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1968/05/06 第61回国会 参議院 参議院会議録情報 第061回国会 地方行政委員会 第12号
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1968/05/06 第61回国会 参議院

参議院会議録情報 第061回国会 地方行政委員会 第12号

#1
第061回国会 地方行政委員会 第12号
昭和四十四年五月六日(火曜日)
   午前十時四十八分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         内藤誉三郎君
    理 事
                熊谷太三郎君
                吉武 恵市君
                林  虎雄君
                原田  立君
    委 員
                船田  譲君
                増田  盛君
                安田 隆明君
                若林 正武君
                竹田 四郎君
                千葉千代世君
                松澤 兼人君
                和田 静夫君
                阿部 憲一君
                山田  勇君
   国務大臣
       自 治 大 臣  野田 武夫君
   政府委員
       自治政務次官   砂田 重民君
       自治省財政局長  細郷 道一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       秋吉 良雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査
 (昭和四十四年度地方財政計画に関する件)
○地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(内藤誉三郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 昭和四十四年度地方財政計画に関する件及び地方交付税法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 まず、昭和四十四年度地方財政計画に関する件について説明を聴取いたします。野田自治大臣。
#3
○国務大臣(野田武夫君) このたび、昭和四十四年度の地方財政計画を策定いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
 昭和四十四年度におきましては、最近の経済情勢の推移に即応して、地方財政においても、国と同一の基調により、行政経費の重点化と効率化を推進し、節度ある行財政運営を行なう必要があります。
 地方財政については、かねてからその健全化と地方行政水準の向上をはかるため、各般の措置を講じてきたのでありますが、昭和四十四年度においては、以上のような基本的な考え方のもとに、住民負担の軽減合理化を行なうとともに、財政の健全性を確保しつつ、地方行政水準の一そうの向上をはかり、あわせて地方公営企業の経営基盤を強化するため、所要の措置を講ずることといたしたのであります。
 昭和四十四年度の地方財政計画の策定方針及びその特徴について申し上げますと、
 第一は、地方税負担の現状にかんがみ、個人の住民税、個人の事業税等についてその軽減合理化をはかることであります。これらの減税の総額は八百七十億円となるのでありますが、地方税の総額は、前年度に比して四千七百三十億円増の二兆七千九百九十八億円となる見込みであります。
 第二は、最近における社会経済情勢の進展に対処し、それぞれの地域の特性に応じて、町づくり及び地域づくりの事業を計画的に実施することであります。
 そして、その重点は、
(一) 地方道、下水道及び清掃施設の整備を促進すること、
(二) 土地開発基金の設置などにより公共用地の先行取得を推進すること、
(三) 人口急増地域における公共施設の整備をはかること、
(四) 交通安全対策を推進すること及び
(五) 過疎地域における生活環境施設等を整備すること
などに置いております。そのため、これらの事業にかかる地方債を重点的に増額するとともに、地方交付税の配分の合理化を一層推進することといたしております。
 第三は、地方公営企業の経営の基盤を強化してその健全化をはかることであります。たのため、(一) 公営企業会計と一般会計との負担区分を一層合理化するほか、
(二) 地方公営企業に対する貸し付け資金の増額をはかるとともに、公営企業金融公庫の機能を強化することといたしております。
 第四は、財政運営の効率化を進めるとともに、財政秩序を確立し、地方財政の健全化を推進することであります。そのため、
(一) 行政機構の簡素化と定員管理の合理化をはかり、既定経費を節減すること、
(二) 昭和四十四年度の地方交付税の総額について、地方財源の確保に配慮しつつ、所要の措置を講ずること。
(三) 一般補助事業及び直轄事業について、地方債への依存度を引き下げること、
(四) 国庫補助負担事業にかかる超過負担を前年度に引き続いて解消することといたしております。
 なお、地方公務員の給与改定など年度途中における事情の変化に対処するため、あらかじめ財源を留保することといたしております。
 以上の方針のもとに、昭和四十四年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は六兆六千三百九十七億円となり、その前年度に対する増加は一兆三百四十六億円、一八・五%となるのであります。
 以上が昭和四十四年度の地方財政計画の概要であります。
#4
○委員長(内藤誉三郎君) 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案について提案理由の説明を聴取いたします。野田自治大臣。
#5
○国務大臣(野田武夫君) ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由と内容の要旨を御説明申し上げます。
 昭和四十四年度の地方交付税については、地方団体の行政経費の増加に対処するため地方交付税の単位費用を改定し、基準財政需要額に算入すべき行政経費について経常経費と投資的経費との区分を明らかにする等地方交付税の算定方法を合理化するとともに、地方財源の確保に配慮しつつ昭和四十四年度分の地方交付税の総額の特例を設ける等の必要があるのであります。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、地方交付税の算定方法の改正であります。
 普通交付税の算定に用いる基準財政需要額の内容について経常経費と投資的経費の区分を明確化し、特に投資的経費については、動態的な財政需要の算定を強化する等基準財政需要額の算定方法の合理化をはかるほか、市町村道、下水道等各種公共施設の計画的な整備及び公共用地の確保の促進のために要する経費その他給与改定の平年度化、各種の制度改正等に伴い増加する財政需要を基準財政需要額に算入するため、関係費目の単位費用の改定等を行なうとともに、地方行政の全般的状況並びに過密地域及び後進地域における行政の特性に即応した財源措置の充実をはかってまいりたい所存であります。
 次に、地方交付税の総額の特例であります。
 昭和四十四年度分の地方交付税の総額については、現行の法定額から六百九十億円を減額するとともに、昭和四十三年度の補正予算により増加する同年度分の地方交付税のうち普通交付税の調整額の復活に要する額をこえる額を繰り越して加算することができることとし、これに伴い、六百九十億円は後年度において加算することとしております。
 以上が地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#6
○委員長(内藤誉三郎君) 次に、補足説明を聴取いたします。細郷財政局長。
#7
○政府委員(細郷道一君) お配りしてございます資料で、「昭和四十四年度地方財政計画の説明」という大きな印刷物がございます。先にこれで概要を申し上げたいと思います。
 この一ページには、策定の方針で、ただいま大臣が提案理由で説明をしたことが書いてございます。
 三ページに財政計画の数字の概要があがっておりますが、歳入では、全体で、三ページの下にございますように六兆六千三百九十七億、昨年に比べまして一兆三百四十六億増額になっております。このおもな内容は、地方税で四千七百三十億、地方交付税で二千七百七十九億、それに国庫支出金が千九百四十六億、そういったようなものが大きな費目でございます。なお、地方債は昨年に比べて五百五十八億増額になっておりますが、後に申し上げます公営住宅の関係でございます。
 四ページに歳出があがっております。全体のトータルは先ほどの歳入と突合いたしております。内容的には、給与関係経費二千九百三億、それから一般行政経費千三百三十七億、それに投資的経費で四千五百二十四億、その中で公共事業が千五百九億、一般事業費、これは単独事業費でございます、それが千億、それから特別事業費――単独事業費で長期計画をつくって行なうものでございます。これが千八百二十一億、それから公営企業の繰り出し金で四百六十二億、こういったようなものが前年に比べまして特に大きく伸びている点でございます。
 それから五ページは、それぞれ前年度との歳入歳出の構成比でございます。歳入では、交付税と国庫支出金が昨年に比べて一%ずつ上下になっております。それから歳出のほうでは、給与関係経費と投資的経費が昨年に比べて一%ずつの上げ下げがございます。
 それから六ページ及び七ページは地方税でございまして、すでに御審議をいただきました地方税法の一部改正で御承知の点でございます。
 それから九ページに地方交付税の算定の基礎があがっております。四十四年度につきまして国税三税の三二%が一兆三千八百四十二億九百万円、それに四十三年度の特例措置分で百五十億返ってまいります。六百九十億を減額をいたしまして、精算を三十一億三千万円加え、それから特会におきます借り入れ金の差が百三十五億ございます。借り入れ金で百六十五億、返還金で二百九十億、差が百三十五億、それに前年からの繰り越し金六百八十四億一千二百万円、全体として本年度は一兆三千八百九十二億五千百万円という交付税の総額になっておるわけでございます。
 それから一〇ページは国庫支出金の内訳でございます。
 それから一一ページは地方債の財政計画に関係のございます部分の内訳でございます。
 先ほども触れました、一番右の下の欄でございます、五百五十八億ふえておりますが、おもなものは、公営住宅建設事業の三百三十四億、用地費の融資切りかえによるものでございます。あと、義務教育施設で単独分をふやしましたので百十六億、それから辺地対策事業で十七億、公共用地先行取得事業で七十億、こういったようなものがふえた分でございます。
 それから一四ページに歳出の概要が載っております。
 先ほど歳出のところで見ていただきましたものを、さらに中身を分けたものでございます。で、先ほどと重複いたしますが、その分を避けますと、左のほうの給与関係経費の団というところに給与改善措置に必要な経費の増七百二十三億、うち地方費分として五百九十七億、七月から五%分という国の措置に伴って計上いたしたわけでございます。それから、それによってまかないきれないものにつきましては、まん中以下のところに、一般行政経費の一番下のところです、追加財政需要で昨年に比べて三百五十億減になっております。昨年は八百五十億これを計上いたしておりますが、今回、五百億になります。この五百億によって、上で足らない分をまかなっていきたい、こういう考えでございます。
 それから投資的事業では、公共事業費は、国の予算計上に伴う地方負担の増と、右のほうのまん中辺に特別事業費というのがございます、これは千八百二十一億ふえておりまして、今回、自然増収の部分を一部を充てまして長期計画の事業についての単独事業部分、それに対する財源措置を強化いたした部分でございます。その分も費目ごとにそこに上がっております。
 それから過密過疎対策事業につきましては、それぞれ調査の結果を参酌いたしまして増額をはかりました。
 それから公営企業の繰出金も、基盤強化のために増額を今回いたしております。
 以下はそれぞれのいま申し上げました歳出の内訳でございます。
 一六ページに、第九表 職員数の増減状況、それぞれの職員の種類ごとに計画人員を掲げてございまして、定員の合理化という欄が下から二つ目になっております。これによりまして八千六百人ほどの減をいたしております。反面、その上の欄にございますように、一万八千人ほどの増をいたしております。合計して百八十三万五千百七十二人というのが今回の計画、計上人員でございます。
 それから一七ページからは、普通補助金の内容、それから地方債、公債費の算出の基礎、それから投資的事業の算出の基礎、それぞれ資料が内訳として載っておりますので、御参考までにごらんをいただきたいと思います。
 それから引き続きまして、地方交付税法の一部を改正する法律案――青い紙がはさまっております、青い紙の二番目でございます。「地方交付税法の一部を改正する法律案」というところがございます。ちょうど十枚ほどめくったところでございます。「地方交付税法の一部を次のように改正する。」といたしまして、「第十二条第一項の表を次のように改める。」、これは経費につきまして、今回、投資的経費と経常的経費を区分いたしました。それぞれの算定の合理化をはかるために、経費の種類を区分いたすための、経費の種類、測定単位の表の改正でございます。それから、それが府県、市町村分とずっと続いてございまして、その一三ページに、「第十二条第二項の表中」云々というところがございます。これは、都市計画費の測定単位のうち、「土地区画整理事業の施行区域の面積」というものをやめまして、その需要は事業費補正によるように改めようとするためのものでございます。そのほか、昨年の繰り上げ償還公債費の区分によりまして年度を改めようとするものであります。
 それから「第十三条第五項の表を次のように改める。」というのは、補正の適用の費目の改正でございます。経常、投資に区分をいたしましたことが一つ。それから、投資的経費の算定のために、事業費補正の適用の範囲を拡大をいたしておるのでございます。県分でいいますと、その他の土木費あるいは農業行政費、林野行政費、それから市町村分では、都市計画費、清掃費、道路橋りょう費――指定市分の国、県道分でございます。それから小中学校については、通学対策費、スクールバス運営費とか通学費といったようなものについての密度補正を設けてございまして、それがおもな改正の内容点になっております。
 それから三一ページに、第十三条では従来、種地というものを設けておりましたものを、今度は都市圏を中心とした補正の新しい種地に置き直そうといたしておりますが、それに伴う改正でございます。
 それから、その次のところの第十四条は、基準税収入額の算定のための合理的な改正をいたしております。
 それから三三ページの「別表」は、経費の種類、測定単位と単位費用についての改正でございます。経常、投資にそれぞれ区分をして単位費用を設けた。そのほか、先ほど財政計画等でも申し上げました地方の単独事業、長期計画事業等について重点を入れておりますので、それらについて単位費用が計上になっておりますそれらの費用の昨年との比較表は別途、参考資料としてお配りをしてございます。
 それから四八ページの「附則」でございます。第三項で、本年度に限りまして、土地開発基金の需要額を、算定をいたすことにいたしておりまして、都道府県、それから指定都市、それから、おおむね人口十万以上の都市あるいは大都市周辺の市町村等に基準財政需要額としてこれを算入するようにするためのものでございます。大体算入額は、標準団体で、県で五億円、市で一億円、こう考えております。
 それから四九ページの附則の第五項は、先ほど大臣からも申し上げましたように、六百九十億の減額と、それからそれの四十五年度への加算、それから場合によりましては、別に法律で四十六、四十七年に加算をすることができる、こういう規定でございます。
 それから第六項は、四十三年度から四十四年度へ六百八十四億を繰り越すという根拠となる規定でございます。
 以上が交付税法の内容でございます。
#8
○委員長(内藤誉三郎君) これより質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#9
○委員長(内藤誉三郎君) 速記を起こして。
#10
○竹田四郎君 大臣の時間の都合がありますので、主として大臣への御質問を先にさせていただきたいと思うのですが、第一番目に、六百九十億の問題についてお伺いしたいわけですが、この六百九十億の問題というのは、一月六日の大蔵大臣と自治大臣との覚え書きによってこういう措置をされるということになったと思うわけでありますが、この六百九十億というのは四十五年度に返還をされるということが大筋として書かれているわけですが、場合によっては四十六、七年度になることもある、こう書いてあるのですが、四十六、七年度になるというそういう事情というのは、大体どういう事情のときに、六、七年度に延ばされるというそういう条件というものは大体どういう点を予想されて六、七年に延ばすという補完的な条項を覚え書きの中に入れるようになったか、その点をひとつ御説明を願いたい。
#11
○国務大臣(野田武夫君) ただいまの一月六日の私と大蔵大臣との覚え書き、その際、六百九十億の特例措置というのがありますが、その返還時期が一応四十五年度、なお情勢によっては六年、七年ということがありますが、大体その趣旨は、今後自治省の自主的な判断によりまして、地方財政の状況を見て自主的な年度間調整をするという考え方があります。したがって、四十五年度で六百九十億を必要とするかどうかというのは、やはり自主的な地方財政の状況を判断する上におきまして、一にかかって地方財政の状況によって処理する、こういう考え方でございます。
#12
○竹田四郎君 自主的な判断で調整されるといっても、これはむしろ自治省の関係なりあるいは特別会計の中に返ってきてから調整されればいいことじゃないか、こういうように思うわけですね。これは国の会計に貸してあるわけでしょう。貸してあるわけですから、自分のところに取って、そこで調整されるというのが私は自主的な調整だ、こういうふうに思うのです。しかし、この覚え書きによりますと、何か国のほうの会計から四十六あるいは七に返ってくるのだということになりますと、その点は自治省の自主的な年度間調整、こういうものとだいぶ私はかけ離れてきているように思うわけです。で、その点で自治省が自主的に年度間調整をやられる、こういうふうに大臣はしばしばおっしゃっているわけですが、しかし、どうもその辺が、自治省が自主的な調整をやるという何か保証がないような気がするわけです。大蔵省のほうが――きょう大蔵省の方お見えになっておりませんので、大蔵省の考え方いますぐお聞きするわけにまいりませんが、衆議院等で論議をされた中でも、大蔵省のほうは、その金というのは全部自治省に渡してしまって、もう自治省が自主的に調整をするのだというような点は明確に述べられていないような感じを私は受けたわけです。いまの自治大臣のお話でも、自主的な年度間調整をされると言いながら、お金のほうは相変わらず向こうのほうの手に渡っている。こういうことでは、私は自主的な年度間調整ということにはならないのではないか、こういうふうに思いますが、何かそれを保証する条件というものがついているわけですか。
#13
○国務大臣(野田武夫君) そういういろいろな配慮からいたしましての御意見もうなずけるのでございますが、私は率直に申しますと、今回の予算編成で特例措置を講じましたときの条件といたしまして、従来非常に不安定であった交付税率の問題、それからもう一つは交付税そのものの大蔵省の考え方と自治省との間に相違があったこの二つの問題、非常に地方財政の基本の問題というふうに考えまして、これをこの際確立する必要がある。しかも、これは長い間両省の中でおのおのの解釈が多少の食い違いがあったので、ここできちんとしておく必要がある、それが地方財政のつまり健全化であり、財政の確立に必要だということで、今度措置いたしましたのは、いわゆる交付税率三二%というのはこれは一切今後動かさない。第二は、交付税は地方財政の固有の財源である。この二つを今回の予算編成でいつもよりもはっきり明確にいたしたのであります。そこで、この六百九十億は、いま申しましたとおり税率は三二%、動かさないという前提でございますから、もうすでに地方財政の財源としては確保されている、こういうことでございます。いまの四十五年度で六百九十億を加算するか一部を後年度に残すかということは、いま検討いたしております。私は地方財政の状況におきましては、四十五年度において総額加算ということは十分可能でありますから、私自身としてはあまり不安を持っておりません。しかし、いまこの書いたものから見ますと、いろいろの解釈によりまして、御不安のあることもよく私はわかりますけれども、私は、責任者として折衝しました当時の申し合わせ並びにその後の委員会その他における私どもの言明、またさきに大蔵大臣が、やはり交付税は地方の財政の固有の財源だということを明確に答弁している、いろんな節からいたしまして、私自身は、それは四十五年度で総額加算するかどうかということにつきまして、いま検討いたしておりますけれども、これは加算すべしということになりますれば、自主的に判断して、必要があれば私は可能だと自信は持っております。
#14
○竹田四郎君 こういう問題は、自治大臣の確信だけでは済まされない問題というふうに私は思います。なぜならば、四十三年に四百五十億ですか、国に貸したわけですね。このときにもたしかやっぱり覚え書き、両大臣の話し合いということで、
  〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕
今後こういうような特例は一切やめますという話し合いを、これは野田大臣じゃなくて、前の赤澤大臣のときだと思いますけれども、そういう話し合いをしたわけです。この地方行政委員会の附帯決議でも、交付税額を減額するというようなことをしてもらっては困るという附帯決議もたしかついている。こういうような二つの歯どめといいますか、そういうものがあったにもかかわらず、やっぱり四十四年度は六百九十億を実質的には貸した、こうなってくると、ただ単に地方自治団体の固有の財源であると、こういうふうに明確にしているけれども、実際には何か底抜けのような感じがするわけです。ですから、私はその意味では、自治大臣の保証ということだけではこの問題は解決、完全に歯どめの役をどうもしていないんではないか、こういうように感ずるんです。その点どうでしょうか。完全にあなたのいまのこれが歯どめになりまして、来年は、四十五年度に六百九十億が完全に返される。返されたあとでひとつ地方財政の状況を見て年度間調整をするなり何なりすると、そういうことに必ずなるのかならないのか。どうもその辺が、昨年の経験からして、私ども確信を持てないわけです。その点何かはっきりした歯どめというものがあるわけですか、どうですか。
#15
○国務大臣(野田武夫君) しばしば御説明いたしておりますが、四十三年度四百五十億の特例措置、再びこれはやっちゃいけないという附帯決議、よく存じております。私は、これは別にあなたのおことばに返すつもりじゃございませんが、その点をよく存じておりまして、そこで今回の特例措置は、形はいわゆる貸す、借りることになっておりますが、内容は四十三年度とは違うと私は思っております。当時、財政当局からそういう話がありましたが、まあ金を貸せとか、特別な措置をしてくれとありますが、私断わりました。ただ無定見に――無定見といいますか、金を貸しなさい――貸そうとか、貸すまいとか、そういうことは、前の申し合わせがあろうがあるまいが、また委員会の附帯決議があろうがあるまいが、地方財政をかってに国のほうに融通するということは、これは好ましくないと私自身は思っております。そこで、いろいろの折衝をいたしました結果、四十三年度の自然増収というものが新たに加わって、それが七月数十億ある、こういうことを、ここは一つはっきりしたのでございます。実はその当時、これは国がいろいろ財政計画の姿勢上、補正を組まないということでございましたが、私はそのとき補正を組むべしと、こういうことで、そのときははっきりした回答はありませんでしたが、私は補正を組むものだと、これは政治的感覚ですから、ここでいま申し上げたとおり、私はそういう感覚を持っておりました、その当時。そういう意味においてこの六百九十億は、これは前の四十三年度のときの措置とは内容的に違うのではないかという私自身判断をいたしております。これはいろいろ御批判もありましょうが、そうだからといってどうということはありませんが、そこで次に申しました三二%の税率の問題と固有の財源ということにつきましては、大蔵大臣がはっきりと委員会その他においても答弁いたしております。これは、これまた疑うと切りがありません。きわめて明瞭になっております。そこでその六百九十億を四十五年度で一ぺん地方財政に繰り入れて年度間調整をできないか、ごもっともだと思っております。思っておりますが、年度間調整のことでございますから、そのほうが一番安全なことでございます。しかし、そのときに金が要るか、要らぬかというようなことも、無理に入れてあとで取れないというようなことになりますれば、これはいろんなことも考えなければなりませんが、一応いま検討いたしておりますが、必要によっては、いまはっきりとこれで六百九十億が四十五年度に済みますということを私はなぜ申しませんかというと、その辺について財政上の内容について検討いたしておりますから、しかし、一応の御趣旨はもっともだと思いますから、大体できましたならば、そういう措置をこちらがとるという方針を組みますれば、六百九十億が四十五年度に全部加算されることも私はそう――どんな裏づけがあるかどうかとおっしゃればなかなかいまここで明言できませんが、私はやはり政治的に可能だ、これは地方財政の情勢を見たときには、何も二年、三年延ばす必要はない。やはり四十五年度でもって全額加算という態度がきまりますれば私は可能だと、四十四年度の予算編成、その後の国会の論議、財政当局の姿勢その他を見まして、私はやはり政治的な感覚から見て、この政治的感覚では信用できぬのではないかというおことばがございましょうが、私は自分自身では、地方財政の状況によっては六百九十億四十五年度の加算は可能だと、これは一にかかって地方財政の状況を判断して自治省が自主的にこれを取り扱うという方向でいきたい、こう考えております。
#16
○竹田四郎君 この覚え書きの第三項ですか、この「当該加算額の一部を昭和四十六年度及び四十七年度に繰り延べて加算することができる。」、その話は両大臣の覚え書きをつくる前の話し合い、これは自治省のほうからこういう趣旨でこの文言を入れるようにしたんですか。それとも、大蔵省のほうからこの文言を覚え書きの中に入れてくれということを言い出したんですか。その辺の事情はどうなんですか。どっちが言い出したんですか。
#17
○政府委員(細郷道一君) 端的に言って両方だろうと思います。まあ覚え書きは、予算編成にあたって関係省の間で政府の考え方を整理いたしたものでございますから、それまでのいきさつでいろいろ議論になりましたこともあわせてあがっておるというふうに御理解をいただきたいと思います。
#18
○竹田四郎君 この文言がなければ、先ほど自治大臣のおっしゃった四十五年度には返ってくる、こういう確信を私ども得られるわけです。ところが、御承知のようにこの一年間というのは、交付税率の問題あるいはそれのベースになる国税、こういうことがたいへん大蔵省のほうから実は言われているわけです。何とか交付税というものを削っていこう、それから地方財政を国税の立場からの景気調整とか、そういうものに従属をさせようという考え方が大蔵省筋からきわめて強く出てきたことは、これは御承知のとおりだろうと思うのです、そういうものに全国の各地方団体は、地方交付税は地方固有の財源である、こういうことで、全国的に大会まで開いて、これは私どものところにさえ陳情にきているわけですから、これは自治省にはもちろんかなり強い要請として、地方の固有財源として確保しろということはかなり強く自治省あたりには私は要請があったと思うのです。それにもかかわらず、四十六、七、この二年に繰り延べて加算をするということは私どもとしては非常にこの点に大蔵省の言い分が入ってきている。いま財政局長は、それは両方からだと、こういうふうに言っているのですが、交付税は地方の固有財源であるという考え方に立つならば、これは当然大蔵省の言い分というのはそこに入れるべきではないはずです。もしもそれを入れてくるということになると、今度はまたひとつ国の景気が過熱をするから、それをひとつ引き締めるために地方行政も協力をしろ、こういうことになってくる可能性が私は非常にあると思うのです。現実にこれが四十五年度に六百九十億というものが返ったことを仮定いたしましても、おそらく四十五年度の地方交付税額というのは、いまの状態が進んでいく限りはまあ景気も当初心配されたような落ち込みというものもないというふうに考えてみますと、地方交付税額というのはかなり伸びる、こういうことになりますと、この三項の条項によって大蔵省のほうからまた、税率は少なくとも変えることはできないということになってくると、またひとつ金を貸してくれ、こういうことで、実際上三二%の税率を落としていく。まあ金は残りますよ。しかし現実にはその年度に交付さるべき総額というものは実際上は率が落ちていく。こういうようなことになることを非常に心配しているわけです。でありますから、私はこの四十六、四十七年度の年度に繰り延べて返すのだということになりますと、当然そこに大蔵省の意見というものがより強く入ってくる一つの道をあけておく、こういうことになるのではなかろうか、こういうことを非常に危惧するからこそ、強く大臣にこの問題はどうするのだということを私はむしろ要求をしているというわけなのです。そういう意味で、これは後ほどひとつ大蔵省のしかるべき方を呼んでいただきたいと思いますが、その点が明確にならないと、交付税というものが地方の固有の財源ではなくなっていく、そういう心配が出てくるわけなのです。でありますから、しつこいように一体歯どめはどうなっているのだ。政治的な解決ということだけでは、いままでも破れているわけです。四十三年度において再びこういう減額をするような措置はしないということを約束していながら、しかも四十四年度でまたやっている。こうなってまいりますと、いまの国と地方との関係を見てみますと、ますます地方財政というものが圧迫をされてくる可能性というものが強く出てくるような気がします。そういう点で、この点はひとつもう一回、ほんとうに自治省だけでの年度間調整というものが完全にできるのかどうなのか。これは来年またどうなるか、再来年どうなるかわかりませんけれども、そのときはまた明らかにしたいと思いますけれども、その点をひとつもう一回明確にしておいてもらわないと、何か堤防がアリの穴によってくずれてしまっていくというような、そういう一つの非常な危険な個所があるような気がするわけなのです。そういう点で、再度ひとつ自治大臣に、どういう保証の下にこれをやっていくのか。いまのところはほかに何もありませんから、結局自治大臣の決意だけしか歯どめにならないというきわめて残念な状態でありますので、再度伺っておきたいと思います。
#19
○国務大臣(野田武夫君) 私は、四十四年度の予算編成上、いま竹田さん御心配の地方財政の確立ということにつきまして、交付税の税率問題と、先ほど申しました交付税は地方財政の固有の財源だということについてはきわめて明瞭にしたつもりでおります。いまだ御不満のようですが、私はこれ以上明瞭にするにはどうすればいいのかわからない、大蔵大臣がそうですと言っておるのを。これはまた証文でも書くか、書かぬか。それで、その点において固有財源ではないんじゃないかという、こういうおことばですが、私は、私どもの全力を傾けてこの際確立したいと言って二つのことをやったつもりでおります。
  〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕
さらに、将来やはりこういう特別措置、貸し借りなんかはやめよう、口先だけでなくて覚え書きでも書こうというので覚え書きを書いたのであります。そこで六百九十億の問題でありますが、これは六年、七年になりますと当然これは法律も必要でございます。そういう場合は御審議を願いますが、私はいまの私自身の政治的信念からすれば、それはあくまでも自治省の自主的な判断によって調整していくということを私は堅持したいと思っております。いままでも私は自分の方針に従って固有の財源という問題についてはぶつかったし、当然年度間調整も自主的にやるんだと、こういうことではっきりと私どもの自治省の姿勢を申し上げております。これにつきまして大蔵大臣もそれに近い答弁をいたしておりますし、いわゆる歯どめの問題でございますから、御心配は私どもとしてむしろ感謝するわけですが、私自身としてはやはり確固たる方針のもとに貫きたい。まあこの地方財政の確立ということは大きな私どもの任務でございますから、あくまでも私の政治的信念を、いわゆる年度間調整は自治省の自主的な判断において調整していくということで貫きたいと思っております。
#20
○竹田四郎君 大臣の御決意のほどは私も非常に、そういう強い御決意を持っていらっしゃるということについては敬意を表するわけです。問題は、交付税というのは大蔵省がにぎっておるわけですよね。交付税としてきめられるまでは三税なものですから、向こうににぎられておる。六百九十億も向こうににぎられておる。こっちが金をにぎっておれば、あなたのおっしゃる決意はそのまま私も率直に受け取りますよ。しかし、金は向こうがにぎっておるわけですよ。そういう点があるから私は、非常に心配なんだと、こういうふうに申し上げているわけですし、さらにいままでの論議を聞いていても、いま自治大臣は大蔵大臣の言っておることと自治大臣の言っておることと同じだと、こういうふうにおとりになっておるかもしれません。どうも私ども衆議院の審議をいろいろ見ておりましても、ちょっとズレがあるのですね。大蔵省のほうは、あまりその交付税を地方の固有財源にしたくない、腹の中ではしたくない。何らか大蔵省の自分の手で何とか操作できるようなそういうものをどっかに残しておく、こういう気持ちが大蔵省の答弁の中にあちらこちらにちらちらと見えるわけですね。そういう点で、金は向こうが持っていて、しかもそういう意思があっちこっちにちらちら見える。実際自治省もたいへん御苦労をされておるわけだけれども、若干大蔵省に、向こうが金を握っておるという点で、まあ若干あちらこちらで押し切られておる面もなきにしもあらず。予算の編成過程の中においてもそういうことが感じられる。そうなってまいりますと、私どもは非常にそういう意味で心配なわけです。そこで地方制度調査会も、実は国の一般会計の中から地方交付税をこっちに出してくるのじゃなしに、国税を取ったときの整理資金の勘定から直ちにこちらに入れろということを地方制度調査会でも答申をしているわけですね。こういうふうにすれば、お金が大蔵省の手に渡らないで、税務署の集めた金が直ちにこちらに三二%くる、こういう形で、地方の固有財源だ、こういうことは保証されるわけですね。この問題はことし大蔵省と自治省の間で、そういう問題については、地方制度調査会の答申に関して、その交付税のそういう整理のしかた、これについてはどの程度話し合われたのですか。
#21
○政府委員(細郷道一君) ずっと大臣折衝の間を通じて議論になりましたが、結論は出ませんでした。
#22
○竹田四郎君 せっかく地方制度調査会を開いて、まあ私どもそういうあり方のほうがより正しい。そういうことがどうも大蔵省のほうが、まあ自治省のほうは強く要求されたのだろうと私は思いますけれども、自治省がこれを要求しないということならますますおかしいことですから、当然要求されたと思いますけれども、結局大蔵省のほうはけった、こういうことだろうと思います。それでついにまとまらなかったということであるだけに非常に心配なわけです。
 それからもう一つは、自治大臣自体が年度間調整をやるということ自体私は若干問題があるのじゃないか。これはむしろ地方自治体が地方財政法の規定に基づいて、各県なり、市町村自体が、ことしは金が余ったならば、借りた金を返すなり、あるいは積み立て金にしておくなり、あるいはその地域の独自の行政、こういうものもおそらく出てくるだろう。そういうところにそういう金を使う。当然自治省が年度間調整をみずから、府県市町村の意見も聞かないで、自治省の手だけでこの年度間調整をやっていく、こういう権限というものは、私はおそらく自治大臣お持ちになっておらないと、こう思うのですが、これは何か法的にそういう裏づけございますか。
#23
○国務大臣(野田武夫君) いま重要な点でございますが、重ねてお答えいたしますが、交付税が地方財政の固有の財源である、自治大臣はそういう考えで、だいぶ大蔵大臣との答弁に食い違いが各所に出てきて不安だ、私はただそういう食い違いのままがあるにかかわらず、固有の財源を大蔵省が認めたということをお返事する何といいますか、勇気を持ちません。そういうあいまいな点でありますのを、私がかってに大蔵省もそうですと、これは言えることではないのであります。そこで、先般いろいろ論議がございましたので、衆議院の地方行政委員会で、先月の下旬でございましたか、大蔵大臣も出席いたしまして、そこで論議がございまして、はっきりと大蔵大臣は、衆議院の地方行政委員会において、地方交付税は地方財政の固有の財源でございますということを明言いたしております。私は、ただ希望とか、要望だけで、そういうはっきりしたお答えはできない性格でございます。その返事が、それもまた信じないというなら、これはとても、どうもこうも処置がないのですが、そういう明確な答弁をいたしておりますから、いずれにいたしましても、地方交付税の金というものははっきりと、地方財政の中に入るということははっきりいたしております。大蔵省がいろいろこれに対してかれこれ言うということは経過としてありましたけれども、きわめて明瞭になったと私自身は信じております。
 そこで、第二の問題でございますが、自治省が自主的に年度間調整はどうかと、私も同感に思っております。これはどうしても自治省がやると申しましたのは、結局は、やり方としては当然地方自治体の意見を聞くとか、あるいは何といっても地方自治体の意思を尊重しなくちゃ、自治省がかってに独断でいわゆる年度間調整をやるべきものじゃない。何かの方法によって当然地方団体の意思というものに基づいて年度間調整をすべきだと、こう私は思っております。
#24
○竹田四郎君 反論するようでたいへん恐縮ですけれども、大蔵省が地方交付税は固有の財源であるということを認めたからといって、この四十四年度のような措置が全然それはとらないということではない思う。今度の場合でも、確かにこれは地方団体のお金なんだ。お金だけれども、しかし貸してくれ、こういうことで減額されているわけです。そういう、大蔵大臣が固有の財源であるということをそれだけ明言するならば、さっき申し上げましたような、地方制度調査会の国税の徴収整理資金から直ちに自治省の会計に入れていく、交付税の会計に入れていくということは当然出てきていいはずなんです。それを、そういう点が保証されていないということになると、なるほど交付税は地方の固有の財源で、地方のものなんだけれども、まあひとつ二、三年貸しておいてくれ、そうすれば景気調整にも使えるし、地方財政、地方自治団体をいろいろ国のほうで言いたい方向にも持っていける、こういうような支配と介入とのてこに使える可能性というのは残しているわけですよ。だからこそ私は、先ほどみたいな、かなりうるさいやつだというほどに、しつこいやろうだというほどにおそらく思っておられるだろうと思うのです。固有の財源だということを認めただけで、それで完全に自治省の掌中に握れるというものじゃない。こぼれる場合あるいは何とかかんとかせっつかれて、まといつかれて、しょうがねえからというような場合も現実問題には起きてくる可能性もあると思う。そういう点を特に私は心配して、衆議院のほうの論議も完全に地方自治体の固有の財源であって大蔵省のほうは全然手のつけようがないというような、そこまで確立されていないのじゃないかということをしつこいほど申し上げているのですが、それを申し上げておきたいと思うのですが、それから、その地方自治体のみずからの手によって交付税を配付をして、交付をして、地方自治体みずからの手によって年度間調整をするように、私はむしろ自治大臣は指導を、そういう意味での指導を強化していかなければいけないのじゃないか。自治省がまた大蔵省の二の舞いをやって、自分のところに金を置いて、それで言うことを聞かないところにはやらないぞ、そういうことをとぎどきおやりになっているように新聞ではときどき拝見するわけです、私どもはね。たとえば昨年の、これはおやりになったかどうか、これは新聞の記事ですからわかりませんが、たとえば国家公務員の期末手当あるいは勤勉手当のその額以上に出した府県、市町村に対しては特交を減らすかもしれない――これは減らしたかどうか、その後の新聞記事は私わかりませんから、どうしたかわかりませんけれども、そういうようなことをやることは私はよくないと思うんです。あくまでも地方自治体はその地域の住民の意思に基づいてやるべきことなんで、そう考えてみますと、私は積極的に地方自治体みずからの手で年度間調整をやるような保証と指導というものを、むしろ自治省が指導をすべきじゃないか、こういうふうに思うんですが、どうでしょうか。
#25
○国務大臣(野田武夫君) 竹田さんの御質問、くどいようだがどうとかおっしゃいますが、大事なことですから私はちっともくどいと思っていません。私も、この機会にひとつ私の折衝をその結果、経過その他をちょっとお話をして、一応御参考にしたいと思います。
 いまお話しになりました、地方交付税を固有の財源だと言っても、大蔵省が握って、実は同じようなことでやっぱり大蔵省は自分の金と思っているんだと、まあ端的に言えばそういうことです。それは、四十四年度の予算編成期までは私はそうだと思っていた、事実。というのは、すでに交付税の税率を引き下げてという要求がありましたよ。それから、固有の財源であるから特別会計にすべきだ、竹田さんと同じような議論を私は繰り返したんです。そこで、その点がなかなか理解ができないで、まあ結局は、いま申しました税率については一切手を入れないと、これは認めるといってはおかしいんですが、交付税の税率には手をつけないということになりました。第一項。
 そこで、この固有の財源であるかどうかということは、私も実は不安があったんです。これは御答弁になるかどうかしりませんが、私は経過のことを申し上げませんと御理解がいかない。そこで、いまちょうど竹田さんがおっしゃるように、税率を引き下げてくれとか、金をどうとかいうことをしきりに大蔵省は言っておった。私は断固としてこれは排撃した。まあいきさつは別として、先ほど申しました。そこで、いまの六百九十億のときも、私は四十三年度の自然増収その他、まあ補正予算の話もしたり、そこは先ほど申しましたから省きますが、そこでこの固有財源にしませんと常に不安があります。お話のとおりであります。そこで、しばしば私はもう臨時国会以来、就任以来固有の財源だと、できれば特別会計にすべきだという意見を通しております。なかなかこれに対して大蔵大臣の答弁というものは必ずしも明確でなかったんです。それを、いろいろな経過を経まして、結局その当時は私は竹田さんの御心配のような考え方が大蔵省にあったと、それは認めます。率直に言って。しかし、だんだん折衝したり、それから国会の論議を重ねるに従って、私は大蔵大臣が予算委員会のときもちょっとそのことに触れたと思うんです。これは参議院の予算委員会で、固有の財源に近いことばを言っておりますが、まだそこはあいまいでありました。そこでさらにこの問題は大事な問題だというので、衆議院の地方行政委員会では、大蔵大臣に、私はそう言うものだから、あなた、そう言っても大蔵大臣はあいまいだ、呼ぼう、けっこうだ、呼んでもらおう、二人して呼ばれまして、そこで私の答弁――大蔵大臣は自治大臣の言うとおりということばを使わずに、むしろ進んで、地方交付税はこれは地方財政の固有の財源でございます、こう明確に答弁いたしました。だから、いままでの経過において私は竹田さんの御心配、私自身も実は内心あったのでございますが、大蔵大臣が明言いたしました以上は、これ以上疑って、これは私は先ほどから申しますとおり、一応これは自分の何といいますか、交付税に対する考え方というものは貫いた、こう私自身は考えております。だからその点は、やはり不安だということを言われますが、それ以上私のほうではどうも、この書きつけ取ったって同じことですが、まあ少なくとも委員会で責任大臣のいままでの態度がだんだん変化してまいりまして、最後にははっきりと大蔵大臣の口から、地方交付税は地方財政や固有財源でございますという返事をいたしておりますから、もう追及する必要はないと私自身思っております。
 それから同時に、その当時なぜ特別会計の問題が成立しなかったかということをちょっと申し上げます。これは政治的でございますから、答弁にならぬかもしれません。私は当時から特別会計にすべしと、予算編成の当時、大蔵大臣との折衝を数回重ねました。しかし何よりも特別会計の前に税率の問題を確保しなければいかぬということが一つあったのと、それからこれを固有の財源に持っていかなければしょっちゅうこれは脅かされるということでございましたから、それをまず固めようと、作戦を多少変えた。しつこく言っておりますけれども、くどいけれども、そこはけんか別れではなくて、一応二つの原則をきめておいて、次には、やはりどうしてもこれはさらに安心して持っていくには特別会計にしたほうが一番いいと、いまでも思っております。これは今後の折衝でございますから、これは固有の財源ということを認めておりますから、大蔵省では同じじゃないかと言うのかもしれませんが、竹田さんのお考え、私とそこまでは同じです。今後の折衝に持っていきますと、しかし原則がきまらぬ、特別会計といったって、なかなかこれはやってみまして、いままでの両者の折衝というのは、非常に原則論がきまってないでやっていますから、なかなかそのときに煮詰まらなかったことは事実でございます。それから自主年度間調整というのは、竹田さんの御意見は十分尊重したい。私はいま何も自治省がかってにやろうという自信を持っておりません。これは重大な問題でありますから、十分ひとつ御意見を参考にいたしまして尊重いたしたいと思っております。
#26
○委員長(内藤誉三郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#27
○委員長(内藤誉三郎君) 速記をつけて。
 暫時休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時三十三分開会
#28
○委員長(内藤誉三郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕
#29
○竹田四郎君 大蔵省の方にお尋ねいたしますけれども、本年の一月六日の大蔵、自治両大臣の覚え書きの第三項に、四十五年度に六百九十億は返す――平たくいうと返す。ただし、地方財政の状況により、当該加算額の一部を四十六年、四十七年に繰り延べて加算することができる。これを先ほど自治省側にお話いたしました際に、この条項は大蔵、自治両方から一緒に話が出たのだ、こういうお話だったのですが、それは間違いございませんか。
#30
○説明員(秋吉良雄君) 御指摘のとおりでございます。
#31
○竹田四郎君 そういたしますと、この三項の後段のただし書き以降の問題は、大蔵省がどういう状況のときに四十六、四十七年度に繰り延べるといういろんな前提とかそのときの条件とかそういうものを勘案してこのただし書き以降のものができたのだろうと思います。原則論としては四十五年に返す、そのときの四十五年度ないし六年度のいろいろな条件が想定されていると思うのです。そういうことは大蔵省のほうではどんなことを想定されてただし書き以降の文章を合意されたのか。
#32
○説明員(秋吉良雄君) 御指摘のように、地方財政の状況等に応じて、原則といたしましては四十五年度において六百九十億を加算いたしますけれども、四十六年度あるいは四十七年度、地方財政の状況等に応じまして繰り延べ加算することができるということは御指摘のとおりでございまして、どういう基準ということはいまここでさだかに私ども頭の中にあるわけではございませんが、いずれにいたしましても、地方財政の執行においてそれに支障がなく、また国、地方を通ずる財政状況をその際勘案いたしまして、場合によったならば四十六年度にするか四十七年度に加算する、こういうことでございます。
#33
○竹田四郎君 私は基準ということばは使わなかったつもりです。そのときの財政の条件がどんなふうな状態になったときに――まあ一つの仮設例、そういう仮設例でもけっこうですが、どういう状態になったときに繰り延べをするのか。いまのおことばの中でも、国の財政の状況等もある、こういうようなお話のように承ったのですが、そういうものも加味される、こういうふうに考えて間違いございませんか。
#34
○説明員(秋吉良雄君) 四十五年度の地方財政の運営について支障がなく、また国の財政状況から見ましても、国、地方を通ずる財政運用の円滑化をはかる必要があるという場合がございましたならば、その際、四十五年度の六百九十億について、場合によったらその一部を四十六年度、四十七年度に繰り延べ加算するということでございまして、いずれにいたしましても、これは地方団体の財政運営にとっても、また国の財政の運営にとっても非常に重要なことでございます。したがいまして、その際には別途法律をもって国会の御審議を願う、こういうことでございます。
#35
○竹田四郎君 別途法律をつくって、そのときの地方財政の状況、国の財政の状況、そういうものを勘案して繰り延べの措置をするのだ、こういうふうに承ったわけですが、もう一つお聞きしておきたいことは、覚え書きの第一項に「別途地方交付税の年度周調整の措置を検討する。」ということばがございますけれども、これは大蔵省のほうではどのようにおとりになっているのか、両者の覚え書きでございますから、大蔵省のほうでは、この年度間調整については当然相談があるとか、あるいは意見を積極的に申し述べる、こういうふうに大蔵省のほうは理解されているかどうか、どういうふうに理解されているのか、この点をお尋ねしたい。
#36
○説明員(秋吉良雄君) 覚え書きのとおりでございまして、年度間調整の具体的な内容については、今後自治省と十分相談いたしまして検討することになるわけでございますが、年度間調整についてはいろいろのニュアンス、それからいろいろな方法が考えられると思います。いまの段階においてどういった形の年度間調整ということを特に頭に描いてこの覚え書きを交換したのではなくて、今後十分自治省当局とも相談いたしまして、国、地方を通ずる問題、いろいろの問題を勘案しつつ年度間調整の問題について十分慎重に検討したい、かように思います。
#37
○竹田四郎君 そうしますと、その点は大蔵省としては当然自治省と相談しながら具体的にはどういう形の形式なり手続なり、あるいはやり方なり、そういうものはその両者の合意でおやりになる、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
#38
○説明員(秋吉良雄君) 御指摘のとおりでございます。
#39
○竹田四郎君 政務次官にお聞きしたいと思うのですが、先ほど自治大臣は、この年度間の調整は自治省が自主的にやっていくのだ、こういうことを大臣が答弁されたわけですが、私は先ほどもその点は非常に心配だったわけなんです。いまの大蔵省のお話を聞きますと、繰り延べの場合には、地方財政の状況並びに国の財政の状況も勘案をする、そうして別途法律をつくってやるのだ。まあ法律をつくるのは当然であろうと思う。それからいまの第一項の年度間調整についても、それは自治省にまかしてあるということじゃない。そうしますと、当然先ほどの自治大臣の答弁とはかなりニュアンスが違っているわけです。自治大臣は、自治省が自主的に年度間調整をやるのだ。その点私は非常に食い違いがあるような気がしますし、また大蔵大臣が、地方交付税は固有の財源だ、地方団体の固有の財源だということを明言しても、その年度間調整を通じて実際には交付税の総額をいじっていく、こういうようなことが当然起きてきそうな気がする。どうもその点、大蔵省と自治省と、言っているととが違うように思うのですが、政務次官、それはどっちが正しいと言ったってこれは困るのですが、何が確定的になっているのか、その辺はっきりさしてもらいたい。
#40
○政府委員(砂田重民君) 先生に御心配をおかけをいたしております点は、実は私ども、やはり財源の年度間調整の問題につきましては、地方団体が自主的にこれを行なうことが最も好ましい方法だというふうに考えております。ただ国の財政も勘案してということにたいへん先生こだわられたように私承ったのでありますが、国の財政を全く考慮に入れずにというわけにもこれはまいりません。しかしながら、原則的には地方団体の自主性を十分保ち得るような方法で年度間調整のやり方を大蔵省とこれから検討いたしまして煮詰めていく。それはあくまで地方公共団体の自主的な運営ができるような方法でやるのだということをつけ加えさせていただきますと、衆議院の地方の委員会で大蔵大臣が明確にそういう答弁をなさったところでございまして、大蔵、自治の両省の間で意見の食い違いはございません。年度間調整の具体的な方法については、これからまだ検討をいたさなければならぬことでありますけれども、地方公共団体の自主的な運営のできる、そういう考え方については、自治、大蔵両省の間に食い違いはございません。
#41
○竹田四郎君 あなたのことばを聞いていても非常に私は食い違いがあるように思うのです。先ほど自治大臣は、これは地方の固有の財源なんだ。だから自治省自体が年度間調整については自治省の内部でやるのだ、こういうふうに言っていらっしゃったのですが、いまのあなたの御答弁だと、やはり大蔵省、国の財政の状況と、そういう中での非常に一つのワクをはめられた中での自主的運営なんだ、こういうふうにしかとれないわけです。そうなりますと、私はやはり自治大臣に出てもらって、その点をはっきりしなければ、何がほんとうで、何にわれわれは基準を置いてこれから交付税の問題を考えていくのか、地方団体は何に基準を置いて交付税というものを考えていったらいいのか、この辺の判断というものがまるっきりわからない。それは必然的に、地方団体の固有の財源だということもいつの間にかどこかへ行ってしまう、そのときのことばにすぎない、こういうように思うのですが、その点はどうなんですか。もう少しその点はっきりしてもらわなければ、固有の財源ということまでは、そんなことばの上でだけはこぎつけたけれども、実際の上ではちっとも固有の財源になっていない、こういうように思うのですが、その辺もう少し、自治大臣の先ほどの御発言とニュアンスが非常に違っておるわけですが、その点明確にしてほしいと思います。
#42
○政府委員(砂田重民君) 私のことばが足りませんで、あるいは先生に誤解をお与えしたかもわかりませんが、大臣が御答弁をいたしました固有の財源であるということについては、もう自治省全体が当然そういうふうに考えているところでございます。したがいまして、先ほど私が申し上げました、大蔵大臣が衆議院の答弁で、固有の財源であるという点、年度間調整についても地方公共団体の自主的な運営ができるような方法で考えていくという答弁を大蔵大臣もしておりますように、私どもの考えと大蔵の考えと食い違いはございません。地方交付税というものは断じて地方固有の財源であるというように考えるのにいささかの含みもありませんし、年度間調整、それから大蔵省と具体的な内容を詰める段階にいたしましても、大蔵大臣の答弁を聞いてみましても、私ども何の心配もなしに自主的な運営ができる年度間調整の方策が、両者の間で結論を出せる、そういう確信を持っております。さらにつけ加えて申しますと、自治省は地方財政の状況に支障を与えるようなことは断じていたしません。したがいまして、大蔵省が自治省に何か申しましても、地方財政に支障を与えることはできないことでありますから、煮詰まらないときはいわゆる年度間調整の方策の結論というものは出ないわけでございます。私どもは地方財政の状況に支障を来たさない固有財源としての考え方を貫いてまいりますし、大蔵省もその点については違う見解を持っているわけではない、こういうふうに心得ております。
#43
○竹田四郎君 次官、交付税というのは、原則として単年度でそれを地方団体に渡していくと、こういうのが一応の原則ですよ。それが景気の動向とか、何かそういうものに基づいていろいろ変わってくる。ですから自治省のほうは、年度間調整というようなことを、まあ一応地方自治体独自で年度間調整をするのじゃなくて、自治省のほうが干渉をして、そして権限もないのに交付税の総額というものを貸したり借りたり、かってなことをする、こういうことを現実にやっている。いまの次官のお話でも、大蔵省と相談をしながらやるのだと、こう言う。大臣は相談をしながらということばは一切使っておりません。自主的にやるのだ、こう言っております。たいへん違うのです。こういうふうなことで、固有の財源だということは認めながらも、年度間調整を通じたり、貸し借りを通じたりして、実際上には、なるほど交付税率は動さなくても、現実に六百九十億――これはいろいろな理屈つけていますよ。本来ならば四十四年度に使うべきものを、補正予算を組まないということで四十五年度へ渡してしまって、そこで六百九十億というものを出して、地方団体に四十四年度には回していかない。このこと自体が一つ私は大きな問題だろうと思うのです。それで六百九十億というものを計算してみれば、結局大蔵省が言った、交付税率を引き下げたことと現実的に総額は大体同じになっている。こういうようなやり方ですと、どうも自治大臣が、一切地方交付税は固有の財源であって、そしてまあ自治省自体がやるのはもちろん私あると思いますけれども、それでも自治省の自主的な立場で年度間調整をやる、こういう大臣のことばとあなたのことばとたいへん違うのです。その辺ははっきりそろえてもらわないと、私はどうも審議を続けて、だれの話を聞いたらほんとうなのか、次官と大臣と違うし、自治省と大蔵省と違う。一体どこにわれわれの判断の基準を設けたらいいのか私わからなくなるのですが、その辺をぴしっとそろえてもらわないと、交付税全体の議論を進めていく上で話が同じ基盤に立つことができなくなる。こういうふうに思うのですが、どうなんですか。これは意見をぴしっとその辺をしていただかないと進めていけないと思うのです。どうなんですか。
#44
○政府委員(砂田重民君) どうもことばづかいのニュアンスの問題もあろうかと思いますが、交付税が固有の財源であるという考え方は当然のことでもあります。年度間調整の方策を自治省はみずから責任をもって地方公共団体のよかれという角度から、私どもの自主的な運営ができるような年度間調整の方策をこれから検討いたします。検討いたします途中で、私はその相談というのは、これは前もって大蔵省に相談しなければ、大蔵省にお伺いをたてて相談をしなければ、それでなければきまらないのか、それでは全く大臣の答弁とは違うとおっしゃるのでありますが、年度間調整の具体的な方策のきめ方は自治省で当然これも自主的に検討をこれからするわけでございます。最終の段階ではやはり財政当局ともある程度の相談はやはりする必要がある。ただそれが、自治省が自主的に年度間調整をできることを全く根底から破壊してしまう、そこまでお考え及びいただかなくてもいいんではないかという感じがするんですが、大臣が御答弁いたしました趣旨と私も当然違った考え方を持っておるわけではございません。地方公共団体の自主的な運営ができるような方策をこれから自治省は自主的に検討してまいります。
#45
○竹田四郎君 先ほど大蔵省の方は、一項について、別途地方交付税の年度間調整措置を検討するということは非常に常識的に考えてよろしい、こういうふうにおっしゃっている。常識的に考えるというならば、これをこのまま読んで常識的に考えるというならば、年度間調整の措置を大蔵、自治両方で話し合って検討してやっていく、こういうことだと思います。そして、一番根本的な問題は、残念ながら自治省は金を握ってないということですよ。そういう勢力関係というものをベースから除いてしまって、ここにある金が自由に両方でかってに取れるというような状態じゃないわけですよね。六百九十億にしたって、大蔵省握っちゃってるわけですよ。いつ返すかということは大蔵省自身の判断で、いつ戻ってくるのか、その年次のきめ方というのは大蔵省の判断がかなり入るわけですよ。そう考えてみますと、この自主的に年度間調整をやるという自治大臣のことばも、何かこれは非常に空虚な感じを私どもは受けざるを得ない。ただ、国民にあるいは地方自治体に、ことばの上だけで納得するようなそういう交付税、こういうものに変質していくところの一番最初の芽をもうここでつくっているんだ、こういうふうに私ども思えてならない。それならそれではっきりと、どうも交付税、最近大蔵省がちょっかいを出して困るということを明確に国民の前に発表したほうがいいと思う。どうですか、もう少しその点ははっきりさしてください。
#46
○政府委員(細郷道一君) 交付税を削りそうだということは、もう昨年、一昨年、二年続けて新聞紙上で十分国民に徹底していると思いますし、私どももそれ反対でございましたから、反対の立場からこういう問題の提起について意見を述べてまいりました。別に国民の前に隠そう、あるいは地方団体の前に隠そうという気持ちは毛頭持っておりません。交付税が固有の財源だという、固有の財源ということばをどう解するかということによっていろいろ実は反対があるわけでございまして、私どもは従来から地方交付税は固有の財源なんだという意味でずっと使ってまいったわけでありますが、固有の財源ということばが、地方税と同じようなみずから賦課徴収するようなものが固有の財源だという解釈をいたしますと、交付税はみずから賦課徴収いたしておりませんから、固有の財源とは言えないと思います。そこに大蔵省が従来から固有の財源というにはちょっとと言ってちゅうちょをしておった点があると思います。しかし、私どもは、固有の財源というのは、地方団体に分けられた財源なんだということで、私ども固有の財源と、こう言っているわけです。赤字だから黒字だからというようなことで上下すべきものではない、制度的に理由があったものはともかくとして、赤字だからやめなさい、落とせ、黒字ならばふやそう、ふやすほうはなかなか言いません、言いませんけれども、そういう種類のものでないという意味で、私どもは保証された固有財源だということを言っておったわけでございます。先ほど来お話にございますように、大蔵省が金を握っている、これは確かに国税で徴収されますから大蔵省が握っていると思います。それを握っているからこそ実は交付税率もいままで上がってまいったわけです。握っておらなかったら交付税率を上げようがなかったと思います。そこは国と地方の間でどういう財源を分け持ち、どういう賦課徴収の形態をとるかということをあわせてお考えいただかないと、なかなかこの問題は、中間的な存在なものでございますから、本来ならば私どもは地方税でほしい、交付税なんか少なくても地方税の多いほうがいいという思想を根本に持っているわけであります。したがいまして、交付税というのはどうしても自主財源という立場から見ますと中間的なものである、これは認めざるを得ないわけであります。その中間的なものをもって、どういうふうに地方に固有な財源のごとく運用されていくかというところに実は私どもの苦心もあるわけであります。また大蔵省と意見の合わない点もあるわけであります。そういったことで、交付税は固有の財源であるということは、私どもからするとそういう意味においては当然のことではないだろうかというふうに考えているわけでございます。
 そこで年度間調整の問題でございますが、交付税法によりまして、三二%は現在地方交付税である、そうしてそれは固有の財源である。これは三二%を動かさない限りはそのまま固有の財源だ、ただそれが各年度間にどういうふうに配分されるかということは、これは別個の問題であろうかと思います。それを実現しようと思いますと、ほんとうに自分で賦課徴収するという地方税の形態をとらないと実際はむずかしいのじゃないか。これは、かりに特別会計にまっすぐ入れるといたしましても、現行の交付税制度のもとにおきましては、基準財政需要額と収入額を算定して、その差額を交付するわけでありますから、年度末の三月三十一日に、収納が全部終わったところで計算してやるということは技術的に不可能であります。またそういうことをいたしましたら、地方団体にかえって迷惑をかけるわけであります。したがいまして、いまの制度のもとにおきましては国が賦課徴収をいたしますがゆえに、どうしてもその年度間の配分についてどうするかという問題は残っているわけであります。そこに年度間調整という考え方が出てくるゆえんがあると思います。その場合に、年度間調整をするのに、私どもはやはり地方財政の将来をどう持っていくかという角度からこれを検討すべきではなかろうか。覚え書きはただ年度間調整を検討するということだけは約束しておりますが、中身は何も約束しておりません。したがいまして、いまここで基準とか条件とかおっしゃられましても、実はこれからの研究事項でありまして、いろいろ御意見のありましたところをよく私どもも参酌しながら考えていきたいと思っておりますが、ただいまの段階で私どもが考えておりますことは、地方財政をどういうふうに長期的に運営をしていくか。私は年々経済の激しい変動にあまり大きく左右されないで年々向上させていくようにしたいという気持ちを基本に持っております。そういう形で自主的な年度間調整ということを考えてまいるべきではなかろうか、こういうつもりで検討をいたしたいと思っておりますが、まあ内容その他覚え書きに関することは、先ほど申し上げましたように、検討するということだけが約束になっているわけであります。
#47
○竹田四郎君 年度間調整をやることがいいか悪いかということはまた一つの議論になります。いま私は覚え善きの中で触れていることは、具体的に年度間調整をどうするかこうするかというそういう議論の前に、大蔵省と自治省との関係はどうなんだと、こういう覚え書きの条項が入っているということは、大蔵省のほうから年度間調整等々についていろいろ干渉がましい意見が入ってくる可能性があるではないか。そのことを私は危惧しているわけですよ。だからこの点をはっきりしてください。大蔵省に聞けば、私のほうも相談をしてということになれば、大蔵省の意見というのが入ってくるのは当然です。私はその点を言っているわけです。それともう一つは、大蔵大臣も固有の財源だと言ったと、先ほども自治大臣は何か鬼の首を取ったような、たいへん前向きの答弁を大蔵大臣はしてくれたのだというふうに受け取れるような形で御答弁いただいたわけです。ところが財政局長の話だと、またどうも固有の財源という考え方が自治大臣より一歩後退をしているような印象を実は受けるわけです。固有の財源であるならば、ほかのほうからとやかく差し出がましい指図を受けるような、そうしたすきというものは、自治省側としてはつくらないことが必要だと私は思う。これではまさに自治省が全国の各自治体を動員して、大蔵省に地方交付税は地方固有の財源なんだと、だからこれの率を切り下げられるのはたいへんだということで大動員して、大会まで開いてそうしてやる必要というものはなくなってくる。地方団体というものは、あれまでわれわれがやって獲得したのだと、だからことしから地方交付税もほんとうに地方自治体の一般財源として使っていけるのだという希望を私は持ったと思うのです。その点では自治省の私は努力は多としなければならぬと思う。しかし、今後の問題を考えてみると、また大蔵省に差し出がましいことを言われるような、そうしたすきを、残している。このことは私は大きな問題じゃないか。去年でさえこういう異例な措置は今年度限りでもう一切やりませんとはっきりおっしゃったわけです。ことしになってみると、国の財政の硬直化だとか、あるいは国の景気の過熱を警戒するとか、いろいろな論議はありましょう。そして、結局六百九十億というものを形の上では認めた。こういうことで、私どもは非常に心配なんです。だからその点をもっとはっきりとひとつ、固有の財源であるし、自主的に年度間調整をやると言うならば、その辺を明確にしてほしいということ。先ほどの財政局長の御答弁は、そういう点についてあまり触れておらない。
#48
○政府委員(細郷道一君) 先ほども申し上げましたように三二%相当分が固有の財源である、これは明らかなことでございます。ただ、それがいかなる年度に帰属するかということは、実は予算の計上のしかた、景気の見通し、税収の見積もり方によって違うわけでございます。ですから年度途中に自然増収が出たり自然減が出たりするわけでございます。私どもが年度間調整ということについて検討しようという気持ちになりましたのは、ここ数年の地方財政並びに景気の変動を見てまいりますと、地方交付税が必ずしも年々所期の程度に伸びてはいかないで、数年前は非常にへこんでしまいました、困った時代もあったわけでございます。そういうことを考えてみますと、それは国の経済運営はなるべく一定の成長率をもって円満に発達することを私どもも望んでおります。現実にはそういった税収がいつも伸びているばかりでなく、へこむこともあるわけでございます。そういったときに、じゃへこんだときに、地方財政はへこんだままでやるのかというようなことについては、私どもやはり研究の余地があるのではなかろうか。いままでここ数年の実際の経験に徴しましても、いつも――幸いにして去年、ことしは伸びておりますけれども、その前の年は伸びていない。その前の年はへこんでいた。国から金を借りた。その借りた金も実は返さないできたというようなこともやってまいったわけであります。で、固有の財源だ、自分の財源だというならば、自分で何かその谷を埋め山を削ることは考える必要はないのだろうか。へこんだときには出してくれ、高いときにはみなよこせというのでは、私はどうも自主的な固有財源というのにはおかしいのじゃないかという気持ちがいたしております。もとよりその地方財源の総量をどのくらいにすべきかという問題は別個にございますけれども、一応三二%ということでいくことにした場合には、そういうことも考えていいのじゃないかという気持ちで、実は私ども検討に値すると考えまして検討しよう、こういうことにいたしております。
 もちろん、検討するといいましても、これから具体案をどういうふうにやったらいいか、私は地方財政の自主的な立場から、年度間の谷や山の場合も予想しながら、行政水準の引き上げを達成してまいりたいという気持ちでこの問題を検討してまいろう、こういう考え方でございます。いろいろと実は御心配をいただいているということは御質問の中でよくわかるわけであります。どうも御心配になるようなこともいろいろこれから出るのじゃなかろうかという気もいたしておりますが、そういったこともよく頭に入れて研究をしてまいりたい、かように考えております。
#49
○竹田四郎君 だいぶ質問のポイントと答えのポイントが違うわけですね。私は年度間調整そのものをいまここで否定をして、年度間調整なるものはするなということは、別にそれほど強調していないわけです。どこで年度間調整をするか、ある程度年度間調整というものはいまの経済情勢の中でやっていかなくちゃならないということは、私はこれは当然なことだと思います。それは自治省がやるのか、各自治体がみずからの手でやるのか、これはやり方はいろいろある。しかし私どもがいまここで問題にしているのは、この交付税に対して大蔵省のほうから差し出がましいいろいろな意見、指示――まあ、指示ならいいですが、干渉等々が起こりはしないかということなんです。それに対する歯どめがないじゃないかということをさっきから強調しているのです。だから年度間調整のあり方とか、年度間調整を、山と谷をどう平均化していくかということは、これは当然のことでしょう。これは私も否定しているわけじゃない。よくわかっております。前段のほうをもう少し明確にしてほしいというのが、さっきからの私の質問の趣旨ですから、その辺、間違わないようにしてもらいたい。
#50
○政府委員(細郷道一君) 年度間調整の必要性については、いまのお話でよく私もわかりました。それをやるにあたって、いろいろ国庫当局が言うのじゃないか、私、きっと言ってくると思います。しかし先ほど申し上げましたように、私どもはやはり私どもなりの考え方の上に立ってそれを貫こう、こういう気持ちでいるわけでございます。先般結ばれました覚え書きは、検討をしようということだけでございまして、
  〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕
その中身についてまだ話し合いもしておりませんし、相互に案をつくっているわけでもございません。したがいまして、そういったいろいろ御心配になるような点も頭に入れながら、私どもは私どもの立場が貫けるようにといって、せっかく努力をいたしておるわけでございます。
#51
○竹田四郎君 ですからね、自治省の当局の考え方はわからぬことはないわけです。しかし具体的な歯どめがないじゃないかと私は言ってるわけです。これはことし初めてなら私はこれだけ強調しないのです。去年の例がありますから、特に私は今度の場合には――しかも今度もこういうことは今後やらないというようなことを、大体同じように入れているわけですからね。少しも歯どめがないじゃないか。それはあなたがそういうふうにお考えになったって、ほかの者はちっとも、あなたの考えが全部ほかの人と同じ考え方であるかどうかわからないんですよ。だからその辺に明確な歯どめをつくるべきだということを私は言っているわけですよ。あなたの気持ちはわかりますよ、一生懸命やろうという気持ちはわかりますよ。その辺を明確にしてほしいというのですよ。
#52
○政府委員(細郷道一君) この一月六日の覚え書きでは、そういうことを検討し合おうじゃないかということが紙に書かれただけのことでございます。たびたび申し上げておりますように、それだけのことでございまして、そこでその内容の歯どめがどうだという議論は全然いたしておりません。先ほど竹田委員が質問の過程で、年度間調整はわれわれも否定をしないんだと、こうおっしゃると同じ程度の気持ちで、年度間調整を検討しようじゃないか、こういうことであったわけでございます。確かに歯どめが要る。歯どめは、どういう立場から年度間調整を主張するかということに実はかかってくると思うんでございます。したがいまして、私は先ほど申し上げたまた抽象的なことしか申し上げられない段階でございますが、地方財政を自主的にこれから行政水準の向上をはかりながら、財政運営というものは、御承知のように、山あり谷ありの中をどういうふうにうまく切り抜けていくかということも財政運営の大事な要素でございますから、そういった際に行政水準をどう向上させていくかというふうなことを頭に置きながらやっていきたい、それがあるいは歯どめの一つになるかもしれない、かように思っておりますが、その辺はなお検討事項でございますので、十分研究させていただきたいと思います。
#53
○和田静夫君 関連。この四十四年度の予算の編成過程において、いわゆる地方交付税法をめぐりいま論議がありますように、大蔵省と自治省の意見の対立は、昭和四十四年の一月六日の大蔵大臣と自治大臣との覚え書きという形で統一されたのでありますが、一体これは統一なのか妥協なのかというところが私はやっぱり一番大きな問題だと思うのです。けさほど来の質問と答弁を聞いてましても、その点ははっきりしません。また、衆議院の地方行政委員会の議事録を読みましたら、野田自治大臣の答弁はたいへんあやふやであります。したがって、私はここで一ぺんはっきりしてもらいたいのは、意見の対立というものは平行線をたどって、結局当面の妥協点として覚え書きができたのか。それは何といっても事地方交付税の本質、ひいては地方自治の本旨にかかわることであるがゆえに、私は重大な関心を持たざるを得ないと思うのです。先ほど来論議がありますように、今後に与える影響というものもたいへん大きい。したがって、そのどちらにもとれそうな答弁をされるということでは、実は前提がはっきりしませんから、具体的な論議に入っていくわけにいかないのです。自治大臣は、衆議院の地方行政委員会においても、またけさほど来も、大蔵大臣も地方交付税が地方公共団体の固有の財源であるということを認めた、こう再三述べておられますが、そうすると、大蔵当局の地方交付税に対する考え方はやはりそのように変わってきた、こういうふうに考えてよいわけですか。
#54
○説明員(秋吉良雄君) 大蔵当局といたしましては、地方交付税の本質は何かということになりますと、やはり地方財政の調整のため一般会計から地方公共団体に交付する交付金であるという考え方については大蔵当局は変わっておりません。大臣が申されましたのは、先ほども財政局長から触れられましたように、現行制度のもとにおいては国税三税の三二%というのが交付税として地方公共団体にいくようになっている。そういう意味において、地方公共団体としては、国税主税の現行制度をたてまえとするならば、三二%は交付税として当然の権利がある、こういう意味において固有の財源であるというふうに御答弁したと思います。
#55
○和田静夫君 いまやっぱりはっきりしたと思うのですね。自治省と大蔵省の考え方、こんなに違いますよ。したがって、大臣に出てきてもらって覚え書きの結論について私に明確に答弁してもらう、こういうことでないとやっぱりこれ以上進みません。したがって、大臣来られるということでありますから、待たせてもらいます。
#56
○委員長(内藤誉三郎君) ちょっと速記とめて。
  〔午後三時十五分速記中止〕
  〔午後四時五分速記開始〕
#57
○委員長(内藤誉三郎君) 速記を起こして。
#58
○竹田四郎君 さっきの六百九十億の問題は、非常に重要な問題でありますだけに、きょうは一応その問題言ってても、先ほどと同じような結果しか期待できませんから、その次に入っていきたいと思いますが、今度土地開発基金を今年度取り上げて、六百億ですか、これをことしおやりになるわけですが、これはもちろん交付団体にはいくわけですが、不交付団体のほうはどういうふうに取り扱うつもりですか。
#59
○政府委員(細郷道一君) 交付、不交付を問わず基準財政需要額に算入をいたします。その団体の基準財政需要額が収入額を上回りますればその団体に交付税がいくという一般の交付税のルールに従うわけでございます。
#60
○竹田四郎君 そうしますと、大体六百億というふうに地方交付税で見積もるということなんですが、大体どんなふうに六百億が分けられていくのですか。
#61
○政府委員(細郷道一君) 六百億は基準財政需要額として計算をするわけでありますが、大体府県分で二百五十億、市町村分で三百五十億と、こう考えております。府県は標準県で百億、市町村は標準団体――十万団体で約一億と、こういう基礎で計算をいたします。
#62
○竹田四郎君 十万都市で一億。しかも、何かこれはことしだけの措置だというふうに言われているように承っておるわけですけれども、来年度のことは、これは余裕があればやっていくというのか、来年度も続けて措置をとるというのか、その辺もきわめてこれあいまいなわけですけれども、たった標準県で百億、十万標準市で一億、金額にしちゃ非常に微々たるもの、こういうふうに思うのですけれども、来年度、あるいは再来年度というふうに、毎年このくらいずつ続けられるということであれば、かなり公共用地取得についても有効な措置だと、こういうふうに思うのですが、一年だけだということになると、どうもあまり、きわめて有効な措置だ、こういうふうには言えないと思うのですが、その辺はどういうふうにお考えですか。
#63
○政府委員(細郷道一君) 新しい措置でございますので、ことし限りということで法案は御審議をいただいておりますが、私どもも、いまお話しのとおり、一年だけではどうも十分でないと考えますので、できれば二、三年は少なくとも続けてまいりたい、かように思います。
#64
○竹田四郎君 ことしは確かに、主税の伸びも非常に伸びたし、地方税の伸びも非常に伸びたのでありますから、おそらく六百億というものをそういう方面にさき得るだけの点があったと思うのですが、これはとういうふうな事態になっても――たとえば景気のかげりがあれば、あるいはそれが不況になっていく、こういうような状態になっても、大体来年も、あるいは再来年もお続けになるというつもりなんですか。その辺は、もし来年の税収の伸びがよくない、こういうようなことであれば、来年は休むというような、そういう弾力的な措置でおやりになるのか、それとも引き続いておやりになるのですか、その辺はどんなふうな見当になっておりますか。
#65
○政府委員(細郷道一君) 地方財源として得られます自然増収をどういう分野に配分をしていくのが一番いいかということの判断の問題であろうと思います。私ども、現在行政水準が非常に低いので、今回道路その他にかなりの財源を投入したわけであります。同時に、町づくりという点でこの土地開発基金を設けたわけでございます。私どもとしては、できれば来年、ことしと同じような形でやっていきたい、水準の引き上げもはかりながらこれもやっていきたい、こういう気持ちでおります。財源の状況でどっちかを択一というようなことになりますれば、私はやはり、行政水準の引き上げがまず優先をして、これにかわるべきものはその年は地方債による措置ということも考えなければいけないのじゃないか、こういう気持ちでおります。
#66
○竹田四郎君 全国の都道府県、市町村で、年間の公共用地の取得面積、それから買収の総価額というのは大体どのくらいになりますか。
#67
○政府委員(細郷道一君) 昭和四十二年度について見ますと、公共用地の取得のために許可されました地方債は千百九十三億円でございます。そのうち一般会計債としては六百六十八億でございます。残りはその他のものでございます。昭和四十二年度におきましては、地方債計画で初めて実は公共用地の先行取得債務ワクを六百億設けたわけであります。その年の申請は千百億にのぼっております。これが、こういった実績を踏まえて一体どれくらいに公共用地というものを確保すべきであるのかということは、実はなかなか、私ども研究をいたしましたが、まだ実は結論を得ておりません。関係の建設省あたりでは、都市計画事業として十年間に六万五千ヘクタールは要るんだというような非常に荒っぽい見通しも立てておられるようでございますが、それをそのまま採用するだけの私どもの研究もまだ十分でございませんので、それこれ考えまして、ことしは一応六百億ということにいたしました。よくそういった将来の見通し等も研究の上で来年度以降に臨んでみたいと、こう思っております。
#68
○竹田四郎君 まあこの六百億、それから先ほどお話がありました起債が二百億ですか、合計八百億ということでありますが、八百億ではやはり、ことしはたいへん市町村道をはじめとするかなりの建設的な事業が拡大されておりますが、そういう意味では少し資金的に足りないんじゃないかと思うのですが、そういう問題はどのようにお考えになっておられるのか。いまのお話で、建設省あたりの概算でもかなりの用地が要るというものに対して、どうも用地買収の費用というものが少な過ぎるんじゃないかという感じを強くするのですが、その辺は、これだけあれば大体毎年度やっていく用地取得はおおむねできるというのか、あるいはこの基金を一つの担保にしましてもっと市中から金を借り入れるのか、その辺はどんなふうな形でおやりになるつもりか。
#69
○政府委員(細郷道一君) 六百億といたしましたのは、府県と、せめて十万以上ぐらいの都市――十万以上の都市が、大体人口もふえておりますし、都市的形態を強めておる団体でございますので、そういったものにこういう基金を設けるための財源措置をしてはどうか。その際に、まあ府県にあっては標準県でせめて五億ぐらいないと土地の先行取得の資金にはおかしい、人口十万ぐらいでもせめて一億――ちょっと足りないかと思ったのですけれども、まあ一億ぐらいは要るだろうというようなことから積算をしてまいりますと、全体で約六百億ぐらい必要になるということから実はことしはやったわけでございます。先ほどお答えしましたように、これが将来にわたっての公共用地の取得を満足させるかどうかということは、なお私ども研究をしなければいけない。しかし、客観的に見て、とてもこれだけで足りるものであるとは考えておりません。
 それから、地方債のほうは二百億の起債をいたしておりますが、そのほか公営住宅あるいは義務教育その他にはそれぞれ土地の購入費分の起債を中に含めておりますので、これは運用の面で具体化さしていきたい。
 それからなお、公共用地の先行取得については、四十二年以来実はワク内債を相当認めております。そういったことも今後の運用に待ちたいと思っております。
 それから、土地開発基金を設けた場合の運用については、私はできるだけ地方団体の自主判断にまかしたいという考えであります。ただ、いままで先行取得と申しましても、せいぜい次年度用地、せいぜい長くて翌々年度用地くらいまでの土地を取得するために起債ワクを発行いたしております。今回の土地開発基金では、もう少し長い目で見て土地を最も有利なときに買えるようにしたいという考えでございまして、そういった運営のしかた等についてはよく地方団体を指導してまいりたいと思います。
 それから、このお金を、たとえば公社と申しますか、地方団体の土地の先行取得のための団体等に貸し付けをして、それを基礎に市中からそれの二倍か何倍かの協調融資を得ていけるというようなこともくふうがあってしかるべきだろうというふうに思っております。
#70
○竹田四郎君 いまのお話ですと、次年度の公共用地のだけでなくて、相当先の公共用地まで取得する予定でこれを使うというお話なんですが、しかし、これは来年度以降の情勢をここで確定的に言うわけにはまいりませんけれども、もし来年度以降、先ほどもおっしゃられたように、交付税の伸びが少ない、あるいは税収の伸びが少ないということで、これに土地開発基金として追加的に投資をされていかない、あるいは非常に都市周辺で公共用地の取得を大きく取得しなくちゃならぬ、こういう点を考えてみますと、かえってこういう基金というあり方そのものは、むしろ非常にお金を窮屈に使う――窮屈に使うという言い方が適当かどうかわかりませんけれども、原則として基金としてなるべく早く回収をする。地方債の場合には七年か何年かの割賦返済という形でいいわけでありますけれども、基金の場合にはなるべく早く回収して次年度にその金をさらに利用をしていく、こういうことになっていくのではなかろうかと思うのですが、金は出したはいいけれども、五年も六年も先までその基金によって用地を取得するのだけれども、まあ一般会計のほうではそこまで仕事が進んでいかないということになると、基金がかなり長年月の間寝てしまうということになると、基金の活用というような問題から考えますと、どうも回転がおそくなってしまう。だから、基金を使うより、地方債という七年なり何年かの計画的な返済という形のほうがむしろ使いいいのじゃないか、こういうふうに思うのですが、その辺、基金の回転を速くする、そういうふうなことを迫られるという心配は一切ございませんか。
#71
○政府委員(細郷道一君) 結局、この基金の総量の問題にからむだろうと思います。ことし初めてのことでございますから、多少御指摘のような心配もないではないだろうと思います。しかし、私どもは、先ほど申し上げましたように、これを少し続けて、資金総量をふやしていくことによってそこに弾力的な力を持てるようにしたい、こういうふうに思っております。いまお話しの地方債の問題もございますが、一つには、地方債でございますと、やはり金利負担という問題がございます。それからもう一つは、やはり公共事業をいろいろ進めていく上に、その必要な財源を私どもは交付税を通じてでも保証をしてまいりたいと思っております。その際、土地について、用地費についてはどういう財源の保証のしかたをするか、なかなかむずかしい問題があるわけでございまして、その二つの面から見まして、今回こういう措置に踏み切ったわけでございます。もとより、これだけでなく、やはり地方債運営とこれとを両方組み合わせていくことも運営上の必要なことではなかろうかというふうに思います。
#72
○竹田四郎君 具体的に、この基金と地方債あるいはワク外債、そういうものの組み合わせというようなことが非常に運用上大きな問題になってくるだろうと思うのですが、府県で五億の金といっても、地域によっては非常に土地の価格によって差異があるわけです。たとえば、若干都市化したところでいきますと、五億といっても実際上は一万坪ぐらいの用地しか買えない。高等学校一つの用地を買うことすら困難だというような問題も、私はこれだけの金額では出てきそうな気がするわけです。しかもその翌年のものを手当てするということになれば、すぐ一般会計のほうで五億なら五億の金を出してくれればいい、出してくれないということになると、もうその次のほうは動いていかないということで、いまの局長のおっしゃる次年度ではなしに二、三年先の用地獲得という考え方でいきますと、この基金をそのまま使うということですと、土地の回転をもっと速くしなければならないという、むしろ自己矛盾におちいる心配があるような気がいたしますけれども、その辺は具体的にどういうように指導していかれるか、今後が見ものだと言ってもいいんですが、そういう御心配はございませんか。
#73
○政府委員(細郷道一君) 先ほどもお答えしましたように、運用上いろいろ注意しなければならない点があるわけでございます。したがいまして、こういったことを初めてやることでもございますので、私どもは、ことしの地方団体の執行、運用の状況等を見て来年以降に対処していきたい、こういう考え方でございます。
#74
○竹田四郎君 私は、これだけの金をもっと有効に使うというならば、むしろ起債の利子負担、こういうようなものに使っていったほうが総額の金としてはもっと動かせるようになるのじゃないかと思うのですが、そういうことは検討されたことはございませんか。むしろ、利子分として六百億なら六百億出して、そのほうが何倍かの基金というものが動かせるようになるだろうと思うのですが、それには何らかのぐあいの悪い点が何か出てくる心配があるのですか。
#75
○政府委員(細郷道一君) これを利子分に充てるには、これに十数倍する資金がここに要るわけでございます。かなり実は先行取得あるいは土地開発といった資金を地方団体がそれぞれ地元で調達をいたしております。相当の額にいまなっておるわけでございますので、おっしゃることも一つの確かに考え方でございます。私どもそれを検討するにやぶさかでございませんが、そのようにうまく資金量が得られるのかどうかというようなことを考えてまいりますと、にわかにそれ一つの方法によることはどうであろうかというふうに考えまして、こういった開発基金と、一方はいわゆる先行取得債といったようなものの、両建てでいこう、こういうふうにいたしておるわけでございます。
#76
○竹田四郎君 まあなかなかぼくは、毎年毎年これだけの資金量が得られるかどうか、これも不確定な問題であるだけに、非常に公共用地の取得というものが、これはむしろ非常に市町村を、短い期間で返していく、起債よりもむしろ短期間で元金を返済しなくちゃならぬ――利子はつかないでしょうけれども、そういう形になる心配が一つあるわけですが、もう一つお聞きしておきたいことは、たとえば三年先に必要な用地をいま買っておく。これは当然、こういう用地というのは、先に買っておきたい、先行取得をしたいというところは、どららかというと土地の値上がりが大きいところ、そういうところをねらっていくのがこれは当然だろうと思うのです。地価があまり変動がないところでは何も先に買っておく必要性はないわけですから。そういたしますと、まあいまの地価の上昇ぶりというものを考えてみますと、たとえば五千万円で買えたものが、三年先になりますればたとえばこれが七千万円というふうな時価になる場合が非常に多かろうと思います。そういう場合には、一般会計に入れるときには、いまの設例で申しますと、五千万円で一般会計が買ってもらうのか、あるいは地価の値上がりをある程度――一〇〇%でありますか、五〇%でありますか、いろいろなあり方があると思いますが、ある程度勘案をして買ってもらう、それにプラス利子分、こういうふうな形になるのか、現価の取得プラス利子分という形で一般会計に売っていくというふうになるか、その辺はどういう計算をされるわけですか。
#77
○政府委員(細郷道一君) 地方団体がそれをどういうふうに扱うかということにまかせたいと思いますが、私どもの運営の指導の考え方としては、その間の利子分は少なくとも見るべきじゃなかろうか、さらにそれを上回る地価の高騰があればそれも参酌していったらどうだろうか、こういうふうに考えております。
#78
○竹田四郎君 それを各地方団体にまかせたいということになりますれば、基金の立場からいえば、なるべく時価で売っていくほうがいい。時価で売っていくということになると、今度は一般会計としては、別に基金に依存しなくても、一般会計で買っていけばいいというようなことになってしまう。基金のほうは、なるべく早く引き揚げたい、そうして次にそれを回していきたい。そうなれば、利率の上でも、あるいは地価の上でも、早く回したほうがいい。こうなってくると、ますます局長がさっき言った数年先の公共用地の取得を容易ならしめるという趣旨とだいぶこう矛盾してくるような点が感ぜられるのですが、そういうことはございませんか。
#79
○政府委員(細郷道一君) おっしゃるとおり、時価ならばいますぐ買うということもございますが、しかし基金もその団体で管理運営していただくわけでございますから、その基金というものを育てることによって、土地の形で保有を長い間することができるような状態になれば、私はやはり基金制度というものはそれなりの値打ちがあるのじゃなかろうか、こういうふうに思います。そこで、時価で買うかどうかというようなことは、先ほど申し上げましたように、まあ時価等も参酌してやってったらどうであろうかということで、それぞれの団体の判断にまかせたいと、こう考えております。
 それからいま一つ、この基金によって先のほうということを――先、将来の土地というのは、一つには金目の問題もございますが、いま一つには、やはり早い時期に土地を買っておきませんと、最もほしい所が得られないんではないだろうかというようなことも実は考えまして、そういうことにこの開発基金を運用してまいりたいということを申し上げておるわけでございます。まあ何分にもこれ、御指摘もございますように六百億でございますので、なかなか思うようなふうにはいかないと思っておりますが、しかし、だんだんにこの運用の経過等を見て、これを機会あればふやしていく、そういうことによって私どもは、単に土地を取得するということ以上に、将来の町づくりにプラスになる土地を、場所を得るようにしてもらいたいという、まあ一つの願望を持っておるわけであります。その辺をだんだんに理解して運営してもらうには、ことしだけの財源措置ではおっしゃるとおり足りないのかもしれません。よく研究をさしていただきたいと思います。
#80
○竹田四郎君 そういう点で、やっぱり六百九十億というのは返す返すも惜しい金だと――ことしすぐ使えないにしても、いろいろな形で担保的に使える当てもあって、返す返すも私は残念なことだと、こういうふうに思うんですが、この際ちょっとお聞きしておきたいんですが、各都道府県、市町村で現実に用地買収をやっておりますところの開発公社というふうなことがよく言われますが、あるいはそれに類するような公社というのは全国的に大体どのぐらい一体あるのか。そしてそれの借り入れ残高というようなものが全体としてどのぐらいあるのか。まあ現実には私は、開発公社というのが用地取得を相当程度やってる、それを一般会計に売却をしている、こういう例がかなり私は多いだろうと思うんです。そういう意味で、大体どのくらいの公社があって、それの借り入れ残高がどれくらいになっておるのか、教えていただきたいと思います。
#81
○政府委員(細郷道一君) 公社としてあります数は、全国で九百七十三ございます。これは昨年の七月一日現在の調べでございます。そのうち開発関係が五百二で、まあ半分ちょっと上回っております。住宅の関係が九十、農林水産業関係が百九、以下まあいろいろ、観光、道路、商工、それぞれ数十ずつございます。で、過半が開発関係、こういうことでございます。
 それから、その借り入れ残高については、ちょっといま手元に持っておりませんので、数字で申し上げることはむずかしいかと思いますが、そういう公社に対する出資と申しますか、地方団体が金を出しております分、これは全体で三百三十九億ございます。したがいまして、この出資の何倍ぐらいが運用されておるかということは、団体によってもいろいろ違うと思いますし、それから公社のやっております事業の性質によっても違うと思いますが、まあそれによって御判断いただければけっこうだと思います。
#82
○竹田四郎君 局長、その公社の、四十二年度ぐらいになるだろうと思うのですが、買収した面積、それからその買収総価額、いま申し上げました借り入れ残高、その残高のうちでその資金の種類が、どういう資金をどう借りているのか、こういうことは自治省のほうではおわかりになりませんかどうなんですか、わかっていたら資料として御提示願いたいと思います。
#83
○政府委員(細郷道一君) 全部うまくまとめたものは持っておりません。
#84
○竹田四郎君 実は、この公社というのは、私はだいぶ公社のあり方というのはかなり問題があるんではないか。まあこの公社に、一つは、天下り人事といいますか、市町村の高級幹部がそこへ行く、そしていままで以上の給料をもらっているというのが大体多いわけです。また同時に、この公社というのが、かえって、土地の価格を下げるのじゃなくて、まあいろいろ地域のボスがそれに介入をいたしまして、むしろ価格を引き上げているという例が私の近くにもあります。むしろそういう例が多いと思いますが、先ほど局長は、その基金、公社にこれを貸し付けて、そして利用するのだと、まあ金銭的な効率のほうから見ますとかなり有効かもしれませんけれども、実際上はどうも、金のかからない、利子のつかない金というようなことで、むしろその土地価格を引き上げていくというようなおそれすら私はかなりある、こういうふうに思うのですが、その辺の指導はされているだろうと思うのですが、そういう幾つかの例も新聞紙上をよくにぎわしている問題なんですが、その辺は一体どうするのか、公社と基金との関係というのはもう少しはっきり明確にしないと、私はむしろ公社をつくらぬでもいいところをまた公社をつくるとかというような関係になったり、あるいは公社と基金の会計を別にすることによってさらに人件費をふやしていく、そういうような問題が多々出てくる心配がむしろあるわけですけれども、その辺は一体どのようにお考えになっているか。
#85
○政府委員(細郷道一君) まあ土地の先行取得でございますので、いろんなこの基金の運用方法が考えられると思いますが、私どもは純粋の第三者にこのお金を貸したり委託をしたりすることは適当でない、もしそういうことが必要であるならば、やはり公社その他その地方団体の監督の目の届く機関がいいのではなかろうかというふうに考えておりますが、一番の基本は、一等最初に申し上げましたように、この基金自体はその当該団体がこれを運用していくということが私どもの基本でございますが、しかし基金の運用にあたって、必ずしも一つの方法でなければならぬというようなことはしないで、各団体の自主的な判断にまってやってまいりたい、こう思っております。いまのお話の、公社に貸し付けていったんでは人件費によけい食われるのじゃないかといったような問題、この辺も確かにそういう心配がないわけではございません。しかし逆に、公社の仕事の繁閑、あるいは公社につとめております職員の熟練の度合い、そういったようなことも考えた上で、個々のケースとして地方団体で判断をしていったらいいのではなかろうか、かように思うわけであります。開発公社で土地を買うといいましても、土地の買収は、御承知のとおりに、全くのしろうとでは実際になかなかうまくいかない。やはり熟練をした人ということで、私は必ずしも、そういう意味では、一般高級職員だけができるのではなくして、むしろ現場で、土地改良で用地を買収をしたとか、道路の建設で用地を買収をしたという経験のあるような人のほうが役に立つのではないか。また、そういう人が公社に出て仕事をしておる例というものも、私も多少承知をしております。したがいまして、その辺につきましては、いろいろどういう運営がいいのかむずかしい問題がございます。私ども、そういった角度でよく指導もし、よく検討もしてみたいと思います。
#86
○竹田四郎君 どうも局長のお話を承っていると、公社の実態というものを正確につかんでおられるかどうか、ちょっと首をかしげたくなるような感じもするのですが、実際どうなんですか、公社の幹部の給料なんかお調べになった資料というのはございますか。あるいは勤務年数がどのくらいなのか、あるいは現在公社の組織が一体どういう組織になっておるか、こういうことをお調べになった資料がありますか。私はやはり、それを正確に調査をしないと、この基金というものをおろしていくときにかなりいろいろな問題が派生してくるのではなかろうか、このように思うのですが、その辺お調べになったことございますか。
#87
○政府委員(細郷道一君) 私のほうではいま調べたものは持っておりません。
#88
○竹田四郎君 その点ひとつ、この仕事をされるということであるならば、私はその辺は一回調査をされて、これは当然私は、公社を持っておるところは、市の行政機構の中に、県の行政機構の中にわざわざダブって用地取得の機関をつくるなんということは、これはむだだろうと思うのですよ。そうなれば、必然的に公社のほうにその基金を貸し付けて、そこで仕事をするというふうなことがかなり多くなるのではなかろうかと思うのですけれども、先ほどおっしゃった五百二の開発公社ですね、これは先ほど言った標準市ですか、あるいは標準県以上のものは大体どのくらいこの中にありますか。
#89
○政府委員(細郷道一君) 人口段階別に調べてございませんので、ちょっといまの交付税の開発基金措置とのからみ合わせばこれからは実は出てまいりません。五百二と申しましたが、府県が三十八、政令の指定市が六、あとの四百五十八が市町村と、こういうことになっておりますので、この中身についてはいま御指摘の点はなお調べてみないと明確なお答えができません。
#90
○竹田四郎君 やはりこれだけの金を流していくということになりますと、その付近をやっぱり正確につかんだ上でおやりいただかないとむだが出てくるのじゃないか、こういうふうに私は思うわけですが、これをぜひ一回調査をしていただいてやっていただきたいと思うのですが、今日の段階で、この基金によるところの特別会計ですか、こういうものを条例等によって設置された団体はどのくらいございますか。あるいは審議中、あるいは議会の議決をすでに終わったというようなところは、一番新しい最近の段階で一体どのくらいの数になっていますか。
#91
○政府委員(細郷道一君) 最近の調べでいきますと、府県で十八の府県が四十三年度の補正予算あるいは四十四年度当初予算を通じて設置の予算措置をいたしております。あとの府県はそれぞれ、追加計上予定、あるいは検討中、こういうことでございます。
#92
○竹田四郎君 市町村のほうは。
#93
○政府委員(細郷道一君) 市町村はまだそこまで調べておりません。
#94
○竹田四郎君 しかし、すでにこういうふうにつくられたのは、どういう法的根拠でこれをおつくりになったんですか。
#95
○政府委員(細郷道一君) 地方自治法によりまして、地方団体は基金を設けることができるようになっております。それぞれ地方団体においてその判断に従って設けたものと思います。地方自治法の二百四十一条。
#96
○竹田四郎君 もしこの交付団体で、おれのところはもうそういう公社がだいぶ仕事をしているのだということで、一億なり二億なり、団体によって違うだろうと思いますが、その金をそういう基金に入れない場合には、それはどういうふうになさいますか。
#97
○政府委員(細郷道一君) 別に何もございません。
#98
○竹田四郎君 じゃあ、別にそれは基金に使わないからといって引き揚げるということは一切しない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#99
○政府委員(細郷道一君) 交付税制度のたてまえから、当然のことでございます。
#100
○竹田四郎君 あなたは、三月十七日ごろですか、すでにこの問題について都道府県知事並びに指定市の市長に通達をこの件について出されたことがございますか。
#101
○政府委員(細郷道一君) 二月十七日付で通達を出しました。内容は、もうすでに御承知だと思いますが、自治法の根拠によって基金を設けてはどうか、それから財源措置については交付税法の改正の中で措置をする予定であるという意味のことを通達をいたしました。
#102
○竹田四郎君 交付税法がいま審議をされて、一体土地開発基金というものが私どもはかなり問題がある、こういうことで、先ほど申し上げましたように、実はもう少し公社の場合も、あるいはすでに取得しているところの取得の状況、こういうようなものをもう少し精査した上で出していかなければ、六百億の金というものが私はあまり有効に使われないのじゃないだろうかということを考えているのですが、それ以前にそういうことで予定で出すということは、これはどうですか。法律もそのときは衆議院ですら通っていないと思うのですが、そういう時期に、あらかじめそういうような開発基金を交付税で裏づけをするつもりだ、こういう点はどうなんですか。私は少し行き過ぎではないだろうかと思うのですが。
#103
○政府委員(細郷道一君) 今回、こういう土地基金を設けることを地方団体に奨励することがいいのじゃないかという判断をいたし、かつそれについての財源措置をしたらいいと判断をいたしましたのは、実は私ども地方団体の実態を見てみるたび、常に出てくるものが土地の先行取得であるわけでございまして、道路をつくるにも土地がなければできない、家を建てるのもできない、こういうようなことで、土地の先行取得については非常に熾烈な要望があるわけでございます。そこで、それについて何かの措置をしてはどうだろうか、こう考えておったんでありますが、たまたま昨年新しい都市計画法が通りまして、それによって先買い権、あるいは買い取り請求権といったようなものが公式に法定されました。それについての資金手当てとしての基金を設けてはどうだろうかという建設省の案がございまして、私どものほうは、別途地方自治法一般によって基金制度を設けてはどうだろうか、こういう考え方がございました。ともども国の予算の際にいろいろ議論がされましたが、結果において建設省のほうの案は、従来の土地開発資金が額がふえるということで落ちつきまして、この土地基金、こういった形での土地基金というものにつきましては、私どもの考えておりました構想でいこうということになったわけでございます。したがいまして、普通からいえば、法律、予算が全部通ってから措置するのがいいと思いますが、地方団体は現実に二月には自分の予算を組んで議会にはかるという状況にございますので、中央におきます建設省とわが省のほうの考え方が未確定のままの状態では、かえって地方団体に御迷惑をかけるんではないだろうか、こう考えまして実は通達をいたしたわけでございます。したがいまして、この通達の内容につきましては、関係の省にも十分御理解いただいて出したものでございます。
#104
○竹田四郎君 実際、あまり知らない私がちょっと考えても、やっぱりいろんな準備過程というものが、決して自治省自体ですらしっかりした調査というものを私はされておるとは思わない。それではちょっとお聞きいたしますけれども、府県あるいは市町村の予算の中で――公社ではなくて、予算の中で、土地買収のための特別会計、あるいは基金、こういうものをすでに持っているのはどのくらいありますか。
#105
○政府委員(細郷道一君) 正確な資料としては持っておりませんが、たしか私の記憶では、県ではほとんどの県が何らかの形の先行取得のための措置をいたしております。
#106
○竹田四郎君 そういう措置が、おそらく私は、大きな市、町、こういうところでも、公社を持っているところでもあるくらいですから、持っていないところは、そういうところはおそらく持っているだろうと思います。ある程度そういう県で基金も持っているし、あるいは借り入れ金もある程度は持っているし、場合によれば地方債によってすでに仕事をしているというところもかなりあるとすれば、そこであわててこの基金をすぐ流さなくても私はいいんじゃないか。現実に、先ほどの中でも、市町村の中では、こういう基金をこのために設定をするという、そういうようなことが現実にはどのぐらいされておるのか。自治省のほうでまだつかみ切れない、それ以前にそういうようなことをされるというのは、少し先走っちゃいないか、こういうふうに思うんですが、どうですか。
#107
○政府委員(細郷道一君) 現にこの基金に類するものを持っておる府県もございます。私どもは、先般通達をしたところにも書いてございますように、別に基金の名称を統一しようという気持らは毛頭ない。実態的にそういうものを持っていれば、既設のものをこれに使っても一向差しつかえない、こういう趣旨のことを実は通達してございます。通達の時期が早いじゃないかということにつきましては、これは確かにいろいろ御批判があるだろうと思いますが、先ほど申し上げましたように、政府の中においてかなりはなやかに議論をされた問題でございまして、しかも地方団体全般が非常に関心の深い問題でございますので、むしろ、あまりおそきに失しますと、二重の手間にななったり、あるいは地方団体に適宜な措置ができないという心配もあろうかと思いまして、実はあえていたしたわけでございます。ただ、国会でいろいろ法案を御審議いただいている最中に、地方について従来もいろいろ内簡で指導したり何かして、いつも実はおしかりを受けておるわけでありまして、私どもも法律は実はやっぱり国会を通過した上でやるべきじゃないかという基本の気持ちは十分持っておるのであります。いかにせん、いまの会計年度が国と地方が同じだ、しかも国会の御審議の時期がこういう時期になっているというようなことになりますと、全くその年のことを地方団体に通知なり指導するのは、成規の手続を経ておりますと秋以降しかできない、秋の第二回の補正予算のとき以後しかできないというようなことでございまして、ここのところが実は私ども毎年同じような問題にぶつかって悩んでおるところでございます。何か抜本的な解決策があればいいということで、かつては会計年度の暦年制ということがずいぶん議論になりましたが、なかなか現在の憲法上の規定その他から見てむずかしい点があるというようなことで、まだ結論を得ていないわけであります。私どもの真意はそこにございます。別に法律が通らないのにかってにやったというようなことでなく、やむなく私どもの全く責任においてああいうことをしておるという点は、反面において御理解をいただきたいと思います。
#108
○竹田四郎君 実は、そういうふうなことは、国庫補助金の地方団体に対する割り当てですか、こういうことのほうがむしろ地方団体を紛乱させていく。ですから、地方議会というのは、大体六月で補正がごく一部、九月あたりにやっと少し多く出る、十二月にかなりこれは全体的な補正がある、こういうのが大体普通なんですね。むしろ補助金等々においての国のやり方が地方の財政計画を混乱さすというふうに私は言ったほうがいいと思うんです。それは会計年度という問題よりも、むしろ逆に政府の事業に対するあり方というようなものがはっきりしない。たしか四十一年でしたか、あのときには、公共事業を前半の九月末までにたしか六〇%といったですかな、やれというときには、きわめて仕事がスムーズにいったわけです。そのほかのときには、もう大体前半の時期ではせいぜい三〇%いけばいいほうであって、実際は三〇%まで仕事の量というのはいかないわけです。そういう点を考えますと、いまあなたが、こういうふうな開発基金について事前にやるのは市町村の財政を計画的に安定的にさせるという、その議論には私ちょっとならないだろう。それならば、もう少しほかのほうをぴしゃっと整とんをして、直ちに新しい年度が、少なくとも六月ごろからは新しい仕事ができるような、そういうような措置を私はすべきじゃないか。いまの点では、若干局長は言いのがれ的な発言のような気がいたしますけれども、どうですか、そういう点。次官、私はやはり国会で法律がきまってからそういう通達を出すべきであって、それは自治省の予算はこうこうだ、交付税のあり方はこうこうだということで法案に出されるのはけっこうでありますが、自治省が財政局長通達をそこまで出されるというのは、私は少し行き過ぎじゃないかと、こういうふうに思いますが、次官、どうですか。
#109
○政府委員(砂田重民君) 補助金の配付の時期が地方財政にどういうふうなと申しますか、ある程度の迷惑をかけているかというふうな点につきまして、先生の御指摘、まさに当を得ているという感じで私は伺いました。それから、交付税につきまして、やはり交付税法の改正案の御審議をいただいて、それが成立をしてから措置をするのが当然である――もう基本的には当然のことでございます。ただ、いま細郷君申しましたが、補助金でもそういった地方公共団体はある程度迷惑を受けている。そこに今回の新たにやろうとしております土地開発基金の準備もまたできない、こういうことであっては、せっかく考えました土地開発基金のスタートもこれまたおくれてしまう、そういう懸念がございまして、いま地方公共団体の会計年度の問題でないというお話がありましたけれども、現実問題といたしましては、地方公共団体の会計年度の問題、地方公共団体の当初予算を組む時期が、ちょうど国会で交付税法を御審議いただいております時期にぶつかっておるような現実の面がございます。そういう意味合いから、地方公共団体にできるだけ早い時期に、この法案が通りましたあと早い時期に、土地開発基金についてもスタートをしてもらいたい、こういう気持ちから、決して国会の御審議をないがしろにするとか、そういう気持ちは毛頭ございません。地方公共団体の仕事がスムーズにいくようにという気持ちだけでやらせていただいた措置でございまして、これはひとつお許しをいただきたい、こう考える次第でございます。
#110
○竹田四郎君 先ほども政務次官はお聞きになっていたと思うのですが、府県市町村の土地の取得のあり方、こうしたものについて、自治省のほうは、さっき申しましたように、あまりはっきりつかんではいらっしゃらない。一体公社の貸し出し残高がどのくらいある、こういうことも、何か資料が本省へ帰ればあるのかもしれませんけれども、まあおそらく何もないような感じがするわけです。私は、先ほども申しましたように、そういうものをはっきりつかむ措置をまず先に行なうべきじゃないか。そうして、公社なりあるいは各地方団体の特別会計というものが妥当にしてかつ正しく運営されているかどうか、これの判断があってからでも私はおそ過ぎはしないのじゃないか。ただ早くやりさえすればそれでいいということでは私はないのじゃないか。そうしたものを精査をしないで、金だけを流していくということになりますれば、乱費される心配がむしろ私はあるのじゃないか。その点は、政務次官、さっそく先ほどの公社あるいは特別会計、それがどのように使われているかということを私は先に調査をすべきだと思うのですが、どうですか。
#111
○政府委員(砂田重民君) 地方公共団体が土地の先行取得をしております実態、特に先生お話しになりました公社の実態でございますね、公社の組織の問題、あるいは役員構成の問題、こういったことは、当然私ども相当厳重な姿勢でこれは指導していかなければならぬ、当然なことだと考えております。ただ、土地開発基金という新たに四十四年度からスタートしようとする、その受け入れ体制の準備だけは、やはり自治省から地方公共団体への連絡がおくれたためにこれもおくれてしまうということは避けたい、こういう気持ちだけでございまして、自治省の実態調査がまだできていないのじゃないかという御批判がございましたけれども、これは先生おっしゃるように、役所に帰れば局長持っているのかもしれません。もしも足りない点がありましたならば、さっそく厳重な調査をいたしまして、公社の実態につきましてはきびしい姿勢で指導してまいりたい、かように考えております。
#112
○竹田四郎君 大体もう時間になりましたので、きょうはこの辺で終わりたいと思いますが、ひとつ八日の日に論議をするために、少し資料を出していただきたいと思うのですが、「単位費用の算定基礎」というものでいただいておりますが、この「投資的経費」、これはどこでも同じですが、「投資的経費」のところの「標準団体の経費総額」というのがございますね、これの積算基礎というのは一体どうなっているのか、この辺の資料をひとつ出していただきたいと思います。
 それからもう一つは、先ほどの御説明の中で種地――いままでは二十段階の種地というのがございましたね、今度はこれを人口集中地区というようなことに変えられたわけですけれども、これを具体的にどのように変えられたのか、どういう計算のしかたをされるのか、この辺の資料をひとつ出していただきたい、そのことをお願いしてきょうは終わりたいと思います。
#113
○委員長(内藤誉三郎君) 本日はこの程度にとどめます。これにて散会いたします。
   午後五時七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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