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#1
第061回国会 地方行政委員会 第26号
昭和四十四年七月十七日(木曜日)
   午前十一時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月十六日
    辞任         補欠選任
     船田  譲君     重宗 雄三君
     安田 隆明君     渡辺一太郎君
 七月十七日
    辞任         補欠選任
     重宗 雄三君     山本敬三郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         内藤誉三郎君
    理 事
                熊谷太三郎君
                吉武 恵市君
                山本伊三郎君
                原田  立君
    委 員
                小林 国司君
                小林 武治君
                鈴木 省吾君
                増田  盛君
                柳田桃太郎君
                山崎 竜男君
                山本敬三郎君
                若林 正武君
                渡辺一太郎君
                竹田 四郎君
                千葉千代世君
                松澤 兼人君
                和田 静夫君
                阿部 憲一君
                山田  勇君
   国務大臣
       自 治 大 臣  野田 武夫君
   政府委員
       人事院事務総局
       任用局長     岡田 勝二君
       厚生省社会局長  今村  譲君
       自治省行政局長  長野 士郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       内閣総理大臣官
       房参事官     葛西 嘉隆君
       労働省労政局労
       働法規課長    大塚 達一君
       労働省職業安定
       局業務指導課長  保科 真一君
       自治省行政局公
       務員部長     鎌田 要人君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方公務員法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(内藤誉三郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 七月十六日、船田譲君及び安田隆明君が委員を辞任され、その補欠として重宗雄三君及び渡辺一太郎君が選任されました。
 また、本日、重宗雄三君が委員を辞任され、その補欠として山本敬三郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(内藤誉三郎君) 地方公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#4
○和田静夫君 人事院お見えでありますが、先日人事院のなされました答弁というのは、何といっても私たちは理解をすることができません。したがってきょうは人事院総裁に来ていただいて、人事院としての態度を明らかにしていただく、こういう要請をしておりましたら、人事院総裁は給与勧告の作業等でどうも出られないということでありますので、人事院総裁と打ち合わせした結果の答弁をきょう正式に承りたい。
#5
○政府委員(岡田勝二君) 一昨日和田委員から御質問がございまして、それの御質問の趣旨を私取り違えまして、しかも仮定の問題を設けましてあれこれと申し上げましたために、いろいろ誤解を招きましたという不手ぎわがございましたので、ここであらためてお答えを申し上げます。
 これにつきましては、一昨日のことにつきまして、総裁にも申し上げて、本日の答弁につきましては、私総裁の意向を受けておるわけでありますが、一般職の国家公務員についてだけ所掌いたしております人事院といたしましては、地方公務員につきまして自治省でいま御論議になっておりますような改正案、これの是非ということにつきましては、人事院としてはそれについて申し述べる立場にないということを御了承いただきたいと思う次第でございます。
#6
○和田静夫君 大臣、先日の専決処分の問題について協議をされた経過について説明してください。
#7
○国務大臣(野田武夫君) 先日の専決処分の問題でございますが、そのときも私からお答えいたしておりますが、重ねて御説明いたします。
 定年制条例を専決処分ですることにつきましては、定年制条例が職員の身分の変動に重大な影響を持つのでありますところにかんがみまして、専決処分をすべきものではないと、こういう考えを持って今後の指導に当たりたいと、こう考えております。
#8
○和田静夫君 その辺の答弁はこの前とあまり変わっていないのですよ。それで、私のほうとしてはたいへん危惧がされます。実際問題として経験がないわけでもないのです。いまの自治省の官房長の宮澤さんが千葉県の総務部長時代、私は相手側の責任者として、昭和三十年段階の再建団体をめぐる労使間のいろいろの問題で、現実問題としては専決処分という労働関係について処理のしかたをされたことがある。私のほうは相撲には勝ったけれども、結果的には勝負は県側が勝った、そういう経験を私は持っているがゆえに、かなりこのことについては実は非常にひっかかるのです。すべきではない、確かにすべきではないわけですよね。しかしこういうことが想定をされるのですよね、大臣、言ってみれば、この問題はここでかりに国会を通過いたしましても、地方団体におりていった場合に、労使間の問題として、そう簡単におさまる問題ではありません。条例制定の問題で議会が開かれております。そうして住民の意思を含んで職員の陳情行動やいろいろの要請がなされます。議会の会期中にその条例が上がらないことはたくさん出てくると思うのです。その場合に、次回の議会までの間に専決でやってしまう、そうして次回の議会ではこれが否決をされる、こういう状態が起きても、この前の行政実例でいくのだという答弁のとおりそれは生きていく、こういう形のことができるが、するべきではないという程度では、そこに対する穴を防ぐことにはならないわけですね。この前冗談のように申しましたが、たとえばこの委員会にもお見えの柳田先生の門司市長時代、それから熊谷先生の福井市長時代のような、職員組合に対して非常に良心的の措置をされる方々ばかりではないのです。残念ながらほとんどが、定年制の法案を求めているところの市町村長というのは、言ってみれば、われわれの側からいけば、人事管理能力のない人たちですよ。そういう人たちが求めているのですから、したがって私の予想というのはたくさん起こってくる。それに対する保障がないことにはたいへん危険な状態になる。したがって私は、とにかくこの種の問題に関しては専決処分はできない、こういう形のやっぱり大臣の常識的な答弁をいただいておきたいと思うんですが、いかがですか。
#9
○国務大臣(野田武夫君) 和田さんの御心配、私よくわかります。ただその場合に、いまお話しになりました人事管理上の問題で、その公共団体の長がかってわがまま、めちゃをやるということが前提でいきますと、法律上から申しますと和田さんの御指摘になった穴というものは、これは否定できません。ただ私どもは、政治的常識的、またもう一面、いまお話しになりました人事管理上からいたしましても、職員の身分に関する問題、これを専決処分して、そしてあとの始末についてのかれこれがあってもやってしまうんだと、こういうことは、私はこれこそ人事管理上はたしてやれることかどうか。私、必ずしも一般的な政治論ばかりでなくて、実際上考えましても、こういう専決処分によって定年制の条例をつくるということは、少なくとも地方公共団体の長に選ばれる方々の人事管理上の常識からいってもできないことである、またすべきことではない。しかも、この国会の論議においてこれだけ意を尽くし、また自治省の考え方も明瞭になっております場合、さらにそういうことを全然無視してやるというふうなことは私は不可能ではないか、またやるべきではない、こういう強い感触を持っております。しかし、和田さんの御心配、決して私は――これはそこに法律上の問題が残りますから、私はこの席からその法律を無視して答弁ができないことも多少御了承願えると思いますが、私のこういう姿勢を強く強く、この問題にあたっての論議を尽くして、そして国会の意思はもちろん、自治省の意思も浸透するようなことにすべきだし、私はそれが今後の定年制の条例を取り扱われる地方公共団体の長の人事管理における常識の線として当然行なわれていくと、つまり専決処分はしないということが行なわれていくと、また、そういうふうに強力な私どもとしても指導いたしますその意思というものが浸透しはしないかと、そういう結論に私、いまあります。こういう専決処分をすべきではないという、まあ私断定的なお答えをいたしておるのでありますが、それを進んで、とことんまで法律にまいりますと、私は実は何ともこの際、法律に対して私の見解は――これはもう和田さんの御意見理解できますし、それを否定する、そんなことは考えておりません。私はいま繰り返して申しますとおり、この定年制に関する法律案の審議と自治省の強い方針というものがあらわれています場合には、専決処分すべきではないということが浸透するんじゃないか、またそうすべきだ、こう考えております。
#10
○和田静夫君 私実はもっとこまかい問題を用意しておって、ここでこれを引っかけているとたいへん時間がかかるので、この問題についてはまたあとに一ぺん述べさせてもらいます。
 述べますけれども、そこで私はその前提として、私が専決処分に対して考えていることについて一ぺん整理をしてみたいのですがね。この百七十九条の字づらを読んでみますと、ここでは議会の議決すべき事件の内容については触れておらないわけです。想定される一定の場合を示して、その場合には専決処分ができるということですから、定年条例も、言われているとおり、当然議会の議決すべき事件ですから、ここで示されている場合が現出したときには専決処分ができる、そういう自治省側の答弁の言い方になるのだろうと思います。しかし、ここで想定をされているのは、議会が少なくとも不正常の場合、少なくとも私はそう思う。たとえば大災害があったときかもしれません。あるいは議長や副議長が、衆議院でやめられたように、ああいう辞任をしたときかもしれません。ともかく不正常な場合であります。議会が不正常な場合、これは国会の場合でも、法律はきめられません。しかし、たとえば予算のような場合、そんなことは言っておれないので、何としてもきめなければならぬ、そういう意味で専決処分という制度がつくられたのではないかと私は思う。ということは、専決処分が許される場合というときに前提される議会が議決すべき事件とは、やはり特に、この前雑談のときにも柳田先生なんかからも出ておったように、緊急性のあるものということではないでしょうか。この解釈は、たとえば人事院勧告に基づいて国家公務員の給与改定がなされた、それに準じて地方公務員も給与改定をしなければならない、そしてその原資は地方交付税で措置することによって保障をされる。その場合に、地方交付税法が通らなかったならば給与条例はつくれない、給与改定は専決条例でやるほど緊急性がないといった、自治省の財務局の解釈とどこが一体違ってきますか。それとも、地方交付税法を、ことしの例に見られるように、何回かの論議の末委員会が休憩になると、細郷財政局長なんかから、専決のあれがあるのだから専決でやりなさいと私が述べれば、いやそんな緊急性はありませんと言われた。そういう意味での財政局の解釈というのは、二月県会に間に合うように交付税法を早く通してくれというだけの方便に使われておったのかどうか。自治省の中でも行政局と財政局ではこれだけ専決処分の考え方が違ってくるというのはどこにあるのかということを、実は先日来思うのであります。この解釈が成り立つとしたならば、定年制というものがそもそも専決処分に値するほど緊急性があるかという新しい問題が実は生ずる、こういうふうに考えるんです。いかがですか。
#11
○政府委員(長野士郎君) 百七十九条の規定の考え方につきましては、先ほどお話しのありましたような考え方、私ども大体そういう考え方がこの背景になっておるというふうに思っております。したがいまして、そのたてまえとしては、緊急に措置をしなきゃならない、そうしてまた同時に、緊急に措置をする必要があるにかかわらず議会が正常に作動しない――作動しないという言い方は変でございますけれども、要するに議会がいろんな事情で正常な活動ができない、あるいはまた間に合わないという場合もございますが、いずれにしても、議会の意思決定というものをそれのために求めることが困難な客観的な事情がある、そういうことがたてまえであり、原則であるということは、私どももそのように思います。ただ、大臣も申し上げましたように、この条文につきましての解釈というものは、大体一つ確定した考え方がございますが、やはりこれはどういう案件というものについての、案件の限定というものをいたしておりません。したがいまして、またどういう事態というものを、そういう意味できわめて常識的に申し上げますと、議会の意思が十分にその点について決定をすることが困難な情勢にあるということでございますから、それはいろんなケースが考えられるわけでございます。したがいまして、こういう場合はできる、こういう場合はできないということは、具体的なケースにおいて、それがやはりいとまがなかったか、あるいは議決すべき事件を議決しないという場合に該当するかしないか、こういう具体のケースになってきますというと、具体の問題としてこれは考えていくということに相なるわけでございます。一般論として申します場合には、どういう組み合わせがここで考えられるかということになるというと、全然そういうケースはないということもなかなか言い切れないわけでございます。したがいまして、法律的には、法律の趣旨としましては、ただいまお話のあったようなことが基本になって法律の組み立てができたと思いますけれども、法律上の作用としては、どういう場合ということを具体的にここで、この問題は入らない、この問題は入るというふうにはなかなか言いがたい、こういうことに相なるだろうと思います。また、給与改定のお話がございました。給与改定についてはこういうものでやるべきでないという意見を財政局のほうで持っておって、そういう話があったということであります。私はこれも一般的には、原則的にはそうであろうと思います。一般的原則的にはそうでございますけれども、そのあらわれてきたいろんな条件の中で、給与というものについての問題決定を、これはそれぞれの事情によって違うかと思いますけれども、その団体において当然に急いで措置をすべきものだという考え方というものが非常に強いような場合、そういう意味で、ある意味で客観的妥当性があるといいますか、そういう条件があるという場合に、議会を開くいとまがないというふうな考え方に立って、あるいは議会は開いたんだけれども、一向に審議が停滞して間に合わないという場合がかりにあるといたしますと、そういう場合に、結局議決をしないで議会が終わったというようなことがあれば、そういう場合に給与改定に関する条例について専決処分するということは、これは原則論としてそれがいいというわけではないにしても、そういう一つのケースとしてその具体の事情において考えました場合、これは当然妥当するといいますか、やむを得ない措置である。一般的な承認を得られる場合、これはあると思います。また現にそういうことで、給与の改定につきましても、定例議会で行なっているもの、臨時議会で行なっているもの、あるいは現実にいまおっしゃいましたように専決処分によって行なっているものがあるわけでございます。それは定例議会で行なっているものは、間に合ったから行なった、あるいはずらして行なった場合もございましょう、臨時議会で間に合って行なったものもございますが、専決処分をもって行なったものも、各府県で見ましても相当ございます。これはそれぞれの事情が、いままでのいきさつその他条件がそれぞれによって違い、また認識がそれぞれによって違うというケースがあるわけでございますから、一般論としていく場合に、こういうそもそも百七十九条というのは異例の状態の措置でございますから、これを一般的にいかなる場合でもということが考えられるわけではございません。そういう意味では、お話がございましたように、緊急性のあるやむにやまれぬ場合に運用としては限るべきではないか、私も原則的にはそのとおりだと思います。しかし個々の状態、条件の中でそれをどういうふうに認定していくか、これはやはりケースケースに当たってそれを判定していくという余地というものはどうしても出てくる。一般的に申しますと、おっしゃるように給与改定でもそれはいかぬということも言えましょうが、また定年制に関する問題につきましても、元来これは、先ほど来のお話のように職員の身分の変更に関する重要な問題でございます。そしてこれはある意味の恒久的な――恒久的と申しますか、一つの制度として扱ってしかるべき問題だと思いますから、一般論といたしましては、こういうものがこれに該当するということは考えられない、私はこう思います。しかし、これはケースによりますから、どれはこれからすっかりはずれていくんだという考え方というものを法律解釈として考えていくということはいささか無理がある。しかし、具体のケースを考えなければなりませんが、想定される限りにおきまして、これが該当して当然よろしいというような場合が起こるというふうには考えられない、こうは思います。
#12
○和田静夫君 やはりこの理論というのは、どうも私のほうに正当性がある。そして大臣と御相談なさってかなり善意の答弁をいただきましたけれども、どうしても理解をすることができません。しかし、この問題をやっておりますとかなり長くなりますから、委員長にお願いをいたしますが、この問題について、専決処分の取り扱いについて理事で御相談していただきたい。そういうことで次に入りたいと思います。よろしいですか。
#13
○委員長(内藤誉三郎君) 承知しました。
#14
○和田静夫君 本題に戻りますが、この専決処分の制度があるということ、言いかえれば地方議会のいろいろな事情によって国家としての法律の最小限の機能が停止してはならないということ、そういうことにもなるだろうと思うのです。そういうことは、やはり私前々から言っているが、条例というものが、国法が地方自治体に帰納していく過程でのクッションであるという私の主張を裏づけることなんだと実は思うのです。まして、定年制に限って考えてみましても、純法律的には専決処分が可能であると言われる。しかもこの専決処分の結果の報告が議会の承認を得られなかった場合でも、この専決処分の効力には影響はない。この自治六法の六七ページに昭和二十一年十二月の行政実例として載っておりますが、こういうことになりますと、私は全く定年制について国会で法律をきめることと、地方議会で条例をきめることとを同一視する自治省の論理はみごとに崩壊をしているのです。自治大臣、だれが考え出された議論か知りませんが、先日来行なっておった今回の法改正は、地方自治体が条例で定年制をしくことに道を開くものであって、国は直接法を改正して定年制をしけばいいという、そういう意味では、国と地方自治体はこれによって初めて同列に立ったと言えるというようなそういう議論というのは、私は自治大臣、あっさり撤回をされたほうがよいと思います。専決処分をめぐる先日来の論議、まあこれは理事会に預けましたから、取り扱いは理事会にまかせますが、それをずうっとやるなら、やはり先ほど指摘をしたようなことにならざるを得ない、そう思うんですが、大臣どうです。
#15
○政府委員(長野士郎君) 条例の作用というものの一般的な性質というものにつきましてお話がございましたが、国法が自治体に帰納していく上のクッションだ、そういう作用が私もないとは言いませんけれども、そういうふうに国法によって何か一つの効果を浸透させるという手段、方便であるという意味になりますと、これは一般的な認識としては相当隔たりがありますし、また同時に条例の性質というものについての基本的な一般的な考え方とやや違うのじゃないかという気がいたします。この専決処分から、全体の条例に対する議論がいかぬとかいいとかいうことをお取り上げになると、そういうお取り上げ方も私はないとは申しませんけれども、先ほど来大臣もお答えいたしておりますように、これも全く純法律論としてのレア・ケース、純法律論としても非常にレアな問題、これが原則的な問題であるということでございまして、その非常な特殊なケースというものの純法律的な問題が全般の問題としてすりかえられているような感じでの御発想ではないかと思われるようなところもあるわけでございます。やはり平たく、きわめてオーソドックスに考えてまいりますと、法律と条例との関係は、これは行政法の本でもいろいろ書いておりますように、国における法律、議会で成立する立法、地方団体の議会で定立する条例というものは、その関係におけるところの作用としては、区域の広狭というものはあっても、同じ内容のものを片方は法律で定立する、片方は条例で定立するという趣旨になっておるという関係の事項については、その意味においての法律と条例というのは同じように対応していくものだ、こういう考えが私はきわめてすなおな一般的な考え方であるというふうに思うわけでございまして、特殊な事態というものを収拾するというようなことを基本にいたしまして、とられざるを得ないという特殊な問題があるから、そこで条例についてのものの考え方というものはすっかり変わってくる、そういうことにはならない。
  〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕
私どもの申し上げました議論は、そういう意味の条例一般的な性質というものについて申し上げているわけでございます。もしその議論が全部問われるということなら、いままで各行政法なり何なりで扱われておった法律なり条例の関係というものは全部問われる、こういうような議論にも私はなりかねないのではないかという気がするのでございます。やはり一般的な議論としては、先ほど来申し上げておるような考え方でお考えいただくのが一番妥当な考え方ではないか、こういうふうに考えております。
#16
○和田静夫君 地方自治が国法に基づくということをまず強く主張されているのは長野さん自身なんで、どうもいまの答弁というのは釈然としないわけでありますが、少しこまかい問題でまだ質問してみますが、たとえば五十六歳という定年をきめる。そして任命権者が特に必要と認める者はその限りでないとして、特定の人の首を切ることが合法化をされるその予防策は、法律の中にはないのですか。
#17
○政府委員(長野士郎君) 定年年齢の定め方につきまして、一律に定めるべきものか、あるいは職種によって差を設けてしかるべきものか、これはいろいろあるわけであります。私どもは、やはりそれぞれの職種によって要求されておりますところの労働能力といいますか、そういうものが異なる場合、たとえば肉体的な労働を主とする職種、あるいは頭脳的と申しますか、精神的な労働を要求される職種では、これは取り扱い年齢が異なるということは一般的に言われていることであります。つまり肉体的労働のほうが定年年齢ということではどうしても低くなるということが言われているわけであります。そういう意味で、職種によって要求される労働能力というものに差がありますけれども、それに適応いたしますために、そうして組織の能率を維持するという観点をあれして考えた場合に、定年年齢に差を生ずるということはこれはあり得ると思います。そういうことは定年年齢に差を生ずることに合理性があるからであります。しかしながら、同一の職種の中において個人的な能力の差というものを考えるというようなことは、これはかりにだれが見ても余人をもってかえがたいとか、その人がいることによって能率が維持されているということがありますけれども、あるいは採用なり昇進の際における特殊な事情があったというようなことがありました場合に、定年制というものの原則をくずさない限度において、どの範囲でその特例というものが認められるか、こういう問題になるわけであります。原則的には、同一職種の中で年齢に差を生ずるというようなことは、原則としては適当だというか合理性があるとは思えないわけであります。そういうことでございますから、例外的に何か取り扱いを考えるということがかりにあるといたしましても、その例外的に扱うことに合理性があるということが明確である必要が私はあるだろうと思います。
#18
○和田静夫君 明確である必要があるのですよ。そこでいま聞いているのは、何といってもあなたのほうから全国的なモデルが出ておりませんからさっぱりわからぬわけだが、本来、これだけのものだから、どういうモデルをつくるのか出されるのがほんとうだと思いますが、ちょっと考えてみますと、とにかく先ほども言ったとおり、五十六、七、八か、一定の定年の年齢というものを条例化する、そうして少し意地の悪い首長であったならば、そのほかに任命権者が特に必要と認めた場合にはこの限りではないという形の条例をつくる。そうすると、若い女子の場合には四十歳というような程度のことは、その条例でもって自由に裁量できてくる形になるでしょう、いかがですか。
#19
○政府委員(長野士郎君) 一般的に一定の年齢で定年制をしきます場合には、やはりその例外というものにつきましては、例外をつくる上での客観的な合理性というものがなければならないというふうに思います。したがいまして、たとえば一般的には五十七歳、これが原則だと思いますが、ただし医師とかそういう特殊な職種について、その年齢について五十八歳とか六十歳とか、そういう特殊な職業の諸君の特性というか、そういうものについて考えるというようなことは、これはある程度そのことのほうが合理性があるということであれば考えられると思います。しかしフリーハンドで、だれかれなしにかってに、任命権者が適当と思われるものに適当にこうやっていくというような扱いというものは、私は認められない、こう考えております。
#20
○和田静夫君 認められない……。当然そういう指導は、いわゆるあれがあった場合はお答えになったとおりの行政指導をされる、そう理解してよろしいですね。
#21
○政府委員(長野士郎君) ただいま申し上げたとおりでございます。
#22
○和田静夫君 自治大臣にお尋ねをいたしますが、いままでの質疑、答弁を通じて、実はこの法案いろいろ問題があるということを思うわけです。ちょっと考えてみただけでもこういうことになろうと思います。新設条文の二十七条の二の第五号について言えば、鎌田さんも先日お認めのとおり、期限つき任用職員の概念をもっときっちりしておかなければならない、こういうことを私は考えます。あるいはさきの預けてあります専決条例の問題、いけるのかいけないのか。それからいまの特定人の首切り乱用防止、これはかなりいまはっりした答弁をいただきましたからあれですが……。そして何よりも問題なのは、定年制の年齢を一体どのくらいに置くのが適当かという問題。すでに自治省が地方公務員月報で、五十七、八歳が適当であるといって、きわめてずるいというか、あいまいというか、そういう言い方をされておる。地方公務員月報あたりで五十七、八歳が適当といったところで、各首長には人件費削減という衝動も当然私はあると思う。したがって、五十五歳という勧奨退職の慣行も、あるところはそのまま残していきたい。そうなると多くのところは五十五歳くらいで切れるのではないかという危惧が当然起こってくる。私がここで言いたいのは、この法案成立後の自治省の自治体への指導、助言の内容がきわめて重要な意味を持っているということなんです。先ほど専決条例の――自治省が紙に書いた答弁案を理事会に出されましたけれども、指導を強化するということを言われているが、この前自治大臣、口がすっぱくなるほど言われたのですね。この大臣や局長の、人は結局かわるわけですから、これこれこういう助言、指導をするという約束というものほど当てにならないものはない。これは過去何回かそういう例を経験していますから、皆さん方を何もあれをする意味で言うのではなくて、そうなる。そうするとこの法案の内容、性格をもっとはっきりさせるためにも、もしこの法案が成立したら、自治省はこれこれこれだけの指導と助言をする、そしてこれ以上のことはしないという総体を私は示すべきだと思います。これを次の委員会までに私は示していただきたいと思うのですが、大臣いかがですか。
#23
○国務大臣(野田武夫君) 私はいまの和田さんの御意見、むしろ私の気持ちも大体そうなんです。といいますのは、これは普通の条例とは違いまして、先ほどから申しますとおり、職員の身分の変動を伴うという――これは非常に給与も大事でしょう、税金も大事でしょうけれども、私は基本的に職員の身分の変動ということにつきましては、あいまいな指導では、いけないのじゃないか。そこで繰り返し申しますが、和田さんも私と同じ意見である。つまり地方自治団体に対してあまり干渉してはいけない。これは私は原則はわかりますが、いやしくも国法をきめるわけですから、それに対する態度だけは私はここで相当な範囲で、できるだけの範囲内ではっきりしておいたほうが、これがほんとうのこの法の運営について大事なことじゃないかと、こういう前提を持っております。たとえば年齢の問題でも、一つの例を引きますと、何べんも申し上げておりますとおり、民間の契約では五十五が多かったのだが、漸次これが改定されて数年延びている。それから現在大阪なんか――私はあまりよく知りませんが、勧奨退職、これが五十五のところもありますし、五十七、八もありますし、六十のところもあるということを聞いております。そういうところの実情もございますから、私はいまの一般的な権衡問題、これは全体的な権衡問題、それから民間がいままでの五十五が漸次改定されて年齢を高めている、これも事実です。そういうことと、それから地方公共団体のいまの勧奨退職その他の問題が、やはり五十五もあれば、五十七、八、六十とあることも事実でございます。それらが一番われわれの考え方として基本になると思っております。したがって、私はいま、これはあとで相談してこいと言われましたが、たとえば御心配になりました特殊な問題も出てまいりますから、こういう問題を含めまして、ある程度やはり自治省としても指導方針と申しますか、というものは表明をしなければいけない、こう考えております。
#24
○和田静夫君 さらに大臣に虚心にお聞きをいただきたいのですが、新設条文の二十七条の二を見ていただきたいのですけれども、いままでの審議で明らかになったことを言いますと、この第一号に基づく条例というのは、他に法律できめているから必要ない。それから第二号も必要ない。第五号も、私が今枝さんの書かれた文章を読んだあとの鎌田さんの答弁によってもわかるとおり、特に必要ない。それから第四号については自治体の自主性にまかす。そうして第三号と第六号については、これは離職条例ということで、一本にしてつくるか別につくるかは別として、絶対につくらなければならない。これは決して自治体の自主性にまかされたものではない。ここまではそこにいる自治省のお二人も大体この前認められたのですが、しかるにこの第三号や第六号によって自治体が絶対につくらなければならない条例の内容というものはどんなものか、地方公務員月報でちゃんと実は自治省も、この前から読み上げているとおりにお書きになっている。一七ページですが、「離職の事由、手続及び効果について条例で規定すべき事項は以上のとおりであるが、この条例には具体的にいかなる内容を規定すべきものであろうか。例えば、職員が失職した場合においては、その旨を確認するために職員に対して失職した旨の文書を交付するという手続を執らなければならないし、定年退職については、退職すべき定年の年齢、その適用範囲、その他文書の交付等の必要な手続を規定しなければならない。任期満了退職については、定められた任期又は採用の際に限られた任期の満了により職員は当然に退職する旨及び本人に対する文書の交付等の手続について規定し、辞職については、職員から書面をもって辞職の申出があったときは、特に支障のない限りこれを承認することを原則とするものであることを明らかにするとともに退職させる場合の文書の交付等の手続及び効果の発生時期等について規定することとなるであろう。」、こう書かれているんですね。そこで、たったこれだけの手続なんですね、大臣お聞きになったとおり。たったこれだけのために各自治体の首長が条例をつくるかということを考えてみますと、それでなくても議会がうるさい。議員立法さえ出しかねないというときに、第四号の定年制だけをはずして、たったいま読み上げたような手続だけのために条例をつくるということはどうも考えられません。私はここに何も定年制をしけという、そういう意味でもちろん言っているわけじゃないのであって、定年制をしくかしかないかは自治体の自由意思であるという大臣のことばは何べんも承りましたし、衆議院の議事録読ませていただいて承知をしているんですが、私はここに、この離職の態様の法制的整備という名におけるそういう名目でのこの法案の欺瞞性があると、どうしても釈然とせず、そう思わざるを得ないんです。大臣いかがです。
#25
○国務大臣(野田武夫君) 私はいまのおあげになりました辞職の手続の問題、これだけの問題についての条例はつくらぬだろうと、こういうお話でございますが、常識で申しますと、そういうことを少し整備しておこうと、きちっとしておいたほうがいいじゃないかという場合はつくる場合もあると思いますが、まあ無理やりつくらぬでも、これは慣行からしても、何も条例がなくても、これも常識論ですが、それがなくても一般的に今日までの慣行がありますから、それに従ってやればできるし、だからこのためにわざわざ条例をつくるかつくらぬかというのは、これはその地方公共団体、地方によって考えは違いましょうが、いまの御解釈のような点もあるし、しかし一ぺんきちんと手続をきめておこうと、文書をもって出せとか認めるとかということをきめておいたほうが、あとでがたがたせぬでいいだろうという議論もありましょうから、一がいにそんなことでつくることもありませんとも言い切れません。私も大体和田さんのほうに近いわけです、私の感じは。というのは、きめられませんから、一がいに。私がいま言いましても各地方団体の長がどう認識しますか、そこは言い切れない問題だと思っているんです。そこで、定年制の問題は自由にやるということ、私は一貫しておりますのは、これが出たから、いい幸いにどれもこれもやろうというような傾向になるんじゃないか。むしろ自治省から、こちらから何といいますか、アクティブにずっと押すのではないかという配慮もあるようですが、現時点でははっきり申します。自治省の中ではそういうこといままでなかったと、現時点で私どもは一貫してお答えいたしております。またこの問題については、しばしば役所でもって相談いたしておりますが、これはもうほんとうに名実ともに地方公共団体の自由意思でやってもらわなければならないことは、三千幾つの大きな各違っている実態をつかんで、役所が一々これをやれとかやるなとかということをやりましても、これは私はそんな実態をつかまない役所の指導は誤っている。やはりこれはどうしてもいまお話しのありましたとおり、その地方公共団体における組合の考えもありましょうし、議会の考え方もありましょうし、またその長の考え方もありましょうし、総合的に判断してやることでございまして、これは事実問題として無理につくれとかつくるなとかいっても、その実情に照らせば、やはり自主的に判断してもらう以外にないと、こういうことが私どもの結論でございまして、そこで私は、それはこの法案がかりに御審議を願って可決した場合、成立した場合、私はやっぱり私の個人の考え方ではなくて、役所の一つの方針としてそういうことは明らかにしていいんじゃないかと、そこまで考えておりますから、現時点においては、私は和田さんのいろいろな御心配、わかります。決してこれは間違っているとか、特にことさらに、和田さんが言っておられることも、そういうことはちょっとまあ想像しますとね、いろいろ出た現時点における私どもの、自治大臣、自治省の一体の考え方は、私が絶えず主張している線で結論が出ております。そうさしたいと、こう思っております。
#26
○和田静夫君 つかぬことを承りたいのですがね。近代的な公務員制度の特色というのはどういうふうに心得たらよろしいですか。
#27
○説明員(鎌田要人君) 非常にむずかしい問題でございますが、まず基本的には、いわゆる官職というものと身分というものが分離しておるということが一つであろうと思います。封建的ないわゆる公務員制度というものと近代的な公務員制度の相違の第一点はそこにある。第二点は、やはりメリットシステムであろうと思うわけであります。職員の任用なり昇進なりというものがすべて成績の実証に基づいて行なわれる、能力の実証に基づいて行なわれるということであろうと思います。それから第三番目といたしましては、政治、公務執行というものが、いわゆる特定のだれのためでもない、全体の奉仕者として行なわれる、そのために公務の執行というものが公正中立に行なわれるということから、その公正中立を保障するために、たとえば懲戒、分限等の制度がある。あるいは政治的行為の禁止、あるいは営利企業等への従事制限の規定、あるいは争議行為等の禁止規定、こういったものがある。大体そういう点に尽きようかと思います。
#28
○和田静夫君 簡単に言えばまあこういうことになるのだろうと思うのですが、第一は、いわゆるビューロクラシーの問題を指摘することができる。マックス・ウェーバー的解釈によれば、要するに事務を行なっている各人の私的の生活とは観念的に区別された機能そのものとしてのビューローが動いている。そこに統一をしている。個人のいろいろの社会的な背景あるいは身分的な地位というようなものによって動かされていた前近代的な官吏制度とは根本的に違った近代的な公務員制度の合理性があるというわけでしょう。それから第二点としてはこういうことがあると思うのです、私は。これはまあ鵜飼教授あたりも言われていますが、要するにいまの憲法のたてまえからいうと、前にも憲法論議をやりましたが、人間が生活をするためにその生活の基礎は基本的には二つしか考えられない。一つは財産によって生活する。一つは勤労によって生活をする。財産によって生活をすることが可能であるためには、財産権というものを憲法が保障して、それが理由なしには奪われない。しかし同時に、財産を持たないで、自分自身の勤労によってのみ生活をしている者もあるわけであって、その場合には、その勤労によって生活をしている者の生活が保障されるような制度をつくる義務を国家が負っている。もっともこの二つのほかに、財産もないし、勤労もできないという者もあり得るわけですから、その者の生活を保障するためには、第三の道として憲法第二十五条のようなああいう特別の保護の制度がある。これは基本原則に対するいわば裏をいっているわけです。そうすると、基本原則はいま言った二本立てということだと思いますから、そういう公務員というものは、公務員としてみた場合には、どちらによって生活をしているかといえば、これは言うまでもなく勤労によって生活をしている、こういうたてまえだと思うのですね。したがって、まず公務員の範囲からいうと、国家の事務に対して勤労しながら奉仕をしているという者はすべて公務員の概念の中に入ってくるわけです。その結果としての公務員の概念が非常に広くなってきているわけですけれども、広くなってきたというのは、つまり単純な労務に従事している者も公務員の中には入ってしまったということです。こういう面から公務員の制度を規律する以上、事柄の性質上、たとえば公務員の労働権を保障するという場合に、憲法二十八条の勤労者というものの中に公務員を入れて考えるということ、これはやはり自然だし、当然だと思うのです。もっともこの点は、学説としては、二十八条の勤労者には公務員は入らないという一部の学説があることも知らないわけじゃありませんが、私は憲法のたてまえからいうと、二十八条でいくか二十九条でいくか、どちらかです。公務員については当然二十八条でいく、そう思います。この二つのかみ合わせで公務員の概念ができ、範囲がきまる。そしてその規律が、人事管理の基準であるとか、分限であるとか、服務であるとか、給与であるとか、そういう面にあらわれてくる、そういうわけです。このような観点から、いまの御答弁とかみ合わせて考えてみますと、定年制が、広義、狭義ということは知りませんけれども、ともかく分限事項である以上、それは団体交渉権、争議権剥奪の代償としての身分保障事項であるという、そういう見解が成り立ちます。いかがですか。
#29
○説明員(鎌田要人君) いま和田議員のおっしゃいましたのは、公務員制度というよりは、やはり広く勤労者のあり方という問題にかかわる問題ではないだろうかと思います。公務員制度というものを考えます場合には、やはり別途憲法第十五条、いわゆる「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」、この規定がやはり読み合わせられるべきじゃないか。もちろん公務員といたしまして、釈迦に説法みたいな話になって恐縮でありますが、いわゆる公務員という面と、それからいまお述べになりました労働者性という面と両面あることは事実でございます。ただ、その労働者性という面に加えまして、いわゆる憲法十五条のこの制約というものがやはりもう一つある。これは何としても否定することができないのではないだろうかという感じがいたすわけでございます。
 それから、これはまたちょっと角度の違うことをお述べになられたように思うわけでございますけれども、定年制は分限条項であるということをお述べになられたわけでございますが、再々申しておりますように、定年制は分限免職とは別個のものであるというふうに私ども理解をしておるわけでございまして、分限免職の中に定年制が入って、それが何か勤労権の制限というふうにお述べになられたように思うわけでございますが、その分限免職というものと定年制というものは別個の問題である。定年制それ自身が、広く官民を通じて憲法にいう勤労権という、働く能力があり、働く意思がある者に対して勤労権というものを制約するということに相なるかどうかという点につきましては、先般来繰り返して申し上げておりますように、定年制というものは勤労権を否定するものではない。というのは、勤労権というものは、個々の国民に対して国に対する具体的な請求権というものを認めているものではないということ、それから定年制は、特定の組織体において一定の年齢に達したことによって雇用関係を打ち切るということになるわけでございますが、他に雇用の機会というものを否定しておるわけじゃない、こういうふうに考えておる次第でございます。
#30
○和田静夫君 分限事項であることは間違いないわけでしょう。私は分限事項と申し上げたのを、あなたは特に分限免職という、この前から論議しているところにまた返られたのですが、あなたのほうから。そうすると、そこへもう一辺返らなければならぬのですが。
#31
○説明員(鎌田要人君) 失礼をいたしました。いわゆる分限というものが、職員の身分の基本的なあり方、こういうきわめて広い観念で用いられておりますので、そういった意味におきましては、分限事項であることは間違いございません。失礼いたしました。
#32
○和田静夫君 さっきの答弁を聞いていますと、やはり私はまた「改正地方制度資料」の第七号を持ち出さなければならなくなったわけですが、大臣、これは地公法制定当時、自治省は国会で次のように質問が出ることを予想して大臣答弁をつくっていらっしゃるのです。「地方公務員法は、争議行為を禁ぜられ、労働組合法の適用を排除される等一般人に比して制約が甚だしい。その身分の保障、利益の保護が特に重要視されなければならない所以であるが、この点について本法案上如何なる配慮が加えられているか。」ということを質問してくることを予想されて、それに対する大臣の答弁資料として、次のような答弁を用意をされている。「地方公務員が、争議行為を禁止せられ、労働組合法の適用を排除されることは、その公務員としての本質から己むを得ぬことであり、これをもって直ちに一般人に比してその制約が甚だしいということは当らないと思うが、私企業の労働者に与えられているこれらの権利に代るものとして、その身分の保障、利益の保護について万全の手段がとられなければならぬことは、御指摘のとおりである。そこで、本法案は、この点について特に次のような考慮を払っている。」こういうような答弁を用意をされているのです。そうして一から九まであげられている。この一々まで読みません、時間がかかりますから。問題は五の中で「すべて職員の分限及び懲戒については、公正でなければならないものとし、職員は、この法律で定める一定の事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、休職され、若しくは免職されることが」ないことにしています。こういう形になって述べていらっしゃる。しかし、この地公法上の分限規定は、明らかに争議行為を禁ぜられ労働組合法の適用を排除された結果の代償措置としての身分保障、これは地公法制定当時は自治省においても常識であったのです。ここに答弁を用意されているように、その当時定年制は自治省においてもこれは分限事項であったわけです。このことにほおかぶりをして、定年制を分限条項からはずすことは、私は離職の一態様の中に列することの法制上のよしあしをこえて、きわめて卑劣な行為であると指摘せざるを得ません。大臣、いかがですか。
#33
○政府委員(長野士郎君) その問題につきましても、申し上げておりますように、確かにその当時の考え方、つまりそれは、定年退職というものにつきましては地方公務員法に何らの規定がないわけです。地方公務員法の法体系といたしましては、法律に根拠がなければその意に反して免職されるというようなことばないという考え方が、全体の体系として出ているわけであるから、そこで法律にそういう根拠のない定年制というものは、これは公務員法が施行になった以上は、従来維持しておったものであっても当然には維持することはできないのだという考え方をとったわけでございます。その点で、確かにそれは分限という考え方であることは間違いございません。が、私どもはそういう公務員法実施当時定年制に関する規定のないということが、定年制そのものを実施させることを否定した趣旨だという考え方をとらえまして、それを今日までその解釈は私どもも堅持してきておるわけでございます。ただ、そこでやはり法律の根拠というものがどうしても必要であるということに相なるわけでございますが、そのときに、この立法の改正案について先日来御説明申し上げておりますように、その場合に狭義の分限免職というものと定年退職というものは同じものかどうかという、同じ分限免職という概念の中に定年退職というものは入り得るのかどうかというような問題をいろいろと検討をいたしておったわけでございます。そういうことで国家公務員の例その他の研究もいたしておったわけでございますが、やはりそういう意味では、これは分限免職というのではなくて、定年退職という、要するに広い分限の規定であることは間違いないけれども、定年退職という一つの概念を区別して考えることが適当であるということに考えたわけでございます。公務員法実施当時から今日まで、法律の根拠かなければ、その意に反して免職されるというような、そういう身分保障にかかわるような規律というものが自由には地方団体では制定できないんだという考え方については一貫しておるわけでございます。
#34
○和田静夫君 どうも私はやっぱりこの定年制をつくることはたいへん無理だと思うんですね、この法律は。歴史的にいって無理だと思うんですね。これは自治大学で教えていらっしゃる「戦後自治史(昭和二二・三年の地方自治法改正)」の一五四ページ――これは教科書でしょう。「吏員の身分関係等に関する法形式」「T 従来、この点に関して地方自治法は何も規定していなかったが、地方自治法立案当時は、地方自治法は、これを組織法とし、身分関係については、別に法律で定めるというのが関係者の考えであった。U 政府原案は、これを地方自治法上明確に規定することとし、従来の地方自治法第一七二条に次の一項を加えることとした。「4 第一項の吏員に関する職階制、試験、任免、給与、能率、分限、懲戒、保障、服務、その他身分取扱に関しては、この法律及びこれに基づく政令に定めるものを除く外、別に普通地方公共団体の職員に関して規定する法律の定めるところによる。」」こうなっておりますね。そして地方公務員法ができた。そのときに定年制はなかった。したがってもうこの歴史的な経過からいって、いまさら大臣、定年制をつくるというのは全然話にならない。自治大学でそう教えていらっしゃるじゃありませんか。大臣どうですか。
#35
○国務大臣(野田武夫君) ただいま行政局長からもお答えいたしましたとおりに、地方公務員の身分の保障ということにつきまして定年制をしかなかった、これは明らかでございます。しかし、その定年制をしかなかった根拠は、つまり法律の根拠がないということでございまして、定年制そのものを否定したかどうかということは、これはまあいろいろな学説もあると聞いております。そこでしかし、法律の基礎的な根拠がなくて、これを条例でかってにつくるということはこれはあやまちであるというところで、いままで定年制を設けてなかった。そこで、この分限問題はこれはもう非常にむずかしい問題で、和田君と政府委員の中でいろいろの御意見出ておりますが、しかし、これは民間の――これはもちろん団体交渉の結果でございますが、まあ定年制があらわれてきておる。また国家においても、これは特殊なものでございますが、そういうものが出てきている。こういうことからして、つまり地方公共団体において人事管理上どうしても定年制が必要だというような意見が出てきておりますし、かれこれを考えて、やはり定年制を設けるということに踏み切るに、はやはり法律根拠がなければならない、ただかってに条例をつくってやってはいけないということで、しかもこれは先ほどから申しますとおり、今回のこの法律の精神というものが、地方公共団体の実情に照らして自分の判断で、自由意思によって認める必要があるところでは認めてよろしいという道を開く、こういう段階に今日のこの法律制定の基礎的な考え方が出てきたわけでございます。いまのお話のようないろいろの今日までの地方公務員法の制定の経過を拝聴しますと、やはりそのあたりに非常に今回の問題というのですか、疑念が出ているのは私はわかりますが、しかしそれは、法律の根拠がないでかってにやることはいけないということが私は重点でなかったかと、こう思っております。
#36
○和田静夫君 大臣ね、昔の自治省――昔といったらおこられるけれども、自治省の官僚の人たちは今日ほど悪賢くなかったと思うのです、私は。昭和三十四年当時のこれは座談会ですがね、ここでは、「地方公務員にだけ定年という考えが先に出て、国家公務員の方で出てこないのは、どういう理由によるのですか。」と、そういうふうに聞かれたとき、当時の自治省の方々は、やれ離職の態様の整備だとか、やれ地公法が条例によって定年制をしくことについて、国公法と地公法が同列になるのだとか、そういうような詭弁を弄していませんよ。当時の公務員課長の今枝信雄さんは、「いえ、国家公務員にもその考えがあるわけで、公務員制度調査会の答申にも定年制の問題が、合理的定年制のもとにというふうなことで前文にもうたわれ、内容にもうたわれているのです。それで、ないわけじゃないのですが、実際問題として国家公務員の場合の平均年令というものは、地方公務員の場合よりもかなり低いと考えられているのです。地方公務員の場合も、市町村にかなり高年令者があって、都道府県の場合には、比較的年令が若い。定年制がなぜ地方公務員の場合に先に出たかと申しますと、これはいうまでもなく財政事情が背景にあったと思うのです。当時、昭和二十九年度というのが一番地方財政のどん底の時代であったから、それと裏はらの関係があったといえます。」――これが私は正直なところだと思うんですよ――「ところが最近地方公務員について定年制が問題になりながらいつも法律を出さないというのは、財政事情がかなり変ってきているということが背景にあると申し上げていいのではないかと思います。」――だから私は昭和二十九年当時からずっと定年制の問題で、さっきもお話を申しましたが、自治省やあるいは都知事といろいろ折衝をしていた時代、公務員のほうに定年制の背景というのがここに明確に出てきている。今日いろいろのことを詭弁的に言われていますけれども、まさに何かつくらんがために無理して理屈をつけている。そうして今枝さんはずっと説明されている。「結局定年制を実施すると同時に、事実上の行政整理的な効果がある。」とまで正直な話を、何ものにも妨げられないところですから全く出されたと思うのですよ。意図は明白だと思うのですよ。大臣いろいろ言われますけれども、私は大臣のために実は惜しむ。きっすいの政党人であり、良識人を自称される野田自治大臣がこの法律案を担当される。そうして離職条例方式にまつわる官僚的な詭弁にいろいろとあれをされる。私も神奈川に多くの友人を持っていますが、その父親たちの、大正デモクラシーの時代を戦って生きてこられた野田さんに対する評価というものは非常に高い。いま、選挙区を熊本に移されても、その評価は歴史的に、政治に関心のあるものの中には残っていると思います。私は野田自治大臣の政治的良心にかけて、やはりこの法律案というものは考える必要がある。おろそかにせぬのは当然だ。良識ある首長たちはこのことの必要性を感じていない。その辺をやっぱりしっかり見抜いていただきたいと思います。いかがですか。
#37
○国務大臣(野田武夫君) しばしば申し上げておりますとおり、この法律は一つの地方団体における人事管理と申しますか、相当に人事が渋滞しているような点は、これは和田さんもお認めいただけると思うのです。したがって、公務の能率をあげる、少し人事をきつくするということは、一つの人事管理の目標としてはあり得ると思います。そこで、先ほど御指摘のありました、どなたかのお話もありましたけれども、当時、定年制の場合に、財政上の問題が一番大きな理由であったということは、直接の背景があったということは、私も当時のことを考えますと予想できます。これは率直に予想できます。そういうことがあったろうと思う。しかし、現在における地方財政の内容からいいまして人事の整理によって財源を得ようなんということは、これはもう全然考えておりませんので、できますならば、こういう定年制の結果、はり給与を後進の方なんかに――もちろんこれはりっぱな給与を与えていれば何も問題はありません。そういう場合にはお考えを願ってもよろしい。これをもって財政の余裕を生じてもらいたいという考え方は、いまの時点ではないのでございます。
 それからその意味において、これは職員の身分の変動のことでございますから、私も非常にこの問題についてはいろいろと配慮いたしておりますが、まず第一に、先ほどから御指摘があり、お答えしたとおり、その地方公共団体の実態に照らして、ひとつ自由な判断でやってもらいたい。決して中央からかれこれの支配的な指導なんということは一切すべきではない、干渉をすべきではないと、この線を私はひとつはっきり固めておかなければならない。
 それからもう一つは、これもいま御指摘になりましたが、今後の定年なり、年齢の問題、特殊の仕事にある方はどうだ、あるいは定年退職後の生活の問題、こういうことをやはりきめこまかく考えなければならない。こういうことは当然考えなければならない。そういうことをあわせて考えておりまして、まあ根本は、地方公共団体が自由な配慮においてやっていただきたいということだけは、きわめて明確に強く打ち出しておるという考えを持っております。ただこの法律さえつくって、条例さえつくればいいなんという、そんな軽い気持ちを持ってこの法案に対処いたしてはいないということをお答えいたしておきます。
#38
○和田静夫君 自治大臣、本心はやはり定年制というのは要らぬと思っていらっしゃるから、説得力が答弁にないのですよ。全然説得力がないので、お気の毒だと思うのです。自治省は、定年が単なる勤務条件であるとかなり衆議院で強調されて、それを重く見た。したがって公務員制度審議会にもかけなかったわけですけれども、それじゃかりに勤務条件であるとすれば、現在在職しておる職員は、地公法二十八条、二十九条による以外は自己の判断によって行なうという条件で勤務をしている。もちろん当局の干渉はあるとしても、昭和二十六年以降採用された者はその条件で採用されているわけですね。既得権はあるはずですよ。今後採用される人はかりに別にしても、在職者にとっては既得権の低下ではないですか。その点いかがです。
#39
○政府委員(長野士郎君) 地方公務員の勤務条件につきましては条例で定めることになっておりますから、そこで、条例の改正その他によりまして勤務条件の変更があるということは当然に出てくる問題でありますし、地方公務員としても、その点についての認識というものは十分持っているはずでございますが、お話のとおり、現在おる人たちが地方公務員になったとき、そのなった時期が戦前で、戦前から入っている人は定年制はあったかもしれませんけれども、途中でなくなっておりますから、そういう意味で定年制のない時代に入ったというようにお考えいただいてけっこうですが、そういう場合には既得権の侵害になるということでございますけれども、この点につきましては、いま申し上げましたとおり、地方公務員法その他の規定によりまして、勤務条件が条例で定められるということになっておりますから、そういう意味の条例の変更によりまして、勤務条件の内容が変わるということは十分認識をしておるわけです。条例が変わる。あるいはそういうことは、地方公務員法なり何なりの法制度の改正に伴ってそういう問題が起きてくるということにもなるわけであります。
 また同時に、従来から勧奨退職、その他実態の問題から考えましてもいろいろそういう措置があるわけでございますが、一般的な認識としても、定年ということばはことばとしては相当使われていると思うのです。それからまた、そういうことでございますから、私どもは勤務条件の変更ということによって条件が変わってくるということは、私は当然の前提でなければならないというように思っているわけでございまして、既得権の侵害ということにはならないというように考えておりますが、これらにつきましては、民間企業におきましても、労働協約において定年制の定めがなかったということが、その人の終身雇用を約束したり、あるいはまた、その人について定年制を設けないということを意味するものではない。だから将来にわたって定年制を採用しないということを意味するものではないから、定年制ができたといったところで、それが既得権の侵害の問題を生ずるおそれがないという判決もございますが、私どもも考え方の基礎としては、大体似たような考えを持ちますけれども、同時に勤務条件については条例で定める、そういう法の制度のもとに勤務するということが地方公務員の基本的認識であるというように考えますから、その点でも、条例の変更によりまして、勤務条件が変わってくるということは、やはり当然の問題ではなかろうかと思っております。
#40
○和田静夫君 全然話にならぬですね。この間、鎌田公務員部長が秋北バスと言われたのですが、これはどういうように読むか知らぬのですけれども、秋北バス事件の最高裁大法廷の判決論拠に長野さんも鎌田さんもあれされておりますが、全然それは話にならないのですよ。全然公務員と民間労働者との関係というものは、何も整理をせずにあなた方がそんなことを言うのはとても理解できません。そのとおりそれじゃひとつ地方公務員法の解説を書き直してもらいましょうか、逐条。そうして権威あるものを出してください。大笑いになりますよ。ただ、あなた、答弁技術的にここをごまかしていくなんというそういう態度は、私はもう許されないと思う。地方公務員の雇用契約には一定の定めがない。しかし地公法の二十八条の分限に、一定の事由があるときは免職することができる旨を定めているのですね。それじゃ最高裁の判例の趣旨から考えてみて、このことを一体どう解釈するかということです。地方公務員の雇用の期限については、一定の分限事由が発生するまでは雇用は継続されるという合意があるものと理解をされているわけでしょう。そう教えられてきたわけです、地方公務員法の解釈では。そういう合意というのは労働条件の一つなんですよ。いま言われたように、最高裁は、民間の期限の定めのない雇用契約については雇用継続の可能性を認めたものにすぎないと、それは確かにいっておりますよ。しかし公務員の場合は、これは民間とは同視できないことは当然です。なぜなら、民間の場合は、争議権を中心として団結権によって不利益を防ぐことが可能であります。公務員の場合は、労働基本権制限のかわりに、より高度な保障としての法律があるという理解でしょう。法律によって、一定の事由が発生をしない限り免職をされないことを明確に定めておる。自由裁量による免職処分は厳に禁止されていることから考えてみても、公務員の雇用期限については、さっきも言ったが、一定の事由、主として地公法二十八条一項の分限事由が発生するまでは、年齢とかかわりなく公務員が雇用継続を望む以上はその雇用は継続をされる、そう解釈をするのがあたりまえじゃありませんか。当然です。したがって、公務員の雇用期限というものについては、それは明確にその事由が発生をしない限り雇用は継続をされますよ。この雇用の期限についてのいわゆる合意というものを内容としながら、それはもう労働条件だ。そうすれば、一方的に定年制をきめて労働条件を低下させるということは、これはもう許されないのはあたりまえじゃないですか、どうです。
#41
○説明員(鎌田要人君) 公務員の場合には労働基本権の保障がないから、民間の場合には労働基本権があるからということと、ただいまお述べになられました労働契約に定年の定めがないから、それをあとになって定年制をつくることがこの既得権の侵害になるということとは、私は別個の概念であろうと思うわけであります。これは、いまの最高裁の判決が申しておりますのは、労働契約に定年の定めがないということは、生涯雇用を保障しているわけではないという、これはやはり国、地方の公務員あるいは民間労働者を通じて共通の法理といいますか、考え方を明らかにしたものと思うわけであります。
#42
○和田静夫君 それはあなた労働省にかつておられたことがあるので、労働法の趣旨というものをもっとやっぱり社会学的に考察をしながら、労働法規ができ上がってきているところのゆえんというものを考えながら、民法でいうところのいわゆる労働契約と、そして労働法の概念でいうところの労働協約が持っておるところのものを少しまじめに考えてください、まじめに。そんなあなたみたいな、いま言われたような論理というものは、どこから出てくるのですか。就業規則といえども、労働者多数の意思の承認なくしてこれは成り立ちませんわな。そうでしょう。労働協約においては、当然団体交渉権というものが背景にありながらでき上がっています。そのことを保障されていないのですよ、こっちは。そうでしょう。
#43
○政府委員(長野士郎君) 就業規則について職員の多数の意向が反映されているということは、私は、労働基準法にもそういうことになっていますから、そのように承知をいたしております。ここでは労働条件というものが、公務員と民間企業の労働者において、労働条件をきめるきめ方の方式というものが違う。もうそれは御承知のとおりであります。そのきめるきめ方が違うが、それはやはり、国家公務員の場合には法律により、地方公務員の場合には条例によってきめるという根本原則を立てておりますものは、単にそれによって、私どもは、だから団体交渉でないがゆえに非常に不利になるという考え方だけでものを考えておるわけではなくて、やはり公務員の雇用というものの、つまり平たく言えば国民が公務員の使用主である、あるいは地方団体の住民が使用主である、こういう考え方を基本にいたしている反面、また法律による保障といいますか、そういうものも含めた意味合いにおきまして、国民多数の意思によってきめていくという一つの保障制度であるという考え方もあるわけでありますから、そういう意味で、地方公務員においては地方団体の条例においてきめていく、こういうことに相なろうかと思いますが、そういう法制度の中で定年制を設けるという道が開かれ、地方団体としてもその定年制を採用するということが必要であるということの結論に達しまして条例の変更を行なっていくということが起こるという場合には、これはやはりそういう条例変更というものによる規制が出てくるではないかという意味では御指摘のとおりでありますけれども、そういうやはり制度下に公務員制度というものが打ち立てられておるという、こういう原則として御了解を願いたいと思うのでありまして、またそういう勤務条件の変更ということになりますから、その点では職員団体との交渉事項でもありますし、当然に勤務条件の変更というものが出てくるということではなくて、十分職員の意向も反映しながらそういう制度がとられていく、こういうことになるわけでございます。その点でも、私どもはこれをもって既得権の侵害ということは考える必要はないと、こう考えております。
#44
○委員長(内藤誉三郎君) 暫時休憩いたします。
   午後零時三十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時二十五分開会
#45
○委員長(内藤誉三郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 地方公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 休憩前に引き続き質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#46
○和田静夫君 秋北バス株式会社の事件に関連をして、私は次のようなことも言えるのではないかと思うわけです。この事件の最高裁の大法廷判決文は、こういうふうになっているんです。「元来、「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである」が、多数の労働者を使用する近代企業においては、労働条件は、経営上の要請に基づき、統一的かつ画一的に決定され、労働者は、経営主体が定める契約内容の定型に従って、附従的に契約を締結せざるを得ない立場に立たされるのが実情であり、この労働条件を定型的に定めた就業規則は、一種の社会的規範としての性質を有するだけでなく、それが合理的な労働条件を定めているものであるかぎり、経営主体と労働者との間の労働条件は、その就業規則によるという事実たる慣習が成立しているものとして、その法的規範性が認められるに至っているものということができる。」、つまり定年制を定めた秋北バスの就業規則が、定年制を定めたことも含めて、一種の社会的規範としての性質を有するだけでなくて、それが合理的な労働条件が定められているものである限り、その法的規範性が認められていたというところにポイントがあるわけです。ここには明らかに秋北バス株式会社が新たに設けた定年制が社会的規範としての性質を有するだけでなく、それが合理的な労働条件であるという前提があるわけです。そうしてその前提はですね、この判決では労働基準法の就業規則に対する後見的監督によって保障されている、そういう論理構造になっているわけです。しかるに労働基準法は、条例に対して後見的立場を持っておりません。地方公務員は争議権を中心とする労働基本権によってその不利益を防止する保障を持っておりません。とすれば、地方公共団体の条例にゆだねられた定年制が、常に社会的規範としての性質を有するだけでなくて、それが合理的な労働条件であるという保障は一体どこにあるということになりますか。
#47
○説明員(鎌田要人君) お読みになられましたのは、就業規則の法律上の性質の問題でございます。先ほど来申しておりましたのは、労働契約に定年の定めがない、その後において定年制が採用されるに至ったと、それが既得権の侵害になるかどうかというその議論であったように思うわけでございます。したがいまして、私は判例を引用いたしまして、労働契約に定年の定めがないということは、その生涯雇用を保障したものでもなければ既得権を侵害したものでもないという趣旨のことを申し上げたわけでございまして、就業規則の法律上の性質という論議になりますと、これはちょっと先ほどの論議とは焦点が違ってくるのではないかという感じがいたします。
#48
○和田静夫君 いや、感じがいたしますって、私がいま質問したことに答えてもらいたい。さきのやつはどうであろうが、さっきのあなたの答弁についていま言っていないのです。
#49
○説明員(鎌田要人君) 地方公務員の場合におきましては、地方公務員法第二十四条によりまして、この職員の勤務条件、すなわち労働条件は条例で定めるというたてまえをとっております。で、御案内のとおり、地方公務員の労使関係というものにつきましては、労働基準法の第二条の規定の適用を排除されておるわけでございます。すなわち、労使対等の立場に立って労働条件をきめてまいるというこの第二条の規定が排除されておる。それは再々申し上げておりますように、雇用の権利と責任というものが住民全体に帰属する。したがって、住民代表でありますところの議会において条例でもって定める。これがいわゆる労働基本権というものの制約をされておるものに対しまする最良の保障である、こういうふうに考えておるわけでございます。
#50
○和田静夫君 労働基本権というのは一体だれに保障されていますか。
#51
○説明員(鎌田要人君) 労働者であります。
#52
○和田静夫君 そうすると、公務員というのは、あなたに言わせれば、労働基本権の保障というのは全然ないのですか。
#53
○説明員(鎌田要人君) 現行の地方公務員法のもとにおきましては、一般のいわゆる職員、それから警察、消防職員、単純労務、企業職員、あるいは教育職員、それぞれの地方公務員の態様に応じまして、地方公務員法上の職員団体を結成する権利、あるいは地方公務員法上の交渉する権利といいますか、こういったもの、あるいは企業職員なり単労職員につきましては労働組合法上の団結権あるいは団体交渉権、こういうものがそれぞれ保障される。それぞれの職種によりましていわゆる労働基本権の保障の態様は一でないわけでありますけれども、制限的に認められておるということは言えると思います。
#54
○和田静夫君 そうすると、公務員に労働基本権がないという先ほどの言い方というのは間違いだということになりますね。
#55
○説明員(鎌田要人君) 制限されておると申すべきであったと思います。
#56
○和田静夫君 たとえば、現に条例にゆだねられた定年制が、「社会的規範としての性質を有するだけでなく、それが合理的な労働条件」でなくなろうとしている事態が勢いとして起っていると私は思うのです。たとえば女子の若年定年制は民法上無効だという判決がこのほど東京地裁で出た。それにもかかわらず、七月十一日付で大阪地方に出された朝日新聞によると、「女子の若年定年制は民法上、無効だとの判決が、このほど、東京地裁で出た。しかし、地方公務員や教職員ら定年制のないところでは、女子が、男子よりずっと若くてきびしい退職勧奨を受けている。」こういう書き方で始まって、時間もありませんからこの際全部読みませんが、「石川県加賀市などは、男五十七歳、女五十歳の退職勧奨年齢を、定年制条例制定のさい、そのまま定年とする方針。「女子職員は職場の花、お茶くみ的な存在で、男子と同等に扱う必要はない」との理由かららしい。島根県教委も教典の定年制を実施するさいに、男女差を残したいとの意向を」明らかにした。こうなっている。したがって、先ほど私が言ったように、やはり合理的な労働条件でなくなろうとしている事態はこういう形でもって続いていくのではありませんか。
#57
○説明員(鎌田要人君) 現在、地方公務員につきまして勧奨退職が行なわれておるわけであります。その勧奨を行なうにあたりまして、性別によって差をつけておるという事実があることも承知いたしております。ただ、先般もこの席でお答えを申し上げましたように、定年制を条例で定める、制度として定めるということに相なります場合、職種によって年齢の差がある、これはおのずから合理的な理由が認められると思うわけでありますけれども、同一の職種内におきまして性別の差異をつけるということは、これはやはり両性の平等という原則から見て適当ではない、そういうことを明確に申し上げたつもりでございます。また、そういった方針で指導いたしてまいりたい。今後のことでございまするので、そういうように考えております。
#58
○和田静夫君 先ほど自治大臣から答弁もらいましたように、次回の委員会までに、結果的にその指導の要領でどうしても明らかにしなければならぬものを明らかにする、こういう答弁であるわけですが、いまの部分についても、あなたがいかにここで答弁されても、現実に――新聞がすべて正しいとは私言いませんけれども、首長の間では、男子と女子との関係においては一定の年齢の差を設けておこうという意向というものはたいへん明らかです。したがって、一体どういうような条例をつくらせるかということはかなり大きな問題になると思うのでありますが、やはり自主的な裁量の余地を残しておくという形のものであると、必然的に現在勧奨なんかで動いておる年齢水準というものが、男子について女子についてという形で、差別的な形で残っていく危険が十分あると思います。必ずそのことはなくしますか。
#59
○政府委員(長野士郎君) 先ほど公務員部長がお答えいたしましたとおりでございまして、私も前にこの委員会でお答えいたしたと思いますが、同一の職種におきまして、男女の性別によって異なった年齢を、定年制を採用した場合に設けるということは、私どもは平等原則からいたしましてできないことであるというふうに考えております。
#60
○和田静夫君 自治大臣にお尋ねをいたしますが、国家公務員の平均と地方公務員の平均とを単純比較できない。それはきのう人事院に対する質問の前半で、衆議院における野田自治大臣の答弁を読み上げました。そういう中で自治大臣は、幾つかの地方公共団体を個々り取り上げて、五十七歳以上の職員の構成比率を国家公務員の平均と比較をされているわけです。ということは、国家公務員の平均と地方公務員の平均と、同じ平均でも何か違った事情が入ってきているということを示唆していると、こう思うのです。それはどのような事情でしょうか。
#61
○説明員(鎌田要人君) 国の場合には、北海道から鹿児島まで御案内のとおり単一の雇用主であるわけでございますけれども、地方団体の場合には、三千有余の地方団体がそれぞれ職員を雇用し、人事管理を行なっておるわけでございます。したがいまして、全体の平均値を比較するということは意味がないということを先般来大臣が申し上げておるわけでございますが、そこで、個々の団体におきまして、年齢構成の高いところがある。そこの理由は何であろうかというお尋ねであろうと思うわけでございますが、これはおのずからその団体によりまして種々の事情があろうかと思います。たとえば僻村と申しますか、人口急減団体等でございますというと、職員の交代募集がきかない。勢い職員が老齢化する。こういったような事情のところもあろうかと思います。あるいはまた勧奨退職というものの、何と申しますか、実施率と申しますよりも、勧奨退職による離職率というほうがいいと思いますが、この離職率というものが、やはり団体によりましてかなり差がございます。ほとんど一〇〇%というところもございますれば、半分、こういったようなところもあるわけでございまして、そういうものがいわば累積して、年齢構成が高くなっておるという、それぞれの団体の特殊事情というものの累積になっておるのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
#62
○和田静夫君 国家公務員の平均と地方公務員の平均とを単純比較できないということがもし言い得るとするならば、それは地方公務員の場合には、地方公共団体ごとの地域的事情が加味されているということ以外には考えられないわけでしょう。いまそういうことで理解していいわけですね。ということは、見方によったならば、地域ごとの労働力事情その他によって、それなりの理由をもって地方公共団体の年齢構成が存在するということじゃありませんか。
#63
○説明員(鎌田要人君) いまおっしゃいましたとおりの、地域ごとの事情と申しますものがあると思います。その地域ごとの事情というのが、その地域におきまする労働力の需給という事情もございましょうし、あるいはまた人事管理の側面におきまして、先ほど申しました職員の新陳代謝をはかるという必要があっても、そういう努力というものを万全に行なっておらない、こういったような事情もあろうかと思うわけでありまして、いまの地域的な事情、すべてそれあるがゆえに合理的だということにはならないのじゃないかと思う次第であります。
#64
○和田静夫君 先回りされても困るんですがね。合理的である、ないということを言おうと思ったんじゃなくて、それが実情であることは間違いないわけでしょう。
#65
○説明員(鎌田要人君) それはそのとおりであります。
#66
○和田静夫君 そうすると、つまり地方公共団体の年齢構成の全国平均が国家公務員のそれよりも低いということが、われわれはそれを地方公務員が国家公務員より先んじて定年制をしく理由が成立しない一つの重要な実はメルクマールである、そういうふうに思うわけです。大臣の言われましたように何らの意味も持たないというのであったならば、同時にある地方公共団体の年齢構成が国家公務員のそれより高いということは、定年制の必要性という観点から考えてみますと、何らの意味も持たないということです。その特に高い地方公共団体は、その置かれた地域的事情によってそうした年齢構成になっているのですから、一般的にそういうことが言えると私は思いますが、その点いかがですか。
#67
○政府委員(長野士郎君) おっしゃいますように、地方団体はそれぞれの団体が独立して運営の任に当たっておるわけでございますから、そういうことでその全団体を平均した職員構成をとらまえまして、その平均と国家公務員の場合とを比較するということは、それも比較としてはできますけれども、意味をなさないと申しますか、と申しますのは、個々の団体におけるところの職員構成というものは、必ずしも平均値に常に一致しているわけではございません。平均値よりも低いところもあれば、大いに高いところもある、こういうことになるわけであります。そういうことが、個々の団体は国と比べまして規模が小さい、そういうことでございますから、それぞれの行財政運営というものについて、そういう職員構成の不正常なあり方、あるいは仕組みの違いというようなことがありました場合には、それが地方行財政のほうに非常に大きく影響をしてくるということも言えるわけでございまして、そういうことでありますので、平均値同士をくらべるということではなくて、やはり個々の団体の置かれております条件がいろいろあるからそういう職員構成ができているというお話でございますけれども、その条件の中には、当然やむを得ない条件もあると思います。しかしながら、努力をして解決していく条件というものもあると思います。解決がなかなかできにくいということの実態から積み重ねられた、そういう結果もあると思います。いろんな条件があるわけでございまして、一がいには申しがたいわけでございますけれども、やはり勧奨退職等は、一生懸命にやっておりましても結局、勧奨につきまして申しますと、結局は、最終的には、本人の自発的な意思というものがなければ勧奨退職というものは成立しないわけでございますので、そういうことで勧奨が非常に一〇〇%に近く行なわれるところと、行なわれがたいところ、そのおっしゃいます意味は、行なわれがたいところにもやむを得ない事情があるという場合もあるではないかというお話もあろうと思います。そういうこともありますが、同時に行なう必要があっても行なわれがたいという場合もございます。これはあると思います。そういうところについては、やはり合理的な人事管理というものが円滑に行なわれないというようないろんな条件の中から、そういう事情のところがやはり合理的な円滑な退職管理というものを行なっていきましても、そうして計画的な新陳代謝というものを促していきたいというようなところにおきましても、やはり定年制というものを実施することができる道を開いておくということが必要じゃないかというわけでございます。ですから、それぞれの団体における条件というものは、おっしゃいますように、客観的にやむを得ないと言いますか、それ自身がそれだけの客観的に評価してもやむを得ない事情がある、あるいはそのほうがむしろ公務能率の向上のためによろしいのだという場合もあるかもしれない。しかしそういうものは私どもここで問題にするわけにもちろんいかぬわけです。そうでない、やはり当然に合理的な退職管理を行なう、そうして計画的な人事管理を行なうべき必要があっても、それがいろんな事情で行なえないというようなところについては、やはり考えていく必要がある、こう考えているわけでございます。お話のように個々の事情はいろいろございます。合理的なものも合理的でないものもあると思います。
#68
○和田静夫君 大臣が衆議院で言われたように、個々の地方公共団体についてみると、五十七歳以上の職員の構成比が、国家公務員の平均としてのそれより高いものが見られるということは、そしてしかも全体の平均では地方公務員のほうが低いということは、同時に五十七歳以上の職員の構成比において、国家公務員のそれより低い地方公共団体がさらにたくさんあるということが考えられます。そこでお示しいただきたいのですが、五十七歳以上の職員の構成比において、国家公務員のそれより特に高いところと、特に低いところに分けて、都道府県名、市町村名を示してください。
#69
○説明員(鎌田要人君) 五十七歳以上の職員で、都道府県でまず申しますと、国が御案内のとおり三・六%だったと思いますが、それとの関連におきまして四%以上のところをとりますというと、都道府県の場合で、茨城県、埼玉県、東京都、京都府、福岡県の五団体でございます。なお、前後いたしましたが、これは四十二年四月一日現在の数字でございます。それから市の場合におきましては、同じく五百六十五市のうちで百二十一市ございます。で、ちょっとこの市の数が、ちょうどこの紙一ぱいあるわけでございますが、いかがいたしましょうか、後ほどこれで差し上げたいと思いますが。それから町村の場合は、実は悉皆調査をやるには時間的な制約がございまして、各都道府県で十町村、鳥取県だけは五町村でございますので、その四百五十五町村をとったわけでありますが、その七割、町村数にいたして大体七割の町村が四%をこえておるという状態でございます。この町村名につきましても後ほど連絡をさせていただきたいと思います。
#70
○和田静夫君 私がなぜこの点を実はお聞きをしたかといいますと、特に高いところ、特に低いところには、それぞれ共通にそれなりの事情があるのではないかと実は考えたからであります。そしてそこにある一般性を抽出してみたかったのであります。ところで、私は昭和四十三年の一月一日現在の、いまありました埼玉県ですね、埼玉県下における市町村職員の勤続年数段階別高齢者の構成表を持っております。それによりますと、勤続年数十年未満、五十六歳以上の者、これが五百六十三人。総数一万九百六十三人。十年以上二十年未満の者五百五十九人。総数三千百十一人。二十年以上の者二百五十一人。総数一千人。合計で五十六歳以上が千三百七十三人。総数一万五千七十四人のうちです。そうすると、全体に占める五十六歳以上の職員の比率というのは九・一%、相当に高いのですね。だから五十六歳以上の職員のうち、勤続年数十年未満の者の比率は四一%、五十六歳以上の職員のうち勤続年数二十年未満の者八一・七%、こういう状態なんです。まだそのほかに、たとえば栃木のも持っています。一々読みませんが、これなどは大都市周辺市町村の私は特殊性をあらわしている数値を示している、そういうふうにも考えるのです。
 そこでお尋ねをしたいのですが、まず過密とか過疎とか、地域的事情の違いによってその年齢構成、あるいは高齢者の勤続年数において何か特徴は見られないか、あるいは県や大都市、市町村という区別において何か特徴は見られないか、お聞きをしたいと思います。
#71
○政府委員(長野士郎君) おっしゃいますように、この過密過疎につきましては、職員構成に共通な点がないかということでございますが、概して申しますと、過疎地域におきましては、いわゆるこの若年年少者が、学校を卒業いたしますと都市へ向かって就職をするという傾向が現在一般的でございます。したがいまして、市町村の職員として採用を希望するという、そういう希望者というものが非常に少なくなってまいっております。そういう関係で、年齢構成が勢い高くなっていくという傾向とういうものは確かにあると思います。それから過密地域等につきましては、これは一面では職員の年齢構成が非常に低くなっておるところがございます。場所によって、その過密の状況なり、地域の経済発展なりの状況の段階によって、どうも違うように思われますが、非常に低くなっておると申しますのは、つまり男子の職員が別の民間企業その他へ流出をいたしまして、女子職員の構成が高くなる、そういうことから年齢構成が低くなるというような面が一つございます。それからもう一つは、そういう補充が、女子しか補充ができないところは女子職員がたくさん入ってまいりますので、年齢構成が低くなる傾向がございますが、女子ではなくて男女が入ってこられるというようなところ、そういうところもございますが、そういうところも、もっといいほかの就労の機会があるというようなことで、勢い勤続年数が平均して非常に短かくなっておるというような、中途退職者といいますか、中途退職者が出てまいる反面、その逆に中途採用者というもので補充をしていくというようなことが、一番若い層で補充をしていくということがなかなかできない場合に、中高年の人で補充をしていくというような傾向が出てくる。それもできないような場合に女子が多くなるというようなこともございますが、そういう意味で在職年数というものが、やはり社会の変動が非常に大きいところでは、短くなってくるというようなことが一つの特徴だろうと思いますが、その場合に年齢構成が全部若くなっているかというと、必ずしもそうではございません。これはその地域における就労の機会とか、いろいろな条件が多少ずつ違いますから、必ずしもそういうふうにはなっておりませんが、まあいま申しましたような状況がここにあらわれておりまして、概して申しますと、過密地域におきましては、そういう意味で在職年数が非常に短くなっておる。これは一般的な傾向としていえるように思います。
 それから申し落としましたが、府県、市町村という関係でございますが、府県の職員につきましては、従来からいわゆる内規とか慣行によりますところの定年退職というようなものが、従来沿革上も相当行なわれております。それから教育職員にもそういうことが行なわれておりました。そういうことも影響をいたしておると思いますが、府県の場合には、新陳代謝と申しますか、そういうことがわりあいに広く一般化しておりまして、行なわれておる。そういうことからいたしまして、府県の場合の年齢構成というものは一般的に申して必ずしも高くない、こういうことにいえるかと思います。
 それから市につきましては、これは前から申し上げておりましたように、従前は条例による定年制の採用をしておりましたところが市を中心にして多かったわけでございます。こういうところでは、そういう制度がなくなりまして、そうして勧奨退職に切りかえられておる、そういうところでは年齢構成というものが県に比較して高い、一般的に高いといえば、やや一般的に申しても高いと言ってよろしかろう。ただ、大都市その他になってまいりますと、その点は事情が必ずしも一つではございませんが、そういうことが考えられておると思います。それから町村はそれに比較してどうだといえば、さらに町村においては年齢構成が高くなっておるということが一般的に申せるかと思います。
#72
○和田静夫君 いま埼玉の例でも言ったんですが、たとえば、これはまあ五十六歳でありますが、勤続年数二十年未満の者、いわゆる年金受給資格のない者ですね、八一・七%あるわけでしょう。わずか一九%しかまだ年金受給資格はないんですよ。大臣ね、こういう形で首を切っていくという不合理というものを十分に御存じになって、野田自治大臣ともあろう人がこの法律案の提案に賛成されたのかということを、ほんとうに私は、大臣の長い政治的歩みからいって、心底からふしぎに思っているんですよ。私はここに東京都の渋谷区役所のを、最近のものを全部持っています。これを言っても、大体一緒なんです。それはそして多く現業の方々に多い。用務員、給食調理員、警備員、あるいは学童擁護員というような方々のほとんどは年金受給資格がありません。これはもうここの場合、六十歳でやってみても、大体一三%程度しかない。これはたいへんなことなんですよね。そのために再雇用制度なんていうことを言われるんだろうと思いますが、それはあとから私触れますが、その一体容量はどれだけかといいますと、この間も伺ったように、明確にならないんですね。大臣、いかがですか。
#73
○国務大臣(野田武夫君) ただいまの和田さんの御調査の数字からしましても、地域によりましてはいろんな差が出てきております。ことに過密地域の職員におきましては、移動の激しいところはまさにそういうような数字が出てくると思っております。もしも定年制がしかれた場合、いわゆる退職後の生活というものを考えて、やはりできるだけ年金のつくということ、これは一番好ましい状態でございます。そしてほかの仕事で働くと。そこで、いまお示しになりました五十六歳ですか、実は私自身が、幾つということを申しませんが、もう少しだいぶ高い年齢を実は考えているんです、指導する必要がある場合。そこでまあ、非常にランクが違ってまいりますから、これは抽象論になりますから、何もこれを押しつけようとは思っておりませんが、私はまだ五十五や五十六で定年制の年齢の基準にするということは、これは希望でなくて、実態がそうなっております、全体が。だから、そういう年齢が一つのいわゆる人間の年齢の基準になるというふうなことは、そうするとだいぶこの数字が違ってくるものですから、私が重ねて申しますが、抽象論になりますからこれはお取り上げになるかどうかは別として、私はもう少しすべてまだ働いていただきたい。そこで、これは衆議院でもかつて説明いたしております。率直に申しますと、自治省がやはり五十七歳とか八歳とか言っておりましたが、私自身は、今後の推移から考えて、それもどうかというような考え、これは衆議院でも御説明いたしております。そこで、この五十六歳を基準になさったパーセンテージはお聞きしておりまして、やはりこういうことは十分今後われわれ指導する場合の根拠として尊重し、重大な参考としなければいかぬ、こう考えております。そこで、いまお話のありました再雇用するかどうかは別といたしまして、われわれはさらに今後の指導をする立場において非常に参考になる数字だと思います。この数字では、私はできるだけこれは避けたい、こう考えております。
#74
○和田静夫君 非常に単純に考えてみまして、地方公務員の場合に、五十七歳以上の職員の占める比率が、平均で国家公務員よりも低いが、今後は国家公務員よりも著しく高い地方公共団体があるという大臣の前々からの理屈が、もし国家公務員に先立つ今度の法改正の理由だとしたならば、この法改正によってその著しく高い地方公共団体の年齢構成がチェックされるという保証がなければならない。その保証はありますか。
#75
○政府委員(長野士郎君) 年齢構成の高いところ、そしてそういう意味では職員構成の正常でないところを正常化していくということが定年制を採用する必要があるという大きな理由でございますから、そういう意味で年齢構成の不正常な状態におけるところへ必要な場合に定年制を設けるということでございますから、年齢構成の高いものをチェックするといいますか、チェックという意味が、私は逆なことを言っているかもしれませんが、そういうことのために定年制をしくということでございます。それから同時に、その構成比が著しく下がってしまうというようなおそれがないかという御趣旨でございますと、大臣も繰り返し申されておりますが、現在のいろいろな民間の特に定年年齢の延長等の傾向等から考えましても、また現在各地方団体が行なっておりますところのいわゆる勧奨退職の年齢等から考えましても、著しく低いところで定年制をしくというようなことは、これは考えるべきものでもないし、そういう意味で異常に年齢構成に激変を来たすというような形で構成の正常化――極端な正常化的な意図のもとに低いほうにのみ意を用いて考えるということも、私どもは適切なことではないと考えておるのですが、しかし、正常化のために行なうということでございますから、それが目的を達しないということでありますならば、これはやはり定年制そのものを採用する意味がない、こういうことであろうと思います。
#76
○和田静夫君 大臣の提案理由の説明の中には、「民間企業におきましては、職員の新陳代謝を円滑にし、能率を維持向上するため、定年制は広く採用されているものであります。」とあったのです。民間企業との均衡ということもこの法案の提案理由の一つであると考えてよろしいですか。
#77
○政府委員(長野士郎君) 民間企業の均衡といいますよりは、むしろ組織体におきましては、やはりその組織体のこれを構成しておりますところの職員の年齢構成が適正にされ、そして新陳代謝が行なわれていくということが全体としての能率を向上さしていく一つの重要な課題である、重要な一つの要件だということがございますが、そういうことに最も着目しておりますところの企業におきましてこれを広く採用しておるということは、その辺から出ておると思いますが、経営体としての地方団体におきましても、その新陳代謝なり、そうやって組織体の職員構成を正常化し公務能率を向上させるという必要は、企業とは違いますけれども、公務能率の向上という点からいえば、同じような必要性というものは当然に考えられる、こういうことでございまして、その新陳代謝を円滑にし能率を維持向上するという目的で採用しております民間の定年制の意味合いと、それから公共団体において必要なところで採用しようというために道を開こうとしている定年制の意味合いは、その点では共通のものがある、こういうことだと思います。
#78
○和田静夫君 大臣、地公法二十四条ですがね、確かにその第三項には、「職員の給与は、生計費並に国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定めなければならない。」とあります。しかるに、定年制は職員の給与以外の勤務条件と言えます。それについて規定している第五項はどのような条項ですか。
#79
○政府委員(長野士郎君) 二十四条の五項は、「職員の勤務時間その他職員の給与以外の勤務条件を定めるに当っては、国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。」、こういう条文でございます。
#80
○和田静夫君 そうすると、「職員の勤務時間その他職員の給与以外の勤務条件」について規定している第五項が、「国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように」とは言っていても、民間事業の従事者と権衡を失しないようにとは言ってないですよね。この点についてどのように考えられますか。
#81
○政府委員(長野士郎君) この給与につきましては、お話のとおり、「給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。」と書いております。そういう規定がございまして、それから給与以外の勤務条件につきましては、「国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように」と書いております。なぜはずれておるかということでございますが、まあ民間の勤務時間というようなものと、あるいはその勤務条件というものと、公務員としての公務という共通性の場合とを考えました場合には、民間にはいろいろな業態があるわけでありますから、そういう意味で公務員相互間ということを考えておると思うのであります。同時に、地方公務員法には第十四条のような規定がございまして、地方団体が「給与、勤務時間その他の勤務条件が社会一般の情勢に適応するように、随時、適当な措置を講じなければならない。」、こういう情勢適応の原則というものもあるわけであります。全体を通じまして、相互かれこれいたしまして、両方のバランスをとっていくようにと、こういうことが考えられておるんだと思っておりますが、ここの場所におきますところの五項におきましては、やっぱり公務に従事するという面の共通性というものに着目して考えておる、こういうことだと私は思います。しかし、いま申し上げますように、情勢適応の原則等を含めましては、社会情勢一般との関連というものも十分基礎に置いた上での関係を考えておる、こういうことになろうかと思います。
#82
○和田静夫君 たとえば、給与以外の勤務条件については、いわゆる公務員と民間企業との従業員の間に勤務態様において非常な違いがある。そういうために単純に比較できないという面がやっぱり示唆されている、そういうふうに私は理解しているんですが、それは間違いですか。
#83
○政府委員(長野士郎君) 私もそのように思います。
#84
○和田静夫君 そうしますと、職方公営企業職員に適用される単純なる労務に雇用される職員ですね、準用されるところの地方公営企業労働関係法では、その第七条で団体交渉の範囲が規定をされています。定年はその第何号の範疇に入りますか。
#85
○政府委員(長野士郎君) 地方公営企業労働関係法の第七条「団体交渉の範囲」という中におきましては、第四号に「前三号に掲げるもののほか、労働条件に関する事項」、こういう規定がございまして、この中に入るというふうに考えております。
#86
○和田静夫君 自治省の定年というのはいわゆる狭義の分限に入らない、そういう意味ではいかなる意味でも免職ではないという解釈に立っていることなんですから、定年ほどのことがその他の労働条件扱いというのは不自然じゃありませんか。
#87
○政府委員(長野士郎君) この定年というものにつきましては、この公営企業労働関係法等の関係につきましては二つの面が私どもはあると思います。一つは、職員の身分の変更なり職員のあり方についての問題という意味で職員の規律に関する問題、つまり分限、懲戒という関係における規律事項という面がございますが、同時にそれは重大な労働条件であることも間違いございません。そこでもう一つの面における労働条件という面では、当然にこの第七条が団体交渉事項に入ると私ども考えております。これはまあそこに定年制ということを書き加えることが適当じゃないかというお話だと思います。けれども、この問題は立法論の問題としてはいろいろ検討が加えられたわけでございますが、やはりすべての団体に当然定年制というものを採用するということではないわけでありまして、そういう意味でも、そういうところで労働条件という形の中に定年制というものを加えるということはいかがかということで、当然に解釈で含まれるものは含まれるということで、定年制を採用する場合には当然ここに入ってくるということで考えていくほうが穏当ではないかという考え方もございまして、この関係の整理というものを御意見のような形ではいたさなかったのでございます。
#88
○和田静夫君 ちょっと労働省に伺いますが、この法案の作成段階で労働省は合議を受けましたか。
#89
○説明員(保科真一君) 私、職業安定局でございまして、この定年制問題、労政局の所管でございますので、合議を受けたかどうか、私事実を承知しておりません。
#90
○和田静夫君 ちょっと、調べて答弁してください。電話で聞けばわかることでしょう。
#91
○委員長(内藤誉三郎君) ちょっと速記とめて。
#92
○委員長(内藤誉三郎君) 速記起こして。
#93
○和田静夫君 そうすると、もう一つちょっと聞いてもらいましょうかね。たとえば、受けていないとすれば、これは問題なんですが、これだけのものを受けていないとは思わぬのです。受けていたとしたら、労働省はこの法案作成に伴って地公企労法を改正する必要を少しも感じなかったかどうか、あるいは必要を感じて意見を自治省に述べられているかどうか、そのこともあわせて。
 五月十六日の衆議院地方行政委員会において、地方公営企業職員の団体交渉権について次のようなやりとりが行なわれています。「○細谷委員 そうしますと、端的に大臣にお伺いしたいのですけれども、団体交渉できまったものが、そのとおり議会で条例制定がなされなかった場合はどうしますか。」「○野田国務大臣 条例の制定は、これは地方公共団体の自由にまかしておりますから、その場合はやむを得ないと思っております。」「○細谷委員 長野局長、この辺は大臣のことばじゃちょっと足りませんから、この辺を補足していただきたいのです。」「○長野政府委員 いま大臣が申し上げましたのは、団体交渉によりまして交渉の内容が協定として締結されましたときに、もちろんそれに基づきまして八条に書いてありますように、既存の条例に抵触をするというような場合には、必要な条例改正を議会に提案するということに相なるわけでありますが、その条例が議会でそのとおりに議決されなかった場合は、これはいたし方ないということを大臣申し上げたと思うのでございます。もちろん、そういう意味で協定がまとまりました場合には、それに基づきまして議会に条例を提案する、こういうことに相なります。」、こう述べられております。次に続いて「○野田国務大臣 地方自治団体の自主的な判断でやりますが、私どもの常識からいいまして、地方公共団体が職員の意思を全然無視してやる、また対立してやる、これは地方行政というものをストップする傾向がございますから、私どもはやはり地方自治団体を信頼いたしておりまして、そういうトラブルのあるのを解決しないで強引にやるような事態というものは、これはいろいろなケースとしては想定の中には入るかもしれませんが、地方行政の運営上私どもはそういうことは好ましくないことでございます。大体地方自治体がやる場合には、当然常識的な範疇の中でこの問題を取り扱うものだ、こう思っております。」――こういう自治大臣の善意は別といたしましても、協定に基づく条例の否決という事態が最近も鹿児島で起こっておりますけれども、地方公営企業職員の団体交渉権は法律的にはやはり制限されたものであると言うことはできます、としますと、自治省の方々が言われるように、定年年齢を定めるにあたって、同一地方公共団体の職員であっても、職の特殊性によって年齢の差を設けることは可能であるという趣旨からいって、地公労法第八条でいう条例とは、具体的に地公企法二条二項の地公企法適用のための条例、同法四条の公営企業設置のための条例、同法三十八条四項の給与の種類と基準に関する条例に限定すべきではなかったかと私は思うんですがね、少なくとも二十七条の二、二十九条の二は適用除外にすべきであったと思うのですが、これはどうですか。
#94
○説明員(鎌田要人君) 地方公営企業法と地方公務員法あるいは地公労法の三つの相互の関係でございますけれども、御案内のとおり、地方公営企業職員もやはり地方公務員であります関係上、たとえば分限、懲戒、こういったものの規定も地方公務員法の規定は適用されるということに相なっておるわけでございます。そういった意味合いにおきまして、やはり職員の身分の得喪――喪失に関しまする重要な制度でございますところの定年制の条例というものにつきましては、これらとの均衡上当然地方公務員法の規定がかぶってまいるということが自然であろうという判断に立ったわけでございます。
#95
○和田静夫君 いや、判断に立たれたのはいいんですがね、私はさっき申し上げたような形で、どうも地公企労法そのものをいじらないとあなたが言われるような形にはならぬと思うのですがね。
#96
○説明員(鎌田要人君) 私の申し上げましたのは、地方公務員法の中で職員の身分取り扱いに関する規定というものは、現行制度において地方公営企業職員にかぶさっているということを申し上げたわけでございます。当然定年制も職員の重要な身分の取り扱いでございますので、これをかぶせるということはいままでの法制のたてまえからして当然ではないか、こういうことを申し上げているわけでございます。
#97
○和田静夫君 そうすると、この地公企法の二条の二項ですね、それから四条の公営企業設置のための条例ですね、それから三十八条四項の給与の種類と基準に関する条例、これは少なくとも二十七条の二と二十九条の二は適用除外にすべきじゃありませんか。
#98
○政府委員(長野士郎君) 地方公営企業法の関係におきまして、地方公営企業法の企業職員について地方公務員法の適用関係が地方公営企業法の三十九条であるわけでございます。適用関係に特例が設けられておるわけでございますが、その場合の原則といたしましては、やはり労働関係についての面での取り扱いを異にしておる、これが一番の基本でございますが、いま公務員部長申し上げましたように、従来から分限関係とか重大な身分の得喪に関するような事項は、やはり企業職員といいましてもそれは公務員でございますから、そういう意味で、共通の分限、懲戒等の職員の身分取り扱いとか、広義の分限に関する事項は、公務員の秩序維持という制度の趣旨からいたしまして、同一の取り扱いをいたしておるわけでございます。そういう意味で、地方公営企業法の三十九条におきましても、二十七条の関係等につきましては従来から適用があるわけでございます。これはそのままその条例は企業職員にも適用されると、こういうことに相なっておるのでございます。ただ、いまの場合、この定年制に関する問題につきましては、これはもう労働条件の重要な内容でございますから、同時にそれは第七条の団体協約締結事項にぴたっとはまってくる、こういうことで、団体協約に基づきまして、そうしてそれに基づいて条例を提案すると、こういう形に相なる、こういうわけでございます。
#99
○和田静夫君 じゃ厚生省にちょっと。先日も、三菱銀行のサラリーマンの一生は幾らかかるかと試算した結果が公表されました。その際に、この新聞は「サラリーマンの老後は絶望的」という見出しを掲げました。三萩銀行の調査室から全文もらってきてすぐ見たんですが、そこで厚生省にお尋ねをしますが、定年退職者の生活実態を全体的に明らかにできますか。
#100
○政府委員(今村譲君) これは厚生省の社会局でやりますのは、老年者全体の、たとえば農耕に従事する人もあり、あるいは自営業もありというような人方の生活保護・援護の状況とか、あるいは、これは自治省とも関係ありますけれども、均等割りとか、所得割りとか、それから逆算して一体どんな生活状況だろうかというふうな一般のはございますけれども、定年退職そのものについての詳細な調査をいたしたことは実はございません。普通のいわゆる一般国民としての生活実態というのでありまして、ただし、いわゆる定年者の調査とかいうふうな、労働省のいろいろの調査のあることは、私どもも若干いただいております。したがって、公務員あるいは一般の企業関係の定年退職だけの理由による生活実態分析というのは実はやっておらないわけでございます。
#101
○和田静夫君 厚生省はこの法律案合議を受けましたか。
#102
○政府委員(今村譲君) これはあるいは官房でどういうお話があったか知りませんが、ただこれは私社会局長としては直接には承知いたしておりません。ただし、官房筋にはあったかもしれません。しかし、これはどっちかといえばいわゆる公務員という特殊な地位の人の法制なものですから、これは直接には私はなかったのじゃないかというふうに思いますけれども。
#103
○和田静夫君 地方公務員は特殊じゃないんですね。それは決して特殊な職種じゃないんで、裁判官や大学教授じゃあるまいし。これは自治大臣、どうなんですか、合議はされているわけなんですか。
#104
○説明員(鎌田要人君) よその省にお尋ねでございますので控えておったわけでございますが、これは労働省、それから厚生省は、特に例の再雇用職員の共済制度の問題もあるわけでございますから、厚生省その他大蔵省はじめ関係各省に合議をいたしております。
#105
○和田静夫君 そうしますと、たとえば定年退職者の生活実態というのはやっぱりあなたのほうで把握をされる必要がありましょう、当然この合議をされている以上ね。そうして、やっぱりそれらのものの基礎的な判断の上に立たなかったならば、この法律は閣議でもって出すことにはならぬ。それは社会局長、全然その辺のことをつかみようがありませんか。
#106
○政府委員(今村譲君) 仰せのように、社会局という妙な名前でありますけれども、これは直接いまやっているのは、生活保護、低所得層全般に対するいろいろな生活援護というふうな問題を担当いたしておりますので、できるならばそれは、たとえば勤労者、雇用関係に入っている人、あるいは自営業、あるいは農林漁業というふうな階層といいますか、職業別に生活の実態、しかもこれは定年ですから年令階層別の問題も一つありますから、そこまで割って今後とも勉強せなければならぬというふうに思っておりますが、現在のところは定年退職者というだけの調査は申しわけございませんがいたしておりませんが、今後はいろいろそういう方向にまで分析しなければならぬというふうに思っております。
#107
○和田静夫君 ちょっと総理府にお尋ねをいたしますが、昭和三十九年九月に閣議決定をされた、そうして総理府に設置をされました中高年齢者雇用促進連絡会議、これはどのような思想に基づいておりますか。
#108
○説明員(葛西嘉隆君) お尋ねの連絡会議でございますが、この考え方は、いわゆる中高年齢者の雇用促進。中高年齢者と申しますのは、これは三十五歳以上で、当時から年齢によりまして非常に労働力の需給がアンバランスで、つまり若年者は非常に求めがたい、しかし中高年齢者はなかなか再就職はむずかしい、若年者を中心に将来は労働力の不足ということも予想される、こういう事態にかんがみまして、中高年齢者の就職、雇用を促進しなければいかぬ、それは民間企業のみでなくて、官公庁――この場合は国、地方公共団体、あるいは公社、公団、事業団等でございますが、そういう公の機関におきましても、人を雇うという立場におきまして、民間企業に先がけて、やはりこの中高年に適した職種につきましてはできるだけたくさん中高年の者をその職に充てるという趣旨で、こういう中高年齢者の雇用促進の具体策を関係省庁の間で協議するということで三十九年に置かれております。
 なお、これはその後、中高年に適した職種とか、それからその職種について何%ぐらい雇用するかという雇用率でございますが、そういうものをこの会議で決定しておりましたが、その後昭和四十三年になりまして、職業安定法に基づきまして、そういった雇用率等が職業安定法に基づいて省令、政令等で法令上はっきりした制度に格づけされましたので、この連絡会議は一応目的を達したということで四十三年五月に廃止されております。
#109
○和田静夫君 いわゆる設置をしたときの思想に照らして、いまの時点で地方公務員に定年制を設けるについてはどのようにお考えになりますか。
#110
○説明員(葛西嘉隆君) この連絡会議の趣旨は、申し上げましたように、三十五歳以上の中高年齢者に適した職種にはなるべく中高年齢者をもって充てる、こういう考え方でございまして、したがいまして、職種も三十四ばかりに限定されております。そういうものについてはなるべくそういう者を充てよ、こういう趣旨でございますので、いまの定年問題ということには直接的には関連してまいらないかと思います。
#111
○和田静夫君 適した職種の中に、地方公共団体に関係をする職種はございますか。
#112
○説明員(葛西嘉隆君) これは地方公共団体に関係する職種も当然入っております。
#113
○千葉千代世君 関連。労働省に伺いますけれども、ちょうど四年くらい前でしたか、人材銀行というのを設置いたしましたね、安定局のほうで。その状況はどうなっておりますか。というのは、おもに定年でやめた民間の方あるいは官公庁につとめた方の再就職の状況というのが非常に率が悪いということを、その翌年か翌々年に聞いたわけであります。現に、私どもの知った方も紹介して、ずいぶんそこに行ったのです。手に職のある者、たとえば大会社の技術関係にいた方とか、そういう方ですと、わりあいに就職がいいのですけれども、事務系統にいた方ですというと、まずほとんどできにくい状態だ。それも、いま総理府でおっしゃったように、三十五とか四十とかならまだ別ですけれども、五十五過ぎた者あるいは六十近い者になりますと、これはなかなかない。かりにありましても、官公庁につとめていた方ですというと、あんた恩給もらっているでしょう、その足りない分くらいしか出せないとか、まことに低賃金もひどいところに逃げられてしまうということで、いろいろ条件を合わせていきますというと、本人の希望した賃金と希望した職業というものはなかなか得られなかったという実情を私は聞いたし、調べもいたしましたのですが、この一、二年の状況はどうなんですか。
#114
○説明員(保科真一君) 人材銀行でございますが、一番最初に設立いたしましたのは、東京、名古屋、大阪の三ヵ所に設立いたしました。四十二年の七月でございます。昨年は広島と福岡に設立いたしました。本年度七月から仙台、札幌に開所したいと思います。開所以来ことしの五月末までの取り扱い状況でございますが、求人が五ヵ所合わせまして一万六千八百三十、おいでになりました求職者が二方六千八百十、就職されました就職件数が六千七百九十四というような状況で、就職率が二五・三%になっております。年齢別に見ますと、やはりこの人材銀行の取り扱い対象といたしまして、四十歳以上の方という要件をつけておりまして、特に経営管理的な知識を持っていらっしゃる方、あるいは技術的な腕を持っていらっしゃる方、そういう方々のお世話をすることにしております。年齢別に見ますと、四十代の就職率が三一・七%、五十代の方が二五%、六十以上の方が一五%というような状況でございます。
#115
○和田静夫君 一九六二年のILO第四十六回総会報告で、モース事務総長は、「労働からの早すぎる引退は、いかなる共同社会にとっても損失であり、かつ、経済的社会的前進に対する障害である。したがって、それは仮借なき力をもって戦われる必要がある。理想としては、働き続けることを欲し、かつ働く能力のある者は、それに適する雇用を得、かつ、保持することができねばならない。」と指摘していますが、これについての自治大臣の見解を承りたいと思います。基本的には賛成ですか。
#116
○国務大臣(野田武夫君) いまのILOの考え方をお示しになりましたが、できるだけ適所適材と申しますか、また一般の労働におきましても、これはできるだけの働く道を、まあ何と申しますか、途中で終わらないで働らかしたらいいということだと思います。ただ、それが一つの理想ということは、よくわかります。ただ、この場合において、働くということと、その職種によっての働きぐあいと、いま言われる一つの社会的損失なんということばがありますから、これはもうできるだけそのほうの働き方を制限させずに働かしたらいいと、こういうことは一つの原則として私もわかります。ただ、定年制とそれがどうくっつくかという御質問になるかと思いますが、私の感じを申し上げますが、これは私は、地方団体という組織体で人事管理上から考えるということとそのいまの原則とどうマッチしていくか、それが一般のいわゆる人類の損失ということからくると、いわゆる公共の意味において、地方公共団体の行政能力というものを考える必要が一つある。またそれが社会公共との関係はどうなるか、そこらをいろいろ分析いたしました限り、原則は私は、それはできれば一番いいと思いますけれども、しかし、分析いたしますと、やっぱりそういうものも人事管理上考えるということも一つの考えじゃないか、こう私の感じを申し上げておきます。
#117
○和田静夫君 しかも、このILOの同じ総会で、大臣、モース事務総長は、百二十の加盟国のうち日本だけを取り上げてこう言っているのです。「日本の多くの産業および職業では、退職年令が比較的低いが、このことは老令労働者および社会一般にとって多くの重大な問題を提起している。」、このことに対する反省が御存じのとおり政府部内でも起こってきているときに、なぜ自治省だけがこんなにも定年制にこだわらなければならないのか、どうしても理解できませんがね。いま大臣人事管理上というようなことを言われましたけれども、地方公務員法について言ってしまえば、定年制以外にもっと重要で急いでやらなければならないものがたくさんあるのですがね、いかがですか。
#118
○国務大臣(野田武夫君) まあモース事務総長のは、つまり日本の労働関係において定年制の年齢が低いのは遺憾だということであろうと思います。私も、繰り返して申しますと、その点を指摘されたことは当然私ども反省しなければならぬことと思う。現状から見ると、一応現在行なわれている定年制の年齢が低過ぎると、これはしかしそういうことは常識じゃないかと思います。これについてわれわれは、モース事務総長のことばは間違っておると思っておりません。ただここで、先ほど申しましたとおり、やはり定年制の年齢というものはとこまで引き上げるか――これはひとり今度の地方公務員の定年制だけでなくて、全体の、この問題は大きな労働条件、労使関係をやっぱりお互いに考えることであって、一つの示唆になるのではないかと思っております。したがって、非常に私が繰り返し申すのはそこでございます。今日、先ほども中高年齢層のいろいろな労働関係のお話ありましたが、特に最近は、これと直接関係あろうがあるまいが、今日の場合、若年労働と中高層の労働関係というものは、たいへんこれは、一つの労働問題としてだけでなくて、社会問題としても考えていかなければならない。これらのことが、われわれのこの定年制を審議するにあたり、また将来もしこれが審議の結果成立しました場合に、私ども自治省としても、これらに対する一つの指導精神といいますか、考え方といいますか、こういうものは十分これをしんしゃくしてやるべきじゃないか、こう考えております。
#119
○和田静夫君 昭和四十一年の六月十四日にILO八十七号条約が批准発効したわけですけれども、これに明らかに違反をして、公務員制度審議会もその答申で指摘をして、政府もこれを尊重する約束をした部分があるわけです。それは、現行法では登録条件に合わずに登録されない職員団体でも法人格が取得できるように政府がすみやかに検討すべきであるという点であります。それ以外にも、たとえば公営企業職員など法体系を越えた職員を加入させた職員団体、あるいは公営企業組合等と職員団体との連合体、あるいは自治体を越えた職員団体または連合体は登録をされません、法律上その取り扱いに差別があるので、ILO八十七号第一条、第三条、第七条等に違反をすることが論議をされて、昨年の秋にはILOから答弁を求められておりますね。これらは優先的に改正を要するのじゃないかと思うのですが、地方公務員法の改正案を出されながら、なぜこの部分には触れられないのですか。
#120
○説明員(鎌田要人君) ただいまお述べになりました登録団体と非登録団体、現実の交渉その他において差別のある取り扱いをいたしておらない、こういったことで政府は答弁をいたしておるわけでございます。
 なお、いまお述べになりました一連の問題につきましては、現在開催中の公務員制度審議会、ここにおいて取り上げられる機会もあることでありましょうし、その結論を待って法的な措置というものの必要があれば考える、こういうことに相なると思います。
#121
○和田静夫君 これはもうすでに公務員制度審議会の答申で指摘をしていますよね。ちょっとうしろのほう、もう少し正確に教えなければだめじゃないの。そんなでたらめな答弁をされては困っちゃう。
#122
○政府委員(長野士郎君) 職員団体の登録職員団体とそうでないものとの取り扱い、これにつきましてはいろいろ検討しなきゃならない問題が残っておるではないかというお話でございます。それは確かに、そういう面ではそのとおりだと思います。ただまあ、職員団体の登録の制度は、またこれは関係各省それぞれ関係があるわけでございますが、まず随時そういうことについての検討もいたしておりますが、結局、同一の勤務実態に立脚する職員のみを構成員とする職員団体につきましては、そういうものについて当局が交渉を行ないますことが職員の労働問題というものを最も円滑に、また効率的に解決するために適当だと、こういうまあ考え方、そういう考え方に基づきましてこれを確認をし、交渉しようとする、そういう制度だということでございますが、ただいま公務員部長が申し上げましたように、その他の関係におきましては、それ以外の職員が入っておりますところの組織あるいは連合体というようなものも、現実のまあそういう労使関係の交渉というものについての地位に何ら差別を設けておるものじゃない、そういうことで、まあ関係各省と申しますか、政府側の考え方がいま大体一応統一されておるというかっこうでございまして、その後の検討はなお今後続けていこうというようなことになっておりまして、まだその結論を見るというところまで至っておりません。
#123
○和田静夫君 そうすると、やっぱり法的には整備されていく、そういうふうにいまの答弁は理解をしていいけでわすか。
#124
○政府委員(長野士郎君) 関係の連絡会議におきましては、現在のところは、まだ法的に整備をするという結論に達しておるわけではございません。まだいまのところは、登録団体と非登録団体というものの扱いにつきまして、やはり現状の扱いというものもわが国の状況から考えてそれなりに合理性があるという意見が強うございまして、まだ改革をするために検討を進めるべきだというような結論には至っておりません。
#125
○和田静夫君 労働省、伺いますがね、政府は国会で、日本経済は今後少なくとも五年間一〇%以上の成長を続けると言明をした。まあ内閣総理大臣と大蔵大臣が言ったものだから、大蔵官僚がびっくりしちゃったという話がありますけれども、とにかくそう言ったことは間違いないですね、今後の労働力事情の見通しについて承りたいんですが。
#126
○説明員(保科真一君) 労働力需給の見通しでございますが、先生御承知のように、労働力需給がだんだん逼迫してまいりまして、今後の労働力需給をあらまし申し上げますと、今後新規学卒労働力が毎年毎年減少してまいります。一方、人口構成が高齢化するというような問題もございまして、労働力の量、質の面におきまして変革が進んでまいるというように見通されます。で、新規学卒を中心といたしまして若年労働力がますます少なくなりまして、中高年齢労働力が就職難という問題は今後も続くものというような予想が一応されるわけでございます。で、求人も、最近の経済成長に伴いまして雇用需要が非常にふえてまいりましたので、中高年齢層の就職問題でございますが、これも近年就職率その他を見ますと非常に改善の傾向がございます。こういうような状況で今後推移するのではないかというようなことを考えておるわけでございます。
#127
○和田静夫君 最近民間企業も定年制を延長する傾向にありますよね、時代とともにそうお認めになって、このことに関してはたいへんいい答弁出ているんですがね、ああいうものを設けないと言えばそれにこしたことないんだけれども、その実情はどうですか。
#128
○説明員(保科真一君) 最近三年間におきまして定年制を改定いたしました企業の割合でございますが、約九%というような調査になっております。内容といたしましては、五十五歳の定年を五十六歳ないし五十七歳に延長したというのが最も多うございます。中小企業におきましては、六十歳に延長したというようなものもございますが、五十六歳あるいは五十七歳への延長というのが多いような状況でございます。その定年後の中身でございますが、勤務期間の延長あるいは再雇用の形態をとったというような形式で定年延長したという例が多い状態でございます。
#129
○和田静夫君 昭和四十二年の三月に労働省は雇用対策基本計画をお出しになりましたね。その中で、中高年齢者はどのように位置づけられて、雇用政策はどのようなものとされていますか、たいへん膨大なあれが出てますけれどもね。
#130
○説明員(保科真一君) 昭和四十二年におきます雇用対策基本計画の中の中高年齢者の問題についてどのように取り上げておるかということでございますが、大要を申し上げますと、中高年齢者の需給の見通しにつきましては、かように見ておるわけでございます。労働力人口の年齢構成は、昭和三十年代を通じまして次第に高齢化する傾向がございましたけれども、この傾向は、四十年代特に後半にはさらに高齢化の傾向が進むのではないかというような見通しでございます。で、昭和五十年度におきましては、四十歳以上の人が昭和四十年度に比べまして五百万人ぐらい増加するのではないかというような需給の見通しでございます。これに対しまして雇用の問題でございますが、わが国特有の雇用・賃金慣行等もございまして、雇用需要が若年労働力に片寄っているというような点もございますので、中高年齢者がその能力を有効に発揮できるような職種あるいは職業へのあっせんというものを今後強化してまいらなければならないというようなふうに対策の基本をいたしまして、計画といたしまして、中高年齢者の適正能力を十分発揮できるような調査研究の推進、それから中高年齢者の能力についての再認識の徹底、さらに職業に対する適応性の増進あるいは適職の開拓等をはかりまして、中高年の雇用を進めてまいりたい。で、具体的な方策といたしましては、公共職業安定所を通ずる中高年齢者の就職あっせん体制を強化いたしますとともに、中高年齢者が事業主のほうでも雇いいいように、また中高年齢者の方が十分適職につけるように、きめのこまかい職業指導、職業紹介をやっていくというような計画が第一でございます。
#131
○和田静夫君 労働省の法規課長見えられたようですから、先ほどの質問にちょっと答えていただきたいのですが。
#132
○説明員(大塚達一君) 御質問の趣旨は、地方公務員法の改正に際して労働省に協議ありや、またその協議の際に地方公営企業労働関係法との関係で地方公労法の改正について検討したか、こういう御趣旨のように伺っております。で、答弁させていただきます。
 私ども、先般来の定年制に関連する地方公務員法改正につきましては、自治省との間でしばしば協議もし、またその際に合議を受けております。で、私どものほうでいろいろ検討したわけでございますが、地方公労法との関係につきましては、従来地方公労法の団交事項の中に、地方公労法第七条の労働条件につきましては団体交渉事項になっておるわけでございます。これについて、従来は定年制は地方公務員法全体の法体系の中から制度自体が規定されておったわけでございます。そういう意味で、団体交渉事項にはなっていないという解釈をとっておったわけでございますが、それについて地方公務員法を改正し、地方公務員についての定年制の制度を条例によって設けることが認められるというような制度がとられることになれば、当然地方公労法上は団体交渉事項になる、そういう意味において特段地方公労法の改正というようなことを必要とするというふうには考えなかったわけでございます。
#133
○和田静夫君 時間が経過しますから何ですが、さっきもまあ具体的に問題提起を実はしていますから、あとで自治省と一ぺん相談して労働省の見解私に教えてくれませんか。どうも自治省の側の答弁納得いかないのですがね。まあいまあまり時間とってもあれですから、今国会中に教えてくださいよ、終らぬうちに、八月五日までの間に、相談してもらって、そういうふうにしてください。
#134
○説明員(大塚達一君) 御質問の趣旨がちょっとわかりませんので即答はいたしかねますけれども、よく自治省と相談いたして御返事できるように努力いたします。
#135
○和田静夫君 質問は自治省にしてありますからね。本来労働省に求めたかった質問ですけれども、全体的な労働力事情、それに対応する政府としての全体的な雇用政策、そういう立場に立って、今回の地方公務員に定年制をしくことについて労働省はどのような見解をお持ちになりますか。
#136
○説明員(大塚達一君) その労働省として定年制についていかなる考えを持つかという御質問でございますが、いま実は私突然参りました際には、地方公労法との関係についてということなんで、私の所掌分野は、地方公労法との関係について所掌いたしておりまして、定年制そのものについてはまた担当者が変わりますので、ここで私からお答えするのはいかがかと、実はちょっとちゅうちょをいたす次第でございます。
#137
○和田静夫君 これはどうですか、雇用対策の面からいって、いまのことについては、どうせあんた、労働省、定年制の運用の問題点、定年制、それから雇用対策基本計画、こんなに書かれていて、まあ一応は読ましてもらいましたけれどもね、書かれているのですから、定年制問題というのは非常にいま労働省重要な問題でしょう。それいま私の基本的な政策について答えられないということにならぬと思うのですよ、主要な立場にいらっしゃる方々ですから。担当が違うというて、合議がなされないはずないでしょう、どうですか。たいへん無理ならば、また次の機会に考えますけれども。
#138
○説明員(保科真一君) 先ほども、定年制の延長につきまして、現状につきまして、大略お答え申し上げました。民間企業におきまして定年制延長の動きがございます。かような民間企業におきます定年制の延長の動きについては、これは労働力問題あるいは高齢者の方々の生活の安定の問題から見て好ましい方向だということで、助長するようにつとめておる次第でございます。ただ、定年制を設けるかいなかという問題になりますと、問題はまた別になりますので、定年制の延長というのは雇用政策上見まして好ましいことだというふうに考えております。
#139
○和田静夫君 最後のところどう言われたのですか、好ましい……。
#140
○説明員(保科真一君) 定年制の延長の傾向が民間企業にございますが、このような傾向につきましては、高齢者の生活の安定、あるいは労働力全体の問題から見ましても、かような傾向は助長する方向に指向すべきだというふうに考えております。
#141
○和田静夫君 それだから、いわゆる定年制というのはこう延びていってよろしい、そして労働省としては、将来にわたっては定年制は発展的にはなくなるほうがよろしい、そういうように考えておるのですか。
#142
○説明員(保科真一君) そういうふうにおとりいただくとちょっとあれなんでございますが、現在の五十五歳で――民間の定年制は五十五歳が多いわけでございますが、五十五歳の定年というのは、これは現在の労働力構成、あるいは五十五歳の方は非常に元気な方でございますから、五十五歳の定年制というのはあまりに早いのじゃないか、これが五十六、五十七に延長していく傾向は望ましい方向ではないかというふうに考えておるわけでございますが、一体それではどの程度が望ましいかということになりますと、これは社会保障との問題もございますし、軽々な判断はできない問題だと思います。ただ、定年制を廃止しろという方向では考えておりません。延長するという方向は望ましいと思いますが、定年制そのものをやめろという指導は全然しておりませんし、その問題はまた別の問題だと思っております。
#143
○和田静夫君 何べんも言いませんけれども、たとえば、かってはわれわれは五十歳になったら大体死ぬ、それがだんだん延びてきている。それでいま、言ってみれば、労働省の立場とすれば、六十五歳なら六十五歳、いわゆる年金との関係において民間の定年制はそこまでいくのが、社会保障的な立場のことを裏づけする意味ではそこまで必要だ、やはり期待をしたいと、こうなりましょう。それから公務員の立場でいけば、アメリカ公務員のいわゆる定年が持っているような七十歳なら七十歳というところのものが合理的になってくる。六十五歳が七十歳になる。将来もう、今日月に行く時代ですから、われわれはこんなつまらぬ論議をしているのじゃなくて、やはり百歳までという――そうすれば上限はなくなっていくということですよ、結果的に。一定の年齢で縛っていくということは基本的に誤まりだというところへ、年齢がずっと上限がいくということを、そのことを将来的には意味していますよね。たいへん長い将来を考えた場合に、われわれは不老長寿という状態になるかもしれない。
#144
○説明員(保科真一君) この問題は、実は年齢で画するのは問題だと思うのでございますが、先生が六十五歳とおっしゃるのもわかりますけれども、六十歳で厚生年金の支給資格もございますので、その問題を考えなければいかぬと思います。問題は、どの辺までを労働力と見て国が労働力対策を立てるべきか、どの辺から社会保障の問題として考えるべきかというような問題でございますけれども、年齢にこだわりません私どもの職業安定機関の立場といたしましては、働く能力のある方は働いていただこうということで紹介あっせんにつとめております。あくまで御本人の能力なり体力に応じまして、働く希望のある方には職業安定所でできるだけ就職あっせんをしております。
#145
○委員長(内藤誉三郎君) 暫時休憩いたします。
   午後四時十五分休憩
ソース: 国立国会図書館
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