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#1
第061回国会 地方行政委員会 第14号
昭和四十四年五月十五日(木曜日)
   午前十一時十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     林  虎雄君     山本伊三郎君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     阿部 憲一君     宮崎 正義君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         内藤誉三郎君
    理 事
                熊谷太三郎君
                吉武 恵市君
                山本伊三郎君
                原田  立君
    委 員
                小林 武治君
                鈴木 省吾君
                船田  譲君
                増田  盛君
                安田 隆明君
                山崎 竜男君
                若林 正武君
                竹田 四郎君
                千葉千代世君
                松澤 兼人君
                和田 静夫君
                阿部 憲一君
                山田  勇君
   政府委員
       自治政務次官   砂田 重民君
       自治省財政局長  細郷 道一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       人事院事務総局
       給与局次長    渡辺 哲利君
       法務大臣官房参
       事官       河津 圭一君
       文部省初等中等
       教育局地方課長  別府  哲君
       文部省体育局学
       校給食課長    柳川 覚治君
       厚生省児童家庭
       局企画課長    鈴木  猛君
       労働省職業安定
       局企画課長    関  英夫君
       自治省財政局交
       付税課長     横手  正君
       消防庁防災救急
       課長       中沖  豊君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○地方行政の改革に関する調査
 (昭和四十四年度地方財政計画に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(内藤誉三郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 五月十三日、林虎雄君が委員を辞任され、その補欠として山本伊三郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(内藤誉三郎君) この際、理事の補欠選任についておはかりいたします。
 ただいまの委員の異動に伴いまして、現在理事が一名欠員となっておりますので、この際、その補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(内藤誉三郎君) 御異議ないと認めます。それでは理事に山本伊三郎君を指名いたします。
 暫時休憩いたします。
   午前十一時十九分休憩
     ―――――・―――――
   午前十一時二十分開会
#5
○委員長(内藤誉三郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 地方交付税法の一部を改正する法律案及び昭和四十四年度地方財政計画に関する件を一括して議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#6
○和田静夫君 「自治日報」の三月十四日号で、ある人が、「交付税の七不思議」と題して、その一つに、「先進団体、後進団体あるいは標準団体それぞれの要望を取り入れ、世界一巧緻をこらした補正テクニックによる需要額の結果は、人口面積による単純比例按分と大差ない」という珍現象をあげています。そしてその現象がそのとおりであることは、ほかならぬ横手交付税課長も「自治研究」の四十三巻第九号の論文の中で認めておられます。それならば、なぜあのような複雑な手法を用いて基準財政需要額を算定し、財源配分を行なっているのか。まさか自治省の方々の優秀さを誇るためにそうしているのでは私はないと思うのであります。まさかしろうと目にはわからないように行政に煙幕を張るのが目的でもないと思います。まさに自治省は、その出てきた結果はどうあろうとも、財政需要を算出する過程が客観的根拠に基づいている、そのことが地方交付税の本質にかかわることであるがゆえに大事にしているからであると私は思います。地方交付税法の第一条の、「地方交付税の交付の基準の設定を通じて地方行政の計画的な運営を保障する」といういわゆる地方交付税の財源保障機能を重視をされているからだと思います。現に四月八日の衆議院地方行政委員会において、山本弥之助社会党委員の、「交付税はいま調整機能から財政保障機能のほうに移りつつあるような感じがいたしますが、自治省のほうではどちらに重点を置いてお考えになっているのでございますか。」という質問に対して、細郷財政局長は明確に、「やはり交付税は保障機能を強く持っているもの、こういうふうに思っております。」と答えておられます。とすれば、基準財政需要額の算定方法が、それを誇れるほどに実態に照らして客観的であるか、合理的であるかということがここで私は実は問われなければならないと思うのです。そこで私は、単位費用の算定の面と、補正係数の出し方の面とに分けて、具体的事項との関連で質問をいたします。そしてその客観性を問うてみたいと思うのであります。
 その前にただ一つだけお聞きしておきたいことがありますが、それは、四月二十二日の衆議院地方行政委員会において、門司委員がこう言っているのであります。「これを見てごらんなさい、段階補正、密度補正、態容補正及び寒冷補正などということで、補正がたくさん書いてあるのです。これはどうしても一つのさじかげんになる危険性を実は特っておるのであって、したがって、官僚行政がこういうところから締めつけていくという弊害が生じてくる一つの原因だと思います。したがって、そういう問題は、やはり交付税については基本的に考え直してもらいたい。」こう言っているのです。こう言って他の質問に移っていったせいもあって、この部面について実は細郷財政局長はついに一言も解明をされておりません。この門司発言は、よく私読んでみましたが、門司さんのみならず、私も含めて多くの人々の実は実感なのです。
 そこで私が質問をいたしたいのは、なぜこれほど基準財政需要額の算定にとって決定的になってきている補正係数を法定化しないのですかということです。この補正係数の算出過程がいろいろむずかしい計算方法を含んでいることは知っております。しかし私が勉強した限りでは、それほど高等数学でもないようであります。少なくともいろいろな数値の取り方、算出方法の理念だけは、国会の場で確認をすることがその客観性を誇るゆえんではなかろうかと思いますが、いかがですか。それとも、単位費用も平衡交付金制度創設のころは地方財政委員会規則で定められ、昭和二十七年度から法定されたことにちなんで、補正方法がもう少し熟した段階で法定化をするおつもりなんですか。
#7
○政府委員(細郷道一君) 交付税の持っております機能は、やはり財源保障という機能が一番大事だと思っております。その結果、自主財源の少ないところには交付税がよけいまいりますので、そういう意味で財源調整ということはいえると思います。
 それから財政需要の算定につきましては、単位費用だけで定めることができれば私は一番けっこうだと思います。ただ現実の問題として、同じ道路をとりましても、北海道のように冬の間にしばれる道路があるというようなところと、それからそういう関係のない道路もございますし、雪の降るところでは除雪費というものを考えなければなりませんが、降らないところはそういう必要がない。あるいは給与にいたしましても、寒冷地には寒冷地の手当がある、あるいは薪炭手当がある。こういったようなものを、じゃ見なくてもいいのかといっても、なかなかそれは現実問題としていきません。そこで私どもは、各省の施策で制度的にこうしたいというものを補正という形をとって直しておるだけでございまして、単位費用がやはり基準になって財政需要は算定をされておりますから、単位費用によります財政需要の額が非常に大きい額でございまして、補正はその手直しの一部にすぎない、かように考えておるのであります。
 で、補正につきましては、法定論もあろうかと思います。ただ補正の方法につきましては、私どもが現実的に交付税の総額と財源不足の総額とをどう調整するかという実務的な面も残っております。したがいまして、補正の算定につきましては政府におまかせをいただいておる。ただどういう補正をどういう費目に適用すべきかということにつきましては、法律によって御審議をいただいておる、こういう考え方であり、現在の段階であると思います。
  〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕
#8
○和田静夫君 それでは具体的にひとつ警察費を取り上げて、単位費用の算定の面で幾つか質問をしてみたいと思います。
 その前にひとつお聞きをしておきますが、私は地方交付税の調べを主として山本悟さんという人の書いた「精解地方交付税」という本と、石原信雄、矢野浩一郎、辻誠二共著の「地方自治講座」の中の「地方財政制度」という本でやりました。両方とも自治省関係者のものであったので、私はあえて選んだのですが、この二つの本は、制度的に古くなった点は別として、基本的には自治省の考え方であると考えてよろしいですか。
#9
○政府委員(細郷道一君) 著述でございますので、やはり著者の考えもそこに入っておると思いますが、大筋は自治省の考え方をあらわしていると思います。私もいまおあげになりました両方の本を全部読んでおりませんから、責任を持ったことは申し上げられませんが、多分そうであろうと思います。
#10
○和田静夫君 測定単位としての警察職員数は警察法施行令に定める基準によりきめられるわけですが、なぜすでにはっきりしている四十四年度分を使わなかったのですか。
#11
○説明員(横手正君) 御質問の趣旨がちょっとはっきりしかねる面がございますが、おそらく最新の定数を使うべきではないか、こういう御質問ではなかろうかと思います。これは警察費につきましては、実数は新しい数値をとるべきかもわかりませんが、定数増に伴う警察官の増員はその年度内に行なわれる、こういったこともございますので、一応普通交付税においては実質的には前年度の定数をとる。したがってその間の調整は、特別交付税において、その年度において新規増員になる分の警察官の経費はみる、こういう仕組みにいたしております。
#12
○和田静夫君 単位費用というのは、いわば基準財政需要額を算定していく上の基礎となる一つのモデルでありますから、補正の問題はもちろん、測定単位の数値からも独立をして、そのモデルが導き出される過程それだけを取り出して、その客観性を問うことは可能であると思います。そこで、警察費の単位費用が導き出される標準団体下で使用される測定単位を問題にしたいと思いますが、これは、たとえば人口百七十万規模の標準団体では、二千人の警察官を置くことが標準的な警察行政を保障するということ、それがそうであるということを一体きめる基準は何なのか。「精解地方交付税」の一〇一ページにこう実は書いてあるのであります。「標準団体の測定単位の数値は、原則として、道府県分にあっては全国平均に近い数、市町村分にあっては人口十万程度の都市の平均数値に近い数となる。」、としますと、この警察職員二千人という測定単位は単位費用を導き出す数値としてふさわしいかどうか。今度の政令改正で、警察官の数は十七万三百五十人、一県平均三千七百人強です。明らかに二千人という数値は単位費用を導き出す数値としてはふさわしくないと言えると思います。しかもこの二千人という数値は、ここ何年来実は変わっていない。その結果、どういうことになっているかといいますと、四十三年度では標準経費で二〇%しか伸びていないのに、単位費用では二一%ふえています。四十四年度も、標準経費が七%しか伸びていないのに単位費用では八・八%、計算をすればふえている。これで警察費における単位費用が適切であると一体いえるのでしょうか、その点いかがです。
#13
○説明員(横手正君) 従来は、警察費を算定いたします場合の標準団体のとり方を、おおむね人口百七十万前後の府県の警察官の数の平均をとってまいっております。したがいまして、毎年度、警察官の増員がありましたような場合には標準団体の数値の引き上げを行なっております。ただ、数年前からそうした考え方をやめまして、標準団体自体は人口とは関連なく、警察官二千人の団体を想定して算定する、こういう行き方に変えております。これによりまして客観的に算定できるかどうかの問題でございますが、たとえば人口百七十万の府県で前年度が二千百人である、本年度二千二百人になるというような場合は、現在きめておりますような警察費限りの標準団体を二千人ときめましても、結果としては変わってまいらない。二千二百人に増員になった府県が二千二百人分として算定される、こういう結果になってまいるわけでございます。警察費が人口関連でありますれば問題ございますが、警察官の数値で算定いたしておりますので、結果としては間違いなく算定できる、こういう仕組みになっております。
#14
○和田静夫君 そこで「地方交付税制度解説 単位費用論」の、四十三年度分ですか、これは。三三ページと四〇四ページ。それぞれ特殊勤務手当、消防関係、警察関係、これとの対比でちょっと私続けてお聞きをいたしますが、その前に、長野士郎さんの「逐條地方自治法」六七七ページ「特殊勤務手当については、国家公務員に対してはその内容が極めて複雑であり、実質的には政令及び人事院規則に委任され、かつ、変更されることも多い。普通地方公共団体においては右の政令又は人事院規則に拘束される必要はなく、条例の定めるところにより特殊の勤務に対して特別に給与を支給する理由が存在するならば独自の内容を持つところの特殊勤務手当を設けて差しつかえないが、「特殊勤務」についての考え方は国家公務員におけると同様であるべきであり、同様の勤務については特殊勤務手当の内容も同様とすべきものである。」、こうなっているのです。
 そこで、特殊勤務手当の概念について、まず人事院にお尋ねいたしますが、特殊勤務手当は、給料の調整額と同じく職務の特殊性に応じて支給される手当である。給料の調整額が、危険、不快、不健康などの特殊性が恒常的に伴う場合の措置であるのに対し、特殊勤務手当は、その特殊性が臨時的断続的に発生する職務についてそのつど支給されることとされています。私の理解はこういう理解なのですが、それでよろしいですか。
#15
○説明員(渡辺哲利君) 国家公務員の場合でございますが、国家公務員の場合には、給与法の十三条に特殊勤務手当の規定がございます。で、十三条できめてございますのは、特殊勤務手当としては、著しく危険、不快、あるいは不健康等著しく特殊な勤務であって、給与上特別の措置を必要とするけれども、それが俸給でもって措置することは適当でないと認められるようなものに対して支給するものであるというふうな規定になっておるわけでございます。したがって、ここでは必ずしも臨時的とか、非常に数が少ないということで限定はしておりませんが、要は俸給で規定するのは適当でないものについて給与上何らかの考慮をしなければならぬ場合に、特殊勤務手当として考慮するというふうに考えている次第でございます。
#16
○和田静夫君 それじゃ機動隊のいわゆる危険手当ですが、その性格からいって当然特殊勤務手当として私は扱われるべきだと思いますが、それはいかがですか。
#17
○説明員(渡辺哲利君) 機動隊の危険手当と称されるものでございますけれども、これは実は私どもは国家公務員だけを所管しておりまして、機動隊のほうは関係がございませんものでございますから、一応そういうものが国家公務員にはないわけでございます。ただ聞くところによりますと、危険手当は何か報償費と申しますか、そういうたぐいのものだというふうに伺ってはおりますが、具体的な内容その他については十分承知をしておらない次第でございます。
#18
○和田静夫君 これは四十四年二月三日の衆議院の予算委員会の議事録でありますが、川島さんという政府委員は、「俗称を危険手当と申しておりますけれども、その内容はいわゆる報償費でございまして、特に危険な場所へ行きました場合あるいはけがをした等の場合に、賞与金として三百円を報償費から支出をしておるということでございます。」、そこで人事院の答弁との関係で、次官、これどういうふうに解釈をしたらよろしいですか。
#19
○政府委員(砂田重民君) 機動隊のただいま先生おっしゃいました手当は、いま速記録をお読みになりましたように、報償費から出ておるということでございますが、それはそういうふうに聞いておるということでございまして、地方交付税等と実は関係ございません。国費で支給されておる、かように考えておるわけでございます。
#20
○和田静夫君 私は、こういうものが報償費という名目で、しかも報償金の規定の中にもいわゆるこの危険手当らしいものに該当する規定などは実は一つもないんですよ。自治体を通さず政府の予算措置で出されていくというのは、私は問題だと思うんですね。いま国費で措置をされておると。労働基準法には、御存じのとおり、「この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう」という規定があります。報償費という名目で出されようが、その実態は私は特殊勤務手当だと思うんです。大臣がお見えになっていないのであれですが、政府みずからが地方自治法二百四条に違反をしている、私はそう思います。私は当然こういうものはやめさせて、もしこうした危険手当的なものが必要ならば、交付税上の措置をしてそれこそそういうものを出すように地方公共団体を指導したらいいと思うのです。
 それじゃ、この四〇四ページを見ていただきたいと、こう思うんですがね。消防の場合には、特殊勤務手当の中に出動手当を見ているではありませんか。そうすると、警察の場合は国費で見ている、こういうことになるんですか。その点は一体どうですか。
#21
○政府委員(砂田重民君) 先生御議論の見舞い金というのは、国の機関でございます警察庁長官が支出をしております報償金でありまして、したがって地方公共団体が給付する給料その他の給付とは全く異なっております。したがいまして地方自治法第二百四条の二の適用はこれはないと私どもは理解をしております。ただ、自治省の見解はどうだということでありますならば、これは地方予算を通せばいいのではないかというような感じもいたしますけれども、制度的なものではございませんで、ただいま申し上げましたような地方自治法二百四条の二適用は受けておらない、このように考えます。
#22
○和田静夫君 いやいや、それは違反だと私は言っているんですよ。それじゃ、報償費とは、次官何です。
#23
○政府委員(細郷道一君) 報償費は、一般的には行政事務・事業を円滑かつ効果的に遂行するために、そのつどの判断によって最も適当と認められる方法によって出される経費、まあこういうことが言えると思います。したがいまして制度的に保障されたものではございませんで、受け取るほうも当然よこせというものではなく、警察の場合でございますれば、私ども担当ではございませんけれども、私どもの伺っているところでは、警察庁長官が御苦労さんと言って出すお金、こういうふうに考えております。
#24
○和田静夫君 これは私は長野士郎さんの著書ですから権威があるんだと思うんです。これさっき読み上げましたけれども、この趣旨からいって、全く私は法律に違反していると思う。いまの説明では、担当でないと、こう言われたのですけれども、どうも釈然としないのですけれども、もう一ぺん次官、報償費とは何か。私の言ういわゆる危険手当は特殊勤務手当でないのか。
#25
○政府委員(砂田重民君) 先ほどお答え申し上げましたのですが、報償費というものは、一般的に国が国の事務または事業を円滑かつ効果的に遂行するため、当面の任務と状況に応じまして、そのつどの判断で、最も適当と認められる方法によって機動隊に――ただいま議論になっております問題は、機動隊に使用する経費でございます。たとえば国の事務または事業に関しまして功労があった者などに対して、特にその苦労に報い、あるいはさらにこのような寄与を奨励することを適当と認めた場合使用する経費、または部外の協力者に対し謝礼的な、あるいは代償的な意味において使用する経費でございます。したがって、報償費の支出につきましては、部内者、部外者を問わず、国の事務または事業に対する何らかの寄与があれば足りるものである、そういうものでありまして、法律等の根拠を必要としないで、予算の範囲内において各省各庁の長または責任を有する職員が、その職務に属する国の事務または事業を円滑かつ効果的に遂行するため必要があると判断をしたそういう場合において、適当と認める方法で使用することができるもの、こういう見解を政府としてはとっているわけでございます。したがって、自治省へのお尋ねではございましたけれども、先生ただいま御議論の機動隊の見舞い金ということになりましたならば、国の機関でありますところの警察庁長官が支出する報償費であって、地方公共団体が給付する給与その他の給付とは全く異なっております。そういう意味合いで、地方自治法の二百四条の二をいま先生御議論になりましたけれども、地方自治法の二百四条の二の適用はない、こういう解釈を私どもはしているわけでございます。
#26
○和田静夫君 そうすると、さっき質問しましたがね、いわゆる消防の関係は出動手当という形で組まれておりますね、百円かける延べ八百人、どうなります。
#27
○説明員(横手正君) 消防費に計上いたしておりますのは、消防職員の特殊勤務手当として、その一つの形として出動手当を見込んでいるにすぎないのであります。先生のお話しの報償費とは別個の形のものであります。
#28
○和田静夫君 そこでやっぱり問題になるのは、消防の場合は、出動する、それは特殊勤務手当として出動費を見ている。警察の場合は、出動する、それは危険であるというような形でもって、報償費でもっていわゆる払う。本来的に私は、警察の場合もやはり交付税上の措置をとるべきではないかと思うのですよ。私は報償費、いわゆる外に向かっての、いま次官がお答えになったような形のことはよく理解できます。しかしながら、その警察官そのものに支払われているもの、法律上許容し得ない範囲のこの手当というものが、名称を変えて報償費というような形で支払われるというようなことは、これはもう許せないことです。
#29
○政府委員(細郷道一君) 消防の出動手当の場合には、これは御承知のように消防団員の出動に際して出るわけでございますが、消防の特殊な勤務を給与だけではあらわし切れないものとして、特殊勤務手当として出しております。したがって一回幾らというふうにきめております。そして各市町村は条例でこれをやっておるはずであります。いまお話の出ました機動隊の手当は、危険手当と俗称呼ばれておりますけれども、これはあくまでも手当ではございませんで、長官が出すまいと思えば出さないで済む。消防の場合のように当然もらえるものではない。それで長官が、出動をした場合に、その負傷の度合いとか、警察官の死亡した度合いとか、そういったようなことを加味して、御苦労さんということで出されるもの、かように私ども聞いてりおます。
#30
○山本伊三郎君 関連。それじゃあなた、機動隊は地方公務員でないのですか。地方公務員でしょう。その点どうですか。
#31
○政府委員(細郷道一君) 警察官の中には地方公務員というのがございます。
#32
○山本伊三郎君 機動隊の場合。
#33
○政府委員(細郷道一君) 機動隊といいましても、この機動隊ということばも実は法律上の用語ではございませんで、御存じのとおりに、幹部にどういう人がなっておるか、幹部によっては御承知のように国家公務員もいるわけでございます。
#34
○山本伊三郎君 それを地方公務員を対象に――まあ国家公務員は別にしまして、地方公務員であることは間違いないですね。地方公務員に対して、給与条例によらずに報償というものは警察庁長官が任意に、出してもいい出さぬでもいいというような、これは給与でなくて報償ということになる。そういうものは他の地方公務員へも出し得る。その警察官だけに出すという法律根拠はどこにあるのですか。
#35
○政府委員(細郷道一君) 先ほど次官からも申し上げましたように、法律上の根拠によって出すものではなく、警察庁長官が報償費として出すものでございますから、それは受け取る人が地方公務員だから地方の費用でやらなければいけないというようなものではございませんので、部外の人であっても部内の人であっても出せるという性質のものでございます。
#36
○山本伊三郎君 大体報償というのは、あれは一般概念では、公務員には給与があるから、民間の人に、たとえば人命救助とかその他そういう協力した人に報償を出すということであって、公務員である者に、警察庁長官が、よくやったからといってこの人にやるというようなそんな給与というものはない。報償でなく給与ですよ、一応、公務員にそういう道を開き得るとなれば、しからば警察官でなくても、知事が、災害等で非常に一般の公務員が苦労したと、しからば、それに対して報償という名前で出せますか。
#37
○政府委員(細郷道一君) 知事が部下の職員に御苦労さんと言って災害等の場合に報償費を出すことは可能だと思います。
#38
○山本伊三郎君 出したことはありますか。
#39
○政府委員(細郷道一君) 出した例もあろうかと思いますが、私一つ一つは承知いたしておりません。警察の機動隊に出します報償費につきましては、警察庁長官の全く判断でございますので、どういう出し方をしておるか私承知をいたしておりません。しかし少なくとも私どもが伺っている範囲では、先ほど来申し上げておりますように、出動をした、非常にけがをした、御苦労であった、あるいは中には見舞いに値するような場面にぶつかった人もいるわけでございましょうから、その人にそのつど判断て警察庁長官が出すものと、こういうふうに聞いております。どういう出し方をしておるかは私承知いたしておりません。
#40
○山本伊三郎君 またぼくのときに尋ねますけれども、そうすると、それは全く警察庁長官の主観的な考え方で出す、何らの基準がないということですか。
#41
○政府委員(細郷道一君) 私どういうやり方でやっておるかは承知をいたしておりませんが、おそらく何かの内規的なものは持っているのじゃなかろうかと私は想像しております。
#42
○山本伊三郎君 あなたの管轄じゃないのか――。
#43
○和田静夫君 そうしますと、私も予算委員会の第四分科会で、この問題、時間がなくて十分触れられなくて、ちょっとすうっと通っただけなんですが、あのときに私はは資料を提示をして、危険度の度合いから言ったならば自治体の清掃職員が一番危険率が高い。その次は消防。警察はたしか三位か四位に位しておった。そうなってくると、いまのように、地方理事者の判断でもって報償金を出すことができるというまあ細郷財政局長のお話がありました。消防はお見えになっていますか、消防庁長官なり消防の関係は………。それではあれですがね、そういう形で出せる、あるいは東京都の清掃の職員があれすると出せる。こういう形になりますか、報償に値をするということで。
#44
○政府委員(細郷道一君) 報償費はあくまでも制度的なものでございませんで、まあどちらかと言えば予算政策の問題だろうと思うのです。そういう役所の長あるいは責任者に対して報償費というものを予算政策としてつけるかどうか、これは予算政策の判断の問題だと私は思います。したがって、どういうことがあったからどうなるのだというようなもの、そこが私は給与と違う点であろうと思います。
#45
○和田静夫君 そうすると、いまの答弁からいえば、出せるということですね。私の設定したその問題については、政策上。
#46
○政府委員(細郷道一君) いま申し上げましたように、予算政策上の問題でございますから、それぞれ予算編成者の判断によると思います。
#47
○和田静夫君 この問題、やはり警察関係者も呼んで、もう一ぺん煮詰めなければなりませんが、財政局長、例があろうと思いますと、こう答弁をされましたから、その例を後ほど資料として提示をしていただきたいと思います。
 次に、一般に単位費用の積算に用いる給与単価の客観性を問いたいと思います。
 いただいております「昭和四十四年度地方交付税関係参考資料」九ページから一三ページにかけて「昭和四十四年度単位費用の積算に用いる統一単価表」があります。地方交付税の算定基準である職員給与統一単価は、交付税の趣旨から見て実態値とすべきではないかと思うのですが、いかなる基準で算定されていますか。
#48
○説明員(横手正君) 交付税上の給与関係経費の算定にあたりましては、一応地方財政計画の基礎に用いられた単価を基礎といたしまして、職種別に単価を定めております。ただ、財政計画の基礎単価とは多少下回っております。例をあげますと、一般職員で申し上げますと、地方財政計画の九五%の単価をめどにいたしております。これは補正その他によりまして増額になりますので、基準財政需要額に算入される給与費総額といたしましてはかなりの高率になってまいるという面がございます。なお、基準財政需要額そのものは、普通交付税の算定の際、一方において基準財政収入額の控除が行なわれます。基準財政収入額も、都道府県においては八〇%、市町村においては七五%が算入される、こういうことになっておりますので、地方財政計画とぴったり需要額を合わせてまいるということは理論的にも不可能なことになっておるわけでございます。ただ、人件費等は義務経費でございますので、法律の算入率にするように配慮をいたしております。
#49
○和田静夫君 私は後ほど具体例を引いて、それがいかに実態値とかけ離れたものであるかを示しますけれども、給与費中調整手当が加味されていないのはなぜですか。
#50
○説明員(横手正君) お話の調整手当は、実は補正の際に配慮すると、こういう行き方をとっております。したがいまして、補正の種類の中に態容補正というのがございますが、この中の一般的な普通態容補正と呼ばれるものによりまして、市町村を実は種地に区分いたしておりますが、この種地区分が高いほど調整手当の額が高い、こういう実態をとらえて、これによって算入する、こういう措置を講じております。
#51
○和田静夫君 法定外福利費について、日経連の昭和四十三年度の調査によりますと、一人当たり月額四千八百八十三円です。地方公務員の場合の厚生費の内訳を示していただきたいと思います。また民間における法定外福利費の増高が著しいときに、公務員に対する処遇をどのように考えていらっしゃいますか。
#52
○説明員(横手正君) 厚生費につきましては、お話のような単価を用いております。これは国家公務員の場合にならって計上するというような方式をとっておるわけでございます。
#53
○和田静夫君 ちょっとあとのほうの御答弁が……。
#54
○説明員(横手正君) 厚生費の単価につきましては、国家公務員の場合に準じまして、同じ額を使うという行き方をとっております。
#55
○和田静夫君 地方公務員の一般職員のうち、清掃の運転手あるいは清掃作業員、学校給食調理員についてのみ、同一給与単価を用いずに別の単価で計算をされているのはどういうことですか。
#56
○説明員(横手正君) いまお話しの職種につきましては、従来から俸給表においても異なるというようなことを考慮いたしまして、なお実態の単価等もにらみ合わせて、現行のような形をとっております。したがいまして、多少一般の職員とは現在用いております単価には差が見られるところでございます。
#57
○和田静夫君 その差が見られるそのことを不合理だとはお考えにならないわけですか。
#58
○説明員(横手正君) これらの職種につきましても、ある程度実態を考慮してまいる必要があろうと思います。四十四年度の単価の検討にあたりましても、たとえば給食費関係につきましても、かなり実態を考慮をいたしたわけでございます。ただ実態からしますと、継続年数別に見ますと、かなりの平均単価において差が見られるというようなことがございますので、当面四十四年度におきましては、勤続年数十年以下の職員の平均単価、これを目安に引き上げを行なうという考え方のもとに調整を行なっております。こうした職種につきましては、なお実態に合うように調整の措置を今後とも考えてまいりたい、かように思っております。
#59
○和田静夫君 自治省ではこれらの職種について、全国的な給与実態調査をしたことがありますか。あればその結果を聞かせてください。
#60
○説明員(横手正君) 私どものほうで主体になって調査を行なったことはございません。ただ、たとえば先ほど申し上げました例のような、いわゆる給食の単価のような場合、こうしたものにつきましては、文部省でかなり詳しい調査をしておられますので、そうしたものを参考に使わせていただいております。
#61
○和田静夫君 たとえば清掃運転手、清掃作業員等について――いま、学校給食調理員については文部省のデータを使われた。それでは清掃運転手や清掃作業員というような形のもので、実態というものを十分勘案してと先ほど答弁された、それらについて、自治省が独自に全国的に調査をしてデータをお集めになるということがなくて、一体その実態というものはどこから把握されて計算されたのですか。
#62
○説明員(横手正君) 少し御質問の趣旨がわかりかねる面がございますが、先ほども申し上げましたように、私どもとしましてはできる限り実態というようなこともあわせ考えてまいりたいというようなこともありまして、できる限り最新の資料が手に入ればそれに基づいて検討する、こういうようなことをやってまいっております。今後もそうしたつもりでやってまいりたい、こう思っております。
#63
○和田静夫君 私がお聞きをしているのは、調査をやられましたか、学校給食調理員については文部省が精密な調査データを持っていますから、それでやりますと、それじゃ清掃の運転手や清掃の作業員の実態というものは、実態を勘案をしてと言われているんですから、全国的に調査をされたことがありますか、データをおまとめになったことがありますか、調査のデータもなくて、実態というものはどこでどういうところで把握をされるのですか、そういう質問をしたわけです。
#64
○説明員(横手正君) いまのお話の清掃関係職員の給与の単価について、こういうことだと思いますが、ここ一、二年実は私ども調査は行なっておりません。私どもと申しますのは、交付税課においての調査は行なっておりません。ただ清掃費につきましては、全般的な基準財政需要額の算入額、こうしたものも考慮しながら考えております。したがいまして、清掃費関係の算入総額、これ自体は、実は市町村の決算額、これと比較いたしましてかなりの充当率になっております。こういうこともございますので、清掃関係職員につきましては給与改定に伴います当然増の関係を考慮してきめてまいる、こういう行き方をいたしております。
#65
○和田静夫君 言ってみれば、たとえば清掃の問題でいきますと、これらの職種というのは、一つは国なり、それから職務の特殊性がある、あるいは歴史的な沿革がある、そういうようなことからきて、この給与統一単価というのを用いるのが適当ではなくして、実態値的なものでいくと、こういう形のことですよね、答弁をずっとあれしてみると。そうしますと、これはだれしもふしぎに思わなきゃならないのは、どうしても全国的な調査をやるそのデータに基づいて算定をされる、このことが当然になるわけでしょう。
  〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕
ただ、いまお聞きすると、全国的な調査はないし、そういう意味ではデータはない、それはもちろんピックアップして特定のところをやられたという経験おありでしょうけれども、そのことは私は対応する側にいましたから知らぬわけではありませんけれども、しかし、そういうことではたいへん不確かじゃないか、そういうことではやっぱり了解をすることができないですよね、われわれのほうでは。その辺は一体どのようにお考えになりますか、やられるということでありますか。
#66
○政府委員(細郷道一君) 給与につきましては、あるべき給与を出すか、実態に追随した給与を出すか、実は議論が非常に多いわけでございまして、清掃に限らず、一般の職員について、実態に応じて出しますれば、給与の高いところには交付税の需要を大きく見なければならない、そうするとそこに交付税がよけい流れていく、こういうことで、給与の低いところから逆に反対も出るわけでございます。したがいまして私どもとしては、そこは各地方団体を通じてなるべく平等な行き方でとりたいということから、給与一般については、御承知のように国家公務員のベースによってこれを算定するということをいたしております。清掃等の特殊の業務につきましては、行(二)適用業種でございますから、国家公務員に非常に例が少ないわけでございます。その点は確かに御指摘の問題があろうと思うのでございます。しかし、それじゃ全国一斉に調査をした結果をそのままとるかというと、それでありますと、一般の行(一)の公務員との関係もございまして、それもできないというようなところで、私どもは従来のものを年々引き上げる際に、考慮を加えながら実は引き上げておるわけであります。今回学校給食費等も引き上げてまいりましたが、これも私ども文部省の実態の調べもとりましたし、私どもは交付税の検査等に出ました際にも、やはり地方からもいろいろ注文もございますものですから、そういうものも勘案をいたしております。また、組合の方もよく見えるわけでございます、資料を持って見えることがございます。そういうことも参考にさしていただいておるわけでございます。しかし、なかなかこれについて、あるべきものが、どこにやったらいいかということは議論のあるところでございます。私ども絶えず研究段階にある、しかし前進はさしておる、こういうふうに考えております。
#67
○和田静夫君 文部省はお見えになっておりますか。――体育局給食課で毎年学校給食調理員の給与調査を行なわれて、その結果に基づいて交付税の単価とするように自治省に申し入れをされているのですが、それはそうですが。
#68
○説明員(柳川覚治君) お答え申し上げます。
 文部省では、九月現在の給与月額を調査いたしまして、その結果の資料に基づきまして、自治省に実態に即した積算をお願いしてまいりました。この給与月額は、給料、賃金、扶養手当及びその他の手当またはこれに相当する報酬のいわゆる給与総額でございます。それをとりまして、お願いしてまいっておるということでございます。
#69
○和田静夫君 昨年の調査では平均幾らになりましたか。
#70
○説明員(柳川覚治君) 昨年九月現在で、先ほど申しました給与総額での加重平均は、小学校につきましては二万四千円でございます。中学校につきましては二万一千円でございます。なお、これは先ほどお話ございましたとおり、当然勤務年数によって異なっておりまして、小学校で申しますと、四万人のうち約三万人の調理従事員の方々は九年未満の勤続年数でございまして、その辺の方々のところを申し上げますと、小学校につきましては、三年未満の方の給与月額は一万七千百六十円、三年から六年未満の方は二万五百二十七円というような数字になっております。なお、中学校につきましても大体同様の数字でございます。
#71
○和田静夫君 自治省は、このいわゆる文部省が調査をしたその調査そのものについてどのように認識されますか。
#72
○説明員(横手正君) いま文部省の方から御説明申し上げました資料と同じ資料を持っておりますが、それによりますと、おおむね勤続年数十年未満、この職員数が七割を占めておるわけでございます。そういうことを考慮いたしまして、十年未満の人の平均単価、これを考慮するというような考え方に立ちますと、前年度より一号アップの措置をとる必要がございますが、したがいまして、四十四年度におきましては、現在一号アップの段階で単位費用の中へ織り込むということになっております。
#73
○和田静夫君 その額は幾らですか。
#74
○説明員(横手正君) 本俸で二万五百十六円、行(二)の五の六でございます。
#75
○和田静夫君 そうすると、文部省が、たとえば小学校で平均二万四千円という形の答弁がありました。中学校で二万一千円、これが二万五百十六円、かなりの差になるわけですが、それはどこに理由がありますか。
#76
○説明員(横手正君) 先ほど来御説明申し上げておりますように、二万四千円と申しますのは全職員の平均単価になっております。ただ、この中で平均勤続年数十年未満の方、これが七割方占めておるわけでございます。そこで、一応、四十四年度給与単価を考えるにあたりましては、この七割を占めております勤続年数十年未満の職員の平均単価、これを目安に配慮するというふうに考えてまいったわけでございます。そうしました結果、先ほど申し上げましたように一号アップの必要が生じてまいったと、こういうことでございます。
#77
○和田静夫君 それから、私が申し上げているのは、十年未満が七割を占めているから、その十年未満をもって、そこからいわゆる平均単価を出してきて、そして結果的に一号アップということになってきたのだと、その十年未満が七割だから十年未満を選ばなければならないという理由は一体どこにありますか。
#78
○説明員(横手正君) これは先ほど局長からも御説明申し上げましたように、あるべき給与というものをどういうふうに考えるかという問題がございます。そこで、従来から平均の考え方につきまして、総数についての平均という考え方もございますが、一応、平均のとらえ方といたしまして、度数分布による平均のとらえ方をとるのがより正確な場合もございます。今回とりましたのは、むしろ後者のほうの平均の考え方、いわゆる標準的な団体の標準的な給与というものはこういうところにあるのではなかろうかというふうな考え方に立ってとっております。もちろんこれが最善の方法かどうか、いろいろ今後検討の余地があろうかと思っております。
#79
○和田静夫君 いわゆる給与単価は、態様補正によって十種地以上はかさ上げになる。その単価は、結局最低値である。私どもどうしても理解できないのは、文部省、同じ政府ですから、その調査による給与実態と交付税単価に大きな差がある。その差があるのは一体どういうわけなのか。
#80
○説明員(横手正君) 文部省の言われました二万四千円、これが実態調査の結果でございます。ただ、その際もお話ありましたように、勤続年数三年未満、あるいは三年から六年の間、あるいは六年から九年の間、それぞれにおいての平均単価のお話もちょっと触れておったようでございます。このように、実態調査の結果につきましても、勤続年数別には平均単価の差が出てまいります。そこで、交付税上どの程度のものをもって一応の標準単価とみなすかという問題になってまいります。本年度は、と申しますか四十四年度は、一応十年未満の職員の平均単価をもって一応の標準的な単価とみなした、こういうことでございます。したがって当然実態調査の総数の平均単価とは違ってまいります。ただ、実態調査によります十年未満の平均単価をとっていただけば一致する、こういう結果になるわけでございます。
#81
○竹田四郎君 この前のお約束で、きょう和田さんの質問に関連さしていただきまして、若干消防関係のことについて御質問したいのであります。
 この単位費用算定の基礎の五ページ、六ページに市町村の消防関係の標準団体の規模が出ております。これによっていきますと、たとえば救急車が、消防ポンプ七台の基準の中に一台入っておるわけでございますけれども、消防吏員の配当のほうですね、全部で七十一名ということになっておりますが、この中に救急業務を担当する人、職員の配当というものは、一体具体的にどこでどのように配当されていくのか、その点御説明いただきたいと思います。
#82
○説明員(横手正君) 救急関係につきましては、一応七名を想定いたしまして、七十一名中七名が救急隊員、かように想定いたしております。
#83
○竹田四郎君 これは消防署の中にそういうふうに入れてあるわけですか。計三十名ですね、三十名の中に七名というふうに見ているのですか。あるいはA出張所、B出張所の中にも何名ずつか見ている、そういうこまかく分類しないで全体として七名入っておる、こういうことなんですか、どうなんですか。
#84
○説明員(横手正君) 一応救急車一台でございますので、消防署に配置するという考え方で、消防署の三十名の中に入れてあるというふうに想定いたしております。
#85
○竹田四郎君 消防庁の方にお聞きしたいのですが、これは標準団体ですから、全国の中で人口十万の都市ということになっておりますが、実際そういうところで、救急体制というものが今日非常に重要性を増してきていますし、特に高速道路、有料道路というような関係もそれにひとつよけいプラスされて加わってきている、こういうふうに思うのですが、私よくわかりませんけれども、消防白書によって見ましても、救急業務に専念している、こういう方々というのはかなり少ないように承っているわけでありますが、しかし救急業務のほうはここ十二、三年で十三倍程度に、非常に急激にふえているというふうに書いていらっしゃいますし、市町村でも救急隊というものをかなりつくっていらっしゃるわけですが、全国の市町村の中で、大体この近似の数値の標準団体と思われる市町村で専念しておられる方、あるいは兼務しておられる方、こういう状態はどんなふうになっていらっしゃいますか。この標準団体どおり、各市町村人口十万の市になろうと思いますが、そこでこういうふうな配当を全部しているかどうか、いかがでしょうか。
#86
○説明員(中沖豊君) 救急業務につきましては、先ほど御説明ありましたように、七十一人のうち七人が交付税で措置してあるわけでございますが、現実の態様といたしましては、私ども十万の団体の十市を実態調査いたしたものがございますけれども、この数字全体では、一市平均大体七十四人という数字が出ております。このうち救急隊員が何人であるかというのはまだ確知いたしておりませんが、それは調べまして御報告申し上げたいと思います。しかし、大体救急隊は一隊が七人編成でございますから、おおむねこれに近いものではなかろうかというふうに考えております。
#87
○竹田四郎君 それ以下の市町村、こういうところの救急体制というのは一体どうなっているのか。私の知っている近いところの範囲で見てみましても、実は救急自動車はちゃんとあるけれども、昼間だけは役場の吏員さんが救急車を運転して、時間中は救急車は利用できるけれども、夜間、深夜になりますと、もう救急車はお休みだ、こういうような例というのは実際かなりあるわけです。そういうような実態はお調べになったことがございますかどうですか。
#88
○説明員(中沖豊君) これは昨年の四月一日現在でございますけれども、四百九十六市町村で救急業務に従事いたしております救急隊員数でございますが、九千三十一人ということになっております。このうち専任の救急隊員でございますけれども、二千百十五人でございますので、専任率は大体二三、四%ということに相なるわけでございます。その他のものにつきましては、救急隊員が兼任をいたしておるということになりますから、約六千九百人程度が兼任でやっておられるということでございます。
#89
○竹田四郎君 救急の仕事というのは、交通混雑、それからさらに最近の火災というものが非常に多くなってきておる。特に新建材、あるいはビルの火災というようなことで、実はかなり救急の仕事は、先ほども十三倍に伸びているということで、非常に人命問題がありますし、場合によりますと、どうも救急車の来かたがおそくて、救急車の中で人命を失うとか、あるいは救急指定病院があちらこちら満員であって、あちらの病院へ行っても、満床だからほかへ行ってくれというようなことで断わられて、ほかへ持って行く途中に人命が失われてしまう。もう一歩手当てが早ければ何とか助かるかもしれないというような問題が非常にたくさん新聞紙上で書かれているわけですが、おそらく大きな都市でも、私はいまの救急体制というのはあまり十分ではなかろうと思いますが、かなり最近政府のほうも救急体制に対して力を入れておられることは、私どもも理解できますけれども、おそらくいまの救急体制というもので人命尊重というものが十分である、こういうふうには思われないわけです。そこで消防庁のほうとしては、先ほども述べられましたように、専任の救急隊員というのは全体でたった二三%だ、あとは兼務だ。しかも救急車が出動するというときは、おおむね他の消防隊員は、兼務である場合には、消火にあたるとか何にあたるということもあろうと思いますし、また同時に、救急隊員の教育というものも、何でもかまわないということでは私はおそらくなかろうと思うのです。ある程度の応急の救急措置というものは若干はできる、若干の知識はなければ、ただ担架に乗せて自動車の中にほうり込んで運ぶというだけではこれは困ると思うのですが、そういう意味では、若干の基礎的な知識ぐらいはやはり救急隊員としては知っておかなければならぬと思うのです。そういう意味では、この救急隊というものがつくられてはいながら、非常に兼務が多いということは、これは私は人命尊重という立場からいきますと、あまり感心したものじゃないと思うのですが、消防庁のほうでは、そういうものの何か充実のために御計画はお持ちになっていらっしゃいますか、どうですか。
#90
○説明員(中沖豊君) 御指摘のように人の命を預かる大切な仕事でございますので、私ども救急業務の充実につきましては積極的に努力もいたしているつもりでございます。
 まず四十四年度におきましては、救急業務を実施しなければならない市の範囲、いままでは人口四万以上でございましたが、本年度から三万以上の市に引き下げまして、その範囲の拡大をはかっているわけでございます。
 それから救急隊員の教育訓練につきましては、昨年度、消防大学校におきまして、地方の救急隊員を指導いたします指導者の養成のために救急科というものを新たに設けまして、指導者教育を行ないました。それから地方の消防学校等におきましても、救急課程の充実をはかっております。
 それから情報施設の面でございますが、先ほどたらい回し等で非常におくれているではないかというお話もございましたが、そうした弊をなくしますために、救急指令装置の補助を行なっているわけでございます。これは救急病院と救急車との間をつなぎます連絡装置でございますが、消防本部から病院に連絡いたしまして、ベッドの空きぐあい、あるいは医者の状況等を確知し、また救急自動車に対しまして患者の適切な収容、あるいは病院の指示等をいたしまして、適切な患者に対する指示を行ないながら、早く病院に輸送するということを目的とする施設でございます。そういう救急指令装置についての補助金を四十三年度から行なっております。四十四年度におきましても、大体四割増になっておりまして、この施設の強化をはかってまいりたいというふうに思っております。
 なお、いろいろ問題もあるわけでございますので、私ども、学識経験者も入れました救急業務の研究会もつくりまして、積極的に救急業務の体制の充実をはかってまいりたいというふうに考えております。
#91
○竹田四郎君 もう一つお聞きしたいのですが、この十万人の模準団体で救急自動車一台、これは二交代勤務で七人ということだろうと思うのですが、これはどうですか、これだけあれば現在の救急業務というのは十分だ、こういうふうにお考えですか。さらに、これはまあいろいろ広域的な措置のやり方もおそらくあろうと思いますが、これからおそらくまだモータリゼーションというのは出てくるだろうと思いますし、そうしますと、これだけの形でほんとうに救急体制というものが十分にやれるというふうには私ちょっとまだ確信を持てないわけですが、消防庁のほうのお考えはどうですか。
#92
○説明員(中沖豊君) 私ども、これからやはり救急の件数というものはますますふえてまいるというふうに考えております。また国民の生命、身体、財産の安全、さらには社会福祉の充実ということを考えますと、この救急業務の強化ということが必要になると考えておりますので、今後人員等につきましても十分ひとつ検討いたしまして、努力いたしたいと思います。
#93
○竹田四郎君 そうしますと、自治省の財政当局にお聞きしたいと思うのですが、一体この十万人の標準団体で救急車一台というようなことが、はたしてこれからの情勢に合っていくところの標準的な規模であるかどうか、こういう点については、消防庁と相談をしていただいて、もちろんある程度広域的にものを考えなくちゃならないということは、これは当然だろうと思うのですけれども、標準団体のこういう職員配置、あるいは救急車の配置というものが一体適当であるのかどうか、この辺については、当分こういう形しか考えられないというのか、このくらいで十分だというふうにお考えになっているのかどうか、その辺の考えをひとつお聞かせ願いたい。
#94
○政府委員(細郷道一君) いま救急業務も非常に日進月歩で、進んでもおりますし、また変化もいたしております。したがいまして、消防庁でもいろいろ先ほど来ございましたように研究をされておりますので、よく消防庁と相談をして、時代の進展に合うように考えてまいりたい、かように思います。
#95
○竹田四郎君 おそらく私はこの消防職員の全体の配置というのは非常に窮屈ではないだろうかというふうに考えます。と申しますのは、おそらく今日の消防署というのは、ただ単に火災があって出動するというだけのものではないわけですね。現実には建築許可等に対しましても一々タッチをしていく、とても市の建築局あるいは県の建築部の出先だけでは十分ではない。実際あちらこちらの大きな建物で火災が起きているという実態から見て、常時その予防行政という立場でいきますと、ある都市では婦人消防官というのを雇いまして、特に婦人の立場から、お勝手の火災予防というところにかなり重点を置いて点検をしているというような非常に新しい考え方でおやりになっているところもありますが、実際には消防職員が消火せんを常時見て歩く、あるいは防火用水を見て歩く、あるいは建築のあり方を見て歩くというようなことで、おそらくかなりそういう予防消防といいますか、こういう面の仕事というのはたいへん多く重なっているんじゃないか。実際上はなかなかこの消防署のほうから建築の方面の査察なり、あるいはそれに対する予防措置なり、あるいは場合によれば防火の啓蒙普及、こういうしごとも相当やっていかなければならない、こういうふうに見てみますと、これはどのようにこの表では消防車が配置され、一台の消防車に常時どれだけの人数が配置され、そうした予防行政、あるいはそうした検査の人員、あるいは一般市民に防火思想の普及啓蒙のための要員というものを考えてみると、どうもこれではたいへん忙しい、こういうふうに私は思うわけです。で、特に各都道府県に消防学校というのがあって、市町村の消防職員というのはおそらくそこへ行って適当な教育を受けると思うのですが、おそらくそんなところへ行って教育を受けているひまというのはないんじゃないか。おのおの目先のしごとだけに追われてしまっている。しかし、一方科学のほうはどんどん発達をしてまいっておりますから、消防のやり方というものも、新しい科学あるいは新しい技術、そういうものに相応したやり方というものをしていかないと、これはかなり私は消防の効果、人命尊重の立場でいきますと、たいへん効果が少ない。そういう意味で、私はどうもこの人数十万人の標準団体の標準的な職員配置というのは少な過ぎると思うのですが、これはむしろ消防庁にお聞きしたほうがいいと思うのです。これで十分そういう教育、啓蒙あるいは建築等の確認あるいは危険物の取り扱いの指導、こういうものまで合わせて、これだけの人員でやっていけるのか、どうでしょうか。私は少し窮屈ではないだろうか、こういうふうに思いますが、どうでしょうか。
#96
○説明員(中沖豊君) 消防の業務も非常に範囲が拡大してきておりまして、内容も複雑になってきております。確かに御指摘のような点が言えると思いますが、私どもで定めております消防力の基準等から考えますと、やはり若干足りないように私は考えております。
#97
○竹田四郎君 これはあと消防学校の問題点なんか若干あるわけですが、あるいは消防施設の面もあると思うのですが、大体消防学校の施設そのものが、もうおそらく近代的な消防にマッチしていないという消防学校が私は非常に多いだろうと思う。たとえば屋内の消防の訓練所を持っておる消防学校というのは、全国にもうほとんど数えるほどしかおそらくないのじゃなかろうか、こういうふうに思います。それから、学校で教える消防ポンプが実はもう時代おくれの古い消防ポンプで教育をやっておる、こういうところも私はかなりあるのじゃないか、そういう意味で、消防学校に行ってもあまり実地を体験した教官がいないというような点もあるかと思うのですけれども、しかし基礎的な消防に関する消防職員の知識というものはやっぱり与えなければ、これからの消防活動というものはできないだろう。そういう意味で、標準団体における職員の配置というのはある程度もう少し増加をさしていくというおつもりはありませんか。どうも私は若干現状に合っていないのじゃないか、こういうふうに思いますが、どうですか。
#98
○政府委員(細郷道一君) 標準団体の人員がどうかということにつきましては、よく消防庁当局とも相談をしたいと思っております。ただ、いまお尋ねのような問題は消防の運営の面がだいぶ入っておりますので、なかなか金の面だけでも片づかない問題もあろうかと思います。現実に消防関係の決算を見てまいりますと、全国総需要を下回っておるというような事態もございます。なおよく研究をさしていただきたいと思います。
#99
○竹田四郎君 各都道府県の消防学校、これは設置義務者というのはおそらく都道府県だと思いますが、若干持っていないところもあって、それは持つようにおそらく勧奨はされているだろうと思います。消防学校の費用というのは、これは全部補助金で見て、交付税では見ない、こういうことなんですか、どうなんですか。
#100
○説明員(横手正君) 県に置いております消防学校経費につきましては、都道府県の実は「その他の諸費」におきまして消防学校の職員関係経費、こうしたものを見ておるわけであります。
#101
○竹田四郎君 そうしますと、消防学校の教職員、特に教員ですね、これは一消防学校当たり何人くらいですか。専任の消防関係の先生というのは、職員でなくて教員というのは平均どのくらいですか。これは消防庁に……。
#102
○説明員(中沖豊君) 後刻調べまして、お答え申し上げます。
#103
○竹田四郎君 私の調べたところでは、一つの消防学校に専任の教員というのは大体三人ぐらいしかいない、しかもこの先生というのはあまり実地の仕事はされておらない人だ、で、消防庁の消防白書の中で調べてみますと、消防職員が新規採用されたうちで、一応一番初めの基礎教養といいますか、そういうものはこれは当然受けてもらわなければ困ると思うのです。まあ大体教養基準といいますか、そういうものから見ますと、六カ月ぐらいは消防職員というのは教育をすべきだ、こういうふうに言われているようでございますが、実際に全国の新規採用の消防職員のうちで、六カ月教育を受けているというのは九・五%しかない、三カ月というのが七・八%しかいない。大部分の消防職員というのは、もう採用されて現地へ飛び出してしまう。こういうことでは、せっかくの最近の技術の発達といいますかあるいは機械の発達等に照らしても、私は消防学校の状況がこういうふうでは実は困ると思うのですが、交付税のほうは、一体消防学校の教職員というのはどのぐらいあるべきだと、標準団体でどのぐらいあるべきだと、こういうふうに計算されていますか。
#104
○説明員(横手正君) その他の諸費におきまして、消防防災費関係で実は十八名見ておるわけでございますが、実は消防学校関係のみの総計のこまかい資料はちょっと手元に持っておりませんので、あとで調べまして御連絡申し上げます。
#105
○竹田四郎君 これはおそらく私は非常に少ないだろうと思うんですよ。そういうことでは私ちょっと困ると思うのですね。実際、火災による人命がなくなっているというのも非常にウナギ登り、それから交通関係による死傷者というのも毎年ウナギ登り、こういうことを考えてみますと、どうも標準団体の職員配置にしても、また行政規模にしても、どうも私は非常に古い基準しかとってないんじゃないか、こういう感じがしますが、どうですか、政務次官、この辺は何らかのもっと抜本的に、革命的な施策を前進させるというような点で、新しい方法、あるいはさらにこれを改善をしていく、こういうようなおつもりか、かたい御決意か、そういうものを御披瀝をいただかないと、もう火災で人が死ぬ、交通で人が死ぬ、毎日のように新聞では書き立てられる、それに対してやっていることは、やはり救急隊なり消防隊なり、こういうものをさらに強化をして、防火思想というようなものもさらにひとつ市民に徹底させていく、これ以外に私はないだろうと思うのです。それが場合によれば、また温泉地帯等から見ますれば、磐梯あるいは有馬温泉あるいは水上温泉という形で、毎年まことに悲惨な事故というものが次から次へ起きているわけですね。私はこれは、おそらく市町村でもなかなか、そういうホテルにいたしましても、おそらくそういうところの防火なんかについていろいろな規定、規則、こういうものの点検というものがやはり十分に行なわれていない証拠だと思うのです。大きな火災がありますれば、必ず今度は全国の消防関係の代表を集めて何々をする、こう会議だけは盛んにおやりになっている。しかしそれに基づいての行動をする職員、こういうものが私は非常に少ないのじゃないか、ですからなかなかその点検が進んでいかない。その点検が十分に進んでいかない、その間を縫って大きな火事が広がっていく、そしてここではもうとにかくかなり大ぜいの人が死んでしまう。ですからこの消防関係については、私は抜本的な対策というものを立てていただき、その財政的な裏づけというものをやはり見ていただく。特にこれは私は電子計算機でおそらくすべてできる問題じゃないと思う。ケース・バイ・ケースのものが非常に多いわけです。そういう意味では、やはり消防職員が消防車に乗って、火事のときにウーウーうなって出るばかりが消防の私は能ではないと思う。そういうものがなるべく少ないほうがいい。予防消防と言いますか、予防に力が入って、火災件数なりそういう死傷の件数が少ないということが私は本来の使命であるし、本来の行政目的であろう、そういう点で政務次官いかがでしょうか。
#106
○政府委員(砂田重民君) 消防体制、救急体制、特に予防消防と申しますか、現状のままであってはならないではないか、こういう先生の御質問に対して、私も全く同感でございます。実は政務次官に就任早々に例の裏磐梯の火事がありました。実は私が参ることを予期をしておりませんときは、有馬の、私の選挙区のほうの大火がございました。火事が起きましたすぐ直後に私も行ってこれを見てまいりました。またあの有馬の場合に、予防体制で消防がどういう措置をとっていたかということも詳細に聞いてまいりました。そういう私の経験から考えましても、竹田先生のおっしゃるような体制を強めていく、どうしてもやらなければならないことだと思っております。ただひとつ財政面のお話がございましたが、もちろん財政面の措置もいたしてまいらなければならぬことは当然でありますけれども、どうも私の考えておりますのは、財政面の措置だけでこれがうまく動いていくだろうか、実はそういう逆な心配もひとつ持っているわけなんです。先ほど財政局長がお答えをいたしましたが、どうも自治省で算定をいたしました需要額だけを、決算を見ますと使っていない、こういうこともございますので、運用面にだいぶ至らぬ点があるのではなかろうか、こういうこともひとつあわせ、これから消防体制、特に予防行政の面、こういうことの充実に努力をしてまいりたいと思っておりますが、先ほどお話しになりました運用面の問題の一つの問題点は、いい人を得にくい、こういう時勢もあると思うのです。先生お話しの川崎市で新しく発足をされた婦人消防官、非常に優秀な方が応募してきておられるように承りました。これがどういうふうな成果をあげていかれるか、私は非常に前向きの関心を持って実は見ていきたいと思うのですが、こういうことを川崎が新しく始められたことでございますから、非常にうまく動いていくのではないか、そういう期待を持っておりますので、全国の他の市町村にも、これが川崎で成功を見てまいりまして、この婦人消防官という新しい制度が全国に普及していくのが好ましいことではないか、私も希望と期待を持ってこれを見ているところでございます。いずれにいたしましても、予防消防の人手の問題については、たとえばたばこの消費量の伸び率よりも、たばこの吸いがらを原因とした火事の発生率の伸びのほうが大きいという事態もまたございます。こういうことも国民の皆さん方に気をつけていただき、それの呼びかけと申しますか、お願いをする、これもまた予防消防として当然重大なことでございます。こういうことについても、消防の人手がいまのままの数でいいかどうか、こういうことも財政のこととあわして研究、検討、努力をいたしまして、消防体制の強化、救急体制の強化に、科学技術の伸展におくれをとらないようにひとつ懸命に心がけてまいる、こういうふうにお答えをしておきます。
#107
○竹田四郎君 この前も和田さんの消防関係のお話のときに、やはり消防水利ですね、これが実は消防水利として指定されたところが、火事になったらこれが利用できなくなったというようなことが磐梯のときでありましたか、そういうお話がありましたけれども、おそらくいま消防水利というものを見てみましても、不完全なものが非常に多いだろうと思うのですね。だから消火せん等についても、この前のお話で、交付税で見ておられるというのですけれども、消火せんにいたしましても、パイプとの関係が出てまいります。たとえばいままでのパイプでたいへん大ぜいの人家がその水を引くということになりますと、はたして水圧の問題がいいのかどうか。あるいは井戸なんかを考えてみましても、その井戸がはたして地下水がいままでの予想どおりであるのかどうか。これは地下水だって最近はだいぶ枯渇してきておりますから、必ずいままでの消防水利のための井戸というものがいままでどおり使えるのかどうか、こういう点検というようなものもやっておかない限りは、火事が起こらないときはたいしてそれに気をつける人はないわけです。実際火事になった場合に、そういう点で類焼なり延焼なりというものをよけい大きくしていく、損害をよけい大きくしていく。いまたばこのこともありましたけれども、こういう問題にいたしましても、通り一ぺんの防火週間にポスターを張るくらいだけで、いままでのところはそれ以上の、たばこの不始末についても徹底的な啓蒙というものがはたしてされているのかどうか。いうならば年中行事で、防火週間だから、たばこの不始末から火事が起こるというせいぜい標語が町にちらちらするくらいで、それ以上に徹底的に指導あるいは啓蒙をするというようなことも私は欠けている。ただ紙へ書いておけばそれで守ってくれるだろうと、私はそういうものじゃないだろうと思うのです。やはりそれにはそれなりにいままでの火事というもの、そういうものが、いま次官がおっしゃられたように、たばこの不始末からどのくらい出ているのだということを地域地域でやはり人を集めて教育をしていかない限りは、この広告があちらこちらにはんらんしている中に、町の掲示板にポスターが一枚二枚張ってあって、それで徹底的にそういう不始末を防げるかどうかということは、そういうことはいままでずっとやっているんですね、防火週間というのは。そういうことが効果があるということであれば、たばこの不始末によるところの火事というものはもっと少なくなってきているはずです。おそらく一番重点をあげてその宣伝、教育をし、啓蒙されていると思うのです。しかしいまおっしゃるようにふえている、それだけでは不十分だということは明らかです。そういう意味では、消防署の職員というのはやはりそういう面で一番知識もあるのだし、もっと市民の中へ入って、予防消防という意味での教育なり何なりもっとしていかなければ、ほんとうの意味で火事を少なくするということには私はいかないだろうと思う。あるいは先ほどいろいろ述べましたからもう話をするのはやめますけれども、そういう意味で、私は明らかに消防職員というのは少な過ぎる。それから消防職員の待遇にも私は問題があると思う。それから先ほど申し上げましたように、せっかく消防職員になっても、消防学校で教育しようとしても先生がいない、あるいは人が足りないから、消防学校なんて行っていたら消防署のほうをお休みにしなければならない、こういう矛盾というものが私は非常にたくさんあると思う。そういう意味では、財政的にも、また人の教育の面にも、消防学校の施設の面にも、特に消防学校の施設なんていうのは、まさに施設が古かったり、適当な教育をする場所がなかったり、こういう面が非常に多かろうと思いますね。これは補助金なりあるいは起債あたりでは見ていると思いますけれども、人の問題については、そうそう起債や補助金ではおそらく見ていけないだろう、そういう意味でも私は裏づけというものをやはりもっと見てやらなければいけないのじゃないか、こういうふうに思うわけです。これは私の意見ということで、ひとつ今後も検討をしてもらうということで、十分これは消防署とも、消防庁とも相談されて、これはひとつ画期的な仕事を今度はやってもらわなければ私は困る、こう思うわけですが、ひとつもう一回くどいようですが、御決意のほどをお聞かせいただきまして、消防関係については一応これで終わりたいと思います。
#108
○政府委員(砂田重民君) 先生御指摘の点、一々私もごもっともだと思います。ただいま御意見がございました線に従って万全の努力をしてまいります。
#109
○委員長(内藤誉三郎君) 暫時休憩いたします。
   午後一時六分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十六分開会
  〔理事熊谷太三郎君委員長席に着く〕
#110
○理事(熊谷太三郎君) ただいまから地方行政委員会を再会いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#111
○和田静夫君 けさの局長答弁の資料、どうなりましたか。
#112
○政府委員(細郷道一君) 地方庁のですから、私のほうにはございません。私、先ほど例があるかと思うと言ったのは、そういう話を聞いたことがあるというのを申し上げたのであります。地方から取りまして、その上で提出いたします。
#113
○和田静夫君 それじゃあとで取り寄せて御質問いたします。
 人事院に伺いますが、国の給食調理員ですね、これの高卒の初任給は幾らですか。
#114
○説明員(渡辺哲利君) 国の場合でございますと、調理に従事しております職員も、実は調理の技術を持ちましてやっております職員と、それから単に炊婦というような名称で単純な労務に従事している者と、二通りでございますけれども、前者の調理の技術を持って調理に従事しているというものを想定いたしますと、一応私どものほうでは行政(二)の四等級というところにまあ格づけするのを原則としております。たとえば高校卒で申し上げますと、初任給は一応四等級の一号一万九千六百四円から四等級の四号二万二千六百四十円という範囲で、他の職員との均衡、あるいは採用の困難度等を考えまして、その範囲できめてもよいという形になっております。で、実態は、国の場合でございますと、やはりそういう技能関係でございますので、まあ採用困難な実情等も認められます関係で、実態的には四の四で採っているのが多いのではなかろうかというふうに考えている次第でございます。
#115
○和田静夫君 そうすると、四の四で二万二千六百四十円。いま国立の小学校等のいわゆる給食調理員、これが二万二千六百四十円、それからさっき文部省の調査で二万四千円、しかも、この二万四千円は昨年の九月ということですから、これは給与改定が行なわれていますから大体二万七千円、こういうことになりますね。そうしますと、自治省横手さんさっきからいろいろのことを言われましたが、たとえば在職年数が短い人が、十年で七割というような、その部分の給与をとって給与単価の基準にするというような形の、たいへん何といいますか、理屈に合わない説明があったのでありますが、明確にいま国の初任給と比べてみても、あるいは文部省の調査結果がまとめているものと比べてみても、そこにはたいへんな開きがあるわけです。この差は差としてお認めになりますか。
#116
○説明員(横手正君) 先ほど来の御質問でございまするが、文部省の調査によりますと、確に三年未満なら一万六千円、あるいは三年から六年の間であれば一万八千円余り、六年から九年で二万二千円近くと、こういうようなことでございます。したがいまして、たびたび御説明申し上げておりますが、十年未満の平均が一万八千円になるわけでございます。この一万八千円が昨年の九月現在と、こういうことになりますので、それを勘案いたしまして、給与改定等の措置も勘案いたしまして二万五百十六円、こういう金額にいたしております。したがってこの間に差はあるわけでございます。
#117
○和田静夫君 たとえば地方公務員の年齢別構成なら年齢別構成で考えてみて、一番多いのが三十歳から四十歳までという形のことが出ましたね。そうすると、特定の部分を取りあげて、そこでもってこの平均値を出していくという形ならば、たとえば年齢の構成でいえば三十歳から四十歳までの給与単価を出して、それを基準にしていくと、そういう論法も私は成り立つと思うんですね。したがってそういう意味では、この十年未満云々というような形のものが給与単価の基準になるという論法には私はならない、そう考えます。したがって明確に文部省調査による給与実態と、そして交付税単価には大きな差がある。そうすると、その差はお認めになるわけでありますから、その差というものはやっぱり埋めていくのが当然だと、こう思います。四十五年度に向かってそれを埋める、そういうおつもりがありますか。
#118
○説明員(横手正君) 平均の考え方につきまして先ほどお話し申し上げましたが、単純平均という考え方もあれば、あるいは度数分布による平均のとり方もございます。あるいは場合によりまして百人の給食従事員がおります場合に、単価別に並べまして、五十番目と五十一番目の人との間の単価と、こういう平均のとり方もございます。結局のところは標準的単価をどう考えてまいるかと、こういうことになってまいろうと思います。で、今回考えましたのは、単純平均という形をとらないで、まず度数分布と申しますか、おおむね一万八千円前後の人が一番多いと見られる段階、これをもって一応標準単価と、こうみなしたわけでございます。ただ、お話のようにこの標準的な単価の見方につきましては、いろいろの角度からの検討のしようがあろうかと存じます。したがいまして、今後ともこの面につきましては、文部省とも相談いたしまして検討は続けてまいりたいと、かように考えております。
#119
○和田静夫君 人事院にお尋ねをいたしますが、国にも病院などがありますね。で、さっき国立学校の調理員のことをお聞きしたのですが、標準の同種の人ですね、初任給は、病院と学校は同額ですか。
#120
○説明員(渡辺哲利君) 国家公務員につきましては、その所属する場所のいかんを問わず同じ基準でやっております。ただ省が違いました場合に、採用のときの範囲――初任給の範囲等の差――がございますので、その範囲の中で他の職員との権衡その他を考慮してきめる場合がございますから、必ずしも完全に同じ号俸になるかどうかは問題でございますけれども、大体一応同じような基準で運用されているというふうに考えております。
#121
○和田静夫君 現在、民間の大企業やあるいは三公社五現業では、中学卒の人の初任給が大体二万円を上回っています。給食調理員の給与単価が二万円そこそこ、二万五百十六円というのはどうしても私は常識はずれだ、こう言わざるを得ません。自治体で人間並みの賃金を払えば、その差額は持ち出しとなります。それで地方財政を圧迫をします。また低賃金だと、調理員の方々の人手不足となって、学校給食の普及を妨げることになるわけです。その点についてどのようにお考えですか。
#122
○説明員(横手正君) 給食従事員の給与単価につきましての標準的な単価の見方、これは本年度はいままでに申し上げましたような形で考えたわけでございます。したがいまして、これはいろいろな角度からながめた検討の方法があろうということも申し上げております。したがって文部省とも今後協議をしながら検討を進めてまいりたいと存じます。
 なお、小中学校経費総額といたしましては、一般的に申し上げますと、町村関係のほうは、地方団体の決算額よりも基準財政需要額のほうがかなり過大に算入されている実態にございます。そういうことをあれこれ考えますと、おそらく義務教育関係経費につきましてそれほど不十分な措置にはなっていないんじゃないか、かように考えておるわけでございます。
#123
○和田静夫君 調理員の定数なんですが、小学校は一応文部省の指導基準どおり行なわれていますが、中学校については生徒六百七十五人について一人となっている。一人で六百七十五人分の給食ができると考えになっていますか。
#124
○説明員(横手正君) これもいろいろ従来から問題があるところでございます。ただ、小学校におきましては完全給食の実施校が非常に多いわけでございます。そうしたことも考えまして、小学校においてはお話のような人数算定をいたしております。中学校におきましては、まだミルク給食といったような実態の学校のほうが多いわけでございます。そういう点から考えて、あるいは中学校費全体の基準財政需要額、こうしたものも考えまして、現状では一人予算にしておるにすぎない、こういうことになっております。
#125
○和田静夫君 そう言われますけれどもね、中学校の普及率は低いという形で言われるのだけれども、これは法律の趣旨からいえば、たとえば学校給食法の第五条で、「国及び地方公共団体は、学校給食の普及と健全な発達を図るように努めなければならない。」ということがありますから、普及率が低いということを理由にして交付税基準を引き下げるというのは、これはまた一つ誤りだと思う。逆の意味では政府が怠慢である。そうすれば普及率が低い、こういうことになります。それから普及率が低いと強調されるのですが、たとえば完全給食、補食給食、ミルク給食、それらを含んだ、生徒数の八〇%以上が実施をしておるというのがこれは実際だと思うのですが、文部省いかがですか。
#126
○説明員(柳川覚治君) 学校給食はいま御指摘の三種類のやり方があります。完全給食、補食給食、ミルク給食でございますが、これの総計でみますと、中学校におきましては、学校数でみますと八二・四%、生徒数でみますと八〇・三%という、八割の実施率になっております。
#127
○和田静夫君 そこでやっぱり問題になるのは、中学校の普及率を小学校並みのものにするといいますか、いわゆる普及率を向上させる、そういうためにも、最低必要人員というものを交付税上で配置をするというのが当然ではないか。これはもう当然のことだと思うのですけれども、給食調理員の配置が一校一名という基準では、財政面から普及を阻害する結果になる、このことは明らかだと思うのです。いかがです。
#128
○説明員(横手正君) 先ほども申し上げましたが、小学校費、中学校費の基準財政需要額総額につきましては、市町村決算額を上回るような状況になっておるわけでございます。そういう状況でございますので、特にこのために給食関係の普及が阻害されるというようなおそれはないのではなかろうか、かように思っております。
#129
○和田静夫君 しかし実際問題として普及率が低い、低いという前提の上に立って交付税基準を引き下げている、こういうことに現実なってるわけですからね。したがって逆の意味では、普及率を向上させるためには、最低必要人員というものをいわゆる交付税上でもって配置をしながら、法が示すところのものに近づけていくという、そういう形のことが必要なわけでしょう。そのことを現実に怠っている、こういう形になっているわけでしょう。そういう意味では、私は中学校の人員配置というものについてはもっともっと考慮をすべきである、こう考えます。いかがですか。
#130
○説明員(横手正君) 中学校関係の経費でございますが、おっしゃられますように、ある標準団体におきまして理想的な形の人員を算定いたしまして、補正によりまして各市町村の実態に合わせまして、実施率等を考えまして補正で減額するというような方法もあるかとも思います。ただ現状におきましては、小、中学校費関係、町村におきましては一千万近くも過大算入、と申しますとちょっとことばが過ぎるかもしれませんが、決算額との間にそういう大きな開きがある町村がかなりたくさん見られるような状況でございます。こういう面を見ますと、別に義務教育関係経費に対します財源措置が不十分だというような形にはなっていない、そういう現状にございますので、実際の給食の普及率を阻害するというような要因にはならないのではなかろうかと思います。あるいはおっしゃられますように、詳しく算入し、補正も適用するといういき方もあろうと思います。これではあまりにもひもつき的ないき方になろうかというおそれもございます。現状の財政措置が不十分であるならば、われわれ積極的な姿勢で臨む必要があろうと思いますが、現状がいま申し上げましたようなことでございますので、なお検討は続けてまいりたいと思いますが、それほど支障はないもの、かように思っております。
#131
○和田静夫君 給食調理施設が当初各学校ごとにずっと設置をされてきましたが、最近文部省の指導によって共同調理場、いわゆる給食センターが各地で設置をされておる。中には一万食も一万五千食もつくっている調理場もある。給食センターにおける職員の配置基準をどう考えているのか。文部省は一定の基準を定めて指導をする考え方があるのですか。
#132
○説明員(柳川覚治君) 学校給食の調理形態といたしまして、単独校で従来は行なってまいりましたが、最近の傾向といたしまして、共同調理場方式を取り入れている市町村が多くなってまいってきております。しかしながらこの共同調理場の実施基準につきましては、現在のところ文部省では明確な基準をきめておりません。と申しますのは、新しい制度で、その方法につきましてはいろいろな方法がとられる可能性のある問題でございますので、現在の時点で基準はまだ設定されておりませんが、現在、保健体育審議会におきましてもこの辺の問題の御審議をいただいている状態でございます。
#133
○和田静夫君 たとえば常識的に考えて、一万食もつくれば全く弁当工場と同じですよ。そういう意味で、私は給食の内容というものもたいへん低下をしているのではないか、教育上から見ても好ましくない、かりに財政上の理由から給食センターを設置した場合も、給食規模を制限をすべきではないか、いかがですか。
#134
○説明員(柳川覚治君) 共同調理場の規模につきまして、一万をこえるものが適当かどうかというところにつきましては、確かに御指摘のとおり議論が各地でもございます。しかしながら、この問題は、機械の近代化あるいは配送地域の学校の所在等、あるいはそこに置かれる人員の適正配置の問題等々とからんで評価される問題でございまして、一がいに一万をこえるものが不適当だという結論はなかなか出しにくい問題であると思いますが、現在その辺の問題も含めまして、種々検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
#135
○和田静夫君 昨年、労働科学研究所が東京都練馬区の給食センターの実態調査をやった結果、給食センターは、設置費、運営費及び料理の内容その他あらゆる面から見て、増設を阻止する必要がある。既設の給食センターはその食数を一カ所五千以下に減少し、将来は三千以下にすべきであると結論をしていますね、御承知のとおり。これに対して文部省はどのようにお考えですか。
#136
○説明員(柳川覚治君) 労働科学研究所の御指摘につきましては、たいへん御示唆のある問題でございまして、確かに練馬の共同調理場を見ますと、たとえばフライヤーの稼働能力というものは、一時間に三千食というような形での機械の設置状態でございます。その面からいきますと、現地では相当の苦労をいたしまして、A型、B型、C型等の一二種類の食事の組み合わせで、その辺の機械の能力をカバーした献立をやっておるというくふうがなされておりますが、やはりそこには無理があるのではないかという問題も考えられるわけでございまして、先ほど申しました機械の稼働力あるいは適正な人の配置等々もからんで判断されるべき問題でございますので、慎重に適正な規模の面については検討してまいりたいと考える次第でございます。
#137
○和田静夫君 給食規模に基準を設ける、あるいは制限をする、そういうような形で検討を加えるというふうに答弁をとっておいてよろしいのですね。
 同時に、私は給食センターの問題で、たとえば積雪地帯のことを十分に考えなければいかぬと思います。給食センターというような形のことにしていった結果、積雪地帯で何が起こっているかというと、朝登校してくるか弱い子供たちが、いわゆる給食を運んでくるところの車を入れるためにかり出されて除雪をしなければならない。あるいは学校の教職員でも同様であります。そういうような形のことがたくさん起きておる。新潟県なんかも、現実に背を越すような雪の中をお歩きになってみればよくわかります。そういうことも一面では配慮しなければならないことだと私は思います。そういう意味では、私はやっぱり各校ごとにりっぱなものをつくっていくという形のものが必要だろうと思います。たとえば石川県根上町の小学校の例に見られるように、もうその給食調理場はパン工場を持っておればすべてを持っておるというようなことこそが本来的なものだと思います。そういう努力というものをしていただきたい、そう思いますが、いかがですか。
#138
○説明員(柳川覚治君) 学校給食の実施の上におきまして一つの問題点は、学校における教職員の負担過重の軽減という問題がございます。それから事柄の性格から、集団給食としての学校給食調理の合理的な運営という二つの面があろうかと思います。その面から計画され、実施されてまいったのが、共同調理場が一つのそのあらわれでございまして、これにつきましては、新しい形で出てきたものでございますので、その運営上に長所、短所、種々あるわけでございますが、運営上種々の御指摘の問題を受けておるということがございますので、これは今後運営につきましてよろしきを得るというような方向での指導もしてまいりたいというように考えております。現在のところ、必ずしも学校給食の調理の形態をすべて単独一校方式でやれというような形にまで私どもきめかねている問題でございまして、実態といたしましては、各地域学校の実態を十分配慮して、合理的な調理の状態があらゆる角度からでき得るような方向での取り組みをするような指導をしてまいっておる次第であります。
#139
○和田静夫君 まさに児童のための教育にはぜいたくなしというような形で主張をされながら、これは保守、革新を問わずそれぞれの首長さんたちが努力をされていく、そういう視点に立っているところでは、やはり一校別にいってみればたいへん驚くようなりっぱな給食施設というものが完成をしていっていますよ。その方向こそがやはり指導の方向として求められるべきものだろうということをやはり十分考えていただきたいと思うわけです。学校給食というのは、何といっても市町村の責任において実施をすべきものでありますが、調理員の身分がきわめて不安定な状態に置かれています。いまだに臨時職員である、あるいは非常勤職員である、あるいは給食会の雇用である、あるいはPTA雇用なるものの形態をとっているところがまだたくさん残っているのですね。事業の内容から見て、当然定数内の正規職員とすべきであるにもかかわらず、そういう状態に置かれている。これに対して自治省、文部省はこれまでどのような指導をされてきたのか、お聞きをしておきたいと思います。
#140
○政府委員(細郷道一君) 私のほうでは、どうあるべきだというふうな一律的な指導はいたしておりません。要は、学童に対して給食が能率的にできる、合理的にできるということがねらいだと考えております。したがいまして、昨年、一昨年くらい、よく地方から聞かれてまいりましたものに、給食センターに集中をしたいというような希望をいってこられたところもございますので、そういうところにはそれをすすめておりますし、あるいは一般に民間委託をしたいという方針のところもございます。それはそれでけっこうではないか、こういうふうな考え方でございます。
#141
○説明員(柳川覚治君) 学校給食が緊急性をもって創設されたというような経緯もございまして、必ずしも学校給食の実施の体制が確立されておるというようには言いがたい面があることを私どもも感じておる次第でございます。特に調理従事員の適正配置の問題と待遇の改善の問題につきましては、従来文部省といたしましてもこれを願い、つとめてまいったところでございまして、地方公共団体に対する指導の強化、あるいは関係の自治省に対しまして待遇改善方の御要望をしてまいったところでございます。
 その現状を見ますと、御指摘のとおり、なお私費で措置されておるというところが若干ございます。これはだいぶ改善されまして、現在ほとんどコンマ以下のパーセントになっておるのでございますが、これらの改善の措置は着々なされておるということでございますが、なお賃金支弁のものが相当数ございますので、これらにつきましても、小学校につきましては、交付税のほうでもすでに賃金での積算は解消していただきまして、定員どおりの常勤の積算を見ていただいたというような経緯もございます。なお、中学校についての問題を残しておるということで、この辺につきましては、なお文部省といたしましても、自治省の格段の御配慮を今後ともお願いしてまいりたいというように考えておる次第でございます。
#142
○和田静夫君 特に給食会の雇用、PTA雇用というのは、私は地方財政法第二十七条の四、同施行令第十六条の三の規定から見て明らかな違法雇用である、こう考えます。そういう意味ですみやかに市町村職員とすべきであると思いますが、いかがですか。
#143
○政府委員(細郷道一君) 政令では、御承知のように「市町村の職員の給与に要する経費」でございます。市町村の職員であればそれは当然市町村で払うべきである、こう考えております。
#144
○和田静夫君 地方財政法の二十七条の四で、「当該市町村の負担に属するものとされている経費で政令で定めるものについて、住民に対し、直接であると間接であるとを問わず、その負担を転嫁してはならない。」、こうなっていますよね。
#145
○政府委員(細郷道一君) 市町村の職員であれば、その負担は当然市町村が負うべきものでありますから、その分を他に転嫁してはいけないと、こういう規定でございます。したがって、それを受けて政令は、市町村の職員であればそれは市町村が持つべきである、市町村の職員でなければほかから出てもよろしいということに、反対解釈はなろうと思います。
#146
○和田静夫君 逆の解釈では、したがってそのPTA雇用であるとか、給食会雇用というようなものは違法であって、市町村の職員にすべきである、こうなりますか。
#147
○政府委員(細郷道一君) この規定はそこまでを規定をいたしておりませんで、あくまでも住民に対する税外負担の禁止の規定でございますから、市町村が自分の職員として採用している者の給与は当然市町村が払うべきであるにもかかわらず、それを他に負担をかけることはいけないと、こういう規定でございますから、いま先生がおっしゃったように、すぐの裏の読み方はこれからは出てまいりません。
#148
○和田静夫君 まあ隣の部屋で定員法やってますけれども、一万をこえるところのいわゆる定数外職員がいっぱいいる、これはほかに転嫁をしてはいけませんとおっしゃられると、住民からその賃金を別にとって払ってはいけませんということになるのと私は同様だと思うんです。本来的に市町村職員であるべきものを市町村職員にせずにおいて、違った身分にしておいて、その違った身分の者は、たとえばPTAの負担にするとかなんとかという形のものにしてはいけません。これはもう法を実体的に運用をしていく立場から実体法的に解釈をしていけば、そういう形のことになるでしょう。いかがですか。
#149
○政府委員(細郷道一君) ちょっと御質問の意味がよくわかりませんが、この地方財政法第二十七条の四の規定は、あくまでも市町村が本来負担をすべき義務のある職員について、その職員に対して払う給料を他に転嫁してはならないと、こういう意味でございまして、職員でないものについての規定をここで書いてあるわけではございません。
#150
○和田静夫君 これはそれでいいです。そこで問題は、現実におられる給食会雇用の人々やPTA雇用の給食関係の方々が、本来的には市町村の職員でなければならない、本来的には。市町村の職員でなくてよろしいということにどこでなりますか。
#151
○説明員(柳川覚治君) 学校給食の現在調理従事員の配置につきましては、文部省としては、学校給食は公の仕事として調理も行なうというたてまえをとりまして、したがいまして、そこに置かれる調理員は職員として採用される、公務員として採用される、公費でもって負担するという立場をとった指導をしてまいっております。したがいましてその辺の指導のこともありまして、年々この私費での数は減少しておりまして、現在小学校では〇・八%約三百人ほどに減少してまいっております。したがいまして、この面は遠からず解消されるという方向で今後努力してまいりたいというように考えます。
#152
○和田静夫君 そうすると、まあ身分関係でいわば臨時的な不安定な状態に置かれておるところのこれらの人々について、個別指導を強化することによって解消すると、こういうことで理解をしておいてよろしいですね。
 最近教師側の要求もあって、宿日直を廃止する学校が御存じのとおりふえております。で、そのことはけっこうなのでありますが、そのかわりに用務員に宿日直を代行させてみたりしておるところがある。これはまあたいへん困る。どうしてもやっぱり警備員を置くというような形のことを指導すべきだと思うのですが、警備員を置かれるところも多くなってきている。ところが問題はですね、教師が宿日直をする場合は、手当の二分の一は国庫負担となりますね。警備員を置くと、その給料あるいは手当は全額市町村の負担となる、これは一体おかしいのじゃないですか。
#153
○説明員(柳川覚治君) 私担当でございませんので、ちょっと御答弁をしかねるわけでございますが、なお必要があれば至急連絡をとりまして……。(「自治省わからぬか」と呼ぶ者あり)
#154
○政府委員(細郷道一君) ちょっと私のほうの行政指導の問題ではないのだろうと思うのです。やはり文部省の問題だろうと思いますが、ただ、文部省が最近宿日直の廃止ということを指導しておられるということは私ども十分承知しておりますし、市町村長の中にもいろいろ意見がございまして、もう当然そういう時代にきているじゃないかという意見もあるわけでございます。したがって、いま文部省のほうでは、たしか経過年度を設けながら漸次廃止の方向に持っていくと、そのかわりに、宿日宿を置かないために、施設を、たとえば金庫でありますとかあるいはかぎでありますとか、そういったようなものを整える必要があるというので、そういう方面の補助が出ておるはずでございます。
#155
○千葉千代世君 関連。先ほどの和田委員の質問の給食関係についての関連質問ですけれども、学校給食の実施体制が十分に確立されていないときに、また新しい混乱が給食の現場に生じているのではないか。その一つは、お米が余るからパン食をお米の給食に切りかえろという、こういうある方面から、具体的にはまあ農林省関係方面からと思いますけれども、それに便乗してお米の生産県では、まず古米から子供にやって、それから余ったお米をやっていこうと、まあ端的に言えばそういうふうにさらされておる。私ちょうど一番初めに、まだお米の余りません時分に、斎藤厚生大臣の地元の三重県の阿山郡というところで、ごく初めのときに米飯に切りかえておったのです。これはまあ違う意味もある。一つの試験的なあれがあって、見に行ったことがありました。一つの問題提起としては、まあいろいろな面から検討の材料になりましたけれども、いま混乱の原因になっているのは、全く政策的に利用されているのじゃないかと心配があるわけです。
 そこで、文部省の見解としては、このパン食からお米に切りかえていくについての基本的な考えはどうであるかということが一つ。それからもう一つは、全国的にお米の給食に切りかえているところがいまどのくらいあるかということ。それから切りかえられつつあって、今後の情勢の展望はどうだかということ。それから、米をやりますというと、これ蒸気で蒸すのですね。私、見たんですけれども、これ、このくらいなお米とぐ機械から、それから、このくらいのアルミですから、お弁当箱の平べったいのにお米をやって、あそこは四百人分ですから、お米をやってずっと蒸すと、四百人分できてくるわけです。
  〔理事熊谷太三郎君退席、理事吉武恵市君着席〕
おかずはおかずでまたつくるという、これはたいへんな設備が要るわけなんです。そうすると、それは地方交付税の対象にはたしてなるものかならないものか。いま、私ちょっと関連ですから、調べておりませんから、自治省のほうからでも答えていただきますけれども、それはどういうふうになっているかということ。それからあと二つまだありますが、それだけまず答えていただきたい。
#156
○説明員(柳川覚治君) 学校給食に米を使いまして、米飯給食を行ないたいということの正式の申し入れば、農林省等からございません。これにつきましては、いろいろ各地で議論されておるわけでございますが、文部省といたしましては、学校給食は児童生徒の健康、体位向上を趣旨として行なっておるものでございまして、従来その観点に立ちまして、パン、ミルク、おかずという食形態を基本としてとってまいりました問題でございます。この体制を変えるという問題になりますると、これにつきましては、学校給食のねらい及び御指摘の施設設備等の条件設定、あるいは人手の問題等のたいへん実施上困難な点もございますので、基本的な体制にかかわる問題といたしまして、文部省としては慎重に扱いたいという考え方で従来おる次第でございます。
 それから米の利用を現在行なっております学校給食の状態でございますが、平地におきまして米を利用しておりますところは、千葉の松尾町がございますが、それ以外に、島根でございますか、一カ所ある。あとは僻地でパンの供給が困難な、運搬が困難な地域というところが三十数カ所ございまして、学校給食の現在実施人員は、パン、ミルク、おかずの形態及び補食のパンを使っておるものを含めますと、約一千万でございますが、そのうち米を利用している数は三千三百人ほど、きわめて微々たる状態でございます。
 今後どのような動向という問題でございますが、これにつきましては、現在数カ所で米を導入したいという試みをしてみたらという動きがあるようでございますが、なお現在時点でその点の正確な数字はとらえておりませんが、これはきわめて一部の地域でございまして、週のうち何回かを米を取り入れるというような形の導入を考える、あるいはお米をたいて、米飯だけを持参するというような形での実施を計画しておられるところもあるかに聞いておりますが、大勢としてはそう大きな動きにはなっていない、こういうふうに感じております。
 それから施設設備が要るという問題でございますが、これには、確かに御指摘のとおり、平がまではなかなかたいへんな労力を要する問題でございますので、新たな相当の規模の施設設備を必要とするということでございますが、これについては、現在たいへんな経費を要するという問題で、なかなか実施上困難な面があるのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
#157
○政府委員(細郷道一君) 給食設備の算定につきましては、国庫補助の裏負担を基礎にいたしまして、償却方式で、学校数の単位費用に入れております。
#158
○千葉千代世君 それは給食設備全体ひっくるめてであって、別に蒸気のおかまにかえるからというので、それを取り出しての対象ではない、こういうわけですね。
#159
○政府委員(細郷道一君) これは文部省と御相談しまして、一律的に入れております。
#160
○千葉千代世君 それでは、いま文部省で慎重にという話ですけれども、具体的にどういう指導をなさっておりますか。たとえば、あるところから問い合わせが文部省にいった、お米に切りかえたいと思いますがと。数カ所でそういう心配をしていらっしゃる。そのときには、いま慎重に考えているけれども、という御答弁ですか。それとも学校給食の持つ本来の上から考えて、パン食でやはり栄養をきちっと満点にしてやっていく、米食の持つ欠陥というものをどういうふうに補っていくかという問題とか、お金の問題とか、そういうものをきちっと資料をそろえた中で指導するのか、あるいは半ば肯定的に、地域の実情によってはそれはよろしいと言うのか、その辺がたいへんあいまいじゃないかと思うのです。それはどうなっているのですか。
#161
○説明員(柳川覚治君) 慎重にと申し上げましたのは、むしろ消極的な考え方で申し上げた次第でございます。米を使いますと、パンよりもその単価において父兄負担の増をもたらすということでございます。それから米と、学校給食用のパンにはいろいろ栄養物を添加しておりまして、それとの栄養価の比較の問題でございます。その面の栄養素の不足する分を新たにおかずで補わなければならぬという二つの点から、相当の給食費の増をもたらすという問題がございます。それから先ほどの施設設備の問題、人手の問題を要するということでございます。そういう実施上の困難点があります。その面から、一がいに米を導入するということにつきましては、その態勢はなかなか市町村においてとられないのではないかというような考え方から、私どもとしては、一応現在のところでは消極的な扱いをしているということでございます。なおしかしながら、これはどうしても米を、保護者の方なりの意見その他がございまして、使うということを法律上禁止できる問題でもないわけでございます。これは選択の問題であるわけでございます。しかしながら、どうしても取り入れるという場合においても、それだけの栄養価、栄養価が落ちるというようなことのないような十分な態勢をとってやるというような形においてしか実施が考えられないという面の指導をいたしておりまして、したがいまして、現在のところ完全にお米を取り入れた形で全面的な切りかえをするという形での学校は、いまのところ出てきておらないということかと思います。
#162
○千葉千代世君 それは画一的に全部同じに法律的にせよというのじゃありませんけれども、やはりお米に切りかえていくというその裏には、受けるほうの側からいえば、給食費が年々値が上がっていく。三人も四人も子供を出している家では払い切れない。幸い農家ですから、お米が自分のところにあるから、お米を持っていったらそれだけ浮くのじゃないか、パン代だけ浮くのじゃないかというこの気持が先行しているわけです。そうして一方のほうには、いやお米が増産増産でふえていっている。だからこれは子供のほうに使ったらいいじゃないかという、一つの政策的な部面もあるわけです。その前までにはずっと――それが証拠には、お米の足りないときにはどうしたかというと、そうではないわけです。全然逆の方向にいったわけです。しかもひどいのには、まず古い米から整理していってなんて、これはまあ放言でしょう。放言にしても、育ち盛りの子供にまず古いものから食べさせてとか、お米が余ったからなんていう、そんなばかにしたことを、教育の場において育ち盛りの子供にするということは、多少冗談にしても、あるべき筋合いものではないわけです。で、私はそういう意味で、文部省がそういう点で一つの見解を示した上で指導方針がほしいと言うわけです。
 もっと端的にいえば、やはり学校給食の本来の使命というものを遂行していくためには、まだたくさんの欠陥があるわけです。いま地方交付税の対象を見ても、文部省が相談するというなら、具体的にはいまの中で問題になった面とか、もう一つは教育の場の学校給食ですから、ごらんになって御承知のように、子供はいままで授業しておって、それがばたばたばたばたやって、何方何十億というほこりが飛んでいくでしょう。その中で子供は手ぬぐいかぶって運んでくるけれども、運ばれた子供の机の上にあったものはろくにふいてもみなければ何もしない。ほこりの舞いほうだいの中で食べなければならない。やはり理想的にいえば、食堂があって、そこへ食事のマナーを入れながら、やはりほんとうの意味のしつけ教育の面と、栄養の面と、やはり希望を持たして、興味を持たして、子供のやはり興味の喚起でしょう。それに興味を持たしていくという、こういう姿勢の中のやはり給食じゃないかと思う。そのほうが先じゃないかと思うのです。食堂をつくる場合に、雨天体操場とか、そういうプールの場合には、地方交付税の対象になります。ところが食堂をつくった場合には、これが対象になるんでしょうか、ならないんでしょうか、どうなんでしょうか、御要求なすったかなさらないかということ。
#163
○説明員(柳川覚治君) 御指摘の食堂の建設の問題につきましては、学校給食の実施上の課題でございまして、従来の学校は食堂建設のあれを六三建築の上におきまして基準として認めておりません。まあ屋内体育館の増設の問題が先行しておったわけでございますが、学校給食の実施の上からは、食堂の設置ということは望ましい方途であろうということは御指摘のとおりと思いまして、この点につきましては前向きに私ども検討してまいりたいというように考えている次第でございまして、現在のところ、これに対する補助措置等はなされておらないということでございます。
#164
○千葉千代世君 もう一つ、先ほど給食作業員の方々のお話があったんですが、もっともだと思うのです。たいへん低い給与ですね。一番初め一万……、私ちょっと書きものをしておいたのですが、一万六千円でしたか、一番低い方が。それから三年ごとに上がっていったんですけれども、この中には女の作業員の方が何%ぐらいいらっしゃるか、かなり多いと思うのです。一万何ぼと、いまの世の中で、これだけ低い給料で、それでしかも非常に過重労働ですね、見ておりますと。
  〔理事吉武恵市君退席、委員長着席〕
骨が折れると思うのですが、このことは後の機会に譲ります。それと同じように、今度、学校栄養士の方がいらっしゃいますね。あの方々もやはり学校教育法の中にきちっと法的に位置づけをされて、そして身分の保障がほしいということを言われたということを聞いておりますけれども、それがどうなっておるかということと、いま雇用されている中で、昨年と今度の予算の中にだいぶ人数がふえておりますね。そのお金は国の出すお金が少しふえたんでしょう、地方に配分して。そしてそれの身分というものは地方公務員としての身分ですね。
#165
○説明員(柳川覚治君) 学校栄養士の設置につきましては、年々その設置費の二分の一を国が補助するという予算措置をいたしまして、その面の増員を見ておるわけでございますが、この方々は御指摘のとおり公務員として採用されております。俸給表の適用は医療職の(二)の俸給が適用されておりまして、初任給は四の一号が適用されるということでございまして、したがいましてその限りにおきましては、身分の安定ということは言えるのではないかというふうに考えております。
#166
○千葉千代世君 身分の安定ということは、そういう意味で地方公務員としての身分を持って、そしていろんな恩給、退職金とか共済組合、全部の適用ができるわけなんですね。そういう意味の安定はできるわけ。ところが学校栄養士さんの方々に聞きますと、そこにたいへんお骨折りをいただいている茂木先生もいらっしゃるわけですが、あの方々はやはり学校栄養士としての、教育公務員としての身分がほしいという要求ではなかったんでしょうか、どうなんでしょうか、おわかりでしたらちょっと答えていただきたい。
#167
○説明員(柳川覚治君) 身分の安定の方途といたしまして、地位の確立という面の問題も要求としてはございます。その地位につきまして、現在は種々な採用の形が各地方公共団体においてなされているわけでございますが、これにつきまして一定の職名を冠した形での地位を確立してほしいというような要望はございます。これにつきましては、学校給食の仕事というものは食事をつくることと、食事を子供たちにとらせる、その場を通しての指導という面のことがございまして、大きく分けまして二つの仕事の流れの中において、はたして栄養士の人の職務、責任というものを那辺に置くかという問題もございますので、これにつきましては、現在私どもは抜本的な施策を種々学校給食につきまして検討中でございまして、その一環におきまして検討を続けている次第でございます。
#168
○千葉千代世君 国会によく来る請願書を見ますというと、学校栄養士の設置と身分確保に関する件という請願が出ていますね。たびたびずっと出ていますね。あの請願の趣旨は、私がいま申し上げたような趣旨に解したのでしょうけれども、必ずしもそうではなくていいということですか。地方公務員の身分としてであるならばいい、こういうことに解していいのですか、どういうことなのですか。
#169
○説明員(柳川覚治君) 従来栄養士の方々の数年前までの要求は、栄養教諭という職制をしいてくれということの要望があったやに聞いております。しかしこれは相当詰めていきますと、一体栄養士の人たちの仕事というのは、はたして栄養指導をする立場において学校に配置されるものであるのか、衛生的にも栄養的にもあるいは経済的にも最も適当な食事をつくるという、調理従業員の方々と一体となってつくるという面の職務の上からの位置づけという問題を考えるべきかという問題に逢着するわけでございます。その面から、この面は現在栄養士の方々も御検討をいただいておりますが、私どもその学校給食の仕組みという問題とからみまして、その最も適正な形における位置づけというものを検討してまいりたいということで、目下研究中の課題でございます。
#170
○千葉千代世君 いまの問題は検討中のことですし、委員会もそうなりますれば文教委員会関係になりますから、きょうはここでこの点はとどめておいて、先ほど和田委員が指摘されましたのですが、学校給食作業員の方々ですね、その方々の非常な過重な労働の上に、今度は学校の教職員も本務はかなり阻害されていくわけなんです。両方とも共倒れになっていくという傾向があります。それに栄養職員に超過勤務がつかないとか、いろいろな問題が波及してまいりますけれども、要はやはりそれぞれの任務が完全に遂行されて、教育の場の中でお互いの全能力を発揮できるという、そういうことは、この場合は給食作業員の方々の身分が安定して、そうして給料が少なくとも一万六千円――いま会社、方々へ行ってみますというと、とても一万六千円でと言ったって見向きもしないと思うのですね。求職の方々の、職を求めている人も承知しないのですね。たいへんな給料の上昇の中にあるのです。ですから私はやはりそこらを思い切って待遇改善をしていくということが何よりも先決ではないかと思っております。その中の費用については、いま和田委員が指摘したとおりなんですけれども、そういう点はやはりあわせて地方行政の中で今後の問題点として十分に検討していくことが必要ではないかと思う。あわせて学校給食関係の中では自治省は資料をお持ちになっていないようですから、やはり資料をどんどん差し上げて、そうして激励してやっていただかないと、自治省は交付税の査定ともなると、切りたい、切りたい一生懸命ですから、そういう点でお互いにがんばってください。
#171
○和田静夫君 緊急失業対策法に基づく事業計画は労働大臣が樹立することになっていますが、特に三種事業の内容を見ますと、自治体の正規職員が処理すべき事柄まで事業の範囲が拡大をされています。労働省は三種事業の計画樹立にあたって、どの程度事業内容を把握し、どういう方針をとっていらっしゃるのですか。
#172
○説明員(関英夫君) 御承知のように失業対策事業の就労者は年々高齢化いたしまして、ただいままでのところたしか五十五歳ちょっとかと思います。こういった人々につきまして、いままでのようにいつまでも屋外の土木作業を主とした事業をやらせるということにつきましては非常に問題がある。そこでまあ高齢者にふさわしいような仕事、こういうものを三種事業として計画するように指導しております。で、具体的には、たとえば温室で花をつくるとかというようなことがいろいろございますが、中には、あるいは先生ただいま御指摘のように図書館の図書の整理のお手伝いであるとか、あるいは公共の建物の清掃のお手伝いであるとかというところもあろうかと思います。それが本来そういった公共施設の運営そのものに必要不可欠のものだということになりますと、いろいろ問題があろうかと思いますが、まあそれが、お手伝いがあればなおよろしいというようなものであるならば、それは年とった失業対策事業就労者の就労の場としてもいいのじゃないかというふうに考えて運営している次第でございます。
#173
○和田静夫君 たとえば、ここに広島市が発行しているパンフレットがあります。三種事業として次のような作業に従事しているという写真入りでずっと宣伝をされておりまして、いま言われた園芸あるいは図書館の司書の補助、そのほかに事務補助、これもここに写真入りで出ているわけですね。これらの作業を失対事業として計画したことは適当でありますか。
#174
○説明員(関英夫君) 広島市の具体的な三種事業の本の内容を私はつまびらかには存じないわけでありますが、先ほど申し上げましたように、それが当然市町村がやらなければならない、失業対策事業を実施しない場合においても当然にやらなければならない事務であるとすれば、不適当だと思いますが、たとえば現在までやっております道路の補修等におきましても、それがぜひ事業としてどうしても必要なものであれば、失業者がおらないでも当然に計画して市としてやっていかなければならないというような事業だろうと思います。それに失業者がいる。そこで失業者を吸収することを第一義として失業対策事業をやる場合に、まあ道路補修を、普通であればしない場合でも、あればなおよろしい、こういうような事業を計画しているわけでございます。同様に、花卉栽培とかあるいは図書館のお手伝いとか、いろいろ考えられると思いますが、それが本来なければならないようなものであるならば、それは失業対策事業でなくて、本来の事業としてやるのが好ましい。まあその上に、失業対策事業として失業者を吸収して事業を実施しなければならないので、まあお手伝いとしてやればなおよろしいというような計画ならよろしいのではないか、こういうようなことで私ども考えております。
#175
○和田静夫君 そうすると、もし適当でないということになると、どの程度までになりますか。
#176
○説明員(関英夫君) 具体的なものでございませんと非常にお答えしにくいのでございますけれども、何と申しますか、たとえば図書館そのものであれば、図書館の正規の職員をもって必要最小限のことはできる。その上に、さらに失業対策事業でもってそのお手伝いをすればよりよいサービスとなり得るという程度のものであれば、私どもはいいのじゃないか、こんなふうに考えておりますが、何ぶんにも三種事業というのは、失業者の高齢化に伴いまして私ども考え始めたものでございますので、御指摘のような問題がいろいろあろうかと思います。これが多くなればなるほど問題になってくると思いますので、今後とも十分検討してまいりたいと思います。
#177
○和田静夫君 そうすると、たとえばいま衆議院で定年制の法案が出ていますよね。これがずっと通っていくと、十二万人と言われる高齢者が職を離れる、ここで吸収すると、そうすると具体的には本来的な正規の事業をその人たちだけでやるということになって、労働省の立場とすれば定年制というのは困りますよね。そういう形になりましょう。たとえば、民生局の福祉事務所労政課に三人、この人がやっているのは、カード類の分類整理、本来的に地方自治体がやるべき仕事ですよね。そういうことですね。
#178
○説明員(関英夫君) ただいまのその広島の市の民政局でございますか、そこの三名のお仕事の内容、具体的には私存じませんが、民生局のお仕事として常に、恒常的にあるようなもの、こういうものについては、当然その民生局の職員が携わっておるのだろうと思いますが、よくありますことで、非常に臨時的な仕事として何か整理した、整理することがある、そういう場合にたまたま何カ月か外部の人をそのためにのみ雇い入れて仕事をさしたりすることがある。そういうときに、失業対策事業で就労すべき人について、たまたまきょうはこの課でこういう特別の仕事が出たからそれをやってもらう、整理をしてもらう、あるいは集計をしてもらうとかいうような特別の仕事を出していただきまして、それを失業対策事業として実施しているのじゃないかとこの場で想像しているわけでございますが、非常に抽象的なお答えを繰り返すようで恐縮でございますが、本来的に市なら市の仕事ということでそれが成り立たないような仕事、それは失業対策事業として計画するのはあまり好ましいことではないというふうに思っております。
#179
○和田静夫君 自治省の側は、もうとにかくやはり一定の年齢でもってたくさん老齢者が首切られることは困るということを間接的には言っていらっしゃるわけですから、そのことはよく聞いておいてもらって、衆議院の定年制というものはやはりいいかげん下げてもらいたいと、こういうように次官ひとつ配慮してもらいたいと思うのですが、ところで三種事業、いまたいへん抽象的なんですが、実態を調査されて把握されたことがおありになりますか。
#180
○説明員(関英夫君) これは事業の計画書を労働省に持ってまいりまして、私どものほうで書類審査ではございますが、それを見まして認承していくわけでございますので、書類の上ではございますが、どういうものが行なわれて、どの程度の人員がどういう作業に従事しておるということを一応つかんでおります。
#181
○和田静夫君 それはあれですか、事業の完了のつど事業主体からの報告は来ますよね。それは把握されていると、事業計画が樹立をされた際のことも全部把握をされている、そういうことですね。そうなると、事業計画が樹立をされて、出てきたものに対して、計画の変更だとか、そういうような指導を具体的にはやっていらっしゃる………。
#182
○説明員(関英夫君) 事業計画として持ってまいりましたときに、それが失業対策事業として適当でないということであれば、そこで指導いたしまして計画を変更させるなり、あるいは別の計画を立てさせるなりしまして、計画を認承するわけでございます。
#183
○和田静夫君 そうしますと、否認されたとか、あるいは変更されたとかいう事例、たいへんたくさんになりますか。
#184
○説明員(関英夫君) その計画審査の仕事は私の直接の担当ではございませんので、具体的には知りませんが、計画変更というようなことはよくあるように聞いております。
#185
○和田静夫君 そうしますと、その否認をされたとかあるいは変更されたとかいうのを資料でいただけましょうか。その変更したようなやつは残っていましょうか。
#186
○説明員(関英夫君) 毎年の事業計画を年度に入ります前にとってやっておる作業でございますので、おそらく残っておりますのは、結果として認められたものしか残っていないのじゃないかというふうに思いますが、なおよく調査してみます。
#187
○和田静夫君 どうしても私はその計画をされた段階で、ここの欄、この写真のところが一番気にかかるのですよ。この事務補助のところですね。いわゆる地方公共団体の事務補助員としてこの失対労務者が使われるということを一体どういうふうに考えるのかということ、住民の権利義務に関する重要書類の取り扱いを失対事業として認めるのかということが非常に大きな問題なんですが、これは自治省の側ですがね、次官いかがお考えになりますか。
#188
○政府委員(細郷道一君) 本来の行政事務は本来の職員がやるのがたてまえでございます。しかしながら、行政には、その中に本来責任を持つべき指導者がおって、責任者がおって、手足のごとく動く場合には必ずしも自治体の職員でなくてもいい。ここはそれぞれの行政主体の判断によって決すべきものだと考えております。
#189
○和田静夫君 そうしますと、地公法の第三条三項の六号でしたか、「行政事務を担当する者」はいわゆる一般職の職員であると規定をしていますよね。事務補助員として雇用した失対労務者の身分というのは、法律上はどういう身分になりますか。
#190
○政府委員(細郷道一君) それは地方公務員でないと思います。たとえばいろんな計数を集計するのにもアルバイトを雇ったりすることは御承知のとおりでございます。
#191
○和田静夫君 労働省が昭和三十六年の十二月一日に出されました職安局長の通達、労職発一一四九号、これによりますと、「失業対策事業費支弁の副監督員及び事務補助員については定数化すべきである」旨を通達しているんですよ。にもかかわらず、現在においても事務補助作業を失対事業として認定をした理由は何なのか。いま地方公務員じゃないという答弁があったわけですがね。
#192
○説明員(関英夫君) その問題に入ります前に、地方公共団体が失業対策事業を実施し、その事業に雇用した者の身分でございますが、これは一般職ではない特別職の地方公務員ということになります。つけ加えさしていただきます。
 それから、先ほどの通達でございますが、ちょっと私記憶にないんでございますが、おそらく失業対策事業の事業に就労する失業者ではなく、この事業を運営するために市町村といたしまして、事業主体といたしまして、運営に当たる監督的な者、そういった職員が必要でございます。その職員に、作業管理員とか、その作業管理員の補助員とか、こういった種類の人々が必要でございますが、その人々を私どもとしては、これは本来市町村の職員が当たるべきものだから定数化してほしいということを申し上げたものじゃないかと思います。
 それから、先ほど三種事業として事務の補助的な事業をやっておるという問題がありますが、それはそういった事業運営の監督的立場にある作業管理員のお話ではなく、たまたま事業が道路補修事業とかなんとか、そういういろいろな事業のほかに花卉栽培とか図書館における何か事務補助的な事業をやる。したがってそこに働いております者は、いまのお話の作業管理員ではなくて、失業者そのものの方が就労しておられるということになると思うんです。
#193
○和田静夫君 いま労働省の側からも言われたのだが、特別職の地方公務員になるのですよ。したがって、財政局長はああいうふうな答弁をされましたが、あれは訂正してもらわないと困ると思います。この失対労務者を地方公共団体が事務補助員として雇うことの自治省の見解というものを求めたいのです。どういうことかといいますと、もしそのために一般事務職員の定数が削減をされる、あるいは欠員が補充されないということが起こっていたならばどうされるかということなんですよ。
#194
○説明員(関英夫君) 私どもからちょっと補足的な説明をさせていただきたいと思うのでございますが、失業対策事業を運営していくためには、その事業の運営にあたる自治体の職員が必要でございます。それは事務をとる職員も必要でございますし、現場で作業の運行を管理するような職員も必要でございます。作業管理員といいますのは、おもに事業をやっております現場で作業を管理していく職員でございます。これにつきまして、私どもは定数外の者がやや見受けられました時代にそれを定数化してくれということを申しておりましたが、その職員にどういう人を充てるか、中にはかつて失業対策事業の就労者、失業者自体として失業対策事業にいわば使われておったその人たちの中から適任者がおれば、それを作業管理員として自治体が職員として雇う、作業管理員として雇うということも私ども別にこれは忌避すべきことでもない。それはあくまでも雇う自治体の判断として、いかなる経験を持っている者が必要かということになってくるのであって、その中の失業対策事業の就労者が作業管理員となることも、その者が適当であれば私どもいいことではないか、こういうふうに思っております。
#195
○和田静夫君 自治省の見解はいかがですか。
#196
○政府委員(細郷道一君) ちょっと私からお答えする筋合いのものでないと思います。
#197
○和田静夫君 次官いかがですか。――この問題はあとに残します。
 ちょっと文部省に返りますが、この学校用務員は交付税法上一校二名の配置基準になっておりますが、職務内容は学校ごとにばらばらであるし、全く用務員を配置していない学校もあるが、用務員の職務というのは一体何なんですか。
#198
○委員長(内藤誉三郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#199
○委員長(内藤誉三郎君) 速記を起こして。
#200
○竹田四郎君 厚生省の方いらっしゃいますか。――最近非常に労働力の不足が言われておりまして、その労働力の不足ということから婦人労働者が非常に職場に出るようになったのです。そういう意味で、婦人が職場に出ていくということで、おそらく保育すべき児童というものが最近非常に多くなっていると思うのです。婦人が職場に出ていくという原因はいろいろあろうと思いますが、一つは、確かに全般的な労働力の不足という観点がおそらく一つある。パートなどはまさにその最たるものであると同時に、もう一つはやはり生活上の問題、何らか少しでも所得を得て収入の不足を補おう、そういう二つの要因が非常に多くて、婦人労働力が労働市場の中に入ってきているのだろうと思いますが、大体全国で要保育の児童数というものはどのくらいおありになるのか。たとえば人口十万に対してどのくらいの要保育児童がいるのか。それに対して現在どのくらい必要が満たされているのか。もしおわかりいただいたらひとつ御答弁願いたいと思います。
#201
○説明員(鈴木猛君) 御指摘のございましたように、最近婦人労働力の需要が非常に高まりまして、それとともに保育に欠ける児童というものが年々増加しておるのでございます。一昨年の八月、昭和四十二年の八月に、厚生省が調査した要保育児童の実数でございますが、これによりますと約百四十八万人ということになっているのであります。なお一方保育所の整備状況でございますけれども、現在全国で約一万二千の保育所がございまして、その定数が約百万。したがいましてその差の約五十万の保育に欠ける児童がなお家庭に残っているという状況でございます。
#202
○竹田四郎君 それで保育のほうはどういう――保育年限というか、どういうお考えでおやりになっておりますか。たとえば二年保育だとか、あるいは乳幼児保育というものはどういう考えでおやりになっているのか。人数はいま五十万くらいあるというのですが、これが一年保育の場合の必要施設数と、二年保育、あるいはそういう保育の年数によってかなり違っておりますし、それから保育だからといって一つの施設に何人もの子供をほうりこんでやるということも、これはいろいろ問題があろうと思います。一つの保育施設で大体どのくらいの人数が一番適当と考えておられるか、その辺を御答弁をいただきたい。
#203
○説明員(鈴木猛君) 御質問の、まず対象児童でございますけれども、学齢前の保育に欠ける児童、これを保育所に入れさせる措置を市町村がする、こういうしかけでございまして、現実には従来の保育所の実態から見まして、乳児を除いた一歳以上六歳くらいまでの児童が大半を占めているわけでございます。なお最近、特に乳児をかかえた母親が勤めに出るというようなケースも非常に多うございまして、そういう意味での乳児保育の保育所を設置するようにという要望が非常に高まっております。厚生省といたしましては、この問題につきましては、非常に片や児童の養育面から見まして、言うなればそういう乳飲み子を母親以外の者が育てるということが非常に児童の養育というか、精神衛生上問題がある面もありまして、この点については中央児童福祉審議会の中に専門の委員会を設けて、そこで慎重に検討を続けてまいったのであります。その結果一定年月以上の乳児については、国で保育するといいますか、保育所で親にかわって保育するということもやむを得ない、こういうような答申が出まして、その線に沿いまして、四十四年度におきましてはとりあえば約四百人の乳児、施設数にいたしまして約三十三カ所の保育所におきまして、そういった乳児保育を重点的に実施をする。また何ぶんにも幼児でございますので、これには相当な人手も要るわけでございまして、そういう意味で、これらの点については措置費を一般の施設よりも手厚く見るというような対策を講じたわけでございます。
 なお、この施設の、保育所の適正規模と申しますか、でございますけれども、これにつきましては、六十人以上の保育所につきまして認可を行なっておりますけれども、四十三年度、昨年度から特に都会地等におきましていわゆる無認可保育所というのが発生をいたしております。こういうものを解消する方法といたしまして、いわゆる小規模保育所と申しまして、定員三十人から六十人までの保育所につきましては、この無認可保育所の解消策ということともからみまして百カ所、本年度は百五十カ所につきまして国が措置費を見るというような方策を講じているところでございます。
#204
○竹田四郎君 自治省のほうにお伺いしますが、この算定基礎の二〇ページですか、「標準団体における職員配置」こう書いてありますが、そこに児童福祉費の細節(5)児童福祉施設費、これは大体保育所というふうに見てよろしいですか、どうですか。
#205
○説明員(横手正君) これは児童施設関係だけでございまして、保育所は別途この関係の職員は例の国庫補助単価、このうちの積算の中に入っております。これの裏負担を別途措置費で見ておる、こういう形のものになっております。
#206
○竹田四郎君 そうしますと、いわゆる公立の保育所というのは、全部措置費だけでやるわけじゃないわけでしょう。若干補助金で、措置費で足りない分、これは措置費が非常に低いということで、だいぶ各市町村長さんから超過負担の解消の項目に一つあげられておりますね。公立の保育所というのは大体交付税の中では考えていかない――幾らかどこかで考えているわけですか。それは具体的にどのくらいのものをどう考えているのですか。ここでちょっとわかりませんから教えてください。
#207
○説明員(横手正君) 保育所の関係につきましては、標準団体、この場合人口十万を想定いたしておりますが、この中で保育措置をしております児童数は四十四年度は千三十人ほど、前年度は九百二、三十人じゃなかったかと思います。今年度は少しふやしております。その対象児童の措置費の裏負担分を交付税で見る、こういう仕組みにしております。
#208
○竹田四郎君 そうしますと、その公立の保育所の大体の標準団体における標準的な規模とか定員数とか、そういうものは考えておられないわけですか、ある程度考えておられるのですか。
#209
○説明員(横手正君) 交付税上、ただいま申しましたように、大体措置対象児童を、こまかくいえば千三十一名でございますが、これを想定いたしております。したがいまして、保育所の個所数あるいは一所当たりの児童数、こうしたものにつきましては、別段はっきりした想定はいたしておりません。
  〔委員長退席、理事吉武恵市君着席〕
#210
○竹田四郎君 先ほど厚生省の方が言われましたように、都市では婦人労働力という形で就労している、それから農村ではいわゆる三ちゃん農業というような形で、これも婦人労働力というものが非常に必要なわけですね。そうしますと、いまの自治省のお考え方でいきますと、もちろん具体的な指導はおやりになっているだろうと思うのですが、あまり公立の保育所ということについてはどうも受ける感じですがね、感じで恐縮なんですが、どうもあまり重点を置いていない。まあできたら民間のほうがやれればそれのほうにまかしてやっていこうと、市町村はあまりそんなやっかいなものに手を出すなという感じを受けるわけですが、これはどういうふうに自治省としてはお考えになっておるか。おそらく厚生省のほうでは先ほどの御説明の中でも相当保育所というものはやっていくべきだということであろうと思いますが、それに対応する自治省のほうのお考え方が、どうもちょっと消極的な感じを私は受けるんですが、その辺については自治省はどうお考えなんでしょうか。
#211
○説明員(横手正君) 保育所関係経費につきましては、実は標準団体におきましては公立のほかに私立の保育所もございます。公私立合わせまして、現在の想定は収容率がおおむね七二%程度、こういう想定を行なっております。四十四年度におきましては実はこの収容率の七二%、昭和五十年度末には公私立合わせまして一〇〇%に達するように。この場合公私立の割合は現状の割合を考えておりますが、そういうことを考えまして、投資的経費におきましては標準団体、いわゆる十万市、人口十万の市のベースで申し上げますと、一年に一カ所の保育所の新設が必要になるんだということになりますので、それに要する経費を積算するというような積極的なかまえで取っ組んでおるわけでございます。
#212
○竹田四郎君 公私立の割合、おっしゃらなかったように、私はあるいは聞き漏らしたのかもしれませんが、公私立の割合というのは十万都市でどう考えておられるわけですか。
#213
○説明員(横手正君) 実は全国平均で申し上げますと、おおむね六対四、こういうような比率になるかと思います。
#214
○竹田四郎君 そうしますと、厚生省の方に伺いますが、規模は自治省は大体何名規模を考えていまの一カ所の保育所をお考えになっているかわかりませんけれども、たとえば一般的には、私とも聞いているのは八十人ぐらいというのがかなり普通の保育所だと、こういうように聞いておりますが、八十人ぐらいの保育所で、大体職員の配置はどのぐらいを基準にしていらっしゃいますか。
#215
○説明員(鈴木猛君) 保育所におきまして児童の保育に当たる職員の担当数と申しますか、この数はそれぞれ年齢によりまして若干の違いがあるわけでございます。
  〔理事吉武恵市君退席、委員長着席〕
たとえば四歳児以上が三十人に一人、それから三歳児、ちょうど三歳児でございますが、子供二十人に一人、それから三歳未満児につきましては子供六人に一人、このように職員の定数がきめられておるわけでございまして、ただいま御質問のありましたほぼ八十人規模の保育所につきましては、所長一名、保母三名、雇用人二名というのが大体標準的な職員数になるんではなかろうかと思います。
#216
○竹田四郎君 自治省のほうでも大体この数字でお考えになっているのですかどうなんですか、職員の配置というのは。
#217
○説明員(横手正君) 交付税上の措置といたしましては、国の措置児童一人当たりの予算単価、これを使うことにいたしておりますので、国の想定どおりの職員が見込まれる、こういう形になっております。
#218
○竹田四郎君 見込まれる、数字的に見込まれるということじゃなくて、具体的に公立保育所の職員の配置、職員定数ですね、職員定数というのか何かよくわからぬのですが、要するに一つの保育所を、八十名なら八十名の保育所に対してどれくらいの人員を配置しろという基準が自治省にもあるはずだろうと思うのですが、そういう形は考えていないわけですか、全然、財政的な裏づけとして。
#219
○説明員(横手正君) この職員の基準につきましては、厚生省のほうで措置児童の人数に応じまして一応基準が設けられてございます。そうした基準をもとにされて国の負担金の単価の基礎が算定されております。その策定されました単価をそのまま地方交付税上は用いております。したがいまして、国と同じ基準によって算定されておる、こういう結果になってまいるわけでございます。
#220
○竹田四郎君 実は、公立の保育所の中にいまはおそらく乳幼児の保育をやるところがかなり実際問題あるわけですね。何とか乳幼児を扱ってくれということでいまおやりになっているわけですが、どうもそのことまで考えてみますと、各所の保育所へ行って、どうも人手不足だとか、あるいは保母の資格のない人がかなり多いとか、こういう問題がかなり実はあるわけですね。いまのお話でいきますと、五十年までに一〇〇%にして十万人規模で一年一カ所ずつ新設をしていくと、こういう自治省のほうの方針だというのですが、この点私はまあ三つ子の魂百までと昔からよく言われたし、現在の子供の性格というのは大体三歳までにでき上がってしまうのだと、こういうことがかなり一般学者から言われているわけです。そうしますと、いまこの五十年度までで一〇〇%にする、一年一カ所で新設をしていくということになりますと、実際はずれた子供、こうした子供というのは私はたいへん危険な状態にあるのではないか、ほかの、米ならば味が落ちる程度でいいわけですが、子供というのは毎日毎日が成長をして、しかもその人格を形成しつつあるわけです。この辺非常に保育所行政というものが、自治省の顔はたいへん消極的だとこう言わざるを得ないと思うのですが、どうですか。その収容しきれない子供というものは一体どう考えるのですか。一番困るのは、私は季節の保育所、特に農村あたりにおけるところ非常に忙しい農繁期の保育所、こういうのはやはり余分に手当てをしないと、生命を失ったりいろいろなことが起きるわけです。こういう問題について、私はもう少し自治省が積極的になっていいんじゃないか、こういうふうに思うのですが、これはむしろ次官に実はお聞きをしたいことだろうと思いますが、先ほどの進捗率でいきますとたいへんおそいように思うのですが、おそらく皆さんがお考え以上にこれからの婦人労働というのは就労していくということが考えられると思うのです。これじゃどうもちょっと私は非常に心配なんですが、もう少しこれは自治省として市町村に公立保育所を、これはもちろん公立保育所が中心にならなければいけない問題だと思うのです。いずれにしても完全な保育所というものをもっとつくっていく、こういうことをひとつ大きく旗を振ってもらわなければいけない。旗を振る以上は、国の補助金もありますけれども、どうしても裏補助に対する手当てをお願いしていかなければいけないと思いますが、こういう状態で子供がいつまでも放置されるということは、新聞種になるのが関の山で、いいことはない、こう思うのですが、次官どうでしょうか。
#221
○説明員(横手正君) 先ほど五十年度末までに一〇〇%目標で、こういうことを申し上げました。これは実は保育所施設の建設経費につきましてそういう意気込みで見ておる、こういうことを申し上げたわけなんでございます。保育所の施設につきましては、御承知のようにこれは国から負担金が出ております。したがいまして、本来であるならば交付税上の措置もその裏負担見合いのみを措置していけばいいかもわかりません。ただ現状では、ここ数年来の収容率の推移、こういうものを考えました場合、それでは多少不十分ではないかというようなこともございまして、かなり積極的に収容率の引き上げを目標としながら経費の算入を考えてまいったわけでございます。したがいまして、これは一つには厚生省のほうの目標数字、これらもにらみ合わせながら私どものほうで市町村の財源措置をしてまいる、こういうたてまえで考えていくべきものかと、かように考えるわけでございます。
#222
○政府委員(砂田重民君) いま交付税課長からもお答えをいたしましたけれども、保育所行政を拡充していくという点については、自治省といたしましてはやはり相当熱意を持っておりまして、そううしろ向きでおるつもりは毛頭ございません。これからも労働需給の問題等考慮いたしまして、先生の御意見当然のことである、私どもも同じ見解に立っております。ただ、交付税課長がいま述べましたが、要保育児童というものをどういうふうにつかんでいくか、そういう労働需給をからめての政策の立案と申しますか、そういうこまかい数字の算定等はやはり厚生省にお願いをいたしまして、厚生省がきめていかれる基準に従って、私どもで補助金の裏負担等の交付税措置をしている、そういう大筋でございますので、ひとつ厚生省を先生方からも御激励いただきまして、私ども当然それについては熱意を持っておりますので、保育所行政のより一そうの拡充を、私からそういう申し方をするとおしかりを受けるかもしりませんけれども、まず厚生省の政策立案がもっと拡充されていくような御激励をいただきたい、このように考えます。
#223
○竹田四郎君 たいへんここは厚生省に責任を転嫁しているようですが、実際それじゃ公立保育園をつくる場合の土地代金ですね。土地代金は一体どうなっているわけですか。これはどこが見ることになっているのですか。これはどちらからでもけっこうですが、お答えいただきたい。
#224
○説明員(鈴木猛君) 保育所を建てます場合の土地購入費につきましては、厚生省といたしましては補助金の対象にはいたしておらないのでございます。ただ、国民年金等のいわゆる還元融資等でいろいろ配慮をしていただいている、こういうふうなことでございます。
#225
○竹田四郎君 建物のほうはどのくらいの補助でございますか。
#226
○説明員(鈴木猛君) 保育所の建設費につきましては、国が四十三年度におきましては百万円の一律補助でございます。なおこれにつきましては、従来からその金額を引き上げるという点に非常に強い御要望がございまして、逐年努力をしているところでございます。たとえばいま申し上げました四十三年以前におきまして、四十二年度におきましては定員九十人以下のものについて七十万、九十人以上について百万というようなことでございますけれども、四十三年度一律百万ということに引き上げをいたしました。また本年度、四十四年度におきましても、この額を、九十人以上の定員のものについては百五十万程度に引き上げるというふうに検討をしておるところでございます。
#227
○竹田四郎君 これはほんとうに驚くべき私は事態であろうと思うんですね。少なくとも八十人の子供を収容する保育所に対してたった百万円しか国から出ない。土地については何ら国では見ない、せいぜい還元融資、これもそう使えるとは私は思いません。こうしてみますと、結局国自体が百万円くらいの補助で保育園を一つつくらせる、土地はめんどう見ないというのは、もう国全体が私は悪いと思います。しかし、国がやらないから、それでは地方自治体はやらないでよい、自治省はそれについて何ら言わなくてよい、こういうことには私は相ならぬと思うんです。幾らつくりたくても、幾ら要求があっても、土地代は何ら見てくれない、建設費もせいぜい一割あるかなしだと私は思うんですよ。これでは公立の保育園というのはできていくわけはないと思うんですね。これはいまの一番大きな悩みの一つだろうと思うんです。保育所設置運動というのは、そういう意味でも非常に大きな運動にならざるを得ない。ただ、それは厚生省がもう少しがんばってくれればいいというだけの問題では私はないと思います。保育の仕事というのは、私は市町村の一番大きな仕事のうちの一つである、こういうふうに思うんですよ。だから厚生省のほうが何もしないから自治省は知らないよ、厚生省を激励してくれればそれでいいんだというのはどうも話のつじつまが合わないようですけれども、どうですか。
#228
○政府委員(砂田重民君) 先ほど私がお答えいたしましたのは、厚生省だけを激励してやるということを申し上げたのではないのでありまして、自治省も熱意を持っておりますが、まずこれのスタートは厚生省の保育所行政の政策立案ではないか、このように申したわけでございます。先ほども申し上げましたように、保育所行政を拡充しなければいけないということは、私どもお互いに選挙をやる身になってみれば、地域社会住民の立場からは非常に当然の要求でございますから、そういう意味合いから自治省が熱意を持っていないではないかというお話でございますが、熱意を持っておるということを申し上げたわけでございます。四十四年度にいたしております措置だけで十分とは毛頭考えておりませんが、これから拡充改善の方向に努力をいたします。
#229
○説明員(鈴木猛君) ただいま設備費の補助金が非常に低いというおしかりをいただいたわけでございますが、厚生省の立場からいたしますと、保育所の新設に対する要望が非常に多いわけでございまして、これにつきまして、高額で数少なくやるか、あるいはきめられた予算の中で広く浅くやるかということでございますけれども、従来の方針としては、むしろ後者といいますか、そういう形でまいったわけでございます。ただ、保育所の設備補助金の増額につきましては、先ほど申し上げましたように逐年努力をいたしております。また、保育所の設備につきましても、近く社会福祉施設全般を通じまして、これらの整備計画というものを検討中でございます。その計画の内容といたしましても、保育所については一つの大きな問題として補助額の引き上げということの年次計画をもってやっていこう、こういうふうな積極的な熱意を持って進めておるのでございます。
#230
○竹田四郎君 そういうようなお話を聞いておりますと、単位費用の算定基礎なんというのは、わざわざ投資的経費と経常経費に分けて、これは投資的経費に使いなさいといったところで、人口十万で、測定単位が人口で、単位費用が四十六円でございますね、四百六十万円ですね、財政需要額の計算の基礎になるものは。現実にはできないわけですね。そういう意味で、私はこれ実際空虚な数字だと、全然空虚な数字だと思う。建物だけで一千万円かかるんですから、それに土地代を含めて考えていきますと、こんな費用では足りないわけですね。それでさっきのお話では、十万単位で一年に一カ所ずつ新設をしていく。もう何というんですか、でたらめな数字を並べてある。どんなに考えたって四百六十万円で一つの保育所ができるわけはない。これだけ補助するという意味じゃないんですね。基準財政需要に算定するわけですね、その算定の単位費用ですね、これできっこないですか。全く空虚な数字を並べてあるというふうに私は受け取れるんですが、どうですか。
#231
○政府委員(細郷道一君) 保育所の施設費の補助金のあり方については、御議論のあるとおりでございます。絶えず私ども厚生省とも相談をいたしておりまして、これをもっと妥当なものにすべきじゃないかということを絶えず申し入れをし、厚生省も努力をしておるようでございますが、まだ結果が十分とは私は思っておりません。現実問題としましては、その補助の裏打ちになります計算分の地方負担は交付税において十分見ております。現実にそれでは建たないという点につきましては、政府資金による地方債によってこれをやっております。
#232
○竹田四郎君 それはこの単位費用、投資的経費が全部保育園だというわけじゃないのですね。ほかのほうも全部入って人口当たり四十六円ということで、実際保育所に行く金額というのはさらにさらに少なくなるわけです。そういうことになるわけです、計算上。大体一保育所をつくるのに政府資金の地方債というのはどのくらい見てやっているわけですか、全体。
#233
○政府委員(細郷道一君) 地方債は大体必要額の七割を見ております。
#234
○竹田四郎君 七割というのは土地を含めて。
#235
○政府委員(細郷道一君) 土地については実は多少問題が残っておりまして、土地を見るべきかどうかということについて、まだ結論を得ておりません。
#236
○竹田四郎君 これは小学校、中学校においても、用地取得というのは都市周辺ではたいへん問題なんであります。ことしは小学校ですか、この用地費については起債で見ていく、こういうことになったわけですね。そうしますと、この保育所については七割しか見てないわけですから、これは建物については、まあ一般財源で何とかやれるということもありますが、土地については全然見てないということになると、これは私は保育所を幾ら積極的につくれといっても、実際その裏打ちの金がないというと、これはなかなか困難じゃないか。もしその金があるということになれば、おそらくそれは小学校あたりのほうに当然先に行く問題になる。そうすると、最近特に幼児教育の必要が強く叫ばれている。こういう一番大事な時期であります幼児に対し、放置されざるを得ない。こういうことに必然的にならざるを得ないのではないか。何らかこの際、土地についても私は手当てをすべきではないか。どうですか。
#237
○政府委員(細郷道一君) いずれ厚生省のほうからもお考えの御披露があろうかと思いますが、保育所というものについて、おっしゃるようにいろいろ問題があることは私も十分承知をいたしております。地方団体が現実に非常に苦労をいたしておることは承知をいたしておりますが、われわれもこの際、地方団体の実際の要望にすぐそのままこたえることが保育所行政の将来のためにいいのかどうか。やはりもう少し根本に返って、本来の姿についてもう少し考えていただく必要があるのではなかろうかというような、実は疑問も率直に言って持っておるわけでございまして、そういう意味合いから、いま御指摘のありましたような不徹底の面が多少あろうかと思っておりますが、保育所行政自体は、実はこれは主管ではございませんから、あまり責任を持って申し上げるわけにいきませんが、横からながめておりまして、何か考え直すべき時期にきておるのじゃないか、御承知のように、保育所は純粋な託児所でいくのか、児童福祉法によります措置児童収容のための保育所という考え方でいくのかといったようなところに実は根本があるのじゃなかろうかと思っております。いままでは、御承知のように児童福祉法の措置児童のための保育所という観念できておるわけでございまして、そういう考えでございますと、いままでのような非常に狭い考え方になる。しかしもっと広い立場で実際的にものを見ていくと、必ずしも児童福祉法による保育所ではどうもうまくいかないのじゃないか、そこらのところの問題があるものでありますから、私どももよく研究をいたしますが、関係の省庁においても十分検討をいただきたいということを実は毎年繰り返しておる実態でございます。なおよく研究を続けてみなければならぬと思っております。
#238
○説明員(鈴木猛君) 保育所の実態という面からいろいろ考えますと、いままで財政局長からお話がありましたように、一部の町村等におきましてその運営が、はっきりしたことばで申し上げれば幼稚園がわり、本来の児童福祉の施設としての範囲から逸脱している。われわれがよく申しますけれども、全村保育と申しますか、本来ならば幼稚園を設置してそこへ通わすような児童が措置児童として入所している、こういうような実態もかなりあるわけであります。そういう実態につきましては、厚生省としてもただすべきものはただす。また、こういった農村とは別に、都市部におきましては非常に人口が過密化をして、働く婦人も多い。そういうところの児童の利用度も高いということでありまして、今後の保育行政というか、保育所設置の進め方といたしましては、それぞれそういうような実態に即して保育所を設置するというようにしなければならぬと考えております。
#239
○竹田四郎君 どうもいずれも歯切れの悪い御答弁で、あまり満足できないわけですが、あまり時間もいただくわけにいきませんが、子供というのはあなた方が検討している間も生きているのですね。死んでいるわけではないですから、これは早く私は結論を出してもらわないと、これはほんとうに何も政治的な発言もできない子供がおとなの犠牲になっている。行政の犠牲になっている。こう言えば政府の方々はあまりいい顔をされないと思いますが、まさに私はそういう意味では政治の犠牲になっている、こういうふうに言って私は過言ではないと思います。そういう意味では、私はあまり申し上げる勇気もすっかりなくなってしまったわけですけれども、ひとつ早急に結論を出していただいて、とにかく生きている子供たち、これに対してはっきりとした施策というものを打ち出していかなければ私はいけないと思うのです。これがおとなの責任だと思うのです。そういう意味ではいろいろ議論があるところだと思いますが、ひとつ早急に結論を出して、また来年もこういうようなわけのわからぬ御答弁をいただかなくちゃならないというような事態は解消していただきたい。これは特にここでは政務次官が、そういう意味では非常に強い発言権を持っているわけでありますが、そういう私の希望に対して政務次官からお答えをいただきたい。
#240
○政府委員(砂田重民君) これはむずかしい問題ではありますけれども、先生おっしゃった、おとなの立場で早急に考えなければならない、これはごもっともであろうと思います。児童福祉法による措置児童という考え方でいままできていた行政の立場でございますから、財政措置も、したがって先生がたいへん御不満であるようなそういう行政の仕組みに乗った財政、いわばむしろ国の問題よりは地方問題というようなところに考えられていた。しかし、先ほど冒頭先生がおっしゃったような労働需給の問題でありますとか、都会においても、過疎地帯においても、こういうことがすべて起こってきているんじゃないか、そういう一つの変革を考えました場合には、まさに地方問題というふうなことで割り切っていいかどうか、これは問題であると思います。やはりもう少し国の立場で当然考えなければならない、当然そういう時代にきておりますので、できるだけ早い時期に、そういう行政の意識的な変革が財政の上にも出てまいりますので、格段の努力をいたしたいと思います。
#241
○和田静夫君 文部省お見えになったようですから、さっきも申したのですが、学校用務員は交付税上では一校二名の配置基準になっておりますが、職務内容は学校ごとにばらばらでありますし、学校用務員を配置していない学校も散見をされます。学校用務員の職務はどういうものでしょうか。
#242
○説明員(別府哲君) 御説明申し上げます。
 通常学校で用務員と呼ばれております職員、これは学校によりましては校務員さんと呼ばれている場合もございますが、戦前は小使いさんという名前で親しまれておりましたが、学校における施設などの清掃でございますとか、あるいは関係機関との連絡その他校内における諸事一般を校長並びに教職員の指揮のもとに処理している、そのような職務内容を持っているというふうに考えております。
#243
○和田静夫君 いわゆる学校の管理運営に伴うところの補助作業及び雑務というような形で、まとめて言えばそういうことになりますか。
#244
○説明員(別府哲君) 管理ということばが適切かどうかわかりませんが、大体先生のおっしゃるようなことでよかろうかと思います。
#245
○和田静夫君 そうしますと、学校の運営に伴う恒常的な作業というのは、正規職員をもって充てるのが当然であると思うのですが、いかがですか。
#246
○説明員(別府哲君) 原則的には、教育関係は別といたしまして、その他学校で行なっております事務的なもの、あるいはさらに先ほど来御説明申し上げております運営に必要な一切の仕事というものは、いわゆる一般職に属する職員というものがこれを処理するのが通常の形ではなかろうかと思います。
#247
○和田静夫君 そうしますと、さっきのに戻るのですが、労働省の関係で、広島では失対事業として失対労務者に次のような作業をさせていることが、「広島市失業対策事業の概要」や、あるいは「「ひろしま」の失業対策事業」というこういう一連の説明書を見ますと明らかなんです。すなわち、校庭、運動場の清掃、除草のほか、児童の登下校時の安全誘導、子供の遊び場の管理、外来者の案内、プールの監視員補助、花園栽培、図書館補助、来客の応接、電話の受付など、これらの作業は、いま文部省に確認をしましたように、用務員あるいは学校事務職員の職務と考えられますが、いかがですか。
#248
○説明員(関英夫君) 用務員なり、あるいは職員なりの本来の職務の中にどこまで入るかということになりますと、非常にむずかしい問題がいろいろあるんじゃないかと思います。で、用務員といえば本来するところの仕事がいろいろある、とても草むしりまでは手が回らないという場合には、一方に失業者があり、その失業者を吸収して何らかの事業をやっていかなければならない。それで、昔は御承知のように屋外土木作業が多かったわけであります。ところが年々失対事業の就労者が高齢化してくる。そうしますと、そういった老人を炎天下の屋外土木作業に使用することがはたして適当であろうかどうであろうか、こういう問題になりまして、私どもとしまして高齢者に向いた、高齢者の健康その他も十分配慮した失業対策事業をやってまいりたい、こう考えますと、
  〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕
まあ本来の仕事というものからすれば非常に区分はあいまいでございますが、サービスを向上することに役立つような、本来の仕事の補助的なようなそういった業務に老齢者についていただいて、いままでのような屋外土木作業よりも安全に健康にこの失業対策事業に就労していただくと、こういうことから第三種事業を配慮したわけでございます。しかしながら、それが本来の職務であるべき部分を相当侵す、ひいては地方の自治体の職員の仕事を奪ってしまうとか、あるいはその職員の何というのですか、定数そのものに影響を与えるというようなことになっては好ましくないと思います。先生の御懸念もそういうところにあるのじゃないかと思いまして、私どもとしてはそういうことは十分注意していきたい、こういうふうに思います。
#249
○和田静夫君 減員なんかが現実の問題として起こる。起こっているんですよね。その辺をやっぱり十分考え合わせていかないと、私は容易ならざることになる、そう思うのです。本来学校用務員が行なうべき作業を低賃金の失対労務者に代行させるという場合に、もう一つは賃金、労働条件に大きな格差を生じて、学校用務員の待遇改善を阻害をする結果になる。で、このことも労働省がお考えになるいわゆる配慮等の逆現象として生まれてくる。また、現実そういう阻害状態にある。その辺もやっぱり十分注意していかなければならない、こう思います。したがって、総括的に言ってしまえば、何もこの仕事をされることを排除しようなんという気持ちは私ども一つもないわけですから、言ってしまえば、いままで述べてきたような作業なり仕事の内容というものは、本来的には一般職の職員をもって充てるべききである。もし自治体の職員が不足をしていて仕事が消化できないのであったならば、定数内職員として身分、労働条件を明確にすべきである、そう考えるのであります。そういう意味で文部省、自治省は職員の身分、労働条件を安定をさせるように将来に向かって努力をされるおつもりがありますか。
#250
○説明員(別府哲君) 文部省では、学校教育の円滑な運営ということを考えるにあたっては、教員組織というものを十分に整備ということはもちろん必要なことでございますけれども、学校は教員だけで成り立つものではございません。事務職員あるいは給食の調理員、用務員その他もろもろの職員が十分に配置されて初めて学校としての機能が十分に働けるものでございますので、従来からもいろいろな意味においてその職員組織の整備と申しますか、そしてそこに働く職員の待遇の改善といったようなものに努力してまいっておりますし、また、今後とも先生のおっしゃるような意味において努力を重ねてまいりたい、このように考えております。
#251
○政府委員(細郷道一君) やはり労働力市場の時代の動きというものを考えなければいけないかと思うのでございまして、一がいに本来あるべき姿ばかりを固執しておったのでは、人手の不足も起きてみたり、また反面、先ほど労働省からも御説明がありましたように、失業対策事業――失対事業の対象者の年齢が非常に上がってきておって、なかなか従来考えられておりました重労働といったようなものにも適しなくなってきておるというふうなことも起こってまいるだろうと思いますし、またそういう意味合いにおいて、学校業務の本筋をそれない範囲においては私はやはり弾力的に考えていってもいいのじゃなかろうか、かように考えます。
#252
○和田静夫君 やっぱり労働市場の推移等を考えていった場合に、とにかくきょう地方交付税を審議している過程で明らかになったことは、たとえば明治以来労働市場は売り手市場に初めて変わりつつある。中高年齢以上のいわゆる労働対策というものはたいへん重要な段階を――ある意味でわれわれと逆に日本資本主義をささえる意味からも十分考えなければならぬときに来ている。そうすると、次官、地方交付税法の審議からいけば、いま文部省、労働省、そして自治省の答弁を総括しても、自治省がお出しになっている定年制法案というのは全く話にならぬ法律案であるということが交付税法の審議の上でも明確になったと思うのですよ。ひとつ、きょうの委員会が終わりましたら、次官、大臣とお話しになって、勇敢にああいう悪い法律は取り下げる、こういう措置をやってもらう。あれがある以上は交付税法通らぬで困るというくらいのことをひとつやっぱり考えなければいかぬと思うのです。何も延引をさせるために言うのじゃなくて、本質的な論議をしていったら結果的にそこへ行ってしまったということを十分にお考えになっていただきたいと思うのです。地方交付税法の一部を改正する法律案要綱一の(一)は「普通交付税の算定に用いる基準財政需要額の内容について経常経費および投資的経費の区分を明確化し、とくに投資的経費については動態的な算定を強化する等基準財政需要額の算定方法の合理化をはかること。」となっていますが、その内容は単位費用が積算面と補正面との両方に分かれるようであります。まず単位費用積算方法改定としての計画的事業費算入方式を取り上げ、それから全般的に補正の問題にあと残された時間入っていきたいと思います。
 で、いわゆる投資的経費を算定するにあたって、減価償却費算入方式をやめて、これを計画的事業費算入方式に全面的に切りかえた理由というものをまずお示し願いたいと思います。
#253
○説明員(横手正君) 従来、投資的経費の算定にあたりましては、減価償却費算入方式というような方式をとっておったわけでございます。ただ、この方式を用いてまいりますと、たとえば小学校の校舎を木造の校舎で想定いたしました場合、その想定に基づきまして単位費用を算定しました場合よりも、施設の近代化をはかりまして鉄筋の校舎に想定を変えました場合、鉄筋校舎の場合には償却年数が長くなりますので、単位費用が逆に落ち込むといったような不合理が見られたわけでございます。いま一例を申し上げましたが、こうした不合理を是正するために事業費算入方式というような行き方を考えたわけでございます。
#254
○和田静夫君 「自治研究」の四十二年九月号で、横手さん、あなた自身が「一般的にみて地域的に普遍性に乏しく、時間的に連続性がみられない投資的経費に係る財政需要を、客観的な数値との結び付きにおいて測定することは、本来的に大きな困難があるのである。」と述べておられる。この投資的経費算定上本来的に大きな困難があったのは一昨年九月の段階までのことであって――これは九月号ですから、現在ではそれは取り除かれたということですか。
#255
○説明員(横手正君) 現在でも技術上の困難性が残っております。あすこで申し上げましたことは、実は、たとえば港湾費、これを例にとりますと、港湾施設のありますような市町村が港湾の建設を行ないます場合、その事業費は現行の交付税の仕組みでは楽に算入できるたてまえになっております。ところが、港湾施設のないようなところで新たに港湾事業を行なうというような場合には、測定単位の数値がないのでございますので、これは事業費の算入はできない、こうした不合理がございます。そこで、本来的には技術上の困難性がいまだ残っておるということは言えると思います。ただ、その後の改善の方法といたしましては、
  [理事熊谷太三郎君退席、委員長着席]
 各地方団体の各事業費ごとに事業の必要度と申しますものを、今後にかけての事業の必要度、こうしたものを各種の客観的な指標からとらえてまいる、こういうような改善の努力を積み重ねております。したがいまして、徐々にではございますが、改善の方向へ向かっておるということは言えようかと思います。
#256
○和田静夫君 投資的経費にかかるその財政需要を客観的な数値との結びつきにおいて測定することが本来的に困難な問題であるならば、そこに一定の妥協が起こってくる――あってもやむを得ない、私もそう思うのです。しかし、その妥協というのは、地方交付税の地方交付税たるゆえであるところの一般財源としての性格をそこなうものであってはこれは決していけないと思うのです。そういう立場に立って考えてみますと、国の各種の長期計画に基づく公共事業費に全面的にリンクさせようという今回の改正というのは、どうも基本的な問題があるように考えられてしかたがありません。地方交付税の一般財源という性格をほんとうに大事にするのであったならば、当初に一定水準の施設または設備の存在を想定をして、その減価償却費を単位費用または補正係数の積算に算入する方式はあくまで基本に据えて、実情に合わない点というのは地方交付税制度外の措置、たとえば地方債で措置するといったほうが正しいのではないかと思われるのです。地方交付税制度を論ずるにあたって、特に投資的経費算定上の諸問題を論ずるにあたってなおさらでありますが、自治省関係者はかねてから、地方財政における地方交付税制度と地方債制度との関連性及びその果たす機能について根本的な論議を行なうことが必要であり、その理論を確立すべき時期に来ていることを実は認められているのですね。それで、それを認められながら、何ら根本的な論議を行なうことなくして、この現実処理にずるずると追われる形でどうも制度改定をやってきてしまっている。地方財政が転機に立っているということを強調されるのですが、地方財政が転機に立っているなどというのは全くことば以上の意味を持っておらない。こういうような現実処理的な制度改定をやっていると、そういうふうに思われてしかたがありませんが、いかがですか。
#257
○政府委員(細郷道一君) ちょっと御質問のねらいがはっきりしませんが、私どもの考え方を申し上げたいと思います。
 一つは、地方交付税がどういう機能を持っているかということでございます。私どもは、各地方団体に行政水準の一定のものを保障するために交付税制度というものが運用されるのが本筋であろう、こう考えております。そこで、その一定の水準を保障するということは、一番端的に言えば、たとえば道路については完全舗装という姿を規定して、それに必要な財源を全地方団体に保障するということが一番極限として考えられます。しかし、それでは国民の租税負担が私はついていけないのではないか。国民が幾らでも出しますと、完全な姿の行政水準までお金を出しますということであれば、そういう姿ができると思います。そうなってまいりますと、一〇〇%ということは譲って、実際的な角度でどの程度がいいかということになろうかと思います。その場合に、国においては、いろいろな国費、地方債を通じまして長期計画をつくっておりますので、その長期計画をまず実行することが大事ではなかろうかと、こういう考え方に立っておるのでございます。長期計画幾つもございますが、その中には、年次割りで見てまいりますと、おくれているのもございます。そういうものは、私どものほうは今回それを取り返すべく努力をいたしております。
 それから第二に、交付税制度と地方債制度のあり方の問題でございます。これは、いま申し上げましたように、完全に舗装された、一〇〇%舗装された財源措置の姿で交付税制度が運用されるなら、私は地方債は通例要らないと思います。しかし、現実にはそういっていない。各地方団体の格差は非常にアンバランスがある。そういうところから、地方債制度というものもこれに補助的に使わるべきであるという考え方に立って私どもは運営をいたしております。
 それからさらに、地方債をどういう事業に充てるべきかといいますと、私どもはやはり、地方債というものは財政規模の小さい団体においては不可欠のものでないかと、こう考えております。したがいまして、地方債というのは、国は国債を出さないで済ますこともできますが、地方の場合には地方債をゼロにすることは私は現実的に不可能であろうと思います。先ほど申し上げましたように、一般財源がたっぷりあればこれは別問題でございますが、そうでない限りはそれが必要であろうと思う。そこで、いままで地方債につきましては、公共事業の裏負担というものについてかなりの地方債をさいておりました。しかし、これはむしろ一般財源によって措置をすべきである。地方団体の単独の事業について地方債を認めていく、そのほうが地方団体それぞれの創意や特徴を生かす上に有効である、こういう考え方でございます。そっちのほうにウエートを置くべきだろう、こう考えまして、ここ数年は地方債の総ワクは少しずつ伸ばしておりますが、その中の配分はそういう配分を実はいたしております。そういうことから、公共事業の裏負担の地方債はこれを落としてまいりますので、その分を一般財源で見ていくためにはどういう方法があるかというので事業費補正というのを導入いたしておるわけでございます。そんなような考え方でやっておりますので、地方交付税制度というものが、理想の姿においては一〇〇%の水準が確保できるという状態を私ども望んでおるわけでございますが、現実に租税負担がそれを許しません。そこで、いまの段階においては、どういう方法が各地方団体間の格差の是正をしながらこれを財源措置をしていけるかというような考え方に立って、いろいろとくふうをしているつもりでございます。
#258
○和田静夫君 そこで、局長は、四月十七日の衆議院の地方行政委員会で、社会党の細谷委員の「動態的に把握するという具体的な内容はどういう方向ですか。」という質問に対して、「投資的経費は人口がふえるにつれてふえていく、将来ふえていくだろうということを見通してこれを見積もっておくということが一番望ましいだろうと思います。反面、投資的経費は、同じ団体でも年々変動いたします。非常に規模が大きい団体ですとそれほどでございませんが、普通は、ことしはある施設をする、来年はまた別の施設をする、そういうことで変動もございます。したがいまして、そういう点に対応するものとして、私どもは一つは都市圏補正といったものを大幅に取り入れてまいりたい。それから人口の急増補正も従来からいたしております。これもやっていく。それから事業費補正ということもやってまいりたい。従来よりもその費目を市町村に広めまして大幅にやってまいりたい。こういう行き方を考えております。」、こう答えていらっしゃいます。つまり、この法案は、投資的経費を動態的に把握をして算定することに一つの力点が置かれている。そうして、その一環として事業費補正の拡充ということが言われている。この事業費補正について、けさほどあげた「精解地方交付税法」の二一三ページから二一四ページにかけたところにこう書いてあるのです。
 「事業費補正の今後のあり方
 事業費補正は、このように非常に問題の多い制度であり、いわばやむを得ず採用したものであるから、
 (i)その適用対象事業は、特定の地方団体のみの利益に関するものは避け、全国民の利益のために実施されるものに限るべきである。
 (ii)事業費補正の率は、これを余りに引き上げるべきではない。昭和三九年度の率は〇・五であるが、これ以上引き上げることは余程慎重にすべきである。それは、現在事業費補正の適用されている事業といえども、それは同時に当該地方団体、特にその将来に大きな利益をもたらし、その財政力を培うものであるからであって、この種の事業については或る程度地方債の充実を認め、将来期待できる税収入の増でこれを償還させることがより公平と思われるからである。
 (iii)事業費補正は本質的に問題があるのであるから、地方行政水準を急激に引き上げてゆかなければならない時期における暫定的な制度としてのみ認められるべきであって、地方行政が安定した暁には廃止すべきである。」
 そうして、現に密度補正としての事業費補正は、昭和四十一年度投資的経費にかかる基準財政需要額が地方債に振りかえられたために、一たん適用が停止されたこともありました。しかるに、四十二年度耐用補正として復活をしました。やむを得ず採用した暫定的なものであったものを、今回の法改正で一般的恒常的なものにしようとしていると言えます。そうではありませんか。
  〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕
#259
○政府委員(細郷道一君) 事業費補正についてそういう何か論文があるようでございます。議論のある点は私も認めます。しかしながら、この事業費補正という制度が、先ほど申し上げた格差是正をやりながら、年度間の変動を是正しながら、そうして各地方団体の実態をある程度充足できると、いろいろな面から見てやはりこれにもこれなりの非常な利点があるわけでございます。おそらくそのお書きになった方は、それについていろいろ御意見のあった方でありましょう。ありましょうけれども、それはあっても一向私は差しつかえないと思っております。こういう制度を運用してまいります上においては、完全無欠、だれからも指をさされないというような制度は、私はなかなかむずかしいだろうと思うのでございます。何しろ三千幾つの団体に公平に分けるためにいろいろな努力をいたしているわけでございまして、三千幾つの団体の言うことがみんなそれぞれ違うという場合も十分考えられるわけでございます。そこで、私どもはその議論をした上、長所あり、いまの時代にこれでいくのが正しいだろうという見解のもとに今回の提案をいたしております。そこにも書いてありますように、将来はと申しますのは、私が先ほど申し上げましたように、非常に地方財源がたっぷりしてと申しますか、あるいは国民の租税負担力が非常にふえて、そうして高い行政水準での一般財源の保障ができるということになりますれば、事業費補正は私はやめていいと思うんであります。
#260
○和田静夫君 やめていいと。そこで、くどいようですが、四月十八日の衆議院の地方行政委員会の議事録を見てみますと、社会党の河上委員がこう尋ねたのに対して、財政局長は、遠い将来は別として、当面の問題としては事業費補正という形で財源措置をするのだと、こう言っておられるわけですね。その遠い将来というのは一体いつごろですか。
#261
○政府委員(細郷道一君) いま申し上げたとおりでございます。
#262
○和田静夫君 そうすると、いいですか、この投資的経費の動態的な算定の強化ということは、単なる技術的な意味での算定方法の改善ではありません。細郷財政局長は、五月八日のこの地方行政委員会において、地方財政は国のレベルで年度間調整をしなければならないと感ずるほどに転機に立っているという意味のことを答弁されました。そういう意味においては、当然地方交付税制度も転機に立っている。地方交付税制度が転機に立っているということの意味においての説明は、四月十八日の衆議院地方行政委員会における細郷財政局長の発言の中にあるんです。細郷さん、あなたはこう言っていらっしゃいます。「これは日本経済の発展の結果だと思いますが、改善されることによって保障する限度がだんだん上がってきた、義務的な経費以外に投資的経費についても保障をしていこうということから、保障のほうが強く見えるようになってきた、」と述べられた。まさにこれらのことを考えてみますと、義務的な経費以外に、投資的経費についても、いままでは、あまり地方負担が多くなっては困るということで、暫定的にやむを得ず事業費補正をやってきたのだが、これからまさに地方交付税の財源保障機能が保障する、いわば制度としては例外であったものを制度の中に取り入れるという意味での投資的経費算定方法の動態化である事業費補正の拡充なのであります、私が読んで解釈する限り。したがって、細郷さんが言われた遠い将来とは、地方交付税制度がある限りと言っていいほどの意味と思いますが、いかがですか。
#263
○政府委員(細郷道一君) まあこれからの日本の経済状態がどうなるかなかなか見通しがむずかしい問題でございますし、租税負担力の問題もございましょうが、文字どおり遠い将来ということで御了解をいただきたいと思います。
#264
○和田静夫君 事業費補正は、この交付税を各省の補助事業の財源の裏打ちに動員するものである。かつまた、地方自治体を国庫補助の獲得に御存じのとおり狂奔させる原因ともなっている。細郷さんもそのことはある程度認められ、四月十八日の衆議院地方行政委員会で次のように発言されています。「補助追随というそしりがないだろうかということ、私どももそれは認めております。しかし現実には相当の補助事業があるわけでございまして、それは補助追随がけしからぬということで何もめんどうを見なければ、開発のために大きな公共事業をやろうというところには財源がないということになるわけであります。」、こう言っていらっしゃる。そういうことになりますと、まさに現実的判断といいますか、政治的判断の問題なのではないかと私は思うのです。それでは、事業費補正によって割り増し算入をする額の算出方法、方式をちょっと示してもらいたい。
#265
○政府委員(細郷道一君) 地方負担額が通常の基準財政需要額をこえる額でございます。
#266
○和田静夫君 つまり、基準財政需要額が算出されてしまった後に、それを前提にして政治的判断で幾らかつけ足してやる、そういう発想じゃありませんか。私はこの質問の冒頭に触れましたが、そもそも地方交付税は、基準財政需要額を、徹底して客観的に、徹底して合理的に算出していくことを通して地方公共団体の財源を保障をする、行政の最低水準を維持するというところに特色があります。したがって、この基準財政需要額の算定方法の巧緻さが、主として行政当局者によって私は誇りとされてきたのだろうと思うのです。ところが、一方ではこうした事業費補正などという政治的、現実的判断に基づく財源配分も行なわれ、それが単なる暫定措置ではなくて制度内に固定化してきたということになりますと、単位費用をあのように精密に算定をし、あのように複雑な手法を用いて補正を行なっているという意味が問われることに私はなると思うのです。人口と面積に案分したらよいではないかという議論が当然起こってくることになるかと思いますが、いかがですか。
#267
○政府委員(細郷道一君) 先ほど申し上げましたように、単位費用が非常に高いということになりますると、補正の幅は縮まると思います。それにはそれだけの財源が要るだろうと思います。地方団体間に行政水準の格差がございます。おくれているところは、よけいに公共事業を持って仕事をやっていきたい、またそうさせていいんではないかと思うのです。そういった場合に、普通と同じように、水準の高いところと同じような財源措置をしたんでは、その団体はいつまでも水準が上がれないだろう。理屈を通してそれはいいんだと、起債にしておけということになりますと、将来その公債費が累増して、それはだれがめんどうを見るかという問題になるだろうと思います。それを、将来公債費を交付税の中で見るのだということであれば、一般財源のあるときには一般財源になるべくやっておけば、自主負担全体がそれだけ助かるわけです。交付税は地方団体全体の共有の財源でございますから、そして一方では個々の団体に水準の保障をしていこうという両面のあれがございますから、一つのところのためにうんと公債費をめんどうを見ることは、他の団体からそれだけその年の需要を落とすことになるのです。そういうふうなことを考えまして、私どもは事業費補正を入れたわけでございます。事業費補正は政治的とおっしゃいますが、全くそうではなくて、ちゃんとその算定ルールをきめてまいりますれば、どこの団体にも公平に適用されて、Aの団体には認める、Bの団体には認めないというようなものではございませんで、政治的というといかにも恣意的のように聞こえますが、私ども全然そういうことは考えておりません。それから人口や面積で配分をしろと、確かにそういう御議論もございます。そういう説をなさる方もおられます。かつての配付税の考え方はそうでございます。私は、そういう配分のしかたをしても、人口や面積に一番近く、何といいますか、整合性といいますか、一番合うというのがあたりまえだろうと思っております。人口と面積というのは、やはり行政の、特に投資的行政の基礎となる単位でございますから、それに合うのはあたりまえであって、もしいろいろ手を加えて、それにあまりかけ離れておったら、むしろおかしいのではないだろうかというふうに実は思っております。しかし、それだからといって、人口や面積だけによって配分をするということになりますと、先ほど来いろいろ御議論のございましたような、各種の文教の行政とか、あるいは保健所の行政とか、保育所の行政とかというものについて手をつけることは何もできないわけです。やはりそこには各省の行政指導の考え方というものが財源措置の上で反映されていいんじゃないか、そういうふうに私どもは考えておるわけでございまして、そういう意味で、かなりこまかいやり方をしながら実は交付税の計算をするようにいたしております。
#268
○和田静夫君 昭和四十三年度に都市圏補正を設けて、従来の種地区分による補正の不備を補完したわけですが、昭和四十四年度においては、従来の種地区分による態容補正にかえて、都市圏を基礎とする地域区分による態容補正を全面的に適用することとしたそうですけれども、その問題意識、級地区分のし方、補正係数の出し方を説明してください。
#269
○政府委員(細郷道一君) 新しい種地の出し方は、この間資料で御提出をいたしてございます。それによって御了知いただきたいと思います。
#270
○和田静夫君 どれだったですか。
#271
○政府委員(細郷道一君) この間、竹田委員にも御説明いたしました。――それじゃ御説明いたします。
 「普通態容補正の改正について」というのでお配りをしてございますが、従来は人口、経済構造及び宅地の平均価格指数によって二十種地の段階にいたしておりました。しかし、その後だんだんと、二十種地といいましても、十種地以下はほとんど割り落としをいたしませんで、ほとんど十種地並みに扱うようにいたしましたから、実態的には十種地から二十種地までの区分にしか実績は――実績といいますか、実際の効果はなかったわけでございます。そこで、いままで三つの要素を使っておりますが、宅地の平均価格指数というのは、どうも宅地の価格の上昇の度合い等からいたしまして、なかなかその都市的形態をあらわすのに適当でないと考えましたので、今回これを除きまして、人口と経済構造だけによって種地をきめよう、こういたすものでございます。その際に、いまの社会経済の動きからいたしまして、職住不一致と申しますか、行政区域の外から通ってきて、ある他の都市に通って職を得、終われば家のある自分の町に帰る、こういったような社会経済の実態がございます。要するに、それは一つの圏域としての社会経済の活動が行なわれている、こういうふうに見ましたので、その中核となるような都市、そしてそれを中心にその周辺の都市あるいは町というものについて、いま申し上げたようなことで格づけをいたし、それを新しい種地と、こう呼ぼうとしておるものでございます。
  〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕
#272
○山本伊三郎君 ちょっと関連で。それじゃ何ですか、二十種地と言われたが、事実上は十種地から二十種地ということであったが、形式的には一から二十まであったことは事実ですね。そうすると、今度宅地のそういう価格の要素を、平均指数を除いたということ、経済構造だけだということにすると、この種地はどういう変化を来たしたか。あなたのほうで、ずっと前から二十種地は、東京の二十三区とか、横浜とか、大阪というのがあって、こうきていましたが、そういう資料はないのですか。
#273
○説明員(横手正君) 実は現在検討中でございますので、正確なところのものはございません。ただ見通しといたしまして、実は従来の種地区分と、個々の団体の今回の改正を行ないました場合に格づけになる種地、この関連性については十分留意してまいりたいと思っております。と申しますことは、お手元の資料にも、甲の種地、いわゆる中核都市につきましては、一種地から八種地まで、こういうようなことを考えておりますが、このうち甲の八種地と申しますのは従来二十種地の東京、大阪がおおむね該当するもの、甲の七種地というものはその他の大都市がおおむね該当するもの、こういったかっこうになるだろう、こういうように思っております。それ以下の種地につきましても、おおむねこれに該当するというかっこうになってまいります。ただ、従来より種地が引き上げられますのが、実はこうした甲地といいますか、中核都市はおおむね従来と変わりませんが、中核都市周辺の市町村が、従前は人口、経済構造並びに宅地平均価格指数というような、いわば市町村を点の形でとらえておりましたので、しかも人口要素が非常に高いという面がございましたから、大都市周辺におきましても種地がかなり低い町村が多かったわけであります。今回は、中核都市を中心にいたしまして、平面的に市町村をとらえてかかる、こういうことになってまいりますので、周辺の市町村におきましては従来よりかなり実質的な種地の引き上げが行なわれる、こういう結果になってまいるわけであります。
#274
○山本伊三郎君 抽象的にはわかるのですが、格づけが出ないと明らかにわからないですね。あなたの言われるように、いわゆる大都市周辺の市町村には非常に有利になるということは、概括的に考えられる。そうすると、地方交付税総額は大体一定しておりますから、そういう人口稠密になってきている都市周辺の種地が上がると、その面からも地方交付税がふえる。ほかのやつもありますが、過疎地帯に対しまた補正もあるし、それだけの点では言えないけれども、この種地区分だけで見ると、そういう過密地帯に対する有利な考え方が出てきた、こういう概括的な判断をしていいんですね。
#275
○説明員(横手正君) おっしゃられるとおりでございまして、これに要します必要額は、交付税の全体の見通しといたしましては、過密対策の中の一環の中に織り込んで考えております。
#276
○和田静夫君 そうすると、この補正率ですね。大体その都市圏補正による適用費目の割り増し率いろいろありますが、たとえば消防費を例にあげて、この五級地で、甲地で一・〇八、この算定の基準は何ですか。
#277
○説明員(横手正君) 前年度は、実は都市圏補正は、大都市並びに札幌、福岡、こうしたところのみを中核都市として取り上げまして、一応どういう変動があるかというような形でとらえてかかったわけでございます。したがいまして、各費目に適用いたしております補正の係数、これはおおむね実態の状況、いわゆる都市圏補正の適用になります市町村の財政の実態、こうしたものを考えまして、この補正を適用しない場合を適用した場合との増加額、こうしたものはそうした実態からつくり出した係数と、こういう仕組みにいたしております。
#278
○和田静夫君 たとえば、いま私例をあげて、一・〇八ですか、抽象的じゃなくて、その一・〇八という数字が出ている。数字があるわけでしょう。まあいろいろ勉強してみましたけれども、この補正率になったら一向にわれわれにわからぬわけです。一・〇八がどこから出たもんやら、一・〇六がどこから出たもんやら、一・〇二がどうして出たもんやら、これさっぱりわかりませんよ。これの算定の基礎示してください。
#279
○政府委員(細郷道一君) 都市圏補正の種地につきましては、こういうような考え方でただいま資料を実は集めておるわけでございまして、たとえばその中には、昼間人口の流出差とか、あるいは中核都市との距離の問題、どういう距離の測定のし方をするかというような問題もあるわけであります。そういうようなものが集まってまいりますと、それに点数をつけます。それはいままでの種地と同様でございます。点数をつけます。そうして一〇〇のところを一〇とすれば、五〇のところは五である、こういうような考え方で補正の係数がつくられていく、こういうことになろうと思っております。
#280
○和田静夫君 数字が出ているのだから、数字をあげて答えを出してもらうのが一番いいのですね。いま言われるような形だと、どうもさじかげんをやる条件というものが出るようですね。集まってきます、どこどこはどうだ、どこどこはどうだ、おれのほうはさじかげんして一・〇八にする、一・〇六にするという可能性があるように聞こえますがね。
#281
○政府委員(細郷道一君) これは費目によっていろいろ違いますが、単純な傾向線をたどるものもありましょう。あるいは曲線をたどるものもあります。それらにつきましては、私どももこれ二十年来交付税をやってまいりまして、補正にはどういう費目がどういう係数配置が一番段階ごとの需要額をあらわすかということを実は研究いたしておるわけであります。そういうものの集積の結果を使ってこれに充ててまいりたいと思っております。それはもう二十年間やってまいっておりますから、その個々につきましては、いわばもう実験済みでございます。実験済みのデータの上に立ってこれをやってまいりたい、かように思っておるわけでございます。もとよりそれが、いまおっしゃるように、それでは実態がわからないじゃないかというような御議論もあるかと思いますが、実態に合わないのじゃないか――私どもはその実態にあまり合わせるばかりが実は能だと思っていないのでございます。けさほど来、いろいろ実態、実績論がございましたけれども、交付税制度は実績べったりではもたないと思う。そこが非常にむずかしいところでございますが、しかし補正係数はいままでも何度も費目ごとにいろいろやってまいりました。たとえば、人口の十万が標準団体である場合に、八万のところはこの経費でやったら幾らくらいにかかっているか、六万のところは幾らくらいかかっているかということを全部いままでいろいろな形で調べてまいりまして、そういうものをもとに傾向線を書いているわけでございます。地方団体もみな勉強してまいりまして、もう自分のところはどれくらいで、こんなのはおかしいぞというような議論も出てまいります。そういうことも入れて切磋琢磨しておる、そういうことでございます。
#282
○和田静夫君 これはまあわかっておればこういう質問はしないのですよ。私がわからぬばかりでなくて、地方団体の担当だってわからないのですよ。わからないからこれは問題なんですよね。これは、明確にこういう数字が出ているのだから、もう実験済みだと言われたが、自治省がずっとやってこられて知っていらっしゃるだけじゃ気苦労でしょうからね、私も含んで、やっぱり一体このどれだけのものかということをやる機会というものが与えられてしかるべきだと思うのです。そういう意味で、この補正率が出てきているこの計算内容というものを明確にしてもらいたい、そう思うのです。そうでないと、都市圏補正の補正率、この部分についてやっぱり審議が進まないということにもなるのですがね、これは出ませんか。
#283
○説明員(横手正君) 消防費に、そこにお手持ちの雑誌には種地別の補正が載っておると思います。これを考えました際には、いわゆる中核都市におきましての昼間流入人口、これに伴います交通の渋滞、こうしたものが予想されるわけでございます。ただ、そうした交通の渋滞が消防費について何割増しの経費増になるか、あるいは清掃費について何割増しの割り増しになるかということにつきましては、費目間にある程度差はあろうと思います。そこで、消防費につきましては、一応一・〇八という係数になっておりますところは、おおむね八%程度の経費の割り増しが必要なんではなかろうかと、こういうことでやっております。ただ、ある程度該当市町村の実態も聞きながらやっておりますが、これははっきりとそうした関係市町村から昼間の流入人口による経費の割り増し額を正確にこちらで調査して把握したものではございません。そうしたものを基礎に置いてつくったものではございませんが、まあいわばおおむね経験的な割り増し経費、こういったものを考えておるわけでございます。したがいまして、今後は、こうした消防費につきましては、関係市町村から、そうした昼間の流入人口によります交通の渋滞とか、そうした要因に基づく割り増し経費の見込み額といったものを十分研究してまいりたいと思っております。おそらく経験的にはその程度は必要なんだろうという判断から係数を定めておりますが、あるいはこれではまだ足りない場合があろうかと思います。しかし、市町村でもまだそこまでの財政分析は行なわれておりませんので、まあこれは地方団体とも協力しながら、そうした基礎的な資料の整備をはかりながら、係数の改善自体も考えてまいりたい、かように考えております。
#284
○山本伊三郎君 あのね、この八%、流入人口だけを一つの要素にして考えるというのは、説明はわかるのだが、流入人口が基準の一〇〇としますね。その一〇〇の基準はどこでとったか。そうすると、流入人口がどれだけ多くなれば――まあ交通の問題もありましょうけれども、なるほどこの都市とこの都市で比較すると八%多いという、その一〇〇の基準をどこの都市でとる、どういう基準でとったか、これを説明してもらいたい。
#285
○説明員(横手正君) 地方交付税も私どもなかなかむずかしい仕組みになっておると思いますが、実は標準団体ベースですべての係数の基礎を考えてまいります。したがいまして、消防費であるならば、人口十万ということで考えます。ところが、実は甲地ということになりますと、具体的には東京、大阪になります。東京、大阪を十万という形にしまして、東京、大阪並みの昼間流入人口がある場合の経費の割り増しと、こういう形でとらえますので、非常にそこのところがむずかしい面もございます。私どももこういった形のままでいいかどうかの面も検討せざるを得ないと思いますが、現在各種の補正はすべて、標準団体における割り増し経費の必要度、こうしたものを係数化する、こうしたことを行なっております。
#286
○山本伊三郎君 市町村の場合は十万というのがいわゆる標準団体ですがね、流入人口という要素を基礎に考えると、その団体が妥当であるかどうかということがこの流入人口を要素にするという段階だけでは非常にわれわれ疑問だと思うので実は聞いたわけなんです。
#287
○説明員(横手正君) おっしゃられますように、大都市の場合を考えます場合に、あるいは人口三百万なりを想定いたしまして、それによる割り増し経費の必要度を各種の補正について考えていく方法があろうと思います。ただ、そういたしますと、三百万で想定いたしましたから単純にこれを三十分の一にしていいかどうかという問題が出てまいりますはずでございます。そこで、現在たてまえとしましては、非常に無理な想定でございますが、十万の都市というようなことを頭に置いて考えるわけでございます。そこに、まあ、いろいろ私どもも研究、改善しなければならない点があろうと思いますが、まあそうして定めました結果の補正係数が、先ほど局長から、実態を追っかけるものではない、こういうお話がございましたし、私どもも常日ごろそうは思っておりますが、かといって実態とあまり極端にかけ離れてもどうかと思われますので、おおよその目安としては実態というようなものも勘案しながらまいっておりますので、結果的にはあまり悪くない結果になっておろうと、こう思っております。
#288
○和田静夫君 そうですから、どうしても、私がさっきから指摘しているように、さじかげんがないと言われても、経験的には八%くらいのものを上積んだらよいのではなかろうか、将来は検討する必要があるのではなかろうかということになれば、もう現実の問題としては、すべてさじかげん的な要素があるということになりますね、いまの御答弁をあれしていけば。一・〇八というような明確な数字が出ているのですからね。これはもうやはり、たとえば何々掛ける何々イコール一・〇八という形ですぐ資料が出るのではないですか、出ないのはどういうわけですか。抽象的な説明ばかりがあるのは一体どういうわけです。
#289
○説明員(横手正君) 先ほどからも申し上げておりますが、実は市町村の経費の財政分析がかなり詳しくは行なわれておりますが、たとえば消防費における昼間流入人口に伴います割り増し経費が幾らになるか、いわゆる昼間の流入人口を原因とする経費の増が幾らになるかというようなことは、実は現状では非常にむずかしい状況になっております。したがって、一応経験的にそうした係数を定めておる、こういう結果になっております。
#290
○和田静夫君 全然答弁にならないですよ。算式があるでしょう。算式を出してもらわなければ、検討のし方がないわけですよ。
#291
○説明員(横手正君) 実は、標準団体――かりに十万の人口のところで百万円の消防経費がかかっておるといたしますと、中核都市として指定された該当の団体におきましては、流入人口によりましての増加経費を八万円と見込んでおるわけでございます。したがいまして、百万円に対する八万円、これが〇・〇八になります。これに一を加算したものが一・〇八、こういう結果になります。そこで、百万円の標準経費に対して八万円をどうして出したか、こういうことが次に問題になってまいりますが、この面につきましては、先ほどから申し上げておりますように、財政分析が十分行なわれておりませんから、一応八万円程度であろう、こういう見込み方をいたしております。今後は、そうした各種要因別の財政分析を行ないまして、八万円がはたしてよかったものか、あるいはこれが十万円であるべきであったということになれば、係数自体としては、百万円の十万円でございますから〇・一〇、これに一を加えた一・一〇が補正係数になる、こういうかっこうになってまいるわけであります。
#292
○和田静夫君 八万円とお考えになる根拠があるでしょう、それは……。
#293
○説明員(横手正君) 八万円につきましては、いま申し上げましたように、経験的に八万円と出したと、こういうことでございまして、市町村の財政分析が十分できれば、この八万円の基礎は当然出てくると思います。交通の渋滞によりまして消防自動車の必要台数が幾らふやさなければならないとか、そうした形の分析を行なってまいれば金額は出てまいると思います。ただ残念なことに、そうした財政分析が現状では整っていないものですから、一応八万円と想定いたしておるわけでございます。したがって、一・一二の係数のありますところでは、それは百万円に対しては十二万円かかるであろう、こういう一応の想定をいたしております。これらの基礎についても、現在その積算の資料と言われましても、ちょっと困難でございますが、今後われわれとしてもそうした要因別の割り増し経費の額を十分研究してまいりたい、こう思っております。
#294
○竹田四郎君 ちょっと。いまの八万円という数字ですがね。これは、先ほどのお話では、経験的だ、こういうふうにおっしゃられておりますね。百万円に対する八万円。これは大体どのくらいの経験年数を積んで――それは毎年毎年違ってくると思うのですよ、私。だからあなたも当てずっぽうに八万円と言っておるわけじゃないと思うのです。それは、ある年にはこれは六万円であったのかもしれない、三年前には六万円であったのかもしれない。あるいは九万円であったのかもしれない。ですから、いままでの実績というものは大体どのくらいでこう一〇〇対八ですね、一応率として考えれば一〇〇対八の率になるわけですね。大体このくらいの率というものは何年ぐらい経験的におやりになっておるわけですか、やっていないのですか。これはほんとうに先ほどの、勘でやっているわけではないだろうと思いますが、相当のいままでの、何といいますか、経験的に何年かやってみて、そうしてまあ大体こんなところで、算式にはあらわれないけれども、大体まあ八万円ぐらいであまり文句もない、そういうことになってきておると思うのですね。あなたのさっきの話では、計算の基礎は何にもないと言います。だから、この一〇〇対八の計算というものは何年ぐらいの実績に基づいて出されたのですか。
#295
○政府委員(細郷道一君) それが、先ほど申し上げましたように、費目によって違いますが、私どもも、消防なら消防、道路なら道路というものについて、特にいま問題は市町村にあるのだろうと思うのですけれども、それじゃ市町村の十万人目規模の一つの想定をもとにしたときにどういうフレがあるかということは、十万団体の実績をとって、また八万団体の実績をとって、その費目のその間のフレぐあいをつかんでいく、こういうやり方をとるわけなんです。その場合に注意をしなければいけませんのは、それぞれの団体において、ある年に特別な事業をしていたりしますと、それがなかなかつかめないわけでございます。そういうものを捨象をして、そうしてつかんでまいりますものですから、さてじゃ計算の基礎には、一足す一のようにいくかというと、そうはまいらない。しかし、そういうことも長いこと、費目によっては当初からやっております。たとえば段階補正などは最初からありましたし、寒冷地補正なども最初からございました。したがって、そういうものについてはもうかれこれ二十年の実は歴史を持ってきております。そこで、私どもも、今回都市圏補正につきましても、適用する費目をちゃんと法律でおはかりをしておるわけです。態容補正としておはかりをしておりますから、その費目についてこういう補正を使うのはおかしいのだということなら、これは直さなければいけませんけれども、それを一応お認めいただけるとするならば、それについては、それぞれの費目についての、先ほど申し上げた、実験済みと私は単純に申し上げましたけれども、経験的にきておるものを駆使してやってまいりたい、こういうことでございます。
#296
○竹田四郎君 いま総括的に言われることは、一つ一つ取り出してみて検討してみなければ、ほんとうのところはわからないのです。私がいま質問しておるのは、一〇〇対八の関係ですね、あるいは消防費、これは大体何年ぐらい一〇〇対八の関係でお続けになっているかということなんです。これはいままでやって、いままではどうである、今度百対八にしたのか、いままで十年間なら十年間百対八でやってきたのか、その辺もう少しはっきりしてください、具体的にこの問題で。
#297
○説明員(横手正君) 都市圏補正自体は昨年から新設いたしましたので、昨年初めてそうした係数が出てまいっております。ただ、私どもは、こうした都市圏補正を計上いたします場合、都市圏補正の適用の甲の八種地であるならば、東京、大阪という具体的な市町村が頭に浮かぶわけでございます。甲の七種地とすればその他の大都市。あるいは甲の六種地とすれば、札幌、福岡、広島の三市がまず頭に浮かぶわけでございます。したがって甲の七種地というよりも、個々の大都市のほうが頭に浮かぶようになっております。したがって、該当団体数が実はそうしたところは数が少ないわけでございますから、したがって、これが従来の算定による基準財政需要額と、それから各市町村の決算額、これとの比較ということも絶えず心がけて注意してやってまいっております。で、そうした資料をもとにしながら、消防費におきましてはこの程度の率を割り増しすればというふうに考えたわけでございます。一般に該当する市町村が非常に大多数だというときに、こうした係数を想定するということは、かなり乱暴な面が出てまいろうかと思いますが、一応そうしたことを頭に置いてやっております。
 なお、従来から、実は都市圏補正の適用前におきましては、大都市周辺におきましては、特別交付税において大都市周辺地域につきましてある程度の配分を行なってまいっております。その配分額等も頭に置きながら、それを普通交付税にある程度移しかえるというようなことも頭に置きながら、算定いたしております。いわば多少逆算的な係数のきめ方になっておる面もたぶんあろうかと思いますけれども、そうした状況をにらみ合わせながらきめた係数でございます。
#298
○竹田四郎君 それですからね、それはわかるんですよ、いまおっしゃられたことね。しかし、八万円、百対八という数字は、突然に出てきたわけではないわけですよね。ある程度、三年、四年、五年というふうに、市町村の決算額というものを見ながらやってきているわけです。そういう意味で、具体的にどういう経験を得、どの程度逆算をした結果が慣例的に考える百対八という数字になってきたのか。あなたのほうでもきっと一応試算していると思うんですよ、何回となくこういうやり方をやっていく場合に。ただ単に経験的にこうつかみでやっているわけじゃない。その辺まず説明してくれないと、わからないわけですよね。非常にわれわれとしては、それじゃあつかみじゃないかとかいうことになるわけですよ。あなた、交付税課長としては、何らかの形で科学的な論拠に基づこうと努力しているはずだと思うんですよ。あなたの恣意でやっているわけじゃないと思うんです。だから、その辺のことを説明してもらわないと、いやこれはさじかげんだ、これは恣意だということになってしまう。あなたがどういう根拠で――たとえば、三年前までさかのぼって逆算をしてみたとか、決算額をいつまで洗ってみて大体こういう数字が出てきたんだと、相関関係がどうもありそうだと、こういうものを何らかやっていくわけでしょう、検算を。そういうことを説明してくれというふうに言っているわけです。それでないと、どうもさじかげんだと、かってだと、かってなところに標準を求めて、それがまた分かれていけば、全部がかってな恣意に基づくんだと言わざるを得ないでしょう。だから、その八万円というものをあなたはどういうふうにしていままで科学的に処理をしてきて、どうも大体そのくらいの相関関係がありそうだということで出しているんですか、その辺を説明してください。
#299
○説明員(横手正君) 消防費につきましては、交付税の前身であります交付金のときからこうした費目がありました。それ以来二十年余りこうした形で算定してまいっております。消防費についての問題を申し上げますと、実は決算額と基準財政需要額を比較いたしますと、基準財政需要額のほうが毎年度決算額を上回るような状況になっております。これは総額ベースのことでございます。ただ、個々の団体ごとに傾向的な状況を見ますと、実は東北、北陸の方面の市町村が少し決算のほうが需要額より上回るという傾向が見られます。同様の傾向が同じように大都市なり大都市周辺の市町村にも見られるということがあったわけでございます。したがいまして、消防費につきまして、総額べースでかなり算入いたしましても、個々の団体ごとにつきましても、それぞれ適当な充当結果になるように努力するにはどうしたらいいかというのがかねてからの検討事項になっておったわけでございます。そこで一つには、寒冷補正を強化することによりまして東北、北陸方面の市町村の消防費の充実をはかってまいる、こういう方向のことを考えて、年々その改善につとめてまいってはおります。一方、大都市周辺等につきましてはどういう改善をはかればいいかということが非常な問題であったわけであります。ところが、実は従来の種地区分によりますと、そうした割り増しを大都市周辺で考えようといたしましても、先ほど申し上げましたように、もっぱら人口要素によって種地の決定がなされておるというふうな形になっておりますので、そのため大都市周辺でも人口の少ないところは種地が低いというようなことがありまして、その周辺市町村のみを何とか経費の割り増しをするということが非常に困難な状況になったわけでございます。そういうこともございましたので、今回都市圏補正を四十四年度から適用することになりましたが、四十三年度には、今年度のことを予期しながら、一部大都市についてのみ適用するということを行なっております。したがって、昨年度は小範囲にとどめたわけでございますが、その際に考慮いたしましたのは、東北、北陸の市町村の充実をはかるのと同じように、おおむねこの程度の割り増し算入をしないことには、市町村の実需要に追っついていかないと申しますか、三千くらいの市町村のうちで、やはり個々の団体ごとに見ますと、過不足の差が大きい面がある、こういう傾向が見られたわけであります。したがって、今回までの改正と申しますと、消防費算定当初からとは申しませんが、もう数年来前から問題点としては考慮しておった点でございます。で、そういう考え方に立ちまして、寒冷地帯の市町村と同時に、大都市周辺の市町村への割り増しを考えておるわけであります。
#300
○和田静夫君 腰だめなら腰だめだと言ってくれれば、話は別なんですけれども。ただ一ついまのやつで、それじゃ財政分析、いつごろまでにできるのですか。
#301
○説明員(横手正君) この財政分析は、方法は非常にむずかしいのじゃないかと思います。昼間流入人口によりまして交通量がどういうふうな渋滞を示すかということは、非常にむずかしい問題じゃないかと思います。たとえば清掃費なんかにつきましては、昼間流入人口をとらえまして、まあ常住人口とは多少排出量の差を設けるといたしましても、ある程度基礎数値的なものはとらえてかかることができると思いますが、消防費におけるそうした割り増しについて、具体的に財政分析を詳細に行なうということは、相当長年月を要するのではなかろうかと思います。
#302
○和田静夫君 あなた正直だからね。あなたの論文読むとまさに正直だし、あれだと思うのですけれども、いまのお答え聞いていても正直だと思う。だからといって、現実にはちゃんと係数出して、あれが出ているのですからね。それをわれわれ立法府の者が、実験的には何もあれすることができないという状態に置かれているわけね。いまのこういう状態というのは、たいへん疑問だと思うのです。しかも、いま財政分析が行なわれれば、たとえば八万円なら八万円というものが正しいものかどうかということがわかる。その財政分析はたいへんむずかしくて長年月かかる、私たちが生きているうちにできないかもわからない、こういうことになってくるので、そうなってくるとたいへん不見識なことになる。これはその辺政治的に一体どう考えられるのか。どうせ大臣に質問のあれを残しておりますから、そのときに一ぺんお尋ねをしますので、答弁は研究しておいてください。
 次に進みますが、投資的経費の動態的な算定ということで、細郷財政局長は投資割り増しとしての人口急増補正をあげておられます。これについては、適用費目において、あるいは補正係数の算定方法において、四十三年度と何か変わった点がございますか。
#303
○説明員(横手正君) 四十四年度におきましては、人口急増補正につきましては、都市計画費、小学校費、中学校費、これら三費目につきましては特に重点を置いて考えたいと思っております。そのほかには、その他の教育費におきまして幼稚園の必要経費、社会福祉費におきまして保育所の必要経費、その他の諸費におきまして消防関係の庁舎あるいは役場庁舎の増設所要経費、こうしたものを考慮に入れまして、人口急増補正を適用する、こう考えております。
#304
○和田静夫君 横手さんの論文ですが、この論文の中で、この辺たいへん苦悩されたと思いますが、「一般に段階補正と普通態容補正(行政の質量差分)との間に相殺要素のあることはいなめない。」と明確に書かれております。そうすると、今度の場合は、補正係数の連乗または加算の方法で消防費を上げておりますね。段階補正係数掛けるずっとあれがあるわけですが、ここでいわゆる論文でいわれている相殺要素、これは私は出ていると思いますが、いかがですか。
#305
○説明員(横手正君) おっしゃられるところの意味ではっきりしない面もございますが、消防費におきましては、段階補正と態容補正、特に態容補正のうちの行政の質量差、この要素が段階補正の中に入っていることは事実でございます。
#306
○和田静夫君 この消防費の補正係数の連乗または加算の方法を示す算式をちょっと言っていただけませんか。
#307
○説明員(横手正君) 消防費につきましては、段階補正、態容補正、寒冷補正、これが適用になっております。したがいまして、これらはいずれも連乗、こういうことになっておるわけです。
#308
○和田静夫君 人口急増補正。
#309
○説明員(横手正君) 人口急増補正につきましては、実はいわゆる投資割り増しの人口急増補正は、今回消防費からは投資的経費を除くことにいたしましたので、適用されないことになります。その分はその他の諸費のほうに統合いたしまして適用いたす、こういうたてまえにいたしております。
#310
○和田静夫君 たいへん恐縮ですが、法務省お待たせしておって注意がありました。ちょっとそこへ一ぺん特交の関係で飛びますが、特別交付税は普通交付税を補完して、基準財政需要額の算定方法によって捕捉されがたい臨時的な財政需要や、あるいは特殊事情、地域的特殊性に基づく特別財政需要、あるいは普通交付税算定後に生じた災害等の特別な財政需要または財政収入の減などについて措置することによって、地方交付税制度全体としての具体的妥当性を確保する制度といわれてきています。最近における社会経済の変貌が急速化してきている状況からしますと、これに対する適時適切な施策に対する財源付与としてのこの特別交付税の機能の重要性については、私も否定するものではありません。しかし同時に、ともすればこの特別交付税が自治省の政策以外に地方団体を誘導するというか、もっと悪く言えば地方団体を自治省の恣意のままに動かすためのえさに使われる面も、よく識者の間で指摘をされるところです。そういう面もあることは、私は否定できないところだと思うのです。そういう疑念をなくしてこの特別交付税の本来の目的に十分沿うようにするためには、配分基準をもっと明確にする必要があると思うのです。つまり、私は地方交付税法第五条第一項及び第二項並びに第十五条第一項の規定に基づいて地方団体に対して交付すべき昭和四十三年分の特別交付税の額の算定に関する省令を見ましたが、その第二条について言えば、第一号に示される算定方法の厳密さに比べて第二号に掲げられている事情はずいぶん大ざっぱであります。抽象的です。また、第三条について言えば、一号、二号、三号に比べると第四号に掲げられている事情も、ずいぶん大ざっぱであり、抽象的であります。まあ悪い言い方ですが、官僚的さじかげんなどと悪口を言われないためにも、この第二条第二号、第三条第四号に相当する部分をもっとこまかいきちんとした基準として示す必要があろうと思うのですが、自治省いかがですか。
#311
○政府委員(細郷道一君) それは私どもも絶えず研究をいたしておりますので、基準をもっと詳細に書くということも必要だろうと思っております。
 ただ申し上げておきたいと思いますことは、だんだん地方団体がそれぞれの地域の特性を生かした行政をやるようになってまいりました。私どもはそれは当然そうあってしかるべきだろうと思っております。そうなってまいりますと、先ほど来いろいろ御議論いただきました単位費用補正係数等をもっていたしても、その特殊な財政需要を測定し切れないという問題がございますので、非常にそういう点についてはやはり特別交付税というものを活用せざるを得ないのではないかと、こう考えております。いままでは、大体第一号に盛っておりますことは、できれば普通交付税に入れて一般的な基準になりますという度合いの非常に強いものを実はあげておったのでございまして、関係団体数も多いというようなことから数値も実はあげておったわけでございます。第二号以下は、そういう意味合いにおいては、共通度は多少小さいものというふうになっております。そういったような実情も御了承いただきたいと思います。
#312
○和田静夫君 ところで、広島県の庄原市で、職員組合の代表が運動をいろいろ指導したということで免職処分になりました。庄原市当局は、それに伴う訴訟費用を特交で見てもらっておるということを明らかにいたしました。そうした費用はこの省令の第三条第四号のうちのどの項目に該当するのですか。
#313
○政府委員(細郷道一君) ちょっと庄原市の例は私いま手元に持っておりませんので、調べて御連絡いたします。
#314
○和田静夫君 そうすると、これは後ほど答弁をいただいて、もう少しこの部分についてちょっと詰めさせてもらいます。
 どうもこのごろ、各地方公共団体で起こったこうした処分に伴う訴訟に国が直接乗り出してきている例が多いわけです。そのことに関連して法務省にお尋ねをしますが、国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律第七条第一項に基づいて地方公共団体が法務大臣に求めて国が訴訟を行なっている事件はどことどこにありますか。
#315
○説明員(河津圭一君) 第七条の一項によって御依頼のありました事件は、大体全国にわたっております。おおむねの都道府県についてございます。
#316
○和田静夫君 それは幾つぐらいですか。
#317
○説明員(河津圭一君) 事件の件数にいたしましては、ただいま四百数十件であると思います。
#318
○和田静夫君 四百九十件ですか。
#319
○説明員(河津圭一君) 四百数十件でございまして、本日現在の確定した数はちょっとわかりませんので、四百件を少しこえていると思う、こういうことでございます。
#320
○和田静夫君 そうしますと、四百数十全部について一つ一つということにもならぬでしょうが、大体類似のものですか、内容的には。
#321
○説明員(河津圭一君) はい、内容といたしましては、ただいまお話のございました地方公務員に関するようなものもございますし、また道路の事故に関するようなものもございます。その他農地の買収処分等、態様といたしましては、それに都市計画に関するものがおもだと思います。
#322
○和田静夫君 それじゃ、地方公務員の職員団体の行動に伴って起こった事件については何件ぐらいありますか。
#323
○説明員(河津圭一君) 公務員の身分に関する争いでございますか、それはただいまその数字を正確には持ち合わせてないのでございますが、数十件だと思います。特に多いのはいま北九州市の事件、この辺がまとまって十件前後あるのではないかと思います。
#324
○和田静夫君 そうしますと、職員の身分についての数十件と言われるのですが、その数十件はひとつ資料として出していただけませんか、後ほど。
 そこで、いま北九州市が特に多いと言われたのですが、どういう点で国の利害と関係あると判断をされるわけですか。
#325
○説明員(河津圭一君) 地方公務員の身分はもちろん共通、同一のものでございますが、それに対する処遇という問題につきましては国も大きな利害関係があるということで、関係の各省庁でいろいろと指導もし、御相談にもあずかって、各都道府県の間にむらのないように、でこぼこがないようにくふうしておられるわけでございます。そこで、そういうようなことで、あるいは国のほうの指導によってその問題が処理された場合もありまするし、またその事件の処理の結果が国のほうでこれからそういう問題について考えていくことにつき影響するということも考えられる、こういうことが前提にございまして、ある地方公共団体一つ限りの問題でなく、他の公共団体についても共通の問題であるというふうに考えられますものについて関与しているわけでございます。
#326
○和田静夫君 この国の利害というのは、たいへん解釈いろいろあると思うのですが、国の中で起こることすべてが国の利害に関係することだといえばそれまででしょう。そういう理解ならば、わざわざ国の利害に関係ある訴訟についてなどと断わる必要がないと思うのです。地方公共団体その他政令で定める公法人の訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律などとすればいいような気がするのです。このように限定したことが、国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律第四条にいうところの国の利害というものの内容がある程度限定されているということであると私は思うのです。その限定されたところの国の利害を意味し、いまあげられた事件に国が乗り出していることの妥当性というものを証明していただきたいと思うのです。北九州なら北九州。
#327
○説明員(河津圭一君) ただいまお話のございましたように、この国の利害というものをあまり広くとりましては意味がないわけでございまするので、どの程度のものをしからばここに国の利害に関係あるものと言うべきかということは、これは考えなければならぬところと思うのでございますが、これは物理的な問題と違いまして、簡単に、この程度ならば国の利害、この程度ならば国の利害なしというふうに割り切ることもなかなか困難な点がございます。ただある程度の基準はなければ、仕事を適正にやることはできないということで、この点につきまして、実際に仕事をするにあたりましては大体四つの項目をあげて考えております。
 まず第一は、国または国の事務を行なう行政庁と当事者または参加人として係属している訴訟が別にある。その場合に、地方公共団体について新たに事件が起こって、その両者間に関連があるような場合、これは同じ問題につきまして国とそれから地方公共団体とがともに被告になったというような場合でございます。
 それから第二に、訴訟の結果として国の負担を生ずる等、国の利害に関係がある事件、これはつまりその事件で地方公共団体が負けたときに、その問題についてもともと国は補助金を支払うというような関係にあるがために、その結果が国のほうに響いてくるというような場合をさしているわけであります。
 それから第三に、地方公務員にかかるもの、その他他の地方公共団体にも共通の重要な問題に関する事件、これが第三でありまして、ただいまお話しいたしました地方公務員の事件は、この第三の適用として扱っておるわけであります。
 なお第四に、訴訟の結果が国の行政目的の遂行に支障を来たすおそれのある事件、これだけ掲げてあるわけでございます。
 その第三の点につきまして少しくふえんさせていただきますと、これは先ほど一応お話し申し上げたわけでありますが、地方公務員にかかる問題につきましては、これは他の公共団体と共通の問題で、その適正な処理ということが望ましい。かつ、そういう問題につきましては、その処理につきまして、あるいは一般の行政的な観点で、またあるいは財政的な問題等で、いろいろと各省庁で具体的な御指導もなさっておられるし、またこれからもそういう国と地方公共団体との間で協議をし検討をしていくのにふさわしい、こういうようなことが考え得るわけでありまして、そこで、それらのそういう事件の中で、これは重要な問題だと考えられたものについて、その処理に関与しておるわけでございます。
#328
○政府委員(細郷道一君) 先ほどお尋ねの庄原市はここで見ておりません。それからけさほどの報償費の場合でございますが、東北の案件が十勝沖地震に際して報償費を支出した例がございます。二百二万五千円、支出先は消防団、農協、民間会社等の団体、個人五十余人ということでございます。
#329
○山本伊三郎君 それは地方公務員入っているのですか。それが問題ですよ。団体で出ているのはいつももらっている。地方公務員はその中に含んでいるかどうか、それはわからないか。
#330
○政府委員(細郷道一君) ちょっと急いで取ったものですから……。
#331
○和田静夫君 それはこの次のときにお願いします。次官にお尋ねしますが、いまの関係なんですが、いま問題になっている事件それぞれについては、国の利害に関係のある訟訴についての法務大臣の権限等に関する法律第七条第三項、これで自治大臣は法務大臣に意見を求められる。どのように意見を述べられたのですか。
#332
○政府委員(砂田重民君) 私、その事件について自治大臣がどういうように申し述べましたか、それを聞いておりませんので、調べましてお答え申し上げます。
#333
○和田静夫君 大臣お見えになったときにひとつ答弁ができるようにしていただきたい。
 そこで、法務省のほう、自治体の場合に、特に職員の身分関係で起こった事件について和解が成立する場合のほうが非常に多いのですよ。ここで考えてもらわなければならないのは、その和解というのはやはり話し合いですからね、そういう形のことが指示されるということが必要になる。ところが、検察官が代理人でお入りになっている場合には、どうしてもやっぱり検察官的な頭で、和解というようなことにはなかなか同調をされない。その結果、労使関係を逆の意味でたいへん紛糾させることになってきている。その辺のところは十分考えられていい。これは何とも、自治大臣がどういう御意見をお述べになったかということを聞かないと、一方的に法務省を責めるわけにいかないのですけれども、今後の問題としては十分に考えていただきたい、私そう思うのですが、いかがですか。
#334
○説明員(河津圭一君) ただいまお話のありました点ですが、私どものほうで関与いたしましたために円満に解決すべきものが解決しないというようなことがありましたらば、それははなはだ遺憾なことでありますが、それはその当該訴訟をやるときのその担当の職員の仕事のやり方の心がまえの問題だと思いますので、十分に指導していきたいと思います。
#335
○和田静夫君 そうすると、法務省はけっこうです。
 そうしますと、さっきのところに戻りますが、投資的経費の動態的な算定ということで財政局長があげられた事業費補正、それから都市関係補正、人口急増補正は、交付税法の第何条に基づいて行なわれるのですか。
#336
○説明員(横手正君) 事業費補正につきましては、第十三条第四項第三号の態容補正の一つの形態でございます。特にこの第三号のイ、ロ、ハとあります、そのハに当たります。それから人口急増補正でございますが、第九項、ここにありますところの規定を適用いたすわけでございます。
#337
○和田静夫君 そうですね。そうすると、それらは態容補正という名で総称をされている。第十三条で、これこれこういう経費には態容補正が適用されるということがきめられている。第十三条では、補正の種類としては、段階補正、密度補正、態容補正、寒冷補正、種別補正の五種類が示されているだけで、現実に適用される補正は全部省令にゆだねられてしまっている。ましてや補正係数など、その算定過程がきわめて私たちにとって興味あるところであるが、先ほど来の論議でもあったように、われわれの知るすべがない。これでは、多くの識者が指摘をしていますように、補正などというのは官僚のさじかげんできまると言われてもしかたがないと思う。
 ところで、土地開発基金費に適用されるいわゆる特例補正なるものについて説明を求めたい。同時に、土地開発基金六百億の算出の基礎をお示しを願いたい。
  〔委員長退席、理事吉武恵市君着席〕
#338
○説明員(横手正君) 土地開発基金に適用いたします補正の種類でございますが、これは今回の改正法案の附則の第四項にあげております。ここにありますように、人口の増加率その他の事情を参酌して省令で定めるというかっこうにいたしております。なお、総額の六百億円でございますが、これは地方財政計画に計上された額を基礎といたしまして交付税上の措置をとる、こういうことにいたしておるわけでございます。
#339
○和田静夫君 これはまあこの間もちょっと問題になって、この問題だけはなるべく重複を避けて、なるべく竹田さんの質問と重複しないように質問してきたのですが、あえて確認しておきたいのですが、この地方交付税法案が通ってもいないのに、昭和四十四年二月十七日付で細郷財政局長が都道府県知事並びに指定都市の市長あてに「土地開発基金等の設置について」という通達を御丁寧にも土地開発条例準則なるものをつけてお出しになっている。これは「国は、交付税の交付に当っては、地方自治の本旨を尊重し、条件をつけ、又はその使途を制限してはならない。」という地方交付税法第三条第二項に違反するのではないかという当然の指摘に対しては、この間財政局長は「普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、特定の目的のために財産を維持し、資金を積み立て、又は定額の資金を運用するための基金を設けることができる。」という地方自治法第二百四十一条第一項を持ち出して答弁をされた。しかし、交付税法第三条第二項は「してはならない」という法律であります。自治法二百四十一条第一項のほうは「することができる」という法律である。そういうことを見てみますと、これが財政局長の越権行為であることは私は明らかだと思うのです。野田自治大臣もそのことを明らかに認めたからこそ、四月十五日の衆議院地方行政委員会で、社会党の山口鶴男委員の質問に答えて、「山口さんの御意見を十分局長も理解したようでございまして、今後は慎重にやりますと申しておりますし、私もそうやるべきだ、今後はやはり十分注意して、これらのことについて疑義がないようにすべきだ、こう考えております。」と述べられたのだと思います。で、私はここで問題にしたいのは、土地開発基金費などというものの地方交付税制度になじまないいわゆる恣意性についてであります。
  〔理事吉武恵市君退席、理事熊谷太三郎君着席〕
 次官にお尋ねをしますが、地方交付税法第一条に「地方交付税の交付の基準の設定を通じて地方行政の計画的な運営を保障することによって、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的とする。」とありますが、これは基準財政需要額を客観的な数値との結びつきにおいて算出することと、地方交付税の一般財源としての性格を規定したものであるという、そういう私の理解でよろしいですか。
#340
○政府委員(細郷道一君) 交付税法第一条は、「地方団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能をそこなわずに、」――いわゆる地方団体の権能をそこなわずに、「その財源の均衡化を図り、」、そして「交付税の交付の基準の設定を通じて地方行政の計画的な運営を保障することによって、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的」といたしております。
#341
○和田静夫君 そこで、さっき言った土地開発基金の問題について、五月六日衆議院の大蔵委員会、ここでは、大蔵大臣はよくわからぬ、こういう答えについになってきたんですよ、六百億。そして検討するとお答えになった。検討するどころか、検討するとお答えになったが、地方交付税法は衆議院を通過してここへ来ているんです。これに対して、次官、大蔵当局ともう一ぺん意思を統一する必要があるのじゃないかと私は思います。六百億のこの算定というのは、たいへんあやふやなものと言うのです。いま時間がありませんから多くのことを言いませんが、それ自身、たとえば、横手さん、あなたの論文ばかりで恐縮ですが、最近横手さん書いていらっしゃいますよ。たいへん恣意的な配分なあれでしかないわけです。六百億の基礎というのは、この大蔵大臣の答弁との関係において、どういうふうにお考えになりますか。
#342
○政府委員(細郷道一君) 大蔵委員会で大蔵大臣がよく検討するとお答えになったというお話を聞きましたので、私はその場におりませんでしたので確かめてみました。そうしましたら、大蔵大臣が呼ばれて入ってきて、いきなり土地開発基金はおかしいじゃないかと聞かれたので、大蔵大臣もよくわからなかったのですから、そういうお答えをしたということでございました。交付税法の内容でございますから、やはり自治大臣にお尋ねをいただくほうが、私は適当ではなかったかと実は思うのでございますが、そういったような経緯があったようでございまして、大蔵当局と、そのときのいきさつを実は聞いて、いま申し上げたとおりでございまして、大蔵省別にこれに何ら疑義を持っているわけではございません。
#343
○和田静夫君 私は、さきにるる述べました投資的経費の動態化という名で行なわれる単位費用算定の際の計画的事業費算入方式の全面的採用や、あるいは事業費補正の拡充とその恒久化、そして土地開発基金費に見られる特例補正などといったきわめていいかげんなやり方、ことばの使い方は悪いんですが、基準財政需要額の算定の客観化の徹底にどうも逆行するように思われてしかたがありません。また、それらは地方交付税の一般財源としての性格を希薄にする地方交付税の補助金化を意味すると思うのです。次官は大臣の意を体して、いま細郷財政局長じゃないですが、大蔵大臣よりも自治大臣に尋ねたほうがいいのだと、自治大臣に尋ねると、自治大臣の答弁というと、これまたどう考えていいかわからぬような答弁になるのですが、その意を体して、次官、客観情勢に照らしてある程度いま私が申し上げたようなことはやむを得ないというお考えなんですか。
#344
○政府委員(砂田重民君) 今回新たに御審議をお願いいたしております土地開発基金、この考え方が地方交付税の第一条あるいは第三条に背反するものではない、こういう考えを持っておるわけでございまして、交付税の財源保障機能としての機能そのものをそこなうものでは今回の土地開発基金はない、そういう見解を持っております。
#345
○和田静夫君 まだこの地方財政の状況や白書の問題で実は質問が残っているのです。まあ予定の時間だそうですし、どうせ大臣にまとめて答弁をもらう機会が若干残されましたから、そこでまとめて質問いたしますが、ただ一つだけきょうあれしておきたいのは、この前財政局長に、私、この委員会だったか、決算委員会だったか、ちょっと記憶しませんが、純計決算額の問題で財政局長にお尋ねをしておいて、あとでということになったのですが、いわゆる昭和四十二年度のこの純計決算額、計画額、差引、これまだ示されないのですが、ちょっときょう示しておいてもらわないと、この次大臣に質問するのに……。
#346
○政府委員(細郷道一君) 地方財政白書の四五二ページ一一五表で四十二年度の純計決算と地方財政計画の比較が載っております。財政白書は差し上げてあると思いますが。
#347
○理事(熊谷太三郎君) 本日はこの程度として散会いたします。
  午後六時二十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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