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1949/04/04 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 外務・逓信連合委員会 第1号
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1949/04/04 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 外務・逓信連合委員会 第1号

#1
第005回国会 外務・逓信連合委員会 第1号
昭和二十四年四月四日(月曜日)
   午前十時五十三分開会
  ―――――――――――――
 委員氏名
  外務委員
   委員長     佐藤 尚武君
   理事      徳川 頼貞君
   理事      伊東 隆治君
           岡田 宗司君
           金子 洋文君
           團  伊能君
           淺井 一郎君
           伊達源一郎君
           野田 俊作君
           西園寺公一君
  逓信委員
   委員長     大島 定吉君
   理事      中村 正雄君
   理事      小林 勝馬君
   理事      渡邊 甚吉君
           下條 恭兵君
           加藤常太郎君
           深水 六郎君
           松嶋 喜作君
           橋上  保君
           尾崎 行輝君
           新谷寅三郎君
           松平 恒雄君
           千葉  信君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○郵便振替に関する約定に加入するこ
 とについて承認を求めるの件(内閣
 送付)
○郵便爲替に関する約定に加入するこ
 とについて承認を求めるの件(内閣
 送付)
○代金引換郵便物に関する約定に加入
 することについて承認を求めるの件
 (内閣送付)
○價格表記の書状及び箱物に関する約
 定に加入することについて承認を求
 めるの件(内閣送付)
  ―――――――――――――
   〔外務委員会理事伊東隆治君委
員長席に着く〕
#2
○委員長代理(伊東隆治君) それでは只今から連合委員会を開きます。先例によりまして外務委員会の委員長が連合委員会の委員長をさせて頂きます。本案に対して政府側の説明をして頂きます。
#3
○政府委員(近藤鶴代君) 簡單にお説明申上げます。
 この度御審議を煩わすことになりました價格表記の書状及び箱物に関する約定、代金引換郵便物に関する約定、郵便爲替に関する約定、郵便振替に関する約定の四つの約定は一昨年七月五日パリの万國郵便会議で立成したものであります。この会議では國際郵便業務に関する基本的條約といたしまして、万國郵便條約と、郵便の特殊業務に関するものといたしまして只今申しました四つの約定を含む七つの約定が作られたのでございます。これらは從來のブエノス・アイレス万國郵便條約及び関係諸約定に代つて昨年七月一日以降すでに関係各國間に実施されておるのでございます。我が國は明治の初年から國際郵便関係約定に参加いたしておるのでありまして、ただ終戰後の特異の事態に基き関係條約及び約定の我が國に対する適用が停止されておつたのでございます。この間に只今申上げました通り從來のブエノス・アイレス條約及び約定に代つて新らしくパリ條約及び約定が國際間に適用されることになつたのであります。我が國も御承知の通り、昨年六月連合國総司令部からパリ條約及び関係約定の加入を適当と認める旨の指示を受けまして、取敢えず当時実施可能の状態にありました郵便條約と小包郵便物に関する約定とへ加入することを決定し、國会の承認を経た上、條約所定の手続に從つて加入いたしたのであります。
 残余の約定、特に今回の四つの約定につきましては、当時爲替レートがない事情もありまして加入を差控えたのでありますが、近く爲替レートの設定が予想される事態になり、その場合は早速郵便業務におきましても、相当廣範囲に亘る海外との現金、有價証券、貴重物品、爲替の送受、又振替、代金引換制度の利用等が要望されるようになる見込であります。政府といたしましては、新事態に應じて、直ちに加入できるよう、措置して置きたいと存ずるのであります。よつて四つの約定に対する加入について今回國会の承認を求めることと相成つた次第であります。尚約定の改正点等内容に関しましては関係政府委員の説明を御聽取願います。
   〔委員長代理伊東隆治君退席、委員長著席〕
#4
○委員長(佐藤尚武君) それでは只今政府側の総括的の御説明が外務政務次官からありましたが、これらの諸條約に関しまして、技術的方面の説明をやはり政府側から求めた方がいいと思います。それでは逓信省側の政府委員の方から御説明をそれぞれお願いします。
#5
○政府委員(村上好君) それでは便宜に從いまして郵便爲替に関する約定から御説明をいたす方が御便宜かと思います。本約定は連合條約の附属約定でございまして、明治十八年に日本はこの約定に加入いたしました。その後昭和十四年ブエノス・アイレスの大会議で決定された約定に加入したのが最後でございます。これは戰争のために停止されて今日に及んでおるのでございます。郵便爲替の種類は通常爲替、代金振替爲替、これは通常爲替の一種と見てよろしいのであります。通常爲替、電信爲替、旅行小爲替という種類に大別されるのであります。
 以下改正事項の要点を御説明申上げたいと存じます。便宜從來加入しておりましたものと同一内容のものは説明を省畧させて頂きたいと思います。主として変つた点だけを中心に申上げたいと存じます。変つた主なる点は郵便爲替の交換の方式が從來はカード式のみであつたのでありまするが、今回この交換方式に目録式を追加いたしたのであります。そこでこの爲替約定は從來英米系がこの約定には加入していなかつたのであります。その主なる理由は、爲替の交換方式が國際連合の決めておつたところのカード式とは違う目録式であることが、國際連合の爲替約定に入らなかつた主なる理由の一つと考えられていたのでありますが、前回のパリ大会議のこの約定におきましては、英米系が採用しているところの目録式もこれを併呑さして採用するというふうに改められたのであります。從來はこの連合條約の加入國は、欧洲大陸の大國の各國が中心となつていたのであります。
 それからその次には、爲替の振出金額でございますが、これは從來千フランということに相成つております。今回もこれには変更がございませんが、日本が近い將來において單一爲替レートが設定されまして、仮にこれが一ドル三百三十円といたしますと、一口約六万円ということに相成るのであります。それからその次には、第五條の料金について一言申上げます。この料金は、この約定によりまして最高金額を定めているのでございます。この定め方は從來とは違つておりませんが、國内法上の取扱として、將來料金を定めるときは法律を以てしなければいけないという國内法上の拘束がありますが、約定に加入いたしますれば、これで最高料金が定められてありますから、この範囲内においては逓信大臣は料金の決定は委任されることを便宜とするという建前から、同時に別途法律案の改正を出す見込でございます。
 それから第六條でございます。この第六條は無料爲替を規定したのであります。第二項に無料爲替は從來捕虜まではよかつたのでありますが、捕虜に準ずる非戰闘員が抑留所に入つているような場合は無料爲替は認められなかつたのでありますが、今回この捕虜に準ずる者を認めたという点が変つております。その点第八條に、これは小さなことでありますが、拂渡済通知書、これの送達は從來は通常郵便を以てする方法だけでありましたが、將來は航空郵便を以ても拂渡済通知書の送付を請求することができるという技術的な変更であります。
 次は第十條本人拂、これが新らしい制度でございます。本人拂と申しますと、爲替受取人は代理人を認めない。本人に限るという制度を新らしく作つたわけであります。この動機は年金や恩給等を外國に居住しておる者が貰う場合には多くの場合、その人が果して生きているかどうか、生存証明というものを各國でとつて、而る後に恩給を拂うのが、そういう例が多いのであります。その場合に爲替で送る場合には、生存の証明を本人からとつて、それに基いて改めて爲替送金をやるという方法が從來の方法であります。これは非常な手数もかかつて時間もかかります。今度は爲替を送るけれども代理人ではいけない。必ず本人でなければいけないというこの方法で、別に生存証明というその手続を必要としないというこの方法が新らしく採り入れられたのであります。
 次は第十一條、これは技術的の小さなことであります。主としてフランス等において起つた問題でありますが、フランスは國内法で國内爲替のフランサンチームの單位をとつております。サンチームは十何サンチームという、十サンチームまでの桁はよろしいのでありますが、それ以下の單位は爲替の金額として國内法で認めていないのであります。かような場合に、外國から送られた爲替、又送る爲替等については國内法と同じに、或る單位で切り捨てる、端数を整理するということをしたいという規定でございます。それから十八條、為替証書の有効期間、これは有効期間を從來より一ケ月延長したのであります。その他目ぼしい改正はございません。カード式の外に目録式が入つたために、それに附随した三、四点規定されておる点が変つておるだけでございます。
 それからこの爲替約定の一部分として、郵便旅行小爲替業務に関する追加書というもがございます。これは戰前におきましても、日本はこの業務をいたしていなかつたのであります。又將來差向きはこの方法は採用する程の必要がないものと存じます。差向きは採用しない予定でございます。御参考までに説明いたしますと、郵便旅行小爲替と申しますものは、外國へ旅行する場合に、現金を持つて行く代りに、郵便局で発行する小爲替を持つて、その小爲替で自分の旅行しようとするその目的國のどこの郵便局でも取れるというふうなのであります。初め小爲替を十枚、最高千フラン、邦貨に換算いたしまして約六万円、十枚以内の範囲で、その國の郵便局で小爲替を振出させまして、自分で携帶して、そうして外國で取るという方法でございます。この小爲替業務が從來の点と今度の約定で変つた点は、從來はどこの國へ旅行する場合でも、何國人が旅行する場合でも、必ず金額の表示は金フランでやらなければならなかつたのであります。これは非常に不便なわけでありまして、ドルやポンドを使つている國の人が、又外からそういう國に旅行するときには、非常に不便なので、結局その金額の表示は、拂い渡し國の貨幣で表示するという点が変つております。内容の改正は大体以上のようなことでございます。それでこの約定に加入しますにつきまして、我々は考慮しなければならない問題がございます。その一つは一体この爲替約定には如何なる國が参加しているかと申しますと、英米系はまだ加入いたしておらないのであります。で英米系は戰前までは日本とイギリス若しくはアメリカ、カナダ等單独の條約を以て爲替交換をいたしていたのでございます。その他の署名國、これらの署名國はこの約定に基いて單独な條約を結ぶ必要はなかつたのであります。それで今回この爲替レートが決定いたしまして、日本が直接に郵便爲替を以て送金の途が開かれるということに相成りますと、然らば英米系はどうするかという問題になるのでございます。最もその需要の度が多いものの一つと見られるアメリカとの関係はどうするかということでございます。それでこの連合約定に加入することが、これは日本として國際條約に加入し得られる非常にいいチヤンスを與えられたので、このチヤンスを掴んで入ることは、非常に我々必要だと感じまますのであります。然らばアメリカとの関係は單独條約をそれでは結ぶかということになりますと、これは非常な困難な問題があると思うのであります。併し逓信省といたしましては、G・H・Qに申入れをいたしているのでありますが、万國郵便連合條約に入つて、日本が爲替の途を、送金の途を開いて貰えるならば、少くともアメリカとこれを同等以上に途をつけて貰いたい。若し單独條約が平和條約締結前に締結することが可能であるならば、非常に仕合せであるが、不可能であるならば、この條約と内容を大体同じにするような方法で何らかの方法を以て取決めをいたしたいという申入れをいたしております。G・H・Qの関係筋は、これを諒といたしまして、この問題は非常に重要な問題であるからして、本國政府にこれを申出て、これを伝えるということに只今の段階ばはなつております。アメリカができましたら、英國へも逐次及ぼしたいと考えております。同時にこの條約には中華民國及び朝鮮が入つております。又南方の佛領印度支那、それから蘭印、これが皆加入しております。戰後経済事情の非常な変化によりまして、自由に郵便爲替送金ができますれば、東洋内部における爲替送金の額というものは相当大きなものがありはせんか、かように考えておる次第であります。御参考までに、最近日本に送金せられる金額は貿易外で一月約四億円あるそうでございます。これは特許された外國銀行の本、支店間の送金の方法によつて日本で佛渡しされておるのでございます。送金はできません。受けるだけの途が聞かれております。
 次にこの実施期の問題でございます。これは單一爲替レートが決定いたしますれば……私は單一爲替レートでないと非常に困難であろうと思うのでありますが、それが決定されればこれを受けて直ちにG・H・Qの許可せらるる最も早い機会に加入の申込をいたしたいと考えております。で加入した後にこの約定の実施は外の場合とちよつと違いますのは、この約定を実施する場合には両國間の協定に委ねられておる部分が沢山あるのでございます。例えば交換方式を両國間でどの方式を使うか、或いは貨幣の表示はどこの貨幣を以て表示するか、或いは電信爲替をそちらの國ではやるかやらないか、本人拂制度を認めるか認めんかということが、この約定の両國間の協定に委ねられる点であるのであります。この協定が成立次第両國間の約定の実施というものが実現さるることに相成るのであります。以上が郵便爲替に関する大体の御説明でございます。
 次に郵便振替に関する約定を簡單に御説明いたします。これは日本の約定加入の関係の歴史は割合に新らしいのでございます。大正九年に加入いたしまして、その実施は更に遅れて昭和六年に実施されたのでございます。それでこの約定は從來の約定と内容は殆んど変るところはございません。ただ一つ変つたのは先程申しましたように、金額の点、金額の端数整理をすることができる。その國の國内法で必要のある場合には、相手國に通知をして金額の端数整理をすることができるという先刻の爲替の場合と同じ定めが設けられたわけであります。前後して甚だまずくなりましたが、この郵便振替は御承知と思いますが、そのやり方は日本の郵便振替の口座を持つておる人が、その口座の金を以て外國の振替口座に金を口座問で振替えるという制度、それはただ口座問の振替ということだけでございます。英米系との條約加入の関係については、爲替の場合申述べたと大体同じことに相成るかと存じます。朝鮮の場合はまだ加入いたしておりません、これも加入し得る途が開かれておるというだけでございます。以上を以ちまして概畧の御説明をいたしました。
#6
○委員長(佐藤尚武君) 御質問があるかと思いますけれども、政府側の御説明を一應ずつと纏めて承わりまして、それから後で質問に入りたいと存じますが、どうぞ小笠原郵務局長。
#7
○政府委員(小笠原光壽君) それでは引続きまして、價格表記の書状及び箱物に関する約定と、代金引換郵便物に関する約定につきまして、簡單に御説明申上げたいと存じます。
 價格表記の書状及び箱物と申しますのは、今日は日本の内國制度におきましては、保險扱という、郵便の取扱制度に保險扱というのがございますが、大体それと似た制度でございまして、この書状及び箱物についていえば、保險を付けて郵便を送致することができる制度でございます。この價格表記の書状の中に入れることが出來ますものは、銀行券とか、船荷証券、保險証券といつたような、要するに有價証券及び有價の書類を入れることができることになつております。箱物と申しますのは、小型の小さい箱の形をした郵便物でございますが、その中には、硬貨、非硬貨、即ちお金です。硬貨或いは宝石、珠玉、貴金属といつたようなものを入れることができることになつておるのでございます。この價格表記の書状及び箱物に関する約定の性質は、万國郵便條約と同樣に非常に古いのでございまして、日本も明治十一年以來引続きこれに加入して参つたのでございます。新らしい約定、即ちパリで締結されたものの原署名國は六十四の國家又は地域となつております。從來のブエノス・アイレス当時のこの約定に比較しまして、変りました主要な点は、第一には、價格表記箱物の郵便料金が、從來は最低を八十サンチームとする、五十グラムごとに二十サンチームでありましたものを、これは第三條の(ろ)に書いてございます。最低を八十サンチームとする、五十グラムごとに十六サンチーム、要するに安くなつたということが第一点であります。第二点は、第十三條の第二項の規定でございますが、價格表記の書状及び箱物については、從來は捕虜に宛て、又は捕虜から送致されるものは、郵便料金を免除されることになつておりましたが、更に捕虜に準ずる者、即ち中立國内に收容、抑留される交戰者、及び抑留所又は普通刑務所内に留置される敵國の文民に、発着するものについても、同樣に料金を免除することをここに規定が改正されたのであります。第三点は、箱物の基本郵便料及び最低料金の引上げ及び引下げに関する規定でございまして、約定の最終議定書の二に規定されております。即ち約定第三條(ろ)に規定する基本郵便料及び最低の料金を最高百分の四十引上げ、又は百分の二十引下げることができるというような、料金の設定に彈力性を與えることになつたものでございます。それから價格表記の書状及び箱物は戰前はどれ位の取扱があつたかと申しますと、日本からこの制度を利用して輸出されておりました主なものは眞珠でございます。又外國から輸入されておりました主なものは時計とか、時計石とか、首飾り、宝石、ダイヤモンド・ダイスというようなものが、このことによつて、價格表記の箱物の制度によりまして輸入されておりました。戰前この價格表記の郵便物はどれくらい取扱があつたかと申しますと、これは昭和十三年の数字でございますが、日本から出て参りましたものは、昭和十三年即ち千九百三十八年におきまして、約九千であります。外國から到着いたしましたものは、約十二万でございます。併しながら勿論これは、当時今日の中華民國の領域から発着したものが非常に多いので、將來新らしくこの制度を再開いたします場合における数字を勿論予想し難い次第でございます。
 それから、その次に代金引換郵便物に関する約定でございますが、この代金引換郵便物は、御承知のように、例えば、日本から品物を送つて、向うの郵便局で、名宛人からこの品物に関する代金を取立てて、それを郵便爲替或いは郵便振替で、その品物を送り出した日本にいる差出人に代金を送つて來る制度でございます。この代金引換郵便物につきましては、從來は万國郵便條約、價格表記の書状及び箱物に関する約定並びに小包郵便物に関する約定の中においてそれぞれそれを規定していたのでありますが、一昨年のパリの大会議におきまして、各條約及び約定の中から、代表引換に関する規定を拔き出しまして、これに必要な修正を加えて、そうしてここに一つの新らしい約定を作つたものがこれでございます。その原署名國は五十一の國家又は地域と相成つております。從來のブエノス・アイレス当時の條規と違つております主なる点を申上げますと、一つは、代金引換金額の郵便振替口座への振替に関する第三條第一項及び第二項の規定でございます。これは代金引換金額を郵便振替口座への拂込によつて清算することを郵便物の差出人が請求する場合に、從來の規定では、郵便物の名宛国における、振替口座に拂込むことのみが認められておつたが、新らしい規定におきましては、郵便物の差出國における振替口座への振替も認められることになりまして、その料金を規定いたしたのでございます。それから第二は、代金引換爲替証書の航空による返送の規定でありまして、第三條の第一項(は)及び第十三條の(ろ)に規定されております。即ち差出人の請求がありますときは、代金引換爲替証書を航空郵便で返送することになりましたので、その料金を詳細に規定いたしたのでございます。第三には、貨幣單位の端数の整理に関する第三條第六項の規定でございますが、これは先程村上政府委員から、爲替約定等につきまして御説明いたした改正と同樣でございます。それから第四番目には、代金引換金額の取消又は変更の料金に関する第四條第三項の規定でございますが、この代金引換金額の金部若しくは一部の取消又は引上の請求が電信により送達されることを要するときの請求の料金は、從來は電報料金に書留書状代一通分に適用する料金、即ち最高六十サンチームを加えたものでありますが、今回は電報料金に最高四十サンチームの料金を加えたものとすることに改正されたのが主な改正の点でございます。戰前におきまして、代金引換制度によりまして、どれくらいの、どういうものが取扱われておつたかと申しますと、この代金引換制度によりまして日本から外國へ輸出しておりますものは、雜貨、玩具、豆電球、メリヤス製品といつたようなものが代金引換で送られていたのでありまして、外國から日本へ到着しておりますものは、時計であるとか、その部分品、雜貨といつたようなものが到着しておつたのでございます。それで取扱数といたしましては、昭和十三年即ち一九三八年におきまして代金引換の通常郵便物といたしましては、日本から出るものは四万七千、日本へ到着しましたものは千ばかりでございます。それから代金引換の小包として日本から出ましたものは二十万五千、外國から日本へ到着しましたものは約千であります。大体さような状況であつたわけでございます。甚だ簡單でございますが一應御説明いたしました。
#8
○委員長(佐藤尚武君) 何か政府委員に対して御質問ございませんか。
#9
○小林勝馬君 先程からの御説明の中に千フラン六万円だという御説明がありましたが、どこからそういう基礎が出て來ておるのか、戰前におけるレートの換算と今度の換算とどういうふうに違つて來るのか御説明頂きたいと思います。
#10
○政府委員(村上好君) 戰前におきましては、千フランが三百八十七円であつたのであります。これを端数整理をいたしまして四百円ということにいたしております。フランとドルとの公定比價から一ドルが三百三十円に換算すれば、日本の円にすれば、約六万円になるだろうとこういう計算であります。一ドルは公定比價で約二円という換算であります。
#11
○小林勝馬君 そうすると結局対日爲替レートが設定されなければこの料金は決定されないことになるんですが、どうなるんですか。
#12
○政府委員(村上好君) 先程申上げましたように爲替レートが決定いたしませんとこれは滑り出しませんので、私共の考えとしては單一爲替レート決定の後に加入することにいたしたいというふうに考えております。
#13
○小林勝馬君 それからこの説明書の中に現金取立に関する約定というのと、新聞紙及び定期刊行物の予約に関する約定というのがありますが、これはいつ頃加入できるのか、これは当然加入できないのか、その時期その他を御説明願いたいと思います。
#14
○政府委員(小笠原光壽君) 現金取立に関する約定、並びに新聞紙及び定期刊行物の予約に関する約定、この二つの約定は、日本は從來戰前から加入いたしておらないのでございます。現金取立に関する約定というのは、丁度從來日本で集金郵便という制度がありましたが、これに似たようなサービスを目的にしておるものでございまして、それから新聞紙及び定期刊行物の予約、この約定は丁度あの丸善で、外國雜誌の予約購読をやつております一種のそういうサービスを郵便局がやつておる約定でございます。現在今日の状況の下におきまして、万國郵便條約等、現在日本がそれに加入している條約によりまして、又外國の新聞社の定期刊行物の條約の規定の方から言えば、占領下の特殊事情は別に考えまして、條約の規定は自由にできるとは思つておりますので、こういつたようなものは、特にこの約定に加入する実益というものが先ずないように大体考えられますので、今日のところでは、この約定に加入することは、只今のところ考えておらない次第でございます。
#15
○小林勝馬君 今日は電務関係が見えてないと思いますけれども、外務省の方にちよつとお伺いしたいのですが、現在の國際無線電信ですか、ああいう電信條約の方の代金決済はどういうふうになつておりますか。どういうレートでおやりになつておりますか。
#16
○政府委員(西村熊雄君) その点は電務に関係しておる問題でございますので、外務省の係官は全く存じておりません。
#17
○小林勝馬君 今の郵便の方の爲替レートができなければこれはできないのは分りましたが、今の電信なんかもうやつておる筈なんですが、これのレートのあれはどういうふうにしてやつておられるのか、それをちよつと……
#18
○政府委員(小笠原光壽君) 実は電務局長がおりませんので、電氣通信の方のことは正確に存じませんので、ちよつとお答えいたしかねますが、大体恐らく似たようなものじやないかという想像の下に御説明申上げたいと思います。この外國郵便の交換によりましても、やはり常時日本と外國郵政廳との間の清算関係が現に起きておるわけであります。そうしてこれは、この條約に規定されておりますように、それぞれ各國の取り分というものは、條約で金フランで決められておりまして、そういつたようなものを土台にして、ドルで計算する國からはドルで貰う、そういうものが今日はアメリカにあります信託資金勘定の中に、日本の取り分は信託資金勘定に貰うわけでございます。それから日本から外國郵政廳に支拂うべき場合は、その信託資金勘定から、関係の筋にお願いしまして支拂つて頂くということによりまして、向うにありますトラスト・ファンドを中心にして外國問題の決済に当ります。
#19
○小林勝馬君 そうすると、郵便料は何を基準にして外國郵便料を御決定になつておりますか。
#20
○政府委員(小笠原光壽君) 日本國内における現在適用しております外國郵便料というのは、これは現在爲替のレートがございませんので、現在は便宜……土台は軍用レートを使用いたしましたのですが、その後郵便料金の改正の際に、内國郵便料金の値上りの倍率等も考慮いたしまして決定しておる極めて変則的な状態でございます。
#21
○小林勝馬君 そうすると今度加入されるこれらの料金は、非常にそれとは関係なく決定されることになるのですか。これは、大体最近の金フランというものは決まつておりますが、それ以内で適当に按配される御意思かどうか。
#22
○政府委員(小笠原光壽君) 只今問題になつております約定は、政府といたしましては爲替のレートが決まつた後において加入の手続を取りたいと考えておりますので、即ち加入したときにおきましてはすでに爲替のレートは決まつておりますから、それによつて金フラン、或いはサンチームがどういうことになるかということは計算できることになつております。約定の規定に從つて料金を決めるということになつております。
#23
○小林勝馬君 それは分つておりますが、結局今郵便電信その他の料金と今度加入される價格表記とか、代金引換の郵便料金がべら棒に違つた料金にならないかということを聞いておるので、結局私が以前電信などをやつておつた時分は四銭でしたか、一サンチが四銭、こういうレートで勘定しておりまして、非常に安いので幾らにもやれたのだが、今度は反対になつて、そうしてレートが非常に高くなつておるので、先程の御説明のように六万円ということになつて非常に高い料金になつておる。その高い料金になつて外國郵便、外國電信等の料金との釣合が現在どうなるかということを聞いておるのです。
#24
○政府委員(小笠原光壽君) 爲替のレートが正式に決定いたしました曉のおきましては、現在の外國郵便料金も先程申上げましたように、極めて便宜的な方法でやつておるのでございますから、いずれ正式レートが決まりますればそれを考慮に入れて再檢討しなければならない、こういうふうに思つております。今お話の六万円とおつしやつたのは、これは村上政府委員は料金として申上げたのでなくして、爲替の最高限を申上げたのです。
#25
○小林勝馬君 了承いたしました。
#26
○委員長(佐藤尚武君) 外に御質問はおありになりませんか………私から一つ追加的に御説明願いたいと思いますのは、爲替に関する約定の中で先程御説明になりました旅行小爲替について村上政府委員の御説明で私は誤つてお聞きしておるかも知れませんが、以前も日本はそういう約定には加入していなかつた。今後も加入する意思はないのだというお話のように承わりました。そうして併しながらこれは非常に実際面においては必要な業務であるからして、例えばアメリカとの間には特別の約定を結んで、そうして実際的に旅行小為替のレートを設けたいというように聞いたのでありますが、それならば外のこの郵便関係の取決めなり約定など今般加入されるその序でに今回旅行小爲替と同じように約定に入つてしまわれたならば、單にアメリカばかりでなく、イギリスなり、フランスなり、その他諸國との間に旅行小爲替というものができるように考えられますが、聞き漏らしかも知れないが追加的に御説明願いたい。
#27
○政府委員(村上好君) 実はこの旅行小爲替は戰前においては、日本では余り需要がなかつた関係がありまして、これを採用していなかつたのですが、將來この必要が相当出て参りますれば無論実施のチヤンスを與えられておりますので、実情に應じてそのときに考慮したいと考えております。今これをやらなければ遅いということは決してありません。將來の問題につきましては、実情に應じて更に考究するということにいたしたいと思います。
#28
○委員長(佐藤尚武君) 分りました。それでは外に御質問ございませんければ、これで連合委員会は閉じたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○委員長(佐藤尚武君) それでは連合委員会は閉じまして、外務委員会の方方だけお残りを願いたいと思います。有難うございました。
   午前十一時四十六分散会
 出席者は左の通り。
  外務委員
   委員長     佐藤 尚武君
   理事
           徳川 頼貞君
           伊東 隆治君
   委員
           金子 洋文君
           團  伊能君
           淺井 一郎君
           伊達源一郎君
           野田 俊作君
  逓信委員
   委員長     大島 定吉君
   理事
           中村 正雄君
           小林 勝馬君
           渡邊 甚吉君
   委員
           下條 恭兵君
           松嶋 喜作君
           千葉  信君
  政府委員
   外務政務次官  近藤 鶴代君
   外務事務官
   (條約局長)  西村 熊雄君
   逓信事務官
   (郵務局長)  小笠原光壽君
   逓信事務官
   (貯金局長)  村上  好君
ソース: 国立国会図書館
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