されていないというものがある。たとえば国庫補助金等の交付がおくれたというようなものはプラスに立てます。逆に地方団体が当然年度内に支払うべきもので支払いを繰り延べたというようなものがありますならば、それはマイナスに立てます。そういう要するにほんとうの意味の一応の決算上の差し引き赤字黒字のほかに、未収債権、未収債務と申しますか、そういったものも加除いたしまして実質収支というものを出しておるのでありまして、大体これがほんとうの意味の実質的収支に当たるのではなかろうかと、こういうふうに考えております。
#263
○松澤兼人君 金がないために仕事の繰り延べ、延伸というようなことをやっておるところがたくさんあります。それで、大都市側はそういうものは実質赤字と計算をしておる。あなたのほうは、そういうこまかいものを知らないわけではないけれども、しかし、帳じりだけを考えていると思うのです。ですからほんとうに金が不足のために仕事の延伸をしたというようなことが、大都市側としては当然それが赤字だというふうに計算していると思うのです。そういう問題は、自治省としては決算のいわゆる帳じりだけを考えて、それで黒字である、あるいは赤字であるというふうにお考えなんですか。
#264
○政府委員(松島五郎君) 先ほども申し上げましたように、一応、歳入歳出の差し引き、いわゆる決算上の帳じりをまず押えまして、それに支払うべくして支払っていなかった額、これは赤字要因として加え、それからまた収入さるべくして収入されなかった金額、たとえば国庫補助金の年度内交付がおくれたというものは黒字要因として加える。それから事業繰り越し等が行なわれます場合には、その事業繰り越しに伴う財源は当然必要な財源として、もしもそれが決算上出していなければ、それは赤字要因として加えるという操作をして実質収支というものを見ているわけでございます。
#265
○松澤兼人君 自治省側とそれから大都市側との間で相当の開きがある。先ほど局長が言われましたように、自治省側では、四十二年を取り上げてみますと、赤字が三十二億、しかし大都市側は百三億、あまりにこれは隔たりが大き過ぎる。計算の基礎として、自治省が計算されることもそれは正しい計算の方法かと思います。また、大都市側が計算して百三億という赤字が出るということもこれも決して架空の数字じゃないと思う。したがって、この両者を合わせて適当なあるいは適切な黒字、赤字ということを断定する方法というものはありそうなものだと思うのですが、この点はいかがですか。
#266
○政府委員(松島五郎君) 自治省が計算しております昭和四十二年度、大都市全体を通じまして三十二億の赤字というのは、この計算方法は何も大都市だけに対して特殊な計算方法をしておるわけではございません。自治省が毎年国会に御報告しております決算統計も同じ考え方で調製をいたしておりますので、ただ大都市側が百三億円と言っておられますその内容について、私、詳細承知しておりませんので、これについて、これが間違っているとか、間違っていないとかいうことは申し上げることはできませんが、またそういうことを申し上げるつもりはございませんが、自治省側の出しているのは、大都市分だけを何も特別な計算方法でやっているわけではないということを御了承いただきたいと思います。
#267
○松澤兼人君 あまりに開きがあるという場合、これは自治省としては、自分は三十二億だと思うけれども、あとの百三億というのはおかしいじゃないかというような数字を突き合わせるというようなことは当然なことだと思うのです。大都市側の百三億というものは全然私としては知らないのだというようなことはちょっとおかしいのじゃないですか。
#268
○政府委員(松島五郎君) この決算統計のほかに大都市側の赤字が多いという要因として考えられますことは、自治省の決算統計では、それぞれの団体で特別会計の動き方もいろいろございますけれども、その特別会計のうち、いわゆる一般会計的なものは全部統計いたして統計をとるわけでございますが、そのほかに公営企業特別会計、あるいは国民健康保険特別会計のようなものは別ワクにいたしておりますので、おそらく国民健康保険特別会計の赤字等も、大都市側ではここで合算をしておられるのではなかろうか、詳細承知しておりませんこと、まことに申しわけございませんが、一応そんなふうに考えております。
#269
○松澤兼人君 それで、たび重なる衆参両院の附帯決議で、四十四年度ではあまりたいした大都市税財源の問題について対策がなかった、そこでやはり今後もこの問題については、自治省としても真剣に取り組んでいくべきじゃないかと思いますけれども、それで一方、地方制度調査会等におきましては、大都市の問題だとか、市町村の問題だとか、あるいは府県制の問題だとかいうようなことをいろいろと検討しているわけであります。そこで、もし大都市というものが国家的な一つの職分を持っているということになれば、やはり税制改革の点でも大都市に対する税制の改革というものは当然考えていかなければならない結果になるんじゃないかと思います。引き続いて、大都市税財源の問題について検討されるというお考えがあるかどうか、もしあるとすれば、どういう点に重点を置いてお考えになるかという問題。
#270
○政府委員(松島五郎君) これも先ほど来お答えをいたしておりますけれども、四十四年度に地方道路譲与税の配分方法を変えまして、大都市の道路財源の増加をはかったということだけで、私は大都市税制の問題が片をついているというふうには考えておりません。引き続き、やはり検討を続けていかなければならぬ問題だと思っております。ただ、大都市に限らず、市町村であれ、県であれ、税源を充実するということは、結局それをどこから持ってくるかということになるわけでございます。先ほども阿部委員の御質問にお答えをいたしましたように、持ってくる道は、国民にさらに負担を求めるという形で持ってくるか、あるいは現在国なり都道府県なりが持っております税源を再配分するか、その二つのうちの一つを選ぶほかはないわけでございます。もちろん今日の税負担の状況から申しますと、国民に負担をこれ以上増加させることが軽々に行なわれるべきものではないというふうに考えられます。もちろんものによって、さらに負担を求めることが合理的だというものもあるいは出てまいるかもわかりませんけれども、原則的には現在の国民の租税負担の総額の範囲内において、できるだけ財源再配分という形をとっていくべきではなかろうかというふうに考えます。そうなりますと、結局、県の税収入を市町村に移すとか、あるいは国から移すとかいう問題になるわけでございます。県の税収入を市町村に移すという考え方ももちろんあり得ると思いますけれども、しからば、そのあいた穴と申しますかは、県はもう十分足りているのだから、埋める必要があるのかないのかという問題も同時に考えなければなりません。そうなりますと、先ほどもお答えをいたしましたように、府県歳入中に占めます税収入の割合というものは、必ずしも県が上がっているわけではございませんので、いま県に余裕ありとして市町村に移しっぱなしというわけにもまいらないと思います。そういうことになりますと、やはり国と府県、市町村を通じて税の再配分をどういうふうにしていくかという問題を考えなければなりません。もちろんこれはそういうふうに申し上げるのは、何と申しますか、抽象的には簡単なようなことでございますけれども、実際問題となりますと、それぞれがそれぞれの税収のもとにおいて得られる収入を前提として財政運用を行なっているわけでございますから、自分のところ、が余っているから、いつ持っていかれても差しつかえないのだというような態勢にはございませんので、結局、税源の再配分という問題も、事務の再配分あるいは国庫補助金の整理という問題とあわせて考えていかなければ、なかなか結論が得られない問題でございます。そういうことをいろいろ申し上げますと、またやる気がないのかというおしかりもあろうかと思いますけれども、そういった点も十分考えながら、私どもとしては積極的にこの問題に取り組んでいきたいというふうに考えております。
#271
○松澤兼人君 税制調査会なり、地方制度調査会なりで、法人所得に対して大都市または市町村が課税するという点や、あるいは大都市の特例事務について、大都市として特例的な税収入を見るべきではないかという意見もあるわけでございます。これはきょう直ちに税務局長から御答弁をいただくことを考えておりませんけれども、やはり今後の問題として考えていただきたいと思っております。先ほどちょっとお触れになりました新税をつくるということはいろいろ問題があると思いますね。もうこういう段階になって、新税は悪税だというようなことをよく言われますけれども、新しいものを幾らよく考えても、どこかに抵抗があるとか、どこかに問題があるとかいうことになるのじゃないかと思うのです。そうすると、やはり国と地方とか、あるいは府県と市町村とかいったような再配分の問題になってくると思うのです。先ほど竹田君もいろいろと料理飲食等消費税の問題について話がありました。いま局長の言われましたことは別にそのことを言っているのじゃないと思いますけれども、府県税と市町村税との間の移譲といいますか、あるいは調整といいますか、そういうものを考えるべきじゃないか。これは料飲税の問題じゃないですけれども、そういう問題もやはり当然考えていかなければならない。いまからいろいろと御検討いただきまして、四十五年度では引き続いて大都市の税財源の確立ということについて御努力をいただけるというお答えがいただけますか。
#272
○政府委員(松島五郎君) 先ほど来申し上げましたように、私どもとしては引き続きこの問題について取り組んでまいりたいと考えております。ただ、いまこの今日の段階で、四十五年度は必ず具体的にこうするということを答えろということになりますと、私どももまあいろいろ問題がございまして、いま直ちにこの段階で来年度は必ずこうやりますというお答えはできませんことをお許しをいただきたいと思います。
#273
○松澤兼人君 最後に、特定の税を国から地方、あるいはまた府県から市町村というふうにいってもらいたいとは考えておりませんが、やはり考えていただくということにしまして、大臣も地方制度調査会等におきましては、社会経済情勢の変貌と地域社会の構造変化に対処するためということで、制度上の府県あるいは市町村というもののあり方についていま諮問をされているわけです。それがどういう結論になるかわかりませんけれども、やはりどういうふうに制度を変えましても、変わった制度に対して税財源をきちっとつけるということでなければ、どんなに制度を変えてみたところで何にもならないです。そこで新しい制度なり、あるいはまた大都市の特異性というものをお考えになってくださいまして、それで今後十分に都市あるいは大都市、そういう問題について検討するという決意の御表明をいただければけっこうだと思います。
#274
○国務大臣(野田武夫君) いま御指摘になりました大都市の財政、それから市町村と府県の関係、これは先ほどからいろいろの委員の各位からお尋ねもございまして、ただいま税務局長もお答えいたしておりました、結局新たに税をつくってやればこれはわりに楽にいきましょうけれども、結論としてなかなか新税はむずかしいし、また自治省といたしましても、これに対処するのに大都市の財政が悪いからこれに見合う新税をつくろう、いま現在のところそういう考えは持っておりません。それで、結論といたしまして、それではどうするかということは、どうしても最後には国、地方を通ずる税源の再配分、そうしてこれはいまの大都市税源の充実をはかるというのと、それから行政上の事務の配分というもの、これも非常に大事なことでございまして、やはりこの意味からいたしましても今日の大都市財政と行政との関係を考慮する必要がある。また、御指摘になりました市町村と府県税、これは市町村のほうが非常に最近は府県に比べて税収その他においてアンバランスになっておりますが、これもやはりひとつ調整する必要がある。重ねて申し上げますが、これらのことをやりますには、やはり税源を確保する必要がある。それで繰り返して申しますと、国と地方を通ずる税源の再配分というものが重要なやはり検討すべきことでもあるし、行政上のこともやはりあわせて真剣に取り組んで、今日の国と地方との関係というものを再検討する段階である。四十五年度にあたりましては財政、税制を通じまして、これらにつきまして真剣にひとつ取り組むという姿勢を持っておることをはっきり申し上げておきます。
#275
○委員長(内藤誉三郎君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
#276
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認めます。
    ―――――――――――――
#277
○委員長(内藤誉三郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、小枝一雄君及び小林武治君が委員を辞任され、その補欠として渡辺一太郎君及び鹿島俊雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#278
○委員長(内藤誉三郎君) それではこれより討論に入ります。
 御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#279
○竹田四郎君 私は日本社会党を代表いたしまして、地方税法等の一部を改正する法律案に反対の討論をしようとするものであります。
 反対の第一は、住民税の課税最低限についてであります。標準世帯の住民税の課税最低限は六十二万円余でありまして、国民の基準生計費を下回っております。また、所得税のそれと比較しても三十一万円余の格差があり、住民税の応益原則などがあるにいたしましても、はなはだしく均衡を失するとともに、地方税の大衆負担を重くしている原因であります。課税最低限をすみやかに計画的に大幅に引き上げるべきであります。かかる点から課税最低限の額に反対するものであります。
 反対の第二点は、地方税源、特に都市の税源の拡充強化が、数年来の附帯決議や地方制度調査会の答申等に違反している点であります。経済構造の変化、企業の実力の増大などからして、企業の所得はきわめて拡大しているにもかかわらず、特に市町村の自主税源として寄与の割合は少ないのであります。今日、地方財政の危機は、自主財源、特に自主的税源の乏しいところにあります。今回の改正案によりますれば、地方道路譲与税等でわずかに都市的財源を補充しているにすぎないわけでありまして、地方自治の強化に役立っているとは思われません。われわれはかかる点において反対するものであります。政府はこの際、すみやかに自主税源の確保のための税制の再検討を行なうべきであります。
 反対の第三点は、国の租税特別措置に基づく地方税の減収額が千八十九億、地方税における非課税措置が千百三十二億円、計二千二百二十一億円で、前年度に比し前者では百五十億円、後者では二百二十五億円の増加になっております。これらの恩典を受けているものはおおむね企業でありまして、かかる措置は、税制調査会の答申においても整理し検討し廃止すべきものとしておりますし、また特に国の租税特別措置による地方税への影響を遮断すべきことを提起しておりますが、かかる措置があらわれてきていない点はまことに遺憾であり、地方税が企業に対して軽減、大衆に対して重い課税という不公平をあえてやっておるわけでありまして、かかる観点から反対するものであります。
 反対の第四点は、電気ガス税であります。この点は従来から佐藤総理御自身が悪税だと述べておりますことは御承知のとおりであります。また、非課税措置で企業には低廉な大口消費者料金の点を考慮いたしますと、一千億に近い手厚い減税が行なわれておりますのに、一般の庶民にはわずかばばかりの生活上必要不可欠な電気代にさえ課税していることは許すわけにはまいりません。税額総計といたしましても約八百十億円程度であります。したがって、むしろ電気ガス税は廃止すべきものであります。
 第五の反対点は、料理等飲食消費税であります。三千円以上の高級飲食に対する税率を五%引き下げたにもかかわらず、一般庶民の宿泊、飲食に対しての免税点はわずかに千六百円でありまして、今日千六百円で宿泊させてくれる旅館はほとんど絶無といってよいと存じます。庶民の年一回や二回のレクリエーションにまで料飲税を課税することは全くけしからぬ税金だと存じます。また、一般大衆の飲食に対する免税点は八百円でありますが、これも低過ぎます。千円以下の飲食はまさに普通の夕食程度のものであります。今回の税率改正免税点の引き上げの措置は、大衆の飲食、宿泊に相変わらず重い税金を課し、社用族を奨励し、高級料理店をもうけさす選挙目当てのものではないかとさえ勘ぐられてもしかたがない改悪であろうと思います。高級飲食はむしろ二〇%に引き上げ、大衆の飲食については免税点を、宿泊については二千五百円、飲食については千円に引き上げるべきであると思います。
 以上、主要な点についてのみ反対の理由を申し上げ、本地方税法改正案に反対するものであります。
 以上で終わります。
#280
○熊谷太三郎君 私は自由民主党を代表して、本案に賛成の意を表するものであります。
 本案は、地方財政の実情と地方税負担の現状を考慮し、国民の強い要望である住民税負担の大幅な軽減をはじめ、料理飲食等消費税、電気ガス税、自動車取得税等の負担を軽減し、また市町村の目的税として宅地開発税を創設して公共施設の整備を促進するとともに、地方道路譲与税の譲与基準を合理化して、大都市の財源の充実に資するなど、所要の改正をいたそうとするものであります。
 これらの改正内容は、いずれも当面の事態に対応する適切な措置でありまして、私は本案に賛成する次第であります。
#281
○原田立君 私は公明党を代表して、地方税法等の一部を改正する法律案に対し反対の意を表明し、討論を行なうものであります。
 政府は、地方税法の一部を改正して減税を打ち出したのでありますが、私は、この法律案に対してはなはだ不満であります。それは、見せかけ減税であるからであります。住民税所得割りの各基礎控除の引き上げはよいとしても、その他のものは免税点の引き上げであります。電気ガス税によってこれを見ると、電気は五百円、ガスは千円の免税点であります。かりに四百九十円使用したときは無税だが、五百十円の使用のときは課税される、五百円を超過した十円に対する課税と錯覚するのが一般的考えでありましょう。実際は五百十円全額に課税される、こういうやり方が免税点制度であります。こういうやり方も徴税方法の一つではあろうが、欺瞞するもはなはだしいと思うのであります。これらは全廃するか、基礎控除制にするか、または税率の軽減をはかるべきであります。口では減税と言っても、実のところ電気ガス税は四十三年度から比べてみれば、九十三億九千五百万円の実収増になっております。これは最近の電気ガスの需要が伸びているからであって、今後も続くことでありましょう。これらのことを考えると、もっと減税ができたのではないかと思うのであります。このような考えから、この案に賛成しがたいものであります。
 二つには、八百七十億の減税をしたと自治省は自画自賛をしているが、では一体、四十三年度から比べてみると、どれだけの実収の増減があったか、実に四千七百億からの増収になっているのであります。こんなに実収増があるのなら、どうして日ごろから熱望されている住民税の課税最低限度額をもっと引き上げようとしないのか、理解に苦しむものであります。あげくの果ては、国へ六百九十億円の貸し付け、国鉄納付金を二十五億円も減額にする等、これらを行ない、住民税のほうはほんのわずか手をつけたごとき態度はどうしても容認しがたい点であります。
 三つには、税制の簡素化を大義名分として、料理飲食消費税をすべて一〇%の課税としたことであります。国では交際費にも課税すべしという態度をとっておるのにかかわらず、他方、高級料飲税軽減するがごときは、矛盾もはなはだしいと言わざるを得ません。
 四つには、地方財政をどのように強化充実していくか、その位置づけが不明確な点であります。確かに四十四年度は地方団体にとって増収になることは事実であって、その限りでは自然増収による地方財政の充実ということでありますが、他方、身がって過ぎるほど無計画な減税方法を政府は行なっております。そして、大眼目である地方財政を根本的に充実させ、住民サービスを向上せしめるいわゆる地方財政の位置づけが何ら加えられていないことであります。最近までは三割自治といわれ、赤字財政に苦しめられていたのもついこの間までのことであります。地方財政をどう位置づけるかは地方行財政にとって重要問題であります。これらが明確にされていないところに大きい不満を持つものであります。
 五つには、わが党はかねてより次のような点を主張いたしております。それは、住民税の課税最低限度額を百万円まで引き上げよ。電気ガス税の全廃。大衆課税である料飲税の撤廃等であります。昭和四十四年度こそ、税の伸びの著しいときはありません。このときこそ、これらの実現のチャンスであると確信いたしておりますが、そのような住民本位の施策は施されず、申しわけない減税を行なっていることは断じて承服できない点であります。
 以上、五項目を申し述べて反対討論といたします。
#282
○委員長(内藤誉三郎君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#283
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 地方税法等の一部を改正する法律案(閣法第五八号)を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#284
○委員長(内藤誉三郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#285
○熊谷太三郎君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、各派共同による附帯決議案を提出いたします。趣旨説明を省略し、案文を朗読いたします。
 地方税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、最近の社会経済の進展に即応し、国、地方を通ずる税制の抜本的改革につき再検討し、市町村、特に大都市の税源充実につき、速やかに適切な措置を講ずべきである。
 なお住民負担の軽減を図るため引き続き左の措置を講ずべきである。
 一、個人住民税の課税最低限度額を引上げ、所得税の課税最低限度額に近づけるようつとめること。
 二、飲食店、喫茶店等における飲食並びに宿泊等に対する料理飲食等消費税の免税点については更に引上げにつとめること。
 三、電気ガス税については、国民生活水準の向上等を考慮し、負担の軽減をはかること。
 四、昭和四十五年度における固定資産税の評価がえに伴う固定資産税の負担については負担の過重とならないよう所要の措置を講ずること。
 五、宅地開発税の創設については、納税者に過重な負担を強いることのないよう十分な配慮を加えること。
 右決議する。
 以上でございます。何とぞ委員各位の御賛成をお願いします。
#286
○委員長(内藤誉三郎君) 熊谷君提出の附帯決議案について採決を行ないます。
 熊谷君提出の附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#287
○委員長(内藤誉三郎君) 全員挙手と認めます。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの附帯決議に対し、野田自治大臣から発言を求められておりますので、この際これを許
 します。野田自治大臣。
#288
○国務大臣(野田武夫君) ただいまの附帯決議に示されておりまする事項はいずれも重要な事項でございますので、慎重に検討を加えまして善処いたしたいと存じます。
#289
○委員長(内藤誉三郎君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#290
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後八時三十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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