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#1
第061回国会 地方行政委員会 第17号
昭和四十四年六月十二日(木曜日)
   午前十時五十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    理 事
                熊谷太三郎君
                吉武 恵市君
                山本伊三郎君
                原田  立君
    委 員
                小林 国司君
                小林 武治君
                鈴木 省吾君
                船田  譲君
                増田  盛君
                山崎 竜男君
                若林 正武君
                竹田 四郎君
                千葉千代世君
                松澤 兼人君
                和田 静夫君
                阿部 憲一君
                山田  勇君
   国務大臣
       自 治 大 臣  野田 武夫君
   政府委員
       海上保安庁次長  林  陽一君
       自治政務次官   砂田 重民君
       自治省財務局長  細郷 道一君
       自治省税務局長  降矢 敬義君
       消防庁長官    松島 五郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       運輸省船舶局首
       席船舶検査官   高田  健君
       海上保安庁警備
       救難部救難課長  山本 了三君
       建設省住宅局調
       査官       沢田 光英君
       消防庁予防課長  高田  勇君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○委員派遣承認要求に関する件
○地方行政の改革に関する調査
 (片山津温泉の旅館火災等に関する件)
 (昭和四十四年度地方財政計画に関する件)
    ―――――――――――――
  〔理事熊谷太三郎君委員長席に着く〕
#2
○理事(熊谷太三郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。
 都道府県合併特例法案の審査のため、関西地方及び東海地方に委員派遣を行なうこととし、派遣委員の人選、派遣地、派遣期間等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○理事(熊谷太三郎君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。
 なお、本院規則第百八十条の二により議長に提出する委員派遣承認要求書の作成も、便宜、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○理事(熊谷太三郎君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○理事(熊谷太三郎君) 次に、片山津温泉の旅館火災等に関する件を議題にいたします。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#6
○和田静夫君 過ぐる五月十八日の午後一時半ごろ、今度は石川県片山津温泉で大火がありました。時間的に前日の宿泊客が帰ったあとであり、当日の泊り客が到着していなかっただけに、死者こそ出ませんでしたが、だれもが一瞬あわや大惨事と思ったことでありましょう。私にはいま火事のかなりの部分について調査をする時間がありましたので、かなり詳細にわたって調べてみました。そして、考えてみますと、やはり今日の消防行政の問題点が幾つか抽出することができるのであります。
 そこで、私も、今度の火事でまた昭和四十三年度版の消防白書を読み返してみました。その問題点は、私があらためて指摘するまでもなく、期せずしてこの消防白書の中に実は指摘をされているのであります。ということは、大火と言われるものはかなり典型的に今日の消防行政のかかえる問題点を浮き彫りにしていることでなかろうか、そう思います。今回片山津温泉の大火を、少し時間的にずれましたがこの委員会で取り上げることを通じて、新しい消防長官とともに今日の消防行政の問題点をあらためて確認すると同時に、今後とも機会あるごとに具体的事実について質問や提案をして、消防行政水準の一そうの向上を期したいと考えています。
 まず、読売新聞です。「「ウチの温泉街では絶対に火事を出しませんよ」――片山津温泉の観光協会は、日ごろこういって胸を張っていた。旅館組合事務局の中に防災係を設け、旅館全部に警報装置、消火器は基準以上に設置を指導するなど、加賀温泉郷の中では〃ピカ一〃の防火体制をとっていたといわれる。」、とありますが、しかるに、なぜこのような大火になったのかといいますと、「一軒一軒の防火体制は基準に達してはいたが、一つのブロックとしてみると問題があったようだ。」どの新聞も、道が狭くて四、五十台もかけつけた消防車がおりからの交通ラッシュと相まって動きがとれなかった。いま事後の措置で話が進んでおりますが、きょうは出席されておりませんが、石川県の地方区出身の方ともいろいろ事情の検討や打ち合わせをしてみましたが、いわゆる道路の問題が将来の建設計画の中でもたいへん問題になる状態に実はなっているのであります。自然の水利として予定されていた柴山潟の水がほとんど使えなかったことを実はあげているのであります。現地は御承知のとおり水はたいへんあるわけであります。ともに過密レジャーにのった急速な増改築ブームにのっかった結果、こういう惨事が起こったといっていいと思います。こうした状況を消防白書はその八七ページで「一級から三級までと、九級及び十級の都市がないが、現在のわが国の都市の市街地、消防施設等の状況では、かりに消防力が完全に整備されたとしても、道路あるいは空地の状況から防火的に完ぺきになりがたく」云々と一般化しております。しかし建築基準法をめぐる議論の経過から考えてみまして、この一般化だけでは私は済まされないように思われます。つまり昨年四月十六日の参議院地方行政委員会において消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案が審議されておりますが、その際に、建築許可の際の消防の側のいわゆる同意であります。この同意の問題が議論になっているのであります。そのことは建築基準法の面から見れば、建築基準法への都市計画的観点の導入の問題ともからんで議論をされております。建設省の三宅住宅局調査官は、当時私は議席を持っておりませんでしたけれども、社会党の鈴木委員の質問に答えて、「建築基準法の改正ということは、現在いろいろな方面で問題になっております。たとえば都市計画的な問題もございますし、それから技術的な問題、防火、避難という問題もございまして、多方面にわたっておりますので、なかなか成案を得るのにひまがかかっておるというのが実情でございます。」と述べておられます。
 そこで建設省にお尋ねいたしたいと思いますが、法案改正にはひまがかかるということで、建築基準法の施行令の一部改正が行なわれたわけでありますが、法案改正はいつごろになり、そこへの都市計画的な観点の導入の問題はどのように処理されるおつもりですか……いまのは、見えてから答弁いただきます。
 昨年の十一月の二日に発生した有馬温泉の火災以来、自治省、消防庁を中心に、関係各省庁で旅館ホテル防火安全対策協議会なるものをつくって、対策について協議を続けられてきたわけですね。私は、昨年十二月五日に開かれた事務次官会議の結論も見ました。各省とも、どうも消防行政における都市計画的観点の導入という観点に乏しいように思われます。もちろん、一口に都市計画的観点の導入といってみても、でき上がってしまった市街地をどうするかという問題はたいへんなことだと私も思います。しかし、少なくともこれから行なわれる増改築には、できる限りそういう面を取り入れていくということは、建築基準法の改正で十分できるはずであります。
 これは、私だけの指摘ではありません。四月三日の本委員会での私の指摘に賛成をされて、きょう大臣お見えでありませんが、自治大臣は明確にこう述べているのであります。「それからもう一つ、これに関連いたしまして、消防庁だけの仕事でなくて、やはり建築基準法の関係がございます。たとえば今度のトルコぶろの火災のことを振り返ってみましても、実は増築した分にタンクローリーなんかくっつけて、もともと許可を得ていないんですね。それから消防車の入る道がもうすでに狭くて活用できないとかいういろいろな点において、これは総体的にひとつ考えてやりませんといかぬし、こういう経営者もまた、自分のことを守ることですから、反省してもらいませんと。いままでの消防行政と申しますか、こういう災害に対する、ことに火災対策というものを一生懸命やっておりますけれども、実情はなかなかそれに沿うていかないのは、いま申しました消防庁のやる仕事、それから建築関係の仕事、それから都市政策としてのやはり道路関係、これはそういう営業をおやりになるときの許可をどうしてするか。いろいろなことが総合的にやはり考慮されてまいりませんと、これは消防庁の責任をのがれるとかそんなことじゃありません。私の申し上げるのは、やはり徹底的な方法を考えてやらなくちゃならぬ。」、こういうふうに自治大臣は答弁をされているわけですね。
 大臣がほんとうにこのように考えていらっしゃるのであったならば、ひとつ自治省もそういう方向での建築基準法の改正の早期実現に私は十分努力していただかなければならないと思います。
 片山津温泉大火との関係でその次に問題になるのは、やはり市の消防力の問題だろうと、こう思います。当時の朝日新聞では、「消防力の方は六、七階建のホテルが次々と建っているのに、ハシゴ車もシュノーケル車もない状態。」だとあり、読売新聞では、「それに道路上の消防用取水管も二百ミリの本管一本だけで、思うにまかせなかった。急膨張する温泉郷に消防力も追いつかなかった。同温泉を受け持つ加賀市消防本部片山津分署の消防士は十人、消防車はわずか二台。常時勤務の消防士は五人」とあります。国の消防力の基準に照らして、全国の平均から見て加賀市の消防力はどの程度だったのですか。
#7
○政府委員(松島五郎君) 消防力の基準から申しますと、加賀市は、消防署としてはポンプ車六台程度が基準になろうかと思います。それに対しまして、現在持っております台数が八台でございますので、この部分につきましては、消防力の基準を一応上回っておるというふうに思っております。一方消防団が保有すべきポンプ車等、これは口数で出してございますが、これでまいりますと、百四十三口程度が基準でございます。それに対しまして、加賀市が現在持っております消防団の口数は三十六口でございますので、これはもうかなり消防の基準を下回っているということでございます。全国平均的に見ますと、消防力の基準に対して大体六割程度になっているというのが現状でございます。
#8
○和田静夫君 若干古くなった面もあると言われる国の消防力の基準に照らしてさえこの低い消防力が、やはり大火の原因であると考えて見ますと、これもまた消防白書が指摘しているきわめて一般的な問題点であるということが私はできると思うのです。つまり消防白書は、この二ページから三ページにかけてこう指摘しているのであります。「消防力の整備している大都市ほど出火率は高いが、一件当り焼損面積は減少しており、特別区では二十七平方メートルで延焼が防止されているのに対し、消防力の整備されていない中小都市、町村となるにしたがい一件当りの焼損面積がふえ、町村では特別区の五倍の百三十四平方メートルを焼損している。
 また、昭和四十二年において二十棟以上全焼した火災をみると、総数十五件で、そのうち広島市、船橋市、両都市の火災を除く十三件はいずれも町村地域に発生した火災であり、しかも延焼拡大の原因のうち四六%は水利不足に基づいている。これらによってみると、消防力が整備されていない地域においては、一件当り建物焼損面積が大きく、大火も多い。したがって、消防力の整備の遅れている地域、特に中小都市および町村の普通消防力の増強が急務であることが痛感される。」そうしますと、そこで直ちに、そうしていつも問題になるのが市町村の消防費の財源強化方策であります。消防白書は、市町村の消防費の財源強化方策として、消防施設及び人員の基準である消防力の基準について新しい事態に即応するよう再検討を加え、これを地方交付税の基準財政需要額の算定基礎に十分反映させるようにする必要がある、こう言っております。確かに消防費の単位費用は四十一年五百九十四円、四十二年六百八十二円、四十三年七百九十円、そして四十四年九百七円と引き上げられてきました。これは、確かに各市町村の消防力が徐々に国の消防力基準に近づいていっている結果であり、同時に原因であるということを示すものでありましょうが、ここで想起されるのは、四月二十二日の衆議院地方行政委員会における門司さんの発言であります。門司さんはこう言っております。「この中で私が一番遺憾に考えておるのは消防であります。消防は人口で切られておる。消防は人口で切ることも一つの方法かもしれない。しかし、今日の消防の実態というものは、人口で割り出すような、昔のような平面的な家屋ではないはずであります。家屋は高層化してきておる。しかも建材はきわめて可燃性のものが多くて、火事があれば心ず死人を出すということに大体なっておる。そういうときに、消防の測定単位を人口だけできめていくというようなことでよろしいかどうかということであります。」こう述べております。それに対して細郷財政局長はこう答えているのであります。「消防費の測定単位を何にしたらいいか、おっしゃるように、いろいろ社会情勢の変化で考えなければいけない点があると思っております。昔は、御承知のように火を使うのは人間だというような考え方、そういった素朴な考え方から、人口割りがいいであろう、こういうことであります。しかし、それじゃ人口以外にどういう要素がいいのかといっても、これもなかなか名案が実は出てこないというのが現状でございますので、人口を基礎にしながら補正を使うことによってそれを補っていきたい、こういう考え方でやっております。」確かに消防費には段階補正、態容補正、寒冷補正、人口急増補正、都市圏補正などが複雑にかけられています。つまり、たとえば今度の片山津温泉に例を取ってみても、最高時にはふだんの人口の三倍にもなるような、こうした温泉場の消防力としてふさわしい消防力がこれらの補正によって追求されているといってよいのだろうか、言えるのだろうか。そうなっていないからこそ、最高時は温泉と住民合わせて一万七千人にもなる全国第四位の温泉街に、消防士は十人、消防車はわずか二台、常時勤務の消防士は五人といった、今度のようなことになるのではないですか。その点消防庁長官はどのようにお考えになられますか。
#9
○政府委員(松島五郎君) 御指摘のように、消防の基準財政需要額の算定は人口を基礎にしておりますけれども、最近のように人口の動きがいろいろな形であらわれるという事態に、どういうふうに対応していくかということは非常にむずかしい問題でございます。お話のような温泉観光地におきましては、休日等には人口が急にふえるわけでございますので、人口が急にふえるということは、他面から申しますと、それだけ収容する建物ができておるということになるわけでございます。通常の町や村でございますと、人口は建物とはほぼ一定の比例関係にあると思いますけれども、いま御指摘になりましたようなところでは、常住人口と建物との関係が必ずしも比例関係にないということは御指摘のとおりでございます。したがいまして、補正のしかた等を考えます場合にも、そういった要素を今後取り入れるというようなことについて具体的な措置をどういうふうに考えるかという問題も検討する必要があろうかというふうに考えております。
#10
○和田静夫君 朝日新聞の、先ほど読みましたように、「消防力の方は六、七階建のホテルが次々と建っているのに、ハシゴ車もシュノーケル車もない」という指摘がありました。
 また、五月二十日の「北国新聞」によりますと、北国観光会社加賀支店長の原口さんという人が一月にこのような予言的な投書を加賀市長あてにしているのであります。「普通火災なら消火センの利用でよいだろうが、強風下の出火で湖畔の旅館街へ延焼したら、優秀な加賀市消防といえども苦戦はまぬかれないと思う。湖水に満々と水をたたえながら、水あって水なしの防火戦となりましょう。最低、消防車二台分の能力をもつ消防艇の設置が必要です。群馬の水上温泉、兵庫の有馬温泉の大火の例もあり、貧乏くじを引かぬよう加賀市としても考えるべきでしょう。道路、旅館の建築状況からみて湖面から筒先六ヵ所くらいの放水が出来る消防艇の用意が必要と信じております」、これは実は火事になる五ヵ月前の予言的な投書であるのであります。
 そこでお尋ねをしたいのですが、温泉街火災に備えて当然補助金の面でも措置されていると思いますが、全般的にそれはどのようなものですか。国の補助の対象となる消防施設を定める政令に基づく補助対象には消防艇が入っておりませんが、予算面では科学消防施設整備費補助に必要な経費として四億一千九百六十二万二千円が計上されておりますが、この中に、温泉地帯にこうした消防艇を買う費用のための補助も見込まれているのですか。
#11
○政府委員(松島五郎君) 消防施設につきましては、御承知のように、消防施設に対して補助金を交付いたしております。消防の充実の必要があるというところに対しましては重点的に特別の改善をいたしておるわけでございます。ただ現在の状況でございますと、市町村の要望を前提として補助金を交付するわけでございますので、必ずしも、こちらがここにというふうに押しつけるわけにはまいりませんので、その点ちょっと不徹底の点もあろうかと思いますが、私どもとしましては、できるだけ優先順位を消防力を必要とする地域に置いて交付をいたすわけでございます。
 なお、消防艇につきましては、予算で補助を出すことになっておりますが、地元の要望等も参酌した上で、消防艇の充実の補助金の交付をいたしてまいるつもりでございます。
#12
○和田静夫君 ちょっと前に戻りますが、建設省がお見えになりましたので……。先ほど質問したのですが、建築基準法の法律改正はいつごろになりましょうか。そうして都市計画的な観点の導入という問題はどのように処理されるおつもりであるか。
#13
○説明員(沢田光英君) 建築基準法の改正はただいま衆議院のほうの建設委員会にかかっております。内容といたしますと、大きく分けまして三点です。第一点は、いわゆる執行体制の強化、違反是正、かような問題が第一点でございます。第二点は、ただいま議題になっているような防災問題の規定の改正でございます。第三点は、いわゆる都市問題にからみます集団規制関係の問題でございます。これを簡単に申し上げますと、まず防災関係の基準法の改正は、実は一月に行ないました政令改正と大いに関係がございます。相次ぎます特殊建築物の災害、人命損傷、そういうことが続きましたもので、法改正を待たずして、基準法の改正を待たずして政令の段階で手当てのできる問題、たとえば防火区画の強化、あるいは防火とびらの機能の強化、それから内装制限の強化、すなわち煙の出るような内装を一部から排除する問題、それから地下街に関します規制の強化、この程度のものを実は一月に政令改正を行なっております。ところが今回の改正におきましては、その政令改正でカバーができませんでした部面を取り扱っております。
 その第一点は、実は建築物が、特に特殊建築物のホテル、旅館等、そういうふうな施設の用途が非常に多様化してございます。たとえば磐光ホテルの例を見ましても、ホテルと申しながら実際焼けましたところはレジャーセンター的なところでございまして、基準法上はホテルでございますが、実際はレジャーセンター的な機能でございます。さようなことで、基準法上の扱いといたしまして、単なる旅館、ホテルのたぐいではなしに、さようなものも類するものとしてさような中間的な用途を政令できめられるような根拠法を入れる。それが特殊建築物の全体にわたって入れられるような根拠法を入れる、これが第一点でございます。
 第二点は、政令で残りました点といたしまして、防災関係の煙の問題に関します排煙設備がいままで中に入っておりませんでした。かようなものを入れる。あるいは非常用照明装置を入れる、あるいは非常用エレベーターを入れる、かような防災関係の設備の強化をはかる、かような手当てをしてございます。それと、したがいまして先ほどの政令と今回の法改正が合わさりまして、大体十分な手当てができたものと思っております。
 第三点の都市計画的な話でございますが、これは新しい都市計画法が実は昨年できまして、市街化区域と市街化調整区域に分けまして、市街化区域の中は、十年間におおむね公共投資を行なって市街化するというところでございまして、ここには実は用途地域を必ずきめる。いままで市街化区域でございましても、白地の、都市計画区域でございましても用途地域がきまってございません地域がございます。さような点を残さないように用途地域をきめるというふうな原則になってございます。一方基準法におきましては、用途地域は住居、商業、工業、準工業の四つが基本地域になってございます。この四つではなかなか近来の都市の用途形態、こういうものをすっきり分けることがなかなかうまくいきませんので、大体混合地域になりがちで、公害、その他の問題が起こってまいります。したがいまして、これを住居環境、こういうものに主眼を置きまして、八つの地域に整理をいたしまして、住居環境を非常に守れるような第一種住居地域、第二種住居地域あるいは一般の住居地域、住居地域だけでも従来の一つのものを三つにしております。そのほか商業地域を二つに分けて、小売り店舗のようなものも含める商業地域と、あるいはいままでの大商業地域、かようなものに分けてございます。したがいましてさような用途地域に従いまして、その中に建てられます建物のそれぞれの規制を確保していきまして、たとえば北側斜線を設けるとか、さようなことで日照の限度とか、さような形態規制も同時に盛り込んでおります。以上が簡単な経過でございます。
#14
○和田静夫君 建築審議会の答申に基づいて建設省から出されている、いまも説明がありましたように、建築基準法の改正案ですね、これは私は小規模の建築物に対する消防の同意権を不要とするなど、その面では私は後退している、そういうふうにも考えるんですが、全国消防長会も昨年の十二月二十五日付の建築基準法改正案に対する要望として、その点について、消防同意の制度は、建築物の新築、増改築等にあたり、当該計画設計の段階において消防機関が防火の専門家としての立場から消防意見を付し、当該計画に反映させようとするものである。そのことは最近における新建築材料の開発や国民生活水準の向上による生活様式の変化等により、特定な防火対象物だけでなく、一般店舗併用住宅、専用住宅に至るまで共通のものであり、生活文化に見合った防災知識の導入を必要としている。小規模とはいえ特殊な用途に使用されるもの及び店舗併用住宅、専用住宅等広範囲にわたっているが、消防同意件数にあっては年間八〇から九五%を占めている状況にある。ここにおいて消防同意を廃止するという考え方は、災害発生の事情を無視したものといわなければならないと指摘していますが、建設省はその点はどのように考えておりますか。
#15
○説明員(沢田光英君) 消防同意の件に関しましては、当初さような審議会の答申もございました。あるいは各団体からの意見も十分聴取し、ただいま出ております改正案におきましては、従前と同様、消防の同意が付せられております。
#16
○和田静夫君 先ほど来現行法下の問題点を指摘したわけですが、片山津温泉の場合、言われるようにほんとうに現行法が完全に守られていたのかどうか実はお聞きをしたいのです。現行法が完全に守られていて、今度のような大火になったのでしたら、そしてまた消防当局は多くの新聞に現行法上あまり違法がないんだというふうに指摘をされているんですが、守られていて大火になったということであったならば、まさに現行法そのものの問題ですが、そうでなかったならば、そこに査察の問題が生ずるのであろうと思うんです。
 そこで具体的にお尋ねをいたしますが、毎日新聞によりますと、旅館にはプロパンガスや重油などが大量に置いてあったため爆発が相次ぎ、消火をはばむはめとなってしまったとありますが、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律等違反の事実はないんですか。
#17
○政府委員(松島五郎君) 液化石油ガスの規制の関係は通産省関係でやっておられますので、詳しい事情は聞いておりませんけれども、私のほうでただいままで消防関係から聞いておりますところでは、特に違反があったから問題があったというふうな情報は得ておりません。
#18
○和田静夫君 いまの点、いまの長官の答弁をそのまま受け取っておくわけにはいかないんですが、調査をしてもらって、後ほど御返答賜わりたいと思う。北国新聞には、「モルタル建築は火に弱い。アッという間に燃えひろがり、しかも熱くて近寄れなかった。類焼を最小限にと火の手を取り囲み放水したが、モルタルや新建材の壁が水をはね返した。そこで内部から放水するという作戦をとった」というふうに消防署員の発言が載っておりますが、建築基準法の三十五条の二、それから同法施行令百二十八条の四、百二十九条の違反はなかったんですか。
#19
○説明員(沢田光英君) 私どものほうには特定行政庁のほうからまだその報告を実は受けておりませんもので詳細お答えできませんが、御要望によりまして後刻報告を徴して御返答いたしたいと思います。
#20
○和田静夫君 きょう私の時計の数字では六月十二日なんです。で、起きたのは五月十八日なんですよ、約一月たって報告を受けていないからという答弁というのはどうも解せないんですが、その辺は一体中心はどこになるか知りませんが、消防庁、どういうことになるんですか。
#21
○政府委員(松島五郎君) この建築関係と申しますか、こういう関係はいろいろに分かれておりますものですから、何かなわ張りを言っているようで恐縮でございますが、ただいま御指摘の点は内装制限の問題で、建築基準法の関係で、私どものほうには直接報告は入っておりません。
#22
○説明員(沢田光英君) ちょっと私のお答えがまずかったと思いますが、旅館、ホテルのような建物――確かに特殊建築物のものに関しましては、建築主事のところに建設の建築段階におきまして確認申請が出てまいります。したがいまして、確認申請の段階では、違反があれば是正されますし、これが確認を受けまして必ず建てられる。特に特殊建築物につきましては厳重にやっておりますから、その段階ではまず違反のことが起こり得ないと思います。それからもう一つは、できあがった段階におきまして建築主事の竣工検査をいたしております。したがいまして、この段階におきましても当然検査がされているので、違反はなかったものと考えます。
#23
○和田静夫君 私は現地に行ってきておりますからね、いわゆる北国新聞には、「鉄筋旅館のシャッターも猛火には弱かった。」とあります。これは当然建築基準法の二十六条、施行令第百十二条、百十三条、百十四条違反の事実の問題と実は関連するんですが、きょうはこれ以上はあれしませんが、後ほど調査の結果について詳細に御返答を賜わりたい。なぜこういうことを言うかといいますと、いまちょっと記事が見つからないんですが、実力者のところが実は火元になっておる。したがって罹災を受けた人たちの中にはかなりの疑義がある、この火事の火元のところに対しては。そういう点がありますから実は質問しているのです。火元の白山荘本館では、漏電報知器が一回、火災報知器が二回も鳴ったそうです。何かその面では手落ちはないか。これもひとついま答弁できなければ――担当は消防ですか。
#24
○政府委員(松島五郎君) 漏電報知器が九時三十分ごろ鳴ったというふうに言われておりますけれども、これもだんだんその後調べてみますと、鳴ったように思うとか、いやよく聞かなかったとかいうふうな事情がございまして、明瞭でございません。それで漏電報知器がかりに鳴ったといたしますと、漏電報知器の構造といいますか、機械的な面から見まして、それが瞬間鳴ってすぐやんでしまうということはあり得ないというのが専門家の意見でございます。漏電の事実がある限りとまるということはないということでございますので、この点は鳴ったのか鳴らないのかということは、かりに鳴ったとしても、あとになって聞いた人がごくわずかであったとかという関係もございまして、いまのところ事実を正確に突きとめることはできないという状況でございますが、技術的見地から申しますと、いま申し上げたとおりでございます。
 それから火災報知器が、漏電報知器が鳴ったといわれます九時三十分ごろからさらに三十分ぐらいたちましてから音を聞いたというふうに言われております。そこで、これは鳴りますとどこの部分かということは大体わかるように区分されておりますので、そこを調べてみたけれども異状はなかったということでございます。ところがさらにそれから三十分たってから自動火災報知器が再び鳴ったということで再度調査をした、ところが異状が認められなかったと言われておる。ところがほんとうの火災になった一時半前後のときには火災報知器が鳴らなかった、こういうことでございます。そこで、一体そういうことがあり得るのかということが問題でございますが、考えられますことは、その報知器のベルが鳴りました際に、とめる装置がもちろんございます。そのとめる装置のうちには、鳴ったのを一たんとめました場合には、しばらくたつと自動的にまた鳴る位置に戻っていくものと、自分で元の位置に戻さなければ再び鳴らないという装置のものとがございまして、この装置は焼けあとから出たものでございますので、衝撃等によってまた事情が変わってまいりますので、必ずしもこれをもって事実を確認することはできませんけれども、とまる位置にあったというふうに言われております。したがいまして、そうしますと、何度も鳴るので、とめてしまって元へ戻すのを忘れていたのではなかろうかという問題もございます。それともう一つは、火災報知器というものが、火事のときだけ必ず鳴るというふうにまで技術的に完成しておりませんものがございまして、気圧の変化等のために間違って鳴るということもないわけではないようでございます。そういった点から、おそらく、二度も鳴ったのでとめてしまったのか、あるいはとめて元へ戻すのを忘れたのか、そういう事情があったんではなかろうかというふうに考えられますけれども、何ぶんにも焼けてしまったあとでございますので、その辺を確認することができないというのが現状でございます。
#25
○和田静夫君 こうした火事が起こるたびに査察の強化ということがいつも言われるわけでありますが、四月三日の本委員会で、新宿のトルコぶろの火事に関連して、「早急に予算措置をして、ある一定期間ある地域を指定をして、集中的に調べてみると言いますか、いわゆる四条の条項に基づく諸件を満たしてみる必要があるのではないか。そしてその結果を、本委員会として立ち入り検査関係者から直接聞いてみることによって実情をつかむことが、打ち続く火災に対処する一つの道ではないだろうか、こういうふうに考えます。その上に立って、長官が述べるように消防署の査察機能の充実、予算措置について本委員会として主張していくといったことも考えられるのではないかと思うのです。」という提案を私が行ないました。野田自治大臣から御存じのとおり同意をいただいたわけであります。したがって、その後この提案についてどう取り扱っていただいたのか、大臣から求めたいんですが、政務次官。
#26
○政府委員(松島五郎君) 旅館火災の多発している現状にかんがみまして、旅館、ホテルの一斉点検を全国的に実施をいたしてまいったのでございます。で、大体五月一ぱいくらいかかりまして全国的な調査を進めてまいりました。いまその結果を取りまとめ中でございます。
#27
○和田静夫君 それはいつごろからですか。
#28
○政府委員(松島五郎君) 去年の十一月ごろから約半年かかって調査を進めております。
#29
○和田静夫君 もうちょっとそれじゃ説明をしていただきたいんですが、どういう形でお進めになったのですか。
#30
○説明員(高田勇君) 昨年の十一月二日に有馬温泉に火災がございましてから、直ちに大臣の下命がございまして、各省連絡協議会というのをすぐに設けたわけでございます。その協議会の過程におきましてもいろいろと議論が出まして、やはり私どものほうでやるべきものとしては、全国的に旅館、温泉、観光地三百四十九市町村を対象として、そこの温泉、観光地の旅館に対して一斉に査察をしていこう。で、その査察をする場合の重点は、これは人命の対策ということを特に重点を置いて査察をやっていこうと。すべての消防査察、いわゆる財産の焼失を防ぐ、そういうものは今回は二の次にいたしまして、人命の救出に直接つながるものについての点検をやっていこうということで、自動火災報知器設備あるいは避難警報装置とか、あるいは救命救助器具とか、あるいはその誘導灯、そういう関係を中心に査察をいたしております。そして全国的に、不備があるものにつきましては、消防法に規定してございます十七条の四によるその設置の命令、あるいは必要に応じては五条によります、火災の予防上危険だというような認定を市町村長がいたし、あるいは消防本部があるところでは、消防長がいたした場合には、その建物の使用の停止とか禁止とか、そういう措置もちゅうちょなくとるようにということもあわせて通達をいたしておるわけでございます。したがって、現在まで報告がございます中には、その関係の措置をとっているものも相当数ございます。したがって、間もなくその結果が出てまいると思っておりますので、私どもはその結果によって再びとるべき措置がございましたらとってまいりたい、そういうふうに考えております。
#31
○和田静夫君 そうすると、その結果はいつ出ます、間もなくと言われますが。
#32
○説明員(高田勇君) 五月の末までに出せと、こう言っております。で、もうすでに三十数県から出ております。したがってもう、その後については督促をいたしておりますので、間もなく全部そろうかと、かように考えます。
#33
○和田静夫君 その間もなくというのは……。集まってきますね、それから検討を加えられて、たとえばわれわれに提示ができる、資料としてたとえば要求をすればいただける時期というのはいつごろになりますか。
#34
○説明員(高田勇君) それは各県全部でかなり膨大な資料になっておりますので、すぐにというわけにはまいりませんと思います。したがって、七月まではかかってしまうかと、かように考えています。
#35
○和田静夫君 そうすると、いまの資料については七月一ぱいで、必要な問題について資料要求をすれば私たちに提示願えると、確認しておいてよろしいですか。
#36
○説明員(高田勇君) なるべく早く私どものほうでは整理いたしたいと、かように考え、できるだけ早くやりたいと思っております。
#37
○和田静夫君 五月三十日の朝日新聞の「海上事故を未然に防げ」「フェリーの車は燃料へらそう」というこういう投書を読んだのであります。で、私はこの投書を読んですぐ船舶安全法を調べてみました。その二十八条に、「危険物其ノ他ノ特殊貨物ノ運送及貯蔵ニ関スル事項並二危険及気象ノ通報其ノ他船舶航行上ノ危険防止二関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム」とあります。カーフェリーの場合、ここでいう「特殊貨物ノ運送」に該当すると思うのですが、カーフェリーの運航に関し必要な事項についての命令はどうなっていますか。
#38
○説明員(高田健君) お答え申し上げます。
 カーフェリーが自動車を運びます場合に、自動車そのものは一応危険物になっています。法律第二十八条によりまして、危険物船舶運送及び貯蔵規則という省令を設けております。その省令で、船舶によって危険物を運送します場合を規定してございますが、先ほどの一般的な自動車を運ぶということについては、先ほど申しましたように、自動車そのものが危険物の一つになっております。それから危険物の運送でも、自動車の上に危険物を積みましてこれを船舶で運送する、これがカーフェリーでは起こってまいることでございますけれども、その場合についても規則を定めてございます。
 以上、お答え申し上げます。
#39
○和田静夫君 自動車渡船構造基準というのがございますね。この基準というのは、船舶安全法の二十八条に基づく命令として、明確に法律的効果を持つものですか。
#40
○説明員(高田健君) 船舶安全法によりまして、船舶の建造の場合に、構造検査を私どものほうはいたしております。自動車渡船の船体構造及びその設備を検査いたします場合に、ただいま和田委員がおっしゃいました基準、これは内規でございますけれども、ただいまは内規の形で、その自動車渡船の構造及び設備を検査するその基準としてこれを用いております。省令ではございません。
#41
○和田静夫君 おそらくこの投書お読みになったと思うのですが、たとえば一つは、カーフェリーの火災の危険について指摘をしながら、「カーフェリーに乗りこむ乗用車のほとんどが、ガソリンを満タンにしていることです。」とか、幾つかの提案がなされております。いまの自動車渡船構造基準なるものを読んでみたのですが、その消防上の配慮というところには、「車両区域には、禁煙の標示をすること。」と一項あるだけです。これではこの投書者が危惧を抱いていることがどうももっとものような感じがする。この投書によれば、運輸省も何か対策を考えているというふうになっているのですが、そうですが。この投書者の具体的提言を運輸省はどのように処理をされるつもりですか。
#42
○説明員(高田健君) 先ほど申し上げましたように、自動車渡船構造基準は、この構造及び設備に対する基準でございまして、したがって、その設備として火気厳禁、あるいは禁煙の標示をする、あるいは自動車の係止装置を設けるというふうなそういうものの規定をしております。で、船の上で実際に禁煙を守ってもらう、その標示を励行してもらうということにつきましては、運航者あるいはその船長の管理に期待するわけでございます。で、先般来、自動車渡船の事故が幾つかございまして、大臣の御指示によりまして海運局、船舶局、船員局共同いたしまして自動車渡船の運航業者に対して十分な技術指導をするようにということで、いまその具体案をいろいろ海運局を中心につくっておられます。先般はとりあえず運航業者に対して、運航管理を安全の面から十分強化するようにという指示を大臣から電報を打ったところでございます。
#43
○和田静夫君 言われるところのカーフェリーとは、海上運送法第二条にいうところの「旅客定期航路事業」に該当するそうですけれども、それは一般旅客十三人以上乗せるものをいうとなっておりますね。この自動車渡船構造基準にも、「旅客船(一二人をこえる旅客定員を有する船舶)」と、こうなって、「に使用する自動車渡船は、鋼船とすること。」とありますが、十二人以下の旅客しか乗せないカーフェリーはこの基準の適用は受けないことになりますが、そうですが。
#44
○説明員(高田健君) この基準の直接の適用は受けません。しかし、木船の自動車渡船でございましても、検査する場合には、危険物である自動車を運ぶということについては留意するように指導いたしております。
#45
○和田静夫君 たとえば瀬戸内海ですね。瀬戸内海ではこの十二人以下のカーフェリーが野方図に横行しており、海上が非常に混雑しているそうでありますけれども、運輸省はカ−フェリー事業の実態を全体的につかんでいらっしゃいますか。
#46
○説明員(高田健君) 船舶局が直接これにタッチしておりませんので、よく存じませんけれども、海運局のほうでは、自動車航送船につきましては資料をおまとめ中でございます。昨年の資料を私どものほうではいただいております。
#47
○和田静夫君 ことしの資料というのは、まとめ中と言われれば、いつごろまとまるのですか。
#48
○説明員(高田健君) 私は現在その時点を存じておりません。
#49
○和田静夫君 そうしますと、これはひとつ連絡をとっていただいて、カーフェリー事業の全体を資料としていただきたいのですが、よろしいですか。
#50
○説明員(高田健君) そのように連絡いたします。
#51
○和田静夫君 投書の後半の部分ですが、「第二の問題は、東京湾など閉塞された港湾に超大型タンカーを入れないということ」という提案があります。タンカーの入港に伴う港の安全については、港則法二十一条、二十二条、二十三条に基づいてはかられていると思うのですが、それでよろしいですか。
#52
○政府委員(林陽一君) そのとおりでございます。
#53
○和田静夫君 そうしますと、二十二条のびょう地の指定を受ける場合というのはどういう場合ですか。
#54
○説明員(山本了三君) 「びょう地の指定を受けるべき場合を除いて、」と書いてありますのは、びょう地の指定を受けました場合は、港長がそういった関係を考慮して指定するということで、したがいまして除いたわけでございます。
#55
○和田静夫君 いわゆる第五条との関係ですね。
#56
○説明員(山本了三君) そうでございます。
#57
○和田静夫君 そうしますと、タンカーの入港に伴う港の安全については、消防を含めて、港長のもとでいわば港湾自治的にはかられているというふうに理解してよろしいですか。
#58
○説明員(山本了三君) 港長の所管に属しておるというふうに考えてよろしいと思います。
#59
○和田静夫君 よろしいですか。そうしますと、この投書で言うところの閉塞された港湾へ超大型タンカーを入れるか入れないかという問題も、各港ごとに自主的にきめるということになる。その際運輸省は何か基準を設けて指導をされないわけですか。
#60
○政府委員(林陽一君) 東京湾、伊勢湾その他の狭水道を通って入らなければいけないようなところの閉塞された港湾に超大型タンカーを入れるか入れないかの問題でございますが、これは一港長の判断によって港内の安全をはかるために決定することのワクを越えたことであると、かように考えます。東京湾、伊勢湾等に石油コンビナートがございまして、それに基づきます工業地帯が開発されております。それを前提といたしましてある程度以上のタンカーが入ってくるということも考えられているわけなのでございまして、したがいまして一港――限られた一地方公共団体の範囲の安全対策ではなくて、むしろ国全体としての国土計画、産業計画の上で決定されるべき問題ではないかと思います。
#61
○和田静夫君 ないかと思われるというのは、私もないかと思われるのですけれども、何かいま言われたような趣旨に基づいてこの際基準を設けて指導をされているわけですか、現実は。
#62
○政府委員(林陽一君) 現在までのところタンカーの船型、大きさによりまして規制するというような指導はいたしておりません。
#63
○和田静夫君 そうすると、将来は先ほど発言をされたような趣旨に基づいてお考えになるということですか。
#64
○政府委員(林陽一君) 先ほど申し上げましたように、これは海上保安庁だけの問題、あるいは運輸省だけできめられる問題ではないと思います。現在までのところまだ関係各省でそのような見地からこの問題を取り上げるようにはなっておりません。
#65
○和田静夫君 この投書で言う「東京湾に三十万トンタンカーをつなげる新しいバースを作る計画」についてのそれでは事実はないわけですか。
#66
○政府委員(林陽一君) 現在ございません。
#67
○和田静夫君 そうですが。計画があるものと書いてありますが、ありませんか。
#68
○政府委員(林陽一君) 私どもの知る限りでは、ございません。
#69
○和田静夫君 これは私も調べたのだけれども、あるのですよね。したがって、より具体的に知りたいと思って実は聞いたのだけれども、担当が違うのですか。後ほど一ぺん調べてくれませんか。
#70
○政府委員(林陽一君) 関係部局と話しまして、調べます。
#71
○和田静夫君 私はここに、「海上保安庁の機関と消防機関との業務協定の締結に関する覚書を」持っております。その第一項の「現地の実情に応じて、両者の協議により」締結される特別の定めは、たとえばタンカーが入港するような港にはすべてなければならぬと思うのですが、いまの説明を聞いていると、どうもないような感じもしますが、ないわけですか。
#72
○政府委員(林陽一君) 先生がいま御引用になりましたのは、四十三年三月の協定でございましょうか。
#73
○和田静夫君 四十一二年四月十日。
#74
○政府委員(林陽一君) 海上保安庁と消防庁の間の……。
#75
○和田静夫君 「海上保安庁の機関と消防機関との業務協定の締結に関する覚書」。
#76
○政府委員(林陽一君) 海上保安庁と消防庁の間で昭和四十三年三月二十九日に覚え書きを締結いたしまして、これに基づきまして、現地におきまして、各海上保安部、保安署と関係の市町村の間で覚え書きを締結いたしております。これが全国で保安部署数にいたしまして六十八部署、それから一部署で複数の市町村を相手にしているのがございますので、市町村数にいたしまして百三十三の覚え書きを締結いたしております。
#77
○和田静夫君 その特別の定めでは、たとえば先ほど問題にしました化学消防艇が必要であるとか、消防設備の面での必要性まで確認をすることができますか。
#78
○政府委員(林陽一君) 各保安部署と市町村の間で締結しております覚え書きでは、現実に船舶火災が発生いたしました場合に、主として保安部署が当たるか、あるいは市町村消防が当たるかとか、それからその経費の分担等まできめてございまして、化学消防船が必要であるかどうかとか、そのようなことまでは規定してございません。
#79
○和田静夫君 この定めで、たとえば消防設備の面での必要性まで確認できたとする。消防艇は別にしましても、この定めによって消防設備の面でその必要性が確認をされたならば、そのための予算措置というものはきっちりと行なうということでなければならぬと、こう思うのですが、これはどうなるのですか。
#80
○政府委員(林陽一君) 両者間の覚え書きによりまして、中央におきましても、それから地方におきましても、原則といたしまして接岸、入渠、上架などいたしております、つまり陸上に密着しております船舶につきましては、主として自治体の消防が消防に当たる。それからそれ以外の船舶、港内、あるいは港外であっても領海内にあるそれ以外の船舶の消防につきましては、主として海上保安庁が当たるということになっております。
 で、この原則に基づきまして、海上保安庁では化学消防艇、それからその他の巡視艇に消防施設を付与しております。したがいまして、主として海上保安庁が当たる業務を予想いたしました範囲内におきましては、海上保安庁の予算で整備してございます。
 それから自治体消防が当たられる範囲におかれましては、自治体消防のほうでやられるようなたてまえになっております。
#81
○和田静夫君 この問題の最後に、東名高速道路の救急対策について若干お聞きをいたしておきたいと思います。
 昭和四十二年七月に消防法が改正をされ、救急業務を行なっていない市町村の区域に係る道路で交通事故の発生がひんぱんな区間について、当該交通事故により必要とされる救急業務を、都道府県知事が救急業務を行なっている他の市町村に実施するよう要請することができること。
 高速自動車国道または一般国道のうち特に救急業務が必要な区間として政令で定める区間について、都道府県が救急業務を行なうこと。
 「人命救護の徹底を期するため、救急業務を行なわなければならない市町村の範囲を一層拡充するとともに、任意に救急業務を実施するものについても国において必要な財政措置を講ずること。」
 「消防の常備化と広域化を促進するため、消防本部・署必置市町村の指定範囲を拡大するとともに、共同処理方式の活用をはかること。」
 「救急業務実施市町村の指定基準をさらに引き下げ、市町村間の業務の共同処理を勧しょうするとともに、現在任意に実施している市町村に対して所要の財源措置を行なうこと。」となったわけですが、六月十日の毎日新聞には、「東名高速道路では全線開通前日の五月二十五日、静岡県引佐郡三ヶ日町の上り線で一人死亡、七十五人が重軽傷を負う事故が起きたが、三ヶ日町には消防署、救急病院がないため救急活動が手間どり、負傷者の収容が遅れた。」とある。こうした事態は、改正消防法の精神に照らして、市町村の救急業務上、連携に問題があったのか、県の指導あるいは補完行政に問題があったのか、どちらですか。
#82
○政府委員(松島五郎君) 静岡の三ヶ日町に起きました高速道路上の事故につきましては、私どももいろいろ検討をして対策を考えておる段階でございますが、事故の通報をそれぞれの消防署で受ける段階で若干時間がかかったのではないかということが一つ考えられると思います。で、そういったことから、通信連絡体制というものをどういうふうにしていくべきかということで、ただいま建設省、道路公団等ともさらに詰めておる段階でございますけれども、一つの案といたしましては、各消防本部に公団の使用しておりますサイクルの無電機を備えつけるということによって、一刻も早く情報をキャッチできるような体制をしいていったらどうかということで検討をいたしております。
 それから第二点は、御指摘のとおり、三ヶ日町では、浜松市が県の要請に従いましてその地域の救急業務をいたしておるわけでございますので、三ヶ日町に救急隊がないためにその地域が全くの穴になっているわけではございませんで、連携するようになっておりますけれども、ただ何ぶんにも浜松市のインターチェンジが浜松市の一番東側、東京側に寄っております。三ヶ日町は浜松からかなり西のほうでございまして、御承知のとおり愛知県との県境に近いところにあるわけでございまして、したがいまして、一たん救急車が東に出てそれから西に入ってくるという態勢になっておりますので、時間がかかる問題が出ております。その解決の方法といたしましては、やはり三ヶ日町が救急隊を持つということが必要でございますけれども、ここは人口七、八千の小さな町でございます。また内容を調べてみましても、救急病院になるというような病院がない現状でございます。したがいまして、単に三ヶ日町が救急隊を持ったからというだけではなかなか解決しない問題がございますので、一つは、もちろん三ヶ日町に何らかの形で救急隊を常駐するような体制をつくりたいということで関係方面と打ち合わせをいたしておりますけれども、もう一つは、浜松市からこの高速道路に入る道というものをもう一つ見出すことができないだろうかというようなことで、たとえば浜名湖畔にサービスエリアがございますが、そのサービスエリアから進入できるようなことも検討する必要があるのではないかというようなことをただいま関係者と打ち合わせをいたしておる段階でございます。この三ヶ日町の事故の場合に一番早く出動いたしましたのは豊川市の消防救急隊でございまして、距離的には豊川市が一番近いわけであります。そこで、私どもは前々から言っておることでございますけれども、高速道路上の事故の通知がありましたならば、一番近いところがら一番近いところへ、一番近いところのインターチェンジの所在市町村の消防救急隊が入って、そうして救急病院としては、自分の地域であろうと、一番近いところへ搬送するというような体制をもっと連絡を密にしてやっていく必要があるのではないか、かようなことも考えております。
 それからなお、三ヶ日町の場合にはたいへんたくさんの死傷者が出たわけでございますけれども、そのうち緊急に搬送を要する重傷者というのは五、六人だったと記憶いたしております。あとは一たんサービスエリアまで運びましたところ、最初のうちは何でもないとおっしゃっておりましたのが、どうも頭が痛いとか、いや背中が痛くなってきたというようなことを訴えられましたために、そこで、一たん救急隊が帰りましてから再び救急隊に連絡して出動をしてもらったというような関係で、多少時間がかかっているようでございます。こういうような場合に対処するためには、あらかじめ事故の大きさがわかりますと、私ども専門家にも聞いてみましたのですが、事故者数と重傷者数というのはやはり経験的にはある程度の比率があるというようなお話も伺っておりますので、大きな事故だという場合には、単に救急車というだけでなくて、必要があればバスを借り上げて出動させるというような方途も同時に考えていくようにしなければならないのではないか、かように考えている次第でございます。
#83
○和田静夫君 いずれにしても、先ほど時間がないもんですから一緒に読み上げてしまいましたが、この消防法改正の際の参議院の本委員会における附帯決議、先ほど読み上げた最後の三つの項ですね、忠実に守られていたならばこのようなことに至らなかった。したがって、委員会の附帯決議というものは満場一致でいつもきまりますが、どうも決議としてただ流されておって、それが重視をされないがゆえに私はこういうようなことになるという感じが、附帯決議を読み返してみればみるほど実はするのであります。その点私は、消防庁としての責任というものは免れないのではないだろうかというふうに考えます。たとえばいまの三ヶ日町に救急病院がなかったということ。そこに救急病院がなくても近辺にあるので間に合うということなのかどうなのかということも、一つはたいへんしろうと目には疑問に感ずるところなんです。それとも、東名高速道路消防連絡協議会が厚生省に対して、少なくとも沿線の国立、公立病院を救急指定病院にしてほしいと要望していることにかんがみてみますと、厚生省との連絡が悪かった、完全にいかないうちに貫通してしまったといいますか、そういうことなのか、その辺はどうなんです。
#84
○政府委員(松島五郎君) 高速道路の沿線の市町村の救急病院の問題でございますが、救急病院は、先生御承知のとおり、病院側の申し出に基づきまして、一定の基準に合致するものを都道府県知事が指定するということになっております。しかし、救急病院になりますためには、当然のことではございますけれども、外科の先生がおいでにならなければならないとか、あるいは二十四時間待機し得るような態勢がとられていなければならないとか、あるいは、常に急患者が運び込まれることを予定してベッドをあけておかなければならないというような、いろいろな条件と申しますか問題がございまして、なかなか救急病院の指定というものが思うように進まないというのが現状でございます。で、東名高速道路の場合について見ましても、大都市、大都市と界しますか、あるいは中都市程度までのところにはかなり救急病院もありますけれども、先ほど御指摘になりましたような三ヶ日町でございますとかそういったところには、救急病院の適格性を持った病院それ自体がないということでございます。指定するしない以前の問題として、指定に該当するようなものがない。また指定に該当するようなものがあっても、なかなか、先ほど申し上げましたようないろいろな点が加わりますために、申し出をしていただくことがむずかしいというような問題がございますが、幸いにして三ヶ日町を除きましては、大体沿道の市町村には救急の指定病院がございます。ただそのうちでも、たとえば――いまちょっと沿道の市町村の救急病院の指定状況を書いた資料を持ってきたつもりでございましたが、見当たりませんが、たしか菊川町のような場合には、救急病院が一つしか町内にはないというようなところもございます。したがいまして、適格性を持ったところはできるだけ厚生省にもお骨折りいただいて指定をしていただくように努力をしていただくということを連絡協議会等でも申しておりますし、私どものほうでもしばしばお願いをいたしておるわけでございますが、同時に、もう少し連絡態勢というものを強化いたしまして、Aの町の病院がなくても、Bの町にどの程度収容し得る能力があるかということを常に沿道の市町村がお互いに把握し得る、そうして、あいたところで一番近いところに搬送できるような態勢というものを常に連絡をとっておくことが必要であろうというふうに考えております。
#85
○和田静夫君 十日に総理府で開かれたはずでありますが、あの高速自動車国道の関係省庁検討会、東名高速道路消防連絡協議会のそれぞれの要望は、どのように処理をされましたか。
#86
○政府委員(松島五郎君) 十日のこの連絡協議会では一応関係各省が意見を述べた段階でございまして、さらにもっと煮詰めていくということでございまして、別に結論はいまの段階で出ておりません。
#87
○理事(熊谷太三郎君) 本件はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#88
○理事(熊谷太三郎君) 次に、昭和四十四年度地方財政計画に関する件を議題といたします。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#89
○和田静夫君 去る四月八日の衆議院地方行政委員会において、山本弥之助委員の質問に答えて、細郷財政局長は、「地方財政計画自体は、地方財源の総量をどう確保するか、またどういう施策に財源の配分をするかという意味での値打ちといいますか、そういう使命というものはやはり依然として大きなものであろうと考えております。」と答えておられましたが、私もまた地方財政計画を、その年度の自治省の地方財政政策の、数字にあらわれた、形にあらわれた姿としてとらえようとしてはおりますが、それにしては、地方財政計画の計画額と純計決算額との間に開きがあり過ぎるのではありませんか。たとえば三十九年度を見ても、四十年度を見ても、四十一年度、四十二年度を見ても、たいへんな開きがあります。四十二年度は九千五百四十一億、四十一年度は八千九百十四億、四十年度は七千五百三十億、三十九年度は六千八百三十八億、これだけの開きがあるにもかかわらず、地方財政計画にどのような現実的意義があるのか。まず説得的に御説明をいただきたいと思います。
#90
○政府委員(細郷道一君) 昭和四十二年度の決算と財政計画とを比べてみますと、御承知のように、一兆一千五百億余りございます。で、歳入の面で一兆一千五百四十九億ございますが、そのどういうところが違うかというのを見てまいりますと、一つは地方税で二千二百億ほど違っております。それは、計画をつくりましたとき以後のいわゆる自然増収というものと、計画に盛らない超過税分というものが入っておるからでございます。それから交付税で、この年で五百四十九億違っておりますが、これは補正予算によります増分――財政計画は御承知のように年度途中は補正をいたしておりませんから、国の補正予算による増加、それから国庫支出金で三百七億ふえておりますが、これも同じく補正予算によるもの。それから地方債で千百億ふえておりますが、これはワク外債の発行によるもの、地元その他で縁故債ができるといったような場合にワク外債の弾力的運用で地方財政の実態にこたえておるわけでございます。それが千百億ございます。そのほか使用料、あるいは雑収入というものでかれこれ七千二百億ほどございます。これは、それぞれの団体で臨時的に起こる雑収入、そういったものが出ておるわけでございます。雑収入につきましては、御承知のように財政計画でも年々これを見積もっておりますが、何ぶんにも雑収入は、必ずしも普遍的なものばかりでない。たとえば、ある町で山林を売ったというような臨時的なものがございます。それから、毎年必ずしも繰り返されない非連続的なものもございます。そういうようなものを捨象をいたしておるわけでございます。さらにこの雑収入につきましては、あとから歳出のほうでも申し上げたいと思いますが、歳入、歳出通り抜けの雑収入があるわけでございます。御承知のように、中小企業に金を預託の方法で貸すといったような場合には、年度内にその同額を回収するというので、通り抜けの歳入がここに上がっておるわけでございます。
 それから歳出のほうでは、四十二年度九千五百四十一億違っております。そのうち給与関係経費で三千七百七十五億違っております。これの大きな原因は、給与の単価と人員の問題でございますが、むしろこの大部分は、給与が高いということでございます。財政計画は、御承知のように国家公務員のベースで計上いたしております。地方団体の中にはそれを上回った給与をいたしておるというところもあるわけでございます。それが給与費等で三千七百七十五億出てまいっております。それから、一般行政経費で三千七百億やはり出ております。この中には、先ほどもちょっと申し上げましたように、歳入、歳出素通りのものが相当額ございます。中小企業あるいは農業関係への金融を年度当初に預託をするが、年度末には回収をするので、歳入に一億立てたら歳出にも同額の一億を立てるということで、その歳入の返還金を財源に充てておるというものがございます。これは形式的に規模に影響がございますが、財源の実体には影響はない。こういったものにつきましては、財政計画のほうではこれを従来から重く取り上げておらないわけでございます。そういったものが一般行政経費でございます。それから公債費に五百億ほどございますが、これは、公債費は私のほうで年々見込みで出しますので、借り入れの時期の動き、初年度は私ども半年分というような見方をいたしております。必ずしもそうでないものもございます。それからワク外の起債もございます。そういった分の違いでございます。それから、投資的経費で二千億出ております。そのうち普通建設事業につきましては千三百二十九億ございますが、その大部分は補助事業でございまして、これは補助金に見合うものでございます。先ほども歳入のところで、補助金は補正その他でふえるといったことがございますので、そういうものの見合いでございます。あとは災害復旧費で違っております。これも補正その他のことが原因になっております。失対事業費も多少ございますが、そういったような内容でございます。
 そこで、財政計画と決算とを合わせるべきじゃないかという議論も実は前からあるわけでございます。しかしながら、合わせることだけに意義があるのかということになってまいりますと、たとえば先ほども御説明申し上げましたように、歳入の面で超過課税といったような、あるいは法定外課税といったような自治体独自の弾力的運用のもの、そういうものを一体当初から歳入に見込んでいいのか、財政計画の中に国の意思として見込んでいいのかといったような問題がございます。それから歳出の面でも、給与費のようなものにつきまして、国家公務員ベースでいこうという考えのものを、実態に合わしてこれを計上していくのがいいのかどうか、そういった面もございます。したがいまして、私どもも実はわれわれこういうことに関係しておる以外の一般の国民の方には、どうも一致していないので非常に言われるわけでございます。私どもも経済界の人や何かの集まりのところに行って説明をいたしますと、どうしてこう違のだ、自治省の見積もりいいかげんじゃないかというようなことを実は言われて、私ども何かこれにうまいくふうがないものかということは実は思っているのですが、地方自治制度の一つのたてまえと、それから先ほど申し上げた普遍的でなく、かつ連続的でないような経費、そういうものを財政計画に見込むがいいかどうか、そういうものをある程度達観的と申しますか、多少の基礎を持った見込みで見積もっていくといったことは一つの方法だろうとは思っております。思っておりますが、少なくとも地方財政計画は、いまお読み上げになりました衆議院の速記録でも申し上げましたように、単に自治省のみならず、各省を通じてことし意図しようとする標準的と申しますか、一般的な施策を財政の面に反映をしていこう、どういうふうな反映をしたらいいだろうか、それによって個々の団体の財源の配分も考えていきたい、こういったような趣旨で実はいっておるものですから、私どもも実は研究課題であるとは承知をいたしておりますけれども、なかなか一挙に解決できる名案が出てきていないというのが現状でございます。
#91
○和田静夫君 計画額と実績との開きということに触れて考えてみますと、地方債計画についても同様なことが言えるのではないだろうかと実は思うんです。地方債計画を策定する目的については、一応「毎年度の起債事業の所要額とその原資との調整をはかり、公共部門、民間部門を通ずる各種の資金需要の中で地方債の所要資金を確保するところにあり、この地方債計画にもとづいて、地方団体に対する起債の許可が行なわれるものである。」矢野、石原、辻共著の「地方財政制度」四七五ページではそうなっている。しかるにこの地方財政白書の三一四ページを見ますと、四十二年度計画額が六千七百四十五億、総許可額が七千七百六十三億六百万、差が一千十八億六百万オーバー、また最近の、五月三十日の「自治日報」によりますと、四十三年度のものが出ております。計画額六千八百六十二億円、総許可額が八千百九十一億六千三百万円、その差は一千三百二十九億六千三百万円のオーバー。そうしますと、ここでもやはり地方財政計画の私は意義が問われることになるのではないか、そう実は思うのです。しかもそのように言うのは私一人だけではありません。ほかならぬ大蔵省がそのように指摘をしておるわけであります。四十三年五月十七日の大蔵省が出した財政計画資料にこうある。「地方債の毎年度の大枠は地方債計画によって定められているが、最近ではこの枠外のいわゆる枠外縁故債が著しく大きくなっている。枠外縁故債には、その性質上当初から地方債計画に見込むことが困難な用地取得債、退職手当債や年度途中における外債発行等による増加発行がありやむをえない面もあるが、枠外縁故債の発行があまり大きければ地方債計画の意味合いが薄れるわけであるから、その発行については検討すべき問題があろう。」こうなっております。その点どのようにお考えになりますか。
#92
○政府委員(細郷道一君) 両方実は理屈があるのだろうと思っております。御承知のように終戦前は地方債の総ワクというものについてはそれほどやかましい規制はございませんでしたが、終戦後司令部がおりましたころに非常にやかましい規制がございました。年度当初にきめたワクは、もう一銭一厘たりともふやしてはいけないというので、当時私どももそういう関係のこともしておりましたが、日参してもどうしてもできない。現に貸してやろうという金融機関があるのにいけない、こういう時代があったわけでございます。しかしその後になりまして、この財投の資金計画にいたしましても、やはり何といっても年度の当初に年間を見積もった資金計画でございますので、年度経過中にいろいろふえてくるものもあるわけでございます。たとえば先生もお詳しいと思いますが、共済の資金といったようなものも、年度途中で予測せざるベースアップがありますと、共済資金がふえてくる。そういうものを使って地方団体にいわば還元をしていく、地方債として。そういうことはむしろ実情に合っているのじゃないかというようなことから、だんだんに地方債のワク外債というものが出てまいりました。もう一つ出てまいりましたのは、交付公債のようなもの、すぐに資金を必要としない、こういったようなものについても、ワクがあるからといってワク外債を認めないのはおかしいじゃないか、こういったような議論も出てまいりました。かたがた年度当初の地方債計画でまいりますと、どうしても大蔵省当局も財投の計画の伸びといったようなことを考えまして、地方債計画をむしろ押えにかかりたいというような考え方が非常に強いわけでございます。それに対してこのワク外債のありますことは、むしろ私は地方の――先ほどもちょっと雑収入で申し上げましたように、普遍的でなくてしかも連続性のないような需要、ある年に臨時的にこういうことをしたいといったような需要にこたえる一つの道ではなかろうか、こういうふうに考えて、ワク外債というものを実は認めるようになったわけでございます。これは非常に国庫当局は強い抵抗をいたしました。ですからいま先生がお読み上げになりましたのは、一応理論的にはそのように聞こえますけれども、むしろその思想は、ワク外債はやめてしまうということは、ワク外債も入れて年度当初の地方債計画をつくるというよりは、むしろ反対に、年度当初につくった計画で年間を押えようという気持ちが強く働いているものと私は承知をいたしております。
 これは大蔵大臣当局の方を直接お呼びいただいて、よくお聞きをいただいたほうが正確だと思いますが、少なくとも私どもがここ二十年ほど接触をいたしておりますところから見ますと、むしろそういう意図がそこにあらわれているのではなかろうか、こういった点も、実は私どもも月に一ぺんか二へんは金融機関のほうの集まりに呼ばれていろいろ行くわけでございます。いろいろ地方銀行の方、あるいはその他の金融機関の方から、地方債のワク外債は困るということを非常に言われるわけでございます。言われるので、いつもその点で大蔵当局と、金融機関は反対だよというので、大蔵当局が、銀行だって反対しているじゃないかということで、いつも言われるのですけれども、しかしこれとても、地方団体がかりに何か自然増収が得られる、あるいは仕事の支払い時期が変わったということで、その間地元の金庫、銀行に金を預託する預託の期間が長ければ、それを見返りに金を貸そうというようなものも個別にはあるわけでございまして、そういうものを私はワク外債で拾うのも一つの方法ではなかろうか、実はそういうふうに思っております。
#93
○和田静夫君 この地方財政白書の三百十四ページの表を見てもう一つ疑問に思うことは、許可額が計画額を一千億余りオーバーしているのに、借り入れ先別に見ますと、政府資金債の計画額は四千五億円に対して同許可額は三千九百二億一千九百万円、百二億八千百万円という政府資金が使用されずに終わっていることなんです。この点四十三年度はどうなのか、またどうしてそのようなことになるのか、御説明を願いたいと思うのです。常識的に考えてみた場合に、地方財政の立場からはなるべく安く、かつ長期の資金がよいに私はきまっていると思うのですが、その意味から私は、政府資金から先に使っていくのが当然だと思うのです。たいへん疑問に思うのですが、いかがですか。
#94
○政府委員(細郷道一君) これは確かに御疑問ごもっともでございまして、私どももこういうことのないようにということで、いろいろ国庫当局とも実はかけ合っておるわけでございます。なかなか国庫当局の意向もございまして、思うようにいかない面があるわけでございます。それはそれなりに、いろいろ事情をお聞きをいただければわかってまいると思いますけれども、実はこういうことは最初に地方債計画をある程度事業別に計画をつくります、どういう事業にどのくらいと。それをもとにいたしまして、市町村分でありますれば県にワクを渡して、そうしてそのワクの中ではめてもらっていく、こういうふうにいたしております。ところが市町村、あるいは県も多少はございますが、ある施設をつくりたいと思ったが用地の取得がどうしても思うようにいかない、用地の取得が、最初は年度の初めに取得できるつもりで、用地を取得して、その上に施設を乗せるというので、ちょうど年間にかりに一億要るというようなことで起債の許可の予定を組んでおりましたのが、用地の取得がおくれたために、用地取得も施設費も翌年になってしまうというようなことが起こってまいります。これにつきましては、早い時期にそういうことの申し出がありますれば、これは非常にまた流用その他の操作も可能なんでございますが、地元の団体といたしましては、やはり難航する用地取得のような場合にはやはりぎりぎりまで努力を重ねていく――もっともなことだろうと思います。そういったようなことがございますものですから、年度の終わりぎりぎりになってそういうことがはっきりしてくる。そうなりますと、その分がその年からは許可額としてははずれていく、こういったような問題があるわけでございます。それでそのときにすぐほかの事業に回すかといっても、ほかの事業はほかの事業でそれぞれ計画をいたしておりますから、これは起債は御承知のように補助金と違いますから、借金でございますから、じゃほかの団体に回そうかといっても、もうそのころはほかの団体としてももうことしとしては諦めておるというようなこともございまして、私どもなるべくこんなことはないようにしたいと思っているのですが、少しずつ実は出てくるというのが実態でございます。
#95
○和田静夫君 四十三年度はどうですか。
#96
○政府委員(細郷道一君) ちょっと私、いま四十三年度の資料を手元に持っておりませんが、やはり同じような事情で、多少出てまいります。
#97
○和田静夫君 地方債課長の山本さんが四月十八日の「自治通信」に、四十五億円程度余ったというふうに書かれておりますが、この数字は信用してもよろしいでしょうか。
#98
○政府委員(細郷道一君) 私ちょっとそれを拝見しておりませんが、おそらく主管の課長が書いたので、大体の見当だろうと思います。
#99
○和田静夫君 一口に言えば、大蔵省が押えてどうにもならぬ。それが原因の一つである、こういうふうに理解していいですか、その前段の御答弁を。
#100
○政府委員(細郷道一君) ワク内債の件でございますか。それは、先ほど申し上げたようなことで、大蔵省の意向もございましょう。まあ大蔵省としては、国庫当局として地方債に限らず、あらゆる財投のものにつきまして非常にきつく締めていきたい、あるいは計画どおりに執行したい、まあこれは当然責任上そういうことだろうと思いますが、ほかの……
#101
○和田静夫君 ちょっと失礼ですが、いわゆる資金債、前段でいろいろ折衝するがという、その……。
#102
○政府委員(細郷道一君) 余り分につきましては、先ほど申し上げたように流用をもっときかせるということも一つの方法だろうと思います。それからもう一つは、地方団体側のそういった現実の事情ということもあるわけでございます。したがいまして、その点につきましては一がいにどちらということは申し上げかねますが、一度よくその点については、私どもと半分ぐらい共通で、半分ぐらいは違った立場に立つ大蔵当局の御意見もよくお聞きいただく必要もあろうかと思います。
#103
○和田静夫君 以上の質疑を通じて、今日の地方債計画なり、地方債許可制度なりは、私はやはり非常に大きな問題をかかえていると実は思うのであります。いまも述べられたように、自治省と大蔵省との間の考え方の違いもあるようであります。そしてこの問題を整理していくためには、細郷財政局長の、いわゆる転機に立つ地方財政、地方債というものをどのように見るかということを、やはりそろそろはっきりさせなければならないのではないかというふうに考えるわけです。私は議席を持ちませんでしたが、昭和四十三年四月二十三日の本委員会の議事録を読んでみました。まあここにいらっしゃる原田委員と細郷財政局長との間で若干その点の論議が行なわれたようでありますが、先の地方交付税法の審議の際に論議された基準財政需要額に算入する投資的経費を算定する方式としての減価償却方式から、計画的に事業費算入方式への転換にも触れて、地方債についての自治省の基本的な考え方をちょっともう一ぺん確認したいと思います。
#104
○政府委員(細郷道一君) これも先般この場でお答えを申し上げたと記憶しておりますが、地方債と申しましても一般会計の地方債と公営企業の地方債があろうと思います。広い意味の公営企業ですが、公営企業の地方債につきましては、いわば民間で言えば資本調達というのに当たるものでございますので、公営企業の将来を考えれば、この点についてはどんどんワクをふやしてまいりたい。また質の改善その他もちろんございます。
 それから一般会計の地方債につきましては、公共事業の裏負担であります地方債よりは単独事業の地方債をふやしてまいりたい。また地域的な特殊事情による事業のための財源としての地方債をふやしてまいりたい。したがいまして、現在は、ここにございますようにたとえば辺地債でありますとか、あるいはそのほか地域的な問題、公共用地の先行取得も地域的な問題かと思いますが、そういった、いずれにしても公共事業、河川事業の裏負担とか何とかというよりは、むしろ単独的な事業のほうに地方債を伸ばしていきたい、こういうふうに基本的には考えております。
 御承知のように戦後のきびしい時代には、先ほど申し上げましたように、非常に地方債が窮屈でもございました。また一般財源自身も非常に窮屈でございました。したがって公共事業の裏負担に地方債を非常に効率的に充当をしていたという時代がございました。いわば一般財源のかわりに起債を押しつけたような時代も長いことあったわけでございます。そういった時代から幸いにしてだんだんと脱却することができてまいりました。しかし、地方団体には反面、それぞれの団体の特殊な事情による仕事というものが必要でございましょうから、そういうほうへなるべく起債ワクを回してまいりたい、こういう趣旨でございます。
#105
○和田静夫君 つまり、私の理解に間違いがなければ、こういうことになろうと思うのですが、今日、起債許可予定額の決定は、一件審査またはワク配分のいずれかの方法で行なわれております。そうして少なくともワク配分されている地方債は、財源そのものではなくて、一般財源の分割付与に対する一時の立てかえ金という性格を持っておると考えられるのです。そうすれば、その償還金は将来、一般財源で付与してしがなければならないわけでございます。そういう意味で、少なくとも地方債がワク配分されているような事業の投資的経費には、減価償却方式が厳密に適用されて基準財政需要額に算入されていくというのがきわめて論理的じゃないかとぼくは思うのです。単位費用を経常経費と投資的経費とに分けることとした結果、私はなおさらそのことは可能なのではないかと思うのです。もちろん、細郷財政局長が昨年の四月二十六日の本委員会において原田委員の質問に答えて述べられたように、補助事業には、直轄事業のようないわば国の仕事を行なっております場合の裏負担の中で地方債を減らしまして、その分を一般財源に助成をして将来の負担を少なくしよう、こう言い得るほどに一般財源が伸びてきたという判断があれば別だと思いますが、私はたとえそうであっても、地方交付税の一般財源としての理念に照らしても、できるならば減価償却方式をとるべきであろうと思うのですけれども、その点はいかがですか。
#106
○政府委員(細郷道一君) 確かにロジカルにはそれが一つの方法だと思っております。実は平衡交付金制度ができてから、そういった方式を基本にして経費の需要の計算をしてまいる、しかしこの内容は、当時は、道路なんかについていうと、二百年くらいかかって償却するという計算をしております。当時そんなことを申し上げるとおこられるであったのでしょうが、実はそのくらい財源が十分ございませんでした。しかし最近は、幸いにしてだんだんと一般財源も伸びてまいりましたので、この償却方式をとるにいたしましても、年数をだんだん縮めることができる。しかし、現在の地方債の仕組みでまいりますと、地方債の償還期限と償却の期限とはまだまだなかなか一致をいたしておりません。そこで償却方式一本でいってまいりました場合には、どうしても借金をしたものの償還というものをそれで完全にカバーすることはできない、そういった点がございまして、償却方式ということをもちろん私ども一つの有力な方法だと頭に置きながら、ある程度実態を加味した方式をいまとろうとしておる、こういうことでございます。
#107
○和田静夫君 いずれにしても地方債がワク配分される場合、充当率というものが機能して、地方負担分について一〇〇%地方債が充当されずに何%か値切られるのは、地方債がまた財源そのものに返えってしまったことだ、そういう意味で、論理が一貫しないというふうに思うんですが、それはいかがですか。
#108
○政府委員(細郷道一君) いわゆる公共事業、一般補助事業の地方債につきましては、従来からずっと見てまいりますと、その地方債を充当する事業の種類をずっと狭めてまいりました。いまは、たとえば府県でありますれば、道路みたいなものはこの補助事業の調査の対象にいたしておりません。そこで、狭まってきつつございますが、さらに残っております、河川とか海岸とか港湾とかいったものにつきましても、実は充当率を少しずつ下げておるわけでございます。ことしも多少下げたわけでございます。昨年も少し下げました。しかしこれは、この分につきましては私は全部もう起債によらないでできるような状態になることが望ましいと思っておりますが、現実には必ずしもそれを許さないかもしれません。また一般財源の伸びが悪いときには個々の充当率をいじらなければいけないかもしれませんけれども、そういった問題も多少ございますけれども、いずれにしてもそういう方向をたどっておるわけでございます。
 それからもう一つ申し上げておきたいと思いますことは、地方債と申しましても府県四十六、市町村が三千幾つあるわけでございまして、府県のように財政規模の相当大きいところに対する地方債、小さい市町村に対する地方債の機能は御承知のように全く違いますので、私どもやはりそういう方向をとるといたしますればやはり府県のほうの公共事業の地方債みたいなものを少しずつ下げていく、まずそういうことによってその地方債のワクを他の市町村の単独事業のようなものに充てていきたい、こういう基本的な気持ちでやっております。
#109
○理事(熊谷太三郎君) 暫時休憩いたします。
   午後零時五十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時五分開会
  〔理事熊谷太三郎君委員長席に着く〕
#110
○理事(熊谷太三郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 昭和四十四年度地方財政計画に関する件について、休憩前に引き続いて質疑を行ないます。順次御発言を願います。
#111
○竹田四郎君 一時間の時間でありますから、あまりこまかいところまで入れないと思いますので、概括的にやっていきたいと思いますが、地方自治体がみずから経営しているいわゆる公営企業の料金の決定のしかたというようなものの基本的なあり方というものはどういうふうになっているのか、概括的に御説明いただきたいと思います。
#112
○政府委員(細郷道一君) 水道事業につきましては、それぞれの団体において決定することができます。交通事業につきましては、関係諸官庁の認可が要ります。そのほかの事業につきましては、事業の種類によりまして多少の違いがございますが、非常に多い二つについてはそういうことでございます。
#113
○竹田四郎君 そういう手続の問題ももちろんありますけれども、料金の決定の基本的な、どういうふうな形で料金を――手続ではなくて、計算的に、原価構成とかいろいろあろうかと思いますが、そういう料金というのはどういうふうな計算――手続じゃなくて計算の面で、どういうふうな基本的な考え方できめらるべきものであるかと、この点をお尋ねしたつもりであります。
#114
○政府委員(細郷道一君) 一口に言えば、病院のような特殊なものは別といたしまして、一般的には、原価主義によっておりますから、原価を構成する諸要素をそれぞれ計算をいたしまして、それを基礎に料金をきめる、こういう考えでございます。
#115
○竹田四郎君 次官にお伺いしたいと思いますけれども、今日物価の問題が一般的に非常に大きくいわれているわけでございます。そうして御承知のように毎年五・七%とか、あるいは五・八%とかいう物価上昇が非常に続いているわけです。しかも最近においては、国民の心理自体に、物価というのは何か上がるものなんだと、こういうインフレ心理といいますか、こうしたものがかなり強く出てきていると思うのです。そういう物価の値上がりということに関連して、特に国あるいは公共団体できめるところの料金というものは、場合によってはそうしたインフレ心理に拍車をかけて、これはかなり大きく波及効果といいますか、あるいは逆にいって便乗値上げの材料に据えられているという状態であることは御承知のとおりだと思うのですが、そのために、内閣の諮問機関として昭和三十八年度から物価問題懇談会が第一次、第二次にわたっていろいろな提言をしております。さらに、その後物価安定推進会議というのができまして、ここでも十近くの提言をしております。その上の機関といいますか、臨時物価安定閣僚関係の協議会というのもあると思います。これにはたしか自治大臣も加わっているというふうに私聞いておりますけれども、間違いないだろうというふうに思いますけれども、この物価安定推進会議の数多くの提言の中に、公共料金問題というものがかなり多く含まれているわけでありますけれども、自治省関係、特に地方の公営企業の料金というものがかなりこの中には言及をされているというふうに思いますけれども、去る五月の十二日に物価安定推進会議が最終の提言をいたしました。そして一応の任務が終了をいたしまして、今度は物価安定政策会議というものに発展的な解消を遂げるということになっていることも御承知のとおりだと思いますが、自治省としては、その最終の提言という中に公共料金の問題がかなり含まれているわけでありますけれども、この最終提言を自治省としては一体どのように受けとめておられるのか、まずその点をお聞きしたいと思いますが、これは次官もお読みになって検討されていると、こういうように思いますが、まず最初に次官のほうから、この点について自治省としてどう受けとめておられるか、ひとつ御答弁願います。
#116
○政府委員(砂田重民君) 竹田先生の御指摘のように、物価問題、これに地方公営企業の料金が非常に大きな影響があることは、私どもも当然重大な関心と責任を感じているところでございます。先般の物価安定推進会議の最終的な答申につきましても、私ども真剣にこれと取り組んでまいる決意は十分いたしております。しかしながら地方公営企業の料金問題は、先生も御承知のようにたいへん複雑な問題でございまして、ただ一つだけ私どもが考えてまいらなければならないことは、いわゆる公営企業、その公営という立場で、やはりどう申しますか、これだけ社会構造の変化をしてまいります、あるいは都市化現象等を考えますと、いままでとってきたことだけでいいかどうかというふうなことも、新たな観点に立っての検討もしなければならないのじゃないか、そういう強い決意でこれと取り組んでまいる、そういう決意でございます。
#117
○竹田四郎君 事務局のほうは、この提言を受けていまどんなふうにお考えになっておりますか。事務局のほうのお立場からお聞かせ願いたい。
#118
○政府委員(細郷道一君) 公営企業の料金、まあ俗に公共料金の範疇に入ると思いますが、そういう料金については、先ほどもちょっと申し上げましたように、やはり原価主義にのっとった料金をきめるべきである。ただその場合におきましても、その経営の態度がやはり合理的であり、能率的で、一般の納得の得られるような態度のもとで行なわれなければならない、こういう基本的な考え方を持っております。しかし、いま政務次官から申し上げましたように、いろいろ公共料金の引き上げということの及ぼす影響というような点もあるわけでございます。したがいまして、私どものほうとしてやはり基本としては料金決定の原則によっていくべきではないか。ただ個々の団体にとってみますと、必ずしも現行料金がその決定の原則に合っているものばかりとも思えない。非常に下回っておるものもあるわけでございます。そこで、住民の要望が非常にきつくて、たとえば水道にいたしましても、水の使用量がふえるのでどうしても増設工事をしなければならない、そういった事情のものもございますので、そういったものにつきましては、私どものほうとしてはできるだけその資本――収入となります資金の質の改善をはかっていくというような考え方をもって料金に対する態度を一つはとり、いま一つはやはりその波及を考え、時期あるいは料金を改定することがやむを得ざるものは私はしかたがないと思うのでございます。それにしましても、その時期でありますとかあるいは幅といったようなものを段階的にいくとか、いろいろなくふうがそれぞれの団体において行なわれてしかるべきであろう、こういうふうな考え方で臨んでおるわけでございます。
#119
○竹田四郎君 地方公営企業の料金の基本的なあり方というのは、いまおっしゃられたように、原価主義でいくということが一応のきまりであろうと思いますけれども、しかし公営企業の中には、必ずしもそれが一般民間企業のように採算面のみで貫くということがかなり困難なものも多くあるわけであります。簡単に申し上げますれば、たとえば公営の病院の伝染病対策というようなものは、これは採算のみで考えられない問題でありますし、あるいは、場合によっては伝染病棟をつくって、これは患者がなくてもある意味ではそれはあけておかなくちゃならない。あるいはその担当の看護婦さんなり何なりというものはある程度常に確保をされていなければならない、こういう問題もあろうかと思います。あるいは交通料金等にいたしましても、たとえば生活保護者に対してはある程度何らかの対策をとらなければならないという問題もありますし、現にそういうことをある程度やっているところもございます。あるいは身体障害者等についてもそういうような措置を講じているところもあるだろうと思います。そういう意味では、全般的に必ずしも原価主義のみで通すということはできない事情が、特に公共性という任務を持っている公営企業の料金の中には、そういうものもひとつ考えていかなければならないと思いますが、そうしたためには、一体何をそうした原価主義の原則にとらえていくのか、何は一般会計の中でそれを補充していかなければならないかという負担区分の明確化というものがかなり重要なことになってきているのではなかろうかと思います。それから、それはそういう利用者といいますか、利用者の立場でありますけれども、しかし原価主義とはいえ、たとえば今日の水道事業でありますけれども、水道、水資源の開発のために大きなダムをつくる。しかしこのダムは、つくってまたすぐつくり直すというものではないと思います。相当長期間にわたっての水の需要ということを考えてみますと、現在は百の水があればいいと考えていても、将来の水の需要あるいは地域開発の進展、こういうことを考えてみますと、あるいは五倍、あるいは場合によれば十倍の取水できるようなダムをつくらなければならないという、先行投資的なものもこれはたいへん金がかかります。こういうことも考えなければならない。あるいは現在問題になっている地下鉄にいたしましても、これはたいへんな先行投資を必要とするものであろうと思います。こう考えてみますと、一体、原価主義の料金決定の原則というものはどこまで貫いていけるのか、どこかに一つの線を引いていかないと、ただ原価主義のみで貫いていくということになりますと、料金を上げざるを得ない。それもかなり高いものにせざるを得ないというような問題が出てくると思いますが、そういう問題について一体負担区分をどのように明確化し、具体的に関係地方団体にどのような指導といいますか、そういう一つのメルクマールでありますか、こういうものを出しておられるのか、もしそういうものを出しておられたならばひとつ御提示をいただきたいと思うんです。
#120
○政府委員(細郷道一君) おっしゃるとおり、公営企業には公共的な目的というものもあるわけでございますので、そういったことを考慮いたしまして、一般会計との間の負担の区分、負担を一般会計との間で分け持つ、こういう考え方を導入をいたしているわけでございまして、その点につきましては、御承知のように、地方公営企業法において経費負担の原則、あるいは補助、出資、こういったようなことをそれぞれ規定をいたしております。お尋ねのございました負担区分につきましては、公営企業法の施行令におきまして、事業ごとにその区分の一般会計等において負担を経費の内容について政令で定めるようにいたしております。それによって地方団体を指導いたしておるということでございます。ただ、公営企業を取り巻くいろいろな環境というものは、社会経済の動きが動くにつれまして少しずつこれに対応するための動きがあっていいんではなかろうか、こういうふうに私どもも思っております。したがいまして、それがどういう線でこれを処理したらよろしいかということについてはなお進んで検討をしていかなければならない、かように考えております。
#121
○竹田四郎君 いまおっしゃられたように施行令の八条の五でありますか、基本的にはこれに基づいておやりになっておると思いますが、しかし現実にはこれだけではやはりいまの社会情勢の実態におそらく合ってきていないだろう、こういうふうに思うわけですが、しかし、なかなか公営企業の監督は自治省としておきびしいようでございまして、なかなかそう簡単に一般会計から企業会計へ入れていいか悪いか、特に交通関係の事業というものになると、かなりその辺には問題があるんではないか、そういう点で先ほどもちょっとお尋ねしましたけれども、何か一つの通達とか、あるいは一つの標準とか、そういうものは別に具体的にはこの施行令以外には出されておらないんですか、どうですか。
#122
○政府委員(細郷道一君) 施行令に基づく通達は出しております。もとよりその基本の考えはこの施行令によっておるわけでございます。ただ私ども先ほど申し上げましたように、それだけで現状がすべて事足れりとは実は思っていないのでございまして、やはり公営企業を取り巻く環境の変化というものをどの時点でどの程度取り入れていくかという問題が実は残っておると思うのでございます。そこで、それらにつきましては私どももいろいろ研究をいたしておるわけでございまして、たとえば地下鉄事業につきまして、本年度は実現を見ませんでしたが、負担区分制度をここに取り入れていきたいというようなことも実は一つのあらわれであるわけでございまして、そういう意味合いにおいて、今後ともその限界と申しますか、なかなか団体によっていろいろ事情がございますので、共通的な限界が引きにくいものもございますが、よく研究を続けてまいりたい、かように思っております。
#123
○竹田四郎君 これはお読みになったのだろうと思いますけれども、ことしの一月二十八日に推進会議が提言をいたしました。財政金融政策と物価という提言をしておりますが、この中の最終の項に、「公共料金と財政」という一項がございます。まあ第一項のほうには、赤字を理由にいたずらに料金値上げを認めてはいけないということが書いてありますが、その二項には、「公企業が公共性の名の下に、一般民間企業ならば負わされることのない公共的負担を課されながら、本来、企業性を前提とした独立採算制を貫くことは困難であり、これを利用者の負担に帰することは適当でない。このような公共的負担を課することが必要であるならば、国または地方公共団体が財政面でこれを援助することにより、コストへのはね返りを防ぐべきである。」、こういう提言をしておるわけであります。おそらくこの提言は私どもももっともな提言だと思うのであります。そのためには、通達で負担区分の問題を出されておるということでありますが、これは私はさらに明確に早くこれを出していく。その年々、あるいはその時期時期の情勢に応じた的確な指導を出していかない限りは、やはりこれは物価への影響ももちろんありますけれども、公営企業の管理者の立場としてもこれは迷う面が非常にあるのではないか、こういうふうに思います。その点では研究をされるということでありますから、けっこうなことでありますけれども、しかし、あまり長い間研究をされておられては、これはその実があがらないわけでありますから、ひとつそういう面では早急に結論を出していただいて、負担区分の明確化によってひとつ公共料金がほんとうに適正であるし、一方、物価安定対策の上からも適切であるというような形をひとつおとりいただきたいと思います。
 第三番目に、先ほどの先行投資の問題について提言が出ております。「将来の利便のための投資財源を確保するため、料金を引き上げるという考え方があるが、現在の利用者の負担において、将来の利便を確保するのは適当でなく、将来の投資財源は、別途、借入金等によって措置すべきである。」こういう提言が非常に明確に出されているわけであります。この点も地方の公営企業としてはいま一番大きな問題点ではなかろうかと思うわけでありますが、そうした意味で、自治省としては先ほどもちょっと地下鉄の建設の費用について若干触れられたと思うわけでありますが、地下鉄の建設資金というようなものはキロ当たり五十億とか、あるいは六十億とかいうような話も出ているわけであります。そういたしますと、それの返済利息というようなもので、おそらく将来の企業の経営というのは料金収入のほとんどを充てても足りないというような事態が出てくるおそれが十分あると思うわけであります。これについては一体ことしの当初予算の編成の際にもいろいろ御議論があったようでありますけれども、自治省としてそうした問題について一体どのように考えておられるのか、あるいは自治省の基本方針といいますか、そうしたものがありましたらお答えいただきたい。
#124
○政府委員(細郷道一君) 当面、公営企業の中で公共性云々が一番うるさい問題が地下鉄ではないだろうかと考えておるわけであります。地下鉄につきましては、いまの都市における交通事情から見まして、その建設に公共的な要素があるということはだれも異論がないところだろうと思います。さて具体的に、では、どこまでが公共的でどこまでがそうでないかということになると、いろいろ議論が分かれるわけでございます。私どもが昨年予算の編成の際に主張をいたしました考え方は、いま都市におきます地下鉄事業が地上におきます軌道を撤去して行なわれておる。撤去することによってそれだけ地上の道路は道路としての機能を十分発揮できる。そういう考え方から地下鉄の地下にもぐる建設費部分というものを中心にいたしまして、それはあたかも路上の道路の面積を広げたようなものであるという考えから、道路と同じような負担区分を国と地方の間でしてはどうだろうか、こういう考え方に立って昨年実はいたしたわけでございます。結局ことしのものにはなりませんでした。と申しますことは、御承知のように、現在、地下鉄には別途、補助が運輸省から出ておるわけでございます。補助が出ておりまして、それは建設事業費の一〇・五%に当たる分を五ヵ年間で漸減的に出していくという案でございます。そういうやり方が現に行なわれておりますので、それとはやや違った角度での私どもの主張でもございましたし、関係省の間の足並みがそろいませんで実現を見ませんでしたが、予算の編成の最後の段階におきまして、自治、大蔵、運輸、三大臣の間で覚え書きをかわしまして、明年度実現を目途にひとつこの問題は漸進的に、前向きに取り上げようじゃないか、こういう覚え書きもできておりますので、私どももその線で来年度の実現を目ざしてやってまいろう、こう思っております。
#125
○竹田四郎君 自治省がそういうお考えでいるということは私どもも非常に気強く思うわけでありますが、先ほど申し上げましたように、これは早くひとつ実現していただかないと地下鉄工事というのもなかなか進んでいかないというふうに思いますので、この点はひとつ来年度はぜひ実現をしていただくようにしていただきたいと思うわけなんです。
 それから初めのころ公営企業の金融公庫の資金として、地方公共団体でやっておりますギャンブルの売り上げ金の一%というものを公庫のほうに出しまして、その運用によって企業債の利息を引き下げていくというような御方針であったのですが、最近は何かそういう方向というのがつぶれたといいますか、話し合いがつかなかったといいますか、そうしたことでありますが、これはどういうふうになるわけですか。
#126
○政府委員(細郷道一君) おっしゃるような構想でもって、その成案を得べくいろいろ努力いたしました。しかし、この構想を生かすためには非常に関係の方面が広うございまして、あちこちの方面と接触をし、その了承をとっていかなければならないといったようなことでたいへん時間がかかりまして、とうとうこの国会の当初の会期の末までにというめどどおりに運ぶことができませんでした。非常に私どもも力足らず残念に思っておるわけでございますが、あの構想につきましては私は来年度これについてさらにこの実現をはかるべく努力をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
#127
○竹田四郎君 来年度もまたこういうものを出しておやりになるとおっしゃられるわけでありますが、ことしにおいても実は実現ができないという問題が、しかもこの構想が出されたのはかなり古くから出された問題――般的に出されたのは古くから出された問題ではないように思います。それからこれに関係する地方団体というのもかなりたくさんの数に及んでおるわけであります。そういたしますと、私はおそらくことしだめになったから来年この構想が実現するというふうには思いませんし、私どもはギャンブルの金を当てにしてそうしたことをやるということは、どうも許されないことであるという基本的な考え方は持っております。しかし、おそらく自治省のほうでは強引に推し進めになるだろうとは思いますけれども、しかし、おそらく来年度に実現することは非常に困難であると思うわけでありますが、これができないということになりますと企業債の利率というものは下がらない、あるいはこれができなくても何らかの形で企業債の利率というものを下げていく、こういうふうにお考えになっているのかどうか、これはもう言うまでもありませんけれども、実は公営企業の中で一番経費として多く計上しなければならないというのは元利償還の額であろうと思う。おそらくこれが四割、場合によっては五割というような姿になったのではなかろうかと思います。そうした点で相変わらず金利が高くて、資金の償還が早いと、こういうことではとても公営企業としてはやっていけないし、料金の値上げというものも先ほど申しましたように一定の限界があるはずであります。そういたしますれば、地方公営企業というものは、その健全なる経営というものがいつまでたっても果たされないという一つの大きな原因にもなってくるわけでありますが、その辺はどう考えておられますか。
#128
○政府委員(細郷道一君) 公庫の金利を引き下げたいという考え方は、御承知のように公営企業の金利負担を将来にわたって下げたいということがねらいの一つにあるわけでございますが、いま一つには、公営競技の収益金が非常に特定の団体に片寄って帰属をしているという事態を均てん化をしてまいりたいという考え方もあって、そういったようなことを組み合わせて考えられた構想であるわけでございますから、私はやはりこの考え方はいま少しく関係の方々の御理解を得るように進めていくべきではないだろうか、かように考えて今後も努力を続けてまいりたいと思っております。
 それから公営企業金融公庫の金利を引き下げるということ自体、私どももかねてから考えている問題でございますが、金利を引き下げるにも、何分にもその引き下げるだけの元の金がどこかで要るわけでございまして、現在の市中の金利体系からまいりますと、いまでも実は多少の逆ざやになっているというような状況でございますので、市中金利の体系が今後どうなっていくかというようなこともよくにらみ合わせてみませんと、なかなか一方的に下げるということは公庫独自としては私はむずかしい点があるのではないだろうか、こう思っております。しかし、そういった面はございますけれども、反面、それだけを対策としてたよらずに、私どもとしては、やはり同じ公営企業の中にも、事業の種類にもよりまするが、政府の政府資金というもののシェアを伸ばしていくということも私は一つの方法であろう。それから反面、いまお話しのございました先行投資のような部分についての負担を一般会計で持ってもらうということも必要なことであろうと、そう考えまして、今回、財政計画におきましても公営企業への繰り出し金を昨年よりほぼ倍近くふやして、そういう事態に対処しようということで、あれこれ、いろいろな方面からの手を打っていかないとなかなか公営企業というものの将来を確保することはいろいろ問題があろうと、こういうふうに思っております。
#129
○竹田四郎君 先行投資の利子を地方団体で持てといっても、これもそう簡単な問題ではないと思います。特に先行投資の強い上下水道などは非常に先行投資の額が張るものだろうと思いますが、これらのものに対して、いまおっしゃるように政府資金のシェアを伸ばして金利のかからない金を運用することによって利率を引き下げるということももっともな話でありますけれども、この政府資金の問題も自治省が考えているほどなまやさしいものではないような気がいたします。そういたしますと、下水道にしろ、あるいは上水道にしろ、地下鉄にしろ、かなり長い間そうした金利負担に悩まなければならないだろうというふうに思うわけですが、その辺の政府資金の見通しというようなものは、来年度はかなり大幅な政府資金の出資が可能である、その辺まで話が詰まっていると、こういうふうに理解してよろしいわけですか、あるいはその金額が一体どのくらいの政府資金が期待されるのか、どうでしょうか。
#130
○政府委員(細郷道一君) おっしゃるように政府資金のシェアをふやすということはなかなか容易なことでないと思っております。まだ来年度のことはこれからでございますから、何とも来年度の見通しをいまの段階で申し上げることは困難でございますが、いま私が申し上げましたのは、そういったいろいろな方面からする対策をあわせていかないとなかなか一発で勝負がむずかしいというところの苦心を実は申し上げたつもりであるわけであります。われわれもそういった面で公営企業のためにいろいろ努力をしてまいりたい、こう思っております。
#131
○竹田四郎君 まあそれ以上のことはもう少し政治的な判断が実は必要であろうかと思いまするけれども、何かいま下水道にいたしましても、上水道にいたしましても、水需要の問題、あるいは都市交通の問題非常に施策が急がれている時期であろうと思います。そうした点でどうしても金利負担というものを引き下げていくということが、こうした事業を推進していく大きな機動力にさえなるというふうに思うわけでありますが、もう一つは、そうした企業債の償還期限というものが非常に短いというふうに思うわけであります。ただ公庫の場合には二十五年ぐらいのものがたしかあると思うのですが、一般公募債等におきますと大体七年という形であろうと思いますが、こうした償還期限というものの延長を実現することはできないのかどうか。実際いろいろな施設、構築物、こうしたものの耐用年数から見てみますと、あるいは七十年、あるいは五十年、こういうふうにかなり長いものがあるわけですが、そういう意味では当然七年なり二十五年というような償還期限というのは短過ぎますし、そうしたものが当然公共料金の中にはね返ってきて公共料金をいたずらに高くしていく大きな原因が私はあるんではないかというように思うわけでありますが、そうした意味で償還期限の延長という問題については何らか手立てはないものなのかということでありますが、もう少し伸ばしていくという手段はとれないのか。
#132
○政府委員(細郷道一君) 企業債についていまおっしゃる下水道をはじめとする公営企業の現状から何が一番先かというのは、実は個々の団体によっても違うわけでございまして、非常に建設がおくれているというところが何よりも企業債の量が問題になる。それからある程度のところにいって償還が始まっているものについてはいろいろ金利の負担とか何とかいうものが問題になる。個々の団体によっても実はいろいろ事情が違うわけでございますから、私どもが全国的にこれを見てまいりますときに、どれから手をつけていくべきかということは非常に実はむずかしい問題を持っておるわけであります。いま、地方団体の側の話を伺っておりますと、まだ量をともかくふやせという種類のお話が非常にいま多いように私は承っております。何しろ建設を急がなければいけない、下水など非常におくれておりますから、そういった要望が非常に実は強いわけであります。しかし、私どもとしてはやはり将来のことを考えますと、量もふやしたいが、質も少しずつ手当てをしていかなきゃいかぬのじゃないかというような感触で実はおるわけであります。それによって順番をどうこうつけようというほど厳格には申し上げかねますが、どちらかといえば、そういったような感触を持ってまいりたい。そこで質を改善するといった場合に、金利の引き下げといういき方をとっていくのか、償還期限の延長ということをとっていくのかということになってまいりますと、これはこれもどちらがいいのかということになりますと、償還期限を延ばしますれば、全体の金利負担はふえる、それは当然料金に織り込む原価になるというようなことになりますと、料金とのかね合いの問題が実はあるわけであります。それこれございますので、私ども実はそこのところがなかなか一義的に割り切れないで、いわば多方面作戦、あれも少しずつ進めよう、これも少しずつ進めようといういき方を実はとっておるのが実際の姿でございます。で、償還期限のお話につきましても、年々幾つかの事業についてこれを延ばしております。本年度について申しますれば、下水道について公庫資金の償還期限を十八年から二十一年に延ばす、こういったようなことをいたしました。下水につきましては、ことし一般会計負担部分につきましては、交付税措置を織り込んで一般財源による負担部分というのをふやしていく、そういうことが下水道事業を進める上にもいいじゃないか、また起債の量も、すでに御承知のとおりにふやしていくというようないき方を実はとっておるわけでございます。もちろんこれで私も全部十分と思っておりませんけれども、明年もこういうふうに事業ごとにいろいろその実態を考えながら手当て対策を進めてまいりたいというふうに考えております。
#133
○竹田四郎君 まあ苦心のほどはよくわかるのですが、しかし、あちらにもちびり、こちらにもちびりということでいったんでは、なかなか都市行政なり生活基盤関係の改善というものは永久にといっていいほど解決がつかない問題だろうと思うのです。この点は何とか改善して、たとえば公募債についても企業債の認めている二十五年くらいの期限にしていくということでないと、現実に水道水源の取水施設というものをつくるということになりますと、大体七年から十年、そのくらいの期間というものを当然見ていかなければならないということになろうと思います。取水施設ができて水が飲めるというころになりますと、当然利息が入り、償還期限が入ってくる、こういう実態であろうと思います。そういう意味では、何らかの形でそうした企業債の量及び質、これを改善する大きな手段を講じなければ、永久に水も下水も交通もますます行き詰まりになるということになるわけでありますが、ただあちらをちびり考え、こちらをちびり考えるということであっては、どうも永久に解決ができないのじゃないだろうか、それ以上にそうしたものへの需要というのがさらに大きくなっていくのではなかろうかと思います。何か抜本的にお考えになっていることはございませんか。
#134
○政府委員(細郷道一君) 多少私の申し上げ方がちびりちびりに申し上げたきらいがあるかもしれません。やはり公営企業の事業の種類によって考えていきたいという気持ちを実は申し上げたかったわけでございます。したがいまして、ことしの地方財政計画をごらんをいただきましても、すでに御承知のように、下水道事業でありますとか、あるいは地下鉄事業でありますとかいうものにつきましては、百億あるいは百五十億というかなり大幅な資金のワクの増大をいたしております。いま、先ほど申し上げましたように非常に言われておりますことは、何としても早くつくること、それには何としても資金が要ることだ、まあこういうことで、そういう事業に対して、起債のワクを実はふやしているわけであります。しかし同時に、地下鉄につきましては、その公共性をどうするかというので、地下鉄に対する公共負担、負担区分を進めてまいる、また下水道につきましては一般会計との間の負担の部分について、一般会計での手当てを、今回一般財源をふやしていく、そして償還期限も延ばしていく、こういったようなことを重点的に実はやっておるつもりでございますが、やはり事業の種類によって処理をしなければならぬのではないだろうか。したがいまして、たとえば上水道事業等について、いなかのほうで、かなり高料金の上水道を持っておる、これは建設は済んで、料金を高いものをいまとっているというようなものにつきましては、さらに建設を、改良を進めることによって料金が上がっていくのを抑制しようというところから、高料金対策として一般会計でその一部の負担を持とうというようなことも、実は今回の財政計画に織り込んでいるわけでございます。
#135
○竹田四郎君 話はわかりますが、しかし、実態はそれ以上に強い要望が出ているし、また需要のほうがはるかに供給をオーバーしているという実態であろうかと思うのですが、時間もまいりましたので、あとは砂田次官にお聞きをしたいと思うのですが、その前にこういう場合の負担区分というのはどういうふうにしているかをお聞きしたいと思います。取水をする場合にはその水の色は、工業用水か、上水かという形で分かれておらないわけでありまして、一つの水としてどちらにでも向くようにとられているわけであります。最近は取水地点というのが非常に需要地から離れておりますから、そのためには導水工事というものにかなりの巨額の金が要るわけでありますから、その間においてはこれは工業用水であるか、上水であるかという区別は明確についていないわけです。しかし、それが同じ導水路を通るのだ、しかし、その同じ水の需要というのは当然これは先行投資の要素が非常に入っておりますので、たとえば現在二十万トンなら二十万トン通水のできる導水路ができるといたしましても、そのうち工業用水部分というのは現実には五万トンしか使えない。しかし将来の計画としては十万トンくらいは工業用水に分けたい、しかし、現実の事情は上水の需要が多くて、その割合は若干上水を現実には食っている。しかし、新たに水源を将来求めるとすれば、上水はそちらのほうから取っていかなければならない。こういう形で、一つの導水路に工業用水と上水とが一緒になって流れている。しかも、予定されている割り当て量よりも少なく工業用水は使っております。こういう場合に、実際の負担区分を工水と上水とについてどのようにする指導をされておるのか。負担区分というものは、ある都市ではそれは全部工水が使わない限りは上水にいく。あるところではその点は工水と上水との負担区分をかなり明確にしている。こういうふうに負担区分は都市都市によって非常に違っておりまして、これが料金の決定に非常に大きな影響を及ぼしている場合が多いわけであります。その辺の負担区分は具体的に一体どう指導されていますか。
#136
○政府委員(細郷道一君) 具体的な事例もあると思いますが、多く見受けられますのは、たとえば、ダムをつくって、そこで水を取水をして、それが上水道、あるいは工業用水、あるいは農業用水、それから河水統制、こういったようなものにそれぞれ使われるという場合には、御承知のように、それぞれの効果を測定してアロケーションをして、そうしてきめていくというわけでございます。工水の導水路と上水の導水路を一本にするというのは、私はあまりよく承知しておりませんが、導水路は別であるけれども浄水場のそばで、さしあたって一方が余っておるから他方に使われておるというようなものはあると思います。そういった場合にはその売り渡し地点においての原価で片方に売っていく。基本はそれぞれの事業ごとの計算をしていくけれども、臨時にそういう措置をする場合にはその原価で売っていくと、こういうことによって処理をしていくのがいいのではないか、こう思っております。
#137
○竹田四郎君 私の考え方と局長の理解のしかたと若干違っているように思うわけでありますが、大体浄水池というのは都市の近くにあるものであります。取水地点というところでは浄化されてない。せいぜい砂とか、ごみを取った程度のものを浄水池付近へ持ってきまして、そこで浄水して、一部は上水として流し、一部は工水として供給をする、そういうのが普通たてまえだろうと思います。でありますから、もちろん浄水池を通っていったものは、これは一般的に上水として、工場で使っても上水として一応計算をしていく。ところが、浄水池にいくまでの道というのは、これは工水も上水に当たるべきものも一緒になって流れておる。そういうところの隧道なんかの費用というのは、これはいま局長が言ったような形で、実は負担区分が明確になっていないのが非常に多いわけです。その辺は具体的にどうやっているのか、どう指導しているのか、その辺をひとつお聞きをしたいと思います。
 で、もちろん隧道というのは、いま必要な水を流しているわけであります。その許容量一ぱいを流しているという事態は、これは相当先になりますけれども、そういうときに、たとえば上水と工水が半分ずつ流れておる。そして、しかも一方では工業用地の開発がまだ進んでいないから、取水のアロケーションをしてもらっているけれども、しかし、実際にはそれほど使っていない。そうなってくれば、当然そこの施設の許容量というものと現実の使用量というものはかなりの差が出てくる。そういう場合にはどのように指導をされておるのか、負担区分はどういうようにしていくか、その辺がある意味で統一したものがないとまずいのではないか。
#138
○政府委員(細郷道一君) 一ヵ所から取水をして隧道か、導水管を通していくその建設費用は、それぞれの計画事業量によってアロケーションする。アロケーションすることによってそのアロケーションされた部分がそれぞれの料金の原価を構成する、こういうことが基本であろうと思います。そういう計算をいたしましても、現実に工水の分はまだ計画水量まで使わないで、その余った分を上水が計画以上に使うということでありますれば、当然上水から工水のほうに対してそこの売り渡し地点での相当料金を払う。これがやるべき方法であろうかと思います。しかし、上水道下水道ともに計画量までの水を使っていない、それがあらかじめ建設のときから計画をされて先行投資なんだということでございますれば、その先行投資分をどこが持つかという問題でございます。で、私どもはその先行投資部分についてどういう措置をするかということは今回の財政計画でもその一部を考えてまいっております。
#139
○竹田四郎君 神奈川県下に実際起きている問題でありますが、実際にはいま局長が言ったような形での負担区分ではないわけですね。たとえばまあ二十万トンの全体の計画量の中で、上水のほうは十万トンという場合に、現実には五万トンしか工水は使っていない、十五万トン分が上水になってしまう。五万トン分が工水のほうに使われていない。このような事例が現実にあったわけです。それが水道料金の問題にどうかかってくるのかということでかなり議論されたわけであります。そうした面が明確でないと、水道料金の問題というのがさらに紛糾をしていくだろう。ですから、その点はぜひ上水、工水の負担区分というものの、ある程度一つの線として、基準というようなものをある意味ではつくるべきではないか、こういうふうに思いますけれども、その点どうですか。これはどちらでもけっこうですが、お答えいただきたいと思います。
#140
○政府委員(細郷道一君) 負担区分としては先ほど申し上げたアロケーションの区分、それは計画水量の区分ということが原則であります。それで、あと臨時的に一方が余っているから一方がよけい使うということになると、これは臨時の運営上の問題になると思いますので、当然それぞれが、いまのお話では工業用水道事業と上水道事業それぞれの責任で当然独立して運営をしていく、いわば独立採算という考え方に立てば、そこで幾らで買うかという話し合いは当然行なわれるべき問題だろうと思います。
 で、それはそういった水量のことでございますから、日々に変わることもあると思うのでございます。日々に変わることもございますし、同じ日の中でもピーク時がそれぞれ違っていることもある。そういったものについては、私どもはいま申し上げたようなそういう考え方の指導はすべきだと思いますが、個別のほうはむしろそれぞれの企業者が独立採算という考え方にどこまで徹していって運営をしてもらうかという問題があろうかと、こういうふうに思います。
#141
○竹田四郎君 文書の上では確かにそうなると思うんです。現実には工業用水というのは非常に低廉な価格に押えられている。しかし、一方ではどしどしと先行投資が必要だ。その金利負担なりあるいは償還の問題というものが起きてまいりますれば、当然工業用水の値段というものは高くなりがちです。そういたしますと、そこの政治姿勢の問題も私はもちろんあると思う。そうした問題で工水が当然計画量だけ使わなかったわけでありますから、その分も当然負担してしかるべきだと思います。そういたしますと、それは通産省のほうの水道料金のこれはたしか認可事項になっていると思うんです。そこでその線をなかなか破っていくことができないということになりますと、当然それは上水にかけられてしまう。上水については、その価格決定はたしか国のほうの認可事項の中に入っておらないだろうと思います。そういう意味では工水の負うべきところの金利負担なり償還額なりというものを上水のほうがかぶらざるを得ない。そうした問題というものはやはり明確に分けてやらないと、工水のほうが押えられていくということから上水のほうにその負担がいってしまう。こういうことになるんではなかろうかと思うんですが、その辺はやはり自治省としても明確にしていかないと、工水のほうの会計は黒字であるけれども、上水のほうの会計というものは料金が上げなければ赤字になってしまう。こういう問題が起こらざるを得ないと思います。どうですか。
#142
○政府委員(細郷道一君) 工水が計画量だけ使わないで少なくしか使っていないということになりますと、私は工水のほうが赤字になるんじゃないかと思います。まあ工業用水道については、建設のときに見込んだとおりに工場、事業所が張りつかなかったといった、いわゆるタイムラグの関係で赤字を持っておるという事業がございます。そういうものにつきましては、私のほうでは今回経営健全化の措置をとるように指導をしてまいりたいと思います。その指導の考え方は、赤字が出ておれば、その赤字を何ヵ年かで解消していく。まあ大体七年ぐらいといっております、解消に。その間、解消するにあたっては、一部は、その工業用水道については料金が定められておりまするけれども、最初に補助を受けましたときの料金よりも現在の料金のほうが、認可料金が上がっておれば、それに直していく、上げていくというようなやり方等を織り込んで健全な計画をつくらせよう、こういうような実は考え方をいたしております。なお、いまお尋ねの神奈川県下での事例につきましては、もし必要でございますれば、後ほど先生から具体的に伺ってよく調べてみたいと、こう思います。
#143
○竹田四郎君 計画量だけ使わないと工水のほうが赤字になると、これは当然局長が先ほど言われた筋から言えば、これは赤字になる。赤字になったから工水は簡単に上げられるかというと、これは通産省の抵抗があってなかなか許可してくれないのが現実です。上水のように赤字だから水道料金を上げるということは、これは工水のほうはなかなかいかないわけです。そうなってまいりますと、工水のほうの赤字を埋めるという手段というものがなくなってきますれば、工水は当然普通の計算でいけば赤字になるはずでございますから、その赤字分を上水のほうにかけてしまう。したがって、工水は赤字にならないし、通産省の厚い壁にいどむことはないわけです。そうしてそのしわ寄せを受けるのは、一般市民の水道料金の値上げというところに戻ってきてしまう。こういうのが実態でございます。これはひとつよくお調べいただいて、そういう負担区分というものを明確にしていく必要があろうと思います。これはおそらく神奈川県下に起きた問題だけでなしに、ほかでもこういう問題の起きてくる可能性というのは私は非常にあると思います。そういう意味では、上水と工水との先行投資その他についての負担区分をひとつ明確にして、上水道の水を守っていくという役割りというものもやってもらわなければいけないのじゃないか、こういうふうに思います。これはひとつ十分御研究いただきたい、こう思います。
 それからもう一つ、高速鉄道の話にちょっと戻りますが、高速鉄道は金融公庫の融資の対象になっていないということが公営交通事業協会のほうからそういう要請が私どものほうに参っている。これは自治省のほうにも当然参っていると思います。これは当然貸し付けの対象に高速鉄道もすべきじゃないか、こういうふうに思いますが、貸し付けの対象にならない原因はどういうところにあるのですか。
#144
○政府委員(細郷道一君) 御承知のように、公営企業金融公庫はみずから市場公募のできない団体の共同発行に当たる、こういうことでございますから、現にそういう仕組みできております。現在、地下鉄、高速事業を行なっております市はいままでのところは全部みずから市場公募ができる団体でございます、六大都市のように。そういうことからいたしまして、むしろみずからは市場公募ができない他の地方公共団体が共同して発行するというので公営企業金融公庫が設立されておりますので、設立本来の趣旨からいたしまして、当然六大都市等は公庫の融資対象からはずれるというのは当然のことだろうと思います。その後は、みずから市場公募といっても、なかなか金利その他利回りが高くなるというので、私どもそれを少しずつ打ち破っていきたい、こういうふうに思っておりますが、この設立本来の性格からいたしますとそのとおりでございますので、なかなかこれはむずかしい問題だろうと思っております。私どもも、現実に自分では市場公募のできない団体からいたしますと、よほど資金量が飛躍的にでもふえない限りは、自分のほうに来る資金を大都市に食われるという事態になりますから、その辺の事情も、資金の分量等もよく考えて検討していかなければならないというふうに思います。
#145
○竹田四郎君 もう時間が参りましたのでこの辺で終わりますが、政務次官がいらっしゃいましたから、最後にひとつお聞きをしておきたいと思います。
 いま局長といろいろ問答をやってまいりましたが、金融公庫のワクが非常に少ないということ、あるいは、一般公募債については償還期限が非常に短い、しかも金利が高い。こうしたことから、いま局長のほうからも金融公庫におけるところの政府資金のワクを伸ばさなければならないというようなことがおっしゃられましたし、また償還期限と金利の問題に関連いたしまして企業債の量をふやすということと、その率、すなわち金利を引き下げる、そうしたこと、こうしたことが今日の交通問題、上下水道の問題その他の問題を、仕事量は非常に多いけれども、それの手当てとしての資金量あるいは資金の質が非常に悪い。これは何とか改善をしなければならないという御意思が発表されたわけであります。これはなかなかたいへんな問題であろうと思うわけです。しかも、そうした要請に対する需要というものはむしろ供給を追い抜いていってしまうという意味では、いろいろ個々の企業については、この企業は量をふやさなければならない、こうした事業については質を高めなければならない、いろいろあろうと思いますが、全体としてどちらにしても量も質も両者とも向上しなければならない。金利のかからない政府資金のシェアもふやさなければならない。こういう強い要請があろうと思いますが、しかし、それだけではまた料金の問題にもはね返ってくる面を考えなければならない。こういうふうに考えてみますと、公営企業の金融というものは非常に大きな問題を私はかかえているんではないだろうか、こうした点で政府として一体この抜本的な問題に対してどのような御決意で臨まれるのか、かなり高い政治的な立場にお立ちにならないとこの問題はなかなか事務段階の問題だけでは解決できないだろう、私はこういうふうに思っておりますが、最後にひとつ次官の御決意のほどを伺わしていただきたいと思います。
#146
○政府委員(砂田重民君) やはり公営企業の資金の量と質を高めていく、よくしていくということが公営企業についての公共料金のきめ方に非常に大きな影響を持ってまいりますことは先生も十分御承知のとおりでございまして、自治省といたしましては、地方公営企業の内容の充実、料金を、原価主義とは申すものの、できるだけ抑制をしていかなきゃならない。そういう責務もまた自治省の一つの大事な責務でございますので、量をふやすと同時に、公営企業金融公庫の資金の質を高めていく。この問題については四十四年、四十五年を通じての最も重要な自治省の責務の一つと心得ております。力一ぱいこれの改善に取り組む決意をいたしております。いろいろ具体的な問題を財政局長もお答え申し上げたと思いますが、公営企業金融公庫はいままで貸し付け対象になっていなかった団体に対しても貸し付けが行なえるようなこと、あるいは公営企業金融公庫の貸し付け対象でございませんでした事業も貸し付け対象事業にしていく。こういうこともあわせ、量の拡大、質の改善に、先ほども申し上げましたとおり、自治省はこの一、二年間の間取り組んでいかなければならない最も重要な責務の一つと心得まして対処してまいる、そういう心がまえでおります。
#147
○竹田四郎君 いまの次官のお答えを了とします。ひとつその点では大いにがんばって企業のための資金の量と質の改善のために精一ぱい御努力をいただくようお願い申し上げます。
#148
○阿部憲一君 四十四年度において新たに土地開発基金を創設しましたが、その六百億円の基金の根拠は何かお伺いしたいと思います。
#149
○政府委員(細郷道一君) 土地開発基金を全体で六百億といたしましたのは、先般来もたびたび御答弁申し上げたわけでございますが、土地開発のための資金の需要を確保するというところからまいりますと、やはり府県について言うならば通例四、五億は要るだろう。また都市については少なくとも一億は、計算するとすれば、一億以下は計算してもただ自己満足だろうというようなことからやってまいりました結果、大体六百億くらいを本年度の措置としてやっていこう、こういうことでございます。
#150
○阿部憲一君 この公共用地の先行取得と申しますか、これに対して必要性は当然でありますけれども、また一方で公営住宅の用地などの取得には国庫補助を打ち切って起債でやれ、こう言っている。また一方では、土地の先行取得は交付税ないし開発基金でということは、ちょっと政策的に矛盾しているように思いますけれども、その点ひとつはっきり理解できるように説明願いたいと思います。
#151
○政府委員(細郷道一君) 公営住宅は財政計画の中に入れてありますが、これはやはり一つの事業的なものでございまして、将来家賃収入というものによってペイをしていくということが基本であるわけであります。したがいまして、今回公営住宅の土地に対する補助制度をやめて、そのかわり融資額をふやしまして、それで、それだけでまいりますと家賃がすぐ上がるという問題が起こりますので、特別に家賃にはね返らないようにということで、別途国から、まあいわば利子補給のような形の措置を講じていったわけでございます。この土地開発基金のほうは、将来の公共用地――公園でありますとか道路でありますとかいろいろあると思いますが、そういう公共用地を適宜いいときに取得をしておこう、こういう考え方でございますので、この財政需要に六百億を見込んでございますが、それぞれの団体においてこれをどういうふうに使いこなしていくかは、かねて申し上げておりますように、ひもつきでございませんものですからいろいろな使い方があると思いますが、いままでのところ、調査をしてみますと、府県について聞いたところでは、ほとんどの県は土地開発基金、名称はいろいろ違いますが、そういうものを設けて、そこの基金の資金としてこれを受け入れていく。額もそれぞれの財政の状況によって大小がございます。私どもの計算したとおりには必ずしも行っておりません。多いところもございますし、少ないところもあると思います。まあ、そういったような資金としての意味からの一般財源措置と、こういうことでございます。
#152
○阿部憲一君 そうすると、土地開発というのは結局公共用地だけであって、住宅のこと全然考えないわけなんですね。
#153
○政府委員(細郷道一君) 住宅の用地として先行取得をしておこうというのであれば差しつかえはございません。ただ、それを住宅の用地に実際使いますときには、住宅のほうにそれを振りかえてそうして家賃計算のコストに入れてもらう、こういう考え方でございます。
#154
○阿部憲一君 いま局長言われたように、そういった大きなこのような仕事について六百億という金は非常に少ない。確かに少ないと思いますが、これについて、ですから、おいおいにふやしていくかのようなおことばでしたけれども、これは臨時的な措置でなくて非常に長期的な計画に基づいておやりになろうということなんですか。その点をお伺いしたいと思います。
#155
○政府委員(細郷道一君) 法律としては今年限りの臨時措置ということでいたしました。しかし、ここでもいろいろ御議論をいただき、衆議院でもいろいろ御議論をいただきました。私ども少なくとも二、三年に続けてまいりたいと思いまして、衆議院の委員会でももっと、これっぽっちじゃ足りないぞという附帯決議を実はいただいたり何かしております。
#156
○阿部憲一君 そうすると、大体のいまの御構想としては、初年度は六百億ぐらい、次年度、三年度ぐらいはもっと飛躍的に金額をふやして、もう少し大きな先行投資をしようと、そういうお考えと承ってよろしいですね。
#157
○政府委員(細郷道一君) 先行投資の資金は、地方債による道も実はあるわけでございます。今回こういうことをいたしましたのは、私は、やはり四十四年度の財政状況がそれを許すような状況であるという判断のもとでいたしました。したがいまして、ことしと同じような状況でございますれば、私は、これは続け、かつ許す限り伸ばしていきたいと、こういうふうに思います。
#158
○阿部憲一君 この六百億だけでことしちょっぴりというのでは、あまり、何というんですか、画竜点睛を欠くといいましょうか、せっかくの構想があまりにも、何と申しましょうか、実際には効果がないように思う。線香花火的なものになるのじゃないかと思います。ですから、土地開発基金をつくって大いに先行投資しようというならば、もう少し継続的に、計画的に、また金額もそれに応じたような金額にすべきじゃないかと思います。
 次に、私、公害対策についてちょっとお伺いしますが、昭和四十二年度の決算では、都道府県が三十六億円、それから市町村が八十億円を使っておりますが、この公害対策について、基準財政需要額の中では一体どういう費目に見ておられるのか。また、その額はどのくらいか。
#159
○政府委員(細郷道一君) 公害対策費として基準財政需要額に見込んでおりますのは、本年度四十四年度では十二億円でございます。ただし、これは事務費でございまして、公害対策事業を行なうための職員、あるいは調査するための機械、そういったようなものとして実は十二億を今年度見ました。いままではこれの約半分ぐらいであったわけでございますが、ことしそれを厚生省とも相談してふやしました。それから、お尋ねの決算に出ております公害対策事業費というのは、各地方団体が公害対策事業と銘を打ってやった投資的事業が大部分だろうと思います。それらについては都市によっていろいろでございまして、公園をつくるのを公害対策事業というところもございましょうし、あるいは下水をつくることによって汚水の処理をするというのを公害対策事業としているところもございましょう。あるいは都市計画をやっているものもある。いろいろでございますので、公害対策費としていきなり財政需要額に交付税措置として織り込んでいくには、まだ私ども、そこまで各地方団体の考え方が共通になっていない、練れていないだろうと思うんです。そこで、私どもとしましては、それぞれの事業につきまして、都市計画事業、あるいは下水道事業、そういったようなものにつきまして今回需要額の増高をはかっております。こういうことによって一般的な措置をしておるつもりでございます。なお、個々の団体で公害対策事業で大きな事業をするということでございますれば、地方債等を運用することによって処理をしていきたいと思っております。
#160
○阿部憲一君 公害対策の重要性については、私から申し上げるまでもなく、よく御承知だと思いますが、それにつきまして本年のいまおっしゃった十二億というのは、言うならば事務費であり調査費程度のものだと思いますが、やっぱりこれではほんとうの公害対策にはなっておりません。言うならば予備費、事務費的なものでございますので、やはりこれは当然この基準財政需要額の中に入れて、そしてもっと金額的にも公害対策に似合わしいようないわゆる予算を立てなきゃならぬ。そう思うのですが、その点いかがですか。
#161
○政府委員(細郷道一君) 先ほど申し上げましたように、実態がいろいろばらばらで、公害対策事業として取り上げることの判断もいろいろ自治体によって違うわけでございます。いろいろ政治性その他もあると思います。したがいまして、私どもも、そうかといって、公害対策事業という形で、基準財政需要額の中に盛り込むことができるかどうか、これはもう少しよく実態も研究さしていただきたい、こう思っております。
#162
○阿部憲一君 まあ、ただいま申し上げましたように、公害対策は非常に重要な問題でございますので、これはひとつ特段の措置をお願いしたいと思います。
 それから、さらに話題を変えますが、先ほども公営企業の問題なんかについて御質問ありましたが、大都市の交通問題も非常に大きな問題でございますけれども、自治省はこれからたとえば大都市の交通問題についてどのような方向に持っていこうとするのか、どのような対策を持っているかということについてひとつお考えをお伺いしたいと思います。
#163
○政府委員(細郷道一君) まあ、大都市では、御承知のように、職住の距離が離れておりますことからくる通勤輸送の確保ということが大都市交通の非常に大きな問題になっておると思います。したがいまして、それに対処するために、一方では自動車の増加による道路の渋滞といったようなことを考え合わしてみますと、やはり都市公営交通としては地下鉄を伸ばしていくということが必要ではなかろうか。その前提として市電の軌道の撤去というようなことも当然行なわれる。地下鉄をだんだんに増強することによって国鉄あるいは他の私鉄との連関を考えながら、バスの路線の再編成をしていくというようなことを考えていかなければいけないだろう、こういうふうに一般的に思っております。しかし、大都市といいましても、よく例に引かれる六大都市について個々に見てまいりますと、また個々の都市の事情がございまして、いろいろ法律的な制約を受けて営業区域がしばられている地域もございますし、そうでなくて、ヒンターランドとしてどんどん広がっていくところにバス路線を敷くことによって相当の経営があげられるというような都市もございます。したがいまして、それらについては私どもも先ほど申し上げた一般原則にのっとりながら個別の問題としてよく御相談に応じていきたい、こういうふうに思っております。
#164
○阿部憲一君 まあ、いまお話はわかりましたが、問題は、地下鉄は非常に費用がかかるわけですね。ですから、この地下鉄を、何といいますか、いま言われているように、一キロメートル当たり六十億もかかるといわれているけれども、これを市としてということになりますと、相当膨大な資金が要ると思いますけれども、この都市の公営企業に対してはいわゆる独立採算制というものがある程度前提になっております。そこに大きな矛盾があると思いますが、たとえば、いま要らなくなった、赤字経営でもってじゃまもの扱いされている都営電車とか市営電車とか、あるいはバスというようなものも、これも独立採算制ということを打ち出したからこそ非常にやっかいものになっておりますけれども、その点にそれほど重点を置かないということになれば、そうじゃまものでもないじゃないかということになってくる。ということは、結局問題は公営企業として成り立つかどうかということに集約されると思うんです。そうすると、いま局長のおっしゃったような、これからの大都市の交通機関として地下鉄の整備に重点を置くということになりますと、勢い独立採算というような問題とぶつかり合うというふうに思いますけれども、その辺についてお考えはどうでしょう。
#165
○政府委員(細郷道一君) 地下鉄の持っております公共性もございますので、私どもとしては、地下鉄の建設費については道路ができると同じような考え方による負担区分制度を導入できないだろうかというふうに考えて、本年度も実は予算折衝いたしましたが、関係省のあれがととのいませんで、来年度の実現を期してひとつ検討しようじゃないか、こういう約束になっております。その線に沿って来年度努力をしてみたい、こう思っております。
#166
○阿部憲一君 既存の地下鉄について相当経営面において苦しいというふうな状態になっているのでございますか。
#167
○政府委員(細郷道一君) 路線によってございます。したがいまして、各市によって違いますし、また、市の中でも路線によってドル箱路線のものとそうでないものといったような違いがございます。したがって、過去のそういうものについてどういう措置をとったらいいのかということも私は一つ問題点だろうと思っておりますが、さしあたっていま非常に建設を急がれております部分について、まず先ほど申し上げたような線で努力をしてみたい、こういう考えでおります。
#168
○阿部憲一君 非常に経営の苦しくなったような路線ですね、地下鉄の。これについてはこの間の国鉄なんかのような例の利子のたな上げというような措置で、もっと国の援助といいましょうか、そういうものをしていくようなお考えありませんですか。
#169
○政府委員(細郷道一君) それが、すでにもう営業の始まった路線についてどうするかということについて、確かに問題として指摘されておりまして、私どもの案が、将来の建設の問題だけじゃない、過去についての考慮がないじゃないかという批判も実は受けておるのでございます。まあ、地下鉄そのものをまず伸ばしていくことがいまの都市交通の現状からして喫緊ではないだろうかということを考えますと、伸ばせるような状況にしていくことがまず先だというようなことで、先ほど申し上げたようなことをまず取り上げておるわけでございますが、御指摘の点も確かに一つの問題点だと思っております。それらにつきましてもよく考えていきたいと、こう思います。
#170
○阿部憲一君 結局いままで、何と申しましょうか、都市交通の重要なにない手であったところの市電、路面電車あるいはまたバスというようなものに、全部かわって地下鉄というような新しい方面へどんどん伸びていくことになると思いますけれども、結局、いままでの公営企業そのものについていろいろな赤字もたくさん出ましたのですが、これの整理をしていきながら、もちろん、今度新しい建設に向かっていかなければならぬと思いますけれども、過去のものは過去のものでもやむを得ない。前向きだけということもどうかと思います。ということは、結局、そのような企業に従事している人たちは非常に恵まれない状況に従来ありますので、そういうことも考えますと、やはり過去のものは過去のものとしてきちんとして、そうして前向きに都市交通を整備していかなければならぬ、そういうふうに思います。ですから、私は、ちょっといま触れましたような過去のものにつきましての整備といいましょうか、それについてやはり国鉄と同じような考え方をもって、やはり国としてこれに、一例とすれば金利のたな上げというような措置をとりながら、そしてまた前向きのほうはそれぞれ新しい資金を求めていく。もちろんこれも国として相当援助していかなければならぬ。公債の発行にしろ何にしろ国が相当のバックアップをしなければならぬと、こう思いますですけれども、いずれにいたしましても、いまの大都市交通の問題というのは、非常に交通戦争、あるいはまたこれがもとをなして交通事故が毎日のように発生しているわけでございまして、重大な問題でございますので、これについてはひとつ、先ほども局長のお話があり次官のお話もありましたように、都市交通を含めての公営企業になりましょうか、これの質量ともますます発展をして、ほんとうに大都市の交通問題というものが解決できるような、いまの交通戦争というものが解決できてほんとうに安心して仕事に従事できるような環境をつくっていただきたいと思います。
 以上をもって私の質問を終わりたいと思います。
#171
○山本伊三郎君 冒頭に大臣にひとつ地方財政全般のあり方について聞きたいのですけれども、砂田政務次官も地方財政にはたんのうな方と聞いておりますので、政務次官にちょっと聞きます。
 地方財政全般を見るには地方財政計画――午前からいろいろ問題になっておりますが、地方財政計画で全貌わかるわけなんです。たとえば昭和四十四年、本年度の地方財政計画による総額は六兆六千三百九十七億、もちろん決算額と違うことは午前中明らかにされましたが、その大体分け方が、地方税――これは自主財源としての基本的なものですね。それから地方譲与税、地方交付税、国庫支出金、地方債、使用料及び手数料、雑収入になっておるのですが、この地方財政全般の歳入の構成自体について問題はないか、あるかですね。どういう考え方でおられるか。いわゆる地方税、地方譲与税、地方交付税、おのおの歳入を構成する財源についての問題点があるかどうかということ。抽象的ですが、あとから具体的に入っていきたいと思います。それについてどう考えられますか。――財政局長でもいいですよ。
#172
○政府委員(細郷道一君) いろいろ考え方があろうと思いますが、基本的には自治体の自主財源をふやしていくということが基本であろうと、こう思っております。
#173
○山本伊三郎君 そういうことになりますと、決算のやつはあとに言いますが、地方財政計画による地方税収入、これはもちろん都道府県、市町村トータルで出ておる構成比ですが、大体四〇%程度が、昭和三十五年から十年間をずっと見ましても、大体そういう程度になっておりますね。一般財源としては譲与税もあり地方交付税ありますけれども、自主財源としての四〇%のこの構成比ということについて自治省はこの現状でいいのかどうか、これについてどう考えておりますか。
#174
○政府委員(細郷道一君) 私どもとしても、でき得ればこの現状に満足せず、もっと増強をしたいという考え方を基本に持っております。
#175
○山本伊三郎君 常に地方制度調査会でも議論されますが、国税の所得税を一部こちらの増加の変形で、形を変えて持ってくるとかいろいろ案を持っておられるようですが、現実にどういうこと考えられますか、これを増強するというたてまえに立てば。
#176
○政府委員(細郷道一君) いろいろ問題があろうと思います。国民の租税負担というものをもっとふやしてでも地方税を増強しようという方向をとるのか、あるいは、もう租税負担は御承知のように毎年非常な議論になっているわけでございますが、それはいじらないで、地方税の負担をふやすというのか、その辺の、これ自身が実は議論の多い問題であることは御承知のとおりでありますが、そういうことをどう方向をきめるかによってもいろいろ具体案が違うと思うのでございます。この前税制調査会で議論をされましたときには、日本の国民の租税負担は名目的には国民経済の成長に従って上がっていくことが望ましいけれども、しかし反面、年々の自然増収の一部は生活水準の向上に回すという意味で減税もしなきゃならないといったようなことから、国民の租税負担はそうそうにわかに上げることはむずかしいというような前提のもとで、それでは国税から地方税への移譲をしてはどうかというようなことで、御承知の所得税から地方住民税への移譲論が政府の税制調査会では答申が出たわけでございます。不幸にして実現を見なかったというような状況にございます。どの税目がいいのか、いま申し上げたようなワクの中から言えば、あえて所得税だけでなくいろんなほかの税についても検討する余地はあろうと思います。
#177
○山本伊三郎君 地方財政の構成から見まして、もうすでに論議の段階より一歩前進さした具体的な問題を自治省あたり考えるべきでないかと思うんですね。で、これはまあ大臣おいでになったから、最初に聞こうと思っておったんですがね。地方自治の本旨ということで憲法にもうたっておりますし、あるいは地方自治法でもうたっておりますし、地方自治の分離を実現するためには、自主財源というものを強化しなければ私はできないと思うんですよ。まあ、地方交付税は一応固有の財源として一般財源認められておりますけれども、地方財政需要額等々によって規制を受けておる。こういう状態から見ると、しかも、最近国庫支出金が非常にふえてきておりますね。年々増加してきている。これはひもつき財源ですわね。補助負担金、これが超過負担の原因にもなるんですがね。ですから、私はもうこの段階では、地方税制、国税も含めて税体系について根本的に考えるべきだと思うんですがね。それについて大臣はどう思われますか。
#178
○国務大臣(野田武夫君) いまの山本さんの御意見、私ども全く同感に思っております。いまの地方財政の確立、充実、これはもう何人も望むところでございまして、政府全体もその主張に対して異論をはさむ者はないと思っておりますが、現実はいま山本さんがおっしゃったように、地方財政がはたして確立する段階に入っているかどうかというと、端的に申しますと、まあ、地方交付税の問題でも数年来いろいろ論議があったようですが、今国会で大蔵大臣が、衆議院でございましたけれども、固有の財源だということを明言しました。これらはいまさらそういうことを大蔵大臣から聞くのもおかしいぐらい。従来の考え方に多少の財務当局と地方自治をあずかる私どもとの間に意見の相違があったことも事実でございます。そこで交付税を、今度は特別会計の問題がございますが、またひとり交付税ばかりでなくて、税体系全体から考えまして、私は今日の国税、地方税というものももちろんこれは検討する必要があるし、国税の中から地方税に、いま一部財政局長が申しておりましたが、移譲するという問題も内容もあると思いますし、かたがた、今後の地方自治体、その行政の水準を上げようということからしますと、はなはだまだ地方財政の確立ということにしっかりした根底が必ずしも完成してないと、そういう意味から考えまして、いま山本さんの御指摘のありました税体系の総合的な検討というものは当然これは要請されるべきものではないかと、こう考えております。
#179
○山本伊三郎君 まあ、そういう抽象的なことを言っておっても時間がたちますから、まあ、専門家である細郷財政局長ですからね、これはもう六、七年前に地方行政委員会でも私はまあ一応、その当時の財政局長――小林さんでしたかね――に話したことがあるのですがね。この問題については税調の答申だけにまつのでなしに、自治省自体も考える考え方、考えるという気持ちはないのですか。これはもう成り行きにまかすと、地方交付税で調整していくと、これ以外にないというあきらめの観念があるのじゃないですか、現実の問題として。はっきり白状したほうがいい。
#180
○政府委員(細郷道一君) まあ、白状せよということでございますが、やはり自治省の基本の気持ちはみな共通にわれわれ持っておりまして、先ほど来申し上げて、大臣からも申し上げたとおりなのでございます。まあ、自治省の中にもいろいろ人間がおりますから、一人一人に個人的な意見を聞くといろいろ強気の人の意見もあれば弱気の人の意見もある。まあ、あたりまえのことだろうと思います。ただ私どもがいままで多少なりともこの問題に実は取り組んでまいりましたときにいつも議論になりますことは、さっき申し上げた国民の租税負担をふやしてまでやるのかという問題、これがまあ一つ。これはなかなか一般良識のある学識経験の先生からはにわかにはオーケーが出ないわけでございます。おまえの言うことはよくわかるが、どうもそう踏み切りにくいと、まあ、もう少し研究しようと。そういたしますと、現行の国税、地方税を通じた租税負担の範囲内でこれをやるかということになりますと、御承知のように、国税として収納されたものの半分は地方に回っております。一つは交付税という形、一つは国庫支出金という形で回っておるわけでございます。国税収納の収納額が半分は地方に回っておりますから、地方の自主財源をふやそうと思うなら、交付税を減らしてでも地方税をふやすのか、あるいは補助金を切ってでもふやすのか、あるいはその両方を併用するのか。まあ、こういうことになるわけでございます。そこで、私どもは、地方の自主財源をふやしたいという意味で、地方税をふやしたいという気持ちは非常に強うございますが、同時に、地方のひもつきでない一般財源である地方交付税もあわせてふやしていきたいという考えも副次的に持っているわけでございます。そうなりますと、国庫支出金に切り込めるかということになってまいります。で、国庫支出金の中で、じゃあ何に切り込めるかといいますと、これはまあ先生御存じですから詳しいことは申しませんが、なかなかまあむずかしい問題がある。本年度予算編成のとき一部の国庫支出金はもう切ろうという話までしたのですが、これはもう各界、各省、国会、みな各党あげて実は反対であるというようなことでできませんでした。したがって、まあ、そういった面の情勢のもう少し熟するということもにらみ合わせていかなければならないが、そうかといって、できないからわれわれは何もしないのだというのではなくして、やっぱり、じゃあ地方税の中で力をもっと入れるものはないだろうかと、いろいろ固定資産の評価の問題、負担調整の問題とか、あるいはその住民税の負担の問題であるとか、住民税といえばいつもすぐ負担軽減ということだけが議論になりまするけれども、いまの熾烈な住民の要望ということから見れば、すぐ負担軽減に飛んでいいのかどうかといったような問題も地方税の中でもあるわけでございます。そういったようなこともいろいろあわせ考えて、私は非常に強い熱意を実は持っておる一人でございます、私一人だけでもなかなかできないかもしれませんが。
#181
○山本伊三郎君 それはそれでよろしい。それから税務局長おられますね。――地方税の地方財政計画の昭和四十四年度は二兆七千九百九十八億。この見積もりというのは、国税の場合と違って地方税の場合はこの見積もりはどういう形で見ておりますか。
#182
○政府委員(降矢敬義君) 地方税の中で所得を中心とするものに住民税と法人関係がございます。これにつきましては、住民税については国税の前年の所得を基礎にしてこれを参考にして見積もりをいたしております。それから法人税割りにつきましては、これは当年度の法人税そのものが課税標準でございますので、国税の見積もりを基準にいたしております。それからもう一つ、法人事業税関係は、これも所得の把握につきましては、国税の法人の把握に従いましてやっておるわけでございます。それから固定資産税につきましては、土地は負担調整措置がございますので、あれに従った見積もりになりますが、家屋につきましては在来分とそれから新築分につきましては、建築統計によって一応の推計をいたしております。それから償却資産につきましても、民間の投資の計数を参考にしながら見積もりをやっております。それからたばこ消費税につきましては、これは前年の実績を基準にして、本数割りで割り戻しますと一本当たりの税額が出ますので、それに国税のほうで見込みましたたばこの本数の当該年度の伸びをかけまして見積もりを出しております。それから電気ガス税につきましては、通産省の電気、ガスの消費の見込みを基準にして見積もりをすることにいたしております。
#183
○山本伊三郎君 この国税の見積もりといいますか、前年度の伸びを見るのは経済成長率を基礎にして見ておりますね。一応それに弾性値をかけて見ておりますね。地方税は、そういうものについては、たとえば事業税なんかはそれに準じた見通しも持てると思いますがね。それはあなたのほうは、国税に準じてそれで前年度に比較して、それで伸び率を見ておるというんですか、いまの説明は。
#184
○政府委員(降矢敬義君) 住民税につきましては、御案内のごとく前年課税でございますので、その基礎になりますのは国税の所得が基礎になっておるわけでございます。したがって、それを基礎に置きまして見積もりをいたします。法人の場合には、法人税割りは法人税額そのものが課税標準になりますので、これをとることにしております。
#185
○山本伊三郎君 そうすると、三十五年から四十二年の決算と比較すると、非常に計画額は少ないんですね。たとえば四十二年の決算額は二兆一千四百九十六億、計画額は一兆九千七百四十一億で、約二千億ほど少ないんですね。というよりも、実態はそれ以上上がっており二千億多いというわけですね。先ほど財政局長が、午前中ですか、和田委員の質問に答えて、計画額とそれから決算実績との相違のいろいろ要素をあげられましたが、地方税という自主財源においての見積もりのあやまちというのは、これは内輪に見積もっておるんだと、こう理解していいんですか。三十五年から十年間とりましても、大体一千億ないし二千億の狂いがあるわけです。狂いというよりも決算実額が多くなっておる。それはもう予定して、それくらいは余裕財源として計画額は少ないくらいに見積もったらいいという考え方で数字を出しておられるんですか、それとも見積もりのあやまちであるのか、この点はどうですか。
#186
○政府委員(降矢敬義君) 決算額のほうは、大体最初に二百五、六十億の超過課税の税額が入っておりますので、それを見ていかなければなりません。問題は法人関係で比較的狂いやすいわけでございまして、もちろん、私たち独自で弾性値やその他を使う方法もございますけれども、根っこが法人の所得を基礎に置いておりますので、大体この狂いと申しますのは、多くは国の場合と大体同じような狂い方をしているのが実情でございます。そうかといって、われわれ独自で全く別の見積もりを立ててみても、基礎が法律的にそこにあるものですから別のものをとらない、こういうかっこうになっているわけでございます。
#187
○山本伊三郎君 これは予算委員会でも大蔵大臣とやったんですが、大体国税も経済成長率に弾性値をかけて出して、大体千五、六百億か二千億の余裕財源があるわけですね。それを、いやそれは実は経済の成長が多く上がったのでそういうものが出ておる、決してそれは隠し財源ではない、こう言っておる。そういう国税を基礎に出されるから結局同じような形で出るんですね。毎年出ているんです。十年間見てもずっと出ておりますよ。したがって、そういうものを予定して地方財政計画を組まれておるかどうか。これは一年、二年であれば別ですよ。毎年ずっと一千億程度実績のほうが多くなっておる。こういうものを見ると、地方財政計画は何かそこに一つのテクニックがあるんじゃないかという疑いを持たれるわけです。先般の地方財政計画の実績との相違については、財政局長がさっき言われましたように午前に説明がありましたが、貸し付け金の問題とかあるいは臨時収入等々ありますが、これはあとで話しますけれども、地方税自体というものの見積もりは、これはある程度――そういうことか言えないと思う。実績と計画との相違というものは、朝、財政局長が言ったそういうような事情ではないわけです。しかし、国税と同じような形で考えているんだと言えば、大体地方税というものはこれより若干伸びるものであるということを考えざるを得ないと思うんですが、そういうものを見て、これは考えていいのかどうか。
#188
○政府委員(降矢敬義君) 山本委員のおっしゃるように、当初からある程度の含みといいますか、そういうものを予定して税収をはじき出すということは、少なくとも事務ベースの段階では当然やっておりませんし、それから、いまの弾性値の問題でありますが、これは税制調査会でもしばしば議論になっておりますが、年度のとり方によってだいぶ違ってくることは御指摘のとおりであります。現在私たちとして手元にあるのでは、国税は一・三三、地方税は一・二一というようなことをいわれておりますが、この弾性値を使って、では全体の見積もりが、先生のおっしゃるそう大差なくいくのかということになりますと、かつて法人の景気の悪いときにはダウンをいたしまして、そのときどきを見ますと弾性値は幾らもないというようなことでございますので、私たちは初めからある予定の数字をもって一々見積もりをするというのではなくて、実績をベースにしていろいろな資料をもとにしながら、従来からやってきた方式で積み上げていく、こういう方式でやっているつもりでございます。
#189
○山本伊三郎君 それでは、これは財政局長に聞きますが、先ほど申しました地方税の構成比が四〇%程度というのですが、一番この地方団体で財政状態のいい、自主財源の状態のいい団体は何%くらいになっておりますか。
#190
○政府委員(細郷道一君) 府県でいえば六〇%台――六〇%前後といったほうが正確かもしれません、年によって違いますが。市町村では非常にいろいろな特殊なケースのところがございます。たとえばダムがあるといったような特殊なケースのところがございますが、そういうところを除きますれば、多いところで五〇%台くらいと、こういうふうに達観して申し上げられるかと思います。
#191
○山本伊三郎君 府県の場合は六〇%は不交付団体が該当しますか。
#192
○政府委員(細郷道一君) 大体不交付団体の場合と、こう見ていただいていいと思います。
#193
○山本伊三郎君 大阪も実は自主財源がだいぶ減ってきているらしいですね。あなた言われたように、前は六〇%であったけれども、最近は非常に下がってきている。こういう状態をどう見られますかね。
#194
○政府委員(細郷道一君) 個々の団体の構成比ということになりますと、御承知のように、その都市の財政の、予算の編成の方針もあろうかと思います。御承知のように、特別会計との出し入れをひんぱんにやるということになると、他の財源としての繰り出し金、繰り入れ金の規模が非常に大きい。あるいはことしはうんと起債を当初から意気込んで組もうというような方針になりますと、また変わってくる。補助金につきましても、ある程度目標を持ってやる場合と、多少大きく組んで中央に対する姿勢を示そうというのもございますし、非常に手がたく組もうという行き方もございますから、必ずしも言えないと思いますが、私は大阪府にも多少おりましたから大阪府の状況を多少承知をしているつもりでございますが、そうパーセンテージで見るほど実力が下がっているとは私は思っておりません。
#195
○山本伊三郎君 一つ総務局長に聞きますが、こういう実態をどう見ておられますかね。私の調べた数字ですから間違っておったら言ってくださいよ。道府県税で言いますと、県民税の法人と個人の割合ですね、昭和三十六年の場合は法人割りが三百九十四億――これは決算ですよ、決済額で。個人の場合は二百七十二億。その比率は法人割りのほうが約百億ほど多かったのですね。四十一年以降は私、決算で調べてないのですが、四十年度の決算で見ますと、法人のほうは五百二十九億という伸びは約二倍程度しかふえていないのですね。ところが、個人のほうは千二百二十九億、もう何倍とふえているのです。これはどういう現象なんですか。個人割りはうんとふえて、法人割りはほとんど伸びてない。そういう数字出ていないですか。
#196
○政府委員(降矢敬義君) 出ております。
#197
○山本伊三郎君 それはどういう現象ですか。
#198
○政府委員(降矢敬義君) ただいま御指摘の三十六年に県民税の個人分二百七十二億、法人分三百九十四億、四十年は個人分千二百二十九億、法人分五百二十九億そのとおりでございます。これは三十七年に、御案内のとおり、県民税個人分とそれから国税の所得税の間で二百億のやりとりをやりまして、それで入場税を二百億国税に返しまして、そのかわり所得税を二百億もらったわけでございます。したがいまして、そのときに、なお、税率を御案内のとおり百五十万円を境に二%、四%というような税率にいたしたわけでございまして、それが非常に大きな原因になってこういうかっこうになっているのだろうと思います。
#199
○山本伊三郎君 ぼくはそれを尋ねているのじゃないんですよ。市町村民税の法人割りと個人割りと同じような傾向があるのですね。これを言いかえると、法人関係、特に大会社あたりの法人割りの負担が非常に伸びが少ない。割合が少ない。で、個人のほうがうんとふえてきている。どう税率を変えようともそれは一つの技術ですから、現実に負担しているのは個人のほうがうんと伸びてきている。こういう現象は地方自治の立場からどう考えられるか。
#200
○政府委員(降矢敬義君) 個人の市町村民税の場合におきまして、もう御指摘のとおり、三十六年の個人所得割り、法人割り、四十年の個人所得割り、法人割りというものを比較しますと、個人の所得割りが伸びておりますが、これは個人のほうにつきましては、例の累進効果というものがこういうかっこうになっているのだと私は思っております。
#201
○山本伊三郎君 自治大臣、その率が変わってこうというわけはないのですね。ぼくの言っているのは、法人割りの負担が低くて個人割りがうんと多くなっているということについてどういう見方をするかということです。
 時間がないから私の結論を申しましょう、どういうことになっておるかということを。御承知のように、大都市はもちろん中都市でも、法人が経営しているその区域というものは、道府県、市町村を通じて財政需要が多くなっている。道路にしろ、下水にしろ、そういう繁華街を中心にして財政需要を投入しておるのですね。その法人関係の多い、たくさんビルが建っておるところに需要が多いが、負担する割合は個人のほうがうんと伸びてきている。個人の多い住宅街なんかでは、まだ下水も完備されていないし、道路も完備しておらない。こういうところで、負担は、いわゆる地方税の個人割りというものは、住民税というものは非常に多くなっている。三十五年にはそれは逆であったのです。法人が多く負担して、個人の割合が少なかった。それが十年とたたない、四十年ですから、六、七年の間に逆転どころじゃないのです。片一方は二倍ぐらいしかふえないやつが、これは物価が上がったぐらいしかふえていない、法人のほうは。個人のほうは五倍も六倍もふえておる。住民税の個人の負担というものが非常に多くなっている。こういう現象というものをどう自治省は把握されておるか。しかも、財政需要は逆ですよ。個人の住んでいるところは財政需要はそう使っておらない。この法人と個人、法人は擬人説もあるし、擬制説もありますけれども、いずれにいたしましても、そこで営業して金をもうけているのですね。そういう状態は地方自治の立場からして住民に対して非常に過酷でないかと思うのですね、財源調達の一つの例としまして。これをある程度考えなくちゃならぬ。地方制度調査会で私、これ言いましたが、結局、法人税の国税のやつを取ってきてこれをふやすしかないという考え方がありますが、それは私はそれでもいいんですよ。しかし、国税の法人税と所得税と比較しても、ここ十年間で所得税のほうがうんと伸びてきて、法人税がずっと下がってきているのですね。これから先言うと、社会党のイデオロギーが出ますから言いませんけれども、こういうことも一つのきわめて私は国民大衆から見ると不合理な状態が出てきておる。これはどういうことかといいますと、法人割りは法人税を基礎でやっておりますからね、それで特別措置法によって減税されたが、地方税にも全部影響してくるのです。こういう状態が地方財政の実態から見て、あるいは私は、何といいますか、ある程度バランスをとれたような形にしなければ市民は承知しないと思うのですが、こういう考え方について大臣どう思われますか。これは数字をもって言っていますから間違いないのですよ。
#202
○国務大臣(野田武夫君) 税制の問題でございますから、私が、しろうとが言ってもあまり御参考にならぬと思いますが、しかし、大局的に見て、この数字をいまお聞きしておりまして、なるほど数字のあらわれ方のひどいと――私ともこれは一般論です。三十六年と四十年を比較されたこの数字ですが、理論的に言いますれば、法人税は、一般事業税とか固定資産税とかいろいろ他の税を負担しておることもありましょう。しかし、そういうことでなくて、一般政治論というか、そこから来なければ――私、税はあまりわかりませんから、あまりわかったようなかっこうをしてもかえっていけませんが――政治論から言いますと、こういうことに対しては地域住民の感触も私もわかりますし、また、私ども政治に当たっておる者、お互い同じですが、やはりなるほどこういうところは十分注意すべきことではないかという感じは深くいたします。私は結論を何もいま言う資料もありませんし、私自身何もありませんが、注意すべきことだということを山本さんに申し上げたいと思います。
#203
○政府委員(降矢敬義君) 個人の所得割りと法人税割りの御比較における御指摘は、まさにそのとおりだと思います。ただ、御参考までに、地方税として法人の事業税、法人税割りを含めまして法人の負担として直接求めておる割合は六一%になっております。これに対しまして個人の所得に対するものは四六%、個人事業税も含めまして四十二年度の決算で四六%ということになっております。御案内のとおり、税制調査会でも六月から事業税というものを取り上げまして、全体として企業の税負担のあり方というものに検討が入ったわけでございます。御指摘のような御意見も一つの御見解だと思いますが、企業全体としての負担という観点からもなお検討してみたいと、こう思っております。
#204
○山本伊三郎君 あなた言われた事業税は、それは府県民税ですね、市町村にはない。したがって、市町村の財政から見るときわめてこれは不均衡な状態が出てくるのですね。それは言われましたが、国税を見ましても、法人税と所得税、先ほど申しましたが、数字がありますけれども言いませんが、調べればわかると思うのです。ここ十年間、法人税の伸びが落ちておる。所得税のほうがむしろ上になるという状態が出てきておるのです。これは大蔵省も、財政当局も気がついて、法人の擬制説をつくがえして実在説ということを言い出して、配当それから利子分離課税を考えなければいけないと言いだしましたが、地方税の場合も、私はこれは考えてほしいと思うのです。特に大都市あるいは中都市へ行きましても、非常に市町村の財政需要はそこに集中しているのですよ。これは皆さん行かれたらわかると思う。駅へおりたら、その面は非常にりっぱな道路もでき、公共施設もありますけれども、個人の住んでいる住宅の公共施設はきわめておくれていますね。逆ですよ。税負担について、財政負担については、逆に多く負担して、しかも、公共施設なり財政需要は非常に低いというのです。この実態は、私は地方の立場からいっても、大臣よく考えてもらわなければいかぬと思うのです。私は決してつくりごとを言っておるわけじゃない。しかし、税制の変化によっていろいろ事情がありますよ。あるが、大局的な数字を見ても、その点だけは十分考えなければいかぬと思う。そこで具体的に私も言ったのですが、なかなかやらないのですが、少なくとも市町村税における法人割りを、いまの税率じゃいけない。変えなさい。変えた分は国税から取ってきたらいい。そうなると国税のほうで考え直しますよ、いま言ったように。それを遠慮しておるから大蔵省はがんとして聞かないでしょう。法人税の収入を地方税に回すことはどうもいけないと言う。しかし、そういう方法を閣議でも、地方交付税については大臣が相当強い決意を示したということは原田委員に答えられましたけれども、地方税自体における不合理性も十分検討していただきたいと思うのですが、先ほどの答弁で私は納得しますけれども、もう一回その点について大臣の所見を聞いておきたい。
#205
○国務大臣(野田武夫君) ただいま私山本さんにお答えしたとおり、この問題、特に地方税の問題の取り扱いについて、いまの具体的な数字のお示し、それからいまの税務局長が申しましたとおり、一般的に法人と個人のパーセンテージも言っておりました。まあ、それもよく観察すべきことでありますが、一般論として、私はなるほど地方税のいまの御指摘の点、十分私考えられるべきだと思っております。そこで、やはりどうしても地方財政としては自主財源というものが、やっぱりその点おくれていると、最近特に痛感しております。どういう案がどうできるかということはお答えできませんけれども、そういう方向で、ひとつ私今後努力したいと、こう思っております。
#206
○山本伊三郎君 大臣答えられたのですが、地方財政全般をやっておられる財政局長としてどういう見解を持っておるのですか、財政上から。
#207
○政府委員(細郷道一君) 市町村の法人税割りですか、法人課税の分量をもっとふやすということは、最近の職場と住居の乖離というようなところからしばしば出ている議論でございます。しかし、この問題については、市町村の法人税割り自体も増税をしてしまうというのも実は一つの行き方だろうと思うのであります。法人の負担を変えないでそうしようということになると、どっかよそから取ってこなければならぬ。あるいは国税を減らしてこなければならぬ。そうなりますと、国税の議論もございましょうし、それによって交付税の減少という問題も起こるわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、やはり国から地方へ税金を移譲するということが一つの大きな課題であると思います。いかなる税目を選ぶかはなおよく税制調査会等で検討すべきだろうと、こう思います。
#208
○原田立君 もう少し時間を取りたいのですが、しょうがないです。
 大臣お忙しいようだから一つだけ聞いておきます。あとまた局長のほうに聞きたいと思いますが、前にお答えになったかどうか、ちょっとはっきり記憶にないので、再度お伺いしておくのですが、四十三年度四百二十億、四十四年度は六百九十億の貸し借りがあったが、四十五年度はこういう異例の措置はやらないと、こういうふうに塩見予算委員長から、大蔵大臣並びに自治大臣の答弁があったと、こういうふうに本会議で報告があったんですが、これはそのとおり理解しておいてよろしいのかどうか。これが一つなんです。それと、大蔵大臣と自治大臣と話し合った覚え書きの中に、年度間調整は今後検討するというのがありますが、この二つとのからみ合わせで、結論は四十五年度にはこういう貸し借り制度はやらないというふうに理解していいのかどうか。この二つだけお伺いしておきます。
#209
○国務大臣(野田武夫君) 私これは率直に内容を申し上げます。
#210
○原田立君 簡単でけっこうです。
#211
○国務大臣(野田武夫君) それでははっきり申し上げますが、四十五年度はこういう貸し借りは一切やりません。これは覚え書きも交換しております。また、国会におきまして、予算委員会その他において、衆参両院においても大蔵大臣も言明いたしております。私もはっきりいたしております。したがって、年度間調整につきましては、そういうことを基底にいたしまして、これはやはり地方自治体が自主的にやるという方向は当然のことでございまして、いま直ちに年度間調整を、四十五年度はやるということではございません。将来いろいろな財政計画で必要な場合には年度間調整を地方自治体の実情に照らして自主的にやるという考え方でございます。
#212
○山本伊三郎君 財政局長、あなたの言われたほかの税制上の問題もありますが、地方財政全般の仕組みから見て、財政需要が非常に多いところの地域におる人については税が低い、負担が低い。個人割りのいわゆる個人が住んでおる住居については財政需要は少ない。しかるに、逆にその負担が大きい。この矛盾というものをどう考えておるかということを聞いているのです。国から取ってくるか、またそれを増税するかはこれは別問題であります。財政当局としてそういう状態をどう見ているかということです。
#213
○政府委員(細郷道一君) 私は、やはり自治体がそれぞれ住民の負担で自治運営をやるという基本からみまして、仕事の分量に応じた自主財源があることが望ましい、こういうふうに私は考えております。したがいまして、具体的にたとえば都市においては非常に仕事が多い。多いがその都市の人の持つ負担は少ない、税負担は少ない、それはいいかというお尋ねだろうと思いますが、そういうことですと、私はやはり都市にも独自の税源がもっと充実されることが望ましいと思います。ただその場合に、それは所得課税の個人所得割りと法人税割りとの関係だけで解決すべきものであるかどうか、固定資産税等も含めて解決すべきであるかどうか、その辺は十分研究をする必要がある問題だと思っております。
#214
○山本伊三郎君 ぼくは過去の沿革と趨勢を言っているのですね。前の負担は法人割りが非常に多かったのです。それがだんだんと割合が変わってきておるという趨勢について問題があるというのですよ。あなたの言うような、もともとそういう割合でいっておるというのならば、また別の考え方がありますよ。だんだんと個人割りのほうが何倍かふえて、法人割りはふえておらないというこの現状というものをどう見るかという問題です。
#215
○政府委員(細郷道一君) これは私よりむしろ税務局長からお答えすべきことだろうと思います。税制上いろいろ問題があると思います。ただ、私は地方自治をまかなう地方財政ということから申しますと、個人の納める税金によって地方自治の運営ができるほうがむしろ望ましいのじゃないだろうか。なるべくそこに住んでいる人の、個人の負担で地方自治運営ができることがむしろ望ましいのじゃないだろうかというぐらいな気持ちを実は持っております。いろいろ税制の仕組みがございますから、そうばかりもいきませんが、先生も御承知のとおり、シャウプ税制ができたときには最初は法人割りはございませんでしたのも、そういった趣旨であったと思います。しかし、法人擬制説をとっておる現実では、それをのみ込むことができませんで、法人税割りもできてきた。こういったような事情がございますので、税制の問題として税務局長からもまた機会があればお聞きいただきたいと思います。
#216
○山本伊三郎君 細郷財政局長は、私の管轄でないからと逃げられますが、そうはいかない。たとえば大阪の例をとりますが、東京でもそうでしょうが、大阪で法人で大きい所得を持った個人の人は、大阪市に住んでいるのはわずかに二割、法人で、そこで大きく金をもうけて、そうして住んでいるのは郊外、他府県です。個人としても税金を納めておらない。法人も伸びておらない。大阪市はその地域における公共施設なりそういうものをやっておるのですが、それがしかも個人の住んでいるところよりも大きい。こういう矛盾がある。そういう人々は大阪市内に住んでおらないのですよ。個人でも納めているか納めていないかというような現状なんですね。したがって、金だけもうけて税金はそこに納めない。しかも、法人の場合は伸びておらない。一体、地方自治体はどうしたらいいかという問題が現実にあるのですね。こういう問題があるから、あなたの答弁は、それは私の管轄でないからということを言いますが、この現状というものをほおかぶりでいくことはできないことである。市民運動に私は展開してくると思う。あなたが税制がどうこうという説明をされても、これは一つの大きい問題です。しかも、法人割りが法人税を基礎に置いてこれは課税されるのですね、法人税を基礎に。そうですね。その国の法人税自体が非常に優遇されている状態がここ十年ぐらい続いているのです。これは経済成長の過程においてやむを得ないという説もありますよ。設備投資をやらなければならない、社内留保ということで、利益は全部投資に注ぎ込むということでやるという国の政策があるでしょう。地方自治体の住民から見ると、国の政策の犠牲になる必要はないのですからね。そこに一つの問題がある。こういう点を真剣に自治省も考えるべきだと思います。われわれは国会で少数野党だから、意見を聞かなければ住民運動として展開してもいいですよ。世の中が険悪になってくるというのは、そういう国民に納得させ得ないようなものをそのまま強引に考えもしないでやるというところに問題が起こるのですよ。大学問題はきょう出しませんが、文部大臣呼んでいませんから言わないのだが、単にゲバ棒ふるうからと、あれを現象的なものだと思ったら大間違いです。こういう点も私は触れませんが、こういう税制自体も考えなくちゃいかぬ。しかも大蔵省自体が、前の主税局長ですか、今度参議院選に出てすべった人がありますが、塩何とかいう人、あの人でも、とにかく擬制説はだめだ、法人は実在説だということで、個人と同じような活動をするのだという説をあの人はとってきたのですね。そういう実態であるのに、自治省はそういう点については国税まかせだというようにのうのうとしておったら、あなたらの職責はどこにあるか。これはこっちも疲れますから何回も質問やめますが、そういう答弁だけで今後いけると思ったら大間違いですよ。大臣行ってしまったから、政務次官に食ってかかるよりしようがないけれども、どうですか。率直に、一ぺんその点は考えるべきだと思うのだがね。
#217
○政府委員(砂田重民君) 山本先生、ただいま大阪のことを具体的の例をあげてお話しになりました。私、確かに非常に大きな問題点だろうと思うのです。先生のお話にもありましたように、昼間大阪へ来て仕事をしている、やはり大阪市の行政サービスを受けておられるわけですね。大阪市の行政サービスを、大阪市に住んでいる住民税を払っている人が、大阪市内に住んでない人に対して大阪市の行政サービス、その費用を負担している。やはりわが国の都市化現象というものがちょっと異常な事態に変革をしてまいりましたことから起こった現象だろうと思います。自治省の財政局長にいたしましても、税務局長にいたしましても、いままで長い間やってきた惰性だけではこれは解決できないという気持ちがいたします。財政当局へ相当勇敢に切り込むべき時期に来ているということは、これは大臣も政務次官も心得ております。自治省の事務当局も、そういう勇気が持てるようにおしりをたたくのが私どもの任務である、こういうふうに心得ております。
#218
○山本伊三郎君 それは財政局長、笑いごとではないですよ。それはあなたら長い間官僚でおるから、そのしきたりになれているけれども、ちょっとしろうとが見ると非常にけげんに思うのですね、しろうと目には。これは何ですよ、職場で金もうけをしている場所が、法人が多いですね。大きいビルディングなんか建てております、工場もそのとおりですが。金もうけをするというのはこれはほうっておいてもいいわけではないですよ。公共施設との関係もあるだろうし、いろいろな関係を利用しなければならない。その金もうけをしている人に対しては、やはり応分に多く負担してもらわなければいかぬ。しかも財政需要が多いのだから、そういう趨勢になっているけれども、それは自然になっているのだという見方だけではいけない。なぜこういうことになったのかということを調べて、法人にもやはり地方住民としての負担も公平に負担すべきである、こういう点を考えなくちゃいかない。この点は十分反省すべきだと思う。これは現にそういう運動も起こりつつあるのですよ、いまはまだおさまっておりますが。これはもう税金闘争というような形でそういうものが展開したときに政府が気づいたのではだめだということです。その前にやはり手を打っていきなさい、私はきわめて与党の立場で言っている。それはほうっといたら、だんだんだんだん不合理が続いてくるとそこに問題があります。そういう点も十分考えていくべきであるということで、一応、政務次官もだいぶ言われましたから、この点は私は初めて地方行政へ来て一つだけ言うておきたいと思います。
 まあ五時におくことでありますから、この点についてはまだまだあるのですよ、地方財政計画全般にありますが、一つ、この間ちょっと気にさわることを財政局長言ったがね、地方公務員のいわゆる給与の問題について、人件費の負担割合は現在三六%くらいになっておりますね、この構成比、自治体の人件費の構成比は一体地方財政から見たらどれくらいが妥当と思われますか。
#219
○政府委員(細郷道一君) まあこれはどれくらいが妥当かというのは頭からなかなかきまらない、経験的にしかきまらないことだろうと思います。そういう意味合いにおいては私はやはりこの人件費の割合が以前よりは構成比としては下がってきておりますが、まあ私はやはり三割前後くらいがいいところではなかろうかと、こういうふうに思っております。
#220
○山本伊三郎君 三割というのはどういう見方なんですか、地方公務員の構成から見て。現在民間のおもな産業別人件費構成比、これは統計とられたことありますか、民間の人件費の割合。
#221
○政府委員(細郷道一君) いまも申し上げましたように、頭から割合をきめることはなかなか私はむずかしいと思います。そこでどうしても経験的になるということを実は申し上げたわけなんですが、現在ことしの財政計画では、ちょうど三分の一が給与関係経費になっています、三三%です。かつては三九%くらいのことが十年前くらいにはあったわけでございます。しかし、地方団体がやはり投資事業というものをやることによって住民に福祉を還元していくのだということを考えてまいりますと、まあ現在の財源の構成比からいきますと私は三割くらいがいいのじゃないかという経験から出た達観を申し上げるという意味でございますから、ほかの企業で比べてものを言うというようなものではございません。
#222
○山本伊三郎君 地方公務員の人件費の割合は高いといつも言われますね。何か給与ベースを引き上げるときでも言われますが、自治省が持っておる資料を分析しますと、地方公務員の実態をずっと調べますと、たとえば民生とか衛生とか労働という、こういう一般地方公務員の場合はあなた三〇%と言うけれども、これは昭和四十年しかデータないし、いまつくっておりますが、四十年の場合、あまりかわらぬと思いますが、割合は、民生の場合は一二%ですよ。衛生の場合は、これは病院があるから少し高いですよ、二七・三%、労働の場合は一二%です、人件費の割合が。農水は二一%、商工は九%。高いのは何かというと、警察ですよ。警察の人件費は八二・五%です、いま下がったかどうかしれませんが。教育が七〇・八%です。こういう特殊な地方自治体のかかえておる職員の給与のウエートは高いのですね。警察なんて民間にありませんよ。警察株式会社ってございませんから、これは公務員にしかないのですからね。義務教育もほとんどこれは公立ですから。警察の人件費が高いというのは、警察官自体が事業のような形ですね。機械はなかなか警察官の役目はできない、機械ばかりでやっておっても機動隊はできませんからね。だから人件費がどうしても警察とか、あるいは教育の場合は、これは小中学校は一つ事業のような、先生自体が教育の事業ですからね、したがって、高いのです。そういうものを込みにするから三六%から三三%出てくるのですね。したがって、一般の公務員というものについての人件費のウエートはきわめて低いのですよ。これが人件費が高いということでいってみると、あなたきょうは言わないけれども、たまに自治省の連中に言う人がいるのです。しかしどんな根拠で言うのか、その点が私はわからないのですが、これは財政局長の担当でないと、行政局長かだれか知らぬが、その点はどう思いますか、砂田政務次官。私は数字で言っておるのですから間違いない。これは自治省の出したデータです。
#223
○政府委員(細郷道一君) 種目別に見てまいりますと大体おっしゃるようなことだろうと思います。私先ほど申し上げましたのは、この財政計画で、まあこれは決算になりますと多少変わってまいりますから言い方が変わってくると思いますが、財政計画では、これは私が先ほど来申し上げたように、達観で申し上げてたいへん恐縮なんですけれども、現在の財源構成比率、現在の事務配分の分野、そういったようなことを前提にしてものを考えますと、私はやはり一般財源のうち、半分はまあ人件費的なもの、半分は投資的事業と申しますか、社会保障等も含めたそういった事業費的なものにせめて回したいなという私自身気持ちを実は持っておるわけであります。そこでいまでも一般財源は御承知のように、税が、しばしばおっしゃられておるように四割かちょっと、交付税が二割かそこら、合わせると六割くらい。まあその半分くらいでいくのが一つのめどかなと、こんなふうな実は私自身そういう気持ちを個人的に持っておるわけでありますから、それを達観と称して実は申し上げたわけであります。しかし、おっしゃるとおり、警察官、消防、学校教員というものも、私もよく民間の方に、人件費が多いじゃないか、地方財政多いじゃないかと言われるたびに、実はそうじゃないのですよ、これ自身が事業費ですよと言って、私はいま先生がおっしゃったようなことを私自身も言って回っておるわけなんですが、しかし、単に先ほどお断わりしたような、財政計画上どの辺だと、こうおっしゃられれば、そんなようなことでたいへんおそまつな答えでありますから、もっと正確に言えということであれば、十分検討の上でお答えさせていただきたいと思います。
#224
○山本伊三郎君 おそらく正確に言えといったって、あなた方そんなに持っていないと思う。一つのいわば経営体なれば、もう少しそういう人件費とか、あるいは物件費とか、投資的経営というものを、もっと科学的に私はやるべきだと思いますよ。私はめどで三割、三〇%ぐらいというあやふやなことじゃ財政当局として私は不信任だ。そういうめどが三〇%であったら財政計画としていいということじゃなくて、たとえば衛生事業であればこういうぐあいに、投資事業についてはこれぐらい要るんだ、人件費はこれぐらいだというようなものを、一応の科学的なものを出さなければぼくは説明できないと思います。最近、土木事業あたりでも人件費は非常に狭まれておりますよ。全部請負の下請に出している。だから、そういうものが住民にどう影響するかという、あなたは財政担当官ですからそこまで追及するのはどうかと思いますが、企画課であるか企画局であるか知りませんが、私、地方自治にあまり詳しくないんだが、そういう人が十分検討した上で納得させるような財政計画というものはぼくは必要だと思う。これだったら大体の、何といいますか、どんぶり勘定で出して国会に説明する程度のものだ。具体的に検討せいといっても、各委員からも言われましたが、非常に私は問題があると思います。ただ、四十四年度の地方財政はこうあるべきであるという大まかなものを出す程度であって、それも実は相当問題がありますわね。しかし、私はいますぐそれをやれとは言うても無理ですから言いませんがね。自治省は大体長い間の伝統で眠ってしまっていますよ。前のしきたりさえ守っていたら自治省の役はつとまると思っている。きついことを言うけれども、もっと時代の経済なり社会の発展に応じた自治省の一つのぼくは考え方というものを出すべきだと思う。そういうものなくして公務員のいやがるような首を絞めるようなことをして無理にやるから反発を食うのですよ。しかも市町村に行っても、非常に自治省に対する反発はありますよ。ただまた、何といいますか、東京の方が、江戸の方が長崎県に行って起債の認可、いろいろ文句言われるからしかたがないといってあなたのところに言っているだけですよ。腹の中では自治省何事だと思っている。これは事実ですよ。こういう事実を自治省の皆さん方最高幹部なんだから、そういうものを踏まえてものを考えなければ、国会であれはうまいこと答弁するという程度ではおさまらぬ。こういうふうにちょっときついことを言いますが、まああなた方に伺うことはもうないと思う。もうあとは行政関係だから、あなた方もう来ないと思う。その点は十分、口できついこと言って顔で笑っているかもしらぬが、私の言っていること間違いだったらいいんですよ。私の言うことがどっか考えるところがあると思えば、自治省の諸君も考えてもらいたい。そういう点を、大臣おったらよかったが、大臣おらぬからその点を言っておきます。あとは、また次ありますけれども――財政局長には次いつあるか知らぬが、まだずっとあと後編がありますけれども、この点はきょうこの程度に毒舌は終わっておきます。
 私の質問はこれで終わります。
#225
○理事(熊谷太三郎君) 本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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